JP2023514414A - プロピオニバクテリウム・アクネスの予防的かつ治療的な免疫処置 - Google Patents

プロピオニバクテリウム・アクネスの予防的かつ治療的な免疫処置 Download PDF

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Abstract

本発明は、P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)、P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)およびP.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITP)ポリペプチドならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体のうち1つまたはそれ以上を含むワクチンを開示し、DsA1ポリペプチドおよびDsA2ポリペプチドは、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、PITPポリペプチドは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXTGモチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含む。

Description

本発明は、P.アクネス(P.acnes)関連病理の予防的かつ治療的な処置に用いることができるワクチン抗原に言及する。
1.背景
グラム陽性細菌プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes(P.acnes);最近キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)と再命名されることが提案された)は、皮脂の分泌に起因する固有の脂質リッチ環境を提供する、皮脂腺内に主に存在する皮膚共生生物である。P.アクネスは耐気性であるが、嫌気性成長条件を好んで、周囲の皮膚組織由来の皮脂、細胞残渣、および代謝副産物を、エネルギーおよび栄養の一次供給源として用いる。また、P.アクネスは、皮膚から離れて、ヒトおよび他の動物の結膜、気道、尿生殖器管、および消化管において見出されてきた。
P.アクネスは、その、尋常性ざ瘡等の皮膚障害における役割について、最も知られている。ざ瘡は、皮膚における毛嚢脂腺単位の疾患であり、若者の85%超に影響を与え、集団の20%超が、10代の期間を越えて病徴をかなり経験し続ける。尋常性ざ瘡は、様々な重症度:軽度、中程度、重度を表す。中程度のざ瘡および重度のざ瘡は、全ての症例の3分の1超を占め、医学的な処置を必要とする。また、ざ瘡は、女性においてより一般的であるホルモン変動と多くの場合関連する成人発症の症状として、思春期後に出現し得る。尋常性ざ瘡との関係が最も確実に確立されているが、P.アクネスが、集簇性ざ瘡、劇症型ざ瘡、および嚢胞性ざ瘡等のざ瘡の他の重度の型においても役割を果たすのではないかと思われている。皮膚病学的病理に加えて、P.アクネスは、角膜潰瘍においても見出されており、白内障手術後の慢性眼内炎の一般的な原因である。術後人工インプラントおよびデバイス関連感染症(インプラント関連感染症)、心内膜炎、サルコイドーシス、骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、肺血管炎、SAPHO症候群(関節滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨過形成、骨炎)、ならびに座骨神経痛に至る腰椎神経根の炎症を含む、種々の他の炎症性疾患が、P.アクネスと関連している。より最近の研究は、前立腺癌等の非感染性の疾患においても、細胞内に存続する能力に起因する、遺伝子発現の変更に至り得る、P.アクネスの潜在的な病原的役割を示唆している。
局所性および全身性双方のざ瘡について最も一般的な処置の1つとして、抗生物質が数十年間用いられてきた。しかしながら抗生物質は、P.アクネスに対して特異的に効かず、とりわけ抗生物質の広範囲にわたる使用が、抗生物質耐性細菌の増大に至るため、長期間与えることができない。ビタミンA誘導体(レチノイド)が、2番目に広く用いられている処置オプションを代表する。というのも、当該薬物は、脂腺活性を抑制するので、炎症性病変を間接的に縮小するからである。しかしながら、経口レチノイドは、全ての患者において有効であるわけではなく、処置の中断後の再発が頻繁であるため、根治的薬物でない;さらに、血清トリグリセリドレベルの上昇、急性膵炎、肝毒性、臨床的鬱病、および妊娠中の女性における重度の先天性欠損症を含む重度の副作用と関連してきた。他の従来のざ瘡処置は、経口避妊薬および局所性殺菌剤、例えば過酸化ベンゾイルを含む。レチノイドのように、これらの処置はいずれも、長期的に有効でなく、かつ根治的でなく、全ての患者に適しているわけではなく、長期間にわたる使用は、求められていない副作用と関連する。さらに、治験において現在試験されている薬物は、数十年前に発見されたものとはそれほど異ならず、期待外れの結果を示している(非特許文献1)。したがって、より有効な、安全性プロファイルが向上したざ瘡治療用処置が必要とされている。さらに、ざ瘡の予防的療法が、とりわけ、重要な素因の1つであるざ瘡の家族歴がある10代にとって、極めて有益であろうが、存在しない。また、P.アクネスに対してより高いレベルの防御免疫を誘導するように具体的に設計されたワクチンの形態での予防的治療が、インプラント関連感染、およびP.アクネスが病原性役割を果たす他の病状のリスクを大きく低減することとなる。高い医学的必要性および数十年間の調査にも拘わらず、P.アクネス関連病理に対する免疫ベースの治療の開発における進展は、疾患の病因、および疾患におけるヒト免疫系の役割に関する分野における混乱によって、非常に遅く、妨げられてきた。
P.アクネスが、ざ瘡の病因および他の病理に寄与する方法および範囲は、疾患の多因子性に起因して、依然として議論されており、Koch病がそう主張する、P.アクネスが全ての個体にコロニー形成するという事実は、当て嵌まり得ず、異なる臨床試料における同定は、多くの場合、ラボ従事者による試料プロセシング中の混入に起因してきた。複雑にしている更なる一要因が、ヒト組織の複雑性および組織化を正確に表し、かつP.アクネス等の皮膚コロニー形成微生物とのヒト宿主相互作用を再現する、証明された予測用動物モデルの不在である。動物皮膚は、組織学的に、生化学的に、免疫学的に、ヒト皮膚と異なる;P.アクネスは、動物皮膚にコロニーを形成せず、かつざ瘡病変を誘導しない。幾つかの異なるP.アクネス動物モデルが、異なる調査グループによって公開されてきたが、これらは、より広いざ瘡調査コミュニティによって受け入れられなかった。というのも、ヒト疾患の重要な病徴が欠如しているからである(非特許文献2)。これらの全ての理由のために、当該分野における調査努力は、種々のインビトロ系におけるP.アクネスの成長および挙動の評価、種々の組織学的方法によるざ瘡罹患皮膚区画の試験に集中し、最近の大きな注目は、まとめてヒト皮膚微生物叢として知られている、ヒト皮膚にコロニーを形成する微生物群落の分析に充てられており、その、炎症または感染症に至る宿主細胞との相互作用は、依然として、熱心な調査努力の対象である。
したがって、ざ瘡の処置における現在の当該技術の事情は、非特許文献3の表IIIに要約されている:
Figure 2023514414000001
このガイドライン表において、ざ瘡の処置についての利用可能な全証拠は、雑誌US family medicine and primary careの編集者によって作成されたStrength of Recommendation Taxonomy(SORT)と呼ばれる統一系を用いて評価された。証拠は、以下のような、方法論の質(例えば、無作為化試験、ケースコントロール、見込みのある/遡及的コホート、ケースシリーズその他)および研究の全体的な焦点(すなわち、診断、処置/防止/スクリーニング、または予測)に基づく三点スケールを用いて等級分けされた:
I.質が良好な患者向きの証拠(すなわち、患者にとって重要である転帰:罹患率、死亡率、病徴改善、コスト低減、およびクオリティオブライフを測定する証拠)。
II.質が限られた患者向きの証拠。
III.コンセンサスガイドライン、オピニオン、ケーススタディ、または疾患向きの証拠(すなわち、患者の転帰の改善を反映していても反映していなくてもよい、中間、生理学的、またはサロゲートエンドポイントを測定する証拠)を含む他の証拠。
臨床推奨は、ガイドラインにおいて表にした利用可能な最良の証拠に関して作成された。推奨の強さは、以下のようにランク付けされた:
A.首尾一貫して質が良好な患者向きの証拠に基づく推奨。
B.質が首尾一貫しない、または限られた患者向きの証拠に基づく推奨。
C.コンセンサス、オピニオン、ケーススタディ、または疾患向きの証拠に基づく推奨。
(ほとんどの治療がP.アクネスを殺傷するか、または低減することを目指すが)ワクチン接種アプローチがクリニックまで進まなかったことは、注目に値する。
また、見込みがある将来の治療についての現在の知識および展望を含有する本分野における最近のレビュー論文は、ワクチン接種について完全に語られていないか(非特許文献4)、実行可能なアプローチとしてのワクチン接種について非常に懐疑的であるか(非特許文献1)、またはワクチン抗原の選択および組成に関して具体的な解決案を提供しておらず、病因に関係する様々なP.アクネス病原性因子の概観を与えて、より十分かつより大きな研究が、P.アクネス病因におけるこれらの病原性因子の適切な役割をさらに定義するために必要であることを示唆するのみである(非特許文献2、非特許文献5)。注目すべきことに、Zouboulisらは、2017年のレビューにおいて、「P.アクネスに対するワクチン接種についての潜在性は、調査されてきた」(非特許文献1、819頁)、「しかし、関連研究は2011年に止められた」と結論を下している。P.アクネス抗原性構造に対するワクチンが、ざ瘡を有するヒトにおいて有効であることは、明らかに示されていない。そのようなワクチン接種アプローチについて得られた結果を鑑みて、著者らは、原則として、「特に患者選択、ざ瘡におけるP.アクネスの役割、およびノーウイルスバックグラウンドの疾患におけるワクチン接種の有効性に関して」ざ瘡と戦うための「ワクチン接種の潜在的役割」を疑問視した。
Zouboulisら、2017年 O’NeillおよびGallo 2018年 「Guidelines of care for the management of acne vulgaris」、Zaengleinら、2016年 Leeら、2019年 McLaughlinら、2019年 Chattopadhyayら Prot. Sci. 28巻(2019年)、1127~1134頁 Martinら、2014-NanoTemper Technologies GmbH-Application_Note_NT-PR-001_-_Thermal_Unfolding Krakowiakら、J. Biol. Phys. 45巻(2019年)、161~172頁 Xiaoら、Biochemistry 49巻(2010年)、5588~5599頁 Wingfield、Curr. Protoc. Protein Sci. 88巻(2018年)、6.14.1~6.14.3
2.本発明の目的
本発明の目的は、P.アクネスワクチンについての先行技術の示唆の欠点を克服すること、P.アクネス感染およびP.アクネス関連障害を防止して、これと戦うための手段および方法の向上を実現することである。
更なる目的は、P.アクネスワクチン、およびP.アクネスに対する免疫治療の向上を実現することである。
より詳細には、本発明の別の目的は、疾患を引き起こすことができる広い範囲の異なるP.アクネスの株、ファイロタイプ、およびバリアントに対して保護的であるワクチン、とりわけP.アクネスの少なくとも2つもしくはそれを超えるリボタイプ、またはP.アクネスの少なくとも2つもしくはそれを超えるCC型、またはP.アクネスの少なくとも2つもしくはそれを超えるMLSTファイロタイプに対して、あるいはP.アクネスの3つ全ての主要なファイロタイプ、すなわちI型、II型、およびIII型に対して保護的であるワクチンを提供することである。
好ましくは、本発明は、P.アクネスの表面上での抗原発現の種々の状態およびレベルでの、P.アクネス株からの、特に、宿主の侵入および感染を媒介することになる遺伝子を発現する株(病原性バリアントおよび病因関連バリアント)からの保護を実現し得、その発現生成物は、細菌に対して宿主適応免疫応答の効率を上昇させることができるオプソニン化かつ殺傷または中和活性を有する抗体を誘導することができる。
本発明の更なる目的は、免疫原性であり、P.アクネスの表面上での抗体結合に到達可能であり、例えばオプソニン食作用傷害、病原性潜在性の中和等の、P.アクネスに対する機能的活性(例えば、宿主組織への接着および細胞侵入についての潜在性を低減する、細胞内生存/持続性を低減する、鉄獲得および成長に対する干渉を介して細菌のフィットネスを低減する、細菌バイオフィルムの形成についての潜在性を低減する、または適応免疫応答を活性化することによって感染の蔓延を妨げる、その他)を有する抗体を誘導する抗原および抗原性エピトープを選択することである。
さらに好ましい目的として、本発明は、免疫原性が増大し、かつ交差結合性抗体および/または交差反応性抗体、とりわけ交差型反応性抗体を誘導する抗原の向上を実現し得る。
さらに、本発明の目的は、免疫化すると、増殖および病原性挙動を妨げる、細菌に対する食細胞の能力を大きく増大させる抗体を誘導する免疫関連(immunorelevant)ポリペプチドおよびワクチンを提供することである。
さらに、別の好ましい目的は、本発明が、ワクチン製造およびヒト宿主への投与についての安定性、純度、および従順が増大したワクチン組成物および製剤を提供し得ることである。
さらに、本発明の別の好ましい目的は、感染中にヒト宿主において抗体の生成を駆動する抗原を選択することであり、これは、病原性状態でP.アクネスに特異的に結合して、これを吸収して除去するように食細胞に指示すること、感染部位にて数を低減して、周囲組織への感染の蔓延を妨げることができる。
さらに、本発明の別の好ましい目的は、異なる遺伝的バックグラウンドの株によって形成されるP.アクネスバイオフィルムの表面上で発現され、到達可能であり、同様に細菌バイオフィルムに免疫応答を向けて、その成形および拡散を妨げるのを補助し、かつ/または免疫エフェクタによる分解および除去が、患者においてP.アクネスの制御を可能にするのを補助するように、抗体によって特異的に結合される、免疫学的に関連する抗原に対して、免疫応答を誘導することである。
3.本発明の要約
したがって、本発明は、特許請求され、本明細書中にさらに記載される、実施形態を含む主題を提供する。本発明は、P.アクネスを免疫学的に標的とするための、実質的かつ臨床的に関連する戦略、およびこの微生物と関係する治療結果を提供する。本発明は、(ヒト)患者の免疫系に免疫学的に対処して、P.アクネス徴候の有効な予防または治療を可能にすることを意図する。本発明に従う生成物、とりわけワクチンおよび治療的かつ予防的方法により、P.アクネス徴候が、効果的に制御されるか、寛解するか、または治療される。生存ワクチン接種アプローチが示唆されておらず、ざ瘡の免疫病理学が、疾患病因の知識におけるギャップの1つとして示されている、P.アクネス徴候の処置の分野における現在の状況(とりわけ、尋常性ざ瘡について:Zaengleinら、2016年)と対照的に、本発明は、そのような障害についての適切な、かつ関連する予防処置アプローチを提供する。加えて、治験において現在試験されている薬物は、数十年前発見されたものとそれほど異ならず、期待外れの結果を示してきた。さらに、P.アクネス抗原に基づくワクチン戦略は、実現可能性に関して疑われている(Zouboulisら、2017年)。したがって、本発明は初めて、P.アクネス徴候の生存ワクチン接種アプローチを切り開く。
好ましくは、本発明に従う革新的なポリペプチドを含むワクチン(これは、治療的処置または予防的処置として用いることができる)は、ヒト宿主にコロニーを形成し、かつ病原性遺伝子および形質の発現を優先する特定の環境または条件において病原性になることができる、遺伝的に異なる広範なP.アクネス株に対して、保護的である。好ましくは、本発明により、生存P.アクネス細菌によって提示されると、エピトープが、抗体に直接到達可能であると同定され、特徴付けられ、免疫系による当該エピトープの特異的結合が、細菌数、フィットネス、成長、病原性、またはそれらの組合せの低減につながる。好ましくは、本発明の過程において特徴付けられる当該エピトープは、表面到達可能エピトープと認識されるように、P.アクネス細菌によって提示されて、P.アクネスに対して高められたヒト血清免疫グロブリンに特異的に結合される。また、好ましくは、実験的な証明の目的で本発明の過程において観察されたように、当該エピトープは、タンパク質それ自体に対して高められた動物血清抗体によって、またはP.アクネスによって特異的に結合される。
本発明の特定の態様に従えば、本発明に従って特徴付けられるワクチン抗原は、フローサイトメトリーを使用する表面結合測定、およびそのようなワクチン抗原に対して高められた免疫血清を用いる殺菌アッセイによって判定して、少なくとも2つのP.アクネスMLSTファイロタイプ、および/またはP.アクネスの少なくとも2つの異なるCC型、および/またはP.アクネスの少なくとも2つのリボタイプの特異的結合およびオプソニン食作用傷害の実質的な増大に至る抗体を誘導する。
好ましくは、本発明の生成物による免疫化の後に誘導される抗体の交差反応性、とりわけ交差型反応性は、少なくとも2つまたは3つの遺伝的に異なる型のP.アクネス株に特異的に結合して、そのオプソニン食作用傷害活性を誘導することによって判定することができる。本発明の特定の実施形態に従えば、交差反応性/交差型反応性は、少なくとも1つのI型および少なくとも1つのII型またはIII型株に対するものである。本発明の更なる実施形態に従えば、交差反応性/交差型反応性は、少なくとも1つのII型および少なくとも1つのI型またはIII型株に対するものである。本発明の更なる実施形態に従えば、交差反応性/交差型反応性は、少なくとも1つのIII型および少なくとも1つのI型またはII型株に対するものである。本発明の更なる実施形態に従えば、交差反応性/交差型反応性は、少なくとも1つのI型、少なくとも1つのII型、および少なくとも1つのIII型株に対するものである。
好ましくは、本発明のワクチンによる免疫化によって誘導される抗体の交差反応性/交差型反応性は、MLSTタイピングスキームに従って定義される、IA1型、IA2型、IB型、IC型、II型、およびIII型株、またはI-Ia型、I-Ib型、I-2型、ならびにII型およびIII型からなる群から選択される2つまたはそれ以上のP.アクネス株に対するものである(LomholtおよびKilian 2010年;McDowellら 2012年;Barnardら 2015年;O’NeillおよびGallo 2018年;McLaughlinら 2019年)。さらに好ましくは、本発明のワクチンによる免疫化によって誘導される抗体の交差型反応性は、2つまたはそれ以上の異なるP.アクネス株に対するものであり、これらの2つまたはそれ以上の異なる株は各々、MLSTタイピングスキームに従って定義される、IA1型、IA2型、IB型、IC型、II型、およびIII型株、またはI-Ia型、I-Ib型、I-2型、II型、およびIII型からなる群の異なる型から選択される。
好ましくは、本発明のワクチンによる免疫化によって誘導される抗体の交差反応性/交差型反応性は、例えば、16Sリボソーム配列差異に従って決定される、種々のリボタイプの群から選択されるP.アクネス株の2つまたはそれ以上に対するものである(Fitz-Gibbonら、2013年;Tomidaら、2013年)。
好ましくは、本発明のワクチンによる免疫化によって誘導される抗体の交差反応性/交差型反応性は、オンラインSLSTデータベース:http://medbac.dk/slst/pacnes(更新:2019年9月14日;ST数:142)において文書化されている、140個を超えるSLS型A1-L10を含む、Scholzら、2014年によって記載される、単一遺伝子座(SLST)の分析に基づいて決定される2つまたはそれ以上のファイロタイプに対するものである。
好ましくは、本発明のワクチンによる免疫化によって誘導される抗体の交差反応性/交差型反応性は、株:NCTC737、KPA171202(DSMZ、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、Braunschweig、ドイツ)、SK137、HL005PA1、HL005PA4、HL013PA1、HL030PA1、HL043PA1、HL053PA1、HL053PA2、HL050PA1、HL050PA2、HL060PA1、HL110PA4(BEI、Biodefense and Emerging Infections Research Resources Repository、Manassas、VA)、P.acn31、PV66、およびAsn12(McDowellら、2012年)、Hung.#2(Institute of Biochemistry、Biological Research Centre of the Hungarian Academy of Sciences、Szeged)、ならびにIAI 008、IAI031、IAI034、IAI035、IAI038、IAI040、IAI042、IAI045、IAI041(Charite Berlin、Pro-Implant foundation)のいずれかによって表される少なくとも2つの異なる系統発生型、より好ましくは3つ、さらに好ましくは4つ、5つ、または6つの系統発生型に対するものである。
好ましくは、本明細書中に記載されるワクチンは、P.アクネス侵入、感染によって誘導される病的状態の進行に対して保護的であり、またはP.アクネス関連徴候の進行を防止するか、または低減することができる。保護は、以下の試験の少なくとも2つまたはそれ以上によって判定することができる:
a)P.アクネスの表面に結合する抗原特異的抗体の誘導;ならびに/または
b)P.アクネスに対する他の同族であるか、もしくは抗原特異的な抗体の抗菌活性の機能的阻害;ならびに/または
c)P.アクネスに対するオプソニン食作用傷害活性の誘導
d)P.アクネスによるバイオフィルム形成の防止、阻害、もしくは低減
e)P.アクネスによるインプラントもしくは医学的デバイス感染の防止
f)P.アクネス感染によって引き起こされる炎症もしくは組織損傷の低減
g)ヒト細胞、細胞外マトリックス成分、もしくは組織への接着の能力の低減
h)細胞侵入および細胞内生存能力の低減
i)ヒト免疫応答を回避するか、もしくはそれと競合する能力の低減(例えば、病原性因子の機能または発現を阻害することによる)
j)ニッチ適応および生存に必要とされる栄養および無機物を吸収する能力の低減
k)P.アクネスによって誘導される組織炎症の低減
l)P.アクネスによる損傷後の組織の治癒率および回復率の増大。
好ましくは、ワクチン製剤は、ヒトに、好ましくは少なくとも2回もしくは3回の投与によって、または少なくとも4回、5回、もしくはそれ以上の反復投与によって繰り返し投与される。好ましくは、ワクチンは、1またはそれ以上の処置サイクルに用いることができ、各々は、少なくとも1週または2週の間隔で、例えば1年の期間以内に、少なくとも2回または3回の連続投与を包含する。好ましくは、処置サイクルは、例えば5年またはそれ以下の期間内に、1×、2×、3×、または4×以上の少なくともいずれかの回数、繰り返してもよい。
特定の態様に従えば、ワクチンは、ヒト対象、例えば、小児、若者、または成人の対象への投与用に製剤化される。典型的には、ワクチンは、プライムおよびブースト免疫化の双方を包含する処置レジメンでの使用に適している製剤形態で提供され、好ましくは、同製剤形態は、プライムおよびブースト投与に適している。
好ましくは、製剤は、有効成分として、1つまたはそれ以上の抗原またはエピトープからなるか、またはこれらを含み、アジュバントで製剤化されている。
好ましくは、アジュバントは、無機塩、水中油エマルジョン、リポソーム、TLRアゴニスト、モノホスホリル脂質A、サポニン、リン脂質、またはそれらの組合せからなる群から選択される。
好ましくは、皮内、皮下(s.c.)、非経口、例えば、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮的、または局所性投与に適したワクチンが製剤化される。好ましくは、様々な型の製剤を、同ヒト対象を処置するために、例えば全身処置または注射で始めて、局所的または局所性投与による、例えばワクチンパッチの(反復)貼付による長期的な処置を続けるために用いることができる。
好ましくは、ワクチンは、用量あたり0.1μg~5mg、好ましくは0.5~1000μg、より好ましくは1~500μg、さらに好ましくは5~300μg、とりわけ10~200μgの各抗原を含む。
好ましくは、抗原は、抗原コードDNAまたはRNAとして提供される。したがって、本発明はさらに、本明細書中に記載されるワクチン抗原をコードするDNAまたはRNAを含むヒトワクチンを、好ましくは以下の構造を有するmRNA分子を有するmRNAワクチンとして提供する:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTR。このような場合、RNA/DNAワクチン用量は、1μg~5mgのDNAまたはRNAの範囲内にあることができる。
好ましくは、用量は、繰り返して投与される場合、変化することがあり得、例えばより高い処置用量から始めて、低減された処置用量が続く。
当該技術における現在の文献/状況における実施と対照的に、本発明に従うワクチンおよび製剤は、多種多様なP.アクネス関連徴候に使用可能であり、汎用性がある。先行技術において、特異的疾患を引き起こすとされる特定の株が調査/同定された。例えば、ざ瘡がIA1株によって(McLaughlin、2019年)、進行性斑状メラニン欠乏症がIII型株によって引き起こされ(Barnard、2016年)、前立腺癌が、チオペプチド生成型IB株によってより強く促進され(Sayanjaliら、2016年)、または高い抗体が、例えばサルコイドーシスにおける保護的な役割ではなく、病原性を有する(Schuppら、2015年)と考えられた。ファイロタイプから独立して、よりバイオフィルムを生成する株によって引き起こされるインプラント関連感染の文脈において、ファイロタイプ独立病原性が主に記載されてきた(Achermannら、2014年;Kuehnastら、2018年)。しかしながら、本発明に従う生成物は、種々のP.アクネス関連感染症全体に対して使用可能である。
特定の態様に従えば、本発明は、P.アクネス徴候のリスクがあるか、またはそれを患うヒト対象の処置に用いられるヒト抗P.アクネスワクチンを、好ましくは、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、医療用インプラントバイオフィルム感染症、人工関節感染症、手術創傷感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、心血管デバイス関連感染症、例えば人工弁心内膜炎;眼科用インプラント感染症、乳房インプラント疾病、座骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、慢性関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯牙感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、反対型ざ瘡、肺脈管炎、アテローム性動脈硬化症、前立腺癌、進行性斑状メラニン欠乏症、ならびに集簇性ざ瘡からなる群から選択される疾患を防止するか、処置するか、または寛解させる有効な量で提供する。本明細書中に記載される医学的使用によって処置される特異的疾患容体は、P.アクネスが原因物質の役割を果たす場合、あらゆる院内感染症または炎症関連疾患である。
また、本発明のワクチンのこの「広帯域の」適用範囲は、Bruggemannら、1019年における現在の調査目標の見解および要約と対照的に、有効である(stand):「ポストゲノム時代におけるC.acnes調査に関する現在の状況の概要」が示されたこのレビュー論文において、著者らは、基礎をなす疾患病因機構の理解の欠如が依然として存在しており、発症機構をより十分に理解するために、細菌の宿主相互作用特性をより十分に解明することが重要である;これは現在、有効な調査ツールの不足に起因する課題であると結論を下している。最後に彼らが提供するテイクホームメッセージは、以下のように要約される:「C.acnes(および他の皮膚微生物)の、ヒト免疫系の構成要素との相互作用、およびその結果は、現在、徹底的に調査されている。これらの相互作用は、複雑であり、様々な細胞型が関与する[…]」。取り組むべき将来の治療オプションを期待して、現在開発されている「新しい治療学的戦略」を指し示す:「効果のない抗生物質の脅威、ならびに過剰な抗生物質治療および他の抗ざ瘡治療法の重度の副作用に照らしてみれば、代替戦略が好ましい。皮膚用のプロバイオティクスが、現在開発されている[…]。」注目すべきことに、これらの「見込みがある将来の戦略」の1つとなるワクチンへの言及がなく、この論文において、そのようなP.アクネスワクチンがいかに機能し得るか、またはいかに設計することができるかのいかなるヒントもない。
好ましくは、ワクチンは、免疫を誘導して、P.アクネス感染を防止し、かつ/もしくは寛解させ、かつ/またはそのような感染の少なくとも1つの病徴を和らげ、かつ/またはワクチンの別の用量の有効性を増強するのに用いられる。ワクチンは、P.アクネス徴候を防止するか、寛解させるか、または処置するのに便利に用いることができる。対象中に導入すると、ワクチンは、抗体および/もしくはサイトカインの産生、ならびに/または細胞傷害性T細胞、B細胞、抗原提示細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞、および/もしくは他の細胞応答の活性化を含む免疫応答を誘発することができる。
好ましくは、対象は、予防または治療のいずれのためにも処置される。
好ましくは、対象は、I型、II型、もしくはIII型P.アクネスのいずれか、あるいはI型、II型、およびIII型の少なくとも2つのファイロタイプの、またはP.アクネスの少なくとも2のリボタイプの組合せに由来する株が、病原性因子として関与する、皮膚もしくは他の罹患器官もしくは組織状態を有する患者、またはP.アクネス株のいずれかによる感染に感受性であり得る健康な個体である。
好ましくは、本発明は、上述の徴候のいずれか、またはより一般的なあらゆるP.アクネス徴候にある対象を処置する方法であって、有効な量のワクチン抗原が対象に投与される方法を提供する。
好ましくは、抗原は、抗原あたり0.1μg~5mgの範囲内の有効量で少なくとも1回投与される。好ましくは、ワクチンは、対象への反復投与に、好ましくは少なくとも3回の投与、または少なくとも4、5、もしくはそれ以上の反復投与に用いられる。好ましくは、ワクチンは、1またはそれ以上の処置サイクルに用いることができ、各々は、少なくとも1週または2週の間隔で、例えば1年の期間以内に、少なくとも2回または3回の連続投与を包含する。好ましくは、処置サイクルは、例えば5年またはそれ以下の期間内に、1×、2×、3×、または4×以上の少なくともいずれかの回数、繰り返してもよい。
さらに特定の態様に従えば、本発明は、本明細書中に記載される抗原、または前記抗原をコードするDNAもしくはRNAを、薬理学的に許容されるヒトキャリアに混合し、かつ/またはコンジュゲートさせることによって、ヒトアジュバント製剤を得ることによって、本明細書中に記載されるワクチンを生成する方法を提供する。
また、抗原は、抗原コードRNAまたはDNA製剤として、好ましくは以下の構造を有するmRNA分子を有するmRNAワクチンとして送達することができる:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTR(または例えばこれ以外にも、レプリカーゼを提供する):そのような製剤は、ヒト治験において、局所注射および全身注射の双方に用いられてきた。
4.本発明の一般的説明
P.アクネス関連病理の分野における現在の課題は、どのくらいの数の、どの抗原または抗原性エピトープが含まれるべきか、どのようにこれらを組み合わせて生成するべきか、どの抗原性エピトープに、どのP.アクネス株に対して、免疫応答が、細菌に対する免疫エフェクタ細胞の所望の効果を確実にするように導かれるべきか、生成物が、感受性宿主において最適な保護的かつ/または治療的効果を提供するように製造かつ投与されるべきかに関する設計および詳細な説明に関して、特定の予防的生成物または免疫療法生成物を定義することである。
本発明は、P.アクネスに対して保護的な応答を誘導するのにワクチン材料内に必要な抗原および抗原性エピトープの正確な組成を提供することによって、これらの問題の解決案を提供する。また、どのように生成物が生成かつ投与されるべきかに関する指示を提供する。加えて、本発明は、どのP.アクネス株が、免疫療法アプローチおよび予防的アプローチによって標的とされるべきかという問題の解決案を提供する:これらの発見はまた、最適な治療戦略および生成物について、異なる結論に至って、先行技術において現在示唆されているよりもかなり広い株適用範囲を確実にし、かつ当該分野における知識の現在の事情に更なるイノベーションレベルをもたらす抗原組成をワクチンにもたせる。
とりわけ、ワクチンおよび免疫ベースの治療の発見は、中心および皮膚双方の免疫(both central and skin immunity)によって調節され、かつコロニー形成および感染の双方によって誘導かつ具体化される宿主免疫応答を研究する困難によって阻止されてきた。
能動ワクチン接種は、一価もしくは多価サブユニットワクチンまたは全細胞ワクチンに基づき得る。全細胞ワクチンの場合、細菌細胞は、種々の化学試薬を用いる固定によって不活化されるか、または熱もしくは細胞溶解によって死滅させられてから、経口的に、または皮下に繰り返し施用される。サブユニットワクチンと対照的に、全ワクチンは、微生物の細胞壁内に含有されるか、または分泌される多くの異なるタンパク質(一部のみ保護に関与することとなる;しかしながら、それらの有効性は、病原性の潜在性を有する全ての異なる株間での天然のエピトープ発現および保存のレベルにより左右される)の十分に特徴付けられていない混合物を含有する。とりわけ、自己由来の細菌株を用いて調製される自家ワクチンは、更なる不確実性レベルを、免疫応答のクオリティに加える。なぜなら、天然の構造およびエピトープに及ぶ化学プロセシングの効果は、異なる個体から単離される株間で大いに変動し得、特定の自己由来細菌株に対する既存の免疫レベルは、異なる患者間で大いに変動し得るからである。これらの全ての理由のために、全細胞ワクチンによる免疫化の効率は、異なる対象において大いに変動し得、安全性リスクの増大に結び付けられて、全細胞ワクチンはもはや、処置の好ましい選択でなく、多くの西洋社会では、使用から締め出されている。それでもやはり、P.アクネスを含むいくつかの共生生物日和見病原体の自己由来の細菌株を用いた自家ワクチン療法の有益な効果の報告(Zaluga 1998年;LoveckovaおよびHavlikova 2002年)、および多数の細菌株の迅速な配列決定を可能にする最近の技術的進歩は、P.アクネス関連疾患の予防および免疫治療の分野において、調査の復活に至っている。
ワクチンとして用いることができる抗原を同定するためのかなりの努力が、過去20年にわたって費やされてきた。多くの推定のP.アクネス病原性因子が、異なる調査グループによって同定されており、ざ瘡病因についての種々の仮説が提示されてきた。しかしながら、P.アクネスは、何百もの異なるタンパク質を発現かつ分泌し、これらの多くは、推定の病原性因子であると提示されおり、かつヒトは、各人に固有の様々なP.アクネス株の特定のシグネチャーによってコロニー形成されるので、P.アクネスによって引き起こされる疾患に対して保護的にするのに、保護的な予防的生成物または治療生成物がどのように見えるはずであるかの、より大きなパーセンテージの感受性個体において治療的利益を提供する潜在性があるかの、具体的な指示も証拠も提供されていない。したがって、本発明は、本明細書中で得られるデータに基づいて、当該分野における現在の課題が、1つまたはそれ以上の抗原がワクチン組合せに必要であるならば、どの抗原を選択するのが最良であるか、どのP.アクネス株が、ワクチンによって標的とされるべきか、免疫応答がどの抗原性エピトープに誘導されるべきか、および高割合の株からの保護を実現し、かつ単一の抗原を含有するワクチンでより可能性が高いエスケープ突然変異体の機会を低減する最適な保護的または治療的免疫調節効果を提供するために生成物をどのように生成し投与すべきかに関しての生成物の説明を定義することであることを同定かつ特定することができる。当該分野における状況は、尋常性ざ瘡および他の病的状態におけるP.アクネスの役割について何が知られているかをレビューした最近の刊行物において解説されており、保護的な治療生成物を発見することに関する課題が強調されている(O’NeillおよびGallo 2018年;Bruggemann 2019年;McLaughlinら 2019年)。これらの課題は、現在、P.アクネスによって誘導される感染に対する広い交差反応性ワクチンを開発するための考えから逸れているが、その代わりとして、特定の一ファイロタイプに対してのみ作用するべきである生成物を設計することであり、例えば尋常性ざ瘡の場合では、ファイロタイプIA1が、主要な病原性因子と考えられている。ワクチンベースの戦略を開発する困難は、当該分野において、新しい方面に至っており、無害な共生生物と考えられる株の成長を支持するように作用するべきである非免疫性剤、例えばプロバイオティクス、光線療法、および他のアプローチに集中している。
本特許出願の主題である本発明についての先行技術および最も関連する背景を、以下のように要約することができる:
2001年および2003年に、Corixa Corporationによって出願された、ヒトドナーから単離された抗体およびT細胞を用いてP.アクネスのファージディスプレイライブラリの血清学的スクリーニングの結果を開示する2つの特許出願が公開された(国際公開第2001/81581A2号および国際公開第2003/033515A1号)。国際公開第2001/81581A2号は、一連のP.アクネスタンパク質およびその免疫原性断片を開示した。国際公開第2003/033515A1号は、P.アクネスに対する抗原性組成物およびワクチンを開示した。これらの2つの出願は、免疫療法生成物または診断用生成物として用いることができる全ての種類のタンパク質を含む多数のポリペプチド配列および免疫原性断片を含有した。ヒト血清と反応性である候補抗原を、免疫原性P.アクネスタンパク質と称して、国際公開第2001/81581A2号の表5に要約した。潜在的抗原候補は、バイオインフォマティクス分析、および他の微生物病原体によって発現されるタンパク質への相同性に基づいて、宿主防御において関連性を有し得る生物学的機能を有すると予測されるものと考えた。これらは、とりわけ、いくつかの異なるトランスフェラーゼ、エンテロトキシン、リポタンパク質、パーミアーゼ、プロテアーゼ、膜タンパク質、分泌タンパク質、アドヘシン、輸送体、溶血素、ペニシリン結合タンパク質、シアリダーゼ、シデロホア、亜鉛、鉄、およびマンガン結合タンパク質を含む(表6、国際公開第2001/81581A2号)。また、本出願において開示される抗原の多くは後に、他の調査グループによってより詳細に同定かつ研究された。しかしながら、潜在的に予防的であるか、または治療的なワクチン候補としての適性について、ほんの少数しかインビトロで、インビボで評価されていない(Nakatsujiら、2008年;Liuら、2011年;Wangら、2018年)。最も有望な抗原候補は、シアリダーゼ、リパーゼ、およびCAMP因子2を含み、これらは、米国特許第9,340,769B2号(米国特許出願公開第2011/0243960A1号、国際公開第2010/065735A2号として出願)によって保護された。
2006年に、Lodesらは、より詳細に、国際公開第2001/81581A2号および国際公開第2003/033515A1号において開示される免疫反応性P.アクネスタンパク質の4つを特徴付けた。2つのタンパク質は、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)htaA遺伝子(PA-21693およびPA-4687)に関連していた;他の2つ(PA-5541およびPA-25957)は、連鎖球菌M様タンパク質に対していくらかの類似性を有し、互いに類似している(68%)ことが見出された。バイオインフォマティクス分析に基づいて、著者らは、PA-21693が、様々な臨床単離物間でより保存されていると予測し、その発現は、鉄利用能に依存性であることが見出された。しかしながら、他の3つのタンパク質は、DNA配列内で同定された多くのフレームシフトおよび変異に起因して、様々な株によってかなり可変に発現されることが見出された。さらに、タンパク質を発現することができると考えられた株において、タンパク質を細胞表面上に位置決めするか、または分泌することができるような、細胞位置の差異が予測された。分泌は、LPTG(X)ドメイン(式中、Xはあらゆるアミノ酸であり得る)と称される特定の細胞壁結合モチーフの存在に関して依存性であることが示唆された。バイオインフォマティクスおよびイムノブロット分析により、著者らは、同定されたタンパク質が、様々なP.アクネス単離物間で、相変異(発現および非発現)および抗原性変異(同じタンパク質の異なる抗原性バリアントの発現)の双方の潜在性を有すると結論を下した。加えて、タンパク質PA-5541およびPA-25957のC末端に向けて位置決めされるプロリン-トレオニン(PT)リピート領域は、高度に抗原性であると予測された。PTリピートを欠いているN末端タンパク質断片(NH2-25957)とのヒト抗体の反応性を、PTリピートを含有するC末端断片(PT-25957)と比較して分析することによって、著者らは、ざ瘡陰性血清(「軽度のざ瘡またはざ瘡なしの履歴を有する」と定義される)内の抗体が、4つの試験されたIgGサブクラスのいずれかと、PTリピートを含有するC末端断片に対して特異的に反応し、この応答が、IgG2/3タイプのものであるが、N末端断片に対して、反応性がほとんど、または全く検出されないと結論を下した。これらの結論と対照的に、著者らは、ざ瘡陽性血清(「中程度~重度のざ瘡の履歴を有する」と定義される)由来の抗体が、タンパク質のN末端部分に向けられ、IgG1/4サブタイプのものであることを見出した。また、PA-21693およびPA-4687において同定される親水性リピート領域は、高度に抗原性であると予測された。しかしながら、これらの領域に対するざ瘡陰性および陽性対象由来のヒト抗体の反応性は、研究されなかった。抗体のタイプ、ならびにPA-25957およびPA-5541の異なる断片の結合における差異は、ざ瘡傾向がある個体において免疫応答の調節解除をおそらく担うと示唆されてきた。しかしながら、著者らは、ざ瘡患者が効率的にワクチン接種されるか否か、またはより調節された免疫応答を誘導するためにどのようにざ瘡患者が処置されるべきかの指示を提供しなかった。また、著者らは、研究タンパク質または配列領域(エピトープ)の1つか、またはそれ以上かが、これらのどれがワクチン内に含まれるべきかの示唆を提供しなかった(C末端PTリピート領域のみが、健康な個体において抗原性であると言及され、健康な皮膚について潜在的に関連すると言及された)。加えて、抗原PA-25957、PA-5541、およびPA-4687の発現は、高度に可変的であることが示唆された。しかしながら、異なる個体にコロニー形成する異なるP.アクネス株および遺伝子型の全体にわたるワクチン保護を確実にするための、予測される抗原性および発現変動がどのように克服されるべきか、これらの株のどれが標的とされるべきか、疾患関連株および機能エピトープに対する作用を確実にするための方法の指示は、提供されなかった。具体的な抗原組成、エピトープ選択、生成物設計、および施用に関する問題は全て、オープンなままにされて、著者らは、これらが将来の調査研究によって調査されるべきであることを示唆した。したがって、著者らは、調査から、4つのタンパク質PA-21693、PA-4687、PA-5541、およびPA-25957に関する発見もまた、治療ワクチン用の抗原を選択するのに、また、所望の免疫応答を駆動することができる抗原の重要なエピトープを選択するのに重要であり得ると結論を下すが、4つのタンパク質はいずれも、適したワクチン抗原として示唆されていない。全く逆に、著者らは、これらの可変に発現されるP.アクネス抗原に対する調節解除された免疫応答が、重度の炎症性ざ瘡を有する個体において生じることとなり得、この可能性が、治療ワクチンについてのそのような抗原選択の過程において調査されないままであると結論を下している。
一次配列、(ラフな)バイオインフォマティクス、SDS-PAGEによる変性タンパク質の検出、および4株(IA型の2つおよびII型の2つ)のみの試験に純粋に基づいて特許出願を出願するこれらの非常に早期の試みとは対照的に、本発明に従う戦略は、多数の異なるP.アクネス株およびファイロタイプの表面上での抗体による特異的抗原の実際の結合および認識、ならびにヒト免疫系による細菌死を実際に供給する抗原特異的抗体の能力に基づくリアルライブアプローチおよび定量的測定に基づいた。したがって、多くの異なる抗原に対して高められた抗体を用いたフローサイトメトリーが使用され、これらの抗体は、生存P.アクネスとインキュベートされて、どの抗原、配列(ペプチドおよび断片)のどの部分が、表面上に露出されて、生存細菌の表面上の抗体に到達可能であるのかが試験された;したがって、本発明に従う戦略は、これらの抗原が、P.アクネス細胞の表面上での抗体結合に到達可能であり、抗体が、高度に交差(型)反応性であり、100を超える試験株の大部分からの保護を実現することができるという「リアルライフ」の証拠を提供した。これは、ファージライブラリスクリーニング中に大腸菌(E.coli)細菌によって発現されるペプチドを検出するのとは非常に異なっており、抗体によって認識されるあらゆるペプチドは、P.アクネス生細菌上の実際の位置および抗体へのアクセシビリティに関係なく、検出されることとなる。加えて、抗原によって高められた免疫血清は、特定の表面露出エピトープに結合する抗体の機能的免疫結果の「リアルライフ」評価を与える抗体依存性オプソニン食作用傷害アッセイにより試験された(とりわけヒトの状況において、ワクチンが、患者の皮膚または筋肉中に注射されると、抗原提示細胞によって吸収されて、これが次に抗原をプロセシングして、T細胞およびB細胞を刺激して、特定の断片/配列領域内のエピトープに対してオプソニン食作用傷害抗体の生成を増大させ;皮膚バリアを突破する(これが疾患または感染の病因となる)細菌をさらにオプソニン化して、当該細菌に対して作用するのを補助する)。多くの抗原が免疫原性であった(ワクチンとして用いられると、抗体を高めることができた)が、細菌をオプソニン化して、P.アクネスの、食細胞による殺傷に至らせることができる、免疫学的に関連する抗体を高める、これら抗原の能力に大きな差異があった。
国際公開第2011/149099A1号は、Genbank/EMBL/DDBJ登録番号YP_056445のアミノ酸配列に由来する、「PepA」および「PepD」と称される14および13アミノ酸長を有する2つの短い抗原性ペプチド、ならびにこれらのペプチドを含有するワクチン、またはこれらのペプチドをコードするヌクレオチドを開示する。
2010年に、Hollandらは、ざ瘡関連病原性因子を、嫌気性培養中にP.アクネスによって分泌されるタンパク質を分析することによって同定しようと試みた。多くの推定の病原性関連因子が、この研究において同定された:タンパク質PPA1939は、全ての単離物によって最も強く分泌されることが見出され、PPA0816は、IB、II、およびIII株によって分泌され、接着および病原性に寄与している可能性がある表面タンパク質であることが示唆された。他の推定のアドヘシンもまた同定された。例えば、Lodesら(2006年)およびHollandら(2010年)によるPPA2127およびPPA2210について記載される、ジペプチドであるプロリン-トレオニン(PT)リピートを含有するPPA1715があった。しかしながら、検出されたのは、IA型株266によって分泌されるPPA2127のみであり、IB型株(KPA171202およびP6)は、DNA配列内の変異およびフレームシフトに起因して、このタンパク質を発現しなかった。更なる病因関連因子は、PPA2175(仮定的タンパク質、エンドサイトーシスのペプチドグリカントランスグリコシラーゼRlpAらしい)およびPPA0687(CAMP2、5つのメンバーからなるCAMP因子スーパーファミリーのメンバー)であることが示唆された。著者らは、将来の調査が、分泌される病原性因子およびその病原性の重要性のより詳細な調査に集中されるべきであることを示唆した。著者らに従えば、分泌される因子の機能の特性評価には、適切なツール、例えばP.アクネスノックアウト突然変異体を生じさせる変異誘発アプローチの開発、および様々なP.アクネス臨床単離物間の病原性の観察される差異についての分子根拠の解明が必要とされるであろう。したがって、多くの異なるタンパク質が、病原性因子として潜在的に作用すると示唆されてきたが、P.アクネス関連病的状態の防止または処置のための特定のタンパク質の選択、または生成物としての具体的な使用に関して、具体的な指示は与えられなかった。
2011年に、McDowellらは、遺伝的タイピングおよび抗体標識化方法を使用することによって、病原性の潜在性に基づいて、P.アクネス株を分類しようと試みた。著者らは、2つの異なるモノクローナル抗体を生成した。それらの1つ、QUBPa1は、Lodesら(2006)によって以前に同定された2つの抗原、PA5541/PPA2210およびPA-25957/PPA2127に結合することが見出された(McDowellら、2011年)。異なるP.アクネス株上のQUBPa1モノクローナル抗体の標識化パターンを研究することによって、McDowellらは、同定された抗原が、ざ瘡患者から主に単離されるIA型株によって一貫して発現されることを実証した。彼らは、その発見が、Hollandらの発見に類似していることを示唆しており、Hollandらは、II型およびIII型によるのではなく、IA型株によるPPA2127の分泌を検出した(Hollandら、2010年)。McDowellら(2011年)は、IA型株がざ瘡の病因と関連すること、IB型、II型、およびIII型が、他の型の感染と関連することを提示した。彼らはまた、抗原PA5541/PPA2210およびPA-25957/PPA2127が、相変異、抗原性変異、および分泌の傾向があるというLodesら(2006年)の発見を確認し、デルマタン硫酸に結合する能力に基づいて、著者らは、これらの2つのタンパク質デルマタン硫酸-アドヘシン:DsA1(PA-25957/PPA2127)およびDsA2(PA5541/PPA2210)を命名した。この研究は、種々の推定の病原性因子(また、他の病原性因子は、IA株によって生成されることが見出された(例えばノイラミニダーゼおよびリパーゼGehA))を発現する株の臨床重要性、および様々なP.アクネス株の分類における支えとなるツールとしてのこれらの発見の使用に集中した。重要な病原性因子として示唆されることは別として、著者らは、これらの、または他のあらゆる記載される抗原に基づいて、考えられる予防的または治療的な干渉に関する示唆を提供しなかった。免疫蛍光顕微鏡観察(IFM)によるモノクローナル抗体(MAb)タイピングが、McDowellら、2005年によって解説されるように実行された(McDowellら、J.Clin.Microbiol.43巻(2005年)、326~334頁)。McDowell(2012年)は、様々なP.アクネス株の死んだ全細胞によりBALB/cマウスを免疫化することによって、モノクローナル抗体を生成した。P.アクネス特異的MAbを産生するハイブリドーマ細胞株が、限界希釈によってクローニングされた(McDowell(2005年))。単離物を、IA1型およびII型内の株をそれぞれ標的とするマウスモノクローナル抗体QUBPa1およびQUBPa2との反応性について、調査した。これらのモノクローナル抗体は、IFMについてP.アクネス株を標識するのに用いられ、IFMは、系統発生学的構築(IA型およびII型株の同定)に用いられた。様々な遺伝子、とりわけ細胞表面結合抗原をコードする遺伝子が調査された。これらは、強い識別力を有し得る(McDowell(2011年))。彼らは、それらの以前に使用されたモノクローナル抗体QUBPa1が、IA型特異的であることを述べている(10頁)。また、McDowell(2011年)は、イムノアフィニティーカラム上での精製、および免疫蛍光顕微鏡観察のための標識化の目的で、P.アクネスIA1株にのみ特異的であるモノクローナル抗体、QUBPa1を用いた。このことは、2000頁に示されている:QUBPa1によるI型株のIFM分析は、細胞表面上での極性のある中隔の標識化(polar and septal labelling)を明らかにする(McDowellら、2005年)。[…]IA型株について、QUBPa1によるIFMは、実際、細胞表面に結合して、異なるファイロタイプに対する殺菌効果を誘導する能力ではなく、発現における株内相変異の証拠を提供した。ゆえに、このモノクローナル抗体は、主要な免疫原性および免疫学的に関連するエピトープの同定の使用について示唆されなかったが、抗原の性質(すなわち相変異)の同定、およびP.アクネス遺伝子型を区別する調査ツールについて示唆された。この他、相/抗原性変異の能力を有し、かつ免疫原性が増強された細胞表面接着因子の発現、ならびに過成長を補助する特定の病原性因子の生成および宿主組織構成要素の分解が、ざ瘡とのIA型株の関連についての根本的理由として用いられた。しかしながら、本発明は、広い交差反応性(すなわち交差型反応性、IA1型に制限されない)、およびP.アクネス関連疾患および感染症と戦う治療的利益を供給することとなるワクチンを提供することを目指しており、特定のP.アクネスファイロタイプを標識するための調査ツールを特定するためではない。
また、McLaughlin(2019年)は、「モノクローナル抗体(MAb)による皮膚生検試料のIFM分析は、ざ瘡対象および対照対象双方の皮脂腺内で、IA型およびII型双方の存在を示した[…]」と述べている。II型株が、DsA1/DsA2を認識しない異なるモノクローナル抗体(すなわちQUBPa2(McDowellら(2011年)))により検出された。McLaughlin(2019年)は、15頁に、「その後明らかにされたMAb(QUBPa1)を、細胞表面上のDsA1抗原およびDsA2抗原を標的とするのに用いて、IA1型、IA2型、さらにはIC型を表す株だけが、免疫反応性であり、極性のある中隔の標識化を示した。[…]我々は、DsA免疫原性タンパク質を介した宿主免疫系との相互作用を調節するIA型の潜在性が、ざ瘡の再発性において重要であるかもしれないと推測することができる」と述べている。したがって、McLaughlin(2019年)は、用語「免疫反応性である」と共に、モノクローナル抗体によるDsA1およびDsA2の極性のある中隔の標識化に言及している。さらに、彼らは、ざ瘡の再発性の理由を「推測」しており、結論として免疫治療に言及しておらず、ざ瘡を処置するための生成物をいかに設計するかの指摘または動機は言うまでもない。さらに、McLaughlin(2019年)の論文は、図12および表2において要約される長いリストの抗原間で、ざ瘡関連株の病原性の重要性との、種々の病原性因子の関連を推測している;IA1ファイロタイプの株のみが、ワクチンによって標的とされるべきであると示唆することに慎重である。そのようなワクチンをいかに製造するか、とりわけIA1株を標的とする以上のことをするワクチンをいかに製造するかの示唆はなかった。McLaughlin(2019年)は、KPA171202株の病原性潜在性を、溶血、共溶血性Christie-Atkins-Munch-Peterson(CAMP)因子、シアリダーゼ、エンドグリコセラミダーゼ、リパーゼ、ポルフィリン、およびヒアルロン酸リアーゼ(HYL)を含む推定の組織分解因子についての遺伝子、ならびに炎症性潜在性を有する細胞壁/細胞エンベロープ関連タンパク質、および複数のプロリン-トレオニンリピート(PTR)を含有するタンパク質についての遺伝子に基づいて、他の株と比較して明らかにした。推定の病原性因子をいかに定義するかの別のアプローチが、KPA171202のトランスクリプトームを、IA1型株266(胸膜肺感染)と比較すること、および中対数期中の119個の共通遺伝子の差分発現の同定であった。これらは、トリアシルグリセロールリパーゼエンドグリコセラミダーゼ、DsA1およびHtaA/P071についての遺伝子を含んだ。しかしながら、なぜこれらの遺伝子生成物が推定の病原性因子を表し得るかの結論は、当該遺伝子が、ワクチン生成物についての明らかな指摘を与えない266において上方制御されるという事実、抗原の選択と、どれを用いるべきか、いかにヒトでの施用に実行可能とするかにしか基づかなかった。さらに、病原性因子は、そのような遺伝子を発現する株が、より病原性であるが、ワクチン接種の文脈においてそのような因子の適性についての指摘を全く与えていないことしか示していない。したがって、先行技術はまた、本発明と比較して、異なる方向に示されている;全く対照的に、McLaughlinらの「ワクチン開発」のセクションは結果的に、潜在性ワクチン標的として、cAMP因子2のみに言及した。
様々な病原性関連因子の発現はさらに、Brzuszkiewiczら(2011年)によって研究されており、彼らは、様々な病原性関連遺伝子の活性への更なる洞察を提供した。中でも、彼らはまた、GehAリパーゼ(PPA2105)、多価不飽和脂肪酸イソメラーゼPAI(PPA1039)、Lodesら(2006年)によって記載された3つのタンパク質:PA-25957/PPA2127、PA5541/PPA2210、および鉄獲得タンパク質HtaA(PA-4687/PPA0786)に言及した。McDowellら(2011年)およびLodesら(2006年)に類似して、Brzuszkiewiczら(2011年)はまた、病原性潜在性における株差異は、異なるファイロタイプによる病原性因子の発現の差異に起因するかもしれないと仮定し、これらの他に、他の病原性因子もまたおそらく重要であると示唆した。彼らはまた、異なるP.アクネス株の病原潜在性が、ファイロタイプ特異的ゲノム量によってだけでなく、可変遺伝子発現によっても決定されると示唆した。著者らは、いかに炎症性ざ瘡病変が現れ得るか、どの株が重要であり得るかについての潜在的シナリオを提供したが、ワクチン材料の選択、および疾患処置または防止のための生成物の設計についてのいかなる具体的な指示も示唆しなかった。他の人と同じように、彼らは、将来の調査努力が、株の差分挙動を担う因子、およびP.アクネスによって誘導される炎症を担う、基礎をなす機構を解明することに費やされるべきであると示唆した。彼らは、P.アクネスに対する免疫学的応答が不安定な宿主が、病原性潜在性がかなり高い株の存在の影響を受け易いかもしれないこと、より高いレベルの接着因子および他の病原性因子を発現する系統発生群I-Ia由来の株が、素因のある宿主において病理学的病徴を誘導しそうであると主張した。また、Mayslichら(Microorg.9巻(2021年)、303頁)は、病原性因子およびP.アクネス感染に関する調査の実際の状況をレビューした。P.アクネスは(共生細菌として)僅かにしか免疫原性でないので、宿主の皮膚上で一般に寛容性であることが認められた。これは、その表面にて異なる抗原性構成要素を発現すると、皮膚において、他の多くの内臓において、強い炎症性反応に至る場合がある日和見病原体として、病原性状況に関係するだけであるとみなされている。Mayslichらは、種々の病原性因子(とりわけCAMP2)をレビューしているが、2つの残りの「主要な未解決問題」:第1に、特定のP.アクネス型が、特定の病原性因子の発現に関して、環境変化に応じてより病原性になり得るか否か;第2に、皮膚微生物叢とのP.アクネスの相互作用が、病原性にいかに影響を与えるかに(概要、および当該技術の事情についての結論において)到達している。双方の問題、およびいかにこの病原性の進行に取り組むかは勿論、未解答のままである。2011年に、Liuらは、CAMP2に対してモノクローナル抗体を用いる研究を公開した。抗原の1つは以前に、Corixaによって血清学的スクリーンにより、その後Hollandら(2010年)によってセクレトームプロテオミクスにより同定されていた。このタンパク質は、他の細菌によって分泌される、溶血性因子および孔形成毒素としての機能が報告されている病原性因子としても同定されていた。CAMP2抗原に対するモノクローナル抗体の効果は、その病原性を弱毒化するための、分泌されたCAMP2病原性因子の中和にとって重要であることが示唆された。著者らは具体的に、分泌される病原性因子を標的とすることによるP.アクネス病原性の弱毒化が、P.アクネス細胞表面上に位置決めされるタンパク質を標的とするのではなく、ざ瘡免疫治療の目標であるべきであり、この新しいアプローチにより、以前に選択されたワクチン候補、細胞表面タンパク質であるP.アクネスシアリダーゼを放棄したことを示唆した。実際、全ての最近のレビューの著者らは、新しい有望な治療的アプローチが、「陰性反応を誘導することなく、皮膚上のC.アクネス株の集団の調節[…]」に集中して、P.アクネスに対して直接作用して微生物叢を撹乱しないように設計される生成物を目指すべきであると結論を下している。したがって、P.アクネスの「健康な」共生株の導入は、例えばワクチンアプローチが作用するように、「病原性」株に対して作用するよりも良好であるとなみなされる(例えば、O’NeillおよびGallo 2018年;Bruggemannら、2019年;Congら、2019年;Mayslichら、2021年;Petronelli、2021年参照)。要約すれば、これらの全ての最近のレビューは、ワクチンアプローチ(ほぼ20年前に見込みがあると示唆されている)から立ち去ることによって、またはそれに対して過激な注意/警告を高めることによって(「陰性反応を誘導することなく」;Mayslichら、2021年)、P.アクネス関連感染症の病理に対処する新しい治療的アプローチを示唆している。
2014年に、Bek-Thomsenらは、健康な個体およびざ瘡罹患個体から抽出された皮脂線性濾胞キャスト(sebaceous follicular cast)のプロテオミクス分析によって、ざ瘡の形成に関係する病理学的プロセスを研究することを試みた(Bek-Thomsenら、2014年)。彼らは、ざ瘡傾向がある皮膚孔と比較して、健康な皮膚孔において異なって発現されるタンパク質を探した。しかしながら、彼らは、あらゆる病原性因子の差分発現についての証拠を特定することができなかった。その代わりとして、健康な皮膚孔およびざ瘡罹患皮膚孔の双方が、同じタンパク質組成物を含有すると結論を下した。ざ瘡罹患濾胞試料および健康な濾胞試料の双方において同定された最も豊富なP.アクネスタンパク質は、デルマタン硫酸接着因子DsA1(PA-25957/PPA2127)およびDsA2(PA5541/PPA2210)、CAMP因子1および2、ならびに特徴のないリパーゼ(PPA1796)であった。彼らが重要であると考えた他のタンパク質は、ミエロペルオキシダーゼ、ラクトトランスフェリン、好中球エラスターゼインヒビタ、およびビメンチンであった。McDowellら(2011年)とは逆に、彼らは、リパーゼGehA(グリセロール-エステルヒドロラーゼA、PPA2105)がおそらく、重要な病原性因子ではないと結論を下した。なぜならこれが、微量のパーセンテージの健康な皮膚試料においてでしか見出されず、ざ瘡罹患皮膚試料のいずれにおいても見出されなかったからである。その代わりとして、著者らは、新規の、特徴のないリパーゼPPA1796が、インビボでより重要であると示唆した。彼らは、この潜在的な病原性因子の新しい遺伝子名、GehBを提示した。ざ瘡において最も重要な生物学的プロセスは、「細菌に対する応答」であることが見出され、これは、免疫応答、組織リモデリング、および治癒に関係することが知られている高レベルのヒト宿主タンパク質の同定に基づいて結論を下された。加えて、著者らは、健康な皮脂線性毛嚢およびざ瘡罹患皮脂線性毛嚢の双方が、IB型、II型、およびIII型によって発現されない2つの接着因子DsA1およびDsA2の発現の高いレベルに基づいて、彼らがIA型であると示唆する同じ株によってコロニー形成されると結論を下した。加えて、彼らは、病原性潜在性においてIA型株間に何らかの重要な差異があるかもしれないこと、これが将来の研究によって調査されるべきであることを示唆した。この研究は、健康な皮膚と比較して、ざ瘡における毛嚢脂腺のプロテオミクス量について潜在的に興味深いデータを提示したが、著者らは、研究が、より具体的な結論を引き出すのを困難にさせる多くの限界を有すると認め、彼らは、ざ瘡処置のための具体的なあらゆる生成物を開発するための知識を用いる方法についての指示を提供しなかった。その代わりとして、彼らは、P.アクネスの特定の病原性株が、この研究において同定された具体的なヒト宿主分子、例えばビメンチンの存在を利用して、皮膚細胞に侵入して、炎症を誘導するかもしれず、将来の調査が、毛嚢脂腺濾胞キャストにおけるビメンチン発現の起源を同定することに向けられるべきであると主張した。
2015年に、Achermannらは、1つの特定のP.アクネス株によるバイオフィルム感染の間にインビボ生成されるP.アクネスタンパク質を調査することによって、二次元電気泳動によって分離されるP.アクネス細胞壁関連画分および膜関連画分において見出されるタンパク質に対する抗体の存在について動物血清を試験することによって、潜在的ワクチン候補を調査した。彼らは、潜在的P.アクネスワクチン候補であることが提示される23個の免疫原性タンパク質を同定した。これらのうち、最も有望なワクチン候補は、受託番号G7U8Y4によって識別されるグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GADPH)であると示唆され、これは、以前にHollandら(2010年)およびBek-Thomsenら(2014年)によってPPA0816と同定されたタンパク質と同じである。ABC輸送体(D4HAH2)が、特に重要であると見出された;また、最良の候補の中で、リンゴ酸脱水素酵素(Q6A6Z5)、DnaKシャペロン(W4TZS5)、メチルマロニル-CoAムターゼ(E4D8Y8)、およびいくつかの他のタンパク質が言及された。変性条件下で分離された細胞画分内の、ウェスタンブロットによって分析されるタンパク質の検出は、当該タンパク質が細菌細胞表面上に露出されて、抗体結合に到達可能であったいかなる証拠も提供しない。また、単一の抗原は、この研究で用いられるP.アクネス株に対してでもなく、他の知られている多くのP.アクネス遺伝的型由来の他のいかなる株に対してでもない、抗原特異的かつ機能的抗体を誘導する能力について、ワクチン材料として試験されなかった。これらの抗原がヒト宿主において免疫原性であり、かつヒト抗体によって検出可能であったかは、どちらも試験されなかった。それでもやはり、著者らは、更なる研究が、慢性P.アクネスバイオフィルム媒介感染を防止するか、または診断試験に用いられるこれらの候補の潜在性を見出すために実行されるべきであると提示した。
P.アクネス関連疾患の病因を担う因子を同定する努力と同時に、当該分野における新規の技術的開発が、ヒト皮膚上の微生物の集団全体のより複雑な研究を導入し、加えて、P.アクネス株を、多かれ少なかれ病原性であるものに下位分類し、かつ健康関連株または真の共生株を同定するための試みがなされた。
多遺伝子座遺伝子配列決定、およびヒト微生物叢プロジェクト(HMP)からの単離物の全ゲノム分析に基づく系統発生研究が、P.アクネスの遺伝的集団構造の価値のある洞察を提供した。複数遺伝子座配列タイピング(MLST)は、目立つ対立遺伝子と定義される異なる配列を生成し、これが続いて、P.アクネス単離物毎に配列型(ST)を生成するのに用いられる。P.アクネスを、密接に関連したクラスターIA1、IA2、IB、IC、II、およびIII(McDowellら、2012年)、またはI-1a、I-1b、I-2、II、およびIII(LomholtおよびKilian、2010年)に分ける2つの異なるMLSTタイピングスキームが開発された。
より最近のゲノム研究は、全ての知られているP.アクネス株の全ゲノム配列決定に基づく更なる下位区分の同定に至った。これは、とりわけ、混合微生物コミュニティにおけるP.アクネスST多様性を確認するのに有益である単一遺伝子座配列タイピング(SLST)スキームに至った(Scholzら、2014年)。16S rRNAプロファイリングに基づく代替の単一遺伝子座アプローチが、ざ瘡および他のP.アクネス関連病理におけるP.アクネスの病原性の役割を調査するのに用いられた。特定のP.アクネス株は、ざ瘡と関連し、他のものは健康な皮膚と関連するか、または他のタイプの感染に関係すると提示された(Fitz-Gibbonら、2013年;O’NeillおよびGallo 2018年;McLaughlinら、2019年)。
これらの研究は、大部分が、異なる個体から単離された株の分析に依存して、皮膚サンプリング方法および分析方法に関連する限界があったが、追跡調査研究の方向を提供して、当該分野における知識の現在の状態に影響を与えた。これらの開発は、病原性であると考えられる選択されたP.アクネス遺伝子型によって発現されるタンパク質の、または異なるタイプの臨床材料において見出されるタンパク質を分析することによる同定および分析に調査努力を向けた。
ざ瘡の病因における特定のリボタイプの重要性についての新規の発見の後に、Yuら(2015年;2016年)は、プロテオミクス分析を使用して、様々なタンパク質の発現を、ざ瘡または健康な皮膚と関連すると考えられる特定のリボタイプに従って分類されるP.アクネス株によって分析した。これらの著者らは、いくつかのタンパク質の発現が、異なるリボタイプ間で可変的であることを見出した。これらのリボタイプが、疾患対健康と以前に関連して、ヒト細胞によって様々な量のサイトカイン分泌を誘導したので、著者らは、これらのタンパク質が潜在的ワクチン候補として調査されることを提示した。とりわけ、gi 50843388(PPA1939)、gi 50843565(PA-25957)、gi 50843218(PPA1758)、および機能の不明な他のいくつかのタンパク質に相当するタンパク質に注目された。また、著者らは、ワクチン候補の調査が、抗体を誘導する抗原を探すが、その代わりとして、強いTreg細胞応答を誘導するものを探すことに向けられるべきでないことを示唆した。したがって、彼らは、Lodesらおよびその他による、抗原候補が抗原性であり、かつヒト抗体と反応性であるべきであるという提示から逸れていた。この方向は、P.アクネスが、炎症を誘導する共生細菌であり、最適なワクチン抗原が、適応性の免疫応答活性化を増強するのではなく低減するように作用するべきであるという仮定に基づいて示唆された(Yuら、2015年)。加えて、著者らは、ざ瘡と関連する株、または中立の重要性を有する株によってのみ発現され、健康と関連する株(II RT6)によって発現されないことが見出された発見に起因して、PA-5541(gi 50843645)を潜在的ワクチン候補のリストから除いた(Yuら、2016年)。要約すれば、これらの研究において開示されるタンパク質の多くはまた、他のものによって以前に同定されており、著者らは、ワクチン組成物および生成物設計に関する解決案も具体的な提案も提供しなかったが、最適なワクチンの発見における、疾患病因の研究における将来の調査方向だけは示唆した。
2016年の更なる刊行物は、他によって以前に同定されたいくつかのタンパク質:PPA1939(Allhornら、2016年)およびPA-25957(Grangeら、2017年)に関する調査発見を提示した。これらの2つのタンパク質は、それらの推定の更なる生物学的機能に基づいて、興味深いことが見出された:PPA1939は、ヘム結合および抗酸化能について関連することが提示され、PA-25957は、フィブリノゲン結合において役割を果たすことが示唆された。また、PA-25957の病原性潜在性は加えて、フィブリノゲンとの相互作用、および具体的な疾患関連P.アクネスファイロタイプに制限される発現に基づいて支持された。これらの著者らは、いかにこのタンパク質をワクチン生成物のように用いることができるかを提示しなかったが、結合デルマタン硫酸に加えて、フィブリノゲンと接触して毛嚢の内側に「塊」を形成することによって作用することができる病原性因子としての役割についてのみ仮定した。また、彼らは、将来の調査が、フィブリノゲンに結合する様々なタンパク質断片の能力を試験するためのツールを開発することに集中するべきであること、タンパク質が、様々な株の表面上での分泌および発現のレベルの大きな可変性を示しそうであり、これを、その潜在的な重要性についてより多くの理解を獲得するために、将来の研究によって調査するべきであることを示唆した。
最近、CAMP2免疫療法生成物開発は、P.アクネス細胞傷害を低減して、ケラチン生成細胞および食細胞によるサイトカインの放出を妨げることによって、炎症に対して作用する抗体を誘導するように作用すべき治療ワクチンに向けて、モノクローナル抗体からシフトした(Wangら、2018年)。とりわけ、食細胞の生存に及ぼすP.アクネスのネガティブ作用が、CAMP2病原性の重要な証拠として表されており、これは、CAMP2ワクチンによって誘導される免疫応答の有益な効果に対する議論を支持した。この研究の制限は、P.アクネスの存在下での食細胞の生存度に及ぼすCAMP2抗体の効果が試験されず、同じアッセイにおいて、他の抗原候補およびより大きなパネルのP.アクネス株に対する抗体の効果と比較されず、これらの発見の重要性を評価するのを困難にさせていることである。
最適なワクチン候補に関する分野における混乱は、ざ瘡病因における様々なP.アクネス株の重要性について仮説を常に進化させて変えること、ヒト皮膚微生物叢の一部である他の微生物の潜在的役割、および細菌に対するヒト免疫応答の機能的重要性をめぐる未解決の論争に起因して、依然として続く。種々のワクチン接種アプローチについての抗原候補を選択する際の注意は、最近のレビューにおいて表されており、そこでは、どのP.アクネス株が病原性であり、かつワクチンによって標的とされるべきであるのか依然として不明であること、ざ瘡重症度が、患者の基礎の自然免疫条件によって、またはP.アクネス病原性レベルによって駆動されるかが依然として不明であることが、これを、免疫治療プロトコールを設計して、とりわけ標的抗原の選択を決める場合に考慮するべきであることが強調された(Contassot 2018年)。著者は、分泌された病原性因子の特定の阻害が、非病原性の細菌の求められていない標的化のリスクを制限して、耐性細菌の考えられる選択を克服することができることを合理的に説明した。より重要なことに、著者は、ワクチンが、表面抗原に基づいて、「オフターゲット」効果、および宿主に有益であり得るP.アクネス株に対する活性を回避するために非常に特異的であるべきであることを示唆した。しかしながら、ざ瘡重症度が、特定の病原性株によってではなく、患者の自然免疫状態によって駆動されるならば、これは、免疫療法アプローチに関して、とりわけ、ワクチンについて選択される抗原のタイプに関して、結果を有するべきである。
多くの様々な分子およびタンパク質が研究されて、潜在的病原性因子として提示されてきたが、それらの少数のみが、潜在的ワクチンまたは治療生成物の候補として試験されて、当該分野における現在の状況は、適切なざ瘡ワクチン生成物候補として記載されるあらゆる分子の潜在性について、確実な結論を下すことを不可能としている。いくつかの病原性因子が、分泌されることが見出され、いくつかが細胞膜内で発現されるが、細菌細胞表面上のアクセシビリティおよび機能的免疫学的関連性は研究されておらず、いくつかが、病原性潜在性が十分に理解されていない特定の株によってのみ発現されることが見出された。いくつかの潜在的病原性因子は、病原性であると考えられる特定のファイロタイプによって発現されることが示唆されたが、高い抗原性多様性および多様な発現により、特定の生成物に用いられる特定の提示は、可能な限り、示唆も実証もされなかった。加えて、全ての研究は、異なる抗原の免疫学的に関連した優位性についての確実な結論を引き出すことを不可能にさせる大きな制限を含有した。例えば、ワクチンの形態で免疫応答を誘導する同定された抗原の能力は、試験されておらず、または結論は、主に、最適状態に及ばない方法を用いる単一の抗原により得られる結果に基づいた。例えば、バイオインフォマティクス分析は、特定の遺伝子産物発現の見込みおよびその細胞位置に関する制限された情報を提供する。プロテオミクス分析は、定義された遺伝的バックグラウンド内の特定の細菌細胞内での遺伝子発現の実際のレベルに関するより価値がある情報を提供することができるが、エラーの傾向もあって、免疫療法標的としての特定の遺伝子産物の潜在性を評価するのに有用でない。生物学的材料の調製中に発現されるタンパク質の安定性、SDS-PAGE分離中の挙動、可溶化の容易さ、および細胞膜からの抽出等の因子は全て、分析の結果に影響を与えて、最適状態に及ばない結論に至る可能性がある。さらに、プロテオミクス分析は、細菌細胞表面上のタンパク質およびその免疫保護関連エピトープのアクセシビリティに関するいかなる情報も提供しない。加えて、多くの研究は、選択されたほんの少しのP.アクネス株だけを試験することに集中した;分析に用いた臨床試料は、数個のドナーから得られて収集されて、生成物候補としての様々な分子またはそれらの派生体の適性についてより信頼性が高い結論を引き出すのを困難にさせる更なる変異を導入した。P.アクネスによって誘導される病理、または保護を提供し得る因子を媒介するのに様々な因子の重要性に関する更なる矛盾する情報を加える、当該分野において最も新しい開発と結びつけて、当業者は、どの抗原またはエピトープが、それらがどのくらい、最適なワクチン生成物を設計するのに必要とされるか(そのような生成物が、特定のタンパク質またはそのエピトープに対する免疫応答を誘導するか、低減するか、または調節するように作用する場合)、病原性潜在性を有する全ての株に対していかに保護的であるように設計するか、どの株が、宿主にとって最も高い利益を達成するように標的とされるべきか、当該技術における現在の状態に基づいて、信頼性をもって推測することができなかった。
多くの遺伝的に異なるP.アクネス株を含んで、同じ免疫学的ワクチン関連方法を用いて様々な抗原および断片を互いに比較する組織的な免疫学的研究が、先行技術において不足している。また、進展は、宿主と細菌との相互作用、および特定の個体においてのみなぜP.アクネスが疾患の病理と関連するかの理解の欠如によって阻止されてきた。また、これは、調査コミュニティを、P.アクネスベースの免疫療法生成物を開発することに用心深くさせた。なぜなら、生成物がP.アクネスのどの株に作用するべきかに関してコンセンサスがまだ得られておらず、一部の研究者は、ヒト健康に有益であるかもしれない株に及ぼすワクチンの悪影響の懸念について、ワクチン接種アプローチを考える際に非常に用心深かったからである。この注意はとりわけ、疾患に寄与する宿主因子の限られた理解に起因している。なぜなら、P.アクネスは通常、免疫細胞による食細胞殺傷に耐性であると考えられ(Websterら、1985年)、食細胞によって吸収された後ですら、食細胞殺傷を逃れることができることも報告されている(Fischerら、2013年)からである。加えて、P.アクネス輸送の様々な細胞内経路が記載されており、それらの1つは自食作用を包含しており、これは、P.アクネス抗体に依存性でない非特異的な応答であり、細胞型および条件に応じて変化して、自然免疫応答と関連して起こる場合があり、適応免疫の活性化に至り得ない。したがって、恒常的または保護的な適応免疫応答は、宿主免疫系が、宿主との細菌相互作用の結果、および細菌が引き起こす宿主に対する危険性の量をいかに知覚するかに依存して、活性化される。
適切なワクチンの同定における進展は、ワクチン抗原同定に利用可能な方法およびモデルの不足にも起因して、遅かった。より典型的な感染性疾患とは逆に、全てのヒトの免疫系は、P.アクネスに応答するように既に準備されており、この細菌に対する抗体は、患者および健康な個体の双方の血液中で見出すことができる。免疫系が、皮膚内だけでなくコロニー形成された他の部位(例えば口腔、腸)の細菌によって刺激され、P.アクネスに対する免疫応答のレベルもまた、多かれ少なかれ「危険である」として刺激を知覚する免疫系をもたらし得る個々の具体的な因子の相互影響によって影響されるので:特定の個体の血液中の抗体の単なる存在だけが、実際の臨床有効性または重要性の指摘でない。したがって、あらゆる機能的アッセイの不在下での血清学的スクリーニングに基づく抗原候補の選択は、単なる存在、および異なる個体の皮膚からの単離によって、特定のP.アクネス株の病原性を判定するのと同じ限界によって拘束される。P.アクネスに対する抗体の抗菌活性について何も知らずに、細菌の成長および侵襲性挙動を制御する際にどの抗原特異的抗体が免疫系を補助することができるか、正常な細胞ターンオーバーの過程における持続的なコロニー形成、分泌、および抗原提示の副産物でしかない抗体の産生にどれが至り得るかを識別するのは困難である。
したがって、P.アクネス免疫保護抗原同定における現在の課題は、幾重にも折り重なって、適した疾患モデルの不足、および抗原スクリーニングのための信頼性が高い機能的インビトロアッセイの不足の双方を包含する。他の典型的なワクチン発見プロジェクトにおいて、たとえ疾患の動物モデルが入手可能でないとしても、機能的インビトロアッセイを用いて、保護的なワクチンに適した抗原を選択することができる。例えば、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に対する市販のワクチンの発見は、血清殺菌アッセイにおいて試験される動物において殺菌抗体を誘導する抗原の効果を研究することによって可能となった(Giulianiら、2006年);肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)に対するワクチンの発見は、インビトロオプソニン食作用傷害アッセイにおいて抗体のオプソニン食作用傷害結果を研究することによって促進され(van Westenら、2013年)、いくつかの抗ウイルスワクチンが、抗体中和アッセイにおいて測定されるウイルス複製に及ぼす抗体の中和効果に基づいて発見された(Vanblarganら、2016年)。そのような機能的インビトロアッセイは、P.アクネスワクチン研究について開発されていない。さらに、先行技術の現在の状態において、P.アクネスは、食細胞殺傷に対して耐性であると考えられており、多数の推定の病原性因子の発現および分泌の結果である広範囲にわたる免疫刺激に起因して、炎症を永続させる。これらの因子のうちどれが、炎症組織において細菌の活性および密度を宿主免疫細胞が低減するのを補助することによって、炎症を和らげるか、または解決する潜在性を有し得るのか、現在かなり論争中の問題であり、満足のいくような答えはまだ提供されておらず、尋常性ざ瘡において、ファイロタイプIA1由来の株は、他よりも病原性であり得、理想的なざ瘡ワクチン候補は、当該株によって発現されるものの中で調査すべきであるという提示から離れていない(O’NeillおよびGallo 2018年;McLaughlinら、2019年)。これは、IA1型以外のファイロタイプが、P.アクネス関連感染症の他のタイプ(例えばインプラント感染)から高頻度で単離され、当該ファイロタイプがまた、ヒト皮膚にコロニー形成し、これが、外科的手順の間に感受性個体に感染することができるという発見の重要性に対する不満足な答えを残す。宿主の機会および感受性に応じて、同じ株が、異なる文脈において疾患を引き起こすことができるかもしれないという可能性は、先行技術において十分に取り組まれていない。その代わりとして、特定のP.アクネス系統発生型を、特定の疾患と関連させようとすることに集中されたが、このアプローチは、様々な調査グループ間で、多くの不満足な、または矛盾すらする発見および多くの議論に至った(Fitz-Gibbonら、2013年;EadyおよびLayton、2013年;AlexeyevおよびZouboulis、2013年)。
当該分野において最近進化して研究者に影響を与えた最も新規の概念は、皮膚微生物叢の概念である。したがって、最近の研究は、作用している皮膚の特定の領域にコロニーを形成する総微生物群落内の相互作用のバランスの撹乱の結果であるかもしれない病原性因子の同定に集中している。微生物叢腸内バランス異常(dysbiosis)の用語は、そのような可能性を示すために導入された(O’NeillおよびGallo 2018)。したがって、研究者の現在の努力は、様々な微生物種の相互影響を研究して、「微生物叢腸内バランス異常」に対処することとなる生成物を開発することに集中している。この極めて新規の概念は、どの「健康な」微生物叢が、各個体において見えるはずであるかの説明が不足しているが;多数の研究者が、皮膚プロバイオティクスおよびプレバイオティクスとして特定の細菌株の混合物またはその生成物に基づく次世代ざ瘡処置生成物を既に開発している。治療生成物を求める分野における進展に関する最近のレビューは依然として、多くの異なる病原性因子を、病因におそらく寄与すると評している。しかしながら、ほんのひと握りの示唆される病原性因子しか、潜在的ワクチン候補として実際に試験されていない:CAMP2、およびAchermanら、2015年によって同定された抗原の群(O’NeillおよびGallo 2018年);しかしながら、これらの抗原ですら、同じアッセイで、最も適した候補の偏りのない選択を可能にするより大きなパネルの株を用いて体系的に試験かつ比較されていない(McLaughlinら、2019年)。したがって、これらの候補の中ですら、更なる試験なしに、もしあれば、どれがワクチン候補として最も保護的であり、かつ適しているかを推測するのは困難である。
15年超にわたって、たくさんの異なるタンパク質が、P.アクネス病原性に寄与していることが提示され、それらの生物学的および潜在的臨床重要性が、多くの異なる調査グループによって研究されてきた。様々な細菌株による、様々な環境(様々な成長培地、様々なインビトロ成長条件下、またはヒト皮膚)におけるそれらの細胞の位置、分泌、発現、一部の場合において、これらの抗原を認識する抗体が、ざ瘡患者の血清において、健康な個体において検出されてきた。しかしながら、これらの発見の重要性は、ざ瘡または他のP.アクネス関連病的状態を処置するためのワクチン生成物を設計するのに、推定することができない。多くのタンパク質が、複数の調査グループによって研究されて、それらの生物学的および病理学的重要性が、今日現在の公開データベース(例えばUniProt:https://www.uniprot.org/)においてなお調査下にあるので、タンパク質の多くは依然として、「推定である」もしくは「特徴のない」と示され、または示唆されている仮定的な生物学的機能、例えば「Fe-輸送について推定の、保存タンパク質」に従って命名される。本発明において提示されるデータの理解を促進するために、本発明の出願日のものとして、公開される配列データベースに用いられる配列および命名法を、表1に要約して示す。
5.本発明の詳細な説明
本発明の目的で、以下の名前および略語が、本発明において言及されるP.アクネスのポリペプチドに用いられる(公開されるデータベース中の、引用文献中の注釈付き):
P002(配列番号1):CAMP因子についての例、また、Christie-Atkins-Munch-Petersen(CAMP)因子としても知られている(Liuら、2011年;Wangら2018年);
P005(配列番号2):グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素についての例;また、Hollandら(2010)によって記述され、かつAchermannら(2015)によって潜在的ワクチン候補の中に示唆されている。
P018(配列番号3):「リプレッサ」についての例;
P022(配列番号4):「特徴のないタンパク質」についての例、また、「宿主細胞表面付着タンパク質PA25957」(Lodesら、2006年)および「デルマタン硫酸結合性接着因子/DsA1」(McDowellら、2011年)として、公開された文献において記述されている、
P027(配列番号8):「特徴のないタンパク質」についての例、また、「宿主細胞表面付着タンパク質PA5541」(Lodesら、2006年)および「デルマタン硫酸結合性接着因子/DsA2」としても知られている;
P028(配列番号13):「Fe-輸送について推定の、保存タンパク質」についての例、PA21693(Lodesら、2006年)としても知られている、
P032(配列番号21):翻訳開始因子IF-2についての例;
P035(配列番号22):Achermannら(2015年);Bek-Thomsenら(2014年)によって同定されているリンゴ酸脱水素酵素についての例、Yuら(2016年)によって50843200として同定されている。
P042(配列番号23):「TEDドメイン含有タンパク質」についての例、また、Hollandら(2010)によってPPA1715として、Yuら(2016年)によってgi 50843175として同定されている。
P046(配列番号24):「見込みがあるエンドサイトーシスペプチドグリカントランスグリコシラーゼRlpA」についての例;また、PPA2175としてHollandら(2010年)によって同定されている
P068(配列番号25):タンパク質配列データベースにおける「特徴のないタンパク質」についての例-このタンパク質はまた、Hollandら、2010年によってPPA1939と記述され;Yuら(2015年)およびYuら(2016年)によってgi 50843388と記述され、Allhornら(2016年)によってRoxPとして記述されている;
P069(配列番号26):「外膜リポタンパク質」についての例、これは、Yuら(2015年)によってgi 50843218として同定されている。
P070(配列番号27):「ABC輸送体、ATP-結合タンパク質」についての例、Achermannら(2015年)によって潜在的ワクチン候補として示唆されている。
P071(配列番号28):LodesによってPA-4687と記述されているタンパク質についての例、この出願時に、公開データベースにおいて、このタンパク質は、「HtaA様表面タンパク質」と称される;この同じ名前は、重要な病原性因子間でこのタンパク質を考慮した他の著者らによっても用いられている(Brzuszkiewiczら、2011年;McLaughlinら、2019年)。
本発明において、タンパク質P022は、(天然の)DsA1ポリペプチドの一例として称され、P027は、(天然の)DsA2ポリペプチドの一例として称され、P028は、P.アクネスの(天然の)推定の鉄輸送タンパク質(PITP)ポリペプチドの一例として称される。
抗原としてのDsA1および/またはDsA2の選択についての根本的理由:
当該分野における現在の課題は、先行技術において研究され、治療的または予防的処置を開発する際の病原性因子として、または潜在的材料として潜在的に関連していると示唆された多くの様々な候補の中でワクチン材料として最も適した抗原を選択することである。ワクチン候補としての実際の性能が分析されて、細菌に対する保護的な免疫応答を誘導する能力について互いに比較される、体系的に行われる比較に関する研究の欠如が、最終的な選択をするのを困難にしている。
本発明の過程において、P.アクネス病原性に関係していると示唆され、かつ/または免疫療法生成物の潜在的候補と考えられる多数のタンパク質を試験した。しかしながら、全ての先行技術の抗原が、ELISAにおいて検出可能な抗原特異的抗体を誘導する能力によって明示されるように(例えば図2)、本発明に従ってマウス免疫化研究において免疫応答を誘導することができたが、匹敵するレベルの表面結合およびオプソニン食作用活性に変換されなかった。
本発明の目的の1つまたはそれ以上に対処するために、P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するためのワクチンを生成する方法であって、
- 少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む少なくとも1つの抗原を選択することを含み、P.アクネスエピトープは、生存P.アクネス細菌によって提示される場合にヒト血清抗体に直接到達可能であるエピトープであり、ヒト免疫系によるエピトープの特異的結合は、細菌数、フィットネス、増殖、病原性、またはそれらの組合せの低減につながり、
免疫系による、特に、ヒト免疫系によるエピトープの結合は、フローサイトメトリーアッセイを使用することによって、好ましくは蛍光活性化セルソーティング(FACS)アッセイによって証明され;
細菌数、フィットネス、増殖、病原性、またはそれらの組合せの低減、とりわけ(抗体の直接的効果に起因する)細菌数の低減は、少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む少なくとも1つの抗原に対して特異的な抗体の存在下でのオプソニン食作用傷害アッセイ(OPK)によって証明される、前記方法が提供される。
本発明に従ってP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するためのワクチンを生成する方法は、
- 少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む少なくとも1つの抗原を選択することを含み、P.アクネスエピトープは、生存P.アクネス細菌によって提示される場合にヒト血清抗体に直接到達可能であるエピトープであり、ヒト免疫系によるエピトープの特異的結合は、細菌数、フィットネス、増殖、病原性、またはそれらの組合せの低減につながり、
免疫系による、特に、ヒト免疫系によるエピトープの結合は、フローサイトメトリーアッセイを使用して、好ましくは蛍光活性化セルソーティング(FACS)アッセイによって、P.アクネス細菌に結合する抗体によって、およびフローサイトメトリーアッセイにおける生存P.アクネス細菌への抗原特異的抗体の結合によって証明され;
細菌数、フィットネス、増殖、病原性、またはそれらの組合せの低減は、オプソニン食作用傷害アッセイ(OPK)によって証明され、前記OPKアッセイは、少なくとも1/200の補体不活化血清希釈で出発して、少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む少なくとも1つの抗原に対して特異的なポリクローナルヒト抗体、またはそのような抗体を含有するヒト血清もしくは抗原誘導ポリクローナル抗体血清の少なくとも2つの2倍階段希釈を使用する、5%COの存在下での37℃での少なくとも24時間またはそれより長いインキュベーション後に、K50力価判定のためのオプソニン食作用傷害アッセイにおいて使用される、少なくとも2倍高い希釈における陰性対照と比較して、反応試料中の細菌細胞数の少なくとも50%より多い低減を示す。
本方法により、初めて「実際の世界」で、P.アクネス抗原が同定かつ提供されて、宿主とのヒトP.アクネス微生物叢相互作用の性質の完全に新しい理解がもたらされ、それに基づいて、P.アクネス細菌によるヒトのコロニー形成の病理学的結果によって引き起こされる障害と戦ってこれを防止する新しい有効な「実際の世界の」戦略が提供される。先行技術において提示される他の戦略と対照的に、本発明に従う抗原の同定は、抗原の関連性に対する情報、および抗原誘導ポリクローナル抗体によって試験される特異的エピトープを提供する。
本発明により、多くの異なる株の表面に結合することができる抗体を抗原が実際に誘導することができるかを実際に試験することによって、実際の世界のワクチン候補の関連性が保護された(例えばウェスタンブロットもしくはMasSpecによって;またはヒト疾患を正確に表さない無関係なモデル(例えばウサギ耳炎症におけるCAMPおよびシアリダーゼ研究)に依存して、細胞溶解液中のタンパク質の発現を見るだけの間接証拠/バイオインフォマティクスまたは方法に基づいて推測することと対照的であり、とりわけ、フローサイトメトリー研究は、(免疫化によって高められた抗体に対する抗原およびそのエピトープの表面アクセシビリティの差異を評価する唯一の定量的方法として)P.アクネスにおいて抗原発現評価になされなかった)。本発明の過程において、多数の異なる株およびファイロタイプ(他によってなされた1~6株だけでなく、100株を超える)の系統的研究が実行された。さらに、臨床的に関連する材料を、皮膚表面を殺菌した後に、ざ瘡患者の膿疱(炎症を起こした病変)から単離して、別個に分析した(試料を、ざ瘡によって典型的に冒されていない領域から、皮膚表面からとって、分析中に、全ての個体のデータを群として分析する(例えばざ瘡対健康)(しかし、各個体は、その微生物叢に関して固有であり、全てのデータを「同じバッグ中に」入れると、結果を歪めて、誤った結論に至るだけである)先行技術とは反対である)。加えて、実際の世界の関連性は、ヒト免疫応答の重要性に関しても示された(P.アクネス表面への結合の増大は、食細胞の殺菌有効性の増大に至る;これについて、抗体結合は、正確なエピトープを対象としなければならない)。このアプローチは、いかにヒトにおいて有効であるかも示した(また、ヒト血清が試験された場合に、表面結合およびOPKデータが相関した)。最後に、本発明の過程において用いられるOPK方法の特徴はとりわけ、適応免疫についての重要性を証明したが、先行技術は、抗体の不在下で、P.アクネスおよびヒト細胞の相互作用に基づいて、自然免疫を調べただけである。
実際、本発明は、ワクチン中への包含にとって最高の抗原およびエピトープを同定かつ選択するのに用いられる方法に関連する分野において、限界を克服した。
本発明は、大量のP.アクネス株の全体にわたる、異なる抗原および抗原性エピトープの表面発現およびアクセシビリティの差異についての「実際の世界」の証拠(表2);有効な抗原特異的適応免疫応答(ワクチン抗原選択の主要な基準である)を誘導する結合の機能的結果の「実際の世界」の証拠を、先行技術における他のものよりも優れた方法を用いることによって、結合およびその機能的結果の定量的評価に基づいて提供する:
・フローサイトメトリー
・オプソニン貪食作用
・SPR/Biacore
フローサイトメトリー:多数の異なるP.アクネス株および抗原の体系的な評価が、細菌細胞表面上での異なる抗原の実際の発現、および抗原特異的抗体の結合への抗原性エピトープのアクセシビリティを定量的に評価して確認する目的で、P.アクネスの先行技術において、以前になされなかった。その代わりとして、抗原発現が、最適状態に及ばない方法およびほんの少数のP.アクネス株を用いて間接的に評価された(例えば、Lodesら、2006年におけるウェスタンブロット)。これらの方法のいずれも、細胞表面上でのタンパク質の発現のレベルを定量的に評価しなかった(SDS-PAGEおよびウェスタンブロットによる分離後のタンパク質の検出は、タンパク質が、細胞表面上で実際に発現されて、P.アクネスの表面上での抗体結合に十分に到達可能であることを意味しない。これらの方法は、互いに異なる株および異なる抗原の全体にわたる発現のレベルの比較を可能にしない)。抗原性エピトープは、ワクチン候補として適しているために、表面上で到達可能であるだけでなく、大きな%の株間で十分に保存されている必要がある(ワクチンは、可能な限り多くの患者への保護を実現することができなければならないので、病原性となり得、かつ異なる宿主にコロニー形成し得る全ての株を認識することができる抗体を誘導するべきである)。
他の研究者らは、ウェスタンブロットもしくは質量分析によって分析される、細胞溶解液中の抗原発現、細胞分泌画分、および/もしくは膜画分を研究し(Hollandら、2010年;Yuら、2016年;Bek-Thomsenら、2014年;Achermann、2015年;Lodes、2006年)、またはウサギ骨組織の感染中に1つのみのP.アクネス株によって発現される様々な抗原の免疫原性(組換えタンパク質に対して抗体を誘導する能力)を評価した(Achermannら、2015年)。これらの方法は全て、少数の株が試験され、分析されるタンパク質が変性されて、SDS-PAGEによって分離されるという類似した限界を有した;したがって、タンパク質は、生存細胞の文脈から取り出されて、その天然のエピトープ構造が変わるので、例えばAchermannら、2015年は、本発明に記載される抗原のいずれも同定しなかった。
本発明において結果が示されずとも、当業者であれば、P.アクネスに対して最も効果的なワクチンが、高度に交差反応性である必要があり、単一の抗原としての、またはP028(PITP)と組み合わせたハイブリッドでの、DsA1およびDsA2の組合せが、各々が単一の抗原ワクチンとして、またはP028のない組合せでP022およびP027を組み込む生成物よりもかなり広い交差反応性を提供すると結論することができない。これは、とりわけ、各個体にコロニー形成する株の個体特異的であり、かつ固有のプロファイル、細菌が使用する様々な病理学的プロセスおよび病原性機構の文脈における単一の抗原のインビボ発現の予想される変動を考慮して、関連している。
オプソニン食作用傷害方法:OPK方法は、病因の部位にて細菌細胞数および増殖を特異的に低減する、細菌に対する適応免疫防御を動員する際の、抗原誘導抗体応答の機能的重要性の評価を可能にする。
P.アクネスは、動物にコロニーを形成しないか、動物において病原性でないので、ワクチンについて典型的に実行される薬力学的研究(例えば、チャレンジからの保護)は、動物モデルにおいて関連しない。P.アクネスがウサギ耳において炎症を誘導するのに用いられた(例えばLiuら、2011年)、公開されている動物モデルは、尋常性ざ瘡についての関連としても、ワクチン抗原候補の同定についての関連としても、科学界によって受け入れられていない:モデルは、他のP.アクネス抗原に対する性能の客観的な比較を可能にしなかったので、たった1つの単一抗原(Camp2)しか研究されなかった(O’NeilおよびGallo、2018年;McLaughlin、2019年)。さらに、Liuら、2011年は、殺菌活性を所望のワクチンモード作用とすら考えなかった。その代わりとして彼らは、「細菌を直接死滅させることのない、細菌誘導病原性および炎症の中和は、尋常性ざ瘡の処置にとって優れた免疫療法であろう」と述べている(Liuら、2011年;3頁、第1の段落)。
細菌をオプソニン化する血清試料の能力は、種々のインビトロオプソニン食作用傷害(OPK)アッセイによって測定することができ、これは、単純なオプソニン食作用吸収(死滅させることのない)OPAアッセイおよび保護の最良の機能的相関物よりも優れていることが示されている。
末梢血由来の顆粒球(好中球、好塩基球、好酸球)を、オプソニン化アッセイのための食細胞の供給源として用いることができるが、細胞株を食細胞として用いることがより便利であり、かつ再現性がある。前骨髄球性白血病細胞株、例えばHL60を、顆粒球様細胞に分化するように誘導することができ、分化は、表面抗原の発現によって監視することができる。
これらのアッセイは些細でなく、アッセイの開発に、特定の細菌種の固有の特性、およびヒト免疫系との相互作用の性質を説明することを必要とする。OPKおよびOPAアッセイの成功にも拘らず、肺炎球菌に対するワクチン抗原誘導応答の評価における使用、および最近では、類似したアッセイが、化膿連鎖球菌(S.pyogenes)に対して開発されており、そのようなアッセイは、P.アクネスに対して開発されていない。P.アクネスについてそのようなアッセイを確立する困難は、とりわけ、日和見病原体である共生細菌としての、細胞生物学、細胞壁特性、およびその固有の、ヒト免疫系との相互作用の独自性に起因した。
更なる研究が、殺菌効果に至り得るP.アクネス関連感染に対する重要な適応免疫防御としての抗体の役割を評価しようと試みなかった。その代わりとして、最近の20年にわたって、科学界は、抗体から独立して、様々な細胞型とのP.アクネス相互作用の一般的な現象を研究し、これらの細胞の内在化または侵入直後のP.アクネス動向を理解することを試みた。これらの研究は、P.アクネスに対する自然免疫防御への洞察しか提供しなかったが、この細菌による感染および/または病原性傷害を、自然免疫応答が止めることができない場合に、いかに適応免疫防御によって防止または解決することができるか、どの抗原が、P.アクネスに対する殺菌活性を有する抗体を誘導することができるかの問題を解決しなかった。
本発明の過程においてP.アクネスについて開発されたOPKアッセイの主要な差異は、例えば、以下である:
(1)アッセイについての最も関連する細胞の好ましい使用:顆粒球、およびとりわけ好中球(HL60細胞は、顆粒球に区別した)。顆粒球、およびとりわけ好中球は、細菌への侵入に対する早期の宿主防御における重要な役割を果たす。感染に応じて、好中球は血流から動員されて、炎症の局所的部位に向けて移動して、そこで感染拡大を止めるか、または妨げるように局所的自然免疫防御を補助する。
用いられる具体的に好ましい細胞型、HL60細胞は、溶液中で容易に混合される非接着細胞であり、これは、全てのウェル内で一定の細胞数を用いるアッセイを実行するのを可能にし、これが、アッセイの変動をかなり低減して、多数の試験試料の性能を同時に比較するのを困難にさせる。
(2)アッセイに用いられる細胞による食細胞殺傷の誘導における役割を調査するための、異なる抗原に対して特異的に高められた抗体の好ましい使用(例えば、好ましくはHL60細胞は、顆粒球に区別した)。
(3)食細胞殺傷は好ましくは、抗原非特異的殺傷を含まない条件下で評価され、これは、抗生物質または補体が用いられた研究において、抗体の不在下で起こり得る。これは、殺菌活性を有する抗体を誘導する、異なる抗原および抗原性エピトープの潜在性の不偏の評価を確実にする。
(4)食細胞方法は好ましくは、24時間を超える長いインキュベーション期間にわたって、細胞外P.アクネスおよびHL60食細胞の双方の最適なP.アクネス成長および生存を確実にするように最適化されている:他の方法において、殺傷相中の時間は、24時間以内であり、より長い時間が許容されるならば、抗生物質が、細胞外細菌の増殖を妨げるのに用いられ、またはアッセイ可変性が増大して、同じアッセイにおける多数の試料の系統的評価を困難にさせる。
SPR/Biacore:は好ましくは、本発明に従って、免疫関連性に基づいて選択される様々な抗原との抗体結合レベルおよび親和性(相互作用の安定性)の評価を含んだ抗原選択のための更なる定量的方法として(表面結合およびオプソニン食作用アッセイにおいて)用いられる。
皮膚は、皮膚微生物叢;細菌、古細菌、菌類、およびウイルスが住む、複雑かつ動的な生態系である。皮膚内在細菌は、受動的な在住者だけでない;彼らは、無傷の皮膚バリアを介して宿主免疫と能動的に係わって、特定の免疫細胞集団を種および株依存的に活性化する。
最近の数十年にわたって、皮膚が、それ自体の皮膚免疫系(SIS)を有すること、ほとんどの抗体が、体全体を通した血液分布、および組織中への拡散によって体系的に作用するが、組織力価が、皮膚内に存在するB細胞による局在化された抗体生成によって増強し得ることが明らかになった。哺乳動物の皮膚において、B細胞は真皮に局在する。ヒト皮膚において、IgAは、エクリン汗腺内で分泌されて、汗および皮脂内に現れて、IgGおよびIgMアイソタイプの抗体が、定義されていない機構によって皮膚表面に到達する。
これらの発見にも拘わらず、先行技術における他の研究は、生成を刺激して、殺菌活性を増大させることによって、P.アクネスに対する抗体の局所的濃度を増大させる必要に対処しようと試みていない。その代わりとして、当該分野は、細菌に対する抗体レベルを増大させることが、有益というよりもむしろ有害であり得、そのような戦略が考慮されるならば、警告が、求められていない効果について高められ、分泌される非表面タンパク質が、より最適な標的と考えられる方向に動かされてきた。
本発明に従えば、局所的に分泌され、かつ血管から毛嚢中に拡散するP.アクネス特異的抗体の量および質は、増大する。これらの抗体は、局所的皮膚免疫防御を強化して、それらの効率を増大させるので、炎症性プロセスは妨げられるか、またはかなり低減される(図24A、図24B)。
ざ瘡の病因は、遺伝学、ホルモン活性、P.アクネス病原性に貢献する皮膚環境、および結果として生じる免疫応答を含むいくつかの要因の相互影響によってトリガーされる。これは、とりわけ皮膚コロニー形成細菌の共生役割対病原性役割を鑑みて、関連している。様々な環境因子、細菌因子、および宿主因子間の相互作用の複雑性は、現在利用可能な処置に対する疾患および応答性の個々の異なる臨床症状をもたらす。他のP.アクネス関連病理学的症状および疾患は、相互作用の同様に複雑な相互影響を含む。なぜなら、特定の株による単なるコロニー形成は、感染、炎症、および疾患を誘導するのに十分でないからである。
この理由のために、最近の数十年にわたって、科学界は主に、P.アクネスを感染組織および病変から単離して、それらの病原性重要性についての結論を導き出してから、「病原性」株によって発現される様々な病原性因子の発現を比較する際の、様々な臨床症状に至る病原性プロセスの理解に集中してきた。
実際、先行技術研究は、特定のファイロタイプによる抗原の発現の証拠を示し、ざ瘡の皮膚孔対健康な皮膚孔の内側の様々なタンパク質の発現レベルを比較し、またはヒト免疫細胞および組織のヒトタンパク質および様々な構成要素と相互作用する能力を調査しただけに過ぎない;しかしながら、より多くの「健康関連」P.アクネス株を損なうことによって求められていない効果を引き起こすことなく、患者にとっての利益を確実にするための、ワクチンの最適な抗原選択および設計に関する多くの問題をオープンなままにしている。
本分野における科学研究において、P.アクネス関連病的状態に適したワクチンをいかに設計するかの必須の問題に、まだ答えられていない。実際、科学界は、P.アクネス関連疾患を、実行可能なアプローチで処置するためのワクチンを考慮すらしなくなっている。ヒト疾患の文脈におけるDsA1およびDsA2の生物学的機能および発現は、多くのグループによって研究されてきた。しかしながら、ワクチンについての提示は依然としてなく、これらの2つのタンパク質に基づいて、これらのタンパク質の特定のエピトープを標的とするように抗体応答を誘導するように設計されたワクチンは言うまでもない。さらに、P.アクネス表面関連タンパク質を標的とするワクチンアプローチについて、たくさんの警告が上げられている。要約すれば、本発明は、先行技術(これらのタンパク質が、炎症に至る宿主免疫系との相互作用に関係することしか示していない)において「病原性因子」を同定することと異なって、「免疫関連」ワクチンを提供する。そのような「病原性因子」と対照的に、本発明に従う「免疫関連」ワクチンは、免疫化すると、増殖および病原性挙動を妨げる、細菌に対する食細胞の能力をかなり増大させる抗体を誘導するワクチン候補としての関連性を指す。したがって、本発明の「免疫関連」抗原は、炎症を誘導せずにむしろ、炎症を低減して炎症に対して作用する;したがって、宿主においてワクチンとしての保護的効果を有する。
また、先行技術におけるOPKアッセイとは対照的に、本発明に従うOPKアッセイは、好ましくは
- 抗生物質化合物の存在および/もしくはアッセイへの添加なしで、かつ/または
- 補体および/もしくは補体因子の存在ならびに/または補体および/もしくは補体因子への添加なしで;OPKアッセイにおいて殺菌に及ぼす抗生物質または補体(自然免疫系)の系統的影響のないP.アクネス細菌の有効な殺傷についての、抗原それ自体の質の不偏の分析を可能にするように、実行される。
言及される以前の研究は、表面ベースの抗原の有無に関してスクリーニングするが、本発明は、第1の工程として、フローサイトメトリーを用いて、最も適切かつ最良の候補を選択し、これが続いて、OPKアッセイにさらに供される。Nakatsujiら、2008年は、フローサイトメトリー方法を用いて、組換えにより発現されたシアリダーゼの、皮脂細胞への結合を研究した。しかしながら、シアリダーゼが、P.アクネスの表面上で発現されて、免疫化によって誘導される抗体に到達可能であることすら全く実証されなかった。実際、先行技術において、バイオインフォマティクス予測のみが、細胞壁と関連し得る抗原を選択するのに用いられた。Nakatsujiら、2008年のグループですら後に、戦略を変えて、表面タンパク質の標的化が、P.アクネスにとって最良のアプローチでないと結論したことに言及する価値がある。なぜなら、(共生生物であるために)健康についてネガティブな結果を有し得る細菌全体を標的とすることを望んでおらず、好ましいワクチン抗原としてCAMP2(分泌されるタンパク質)を追い続けたからである(Liuら、Vaccine 29巻(2011年)、3230~3238頁):著者らは、ワクチン標的としてCAMPを用いるという以前の提示に関して、「表面シアリダーゼまたは細菌粒子を標的とするワクチンが、P.アクネスに対して予防的な効果を示すが、治療活性の欠如および分泌病原性因子を中和する不能が、新規の免疫治療法を生成する動機付けとなる」と結論を下した。結果的に、Liuら、2011年の論文において、科学者らは、CAMP2を、活性があるワクチン標的としてスキップして、P.アクネスの分泌CAMP因子に対する免疫療法抗体を開発した。
本発明に従うOPKアッセイは、吸収して、P.アクネス細菌を殺傷することができるあらゆる細胞型により実行することができ、好ましくは、顆粒球(とりわけ好中球および好塩基球)により実行されるが、健康なボランティアの血液から精製された多形核細胞、および特定の型のマクロファージ、単球、ならびに他の食細胞株を用いてもよい。好ましくは、OPKアッセイは、とりわけP.アクネス特異的抗体を含有する(ポリクローナル)血清または他の組織液の存在下で、食細胞(顆粒球)の混合物によって実行される。本発明に従うOPKアッセイにおいて用いられる好ましい細胞株は、HL-60細胞、ヒト骨髄芽球、および前骨髄球性白血病細胞であり、これらは、顆粒球(感染に応答し、血液から局所的炎症の部位に移動する主要な細胞型である好中球を含み、プロセスは、組織損傷に応じて、自然免疫の機序が、感染の蔓延を一掃して妨げる務めをすることができない場合、局所的常在細胞およびマクロファージによって放出されるサイトカイン免疫シグナルに依存する)に分化される。好中球および/または顆粒球は、本OPKアッセイに用いられることとなる最も好ましい細胞型である。
DsA1およびDsA2によって誘導される抗体は一貫して、P.アクネス細胞表面に結合する。これは驚くべきことであり、かつ他の先行技術タンパク質と対照的である。また、これらは、重要な病原性因子であり、免疫原性であり、細胞表面上に露出され、かつ/または分泌されることが示唆された(P002、P005、P035、P042、P046、P068、P069、P070、P071)。実際に、これらの先行技術抗原はいずれも、全ての6つのMLSTファイロタイプの代表的な株上での本発明のフローサイトメトリーベースの表面結合性アッセイによって検出されず、またはこれらの抗原によって誘導される抗体の表面結合は、極めて低かった(例えば図1A)。
先行技術において示唆される、分泌についての高い潜在性、発現の可変性、および抗原性配列の差異にも拘わらず(Lodesら、2006年;Hollandら、2010年;Yuら、2016年;McLaughlinら、2019年)、本発明の表面結合実験において、DsA1およびDsA2は、細胞壁画分内で、または限られた数の株もしくはファイロタイプの細胞表面上でのみ発現されるが、ワクチン候補として用いられる場合、免疫化によって高められた抗体に高度に到達可能であり、この結合は、先行技術において記載される他のタンパク質と比較して、強さおよび交差反応性/交差型反応性がはるかに優れていることが示される(O’NeillおよびGallo、2018年;McLaughlinら、2019年)(例えば、図1A、図4)。生存P.アクネスの細胞表面上のこれらの抗原の発現およびアクセシビリティは、ファイロタイプIA1の細胞表面上で大きいだけでなく(McLaughlinら、2019年)、ファイロタイプIA2、II、およびICの細菌細胞表面上での発現のレベルもまた、先行技術において記載される他の抗原と比較して、はるかに優れている(Hollandら、2010年;Brzuszkiewiczら、2011年;Bek-Thomsenら、2014年;Achermannら、2015年;Yuら、2016年;O’Neill and Gallo、2018年;McLaughlinら、2019年)。
さらに、抗体の表面結合の重要性は、本発明において、ヒト食細胞を用いるオプソニン食作用傷害アッセイにより確認することができ、これは、抗原DsA1およびDsA2に対して作用する抗体しか、P.アクネスのかなりのオプソニン食作用傷害を誘導することができないが、他の先行技術抗原を用いる免疫化によって誘導される抗体が、最も一般的なMSLT群(例えば図1B)、すなわち、IA1、IA2、IB、IC、II、およびIIIを表す、遺伝的に異なる株のパネルに対して調査される場合に、抗原DsA1およびDsA2よりも明らかに劣っていることによって、交差反応性および交差型反応性の証明になることを実証する。
したがって、特定のファイロタイプの細胞表面上に位置決めされるか、または細菌細胞壁内で分泌かつ一過性発現することができることが示唆された他の示唆される病原性因子に類似して、DsA1およびDsA2しか、保護的な免疫原およびワクチン候補の主要な特性を提示しなかったが:これらは、かなりのオプソニン食作用傷害能の誘導に十分な量および必須の質で、生存P.アクネス細菌の表面に結合することができる抗体を誘導することができた。
双方のタンパク質は、感染性P.アクネスサイクルに必要とされる、P.アクネスにおける病原性因子を表す。これらは、特定の宿主因子、例えばデルマタン硫酸(Lodesら、2006年)およびフィブリノゲン(Grangeら、2017年)に結合することが示唆された。しかしながら、当該分野における現在の状態の当業者であれば、これらのタンパク質のいずれかを用いて、保護的な治療生成物を設計して開発する方法について依然として結論を下すことができない。その代わりとして、大部分のP.アクネス株の細胞表面と関連する抗原に関連する警告がとりわけ高められている。なぜなら、そのようなワクチンは、「共生」株に対して求められていない効果を誘導することで、先行技術における教示が、主にMLST群IA1によって発現される抗原の間で選択することを(McLaughlinら、2019年、23頁);または分泌されて、細菌細胞表面と関連しない抗原を選択することを(Contassot 2018年;Keshariら、2019年)指図し、これらの著者らは、将来の研究において、考えられるワクチン抗原候補としての潜在性を判定するために評価される様々な抗原候補間でDsA1およびDsA2にすら言及しなかったので、危険であると考えられるからである。
DsA1およびDsA2は互いに相同であり、ファイロタイプIA1、IC、およびII内の株上で異なって発現されるので、他方の相同体と比較して、一方をより多く発現するものもある(例えば図16A~図16D)。また、別々に標的とされる場合に、一方が他方の機能を引き継ぐことができることもあり得る。したがって、ワクチン内に2つのうちの少なくとも1つ、またはさらに良いことに双方とも提供すると、免疫防御回避のチャンスを低下させ、かつ2つのうちのより低いレベルの1つを発現する株に対して、ワクチン潜在性を増大させることができる。
また、種々の病原性機能が、異なる著者らによって重要と示唆された他のタンパク質(Brzuszkiewiczら、2011年;Achermannら、2015年;O’NeillおよびGallo、2018年;McLaughlinら、2019年)にあると考えられている;というのも、細菌によって発現される多数の因子が、病原性潜在性になるからである。したがって、本発明を固有でいさせるものは、特定のP.アクネス遺伝子型の侵襲性潜在性に寄与し、かつ宿主と相互作用する多くの異なる病原性因子のうちの1つとしてのタンパク質の同定ではないが、それらをワクチン材料として用いる免疫化によって誘導されるDsA1-およびDsA2-特異抗体の組み合わせた作用が、宿主防御(食細胞)を動員し、かつ非常に多数の細菌株およびファイロタイプに向けた殺傷能力を特異的に誘導し、かつ増大させること、皮膚毛嚢の損傷を防止もしくは治癒すること、または皮膚バリアを突破するように管理する場合に生物内での更なる蔓延を防止することができるという証拠である。本発明の過程において得られるそのような強力なオプソニン食作用傷害効果の誘導は、先行技術における潜在的候補として示唆されてきた多く他の病原性因子とは異なり、これらの2つのタンパク質を、ワクチン生成物にとって主要な候補とする。
ワクチン抗原としてのPITPの選択についての根本的理由
抗原P028またはPITP(PA-21693)は、Lodesら(2006年)によって、ジフテリア菌htaAの生成物に類似し、かつP.アクネスによる鉄吸収機構に関係した2つの推定のP.アクネスタンパク質(PA-21693およびPA-4687)の1つとして記載されている。
本データは、鉄制限条件下で、PITPの発現がかなり増大するが、他の表面タンパク質の発現が、同じ条件下で不変のままであることを実証した;Lodesら(2006年)によって3つの可変的に発現される免疫原性P.アクネスタンパク質の1つ、P071(PA-4687)としても示唆されている、第2のhtaA様鉄結合タンパク質の発現は、一部の株上で、鉄制限条件下でほんの僅かに増大した(例えば図3)。鉄は、とりわけ炎症性条件下で、細菌の複製にとって不可欠である。なぜなら鉄の吸収は、宿主組織における細菌の生存において役割を果たすからである。
鉄制限条件下で、PITPは、6つのMLSTファイロタイプ(IA1、IA2、IB、IC、II、およびIII型)の表面上で、可変的な量で検出された(例えば図1A)。PITPは、高度に免疫原性であり、誘導される免疫応答は、6つ全てのMLST型に属する株を認識して、これに特異的に結合する。また、誘導される免疫応答は、少なくとも2つまたはそれ以上の異なるMLSTファイロタイプ(例えば、IA1およびIA2型、またはIA1およびIB、またはIA1、IA2、およびIB、またはIA1、IA2、IB、IC、および/もしくはII、および/もしくはIII)に対するOPKアッセイにおいて、食細胞による有意な殺菌を誘導することができた(例えば図1B)。したがって、ワクチン抗原としてのPA-21693(Lodesら、2006年)(PITP)は、本発明の過程および評価内で、高度に免疫反応性のP.アクネス表面タンパク質であることも示唆され(Lodesら、2006年)、IA1型株に対して重要な病原性因子および潜在的免疫療法候補間で考慮された(McLaughlinら、2019年)、他の類似する鉄結合タンパク質、例えばP071、Hta様タンパク質PA-4687(Lodesら、2006年)とは逆に、広範なMLSTファイロタイプの細胞表面に結合する交差反応性および交差型反応性のP.アクネス抗体を誘導する能力(例えば図1A)、食細胞殺傷を誘導する能力(例えば図1B)の明らかな優位性を実証していた。
IB株が、ざ瘡患者および健康な個体双方の皮膚から単離されるという事実に起因して、先行技術において、その病理学的重要性は認識されておらず(O’NeillおよびGallo、2018年;McLauglinら、2019年)、尋常性ざ瘡におけるIB株が、「共生の」または「中立の」株間で考慮されている。なぜならそれらは、健康な皮膚およびざ瘡皮膚の双方において頻度が等しいからである。しかしながら、散発的な臨床所見が、これが常にこの通りでない場合があることを示唆している。例えば、抗生物質耐性に起因するざ瘡治療失敗の原因となることが見出された株は、IBファイロタイプのものであったが、「病原性である」と考えられる株(IA1)は、処置に用いられる抗生物質に感受性であった;ざ瘡病徴は、抗生物質がIB株に対して有効であるものと交換される場合にのみ低減された(Sadhasivamら、2016年)。したがって、IB株型は、他のタイプのP.アクネス感染から高頻度で単離されるが、ざ瘡におけるIBファイロタイプの臨床重要性は、当該分野において解決されていない。しかしながら、本発明は、IB株が、炎症を起こしたざ瘡病変からも単離されること(例えば、図14A、図14B)、ヒトが、IB株に対してかなりのレベルの抗体を作り、これが100万を超えるオプソニン食作用血清力価(K50)に達し得ること(例えば図13B)を指摘する。
また、III型株は、ざ瘡と関連して高頻度で単離されない(McLaughlinら、2019年)が、インプラント関連感染および他のタイプのP.アクネス感染からの単離によって証明されるように、病原性潜在性を有し、また、進行性斑状メラニン欠乏症と特異的に関連することが示唆されている(Barnardら、2016年;Dagnelieら、2018年)。ざ瘡患者の皮膚からのIII型株のあまり一般的でない単離の理由は、異なる環境に引き寄せられて、顔および体のより制限された領域にコロニー形成する傾向があることである:公開された研究において、III型株は、一部の個体の前頭および前腕上で(Dekioら、2012年)、口腔粘膜上で(Scholzら、2014年)のみ同定された。また、本発明の過程において生じたデータは、III型株が、より限られた身体の領域にコロニー形成することを好むかもしれないことを示している。なぜなら、III型株は、健康な人またはざ瘡患者から、本発明に従う研究において試料をとられた顔領域から単離されなかったからである。加えて、III型株はまた、他のファイロタイプよりもゆっくり増殖するので、単離された臨床材料が、配列決定の前にプレート上で増殖する場合、サンプリング方法およびサンプリングされる領域のタイプに応じて、容易に失われることが注目された。
したがって、PITPは、病原性潜在性を有する更なるP.アクネス型(例えばIBおよび/またはIII)を標的とするのに、発現の量がより低いか、または下方制御される、更なるファイロタイプに及ぼすDsA1およびDsA2の効果を増すのに適した表面抗原である(例えば図4)。
また、誘導された体液性免疫応答の、PITPとの相互作用は、免疫細胞の引力の他に、宿主免疫細胞との戦い、または感染症のバイオフィルム分散および蔓延との干渉の間に、細菌による鉄吸収の阻害または低減に至り得る。
単一のワクチン生成物におけるDsA1+DsA2+PITPの組合せについての根本的理由
表面アクセシビリティおよびOPK活性プロファイルによる抗原PITPは、抗原DsA1またはDsA2によって誘導される免疫応答を最もよく補完する:これは、細胞表面上で到達可能であり、P.アクネスIB型、およびより低い程度でIII型(他の2つの抗原を発現しない)を食細胞殺傷することができる抗体を誘導することができ、PITP表面発現がDsA1およびDsA2(P.アクネスIA2型およびII型)と比較してより低くなり得る株上で、他の2つの抗原によって誘導される抗体は、これを補償することができる(例えば、図1A、図1B;図4、図5)。
オプソニン食作用傷害(OPK)の機能的重要性は、多くの他のタンパク質が病原性因子として作用する能力を有するが、同じ免疫学的アッセイにおいて互いとの比較において試験される場合に細菌に対して同じ効果を有する抗体を誘導することができないという事実に起因する、本発明の主要な発明の進歩性である。例えば、CAMP2およびその相同体は、ヒト細胞を溶解させることができる溶血性活性を有する:CAMP2は、P.アクネスとの共培養のインビトロアッセイにおいて食細胞の殺傷を誘導することができることが最近報告された(Wangら、2018年)。様々なP.アクネス株によるCAMPタンパク質の発現および分泌は、オプソニン食作用傷害に対するP.アクネス耐性に寄与する因子の1つと示唆された。しかしながら、本発明に従って実行されるOPKアッセイにおいて証明されるように、P.アクネスの死滅は、DsA1、DsA2、およびPITP抗原に対するオプソニン化抗体の存在下で一貫して検出可能であった。
フローサイトメトリーベースの表面結合アッセイにおいて本発明のために実行される研究は、抗原DsA1および/またはDsA2を抗原PITPと組み合わせることによって最良の効果を得ることができることを示した(例えば図5)。これは、PITPに対する、また、DsA1およびDsA2によって誘導される抗体が、オプソニン食作用傷害、例えばMLSTファイロタイプIBおよびIIIを誘導しない系統群由来の株に対する抗体により誘導することができるオプソニン食作用傷害によって確認することができる(例えば、図1B、図1D)。したがって、PITPとのDsA1および/またはDsA2の組合せを用いると、単一の抗原として、または組み合わせて用いられるDsA1およびDsA2のみを組み込む生成物よりも広い交差反応性/交差型反応性が実現される。これは、とりわけ、細菌が関係するか、または関係し得る様々な病理:様々なタイプのざ瘡(尋常性ざ瘡、集簇性ざ瘡、嚢胞性ざ瘡)、インプラント感染、サルコイドーシス、進行性斑状メラニン欠乏症、および他のタイプの症状の文脈において、異なる個体にコロニー形成する株および異なる病原性潜在性の株の個体特異的かつ固有のプロファイルを考慮して、関連している。本出願の例によって証明されるように、本発明に従うワクチン生成物は、よりたくさんのファイロタイプ上で発現される病原性因子に向けられるより広い交差反応性および交差型反応性プロファイルを有する抗体を誘導することとなり、危険に曝されており、かつ様々な病的状態にある高いパーセンテージの個体において保護的であるかなり高い潜在性を有する。
DsA1またはDsA2とのPITPのこの特定の組合せは、尋常性ざ瘡において病原性であることが他によって示唆されたリボタイプに従って分類されている株だけでなく(RT4、RT5、およびRT8)(Fitz-Gibbonら、2013年;O’NeillおよびGallo、2018年)、他のリボタイプ内でこれらの病原性因子を発現する同じ能力を有する株(例えば図4:RT1およびRT3)をも標的とするのを可能にするが、健康な皮膚上でも高頻度で見出されるという事実に起因して(例えば、RT1およびRT3)、または感染の文脈においてかなりの程度単離されていないので(例えば図4:RT16およびRT532)、その病原性の重要性は、これまで認識されていない。
リボタイピングおよび他の類似した遺伝的タイピングスキームが、場合によっては、免疫学的データと関連し得るが、この関連は因果関係を意味しない。本発明により得られるデータは、選択されたワクチン候補の表面アクセシビリティが、ざ瘡傾向がある皮膚から一般的に単離されないリボタイプ(RT2およびRT6)上よりもかなり低く、ざ瘡病因に関係している株(RT4、RT5、RT8)上よりも高い傾向があることを実証する;しかしながら、完全に異なる表面発現パターンが、同じリボタイプに従って分類される株上で検出される例外が、本発明の過程において検出された(例えば図4、RT1内の株79および87、またはRT5内の株80)。
また、3つの異なる抗原を標的とするワクチンが、潜在的エスケープおよび耐性機構の発生を低減する戦略であり、細菌は、その感染サイクルの間、タンパク質の1つまたは2つを下方制御することによって従事(employ)し得る。
DsA1および/またはDsA2の断片またはハイブリッド分子を製造することについての根本的理由
本発明に従う好ましい戦略の目的は、オプソニン食作用傷害アッセイにおいて、生成の単純さおよびより低いコストを目的に、全長タンパク質DsA1およびDsA2双方の組合せによって誘導される抗体に対して可能な限り匹敵し、かつ広い、表面結合および機能性を有する抗体を誘導することができるハイブリッドタンパク質を見出すことであった。
DsA1のいくつかの断片が、免疫化研究のために生成されて、用いられてきた。驚くべきことに、タンパク質のC末端を主に占めるDsA1の断片(例えば、「F4」と称される断片)が、P.アクネス細胞表面に十分に結合せずに(例えば図6、図18A)、オプソニン食作用アッセイにおいて殺菌を誘導することができない(図18B、18C)抗体を誘導し、これは、DsA1のPTリピートドメインを含有するC末端の高い免疫原性および免疫学的重要性を強調した著者らと全く対照的である(Lodesら、2006年;Grangeら、2017年)。
バイオインフォマティクス分析は、本発明の過程において、標的の生物学的/臨床的かつ免疫関連の重要性を判定した後に、特定の断片の開始および終了に関していくらかのフレキシビリティを提供する配列領域に基づく免疫学的研究において試験されることとなる断片およびハイブリッドの設計を最適化するツールとして用いられるタンパク質の3-ドメイン構造(本明細書中で「CSD1」、「CSD2」、および「CSD3」と称する)を明らかにした(例えば、図7A/C)。用いられる「スワップ部位」、すなわちDsA1配列領域およびDsA2配列領域が(タンパク質乗換え(cross-over)におけるように)スイッチされる位置は、スワップ領域、構造要素に干渉する最小見込みの領域、特にアルファ螺旋内で選択された(例えば図7B)。
免疫学的研究(例えば図6)およびバイオインフォマティクス分析からの洞察に基づいて、DsA1およびDsA2の更なる断片およびハイブリッドが、DsA1およびDsA2双方に等しく良好に特異的に結合することができる抗体を誘導するために免疫原として用いられるタンパク質の最も重要なエピトープをさらに調査するように設計されてきた。例えば、DsA1のタンパク質分子のN末端および中心部(アミノ酸29~145;278~333)に主に制限される、機能的により関連する領域を含むハイブリッドH4分子によって誘導される血清抗体、およびDsA2タンパク質配列の中心部(アミノ酸190~321)(図12A)のみが、ELISAアッセイにおいて、双方の完全長タンパク質に特異的に結合する能力を有した(例えば図8)。また、同様に、ハイブリッド分子である、DsA1(アミノ酸146~277)およびDsA2(190~321)の2つの中心領域および相同領域を含むハイブリッドH2分子についての別の例が、DsA1およびDsA2双方の完全長タンパク質を認識する、匹敵する能力を有する抗体を誘導した(例えば図8)。ハイブリッドH4による免疫化が、タンパク質DsA1およびタンパク質DsA2双方に対して最もバランスがとれた特異的結合を示す抗体を誘導した。これは、全長タンパク質ならびに他の断片およびハイブリッドバージョンによる免疫化によって誘導される抗体とは対照的であり、これは、それ自体に対して、第2の抗原(相同体)に対するよりも規模はかなり小さいが、最も高度に特異的に結合した。類似した結論が、Biacoreで実行される表面プラスモン共鳴技術(SPR)による相互作用の強さおよび安定性の分析に基づいて得られた(図19A、図19B)。
様々なファイロタイプ由来の株の収集に関する表面結合アッセイにおいて、ハイブリッドH4による免疫化によって誘導される抗体は、本発明に従って試験されるハイブリッドの例の間で、最も広く、かつ最もバランスがとれた交差反応性および交差型反応性を有した(例えば図9)。
ハイブリッド構築体の他のバージョン(例えばH3およびH5)、ならびに新たに設計され、かつ加えて最適化されたC末端断片(F12、F13)およびN末端断片(F10)による免疫化によって誘導された抗体は、単一のワクチンとして、または他のハイブリッド分子、例えばハイブリッドH3の設計内で試験された場合に、ハイブリッドH4による免疫化によって誘導される抗体と比較して、有意に低い交差反応性であった(例えば図9)。これはまた、先行技術における知識と対照的である:他の細菌において見出される類似したタンパク質、例えばタンパク質M(Fischetti、1989年)の研究は、多くの異なる血清型および株の間で、高い交差反応性レベルの免疫応答の誘導についてのC末端の重大な重要性を実証したが、本発明の過程において得られたデータは、連鎖球菌タンパク質への類似性にも拘わらず、DsA1およびDsA2のC末端が、免疫学的に関連しないことを示した。なぜなら、タンパク質配列の主にC末端の部分を含有する断片は、分子のより中心の部分を含有する断片およびハイブリッドと比較して劣って(inferior)実行されたからである。
様々なP.アクネス供給源からのDsA1(天然)ポリペプチドの複数の配列アラインメントにより、DsA1が、超可変タンパク質と一般に考えられる一方、実際、高度に保存されており、かつ本質的に不変であることが明らかとなった。既存の可変性の中で、PT可変性のみが、真のタンパク質可変性として理解される。具体的にこの理由は、観察されるゲノムフレームシフトの一過性の性質が、これまで判定されず、N末端フレームシフトの影響が、根本的な非発現であるからである。他の例外は、アンカーレージモチーフの稀なC末端損失であり得るが、これは、現在のデータに従えば、非常に稀であるか、またはタンパク質として発現されない遺伝子に限られている。重要なことに、この不変性は、別のものに対してタンパク質のいかなる部分も示唆したり優先したりしない。具体的に、公的レポジトリにおけるアセンブリエラーを注意深く考える場合、かなり典型的なPT長可変性を異常に大きくする場合がある。さらに、しいて言えば、PT領域の長さ可変性は、免疫学的圧力の影響として理解することができ、文献においてそのように解釈されてきた。本発明の過程において、これは不正確であり、実際、本明細書中で開示される実験結果は、反対のことを実証することを示した:PTは、大部分は免疫学的に無関係である。これは、N末端ドメインを細胞表面に繋ぐフレキシブルな、おそらくグリコシル化されたリンカーとして理解することができる。これはさらに、配列可変性が、ワクチン候補としてDsA1配列の特定のあらゆる部分を明らかに示唆しておらず、そのような解釈(PTの場合)が実際、不正確であることを固める。
したがって、先行技術とは反対に、DsA1(アミノ酸146~277)およびDsA2(アミノ酸190~321)配列のより中心の領域内の構造エピトープおよびエピトープが、ワクチン抗原またはエピトープとしてかなり免疫学的に関連することが、本発明の過程において見出された。なぜなら、ワクチン抗原として用いられる場合にこれらの領域を含有する断片が、配列のこの部分を欠いているか、またはこの部分のみを含有する断片およびハイブリッドと比較して(例えば図6:F3、F4;および図9:F10、F12、F13)、P.アクネスの表面にかなり良好に結合する、かなり交差反応性/交差型反応性の抗体を誘導した(例えば図9:H4、F11、H2、F9、P027-F1)からである。様々なハイブリッドおよび構築体を、IA1型株に対するオプソニン食作用アッセイにおいて互いと比較した場合、DsA1およびDsA2のより中心の領域を含有する断片およびハイブリッドは、ほぼ全ての階段希釈にて非常に高いレベルのオプソニン食作用傷害を誘導し、DsA1(アミノ酸29~145)およびDsA2(アミノ酸72~189)のN末端配列領域を含有するハイブリッドH3は、有意なオプソニン食作用傷害を、最大1/40,000の血清希釈にて誘導したが、C末端断片、F4は、全ての試験した希釈にて陰性であった(図18B、図18C)。さらに、ハイブリッドH4は、全ての希釈にて、さらに1/1,280,000にて、≧95%のオプソニン食作用傷害を誘導したので、さらに良好に、血清抗体は、全長DsA1およびDsA2タンパク質に対して高められることを実行した(例えば、図18B、図18C)。
先行技術において示唆されるよりもかなり高い保存レベルにも拘わらず、DsA1およびDsA2は、一部の株上で可変的な量の発現を示し、ある場合には、DsA2は、DsA1の代わりに発現され、またはその逆があり、そのため、例えば、DsA2によって誘導される抗体は、より多くのDsA1を発現する株にあまり十分に結合せず(例えば、図9、図16A、図16C、図16D)、DsA1によって誘導される抗体は、DsA2のより多くの表面エピトープを発現する株にあまり結合しない(例えば図16A、図16B、図16E)。この理由から、例えば、ハイブリッドH4等のハイブリッド構築体を用いることで、DsA1がより多く発現されるかDsA2がより多く発現されるかに拘わらず、多数の株に結合する一定の、バランスのとれた抗体レベルを維持するのが補助される(例えば、図16A~F)。
さらに、H4等のハイブリッドポリペプチドの生化学特性は、全長DsA1およびDsA2タンパク質単独についてよりもいっそう良好であり、かつ製造およびワクチン投与に適している。完全長タンパク質DsA1およびDsA2の双方と比較した場合に、安定性の増大が明らかとなるタンパク質H4は、タンパク質DsA2と比較して、単一のバンドタンパク質として発現され、DsA1と対照的に、タンパク質分解に耐性である(例えば、図10A、図10B)。
したがって、H4等のハイブリッドポリペプチドは、全長タンパク質双方の効果を発揮することができる、免疫学的により一貫しており、かつより単純な分子であるだけでなく、通常、親バージョンと比較して、安定性および純度プロファイルが向上している。
タンパク質PTIPおよびハイブリッドH4を含むワクチン設計についての根本的理由
タンパク質PITPおよびDsA1/DsA2ハイブリッド分子、例えばハイブリッドH4の組合せは、尋常性ざ瘡病理に関連する全てのP.アクネス株を標的とすることを可能にする(例えば図11A~C)。PITPおよびDsA1/DsA2ハイブリッド分子、例えばハイブリッドH4を含むワクチンは、免疫応答を誘導し、これは、いずれかの単一のタンパク質単独によるワクチン接種後に誘導される免疫応答にすら勝る、交差反応性および交差型反応性に関する明らかな優位性を実証する(例えば図9、図16A~E)。
DsA1およびDsA2の代わりの、ハイブリッドH4等のDsA1/DsA2ハイブリッド分子の使用は、2つの代わりに1つのタンパク質のみが必要とされるという明らかな更なる利点を有し、これは、生成プロセスを促進する。これは加えて、1つの更なる抗原PITPがワクチン内に含まれる場合に、重要になる。というのも、生成プロセスをかなり単純化して、コストを低減するからである。
ヒト対象についての機能的アッセイの関連性
機能的アッセイの重要性は、本発明の過程において示され、かつ開発されてきた。これらの機能的アッセイは、とりわけ、病理学上関連するP.アクネス感染の危険を有するか、または当該危険に曝されているヒト個体への投与に有効な交差型反応性ワクチンを提供するために、ワクチン抗原組成を決定し(とりわけ、ワクチン候補として3つのタンパク質DsA1、DsA2、およびPITPを選択する)、ワクチン設計を最適化するのに必須であった。
全てのヒト対象は、血清等の体液中で検出することができるP.アクネスに対する既存の抗体を含有する。これらの抗体は、生存P.アクネスによって発現される抗原を標的とし、当該抗原のエピトープは、P.アクネス細胞表面上で到達可能であるならば、細菌のオプソニン食作用傷害を誘導することができる(例えば、図13A、図13B)。実際のところ、本発明について得られたデータに従って、オプソニン食作用傷害は、P.アクネスに対するヒト抗体の表面結合の増大に関するOPK K50力価の有意な増大によって証明されるように、表面結合抗体の最も重要な機能的活性である。さらに、オプソニン食作用傷害の効率は、細菌に対する免疫相互作用および応答中にヒト宿主において生成される抗体の特定の抗原、ならびに一般的なアイソタイプおよびサブタイプに向けたポリクローナル抗体の結合力によって、P.アクネスに結合する抗体の量によってだけでなく、表面上で発現され、特定のP.アクネス株に対して各個体によって生成される抗体によって標的とされる特定の抗原性エピトープによっても影響される。
交差反応性/交差型反応性抗体を誘導するワクチンを製造する必要
本発明は、先行技術において課題を現在もたらし、かつ「どの細菌ファイロタイプが、宿主に最大の利益を提供するのに、ワクチンによって標的とされるべきか?」という問題に対する答えを提供する:
先行技術における現在の状況は、大きな%のP.アクネス株を標的とする生成物から完全に立ち去っている。なぜなら、少数のファイロタイプのみが病原性であると考えられ、大きなパーセンテージのP.アクネスに対して免疫応答を誘導することによって、これはP.アクネスの完全な除去に至って、ヒトに対する脅威を引き起こす懸念があるからである。
異なるファイロタイプは、患者からの単離の頻度に関して、健康な個体と比較して、これらおよび他の研究からの結論に基づいて研究され、先行技術における現在の指示は、ざ瘡等のP.アクネスによって誘導される病理に対するあらゆる治療生成物が、「病原性である」と考えられる特定の系統群の株に対してのみ作用するべきであることであり、当該技術における現在の状況は、MLST IA1型の株のみが標的とされるべきであることを教示している(McLaughlinら、2019年、23頁;O’NeillおよびGallo 2018年、4頁、第2欄、第1の長い段落の最後)。というのも、これらが、ざ瘡患者の皮膚から通常単離されるが、他が、ざ瘡傾向がある皮膚および健康な皮膚の双方の上で見出すことができる。しかしながら、当該技術の知識の現在の状態は、ヒト宿主免疫系が、株のコロニー形成密度、病原性挙動、および系統発生プロファイルの調節において重要な役割を果たし、これが、異なる個体および身体の領域にコロニー形成すること、これらの相互作用の結果が宿主特異的であることを考慮しない。また、更なる因子、例えば、感染が発生する部位内のホルモン活性、皮膚バリア完全性、および環境が、各個体に固有であり、異なる株の病原性潜在性を制限する因子に対して、促進する因子に寄与し得る。
しかしながら、本発明に従うデータは、IA1だけでなく、他のファイロタイプもまた、ざ瘡を等しく誘導することができることを示す。なぜなら、炎症を起こしたざ瘡病変(膿疱)由来の材料の直接の単離および分析は、多くの患者において、それがIA1でないが、この材料において主に見出される他のファイロタイプであることを明らかにしたからである(例えば図14A)。
加えて、本発明に従うデータは、ざ瘡患者の皮膚表面および皮膚孔が、IA1ファイロタイプによってコロニー形成されるが、患者が、主にIA1株が理由で、ざ瘡病変を発生させないことを示す。なぜなら、ざ瘡病変はまた、IA1と異なるP.アクネスファイロタイプにおいて豊富であり、場合によっては、IA1ではないファイロタイプが、かなり高量で同定されたからである。例えば、特定の患者の炎症を起こした病変から単離されたP.アクネス株(CR086)は、SLSTスキームに従ってタイプされており、IA2ファイロタイプに属するF4であることが見出された(例えば図14A);が、同じ患者の同じ顔領域内の皮膚孔から収集される材料内で検出された株は、IA1、IA2、およびICファイロタイプを、加えて、公開されるSLSTデータベースにおいてまだ含まれていない一ファイロタイプを含んだ(そのため、MLST分類は、この特定の株に割り当てることができない)(例えば図14B)。同様に、患者の炎症を起こしたざ瘡病変において検出された最も豊富な株CR078は、SLS型G1(ファイロタイプIC)およびK1(ファイロタイプII)のものであった(例えば図14A)が、この患者の皮膚孔にコロニー形成するいくつかの株は、SLS型A1、C1、およびC2(ファイロタイプA1)を含んだ(例えば図14B)。これはさらに、P.アクネス感染と戦う交差反応性ワクチンおよび交差型反応性ワクチンを提供するための、本発明の目的によって対処される必要を確認する。
病変の外観およびサイズは典型的に、皮膚上で異なり、一部はより小さく、一部はより大きく、一部はより炎症を起こし、一部はあまり炎症を起こさない。これらの差異は典型的に、異なる病期のざ瘡発生または皮膚上の環境にあると考えられる;しかしながら、本発明により得られるデータは、皮膚表面または皮膚孔から単離された株の型だけでなく、炎症を起こした病変の内側を支配する株のファイロタイプ組成、ならびに各個体の皮膚および毛嚢脂腺に達する抗体の量および特異性もまた、宿主の転帰:細菌相互作用の判定において重大な役割を果たし、かつざ瘡病変が発生して、皮膚表面上に可視になって臨床症状に至る範囲に影響した。したがって、抗体の量についての知識、異なる個体の皮膚にコロニー形成する種々のP.アクネス株の食細胞殺傷を誘導する際の抗原特異性および有効性が、免疫療法生成物を設計して、ワクチン内に含まれることとなる抗原を選択する場合に、考慮されなければならない。
P.アクネス株の臨床重要性に関する、先行技術に対する新規性
先行技術における研究は、ざ瘡病変の典型的な位置を多くの場合表さない皮膚上の単一の位置由来の分析用の材料を試料採集している。例えば、Fitz-Gibbonの研究(Fitz-Gibbonら、2013年)は、当該分野において、エキスパートらからいくつかの否定的なレビューを受けた。これは、ざ瘡によって典型的に罹患されていない、鼻を覆う皮膚上の皮膚孔からのみ材料を収集したという事実に起因し、彼らが用いた方法論が、許容可能な基準に従って考慮されなかったことが理由である(EadyおよびLayton、2013年;AlexeyevおよびZouboulis、2013年)。本発明に従う発見は、罹患された領域および非罹患領域の皮膚孔だけでなく、炎症を起こした病変もまた試料採集することが必須であることを示す。なぜなら、皮膚表面上に、または孔内に見出される株は必ずしも、炎症を起こした病変内で存続し続ける同じ株でない場合があるからである。各個体にコロニー形成する株の亜集団だけが、その特定の個体において病原性潜在性を有するので、株同一性は、様々な研究からの結果を組み合わせて、異なる多くの個体から単離された最も一般的な株を探すことによって、普遍的に推定することができない。むしろ、特定の各患者において機能する細菌特異的因子および宿主特異的因子双方の分析および比較が、その代わりとして実行される必要がある。
したがって、本発明はまた、多くの異なる個体の分析によって得られたデータをグループ化して、一緒に分析して、ざ瘡が、他の研究において同定されたものの間で最も一般的でない可能性があるが、それでもやはり特定の個体における病原性因子であるファイロタイプに起因し得る一個人についての発見の関連性について、結論することができないことを実証する。多くの異なる個体の全体にわたって単離の頻度を分析することによって、異なる株の病原性潜在性を評価する代わりに、免疫状況の分析と同時の個体特異的研究が、かなり有益である。なぜなら、各個体が、コロニー形成株(その一部のみが、特定のヒト宿主において病原性であり得る)の特定のシグネチャーを引き継ぐからである。また、本発明により提供されるデータは、個体特異的である、尋常性ざ瘡の病因における特定のP.アクネスファイロタイプの差別的役割についての証拠を提供する。これは、広く交差防御的であり、かつ多くの異なる患者を含む研究において最も頻繁であると同定された特定のファイロタイプにだけ向けられないワクチンについての重要な証拠を提供する。
さらに、異なるサンプリング領域はまた、異なる株によってコロニー形成される。なぜなら、異なる株は、皮膚において異なる環境に引き寄せられるからである。本発明の過程において実証されるように、一部の患者において、類似した株組成が、額の、また頬の皮膚孔から収集される試料において出現するが、他では有意な差異が発見された。
炎症を起こした病変の内側に見出される株、および免疫状況(病変において同定された株に対する抗体およびその特異性)に関する情報なしに、各個体におけるざ瘡病理についての株の実際の関連性を確認することは不可能である。例えば、個々の患者の皮膚孔(CR078)が、SLST A1、C1、C2型(MLSTファイロタイプIA1)によって、ならびにSLS G1型(ファイロタイプIC)およびK1型(ファイロタイプII)によってコロニー形成された。しかしながら、SLS G1型(ファイロタイプIC)およびK1型(ファイロタイプII)の株が、同じ患者の炎症を起こしたざ瘡病変の内側で最も一般的なものとして検出された。同様に、SLS F4型(ファイロタイプIA2)が、患者CR086の炎症を起こしたざ瘡病変において最も一般的なものとして同定されたが、少なくとも2つの更なるファイロタイプが、皮膚上の同じ試料収集された領域を囲む皮膚孔において同定された(例えば図14B)。
ヒトワクチンに用いられるH4種のハイブリッド分子の選択についての支えとなる証拠。
H4は、Dsa1およびDsA2双方の機能的に関連するエピトープを含有する。H4特異的抗体(すなわち、少なくとも1つの(関連する)DsA1および1つの(関連する)DsA2エピトープを含有するハイブリッド分子によって誘導される抗体)は、重度のざ瘡患者において、DsA1およびDsA2と比較してより豊富である傾向があるようである。これは、皮膚における患者の免疫応答が、ハイブリッド抗原、例えばH4構築体によって十分に表される双方のタンパク質の機能的に関連するエピトープに向けて駆動されることを示す(例えば図15)。
本発明により、多数の示唆される潜在的な候補およびエピトープの比較の結果が、一連の機能的アッセイを用いて提供され、保護ワクチン生成物内に含まれなければならない主要な構成要素(免疫学的に関連する抗原およびエピトープ)が選択される。加えて、本発明は、ヒト宿主の免疫応答についての異なる病原性因子の発現の実際の関連性を明らかにすることによって、当該分野における新しい方向を提供し、これは、ワクチン生成物が、特定の系統発生群に対してだけでなく、可能な限り多くの、好ましくは最も関連する、とりわけ病原性因子を発現して病原性形質を得ることができる全ての細菌株に対しても免疫応答を誘導するように設計されるべきであり、宿主の免疫化によって高められた抗体によって効果的に標的とされるという結論に至る。
ヒト対象は既に、P.アクネスとの確立された継続中の免疫相互作用を有し、当該相互作用の過程において、P.アクネス抗原に対して異なって応答する。特異的抗原に対する免疫系の反応(免疫応答の質および抗体量)は、個々に、特異的抗原が遭遇される位置および文脈に応じて変わる。例えば、抗原が、P.アクネスによってコロニー形成された(皮膚だけでなく)様々な領域において、炎症状態対健康状態/免疫寛容原性状態(例えば、毛嚢の正常な状態対炎症を起こした状態、正常な皮膚バリア対損傷を受けた皮膚バリア、その他)の文脈において、または細菌バイオフィルム対プランクトン細胞と接触して、損傷したか、または瀕死の細菌細胞の一部として、組織分泌物中で遭遇される。したがって、細胞内タンパク質、分泌タンパク質、または膜結合タンパク質は全て、免疫応答を誘導して、抗体発生を誘発することができる。しかしながら、これらのタンパク質の一部しか、細菌に作用する保護的な免疫応答を誘導する潜在性を有していない。したがって、本発明により、細菌に対して最も保護的な応答を誘発し、かつワクチン材料としての使用に最も適している(例えば、製造、製剤化、およびヒト使用のために最適化されている)、免疫学的に関連する抗原およびエピトープが選択された。
5.1 好ましい実施形態の定義および説明
本発明を記載する文脈における(とりわけ以下の特許請求の範囲および実施形態の文脈における)用語「a」および「an」および「the」、ならびに類似した指示対象の使用は、本明細書中で特に明記されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の双方をカバーすると解釈されるべきである。
用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」は、特に明記されない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「含む(including)」を意味する)として解釈されるべきである。本発明の目的で、用語「からなる(cosisting of)」は、用語「含む(comprising of)」の好ましい実施形態であると考えられる。以降、群が少なくとも特定の数の実施形態を含むと定義されるならば、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群を包含すると定められる。
用語「アジュバント」は、抗原またはエピトープと併せて投与される場合、免疫応答を増大させ、かつ/または抗原もしくはエピトープに再方向付けするあらゆる物質に指す。アジュバントは、リンパ球動員、Bおよび/またはT細胞の刺激、ならびにマクロファージの刺激を含むいくつかの機構によって、免疫応答を増大させることができる。アジュバントは、共有結合、静電相互作用、または吸着によって抗原に結合し得る。抗原/エピトープおよびアジュバント活性は、抗原およびアジュバントのコード領域、またはその一部を遺伝的に(組換えにより)融合することによって組み合わさってもよい;ゆえに、免疫原は、たった1つの成分または構成要素を含有するだけでもよい。アジュバントは、人工であってもよいし、天然に存在してもよい。
本文脈では、アジュバントは、エマルジョンベースのアジュバント、水酸化アルミニウムゲル、固相吸着剤、ナノスフェア、およびカプセル化材料、例えばリポソームを含む。本明細書中に記載されるワクチンは特に、「ヒトアジュバント製剤」を使用し、これは、ヒト免疫系と特異的に適合すると理解される。ヒトワクチン製剤は特に、フロイント不完全アジュバントを(勿論、フロイント完全アジュバントも類似した製剤も)含有せず、これは多くの場合、動物免疫血清を生成するためだけに用いられる。非ヒトアジュバント製剤、例えばウサギ免疫血清を生成するのに用いられるものとは逆に、ヒトアジュバント製剤は特に、高い安全性レベル(不所望の局所的作用も全身作用も誘導しない)を確実にするためのヒト使用について認可され、ヒト宿主それ自体に対する免疫応答がない一方、ワクチン標的集団において必要とされる免疫応答を、最適なワクチン投与経路を介して促進するアジュバントの使用によって特徴付けられる。
例示的なアジュバントは、金属塩(例えば、アルミニウム塩またはカルシウム塩)、高分子量分子、カチオン性ペプチド、CpGオリゴヌクレオチド、スクアレンベースのアジュバント(例えばMF59)がある。金属塩として、ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、オキシ水酸化アルミニウム、ヒドロキシリン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、硝酸セリウム、硫酸亜鉛、コロイド状水酸化鉄、および塩化カルシウムを含む。物性が異なるいくつかのアルミニウムアジュバントが、商業的に入手可能であり、ヒト使用について承認されている。
本文脈では、アジュバントはまた、あらゆる適切な高分子量分子であってもよく、典型的には、共有結合的に連結されている抗原またはエピトープについて免疫応答を誘発するのに十分な分子複雑性のタンパク質または高(すなわち、概して6000kDを超える)分子である。適した高分子量アジュバントのカテゴリーは、破傷風、ジフテリア、百日咳、シュードモナス属種、大腸菌、ブドウ球菌種、および連鎖球菌種由来の毒素、トキソイド、または毒素のあらゆる突然変異体交差反応性材料によって例示される。そのような毒素またはトキソイドとして、破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、大腸菌LT、大腸菌ST、および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素A;細菌外膜タンパク質、例えば外膜タンパク質複合体c(OMPC)、ポーリン、トランスフェリン結合タンパク質、ニューモリシン、肺炎球菌表面プロテイン質A(PspA)、肺炎球菌接着因子タンパク質(PsaA)、C.ディフィシル(C.difficile)エンテロトキシン(毒素A)および細胞毒素(毒素B)、もしくはインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)プロテインD、他の薬理学的に許容されるポリペプチドキャリア、例えば、オバルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、もしくはツベルクリンの精製タンパク質派生体(PPD);カチオンペプチド、CpGオリゴヌクレオチド、スクアレンベースのアジュバント、好ましくはMF59;サイトカイン、例えばIL-1およびIL-2;またはそれらの組合せがあり得る。これ以外にも、本発明に従うポリペプチドはまた、(モノクローナル)抗体またはナノ粒子に結合したウイルス様粒子として製剤化される(最近、Malonisら、Chem.Rev.120巻(2020年)、3210~3229頁においてレビューされている)。後者は、高次構造エピトープ用に特に使うことができる。高次構造抗体、例えば、DsA1のR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307は、DsA1ポリペプチドとして、とりわけ、本発明に従うDsA1断片またはDsA1派生体として、本質的に天然の環境によって提示することができる。これ以外にも、これらの高次構造エピトープは、人工足場としても提示される。そのような足場提示のための確立された技術は、述べられるように、ウイルス様粒子が、(モノクローナル)抗体、ナノ粒子、アルファボディ、プロテインA、プロテインG、設計されたアンキリン-リピートドメイン(DARPins)、フィブロネクチンIII型リピート、アンチカリン、ノッチン、または操作されたCH2ドメイン(ナノ抗体)に結合されている(例えば、Malonisら、2020年、米国特許出願公開第2019/0383829A1号、国際公開第2019/123262A1号参照)。
特定の実施形態において、本明細書中に記載されるワクチンは、ワクチン抗原によるワクチン接種後に活性のある免疫応答を増強するのに一般的に用いられる、異種の化学的または生物学的材料または物質であるアジュバントを含む。典型的には、アジュバントは、ミョウバンであり、例えば、ホスファートまたは水酸化物、TLRアゴニスト、例えば、CpGまたは一リン酸化脂質Aとしてのものである。また、IL-1およびIL-2等のサイトカインを、アジュバントとして用いることができる。
本明細書中で用いられるアジュバントに関する用語「異種」または「外因性」は、P.アクネス抗原以外の供給源由来の分子を指す。異種アジュバントは、人工の、無機の、または有機の化合物または物質を指してもよく、場合により、異なる細菌もしくは異なるP.アクネス株もしくはサブタイプに、または無関係な供給源(例えば、異なる病原体、化学合成材料、または有機もしくは無機材料)に由来するアジュバントである。
また、選択されたワクチン抗原は、非アジュバント化形態で用いることができ、皮膚特異的免疫化に適した生理溶液または製剤で提示することができる。皮内投与、経皮投与、または皮下投与を、皮内注射アプリケータ、極微針、経皮的レーザー装置、皮膚パッチ、または他の適切な皮膚適合アプライプロシージャを含む種々の方法を用いて実行することができる(Engelkeら、2015年)。
本明細書中で用いられる用語「ポリペプチド」は、より大きなポリペプチド(タンパク質)、例えば、DsA1、DsA2、およびPITP、ならびにそのより大きな断片および派生体、ならびにより短いポリペプチド(オリゴペプチド)、例えば、エピトープ、DsA1、DsA2、およびPITPの断片または派生体を指す。
本明細書中で用いられる用語「抗原」は、自然環境内での、または単離された抗原としての、分子全体またはそのような分子の断片を指すものとし、これはまた、組換え異種ヌクレオチド配列により形質転換された宿主細胞の遺伝子工学によって生成される組換え抗原または単一の抗原を包含し、当該抗原は、抗体結合部位によって特異的に結合される。具体的に、当該用語はまた、抗原の下部構造、例えば、「エピトープ」(例えば、B細胞エピトープまたはT細胞エピトープ、好ましくはB細胞エピトープを包含する)と通常称されるポリペプチドおよび/または炭水化物構造を包含し、これらは免疫学的に関連する。抗原は、免疫原であり得るので、低い免疫原性の場合、適切な工学または製剤によって免疫原となる。また、本明細書中で用いられる用語「免疫原」または「抗原」は、エピトープを包含し、互換的に用いられる。
本明細書中で用いられる用語「エピトープ」は特に、特異的結合パートナーを完全に作り上げ得るか、または抗体もしくは同族T細胞受容体の結合部位への特異的結合パートナーの一部となり得る分子構造を指すものとする。エピトープは、炭水化物、ペプチド構造、脂肪酸、有機、生化学的、もしくは無機の物質、またはそれらの派生体、およびそれらのあらゆる組合せで構成される。エピトープは、ペプチド構造、例えば、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質で構成されるならば、通常、少なくとも6つのアミノ酸、好ましくは少なくとも7、8、9、または10、最大40個のアミノ酸、より好ましくは6~35、7~30、8~25、とりわけ10~20個のアミノ酸を含むこととなる。エピトープは、線状エピトープであってもよいし、高次構造エピトープであってもよい。線状エピトープは、ポリペプチド鎖または炭水化物鎖の一次配列の単一のセグメントで構成されている。線状エピトープは、連続していてもよいし、重なっていてもよい。高次構造エピトープは、ポリペプチドを折って三次構造を形成することによってまとめられたアミノ酸または炭水化物で構成され、アミノ酸は、線状配列において必ずしも互いに隣接するわけではない。
所与の抗原のエピトープは、当該技術において周知である幾つものエピトープマッピング技術を用いて同定することができる。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology(Morris 2005年)参照。例えば、例えば固形支持体上で多数のペプチド、タンパク質分子の一部に対応するペプチドを並行して合成することによって、ペプチドを抗体と反応させることによって、線状エピトープを判定することができる一方、ペプチドは依然として、支持体に取り付けられている。そのような技術は、当該技術において知られており、例えば、米国特許第4,708,871号において記載されている。これ以外にも、エピトープ(線状、高次構造、または双方)の代わりに、ミモトープ(線状、高次構造、または双方)を、本発明に従うワクチンに用いることができ、これは、エピトープの構造を模倣して、エピトープによって誘発されるものと類似した免疫応答を誘導する。所与のエピトープ抗原のための抗体は、当該エピトープを模倣するミモトープを認識することとなる。ミモトープは一般的に、ファージ提示ライブラリからバイオパニングにより得られる。ミモトープ分析は、エピトープをマッピングするのに(SmithおよびPetrenko、1997年)、治療法(Macdougallら、2009年)およびワクチン(Knittelfelderら、2009年)を開発するのに広く用いられてきた。「ミモトープ」は、本明細書中で開示されるポリペプチドと1つまたはそれ以上のアミノ酸が異なるが、野生型ポリペプチド/エピトープの三次元構造を模倣するポリペプチドである。一般にミモトープは、キャリアと呼ばれるより大きなタンパク質骨格の文脈において、宿主の免疫系を刺激して、抗体抗原特異的応答をもたらすことができる。宿主は、本明細書中で開示されるミモトープおよび対応する野生型エピトープに特異的に結合する抗体を生成する。ミモトープは、T細胞エフェクタ応答を誘発することができる一次アミノ酸配列および/またはB細胞に結合して、動物において、とりわけヒトにおいて獲得免疫学的応答の成熟をもたらすのに必要な三次元構造を有し得る。所与のエピトープ抗原用の抗体は、当該エピトープを模倣するミモトープを認識することとなる。したがって「ミモトープ」は、タンパク質、炭水化物、または脂質エピトープを模倣するポリペプチドであり、例えば、ファージ提示技術によって生成することができる。キャリアに結合されるか、または複数の抗原性ペプチド形態に提示されて、ミモトープは免疫原性を達成して、ワクチン接種されるとエピトープ特異的抗体応答を誘導する。ミモトープは、ポリペプチド、例えばアミノ酸配列長が少なくとも約8~約25アミノ酸またはそれ以上であるペプチドであり得る。
ミモトープベースの予測モデルに基づく例示的なアルゴリズムおよびプログラムは、例えば、MimoPro(http://informatics.nenu.edu.cn/MimoPro)、PepSurf(http://pepitope.tau.ac.il)、およびEpiSearch(http://curie.utmb.edu/episearch.html)を含む。さらに、抗原の一次配列にのみ頼っている配列ベースの予測モデル、例えばSunら、2013年においてレビューされるBESTおよびZhangの方法が利用可能である。加えて、タンパク質-タンパク質相互作用、抗原および抗体の相互作用の結合部位予測に集中する方法を推測する結合部位予測モデル、例えば、ProMate、ConSurf、PINUP、およびPIERを用いることができる。
同様に、例えばX線結晶解析および二次元核磁気共鳴によって、アミノ酸の空間的高次構造を決定することによって、高次構造エピトープを同定してもよい。例えば、エピトープマッピングプロトコール(前掲)参照。
本明細書中で用いられる抗原またはエピトープに関する用語「免疫学的に関連する」は、レシピエント生物の免疫系によって認識され、かつ交差結合性かつ/または交差反応性、とりわけ交差型反応性であり、抗菌活性または病因寛解活性を有する抗体をレシピエントにおいて誘導する能力を指すものとする。
本明細書中に記載される特異的抗原は、P.アクネス株KPA171202のUniProt受託番号Q6A5X9、Q6A5P9、およびQ6A9N1によって同定されるタンパク質、または類似したタンパク質のいずれか、特に、異なるP.アクネス株のものである、UniProt受託番号Q6A5X9、Q6A5P9、およびQ6A9N1によって同定されるタンパク質のいずれかの相同タンパク質である。本明細書中の配列データベースへのあらゆる言及は、疑念がある場合には、本発明の優先日のデータベースのバージョンを指すものとする。これはまた、本明細書中で、例えば図12内で、または配列表内で反映される。
また、タンパク質Q6A5X9、Q6A5P9、およびQ6A9N1は、本発明において、天然の「DsA1」、「DsA2」、および「PITP」ポリペプチドの例として、とりわけ実施例のセクションにおいて(好ましい例(「P022」、「P027」、および「P028」)として)、図において、言及される。また、以下でさらに概説されるように、本発明に従って、「DsA1ポリペプチド」、「DsA2ポリペプチド」、および「PITPポリペプチド」は、以下で定義される全ての領域およびドメインを含むP.アクネス株の天然の、機能的なポリペプチドを含む。「DsA1ポリペプチド」、「DsA2ポリペプチド」、および「PITPポリペプチド」はさらに、DsA1、DsA2、およびPITPの断片および派生体をそれぞれ含む。「DsA1断片」、「DsA2断片」、および「PITP断片」は、DsA1ポリペプチド、DsA2ポリペプチド、またはPITPポリペプチドの、それぞれ、少なくとも7、好ましくは少なくとも8、より好ましくは少なくとも9、とりわけ少なくとも10個の連続アミノ酸を有する特定の最短アミノ酸長を含むP.アクネス株の天然の、機能的なDsA1ポリペプチド、DsA2ポリペプチド、またはPITPポリペプチドの断片(すなわち、これらの機能的なP.アクネスポリペプチドの天然の連続ポリペプチド配列を有する断片)を指す。好ましくは、「DsA1断片」、「DsA2断片」、および「PITP断片」は、少なくとも、DsA1ポリペプチド、DsA2ポリペプチド、またはPITPポリペプチドのエピトープをそれぞれ含み、これらは、ヒト免疫系によって認識することができ、このエピトープに対して反応性の機能的抗P.アクネス抗体を誘発することができる(すなわち、T細胞(適切な抗体なし)を介して、またはポリペプチドの分泌形態を除去する/不活化する抗体によって、すなわち、本明細書中で開示されるオプソニン化アッセイにおいて有効であり、または病理寛解効果を促進するのに有効である)。また、「DsA1断片」、「DsA2断片」、および「PITP断片」は、天然のポリペプチドの欠失を含む(すなわち、天然のポリペプチドの2つまたはそれ以上の断片で構成されている)。典型的な断片の顕著な例として、N末端メチオニンを含むが、N末端メチオニンの後のポリペプチドのN末端部分の一部を欠く断片がある。本明細書中の定義に従えば、シグナルペプチドを欠くだけである(が、N末端メチオニンを含んでもよい)断片が、(完全または天然)DsA1/DsA2/PITPポリペプチドとみなされる。更なる欠失、例えば、DsA1/DsA2のNSRおよびPITPのENFDにおけるN末端を含むが、依然としてN末端メチオニンを含有する断片は、本明細書中で「断片」と称される。DNAレベルフレームシフト由来のN末端伸長、および代替フレームフレーム配列によるシグナルペプチドの置換は、本明細書中の断片の天然のポリペプチドの定義に入るように等しく処理される。なぜなら、実際のポリペプチドは、本発明の意味の範囲内で「機能的である」からである。「DsA1派生体」、「DsA2派生体」、および「PITP派生体」は、DsA1ポリペプチド、DsA2ポリペプチド、もしくはPITPポリペプチド、またはDsA1断片、DsA2断片、もしくはPITP断片に由来するポリペプチドを指す(少なくとも、本発明に従う「断片」のアミノ酸残基数(すなわち、少なくとも7アミノ酸)を有し、天然のDsA1/DsA2/PITP配列(すなわちポリペプチド/断片)と比較して、少なくとも1つのアミノ酸交換/欠失/挿入を含むが、それでもやはり、少なくとも、ヒト免疫系によって認識することができ、このDsA1ポリペプチドエピトープ、DsA2ポリペプチドエピトープ、またはPITPポリペプチドエピトープに対して反応性の機能的抗P.アクネス抗体を誘発することができるエピトープをそれぞれ含む(すなわち、本明細書中で開示されるオプソニン化アッセイにおいて有効である)。本明細書中で用いられる「派生体」は、DsA1、Dsa2、およびPITPの1つまたはそれ以上に由来することができる、すなわち、DsA1およびDsA2エピトープを含むポリペプチドは、「DsA1派生体」および「DsA2派生体」と称することができる。本発明に従う好ましい派生体は、少なくとも、DsA1ポリペプチド、DsA2ポリペプチド、またはPITPポリペプチドのエピトープ、すなわち、天然の(野生型の)P.アクネスDsA1/DsA2/PITPポリペプチド内のアミノ酸配列と同一であるエピトープを含有する。また、以下で定義されるように、本明細書中に記載されるエピトープは、ヒト個体に投与されると、機能的アッセイ(好ましくは、以下で開示されるオプソニン化アッセイ、とりわけ実施例のセクションで開示されるオプソニン化アッセイ)において判定される、抗菌活性を有する抗体を誘発することができるポリペプチド配列である。さらに好ましい派生体は、1つまたはそれ以上のDsA1/DsA2/PITP断片(すなわち、これらのP.アクネスタンパク質の1つまたはそれ以上の天然のポリペプチド断片)を含む組合せである。
UniProt受託番号Q6A5P9によって同定されるタンパク質は、以下の特徴によって具体的に特徴付けられる:仮想かつ特徴のないタンパク質(遺伝子座タグ=PPA2210)。タンパク質は、Hollandらによって、静止期の間に上方制御されること(Hollandら、2010年)、様々な遺伝的ファイロタイプによって、P.アクネス株間で可変に発現されること(Lodesら、2006年;Yuら、2016年;McLaughlinら、2019年)が見出された。
UniProt受託番号Q6A5X9によって同定されるタンパク質は、以下の特徴によって具体的に特徴付けられる:アミノ酸1~28のシグナルペプチドの代わりにN末端配列、およびアミノ酸29~405を含む成熟ポリペプチド鎖を有する、推定の接着またはS層タンパク質(遺伝子座タグ=PPA2127)。N末端配列は、ゲノムフレームシフト事象の影響であると考えられており、成熟タンパク質の部分でなくてもよい。このタンパク質の発現は、遺伝分析技術およびプロテオミクス分析技術(Lodesら、2006年;Brzuszkiewiczら、2011年;Yuら、2016年)を用いて、P.アクネス単離物の間で高度に可変的であることが見出された。
Q6A5X9(PA-25957)は、Lodesら(Lodesら、2006年)によって、他の細菌種において見出されるM様タンパク質に僅かに類似すると、一般的な切断可能シグナル配列、カルボキシ末端近くの親水性プロリンリッチリピート、およびLPXTGのモチーフを有すること、中央の領域において膜貫通へリックスを含有することが記載されている。M様タンパク質は一般に、補体系、およびデルマタン硫酸を含むグリコサミノグリカンの種々の結合形態と相互作用することが見出された。連鎖球菌Mタンパクは、C末端に向けてより保存されていることが知られており、交差反応性エピトープは:30の異なる血清型株と交差反応するタンパク質のC末端部分を認識する抗体と同定されてきた(Fischetti、1989年)。また、Lodesらは、PTリピートを含有するPA-25957(後にDsA1と命名された(McDowellら、2011年))のC末端が、高度に抗原性であり、「健康」と関係していることを示唆している。なぜなら、P022配列の残りと比較して、「ざ瘡陰性」血清のより高い反応性が、この領域に対して検出されたからである。また、PT領域は、より可変的であることが見出されており、加えて、異なる株上での発現の差異に寄与することが示唆された。
加えて、Lodesらは、PA-25957(Q6A5X9)およびPA-5541(Q6A5P9)双方の配列において同定される切断可能LP(X)TGドメインが、膜アンカリングに関係しており、一部のP.アクネス単離物において存在していないことを示唆した;このことは、PA-25957 DsA1が、細胞膜上で見出されるだけでなく、一部の株によって分泌されること、これがさらに、タンパク質の発現の変動に寄与することを示唆している。
先行技術に従えば、これらのタンパク質は、主にIA型株によって発現され、これはざ瘡罹患皮膚から主に単離される(Bek-Thomsenら、2014年;McLaughlinら、2019年)。しかしながら、特定のタンパク質発現シグネチャーが、健康な皮膚と比較して、ざ瘡傾向がある皮脂線性毛嚢において検出されず(Bek-Thomsenら、2014年)、また研究に、刊行物において記載される多くの方法論的限界があったため、これが、疾患病理における実際の重要性、およびざ瘡処置に用いられる関連性に関する多くの問題を、オープンなままにしていた。この理由から、P022(DsA1)およびP027(DsA2)は現在、ワクチン候補ではなく病原性因子と考えられている(O’NeillおよびGallo、2018年)。さらに、今日現在の先行技術は、ワクチンベースのアプローチの使用について非常に慎重であり、それから、P.アクネスに対して直接作用しないが、分泌される因子を標的とし(Contassot 2018年;Keshariら2019年)、または代替療法、例えばプロバイオティクスを用いる戦略(O’NeillおよびGallo 2018年;Bruggemann 2019年、McLaughlinら 2019年(「我々は、DsA免疫原性タンパク質を介した宿主免疫系との相互作用を調節するIA型の潜在性が、ざ瘡の再発性において重要であるかもしれないと推測することができる」;これは、非常に漠然とした記載であるが、本発明の時点で入手可能なデータと矛盾がない)を支持して、立ち去っている。実際、McLaughlinら(2019)は、これらの抗原に言及すらしなかった:この論文において、I-A型が、DsAタンパク質に加えて、多数の異なる病原性因子を発現することが示され、系統的研究が、当該分野において、それらの全ての潜在性を互いと比較して、どれを選択するべきかについて決めることを欠いていると結論した。さらに、Keshariら(2019年)は、P.アクネスによって発現される様々な病原性因子の間で、ワクチンが、細胞表面に関連しない、分泌されるもののみを含むべきであることを強調し、ここでも、P.アクネスが共生細菌であること、細菌それ自体が、ワクチンによって標的とされるべきでないことを警告している。
Yuら(Yuら、2015年;Yuら、2016年)は、プロテオミクス分析を使用して、ざ瘡関連株による様々なタンパク質の発現を分析しており、研究したタンパク質の中でも、Q6A5X9(gi 50843565)およびQ6A5P9(gi 50843645)に対応するタンパク質の発現が、様々な遺伝的群およびファイロタイプ由来のP.アクネス株間で高度に可変的であることを、Q6A5P9が不在であったか、または「病原性」と考えられるP.アクネスリボタイプによってほとんど発現されないことを見出した。
本発明の好ましい実施形態に従えば、P.アクネス由来の野生型P022およびP027タンパク質と比較して有利な特性を有し、かつワクチン接種目的に特に適している修飾されたP022(DsA1)および/またはP027(DsA2)ポリペプチドが提供される(DsA1断片、DsA1派生体、DsA2断片、およびDsA2派生体)。P.アクネスに干渉する(すなわち、これによって引き起こされる病的状態を防止かつ/または処置する)のに用いられるための本発明に従うDsA1/DsA2タンパク質(例えば、P022およびP027)の新規の使用は、それらの免疫原性特性に関する、それらのハンドリング特性(これらは、より簡単な、大規模な組換え発現および生成を可能にする)に関する、有利な特性(本発明によって明らかにされる)に基づく。双方の利点が、本発明の生成の過程において出現し、当該技術における知識を鑑みて、驚くべきである。
好ましい実施形態に従えば、本発明はまた、DsA1/DsA2ポリペプチドの断片または派生体に関する。DsA1/DsA2「断片」は、天然に存在するDsA1またはDsA2タンパク質の一部である;DsA1/DsA2「派生体」は、少なくとも抗原性エピトープ(すなわち、免疫原性であり、かつP.アクネスの表面上の抗体結合に到達可能であるエピトープ)を含有するDsA1/DsA2断片を含む、天然に存在しないポリペプチドである。DsA1/DsA2断片または派生体は、天然に存在するDsA1またはDsA2タンパク質の好ましくは少なくとも15、好ましくは少なくとも20アミノ酸、さらに好ましくは少なくとも30アミノ酸、とりわけ少なくとも50アミノ酸長を有する。本発明に従う好ましいDsA1またはDsA2断片または派生体は、短くされたPTリピート領域を有し、好ましくは1、2、3、4、または5つのPTリピートのみを有する。PTリピート領域が、先行技術(Lodesら、2006年)において「高度に抗原性」であるとみなされ、したがって、原則として免疫原性とわかったが、患者の抗体を用いることによる、本発明の過程におけるこのタンパク質領域の評価は、この領域が、適切なざ瘡ワクチンを提供するのに不可欠でないことがわかることを示した。より詳細には、PTリピート領域のほとんどを欠いているDsA1ポリペプチドまたはDsA2ポリペプチドが、驚くべきことに、1つ、または少数のみのPTリピートが存在するDsA1またはDsA2ポリペプチドと比較して、有意な免疫原性利点を示す。さらに、PTリピートがより少ないDsA1ペプチドまたはDsA2ペプチドが、完全な(野生型の)PTリピート領域を含有するDsA1ペプチドまたはDsA2ペプチドと比較して、より強い交差反応性/交差型反応性の抗体を誘導した。PT配列全体を省略することすら可能である;しかしながら、本発明の好ましい実施形態は、少なくとも1つのPTリピートを含有する。
本明細書中で用いられる専門用語に関連して、配列、断片その他への全ての言及は、本明細書中で常に、(明示的にそうでないと言及されない限り)連続アミノ酸を指す。例えば、少なくとも15個のアミノ酸のDsA1/DsA2断片は、常に、DsA1/DsA2ポリペプチドの少なくとも15個の連続アミノ酸残基を指す。用語「連続」は、所与のアミノ酸が、図12のアラインメント内の所与の位置にあることを意味する。勿論、異なるDsA1/DsA2相同体間の交換が、位置が維持される(すなわち、図12において明示的に予見されない限り、欠失がない)ならば、含まれることとなる。
例えば、UniProtアミノ酸配列Q6A5X9が、P.アクネス株DSM 16379/KPA171202のタンパク質「PPA2127」を、すなわち、以下の配列を有するポリペプチドを指す:
MLSLLRRLLR WSDQSQQSPP PPPPQAEASS NRPRSVAQAA IATDGKGIID KDCRDAVIND AKLRAAIAGA LVKAGFSSAD AVALAPRIAK EMAKEGVLLI NHHKLKALIG AQLGLLTDAK IQRAAAAVDL GIKATLAATI IPNALHSAAF KDAVVANLVA AGVDKKLAKA TAVAIAATAL NPALGPIAKT EAIKAEIAAQ AALLVGRGVH LKKAAIEHII GRSFDAAVAT AIVSSPILNA RIVTHLVRAG IDKSLAVQIA PRIIDRLAKE PLLALNTAKL MKNITRQIVD VITADKAIKT AEQLEKELPA LDDLVKKACS CPKPTPTPTP TPTPTPKPTP TPTPKPTPTP KPKPTPAPAP TSGATSDEST SRSGGHSQGG SGTHYIHHGV APVLTHSSDL PSTGF
この野生型DsA1ポリペプチドにおいて、PTリピート領域は、プロリン324(P324)からトレオニン361(T361)まで延びており、19個のPTリピートを含有する。UniProtアミノ酸配列Q6A5P9は、P.アクネス株DSM 16379/KPA171202のタンパク質「PPA2210」を指す。この野生型DsA2ポリペプチドにおいて、PTリピート領域は、プロリン367(P367)からトレオニン420(T420)まで延びており、27個のPTリピートを含有する。本発明の意味の範囲内で、用語「PTリピート」は、反復的プロリン含有ジペプチドを有するDsA1/DsA2タンパク質の一次アミノ酸配列内の区分と定義される。これは通常、P.アクネスのDsA1内(また、DsA2内)のコンセンサス配列DXLVXKACX(C)PXに続く(Xは通常、D(DsA1において)またはG(DsA2において)であり;Xは通常、K(DsA1において)またはQ(DsA2において)であり;Xは通常、S(DsA1において)またはT(DsA2において)であり;Xは通常、K(DsA1において)またはEもしくはD(DsA2において)である)。本発明に従うこの定義によって、最初のPK(DsA1において)または「PE」もしくは「PD」(DsA2において)ジペプチドストレッチ配列は、この「PK」、「PE」、または「PD」ジペプチドの後の第1のプロリン残基から始まるPTリピート領域の一部と定義されない。PTリピート領域内のプロリン含有ジペプチドは、主にプロリン-トレオニン(PT)ジペプチドであるが、プロリン-アラニン(PA)、プロリン-アスパラギン(PN)、またはプロリン-リシン(PK)ジペプチドであってもよい;しかしながら、PTリピート領域は主に、PTジペプチドからなる。一連のPTジペプチドに代わるものとして、「SDTDTDSNPNADADTDA」等の極性のある/酸性の/負に帯電したペプチドを見出すことができる。これらの極性のある/酸性の/負に帯電したペプチドは、「SD」および「TD」ジペプチドで構成されるが、「Sn」、「PN」、または「AD」、あまり頻度は高くないが「AP」も可能である。例えば、Q6A5X9内のPTリピート領域は、13個のPT、4つのPK、および2つのPAジペプチドを有する19個の反復的なプロリンジペプチドストレッチからなる;Q6A5P9内のPTリピート領域は、22個のPTおよび5つのPAジペプチドを有する27個の反復的プロリンジペプチドストレッチからなる。場合により、PTリピート領域はまた、グリコシル化されている。
本発明に従う「P.アクネスのDsA1ポリペプチド」は、P.アクネス株の天然に存在するDsA1タンパク質(「天然のDsA1」)であり、ドメイン(N末端~C末端):N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)、およびC末端領域(「CTR」;多くの場合、C末端の近くにLPXTGモチーフを有する)、または場合によっては、短くされたPTリピート領域を有するDsAポリペプチドの全てを含む。CSD3とCTR間に位置決めされるPTリピート領域は、本発明に従う好ましいDsA1ポリペプチドにおいて、(天然に存在するDsA1タンパク質と比較して)短くされるか、または全く存在しない。配列データベース内に含有される、天然に存在するDsA1ポリペプチドの配列(例えば図12参照)は、高度に同一であり、(特に末端のLPXTGモチーフの存在の、点変異および稀な例外の他に)PTリピート領域の長さおよび組成のみ異なる。
選択された、天然に存在する代表的なDsA1バリアントのアラインメントは、タンパク質の多かれ少なかれ遍在する不変性を示す。3つの注目に値する例外がある。第1に、高頻度で、遺伝子は実際、シグナルペプチドのC末端でのフレームシフトに起因する偽遺伝子である。当該遺伝子は、シグナルペプチドの傍らに発現されると予想されない。しかしながら、遺伝子予測において、当該バリアントは、発現されると予想されず、むしろ遺伝子予測の人為結果であるN末端伸長と共に現れる。株KPA171202が、代表的な例として挙げられてきた。当該フレームシフトが、一部の特定の条件にて可逆的である(相可変性調節の形態)ことも考えられるかもしれないが、考えられないかもしれない。第2に、PTリピートの長さは、単離物間でかなり変わる。また、このPTリピートは、ミスアセンブリの頻繁な供給源であるようであり、C末端の欠失の印象を生じさせる。しかしながら、ゲノム全体を考慮すると、C末端が、少なくとも発現コンピテントタンパク質内で、多かれ少なかれ普遍的に保存されているようであり、報告されたバリアントは、ほとんどの場合、配列決定アーティファクトである。C末端の最後の10アミノ酸を除去する稀な(ケースの約10%)代替フレームシフト変異が存在する。これは、当該バリアントが、タンパク質の細胞壁アンカリングに重要であるとされるC末端LPXTGモチーフを欠いているので、興味深い。しかしながら、この特定のフレームシフトは、N末端においてもフレームシフトされているタンパク質に限られているようである(これらはおそらく、発現コンピテントでない)。したがって、当該バリアントは、おそらくインビボで生成されない。いかなる形であれ、当該バリアントは、本発明の意味の範囲内で「DsA1ポリペプチド」と定義されずに、「DsA1派生体」と定義される。なぜなら、先で定義されるように、DsA1の全てのドメイン/領域を含有していないからである。まとめると、これは、DsA1が、一般に超可変タンパク質とみなされる一方、実際、高度に保存されていることを示す。既存の可変性の間で、PT可変性のみが、真のタンパク質可変性として理解することができる。なぜなら、詳細には、観察されるゲノムフレームシフトの一過性の性質が、これまで判定されておらず、N末端フレームシフトの影響が、不可欠な非発現であるからである。他の例外は、アンカーレージモチーフの稀なC末端損失であり得るが、これは、現在のデータに従えば、非常に稀であるか、またはタンパク質として発現されない遺伝子に制限される(すなわち、「DsA1派生体」であり、「DsA1ポリペプチド」でない。なぜなら、当該配列は、先で定義されるように、DsA1の全てのドメイン/領域を含有しないからである)。これらのデータは、本質的には不変であるとの、DsA1ポリペプチドの証明になる。実際に、領域CSD1-SR1-CSD2-SR2-CSD3内のDsA1配列バリアントを考慮する場合、配列間の観察される最大差は、これまで、4-0-4-3-2アミノ酸として、不同性(すなわち異なるアミノ酸)は1-0-4-2-2として判定されてきた。同様に、領域CSD1-SR1-CSD2-SR2-CSD3内のDsA2配列バリアントを考慮する場合、配列間の観察される最大差は4-1-9-0-4アミノ酸として、不同性(すなわち異なるアミノ酸)は3-1-6-0-1として判定されてきた。DsA1およびDsA2は、明らかに相同体であるけれども、異なっており、それぞれ25-6-22-1-23および15-4-8-1-14の異なる残基のCSD1-SR1-CSD2-SR2-CSD3領域間の最小アミノ酸差異がある。
重要なことに、DsA1のこの相当な不変性は、別のものに対してタンパク質のいかなる部分も示唆したり優先したりしない。具体的に、公的レポジトリにおけるアセンブリエラーを注意深く考える場合、かなり典型的なPT長可変性を、一般的に異常に大きくする場合がある。さらに、しいて言えば、PT領域の長さ可変性は、免疫学的圧力の影響として理解することができ、文献においてそのように解釈されてきた。これは、本発明により提供されるデータによって不正確であることが示された。実際、本実験の結果は、反対のことを実証しており、PTは、大部分は免疫学的に無関係である。本データにより、これは、N末端ドメインを細胞表面に繋ぐリンカーであることが明らかである。これはさらに、配列可変性が、ワクチン候補としてDsA1配列の特定のあらゆる部分を明らかに示唆しておらず、そのような解釈(PTの場合)が実際、不正確であることを固める。
一部の配列エントリは、CTRを含有しない;当該エントリはおそらく、(配列決定)アーティファクトであるか、または本発明の意味の範囲内で、DsA1ポリペプチドでない、すなわち、P.アクネスにおいてDsA1タンパク質として機能しない。したがって、当該配列は、「DsA1派生体」とも称される。本発明に従って用いられる配列ナンバリングは、Q6A5X9のナンバリングに基づいており、これは、例えば、たとえ長さが異なる(すなわち、例えばP322/K323が、この特定のポリペプチド内で異なるアミノ酸ナンバーにある)DsA1ポリペプチド(または断片もしくは派生体)が関係するとしても、PT領域アミノ酸の前のプロリン-リシンジペプチドが常に、「P322」および「K323」と称されることを意味する。また、DsA1のmRNAは、N末端シグナル配列(N末端メチオニン残基から始まって、プロリン-グルタミン-アラニン-グルタミン酸-アラニン配列で終わる)をコードし、これは、成熟ポリペプチドの部分でない。したがって、本発明に従うP.アクネスのDsA1ポリペプチドは、UniProtデータベースにおいて、アミノ酸配列Q6A5X9のセリン残基29(S29)から始まって、フェニルアラニン405(F405)で終わる。
したがって、(本明細書中で称される)DsA1ポリペプチドの機能的ドメインは、Q6A5X9におけるナンバリングに基づいて、以下のように定義される(また:例えば図12Aおよび図12B参照)NSR:S29からI48まで、CSD1、I49からL130まで、SR1、G131からS147まで、CSD2、A148からL267まで、SR2、A268からT277まで、CSD3、A278からK323まで、PTリピート領域、P324からT361まで、CTR、S362からF405まで。M1~A28のシグナルペプチド(SP)は通常、最終のポリペプチド内に(ワクチン内に)含有されない(存在してもよいN末端メチオニン以外)。したがって、SPは、成熟(機能的)配列の部分でなく、かつ抗原の部分でなく、本明細書中で開示されるワクチン製剤用の生成セットアップにおける一部でない;しかしながら、ある形態の連続発酵により生成される場合(すなわち、細胞を収穫してこじ開けない場合)、シグナルペプチドを用いた培地中への分泌は、適切なSPを用いてもよい。
本発明に従う「P.アクネスのDsA2ポリペプチド」は、P.アクネス株の天然に存在するDsA2タンパク質(「天然のDsA2」)であり、ドメイン(N末端~C末端):DsA1について先で定義されるNSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、CSD3、PTリピート領域、およびCTRの全てを含む。配列データベース内に含有される天然に存在するDsA2ポリペプチドの配列(例えば、図12Aおよび図12C参照)は、高度に同一であり、(点変異の他に)PTリピート領域の長さおよび組成のみ異なる。一部の配列エントリは、NSR、CSD1、およびCTRを含有しない;これらのエントリはおそらく、(配列決定)アーティファクトであるか、または偽遺伝子であり、本発明の意味の範囲内のDsA2ポリペプチドでない、すなわち、P.アクネス内のDsA2タンパク質として機能しない;それでもやはり、データベースにおける報告された配列内の考えられる配列変異を示すために、図内のアラインメント内に含めた。
用語「アミノ酸ナンバリングは、UniProtデータベースにおけるアミノ酸配列Q6A5X9に対応する」は、特許請求の範囲および実施形態におけるナンバリングが、通常、DsA1タンパク質のアミノ酸配列のナンバリングを指すことを意味する。これは、DsA2の対応する配列が、当て嵌まるならば、DsA1タンパク質内の関連する位置と対応することが意図されることを示す。これは、本発明に従って用いられるDsA2についての配列ナンバリングが、(明示的にそうでないと述べられない限り)Q6A5P9のナンバリングに基づくことを意味し、このことは、例えば、たとえ長さが異なる(すなわち、例えばP365/E366が、この特定のポリペプチド内で異なるアミノ酸ナンバーにある)DsA2ポリペプチド(または断片もしくは派生体)が関係するとしても、PT領域アミノ酸の前のプロリン-グルタミン酸ジペプチドが常に、「P365」および「E366」と称されることを意味する。また、DsA2のmRNAは、N末端シグナル配列(N末端メチオニン残基から始まって、プロリン-ロイシン-プロリン-アラニン-アスパラギン-アラニン配列で終わる)をコードし、これは、成熟ポリペプチドの部分でない。したがって、本発明に従うP.アクネスのDsA2ポリペプチドは、UniProtデータベースにおいて、アミノ酸配列Q6A5P9のアラニン残基72(A72)から始まって、アラニン463(A463)で終わる。
したがって、(本明細書中で称される)DsA2ポリペプチドの機能的ドメインは、Q6A5P9:
MIIFVRVGNR HMRKRRAVLV VAFQLVNRRL AITKFPTPRR NDASNKNHCG SCDSNCLNRL TISYHPLPAN AASNGNSSIT QSAAFSPRAT TKISEDCRKA IINDLKLRGA IVGALVKAGL SAADAAALAP RIAAEMAAEG TLTINHHRLK VLVASQLGLV ADAAVQHAAA AIDLSFKAIL GASIIPNALG SAAFKNAVIA NLVAAGIDKH LARATAVAIV ATALNPALGP IAKFELIKAE IAAQAALLIR RGVHLQKAAI EHVIGRAFDA AVATAIISSP ILSARIVTHL VRAGIDKSIA ISLAPHIVKR LAKEPLLAFN TAKLVKDIAR QIVDIRNTQE AIAVYKQLKA ELPTLDGLVQ KACTPEPTPT PTPTPTPTPT PAPTPTPAPT PTPAPTPAPT PTPAPTPTPT PTPTPTPTPT HGATTTTPIS RTTDRHNLGS HHTRIAAPAL IHAKALPATG TGA
におけるナンバリングおよびその配列に基づいて、以下のように定義される(また:例えば図12Aおよび図12C参照)NSR:A72からK92まで、CSD1、I93からL174まで、SR1、S175からS191まで、CSD2、A192からL311まで、SR2、A312からT321まで、CSD3、A322からE366まで、PTリピート領域、P367からT420まで、CTR、H421からA463まで。M1~A71のシグナルペプチド(SP)は通常、最終のポリペプチド内に(ワクチン内に)含有されない(存在してもよいN末端メチオニン以外)。したがって、SPは、成熟(機能的)配列の部分でなく、かつ抗原の部分でなく、本明細書中で開示されるワクチン製剤用の生成セットアップにおける一部でない;しかしながら、ある形態の連続発酵により生成される場合(すなわち、細胞を収穫してこじ開けない場合)、シグナルペプチドを用いた培地中への分泌は、適切なSPを用いてもよい。
この文脈において、DsA1タンパク質およびDsA2タンパク質は、当該タンパク質のどの領域がアラインされるかに応じて、60~71%の典型的な配列同一性を有する相同体(パラログ)であることを回想することに関連する。しかし、PT領域を除外して、長さ多型は、インタクトDsA1およびDsA2タンパク質内で、典型的に>90%の高い程度のアミノ同一性をそれぞれ見ることができる。DsA1およびDsA2は明らかに、非常に類似している。したがって、これらのタンパク質を効果的に区別することが重要である。したがって、配列は、Q6A5X9(特徴的DsA1鋳型)結合領域CSD1-SR1-CSD2-SR2-CSD3との当該配列の局所的アラインメントが、Q6A5X9 CSD1-SR1-CSD2-SR2-CSD3領域の長さの少なくとも70%を含むならば、アミノ酸同一性が、Q6A5P9に新しい配列をマッチさせ、またQ6A5X9 CSD1-SR1-CSD2-SR2-CSD3領域の少なくとも70%を含む局所的アラインメントにおけるよりも高いならば、優先的にDsA1と分類される。
配列は、Q6A5P9(特徴的DsA2鋳型)結合領域CSD1-SR1-CSD2-SR2-CSD3との当該配列の局所的アラインメントが、Q6A5P9 CSD1-SR1-CSD2-SR2-CSD3領域の長さの少なくとも70%を含むならば、アミノ酸同一性が、Q6A5P9に新しい配列をマッチさせ、またQ6A5X9 CSD1-SR1-CSD2-SR2-CSD3領域の少なくとも70%を含む局所的アラインメントにおけるよりも高いならば、優先的にDsA2と分類される。
DsA1の明らかな可変性というよりは不変性について言われてきたことは主に、DsA2についても真である(これらは、かなり近い相同体であると考えられると予想される態様である)。しかしながら、DsA1バリアントよりも多くのDsA2バリアントが知られており、このことは、P.アクネス株が通常、場合によっては明らかな偽遺伝子としてであるが、各型の1つのタンパク質をコードすると想定すれば、比較的高い可変性を示す。2019年11月6日に、173個のDsA2バリアントに対して、100個のDsA1バリアントを、NCBIタンパク質データベースにおいて見出すことができる(本発明に用いられる配列についてのデータベース供給源は、通常、NCBIタンパク質データベース(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein)である)。加えて、DsA1と対照的に、一部の株(主にMLST II型)は、極性のある負に帯電した(酸性)アミノ酸で強く構成された、明確に異なるPTリピート領域を示す。しかし、ここでも、この負に帯電したストレッチの少数のバリアントが存在し、これは、機能的に明白な役割をスペーサーとして補助し(例えば、PTグリコシル化の欠如を、影響を受ける株において潜在的に補償する)、一般に超可変領域ではない。ある意味では、当該配列型の少数のバリアントと組み合わされるネガティブ置換は特に、特定の物理化学的セットアップを必要とする明白な機能的役割についてではなく、超可変性の反証となる(PTリピートの疑わしい細菌グリコシル化が通常提供し得る、負の帯電)。
例えば、Q6A5P9のN末端は、配列データベース内に含有されるP.アクネスの他のDsA2ポリペプチドと比較して、特定のアミノ酸交換を含有する(図12Aおよび図12C参照)。当該交換は、(PT領域の他に)主にN末端シグナル配列に関するので、本発明に従うワクチンとして用いられるDsA2ポリペプチドに及ぶ影響を有していない(なぜなら、これは通常、成熟した形態で、すなわちシグナル配列なしに提供されるからである;主要な例外は、核酸ワクチンが提供される場合にある;これは通常、シグナル配列のコード配列を含有する(しかしながら、当該シグナル配列は、核酸ワクチンが発現されるように設計されている細胞に適応し得る))。N末端のこの差異に起因して、NSRのN末端アラニン残基(A72)が位置31(EGR92169.1のA31)または21(EFS48378.1内のA21)にシフトされている(しかしながら、その後(PT領域まで)同一の配列を有する)いくつかのDsA2配列がデータベース内に存在する。
CTR内のDsA2配列の主要な差異は、(おそらく人工)トランケーション(機能の予想される損失を伴う)をもたらす(PTコード領域に起因する)配列決定バイアスに起因するか、または特定の交換、例えばR444H交換に関係する。
「本発明に従うDsA1またはDsA2ポリペプチドの断片」は、P.アクネスのDsA1またはDsA2ポリペプチドの天然に存在するバージョンの短くされたバージョンである(上述の「断片」の定義を参照)。好ましくは、本発明に従う断片は、少なくともCSD2断片を含むか、またはそれからなり、CSD2断片は、(1)フェニルアラニン150(F150)からロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、(2)フェニルアラニン150(F150)からロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または(3)ヒスチジン218(H218)からロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列(ならびにDsA2の対応する断片、すなわち、それぞれF194~L228、F194~L311、およびH262~311)である。本発明の好ましい実施形態に従えば、これらの3つのペプチドは、本発明に従うワクチンに用いられることとなるポリペプチドの最小長さを定義する「最小ペプチド」と定義してもよく、免疫原としての保護が守られる。ペプチドが短いほど、適切な免疫応答を誘発することに関する信頼性が低くなり得る。他方では、ポリペプチドは、可能な限り短くあるべきである。ペプチドが短いほど、生成およびハンドリングに関して便利な特性を示すことが知られているが、DsA1またはDsA2等の天然の免疫原のそのような短くしたバージョンによって提供される保護は、予測可能でなく、かつありそうもない。
したがって、LPXTGモチーフを含有するCTRを欠いている、本発明により提供されるN末端断片を含むワクチンが、P.アクネス感染症の処置および防止について保護的であることは、驚くべきことであった。本発明に従う好ましい断片は、少なくとも、先で開示されるCSD2断片、および(存在するならば)先で定義される短くされたPTリピート、すなわち0、1、2、3、または5つのPTリピートを含有する。また、断片は、更なるドメイン、例えば、NSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、およびCTRの1つまたはそれ以上;完全ドメインまたはその部分を含有してもよい。また、本発明に従う断片は、複数の断片、例えば、CSD2断片、CDS1、SR2、CSD3、および短くされたPTリピートを含有するポリペプチドからなってもよい。
「本発明に従うDsA1ポリペプチドの派生体」は、本発明に従うDsA1またはDsA2ポリペプチドの断片、および更なる天然に存在しないアミノ酸配列(例えば非DsA1またはDsA2配列)を含む。本発明に従うDsA1またはDsA2ポリペプチドの派生体は、少なくとも、P.アクネスDsA1またはDsA2タンパク質の野生型配列に由来するDsA1またはDsA2断片を含み、加えて、天然の配列に由来する断片と組み合わせて、天然に存在しない一連の派生体を定義する少なくとも1つのアミノ酸またはアミノ酸配列を含有する。例えば、断片が、天然のDsA1タンパク質に由来するならば、その「派生体」は、更なる非DsA1配列、例えばDsA2タンパク質由来の配列を含有してもよい。好ましい実施形態に従えば、本発明に従うこれらの派生体内の更なる配列は、免疫原性領域をさらに含有する。本発明に従う好ましい派生体は、本発明に従うCSD2の他に、更なるP.アクネス配列、とりわけP.アクネスの少なくとも1つの(非DsA1または非DsA2)抗原またはエピトープをコードする更なる配列を含有してもよい。例えば、DsA1に由来する(すなわち、欠失による天然の配列の断片である)本発明の派生体は、P.アクネスのDsA2の少なくとも1つのエピトープを含有することができる。好ましくは、本発明の派生体は、断片が野生型DsA1ポリペプチドに由来するならば、P.アクネスのDsA2ポリペプチドのNSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、CSD3、およびCTRの1つまたはそれ以上を含む;本発明の他の好ましい派生体は、断片がDsA2ポリペプチドに由来するならば、P.アクネスのDsA1ポリペプチドのNSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、CSD3、およびCTRの1つまたはそれ以上を含む。したがって、これらの好ましい派生体は、DsA1およびDsA2の配列を含む。少なくとも1つのDsA1エピトープおよび少なくとも1つのDsA2エピトープを含有する派生体は、最もバランスがとれたワクチン接種を実現する。なぜなら、そのような組み合わされた免疫原が、DsA1およびDsA2の双方を等しく良好に認識することができる;したがって、例えばファイロタイプICの株において、それら自体に対して最も高度に反応するが、第2の抗原をかなり低い程度にしか認識しなかった完全長のタンパク質および他の断片と対照的に、DsA1およびDsA2の双方に対して最もバランスがとれた反応性を誘導することができる抗体を誘導するからである(ここで、DsA2よりも多くのDsA1を、フローサイトメトリーによって、他と対照的に、表面上で検出することができる)。したがって、様々なファイロタイプをカバーする、株の大きなコレクションに関する最も広く、かつ最もバランスがとれた交差反応性プロファイルを、そのようなハイブリッドDsA1/DsA2ポリペプチド(例えばハイブリッドH4分子)を用いることにより達成することができる。したがって、そのようなハイブリッドポリペプチドは、とりわけ、(DsA1のこれらの部分(29~145;278~333)およびDsA2の中心部分(アミノ酸190~321)を含み、ELISAアッセイにおいて、双方の完全長タンパク質に結合する能力を示した(実施例のセクション、とりわけ図8参照)H4の例におけるように)当該ハイブリッドが、当該ポリペプチドの中心およびN末端部分に主に制限される、機能的/免疫学的に最も関連する領域を含むならば、双方の全長タンパク質の効果を発揮することができる、免疫学的により一貫し、かつより単純な分子であるだけなく、親バージョンと比較して、かなり有望な安定性および純度プロファイルをも有し、かつ好ましい開発候補である。
本発明の好ましい実施形態において、ワクチンの断片または派生体は、少なくとも
- フェニルアラニン150(F150)からイソロイシン193(I193)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)からロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
-ヒスチジン218(H218)からロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
を含むか、またはこれらからなる。
好ましくは、本発明に従う断片または派生体は、好ましくは当該断片または派生体が、DsA1またはDsA2のCSD1、DsA1またはDsA2のSR1、DsA1またはDsA2のSR2、DsA1またはDsA2のCSD3、およびDsA1またはDsA2のPTリピート領域をさらに含まないという条件で、DsA1もしくはDsA2のCSD1、DsA1もしくはDsA2のSR1、DsA1もしくはDsA2のSR2、DsA1もしくはDsA2のCSD3、またはDsA1もしくはDsA2のPTリピート領域をさらに含まない。
本発明に従うワクチン内の好ましい断片(DsA1のナンバリングに基づくが、DsA2の対応する断片にも及ぶ)は、
(1)フェニルアラニン150(F150)からロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列(N末端にて1、2、3、もしくは4つのアミノ酸、かつ/またはC末端にて1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸をさらに伸長);
(2)フェニルアラニン150(F150)からロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列(N末端にて1、2、3、もしくは4つのアミノ酸、かつ/またはC末端にて少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22個のアミノ酸をさらに伸長);
(3)ヒスチジン218(H218)からロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列(N末端にて少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22個のアミノ酸、かつ/またはC末端にて1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸をさらに伸長);
(4)フェニルアラニン150(F150)からロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列(N末端にて1、2、3、もしくは4つのアミノ酸、かつ/またはC末端にて1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸をさらに伸長);
(5)アラニン148(F148)からロイシン271(L271)の連続ポリペプチド配列(N末端にて1、2、3、もしくは4つのアミノ酸、かつ/またはC末端にて少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22個のアミノ酸をさらに伸長);
(6)ヒスチジン146(H146)からトレオニン277(T277)の連続ポリペプチド配列(N末端にて少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22個のアミノ酸、かつ/またはC末端にて1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸をさらに伸長);
(7)ロイシン238(L238)からロイシン272(L272)の連続ポリペプチド配列(N末端にて1、2、3、もしくは4つのアミノ酸、かつ/またはC末端にて1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸をさらに伸長);
(8)ロイシン145(L145)からアラニン201(A201)の連続ポリペプチド配列(N末端にて1、2、3、もしくは4つのアミノ酸、かつ/またはC末端にて少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22個のアミノ酸をさらに伸長);および/または
(9)ロイシン145(L145)からロイシン280(L280)の連続ポリペプチド配列(N末端にて少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、もしくは22個のアミノ酸、かつ/またはC末端にて1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のアミノ酸をさらに伸長)
である。
好ましくは、本発明に従う断片は、少なくとも35アミノ酸長、好ましくは少なくとも40アミノ酸長、とりわけ少なくとも50アミノ酸長を有する。
本発明に従う好ましいワクチンは、DsA1抗原もしくはDsA2抗原またはDsA1エピトープもしくはDsA2エピトープでない少なくとも1つの追加のP.アクネス抗原またはP.アクネスエピトープを含有するか、またはそれからなるアミノ酸配列、好ましくはP.アクネスの少なくともPITPポリペプチドまたはP.アクネスのPITPポリペプチドの少なくとも1つのエピトープを含有する少なくとも1つの追加のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの追加のポリペプチドを含み、PITPポリペプチド(以下も参照)は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド(「SP」;SPは、成熟(機能的)配列の部分でなく、かつ抗原の部分でなく、本明細書中で開示されるワクチン製剤用の生成セットアップにおける一部でない;しかしながら、ある形態の連続発酵により生成される場合(すなわち、細胞を収穫してこじ開けない場合)、シグナルペプチドを用いた培地中への分泌は、適切なSPを用いてもよい)、伸長ネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXT(G)ドメインを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)、および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含む。好ましくは、このPITP派生体は、PITPポリペプチド由来の少なくとも1つの追加の配列、好ましくは、好ましくはENFDおよびHbDから選択される、ENFD、SR1、SR2、およびHbDの少なくとも1つを含む配列を含む。
DsA1/DsA2およびPITPが、スペーサーまたはスワッピング領域(「SR」)を含むので、本明細書中で用いられる用語「スペーサー領域」または「スワッピング領域」は常に、関係するタンパク質のSRを指す;SRは、様々な配列を有するが、連結の特性(所与のタンパク質の2つの構造ドメインの「間隔をあけ」、通常、「スペーサー/スワッピング領域」を適切に操作(すなわち、同じ長さ(アミノ酸数)に維持)しながら構造ドメインを「スワッピングする」ことによって組み合わせることができるタンパク質、例えばCSD、ENFD、またはHbDの構造ドメインと比較して、あまり順序付けられていない(本質的に順序付けられていない))を共有する。通常、本明細書中でどのSRに言及しているかは明らかである;しかしながら、疑念がある場合には、用語「SR」(特定されていなければ)は、全てのSR、すなわち、DsA1およびDsA1のSR1およびSR2、ならびにPITPのSR1およびSR2に当て嵌まるものとする。
本発明に従うワクチン内の別の好ましい派生体は、DsA1の少なくとも1つの断片およびDsA2の少なくとも1つの断片を含む。
好ましくは、DsA1/DsA2の断片または派生体において、少なくとも5つのPTリピート、好ましくは少なくとも10個のPTリピート、とりわけ少なくとも15個のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然のDsA1/DsA2」)と比較して欠失しており、好ましくは少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、とりわけ5つのPTリピートが存在する。
本発明の好ましい実施形態に従えば、ワクチン内の派生体はさらに、少なくとも1つの他のDsA1および/もしくはDsA2由来の、またはCSD2断片が由来した株とは異なる少なくとも1つのP.アクネス株由来の少なくともNSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、CSD3、および/またはCTRを含む。
好ましいDsA1/DsA2断片または派生体は、NSR、CTR、および/またはLPXTGモチーフを欠いている。本発明に従うDsA1/DsA2、ならびにその断片および派生体は、本発明において可溶性の形態で、膜結合形態で用いてもよい。
好ましい実施形態において、本発明に従うワクチンはさらに、(CSD2断片またはCSD2含有断片またはDsA1ポリペプチドに加えて)別のP.アクネス抗原またはエピトープ、好ましくはDsA2およびPITPおよび/またはDsA2エピトープおよび/またはPITPエピトープから選択される抗原、とりわけ別のP.アクネスポリペプチドのエピトープ含有断片、好ましくはDsA2およびPITPのエピトープ含有断片を含む。
コンピュータ予測は通常、バイアスを有するので、エピトープの確認(当該エピトープが、免疫学的環境において、とりわけワクチンに用いるのに、信頼できそうな機能を有する有効エピトープとなるような)は、「実際の世界」のウェット生化学データに依存し、実際の免疫原性対応物は、適切な確認システムにおいて作用する。本発明に従えば、エピトープは、線形、高次構造的、MSエピトープマッピングにおいて、ELISAおよびドットブロットによる更なる抗原断片マッピングにより、適切な抗-DsA1、-DsA2、および抗PITP抗体を用いることによって分析された。また、これは、実施例のセクションにおいて開示されるエピトープを提供した。
したがって、好ましい更なる断片は、免疫原性エピトープを含有するか、またはそれからなる断片である。好ましいエピトープは、本発明によって同定されるもの、すなわち、R32-I41、Q38-K51、R32-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+T43-K51、R87-K90+T117-I132およびR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、T117-I132、T117-A127、V128-I132、A144-N157、H146-A160、A148-N157、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、I216-D225、A226-A240、S234-G250、I251-I263、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-I263、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-R286+I216-F224、T285-R286+I264-P271、T285-R286+V289-K296、T285-R286+V289-K296、T285-R286+A144-N157、A310-D313+T285-R286、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、A301-E307、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、R286-T300、V289-K296、A310-D313+I216-F224、A310-D313+I264-P271、A310-D313+T285-R286、A310-D313+R286-D290、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、A301-E307(DsA1);L152-Q166、G190-P230、I199-D208、A218-I237、P230-Q244、I231-A270、H254-A270、A271-S279、A271-R310、L311-T321、L311-K323、V333-Q347、A218-P230、I231-I237、H254-H262、Q256-H262、E261-D269、D269-S279、K313-K323(DsA2);D79-T90、E73-D85、R43-I50、P68-Y75、P86-E92、I39-G45、Y84-D89、F81-D89、D79-T90、T37-E44、E73-W98、E73-F81、D89-T90、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、F111-D120、F132-G147、D152-E165、R115-F123、D120-K128、P131-F138、N181-E191、T143-T159、P116-T124、P131-D137、P131-D137、T175-C231、Q198-K203、P179-K185、G200-Q210、K174-A188、K174-K185、P201-Q209、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R164-S180、E165-S180、K185-S190、V193-N202、V193-G200、K203-P208、R216-T225、R216-R224、P173-K191、K197-K203、P168-T175、K185-K203、R164-K174、T175-V193、S250-N261、D287-S300、K340-V347、D338-F352、D338-D348、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、G305-L314、G364-K375、R382-E399、V367-G373、A383-L390、T342-T351、M387-T395、E385-T392、V401-V410、N404-A409、G416-L427、L396-V410、T406-I415、D417-G424、V407-D418、V407-V414、K421-V429、S419-T430、D408-I415、T406-V414(PITP)である。
したがって、更なる態様に従えば、本発明はまた、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含む、P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するためのワクチンを提供し、エピトープは、R32-I41、Q38-K51、R32-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+T43-K51、R87-K90+T117-I132およびR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、T117-I132、T117-A127、V128-I132、A144-N157、H146-A160、A148-N157、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、I216-D225、A226-A240、S234-G250、I251-I263、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-I263、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-R286+I216-F224、T285-R286+I264-P271、T285-R286+V289-K296、T285-R286+V289-K296、T285-R286+A144-N157、A310-D313+T285-R286、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、A301-E307、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、R286-T300、V289-K296、A310-D313+I216-F224、A310-D313+I264-P271、A310-D313+T285-R286、A310-D313+R286-D290、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、A301-E307(DsA1);L152-Q166、G190-P230、I199- D208、A218-I237、P230-Q244、I231-A270、H254-A270、A271-S279、A271-R310、L311-T321、L311-K323、V333-Q347、A218-P230、I231-I237、H254-H262、Q256-H262、E261-D269、D269-S279、K313-K323(DsA2);D79-T90、E73-D85、R43-I50、P68-Y75、P86-E92、I39-G45、Y84-D89、F81-D89、D79-T90、T37-E44、E73-W98、E73-F81、D89-T90、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、F111-D120、F132-G147、D152-E165、R115-F123、D120-K128、P131-F138、N181-E191、T143-T159、P116-T124、P131-D137、P131-D137、T175-C231、Q198-K203、P179-K185、G200-Q210、K174-A188、K174-K185、P201-Q209、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R164-S180、E165-S180、K185-S190、V193-N202、V193-G200、K203-P208、R216-T225、R216-R224、P173-K191、K197-K203、P168-T175、K185-K203、R164-K174、T175-V193、S250-N261、D287-S300、K340-V347、D338-F352、D338-D348、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、G305-L314、G364-K375、R382-E399、V367-G373、A383-L390、T342-T351、M387-T395、E385-T392、V401-V410、N404-A409、G416-L427、L396-V410、T406-I415、D417-G424、V407-D418、V407-V414、K421-V429、S419-T430、D408-I415、T406-V414(PITP)からなる群から選択され、好ましくは、エピトープは、DsA1、DsA2、またはPITP配列のN末端またはC末端にて少なくとも1つの追加のアミノ酸残基を含み、とりわけエピトープは、DsA1、DsA2、またはPITP配列のN末端またはC末端にて少なくとも2つの追加のアミノ酸残基を含み;ポリペプチドは、好ましくは、キャリア分子に共有結合的に連結されるか、または足場分子、とりわけキャリアポリペプチド内に埋め込まれる。ここでも、エピトープ担持ポリペプチドの好ましい最大長は、本明細書中で開示されるものである;例えば、400アミノ酸残基未満、好ましくは350アミノ酸残基未満、とりわけ300アミノ酸残基未満(例えば、異なるタンパク質(DsA1、DsA2、PITP)の1つまたは2つを超えるエピトープならば)が、単一のポリペプチド内でシャッフルされ;または250アミノ酸残基未満、好ましくは200アミノ酸残基未満、とりわけ150アミノ酸残基未満の長さ(同じタンパク質(DsA1、DsA2、PITP)の1つのみ、またはそれ以上のエピトープならば)が、ポリペプチド上に存在する。
本発明の別の態様は、治療学的な処置に用いられる、好ましくは、とりわけ、P.アクネスによる尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創傷感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、心血管デバイス関連感染症、例えば人工弁心内膜炎;眼科用インプラント感染症、乳房インプラント疾病、座骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、慢性関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯牙感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺脈管炎、反対型ざ瘡、進行性斑状メラニン欠乏症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺癌、ならびに医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択される、P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、本発明に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITP、ならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体に関する。詳細には、P.アクネス関連感染症およびI型、II型、もしくはIII型P.アクネスのいずれかと関連する病的状態を患うヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置もしくは防止において使用するための、またはI型、II型、およびIII型の少なくとも2つのファイロタイプの、もしくはP.アクネスの少なくとも2つのリボタイプの組合せ、好ましくはP.アクネスに対する交差反応性ワクチン、とりわけ交差型反応性ワクチンとして用いられる、本発明に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITP、ならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体が、とりわけ、P.アクネス関連感染症、ならびにP.アクネスのIB型およびIII型と関連する病的状態を患うヒト患者における感染症の処置または防止のために提供される。
好ましい実施形態に従えば、本発明に従うワクチンはさらに、P.アクネスPITPポリペプチドならびにその特定の断片およびバリアントを含む。
本発明に従う「P.アクネスのPITPポリペプチド」は、P.アクネス株の天然に存在するPITPタンパク質(「天然のPITP」)であり、PITPポリペプチドは、N末端からC末端まで、伸長ネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXT(G)ドメインを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)、および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含む。
したがって、(本明細書中で称される)PITPポリペプチドの機能的ドメインは、Q6A9N1:
MTTSAMRKIV ASVLGAILAL TGVLITPAAW AAGPTVTVIP VGREGGDITI SGKGFSTTGF GVYVAVAPAS VPEFYGNSDK FYGYDPSKDT TESPSTIWVY TPSQKAIGSR FAQGRPMNND GSFTITMKAP PFEQGKDFVV LTTKAHGVGK TDHSDDTRTP VTYREATPAP TGPKTPIAPS KQPSKQAAPS KQVKPSKQAG PNKQSTTPQQ KTAEHRSQTP AAHRTMTKQV CTIGASKVTS GSLTWGIRTS FTSYLRGPIA NGSWKLSGGA NWNGSAFTFP LTSGSFDPAT KSGSLKYSGS VHMTGHHGIL DMTLAEPSLQ IKGSTGHLYL DVKSSSMDGK KTNYGRVDFA
TFGVSVSGNA AIKGSPVKLT ATGAKAFAGF YRAGEPMNPL STNLTLSAEK VCHNVTVDAV TGKVIGDDSG KGAGRGLPVT GAEGPSSDEI DLGIVGGLAL TAVVSTVVVC RRYAARI
におけるナンバリングおよびその配列に基づいて、以下のように定義される(また:例えば図12D参照):ENFD、A32からR164;SR1、E165からK237、HbD、V238からL396、SR2(C末端LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、Gを含まない、LPXTを含む))、S397からT430、およびhLAR、G431からI467。M1~A31のシグナルペプチド(SP)は通常、最終のポリペプチド内に(ワクチン内に)含有されない(存在してもよいN末端メチオニン以外)。
したがって、本発明の態様は、PITPポリペプチド、ならびに/またはPITPの断片および/もしくは派生体を含むワクチンに関し、断片および/または派生体は、少なくともPITPエピトープを含むか、またはそれからなる。
本発明のワクチンは好ましくは、PITPポリペプチドまたはその断片もしくは派生体を含有する。PITP「断片」は、天然に存在するPITPタンパク質の一部である;PITP「派生体」は、少なくとも抗原性エピトープ(すなわち、免疫原性であり、かつP.アクネスの表面上の抗体結合に到達可能であるエピトープ)を含有するPITP断片を含み、または天然に存在するPITPタンパク質の少なくとも20アミノ酸、好ましくは少なくとも30アミノ酸、とりわけ少なくとも50のアミノ酸長を有する、天然に存在しないポリペプチドである。ワクチンとしての具体的に好ましい有用性の中心ドメインは、ENFDおよびHbDドメインである。したがって、具体的に好ましい断片および派生体は、ENFDおよび/またはHbDドメイン由来の配列、例えば、天然のPITP ENFDおよび/またはHbDドメインの少なくとも10、好ましくは少なくとも20アミノ酸、さらに好ましくは少なくとも30アミノ酸、とりわけ少なくとも50アミノ酸の断片を含む。好ましいENFD断片は、A32からT143までのペプチドを含み;好ましいHbD断片は、V238からN393までのペプチドを含む。
また、誤解を避けるため、PITP断片および派生体に関連して、配列、断片、その他への言及は全て、本明細書中で常に、(明示的にそうでないと言及されない限り)連続アミノ酸を指すことも明らかである。例えば、少なくとも8つのアミノ酸のPITP断片は常に、PITPポリペプチドの少なくとも8つの連続アミノ酸残基を指す。用語「連続」は、所与のアミノ酸が、図12のアラインメント内の所与の位置にあることを意味する。勿論、異なるPITP相同体間の交換が、位置が維持される(すなわち、図12において明示的に予見されない限り、欠失がない)ならば、含まれることとなる。
また、SRの他に、ENFDおよびHbDドメインの隣接する部分を、例えばハイブリッド分子内で、断片間のスペーサーまたはリンカーとして用いてもよい。例えば、K144からT227の領域(あるいは:K144~K237の;もしくはG147~K228のSR1全体;またはその、少なくとも10アミノ酸長のあらゆる断片を含む)を、中間/スワッピング/スペーサー領域(順序付けられていないリンカー結合、例えばENFDおよびHbD)として用いることができる。hLARは、本発明に従うLPXT(G)の後に始まることが定義され、LPXTGモチーフの終端のGは既に、hLAR内に含まれる。なぜなら、hLARを、細胞壁へのアンカリングにより除去される、タンパク質の疎水性部分にするからである。したがって、実用的な理由で、hLARは、本発明のために、LPXTGモチーフのGから始まると定義される。
UniProtアミノ酸配列Q6A9N1は、P.アクネス株DSM 16379/KPA171202のタンパク質「PPA0779」を指す。この野生型PITPポリペプチドにおいて、LPXT(G)モチーフは、アミノ酸番号427~431によって定義され(L427からG431;しかしながら、G431は既に、hLARの部分を形成する)、hLARはしたがって、位置431にてグリシンから始まって(G431)、位置467にてC末端イソロイシンで終わる(I467)。hLARは(N末端に)かなり親水性の領域を有し(4つの酸性アミノ酸(E433、D438、E439、およびD441)を含み、これは、位置441にてアスパラギン酸残基で終わり(D441)、その後疎水性の領域(位置442にてロイシンから始まって(L442)、C末端イソロイシンに及ぶ)を含有する。本発明の好ましい実施形態に従えば、hLARは、完全に欠失していてもよいし、部分的に欠失していてもよい。部分的な欠失は好ましくは、完全な疎水性領域(すなわち、L442からI467)に関する。これは、とりわけハンドリングおよび製造に関する、特性が向上したタンパク質の好ましい免疫原性断片を可能にする。
本発明に従う好ましいPITP断片は、他のドメインの全て(N末端からC末端)を含む、C末端領域(hLAR)が短くされたか、または完全に欠失したPITPである:LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、Gを含まない、LPXTを含む)ENFD、SR1、HbD、SR2。C末端にて位置決めされるhLARは、本発明に従う好ましいPITPポリペプチド断片において、(P.アクネス由来の天然の(すなわち天然に存在する)PITPタンパク質と比較して)短くされたか、または全く存在しない。配列データベース内に含有される、天然に存在するPITPポリペプチドの配列(例えば図12D参照)は、高度に同一であり、(点変異の他に)N末端のみ、C末端のみ異なる。しかしながら、C末端でのデータベース内の一部のエントリのこの差異(複数可)は、(配列決定)アーティファクトであり得、または本発明の意味の範囲内の天然のPITPポリペプチドでない、すなわち、P.アクネスにおけるPITPタンパク質として機能しない。本発明に従って用いられる配列ナンバリングは、Q6A9N1のナンバリングに基づいており、これは、例えば、たとえ長さが異なる(すなわち、例えば、L427~G431が、この特定のポリペプチド内で異なるアミノ酸ナンバーにある)PITPポリペプチド(または断片もしくは派生体)が関係するとしても、hLARの前のLPXTGモチーフが常に、L427からG431まで及ぶと称されることを意味する。また、PITPのmRNAは、N末端シグナル配列(N末端メチオニン残基で始まって、プロリン-アラニン-アラニン-トリプトファン-アラニン配列で終わる)をコードし、これは、成熟ポリペプチドの部分でない。したがって、本発明に従うP.アクネスのPITPポリペプチドは、UniProtデータベースにおいて、アミノ酸配列Q6A9N1のアラニン残基32(A32)から始まって、イソロイシン467(I467)で終わる。
例えば、Q6A9N1のN末端は、配列データベース内に含有されるP.アクネスの他のPITPポリペプチドと比較して、特定のアミノ酸交換を含有する(図12D参照)。当該交換は、主にN末端シグナル配列に関するので、本発明に従うワクチンとして用いられるPITPポリペプチドに及ぶ影響を有していない(なぜなら、これは通常、成熟した形態で、すなわちシグナル配列なしに提供されるからである;主要な例外は、核酸ワクチンが提供される場合にある;これは通常、シグナル配列のコード配列を含有する(しかしながら、当該シグナル配列は、当該核酸ワクチンが発現されるように設計されている細胞に適応し得る))。hLARの差異は、配列決定バイアスに起因し得る。
好ましくは、PITP断片および/または派生体は、PITPポリペプチドであり、hLARは、欠失しているか、親水性C末端領域によって置換されているか、または部分的に欠失しており、部分的な欠失は、hLARのN末端の12アミノ酸以外、好ましくはhLARのN末端の11アミノ酸以外、とりわけhLARのN末端の10アミノ酸以外のhLARの損失;あるいはその、UniProtデータベースにおけるアミノ酸配列Q6A9N1内のENFDのプロリン34~グルタミン酸73、もしくはプロリン94~トレオニン143、またはHbDのバリン238~アスパラギン393に対応するアミノ酸を少なくとも含む断片または派生体をもたらす。PITPの当該欠失断片および派生体が、物理化学的特性の増強を示し、これが、ワクチン接種目的および組換えワクチン製造に特に適しているという事実は、さらに予想外であった。なぜなら、LPXTGモチーフは、自動的に検出されず、これは、本配列についての公開されているデータベースにおいて記載されていないか、または注釈されていないモチーフを意味するからである。先行技術において、PITPが実際に、細胞壁に固定されて、トランスペプチダーゼ用の適した基質であり得ることは、実験的に示されていない。本発明の過程において、配列内のLPXTGの存在が、異なる株上でのPITPの表面アクセシビリティに影響を与えないことが示された。なぜなら、LPXTGモチーフが存在したか否かに関係なく、PITPを一貫して検出することができたからである。最後に、対応するソルターゼ酵素は、P.アクネスにおける関連性で、明らかでない。hLAR内に欠失を有するか、またはhLARが欠失しているPITP断片または派生体の別の驚くべき特性が、多くの組換え発現系における、とりわけ高生成系における発現の増大である。そのような系の多くにおいて、当該発現生成物は、封入体内ではなく可溶性画分内に存在する。更なる利点として、hLAR内に欠失を有するか、またはhLARが欠失しているPITP断片または派生体は、ポリペプチド精製、例えばSPセファロースまたはSuperdex 200カラムに用いられる典型的な精製カラムへの結合の向上を示す。最後に、(さらに)トランケートされた形態由来の標的ポリペプチドの、または他の発現アーティファクトの分離もまた向上する。当該効果はいっそう、ポリペプチド内のシステイン残基の置換、とりわけC231およびC402置換によって、さらに顕著となり得る。
本発明に従うPITP、ならびにその断片および派生体は、可溶性形態で、膜結合形態で、本発明に用いることができる。
好ましくは、本発明に従うDsA1/DsA2派生体は加えて、PITP断片を含み、かつ/または派生体は、本明細書中で定義されるPITPポリペプチドであり、とりわけhLARは、欠失しているか、親水性C末端領域によって置換されているか、または部分的に欠失しており、部分的な欠失は、hLARのN末端の12アミノ酸以外、好ましくはhLARのN末端の11アミノ酸以外、とりわけhLARのN末端の10アミノ酸以外のhLARの損失;あるいはその、UniProtデータベースにおけるアミノ酸配列Q6A9N1内のENFDのプロリン34~グルタミン酸73、もしくはプロリン94~トレオニン143、またはHbDのバリン238~アスパラギン393に対応するアミノ酸を少なくとも含む断片または派生体をもたらす。
好ましくは、PITP断片または派生体は、少なくとも
- ENFDのプロリン34からグルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDのプロリン94からトレオニン143、好ましくはプロリン94~グリシン147の連続ポリペプチド配列、または
- HbDのバリン238からアスパラギン393の連続ポリペプチド配列
を含むか、またはそれからなる。
好ましい実施形態に従えば、PITP断片または派生体は、少なくとも8つのアミノ酸残基、好ましくは少なくとも10個のアミノ酸残基、とりわけ少なくとも15個のアミノ酸残基長のPITPポリペプチドのENFDおよび/またはHbDの断片を含有する。好ましい代替実施形態は、少なくとも35アミノ酸長、好ましくは少なくとも40アミノ酸長、とりわけ少なくとも50アミノ酸長のより長いPITP断片または派生体を含む。
好ましくは、PITP断片または派生体は、少なくともENFDのエピトープおよび/またはHbDのエピトープを含むか、またはこれからなり、好ましくは、断片または派生体は、少なくともENFDのエピトープおよびHbDのエピトープを含むか、またはこれからなる。したがって、PITPポリペプチド、PITP断片、またはPITP派生体の好ましい実施形態は、ポルフィリン結合ドメインを含む。
好ましくは、PITP派生体はさらに、少なくとも、PITP断片または派生体が由来した株とは異なる少なくとも1つのP.アクネス株由来の他の少なくとも1つのPITP由来のENFDおよび/またはHbDを含む。
好ましい実施形態に従えば、PITPポリペプチドの断片または派生体は、UniProtデータベースにおけるアミノ酸配列Q6A9N1内の、セリン180(S180)からグルタミン198(Q198)に対応する、SRの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも、プロリン179(P179)からトレオニン207(T207)に対応するアミノ酸配列、とりわけグルタミン酸165(E165)からリシン237(K237)に対応するアミノ酸配列(SR1について)、またはバリン401(V401)からトレオニン430(T430)、好ましくはセリン397(S397)からT430、とりわけロイシン394からT430(SR2について)を欠いている。
好ましくは、PITPポリペプチドの断片または派生体は、UniProtデータベースにおけるアミノ酸配列Q6A9N1内のナンバリングに従って、少なくとも、ロイシン427(L427)からグリシン431(G431)に対応するアミノ酸配列が欠失しており、好ましくは少なくとも、プロリン179(P179)からグリシン431(G431)に対応するアミノ酸配列が欠失しており、とりわけ少なくとも、トレオニン392(T392)からグリシン431(G431)に対応するアミノ酸配列が欠失しているポリペプチドである。
PITPポリペプチドの好ましい断片または派生体は、UniProtデータベースにおけるアミノ酸配列Q6A9N1内の、少なくとも、セリン180(S180)からグルタミン198(Q198)および/またはフェニルアラニン74(F74)からセリン93(S93)に対応するアミノ酸配列、好ましくは少なくとも、プロリン179(P179)からトレオニン207(T207)に対応するアミノ酸配列、とりわけトレオニン159(T159)からトレオニン219(T219)に対応するアミノ酸配列が欠失しているポリペプチドである。
本発明に従うPITPポリペプチドの好ましい断片または派生体は、以下のアミノ酸からなる:A32~T430、A32~G426、A32~Q198、A32~T143、A32~K400、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~R164、A32~S391、A32~P179、A32~R158、A32~G147、A32~E73、およびP94~G147;P34~T430、P34~G426、P34~Q198、P34~T143、P34~K400、P34~T159、P34~I177、P34~Q204、P34~G234、P34~R164、P34~S391、P34~P179、P34~R158、P34~G147、P34~E73、およびP94~G147;S240~S391、A32~D441、A32~I440、A32~E439、A32~D438、A32~S437、A32~S436、A32~P435、A32~G434、A32~E433、A32~A432、A32~G431;P34~D441、P34~I440、P34~E439、P34~D438、P34~S437、P34~S436、P34~P435、P34~G434、P34~E433、P34~A432、P34~G431;S240~D441、S240~I440、S240~E439、S240~D438、S240~S437、S240~S436、S240~P435、S240~G434、S240~E433、S240~A432、S240~G431;A32~T430、A32~V429、A32~P428、A32~L427、A32~G426、A32~R425、A32~G424、A32~A423、A32~G422、A32~K421、A32~G420、A32~S419、A32~D418、A32~D417、A32~G416、A32~I415、A32~V414、A32~K413、A32~G412、A32~T411、A32~V410、A32~A409、A32~D408、A32~V407、A32~T406、A32~V405、A32~N404、A32~H403、A32~C402、A32~V401、A32~K400、A32~E399、A32~A398、A32~S397、A32~L396、A32~T395、A32~L394、A32~N393、A32~T392;P34~T430、P34~V429、P34~P428、P34~L427、P34~G426、P34~R425、P34~G424、P34~A423、P34~G422、P34~K421、P34~G420、P34~S419、P34~D418、P34~D417、P34~G416、P34~I415、P34~V414、P34~K413、P34~G412、P34~T411、P34~V410、P34~A409、P34~D408、P34~V407、P34~T406、P34~V405、P34~N404、P34~H403、P34~C402、P34~V401、P34~K400、P34~E399、P34~A398、P34~S397、P34~L396、P34~T395、P34~L394、P34~N393、P34~T392;G172~T430、G172~V401、G172~K400、G172~L396、G172~N393、A199~T430、A199~V401、A199~K400、A199~L396、A199~N393、H223~T430、H223~V401、H223~K400、H223~L396、H223~N393、T232~T430、T232~V401、T232~K400、T232~L396、T232~N393、G234~T430、G234~V401、G234~K400、G234~L396、G234~N393、V238~T430、V238~V401、V238~K400、V238~L396、V238~N393、S240~T430、S240~V429、S240~P428、S240~L427、S240~G426、S240~R425、S240~G424、S240~A423、S240~G422、S240~K421、S240~G420、S240~S419、S240~D418、S240~D417、S240~G416、S240~I415、S240~V414、S240~K413、S240~G412、S240~T411、S240~V410、S240~A409、S240~D408、S240~V407、S240~T406、S240~V405、S240~N404、S240~H403、S240~C402、S240~V401、S240~K400、S240~E399、S240~A398、S240~S397、S240~L396、S240~T395、S240~L394、S240~N393、S240~T392。
好ましい実施形態に従えば、本発明は、少なくとも8つのアミノ酸のPITP断片、およびそのような断片を含有する派生体に関する。好ましくは、そのような断片を含有する断片または派生体は、少なくとも9アミノ酸長、とりわけ少なくとも10アミノ酸長である。以下のリストは、好ましい10マー断片を含む(以下において、代替アミノ酸注釈が用いられる;しかしながら、例えば、用語「39I」は、本明細書中でこれ以外の場合に用いられる「I39」および「イソロイシン39」であることが明らかである):
39I-48I、40P-49T、41V-50I、42G-51S、43R-52G、44E-53K、68P-77N、69A-78S、70S-79D、71V-80K、72P-81F、73E-82Y、74F-83G、75Y-84Y、76G-85D、77N-86P、78S-87S、79D-88K、80K-89D、81F-90T、82Y-91T、83G-92E、84Y-93S、85D-94P、86P-95S、87S-96T、88K-97I、89D-98W、90T-99V、91T-100Y、92E-101T、93S-102P、94P-103S、95S-104Q、96T-105K、97I-106A、98W-107I、99V-108G、100Y-109S、101T-110R、102P-111F、103S-112A、104Q-113Q、105K-114G、106A-115R、107I-116P、108G-117M、109S-118N、110R-119N、111F-120D、112A-121G、125I-134Q、126T-135G、127M-136K、128K-137D、144K-153H、145A-154S、146H-155D、147G-156D、148V-157T、149G-158R、150K-159T、151T-160P、152D-161V、153H-162T、154S-163Y、155D-164R、156D-165E、157T-166A、158R-167T、159T-168P、160P-169A、161V-170P、162T-171T、163Y-172G、164R-173P、165E-174K、166A-175T、167T-176P、168P-177I、169A-178A、170P-179P、171T-180S、172G-181K、173P-182Q、174K-183P、175T-184S、176P-185K、177I-186Q、178A-187A、179P-188A、180S-189P、181K-190S、182Q-191K、183P-192Q、184S-193V、185K-194K、186Q-195P、187A-196S、188A-197K、189P-198Q、190S-199A、191K-200G、192Q-201P、193V-202N、194K-203K、195P-204Q、196S-205S、197K-206T、198Q-207T、199A-208P、200G-209Q、201P-210Q、202N-211K、203K-212T、204Q-213A、205S-214E、206T-215H、207T-216R、208P-217S、209Q-218Q、210Q-219T、211K-220P、212T-221A、213A-222A、214E-223H、215H-224R、216R-225T、217S-226M、218Q-227T、219T-228K、220P-229Q、221A-230V、222A-231C、223H-232T、224R-233I、225T-234G、226M-235A、227T-236S、228K-237K、229Q-238V、230V-239T、231C-240S、232T-241G、233I-242S、266L-275S、267S-276A、268G-277F、282T-291K、334S-343N、353G-362I、354V-363K、355S-364G、356V-365S、357S-366P、358G-367V、359N-368K、377F-386P、378A-387M、379G-388N、380F-389P、396L-405V、397S-406T、398A-407V、399E-408D、400K-409A、401V-410V、402C-411T、403H-412G、404N-413K、405V-414V、406T-415I、407V-416G、408D-417D、409A-418D、410V-419S、411T-420G、412G-421K、413K-422G、414V-423A、415I-424G、416G-425R、417D-426G、418D-427L、419S-428P、420G-429V、421K-430T、422G-431G、423A-432A、424G-433E、425R-434G、426G-435P、427L-436S、428P-437S、429V-438D、430T-439E、431G-440I、432A-441D、433E-442L、434G-443G、435P-444I、436S-445V、および437S-446G。
PITPの好ましい断片および派生体は、少なくとも、以下のPITP断片を含む:I39~K53、P68~G121、I125~D137、K144~S242、L266~F277、T282~K291、S334~N343、G353~K368、F377~P389、およびL396~G446。
PITPの特に好ましい断片および派生体は、以下のPITP断片を少なくとも含むか、またはそれからなる:A32~R164、A32~Q198、A32~T143、A32~V148、A32~T171、P34~R164、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~K400、A32~S391、V238~K400、A199~T430、V238~T395、G234~K400、H223~K400、T232~V401、V238~T392、V238~N393、V238~L394、V238~T395、V238~L396、T232~T430、G172~K400、およびG172~G234、とりわけ断片A32~T430、A32~I467、A32~S391(K174~T239が欠失)、A32~S391。これらの断片は、ヒトにおいてワクチンとして提供されるならば、適切な、交差型反応性免疫反応を誘発するのに有効な少なくとも1つのエピトープを含有する。さらに、これらの断片は、組換え発現系によって効率的に生成可能であり、かつ最終医薬ワクチン製剤に仕上げ可能である。
特に好ましい実施形態に従えば、PITPの断片および派生体は、完全な、またはほぼ完全なHbDドメイン、すなわち、少なくともアミノ酸V238~T392、または少なくともアミノ酸V238~N393、または少なくともアミノ酸V238~L394、またはさらに好ましくは少なくともアミノ酸V238~T395、または少なくともアミノ酸V238~L396を含む断片を含む。そのような断片は、アップスケールされたフォーマットでの発現について安定しており、かつ適切である。ドメインのC末端にてT392~T395、N393~T395、L394~T395、またはT395が欠けているHbD断片は、発現およびエピトープ提示に関して、あまり安定していない可能性がある。
特に好ましい実施形態に従えば、PITPの断片および派生体は、完全なHbDドメイン、すなわち少なくともアミノ酸V238~T392、最大L396を含む断片を含む。そのような断片は、アップスケールされたフォーマットでの発現について安定しており、かつ適切である。T392、T392~N393、T392~L394、またはT392~L395が欠けているHbD断片は、特定の目的、例えば大スケール生成のために、あまり好ましくない可能性がある。
本発明の好ましい実施形態に従えば、P.アクネス由来の野生型PITPタンパク質と比較して有利な特性を有する修飾PITPポリペプチドが提供され、これはワクチン接種目的に特に適している。P.アクネスに干渉する(すなわち、これによって引き起こされる病的状態を防止かつ/または処置する)のに用いられる、本発明に従うPITPタンパク質の新規の使用は、その免疫原性特性に関して、そのハンドリング特性(これは、より簡単な大規模組換え発現および生成を可能にする)に関して、その有利な特性(本発明によって明らかにされる)に基づく。双方の利点は、本発明の生成の過程において出現し、当該技術の知識に鑑みて、驚くべきである。
DsA1およびDsA2は、配列決定問題、および偽遺伝子が無視される場合、かなり不変であると考えることができ、PT長多型は、特定のアミノ酸-アミノ酸比較ではなく領域の機能的役割から調べられる。それでも、PITP(推定鉄輸送体)はいっそう保存されている。長さのバリアントは稀であり、ほとんどの場合において、N末端遺伝子開始部を正確に置くための不確実性におそらく起因する。特に、少数の明らかに断片化されたか、またはシフトされたタンパク質を無視する場合、配列は高度に不変である。本質的に、知られているバリアント間のタンパク質全体にわたって、数ダースの位置しか可変性を示さない。1つの例外が、GAE78839.1(下流側遺伝子との考えらえる融合)である。化学的に異なるアミノ酸交換におけるエンリッチメントを示す少数の領域の1つが、特にペプチドTTPQQKTAEHによって定義される領域において、2つの予測されるヘム結合ドメインを結合する推定のリンカー領域である。
特に好ましい実施形態に従えば、本発明は、P.アクネスPITPポリペプチドの短くされた断片およびバリアントに関し、hLARは、欠失しているか、親水性C末端領域によって置換されているか、または部分的に欠失しており、部分的な欠失は、hLARのN末端の12アミノ酸以外、好ましくはhLARのN末端の11アミノ酸以外、とりわけhLARのN末端の10アミノ酸以外のhLAR損失;またはその、少なくともENFDももしくはHbDを含む断片もしくは派生体をもたらす。
本発明の好ましい派生体は、P.アクネスの様々な抗原の配列ストレッチを含むポリペプチドである。したがって、本発明は、P.アクネスのデルマタン硫酸結合接着因子1(DsA1)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチ、およびP.アクネスのデルマタン硫酸結合接着因子2(DsA2)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチを含むポリペプチドの特定の態様に言及し、前記DsA1およびDsA2は、N末端からC末端まで、N末端領域、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」);および、場合により、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)、およびC末端領域を含み;
ポリペプチドは、DsA1の少なくともCSD1、CSD2、またはCSD3、およびDsA2の少なくともCSD1、CSD2、またはCSD3を含む。
別の態様に従えば、本発明は、P.アクネスのデルマタン硫酸結合接着因子1(DsA1)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチ、およびP.アクネスのデルマタン硫酸結合接着因子2(DsA2)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチを含むポリペプチドに言及し、前記DsA1およびDsA2は、N末端からC末端まで、N末端領域、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」);および、場合により、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)、およびC末端領域を含み;
DsA1およびDsA2のポリペプチドストレッチは独立して、少なくとも20アミノ酸残基長を有する。
本発明の別の好ましい態様は、
- 表面露出されるDsA1ポリペプチドのエピトープ、または表面露出されるP.アクネスのデルマタン硫酸結合接着因子2(DsA2ポリペプチド)のエピトープを有する少なくとも1つの抗原性ポリペプチド
(DsA1またはDsA2は、N末端からC末端まで、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、および、場合により、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)、およびC末端領域(「CTR」)を含む);および
- 表面露出されるPITPポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの抗原性ポリペプチド
を含むワクチンである。
本発明の別の好ましい態様は、
(a)DsA1のCSD1の少なくともエピトープ含有断片もしくは派生体、およびDsA2のCSD2の少なくともエピトープ含有断片もしくは派生体を含み;かつ/または
(b)少なくとも30のアミノ酸残基、好ましくは少なくとも40のアミノ酸残基のDsA1のCSD1のCSD1断片または派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチ、および少なくとも30アミノ酸残基、好ましくは少なくとも40アミノ酸残基のDsA1のCSD2のCSD2断片または派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチを含み;
(c)少なくとも、DsA1の
- フェニルアラニン150(F150)からロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)からロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)からロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、およびDsA2の
- フェニルアラニン194(F194)からロイシン228(L228)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン194(F194)からロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン262(H262)からロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列
を含むポリペプチドを含むワクチンである。
また、この態様において、ポリペプチドは、存在するならば、ポリペプチド内に、DsA1のC53、C319、およびC321、ならびにDsA2のC97およびC363の1つまたはそれ以上でのアミノ酸交換を、好ましくは、アミノ酸交換、DsA1のC53S、C319S、およびC321P、ならびにDsA2のC97SおよびC363Sの1つまたはそれ以上を含むことが好ましい。
また、この態様において、断片または派生体の少なくとも5つのPTリピート、好ましくは少なくとも10個のPTリピート、とりわけ少なくとも15個のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然のDsA1/DsA2」)と比較して、欠失しており、好ましくは少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、いっそう好ましくは少なくとも4つ、とりわけ5つのPTリピートが存在することが好ましい。
また、このDsA1/DsA2シャッフルポリペプチドにおいて、PITPストレッチ、とりわけPITPエピトープを有するPITPストレッチを含むことが好ましい。したがって、このポリペプチドは好ましくはさらに、PITPの少なくともエピトープを含む少なくとも30個のアミノ酸残基のポリペプチドストレッチを含むPITPポリペプチド、またはPITPの断片もしくは派生体を含み、好ましくはPITPポリペプチド、またはPITPの断片もしくは派生体は、少なくとも
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン34からグルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン94からトレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDもしくはそのPITP派生体のバリン238からアスパラギン393の連続ポリペプチド配列
を含む。
ここでも、ここで、PITP派生体は好ましくは、位置C231およびC402でのアミノ酸交換を含む。
類似した態様において、本発明はまた、
- 表面露出されるDsA1ポリペプチドのエピトープ、または表面露出されるDsA2ポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの合成抗原性ポリペプチド;および
- 表面露出されるP.アクネスのPITPポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの合成抗原性ポリペプチド
を含むワクチンに関する。
本明細書中に記載される抗原、またはそのエピトープは、本来的に免疫原性でない場合があるので、互いに、かつ/またはアジュバントに連結されて、免疫原を生成し得る。抗原および/またはそのエピトープおよび/またはアジュバント間の連結は、例えば、吸着、静電気、疎水性、またはファンデルワールス相互作用によって、共有結合性であっても非共有結合性であってもよい。
一部の実施形態において、免疫原は、複合免疫原であり、P.アクネスの1つもしくはそれ以上の抗原および/またはP.アクネスの1つもしくはそれ以上のエピトープの、互いへの連結によって操作される。一部の実施形態において、免疫原は、その、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)の抗原および/またはエピトープを含むか、またはそれからなる。少なくとも2つの抗原および/またはそのエピトープは、同じであるか、または異なる抗原および/またはエピトープ(例えば、2つの異なる抗原の2つのエピトープ、1つの抗原の2つの異なるエピトープ、1つの抗原の同じエピトープの2つのコピー、異なる抗原の1つの抗原および1つエピトープ)であり得る。一部の実施形態において、免疫原は、アジュバントに連結した、P.アクネスの少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)の抗原および/またはそのエピトープを含むか、またはそれからなり、エピトープの少なくとも1つは、交差反応性抗体、とりわけ交差型反応性抗体を誘導する。
一部の実施形態において、免疫原は、互いに共有結合的に連結された少なくとも2つの抗原および/またはそのエピトープを含む。一部の実施形態において、少なくとも2つの抗原および/またはそのエピトープを含む免疫原はさらに、アジュバントに連結されている。
一部の実施形態において、免疫原は、アジュバントに連結された1つの抗原またはそのエピトープを含む。
免疫原は、特に、交差結合性抗体および/または交差反応性抗体、とりわけ交差型反応性抗体を誘導する少なくとも1つのエピトープの存在によって特徴付けられる。
本明細書中で用いられる用語「交差結合性」は、複数の抗原に特異的に結合するワクチンを用いる免疫化によって高められた抗体に言及するものとする。交差結合性抗体は、単一の抗原によって(例えば、ハイブリッド分子、例えばH4によって)高められる場合、2つまたはそれ以上の抗原(例えばDsA1およびDsA2)に特異的に結合することができる抗体である。
抗原またはエピトープによる免疫化の後に誘導される抗体の交差結合は、以下のように判定することができる。特異的P.アクネス抗原により単独で、またはアジュバントと組み合わせて複数回免疫化したウサギまたはマウス由来の血清を、免疫化に用いた抗原に結合する抗体の量について、他の非関連P.アクネスタンパク質と比較して評価することができる。組換えタンパク質抗原(免疫原)の等しい質および純度を考慮すると、特定のP.アクネス抗原による免疫化は、ELISAによって判定されるEC50力価による抗原特異的抗体量の実質的な増大に至る。抗原に対して、動物の免疫化に用いられない非関連P.アクネス抗原に対して高められた動物血清のELISA EC50力価の検出は、抗原特異的ポリクローナル血清の交差結合の明らかな指標である。そのようなアッセイにおいて、過免疫ウサギ血清の段階希釈が、ELISAにより試験され、血清または他の体液中の抗体のEC50力価は、抗原結合効果の最大半量が観察される濃度(希釈)である(一般に、光学密度(O.D.)として読まれる)。免疫化前の各ウサギに由来する免疫前血清が、非特異的血清効果の対照に用いられる。
本明細書中で用いられる用語「交差反応性の」(または「交差反応性」)は、複数のP.アクネス株に特異的に結合するワクチンを用いる免疫化によって高められる抗体に言及するものとする。本明細書中で用いられる用語「交差型反応性の」(または「交差型反応性」)は、複数のP.アクネスファイロタイプに特異的に結合するワクチンを用いる免疫化によって高められる抗体に言及するものとする。特に、交差反応性、特に交差型反応性は、例えば、抗原の少なくとも1つを発現する各タイプのP.アクネスの少なくとも1つの株に関する反応性によって判定して、P.アクネス株のファイロタイプまたはリボタイプの少なくとも2つ、特にIA1、IA2、IB、IC、II、およびIII型P.アクネスの少なくとも2つ由来の生存細菌細胞の特定の結合をカバーする。例えば、交差反応性は、P.アクネスのたった1つの抗原を標的とするが、異なる株によって発現される同じ抗原または類似した抗原と交差反応する、抗体の特定の反応性をカバーする。例えば、本明細書中で開示されるDsA1、DsA2、または断片もしくは派生体を含有するワクチンは、少なくともIA1、IA2、IC、およびII型に対して交差型反応性を誘発する;本明細書中で開示されるPITP、または断片もしくは派生体を含有するワクチンは、少なくともIA1、IA2、IB、IC、II、およびIII型に対して交差型反応性を誘発する(例えば図1B、図1C参照)。
ワクチンによって誘導される抗体の交差結合および交差反応性/交差型反応性を、表面結合アッセイにより試験することができる。本明細書中で用いられる用語「表面結合アッセイ」は、以下の試験手順を指す:アジュバントと組み合わせた、またはアジュバントを必要としない特定のP.アクネスタンパク質で複数回免疫化したウサギまたはマウス由来の血清を、異なる遺伝子型に由来するP.アクネス株の表面に結合する能力について評価することができる。抗原表面発現、および体液免疫系へのアクセシビリティを、生存細菌の表面上の天然の抗原に特異的に結合する抗原特異的抗体の能力によって確認することができる。細菌表面に特異的に結合する抗体の量は、蛍光で標識された種特異的抗体(当該種において高められて、特定の表面エピトープに結合する抗体を認識する)によって発される光の量を定量化するフローサイトメーターによって測定される。これによる結合は、メジアン蛍光強度(MFI)として表される。複数のP.アクネス単離物への抗体の実質的な結合を示す抗原特異的ウサギおよびマウス血清(MFIの正の閾値が、陰性対照(例えば対応する免疫前血清、免疫前血清のプール、または各抗原を含有しない同じ製剤による免疫化によって生成された血清、例えばアジュバントまたは生理バッファ対照)のMFIに対して、少なくとも3倍、好ましくは少なくとも5倍増大する)は、P.アクネス株/型交差反応性の明らかな指標である。
また、ワクチンによって誘導される抗体の交差反応性および交差型反応性を、機能的アッセイにより試験することができる。本明細書中で用いられる用語「機能的アッセイ」は、抗体によって特異的に結合される病原性細胞の構造、および前記病原性細胞構造に結合する抗体の効果を判定する読出しを使用するアッセイを指すものとする。本明細書中で用いられるそのような読出しは、細胞死(例えば、抗菌活性を判定するための)、成長阻害、および/または哺乳動物細胞の侵入の中和であってもよい。ゆえに、各機能的アッセイは、病原体細胞死、細胞成長の阻害および/もしくは中和、宿主細胞の侵入、バイオフィルム形成能力の低減、または一部の他の疾患関連機能を判定するためのアッセイであり得る。これにより、抗体含有血清画分の抗菌活性を、本明細書中に記載されるように試験することができる。例えば、アジュバントあり、もしくは無しの特定のP.アクネスタンパク質、またはP.アクネス特異的抗体を含有するヒト血清で複数回免疫化した動物由来の血清を、P.アクネス特異的抗体を含有する血清または他の組織液の存在下で、食細胞、例えば、顆粒球、好中球、マクロファージ、単球、樹状細胞、肥満細胞、およびP.アクネス細菌を吸収かつ殺傷することができる他の細胞によって、様々な遺伝子型由来のP.アクネス株をオプソニン化して、死滅を誘導する能力について評価することができる。好ましくは、好中球および顆粒球を含む混合物が、これらのアッセイに用いられる。
本明細書中で用いられる用語「抗菌活性」は、直接的または間接的に細菌に及ぼす、例えば、免疫応答を誘発する化合物のあらゆる作用を意味するものとし、当該作用は、細菌、または細菌によって引き起こされる病因をブロックもしくは阻害する(例えば、殺菌、静菌、中和、または、細菌の病原性潜在性を低減する他のあらゆる機能的作用、例えば、ヒト細胞の成長もしくはヒト細胞への接着との干渉、バイオフィルム形成の低減、または細菌タンパク質の分泌の低減を含む)。
抗菌活性は、オプソニン貪食作用殺傷アッセイ(OPK;好ましくは、以下の本発明の実施例のセクションにおいて実行されるようなもの)の終わりに回収される細菌細胞数(コロニー形成単位、CFU)の低減、例えば陰性対照(抗原を含有しないバッファで免疫化された動物由来の免疫血清、および/または各抗原による第1の免疫化の前にとられた対応する免疫前血清、および/または血清以外の全てのアッセイ反応構成要素を含有する試料)と比較して少なくとも50%超の低減によって証明される(少なくとも1/200~1/1000の希釈(例えば、1/800でのCFU低減の少なくとも50%に達する1/200希釈から)、好ましくは少なくとも4~最大7段階希釈(1/200~1/25,600)、いっそう好ましくは少なくとも8または9段階希釈(1/200~1/128,000から始まる)、最も好ましくは10段階以上の希釈(例えば1/200~1/204,800)で始まる、抗体または血清の少なくとも2つの2倍段階希釈を用いる少なくとも24時間以上のインキュベーション後の、反応試料中の細菌細胞数の、K50力価判定のためのオプソニン食作用傷害アッセイに用いられる、少なくとも2倍(または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%)高い希釈において)。抗菌活性は、少なくとも2回の希釈工程において、より好ましくは5回以上の希釈工程において、殺菌のパーセンテージが、>90%から>50%まで下落し、または少なくとも2回の希釈工程において50%を上回ったままであり、OPK活性の%が、下落前に、依然として50%を上回っている段階希釈の最後が、試験される抗体または血清試料のK50力価と定義されると実証されるべきであることが理解される(以下の実施例のセクションにおいて詳述される、OPKアッセイの好ましいパフォーマンス参照、これに従って、疑念がある場合には、本発明に従うOPK活性が判定される)。陽性対照として、ワクチン接種された個体、またはP.アクネスに対して抗体を発現させた個体から得られた血清、細菌を殺傷するか、阻害するか、または中和することができる抗体を含有する細菌全体または細菌溶解液に対して生成されたポリクローナル、例えば、動物またはヒト血清を用いてもよい。陰性対照は、対応する免疫前血清であっても、非免疫血清(例えば、抗原の追加のない生理バッファまたはアジュバントを用いる免疫化によって高められた血清)であってもよい。
抗菌活性を判定する例示的な機能的アッセイが、血清殺菌アッセイ(SBA)(Taylor、1983年)、またはオプソニン貪食作用殺傷アッセイ(OPKAまたはOPKアッセイ)(Gordon、2016年)である。例えば、保護的な有効性を示す、食細胞による吸収および殺傷のために細菌をオプソニン化する能力を有する血清抗体または血清が、オプソニン食作用傷害アッセイにより試験することができる。
ワクチンによって誘導された抗体は、オプソニン化として知られているプロセスにおいて機能することができる。オプソニン化は、微生物病原体が、免疫系の食細胞による摂取の標的とされるプロセスである。オプソニンの結合は、食細胞を引き寄せて、細菌病原体の破壊をもたらす。ファゴサイトーシスは、マクロファージ、顆粒球、または細菌を殺傷することができる他の細胞によって媒介され、微生物、損傷を受けたか、または死んだ細胞、細胞片、不溶性の粒子、および活性化された凝固因子の摂取および消化を包含する。オプソニンは、上述の異物のファゴサイトーシスを促進する剤である。したがって、オプソニン抗体は、同じ機能を提供する抗体である。
静菌機能を判定する例示的な機能的アッセイは、成長阻害アッセイ、静菌アッセイ、または試験された剤の静菌範囲(阻害帯)を測定するディスク拡散感受性方法(disk diffusion susceptibility method)である。
細菌中和機能を判定するための例示的な機能的アッセイは、細胞/組織接着の中和、宿主分子への細菌結合の中和(例えば、結合補体、フィブリノゲン、または他の血漿タンパク質の中和)、毒素の中和、成長を調節する酵素および酵素活性、組織侵入および拡散、または細胞間相互作用の中和、ならびにバイオフィルムの形成である。
特定の実施形態において、機能的アッセイは、簡単な結合アッセイによって判定される機能と異なる、病原体に及ぼす作用による抗体の特性評価を提供する。なぜなら、結合アッセイのみが、抗体の(特異的)結合特性を判定するからである。ゆえに、機能的アッセイは、保護抗体と単純な特異的バインダーとを分化させ得る。
本明細書中に記載される免疫学的に関連するあらゆる標的抗原またはエピトープは、機能的アッセイにより判定される、抗菌活性を有する抗体を誘発する機能によって特徴付けることができる。そのような機能的アッセイは、例えば、特定の量の、単離された分子または構造としての標的抗原、標的抗原を発現する細胞表面を有する各病原体、および前記標的抗原に向けられる抗体を使用する。機能的アッセイにおいて、病原体に及ぼす前記抗体の効果は、単離された標的抗原の存在下で、不在下で判定される。標的抗原またはエピトープが免疫学的に関連するならば、この標的抗原またはエピトープに対する抗体の抗細菌機能は、単離された標的抗原もしくはエピトープの競合量の存在によって、または標的抗原もしくはエピトープによる抗体のプレインキュベーションによって、かなり阻害されることとなる。
保護抗体の阻害を判定するための例示的な機能的アッセイとして、殺菌阻害アッセイおよび抗体枯渇アッセイがある。これらのアッセイでは、標的抗原を用いて、試験された血清または精製された抗体試料から殺菌抗体を阻害するか、または枯渇させることによって、選択された抗原が実際に、殺菌抗体の標的、したがって良好なワクチン候補であったことを実証する。動物に感染することができ、良好な動物モデルが存在する病原体に由来する抗原を、同様にインビボ評価することができる(例えば、抗原は、血清が、同じ抗原と共にプレインキュベートされて、抗原特異的抗体を枯渇させるならば、血清移入に起因する保護を阻害するか、または低減することができることを実証する)。
一般に、保護ワクチンによるワクチン接種の後に誘導される過免疫P.アクネス血清または抗体の殺菌活性は、同じ希釈の陰性対照との比較において細菌数の50%超の低下を示す最も高い希釈を指すK50力価と判定される。選択されたタンパク質に対する血清中の抗原特異的抗体の吸着が、抗原特異的抗体の除去に至って、同じ希釈の非吸着試料との比較における、血清の殺菌活性の低下をもたらす。また、殺菌活性のこの低減は、評価される標的抗原に対する各ヒト血清における抗体の抗菌活性の程度についての直接の相関物として用いることができる。
免疫学的に関連する抗原またはエピトープを含むワクチンによる免疫化の後に誘導される抗体の保護的機能を試験するのに用いることができる他の機能的アッセイとして、細菌成長、接着、バイオフィルム形成、栄養獲得の阻害、毒素または免疫調節性シグナル伝達分子(例えば、補体活性化またはサイトカイン機能を阻害するもの)の分泌を阻害する抗体の能力を測定する血清アッセイがある。
「バリアント」という用語は、抗原であるか、または本明細書で記載されるような1つもしくはそれ以上のエピトープを含むタンパク質に関して本明細書で使用される場合、実質的に同一の機能活性を有する同等または親タンパク質以外のいずれかを指すものとする。特別に好ましいバリアントは、特に、実施形態および特許請求の範囲の節において「派生体」と本明細書において呼ばれる。バリアントは、例えば、同等であるものと同一種類のタンパク質であるが、異なる細菌株または類似体タンパク質に由来するか、またはそれに起因する場合がある。バリアントは、例えば、それぞれバリアントおよび派生体を生成するための親タンパク質として働く天然タンパク質の派生体であり得る。特に、バリアントは、UniProt受託番号Q6A5X9、Q6A5P9、Q6A9N1によって同定されるP.アクネス(P.acnes)タンパク質もしくは前記のもののいずれかの類似体タンパク質もしくは断片に由来するか、もしくはそれに関連するか、または例えば、UniProt受託番号Q6A5X9、Q6A5P9、Q6A9N1によって同定されるこのようなタンパク質のアミノ酸配列に対して、少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは、少なくとも98%、より好ましくは、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%、もしくは少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%の配列同一性のいずれかを含む、もしくはからなる類似体タンパク質もしくは天然に存在しない人工タンパク質性物質もしくはタンパク質である場合もある。
配列同一性は、好ましくは(何らかの不明確または懸念がある場合)、EMBL-EBIから入手されるクラスタルオメガマルチプル配列アラインメントソフトウェアアルゴリズム、バージョン1.2.4を使用することによって決定される。クラスタルオメガは、グローバル配列アラインメントを決定するための適したソフトウェアである。配列同一性図をもたらさない、すなわち、番号ではなくアラインメントである。ただし、このアラインメント部分は、重大なステップであるが、これは同一性を決定することは手作業で、または文字の同一性を比較する簡単なスクリプトを用いて行うことができるからである。代わりに使用されるソフトウェアまたはアルゴリズムが何であれ、タンパク質が比較されるべきである場合には、ローカルアラインメントではなくグローバルを行うべきである。BLASTのようなローカルアルゴリズムは、隣接部(flanks)中(NおよびC末端中)の対応しない領域を除外する。具体的には、フレームシフトされた配列からの人工N末端は、タンパク質間に相違をもたらす場合がある。これに関連して、アラインメントギャップをミスマッチと明確に規定する(同一性カウントにおいて無視されるのではなく)ことも理にかなっている。したがって、NCBI BLAST+パッケージ(例えば、バージョン2.9.0)由来のblastpもまた、最適なツールである。ローカルアラインメントを作出し、通常、人工N末端を無視し、実際に類似の領域に焦点を当てる。また、同一性および類似性の値は、直接報告される。これらのローカルアラインメントは、より意味を持つ(偽遺伝子およびシーケンシングアーティファクトを考慮して)。しかし、配列がその全体で(いわば、そのままで)比較されるべきである場合には、クラスタルオメガが最適のツールである。
例えば、アミノ酸残基の挿入、欠失および/または置換による、アミノ酸配列における少なくとも1、2、3、4、最大5つの点突然変異のような、エピトープまたはエピトープ領域における1つまたはそれ以上の点突然変異を組み込む、エピトープの好ましいバリアントを使用できる。適した点突然変異は、他のタンパク質バリアント中に既に存在しており(例えば、図12B、12Cおよび12Dにおいて示されるような)、次いで、この位置に異なるアミノ酸残基を有する本発明による派生体として天然タンパク質中に導入される点突然変異である。
参照配列としてのQ6A5X9およびQ6A5P9は、両方のバリアントに対して比較された。このデータは、DsA2中のそれぞれのCSD配列と比較してDsA1中のCSD1、CSD2およびCSD3について独特であるアミノ酸位置(すなわち、ある特定の配列がDsA1(またはDsA2)由来のCSD1またはCSD2またはCSD3に由来することを明白に結論付けることができるアミノ酸位置)を示す。
パーセンテージをコンピュータで算出するために、この位置で規定される全ての配列に対して特定のバリアントのカウントが比較される。これはまた、隣接部中にない限りギャップを含む場合もある。ギャップが隣接部中にある場合には、それらは相違として考慮/カウントされてはならない(それらは第1の配列が単に短い/不完全であることの兆候である)。配列内のギャップは、相違と考えられる。
E366Dは、C末端で末端切断された翻訳、すなわち、ゲノムBLAST/検索後にマッチ配列を生成するプロセスによって偏る可能性がある。BLAST由来配列の多くは、PT領域を欠くようであり(実際にすでにCTPEPTPT、そのためCSD3の最後のわずかに前)、これは、おそらくは体系的な技術的問題である。この理由のために、E366Dならびにベースライン「E」バリアントは、正しく定量化されない可能性が極めて高い、すんわち、いずれかの種が任意により多い場合がある。末端切断のこの理由に加えて、理由は技術的な性質またはシーケンシングの問題のものである場合もある。
本明細書において以下で言及される「代替バリアントパーセンテージ」とは、参照配列中に存在しない特定のバリアントを含有する分析された配列のパーセンテージである。この分析は、図12および以下の追加の配列において開示される配列で行われた:EP優先日後(データベースのバージョン/ステータスを含む):
GenBankエントリID(DsA1):VBYU01000003.1:466799-467896(2019年5月22日)およびQJIR01000003.1:466818-467915(2019年6月3日)、QJII01000011.1:3-1160(2019年6月3日)およびVBYK01000011.1:3-1151(2019年5月22日)。
GenBankエントリID(DsA2):MVCC01000003.1:313005-313898(2017年10月17日)、BFFM01000002.1:c62117-61161(2019年5月16日)およびLKVC01000009.1:231840-232958(2019年5月16日)、LKVC01000009.1(16-10月-2017年10月16日)およびGCA_000145535.1_ASM14553v1(2010/08/16)またはGCA_000342585.1_PropiAcnFZ1_2_0_1.0 (2013/03/01)。
以下のDsA1内、DsA2内およびDsA1-DsA2内アミノ酸変動が、DsA1およびDsA2中に存在する:
DsA1のCSD1の50位(参照=D(7.6%)およびバリアント=N(79.6%))は、DsA2の94位(参照=S(81.5%)およびバリアント=D(10.9%))に対応する。DsA1のCSD1の51位(参照=K(87.2%))は、DsA2の95位(参照=E(81.5%)およびバリアント=A(10.9%))に対応する。DsA1のCSD1の53位(参照=C(85.5%)およびバリアント=Y(1.6%))は、DsA2の97位(参照=C(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の55位(参照=D(87.2%))は、DsA2の99位(参照=K(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の57位(参照=V(85.5%)およびバリアント=I(1.6%))は、DsA2の101位(参照=I(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の61位(参照=A(87.2%))は、DsA2の105位(参照=L(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の65位(参照=A(87.2%))は、DsA2の109位(参照=G(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の68位(参照=A(87.2%))は、DsA2の112位(参照=V(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の71位(参照=L(87.2%)およびバリアント=M(2.5%))は、DsA2の115位(参照=L(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の76位(参照=F(89.8%))は、DsA2の120位(参照=L(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の78位(参照=S(89.8%))は、DsA2の122位(参照=A(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の82位(参照=V(89.8%)およびバリアント=M(10.1%))は、DsA2の126位(参照=A(92.4%))に対応する。DsA1のCSD1の86位(参照=P(96.6%)およびバリアント=S(2.5%)およびバリアント=R(0.8%))は、DsA2の130位(参照=P(93.2%))に対応する。DsA1のCSD1の90位(参照=K(20.3%)およびバリアント=R(79.6%))は、DsA2の134位(参照=A(94.1%))に対応する。DsA1のCSD1の94位(参照=K((100%))は、DsA2の138位(参照=A(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の97位(参照=V(100%))は、DsA2の141位(参照=T(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の99位(参照=L(100%))は、DsA2の143位(参照=T(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の100位(参照=I(100%))は、DsA2の144位(参照=I(84.8%)およびバリアント=L(13.4%))に対応する。DsA1のCSD1の104位(参照=K(100%))は、DsA2の148位(参照=R(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の106位(参照=K(100%))は、DsA2の150位(参照=K(94.9%)およびバリアント=E(3.3%))に対応する。DsA1のCSD1の107位(参照=A(100%))は、DsA2の151位(参照=V(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の109位(参照=I(100%))は、DsA2の153位(参照=V(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の110位(参照=G(100%))は、DsA2の154位(参照=A(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の111位(参照=A(100%))は、DsA2の155位(参照=S(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の113位(参照=L(5%)およびバリアント=V(94.9%))は、DsA2の157位(参照=L(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の114位(参照=G(100%))は、DsA2の158位(参照=G(94.9%)およびバリアント=S(3.3%))に対応する。DsA1のCSD1の116位(参照=L(100%))は、DsA2の160位(参照=V(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の117位(参照=T(100%))は、DsA2の161位(参照=A(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の120位(参照=K(100%))は、DsA2の164位(参照=A(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の121位(参照=I(100%))は、DsA2の165位(参照=V(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の123位(参照=R(100%))は、DsA2の167位(参照=H(98.3%))に対応する。DsA1のCSD1の124位(参照=A(100%))は、DsA2の168位(参照=A(97.4%)およびバリアント=T(0.8%))に対応する。DsA1のCSD1の128位(参照=V(100%))は、DsA2の172位(参照=I(98.3%))に対応する。
これらの配列から、以下のCSD1派生体は、その保存的性質のために本発明の好ましい実施形態であるということになる:Q6A5X9のCSD1の観点から:以下のアミノ酸交換のうち1つまたはそれ以上の、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを有するCSD1派生体:
DsA1中のD50N、D50S、K51E、K51A、C53Y、D55K、V57I、A61L、A65G、A68V、L71M、F76L、S78A、V82M、V82A、L84M、P86R、P86S、K90R、K90A、K94A、V97T、L99T、I100L、K104R、K106E、A107V、I109V、G110A、A111S、L113V、G114S、L116V、T117A、K120A、I121V、R123H、A124T、V128I、およびQ6A5P9のCSD1の観点から:以下のアミノ酸交換のうち1つまたはそれ以上の、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを有するCSD1派生体:
DsA2中のS94D、S94N、E95A、E95K、C97Y、K99D、I101V、L105A、G109A、V112A、L115M、L120F、A122S、A126M、A126V、L128M、P130R、P130S、A134K、A134R、A138K、T141V、T143L、I144L、R148K、K150E、V151A、V153I、A154G、S155A、L157V、G158S、V160L、A161T、A164K、V165I、H167R、A168T、I172V。
DsA1のCSD2の149位(参照=A(100%))は、DsA2の193位(参照=A(94.9%)およびバリアント=T(3.3%))に対応する。DsA1のCSD2の152位(参照=D(100%))は、DsA2の196位(参照=N(84.8%)およびバリアント=S(13.4%))に対応する。DsA1のCSD2の155位(参照=V(100%))は、DsA2の199位(参照=I(98.3%))に対応する。DsA1のCSD2の163位(参照=V(100%))は、DsA2の207位(参照=I(94.9%)およびバリアント=V(3.3%))に対応する。DsA1のCSD2の166位(参照=K(100%))は、DsA2の210位(参照=H(97.4%)およびバリアント=P(0.8%))に対応する。DsA1のCSD2の168位(参照=A(98.3%)およびバリアント=T(1.6%))は、DsA2の212位(参照=A(98.3%))に対応する。DsA1のCSD2の169位(参照=K(100%))は、DsA2の213位(参照=R(98.3%))に対応する。DsA1のCSD2の171位(参照=T(100%))は、DsA2の215位(参照=T(94.9%)およびバリアント=A(3.3%))に対応する。DsA1のCSD2の173位(参照=V(100%))は、DsA2の217位(参照=V(98.3%)およびバリアント=M(1.6%))に対応する。DsA1のCSD2の176位(参照=A(100%))は、DsA2の220位(参照=V(100%))に対応する。DsA1のCSD2の183位(参照=A(98.3%)およびバリアント=T(1.6%))は、DsA2の227位(参照=A(100%))に対応する。DsA1のCSD2の190位(参照=T(100%))は、DsA2の234位(参照=F(95.7%)およびバリアント=I(4.2%))に対応する。DsA1のCSD2の191位(参照=E(100%))は、DsA2の235位(参照=E(99.1%)およびバリアント=K(0.8%))に対応する。DsA1のCSD2の192位(参照=A(100%))は、DsA2の236位(参照=L(99.1%)およびバリアント=F(0.8%))に対応する。DsA1のCSD2の198位(参照=A(20.3%)およびバリアント=G(79.6%))は、DsA2の242位(参照=A(100%))に対応する。DsA1のCSD2の199位(参照=A(100%))は、DsA2の243位(参照=A(99.1%)およびバリアント=T(0.8%))に対応する。DsA1のCSD2の202位(参照=A(100%))は、DsA2の246位(参照=A(95.7%)およびバリアント=T(4.2%))に対応する。DsA1のCSD2の205位(参照=V(100%))は、DsA2の249位(参照=I(100%))に対応する。DsA1のCSD2の206位(参照=G(6.7%)およびバリアント=N(1.6%)およびバリアント=S(91.5%))は、DsA2の250位(参照=R(84%)およびバリアント=Q(15.9%))に対応する。DsA1のCSD2の212位(参照=K(100%))は、DsA2の256位(参照=Q(100%))に対応する。DsA1のCSD2の214位(参照=A(97.4%)およびバリアント=T(2.5%))は、DsA2の258位(参照=A(100%))に対応する。DsA1のCSD2の219位(参照=I(100%))は、DsA2の263位(参照=V(95.7%)およびバリアント=A(4.2%))に対応する。DsA1のCSD2の223位(参照=S(100%))は、DsA2の267位(参照=A(100%))に対応する。DsA1のCSD2の225位(参照=D(100%))は、DsA2の269位(参照=D(99.1%)およびバリアント=N(0.8%))に対応する。DsA1のCSD2の233位(参照=V(100%))は、DsA2の277位(参照=I(100%))に対応する。DsA1のCSD2の235位(参照=S(99.1%)およびバリアント=F(0.8%))は、DsA2の279位(参照=S(100%))に対応する。DsA1のCSD2の239位(参照=N(100%))は、DsA2の283位(参照=S(100%))に対応する。DsA1のCSD2の255位(参照=L(100%))は、DsA2の299位(参照=I(100%))に対応する。DsA1のCSD2の257位(参照=V(100%))は、DsA2の301位(参照=I(100%))に対応する。DsA1のCSD2の258位(参照=Q(100%))は、DsA2の302位(参照=S(100%))に対応する。DsA1のCSD2の259位(参照=I(100%))は、DsA2の303位(参照=L(100%))に対応する。DsA1のCSD2の262位(参照=R(100%))は、DsA2の306位(参照=H(100%))に対応する。DsA1のCSD2の264位(参照=I(100%))は、DsA2の308位(参照=V(100%))に対応する。DsA1のCSD2の265位(参照=D(100%))は、DsA2の309位(参照=K(100%))に対応する。
これらの配列から、以下のCSD2派生体は、その保存的性質のために本発明の好ましい実施形態であるということになる:Q6A5X9のCSD2の観点から:以下のアミノ酸交換のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有するCSD2派生体:DsA1中のA149T、D152N、D152S、V155I、V163I、K166H、K166P、A168T、K169R、T171A、V173M、A176V、A183T、T190F、T190I、E191K、A192L、A192F、A198G、A199T、A202T、V205I、G206N、G206S、G206R、G206Q、K212Q、A214T、I219V、I219A、S223A、D225N、V233I、S235F、N239S、L255I、V257I、Q258S、I259L、R262H、I264V、D265KおよびQ6A5P9のCSD2の観点から:以下のアミノ酸交換のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有するCSD2派生体:DsA2中のA193T、N196D、N196S、I199V、I207V、H210K、H210P、A212T、R213K、T215A、V217M、V220A、A227T、F234T、F234I、E235K、L236A、L236F、A242G、A243T、A246T、I249V、R250G、R250S、R250N、G250Q、Q256K、A258T、V263I、V263A、A267S、D269N、I277V、S279F、S283N、I299L、I301V、S302Q、L303I、H306R、V308I、K309D。
DsA1のCSD3の281位(参照=M(100%))は、DsA2の325位(参照=V(100%))に対応する。DsA1のCSD3の283位(参照=N(100%))は、DsA2の327位(参照=D(100%))に対応する。DsA1のCSD3の285位(参照=T(100%))は、DsA2の329位(参照=A(100%))に対応する。DsA1のCSD3の286位(参照=R(100%))は、DsA2の330位(参照=R(95.7%)およびバリアント=Q(4.2%))に対応する。DsA1のCSD3の289位(参照=V(98.3%)およびバリアント=A(1.6%))は、DsA2の333位(参照=V(100%))に対応する。DsA1のCSD3の291位(参照=V(100%))は、DsA2の335位(参照=I(100%))に対応する。DsA1のCSD3の292位(参照=I(100%))は、DsA2の336位(参照=R(100%))に対応する。DsA1のCSD3の293位(参照=T(100%))は、DsA2の337位(参照=N(100%))に対応する。DsA1のCSD3の294位(参照=A(100%))は、DsA2の338位(参照=T(100%))に対応する。DsA1のCSD3の295位(参照=D(100%))は、DsA2の339位(参照=Q(95.7%)およびバリアント=K(4.2%))に対応する。DsA1のCSD3の296位(参照=K(100%))は、DsA2の340位(参照=E(99.1%)およびバリアント=K(0.8%)))に対応する。DsA1のCSD3の298位(参照=I(100%))は、DsA2の342位(参照=I(72.2%)およびバリアント=V(27.7%))に対応する。DsA1のCSD3の299位(参照=K(100%))は、DsA2の343位(参照=A(100%))に対応する。DsA1のCSD3の300位(参照=T(100%))は、DsA2の344位(参照=V(86.5%%)およびバリアント=I(13.4%))に対応する。DsA1のCSD3の301位(参照=A(100%))は、DsA2の345位(参照=Y(100%))に対応する。DsA1のCSD3の301位の以降、参照=ギャップ(99.1%)およびバリアント=D(0.8%)であり、これは、ギャップ(100%)であるDsA2の345以降の位置に対応する。DsA1のCSD3の302位(参照=E(100%))は、DsA2の346位(参照=K(100%))に対応する。DsA1のCSD3の305位(参照=E(100%))は、DsA2の349位(参照=K(100%))に対応する。DsA1のCSD3の306位(参照=K(100%))は、DsA2の350位(参照=A(100%))に対応する。DsA1のCSD3の310位(参照=A(100%))は、DsA2の354位(参照=T(100%))に対応する。DsA1のCSD3の313位(参照=D(100%))は、DsA2の357位(参照=G(100%))に対応する。DsA1のCSD3の316位(参照=K(100%))は、DsA2の360位(参照=Q(100%))に対応する。DsA1のCSD3の320位(参照=S(100%))は、DsA2の364位(参照=T(99.1%))に対応する。DsA1のCSD3の321位(参照=C(100%))は、DsA2のギャップ(100%)に対応する。DsA1のCSD3の322位(参照=P(100%))は、DsA2の365位(参照=P(97.4%)およびバリアント=L(1.6%))に対応する。DsA1のCSD3の323位(参照=K(100%))は、DsA2の366位(参照=E(86.5%)およびバリアント=D(12.6%))に対応する。
これらの配列から、以下のCSD3派生体は、その保存的性質のために本発明の好ましい実施形態であるということになる:Q6A5X9のCSD3の観点から:以下のアミノ酸交換のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有するCSD3派生体:
DsA1中のM281V、N283D、T285A、R286Q、V289A、V291I、I292R、T293N、A294T、D295K、D295Q、K296E、I298V、K299A、T300V、T300I、A301Y、301と302Dの間のギャップ、E302K、E305K、K306A、A310T、D313G、K316Q、S320T、C321-、P322L、K323D、K323EおよびQ6A5P9のCSD3の観点から:以下のアミノ酸交換のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有するCSD3派生体:
DsA2中のV325M、D327N、A329T、R330Q、V333A、I335V、R336I、N337T、T338A、Q339K、Q339D、E340K、I342V、A343K、V344T、V344I、Y345A、345と346Dの間のギャップ、K346E、K349E、A350K、T354A、G357D、Q360K、T364S、364と365Cの間のギャップ、P365L、E366D、E366K。
バリアントは、例えば、NまたはC末端で、ならびに1つまたはそれ以上の内部ドメイン内で1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が付加されている、または欠失しているタンパク質を含む。本明細書で記載されるような特定のバリアントは、本明細書で記載されるような抗原配列を延長するために、例えば、少なくとも1個のアミノ酸残基によって、好ましくは、3個未満のアミノ酸、具体的には、5個未満あるいは10個未満のアミノ酸によってタンパク質内のエピトープまたはエピトープ領域の配列を延長するためにN末端に、および/またはC末端に追加のアミノ酸を含む。さらに、バリアントは、本明細書で記載されるような抗原配列が、別のポリペプチドまたはタンパク質の追加のアミノ酸残基によって延長される融合タンパク質であり得る。好ましい実施形態によれば、本発明によるワクチンは、特に、DsA1/DsA2エピトープを含有するDsA1/DsA2断片および/またはPITPエピトープを含有するPITP断片が、別のポリペプチドまたはタンパク質の追加のアミノ酸残基によって、好ましくは、1つまたはそれ以上の免疫学的に関連するエピトープによって延長される、特に、派生体が、NまたはC末端に、少なくとも4個、好ましくは、少なくとも5個、特に、少なくとも6個のヒスチジン残基を含むHis-タグを含む融合タンパク質として派生体を含む。一般に、His-タグは、少なくとも2~10個またはそれより多いヒスチジン残基を含み得る。Hisタグは、実験目的のために意図される派生体中に好ましくは含まれ、ヒト使用のために意図されるワクチン中には必ずしも含まれない。したがって、本明細書において使用されるHis-タグを有する任意の配列はまた、His-タグを有さずに開示されていると見なされるべきである。
バリアントは、例えば、1個またはそれ以上のシステインが交換されており、これが生成物関連不純物および微小不均一性の低減、タンパク質安定性、フォールディングまたは他の種類の生化学的特性の改善をもたらすタンパク質を含む(図10b、表2)。
好ましい実施形態によれば、本発明による派生体は、天然に存在するシステイン残基のうち1個またはそれ以上が異なるアミノ酸残基によって置き換えられている「Cys置き換え派生体」である。例えば、以下のシステインが交換される場合がある:DsA1:C53、C319、C321;DsA2:C97、C363(一部のDsA2タンパク質のN末端では、交換される可能性があるいっそうより多くのシステインがある;例えば、配列番号8を参照されたい);PITP:C231、C402、C460。もちろん、所与のポリペプチドにおける(例えば、断片または派生体における)絶対的なアミノ酸番号付けは、断片/派生体の長さとともに変わる;しかし、システインのこの番号付け(DsA1:C53、C319、C321;DsA2:C97、C363;PITP:C231、C402、C460)によって、交換されるべきシステインの絶対的な同定が可能となる。例えば、配列表中のDsA1断片/派生体では、システインC53、C319およびC321は、配列番号4中のC53、C325およびC327;配列番号5中のC71、C337およびC339;配列番号7中のC26、C292およびC294;配列番号31中のC119およびC121;配列番号32中のC56およびC58;配列番号34中のC53、C325およびC327;配列番号35中のC231およびC233;配列番号36中のC38およびC304;配列番号37中のC32、C298およびC300;配列番号38中のC32などに対応する。配列表中のDsA2断片/派生体では、システインC97およびC363は、配列番号8中のC67およびC333;配列番号9中のC97およびC363;配列番号10中のC74およびC340;配列番号11中のC33およびC299、配列番号12中のC27およびC293などに対応する。配列表中のPITP断片/派生体では、システインC231、C402、C460は、配列番号15中のC201、C372およびC430;配列番号17中のC201;配列番号18中のC372;配列番号19中のC201などに対応する。
交換は、大きさおよび電荷/極性がシステインと同様であるが、硫黄基を全く有さないアミノ酸によって行われることが好ましい。1個またはそれ以上のシステインは、メチオニン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、トリプトファン、アスパラギン酸またはグルタミン酸ではないことが好ましいということになる。したがって、好ましい交換は、システイン(複数可)のセリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシンおよびグリシンとの、好ましくは、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシンとの、特に、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギンおよびグルタミンとの交換である。DsA1、DsA2もしくはPITPの、またはその断片の所与の派生体では、好ましくは、少なくとも2個のシステインが交換され、これらの断片/派生体各々における2個のシステインの交換が特に好ましい。
本発明の好ましい実施形態は、C53が交換されている、特に、C53S交換が存在する(配列番号48および49におけるように)DsA1の派生体である。本発明の別の好ましい実施形態は、C319が交換されている、特に、C319S交換が存在するDsA1の派生体である。本発明の別の好ましい実施形態は、C321が交換されている、特に、C321P交換が存在するDsA1の派生体である。本発明の特に好ましい実施形態は、2個のシステインが交換されている、好ましくは、3個全てのシステインが交換されている、特に、C53S、C319SおよびC321P交換が存在するDsA1の派生体である。本発明の別の好ましい実施形態は、C97が交換されている、特に、C97S交換が存在するDsA2の派生体である。本発明の別の好ましい実施形態は、C363が交換されている、特に、C363S交換が存在するDsA2の派生体である。本発明の別の好ましい実施形態は、C231が交換されている、特に、C231S交換が存在するPITPの派生体である。本発明の別の好ましい実施形態は、C402が交換されている、特に、C402S交換が存在するPITPの派生体である。本発明の別の好ましい実施形態は、C460が交換されている、特に、C460S交換が存在するPITPの派生体である。
しかし、本発明による他の好ましいDsA派生体はまた、他の方向で設計できる、すなわち、断片または派生体中の2個またはそれ以上のアミノ酸残基が、ジスルフィド結合を形成する能力によって断片または派生体をさらに安定化するためにシステイン(Cys、C)残基に変更され、好ましくは、天然アミノ酸がシステインに交換される以下のアミノ酸対:PHE150-GLY185、LEU167-ALA199、ASN157-ALA192、LYS166-ALA199、ALA153-GLY185、ASP164-ALA199、VAL154-ALA179、PHE150-LEU184、VAL154-ALA188、ALA153-ALA188、ALA179-GLU191、THR178-GLU191、ALA161-ALA195、ILE175-ALA195、ILE175-GLU191、LEU158-ALA176、ASN157-ALA188、ASN157-ALA179、ASP164-GLU196、VAL154-LEU180、ALA153-LYS189、ASN157-LYS189、ALA161-ALA192、LEU167-ALA198、LEU158-ALA179、ALA160-ALA192、LYS165-ALA199、LYS166-GLN200;VAL205-ALA260、ILE232-ARG266、SER235-ILE263、SER235-ARG262、ILE232-LEU267、PRO236-ILE263、ALA231-ARG266、ASN239-ILE259、ILE232-ILE263、VAL209-PRO236、ALA201-ALA256、SER235-ILE259、VAL228-ARG266、ALA202-ALA256、ALA201-VAL257、GLY206-VAL243、GLY208-ILE264、GLY208-ILE263、VAL205-ASN239、LEU238-ILE259、GLY208-ALA260、ALA201-LYS253、ALA202-VAL243、LEU204-ALA260、VAL205-ALA256、VAL205-ILE259、SER235-ARG266、ASN239-ALA260、VAL209-ILE263、またはVAL209-ASN239のうち少なくとも1つを含有する(DsA1配列に関して(DsA2配列にも適用可能である;図12A))派生体である。
具体的には、PITPの好ましいシステイン置き換え断片および派生体は、少なくとも以下のPITP断片:C231、C402およびC460のうち少なくとも1つの置き換えが交換されている、好ましくは、C231、C402およびC460のうち少なくとも2つが交換されている、特に、C231およびC402が交換されている、A32~R164、A32~Q198、A32~T143、A32~V148、A32~T171、P34~R164、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~K400、A32~S391、V238~K400、A199~T430、V238~T395、G234~K400、H223~K400、T232~V401、V238~T392、V238~N393、V238~L394、V238~T395、V238~L396、T232~T430、G172~K400およびG172~G234、特に、断片A32-T430、A32-I467、A32-S391(K174-T239が欠失された)、A32-S391を含むまたはからなる。好ましくは、システインの交換はまた、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシンおよびグリシンと、好ましくは、セリンとである。したがって、これらの断片および派生体についても、C231S、C402Sの存在および/またはC460S交換、特に、C231SおよびC402Sの存在が好ましい。これらの断片は、ヒトにおいてワクチンとして提供される場合に、適切な、交差型反応性免疫反応を誘発する少なくとも1つの効率的なエピトープを含有する。さらに、これらの断片は、組換え発現システムによって効率的に生成可能であり、最終医薬ワクチン製剤に仕上げることが可能である。
本発明の派生体において、システイン交換に加えて、ポリペプチドのより高度の安定性、溶媒和の増大および/またはpH安定性の増大を可能にする他のアミノ酸交換が好ましい。例えば、特定のリシンのアルギニンへの交換は、ポリペプチドにおいて構造不定領域を安定化できる、またはすでに構造化された領域をさらに安定化できる(後者は、すでに構造化されたエピトープをさらに安定化できるので、特に好ましい)。20%以下の側鎖溶媒露出度を有するアミノ酸残基を交換することができる(これらの交換が抗原性プロファイルに対して有害な効果を有さない限り、安定性および溶解度を増大するために、好ましくは、極性の、または電荷を有するアミノ酸残基、特に、アスパラギン酸またはグルタミン酸、リシンまたはアルギニン残基によって。
本発明によるポリペプチドのエピトープを同定した後、ポリペプチド配列のアミノ酸交換を、不安定化効果を発揮する残基(埋没酸性残基と呼ばれる)を有する、変動するpHでのこれらのポリペプチドの挙動に基づいて分析した。例えば、酸性残基の交換は埋没残基に焦点を当てたが、これは、これらはより高いpHで不安定化するからである。
特にヒスチジンのリシンへの交換は、溶媒露出残基および溶媒和に焦点を当てる。安定性と溶解度の間は区別されるが、これは、交換が一方、もう一方または両方に影響を及ぼす場合があり、時には、トレードオフとなるからである。生化学的に、2つのものの混合物が観察されたが、大部分は使用されるアッセイの問題である。すなわち、pH駆動性の不溶性(タンパク質濃度が高すぎる場合には、これは、順に、複合体形成および疎水性相互作用による構造の喪失の可能性につながり得る)がある場合があり、温度または変性剤による構造の喪失がある場合もあり、これはまた、疎水性部分が露出するために複合体形成につながり得る(必ずしもではないが)。
埋没酸性残基を低減することによって交換を拡張する安定化効果も有する好ましい交換が提供された。pH依存性の安定性に加えて全体的な安定性に利益をもたらす交換は特に好ましい。pH安定性は、例えば、示差走査型蛍光測定法を使用するPrometheus技術(Chattopadhyayら Prot. Sci. 28巻(2019年)、1127~1134頁;Martinら、2014-NanoTemper Technologies GmbH-Application_Note_NT-PR-001_-_Thermal_Unfolding;Krakowiakら、J. Biol. Phys. 45巻(2019年)、161~172頁)によって決定できる(実施例の節を参照されたい)。示差走査型蛍光測定法によって、熱勾配の間の、または化学的変性剤の存在下でのタンパク質の内因性の蛍光の変化を検出することによって、天然の、標識を含まない条件下での熱的アンフォールディングまたは化学的変性の測定が可能となる。熱的アンフォールディングについては、フォールディングされた状態からアンフォールディングされた状態への遷移状態の温度が決定される。高い遷移状態温度は、高い熱的安定性に相当する。
安定性効果として、疎水性コアにおける酸性残基の割合が低減され、(溶媒露出)末梢中の電荷を有する残基の割合が増大するが、ほとんどの場合、表面全体に電荷を、ひいては、溶媒和を広げることが重要である。第1の態様は変性に対して保護し(疎水性残基を溶媒和することから大きなpH駆動性の利益はないので)、第2の態様は、溶解度を改善する。
したがって、本発明のDsA1ポリペプチドおよび断片の好ましい派生体は、以下のアミノ酸交換:
A301Y、G206L、G206F、A192L、G206R、G206W、G206Q、G206K、A301F、A301L、G206I、A301W、A301I、G206E、G206M、G208L、G206V、A192M、A256L、A192I、A68I、G206N、A68V、I259L、A161L、V205I、G206T、G206H、A68L、G206Y、A256I、G206A、68M、A192F、G110A、N239L、G206C、A301V、E305L、A93I、A93L、S223A、E305I、E305V、E305A、K120V、K120L、N157I、K120C、E305C、E305M、N239I、K120I、R248C、N239V、E191I、E305F、S78I、K120M、E191L、R248L、H146V、E191V、H146I、S78L、S78V、N157V、H146C、K120F、R248I、R248M、D164L、P236V、P236L、H146L、H146F、D164I、H146M、P86L、R248G、N239C、N157C、E305T、E191C、S78C、R248F、G221L、E305G、P236F、T171L、P86V、R248S、N157L、K120A、H146A、P86I、N157F、S235A、R248A、E191M、N157M、A124I、P236A、S78F、P236C、S78M、A161I、N239M、T171I、E191F、S235V、P86F、H146G、S223I、E305S、D164F、E305Y、P236M、S223L、N239F、H146Y、P236I、G221V、D164C、K120G、D164M、S235I、R248V、A124V、S235L、S223V、S147L、S235C、P86M、G208I、D164A、S147I、N239A、K120T、T117I、G110L、R248Y、P182I、A198L、A124L、A215L、A127L、A66L、P86C、G221F、R248T、T171F、P182V、S147V、P271V、T171V、G110V、P271A、E191A、A149L、K120Y、G114I、K120S、S235F、A201I、G131V、A201V、R248N、A66V、A202I、G221C、G114V、A229L、H146T、A124F、A127F、T117V、S223C、A215F、A127I、P182C、A215V、G162L、G162I、G208F、A201L、A161F、N157A、A198V、E191Y、A161V、S223F、G221M、R248W、G131C、A202V、N157T、S147F、N157Y、G114A、T171C、H146W、S78T、A149I、G250L、N239T、A149V、G208C、K120P、G250V、S235G、S223M、D164V、N239G、T171M、E191G、S78A、D164Y、P271I、G110F、G110C、D164W、P236Y、A124C、A66F、S147M、G75L、E305N、S147C、G221I、A127M、P182L、G221A、G110M、A66C、E305Q、P271F、A215M、P236W、K120W、H146P、A161C、A229I、S78G、G114M、P86A、E305W、V154L、G185V、G75I、S223Y、G75V、R248Q、T277V、E191S、A229F、T277G、G131I、N239S、P271C、V154I、A66M、D164G、G208A、P236T、R248D、D164T、A127C、A215I、A161M、P86W、A201F、C53L、T117F、G131A、T117C、A318L、F150L、G208M、P271M、A149C、G208V、G114C、G162F、S223W、A198I、N157G、A202L、P236G、G185I、A198F、A149M、P86Y、E191W、N157W、I263L、S235T、E305P、E305R、A201C、A201M、F150I、G96I、G114F、G221Y、A199L、D164S、A124M、A179I、A202F、H146S、A231L、C53I、I263V、G162M、K120Q、N239Y、G96L、G75C、N157S、T277C、T117A、A199V、G162C、P271Y、G250C、A127Y、A66I、T117L、G185C、A229C、R248P、A144I、T117M、P86T、A260L、G185A、E191Q、G131L、T277I、G250I、G131M、T277A、A127V、F150V、A318I、S78W、S147Y、A198M、P86G、A215C、A70I、S235M、A179V、A202M、A144V、A202C、G208W、T171Y、S147W、G208Y、G250F、A195L、K120H、A127W、A66Y、S223G、K120N、S78Y、E191N、A198C、P271G、V154F、A70V、H146N、A229M、A134L、P86S、S78Q、A199I、G75M、A68C、E191T、A89L、G96A、D164P、C53V、S78P、G185L、A149G、A149F、およびP182A(安定化効果を有する好ましい交換である);
D265K、D55K、K169R、H103D、H102D、H102E、H103E、D313E、D312E、K316R、K104D、K212E、D312K、K212D、K166D、K212R、K317D、K166E、K317E、K317R、K213R、D312R、H103R、K316E、K165E、H102R、D313K、K213E、D313R、A126K、K213D、K166R、A126E、K165R、K104E、H245E、K282E、N283E、A126R、S77K、P142R、H102K、H245D、K316D、A125K、S77R、A126D、A138K、P142K、K133D、S234E、H210E、P261K、P142E、D129E、H210D、A138E、A227K、A138R、H218K、D60E、D80R、およびD80K(溶媒和を増大する好ましい交換である)
を含有する。
したがって、本発明のDsA2ポリペプチドおよび断片の好ましい派生体は、以下のアミノ酸交換:
A161L、A161I、A126I、A126V、A126L、S175G、G190H、A161T、S183T、R336I、A126F、A161F、A329L、A161V、S283L、A205L、G109A、A329I、G265F、A161W、A232I、S175W、R336L、A300I、K349I、A161M、A300L、G109L、G109I、A246L、S183M、A223L、E235V、G252L、A329M、A126W、S183L、A259L、A329V、A329F、S183I、A242L、G109F、R336V、K117I、R336C、K117C、K349V、R336A、R336F、K117L、R336M、E235I、R310A、K349L、K117V、R310V、K349C、N201I、R310I、R310C、K349F、K349M、K117M、R292C、N201V、R336G、R292L、K117F、E235C、P130L、E235A、D208L、P280L、E235L、R292M、R336T、P280V、R292I、N201L、E235M、P130I、K117A、K349A、P130V、R292G、R310F、R336S、R336Y、N201C、K117G、R310L、R310M、R310G、R336W、D208V、R292F、P130F、K349Y、K117T、R310T、P280C、R292S、N201F、R310S、T215L、N201M、S279C、R292A、S279L、P280F、D208C、S175V、A126M、P280A、S279A、P130C、S279V、E235F、P186C、P130M、K349T、A126C、K349G、N320V、K117S、N320I、S283V、A168I、N320L、S175I、E235Y、P186V、P280I、P186A、P280M、G265L、D208M、P186L、K117Y、S283I、A205I、D208F、A168L、T215I、R292V、A133L、R336P、R310Y、A168V、S279F、S183V、A164I、S279I、S175L、D208A、K349S、E235T、S175C、A122I、D208I、A126Y、A123L、K117P、N320C、R292T、S283C、E235W、G252I、T215V、R292Y、R336Q、S175A、A123I、E235G、A205V、A171V、A133V、A245I、S183C、P226V、R310P、G181I、P226I、A168C、A246I、A171L、N201A、S175M、G158I、A164L、T215C、A164C、P280W、A133C、G119I、T215F、A245V、N320M、A122V、A123V、G206L、N320A、G265V、A122L、A193L、S191V、R310W、G252F、G181V、E235S、R292N、P130W、G119V、G265C、S279M、A259V、A259F、A168F、A168M、A246V、P226C、R292W、G158V、P130Y、G206V、P186G、C97L、N201Y、A171C、G265M、G140L、K117N、G140I、D208G、A193V、G181F、K349W、S279G、A245L、A205F、G158A、A193I、K117W、A122C、R310D、G294V、P186T、S175F、S191C、N201T、K349Q、R310N、A242V、T215M、D208Y、T321C、G252C、I276L、A259M、A171F、N201G、G119F、D208T、P186M、G229V、G294L、S191I、P186S、G119C、G229I、P130A、A205C、A171M、T321V、A193C、F268L、A133M、A123F、G357A、G109V、K117Q、N320G、R310Q、T321G、S283M、P186Y、G229A、R336D、N201S、S183F、F194L、F268V、A245F、G265A、G252A、R336H、A259I、A133I、A123C、P130T、G113L、D208S、P280T、F268I、G181C、P280Y、R336E、P280G、G158C、N320Y、G140V、K349P、R292D、D208W、N320F、G265I、R336N、A164M、G206M、F268C、G158M、R292P、S191L、G158F、G252M、A245C、G229C、E235Q、G252V、A205M、G206F、R292Q、G181M、A126G、A243L、K349N、S283A、A246M、S279T、P186I、A246F、A246C、A223I、C97I、A164V、A245M、A171I、G357I、A126T、S283F、A123M、F194I、K117D、P226L、P130S、G140F、I276F、F194V、A243V、P130G、G181L、G229F、A259C、G113I、K117H、N320S、G119M、A239L、G206C、A114I、E235N、K349D、A242I、A161C、G294C、G119L、A126S、T321L、A193M、A223V、A122M、G113C、A242C、N201W、R292H、A275L、A242M、G357V、P186F、G294I、D208P、A259W、A243I、R310E、G140C、A242F、G265W、S183A、G109C、G113F、S191F、およびG265Y(安定化効果を有する好ましい交換である);
S94D、E95K、A343K、A350K、F176D、N196D、H147D、H146D、H147E、H146E、T91E、R250E、T91D、R251E、R148D、H254E、A170K、R250K、R251K、H254D、A170R、H146K、H147K、K346E、T90D、R250D、T90E、A138K、R251D、H262K、A169K、H146R、I102E、T90K、A271K、K346R、H306E、D124E、K326E、A169R、D124R(溶媒和を増大する好ましい交換である)
を含有する。
したがって、本発明のPITPポリペプチドおよび断片の好ましい派生体は、以下のアミノ酸交換:
T392F、F352L、T392I、M303F、A276Y、S365I、T392L、M303W、A276L、T392W、K363T、A361V、F286Y、A361I、K363F、M303Y、T392V、A361L、S365V、A270V、A276M、S365L、K363V、M312L、T252L、M387L、Y297F、A276F、G353T、A276W、K363S、T252R、L314I、T252I、A361F、L295I、L255I、A276I、K363L、S318W、V354L、K363I、A361T、S318I、A361M、G353L、T392Y、S365A、A270I、A361W、T252M、K363A、K363W、L319I、G353D、A276V、G353N、G353F、T252V、G353S、S318V、L255V、G364I、L394V、K363M、S318F、L390I、G353I、S335Y、G364L、S365M、T252Q、S365F、L330A、T252F、S318M、K363Y、G353V、S365G、S365W、K363G、T392M、V354F、A276T、G364W、K363C、P317I、S335C、P317L、P317F、G269C、S335A、P317V、G268C、S334V、S335V、G269V、S334C、A361C、G268I、G269F、G268L、S334I、G268V、G269L、S335G、S334A、G268F、S335T、P317C、P317M、S335L、A361Y、G269I、S335I、G268Y、K363P、G268W、S335M、K363H、F286I、G268M、G269M、G269W、G268A、S334G、S334L、G268P、G268T、G293F、F286L、T252C、S335N、T392C、K363N、S334F、M303I、K363Q、A376L、G364V、W245I、G269S、Y297C、S335Q、G358V、W245L、A376I、S334M、G358L、T252A、S318C、S335H、Y297L、S365C、M312I、G373L、Y297I、G358I、S335F、G268N、M303L、G269T、Y297V、P317A、G268Q、G268H、G293L、S334T、G305C、S318L、S335D、S335P、G364C、W245V、W245F、P317Y、T392A、F286V、S335W、A376V、G358C、K363D、M312F、G269N、S335R、A378I、A378C、P317W、G268K、G268R、G268D、A376C、G373V、M312V、M303V、G353C、S318A、G364F、G241C、G268E、G379I、G269P、F286C、L330F、G284V、W245C、A378V、L330I、G293I、G373C、G379L、S318Y、G358F、L394I、L330V、G373I、F352I、A361G、S335K、G246C、M387F、A378L、G241I、V354C、M387I、G269A、G308C、F352C、A276C、G293C、G269Q、K363R、G379V、F286W、W245M、G246V、A270C、G246L、M303C、G293V、G305A、Y297A、G345I、G241V(安定化効果を有する好ましい交換である);
N388D、R248K、S336D、T372E、T249E、E316D、D348E、R382E、R382K、K265E、H327K、D338E、K333R、P386E、S336E、K341D、K341E、K341R、E385D、G268K、G268R、G268D、K340R、G268E、K333D、K368R、G353D(溶媒和を増大する好ましい交換である);
H306I+S335R、H306L+S335R、H306I+S335K、H306C+S335R、H306C+S335R、H306I+S335K、H306L+S335K、H306L+S335K、H306L+S335R、H306V+S335R、H306I+S335R、H306V+S335R、H306C+S335K、H306F+S335K、H306V+S335K、H306V+S335K、H306F+S335R、H306F+S335R、H306W+S335R、H306F+S335K、H306M+S335R、H306W+S335K、H306W+S335R、H306M+S335K、H306A+S335R、H306A+S335R、H306W+S335K、H306A+S335K、H306Y+S335R、H306Y+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306T+S335K、H306S+S335R、H306T+S335K、H306S+S335K、S334V+S335R、H306S+S335K、S334V+S335K、S334I+S335R、S334C+S335R、H306P+S335R、M312I+S335R、S334I+S335K、S334V+S335R、S334V+S335K、H306P+S335K、S334C+S335R、S334A+S335R、M312F+S335R、M312L+S335R、S334C+S335K、H306R+Y381L、M312L+S335R、S250L+S335R、H306Q+S335R、H306N+S335K、S334C+S335K、S334A+S335K、H306P+S335K、H306Q+S335R、M312V+S335R、M312I+S335K、S334I+S335K、M312I+S335R、M312L+S335K、H306N+S335R、S334L+S335R、S334A+S335K、M312L+S335K、S250I+S335R、H306N+S335R、S250V+S335R、H306N+S335K、M312F+S335K、S250V+S335R、S250A+S335R、S334M+S335R、M312V+S335R、S250A+S335K、M312F+S335K、S250A+S335K、S250L+S335R、S334G+S335R、S250C+S335R、S250C+S335R、H306Q+S335K、S334G+S335R、Y254F+S335R、S334L+S335R、S250I+S335R、I309C+S335R、S250I+S335K、Y254C+S335R、S250L+S335K、M312V+S335K、S334G+S335K、S250L+H306R、S250V+H306R、H306R+Y381I、M312V+S335K、S250I+H306R、M312C+S335R、Y254C+S335R、S250V+S335K、Y254W+S335R、S334G+S335K、S250L+H306R、S250L+S335K、Y254W+S335R、S250V+S335K、S334L+S335K、I309C+S335R、I309C+S335K、Y254F+S335R、S250A+S335R、S250C+S335K、S250I+H306R、S250A+H306R、S250C+S335K、H306Q+S335K、Y254C+S335K、S334L+S335K、S250A+H306R、I309C+S335K、Y254W+S335K、Y254C+S335K、Y254I+S335R、H306R+Y381C、S250M+S335K、M312C+S335K、M312C+S335K、S250V+H306R、S250M+S335R、Y254V+S335R、Y254I+S335K、S250W+S335R、I259C+S335R、S334M+S335R、Y254A+S335R、Y254V+S335R、S250M+S335K、F251L+S35R、Y254I+H306R、I259C+S335K、Y254I+S335R、I259C+S335K、S250Y+S335K、Y254F+S335K、S250M+S335R、Y254F+H306R、Y254V+S335K、Y254V+H306R、S334T+S335K、S334Y+S335R、Y254A+S335R、S334M+S335K、Y254I+H306R、Y254M+S335K、Y254A+S335K、S334F+S335R、S334M+S335K、F251L+H306R、S334T+S335R、Y254I+S335K、Y254A+S335K、S334T+S335K、S250Y+H306R、Y254A+H306R、Y254M+S335K、F251L+S335K、I259C+S335R、F251L+H306R、Y254M+H306R、S334P+S335R、S334P+S335R、S334P+S335K、S334F+S335R、Y254M+S335R、H306I+S335C、H306L+S335C、H306L+S335C、H306I+S335C、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306L+S335V、H306M+S335C、H306I+S335G、H306I+S335G、H306I+S335A、H306I+S335A、H306F+S335C、H306F+S335C、H306L+S335V、H306I+S335T、H306L+S335A、H306C+S335A、H306I+S335V、H306I+S335V、H306L+S334V、H306L+S335A、H306C+S335V、H306L+S334C、H306I+S335I、H306I+S334A、H306L+S334C、H306L+S334V、H306F+S334V、H306C+S335A、H306F+S335V、H306C+S334V、H306C+S334V、H306I+S335L、H306C+S335V、H306L+S334I、H306M+S335C、H306I+S334C、H306I+S335I、H306W+S335C、H306V+S335A、H306I+S334C、H306I+S334I、H306L+S335I、H306V+S335A、H306C+S334C、H306L+S335G、H306C+S334C、H306L+S335T、H306I+S334I、H306V+S334V、H306I+S335L、H306M+S335V、H306V+S335V、H306V+S335V、H306I+S335M、H306L+S335T、H306V+S335I、H306C+S335G、H306L+S335L、H306C+S334I、H306L+S335Y、H306L+S335I、H306V+S334V、H306C+S335G、H306I+S334A、H306L+S334A、H306C+S335I、H306F+S335V、H306I+S335T、H306L+S335Y、H306C+S334I、H306L+S334I、H306V+S335G、H306V+S335G、H306A+S335C、H306A+S335C、H306M+S335A、H306C+S334A、H306V+S335I、H306L+S335G、H306L+S334A、H306C+S334A、H306I+S335Y、H306I+S335Y、H306W+S335C、H306F+S335A、H306F+S335A、H306F+S335I、H306I+S335N、H306L+S335L、H306I+S335M、H306I+S335N、H306V+S334I、H306V+S334C、H306V+S335L、H306C+S335L、H306C+S335L、H306I+A376L、H306F+S335T、H306L+S335M、H306F+S334V、S334V+S335C、S335C+Y381L、S335C+A376I、S334I+S335C、S334V+S335C、M312I+S335C、M312I+S335C、S335C+A376L、S334I+S335C、S335C+A376L、S335C+A378C、S335C+A376C、S335C+A376V、S334A+S335C、S335C+A378C、S334A+S335C、S335C+A376I、S334V+S335A、S335A+A376L、S335C+A376C、S335C+A376V、S335C+A378L、S334V+S335A、S335A+A376I、S334V+A376L、S334I+S335V、S335C+A378I、M312F+S335C、M312F+S335C、S334I+S335A、S335C+A378V、S335V+A376L、S334V+S335L、S335C+A378I、S334C+S335V、S334V+A376I、S334V+A376I、S335V+A376I、M312I+S334V、S334V+S335I、S335C+Y381I、M312V+S335C、S335C+A378L、S335A+Y381L、S334C+A376C、S334V+S335I、S335C+Y381V、M312L+S335C、S335C+A378V、S335V+A376L、S334I+S335V、S335C+Y381C、S335V+A376I、S334C+A376L、S334C+Y381L、M312V+S335C、S334V+S335L、S334C+A376I、S334C+A376C、S334V+Y381L、M312L+S335C、S335V+A376V、S334I+A376I、S335V+A376V、S335V+Y381L、Y254F+S335C、L310F+S335C、S335I+A376I、S334V+A376V、M312I+S335V、S334C+S335A、S334I+A376L、M312F+S335V、S335C+Y381A、L310F+S335C、S334G+S335C、S334G+S335C、S334V+A376V、S335C+A376M、S335C+A376M、S334A+S335I、S334V+A376L、M312C+S335C、S334C+S335A、S335A+A376V、S334A+S335V、S334A+S335V、Y254F+S335C、S335A+A376L、S335A+Y381I、S335A+A376I、S334L+S335C、S335A+A376V、およびM312C+S335C(溶媒和の増大および/またはポルフィリン結合の低減を有する好ましい交換である)
を含有する。
これらの突然変異は、温度誘導性変性(主に、加熱)ならびに変性剤(尿素のような)に対してドメインおよびタンパク質を安定化するその想定される能力によってランク付けされる。
本明細書において開示されるようなアミノ酸交換をまた、DsA1、DsA2およびPITPの断片を含有する派生体に組み合わせることができ、シャッフルすることもできる。H4ポリペプチド(例えば、配列番号49)の例示的例に基づいて、配列番号49の少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むDsA1/DsA2/PITP派生体において安定性および/または溶媒和を増大するために以下のアミノ酸交換:
A274Y、S26C、S26L、A274F、S26I、G119H、A274L、A274W、S26V、S26M、S212L、T108I、A134L、S26F、N130V、A229L、A274I、G194F、S26W、A291F、G181I、A229I、E278I、A175L、G181L、A152L、A274V、N130L、E278V、K46I、E278L、E278A、K46C、K46L、K93L、K93V、E164I、E278C、E164V、E278M、N130I、K46V、R221C、K93C、K46M、S51L、K93I、E278F、K93M、E164A、S51I、R221L、P209L、K46F、S51V、E164C、R221I、E164M、K93F、D137L、P209V、E164L、P59L、R221F、N130C、S51C、R221G、E278T、K46G、P59V、K46A、N130M、E278G、D137V、K46T、P209C、P59I、P209I、T144L、N130F、E164F、S51F、R221M、P209F、S51M、R221S、P209A、K93A、P209M、E164Y、D137C、R221A、P115C、P59F、S208A、K46S、P115V、A134I、P115A、S212V、N249L、E278S、D137F、D137M、P115L、S212I、R221V、N249V、D137I、E278Y、G194L、P59M、R221T、A188L、N249I、T144I、E164T、S208C、S208V、D137A、K46Y、K93G、G87I、E164G、K46P、P59C、A97V、S212C、G83L、K93T、N249C、A134V、G83V、T108V、T112L、T144V、A100L、G87V、E164W、E164S、A171L、A97L、A188F、K93W、T90I、A174I、K93Y、A111L、A97I、N130A、G48I、E278W、R221Y、G135L、T112V、F197V、T144F、K93S、G194V、G87A、A188V、T144C、K46N、P115M、A175I、N130T、S51A、G194C、G48L、G104V、A174V、G158V、T90V、R221N、A202L、A39L、A134F、D137Y、G158I、A174L、P155V、A171V、S51T、F197I、T112C、D137W、G135V、D137G、P115G、T250C、S208L、A100I、T250L、T144M、T108C、P115F、G69L、T112F、G181F、A100F、S208I、G223V、T250V、N249M、A111V、N249Y、A111F、A188M、A111I、P209Y、A175V、P155I、N130G、S120V、A111C、A100C、A97F、G194M、G69I、E278Q、S208G、G181C、G87F、G48V、A97C、I205L、G194I、D137T、S51G、F197C、G223L、N249A、S51Y、P115S、A202I、P155C、S26A、G83M、S120C、D137S、E278N、G83F、G158C、P59Y、G87C、G87M、N130S、P115I、A202F、A100M、G83C、S212M、A39V、A188I、F197L、G181M、A134C、P115T、A174F、K93P、P209W、P209G、P59A、A39C、G104I、T250G、S208F、R221Q、G181A、G104C、T90C、K46Q、P209T、K46W、A171I、G158A、A134M、G48C、G194A、T90A、T90M、N130Y、N249F、A172L、A152V、A152I、P59W、R221P、G158F、T112M、G135M、G181V、G104L、S208T、N249W、A97M、G135F、K93Q、G42L、A111M、G104A、E278P、T90L、R221D、A175C、A188C、A291L、S212A、F123L、T250I、A174C、E164Q、P155L、A174M、G158M、A172V、E164N、A168L、T90F、A39F、G42V、I205F、A39M、N249G、A175F、G135C、A171F、S212F、K46D、A100Y、G42I、P59G、G69A、E164P、G158L、G42C、A171C、T250M、T108L、K93N、A171M、G223I、A175M、T108M、A172I、S51P、A291I、A111Y、G20V、S120I、P59T、A58I、G223C、S208M、G48M、K46H、A62L、A43I、T250A、N130W、G194Y、R221H、D137P、N249S、G104F、A100V、F123I、A172C、T112I、G69F、P115Y、P59S、A100W、G104M、G69C、R221W、K93H、A204L、G20L、G223F、A168I、D28K、E275K、K77R、D17R、H76D、H75D、H76E、K77D、H75E、P294D、S293D、S293E、D286E、P294E、S292E、D285E、H76R、K77E、K289R、P295D、D285K、R179E、H75R、P295E、P294R、P294K、D286K、D285R、S293R、S293K、R180D、R180K、H183E、R179K、K289E、R180E、A98K、R179D、A99K、S292D、D286R、K290D、H75K、A99E、N256E、K290E、K290R、R239D、A199K、A200K、K255E、H183D、A99R、H235E、A98R、D102K、およびA200R
が好ましい(以下の段落では、アミノ酸番号付けは、配列番号49に従い、別の場所におけるように、Q6A5X9、Q6A5P9およびQ6A9N1に従わない)。
タンパク質の等電点は、分子が平均して正味電荷を保持しない、すなわち、正および負の電荷が平衡にあるpHである。このpH値を上回ると、電荷は負となり、これを下回ると、より正となる。重要なことに、等電点(isolelectric point)は、タンパク質が通常最小に可溶性であるところである。DsA1、DsA2およびPITPのpIは、およそ9.5~11の範囲内、すなわち、かなり塩基性であるが、より酸性または少なくとも中性であるドメイン(例えば、PITPのENFDまたはPITPのC末端における領域(特に、S397~T430の領域))を含有する。pH安定性を提供するために、したがって、これらの中性/酸性領域においてアスパラギン酸またはグルタミン酸およびヒスチジン残基を、アルギニンおよびリシンのような塩基性残基と交換して、ポリペプチド全体の可溶性を増大することが好ましい。pH安定性の改善を確立するための好ましいアミノ酸交換はしたがって、以下である(最も好ましい交換から出発した各位置について)D152F、D152L、D152I、D152V、D152M、D152W、D152Y、D152S、D152A、D152T、D152G、D152N、D152Q、D152P、D152H、D152K、D152R、D152C、D155Q、D155L、D155F、D155I、D155M、D155W、D155V、D155Y、D155A、D155N、D155T、D155S、D155P、D155G、D155H、D155R、D155K、D155C、D156L、D156F、D156I、D156W、D156V、D156A、D156Y、D156M、D156G、D156S、D156T、D156Q、D156N、D156P、D156H、D156K、D156R、D156C、H146R、H146K、H153R、H153K。
PITP派生体中の好ましいアミノ酸交換の別の群は、ENFDおよびHbDに関する。両ドメインは、ポルフィリン分子に結合/配位可能であり、したがって、「ポルフィリン結合性ドメイン」と呼ばれることもある。酸素の量、pHなどのような環境条件、遺伝子型(株の相違)、増殖培地、細胞活性/増殖段階(例えば、浮遊性対バイオフィルム、初期対数相対静止相-培養齢;)、UPデカルボキシラーゼ、CPオキシダーゼなどのような酵素活性(例えば、Miah、Biotechnol. 1巻(2002年)、21~27頁;Shuら、Curr. Med. Chem. 20巻(2013年)、562~568頁を参照されたい)に応じて、種々のポルフィリンがP.アクネスによって生成される。嫌気性菌条件下では、プロトプロフィリンIXが普通優勢である。一方で、好気生条件下では、P.アクネスポルフィリン代謝経路の最終生成物であるコプロポルフィリンIIIが普通優勢である。ヘムとP.アクネスポルフィリン(プロトプロフィリンIXまたはコプロポルフィリンIII)の間の構造的相違は、ヘムは、酵素フェロケラターゼによって触媒され、プロトポルフィリンIXの中間環構造中に金属化の付加を有することである。P.アクネスでは、ポルフィリン環内のヘムは、金属原子によって、細胞中のヘム生合成経路の末端酵素であるフェロケラターゼの作用によって結合されるようになる。それは、プロトポルフィリンIXへの第一鉄の挿入を触媒し、ヘムをもたらす。したがって、プロトポルフィリンIXは、外部環境中に十分な鉄がある場合にのみP.アクネスによって生成され、これは、P.アクネスが鉄について、同様にその代謝のためにそれを必要とするヒト免疫細胞と、ならびに同様に皮膚上で生存する他の細菌(例えば、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、表皮ブドウ球菌(S.epdiermidis))と競合することを意味する。ヒト皮膚にコロニー形成するには、酸素に耐え、自身がROSから保護されることが必要である(Allhornら、Sci. Rep. 6巻(2016年): 36412;Dutraら、Front. Pharmacol. 5巻(2014年)、Art. 115頁)。反応性酸素種放出およびUV光または貪食細胞に対する皮膚曝露によって誘導される損傷に対抗する酸化還元反応に関与するいくつかの酵素は、その活性のために補因子としてのヘムに依存する。P.アクネスは、このような酵素のうちいくつかを発現する。
本発明によるワクチン製品では、機能性結合ドメインの存在が、生理学的結合パートナーに干渉する可能性があるポルフィリンを生成する宿主におけるこれらのポリペプチドの組換え生成に対して負の影響を有する場合があるので、またはワクチン製品ではポルフィリンリガンド(特に、ヘムリガンド)のような分光学的に活性な化合物の存在があまり望まれない場合があるので、ポルフィリン結合能(特に、ヘム結合能)を欠くポリペプチドを提供することが好ましい場合がある。したがって、ポルフィリン(特に、ヘム)結合を減少させるまたは妨げるPITPのENFDおよびHbDドメインにおける以下のアミノ酸交換:ENFD: Y63、H146、H153、F74、L141、F81、P72、K144、T143、Y75、W98、D156およびR158位での交換;HbD:S250、F251、Y254、I259、H306、I309、L310、M312、S334、S335、M337、A376、F377、A378、F380およびY381位での交換が好ましい(ほとんどの好ましい交換で出発する各位置について)。
これらの位置では、交換は、好ましくは、アラニンによって(ENFD:Y63A、H146A、H153A、F74A、L141A、F81A、P72A、K144A、T143A、Y75A、W98A、D156AおよびR158A、またはアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシンなどによって(HbD、最も好ましい交換で出発する各位置について:S250W、S250F、S250D、S250E、S250K、S250R、F251A、Y254A、I259W、I259F、I259D、I259E、I259R、I259K、H306A、I309W、I309F、I309E、I309D、I309R、I309K、L310W、L310F、L310D、L310E、L310R、L310K、M312W、M312F、M312D、M312E、M312R、M312K、S334W、S334F、S334D、S334E、S334R、S334K、S335W、S335F、S335D、S335E、S335K、S335R、M337W、M337F、M337D、M337E、M337K、M337R、A376W、A376F、A376E、A376D、A376R、A376K、F377、A378W、A378F、A378D、A378E、A378K、A378R、F380A、Y381A、D348I、D348L、D348M、D348F、D348V、D348Y、D348A、D348W、D348T、D348G、D348P、D348H、D348S、D348R、D348K、D348E、D348C、H306R、H306D、H306E、H306K、H307D、H307R、H307E、H307K、H327R、H327K、H327E、H327D、H302E、H302K、H302R、およびH302Dである。
ポルフィリンおよび原則としてPITPに結合可能である他の物質を欠く、またはその低減された量を有する、PITPポリペプチドおよび/またはその断片および/または派生体を含む医薬品を提供するための別の戦略として、ポルフィリンおよび原則としてPITPに結合可能である他の物質の不在下で、および/またはこのようなポルフィリンおよびポルフィリン様物質を欠く組換え宿主細胞によってポリペプチドを組換え発現させることがある。最後に、発現後、医薬製剤を仕上げる前に、ポルフィリンおよび原則としてPITPに結合可能である他の物質を抽出することも可能である。最終医薬品中にポルフィリンの所与の量が存在するべきである場合には、ポルフィリンを用いずに初期の発現生成物を生成し、医薬製剤の過程で後に(所定量の)ポルフィリンを添加することも可能である。
ポルフィリンおよび原則としてPITPに結合可能である他の物質を含まない(またはこのような物質の低減した含量を有する)製剤の利点は、このような(より)純粋な製剤または発現生成物によって、化学的に定義された生成物を生成することが可能となることである。代替としてポルフィリンを添加することによって、予め定義されたタンパク質/ポルフィリン含量を有する、特定のポルフィリンまたはポルフィリンの混合物を有する生成物の提供が可能となる、すなわち、生成物組成をモニタリングするだけでなく、完全に制御することが可能となる。ポルフィリン、特に、ヘムを添加することは、培養物に、溶解バッファーに、および/または精製されたタンパク質にポルフィリンおよびポルフィリン様物質(原則としてPITPに結合する)を添加することによって実施できる。
生成後にポリペプチドにポルフィリンを負荷する場合、例えば、大腸菌(E.coli)バージョンよりも安定性が劣ってはならず、組成がより定義されるだけである。
機能的ポルフィリン(またはポルフィリン様リガンド)がある場合には、そうでなければいくつかの大腸菌ポルフィリンが同様に添加されるので、これはまた最も自然な選択であろう。したがって、実際にポルフィリンを含まない実施形態および高ポルフィリン実施形態(およびポルフィリン、特に、ヘムの種類の変動)の両方が可能であり、本発明によって可能になり、各々は、正確な適用および指示された許容度および必要要件に応じて有利であり得る。
ポルフィリンを伴わない発現のための適した宿主細胞の一例として、ラクトバチルス・ラクチス(Lactobacillus lactis)がある。L.ラクチスは、天然にはポルフィリン/ヘムを合成できない、おそらくは最も関連する生物工学的宿主細胞(タンパク質生成のために特異的に使用される)である(例えば、食品業界において関連するいくつかの他の乳酸桿菌の他に)。技術的には、ヘム合成能を欠く多数の他の種があり、ほとんどは、他の乳酸菌、ある特定の回虫および蠕虫のような、無酸素性ライフスタイルを好むか、またはヘムを環境から取り込むことができる種の選択である(Raoら、PNAS 102巻(2005年)、4270~4275頁)など(基本的に乳酸桿菌が属する細菌の群全体がヘム合成できない)。
L.ラクチスは、ヘムを合成できないが、それを利用できる、すなわち、培地中に提供されてはならず、その結果、酸素発生性ストレスを避けるために、幾分かあまり効率的ではない無酸素性発酵が使用されなくてはならない。酸素発生性成長の傾向をさらに制限するために、日常的な生成ではグルコースを添加することが好ましい。
本発明に従う医薬製剤を安定化するためにポルフィリンおよびポルフィリン様物質(原則として、PITPに結合する)が使用される場合には、上記ですでに記載されたように、ポルフィリンおよびポルフィリン様物質を培養物に、溶解バッファーおよび/または精製されたタンパク質に添加できる。さらに、ヘム/ポルフィリン生成のために最適化されている生成株を使用できる。
L.ラクチスの別の興味深い特徴は、表面タンパク質をある特定の程度までグリコシル化するその(部分的な)能力である(Theodorouら、JBC 295巻(2020年)、5519~5532頁)。したがって、組換え発現産物をグリコシル化できる宿主細胞によって本発明に従うポリペプチドを発現することも、同様に有利であり得る。大腸菌は、稀にしかグリコシル化しないが、P.アクネスは、少なくとも1つの強力にグリコシル化されたタンパク質(GalNAcで修飾された)を有する。本発明の一部の実施形態では、グリコシル化は、溶解度および抗原性の両方を改善できる。
したがって、本発明によれば、L.ラクチスは、本発明による組換えポリペプチドを発現するための別の好ましい原核生物宿主細胞である。溶解度が改善された(特に、pHの増大の際に)ポリペプチドに到達するPITP中のさらに好ましいアミノ酸交換は、ENFDおよびHdDドメインの外側のヒスチジン残基の交換である。このようなアミノ酸交換の好ましい例は(最も好ましい交換で出発する各位置について)、H215K、H215R、H215E、H215D、H223K、H223R、H223E、H223D、H403K、H403R、H403EおよびH403Dである。
要するに、アミノ酸交換は以下の原則に沿って提供される。交換は、所与の標的エピトープの抗原表面にできる限り影響を与えないようにするべきである。B埋没酸性残基は、pH安定性を高めるために排除されるべきである。表面露出リジンは、溶媒和を最適化するためにより高いpH値で電荷を有する残基に対して交換されるべきである(より良好な溶媒和とは、タンパク質が、より高い濃度およびより低い塩濃度でより良好に可溶性であるはずであることを意味する)。表面残基の交換は、タンパク質全体の、具体的には、特定のドメインおよび領域、最重要なENFDの等電点を増大する場合がある。理論的根拠は、タンパク質の等電点(isolelectric point)は、溶媒和が通常最小ではないpHであるということである。表面残基の交換は、電荷を負荷し、溶解度を増大することができるが、上記で記載されたように、特定の標的エピトープが変更されない、または大幅に変更されないことに注意しなければならない。HbDおよびENFDのヘム結合性残基の交換は、ヘム結合に影響を及ぼし得るが、天然に溶媒和および安定性にも影響を及ぼし得る。さらなるアミノ酸交換は、実験的に、コンピュータモデリングによっての両方で確認できる(例えば、DeepDDG(Caoら、J. Chem. Inf. Model. 59巻(2019年)、1508~1514頁)およびPremPS (Chenら、Comput. Biol. 16巻(2020年)、e1008543)のような公開方法を用いて)。
バリアントのアミノ酸配列の欠失、挿入および置換は、タンパク質の特徴において大幅な変更をもたらすと予想されない。しかし、置換、欠失または挿入の正確な効果をそれを行う前に予測することが困難である場合には、当業者は、効果は本明細書において例示されるような機能的アッセイによって評価されるであろうということを理解するであろう。
これが、これらの交換がまた本発明のエピトープにとって適当であることの理由である。したがって、同様に、本明細書において開示されるような1つまたはそれ以上の、好ましくは、1つの単一の交換を含有する、エピトープDsA1のR32-I41、Q38-K51、R32-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+T43-K51、R87-K90+T117-I132およびR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、T117-I132、T117-A127、V128-I132、A144-N157、H146-A160、A148-N157、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、I216-D225、A226-A240、S234-G250、I251-I263、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-I263、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-R286+I216-F224、T285-R286+I264-P271、T285-R286+V289-K296、T285-R286+V289-K296、T285-R286+A144-N157、A310-D313+T285-R286、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、A301-E307、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、R286-T300、V289-K296、A310-D313+I216-F224、A310-D313+I264-P271、A310-D313+T285-R286、A310-D313+R286-D290、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、A301-E307;DsA2のL152-Q166、G190-P230、I199- D208、A218-I237、P230-Q244、I231-A270、H254-A270、A271-S279、A271-R310、L311-T321、L311-K323、V333-Q347、A218-P230、I231-I237、H254-H262、Q256-H262、E261-D269、D269-S279、K313-K323;PITPのD79-T90、E73-D85、R43-I50、P68-Y75、P86-E92、I39-G45、Y84-D89、F81-D89、D79-T90、T37-E44、E73-W98、E73-F81、D89-T90、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、F111-D120、F132-G147、D152-E165、R115-F123、D120-K128、P131-F138、N181-E191、T143-T159、P116-T124、P131-D137、P131-D137、T175-C231、Q198-K203、P179-K185、G200-Q210、K174-A188、K174-K185、P201-Q209、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R164-S180、E165-S180、K185-S190、V193-N202、V193-G200、K203-P208、R216-T225、R216-R224、P173-K191、K197-K203、P168-T175、K185-K203、R164-K174、T175-V193、S250-N261、D287-S300、K340-V347、D338-F352、D338-D348、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、G305-L314、G364-K375、R382-E399、V367-G373、A383-L390、T342-T351、M387-T395、E385-T392、V401-V410、N404-A409、G416-L427、L396-V410、T406-I415、D417-G424、V407-D418、V407-V414、K421-V429、S419-T430、D408-I415、T406-V414が、本発明によって提供される。
「断片」という用語は、アミノ酸配列の部分を指す。標的抗原の断片は、特に、少なくとも6個、好ましくは、少なくとも8個、特に、少なくとも10個の連続アミノ酸または最大で本明細書で記載されるような全長標的抗原中に存在するアミノ酸の総数を含むまたはからなる。DsA1、DsA2およびPITPの好ましい断片は、少なくとも抗原性エピトープ(すなわち、免疫原性であり、P.アクネスの表面上の抗体結合に到達可能であるエピトープ)を含む、または天然に存在するDsA1、DsA2またはPITPタンパク質の少なくとも20個のアミノ酸、好ましくは、少なくとも30個のアミノ酸、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さを有する。本明細書における定義に基づいて、派生体の断片は、もちろん、本明細書において開示される1つまたはそれ以上のアミノ酸交換、挿入または欠失を含有する派生体であり、派生体の断片である。
標的抗原の断片は、標的抗原の部分を単離することおよび断片の保護的活性を評価することによって、または免疫学的に関連するエピトープに対応するペプチドを合成することによって調製できる。
「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」とは、タンパク質配列に関して本明細書で使用される場合、配列をアラインし、最大配列同一性パーセントを達成するために必要に応じてギャップを導入し、任意の保存的置換を配列同一性の一部として考慮しなかった後の、タンパク質配列中のアミノ酸残基と同一である、候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージを意味するものとする。2つの異なるタンパク質でアラインメントを実施する場合には、同様の領域を検索し、アラインするアルゴリズムを使用してペアワイズ同一性が決定される。本明細書で使用される場合、「配列同一性」という用語はまた、このような「配列類似性」を包含するものとする。
本明細書で記載されるようなポリペプチド(例えば、タンパク質、抗原、エピトープ、断片、派生体など)は、人工的である場合も、天然に存在しない場合もある。「天然に存在する」という用語は、天然に存在するP.アクネス分離菌中に存在する、組換えDNA/RNA技術によって修正されていないタンパク質を指す。天然に存在するDsA1、DsA2またはPITPタンパク質は、天然供給源から、例えば、ヒト個体の皮膚から単離されているタンパク質である。ポリペプチド(例えば、タンパク質、抗原、エピトープ、断片、派生体など)に関して「天然に存在しない」または「人工的な」という用語は、天然供給源から単離されていない、天然に存在するP.アクネスタンパク質とは異なるアミノ酸配列を有する合成ポリペプチドを指す。例えば、天然に存在しないポリペプチドは、組換えDNAまたはRNA技術によって生成され、天然に存在するP.アクネスタンパク質の断片を含有する場合がある。「天然に存在しない」または「人工の」化合物は、天然には見られないアミノ酸配列、構造および/または機能を有する。
「組換え」という用語は、本明細書で使用される場合、簡単に、遺伝子工学の方法によって生成される任意のタンパク質、ポリペプチドまたは目的の遺伝子を発現する細胞を指す。「組換え」という用語は、タンパク質またはポリペプチドに関して使用される場合、組換えポリヌクレオチドの発現によって生成されるポリペプチドを意味する。「組換え」は、本明細書で使用される場合、その起源または操作のために、天然では関連しているポリヌクレオチドの全てまたは部分と関連しない核酸分子をさらに記載する。宿主細胞に関して使用される「組換え」という用語は、組換えポリヌクレオチドが導入されている宿主細胞を意味する。
バリアントまたは派生体の機能、効果または活性に関して「実質的に同一」という用語は、本明細書で使用される場合、同等であるものについて決定された活性の少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、例えば、少なくとも100%または少なくとも125%または少なくとも150%または少なくとも175%または例えば、最大200%である活性を指す。
「特異的結合」または「結合の特異性」という用語は、本明細書で使用される場合、分子の不均一な集団において目的の同族リガンドを決定するような結合反応を指すものとする。したがって、指定の条件、例えば、イムノアッセイ条件下で、その特定の標的抗原に特異的に結合する抗体は、ある特定の共通エピトープ配列または構造をもたらす可能性がある50%より大きいアミノ酸配列類似性がない限り、試料中の他の分子に有意な量で結合しない。この用語は、同一の、すなわち、特定の種の病原体に特異的に結合する抗体に特に当てはまるものとする。本明細書においてさらに記載されるように、ある特定の実施形態では、種特異的であるが、ある種の2種以上の標的タンパク質に特異的に結合する交差結合性である、ならびに/または同一種の異なる亜種および/もしくは血清型に特異的に結合する交差反応性/交差型反応性であるそれらの抗体を利用することが望ましい。
特異的結合部位を有する抗体は、通常、他の標的と交差結合性ではない。したがって、特に、有意な交差型結合特性を有する抗体の誘導を示すDsA1、DsA2およびPITPについて、本明細書においてさらに記載されるように、抗体の交差結合性または交差反応性、特に、交差型反応性が見られたことは驚くべきことである。
抗体は、異なる抗原の同一エピトープに結合する場合に交差結合性であると言われる。
抗体によって抗原またはエピトープに特異的結合することは、結合が、選択されるような標的同一性、高、中または低結合親和性またはアビディティーに関して選択的であることを意味する。選択的結合は、普通、結合定数または結合動態が、少なくとも10倍異なる、好ましくは、相違が少なくとも100倍、より好ましくは、少なくとも1,000倍である場合に達成される。本発明に従う半定量的および定性的親和性特徴を決定するための好ましい方法として、表面プラズモン共鳴技術(「SPR」または「Biacore」分析とも呼ばれる)がある。この方法を用いて、タンパク質-タンパク質相互作用、小分子/断片-タンパク質相互作用などを含む生体分子相互作用が、結合親和性に関してだけでなく、動態学的速度定数および熱力学に関しても測定される。この技術は、リアルタイムでの未標識相互作用の検出を可能にする光学的現象、すなわち、SPRに基づいている。SPRベースのバイオセンサーは、活性濃度の決定ならびに親和性および化学的動態の両方に関しての分子の相互作用の特性決定において使用される(Myszka ら、Biophys. J. 75巻(1998年)、583~594頁)。本発明に従うSPRを実施するための好ましい機器として、Biacore T200がある。SPRは、リアルタイムでのタンパク質-タンパク質相互作用の標識のない検出を可能にし、したがって、抗体のその抗原への結合特性決定に最も適している。手短には、偏光が2つの媒体の間の界面の導電性表面にあたると、SPRが生じる。これにより、プラズモンと呼ばれる電子電荷密度波が生成され、センサー表面の質量に比例して、共鳴角として知られる特定の角度で反射光の強度が減少する。Biacoreアッセイでは、標的分子、この場合には、抗原が準備されたチップ表面上に固定化され、潜在的に相互作用するパートナーを含有する試料、この場合には、液剤中の血清抗体が一連のフローセルを介して表面上に注入される。相互作用の過程の間に、偏光がセンサー表面に向けられ、最小強度の反射光の角度が検出される。この角度は、分子が結合し、解離するにつれて変化し、このようにして相互作用プロファイルが、センサーグラムにおいてリアルタイムで記録される。試料注入の間に、分析物(液剤中の相互作用パートナー(血清/抗体)が、リガンド(センサーチップに付着している相互作用パートナー(抗原)に結合すると、センサーグラムにおいて正の応答が見られる。応答は、解離の際に減少する。分析サイクルが完了した後、再生液剤がセンサーチップ上に通されて結合している分析物を除去し、次の分析サイクルのために準備される。ワクチン誘導性ABの半定量的および定性的(親和性)特性決定のために、ストレプトアビジンチップを使用して、3つの個々のフローセル(Fc)上に3つのAviタグをつけたタンパク質を固定化した。
ポリペプチド、抗原およびエピトープに関して本発明の文脈において「単離された」とは、材料がその元の環境から取り出されていることを意味する。単離された抗原またはエピトープは、単離された抗原および/またはエピトープを含む人工免疫原を作出するためのように、特に、天然に関連している他の抗原またはエピトープから分離することができる。「単離された」は、他の化合物または材料との人工もしくは合成混合物または基本的活性に干渉しない、例えば、不完全な精製のために存在する場合がある不純物の存在の排除を必ずしも意味しない。本明細書において開示され、特許請求される(特許請求の範囲および実施形態において特に定義される)ポリペプチド、抗原およびエピトープは、一般に、その単離形態で開示され、特許請求されているとみなされる。
単離された抗原は、生物学的または合成手段によって直接的に生成され、その生成の間に存在する他の構成成分から分離された分子を表す場合がある。本明細書で記載されるような単離または精製された抗原は、さらに、低減された量の、細胞培養培地もしくは血清に由来する他の材料を含む、または好ましくは、このような他の材料を実質的に含まない、低減された量の、抗菌効果を決定するための機能的アッセイにおいて非保護的であるとわかった抗体を誘導する抗原を特に含む抗原を指す場合がある。
「実質的に純粋な」または「精製された」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも50%(タンパク質またはポリペプチド含量w/w)、好ましくは、少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の、抗原または抗体のような化合物を含む調製物を指すものとする。純度は、化合物にとって適切な方法(例えば、クロマトグラフ的方法、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、HPLC分析など)によって測定される。
単離および精製方法として、例えば、塩析および溶媒沈殿のような溶解度の相違を利用すること、限外濾過およびゲル電気泳動のような分子量の相違を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーのような電荷の相違を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーのような特異的な親和性を利用する方法、逆相高性能液体クロマトグラフィーのような疎水性の相違を利用する方法および等電点電気泳動のような等電点の相違を利用する方法があり、使用できる。単離された抗原は、ウエスタンブロット、HPLC、活性測定法、フローサイトメトリーまたはELISAのような従来方法によって同定できる。
好ましくは、本明細書で記載されるようなワクチンは、P.アクネスの「サブユニットワクチン」であり、これは、本明細書においてP.アクネス細菌全体を含まないワクチンまたは不活化された細菌を含む組成物と理解される。このようなワクチンは、別個の化学的に定義された構成成分(例えば、免疫原)を含み、無傷の細菌細胞もしくは細菌粒子または不活化された細胞またはこのような細胞もしくは粒子の溶解物を実質的に含まない。サブユニットワクチンは、病原体に由来する少なくとも部分的に精製された、または実質的に精製されたポリペプチドから調製できる。サブユニットワクチンまたはサブユニット組成物中の抗原(単数または複数)を得る方法は、標準精製技術、組換え生成または化学合成を含む。したがって、P.アクネス「サブユニットワクチン」とは、P.アクネスの定義された(または人工)抗原性成分(単数または複数)からなるワクチンまたは組成物を指す。
「P.アクネス」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒト対象から得られたP.アクネスの単離された形態の、もしくは細胞培養物で増殖された細菌細胞、または株を指すものとする。例示的P.アクネス株として、National Collection of Type Cultures(コリンデール、UK)から入手できるNCTC737、KPA171202、SK137、HL005PA1、HL005PA4、HL013PA1、HL030PA1、HL043PA1、HL053PA1、HL053PA2、HL050PA1、HL050PA2、HL060PA1、HL110PA4(BEI、Biodefense and Emerging Infections Research Resources Repository、バージニア州、マナサス)およびIAI008、IAI031、IAI034、IAI035、IAI038、IAI040、IAI042、IAI045、IAI041(Charite Berlin、Pro-Implant foundation)が挙げられる。株は、Global Bioresource Center ATCC(USA、マナサス)、Leibnitz Institute DSMZ(ドイツ、ブラウンシュヴァイク)、BEI、Biodefense and Emerging Infections Research Resources Repository(バージニア州、マナサス)および他の市販の供給源;NCBIゲノムデータベースのような公的配列データベースでみられる株;科学的刊行物において研究され、言及される株(McDowellら 2012年;Tomidaら 2013年)および承認された臨床研究中のヒト対象の皮膚から単離された株(単数および複数)から入手できる。この用語は、病原性の可能性を有し、異なるP.アクネス関連障害から単離されている株を特に含む。
P.アクネスファイロタイプは以下のように理解される:
P.アクネスの2つの別個の表現型(IおよびII型)は、血清学的凝集試験および細胞壁糖分析によって区別できる:I型株の細胞壁は、ガラクトース、グルコースおよびマンノースを含有するのに対し、II型株は、グルコースおよびマンノースのみを含有する。追加の研究によって、これらの次亜種は、糖および糖アルコールの発酵ならびにバクテリオファージ感染に対するその感受性において相違を示すことが示されている。P.アクネスrecA遺伝子の配列分析によって、IおよびII型は系統学的に別個のクラスターまたは系統に対するということが示された。しかし、これら2つのクラスターは、16S rRNAシーケンシングに基づいてほとんど同一である。recA遺伝子の分析によってまた、P.アクネスI型内の株のサブクラスターが同定され、これは、IB型と指定されている。
しかし、MLST配列データに基づくより詳細な系統学的分析によって、全てのIA型分離菌を、IA1およびIA2型と指定されている2つの別個の統計的に有意なクレードのうち1つにさらに分割することができることが示された。これらの2つの別個の分割は、系統ゲノムレベルでさらに支持されている。
具体的には、IA1型は、尋常性ざ瘡患者の病変から単離されたこの型の高い存在量を特徴とする。具体的には、IA2型は、IA1型株と比較した場合により少ない非コアゲノム領域を含有することを特徴とし、これは、再配列ホットスポットファミリータンパク質の欠如に起因する場合がある。
III型株は、非定型細胞形態学を特徴とする。P.アクネスIおよびII型の場合に見られる古典的なコリネ型形態学(すなわち、こん棒、オタマジャクシ形態および短い二分形態)とは異なり、III型分離菌は、変動する長さおよび長い細い線維の個々の細胞からなり、これは極めて大きなもつれた凝集体を形成する。III型分離菌は、カタラーゼ活性について陽性、ソルビトールおよびエリスリトール発酵について陰性であるが、リボース、グルコースおよびグリセリンを発酵できる可能性がある。したがって、III型株は、脊椎椎間板(invertebral disc)材料に影響を及ぼす感染症、インプラント関連感染症および他の種類のP.アクネス感染症と最も頻繁に関連があり、それらはまた、進行性の斑状メラニン減少症(PMH)と特異的に関連すると示唆されている(Barnard、2016年、Dagnelie、2018年)。
さまざまな著者によって使用された型付けスキームは、文献に十分に記載されている(LomholtおよびKilian 2010年;McDowellら 2012年;Fitz-Gibbonら 2013年;Scholzら 2014年;Barnardら 2015年;O’NeillおよびGallo 2018年;McLaughlinら 2019年)。
P.アクネス株は、リボタイプ(RT)と呼ばれる16S rDNA配列のゲノムシーケンシングを使用して群に分割することができる。このシステムによって、16S rDNA配列に基づいて個体におけるP.アクネス株集団を比較することが可能となった。上位10の主要なリボタイプは高度に豊富であるが、有意な数の稀なリボタイプも同定された。上位10の最も豊富なリボタイプの全てが、16S rDNA配列において1つまたは2つのヌクレオチド変化だけRT1とは異なる。上位10のリボタイプの分析によれば、疾患特異的および健康特異的関連の両方を同定できた(Fitz-Gibbonら 2013年;Tomidaら 2013年;McLaughlinら 2019年)。3種の最も豊富なリボタイプ(RT1、RT2およびRT3)は、ざ瘡と正常個体の間でかなり均等に分布していた。しかし、リボタイプ4、5、7、8、9および10は、ざ瘡患者において優勢に見られ、RT6は、正常皮膚と強力に関連していた。これらの71のP.アクネスゲノムから得られたコアゲノム中の独特の単一ヌクレオチド多型の位置に基づく系統樹によって、16S rDNAリボタイプは、かなりの程度まで系統の関係を表すことおよび16S rDNA配列は、主要なP.アクネス系統を区別するための有用な分子マーカーであることが示唆された(Fitz-Gibbonら 2013年;Tomidaら 2013年)。
「P.アクネス適応症」、「P.アクネス関連感染症」、「P.アクネス関連疾患」または「P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれかと関連する病状」は、本明細書において、病原性活性が増大した、またはコロニー形成部位(例えば、皮膚毛包)内での、もしくはP.アクネス(感染)によってコロニー形成されていない新規部位に広がった増殖を有するP.アクネスと関連する疾患または障害、特に、対象の身体および/または細胞中にある、および/または複製するP.アクネス細菌の存在を含む、例えば、それによって引き起こされる、増悪する、または特徴とする疾患または障害と理解される。したがって、これらの用語は、種P.アクネスの細菌が病原因子として作用する、またはP.アクネスの1つもしくはそれ以上の株による感染が関係づけられる、検出される、もしくは関与している任意の疾患、障害、病理、症状、臨床状態または症候群を網羅する。したがって、これらの用語には、劇症型ざ瘡、集簇性ざ瘡および反対型ざ瘡を含む尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症を含む医療用インプラントバイオフィルム感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症およびシャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎、骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎および肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺(prostethic)がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症が含まれる(例えば、Timmis(編), 「Handbook of Hydrocarbon and Lipid Microbiology」, DOI 10.1007/978-3-540-77587-4_244中のBruggemann、Skin: Acne and P. acnes Genomics;Springer-Verlag Berlin Heidelberg、2010年、3215~3225頁;Portilloら、BioMed Res. Int. 2013年、ID 804391、Achermannら、Clin. Microbiol. Rev. 27巻(2014年)、419~440頁;Capoorら、Eur. Spine J. 28巻(2019年)、2952~2971頁;McDowellら、BioMed Res. Int. 2015年、ID 493564を参照されたい)。
したがって、本発明はまた、P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための方法であって、請求項5~27のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法に関する。
好ましい実施形態によれば、投与は、皮内、皮下(s.c.)、非経口、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与によって、好ましくは、皮内または筋肉内投与によって、特に、シリンジによって、またはマイクロニードリングデバイスによって実行される。
本発明はまた、P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止のための医薬の製造のための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、本発明に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体またはそれらの混合物の使用を指す。
尋常性ざ瘡(一般的なざ瘡)は、毛嚢脂腺単位(毛包およびその付随する皮脂腺)の閉塞および/または炎症の結果としての面皰、丘疹、膿疱、小結節および/または嚢胞の形成である。それは青年に最も多く影響を与える。ざ瘡は、炎症性である場合も、非炎症性である場合もある。尋常性ざ瘡は、通常、皮脂腺濾胞の集団の密度が最も高い皮膚の領域(例えば、顔面、上部胸部、背中)に影響を及ぼす。尋常性ざ瘡の局所症状は、疼痛、圧痛または紅斑を含む場合がある。集簇性ざ瘡は、稀であるが、ざ瘡の重症形態である。普通、互いに相互接続する深い穴の開いた膿瘍を示す。身体の瘢痕形成および美観を損なうことは、この種のざ瘡に共通している。3つの群では面皰が生じることが多く、嚢胞は、皮膚表面に分泌される化膿性の、悪臭のある材料を含有することが多い。ざ瘡のこの重症形態は、美観を損なう瘢痕を伴って治癒することが頻繁にある。発熱のような全身の徴候および症状を伴う重症ざ瘡は、劇症型ざ瘡と呼ばれる。
バイオフィルム形成は、微生物が適した組織または材料表面に付着し、接着およびマトリックス形成につながる細胞外ポリマーを生成する周知のプロセスである。微生物バイオフィルム細胞は、医療デバイスの表面に存在するエキソポリサッカライドマトリックスに接着し、デバイスの機能に有害な影響を及ぼす場合がある。表面に付着する細菌は、自身で合成された水和高分子マトリックスに凝集して、バイオフィルムを形成する。これらの固着群集の形成および抗菌剤に対する固有の耐性は、多くの永続的かつ慢性的な細菌感染症の根源である。
バイオフィルム関連感染症は、2つの型:留置医療デバイスと関連する感染症および宿主組織の天然バイオフィルム感染症に広く分割することができる。前者の型については、血流または尿路感染症は、中心静脈カテーテル、機械的心臓弁、尿路カテーテル、人工関節、腹膜透析カテーテル、心臓ペースメーカー、脳脊髄液シャント、気管内チューブ、コンタクトレンズ、子宮内デバイスおよびデンタルユニット水ラインのような留置医療デバイスの表面で元々形成された感染性バイオフィルムによって引き起こされることがある。これらの場合には、病原体は、患者、医療従事者供給源の上皮細菌叢または環境中の他の供給源に起因し、留置医療デバイスの表面に感染性バイオフィルムを形成し、その後、ヒト身体中に挿入された留置医療デバイスを介してヒト臓器または組織に接近する場合がある。天然バイオフィルム関連感染症は、そうでなければ無菌のヒト身体の位置における慢性、日和見感染症であることが多く、主に、嚢胞性線維症患者の慢性肺感染症、慢性中耳炎、天然弁感染性心内膜炎、慢性骨髄炎、慢性副鼻腔炎、慢性前立腺炎、再発性尿路感染症、慢性創傷、虫歯および歯周炎が含まれる。バイオフィルム関連感染症は、単一微生物種によって、または種の混合物によって引き起こされる場合があり、複数の種の間の相互作用がその持続性を増大する。
P.アクネスバイオフィルムは、皮膚または人工表面(例えば、人工装具および外科的インプラント、コンタクトレンズ、カテーテルおよび他の医療デバイス)のような表面に付着しており、その表面上の粘液層中に埋め込まれるP.アクネスを含む細菌のクラスターと理解される。それらは、細菌によって生成され、自然な自己防御機序として働く。P.アクネスバイオフィルム内で増殖する細菌細胞は、抗菌剤に対する耐性の増大を示す。P.アクネスバイオフィルムの形成は、ざ瘡療法において使用される抗菌剤がその治療目標を達成しない理由であると提案されており、尋常性ざ瘡においてバイオフィルムの影響を回避するために標的化された療法を開発する研究を促進している。
P.アクネスによるバイオフィルム形成は、ざ瘡および他のP.アクネス関連感染症の病態形成の根底にある重要な因子の1つであると考えられている。P.アクネスバイオフィルムは、ある特定の酵素(例えば、リパーゼ)のより高い活性および抗菌剤に対するP.アクネスの耐性の劇的な上昇によって証明される病原性の増加をもたらす(Burkhart and Burkhart 2007;Coenyeら 2007)。顕微鏡による可視化によって、健常個体よりもざ瘡患者において、皮膚の皮脂腺濾胞におけるマクロコロニーがより頻繁に見出されることおよびバイオフィルムを形成する能力は、侵襲性分離菌の特徴であったことが示された(Holmbergら 2009年;Jahnsら 2012年)。
本明細書で使用される場合、「療法」という用語は、具体的には、免疫療法を指し、これは、本明細書において、免疫応答、例えば、能動的または受動的免疫応答に対して意図される、および/またはそれを生成する、疾患または障害の処置、例えば、治療的または予防的処置と理解される。
本明細書で記載されるようなワクチンは、それを必要とする対象の免疫療法のために適宜使用でき、抗原材料の治療上有効量が前記対象に投与される。
本明細書において、「対象」という用語は、ヒト、特に、小児(最大10歳)、青年(例えば、10~18歳)または成人(例えば、18歳超)のいずれかを指すと理解される。病原体、特に、例えば、細菌を含む微生物病原体によって引き起こされる感染性疾患状態の予防または処置を必要とする対象は、具体的には、早期または後期段階の疾患を含む疾患を患っている患者あるいは疾患のリスクにある対象である場合がある。
P.アクネス適応症の予防または処置を必要とする対象は、具体的に言えば、早期または後期段階の疾患を含む疾患を患っている患者あるいは例えば、新規経路もしくは接触による病原体に対する曝露の可能性またはより高い病原性負荷に対して曝露されていることによって、このような疾患の素因があるもしくはそのリスクにある対象である場合がある。「に感受性である」および「のリスクにある」という用語は、本明細書で使用される場合、状態または疾患の遺伝的に素因がある、その家族歴を有する、および/またはその症状を有するを含む、ある特定の状態または疾患に対して耐性をほとんど有さない個体を指すために同義的に使用される。一部の実施形態では、対象は、他の従来療法を用いる処置に対して抵抗性を示したP.アクネス感染と関連する疾患を患っている。
「処置する」または「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、このような用語が当てはまる障害、状態もしくは疾患を防止すること、またはその進行を逆転させる、軽減する、阻害すること、またはこのような障害、状態もしくは疾患の1つもしくはそれ以上の症状を防止することを指す。好ましくは、本明細書で記載されるような対象において疾患状態を処置、防止または遅延する方法は、P.アクネス適応症においてP.アクネスの病態形成に干渉することによってである。
本明細書で使用される場合、「ざ瘡を処置すること」とは、哺乳動物の皮膚においてざ瘡形成の進行を防止、遅延および/または停止することを意味する。
「治療的または予防的処置」とは、本明細書で使用される場合、P.アクネスによる感染によって引き起こされる有害な健康効果またはその合併症を含む疾患の徴候または症状を防止または改善するのに十分である、抗原またはワクチンを受け取っている対象における免疫応答につながるであろう本明細書で記載されるような抗原またはワクチンを用いる処置を指す。体液性免疫または細胞性免疫または体液性および細胞性免疫の両方が誘導される。ワクチンに対する個体の免疫原性応答は、抗体力価の測定、リンパ球増殖アッセイによって間接的に、または野生型株を用いるチャレンジ後に徴候および症状をモニタリングすることによって直接的に評価できる。このようなワクチンによって付与される防御免疫は、チャレンジ生物脱落の低減および/または対象の死亡率、罹病率、温度および全体的な身体的状態、健康およびパフォーマンスのような臨床徴候の低減を測定することによって評価できる。本発明の文脈では、P.アクネス関連疾患の治療的または予防的処置は、皮膚の外観(例えば、面皰、丘疹、膿疱および小結節の存在)、赤い目、疼痛、光に対する感受性、涙目、かすみ目、関節およびまたは頸部/背中の圧痛/膨潤/硬直、手のひらまたは足の裏の膿疱の症状によってモニタリングできる。
本明細書において、本明細書で記載されるような化合物、例えば、ワクチンの「有効量」または「十分な量」という用語のうちいずれかと同義的に使用される「治療上有効量」という用語は、対象に投与された場合に、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を及ぼすのに十分である量または活性であり、そのようなものとして、有効量またはその同義語は、それが適用されている文脈に応じて変わる。有効量でヒトに投与されるヒト治療用ワクチンが特に記載されている。(ヒトの)治療上有効量は、P.アクネスと関連する疾患または障害を処置する、防止する、モジュレートする、減弱する、逆転させるまたは阻害するのに十分であるものであり得る。治療上有効量は、任意の予防的または治療的処置のために使用される。
このような有効量に対応する化合物の量は、与えられた免疫原、医薬製剤、投与の経路、疾患または障害の種類および重症度、処置されている対象または宿主の同一性などのような種々の因子に応じて変わるが、それにもかかわらず、当業者によって日常的に決定できる。
P.アクネス感染と関連する疾患状態を発生するリスクにあるヒト患者に提供されるような、本明細書で記載されるような有効量の免疫原は、具体的には、用量あたり抗原あたり0.1μg~5mgの範囲であり得る。
それを必要とするヒト患者に提供されるような、本明細書で記載されるような有効量の抗原は、具体的には、0.5~1000μg、好ましくは、1~500μgの範囲、いっそうより好ましくは最大300μg、最大200μg、最大100μgまたは最大10μgであり得るが、例えば、急性疾患状態を処置するためには、より高い用量が示される。投薬処置は、単回用量スケジュールまたは複数回用量スケジュールである場合がある。複数回用量は、初回免疫化スケジュールにおいて、および/または追加免疫化スケジュールにおいて使用できる。複数回用量スケジュールでは、種々の用量を、例えば、非経口初回および粘膜追加、粘膜初回および非経口追加など、同一または異なる経路によって与えることができる。
本明細書で記載されるような有効量の抗原を用いる対象の処置または防止レジメンは、単回投与からなる場合があり、またはあるいは、一連の適用を含む場合がある。例えば、免疫原を、少なくとも年に1回、少なくとも半年に1回または月に1回投与できる。
例えば、免疫原を、初回-追加免疫化スキームに従って、第1の用量で、続いて、1つまたはそれ以上の追加免疫用量をある特定の時間枠内で投与して、P.アクネス感染に対する長期間持続する、有効な免疫応答を誘導できる。好ましい投与スケジュールは、例えば、用量の間の14~42日の間隔を用いて3回または4回の用量を包含するであろう。
投薬処置は、単回用量スケジュールまたは複数回用量スケジュールである場合がある。複数回用量は、初回免疫化スケジュールにおいて、および/または追加免疫化スケジュールにおいて使用できる。初回用量の間(例えば、2~16週の間)ならびに初回と追加の間の適したタイミングは、日常的に決定できる。例えば、第1のおよび第2のワクチン用量の間の最小の間隔は、2週間である場合があり、最大は、6か月である場合がある。追加の用量(追加免疫のための)推奨される間隔は、8週間から最大5年である場合がある。
処置期間の長さは、疾患の重症度、急性疾患であるか慢性疾患であるか、患者の年齢、抗体フォーマットの濃度および活性のようなさまざまな因子に応じて変わる。また、処置または予防のために使用される有効量は、特定の処置または予防レジメ(regime)の過程にわたって増大または減少する場合があるということは理解されるであろう。投与量の変化は、当技術分野で公知の標準診断アッセイによって生じ、明らかとなる可能性がある。一部の例では、慢性投与が必要とされる場合がある。
本発明はさらに、本明細書で記載されるような免疫原と、医薬上許容される担体または賦形剤とを含むワクチン調製物のような医薬組成物を提供する。
本明細書で使用される場合、「医薬上許容される担体」は、組成物の有効成分と組み合わされた場合に、成分が生物活性を保持する、好ましくは、対象の免疫系と破壊的反応を引き起こさないことを可能にする任意の材料を含む。どんな方法であれ、開示され、本明細書において言及されるような全ての医薬製剤は、EUまたは米国のような主要市場において適用されるべき法律および基準の下で許容される形態で提供され、投与されなければならない。特に、製剤は、適正製造基準(GMP)規則に基づいて提供されなければならず、適切な方法で投与された場合にヒトワクチン接種患者にとって危険である、または許容されないリスクを作出する量で物質を含有してはならない。「ヒトの医薬上許容される担体」は、特に、ヒトの免疫系と適合している。医薬上許容される担体には、一般に、本明細書で記載されるような抗原または抗体と生理学的に適合する、ありとあらゆる適した溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。医薬上許容される担体のさらなる例には、滅菌水、注射水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセリン、エタノールなど、ならびにそれらのいずれかの組合せが含まれる。医薬組成物はまた、1つまたはそれ以上の固化防止剤、チメロサールのような、提案された投与様式にそうではなく適している保存料、アミノ酸および糖部分のような安定化剤、スクロース、ラクトースまたはサッカリンのような甘味剤、界面活性剤、水酸化ナトリウム、塩酸、リン酸一ナトリウムおよび/またはリン酸二ナトリウムのようなpH緩衝剤およびpHモディファイヤーを含有し得る。
具体的には、医薬ワクチン組成物の好ましい実施形態は、バッファー系中の、好ましくは、リン酸バッファー系中の本発明に従うポリペプチド(複数可)を含む。このリン酸バッファーは、好ましくは、NaHPO、NaHPO、KHPO、クエン酸、特に、それらの混合物を含み得る。好ましくは、クロリドイオンは、特に、NaClまたはKCl塩として存在する。液剤中のこれらの物質の好ましい量は、以下である:0.01mg/ml~50mg/ml、好ましくは、0.05~5mg/ml、特に、0.1~1mg/mlの本発明に従うポリペプチド抗原(複数可)、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNaHPO、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNaHPO、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKHPO、1~1000mM、好ましくは、5~500mM、特に、50~300mMのNaCl、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKClおよび/または0.01~1%、好ましくは、0.05~0.5%、特に、0.1~0.5%のアルミニウムアジュバント(水酸化アルミニウム)。
本発明に従う医薬組成物の液剤(または乾燥(例えば、凍結乾燥後)または凍結調製物から再構成された(例えば、注射水を用いて)製剤)の好ましいpHは、4.5~9.0のpHである。組成物がPITPポリペプチド(PITP、その断片または派生体)を含有する場合には、pHは、安定性(特に、高温に対する)、溶解度および凝集体形成の防止を最適化するために、好ましくは、7.4(血液のpH)よりも低い、例えば、4.5~7.4の、好ましくは、4.7~7.3の、いっそうより好ましくは、5.0~7.3の、特に、5.3~7.2の範囲にある。
一部の実施形態では、PITPポリペプチドおよび/またはポルフィリン結合特性を欠く(例えば、製造利点に基づいて)形態の、ポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を提供することは有利である場合があるが、PITPは、驚くべきことに、ポルフィリン(prophyrins)および関連分子に対して天然に結合親和性を有することがわかった。これは、P.アクネスにおけるin vivoポルフィリン生成および代謝ならびにざ瘡患者およびざ瘡処置におけるその役割に関する先行技術におけるいくつかの研究を説明する(Schallerら、Br. J. Dermatol. 153巻(2005年)、66~71頁;Shuら、Curr. Med. Chem. 20巻(2013年)、562~568頁;Borelliら、Acta Derm. Venerol. 86巻(2006年)、316~319頁)。
本発明の好ましい実施形態によれば、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を含み、ポルフィリン(porphyin)分子が、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体に結合している医薬品が提供される。この実施形態では、PITP断片およびPITP派生体は、少なくとも1つのP.アクネスPITPエピトープに加えて、少なくとも1つのポルフィリン結合性ポリペプチド、すなわち、ENFDドメインおよび/もしくはHbDドメインまたは製剤中でポルフィリン分子が結合されるENFDもしくはHbDドメインのポルフィリン結合性断片を含むポリペプチドを含有する。好ましい実施形態では、PITPポリペプチド、断片または派生体あたりの結合されたポルフィリン分子の数は、PITPポリペプチド、断片または派生体あたり2つのポルフィリン分子であり、すなわち、分子あたり2つのポルフィリン(porphyin)結合性ドメインを有する。結合親和性における類似性のために、ポルフィリンに加えて、ポルフィリノーゲンまたはポルフィリン/ポルフィリノーゲン分解分子も、本発明に従うポリペプチド中のENFDおよび/またはHbDドメインに結合できる。医薬品は、好ましくは、ポルフィリン、好ましくは、ヘミン(標準鉄担体および触媒的補助因子として)、プロトプロフィリンIX(直接ヘム前駆物質、PITPの天然ポルフィリンとして)、コプロポルフィリンI、IIおよび/またはIII(好ましくは、ケラチノサイトに対するその炎症性効果を有するコプロポルフィリンIII;Schallerら、Br. J. Dermatol. 153巻(2005年)、66~71頁)、ペンタカルボキシポルフィリン、ウロポルフィリン、ヘプタカルボキシポルフィリン、ヘキサカルボキシポルフィリン(全ての中間体ポルフィリン、全ての好ましくは、IまたはIII型)、合成であり、抗炎症性、抗関節炎および抗侵害受容性効果を有する5,10,15,20-テトラフェニルポルフィリン(TPP);5,10,15,20-テトラ(4’-フルオロフェニル)ポルフィリン(TpFPP);5,10,15,20-テトラ(4’-クロロフェニル)ポルフィリン(TpClPP);5,10,15,20-テトラ(4’-ブロモフェニル)ポルフィリン(TpBrPP)のようなニトロ-ポルフィリン;ポルフィリン結合性ドメインによって結合されるポルフィリン分解生成物(ビリベルジン、中でも、マクロファージの炎症性表現型をアンタゴナイズすることによって有意な抗炎症性効果を有するヘム分解生成物のような)、5,10-ジフェニル-15,20-ジ(N-メチルピリジニウム-4-イル)ポルフィリン(Di-シス-Py+;抗炎症性および抗増殖性活性を有する感光剤)、PORF-1~PORF-34(抗炎症活性を有する、例えば、Fyn-キナーゼを阻害する、その結果、白血球において白血球増殖およびTNF-アルファ生成を阻害するポルフィリン;Jelicら、Europ. J. Pharmacol. 691巻(2012年)、251~260頁)、ポルフィン、オクタエチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、ベルテポルフィン、アスコプロポルフィリン(ascoproporphyrin)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、メソポルフィリンIX、7-カルボキシポルフィリン(7P)、6-カルボキシポルフィリン(6P)、ヘムA、ヘムB、ヘムC、ヘムO、ヘムI、ヘムm、ヘムD、Sヘム;および/またはその還元バージョン(ウロポルフィリノーゲンIIIのようなポルフィリノーゲン)および/またはクロロフィル、好ましくは、クロロフィルa、クロロフィルbおよび/またはバクテリオクロロフィルを含有する。好ましくは、ポルフィリン、ポルフィリノーゲンおよびクロロフィルの各々は、製剤中に、1つまたはいくつかの金属イオンと、より好ましくは、その天然金属イオンと、またはFe(シデロホア、例えば、Fe2+、好ましくは、Fe3+)のようなFeイオン、Co、Zn、Mg、Se、Cuイオンもしくはそれらの混合物と錯体形成された形態で存在する。
さらなる医薬上許容される担体は、当技術分野で公知であり、例えば、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCESに記載されている。液剤製剤は、液剤、エマルジョンまたは懸濁液である場合があり、懸濁剤、可溶化剤、界面活性剤、保存料およびキレート化剤のような賦形剤を含むことができる。
1つのこのような態様では、免疫原を、所望の投与経路にとって適切な1つまたはそれ以上の担体と組み合わせることができ、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、アラビアガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジン、ポリビニルアルコールのいずれかと混合でき、場合により、従来投与のためにさらに錠剤化またはカプセル化できる。あるいは、免疫原を生理食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、エタノール、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、トラガカントゴムおよび/または種々のバッファーに溶解できる。担体は、単独またはワックスとともにモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような徐放性材料または時間遅延材料または当技術分野で周知の他の材料を含むことができる。好ましい実施形態では、本発明に従う医薬製剤は、ワクチン構成成分として、バリウムイオン、クエン酸一水和物のようなクエン酸化合物、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドおよび/またはベータ-プロピオラクトンのようなウイルス不活化剤を含まない(ただし、これらの構成成分は、原則として、ワクチン安全性研究所(Institute for Vaccine Safety)(https://www.vaccinesafety.edu/Components-Excipients%2021-0115.pdf)の基準に従って許可される)。
免疫原の適した医薬組成物は、ワクチンである場合がある。同義的に使用される「ワクチン」または「ワクチン組成物」という用語は、動物またはヒトにおいて免疫応答を誘導する少なくとも1つの免疫原または免疫原性組成物を含む医薬組成物を指す。
一般に、医薬組成物またはワクチンは、滅菌液剤、エマルジョン、懸濁液、顆粒剤、錠剤、丸剤、坐剤、カプセル剤(例えば、経口送達に適応する)、パッチ、マイクロビーズ、ミクロスフェア、リポソーム、軟膏、ローションなどのような種々の形態で調製できる。医薬組成物またはワクチン自体が、生理学的に許容されるバッファーまたは流体を利用して再構成される凍結-乾燥された、または凍結乾燥されたワクチンである場合もある。
本発明に従う好ましい医薬製剤として、2~8℃で安定に保存できるリン酸緩衝生理食塩水の液剤がある。より長い保存時間のために、医薬製剤の滅菌液剤は、ガラスバイアル中に無菌的に充填され、PTFEコーティングされたゴム栓で密閉され、-20±5℃で保存される。本発明に従う製剤の臨床バッチから得た安定性データによって、ICHガイドラインが満たされていることが確認され、以前に同一方法で製造され、ウサギでのGLP毒性学プログラムにおいて使用されたGMP様バッチでの安定性プログラムによってさらに支持されている。
歴史的に、微生物病原体(ウイルス、細菌など)の生存する-減弱化または不活化された形態が、その後の感染から宿主を保護する抗原特異的応答の誘導のために使用されてきた。使用されている病原体に基づいて、このようなワクチン製剤は、数十から数百のタンパク質を含有できる。しかし、防御免疫は、普通、このような製剤内のいくつかの選択タンパク質に応じて変わるが、タンパク質の大部分は、防御免疫の誘導にとって不必要である。さらに、これらの追加のタンパク質は、アレルギー性および/または反応源性応答を誘導できる。
ポリペプチドベースのワクチンアプローチは、サブユニットワクチンを含み、それらは、主に、短いまたは長いポリペプチドからなり、免疫原性に関して制限に直面する可能性があり、したがって、不活化された、または生存する減弱化された病原体のような免疫応答のレベルを達成するために複数回の免疫化を必要とする場合がある。それにもかかわらず、多量体形式(例えば、ウイルス様粒子、VLPまたはナノ粒子)でのエピトープの提示または免疫賦活性アジュバントの使用を含む、サブユニットワクチン応答を増強するためのさまざまなアプローチが利用されてきた。目的は、ペプチド特異的BまたはT細胞応答を誘発することである。B細胞または細胞傷害性T細胞応答のいずれかの効率的な誘導のために、頑強なヘルパーT細胞応答の誘導が重要であるということは注記されなくてはならない。
第1のおよび最重要なことは、所望の抗原に対する体液性免疫および/または細胞媒介性免疫に関して防御免疫応答を誘導可能であるエピトープの免疫優性ドメインの同定である。免疫優性エピトープは、B細胞、細胞傷害性またはヘルパーT細胞の関連で選択できる。
免疫優性エピトープを得るために、一般的な戦略は、特定のエピトープが自然疾患の際にBまたはT細胞応答をすでに誘発していた場合には、ワクチンの投与による類似の応答の誘導を可能にするのに十分に免疫原性であるという論理に従って、ワクチンデザインの鋳型として天然に存在する抗体またはT細胞受容体(TCR)を利用することである。他の場合には、疾患の緩和にとって最も好ましい免疫応答を誘発するエピトープが、最も免疫優性ではない場合もあり、したがって、重要なエピトープを用いるワクチン接種は、免疫応答をゆがめて防御応答をもたらす場合がある。したがって、ワクチンプログラムは、最も保存されたエピトープおよびウイルス中和について感受性部位を表すものに免疫応答を集中しようと努めるものである。
通常のペプチドワクチン接種プロトコールでは、目的のエピトープは、担体タンパク質にコンジュゲートされる、または多量体形式(VLPまたはナノ粒子)で提示される。このような戦略は、腎クリアランスおよびタンパク質分解による分解に対する感受性を低下させることによって、エピトープの半減期を増大することによって免疫応答を追加免疫できる。担体タンパク質への連結は、通常、化学的コンジュゲーションによって達成される。担体は、一般に、免疫原性特性を有すると知られており、したがって、エピトープの免疫原性種への簡単な共有結合性連結は、免疫応答を増強するのに十分である可能性があることが多い。これに関連して、ペプチドまたはタンパク質配列の免疫原性を、免疫応答を刺激するとわかっている短い配列への連結によって増強することができる。これの一例として、PADRE、抗体応答を刺激するペプチドまたはタンパク質配列に融合できるユニバーサルヘルパーT細胞エピトープがある。
ほとんどの場合、防御抗体は、病原体の表面にあるエピトープ(例えば、ウイルス糖タンパク質または細菌のカプシド)を標的とする。IgGの抗原結合断片(Fab)領域によって結合されている、標的化されるエピトープは、抗体による「中和の感受性部位であることが多い。さらに、中和および非中和病原体特異的抗体の両方が、最終的に病原体または病原体感染細胞の破壊および/またはクリアランスをもたらす、抗体Fc領域を介するいくつかの免疫機序を誘導する可能性がある。
一般に、防御抗体の誘発(B細胞応答)は、生殖系列からの親和性成熟、特定のB細胞上のB細胞受容体BCRを架橋することによって刺激されるプロセスを必要とする。この目的のためには、単量体ペプチドは、ウイルス、細菌または寄生虫外部タンパク質上の対応する配列に対して不十分に免疫原性のものであるが、これは、それらの状況で提示された場合に、病原体表面上のエピトープの複数のコピーがBCRを効率的に架橋し、したがって、抗体親和性成熟を刺激することを可能にするからである。免疫原性を改善するための1つの戦略として、所望のペプチドエピトープを、ウイルス様粒子(VLP)またはナノ粒子に連結して、BCRをより効率的に架橋することができる順序付けられた多価エピトープ提示を可能にすることがある。さらに、毒素の断片またはこれらの不活性バリアントもそれ自体、ワクチンの候補であり得る。
新規ポリペプチドベースのワクチンはまた、特異的体液性応答(T細胞応答)を誘導するためにペプチド二次構造を促進することを考慮しなくてはならない。
T細胞に対するエピトープ特異性は、抗原提示細胞(APC)上のクラスIまたはクラスII主要組織適合複合体(MHC、ヒト白血球抗原、ヒトのHLAとしても知られる)の「ペプチド結合溝」において提示されるペプチドに結合するT細胞受容体(TCR)によって媒介される。APCによって抗原全体が内部移行され、タンパク分解され、次いで、短いペプチド(普通、クラスIについて8~11残基の長さ、およびクラスIIについて11~30残基の長さ)がMHC(またはHLA)中に負荷され、APC表面上に提示される。ペプチドエピトープに対して特異的であるTCRは、次いで、それらのペプチド-MHC複合体(pMHC)に結合し、T細胞/APC界面のさまざまなタンパク質が、T細胞クローンの拡大増殖を編成する。
クラスI MHCにおいて提示されるポリペプチドは、通常、短く;クラスI MHCペプチドは、X-(L/I)-X(6-7)-(V/L)の配列パターンに従い、ここで、L/IおよびV/Lは、その側鎖がペプチドをpMHCに固定し、したがって、ペプチド結合溝の内部に向けて、TCRから離れて方向付けられる残基を表す。他の位置は、TCRを指し、これらの残基との相互作用は、エピトープ特異性を媒介する。クラスII MHCペプチドの配列は、より多様であるが、アンカー位置も含有する。エピトープペプチド骨格は、ペプチド結合溝においてぴったり結合し、拡張された骨格コンホメーションを有するが、クラスIおよびII MHC両方におけるより長いペプチドのためにバルジングが提供される。さらに、ペプチドの認識には、遊離N末端アミン基が必要である。
MHCまたはHLA中に負荷されるポリペプチドは、上記の配列必要条件に従わなければならないが、これは、特定のエピトープが免疫原性であることを保証しない。それにもかかわらず、既知免疫原性配列の提示は、樹状細胞のようなAPC上に簡単にペプチドリピートを負荷することによって達成できる。また、ポリペプチド自体またはエピトープをコードするDNAの全身送達は、in vivoでT細胞拡大増殖を刺激するのに十分である。
T細胞界面のタンパク質間の相互作用は、一般に、クラスター化され、したがって、pMHCとTCRの間またはPD-1とその主要なリガンド、PD-L1の間のものを含む個々のタンパク質-タンパク質相互作用は、各成分の可溶性形態を使用して測定された場合に低親和性である(KD~マイクロモル範囲)。MHCのペプチド結合性プラットフォームとTCRの間の相互作用は、T細胞/APC界面の中心をなし、したがって、TCRは、この形式でのエピトープ提示なしにはそのペプチドエピトープを認識できない。さらに、T細胞の抗原特異性は、TCR-pMHC相互作用に応じて変わり、したがって、エピトープ-MHC-TCR三元複合体の構造的特徴は、T細胞標的化ワクチンの重要な検討事項である可能性がある。可溶性ペプチドが負荷されたMHC(pMHC)タンパク質を使用する細胞上の特定のTCRの認識は、多価様式でのpMHCの提示を必要とする。これは、pMHCのビオチン化およびその後、ストレプトアビジンと複合体形成することによって最も一般的に達成され、これは、ストレプトアビジン分子あたり3~4のpMHCを提供する。MHCのフォールディングは、ペプチドに応じて変わり;したがって、pMHCの外因性発現は、通常、ポリペプチドリンカーを使用するペプチドエピトープのMHCへの融合を含む。結合されたペプチドの、外因的に添加されたペプチドとの交換を可能にするために、いくつかのin vitroおよび化学的方法もまた、考案されている。
一例として、CD8T細胞によって認識されるペプチドがある。使用される合成ペプチドは、CD8T細胞によって認識される最小ペプチド配列の9~11個のアミノ酸よりも長いことが多かった。より長いペプチドを、プロテアーゼおよびペプチダーゼによって、または専門的な抗原提示細胞(APC)プロセスによって最小のMHC-I結合性リガンドにトリミングする必要があり、続いて、MHC-I溝上に負荷する。実際、研究のほとんどにおいて使用される最小ペプチドは、長いペプチドと比較して低い免疫応答を誘導するが、これは、それらがAPCによるプロセシングを伴わずにCD8T細胞応答のみを誘発するからである。さらに、ペプチドワクチンは、ヘルパーT細胞および細胞傷害性T細胞および体液性応答の両方を誘導するために、CD4T細胞によって認識されるMHC II制限ヘルパーエピトープおよびMHC I制限CD8エピトープを含み得るマルチエピトープからなるべきであるということが示唆される。
上記で論じられるように、T細胞エピトープ骨格コンホメーション(エピトープ構造)は、MHCペプチド結合溝への結合の立体的制限によって制限されるが、抗体エピトープは、コンホメーションがかなりより不均一である場合がある。線形ペプチド配列に対して特異的である抗体は、通常、組合せ部位に溝を含有するが、複数の二次構造要素に広がるタンパク質表面に結合するものは、一般に、平坦である。ペプチドエピトープは、α-ヘリックス、β-ストランド/拡張されたものまたはループコンホメーションで抗体に結合できる。ペプチドエピトープが抗原-抗体複合体において採る正確なコンホメーションは、時には、抗体の活性にとって重要である場合がある。構造が重要な態様であると考えられるこれらの場合には、コンホメーション的に関連する方法でのペプチドワクチンの提示は、次いで、ワクチンデザインにとって重要な因子になる。エピトープのコンホメーション的依存は、球状抗原フォールドのより大きな状況内での抗体によるエピトープの認識を可能にするので重要である可能性がある。
感染のクリアランスはまた、頑強な、交差反応性CD4およびCD8 T細胞応答ならびに中和抗体を必要とする場合がある。細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エピトープの同定および特性決定ならびに微生物表面の保存されたエピトープを標的とする広範な中和抗体は、ペプチドベースのワクチン戦略の調査を促進した。
新規戦略は、足場、例えば、モノクローナル抗体を、エピトープ(線形エピトープ、例えば、ベータヘアピン構造などを使用する環状ペプチド)と複合体形成することであり、スペーサーも含まれる。
次世代アプローチは、高度に抗原性の麻疹ウイルス融合タンパク質(MVF288-302)およびB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg19-33)に由来するヘルパーT細胞エピトープに連結された(liked)ポリペプチドを含む場合がある。これらのエピトープ内の部位を、コンビナトリアル突然変異誘発によって最適化し、遺伝的に多様な背景において広い応答性のために選択した。次いで、ペプチドを、ポリアニオン性CpGオリゴデオキシヌクレオチドと等モル比で混合して、静電相互作用によって媒介される安定なマイクロメートルサイズの粒子を形成した。
特定の配列の環状のコンホメーション的ペプチドは、異なるジスルフィド対形成を用いて操作できる。
ポリペプチドはまた、標的エピトープをリンパ節に向ける両親媒性脂質にコンジュゲートできる。これらのいわゆる「両親媒性リガンド」は、二機能的ジステアロイルホスホエタノールアミンを含有し、これはアルブミンに結合し、細胞膜中に挿入でき、ならびにPEGリンカーによって結合されたペプチドまたは小分子抗原のいずれかに結合する。両親媒性リガンドは、リンパ節中に蓄積し、樹状細胞の膜中に容易に挿入された。
ほとんどのワクチンは、免疫応答を刺激するためにアジュバントとともに注射される。アジュバントの性質は、大規模に変わる可能性があり、ペプチドワクチン接種研究の重要な検討事項である。例えば、コンホメーション的にデザインデザインされたエピトープは、抗原を変性しない、または乳化しないアジュバントを必要とする場合がある。
可能性ある合成アジュバントとして、ポリ-L-アルギニンがある。可能性あるアジュバントは、エマルジョンである。エマルジョンは、単一(水中油(o/w)、油中水(w/o)または複数(例えば、水中油中水w/o/w)である場合があり、送達システムとしてのエマルジョンの安定性は、ワクチン安全性および効能に正比例する。既存のエマルジョンベースの送達システムの種々の修飾は、有望な将来を有する、例えば、NH含有鉱油および高純度オレイン酸派生体、モノオレイン酸ソルビタン、スクアレン油、DepoVax(アジュバントおよび抗原を含有するリポソームが油中に懸濁される)およびGLA-SE(グルコピラノシル脂質アジュバント安定エマルジョン)。第2の例として、細胞膜を模倣する小さい小胞を形成するリン脂質二層構造であるリポソームがある。リン脂質成分は、コレステロールを含む。製剤化のための方法は、ペプチド部分に脂質をコンジュゲートすること、続いて、リポソームにおけるその取り込みである。リポソームの免疫賦活性効果は、タンパク質分解酵素からの抗原の保護によって媒介される。それらはまた、血液における抗原の半減期を拡張することも知られており、その結果、APCに対する抗原の最大曝露が生じる。リポソームを、正電荷を有するようにし(カチオン性リポソーム)、ポリエチレングリコール(PEG)でコーティングして、APCとのその相互作用を促進することができる。リポソームをまた、pH感受性にし、または膜融合性ペプチドと一体にして、ペプチドワクチンをサイトゾル中に送達し、CTL応答を促進することができる。新規アプローチとして、ER挿入シグナル配列(Eriss)を膜融合リポソーム中に付加して、小胞体(ER)へのペプチド輸送の増強のためにペプチド-MHCクラスI会合を促進することがある。
抗原の送達のために調査されてきたリポソームと同様のコロイドの群として、ビロソーム、トランスファーソーム、アーキオソーム(archeosomes)、ニオソーム(niosomes)およびコクレエート(cochleates)がある。ニオソームは、非イオン性界面活性剤で作製され、従来のリポソームよりも安定であると考えられている。ビロソームは、組み立てられたウイルス膜タンパク質から構成され、APCへの増強された結合を付与し、サイトゾル送達を促進する。ビロソームは、優れたアジュバントシステムであり、生分解性、非毒性であり、それら自体に対する抗体を誘導しない。免疫賦活性複合体(ISCOMs)は、抗原、コレステロール、リン脂質およびサポニンから構成される粒子状抗原送達システムであり、およそ40nmの大きさである。ISCOMATRIX(商標)は、コレステロール、リン脂質およびサポニンを含むが、抗原を有さない粒子状アジュバントである。
ISCOMsおよびISCOMATRIX(商標)は、リポソームとしてリン脂質から構成されるが、サポニンアジュバントQuil Aも含有する。ISCOMSには、疎水性抗原のみを負荷できる。親水性抗原をISCOMS中に被包する戦略は:両親媒性カップリングタンパク質を使用するISCOMsに対する抗原のカップリング;親水性と、脂肪酸およびリン脂質のコンジュゲーション;および遺伝子工学によるタンパク質の修飾を含む。ISCOMSは、天然ならびに修飾免疫原に対するCTL応答を誘導すると知られており、体液性ならびに細胞媒介性免疫応答を媒介することができる。
近年、ワクチンの送達のために種々のポリマーが調査された。ナノ粒子の生成のために利用可能な天然ポリマーとして、アルブミン、コラーゲン、デンプン、キトサン、デキストランが挙げられ、合成ポリマーの例として、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリ酸無水物およびポリアミドが挙げられる。合成ポリエステルのうち、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコリドまたはポリグリコール酸(PGA)およびそれらのコポリマーポリ(ラクチド-コ-グリコリド)PLGAは、ヒトにおける使用のために米国FDAによって承認されており、広範な実験動物研究[3,92]において毒性および安全性について試験されている。生分解性ポリマーの一般的な選択肢として、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(e-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ヒドロキシブチレート)(PHB)のような脂肪族ポリエステルおよびそのコポリマーがある。特に、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)は、徐放性適用において治療薬を被包するナノ粒子およびマイクロ粒子を開発するために最も広範に調査されている。
高分子マイクロおよびナノ粒子は、その粒子状の性質のために、APCに対する抗原の取り込み、輸送または提示を促進すると知られている。それらはまた、細胞性および体液性免疫の両方を誘発するとわかった。ポリマーベースの抗原送達システムによって提供される最大の利点は、ポリマーマトリックスからの被包された抗原の持続放出(数週間~数か月の期間)である。被包された高分子粒子からの抗原の放出の速度は、ポリマーマトリックスの分解の速度によって制御でき、これは、次に、ポリマーマトリックスの組成、ポリマーの分子量および粒子の大きさに応じて変わる。一般に、疎水性相互作用、静電力、水素結合、ファンデルワールス力またはこれらの相互作用の組合せは、ポリマー複合体を形成するための駆動力として利用可能である。天然ポリマー、キトサンは、粘膜付着性のために抗原のバイオアベイラビリティを増強すると知られている。可能性がある寄与機序として、キトサンが、細胞間密着結合を弛緩させ、抗原の傍細胞輸送を改善すると示されていることがある。
ワクチン抗原を送達するために使用される他の粒子状システムには、カーボンナノチューブ、二酸化ケイ素ナノ粒子、デンドリマー[100]、フェリチンナノ粒子、ペプチドナノ担体、金ナノ粒子、リポソーム-ポリカチオン-DNA(LPD)複合体、オリゴ糖エステル派生体(OED)マイクロ粒子および組合せシステム、例えば、リポソームおよびw/oエマルジョンが含まれる。
粒子状送達戦略の安全性は、ペプチド抗原を送達するための特定の戦略を選択する場合に最も懸念される。粒子状送達システムが投与される投与の経路は、毒性決定において極めて重要な役割を果たす。ワクチンの一般的な投与の経路として、皮下、鼻腔内、静脈内および経皮がある。
筋肉内(i.m.)および皮内(i.d.)適用のために、本発明に従うワクチン製品は、すぐに使用できる、生理学的PBS液剤中で提供される。皮内、経皮または皮下投与は、皮内注射アプリケーター、マイクロニードル、経皮レーザーデバイス、皮膚パッチまたは他の適した皮膚に適応した適用手順を含むさまざまな方法を使用して実行される。
本明細書で記載されるような抗原またはポリペプチドを含む医薬組成物の投与は、経口的、皮下、静脈内、鼻腔内、内耳的、経皮的、粘膜、局所的、腹膜内、筋肉内、節内、肺内、例えば、吸入可能技術または肺送達システムを使用して、経膣的、非経口的、直腸性または眼内的を含むさまざまな方法で行うことができる。
非経口投与のために使用されるような例示的製剤には、例えば、滅菌液剤、エマルジョンまたは懸濁液のような、皮下、筋肉内または静脈内注射に適したものが含まれる。
これらの医薬組成物またはワクチン組成物は、ボーラス注射もしくは注入として、または連続注入によって、本発明に従って投与できる。
ヒト患者への医薬ワクチン製剤の投与は、任意の適した手段によって、好ましくは、シリンジによって実行できる。投与のための他の好ましい手段として、マイクロニードルパッチ、マイクロインジェクションデバイスおよび高密度マイクロアレイパッチ(Prausitzら、Curr. Top. Microbiol. Immunol. 333巻(2009年)、369~393頁(溶解可能マイクロニードルを備えたマイクロニードルパッチ);NanoPass Technologies (MicronJet600:0.6mmの皮内マイクロインジェクションデバイス);高密度マイクロアレイパッチ(HD-MAP).Vaxxas(Australia)によるHD-MAP チップへのワクチンの無菌乾燥塗布前にガンマ線照射された3000より多い微小突起を備えた10x10mm の正方形、Forsterら、PLoS Med 17巻(2020年)、pmed.1003024;DBV Biotechnology (Viaskin technology): https://www.dbv-technologies.com/viaskin-platform/に開示されるような)のような現代投与デバイスがある。
好ましくは、本明細書において開示されるP.アクネスポリペプチドは、ポリペプチドが、このポリペプチド(普通、宿主細胞によって天然に発現されない)を発現するように遺伝的にプログラムされた(「形質転換された」)適した宿主細胞中で発現される組換え生成プロセスによって、医薬組成物、特に、ワクチン組成物中で提供できる。この組換え生成/発酵プロセスの過程で、発酵された宿主細胞培養物からのポリペプチドの最終調製前にN末端メチオニン残基が失われることは本分野では知られている。N末端メチオニン残基のこの喪失/存在は、(組換え)ポリペプチドの発現および精製のプロセスにおけるメチオニンアミノペプチダーゼ(N末端からメチオニンまたは具体的には、ホルミルメチオニンを除去する酵素;例えば:Xiaoら、Biochemistry 49巻(2010年)、5588~5599頁を参照されたい)の存在によって引き起こされる場合がある。技術的には、特に、原核生物の宿主細胞においてポリペプチドのある特定の画分がメチオニンを含有しないが、ホルミルメチオニンを含有することも可能である。特定の発現システム次第で、これは、実際に開始するアミノ酸である場合があるが、通常、酵素ホルミルメチオニンデホルミラーゼによって標準メチオニンに酵素的に変更され、これが、次いで、切断除去される(またはされない;Wingfield、Curr. Protoc. Protein Sci. 88巻(2018年)、6.14.1~6.14.3)。両方(メチオニンおよびホルミルメチオニン)とも、メチオニンアミノペプチダーゼによって切断される。普通、このホルミル化は、発酵プロセスによって生成した組換えポリペプチドロットのわずかな画分にしか影響を及ぼさないはずであるが、これは統計的プロセスであるので、ポリペプチドのある特定の画分は、メチオニンではなくホルミルメチオニンで出発する場合がある。したがって、本明細書において開示される全ての配列は、特に、次いでヒト患者に適用される最終医薬組成物中のこのN末端メチオニン残基の不在に関して、N末端メチオニン残基を伴って、または伴わずに開示されていると見なされるべきである。したがって、このN末端メチオニン残基は、本発明に従う所与の宿主において組換え生成されている(原則としてこのN末端メチオニンをコードする発現システムを用いて)ポリペプチド中に存在する場合も、存在しない場合もあり、その結果、N末端メチオニン残基を少なくとも部分的に欠く(ただし、原則として、発現システムによってコードされる)本発明に従うP.アクネスポリペプチドが提供される組成物は好ましい。さらに、出発メチオニンはまた、本発明の断片または派生体に簡単に付加できる(断片または派生体は、N末端メチオニンを含有しないが、これは、発現目的で付加される)。
さらにまた、組換えポリペプチド生成の出発シグナルとしてAUGコドン/最初のメチオニンを必要としない発現システムを提供できる(例えば、IRESを有するフラビウイルスまたはチャバネアオカメムシ(Plautia stali)腸ウイルス(Sasakiら、PNAS 97巻(2000年)、1512~1515頁))。真核細胞においてウイルス発現システムの使用でさえ必要としない細胞性IRESのものもある(Yangら、J. Mol. Cell Biol. 11巻(2019年)、911~919頁)(原核細胞についても同様にあり得る:Colussiら、Nat. 519巻(2015年)、110~113頁)。
一実施形態では、本明細書で記載されるような抗原は、例えば、疾患修飾性または防止性単剤療法として対象に投与される唯一の治療上活性な薬剤である。
あるいは、本明細書で記載されるような抗原は、標準処置、例えば、抗生物質、局所または全身レチノイド、炎症のステロイドおよび非ステロイド阻害剤および/または例えば、抗菌剤または抗炎症剤を使用する他の抗体ベースの療法を含む1つまたはそれ以上の他の治療薬または予防薬と組み合わせて投与される。
上記ですでに記載されるように、本発明に従うワクチンは、DNAまたはRNA分子をコードする抗原を含む核酸ワクチンの形態で提供できる。
好ましくは、本発明に従うワクチンは、mRNAワクチンとして提供される。mRNAワクチンは、その高い効力、迅速な開発の能力ならびに低コスト製造および安全な投与の可能性のために、従来のワクチンアプローチの有望な代替物に相当する。mRNAの安定性および効率的なin vivo送達は、最近の技術的進歩によって達成され、SARS-COV-2 mRNAワクチンのワクチン接種アプローチの成功につながった。感染性疾患およびいくつかの種類のがんに対する複数のmRNAワクチンプラットフォームが、他の疾患の動物モデルおよびヒトの両方において有望な結果を実証した(Pardiら、NRDD 17巻(2018年)、261~279頁)。この概説は、mRNAワクチンの詳細な全体像を提供し、この有望なワクチンプラットフォームの広範な治療的使用ヘ進めるうえでの将来の方向性および課題を考察している。
本発明に従うmRNAワクチンのために、cDNA(mRNAの生成のために使用される)は、生物工学的増幅に適したDNA構築物として、優先的に、プラスミドとして提供される。好ましいプラスミドは、少なくともプラスミド複製のためのDNA配列(ORI)、場合により、選択マーカー(抗生物質耐性遺伝子のような)およびコードされる抗原構築物(本明細書で記載されるような少なくとも1つのDsA1/DsA2/PITPエピトープをコードする)を含む。抗原は、DNA依存性RNAポリメラーゼの適したプロモーター領域の制御下にあり、優先的に、T7ポリメラーゼによって認識される。あるいは、いくつかの遺伝子は、複数のプロモーター/抗原対をタンデムに組み合わせる単一cDNA構築物でコードされる場合がある。あるいは、いくつかの遺伝子が、単一cDNA構築物でコードされる場合があり、少なくとも1つは、コードされる抗原に対する免疫応答を修飾するために意図される場合があり、例として、IL-10またはIL-2のようなインターロイキンが挙げられる。コードされるmRNAと同等である転写されたcDNAの好ましい構造は以下である(好ましくは、5’CAP後に)5’UTR、最終的にシグナルペプチド(SP)、コードされる抗原および3’UTR、好ましくは、ポリAテールを有する((5’CAP)-5’UTR-(SP)-抗原/エピトープ-3’UTR-(ポリA))。代替アプローチではまた、細胞質においてmRNAを増幅するために、通常、ウイルス起源のレプリカーゼが提供される。このレプリカーゼは、5’UTRとシグナル-ペプチドの間にコードされる場合があるが、第2のRNA分子として提供される場合もある。交差型反応性抗原および/またはエピトープは、mRNAワクチンの全ての実際に関連する形態で提供される。
5’UTR機能は、主に、コードされる抗原に、最小に、Kozak断片に接続されたSPの翻訳を開始することである。種々の最適化を特徴とする多数の代替法が可能である。Kozak断片はまた、ウイルスまたは真核生物(特に、ヒト)起源のIRES(配列内リボソーム進入部位)のような翻訳の開始の代替手段によって置き換えることができる。顕著なバリアントは、列表に列挙されている(例えば、配列番号65~77)。5’UTRは、優先的に、N7-メチルグアノシンの5’付加(m7Gキャップまたはm7Gppp)および/または2’O位での追加のメチル化(m7GpppNmキャップ)によって、優先的に5’キャップすることができる。
「コードされる抗原」は、シグナルペプチドを有さない実際の抗原/エピトープ配列である。好ましくは、これらの配列は、エピトープ含有ペプチドをコードする最適化されたDNA配列である場合も、最適化されていないDNA配列である場合もある(例えば:Maugerら、PNAS 116巻(2019年)、24075~24083頁;Holtkampら、Blood 108巻(2006年)、4009~4017頁)。例えば、エピトープ/抗原配列は、好ましくはまた、修飾されたヌクレオチドを使用して二次構造形成を増大し、mRNA半減期を増大するように最適化される。これらの変化は、mRNA半減期に、結果として、発現全体に影響を及ぼす。例えば、ウラシル塩基を、プソイドウリジンよびN-1-メチルプソイドウリジンまたは高いGC含量を特徴とする同等のコーディング(すなわち、同義の)コドンまたはコード配列のRNA二次構造含量もしくは構築物の他の部分に関与するシュードノットに影響を及ぼすコドンを含むが、これを排除しない(exlusive)代替塩基によって置き換えることができる。ポリシストロニックコード化の一形態である代替フレームを使用して、1つのDNA/RNA配列中の複数の抗原をコードすることも可能である。実際に、いくつかの別個のコーディングフレームであるこれを、いくつかのタンパク質を逐次コードし、提供するようにIRESによって接続できる。切断されたまたはポリシストロニックな構築物のいずれかの特別な形態において、構築物にレプリカーゼを付加することができる。これは、特に、ウイルス起源のレプリカーゼ(主に、RNA依存性RNAポリメラーゼ)であり得る。
SP:場合により、コードされる抗原の細胞外局在性のための真核生物のシグナルペプチドが含まれる。これは、優先的に、IL-6または機能的に同様のシグナルペプチドである。DNA/RNAレベルでは、シグナル-ペプチドを、高度に発現された遺伝子の通常のコドン、ビコドン(bicodon)およびRNA構造によるバイアスを反映するように具体的に最適化できる。
3’UTR:3’UTRの役割は、mRNA安定性(任意選択のポリ-Aテールによって部分的に)促進することであるが、接続された転写物のようなアーチファクトを避けるために、中でも、RNAポリメラーゼ(polyerase)活性の効率的な終結(転写の終結)のための要素も含む場合がある。種々の3’UTR発現最適化特徴が同定されている(Horstickら、NAR 43巻(2015年)、e48)。3’UTRは、好ましくは、既存のヒト遺伝子、好ましくは、高度に発現されたものの3’UTR;ヒトRNAまたはDNAウイルスの遺伝子、好ましくは、高度に発現されたものの3’UTR;非ヒト種の既存の遺伝子、好ましくは、高度に発現されたものの3’UTR;最大mRNA安定性およびタンパク質発現を支援する、通常、以下の方法のうち1つまたはそれらの組合せによって特性決定される完全合成構築物の3’UTRに由来するものであり得る。
3’UTRは、優先的に3’ポリアデニル化される場合がある。それは、3’UTR の3’末端にポリ-Aテールを含むための一般基準であるが、これは、絶対的に強制されるではない(Nicholsonら、Tr. Cell Biol. 29巻(2019年)、191~200頁)。ほとんど全ての場合において、ポリ-Aは、mRNA安定性および翻訳効率のために5’キャップ構造と共依存的に相乗的に作用する。かなりのポリ-Aテールは、通常、有益であると考えられる(具体的には、mRNA安定性のために)が、ある特定の状況下では、長いテールは、効率的な翻訳および安定性にとって絶対的に重要な必要条件ではない(Jalkanenら、Semin. Cell Dev. Biol. 0巻(2014年)、24~32頁)。また、後生動物のヒストン遺伝子の3’UTRは、ポリアデニル化されておらず、高度に保存されたRNA二次構造を特徴とする。ポリアデノシル化の代わりに、ポリ-Aテールを生成の前に、DNAレベルでコードできる場合もあり、例えば、普通、30~70ヌクレオチドの長さを有する(Holtkampら、Blood 108巻(2006年)、4009~4017頁)。
具体的には、TENT4AおよびTENT4B酵素を使用する混合テーリング(すなわち、Aを排除しないポリ-Aテールから構成される)は、迅速な脱アデニル化から保護するとわかっている(Kimら、Nat. Struct. Mol. Biol. 27巻(2020年)、581~588頁)。これは、主にGをおそらくは(示されていないが、Cを)指すが、Uを指さない。逆向きでUを用いるテーリングは、mRNA崩壊を促進する、すなわち、安定性を減少させる。これは、ポリ-ウリジル化にのみ当てはまる可能性があり、単一のウラシルの効果は文献に基づいて不明確であるが、傾向として、不安定化している。おそらく、ポリ-AトラクトがcDNAにおいてすでにコードされている場合には、これを酵素的機構を使用するよりもより詳しくデザインできる。
17nt制限は、より長いポリアデニル化と比較して同様に効率的に翻訳されるゼノパス属(Xenopus)のアルブミンmRNAに基づいている。28nt制限は、極めて低いが、これは、A-A-U三重らせんが形成される最低の制限である。短すぎるポリ-Aテールは、普通、3’ウリジル化と関連し、mRNA分解が増大する。同様に、過剰アデニル化(hyperdenylation)は、通常、おそらくは、排出に失敗した「古い」mRNAに特徴的であり、そのため、さらなる分解のシグナルであるために、RNA安定性にとって有害である。しかし、構造的配置またはPABPC結合がこの効果をアンタゴナイズでき、miRNA結合によって増強される可能性がある場合には、これは絶対的に必要ではない。
要約すると、一般的な大きさのポリ-Aテールを含むことが好ましい。ポリ-Aは、cDNA鋳型にそれをコードすることまたはポリ(A)ポリメラーゼ(PAP)を使用する酵素的付加によって導入できる。したがって、ポリ-Aテールは、好ましくは、主に、または完全に、アデノシン塩基から構成されるが、他のヌクレオチド(具体的には、グアノシン)との混合物は、混合テーリングにつながり、mRNA安定性を増大できる。好ましくは(preferredly)最後の10以内に、より好ましくは(more preferredly)最後の6以内に、最も好ましくは(most preferredly)ポリ-Aテールの最後の位置にGを組み込むことが好ましい。全体的に、混合テーリング中のポリ-Aテールは、好ましくは、少なくとも95%を含むAと、代替塩基(N)を含有するべきであり、Nは、好ましくは、Gまたはあまり好ましくないシトシン(C)または最も好ましくない合成ヌクレオシド類似体である場合があり、Nは、好ましくは(preferredly)、テールの1~2%、あまり好ましくはないが(less preferredly)テールの5%、を含む。ポリ-Aテール中の個々のGヌクレオチドの間に間隔は、少なくとも20ヌクレオチド、好ましくは、少なくとも30ヌクレオチドであるべきであるが、最適には、40未満のヌクレオチドであるべきである。好ましくは、ポリ-Aテールは、少なくとも17ヌクレオチドの長さ、好ましくは、少なくとも28ヌクレオチドの長さからなる。好ましいポリ-Aテールは、50~200ヌクレオチドの長さ、特に、100~200ヌクレオチドの長さである。3’UTRが、後生動物のヒストン遺伝子、普通にポリアデニル化を欠く遺伝子に実質的に由来する場合には、ポリ-Aテールを、好ましくは、省くことができる。これはまた、3’UTRが、後生動物ヒストン遺伝子に由来するヒストン3’UTRステム-ループで終結される場合であり得る。場合により、ヒストン3’ステム-ループによって終結される3’UTRを、ポリ-Aテール(安定性をさらに増強すると示されている)を用いて拡張できる。RNAワクチンでは、テールが長いほど(すなわち>200~250nt)、DNAによってコードされる抗原と比較していっそうより好ましい場合がある。好ましい選択肢は、ヒストン3’UTRまたは3’ステム-ループを使用することである。
mRNAワクチンの配列最適化に関して、特に2つの強調される戦略がある:1)細菌抗原に基づくが、ヒトコドンバイアスを表す、すなわち、各アミノ酸の最も頻繁なコドン使用するが、コドン使用は、コドンを認識する特定のtRNAが単純に多いことを意味し、コドンが単純により早く翻訳されることを意味する、アミノ-アシルtRNA濃度を反映しなければならず、人工cDNA配列を作出すること。これは、mRNA最適化のために生物コドンバイアスを使用する基本的な理論的根拠である。タンパク質コーディング遺伝子中のヒトコドンの分析は、少なくとも所与のアミノ酸についてGCリッチコドンは、通常、低GCコドンよりもより豊富であるということを示唆する。これが、高GC mRNA配列が有意に速い速度で翻訳される傾向がある理由である可能性がある(最大100倍)。
本発明に従って適用される好ましい最適化は、含まれる抗原の発現を合理化することを主に目的とする。また、最適に発現可能なmRNA配列を逆合成するために使用されるヒト骨格筋において高度に発現された遺伝子のコドン使用(「CODON MUSCLE」)および最適に発現可能なmRNA配列を逆合成するために使用されるヒト骨格筋において高度に発現された上位2%の遺伝子のビコドン使用(「BICODON MUSCLE」)に基づいてRNA配列を最適化することも好ましい。(簡単な)ビコドンハイブリッドモデルは、最初の16残基/コドンと、配列の残りの間を区別するビコドン使用を適用する。これは、いくつかの研究によって報告された位置依存コドンバイアスに基づいていた、すなわち、特に、高度に発現された遺伝子では、N末端領域は、非N末端領域と比較して異なるコドン優先度を示す傾向がある。理由は、転写起点に近い低RNA構造(ATリッチ配列の恩恵を受ける)に対する優先度である可能性があるが、RNAの残りの部分は、GCリッチ配列によって最良に達成される強力なRNA二次構造から恩恵を受ける可能性がある。この態様は、最初の16個のコドンがN末端コドン使用のためにグローバルに最適化されたモデルから選択され、残りの残基(タンパク質の17の末端)が均一なビコドン使用に基づくモデルによって最適化される簡単なモデルによってここで実行された。普通、N末端コドン優先度は、シグナルペプチドコドン配列に最も影響を及ぼすはずであるので、このモデルは、シグナルペプチドが使用されない場合に特に使用されるものである。これはまた、シグナルペプチドの最適化が理にかなっていることを意味し、これは発現に有意に影響を及ぼす可能性がある。ここで、タンパク質の発現レベルは実際には転写レベルに基づいて決定されることは留意されなくてはならない。これは、生成されたタンパク質レベルよりも決定することがより容易でより正確であるが、当然ながら、生成されたタンパク質レベルを直接反映するものではない。「CODON MUSCLE」最適化のために、ヒト骨格筋によって発現された転写物の上位2%のコドン使用を基礎として使用したが、N末端領域と配列全体の間に相違はない。「BICODON MUSCLE」最適化は、互いに隣接する特定のコドンの優先度を指し、これは、特定のコドンの全体的な優先度とは異なる場合がある。これらのバイアスについての生化学的理由に関わらず、それらを使用して、より高度に発現可能なDNA/RNA配列を作出できる。
例えば、AAC-CGGは、アミノ酸配列NRの3番目または4番目に最も豊富なビコドンに過ぎず、12.01%の存在量を有し、最も豊富なビコドンAAC-AGAは、本発明者らのヒト筋肉参照転写物データセット内の場合の16.88%において見られる。AAC(N)およびCGG(R)の両方が、同一データセット中で個別に最も顕著なコドンであるので、これは興味深く、そのため、バイアスがなければ、この組合せが同様に最も顕著であると想定されるであろう。
ビコドンは相互に排他的である場合がある(それらは、常に、前のビコドンと、同様に次のビコドンと1つのコドンだけ重複する)ために、全ての位置で最適ビコドンがあり得るわけではないので、グローバルなビコドン最適配列を提案するために動的プログラミング最適化戦略が適用された。「不均一モデル」に従って、N末端の16残基および配列の残りは、異なって処置される。これまでに説明したように、これらの配列は、N末端および残りにおいて異なってビコドン最適化される。このために、極めて簡単な解決策が選択され、配列は、N末端筋肉ビコドンプロファイルを用いて最初に最適化され、次いで、グローバル筋肉ビコドンプロファイルを用いて最適化された(ただし、常に、上位2%の転写物に基づく)。次いで、N末端モデルの最初の16コドンは、グローバルプロファイルを用いて生成された最初の16と交換された。これは、遷移点でまれなビコドンが導入されない限り、モデル間のより微妙な遷移と比較して同様に働く。
配列番号67~76に由来する可能性がある最適化の過程は、任意の特定の遺伝子セットに基づかない(ただしまた、例えば、一般的な組織特異的最適化または一般的な全般的な高度に発現された遺伝子が可能であり、理にかなっている)が、高GCルールも十分に反映する、全てのヒトタンパク質コーディング遺伝子の最長の転写物のコドン頻度に基づく(Atheyら、BMC Bioinformatics 18巻(2017年)、391頁)。特定のアミノ-アシルtRNAの枯渇を避けるために、また計画された投与経路にも依存して、特定のアミノ酸の単一コドンを使用しないことも理にかなっている、すなわち、経皮ワクチンは、粘膜または筋肉投与されたものとは異なるコドン最適化から恩恵を受ける場合がある)。2)最適化の第2の主要な態様は、mRNA中のウラシル含量、すなわち、cDNA中のチミン(T)を低減することである。理由は、線形(一本鎖)RNAでは、自然免疫系の一部、具体的には、RNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)によってウラシルが認識され、これは、次いで、翻訳の開始を阻害し、mRNAの翻訳の減少の肉眼的に見ることができる(測定可能な)効果を有するということである。これへの2つの解決策があり、1つは、低T/Uコドンを使用してリコードすること、もう1つは、プソイドウリジンおよびN-1-メチルプソイドウリジンのようなある特定のウラシル類似体を使用することである。これらは、DNA依存性RNAポリメラーゼによって組み込まれる場合がある(少なくともこれらのポリメラーゼが類似体を扱うことができる限り)、または酵素的修飾によって仕上げられたRNAに組み込まれる場合がある。両戦略、すなわち、エンコーディングおよび化学修飾によって含量を低減することも組み合わせることができる。翻訳効率よりもより重要な、おそらくは、極めて近年にmRNA治療薬が採用されている主要な理由は、mRNAがかなりの炎症反応を刺激する場合があり、ウラシル含量を操作することによって、これをある程度まで克服することができる(Thessら、Mol. Ther. 23巻(2015年)、1456~1464頁)。最適化は常に必要とされるわけではないが、化学的および配列ベースの最適化は、mRNA治療薬およびワクチンにおける極めて重要な最近の画期的な態様であるようである。
さらなる操作することの可能性には、タンパク質配列に影響を及ぼすか否かに関わらずmRNA二次構造に影響を及ぼすものまたは翻訳効率だけでなくタンパク質配列にも影響を及ぼすもの(例えば、同義の高GCまたは低Uバージョンが存在しないコドンを、化学的に類似したアミノ酸をコードするが、高GC低U含量を可能にするものへ突然変異すること)が含まれる。また、コドンに依存しないジヌクレオチドの最適化は、別の選択肢である。例えば、コドンGGTおよびTCGは、一緒にTT配列を形成するであろう、すなわち、各々は、一緒に低U含量を有するが、それらは高ウラシルの島を形成するであろう。
本発明の好ましいポリペプチド(DsA1/DsA2シャッフルポリペプチド(H4-V3)および好ましいPITP断片(P028-V7))の塩基最適化の例を、(1)コドン最適化を使用したヒトでの翻訳の基本的な最適化、(2)GC優先度および低T/U含量などの基本的なルールに従うならびに(3)基本的にT/Uにペナルティーを課し、コドン優先度を考慮した、わずかにより微妙なバージョン(通常はまた、GCリッチコドン優先度をもたらす)に付した。結果は、配列番号67~76によって示されている。
また、点突然変異をポリペプチド配列中に導入して、mRNA安定性/翻訳潜在力/炎症潜在力に対して有益な効果を達成することも可能である。当然、このような突然変異は、好ましくは、稀であり、測定される、すなわち、通常、適合する/類似のアミノ酸に対して突然変異する。以下の表には、有益な効果を有するコドン交換が列挙される。列挙されたコドンおよび代替物は、(1)ヒトコドンバイアス、(2)高GC+低ウラシルまたは(3)ヒトコドンバイアス+低ウラシルに基づいてそれぞれ各アミノ酸にとって最適である。
Figure 2023514414000002
この好ましいヌクレオチド交換の一般的な原則は、新規コドン(新規アミノ酸をコードする)が、新規アミノ酸が、タンパク質の抗原性特徴を有意に破壊しないが、翻訳効率を有意に改善する、またはウラシル含量を有意に低減する場合にのみ、コドンを交換することである。許容される可能性が高いアミノ酸交換を事前に選択するために、BLOSUM90マトリックスで正の値を持つものだけをさらに検討した。これは基本的に、それらのアミノ酸が高度に類似したタンパク質で交換されると見られることを意味する(すなわち、多くの代償性突然変異を伴わず、より適合する突然変異を主張する)。ウラシルに関しては、1つのみの突然変異F(TTC)→Y(TAC)があり、これは適用された計量によって有益である場合があるが、TACの全体的なコドン存在量は、TTCのものよりも25%低く、その結果、これが、発現において本当に利点であるか否かは両価性であり、ウラシルの効果次第である。GC含量最大化ならびに頻度の改善に関しては、特に、以下が好ましい:
Y(TAC)→H(CAC)[より高い全体的なコドン数、より高いGC含量]
I(ATC)→L(CTG)[有意に高い全体的なコドン数、より高いGC含量]
N(AAC)→D(GAC)[より高い全体的なコドン数、より高いGC含量]
M(ATG)→L(CTG)[有意に高い全体的なコドン数、より高いGC含量]
S(AGC)→A(GCC)[有意に高い全体的なコドン数、より高いGC含量]
R(AGA)→Q(CAG)[有意に高い全体的なコドン数、より高いGC含量]
やはり、総コドン存在量も考慮しなくてはならない、すなわち、より豊富なアミノ酸は、マッチする負荷されたtRNAのより高い利用可能性と相関しなくてはならない。配列番号67~76は、(1)ヒトコドンバイアス(2)高GC+ヒトコドンバイアス(後者は大部分は、GC含量によって同等にランク付けされたコドンから選択する)について最適化された配列である。
上記ですでに開示されるように、RNAワクチンの免疫寛容原性を高め/具体的には、免疫学的副作用を減少させるために、mRNAは、通常、修飾される(すなわち、全ての記載された部分またはmRNA構築物を必ずしも強力に含まないが、通常、全て)、安全性および患者コンプライアンスのための因子。とりわけ、これは、通常のワクチンとは極めて異なる概念であり、最初の製剤は、すでに免疫を形作ろうとし、一方、RNAワクチンでは、最初の(RNA)形態は、ほとんど免疫学的に目立たないものでなくてはならず、翻訳された(タンパク質)形態のみが、免疫応答を引き起こさなくてはならない。
RNA修飾は、転写によって、すなわち、重合プロセスにおいて修飾されたヌクレオチドを使用することによって(おそらくは、操作されたDNA依存性RNAポリメラーゼを必要とする、またはそれから恩恵を受ける)、または転写されたRNAの酵素的修飾によって含めることができる。両方法が使用される。mRNAワクチンのための効果的なRNA修飾(ヌクレオシド類似体/置換体)を承知しており、以下が含まれる(Zhangら、Front. Immunol. 10巻(2019年)、594頁; the 「RNA Modification Databese」 https://mods.rna.albany.edu/mods/):
・ウリジン→プソイドウリジン(記号:Ψ)
・ウリジン→N-1-メチルプソイドウリジン(m1Ψ)
・シトシン→5-メチルシトシン(5mC)
・コーディング潜在力を維持し、RNA配列中に含まれた場合にRNA依存性タンパク質キナーゼによる認識の低減を特徴とする、任意の他のウラシル(塩基)類似体(PKR)
・mRNA中に組み込まれた場合に(既存のmRNAの転写または化学的修飾によって)、mRNAのコーディング潜在力を依然として維持するが、炎症(例えば、TLR7またはTLR8による認識の低減によって)またはmRNA分解を低減する、任意の他の天然または非天然RNA塩基類似体。
原核生物において、および真核生物においての両方で、最初のN末端アミノ酸は、タンパク質安定性を決定的に決定する。N末端メチオニンが除去されている場合には、コード化された第2の残基が第1になり、さらに安定性を決定する(「N末端ルール」)。これらの態様は、特に大きな、または嵩高い残基がメチオニン除去を制限または防止するので独立したものではない。一般に、メチオニンは、安定化残基であるが、バリンは、哺乳動物ではおよそ3倍高い安定性につながる。バリンが第2の残基である場合には、メチオニンを除去できるので、残基「MV」によって出発するタンパク質(例えば、第2位がバリンに突然変異される場合)は、全般的により安定であり、ひいては、他のバージョンよりも高度に発現される。DNAレベルでは、これは、配列ATG-GTGによって全てのリーディングフレームを出発し、ATGはメチオニンをコードし、GTGはバリンの最も頻繁なコドンであることが有益であることを意味する。したがって、好ましい実施形態によれば、mRNAワクチンとしての適用のために意図される全ての配列について標準配列とともに、N末端「MV」配列を含有する(DNAレベルで、最初のコーディングDNA 配列「ATGGTG」を有する)派生体が、本発明に従って使用される。さらに、また、3および6位における酸性残基(Asp、Glu)の突然変異は、最初のメチオニンの除去を増強でき、結果として、第2の残基がバリンである場合に安定性を増強する。この場合には標的残基は指定されず、そのため、技術的には何らかの非酸性のものを使用できる。おそらく、SerまたはThrのようないくつかの小さい極性残基は、比較的中性の置き換えである可能性がある。
RNAは、リポソーム中に直接パッケージングできる、あるいは、エキソソームおよびミクロソームのような細胞外小胞(EV)中にパッケージングでき、以前のRNA結合性タンパク質との複合体形成に関わらずパッケージングできる。
本ワクチンのさらに好ましい実施形態は、ベクターベースのワクチンとしてのワクチンの提供である。これらのベクターベースのワクチンは、COVID-19ワクチン接種の過程で新規追加免疫を得ており、本発明に従う本ワクチン接種の適切な戦略も提供する。このようなワクチンのために利用可能な種々のベクター(アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、水泡性口内炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、アルファウイルス、バキュロウイルス、レンチウイルスおよび(abd)泡沫状ウイルスのようなレトロウイルスのような;特に、AdV-26ベクター、修飾されたワクシニアアンカラ(Vaccinia Ankara)ベクター、モロニーマウス白血病ウイルスベクターなど)ならびに最適化された有効期間および保管条件につながる、種々の医薬品形態(例えば、凍結乾燥散剤または液剤)、投与の経路、製剤およびその組成物がある(例えば、Crommelinら、J. Phar. Sci. 110巻(2021年)、627~634頁において最近概説された)。このような生および/または減弱ベクターワクチンでは、化学的に弱められたウイルスが、免疫応答を刺激するためにP.アクネス抗原/エピトープのうち1つまたはそれ以上を対象中に輸送するワクチンとして使用される。P.アクネス抗原/エピトープコード化配列は、ベクターウイルスのゲノム中に挿入され、ここでワクチン接種された対象において、それらはウイルス表面で発現され、免疫応答を誘発する。
mRNAの最適化のためのこれらの戦略に基づいて、N末端コドン5~7ならびにコードされたアミノ酸は、発現強度を大きく決定するということがわかっている(Vermaら、Nat. Commun. (2019年)、10-5774-s41467_019_Article_13810)。したがって、本発明に従うこの好ましい実施形態は、単に最適なコドンを選択するという問題ではなく、それら3つの位置において(すなわち、同様にタンパク質配列レベルでも)または少なくとも3つの位置のうち2つにおいて配列を交換することである。これは、RNAおよびタンパク質レベル両方の効果である。したがって、本発明に従う好ましい派生体は、それらの3つの位置5~7内に以下の、具体的にはAADUAU(Dは、「Cではない」を表す)およびAAVAUU(Vは、「Uではない」を表す)の好ましいRNAビコドンを有する。これは、好ましいアミノ酸配列K/N-YおよびK/N-Iにつながり、そのため、例えば、KNまたはKYまたはKNまたはKIが残基5~7内に生じる。アミノ酸レベルでは、これは、タンパク質5または6位で出発するアミノ酸モチーフをもたらし、モチーフはK[NYI]であり、DNAレベル配列は、AADUAUまたはAAVAUUのいずれかであり、これは、発現高率を数倍高める。Hisタグ付きポリペプチドについては、これは、依然としてHis-タグ内にあり、シグナルペプチド内にシグナルペプチドを有する構築物については、これらのいずれかを有さない構築物については、これは、抗原配列内である。
本発明に従うmRNAワクチンは、当技術分野で十分に利用可能である確立された方法に従って製剤化でき、SARS-CoV-2ワクチンに適用されたmRNAワクチンによって具体的に進化させることができる。効率的なin vivo mRNA送達は、治療的関連性を達成するために重要である。mRNAワクチンが満たさなければならない種々の特徴がある。1.非感染性、非組み込み性プラットフォームおよび免疫原性の改変の可能性を指す安全性。2.担体分子を介してmRNAをより安定にすることおよび高度に翻訳可能にすることを指す効能。3.安価でスケーラブルな製造に言及する生産。
mRNA担体の種類およびmRNA-担体複合体の大きさも、mRNA送達によって誘導されるサイトカインプロファイルをモジュレートすることが示されている。
今日までに記載された、mRNAワクチンの送達のための2つの基本的アプローチがある。第1に、ex vivoでmRNAをDC樹状細胞中に負荷し、続いて、トランスフェクトされた細胞に再注入すること;第2に、担体を伴うか否かに関わらないmRNAの直接非経口注射。ex vivoのDC負荷によって、細胞標的、トランスフェクション効率および他の細胞条件の正確な管理が可能となる。mRNAの直接注射は、正確な効率的な細胞種特異的送達をまだ可能にしない。
例えば、エレクトロポレーションまたはmRNAの金粒子への融合のような物理的な送達方法は、脂質またはポリマーベースのナノ粒子と比較してあまり好ましくない。カチオン性ペプチドプロタミンは、発現ベクターとしてではなく免疫アクチベーターとして使用されているように、血清RNアーゼによる分解からmRNAを保護すると示されている。デンドリマーもまた、カチオン性脂質およびポリマーである。さらに、低分子干渉RN(siRNA)も投与された。脂質ナノ粒子(LNP)は、最も魅力的で一般的に使用されるmRNA送達ツールの1つになった。LNPは、4つの構成成分:ウイルスサイズの(約100nm)粒子への自己組織化を促進し、細胞質へのmRNAのエンドソーム放出を可能にする、イオン化できるカチオン性脂質;製剤の半減期を増大する脂質連結ポリエチレングリコール(PEG);コレステロール、分解防止剤;および脂質二重層構造を支持する天然に存在するリン脂質からなることが多い。体系的に送達されるmRNA-LNP複合体は、主に、アポリポタンパク質Eの結合およびその後の肝細胞による受容体媒介性取り込みのために、肝臓を標的とする。mRNA-LNPワクチンからのin vivoタンパク質産生の規模および期間は、投与経路を変更することによって幾分かは制御できる。mRNA-LNPの筋肉内および皮内送達は、全身送達経路よりも持続性のタンパク質発現をもたらすと示され、ワクチン接種の間の持続性の抗原利用可能性は、高い抗体力価および胚中心(GC)B細胞およびT濾胞性ヘルパー(TFH)細胞応答の推進力であった。実際、TFH細胞は、強力な長命の中和抗体応答を生成するためにワクチンが活性化しなくてはならない免疫細胞の重大な集団として同定されている。
mRNAはまた、ポリエチレンイミン(PEI)のようなカチオン性ポリマーと、PEIのようなカチオン性ポリマーおよび脂質成分と、多糖(例えば、キトサン粒子またはゲル)と会合できる。さらに、mRNAは、カチオン性脂質ナノ粒子(例えば、1,2-ジオレオイルオキシ-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)またはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)脂質)中にある場合がある。mRNAはまた、カチオン性脂質およびコレステロールと複合体形成でき、カチオン性脂質、コロエステロおよびPEG脂質と複合体形成できる。
アジュバントは、mRNAの内因性免疫原性または免疫調節性タンパク質をコードするその能力を利用する新規アプローチを含む。製剤は、認可を受けたMF59(Novartis)アジュバント、TriMix、3つの免疫アクチベータータンパク質:CD70、CD40リガンド(CD40L)および構成的に活性なTLR4をコードするmRNAの組合せに基づくカチオン性ナノエマルジョンを含む。mRNA担体の種類およびmRNA-担体複合体のサイズも、mRNA送達によって誘導されるサイトカインプロファイルをモジュレートすると示されている。例えば、RNActive(CureVac AC)ワクチンプラットフォームは、その担体に依存して、アジュバント活性を提供する。この場合には、抗原は裸の、修飾されていない、配列最適化されたmRNAから発現され、アジュバント活性は、TLR7シグナル伝達を介して作用するプロタミン(ポリカチオン性ペプチド)と複合体形成された同時送達されたRNAによって提供される。
別の態様によれば、本発明はまた、本発明に従うポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成の方法であって、これらの請求項において定義されるような少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞において発現され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法に関する。
したがって、本発明は、とりわけ、DsA1および/またはDsA2が、製品において、好ましくは、医薬製剤において、特に、ワクチンにおいて、単独でまたは互いに組み合わせて、またはDsA1/DsA2断片として、もしくは少なくとも1つの免疫原性DsA1エピトープおよび/もしくは少なくとも1つの免疫原性DsA1エピトープとの融合ポリペプチドとして使用される本発明の態様のために具体的に示された以下の実施形態を開示する:
1.P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)および/またはP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)および/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/または派生体を含むワクチンであって、DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、断片および/または派生体は、好ましくは、少なくともCSD2断片を含むまたはからなり、CSD2断片は、好ましくは、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であり、アミノ酸番号付けは、UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A5X9に対応する、前記ワクチン。
2.断片または派生体は、少なくとも、
- フェニルアラニン150(F150)~イソロイシン193(I193)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態1に従うワクチン。
3.断片または派生体は、DsA1もしくはDsA2のCSD1、DsA1もしくはDsA2のSR1、DsA1もしくはDsA2のSR2、DsA1もしくはDsA2のCSD3またはDsA1もしくはDsA2のPTリピート領域をさらに含まないという条件で、好ましくは、断片または派生体は、DsA1もしくはDsA2のCSD1、DsA1もしくはDsA2のSR1、DsA1もしくはDsA2のSR2、DsA1もしくはDsA2のCSD3およびDsA1もしくはDsA2のPTリピート領域をさらに含まないという条件で、実施形態1または2に従うワクチン。
4.断片は、
(1)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列;
(2)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(3)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(4)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張するフェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(5)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、アラニン148(F148)~ロイシン271(L271)の連続ポリペプチド配列;
(6)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン146(H146)~トレオニン277(T277)の連続ポリペプチド配列;
(7)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ロイシン238(L238)~ロイシン272(L272)の連続ポリペプチド配列;
(8)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、ロイシン145(L145)~アラニン201(A201)の連続ポリペプチド配列;ならびに/または
(9)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ロイシン145(L145)~ロイシン280(L280)の連続ポリペプチド配列
である、実施形態1~3のいずれか1項に従うワクチン。
5.断片は、少なくとも35個のアミノ酸の長さ、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さを有する、実施形態1~4のいずれか1項に従うワクチン。
6.DsA1またはDsA2抗原またはエピトープではない、少なくとも1つの追加のP.アクネス抗原またはP.アクネスエピトープを含有するまたはからなるアミノ酸配列、好ましくは、少なくともP.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITP)ポリペプチドまたはP.アクネスのPITPポリペプチドの少なくとも1つのエピトープを含有する少なくとも1つの追加のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの追加のポリペプチドを含み、PITPポリペプチドは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXT(G)モチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含む、実施形態1~5のいずれか1項に従うワクチン。
7.派生体は、PITPポリペプチド由来の少なくとも1つの追加の配列、好ましくは、ENFD、SR1、HbD、SR2のうち、好ましくは、ENFDおよびHbDから選択される少なくとも1つ、より好ましくは、そのポルフィリン結合性ドメインを含む配列を含む、特に、PITPポリペプチドは、以下のアミノ酸:A32~T430、A32~G426、A32~Q198、A32~T143、A32~K400、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~R164、A32~S391、A32~P179、A32~R158、A32~G147、A32~E73およびP94~G147;P34~T430、P34~G426、P34~Q198、P34~T143、P34~K400、P34~T159、P34~I177、P34~Q204、P34~G234、P34~R164、P34~S391、P34~P179、P34~R158、P34~G147、P34~E73およびP94~G147;S240~S391、A32~D441、A32~I440、A32~E439、A32~D438、A32~S437、A32~S436、A32~P435、A32~G434、A32~E433、A32~A432、A32~G431;P34~D441、P34~I440、P34~E439、P34~D438、P34~S437、P34~S436、P34~P435、P34~G434、P34~E433、P34~A432、P34~G431;S240~D441、S240~I440、S240~E439、S240~D438、S240~S437、S240~S436、S240~P435、S240~G434、S240~E433、S240~A432、S240~G431;A32~T430、A32~V429、A32~P428、A32~L427、A32~G426、A32~R425、A32~G424、A32~A423、A32~G422、A32~K421、A32~G420、A32~S419、A32~D418、A32~D417、A32~G416、A32~I415、A32~V414、A32~K413、A32~G412、A32~T411、A32~V410、A32~A409、A32~D408、A32~V407、A32~T406、A32~V405、A32~N404、A32~H403、A32~C402、A32~V401、A32~K400、A32~E399、A32~A398、A32~S397、A32~L396、A32~T395、A32~L394、A32~N393、A32~T392;P34~T430、P34~V429、P34~P428、P34~L427、P34~G426、P34~R425、P34~G424、P34~A423、P34~G422、P34~K421、P34~G420、P34~S419、P34~D418、P34~D417、P34~G416、P34~I415、P34~V414、P34~K413、P34~G412、P34~T411、P34~V410、P34~A409、P34~D408、P34~V407、P34~T406、P34~V405、P34~N404、P34~H403、P34~C402、P34~V401、P34~K400、P34~E399、P34~A398、P34~S397、P34~L396、P34~T395、P34~L394、P34~N393、P34~T392;G172~T430、G172~V401、G172~K400、G172~L396、G172~N393、A199~T430、A199~V401、A199~K400、A199~L396、A199~N393、H223~T430、H223~V401、H223~K400、H223~L396、H223~N393、T232~T430、T232~V401、T232~K400、T232~L396、T232~N393、G234~T430、G234~V401、G234~K400、G234~L396、G234~N393、V238~T430、V238~V401、V238~K400、V238~L396、V238~N393、S240~T430、S240~V429、S240~P428、S240~L427、S240~G426、S240~R425、S240~G424、S240~A423、S240~G422、S240~K421、S240~G420、S240~S419、S240~D418、S240~D417、S240~G416、S240~I415、S240~V414、S240~K413、S240~G412、S240~T411、S240~V410、S240~A409、S240~D408、S240~V407、S240~T406、S240~V405、S240~N404、S240~H403、S240~C402、S240~V401、S240~K400、S240~E399、S240~A398、S240~S397、S240~L396、S240~T395、S240~L394、S240~N393、S240~T392;39I-48I、40P-49T、41V-50I、42G-51S、43R-52G、44E-53K、68P-77N、69A-78S、70S-79D、71V-80K、72P-81F、73E-82Y、74F-83G、75Y-84Y、76G-85D、77N-86P、78S-87S、79D-88K、80K-89D、81F-90T、82Y-91T、83G-92E、84Y-93S、85D-94P、86P-95S、87S-96T、88K-97I、89D-98W、90T-99V、91T-100Y、92E-101T、93S-102P、94P-103S、95S-104Q、96T-105K、97I-106A、98W-107I、99V-108G、100Y-109S、101T-110R、102P-111F、103S-112A、104Q-113Q、105K-114G、106A-115R、107I-116P、108G-117M、109S-118N、110R-119N、111F-120D、112A-121G、125I-134Q、126T-135G、127M-136K、128K-137D、144K-153H、145A-154S、146H-155D、147G-156D、148V-157T、149G-158R、150K-159T、151T-160P、152D-161V、153H-162T、154S-163Y、155D-164R、156D-165E、157T-166A、158R-167T、159T-168P、160P-169A、161V-170P、162T-171T、163Y-172G、164R-173P、165E-174K、166A-175T、167T-176P、168P-177I、169A-178A、170P-179P、171T-180S、172G-181K、173P-182Q、174K-183P、175T-184S、176P-185K、177I-186Q、178A-187A、179P-188A、180S-189P、181K-190S、182Q-191K、183P-192Q、184S-193V、185K-194K、186Q-195P、187A-196S、188A-197K、189P-198Q、190S-199A、191K-200G、192Q-201P、193V-202N、194K-203K、195P-204Q、196S-205S、197K-206T、198Q-207T、199A-208P、200G-209Q、201P-210Q、202N-211K、203K-212T、204Q-213A、205S-214E、206T-215H、207T-216R、208P-217S、209Q-218Q、210Q-219T、211K-220P、212T-221A、213A-222A、214E-223H、215H-224R、216R-225T、217S-226M、218Q-227T、219T-228K、220P-229Q、221A-230V、222A-231C、223H-232T、224R-233I、225T-234G、226M-235A、227T-236S、228K-237K、229Q-238V、230V-239T、231C-240S、232T-241G、233I-242S、266L-275S、267S-276A、268G-277F、282T-291K、334S-343N、353G-362I、354V-363K、355S-364G、356V-365S、357S-366P、358G-367V、359N-368K、377F-386P、378A-387M、379G-388N、380F-389P、396L-405V、397S-406T、398A-407V、399E-408D、400K-409A、401V-410V、402C-411T、403H-412G、404N-413K、405V-414V、406T-415I、407V-416G、408D-417D、409A-418D、410V-419S、411T-420G、412G-421K、413K-422G、414V-423A、415I-424G、416G-425R、417D-426G、418D-427L、419S-428P、420G-429V、421K-430T、422G-431G、423A-432A、424G-433E、425R-434G、426G-435P、427L-436S、428P-437S、429V-438D、430T-439E、431G-440I、432A-441D、433E-442L、434G-443G、435P-444I、436S-445Vおよび437S-446G;I39-K53、P68-G121、I125-D137、K144-S242、L266-F277、T282-K291、S334-N343、G353-K368、F377-P389、L396-G446、A32~R164、A32~Q198、A32~T143、A32~V148、A32~T171、P34~R164、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~K400、A32~S391、V238~K400、A199~T430、V238~T395、G234~K400、H223~K400、T232~V401、V238~T392、V238~N393、V238~L394、V238~T395、V238~L396、T232~T430、G172~K400およびG172~G234からなる断片または派生体および少なくともPITPエピトープを含むその断片である、実施形態6に従うワクチン。
8.DsA1の少なくとも1つの断片およびDsA2の少なくとも1つの断片を含む派生体を含む、実施形態1~7のいずれか1項に従うワクチン。
9.DsA1/DsA2断片または派生体において、少なくとも5つのPTリピート、好ましくは、少なくとも10のPTリピート、特に、少なくとも15のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然DsA1/DsA2」)と比較して欠失しており、好ましくは、少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、いっそうより好ましくは少なくとも4つの、特に5つのPTリピートが存在する、実施形態1~8のいずれか1項に従うワクチン。
10.派生体は、CSD2断片が由来する株以外の、少なくとも1つの他のDsA1および/もしくはDsA2に由来する、または少なくとも1つの他のP.アクネス株に由来するNSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、CSD3および/またはCTRをさらに含む、実施形態1~9のいずれか1項に従うワクチン。
11.断片または派生体は、NSRおよび/またはCTRを欠く、実施形態1~10のいずれか1項に従うワクチン。
12.別のP.アクネス抗原またはエピトープ、好ましくは、DsA2およびPITPから選択される抗原ならびに/またはDsA2エピトープおよび/もしくはPITPエピトープをさらに含む、実施形態1~11のいずれか1項に従うワクチン。
13.別のP.アクネスポリペプチドの断片を含有するエピトープ、好ましくは、DsA2およびPITPの断片を含有するエピトープをさらに含む、実施形態1~12のいずれか1項に従うワクチン。
14.P.アクネスの侵襲によって誘発される病状の発生に対して防御的である、実施形態1~13のいずれか1項に従うワクチン。
15.ヒト対象、例えば、小児、青年または成人対象への投与のために製剤化される、実施形態1~14のいずれか1項に従うワクチン。
16.初回および追加免疫化の両方を含む処置レジメンにおいて使用するために製剤化され、好ましくは、初回および追加投与のために同一製剤が使用される、実施形態1~15のいずれか1項に従うワクチン。
17.アジュバントを用いて、好ましくは、無機塩、好ましくは、ミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、オキソ水酸化アルミニウム、ヒドロキシリン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、硝酸セリウム、硫酸亜鉛、コロイド状水酸化鉄および/または塩化カルシウム;水中油型エマルジョン、リポソーム、TLRアゴニスト、モノホスホリル脂質A、サポニン、リン脂質、エマルジョンベースのアジュバント、水酸化アルミニウムゲル、固相吸着剤、ナノ球体およびリポソームのようなカプセル化剤;高分子量アジュバント、好ましくは、毒素、トキソイドまたはテタヌス、ジフテリア、百日咳、シュードモナス属(Pseudomonas)の種、大腸菌、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)の種およびストレプトコッカス属(Streptococcus)の種に由来する毒素の任意の突然変異体交差反応性材料からなる群から選択されるアジュバントを用いて製剤化される、実施形態1~16のいずれか1項に従うワクチン。このような毒素またはトキソイドは、テタヌストキソイド、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、大腸菌LT、大腸菌STおよび緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素A;外膜タンパク質複合体c(OMPC)のような細菌外膜タンパク質、ポリン、トランスフェリン結合性タンパク質、ニューモリシン、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA)、肺炎球菌アドヘシンタンパク質(PsaA)、C.ディフィシル(difficile)エンテロトキシン(毒素A)および細胞毒(毒素B)またはインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製タンパク質派生体(PPD);カチオン性ペプチド、CpGオリゴヌクレオチド、スクアレンベースのアジュバント、好ましくは、MF59;IL-1およびIL-2のようなサイトカインのような他の医薬上許容されるポリペプチド担体である場合があり;またはウイルス様粒子もしくはナノ粒子として製剤化される;またはウイルス様粒子もしくはナノ粒子;もしくはそれらの組合せとして製剤化される場合がある。
18.皮内、皮下(s.c.)、非経口、好ましくは、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与のために製剤化される、実施形態1~17のいずれか1項に従うワクチン。
19.用量あたり0.1μg~5mg、好ましくは、0.5~1000μg、より好ましくは、1~500μg、いっそうより好ましくは、5~300μg、特に、10~200μgの、DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体の各々を含む、実施形態1~18のいずれか1項に従うワクチン。
20.DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子が以下の構造:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有する、実施形態1~19のいずれか1項に従うワクチン。
21.用量あたり、各5~500μg、好ましくは、各20~100μgの、DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体;または抗原もしくはその断片もしくは派生体をコードするDNAもしくはRNAを含む、実施形態1~20のいずれか1項に従うワクチン。
22.用量あたり、各1μg未満のDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体を含む、実施形態1~20のいずれか1項に従うワクチン。
23.フロイントの不完全アジュバントを含有しない、実施形態1~22のいずれか1項に従うワクチン。
24.ワクチンは、複合免疫原を含有し、1つもしくはそれ以上のP.アクネスの抗原および/または1つもしくはそれ以上のP.アクネスの互いに交差反応性、特に、交差型反応性あるいは免疫学的に関連するエピトープの連結によって操作されている、好ましくは、免疫原は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の抗原および/またはその免疫学的に関連するエピトープを含むまたはからなり、特に、抗原および/またはエピトープは、交差反応性、特に、交差型反応性である、実施形態1~23のいずれか1項に従うワクチン。
25.ワクチンは、アジュバントに連結されたP.アクネスの少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の抗原および/またはそのエピトープ(複数可)を含むまたはからなる複合免疫原を含有し、少なくとも1つの抗原またはエピトープは、免疫学的に関連する、実施形態1~24のいずれか1項に従うワクチン。
26.ワクチンは、互いに共有結合的に連結されたP.アクネスの少なくとも2つの抗原および/またはそのエピトープを含む複合免疫原を含有し、好ましくは、免疫原は、アジュバントにさらに連結された少なくとも2つの抗原および/またはそのエピトープを含み、特に、少なくとも1つの抗原またはエピトープは、免疫学的に関連する、実施形態1~25のいずれか1項に従うワクチン。
27.1つの抗原またはそのエピトープがアジュバントに連結されている、特に、少なくとも1つの抗原またはエピトープが免疫学的に関連する、複合免疫原を含有する、実施形態1~26のいずれか1項に従うワクチン。
28.抗原のまたはエピトープのバリアントを含む、実施形態1~27のいずれか1項に従うワクチン。
29.天然に存在するP.アクネス抗原のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは、少なくとも98%、より好ましくは、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%を有するポリペプチド;または天然に存在するエピトープと比較されるアミノ酸配列中に少なくとも1、2、3、4つ、最大5つの点突然変異が含有される、P.アクネスエピトープのポリペプチドを含む、実施形態1~28のいずれか1項に従うワクチン。
30.NまたはC末端で、ならびに1つまたはそれ以上の内部ドメイン内で1個またはそれ以上のアミノ酸残基が付加されている、または欠失しているバリアント、好ましくは、DsA1および/またはDsA2タンパク質、特に、抗原配列を延長するために、例えば、少なくとも1個のアミノ酸残基によって、好ましくは、3個未満のアミノ酸、具体的には、5個未満あるいは10個未満のアミノ酸によってタンパク質内のエピトープまたはエピトープ領域の配列を延長するために、N末端におよび/またはC末端に追加のアミノ酸を含むバリアントを含む、実施形態1~29のいずれか1項に従うワクチン。
31.融合タンパク質としてバリアントを含み、DsA1および/またはDsA2抗原配列は、別のポリペプチドまたはタンパク質の追加のアミノ酸残基によって、好ましくは、1つまたはそれ以上の免疫学的に関連するエピトープによって延長される、実施形態1~30のいずれか1項に従うワクチン。
32.DsA1またはDsA2の断片または派生体を含み、DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、断片または派生体は、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、少なくとも(1)フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、(2)フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列または(3)ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列を含むまたはからなり、前記断片または派生体は、場合により、1つまたはそれ以上のアミノ酸交換を含み、1個またはそれ以上のアミノ酸残基は、ジスルフィド結合を形成する能力によって断片または派生体をさらに安定化するためにシステイン(Cys、C)残基に変更される、実施形態1~31のいずれか1項に従うワクチン。
33.断片または派生体は、少なくとも20個、好ましくは、少なくとも30個、より好ましくは少なくとも60個のアミノ酸の長さ、いっそうより好ましくは、少なくとも80個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも100個のアミノ酸の長さを有する、実施形態1~32のいずれか1項に従うワクチン。
34.断片または派生体は、400個未満のアミノ酸、好ましくは、350個未満のアミノ酸、特に、300個未満のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態1~33のいずれか1項に従うワクチン。
35.断片または派生体は、250個未満のアミノ酸、好ましくは、200個未満のアミノ酸、特に、150個未満のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態1~33のいずれか1項に従うワクチン。
36.断片または派生体中の2個またはそれ以上のアミノ酸残基は、ジスルフィド結合を形成する能力によって断片または派生体をさらに安定化するためにシステイン(Cys、C)残基に変更され、好ましくは、天然アミノ酸がシステインに交換される以下の群:PHE150-GLY185、LEU167-ALA199、ASN157-ALA192、LYS166-ALA199、ALA153-GLY185、ASP164-ALA199、VAL154-ALA179、PHE150-LEU184、VAL154-ALA188、ALA153-ALA188、ALA179-GLU191、THR178-GLU191、ALA161-ALA195、ILE175-ALA195、ILE175-GLU191、LEU158-ALA176、ASN157-ALA188、ASN157-ALA179、ASP164-GLU196、VAL154-LEU180、ALA153-LYS189、ASN157-LYS189、ALA161-ALA192、LEU167-ALA198、LEU158-ALA179、ALA160-ALA192、LYS165-ALA199、LYS166-GLN200;VAL205-ALA260、ILE232-ARG266、SER235-ILE263、SER235-ARG262、ILE232-LEU267、PRO236-ILE263、ALA231-ARG266、ASN239-ILE259、ILE232-ILE263、VAL209-PRO236、ALA201-ALA256、SER235-ILE259、VAL228-ARG266、ALA202-ALA256、ALA201-VAL257、GLY206-VAL243、GLY208-ILE264、GLY208-ILE263、VAL205-ASN239、LEU238-ILE259、GLY208-ALA260、ALA201-LYS253、ALA202-VAL243、LEU204-ALA260、VAL205-ALA256、VAL205-ILE259、SER235-ARG266、ASN239-ALA260、VAL209-ILE263、またはVAL209-ASN239中のアミノ酸対のうち少なくとも1つを含有する(DsA1配列に関して(DsA2配列にも適用可能である;図12A))、実施形態1~35のいずれか1項に従うワクチン。
37.DsA1、DsA2またはPITPまたはその断片または派生体中のシステインは交換されている、好ましくは、システインは、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシンおよびグリシンと、より好ましくは、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシンと、特に、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギンおよびグルタミンと交換されている、実施形態1~36のいずれか1項に従うワクチン。
38.断片または派生体は、35~350個のアミノ酸の、好ましくは、40~300個のアミノ酸の、より好ましくは、50~250個のアミノ酸残基の、より好ましくは、60~200個のアミノ酸の、より好ましくは、70~150個のアミノ酸の、特に、90~130個のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態1~38のいずれか1項に従うワクチン。
39.派生体は、少なくとも1つのDsA1のポリペプチドストレッチおよび少なくとも1つのDsA2のポリペプチドストレッチを含み、好ましくは、派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む、実施形態1~37のいずれか1項に従うワクチン。
40.派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片を含み、少なくとも2つの断片は、
-少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2;または
-少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2のN末端部分ならびに異なる、少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2のC末端部分からなるアミノ酸配列であって、NおよびC末端部分からなるアミノ酸配列のアミノ酸残基の総数は、DsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2と同一である、アミノ酸配列
によって相互接続される、実施形態1~39のいずれか1項に従うワクチン。
41.派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片を含み、DsA1およびDsA2の断片は、少なくとも20個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも30個、より好ましくは、少なくとも40個の、特に、少なくとも50個のアミノ酸残基の長さを独立に有する、実施形態1~40のいずれか1項に従うワクチン。
42.治療的および予防的処置において使用するための、好ましくは、特に、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺(prostethic)がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択されるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態1~41のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
43.P.アクネス関連感染症ならびにI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状の処置または防止において使用するための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症ならびにP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、実施形態1~41のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
44.フローサイトメトリーを使用する表面結合測定によって、およびこのようなワクチン抗原に対して作製された免疫血清を使用する殺菌死滅アッセイにおいて決定されるように、ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに少なくとも2つのP.アクネスMLSTファイロタイプおよび/またはP.アクネスの少なくとも2つの異なるCC型および/またはP.アクネスの少なくとも2つのリボタイプと関連する病状を患っている、実施形態42または43に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
45.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに少なくとも2つもしくは3つの遺伝的に異なる種類のP.アクネス株と関連する、好ましくは、少なくとも1つのI型および少なくとも1つのIIもしくはIII型株に対する;または少なくとも1つのII型および少なくとも1つのIもしくはIII型株に由来する;または少なくとも1つのIII型および少なくとも1つのIもしくはII型株に由来する;または少なくとも1つのI型、少なくとも1つのII型および少なくとも1つのIII型株、特に、IA1、IA2およびII型に由来する病状を患っている、実施形態42~44のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
46.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびにMLST分類スキームに従って定義されるような、IA1型、IA2型、IB型、IC型、II型およびIII型株またはI-Ia、I-Ib、I-2およびII型からなる群から選択される2種またはそれ以上のP.アクネス株、特に、IA1、IA2およびII型と関連する病状を患っている、実施形態42~45のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
47.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症および16Sリボソーム配列の相違に従って決定されるようなリボタイプの群から選択される2種またはそれ以上のP.アクネス株と関連する病状を患っている、実施形態42~46のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
48.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに単一遺伝子座(SLST)の分析によって決定される、2つまたはそれ以上のファイロタイプIA1、IA2、IB1、IB2、IB3、IC、IIおよびIII、特に、IA1、IA2およびII型と関連する病状を患っている、実施形態42~47のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
49.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに以下の株の群:NCTC737、KPA171202(DSMZ、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、Braunschweig、Germany)、SK137、HL005PA1、HL005PA4、HL013PA1、HL030PA1、HL043PA1、HL053PA1、HL053PA2、HL050PA1、HL050PA2、HL060PA1、HL110PA4(BEI、Biodefense and Emerging Infections Research Resources Repository、Manassas、VA)、P.acn31およびAsn12(McDowellら 2012年)およびIAI 008、IAI031、IAI034、IAI035、IAI038、IAI040、IAI042、IAI045、IAI041(Charite Berlin、Pro-Implant foundation)のうち少なくとも2つの異なる系統分類型、より好ましくは、3つ、いっそうより好ましくは、4つ、5つまたは6つの系統分類型と関連する病状を患っている、実施形態42~48のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
50.P.アクネスによる感染に対する保護において使用するための、実施形態42~49のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
51.P.アクネス関連適応症の発生の防止または低減において使用するための、実施形態42~50のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
52.ワクチンは、好ましくは、少なくとも2もしくは3回の投与または少なくとも4、5回またはいっそうより多く反復された投与によってヒト患者に反復投与される、実施形態42~51のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
53.ワクチンは、各々、少なくとも1または2週間の間隔で1年の期間内の少なくとも2または3または4回の連続投与を含む1またはそれ以上の処置サイクルで使用され、特に、処置サイクルは、例えば、5年の期間内に少なくとも1回、2回、3回または4回、いっそうより多くの回数のいずれか反復される、実施形態42~52のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
54.ワクチンは、投与の際に個体において抗体および/もしくはサイトカインの生成ならびに/または細胞傷害性T細胞、B細胞、抗原提示細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞および/もしくは他の細胞性応答の活性化を含む免疫応答を誘発する、実施形態42~53のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
55.ワクチンは、I、IIもしくはIII型P.アクネスのいずれか、もしくはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せに由来する株が病原性因子として関与する皮膚もしくは他の影響を受ける臓器もしくは組織状態を有する患者に、またはP.アクネス株のいずれか、特に、IA1、IA2およびII型による感染に対して感受性である可能性がある健常個体に投与される、実施形態42~54のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
56.ワクチンは、皮内、経皮または皮下投与によって、好ましくは、皮内注射アプリケーター、マイクロニードル、経皮レーザーデバイス、局所、皮膚パッチまたは他の適した皮膚に適応した適用デバイスによって患者に投与される、実施形態42~55のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
57.ワクチンは、経口または筋肉内、節内、鼻腔内、粘膜、肺内、経膣、経直腸もしくは他の適した経路のような非経口投与によって投与される、実施形態42~55のいずれか1項に従う使用のためのDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
58.実施形態1~57のいずれか1項で定義されるようなDsA1、DsA2またはPITPの断片または派生体、好ましくは、配列番号5~7、9~12、14~20および29~50による断片または派生体。
59.実施形態58による断片または派生体またはDsA1またはDsA2を含む医薬組成物。
60.医薬上許容される担体をさらに含む、実施形態59による医薬組成物。
61.ワクチンを生成する方法であって、実施形態1~41のいずれか1項で定義されるようなDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体は、医薬上許容される賦形剤または担体と混合され、場合により、個体、特に、ヒト個体への投与に適した、医薬上投与可能なワクチン用量に、好ましくは、投与量単位に仕上げられる、前記方法。
62.ワクチンまたはP.アクネスポリペプチドであって、
(a)20個のアミノ酸残基の連続ポリペプチド配列、特に、DsA1のF150~L184またはDsA2のF194~L228を少なくとも含む、DsA1のA148~L267またはDsA2のA192~L311内のDsA1またはDsA2のCSD2断片、
(b)以下のアミノ酸交換:DsA1中のA149T、D152N、D152S、V155I、V163I、K166H、K166P、A168T、K169R、T171A、V173M、A176V、A183T、T190F、T190I、E191K、A192L、A192F、A198G、A199T、A202T、V205I、G206N、G206S、G206R、G206Q、K212Q、A214T、I219V、I219A、S223A、D225N、V233I、S235F、N239S、L255I、V257I、Q258S、I259L、R262H、I264V、D265KおよびDsA2中のT193A、N196D、N196S、I199V、I207V、H210K、H210P、A212T、R213K、T215A、V217M、V220A、T227A、F234T、F234I、E235K、L236A、L236F、A242G、A243T、A246T、I249V、R250G、R250S、R250N、G250Q、Q256K、A258T、V263I、V263A、A267S、D269N、I277V、S279F、S283N、I299L、I301V、S302Q、L303I、H306R、V308I、K309Dのうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有する、(a)のCSD2派生体、
(c)20個のアミノ酸残基の連続ポリペプチド配列、特に、DsA1のT117~A127またはDsA2のT161~LA171を少なくとも含む、DsA1のI49~L130またはDsA2のI93~L174内のDsA1またはDsA2のCSD1断片、
(d)以下のアミノ酸交換:DsA1中のD50N、D50S、K51E、K51A、C53Y、D55K、V57I、A61L、A65G、A68V、L71M、F76L、S78A、V82M、V82A、L84M、P86R、P86S、K90R、K90A、K94A、V97T、L99T、I100L、K104R、K106E、A107V、I109V、G110A、A111S、L113V、G114S、L116V、T117A、K120A、I121V、R123H、A124T、V128IおよびDsA2中のS94D、S94N、E95A、E95K、C97Y、K99D、I101V、L105A、G109A、V112A、L115M、L120F、A122S、A126M、A126V、L128M、P130R、P130S、A134K、A134R、A138K、T141V、T143L、I144L、R148K、K150E、V151A、V153I、A154G、S155A、L157V、G158S、V160L、A161T、A164K、V165I、H167R、A168T、I172Vのうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有する(c)のCSD1派生体、
(e)DsA1のR266~T277もしくはR286~K296またはDsA2のV333~Q347の連続ポリペプチド配列を少なくとも含む、DsA1のA278~K323またはDsA2のA322~E366内のDsA1またはDsA2のCSD3断片、
(f)以下のアミノ酸交換:DsA1中のM281V、N283D、T285A、R286Q、V289A、V291I、I292R、T293N、A294T、D295K、D295Q、K296E、I298V、K299A、T300V、T300I、A301Y、-301から302Dの間、E302K、E305K、K306A、A310T、D313G、K316Q、S320T、C321-、P322L、K323D、K323EおよびDsA2中のV325M、D327N、A329T、R330Q、V333A、I335V、R336I、N337T、T338A、Q339K、Q339D、E340K、I342V、A343K、V344T、V344I、Y345A、345から346Dの間のギャップ、K346E、K349E、A350K、T354A、G357D、Q360K、T364S、364から365Cの間のギャップ、P365L、E366D、E366Kのうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有するCSD3派生体
を含む、ワクチンまたはP.アクネスポリペプチド。
63.DsA1および/またはDsA2派生体は、以下のアミノ酸交換:
DsA1:A301Y、G206L、G206F、A192L、G206R、G206W、G206Q、G206K、A301F、A301L、G206I、A301W、A301I、G206E、G206M、G208L、G206V、A192M、A256L、A192I、A68I、G206N、A68V、I259L、A161L、V205I、G206T、G206H、A68L、G206Y、A256I、G206A、68M、A192F、G110A、N239L、G206C、A301V、E305L、A93I、A93L、S223A、E305I、E305V、E305A、K120V、K120L、N157I、K120C、E305C、E305M、N239I、K120I、R248C、N239V、E191I、E305F、S78I、K120M、E191L、R248L、H146V、E191V、H146I、S78L、S78V、N157V、H146C、K120F、R248I、R248M、D164L、P236V、P236L、H146L、H146F、D164I、H146M、P86L、R248G、N239C、N157C、E305T、E191C、S78C、R248F、G221L、E305G、P236F、T171L、P86V、R248S、N157L、K120A、H146A、P86I、N157F、S235A、R248A、E191M、N157M、A124I、P236A、S78F、P236C、S78M、A161I、N239M、T171I、E191F、S235V、P86F、H146G、S223I、E305S、D164F、E305Y、P236M、S223L、N239F、H146Y、P236I、G221V、D164C、K120G、D164M、S235I、R248V、A124V、S235L、S223V、S147L、S235C、P86M、G208I、D164A、S147I、N239A、K120T、T117I、G110L、R248Y、P182I、A198L、A124L、A215L、A127L、A66L、P86C、G221F、R248T、T171F、P182V、S147V、P271V、T171V、G110V、P271A、E191A、A149L、K120Y、G114I、K120S、S235F、A201I、G131V、A201V、R248N、A66V、A202I、G221C、G114V、A229L、H146T、A124F、A127F、T117V、S223C、A215F、A127I、P182C、A215V、G162L、G162I、G208F、A201L、A161F、N157A、A198V、E191Y、A161V、S223F、G221M、R248W、G131C、A202V、N157T、S147F、N157Y、G114A、T171C、H146W、S78T、A149I、G250L、N239T、A149V、G208C、K120P、G250V、S235G、S223M、D164V、N239G、T171M、E191G、S78A、D164Y、P271I、G110F、G110C、D164W、P236Y、A124C、A66F、S147M、G75L、E305N、S147C、G221I、A127M、P182L、G221A、G110M、A66C、E305Q、P271F、A215M、P236W、K120W、H146P、A161C、A229I、S78G、G114M、P86A、E305W、V154L、G185V、G75I、S223Y、G75V、R248Q、T277V、E191S、A229F、T277G、G131I、N239S、P271C、V154I、A66M、D164G、G208A、P236T、R248D、D164T、A127C、A215I、A161M、P86W、A201F、C53L、T117F、G131A、T117C、A318L、F150L、G208M、P271M、A149C、G208V、G114C、G162F、S223W、A198I、N157G、A202L、P236G、G185I、A198F、A149M、P86Y、E191W、N157W、I263L、S235T、E305P、E305R、A201C、A201M、F150I、G96I、G114F、G221Y、A199L、D164S、A124M、A179I、A202F、H146S、A231L、C53I、I263V、G162M、K120Q、N239Y、G96L、G75C、N157S、T277C、T117A、A199V、G162C、P271Y、G250C、A127Y、A66I、T117L、G185C、A229C、R248P、A144I、T117M、P86T、A260L、G185A、E191Q、G131L、T277I、G250I、G131M、T277A、A127V、F150V、A318I、S78W、S147Y、A198M、P86G、A215C、A70I、S235M、A179V、A202M、A144V、A202C、G208W、T171Y、S147W、G208Y、G250F、A195L、K120H、A127W、A66Y、S223G、K120N、S78Y、E191N、A198C、P271G、V154F、A70V、H146N、A229M、A134L、P86S、S78Q、A199I、G75M、A68C、E191T、A89L、G96A、D164P、C53V、S78P、G185L、A149G、A149F、P182A;
DsA2:A161L、A161I、A126I、A126V、A126L、S175G、G190H、A161T、S183T、R336I、A126F、A161F、A329L、A161V、S283L、A205L、G109A、A329I、G265F、A161W、A232I、S175W、R336L、A300I、K349I、A161M、A300L、G109L、G109I、A246L、S183M、A223L、E235V、G252L、A329M、A126W、S183L、A259L、A329V、A329F、S183I、A242L、G109F、R336V、K117I、R336C、K117C、K349V、R336A、R336F、K117L、R336M、E235I、R310A、K349L、K117V、R310V、K349C、N201I、R310I、R310C、K349F、K349M、K117M、R292C、N201V、R336G、R292L、K117F、E235C、P130L、E235A、D208L、P280L、E235L、R292M、R336T、P280V、R292I、N201L、E235M、P130I、K117A、K349A、P130V、R292G、R310F、R336S、R336Y、N201C、K117G、R310L、R310M、R310G、R336W、D208V、R292F、P130F、K349Y、K117T、R310T、P280C、R292S、N201F、R310S、T215L、N201M、S279C、R292A、S279L、P280F、D208C、S175V、A126M、P280A、S279A、P130C、S279V、E235F、P186C、P130M、K349T、A126C、K349G、N320V、K117S、N320I、S283V、A168I、N320L、S175I、E235Y、P186V、P280I、P186A、P280M、G265L、D208M、P186L、K117Y、S283I、A205I、D208F、A168L、T215I、R292V、A133L、R336P、R310Y、A168V、S279F、S183V、A164I、S279I、S175L、D208A、K349S、E235T、S175C、A122I、D208I、A126Y、A123L、K117P、N320C、R292T、S283C、E235W、G252I、T215V、R292Y、R336Q、S175A、A123I、E235G、A205V、A171V、A133V、A245I、S183C、P226V、R310P、G181I、P226I、A168C、A246I、A171L、N201A、S175M、G158I、A164L、T215C、A164C、P280W、A133C、G119I、T215F、A245V、N320M、A122V、A123V、G206L、N320A、G265V、A122L、A193L、S191V、R310W、G252F、G181V、E235S、R292N、P130W、G119V、G265C、S279M、A259V、A259F、A168F、A168M、A246V、P226C、R292W、G158V、P130Y、G206V、P186G、C97L、N201Y、A171C、G265M、G140L、K117N、G140I、D208G、A193V、G181F、K349W、S279G、A245L、A205F、G158A、A193I、K117W、A122C、R310D、G294V、P186T、S175F、S191C、N201T、K349Q、R310N、A242V、T215M、D208Y、T321C、G252C、I276L、A259M、A171F、N201G、G119F、D208T、P186M、G229V、G294L、S191I、P186S、G119C、G229I、P130A、A205C、A171M、T321V、A193C、F268L、A133M、A123F、G357A、G109V、K117Q、N320G、R310Q、T321G、S283M、P186Y、G229A、R336D、N201S、S183F、F194L、F268V、A245F、G265A、G252A、R336H、A259I、A133I、A123C、P130T、G113L、D208S、P280T、F268I、G181C、P280Y、R336E、P280G、G158C、N320Y、G140V、K349P、R292D、D208W、N320F、G265I、R336N、A164M、G206M、F268C、G158M、R292P、S191L、G158F、G252M、A245C、G229C、E235Q、G252V、A205M、G206F、R292Q、G181M、A126G、A243L、K349N、S283A、A246M、S279T、P186I、A246F、A246C、A223I、C97I、A164V、A245M、A171I、G357I、A126T、S283F、A123M、F194I、K117D、P226L、P130S、G140F、I276F、F194V、A243V、P130G、G181L、G229F、A259C、G113I、K117H、N320S、G119M、A239L、G206C、A114I、E235N、K349D、A242I、A161C、G294C、G119L、A126S、T321L、A193M、A223V、A122M、G113C、A242C、N201W、R292H、A275L、A242M、G357V、P186F、G294I、D208P、A259W、A243I、R310E、G140C、A242F、G265W、S183A、G109C、G113F、S191F、G265Y、S94D、E95K、A343K、A350K、F176D、N196D、H147D、H146D、H147E、H146E、T91E、R250E、T91D、R251E、R148D、H254E、A170K、R250K、R251K、H254D、A170R、H146K、H147K、K346E、T90D、R250D、T90E、A138K、R251D、H262K、A169K、H146R、I102E、T90K、A271K、K346R、H306E、D124E、K326E、A169R、D124R
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを含む、実施形態1~62のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはDsA1および/もしくはDsA2派生体。
64.以下のアミノ酸交換:
T392F、F352L、T392I、M303F、A276Y、S365I、T392L、M303W、A276L、T392W、K363T、A361V、F286Y、A361I、K363F、M303Y、T392V、A361L、S365V、A270V、A276M、S365L、K363V、M312L、T252L、M387L、Y297F、A276F、G353T、A276W、K363S、T252R、L314I、T252I、A361F、L295I、L255I、A276I、K363L、S318W、V354L、K363I、A361T、S318I、A361M、G353L、T392Y、S365A、A270I、A361W、T252M、K363A、K363W、L319I、G353D、A276V、G353N、G353F、T252V、G353S、S318V、L255V、G364I、L394V、K363M、S318F、L390I、G353I、S335Y、G364L、S365M、T252Q、S365F、L330A、T252F、S318M、K363Y、G353V、S365G、S365W、K363G、T392M、V354F、A276T、G364W、K363C、P317I、S335C、P317L、P317F、G269C、S335A、P317V、G268C、S334V、S335V、G269V、S334C、A361C、G268I、G269F、G268L、S334I、G268V、G269L、S335G、S334A、G268F、S335T、P317C、P317M、S335L、A361Y、G269I、S335I、G268Y、K363P、G268W、S335M、K363H、F286I、G268M、G269M、G269W、G268A、S334G、S334L、G268P、G268T、G293F、F286L、T252C、S335N、T392C、K363N、S334F、M303I、K363Q、A376L、G364V、W245I、G269S、Y297C、S335Q、G358V、W245L、A376I、S334M、G358L、T252A、S318C、S335H、Y297L、S365C、M312I、G373L、Y297I、G358I、S335F、G268N、M303L、G269T、Y297V、P317A、G268Q、G268H、G293L、S334T、G305C、S318L、S335D、S335P、G364C、W245V、W245F、P317Y、T392A、F286V、S335W、A376V、G358C、K363D、M312F、G269N、S335R、A378I、A378C、P317W、G268K、G268R、G268D、A376C、G373V、M312V、M303V、G353C、S318A、G364F、G241C、G268E、G379I、G269P、F286C、L330F、G284V、W245C、A378V、L330I、G293I、G373C、G379L、S318Y、G358F、L394I、L330V、G373I、F352I、A361G、S335K、G246C、M387F、A378L、G241I、V354C、M387I、G269A、G308C、F352C、A276C、G293C、G269Q、K363R、G379V、F286W、W245M、G246V、A270C、G246L、M303C、G293V、G305A、Y297A、G345I、G241V;N388D、R248K、S336D、T372E、T249E、E316D、D348E、R382E、R382K、K265E、H327K、D338E、K333R、P386E、S336E、K341D、K341E、K341R、E385D、G268K、G268R、G268D、K340R、G268E、K333D、K368R、G353D;H306I+S335R、H306L+S335R、H306I+S335K、H306C+S335R、H306C+S335R、H306I+S335K、H306L+S335K、H306L+S335K、H306L+S335R、H306V+S335R、H306I+S335R、H306V+S335R、H306C+S335K、H306F+S335K、H306V+S335K、H306V+S335K、H306F+S335R、H306F+S335R、H306W+S335R、H306F+S335K、H306M+S335R、H306W+S335K、H306W+S335R、H306M+S335K、H306A+S335R、H306A+S335R、H306W+S335K、H306A+S335K、H306Y+S335R、H306Y+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306T+S335K、H306S+S335R、H306T+S335K、H306S+S335K、S334V+S335R、H306S+S335K、S334V+S335K、S334I+S335R、S334C+S335R、H306P+S335R、M312I+S335R、S334I+S335K、
S334V+S335R、S334V+S335K、H306P+S335K、S334C+S335R、S334A+S335R、M312F+S335R、M312L+S335R、S334C+S335K、H306R+Y381L、M312L+S335R、S250L+S335R、H306Q+S335R、H306N+S335K、S334C+S335K、S334A+S335K、H306P+S335K、H306Q+S335R、M312V+S335R、M312I+S335K、S334I+S335K、M312I+S335R、M312L+S335K、H306N+S335R、S334L+S335R、S334A+S335K、M312L+S335K、S250I+S335R、H306N+S335R、S250V+S335R、H306N+S335K、M312F+S335K、S250V+S335R、S250A+S335R、S334M+S335R、M312V+S335R、S250A+S335K、M312F+S335K、S250A+S335K、S250L+S335R、S334G+S335R、S250C+S335R、S250C+S335R、H306Q+S335K、S334G+S335R、Y254F+S335R、S334L+S335R、S250I+S335R、I309C+S335R、S250I+S335K、Y254C+S335R、S250L+S335K、M312V+S335K、S334G+S335K、S250L+H306R、S250V+H306R、H306R+Y381I、M312V+S335K、S250I+H306R、M312C+S335R、Y254C+S335R、S250V+S335K、Y254W+S335R、S334G+S335K、S250L+H306R、S250L+S335K、Y254W+S335R、S250V+S335K、S334L+S335K、I309C+S335R、I309C+S335K、Y254F+S335R、S250A+S335R、S250C+S335K、S250I+H306R、S250A+H306R、S250C+S335K、H306Q+S335K、Y254C+S335K、S334L+S335K、S250A+H306R、I309C+S335K、Y254W+S335K、Y254C+S335K、Y254I+S335R、H306R+Y381C、S250M+S335K、M312C+S335K、M312C+S335K、S250V+H306R、S250M+S335R、Y254V+S335R、Y254I+S335K、S250W+S335R、I259C+S335R、S334M+S335R、Y254A+S335R、Y254V+S335R、S250M+S335K、F251L+S35R、Y254I+H306R、I259C+S335K、Y254I+S335R、I259C+S335K、S250Y+S335K、Y254F+S335K、S250M+S335R、Y254F+H306R、Y254V+S335K、Y254V+H306R、S334T+S335K、S334Y+S335R、Y254A+S335R、S334M+S335K、Y254I+H306R、Y254M+S335K、Y254A+S335K、S334F+S335R、S334M+S335K、F251L+H306R、S334T+S335R、Y254I+S335K、Y254A+S335K、S334T+S335K、S250Y+H306R、Y254A+H306R、Y254M+S335K、F251L+S335K、I259C+S335R、F251L+H306R、Y254M+H306R、S334P+S335R、S334P+S335R、S334P+S335K、S334F+S335R、Y254M+S335R、H306I+S335C、H306L+S335C、H306L+S335C、H306I+S335C、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306L+S335V、H306M+S335C、H306I+S335G、H306I+S335G、H306I+S335A、H306I+S335A、H306F+S335C、H306F+S335C、H306L+S335V、H306I+S335T、H306L+S335A、H306C+S335A、H306I+S335V、H306I+S335V、H306L+S334V、H306L+S335A、H306C+S335V、H306L+S334C、H306I+S335I、H306I+S334A、H306L+S334C、H306L+S334V、H306F+S334V、H306C+S335A、H306F+S335V、H306C+S334V、H306C+S334V、H306I+S335L、H306C+S335V、H306L+S334I、H306M+S335C、H306I+S334C、H306I+S335I、H306W+S335C、H306V+S335A、H306I+S334C、H306I+S334I、H306L+S335I、H306V+S335A、H306C+S334C、H306L+S335G、H306C+S334C、H306L+S335T、H306I+S334I、H306V+S334V、H306I+S335L、H306M+S335V、H306V+S335V、H306V+S335V、H306I+S335M、H306L+S335T、H306V+S335I、H306C+S335G、H306L+S335L、H306C+S334I、H306L+S335Y、H306L+S335I、H306V+S334V、H306C+S335G、H306I+S334A、H306L+S334A、H306C+S335I、H306F+S335V、H306I+S335T、H306L+S335Y、H306C+S334I、H306L+S334I、H306V+S335G、H306V+S335G、H306A+S335C、H306A+S335C、H306M+S335A、H306C+S334A、H306V+S335I、H306L+S335G、H306L+S334A、
H306C+S334A、H306I+S335Y、H306I+S335Y、H306W+S335C、H306F+S335A、H306F+S335A、H306F+S335I、H306I+S335N、H306L+S335L、H306I+S335M、H306I+S335N、H306V+S334I、H306V+S334C、H306V+S335L、H306C+S335L、H306C+S335L、H306I+A376L、H306F+S335T、H306L+S335M、H306F+S334V、S334V+S335C、S335C+Y381L、S335C+A376I、S334I+S335C、S334V+S335C、M312I+S335C、M312I+S335C、S335C+A376L、S334I+S335C、S335C+A376L、S335C+A378C、S335C+A376C、S335C+A376V、S334A+S335C、S335C+A378C、S334A+S335C、S335C+A376I、S334V+S335A、S335A+A376L、S335C+A376C、S335C+A376V、S335C+A378L、S334V+S335A、S335A+A376I、S334V+A376L、S334I+S335V、S335C+A378I、M312F+S335C、M312F+S335C、S334I+S335A、S335C+A378V、S335V+A376L、S334V+S335L、S335C+A378I、S334C+S335V、S334V+A376I、S334V+A376I、S335V+A376I、M312I+S334V、S334V+S335I、S335C+Y381I、M312V+S335C、S335C+A378L、S335A+Y381L、S334C+A376C、S334V+S335I、S335C+Y381V、M312L+S335C、S335C+A378V、S335V+A376L、S334I+S335V、S335C+Y381C、S335V+A376I、S334C+A376L、S334C+Y381L、M312V+S335C、S334V+S335L、S334C+A376I、S334C+A376C、S334V+Y381L、M312L+S335C、S335V+A376V、S334I+A376I、S335V+A376V、S335V+Y381L、Y254F+S335C、L310F+S335C、S335I+A376I、S334V+A376V、M312I+S335V、S334C+S335A、S334I+A376L、M312F+S335V、S335C+Y381A、L310F+S335C、S334G+S335C、S334G+S335C、S334V+A376V、S335C+A376M、S335C+A376M、S334A+S335I、S334V+A376L、M312C+S335C、S334C+S335A、S335A+A376V、S334A+S335V、S334A+S335V、Y254F+S335C、S335A+A376L、S335A+Y381I、S335A+A376I、S334L+S335C、S335A+A376V、M312C+S335C、D152F、D152L、D152I、D152V、D152M、D152W、D152Y、D152S、D152A、D152T、D152G、D152N、D152Q、D152P、D152H、D152K、D152R、D152C、D155Q、D155L、D155F、D155I、D155M、D155W、D155V、D155Y、D155A、D155N、D155T、D155S、D155P、D155G、D155H、D155R、D155K、D155C、D156L、D156F、D156I、D156W、D156V、D156A、D156Y、D156M、D156G、D156S、D156T、D156Q、D156N、D156P、D156H、D156K、D156R、D156C、H146R、H146K、H153R、H153K、Y63A、H146A、H153A、F74A、L141A、F81A、P72A、K144A、T143A、Y75A、W98A、D156A、R158A、S250W、S250F、S250D、S250E、S250K、S250R、F251A、Y254A、I259W、I259F、I259D、I259E、I259R、I259K、H306A、I309W、I309F、I309E、I309D、I309R、I309K、L310W、L310F、L310D、L310E、L310R、L310K、M312W、M312F、M312D、M312E、M312R、M312K、S334W、S334F、S334D、S334E、S334R、S334K、S335W、S335F、S335D、S335E、S335K、S335R、M337W、M337F、M337D、M337E、M337K、M337R、A376W、A376F、A376E、A376D、A376R、A376K、F377、A378W、A378F、A378D、A378E、A378K、A378R、F380A、Y381A、D348I、D348L、D348M、D348F、D348V、D348Y、D348A、D348W、D348T、D348G、D348P、D348H、D348S、D348R、D348K、D348E、D348C、H306R、H306D、H306E、H306K、H307D、H307R、H307E、H307K、H327R、H327K、H327E、H327D、H302E、H302K、H302R、H302D、H215K、H215R、H215E、H215D、H223K、H223R、H223E、H223D、H403K、H403R、H403E、H403D
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを含むPITP派生体をさらに含む、実施形態1~63のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはDsA1および/もしくはDsA2派生体。
65.配列番号49によるポリペプチドの少なくとも1つのP.アクネスエピトープを有するポリペプチドを含み、配列番号49によるポリペプチドの少なくとも1つのP.アクネスエピトープを有するポリペプチドは、好ましくは、配列番号49と比較して、以下のアミノ酸交換:
A274Y、S26C、S26L、A274F、S26I、G119H、A274L、A274W、S26V、S26M、S212L、T108I、A134L、S26F、N130V、A229L、A274I、G194F、S26W、A291F、G181I、A229I、E278I、A175L、G181L、A152L、A274V、N130L、E278V、K46I、E278L、E278A、K46C、K46L、K93L、K93V、E164I、E278C、E164V、E278M、N130I、K46V、R221C、K93C、K46M、S51L、K93I、E278F、K93M、E164A、S51I、R221L、P209L、K46F、S51V、E164C、R221I、E164M、K93F、D137L、P209V、E164L、P59L、R221F、N130C、S51C、R221G、E278T、K46G、P59V、K46A、N130M、E278G、D137V、K46T、P209C、P59I、P209I、T144L、N130F、E164F、S51F、R221M、P209F、S51M、R221S、P209A、K93A、P209M、E164Y、D137C、R221A、P115C、P59F、S208A、K46S、P115V、A134I、P115A、S212V、N249L、E278S、D137F、D137M、P115L、S212I、R221V、N249V、D137I、E278Y、G194L、P59M、R221T、A188L、N249I、T144I、E164T、S208C、S208V、D137A、K46Y、K93G、G87I、E164G、K46P、P59C、A97V、S212C、G83L、K93T、N249C、A134V、G83V、T108V、T112L、T144V、A100L、G87V、E164W、E164S、A171L、A97L、A188F、K93W、T90I、A174I、K93Y、A111L、A97I、N130A、G48I、E278W、R221Y、G135L、T112V、F197V、T144F、K93S、G194V、G87A、A188V、T144C、K46N、P115M、A175I、N130T、S51A、G194C、G48L、G104V、A174V、G158V、T90V、R221N、A202L、A39L、A134F、D137Y、G158I、A174L、P155V、A171V、S51T、F197I、T112C、D137W、G135V、D137G、P115G、T250C、S208L、A100I、T250L、T144M、T108C、P115F、G69L、T112F、G181F、A100F、S208I、G223V、T250V、N249M、A111V、N249Y、A111F、A188M、A111I、P209Y、A175V、P155I、N130G、S120V、A111C、A100C、A97F、G194M、G69I、E278Q、S208G、G181C、G87F、G48V、A97C、I205L、G194I、D137T、S51G、F197C、G223L、N249A、S51Y、P115S、A202I、P155C、S26A、G83M、S120C、D137S、E278N、G83F、G158C、P59Y、G87C、G87M、N130S、P115I、A202F、A100M、G83C、S212M、A39V、A188I、F197L、G181M、A134C、P115T、A174F、K93P、P209W、P209G、P59A、A39C、G104I、T250G、S208F、R221Q、G181A、G104C、T90C、K46Q、P209T、K46W、A171I、G158A、A134M、G48C、G194A、T90A、T90M、N130Y、N249F、A172L、A152V、A152I、P59W、R221P、G158F、T112M、G135M、G181V、G104L、S208T、N249W、A97M、G135F、K93Q、G42L、A111M、G104A、E278P、T90L、R221D、A175C、A188C、A291L、S212A、F123L、T250I、A174C、E164Q、P155L、A174M、G158M、A172V、E164N、A168L、T90F、A39F、G42V、I205F、A39M、N249G、A175F、G135C、A171F、S212F、K46D、A100Y、G42I、P59G、G69A、E164P、G158L、G42C、A171C、T250M、T108L、K93N、A171M、G223I、A175M、T108M、A172I、S51P、A291I、A111Y、G20V、S120I、P59T、A58I、G223C、S208M、G48M、K46H、A62L、A43I、T250A、N130W、G194Y、R221H、D137P、N249S、G104F、A100V、F123I、A172C、T112I、G69F、P115Y、P59S、A100W、G104M、G69C、R221W、K93H、A204L、G20L、G223F、A168I、D28K、E275K、K77R、D17R、H76D、H75D、H76E、K77D、H75E、P294D、S293D、S293E、D286E、P294E、S292E、D285E、H76R、K77E、K289R、P295D、D285K、R179E、H75R、P295E、P294R、P294K、D286K、D285R、S293R、S293K、R180D、R180K、H183E、R179K、K289E、R180E、A98K、R179D、A99K、S292D、D286R、K290D、H75K、A99E、N256E、K290E、K290R、R239D、A199K、A200K、K255E、H183D、A99R、H235E、A98R、D102K、およびA200R
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを含む、実施形態1~64のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはDsA1および/もしくはDsA2派生体。
66.DsA1ドメインは、以下のとおりに定義され:Q6A5X9の配列中のNSR:S29~I48、I49~L130のCSD1、G131~S147のSR1、A148~L267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列;
ならびに/またはDsA2ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列;
ならびに/またはPITPドメインは以下のとおりに定義される:Q6A9N1の配列中のA32~R164のENFD;E165~K237のSR1、V238~L396のHbD、S397~T430のSR2(C末端LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、LPXTを含むが、Gを含まない))およびG431~I467のhLARもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的PITP配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のPITP配列、実施形態1~63のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはDsA1および/またはDsA2派生体。
67.液剤中に、または液剤に再構成可能である乾燥もしくは凍結製剤中に、0.01mg/ml~50mg/ml、好ましくは、0.05~5mg/ml、特に、0.1~1mg/mlの、少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む上記で定義されるようなポリペプチド、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNaHPO、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNaHPO、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKHPO、1~1000mM、好ましくは、5~500mM、特に、50~300mMのNaCl、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKClおよび/または0.01~1%、好ましくは、0.05~0,5%、特に、0.1~0.5%のアルミニウムアジュバント(水酸化アルミニウム)を含む、請求項1~64のいずれか1項に従う医薬組成物。
68.液剤中に、または液剤に再構成可能である乾燥もしくは凍結製剤中に、4.5~7.4の、好ましくは、4.7~7.3の、いっそうより好ましくは、5.0~7.3の、特に、5.3~7.2のpHを有する、請求項1~67のいずれか1項に従う医薬組成物。
69.少なくともP.アクネスのIA1、IA2およびII型に対して交差型反応性を誘発する、ならびに/または少なくともP.アクネスのIA1、IA2、IB、IIおよびIII型に対して交差型反応性を誘発する、請求項1~68のいずれか1項に記載のP.アクネスポリペプチドを含む医薬組成物またはワクチン。
70.ポリペプチドは、N末端メチオニン残基を欠く形態で少なくとも部分的に組成物中に存在する、請求項1~69のいずれか1項で定義されるようなポリペプチドを含む医薬組成物。
71.P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)および/またはP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)および/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/または派生体を含むワクチンであって、DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、断片および/または派生体は、少なくともCSD2断片を含むまたはからなり、CSD2断片は、好ましくは、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であり、アミノ酸番号付けは、UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A5X9に対応する、前記ワクチン。
72.断片または派生体は、少なくとも、
- フェニルアラニン150(F150)~イソロイシン193(I193)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態71に従うワクチン。
73.断片または派生体は、DsA1もしくはDsA2のCSD1、DsA1もしくはDsA2のSR1、DsA1もしくはDsA2のSR2、DsA1もしくはDsA2のCSD3またはDsA1もしくはDsA2のPTリピート領域をさらに含まないという条件で、好ましくは、断片または派生体は、DsA1もしくはDsA2のCSD1、DsA1もしくはDsA2のSR1、DsA1もしくはDsA2のSR2、DsA1もしくはDsA2のCSD3およびDsA1もしくはDsA2のPTリピート領域をさらに含まないという条件で、実施形態71または72に従うワクチン。
74.断片は、
(1)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列;
(2)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、および/または
(3)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
である、実施形態71~73のいずれか1項に従うワクチン。
75.断片は、少なくとも35個のアミノ酸の長さ、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さを有する、実施形態71~74のいずれか1項に従うワクチン。
76.DsA1またはDsA2抗原またはエピトープではない、少なくとも1つの追加のP.アクネス抗原またはP.アクネスエピトープを含有するまたはからなるアミノ酸配列、好ましくは、少なくともP.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITP)ポリペプチドまたはP.アクネスのPITPポリペプチドの少なくとも1つのエピトープを含有する少なくとも1つの追加のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの追加のポリペプチドを含み、PITPポリペプチドは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXTGモチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含む、実施形態71~75のいずれか1項に従うワクチン。
77.派生体は、PITPポリペプチド由来の少なくとも1つの追加の配列、好ましくは、ENFD、SR1、HbDおよびSR2のうち、好ましくは、ENFDおよびHbDから選択される少なくとも1つを含む配列を含む、実施形態76に従うワクチン。
78.DsA1の少なくとも1つの断片およびDsA2の少なくとも1つの断片を含む派生体を含む、実施形態71~77のいずれか1項に従うワクチン。
79.DsA1/DsA2断片または派生体において、少なくとも5つのPTリピート、好ましくは、少なくとも10のPTリピート、特に、少なくとも15のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然DsA1/DsA2」)と比較して欠失しており、好ましくは、少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、いっそうより好ましくは少なくとも4つの、特に5つのPTリピートが存在する、実施形態71~78のいずれか1項に従うワクチン。
80.派生体は、CSD2断片が由来する株以外の、少なくとも1つの他のP.アクネス株に由来する、少なくとも1つの他のDsA1および/またはDsA2に由来する、少なくともNSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、CSD3および/またはCTRをさらに含む、実施形態71~79のいずれか1項に従うワクチン。
81.断片または派生体は、NSRおよび/またはCTRを欠く、実施形態71~80のいずれか1項に従うワクチン。
82.別のP.アクネス抗原またはエピトープ、好ましくは、DsA2および/もしくはPITPから選択される抗原ならびに/またはDsA2エピトープおよび/もしくはPITPエピトープをさらに含む、実施形態71~81のいずれか1項に従うワクチン。
83.別のP.アクネスポリペプチドの断片を含有するエピトープ、好ましくは、DsA2および/またはPITPの断片を含有するエピトープをさらに含む、実施形態71~82のいずれか1項に従うワクチン。
84.治療的処置において使用するための、好ましくは、特に、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択されるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態71~83のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
85.P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、実施形態71~83のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体。
86.PITPポリペプチドおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を含み、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体に結合されたポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物をさらに含み、ポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物は、好ましくは、複合体形態中に金属イオンを含有し、金属イオンは、好ましくは、Fe、Co、Zn、Mg、SeまたはCuイオン、特に、Fe2+またはFe3+イオンである、実施形態1~85のいずれか1項に従う医薬製剤、特に、ワクチン。
87.PITPポリペプチドおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を含み、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体に結合されたポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物をさらに含み、ポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物は、群ヘミン、プロトポルフィリン(protoprophyrin)IX、コプロポルフィリンI、IIおよび/またはIII、特に、コプロポルフィリンIII;ペンタカルボキシポルフィリン、ウロポルフィリン、ヘプタカルボキシポルフィリン、ヘキサカルボキシポルフィリン、特に、IまたはIII型のような;ニトロ-ポルフィリン、特に、5,10,15,20-テトラフェニルポルフィリン(TPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-フルオロフェニル)ポルフィリン(TpFPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-クロロフェニル)ポルフィリン(TpClPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-ブロモフェニル)ポルフィリン(TpBrPP)、ビリベルジン、5,10-ジフェニル-15,20-ジ(N-メチルピリジニウム-4-イル)ポルフィリン(ジ-シス-Py+)、PORF-1~PORF-34、ポルフィン、オクタエチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、ベルテポルフィン、アスコプロポルフィリン(ascoproporphyrin)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、メソポルフィリンIX、7-カルボキシポルフィリン(7P)、6-カルボキシポルフィリン(6P)、ヘムA、ヘムB、ヘムC、ヘムO、ヘムI、ヘムm、ヘムD、Sヘム;ウロポルフィリノーゲンIII、クロロフィル、特に、クロロフィルa、クロロフィルbおよびバクテリオクロロフィルから選択される、実施形態1~86のいずれか1項に従う医薬製剤、特に、ワクチン。
88.DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含み、エピトープは、DsA1のR32-I41、Q38-K51、R32-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+T43-K51、R87-K90+T117-I132およびR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、T117-I132、T117-A127、V128-I132、A144-N157、H146-A160、A148-N157、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、I216-D225、A226-A240、S234-G250、I251-I263、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-I263、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-R286+I216-F224、T285-R286+I264-P271、T285-R286+V289-K296、T285-R286+V289-K296、T285-R286+A144-N157、A310-D313+T285-R286、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、A301-E307、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、R286-T300、V289-K296、A310-D313+I216-F224、A310-D313+I264-P271、A310-D313+T285-R286、A310-D313+R286-D290、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、A301-E307;DsA2のL152-Q166、G190-P230、I199-D208、A218-I237、P230-Q244、I231-A270、H254-A270、A271-S279、A271-R310、L311-T321、L311-K323、V333-Q347、A218-P230、I231-I237、H254-H262、Q256-H262、E261-D269、D269-S279、K313-K323;PITPのD79-T90、E73-D85、R43-I50、P68-Y75、P86-E92、I39-G45、Y84-D89、F81-D89、D79-T90、T37-E44、E73-W98、E73-F81、D89-T90、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、F111-D120、F132-G147、D152-E165、R115-F123、D120-K128、P131-F138、N181-E191、T143-T159、P116-T124、P131-D137、P131-D137、T175-C231、Q198-K203、P179-K185、G200-Q210、K174-A188、K174-K185、P201-Q209、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R164-S180、E165-S180、K185-S190、V193-N202、V193-G200、K203-P208、R216-T225、R216-R224、P173-K191、K197-K203、P168-T175、K185-K203、R164-K174、T175-V193、S250-N261、D287-S300、K340-V347、D338-F352、D338-D348、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、G305-L314、G364-K375、R382-E399、V367-G373、A383-L390、T342-T351、M387-T395、E385-T392、V401-V410、N404-A409、G416-L427、L396-V410、T406-I415、D417-G424、V407-D418、V407-V414、K421-V429、S419-T430、D408-I415、T406-V414からなる群から選択され、好ましくは、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のNまたはC末端に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を含み、特に、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のNまたはC末端に少なくとも2個の追加のアミノ酸残基を含み;ポリペプチドは、好ましくは、担体分子分子に共有結合的に連結されるか、または足場、特に、担体ポリペプチド中に埋め込まれる、P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態1~87のいずれか1項で定義されるようなワクチンまたは医薬製剤。
89.DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含み、ポリペプチドは、ポリペプチドの5または6位で出発するモチーフK[NYI]を有するDsA1/DsA2/PITP派生体であり、および/またはDNAレベルでこのコーディング位置に配列AADUAUまたはAAVAUUを有する、P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための実施形態1~87のいずれか1項で定義されるようなワクチンまたは医薬製剤。
90.DsA1および/もしくはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子が以下の構造:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有し;特に、mRNAは、配列番号67~76から転写されるような配列を含む、実施形態1~89のいずれか1項に従うワクチンまたはポリペプチド。
91.実施形態1~90のいずれか1項に従うワクチンまたはポリペプチドを含む医薬製剤であって、これらの請求項のいずれか1項で定義されるようなポリペプチド、すなわち、実施形態1~90のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体またはそれらの混合物と、医薬上許容される賦形剤または担体とを含む、前記医薬製剤。
92.ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の方法であって、実施形態1~91のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法。
93.P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための方法であって、実施形態1~91のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法。
94.投与は、皮内、皮下(s.c.)、非経口、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与によって、好ましくは、皮内または筋肉内投与によって、特に、シリンジによって、またはマイクロニードリングデバイスによって実行される、請求項93に記載の方法。
95.実施形態1~91のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成の方法であって、これらの請求項で定義されるような少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞において発現され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法。
96.(a)少なくともDsA1のCSD1の断片または派生体を含有するエピトープおよび少なくともDsA2のCSD2の断片または派生体を含有するエピトープを含む;ならびに/または
(b)少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD1のCSD1断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチおよび少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD2のCSD2断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチを含む;
(c)少なくともDsA1の
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、および
DsA2の
- フェニルアラニン194(F194)~ロイシン228(L228)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン194(F194)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン262(H262)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列を含む、
ポリペプチドを含む、
特に、ポリペプチドは、ポリペプチド中に存在する場合はDsA1のC53、C319およびC321ならびにDsA2のC97およびC363のうち1つまたはそれ以上にアミノ酸交換、好ましくは、アミノ酸交換DsA1のC53S、C319SおよびC321PならびにDsA2のC97SおよびC363Sのうち1つまたはそれ以上を含み、ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片または派生体において、少なくとも5つのPTリピート、好ましくは、少なくとも10のPTリピート、特に、少なくとも15のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然DsA1/DsA2」)と比較して欠失しており、好ましくは、少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、いっそうより好ましくは少なくとも4つの、特に5つのPTリピートが存在する、実施形態1~91のいずれか1項に従うワクチン。
97.ポリペプチドは、PITPポリペプチドまたは少なくともPITPのエピトープを含む少なくとも30個のアミノ酸残基のポリペプチドストレッチを含むPITPの断片または派生体をさらに含む、好ましくは、PITPポリペプチドまたはPITPの断片または派生体は、少なくとも
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDもしくはそのPITP派生体のバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列を含み;
特に、PITP派生体は、位置C231およびC402にアミノ酸交換を含む、請求項1~96のいずれか1項に記載のワクチン。
98.実施形態1~91のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成の方法であって、これらの請求項で定義されるような少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞においてmRNAとして発現され、生成され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法。
99.宿主細胞は、真核生物または原核生物の宿主細胞、好ましくは、原核生物の宿主細胞、特に、大腸菌(E.coli)またはL.ラクティス(lactis);または実施形態1~96のいずれか1項で定義されるような発現されたポリペプチドをグリコシル化できる宿主細胞である、実施形態98に従う方法。
100.宿主細胞は、天然にポルフィリンを合成できず、好ましくは、ポルフィリンは、培養物に、溶解バッファーに、および/または精製されたタンパク質に添加される、実施形態98または99に従う方法。
101.配列番号1~66の、または配列番号67~76によってコードされるポリペプチドが、宿主細胞において発現される、実施形態98~100のいずれか1項に従う方法。
したがって、本発明はまた、とりわけ、PITPが製品において、好ましくは、医薬製剤において、特に、PITP、少なくとも1つのPITP断片または少なくとも1つの免疫原性PITPエピトープとの融合ポリペプチドを含むワクチンにおいて使用される本発明の態様のために具体的に示された以下の実施形態を開示する:
1.P.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITPポリペプチド)および/またはPITPの断片および/または派生体を含むワクチンであって、PITPは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXT(G)モチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含み、断片および/または派生体は、少なくともPITPエピトープを含むまたはからなる、前記ワクチン。
2.断片および/または派生体は、hLARが欠失している、親水性C末端領域によって置き換えられている、または部分欠失しており、部分欠失が、hLARのN末端の12個のアミノ酸を除く、好ましくは、hLARのN末端の11個のアミノ酸を除く、特に、hLARのN末端の10個のアミノ酸を除くhLARの喪失をもたらす、PITPポリペプチドである;あるいは少なくともUniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中のENFDのプロリン34~グルタミン酸73もしくはプロリン94~トレオニン143またはHbDのバリン238~アスパラギン393に対応するアミノ酸を含むその断片もしくは派生体である、実施形態1に従うワクチン。
3.断片または派生体は、少なくとも
- ENFDのプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDのプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDのバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態1または2に従うワクチン。
4.断片または派生体は、少なくとも8個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも9個のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも10個のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも15個のアミノ酸、いっそうより好ましくは、少なくとも35個のアミノ酸の長さ、いっそうより好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さのPITPポリペプチドのENFDの、および/またはHbDの断片を含有する、実施形態1~3のいずれか1項に従うワクチン。
5.PITP抗原またはエピトープではない、少なくとも1つの追加のP.アクネス抗原またはP.アクネスエピトープを含有するまたはからなるアミノ酸配列、好ましくは、少なくともP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)ならびに/またはP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体を含有する少なくとも1つの追加のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの追加のポリペプチドを含み、DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、断片および/または派生体は、少なくともCSD2断片を含むまたはからなり、CSD2断片は、好ましくは、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であり、アミノ酸番号付けは、UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A5X9に対応する、実施形態1~4のいずれか1項に従うワクチン。
6.派生体は、DsA1またはDsA2ポリペプチドに由来する少なくとも1つの追加の配列、好ましくは、DsA1またはDsA2のCSD1、CSD2、CSD3またはそのエピトープ含有断片のうち少なくとも1つを含む配列を含む、実施形態5に従うワクチン。
7.断片および/または派生体は、hLARが欠失している、親水性C末端領域によって置き換えられている、または部分欠失しており、部分欠失が、hLARのN末端の12個のアミノ酸を除く、好ましくは、hLARのN末端の11個のアミノ酸を除く、特に、hLARのN末端の10個のアミノ酸を除くhLARの喪失をもたらす、PITPポリペプチドである;あるいは少なくともUniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中のENFDのプロリン34~グルタミン酸73もしくはプロリン94~トレオニン143またはHbDのバリン238~アスパラギン393に対応するアミノ酸を含むその断片もしくは派生体である、実施形態1~6のいずれか1項に従うワクチンまたは実施形態1~6のいずれか1項で定義されるようなPITPポリペプチドの単離された断片または派生体。
8.断片または派生体は、少なくとも
- ENFDまたはHbDのポルフィリン結合性ドメインまたはそのポルフィリン(prophyin)結合性派生体、
- ENFDのプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDのプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDのバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態1~6のいずれか1項に従うワクチンまたは実施形態7に従うPITPポリペプチドの断片もしくは派生体。
9.断片または派生体は、少なくともENFDのエピトープおよび/またはHbDのエピトープを含むまたはからなる、好ましくは、断片または派生体は、少なくともENFDのエピトープおよびHbDのエピトープを含むまたはからなる、実施形態1~6のいずれか1項に従うワクチンまたは実施形態7もしくは8に従うPITPポリペプチドの断片もしくは派生体。
10.派生体は、PITP断片または派生体が由来する株以外の、少なくとも1つの他のP.アクネス株に由来する、少なくとも1つの他のPITPに由来する少なくともENFDおよび/またはHbDをさらに含む、実施形態1~6のいずれか1項に従うワクチンまたは実施形態7~9のいずれか1項に従うPITPポリペプチドの断片もしくは派生体。
11.UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中の、セリン180(S180)~グルタミン198(Q198)に対応するSR、好ましくは、少なくともプロリン179(P179)~トレオニン207(T207)に対応するアミノ酸配列、特に、グルタミン酸165(E165)~リシン237(K237)またはバリン401(V401)~トレオニン430(T430)、好ましくは、セリン397(S397)~T430、特に、ロイシン394~T430に対応するアミノ酸配列を欠く、実施形態1~6のいずれか1項に従うワクチンまたは実施形態7~10のいずれか1項に従うPITPポリペプチドの断片または派生体。
12.UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1における番号付けに従って、少なくともロイシン427(L427)~グリシン431(G431)に対応するアミノ酸配列が欠失している、好ましくは、少なくともプロリン179(P179)~グリシン431(G431)に対応するアミノ酸配列が欠失している、特に、少なくともトレオニン392(T392)~グリシン431(G431)に対応するアミノ酸配列が欠失している、実施形態1~6のいずれか1項に従うワクチンまたは実施形態7~11のいずれか1項に従うPITPポリペプチドの断片もしくは派生体。
13.UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中の、少なくともセリン180(S180)~グルタミン198(Q198)および/またはフェニルアラニン74(F74)~セリン93(S93)に対応するアミノ酸配列、好ましくは、少なくともプロリン179(P179)~トレオニン207(T207)に対応するアミノ酸配列、特に、トレオニン159(T159)~トレオニン219(T219)に対応するアミノ酸配列が欠失している、実施形態1~6のいずれか1項に従うワクチンまたは実施形態7~12のいずれか1項に従うPITPポリペプチドの断片もしくは派生体。
14.断片または派生体は、以下のアミノ酸:A32~T430、A32~G426、A32~Q198、A32~T143、A32~K400、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~R164、A32~S391、A32~P179、A32~R158、A32~G147、A32~E73およびP94~G147;P34~T430、P34~G426、P34~Q198、P34~T143、P34~K400、P34~T159、P34~I177、P34~Q204、P34~G234、P34~R164、P34~S391、P34~P179、P34~R158、P34~G147、P34~E73およびP94~G147;S240~S391、A32~D441、A32~I440、A32~E439、A32~D438、A32~S437、A32~S436、A32~P435、A32~G434、A32~E433、A32~A432、A32~G431;P34~D441、P34~I440、P34~E439、P34~D438、P34~S437、P34~S436、P34~P435、P34~G434、P34~E433、P34~A432、P34~G431;S240~D441、S240~I440、S240~E439、S240~D438、S240~S437、S240~S436、S240~P435、S240~G434、S240~E433、S240~A432、S240~G431;A32~T430、A32~V429、A32~P428、A32~L427、A32~G426、A32~R425、A32~G424、A32~A423、A32~G422、A32~K421、A32~G420、A32~S419、A32~D418、A32~D417、A32~G416、A32~I415、A32~V414、A32~K413、A32~G412、A32~T411、A32~V410、A32~A409、A32~D408、A32~V407、A32~T406、A32~V405、A32~N404、A32~H403、A32~C402、A32~V401、A32~K400、A32~E399、A32~A398、A32~S397、A32~L396、A32~T395、A32~L394、A32~N393、A32~T392;P34~T430、P34~V429、P34~P428、P34~L427、P34~G426、P34~R425、P34~G424、P34~A423、P34~G422、P34~K421、P34~G420、P34~S419、P34~D418、P34~D417、P34~G416、P34~I415、P34~V414、P34~K413、P34~G412、P34~T411、P34~V410、P34~A409、P34~D408、P34~V407、P34~T406、P34~V405、P34~N404、P34~H403、P34~C402、P34~V401、P34~K400、P34~E399、P34~A398、P34~S397、P34~L396、P34~T395、P34~L394、P34~N393、P34~T392;G172~T430、G172~V401、G172~K400、G172~L396、G172~N393、A199~T430、A199~V401、A199~K400、A199~L396、A199~N393、H223~T430、H223~V401、H223~K400、H223~L396、H223~N393、T232~T430、T232~V401、T232~K400、T232~L396、T232~N393、G234~T430、G234~V401、G234~K400、G234~L396、G234~N393、V238~T430、V238~V401、V238~K400、V238~L396、V238~N393、S240~T430、S240~V429、S240~P428、S240~L427、S240~G426、S240~R425、S240~G424、S240~A423、S240~G422、S240~K421、S240~G420、S240~S419、S240~D418、S240~D417、S240~G416、S240~I415、S240~V414、S240~K413、S240~G412、S240~T411、S240~V410、S240~A409、S240~D408、S240~V407、S240~T406、S240~V405、S240~N404、S240~H403、S240~C402、S240~V401、S240~K400、S240~E399、S240~A398、S240~S397、S240~L396、S240~T395、S240~L394、S240~N393、S240~T392;39I-48I、40P-49T、41V-50I、42G-51S、43R-52G、44E-53K、68P-77N、69A-78S、70S-79D、71V-80K、72P-81F、73E-82Y、74F-83G、75Y-84Y、76G-85D、77N-86P、78S-87S、79D-88K、80K-89D、81F-90T、82Y-91T、83G-92E、84Y-93S、85D-94P、86P-95S、87S-96T、88K-97I、89D-98W、90T-99V、91T-100Y、92E-101T、93S-102P、94P-103S、95S-104Q、96T-105K、97I-106A、98W-107I、99V-108G、100Y-109S、101T-110R、102P-111F、103S-112A、104Q-113Q、105K-114G、106A-115R、107I-116P、108G-117M、109S-118N、110R-119N、111F-120D、112A-121G、125I-134Q、126T-135G、127M-136K、128K-137D、144K-153H、145A-154S、146H-155D、147G-156D、148V-157T、149G-158R、150K-159T、151T-160P、152D-161V、153H-162T、154S-163Y、155D-164R、156D-165E、157T-166A、158R-167T、159T-168P、160P-169A、161V-170P、162T-171T、163Y-172G、164R-173P、165E-174K、166A-175T、167T-176P、168P-177I、169A-178A、170P-179P、171T-180S、172G-181K、173P-182Q、174K-183P、175T-184S、176P-185K、177I-186Q、178A-187A、179P-188A、180S-189P、181K-190S、182Q-191K、183P-192Q、184S-193V、185K-194K、186Q-195P、187A-196S、188A-197K、189P-198Q、190S-199A、191K-200G、192Q-201P、193V-202N、194K-203K、195P-204Q、196S-205S、197K-206T、198Q-207T、199A-208P、200G-209Q、201P-210Q、202N-211K、203K-212T、204Q-213A、205S-214E、206T-215H、207T-216R、208P-217S、209Q-218Q、210Q-219T、211K-220P、212T-221A、213A-222A、214E-223H、215H-224R、216R-225T、217S-226M、218Q-227T、219T-228K、220P-229Q、221A-230V、222A-231C、223H-232T、224R-233I、225T-234G、226M-235A、227T-236S、228K-237K、229Q-238V、230V-239T、231C-240S、232T-241G、233I-242S、266L-275S、267S-276A、268G-277F、282T-291K、334S-343N、353G-362I、354V-363K、355S-364G、356V-365S、357S-366P、358G-367V、359N-368K、377F-386P、378A-387M、379G-388N、380F-389P、396L-405V、397S-406T、398A-407V、399E-408D、400K-409A、401V-410V、402C-411T、403H-412G、404N-413K、405V-414V、406T-415I、407V-416G、408D-417D、409A-418D、410V-419S、411T-420G、412G-421K、413K-422G、414V-423A、415I-424G、416G-425R、417D-426G、418D-427L、419S-428P、420G-429V、421K-430T、422G-431G、423A-432A、424G-433E、425R-434G、426G-435P、427L-436S、428P-437S、429V-438D、430T-439E、431G-440I、432A-441D、433E-442L、434G-443G、435P-444I、436S-445Vおよび437S-446G;I39-K53、P68-G121、I125-D137、K144-S242、L266-F277、T282-K291、S334-N343、G353-K368、F377-P389およびL396-G446のうち1つまたはそれ以上からなり、特に、断片または派生体は、PITP断片A32~R164、A32~Q198、A32~T143、A32~V148、A32~T171、P34~R164、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~K400、A32~S391、V238~K400、A199~T430、V238~T395、G234~K400、H223~K400、T232~V401、V238~T392、V238~N393、V238~L394、V238~T395、V238~L396、T232~T430、G172~K400およびG172~G234からなる群から選択される断片および少なくともPITPエピトープを含むその断片を含むまたはからなる、実施形態1~6のいずれか1項に従うワクチンまたは実施形態7~12のいずれか1項に従うPITPポリペプチドの断片もしくは派生体。
15.P.アクネスの侵襲によって誘発される病状の発生に対して防御的であり、好ましくは、ヒト対象、例えば、小児、青年または成人対象への投与のために製剤化される、実施形態1~14のいずれか1項に従うワクチン。
16.初回および追加免疫化の両方を含む処置レジメンにおいて使用するために製剤化され、好ましくは、初回および追加投与のために同一製剤が使用される、実施形態1~15のいずれか1項に従うワクチン。
17.アジュバントを用いて、好ましくは、無機塩、好ましくは、ミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、オキソ水酸化アルミニウム、ヒドロキシリン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、硝酸セリウム、硫酸亜鉛、コロイド状水酸化鉄および/または塩化カルシウム;水中油型エマルジョン、リポソーム、TLRアゴニスト、モノホスホリル脂質A、サポニン、リン脂質、エマルジョンベースのアジュバント、水酸化アルミニウムゲル、固相吸着剤、ナノ球体およびリポソームのようなカプセル化剤;高分子量アジュバント、好ましくは、毒素、トキソイドまたはテタヌス、ジフテリア、百日咳、シュードモナス属(Pseudomonas)の種、大腸菌、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)の種およびストレプトコッカス属(Streptococcus)の種に由来する毒素の任意の突然変異体交差反応性材料からなる群から選択されるアジュバントを用いて製剤化される、実施形態1~16のいずれか1項に従うワクチン。このような毒素またはトキソイドは、テタヌストキソイド、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、大腸菌LT、大腸菌STおよび緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素A;外膜タンパク質複合体c(OMPC)のような細菌外膜タンパク質、ポリン、トランスフェリン結合性タンパク質、ニューモリシン、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA)、肺炎球菌アドヘシンタンパク質(PsaA)、C.ディフィシル(difficile)エンテロトキシン(毒素A)および細胞毒(毒素B)またはインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製タンパク質派生体(PPD);カチオン性ペプチド、CpGオリゴヌクレオチド、スクアレンベースのアジュバント、好ましくは、MF59;IL-1およびIL-2のようなサイトカインのような他の医薬上許容されるポリペプチド担体である場合があり;またはウイルス様粒子もしくはナノ粒子として製剤化される;またはウイルス様粒子もしくはナノ粒子;もしくはそれらの組合せとして製剤化される場合がある。
18.皮内、皮下(s.c.)、非経口、好ましくは、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与のために製剤化される、実施形態1~17のいずれか1項に従うワクチン。
19.用量あたり0.1μg~5mg、好ましくは、0.5~1000μg、より好ましくは、1~500μg、いっそうより好ましくは、5~300μg、特に、10~200μgの、DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体の各々を含む、実施形態1~18のいずれか1項に従うワクチン。
20.DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子が以下の構造:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有し;特に、mRNAは、配列番号67~76から転写されるような配列を含む、実施形態1~19のいずれか1項に従うワクチン。
21.用量あたり、各5~500μg、好ましくは、各20~100μgの、DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体;または抗原もしくはその断片もしくは派生体をコードするDNAもしくはRNAを含む、実施形態1~20のいずれか1項に従うワクチン。
22.用量あたり、各1μg未満のDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体を含む、実施形態1~20のいずれか1項に従うワクチン。
23.フロイントの不完全アジュバントを含有しない、実施形態1~22のいずれか1項に従うワクチン。
24.ワクチンは、複合免疫原を含有し、1つもしくはそれ以上のP.アクネスの抗原および/または1つもしくはそれ以上のP.アクネスの互いに交差反応性、特に、交差型反応性あるいは免疫学的に関連するエピトープの連結によって操作されている、好ましくは、免疫原は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の抗原および/またはその免疫学的に関連するエピトープを含むまたはからなり、特に、抗原および/またはエピトープは、交差反応性、特に、交差型反応性である、実施形態1~23のいずれか1項に従うワクチン。
25.ワクチンは、アジュバントに連結されたP.アクネスの少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の抗原および/またはそのエピトープ(複数可)を含むまたはからなる複合免疫原を含有し、少なくとも1つの抗原またはエピトープは、免疫学的に関連する、実施形態1~24のいずれか1項に従うワクチン。
26.ワクチンは、互いに共有結合的に連結されたP.アクネスの少なくとも2つの抗原および/またはそのエピトープを含む複合免疫原を含有し、好ましくは、免疫原は、アジュバントにさらに連結された少なくとも2つの抗原および/またはそのエピトープを含み、特に、少なくとも1つの抗原またはエピトープは、免疫学的に関連する、実施形態1~25のいずれか1項に従うワクチン。
27.1つの抗原またはそのエピトープがアジュバントに連結されている、特に、少なくとも1つの抗原またはエピトープが免疫学的に関連する、複合免疫原を含有する、実施形態1~26のいずれか1項に従うワクチン。
28.抗原のまたはエピトープのバリアントを含む、実施形態1~27のいずれか1項に従うワクチン。
29.天然に存在するP.アクネス抗原のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは、少なくとも98%、より好ましくは、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%を有するポリペプチド;または天然に存在するエピトープと比較されるアミノ酸配列中に少なくとも1、2、3、4つ、最大5つの点突然変異が含有される、P.アクネスエピトープのポリペプチドを含む、実施形態1~28のいずれか1項に従うワクチン。
30.NまたはC末端で、ならびに1つまたはそれ以上の内部ドメイン内で1個またはそれ以上のアミノ酸残基が付加されている、または欠失しているバリアント、好ましくは、PITPポリペプチド、特に、抗原配列を延長するために、例えば、少なくとも1個のアミノ酸残基によって、好ましくは、3個未満のアミノ酸、具体的には、5個未満あるいは10個未満のアミノ酸によってタンパク質内のエピトープまたはエピトープ領域の配列を延長するためにN末端に、および/またはC末端に追加のアミノ酸を含むバリアントを含む、実施形態1~29のいずれか1項に従うワクチン。
31.ワクチンは、特に、融合タンパク質として派生体を含み、PITPエピトープを含有するPITP断片は、別のポリペプチドまたはタンパク質の追加のアミノ酸残基によって、好ましくは、1つまたはそれ以上の免疫学的に関連するエピトープによって延長され、特に、派生体は、NまたはC末端に、少なくとも4個、好ましくは、少なくとも5個、特に、少なくとも6個のヒスチジン残基を含むHis-タグを含む、実施形態1~30のいずれか1項に従うワクチン。
32.ワクチンは、DsA1またはDsA2の断片または派生体を含み、DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、断片または派生体は、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、少なくとも(1)フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、(2)フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列または(3)ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列を含む、またはからなり、前記断片または派生体は、場合により、1つまたはそれ以上のアミノ酸交換を含み、1個またはそれ以上のアミノ酸残基は、ジスルフィド結合を形成する能力によって断片または派生体をさらに安定化するためにシステイン(Cys、C)残基に変更される、実施形態1~31のいずれか1項に従うワクチン。
33.断片または派生体は、少なくとも20個、好ましくは、少なくとも30個、より好ましくは少なくとも60個のアミノ酸の長さ、いっそうより好ましくは、少なくとも80個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも100個のアミノ酸の長さを有する、実施形態1~32のいずれか1項に従うワクチン。
34.断片または派生体は、長さ担体を有する、実施形態1~33のいずれか1項に従うワクチン。
36.断片または派生体中の2個またはそれ以上のアミノ酸残基は、ジスルフィド結合を形成する能力によって断片または派生体をさらに安定化するためにシステイン(Cys、C)残基に変更され、好ましくは、天然アミノ酸がシステインに交換される以下の群:PHE150-GLY185、LEU167-ALA199、ASN157-ALA192、LYS166-ALA199、ALA153-GLY185、ASP164-ALA199、VAL154-ALA179、PHE150-LEU184、VAL154-ALA188、ALA153-ALA188、ALA179-GLU191、THR178-GLU191、ALA161-ALA195、ILE175-ALA195、ILE175-GLU191、LEU158-ALA176、ASN157-ALA188、ASN157-ALA179、ASP164-GLU196、VAL154-LEU180、ALA153-LYS189、ASN157-LYS189、ALA161-ALA192、LEU167-ALA198、LEU158-ALA179、ALA160-ALA192、LYS165-ALA199、LYS166-GLN200;VAL205-ALA260、ILE232-ARG266、SER235-ILE263、SER235-ARG262、ILE232-LEU267、PRO236-ILE263、ALA231-ARG266、ASN239-ILE259、ILE232-ILE263、VAL209-PRO236、ALA201-ALA256、SER235-ILE259、VAL228-ARG266、ALA202-ALA256、ALA201-VAL257、GLY206-VAL243、GLY208-ILE264、GLY208-ILE263、VAL205-ASN239、LEU238-ILE259、GLY208-ALA260、ALA201-LYS253、ALA202-VAL243、LEU204-ALA260、VAL205-ALA256、VAL205-ILE259、SER235-ARG266、ASN239-ALA260、VAL209-ILE263、またはVAL209-ASN239中のアミノ酸対のうち少なくとも1つを含有する(DsA1配列に関して(DsA2配列にも適用可能である;図12A))、実施形態1~35のいずれか1項に従うワクチン。
37.DsA1、DsA2またはPITPまたはその断片または派生体中のシステインは交換されている、好ましくは、システインは、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシンおよびグリシンと、より好ましくは、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシンと、特に、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギンおよびグルタミンと交換されている、実施形態1~36のいずれか1項に従うワクチン。
38.断片または派生体は、35~350個のアミノ酸の、好ましくは、40~300個のアミノ酸の、より好ましくは、50~250個のアミノ酸残基の、より好ましくは、60~200個のアミノ酸の、より好ましくは、70~150個のアミノ酸の、特に、90~130個のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態1~38のいずれか1項に従うワクチン。
39.派生体は、少なくとも1つのDsA1のポリペプチドストレッチおよび少なくとも1つのDsA2のポリペプチドストレッチを含み、好ましくは、派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む、実施形態1~37のいずれか1項に従うワクチン。
40.派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片を含み、少なくとも2つの断片は、
- 少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2;または
- 少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2のN末端部分ならびに異なる、少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2のC末端部分からなるアミノ酸配列であって、NおよびC末端部分からなるアミノ酸配列のアミノ酸残基の総数は、DsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2と同一である、アミノ酸配列
によって相互接続される、実施形態1~39のいずれか1項に従うワクチン。
41.派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片を含み、DsA1およびDsA2の断片は、少なくとも20個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも30個、より好ましくは、少なくとも40個の、特に、少なくとも50個のアミノ酸残基の長さを独立に有する、実施形態1~40のいずれか1項に従うワクチン。
42.治療的および予防的処置において使用するための、好ましくは、特に、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺(prostethic)がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択されるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態1~41のいずれか1項に従うPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
43.P.アクネス関連感染症ならびにI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状の処置または防止において使用するための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症ならびにP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、実施形態1~41のいずれか1項に従うPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
44.フローサイトメトリーを使用する表面結合測定によって、およびこのようなワクチン抗原に対して作製された免疫血清を使用する殺菌死滅アッセイにおいて決定されるように、ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに少なくとも2つのP.アクネスMLSTファイロタイプおよび/またはP.アクネスの少なくとも2つの異なるCC型および/またはP.アクネスの少なくとも2つのリボタイプと関連する病状を患っている、実施形態42または43に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
45.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに少なくとも2つもしくは3つの遺伝的に異なる種類のP.アクネス株と関連する、好ましくは、少なくとも1つのI型および少なくとも1つのIIもしくはIII型株に対する;または少なくとも1つのII型および少なくとも1つのIもしくはIII型株に由来する;または少なくとも1つのIII型および少なくとも1つのIもしくはII型株に由来する;または少なくとも1つのI型、少なくとも1つのII型および少なくとも1つのIII型株、特に、IA1、IA2、IB、IIおよびIII型に由来する病状を患っている、実施形態42~44のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
46.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびにMLST分類スキームに従って定義されるような、IA1型、IA2型、IB型、IC型、II型およびIII型株またはI-Ia、I-Ib、I-2およびII型からなる群から選択される2種またはそれ以上のP.アクネス株、特に、IA1、IA2、IB、IIおよびIII型と関連する病状を患っている、実施形態42~45のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
47.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症および16Sリボソーム配列の相違に従って決定されるようなリボタイプの群から選択される2種またはそれ以上のP.アクネス株と関連する病状を患っている、実施形態42~46のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
48.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに単一遺伝子座(SLST)の分析によって決定される、2つまたはそれ以上のファイロタイプIA1、IA2、IB1、IB2、IB3、IC、IIおよびIII、特に、IA1、IA2、IB、IIおよびIII型と関連する病状を患っている、実施形態42~47のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
49.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに以下の株の群:NCTC737、KPA171202(DSMZ、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、Braunschweig、Germany)、SK137、HL005PA1、HL005PA4、HL013PA1、HL030PA1、HL043PA1、HL053PA1、HL053PA2、HL050PA1、HL050PA2、HL060PA1、HL110PA4(BEI、Biodefense and Emerging Infections Research Resources Repository、Manassas、VA)、P.acn31およびAsn12(McDowellら 2012年)およびIAI 008、IAI031、IAI034、IAI035、IAI038、IAI040、IAI042、IAI045、IAI041(Charite Berlin、Pro-Implant foundation)のうち少なくとも2つの異なる系統分類型、より好ましくは、3つ、いっそうより好ましくは、4つ、5つまたは6つの系統分類型と関連する病状を患っている、実施形態42~48のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
50.P.アクネスによる感染に対する保護において使用するための、実施形態42~49のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
51.P.アクネス関連適応症の発生の防止または低減において使用するための、実施形態42~50のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
52.ワクチンは、好ましくは、少なくとも2もしくは3回の投与または少なくとも4、5回またはいっそうより多く反復された投与によってヒト患者に反復投与される、実施形態42~51のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
53.ワクチンは、各々、少なくとも1または2週間の間隔で1年の期間内の少なくとも2または3または4回の連続投与を含む1またはそれ以上の処置サイクルで使用され、特に、処置サイクルは、例えば、5年の期間内に少なくとも1回、2回、3回または4回、いっそうより多くの回数のいずれか反復される、実施形態42~52のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
54.ワクチンは、投与の際に個体において抗体および/もしくはサイトカインの生成ならびに/または細胞傷害性T細胞、B細胞、抗原提示細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞および/もしくは他の細胞性応答の活性化を含む免疫応答を誘発する、実施形態42~53のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
55.ワクチンは、I、IIもしくはIII型P.アクネスのいずれか、もしくはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せ、特に、IA1、IA2、IB、IIおよびIII型に由来する株が病原性因子として関与する皮膚または他の影響を受ける臓器もしくは組織状態を有する患者に、またはP.アクネス株のいずれかによる感染に対して感受性である可能性がある健常個体に投与される、実施形態42~54のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
56.ワクチンは、皮内、経皮または皮下投与によって、好ましくは、皮内注射アプリケーター、マイクロニードル、経皮レーザーデバイス、局所、皮膚パッチまたは他の適した皮膚に適応した適用デバイスによって患者に投与される、実施形態42~55のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
57.ワクチンは、経口または筋肉内、節内、鼻腔内、粘膜、肺内、経膣、経直腸もしくは他の適した経路のような非経口投与によって投与される、実施形態42~55のいずれか1項に従う使用のためのPITPポリペプチドおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
58.実施形態1~57のいずれか1項で定義されるようなDsA1、DsA2またはPITPの断片または派生体、好ましくは、配列番号5~7、9~12、14~20および29~50による断片または派生体。
59.実施形態58による断片または派生体またはPITPポリペプチドを含む医薬組成物。
60.医薬上許容される担体をさらに含む、実施形態59に従う医薬組成物。
61.ワクチンを生成する方法であって、実施形態1~41のいずれか1項で定義されるようなPITPポリペプチドならびに/またはPITPポリペプチドの断片および/もしくは派生体は、医薬上許容される賦形剤または担体と混合され、場合により、個体、特に、ヒト個体への投与に適した、医薬上投与可能なワクチン用量に、好ましくは、投与量単位に仕上げられる、前記方法。
62.PITPおよび/もしくはDsA1および/もしくはDsA2ならびに/またはPITPもしくはDsA1もしくはDsA2の断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子が以下の構造:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有し;特に、mRNAは、配列番号67~76から転写されるような配列を含む、実施形態1~61のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはPITPポリペプチド。
63.DsA1および/またはDsA2派生体は、好ましくは、以下のアミノ酸交換:
DsA1:A301Y、G206L、G206F、A192L、G206R、G206W、G206Q、G206K、A301F、A301L、G206I、A301W、A301I、G206E、G206M、G208L、G206V、A192M、A256L、A192I、A68I、G206N、A68V、I259L、A161L、V205I、G206T、G206H、A68L、G206Y、A256I、G206A、68M、A192F、G110A、N239L、G206C、A301V、E305L、A93I、A93L、S223A、E305I、E305V、E305A、K120V、K120L、N157I、K120C、E305C、E305M、N239I、K120I、R248C、N239V、E191I、E305F、S78I、K120M、E191L、R248L、H146V、E191V、H146I、S78L、S78V、N157V、H146C、K120F、R248I、R248M、D164L、P236V、P236L、H146L、H146F、D164I、H146M、P86L、R248G、N239C、N157C、E305T、E191C、S78C、R248F、G221L、E305G、P236F、T171L、P86V、R248S、N157L、K120A、H146A、P86I、N157F、S235A、R248A、E191M、N157M、A124I、P236A、S78F、P236C、S78M、A161I、N239M、T171I、E191F、S235V、P86F、H146G、S223I、E305S、D164F、E305Y、P236M、S223L、N239F、H146Y、P236I、G221V、D164C、K120G、D164M、S235I、R248V、A124V、S235L、S223V、S147L、S235C、P86M、G208I、D164A、S147I、N239A、K120T、T117I、G110L、R248Y、P182I、A198L、A124L、A215L、A127L、A66L、P86C、G221F、R248T、T171F、P182V、S147V、P271V、T171V、G110V、P271A、E191A、A149L、K120Y、G114I、K120S、S235F、A201I、G131V、A201V、R248N、A66V、A202I、G221C、G114V、A229L、H146T、A124F、A127F、T117V、S223C、A215F、A127I、P182C、A215V、G162L、G162I、G208F、A201L、A161F、N157A、A198V、E191Y、A161V、S223F、G221M、R248W、G131C、A202V、N157T、S147F、N157Y、G114A、T171C、H146W、S78T、A149I、G250L、N239T、A149V、G208C、K120P、G250V、S235G、S223M、D164V、N239G、T171M、E191G、S78A、D164Y、P271I、G110F、G110C、D164W、P236Y、A124C、A66F、S147M、G75L、E305N、S147C、G221I、A127M、P182L、G221A、G110M、A66C、E305Q、P271F、A215M、P236W、K120W、H146P、A161C、A229I、S78G、G114M、P86A、E305W、V154L、G185V、G75I、S223Y、G75V、R248Q、T277V、E191S、A229F、T277G、G131I、N239S、P271C、V154I、A66M、D164G、G208A、P236T、R248D、D164T、A127C、A215I、A161M、P86W、A201F、C53L、T117F、G131A、T117C、A318L、F150L、G208M、P271M、A149C、G208V、G114C、G162F、S223W、A198I、N157G、A202L、P236G、G185I、A198F、A149M、P86Y、E191W、N157W、I263L、S235T、E305P、E305R、A201C、A201M、F150I、G96I、G114F、G221Y、A199L、D164S、A124M、A179I、A202F、H146S、A231L、C53I、I263V、G162M、K120Q、N239Y、G96L、G75C、N157S、T277C、T117A、A199V、G162C、P271Y、G250C、A127Y、A66I、T117L、G185C、A229C、R248P、A144I、T117M、P86T、A260L、G185A、E191Q、G131L、T277I、G250I、G131M、T277A、A127V、F150V、A318I、S78W、S147Y、A198M、P86G、A215C、A70I、S235M、A179V、A202M、A144V、A202C、G208W、T171Y、S147W、G208Y、G250F、A195L、K120H、A127W、A66Y、S223G、K120N、S78Y、E191N、A198C、P271G、V154F、A70V、H146N、A229M、A134L、P86S、S78Q、A199I、G75M、A68C、E191T、A89L、G96A、D164P、C53V、S78P、G185L、A149G、A149F、P182A;
DsA2:A161L、A161I、A126I、A126V、A126L、S175G、G190H、A161T、S183T、R336I、A126F、A161F、A329L、A161V、S283L、A205L、G109A、A329I、G265F、A161W、A232I、S175W、R336L、A300I、K349I、A161M、A300L、G109L、G109I、A246L、S183M、A223L、E235V、G252L、A329M、A126W、S183L、A259L、A329V、A329F、S183I、A242L、G109F、R336V、K117I、R336C、K117C、K349V、R336A、R336F、K117L、R336M、E235I、R310A、K349L、K117V、R310V、K349C、N201I、R310I、R310C、K349F、K349M、K117M、R292C、N201V、R336G、R292L、K117F、E235C、P130L、E235A、D208L、P280L、E235L、R292M、R336T、P280V、R292I、N201L、E235M、P130I、K117A、K349A、P130V、R292G、R310F、R336S、R336Y、N201C、K117G、R310L、R310M、R310G、R336W、D208V、R292F、P130F、K349Y、K117T、R310T、P280C、R292S、N201F、R310S、T215L、N201M、S279C、R292A、S279L、P280F、D208C、S175V、A126M、P280A、S279A、P130C、S279V、E235F、P186C、P130M、K349T、A126C、K349G、N320V、K117S、N320I、S283V、A168I、N320L、S175I、E235Y、P186V、P280I、P186A、P280M、G265L、D208M、P186L、K117Y、S283I、A205I、D208F、A168L、T215I、R292V、A133L、R336P、R310Y、A168V、S279F、S183V、A164I、S279I、S175L、D208A、K349S、E235T、S175C、A122I、D208I、A126Y、A123L、K117P、N320C、R292T、S283C、E235W、G252I、T215V、R292Y、R336Q、S175A、A123I、E235G、A205V、A171V、A133V、A245I、S183C、P226V、R310P、G181I、P226I、A168C、A246I、A171L、N201A、S175M、G158I、A164L、T215C、A164C、P280W、A133C、G119I、T215F、A245V、N320M、A122V、A123V、G206L、N320A、G265V、A122L、A193L、S191V、R310W、G252F、G181V、E235S、R292N、P130W、G119V、G265C、S279M、A259V、A259F、A168F、A168M、A246V、P226C、R292W、G158V、P130Y、G206V、P186G、C97L、N201Y、A171C、G265M、G140L、K117N、G140I、D208G、A193V、G181F、K349W、S279G、A245L、A205F、G158A、A193I、K117W、A122C、R310D、G294V、P186T、S175F、S191C、N201T、K349Q、R310N、A242V、T215M、D208Y、T321C、G252C、I276L、A259M、A171F、N201G、G119F、D208T、P186M、G229V、G294L、S191I、P186S、G119C、G229I、P130A、A205C、A171M、T321V、A193C、F268L、A133M、A123F、G357A、G109V、K117Q、N320G、R310Q、T321G、S283M、P186Y、G229A、R336D、N201S、S183F、F194L、F268V、A245F、G265A、G252A、R336H、A259I、A133I、A123C、P130T、G113L、D208S、P280T、F268I、G181C、P280Y、R336E、P280G、G158C、N320Y、G140V、K349P、R292D、D208W、N320F、G265I、R336N、A164M、G206M、F268C、G158M、R292P、S191L、G158F、G252M、A245C、G229C、E235Q、G252V、A205M、G206F、R292Q、G181M、A126G、A243L、K349N、S283A、A246M、S279T、P186I、A246F、A246C、A223I、C97I、A164V、A245M、A171I、G357I、A126T、S283F、A123M、F194I、K117D、P226L、P130S、G140F、I276F、F194V、A243V、P130G、G181L、G229F、A259C、G113I、K117H、N320S、G119M、A239L、G206C、A114I、E235N、K349D、A242I、A161C、G294C、G119L、A126S、T321L、A193M、A223V、A122M、G113C、A242C、N201W、R292H、A275L、A242M、G357V、P186F、G294I、D208P、A259W、A243I、R310E、G140C、A242F、G265W、S183A、G109C、G113F、S191F、G265Y、S94D、E95K、A343K、A350K、F176D、N196D、H147D、H146D、H147E、H146E、T91E、R250E、T91D、R251E、R148D、H254E、A170K、R250K、R251K、H254D、A170R、H146K、H147K、K346E、T90D、R250D、T90E、A138K、R251D、H262K、A169K、H146R、I102E、T90K、A271K、K346R、H306E、D124E、K326E、A169R、D124R
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを含む、DsA1および/またはDsA2派生体をさらに含む、実施形態1~62のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはPITPポリペプチド。
64.PITP派生体は、以下のアミノ酸交換:
T392F、F352L、T392I、M303F、A276Y、S365I、T392L、M303W、A276L、T392W、K363T、A361V、F286Y、A361I、K363F、M303Y、T392V、A361L、S365V、A270V、A276M、S365L、K363V、M312L、T252L、M387L、Y297F、A276F、G353T、A276W、K363S、T252R、L314I、T252I、A361F、L295I、L255I、A276I、K363L、S318W、V354L、K363I、A361T、S318I、A361M、G353L、T392Y、S365A、A270I、A361W、T252M、K363A、K363W、L319I、G353D、A276V、G353N、G353F、T252V、G353S、S318V、L255V、G364I、L394V、K363M、S318F、L390I、G353I、S335Y、G364L、S365M、T252Q、S365F、L330A、T252F、S318M、K363Y、G353V、S365G、S365W、K363G、T392M、V354F、A276T、G364W、K363C、P317I、S335C、P317L、P317F、G269C、S335A、P317V、G268C、S334V、S335V、G269V、S334C、A361C、G268I、G269F、G268L、S334I、G268V、G269L、S335G、S334A、G268F、S335T、P317C、P317M、S335L、A361Y、G269I、S335I、G268Y、K363P、G268W、S335M、K363H、F286I、G268M、G269M、G269W、G268A、S334G、S334L、G268P、G268T、G293F、F286L、T252C、S335N、T392C、K363N、S334F、M303I、K363Q、A376L、G364V、W245I、G269S、Y297C、S335Q、G358V、W245L、A376I、S334M、G358L、T252A、S318C、S335H、Y297L、S365C、M312I、G373L、Y297I、G358I、S335F、G268N、M303L、G269T、Y297V、P317A、G268Q、G268H、G293L、S334T、G305C、S318L、S335D、S335P、G364C、W245V、W245F、P317Y、T392A、F286V、S335W、A376V、G358C、K363D、M312F、G269N、S335R、A378I、A378C、P317W、G268K、G268R、G268D、A376C、G373V、M312V、M303V、G353C、S318A、G364F、G241C、G268E、G379I、G269P、F286C、L330F、G284V、W245C、A378V、L330I、G293I、G373C、G379L、S318Y、G358F、L394I、L330V、G373I、F352I、A361G、S335K、G246C、M387F、A378L、G241I、V354C、M387I、G269A、G308C、F352C、A276C、G293C、G269Q、K363R、G379V、F286W、W245M、G246V、A270C、G246L、M303C、G293V、G305A、Y297A、G345I、G241V;N388D、R248K、S336D、T372E、T249E、E316D、D348E、R382E、R382K、K265E、H327K、D338E、K333R、P386E、S336E、K341D、K341E、K341R、E385D、G268K、G268R、G268D、K340R、G268E、K333D、K368R、G353D;H306I+S335R、H306L+S335R、H306I+S335K、H306C+S335R、H306C+S335R、H306I+S335K、H306L+S335K、H306L+S335K、H306L+S335R、H306V+S335R、H306I+S335R、H306V+S335R、H306C+S335K、H306F+S335K、H306V+S335K、H306V+S335K、H306F+S335R、H306F+S335R、H306W+S335R、H306F+S335K、H306M+S335R、H306W+S335K、H306W+S335R、H306M+S335K、H306A+S335R、H306A+S335R、H306W+S335K、H306A+S335K、H306Y+S335R、H306Y+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306T+S335K、H306S+S335R、H306T+S335K、H306S+S335K、S334V+S335R、H306S+S335K、S334V+S335K、S334I+S335R、S334C+S335R、H306P+S335R、M312I+S335R、S334I+S335K、S334V+S335R、S334V+S335K、H306P+S335K、S334C+S335R、S334A+S335R、M312F+S335R、M312L+S335R、S334C+S335K、H306R+Y381L、M312L+S335R、S250L+S335R、H306Q+S335R、H306N+S335K、S334C+S335K、S334A+S335K、H306P+S335K、H306Q+S335R、M312V+S335R、M312I+S335K、S334I+S335K、M312I+S335R、M312L+S335K、H306N+S335R、S334L+S335R、S334A+S335K、M312L+S335K、S250I+S335R、H306N+S335R、S250V+S335R、H306N+S335K、M312F+S335K、S250V+S335R、S250A+S335R、S334M+S335R、M312V+S335R、S250A+S335K、M312F+S335K、S250A+S335K、S250L+S335R、S334G+S335R、S250C+S335R、S250C+S335R、H306Q+S335K、S334G+S335R、Y254F+S335R、S334L+S335R、S250I+S335R、I309C+S335R、S250I+S335K、Y254C+S335R、S250L+S335K、M312V+S335K、S334G+S335K、S250L+H306R、S250V+H306R、H306R+Y381I、M312V+S335K、S250I+H306R、M312C+S335R、Y254C+S335R、S250V+S335K、Y254W+S335R、S334G+S335K、S250L+H306R、S250L+S335K、Y254W+S335R、S250V+S335K、S334L+S335K、I309C+S335R、I309C+S335K、Y254F+S335R、S250A+S335R、S250C+S335K、S250I+H306R、S250A+H306R、S250C+S335K、H306Q+S335K、Y254C+S335K、S334L+S335K、S250A+H306R、I309C+S335K、Y254W+S335K、Y254C+S335K、Y254I+S335R、H306R+Y381C、S250M+S335K、M312C+S335K、M312C+S335K、S250V+H306R、S250M+S335R、Y254V+S335R、Y254I+S335K、S250W+S335R、I259C+S335R、S334M+S335R、Y254A+S335R、Y254V+S335R、S250M+S335K、F251L+S35R、Y254I+H306R、I259C+S335K、Y254I+S335R、I259C+S335K、S250Y+S335K、Y254F+S335K、S250M+S335R、Y254F+H306R、Y254V+S335K、Y254V+H306R、S334T+S335K、S334Y+S335R、Y254A+S335R、S334M+S335K、Y254I+H306R、Y254M+S335K、Y254A+S335K、S334F+S335R、S334M+S335K、F251L+H306R、S334T+S335R、Y254I+S335K、Y254A+S335K、S334T+S335K、S250Y+H306R、Y254A+H306R、Y254M+S335K、F251L+S335K、I259C+S335R、F251L+H306R、Y254M+H306R、S334P+S335R、S334P+S335R、S334P+S335K、S334F+S335R、Y254M+S335R、H306I+S335C、H306L+S335C、H306L+S335C、H306I+S335C、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306L+S335V、H306M+S335C、H306I+S335G、H306I+S335G、H306I+S335A、H306I+S335A、H306F+S335C、H306F+S335C、H306L+S335V、H306I+S335T、H306L+S335A、H306C+S335A、H306I+S335V、H306I+S335V、H306L+S334V、H306L+S335A、H306C+S335V、H306L+S334C、H306I+S335I、H306I+S334A、H306L+S334C、H306L+S334V、H306F+S334V、H306C+S335A、H306F+S335V、H306C+S334V、H306C+S334V、H306I+S335L、H306C+S335V、H306L+S334I、H306M+S335C、H306I+S334C、H306I+S335I、H306W+S335C、H306V+S335A、H306I+S334C、H306I+S334I、H306L+S335I、H306V+S335A、H306C+S334C、H306L+S335G、H306C+S334C、H306L+S335T、H306I+S334I、H306V+S334V、H306I+S335L、H306M+S335V、H306V+S335V、H306V+S335V、H306I+S335M、H306L+S335T、H306V+S335I、H306C+S335G、H306L+S335L、H306C+S334I、H306L+S335Y、H306L+S335I、H306V+S334V、H306C+S335G、H306I+S334A、H306L+S334A、H306C+S335I、H306F+S335V、H306I+S335T、H306L+S335Y、H306C+S334I、H306L+S334I、
H306V+S335G、H306V+S335G、H306A+S335C、H306A+S335C、H306M+S335A、H306C+S334A、H306V+S335I、H306L+S335G、H306L+S334A、H306C+S334A、H306I+S335Y、H306I+S335Y、H306W+S335C、H306F+S335A、H306F+S335A、H306F+S335I、H306I+S335N、H306L+S335L、H306I+S335M、H306I+S335N、H306V+S334I、H306V+S334C、H306V+S335L、H306C+S335L、H306C+S335L、H306I+A376L、H306F+S335T、H306L+S335M、H306F+S334V、S334V+S335C、S335C+Y381L、S335C+A376I、S334I+S335C、S334V+S335C、M312I+S335C、M312I+S335C、S335C+A376L、S334I+S335C、S335C+A376L、S335C+A378C、S335C+A376C、S335C+A376V、S334A+S335C、S335C+A378C、S334A+S335C、S335C+A376I、S334V+S335A、S335A+A376L、S335C+A376C、S335C+A376V、S335C+A378L、S334V+S335A、S335A+A376I、S334V+A376L、S334I+S335V、S335C+A378I、M312F+S335C、M312F+S335C、S334I+S335A、S335C+A378V、S335V+A376L、S334V+S335L、S335C+A378I、S334C+S335V、S334V+A376I、S334V+A376I、S335V+A376I、M312I+S334V、S334V+S335I、S335C+Y381I、M312V+S335C、S335C+A378L、S335A+Y381L、S334C+A376C、S334V+S335I、S335C+Y381V、M312L+S335C、S335C+A378V、S335V+A376L、S334I+S335V、S335C+Y381C、S335V+A376I、S334C+A376L、S334C+Y381L、M312V+S335C、S334V+S335L、S334C+A376I、S334C+A376C、S334V+Y381L、M312L+S335C、S335V+A376V、S334I+A376I、S335V+A376V、S335V+Y381L、Y254F+S335C、L310F+S335C、S335I+A376I、S334V+A376V、M312I+S335V、S334C+S335A、S334I+A376L、M312F+S335V、S335C+Y381A、L310F+S335C、S334G+S335C、S334G+S335C、S334V+A376V、S335C+A376M、S335C+A376M、S334A+S335I、S334V+A376L、M312C+S335C、S334C+S335A、S335A+A376V、S334A+S335V、S334A+S335V、Y254F+S335C、S335A+A376L、S335A+Y381I、S335A+A376I、S334L+S335C、S335A+A376V、M312C+S335C、D152F、D152L、D152I、D152V、D152M、D152W、D152Y、D152S、D152A、D152T、D152G、D152N、D152Q、D152P、D152H、D152K、D152R、D152C、D155Q、D155L、D155F、D155I、D155M、D155W、D155V、D155Y、D155A、D155N、D155T、D155S、D155P、D155G、D155H、D155R、D155K、D155C、D156L、D156F、D156I、D156W、D156V、D156A、D156Y、D156M、D156G、D156S、D156T、D156Q、D156N、D156P、D156H、D156K、D156R、D156C、H146R、H146K、H153R、H153K、Y63A、H146A、H153A、F74A、L141A、F81A、P72A、K144A、T143A、Y75A、W98A、D156A、R158A、S250W、S250F、S250D、S250E、S250K、S250R、F251A、Y254A、I259W、I259F、I259D、I259E、I259R、I259K、H306A、I309W、I309F、I309E、I309D、I309R、I309K、L310W、L310F、L310D、L310E、L310R、L310K、M312W、M312F、M312D、M312E、M312R、M312K、S334W、S334F、S334D、S334E、S334R、S334K、S335W、S335F、S335D、S335E、S335K、S335R、M337W、M337F、M337D、M337E、M337K、M337R、A376W、A376F、A376E、A376D、A376R、A376K、F377、A378W、A378F、A378D、A378E、A378K、A378R、F380A、Y381A、D348I、D348L、D348M、D348F、D348V、D348Y、D348A、D348W、D348T、D348G、D348P、D348H、D348S、D348R、D348K、D348E、D348C、H306R、H306D、H306E、H306K、H307D、H307R、H307E、H307K、H327R、H327K、H327E、H327D、H302E、H302K、H302R、H302D、H215K、H215R、H215E、H215D、H223K、H223R、H223E、H223D、H403K、H403R、H403E、H403D
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを含む、PITP派生体をさらに含む、実施形態1~63のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはPITPポリペプチド。
65.配列番号49によるポリペプチドの少なくとも1つのP.アクネスエピトープを有するポリペプチドを含み、配列番号49によるポリペプチドの少なくとも1つのP.アクネスエピトープを有するポリペプチドは、配列番号49と比較して、以下のアミノ酸交換:
A274Y、S26C、S26L、A274F、S26I、G119H、A274L、A274W、S26V、S26M、S212L、T108I、A134L、S26F、N130V、A229L、A274I、G194F、S26W、A291F、G181I、A229I、E278I、A175L、G181L、A152L、A274V、N130L、E278V、K46I、E278L、E278A、K46C、K46L、K93L、K93V、E164I、E278C、E164V、E278M、N130I、K46V、R221C、K93C、K46M、S51L、K93I、E278F、K93M、E164A、S51I、R221L、P209L、K46F、S51V、E164C、R221I、E164M、K93F、D137L、P209V、E164L、P59L、R221F、N130C、S51C、R221G、E278T、K46G、P59V、K46A、N130M、E278G、D137V、K46T、P209C、P59I、P209I、T144L、N130F、E164F、S51F、R221M、P209F、S51M、R221S、P209A、K93A、P209M、E164Y、D137C、R221A、P115C、P59F、S208A、K46S、P115V、A134I、P115A、S212V、N249L、E278S、D137F、D137M、P115L、S212I、R221V、N249V、D137I、E278Y、G194L、P59M、R221T、A188L、N249I、T144I、E164T、S208C、S208V、D137A、K46Y、K93G、G87I、E164G、K46P、P59C、A97V、S212C、G83L、K93T、N249C、A134V、G83V、T108V、T112L、T144V、A100L、G87V、E164W、E164S、A171L、A97L、A188F、K93W、T90I、A174I、K93Y、A111L、A97I、N130A、G48I、E278W、R221Y、G135L、T112V、F197V、T144F、K93S、G194V、G87A、A188V、T144C、K46N、P115M、A175I、N130T、S51A、G194C、G48L、G104V、A174V、G158V、T90V、R221N、A202L、A39L、A134F、D137Y、G158I、A174L、P155V、A171V、S51T、F197I、T112C、D137W、G135V、D137G、P115G、T250C、S208L、A100I、T250L、T144M、T108C、P115F、G69L、T112F、G181F、A100F、S208I、G223V、T250V、N249M、A111V、N249Y、A111F、A188M、A111I、P209Y、A175V、P155I、N130G、S120V、A111C、A100C、A97F、G194M、G69I、E278Q、S208G、G181C、G87F、G48V、A97C、I205L、G194I、D137T、S51G、F197C、G223L、N249A、S51Y、P115S、A202I、P155C、S26A、G83M、S120C、D137S、E278N、G83F、G158C、P59Y、G87C、G87M、N130S、P115I、A202F、A100M、G83C、S212M、A39V、A188I、F197L、G181M、A134C、P115T、A174F、K93P、P209W、P209G、P59A、A39C、G104I、T250G、S208F、R221Q、G181A、G104C、T90C、K46Q、P209T、K46W、A171I、G158A、A134M、G48C、G194A、T90A、T90M、N130Y、N249F、A172L、A152V、A152I、P59W、R221P、G158F、T112M、G135M、G181V、G104L、S208T、N249W、A97M、G135F、K93Q、G42L、A111M、G104A、E278P、T90L、R221D、A175C、A188C、A291L、S212A、F123L、T250I、A174C、E164Q、P155L、A174M、G158M、A172V、E164N、A168L、T90F、A39F、G42V、I205F、A39M、N249G、A175F、G135C、A171F、S212F、K46D、A100Y、G42I、P59G、G69A、E164P、G158L、G42C、A171C、T250M、T108L、K93N、A171M、G223I、A175M、T108M、A172I、S51P、A291I、A111Y、G20V、S120I、P59T、A58I、G223C、S208M、G48M、K46H、A62L、A43I、T250A、N130W、G194Y、R221H、D137P、N249S、G104F、A100V、F123I、A172C、T112I、G69F、P115Y、P59S、A100W、G104M、G69C、R221W、K93H、A204L、G20L、G223F、A168I、D28K、E275K、K77R、D17R、H76D、H75D、H76E、K77D、H75E、P294D、S293D、S293E、D286E、P294E、S292E、D285E、H76R、K77E、K289R、P295D、D285K、R179E、H75R、P295E、P294R、P294K、D286K、D285R、S293R、S293K、R180D、R180K、H183E、R179K、K289E、R180E、A98K、R179D、A99K、S292D、D286R、K290D、H75K、A99E、N256E、K290E、K290R、R239D、A199K、A200K、K255E、H183D、A99R、H235E、A98R、D102K、およびA200R
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを好ましくは含む、実施形態1~64のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはPITPポリペプチド。
66.DsA1ドメインは、以下のとおりに定義され:Q6A5X9の配列中のNSR:S29~I48、I49~L130のCSD1、G131~S147のSR1、A148~L267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列;
ならびに/またはDsA2ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列;
ならびに/またはPITPドメインは以下のとおりに定義される:Q6A9N1の配列中のA32~R164のENFD;E165~K237のSR1、V238~L396のHbD、S397~T430のSR2(C末端LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、LPXTを含むが、Gを含まない))およびG431~I467のhLARもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的PITP配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のPITP配列、実施形態1~63のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはDsA1および/またはDsA2派生体。
67.液剤中に、または液剤に再構成可能である乾燥もしくは凍結製剤中に、0.01mg/ml~50mg/ml、好ましくは、0.05~5mg/ml、特に、0.1~1mg/mlの、少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む上記で定義されるようなポリペプチド、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNaH2PO4、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNa2HPO4、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKH2PO4、1~1000mM、好ましくは、5~500mM、特に、50~300mMのNaCl、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKClおよび/または0.01~1%、好ましくは、0.05~0,5%、特に、0.1~0.5%のアルミニウムアジュバント(水酸化アルミニウム)を含む、請求項1~64のいずれか1項に従う医薬組成物。
68.液剤中に、または液剤に再構成可能である乾燥もしくは凍結製剤中に、4.5~7.4の、好ましくは、4.7~7.3の、いっそうより好ましくは、5.0~7.3の、特に、5.3~7.2のpHを有する、請求項1~67のいずれか1項に従う医薬組成物。
69.少なくともP.アクネスのIA1、IA2およびII型に対して交差型反応性を誘発する、ならびに/または少なくともP.アクネスのIA1、IA2、IB、IIおよびIII型に対して交差型反応性を誘発する、実施形態1~68のいずれか1項に従うP.アクネスポリペプチドを含む医薬組成物またはワクチン。
70.ポリペプチドは、N末端メチオニン残基を欠く形態で少なくとも部分的に組成物中に存在する、実施形態1~69のいずれか1項に従うP.アクネスポリペプチドを含む医薬組成物またはワクチン。
71.P.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITPポリペプチド)および/またはPITPの断片および/または派生体を含むワクチンであって、PITPは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXTGモチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含み、断片および/または派生体は、少なくともPITPエピトープを含むまたはからなる、前記ワクチン。
72.断片および/または派生体は、hLARが欠失している、親水性C末端領域によって置き換えられている、または部分欠失しており、部分欠失が、hLARのN末端の12個のアミノ酸を除く、好ましくは、hLARのN末端の11個のアミノ酸を除く、特に、hLARのN末端の10個のアミノ酸を除くhLARの喪失をもたらす、PITPポリペプチドである;あるいは少なくともUniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中のENFDのプロリン34~グルタミン酸73もしくはプロリン94~トレオニン143またはHbDのバリン238~アスパラギン393に対応するアミノ酸を含むその断片もしくは派生体である、実施形態71に従うワクチン。
73.断片または派生体は、少なくとも
- ENFDのプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDのプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDのバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態71または72に従うワクチン。
74.断片または派生体は、少なくとも8個のアミノ酸、好ましくは、少なくとも9個のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも10個のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも15個のアミノ酸、いっそうより好ましくは、少なくとも35個のアミノ酸の長さ、いっそうより好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さのPITPポリペプチドのENFDの、および/またはHbDの断片を含有する、実施形態71~73のいずれか1項に従うワクチン。
75.PITP抗原またはエピトープではない、少なくとも1つの追加のP.アクネス抗原またはP.アクネスエピトープを含有するまたはからなるアミノ酸配列、好ましくは、少なくともP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)ならびに/またはP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/もしくは派生体を含有する少なくとも1つの追加のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの追加のポリペプチドを含み、DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、断片および/または派生体は、少なくともCSD2断片を含むまたはからなり、CSD2断片は、好ましくは、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であり、アミノ酸番号付けは、UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A5X9に対応する、実施形態71~74のいずれか1項に従うワクチン。
76.派生体は、DsA1またはDsA2ポリペプチドに由来する少なくとも1つの追加の配列、好ましくは、DsA1またはDsA2のCSD1、CSD2、CSD3またはそのエピトープ含有断片のうち少なくとも1つを含む配列を含む、実施形態75に従うワクチン。
77.断片および/または派生体は、PITPポリペプチドであり、hLARが欠失している、親水性C末端領域によって置き換えられている、または部分欠失しており、部分欠失が、hLARのN末端の12個のアミノ酸を除く、好ましくは、hLARのN末端の11個のアミノ酸を除く、特に、hLARのN末端の10個のアミノ酸を除くhLARの喪失をもたらす、PITPポリペプチドである;あるいは少なくともUniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中のENFDのプロリン34~グルタミン酸73もしくはプロリン94~トレオニン143またはHbDのバリン238~アスパラギン393に対応するアミノ酸を含むその断片もしくは派生体である、実施形態71~76のいずれか1項で定義されるようなPITPポリペプチドの単離された断片または派生体。
78.断片または派生体は、少なくとも
- ENFDのプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDのプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDのバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態77に従うPITPポリペプチドの断片または派生体。
79.断片または派生体は、少なくともENFDのエピトープおよび/またはHbDのエピトープを含むまたはからなる、好ましくは、断片または派生体は、少なくともENFDのエピトープおよびHbDのエピトープを含むまたはからなる、実施形態77または78に従うPITPポリペプチドの断片または派生体。
80.派生体は、PITP断片または派生体が由来する株以外の、少なくとも1つの他のP.アクネス株に由来する、少なくとも1つの他のPITPに由来する少なくともENFDおよび/またはHbDをさらに含む、実施形態77~79のいずれか1項に従うPITPポリペプチドの断片または派生体。
81.UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中の、セリン180(S180)~グルタミン198(Q198)に対応するSR、好ましくは、少なくともプロリン179(P179)~トレオニン207(T207)に対応するアミノ酸配列、特に、グルタミン酸165(E165)~リシン237(K237)またはバリン401(V401)~トレオニン430(T430)、好ましくは、セリン397(S397)~T430、特に、ロイシン394~T430に対応するアミノ酸配列を欠く、実施形態77~80のいずれか1項に従うPITPポリペプチドの断片または派生体。
82.UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1における番号付けに従って、少なくともロイシン427(L427)~グリシン431(G431)に対応するアミノ酸配列が欠失している、好ましくは、少なくともプロリン179(P179)~グリシン431(G431)に対応するアミノ酸配列が欠失している、特に、少なくともトレオニン392(T392)~グリシン431(G431)に対応するアミノ酸配列が欠失している、実施形態77~81のいずれか1項に従うPITPポリペプチドの断片または派生体。
83.UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中の、少なくともセリン180(S180)~グルタミン198(Q198)および/またはフェニルアラニン74(F74)~セリン93(S93)に対応するアミノ酸配列、好ましくは、少なくともプロリン179(P179)~トレオニン207(T207)に対応するアミノ酸配列、特に、トレオニン159(T159)~トレオニン219(T219)に対応するアミノ酸配列が欠失している、実施形態77~82のいずれか1項に従うPITPポリペプチドの断片または派生体。
84.治療的治療において使用するための、好ましくは、特に、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択されるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態71~83のいずれか1項に従うPITPおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
85.P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、実施形態71~83のいずれか1項に従うPITPおよび/またはPITPの断片および/または派生体。
86.PITPポリペプチドおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を含み、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体に結合されたポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物をさらに含み、ポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物は、好ましくは、複合体形態中に金属イオンを含有し、金属イオンは、好ましくは、Fe、Co、Zn、Mg、SeまたはCuイオン、特に、Fe2+またはFe3+イオンである、実施形態1~85のいずれか1項に従う医薬製剤、特に、ワクチン。
87.PITPポリペプチドおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を含み、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体に結合されたポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物をさらに含み、ポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物は、群ヘミン、プロトポルフィリン(protoprophyrin)IX、コプロポルフィリンI、IIおよび/またはIII、特に、コプロポルフィリンIII;ペンタカルボキシポルフィリン、ウロポルフィリン、ヘプタカルボキシポルフィリン、ヘキサカルボキシポルフィリン、特に、IまたはIII型のような;ニトロ-ポルフィリン、特に、5,10,15,20-テトラフェニルポルフィリン(TPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-フルオロフェニル)ポルフィリン(TpFPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-クロロフェニル)ポルフィリン(TpClPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-ブロモフェニル)ポルフィリン(TpBrPP)、ビリベルジン、5,10-ジフェニル-15,20-ジ(N-メチルピリジニウム-4-イル)ポルフィリン(ジ-シス-Py+)、PORF-1~PORF-34、ポルフィン、オクタエチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、ベルテポルフィン、アスコプロポルフィリン(ascoproporphyrin)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、メソポルフィリンIX、7-カルボキシポルフィリン(7P)、6-カルボキシポルフィリン(6P)、ヘムA、ヘムB、ヘムC、ヘムO、ヘムI、ヘムm、ヘムD、Sヘム;ウロポルフィリノーゲンIII、クロロフィル、特に、クロロフィルa、クロロフィルbおよびバクテリオクロロフィルから選択される、実施形態1~86のいずれか1項に従う医薬製剤、特に、ワクチン。
88.DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含み、エピトープは、DsA1のR32-I41、Q38-K51、R32-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+T43-K51、R87-K90+T117-I132およびR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、T117-I132、T117-A127、V128-I132、A144-N157、H146-A160、A148-N157、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、I216-D225、A226-A240、S234-G250、I251-I263、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-I263、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-R286+I216-F224、T285-R286+I264-P271、T285-R286+V289-K296、T285-R286+V289-K296、T285-R286+A144-N157、A310-D313+T285-R286、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、A301-E307、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、R286-T300、V289-K296、A310-D313+I216-F224、A310-D313+I264-P271、A310-D313+T285-R286、A310-D313+R286-D290、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、A301-E307;DsA2のL152-Q166、G190-P230、I199-D208、A218-I237、P230-Q244、I231-A270、H254-A270、A271-S279、A271-R310、L311-T321、L311-K323、V333-Q347、A218-P230、I231-I237、H254-H262、Q256-H262、E261-D269、D269-S279、K313-K323;PITPのD79-T90、E73-D85、R43-I50、P68-Y75、P86-E92、I39-G45、Y84-D89、F81-D89、D79-T90、T37-E44、E73-W98、E73-F81、D89-T90、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、F111-D120、F132-G147、D152-E165、R115-F123、D120-K128、P131-F138、N181-E191、T143-T159、P116-T124、P131-D137、P131-D137、T175-C231、Q198-K203、P179-K185、G200-Q210、K174-A188、K174-K185、P201-Q209、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R164-S180、E165-S180、K185-S190、V193-N202、V193-G200、K203-P208、R216-T225、R216-R224、P173-K191、K197-K203、P168-T175、K185-K203、R164-K174、T175-V193、S250-N261、D287-S300、K340-V347、D338-F352、D338-D348、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、G305-L314、G364-K375、R382-E399、V367-G373、A383-L390、T342-T351、M387-T395、E385-T392、V401-V410、N404-A409、G416-L427、L396-V410、T406-I415、D417-G424、V407-D418、V407-V414、K421-V429、S419-T430、D408-I415、T406-V414からなる群から選択され、好ましくは、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のNまたはC末端に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を含み、特に、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のNまたはC末端に少なくとも2個の追加のアミノ酸残基を含み;ポリペプチドは、好ましくは、担体分子に共有結合的に連結され、または足場分子、特に、担体ポリペプチド中に埋め込まれる、P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態1~87のいずれか1項で定義されるようなワクチンまたは医薬製剤。
89.DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含み、ポリペプチドは、ポリペプチドの5または6位で出発するモチーフK[NYI]を有するDsA1/DsA2/PITP派生体であり、および/またはDNAレベルでこのコーディング位置に配列AADUAUまたはAAVAUUを有する、P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態1~87のいずれか1項で定義されるようなワクチンまたは医薬製剤。
90.DsA1および/もしくはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子が以下の構造:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有し;特に、mRNAは、配列番号67~76から転写されるような配列を含む、実施形態1~89のいずれか1項に従うワクチンまたはポリペプチド。
91.実施形態1~90のいずれか1項に従うワクチンまたはポリペプチドを含む医薬製剤であって、これらの請求項のいずれか1項で定義されるようなポリペプチド、すなわち、実施形態1~90のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体またはそれらの混合物と、医薬上許容される賦形剤または担体とを含む、前記医薬製剤。
92.ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の方法であって、実施形態1~91のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法。
93.P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための方法であって、実施形態1~91のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法。
94.投与は、皮内、皮下(s.c.)、非経口、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与によって、好ましくは、皮内または筋肉内投与によって、特に、シリンジによって、またはマイクロニードリングデバイスによって実行される、請求項93に記載の方法。
95.実施形態1~91のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成の方法であって、これらの請求項で定義されるような少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞において発現され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法。
96.(a)少なくともDsA1のCSD1の断片または派生体を含有するエピトープおよび少なくともDsA2のCSD2の断片または派生体を含有するエピトープを含む;ならびに/または
(b)少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD1のCSD1断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチおよび少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD2のCSD2断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチを含む;
(c)少なくともDsA1の
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、および
DsA2の
- フェニルアラニン194(F194)~ロイシン228(L228)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン194(F194)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン262(H262)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列を含む、
ポリペプチドを含む、
特に、ポリペプチドは、ポリペプチド中に存在する場合はDsA1のC53、C319およびC321ならびにDsA2のC97およびC363のうち1つまたはそれ以上にアミノ酸交換、好ましくは、アミノ酸交換DsA1のC53S、C319SおよびC321PならびにDsA2のC97SおよびC363Sのうち1つまたはそれ以上を含み、ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片または派生体において、少なくとも5つのPTリピート、好ましくは、少なくとも10のPTリピート、特に、少なくとも15のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然DsA1/DsA2」)と比較して欠失しており、好ましくは、少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、いっそうより好ましくは少なくとも4つの、特に5つのPTリピートが存在する、実施形態1~91のいずれか1項に従うワクチン。
97.ポリペプチドは、PITPポリペプチドまたは少なくともPITPのエピトープを含む少なくとも30個のアミノ酸残基のポリペプチドストレッチを含むPITPの断片または派生体をさらに含む、好ましくは、PITPポリペプチドまたはPITPの断片または派生体は、少なくとも
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDもしくはそのPITP派生体のバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列を含み;
特に、PITP派生体は、位置C231およびC402にアミノ酸交換を含む、請求項1~96のいずれか1項に記載のワクチン。
98.実施形態1~91のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成の方法であって、これらの請求項で定義されるような少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞においてmRNAとして発現され、生成され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法。
99.宿主細胞は、真核生物または原核生物の宿主細胞、好ましくは、原核生物の宿主細胞、特に、大腸菌(E.coli)またはL.ラクティス(lactis);または実施形態1~96のいずれか1項で定義されるような発現されたポリペプチドをグリコシル化できる宿主細胞である、実施形態98に従う方法。
100.宿主細胞は、天然にポルフィリンを合成できず、好ましくは、ポルフィリンは、培養物に、溶解バッファーに、および/または精製されたタンパク質に添加される、実施形態98または99に従う方法。
101.配列番号1~66の、または配列番号67~76によってコードされるポリペプチドが、宿主細胞において発現される、実施形態98~100のいずれか1項に従う方法。
したがって、本発明はまた、製品、好ましくは、医薬製剤、特に、ワクチンにおいて、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドが組み合わされる、好ましくは、少なくとも1つのエピトープは、表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)のエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)のエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITPポリペプチド)のエピトープである、本発明の態様のために具体的に示された以下の実施形態を開示する:
1.表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含むワクチンであって、好ましくは、少なくとも1つのエピトープは、表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)のエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)のエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITPポリペプチド)のエピトープであり、
DsA1は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、ならびに
PITPポリペプチドは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXT(G)モチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含む、前記ワクチン。
2.ワクチンであって、
- 表面に露出しているDsA1ポリペプチドのエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)のエピトープを有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドであって、
DsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、および場合により、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含む、少なくとも1つの抗原ポリペプチド;ならびに
- 表面に露出しているPITPポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの抗原ポリペプチド
を含む、前記ワクチン。
3.ワクチンであって、
- 表面に露出しているDsA1ポリペプチドのエピトープまたは表面に露出しているDsA2ポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの合成抗原ポリペプチド;および
- 表面に露出しているP.アクネスのPITPポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの合成抗原ポリペプチド
を含む、前記ワクチン。
4.ポリペプチドおよび/またはDsA2ポリペプチドおよび/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/または派生体を含み、DsA1またはDsA2の断片および/または派生体は、少なくともCSD2断片を含むまたはからなり、CSD2断片は、好ましくは、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であり、アミノ酸番号付けは、UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A5X9に対応する、実施形態1~3のいずれか1項に従うワクチン。
5.DsA1またはDsA2の断片または派生体は、少なくとも
- フェニルアラニン150(F150)~イソロイシン193(I193)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態4に従うワクチン。
6.DsA1またはDsA2断片は、
(1)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列;
(2)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(3)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(4)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張するフェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(5)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、アラニン148(F148)~ロイシン271(L271)の連続ポリペプチド配列;
(6)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン146(H146)~トレオニン277(T277)の連続ポリペプチド配列;
(7)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ロイシン238(L238)~ロイシン272(L272)の連続ポリペプチド配列;
(8)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、ロイシン145(L145)~アラニン201(A201)の連続ポリペプチド配列;ならびに/または
(9)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ロイシン145(L145)~ロイシン280(L280)の連続ポリペプチド配列
である、実施形態4または5のいずれか1項に従うワクチン。
7.少なくとも2つの抗原ポリペプチドは、少なくとも35個のアミノ酸の長さ、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さを有する、実施形態1~6のいずれか1項に従うワクチン。
8.PITPポリペプチドの断片または派生体を含み、PITPポリペプチドの断片および/または派生体は、hLARが欠失している、親水性C末端領域によって置き換えられている、または部分欠失しており、部分欠失が、hLARのN末端の12個のアミノ酸を除く、好ましくは、hLARのN末端の11個のアミノ酸を除く、特に、hLARのN末端の10個のアミノ酸を除くhLARの喪失をもたらすPITPポリペプチドである;あるいは少なくともUniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中のENFDのプロリン34~グルタミン酸73もしくはプロリン94~トレオニン143またはHbDのバリン238~アスパラギン393に対応するアミノ酸を含むその断片もしくは派生体である、実施形態1~7のいずれか1項に従うワクチン。
9.PITPポリペプチドの断片または派生体は、少なくとも
- ENFDもしくはHbDのポルフィリン結合性ドメインもしくはそのポルフィリン(prophyin)結合性派生体、
- ENFDのプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDのプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDのバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態8に従うワクチン。
10.CSD2断片が由来する株以外の、少なくとも1つの他のDsA1および/もしくはDsA2に由来する、または少なくとも1つの他のP.アクネス株に由来する少なくともNSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、CSD3および/またはCTRを含むまたはからなる、DsA1またはDsA2の断片または派生体をさらに含む、実施形態4~9のいずれか1項に従うワクチン。
11.ENFDまたはHbD断片が由来する株以外の、少なくとも1つの他のPITPポリペプチドに由来する、または少なくとも1つの他のP.アクネス株に由来する少なくともENFDまたはHbDを含むまたはからなる、PITPポリペプチドの断片または派生体をさらに含み、特に、PITPポリペプチドは、以下のアミノ酸:A32~T430、A32~G426、A32~Q198、A32~T143、A32~K400、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~R164、A32~S391、A32~P179、A32~R158、A32~G147、A32~E73およびP94~G147;P34~T430、P34~G426、P34~Q198、P34~T143、P34~K400、P34~T159、P34~I177、P34~Q204、P34~G234、P34~R164、P34~S391、P34~P179、P34~R158、P34~G147、P34~E73およびP94~G147;S240~S391、A32~D441、A32~I440、A32~E439、A32~D438、A32~S437、A32~S436、A32~P435、A32~G434、A32~E433、A32~A432、A32~G431;P34~D441、P34~I440、P34~E439、P34~D438、P34~S437、P34~S436、P34~P435、P34~G434、P34~E433、P34~A432、P34~G431;S240~D441、S240~I440、S240~E439、S240~D438、S240~S437、S240~S436、S240~P435、S240~G434、S240~E433、S240~A432、S240~G431;A32~T430、A32~V429、A32~P428、A32~L427、A32~G426、A32~R425、A32~G424、A32~A423、A32~G422、A32~K421、A32~G420、A32~S419、A32~D418、A32~D417、A32~G416、A32~I415、A32~V414、A32~K413、A32~G412、A32~T411、A32~V410、A32~A409、A32~D408、A32~V407、A32~T406、A32~V405、A32~N404、A32~H403、A32~C402、A32~V401、A32~K400、A32~E399、A32~A398、A32~S397、A32~L396、A32~T395、A32~L394、A32~N393、A32~T392; P34~T430、P34~V429、P34~P428、P34~L427、P34~G426、P34~R425、P34~G424、P34~A423、P34~G422、P34~K421、P34~G420、P34~S419、P34~D418、P34~D417、P34~G416、P34~I415、P34~V414、P34~K413、P34~G412、P34~T411、P34~V410、P34~A409、P34~D408、P34~V407、P34~T406、P34~V405、P34~N404、P34~H403、P34~C402、P34~V401、P34~K400、P34~E399、P34~A398、P34~S397、P34~L396、P34~T395、P34~L394、P34~N393、P34~T392;G172~T430、G172~V401、G172~K400、G172~L396、G172~N393、A199~T430、A199~V401、A199~K400、A199~L396、A199~N393、H223~T430、H223~V401、H223~K400、H223~L396、H223~N393、T232~T430、T232~V401、T232~K400、T232~L396、T232~N393、G234~T430、G234~V401、G234~K400、G234~L396、G234~N393、V238~T430、V238~V401、V238~K400、V238~L396、V238~N393、S240~T430、S240~V429、S240~P428、S240~L427、S240~G426、S240~R425、S240~G424、S240~A423、S240~G422、S240~K421、S240~G420、S240~S419、S240~D418、S240~D417、S240~G416、S240~I415、S240~V414、S240~K413、S240~G412、S240~T411、S240~V410、S240~A409、S240~D408、S240~V407、S240~T406、S240~V405、S240~N404、S240~H403、S240~C402、S240~V401、S240~K400、S240~E399、S240~A398、S240~S397、S240~L396、S240~T395、S240~L394、S240~N393、S240~T392;39I-48I、40P-49T、41V-50I、42G-51S、43R-52G、44E-53K、68P-77N、69A-78S、70S-79D、71V-80K、72P-81F、73E-82Y、74F-83G、75Y-84Y、76G-85D、77N-86P、78S-87S、79D-88K、80K-89D、81F-90T、82Y-91T、83G-92E、84Y-93S、85D-94P、86P-95S、87S-96T、88K-97I、89D-98W、90T-99V、91T-100Y、92E-101T、93S-102P、94P-103S、95S-104Q、96T-105K、97I-106A、98W-107I、99V-108G、100Y-109S、101T-110R、102P-111F、103S-112A、104Q-113Q、105K-114G、106A-115R、107I-116P、108G-117M、109S-118N、110R-119N、111F-120D、112A-121G、125I-134Q、126T-135G、127M-136K、128K-137D、144K-153H、145A-154S、146H-155D、147G-156D、148V-157T、149G-158R、150K-159T、151T-160P、152D-161V、153H-162T、154S-163Y、155D-164R、156D-165E、157T-166A、158R-167T、159T-168P、160P-169A、161V-170P、162T-171T、163Y-172G、164R-173P、165E-174K、166A-175T、167T-176P、168P-177I、169A-178A、170P-179P、171T-180S、172G-181K、173P-182Q、174K-183P、175T-184S、176P-185K、177I-186Q、178A-187A、179P-188A、180S-189P、181K-190S、182Q-191K、183P-192Q、184S-193V、185K-194K、186Q-195P、187A-196S、188A-197K、189P-198Q、190S-199A、191K-200G、192Q-201P、193V-202N、194K-203K、195P-204Q、196S-205S、197K-206T、198Q-207T、199A-208P、200G-209Q、201P-210Q、202N-211K、203K-212T、204Q-213A、205S-214E、206T-215H、207T-216R、208P-217S、209Q-218Q、210Q-219T、211K-220P、212T-221A、213A-222A、214E-223H、215H-224R、216R-225T、217S-226M、218Q-227T、219T-228K、220P-229Q、221A-230V、222A-231C、223H-232T、224R-233I、225T-234G、226M-235A、227T-236S、228K-237K、229Q-238V、230V-239T、231C-240S、232T-241G、233I-242S、266L-275S、267S-276A、268G-277F、282T-291K、334S-343N、353G-362I、354V-363K、355S-364G、356V-365S、357S-366P、358G-367V、359N-368K、377F-386P、378A-387M、379G-388N、380F-389P、396L-405V、397S-406T、398A-407V、399E-408D、400K-409A、401V-410V、402C-411T、403H-412G、404N-413K、405V-414V、406T-415I、407V-416G、408D-417D、409A-418D、410V-419S、411T-420G、412G-421K、413K-422G、414V-423A、415I-424G、416G-425R、417D-426G、418D-427L、419S-428P、420G-429V、421K-430T、422G-431G、423A-432A、424G-433E、425R-434G、426G-435P、427L-436S、428P-437S、429V-438D、430T-439E、431G-440I、432A-441D、433E-442L、434G-443G、435P-444I、436S-445Vおよび437S-446G;I39-K53、P68-G121、I125-D137、K144-S242、L266-F277、T282-K291、S334-N343、G353-K368、F377-P389、L396-G446、A32~R164、A32~Q198、A32~T143、A32~V148、A32~T171、P34~R164、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~K400、A32~S391、V238~K400、A199~T430、V238~T395、G234~K400、H223~K400、T232~V401、V238~T392、V238~N393、V238~L394、V238~T395、V238~L396、T232~T430、G172~K400およびG172~G234からなる断片または派生体および少なくともPITPエピトープを含むその断片である、実施形態8~10のいずれか1項に従うワクチン。
12.別のP.アクネス抗原またはエピトープ、好ましくは、DsA1、DsA2および/またはPITPおよび/またはDsA1エピトープ、DsA2エピトープおよび/またはPITPエピトープから選択される抗原またはエピトープをさらに含む、実施形態1~11のいずれか1項に従うワクチン。
13.別のP.アクネスポリペプチドの断片を含有するエピトープをさらに含む、実施形態1~12のいずれか1項に従うワクチン。
14.P.アクネスの侵襲によって誘発される病状の発生に対して防御的である、実施形態1~13のいずれか1項に従うワクチン。
15.ヒト対象、例えば、小児、青年または成人対象への投与のために製剤化される、実施形態1~14のいずれか1項に従うワクチン。
16.初回および追加免疫化の両方を含む処置レジメンにおいて使用するために製剤化され、好ましくは、初回および追加投与のために同一製剤が使用される、実施形態1~15のいずれか1項に従うワクチン。
17.アジュバントを用いて、好ましくは、無機塩、好ましくは、ミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、オキソ水酸化アルミニウム、ヒドロキシリン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、硝酸セリウム、硫酸亜鉛、コロイド状水酸化鉄および/または塩化カルシウム;水中油型エマルジョン、リポソーム、TLRアゴニスト、モノホスホリル脂質A、サポニン、リン脂質、エマルジョンベースのアジュバント、水酸化アルミニウムゲル、固相吸着剤、ナノ球体およびリポソームのようなカプセル化剤;高分子量アジュバント、好ましくは、毒素、トキソイドまたはテタヌス、ジフテリア、百日咳、シュードモナス属(Pseudomonas)の種、大腸菌、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)の種およびストレプトコッカス属(Streptococcus)の種に由来する毒素の任意の突然変異体交差反応性材料からなる群から選択されるアジュバントを用いて製剤化される、実施形態1~16のいずれか1項に従うワクチン。このような毒素またはトキソイドは、テタヌストキソイド、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、大腸菌LT、大腸菌STおよび緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素A;外膜タンパク質複合体c(OMPC)のような細菌外膜タンパク質、ポリン、トランスフェリン結合性タンパク質、ニューモリシン、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA)、肺炎球菌アドヘシンタンパク質(PsaA)、C.ディフィシル(difficile)エンテロトキシン(毒素A)および細胞毒(毒素B)またはインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製タンパク質派生体(PPD);カチオン性ペプチド、CpGオリゴヌクレオチド、スクアレンベースのアジュバント、好ましくは、MF59;IL-1およびIL-2のようなサイトカインのような他の医薬上許容されるポリペプチド担体である場合があり;またはウイルス様粒子もしくはナノ粒子;もしくはそれらの組合せとして製剤化される場合がある。
18.皮内、皮下(s.c.)、非経口、好ましくは、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与のために製剤化される、実施形態1~17のいずれか1項に従うワクチン。
19.用量あたり0.1μg~5mg、好ましくは、0.5~1000μg、より好ましくは、1~500μg、いっそうより好ましくは、5~300μg、特に、10~200μgの、DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体の各々を含む、実施形態1~18のいずれか1項に従うワクチン。
20.DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子が以下の構造:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有し;特に、mRNAは、配列番号67~76から転写されるような配列を含む、実施形態1~19のいずれか1項に従うワクチン。
21.用量あたり、各5~500μg、好ましくは、各20~100μgの、DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体;または抗原もしくはその断片もしくは派生体をコードするDNAもしくはRNAを含む、実施形態1~20のいずれか1項に従うワクチン。
22.用量あたり、各1μg未満のDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体を含む、実施形態1~20のいずれか1項に従うワクチン。
23.フロイントの不完全アジュバントを含有しない、実施形態1~22のいずれか1項に従うワクチン。
24.ワクチンは、複合免疫原を含有し、1つもしくはそれ以上のP.アクネスの抗原および/または1つもしくはそれ以上のP.アクネスの互いに交差反応性、特に、交差型反応性あるいは免疫学的に関連するエピトープの連結によって操作されている、好ましくは、免疫原は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の抗原および/またはその免疫学的に関連するエピトープを含むまたはからなり、特に、抗原および/またはエピトープは、交差反応性、特に、交差型反応性である、実施形態1~23のいずれか1項に従うワクチン。
25.ワクチンは、アジュバントに連結されたP.アクネスの少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の抗原および/またはそのエピトープ(複数可)を含むまたはからなる複合免疫原を含有し、少なくとも1つの抗原またはエピトープは、免疫学的に関連する、実施形態1~24のいずれか1項に従うワクチン。
26.ワクチンは、互いに共有結合的に連結されたP.アクネスの少なくとも2つの抗原および/またはそのエピトープを含む複合免疫原を含有し、好ましくは、免疫原は、アジュバントにさらに連結された少なくとも2つの抗原および/またはそのエピトープを含み、特に、少なくとも1つの抗原またはエピトープは、免疫学的に関連する、実施形態1~25のいずれか1項に従うワクチン。
27.1つの抗原またはそのエピトープがアジュバントに連結されている、特に、少なくとも1つの抗原またはエピトープが免疫学的に関連する、複合免疫原を含有する、実施形態1~26のいずれか1項に従うワクチン。
28.抗原のまたはエピトープのバリアントを含む、実施形態1~27のいずれか1項に従うワクチン。
29.天然に存在するP.アクネス抗原のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは、少なくとも98%、より好ましくは、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%を有するポリペプチド;または天然に存在するエピトープと比較されるアミノ酸配列中に少なくとも1、2、3、4つ、最大5つの点突然変異が含有される、P.アクネスエピトープのポリペプチドを含む、実施形態1~28のいずれか1項に従うワクチン。
30.NまたはC末端で、ならびに1つまたはそれ以上の内部ドメイン内で1個またはそれ以上のアミノ酸残基が付加されている、または欠失しているバリアント、好ましくは、DsA1および/またはDsA2タンパク質、特に、抗原配列を延長するために、例えば、少なくとも1個のアミノ酸残基によって、3個未満のアミノ酸、具体的には、5個未満あるいは10個未満のアミノ酸によってタンパク質内のエピトープまたはエピトープ領域の配列を延長するためにN末端に、および/またはC末端に追加のアミノ酸を含むバリアントを含む、実施形態1~29のいずれか1項に従うワクチン。
31.ワクチンは、特に、融合タンパク質として派生体を含み、PITPエピトープを含有するPITP断片は、別のポリペプチドまたはタンパク質の追加のアミノ酸残基によって、好ましくは、1つまたはそれ以上の免疫学的に関連するエピトープによって延長され、特に、派生体は、NまたはC末端に、少なくとも4個、好ましくは、少なくとも5個、特に、少なくとも6個のヒスチジン残基を含むHis-タグを含む、実施形態1~30のいずれか1項に従うワクチン。
32.ワクチンは、DsA1またはDsA2の断片または派生体を含み、DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、断片または派生体は、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、少なくとも(1)フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、(2)フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列または(3)ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列を含む、またはからなり、前記断片または派生体は、場合により、1つまたはそれ以上のアミノ酸交換を含み、1個またはそれ以上のアミノ酸残基は、ジスルフィド結合を形成する能力によって断片または派生体をさらに安定化するためにシステイン(Cys、C)残基に変更される、実施形態1~31のいずれか1項に従うワクチン。
33.断片または派生体は、少なくとも20個、好ましくは、少なくとも30個、より好ましくは少なくとも60個のアミノ酸の長さ、いっそうより好ましくは、少なくとも80個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも100個のアミノ酸の長さを有する、実施形態1~32のいずれか1項に従うワクチン。
34.断片または派生体は、400個未満のアミノ酸、好ましくは、350個未満のアミノ酸、特に、300個未満のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態1~33のいずれか1項に従うワクチン。
35.断片または派生体は、250個未満のアミノ酸、好ましくは、200個未満のアミノ酸、特に、150個未満のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態1~33のいずれか1項に従うワクチン。
36.断片または派生体中の2個またはそれ以上のアミノ酸残基は、ジスルフィド結合を形成する能力によって断片または派生体をさらに安定化するためにシステイン(Cys、C)残基に変更され、好ましくは、天然アミノ酸がシステインに交換される以下の群:PHE150-GLY185、LEU167-ALA199、ASN157-ALA192、LYS166-ALA199、ALA153-GLY185、ASP164-ALA199、VAL154-ALA179、PHE150-LEU184、VAL154-ALA188、ALA153-ALA188、ALA179-GLU191、THR178-GLU191、ALA161-ALA195、ILE175-ALA195、ILE175-GLU191、LEU158-ALA176、ASN157-ALA188、ASN157-ALA179、ASP164-GLU196、VAL154-LEU180、ALA153-LYS189、ASN157-LYS189、ALA161-ALA192、LEU167-ALA198、LEU158-ALA179、ALA160-ALA192、LYS165-ALA199、LYS166-GLN200;VAL205-ALA260、ILE232-ARG266、SER235-ILE263、SER235-ARG262、ILE232-LEU267、PRO236-ILE263、ALA231-ARG266、ASN239-ILE259、ILE232-ILE263、VAL209-PRO236、ALA201-ALA256、SER235-ILE259、VAL228-ARG266、ALA202-ALA256、ALA201-VAL257、GLY206-VAL243、GLY208-ILE264、GLY208-ILE263、VAL205-ASN239、LEU238-ILE259、GLY208-ALA260、ALA201-LYS253、ALA202-VAL243、LEU204-ALA260、VAL205-ALA256、VAL205-ILE259、SER235-ARG266、ASN239-ALA260、VAL209-ILE263、またはVAL209-ASN239中のアミノ酸対のうち少なくとも1つを含有する(DsA1配列に関して(DsA2配列にも適用可能である;図12A))、実施形態1~35のいずれか1項に従うワクチン。
37.DsA1、DsA2またはPITPまたはその断片または派生体中のシステインは交換されている、好ましくは、システインは、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシンおよびグリシンと、より好ましくは、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシンと、特に、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギンおよびグルタミンと交換されている、実施形態1~36のいずれか1項に従うワクチン。
38.断片または派生体は、35~350個のアミノ酸の、好ましくは、40~300個のアミノ酸の、より好ましくは、50~250個のアミノ酸残基の、より好ましくは、60~200個のアミノ酸の、より好ましくは、70~150個のアミノ酸の、特に、90~130個のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態1~38のいずれか1項に従うワクチン。
39.派生体は、少なくとも1つのDsA1のポリペプチドストレッチおよび少なくとも1つのDsA2のポリペプチドストレッチを含み、好ましくは、派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む、実施形態1~37のいずれか1項に従うワクチン。
40.派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片を含み、少なくとも2つの断片は、
- 少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2;または
- 少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2のN末端部分ならびに異なる、少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2のC末端部分からなるアミノ酸配列であって、NおよびC末端部分からなるアミノ酸配列のアミノ酸残基の総数は、DsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2と同一である、アミノ酸配列
によって相互接続される、実施形態1~39のいずれか1項に従うワクチン。
41.派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片を含み、DsA1およびDsA2の断片は、少なくとも20個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも30個、より好ましくは、少なくとも40個の、特に、少なくとも50個のアミノ酸残基の長さを独立に有する、実施形態1~40のいずれか1項に従うワクチン。
42.治療的および予防的処置において使用するための、好ましくは、特に、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺(prostethic)がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択されるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態1~41のいずれか1項に従う、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
43.P.アクネス関連感染症ならびにI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状の処置または防止において使用するための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症ならびにP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、実施形態1~41のいずれか1項に従う、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
44.フローサイトメトリーを使用する表面結合測定によって、およびこのようなワクチン抗原に対して作製された免疫血清を使用する殺菌死滅アッセイにおいて決定されるように、ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに少なくとも2つのP.アクネスMLSTファイロタイプおよび/またはP.アクネスの少なくとも2つの異なるCC型および/またはP.アクネスの少なくとも2つのリボタイプと関連する病状を患っている、実施形態42または43に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
45.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに少なくとも2つもしくは3つの遺伝的に異なる種類のP.アクネス株と関連する、好ましくは、少なくとも1つのI型および少なくとも1つのIIもしくはIII型株に対する;または少なくとも1つのII型および少なくとも1つのIもしくはIII型株に由来する;または少なくとも1つのIII型および少なくとも1つのIもしくはII型株に由来する;または少なくとも1つのI型、少なくとも1つのII型および少なくとも1つのIII型株に由来する病状を患っている、実施形態42~44のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
46.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびにMLST分類スキームに従って定義されるような、IA1型、IA2型、IB型、IC型、II型およびIII型株またはI-Ia、I-Ib、I-2およびII型からなる群から選択される2種またはそれ以上のP.アクネス株、特に、IA1、IA2、IB、IIおよびIII型と関連する病状を患っている、実施形態42~45のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
47.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症および16Sリボソーム配列の相違に従って決定されるようなリボタイプの群から選択される2種またはそれ以上のP.アクネス株と関連する病状を患っている、実施形態42~46のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
48.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに単一遺伝子座(SLST)の分析によって決定される、2つまたはそれ以上のファイロタイプIA1、IA2、IB1、IB2、IB3、IC、IIおよびIII、特に、IA1、IA2、IB、IIおよびIII型と関連する病状を患っている、実施形態42~47のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
49.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに以下の株の群:NCTC737、KPA171202(DSMZ、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、Braunschweig、Germany)、SK137、HL005PA1、HL005PA4、HL013PA1、HL030PA1、HL043PA1、HL053PA1、HL053PA2、HL050PA1、HL050PA2、HL060PA1、HL110PA4(BEI、Biodefense and Emerging Infections Research Resources Repository、Manassas、VA)、P.acn31およびAsn12(McDowellら 2012年)およびIAI 008、IAI031、IAI034、IAI035、IAI038、IAI040、IAI042、IAI045、IAI041(Charite Berlin、Pro-Implant foundation)のうち少なくとも2つの異なる系統分類型、より好ましくは、3つ、いっそうより好ましくは、4つ、5つまたは6つの系統分類型と関連する病状を患っている、実施形態42~48のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
50.P.アクネスによる感染に対する保護において使用するための、実施形態42~49のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
51.P.アクネス関連適応症の発生の防止または低減において使用するための、実施形態42~50のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
52.ワクチンは、好ましくは、少なくとも2もしくは3回の投与または少なくとも4、5回またはいっそうより多く反復された投与によってヒト患者に反復投与される、実施形態42~51のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
53.ワクチンは、各々、少なくとも1または2週間の間隔で1年の期間内の少なくとも2または3または4回の連続投与を含む1またはそれ以上の処置サイクルで使用され、特に、処置サイクルは、例えば、5年の期間内に少なくとも1回、2回、3回または4回、いっそうより多くの回数のいずれか反復される、実施形態42~52のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
54.ワクチンは、投与の際に個体において抗体および/もしくはサイトカインの生成ならびに/または細胞傷害性T細胞、B細胞、抗原提示細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞および/もしくは他の細胞性応答の活性化を含む免疫応答を誘発する、実施形態42~53のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
55.ワクチンは、I、IIもしくはIII型P.アクネスのいずれか、もしくはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せ、特に、IA1、IA2、IB、IIおよびIII型に由来する株が病原性因子として関与する皮膚または他の影響を受ける臓器もしくは組織状態を有する患者に、またはP.アクネス株のいずれかによる感染に対して感受性である可能性がある健常個体に投与される、実施形態42~54のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
56.ワクチンは、皮内、経皮または皮下投与によって、好ましくは、皮内注射アプリケーター、マイクロニードル、経皮レーザーデバイス、局所、皮膚パッチまたは他の適した皮膚に適応した適用デバイスによって患者に投与される、実施形態42~55のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
57.ワクチンは、経口または筋肉内、節内、鼻腔内、粘膜、肺内、経膣、経直腸もしくは他の適した経路のような非経口投与によって投与される、実施形態42~55のいずれか1項に従う使用のための、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
58.実施形態1~57のいずれか1項で定義されるような、好ましくは、配列番号4~21および20~50に従うポリペプチドのうち少なくとも1つを含む、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
59.実施形態1~57のいずれか1項で定義されるような、好ましくは、配列番号4~21および20~50に従うポリペプチドのうち少なくとも1つを含む、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む医薬組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
60.医薬上許容される担体をさらに含む、実施形態59に従う医薬組成物。
61.ワクチンを生成する方法であって、実施形態1~57のいずれか1項で定義されるような、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチド、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物は、医薬上許容される賦形剤または担体と混合され、場合により、個体、特に、ヒト個体への投与に適した、医薬上投与可能なワクチン用量に、好ましくは、投与量単位に仕上げられる、前記方法。
62.(a)DsA1のF150~L184またはDsA2のF194~L228の連続ポリペプチド配列を少なくとも含む、DsA1のA148~L267またはDsA2のA192~L311内のDsA1またはDsA2のCSD2断片、
(b)以下のアミノ酸交換:DsA1中のA149T、D152N、D152S、V155I、V163I、K166H、K166P、A168T、K169R、T171A、V173M、A176V、A183T、T190F、T190I、E191K、A192L、A192F、A198G、A199T、A202T、V205I、G206N、G206S、G206R、G206Q、K212Q、A214T、I219V、I219A、S223A、D225N、V233I、S235F、N239S、L255I、V257I、Q258S、I259L、R262H、I264V、D265KおよびDsA2中のT193A、N196D、N196S、I199V、I207V、H210K、H210P、A212T、R213K、T215A、V217M、V220A、T227A、F234T、F234I、E235K、L236A、L236F、A242G、A243T、A246T、I249V、R250G、R250S、R250N、G250Q、Q256K、A258T、V263I、V263A、A267S、D269N、I277V、S279F、S283N、I299L、I301V、S302Q、L303I、H306R、V308I、K309Dのうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有する、(a)のCSD2派生体、
(c)20個のアミノ酸残基の連続ポリペプチド配列、特に、DsA1のT117~A127またはDsA2のT161~LA171を少なくとも含む、DsA1のI49~L130またはDsA2のI93~L174内のDsA1またはDsA2のCSD1断片、
(d)以下のアミノ酸交換:DsA1中のD50N、D50S、K51E、K51A、C53Y、D55K、V57I、A61L、A65G、A68V、L71M、F76L、S78A、V82M、V82A、L84M、P86R、P86S、K90R、K90A、K94A、V97T、L99T、I100L、K104R、K106E、A107V、I109V、G110A、A111S、L113V、G114S、L116V、T117A、K120A、I121V、R123H、A124T、V128IおよびDsA2中のS94D、S94N、E95A、E95K、C97Y、K99D、I101V、L105A、G109A、V112A、L115M、L120F、A122S、A126M、A126V、L128M、P130R、P130S、A134K、A134R、A138K、T141V、T143L、I144L、R148K、K150E、V151A、V153I、A154G、S155A、L157V、G158S、V160L、A161T、A164K、V165I、H167R、A168T、I172Vのうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有する、(c)のCSD1派生体、
(e)DsA1のR266~T277もしくはR286~K296またはDsA2のV333~Q347の連続ポリペプチド配列を少なくとも含む、DsA1のA278~K323またはDsA2のA322~E366内のDsA1またはDsA2のCSD3断片、
(f)以下のアミノ酸交換:DsA1中のM281V、N283D、T285A、R286Q、V289A、V291I、I292R、T293N、A294T、D295K、D295Q、K296E、I298V、K299A、T300V、T300I、A301Y、-301から302Dの間、E302K、E305K、K306A、A310T、D313G、K316Q、S320T、C321-、P322L、K323D、K323EおよびDsA2中のV325M、D327N、A329T、R330Q、V333A、I335V、R336I、N337T、T338A、Q339K、Q339D、E340K、I342V、A343K、V344T、V344I、Y345A、K346E、K349E、A350K、T354A、G357D、Q360K、T364S、P365L、E366D、E366Kのうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有する、CSD3派生体
を含むまたはからなるポリペプチドを含む、実施形態1~61のいずれか1項に従うワクチン、方法または組成物。
63.DsA1および/またはDsA2派生体を含み、DsA1および/またはDsA2派生体は、好ましくは、以下のアミノ酸交換:
DsA1:A301Y、G206L、G206F、A192L、G206R、G206W、G206Q、G206K、A301F、A301L、G206I、A301W、A301I、G206E、G206M、G208L、G206V、A192M、A256L、A192I、A68I、G206N、A68V、I259L、A161L、V205I、G206T、G206H、A68L、G206Y、A256I、G206A、68M、A192F、G110A、N239L、G206C、A301V、E305L、A93I、A93L、S223A、E305I、E305V、E305A、K120V、K120L、N157I、K120C、E305C、E305M、N239I、K120I、R248C、N239V、E191I、E305F、S78I、K120M、E191L、R248L、H146V、E191V、H146I、S78L、S78V、N157V、H146C、K120F、R248I、R248M、D164L、P236V、P236L、H146L、H146F、D164I、H146M、P86L、R248G、N239C、N157C、E305T、E191C、S78C、R248F、G221L、E305G、P236F、T171L、P86V、R248S、N157L、K120A、H146A、P86I、N157F、S235A、R248A、E191M、N157M、A124I、P236A、S78F、P236C、S78M、A161I、N239M、T171I、E191F、S235V、P86F、H146G、S223I、E305S、D164F、E305Y、P236M、S223L、N239F、H146Y、P236I、G221V、D164C、K120G、D164M、S235I、R248V、A124V、S235L、S223V、S147L、S235C、P86M、G208I、D164A、S147I、N239A、K120T、T117I、G110L、R248Y、P182I、A198L、A124L、A215L、A127L、A66L、P86C、G221F、R248T、T171F、P182V、S147V、P271V、T171V、G110V、P271A、E191A、A149L、K120Y、G114I、K120S、S235F、A201I、G131V、A201V、R248N、A66V、A202I、G221C、G114V、A229L、H146T、A124F、A127F、T117V、S223C、A215F、A127I、P182C、A215V、G162L、G162I、G208F、A201L、A161F、N157A、A198V、E191Y、A161V、S223F、G221M、R248W、G131C、A202V、N157T、S147F、N157Y、G114A、T171C、H146W、S78T、A149I、G250L、N239T、A149V、G208C、K120P、G250V、S235G、S223M、D164V、N239G、T171M、E191G、S78A、D164Y、P271I、G110F、G110C、D164W、P236Y、A124C、A66F、S147M、G75L、E305N、S147C、G221I、A127M、P182L、G221A、G110M、A66C、E305Q、P271F、A215M、P236W、K120W、H146P、A161C、A229I、S78G、G114M、P86A、E305W、V154L、G185V、G75I、S223Y、G75V、R248Q、T277V、E191S、A229F、T277G、G131I、N239S、P271C、V154I、A66M、D164G、G208A、P236T、R248D、D164T、A127C、A215I、A161M、P86W、A201F、C53L、T117F、G131A、T117C、A318L、F150L、G208M、P271M、A149C、G208V、G114C、G162F、S223W、A198I、N157G、A202L、P236G、G185I、A198F、A149M、P86Y、E191W、N157W、I263L、S235T、E305P、E305R、A201C、A201M、F150I、G96I、G114F、G221Y、A199L、D164S、A124M、A179I、A202F、H146S、A231L、C53I、I263V、G162M、K120Q、N239Y、G96L、G75C、N157S、T277C、T117A、A199V、G162C、P271Y、G250C、A127Y、A66I、T117L、G185C、A229C、R248P、A144I、T117M、P86T、A260L、G185A、E191Q、G131L、T277I、G250I、G131M、T277A、A127V、F150V、A318I、S78W、S147Y、A198M、P86G、A215C、A70I、S235M、A179V、A202M、A144V、A202C、G208W、T171Y、S147W、G208Y、G250F、A195L、K120H、A127W、A66Y、S223G、K120N、S78Y、E191N、A198C、P271G、V154F、A70V、H146N、A229M、A134L、P86S、S78Q、A199I、G75M、A68C、E191T、A89L、G96A、D164P、C53V、S78P、G185L、A149G、A149F、P182A;
DsA2:A161L、A161I、A126I、A126V、A126L、S175G、G190H、A161T、S183T、R336I、A126F、A161F、A329L、A161V、S283L、A205L、G109A、A329I、G265F、A161W、A232I、S175W、R336L、A300I、K349I、A161M、A300L、G109L、G109I、A246L、S183M、A223L、E235V、G252L、A329M、A126W、S183L、A259L、A329V、A329F、S183I、A242L、G109F、R336V、K117I、R336C、K117C、K349V、R336A、R336F、K117L、R336M、E235I、R310A、K349L、K117V、R310V、K349C、N201I、R310I、R310C、K349F、K349M、K117M、R292C、N201V、R336G、R292L、K117F、E235C、P130L、E235A、D208L、P280L、E235L、R292M、R336T、P280V、R292I、N201L、E235M、P130I、K117A、K349A、P130V、R292G、R310F、R336S、R336Y、N201C、K117G、R310L、R310M、R310G、R336W、D208V、R292F、P130F、K349Y、K117T、R310T、P280C、R292S、N201F、R310S、T215L、N201M、S279C、R292A、S279L、P280F、D208C、S175V、A126M、P280A、S279A、P130C、S279V、E235F、P186C、P130M、K349T、A126C、K349G、N320V、K117S、N320I、S283V、A168I、N320L、S175I、E235Y、P186V、P280I、P186A、P280M、G265L、D208M、P186L、K117Y、S283I、A205I、D208F、A168L、T215I、R292V、A133L、R336P、R310Y、A168V、S279F、S183V、A164I、S279I、S175L、D208A、K349S、E235T、S175C、A122I、D208I、A126Y、A123L、K117P、N320C、R292T、S283C、E235W、G252I、T215V、R292Y、R336Q、S175A、A123I、E235G、A205V、A171V、A133V、A245I、S183C、P226V、R310P、G181I、P226I、A168C、A246I、A171L、N201A、S175M、G158I、A164L、T215C、A164C、P280W、A133C、G119I、T215F、A245V、N320M、A122V、A123V、G206L、N320A、G265V、A122L、A193L、S191V、R310W、G252F、G181V、E235S、R292N、P130W、G119V、G265C、S279M、A259V、A259F、A168F、A168M、A246V、P226C、R292W、G158V、P130Y、G206V、P186G、C97L、N201Y、A171C、G265M、G140L、K117N、G140I、D208G、A193V、G181F、K349W、S279G、A245L、A205F、G158A、A193I、K117W、A122C、R310D、G294V、P186T、S175F、S191C、N201T、K349Q、R310N、A242V、T215M、D208Y、T321C、G252C、I276L、A259M、A171F、N201G、G119F、D208T、P186M、G229V、G294L、S191I、P186S、G119C、G229I、P130A、A205C、A171M、T321V、A193C、F268L、A133M、A123F、G357A、G109V、K117Q、N320G、R310Q、T321G、S283M、P186Y、G229A、R336D、N201S、S183F、F194L、F268V、A245F、G265A、G252A、R336H、A259I、A133I、A123C、P130T、G113L、D208S、P280T、F268I、G181C、P280Y、R336E、P280G、G158C、N320Y、G140V、K349P、R292D、D208W、N320F、G265I、R336N、A164M、G206M、F268C、G158M、R292P、S191L、G158F、G252M、A245C、G229C、E235Q、G252V、A205M、G206F、R292Q、G181M、A126G、A243L、K349N、S283A、A246M、S279T、P186I、A246F、A246C、A223I、C97I、A164V、A245M、A171I、G357I、A126T、S283F、A123M、F194I、K117D、P226L、P130S、G140F、I276F、F194V、A243V、P130G、G181L、G229F、A259C、G113I、K117H、N320S、G119M、A239L、G206C、A114I、E235N、K349D、A242I、A161C、G294C、G119L、A126S、T321L、A193M、A223V、A122M、G113C、A242C、N201W、R292H、A275L、A242M、G357V、P186F、G294I、D208P、A259W、A243I、R310E、G140C、A242F、G265W、S183A、G109C、G113F、S191F、G265Y、S94D、E95K、A343K、A350K、F176D、N196D、H147D、H146D、H147E、H146E、T91E、R250E、T91D、R251E、R148D、H254E、A170K、R250K、R251K、H254D、A170R、H146K、H147K、K346E、T90D、R250D、T90E、A138K、R251D、H262K、A169K、H146R、I102E、T90K、A271K、K346R、H306E、D124E、K326E、A169R、D124R
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを含む、実施形態1~62のいずれか1項に従うワクチン、方法または組成物。
64.PITP派生体を含み、PITP派生体は、好ましくは、以下のアミノ酸交換:
T392F、F352L、T392I、M303F、A276Y、S365I、T392L、M303W、A276L、T392W、K363T、A361V、F286Y、A361I、K363F、M303Y、T392V、A361L、S365V、A270V、A276M、S365L、K363V、M312L、T252L、M387L、Y297F、A276F、G353T、A276W、K363S、T252R、L314I、T252I、A361F、L295I、L255I、A276I、K363L、S318W、V354L、K363I、A361T、S318I、A361M、G353L、T392Y、S365A、A270I、A361W、T252M、K363A、K363W、L319I、G353D、A276V、G353N、G353F、T252V、G353S、S318V、L255V、G364I、L394V、K363M、S318F、L390I、G353I、S335Y、G364L、S365M、T252Q、S365F、L330A、T252F、S318M、K363Y、G353V、S365G、S365W、K363G、T392M、V354F、A276T、G364W、K363C、P317I、S335C、P317L、P317F、G269C、S335A、P317V、G268C、S334V、S335V、G269V、S334C、A361C、G268I、G269F、G268L、S334I、G268V、G269L、S335G、S334A、G268F、S335T、P317C、P317M、S335L、A361Y、G269I、S335I、G268Y、K363P、G268W、S335M、K363H、F286I、G268M、G269M、G269W、G268A、S334G、S334L、G268P、G268T、G293F、F286L、T252C、S335N、T392C、K363N、S334F、M303I、K363Q、A376L、G364V、W245I、G269S、Y297C、S335Q、G358V、W245L、A376I、S334M、G358L、T252A、S318C、S335H、Y297L、S365C、M312I、G373L、Y297I、G358I、S335F、G268N、M303L、G269T、Y297V、P317A、G268Q、G268H、G293L、S334T、G305C、S318L、S335D、S335P、G364C、W245V、W245F、P317Y、T392A、F286V、S335W、A376V、G358C、K363D、M312F、G269N、S335R、A378I、A378C、P317W、G268K、G268R、G268D、A376C、G373V、M312V、M303V、G353C、S318A、G364F、G241C、G268E、G379I、G269P、F286C、L330F、G284V、W245C、A378V、L330I、G293I、G373C、G379L、S318Y、G358F、L394I、L330V、G373I、F352I、A361G、S335K、G246C、M387F、A378L、G241I、V354C、M387I、G269A、G308C、F352C、A276C、G293C、G269Q、K363R、G379V、F286W、W245M、G246V、A270C、G246L、M303C、G293V、G305A、Y297A、G345I、G241V;N388D、R248K、S336D、T372E、T249E、E316D、D348E、R382E、R382K、K265E、H327K、D338E、K333R、P386E、S336E、K341D、K341E、K341R、E385D、G268K、G268R、G268D、K340R、G268E、K333D、K368R、G353D;H306I+S335R、H306L+S335R、H306I+S335K、H306C+S335R、H306C+S335R、H306I+S335K、H306L+S335K、H306L+S335K、H306L+S335R、H306V+S335R、H306I+S335R、H306V+S335R、H306C+S335K、H306F+S335K、H306V+S335K、H306V+S335K、H306F+S335R、H306F+S335R、H306W+S335R、H306F+S335K、H306M+S335R、H306W+S335K、H306W+S335R、H306M+S335K、H306A+S335R、H306A+S335R、H306W+S335K、H306A+S335K、H306Y+S335R、H306Y+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306T+S335K、H306S+S335R、H306T+S335K、H306S+S335K、S334V+S335R、H306S+S335K、S334V+S335K、S334I+S335R、S334C+S335R、H306P+S335R、M312I+S335R、S334I+S335K、S334V+S335R、S334V+S335K、H306P+S335K、S334C+S335R、S334A+S335R、M312F+S335R、M312L+S335R、S334C+S335K、H306R+Y381L、M312L+S335R、S250L+S335R、H306Q+S335R、H306N+S335K、S334C+S335K、S334A+S335K、H306P+S335K、H306Q+S335R、M312V+S335R、M312I+S335K、S334I+S335K、M312I+S335R、M312L+S335K、H306N+S335R、S334L+S335R、S334A+S335K、M312L+S335K、S250I+S335R、H306N+S335R、S250V+S335R、H306N+S335K、M312F+S335K、S250V+S335R、S250A+S335R、S334M+S335R、M312V+S335R、S250A+S335K、M312F+S335K、S250A+S335K、S250L+S335R、S334G+S335R、S250C+S335R、S250C+S335R、H306Q+S335K、S334G+S335R、Y254F+S335R、S334L+S335R、S250I+S335R、I309C+S335R、S250I+S335K、Y254C+S335R、S250L+S335K、M312V+S335K、S334G+S335K、S250L+H306R、S250V+H306R、H306R+Y381I、M312V+S335K、S250I+H306R、M312C+S335R、Y254C+S335R、S250V+S335K、Y254W+S335R、S334G+S335K、S250L+H306R、S250L+S335K、Y254W+S335R、S250V+S335K、S334L+S335K、I309C+S335R、I309C+S335K、Y254F+S335R、S250A+S335R、S250C+S335K、S250I+H306R、S250A+H306R、S250C+S335K、H306Q+S335K、Y254C+S335K、S334L+S335K、S250A+H306R、I309C+S335K、Y254W+S335K、Y254C+S335K、Y254I+S335R、H306R+Y381C、S250M+S335K、M312C+S335K、M312C+S335K、S250V+H306R、S250M+S335R、Y254V+S335R、Y254I+S335K、S250W+S335R、I259C+S335R、S334M+S335R、Y254A+S335R、Y254V+S335R、S250M+S335K、F251L+S35R、Y254I+H306R、I259C+S335K、Y254I+S335R、I259C+S335K、S250Y+S335K、Y254F+S335K、S250M+S335R、Y254F+H306R、Y254V+S335K、Y254V+H306R、S334T+S335K、S334Y+S335R、Y254A+S335R、S334M+S335K、Y254I+H306R、Y254M+S335K、Y254A+S335K、S334F+S335R、S334M+S335K、F251L+H306R、S334T+S335R、Y254I+S335K、Y254A+S335K、S334T+S335K、S250Y+H306R、Y254A+H306R、Y254M+S335K、F251L+S335K、I259C+S335R、F251L+H306R、Y254M+H306R、S334P+S335R、S334P+S335R、S334P+S335K、S334F+S335R、Y254M+S335R、H306I+S335C、H306L+S335C、H306L+S335C、H306I+S335C、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306L+S335V、H306M+S335C、H306I+S335G、H306I+S335G、H306I+S335A、H306I+S335A、H306F+S335C、H306F+S335C、H306L+S335V、H306I+S335T、H306L+S335A、H306C+S335A、H306I+S335V、H306I+S335V、H306L+S334V、H306L+S335A、H306C+S335V、H306L+S334C、H306I+S335I、H306I+S334A、H306L+S334C、H306L+S334V、H306F+S334V、H306C+S335A、H306F+S335V、H306C+S334V、H306C+S334V、H306I+S335L、H306C+S335V、H306L+S334I、H306M+S335C、H306I+S334C、H306I+S335I、H306W+S335C、H306V+S335A、H306I+S334C、H306I+S334I、H306L+S335I、H306V+S335A、H306C+S334C、H306L+S335G、H306C+S334C、H306L+S335T、H306I+S334I、H306V+S334V、H306I+S335L、H306M+S335V、H306V+S335V、H306V+S335V、H306I+S335M、H306L+S335T、H306V+S335I、H306C+S335G、H306L+S335L、H306C+S334I、H306L+S335Y、H306L+S335I、H306V+S334V、H306C+S335G、H306I+S334A、H306L+S334A、H306C+S335I、H306F+S335V、H306I+S335T、H306L+S335Y、H306C+S334I、H306L+S334I、H306V+S335G、H306V+S335G、H306A+S335C、H306A+S335C、H306M+S335A、H306C+S334A、H306V+S335I、H306L+S335G、H306L+S334A、H306C+S334A、H306I+S335Y、H306I+S335Y、H306W+S335C、H306F+S335A、H306F+S335A、H306F+S335I、H306I+S335N、H306L+S335L、H306I+S335M、H306I+S335N、H306V+S334I、H306V+S334C、H306V+S335L、H306C+S335L、H306C+S335L、H306I+A376L、H306F+S335T、H306L+S335M、H306F+S334V、
S334V+S335C、S335C+Y381L、S335C+A376I、S334I+S335C、S334V+S335C、M312I+S335C、M312I+S335C、S335C+A376L、S334I+S335C、S335C+A376L、S335C+A378C、S335C+A376C、S335C+A376V、S334A+S335C、S335C+A378C、S334A+S335C、S335C+A376I、S334V+S335A、S335A+A376L、S335C+A376C、S335C+A376V、S335C+A378L、S334V+S335A、S335A+A376I、S334V+A376L、S334I+S335V、S335C+A378I、M312F+S335C、M312F+S335C、S334I+S335A、S335C+A378V、S335V+A376L、S334V+S335L、S335C+A378I、S334C+S335V、S334V+A376I、S334V+A376I、S335V+A376I、M312I+S334V、S334V+S335I、S335C+Y381I、M312V+S335C、S335C+A378L、S335A+Y381L、S334C+A376C、S334V+S335I、S335C+Y381V、M312L+S335C、S335C+A378V、S335V+A376L、S334I+S335V、S335C+Y381C、S335V+A376I、S334C+A376L、S334C+Y381L、M312V+S335C、S334V+S335L、S334C+A376I、S334C+A376C、S334V+Y381L、M312L+S335C、S335V+A376V、S334I+A376I、S335V+A376V、S335V+Y381L、Y254F+S335C、L310F+S335C、S335I+A376I、S334V+A376V、M312I+S335V、S334C+S335A、S334I+A376L、M312F+S335V、S335C+Y381A、L310F+S335C、S334G+S335C、S334G+S335C、S334V+A376V、S335C+A376M、S335C+A376M、S334A+S335I、S334V+A376L、M312C+S335C、S334C+S335A、S335A+A376V、S334A+S335V、S334A+S335V、Y254F+S335C、S335A+A376L、S335A+Y381I、S335A+A376I、S334L+S335C、S335A+A376V、M312C+S335C、D152F、D152L、D152I、D152V、D152M、D152W、D152Y、D152S、D152A、D152T、D152G、D152N、D152Q、D152P、D152H、D152K、D152R、D152C、D155Q、D155L、D155F、D155I、D155M、D155W、D155V、D155Y、D155A、D155N、D155T、D155S、D155P、D155G、D155H、D155R、D155K、D155C、D156L、D156F、D156I、D156W、D156V、D156A、D156Y、D156M、D156G、D156S、D156T、D156Q、D156N、D156P、D156H、D156K、D156R、D156C、H146R、H146K、H153R、H153K、Y63A、H146A、H153A、F74A、L141A、F81A、P72A、K144A、T143A、Y75A、W98A、D156A、R158A、S250W、S250F、S250D、S250E、S250K、S250R、F251A、Y254A、I259W、I259F、I259D、I259E、I259R、I259K、H306A、I309W、I309F、I309E、I309D、I309R、I309K、L310W、L310F、L310D、L310E、L310R、L310K、M312W、M312F、M312D、M312E、M312R、M312K、S334W、S334F、S334D、S334E、S334R、S334K、S335W、S335F、S335D、S335E、S335K、S335R、M337W、M337F、M337D、M337E、M337K、M337R、A376W、A376F、A376E、A376D、A376R、A376K、F377、A378W、A378F、A378D、A378E、A378K、A378R、F380A、Y381A、D348I、D348L、D348M、D348F、D348V、D348Y、D348A、D348W、D348T、D348G、D348P、D348H、D348S、D348R、D348K、D348E、D348C、H306R、H306D、H306E、H306K、H307D、H307R、H307E、H307K、H327R、H327K、H327E、H327D、H302E、H302K、H302R、H302D、H215K、H215R、H215E、H215D、H223K、H223R、H223E、H223D、H403K、H403R、H403E、H403D
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを含む、実施形態1~63のいずれか1項に従うワクチン、方法または組成物。
65.配列番号49によるポリペプチドの少なくとも1つのP.アクネスエピトープを有するポリペプチドを含み、配列番号49によるポリペプチドの少なくとも1つのP.アクネスエピトープを有するポリペプチドは、配列番号49と比較して、以下のアミノ酸交換:
A274Y、S26C、S26L、A274F、S26I、G119H、A274L、A274W、S26V、S26M、S212L、T108I、A134L、S26F、N130V、A229L、A274I、G194F、S26W、A291F、G181I、A229I、E278I、A175L、G181L、A152L、A274V、N130L、E278V、K46I、E278L、E278A、K46C、K46L、K93L、K93V、E164I、E278C、E164V、E278M、N130I、K46V、R221C、K93C、K46M、S51L、K93I、E278F、K93M、E164A、S51I、R221L、P209L、K46F、S51V、E164C、R221I、E164M、K93F、D137L、P209V、E164L、P59L、R221F、N130C、S51C、R221G、E278T、K46G、P59V、K46A、N130M、E278G、D137V、K46T、P209C、P59I、P209I、T144L、N130F、E164F、S51F、R221M、P209F、S51M、R221S、P209A、K93A、P209M、E164Y、D137C、R221A、P115C、P59F、S208A、K46S、P115V、A134I、P115A、S212V、N249L、E278S、D137F、D137M、P115L、S212I、R221V、N249V、D137I、E278Y、G194L、P59M、R221T、A188L、N249I、T144I、E164T、S208C、S208V、D137A、K46Y、K93G、G87I、E164G、K46P、P59C、A97V、S212C、G83L、K93T、N249C、A134V、G83V、T108V、T112L、T144V、A100L、G87V、E164W、E164S、A171L、A97L、A188F、K93W、T90I、A174I、K93Y、A111L、A97I、N130A、G48I、E278W、R221Y、G135L、T112V、F197V、T144F、K93S、G194V、G87A、A188V、T144C、K46N、P115M、A175I、N130T、S51A、G194C、G48L、G104V、A174V、G158V、T90V、R221N、A202L、A39L、A134F、D137Y、G158I、A174L、P155V、A171V、S51T、F197I、T112C、D137W、G135V、D137G、P115G、T250C、S208L、A100I、T250L、T144M、T108C、P115F、G69L、T112F、G181F、A100F、S208I、G223V、T250V、N249M、A111V、N249Y、A111F、A188M、A111I、P209Y、A175V、P155I、N130G、S120V、A111C、A100C、A97F、G194M、G69I、E278Q、S208G、G181C、G87F、G48V、A97C、I205L、G194I、D137T、S51G、F197C、G223L、N249A、S51Y、P115S、A202I、P155C、S26A、G83M、S120C、D137S、E278N、G83F、G158C、P59Y、G87C、G87M、N130S、P115I、A202F、A100M、G83C、S212M、A39V、A188I、F197L、G181M、A134C、P115T、A174F、K93P、P209W、P209G、P59A、A39C、G104I、T250G、S208F、R221Q、G181A、G104C、T90C、K46Q、P209T、K46W、A171I、G158A、A134M、G48C、G194A、T90A、T90M、N130Y、N249F、A172L、A152V、A152I、P59W、R221P、G158F、T112M、G135M、G181V、G104L、S208T、N249W、A97M、G135F、K93Q、G42L、A111M、G104A、E278P、T90L、R221D、A175C、A188C、A291L、S212A、F123L、T250I、A174C、E164Q、P155L、A174M、G158M、A172V、E164N、A168L、T90F、A39F、G42V、I205F、A39M、N249G、A175F、G135C、A171F、S212F、K46D、A100Y、G42I、P59G、G69A、E164P、G158L、G42C、A171C、T250M、T108L、K93N、A171M、G223I、A175M、T108M、A172I、S51P、A291I、A111Y、G20V、S120I、P59T、A58I、G223C、S208M、G48M、K46H、A62L、A43I、T250A、N130W、G194Y、R221H、D137P、N249S、G104F、A100V、F123I、A172C、T112I、G69F、P115Y、P59S、A100W、G104M、G69C、R221W、K93H、A204L、G20L、G223F、A168I、D28K、E275K、K77R、D17R、H76D、H75D、H76E、K77D、H75E、P294D、S293D、S293E、D286E、P294E、S292E、D285E、H76R、K77E、K289R、P295D、D285K、R179E、H75R、P295E、P294R、P294K、D286K、D285R、S293R、S293K、R180D、R180K、H183E、R179K、K289E、R180E、A98K、R179D、A99K、S292D、D286R、K290D、H75K、A99E、N256E、K290E、K290R、R239D、A199K、A200K、K255E、H183D、A99R、H235E、A98R、D102K、およびA200R
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを好ましくは含む、実施形態1~64のいずれか1項に従うワクチン、方法または組成物。
66.DsA1ドメインは、以下のとおりに定義され:Q6A5X9の配列中のNSR:S29~I48、I49~L130のCSD1、G131~S147のSR1、A148~L267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列;
ならびに/またはDsA2ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列;
ならびに/またはPITPドメインは以下のとおりに定義される:Q6A9N1の配列中のA32~R164のENFD;E165~K237のSR1、V238~L396のHbD、S397~T430のSR2(C末端LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、LPXTを含むが、Gを含まない))およびG431~I467のhLARもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的PITP配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のPITP配列、実施形態1~63のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはDsA1および/またはDsA2派生体。
67.液剤中に、または液剤に再構成可能である乾燥もしくは凍結製剤中に、0.01mg/ml~50mg/ml、好ましくは、0.05~5mg/ml、特に、0.1~1mg/mlの、少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む上記で定義されるようなポリペプチド、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNaHPO、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNaHPO、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKHPO、1~1000mM、好ましくは、5~500mM、特に、50~300mMのNaCl、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKClおよび/または0.01~1%、好ましくは、0.05~0,5%、特に、0.1~0.5%のアルミニウムアジュバント(水酸化アルミニウム)を含む、請求項1~64のいずれか1項に従う医薬組成物。
68.液剤中に、または液剤に再構成可能である乾燥もしくは凍結製剤中に、4.5~7.4の、好ましくは、4.7~7.3の、いっそうより好ましくは、5.0~7.3の、特に、5.3~7.2のpHを有する、請求項1~67のいずれか1項に従う医薬組成物。
69.少なくともP.アクネスのIA1、IA2およびII型に対して交差型反応性を誘発する、ならびに/または少なくともP.アクネスのIA1、IA2、IB、IIおよびIII型に対して交差型反応性を誘発する、実施形態1~68のいずれか1項に従うP.アクネスポリペプチドを含む医薬組成物またはワクチン。
70.ポリペプチドは、N末端メチオニン残基を欠く形態で少なくとも部分的に組成物中に存在する、実施形態1~69のいずれか1項に従うP.アクネスポリペプチドを含む医薬組成物またはワクチン。
71.表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含むワクチンであって、好ましくは、少なくとも1つのエピトープは、表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)のエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITPポリペプチド)のエピトープであり、
DsA1は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、ならびに
PITPポリペプチドは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXTGモチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含む、前記ワクチン。
72.ワクチンであって、
- 表面に露出しているDsA1ポリペプチドのエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)のエピトープを有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドであって、
DsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、および場合により、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含む、少なくとも1つの抗原ポリペプチド;ならびに
- 表面に露出しているPITPポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの抗原ポリペプチド
を含む、前記ワクチン。
73.ワクチンであって、
- 表面に露出しているDsA1ポリペプチドのエピトープまたは表面に露出しているDsA2ポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの合成抗原ポリペプチド;および
- 表面に露出しているP.アクネスのPITPポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの合成抗原ポリペプチド
を含む、前記ワクチン。
74.DsA1ポリペプチドおよび/またはDsA2ポリペプチドおよび/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/または派生体を含み、DsA1またはDsA2の断片および/または派生体は、少なくともCSD2断片を含むまたはからなり、CSD2断片は、好ましくは、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であり、アミノ酸番号付けは、UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A5X9に対応する、実施形態71~73のいずれか1項に従うワクチン。
75.DsA1またはDsA2の断片または派生体は、少なくとも
- フェニルアラニン150(F150)~イソロイシン193(I193)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態74に従うワクチン。
76.DsA1またはDsA2断片は、
(1)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列;
(2)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、および/または
(3)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
である、実施形態74または75のいずれか1項に従うワクチン。
77.少なくとも2つの抗原ポリペプチドは、少なくとも35個のアミノ酸の長さ、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さを有する、実施形態71~76のいずれか1項に従うワクチン。
78.PITPポリペプチドの断片または派生体を含み、PITPポリペプチド断片および/または派生体は、hLARが欠失している、親水性C末端領域によって置き換えられている、または部分欠失しており、部分欠失が、hLARのN末端の12個のアミノ酸を除く、好ましくは、hLARのN末端の11個のアミノ酸を除く、特に、hLARのN末端の10個のアミノ酸を除くhLARの喪失をもたらすPITPポリペプチドである;あるいは少なくともUniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中のENFDのプロリン34~グルタミン酸73もしくはプロリン94~トレオニン143またはHbDのバリン238~アスパラギン393に対応するアミノ酸を含むその断片もしくは派生体である、実施形態71~77のいずれか1項に従うワクチン。
79.PITPポリペプチドの断片または派生体は、少なくとも
- ENFDのプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDのプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDのバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態78に従うワクチン。
80.CSD2断片が由来する株以外の、少なくとも1つの他のP.アクネス株に由来する、少なくとも1つの他のDsA1および/またはDsA2に由来する、少なくともNSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、CSD3および/またはCTRを含むまたはからなるDsA1またはDsA2の断片または派生体をさらに含む、実施形態74~79のいずれか1項に従うワクチン。
81.少なくとも8個のアミノ酸、好ましくは、少なくとも9個のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも10個のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも15個のアミノ酸、いっそうより好ましくは、少なくとも35個のアミノ酸の長さ、いっそうより好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さのPITPポリペプチドのENFDおよび/またはHbDの断片をさらに含む、実施形態78~80のいずれか1項に従うワクチン。
82.別のP.アクネス抗原またはエピトープ、好ましくは、DsA1、DsA2および/またはPITPおよび/またはDsA1エピトープ、DsA2エピトープおよび/またはPITPエピトープから選択される抗原またはエピトープをさらに含む、実施形態71~81のいずれか1項に従うワクチン。
83.別のP.アクネスポリペプチドの断片を含有するエピトープをさらに含む、実施形態71~82のいずれか1項に従うワクチン。
84.治療的処置において使用するための、好ましくは、特に、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択されるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態71~83のいずれか1項に従う、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
85.P.アクネス関連感染症ならびにI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症ならびにP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、実施形態71~83のいずれか1項に従う、表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含む組成物、好ましくは、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/または派生体を含む組成物。
86.PITPポリペプチドおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を含み、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体に結合されたポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物をさらに含み、ポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物は、好ましくは、複合体形態中に金属イオンを含有し、金属イオンは、好ましくは、Fe、Co、Zn、Mg、SeまたはCuイオン、特に、Fe2+またはFe3+イオンである、実施形態1~85のいずれか1項に従う医薬製剤、特に、ワクチン。
87.PITPポリペプチドおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を含み、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体に結合されたポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物をさらに含み、ポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物は、群ヘミン、プロトポルフィリン(protoprophyrin)IX、コプロポルフィリンI、IIおよび/またはIII、特に、コプロポルフィリンIII;ペンタカルボキシポルフィリン、ウロポルフィリン、ヘプタカルボキシポルフィリン、ヘキサカルボキシポルフィリン、特に、IまたはIII型のような;ニトロ-ポルフィリン、特に、5,10,15,20-テトラフェニルポルフィリン(TPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-フルオロフェニル)ポルフィリン(TpFPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-クロロフェニル)ポルフィリン(TpClPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-ブロモフェニル)ポルフィリン(TpBrPP)、ビリベルジン、5,10-ジフェニル-15,20-ジ(N-メチルピリジニウム-4-イル)ポルフィリン(ジ-シス-Py+)、PORF-1~PORF-34、ポルフィン、オクタエチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、ベルテポルフィン、アスコプロポルフィリン(ascoproporphyrin)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、メソポルフィリンIX、7-カルボキシポルフィリン(7P)、6-カルボキシポルフィリン(6P)、ヘムA、ヘムB、ヘムC、ヘムO、ヘムI、ヘムm、ヘムD、Sヘム;ウロポルフィリノーゲンIII、クロロフィル、特に、クロロフィルa、クロロフィルbおよびバクテリオクロロフィルから選択される、実施形態1~86のいずれか1項に従う医薬製剤、特に、ワクチン。
88.P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含み、エピトープは、DsA1のR32-I41、Q38-K51、R32-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+T43-K51、R87-K90+T117-I132およびR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、T117-I132、T117-A127、V128-I132、A144-N157、H146-A160、A148-N157、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、I216-D225、A226-A240、S234-G250、I251-I263、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-I263、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-R286+I216-F224、T285-R286+I264-P271、T285-R286+V289-K296、T285-R286+V289-K296、T285-R286+A144-N157、A310-D313+T285-R286、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、A301-E307、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、R286-T300、V289-K296、A310-D313+I216-F224、A310-D313+I264-P271、A310-D313+T285-R286、A310-D313+R286-D290、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、A301-E307;DsA2のL152-Q166、G190-P230、I199-D208、A218-I237、P230-Q244、I231-A270、H254-A270、A271-S279、A271-R310、L311-T321、L311-K323、V333-Q347、A218-P230、I231-I237、H254-H262、Q256-H262、E261-D269、D269-S279、K313-K323;PITPのD79-T90、E73-D85、R43-I50、P68-Y75、P86-E92、I39-G45、Y84-D89、F81-D89、D79-T90、T37-E44、E73-W98、E73-F81、D89-T90、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、F111-D120、F132-G147、D152-E165、R115-F123、D120-K128、P131-F138、N181-E191、T143-T159、P116-T124、P131-D137、P131-D137、T175-C231、Q198-K203、P179-K185、G200-Q210、K174-A188、K174-K185、P201-Q209、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R164-S180、E165-S180、K185-S190、V193-N202、V193-G200、K203-P208、R216-T225、R216-R224、P173-K191、K197-K203、P168-T175、K185-K203、R164-K174、T175-V193、S250-N261、D287-S300、K340-V347、D338-F352、D338-D348、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、G305-L314、G364-K375、R382-E399、V367-G373、A383-L390、T342-T351、M387-T395、E385-T392、V401-V410、N404-A409、G416-L427、L396-V410、T406-I415、D417-G424、V407-D418、V407-V414、K421-V429、S419-T430、D408-I415、T406-V414からなる群から選択され、好ましくは、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のNまたはC末端に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を含み、特に、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のNまたはC末端に少なくとも2個の追加のアミノ酸残基を含み;ポリペプチドは、好ましくは、担体分子に共有結合的に連結され、または足場分子、特に、担体ポリペプチド中に埋め込まれる、実施形態1~87のいずれか1項で定義されるようなワクチンまたは医薬製剤。
89.DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含み、ポリペプチドは、ポリペプチドの5または6位で出発するモチーフK[NYI]を有するDsA1/DsA2/PITP派生体であり、および/またはDNAレベルでこのコーディング位置に配列AADUAUまたはAAVAUUを有する、P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態1~87のいずれか1項で定義されるようなワクチンまたは医薬製剤。
90.DsA1および/もしくはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子が以下の構造:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有し;特に、mRNAは、配列番号67~76から転写されるような配列を含む、実施形態1~89のいずれか1項に従うワクチンまたはポリペプチド。
91.実施形態1~90のいずれか1項に従うワクチンまたはポリペプチドを含む医薬製剤であって、これらの請求項のいずれか1項で定義されるようなポリペプチド、すなわち、実施形態1~90のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体またはそれらの混合物と、医薬上許容される賦形剤または担体とを含む、前記医薬製剤。
92.ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の方法であって、実施形態1~91のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法。
93.P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための方法であって、実施形態1~91のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法。
94.投与は、皮内、皮下(s.c.)、非経口、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与によって、好ましくは、皮内または筋肉内投与によって、特に、シリンジによって、またはマイクロニードリングデバイスによって実行される、請求項93に記載の方法。
95.実施形態1~91のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成の方法であって、これらの請求項で定義されるような少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞において発現され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法。
96.(a)少なくともDsA1のCSD1の断片または派生体を含有するエピトープおよび少なくともDsA2のCSD2の断片または派生体を含有するエピトープを含む;ならびに/または
(b)少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD1のCSD1断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチおよび少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD2のCSD2断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチを含む;
(c)少なくともDsA1の
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、および
DsA2の
- フェニルアラニン194(F194)~ロイシン228(L228)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン194(F194)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン262(H262)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列を含む、
ポリペプチドを含む、
特に、ポリペプチドは、ポリペプチド中に存在する場合はDsA1のC53、C319およびC321ならびにDsA2のC97およびC363のうち1つまたはそれ以上にアミノ酸交換、好ましくは、アミノ酸交換DsA1のC53S、C319SおよびC321PならびにDsA2のC97SおよびC363Sのうち1つまたはそれ以上を含み、ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片または派生体において、少なくとも5つのPTリピート、好ましくは、少なくとも10のPTリピート、特に、少なくとも15のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然DsA1/DsA2」)と比較して欠失しており、好ましくは、少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、いっそうより好ましくは少なくとも4つの、特に5つのPTリピートが存在する、実施形態1~91のいずれか1項に従うワクチン。
97.ポリペプチドは、PITPポリペプチドまたは少なくともPITPのエピトープを含む少なくとも30個のアミノ酸残基のポリペプチドストレッチを含むPITPの断片または派生体をさらに含む、好ましくは、PITPポリペプチドまたはPITPの断片または派生体は、少なくとも
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDもしくはそのPITP派生体のバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列を含み;
特に、PITP派生体は、位置C231およびC402にアミノ酸交換を含む、請求項1~96のいずれか1項に記載のワクチン。
98.実施形態1~91のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成の方法であって、これらの請求項で定義されるような少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞においてmRNAとして発現され、生成され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法。
99.宿主細胞は、真核生物または原核生物の宿主細胞、好ましくは、原核生物の宿主細胞、特に、大腸菌(E.coli)またはL.ラクティス(lactis);または実施形態1~96のいずれか1項で定義されるような発現されたポリペプチドをグリコシル化できる宿主細胞である、実施形態98に従う方法。
100.宿主細胞は、天然にポルフィリンを合成できず、好ましくは、ポルフィリンは、培養物に、溶解バッファーに、および/または精製されたタンパク質に添加される、実施形態98または99に従う方法。
101.配列番号1~66の、または配列番号67~76によってコードされるポリペプチドが、宿主細胞において発現される、実施形態98~100のいずれか1項に従う方法。
したがって、本発明はまた、とりわけ、製品、好ましくは、医薬製剤、特に、ワクチンにおいて、DsA1の少なくとも1つのポリペプチドストレッチおよびDsA2の少なくとも1つのポリペプチドストレッチとの融合/シャッフルポリペプチドが提供される本発明の態様のために具体的に示された以下の実施形態も開示する:
1.P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチおよびP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチを含むポリペプチドであって、前記DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端領域、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」);場合により、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域を含み;
ポリペプチドは、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3のエピトープおよび少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3のエピトープを含み、好ましくは、ポリペプチドは、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3およびDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む、前記ポリペプチド。
2.P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチおよびP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチを含むポリペプチドであって、前記DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端領域、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」);場合により、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域を含み;
DsA1およびDsA2のポリペプチドストレッチは、少なくとも20個のアミノ酸残基の長さを独立に有する、前記ポリペプチド。
3.少なくともいずれかのDsA1もしくはDsA2のポリペプチドストレッチは、DsA1もしくはDsA2エピトープを含むまたはからなり;または少なくとも2つのポリペプチドストレッチは、DsA1もしくはDsA2エピトープを形成する、実施形態1または2に従うポリペプチド。
4.DsA1またはDsA2のCSD1、CSD2およびCSD3のうち少なくとも2つを含む、実施形態1~3のいずれか1項に従うポリペプチド。
5.DsA1またはDsA2の少なくとも2つのポリペプチドストレッチを有し、DsA1またはDsA2のCSD1、CSD2および/またはCSD3は、SR1および/またはSR2によって接続され、SR1およびSR2は、DsA1またはDsA2のもの、またはハイブリッドSRであり、ハイブリッドSRは、DsA1またはDsA2 SR中のいずれかに存在するアミノ酸残基からなる、実施形態1~4のいずれか1項に従うポリペプチド。
6.ポリペプチドストレッチは、少なくともCSD2断片を含むまたはからなり、CSD2断片は、好ましくは、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であり、アミノ酸番号付けは、UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A5X9に対応する、実施形態1~5のいずれか1項に従うポリペプチド。
7.ポリペプチドストレッチは、少なくとも
- フェニルアラニン150(F150)~イソロイシン193(I193)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態1~6のいずれか1項に従うポリペプチド。
8.ポリペプチドストレッチは、
(1)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列;
(2)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(3)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(4)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張するフェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(5)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、アラニン148(F148)~ロイシン271(L271)の連続ポリペプチド配列;
(6)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン146(H146)~トレオニン277(T277)の連続ポリペプチド配列;
(7)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ロイシン238(L238)~ロイシン272(L272)の連続ポリペプチド配列;
(8)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、ロイシン145(L145)~アラニン201(A201)の連続ポリペプチド配列;ならびに/または
(9)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ロイシン145(L145)~ロイシン280(L280)の連続ポリペプチド配列
である、実施形態1~7のいずれか1項に従うポリペプチド。
9.ポリペプチドストレッチは、少なくとも35個のアミノ酸の長さ、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さを有する、実施形態1~6のいずれか1項に従うポリペプチド。
10.DsA1またはDsA2抗原またはエピトープではない、少なくとも1つの追加のP.アクネス抗原またはP.アクネスエピトープを含有するまたはからなるアミノ酸配列、好ましくは、少なくともP.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITP)ポリペプチドまたはP.アクネスのPITPポリペプチドの少なくとも1つのエピトープを含有する少なくとも1つの追加のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの追加のポリペプチドを含み、PITPポリペプチドは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXT(G)モチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含む、実施形態1~8のいずれか1項に従うポリペプチド。
11.追加のポリペプチドは、PITPポリペプチドまたはその断片または派生体であり、その断片または派生体は、ENFD、SR1、HbD、SR2のうち、好ましくは、ENFDおよびHbDから選択される少なくとも1つまたはその断片、より好ましくは、そのポルフィリン結合性ドメインを含有するエピトープを含む配列を含み、特に、PITPポリペプチドの断片は、UniProtデータベースのアミノ酸配列Q6A9N1におけるアミノ酸番号付けに従う、アミノ酸A32~T430、A32~G426、A32~Q198、A32~T143、A32~K400、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~R164、A32~S391、A32~P179、A32~R158、A32~G147、A32~E73およびP94~G147;P34~T430、P34~G426、P34~Q198、P34~T143、P34~K400、P34~T159、P34~I177、P34~Q204、P34~G234、P34~R164、P34~S391、P34~P179、P34~R158、P34~G147、P34~E73およびP94~G147;S240~S391、A32~D441、A32~I440、A32~E439、A32~D438、A32~S437、A32~S436、A32~P435、A32~G434、A32~E433、A32~A432、A32~G431;P34~D441、P34~I440、P34~E439、P34~D438、P34~S437、P34~S436、P34~P435、P34~G434、P34~E433、P34~A432、P34~G431;S240~D441、S240~I440、S240~E439、S240~D438、S240~S437、S240~S436、S240~P435、S240~G434、S240~E433、S240~A432、S240~G431;A32~T430、A32~V429、A32~P428、A32~L427、A32~G426、A32~R425、A32~G424、A32~A423、A32~G422、A32~K421、A32~G420、A32~S419、A32~D418、A32~D417、A32~G416、A32~I415、A32~V414、A32~K413、A32~G412、A32~T411、A32~V410、A32~A409、A32~D408、A32~V407、A32~T406、A32~V405、A32~N404、A32~H403、A32~C402、A32~V401、A32~K400、A32~E399、A32~A398、A32~S397、A32~L396、A32~T395、A32~L394、A32~N393、A32~T392;P34~T430、P34~V429、P34~P428、P34~L427、P34~G426、P34~R425、P34~G424、P34~A423、P34~G422、P34~K421、P34~G420、P34~S419、P34~D418、P34~D417、P34~G416、P34~I415、P34~V414、P34~K413、P34~G412、P34~T411、P34~V410、P34~A409、P34~D408、P34~V407、P34~T406、P34~V405、P34~N404、P34~H403、P34~C402、P34~V401、P34~K400、P34~E399、P34~A398、P34~S397、P34~L396、P34~T395、P34~L394、P34~N393、P34~T392;G172~T430、G172~V401、G172~K400、G172~L396、G172~N393、A199~T430、A199~V401、A199~K400、A199~L396、A199~N393、H223~T430、H223~V401、H223~K400、H223~L396、H223~N393、T232~T430、T232~V401、T232~K400、T232~L396、T232~N393、G234~T430、G234~V401、G234~K400、G234~L396、G234~N393、V238~T430、V238~V401、V238~K400、V238~L396、V238~N393、S240~T430、S240~V429、S240~P428、S240~L427、S240~G426、S240~R425、S240~G424、S240~A423、S240~G422、S240~K421、S240~G420、S240~S419、S240~D418、S240~D417、S240~G416、S240~I415、S240~V414、S240~K413、S240~G412、S240~T411、S240~V410、S240~A409、S240~D408、S240~V407、S240~T406、S240~V405、S240~N404、S240~H403、S240~C402、S240~V401、S240~K400、S240~E399、S240~A398、S240~S397、S240~L396、S240~T395、S240~L394、S240~N393、S240~T392;39I-48I、40P-49T、41V-50I、42G-51S、43R-52G、44E-53K、68P-77N、69A-78S、70S-79D、71V-80K、72P-81F、73E-82Y、74F-83G、75Y-84Y、76G-85D、77N-86P、78S-87S、79D-88K、80K-89D、81F-90T、82Y-91T、83G-92E、84Y-93S、85D-94P、86P-95S、87S-96T、88K-97I、89D-98W、90T-99V、91T-100Y、92E-101T、93S-102P、94P-103S、95S-104Q、96T-105K、97I-106A、98W-107I、99V-108G、100Y-109S、101T-110R、102P-111F、103S-112A、104Q-113Q、105K-114G、106A-115R、107I-116P、108G-117M、109S-118N、110R-119N、111F-120D、112A-121G、125I-134Q、126T-135G、127M-136K、128K-137D、144K-153H、145A-154S、146H-155D、147G-156D、148V-157T、149G-158R、150K-159T、151T-160P、152D-161V、153H-162T、154S-163Y、155D-164R、156D-165E、157T-166A、158R-167T、159T-168P、160P-169A、161V-170P、162T-171T、163Y-172G、164R-173P、165E-174K、166A-175T、167T-176P、168P-177I、169A-178A、170P-179P、171T-180S、172G-181K、173P-182Q、174K-183P、175T-184S、176P-185K、177I-186Q、178A-187A、179P-188A、180S-189P、181K-190S、182Q-191K、183P-192Q、184S-193V、185K-194K、186Q-195P、187A-196S、188A-197K、189P-198Q、190S-199A、191K-200G、192Q-201P、193V-202N、194K-203K、195P-204Q、196S-205S、197K-206T、198Q-207T、199A-208P、200G-209Q、201P-210Q、202N-211K、203K-212T、204Q-213A、205S-214E、206T-215H、207T-216R、208P-217S、209Q-218Q、210Q-219T、211K-220P、212T-221A、213A-222A、214E-223H、215H-224R、216R-225T、217S-226M、218Q-227T、219T-228K、220P-229Q、221A-230V、222A-231C、223H-232T、224R-233I、225T-234G、226M-235A、227T-236S、228K-237K、229Q-238V、230V-239T、231C-240S、232T-241G、233I-242S、266L-275S、267S-276A、268G-277F、282T-291K、334S-343N、353G-362I、354V-363K、355S-364G、356V-365S、357S-366P、358G-367V、359N-368K、377F-386P、378A-387M、379G-388N、380F-389P、396L-405V、397S-406T、398A-407V、399E-408D、400K-409A、401V-410V、402C-411T、403H-412G、404N-413K、405V-414V、406T-415I、407V-416G、408D-417D、409A-418D、410V-419S、411T-420G、412G-421K、413K-422G、414V-423A、415I-424G、416G-425R、417D-426G、418D-427L、419S-428P、420G-429V、421K-430T、422G-431G、423A-432A、424G-433E、425R-434G、426G-435P、427L-436S、428P-437S、429V-438D、430T-439E、431G-440I、432A-441D、433E-442L、434G-443G、435P-444I、436S-445Vおよび437S-446G;I39-K53、P68-G121、I125-D137、K144-S242、L266-F277、T282-K291、S334-N343、G353-K368、F377-P389およびL396-G446からなるポリペプチド、特に、PITP断片A32~R164、A32~Q198、A32~T143、A32~V148、A32~T171、P34~R164、A32~T159、A32~I177、A32~Q204、A32~G234、A32~K400、A32~S391、V238~K400、A199~T430、V238~T395、G234~K400、H223~K400、T232~V401、V238~T392、V238~N393、V238~L394、V238~T395、V238~L396、T232~T430、G172~K400およびG172~G234からなる群から選択される断片を含むまたはからなる断片または派生体ならびに少なくともPITPエピトープを含むその断片の群から選択される、実施形態10に従うポリペプチド。
12.少なくとも1つのポリペプチドストレッチは、
(1)場合により、N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列;
(2)場合により、N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(3)場合により、N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であるDsA1またはDsA2の断片を含む、実施形態1~11のいずれか1項に従うポリペプチド。
13.実施形態1~12のいずれか1項に従うポリペプチドおよび場合により、医薬上許容される賦形剤を含むワクチン。
14.ポリペプチドストレッチのうち少なくとも1つは、DsA1またはDsA2の断片または派生体であり、少なくとも20個の連続アミノ酸を有するDsA1またはDsA2の断片を含み、断片または派生体において、少なくとも5つのPTリピート、好ましくは、少なくとも10のPTリピート、特に、少なくとも15のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然DsA1/DsA2」)と比較して欠失しており、好ましくは、少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、いっそうより好ましくは少なくとも4つの、特に5つのPTリピートが存在する、実施形態13に従うワクチン。
15.ポリペプチドは、DsA1および/またはDsA2の派生体を含み、派生体は、CSD2断片が由来する株以外の、少なくとも1つの他のDsA1および/またはDsA2に由来する、または少なくとも1つの他のP.アクネス株に由来する、NSR、CSD1、SR1、CSD2、SR2、CSD3および/またはCTRを含む、実施形態13または14に従うワクチン。
16.ポリペプチドは、NSR、CTRおよび/またはLPXTGモチーフを欠く、実施形態13~15のいずれか1項に従うワクチン。
17.別のP.アクネス抗原またはエピトープ、好ましくは、DsA2およびPITPおよび/またはDsA2エピトープおよび/またはPITPエピトープから選択される抗原をさらに含む、実施形態13~16のいずれか1項に従うワクチン。
18.別のP.アクネスポリペプチドの断片を含有するエピトープ、好ましくは、DsA2およびPITPの断片を含有するエピトープをさらに含む、実施形態13~17のいずれか1項に従うワクチンまたは実施形態1~12のいずれか1項に従うポリペプチド。
19.P.アクネスの侵襲によって誘発される病状の発生に対して防御的であり、好ましくは、ヒト対象、例えば、小児、青年または成人対象への投与のために製剤化される、実施形態13~18のいずれか1項に従うワクチン。
20.DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子が以下の構造:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有し;特に、mRNAは、配列番号67~76から転写されるような配列を含む、実施形態1~19のいずれか1項に従うワクチン。
21.初回および追加免疫化の両方を含む処置レジメンにおいて使用するために製剤化され、好ましくは、初回および追加投与のために同一製剤が使用される、実施形態13~20のいずれか1項に従うワクチン。
22.アジュバントを用いて、好ましくは、無機塩、好ましくは、ミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、オキソ水酸化アルミニウム、ヒドロキシリン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、硝酸セリウム、硫酸亜鉛、コロイド状水酸化鉄および/または塩化カルシウム;水中油型エマルジョン、リポソーム、TLRアゴニスト、モノホスホリル脂質A、サポニン、リン脂質、エマルジョンベースのアジュバント、水酸化アルミニウムゲル、固相吸着剤、ナノ球体およびリポソームのようなカプセル化剤;高分子量アジュバント、好ましくは、毒素、トキソイドまたはテタヌス、ジフテリア、百日咳、シュードモナス属の種、大腸菌、スタフィロコッカス属の種およびストレプトコッカス属の種に由来する毒素の任意の突然変異体交差反応性材料からなる群から選択されるアジュバントを用いて製剤化される、実施形態13~21のいずれか1項に従うワクチン。このような毒素またはトキソイドは、テタヌストキソイド、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、大腸菌LT、大腸菌STおよび緑膿菌由来の外毒素A;外膜タンパク質複合体c(OMPC)のような細菌外膜タンパク質、ポリン、トランスフェリン結合性タンパク質、ニューモリシン、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA)、肺炎球菌アドヘシンタンパク質(PsaA)、C.ディフィシルエンテロトキシン(毒素A)および細胞毒(毒素B)またはインフルエンザ菌タンパク質D、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製タンパク質派生体(PPD);カチオン性ペプチド、CpGオリゴヌクレオチド、スクアレンベースのアジュバント、好ましくは、MF59;IL-1およびIL-2のようなサイトカインのような他の医薬上許容されるポリペプチド担体である場合があり;またはウイルス様粒子もしくはナノ粒子;もしくはそれらの組合せとして製剤化される場合がある。
23.皮内、皮下(s.c.)、非経口、好ましくは、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与のために製剤化される、実施形態13~22のいずれか1項に従うワクチン。
24.用量あたり0.1μg~5mg、好ましくは、0.5~1000μg、より好ましくは、1~500μg、いっそうより好ましくは、5~300μg、特に、10~200μgの、実施形態1~12のいずれか1項に従うポリペプチドを含む、実施形態13~23のいずれか1項に従うワクチン。
25.ワクチンは、複合免疫原を含有し、1つもしくはそれ以上のP.アクネスの抗原および/または1つもしくはそれ以上のP.アクネスの互いに交差反応性、特に、交差型反応性あるいは免疫学的に関連するエピトープの連結によって操作されている、好ましくは、免疫原は、少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の抗原および/またはその免疫学的に関連するエピトープを含むまたはからなり、特に、抗原および/またはエピトープは、交差反応性、特に、交差型反応性である、実施形態13~24のいずれか1項に従うワクチン。
26.ワクチンは、アジュバントに連結されたP.アクネスの少なくとも2つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の抗原および/またはそのエピトープ(複数可)を含むまたはからなる複合免疫原を含有し、少なくとも1つの抗原またはエピトープは、免疫学的に関連する、実施形態13~25のいずれか1項に従うワクチン。
27.P.アクネスの抗原のバリアントを含む、実施形態13~26のいずれか1項に従うワクチン。
28.P.アクネスのエピトープのバリアントを含む、実施形態13~27のいずれか1項に従うワクチン。
29.天然に存在するP.アクネス抗原のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは、少なくとも98%、より好ましくは、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%を有するポリペプチド;または天然に存在するエピトープと比較されるアミノ酸配列中に少なくとも1、2、3、4つ、最大5つの点突然変異が含有される、P.アクネスエピトープのポリペプチドを含む、実施形態13~28のいずれか1項に従うワクチン。
30.NまたはC末端で、ならびに1つまたはそれ以上の内部ドメイン内で1個またはそれ以上のアミノ酸残基が付加されている、または欠失しているバリアント、好ましくは、DsA1および/またはDsA2タンパク質、特に、抗原配列を延長するために、例えば、少なくとも1個のアミノ酸残基によって、好ましくは、3個未満のアミノ酸、具体的には、5個未満あるいは10個未満のアミノ酸によってタンパク質内のエピトープまたはエピトープ領域の配列を延長するために、N末端におよび/またはC末端に追加のアミノ酸を含むバリアントを含む、実施形態13~29のいずれか1項に従うワクチン。
31.ワクチンは、特に、融合タンパク質として派生体を含み、PITPエピトープを含有するPITP断片は、別のポリペプチドまたはタンパク質の追加のアミノ酸残基によって、好ましくは、1つまたはそれ以上の免疫学的に関連するエピトープによって延長され、特に、派生体は、NまたはC末端に、少なくとも4個、好ましくは、少なくとも5個、特に、少なくとも6個のヒスチジン残基を含むHis-タグを含む、実施形態13~30のいずれか1項に従うワクチン。
32.DsA1またはDsA2の断片または派生体を含み、DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、断片または派生体は、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、少なくとも(1)フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、(2)フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列または(3)ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列を含むまたはからなり、前記断片または派生体は、場合により、1つまたはそれ以上のアミノ酸交換を含み、1個またはそれ以上のアミノ酸残基は、ジスルフィド結合を形成する能力によって断片または派生体をさらに安定化するためにシステイン(Cys、C)残基に変更される、実施形態13~31のいずれか1項に従うワクチン。
33.断片または派生体は、少なくとも20個、好ましくは、少なくとも30個、より好ましくは少なくとも60個のアミノ酸の長さ、いっそうより好ましくは、少なくとも80個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも100個のアミノ酸の長さを有する、実施形態13~32のいずれか1項に従うワクチン。
34.断片または派生体は、400個未満のアミノ酸、好ましくは、350個未満のアミノ酸、特に、300個未満のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態13~33のいずれか1項に従うワクチン。
35.断片または派生体は、250個未満のアミノ酸、好ましくは、200個未満のアミノ酸、特に、150個未満のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態13~33のいずれか1項に従うワクチン。
36.断片または派生体中の2個またはそれ以上のアミノ酸残基は、ジスルフィド結合を形成する能力によって断片または派生体をさらに安定化するためにシステイン(Cys、C)残基に変更され、好ましくは、天然アミノ酸がシステインに交換される以下の群:PHE150-GLY185、LEU167-ALA199、ASN157-ALA192、LYS166-ALA199、ALA153-GLY185、ASP164-ALA199、VAL154-ALA179、PHE150-LEU184、VAL154-ALA188、ALA153-ALA188、ALA179-GLU191、THR178-GLU191、ALA161-ALA195、ILE175-ALA195、ILE175-GLU191、LEU158-ALA176、ASN157-ALA188、ASN157-ALA179、ASP164-GLU196、VAL154-LEU180、ALA153-LYS189、ASN157-LYS189、ALA161-ALA192、LEU167-ALA198、LEU158-ALA179、ALA160-ALA192、LYS165-ALA199、LYS166-GLN200;VAL205-ALA260、ILE232-ARG266、SER235-ILE263、SER235-ARG262、ILE232-LEU267、PRO236-ILE263、ALA231-ARG266、ASN239-ILE259、ILE232-ILE263、VAL209-PRO236、ALA201-ALA256、SER235-ILE259、VAL228-ARG266、ALA202-ALA256、ALA201-VAL257、GLY206-VAL243、GLY208-ILE264、GLY208-ILE263、VAL205-ASN239、LEU238-ILE259、GLY208-ALA260、ALA201-LYS253、ALA202-VAL243、LEU204-ALA260、VAL205-ALA256、VAL205-ILE259、SER235-ARG266、ASN239-ALA260、VAL209-ILE263、またはVAL209-ASN239中のアミノ酸対のうち少なくとも1つを含有する(DsA1配列に関して(DsA2配列にも適用可能である;図12A))、実施形態13~35のいずれか1項に従うワクチン。
37.DsA1、DsA2またはPITPまたはその断片または派生体中のシステインは交換されている、好ましくは、システインは、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシンおよびグリシンと、より好ましくは、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシンと、特に、セリン、プロリン、アラニン、トレオニン、アスパラギンおよびグルタミンと交換されている、実施形態13~36のいずれか1項に従うワクチン。
38.断片または派生体は、35~350個のアミノ酸の、好ましくは、40~300個のアミノ酸の、より好ましくは、50~250個のアミノ酸残基の、より好ましくは、60~200個のアミノ酸の、より好ましくは、70~150個のアミノ酸の、特に、90~130個のアミノ酸残基の長さを有する、実施形態13~38のいずれか1項に従うワクチン。
39.派生体は、少なくとも1つのDsA1のポリペプチドストレッチおよび少なくとも1つのDsA2のポリペプチドストレッチを含み、好ましくは、派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む、実施形態13~37のいずれか1項に従うワクチン。
40.派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片を含み、少なくとも2つの断片は、
- 少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2;または
- 少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2のN末端部分ならびに異なる、少なくともDsA1のCSD1、CSD2もしくはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2もしくはCSD3に隣接するDsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2のC末端部分からなるアミノ酸配列であって、NおよびC末端部分からなるアミノ酸配列のアミノ酸残基の総数は、DsA1もしくはDsA2のSR1もしくはSR2と同一である、アミノ酸配列
によって相互接続される、実施形態13~39のいずれか1項に従うワクチン。
41.派生体は、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む少なくとも1つの断片を含み、DsA1およびDsA2の断片は、少なくとも20個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも30個、より好ましくは、少なくとも40個の、特に、少なくとも50個のアミノ酸残基の長さを独立に有する、実施形態13~40のいずれか1項に従うワクチン。
42.治療的および予防的処置において使用するための、好ましくは、特に、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺(prostethic)がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択されるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態1~13のいずれか1項に従うポリペプチドまたは実施形態13~41のいずれか1項に従うワクチン。
43.P.アクネス関連感染症ならびにI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状の処置または防止において使用するための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症ならびにP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、実施形態1~13のいずれか1項に従うポリペプチドまたは実施形態13~41のいずれか1項に従うワクチン。
44.フローサイトメトリーを使用する表面結合測定によって、およびこのようなワクチン抗原に対して作製された免疫血清を使用する殺菌死滅アッセイにおいて決定されるように、ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに少なくとも2つのP.アクネスMLSTファイロタイプおよび/またはP.アクネスの少なくとも2つの異なるCC型および/またはP.アクネスの少なくとも2つのリボタイプと関連する病状を患っている、実施形態42または43に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
45.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに少なくとも2つもしくは3つの遺伝的に異なる種類のP.アクネス株と関連する、好ましくは、少なくとも1つのI型および少なくとも1つのIIもしくはIII型株に対する;または少なくとも1つのII型および少なくとも1つのIもしくはIII型株に由来する;または少なくとも1つのIII型および少なくとも1つのIもしくはII型株に由来する;または少なくとも1つのI型、少なくとも1つのII型および少なくとも1つのIII型株に由来する病状を患っている、実施形態42~44のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
46.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびにMLST分類スキームに従って定義されるような、IA1型、IA2型、IB型、IC型、II型およびIII型株またはI-Ia、I-Ib、I-2およびII型、特に、IA1、IA2およびII型からなる群から選択される2種またはそれ以上のP.アクネス株と関連する病状を患っている、実施形態42~45のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
47.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症および16Sリボソーム配列の相違に従って決定されるようなリボタイプの群から選択される2種またはそれ以上のP.アクネス株と関連する病状を患っている、実施形態42~46のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
48.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに単一遺伝子座(SLST)の分析によって決定される、2つまたはそれ以上のファイロタイプIA1、IA2、IB1、IB2、IB3、IC、IIおよびIIIと関連する病状を患っている、実施形態42~47のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
49.ヒト患者は、P.アクネス関連感染症ならびに以下の株の群:NCTC737、KPA171202(DSMZ、German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、Braunschweig、Germany)、SK137、HL005PA1、HL005PA4、HL013PA1、HL030PA1、HL043PA1、HL053PA1、HL053PA2、HL050PA1、HL050PA2、HL060PA1、HL110PA4(BEI、Biodefense and Emerging Infections Research Resources Repository、Manassas、VA)、P.acn31およびAsn12(McDowellら 2012年)およびIAI 008、IAI031、IAI034、IAI035、IAI038、IAI040、IAI042、IAI045、IAI041(Charite Berlin、Pro-Implant foundation)のうち少なくとも2つの異なる系統分類型、より好ましくは、3つ、いっそうより好ましくは、4つ、5つまたは6つの系統分類型と関連する病状を患っている、実施形態42~48のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
50.P.アクネスによる感染に対する保護において使用するための、実施形態42~49のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
51.P.アクネス関連適応症の発生の防止または低減において使用するための、実施形態42~50のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
52.ワクチンは、好ましくは、少なくとも2もしくは3回の投与または少なくとも4、5回またはいっそうより多く反復された投与によってヒト患者に反復投与される、実施形態42~51のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
53.ワクチンは、各々、少なくとも1または2週間の間隔で1年の期間内の少なくとも2または3または4回の連続投与を含む1またはそれ以上の処置サイクルで使用され、特に、処置サイクルは、例えば、5年の期間内に少なくとも1回、2回、3回または4回、いっそうより多くの回数のいずれか反復される、実施形態42~52のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
54.ワクチンは、投与の際に個体において抗体および/もしくはサイトカインの生成ならびに/または細胞傷害性T細胞、B細胞、抗原提示細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞および/もしくは他の細胞性応答の活性化を含む免疫応答を誘発する、実施形態42~53のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
55.ワクチンは、I、IIもしくはIII型P.アクネスのいずれか、もしくはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せに由来する株が、病原性因子として関与する、皮膚または他の影響を受ける臓器もしくは組織状態を有する患者に、またはP.アクネス株のいずれか、特に、IA1、IA2およびII型による感染に対して感受性である可能性がある健常個体に投与される、実施形態42~54のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
56.ワクチンは、皮内、経皮または皮下投与によって、好ましくは、皮内注射アプリケーター、マイクロニードル、経皮レーザーデバイス、局所、皮膚パッチまたは他の適した皮膚に適応した適用デバイスによって患者に投与される、実施形態42~55のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
57.ワクチンは、経口または筋肉内、節内、鼻腔内、粘膜、肺内、経膣、経直腸もしくは他の適した経路のような非経口投与によって投与される、実施形態42~55のいずれか1項に従う使用のためのポリペプチドまたはワクチン。
58.実施形態1~57のいずれか1項で定義されるようなDsA1、DsA2またはPITPの断片または派生体、好ましくは、配列番号5~7、9~12、14~20および29~50による断片または派生体。
59.実施形態58による断片または派生体を含む医薬組成物。
60.医薬上許容される担体をさらに含む、実施形態59に従う医薬組成物。
61.ワクチンを生成する方法であって、実施形態 のいずれか1項に従う、または実施形態 ~41のいずれか1項で定義されるようなポリペプチドは、医薬上許容される賦形剤または担体と混合され、場合により、個体、特に、ヒト個体への投与に適した、医薬上投与可能なワクチン用量に、好ましくは、投与量単位に仕上げられる、前記方法。
62.ポリペプチドは、
(a)DsA1のF150~L184またはDsA2のF194~L228の連続ポリペプチド配列を少なくとも含む、DsA1のA148~L267またはDsA2のA192~L311内のDsA1またはDsA2のCSD2断片、
(b)以下のアミノ酸交換:DsA1中のA149T、D152N、D152S、V155I、V163I、K166H、K166P、A168T、K169R、T171A、V173M、A176V、A183T、T190F、T190I、E191K、A192L、A192F、A198G、A199T、A202T、V205I、G206N、G206S、G206R、G206Q、K212Q、A214T、I219V、I219A、S223A、D225N、V233I、S235F、N239S、L255I、V257I、Q258S、I259L、R262H、I264V、D265KおよびDsA2中のT193A、N196D、N196S、I199V、I207V、H210K、H210P、A212T、R213K、T215A、V217M、V220A、T227A、F234T、F234I、E235K、L236A、L236F、A242G、A243T、A246T、I249V、R250G、R250S、R250N、G250Q、Q256K、A258T、V263I、V263A、A267S、D269N、I277V、S279F、S283N、I299L、I301V、S302Q、L303I、H306R、V308I、K309Dのうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有する、(a)のCSD2派生体、
(c)20個のアミノ酸残基の連続ポリペプチド配列、特に、DsA1のT117~A127またはDsA2のT161~LA171を少なくとも含む、DsA1のI49~L130またはDsA2のI93~L174内のDsA1またはDsA2のCSD1断片、
(d)以下のアミノ酸交換:DsA1中のD50N、D50S、K51E、K51A、C53Y、D55K、V57I、A61L、A65G、A68V、L71M、F76L、S78A、V82M、V82A、L84M、P86R、P86S、K90R、K90A、K94A、V97T、L99T、I100L、K104R、K106E、A107V、I109V、G110A、A111S、L113V、G114S、L116V、T117A、K120A、I121V、R123H、A124T、V128IおよびDsA2中のS94D、S94N、E95A、E95K、C97Y、K99D、I101V、L105A、G109A、V112A、L115M、L120F、A122S、A126M、A126V、L128M、P130R、P130S、A134K、A134R、A138K、T141V、T143L、I144L、R148K、K150E、V151A、V153I、A154G、S155A、L157V、G158S、V160L、A161T、A164K、V165I、H167R、A168T、I172Vのうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有する、(c)のCSD1派生体、
(e)DsA1のR266~T277もしくはR286~K296またはDsA2のV333~Q347の連続ポリペプチド配列を少なくとも含む、DsA1のA278~K323またはDsA2のA322~E366内のDsA1またはDsA2のCSD3断片、
(f)以下のアミノ酸交換:DsA1中のM281V、N283D、T285A、R286Q、V289A、V291I、I292R、T293N、A294T、D295K、D295Q、K296E、I298V、K299A、T300V、T300I、A301Y、-301から302Dの間、E302K、E305K、K306A、A310T、D313G、K316Q、S320T、C321-、P322L、K323D、K323EおよびDsA2中のV325M、D327N、A329T、R330Q、V333A、I335V、R336I、N337T、T338A、Q339K、Q339D、E340K、I342V、A343K、V344T、V344I、Y345A、K346E、K349E、A350K、T354A、G357D、Q360K、T364S、P365L、E366D、E366Kのうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に1つを有する、CSD3派生体
を含む、実施形態1~61のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチン、方法または組成物。
63.DsA1ストレッチおよび/またはDsA2ストレッチは、以下のアミノ酸交換:
DsA1:A301Y、G206L、G206F、A192L、G206R、G206W、G206Q、G206K、A301F、A301L、G206I、A301W、A301I、G206E、G206M、G208L、G206V、A192M、A256L、A192I、A68I、G206N、A68V、I259L、A161L、V205I、G206T、G206H、A68L、G206Y、A256I、G206A、68M、A192F、G110A、N239L、G206C、A301V、E305L、A93I、A93L、S223A、E305I、E305V、E305A、K120V、K120L、N157I、K120C、E305C、E305M、N239I、K120I、R248C、N239V、E191I、E305F、S78I、K120M、E191L、R248L、H146V、E191V、H146I、S78L、S78V、N157V、H146C、K120F、R248I、R248M、D164L、P236V、P236L、H146L、H146F、D164I、H146M、P86L、R248G、N239C、N157C、E305T、E191C、S78C、R248F、G221L、E305G、P236F、T171L、P86V、R248S、N157L、K120A、H146A、P86I、N157F、S235A、R248A、E191M、N157M、A124I、P236A、S78F、P236C、S78M、A161I、N239M、T171I、E191F、S235V、P86F、H146G、S223I、E305S、D164F、E305Y、P236M、S223L、N239F、H146Y、P236I、G221V、D164C、K120G、D164M、S235I、R248V、A124V、S235L、S223V、S147L、S235C、P86M、G208I、D164A、S147I、N239A、K120T、T117I、G110L、R248Y、P182I、A198L、A124L、A215L、A127L、A66L、P86C、G221F、R248T、T171F、P182V、S147V、P271V、T171V、G110V、P271A、E191A、A149L、K120Y、G114I、K120S、S235F、A201I、G131V、A201V、R248N、A66V、A202I、G221C、G114V、A229L、H146T、A124F、A127F、T117V、S223C、A215F、A127I、P182C、A215V、G162L、G162I、G208F、A201L、A161F、N157A、A198V、E191Y、A161V、S223F、G221M、R248W、G131C、A202V、N157T、S147F、N157Y、G114A、T171C、H146W、S78T、A149I、G250L、N239T、A149V、G208C、K120P、G250V、S235G、S223M、D164V、N239G、T171M、E191G、S78A、D164Y、P271I、G110F、G110C、D164W、P236Y、A124C、A66F、S147M、G75L、E305N、S147C、G221I、A127M、P182L、G221A、G110M、A66C、E305Q、P271F、A215M、P236W、K120W、H146P、A161C、A229I、S78G、G114M、P86A、E305W、V154L、G185V、G75I、S223Y、G75V、R248Q、T277V、E191S、A229F、T277G、G131I、N239S、P271C、V154I、A66M、D164G、G208A、P236T、R248D、D164T、A127C、A215I、A161M、P86W、A201F、C53L、T117F、G131A、T117C、A318L、F150L、G208M、P271M、A149C、G208V、G114C、G162F、S223W、A198I、N157G、A202L、P236G、G185I、A198F、A149M、P86Y、E191W、N157W、I263L、S235T、E305P、E305R、A201C、A201M、F150I、G96I、G114F、G221Y、A199L、D164S、A124M、A179I、A202F、H146S、A231L、C53I、I263V、G162M、K120Q、N239Y、G96L、G75C、N157S、T277C、T117A、A199V、G162C、P271Y、G250C、A127Y、A66I、T117L、G185C、A229C、R248P、A144I、T117M、P86T、A260L、G185A、E191Q、G131L、T277I、G250I、G131M、T277A、A127V、F150V、A318I、S78W、S147Y、A198M、P86G、A215C、A70I、S235M、A179V、A202M、A144V、A202C、G208W、T171Y、S147W、G208Y、G250F、A195L、K120H、A127W、A66Y、S223G、K120N、S78Y、E191N、A198C、P271G、V154F、A70V、H146N、A229M、A134L、P86S、S78Q、A199I、G75M、A68C、E191T、A89L、G96A、D164P、C53V、S78P、G185L、A149G、A149F、P182A;
DsA2:A161L、A161I、A126I、A126V、A126L、S175G、G190H、A161T、S183T、R336I、A126F、A161F、A329L、A161V、S283L、A205L、G109A、A329I、G265F、A161W、A232I、S175W、R336L、A300I、K349I、A161M、A300L、G109L、G109I、A246L、S183M、A223L、E235V、G252L、A329M、A126W、S183L、A259L、A329V、A329F、S183I、A242L、G109F、R336V、K117I、R336C、K117C、K349V、R336A、R336F、K117L、R336M、E235I、R310A、K349L、K117V、R310V、K349C、N201I、R310I、R310C、K349F、K349M、K117M、R292C、N201V、R336G、R292L、K117F、E235C、P130L、E235A、D208L、P280L、E235L、R292M、R336T、P280V、R292I、N201L、E235M、P130I、K117A、K349A、P130V、R292G、R310F、R336S、R336Y、N201C、K117G、R310L、R310M、R310G、R336W、D208V、R292F、P130F、K349Y、K117T、R310T、P280C、R292S、N201F、R310S、T215L、N201M、S279C、R292A、S279L、P280F、D208C、S175V、A126M、P280A、S279A、P130C、S279V、E235F、P186C、P130M、K349T、A126C、K349G、N320V、K117S、N320I、S283V、A168I、N320L、S175I、E235Y、P186V、P280I、P186A、P280M、G265L、D208M、P186L、K117Y、S283I、A205I、D208F、A168L、T215I、R292V、A133L、R336P、R310Y、A168V、S279F、S183V、A164I、S279I、S175L、D208A、K349S、E235T、S175C、A122I、D208I、A126Y、A123L、K117P、N320C、R292T、S283C、E235W、G252I、T215V、R292Y、R336Q、S175A、A123I、E235G、A205V、A171V、A133V、A245I、S183C、P226V、R310P、G181I、P226I、A168C、A246I、A171L、N201A、S175M、G158I、A164L、T215C、A164C、P280W、A133C、G119I、T215F、A245V、N320M、A122V、A123V、G206L、N320A、G265V、A122L、A193L、S191V、R310W、G252F、G181V、E235S、R292N、P130W、G119V、G265C、S279M、A259V、A259F、A168F、A168M、A246V、P226C、R292W、G158V、P130Y、G206V、P186G、C97L、N201Y、A171C、G265M、G140L、K117N、G140I、D208G、A193V、G181F、K349W、S279G、A245L、A205F、G158A、A193I、K117W、A122C、R310D、G294V、P186T、S175F、S191C、N201T、K349Q、R310N、A242V、T215M、D208Y、T321C、G252C、I276L、A259M、A171F、N201G、G119F、D208T、P186M、G229V、G294L、S191I、P186S、G119C、G229I、P130A、A205C、A171M、T321V、A193C、F268L、A133M、A123F、G357A、G109V、K117Q、N320G、R310Q、T321G、S283M、P186Y、G229A、R336D、N201S、S183F、F194L、F268V、A245F、G265A、G252A、R336H、A259I、A133I、A123C、P130T、G113L、D208S、P280T、F268I、G181C、P280Y、R336E、P280G、G158C、N320Y、G140V、K349P、R292D、D208W、N320F、G265I、R336N、A164M、G206M、F268C、G158M、R292P、S191L、G158F、G252M、A245C、G229C、E235Q、G252V、A205M、G206F、R292Q、G181M、A126G、A243L、K349N、S283A、A246M、S279T、P186I、A246F、A246C、A223I、C97I、A164V、A245M、A171I、G357I、A126T、S283F、A123M、F194I、K117D、P226L、P130S、G140F、I276F、F194V、A243V、P130G、G181L、G229F、A259C、G113I、K117H、N320S、G119M、A239L、G206C、A114I、E235N、K349D、A242I、A161C、G294C、G119L、A126S、T321L、A193M、A223V、A122M、G113C、A242C、N201W、R292H、A275L、A242M、G357V、P186F、G294I、D208P、A259W、A243I、R310E、G140C、A242F、G265W、S183A、G109C、G113F、S191F、G265Y、S94D、E95K、A343K、A350K、F176D、N196D、H147D、H146D、H147E、H146E、T91E、R250E、T91D、R251E、R148D、H254E、A170K、R250K、R251K、H254D、A170R、H146K、H147K、K346E、T90D、R250D、T90E、A138K、R251D、H262K、A169K、H146R、I102E、T90K、A271K、K346R、H306E、D124E、K326E、A169R、D124R
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを含む、実施形態1~62のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチン、方法または組成物。
64.少なくともP.アクネスのPITPまたはP.アクネスのPITPポリペプチドの少なくとも1つのエピトープを含有する少なくとも1つの追加のアミノ酸配列(「PITP派生体」)をさらに含み、PITP派生体は、好ましくは、以下のアミノ酸交換:
T392F、F352L、T392I、M303F、A276Y、S365I、T392L、M303W、A276L、T392W、K363T、A361V、F286Y、A361I、K363F、M303Y、T392V、A361L、S365V、A270V、A276M、S365L、K363V、M312L、T252L、M387L、Y297F、A276F、G353T、A276W、K363S、T252R、L314I、T252I、A361F、L295I、L255I、A276I、K363L、S318W、V354L、K363I、A361T、S318I、A361M、G353L、T392Y、S365A、A270I、A361W、T252M、K363A、K363W、L319I、G353D、A276V、G353N、G353F、T252V、G353S、S318V、L255V、G364I、L394V、K363M、S318F、L390I、G353I、S335Y、G364L、S365M、T252Q、S365F、L330A、T252F、S318M、K363Y、G353V、S365G、S365W、K363G、T392M、V354F、A276T、G364W、K363C、P317I、S335C、P317L、P317F、G269C、S335A、P317V、G268C、S334V、S335V、G269V、S334C、A361C、G268I、G269F、G268L、S334I、G268V、G269L、S335G、S334A、G268F、S335T、P317C、P317M、S335L、A361Y、G269I、S335I、G268Y、K363P、G268W、S335M、K363H、F286I、G268M、G269M、G269W、G268A、S334G、S334L、G268P、G268T、G293F、F286L、T252C、S335N、T392C、K363N、S334F、M303I、K363Q、A376L、G364V、W245I、G269S、Y297C、S335Q、G358V、W245L、A376I、S334M、G358L、T252A、S318C、S335H、Y297L、S365C、M312I、G373L、Y297I、G358I、S335F、G268N、M303L、G269T、Y297V、P317A、G268Q、G268H、G293L、S334T、G305C、S318L、S335D、S335P、G364C、W245V、W245F、P317Y、T392A、F286V、S335W、A376V、G358C、K363D、M312F、G269N、S335R、A378I、A378C、P317W、G268K、G268R、G268D、A376C、G373V、M312V、M303V、G353C、S318A、G364F、G241C、G268E、G379I、G269P、F286C、L330F、G284V、W245C、A378V、L330I、G293I、G373C、G379L、S318Y、G358F、L394I、L330V、G373I、F352I、A361G、S335K、G246C、M387F、A378L、G241I、V354C、M387I、G269A、G308C、F352C、A276C、G293C、G269Q、K363R、G379V、F286W、W245M、G246V、A270C、G246L、M303C、G293V、G305A、Y297A、G345I、G241V;N388D、R248K、S336D、T372E、T249E、E316D、D348E、R382E、R382K、K265E、H327K、D338E、K333R、P386E、S336E、K341D、K341E、K341R、E385D、G268K、G268R、G268D、
K340R、G268E、K333D、K368R、G353D;H306I+S335R、H306L+S335R、H306I+S335K、H306C+S335R、H306C+S335R、H306I+S335K、H306L+S335K、H306L+S335K、H306L+S335R、H306V+S335R、H306I+S335R、H306V+S335R、H306C+S335K、H306F+S335K、H306V+S335K、H306V+S335K、H306F+S335R、H306F+S335R、H306W+S335R、H306F+S335K、H306M+S335R、H306W+S335K、H306W+S335R、H306M+S335K、H306A+S335R、H306A+S335R、H306W+S335K、H306A+S335K、H306Y+S335R、H306Y+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306Y+S335K、H306T+S335R、H306T+S335K、H306S+S335R、H306T+S335K、H306S+S335K、S334V+S335R、H306S+S335K、S334V+S335K、S334I+S335R、S334C+S335R、H306P+S335R、M312I+S335R、S334I+S335K、S334V+S335R、S334V+S335K、H306P+S335K、S334C+S335R、S334A+S335R、M312F+S335R、M312L+S335R、S334C+S335K、H306R+Y381L、M312L+S335R、S250L+S335R、H306Q+S335R、H306N+S335K、S334C+S335K、S334A+S335K、H306P+S335K、H306Q+S335R、M312V+S335R、M312I+S335K、S334I+S335K、M312I+S335R、M312L+S335K、H306N+S335R、S334L+S335R、S334A+S335K、M312L+S335K、S250I+S335R、H306N+S335R、S250V+S335R、H306N+S335K、M312F+S335K、S250V+S335R、S250A+S335R、S334M+S335R、M312V+S335R、S250A+S335K、M312F+S335K、S250A+S335K、S250L+S335R、S334G+S335R、S250C+S335R、S250C+S335R、H306Q+S335K、S334G+S335R、Y254F+S335R、S334L+S335R、S250I+S335R、I309C+S335R、S250I+S335K、Y254C+S335R、S250L+S335K、M312V+S335K、S334G+S335K、S250L+H306R、S250V+H306R、H306R+Y381I、M312V+S335K、S250I+H306R、M312C+S335R、Y254C+S335R、S250V+S335K、Y254W+S335R、S334G+S335K、S250L+H306R、S250L+S335K、Y254W+S335R、S250V+S335K、S334L+S335K、I309C+S335R、I309C+S335K、Y254F+S335R、S250A+S335R、S250C+S335K、S250I+H306R、S250A+H306R、S250C+S335K、H306Q+S335K、Y254C+S335K、S334L+S335K、S250A+H306R、I309C+S335K、Y254W+S335K、Y254C+S335K、Y254I+S335R、H306R+Y381C、S250M+S335K、M312C+S335K、M312C+S335K、S250V+H306R、S250M+S335R、Y254V+S335R、Y254I+S335K、S250W+S335R、I259C+S335R、S334M+S335R、Y254A+S335R、Y254V+S335R、S250M+S335K、F251L+S35R、Y254I+H306R、I259C+S335K、Y254I+S335R、I259C+S335K、S250Y+S335K、Y254F+S335K、S250M+S335R、Y254F+H306R、Y254V+S335K、Y254V+H306R、S334T+S335K、S334Y+S335R、Y254A+S335R、S334M+S335K、Y254I+H306R、Y254M+S335K、Y254A+S335K、S334F+S335R、S334M+S335K、F251L+H306R、S334T+S335R、Y254I+S335K、Y254A+S335K、S334T+S335K、S250Y+H306R、Y254A+H306R、Y254M+S335K、F251L+S335K、I259C+S335R、F251L+H306R、Y254M+H306R、S334P+S335R、S334P+S335R、S334P+S335K、
S334F+S335R、Y254M+S335R、H306I+S335C、H306L+S335C、H306L+S335C、H306I+S335C、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306V+S335C、H306C+S335C、H306I+S334V、H306L+S335V、H306M+S335C、H306I+S335G、H306I+S335G、H306I+S335A、H306I+S335A、H306F+S335C、H306F+S335C、H306L+S335V、H306I+S335T、H306L+S335A、H306C+S335A、H306I+S335V、H306I+S335V、H306L+S334V、H306L+S335A、H306C+S335V、H306L+S334C、H306I+S335I、H306I+S334A、H306L+S334C、H306L+S334V、H306F+S334V、H306C+S335A、H306F+S335V、H306C+S334V、H306C+S334V、H306I+S335L、H306C+S335V、H306L+S334I、H306M+S335C、H306I+S334C、H306I+S335I、H306W+S335C、H306V+S335A、H306I+S334C、H306I+S334I、H306L+S335I、H306V+S335A、H306C+S334C、H306L+S335G、H306C+S334C、H306L+S335T、H306I+S334I、H306V+S334V、H306I+S335L、H306M+S335V、H306V+S335V、H306V+S335V、H306I+S335M、H306L+S335T、H306V+S335I、H306C+S335G、H306L+S335L、H306C+S334I、H306L+S335Y、H306L+S335I、H306V+S334V、H306C+S335G、H306I+S334A、H306L+S334A、H306C+S335I、H306F+S335V、H306I+S335T、H306L+S335Y、H306C+S334I、H306L+S334I、H306V+S335G、H306V+S335G、H306A+S335C、H306A+S335C、H306M+S335A、H306C+S334A、H306V+S335I、H306L+S335G、H306L+S334A、H306C+S334A、H306I+S335Y、H306I+S335Y、H306W+S335C、H306F+S335A、H306F+S335A、H306F+S335I、H306I+S335N、H306L+S335L、H306I+S335M、H306I+S335N、H306V+S334I、H306V+S334C、H306V+S335L、H306C+S335L、H306C+S335L、H306I+A376L、H306F+S335T、H306L+S335M、H306F+S334V、S334V+S335C、S335C+Y381L、S335C+A376I、S334I+S335C、S334V+S335C、M312I+S335C、M312I+S335C、S335C+A376L、S334I+S335C、S335C+A376L、S335C+A378C、S335C+A376C、S335C+A376V、S334A+S335C、S335C+A378C、S334A+S335C、S335C+A376I、S334V+S335A、S335A+A376L、S335C+A376C、S335C+A376V、S335C+A378L、S334V+S335A、S335A+A376I、S334V+A376L、S334I+S335V、S335C+A378I、M312F+S335C、M312F+S335C、S334I+S335A、S335C+A378V、S335V+A376L、S334V+S335L、S335C+A378I、S334C+S335V、S334V+A376I、S334V+A376I、S335V+A376I、M312I+S334V、S334V+S335I、S335C+Y381I、M312V+S335C、S335C+A378L、S335A+Y381L、S334C+A376C、S334V+S335I、S335C+Y381V、M312L+S335C、S335C+A378V、S335V+A376L、S334I+S335V、S335C+Y381C、S335V+A376I、S334C+A376L、S334C+Y381L、M312V+S335C、S334V+S335L、S334C+A376I、S334C+A376C、S334V+Y381L、M312L+S335C、S335V+A376V、S334I+A376I、S335V+A376V、S335V+Y381L、Y254F+S335C、L310F+S335C、S335I+A376I、S334V+A376V、M312I+S335V、S334C+S335A、S334I+A376L、M312F+S335V、S335C+Y381A、
L310F+S335C、S334G+S335C、S334G+S335C、S334V+A376V、S335C+A376M、S335C+A376M、S334A+S335I、S334V+A376L、M312C+S335C、S334C+S335A、S335A+A376V、S334A+S335V、S334A+S335V、Y254F+S335C、S335A+A376L、S335A+Y381I、S335A+A376I、S334L+S335C、S335A+A376V、M312C+S335C、D152F、D152L、D152I、D152V、D152M、D152W、D152Y、D152S、D152A、D152T、D152G、D152N、D152Q、D152P、D152H、D152K、D152R、D152C、D155Q、D155L、D155F、D155I、D155M、D155W、D155V、D155Y、D155A、D155N、D155T、D155S、D155P、D155G、D155H、D155R、D155K、D155C、D156L、D156F、D156I、D156W、D156V、D156A、D156Y、D156M、D156G、D156S、D156T、D156Q、D156N、D156P、D156H、D156K、D156R、D156C、H146R、H146K、H153R、H153K、Y63A、H146A、H153A、F74A、L141A、F81A、P72A、K144A、T143A、Y75A、W98A、D156A、R158A、S250W、S250F、S250D、S250E、S250K、S250R、F251A、Y254A、I259W、I259F、I259D、I259E、I259R、I259K、H306A、I309W、I309F、I309E、I309D、I309R、I309K、L310W、L310F、L310D、L310E、L310R、L310K、M312W、M312F、M312D、M312E、M312R、M312K、S334W、S334F、S334D、S334E、S334R、S334K、S335W、S335F、S335D、S335E、S335K、S335R、M337W、M337F、M337D、M337E、M337K、M337R、A376W、A376F、A376E、A376D、A376R、A376K、F377、A378W、A378F、A378D、A378E、A378K、A378R、F380A、Y381A、D348I、D348L、D348M、D348F、D348V、D348Y、D348A、D348W、D348T、D348G、D348P、D348H、D348S、D348R、D348K、D348E、D348C、H306R、H306D、H306E、H306K、H307D、H307R、H307E、H307K、H327R、H327K、H327E、H327D、H302E、H302K、H302R、H302D、H215K、H215R、H215E、H215D、H223K、H223R、H223E、H223D、H403K、H403R、H403E、H403D
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを含む、実施形態1~63のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチン、方法または組成物。
65.配列番号49によるポリペプチドの少なくとも1つのP.アクネスエピトープを有するポリペプチドを含み、配列番号49によるポリペプチドの少なくとも1つのP.アクネスエピトープを有するポリペプチドは、配列番号49と比較して、以下のアミノ酸交換:
A274Y、S26C、S26L、A274F、S26I、G119H、A274L、A274W、S26V、S26M、S212L、T108I、A134L、S26F、N130V、A229L、A274I、G194F、S26W、A291F、G181I、A229I、E278I、A175L、G181L、A152L、A274V、N130L、E278V、K46I、E278L、E278A、K46C、K46L、K93L、K93V、E164I、E278C、E164V、E278M、N130I、K46V、R221C、K93C、K46M、S51L、K93I、E278F、K93M、E164A、S51I、R221L、P209L、K46F、S51V、E164C、R221I、E164M、K93F、D137L、P209V、E164L、P59L、R221F、N130C、S51C、R221G、E278T、K46G、P59V、K46A、N130M、E278G、D137V、K46T、P209C、P59I、P209I、T144L、N130F、E164F、S51F、R221M、P209F、S51M、R221S、P209A、K93A、P209M、E164Y、D137C、R221A、P115C、P59F、S208A、K46S、P115V、A134I、P115A、S212V、N249L、E278S、D137F、D137M、P115L、S212I、R221V、N249V、D137I、E278Y、G194L、P59M、R221T、A188L、N249I、T144I、E164T、S208C、S208V、D137A、K46Y、K93G、G87I、E164G、K46P、P59C、A97V、S212C、G83L、K93T、N249C、A134V、G83V、T108V、T112L、T144V、A100L、G87V、E164W、E164S、A171L、A97L、A188F、K93W、T90I、A174I、K93Y、A111L、A97I、N130A、G48I、E278W、R221Y、G135L、T112V、F197V、T144F、K93S、G194V、G87A、A188V、T144C、K46N、P115M、A175I、N130T、S51A、G194C、G48L、G104V、A174V、G158V、T90V、R221N、A202L、A39L、A134F、D137Y、G158I、A174L、P155V、A171V、S51T、F197I、T112C、D137W、G135V、D137G、P115G、T250C、S208L、A100I、T250L、T144M、T108C、P115F、G69L、T112F、G181F、A100F、S208I、G223V、T250V、N249M、A111V、N249Y、A111F、A188M、A111I、P209Y、A175V、P155I、N130G、S120V、A111C、A100C、A97F、G194M、G69I、E278Q、S208G、G181C、G87F、G48V、A97C、I205L、G194I、D137T、S51G、F197C、G223L、N249A、S51Y、P115S、A202I、P155C、S26A、G83M、S120C、D137S、E278N、G83F、G158C、P59Y、G87C、G87M、N130S、P115I、A202F、A100M、G83C、S212M、A39V、A188I、F197L、G181M、A134C、P115T、A174F、K93P、P209W、P209G、P59A、A39C、G104I、T250G、S208F、R221Q、G181A、G104C、T90C、K46Q、P209T、K46W、A171I、G158A、A134M、G48C、G194A、T90A、T90M、N130Y、N249F、A172L、A152V、A152I、P59W、R221P、G158F、T112M、G135M、G181V、G104L、S208T、N249W、A97M、G135F、K93Q、G42L、A111M、G104A、E278P、T90L、R221D、A175C、A188C、A291L、S212A、F123L、T250I、A174C、E164Q、P155L、A174M、G158M、A172V、E164N、A168L、T90F、A39F、G42V、I205F、A39M、N249G、A175F、G135C、A171F、S212F、K46D、A100Y、G42I、P59G、G69A、E164P、G158L、G42C、A171C、T250M、T108L、K93N、A171M、G223I、A175M、T108M、A172I、S51P、A291I、A111Y、G20V、S120I、P59T、A58I、G223C、S208M、G48M、K46H、A62L、A43I、T250A、N130W、G194Y、R221H、D137P、N249S、G104F、A100V、F123I、A172C、T112I、G69F、P115Y、P59S、A100W、G104M、G69C、R221W、K93H、A204L、G20L、G223F、A168I、D28K、E275K、K77R、D17R、H76D、H75D、H76E、K77D、H75E、P294D、S293D、S293E、D286E、P294E、S292E、D285E、H76R、K77E、K289R、P295D、D285K、R179E、H75R、P295E、P294R、P294K、D286K、D285R、S293R、S293K、R180D、R180K、H183E、R179K、K289E、R180E、A98K、R179D、A99K、S292D、D286R、K290D、H75K、A99E、N256E、K290E、K290R、R239D、A199K、A200K、K255E、H183D、A99R、H235E、A98R、D102K、およびA200R
のうち1つまたはそれ以上、好ましくは、1つ、2つまたは3つ、特に、1つを好ましくは含む、実施形態1~64のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチン、方法または組成物。
66.DsA1ドメインは、以下のとおりに定義され:Q6A5X9の配列中のNSR:S29~I48、I49~L130のCSD1、G131~S147のSR1、A148~L267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列;
ならびに/またはDsA2ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列;
ならびに/またはPITPドメインは以下のとおりに定義される:Q6A9N1の配列中のA32~R164のENFD;E165~K237のSR1、V238~L396のHbD、S397~T430のSR2(C末端LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、LPXTを含むが、Gを含まない))およびG431~I467のhLARもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的PITP配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のPITP配列、実施形態1~63のいずれか1項に従うワクチン、組成物、方法またはDsA1および/またはDsA2派生体。
67.液剤中に、または液剤に再構成可能である乾燥もしくは凍結製剤中に、0.01mg/ml~50mg/ml、好ましくは、0.05~5mg/ml、特に、0.1~1mg/mlの、少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む上記で定義されるようなポリペプチド、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNaHPO、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのNaHPO、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKHPO、1~1000mM、好ましくは、5~500mM、特に、50~300mMのNaCl、0.1~100mM、好ましくは、0.5~50mM、特に、0.1~10mMのKClおよび/または0.01~1%、好ましくは、0.05~0,5%、特に、0.1~0.5%のアルミニウムアジュバント(水酸化アルミニウム)を含む、請求項1~64のいずれか1項に従う医薬組成物。
68.液剤中に、または液剤に再構成可能である乾燥もしくは凍結製剤中に、4.5~7.4の、好ましくは、4.7~7.3の、いっそうより好ましくは、5.0~7.3の、特に、5.3~7.2のpHを有する、請求項1~67のいずれか1項に従う医薬組成物。
69.少なくともP.アクネスのIA1、IA2およびII型に対して交差型反応性を誘発する、ならびに/または少なくともP.アクネスのIA1、IA2、IB、IIおよびIII型に対して交差型反応性を誘発する、実施形態1~68のいずれか1項に従うP.アクネスポリペプチドを含む医薬組成物またはワクチン。
70.ポリペプチドは、N末端メチオニン残基を欠く形態で少なくとも部分的に組成物中に存在する、実施形態1~69のいずれか1項に従うP.アクネスポリペプチドを含む医薬組成物またはワクチン。
71.P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチおよびP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチを含むポリペプチドであって、前記DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端領域、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」);場合により、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域を含み;
ポリペプチドは、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3および少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含む、前記ポリペプチド。
72.P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチおよびP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチを含むポリペプチドであって、前記DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端領域、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」);場合により、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域を含み;
DsA1およびDsA2のポリペプチドストレッチは、少なくとも20個のアミノ酸残基の長さを独立に有する、前記ポリペプチド。
73.少なくともいずれかのDsA1もしくはDsA2のポリペプチドストレッチは、DsA1もしくはDsA2エピトープを含むまたはからなり;または少なくとも2つのポリペプチドストレッチは、DsA1もしくはDsA2エピトープを形成する、実施形態71または72に従うポリペプチド。
74.DsA1またはDsA2のCSD1、CSD2およびCSD3のうち少なくとも2つを含む、実施形態71~73のいずれか1項に従うポリペプチド。
75.DsA1またはDsA2の少なくとも2つのポリペプチドストレッチを有し、DsA1またはDsA2のCSD1、CSD2および/またはCSD3は、SR1および/またはSR2によって接続され、SR1およびSR2は、DsA1またはDsA2のもの、またはハイブリッドSRであり、ハイブリッドSRは、DsA1またはDsA2 SR中のいずれかに存在するアミノ酸残基からなる、実施形態71~74のいずれか1項に従うポリペプチド。
76.ポリペプチドストレッチは、少なくともCSD2断片を含むまたはからなり、CSD2断片は、好ましくは、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であり、アミノ酸番号付けは、UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A5X9に対応する、実施形態71~75のいずれか1項に従うポリペプチド。
77.ポリペプチドストレッチは、少なくとも
- フェニルアラニン150(F150)~イソロイシン193(I193)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
を含むまたはからなる、実施形態71~76のいずれか1項に従うポリペプチド。
78.ポリペプチドストレッチは、
(1)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列;
(2)N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、および/または
(3)N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
である、実施形態71~77のいずれか1項に従うポリペプチド。
79.ポリペプチドストレッチは、少なくとも35個のアミノ酸の長さ、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸の長さ、特に、少なくとも50個のアミノ酸の長さを有する、実施形態71~78のいずれか1項に従うポリペプチド。
80.DsA1またはDsA2抗原またはエピトープではない、少なくとも1つの追加のP.アクネス抗原またはP.アクネスエピトープを含有するまたはからなるアミノ酸配列、好ましくは、少なくともP.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITP)ポリペプチドまたはP.アクネスのPITPポリペプチドの少なくとも1つのエピトープを含有する少なくとも1つの追加のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの追加のポリペプチドを含み、PITPポリペプチドは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXTGモチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含む、実施形態71~79のいずれか1項に従うポリペプチド。
81.追加のポリペプチドは、PITPポリペプチドまたはその断片または派生体であり、その断片または派生体は、ENFD、SR1、HbD、SR2のうち、好ましくは、ENFDおよびHbDから選択される少なくとも1つまたはその断片を含有するエピトープを含む配列を含む、実施形態80に従うポリペプチド。
82.少なくとも1つのポリペプチドストレッチは、
(1)場合により、N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列;
(2)場合により、N末端で1、2、3もしくは4個のアミノ酸および/またはC末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸をさらに拡張する、フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列;
(3)場合により、N末端で少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21もしくは22個のアミノ酸および/またはC末端で1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個のアミノ酸をさらに拡張する、ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
であるDsA1またはDsA2の断片を含む、実施形態71~81のいずれか1項に従うポリペプチド。
83.実施形態71~82のいずれか1項に従うポリペプチドおよび場合により、医薬上許容される賦形剤を含むワクチン。
84.治療的処置において使用するための、好ましくは、特に、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択されるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態71~82のいずれか1項に従うポリペプチドまたは実施形態83に従うワクチン。
85.P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、実施形態71~82のいずれか1項に従うポリペプチドまたは実施形態83に従うワクチン。
86.PITPポリペプチドおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を含み、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体に結合されたポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物をさらに含み、ポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物は、好ましくは、複合体形態中に金属イオンを含有し、金属イオンは、好ましくは、Fe、Co、Zn、Mg、SeまたはCuイオン、特に、Fe2+またはFe3+イオンである、実施形態1~85のいずれか1項に従う医薬製剤、特に、ワクチン。
87.PITPポリペプチドおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体を含み、PITPおよび/またはポルフィリン結合性PITP断片および/またはポルフィリン結合性PITP派生体に結合されたポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物をさらに含み、ポルフィリン(porphyin)分子および/またはポルフィリノーゲン分子および/またはポルフィリノーゲンもしくはポルフィリン分解生成物は、群ヘミン、プロトポルフィリン(protoprophyrin)IX、コプロポルフィリンI、IIおよび/またはIII、特に、コプロポルフィリンIII;ペンタカルボキシポルフィリン、ウロポルフィリン、ヘプタカルボキシポルフィリン、ヘキサカルボキシポルフィリン、特に、IまたはIII型のような;ニトロ-ポルフィリン、特に、5,10,15,20-テトラフェニルポルフィリン(TPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-フルオロフェニル)ポルフィリン(TpFPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-クロロフェニル)ポルフィリン(TpClPP)、5,10,15,20-テトラ(4’-ブロモフェニル)ポルフィリン(TpBrPP)、ビリベルジン、5,10-ジフェニル-15,20-ジ(N-メチルピリジニウム-4-イル)ポルフィリン(ジ-シス-Py+)、PORF-1~PORF-34、ポルフィン、オクタエチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、ベルテポルフィン、アスコプロポルフィリン(ascoproporphyrin)、ヒドロキシメチルビラン(HMB)、メソポルフィリンIX、7-カルボキシポルフィリン(7P)、6-カルボキシポルフィリン(6P)、ヘムA、ヘムB、ヘムC、ヘムO、ヘムI、ヘムm、ヘムD、Sヘム;ウロポルフィリノーゲンIII、クロロフィル、特に、クロロフィルa、クロロフィルbおよびバクテリオクロロフィルから選択される、実施形態1~86のいずれか1項に従う医薬製剤、特に、ワクチン。
88.P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含み、エピトープは、DsA1のR32-I41、Q38-K51、R32-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+T43-K51、R87-K90+T117-I132およびR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、T117-I132、T117-A127、V128-I132、A144-N157、H146-A160、A148-N157、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、I216-D225、A226-A240、S234-G250、I251-I263、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-I263、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-R286+I216-F224、T285-R286+I264-P271、T285-R286+V289-K296、T285-R286+V289-K296、T285-R286+A144-N157、A310-D313+T285-R286、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、A301-E307、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、R286-T300、V289-K296、A310-D313+I216-F224、A310-D313+I264-P271、A310-D313+T285-R286、A310-D313+R286-D290、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、A301-E307;DsA2のL152-Q166、G190-P230、I199-D208、A218-I237、P230-Q244、I231-A270、H254-A270、A271-S279、A271-R310、L311-T321、L311-K323、V333-Q347、A218-P230、I231-I237、H254-H262、Q256-H262、E261-D269、D269-S279、K313-K323;PITPのD79-T90、E73-D85、R43-I50、P68-Y75、P86-E92、I39-G45、Y84-D89、F81-D89、D79-T90、T37-E44、E73-W98、E73-F81、D89-T90、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、F111-D120、F132-G147、D152-E165、R115-F123、D120-K128、P131-F138、N181-E191、T143-T159、P116-T124、P131-D137、P131-D137、T175-C231、Q198-K203、P179-K185、G200-Q210、K174-A188、K174-K185、P201-Q209、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R164-S180、E165-S180、K185-S190、V193-N202、V193-G200、K203-P208、R216-T225、R216-R224、P173-K191、K197-K203、P168-T175、K185-K203、R164-K174、T175-V193、S250-N261、D287-S300、K340-V347、D338-F352、D338-D348、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、G305-L314、G364-K375、R382-E399、V367-G373、A383-L390、T342-T351、M387-T395、E385-T392、V401-V410、N404-A409、G416-L427、L396-V410、T406-I415、D417-G424、V407-D418、V407-V414、K421-V429、S419-T430、D408-I415、T406-V414からなる群から選択され、好ましくは、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のNまたはC末端に少なくとも1個の追加のアミノ酸残基を含み、特に、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のNまたはC末端に少なくとも2個の追加のアミノ酸残基を含み;ポリペプチドは、好ましくは、担体分子に共有結合的に連結され、または足場分子、特に、担体ポリペプチド中に埋め込まれる、実施形態1~87のいずれか1項で定義されるようなワクチンまたは医薬製剤。
89.DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含み、ポリペプチドは、ポリペプチドの5または6位で出発するモチーフK[NYI]を有するDsA1/DsA2/PITP派生体であり、および/またはDNAレベルでこのコーディング位置に配列AADUAUまたはAAVAUUを有する、P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、実施形態1~87のいずれか1項で定義されるようなワクチンまたは医薬製剤。
90.DsA1および/もしくはDsA2および/またはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子が以下の構造:5’UTR-シグナルペプチド-コードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有し;特に、mRNAは、配列番号67~76から転写されるような配列を含む、実施形態1~89のいずれか1項に従うワクチンまたはポリペプチド。
91.実施形態1~90のいずれか1項に従うワクチンまたはポリペプチドを含む医薬製剤であって、これらの請求項のいずれか1項で定義されるようなポリペプチド、すなわち、実施形態1~90のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体またはそれらの混合物と、医薬上許容される賦形剤または担体とを含む、前記医薬製剤。
92.ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の方法であって、実施形態1~91のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法。
93.P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための方法であって、実施形態1~91のいずれか1項に従うDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法。
94.投与は、皮内、皮下(s.c.)、非経口、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与によって、好ましくは、皮内または筋肉内投与によって、特に、シリンジによって、またはマイクロニードリングデバイスによって実行される、請求項93に記載の方法。
95.実施形態1~91のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成の方法であって、これらの請求項で定義されるような少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞において発現され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法。
96.(a)少なくともDsA1のCSD1の断片または派生体を含有するエピトープおよび少なくともDsA2のCSD2の断片または派生体を含有するエピトープを含む;ならびに/または
(b)少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD1のCSD1断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチおよび少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD2のCSD2断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチを含む;
(c)少なくともDsA1の
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、および
DsA2の
- フェニルアラニン194(F194)~ロイシン228(L228)の連続ポリペプチド配列、
- フェニルアラニン194(F194)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列、または
- ヒスチジン262(H262)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列を含む、
ポリペプチドを含む、
特に、ポリペプチドは、ポリペプチド中に存在する場合はDsA1のC53、C319およびC321ならびにDsA2のC97およびC363のうち1つまたはそれ以上にアミノ酸交換、好ましくは、アミノ酸交換DsA1のC53S、C319SおよびC321PならびにDsA2のC97SおよびC363Sのうち1つまたはそれ以上を含み、ならびに/またはDsA1もしくはDsA2の断片または派生体において、少なくとも5つのPTリピート、好ましくは、少なくとも10のPTリピート、特に、少なくとも15のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然DsA1/DsA2」)と比較して欠失しており、好ましくは、少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、いっそうより好ましくは少なくとも4つの、特に5つのPTリピートが存在する、実施形態1~91のいずれか1項に従うワクチン。
97.ポリペプチドは、PITPポリペプチドまたは少なくともPITPのエピトープを含む少なくとも30個のアミノ酸残基のポリペプチドストレッチを含むPITPの断片または派生体をさらに含む、好ましくは、PITPポリペプチドまたはPITPの断片または派生体は、少なくとも
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
- ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
- HbDもしくはそのPITP派生体のバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列を含み;
特に、PITP派生体は、位置C231およびC402にアミノ酸交換を含む、請求項1~96のいずれか1項に記載のワクチン。
98.実施形態1~91のいずれか1項に従うポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成の方法であって、これらの請求項で定義されるような少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞においてmRNAとして発現され、生成され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法。
99.宿主細胞は、真核生物または原核生物の宿主細胞、好ましくは、原核生物の宿主細胞、特に、大腸菌(E.coli)またはL.ラクティス(lactis);または実施形態1~96のいずれか1項で定義されるような発現されたポリペプチドをグリコシル化できる宿主細胞である、実施形態98に従う方法。
100.宿主細胞は、天然にポルフィリンを合成できず、好ましくは、ポルフィリンは、培養物に、溶解バッファーに、および/または精製されたタンパク質に添加される、実施形態98または99に従う方法。
101.配列番号1~66の、または配列番号67~76によってコードされるポリペプチドが、宿主細胞において発現される、実施形態98~100のいずれか1項に従う方法。
6 図面の簡単な説明
本発明は以下の実施例および図によってさらに説明されるが、それらに限定されるわけではない。
代表的遺伝子型からのP.アクネス(P.acnes)株の細胞表面への、単一抗原免疫付与によって作製されたマウス血清抗体の結合。P022-V2(DsA1)、P027-V3(DsA2)、P028(PITP)、および他のP.アクネス表面抗原(P002、P005、P018、P032、P035、P042、P046、P068、P069、P070、およびP071)のアルハイドロゲル(登録商標)製剤に対して作製されたマウス免疫前および免疫血清(n=5)を、フローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析した。細菌を、鉄キレート化剤デフェロキサミンの存在下において培養した。遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、IC(PV66)、II(HL050PA2)、およびIII(Asn12)の培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。結合した抗体を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗マウスIgG F(ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによるクロスリンキングの後に、BD Accuri C6 plus機器において測定した。異なる実験において試験した試料のMFI値を、内部アッセイコントロールに関する正規化に基づいて比較した。 異なるMLSTタイプからのP.アクネスに対する抗原特異的マウス血清のオプソニン職採用傷害活性。P022-V2(DsA1)、P027-V3(DsA2)、P028(PITP)、および他のP.アクネス表面抗原(P002、P005、P018、P032、P035、P042、P046、P068、P069、P070およびP071)の単一タンパク質アルハイドロゲル(登録商標)製剤に対して作製されたマウス免疫血清(n=5)を試験し、ネガティブアッセイコントロールと比較した。マウス免疫血清の段階希釈を、ヒト食細胞の存在下において、異なるP.アクネス株によってインキュベートした。生菌の50%超の減少をもたらす最も高い血清希釈として定義されるオプソニン職採用傷害力価(K50値)を、遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、IC(PV66)、II(HL050PA2)、およびIII(Asn12)のP.アクネス株に対して特定した。反応アリコートを、実験の開始時および終了時に血液寒天プレート上に播種した。K50値を、ネガティブコントロールのK50値に対してランク付けし;500から2,500の間のK50値をボーダーライン(+/-)と見なし、2,500超かつ最大25,000までの値をポジティブ(+)にマークし、25,000超かつ最大300,000までの値を非常にポジティブ(++)にマークし、300,000超の値を、極めてポジティブ(+++)にマークし;500未満または単独でのアジュバント免疫付与に匹敵するK50値を、ネガティブかつ検出限界未満(-)と見なした。 DsA1および/またはDsA2を発現するMLSTタイプからのP.アクネス株に対するマウス血清のK50値に基づいた抗原の比較を示す図1Bからのデータのグラフ表示。異なる株のK50力価値が、抗原血清ごとにまとめられ、総K50力価(積み上げグラフ)として示されている。 DsA1およびDsA2を発現しないMLSTタイプからのP.アクネス株に対するマウス血清のK50値に基づいた抗原の比較を示す図1Bからのデータのグラフ表示。異なる株のK50力価値が、抗原血清ごとにまとめられ、総K50力価(積み上げグラフ)として示されている。 様々なタンパク質P022-V2(DsA1)、P027-V3(DsA2)、P028(PITP)、および他のP.アクネス表面抗原(P002、P005、P018、P032、P035、P042、P046、P068、P069、P070およびP071)による免疫付与によって誘発された血清抗体を、ELISAによって調べた。4回の免疫付与の前(免疫前)および後(免疫、最後にブリード)の抗体EC50力価を特定するため、P022-V2(DsA1)、P027-V3(DsA2)、P028(PITP)、および他のP.アクネス表面抗原(P002、P005、P018、P032、P035、P042、P046、P068、P069、P070およびP071)のアルハイドロゲル(登録商標)製剤による免疫付与によって作製されたマウス免疫血清(n=10)の段階希釈を、それぞれのタンパク質抗原(免疫原)への結合量を測定するために試験した。マキシソルブ(Maxisorb)イムノプレートをそれぞれの抗原でコーティングし、次いで、BSAでブロックし、希釈した血清試料によってインキュベートして、TMBおよびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウス抗体を使用して検出した。450/620nmにおいてODを測定し、ならびにEC50値を、GraphPad Prism(登録商標)ソフトウェアおよび4パラメータシグモイドフィットを使用して計算した。 細胞表面上のP.アクネスタンパク質の発現に対する鉄の影響。P.アクネス表面タンパク質P022-V2(DsA1)、P027-V3(DsA2)、P028(PITP)、および他のP.アクネス表面抗原(P002、P005、P018、P032、P035、P042、P046、P069、P070およびP071)のアルハイドロゲル(登録商標)製剤に対して作製されたマウス免疫血清(n=5、プールした)を、フローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析した。細菌を、鉄キレート化剤デフェロキサミンの存在下および不在下において培養した。遺伝子型IA1(NCTC737)、IC(PV66)、およびIII(Asn12)からのP.アクネス株の培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。抗体結合を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗マウスIgG(F’ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによる架橋後に、BD Accuri C6 plus機器によって測定した。特定の表面抗原発現レベルにおける倍率変化(鉄の不在下でのMFI/鉄の存在下でのMFI)が示される。 P022-V3(DsA1)、P027-V4(DsA2)、P028-V1(PITP)の単一タンパク質製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤またはネガティブコントロールとしてアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製されたマウス免疫血清(n=5、プールした)の表面結合。60の異なるP.アクネス株を試験し、Fitz-Gibbon(Fitz-Gibbonら 2013)によって開発された16Sリボタイプ分類スキームに従ってグループ分けした。細菌を、鉄キレート化剤デフェロキサミンの存在下において培養した。異なるP.アクネス株の培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。結合した抗体を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗マウスIgG(F’ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによる架橋後に、BD Accuri C6 plus機器において測定した。異なる免疫血清の株特異的MFI値をグループ分けし、P.アクネスのリボタイプ1、2、3、4、5、6、8、9、16、および532に対する棒グラフとして表した。リボタイプ4、5、8は、座瘡に関連しており、その一方で、リボタイプ2および6は、健康な皮膚上において支配的に見出され;リボタイプ1および3は、座瘡および健康な皮膚の両方において見出される(Fitz-Gibbonら 2013;McLaughlinら 2019)。 代表的遺伝子型からのP.アクネス(P.acnes)株の細胞表面への、抗原免疫付与によって作製されたマウス血清抗体の結合。P028-V1(PITP)、P022-V3(DsA1)、P027-V4(DsA2)、ならびにP022-V3+P027-V4(DsA1+DsA2)、P028-V1+P022-V3(PITP+DsA1)、P028-V1+P027-V4(PITP+DsA2)、P028-V1+P022-V3+P027-V4(PITP+DsA1+DsA2)の組み合わせのアルハイドロゲル(登録商標)製剤に対して作製されたマウス免疫血清(n=5,プールした)を、フローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析した。細菌を、鉄キレート化剤デフェロキサミンの存在下において培養した。異なるMLSTグループ(McDowellら 2012;Barnardら 2015)の遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、IC(PV66)、II(HL050PA2)、およびIII(Asn12)に属するP.アクネス株の培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。結合した抗体を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗マウスIgG(F’ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによる架橋後に、BD Accuri C6 plus機器において測定した。異なる株のMFIを血清ごとにまとめ、総MFIとして示した。 代表的遺伝子型からのP.アクネス(P.acnes)株の細胞表面への、DsA1およびその断片による免疫付与によって作製されたウサギ血清抗体の結合。P022(DsA1;平均 n=3)およびP022F1~P022F4断片の水中油エマルションに対して作製したウサギ免疫前および免疫血清を、フローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析し、NCTC737全細菌細胞によるワクチン摂取によって誘発した免疫血清と比較した(RWS)。異なるMLSTグループ (McDowellら 2012;Barnardら 2015):タイプIA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、II(HL050PA2)およびIII(Asn12)に属するP.アクネス株の細胞培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。抗体の結合を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗ウサギIgG(F’ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによる架橋後に、BD Accuri C6 plus機器において測定した。個々の抗原特異的免疫血清の結合の強度は、対応する免疫前血清によって得られるMFI値を引き算した後に得られる蛍光強度中央値(MFI)として表される。細菌株特異的反応性は、各免疫付与抗原に対して棒グラフにグループ分けされる。P.アクネス全細菌細胞に対して作製されたウサギ血清を、ポジティブコントロールとして使用し(RWS)、強いシグナル強度およびフローサイトメトリの検出限界のため、1:32,000に希釈した。 構造ドメインが示されているDsA1タンパク質の3Dモデリング。保存されたドメイン1~3(CSD1~3)を、推定上の構造的相同体であるS.アウレウス(S.aureus)細胞外マトリックス結合タンパク質ebhA(PDB ID 2DGJ)に基づく3つのヘリックスバンドルとしてモデル化した。CSD2は、1つのヘリックスを共有する2つのバンドルを含む。CSD1とCSD2の間ならびにCSD2とCSD3の間は、非構造化領域であるかまたは部分的に構造化された領域である。「スワップ領域」の程度を、大量のモデルの作製を使用し、10の最良を取って、ヘリックス対拡張されたループの保存を考慮して、近似した。したがって、スワップ領域を、CSDドメインを分離するための安全部位として使用した。ハイブリッド、詳細にはH4およびH5、を作製する場合、スワップ領域は、そこで相同体の間の「クロスオーバー」が生じる部位である。DsA1とDsA2との間の相同性の程度の高さに起因して、ギャップはわずかしか存在せず、構造は、極めて類似すると考えることができる。まだ、機能的および構造的に多少非依存性であるCSDドメインを個々のタンパク質から取り、それを相同体のCSDと組み合わせることは、最も安全な戦略であると考えられた。配列の間でのこれらの切り替わりを最も安全に位置することができる配列領域を、「スワップ領域」としてマークした。このように、異常な構造を作り出すリスクを最小化した。NSRおよびPTリピートは、当該構造からほとんど失われる。 焦点をドメイン接合部に合わせた、ソース配列P022(DsA1)およびP027(DsA2)に位置合わせしたハイブリッドH4の配列。DsA2 CSD2に接合するDsA1 CSD1、ならびにDsA1 CSD3に接合するDsA2 CSD2が、示されている。それぞれのスワップ領域SR1およびSR2(配列クロスオーバーをDsA1とDsA2との間に位置するために本質的に代替の好ましい部位)は、灰色にマークされる。 P022およびP027は相同体であるため、図7Aに対する文章は、ここでも完全に適用される。 PITPのENFDドメインは、ストレプトマイセス・マクロモマイセティカス(Streptomyces macromomyceticus)の色素タンパク質であるネオカルチノスタチンに基づいてモデル化されている。したがって、ネオカルチノスタチンは、エンジイン抗生物質に対する特異性を有する小分子結合タンパク質であり、当該タンパク質の役割は、送達までカーゴを安定化して解毒することである。配列および構造の分析は、ENFDとネオカルチノスタチン様タンパク質との間におけるかなりの類似性を示しているが、その相同体と比較して、ENFDにおける共有されるコアβシート構造(青色で示される)から延びるかなりの延長されたループ(緑色で示される)も示している。ネオカルチノスタチンおよび分解された構造の他の関連タンパク質に基づいて、リガンドおよびリガンド結合部位における共有された特徴を定義することができ、ならびに提示された図は、このモデル化されたENFD結合部位へのヘミン(赤色のスティック状モデル)のあり得るフィッティングを示している。ヘム鉄に配位するかなりの可能性を有する残基が、オレンジ色のスティック状モデルとして示されている。 PITPのHbDドメインは、中程度に近い相同体である、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)のHtaAヘム結合ドメインに基づいてモデル化されている。配列類似性全体は、平均のみだが、完全に保存されていない場合、ヘムは、非常に残基と接触し配位する。提示されるモデルは、ヘム(赤色)との複合体におけるタンパク質(青色)を示しており、選択された残基は、オレンジ色のスティック状モデルとして強調表示される。詳細には、ヘムの特異的およびアフィン結合(affine binding)に貢献する2つの他の残基と同様に、軸リガンドTyr254および密接に関連する(親和性貢献)His306が示される。 ELISAによって調査した異なる断片ならびにP022-V2(DsA1)およびP027-V3(DsA2)のハイブリッドによる免疫付与によって誘発された抗体の交差結合。P022-V2(DsA1)、P022(DsA1)断片F9-F13、P027-V3(DsA2)、P027(DsA2)断片P027F1、およびハイブリッド(H2-H5)のアルハイドロゲル(登録商標)製剤による免疫付与によって作製されたマウス免疫血清(n=10)の段階希釈を、全長P022-V2(DsA1)およびP027-V3(DsA2)タンパク質への結合の量を測定するために試験した。マキシソルブイムノプレートを、P022-V2(DsA1)およびP027-V3(DsA2)でコーティングし、次いで、BSAでブロックし、希釈した血清試料によってインキュベートして、TMBおよびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウス抗体を使用して検出した。450/620nmにおいてODを測定し、EC50値を、GraphPad Prism(登録商標)ソフトウェアおよび4パラメータシグモイドフィットを使用して計算した。EC50値は、異なる免疫付与抗原に対して棒グラフとして示される。 代表的遺伝子型からのP.アクネス(P.acnes)株の細胞表面への、抗原免疫付与によって作製されたマウス血清抗体の結合。P022-V2(DsA1)、P022(F9~F13)の断片、P027(DsA2)、P027(P027F1)の断片、P028(PITP)、ならびにハイブリッドコンストラクト(H2-H5)の単一タンパク質製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤に対して作製されたマウス免疫血清(n=5)を、フローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析した。細菌を、鉄キレート化剤デフェロキサミンの存在下において培養した。遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、IC(PV66)、II(HL050PA2)、およびIII(Asn12)の培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。抗体結合を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗マウスIgG(F’ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによる架橋後に、BD Accuri C6 plus機器によって測定した。個々の株特異的MFI値をグループ分けし、各免疫付与抗原に対して棒グラフとして表した。別々の実験において試験した、H5に対する血清のMFI値を、内部アッセイコントロールに関して表現し比較した。 P022-V3(DsA1)、P027-V4(DsA2)、およびH4-V1の安定性評価。200ngのタンパク質溶液を、SDS-PAGEにロードし、銀染色法によって可視化した。ゲルレーンを、実施された特定の安定性試験に従ってマークし:タンパク質試料に、3回の凍結/解凍サイクル(FT)を施し、-20℃(-20)、2~8℃(+4)、室温21~24℃(RT)、および37℃(+37)において7日間貯蔵し、SDS-PAGEによって、新たに再構成した試料(T0)と比較した。Page-Rulerタンパク質マーカを、隣接するゲルレーンにロードし(MW)、ならびにウシ血清アルブミンを、追加のコントロールとしてロードした(BSA標準)。 還元条件下および非還元条件下において製造および分析した異なるコンストラクトの比較。以下のタンパク質をSDS-PAGEにロードして銀染色法によって可視化した:P028-V1、P028-V1’(Biomayによって発現され、変性条件下において精製される)、P028-V1”(Biomayによって発現され、2~8℃において精製される)、P028-V7(C201S、C372S);H4-V1、H4-V1’(Biomayによって表現される)、H4-V2(C26S)、H4-V3(C26S、C292S、C249P)、Page-Rulerタンパク質マーカを、隣接するゲルレーンにロードした(MW)。 代表的遺伝子型からのP.アクネス(P.acnes)株の細胞表面への、抗原免疫付与によって作製されたマウス血清抗体の結合。P028-V1(PITP)、ハイブリッドH4-V1(H4-V1)の単一タンパク質製剤、ならびにP028-V1およびハイブリッドH4-V1(P028-V1+H4-V1)のタンパク質複合製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤に対して作製されたマウス免疫血清(n=5)を、フローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析し、アルハイドロゲル(登録商標)アジュバント(PBS)による免疫付与によって作製したネガティブコントロール血清と比較した。細菌を、鉄キレート化剤デフェロキサミンの存在下において培養した。遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、IC(PV66)、II(HL050PA2)、およびIII(Asn12)の培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。抗体結合を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗マウスIgG(F’ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによる架橋後に、BD Accuri C6 plus機器によって測定した。抗原特異的MFI値をまとめ、棒グラフとして表した。 異なるMLSTタイプからのP.アクネス株に対する抗原特異的マウス血清のオプソニン職採用傷害活性。P028(PITP)およびH4および両方の組み合わせの単一タンパク質アルハイドロゲル(登録商標)製剤ならびにネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製されたマウス免疫血清(n=5)。マウス免疫血清の段階希釈を、ヒト食細胞の存在下において、異なるP.アクネス株によってインキュベートした。生菌の50%超の減少をもたらす最も高い血清希釈として定義されるオプソニン職採用傷害力価(K50値)を、遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、II(HL050PA2)、およびIII(Asn12)のP.アクネス株に対して特定した。反応アリコートを、実験の開始時および終了時に血液寒天プレート上に播種した。K50値を、ネガティブコントロール血清のK50値に対してランク付けし:500から2,500の間のK50値をボーダーライン(+/-)と見なし、2,500超かつ最大25,000までの値をポジティブ(+)とマークし、25,000超かつ最大300,000までの値を非常にポジティブ(++)とマークし、300,000超の値を、極めてポジティブ(+++)とマークし;500未満または単独でのアジュバント免疫付与に匹敵するK50値を、ネガティブかつ検出限界未満(-)と見なした。 異なるMLSTタイプからのP.アクネス株に対する抗原特異的マウス血清のオプソニン職採用傷害活性。P028-V7(PITP)およびH4-V3および両方の組み合わせの単一タンパク質アルハイドロゲル(登録商標)製剤ならびにネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製されたマウス免疫血清(n=5)。マウス免疫血清の段階希釈を、ヒト食細胞の存在下において、異なるP.アクネス株によってインキュベートした。生菌の50%超の減少をもたらす最も高い血清希釈として定義されるオプソニン職採用傷害力価(K50値)を、遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、II(HL060PA1)、およびIII(Asn12)のP.アクネス株に対して特定した。反応アリコートを、実験の開始時および終了時に血液寒天プレート上に播種した。K50値を、ネガティブコントロール血清のK50値に対してランク付けし:500から2,500の間のK50値をボーダーライン(+/-)と見なし、2,500超かつ最大25,000までの値をポジティブ(+)とマークし、25,000超かつ最大300,000までの値を非常にポジティブ(++)とマークし、300,000超の値を、極めてポジティブ(+++)とマークし;500未満または単独でのアジュバント免疫付与に匹敵するK50値を、ネガティブかつ検出限界未満(-)と見なした。 P022(DsA1)、P027(DsA2)、およびハイブリッドコンストラクトH4のアラインメント:PROT-27(DsA2)から使用した配列部分には下線が引かれている。H4ハイブリッド分子内に含まれるP022およびP027の配列成分が、それぞれ図12Bおよび12Cに示されるように示されている(DsA1のアミノ酸付番に基づいて):S29からI48までのN末端スワッピング領域(「NSR」)(緑色);I49からL130までの第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)(黄色);G131からS147までの第1のスワッピング領域(「SR1」)(灰色);A148からL267までの第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)(黄色);A268からT277までの第2のスワッピング領域(「SR2」)(灰色);A278からK323までの第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)(黄色);P324からT361までのPro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)(赤色);およびS362からF405までの、多くの場合にC末端に近いLPXTGモチーフ(青色)を伴う、C末端領域(「CTR」)。使用される「スワップ部位」、すなわち、PROT-22(DsA1)およびPROT-27(DsA2)配列領域が切り替えられる位置(タンパク質クロスオーバーのように)は、タンパク質の構造要素、詳細にはαヘリックス、に干渉する可能性が最小のエリアであるスワップ領域内において選択した。スワップ領域の原理および位置も、図7に示される。 公開データベースのエントリに従って様々な株から選択された代表的DsA1配列の完全配列アラインメント。S29からI48までのN末端スワッピング領域(「NSR」)(緑色);I49からL130までの第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)(黄色);G131からS147までの第1のスワッピング領域(「SR1」)(灰色);A148からL267までの第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)(黄色);A268からT277までの第2のスワッピング領域(「SR2」)(灰色);A278からK323までの第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)(黄色);P324からT361までのPro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)(赤色);およびS362からF405までの、多くの場合にC末端に近いLPXTGモチーフ(青色)を伴う、C末端領域(「CTR」)。 図12B-1の続き。 図12B-2の続き。 図12B-3の続き。 図12B-4の続き。 図12B-5の続き。 図12B-6の続き。 図12B-7の続き。 図12B-8の続き。 図12B-9の続き。 図12B-10の続き。 図12B-11の続き。 様々な株から選択された代表的DsA2配列の完全配列アラインメント。A72からK92までのNSR(緑色);I93からL174までのCSD1(黄色);S175からS191までのSR1(灰色);A192からL311までのCSD2(黄色);A312からT321までのSR2(灰色);A322からE366までのCSD3(黄色);P367からT420までのPTリピート領域(赤色)、およびH421からA463までのCTR(青色)。 図12B-1の続き。 図12B-2の続き。 図12B-3の続き。 図12B-4の続き。 図12B-5の続き。 図12B-6の続き。 図12B-7の続き。 図12B-8の続き。 図12B-9の続き。 図12B-10の続き。 図12B-11の続き。 図12B-12の続き。 図12B-13の続き。 図12B-14の続き。 図12B-15の続き。 図12B-16の続き。 図12B-17の続き。 様々な株から選択された代表的PITP配列の完全配列アラインメント。M1からA31までのシグナルペプチド(「SP」)(青色);A32からR164までの拡張されたネオカルチノスタチンファミリドメイン(「ENFD」)(緑色);E165からK237までの第1のスワッピング領域(「SR1」)(灰色);V238からL396までのヘム結合ドメイン(「HbD」)(黄色)、S397からT430までのC末端LPXT(G)モチーフ(SR2)(灰色)を含む、第2のスワッピング領域(「SR2」);およびG431からI467までの疎水性C末端領域(「hLAR」)(赤色)。 図12D-1の続き。 図12D-2の続き。 図12D-3の続き。 図12D-4の続き。 図12D-5の続き。 図12D-6の続き。 図12D-7の続き。 図12D-8の続き。 P.アクネスに対するヒト抗体の表面結合の相関関係、および結果として得られる、遺伝子型IA1(NCTC737)のP.アクネス株に対するオプソニン職採用傷害(OPK)活性。ヒト血清試料を、フローサイトメトリベースの表面結合アッセイによってP.アクネス株に対するそれらの反応性について分析した。細菌を、鉄キレート化剤デフェロキサミンの存在下において培養し、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:50,000に希釈したヒト血清によってインキュベートした。結合した抗体を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗ヒトIg’F(ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによって表面結合抗体を架橋した後に、BD Accuri C6 plus機器において測定した。生菌の50%超の減少をもたらす最も高い血清希釈として定義されるオプソニン職採用傷害力価(K50値)を評価するために、同じ血清試料を使用した。HL60細胞を貪食細胞へと分化させ、標的細菌および段階希釈した血清試料によってインキュベートした。反応アリコートを、実験の開始時および終了時に血液寒天プレート上に播種した。各血清試料を、その表面結合蛍光強度中央値(MFI、y軸)およびそのオプソニン食作用活性力価(K50値、x軸)に対してプロットした。 グラフは、P.アクネス株IB(KPA171202)に対する、図13Aと同じ実験からのデータを示している。株IBに対して、ヒト血清を、表面結合アッセイにおいて1:25,000に希釈したが、それは、下限シグナル強度に起因する。 中程度から重症(IGA>2)の座瘡を有する個人の顔面皮膚において識別された炎症性座瘡病変(膿疱)から単離された材料において識別されたP.アクネスファイロタイプ。対象識別番号は、対象の識別番号の前にCR接頭語(研究識別)を伴って示される。試料から直接DNAを抽出し、SLST特異的プライマを使用してPCRを施し、公開されている方法および関連する公開データベースに従って、ファイロタイプを特定した(Scholzら 2014)。割り当てられた全てのアンプリコンリードが記されている。 炎症性座瘡病変(膿疱)と、中程度から重症の座瘡(IGA>2)を有する個人の皮膚細孔の上部とから単離された材料において識別されたP.アクネスファイロタイプの比較。2つの異なる位置での皮膚細孔を、各個人の顔上からサンプリングした(前頭および頬領域)。膿疱が識別されサンプリングされる同じ顔面皮膚領域から採取された皮膚細孔材料において識別されるSLSTファイロタイプが、座瘡病変において識別されたSLSTファイロタイプと比較して示されている。各試料において識別されるSLSTファイロタイプに対応するMLSTファイロタイプが、右側の隣接する棒グラフに示される。対象識別番号は、対象の識別番号の前にCR接頭語(研究識別)を伴って示される。皮膚細孔試料のDNA収量を増加させるため、材料を、酸素の不在下において+37℃で4日間、または酸素の存在下において室温で3日間、プレート上で増殖させた。当該プレートをインキュベーションの際に解体し、総試料からDNAを抽出し、SLST特異的プライマを使用してPCRを施し、公開されている方法および関連する公開データベースに従って、ファイロタイプを特定した(Scholzら 2014)。1000超のアンプリコンリードを有する株をこの一覧に示す。 中程度から重症の座瘡(IGA>2)を有する個人からの血清試料による、完全長タンパク質P022-V3(DsA1)、P027-V4(DsA2)、およびP028-V1(PITP)と比較した、ハイブリッドH4-V1(H4)抗原に対するヒト抗体のELISA検出。マキシソルブイムノプレートを、P022-V3(DsA1)およびP027-V4(DsA2)P028-V1(PITP)およびハイブリッドH4-V1でコーティングし、次いで、BSAでブロックし、段階希釈した血清試料によってインキュベートし、TMBおよびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒト抗体を使用して検出した。450/620nmにおいてODを測定し、各試料のIgG濃度を、ELISAアッセイ定量較正曲線に基づいてミリリットルあたりのマイクログラム(μg/ml)で表した。エラーバーは、SEMを表す。 P028-V1(PITP)、P022-V3(DsA1)、H4V1、P027-V4(Dsa2)、P071の単一タンパク質製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤またはネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製されたマウス免疫血清(n=5、プールした)の表面結合。タイプIA1、IC、およびIIの異なるP.アクネス株を試験した。細菌を、鉄キレート化剤デフェロキサミンの存在下において培養した。異なるP.アクネス株の培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。結合した抗体を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗マウスIgG(F’ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによる架橋後に、BD Accuri C6 plus機器において測定した。株特異的MFI値を一覧する。 DsA1と比較してよりDsA2表面アクセス可能なエピトープを発現するMLSTタイプIA1からのP.アクネス株に対する、マウス血清のMFI値に基づいた抗原の比較を示す図16Aからのデータのグラフ表示。異なる株のMFI値が、抗原血清ごとにまとめられており、総MFI(積み上げグラフ)として示されている。 DsA2と比較してよりDsA1表面アクセス可能なエピトープを発現するMLSTタイプIA1からのP.アクネス株に対する、マウス血清のMFI値に基づいた抗原の比較を示す図16Aからのデータのグラフ表示。異なる株のMFI値が、抗原血清ごとにまとめられており、総MFI(積み上げグラフ)として示されている。 DsA2と比較してよりDsA1表面アクセス可能なエピトープを発現するMLSTタイプICからのP.アクネス株に対する、マウス血清のMFI値に基づいた抗原の比較を示す図16Aからのデータのグラフ表示。異なる株のMFI値が、抗原血清ごとにまとめられており、総MFI(積み上げグラフ)として示されている。 DsA1と比較してよりDsA2表面アクセス可能なエピトープを発現するMLSTタイプIIからのP.アクネス株に対する、マウス血清のMFI値に基づいた抗原の比較を示す図16Aからのデータのグラフ表示。異なる株のMFI値が、抗原血清ごとにまとめられており、総MFI(積み上げグラフ)として示されている。 MLSTタイプIA1からのP.アクネス株に対する、マウス血清のMFI値に基づいた抗原の比較を示す図16Aからのデータのグラフ表示。異なる株のMFI値が、抗原血清ごとにまとめられており、総MFI(積み上げグラフ)として示されている。 P022(Dsa1)ドメインならびに設計され発現されたタンパク質の断片コンストラクトおよび派生体のスキームの図式可視化。スキームは、表1Aおよび1B配列情報およびUniprot参照タンパク質Q6A5X9に基づいて作製されている。M1からA28まで存在し得るシグナルペプチド(「SP」)領域;S29からI48までのN末端スワッピング領域(「NSR」);I49からL130までの第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」);G131からS147までの第1のスワッピング領域(「SR1」);A148からL267までの第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」);A268からT277までの第2のスワッピング領域(「SR2」);A278からK323までの第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」);P324からT361までのPro-Thrリピート含有領域(「PTリピート」);およびS362からF405までの、多くの場合にC末端に近いLPXTGモチーフを伴う、C末端領域(「CTR」)。グラフにおける全ての断片は、N末端6xHisタグを有する。派生体の場合、6xHisタグ位置は、黒色星印および六角形によるAviタグならびに六角形によるAviタグ位置によって示される。 P027(Dsa2)ドメインならびに設計され発現されたタンパク質の断片コンストラクトおよび派生体のスキームの図式可視化。スキームは、表1Aおよび1B配列情報およびUniprot参照タンパク質Q6A5P9に基づいて作製されている。M1からA71まで存在し得るシグナルペプチド(「SP」)領域;A72からK92までのNSR;I93からL174までのCSD1;S175からS191までのSR1;A192からL311までのCSD2;A312からT321までのSR2;A322からE366までのCSD3;P367からT420までのPTリピート領域、およびH421からA463までのCTR。6xHisタグ位置は、黒色星印および六角形によるAviタグによって示される。 それぞれ図17Aおよび17Bにおいて説明されるP022(Dsa1)およびP027(Dsa2)ドメインの図式可視化。P022およびP027タンパク質ドメインのハイブリッドが、Dsa1およびDsa2のドメインの組み合わせおよび重ね合わせによって可視化され、H4配列内のアミノ酸交換が、ハイブリッドの説明において示される。6xHisタグ位置は、黒色星印および六角形によるAviタグによって示される。配列情報は、表1Bに見出すことができる。 代表的遺伝子型からのP.アクネス(P.acnes)株の細胞表面への、抗原免疫付与によって作製されたマウス血清抗体の結合。P022-V2(DsA1)、P022(F4、F5、F7、F8、F9、F11-F14)の断片、P027-V3(DsA2)、P027(P027F1)の断片、ハイブリッドコンストラクト(H2-H5、H4-V1)の単一タンパク質製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤またはネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製されたマウス免疫血清(n=5)を、フローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析した。遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、IC(PV66)、II(HL050PA2)、およびIII(Asn12)の培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。抗体結合を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗マウスIgG(F’ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによる架橋後に、BD Accuri C6 plus機器によって測定した。個々の株特異的MFI値をグループ分けし、各免疫付与抗原に対して棒グラフとして表した。 P.アクネス株NCTC737(MLSTタイプIA1)に対してオプソニン職採用傷害アッセイにおいて特定されたDsA1およびDsA2断片ならびにハイブリッドに対して作製されたマウス免疫血清の比較。マウス免疫血清(n=5)を、P027-V3(Dsa2)、P022-V2(Dsa1)、P022断片(F4、F7、F8、F9、F14、F11)、P027断片(P027F1)、およびハイブリッドコンストラクト(H2-H5)の単一タンパク質アルハイドロゲル(登録商標)製剤に対して作製した。マウス免疫血清の段階希釈(1:10,000希釈において開始する)を、P.アクネス株NCTC737およびヒト食細胞によってインキュベートした。反応アリコートを、実験の開始時および終了時に血液寒天プレート上に播種した。各段階希釈において、アジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して誘発されたマウス血清の対応する希釈と比較した生存可能なP.アクネスコロニー形成単位(cfu)の減少のパーセンテージが、死滅のパーセンテージとして示される:%死滅(ctr)。 アジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して誘発されたマウス血清の同じ希釈と比較した、それぞれの各段階血清希釈でのオプソニン職採用傷害のパーセンテージに基づく抗原の比較を示す図16Bからのデータのグラフ表示。DsA1断片F4は、いかなる希釈においても職採用傷害を誘発せず、その値は、X軸に沿って整列する。 ポリクローナルマウス血清プールの半定量表面プラズモン共鳴(Biacore)分析。固定されたP022-V4、P027-V5、およびH4-V4に対する、P022-V2(DsA1)、P022(F4、F5、F7、F8、F9、F11-14)の断片、P027-V3(DsA2)、P027(P027F1)の断片、ハイブリッドコンストラクト(H2-H5、H4-V1)のアルハイドロゲル(登録商標)製剤またはネガティブコントロールとしてのアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製された抗体の結合シグナルが示される。試料注入の終了時に連続フローセルにおいて個別に固定されたタンパク質に対する希釈された血清試料の結合が、反応単位(RU)において表されている。高い値は、タンパク質特異的抗体のより高い濃度を示している。結合シグナルは、細胞表面に固定された抗原に結合した抗体の量と相関する。より大きい質量(抗体)は、より高い反応単位(RU)においてチップ表面上に結合する。 ポリクローナルマウス血清プールの定性表面プラズモン共鳴(Biacore)分析。P022-V2(DsA1)、P022(F4、F5、F7、F8、F9、F11-14)の断片、P027-V3(DsA2)、P027(P027F1)の断片、ハイブリッドコンストラクト(H2-H5、H4-V1)の単一タンパク質製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤またはネガティブコントロールとしてのアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製された抗体の、固定されたP022-V4、P027-V5、およびH4-V4に対する結合特性を調べた。連続フローセルに個別に固定されたタンパク質に対する試料注入の終了後300秒間で評価した相対的解離速度分析が示されている。低い値(1/秒)は、遅い解離速度(高い親和性)を示しており;より高い値は、チップ表面上に固定されたタンパク質からの速い解離(低い親和性)を示している。 P028(PIPT)ドメインならびに設計され発現されたP028-V7断片コンストラクトのスキームの図式可視化。表は、表1C配列情報およびUniprot比較配列Q6A9N1に基づいて作製されている。M1からA31までのシグナルペプチド;A32からR164までのENFD;E165からK237までのSR1;V238からL396までのHbD;S397からT430までのSR2(C末端LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、LPXTを含むがGは含まない))、およびG431からI467までのhLAR。全ての断片は、6xHis-タグ(C末端のF1およびF2、N末端の他の全ての断片)を有し、ならびにP028-V7特異的システインアミノ酸交換(C201S;C372S)を保持する。 P028-V7(PIPT)ならびに設計され発現されたH4ハイブリッドコンストラクトの図式可視化。タンパク質断片の溶解性を増加させるため、および140aaより短いP028タンパク質断片の発現を可能にするために、短いPTリピートリンカ領域の後で、P028-V7断片をH4-V3のC末端に融合させた。当該スキームは、表1C配列情報に基づいて作製されている。ハイブリッドの全ては、N末端6xHisタグを有し、ならびにP028-V7特異的システインアミノ酸交換(C201S;C372S)を保持する。 P028(PIPT)ドメインおよび設計されたP028-V7アミノ酸交換コンストラクトおよび発現されたそれらのいくつか(M1およびM7)の図式可視化。表は、表1A配列情報に基づいて作製されている。 代表的遺伝子型からのP.アクネス(P.acnes)株の細胞表面への、抗原免疫付与によって作製されたマウス血清抗体の結合。P028(PITP)、P028(P028-V1、P028-V2、P028-V7)の派生体、P028-V7(F1、F2、F7、F16、F18-F20)の断片の単一タンパク質製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤およびネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製されたマウス免疫血清(n=5~10)を、フローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析した。遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、IC(PV66)、II(HL060PA1)、およびIII(Asn12)の培養物を、2%BSAを含むHBSS緩衝液に再懸濁させ、1:1000希釈した免疫血清によってインキュベートした。抗体結合を、Alexa Fluor 488標識ヤギ抗マウスIgG(F’ab’)2断片によって検出した。蛍光強度中央値(MFI)を、2%PFAによる架橋後に、BD Accuri C6 plus機器によって測定した。個々の株特異的MFI値をグループ分けし、各免疫付与抗原に対して棒グラフとして表した。 MLSTタイプのタイプIB(KPA171202)およびIII(Asn12)からのP.アクネス株に対する、マウス血清のMFI値に基づいた抗原の比較を示す図16Aからのデータのグラフ表示。異なる株のMFI値が、抗原血清ごとにまとめられ、総MFI(積み上げグラフ)として示されている。 代表的遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IC(PV66)、およびII(HL60PA1)からのP.アクネス(P.acnes)株の細胞表面に対する抗原免疫付与によって作製されたマウス血清抗体の結合。P028-V7、H4-V3、その融合コンストラクト(C12、C13)、およびP028アミノ酸交換派生体(M1、M7)の単一タンパク質製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤ならびにネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製されたマウス免疫血清(n=5~10)を、図21Aにおいて説明されるようにフローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析した。個々の株特異的MFI値をグループ分けし、各免疫付与抗原に対して棒グラフとして表した。 遺伝子型IB(KPA171202)およびIII(Asn12)からのP.アクネス(P.acnes)株の細胞表面に対する抗原免疫付与によって作製されたマウス血清抗体の結合。P028-V7、H4-V3、その融合コンストラクト(C12、C13)、およびP028派生体(M1、M7)の単一タンパク質製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤ならびにネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製されたマウス免疫血清(n=5~10)を、図21Aにおいて説明されるようにフローサイトメトリベースの細菌表面結合アッセイにおいて分析した。個々の株特異的MFI値をグループ分けし、各免疫付与抗原に対して棒グラフとして表した。 異なるMLSTタイプからのP.アクネス株に対する抗原特異的マウス血清のオプソニン職採用傷害活性。P028-V7(PITP)、P028の派生体(M1、M7)、P028-V7(F1、F2、F7、F16、F18-F20)の断片、H4-V3との融合コンストラクト(C12、C13)の単一タンパク質製剤の単一タンパク質アルハイドロゲル(登録商標)製剤ならびにネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製されたマウス免疫血清プール(n=5)を試験し、ネガティブアッセイコントロールと比較した。マウス免疫血清の段階希釈を、ヒト食細胞の存在下において、異なるP.アクネス株によってインキュベートした。生菌の50%超の減少をもたらす最も高い血清希釈として定義されるオプソニン職採用傷害力価(K50値)を、遺伝子型IA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、IC(PV66)、II(HL060PA1)、およびIII(Asn12)のP.アクネス株に対して特定した。反応アリコートを、実験の開始時および終了時に血液寒天プレート上に播種した。K50値を、ネガティブコントロール血清のK50値に対してランク付けし:500から2,500の間のK50値をボーダーライン(+/-)と見なし、2,500超かつ最大25,000までの値をポジティブ(+)とマークし、25,000超かつ最大300,000までの値を非常にポジティブ(++)とマークし、300,000超の値を、極めてポジティブ(+++)とマークし;500未満または単独でのアジュバント免疫付与に匹敵するK50値を、ネガティブかつ検出限界未満(-)と見なした。 6つの代表的MLSTタイプIA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IB(KPA171202)、IC(PV66)、II(HL060PA1)、およびIII(Asn12)からのP.アクネス株に対する、マウス血清のK50力価値に基づいた抗原の比較を示す図22Aからのデータのグラフ表示。異なる株のK50力価が、抗原血清ごとにまとめられ、総K50力価(積み上げグラフ)として示されている。 MLSTタイプIA1(NCTC737)、IA2(P.acn31)、IC(PV66)、およびII(HL60PA1)からのP.アクネス株に対する、マウス血清のK50力価値に基づいた抗原(P028断片およびP028-V7)の比較を示す図22Aからのデータのグラフ表示。異なる株のK50力価が、抗原血清ごとにまとめられ、総K50力価(積み上げグラフ)として示されている。 MLSTタイプIB(KPA171202)およびIII(Asn12)からのP.アクネス株に対する、マウス血清のK50力価値に基づいた抗原(P028断片およびP028-V7)の比較を示す図22Aからのデータのグラフ表示。異なる株のK50力価が、抗原血清ごとにまとめられ、総K50力価(積み上げグラフ)として示されている。 それぞれの免疫付与抗原に対してELISAにおいて評価される異なる抗原に対して作製された5つのマウス血清から得られる中央値EC50値のグラフ表示。4回の免疫付与の後の抗体EC50力価を特定するために免疫付与において使用したそれぞれのタンパク質抗原(免疫原)への結合の量を測定するため、P028-V7(PITP)、P028-V7(F1、F2、F7、F16、F18-F20)の断片、P028-V7の派生体(M1、M7)、およびH4-V3との融合コンストラクト(C12、C13)のアルハイドロゲル(登録商標)製剤ならびにネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)による免疫付与によって作製されたマウス免疫血清(n=10)の段階希釈を試験した。エラーバーは、研究群内のEC50値の変動性を示している。 P028-V7(PITP)に対してELISAにおいて評価される異なる抗原に対して作製された5つのプールされた動物血清から得られるEC50値のグラフ表示。タンパク質P028-V7(PITP)、P028-V7(F1、F2、F7、F16、F18-F20)の断片、P028-V7の派生体(M1、M7)、およびH4-V3との融合コンストラクト(C12、C13)による免疫付与によって誘発される血清抗体を、ELISAによって調べた。4回の免疫付与ラウンドの後の抗体EC50力価を特定するためにP028-V7(PITP)への結合の量を測定するため、P028-V7(PITP)、P028-V7(F1、F2、F7、F16、F18-F20)の断片、P028-V7の派生体(M1、M7)、および、H4-V3との融合コンストラクト(C12、C13)のアルハイドロゲル(登録商標)製剤ならびにネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)による免疫付与によって作製されたマウス免疫血清プール(n=10)の段階希釈を試験した。免疫されたマウスの免疫前血清の場合、反応性がないかまたは低いため、EC50値を特定することはできなかった。 比較において示される、図23Aおよび23Bにおいて説明したように試験した血清試料のEC50値。タンパク質P028-V7(PITP)、P028-V7(F1、F2、F7、F16、F18-F20)の断片、P028-V7の派生体(M1、M7)、およびH4-V3との融合コンストラクト(C12、C13)による免疫付与によって誘発された血清抗体を、ELISAによって調べた。4回の免疫付与ラウンドの後の抗体EC50力価を特定するため、P028-V7またはそれぞれのタンパク質抗原(免疫原)への結合の量を測定するために、P028-V7(PITP)、P028-V7(F1、F2、F7、F16、F18-F20)の断片、P028-V7の派生体(M1、M7)、およびH4-V3との融合コンストラクト(C12、C13)のアルハイドロゲル(登録商標)製剤ならびにネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)による免疫付与によって作製されたマウス免疫血清プール(抗原P028-V7をコーティングする場合はn=10)の段階希釈またはマウス免疫血清(自己抗原コーティングに対してn=10)の手段を試験した。アジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)ネガティブコントロールの指標は、自己抗原測定に対して適用可能ではなく(n/a)、と言うのも、各抗原に対して、別々の値が割り当てられるからである。異なる免疫付与抗原におけるPBSコントロールに対するEC50力価は、反応性が検出レベル未満であるため、割り当てることができない。 毛包の保護における予想されるワクチンの作用機序のモデル。ワクチン接種は、P.アクネス特異的抗体の量および品質を高めることが予想され、それらは両方とも、局所的に分泌され、毛細血管から毛包内へと拡散する。機能的活性(免疫関連(immunorelevant))抗体のレベルの増加は、局所的免疫防御を強化することができ、ならびに増加する増殖および病原性を打ち消すことにおいてそれらをより効率的にすることができる。P.アクネスが、皮膚の生得の免疫防衛による細菌増殖のホメオスタティックコントロールに抵抗することができるかまたは耐えることができる場合、感染症を止め、排除し、ならびに周囲の皮膚組織への広がりを防ぐのを支援するために、好中球が周囲の毛細血管からさらに増員される。この場合、免疫関連抗体のレベルの増加は、より可視的な臨床症状が皮膚表面に見られる前に、好中球の死滅効率も増加させ、炎症の解決をもたらす。その上、既存の病変の場合、高品質の抗体のレベルの増加は、回復を促進するのに役立ち得る。 免疫細胞機能および炎症反応の過程におけるターンオーバーの調節の改善におけるP.アクネスワクチンの追加の恩恵のモデル。増加する炎症反応も、皮膚免疫防御に関与し、アポトーシスまたはネクローシスのプロセスによって死に得るヒト細胞の細胞内の内容物の非制御放出によって可能となる。P.アクネスが、皮膚の生得の免疫防衛による細菌増殖のホメオスタティックコントロールに抵抗することができるかまたは耐えることができる場合、P.アクネスの活性増加のみに起因するのではなく、壊死性食細胞からの内容物の非制御放出によって生じる追加の負荷にも起因して、炎症は持続する。それとは対照的に、十分なレベルのオプソニン化抗体が存在する場合、食細胞は、細菌をより効率的に捕捉し消化することができ、ならびに感染部位を去るかまたはアポトーシスによって死ぬが、それは、生理学的条件下において生じるしっかりと調節されたプロセスである。
7 実施例
前述の説明は、後述の実施例を参照することにより、より完全に理解されるであろう。ただし、そのような実施例は、本発明の1つまたは複数の実施形態を実践する方法の単なる例示であり、本発明の範囲の限定として読まれるべきではない。
P.アクネスワクチン抗原評価
選択されたタンパク質の組換え発現
多量のP.アクネスタンパク質を発現させ、それを、表1(AおよびB)に示されるように、対応する遺伝子のプラスミド媒介性過剰発現において大腸菌(E.coli)株BL21(DE3)を使用して精製した。Hisタグを含むタンパク質を、Ni-NTAカラムによって精製し、Hisタグを有さないタンパク質は、連続イオン交換およびサイズ排除カラムによって精製した。タンパク質は、PBSまたは同様の緩衝系に可溶であり、-80℃で凍結乾燥製造物として貯蔵した。発現されたタンパク質は、CoAにより、>90%の純度を有し、動物免疫付与のために使用した。
異なるコンストラクトを設計するために使用される配列および元の株の配列のまとめが、表1に提示される。必要であれば、発現の目的のために、いくつかのタンパク質配列を、疎水性アミノ酸の短いストレッチを除去することによって、または単点突然変異によって最適化し;詳細を表1に示す。
ワクチン製剤および脱離
タンパク質を、4℃で一晩インキュベートすることにより、100μg/mlの濃度にてアルハイドロゲル(InvivoGen、vac-alu-250)において製剤化した。
製剤化されたタンパク質の脱離のために、製剤を、4000rpmで5分間遠心分離処理し、上澄みを後続の分析のために維持した。ペレットを、1%zwittergent3-14(Sigma-Aldrich、T7763)を含む0.5Mリン酸ナトリウム緩衝液(Sigma、S3264)に再懸濁させ、室温で30分間インキュベートした。インキュベーション後、10mMのDTT(Sigma-Aldrich、646563)を含む2倍のLaemmli緩衝液を加え、試料を99℃で10分間インキュベートした。室温まで冷却した後、750mMのヨードアセトアミド(Sigma-Aldrich、I6125)を加え、試料を、穏やかにアジテーションしながら4℃で一晩インキュベートした。翌日、試料を、4000rpmで5分間遠心分離処理し、上澄みを、脱離したフラクションとして収集した。
動物の免疫付与
マウス(BALB/C)を、アジュバントとの組み合わせにおいて、それぞれのタンパク質によって3か月以内に5回免疫付与した。マウスを、用量あたり10μgのアルハイドロゲル(登録商標)結合抗原によって免疫付与し、2つ以上の抗原の組み合わせ物の場合には、抗原あたり10μgを使用した。ウサギを、用量あたり50μgの水中油アジュバントタンパク質によって4回免疫付与した。
免疫付与の際の抗体レベルの増加を、抗原特異的抗体の量を定量化するためにELISAを使用してモニターした。
特異的P.アクネス抗原に対して作製された抗体の定量検出のために、この総抗原特異的IgG ELISAを使用する。96ウェルマイクロタイタープレート(Nunc-Immuno、マキシソルブ)を、70μlの関心対象の組換えタンパク質(コーティングタンパク質に応じて、PBS中0.5~2μg/mlの濃度)によって、4℃で18±2時間かけてコーティングした。各プレートを洗浄緩衝液(0.1%Tween-20を補ったPBS)で洗浄した後、100μlのブロッキング緩衝液(2%BSAおよび0.1%Tween-20を伴うPBS)を加え、非特異的結合を防ぐためにオービタルシェーカにおいて最低30分間インキュベートした。抗原特異的抗体力価の特定のために、熱不活性化(56℃で45分)ウサギまたはマウス血清の5倍希釈シリーズ50μlを当該コーティングされブロックされたプレートに適用し、オービタルシェーカにおいて1時間インキュベートした。次いで、当該一次抗体溶液を除去し、その後に洗浄工程を行い、その後に50μlの1/20,000希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)連結二次抗体(ペルオキシダーゼAffiniPureヤギ抗ウサギIgG、Fc断片特異的、Jackson Immuno Research;ペルオキシダーゼAffiniPureヤギ抗マウスIgG、Fc断片特異的、Jackson Immuno Research)を用いたインキュベーションを行った。プレートを洗浄した後、10分間のインキュベーションのために100μlのテトラメチルベンジジン基質(TMB、Thermo Fisher)を加えることによって、HRP活性を検出し、青い色(Amax=370nmおよび652nm)を得て、それは、50μlの3Nの硫酸(Sigma)停止溶液を加えることで黄色(Amax=450nm)に変わる。反応を、マイクロタイタープレート光度計(Tecan Sunrise)を使用して定量化した。バックグラウンド値は、一次抗体を欠く反応を読むことによって特定した。各試験試料のIgGの量を、デュプリケートにおいて希釈シリーズによって測定し、ならびにGraphPadソフトウェアを使用することによるこれらの測定値のS字状曲線フィッティングから、EC50値を計算した。
P.アクネスワクチン抗原候補によるマウスおよびウサギの免疫付与は、ELISAによって特定した最終力価(end-titer)またはEC50値において、抗原特異的抗体の量の実質的な増加をもたらした。
全ての抗原は、免疫原性を実証し、ならびに、タンパク質抗原(PBS)の不在下でのアジュバントによる免疫付与と比較して少なくとも10倍高いEC50力価においてELISAにて検出可能な抗原特異的抗体を誘発するそれらの能力によって証明されるように、本発明に従ってマウス免疫研究において抗原特異的免疫反応を誘発することができ、さらに、対応する免疫前血清試料と比較して10倍を超えて増加した(図2)。
細菌株および増殖条件
合計110のP.アクネス分離株を、様々な商業的および学術的供給元から得るか、またはOrigimmの臨床調査研究の過程においてヒトから単離した(表2を参照されたい)。当該株を、この研究において相対的に分析し、同じ条件下において取り扱い、増殖させた。全ての株を、ラピッドタイピングのためのマルチプレックスタッチダウンPCRによって6つのファイロタイプIA1、IA2、IB、IC、II、およびIIIにカテゴライズするか(Barnardら 2015)、またはFitz-Gibbonら, 2013のスキームに従って特異的リボタイプへと分類した(Fitz-Gibbonら 2013)。特に明記されない限り、全ての株は、Gas PakTM EZ Anaerobic Container systemシステム(BD)を使用して嫌気的に37℃でインキュベートした。実験での使用のために、それぞれの分離株を、-80℃のストックから、Hemin and Vit K(BD(商標), Cat. Nr. 25509)によってブルセラ血液寒天プレート上に画線播種(streak)し、3~5日間インキュベートして、最大14日間、2~8℃で維持した。液体培養のために、当該プレートからの細菌コロニーを、チオグリコレートブロス(BD(商標), Cat. Nr. 221788)に再懸濁させ、適切な光学濃度までインキュベートして、個々の実験のための接種物として使用した。鉄飢餓状態を模倣するために、予備培養物を0.1のOD600まで希釈し、デフェロキサミンメシレート(DMF、Sigma)を500μMの最終濃度において補い、次いで、標準的P.アクネス増殖条件下において15~20時間のインキュベーションを行った。
本データは、鉄限定条件下において、PITP発現は著しく増加し、その一方で、全ての他の表面タンパク質の発現は、同じ条件下において変わらないままであり、ならびに別のHta様鉄結合タンパク質および提示された免疫学的に関連するP.アクネス表面抗原P071(PA-4687;Lodes、2006)の発現は、いくつかの株においてわずかに増加するみであることを実証した(図3)。当該鉄限定条件は、研究される任意の他の抗原の発現パターンを変化させないため、当該鉄限定条件は、同じ鉄枯渇条件下において細胞表面上の鉄結合タンパク質を捕捉するために、後続の表面結合アッセイにおいて適用された。
P.アクネス表面結合
中間指数関数的(Mid-exponential)P.アクネス増殖培養物を、4分間の1000xgでの遠心分離処理によってペレット化し、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA、H2B)を補った氷冷Hanks緩衝液(HBSS、Gibco)で2回洗浄した。4×10細胞/mlの細胞密度を得るために、ブロッキング剤(2%のBSA)の存在下において、最終的なペレットをHBSSに再懸濁させた。細菌(ウェルあたり2×10cfu)を、HBSS/2%のBSAにおける1/1000の最終希釈において、熱不活性化(56℃で45分)マウスまたはウサギ血清よって、30分間インキュベートした。初期インキュベーションは、96ウェルマイクロタイタープレートにおいて100μlの量で実施した。1000xgでの遠心分離後、細菌ペレットをHBSS/0.5%BSAで洗浄し、HBSS/0.5%BSAにおいて1/500に希釈した、検出抗体を含む100μlのHBSS/0.5%BSAに再懸濁させ(それぞれ、マウスまたはウサギからの一次抗体に応じて;Alexa Fluor 48のF(ab’)2-ヤギ抗マウスIgG(H+L)交差吸着された二次抗体、ThermoFisher、Cat.Nr.A11017;ヤギ抗ウサギIgGのAlexa Fluor 48のF(ab’)2断片、ThermoFisher、Cat.Nr.A11070)、当該細胞を用いて30分間インキュベートした。その後、HBSSにおいて1/500希釈した50μlのSyto60(ThermoFisher、Cat.Nr.S11342)を当該反応物に加え、続いて、細菌細胞の可視化を支援しフローサイトメトリ分析を促進するために、15分間のインキュベーションを行った。分析の前に、細菌を遠心分離し、HBSSにおいて洗浄し、2%パラホルムアルデヒド(PFA、AlfaAesar)において10分間インキュベートした。2%PFAを遠心分離処理によって除去し、固定された細菌をHBSSに再懸濁させた。P.アクネスの表面に結合した抗P.アクネス抗体の量に相関する蛍光強度を、BD Accuri C6および96ウェルプレートローダを備えるフローサイトメトリを使用して測定した。FLOWJO(登録商標)ソフトウェアを使用してデータ分析を実施し、検出抗体の中央値蛍光強度を計算した。
それぞれの抗原による免疫付与後に誘発される全ての血清を、表面結合アッセイを使用して試験した。全ての抗原は、ELISAにおいて実証されるように、マウス研究において抗原特異的抗体を誘発したが(図2)、これらの抗原の多くは、遺伝子学的に異なるP.アクネス株の表面に結合することができる抗体を誘発しなかった。興味深いことに、P022(DsA1)、P027(DsA2)、およびP028(PITP)によって誘発された抗体のみが一貫して、異なるP.アクネスファイロタイプからの株のP.アクネス細胞表面に結合した。これは驚くべきことであり、重要な毒性因子である免疫原性であることも示唆され、および細胞表面に露出されおよび/または分泌される、他の先行技術のタンパク質とは対照的である(図1A;P002、P005、P035、P042、P046、P068、P069、P070、P071)。実際に、これらの先行技術の抗原のいずれも、6つ全てのMLSTファイロタイプの代表的な株において本フローサイトメトリベースの表面結合アッセイによって検出されなかったか、または抗体の表面結合は、非常に低かった(図1A)。生きたP.アクネスの細胞表面上でのP022(DsA1)およびP027(DsA2)の発現およびアクセシビリティは、ファイロタイプIA1だけでなくファイロタイプIA2、II、およびICにおいても、その細胞表面において顕著であった(図1A)。PITPは、P022(DsA1)およびP027(DsA2)に対してネガティブであるタイプIBおよびIII(図1A)も含めて、6つ全てのMLSTファイロタイプの表面上に可変の量において検出された。
P022-V3(DsA1)、P027-V4(DsA2)、およびP028-V1(PITP)による免疫付与後に誘発される血清を、試験した60の異なる株に対して表面結合性をさらに試験し、16Sリボタイプ分類スキームに従ってグループ分けした(図4)。本発明によって得られるデータは、選択されたワクチン候補の表面アクセシビリティは、一般的には座瘡傾向の皮膚(RT2およびRT6)からは単離されないリボタイプに関して著しく低く、ならびに座瘡病因(RT4、RT5、RT8)に関係しているこれらの株においてより高い傾向にあるが;しかしながら、同じリボタイプに分類される株に関して完全に異なる表面発現パターンが検出されるという例外が、本発明の過程において検出された。例えば、P022(DsA1)、P027(DsA2)、およびP028(PITP)による免疫付与によって誘発される抗体の表面結合分析において、図4において番号45、79、および87がマークされた株は、RT1に分類された先行技術によるものであり、ならびに株29および80は両方ともRT5に分類されるが(表2)、これらのP.アクネス株の表面において3つの病原性因子の著しく異なる発現を示す(図4)。表面抗原の発現および検出におけるばらつきも、RT2に分類された株において知られており:すなわち、DsA1、DsA2、およびP028に対して作製された抗体は、認識されており、株100および105と比較して、株102においてこれら3つの病原性因子により強く結合した。
オプソニン職採用傷害(OPK)アッセイ
ヒト前骨髄球白血病細胞系(ECACC)であるHL60を、10%熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS、Gibco)を補ったRPMI培地1640 1×+Glutamax(Gibco)において維持した。細胞を増殖させ、0,8%ジメチルホルムアミド(DMF、Sigma)を補った増殖培地において、3日かけて貪食細胞に分化させた。OPKアッセイのために、P.アクネス液体培養を中間対数増殖期へと増殖させ、細菌細胞をHBSS/0.5%BSAにおいて2回洗浄し、HBSS/2%BSAにおいて約1.5×10細胞/mlまで希釈した。次いで、当該細菌を、6.6×10細胞/mlのDMF分化HL-60細胞を用いて、RPMI1640+10%FCS+20mMグルコースにて1:400のMOIにおいて、37℃で少なくとも24時間以上、5%CO2の存在下において、気体許容密封ホイル(Aera seal)で覆ったマイクロタイタープレートにてインキュベートした。アッセイ反応物をデュプリケートにおいて調製した。熱不活性化血清試料の段階希釈を、生きたP.アクネスを用いて、食細胞の存在下においてインキュベートした。複数の反応アリコートを、食菌作用前(T=0)および貪食細胞によるインキュベーションの終了時に播種した。インキュベーション後、反応物の1:64、1:32、または1:16希釈(細菌株に応じて)の100μlを、ヘミンおよびビタミンKを補ったブルセラ血液寒天プレート上に播種した。最低70時間の37℃での当該プレートの嫌気性インキュベーションの後、プレート上のコロニーを、Colony Counter(AES Laboratories)によってカウントした。cfu/反応値の中央値を各反応から得て、OPK活性のパーセンテージを以下のように計算した:貪食細胞を用いたインキュベーション後のcfuの数を、対応するネガティブコントロール(血清以外の全てのアッセイ成分を含む反応物および/または対応する免疫前血清を含む反応物)のcfuと比較し、下記の式において使用した:100-100×(CFU免疫/CFUコントロール)。ヒトまたは抗P.アクネス抗体を含有する抗原特異的過免疫血清のオプソニン職採用傷害活性を、K50力価として表した:すなわち、この力価は、ネガティブコントロール(抗体を加えない反応または同じ希釈で試験した対応する免疫前血清)との比較において生存可能な細菌数(コロニー形成単位、cfu)の50%超の減少を示す最も高い血清希釈に対応する。結果として得られるK50力価は、評価されたタンパク質抗原に対して作製された血清のOPK活性の直接的尺度である。これは、免疫付与において細菌性抗P.アクネス抗体の生成を誘発する抗原の効力、またはヒト免疫系との相互作用の結果としてP.アクネスによって発現された天然タンパク質抗原に対してヒト宿主において生成された抗体の効力の明確な指標である。
抗原による免疫付与後に誘発された全ての血清を、OPKアッセイを使用して試験した。P022(DsA1)、P027(DsA2)、およびP028(PITP)(図1A)による免疫付与によって誘発された抗体の表面結合の有意性は、OPKアッセイにおいて確認することができ、それは、抗原P022(DsA1)、P027(DsA2)、およびP028(PITP)による免疫付与によって誘発される抗体のみがP.アクネスのかなりのオプソニン職採用傷害を誘発することができるが、その一方で、他の先行技術の抗原を使用した免疫付与によって誘発される抗体は明確に劣っている(図1B、1C、および1D)ことを実証する。P022(DsA1)およびP027(DsA2)による免疫付与によって誘発される抗体は、MLSTファイロタイプIA1、IA2、IC、およびIIに対するオプソニン職採用傷害を誘発したが、P028(PITP)による免疫付与によって誘発される抗体は、さらに、MLSTファイロタイプIBおよび程度は低いがファイロタイプIIIの細菌株のオプソニン職採用傷害を誘発することもできた(図1B、1C、および1D)。
抗原DsA1、DsA2、およびPITPの組み合わせ
動物を、実施例1において説明したように「動物の免疫付与」の方法に従って、抗原P022(DsA1)、P027(DsA2)、またはP028(PITP)のみを含むワクチンによって、ならびにこれらの抗原の組み合わせ物を含むワクチンによって免疫付与した。この免疫付与によって作製された抗体を、表面結合アッセイにおいて試験した(実施例1において説明したように)。
表面結合アッセイにおいて本発明のために実施される研究は、最良の交差反応ワクチン/交差タイプ反応ワクチン効果は、抗原P028(PITP)、P022(DsA1)、およびP027(DsA2)を組み合わせることによって得ることができることを示した(図5)。
DsA1およびDsA2の断片の分析
DsA1およびDsA2の断片の分析
いくつかのP022(DsA1)およびP027(DsA2)の断片ならびにP022およびP027のハイブリッド分子を作製し(表1B、図17A、図17B、図17C)、実施例1において説明されるように、動物の免疫付与(ウサギおよびマウス)のために使用した。
P022(DsA1)の完全配列を一緒に含む、タンパク質P022(DsA1)の4つの重なる断片P022F1からP022F4による免疫付与は、抗体を誘発し、当該抗体は、完全長のタンパク質による免疫付与の後に誘発された抗体と比較した場合により弱い活性(図6)を有した。
主に、P022(DsA1)のC末端(F4、F12、およびF13)およびN末端(F10)を表す断片による免疫付与は、完全長タンパク質による免疫付与によって誘発された抗体と比較してはるかに低い表面結合能力を有する抗体を誘発した(F4に対して図6、F10、F12、およびF13に対して図9、図18A)。
P022(DsA1)(F11)およびP027(DsA2)(P027-F1)のより中央部分を表す断片による免疫付与は、完全長タンパク質による免疫付与によって誘発された抗体に匹敵する表面結合性を有する抗体を誘発した(図9、図18A)。これも、OPKアッセイおよびBiacore分析において確認することができた(図18B、18C、19A、19B)。とりわけ、主にC末端およびPTリピートを含むP022F4は、表面結合または機能的活性(OPK)の誘発のいずれかに貢献しない。
表面プラズモン共鳴(SPR/Biacore分析)によるワクチン誘発ABの半定量的および定性的(親和性)キャラクタリゼーション
P022-V4をFc2上に固定し、P027-V5をFc3上に固定し、H4-V4をFc4上に固定し、ならびに、Fc1にはタンパク質を固定せず、基準フローセルとして使用した。4つ全てのフローセルを、固定化手順の後に、遊離ビチオン(free Biotin)によってブロックした。血清試料の測定の際、チップ性能およびタンパク質の完全性を制御するために、3つ全てのタンパク質に対して特異的であるマウスモノクローナル抗体を一定の間隔で注入した。P022-V2(DsA1)、P022(F4、F5、F7、F8、F9、F11-14)の断片、P027-V3(DsA2)、P027(P027F1)の断片、ハイブリッドコンストラクト(H2-H5、H4-V1)の単一タンパク質製剤のアルハイドロゲル(登録商標)製剤ならびにネガティブコントロールとしてのアジュバントアルハイドロゲル(登録商標)(PBS)に対して作製された抗体の結合レベルをキャラクタリゼーションするために、2つのパラメータを評価した:すなわち、第1に、タンパク質特異的抗体の濃度に対する半定量的尺度である反応単位(RU)において与えられた注入の終了時(会合フェーズの終了時)での結合、および、第2に、解離フェーズの際のポリクローナル抗体の親和性を反映する、結合した抗体の相対的解離速度。結合性は、反応単位において報告され、ならびに、相対的解離速度は、1:1ラングミュア解離フィッティングモデルによる別々のKdフィッティングを使用して特定され、ならびに1秒あたり(1/s)のシグナル減少において報告される。
DsA1およびDsA2のハイブリッドの作製および分析
タンパク質モデリングおよびスワップ点の特定
フォールド認識(fold-recognition)に基づく、DsA1のための可能なテンプレートとしてのS.アウレウス細胞外マトリックス結合タンパク質ebhAの認識後、初期構造モデルを作製した。第2の実施において、100のモデルを、各15ループモデル(合計1500)に対して、コンピュータシミュレーションにおいて自動的に作製した。それらのそれぞれは、局所的(または最適な)最小値を得るための新たな試みを表している。これらの中で、10の最良を、スコアリングエネルギー関数に基づいて選択し、その後に、dsspソフトウェアを使用して、各残基に対して二次構造を得た。ヘリックスバンドルに対して、リンカ(一般的に「スワップ領域」と表される)および得られた二次構造の程度を考慮した。したがって、この方法は、二次構造要素の優先性を、または、むしろ構造化されたヘリックスへの細長いコイルの変換の程度をシミュレーションするために使用した。次いで、スワップ領域を、中央コアが構造化されない、ヘリックスへと構造化する必要のない領域として定義した。したがって、これらのスワップ領域は、構造的に定義された、おそらく機能的アドヘシンドメインの間の領域であり、DsA1からDsA2へおよびその逆の切り替えは、構造的完全性を妨害すべきではない(図7B)。
この生命情報工学分析は、タンパク質DsA1(図7A)およびDsA2(図7C)の3ドメイン構造を明らかにした。
配列の選択およびアラインメント
EMBL-EBIから得られるClustal Omega多重配列アラインメントソフトウェアバージョン1.2.4を使用して、アミノ酸配列をアラインメントした。図12Bの調製物に対して、公開データベースにおいて利用可能な、様々なP.アクネス株から得られるタンパク質配列を手作業で選択した。
DsA1の多重配列アラインメントは、DsA1は、一般的に超可変タンパク質と考えられているが、実際には高度に保存され、ほとんどの違いは、PTリピート領域での長さ変動性およびC末端フレームシフト事象であることを明らかにした(図12B)。
DsA2配列を同様に選択し、アライメントした。DsA1配列も、詳細には、公共の貯蔵庫における見かけ上の配列決定/ゲノムアセンブリアーチファクトを無視する場合、DsA1の場合のように良好に保存される(図12C)。唯一の例外は、PTリピート領域におけるある特定の長さ変動性である。
PITP配列も、公開データベースから取得し、アラインメントした。他の2つの抗原と同様に、PITP配列は、異なるP.アクネス株において良好に保存される(図12D)。
DsA1およびDsA2のハイブリッドの作製
タンパク質DsA1の3ドメイン構造(図7A)を、特定の断片の始まりおよび終わり(図7B)に関していくらかの柔軟性を提供する配列エリアに基づく免疫学的研究において調べられるように、断片およびハイブリッドの設計を最適化するためのツールとして使用した。使用される「スワップ部位」、すなわち、PROT-22(DsA1)およびPROT-27(DsA2)配列領域が切り替えられる位置(タンパク質クロスオーバーのように)は、構造要素、詳細にはαヘリックス、に干渉する可能性が最小のエリアであるスワップ領域内において選択した。スワップ領域の原理および位置も、図12Aに示される。
DsA1およびDsA2のハイブリッドの免疫学的分析
タンパク質DsA1およびDsA2の最も重要なエピトープをさらに調査するためにDsA1およびDsA2のいくつかのハイブリッドを設計し、DsA1およびDsA2の両方に等しく良好に特異的に結合することができる抗体を誘発するため(実施例1において説明されるように)、免疫原として使用した(実施例1において説明されるように)。DsA1のタンパク質分子の中央部分およびN末端部分(アミノ酸29~145;278~333)ならびにDsA2配列の中央部分のみ(アミノ酸190~321)にほとんど制限される機能的に最も関連する領域を含む、ハイブリッドH4による免疫付与は、ELISAアッセイにおいて両方の完全長タンパク質P022(DsA1)およびP027(DsA2)に特異的に結合する能力を有する抗体を誘発した(実施例1において説明されるように)(図8)。完全長タンパク質および他の断片およびハイブリッドバージョンによる免疫付与によって誘発される抗体とは対照的に、自身たちに対して最も特異的に結合するが、第2の相同抗原にははるかに低い程度において結合する。
同様に、異なるファイロタイプを網羅する株の大きなコレクションに対する表面結合アッセイ(実施例1において説明されるような)において、ハイブリッドH4による免疫付与によって誘発される抗体は、幅広く最もバランスの取れた交差反応性/交差タイプ反応性を有した(図9)。ハイブリッドコンストラクトの他のバージョン(例えば、H3およびH5)による免疫付与によって誘発される抗体は、H4と比較して、著しく低い交差反応性(試験したファイロタイプ全体に対する総MFIレベルに関して)を示した(図9)。P022(DsA1)およびP027(Dsa2)との比較において交差タイプ反応性および交差反応性抗体の誘発に対するH4の貢献を評価するために、表面結合アッセイにおいて、タイプ1A1、IC、およびIIの追加の20の株を試験した(図16A)。単一MLSTファイロタイプに属し、そのP022(DsA1)エピトープがP027(DsA2)よりも細胞表面においてあまりアクセス可能ではない、P.アクネス株に関して、H4による免疫付与は、P022(DsA1)と比較して、株特異的シグナルならびに総シグナルにおける増加をもたらした(図16A、16B、16E)。同様に、P027(DsA2)エピトープがP022(DsA1)と比較して細胞表面においてあまりアクセス可能ではないような株に関して、H4による免疫付与は、P027(DsA2)と比較して、株特異的シグナルならびに総シグナルにおける増加をもたらした(図16A、16C、16D,16F)。図16Aは、MLSTファイロタイプIA1からの多くの株を試験する場合に、これらが、DsA2と比較して、抗体結合に利用できるDsA1特異的エピトープをより多く有する傾向にあること、ならびに、H4が、最もバランスの取れた交差タイプ交差反応性を提供し、それは、DsA同族体のうちの1つの可変の発現によって株の間で等しく分配されることも示している。
抗体の結合強度を評価するBiacore分析は、P022(DsA1)およびP027(DsA2)の両方への等しい結合によって証明されるように、H4は、両方の相同体に対して最もバランスの取れた親和性の免疫反応を誘発し;その一方で、P022(DsA1)およびP027(DsA2)の免疫付与は、相同体への結合と比較して、正確に対応する免疫原とのはるかに激しく安定な結合相互作用を伴うバランスの崩れた反応をもたらすことも確認した(図19Aおよび19B)。
オプソニン職採用傷害を誘発する、異なるP022およびP027断片およびハイブリッドの能力を評価し、ならびにタイプIA1株NCTC737に対するOPKアッセイにおいてお互いを比較した。当該細菌の効力を、異なる血清希釈での生菌数(コロニー形成単位)における減少の増加した%を、コントロール血清であるPBS(タンパク質抗原を伴わないアジュバント)における対応する希釈と比較することによって証明した(図18B、図18C)。
抗原安定性試験
安定性評価のために、タンパク質試料に対して3回の凍結/解凍サイクル(FT)のような異なるストレス要因を施し、様々な温度条件:-20℃(-20)、2~8℃(+4)、室温21~24℃(RT)、および37℃(+37)、において7日間貯蔵した。それを、新たに再構成したタンパク質バッチ(T0)と比較した。当該タンパク質を、4~12%のSDS-PAGE(Bio-Rad)によって分離した。分離後、銀染色キット(Pierce)を使用して、当該タンパク質を可視化した。このキットの使用により、タンパク質は、バンドあたり0.25ng超において検出可能である。タンパク質のサイズを、標準タンパク質ゲルラダー(Thermo Scientific、26616)およびウシ血清アルブミン(200ng/ロードしたウェル)を含む試料と比較した。染色したゲルをオフィススキャナを使用してスキャンして、プロトコルに従ってさらに文書化した。
高温での7日間を超えるストレス試験において、ハイブリッドコンストラクトH4は、完全長タンパク質P022(DsA1)およびP027(DsA2)の両方と比較した場合の安定性の増加を示した(図10A)。P022(DsA1)とは対照的に、H4は、タンパク質分解に対して耐性を示し、ならびに、それは、製造物関連不純物がより少ないことを示しているが、それは、それらが、タンパク質P027(DsA2)と比較して、単一バンドタンパク質として発現されるからである(図10A)。
組換えタンパク質は、それらのアミノ酸配列によってだけではなく、それらが作製される方法によっても定義される。全ての製造プロセスの目標は、製造物およびプロセス関連不純物の量を再現可能に減少させることである。異なる精製戦略および特定の配列変更(点突然変異)が、どのように本発明による製造物プロファイルに影響を及ぼすかを調査した(図10B)。異なる発現製造物を、還元条件下および非還元条件下において、銀染色したSDS-PAGEによって分析した。最初に、一般的および基本的な精製戦略によって作製された組換え発現製造物P028V1およびH4-V1を、製造物特異的で最適化されたプロセスから得られるそれぞれの製造物P028-V1’およびH4-V1’と比較した。追加的に、P028-V1”を、より低い温度下において精製した。主な製造物バンドは、それぞれ、全てのP028バリアントに対して50kDa、全てのH4バリアントに対して35kDaの範囲において見出された。このことは、予想された質量に対応している(それぞれ、42kDaおよび32kDa)。まとめると、一般的プロセスから得られた全ての製造物は、より高いおよびより低い分子量を有するかなりの量のタンパク質を示した。製造プロセスの最適化は、P028-V1’およびH4-V1’に対して低分子量汚染物質の量を著しく減少させることに貢献した。それにもかかわらず、両方の製造物は、依然として、かなりの量の高分子量不純物を示したが、それは、H4の場合、還元条件下において消失した。これらの形態は、H4の場合、製造物関連不純物(多様型)であるが、P028に対して見られる高分子量製造物の対応する「ラダー」が単一バンドの製造物へと減少させることができない理由は不明瞭である。それにもかかわらず、P028の純度は、P028-V1”に対して見られるように、還元温度下において同一の精製プロセスを実行することによって改善することができた。しかしながら、両方のタンパク質は、全てのそこの条件下において、二重バンド製造物として現れた。
H4ならびにP028は、それぞれ、3つおよび2つのシステインを含む。それらは、分子内および分子間ジスルフィド架橋を形成することができる。そのような共有結合は、タンパク質構造に影響を及ぼし、ならびに、タンパク質の微小不均一性のための重要な原因である。したがって、それは、それぞれのアミノ酸配列を最適化することによってタンパク質の複雑性を減少させることが決まっていた。N末端から開始することにより、P028-V7およびH4-V3の配列における全てのシステインと同様に、H4-V2バリアントにおけるアミノ酸配列の第1のシステインが置き換えられた。単一の変異形態H4-V2は、予想された分子内ジスルフィド架橋の減少量をを示したが、その一方で、分子間架橋の量は、わずかだが増加した。重要なことに、全てのシステインを欠くバリアントP028-V7およびH4-V3は、還元条件下および非還元条件下の両方において、ほとんど単一バンドの製造物からなる所望の均一な発現製造物をもたらした。
抗原PITPおよびハイブリッドH4の組み合わせ物
抗原P028(PITP)のみまたはハイブリッドH4のみを含むワクチンによって、ならびにP028(PITP)およびハイブリッドH4の両方の組み合わせ物を含むワクチンによって動物を免疫付与し、実施例1において説明したように「動物の免疫付与」の方法に従って、単一ワクチンへと一緒に製剤化した。この免疫付与によって作製された抗体を、表面結合アッセイにおいて試験した(実施例1の下において説明されるように)。
表面結合アッセイ(実施例1において説明されるような)において本発明のために実施される研究は、抗原P028(PITP)およびハイブリッドH4の組み合わせ物による免疫付与が、単一の抗原またはハイブリッドによるワクチン接種によって誘発された抗体と比較してより強くおよびより広い活性を有する抗体を誘発することを示した(図11A)。抗原P028(PITP)およびハイブリッドH4の組み合わせ物による免疫付与によって誘発される抗体は、P.アクネスの6つ全てのMLSTタイプに特異的に結合した(図11A)。
単一のP028(PITP)抗原またはハイブリッドH4による免疫付与ならびに抗原P028(PITP)およびハイブリッドH4の組み合わせ物による免疫付与の後に誘発される全ての血清を、実施例1において説明されるようにOPKアッセイにおいて試験した。P028(PITP)およびハイブリッドH4を含む組み合わせワクチンによる免疫付与によって誘発される抗体は、P.アクネスの最大で6つまでのMLSTタイプのオプソニン職採用傷害を誘発することができた(図11Bおよび11C)。
ヒト対象からの試料の分析
ヒト臨床試料
ヒト血清試料は、オーストリア(研究参照番号323423452354および倫理委員会承認EK-13-052-041(Ethikkommission der Stadt Wien))、および米国(ClinicalTrials.gov識別子:NCT04056598)において登録されたOrigimm臨床調査研究の過程において得た。全ての血清は、内部標準作業手順(internal standard operating procedures)に従って取り扱い、-80℃において小さなアリコートにおいて貯蔵し、無菌条件下において取り扱った。
ヒト対象由来の血清試料の表面結合およびオプソニン職採用傷害
全てのヒト対象は、それらの座瘡病理およびP.アクネスとの相互作用の経歴から相互依存的に、それらの血清において検出することができるP.アクネスに対する既存の抗体を含む。ヒト対象から得られる血清試料を、実施例1において説明されるように表面結合アッセイおよびOPKアッセイにおいて試験した。これらの抗体は、生きたP.アクネスによって発現される抗原を標的とし、ならびにこれらの抗原のエピトープがP.アクネス細胞表面上においてアクセス可能である場合、それらは、細菌のオプソニン職採用傷害を誘発することができ:すなわち、抗体の表面結合の増加との関連におけるOPK K50力価の著しい増加によって証明されるように、実際に、本発明によって得られるデータにより、オプソニン職採用傷害は、表面結合抗体の最も重要な機能的活性である(図13A、13B)。オプソニン職採用傷害の効率は、P.アクネスに結合する抗体の量によってだけでなく、特定のP.アクネス株によって提供される表面アクセス可能かつ免疫原性のエピトープに対して各個人において生成される抗体が標的にする抗原性エピトープのタイプによっても影響される。これらの違いは、表面結合強度と、NCTC737(ファイロタイプIA1)(図-13A)およびKPA171202(ファイロタイプIB)に対するOPK K50力価との間の相関性の直線傾向の比較において観察することができる(図13B)。
ヒト対象由来の炎症性座瘡病変(膿疱)から単離された試料の分析
臨床調査研究(ClinicalTrials.gov識別子:NCT04056598)における過程において、中程度から重症の座瘡(IGA>2)を有する個々の対象の顔面皮膚において識別された炎症性病変(膿疱)由来の物質を単離した。皮膚表面を滅菌し、滅菌針によって座瘡(にきび面皰)を開くことにより、当該物質を無菌スワブによって採取した。DNAを当該試料から直接抽出し、SLST特異的プライマを使用したPCRに供して、公開されている方法およびそれに関連する公開データベースに従ってファイロタイプを特定した(Scholzら 2014)。
本発明によるデータは、IA1だけでなく、他のファイロタイプも、等しく座瘡を誘発することができることを示しており、と言うのも、炎症性座瘡病変(膿疱)からの物質の直接単離および分析は、多くの患者において、この物質において排他的に見出されるのが、IA1ではなく、他のファイロタイプであることを明らかにしたためである(図14A)。
患者CR086の炎症性病変から単離されたP.アクネス株を、SLSTスキームに従って分類し、IA2ファイロタイプに属するF4であることを見出し、患者CR078の材料において検出されたP.アクネス株は、主に、SLSTタイプG1(ファイロタイプIB)およびK1(ファイロタイプII)であり;したがって、これは、混合感染症が可能であり、単一の特定のファイロタイプによって誘発されたもののみではないことも示唆している(図14B)。混合感染症の同様の実施例は、他の患者、例えば、CR072においても見ることができる(図14B)。
皮膚細孔-皮膚表面から単離された試料の分析
臨床調査研究(ClinicalTrials.gov識別子:NCT04056598)における過程において、中程度から重症の座瘡(IGA>2)を有する個々の対象の皮膚細孔の上部からの物質を単離した。2つの異なる場所を、各個人の顔においてサンプリングした(前頭および頬領域)。皮膚細孔試料のDNA収量を増加させるため、当該物質を、酸素の不在下において+37℃で4日間、または酸素の存在下において室温で3日間、プレート上で増殖させた。当該プレートをインキュベーションの際に解体した。総試料からDNAを抽出し、SLST特異的プライマを使用したPCRに供して、公開されている方法および関連する公開データベースに従って、ファイロタイプを特定した(Scholzら 2014)。
本発明のデータは、皮膚細孔においてコロニー形成する全ての株が、特定の個人の炎症性病変において優位であるわけではないことを示している。例えば、座瘡患者CR086の座瘡病変は、ファイロタイプIA2(SLSTF4)によってのみコロニー形成するが、その一方で、同じ患者の周囲の顔領域からの皮膚細孔は、ファイロタイプIA1、IA2、およびIC(SLSTA1、F4、およびG1)によってコロニー形成した(図14B)。中でも特に、個人、例えば、CR078、CR072、CR061、およびCR060の知見を比較することによっても、同じ結論を導くことができる(図14B)。
座瘡患者からの血清試料の分析
臨床調査研究の過程において、中程度から重症の座瘡(IGA>2)を有する対象からの血清を採取し、抗原P028(PITP)、P027(DsA2)、P022(DsA1)、およびハイブリッドタンパク質H4に対する抗体の存在について試験した。
個々の対象から採取したヒト血清を、実施例1において説明されるように抗原結合ELISAアッセイにおいて試験した。当該抗原結合アッセイは、中程度から重症の座瘡(IGA>2)を有する個人の血清が、抗原P022(DsA1)、P027(DsA2)、およびP028(PITP)よりもハイブリッドタンパク質H4に容易に結合する抗体を含む傾向を示している(図15)。
PITPの断片および派生体の分析
DsA1およびDsA2の断片の分析
いくつかのP028(PITP)の断片および派生体を作製し(表1Aおよび1C)、実施例1において説明されるように動物の免疫付与(マウス)のために使用した。
ENFDドメイン(P028F1、P028F16、およびP028F18)を主に、またはそれのみを表す断片による免疫付与は、はるかに良好な表面結合能力を有する抗体を誘発し、ほとんどHbDドメイン(F2、F19、およびF20)を含むタンパク質のC末端の半分を含む断片と比較して、6つ全てのMLSTタイプからの株に対してより高いOPK活性を誘発した(図21A、21B、22A~22D)。ENFD、SR1、およびHbDドメイン(A32-K400)を含む断片のP028F7による免疫付与(図20A)は、断片P028F1、P028F16、およびP028F18と比較してわずかに低いがHbDドメイン(F2、F19およびF20)をほとんど含む断片と比較してより高い交差反応性免疫反応を誘発し(図21A、21B、22A、22B);と言うのも、交差反応性抗体のそれほど有効でない誘発因子である追加の配列部分の存在が、ENFDおよび当該タンパク質のN末端の半分をほとんど含む断片によって誘発された血清試料と同じ希釈において比較した場合に、血清中の免疫関連(本発明により、機能的抗体)のパーセンテージを低下させたためである。HbDドメイン(F2)のみを含む断片は、あまり交差反応性免疫反応を誘発しないが、SR2ドメイン(T232-T430)に対応する追加の30のアミノ酸を含む断片P028F19は(図20A)、F2と比較してより高い交差反応性の免疫反応を誘発し、それは、SR2が、P028F2(HbD)の免疫原性に貢献することができることを示唆している(図21A、21B、22A~22D)。N末端における断片P028F2の延長は、SR1ドメイン(G172-K400)内に配列エリアも含む断片P028F20によって表されるように、P028F2免疫原性または交差反応性を増加しなかったが、SR1をコードする同じ配列領域の追加は、P028F1の免疫原性および交差反応性の増加をもたらし、それは、断片P028F16およびP028F18の交差反応性の増加によって証明された(図21A、21B、22A~22D)。
全ての断片および派生体は、免疫原性を示し、ならびに、タンパク質抗原(PBS)の不在下でのアジュバントによる免疫付与と比較して少なくとも10倍高いEC50力価においてELISAで検出可能な抗原特異的抗体を誘発するそれらの能力によって証明されるように、本発明によるマウス免疫付与研究において抗原特異的免疫反応を誘発することができた(図23A~23C)。ENFDドメインを含むがHbDドメイン(P028F1、P028F16、P028F18、P028C12)は含まないPITP断片および派生体に対して誘発された当該血清抗体は、それぞれの抗原によって免疫付与された5匹のマウスからのプールされた血清のEC50力価(図23B)、および免疫付与において使用した抗原(自己抗原)への結合と比較した全体的反応性(図23C)によって証明されるように、ENFDドメイン(P028F2、P028F19、P028F20)を含まない断片と比較して、P028-V7(PITP)により強く結合した。
P028の派生体であるP028M1およびP028M7(PITP、表1A、図20C)は、表面結合およびOPKアッセイの両方におけるタイプII株HL60PA1に対するP028M1と比較してP028M7のより良好な性能(図22A、22B)ならびに追加のファイロタイプ由来の株に対するわずかに多い全体的交差反応性(図21C、21D、22B)によって証明されるように、より可変な交差タイプ反応性を示した。それにもかかわらず、派生体P028M1およびP028M2の両方は、派生体P028-V7(PITP)との比較においてあまり劣っていない誘発された免疫反応全体を有した(図21C、21D、および図22A)。さらに、派生体P028M1およびP028M2の両方も、ELISAにおいて組換えP028V7(PITP)上のエピトープに結合する抗体を誘発した(図23B、23C)。
PITPおよびH4のハイブリッドの分析
H4ならびにP028(PITP)(表1C、図20B)の2つの異なる断片:P028C12(H4+P028F1)およびP028C13(H4+P028F2)を含む2つのハイブリッドを設計した。P028断片F1またはF2を、H4のC末端に融合させた。当該2つのハイブリッドに対して作製したマウス血清抗体を、免疫関連(機能的)抗体反応の誘発におけるそれらのそれぞれの交差反応性および効力を特定するために、表面結合アッセイ、OPK、およびELISAにおいて試験した。6つ全てのMLSTファイロタイプへの表面結合におけるはるかに高いレベルは、P028C13と比較して、P028C12に対して作製された血清抗体によって達成された(図21C、21D)。加えて、P028C12血清抗体の交差反応性は、表面結合の増加ならびに6つのMLSTファイロタイプに対するオプソニン食作用活性において証明されるように、P028-V7(PITP)またはH4-V3のいずれかと比較して、はるかに良好であった(図21C、22A、22B)。P028C12血清抗体における増加した交差反応性および機能性(増加したOPK活性)は、MLSTタイプIA1、IA2、IC、およびIIの株に対するP028-V7(PITP)と比較して、とりわけ重要であるが(図21C、22A、22B)、その一方で、ファイロタイプIBおよびIIIからの株に関して、P028C12は、P028-V7(PITP)に匹敵した(図21D、22A)。しかしながら、P028C13によって誘発されるマウス血清抗体は、H4-V3融合パートナと比較して、OPK活性の誘発において劣っており、それは、株IA2およびICに対してとりわけ明白であり(図22A、22B)、ならびに、表面結合において検出可能なその交差反応性の大部分は、このハイブリッドのH4部分によって誘発され(図21C)、あるいは、ハイブリッド配列の追加部分によって誘発された抗体は、PITP融合パートナのみと比較して、表面結合(図21C、21D)またはOPK活性(図22B)のいずれかにおける著しい増加をもたらし;これは、とりわけ、DsA1およびDsA2を発現しないファイロタイプIBおよびIIIに関して観察することができる(図21D、22A)。
P028C13またはP028-V7(PITP)よりもはるかに良好なオプソニン職採用傷害を誘発するP028C12の優位性を、OPKアッセイによって確認した(図22B)。
両方のハイブリッドは、抗原それ自体に対して、ならびにP028-V7(PITP)に対してELISAによって示される、マウスにおける抗原特異的免疫反応を誘発することができた(図23A、23B、および23C)。これらのデータも、断片P028F1による免疫付与によって誘発される血清も、実施例7において説明されるように、P028F2に対して作製された血清と比較して、より交差反応性であるという知見に一致した。当該結果は、さらに、有効性の増加した交差反応性ワクチンを設計するために、ワクチン製剤において組み合わされる正しい抗原のみを選択することの重要性だけでなく、各抗原における正しい配列ドメイン(エピトープ)を選択することの重要性も実証する。
P.アクネスに対する交差反応性ワクチンの作用機序
座瘡の病因は、いくつかの要因の相互作用によって引き起こされ:皮脂分泌を増加させ、ならびに皮膚環境を変更してP.アクネス病原性に対してより貢献的にさせる、遺伝的特徴およびホルモン活性は、宿主の免疫反応の品質によって相殺されることを必要とする。局所的皮膚環境、免疫系、および、P.アクネ株のコロニー形成は、各ヒト宿主に対して独特であり、P.アクネスに対する有効なワクチンは、様々な株によってコロニー形成される宿主を保護することができるように広い交差反応性の免疫反応を誘発すること、およびP.アクネスを認識し結合することができるだけでなく、貪食細胞が細菌細胞を効率的に殺しその数を減少させるのに貢献することができるような抗体の高レベルを誘発することを必要とし、それにより、宿主細胞を損傷し炎症または感染症を永続させるためのP.アクネスの適合性および能力を減少させる。
尋常性座瘡の示しとの関連において、感染症および炎症の最初の徴候が、皮膚細孔(毛嚢脂腺の毛包)内において生じる場合、血清抗体が、P.アクネス増殖および毛包内部での密度を調節すること、および皮膚バリア突破が試みられた際の局所的皮膚免疫防御を支援することに貢献するために十分な量において毛包に達することができるように、ワクチン抗原に対して血清抗体レベルを十分に増加させることは重要である。したがって、P.アクネスワクチンの作用機序は、本発明において説明されるように、特定のMLSTファイロタイプ内において、および様々なファイロタイプ全体において、多くのP.アクネス株に対してオプソニン化抗体を誘発すること、および/またはオプソニン化抗体の量および品質を増加させることによって、P.アクネスに対する既存の免疫を増大させること、ならびに免疫細胞によるオプソニン職採用傷害の効率を高めることであり、それは、炎症および感染症のより効率的で制御された解決策をもたらす。したがって、ワクチン誘発抗体は、P.アクネス増殖を増加させる皮脂分泌の増加、および、毛嚢脂腺の毛包を囲む皮膚組織の皮膚バリア損傷および侵入をもたらす病原性の増加の効果を相殺することができる(図24A)。
炎症との関連において免疫細胞挙動に対する追加の有益効果が予想される。増加した炎症反応は、皮膚免疫防御に関与し、アポトーシスまたはネクローシスのプロセスによって死に得る、ヒト細胞の細胞内の内容物の非制御放出によって強化される。P.アクネスが、職採用傷害経路を耐えるかまたは回避することができる場合、P.アクネスの活性増加のみに起因するのではなく、壊死性食細胞からの内容物の非制御放出によって生じる追加の負荷にも起因して、炎症は持続する。これは、局所的急性炎症反応の刺激を継続し永続させ、より重症の場合、毛包の完全性の完全な喪失をもたらし得る。それとは対照的に、十分なレベルのオプソニン化抗体が存在する場合、食細胞は、細菌をより効率的に捕捉し消化することができ、ならびに感染部位を去るかまたはアポトーシスによって死ぬが、それは、生理学的条件下において生じるしっかりと調節されたプロセスである。このプロセスでの抗体の予想される役割を図24Bに示す。
エピトープマッピングの方法およびツール;好ましいエピトープの確認
ワクチン抗原、抗原派生体、および断片に対して作製された血清抗体によって標的にされる免疫関連エピトープを含有する配列をさらに検証および確認するために、異なる抗体およびコントロールを使用した。これらは、ポリクローナルマウス、ウサギ、およびヒト抗体あるいはアフィニティ精製された抗体試料を含んだ。P022-V3、P027-V4、またはP028-V1に対して免疫付与されたマウスからモノクローナル抗体を開発し、追加のコントロールとして使用した。
モノクローナル抗体
モノクローナル抗体作製のために、BALB/cマウスを、P022-V3、P027-V4、またはP028-V1によって4回免疫付与した。脾臓を無菌切除し、プールして、ホモジナイズした。脾臓細胞およびSP2/0-Ag14骨髄細胞を融合させ、ハイブリドーマの抗体分泌を、免疫付与抗原および宿主細胞タンパク質に対してELISAにおいて評価した。第2のクローニング工程の後、モノクローナル抗体を発現する安定なハイブリドーマを、さらなるキャラクタリゼーションおよびエピトープマッピング実験のために選択した。
線形エピトープマッピング
Origimmが試料を調製し、Pepperprint社が、1つまたはそれ以上の抗原をオーバーラップペプチドへと翻訳することによる抗体および血清の高解像度エピトープマッピングのために、PEPperCHIP(登録商標) Peptide Microarrayを使用して分析を行った。抗体または血清試料ならびに適合した二次抗体を用いた、当該結果として得られるペプチドマイクロアレイのインキュベーションは、所定の試料のエピトープと相関するスポットパターンをもたらす。したがって、関心対象のタンパク質(P028-V2、P027-V4、P022-V3)は、14aaにおいて前のペプチドと重なる15aa長ペプチドへと分割され、それらの全てをチップ上にスポットし、ポジティブ(HA)およびネガティブ(ポリオ)コントロールペプチドもチップ上にスポットした。当該抗体および血清試料を用いた当該ペプチドマイクロアレイのインキュベーションを、異なる抗体濃度において、あるいは1:1000、1:100、および1:10の血清希釈において実施し、その後に、蛍光検出のために、ヤギ抗ヒトIgG(H+L) DyLight680、ヒツジ抗ウサギIgG(H+L) DyLight680、およびヤギ抗マウスIgG(H+L) DyLight680ならびにコントロール抗体(マウスモノクローナル抗HA(12CA5)DyLight800)を用いてインキュベーションを行った。結合した抗体の蛍光シグナルを、LI-COR Odyssey Imaging Systemによって読み出した。スポット強度の定量化およびペプチドアノテーションを、PepSlide(登録商標) Analyzerによって行った。様々な二次抗体およびコントロール抗体を用いるペプチドマイクロアレイコピーの事前染色を、主なアッセイを妨げる得る線形ペプチドのバックグラウンド相互作用が存在しないことを検証するための追加のコントロールとして実施した。
環状拘束ペプチドによる配座エピトープマッピング
マウスモノクローナルおよびポリクローナル抗体、ヒトおよびウサギ血清試料のPEPperMAP(登録商標)配座エピトープマッピングを、9および13のアミノ酸のペプチド長ならびに8および12のアミノ酸のペプチド-ペプチドオーバーラップを有する環状拘束ペプチドへと翻訳された、P022-V4断片(L115-T333)、P027-V4断片(V161-E351)およびP028-V2に対して実施した。加えて、ポジティブ(HA)およびネガティブ(ポリオ)コントロールペプチドもチップ上にスポットした。配座ペプチドマイクロアレイを、0.05%Tween20および10%ロックランドブロッキング緩衝液(MB-070)を伴うインキュベーションバッファPBS(pH7.4)において、1:1000、1:500、1:200、1:100、および1:50の濃度および希釈において、抗体および血清試料と共にインキュベートし、続いて、蛍光検出のために、ヤギ抗ヒトIgG(H+L)DyLight680、ヒツジ抗ウサギIgG(H+L)DyLight680、およびヤギ抗マウスIgG(H+L)DyLight680二次抗体、ならびにコントロール抗体(マウスモノクローナル抗HA(12CA5)DyLight800)によって染色した。結合した抗体の蛍光シグナルを、LI-COR Odyssey Imaging Systemによって読み出した。スポット強度の定量化およびペプチドアノテーションを、PepSlide(登録商標)Analyzerによって行った。二次抗体およびコントロール抗体による各ペプチドマイクロアレイの2つの配座ペプチドの事前染色を、主なアッセイを妨げる得る環状拘束ペプチドとのバックグラウンド相互作用が存在しないことを検証するための追加のコントロールとして実施した。
MSエピトープマッピング
架橋質量分析アプローチ(XL-MS)の場合、P022モノクローナル抗体が結合したエピトープの分析のために、成熟全長野生型タンパク質P22-V3を選択した。当該抗原に結合した抗体の複合体を、質量標識された化学架橋剤によって安定化した。次に、当該複合体の存在を、高質量MALDI検出を使用して確認した。架橋化学の後、Ab/Ag複合体は非常に安定であるため、多くの異なるオーバーラップペプチドを提供するために、複数の酵素(並行して利用した5つ)および分解条件を当該複合体に適用した。高解像度Orbitrap(商標)質量分析およびMS/MS技術を使用して、これらのペプチドの同定を実施した。架橋試薬に結合した質量タグを使用して、架橋ペプチドの同定を特定した。MS/MS断片化および特定の相互作用ソフトウェアを使用したデータ分析の後、同じ実験においてエピトープおよびパラトープの両方が特定される。
ELISAによる抗原断片マッピング
96ウェルマイクロタイタープレート(Nunc-Immuno、マキシソルブ)を、最適な信号対雑音比を達成するために予備実験において各抗原に対して最適化した、PBS中において0.5μg/mlから2μg/mlの間の濃度の70μlの組換えタンパク質、断片、およびハイブリッド(P022-V3、P027-V4、P022F2-F14、P027-F1およびH2-H5)によって、4℃で18±2時間かけてコーティングした。各プレートを洗浄緩衝液(0.1%のTween-20を補ったPBS)で洗浄した後、100μlのブロッキング緩衝液(2%のBSAおよび0.1%のTween-20を伴うPBS)を加え、非特異的結合を防ぐためにオービタルシェーカにおいて最低30分間インキュベートした。抗原特異的抗体力価の特定のために、熱不活性化(56℃で45分)ウサギまたはマウス血清の5倍希釈シリーズの50μlを当該コーティングされブロックされたプレートに適用し、オービタルシェーカにおいて1時間インキュベートした。次いで、当該一次抗体溶液を除去し、その後に洗浄工程を行い、その後に50μlの1/20,000希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)連結二次抗体(ペルオキシダーゼAffiniPureヤギ抗ウサギIgG、Fc断片特異的、Jackson Immuno ResearchペルオキシダーゼAffiniPureヤギ抗マウスIgG、Fc断片特異的、Jackson Immuno Research)を用いたインキュベーションを行った。プレートを洗浄した後、10分間のインキュベーションのために100μlのテトラメチルベンジジン基質(TMB、Thermo Fisher)を加えることによって、HRP活性を検出し、青い色(Amax=370nmおよび652nm)を得たが、それは、50μlの3Nの硫酸(Sigma)停止溶液を加えることで黄色(Amax=450nm)に変わる。反応を、マイクロタイタープレート光度計(Tecan Sunrise)を使用して定量化した。バックグラウンド値は、一次抗体を欠く反応を読むことによって特定した。各試験試料のIgGの量を、デュプリケートにおいて希釈シリーズによって測定し、GraphPadソフトウェアを使用することによるこれらの測定値のS字状曲線フィッティングから、EC50値を計算した。
オーバーラップする15量体ペプチドのドットプロットマッピング
5のアミノ酸オーバーラップを有する15量体として、P022F11配列に基づいて、13のペプチドを合成した。当該オーバーラップペプチドと、ポジティブコントロールとして使用した完全長P022F11を、ニトロセルロース膜上にスポットし、2%BSA緩衝液によってブロックし、続いて、二次ペルオキシダーゼ標識AffiniPureヤギ抗マウスIgG(H+L)(Jackson Immuno Research)によって染色し、ChemiDoc ImagerにおいてECL基質によって検出した。
結果
上記において説明されるこれらの方法およびツールは、最も多くの免疫関連配列領域およびエピトープの確認をもたらし、それらは、本発明における定義に従って、P.アクネスの表面においてアクセス可能であり、オプソニン食作用活性を誘発する抗体によって結合され、食細胞、とりわけ、本発明において説明されるオプソニン職採用傷害アッセイに関して使用されるような顆粒球タイプ(好中球)の、より効率的な死滅能力によるP.アクネス細胞数の減少をもたらす。これらの方法は、交差反応性および交差タイプ反応性エピトープの識別も容易にし、それらは、本発明に従って、少なくとも2つ以上のファイロタイプの表面上において、ならびに同じファイロタイプ内の少なくとも2つ以上の株においてアクセス可能であり、したがって、これらのエピトープは、交差タイプ反応性P.アクネスワクチンへの封入にとって、さらに重要である。
したがって、これらの試験設定により、以下のエピトープを、それぞれDsA1、DsA2、およびPITPタンパク質において識別した:R32-I41、Q38-K51、R32-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+T43-K51、R87-K90+T117-I132およびR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277 T117-I132、T117-A127、V128-I132、A144-N157、H146-A160、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、I216-D225、A226-A240、S234-G250、I251-I263、I251-I267、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-R286+I216-F224、T285-R286+I264-P271、T285-R286+V289-K296、T285-R286+V289-K296、T285-R286+A144-N157、A310-D313+T285-R286、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、A301-E307、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、R286-T300、V289-K296、A310-D313+I216-F224、A310-D313+I264-P271、A310-D313+T285-R286、A310-D313+R286-D290、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、DsA1のA301~E307;DsA2のL152~Q166、G190~P230、I199~D208、A218~I237、P230~Q244、I231~A270、H254~A270、A271~S279、A271~R310、L311~T321、L311~K323、V333~Q347、A218~P230、I231~I237、H254~H262、Q256~H262、E261~D269、D269~S279、K313~K323;D79-T90、E73-D85、R43-I50、P68-Y75、P86-E92、I39-G45、Y84-D89、F81-D89、D79-D89、T37-E44、E73-W98、E73-F81、D79-T90、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、F111-D120、F132-G147、D152-E165、R115-F123、D120-K128、P131-F138、N181-E191、T143-T159、P116-T124、P131-D137、P131-D137、T175-C231、Q198-K203、P179-K185、G200-Q210、K174-A188、K174-K185、P201-Q209、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R164-S180、E165-S180、K185-S190、V193-N202、V193-G200、K203-P208、R216-T225、R216-R224、P173-K191、K197-K203、P168-T175、K185-K203、R164-K174、T175-V193、S250-N261、D287-S300、K340-V347、D338-F352、D338-D348、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、G305-L314、G364-K375、R382-E399、V367-G373、A383-L390、T342-T351、M387-T395、E385-T392、V401-V410、N404-A409、G416-L427、L396-V410、T406-I415、D417-G424、V407-D418、V407-V414、K421-V429、S419-T430、D408-I415、PITPのT406~V414。
例えば、下記の特に好ましいエピトープをDsA1において(好適な最小配列として(例えば、ペプチドワクチンに提供するために)、およびペプチドベースのワクチンに含まれる好ましい長さとして;線形エピトープとして、配座エピトープ(「c」)として、および/または線形/配座エピトープ(「l/c」)として)識別した:
R32~I41(最小)、M28~D44(好ましい);
T43~K51(最小)、M1[del2~27]S28~K51(好ましい)、c;
R87~K90(最小)、P86~A93(好ましい)、P86~G96(好ましい)、c;
T117~A125(最小)、T117~I132(好ましい)、c;
A144~N157(最小)、H146~A160(最小)、l/c;
A156~A170(最小);
K166~L180(最小);
A176~T190(最小);
N181~E191(最小)、c;
P186~A198(最小);
I216~F224(最小)、I216~D225(好ましい)、c;
A226~A240(最小);
P236~G250(最小)、S234~G250(好ましい)、l/c;
L246~A260(好ましい);[
I251~I263(最小)、I251~L267(好ましい)、l/c;
I264~P271(最小)、c;
R266~T277(最小);
A268~L280(最小)、l/c;
T285~D290(最小)、c;
R286~D290(最小)、c;
V289~K296(最小)、R286~K296(好ましい)、c;
V291~T300(最小)、c;
A301~E307(最小)、c;
A310~D313(最小);
A291~D313(好ましい)、c。
ポリペプチドのpH安定性を特定する示差走査蛍光分析
pH安定性は、例えば、示差走査蛍光分析(実施例のセクションを参照されたい)を使用して、プロメテウス技術(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)によって特定される。示差走査蛍光分析は、熱傾斜の際または化学的変性剤の存在下においてタンパク質内部蛍光における変化を検出することによる天然および無標識条件下での熱的変性または化学変性の測定を可能にする。熱的変性の場合、折り畳み状態から非折畳み状態への転移の温度が特定される。より高い転移温度は、より高い熱的安定性に対応する。
ポリペプチド試料を、下記の緩衝液のうちの1つにおいて79μMのタンパク質ストック(1×PBS pH7.6)から1:10に希釈した:50mMクエン酸/リン酸(Acros、110450010;Sigma、S3264) 125mM NaCl(Sigma、S7653)、50mMリン酸(Sigma、S3264;Sigma、S5011) 125mM NaCl、または50mM Tris(Sigma、T6066) 125mM NaCl。当該緩衝液を、室温に設定し、様々なpHにおいて使用した。当該試料をガラス毛管(NanoTemper Technologies GmbH、#PR-C006)に移し、Prometheus NT.48(NanoTemper Technologies GmbH)に挿入した。280nmでの励起の後における330nmおよび350nmでのタンパク質内部蛍光の測定によって融解曲線を決定した。ThermControlソフトウェア(NanoTemper Technologies GmbH)において、20℃の開始温度、95℃の終了温度、1分あたり1℃の昇温速度、および100%の励起電力を設定した。当該データをPR.Stability Analysisソフトウェア(NanoTemper Technologies GmbH)によって分析した。
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配列
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MLSLLRRLLR WSDQSQQSPP PPPPQAEASS NRPRSVAQAA IATDGKGIID KDCRDAVIND AKLRAAIAGA LVKAGFSSAD AVALAPRIAK EMAKEGVLLI NHHKLKALIG AQLGLLTDAK IQRAAAAVDL GIKATLAATI IPNALHSAAF KDAVVANLVA AGVDKKLAKA TAVAIAATAL NPALGPIAKT EAIKAEIAAQ AALLVGRGVH LKKAAIEHII GRSFDAAVAT AIVSSPILNA RIVTHLVRAG IDKSLAVQIA PRIIDRLAKE PLLALNTAKL MKNITRQIVD VITADKAIKT AEQLEKELPA LDDLVKKACS CPKPTPTPTP TPTPTPKPTP TPTPKPTPTP KPKPTPAPAP TSGATSDEST SRSGGHSQGG SGTHYIHHGV APVLTHSSDL PSTGF
Uniprot Q6A5P9(配列番号65)
MIIFVRVGNR HMRKRRAVLV VAFQLVNRRL AITKFPTPRR NDASNKNHCG SCDSNCLNRL TISYHPLPAN AASNGNSSIT QSAAFSPRAT TKISEDCRKA IINDLKLRGA IVGALVKAGL SAADAAALAP RIAAEMAAEG TLTINHHRLK VLVASQLGLV ADAAVQHAAA AIDLSFKAIL GASIIPNALG SAAFKNAVIA NLVAAGIDKH LARATAVAIV ATALNPALGP IAKFELIKAE IAAQAALLIR RGVHLQKAAI EHVIGRAFDA AVATAIISSP ILSARIVTHL VRAGIDKSIA ISLAPHIVKR LAKEPLLAFN TAKLVKDIAR QIVDIRNTQE AIAVYKQLKA ELPTLDGLVQ KACTPEPTPT PTPTPTPTPT PAPTPTPAPT PTPAPTPAPT PTPAPTPTPT PTPTPTPTPT HGATTTTPIS RTTDRHNLGS HHTRIAAPAL IHAKALPATG TGA
Uniprot Q6A9N1(配列番号66)
MTTSAMRKIV ASVLGAILAL TGVLITPAAW AAGPTVTVIP VGREGGDITI SGKGFSTTGF GVYVAVAPAS VPEFYGNSDK FYGYDPSKDT TESPSTIWVY TPSQKAIGSR FAQGRPMNND GSFTITMKAP PFEQGKDFVV LTTKAHGVGK TDHSDDTRTP VTYREATPAP TGPKTPIAPS KQPSKQAAPS KQVKPSKQAG PNKQSTTPQQ KTAEHRSQTP AAHRTMTKQV CTIGASKVTS GSLTWGIRTS FTSYLRGPIA NGSWKLSGGA NWNGSAFTFP LTSGSFDPAT KSGSLKYSGS VHMTGHHGIL DMTLAEPSLQ IKGSTGHLYL DVKSSSMDGK KTNYGRVDFA TFGVSVSGNA AIKGSPVKLT ATGAKAFAGF YRAGEPMNPL STNLTLSAEK VCHNVTVDAV TGKVIGDDSG KGAGRGLPVT GAEGPSSDEI DLGIVGGLAL TAVVSTVVVC RRYAARI
P002(配列番号1)
MHAVEPTTTI SATSTHELSA SDARNSIQLL NAHIATLQSV QKSVPGSDYS DQIRDLLKAA
FDLRGLIETL AHGGIPFYDP STIMPRIKLV ATTIDTIHTA TTTLQNKVRP AHVELGLEVT
KAVLLTANPA STAKELDAEG AALKARLEKV SQYPDLTPND VATVYVRTNF SKTIWQVRAN
RDRYILGHKS AAVYKTLNHA ITKAVGVRLN PKTTVGNIQA ARTELLAAYQ TAFNSPDVKK
AAHHHHHH
P005(配列番号2)
MTVKVGINGF GRIGRNFFRA LAEQGADLEV VAVNDLTDTK TLAHLLKYDS IMGRFSGEVS
YDDDSITVDG KTIKVLAERN PADLPWKELG AEIVVESTGL FTDGEKAKAH FEAGAKKVII
SAPGKNVDGT FVMGVNDGDY DNAKHNIISN ASCTTNCLAP LAKVLNDAFG IERGIMTTVH
AYTGDQRLQD APHKDLRRAR AAALNMIPTK TGAAQAVALV LPELKGKFDG LAVRVPTPTG
SLTDLTFQTS KETTVEEVQA AVKKAAEGPL KGILAYTEDP IVSKDIEGDP HSSIFDATET
KAIGNLVKVL SWYDNEWGYS NRLVDLTKLV ASKLAHHHHH H
P018(配列番号3)
MSSELVDTTE MYLRTFYELL EEGVELRRAR IVERLHQSGP TVSQTVARME RDGLVVVESD
RSISLTQEGH DVAQTVMRKH RLAECLLTQI IGLRPDLVHD EACRWEHVIS GEVEKRLTGL
LENPDVSPYG CPLPPEQAGC RPDGSARFRD DSKPLDEVIA ETGCPVSVTV TRLSEFFQAT
EGNLADVYAA GLLPGKSVEV DDDADGIRLT GPSGSIVVDP EILSGLFVAQ NSHHHHHH
P022(配列番号4)
MHHHHHHLSL LRRLLRWSDQ SQQSPPPPPP QAEASSNRPR SVAQAAIATD GKGIIDKDCR
DAVINDAKLR AAIAGALVKA GFSSADAVAL APRIAKEMAK EGVLLINHHK LKALIGAQLG
LLTDAKIQRA AAAVDLGIKA TLAATIIPNA LHSAAFKDAV VANLVAAGVD KKLAKATAVA
IAATALNPAL GPIAKTEAIK AEIAAQAALL VGRGVHLKKA AIEHIIGRSF DAAVATAIVS
SPILNARIVT HLVRAGIDKS LAVQIAPRII DRLAKEPLLA LNTAKLMKNI TRQIVDVITA
DKAIKTAEQL EKELPALDDL VKKACSCPKP TPTPTPTPTP TPKPTPTPTP KPTPTPKPKP
TPAPAPTSGA TSDESTSRSG GHSQGGSGTH YIHHGVAPVL THSSDLPSTG F
P022-V1(配列番号5)
MHHHHHHDSQ IRGEAMRRSR IAVAAATATA LVGSIAAITP SPQAEASSNR PRSVAQAAIA
TDGKGIINKD CRDAVINDAK LRAAIAGALV KAGFSSADAV ALAPRIAREM AKEGVLLINH
HKLKALIGAQ VGLLTDAKIQ RAAAAVDLGI KATLAATIIP NALHSAAFKD AVVANLVAAG
VDKKLAKATA VAIAATALNP ALGPIAKTEA IKAEIGAQAA LLVSRGVHLK KAAIEHIIGR
SFDAAVATAI VSSPILNARI VTHLVRAGID KSLAVQIAPR IIDRLAKEPL LALNTAKLMK
NITRQIVDVI TADKAIKTAE QLEKELPALD DLVKKACSCP KPTPTPTPTP TPTPTPKPTP
TPTPTPTPTP KPKPTPAPAP TSGATSDEST SRSGGHSQGG SGTHYIHHGV APVLTHSSDL
PSTGF
P022-V2(配列番号6)
MHHHHHHSSN RPRSVAQAAI ATDGKGIIDK DCRDAVINDA KLRAAIAGAL VKAGFSSADA
VALAPRIAKE MAKEGVLLIN HHKLKALIGA QLGLLTDAKI QRAAAAVDLG IKATLAATII
PNALHSAAFK DAVVANLVAA GVDKKLAKAT AVAIAATALN PALGPIAKTE AIKAEIAAQA
ALLVGRGVHL KKAAIEHIIG RSFDAAVATA IVSSPILNAR IVTHLVRAGI DKSLAVQIAP
RIIDRLAKEP LLALNTAKLM KNITRQIVDV ITADKAIKTA EQLEKELPAL DDLVKKACSC
PKPTPTPTPT PTPTPKPTPT PTPKPTPTPK PKPTPAPAPT SGATSDESTS RSGGHSQGGS
GTHYIHHGVA PVLTHSSDLP STGF
P022-V3(配列番号7)
MSSNRPRSVA QAAIATDGKG IIDKDCRDAV INDAKLRAAI AGALVKAGFS SADAVALAPR
IAKEMAKEGV LLINHHKLKA LIGAQLGLLT DAKIQRAAAA VDLGIKATLA ATIIPNALHS
AAFKDAVVAN LVAAGVDKKL AKATAVAIAA TALNPALGPI AKTEAIKAEI AAQAALLVGR
GVHLKKAAIE HIIGRSFDAA VATAIVSSPI LNARIVTHLV RAGIDKSLAV QIAPRIIDRL
AKEPLLALNT AKLMKNITRQ IVDVITADKA IKTAEQLEKE LPALDDLVKK ACSCPKPTPT
PTPTPTPTPK PTPTPTPKPT PTPKPKPTPA PAPTSGATSD ESTSRSGGHS QGGSGTHYIH
HGVAPVLTHS SDLPSTGF
P027(配列番号8)
MITKFPTPRR NDASNKNHCG SCDSNCLNRL TISYHPLPAN AASNGNSSIT QSAAFSPRAT
TKISEDCRKA IINDLKLRGA IVGALVKAGL SAADAAALAP RIAAEMAAEG TLTINHHRLK
VLVASQLGLV ADAAVQHAAA AIDLSFKAIL GASIIPNALG SAAFKNAVIA NLVAAGIDKH
LARATAVAIV ATALNPALGP IAKFELIKAE IAAQAALLIR RGVHLQKAAI EHVIGRAFDA
AVATAIISSP ILSARIVTHL VRAGIDKSIA ISLAPHIVKR LAKEPLLAFN TAKLVKDIAR
QIVDIRNTQE AIAVYKQLKA ELPTLDGLVQ KACTPEPTPT PTPTPTPTPT PAPTPTPAPT
PTPAPTPAPT PTPAPTPTPT PTPTPTPTPT HGATTTTPIS RTTDRHNLGS HHTRIAAPAL
IHAKALPATG TGAHHHHHH
P027-V1(配列番号9)
MIIFVRVGNR HMRKRRAVLV VAFQLVNRRL AITKFPTPRR NDASNKNHCG SCDSNCLNRL
TISYHPLPAN AASNGNSSIT QSAAFSPRAT TKISEDCRKA IINDLKLRGA IVGALVKAGL
SAADAAALAP RIAAEMAAEG TLTINHHRLK VLVASQLGLV ADAAVQHAAA AIDLSFKAIL
GASIIPNALG SAAFKNAVIA NLVAAGIDKH LARATAVAIV ATALNPALGP IAKFELIKAE
IAAQAALLIR RGVHLQKAAI EHVIGRAFDA AVATAIISSP ILSARIVTHL VRAGIDKSIA
ISLAPHIVKR LAKEPLLAFN TAKLVKDIAR QIVDIRNTQE AIAVYKQLKA ELPTLDGLVQ
KACTPEPTPT PTPTPTPTPT PAPTPTPAPT PTPAPTPAPT PTPAPTPTPT PTPTPTPTPT
HGATTTTPIS RTTDRHNLGS HHTRIAAPAL IHAKALPATG TGAHHHHHH
P027-V2(配列番号10)
MHHHHHHLSP SFQPLGETMR RTRITVAAVT ATALIGSLSA ITPLPANAAS NGNSSITQSA
AFSPRATTKI SEDCRKAIIN DLKLRGAIVG ALVKAGLSAA DAAALAPRIA AEMAAEGTLT
INHHRLKVLV ASQLGLVADA AVQHAAAAID LSFKAILGAS IIPNALGSAA FKNAVIANLV
AAGIDKHLAR ATAVAIVATA LNPALGPIAK FELIKAEIAA QAALLIRRGV HLQKAAIEHV
IGRAFDAAVA TAIISSPILS ARIVTHLVRA GIDKSIAISL APHIVKRLAK EPLLAFNTAK
LVKDIARQIV DIRNTQEAIA VYKQLKAELP TLDGLVQKAC TPEPTPTPTP TPTPTPTPTP
TPTPTPTPTP TPTPTPAPTP APTPAPTPTP TPTPAPTPTP TPTPTPTPTP TPTPTPTPTH
GATTTTPISR TTDRHNLGSH HTRIAAPALI HAKALPATGT GA
P027-V3(配列番号11)
MHHHHHHASN GNSSITQSAA FSPRATTKIS EDCRKAIIND LKLRGAIVGA LVKAGLSAAD
AAALAPRIAA EMAAEGTLTI NHHRLKVLVA SQLGLVADAA VQHAAAAIDL SFKAILGASI
IPNALGSAAF KNAVIANLVA AGIDKHLARA TAVAIVATAL NPALGPIAKF ELIKAEIAAQ
AALLIRRGVH LQKAAIEHVI GRAFDAAVAT AIISSPILSA RIVTHLVRAG IDKSIAISLA
PHIVKRLAKE PLLAFNTAKL VKDIARQIVD IRNTQEAIAV YKQLKAELPT LDGLVQKACT
PEPTPTPTPT PTPTPTPAPT PTPAPTPTPA PTPAPTPTPA PTPTPTPTPT PTPTPTHGAT
TTTPISRTTD RHNLGSHHTR IAAPALIHAK ALPATGTGA
P027-V4(配列番号12)
MASNGNSSIT QSAAFSPRAT TKISEDCRKA IINDLKLRGA IVGALVKAGL SAADAAALAP
RIAAEMAAEG TLTINHHRLK VLVASQLGLV ADAAVQHAAA AIDLSFKAIL GASIIPNALG
SAAFKNAVIA NLVAAGIDKH LARATAVAIV ATALNPALGP IAKFELIKAE IAAQAALLIR
RGVHLQKAAI EHVIGRAFDA AVATAIISSP ILSARIVTHL VRAGIDKSIA ISLAPHIVKR
LAKEPLLAFN TAKLVKDIAR QIVDIRNTQE AIAVYKQLKA ELPTLDGLVQ KACTPEPTPT
PTPTPTPTPT PAPTPTPAPT PTPAPTPAPT PTPAPTPTPT PTPTPTPTPT HGATTTTPIS
RTTDRHNLGS HHTRIAAPAL IHAKALPATG TGA
P028(配列番号13)
MHHHHHHAGP TVTVIPVGRE GGDITISGKG FSTTGFGVYV AVAPASVPEF YGNSDKFYGY
DPSKDTTESP STIWVYTPSQ KAIGSRFAQG RPMNNDGSFT ITMKAPPFEQ GKDFVVLTTK
AHGVGKTDHS DDTRTPVTYR EATPAPTGPK TPIAPSKQPS KQAAPSKQVK PSKQAGPNKQ
STTPQQKTAE HRSQTPAAHR TMTKQVCTIG ASKVTSGSLT WGIRTSFTSY LRGPIANGSW
KLSGGANWNG SAFTFPLTSG SFDPATKSGS LKYSGSVHMT GHHGILDMTL AEPSLQIKGS
TGHLYLDVKS SSMDGKKTNY GRVDFATFGV SVSGNAAIKG SPVKLTATGA KAFAGFYRAG
EPMNPLSTNL TLSAEKVCHN VTVDAVTGKV IGDDSGKGAG RGLPVTGAEG PSSDEIDLGI
VGGLALTAVV STVVVCRRYA ARI
P028-V1(配列番号14)
MAGPTVTVIP VGREGGDITI SGKGFSTTGF GVYVAVAPAS VPEFYGNSDK FYGYDPSKDT
TESPSTIWVY TPSQKAIGSR FAQGRPMNND GSFTITMKAP PFEQGKDFVV LTTKAHGVGK
TDHSDDTRTP VTYREATPAP TGPKTPIAPS KQPSKQAAPS KQVKPSKQAG PNKQSTTPQQ
KTAEHRSQTP AAHRTMTKQV CTIGASKVTS GSLTWGIRTS FTSYLRGPIA NGSWKLSGGA
NWNGSAFTFP LTSGSFDPAT KSGSLKYSGS VHMTGHHGIL DMTLAEPSLQ IKGSTGHLYL
DVKSSSMDGK KTNYGRVDFA TFGVSVSGNA AIKGSPVKLT ATGAKAFAGF YRAGEPMNPL
STNLTLSAEK VCHNVTVDAV TGKVIGDDSG KGAGRGLPVT
P028-V2(配列番号15)
MAGPTVTVIP VGREGGDITI SGKGFSTTGF GVYVAVAPAS VPEFYGNSDK FYGYDPSKDT
TESPSTIWVY TPSQKAIGSR FAQGRPMNND GSFTITMKAP PFEQGKDFVV LTTKAHGVGK
TDHSDDTRTP VTYREATPAP TGPKTPIAPS KQPSKQAAPS KQVKPSKQAG PNKQSTTPQQ
KTAEHRSQTP AAHRTMTKQV CTIGASKVTS GSLTWGIRTS FTSYLRGPIA NGSWKLSGGA
NWNGSAFTFP LTSGSFDPAT KSGSLKYSGS VHMTGHHGIL DMTLAEPSLQ IKGSTGHLYL
DVKSSSMDGK KTNYGRVDFA TFGVSVSGNA AIKGSPVKLT ATGAKAFAGF YRAGEPMNPL
STNLTLSAEK VCHNVTVDAV TGKVIGDDSG KGAGRGLPVT GAEGPSSDEI DLGIVGGLAL
TAVVSTVVVC RRYAARI
P028-V3(配列番号16)
MAGPTVTVIP VGREGGDITI SGKGFSTTGF GVYVAVAPAS VPEFYGNSDK FYGYDPSKDT
TESPSTIWVY TPSQKAIGSR FAQGRPMNND GSFTITMKAP PFEQGKDFVV LTTKAHGVGK
TDHSDDTRTP VTYREATPAP TGPSGSLTWG IRTSFTSYLR GPIANGSWKL SGGANWNGSA
FTFPLTSGSF DPATKSGSLK YSGSVHMTGH HGILDMTLAE PSLQIKGSTG HLYLDVKSSS MDGKKTNYGR VDFATFGVSV SGNAAIKGSP VKLTATGAKA FAGFYRAGEP MNPLS
P028-V4(配列番号17)
MAGPTVTVIP VGREGGDITI SGKGFSTTGF GVYVAVAPAS VPEFYGNSDK FYGYDPSKDT
TESPSTIWVY TPSQKAIGSR FAQGRPMNND GSFTITMKAP PFEQGKDFVV LTTKAHGVGK
TDHSDDTRTP VTYREATPAP TGPKTPIAPS KQPSKQAAPS KQVKPSKQAG PNKQSTTPQQ
KTAEHRSQTP AAHRTMTKQV CTIGASKVTS GSLTWGIRTS FTSYLRGPIA NGSWKLSGGA NWNGSAFTFP LTSGSFDPAT KSGSLKYSGS VHMTGHHGIL DMTLAEPSLQ IKGSTGHLYL DVKSSSMDGK KTNYGRVDFA TFGVSVSGNA AIKGSPVKLT ATGAKAFAGF YRAGEPMNPL
S
P028-V5(配列番号18)
MAGPTVTVIP VGREGGDITI SGKGFSTTGF GVYVAVAPAS VPEFYGNSDK FYGYDPSKDT TESPSTIWVY TPSQKAIGSR FAQGRPMNND GSFTITMKAP PFEQGKDFVV LTTKAHGVGK TDHSDDTRTP VTYREATPAP TGPKTPIAPS KQPSKQAAPS KQVKPSKQAG PNKQSTTPQQ KTAEHRSQTP AAHRTMTKQV STIGASKVTS GSLTWGIRTS FTSYLRGPIA NGSWKLSGGA NWNGSAFTFP LTSGSFDPAT KSGSLKYSGS VHMTGHHGIL DMTLAEPSLQ IKGSTGHLYL DVKSSSMDGK KTNYGRVDFA TFGVSVSGNA AIKGSPVKLT ATGAKAFAGF YRAGEPMNPL STNLTLSAEK VCHNVTVDAV TGKVIGDDSG KGAGRGLPVT
P028-V6(配列番号19)
MAGPTVTVIP VGREGGDITI SGKGFSTTGF GVYVAVAPAS VPEFYGNSDK FYGYDPSKDT TESPSTIWVY TPSQKAIGSR FAQGRPMNND GSFTITMKAP PFEQGKDFVV LTTKAHGVGK TDHSDDTRTP VTYREATPAP TGPKTPIAPS KQPSKQAAPS KQVKPSKQAG PNKQSTTPQQ KTAEHRSQTP AAHRTMTKQV CTIGASKVTS GSLTWGIRTS FTSYLRGPIA NGSWKLSGGA NWNGSAFTFP LTSGSFDPAT KSGSLKYSGS VHMTGHHGIL DMTLAEPSLQ IKGSTGHLYL DVKSSSMDGK KTNYGRVDFA TFGVSVSGNA AIKGSPVKLT ATGAKAFAGF YRAGEPMNPL STNLTLSAEK VSHNVTVDAV TGKVIGDDSG KGAGRGLPVT
P028-V7(配列番号20)
MAGPTVTVIP VGREGGDITI SGKGFSTTGF GVYVAVAPAS VPEFYGNSDK FYGYDPSKDT TESPSTIWVY TPSQKAIGSR FAQGRPMNND GSFTITMKAP PFEQGKDFVV LTTKAHGVGK TDHSDDTRTP VTYREATPAP TGPKTPIAPS KQPSKQAAPS KQVKPSKQAG PNKQSTTPQQ KTAEHRSQTP AAHRTMTKQV STIGASKVTS GSLTWGIRTS FTSYLRGPIA NGSWKLSGGA NWNGSAFTFP LTSGSFDPAT KSGSLKYSGS VHMTGHHGIL DMTLAEPSLQ IKGSTGHLYL DVKSSSMDGK KTNYGRVDFA TFGVSVSGNA AIKGSPVKLT ATGAKAFAGF YRAGEPMNPL STNLTLSAEK VSHNVTVDAV TGKVIGDDSG KGAGRGLPVT
P032(配列番号21)
MAKVRVYELA KELGLSSKQL LGKLNDMGEF VRSASSTIEA PVVRRLRDQI GSAEPADDAK
AAKPAARKSQ TSSKKTSKET TTAKPAPGPK PGPGPKPTPG PRPGSSSGPK PGRSSAARTS
ATPRPGLIKS SGASSQQEPP AAKPESKPTP KPGQNVPKPH APAPKPKPGA PSKSPKPGAR
PGPRPGGSAG LPSAARPGPR PGAGRRTGAP RPGNNPFASS QGMGQSRHRS EGGQRSGGSR
SGQGERMPRP GGSQGSRGGS GMPRPNPAMM PKHQSSQIGQ ATTGRGGRGG GRGRGGSRGS
GFGGGFGGGP RGPIGGGRGG RGGRGTQGAF GRGGGGRRGR KSRKQRRQEF DEMQAPLVGG
VRVRKGNGET VRLRRGASLT DLAEKINAEP AQLVQVLFNL GEMVTATQSV SDDTLEILGG
ELNYQIQVVS PEDEDRELLE SFDLEFGEDE GDDSDLVARP PVVTVMGHVD HGKTKLLDAL
RHTDVVKGEA GGITQAIGAY QVQTEVDDAE RAITFIDTPG HEAFTAMRAR GAQSTDIAVL
VVAADDGVMP QTVEALNHAK AADVPIVVAV NKIDKPEADP DKVRGQLTEY GLVPEEYGGD
TMFVNVSART HEGLDDLLEA IVLTADAALD LRANPDMAAQ GVAIEAHLDK GRGPVATALI
QRGTLHIGDS IVAGSSYGRV RAMINDQGES VDEAAPATPV QVLGLTSVPG AGDNFLVVDD
DRKARQIAEK REARMRAAQQ ARSSRRKTLD QLFEQLEKGE TEELLLILKG DGAGSVEALE
DALAKIDVGD EVDLRVIDRG VGAITETNVS LAAASNAVIV GFNVRPTAHA QRMADEENVD
IRYYSVIYDA IDEIEAALRG MLKPIYEEKA MGTAEIRQIF RSSKVGTIAG CMITDGTIRR
HAKARLVRDG VVVQETEINT LQREKDAVTE VREGYECGLT LTNYSDIHVG DEVQCYEMVE
KPRDHHHHHH
P035(配列番号22)
MTQTPVKIAV TGAAGQICYS LLFRIASGSL LGDTPIELRL LEITPALKAL EGVVMELDDC
AFGNLVNIEI GDDPKKVFDG VNAAFLVGAM PRKAGMERSD LLTKNGAIFA AQGKALNDVA
ADDVRVLVTG NPANTNALIA ATNAVDIPNN HFAALTRLDH NRAKTQLARK TGKTVNDVRH
MTIWGNHSST QYPDVFHAEV AGQKATNLVN EAWIENEFIP TVAKRGAAII DARGASSAAS
AANATVECMR DWMGSTPEGD WVSMAIPSDG SYGVPEGLIS SFPVTITNGK VEIVQGLDID
DFSRAKIDAS AKELADERDA VKELGLIHHH HHH
P042(配列番号23)
MHHHHHHDAV NEIHAKAGDQ ASVSLTAYAD SPFYKKLPSY VSDSLRDGLF YYTGYYLEDG
AAAGLANLTA LHPTDTQDNS HTLDGDPVLA YCIEKNSLQE RYHQDTGTLT KWSELKPHYN
DNLTNALPKI GWIAKNGYPS KALDELEKQA NAANGNDDAT GSDHRDAVTA TQAAIWHFSD
DFTLKSDDIT EYENGRLISV PDSAKKHISS LYNYLIKKAV PVSDPLDSTS DARGTSDFAG
AALSFEAGQR GHQDRIIVPI QPISPAPTPT PTPTPTPTPT PTPTPTPTPT PTPTPTPTPT
VDVKVTTTAD QTAEVGKPFG DTAHITGTVP EGAHITFKLS HKGLLPNMCG DSVITTKPVA
VPAGNHIQPI DIASPKVTVG QAGTYYWVET LTDSNGKVLA QGKCGEHAET TTVTAPVVPT
PTPTMIPVGP SHPGLMPHTG V
P046(配列番号24)
MHHHHHHTNT STNAGTTLKR TVALAAAASL AVMGTIAEEA HAAPAGNLGA HAEKAPTQHT
KKAPAEQAKR ATTYTARFAL TRVHLNVRSG HSTEYRRYGL LRPGDKLLII GEDVRGWTPV
NYRGKTAWVA TRYITKMNRP VGIYAQRGDH NARSKAVQRD LSTLNYFPAK WVGLPYGPIT
TNAVKVFQRA NALKQTGVTD AVTLGLLKSK ADYQRAAAAE KSSTYKHAEH HSEHSSSTSR
STARPARNTS PDVSTSGIAG SCQASFYDDS QTASGESFSS SALTAASKTY SFGTRLKVTN
KANGQSVVVR VNDRGPYVSG RCLDLSSAAF SRISSLSAGV ADVTYAKVS
P068(配列番号25)
MHHHHHHATP IDESQLPVGP QVSVTDSAQH TGPFAASSPL TITVKPGAPC VRADGYQESM
VTRVLDDKGH QVWTGTFDES KLIGGTGLGT ATFHVGSPAA AFNFHGSERT TYRTLSYCAY
PHYVNGTRER LSQVSVKTFM VDPALN
P069(配列番号26)
MHHHHHHKNT GRDSAADGKT TVKIGTTEAA NDYWNVIKKK AAAEGINIDV VSFNDYTQPN
VALSQGQIDL NAFQHLLFLA DYDVKNNDNI TALAATYVVP LNIYSKKYQR LSQLPAGATI
AIPNDATNQG RALLVLQEAG LLKLRGNGSA LSTPADVIAN QSKVKVKAID AAQTAASLEG
VDGAVVNNNF ATDAGLDRNK VLYHDDATGK SADPYLNIIA VKDADKDNPT YQKVAQLWSD
PDVTKAIIKQ SGGTAKIVSG HSKADLDKIL SGLTTDIKKS NS
P070(配列番号27)
MHHHHHHSAS VTAATTMTSR TASAVRTLDL TKTYGSGTTL VRALRSVTLD IPSGRFTAIM
GASGSGKSTL LHCITGLDSS TSGRVWIGDT EITHLDDDAL TKLRRQHVGF VFQSFNLMPT
LSAADNITLP LRLSHTKVDK EWFDHITGML GITERLGHKP SQMSGGQQQR VAVARALVTR
PDVIVADEPT GALDSEASGD LLTFLRHCVD DLGQTVVMVT HDHDAAARAD DIVTVTDGQV
STARSQEALA
P071(配列番号28)
MHHHHHHDQP DADQSQRQVA LGAMQWTINS HFLNALKMMM HGSWSTSSGA SWNGKAFSFP
VSKGSLSSTA QKADVKYSGS VHFTGVGGRM DLTLADPEIV VNNGDDHVIM SVKSKTMVGQ
SVDYGRITFV DMTGSITQGQ NDAAQVVGTN VKLNSQAVDA FAGFYQAGKP MDDIDSSLKL
GPQSSRPEPT VTPKPSVTPK PSVKPKPTVA PKPSVKPKPR VSPKPSAKPK PTVAPKPDQS
TIMAPQSDAA TEAAAGEAPS AGAHKIIRKQ VCTVVPGASR ATSPTSTPAK VGKGSMNWGV
STSFVNALKG PMQGKWTMSG GASADGTRFN FPFSGGNYDR ATKTGNLNFS GGVHFTGVHG
LLDLSLSDPS LSLKNGKGVM KLTLNAGGMA PFKGRVDFAN VSVVPSGSGF TATSVVLTGN
GVQVWNGFYK KGHSMDNFSV SLGDKSDSAS AAKQNSASLV KKSAASPTKR ECHDVLVDAK
TGQIISGSNG SLPNTGV
P022F1(配列番号29)
MHHHHHHLSL LRRLLRWSDQ SQQSPPPPPP QAEASSNRPR SVAQAAIATD GKGIIDKDCR
DAVINDAKLR AAIAGALVKA GFSSADAVAL APRIAKEMAK EGVLLINHHK LKALIGAQLG
LLTDAKIQRA AAAVDLGIKA TLAATIIP
P022F2(配列番号30)
MHHHHHHGVL LINHHKLKAL IGAQLGLLTD AKIQRAAAAV DLGIKATLAA TIIPNALHSA
AFKDAVVANL VAAGVDKKLA KATAVAIAAT ALNPALGPIA KTEAIKAEIA AQAALLVGRG
VHLKKAAIEH IIGRSFDAAV ATAIVSSP
P022F3(配列番号31)
MHHHHHHGVH LKKAAIEHII GRSFDAAVAT AIVSSPILNA RIVTHLVRAG IDKSLAVQIA
PRIIDRLAKE PLLALNTAKL MKNITRQIVD VITADKAIKT AEQLEKELPA LDDLVKKACS
CPKPTPTPTP TPTPTPKPTP TPTPKPTPTP KPKPTPAPAP TSG
P022F4(配列番号32)
MHHHHHHPLL ALNTAKLMKN ITRQIVDVIT ADKAIKTAEQ LEKELPALDD LVKKACSCPK
PTPTPTPTPT PTPKPTPTPT PKPTPTPKPK PTPAPAPTSG ATSDESTSRS GGHSQGGSGT
HYIHHGVAPV LTHSSDLPST GF
P022F5(配列番号33)
MHHHHHHLSL LRRLLRWSDQ SQQSPPPPPP QAEASSNRPR SVAQAAIATD GKGIIDKDCR
DAVINDAKLR AAIAGALVKA GFSSADAVAL APRIAKEMAK EGVLLINHHK LKALIGAQLG
LLTDAKIQRA AAAVDLGIKA TLAATIIPNA LHSAAFKDAV VANLVAAGVD KKLAKATAVA
IAATALNPAL GPIAKTEAIK AEIAAQAALL VGRGVHLKKA AIEHIIGRSF DAAVATAIVS
SP
P022F6(配列番号34)
MHHHHHHLSL LRRLLRWSDQ SQQSPPPPPP QAEASSNRPR SVAQAAIATD GKGIIDKDCR
DAVINDAKLR AAIAGALVKA GFSSADAVAL APRIAKEMAK EGVLLINHHK LKALIGAQLG
LLTDAKIQRA AAAVDLGIKA TLAATIIPNA LHSAAFKDAV VANLVAAGVD KKLAKATAVA
IAATALNPAL GPIAKTEAIK AEIAAQAALL VGRGVHLKKA AIEHIIGRSF DAAVATAIVS
SPILNARIVT HLVRAGIDKS LAVQIAPRII DRLAKEPLLA LNTAKLMKNI TRQIVDVITA
DKAIKTAEQL EKELPALDDL VKKACSCPKP TPTPTPTPTP TPKPTPTPTP KPTPTPKPKP
TPAPAPTSG
P022F7(配列番号35)
MHHHHHHGVL LINHHKLKAL IGAQLGLLTD AKIQRAAAAV DLGIKATLAA TIIPNALHSA
AFKDAVVANL VAAGVDKKLA KATAVAIAAT ALNPALGPIA KTEAIKAEIA AQAALLVGRG
VHLKKAAIEH IIGRSFDAAV ATAIVSSPIL NARIVTHLVR AGIDKSLAVQ IAPRIIDRLA
KEPLLALNTA KLMKNITRQI VDVITADKAI KTAEQLEKEL PALDDLVKKA CSCPKPTPTP
TPTPTPTPKP TPTPTPKPTP TPKPKPTPAP APTSGATSDE STSRSGGHSQ GGSGTHYIHH
GVAPVLTHSS DLPSTGF
P022F8(配列番号36)
MHHHHHHPPQ AEASSNRPRS VAQAAIATDG KGIIDKDCRD AVINDAKLRA AIAGALVKAG
FSSADAVALA PRIAKEMAKE GVLLINHHKL KALIGAQLGL LTDAKIQRAA AAVDLGIKAT
LAATIIPNAL HSAAFKDAVV ANLVAAGVDK KLAKATAVAI AATALNPALG PIAKTEAIKA
EIAAQAALLV GRGVHLKKAA IEHIIGRSFD AAVATAIVSS PILNARIVTH LVRAGIDKSL
AVQIAPRIID RLAKEPLLAL NTAKLMKNIT RQIVDVITAD KAIKTAEQLE KELPALDDLV
KKACS
P022F9(配列番号37)
MHHHHHHSSN RPRSVAQAAI ATDGKGIIDK DCRDAVINDA KLRAAIAGAL VKAGFSSADA
VALAPRIAKE MAKEGVLLIN HHKLKALIGA QLGLLTDAKI QRAAAAVDLG IKATLAATII
PNALHSAAFK DAVVANLVAA GVDKKLAKAT AVAIAATALN PALGPIAKTE AIKAEIAAQA
ALLVGRGVHL KKAAIEHIIG RSFDAAVATA IVSSPILNAR IVTHLVRAGI DKSLAVQIAP
RIIDRLAKEP LLALNTAKLM KNITRQIVDV ITADKAIKTA EQLEKELPAL DDLVKKACSC
PKPTPTPTPT PT
P022F10(配列番号38)
MHHHHHHSSN RPRSVAQAAI ATDGKGIIDK DCRDAVINDA KLRAAIAGAL VKAGFSSADA
VALAPRIAKE MAKEGVLLIN HHKLKALIGA QLGLLTDAKI QRAAAAVDLG IKATLAATII
PNAL
P022F11(配列番号39)
MHHHHHHSAA FKDAVVANLV AAGVDKKLAK ATAVAIAATA LNPALGPIAK TEAIKAEIAA
QAALLVGRGV HLKKAAIEHI IGRSFDAAVA TAIVSSPILN ARIVTHLVRA GIDKSLAVQI
APRIIDRLAK EPLLALNT
P022F12(配列番号40)
MHHHHHHKAE IAAQAALLVG RGVHLKKAAI EHIIGRSFDA AVATAIVSSP ILNARIVTHL
VRAGIDKSLA VQIAPRIIDR LAKEPLLALN TAKLMKNITR QIVDVITADK AIKTAEQLEK
ELPALDDLVK KACSCPKPTP TPTPTPTPTP KPTPTPTPKP TPTPKPKPTP APAPTSG
P022F13(配列番号41)
MHHHHHHKAE IAAQAALLVG RGVHLKKAAI EHIIGRSFDA AVATAIVSSP ILNARIVTHL
VRAGIDKSLA VQIAPRIIDR LAKEPLLALN TAKLMKNITR QIVDVITADK AIKTAEQLEK
ELPALDDLVK KACSCPKPTP TPTPTPTPTP KPTPTPTPKP TPTPKPKPTP APAPTSGATS
DESTSRSGGH SQGGSGTHYI HHGVAPVLTH SSDLPSTGF
P022F14(配列番号42)
MHHHHHHSSN RPRSVAQAAI ATDGKGIIDK DCRDAVINDA KLRAAIAGAL VKAGFSSADA
VALAPRIAKE MAKEGVLLIN HHKLKALIGA QLGLLTDAKI QRAAAAVDLG IKATLAATII
PNALHSAAFK DAVVANLVAA GVDKKLAKAT AVAIAATALN PALGPIAKTE AIKAEIAAQA
ALLVGRGVHL KKAAIEHIIG RSFDAAVATA IVSSPILNAR IVTHLVRAGI DKSLAVQIAP
RIIDRLAKEP LLALNTAKLM KNITRQIVDV ITADKAIKTA EQLEKELPAL DDLVKKACS
P027F1(配列番号43)
MHHHHHHGSA AFKNAVIANL VAAGIDKHLA RATAVAIVAT ALNPALGPIA KFELIKAEIA
AQAALLIRRG VHLQKAAIEH VIGRAFDAAV ATAIISSPIL SARIVTHLVR AGIDKSIAIS
LAPHIVKRLA KEPLLAFNT
H2(配列番号44)
MHHHHHHSAA FKDAVVANLV AAGVDKKLAK ATAVAIAATA LNPALGPIAK TEAIKAEIAA
QAALLVGRGV HLKKAAIEHI IGRSFDAAVA TAIVSSPILN ARIVTHLVRA GIDKSLAVQI
APRIIDRLAK EPLLALNTNA LGSAAFKNAV IANLVAAGID KHLARATAVA IVATALNPAL
GPIAKFELIK AEIAAQAALL IRRGVHLQKA AIEHVIGRAF DAAVATAIIS SPILSARIVT
HLVRAGIDKS IAISLAPHIV KRLAKEPLLA FNT
H3(配列番号45)
MHHHHHHSSN RPRSVAQAAI ATDGKGIIDK DCRDAVINDA KLRAAIAGAL VKAGFSSADA
VALAPRIAKE MAKEGVLLIN HHKLKALIGA QLGLLTDAKI QRAAAAVDLG IKATLAATII
PNALASNGNS SITQSAAFSP RATTKISEDC RKAIINDLKL RGAIVGALVK AGLSAADAAA
LAPRIAAEMA AEGTLTINHH RLKVLVASQL GLVADAAVQH AAAAIDLSFK AILGASIIPN
AL
H4(配列番号46)
MHHHHHHSSN RPRSVAQAAI ATDGKGIIDK DCRDAVINDA KLRAAIAGAL VKAGFSSADA
VALAPRIAKE MAKEGVLLIN HHKLKALIGA QLGLLTDAKI QRAAAAVDLG IKATLAATII
PNALGSAAFK NAVIANLVAA GIDKHLARAT AVAIVATALN PALGPIAKFE LIKAEIAAQA
ALLIRRGVHL QKAAIEHVIG RAFDAAVATA IISSPILSAR IVTHLVRAGI DKSIAISLAP
HIVKRLAKEP LLAFNTAKLM KNITRQIVDV ITADKAIKTA EQLEKELPAL DDLVKKACSC
PKPTPTPTPT PT
H4-V1(配列番号47)
MSSNRPRSVA QAAIATDGKG IIDKDCRDAV INDAKLRAAI AGALVKAGFS SADAVALAPR
IAKEMAKEGV LLINHHKLKA LIGAQLGLLT DAKIQRAAAA VDLGIKATLA ATIIPNALGS
AAFKNAVIAN LVAAGIDKHL ARATAVAIVA TALNPALGPI AKFELIKAEI AAQAALLIRR
GVHLQKAAIE HVIGRAFDAA VATAIISSPI LSARIVTHLV RAGIDKSIAI SLAPHIVKRL
AKEPLLAFNT AKLMKNITRQ IVDVITADKA IKTAEQLEKE LPALDDLVKK ACSCPKPTPT
PTPTPT
H4-V2(配列番号48)
MSSNRPRSVA QAAIATDGKG IIDKDSRDAV INDAKLRAAI AGALVKAGFS SADAVALAPR IAKEMAKEGV LLINHHKLKA LIGAQLGLLT DAKIQRAAAA VDLGIKATLA ATIIPNALGS AAFKNAVIAN LVAAGIDKHL ARATAVAIVA TALNPALGPI AKFELIKAEI AAQAALLIRR GVHLQKAAIE HVIGRAFDAA VATAIISSPI LSARIVTHLV RAGIDKSIAI SLAPHIVKRL AKEPLLAFNT AKLMKNITRQ IVDVITADKA IKTAEQLEKE LPALDDLVKK ACSCPKPTPT
PTPTPT
H4-V3(配列番号49)
MSSNRPRSVA QAAIATDGKG IIDKDSRDAV INDAKLRAAI AGALVKAGFS SADAVALAPR IAKEMAKEGV LLINHHKLKA LIGAQLGLLT DAKIQRAAAA VDLGIKATLA ATIIPNALGS AAFKNAVIAN LVAAGIDKHL ARATAVAIVA TALNPALGPI AKFELIKAEI AAQAALLIRR GVHLQKAAIE HVIGRAFDAA VATAIISSPI LSARIVTHLV RAGIDKSIAI SLAPHIVKRL AKEPLLAFNT AKLMKNITRQ IVDVITADKA IKTAEQLEKE LPALDDLVKK ASSPPKPTPT
PTPTPT
H5(配列番号50)
MHHHHHHGSA AFKNAVIANL VAAGIDKHLA RATAVAIVAT ALNPALGPIA KFELIKAEIA
AQAALLIRRG VHLQKAAIEH VIGRAFDAAV ATAIISSPIL SARIVTHLVR AGIDKSIAIS
LAPHIVKRLA KEPLLAFNTA KLMKNITRQI VDVITADKAI KTAEQLEKEL PALDDLVKKA
CSCPKPTPTP TPTPT
PRO-H4-V3ヒトコドンバイアス(配列番号67)
ATGAGCAGCAACAGACCCAGAAGCGTGGCCCAGGCCGCCATCGCCACCGACGGCAAGGGC
ATCATCGACAAGGACAGCAGAGACGCCGTGATCAACGACGCCAAGCTGAGAGCCGCCATC
GCCGGCGCCCTGGTGAAGGCCGGCTTCAGCAGCGCCGACGCCGTGGCCCTGGCCCCCAGA
ATCGCCAAGGAGATGGCCAAGGAGGGCGTGCTGCTGATCAACCACCACAAGCTGAAGGCC
CTGATCGGCGCCCAGCTGGGCCTGCTGACCGACGCCAAGATCCAGAGAGCCGCCGCCGCC
GTGGACCTGGGCATCAAGGCCACCCTGGCCGCCACCATCATCCCCAACGCCCTGGGCAGC
GCCGCCTTCAAGAACGCCGTGATCGCCAACCTGGTGGCCGCCGGCATCGACAAGCACCTG
GCCAGAGCCACCGCCGTGGCCATCGTGGCCACCGCCCTGAACCCCGCCCTGGGCCCCATC
GCCAAGTTCGAGCTGATCAAGGCCGAGATCGCCGCCCAGGCCGCCCTGCTGATCAGAAGA
GGCGTGCACCTGCAGAAGGCCGCCATCGAGCACGTGATCGGCAGAGCCTTCGACGCCGCC
GTGGCCACCGCCATCATCAGCAGCCCCATCCTGAGCGCCAGAATCGTGACCCACCTGGTG
AGAGCCGGCATCGACAAGAGCATCGCCATCAGCCTGGCCCCCCACATCGTGAAGAGACTG
GCCAAGGAGCCCCTGCTGGCCTTCAACACCGCCAAGCTGATGAAGAACATCACCAGACAG
ATCGTGGACGTGATCACCGCCGACAAGGCCATCAAGACCGCCGAGCAGCTGGAGAAGGAG
CTGCCCGCCCTGGACGACCTGGTGAAGAAGGCCAGCAGCCCCCCCAAGCCCACCCCCACC
CCCACCCCCACCCCCACC
PRO-H4-V3高-GC+ヒトコドンバイアス(配列番号68)
ATGAGCAGCAACCGGCCCCGGAGCGTGGCCCAGGCCGCCATCGCCACCGACGGCAAGGGC
ATCATCGACAAGGACAGCCGGGACGCCGTGATCAACGACGCCAAGCTGCGGGCCGCCATC
GCCGGCGCCCTGGTGAAGGCCGGCTTCAGCAGCGCCGACGCCGTGGCCCTGGCCCCCCGG
ATCGCCAAGGAGATGGCCAAGGAGGGCGTGCTGCTGATCAACCACCACAAGCTGAAGGCC
CTGATCGGCGCCCAGCTGGGCCTGCTGACCGACGCCAAGATCCAGCGGGCCGCCGCCGCC
GTGGACCTGGGCATCAAGGCCACCCTGGCCGCCACCATCATCCCCAACGCCCTGGGCAGC
GCCGCCTTCAAGAACGCCGTGATCGCCAACCTGGTGGCCGCCGGCATCGACAAGCACCTG
GCCCGGGCCACCGCCGTGGCCATCGTGGCCACCGCCCTGAACCCCGCCCTGGGCCCCATC
GCCAAGTTCGAGCTGATCAAGGCCGAGATCGCCGCCCAGGCCGCCCTGCTGATCCGGCGG
GGCGTGCACCTGCAGAAGGCCGCCATCGAGCACGTGATCGGCCGGGCCTTCGACGCCGCC
GTGGCCACCGCCATCATCAGCAGCCCCATCCTGAGCGCCCGGATCGTGACCCACCTGGTG
CGGGCCGGCATCGACAAGAGCATCGCCATCAGCCTGGCCCCCCACATCGTGAAGCGGCTG
GCCAAGGAGCCCCTGCTGGCCTTCAACACCGCCAAGCTGATGAAGAACATCACCCGGCAG
ATCGTGGACGTGATCACCGCCGACAAGGCCATCAAGACCGCCGAGCAGCTGGAGAAGGAG
CTGCCCGCCCTGGACGACCTGGTGAAGAAGGCCAGCAGCCCCCCCAAGCCCACCCCCACC
CCCACCCCCACCCCCACC
PRO-028-V7ヒトコドンバイアス(配列番号69)
ATGGCCGGCCCCACCGTGACCGTGATCCCCGTGGGCAGAGAGGGCGGCGACATCACCATC
AGCGGCAAGGGCTTCAGCACCACCGGCTTCGGCGTGTACGTGGCCGTGGCCCCCGCCAGC
GTGCCCGAGTTCTACGGCAACAGCGACAAGTTCTACGGCTACGACCCCAGCAAGGACACC
ACCGAGAGCCCCAGCACCATCTGGGTGTACACCCCCAGCCAGAAGGCCATCGGCAGCAGA
TTCGCCCAGGGCAGACCCATGAACAACGACGGCAGCTTCACCATCACCATGAAGGCCCCC
CCCTTCGAGCAGGGCAAGGACTTCGTGGTGCTGACCACCAAGGCCCACGGCGTGGGCAAG
ACCGACCACAGCGACGACACCAGAACCCCCGTGACCTACAGAGAGGCCACCCCCGCCCCC
ACCGGCCCCAAGACCCCCATCGCCCCCAGCAAGCAGCCCAGCAAGCAGGCCGCCCCCAGC
AAGCAGGTGAAGCCCAGCAAGCAGGCCGGCCCCAACAAGCAGAGCACCACCCCCCAGCAG
AAGACCGCCGAGCACAGAAGCCAGACCCCCGCCGCCCACAGAACCATGACCAAGCAGGTG
AGCACCATCGGCGCCAGCAAGGTGACCAGCGGCAGCCTGACCTGGGGCATCAGAACCAGC
TTCACCAGCTACCTGAGAGGCCCCATCGCCAACGGCAGCTGGAAGCTGAGCGGCGGCGCC
AACTGGAACGGCAGCGCCTTCACCTTCCCCCTGACCAGCGGCAGCTTCGACCCCGCCACC
AAGAGCGGCAGCCTGAAGTACAGCGGCAGCGTGCACATGACCGGCCACCACGGCATCCTG
GACATGACCCTGGCCGAGCCCAGCCTGCAGATCAAGGGCAGCACCGGCCACCTGTACCTG
GACGTGAAGAGCAGCAGCATGGACGGCAAGAAGACCAACTACGGCAGAGTGGACTTCGCC
ACCTTCGGCGTGAGCGTGAGCGGCAACGCCGCCATCAAGGGCAGCCCCGTGAAGCTGACC
GCCACCGGCGCCAAGGCCTTCGCCGGCTTCTACAGAGCCGGCGAGCCCATGAACCCCCTG
AGCACCAACCTGACCCTGAGCGCCGAGAAGGTGAGCCACAACGTGACCGTGGACGCCGTG
ACCGGCAAGGTGATCGGCGACGACAGCGGCAAGGGCGCCGGCAGAGGCCTGCCCGTGACC
PRO-028-V7高-GC+ヒトコドンバイアス(配列番号70)
ATGGCCGGCCCCACCGTGACCGTGATCCCCGTGGGCCGGGAGGGCGGCGACATCACCATC
AGCGGCAAGGGCTTCAGCACCACCGGCTTCGGCGTGTACGTGGCCGTGGCCCCCGCCAGC
GTGCCCGAGTTCTACGGCAACAGCGACAAGTTCTACGGCTACGACCCCAGCAAGGACACC
ACCGAGAGCCCCAGCACCATCTGGGTGTACACCCCCAGCCAGAAGGCCATCGGCAGCCGG
TTCGCCCAGGGCCGGCCCATGAACAACGACGGCAGCTTCACCATCACCATGAAGGCCCCC
CCCTTCGAGCAGGGCAAGGACTTCGTGGTGCTGACCACCAAGGCCCACGGCGTGGGCAAG
ACCGACCACAGCGACGACACCCGGACCCCCGTGACCTACCGGGAGGCCACCCCCGCCCCC
ACCGGCCCCAAGACCCCCATCGCCCCCAGCAAGCAGCCCAGCAAGCAGGCCGCCCCCAGC
AAGCAGGTGAAGCCCAGCAAGCAGGCCGGCCCCAACAAGCAGAGCACCACCCCCCAGCAG
AAGACCGCCGAGCACCGGAGCCAGACCCCCGCCGCCCACCGGACCATGACCAAGCAGGTG
AGCACCATCGGCGCCAGCAAGGTGACCAGCGGCAGCCTGACCTGGGGCATCCGGACCAGC
TTCACCAGCTACCTGCGGGGCCCCATCGCCAACGGCAGCTGGAAGCTGAGCGGCGGCGCC
AACTGGAACGGCAGCGCCTTCACCTTCCCCCTGACCAGCGGCAGCTTCGACCCCGCCACC
AAGAGCGGCAGCCTGAAGTACAGCGGCAGCGTGCACATGACCGGCCACCACGGCATCCTG
GACATGACCCTGGCCGAGCCCAGCCTGCAGATCAAGGGCAGCACCGGCCACCTGTACCTG
GACGTGAAGAGCAGCAGCATGGACGGCAAGAAGACCAACTACGGCCGGGTGGACTTCGCC
ACCTTCGGCGTGAGCGTGAGCGGCAACGCCGCCATCAAGGGCAGCCCCGTGAAGCTGACC
GCCACCGGCGCCAAGGCCTTCGCCGGCTTCTACCGGGCCGGCGAGCCCATGAACCCCCTG
AGCACCAACCTGACCCTGAGCGCCGAGAAGGTGAGCCACAACGTGACCGTGGACGCCGTG
ACCGGCAAGGTGATCGGCGACGACAGCGGCAAGGGCGCCGGCCGGGGCCTGCCCGTGACC
PRO-H4-V3 ORI000137ランク_頻度(配列番号71)
ATGAGCAGCAACCGGCCCCGGAGCGTGGCCCAGGCCGCCATCGCCACCGACGGCAAGGGC
ATCATCGACAAGGACAGCCGGGACGCCGTGATCAACGACGCCAAGCTGCGGGCCGCCATC
GCCGGCGCCCTGGTGAAGGCCGGCTTCAGCAGCGCCGACGCCGTGGCCCTGGCCCCCCGG
ATCGCCAAGGAGATGGCCAAGGAGGGCGTGCTGCTGATCAACCACCACAAGCTGAAGGCC
CTGATCGGCGCCCAGCTGGGCCTGCTGACCGACGCCAAGATCCAGCGGGCCGCCGCCGCC
GTGGACCTGGGCATCAAGGCCACCCTGGCCGCCACCATCATCCCCAACGCCCTGGGCAGC
GCCGCCTTCAAGAACGCCGTGATCGCCAACCTGGTGGCCGCCGGCATCGACAAGCACCTG
GCCCGGGCCACCGCCGTGGCCATCGTGGCCACCGCCCTGAACCCCGCCCTGGGCCCCATC
GCCAAGTTCGAGCTGATCAAGGCCGAGATCGCCGCCCAGGCCGCCCTGCTGATCCGGCGG
GGCGTGCACCTGCAGAAGGCCGCCATCGAGCACGTGATCGGCCGGGCCTTCGACGCCGCC
GTGGCCACCGCCATCATCAGCAGCCCCATCCTGAGCGCCCGGATCGTGACCCACCTGGTG
CGGGCCGGCATCGACAAGAGCATCGCCATCAGCCTGGCCCCCCACATCGTGAAGCGGCTG
GCCAAGGAGCCCCTGCTGGCCTTCAACACCGCCAAGCTGATGAAGAACATCACCCGGCAG
ATCGTGGACGTGATCACCGCCGACAAGGCCATCAAGACCGCCGAGCAGCTGGAGAAGGAG
CTGCCCGCCCTGGACGACCTGGTGAAGAAGGCCAGCAGCCCCCCCAAGCCCACCCCCACC
CCCACCCCCACCCCCACC
PRO-028-V7 ORI000135ランク_頻度(配列番号72)
ATGGCCGGCCCCACCGTGACCGTGATCCCCGTGGGCCGGGAGGGCGGCGACATCACCATC
AGCGGCAAGGGCTTCAGCACCACCGGCTTCGGCGTGTACGTGGCCGTGGCCCCCGCCAGC
GTGCCCGAGTTCTACGGCAACAGCGACAAGTTCTACGGCTACGACCCCAGCAAGGACACC
ACCGAGAGCCCCAGCACCATCTGGGTGTACACCCCCAGCCAGAAGGCCATCGGCAGCCGG
TTCGCCCAGGGCCGGCCCATGAACAACGACGGCAGCTTCACCATCACCATGAAGGCCCCC
CCCTTCGAGCAGGGCAAGGACTTCGTGGTGCTGACCACCAAGGCCCACGGCGTGGGCAAG
ACCGACCACAGCGACGACACCCGGACCCCCGTGACCTACCGGGAGGCCACCCCCGCCCCC
ACCGGCCCCAAGACCCCCATCGCCCCCAGCAAGCAGCCCAGCAAGCAGGCCGCCCCCAGC
AAGCAGGTGAAGCCCAGCAAGCAGGCCGGCCCCAACAAGCAGAGCACCACCCCCCAGCAG
AAGACCGCCGAGCACCGGAGCCAGACCCCCGCCGCCCACCGGACCATGACCAAGCAGGTG
AGCACCATCGGCGCCAGCAAGGTGACCAGCGGCAGCCTGACCTGGGGCATCCGGACCAGC
TTCACCAGCTACCTGCGGGGCCCCATCGCCAACGGCAGCTGGAAGCTGAGCGGCGGCGCC
AACTGGAACGGCAGCGCCTTCACCTTCCCCCTGACCAGCGGCAGCTTCGACCCCGCCACC
AAGAGCGGCAGCCTGAAGTACAGCGGCAGCGTGCACATGACCGGCCACCACGGCATCCTG
GACATGACCCTGGCCGAGCCCAGCCTGCAGATCAAGGGCAGCACCGGCCACCTGTACCTG
GACGTGAAGAGCAGCAGCATGGACGGCAAGAAGACCAACTACGGCCGGGTGGACTTCGCC
ACCTTCGGCGTGAGCGTGAGCGGCAACGCCGCCATCAAGGGCAGCCCCGTGAAGCTGACC
GCCACCGGCGCCAAGGCCTTCGCCGGCTTCTACCGGGCCGGCGAGCCCATGAACCCCCTG
AGCACCAACCTGACCCTGAGCGCCGAGAAGGTGAGCCACAACGTGACCGTGGACGCCGTG
ACCGGCAAGGTGATCGGCGACGACAGCGGCAAGGGCGCCGGCCGGGGCCTGCCCGTGACC
PRO-H4-V3 ORI000137二コドン(bicodon)_最適化(配列番号73)
ATGAGCAGCAACCGGCCCCGCTCTGTGGCCCAGGCCGCCATCGCCACAGATGGCAAGGGC
ATCATCGACAAGGACAGCAGAGATGCTGTGATCAATGATGCCAAGCTGCGGGCTGCCATC
GCCGGGGCCCTGGTGAAGGCCGGCTTCAGCTCTGCTGATGCTGTGGCCCTGGCCCCCCGC
ATCGCCAAGGAGATGGCCAAGGAGGGCGTGCTGCTCATCAACCACCACAAGCTGAAGGCC
CTGATTGGGGCCCAGCTGGGCCTGCTGACAGATGCCAAGATCCAGCGGGCTGCTGCTGCT
GTGGACCTGGGCATCAAGGCCACCCTGGCCGCCACCATCATCCCCAATGCCCTGGGCTCT
GCTGCCTTCAAGAATGCCGTCATCGCCAACCTGGTGGCCGCCGGCATCGACAAGCACCTG
GCCCGGGCCACAGCTGTGGCCATCGTGGCCACCGCCCTGAACCCTGCCCTGGGCCCCATC
GCCAAGTTTGAGCTGATCAAGGCCGAGATTGCTGCCCAGGCCGCCCTGCTCATCCGCCGG
GGCGTGCACCTGCAGAAGGCTGCCATCGAGCACGTGATTGGCCGGGCCTTTGATGCTGCT
GTGGCCACCGCCATCATCAGCAGCCCCATCCTGTCTGCCCGCATCGTGACCCACCTGGTG
CGGGCCGGCATCGACAAGAGCATCGCCATCAGCCTGGCCCCCCACATCGTGAAGCGGCTG
GCCAAGGAGCCCCTGCTGGCCTTCAACACAGCCAAGCTGATGAAGAACATCACCCGGCAG
ATCGTGGATGTGATCACCGCTGACAAGGCCATCAAGACAGCTGAGCAGCTGGAGAAGGAG
CTGCCTGCCCTGGATGACCTGGTGAAGAAGGCCAGCAGCCCCCCCAAGCCCACCCCCACC
CCCACCCCCACCCCCACC
PRO-028-V7 ORI000135二コドン_最適化(配列番号74)
ATGGCCGGCCCCACTGTGACTGTCATCCCTGTGGGCCGGGAGGGCGGGGACATCACCATC
AGCGGCAAGGGCTTCAGCACCACCGGCTTTGGCGTGTATGTGGCTGTGGCCCCAGCCAGC
GTGCCTGAGTTCTACGGCAACAGTGACAAGTTCTACGGCTATGACCCCAGCAAGGACACC
ACCGAGAGCCCCAGCACCATCTGGGTGTACACCCCCAGCCAGAAGGCCATCGGCAGCCGC
TTTGCCCAGGGCCGGCCCATGAACAATGATGGCTCCTTCACCATCACCATGAAGGCCCCC
CCATTTGAGCAGGGCAAGGACTTCGTGGTGCTGACCACCAAGGCCCACGGCGTGGGCAAG
ACAGACCACAGTGATGACACCCGCACCCCTGTGACCTACCGGGAGGCCACCCCAGCCCCC
ACTGGCCCCAAGACCCCCATCGCCCCCAGCAAGCAGCCCAGCAAGCAGGCCGCCCCCAGC
AAGCAGGTGAAGCCCAGCAAGCAGGCCGGCCCCAACAAGCAGAGCACCACCCCCCAGCAG
AAGACAGCTGAGCACCGCAGCCAGACCCCAGCTGCCCACCGCACCATGACCAAGCAGGTG
TCCACCATCGGGGCCAGCAAGGTGACCAGCGGCAGCCTGACCTGGGGCATCCGCACCTCC
TTCACCAGCTACCTGCGGGGCCCCATCGCCAACGGCTCCTGGAAGCTGTCTGGAGGGGCC
AACTGGAATGGCAGCGCCTTCACCTTCCCCCTGACCAGCGGCAGCTTTGACCCAGCCACC
AAGAGCGGCAGCCTGAAGTACAGCGGCTCTGTGCACATGACTGGCCACCACGGCATCCTG
GACATGACCCTGGCCGAGCCCAGCCTGCAGATCAAGGGCAGCACCGGCCACCTGTACCTG
GATGTGAAGAGCAGCTCCATGGATGGCAAGAAGACCAACTACGGCCGGGTGGACTTTGCC
ACCTTCGGGGTGTCTGTGTCTGGAAATGCCGCCATCAAGGGCAGCCCTGTGAAGCTGACA
GCCACCGGGGCCAAGGCCTTTGCTGGCTTCTACAGAGCTGGGGAGCCCATGAACCCCCTG
AGCACCAACCTGACCCTGTCTGCTGAGAAGGTGTCCCACAACGTGACTGTGGATGCTGTG
ACTGGCAAGGTGATTGGAGATGATTCTGGCAAGGGGGCCGGCCGGGGCCTGCCTGTGACC
PRO-H4-V3 ORI000137二コドン_最適化ハイブリッドモデル(配列番号75)
ATGAGCTCCAACCGCCCCCGCTCCGTGGCCCAGGCCGCCATCGCCACAGATGGCAAGGGC
ATCATCGACAAGGACAGCAGAGATGCTGTGATCAATGATGCCAAGCTGCGGGCTGCCATC
GCCGGGGCCCTGGTGAAGGCCGGCTTCAGCTCTGCTGATGCTGTGGCCCTGGCCCCCCGC
ATCGCCAAGGAGATGGCCAAGGAGGGCGTGCTGCTCATCAACCACCACAAGCTGAAGGCC
CTGATTGGGGCCCAGCTGGGCCTGCTGACAGATGCCAAGATCCAGCGGGCTGCTGCTGCT
GTGGACCTGGGCATCAAGGCCACCCTGGCCGCCACCATCATCCCCAATGCCCTGGGCTCT
GCTGCCTTCAAGAATGCCGTCATCGCCAACCTGGTGGCCGCCGGCATCGACAAGCACCTG
GCCCGGGCCACAGCTGTGGCCATCGTGGCCACCGCCCTGAACCCTGCCCTGGGCCCCATC
GCCAAGTTTGAGCTGATCAAGGCCGAGATTGCTGCCCAGGCCGCCCTGCTCATCCGCCGG
GGCGTGCACCTGCAGAAGGCTGCCATCGAGCACGTGATTGGCCGGGCCTTTGATGCTGCT
GTGGCCACCGCCATCATCAGCAGCCCCATCCTGTCTGCCCGCATCGTGACCCACCTGGTG
CGGGCCGGCATCGACAAGAGCATCGCCATCAGCCTGGCCCCCCACATCGTGAAGCGGCTG
GCCAAGGAGCCCCTGCTGGCCTTCAACACAGCCAAGCTGATGAAGAACATCACCCGGCAG
ATCGTGGATGTGATCACCGCTGACAAGGCCATCAAGACAGCTGAGCAGCTGGAGAAGGAG
CTGCCTGCCCTGGATGACCTGGTGAAGAAGGCCAGCAGCCCCCCCAAGCCCACCCCCACC
CCCACCCCCACCCCCACC
PRO-028-V7 ORI000135二コドン_最適化ハイブリッドモデル(配列番号76)
ATGGCCGGGCCCACCGTGACCGTGATCCCAGTGGGCCGGGAGGGCGGCGACATCACCATC
AGCGGCAAGGGCTTCAGCACCACCGGCTTTGGCGTGTATGTGGCTGTGGCCCCAGCCAGC
GTGCCTGAGTTCTACGGCAACAGTGACAAGTTCTACGGCTATGACCCCAGCAAGGACACC
ACCGAGAGCCCCAGCACCATCTGGGTGTACACCCCCAGCCAGAAGGCCATCGGCAGCCGC
TTTGCCCAGGGCCGGCCCATGAACAATGATGGCTCCTTCACCATCACCATGAAGGCCCCC
CCATTTGAGCAGGGCAAGGACTTCGTGGTGCTGACCACCAAGGCCCACGGCGTGGGCAAG
ACAGACCACAGTGATGACACCCGCACCCCTGTGACCTACCGGGAGGCCACCCCAGCCCCC
ACTGGCCCCAAGACCCCCATCGCCCCCAGCAAGCAGCCCAGCAAGCAGGCCGCCCCCAGC
AAGCAGGTGAAGCCCAGCAAGCAGGCCGGCCCCAACAAGCAGAGCACCACCCCCCAGCAG
AAGACAGCTGAGCACCGCAGCCAGACCCCAGCTGCCCACCGCACCATGACCAAGCAGGTG
TCCACCATCGGGGCCAGCAAGGTGACCAGCGGCAGCCTGACCTGGGGCATCCGCACCTCC
TTCACCAGCTACCTGCGGGGCCCCATCGCCAACGGCTCCTGGAAGCTGTCTGGAGGGGCC
AACTGGAATGGCAGCGCCTTCACCTTCCCCCTGACCAGCGGCAGCTTTGACCCAGCCACC
AAGAGCGGCAGCCTGAAGTACAGCGGCTCTGTGCACATGACTGGCCACCACGGCATCCTG
GACATGACCCTGGCCGAGCCCAGCCTGCAGATCAAGGGCAGCACCGGCCACCTGTACCTG
GATGTGAAGAGCAGCTCCATGGATGGCAAGAAGACCAACTACGGCCGGGTGGACTTTGCC
ACCTTCGGGGTGTCTGTGTCTGGAAATGCCGCCATCAAGGGCAGCCCTGTGAAGCTGACA
GCCACCGGGGCCAAGGCCTTTGCTGGCTTCTACAGAGCTGGGGAGCCCATGAACCCCCTG
AGCACCAACCTGACCCTGTCTGCTGAGAAGGTGTCCCACAACGTGACTGTGGATGCTGTG
ACTGGCAAGGTGATTGGAGATGATTCTGGCAAGGGGGCCGGCCGGGGCCTGCCTGTGACC
Hisタグを含む上記の全ての配列(例えば、Table1A(表23)およびTable1B(表4)において「Hisタグ」「あり」でマークされた配列)は、Hisタグを伴って(上記に一覧されるように)および伴わずに(すなわち、上記配列に基づくが、例えば、配列番号1~3、8、22等における6つほとんどのC末端位置において;または配列番号4~6、50等における位置2から7において、His残基を有さない)、本明細書において開示されると見なされるべきであることが強調される。
その上、本明細書において言及され開示される本発明による全ての配列は、N末端メチオニン残基の有無において開示されると見なされるべきである。この残基は、所定の宿主において組換え的に産生されたポリペプチドに、または本明細書において開示されるが組換え発現の理由により加えられた本発明によるポリペプチド/断片/派生体に、存在し得るかまたは存在し得ない。例えば、本明細書において開示されるH4派生体の配列は、3つの異なるDsa1/DsA2断片(DsA1のS29~L145、DsA2のG190~T321、DsA1のT277~T333ならびに、追加的にN末端のメチオニン)を含むとして定義される。しかしながら、第1(DsA1)の断片は、L2~A28の欠失を伴ってDsA1(M1)の元のメチオニンを有するとしても定義される。同じことが、例えば、シグナル配列またはその一部を欠いた上記および本明細書において開示される全ての配列に当てはまる(例えば、メチオニンによって始まる組換え発現(とりわけ、原核生物発現系、または天然シグナル配列を利用しない発現系における)に対して(隣接する(第2の)アミノ酸残基は、天然では、N末端メチオニンに隣接して位置されない)。したがって、本明細書において言及され開示される全ての配列に対して、N末端メチオニンは(存在する場合)、DsA1/DsA2/PITPの元のM1であるとして(最終的に、N末端メチオニンの後に第2のアミノ酸に対してアミノ酸配列の欠失を有する)、または組換え発現の理由のために加えられた追加のメチオニンとして定義される。その上、N末端メチオニンの有無は、メチオニンアミノペプチダーゼ(メチオニンを、とりわけ、N末端からホルミルメチオニンを除去する酵素;例えば、非特許文献4を参照されたい)の存在によって引き起こされる。技術的に、とりわけ、原核生物宿主細胞において、ポリペプチドのある特定のフラクションがメチオニンを含まないがホルミルメチオニンは含むということも可能である。特定の発現系に応じて、これは実際にアミノ酸を開始するが、典型的には、酵素ホルミルメチオニンデホルミラーゼによって標準的メチオニンへと酵素学的に変更され、次いで、切断することができる(または切断されない;非特許文献5)。両方とも、メチオニンアミノペプチダーゼによって切断される場合もある。通常、これは、発酵プロセスによって製造される組換えポリペプチドロットのごく一部であるはずだが、これは統計的プロセスであり、そのため、ポリペプチドのある特定の一部は、メチオニンよりむしろホルミルメチオニンから始まる場合がある。

Claims (32)

  1. P.アクネス(P.acnes)関連感染症の処置または防止において使用するためのワクチンを生成する方法であって、
    -少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む少なくとも1つの抗原を選択することを含み、P.アクネスエピトープは、生存P.アクネス細菌によって提示される場合にヒト血清抗体に直接到達可能であるエピトープであり、ヒト免疫系によるエピトープの特異的結合は、細菌数、フィットネス、増殖、病原性またはそれらの組合せの低減、特に、細菌数の低減につながり、
    免疫系による、特に、ヒト免疫系によるエピトープの結合は、フローサイトメトリーアッセイを使用することによって、好ましくは蛍光活性化セルソーティング(FACS)アッセイによって証明され;
    細菌数、フィットネス、増殖、病原性またはそれらの組合せの低減は、少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む少なくとも1つの抗原に対して特異的な抗体の存在下でのオプソニン食作用傷害アッセイ(OPK)によって証明される、前記方法。
  2. P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するためのワクチンを生成する方法であって、
    -少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む少なくとも1つの抗原を選択することを含み、P.アクネスエピトープは、生存P.アクネス細菌によって提示される場合にヒト血清抗体に直接到達可能であるエピトープであり、ヒト免疫系によるエピトープの特異的結合は、細菌数、フィットネス、増殖、病原性またはそれらの組合せの低減、特に、細菌数の低減につながり、
    免疫系による、特に、ヒト免疫系によるエピトープの結合は、フローサイトメトリーアッセイを使用して、好ましくは蛍光活性化セルソーティング(FACS)アッセイによって、P.アクネス細菌への抗体結合によって、およびフローサイトメトリーアッセイにおける生存P.アクネス細菌への抗原特異的抗体の結合によって証明され;
    細菌数、フィットネス、増殖、病原性またはそれらの組合せの低減は、オプソニン食作用傷害アッセイ(OPK)によって証明され、前記OPKアッセイは、少なくとも1/200の補体不活化血清希釈で出発して、少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含む少なくとも1つの抗原に対して特異的なポリクローナルヒト抗体、またはこのような抗体を含有するヒト血清もしくは抗原誘導ポリクローナル抗体血清の少なくとも2つの連続2倍希釈を使用する、5%COの存在下での37℃での少なくとも24時間またはそれより長いインキュベーション後に、K50力価決定のためのオプソニン食作用傷害アッセイにおいて使用される、少なくとも2倍高い希釈における陰性対照と比較して、反応試料における細菌細胞数の少なくとも50%より多い低減を示す、前記方法。
  3. OPKアッセイが、
    - 抗生物質化合物の存在および/もしくは添加なしに、ならびに/または
    - 補体および/もしくは補体因子の存在および/もしくは添加なしに、
    実行される、請求項1または2に記載の方法。
  4. OPKアッセイが、貪食細胞、好ましくは、好中球、顆粒球、マクロファージ、単球および/またはP.アクネス細菌を取り込み死滅させることが可能な他の細胞、特に、好中球または顆粒球を使用して実行される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)および/またはP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)および/またはDsA1もしくはDsA2の断片および/または派生体を含むワクチンであって、DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、断片および/または派生体は、少なくともCSD2断片を含むまたはからなり、CSD2断片は、好ましくは、断片または派生体はNSRおよびCTRを含まないという条件で、
    - フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
    - フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、
    - ロイシン238(L238)~ロイシン272(L272)の連続ポリペプチド配列、または
    - ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
    であり、アミノ酸番号付けは、UniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A5X9に対応し、
    DsA1ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5X9の配列中のNSR:S29~I48、I49~L130のCSD1、G131~S147のSR1、A148~L267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列;
    ならびに/またはDsA2ドメインは以下のとおりに定義される:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列、前記ワクチン。
  6. 断片または派生体は、少なくとも
    - フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、好ましくは、フェニルアラニン150(F150)~イソロイシン193(I193)の連続ポリペプチド配列、
    - フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、
    - ロイシン238(L238)~ロイシン272(L272)の連続ポリペプチド配列、または
    - ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列
    を含むまたはからなる、請求項5に記載のワクチン。
  7. P.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITPポリペプチド)および/またはPITPの断片および/または派生体を含むワクチンであって、PITPは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXT(G)モチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含み、断片および/または派生体は、少なくともPITPエピトープを含むまたはからなり、PITPドメインは以下のとおりに定義される:Q6A9N1の配列中のA32~R164のENFD;E165~K237のSR1、V238~L396のHbD、S397~T430のSR2(C末端LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、LPXTを含むが、Gを含まない))およびG431~I467のhLARまたはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的PITP配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のPITP配列、前記ワクチン。
  8. 断片および/または派生体は、hLARが欠失している、親水性C末端領域によって置き換えられている、または部分欠失しており、部分欠失が、hLARのN末端の12個のアミノ酸を除く、好ましくは、hLARのN末端の11個のアミノ酸を除く、特に、hLARのN末端の10個のアミノ酸を除くhLARの喪失をもたらす、PITPポリペプチドである;あるいは少なくともUniProtデータベース中のアミノ酸配列Q6A9N1中のENFDのプロリン34~グルタミン酸73もしくはプロリン94~トレオニン143HbDのバリン238~アスパラギン393に対応するアミノ酸を含むその断片もしくは派生体である、請求項7に記載のワクチン。
  9. PITP断片および/または派生体は、hLARが欠失しているPITPポリペプチドである、請求項7または8に記載のワクチン。
  10. PITP派生体は、位置Y63、H146、H153、F74、L141、F81、P72、K144、T143、Y75、W98、D156およびR158にアミノ酸交換を含む、請求項7~9のいずれか1項に記載のワクチン。
  11. PITP派生体は、位置C231およびC402にアミノ酸交換を含む、請求項7から10のいずれか1項に記載のワクチン。
  12. 表面に露出しているP.アクネスのエピトープを有する少なくとも2つの抗原ポリペプチドを含むワクチンであって、好ましくは、少なくとも1つのエピトープは、表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1ポリペプチド)のエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA1ポリペプチド)のエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスの推定鉄輸送タンパク質(PITPポリペプチド)のエピトープであり、
    DsA1またはDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含み、ならびに
    PITPポリペプチドは、N末端からC末端に、拡大されたネオカルチノスタチンファミリードメイン(「ENFD」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、ヘム結合ドメイン(「HbD」)、C末端LPXT(G)モチーフを含む第2のスワッピング領域(「SR2」)および疎水性C末端領域(「hLAR」)を含み、
    DsA1ドメインは以下のとおりに定義される:Q6A5X9の配列中のNSR:S29~I48、I49からL130のCSD1、G131~S147のSR1、A148からL267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列、
    ならびに/またはDsA2ドメインは、以下のとおりに定義され:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列;
    ならびに/またはPITPドメインは、以下のとおりに定義される:Q6A9N1の配列中のA32~R164のENFD;E165~K237のSR1、V238~L396のHbD、S397~T430のSR2(C末端LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、LPXTを含むが、Gを含まない))およびG431~I467のhLARもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的PITP配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のPITP配列、前記ワクチン。
  13. ワクチンであって、
    - 表面に露出しているDsA1ポリペプチドのエピトープまたは表面に露出しているP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2ポリペプチド)のエピトープを有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドであって、
    DsA1またはDsA2は、N末端からC末端に、N末端スワッピング領域(「NSR」)、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」)および場合により、Pro-Thrリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域(「CTR」)を含む、前記少なくとも1つの抗原ポリペプチド;ならびに
    - 表面に露出しているPITPポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの抗原ポリペプチドであって、
    DsA1ドメインは、以下のとおりに定義される:Q6A5X9の配列中のNSR:S29~I48、I49~L130のCSD1、G131~S147のSR1、A148~L267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列;
    ならびに/またはDsA2ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列、前記少なくとも1つの抗原ポリペプチド
    を含む、前記ワクチン。
  14. (a)少なくともDsA1のCSD1の断片もしくは派生体を含有するエピトープおよび少なくともDsA2のCSD2の断片もしくは派生体を含有するエピトープを含む、ならびに/または
    (b)少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD1のCSD1断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチおよび少なくとも30個のアミノ酸残基、好ましくは、少なくとも40個のアミノ酸残基のDsA1のCSD2のCSD2断片もしくは派生体を含む少なくともポリペプチドストレッチを含む;
    (c)少なくともDsA1の
    - フェニルアラニン150(F150)~ロイシン184(L184)の連続ポリペプチド配列、
    - フェニルアラニン150(F150)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、または
    - ヒスチジン218(H218)~ロイシン267(L267)の連続ポリペプチド配列、および
    DsA2の
    - フェニルアラニン194(F194)~ロイシン228(L228)の連続ポリペプチド配列、
    - フェニルアラニン194(F194)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列、または
    - ヒスチジン262(H262)~ロイシン311(L311)の連続ポリペプチド配列を含む、ポリペプチドを含む、請求項5~13のいずれか1項に記載のワクチン。
  15. ポリペプチドは、ポリペプチド中に存在する場合はDsA1のC53、C319およびC321ならびにDsA2のC97およびC363のうち1つまたはそれ以上にアミノ酸交換、好ましくは、DsA1のアミノ酸交換C53S、C319SおよびC321PならびにDsA2のC97SおよびC363Sのうち1つまたはそれ以上を含む、請求項5~14のいずれか1項に記載のワクチン。
  16. 断片または派生体において、少なくとも5つのPTリピート、好ましくは、少なくとも10のPTリピート、特に、少なくとも15のPTリピートが、天然に存在する野生型DsA1/DsA2ポリペプチド(「天然DsA1/DsA2」)と比較して欠失しており、好ましくは、少なくとも1つの、より好ましくは少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの、いっそうより好ましくは少なくとも4つの、特に5つのPTリピートが存在する、請求項5~15のいずれか1項に記載のワクチン。
  17. ポリペプチドは、PITPポリペプチドまたは少なくともPITPのエピトープを含む少なくとも30個のアミノ酸残基のポリペプチドストレッチを含むPITPの断片または派生体をさらに含む、好ましくは、PITPポリペプチドまたはPITPの断片または派生体は、少なくとも
    - ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン34~グルタミン酸73の連続ポリペプチド配列、
    - ENFDもしくはそのPITP派生体のプロリン94~トレオニン143の連続ポリペプチド配列、または
    - HbDもしくはそのPITP派生体のバリン238~アスパラギン393の連続ポリペプチド配列
    を含む、請求項5~16のいずれか1項に記載のワクチン。
  18. PITP派生体は、位置C231およびC402にアミノ酸交換を含む、請求項17に記載のワクチン。
  19. ワクチンであって、
    - 表面に露出しているDsA1ポリペプチドのエピトープまたは表面に露出しているDsA2ポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの合成抗原ポリペプチド;および
    - 表面に露出しているP.アクネスのPITPポリペプチドのエピトープを有する少なくとも1つの合成抗原ポリペプチド
    を含む、前記ワクチン。
  20. P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチおよびP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチを含むポリペプチドであって、前記DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端領域、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」);および場合により、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域を含み;
    ポリペプチドは、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3のエピトープおよび少なくともDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3のエピトープを含み、好ましくは、ポリペプチドは、少なくともDsA1のCSD1、CSD2またはCSD3およびDsA2のCSD1、CSD2またはCSD3を含み、
    DsA1ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5X9の配列中のNSR:S29~I48、I49~L130のCSD1、G131~S147のSR1、A148~L267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列;
    ならびに/またはDsA2ドメインは以下のとおりに定義される:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列、前記ポリペプチド。
  21. P.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン1(DsA1)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチおよびP.アクネスのデルマタン硫酸結合アドヘシン2(DsA2)の少なくとも1つのポリペプチドストレッチを含むポリペプチドであって、前記DsA1およびDsA2は、N末端からC末端に、N末端領域、第1の保存されたサブドメイン(「CSD1」)、第1のスワッピング領域(「SR1」)、第2の保存されたサブドメイン(「CSD2」)、第2のスワッピング領域(「SR2」)、第3の保存されたサブドメイン(「CSD3」);および場合により、Pro-Leuリピート含有領域(「PTリピート領域」)およびC末端領域を含み;
    DsA1およびDsA2のポリペプチドストレッチは、少なくとも20個のアミノ酸残基の長さを独立に有し、
    DsA1ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5X9の配列中のNSR:S29~I48、I49~L130のCSD1、G131~S147のSR1、A148~L267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列;
    ならびに/またはDsA2ドメインは以下のとおりに定義される:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列、前記ポリペプチド。
  22. P.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するためのワクチンであって、DsA1および/またはDsA2および/またはPITPのエピトープを含むポリペプチドを含み、エピトープは、DsA1のR32-I41、Q38-K51、R32-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+T43-K51、R87-K90+T117-I132およびR87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、T117-I132、T117-A127、V128-I132、A144-N157、H146-A160、A148-N157、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、I216-D225、A226-A240、S234-G250、I251-I263、I251-L267、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-R286+I216-F224、T285-R286+I264-P271、T285-R286+V289-K296、T285-R286+V289-K296、T285-R286+A144-N157、A310-D313+T285-R286、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、A301-E307、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、V289-K296、A310-D313+I216-F224、A310-D313+I264-P271、A310-D313+T285-R286、A310-D313+R286-D290、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、A301-E307;DsA2のL152-Q166、G190-P230、I199-D208、A218-I237、P230-Q244、I231-A270、H254-A270、A271-S279、A271-R310、L311-T321、L311-K323、V333-Q347、A218-P230、I231-I237、H254-H262、Q256-H262、E261-D269、D269-S279、K313-K323;PITPのD79-T90、E73-D85、R43-I50、P68-Y75、P86-E92、I39-G45、Y84-D89、F81-D89、D79-D89、T37-E44、E73-W98、E73-F81、D79-T90、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、F111-D120、F132-G147、D152-E165、R115-F123、D120-K128、P131-F138、N181-E191、T143-T159、P116-T124、P131-D137、P131-D137、T175-C231、Q198-K203、P179-K185、G200-Q210、K174-A188、K174-K185、P201-Q209、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R164-S180、E165-S180、K185-S190、V193-N202、V193-G200、K203-P208、R216-T225、R216-R224、P173-K191、K197-K203、P168-T175、K185-K203、R164-K174、T175-V193、S250-N261、D287-S300、K340-V347、D338-F352、D338-D348、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、G305-L314、G364-K375、R382-E399、V367-G373、A383-L390、T342-T351、M387-T395、E385-T392、V401-V410、N404-A409、G416-L427、L396-V410、T406-I415、D417-G424、V407-D418、V407-V414、K421-V429、S419-T430、D408-I415、T406-V414からなる群から選択され、好ましくは、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のN末端またはC末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸残基を含み、特に、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のN末端またはC末端に少なくとも2個の追加のアミノ酸残基を含み;ポリペプチドは、好ましくは、担体分子に共有結合的に連結され、または足場分子、特に、担体ポリペプチド中に埋め込まれ、
    DsA1ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5X9の配列中のNSR:S29からI48、I49~L130のCSD1、G131~S147のSR1、A148~L267のCSD2、A268~T277のSR2、A278~K323のCSD3、P324~T361のPTリピート領域およびS362~F405のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA1配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA1配列;
    ならびに/またはDsA2ドメインは以下のとおりに定義され:Q6A5P9の配列中のNSR:A72~K92、I93~L174のCSD1、S175~S191のSR1、A192~L311のCSD2、A312~T321のSR2、A322~E366のCSD3、P367~T420のPTリピート領域およびH421~A463のCTRもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的DsA2配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のDsA2配列;
    ならびに/またはPITPドメインは以下のとおりに定義される:Q6A9N1の配列中のA32~R164のENFD;E165~K237のSR1、V238~L396のHbD、S397~T430のSR2(C末端LPXT(G)モチーフを含む(すなわち、LPXTを含むが、Gを含まない))およびG431~I467のhLARもしくはこれらのドメイン全てを含む任意の他の機能的PITP配列、特に、これらのドメイン全てを含む図12のPITP配列、前記ワクチン。
  23. エピトープは、DsA1のR32-I41、Q38-K51、T43-K51、Q38-K51、R87-K90+S234-G250、R87-K90+L246-A260、R87-K90+A256-E270、R87-K90+R266-T277、T117-I132、T117-A127、A144-N157、H146-A160、A148-N157、A156-A170、K166-L180、A176-T190、P186-A198、N181-E191、I216-F224、A226-A240、S234-G250、I251-I267、I264-P271、P236-G250、L246-A260、A256-E270、S234-G250、I251-L267、A268-L280、R266-T277、T285-D290、T285-D290+V291-T300、T285-D290+A301-E307、V291-T300、A301-E307、T285-T300、R286-D290+V291-T300、R286-D290+A301-E307、R286-T300、V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+V289-K296、A310-D313+T285-T300、A310-D313+A144-N157、A310-D313+T285-R286、A310-D313+T285-D290、A310-D313+T293-E307、T285-D290、V291-T300、T293-E307、A301-E307;DsA2のL152-Q166、G190-P230、I199- D208、P230-Q244、L311-T321、L311-K323、H254-H262、Q256-H262、E261-D269、D269-S279、K313-K323;PITPのD79-T90、E73-D85、P86-E92、F81-D89、E73-W98、E73-F81、P72-F81、A129-F138、D120-Q134、P116-T124、P131-D137、Q198-K203、K174-A188、K174-K185、P183-P201、P183-K191、K185-P195、R216-T225、K197-K203、P168-T175、R164-K174、S285-P288+G305-L314、S285-P288+H306-L314、S285-P288+T342-T351、S285-P288+D338-D348、D287-S300、T342-T351、D338-D348、H306-L314、T406-I415からなる群から選択され、好ましくは、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のN末端またはC末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸残基を含み、特に、エピトープは、DsA1、DsA2またはPITP配列のN末端またはC末端に少なくとも2つの追加のアミノ酸残基を含み;ポリペプチドは、好ましくは、担体または足場分子、特に、担体ポリペプチドに共有結合的に連結される、請求項22に記載の使用のためのワクチン。
  24. N末端メチオニンアミノ酸残基を含む、場合により、ワクチンまたは医薬製剤中に含有される、請求項5~23のいずれか1項に記載のDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体。
  25. 治療的処置において使用するための、好ましくは、特に、尋常性ざ瘡、角膜炎、滑膜炎ざ瘡膿疱症骨化症骨炎(SAPHO)症候群、心内膜炎、人工関節感染症、手術創感染症、移植血管感染症、嫌気性菌関節炎、人工弁心内膜炎のような心血管デバイス関連感染症;眼用感染症、乳房インプラントの疾病、坐骨神経痛、結膜炎、シャント関連および/または脊髄ハードウェア中枢神経系感染症、シャント関連中枢神経系感染症、サルコイドーシス、眼内炎骨髄炎、アレルギー性肺胞炎、関節リウマチ、感染性関節炎、慢性若年性関節炎、慢性破壊性少関節炎、変形性椎間板疾患、歯性感染症、潰瘍性大腸炎異常高熱症、脳膿瘍、硬膜下蓄膿、腹膜炎、歯周炎、歯内感染症、眼内炎、角膜炎、慢性副鼻腔炎、毛包炎、角膜炎、角膜潰瘍、眼内炎、前立腺炎症、慢性前立腺炎、原発性胆汁性肝硬変、化膿性汗腺炎、肺血管炎、反対型ざ瘡、進行性の斑状メラニン減少症、集簇性ざ瘡、アテローム性動脈硬化症、前立腺がんおよびP.アクネスによる医療用インプラントバイオフィルム感染症からなる群から選択されるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、請求項5~24のいずれか1項に記載のDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体。
  26. P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、請求項5~24のいずれか1項に記載のDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体。
  27. 請求項5~26のいずれか1項に記載のワクチンまたはポリペプチドであって、DsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1もしくはDsA2もしくはPITPの断片もしくは派生体は、抗原またはその断片もしくは派生体を含有するエピトープをコードするDNAまたはRNAとして、好ましくは、mRNAワクチン、特に、カチオン性ポリマーを用いて製剤化され、mRNA分子は以下の構造:5’UTR-シグナルペプチドによってコードされた抗原またはエピトープ-3’UTRを有するmRNAワクチンとして;または特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、水泡性口内炎ウイルスベクター、ニューカッスル病ウイルスベクター、アルファウイルスベクター、バキュロウイルスベクターもしくはレトロウイルスベクターを用いるベクターベースのワクチンとして提供され;および/またはDNAレベルでコード配列は、最初のコードDNA配列ATGGTGを有し;特に、mRNAは、配列番号67~76から転写されるような配列を含む、前記ワクチンまたはポリペプチド。
  28. 請求項5~27のいずれか1項に記載のワクチンまたはポリペプチドを含む医薬製剤であって、これらの請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド、すなわち、請求項1~27のいずれか1項に記載のDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体またはそれらの混合物と、医薬上許容される賦形剤または担体とを含む、前記医薬製剤。
  29. P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止の、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための方法であって、請求項5~27のいずれか1項に記載のDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体の有効量または有効量のそれらの混合物のそれを必要とする患者への投与を含む、前記方法。
  30. 投与が、皮内、皮下(s.c.)、非経口、筋肉内(i.m.)、粘膜、経皮または局所投与によって、好ましくは、皮内または筋肉内投与によって、特に、シリンジによって、またはマイクロニードリングデバイスによって実行される、請求項29に記載の方法。
  31. 請求項5~28のいずれか1項に記載のポリペプチド、ワクチンおよび製剤の生成方法であって、これらの請求項に記載の少なくとも1つのP.アクネスエピトープを含むポリペプチドが、宿主細胞において発現され、これらの宿主細胞から抽出され、精製され、場合により、ヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止において使用するための医薬製剤、特に、ワクチンに製剤化され、仕上げられる、前記方法。
  32. P.アクネス関連感染症およびI、IIまたはIII型P.アクネスのいずれか、またはP.アクネスのI、IIおよびIII型のうち少なくとも2つのファイロタイプの、もしくは少なくとも2つのリボタイプの組合せと関連する病状を患っているヒト患者におけるP.アクネス関連感染症の処置または防止のための医薬の製造のための、好ましくは、P.アクネスに対する交差反応性ワクチン、特に、交差型反応性ワクチンとして使用するための、特に、P.アクネス関連感染症およびP.アクネスのIBおよびIII型と関連する病状を患っているヒト患者における感染症の処置または防止のための、請求項5~27のいずれか1項に記載のDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPならびに/またはDsA1および/もしくはDsA2および/もしくはPITPの断片および/もしくは派生体またはそれらの混合物の使用。
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