JP2023517325A - 転写調節性ヌクレオチド配列及び使用方法 - Google Patents

転写調節性ヌクレオチド配列及び使用方法 Download PDF

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Abstract

構成的プロモーター活性を有する核酸及び植物において目的のポリヌクレオチドを発現させるための構成的プロモーター活性を有するかかる核酸の使用が本明細書に記載される。【選択図】図1

Description

構成的プロモーター活性を有する核酸及び植物において目的のポリヌクレオチドを発現させるための構成的プロモーター活性を有するかかる核酸の使用が本明細書に記載される。
表現型的特徴(例えば生産性又は品質)を変更及び/又は改良するための植物の改変は、植物組織における内因性遺伝子の過剰発現若しくは下方調節又は異種遺伝子の発現を必要とする。そのような遺伝子改変は、必要とされるように遺伝子発現を駆動及び制御するための手段の利用可能性に依拠する。実際に、遺伝子改変は、植物において有効な、及び植物において所望の効果を与えるように遺伝子発現を調節する好適なプロモーターの利用可能性及び使用に依拠する。
1つの態様において、目的のポリヌクレオチドの発現を調節するための組換え遺伝子であって、配列番号1若しくは配列番号2に記載される核酸配列に対して少なくとも80%同一である構成的プロモーター活性を有する核酸又はその機能性断片を含む、組換え遺伝子が本明細書に記載される。一部の実施形態において、構成的プロモーター活性を有する核酸は、配列番号1又は配列番号2に記載されるヌクレオチド配列に対して少なくとも80%(若しくは少なくとも90%、95%、98%、若しくは少なくとも99%)の又はより高い同一性を有する。一部の実施形態において、構成的プロモーター活性を有する核酸は、配列番号1又は配列番号2に記載される核酸配列を含む。
組換え遺伝子は、一部の実施形態において、構成的プロモーター活性を有する核酸に作動可能に連結された少なくとも1つの目的のポリヌクレオチドを更に含む。一部の実施形態において、目的のポリヌクレオチドは、除草剤抵抗性コード配列、殺虫性コード配列、殺線虫性コード配列、抗微生物性コード配列、抗菌性コード配列、抗ウイルス性コード配列、非生物及び生物ストレス抵抗性コード配列、又は植物形質、例えば収率、穀物品質、栄養分含有量、デンプン品質及び量、窒素固定及び/若しくは利用、並びに油含有量及び/若しくは組成を改変する配列である。一部の実施形態において、目的のポリヌクレオチドは、構成的プロモーター活性を有する核酸に対して異種である。
別の態様において、本開示は、本明細書に記載される組換え遺伝子を含むベクターを提供する。一部の実施形態において、ベクターは発現ベクターである。
別の態様において、本開示は、本明細書に記載される組換え遺伝子又はベクターを含む宿主細胞を提供する。一部の実施形態において、宿主細胞は植物細胞である。
別の態様において、本開示は、本明細書に記載される組換え遺伝子若しくはベクター又は本明細書に記載される構成的プロモーター活性を有する異種核酸を含む植物又は植物部分又は種子を提供する。一部の実施形態において、植物又は植物部分又は種子は単子葉植物又は植物部分である。一部の実施形態において、植物又は植物部分又は種子は双子葉植物又は植物部分又は種子である。一部の実施形態において、植物又は植物部分は、組換え遺伝子について半接合性である。一部の実施形態において、植物又は植物部分は、組換え遺伝子についてホモ接合性である。
別の態様において、本開示は、宿主細胞において目的のポリヌクレオチドを発現させる方法であって、(a)本明細書に記載される構成的プロモーター活性を有する核酸、組換え遺伝子又はベクターを宿主細胞に導入又は提供することを含む、方法を提供する。一部の実施形態において、宿主細胞は植物細胞である。一部の実施形態において、目的のポリヌクレオチドによりコードされる蓄積されたタンパク質の検出可能な量は、抽出された総可溶性タンパク質(total soluble protein)の約0.01%~1.15%(又は約0.05%~1.15%、又は約0.1%~1.15%、又は約0.5%~1.15%、又は約1%~1.15%)である。「総可溶性タンパク質(TSP)」という用語は、本明細書において使用される場合、典型的には機械的破砕により促されるタンパク質定量化のために好適な緩衝液中への可溶化が可能な全てのタンパク質を指す。
別の態様において、本開示は、植物又は植物部分又は種子を製造する方法であって、(a)本明細書に記載される構成的プロモーター活性を有する核酸、組換え遺伝子又はベクターを植物細胞に導入すること、及び(b)植物又は植物部分を前記植物細胞から再生させることを含む、方法を提供する。一部の実施形態において、組換え遺伝子の2つ又はより多くのコピーが植物細胞に導入される。
別の態様において、本開示は、植物において殺有害生物活性を提供する方法であって、殺有害生物タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む組換え遺伝子を植物の宿主細胞に導入又は提供することを含む、方法を提供する。一部の実施形態において、殺有害生物タンパク質は殺虫タンパク質である。一部の実施形態において、組換え遺伝子の2つ又はより多くのコピーが植物細胞に導入される。
図1は、配列番号1 (P-bdc16-1.2)に記載される構成的プロモーター活性を有する核酸及び昆虫耐性遺伝子を含む、プラスミドpBay02059の構成要素を描写する。1つの実施形態による発明の一態様を図示する。 図2は、実施例2に記載される、配列番号2 (P-bdc16-1.3)、配列番号3 (P-bdc16-1.4)及び配列番号4 (P-bdc16-1.5)にそれぞれ記載される配列番号1 (P-bdc16-1.2)の様々な欠失バリアントの模式図を提供する。 図3は、配列番号1、2、3、及び4に記載されるヌクレオチド配列に作動可能に連結された場合の昆虫耐性遺伝子の発現のレベルを示すグラフを提供する。 図4は、プロモーターP-bdc16-1.2(配列番号1)の由来となるネイティブなダイズglyma13g33190についての発現データ(RNA-seq)を示すグラフである。 図5は、2つのダイズ栽培品種(成熟群(MG3)及び成熟群8(MG8))の一次形質転換体(T0)における総可溶性タンパク質(TSP)当たりの発現された昆虫耐性遺伝子パーセントを示す棒グラフである。 図6は、2つのダイズ栽培品種(MG3及びMG8)の一次形質転換体(T0)において発現された総可溶性タンパク質(TSP)当たりの発現された昆虫耐性遺伝子パーセントを示す散布図である。 図7は、2つのダイズ栽培品種(MG3及びMG8)におけるpBay02059ベクターからのT1分離事象の1又は2コピーとしての総可溶性タンパク質(TSP)当たりの発現された昆虫耐性遺伝子パーセントを示す棒グラフである。 図8は、MG3ダイズ栽培品種におけるpBay02059ベクターからのT1分離事象の1又は2コピーとしての総可溶性タンパク質(TSP)当たりの発現された昆虫耐性遺伝子パーセントを示す散布図である。 図9は、MG8栽培品種におけるpBay02059ベクターからのT1分離事象の1又は2コピーとしての発現された総可溶性タンパク質(TSP)当たりの発現された昆虫耐性遺伝子パーセントを示す散布図である。
本開示は、植物細胞、植物、又は植物部分又は種子において作動可能に連結された目的のポリヌクレオチドの構成的な転写/発現を指令する構成的プロモーター活性を有する単離された核酸、及び構成的プロモーター活性を有する前記核酸を含む組換え遺伝子を提供する。本発明は、配列番号1又は配列番号2に記載される核酸配列を含む構成的プロモーター活性を有する核酸及びその機能性断片は植物において構成的プロモーター活性を有し、目的のポリヌクレオチド(例えば、殺虫タンパク質をコードするポリヌクレオチド)の適度な発現レベルを提供するという発見に基づく。そのような適度な発現は、植物に対して有害作用(例えば、毒性)を有さずに殺虫剤として有効に働くようなレベルでタンパク質、例えば昆虫耐性タンパク質/殺虫毒素が発現されることを可能とする。
1つの態様において、目的のポリヌクレオチドの発現を調節するための組換え遺伝子であって、配列番号1若しくは配列番号2に記載される核酸配列に対して少なくとも80%(又は少なくとも90%、95%、98%、若しくは少なくとも99%)同一である構成的プロモーター活性を有する核酸又はその機能性断片を含む、組換え遺伝子が本明細書に記載される。一部の実施形態において、構成的プロモーター活性を有する核酸は、配列番号1又は配列番号2に記載される核酸配列を含む。
本明細書において使用される場合、「プロモーター活性を有する核酸」はプロモーターのヌクレオチド配列を指す。
「その機能性断片」という用語は、本明細書において使用される場合、配列番号1又は配列番号2に記載される構成的プロモーター活性を有する核酸よりも短い長さであるが配列番号1又は配列番号2に記載される構成的プロモーター活性を有する核酸の活性を保持する核酸配列を指す。例えば、一部の実施形態において、構成的プロモーター活性を有する核酸の機能性断片は、少なくとも850bp、少なくとも900bp又は少なくとも1000bp)の長さのヌクレオチド配列を含み、構成的プロモーター活性を有する核酸の活性を保持する。
発現ベクター
本発明の別の目的は、本発明の組換え遺伝子を含むベクターに関する。
「ベクター」という用語は、ファージ、プラスミド、ウイルス又はレトロウイルスベクター、並びに人工染色体、例えば細菌又は酵母人工染色体を包含する。更に、この用語はまた、ターゲティング構築物のゲノムDNAへのランダムな又は部位特異的な組込みを可能とするターゲティング構築物に関する。そのようなターゲット構築物は、下記に詳細に記載される相同又は異種組換えのための十分な長さのDNAを含む。本発明のポリヌクレオチドを包含するベクターは、宿主中での繁殖及び/又は選択のための選択マーカーを含んでもよい。ベクターは、当該技術分野において周知の様々な技術により宿主細胞に組み込まれてもよい。宿主細胞に導入される場合、ベクターは細胞質中に存在してもよく、又はゲノムに組み込まれてもよい。後者の場合、ベクターは、相同組換え又は異種挿入を可能とする核酸配列を更に含んでもよいことが理解されるべきである。ベクターは、従来の形質転換又はトランスフェクション技術を介して原核又は真核細胞に導入され得る。「形質転換」及び「トランスフェクション」、コンジュゲーション及び形質導入という用語は、本明細書の文脈において使用される場合、外来核酸(例えばDNA)を宿主細胞に導入するための当該技術分野において周知の多数の方法を含むことが意図され、該方法としては、リン酸カルシウム、塩化ルビジウム若しくは塩化カルシウム共沈殿、DEAEデキストラン媒介性トランスフェクション、リポフェクション、天然コンピテンス、炭素ベースクラスター、化学媒介性移入、エレクトロポレーション又は粒子衝撃(例えば、「遺伝子銃」)が挙げられる。植物細胞を含めて、宿主細胞の形質転換又はトランスフェクションの好適な方法は、Sambrook et al. (Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989)及び他の実験室マニュアル、例えばMethods in Molecular Biology, 1995, Vol. 44, Agrobacterium protocols, Ed.: Gartland and Davey, Humana Press, Totowa, New Jerseyに見出され得る。代替的に、プラスミドベクターは、熱ショック又はエレクトロポレーション技術により導入されてもよい。ベクターがウイルスである場合、それは、宿主細胞への適用の前に適切なパッケージング細胞株を使用してin vitroでパッケージングされてもよい。レトロウイルスベクターは複製コンピテント又は複製欠陥性であってもよい。後者の場合、ウイルスの繁殖は、一般に、補完性宿主/細胞においてのみ起こる。
本明細書において言及されるベクターは、クローニングベクターとして好適であってもよく、即ち微小生物システム中で複製可能であってもよい。そのようなベクターは、細菌、酵母又は真菌中での効率的なクローニングを確実とし、植物の安定な形質転換を可能とする。言及すべきものとして、特に、T DNA媒介性形質転換のために好適な様々なバイナリー及び共組込み型ベクター系である。そのようなベクター系は、原則として、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介性形質転換のために要求される少なくともvir遺伝子、及びT-DNAを区切る配列(T-DNA境界)を含有することを特徴とする。これらのベクター系はまた、更なるシス調節領域、例えばプロモーター及びターミネーター並びに/又は好適な形質転換された宿主細胞若しくは生物が同定され得る選択マーカーを含んでもよい。共組込み型ベクター系は同じベクター上に構成されたvir遺伝子及びT DNA配列を有するが、バイナリー系は少なくとも2つのベクターに基づき、そのうちの1つはvir遺伝子を有するがT-DNAを有さず、第2のベクターはT DNAを有するがvir遺伝子を有しない。帰結として、最後に記載されたベクターは相対的に小さく、操作が容易であり、大腸菌(E. coli)及びアグロバクテリウムの両方において複製され得る。バイナリーベクター及びそれらの使用の概要は、Hellens et al, Trends in Plant Science (2000) 5, 446-451において見出され得る。更には、適切なクローニングベクターを使用することにより、本発明の組換え遺伝子は宿主細胞又は生物、例えば植物若しくは動物に導入され得るため、植物、例えばPlant Molecular Biology and Biotechnology (CRC Press, Boca Raton, Florida), chapter 6/7, pp. 71-119 (1993); F.F. White, Vectors for Gene Transfer in Higher Plants; in: Transgenic Plants, vol. 1, Engineering and Utilization, Ed.: Kung and R. Wu, Academic Press, 1993, 15-38; B. Jenes et al., Techniques for Gene Transfer, in: Transgenic Plants, vol. 1, Engineering and Utilization, Ed.: Kung and R. Wu, Academic Press (1993), 128-143; Potrykus, Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Molec. Biol. 42 (1991), 205 225において刊行、及び引用されるものの形質転換において使用され得る。
本発明のベクターは発現ベクターであり得る。そのような発現ベクターにおいて、組換え遺伝子は、真核細胞又はその単離された画分中での発現を可能とする上記に特定されるような構成的プロモーター活性を有する核酸を含む。発現ベクターはまた、本発明の組換え遺伝子に加えて、転写エンハンサーの他に翻訳エンハンサーを含む更なる調節エレメントを含んでもよい。発現ベクターはまた遺伝子移入又はターゲティングベクターであってもよい。ウイルス、例えばレトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、又はウシパピローマウイルスに由来する発現ベクターは、標的化された細胞集団への本発明の組換え遺伝子又はベクターの送達のために使用されてもよい。当業者に周知の方法を使用して組換えウイルスベクターを構築することができる。例えば、Sambrook, Molecular Cloning A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (1989) N.Y.及びAusubel, Current Protocols in Molecular Biology, Green Publishing Associates and Wiley Interscience, N.Y. (1994)に記載される技術を参照。
好適な発現ベクター骨格は、当該技術分野において公知の発現ベクター、例えばOkayama-Berg cDNA発現ベクターpcDV1 (Pharmacia)、pCDM8、pRc/CMV、pcDNA1、pcDNA3 (Invitrogene)又はpSPORT1 (GIBCO BRL)に由来してもよい。典型的な融合発現ベクターの更なる例は、pGEX (Pharmacia Biotech Inc; Smith, D.B., and Johnson, K.S. (1988) Gene 67:31-40)、pMAL (New England BioLabs、Beverly、MA)及びpRIT5 (Pharmacia、Piscataway、NJ)であり、これらにおいて、それぞれグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合性タンパク質及びプロテインAが、発現されるべきタンパク質をコードする目的の核酸と融合している。pTrcベクターの標的遺伝子発現は、宿主RNAポリメラーゼによるハイブリッドtrp-lac融合プロモーターからの転写に基づく。pET 11dベクターからの標的遺伝子発現はT7-gn10-lac融合プロモーターの転写に基づき、これは共発現されるウイルスRNAポリメラーゼ(T7 gn1)により媒介される。このウイルスポリメラーゼは、lacUV 5プロモーターの転写制御下のT7 gn1遺伝子を有する内在性l-プロファージから宿主株BL21 (DE3)又はHMS174 (DE3)により提供される。酵母S.セレビシエ(S. cerevisiae)中での発現のためのベクターの例は、pYepSecl (Baldari et al. (1987) Embo J. 6:229-234)、pMFa (Kurjan and Herskowitz (1982) Cell 30:933-943)、pJRY88 (Schultz et al. (1987) Gene 54:113-123)及びpYES2 (Invitrogen Corporation、San Diego、CA)を含む。他の真菌、例えば糸状菌における使用のために好適なベクター及びベクターの構築方法は、van den Hondel, C.A.M.J.J., & Punt, P.J. (1991)“Gene transfer systems and vector development for filamentous fungi、Applied Molecular Genetics of fungi, J.F. Peberdy et al., Ed., pp. 1-28, Cambridge University Press: Cambridge、又はMore Gene Manipulations in Fungi (J.W. Bennett & L.L. Lasure, Ed., pp. 396-428: Academic Press: San Diego)に詳細に記載されるものを含む。更なる好適な酵母ベクターは、例えば、pAG-1、YEp6、YEp13又はpEMBLYe23である。
一部の実施形態において、組換え遺伝子を含む本明細書に記載されるベクター(又は複数のベクター)は、好適な生物、即ち発現宿主中で繁殖及び増幅される。一部の実施形態において、ベクターの1コピーが好適な生物中で繁殖及び増幅される。一部の実施形態において、2つ又はより多く(例えば、3、4、5、6 7、8又はより多く)のコピーのベクターが好適な生物中で繁殖及び増幅される。
「組換え遺伝子」という用語は、本明細書において使用される場合、直鎖状又は環状の核酸分子を指す。それは、適切な宿主細胞中での特定のヌクレオチド配列の発現を指令する能力を有するDNA配列及びRNA配列を包含する。一般に、それは、目的のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含み、これは、場合により、終結シグナル及び/又は他の調節エレメントに作動可能に連結されている。本発明の組換え遺伝子は、本明細書において定義される構成的プロモーター活性を有する核酸を含むことを特徴とする。組換え遺伝子はまた、ヌクレオチド配列の適切な翻訳のために必要とされ得る配列を含んでもよい。コード領域は、通常、目的のタンパク質をコードするが、目的の機能的なRNA、例えばアンチセンスRNA又は非翻訳RNAをセンス又はアンチセンス方向においてコードしてもよい。目的のポリヌクレオチド配列を含む組換え遺伝子はキメラであってもよく、つまり、その構成要素のうちの少なくとも1つは、その他の構成要素のうちの少なくとも1つに対して異種であってもよい。組換え遺伝子はまた、天然に存在するが異種発現のために有用な組換え形態において得られたものであってもよい。組換え遺伝子は全体的に細胞外で(例えば、組換えクローニング技術により)組み立てられてもよい。しかしながら、組換え遺伝子はまた、部分的に内因性構成要素を使用して組み立てられてもよい。例えば、組換え遺伝子は、内因性配列の上流にプロモーター配列を置き(又は挿入し)、内因性配列はそれにより機能的に連結され、前記プロモーター配列により制御されるようにすることにより得られてもよい。同様に、発現されるべき核酸配列は、内因性プロモーター配列の下流に置かれ(又は挿入され)、それにより組換え遺伝子が形成されるようにしてもよい。別の実施形態において、そのような組換え遺伝子は、目的のヌクレオチド配列に連結された転写開始領域を含む。そのような組換え遺伝子は、調節領域の転写調節下となるように目的の遺伝子の挿入のための複数の制限部位と共に提供されてもよい。組換え遺伝子は追加的に選択マーカー遺伝子を含有してもよい。カセットは、転写の5'-3'方向において、植物において機能的な転写及び翻訳開始領域、目的のDNA配列、並びに転写及び翻訳終結領域を含む。終結領域は、転写開始領域とネイティブであってもよく、目的のDNA配列とネイティブであってもよく、又は別の供給源に由来してもよい。好都合な終結領域は、A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)のTi-プラスミドから利用可能であり、例えばオクトピンシンターゼ及びノパリンシンターゼ終結領域並びに以下に記載されるその他のものである(Guerineau 1991; Proudfoot 1991; Sanfacon 1991; Mogen 1990; Munroe 1990; Ballas 1989; Joshi 1987も参照)。組換え遺伝子はまたマルチクローニングサイトを含むことができる。そのような場合、マルチクローニングサイトは、転写調節配列と共にマルチクローニングサイトに導入されるべきポリヌクレオチドの機能的な連結を可能とするような方式で構成されてもよい。上述の構成要素に加えて、本発明の組換え遺伝子は、相同組換えのために要求される構成要素、即ち標的座位の隣接ゲノム配列を含んでもよい。しかしながら、以下に定義されるように、構成的プロモーター活性を有する核酸から本質的になる組換え遺伝子もまた意図される。
「作動可能に連結された」又は「機能的に連結された」という用語は、1つの核酸配列の機能が他の核酸配列により影響されるような単一の核酸断片上の複数の核酸配列の関連性を指す。例えば、調節DNA配列がコードDNA配列の発現に影響する(即ち、コード配列又は機能的なRNAがプロモーターの転写制御下にある)ように2つの配列が位置している場合に、調節DNA配列は、RNA又はポリペプチドをコードするDNA配列に「作動可能に連結されている」又は「関連している」といわれる。コード配列は、センス又はアンチセンスの配向性で調節配列に作動可能に連結され得る。
「プロモーター」という用語は、本明細書において使用される場合、RNAポリメラーゼ及び適切な転写のために要求される他の因子のための認識を提供することによりコード配列の発現を制御する、通常はそのコード配列の上流(5')にある、ヌクレオチド配列を指す。「プロモーター」としては、調節エレメントが発現の増強のために付加される、一部の場合にはTATAボックス及び転写開始の部位を指定するために役立つ他の配列から構成される、短いDNA配列である最小プロモーターが挙げられる。「プロモーター」はまた、最小プロモーター及び調節エレメントを含み、コード配列又は機能的なRNAの発現を制御する能力を有する、ヌクレオチド配列を指す。この種類のプロモーター配列は、近位及びより遠位の上流のエレメントからなり、後者のエレメントは多くの場合にエンハンサーと称される。よって、「エンハンサー」は、プロモーター活性を刺激することができ、プロモーターの先天的なエレメント、又はプロモーターのレベル若しくは組織特異性を増強するために挿入される異種エレメントであってもよい、DNA配列である。それは、両方の配向性(通常又は反対)において作動する能力を有し、プロモーターの上流又は下流のいずれかに移動された場合であっても機能する能力を有する。エンハンサー及び他の上流プロモーターエレメントの両方は、それらの効果を媒介する配列特異的なDNA結合性タンパク質に結合する。プロモーターは、それらの全体がネイティブな遺伝子に由来してもよく、又は異なるエレメントから構成されてもよく、天然に見出される異なるプロモーターに由来してもよく、又は合成DNAセグメントから構成されてもよい。
プロモーターはまた、タンパク質因子の結合に関与するDNA配列を含有してもよく、該タンパク質因子は、生理学的又は発生条件に応答して転写開始の有効性を制御する。「開始部位」は、転写される配列の部分である第1のヌクレオチドの周囲の位置であり、第1のヌクレオチドは+1位としても定義される。この部位に対して遺伝子及びその制御領域の全ての他の配列が番号付けされる。下流の配列(即ち、3'方向における更なるタンパク質コード配列)は正に命名され、上流の配列(大抵は5'方向における制御領域)は負に命名される。上流の活性化の非存在下で不活性であるか、又は大きく低減されたプロモーター活性を有するプロモーターエレメント、例えばTATAエレメントは、「最小」又は「コア」プロモーターと称される。好適な転写因子の存在下で、最小プロモーターは転写を許容するように機能する。「最小」又は「コア」プロモーターはそのため、転写開始のために必要とされる全ての基礎エレメント、例えば、TATAボックス及び/又はイニシエーターのみからなる。
「構成的プロモーター」という用語は、本明細書において使用される場合、植物の全ての又はほぼ全ての発生ステージの間に植物組織の全て又はほぼ全てにおいてオープンリーディングフレーム(ORF)を発現することができるプロモーターを指す。転写活性化エレメントの各々は絶対的な組織特異性を呈しないが、転写が最も活発である植物組織において到達される少なくとも1%のレベルで殆どの植物組織において転写活性化を媒介する。「構成的発現」は、構成的プロモーターを使用する発現を指す。
本明細書において使用される場合、「シス調節エレメント」又は「プロモーターモチーフ」という用語は、遺伝子発現の全体的な制御の一態様を付与するシス作用性転写調節エレメントを指す。シスエレメントは、転写因子、すなわち転写を調節するトランス作用性タンパク質因子に結合するように機能してもよい。一部のシスエレメントは1つより多くの転写因子に結合し、転写因子は、1つより多くのシスエレメントと異なる親和性で相互作用してもよい。本発明のプロモーターは、望ましくは、遺伝子発現を付与又はモジュレートできるシスエレメントを含有する。シスエレメントは多数の技術により同定することができ、該技術としては、欠失分析、即ち、プロモーターの5'末端若しくは内部から1つ以上のヌクレオチドを欠失させること; DNase Iフットプリンティング、メチル化干渉、電気泳動モビリティシフトアッセイ、ライゲーション媒介性PCRによるin vivoゲノムフットプリンティング、及び他の従来のアッセイを使用するDNA結合性タンパク質分析;又は従来のDNA配列比較方法による公知のシスエレメントモチーフを用いるDNA配列類似性分析が挙げられる。シスエレメントの微細な構造は、1つ以上のヌクレオチドの突然変異誘発(若しくは置換)又は他の従来の方法により更に研究され得る。シスエレメントは、化学合成により、又はそのようなエレメントを含むプロモーターからの単離により得ることができ、それらは、部分配列のマニピュレーションを促すための有用な制限酵素部位を含有する追加の隣接ヌクレオチドと共に合成され得る。
核酸分子又はDNAに関して「異種」という用語は、天然では作動可能に連結されていないか、又は天然では異なる位置において作動可能に連結されている第2の核酸分子に作動可能に連結されているか、又は作動可能に連結されるように操作される核酸分子を指す。例えば、本発明のプロモーターは、その天然の環境においてそのネイティブなコード配列に機能的に連結されている一方、本発明において、それは、同じ生物、異なる生物又は合成のコード配列に由来し得る別のコード配列に連結されている。本発明のプロモーターの制御下のコード配列は、その配列が例えば突然変異、例えば挿入、欠失等により操作されている結果、前記コード配列の天然配列が改変されており、したがって本発明のプロモーターに対して異種となっている場合に、前記プロモーターに対して異種であることが追加的に理解されるべきである。更には、構成的プロモーター活性を有する核酸は、合成であるか、別の交雑不可能な生物(トランスジェニック)に由来するか、別の交雑可能な生物(シスジェニック)に由来するか、又は同じ生物に由来するがその天然のゲノム局在性が対照植物(シスジェニック)、例えば野生型植物と比較して変更されている場合に、それを含む植物、植物部分又は種子に対して異種である。変更されているゲノム局在性は、構成的プロモーター活性を有する核酸が、野生型植物におけるその天然のゲノム局在性から、別の染色体上に位置するか、又は同じ染色体上に位置するが、10kb若しくはより大きく、例えば10kb、好ましくは5kb若しくはより大きく、例えば5kb、より好ましくは1000bp若しくはより大きく、例えば1000bp、よりいっそう好ましくは500bp若しくはより大きく、例えば500bp、特に好ましくは100bp若しくはより大きく、例えば100bp、最も好ましくは10bp若しくはより大きく、例えば10bp離れていることを意味することが理解されるべきである。
宿主細胞中での発現
別の態様において、宿主細胞において目的のポリヌクレオチドを発現させる方法であって、本明細書に記載される組換え遺伝子又はベクターを宿主細胞に導入すること及び宿主細胞において目的のポリヌクレオチドを発現させることを含む、方法が本明細書に記載される。
「発現」という用語は、本明細書において使用される場合、植物における内因性遺伝子、ORF若しくはその部分、導入遺伝子又はシス遺伝子の転写及び/又は翻訳を指す。例えば、アンチセンス構築物の場合、発現は、アンチセンスDNAのみの転写を指すことができる。追加的に、発現は、センス(mRNA)又は機能的なRNAの転写及び安定な蓄積を指す。発現はまたタンパク質の産生を指すことができる。
プロモーター(エンハンサーあり又はなし)の「発現パターン」は、植物中のどこにおいて及びどの発生ステージにおいて転写が前記プロモーターにより開始されるのかを示す、発現レベルのパターンである。プロモーターのセットの発現パターンは、1つのプロモーターの発現パターンが他のプロモーターの発現パターンと殆どオーバーラップを示さない場合に、相補的(complementary)であるといわれる。プロモーターの発現のレベルは、標準的な転写されるレポーターmRNAの「定常状態」濃度を測定することにより決定され得る。この測定は間接的であり、その理由は、レポーターmRNAの濃度はその合成速度だけでなく、mRNAが分解される速度にも依存するからである。したがって、定常状態レベルは、合成速度及び分解速度から生じる。分解の速度は、しかしながら、転写される配列が同一である場合に固定された速度で進行すると考えることができ、そのためこの値は合成速度の指標として役立ち得る。プロモーターがこのようにして比較される場合、当業者に利用可能な技術は、ハイブリダイゼーションS1-RNAse分析、ノーザンブロット及び競合的RT-PCRである。技術のこのリストは決して全ての利用可能な技術を表すものではなく、むしろmRNAの転写活性及び発現レベルを分析するために使用される、一般的に使用される手順を記載する。実際的に全てのプロモーターにおける転写開始点の分析は、転写が開始される単一の塩基は通常なく、むしろその各々がmRNAの何らかの開始点を説明する開始部位の多かれ少なかれクラスター化されたセットがあることを明らかにしている。この分布はプロモーター毎に異なるため、集団の各々におけるレポーターmRNAの配列は互いに異なる。各々のmRNA種は多かれ少なかれ分解を受けるため、異なるレポーターmRNAについて単一の分解速度を予想することはできない。開始部位周囲の配列(「イニシエーター」)はその特異的なプロモーターにより指令されるRNA発現のレベルの決定において重要な役割を果たすことが様々な真核性プロモーター配列について示されている。これはまた、転写される配列の部分を含む。レポーター配列へのプロモーターの直接的な融合はしたがって最適以下の転写のレベルに繋がる。発現パターン及びレベルを分析するための一般的に使用される手順は、細胞におけるタンパク質蓄積の「定常状態」レベルの決定を通じたものである。当業者に公知の、レポーター遺伝子のために一般的に使用される候補は、ベータ-グルクロニダーゼ(GUS)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)及び蛍光特性を有するタンパク質、例えばオワンクラゲ(Aequora victoria)からの緑色蛍光タンパク質(GFP)である。原理的に、しかしながら、必須の植物機能に干渉しない限り、更に多くのタンパク質がこの目的のために好適である。局在性の定量化及び決定のために多数のツールが適している。検出システムは容易に創出可能であるか、又は例えば、免疫化学、酵素、蛍光検出及び定量化に基づくものが利用可能である。タンパク質レベルは、タンパク質発現のin situ分析を使用して植物組織抽出物又はインタクトな組織において決定され得る。一般に、1つのキメラプロモーターレポーター構築物を有する個々の形質転換株は、レポーター遺伝子の発現のレベルにおいて異なり得る。そのような形質転換体がいかなる検出可能な生成物(RNA又はタンパク質)も発現しない現象もまた頻繁に観察される。発現における可変性は一般的に「位置効果」に帰せられるが、この不活性の基礎となる分子的機序は通常明確でない。
目的のポリヌクレオチドの発現は、様々な周知の技術により、例えば、国際公開第02/102970号に記載されるようなノーザンブロット又はin situハイブリダイゼーション技術により決定され得る。
核酸
「核酸」という用語は、本明細書において使用される場合、糖、ホスフェート、及びプリン又はピリミジンのいずれかである塩基を含有する単量体(ヌクレオチド)から構成される、一本鎖又は二本鎖のいずれかの形態のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド及びそれらのポリマーを指す。特に限定されない場合、該用語は、参照核酸と類似した結合特性を有し、天然に存在するヌクレオチドと類似した方式で代謝される、天然ヌクレオチドの公知のアナログを含有する核酸を包含する。他に指示されなければ、特定の核酸配列はまた、明示的に指示される配列の他に、その保存的に改変されたバリアント(例えば、縮重コドン置換)及び相補的配列を暗黙的に包含する。特に、縮重コドン置換は、1つ以上の選択された(又は全ての)コドンの第3の位置が混合型塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換された配列を生成することにより達成されてもよい(Batzer 1991; Ohtsuka 1985; Rossolini 1994)。「核酸断片」は所与の核酸分子の部分である。高等植物において、デオキシリボ核酸(DNA)は遺伝材料であり、リボ核酸(RNA)は、DNA内に含有される情報のタンパク質への移行に関与する。「ヌクレオチド配列」という用語は、DNA又はRNAポリマーへの組込みが可能な合成の、非天然の又は変更されたヌクレオチド塩基を場合により含有する、一本鎖又は二本鎖であり得るDNA又はRNAのポリマーを指す。「核酸」又は「核酸配列」という用語はまた、遺伝子、cDNA、DNA及び遺伝子によりコードされるRNAと交換可能に使用され得る。
「単離されたDNA」と交換可能に使用される「単離された核酸」は、本明細書において使用される場合、その長さ及び配列にかかわらず、その天然のゲノムの状況において存在しない核酸を指す。単離されたDNAは、例えば、ゲノムの状況から物理的に分離されたDNA、例えばゲノムDNAの断片を指すことができる。単離されたDNAはまた、人工的に製造されたDNA、例えば化学的に合成されたDNA、又は例えば増幅反応、例えば当該技術分野において周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して製造されたDNAであることができる。単離されたDNAは、それが天然に存在しないDNAの状況に存在するDNAを更に指すことができる。例えば、単離されたDNAは、プラスミド中に存在するDNA片を指すことができる。更に、単離されたDNAは、それが天然に存在する状況とは別の染色体状況中に存在するDNA片、例えば天然の位置とは別のゲノム中の位置にあるもの、それが天然に存在する種とは別の種のゲノム中にあるもの、又は人工染色体中にあるものを指すことができる。
構成的プロモーター活性を有する野生型核酸の活性を保持する構成的プロモーター活性を有する核酸の核酸バリアントもまた意図される。「バリアント」という用語は、配列(例えば、ポリペプチド又は核酸配列、例えば本発明の構成的プロモーター活性を有する核酸)に関して本明細書において使用される場合、実質的に類似した配列を意味することが意図される。天然に存在するアレルバリアント、例えばこれらのものは、周知の分子生物学技術、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びハイブリダイゼーション技術の使用と共に同定され得る。
バリアントヌクレオチド配列としてはまた、合成的に誘導されたヌクレオチド配列、例として、例えば部位特異的突然変異誘発を使用することにより生成されるものが挙げられる。一般に、本発明のヌクレオチド配列バリアントは、配列番号1若しくは配列番号2に記載されるネイティブな(野生型若しくは内因性)ヌクレオチド配列又はその機能性断片に対して少なくとも70%、例えば、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、一般に少なくとも80%、例えば、81%~84%、少なくとも85%、例えば、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%及び99%のヌクレオチド配列同一性を有する。
本明細書において使用される場合、2つの核酸又はポリペプチド配列の文脈における「配列同一性」又は「同一性」という用語は、指定される比較ウインドウにかけて最大の対応関係のためにアライメントされた場合に2つの配列中の同じである残基に言及する。配列同一性のパーセンテージがタンパク質に関して使用される場合、同一でない残基位置は多くの場合に保存的アミノ酸置換により異なり、アミノ酸残基は、類似した化学的特性(例えば、電荷又は疎水性)を有する他のアミノ酸残基で置換され、したがって分子の機能的特性を変化させないことが認識される。配列が保存的置換において異なる場合、配列同一性パーセントは、置換の保存的性質について訂正するために上方に調整されてもよい。そのような保存的置換により異なる配列は、「配列類似性」又は「類似性」を有するといわれる。この調整を行うための手段は当業者に周知である。典型的には、これは、完全なミスマッチではなく部分的なミスマッチとして保存的置換をスコア付けし、それにより配列同一性パーセンテージを増加させることを伴う。そのため、例えば、同一のアミノ酸が1のスコアを与えられ、非保存的置換が0のスコアを与えられる場合、保存的置換は0~1のスコアを与えられる。保存的置換のスコア付けは、例えば、プログラムPC/GENE (Intelligenetics、Mountain View、Calif.)において実装されるように算出される。
ポリヌクレオチド配列の「実質的な同一性」という用語は、標準的なパラメーターを使用して記載されるアライメントプログラムの1つを使用して、ポリヌクレオチドが、参照配列と比較して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、又は79%、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、又は89%、少なくとも90%、91%、92%、93%、又は94%、及び少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する配列を含むことを意味する。コドン縮重、アミノ酸類似性、及びリーディングフレームの配置等を考慮に入れることにより2つのヌクレオチド配列によりコードされるタンパク質の対応する同一性を決定するためにこれらの値は適切に調整され得ることを当業者は認識する。
ヌクレオチド配列が実質的に同一であることの別の指標は、2つの分子がストリンジェントな条件(下記を参照)下で互いにハイブリダイズするかどうかである。一般に、ストリンジェントな条件は、定義されるイオン強度及びpHにおける特有の配列の熱的融点(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。しかしながら、ストリンジェントな条件は、本明細書において他に適格であるようなストリンジェンシーの所望の程度に依存して、約1℃~約20℃の範囲内の温度を包含する。ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一である場合に、依然として実質的に同一である。これは、例えば、遺伝コードにより許容される最大コドン縮重を使用して核酸のコピーが作出される場合に、起こり得る。2つの核酸配列が実質的に同一であることの1つの指標は、第1の核酸によりコードされるポリペプチドが、第2の核酸によりコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性である場合である。
核酸ハイブリダイゼーション実験、例えばサザン及びノーザンハイブリダイゼーションの文脈における「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」及び「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件」は配列依存的であり、異なる環境上のパラメーターの下で異なる。Tmは、標的配列の50%が完璧にマッチしたプローブにハイブリダイズする(定義されるイオン強度及びpHの下での)温度である。特異性は、典型的には、ハイブリダイゼーション後の洗浄の関数であり、不可欠な因子は、最終の洗浄溶液のイオン強度及び温度である。DNA-DNAハイブリッドについて、Tmは、Meinkoth and Wahl, 1984の式から近似され得る:
Tm = 81.5℃+16.6(log10 M)+0.41(%GC)-0.61(% form)-500/L
式中、Mは一価陽イオンのモル濃度であり、%GCはDNA中のグアノシン及びシトシンヌクレオチドのパーセンテージであり、% formはハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドのパーセンテージであり、Lは塩基対中のハイブリッドの長さである。Tmは、各々の1%のミスマッチについて約1℃低減され、そのため、Tm、ハイブリダイゼーション、及び/又は洗浄条件は、所望の同一性の配列にハイブリダイズするように調整され得る。例えば、>90%の同一性を有する配列が求められる場合、Tmを10℃減少させることができる。一般に、ストリンジェントな条件は、定義されるイオン強度及びpHにおける特有の配列及びその相補体の熱的融点Iよりも約5℃低くなるように選択される。しかしながら、著しくストリンジェントな条件では、熱的融点Iよりも1、2、3、又は4℃低いハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を利用することができ、中程度にストリンジェントな条件では、熱的融点Iよりも6、7、8、9、又は10℃低いハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を利用することができ、低ストリンジェンシー条件では、熱的融点Iよりも11、12、13、14、15、又は20℃低いハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を利用することができる。上記の式、ハイブリダイゼーション及び洗浄組成物、及び所望のTを使用して、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄溶液のストリンジェンシーにおける可変性が本来的に記載されることを当業者は理解する。所望の程度のミスマッチが45℃未満(水性溶液)又は32℃未満(ホルムアミド溶液)のTを結果としてもたらす場合、より高い温度が使用され得るようにSSC濃度を増加させることが好ましい。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範なガイドは、Tijssen, 1993に見出される。一般に、高ストリンジェントなハイブリダイゼーション及び洗浄条件は、定義されるイオン強度及びpHにおける特有の配列の熱的融点Tmよりも約5℃低くなるように選択される。
高ストリンジェントな洗浄条件の例は、72℃で約15分間の0.15MのNaClである。ストリンジェントな洗浄条件の例は、65℃で15分間の0.2X SSCでの洗浄である(SSC緩衝液の説明について、下記のSambrookを参照)。多くの場合に、高ストリンジェンシーの洗浄に先行して、バックグラウンドプローブシグナルを除去するために低ストリンジェンシーの洗浄が為される。例えば100個より多くのヌクレオチドの、デュプレックスの例示的な中ストリンジェンシーの洗浄は、45℃で15分間の1X SSCである。例えば100個より多くのヌクレオチドの、デュプレックスの例示的な低ストリンジェンシーの洗浄は、40℃で15分間の4~6X SSCである。短いプローブ(例えば、約10~50ヌクレオチド)について、ストリンジェントな条件は、典型的には、約1.5M未満、より好ましくは約0.01~1.0Mの、pH 7.0~8.3でのNaイオン濃度(又は他の塩)の塩濃度を伴い、温度は、典型的には、少なくとも約30℃、長いプローブ(robes)(例えば、>50ヌクレオチド)のために少なくとも約60℃である。ストリンジェントな条件はまた、不安定化剤、例えばホルムアミドの添加と共に達成されてもよい。一般に、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて無関連のプローブについて観察されるものよりも2Xの(又はより高い)シグナル対ノイズ比は、特異的なハイブリダイゼーションの検出を指し示す。ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコードするタンパク質が実質的に同一である場合に、依然として実質的に同一である。これは、例えば、遺伝コードにより許容される最大コドン縮重を使用して核酸のコピーが作出される場合に起こる。
非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブのTmに等しくなるように選択される。サザン又はノーザンブロットのフィルターにおいて100個を超える相補的な残基を有する相補的な核酸のハイブリダイゼーションのための高ストリンジェントな条件の例は、50%のホルムアミド、例えば、37℃での50%のホルムアミド、1MのNaCl、1%のSDS中のハイブリダイゼーション、及び60~65℃での0.1x SSC中の洗浄である。例示的な低ストリンジェンシーの条件としては、37℃での30~35%のホルムアミド、1MのNaCl、1%のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の緩衝溶液でのハイブリダイゼーション、及び50~55℃での1X~2X SSC (20X SSC=3.0MのNaCl/0.3Mのクエン酸三ナトリウム)中の洗浄が挙げられる。例示的な適度なストリンジェンシー条件としては、37℃での40~45%のホルムアミド、1.0MのNaCl、1%のSDS中のハイブリダイゼーション、及び55~60℃での0.5X~1X SSC中の洗浄が挙げられる。
以下は、本発明の参照ヌクレオチド配列と実質的に同一のヌクレオチド配列をクローニングするために使用され得るハイブリダイゼーション/洗浄条件のセットの例である。参照ヌクレオチド配列は、好ましくは、50℃での2X SSC、0.1%のSDS中の洗浄と共に50℃での7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MのNaPO4、1mMのEDTA中で(非常に低いストリンジェンシーの条件)、より望ましくは50℃での1X SSC、0.1%のSDS中の洗浄と共に50℃での7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MのNaPO4、1mMのEDTA中で(低ストリンジェンシーの条件)、よりいっそう望ましくは50℃での0.5X SSC、0.1%のSDS中の洗浄と共に50℃での7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MのNaPO4、1mMのEDTA中で(適度なストリンジェンシーの条件)、好ましくは50℃での0.1X SSC、0.1%のSDS中の洗浄と共に50℃での7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MのNaPO4、1mMのEDTA中で(高ストリンジェンシーの条件)、より好ましくは65℃での0.1X SSC、0.1%のSDS中の洗浄と共に50℃での7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5MのNaPO4、1mMのEDTA中で(非常に高いストリンジェンシーの条件)参照ヌクレオチド配列にハイブリダイズする。
一部の実施形態において、本明細書に記載される核酸分子は、目的の植物における増強された発現のために「最適化」され得る(例えば、国際公開第91/16432号; Perlak 1991; Murray 1989を参照)。この方式において、遺伝子又は遺伝子断片中のオープンリーディングフレームは、植物が好むコドンを利用して合成され得る(例えば、宿主が好むコドン用法の議論についてCampbell & Gowri, 1990を参照)。そのため、ヌクレオチド配列は任意の植物における発現のために最適化され得る。遺伝子配列の全ての又は任意の部分が最適化又は合成され得ることが認識される。即ち、合成の又は部分的に最適化された配列もまた使用され得る。バリアントヌクレオチド配列及びタンパク質はまた、突然変異誘発性及び組換え誘発性手順、例えばDNAシャッフリングに由来する配列及びタンパク質を包含する。そのような手順を用いて、1つ以上の異なるコード配列は、所望の特性を有する新たなポリペプチドを作出するように操作され得る。この方式において、実質的な配列同一性を有し、in vitro又はin vivoで相同組換えされ得る配列領域を含む関連する配列ポリヌクレオチドの集団から組換えポリヌクレオチドのライブラリーが生成される。そのようなDNAシャッフリングのための戦略は当該技術分野において公知である(例えば、Stemmer 1994; Stemmer 1994; Crameri 1997; Moore 1997; Zhang 1997; Crameri 1998;並びに米国特許5,605,794、6、8、10、及び同第12,837,458号を参照)。
目的のポリヌクレオチド
「目的のポリヌクレオチド」という用語は、本明細書において使用される場合、本明細書において言及される構成的プロモーター活性を有する核酸の制御下で発現される核酸を指す。目的のポリヌクレオチドは、本明細書において言及される植物細胞、植物、又は植物部分においてその存在が所望されるポリペプチドをコードしてもよい。そのようなポリペプチドは、種子貯蔵化合物の合成のために要求される酵素であってもよく、又は種子貯蔵タンパク質であってもよい。目的のポリヌクレオチドがポリペプチドをコードする場合、RNAへの核酸の転写及び転写されたRNAのポリペプチドへの翻訳が要求され得ることが理解されるべきである。目的のポリヌクレオチドはまた、生物学的に活性のRNA分子及びアンチセンスRNA、リボザイム、マイクロRNA又はsiRNAを含んでもよい。例えば、種子における望ましくない酵素活性は、アンチセンスRNA、リボザイム、マイクロRNA又はsiRNAの種子特異的な発現に起因して低減され得る。上述の生物学的に活性のRNA分子の作用の基礎となる生物学的原理は当該技術分野において周知である。更に、当業者は、そのような生物学的に活性のRNA分子をコードする核酸を得る方法をよく認識している。生物学的に活性のRNA分子は、目的の核酸の転写により直接的に、即ちポリペプチドへの翻訳なしに得られ得ることが理解されるべきである。好ましくは、本発明の構成的プロモーター活性を有する核酸の制御下で発現されるべき少なくとも1つの目的のポリヌクレオチドは、構成的プロモーター活性を有する前記核酸に対して異種であり、即ち天然にはその制御下にないが、前記制御が非天然の方式(例えば遺伝子操作方法による)で生成されている。
本明細書に記載される任意の組換え遺伝子に関する作動可能な連結は、in vitro及びin vivoの両方の手順を含めて、当該技術分野において公知の様々な方法により実現されてもよい。そのため、本発明の組換え遺伝子又はそのような組換え遺伝子を含むベクターは、当該技術分野において周知の標準的な組換え及びクローニング技術を使用して実現されてもよい(例えば、Maniatis 1989; Silhavy 1984; Ausubel 1987を参照)。
作動可能な連結は、例えば、発現されるべき核酸配列との本明細書に記載される構成的プロモーター活性を有する核酸(例えば、配列番号1若しくは配列番号2に記載されるヌクレオチド配列、又はその機能性断片)の逐次的な構成、及び、場合により、構成的プロモーター活性を有する核酸が適切な条件下で目的の核酸配列を発現するプロセスにおいてその機能を果たすことができるような方法で、追加の調節エレメント、例えばポリアデニル化又は転写終結エレメント、エンハンサー、イントロン等を含んでもよい。「適切な条件」という用語は、植物細胞中の組換え遺伝子の存在を意味することができる。発現されるべき目的の核酸配列が本発明の構成的プロモーター活性を有する核酸の下流(即ち、3'方向)に、両方の配列が共有結合的に連結される方法で、置かれる構成が好ましい。場合により、追加の配列が2つの配列の間に挿入されてもよい。そのような配列は、例えば、リンカー又はマルチクローニングサイトであってもよい。更には、融合タンパク質の部分をコードする配列が挿入され得る(目的の核酸によりコードされるタンパク質の融合タンパク質の発現が意図される場合)。好ましくは、発現されるべき目的のポリヌクレオチドと本発明の構成的プロモーター活性を有する核酸との距離は、200塩基対以下、好ましくは100塩基対以下、より好ましくは50塩基対以下である。
一部の実施形態において、組換え遺伝子は、本明細書に記載される構成的プロモーター活性を有する核酸(例えば配列番号1若しくは配列番号2に記載されるヌクレオチド配列、又はその機能性断片)を植物ゲノムに挿入することにより組み立てられる。そのような挿入は、ゲノム中に既に存在する目的の核酸配列への作動可能な連結を結果としてもたらす。挿入により、目的の核酸は、構成的プロモーター活性を有する核酸の転写調節特性に起因して構成的となるように発現される。挿入は、指令されるもの又は偶然によるものであってもよい。挿入が指令される場合、それは例えば遺伝子編集により実現されてもよい。この手順により、天然プロモーターは、本発明の構成的プロモーター活性を有する核酸に交換され、それにより内因性遺伝子の発現プロファイルが改変され得る。構成的プロモーター活性を有する核酸はまた、内因性遺伝子のアンチセンスmRNAが発現され、それにより遺伝子サイレンシングが誘導されるように挿入されてもよい。
同様に、発現されるべき目的のポリヌクレオチドは、挿入された配列が、構成的プロモーター活性を有する核酸に作動可能に連結され、それにより本発明の組換え遺伝子が形成されるように、その天然のゲノム環境において構成的プロモーター活性を有する核酸を含む植物ゲノムに挿入されてもよい(即ちその天然遺伝子に連結されてもよい)。
組換え遺伝子は、多数の発現目的、例えばタンパク質の発現、又はアンチセンスRNA、センス若しくは二本鎖RNAの発現のために用いられてもよい。核酸配列の発現は、農学的に価値のある形質を植物に付与してもよい。
一部の実施形態において、目的のポリヌクレオチドは、昆虫耐性遺伝子;疾患耐性遺伝子、例えば、細菌疾患耐性遺伝子、真菌疾患耐性遺伝子、ウイルス疾患耐性遺伝子、又は線虫疾患耐性遺伝子;除草剤耐性遺伝子;穀物の組成若しくは品質に影響する遺伝子;栄養分利用遺伝子;マイコトキシン低減遺伝子;雄性不稔性遺伝子;選択マーカー遺伝子;スクリーニング可能なマーカー遺伝子;陰性選択マーカー;陽性選択マーカー;植物の農学的特徴、即ち、収率、及び耐倒伏性(standability)等に影響する遺伝子;又は環境若しくはストレス耐性遺伝子、即ち、除草剤耐性若しくは抵抗性、昆虫耐性若しくは抵抗性、疾患耐性若しくは抵抗性(ウイルス、細菌、真菌、卵菌、若しくは線虫)、ストレス抵抗性若しくは耐性(乾燥、熱、寒冷、凍結、過度の水分、塩ストレス、若しくは酸化ストレスに対する耐性若しくは抵抗性により例示される)、増加した収率、食品含有量及び構成、物理的外見、雄性不稔性、乾燥(drydown)、耐倒伏性、多産性、デンプンの特性若しくは量、油の量及び品質、並びにアミノ酸若しくはタンパク質の組成等を付与する1つ以上の遺伝子から得られる。
「耐性」により、剤の投与、病原体への感染、又はストレスへの曝露の帰結として表現型変化を実質的に呈しない植物が意味される。「抵抗性」により、感染の帰結として何らかの表現型変化を呈してもよいが、繁殖能力を実質的に減少させることも代謝を実質的に変更することもない植物が意味される。
一部の実施形態において、目的のポリヌクレオチドは選択マーカー遺伝子である。「選択マーカー遺伝子」という用語は、本明細書において使用される場合、増殖培地中の対応する選択化合物(例えば、除草剤)の存在下で、前記選択マーカーのための植物組換え遺伝子で形質転換された植物又は植物細胞に、前記植物組換え遺伝子で形質転換されておらず、そのため選択マーカー遺伝子を含まない植物又は植物細胞と比較して、成長上の利点を付与する遺伝子を指す。選択マーカー遺伝子及び/又は前記マーカー遺伝子のための植物組換え遺伝子は、形質転換されるべき植物に対して異種であってもよく、そのため、形質転換されるべき植物中に天然に存在しない。
一部の実施形態において、選択マーカー遺伝子は陰性選択マーカー遺伝子である。陰性選択マーカー遺伝子は、選択化合物(例えば、除草剤)に対する耐性及び/又は増加した抵抗性を付与する。例示的な選択マーカー遺伝子としては、参照により全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2011/095460号に記載されるHPPD阻害剤;ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT;ビアラホス耐性(Bialaphoeresistance)とも命名される;bar; De Block et al. (1987) Plant Physiol 91:694-701;欧州特許第0 333 033号;米国特許第4,975,374号)、5-エノールピルビルシキメート-3-ホスフェートシンターゼ(EPSPS;米国特許第5,633,435号)又はグリホサートオキシドレダクターゼ遺伝子(米国特許第5,463,175号)(グリホサート(商標)(N-(ホスホノメチル)グリシン)(Shah of al. (1986) Science 233: 478)に対する耐性を付与する)、グリホサート(商標)分解酵素(グリホサート(商標)オキシドレダクターゼ;gox)、スルホニル尿素及びイミダゾリノン不活性化アセト乳酸シンターゼ(例えば、例えばS4及び/又はHra突然変異を有する、突然変異型ALSバリアント)、ブロモキシニル(商標)分解ニトリラーゼ(bxn)カナマイシン又はG418耐性遺伝子(NPTII; NPTI)(例えば、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼをコードする(Fraley et al. (1983) Proc Natl Acad Sci USA 80:4803))(抗生物質カナマイシン及び関連する抗生物質ネオマイシン、パロモマイシン、ゲンタマイシン、及びG418に対する耐性を付与する酵素を発現する)、ジカンバ分解酵素(O-デメチラーゼ、オキシゲナーゼ、フェレドキシン)(Behrens et al. 2007 Science 316:1185-1188;米国特許第7,022,896号)マーカー遺伝子(例えばD-アラニン及びD-セリンのようなD-アミノ酸により課される毒性効果に対して耐性を付与する(国際公開第03/060133号))が挙げられるがこれらに限定されない。この文脈におけるマーカー遺伝子は、酵母ロドトルラ・グラシリス(Rhodotorula gracilis)(ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides))からのdaol遺伝子(EC: 1.4.3.3: GenBank Acc.-No.: U60066)及び大腸菌(E. coli)遺伝子dsdA(D-セリンデヒドラターゼ(D-セリンデアミナーゼ)[EC: 4.3.1.18; GenBank Acc.-No.: J01603)であってもよい。
一部の実施形態において、選択マーカー遺伝子は陽性選択マーカーであり、これは、形質転換されていない植物と比較して形質転換された植物に成長上の利点を付与する。例示的な陽性選択マーカーとしては、マンノース-6-リン酸イソメラーゼ(マンノースとの組合せ)、UDPガラクトース-4-エピメラーゼ(例えばガラクトースとの組合せ)、又はマンノースとの組合せのマンノース-6-リン酸イソメラーゼが挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態において、選択マーカー遺伝子は、アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)遺伝子、又は突然変異型AHAS遺伝子である。アセトヒドロキシ酸シンターゼ酵素(アセト乳酸シンターゼ、又はALSとしても公知)は、植物及び微生物中に見出されるタンパク質であり、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、及びイソロイシン)の合成における最初のステップを触媒する。好ましくは、それは、Enzyme Commission Code EC 2.2.1.6に記載される酵素活性を有する。突然変異型AHASタンパク質は、好ましくは、少なくとも1つのイミダゾリノン除草剤に対する耐性を付与する。イミダゾリノン除草剤は当該技術分野において周知であり、好ましくは、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマザピック、イマザモックス及びイマザメタベンズが挙げられる。好ましくは、イミダゾリノン除草剤はイマザキンである。より好ましくは、イミダゾリノン除草剤はイマゼタピルである。最も好ましくは、イミダゾリノン除草剤はイマザピルである。
例示的な突然変異型AHAS遺伝子は、その開示内容全体に関して参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2004/005516号又は国際公開第2008/124495号に開示されている。更なる突然変異型AHAS遺伝子は、国際公開第2006/015376号若しくは国際公開第2007/054555号又は米国特許出願公開第20100287641号に開示されている。突然変異型AHAS酵素は、イミダゾリノン除草剤に対する耐性を付与する。
更なる選択マーカー遺伝子は、D-アミノ酸により課される毒性効果に対して耐性又は増加した抵抗性を付与するマーカー遺伝子である。そのようなマーカー遺伝子は、D-アミノ酸を代謝する能力を有するタンパク質をコードしてもよい。D-アミノ酸はD-アラニン及びD-セリンであってもよい。マーカー遺伝子は、D-セリンアンモニアリアーゼ、D-アミノ酸オキシダーゼ及びD-アラニントランスアミナーゼをコードしてもよい。D-アミノ酸を代謝する能力を有するタンパク質をコードするそのようなマーカー遺伝子の好ましい例は、参照により全体が本明細書に組み込まれる国際特許公開番号である国際公開第03/060133号、国際公開第05/090584号、国際公開第07/107,516号及び国際公開第08/077,570号に開示されるものである。
一部の実施形態において、目的のポリヌクレオチドは、除草剤耐性タンパク質をコードする除草剤耐性遺伝子である。例示的な除草剤耐性遺伝子としては、ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子(bar及びpat)、グリホサート抵抗性EPSPシンターゼ遺伝子、グリホサートオキシドレダクターゼをコードするグリホサート分解酵素遺伝子gox、deh(ダラポンを不活性化するデハロゲナーゼ酵素をコードする)、除草剤耐性(例えば、スルホニル尿素及びイミダゾリノン)アセト乳酸シンターゼ、並びにbxn遺伝子(ブロモキシニルを分解するニトリラーゼ酵素をコードする)が挙げられるがこれらに限定されない。bar及びpat遺伝子は、酵素、ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)をコードし、PATは、除草剤ホスフィノスリシンを不活性化し、この化合物がグルタミンシンテターゼ酵素を阻害することを防止する。酵素5-エノールピルビルシキミ酸3-リン酸シンターゼ(EPSPシンターゼ)は、通常、除草剤N-(ホスホノメチル)グリシン(グリホサート)により阻害される。しかしながら、グリホサート耐性EPSPシンターゼ酵素をコードする遺伝子が公知である。deh遺伝子は、酵素ダラポンデハロゲナーゼをコードし、除草剤ダラポンに対する耐性を付与する。bxn遺伝子は、ブロモキシニルを非除草性分解生成物に変換する特有のニトリラーゼ酵素をコードする。
一部の実施形態において、目的のポリヌクレオチドは、昆虫耐性タンパク質をコードする昆虫耐性遺伝子又はそのバリアントである。そのようなバリアントは、合成的に誘導された配列を含むことができ、該配列としては、2つ又はより多くの目的のポリヌクレオチド(例えば、2つ又はより多くの昆虫耐性遺伝子)の融合である配列が挙げられるがそれに限定されない。例示的な昆虫耐性遺伝子としては、殺虫タンパク質、例えばCry及びCytタンパク質をコードする遺伝子の他に、殺虫タンパク質、例えば「Vip」タンパク質として公知の栄養期殺虫タンパク質(vegetative insecticidal proteins)をコードする遺伝子が挙げられるがこれらに限定されず、これらの全ては当業者に周知である。そのような遺伝子の例としては、Cry1、例えばCry1A、Cry1B、Cry1C、Cry1D、Cry1E、Cry1F、及びCr1Iファミリーのメンバー;Cry2、例えばCry2Aファミリーのメンバー;Cry9、例えばCry9A、Cry9B、Cry9C、Cry9D、Cry9E、及びCry9Fファミリーのメンバー;並びにVip3ファミリーのメンバー等が挙げられる。植物は、目的の農学的形質を付与する任意の遺伝子を含んでもよいことが当業者により理解されるであろう。例示的な昆虫耐性遺伝子としては、バシラス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)結晶毒素遺伝子又はBt遺伝子(Watrud 1985)が挙げられるがこれらに限定されない。Bt遺伝子は、鱗翅目又は鞘翅目有害生物、例えばヨーロッパアワノメイガ(ECB)及びトウモロコシネクイムシ(CRW)に対する耐性を提供し得る。そのような実施形態における使用のためのBt毒素遺伝子としては、CryIA(b)及びCryIA(c)遺伝子を挙げることができる。昆虫成長又は発生に影響するB.チューリンゲンシスの他の種からのエンドトキシン遺伝子もまた、これに関して用いることができる。プロテアーゼ阻害剤は昆虫耐性も提供することがあり(Johnson 1989)、そのため植物形質転換において有用性を有する。トマト又はジャガイモからのプロテアーゼ阻害剤II遺伝子、pinIIの使用は、特に有用であることが意図される。昆虫の消化器系の阻害剤をコードする他の遺伝子、又は阻害剤の産生を促す酵素若しくは補因子をコードする遺伝子もまた有用であり得る。シスタチン及びアミラーゼ阻害剤、例えばコムギ及びオオムギからのものは、この群を例示し得る。
また、レクチンをコードする遺伝子は、追加の又は代替的な殺虫剤特性を付与し得る。レクチン(元々はフィトヘマグルチニンと称された)は多価炭水化物結合性タンパク質であり、広範な種からの赤血球細胞を凝集させる能力を有する。レクチンは、ゾウムシ、ECB及びネクイムシに対する活性を有する殺虫剤として最近同定されている(Murdock 1990; Czapla & Lang, 1990)。有用であることが意図されるレクチン遺伝子としては、例えば、オオムギ及びコムギ胚芽アグルチニン(WGA)及びコメレクチン(Gatehouse 1984)が挙げられ、WGAが好ましい。
昆虫有害生物に導入された場合に昆虫に対して活性である大きい又は小さいポリペプチド、例えば、溶解ペプチド、ペプチドホルモン並びに毒素及び毒液の産生を制御する遺伝子は、本発明の別の態様を形成する。例えば、特異的な昆虫有害生物に対して方向付けられた幼若ホルモンエステラーゼの発現はまた、殺虫活性を結果としてもたらし得るか、又は変態の中止を引き起こす可能性があることが意図される(Hammock 1990)。
植物及び宿主細胞
本明細書に記載される組換え遺伝子を含む宿主細胞又は非ヒト生物もまた意図される。それらは原核又は真核生物であってもよい。微生物及び高等生物の両方が含まれる。微生物の例は、細菌、酵母、藻類、及び真菌である。好ましい細菌は、エシェリヒア(Escherichia)、エルウィニア(Erwinia)、アグロバクテリウム、フラボバクテリウム(Flavobacterium)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、シュードモナス(Pseudomonas)、バシラス(Bacillus)又はシアノバクテリウム(Cyanobacterim)属の細菌、例えばシネコシスティス(Synechocystis)及びBrock Biology of Microorganisms Eighth Edition (ページA-8、A-9、A10及びA11)に記載される他の細菌である。一部の実施形態において、本明細書に記載される組換え遺伝子を含む細胞又は非ヒト生物は、(本明細書において定義されるような)植物細胞又は植物である。一部の実施形態において、植物は、組換え遺伝子について半接合性である。一部の実施形態において、植物は、組換え遺伝子についてホモ接合性である。
微生物の他の例は、植物に感染してDNAをそれらのゲノムに移入する能力を有するものであり、特にアグロバクテリウム属の細菌、例えばアグロバクテリウム・ツメファシエンス(tumefaciens)及びリゾゲネス(rhizogenes)である。酵母の例は、カンジダ(Candida)、サッカロミセス(Saccharomyces)、ハンセヌラ(Hansenula)及びピキア(Pichia)である。真菌の例は、アスペルギルス(Aspergillus)、トリコデルマ(Trichoderma)、アシュビヤ(Ashbya)、ニューロスポラ(Neurospora)、フサリウム(Fusarium)、及びビューベリア(Beauveria)である。
一部の実施形態において、宿主細胞は、植物細胞、植物、植物種子若しくは他の植物部分、非ヒト動物又は多細胞微生物である。「植物」という用語は、本明細書において使用される場合、光合成を行う真核多細胞生物を指す。植物は、緑藻類(緑藻植物門(Chlorophyta))、紅藻類(紅藻植物門(Rhodophyta))、灰色植物門(Glaucophyta)、蘚類及び苔類(蘚苔植物類)、無種子維管束植物(トクサ(horsetails)、ヒカゲノカズラ、シダ)並びに種子植物(被子植物及び裸子植物)を包含する。「植物」という用語は、全体植物、植物の祖先及び子孫並びに植物部分、例えば種子、シュート、茎、葉、根、花、及び組織及び器官を包含し、上述の各々は目的の遺伝子/核酸を含む。「植物」という用語はまた、植物細胞、懸濁培養物、カルス組織、胚、成長点領域、配偶体、胞子体、花粉、小胞子及び珠芽を包含し、ここでもまた上述の各々は目的の遺伝子/核酸を含む。
「植物部分」という用語は、本明細書において使用される場合、種子、シュート、茎、葉、根、花、及び植物組織及び植物器官、植物細胞、懸濁培養物、カルス組織、胚、成長点領域、配偶体、胞子体、花粉、小胞子及び珠芽を含む植物の全ての構成要素を包含する。「珠芽」は、完全な植物に発生する能力を有する植物の任意の種類の器官、組織、又は細胞である。珠芽は、栄養生殖(栄養繁殖、栄養増殖、又は栄養クローニング(vegetative cloning)としても公知)又は有性生殖に基づき得る。珠芽は、したがって、種子、又は茎若しくは葉のような非生殖器官の部分であることができる。特に、イネ科(Poaceae)に関して、好適な珠芽はまた、茎の切片、即ち、茎切断片であることができる。
本明細書に記載される組換え遺伝子又はベクターを含む植物、植物部分又は種子が特に意図される。組換え遺伝子又はベクターは、生物の細胞質中に存在してもよく、又は異種若しくは相同組換えによりゲノムに組み込まれてもよい。宿主細胞、特に植物又は動物から得られる宿主細胞は、モザイク又はキメラ生物、即ち本明細書に記載される宿主細胞を含む生物、即ち植物を得るために、発生中の胚に導入されてもよい。好適な生物は、例えば、組換え遺伝子の発現のために好適な全ての生物である。
昆虫クチクラの完全性に影響する酵素をコードする遺伝子を発現する植物は、本発明の更に別の態様を形成する。そのような遺伝子としては、例えば、キチナーゼ、プロテアーゼ、リパーゼをコードするもの、並びに昆虫耐性トウモロコシ植物を製造するためにそのいずれかの導入が意図される、キチン合成を阻害する化合物、ニッコーマイシンの産生のための遺伝子が挙げられる。昆虫の脱皮に影響する活性をコードする遺伝子、例えばエクジステロイドUDP-グルコシルトランスフェラーゼの産生に影響する遺伝子もまた、本発明の有用な導入遺伝子の範囲に入る。
昆虫有害生物に対する宿主植物の栄養の質を低減させる化合物の産生を促す酵素をコードする遺伝子もまた本発明により包含される。それは、例えば、ステロール組成を変更することにより植物に殺虫活性を付与することが可能であり得る。ステロールは、摂食から昆虫により取得され、ホルモン合成及び膜安定性のために使用される。したがって、新規の遺伝子、例えば、望ましくないステロールの産生を直接的に促進する遺伝子又は望ましいステロールを望ましくない形態に変換する遺伝子の発現による植物ステロール組成における変更は、昆虫の成長及び/又は発生に対して負の効果を有することで、植物に殺虫活性を賦与し得る。リポキシゲナーゼは、昆虫に対する抗栄養効果を呈し、それらの摂食の栄養の質を低減させることが示されている天然に存在する植物酵素である。したがって、本発明の更なる実施形態は、昆虫摂食に対して耐性であり得る増強されたリポキシゲナーゼ活性を有する植物に関する。
植物、植物部分及び種子の性質は限定されず、例えば、植物、植物部分又は種子は単子葉又は双子葉であることができる。一部の実施形態において、植物、植物部分又は種子は単子葉植物からのものである。一部の実施形態において、植物又は植物部分は双子葉植物からのものである。本開示に従って用途を有する植物細胞の例としては、属:アナナス(Ananas)、ムサ(Musa)、ビチス(Vitis)、フラガリア(Fragaria)、ロータス(Lotus)、メディカゴ(Medicago)、オノブリキス(Onobrychis)、トリフォリウム(Trifolium)、トリゴネラ(Trigonella)、ササゲ(Vigna)、シトラス(Citrus)、カリカ(Carica)、ペルセア(Persea)、プルヌス(Prunus)、シアグルス(Syragrus)、テオブロマ(Theobroma)、コフィア(Coffea)、リナム(Linum)、ゼラニウム(Geranium)、マニホット(Manihot)、ダウクス(Daucus)、アラビドプシス(Arabidopsis)、ブラシカ(Brassica)、ラファヌス(Raphanus)、シナピス(Sinapis)、アトローパ(Atropa)、カプシカム(Capsicum)、ダチュラ(Datura)、ヒヨスチアムス(Hyoscyamus)、リコペルシコン(Lycopersicon)、ニコチアナ(Nicotiana)、ソラナム(Solanum)、ペチュニア(Petunia)、ジギタリス(Digitalis)、マヨラナ(Majorana)、マンギフェラ(Mangifera)、チコリウム(Cichorium)、ヘリアンタス(Helianthus)、ラクツカ(Lactuca)、ブロマス(Bromus)、アスパラガス(Asparagus)、アンチリナム(Antirrhinum)、ヘメロカリス(Heterocallis)、ネメシア(Nemesia)、ペラルゴニウム(Pelargonium)、パニカム(Panicum)、ペニセタム(Pennisetum)、ラナンキュラス(Ranunculus)、セネシオ(Senecio)、サルピグロシス(Salpiglossis)、ククルビタ(Cucurbita)、ククミス(Cucumis)、ブロワリア(Browaalia)、ロリウム(Lolium)、マルス(Malus)、アピウム(Apium)、ゴシピウム(Gossypium)、ビキア(Vicia)、ラチラス(Lathyrus)、ルピナス(Lupinus)、パキリザス(Pachyrhizus)、ウィステリア(Wisteria)、スチゾロビウム(Stizolobium)、アグロスチス(Agrostis)、フレウム(Phleum)、ダクチリス(Dactylis)、ソルガム(Sorghum)、セタリア(Setaria)、ゼア(Zea)、オリザ(Oryza)、トリチカム(Triticum)、セカレ(Secale)、アベナ(Avena)、ホルデウム(Hordeum)、サッカラム(Saccharum)、ポア(Poa)、フェスツカ(Festuca)、ステノタフラム(Stenotaphrum)、シノドン(Cynodon)、コイクス(Coix)、オリレアエ(Olyreae)、ファレアエ(Phareae)、グリシン(Glycine)、ピスム(Pisum)、プシジウム(Psidium)、パッシフロラ(Passiflora)、シサー(Cicer)、ファセオラス(Phaseolus)、レンズ(Lens)、及びアラキス(Arachis)に由来する細胞(又は植物全体若しくは植物部分)が挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態において、植物細胞は、イネ科、例えば属:ホルデウム、セカレ、アベナ、ソルガム、アンドロポゴン(Andropogon)、ホルカス(Holcus)、パニカム、オリザ、ゼア、トリチカム、例えば属及び種:ホルデウム・ブルガレ(Hordeum vulgare)、ホルデウム・ジュバタム(Hordeum jubatum)、ホルデウム・ムリナム(Hordeum murinum)、ホルデウム・セカリナム(Hordeum secalinum)、ホルデウム・ディスティチョン(Hordeum distichon)、ホルデウム・アエギセラス(Hordeum aegiceras)、ホルデウム・ヘキサスティチョン(Hordeum hexastichon)、ホルデウム・ヘキサスティカム(Hordeum hexastichum)、ホルデウム・イレグラレ(Hordeum irregulare)、ホルデウム・サティバム(Hordeum sativum)、ホルデウム・セカリナム、セカレ・セレアレ(Secale cereale)、アベナ・サティバ(Avena sativa)、アベナ・ファトゥア(Avena fatua)、アベナ・ビザンティナ(Avena byzantina)、アベナ・ファトゥア変種サティバ(Avena fatua var. sativa)、アベナ・ヒブリダ(Avena hybrida)、ソルガム・ビコロル(Sorghum bicolor)、ソルガム・ハレペンセ(Sorghum halepense)、ソルガム・サッカラタム(Sorghum saccharatum)、ソルガム・ブルガレ(Sorghum vulgare)、アンドロポゴン・ドルモンディー(Andropogon drummondii)、ホルカス・ビコロル(Holcus bicolor)、ホルカス・ソルガム(Holcus sorghum)、ソルガム・エチオピカム(Sorghum aethiopicum)、ソルガム・アルンジナセアム(Sorghum arundinaceum)、ソルガム・カフロラム(Sorghum caffrorum)、ソルガム・セルヌアム(Sorghum cernuum)、ソルガム・ドクナ(Sorghum dochna)、ソルガム・ドルモンディー(Sorghum drummondii)、ソルガム・デュラ(Sorghum durra)、ソルガム・ギネンセ(Sorghum guineense)、ソルガム・ランセオラタム(Sorghum lanceolatum)、ソルガム・ネルボサム(Sorghum nervosum)、ソルガム・サッカラタム、ソルガム・スブグラブレセンス(Sorghum subglabrescens)、ソルガム・ベルチシリフロラム(Sorghum verticilliflorum)、ソルガム・ブルガレ、ホルカス・ハレペンシス(Holcus halepensis)、ソルガム・ミリアセアム(Sorghum miliaceum)、パニカム・ミリタセアム(Panicum militaceum)、オリザ・サティバ(Oryza sativa)、オリザ・ラティフォリア(Oryza latifolia)、ゼア・マイス(Zea mays)、トリチカム・エスティバム(Triticum aestivum)、トリチカム・デュラム(Triticum durum)、トリチカム・ツルギダム(Triticum turgidum)、トリチカム・ヒベルナム(Triticum hybernum)、トリチカム・マチャ(Triticum macha)、トリチカム・サティバム(Triticum sativum)又はトリチカム・ブルガレ(Triticum vulgare)からの細胞(又は植物全体若しくは植物部分)を含む。
一部の実施形態において、使用される植物は、大量の脂質化合物を含む油果実作物、例えばピーナッツ、アブラナ、キャノーラ、ヒマワリ、ベニバナ、ケシ、マスタード、アサ、ヒマシ油植物、オリーブ、ゴマ、カレンデュラ(Calendula)、プニカ(ザクロ;Punica)、マツヨイグサ、モウズイカ(mullein)、アザミ、野バラ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、マカダミア、アボカド、ゲッケイジュ、カボチャ(pumpkin/squash)、アマニ、ダイズ、ピスタチオ、ルリジサ、樹木(ギニアアブラヤシ、ココナッツ、クルミ)、又は作物、例えばトウモロコシ、コムギ、ライ、カラスムギ、ライコムギ、コメ、オオムギ、ワタ、キャッサバ、コショウ、タゲテス(Tagetes)、ナス科(Solanaceae)植物、例えばジャガイモ、タバコ、ナス及びトマト、ビキア(Vicia)種、エンドウマメ、アルファルファ又はブッシュ植物(bushy plants)(コーヒー、カカオ、茶)、サリクス(Salix)種、並びに多年生の草並びにかいば作物(fodder crops)である。本発明による植物は、油作物植物、例えばピーナッツ、アブラナ、キャノーラ、ヒマワリ、ベニバナ、ケシ、マスタード、アサ、ヒマシ油植物、オリーブ、カレンデュラ、プニカ(ザクロ)、マツヨイグサ、カボチャ、アマニ、ダイズ、ルリジサ、樹木(ギニアアブラヤシ、ココナッツ)であってもよい。
植物組織、植物器官、植物又は種子を含めて、植物又は植物部分を製造する方法であって、本明細書に記載されるベクターの組換え遺伝子を植物細胞に導入すること及び植物細胞を再生させて植物組織、植物器官、植物又は種子を形成させることを含む、方法もまた意図される。
植物に殺有害生物活性を提供する方法であって、殺有害生物タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む本明細書に記載されるベクターの組換え遺伝子を植物細胞に導入すること及び植物細胞を再生させて、植物組織、植物器官、植物又は種子を含めて、植物又は植物部分を形成させ、それにより、植物に殺有害生物活性を提供することを含む、方法もまた意図される。一部の実施形態において、殺有害生物活性は殺虫活性である。
組換え遺伝子は、多数の当該技術分野において認識される方法で植物細胞に導入され得る。植物種は、当該技術分野において周知の手順による植物細胞プロトプラストのDNA媒介性形質転換及びその後の形質転換されたプロトプラストからの植物の再生により本明細書に記載されるDNA構築物又は組換え遺伝子で形質転換されてもよい。
器官形成又は胚発生のいずれによるものであれ、その後のクローン繁殖の能力を有する任意の植物組織は、本明細書に記載されるベクターで形質転換され得る。「器官形成」という用語は、本明細書において使用される場合、シュート及び根が成長中心から逐次的に発生するプロセスを意味し、「胚発生」という用語は、本明細書において使用される場合、体細胞又は配偶子のいずれからであれ、シュート及び根が(逐次的ではなく)協奏的な様式で一緒に発生するプロセスを意味する。選択される特定の組織は、形質転換されている特定の種のために利用可能、及び最良に適するクローン繁殖系に依存して変動する。例示的な組織標的としては、葉ディスク、花粉、胚、子葉、胚軸、大配偶体、カルス組織、既存の分裂組織(例えば、頂端成長点、腋芽、及び根端成長点)、並びに誘導された分裂組織(例えば、子葉成長点及びultilane成長点)が挙げられる。
植物は様々な形態をとることができる。例えば、植物は、形質転換された細胞と形質転換されていない細胞とのキメラであってもよく、植物は、クローン形質転換体(例えば、全ての細胞は組換え遺伝子を含有するように形質転換されている)であってもよく、植物は、形質転換及び未形質転換組織のグラフトを含んでもよい(例えば、柑橘類の種において形質転換された台木が未形質転換の若枝にグラフトされる)。形質転換された植物は、様々な手段により、例えばクローン繁殖又は古典的な交配技術により繁殖させてもよい。例えば、第1世代(又はT1)形質転換植物を自家受粉させてホモ接合第2世代(又はT2)形質転換植物を得、古典的な交配技術を通じてT2植物を更に繁殖させてもよい。優性選択マーカー(例えばnpt II)は、交配において補助するために組換え遺伝子と関連付けられ得る。
植物の形質転換は、単一のDNA分子又は複数のDNA分子(即ち、同時形質転換)を用いて行うことができ、これらの技術の両方は、本明細書に記載される組換え遺伝子との使用のために好適である。多数の形質転換ベクターが植物の形質転換のために利用可能であり、本発明の組換え遺伝子は、任意のそのようなベクターと組み合わせて使用され得る。ベクターの選択は、選択された形質転換技術及び形質転換の標的種に依存する。
様々な技術が構築物の植物細胞宿主への導入のために利用可能及び当業者に公知である。例示的な技術としては、形質転換剤としてのA.ツメファシエンス又はA.リゾゲネス、リポソーム、PEG沈殿、エレクトロポレーション、DNA注射、直接的なDNA取込み、微粒子衝撃、及び粒子加速等を用いるDNAでの形質転換が挙げられる(例えば、欧州特許第295959号及び欧州特許第138341号を参照)(下記を参照)。しかしながら、植物細胞以外の細胞が、本明細書に記載される組換え遺伝子で形質転換されてもよい。植物発現ベクター及びレポーター遺伝子、並びにアグロバクテリウム及びアグロバクテリウム媒介性遺伝子移入の概要は、Gruber et al. (1993)において見出され得る。
ゲノム又は合成断片を含有する発現ベクターは、プロトプラスト又はインタクトな組織又は単離された細胞に導入され得る。発現ベクターはインタクトな組織に導入されてもよい。植物組織を培養する一般的方法は、例えばMaki et al., (1993);及びPhillips et al. (1988)に提供される。発現ベクターは、直接的な遺伝子移入方法、例えば微粒子媒介性送達、DNA注射、及びエレクトロポレーション等を使用してトウモロコシ又は他の植物組織に導入されてもよい。発現ベクターはまた、遺伝子銃デバイスを用いる微粒子媒体送達を使用して植物組織に導入されてもよい。例えば、Tomes et al. (1995)を参照。本発明のベクターは、構造遺伝子の発現のために使用され得るだけでなく、様々な組織における差次的な遺伝子発現を検出するためにエクソン-トラップクローニング、又はプロモータートラップ手順において使用されてもよい(Lindsey 1993; Auch & Reth 1990)。
一部の実施形態において、アグロバクテリウム属の種のTi由来ベクターのTi及びRiプラスミドのバイナリー型ベクターを使用して、単子葉及び双子葉植物、例えばダイズ、ワタ、セイヨウアブラナ、タバコ、及びコメを含めて、多様な高等植物が形質転換される(Pacciotti 1985: Byrne 1987; Sukhapinda 1987; Lorz 1985; Potrykus, 1985; Park 1985: Hiei 1994)。植物細胞を形質転換するためのT-DNAの使用は大規模に研究されており、十分に記載されている(欧州特許第120516号; Hoekema, 1985; Knauf, 1983;及びAn 1985)。
他の形質転換方法が当業者に利用可能であり、これは例えば外来DNA構築物の直接的な取込み(欧州特許第295959号を参照)、エレクトロポレーションの技術(Fromm 1986)又は核酸構築物で被覆された金属粒子での高速弾道衝撃(Kline 1987、及び米国特許第4,945,050号)である。形質転換されたら、細胞は当業者により再生され得る。特に関連性があるのは、外来遺伝子を商業的に重要な作物、例えば菜種(De Block 1989)、ヒマワリ(Everett 1987)、ダイズ(McCabe 1988; Hinchee 1988; Chee 1989; Christou 1989;欧州特許第301749号)、コメ(Hiei 1994)、及びトウモロコシ(Gordon-Kamm 1990; Fromm 1990)に形質転換する最近記載された方法である。
方法の選択は、形質転換のために標的化される植物の種類、即ち、単子葉又は双子葉に依存し得ることを当業者は認める。植物細胞を形質転換する好適な方法としては、マイクロインジェクション(Crossway 1986)、エレクトロポレーション(Riggs 1986)、アグロバクテリウム媒介性形質転換(Hinchee 1988)、直接的な遺伝子移入(Paszkowski 1984)、並びにAgracetus, Inc.、Madison、Wis.及びBioRad、Hercules、Calif.から入手可能なデバイスを使用する弾道粒子加速(例えば、米国特許第4,945,050号;及びMcCabe 1988を参照)が挙げられるがこれらに限定されない。Weissinger 1988; Sanford 1987(タマネギ); Christou 1988(ダイズ); McCabe 1988(ダイズ); Datta 1990(コメ); Klein 1988(トウモロコシ); Klein 1988(トウモロコシ); Klein 1988(トウモロコシ); Fromm 1990(トウモロコシ);及びGordon-Kamm 1990(トウモロコシ); Svab 1990(タバコ葉緑体); Koziel 1993(トウモロコシ); Shimamoto 1989(コメ); Christou 1991(コメ);欧州特許出願第0 332 581号(オーチャードグラス及び他のイチゴツナギ亜科(Pooideae)); Vasil 1993(コムギ); Weeks 1993(コムギ)も参照。
直接的な遺伝子移入又はアグロバクテリウム媒介性移入のいずれかの形態を使用する方法は、必ずしもそうではないが通常、抗生物質(例えば、カナマイシン、ハイグロマイシン若しくはメトトレキサート)又は除草剤(例えば、ホスフィノスリシン)に対する耐性を提供し得る選択マーカーを用いて行われる。ある特定の植物種のために、異なる抗生物質又は除草剤選択マーカーが好ましいことがある。形質転換において常用的に使用される選択マーカーとしては、カナマイシン及び関連する抗生物質に対する耐性を付与するnptII遺伝子(Messing & Vierra, 1982; Bevan 1983)、除草剤ホスフィノスリシンに対する耐性を付与するbar遺伝子(White 1990、Spencer 1990)、抗生物質ハイグロマイシンに対する耐性を付与するhph遺伝子(Blochlinger & Diggelmann)、並びにメトトレキサートに対する耐性を付与するdhfr遺伝子(Bourouis 1983)が挙げられる。
安定的に形質転換された植物の製造及び更なる特徴付けの方法は当業者に周知である。例として、形質転換された植物細胞は、形質転換された細胞の選択用の適切な選択培地中に置かれ、形質転換された細胞はカルスに成長する。シュートがカルスから成長する。小植物が、発根培地中での生育によりシュートから生成される。様々な構築物が、通常、植物細胞における選択のためにマーカーに接合される。好都合には、マーカーは、殺生物剤(特には抗生物質、例えばカナマイシン、G418、ブレオマイシン、ハイグロマイシン、クロラムフェニコール、又は除草剤等)に対して耐性であってもよい。使用される特定のマーカーは、導入されたDNAを欠いた細胞と比較して形質転換された細胞の選択を可能とする。本発明の転写カセットを含むDNA構築物の構成要素は、宿主に対してネイティブ(内因的)な又は外来的(外因的)な配列から調製されてもよい。「外来的」により、構築物が導入される野生型宿主中に配列が見出されないことが意味される。異種構築物は、転写開始領域の由来となる遺伝子に対してネイティブでない少なくとも1つの領域を含有する。
形質転換された細胞及び植物中の移入された目的のポリヌクレオチドの存在を確認するために、様々なアッセイが行われてもよい。そのようなアッセイとしては、例えば、当業者に周知の「分子生物学的」アッセイ、例えばサザン及びノーザンブロッティング、in situハイブリダイゼーション及び核酸ベースの増幅方法、例えばPCR又はRT-PCR又はTaqMan;「生化学的」アッセイ、例えば、例えば免疫学的手段(ELISA及びウエスタンブロット)又は酵素機能による、タンパク質生成物の存在の検出;植物部分アッセイ、例えば種子アッセイ;並びに例えば疾患又は有害生物耐性について、再生された植物全体の表現型を分析することが挙げられる。
DNAは、当業者に周知の技術の使用を通じて予め選択された核酸セグメントの存在を決定するために細胞株又は任意の植物部分から単離されてもよい。推定では細胞中の配列の再構成又は欠失に起因して、インタクトな配列は必ずしも存在しないことが留意される。
一部の実施形態において、本発明の方法を通じて導入された核酸エレメントの存在は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により決定されてもよい。これらの技術を使用して核酸の別々の(discreet)断片は増幅され、ゲル電気泳動により検出される。この種類の分析は、予め選択された核酸セグメントが安定な形質転換体中に存在するかどうかを決定することを可能にするが、導入された予め選択された核酸セグメントの宿主細胞ゲノムへの組込みを証明しない。追加的に、PCR技術を使用して、形質転換体がゲノム中の異なる部位に導入された外因性遺伝子を有するかどうか、即ち、形質転換体が独立した起源であるかどうかを決定することはできない。PCR技術を使用して、導入された予め選択されたDNAセグメントに隣接する宿主ゲノムDNAの断片をクローニングできることが意図される。
公知のPCR方法としては、ペアのプライマー、ネステッドプライマー、単一の特異的プライマー、縮重プライマー、遺伝子特異的プライマー、ベクター特異的プライマー、及び部分的にミスマッチのプライマー等を使用する方法が挙げられるがこれらに限定されない。
宿主ゲノムへのDNA組込み及び形質転換体の独立した存在(identities)の陽性証明は、サザンハイブリダイゼーションの技術を使用して決定されてもよい。この技術を使用して、宿主ゲノムに導入された特有のDNA配列及び隣接する宿主DNA配列が同定され得る。それゆえ所与の形質転換体のサザンハイブリダイゼーションパターンは、その形質転換体の同定的特徴として役立つ。追加的に、サザンハイブリダイゼーションを通じて、高分子量DNA中の導入された予め選択されたDNAセグメントの存在を実証すること、即ち、導入された予め選択されたDNAセグメントが宿主細胞ゲノムに組み込まれていることを確認することが可能である。サザンハイブリダイゼーションの技術は、PCRを使用して得られる情報、例えば、予め選択されたDNAセグメントの存在を提供するが、更にゲノムへの組込みを実証し、各々の個々の形質転換体を特徴付ける。
サザンハイブリダイゼーション技術の改変であるドット又はスロットブロットハイブリダイゼーションの技術を使用して、PCRから導かれる同じ情報、例えば、予め選択されたDNAセグメントの存在を得ることができる。
PCR及びサザンハイブリダイゼーションの両方の技術は、予め選択されたDNAセグメントの子孫への伝達を実証するために使用され得る。殆どの事例において、所与の形質転換体についての特徴的なサザンハイブリダイゼーションパターンは、子孫において1つ以上のメンデル型遺伝子として分離し(Spencer 1992); Laursen 1994)、遺伝子の安定な遺伝を指し示す。カルス及び親形質転換体(R0)の非キメラの性質が、形質転換された遺伝子について分離したカルス、R0植物及びR1子孫における形質転換DNAの生殖系列伝達並びに同一のサザンブロットハイブリダイゼーションパターン及び強度により示唆された。
DNA分析技術は、植物の任意の部分から単離されたDNAを使用して実行されてもよいが、RNAは特定の細胞又は組織種のみにおいて発現されることがあり、それゆえこれらの組織から分析用のRNAを調製する必要がある。PCR技術はまた、導入された予め選択されたDNAセグメントから製造されたRNAの検出及び定量のために使用されてもよい。PCRのこの応用において、酵素、例えば逆転写酵素を使用して、最初にRNAをDNAに逆転写し、次に従来のPCR技術の使用を通じてDNAを増幅することが必要である。殆どの事例において、PCR技術は、有用ではあるが、RNA生成物の完全性を実証しない。RNA生成物の性質についての更なる情報は、ノーザンブロッティングにより得られ得る。この技術は、RNA種の存在を実証し、そのRNAの完全性についての情報を与える。RNA種の存在又は非存在はまた、ドット又はスロットブロットノーザンハイブリダイゼーションを使用して決定され得る。これらの技術はノーザンブロッティングの改変であり、RNA種の存在又は非存在のみを実証する。
予め選択された問題のDNAセグメントを検出するためにサザンブロッティング及びPCRが使用され得るが、それらは、予め選択されたDNAセグメントが発現されているのかどうかに関する情報を提供しない。発現は、導入された予め選択されたDNAセグメントのタンパク質生成物を特異的に同定すること又はそれらの発現によりもたらされる表現型変化を評価することにより評価されてもよい。
特有のタンパク質の製造及び同定のためのアッセイは、タンパク質の物理化学的な、構造的な、機能的な、又は他の特性を利用し得る。独特の物理化学的又は構造的特性は、タンパク質が、電気泳動手順、例えばネイティブ若しくは変性ゲル電気泳動若しくは等電点電気泳動により、又はクロマトグラフィー技術、例えばイオン交換若しくはゲル排除クロマトグラフィーにより分離及び同定されることを可能とする。個々のタンパク質の独特の構造は、フォーマット、例えばELISAアッセイにおいてそれらの存在を検出するために特異的な抗体を使用する機会を与える。アプローチの組合せがよりいっそう高い特異性と共に用いられてもよく、これは例えば電気泳動技術により分離された個々の遺伝子産物を位置決定するために抗体が使用されるウエスタンブロッティングである。目的の生成物の素性を絶対的に確認するために追加の技術が用いられてもよく、これは例えば精製後のアミノ酸シークエンシングによる評価である。これらは最も一般的に用いられるものであるが、他の手順が追加的に使用されてもよい。
アッセイ手順はまた、機能性、特に特異的な基質及び生成物を伴う特異的な化学反応を触媒する酵素の能力によりタンパク質の発現を同定するために使用されてもよい。これらの反応に続いて、物理的又は化学的手順により基質の喪失又は反応の生成物の生成を提供及び定量化してもよい。例は、分析される酵素と共に多様である。
非常に頻繁に、遺伝子産物の発現は、その発現の表現型的結果を評価することにより決定される。これらのアッセイはまた多くの形態をとることができ、これには、植物の化学組成、形態、又は生理学的特性における変化の分析が含まれるがこれらに限定されない。形態学的変化は、より高い身長又はより厚い柄を含んでもよい。最も多くの場合に、課せられた処理に対する植物又は植物部分の応答における変化が、バイオアッセイと称される慎重に制御された条件下で評価される。
植物中での作動可能に連結された核酸の発現を調節するため又は構成的プロモーター活性を有する他の核酸を同定するための本明細書に記載される構成的プロモーター活性を有する核酸の使用が提供される。
食品、飼料、又は産業製品を製造する方法は、a)本発明の植物、植物部分又は種子を得ること、及びb)植物、植物部分又は種子から食品、飼料、又は産業製品を調製することを含む。方法はまた、a)食品若しくは飼料が、油、穀粉、穀物、デンプン、小麦粉若しくはタンパク質であるか、又はb)産業製品が、バイオ燃料、繊維、産業化学物質、医薬品若しくは栄養補助食品である場合を含み得る。
本発明は、記載される通りの特定の方法論、プロトコール、細胞株、植物種又は属、構築物、及び試薬に限定されないことが理解されるべきである。本明細書において使用される学術用語は、特定の実施形態を記載する目的のために過ぎず、本発明の範囲を限定することは意図されず、該範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることもまた理解されるべきである。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「and」、「the」は、文脈が他に明確に規定しなければ、複数の参照物を含むことが留意されなければならない。そのため、例えば、「ベクター」(a vector)への言及は、1つ以上のベクターへの言及であり、当業者に公知のその均等物を含む、等である。
配列表
本出願は、本開示の別々の部分として、参照により全体が組み込まれる、コンピュータ読取り可能な形態(ファイル名:202017P2_Seqlisting.txt;サイズ:5,022バイト;作成日:2020年11月20日)の配列表を含有する。
[実施例]
実施例において他に記載されなければ、全ての組換えDNA技術は、Sambrook and Russell (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY、Ausubel et al. (1994) Current Protocols in Molecular Biology, Current Protocols, USAのVolume 1及び2、並びにBrown (1998) Molecular Biology LabFax, Second Edition, Academic Press (UK)のVolume I及びIIに記載されるような標準的なプロトコールに従って実行される。植物分子研究のための標準的な材料及び方法は、Plant Molecular Biology Labfax (1993)、R.D.D. Croy、BIOS Scientific Publications Ltd (UK)及びBlackwell Scientific Publications, UKの共同出版に記載されている。ポリメラーゼ連鎖反応のための標準的な材料及び方法は、Dieffenbach and Dveksler (1995) PCR Primer: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press、及びMcPherson at al. (2000) PCR - Basics: From Background to Bench, First Edition, Springer Verlag, Germanyに見出され得る。
[実施例1]
ダイズ遺伝子glyma13g33190のプロモーター領域のクローニング
P-bdc16-1.2、配列番号1と称されるダイズ遺伝子glyma13g33190 (SoybaseアノテーションGlyma 1.1)のプロモーター領域をクローニングするために、Thorneからのglyma13g33190遺伝子のプロモーター配列を含有するプラスミドを、NEB (Ipswich、MA、USA)からのQ5 High-Fidelity DNA Polymerases kitを使用する配列番号1のPCR増幅のための鋳型として使用した。アダプター及び配列特異的プライマー(フォワードプライマー: ctccgaatatctcttagttgaaaaaaaacatttc(配列番号5);リバースプライマー: TTTCTTTCTTGCTTTCTTATGATTCTCTTCTTCTC(配列番号6))を用いてプラスミドDNAに対してPCRを行った。アダプターは、クローニング部位に隣接するデスティネーションベクター配列に相補的な短いDNA配列である。0.8%(w/v)アガロースゲルでの電気泳動を使用してPCR生成物を分解した。約1080bpのサイズを有する断片をゲルから切除し、精製し、製造者の使用説明書に従ってGibson assembly kit(SGI-DNA、Madison、Wis.、USA)を用いて、SbfI及びBsgI酵素で予め消化した本発明者らによる独自開発の植物遺伝子発現ベクターpBay01339へと組み立てた。結果として得られたベクターpBay02059をシークエンシングし、ThorneからのP-bdc16-1.2配列とアライメントしたところ、100%のアライメントが見出された。
P-bdc16-1.2は元々、PCR増幅を用いてダイズ(Glycine Max栽培品種Thorne)ゲノムDNAからクローニングされた。
[実施例2]
プロモーター欠失バリアント
PCR媒介性クローニングを介してP-bdc16-1.2の5'末端からの200bp欠失のシリーズを作製した。簡潔に述べれば、480bp(配列番号4)、680bp(配列番号3)、及び880bp(配列番号2)のサイズを有するダイズ遺伝子glyma13g33190のプロモーター領域をpBay02059のプラスミドDNAからPCR増幅した。PCRは、実施例1に記載されるものと同じ方法で行った。PCRプライマーは、アダプター並びに、同じ3'末端を有するこれらの切断されたプロモーターの各々に対する配列特異的プライマーからなる。アダプターは、クローニング部位に隣接するデスティネーションベクター配列に相補的な短いDNA配列である。この場合、デスティネーションベクターはpBay02059である。1%(w/v)アガロースゲルでの電気泳動を使用してPCR生成物を分解した。480bp(配列番号4)、680bp(配列番号3)、及び880bp(配列番号2)のサイズを有する断片をゲルから切除し、精製し、製造者の使用説明書に従ってGibson assembly kit(SGI-DNA、Madison、Wis.、USA)を用いて、SbfI及びBsgI酵素で予め消化したpBay02059へと組み立てた。結果として得られたプラスミドpBay2206、pBay02207、pBay02208は、P-bdc16-1.3 (880bp - 配列番号2)、P-bdc16-1.4 (680bp - 配列番号3)、P-bdc16-1.5 (480bp - 配列番号4)をそれぞれ含有する。結果を図2に示す。
[実施例3]
タバコ一過性アッセイ
pBay02059、pBay2206、pBay02207、及びpBay02208のプラスミドDNAでアグロバクテリウム株EHA105 (Hood et al., 1986)を形質転換した。これらのプラスミドを含有する得られたアグロバクテリウムを使用して、ニコチアナ・ベンタミアナ(Nicotiana Benthamian)の十分に拡大した若葉をアグロインフィルトレーションした(Wydro et al., 2006)。インフィルトレーションした葉試料をアグロインフィルトレーションの2日後に収集した。レポーター(昆虫耐性遺伝子)発現(総可溶性タンパク質のパーセンテージ、% TSP)をこれらの試料において分析した。結果を図3に示す。
[実施例4]
追加の発現分析
プロモーターP-bdc16-1.2(配列番号1)の由来となるネイティブなダイズglyma13g33190についての発現データ(RNA-seq)を行った。GENEWIZ(South Plainfield、NJ)においてダイズ組織(栽培品種Thorne)を用いてRNA-seqデータを生成した。図4に示されるように、P-bdc16-1.2(配列番号1)は、茎、葉、根及び花種子/鞘を含めて、試験された全ての植物組織において構成的に発現される。
[実施例5]
ダイズ栽培品種における安定な形質転換
Agrobacterium Protocolsの第275~284頁(Luth et al., 2015)に記載されるような成熟した半種子からの出発材料を利用するA.ツメファシエンス形質転換方法を使用して安定な形質転換事象を作出した。ベクターpBay02059からのプラスミドDNAでアグロバクテリウム株EHA105 (Hood et al., 1986)を形質転換し、安定な形質転換実験のためにも使用した。出発材料は、2つの別個の成熟群(MG)、MG3及びMG8を表す形質転換に適する2つのダイズ栽培品種をソースとした。単一のT-DNA挿入を含有するT0事象を選択するための除草剤選択及びコピー数PCRの両方により成功裏の遺伝子移入が確認された。表1及び図5を参照。
Figure 2023517325000002
陽性事象の同定後に、v2-v3成長ステージにおいて試料を採取し、導入された昆虫耐性遺伝子に特異的なアッセイを利用するELISAにより相対的なタンパク質発現を確認した(図6)。
[実施例6]
ダイズ栽培品種における目的のポリヌクレオチドの発現
昆虫耐性遺伝子のタンパク質発現のT0世代四分位範囲を表す事象を選択した(MG3ダイズ n=9事象、MG8ダイズ n=8事象)。分離T1種子をまき、植物を典型的な温室条件下で生育した。出現の直後に全ての植物をコピー数についてサンプリングし、昆虫耐性遺伝子及び除草剤選択マーカーの両方について分析した。表2並びに図7及び図8を参照。
Figure 2023517325000003
以下のように各々の事象からv3-v4成長ステージにおいてELISA分析試料を採取した - 1つの0コピー(ヌル)並びに3つまでの1コピー(半接合性)及び2コピー(ホモ接合性)の両方のベクター。図9を参照。
参考文献
Hood, E. E., G. L. Helmer, R. T. Fraley, and M.-D. Chilton. 1986. The hypervirulence of Agrobacterium tumefaciens A281 is encoded in a region of pTiBo542 outside of T-DNA. J. Bacteriol. 168:1291-1301.
Wydro M., E. Kozubek, and P. Lehmann. 2006. Optimization of transient Agrobacterium-mediated gene expression system in leaves of Nicotiana benthamiana. Acta Biochimica Polonica. Vol. 53, No 2/2006, 289-298.

Claims (19)

  1. (a)配列番号1若しくは配列番号2のヌクレオチド配列又はその機能性断片を含む核酸、及び
    (b)配列番号1若しくは配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、又はその機能性断片を含む核酸
    からなる群から選択される、構成的プロモーター活性を有する単離された核酸。
  2. 請求項1に記載の構成的プロモーター活性を有する核酸を含む、目的のポリヌクレオチドの発現を調節するための組換え遺伝子。
  3. 構成的プロモーター活性を有する核酸に作動可能に連結された少なくとも1つの目的のポリヌクレオチドを更に含む、請求項2に記載の組換え遺伝子。
  4. 目的のポリヌクレオチドが殺虫タンパク質又は除草剤選択マーカーをコードする、請求項2又は請求項3に記載の組換え遺伝子。
  5. 請求項1に記載の構成的プロモーター活性を有する核酸又は請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の組換え遺伝子を含む、ベクター。
  6. 発現ベクターである、請求項5に記載のベクター。
  7. 請求項1に記載の構成的プロモーター活性を有する異種核酸、請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の組換え遺伝子又は請求項5若しくは請求項6に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  8. 植物細胞である、請求項7に記載の宿主細胞。
  9. 請求項1に記載の構成的プロモーター活性を有する異種核酸、請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の組換え遺伝子又は請求項5若しくは請求項6に記載のベクターを含む、植物、植物部分又は種子。
  10. 宿主細胞において目的のポリヌクレオチドを発現させる方法であって、
    (a)請求項1に記載の構成的プロモーター活性を有する核酸、請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の組換え遺伝子又は請求項5若しくは請求項6に記載のベクターを宿主細胞に導入すること、及び
    (b)前記宿主細胞において少なくとも1つの目的のポリヌクレオチドを発現させること
    を含む、方法。
  11. 前記宿主細胞が植物細胞である、請求項10に記載の方法。
  12. 目的のポリヌクレオチドによりコードされる蓄積されたタンパク質の検出可能な量が、抽出された総可溶性タンパク質の約0.01%~1.15%である、請求項10又は請求項11に記載の方法。
  13. 植物又は植物部分を製造する方法であって、
    (a)請求項1に記載の構成的プロモーター活性を有する核酸、請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の組換え遺伝子又は請求項5若しくは請求項6に記載のベクターを植物細胞に導入すること、及び
    (b)前記植物細胞を再生させて植物又は植物部分を形成させること
    を含む、方法。
  14. 植物において殺有害生物活性を提供する方法であって、
    (a)請求項1に記載の構成的プロモーター活性を有する核酸、請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の組換え遺伝子又は請求項5若しくは請求項6に記載のベクターを植物の宿主細胞に導入すること、及び
    (b)前記宿主細胞において殺有害生物タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現させ、それにより植物において殺有害生物活性を提供すること
    を含む、方法。
  15. 殺有害生物タンパク質が殺虫タンパク質である、請求項14に記載の方法。
  16. 植物において作動可能に連結された核酸の発現を調節するための、請求項1に記載の構成的プロモーター活性を有する核酸の使用。
  17. 構成的プロモーター活性を有する他の核酸を同定するための、請求項1に記載の構成的プロモーター活性を有する核酸の使用。
  18. 食品、飼料、又は産業製品を製造する方法であって、
    (a)請求項9に記載の植物、植物部分又は種子を得ること、及び
    (b)植物、植物部分又は種子から食品、飼料、又は産業製品を調製すること
    を含む、方法。
  19. (a)食品若しくは飼料が、油、穀粉(meal)、穀物(grain)、デンプン、小麦粉若しくはタンパク質であり、又は
    (b)産業製品が、バイオ燃料、繊維、産業化学物質、医薬品若しくは栄養補助食品である、
    請求項18に記載の方法。
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