JP2023512266A - セレキシパグを用いて肺動脈性高血圧症を治療及び評価する方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、肺動脈性高血圧症を治療する必要がある患者におけるそのための方法を提供し、方法は、(a)患者の右室上で磁気共鳴撮像(MRI)を実施して、MRIベースライン画像を提供することと、(b)治療有効量のセレキシパグを投与することと、(c)患者の右室上でMRIを実施して、MRI試験画像を提供することと、(d)MRIベースライン画像をMRI試験画像と比較することと、を含む。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年2月3日に出願された米国仮特許出願第62/969,366号の利益を主張し、その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
肺動脈性高血圧症(PAH)は、肺循環の重篤な慢性障害、右心不全及び死につながる、肺動脈圧(PAP)及び肺血管抵抗(PVR)の進行的な上昇を特徴とする多様な病因及び発病の症候群である。
PAHは、肺血管及び右室(RV)の両方における構造的変化と関連付けられている。血管構造の変化は、3つの組み合わせられた要素:血管収縮、血管壁リモデリング、及び生体位の血栓症を伴う。肺血管へのこれらの変化は、低減された肺動脈コンプライアンスにつながり、それによって、血管の硬化を結果的にもたらす。RVの変化は、主に、肥大、膨張、変更された収縮性、及び心室中隔の形態異常からなる。まとめると、RVのこれらの変化は、リモデリングと呼ばれる。しかしながら、RVを撮像することは、複雑であり、描写するのが困難である。
PAHは、正常な肺動脈楔入圧(PAWP)又は左室拡張終期圧(LVEDP)(≦15mmHg)、及び3ウッド単位(WU)を超えるPVRを伴う、25mmHg以上の静止平均肺動脈圧(mPAP)として血行力学的に定義される。次を参照されたい、Hoeper,Definitions and diagnosis of pulmonary hypertension.J.Am.Coll.Cardiol.2013;62:D42-50。肺高血圧症の更新された臨床分類は、それらの同様の臨床提示、病理学、病態生理学、予後、及び全ての同様の治療アプローチの大部分に基づいて、PAHの発症につながるか、又はそれと関連付けられると知られている多数の条件を分類する。
セレキシパグ(ACT-293987/JNJ-67896049)は、米国、欧州連合、日本、及び他の国でPAHを有する患者の治療に承認及び市販されている、プロスタサイクリン受容体の選択的、経口的に利用可能な、長時間作用型の非プロスタノイドアゴニストである。今日まで、RV機能が生存の決定要因であることも考慮して、セレキシパグの心臓撮像データは、欠如している。例えば、増加した肺血管抵抗を補償するために、RVがリモデルする。それは、拡張及び肥大するが、十分な心臓出力を維持することができない場合がある。右室に対するセレキシパグの効果を評価する必要性があり、特に、治療に関連する心臓の変化を評価するために、及び/又はそれらに対する調節を行うために、磁気共鳴撮像(MRI)によってそのような効果を評価する必要性がある。
本開示は、磁気共鳴撮像(MRI)を使用して肺動脈性高血圧症を治療するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、肺動脈性高血圧症を治療する必要がある患者におけるそのための方法を提供し、方法は、(a)患者の右室上でMRIを実施して、MRIベースライン画像を提供することと、(b)治療有効量のセレキシパグを投与することと、(c)患者の右室上でMRIを実施して、MRI試験画像を提供することと、(d)MRIベースライン画像をMRI試験画像と比較することと、を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(d)が、セレキシパグの投与を開始した後、少なくとも約26週間で実施される。他の実施形態では、ステップ(d)が、セレキシパグの投与を開始
した後、少なくとも約52週間で実施される。第1の比較及び後続の第2の比較の分析が、治療の持続可能性を測定するために使用され得る。例えば、ステップ(d)は、約26週間及び約52週間で実施され得る。そのような方法の結果は、例えば、患者の治療に対する調節と関連して考慮される。
RV機能に対するセレキシパグの効果を評価するための試験設計を示す概略図である。
本開示では、特に明示しない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形の言及を包含し、特定の数値への言及は、少なくともその特定の値を包含する。したがって、例えば、「材料(a material)」への言及は、少なくとも1つのこのような材料、及び当業者に既知のその等価物、及び類似のものへの言及である。
値が、記述語「約」又は「実質的に」の使用によって近似値として表現されるとき、その特定の値は、別の実施形態を形成することが理解される。一般的に、用語「約」又は「実質的に」の使用は、開示する発明主題によって得ようとしている所望の特性に依存して変動し得る近似値を示すが、その機能に基づいて、それが使用される特定の文脈において解釈されるべきである。当業者は、これを日常的な問題として解釈することができる。一部の場合、特定の値に対して用いられる有効数字の数は、用語「約」又は「実質的に」の程度を決定する1つの非限定的な方法であり得る。他の場合、一連の値において用いられる漸次的変化を用いて、それぞれの値について用語「約」又は「実質的に」に利用可能な意図する範囲を決定することができる。存在する場合、全ての範囲は、包括的かつ組み合わせ可能である。すなわち、範囲で記述される値への言及は、その範囲内の全ての値を含む。
リストが提示される場合、特に指定しない限り、そのリストの各個々の要素及びそのリストの全ての組み合わせを別々の実施形態として解釈すべきであることを理解されたい。例えば、「A、B、又はC」として提示される実施形態のリストは、実施形態「A」、「B」、「C」、「A又はB」、「A又はC」、「B又はC」、又は「A、B、又はC」を含むと解釈されるべきである。
別個の実施形態の文脈において明確性のために本明細書に記載される、本発明のある特定の特徴はまた、単一の実施形態内に組み合わされて提供されてもよいことが理解される。すなわち、明白に不適合であるか又は除外されない限り、それぞれ個別の実施形態は、任意の他の実施形態に適合するとみなされ、このような組み合わせは、別の実施形態であると考えられる。逆に、説明を簡単にするために単一の実施形態との関連において述べられる本発明の異なる特徴が、別々に又は任意の部分的組み合わせとして提供される場合もある。特許請求の範囲は、いずれかの任意要素を除外するように起案される場合もあることに更に留意されたい。したがって、この記載は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連する「だけ」、「のみ」などの排他的な用語の使用、又は「否定的」限定の使用に対する先行的限定の根拠として機能することを意図する。最後に、実施形態は、一連の工程の一部として又はより一般的な構造の一部として記載し得るが、各工程をそれ自体が独立する実施形態であると考えてもよい。
方法
本開示は、磁気共鳴撮像を利用することによってセレキシパグを用いて、肺動脈性高血圧症を治療する必要がある患者におけるそのための方法を提供する。MRIは、非侵襲的な技術であるため、それは、セレキシパグによる治療を受けたPAH患者を監視するため
に使用されることが、右心カテーテルなどのより侵襲的な技術よりも望ましい。
用語「肺動脈性肺高血圧症」及び「PAH」は交換可能であり、患者が肺に高血圧を患う肺高血圧症の状態を定義する。PAHは、肺全体の非常に小さな動脈の直径が狭くなると発症し、それにより、肺を通る血流に対する抵抗が増加するが、これは、右室に対するより高い後負荷を結果的にもたらす。いくつかの実施形態では、狭窄、すなわち、特発性肺高血圧症の根本的な病因は知られていない。PAHはまた、(i)家族性又は遺伝性PAH、(ii)薬物又は毒素によって引き起こされるPAH、(iii)PAH関連の結合組織病(強皮症又は狼瘡など)、先天性心臓病(任意選択的に、外科的修復の少なくとも1年後に単純体肺シャントを伴う)、肝臓の高血圧、HIV、及び感染症(住血吸虫症)、(iv)まれな血液状態(肺静脈閉塞性疾患又は肺毛細血管腫症)によって引き起こされるPAH、又は(v)乳児のPAH(新生児の持続性肺高血圧症)、を含むサブグループに分類される。
本明細書に記載の方法はまた、患者がPAHを患っていることの判定を含み得る。典型的には、その判定は主治医によって行われる。PAHの診断又は判定は、当業者に既知の技術を用いて行うことができる。例えば、患者の肺動脈性肺高血圧症を確認するために、右心カテーテル検査を実施し得る。
患者におけるPAHの重症度は、一般に、分類システム、すなわち、世界保健機関(WHO)クラスシステムによって評価される。表Aを参照されたい。
Figure 2023512266000002
一般に、より高いPAHクラスは、患者が正確に診断され、PAH療法が開始されるためのより重度の疾患状態及び/又はより高い緊急性を示す。したがって、方法は、より低いWHO PAHクラスからより高いWHO PAHクラスに進行する患者のリスクを低減する。いくつかの実施形態では、方法は、WHOクラスIからWHOクラスII、WHOクラスIからWHOクラスIII、WHOクラスIからWHOクラスIV、WHOクラスIIからWHOクラスIII、WHOクラスIIからWHOクラスIV、又はWHOクラスIIIからWHOクラスIVに進行する、PAH患者のリスクを低減する。
本開示は、磁気共鳴撮像(MRI)の使用を含む、肺動脈性高血圧症を治療する必要がある患者におけるそのための方法を提供する。MRIは、患者の状態又はPAHの進行を監視するための手段を提供するのみならず、例えば、セレキシパグ用量を調節する必要性を評価する際の有効なツールを提供する。本明細書で使用される「磁気共鳴撮像」又は「MRI」という用語は、3次元の詳細な解剖学的画像を生成する非侵襲的撮像技術を指す
。MRIは、限定されるものではないが、心臓を撮像し、それによって、心機能と関連付けられた様々なパラメータを測定することを含む、様々な目的で利用され得る。これは、多くの場合、「心臓MRI」又は「肺動脈流MRI」と称される。心臓磁気共鳴撮像又は「CMRI」は、限定なしで、右室及び左室、好ましくは、右室などの、心臓の異なる態様に関する情報を提供し得る。いくつかの実施形態では、MRIは、右室拡張終期容積(RVEDV)、右室駆出分画(RVEF)、右室収縮終期容積(RVESV)、右室長軸方向グローバルストレイン(RVGLS)、右室一回拍出量(RVSV)、右室心筋重量、及び右主PA拍動性のうちの1つ又は2つ以上を測定するために利用される。
利用される特定のタイプのMRI技術は、当業者によって選択され得、スピンエコー、グラジエントエコー、反転回復、並びに磁気共鳴血管造影及び静脈造影を含む。当業者はまた、本明細書に説明される方法で使用するための好適なMRI機器を容易に選択することができる。MRI機器は、開放型又は閉鎖型(テスラMRIなど)であってもよいが、閉鎖型が好ましい。造影剤は、当業者によって決定されるように利用され得るが、必須ではない。
MRIを補完するために、追加の撮像技術が利用されてもよい。いくつかの実施形態では、追加の撮像技術は、限定なしで、超音波、心エコー検査、心臓コンピュータ断層撮影(CT)、及び/又は核医学を含む。非撮像技術もまた、MRIを補完するために任意に使用される。これらは、限定なしで、とりわけ、血液検査、身体運動試験、心電図、病理検体を含む。
本明細書に説明される方法は、セレキシパグ治療が開始される前に、患者に対して撮像すること、又はMRIを実施することを含む。いくつかの実施形態では、セレキシパグ治療が開始される前に、心臓の右室が撮像される。そうすることによって、ベースラインMRI画像が取得されるが、これは、セレキシパグ治療後に取得される画像と後で比較され得る。画像はまた、とりわけ、ベースラインRVEDV、ベースラインRVEF、ベースラインRVESV、ベースラインRVGLS、及び/又はベースラインRVSVなどの、1つ又は2つ以上のベースライン心臓測定値を決定するために使用され得る。
当該技術分野で知られているように、RVESVは、収縮の終了時及び充填開始時の右室の血液の容積であり、RVESVは、心室内の血液の最低容積である。PAHを有する患者は、RVESVのより高い値を有し得る。したがって、RVESVを測定することによってPAH上のセレキシパグの効果を測定することは、治療が成功したかどうか、及び/又は調節される必要があるかどうかを決定するリアルタイムの方法を臨床医に提供する。本明細書に開示される方法は、セレキシパグ開始に続いて、例えば、約26週間後、及び/又は、例えば、約52週間後、MRIによって測定される際に、RVESVを改善する、すなわち、RVESVをベースラインRVESVから低下させる際に有効である。
RVEDVは、心収縮直前に右室にある血液の量である。PAHを有する患者は、RVEDVのより高い値を有し得る。本明細書に開示される方法は、セレキシパグ開始に続いて、例えば、約26週間後、及び/又は、例えば、約52週間後、MRIによって測定される際に、ベースラインRVEDVを改善する際に有効である。いくつかの実施形態では、方法は、ベースラインRVEDVを減少させる。
RVSVは、心臓が各拍動で右室から送出する血液の量である。RVSVは、次のように計算される:
RVSV=RVEDV-RVESV
PAHを有する患者は、RVSVの低い値を有し得る。本明細書に開示される方法は、セレキシパグ開始に続いて、例えば、約26週間後、及び/又は、例えば、約52週間後
、MRIによって測定される際に、ベースラインRVSVを改善する際に有効である。いくつかの実施形態では、方法は、ベースラインRVSVを増加させる。他の実施形態では、方法は、ベースラインRVSVに基づいて、患者のRVSVを少なくとも約5mLだけ増加させる。更なる実施形態では、方法は、患者のRVSVを約5~約15mLだけ増加させる。更に他の実施形態では、方法は、患者のRVSVを約8~約12mLだけ増加させる。なお更なる実施形態では、方法は、患者のRVSVを約8mLだけ増加させる。
RVEFは、どの程度の量の血液(%)が、酸素に関して心臓の右側から肺に送出されるかの測定である。RVEFは、次のように計算され得る。
Figure 2023512266000003
PAHを有する患者は、RVEFの低い値を有し得る。本明細書に開示される方法は、セレキシパグ開始に続いて、例えば、約26週間後、及び/又は、例えば、約52週間後、MRIによって測定される際に、ベースラインRVEFを改善する際に有効である。本明細書に開示される方法は、RVEFを上昇させる際に有効である。いくつかの実施形態では、RVEFは、例えば、ベースラインRVEFに基づいて少なくとも約10%上昇する。
RVGLSは、右室の弛緩状態から収縮状態までの心筋長の変化率の尺度である。PAHを有する患者は、RVGLSのより大きい負の値を有し得る。本明細書に開示される方法は、セレキシパグ開始に続いて、例えば、約26週間後、及び/又は、例えば、約52週間後、MRIによって測定される際に、ベースラインRVGLSを改善する際に有効である。本明細書に開示される方法は、RVGLSを改善する際に有効である。いくつかの実施形態では、RVGLSは、例えば、ベースラインRVGLSに基づいて、少なくとも約10%改善される。
RV心筋重量は、心臓の右室の筋肉量の尺度である。PAHを有する患者は、より高いRV心筋重量を有し得る。本明細書に開示される方法は、セレキシパグ開始に続いて、約12か月後に、MRIによって測定される際に、ベースラインRV心筋重量を改善する際に有効である。本明細書に開示される方法は、RV心筋重量を低下させる際に有効である。いくつかの実施形態では、RV心筋重量は、例えば、ベースラインRV心筋重量に基づいて、少なくとも約10%低下される。
PAHを有する患者は、右主PA拍動性のより低い値を有し得る。本明細書に開示される方法は、セレキシパグ開始に続いて、例えば、約26週間後、及び/又は、例えば、約52週間後、MRIによって測定される際に、ベースライン右主PA拍動性を改善する際に有効である。本明細書に開示される方法は、右主PA拍動性を上昇させる際に有効である。いくつかの実施形態では、右主PA拍動性は、例えば、ベースライン右主PA拍動性に基づいて、少なくとも約10%だけ上昇する。
ベースライン値が取得された後、セレキシパグを用いるPAH治療は、治療有効量のセレキシパグを投与することによって開始される。典型的には、セレキシパグは、開始用量で投与され、用量調節フェーズ中に個々の最大耐用量(iMTD)、及び維持フェーズ中に維持されるセレキシパグ投与量を決定するために増加される。本明細書で使用されるiMTD及び維持用量は、忍容性に基づいて、1日当たりに患者に投与され得るセレキシパグの量を指す。したがって、iMTD及び維持用量は、典型的には、患者ごとに個別に評
価される。いくつかの態様では、セレキシパグの開始用量は、iMTD及び/又は維持用量と同じである。更なる態様では、セレキシパグの開始用量は、iMTD及び/又は維持用量よりも低い。
セレキシパグ開始用量、iMTD、及び/又は維持用量は、毎日、少なくとも約10μgである。いくつかの実施形態では、1日当たりのセレキシパグ開始用量、iMTD、及び/又は維持用量は、少なくとも約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1000、約1100、約1200、約1300、約1400、約1500、約1600、約1700、約1800、約1900、約2000、約2100、約2200、約2300、約2400、約2500、約2600、約2700、約2800、約2900、約3000、約3100、約3200、約3300、約3400、又は約3500μgである。いくつかの実施形態では、セレキシパグ開始用量は、約200μgを1日2回である。1日用量は、1日1回、1日2回、又は1日3回、好ましくは1日2回投与することができる。
望ましくは、セレキシパグiMTD及び維持用量は、1日2回、約1600μg、すなわち、1日当たり3200μgを超えない。いくつかの実施形態では、1日2回のセレキシパグiMTD及び/又は維持用量は、約100~約3500μg、約200~約3200、約200~約3000、約200~約2800、約200~約2600、約200~約2400、約200~約2200、約200~約2000、約200~約1800、約200~約1600、約200~約1400、約200~約1200、約200~約1000、約200~約800、約200~約600、約200~約400、約400~約3200、約400~約3000、約400~約2800、約400~約2600、約400~約2400、約400~約2200、約400~約2000、約400~約1800、約400~約1600、約400~約1400、約400~約1200、約400~約1000、約400~約800、約400~約600、約600~約3200、約600~約3000、約600~約2800、約600~約2600、約600~約2400、約600~約2200、約600~約2000、約600~約1800、約600~約1600、約600~約1400、約600~約1200、約600~約1000、約600~約800、約800~約3200、約800~約3000、約800~約2800、約800~約2600、約800~約2400、約800~約2200、約800~約2000、約800~約1800、約800~約1600、約800~約1400、約800~約1200、約800~約1000、約1000~約3200、約1000~約3000、約1000~約2800、約1000~約2600、約1000~約2400、約1000~約2200、約1000~約2000、約1000~約1800、約1000~約1600、約1000~約1400、約1000~約1200、約1200~約3200、約1200~約3000、約1200~約2800、約1200~約2600、約1200~約2400、約1200~約2200、約1200~約2000、約1200~約1800、約1200~約1600、約1200~約1400、約1400~約3200、約1400~約3000、約1400~約2800、約1400~約2600、約1400~約2400、約1400~約2200、約1400~約2000、約1400~約1800、約1400~約1600、約1600~約3200、約1600~約3000、約1600~約2800、約1600~約2600、約1600~約2400、約1600~約2200、約1600~約2000、約1600~約1800、約1800~約3200、約1800~約3000、約1800~約2800、約1800~約2600、約1800~約2400、約1800~約2200、約1800~約2000、約2000~約3200、約2000~約3000、約2000~約2800、約2000~約2600、約2000~約2400、約2000~約2200、約2200~約3200、約2200~約3000、約2200~約2800、約2200~約2600、約2200~約2400、約2400~約3200、約2400~約3000、約2400
~約2800、約2400~約2600、約2600~約3200、約2600~約3000、約2600~約2800、約2800~約3200、約2800~約3000、又は約3000~約3200μgである。更なる実施形態では、セレキシパグiMTD及び/又は維持用量は、1日2回、約200~約1600μgである。他の実施形態では、セレキシパグiMTD及び/又は維持用量は、1日2回、約1000μg~約1600μgである。更に別の実施形態では、セレキシパグiMTD及び/又は維持用量は、1日2回、約1400~約1600μgである。
望ましくは、セレキシパグ開始用量は、iMTDに達するまで増加される。用量を増加させるこの期間は、当業者によって決定され得る。典型的には、セレキシパグiMTDに達するまでの期間は、少なくとも約1週間である。いくつかの実施形態では、iMTDに達する期間は、少なくとも約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、又は約16週間である。他の実施形態では、iMTDに達するまでの期間は、約2~約16週間、約2~約14週間、約2~約12週間、約2~約10週間、約2~約8週間、約2~約6週間、約2~約4週間、約4~約16週間、約4~約14週間、約4~約12週間、約4~約10週間、約4~約8週間、約4~約6週間、約5~約15週間、約5~約10週間、約6~約16週間、約6~約14週間、約6~約12週間、約6~約10週間、約6~約8週間、約8~約16週間、約8~約14週間、約8~約12週間、約8~約10週間、約10~約16週間、約12~約16週間、約12~約14週間、又は約14週間~約16週間である。更なる実施形態では、セレキシパグiMTDに達する期間は、約5~約10週間である。
iMTDに達する期間の間に、iMTDが決定されるまで、当業者によって決定されるように、セレキシパグ用量が増加される。いくつかの実施形態では、セレキシパグ用量は1日1回増加される。他の実施形態では、セレキシパグ用量は、週1回増加される。更なる実施形態では、セレキシパグ用量は月1回増加される。好ましくは、セレキシパグ用量は、週1回(週7日間に基づく)増加される。セレキシパグの用量を毎週増加させる場合は、毎週同じ日に、又は予定された投与日の1日間以内に投与することができる。例えば、セレキシパグの用量が月曜日に投与される場合、次のセレキシパグの用量は、次の週の日曜日、月曜日、又は火曜日に投与され得る。月1回増加される場合、セレキシパグの用量は、毎月の同じ日、又は次の予定された投与日の3日以内に投与することができる。例えば、1月の7日に投与されたセレキシパグ用量の場合、セレキシパグの次の用量は、2月の4日、5日、6日、7日、8日、9日、又は10日に投与され得る。
一旦、iMTDに達すると、それは、維持フェーズの間、「維持用量」で維持される。この維持フェーズの長さは、当業者によって決定されてもよく、一般的には少なくとも約14週間であり、患者が治療を必要とする限り継続させることができる。いくつかの実施形態では、維持フェーズは、約14、約16、約18、約20、約22、約24、約26、約28、約30、約32、約34、約36、約38、約40、約42、約44、約46、約48、約50、又は約52週間である。他の実施形態では、維持フェーズは、少なくとも約14週間である。更なる実施形態では、維持フェーズは、少なくとも約26週間である。更に他の実施形態では、維持フェーズは、少なくとも約52週間である。
更なる用量増加は、当業者によって決定されるように維持フェーズの後で行うことができる。しかしながら、任意のこのような増加は、望ましくは1600μgで1日2回を超えない。
この方法は、治療有効量のセレキシパグを投与することを含む。本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、治療される疾患又は障害の症状の緩和を含む、試験者、医師、又は他の臨床医により求められるヒトにおける生物学的反応又は医薬反応を誘発する
活性化合物又は医薬成分の量を意味する。セレキシパグは、治療有効量に達するように、1日1回、1日2回、又は1日3回投与することができる。いくつかの態様では、セレキシパグは、1日1回投与される。他の態様では、セレキシパグは、1日2回投与される。更なる態様では、セレキシパグは、1日3回投与される。好ましくは、セレキシパグは、治療上有効量を達成するために1日2回投与される。
特に断りがない限り、本明細書で使用される「セレキシパグ」という用語は、式(II)の2-{4-[(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)(プロパン-2-イル)アミノ]ブトキシ}-N-(メタンスルホニル)アセトアミドを指す。
Figure 2023512266000004
本明細書で使用される「セレキシパグ」は、セレキシパグの非晶形態又はセレキシパグの多形などの結晶形態も指す。いくつかの実施形態では、セレキシパグは、多形などの結晶形態である。他の実施形態では、セレキシパグは非晶形態である。他の実施形態では、セレキシパグは、いずれも本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,791,122号及び同第9,284,280号に記載される形態I、米国特許第9,340,516号に記載される形態II、又は米国特許第9,440,931号に記載される形態IIIである。結晶化度は、例えば、とりわけ、単一結晶X線回折、粉末X線回折、示差走査熱量測定、融点などの1つ又は2つ以上の技術を使用して、当業者によって決定され得る。本明細書で使用される「セレキシパグ」はその無水物又はその水和物を含む。特定の実施形態では、セレキシパグは無水形態である。他の実施形態では、セレキシパグはその水和物である。本明細書で使用される「セレキシパグ」は、更にその溶媒和物を指す。そのような溶媒和物としては、分子間力又は化学結合を介して、セレキシパグ分子の1つ又は2つ以上の位置に結合した溶媒の分子が含まれる。
「マシテンタン」という用語は、当業者によって容易に選択され得る、薬学的に許容されるその塩も含み得る。「薬学的に許容される塩」とは、無毒性の、生物学的耐容性を有するか、又は他の形で対象への投与に生物学的に適したセレキシパグの塩を意味するものとする。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、Berge,「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.,1977,66:1-19、及びHandbook of Pharmaceutical Salts,Properties,Selection,and Use,Stahl and Wermuth,Eds.,Wiley-VCH and VHCA,Zurich,2002を参照されたい。セレキシパグは、遊離塩基又は酸の形態で使用することもできるが、既知の方法によって薬学的に許容される塩とした後に使用することもできる。セレキシパグが塩基性である場合、「塩」の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フッ化水素酸及び臭化水素酸などの無機酸の塩、並びに酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、及びカンファースルホン酸などの有機酸の塩が挙げられる。セレキシパグが酸性である場合、「塩」の例としては、ナトリウム塩及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩が挙げられる。セレキシパグの幾何異性体(Z形態及びE形態)又はこれらの混合物も想到される。セレキ
シパグは、当業者には理解されるように市販されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,205,302号を参照されたい。例えば、セレキシパグはUptravi(登録商標)として入手可能であり、ACT-293987又はNS-304としても知られている。セレキシパグはプロスタサイクリン受容体のアゴニストであり、米国特許第7,205,302号に開示されるプロセスに従って調製され得る。
本開示はまた、セレキシパグ代謝産物の投与を企図する。望ましくは、セレキシパグ代謝産物は、代謝的に活性な化合物である。したがって、特定の実施形態では、セレキシパグ代謝産物は、式II-M1、4-[(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)(イソプロピル)アミノ]ブトキシ}酢酸のものである。II-M1はまた、コード名ACT-333679又はMRE-269としても知られている。セレキシパグの調製は、国際公開第2002/088084号(参照により本明細書に組み込まれる)に説明されている。多形相、すなわち、遊離塩基の結晶形態I、II、及びIIIの調製は、国際公開第2010/150865号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されており、医薬的に許容される塩の多形相は、国際公開第2011/024874号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
Figure 2023512266000005
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「治療すること」、「治療」などは、疾患、状態、又は障害と闘う目的での、患者の管理及びケアを含むものとする。用語「治療すること」及び「治療」はまた、(a)疾患、状態若しくは障害の1つ又は2つ以上の症状若しくは合併症を緩和するため、(b)疾患、状態若しくは障害の1つ又は2つ以上の症状若しくは合併症の発病を予防するため、及び/又は(c)疾患、状態若しくは障害の1つ以上の症状若しくは合併症を排除するための、本明細書に記載される化合物又は医薬組成物の投与を含む。したがって、「治療すること」及び「治療」は、(a)PAHの1つ又は2つ以上の症状若しくは合併症を緩和するため、(b)PAHの1つ又は2つ以上の症状若しくは合併症の発病を予防するため、及び/又は(c)PAHの1つ以上の症状若しくは合併症を排除するための、セレキシパグ又はそれを含有する医薬組成物の投与を含む。
当業者は、本開示が予防方法に関するものである場合、それを必要とする患者は、任意の患者、又は予防されるべき障害、疾患又は状態の少なくとも1つの症状を経験した又は示した患者を含むものとすることを認識する。更に、それを必要とする患者は、加えて、予防すべき障害、疾患若しくは状態の症状を全く呈したことのないものの、内科医、臨床医若しくは他の医療専門家により、このような障害、疾患若しくは状態を発症するリスクがあるとみなされた患者とすることができる。例えば、特に限定されるものではないが、患者の家族歴、素因、併発(重複)疾患又は併発(重複)状態、遺伝子検査などを含む患者の医療歴の結果として、患者を、障害、疾患、又は状態の発症のリスクがある(それ故に予防又は予防的治療の必要がある)とみなし得る。
「対象」及び「患者」という用語は、本明細書では、治療、観察、又は実験の対象とされたヒトを指して互換的に使用される。好ましくは、患者は、治療すべき及び/又は予防
すべき疾病又は障害の少なくとも1つの症状を経験し及び/又は示している。いくつかの実施形態では、患者は、PAHを有する。他の実施形態では、患者は、セレキシパグの投与を開始することに先立って、世界保健機関機能クラスII又はIIIにある。更なる実施形態では、患者は、セレキシパグの投与の開始に先立って、NT-proBNP>300ng/Lを有する。更に他の実施形態では、患者が、セレキシパグの投与の開始に先立って少なくとも6か月以内に、IP受容体アゴニスト、プロスタサイクリン、又はプロスタサイクリン類似体を使用する治療を受けていない。
MRI試験画像は、セレキシパグ治療中に任意の時点で取得され得る。例えば、MRI試験画像は、セレキシパグ投与開始の直後、用量調節フェーズの間、又は維持フェーズの間、又は試験期間の終了時に取得され得る。望ましくは、MRI試験画像は、セレキシパグによる治療を開始した後、少なくとも約1週間で取得される。いくつかの実施形態では、MRI試験画像は、セレキシパグによる治療を開始した後、少なくとも約4週間、約8週間、約12週間、約15週間、約18週間、約21週間、約24週間、約26週間、約30週間、約50週間、約52週間、又はそれ以上で取得される。しかしながら、MRI試験画像は、PAHを治療する際のセレキシパグの有効性を評価するために、又は治療を継続/中止/調節する必要性を評価するために、セレキシパグ投与の存続期間中などの、セレキシパグによる治療中の任意の時点で取得され得る。MRI分析が取得される日に、患者は、MRI試験画像が取得された後まで、セレキシパグを投与することを控えるように指示され得る。この治療期間中、MRI試験画像は、毎年など、定期的に撮影され得る。
いくつかの実施形態では、右室のMRI画像、及びそれらから得られたデータが、セレキシパグ治療を調節するために使用され得る。いくつかの実施形態では、MRI試験画像が、セレキシパグ投与の量又は頻度を調節するためにベースライン画像と比較される。他の実施形態では、MRI試験画像の結果及びベースライン画像とのそれらの比較はまた、とりわけ、治療の他のパラメータを調節すること、すなわち、セレキシパグ治療を停止すること、及び/又は非セレキシパグ薬剤に切り替えるか、若しくはそれらを追加することを支援し得る。
本明細書に説明される方法はまた、任意のステージ、すなわち、セレキシパグ投与に先立って、又は初期投与期間、調節フェーズ、若しくは維持フェーズの間に、バックグラウンド療法を投与することを可能にする。バックグラウンド療法は、好ましくは、患者に対するセレキシパグの活性に影響を与えない薬学的試薬を含む。いくつかの実施形態では、バックグラウンド療法は、セレキシパグの投与に先立って安定した用量で少なくとも3か月間存在していた。いくつかの実施形態では、バックグラウンド療法は、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤、又はエンドセリン受容体アゴニストのうちの1つ又は2つ以上を患者に投与することを含む。バックグラウンド療法の量及び治療を継続/中止する必要性は、主治医によって決定及び監視され得る。
投与レジメン
本明細書に説明される方法では、セレキシパグの量及び/又は用量は、安全、有効、又は安全かつ有効である。本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「安全」は、過度の有害な副作用(毒性、刺激、若しくはアレルギー反応など)がないことを意味するものとし、本発明の様式で使用されるとき、妥当な利益/リスク比に相応する。同様に、特に断りのない限り、用語「有効(effective)」は、治療上有効量で投与された場合の肺動脈性肺高血圧症を患う患者の治療について治療の有効性が実証されていることを意味する。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は安全である。他の実施形態では、本明細書に記載の方法は有効である。更なる実施形態では、本明細書に記載の方法は、安全かつ有効である。更に他の実施形態では、治療上有効量のセレキシパグは、安全である
。なお更なる実施形態では、治療上有効量のセレキシパグは、有効である。他の実施形態では、治療上有効量のセレキシパグは、安全かつ有効である。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、(独立して、あるいは用語「安全な」及び/又は「有効な」を修飾するために使用される)用語「臨床的に証明された」は、米国食品医薬品局の承認基準を満たすのに十分な第III相又は第IV相臨床治験、又はEMEAによる市場認可のための同様の試験によって証拠が証明されていることを意味するものとする。好ましくは、適切なサイズの無作為化二重盲検対照試験を使用して、本明細書に記載される技術によって評価された患者の状態によって、プラセボと比較した場合のセレキシパグの効果を臨床的に証明する。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「臨床的に有効であることが証明されている」は、治療の有効性が、第III又は第IV相臨床試験によって統計的に有意であることが証明されていること、すなわち、臨床試験の結果は、αレベルが0.05未満である可能性に起因する可能性が低いか、又は臨床有効性の結果が、米国食品医薬品局の承認基準若しくはEMEAによる市場認可のための同様の試験を満たすのに十分であることを意味する。例えば、セレキシパグは、本明細書に説明され、実施例に具体的に記載されるように、治療上有効量で肺動脈性肺高血圧症を患う患者の治療に有効であることが臨床的に証明された。
本明細書で使用する際、特に断りがない限り、用語「臨床的に安全であると証明された」は、試験データ及び結果の分析により第III相又は第IV相臨床試験によって治療の安全性が証明されており、治療は過度の副作用がなく、米国食品医薬品局の承認基準又はヨーロッパ、中東及びアフリカ(EMEA)による市場認可のための同様の試験を満たすのに十分な統計的に有意な臨床的利益(例えば、有効性)に相応することを確立する。例えば、セレキシパグは、本明細書に説明され、実施例に具体的に記載されるように、治療上有効量で投与された場合、肺動脈性肺高血圧症を患う患者の治療に対して臨床的に安全であることが証明された。
特定の態様では、セレキシパグを含む製剤を販売する方法もまた提供される。本明細書で使用するとき、用語「販売」又は「販売する」とは、製剤、例えば、医薬組成物又は剤形を、販売元から購入者に移転することを意味する。したがって、この方法は、セレキシパグを含む製剤を販売することを含み、この方法は、当該製剤を販売することを含む。いくつかの実施形態では、製剤に対する参照リスト薬の製剤ラベルは、PAHを治療するための指示を含む。この方法はまた、セレキシパグを含む製剤の売り出しを含む。本明細書で使用するとき、用語「販売の申し出」とは、製剤、例えば、医薬組成物又は剤形について、販売元による購入者への販売の提起を指す。これらの方法は、製剤の販売の申し出を行うことを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、臨床的に安全であることが証明され、かつ臨床的に有効であることが証明されている量のセレキシパグを含む医薬製品(pharmaceutical drug)であって、医薬製品(pharmaceutical product)は、パッケージ化されており、パッケージは、規制機関に承認された化学成分としてセレキシパグを特定し、かつPAHを治療するための指示を含み、MRI撮像データも含み得る、ラベルを含む。
「製剤」という用語は、政府機関、例えば、アメリカ食品医薬品局又は他の国における同様の機関によって製造販売を承認された有効活性成分を含有する製品を指す。いくつかの実施形態では、製剤はセレキシパグを含む。
同様に、「ラベル」又は「製剤ラベル」は、製剤に関する関連情報を提供する、患者に
提供される情報を指す。このような情報には、薬物の説明、臨床薬理学、適応症(製剤の使用)、禁忌(製剤を服用してはならない人)、警告、注意事項、有害事象(副作用)、薬物の乱用及び依存、用量及び投与、妊娠中の使用、授乳中の母親での使用、子供及び高齢の患者での使用、薬物の供給方法、患者の安全情報、又はこれらの任意の組み合わせのうちの1つ又は2つ以上が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ラベル又は製剤ラベルは、PAHを治療するための指示を提供している。更なる実施形態では、ラベル又は製剤ラベルは、セレキシパグを規制当局が承認した化学物質として識別し、MRI撮像データも含み得る。
本明細書で使用するとき、用語「参照リスト薬」又は「RLD」は、新たなジェネリック品が生物学的に同等であることを示すために比較される製剤を指す。また、欧州連合加盟国によって、又は完全な一件書類に基づいて、すなわち、指令2001/83/ECの第8(3)条、第10a条、第10b条若しくは第10c条による品質、前臨床及び臨床データの提出により、委員会によって販売許可を付与された医薬品であり、ジェネリック/ハイブリッド医薬品の販売許可の申請が、生物学的同等性の実証によって、通常、適切な生物学的利用能試験の提出を通じて、参照する医薬品である。
特定の実施形態では、製剤は、ANDA製剤、医薬品承認事項変更申請製剤、又は505(b)(2)製剤である。米国では、ジェネリックの同等品販売の承認を求める企業は、その略式新薬承認申請(ANDA)においてRLDを参照する必要がある。例えば、ANDA申請者は、以前に承認された製剤、すなわち、RLDが安全かつ有効であることについて、FDAの知見に依拠し、とりわけ、提起されるジェネリック製剤がRLDと同じであることについて、特定の方法で実証する必要がある。具体的には、例外を限定的なものとし、ANDAに提出される製剤は、とりわけ、RLDと同じ活性成分、使用条件、投与経路、剤形、強度、及び(特定の許容差を有する)添付文書を有する必要がある。RLDは、掲載された薬物であり、それに対し、ANDA申請者は、その者の提起したANDAの製剤が、他の特性の中でもとりわけ、活性成分、剤形、投与経路、強度、添付文書、及び使用条件に関して同じであることを示す必要がある。電子版オレンジブックには、RLDについての欄及び参照標準についての欄がある。印刷物のオレンジブックでは、RLD及び参照標準は、特定の記号によって特定される。
欧州では、申請者は、申請者のジェネリック/ハイブリッド医薬製品(ANDA、又は補足的なNDA(sNDA)製剤と同じである)の申請書において、以下のような、RLDと同義である、参照医薬製品(製品名、強度、剤形、医薬品市販承認取得者(MAH、最初の承認、加盟国/共同体)を識別する。
1.欧州経済地域(EEA)において認可されている又は認可された医薬製品であり、欧州の医薬法制において規定されたデータ保護期間が満了したことを示す根拠として使用されるもの。この参照医薬製品は、データ保護期間の満了を計算する目的で特定されており、ジェネリック/ハイブリッド医薬製品と異なる、強度、剤形、投与経路、又は表示のためのものであってもよい。
2.ジェネリック/ハイブリッド申請内で一件書類(製品名、強度、医薬品形態、MAH、販売許可番号)が相互参照される、医薬品。この参照医薬製品は、データ保護期間の満了を計算する目的で特定された、参照医薬製品とは異なる名称で別個の手順により認可されたものでもよい。この参照医薬製品の製品情報は、原則として、ジェネリック/ハイブリッド医薬製品について特許請求される製品情報の根拠として機能する。
3.生物学的同等性試験(適用可能な場合)に使用される医薬品(製品名、強度、医薬品形態、MAH、供給源の加盟国)。
食品医薬品化粧品法(FD&C Act)下での製剤の異なる簡略承認経路は、FD&C Actの章505(j)及び505(b)(2)(それぞれ、21U.S.C.35
5(j)及び21U.S.C.355(b)(2))に記載されている簡略承認経路である。
FDA(「Determining Whether to Submit an ANDA or a 505(b)(2)Application Guidance for Industry」、アメリカ合衆国保健福祉省、2017年10月、pp.1-14、その内容は参照により本明細書に組み込まれる)によれば、NDA及びANDAは、以下の4つに分類することができる。
(1)「スタンドアロンのNDA」は、FD&C Actの章505(b)(1)の下で提出され章505(c)の下で承認された申請であり、これには、申請者によって実施された若しくは申請者のために実施された、又は申請者が参照又は使用の権利を有する、安全性及び有効性の調査の完全な報告が入っている。
(2)章505(b)(2)申請は、FD&C Actの章505(b)(1)の下で提出され章505(c)の下で承認されたNDAであり、これには、安全性及び有効性の調査の完全な報告が入っており、承認に必要な情報のうちの少なくともいくつかは、申請者によって実施されなかった若しくは申請者のために実施されなかった、又は申請者が参照又は使用の権利を入手していない、試験に由来する。
(3)ANDAは、FD&C Actの章505(j)の下で提出され承認された、以前に承認された製剤の複製についての申請である。ANDAは、以前に承認された製剤、すなわち、参照リスト薬(RLD)が安全かつ有効であることの、FDAの知見に依拠する。ANDAには、概して、提起されるジェネリックの製品(a)が、活性成分、使用条件、投与経路、剤形、強度、及び添付文書(特定の許容差を有する)についてRLDと同じであること、及び(b)がRLDと生物学的に同等であることについて、示すための情報が入っている必要がある。提起された製品の安全性及び有効性を立証するために試験が必要である場合、ANDAは、提出することができない。
(4)申請したANDAは、剤形、投与経路、強度、又は活性成分がRLDと異なる種類の薬物についてのANDA(2つ以上の活性成分を有する製品において)であり、FDAが、FD&C Actの章505(j)(2)の下で提出された申し立て(適合性申し立て)に応えて、その研究は提起された製剤の安全性及び有効性を立証するために必要ではないと判定したものである。
ハッチ-ワックスマン法の根底にある科学的前提は、FD&C Actの章505(j)の下でANDAにおいて承認された製剤を、そのRLDと治療的に同等であると推定するものである。治療的に同等として分類される製品は、置き換え得るものであり、添付文書にて指定された条件下で患者に投与されたとき、置き換えた製品が所定の製品と同じ臨床効果及び安全性特性をもたらすと、十分に予想される。ANDAとは対照的に、章505(b)(2)の申請は、提起される製品の特性に関して、より柔軟なものになる。章505(b)(2)の申請は、承認時に参照される列挙された薬物と治療的に同等と格付けされる必要はない。
この方法はまた、セレキシパグを商流に乗せることを含む、それからなる、又は本質的にそれからなることができる。特定の実施形態では、セレキシパグは、PAHを治療するための指示を含み、MRI撮像データも含み得る、パッケージ挿入物を含む。
更なる態様では、本明細書に説明されるのは、医薬組成物を商流に乗せることを含む、それからなる、又は本質的にそれからなる、セレキシパグを含む医薬組成物を販売する方法である。特定の実施形態では、医薬組成物は、PAHを治療するための指示を含み、MRI撮像データも含み得る、パッケージ挿入物を含む。
更に別の態様では、本明細書に説明されるのは、セレキシパグを商流に乗せるために提
供することを含む、それからなる、又は本質的にそれからなるセレキシパグの売り出し方法である。特定の実施形態では、セレキシパグは、PAHを治療するための指示を含み、MRI撮像データも含み得る、パッケージ挿入物を含む。
処方/組成物
セレキシパグを含有する医薬組成物は、従来の医薬配合技術によって、1種類以上の化合物を製薬担体とよく混合することによって調製され得る。本明細書で使用するとき、用語「組成物」及び「処方」は、互換的に使用され、指定の量の指定の成分を含む生成物に加えて、指定の量の指定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に生じる、医薬製品などの任意の生成物を包含する。医薬組成物の概要は、かかる開示に関して参照により本明細書に組み込まれているが、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical
Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams&Wilkins 1999)に記載されている。
そのような組成物は、未希釈で、又は薬学的に許容される無毒性の不活性担体との混合物中で、例えば、組成物の総重量に基づいて、0.1%~99.5重量%、好ましくは0.5%~90%の濃度で化合物を含有する医薬組成物として投与することができる。担体として、固体、半固体、及び液体希釈剤などの製剤用の1つ又は2つ以上の補助剤、並びに薬物製剤用の充填剤及び他の補助剤を使用することもできる。医薬組成物は単位剤形として投与されることが望ましい。
セレキシパグは、当業者によって決められる多くの経路によって投与され得る。好ましくは、セレキシパグは、セレキシパグに適した経路によって投与される。いくつかの実施形態では、セレキシパグは、経口、非経口、若しくは吸入、又はそれらの任意の組み合わせで投与される。他の実施形態では、セレキシパグは、経口投与される。更なる実施形態では、セレキシパグは、吸入によって投与される。他の実施形態では、セレキシパグは、非経口投与される。更なる実施形態では、セレキシパグは、1つ又は2つ以上の錠剤の形態で経口投与される。
いくつかの実施形態では、セレキシパグは、皮下又は静脈内注射などの注射又は注入として投与される。静脈内投与の場合、セレキシパグ医薬製品は、滅菌溶液である。注射可能な懸濁液又は溶液は、適切な添加剤と共に水性担体を利用して調製され得る。静脈内投与の場合、担体は通常、溶解性又は保存性を高める滅菌水及び他の成分で構成される。水性懸濁剤用の好適な分散剤又は懸濁化剤としては、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル-ピロリドン、又はゼラチンが挙げられる。静脈内投与が望まれる場合、適切な防腐剤を含み得る等張製剤が使用される。いくつかの実施形態では、静脈内製剤で使用される担体は、滅菌水を含む。
経口投与の場合、各調製物は、固体又は液体であり得る。好ましくは、本明細書に説明されるセレキシパグの経口形態は、固体である。固形製剤の例は、例えば、トローチ、薄膜、ペースト、薬用キャンディー、顆粒、粉末、カプセル、カプレット、ジェルキャップ
、錠剤、及びカプセルなどの丸薬(それぞれ、即効、持続放出及び徐放性丸薬を含む)を含む。好ましくは、経口組成物は錠剤として投与される、すなわち、望ましくは、医薬製品は錠剤を含む。必要に応じ、錠剤又はカプレットは、標準的な技術によって糖コーティング又は腸溶コーティングされ得、あるいは他の方法で配合され、長期作用の利点を与える剤形を提供し得る。錠剤などの固体組成物を調製するために、セレキシパグは、澱粉などの医薬担体/添加物、糖などの甘味料、希釈剤、着色剤、造粒剤、防腐剤、潤滑剤、香味剤、結合剤、崩壊剤などと混合される。錠剤の場合、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム又はガムなどの従来の錠剤化成分、及び他の医薬希釈剤、例えば、水、エタノール、グリセロールなどを使用し得る。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコース又はβ-ラクトースなどの天然の糖、コーン甘味料、アカシア、トラガカントなどの天然及び合成ガム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤は、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどを含むが、これらに限定されない。本開示の組成物が注射による投与のために組み込まれ得る液体形態は、水溶液、適切に風味付けされたシロップ、水性又は油懸濁液、及び綿実油、ゴマ油、ココナッツ油又はピーナツ油などの食用油を含む風味付けされたエマルジョン、並びにエリキシル及び同様の賦形薬を含む。液体経口製剤は、セレキシパグと、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、安定剤、着色剤などの1つ又は2つ以上の適切な担体/添加剤とを独立して含む。
本開示の医薬組成物を調整するには、セレキシパグは、従来の医薬配合技術に従って、医薬担体とよく混合されるが、担体は、投与(例えば、経口又は非経口)において所望される製剤の形態に応じて、非常に様々な形態をとることができる。医薬的に許容される好適な担体は、当該技術分野において周知である。これらの医薬的に許容される担体のいくつかの説明は、米国薬剤師会及び英国薬剤師会により出版されたThe Handbook of Pharmaceutical Excipientsに見出すことができるが、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
医薬組成物を製剤化する方法は、Marcel Dekker,Inc.によって発行されたLiebermanら編のPharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Second Edition,Revised and Expanded,Volumes 1-3;Avisら編のPharmaceutical
Dosage Forms:Parenteral Medications,Volumes 1-2;及びLiebermanら編のPharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Volumes 1-2など、多くの出版物に記載されているが、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
態様
態様1:肺動脈性高血圧症を治療することを必要とする患者におけるそのための方法であって、
(a)患者の右室上で磁気共鳴撮像(MRI)を実施して、MRIベースライン画像を提供することと、
(b)治療有効量のセレキシパグを投与することと、
(c)患者の右室上でMRIを実施して、MRI試験画像を提供することと、
(d)MRIベースライン画像をMRI試験画像と比較することと、を含む、方法。
態様2:ステップ(d)が、セレキシパグの投与を開始した後、少なくとも約26週間で実施される、態様1の方法。
態様3:治療が、ステップ(d)に基づいて調節される、態様1又は2の方法。
態様4:セレキシパグの投与を開始することに先立って、患者が、世界保健機関機能分類クラスII若しくはIIIにあるか、又はセレキシパグの投与の開始に先立ってNT-proBNP>300ng/Lを有する、態様1~3のいずれか1つの方法。
態様5:患者が、セレキシパグの投与の開始に先立って少なくとも6か月以内に、IP受容体アゴニスト、プロスタサイクリン、又はプロスタサイクリン類似体を使用する治療を受けていない、態様1~4のいずれか1つの方法。
態様6:セレキシパグが開始用量で投与され、増量されて個々の最大耐用量(iMTD)が決定される、態様1~5のいずれか1つの方法。
態様7:開始用量が、約200μgを1日2回である、態様6の方法。
態様8:iMTDが、約200μg~約1600μgを1日2回である、態様6又は7の方法。
態様9:iMTDが、約1600μgで1日2回を超えない、態様6~8のいずれか1つの方法。
態様10:iMTDが、用量調節フェーズの後の維持フェーズ中に維持される、態様6~9のいずれか1つの方法。
態様11:患者が、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤、又はエンドセリン受容体アゴニストを含むバックグラウンド療法を受けており、そのような療法が、セレキシパグの投与に先立って安定した用量で少なくとも3か月間存在する、態様1~10のいずれか1つの方法。
態様12:肺動脈性高血圧症が、特発性肺動脈性肺高血圧症、遺伝性肺動脈性肺高血圧症、結合組織病と関連付けられた肺動脈性肺高血圧症、又は外科的修復の少なくとも1年後に単純体肺シャントを伴う、先天性心疾患と関連付けられた肺動脈性肺高血圧症である、態様1~11のいずれか1つの方法。
態様13:患者の右室一回拍出量(RVSV)が、MRIによって測定される際、セレキシパグ開始に続いて、約26週間後に増加する、態様1~12のいずれか1つの方法。
態様14:増加が、約8mL~約12mLである、態様13の方法。
態様15:患者の右室駆出分画(RVEF)が、MRIによって測定される際、セレキシパグ開始に続いて、約26週間後に増加する、態様1~14のいずれか1つの方法。
態様16:患者の右室長軸方向グローバルストレイン(RVGLS)が、MRIによって測定される際、セレキシパグ開始に続いて、約26週間後に改善する、態様1~15のいずれか1つの方法。
態様17:セレキシパグが、吸入、経口投与、又は非経口投与される、態様1~16のいずれか1つの方法。
態様18:セレキシパグが、吸入される、態様17の方法。
態様19:セレキシパグが、非経口投与される、態様17の方法。
態様20:非経口投与が、皮下又は静脈内である、態様19の方法。
態様21:セレキシパグが、経口投与される、態様17の方法。
態様22:セレキシパグが、錠剤の形態である、態様21の方法。
Figure 2023512266000006
Figure 2023512266000007
(実施例1)
この治験実施計画は、心臓MRI画像がどのように取得されるべきかを定義する。
A.MRI条件付きペースメーカ
MRI条件付きペースメーカを有する患者について、この撮像治験実施計画に説明されているような心臓MRIに実際に好適であることを確保することが不可欠であり、利用可能なスキャナ特性(例えば、電界強度)を考慮し、製造業者の指示に厳格に従う。
B.機器
・心血管撮像が可能な1.5又は3テスラMRIシステム。
・心臓受信器コイル、又はフェーズドアレイボディコイルなどの、心臓撮像のために使用され得る他のフェーズドアレイレシーバコイル。
・ECG又はベクトル心電図同期のためのMR互換性リード。
・スキャナソフトウェア:心臓及びフローMRパルスシーケンスのためのライセンス。
・造影剤が使用される場合、シネ心臓MRIシーケンスが完了した後に使用されるべきである。
C.患者の準備
患者は、腸運動に起因するモーションアーチファクトを減少させるために、検査に先立って2時間食べることを避けるべきである。患者は、仰臥位にあるべきである。良好なECG/ベクトル心電図信号を用いて適切なECGリード配置を確保する。
R波は、患者が磁石中心に移動されるときも、スキャナソフトウェアによって正しく認識されるべきである。スキャン中も正しいR波トリガを検証する。患者は、呼吸指示に精通するべきである:最良の再現性のある呼吸保持は、緩やかな呼気である。シネ撮像中に、及びフロー撮像中にも心拍数を記録する。
D.MRIパルスシーケンス
(i)心臓、肺動脈、及び上行大動脈を位置決定する
SSFP撮像が推奨される。典型的な設定は、3.2msの繰り返し時間、1.6msのエコー時間、40~60度の範囲のフリップ角度、6mmのスライス厚さ、及び256×96の取得マトリクスである。全ての計画画像は、心臓周期の拡張終期フェーズで取得されなければならず、患者は、緩やかな呼気で息を保持する。この位置決定及び計画について、取得が拡張終期である場合、他のパルスシーケンスが使用されてもよい。
(ii)SSFP(FIESTA、均衡高速フィールドエコー、又はTrue-FISP)による息こらえでのシネ撮像
息こらえ持続時間は、任意である、並列撮像を使用することによって短縮され得る。次のパラメータは、4チャンバビュー、短軸スタック、LV3チャンバビュー、RV流入路-流出路ビュー、及びRVの軸方向スタックのために適用される:6mmのスライスの厚さ、4mmの最大値を有する、0~4mmの範囲の短軸スタックにおけるスライスギャップ、280×320mmの視野(患者サイズに適合され得る)、少なくとも256×128のマトリクス、40~70度の範囲のフリップ角度、11~15の#フェーズエンコード線/ビート(「#セグメント当たりのビュー」とも呼ばれる)、#少なくとも25の時間的フェーズ(時間的解像度<RR時間の5%)、及び遡及的であるECG同期。
(iii)MR速度定量化
フェーズコントラスト速度撮像が、継続的な通常の呼吸中に実施される。パルスシーケンスは、スループレーン速度エンコード、及び主肺動脈に対して120cm/s(大動脈に対して150cm/s)の速度感度を有する、ECG同期されたスポイラーグラジエントエコーシーケンスである。画像平面の配向は、主肺動脈(又は上行大動脈)に直交していなければならない。
フローシーケンスは、次のパラメータ(患者に適合可能な視野)で実行される:主肺動脈に対して120cm/sの速度感度、大動脈に対して150cm/sの速度感度、6~8mmのスライス厚さ、240×320mmの視野、140×256のマトリクスサイズ、4.8msのエコー時間、11msの繰り返し時間(最大)、22msの時間的解像度(最大)、及び25度のフリップ角度。
E.4チャンバシネ及び短軸シネのスタック
A:冠状面、B:横断面、C.垂直長軸、D.基底短軸、E:VLA、F.4チャンバ、G:VLA、H:4チャンバ、I:中部短軸
短軸シネのスタックの計画における連続ステップ:
1.心室を通る冠状面ビュー(「A」)の線は、横断面ビュー(「B」)を画定する。
2.隔壁に平行かつ心尖部を通って延びる横断面ビュー上の線は、VLAビュー(「C」)を画定する。
3.VLAビュー上の線は、基底短軸ビュー(「D」)を画定する。
4.Dでは、4チャンバビューのための第1の計画線が、LV中心とRV直角との間に描かれている。
5.Eでは、第2の計画線が、心尖部を僧帽弁の中央と接続する。
6.4チャンバシネ(「F」)を取得するために、D及びE上の両方の計画線が同時に使用される。
7.平行計画線のスタックは、VLA(「G」)及び4チャンバ(「H」)上の両方に適用され、AV溝に平行であり、隔壁に直交する。最基底短軸スライスは、心室接合部の心筋側のすぐ上に位置しなければならない。これは、心室(Iの中部スライス)を完全にカバーする短軸シネ画像のスタックの配向を送達する。
8.短軸シネのスタックは、最基底部まで心尖部から右及び左室を完全にカバーしなければならない。
F.フロー測定:技術的要件
経過観察では、ベースライン測定で使用されたものと同じMRIスキャナ及び同じパルスシーケンスが使用されるべきである。後方及び前方RF受信器コイルは、画像視野内で有効化されるべきである。ECGトリガは、遡及的でなければならない。フロー測定中に正しいトリガを検証する。撮像平面は、磁石の同心になければならない。撮像平面は、正しい解剖学的位置になければならない:主肺動脈(又は大動脈)の断面は、心臓周期全体を通して大きさ及び速度画像において明確に描写されなければならない。画像内の陥入(「取り囲み」又は「折り返し」)アーチファクトは、許可されていない。速度マップに折り返し雑音が存在する場合、より高いエンコード速度でフロー測定を繰り返す。
患者が依然として磁石内にある間、取得直後にフロー曲線をプロットすることが推奨される。必要に応じて、フロー測定を繰り返す。
ベンダー特異的要件
Philips
・LPCフィルタが、オフに設定されなければならない(Philips examcardのタブ「postproc」でNOを選択する)。
・デフォルトグラジエントモード。
Siemens
・グラジエントモードを「normal」に設定する。
・エリア及びSkyra:フェーズエンコード方向の速度補償を「off」に設定する。
GE
・フロー最適化は、オンでなければならない。
・制御変数「magnitude weighting」無効の状態でシネフェーズコントラストシーケンスを使用する。
G.主肺動脈におけるフロー定量化
A:横断面画像、B:斜め矢状断面画像、C:フロー用の計画ラインを有する余剰ローカライザ、D:フロー用の計画ラインを有する斜め矢状断面画像、E:肺動脈大きさ画像、F:肺動脈速度画像
主肺動脈を位置決定すること:
1.主及び右肺動脈を示す横断面ビュー(A)で開始する。
2.画像は、主肺動脈を含むAに対して垂直に規定される。これは、Bに示されるような斜め矢状断面画像を結果的にもたらす。
3.Bの計画線によって示されるように、Bに垂直であり、かつ肺動脈を通して、余剰ローカライザ画像(C)が取得される。
4.C及びDの計画線を同時に使用して、フロー測定のための撮像平面(E)を得る。
5.平面Eでは、主肺動脈内のスループレーンフローが測定される。
6.パネルFは、中部収縮期の速度画像を示す。
計算された形態の肺動脈フローとして、一回拍出量は、試験の主要評価項目である。
・フロー用の撮像平面の正しい位置決めを検証し、肺動脈断面が心臓周期を通して明確に描写されているかどうかを決定する。
・シネモードで速度画像を検査することによって、正しいトリガを検証する。
・フロー測定の画像上では、折り返しアーチファクトが回避されなければならない。
・速度画像では、折り返し雑音が許容されない。
・必要に応じて、フロー測定を繰り返す。
H.大動脈のフロー定量化
A:冠状面、B:横断面、C:大きさ画像、D:速度画像
1.大動脈内血流量測定について、場所は、上行大動脈がフィートヘッド方向にあり(パネルA参照)、かつ右肺動脈が面内にある、純粋な横断平面である。
2.これは、フローが測定される撮像平面(B)を結果的にもたらす。
3.フロー測定は、中部収縮期のパネルC及びDに示されるように、大きさ及び速度画像を含む。
4.補正トリガは、シネモードにおける速度画像を検査することによって検証される。フロー測定の画像では、折り返しアーチファクトが回避されなければならない。速度画像では、折り返し雑音が許容されない。必要に応じて、フロー測定を繰り返す。
I.長軸3チャンバシネ、及びRV IT-OTシネ
A:基底短軸、B:4チャンバ、C:LV3チャンバ:D:基底短軸:E:4チャンバ、F:RV IT-OT
1.LV3チャンバシネ(C)は、最基底短軸スライス(A)で計画されている。
2.計画線は、LVの中心及び大動脈根の中央を通って配向される。
3.4チャンバシネ(B)では、スライスは、LVの頂点を通過するべきである。
4.RV IT-OTシネ(F)は、最基底短軸スライス(D)で計画される。
5.計画線は、RV三尖弁の中心、及び肺動脈弁を通って配向される。
6.4チャンバシネ(E)では、スライスは、RVの頂点を通過するべきである。
J.RV容積をカバーする、軸方向シネのスタック
A:冠状面、B:軸方向(=横断面)
1.軸方向配向に呼吸保持シネ系列のスタックを取得する。このスタックは、横隔膜から肺動脈まで、全RV容積を完全にカバーしなければならない。
2.冠状画像(A)の計画線は、軸方向シネ系列(B)のうちの1つに対する画像平面を画定する。
3.計画画像は、心臓周期の拡張終期フェーズにおいて、緩やかな呼気で取得されるべきである。
4.軸方向シネについて、短軸シネに使用されたものと同じシーケンス及び同じ時間解像度を使用する。
(実施例2)
A.試験設計
(i)全体設計
これは、治療開始後26及び52週間までにPAHの診断を伴う治療成人被験者(≧18~<65歳)におけるセレキシパグの効果を評価するための非盲検多施設シングルアーム介入試験である。患者は、PAH(特発性PAH、遺伝性PAH、薬物又は毒素によって引き起こされるPAH、結合組織病又は先天性心疾患と関連付けられたPAH)を有し、磁気共鳴撮像(MRI)又はセレキシパグへの禁忌を有していない。
個々の参加期間の長さは、約60週間である。試験は、28日間のスクリーニングフェーズ、52週間の介入フェーズ(初期12週間の増量期間を含む)、及び少なくとも30日間の介入後の安全経過観察期間の3つのフェーズで行われる。主目的及び副次的目的は、26週まで評価され、探索的目的は、52週まで評価される。以下は、試験期間の詳細な説明である。
・スクリーニング期間:インフォームドコンセント署名は、試験の開始及びスクリーニング期間の開始の両方をマークする。この期間は、適格性(病歴、治療、血液検査)を評価し、ベースライン有効性評価(MRI、Echo、6MWD、WHO FC、NT-proBNP、及び探索的血液検査)を実施する役割を果たす。スクリーニングは、最大28日間続き得る。一時的に不適格である被験者は、再スクリーニングされ得る。MRI、Echo、6MWT、又はWHO FC評価が、試験要件に、1日目の前の28日以内に完全に準拠するやり方で通常の業務の一部として行われた場合、これらのデータは、試験に使用され得る。
・治療期間:試験薬の最初の投与(試験の1日目)で開始し、52週目±7日又は試験薬の早期中断時である、試験薬の最後の投与の日にEOTにより終了する。
・1日目:1日目は、患者が試験薬の最初の投与を受ける日として定義される。最初の投与は、現場で行われるべきである。1日目は、一旦、スクリーニング評価が完了されると、インフォームドコンセント署名後28日以内に始まり得る。再スクリーニングされた被験者の場合、全てのスクリーニング評価は、1日目の前の28日以内に行われ(又は繰り返され)ていなければならない。
・増量:この期間中、試験薬は、1日目から12週目の終了(84日目)まで増量される。現場から患者への毎週の電話が、増量を案内し、安全情報を収集するために実施される。4週目(+7日)及び12週目(+7日)の終了時に、患者は、返却/交付来院のために現場に戻り、これらの現場来院では評価は実施されない。
・維持:この期間の間、被験者は、13週目の開始からEOT(52週目、±7日の終了時にスケジュールされる)まで、被験者の個々の維持用量(IMD)で試験薬を受け取る。現場から患者への毎月の電話(現場来院が行われるときを除く)は、併用薬、AE、及びSAEに関する情報を収集することによって患者の安全性を監視するために行われる。26週目(168日目~196日目)では、現場訪問は、副次的及び探索的評価項目のためのMRI、Echo、6MWT、WHO FC、採血を評価するようにスケジュールされる。39週目(+14日)では、患者は、試験薬返却/交付来院のために現場に戻り、この現場来院では評価は実施されない。
・EOT:EOTは、52週目±2週間(350日目~378日目)の終了時に行われるべきである。この来院時に、ベースライン後評価が実施される(MRI、6MWT、WHO FC、採血)。16週目の前の早期EOTの場合、ベースライン後有効性評価は、任意選択的であり、安全性評価は、必須である。16週目の後であるが26週目の前の早期EOTの場合、全てのベースライン後評価が実施される。
・安全性経過観察:安全性経過観察は、最後の試験薬投与後の日に開始し、最後の投与の少なくとも30日後の安全性経過観察電話(EOS来院)で終了する。
・スケジュールされていない来院:スケジュールされていない来院は許容されるが、スケジュールされていない来院中に報告された任意のAE/SAEは、依然として記録されるべきである。
適格な被験者は、52週間セレキシパグによって治療される。セレキシパグを用いた投
与は、200μgを1日2回で開始する。1日目に、被験者は、1回の用量のみを受け取り、各用量の変化時、新しい用量の最初の摂取量は、夕方に服用されるべきである。現場は、1週目から12週目の終了まで1週間に1回被験者に連絡することになり、可能であれば、用量を200μgで1日2回に増加させるかどうかを決定する。増量は、柔軟であり、対症療法で緩和することができない有害作用の場合に適合され得る。この場合、現場は、1週間増量を延期するか、又は試験薬を減量するかのいずれかであり得る。12週目の終了時に達した用量は、被験者のIMDとみなされることになり、治療の終了まで維持される。
有効性評価は、MRI、Echo、6MWD、WHO FC、NT-proBNP、及びリスク層別化を含む。安全性評価は、AEの監視、臨床検査評価、及び妊娠の可能がある女性被験者における妊娠検査を含む。探索的評価は、バイオマーカ、及びアンケートを使用して評価された被験者の経験を含む。
試験設計の図が図1に提供される。この試験は、12週間の増量期間を含む。増量の目標は、各被験者が自分の個々の最高耐用量に達することを確保することであり、すなわち、手に負えないプロスタサイクリン関連の有害作用なしでそれを行うことである。
ベースラインから26週目までの循環バイオマーカの変化が探索される。追加の探索的バイオマーカは、EOSの後に測定され得、臨床検査分析時にRV機能及び構造に関する最新の科学証拠に基づく。いかなる種類の遺伝的試験も実施されない。
(ii)試験終了の定義
EOS定義:EOSは、試験における最後の被験者についての活動のスケジュール(表1)に示される最後の試験評価の日として定義される。
Figure 2023512266000008
Figure 2023512266000009
個々の被験者についての試験完了定義:個々の被験者についてのEOSは、安全性経過観察の終了であり、これは、最後の試験薬物摂取後の少なくとも30日に計画されている(試験薬を早期に中止する被験者にも適用される)。経過観察不能の被験者について、EOSは、現場との最後の接触である。死亡の場合、死亡がEOSである。
B.試験対象集団
適格な被験者のためのスクリーニングは、試験薬の投与前28日以内に実施される。スクリーニング後であるが、試験薬の最初の投薬量が与えられる前に、全ての適格性基準を満たすことができないような、被験者の臨床状態が変化する場合(任意の利用可能な検査結果又は追加の医療記録の受領を含む)、被験者は、試験への参加から除外されるべきである。
迅速な決定を可能にし、患者への負担を低減するために、スクリーニング中に評価された局所的な臨床結果に基づいて、適格性評価が行われ得る。それにもかかわらず、血液サンプルのスクリーニングは、中央検査室に送られる必要がある。
(i)組み入れ基準
可能性のある被験者はそれぞれ、この試験に登録されるために、下記の基準全てを満たす必要がある:
Figure 2023512266000010
(ii)除外基準
以下の基準のいずれかに該当する潜在対象は、試験への参加から除外される。すなわち、
Figure 2023512266000011
C.治験薬
(i)試験薬の説明
非盲検セルキパグは、120錠を含有するチャイルドプルーフボトルにおいて、円形のデボス加工のフィルムコーティングされた錠剤として提供される。
Figure 2023512266000012
(ii)試験薬投与
錠剤は、経口投与されることになり、水と共に丸ごと嚥下されなければならない(すなわち、粉砕、分割、又は咀嚼しない)。1日目に、被験者は、1回の用量のみを受け取り、各用量の変化時に、新しい用量の最初の摂取量は、プロスタサイクリン関連のAEの発症の可能性を低減するために夕方に服用される。忍容性は、試験薬が食事と共に服用される場合に改善され得る。中度の肝障害(チャイルド・ピュー分類B)を有するか又は(a)中度のCYP2C8阻害剤を同時服用している患者は、2日目の朝に200μgをqdで開始する。
(ii-a)試験薬増量
増量の目標は、各被験者が手に負えないプロスタサイクリン関連の有害作用なしで、被験者個人の最高耐用量に到達することを可能にすることである。試験薬は、各被験者が、200μg~1600μgをbidの範囲で、被験者のIMDに到達することを可能にするように増量される。用量に応じて、試験薬の1回用量は、1つ又は2つ以上の錠剤からなり得る。
試験薬は、1日目から12週目(84日目)の終了まで増量される。投与は、200μgを1日2回で開始する。現場は、1週目の終わりから12週目の終わりまで1週間に1回被験者に連絡することになり、可能であれば、用量を200μgで1日2回(表2)に増加させるかどうかを決定する。増量は、柔軟であり、対症療法で緩和することができない有害作用、すなわち、頭痛、下痢、悪心及び嘔吐、顎痛、筋肉痛、末端痛、関節痛、及びフラッシングの場合に適合され得る。この場合、現場は、1週間増量を延期するか、又は試験薬を減量するかのいずれかであり得る。
12週目の終了時に達した用量は、被験者のIMDとみなされることになり、EOTまで維持される。
Figure 2023512266000013
(ii-b)試験薬維持
維持フェーズは、13週目の開始から52週目の終了までの被験者のIMDにおける治療からなる。
(iii)試験薬服薬遵守
試験薬服薬遵守は、試験薬の報告義務に基づく。試験薬の服薬遵守は、下式を用いて各来院時に治験実施施設の担当者によって計算される:
各交付された含量について:
Figure 2023512266000014
来院間において、服薬遵守は、80%~120%であると予測される。この範囲外の服薬遵守値は、臨床研究関連によって臨床試験管理システムで報告され、治験実施計画からの逸脱とみなされる。
(iv)併用療法
被験者は、1日目の前に受けた療法が適格性基準に準拠する場合のみ登録され得る。1日目からEOTまで、次の療法は禁止され、試験薬中断につながる:
・CYP2C8の中程度又は強い阻害剤(例えば、ゲムフィブロジル、クロピドグレル、デフェラシロック、テリフルノミド)
・プロスタサイクリン又はプロスタサイクリン類似体
・任意の他の治験薬
1日目からEOT評価の完了まで、次の療法は、被験者の症状に基づいて、52週目の評価後まで延期され得ない場合のみ、開始又は増量(適用可能な場合)され得る。
・可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激装置
・ERA
・PDE-5i
・プロスタサイクリン経路に作用しないことを条件として、市販されている任意の他のPAH特異的療法
D.試験薬の中断及び被験者の中断/離脱
(i)試験薬の中断
被験者の試験薬は、以下の場合に中断されなければならない:
・被験者が試験薬を受ける同意を撤回した場合。
・安全性の理由又は忍容性の理由で、試験薬を中断することが被験者の最良の利益となる場合。
・女性被験者が妊娠した場合。
・被験者が重度の肝障害を発症した場合。肝障害が疑われる場合、重症度の臨床評価(例えば、チャイルド・ピュースコア)が実施されなければならない。被験者が、試験中のいずれかの時点で重度の肝障害(チャイルド・ピューC)を発症した場合、試験薬は永続的に中断されなければならない。
・被験者がPVODに起因する肺浮腫を有する場合。肺浮腫の兆候が生じた場合、関連するPVODの可能性を考慮しなければならない。確認された場合には、試験薬は、中止されなければならない。
・治療期間中の禁止された治療を計画的に開始する場合。
・試験薬が連続14日間を超えて中断する場合。
被験者が、52週目にスケジュールされたEOTの前に任意の理由(試験における任意の更なる参加からの同意の撤回を除く)で試験薬を中止する場合、被験者は、試験におけるこの制限された参加に対する被験者の同意が撤回されていないことを条件に、スケジュールされたように、来院及び評価の出席を継続する(すなわち、早期EOT及びEOS来院)。試験から離脱する理由が、試験における任意の更なる参加からの同意の撤回である場合、追加の評価は、許可されない。
(ii)試験薬の一時的中断
試験薬は、AE、診断又は治療処置、検査異常、又は管理上の理由に応じて一時的に中断される場合がある。試験薬の中断は、可能な限り短くしなければならない。3~14日間の試験薬中断の場合、試験治療は、より低い用量で再開され、次いで、中断前の用量に用量設定されるべきである。再増量は、スケジュールされたか、又はスケジュールされていない電話連絡又は来院時に行われ得る。
試験薬中断が連続14日間を超えた場合、試験薬を永続的に中止しなければならない。
(iii)被験者の試験の中止/離脱
被験者は、介入レジメンの終了前に試験薬を中止しなければならない場合、試験から自動的に離脱されない。以下の理由のいずれかの場合、対象は試験から離脱させられる。
・経過観察不能
・試験における任意の更なる参加からの同意の撤回
・死亡
・被験者は、好ましくは、評価及び考察後、試験手順、来院、及び評価への遵守が不十分である
・継続的な試験参加が被験者の最良の利益に反する。
・限定されるものではないが、試験の早期終了又は中断を含む、任意の理由によるスポンサーの決定。
対象が試験薬を中止し、いかなる理由によってもEOS訪問前に試験から離脱する場合
(死亡、経過観察不能、又は試験における任意の更なる参加からの同意の離脱)、未使用の試験薬を収集するために、未使用の試験薬を収集すること、及び以下の経過観察医療を考察するために、全ての試みを行う必要がある。
被験者が同意の離脱のリスクがあり、治験実施計画の定義された頻度でスケジュールされた来院に戻ることができない状況では、低減された経過観察に対する選択肢が検討され得る。
(iv)経過観察不能
登録に先立って、被験者が経過観察不能とみなされる機会を低減するために、対策がとられるべきである。これらの対策としては、各被験者から連絡先情報、例えば、被験者及び適切な家族の両方についての、自宅、仕事場、並びに携帯電話番号及び電子メールアドレスなどを取得する試みが挙げられる。
被験者は、被験者が繰り返しスケジュール通りに来院できず、試験現場が被験者と連絡をとることができない場合、経過観察不能とみなされる。試験現場担当者が被験者に連絡をとるために払った全ての合理的な努力が無駄とみなされるまで、被験者を経過観察不能であるとみなすことはできない。
E.試験の評価及び手順
概論
活動のスケジュール(表1)は、この試験に適用可能な有効性、安全性、及び探索的評価の頻度及びタイミングを要約している。
全ての来院について、被験者は、活動のスケジュールに示された許可された来院窓を用いて、指定された日に来院するか、又は連絡を受けなければならない。EOTにおける有効性評価は、トラフで(すなわち、朝の用量を服用せずに)実施されなければならない。経過観察安全性の電話連絡/来院は、試験薬の最後の用量の摂取後少なくとも30日間実施されなければならない。同じ日に全ての評価を完了することができない場合、来院は、許可された時間枠内で1日を超えて延長することができる。
各被験者から採取される総血液容量は、およそ69mLになる(表3)。
Figure 2023512266000015
スケジュールされていない来院
スケジュールされていない来院は、試験中の任意の時点で実施され得る。スケジュールされていない来院の理由に応じて、適切な評価が実施され得る。
スケジュールされていない来院後、通常のスケジュールされた試験来院は、計画された来院及び評価スケジュールに従って継続しなければならない。
サンプルの採取及び取り扱い
全てのサンプル採取のタイミング及び頻度については、活動のスケジュール(表1)を参照されたい。
(i)被験者の人口統計学的及びベースライン特性
全ての登録された被験者について収集される人口統計学的及びベースラインPAH特性データとしては、年齢、性別、人種及び民族性(現地規制が許可する場合)、体重及び身長、スクリーニングにおけるRHC及びWHO FCによる最初のPAH診断の日付が挙げられる。
(ii)有効性評価
(ii-a)撮像
画像取得:撮像は、実施例1又は関連するMRI IAP/Echo IAPに説明されているように実施される。表1は、MRI取得のタイミングを提供する。
(ii-b)6MWT:運動能力は、6MWTによって測定される。6MWTは、6分間歩いた距離を測定する、非勧奨検査である。26週目及びEOT来院時に、被験者は、いかなる来院関連手順の前にも、朝の試験薬用量を服用してはならない。呼吸困難は、BDI CR10 Scale(登録商標)によって評価されることになり、6MWTの前及び終了時の息切れの程度を定量化するために使用される尺度である。
(ii-c)WHO FC:WHO FCは、WHO定義に従って決定される。
(ii-d)リスク層別化:右心不全、PAH症状の進行、及び失神の臨床徴候が、スクリーニング及び26週目の来院時に収集されることになり、リスク層別化のために使用される。
(ii-e)NT-proBNP:血液サンプルが、NT-proBNPの分析のために採血される。NT-proBNPの結果は、中央検査室によって評価される。サンプルの血液サンプリング手順、収集、及び発送に関する詳細は、臨床検査マニュアルに説明されている。
(ii-f)バイオマーカ:セレキシパグがRV機能及び構造に関与する循環バイオマーカに有益な効果を有し得ると仮定され、それゆえに、ベースラインから26週目及び52週目までのそのようなバイオマーカの変化が探索される。バイオマーカは、EOS後に測定され、臨床検査分析時にRV機能及び構造に関する最新の科学証拠に基づくことになる。いかなる種類の遺伝的試験も実施されない。
血清サンプルが保管される。それらは、EOS後の追加の探索的バイオマーカを評価するために使用される。探索的バイオマーカは、臨床検査分析時にRV機能及び構造に関する最新の科学的証拠に基づく。
(iii)安全性評価
本試験におけるセレキシパグの安全性及び忍容性を評価するための標準的な評価には、(S)AE、妊娠、身体的検査、バイタルサイン、及びEOS来院までの安全性臨床検査の報告及び経過観察が含まれる(表1)。
EOS/早期離脱に持続する任意の臨床的に重大な異常は、解決まで、又は臨床的に安定な状態に達するまで、又は被験者が経過観察不能とみなされるまで、追跡される。
(iii-a)身体検査
身体検査は、被験体の身長(スクリーニング時のみ)、一般的な外観、心臓、及び肺の評価を含む。医療履歴及び/又は症状に基づいて、指示される場合には他の検査が実施される。身長は靴を履かずに測定する。
(iii-b)バイタルサイン
現場来院中に、心拍数(HR)、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、及び体重が評価される。
血圧及び脈拍/心拍数測定は、自動デバイスを用いて仰臥位又は座位で評価される。自動装置が利用できない場合にのみマニュアル法が用いられる。被験者は、測定前に少なくとも5分間安静にすることが推奨される。また、測定は、各個々の被験者について、試験全体を通じて、同じ腕及び同じ姿勢(仰臥位又は座位)で実施することも推奨される。バイタルサインは、血液採取前に測定される。
体重は、靴は履かずに室内着で測定される。
(iii-c)臨床安全性臨床検査評価
臨床化学及び血液学用の血液サンプルが、本明細書に説明されるように採取される。安全性臨床検査分析は、以下を含む:
・基本血液学パネル
・TSH、T3、及びT4を含む臨床化学パネル
・妊娠の可能性がある女性に対する妊娠検査。血清妊娠検査は、スクリーニング時、26週目及び52週目(EOT)に実施され、血清妊娠検査が現場来院時(26及び52週目)に実施されるとき、尿妊娠検査は、1日目の現場、及び1日目とEOSとの間で、6か月目及び12か月目を除いて、毎月、被験者の自宅で実施される。
・インフォームドコンセントの署名後に検出された任意の臨床的に関連する検査異常は、必要に応じてAE又はSAEとして報告されなければならない。
(iv)有害事象及び重篤な有害事象
AEは、試験の持続期間にわたって、被験者(又は、適切な場合、介護人、代理人、又は被験者の法的に認められる代表者)によって報告される。
(iv-a)有害事象及び重篤な有害事象情報を収集する期間及び頻度
重篤な有害事象:SAEに関する情報、及びPQCは、24時間以内に送信されなければならない。
(iv-b)妊娠
女性被験者又はパートナー又は男性患者における全ての妊娠の初期報告は、適切な妊娠通知フォームを使用して、試験現場職員によって、その事象の認識から24時間以内に報告されなければならない。異常な妊娠結果(例えば、自然流産、胎児死、死産、先天異常、子宮外妊娠)はSAEとみなされ、SAE報告フォームを使用して報告されなければならない。試験中に妊娠した任意の被験者は、更なる試験薬を中止しなければならない。妊娠の結果及び乳児のあらゆる出生後遺症の結果に関するフォローアップ情報が必要とされる。この経過観察の持続期間は、新生児の臨床状態に依存することになり、適用可能な場合に病院から退院するまで延長され得る。
(v)患者の経験
患者経験は、1日目、26週目、及び52週目(EOT)の間、現場でEQ-5D(E
Q-5D-3L)アンケートの3レベルバージョンで評価される。
EQ-5D-3Lアンケートは、患者の自己評価のための、健康状態の説明及びビジュアルアナログスケール(EQ VAS)の2つの構成要素を有する。説明部において、健康状態は、可動性、自己ケア、通常の活動、疼痛/不快感、及び3つのレベルにおける不安/うつ病:問題なし、いくらかの問題、及び極度の問題の5項目で測定される。
F.統計的考慮事項
効力及び安全性データを分析するために使用される統計的方法の一般的な記述が、下記に示される。
(i)統計的仮説
帰無仮説は、RVSVにおけるベースラインから26週目までの平均変化がゼロに等しいことである。代替的な統計的仮説は、RVSVのベースラインからの平均変化がゼロとは異なることである。
(ii)サンプルサイズの決定
主要評価項目に対するサンプルサイズ計算は、以下の仮定に基づく:
・5%の両側第一種過誤及び10%の第二種過誤(90%検出力)
・+8mLのRVSVにおけるベースラインから26週目までの平均変化
・RVSVにおけるベースラインから26週目までの変化について20mLの標準偏差(SD)
・RVSVにおけるベースラインから26週目までの変化に対する正規分布
・被験体の15%が、ベースライン及び/又はベースライン後の評価不可能なRVSV評価を有する
上記の仮定に基づいて、RVSVにおけるベースラインから26週目までの変化がゼロとは異なるかどうかを確立するために(シングルアームについての対応のあるt検定に基づいて)、合計80の被験者(15%の評価不可能を考慮して、68の分析可能+12)が、登録されなければならない。
RVSVにおけるベースラインから26週目までの変化が8mLになるという仮定は、臨床的に関連する、すなわち、8mL~12mLの差は、臨床的に関連する。
表4は、固定数の68の分析可能な被験者(合計80)を考慮して、治療効果及び関連SDの異なる仮定についての検出力計算を表示する。
Figure 2023512266000016
(iii)分析のための母集団
分析の目的で、次の母集団が定義される:
・スクリーニングされた分析対象集団:スクリーニングされた分析対象集団は、スクリーニングされ、かつ患者番号を受け取った全ての被験者を含む。
・安全性対象集団:SSは、少なくとも1回用量の試験薬を受けた、スクリーニングされた分析対象集団からの全ての被験者を含む。
・全分析対象集団:FASは、ベースライン及び肺動脈フローからの心臓MRIによって評価されたRVSVに対するベースライン後測定値を有したSSからの全ての被験者を含む。
・治験実施計画書に適合した分析対象集団:PPSは、主要有効性変数の主分析に影響を及ぼし得る重大な治験実施計画書からの逸脱のないFASの全ての被験者を含む。
(iv)統計分析
(iv-a)一般的な考慮事項
全体的な第一種過誤は、α=0.05である。全ての分析は、両側統計検定を使用して実施される。主要評価項目分析が統計的に有意である場合(すなわち、p値が名目アルファを下回る)、試験は、有意と宣言される。副次的/探索的評価項目について多重性調節が実施されないため、全ての関連付けられたp値は、探索的性質のものである。中間分析は、実施されない。ベースライン値なしの被験者は、対応する分析から除外される。主要及び副次的評価項目に対するサブグループ分析は、ベースラインにおけるWHO FC(II/III)を含む。全てのサブグループ分析は、探索的性質のものである。
(iv-b)主要評価項目
主要有効性分析は、FASで実施される。RVSVは、肺動脈フローMRIによって評価され、記述統計(n、平均、SD、中央値、Q1及びQ3)を使用して、時点別(ベースライン及び26週目)に要約される。RVSVにおけるベースラインから26週目までの変化が同様に要約される。RVSVのベースラインからの変化は、ベースライン及びベースラインRVSVの共分散におけるWHO FC(II/III)に対する係数を有するANCOVAを使用して、α=0.05(両側)で分析される。ベースラインからの平均変化及び95% CIは、モデルに基づいて推定される。感度分析が、PPSで実施される。別の感度分析が、SSで実施されることになり、ベースライン後RVSVが欠落している被験者は、それらのベースライン値を使用して帰属される。
(iv-c)副次的評価項目
副次的評価項目は、(i)PAHを有する患者における病気の重症度及び運動能力に対するセレキシパグの効果を評価すること、(ii)PAHを有する患者におけるセレキシパグの安全性及び忍容性を評価すること、並びに(iii)PAHにおけるリスク層別化に対するセレキシパグの効果を評価することである。
RVEDV、RVESV、RVEF、RV心筋重量、RVGLS、6MWD、及びいくつかの低リスク基準におけるベースラインから26週目までの変化は、時点別に記述的に要約され、ベースライン及びベースライン値に対する共分散におけるWHO FC(II/III)に対する係数を有するANCOVAを使用してFASに対してα=0.05(両側)で分析される。ベースラインからの平均変化及び95%CIは、モデルに基づいて推定される。
WHO FCは、頻度表を使用して、時点別にFASに対して要約される。WHO FCにおけるベースラインからの変化は、悪化(すなわち、変化>0)対変化なし又は改善(すなわち、変化≦0)として二分化される。悪化は、ベースラインにおけるWHO FC(II/III)の係数を有するロジスティック回帰モデルを使用して、α=0.05(両側)で分析される。
NT-proBNPは、記述統計並びに幾何平均及びCVを使用して、時点別にFASに対して要約される。26週目対ベースライン比は、同様に要約される。NT-proBNPにおけるベースラインに対する比は、ベースライン及びベースラインlog NT-proBNPに対する共分散におけるWHO FC(II/III)に対する係数を有するANCOVAを使用して、α=0.05(両側)でlog対数変換及び分析される。
感度分析は、全ての副次的評価項目についてSSに対して実施され、ベースライン後の値が欠落している患者は、それらのベースライン値を使用して帰属される。
副次的評価項目についての全ての分析は、多重性の調節が存在しないため、探索的性質のものである。追加の分析が、全ての副次的評価項目についてSSに対して実施され、ベースライン後の値が欠落している被験者は、それらのベースライン値を使用して帰属される。
(iv-d)探索的評価項目
探索的変数は、FAS及びSSに対してα=0.05(両側)で分析される。
(iv-e)安全性分析
安全性分析は、SSに対して実施される。
有害事象
治療中に発現したAEは、試験薬の終了後最大3日までの最初の投与からの任意のAEである。少なくとも1つの治療中に発現したAE又はSAEを経験している被験者の数及びパーセンテージが、以下によって表にされる:
・発生率の降順における、国際医薬用語集器官別大分類及び個々の好ましい用語。
・発生率の降順における、同じ好ましい用語でコード化された事象を有する被験者の頻度。
更に、治療中に発現したAE及びSAEは、重症度及び試験薬との関係によって上記に説明されたように表にされる。SAEはまた、試験薬の終了後最大30日までに表にされる。試験薬の早期中止につながるAE、死亡の結果を伴うAE、及び特別な関心のあるAE(AESi)は、上記に説明されるように要約される。用量設定中に発生するAEもまた、別個に要約される。SAEを含む、全ての報告されたAEについてリストが提供される。加えて、別個のリスト、及びコメントは、SAE、試験薬の早期中止につながるAE、及び死亡の結果を有するAEに対して提供される。
次のAEは、リスト化されるのみになる:
・最初の試験薬投与に先立って発生するAE
・EOT+3日後に発生する重篤ではないAE
・試験薬の中止後30日を超えて発生するSAE
臨床検査
来院による記述的要約統計は、血液学的及び臨床化学的臨床検査の両方において、ベースラインからの観察された値及び絶対変化について提供される。欠落データを最小限に抑えて、考慮外の来院を可能にするために、EOT+3日間までの全ての記録された評価は、その評価の最良の適合時間窓に従って最も適切な来院時点に割り当てられる。
マークされた臨床検査異常は、それらの発生率及び頻度を提供する各臨床検査変数について要約される。試験過程中の臨床検査値のベースラインからの絶対値及び変化もまた要約される。治療中に発現した臨床検査異常を有する被験者の数及びパーセンテージが表に
される。
次の検査が実施される:
Figure 2023512266000017
G.有害事象
(i)定義及び分類
有害事象
有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用医薬品)を投与された臨床試験対象における任意の好ましくない医療上の出来事である。有害事象は、必ずしも介入と因果関係を有するわけではない。したがって、有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用医薬品)の使用と時間的に関連のある、あらゆる好ましくない、意図しない徴候(例えば、臨床検査値の異常)、症状又は疾患のことであり得、医薬品(治験用又は非治験用医薬品)との因果関係の有無は問わない。(ICHに従う定義)。これには、新たな発症又はベースライン状態からの重症度若しくは頻度における悪化である任意の発症、あるいは検査室試験の異常を含む診断手順の異常な結果が含まれる。
重大な有害事象
ヒト使用のための医薬品の安全性情報監視のICH及び欧州連合ガイドライン(ICH and EU Guidelines on Pharmacovigilance for Medicinal Products for Human Use)に基づく重篤な有害事象とは、任意の用量で、
・死に至る
・生命を脅かすもの(対象は、その事象の時点で死亡のリスクがあった。仮にもっと重度であれば死を招いたかもしれないという意味ではない。)
・入院又は現行の入院期間の延長が必要となる
・永続的又は重大な障害/機能不全に至る
・先天異常/先天性欠損を来す
・医薬品を介した任意の感染因子の疑いのある伝播を来す
・医学的に重要である
試験薬と事象との間の因果関係を示唆する証拠が存在する重篤かつ予期せぬ有害事象が発生した場合、それが試験評価項目の構成要素である場合であっても、その事象は、重篤かつ予期せぬ疑われる有害反応として報告されなければならない。
未記載の(予測できない)有害事象/安全に関する参考情報
性質又は重症度が適用可能な製品参照安全性情報と一致しない場合、有害事象は、記載されていないとみなされる。セレキシパグについては、AEの期待度は、IBにリスト化されているか否かによって決定される。
(ii)帰属定義
因果関係の評価:試験薬との因果関係が治験責任医師によって決定される。次の選択が、全てのAEを評価するために使用されるべきである。
関連する:試験薬投与とAEとの間に妥当な因果関係がある。
関連しない:試験薬投与とAEとの間に妥当な因果関係がない。「妥当な因果関係」という用語は、因果関係をサポートする証拠があることを意味する。
(iii)重症度基準
重症度グレードの評価は、以下の全般的なカテゴリー記述子を使用して行われる:
軽度:容易に耐容され、最小限の不快感を引き起こし、日常活動を妨害しない症状の認識。
中等度:普段の活動の妨害を引き起こすような十分な不快感が存在する。
重度:機能の重大な障害又は機能不全を引き起こす、極度な苦痛。正常な日常活動が妨害される。
(iv)手順
全ての有害事象
可能な場合はいつでも、徴候及び症状が、一般的な病因によるものである場合には診断を行うべきである(例えば、咳、鼻音、くしゃみ、咽頭炎、及び鼻詰まりは「上気道感染」として報告されるべきである)。
重篤な有害事象
EOS来院時点で軽快されていない全てのSAEは、次のいずれかが起こるまで追跡されなければならない:
・事象が軽快する
・事象が安定する
・ベースライン値/ステータスが利用可能である場合、事象がベースラインに戻る
・事象が、治験薬以外の薬剤、又は試験実施とは無関係な要因に起因する可能性がある
・いかなる追加情報も得られる可能性が低くなった(患者又は医療従事者が、追加情報を提供することを断り、経過観察不能となった)
被験者の試験参加中に生じる入院(又は入院の延長)を必要とするいずれの事象も、次
の入院を除いて、SAEとして報告されなければならない:
・急性疾患又はAEの治療を行うことを意図しない入院(例えば、長期療養施設における配置待機などの社会的理由、美容待機的手術)。
・試験に入る前に計画された手術若しくは処置、又は悪化しなかった既存の疾患又は医学的状態の標準的な監視、例えば、安定狭心症を有する患者における冠状動脈造影のための入院。ICFの署名の前に計画された入院であり、入院計画目的の基礎疾患が悪化していなかった場合、SAEとはみなされない。最初に計画された入院の延長をもたらすいかなるAEがあれば、新しいSAEとして報告される。
・便宜上、治験責任医師は、介入期間の持続期間にわたって患者を入院させることを選択し得る。
患者が試験現場以外の病院で入院する場合、この病院に連絡して全てのSAE関連情報及び文書を取得することは、治験責任医師の責任である。
試験薬の最後の投与から30日以内の試験における患者の死亡の原因は、事象が予測されるか、又は試験薬に関連しているかどうかにかかわらず、SAEであるとみなされる。
SAEに関する情報は、24時間以内に送信される。
重篤な有害事象の経過観察
試験の終了までに軽快されていないか、又は試験における被験者の参加の中止時に軽快されていない全ての重篤な有害事象は、次のいずれかが生じるまで追跡されなければならない。
・事象が軽快する
・事象が安定する
・ベースライン値/ステータスが利用可能である場合、事象がベースラインに戻る
・事象が、治験薬以外の薬剤、又は試験実施とは無関係な要因に起因する可能性がある
・いかなる追加情報も得られる可能性が低くなる(対象又は医療従事者が、追加情報を提供することを断り、経過観察の取り組みによる適切な注意の表明後に経過観察不能となる)。
・医薬品による感染因子の疑わしい伝播は、重篤な有害事象として報告される。被験者の試験参加の過程で生じる入院(又は入院の延長)を必要とするいずれの事象も、以下の入院を除いて重篤な有害事象として報告されなければならない:
・急性疾患又は有害事象の治療を行うことを意図しない入院(例えば、長期療養施設における配置待機などの社会的理由)。
・試験に入る前に計画された手術又は処置。試験前に計画された入院であり、入院計画目的の基礎疾患が悪化していなかった場合、重篤な有害事象とはみなされない。最初に計画された入院の延長をもたらすいかなる有害事象があれば、新しい重篤な有害事象として報告される。
・便宜上、被験者は試験来院のために入院し得る。
試験薬の最後の投与から30日以内の試験における被験者の死亡の原因は、事象が予測されるか、又は試験薬に関連しているかどうかにかかわらず、重篤な有害事象であるとみなされる。

Claims (54)

  1. 肺動脈性高血圧症を治療するための方法で使用するためのセレキシパグであって、前記方法が、
    (a)患者の右室上で磁気共鳴撮像(MRI)を実施して、MRIベースライン画像を提供することと、
    (b)治療有効量のセレキシパグを前記患者に投与することと、
    (c)前記患者の前記右室上でMRIを実施して、MRI試験画像を提供することと、
    (d)前記MRIベースライン画像を前記MRI試験画像と比較することと、を含む、セレキシパグ。
  2. ステップ(d)が、前記セレキシパグの前記投与を開始した後、少なくとも約26週間又は少なくとも約52週間で実施される、請求項1に記載のセレキシパグ。
  3. ステップ(d)が、セレキシパグの前記投与を開始した後、約26週間及び約52週間で実施される、請求項1に記載のセレキシパグ。
  4. 前記治療が、ステップ(d)に基づいて調節される、請求項1~3のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  5. 前記セレキシパグの前記投与を開始することに先立って、前記患者が、世界保健機関機能分類クラスII若しくはIIIにあるか、又は前記セレキシパグの前記投与の開始に先立ってNT-proBNP>300ng/Lを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  6. 前記患者が、前記セレキシパグの前記投与の開始に先立って少なくとも6か月以内に、IP受容体アゴニスト、プロスタサイクリン、又はプロスタサイクリン類似体を使用する治療を受けていない、請求項1~5のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  7. 前記セレキシパグが開始用量で投与され、増量されて個々の最大耐用量(iMTD)が決定される、請求項1~6のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  8. 前記開始用量が、約200μgを1日2回である、請求項7に記載のセレキシパグ。
  9. 前記iMTDが、約200μg~約1600μgを1日2回である、請求項7又は8に記載のセレキシパグ。
  10. 前記iMTDが、約1600μgで1日2回を超えない、請求項7~9のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  11. 前記iMTDが、用量調節フェーズの後の維持フェーズ中に維持される、請求項7~10のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  12. 前記患者が、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤、又はエンドセリン受容体アゴニストを含むバックグラウンド療法を受けており、そのような療法が、セレキシパグの投与に先立って安定した用量で少なくとも3か月間存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  13. 前記肺動脈性高血圧症が、特発性肺動脈性肺高血圧症、遺伝性肺動脈性肺高血圧症、薬物若しくは毒素誘発された、結合組織病と関連付けられた肺動脈性肺高血圧症、又は外科
    的修復の少なくとも1年後に単純体肺シャントを伴う、先天性心疾患と関連付けられた肺動脈性肺高血圧症である、請求項1~12のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  14. 前記患者の右室一回拍出量(RVSV)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に増加する、請求項1~13のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  15. 前記増加が、約8mL~約12mLである、請求項14に記載のセレキシパグ。
  16. 前記患者の右室拡張終期容積(RVEDV)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に減少する、請求項1~15のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  17. 前記患者の右室収縮終期容積(RVESV)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に減少する、請求項1~16のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  18. 前記患者の右室駆出分画(RVEF)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に増加する、請求項1~17のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  19. 前記患者の右室(RV)心筋重量が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約12か月後に減少する、請求項1~18のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  20. 前記患者の右室長軸方向グローバルストレイン(RVGLS)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に改善する、請求項1~19のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  21. 前記患者の右主PA拍動性が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に改善する、請求項1~20のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  22. 前記セレキシパグが、吸入、経口投与、又は非経口投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載のセレキシパグ。
  23. 前記セレキシパグが、吸入される、請求項22に記載のセレキシパグ。
  24. 前記セレキシパグが、非経口投与される、請求項22に記載のセレキシパグ。
  25. 前記非経口投与が、皮下又は静脈内である、請求項24に記載のセレキシパグ。
  26. 前記セレキシパグが、経口投与される、請求項22に記載のセレキシパグ。
  27. 前記セレキシパグが、錠剤の形態である、請求項26に記載のセレキシパグ。
  28. 肺動脈性高血圧症を治療することを必要とする患者におけるそのための方法であって、
    (a)前記患者の右室上で磁気共鳴撮像(MRI)を実施して、MRIベースライン画像を提供することと、
    (b)治療有効量のセレキシパグを前記患者に投与することと、
    (c)前記患者の前記右室上でMRIを実施して、MRI試験画像を提供することと、
    (d)前記MRIベースライン画像を前記MRI試験画像と比較することと、を含む、方法。
  29. ステップ(d)が、前記セレキシパグの前記投与を開始した後、少なくとも約26週間又は少なくとも約52週間で実施される、請求項28に記載の方法。
  30. ステップ(d)が、セレキシパグの前記投与を開始した後、約26週間及び約52週間で実施される、請求項1に記載の方法。
  31. 前記治療が、ステップ(d)に基づいて調節される、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記セレキシパグの前記投与を開始することに先立って、前記患者が、世界保健機関機能分類クラスII若しくはIIIにあるか、又は前記セレキシパグの前記投与の開始に先立ってNT-proBNP>300ng/Lを有する、請求項28~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記患者が、前記セレキシパグの前記投与の開始に先立って少なくとも6か月以内に、IP受容体アゴニスト、プロスタサイクリン、又はプロスタサイクリン類似体を使用する治療を受けていない、請求項28~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記セレキシパグが開始用量で投与され、増量されて個々の最大耐用量(iMTD)が決定される、請求項28~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記開始用量が、約200μgを1日2回である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記iMTDが、約200μg~約1600μgを1日2回である、請求項34又は35に記載の方法。
  37. 前記iMTDが、約1600μgで1日2回を超えない、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記iMTDが、用量調節フェーズの後の維持フェーズ中に維持される、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記患者が、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤、又はエンドセリン受容体アゴニストを含むバックグラウンド療法を受けており、そのような療法が、セレキシパグの投与に先立って安定した用量で少なくとも3か月間存在する、請求項28~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記肺動脈性高血圧症が、特発性肺動脈性肺高血圧症、遺伝性肺動脈性肺高血圧症、薬物若しくは毒素誘発された、結合組織病と関連付けられた肺動脈性肺高血圧症、又は外科的修復の少なくとも1年後に単純体肺シャントを伴う、先天性心疾患と関連付けられた肺動脈性肺高血圧症である、請求項28~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記患者の右室一回拍出量(RVSV)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に増加する、請求項28~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記増加が、約8mL~約12mLである、請求項41に記載の方法。
  43. 前記患者の右室拡張終期容積(RVEDV)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に減少する、請求項28~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記患者の右室収縮終期容積(RVESV)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に減少する、請求項28~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記患者の右室駆出分画(RVEF)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に増加する、請求項28~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記患者の右室(RV)心筋重量が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約12か月後に減少する、請求項28~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記患者の右室長軸方向グローバルストレイン(RVGLS)が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に改善する、請求項28~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記患者の右主PA拍動性が、MRIによって測定される際、前記セレキシパグ開始に続いて、約26週間後又は約52週間後に改善する、請求項28~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記セレキシパグが、吸入、経口投与、又は非経口投与される、請求項28~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記セレキシパグが、吸入される、請求項49に記載の方法。
  51. 前記セレキシパグが、非経口投与される、請求項49に記載の方法。
  52. 前記非経口投与が、皮下又は静脈内である、請求項51に記載の方法。
  53. 前記セレキシパグが、経口投与される、請求項49に記載の方法。
  54. 前記セレキシパグが、錠剤の形態である、請求項53に記載の方法。
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