JP2020529996A - 肥大型心筋症の治療で使用するためのマバカムテン - Google Patents

肥大型心筋症の治療で使用するためのマバカムテン Download PDF

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Abstract

肥大型心筋症及び拡張機能障害を治療するための方法が提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は;2017年8月4日に出願された米国仮出願第62/541,591号;2017年11月10日に出願された米国仮出願第62/584,537号;2018年3月7日に出願された米国仮出願第62/639,922号、及び2018年5月15日に出願された米国仮出願第62/671,585号の優先権の利益を主張し、これらの内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
遺伝子的(遺伝性)肥大型心筋症(HCM)は、高浸透性、一遺伝子性、常染色体優性の心筋疾患の一群を含む。HCMは、心筋の機能単位(サルコメア)に寄与するタンパク質のいずれか1つにおける1,000を超える既知の点変異のうちの1つ以上によって引き起こされる。一般集団における個体500例のうちの約1例が、他の既知の原因(例えば、高血圧または弁膜疾患)によって解明されていない左室肥大を有することが分かっており、ひとたび他の遺伝性(例えば、リソソーム蓄積症)、代謝性、または浸潤性の原因を除外すると、このような例の多くはHCMを有することが示され得る。
HCMの医学的療法は、症状の治療に限定されており、疾患の根源的原因(正常なサルコメア機能の破壊)に対処するものではない。現在利用可能な療法は、症状の緩和において可変的に有効であるが、典型的には、疾患期間の増加と共に有効性の減少を示す。したがって、患者は、ベータ遮断薬、非ジヒドロピリジンカルシウムチャネル遮断薬、及び/またはジソピラミドを用いて実験的に管理されている。これらの薬剤のいずれにもHCM治療の適応表示はなく、これらの薬剤の使用の指針とするための厳密な臨床試験のエビデンスは実質的に利用できない。このような遺憾な状況を複雑にするのは、HCMの新たな医学的療法が長年にわたって同定されなかったという事実である。HCMの患者のおよそ60%で左室流出路が閉塞状態になり、これによって血流が妨害され、LV腔と大動脈との間の圧較差が作られる。血行力学的に顕著な流出路閉塞(50mmHg以上の勾配)を伴う患者については、血行力学的閉塞を緩和するために外科的筋切除術またはアルコール中隔焼灼術を利用することができるが、これは顕著な臨床的罹患率及び死亡率を伴う。HCM及び関連心臓障害の治療の改善への長期にわたる要望に対応する新規の治療剤及び方法が提供される。
一態様において、肥大型心筋症(HCM)を治療する方法が提供される。当該方法は、治療有効量の本明細書に記載の化合物1を、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする対象に投与することを含み、このとき、医薬有効量は、1日合計薬用量約2mg−50mgまたは約5mg−30mgである。
別の態様において、本明細書では、心筋拡張機能障害を治療する方法が提供される。当該方法は、治療有効量の本明細書に記載の化合物1を、心筋拡張機能障害の治療を必要とする対象に投与することを含み、このとき、医薬有効量は、1日合計薬用量約2mg−50mgまたは約5mg−30mgである。
別の態様において、本明細書では、肥大型心筋症の治療を必要とする個体における肥大型心筋症を治療するための方法であって、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持するのに有効な量の化合物1を個体に投与することを含む、方法が提供される。一部の実施形態において、化合物1の血漿中濃度は、350−700ng/mLにて達成及び維持される。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するための有効量は、化合物1 2−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するための有効量は、化合物1 2.5−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するための有効量は、化合物1 2−20mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するための有効量は、化合物1 2.5−20mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日用量は、所定の血漿中濃度に基づいて初回投与後に調整される。一部の実施形態において、HCMは、閉塞性HCM(oHCM)である。一部の実施形態において、HCMは、非閉塞性HCMである。
TTE解析集団における安静時LVEF(%;2DE)を示している。 化合物1(MYK−461)の血漿中濃度に対する安静時LVEF(2DE)のベースラインからの変化を示している。 化合物1(MYK−461)の血漿中濃度に対する安静時LVOT−VTI(左室流出路−速度時間積分値(cm))のベースラインからの変化を示している。 試験スキームを示している。図中で使用されている略語は以下の通り:CPET(心肺運動負荷試験);D(日);EOS(試験終了);HSE(血行力学的負荷心エコー);LVEF(左室駆出率);PK(薬物動態試料);QD(1日1回);RE/V(安静時心エコー/バルサルバ);W(週)。 経時的な運動後LVOT勾配のベースラインからの変化を示している。 化合物1の療法を受けている被験者における第0、4、及び12週時の負荷駆出率(EF)パーセンテージを示している。 第0週から12週の間に化合物1(10、15、または20mg)の投与を受けた被験者における安静時LVOT勾配を示している。 化合物1濃度に対する安静時LVOT勾配のプロットである。 化合物1濃度に対する安静時左室駆出率(LVEF)(%)のプロットである。 試験の各週に測定した平均安静時LVOT勾配のプロットである。第12週の後に化合物1の投与を中止する。 試験の各週に測定した平均安静時左室駆出率(LVEF)(%)のプロットである。第12週の後に化合物1の投与を中止する。 心肺運動負荷試験中に酸素消費量(mL/kg/分)及び動脈血乳酸(mM/L)を測定したときに得られ得るプロットのタイプを図示している。 ベースライン時(第0週、無地のバー)及び第12週の後(斜線のバー)における心肺運動負荷試験(CPET)中に測定した最大VO(pVO)値を示している。 ベースライン時(第0週、無地のバー)及び第12週の後(斜線のバー)における心肺運動負荷試験(CPET)中に測定した最大循環力を示している。 左室駆出率(LVEF)の絶対的変化に対するpVOの絶対的変化のプロットである。 化合物1の投与を受けた被験者における第0、4、8、及び12週時のN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)濃度(pg/mL)のプロットである。 化合物1濃度(ng/mL)に対するN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)濃度(pg/mL)のプロットである。 ベースライン(第0週)、化合物1の投与から12週間後、及び16週間後(化合物1の12週間投与、化合物1の4週間休薬)における被験者のニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類を示している。 示された時間(第1日−第12週)における各被験者の平均呼吸困難症状スコアを示している。化合物1は、第12週まで投与した。 Pioneer−HCM−B試験(化合物1の12週間投与、4週間休薬)の4、12、及び16週における平均運動後安静時LVOT勾配(mmHg)のプロットである。 Pioneer−HCM−B試験(化合物1の12週間投与、4週間休薬)の第1−8、12、及び16週における安静時LVEF(%)の変化のプロットである。 Pioneer−HCM−B試験中の12週間後の個体におけるNYHA機能分類の改善と、化合物1の4週間休薬後の改善の反転とを図示している。 Pioneer−HCM−B試験全体における呼吸困難のピークの急速な改善を図示している。また、化合物1の4週間休薬後に改善が反転していることも示している。 Pioneer−HCM−B試験中の第12週までに最大VOが改善していることを図示している。 化合物1濃度の関数としての安静時LVOT(mmHg)のプロットである。コホートBは白四角、コホートAは黒四角とする。 閉塞性肥大型心筋症(oHCM)患者における安全性及び有効性を確認するためのピボタル試験の試験設計を示している。
本明細書には、対象における肥大型心筋症(HCM)を治療するための方法が記載されている。当該方法は、患者の治療において有効性が高く、かつ患者の忍容性が良好である具体的な投薬レジメンを含む。
定義
本発明の様々な実施形態及び態様が本明細書に示され記載されているが、このような実施形態及び態様が単に例として提供されることは、当業者には明白であろう。当業者には、本発明から逸脱することなしに多数の変形形態、変化、及び置換えが想到されよう。本発明を実施する際には、本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替物が用いられ得ることを理解されたい。
本明細書で使用されている節の見出しは、編成上の目的にとどまるものであり、記載されている主題を限定するものと解釈すべきではない。全ての文書、または文書の一部(以下に限定されないが、特許、特許出願、論文、書籍、マニュアル、及び専門書を含む)は、あらゆる目的においてその全体が参照により本明細書に明示的に援用される。
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術的用語及び科学的用語は、当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。例えば、Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nd ed.,J.Wiley & Sons(New York,NY 1994);Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,NY 1989)を参照。本明細書に記載のものと同様または同等である任意の方法、デバイス、及び材料は、本発明の実施で使用することができる。以下の定義は、本明細書で頻繁に使用されるあるいくつかの用語の理解を容易にするために示され、本開示の範囲を限定するようには意図されていない。
本明細書で使用される場合、「a」または「an」という用語は1つ以上を意味する。
「含む(comprise)」、「含む(include)」、及び「有する(have)」、ならびにこれらの派生語は、本明細書では、包括的なオープンエンドの用語として互換的に使用される。例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、または「有する(having)」の使用は、含まれる(comprised)、有される(had)、または含まれる(included)いかなる要素も、当該動詞を含む条項の主題によって包含される唯一の要素ではないことを意味する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、指定された値と同様であると当業者がみなすと考えられる、指定された値を含めた値の範囲を意味する。一部の実施形態において、「約」という用語は、当技術分野で一般的に許容される測定値を用いた標準偏差内を意味する。一部の実施形態において、約は、指定された値の+/−10%まで及ぶ範囲を意味する。一部の実施形態において、約は、指定された値を意味する。
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」または「軽減すること」または「寛解すること」は、本明細書では互換的に使用される。これらの用語は、有益なまたは所望の結果(治療利益を含むがこれに限定されない)を得るためのアプローチを指す。治療利益とは、治療が行われている根源的障害の根絶または寛解を意味する。また、治療利益は、患者において改善が観察されるような、根源的障害と結びついた生理的症状のうちの1つ以上の根絶または寛解により達成されるが、患者はその根源的障害に依然罹患している場合がある。治療には、組成物の投与により疾患の臨床症状の発生を遅くすること;疾患を抑制すること、すなわち、疾患の臨床症状の低減を引き起こすこと;疾患を阻害すること、すなわち、最初の症状出現後に、組成物の投与により臨床症状の発生を阻止すること;及び/または疾患を軽減すること、すなわち、最初の臨床症状出現後に、組成物の投与により臨床症状の退行を引き起こすことが含まれる。例えば、本明細書に記載されているあるいくつかの方法は、HCMの発生率もしくは進行を減らすもしくは低減することにより肥大型心筋症(HCM)を治療し、またはHCMの症状を減らすことによりHCMを治療する。HCMの症状、またはHCMを示す試験結果は、当業者に公知と考えられ、または当業者により定量され得るものであり、以下に限定されないが、息切れ(特に運動中)、胸痛(特に運動中)、失神(特に運動中または運動直後)、急速な、ドキドキする、または激しく鳴る心拍、心房及び心室の不整脈、心雑音、肥大した非拡張性の左室、心筋肥厚、左室壁肥厚、左室流出路(LVOT)全体にわたる圧較差の上昇、運動後LVOT勾配の上昇、及び高い左室駆出率(LVEF)が挙げられる。
「有効量」または「医薬有効量」とは、記載された目的の遂行(例えば、投与したものに対する効果の達成、疾患の治療、酵素活性の低減、疾患または状態の1つ以上の症状の低減、細胞内のウイルス複製の低減)に十分な量のことである。「有効量」の一例は、疾患の症状(1つまたは複数)の治療または低減に寄与するのに十分な量であり、これは「治療有効量」とも呼ばれ得る。症状(1つまたは複数)の「低減」(及びこの表現の文法的等価物)は、症状(複数可)の重症度もしくは頻度の減少、または症状(複数可)の除去を意味する。有効性は、「〜倍」の増加または減少として表現することもできる。例えば、治療有効量は、対照に対し少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、またはそれ以上上回る効果を有し得る。
「患者」または「それを必要とする対象」とは、本明細書で提供する方法により治療することができる、疾患もしくは状態を患っている、または疾患もしくは状態に陥りやすい生物を指す。この用語は、必ずしも対象が特定の疾患の診断を受けたことを示すわけではなく、典型的には、医学的監視下にある個体を指す。非限定的な例としては、ヒト、その他の哺乳類、ウシ(bovine)、ラット、マウス、イヌ、ネコ、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ(cow)、シカ、及び他の非哺乳類動物が挙げられる。一部の実施形態において、患者、対象、またはそれを必要とする対象は、ヒトである。
肥大型心筋症(HCM)は、臨床的には、既知の原因(例えば、圧負荷、全身疾患、または浸潤性プロセス)が存在しない未解明の左室(LV)肥大として定義される。HCMの表現型特質は、LV伸展性の低減を伴う心筋の過剰収縮性であり、臨床的には心室サイズの低減、しばしば超正常の駆出率、壁厚増加、及び拡張機能障害として反映される。HCM患者が有する症状及び徴候の一部としては、以下に限定されないが、息切れ(特に運動中)、胸痛(特に運動中)、失神(特に運動中または運動直後)、急速な、ドキドキする、または激しく鳴る心拍、及び心雑音が挙げられる。
閉塞性HCM(oHCM)は、安静時、バルサルバ手技中もしくはその直後、または運動後の個体におけるLVOT全体にわたる少なくとも30mmHg(すなわち、30mmHg以上)の圧較差として定義される。一部の実施形態において、oHCMを有する個体は、少なくとも40mmHg、45mmHg、または50mmHgのLVOT圧較差を有する。一部の実施形態において、個体におけるLVOT全体にわたる圧較差は、安静時に測定される。一部の実施形態において、個体におけるLVOT全体にわたる圧較差は、バルサルバ手技が実施されている最中またはその直後に測定される。一部の実施形態において、個体におけるLVOT全体にわたる圧較差は、運動後に測定される。閉塞の程度及び心不全を伴う臨床症状の所見は、侵襲的介入の一次的基準である。oHCMは、心不全の重篤な症状、不整脈、及び/または死亡に至る恐れがある。閉塞を軽減することで症状及び機能が改善される。
本明細書で使用される場合、「バルサルバ勾配」とは、個体がバルサルバ手技を実施している間のこの個体におけるLVOT全体にわたる圧較差を指す。
拡張機能障害は、以下に限定されないが、肥大型心筋症(HCM)、駆出率保持性心不全(HFpEF)(活動性弛緩の障害及び心室スティフネスの障害(糖尿病性HFpEF)の両方を含む);拡張型心筋症(DCM)、虚血性心筋症、心臓同種移植血管症、拘束型心筋症(炎症性サブグループ(例えば、レフレル及びEMF)、浸潤性サブグループ(例えば、アミロイド、サルコイド、及びXRT)、蓄積性サブグループ(例えば、ヘモクロマトーシス、ファブリー病、及び糖原病)、特発/遺伝性サブグループ(例えば、トロポニンI(ベータミオシンHC)、トロポニンT(心筋アルファアクチン)、及びデスミン関連(通常は骨格筋を含む))、先天性心疾患サブグループ(圧負荷RV、ファロー四徴症(手術前及び手術後早期の拡張機能障害ならびに手術後の収縮機能障害)ならびに肺動脈狭窄症を含む)を含む)、ならびに心臓弁膜疾患(例えば、大動脈狭窄症(高齢者AVR/TAVR後形態及び先天性形態を含む))を含めた一連の疾患に存在し、またはその重要な特徴である。
方法
一態様において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)を治療する方法が提供される。当該方法は、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする対象に、治療有効量の、次式を有する化合物1:
またはその医薬的に許容される塩を投与することを含み、当該治療有効量は、1日合計薬用量約2mg−50mgである。一部の実施形態において、1日合計薬用量は約1mg−50mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は、約2mg−30mg、10mg−20mg、2mg−10mg、または2mg−5mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は2.5mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は5mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は2mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は2.5mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は1mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するための有効量は、化合物1 2.5−20mgである。
一実施形態において、本発明は、肥大性心筋症の治療を必要とする個体における肥大性心筋症の治療を対象とする。別の実施形態において、治療は、対象における閉塞性HCMを対象とする。さらなる実施形態において、治療は、治療有効量の化合物1を対象に投与することを含む。また別の実施形態において、治療有効量は、当該対象における化合物1の血漿濃度が225−600ng/mLであるように投薬される。一部の実施形態において、治療有効量は、当該対象における化合物1の血漿濃度が350−700ng/mLであるように投薬される。一部の実施形態において、化合物1の血漿中濃度は、150−600ng/mLである。一部の実施形態において、化合物1の血漿中濃度は、200−400ng/mLである。別の実施形態において、治療は、化合物1を対象に投与することを含み、この投与により、対象内のLVOTは、LVEFの顕著な変化を伴わずに減少する。また別の実施形態において、治療は、化合物1に加えて1つ以上のベータ遮断薬を当該対象に同時投与することを含む。
肥大型心筋症を有する個体は、症候性である場合も無症候性である場合もある。概して、症候性の個体は、心臓状態のエビデンスまたは心臓状態の存在を示す所見(例えば、身体活動の制限)が認められる個体であり、一方、このような制限を経験しない個体は無症候性とみなされる。非限定的な例として、NYHA分類II、III、またはIV度である個体は症候性の個体とみなされ、NYHA分類I度である個体は無症候性とみなされる。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法で治療される個体は、症候性の肥大型心筋症を有する。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法で治療される個体は、無症候性の肥大型心筋症を有する。
一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも1−8週間の期間、β遮断薬療法を受けていない。一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも1、2、3、または4週間の期間、β遮断薬療法を受けていない。一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも2週間の期間、β遮断薬療法を受けていない。一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも3週間の期間、β遮断薬療法を受けていない。一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも4週間の期間、β遮断薬療法を受けていない。
一部の実施形態において、化合物1は、β遮断薬療法と組み合わせて投与される。このような併用療法において、β遮断薬療法及び化合物1は、概して、ラベルの指示に従って投与される。
一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも1−8週間の期間、Caチャネル遮断薬療法を受けていない。一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも1、2、3、または4週間の期間、Caチャネル遮断薬療法を受けていない。一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも2週間の期間、Caチャネル遮断薬療法を受けていない。一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも3週間の期間、Caチャネル遮断薬療法を受けていない。一部の実施形態において、対象は、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも4週間の期間、Caチャネル遮断薬療法を受けていない。
一部の実施形態において、化合物1は、Caチャネル遮断薬療法と組み合わせて投与される。このような併用療法において、Caチャネル遮断薬療法及び化合物1は、概して、ラベルの指示に従って投与される。
本明細書に記載の方法では、化合物1を追加の薬品と共に同時投与することが望ましいと考えられる。一部の実施形態において、追加の薬品は、β遮断薬療法及びCaチャネル遮断薬療法からなる群より選択される。
一部の実施形態において、本明細書で提供される方法により治療されるHCMは、閉塞性HCM(oHCM)である。
一部の実施形態において、oHCMは、安静時の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも30mmHg(例えば、約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、安静時の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも35mmHg(例えば、約35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、安静時の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも40mmHg(例えば、約40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、安静時の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも45mmHg(例えば、約45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、安静時の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも50mmHg(例えば、約50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、バルサルバ手技が実施されている最中またはその直後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも30mmHg(例えば、約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、バルサルバ手技が実施されている最中またはその直後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも35mmHg(例えば、約35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、バルサルバ手技が実施されている最中またはその直後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも40mmHg(例えば、約40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、バルサルバ手技が実施されている最中またはその直後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも45mmHg(例えば、約45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、バルサルバ手技が実施されている最中またはその直後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも50mmHg(例えば、約50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、運動後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも30mmHg(例えば、約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、運動後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも35mmHg(例えば、約35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、運動後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも40mmHg(例えば、約40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、運動後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも45mmHg(例えば、約45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、oHCMは、運動後の当該対象における左室流出路(LVOT)全体にわたる少なくとも50mmHg(例えば、約50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60mmHgまたはそれ以上)の圧較差を有するものとして特徴づけられる。
一部の実施形態において、化合物1は経口投与される。一部の実施形態において、化合物1は、化合物1 2mg、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、または25mgを含む単位剤形で投与される。一部の実施形態において、化合物1は、単回、分割、または持続的用量で毎日投与される。
一部の実施形態において、化合物1は、1日1回、1日薬用量2.5、5、10、15、20、または25mgにて投与される。一部の実施形態において、化合物1は1日2回投与される。一部の実施形態において、化合物1は1日3回投与される。
一部の実施形態において、化合物1は、毎日、少なくとも12週間投与される。一部の実施形態において、化合物1は、毎日、少なくとも10週間投与される。一部の実施形態において、化合物1は、毎日、少なくとも8週間投与される。一部の実施形態において、化合物1は、毎日、少なくとも6週間投与される。一部の実施形態において、化合物1は、毎日、少なくとも4週間投与される。一部の実施形態において、化合物1は、毎日、少なくとも2週間投与される。
一部の実施形態では、化合物1は、毎日、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、または84日間投与される。
一部の実施形態において、治療有効量は、化合物を投与した対象における運動後または安静時のLVOT勾配を30mmHg未満(例えば、約29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5mmHg)に低下させるのに十分である。一部の実施形態において、治療有効量は、化合物を投与した対象における運動後の勾配LVOTを10mmHg未満(例えば、約9、8、7、6、5mmHg)に低下させるのに十分である。運動後(負荷)勾配LVOTは、当技術分野で公知の任意の方法により測定することができる。
一部の実施形態において、化合物1の治療有効量は、対象のニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類を改善、安定化、または遅延するのに十分である。NYHA機能分類は、心不全症状の重症度を4つの機能分類のうちの1つとして段階分けする。NYHA機能分類は、治療に対する応答の評価及び管理の指針に使用され得る標準的な重症度の説明を提供するため、医療現場及び研究で広く使用されている。症状の重症度及び身体活動に基づいたNYHA機能分類:
I度:身体活動に制限なし。日常の身体活動では過度の息切れ、疲労、または動悸が起きない。
II度:身体活動に軽度の制限あり。安静時には症状がないが、日常の身体活動で過度の息切れ、疲労、または動悸が起きる。
III度:身体活動に著明な制限あり。安静時には症状がないが、日常の身体活動より軽度の身体活動で過度の息切れ、疲労、または動悸が起きる。
IV度:いかなる身体活動を行うにも症状が伴う。安静時にも症状が存在し得る。いかなる身体活動を試みても症状が憎悪する。
化合物1の投与は、心不全における全てのNYHA機能分類の治療に使用され得るが、特にNYHA機能分類体系のII−IV度に使用され得る。
一部の実施形態において、治療有効量の化合物1の投与は、対象のニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類を低減する。一部の実施形態において、NYHA機能分類は、IV度からIII度、またはIV度からII度、またはIV度からI度に低減される。一部の実施形態において、NYHA機能分類は、III度からII度に低減される。一部の実施形態において、NYHA機能分類は、III度からI度に低減される。一部の実施形態において、NYHA機能分類は、II度からI度に低減される。
一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約2mg−約10mg(例えば、約2、2.5、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10mg/日)である。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約5mg−約25mg(例えば、約5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、17.5、18、19、20、21、22、23、24、または25mg/日)である。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約15mg−約20mg(例えば、約15、16、17、18、19、または20mg/日)である。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約2mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約2.5mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約5mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約7.5mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約10mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約12.5mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約15mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約20mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約25mgである。
一部の実施形態において、1日合計用量は、個別の患者の要件に応じて調整される。例えば、1日合計用量は、化合部1の療法を開始してから1−8週間後(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8週間後、またはこの間の任意の日数後)に、対象の応答プロファイルに応じて調整され得る。一部の実施形態において、対象のニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類が低減されるとき、1日合計用量が減らされる。この低減の非限定的な例としては、一部の実施形態において、対象のNYHA機能分類がIII度からI度、III度からII度、またはII度からI度に低減されるとき、1日合計用量が5mgから2.5mgに減らされる。一部の実施形態において、対象のニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類が低減されないまたは悪化するとき、1日合計用量が増やされる。非限定的な例としては、一部の実施形態において、1日合計用量は、5mgから7.5mg、または10mg、または15mgに増やされる。
一部の実施形態において、1日合計用量を調整するのに使用される個別の対象の要件は、対象の安静時左室駆出率及び安静時左室流出路(LVOT)最大勾配である。例えば、一部の実施形態において、1日合計用量は5mgであり、対象の安静時左室駆出率(LVEF)が55%以上であり、かつ安静時左室流出路(LVOT)最大勾配が30mmHg以上であるとき、当該用量が増やされる。一部の実施形態において、対象の安静時左室駆出率(LVEF)が55%以上であり、かつ安静時左室流出路(LVOT)最大勾配が30mmHg以上50mmHg未満であるとき、1日合計用量が7.5mgに増やされる。一部の実施形態において、対象の安静時左室駆出率(LVEF)が55%以上であり、かつ安静時左室流出路(LVOT)最大勾配が50mmHg以上であるとき、1日合計用量が10mgに増やされる。追加の非限定的な例において、1日合計用量は5mgであり、対象の安静時左室駆出率(LVEF)が54−46%であり、かつ安静時左室流出路(LVOT)最大勾配が50mmHg以上であるとき、当該用量が7.5mgに増やされる。
一部の実施形態において、治療有効量は、対象の左室駆出率(LVEF)レベルに応じて調整することができる。
一部の実施形態において、本明細書で提供される方法はさらに、化合物を投与する前に、対象における左室駆出率(LVEF)を測定して第1のLVEF値(ベースライン)をもたらすことも含む。一部の実施形態において、本明細書で提供される方法はさらに、化合物の模倣(imitation)から一定時間(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28日)後に対象におけるLVEFを測定して第2のLVEF値をもたらすこと、第1のLVEF値と比較した第2のLVEF値の変化パーセンテージを計算することも含む。したがって、一部の実施形態において、1日合計薬用量は、LVEFの変化のパーセンテージに応じて調整される。
一部の実施形態において、第2のLVEFは、化合物の投与から4週間後に測定される。一部の実施形態において、当該変化パーセンテージが10%未満(例えば、約9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ以下)であるとき、1日合計薬用量が10mg増やされる。一部の実施形態において、当該変化パーセンテージが10%以上15%未満(例えば、約10%、11%、12%、13%、または14%)であるとき、1日合計薬用量が5mg増やされる。一部の実施形態において、当該変化パーセンテージが15%以上20%未満(例えば、約15%、16%、17%、18%、または19%)であるとき、1日合計薬用量は同じままである。一部の実施形態において、当該変化パーセンテージが20%以上(例えば、約20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%またはそれ以上)であるとき、1日合計薬用量が5mg低減される。
一部の実施形態において、治療有効量は、対象の体重に応じて調整することができる。一部の実施形態において、本明細書で提供される方法はさらに、化合物1を投与する前に対象の体重を測定することも含む。一部の実施形態において、当該対象の体重が60kg以下であるとき、初回1日薬用量は約10mgである。一部の実施形態において、当該対象の体重が60kgを超えるとき、初回1日薬用量は約15mgである。一部の実施形態において、化合物は、この初回1日薬用量の治療有効量で、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28日間、投与される。
一部の実施形態において、対象の体重が60kg以下であるとき、最初の4週間治療における1日薬用量は約10mgである。一部の実施形態において、対象の体重が60kgを超えるとき、最初の4週間治療における1日薬用量は約15mgである。
本明細書に記載の各方法では、一部の実施形態において、個体の体重は少なくとも45kgである。
一部の実施形態において、治療有効量は、化合物1の血漿中濃度に応じて調整することができる。一部の実施形態において、当該方法はさらに、化合物1を投与してから少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28日後の化合物1の血漿中濃度を測定することも含む。一部の実施形態において、化合物1の1日用量の治療有効量は、本明細書に記載のように調整することができる。
一部の実施形態において、治療有効量は、「トラフ」測定値に基づいて調整することができる。「トラフ」測定値(濃度または任意の薬物力学的測定値)とは、次の用量の直前に得られる測定値を指す。例えば、1日1回(QD)の投薬については、トラフ測定値は、患者が次の薬用量(典型的には錠剤またはカプセル)を服用する直前の、約24時間ごとに発生する。薬物動態的な理由のため、このような測定値は、評価を標準化し変動性を最小化するための方法として使用される。個体が、化合物1におけるある血漿中濃度を「達成及び維持」するとき、その個体のトラフ測定値は、最小基準レベルを下回ることも最大基準レベルを上回ることもない。
薬用量に対する調整は、個体が化合物1を代謝する能力に基づいて行うこともできる。化合物1を十分に代謝できない個体としては、CYP 2C19またはCYP 3A4酵素の変異形態を有する個体が挙げられ得る。化合物1を十分に代謝できない個体は、より低い開始用量が投与され得、及び/または、用量は、1mgなどのより低い量に調整され得る。例えば、一部の実施形態において、化合物1を十分に代謝できない個体は、初回用量2.5mgを投与され、個体の血清中の化合物1のトラフ測定値が所望の最大レベルを上回る場合、この用量は1mgに下方調整され得る。一部の実施形態において、化合物1を十分に代謝できない個体は、初回用量1mgを投与される。一部の実施形態において、化合物1を十分に代謝できない個体は日系人である。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、投与の2週間後に化合物1の血漿中濃度を測定することを含む。
一部の実施形態において、対象は、治療前に、15mm以上の左室壁厚(例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49mmまたはそれ以上)を有する。
一部の実施形態において、対象は、治療前に、約18−約37kg/mの体型指数(BMI)を有する。一部の実施形態において、対象は、治療前に、約18−約50kg/mまたはそれ以上の体型指数(BMI)(例えば、約18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50kg/m)を有する。
一部の実施形態において、対象は、治療前に、55%以上のLVEF(例えば、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、または80%もしくはそれ以上)を有する。
一部の実施形態において、対象は、治療前に、30mmHg以上のLVOT勾配(例えば、約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80mmHgもしくはそれ以上)を有する。
一部の実施形態において、対象は、治療前に、50mmHg以上の運動後LVOT勾配(例えば、約50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80mmHgもしくはそれ以上)を有する。
別の態様において、本明細書では、心筋拡張機能障害の治療を必要とする対象における心筋拡張機能障害を治療する方法であって、治療有効量の、次式を有する化合物1:
またはその医薬的に許容される塩を当該対象に投与することを含み、当該治療有効量が、1日合計薬用量約2mg−50mgである、方法が提供される。
一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約2mg−30mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約2mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、1日合計薬用量約10mg−15mgである。
拡張機能障害の治療を必要とする対象としては、非閉塞性肥大型心筋症(非oHCM)により特徴づけられる患者集団からの対象、または駆出率保持性心不全(HFpEF)により特徴づけられる対象が挙げられる。拡張機能障害の治療を必要とする対象としては、心エコーにより測定される左室スティフネス、または心臓磁気共鳴により測定される左室スティフネスを示す対象が挙げられる。
一部の実施形態において、拡張機能障害の治療を必要とする対象は、HFpEFにより特徴づけられる患者集団からの対象である、一部の実施形態において、HFpEFを有する患者は、50%以上の駆出率を有し、かつ異常な拡張機能のエビデンスを有する。拡張機能の異常としては、左室の弛緩、充満、拡張期伸展性、またはスティフネスの障害が挙げられる。これらの特徴は、心エコーを用いて測定することができる。一部の実施形態において、以下の心エコー値:中隔e’<7cm/秒;側壁e’<10cm/秒、平均E/e’比>14;LA容積係数>34mL/m;最大TR速度>2.8m/秒のうちの少なくとも1つが満たされるとき、対象は拡張機能の異常を有するとみなされる。一部の実施形態において、上記の値のうちの少なくとも3つが満たされるとき、対象は拡張機能の異常を有するとみなされる。
一部の実施形態において、拡張機能障害の治療を必要とする対象は、心エコーにより測定される左室スティフネスを示す。対象は、心エコーによる測定において、以下の特徴:僧帽弁E/A比>0.8;中隔e’<7cm/秒;側壁e’<10cm/秒、平均E/e’≧14;LA容積係数>34mL/m;最大TR速度>2.8m/秒のうちの少なくとも1つが満たされるとき、左室スティフネスを有するとみなされる。一部の実施形態において、上記の値のうちの少なくとも3つが満たされるとき、対象は左室スティフネスを有するとみなされる。
心エコーを用いた拡張機能障害診断のためのさらなる決定因子は、J Am Soc Echocardiogr.29(4):277−314(2016)に記載されており、当該文献の内容は全ての目的において本明細書に援用される。
一部の実施形態において、拡張機能障害の治療を必要とする対象は、心臓磁気共鳴により測定される左室スティフネスを示す。心臓磁気共鳴は、最大充満速度、最大充満速度到達時間、及び最大拡張期ストレインレートを定量するのに使用される。従って、一部の実施形態において、対象は、以下の特徴:異常な最大充満速度、最大充満速度到達時間、または最大拡張期ストレインレートのうちの少なくとも1つが満たされるとき、心臓磁気共鳴により測定される左室スティフネスを有する。
拡張機能障害を有する対象は、血液中のバイオマーカーのレベル増加も示し得る。例えば、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)またはN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)は、拡張機能障害を有する個体の血液中に上昇したレベルで存在する。従って、一部の実施形態において、拡張機能障害の治療を必要とする対象は、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)またはN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)の血清血中レベル上昇を示す。一部の実施形態において、対象のBNPの血清血中レベルは、濃度が少なくとも35、45、55、65、75、85、95、100、105、115pg/mLであるときに上昇する。一部の実施形態において、対象のBNPの血清血中レベルは、濃度が少なくとも35pg/mLであるときに上昇する。一部の実施形態において、対象のBNPの血清血中レベルは、濃度が少なくとも85pg/mLであるときに上昇する。一部の実施形態において、対象のpro−NT BNPの血清血中レベルは、pro−NT BNPの濃度が少なくとも95、105、115、125、135、145、155、165、または175pg/mLであるときに上昇する。一部の実施形態において、対象のpro−NT BNPの血清血中レベルは、濃度が少なくとも125pg/mLであるときに上昇する。一部の実施形態において、対象のpro−NT BNPの血清血中レベルは、濃度が少なくとも155pg/mLであるときに上昇する。
当業者であれば、血液試料は身体の複数の異なる位置から採取することができ、腕及び指が最も一般的な位置のうちの2つであることを認識するであろう。一部の実施形態において、血液は、対象の腕から採取される。
一部の態様において、肥大型心筋症を治療する方法は、治療過程中に化合物1の特定の血漿中濃度を達成及び維持することを含む。例えば、一部の実施形態において、HCMを治療する方法は、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持することを含む。一部の実施形態において、化合物1の血漿中濃度は、350−700ng/mLである。
所望の血漿中濃度を達成及び維持する化合物1の量は、個体に応じて変動する。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するために投与される量は、2−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するために投与される量は、2.5−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するために投与される量は、5mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するために投与される量は、2mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するために投与される量は、2.5mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するために投与される量は、10mgである。一部の実施形態において、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持するために投与される量は、15mgである。一部の実施形態において、所望の血漿中濃度を達成及び維持するために個体に投与される量は、測定されたレベルに基づいて治療中に調整される。化合物1の血漿中濃度が上限閾値を上回るとき、投与される化合物1の量は減らされ、化合物1の血漿中濃度が下限閾値を下回るとき、投与される化合物1の量は増やされる。非限定的な例として、投与される化合物1の量は、5mgから2mgに、5から2.5mgに、10mgから7.5mgに、7.5mgから5mgに、15から12.5mgに、または12.5mgから10mgに減らされ得る。さらなる非限定的な例として、投与される化合物1の量は、5mgから7.5mgに、5mgから10mgに、5mgから7.5mgに、10mgから12.5mgに、または10mgから15mgに増やされ得る。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症の治療を必要とする個体における肥大型心筋症を治療するための方法であって、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持するのに有効な量の化合物1を個体に投与することを含む、方法が提供される。一部の実施形態において、肥大型心筋症の治療を必要とする個体における肥大型心筋症を治療するための方法は、化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLを達成及び維持するのに有効な量の化合物1を個体に投与することを含む。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症の治療を必要とする個体における肥大型心筋症を治療するための方法であって、化合物1の血漿中濃度150−1000ng/mLを達成及び維持するのに有効な量の化合物1を個体に投与することを含む、方法が提供される。一部の実施形態において、肥大型心筋症の治療を必要とする個体における肥大型心筋症を治療するための方法は、化合物1の血漿中濃度200−1000ng/mLを達成及び維持するのに有効な量の化合物1を個体に投与することを含む。
一部の実施形態において、化合物1 2−15mgは、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1 5−15mgは、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約2.5mgは、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約5mgは、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約10mgは、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約15mgは、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する。
一部の実施形態において、化合物1 2−15mgは、化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1 5−15mgは、化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約2.5mgは、化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約5mgは、化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約10mgは、化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約15mgは、化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLを達成及び維持する。
一部の実施形態において、化合物1 2−15mgは、化合物1の血漿中濃度200−400ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1 5−15mgは、化合物1の血漿中濃度200−400ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約2.5mgは、化合物1の血漿中濃度200−400ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約5mgは、化合物1の血漿中濃度200−400ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約10mgは、化合物1の血漿中濃度200−400ng/mLを達成及び維持する。一部の実施形態において、化合物1約15mgは、化合物1の血漿中濃度200−400ng/mLを達成及び維持する。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を治療する方法であって、
化合物1の1日用量5mgを個体に少なくとも1週間投与すること、
個体における化合物1の血漿中濃度が200ng/mLを下回るとき、当該1日用量を10mgに増やすこと、または
個体における化合物1の血漿中濃度が750ng/mLを上回るとき、当該1日用量を2.5mgに減らすこと、または
個体における化合物1の血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、当該1日用量を5mgにて維持すること
を含む、方法が提供される。
一部の実施形態において、化合物1 5mgを少なくとも1週間投与した後、
個体における化合物1の血漿中濃度が350ng/mLを上回るとき、当該1日用量は10mgに減らされ、
個体における化合物1の血漿中濃度が700ng/mLを上回るとき、当該1日用量は2.5mgに減らされ、
個体における化合物1の血漿中濃度が350ng/mL−700ng/mLであるとき、当該1日用量は5mgにて維持される。
一部の実施形態において、1日用量を増やすことは、上記の化合物1の血漿中濃度に加えて、個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であるときにのみ実施される。個体のバルサルバ勾配30mmHg未満であり、かつ個体における化合物1の血漿中濃度が記載濃度を下回る場合は、個体の1日用量が維持される。
一部の実施形態において、個体は、化合物1 5mgを少なくとも2週間投与される。一部の実施形態において、個体は、化合物1 5mgを少なくとも4週間投与される。一部の実施形態において、個体は、化合物1 5mgを少なくとも6週間投与される。一部の実施形態において、個体は、化合物1 5mgを少なくとも8週間投与される。
一部の実施形態において、化合物1 5mgを少なくとも1週間投与した後、当該1日用量は10mgに増やされ、化合物1の1日用量10mgは少なくとも1週間投与され、当該方法はさらに、
個体における化合物1の血漿中濃度が200ng/mLを下回るとき、当該1日用量を15mgに増やすこと、または
個体における化合物1の血漿中濃度が750ng/mLを上回るとき、当該1日用量を5mgに減らすこと、または
個体における化合物1の血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、当該1日用量を10mgにて維持すること
を含む。
一部の実施形態において、化合物1 5mgを少なくとも1週間投与した後、当該1日用量は10mgに増やされ、化合物1の1日用量10mgは少なくとも1週間投与され、当該方法はさらに、
個体における化合物1の血漿中濃度が350ng/mLを下回るとき、当該1日用量を15mgに増やすこと、または
個体における化合物1の血漿中濃度が700ng/mLを上回るとき、当該1日用量を5mgに減らすこと、または
個体における化合物1の血漿中濃度が350−700ng/mLであるとき、当該1日用量を10mgにて維持すること
を含む。
一部の実施形態において、1日用量を増やすことは、上記の化合物1の血漿中濃度に加えて、個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であるときにのみ実施される。個体のバルサルバ勾配30mmHg未満であり、かつ個体における化合物1の血漿中濃度が記載濃度を下回る場合は、個体の1日用量が維持される。
一部の実施形態において、個体は、化合物1 10mgを少なくとも2週間投与される。一部の実施形態において、個体は、化合物1 10mgを少なくとも4週間投与される。一部の実施形態において、個体は、化合物1 10mgを少なくとも6週間投与される。一部の実施形態において、個体は、化合物1 10mgを少なくとも8週間投与される。
一部の実施形態において、化合物1 5mgを少なくとも1週間投与した後、当該1日用量は2mgに減らされ、化合物1 2mgは少なくともさらに1週間投与され、当該方法はさらに、
個体における化合物1の血漿中濃度が200ng/mLを下回るとき、当該1日用量を5mgに増やすこと、または
個体における化合物1の血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、当該1日用量を2mgにて維持すること
を含む。
一部の実施形態において、化合物1 5mgを少なくとも1週間投与した後、当該1日用量は2.5mgに減らされ、化合物1 2mgは少なくともさらに1週間投与され、当該方法はさらに、
化合物1の血漿中濃度が350ng/mLを下回るとき、当該1日用量を5mgに増やすこと、または
化合物1の血漿中濃度が350−700ng/mLであるとき、当該1日用量を2mgにて維持すること
を含む。
一部の実施形態において、1日用量を増やすことは、上記の化合物1の血漿中濃度に加えて、個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であるときにのみ実施される。個体のバルサルバ勾配30mmHg未満であり、かつ個体における化合物1の血漿中濃度が記載濃度を下回る場合は、個体の1日用量が維持される。
一部の実施形態において、個体は、化合物1 2mgを少なくとも2週間投与される。一部の実施形態において、個体は、化合物1 2mgを少なくとも4週間投与される。代替的に、一部の実施形態において、化合物1 2.5mgが2mgの代わりに投与され得る。
一部の実施形態において、HCMは、閉塞性HCM(oHCM)である。一部の実施形態において、HCMは、非閉塞性HCMである。
一部の実施形態において、本明細書では、大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持することにより、治療する方法であって、
a)2.5、5、10、及び15mgからなる群より選択される化合物1の1日用量を個体に投与すること
を含む、方法が提供される。
一部の実施形態において、化合物1の血漿中濃度は、350−700ng/mLである。
一部の実施形態において、上記のステップa)の化合物1の1日用量は、2、2.5、5、10、12.5、及び15mgからなる群より選択される。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
b−i)個体における化合物1の血漿中濃度が200ng/mLを下回るとき、当該1日用量を次に高い薬用量に増やすこと、または
b−ii)個体における化合物1の血漿中濃度が750ng/mLを上回るとき、当該1日用量を次に低い薬用量に減らすこと、または
b−iii)個体における化合物1の血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、化合物1の当該1日用量を維持すること
を含む。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
b−i)個体における化合物1の血漿中濃度が350ng/mLを下回るとき、当該1日用量を次に高い薬用量に増やすこと、または
b−ii)個体における化合物1の血漿中濃度が700ng/mLを上回るとき、当該1日用量を次に低い薬用量に減らすこと、または
b−iii)個体における化合物1の血漿中濃度が350−700ng/mLであるとき、化合物1の当該1日用量を維持すること
を含む。
一部の実施形態において、1日用量を増やすこと(ステップb−i)は、上記の化合物1の血漿中濃度に加えて、個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であるときにのみ実施される。個体のバルサルバ勾配30mmHg未満であり、かつ個体における化合物1の血漿中濃度が記載濃度を下回る場合は、個体の1日用量が維持される。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
c)2−4週間ごとにステップb)を繰り返すこと
を含む。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
c)2−6週間ごとにステップb)を繰り返すこと
を含む。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
c)2−8週間ごとにステップb)を繰り返すこと
を含む。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
c)2−12週間ごとにステップb)を繰り返すこと
を含む。
一部の実施形態において、ステップb)は2週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップb)は4週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップb)は6週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップb)は8週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップb)は10週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップb)は12週間ごとに繰り返される。
一部の実施形態において、HCMは、閉塞性HCM(oHCM)である。一部の実施形態において、HCMは、非閉塞性HCMである。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を、個体における化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持することにより、治療するための方法であって、化合物1の1日用量2.5−15mgを投与すること、個体における化合物1の血漿中濃度が200ng/mL未満であるときに当該1日用量を増やすこと、または個体における化合物1の血漿中濃度が750ng/mLを超えるときに当該1日用量を減らすことを含む、方法が提供される。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を、個体における化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLを達成及び維持することにより、治療するための方法であって、化合物1の1日用量2.5−15mgを投与すること、個体における化合物1の血漿中濃度が350ng/mL未満であるときに当該1日用量を増やすこと、または個体における化合物1の血漿中濃度が700ng/mLを超えるときに当該1日用量を減らすことを含む、方法が提供される。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を、個体における化合物1の血漿中濃度200−400ng/mLを達成及び維持することにより、治療するための方法であって、化合物1の1日用量2.5−15mgを投与すること、個体における化合物1の血漿中濃度が200ng/mL未満であるときに当該1日用量を増やすこと、または個体における化合物1の血漿中濃度が400ng/mLを超えるときに当該1日用量を減らすことを含む、方法が提供される。
一部の実施形態において、化合物1の1日用量を増やすことは、上記の化合物1の血漿中濃度に加えて、個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であるときにのみ実施される。個体のバルサルバ勾配30mmHg未満であり、かつ個体における化合物1の血漿中濃度が記載濃度を下回る場合は、個体の1日用量が維持される。
一部の実施形態において、HCMは、閉塞性HCM(oHCM)である。一部の実施形態において、HCMは、非閉塞性HCMである。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持することにより、治療する方法であって、
a)化合物1の1日用量2.5−15mgを少なくとも1週間投与すること、
b)個体における化合物1の血漿中濃度を測定すること、
c)個体における化合物1の当該血漿中濃度が200ng/mL未満であるとき、化合物1の1日用量を増やすこと、または
個体における化合物1の当該血漿中濃度が750ng/mLを超えるとき、化合物1の1日用量を減らすこと、または
個体における化合物1の前記血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、化合物1の同じ1日用量を継続すること
を含む、方法が提供される。
一部の実施形態において、ステップc)における1日用量を増やすことは、上記の化合物1の血漿中濃度に加えて、個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であるときにのみ実施される。個体のバルサルバ勾配30mmHg未満であり、かつ個体における化合物1の血漿中濃度が記載濃度を下回る場合は、個体の1日用量が維持される。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
d)1−12週間ごとにステップa)−c)を繰り返すこと
を含む。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を、個体における化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLを達成及び維持することにより、治療する方法であって、
a)化合物1の1日用量2−15mgを少なくとも1週間投与すること、
b)前記個体における化合物1の前記血漿中濃度を測定すること、
c)個体における化合物1の当該血漿中濃度が350ng/mL未満であるとき、化合物1の1日用量を増やすこと、または
個体における化合物1の当該血漿中濃度が700ng/mLを超えるとき、化合物1の1日用量を減らすこと、または
個体における化合物1の当該血漿中濃度が350−700ng/mLであるとき、化合物1の同じ1日用量を継続すること
を含む、方法が提供される。
一部の実施形態において、ステップc)における1日用量を増やすことは、上記の化合物1の血漿中濃度に加えて、個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であるときにのみ実施される。個体のバルサルバ勾配30mmHg未満であり、かつ個体における化合物1の血漿中濃度が記載濃度を下回る場合は、個体の1日用量が維持される。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
d)1−12週間ごとにステップa)−c)を繰り返すこと
を含む。
一部の実施形態において、ステップa)−c)は2週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は4週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は6週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は8週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は10週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は12週間ごとに繰り返される。
一部の実施形態において、化合物1の1日用量は、2、2.5、5、7.5、10、12.5、及び15mgからなる群より選択され、ステップc)において、化合物1の1日用量は、次に高い化合物1の量に増やされる、または次に低い化合物1の量に減らされる。一部の実施形態において、化合物1の1日用量は、2.5、5、10、及び15mgからなる群より選択され、ステップc)において、化合物1の1日用量は、次に高い化合物1の量に増やされる、または次に低い化合物1の量に減らされる。一部の実施形態において、ステップa)における化合物1の初回1日用量は5mgである。
一部の実施形態において、HCMは、閉塞性HCM(oHCM)である。一部の実施形態において、HCMは、非閉塞性HCMである。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を治療するための方法であって、2mg、5mg、10mg、及び15mgからなる群より選択される量の1日合計用量を個体に投与することを含む、方法が提供される。一部の実施形態において、化合物1の合計1日用量は、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、及び15mgからなる群より選択される。
一部の実施形態において、化合物1の当該合計1日用量は2mgである。一部の実施形態において、化合物1の当該合計1日用量は2.5mgである。一部の実施形態において、化合物1の当該合計1日用量は5mgである。一部の実施形態において、化合物1の当該合計1日用量は7.5mgである。一部の実施形態において、化合物1の当該合計1日用量は10mgである。一部の実施形態において、化合物1の当該合計1日用量は12.5mgである。一部の実施形態において、化合物1の当該合計1日用量は15mgである。
一部の実施形態において、当該HCMは閉塞性HCM(oHCM)である。一部の実施形態において、当該HCMは非閉塞性HCMである。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を治療する方法であって、
a)化合物1の1日用量2−15mgを当該個体に少なくとも1週間投与すること、
b)当該個体をモニターすること、
c)薬物動態及び/または薬物力学の尺度に基づいて、化合物1の1日用量を調整すること
を含む、方法が提供される。
一部の実施形態において、ステップb)におけるモニターすることは、非侵襲的モニター技法を使用する。非侵襲的モニター技法としては、以下に限定されないが、最大酸素アップデート(peak oxygen update)(VO)レベルの測定、NYHA機能分類の評価、バルサルバ勾配の測定、心エコー図を用いた心臓活動の測定、及びこれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態において、用いられる非侵襲的モニター技法は、ピークVOの測定である。
一部の実施形態において、ステップb)におけるモニターすることは、個体における化合物1の血漿中濃度を測定すること、または個体におけるN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)の血漿中濃度を測定することを含む。
モニターするステップからの結果は、化合物1の1日用量を調整して個体を最善に治療するために使用される。例えば、一部の実施形態において、調整するステップは、
当該個体が非侵襲的モニター技法のうちの1つ以上において臨床的改善を示さないとき、化合物1の1日用量を増やすこと、または
当該個体が非侵襲的モニター技法のうちの1つ以上において臨床的退行を示すとき、化合物1の1日用量を減らすこと、または
当該個体が非侵襲的モニター技法のうちの1つ以上において臨床的改善を示すとき、化合物1の同じ1日用量を継続すること
を含む。
臨床的改善、停滞、または退行の評価は、用いられるモニター技法に依存する。例えば、最大VOレベルを評価するとき、最大VOにおけるベースラインからの2.0mL/Kg/分以上の増加は臨床的改善とみなされ、最大VOにおけるベースラインからの2.0mL/Kg/分以上の減少は臨床的退行とみなされ、最大VOにおけるベースラインからの2.0mL/Kg/分未満の変動は臨床的変化なしとみなされる。左室スティフネスの評価には心エコーが特に有用である。対象は、以下の特徴:僧帽弁E/A比>0.8;E/e’≧14;中隔e’<7cm/秒;側壁e’<10cm/秒のうちの少なくとも1つが満たされるとき、異常な左室スティフネスを有するとみなされる。左室スティフネスの臨床的改善または退行は、挙げられた特徴のうちの1つに少なくとも5%の変化が認められるときであり、一方、5%未満の変化は臨床的改善なしとみなされる。
一部の実施形態において、化合物1の血漿中濃度がモニターされ、当該調整するステップは、
個体における化合物1の当該血漿中濃度が200ng/mL未満であるとき、化合物1の1日用量を増やすこと、または
個体における化合物1の当該血漿中濃度が750ng/mLを超えるとき、化合物1の1日用量を減らすこと、または
個体における化合物1の前記血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、化合物1の同じ1日用量を継続すること
を含む。
一部の実施形態において、化合物1の血漿中濃度がモニターされ、当該調整するステップは、
個体における化合物1の当該血漿中濃度が350ng/mL未満であるとき、化合物1の1日用量を増やすこと、または
個体における化合物1の当該血漿中濃度が700ng/mLを超えるとき、化合物1の1日用量を減らすこと、または
個体における化合物1の当該血漿中濃度が350−700ng/mLであるとき、化合物1の同じ1日用量を継続すること
を含む。
一部の実施形態において、1日用量を増やすことは、上記の化合物1の血漿中濃度に加えて、個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であるときにのみ実施される。個体のバルサルバ勾配30mmHg未満であり、かつ個体における化合物1の血漿中濃度が記載濃度を下回る場合は、個体の1日用量が維持される。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
d)1−12週間ごとにステップa)−c)を繰り返すこと
を含む。
一部の実施形態において、ステップa)−c)は2週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は4週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は6週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は8週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は10週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は12週間ごとに繰り返される。
一部の実施形態において、当該方法はさらに、
d)1−12週間ごとにステップa)−c)を繰り返すこと
を含む。
一部の実施形態において、ステップa)−c)は2週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は4週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は6週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は8週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は10週間ごとに繰り返される。一部の実施形態において、ステップa)−c)は12週間ごとに繰り返される。
一部の実施形態において、化合物1の1日用量は、2、2.5、5、7.5、10、12.5、及び15mgからなる群より選択され、ステップc)において、化合物1の1日用量は、次に高い化合物1の量に増やされる、または次に低い化合物1の量に減らされる。一部の実施形態において、化合物1の1日用量は、2、2.5、5、10、及び15mgからなる群より選択され、ステップc)において、化合物1の1日用量は、次に高い化合物1の量に増やされる、または次に低い化合物1の量に減らされる。一部の実施形態において、ステップa)における化合物1の初回1日用量は5mgである。
一部の実施形態において、HCMは、閉塞性HCM(oHCM)である。一部の実施形態において、HCMは、非閉塞性HCMである。
また、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を、負荷用量を個体に投与することにより治療する方法も企図されている。「負荷用量」は、化合物1の所望の血漿中濃度を迅速に達成及び維持するように、個体の血漿中における化合物1のベースライン量を確立させる。「負荷用量」時間枠としては、3日、5日、7日、10日、または14日が挙げられる。「負荷用量」の量としては、1日1回15mg、1日1回12.5mg、1日1回10mg、1日1回7.5mgの1日合計用量が挙げられる。「負荷用量」の完了後、本明細書に記載の用量調整は、投薬レベルを再調整して所望の血漿中濃度を達成及び維持するために使用することができる。
そのため、一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を治療する方法であって、
a)化合物1の負荷用量を個体に3−14日間投与すること、
b)個体における化合物1の血漿中濃度を測定すること、
c)本出願に記載の血漿中濃度に基づいて化合物の1日用量を調整して、化合物1の所望の血漿中濃度を達成及び維持すること
を含む、方法が提供される。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)に関連する症状の除去、肥大型心筋症の寛解、または肥大型心筋症の発現率を低減することを必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)に関連する症状を除去する方法、肥大型心筋症の寛解の方法、または肥大型心筋症の発現率を低減する方法が提供される。当該方法は、治療有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩を、肥大型心筋症(HCM)に関連する症状の除去、肥大型心筋症の寛解、または肥大型心筋症の発現率を低減することを必要とする対象に投与することを含み、このとき、治療有効量は、1日合計薬用量約2mg−50mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は、約2mg−30mg、10mg−20mg、2mg−10mg、または2mg−5mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は2.5mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は5mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は2mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は2.5mg−15mgである。一部の実施形態において、HCMの発症に関連する症状を除去する方法、HCMの寛解の方法、またはHCMの発現率を低減する方法はさらに、所望の血漿中濃度を達成及び維持するための本明細書に記載の用量調整ステップを含む。
一部の実施形態において、本明細書では、肥大型心筋症(HCM)の発症を予防または遅延することを必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)の発症を予防または遅延する方法が提供される。当該方法は、治療有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩を、HCM)の発症を予防または遅延することを必要とする対象に投与することを含み、このとき、治療有効量は、1日合計薬用量約2mg−50mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は、約2mg−30mg、10mg−20mg、2mg−10mg、または2mg−5mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は2.5mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は5mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は2mg−15mgである。一部の実施形態において、化合物1の1日合計薬用量は2.5mg−15mgである。一部の実施形態において、HCMの発症を予防または遅延する方法はさらに、所望の血漿中濃度を達成及び維持するための本明細書に記載の用量調整ステップを含む。
医薬組成物
化合物1は、対象への送達に好適な様々な組成物において調製することができる。対象への投与に好適な組成物は、典型的に、化合物1またはその医薬的に許容される塩と、医薬的に許容される賦形剤とを含む。
本明細書に記載の化合物1または医薬的に許容される塩を投与するための医薬組成物は、好都合には単位剤形で提示され得、薬学及び薬物送達の技術分野で公知の任意の方法で調製することができる。全ての方法は、活性成分を、1つ以上の補助的成分を含有する担体と連合させるステップを含む。概して、医薬組成物は、活性成分を、液体担体もしくは微粉固体担体またはこの両方と一様かつ密接に連合させ、次いで必要な場合は生成物を整形して所望の製剤にすることにより、調製される。医薬組成物中において、活性薬剤は、概して、心筋収縮性に対し所望の効果をもたらす(すなわち、HCMにおける収縮期収縮性が頻繁に超正常になるのを減らす)のに十分かつ拡張期の左室弛緩を改善するのに十分な量で含まれる。このような弛緩の改善は、肥大型心筋症の症状及びその他の拡張機能障害の病因を緩和し得る。また、薬学的組成物は、冠血流量障害を引き起こす拡張機能障害の影響も寛解することができ、狭心症及び虚血性心疾患における補助薬剤として冠血流量障害を改善する。また、薬学的組成物は、HCMにおける有害な左室リモデリングに対する利益、及び(例えば、心臓弁膜疾患または全身性高血圧からの)慢性的な容積負荷または圧負荷に起因するその他の左室肥大の原因に対する利益ももたらす。
化合物1またはその医薬的に許容される塩を含有する医薬組成物は、経口使用に好適な形態、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性の懸濁液、分散性の粉末または顆粒、エマルション、硬質または軟質のカプセル、シロップ、エリキシル、溶液、頬側パッチ、経口用ゲル、チューインガム、チュアブル錠、発泡粉末、及び発泡錠としての形態をとることができる。経口使用が意図された組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野で公知の任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、医薬的に洗練され食味のよい調製物をもたらすために、甘味剤、香味剤、着色剤、抗酸化剤、及び保存剤からなる群より選択される1つ以上の薬剤を含有することができる。錠剤は、活性成分を、錠剤製造に好適な無毒性の医薬的に許容される賦形剤と混和した状態で含有する。このような賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、セルロース、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グルコース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム;造粒剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えば、PVP、セルロース、PEG、デンプン、ゼラチン、またはアラビアゴム、ならびに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクであり得る。錠剤は、コーティングされなくてもよく、または、消化管内の分解及び吸収を遅延させることにより長期間にわたる持続作用をもたらすために腸溶コーティングもしくは別の方法でコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が用いられ得る。また、錠剤は、制御放出向けの浸透圧性治療錠剤を形成するためにコーティングされてもよい。
また、経口使用向けの製剤は、活性成分が不活性の固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリン)と混合される硬質のゼラチンカプセルとして提示することも、活性成分が水もしくは油の媒体(例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油)と混合される軟質のゼラチンカプセルとして提示することもできる。加えて、エマルションは、油などの水と混和しない成分を用いて調製し、モノジグリセリド、PEGエステルなどの界面活性剤を用いて安定化させることができる。
水性懸濁液は、活性材料を、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混和した状態で含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム、及びアラビアゴムであり、分散剤または湿潤剤は、天然のホスファチドであり得、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであり得る。水性懸濁液は、1つ以上の保存料(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル)、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、及び1つ以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)も含有することができる。
油性懸濁液は、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココナッツ油)に、または鉱油(例えば、流動パラフィン)に活性成分を懸濁させることにより製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤(例えば、ミツロウ、固形パラフィン、またはセチルアルコール)を含有することができる。食味のよい経口用調製物をもたらすために、上に記載したような甘味剤及び香味剤を添加することができる。このような組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することにより保存することができる。
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性の粉末及び顆粒は、活性成分を、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、及び1つ以上の保存料と混和した状態で提供する。好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤は、上記で既に言及されたものにより例示される。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、及び着色剤が存在してもよい。
本明細書に記載の医薬組成物は、水中油滴型エマルションの形態もとることができる。油相は、植物油(例えば、オリーブ油または落花生油)であっても、鉱油(例えば、流動パラフィン)であっても、これらの混合物であってもよい。好適な乳化剤は、天然のゴム(例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然のホスファチド(例えば、ダイズ、レシチン)、ならびに脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、ならびに当該部分エステルとエチレンオキシド(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)との縮合生成物であり得る。エマルションは、甘味剤及び香味剤も含有することができる。
シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロースを用いて製剤化することができる。このような製剤は、粘滑剤、保存料、ならびに香味剤及び着色剤も含有することができる。経口用溶液は、例えば、シクロデキストリン、PEG、及び界面活性剤と組み合わせて調製することができる。
医薬剤形
本開示は、化合物1及びその医薬的に許容される塩における新規の医薬剤形を含む。本明細書に記載の剤形は、対象への経口投与に好適である。剤形は、経口投与に好適な任意の形態(カプセルまたは錠剤を含むがこれに限定されない)をとることができる。
一部の実施形態において、本開示は、次式を有する化合物1 2−10mgまたは2−15mgを含有する1単位薬用量のカプセルまたは錠剤形態を提供する。
一部の実施形態において、化合物1の量は約2mg−5mgである。一部の実施形態において、化合物1の量は約5mg−10mgである。一部の実施形態において、化合物1の量は約2.5mgである。一部の実施形態において、化合物1の量は約5mgである。一部の実施形態において、化合物1の量は約7.5mgである。一部の実施形態において、化合物1の量は約10mgである。
一部の実施形態において、化合物1の1単位薬用量形態はカプセルである。一部の実施形態において、化合物1の1単位薬用量形態は錠剤である。
一部の実施形態において、1単位薬用量形態は、サイズ0号、1号、2号、3号、4号、または5号のカプセルである。一部の実施形態において、1単位薬用量形態はサイズ4号のカプセルである。一部の実施形態において、1単位薬用量形態はサイズ5号のカプセルである。
キット
本開示は、本発明の医薬組成物及び剤形を含むキットも包含する。
一部の態様において、本発明は、化合物1を含むキットを提供する。本明細書に記載のキットのいくつかは、化合物1の投与方法を記載するラベルを含む。本明細書に記載のキットのいくつかは、肥大型心筋症(HCM)の治療方法を記載するラベルを含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のキットは、閉塞性HCM(oHCM)の治療方法を記載するラベルを含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のキットは、対象の左室流出路(LVOT)勾配の低減方法を記載するラベルを含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のキットは、対象の安静時左室流出路(LVOT)圧較差の低減方法を記載するラベルを含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のキットは、対象の負荷左室流出路(LVOT)勾配の低減方法を記載するラベルを含む。
本発明の組成物は、以下に限定されないが、瓶、ジャー、バイアル、アンプル、チューブ、または米国食品医薬品局(FDA)もしくはその他の規制機関により承認された他の容器施栓系中の化合物1を含む組成物を含み、当該化合物を含有する1つ以上の薬用量を提供することができる。パッケージまたはディスペンサーには、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関が規定する形式で容器と共に注意書きが付属してもよく、この注意書きは当該機関の承認を示すものである。あるいくつかの態様において、キットは、本明細書に記載の製剤または組成物と、製剤または製剤を含む薬用量単位形態を含む容器施栓系と、本明細書に記載の使用方法を記載する注意書きまたは説明書とを含むことができる。
実施例1.(S)−3−イソプロピル−6−((1−フェニルエチル)アミノ)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの調製。
化合物1.1.イソプロピルウレア。アルゴン下0℃のイソプロピルアミン(15.3g、0.258mol、1.0当量)のCHCl(200mL)中撹拌溶液に、イソシアン酸トリメチルシリル(30g、0.26mol、1.0当量)を滴下添加した。得られた混合物を周囲温度に到達させ、一晩撹拌した。0℃に冷却した後、CHOH(100mL)を滴下添加した。得られた溶液を室温にて2時間(h)撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。粗製残渣をCHOH:EtO(1:20)から再結晶化して、15.4g(58%)の標題化合物を白色の固体として得た。LC/MS: m/z (ES+) 103 (M+H)
化合物1.2.バルビツール酸1−イソプロピル。1.1(14.4g、0.14mol、1.00当量)のCHOH(500mL)中撹拌溶液に、マロン酸ジメチル(19.55g、0.148mol、1.05当量)及びナトリウムメトキシド(18.9g、0.35mol、2.50当量)を添加した。得られた混合物を65℃にて一晩撹拌した。周囲温度に冷却し、次いで0℃に冷却した後、水性濃HClを用いてpHを慎重に3に調整した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOH(200mL)に取り込ませ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、CHCl/CHOH(20:1)を溶離剤として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、16.8g(50%)の標題化合物を白色の固体として得た。LC/MS: m/z (ES+) 171 (M+H) H−NMR (300 MHz, d−DMSO): δ 11.19 (s, 1H), 4.83 (m, 1H), 3.58 (s, 2H), 1.32 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
化合物1.3.6−クロロ−3−イソプロピルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン。アルゴン下の化合物1.2(11.4g、66.99mmol、1.00当量)を含有する100mLの丸底フラスコに、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド(21.3g、93.51mmol、1.40当量)及びPOCl(30mL)を添加した。得られた混合物を50℃にて一晩撹拌した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣をCHCl(150mL)に溶解し、その後にHO(100mL)をゆっくり添加した。相を分離し、有機層をHO(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。EtOAc/石油エーテル(1:1)を溶離剤として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって粗製残渣を精製して、5.12g(40%)の標題化合物を淡い黄色の固体として得た。H−NMR (300 MHz, d−DMSO): δ 12.22 (s, 1H), 5.88 (s, 1H), 4.95 (m, 1H), 1.34 (d, J = 6.0 Hz, 6H).
化合物1.(S)−3−イソプロピル−6−((1−フェニルエチル)アミノ)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン。6−クロロ−3−イソプロピルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.3、1.0g、5.31mmol)の1,4−ジオキサン(20mL)中溶液に、(S)−α−メチルベンジルアミン(Sigma−Aldrich、1.43g、11.7mmol、2.2当量)を添加した。反応混合物を80℃にて24時間撹拌した。周囲温度に冷却した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(70mL)に取り込ませ、水性の1N HCl(2×50mL)及びブライン(40mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥し、次いで減圧下で濃縮して元の体積の半分にして沈殿物を得た。ヘキサン(20mL)を添加し、混合物を室温にて撹拌した。得られた固体を濾過により収集し、ヘキサン(20mL)で洗浄し、乾燥して1.0g(69%)の標題化合物を白色の固体として得た。LC/MS: m/z (ES+) 274 (M+H)H−NMR (400 MHz, d−DMSO): δ 9.77 (s, 1H), 7.32 (m, 4H), 7.24 (m, 1H), 6.50 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.87 (m, 1H), 4.52 (m, 1H), 4.31 (d, J=6.8 Hz, 1H), 1.37 (m, 3H ), 1.24 (m, 6H). H NMR (400 MHz, CDOD) δ ppm 7.39−7.20 (m, 5H), 5.01 (m, 1H), 4.48 (m, 1H), 1.49 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.36 (m, 6H).
実施例2.第I相臨床試験
これまでに臨床試験3件で化合物1の安全性及び忍容性が調べられている。試験2件が完了し、試験1件が継続中である。健康な男性における二重盲検プラセボ対照単回用量漸増試験(SAD)(化合物1−002)を行った。被験者に、1mg−48mgの範囲の単回用量を投与した。臨床的に安定したHCMを有する被験者における非盲検逐次群SAD試験(化合物1−001)の実施も完了しており、単回用量最大144mgが投与された。加えて、健康な成人被験者に1日1回(QD)最大28日間、多回用量の化合物1最大25mgを投与する二重盲検プラセボ対照多回用量漸増(MAD)試験(化合物1−003)が行われている。
(1)48mgコホート(n=患者4例);96mgコホート(n=6);144mgコホート(n=5)。
(2)各コホートは、化合物1またはマッチングプラセボに6:2でランダム化した。
(3)各コホートは、化合物1またはマッチングプラセボに10:2でランダム化した。
(4)25mgコホートは25日間投与した。
2.1 化合物1−002試験
化合物1−002試験では、健康な男性に単回用量1mg−48mgを経口用懸濁液として投与した。全ての用量レベルにおいて、重篤な有害事象(SAE)、死亡例、または有害事象(AE)の報告に起因する試験中止例はなく、忍容性は良好であった。投与下で発現したAEの発現率は、用量に伴って増加しないように思われた。化合物1の薬物動態(PK)プロファイルは、迅速な吸収及びそれに続く分布を示し、その後に平均消失半減期がおよそ8日の長い消失相が見られた。化合物1の単回用量≧12mgは、3つの独立した心エコー尺度(左室駆出率[LVEF]、LV短縮率[LVFS]、及びLVOT速度時間積分値[VTI])による評価において、ベースラインからの検出可能なLV収縮性の低減に結びついていた。健康な被験者で試験した最高用量(48mg)では、ベースラインに対する任意時点のLVEFの平均低減率は−6%であった。本試験で試験したいずれの用量レベルにおいても、収縮期血圧(BP)または心拍数(HR)の変化は検出されなかった。
2.2 化合物1−001試験
MYK−461−001試験では、HCMを有する被験者15例に単回用量最大144mgを投与した。用量144mgの投与を受けた被験者5例中1例を除けば、全ての用量レベルにおいて、死亡例、AEに起因する中止例、または用量関連の投与下で発現したAEはなく、忍容性は良好であった。この被験者1例は、ある期間の心静止及び低血圧により特徴づけられる血管迷走神経性反応として説明されるSAEを経験したが、後遺症なしで自然に回復した。因果関係の評価に関しては、化合物1を心臓イオンチャネル電流の調節、または心尖拍動の産生もしくは伝導と関連づける非臨床データまたはその他の臨床データは存在しない。化合物1は血管作動特性が立証されておらず、平滑筋ミオシンに対して生化学的に不活性である。この事象に対する他の潜在的寄与としては、メトプロロールコハク酸塩1日1回150mgによる慢性β遮断や、事象の直前、被験者が握力評価中に不注意でバルサルバ手技を実施したという観察が挙げられる。
表2の結果に示すように、患者におけるLVOT閉塞は、化合物1の単回用量の後に回復した。001試験に登録した被験者2例は、(誘発時に)LVOT圧較差を示した。それぞれの被験者には、化合物1の単回用量96mgを投与した。いずれの患者の勾配も投薬後に回復した。

化合物1−001試験における予備的PK解析からは、HCMを有する被験者のPKプロファイルが健康な被験者のPKプロファイルに類似することが明らかになった。HCMを有する全被験者は、3つの独立した心エコー尺度のうちの少なくとも1つによるLV収縮性低減の立証の観点において機序の証拠を示した。被験者2例において、バルサルバ後の測定可能なLVOT勾配は、化合物1の単回用量96mgの後、10mmHg未満に低減された。
2.3 化合物1−003試験
化合物1−003試験では、4コホートの健康な成人被験者に投薬が行われており、各被験者は28日間の投薬が予定されている。化合物1は、1日1回最大25mgの多回用量で忍容性が良好であった。全てのAEの重症度は軽度または中等度であり、SAEはなかった。コホート3では、盲検的投与(化合物1 12.5mgまたはプラセボ1日1回のいずれか)を受けた被験者12例中3例において下痢及び/または腹部痙攣が認められた。これらの被験者のうち1例は、再投与時に下痢が再発したために投与中止となり、他の2例は試験薬の投与再開に成功した。治験責任医師は、これらの胃腸管系AEの重症度が軽度または中等度であり、おそらくは試験薬に関連するものであるとみなした。コホート4(化合物1 25mgまたはプラセボ)では、胃腸管系AEは報告されなかった。
コホート4における投薬は、盲検的投与(化合物1 25mgまたはプラセボ1日1回のいずれか)を受けた被験者12例中5例で、用量増量に対する事前定義された中止基準(LVEFの20%以上の低減)に達したため、治験責任医師により25日に中止された。全被験者は無症候性のままであった。
収縮性低減のPDエビデンスは、高用量レベル群(1日1回12.5mg及び1日1回25mg)において明らかであった。これらのデータは、同様に効果的と考えられる現在の試験のための安全な投薬戦略に情報提供する一助となるように、これまでの全試験における全被験者からのPK及びPDデータと共に、ロバストなPK−PDモデルに組み込まれている。
全体的には、以下の表3に示すように、HCM患者及び健康なボランティアにおいて好ましい安全性プロファイルが示されている。

第1相試験における全患者群にわたり、臨床的に重要かつ用量依存的な応答が観察された。
(1)48mgコホート(n=患者4例);96mgコホート(n=6);144mgコホート(n=5)。
(2)各コホートは、化合物1またはマッチングプラセボに6:2でランダム化した。
(3)各コホートは、化合物1またはマッチングプラセボに10:2でランダム化した。
(4)25mgコホートは25日間投与した。
下記の表5は、第1相プログラム3件を概括したものである。
実施例3.症候性の肥大型心筋症及び左室流出路閉塞を有する被験者における化合物1の有効性、薬物動態、薬物力学、安全性、及び忍容性を評価するための第2相非盲検パイロット試験(Pioneer−HCM−A)
試験目的:
主要目的:
・症候性の肥大型心筋症(HCM)及びLVOT閉塞を有する被験者における運動後の最大左室流出路(LVOT)勾配の低減に対する化合物1の12週間投与の効果を特徴づけること
副次的目的:
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における、運動後の最大勾配が30mmHg未満のLVOT勾配応答を達成する被験者の割合を評価すること
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における、呼吸困難症状スコア、最大酸素消費量(pVO)、及び呼気量(VE)/二酸化炭素産生量(VCO)スロープに対する化合物1の12週間投与の効果を評価すること
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における化合物1の薬物動態(PK)を評価すること
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における様々な心エコーイメージングパラメーターにより評価された、症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における化合物1の薬物力学(PD)を評価すること
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における、化合物1の安全性及び忍容性を評価すること
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における、4週間休薬後の化合物1の効果の投与後反転性を評価すること
探索的目的:
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における、運動後の最大勾配が10mmHg未満のLVOT勾配応答を達成する被験者の割合を評価すること
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における、ニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)レベル、及びカンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)全体サマリースコア(OSS)に対する化合物1の12週間投与の効果を評価すること
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における、光学バイオセンサーを用いて評価した動脈脈波形態に対する化合物1投与の効果を評価すること
・症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における、心モニタリング皮膚パッチを用いて評価された心拍数及び心調律に対する化合物1投与の効果を評価すること
選択基準:
各被験者が本試験に含められるためには、以下の基準を満たさなければならない。
1.試験手順を理解及び遵守し、試験に伴うリスクを理解し、最初の試験特有の手順の前に、連邦、現地、及び施設のガイドラインに従って書面による同意書を提供することができる。
2.スクリーニング来院時に18−70歳である男女。
3.HCM(全身的またはその他の既知の原因が存在しない肥大した非拡張性の左室)と診断され、最初の診断時の左室(LV)壁厚が15mm以上である、または13mm以上で明確なHCMの家族歴を有する。
4.施設の標準的な式を用いて計算した、スクリーニング来院時の体型指数(BMI)が18−37kg/m(両端を含む)である。
5.スクリーニング来院時、全ての安全性臨床検査パラメーター(化学、血液学、及び尿検査)が、中央検査機関による評価において正常範囲(検査機関の基準範囲)内であるか、または正常範囲外である場合は以下の基準の両方を満たす:
・治験責任医師により、臨床的に重要でないとみなされる
・肝機能の試験結果である場合、検査機関の基準範囲上限値の1.5倍未満である。
6.スクリーニング来院時に、治験責任医師及び治験実施医療機関の心エコー検査機関による定量において、55%以上の左室駆出率(LVEF)が立証されている。
7.スクリーニング来院時に、治験責任医師及び治験実施医療機関の心エコー検査機関による定量において、安静時LVOT勾配が30mmHg以上であり運動後最大LVOT勾配が50mmHg以上である。
8.NYHA機能分類II度以上であり、治験責任医師によりLVOT閉塞に起因するものと判断される。
9.治験責任医師及び治験実施医療機関の心エコー検査機関の判断において、十分な超音波骨窓を有し、十分な経胸壁心エコー図(TTE)が可能である。
10.女性の被験者は、妊娠中または授乳中であってはならず、また、性的に活動的である場合は、スクリーニング来院から治験薬(IMP)の最終用量後3ヵ月まで、以下の許容される避妊法のうちの1つを使用しなければならない。
・二重バリア法(例えば、男性はコンドームを使用し、女性はペッサリーまたは子宮頸部キャップを使用)
・バリア及びホルモン避妊薬(例えば、男性がコンドームを使用し、女性がホルモン避妊薬を使用)
・女性が不妊手術を受けて6ヵ月経っているか、または閉経から2年経っている。永久不妊法としては、子宮摘出術、両側卵巣摘除術、両側卵管摘除術、及び/またはスクリーニングから6ヵ月以上前の両側卵管閉塞術の立証が挙げられる。
女性が閉経後とみなされるのは、全ての外因性のホルモン治療を中止してから少なくとも2年以上無月経であり、かつ卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルが閉経後範囲内にある場合である。
11.女性のパートナー(閉経後のパートナーを含む)を有する男性被験者は、スクリーニング来院から試験薬の最終用量から3ヵ月後まで、有効性の高い避妊手段を使用することに同意しなければならない。有効性が高い避妊法としては、立証された精管切除術、性交渉の回避、二重バリア法(例えば、男性がコンドームを使用し、女性がペッサリーもしくは子宮頸部キャップを使用)、またはバリア及びホルモン避妊薬(例えば、男性がコンドームを使用し、女性がホルモン避妊薬を使用)が挙げられる。薬物が精液中に分泌されるリスクが考えられるため、現在妊娠中のパートナーを有する男性被験者(精管切除術を受けた男性を含む)は、試験期間及び試験薬の最終用量後3ヵ月間はバリア法を使用するべきである。加えて、性的パートナーを有する男性被験者は、パートナーが妊娠していないまたは妊娠する可能性がない場合であっても、精液中の化合物1がパートナーに移行することを防ぐため、試験期間及び試験薬の最終用量後3ヵ月間はコンドームを使用するべきである。
12.確立されたガイドラインに従って、呼吸困難数値評価スケール(NRS)及びKCCQに記入可能でなければならない。
除外基準:
以下の基準のいずれかを満たす被験者は、試験から除外される。
1.化合物1、または化合物1製剤の構成成分のいずれかに対する過感受性。
2.運動負荷試験を妨げる任意の医学的状態の存在。
3.持続性心室頻拍性不整脈の既往。
4.過去6ヵ月以内の運動による失神の既往。
5.活動性感染。
6.持続性心房細動またはスクリーニング時の心房細動。
7.QTcフリデリシア(QTcF)>500ms、または被験者の安全性にリスクをもたらすと治験責任医師がみなす他の任意の心電図(ECG)異常(例えば、II型第2度房室ブロック)を有する。
8.大動脈狭窄症または固定された大動脈下閉塞。
9.臨床経過中の任意時におけるLV収縮機能障害(LVEF<45%)の既往。
10.冠状動脈疾患の既往。
11.任意のタイプの悪性腫瘍の既往。ただし、以下を例外とする:スクリーニングの5年超前の子宮頸部上皮内癌、またはスクリーニングの2年超前の外科的切除された非黒色腫皮膚癌。
12.スクリーニング時に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、またはB型肝炎ウイルス(HBV)において血清学的検査陽性である。
13.スクリーニング時にアルコールまたは薬物の乱用において検査陽性である。
14.治験責任医師またはMyoKardiaの医師の意見において、被験者の安全性にリスクをもたらす、または試験の評価、手順、もしくは完了を妨げると考えられる、その他の任意の臨床的に問題となる障害、状態、または疾患(上記で概説されているものは除く)の既往またはエビデンス。
15.スクリーニング前の30日以内、またはそれぞれの消失半減期の少なくとも5倍以内(いずれか長い方)に、任意の治験薬の投与を受ける臨床試験に参加した(または現在治験デバイスを使用している)。これらの基準を満たす限り、化合物1を用いた過去の臨床試験の参加は許容される。
16.現在のタバコ含有製品またはニコチン含有製品の使用が、1日当たり10本またはそれに相当する量を超えている。
17.治験責任医師の意見において、継続中のβ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、またはジソピラミドを用いた療法を必要とする被験者。これらの薬剤のいずれかを受けている被験者であっても、治験責任医師の意見において安全に中止され得る被験者は、スクリーニング来院の14日以上前に薬剤が中止される限り、適格性を有する。
18.心毒性薬剤(例えば、ドキソルビシンもしくは類似薬)による前治療、または陰性変力活性を有する抗不整脈薬(例えば、フレカイニドもしくはプロパフェノン)による現行治療。
19.臨床施設への必要な来院回数を含めた試験の制約/要件に従うことができない。
20.MyoKardiaの被雇用者または被雇用者の親類、治験責任医師または治験責任医師のスタッフもしくは家族である。
全体的な試験の設計及び計画
本試験は、症候性のHCM及びLVOT閉塞を有する被験者における、化合物1の有効性、PK、PD、安全性、及び忍容性を評価するための第2相非盲検パイロット試験である。症候性HCM、30mmHg以上の安静時LVOT勾配、及び50mmHg以上の運動後最大LVOT勾配を有する成人被験者およそ10例を登録する。本試験は、12週間の投与期及び4週間の休薬期を有する(図3)。
スクリーニング時に、被験者は、仰臥位または左側臥位で経胸壁心エコー(TTE)を受ける。標準化された完全なTTEに加えて、安静時瞬時最大LVOT勾配(ベースライン)及び誘発時最大LVOT勾配を収集する。次いで、被験者は、標準的な症候限界性運動負荷試験(血行力学的負荷心エコー)を受ける。被験者は、呼吸困難及び/またはアンギナの症状について体系的に評価を受ける。瞬時最大LVOT勾配は、運動直後にTTEにより評価する。
第1日に、安静時TTEを実施し、PK用に血液試料を採取し、被験者は、心肺運動負荷試験(CPET)を介してpVO、VE/VCO、及びその他の変数の評価を受ける。CPETの後、治験実施医療機関で被験者に非盲検の経口用化合物1を投薬し、投薬後少なくとも1時間観察して、投薬後1時間時のバイタルサイン及びECGを評価する。次いで、被験者に、自宅での1日1回投薬に十分な化合物1を供給する。
第1、2、3、4、5、6、7、8、12、及び16週に治験実施医療機関で被験者を評価する。これらの来院時に毎回、安静時TTEを実施し、PK用に血液試料を採取する。試験来院日には、投薬の約2時間前のPK用に血液試料を採取するため、治験実施医療機関で試験薬を投与する。第4、12、16週に血行力学的負荷心エコーを実施し、最大LVOT勾配を評価する。第10週から12週の間(両端を含む)にCPETを行う。
化合物1の開始用量は、体重が約60kgの被験者に対し10mg、体重が60kgを超える被験者に対し15mgとする。第4週の終わり(第28日)に各被験者のLVEFを評価し、被験者の用量は、表6の所定の基準に基づいて、治験責任医師とメディカルモニターとの協議の上、増やすか、減らすか、または変更なしとすることができる。化合物1の血漿中濃度が第2週に750ng/mLを超える場合、第4週のLVEFデータにかかわらず用量増量は不可とするが、LVEFに従った用量減量はこの場合も可能である。その後、被験者は第5週から第12週までその用量の投与を受ける。
LVEF(左室駆出率);QD(1日1回)。
第2週における化合物1の血漿中濃度が750ng/mLを超える場合は用量増量不可とした。
同意書を提供した全被験者に対し、HCM遺伝子型の評価及び追加で行われ得るデオキシリボ核酸(DNA)シークエンシングのために、第1日に血液を採取する。
加えて、被験者は別途、薬理遺伝学試料の収集に同意することができ、この試料は、DNAシークエンシングまたはその他の遺伝子試験を通じて、臨床的に意味のある評価項目を用いた今後の試験で定量される有効性、安全性関連、PD、またはPKパラメーターの遺伝子バイオマーカーに対し今後行われ得る解析のために保管される。
血液試料は、第1日及び第12週に全被験者から収集し、探索的循環バイオマーカー分析(例えば、疾患活動性、代謝経路、有効性尺度、または安全性尺度に関連するプロテオミクス解析)のために保管する。
試験期間はおよそ8ヵ月(募集に4ヵ月、試験実施に4ヵ月)と予測される。各被験者は、試験に140日以下(スクリーニングに最大28日、試験実施に最大112日)参加することになる。
化合物1、投与、及び日程
試験薬は化合物1の即時放出経口錠からなり、4つの強度:2mg、5mg、10mg、及び20mgで供給される。化合物1の錠剤はコーティングされていない素錠であり、外観は白色である。2mg錠及び5mg錠は円形・凸状の形状でサイズが異なり、一方10mg錠及び20mg錠は、楕円形でサイズが異なる。
化合物1の錠剤は、現行の適正製造規範(cGMP:current Good Manufacturing Practice)の規定に従って製造する。化合物1の錠剤は、インダクションシール及びチャイルドレジスタンスキャップを伴う高密度ポリエチレン瓶で、瓶当たり30錠にて供給する。全ての試験薬は、適用可能な現地の規制ガイドラインに従ってラベリングする。
化合物1の錠剤は、MyoKardiaが供給するパッケージ内で20℃−25℃(68°F−77°F)の室温制御にて保管しなければならない。治験実施医療機関の試験薬は、権限を有する試験担当者にアクセスが限定された安全な区域内で保管する。
IMPは、少なくとも4週間ごとに、適切にラベリングされ毎日の投薬についての指示が記載された30錠入りの高密度ポリエチレン瓶で被験者に供給する。被験者は、化合物1の錠剤/瓶を涼しく乾燥した場所で保管するように指示を受ける。薬物は、およそ8オンスの水と共に服用するべきである。
実施例4.症候性の肥大型心筋症及び左室流出路閉塞を有する被験者における化合物1の有効性、薬物動態、薬物力学、安全性、及び忍容性を評価する第2相の結果(Pioneer−HCM−A)
実施例3に記載の手順に概ね従って、以下の結果が得られた。以下の試験における各被験者は、スクリーニング来院の14日以上前にβ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、及び/またはジソピラミド療法を中止している。
第0、4、及び12週に、化合物1療法(10または15mg)を受けた被験者における負荷LVOT勾配及び負荷駆出率パーセンテージを測定した。いずれの患者集団においても、負荷LVOT勾配は、LVEFの最小限の変化により消失した。図4及び図5を参照。
また、化合物1(10、15、または20mg)の投与を受けた被験者における安静時LVOT勾配も測定した。安静時LVOT勾配は、ほとんどの被験者で早くも第1週に消失し、第2週までに全被験者における化合物1への曝露を小さくした。図6を参照。
図7は、化合物1濃度に対する安静時LVOT勾配のプロットである。
図8は、化合物1濃度に対する安静時左室駆出率(LVEF)(%)のプロットである。このグラフは、安静時LVEFの曝露依存的減少を示している。
図9は、試験の各週に測定した平均安静時LVOT勾配のプロットである。図10は、試験の各週に測定した平均安静時左室駆出率(LVEF)(%)のプロットである。第12週の後に化合物1の投与を中止する。閉塞性HCM(oHCM)表現型は、化合物1の休止後に復帰する。
図11は、心肺運動負荷試験中に酸素消費量(mL/kg/分)及び動脈血乳酸(mM/L)を測定したときに得られ得るプロットのタイプを図示している。
図12は、ベースライン時(第0週、無地)及び第12週の後(斜線のバー)におけるCPET中に測定した最大VO値を示している。化合物1は、CPETメトリックを改善する。
図13は、ベースライン時(第0週、無地)及び第12週の後(斜線のバー)におけるCPET中に測定した最大循環力を示している。化合物1は、CPETメトリックを改善する。
図14は、左室駆出率(LVEF)の絶対的変化に対するpVOの絶対的変化のプロットである。このプロットは、化合物1療法による運動能の増加は、LVEFの減少が最も小さい患者で最も大きいことを示している。
図15は、化合物1の投与を受けた被験者における0、4、8、及び12週時のN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)濃度(pg/mL)のプロットである。図16は、化合物1濃度に対するN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)濃度(pg/mL)のプロットである。これらの図は、NT−proBNPレベルは化合物1の4週間後に低減されるが、より高い曝露でリバウンドし得ることを示している。
図17は、ベースライン(第0週)、化合物1の投与から12週間後、及び16週間後(化合物1の12週間投与、化合物1の4週間休薬)における被験者のニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類を示している。
図18は、示された時間(第1日−第16週)における各被験者の平均呼吸困難症状スコアを示している。化合物1は、第12週まで投与した。第16週のデータポイントは、化合物1の休薬から4週間後である。全体的には、このデータは、呼吸困難が化合物1の投与で改善し、療法の休止後に復帰することを示している。
第2相試験からは以下のことが示される:
・化合物1は、1日1回最大20mgの用量で忍容性が良好である
・225ng/mLを超える濃度の化合物1は、安静時勾配の血行力学的意義を下回る低減に結びついている
・2つの予測CPETメトリック、最大VO(pVO)及び循環力(CP)は、化合物1で治療したoHCM患者において改善する
・pVO(>3mL/分/kg)における最もロバストな改善は、安静時LVEFにおける最小限の変化と結びついていた
・化合物1の血漿中濃度225−600ng/mLは、心筋収縮性に対する陽性変力効果と勾配低減とをもたらす
・NYHA分類及び呼吸困難スコアは、化合物1療法により改善する。
実施例5.症候性の肥大型心筋症及び左室流出路閉塞を有する被験者における化合物1の薬物動態、薬物力学、安全性、及び忍容性を評価するための第2相非盲検パイロット試験(Pioneer−HCM−B)
この試験は実施例3に記載の試験に類似しているが、いくつかの重要な相違点を有する。例えば、第2−B相試験の被験者はβ遮断薬療法を中止する必要がなく、化合物1の用量は2−5mgに低減される。下記の表7は、上述の第2−A相試験と比較してのいくつかの試験の詳細を記載している。
実施例6.症候性の肥大型心筋症及び左室流出路閉塞を有する被験者における化合物1の有効性、薬物動態、薬物力学、安全性、及び忍容性を評価する第2相の結果(Pioneer−HCM−B)
実施例3及び実施例5に記載の手順に概ね従って、以下の結果が得られた。
図19は、試験(化合物1の12週間投与、4週間休薬)の第4、12、及び16週における平均運動後安静時LVOT勾配(mmHg)のプロットである。
図20は、試験(化合物1の12週間投与、4週間休薬)の第1−8、12、及び16週における安静時LVEF(%)の変化のプロットである。
図21は、12週間後の個体におけるNYHA機能分類の改善と、化合物1の4週間休薬後の改善の反転とを図示している。
図22は、試験全体における呼吸困難のピークの急速な改善を図示している。また、化合物1の4週間休薬後に改善が反転していることも示している。
図23は、試験中の第12週までに最大VOが変化することを図示している。
図24は、化合物1濃度の関数としての安静時LVOT(mmHg)のプロットである。コホートBは白四角、コホートAは黒四角とする。
コホートB(1日用量2−5mg)の結果を、下記の表8に示す。注目すべきことに、被験者4例の最大VOは2.9mL/kg/分以上改善した。
表8:コホートB概要
注目すべきことに、患者10例中5例でpVOが1.5mL/kg/分超改善し、患者10例中8例でNYHA分類が改善した。
第2相試験のパートA及びBからは以下のことが示される:
・化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLは、LVOT勾配の概ね30mmHgレベルを下回る低減と結びついていた
・勾配の低減は、症状の改善、運動中のpVO、NT−proBNPの減少、及び拡張機能の心エコー尺度の改善を伴った
・化合物1の血漿中濃度350−700ng/mLは、LVEF≧55%を維持しながらoHCMの臨床的改善(症状改善及び最大VO)をもたらした
・治療濃度範囲は、忍容性が良好であり、LVEFの限定的な減少に結びついており、この減少は多くの場合、ベースライン時に存在した過剰収縮状態の正常化に相当した
・1000ng/mLを超える濃度は、過剰な薬理学的効果と結びついていた
また、第2相試験のパートA及びパートBは、化合物1による拡張改善も示している(表9及び表10を参照)。
表9:コホートA:ベースライン及び第12週におけるe’及びE/e’


表10:コホートB:ベースライン及び第12週におけるe’及びE/e’
実施例7.oHCM患者における安全性及び有効性を確認するためのピボタル試験(Explorer−HCM)
試験は24週間とし、約220名を含める。この試験で測定する主要なメトリックは最大VOとなる。図25は、試験設計を示している。
この試験は、症候性oHCMを有する参加者において、マバカムテンの安全性、忍容性、及び有効性をプラセボ(1:1)と比較して評価する第3相二重盲検ランダム化プラセボ対照多施設国際並行群間試験である。およそ220名の参加者を組み入れる。これには、選択された施設におけるCMRサブスタディに参加することに同意する約80名の参加者(投与群当たり約40名)が含まれる。ランダム化は、NYHA機能分類(II度またはIII度)、β遮断薬による現行治療(ありまたはなし)、試験中に使用予定のエルゴメーターのタイプ(トレッドミルまたはエクササイズバイク)、及びCMRサブスタディへの同意(するまたはしない)に従って層別化する。
試験は3つの期間を含み、図25に要約されている。
スクリーニング期間(第−28日から第−1日):HCMの存在及び閉塞の存在(安静時または誘発時)を含めた適格性判断基準を評価するため、参加者は、1−2日にわたって全身、臨床検査、症状、及びPROの様々な評価を受ける。治験責任医師は、参加者が適切にバルサルバ手技を実施できることの確認も行うべきである。主要なスクリーニング試験としては、ECG;安静時、バルサルバ手技時、及び運動後に行うTTE;ならびにCPETが挙げられる。中核検査機関(心エコー図中核検査機関、心エコー中核検査機関、及びCPET中核検査機関)により報告されるスクリーニング試験結果は、ランダム化の適格性を確認するために使用される。スクリーニング手順を行うには最低14日必要となる。
CPET及び運動後TTEは、スクリーニング期間中の同じ日に行うことも別の日に行うこともできる。CPET及び運動後TTEを同じ日に行う場合、参加者は両方の手順に対し1回のみ運動しなければならず、参加者はCPETを受け、その後に運動後TTEを受ける。参加者がCPET及び運動後TTEを異なる日に受ける場合、参加者は最初に安静時、バルサルバ、及び運動後TTEを受け(そして、それぞれのLVOT勾配を定量するために中核検査機関に心エコー図を送り)、後日CPETを受ける。
oHCM状態の治療を受けている参加者は、状態に対し最適であると治験責任医師が判定し、かつHCM治療ガイドラインが通知する医学療法(例えば、β遮断薬、ベラパミル、またはジルチアゼム)を受けるべきである。この治療は、スクリーニング前の少なくとも2週間以上安定し忍容性が良好であるべきである。スクリーニング時の併用薬剤は、安全性または忍容性の懸念が生じない限り、一定用量にて維持するべきである。
また、根底にあるoHCM状態に対する治療を受けないことが妥当な選択肢であると治験責任医師が判定した場合(例えば、過去にβ遮断薬に対する不耐性または禁忌があった場合)にも、参加者の登録が検討され得る。このような場合、試験のランダム化後に(β遮断薬、ベラパミル、またはジルチアゼムによる)治療を開始する計画を立てるべきではない。
二重盲検投与期間(第1日[ランダム化]から第30週/EOT):全ての適格性基準を満たす参加者は、最初に、双方向応答システム(IXRS)を介し1:1の比でランダム化して、1日1回マバカムテン開始用量5mgまたはマッチングプラセボの投与を受ける。
全体的には、30週間の二重盲検投与期間には合計10回の予定された来院が含まれ、2−4週間ごとの参加者接触を維持することができる。全ての来院には、臨床的評価(症状、PRO評価、AE/SAE評価、併用薬剤)が含まれるが、これに限定されない。第8週及び第14週の来院を除く全ての来院時に、ECG、TTE、及び臨床検査の評価も行う。第14週を除く全ての来院時に、PK(トラフ血漿中濃度)用の血液を採取する。ランダム化後の予定された各来院時に実施するTTEの結果は、治験責任医師及び試験施設担当者に対して盲検化しておくべきである。施設にてLVEF≦30%が測定された場合は例外が発生し得、治験責任医師に通知され、試験薬は恒久的に中止される。
ランダム化後、参加者は第4週に、臨床的忍容性及び安全性の初期評価のために1回目の診察を受ける。この来院時に、PK試料収集及び盲検的TTEを実施する。万一第4週からの結果がPK/PD基準(700ng/mL<トラフPK<1000ng/mL)を超える場合は、第6週にIXRSを介して用量を2.5mgに減らす。
続いて、第6週及び第12週に参加者を再評価のために診察する。トラフPK、ならびにバルサルバによるLVEF及びLVOT勾配のTTE尺度を含めた盲検的評価を実施して、IXRSを介し用量調整を誘導する。第8週及び第14週に、第6週及び第12週の評価結果に基づいて用量を調整する(用量増量、用量減量、用量変更なし)。
さらなる安全性のため、第8週の血液試料を採取してトラフ血漿PKを定量する。PKが700を超え1000ng/mL未満である場合、2週間後に予定外の来院を設定して用量を低減する。PK血漿中濃度≧1000ng/mLの場合はいかなる時でも、試験薬を一時的に中止する。
第14週の後は、さらなる用量設定の予定はない。第18、22、及び26週の盲検的評価により、試験薬の用量低減または一時的な中止が通知され得る。マバカムテン用量が減らされるときは常に、参加者は、さらなる安全性の懸念または不耐性が生じない限り、低減された用量をEOT(第30週)まで継続する。
第30週/EOTに、参加者は運動後TTE(第26週から第30週の間)及びCPET(第30週)を完了する。第30週より前に恒久的に投与を中止した任意の参加者については、可能な限り早い時期に、CPET及び運動後TTEを含めた早期中止(ET)来院を行うべきである。また、ET参加者は、第30週を含めた残りの全ての試験来院及び評価を完了することも奨励される。
投与後追跡調査期間(第30週/EOTから第38週/試験終了[EOS]):二重盲検投与期間の終了(第30週)後、参加者は第34週に電話連絡を受け、第38週にEOS来院として再来院する。EOS来院時に、ベースラインの安静時評価を繰り返す。この投与後追跡調査期間は、第22週の後に試験薬の投与を受けている参加者のみに適用される。
選択基準
各参加者が本試験に組み入れられるためには、以下の基準を満たさなければならない。
1.試験手順を理解及び遵守し、試験に伴うリスクを理解し、最初の試験特有の手順の前に、連邦、現地、及び施設のガイドラインに従って書面による同意書を提供することができる
2.スクリーニング時に18歳以上である
3.スクリーニング時に体重が45kgを超えている
4.的確なTTEを可能にするための十分な超音波骨窓を有する
5.現在のアメリカ心臓病学会基金/アメリカ心臓協会及びヨーロッパ心臓病学会のガイドラインに整合するoHCMと診断されている、すなわち、下記の療法の基準(心エコー中核検査機関により立証される基準)を満たす:
a.他の心疾患(例えば、高血圧、大動脈狭窄症)または全身疾患が存在しない非拡張性の心室と、15mm以上(または13mm以上で明確なHCMの家族歴を有する)の最大LV壁とを伴うか、未解明のLV肥大を有する、及び
b.安静時、バルサルバ手技後、または運動後の心エコーによる評価で、スクリーニング中に50mmHg以上のLVOT最大勾配を有する(心エコー中核検査機関の解釈により確認される)
6.心エコー中核検査機関のスクリーニングTTE読取りにより、55%以上のLVEFが立証されている
7.スクリーニング時にNYHA分類II度またはIII度の症状を有する
8.スクリーニング時に90%以上の安静時酸素飽和度が立証されている
9.立位でのCPETを実施可能であり、かつガス交換比(RER)が中央の読取り(central reading)で1.0以上である;RERが0.91から1.0の間である場合、被験者において最大運動が達成されたと中央CPET検査機関が判定した場合に限り、参加者を登録してもよい(サブピークパフォーマンスについて許容される根拠は、[1]収縮期血圧(SBP)の減少、または[2]CPET Laboratory Manualに記載されている重度のアンギナのみである)
10.女性の参加者は、妊娠中または授乳中であってはならず、また、性的に活動的である場合は、スクリーニング来院から治験薬(IMP)の最終用量後3ヵ月まで、以下の許容される避妊法のうちの1つを使用しなければならない。マバカムテンはホルモン避妊薬の有効性を低減する可能性が考えられるため、ホルモン避妊薬は、この試験においては有効性の高い避妊法とみなされない。
・二重バリア法(例えば、精管切除術、または男性がコンドームを使用し、女性がペッサリーまたは子宮頸部キャップを使用)
・バリア(例えば、男性のコンドーム使用)に加えて女性は非ホルモン性の子宮内避妊器具(IUD)または子宮内避妊システム(IUS)を使用
・女性が不妊手術を受けて6ヵ月経っているか、または閉経から2年経っている。永久不妊法としては、子宮摘出術、両側卵巣摘除術、両側卵管摘除術、及び/またはスクリーニングから6ヵ月以上前の両側卵管閉塞術の立証が挙げられる。女性が閉経後とみなされるのは、全ての外因性のホルモン治療を中止してから少なくとも2年以上無月経であり、かつ卵胞刺激ホルモンレベル(FSH)が閉経後範囲内にある場合である
11.性的パートナーを有する男性の参加者は、精液中のマバカムテンがパートナーに移行することを防ぐため、試験期間中及びIMPの最終用量後3ヵ月間、コンドームを使用することに同意しなければならない
除外基準
以下の基準のいずれかを満たす参加者は、試験から除外される。
1.過去にマバカムテンを用いた臨床試験に参加した
2.マバカムテン製剤の構成成分のいずれかに対する過感受性
3.スクリーニング前の30日以内、またはそれぞれの消失半減期の少なくとも5倍以内(いずれか長い方)に、任意の治験薬の投与を受ける臨床試験に参加した(または現在治験デバイスを使用している)
4.oHCMに類似する心肥大を引き起こす既知の浸潤性または蓄積性の障害(例えば、ファブリー病、アミロイドーシス、またはLV肥大を伴うヌーナン症候群)
5.立位での運動負荷試験を妨げる任意の医学的状態を有する
6.スクリーニング前の6ヵ月以内に、運動による失神または持続性心室頻拍性不整脈の既往を有する
7.(任意時における)蘇生された突然の心停止の既往、またはスクリーニング前の6ヵ月以内に生命を脅かす心室性不整脈に対し適切な植込み型除細動器(ICD)が放電したという既知の既往を有する
8.発作的な間欠性心房細動を有し、スクリーニング時の参加者のECGに対する治験責任医師の評価に基づいて心房細動が存在する
9.持続的または永続的な心房細動を有し、スクリーニング前に4週間以上抗凝固剤を服用していない、及び/またはスクリーニングから6ヵ月以内に適切に心拍数コントロールされていない(注:持続的または永続的な心房細動を有する患者で、抗凝固剤処置が行われ適切に心拍数コントロールされている者は認められる)
10.ジソピラミドまたはラノラジンによる(スクリーニング前の14日以内の)現行治療または試験中の計画された治療
11.β遮断薬とベラパミルとの組合せまたはβ遮断薬とジルチアゼムとの組合せによる(スクリーニング前の14日以内の)現行治療または試験中の計画された治療
12.β遮断薬、ベラパミル、またはジルチアゼムを服用中の個体において、スクリーニング前の14日未満にこれらの薬剤における任意の用量調整があった、または試験中にこれらの薬剤を用いた治療レジメンの変更が予想される
13.スクリーニング時のTTEにおいて、バルサルバ手技を伴うLVOT勾配(バルサルバ勾配)が30mmHg未満である
14.スクリーニング前の6ヵ月以内に侵襲的な中隔縮小(外科的筋切除術または経皮的ASA)による治療に成功している、または試験中にこれらの治療のいずれかを受けることを計画している(注:スクリーニングの6ヵ月より前に筋切除術または経皮的ASAを実施し成功していない個体は、LVOT勾配基準についての試験適格性基準が満たされている場合は、登録してもよい)
15.スクリーニング前の6ヵ月以内にICDを留置した、または試験中にICD留置を計画している
16.フリデリシア補正によるQT間隔(QTcF)>480ms、または参加者の安全性にリスクをもたらすと治験責任医師がみなす他の任意のECG異常(例えば、II型第2度房室ブロック)を有する
17.立証された閉塞性冠状動脈疾患(1つ以上の心外膜冠状動脈の70%を超える狭窄)または心筋梗塞の既往を有する
18.スクリーニング時に、既知の中等度または重度(治験責任医師の判断による)の大動脈弁狭窄を有する
19.任意の急性または重篤な併存状態(例えば、重大な感染症または血液学的、腎臓、代謝、胃腸管系、もしくは内分泌の機能障害)を有し、当該状態が、治験責任医師の判断において、試験参加の早期終了に至る可能性が考えられるか、または試験における有効性及び安全性評価の測定もしくは解釈を妨げる可能性が考えられる
20.運動能力または全身の動脈血酸素飽和度を制限する肺疾患を有する
21.スクリーニングから10年以内の臨床的に問題となる悪性疾患の既往:
・参加者は、非転移性の皮膚扁平上皮癌もしくは基底細胞癌治療に成功した、または子宮頸部上皮内癌が適切に治療された参加者は、試験に含めることができる
・スクリーニング前の10年超の間がんが認められない他の悪性腫瘍を有する参加者は、試験に含めることができる
22.スクリーニング時に、中央検査機関による評価において安全性臨床検査パラメーター(化学、血液学、凝固、及び尿検査)が(中央検査機関の基準範囲に基づいて)正常範囲外である;ただし、以下の基準を全て満たす場合は、安全性臨床検査パラメーターが正常範囲外の参加者も試験に含めることができる:
・治験責任医師により、正常範囲外の安全性臨床検査パラメーターが臨床的に問題とならないとみなされる
・アラニンアミノトランスフェラーゼまたはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの結果がある場合、その値は、検査機関の基準範囲の上限の3倍未満でなければならない
・体格で調整した推算糸球体濾過量が30mL/分/1.73m2以上である
23.スクリーニング時に、ヒト免疫不全ウイルス、C型肝炎ウイルス、またはB型肝炎ウイルスにおいて血清学的検査陽性である
24.治験責任医師の意見において、参加者の安全性にリスクをもたらす、または試験の評価、手順、もしくは完了を妨げると考えられる、その他の任意の臨床的に問題となる障害、状態、または疾患の既往またはエビデンスを有する
25.CYP 2C19阻害薬(例えば、オメプラゾール)、強力なCYP 3A4阻害薬、またはセントジョーンズワートなどの禁止されている薬剤を現在服用している、またはスクリーニング前の14日以内に服用した
26.ドキソルビシンまたは類似薬などの心毒性薬剤による前治療
27.臨床施設への必要な来院回数を含めた試験要件に従うことができない
28.臨床試験施設で試験に直接関わる担当者、任意の試験ベンダー、または治験依頼者の1親等である
マバカムテン及びマッチングプラセボ、投与、及び日程
マバカムテンカプセル及びマッチングプラセボの外観は同じである。試験薬の体裁はサイズ2の青色不透明カプセルであり、本体に黄色の帯、キャップに黒色の帯が印刷されている。各カプセルは、白色からオフホワイト色の粉末を含有する。実薬カプセルは4つの強度:2.5mg、5mg、10mg、及び15mgで供給される。
マバカムテン実薬及びプラセボのカプセルは、現行の適正製造規範(cGMP)の規定に従って製造されたものである。これらのカプセルは、インダクションシール及びチャイルドレジスタンスキャップを伴う高密度ポリエチレン瓶で、瓶当たり30錠にて供給する。全ての試験薬は、適用可能な現地の規制ガイドラインに従ってラベリングする。
マバカムテン実薬及びプラセボのカプセルは、MyoKardiaが供給するパッケージ内で2℃−25℃(36°F−77°F)にて保管しなければならない。治験実施医療機関の試験薬は、権限を有する試験担当者にアクセスが限定された安全な区域内で保管する。
試験薬は、適切にラベリングされた30錠入りの高密度ポリエチレン瓶で参加者に供給する。参加者は、治験責任医師の指示通りに試験薬を服用する。参加者は、試験薬カプセル及び瓶を涼しく乾燥した場所で保管するように指示を受ける。試験薬は、およそ8オンス(小さじ48杯または約235mL)の水と共に服用するべきである。
用量調整
用量設定期間(第1日から第14週)
二重盲検投与期間には、各参加者のPK/PD応答パラメーターに基づいた安全かつ有効な投薬を達成するように設計された第8週及び第14週における2段階の用量設定スキームが含まれる(図25及び表11)。
この試験では、試験薬の開始用量を1日1回マバカムテン5mgまたはマッチングプラセボとし、各参加者には、第4週にPK/PD基準が満たされない限り、第1日から第8週までこの用量の試験薬を投与し、PK/PD基準が満たされる場合は第6週に用量を低減する(表11)。
参加者は、第8週及び第14週に、それぞれ第6週及び第12週のPK/PD評価からの結果に基づいて用量調整(用量増量、用量減量、または用量変更なし)を受ける(表11)。なお、表11はIXRSプログラミング向けに提供されていることに注意されたい。試験施設及び治験責任医師が積極的に用量を調整することはない。全ての用量調整はIXRSを介し二重盲検方式で生じ、全参加者は、マバカムテンを投与されていてもマッチングプラセボを投与されていても、盲検的用量調整に至る可能性のある評価を受ける。ただし、プラセボ投与中の参加者は、一時的中止または恒久的投与中止にならない限り、(盲検的様式で)プラセボのままとなる。
さらなる安全性のため、第8週の血液試料を採取してトラフ血漿PKを定量する。PKが700を超え1000ng/mL未満である場合、2週間後に予定外の来院を設定して用量を低減する(表11を参照)。用量低減はIXRSを介して生じる。潜在的なバイアスを回避するため、IXRSはプラセボ群からランダムに参加者を選択して予定外の追跡調査来院をさせる。
試験中の任意時にマバカムテン用量が減らされる場合、参加者は、さらなる用量低減または用量中止を要する安全性の懸念または不耐性が発生しない限り、EOT(第30週)まで低減された用量を継続する。
過去のマバカムテン臨床試験により情報提供されたPKモデリングに基づき、また登録された患者の人口統計学的特徴に応じて、以下の用量において以下のパーセンテージの参加者がターゲット定常状態濃度に達することが推定される:2.5mg(1%未満)、5mg(5−20%)、10mg(40−50%)、及び15mg(30−55%)。
減量設定のためのPK/PD基準が満たされる場合、以下のように用量低減を実行する:
表11:盲検的用量調整の日程(第1日−第14週)
減量設定のためのPK/PD基準(LVEF≧50%が要件)
LVEF及びトラフPKは、評価に基づいて中核検査機関から直接IXRSに伝達されるため、治験責任医師、試験施設担当者、及び治験依頼者に対し盲検化される。
用量低減は、PK基準が満たされる場合に適用される。
第8週の用量低減についての評価は血漿PK値のみに基づく。第8週にはTTEが実施されないため、LVEFの結果は得られない。

第6週及び第12週:減量設定のためのPK/PD基準が満たされない場合、考えられる用量増量設定は以下のように進められ得る:
用量設定(LVEF≧50%が要件)
設定調整も、中核検査機関により報告される最大バルサルバ勾配の尺度を含めて第6週及び第12週に基づいて直接IXRSに伝達されるため、盲検化は維持される。LVEF<50%の場合、一時的中止セクションを参照。
投薬期間(第14週−第30週)
第14週における2回目の用量設定の後は、さらなる増量設定はない。用量は、安全性または早期中止における他の理由がない限り、変更なしで保たれるように意図される。第14週の後、参加者は、予定された4週間の間隔(第18、22、26、及び30週[±7日])でモニタリングのために臨床施設に再来院する。各来院時にAE、併用薬剤、及び症状を評価し、また、継続中の安全性モニタリングのためにECG、血漿PK、及びTTEを実施する。各来院時のカプセル数により、試験薬の服薬遵守もモニターする。PK/PD基準が満たされる場合、表12に示すように用量を低減するために2週間後の予定外の来院が必要となる。

LVEF及びトラフPKは、評価に基づいて中核検査機関から直接IXRSに伝達されるため、治験責任医師、試験施設担当者、及び治験依頼者に対し盲検化される。LVEF<50%の場合、一時的中止セクションを参照。
用量低減は、PK基準が満たされる場合に適用される。
一時的中止に至る盲検的用量調整
上述の(用量中止が先行しない)盲検的用量調整に加えて、投与期間中の任意時(T)に、過大な薬理学的効果(収縮機能障害)、予想よりも高い血漿中濃度、または下記のような過剰なQTcF延長が認められる場合は、投薬を一時的に中止することができる。
参加者が、安静時LVEF<50%、血漿中薬物濃度≧1000ng/mL、またはQTcF≧500msec(それぞれ心エコー中央検査機関、PK解析検査機関、またはECG中核検査機関による定量)を有する場合、一時的中止のための基準を満たしていることが治験責任医師及び治験依頼者に伝達される。この情報を受けたら、試験施設/治験責任医師は参加者に電話連絡し、試験薬を中止し2−4週間(T+2−4週間)以内に現地での受診のために再来院するように指示する。これは、予定された来院に対応する場合も予定外の来院に対応する場合も考えられる。なお、潜在的なバイアスを回避するため、安全性シグナルが理由で予定外に追跡調査で来院する各参加者について、IXRSは、プラセボ群からも予定外に追跡調査で来院する参加者をランダム選択することに注意されたい。
追跡調査来院(T+2−4週間)時にはECG、血漿PK、及びTTEを繰り返し、2週間後(T+4−6週間)にもう一度予定外の来院を計画する。LVEF≧50%かつ血漿中薬物濃度<1000ng/mLかつQTcF<500msecの場合、試験の残り期間は以下のように試験薬をより低い用量で(T+6週間に)再開する(以前の用量→再開用量)。
・プラセボ→プラセボ
・2.5mg→プラセボ
・5mg→2.5mg
・10mg→5mg
・15mg→10mg
追跡調査来院時にLVEF、血漿中薬物濃度、及び/またはQTcFが範囲外のままである場合、試験薬は恒久的にプラセボに切り替える。
試験評価
参加者が半横臥位または仰臥位になることを要する評価については、あらゆる時点で参加者を同じ姿勢にして評価を行うべきである。同じ時点で複数の評価を行うときは、好ましい評価順序はECG、バイタルサイン、PK、そしてTTEとし、全て試験薬の投薬前に行う。必要な評価を限りなく同時に実施することを容易にするために、特定の時点では評価の順序がわずかに変動する場合がある(例えば、第1日及び第30週/EOTにおける用量後1時間のさらなるPK試料採取)。治験責任医師の意見において必要な場合は、予定外または追加の安全性評価を実施することがある。可能な限りは常に、メディカルモニターとの協議が奨励される。
心エコー及び心肺運動負荷試験
全ての心エコーデータは中央イメージング検査機関に送られ、CPETデータは中央検査機関に送られ、複数回の来院からの事前指定された心エコー結果及びスクリーニング来院からのCPET結果は、適格性の確認及び盲検維持のため、IXRSのみに送信される。
安静時経胸壁心エコー
安静時TTEは、現地来院中の投薬前に評価する。安静時における瞬時最大LVOT勾配及び誘発時最大LVOT勾配(バルサルバ手技)を評価する。治験責任医師は、スクリーニング中に、参加者が適切にバルサルバ手技を実施できることを確認するべきである。LVOT勾配を評価するためのドップラーシグナルを取得する際には、最良のウインドウ及び角度を選択し、僧帽弁逆流(MR)ジェットが存在する場合はそれによる混入を回避するように注意を払うべきである。左室駆出率(2次元LVEF)及び左室内径短縮率も様々な他の心エコー尺度と共に解析する(Study Reference Manualを参照)。ランダム化後の予定された各来院時に実施する全てのTTEの結果は、治験責任医師と、盲検化されていない超音波検査技師を除く現地の試験チームとに対して盲検化しておくべきである。スクリーニング時及びEOT時には、運動後負荷心エコー及び/またはCPETの前に安静時TTEを実施するべきである。
運動後負荷心エコー
参加者は、スクリーニング時及び第26週から第30週の間の試験薬の投薬前に、標準的な症候限界性運動負荷試験(運動後負荷心エコー)を受ける。この試験は、CPETと異なる日に実施してもよい。ただし、同じ日に両方の手順を実施する場合は、参加者は両方の手順に対し1回のみ運動しなければならず、参加者は最初にCPETを受け、次いで運動後負荷心エコーを受ける。瞬時最大LVOT勾配は、運動直後にTTEにより評価する。LVOT勾配を評価するためのドップラーシグナルを取得する際には、最良のウインドウ及び角度を選択し、MRジェットが存在する場合はそれによる混入を回避するように注意を払うべきである。標準的な心筋症療法(例えば、β遮断薬またはカルシウムチャネル遮断薬)を受けている参加者は、ベースライン時及びEOT負荷心エコー時に、可能な限りは常に同じ用量とするべきであり、この薬剤は運動負荷試験の前に投与するべきである。
心肺運動負荷試験
CPETは、標準化されたトレッドミルまたは自転車エルゴメーターを用いて、スクリーニング時及び第30週時の試験薬の投薬前に行う。所与の参加者に対し行う全てのCPETには、同じモダリティー(トレッドミルまたは立位自転車)を使用しなければならない。CPETにおいて仰臥位試験(すなわち、臥位自転車の使用)は不可とする。4時間の絶食(水は可)後、症候限界性運動負荷試験を実施する。参加者には、自らの予想される最大運動心拍数(HR)及び労作レベルを達成するように最大限に実施することを奨励する。安静時及び最大運動時に、以下を含むがこれに限定されない心血管及び複数の他のパフォーマンスパラメーターが評価される:酸素消費量(VO)、年齢予測VOパーセント、二酸化炭素産生量(VCO)、呼気換気量(VE)、VE/VO比、換気効率(VE/VCOスロープ)、RER、循環力(最大VO/最大SBP)、達成された代謝当量(METS)、最大運動時のOパルス、及び呼気終末CO。標準的な心筋症療法(例えば、β遮断薬またはカルシウムチャネル遮断薬)を受けている参加者は、スクリーニング時及びEOT CPET時に、可能な限りは常に同じ用量とするべきであり、この薬剤は運動負荷試験の前に投与するべきである。
ニューヨーク心臓協会分類
心不全のNYHA機能分類は、参加者の症状に基づいて参加者を4つのカテゴリーのうちの1つに割り当てる。心不全分類は、試験来院時に毎回治験責任医師が評価し、臨床データベースで示されるように記録する。
心不全のニューヨーク心臓協会機能分類
分類 患者の症状
I度:身体活動に制限なし。日常の身体活動では過度の疲労、動悸、呼吸困難(息切れ)が起きない。
II度:身体活動に軽度の制限あり。安静時は症状なし。日常の身体活動で疲労、動悸、呼吸困難(息切れ)が起きる。
III度:身体活動に著明な制限あり。安静時は症状なし。日常の活動より軽度の活動で疲労、動悸、または呼吸困難が起きる。
IV度:いかなる身体活動を行うにも症状が伴う。安静時に心不全の症状。いかなる身体活動を試みても症状が憎悪する。
出典:http://www.heart.org/HEARTORG/Conditions/HeartFailure/AboutHeartFailure/Classes−of−Heart−Failure_UCM_306328_Article.jsp#.VrtuzPkrKUl
肥大型心筋症症状に関する質問票
HCM症状に関する質問票(HCMSQ)は、HCMの中核症状(倦怠/疲労、心臓動悸、胸痛、めまい、及び息切れ)を評価する自己記入式の11項目の質問票である。参加者は1日1回夕方、HCMSQに記入する。HCMSQは、ハンドヘルド電子デバイス上で記入する。電子デバイスを使用するためのトレーニングは、スクリーニング来院時に参加者に対し行う。スクリーニング期間中、参加者は最低で7日連続してHCMSQに記入する。第1日から第6週までは、参加者は毎日HCMSQに記入する。残りの治療期間(第30週/EOTまで)については、参加者は4週間ごとに7日連続してHCMSQに記入し、第38週/EOSにも7日連続してHCMSQに記入する。電子デバイスのリマインダーアラーム及び施設スタッフからの診療リマインダーを使用して、日程通りのHCMSQ記入を確実にする。
探索的評価
重症度についての患者の全般的印象及び変化についての患者の全般的印象
重症度についての患者の全般的印象(PGIS)は、過去1週間における全体的な症状の重症度を5ポイントのカテゴリー評価スケール(なし、軽度、中等度、重度、非常に重度)で評価するように参加者に求める単一項目の質問票である。変化についての患者の全般的印象(PGIC)は、経時的な症状の重症度の全体的変化を7ポイントのカテゴリー評価スケール(非常に改善から非常に悪化まで)で評価するように参加者に求める単一項目の質問票である。来院時に記入するPGIC及びその他のPRO評価は、可能な場合は、他の任意の試験手順を行う前、及び治験実施医療機関のスタッフと試験または試験投与についての任意の意味のある議論を行う前に、記入するべきである。
仕事の生産性及び活動障害に関する質問票
仕事の生産性及び活動障害(WPAI−SHP)に関する質問票は、作業及び通常活動を行う能力の患者報告定量的評価として作成された。具体的には、WPAI−SHPは、特定の健康問題(この場合はHCM)が長期欠勤、プレゼンティーズム、及び日々の活動障害に及ぼす影響について尋ねる。来院時に記入するWPAI−SHP及びその他のPRO評価は、可能な場合は、他の任意の試験手順を行う前、及び治験実施医療機関のスタッフと試験または試験投与についての任意の意味のある議論を行う前に、記入するべきである。
EuroQol 5次元質問票(5水準)
EuroQol 5次元5水準質問票(EQ−5D−5L)は、健康状態及び健康に関連する生活の質を測定する包括的なPRO手段である。EQ−5D−5Lには2つの構成要素:(1)「最近の(today)」移動、セルフケア、普段の活動、痛み/不快、及び不安/抑うつを扱う5項目に由来する健康効用指数スコア(health utility index score)と、(2)0から100を範囲とする単一の視覚的アナログスケール(VAS)に由来する現在(「ちょうど今」)の全身健康状態スコアとがある。EQ−5D−5L健康効用指数スコアに寄与する項目は、それぞれ同じ5ポイントの応答スケール(1=問題はない、2=少し問題がある、3=中程度の問題がある、4=かなり問題がある、5=非常に問題がある)を有する。VASは、両端が「考えられる最良の健康状態」及び「考えられる最悪の健康状態」で据えられている。EQ−5D−5Lは、適用範囲決定に関する多くの医療技術評価団体による受諾に不可欠である。来院時に記入するEQ−5D−5L及びその他のPRO評価は、可能な場合は、他の任意の試験手順を行う前、及び治験実施医療機関のスタッフと試験または試験投与についての任意の意味のある議論を行う前に、記入するべきである。
カンザスシティ心筋症質問票(23項目版)
カンザスシティ心筋症質問票(23項目版)(KCCQ−23)は、患者の心血管疾患またはその治療が、6つの異なる領域:症状/徴候、身体的制約、生活の質、社会的制約、自己効力感、及び症状安定性に及ぼす影響を、2週間の想起を用いて測定する患者報告質問票である。個人的領域に加えて、2つのサマリースコア:全体サマリースコア(症状、身体的制約、及び生活の質の合計スコアを含む)ならびに臨床サマリースコア(症状及び身体的制約のスケールの合計)をKCCQ−23から計算することができる。スコア範囲は0−100であり、スコアが高いほど良好な健康な状態を反映する。可能な場合は、他の任意の試験手順を行う前、及び治験実施医療機関のスタッフと試験または試験投与についての任意の意味のある議論を行う前。
手首装着型加速度計
参加者は、活動のデータを収集するために、試験中の2つの時点で、手首に装着する加速度計(GT9X ActiGraph Link)を支給される。このデバイスは、最大11日間活動データを格納するのに十分なバッテリー寿命を有する。データ収集期間の後、加速度計はデータアップロード及び解析のために返却される。解析は、日々の歩数を説明する。これらのデータは、試験薬による投与の前及び最中に実施される身体活動の量及びタイプを探索するのに使用される。加速度計は、スクリーニング時(第1日の11日以上前)及び第26週に支給される。
薬物動態、薬理遺伝学、及びバイオマーカーの評価
薬物動態評価
第1日以後の全ての現地来院時には、投薬の前に、マバカムテン血漿中濃度評価用に血液試料を収集する。さらに第30週(最終用量)には、PKモデリング用に、PK血液試料も投薬後1−2時間以内に収集する。治験責任医師及び/または治験依頼者の意見において適切な場合は、予定外または追加のPK試料を収集することがある。
第1日から第30週までの全ての来院時には、PK試料の収集を容易にするために試験施設で試験薬を投与する。投薬の日時が記録される。全てのトラフPK試料は中核検査機関に処理のために送られ、結果はIXRSに送信される。
遺伝子型/薬理遺伝学/バイオマーカー評価
HCM遺伝子型判定
同意書を提供した参加者に対し、HCM遺伝子型の評価及び追加で行われ得るDNAシークエンシングのために、第1日の投薬前に血液を採取する。過去の遺伝子型試験でHCM関連の遺伝子変異が陽性だった参加者が結果の提供に同意する場合、さらなる遺伝子型評価は実施しない。
薬理遺伝学評価
CYP 2C19遺伝子型判定用に、血液をスクリーニング時に採取する。この薬理遺伝学試料からの残留物は、さらに、DNAシークエンシングまたはその他の遺伝子試験を通じて、臨床的に意味のある評価項目を用いた今後の試験で定量される有効性、安全性関連、PD、またはPKパラメーターの遺伝子バイオマーカーに対し今後行われ得る解析のためにも保管される。スクリーニング不合格者からの試料は廃棄しなければならない。
探索的バイオマーカー評価
血液試料を第1日及び第30週に収集し、関連する探索的疾患マーカー(以下に限定されないが、疾患活動性、代謝経路、有効性尺度、または安全性尺度に関連するプロテオミクス解析を含む)用に保管する。
NT−proBNP
NT−proBNP濃度用に、スクリーニング後の全ての現地来院時に血液試料を収集する。全てのNT−proBNP用採血は、安静時かつ任意の運動を行う前に採取しなければならない。NT−proBNPの血清中濃度は、定期的なIDMCミーティングで定められたデータパッケージに含める。治験責任医師(例えば、心不全の医学的管理の担当)及び/または治験依頼者の意見において適切な場合は、予定外または追加の血液試料を収集することがある。可能な限りは常に、メディカルモニターとの協議が奨励される。
安全性評価
試験全体にわたり安全性が評価される。安全性評価としては、既往、身体検査、ECG、バイタルサイン、観察されたAEまたは参加者の報告によるAE、妊娠検査、及び安全性臨床検査結果が挙げられる。治験責任医師により臨床的に重要と判断された任意の異常な知見は、AEとして記録する。
以下の安全性評価項目がCEACにより判定される:死亡、卒中、急性心筋梗塞、全入院(CV及び非CV)、心不全(HF)事象(HF入院及び緊急の救急室(ER)/外来(OP)のHF受診を含む)、心房細動/粗動(スクリーニングからの新規)、ICD療法、蘇生された心停止、心室性頻拍性不整脈(心室頻拍(VT)及び心室細動(VF);さらにCEAC審査中に同定された任意のトルサードドポアントを含む)。
病歴
スクリーニング来院時に完全な病歴が記録され、病歴としては以下に対する評価(過去または現在)が挙げられる:全身、頭頸部、眼、耳、鼻、咽喉、胸部/呼吸器、心臓/心血管、胃腸管/肝臓、婦人科/泌尿生殖器、筋骨格/四肢、皮膚、神経/精神、内分泌/代謝、血液学/リンパ系、アレルギー/薬物感受性、過去の手術、薬物乱用、またはその他の任意の疾患もしくは傷害、さらに臨床試験への参加(試験薬及び/またはデバイスあるいはその他の療法)。
身体検査
選択された来院時に、神経学的検査(粗大運動及び深部腱反射)、身長(スクリーニング時のみ)及び体重、ならびに以下の評価:全身の外観、皮膚、頭頸部、口腔、リンパ節、甲状腺、腹部、筋骨格、心血管、及び呼吸器系を含めた完全な身体検査を行う。他の全ての来診時には簡易的な心肺身体検査を実施し、間隔の履歴の指示に従って他のシステムを評価する。
スクリーニング時に身長(cm)及び体重(kg)を測定し、体型指数(kg/m2)を計算する。参加者は、靴を脱ぎ、臨床施設が指定する服を着用する必要がある。
体重は、スクリーニング時及び第30週時に施設内で記録する。
12誘導ECG
12誘導ECG評価は、スクリーニング時、ならびに第8及び14週の来院を除く全ての現地試験来院時に、10分安静にさせた後に実施する。全てのECGデータは中央心臓検査機関に送られ、かつIXRSに送信される。
第1日には、ECGは用量の前の2時間以内に実施する。その他の全ての来院時には、ECGは投薬の前に測定する。
治験責任医師は、他の任意の安全性の理由により必要と考える場合には、12誘導ECG安全性評価を実施することができる。この評価は、予定外の評価として記録するべきである。
心モニタリング皮膚パッチ
試験中の2つの時点で、参加者は、最大14日間の連続的なHR及び調律のデータを収集するための小型デバイスを装着する。自給式デバイスは、医療用接着剤を用いて皮膚に取り付けられ、表面電極と、連続的なECG波形をキャプチャーするための内部電子装置と、身体活動をキャプチャーするための加速度計と、複数の日にわたるデータを格納するのに十分な固体メモリーと、デバイスに電力供給するためのバッテリーとを収容する。ある期間のデータ収集後、デバイスは中核検査機関に移送され、デバイスに格納された連続的なECG波形及び活動記録が解析用にアップロードされる。解析により、デバイスが適切に適用され機能していた期間におけるHR、心調律、及び身体活動についての完全な開示能力がもたらされる。このデバイスは、試験薬による投与の前及び最中のHR及び心調律のパターンを探索するのに使用される。
バイタルサイン
第8及び14週の来院時を除く各現地試験来院時に、バイタルサインを評価する。スクリーニング時、ET時、第30週/EOT時、及び第38週時に、体温、HR、呼吸数、及び血圧(BP)を含めた完全なバイタルサインを取得する。その他の全ての来院時には、HR及びBPのみが必要となる。
バイタルサインは参加者を同じ姿勢にして取得し、BPは、自動記録器を介して少なくとも5分間安静にさせた後に測定する。
バイタルサインは、全ての来院時の投薬前に測定する。アラート値はフラグを付ける。さらなる詳細についてはStudy Laboratory Manualを参照されたい。
その他の安全性評価
スクリーニング時に、妊娠可能な全ての女性に対し血清妊娠検査を実施する。さらに、施設内または自宅での尿妊娠検査も、試験全体にわたり4−6週間ごとに行う。いずれかの尿検査が陽性である場合、確認的な血清検査を実施する。
心臓磁気共鳴画像サブスタディ
認定された参加施設については、参加者はCMRサブスタディに参加する選択肢を有する。およそ80名の参加者を登録する(投与群当たり約40名)。参加者は、第1日及び第30週にCMRを受ける。さらなる詳細についてはCMR Substudy Reference Manualを参照されたい。
本試験中の参加者の制限事項
以下の制限事項は、試験期間中の指定されたときに適用される。参加者がこれらの制限事項に従わない場合、または任意の臨床検査(例えば、薬物、アルコール、妊娠)で陽性となった場合には、試験からの除外または中止の対象となることがある。
・初回用量の72時間前から最終追跡調査来院まで、参加者は、プロトコルが指定する運動試験中を除き、不慣れな激しい運動に従事するべきではない。
・スクリーニング時から最終試験来院から3ヵ月後まで、参加者は献血または血漿献血を控える必要がある。
・第1日から最終追跡調査来院まで、参加者は、グレープフルーツまたはグレープフルーツジュース、セビリアオレンジ、及びキニーネ(例えば、トニックウォーター)を控えるよう求められる。
実施例8.化合物1の変弛緩特性
化合物1は、ミオシンのアクチンから離れた状態を安定化し、それにより、収縮に関与可能なミオシン頭部の数を低減する。この低減は収縮機能の直接的な低減を引き起こし、拡張期の間に解離が必要な頭部が少なくなることにより、拡張期コンプライアンスを改善することができる。化合物1及び関連化合物によるこの追加的な働きは、医師が、より少ない陰性変力コストに対しより大きな変弛緩の利益をもたらすために、異なる薬剤及びこれらの薬剤の用量の選択を通じて、収縮及び拡張の効果を最適化する薬剤を独立的に選択し得ることを示すものである。これらの効果を最適化できることにより、化合物1及び関連化合物を使用して、収縮機能の摂動が最小限となる拡張機能障害の疾患(RCMを含む)を治療することが可能になる。
前臨床的には、化合物1は、他の陰性変力物質とは異なるプロファイルにより収縮性を低減する。急性的または慢性的な化合物1の投与により、全身動脈圧及びLV拡張終期圧を保持しながら心筋収縮性が減少しLV拡張終期寸法が増加しており、これは伸展性の改善を示唆するものであった。他の陰性変力物質の急性効果とは対照的に、化合物1は、前負荷(EDV)の著明な増加にもかかわらず、拡張終期圧及び推定(線形)拡張終期スティフネスを保持しており、これは圧容積関係の有益な下方/右方シフトと整合する。
閉塞性HCMにおけるPIONEER試験から新たに得たデータ(表13:コホートA;表14:コホートB)からはさらに、化合物1が拡張機能障害の文脈において左室のコンプライアンスを改善していることが示唆され、これは(E/e’による評価で)LV充満圧の低下を伴ったLVEDVの増加により明らかである。

化合物1(15mg/日)は、oHCM患者のLVOT勾配を消失させ、安静時LV収縮機能を減少させる。これは、LV充満圧の改善(E/e’の低減)と、拡張期壁負荷の改善(NT−proBNPの低減)と、LV拡張機能の改善に整合しないLVEDVの増加を伴う拡張期最大僧帽弁輪運動速度の増加とを伴う。LV後負荷の減少が僧帽弁輪運動速度に及ぼす影響は除外できない。
予備的には、化合物1(2mg/日、4週間)は、これまでに解析した患者においてLVOT安静時及び運動時の勾配に対する一貫した効果を有する。この投薬レベルでは、安静時及び運動直後のLV収縮機能は、化合物1による影響を受けない。ただし、後負荷の変化の不在下における有益な効果が、LV充満圧(↓E/e’及びNT−proBNP)ならびに拡張期最大僧帽弁輪運動速度(e’)において観察される。これは、拡張機能に対する有益な効果と整合する。
陽性の変弛緩剤(lusitropic agent)の最も重要な適応症としては、以下のものが考えられる(複雑さに基づいた昇順):
・症候性の非閉塞性HCM
・遺伝性拘束型非浸潤性拘束型心筋症(例えば、トロポニンI、T;デスミン関連)
・症候性の活動性弛緩障害(HFpEFのおよそ75%に存在)(浸潤性疾患(アミロイド)及び線維症(強皮症、放射線療法誘導性心筋症、特発性線維症)は除外)
・症候性の大動脈弁置換後(外科的または経カテーテル)
技術的成功の可能性が最も高い潜在的な適応症は、活動性弛緩障害の実証可能なエビデンスが存在する適応症である。最も同質の集団は、症候性の非閉塞性HCMの患者群であり得る。より広いHFpEF集団については、ESC 2016ガイドラインに従って適格となる患者を選択すると考えられる。当該ガイドラインは、異常な拡張機能の直接的なエビデンスを伴った正常な駆出率(≧50%)を規定しており、このようなエビデンスとしては以下のものがある:心エコー(僧帽弁E/A比>0.8;E/e’≧14;中隔e’<7cm/秒;側壁e’<10cm/秒)、または高レベルのBNP(>35pg/mL)もしくはNT−proBNP(>125pg/mL)と併用した心臓磁気共鳴(異常な最大充満速度、最大充満速度到達時間、最大拡張期ストレインレート)により測定される、異常なLV弛緩、充満、拡張期伸展性、またはスティフネス。
実施例9.化合物1血漿中濃度の定量
タンデム質量分析(MS/MS)に連結した高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、ヒト血漿中の化合物1の濃度を測定した。この方法は、これまでの全ての臨床試験における化合物1の生体解析のために使用し、全ての臨床データは血漿を用いて収集した。この方法の簡単な説明を以下に示す。
液液抽出及びHPLC/MS/MSを使用して、ヒト血漿中の化合物1の濃度を定量した。抽出物のアリコートを、三連四重極質量分析計(Sciex API5500)に連結したHPLC装置に注入した。Lux 3u Cellulose−4 HPLCカラム(150×2.0mm)(Supelco)を使用して、試料抽出物中に存在し得る妨害化合物から化合物1を分離した。内部標準は、アナライトに類似する化学的特性を有し、ただし選択的検出のための異なる質量を有することを確実にするため、化合物1の多重重水素化アナログとした。濃度を定量するため、化合物1の生成物イオンのピーク面積を内部標準の生成物イオンのピーク面積に対し測定した。

Claims (193)

  1. 肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする対象における肥大型心筋症(HCM)を治療する方法であって、治療有効量の、次式:
    を有する化合物1またはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することを含み、前記治療有効量が、1日合計薬用量約1mg−50mgである、前記方法。
  2. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約2mg−30mgである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約10mg−20mgである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約5mg−15mgである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約2mg−10mgである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約2mg−5mgである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記治療有効量が、1日の総薬用量約2mg−15mgである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記対象が、化合物1を用いた治療を開始する前に、少なくとも2週間の期間、β遮断薬療法を受けていない、請求項1−6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 化合物1が、β遮断薬療法と組み合わせて投与される、請求項1−6のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記1日合計薬用量が、8−12週間の期間の間投与される、請求項1−9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 治療有効量の化合物1の投与が、対象のニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類を改善するか、安定化するか、または前記分類の悪化を遅延する、請求項1−10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 治療有効量の化合物1の投与が、前記対象の前記ニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類を低減する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記NYHA機能分類が、IV度からIII度、IV度からII度、またはIV度からI度に低減される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記NYHA機能分類が、III度からII度に低減される、請求項12に記載の方法。
  15. 前記NYHA機能分類が、III度からI度に低減される、請求項12に記載の方法。
  16. 前記NYHA機能分類が、II度からI度に低減される、請求項12に記載の方法。
  17. 1日合計用量が、個別の患者の要求に応じて調整される、請求項1−10のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記1日合計用量が、化合物1の投与の1−8週間後に調整される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記1日合計用量が、2週間後に調整される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記1日合計用量が、4週間後に調整される、請求項18に記載の方法。
  21. 前記1日合計用量が、6週間後に調整される、請求項18に記載の方法。
  22. 前記1日合計用量が、8週間後に調整される、請求項18に記載の方法。
  23. 前記対象のニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類が低減されるとき、前記1日合計用量が減らされる、請求項17−22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記対象のNYHA機能分類がIII度からI度、III度からII度、またはII度からI度に低減されるとき、前記1日合計用量が5mgから2.5mgに減らされる、請求項23に記載の方法。
  25. 前記対象のニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類が低減されないか、または悪化するとき、前記1日合計用量が増やされる、請求項17−22のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記1日合計用量が、5mgから7.5mg、10mg、または15mgに増やされる、請求項25に記載の方法。
  27. 前記1日合計用量が5mgであり、前記対象の安静時左室駆出率(LVEF)が55%以上であり、かつ安静時左室流出路(LVOT)最大勾配が30mmHg以上であるとき、前記用量が増やされる、請求項17−22のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記対象の安静時LVEFが55%以上であり、かつ安静時LVOT最大勾配が30mmHg以上50mmHg未満であるとき、前記1日合計用量が7.5mgに増やされる、請求項27に記載の方法。
  29. 前記対象の安静時LVEFが55%以上であり、かつ安静時LVOT最大勾配が50mmHg以上であるとき、前記1日合計用量が10mgに増やされる、請求項27に記載の方法。
  30. 前記1日合計用量が5mgであり、前記対象の安静時左室駆出率(LVEF)が54−46%であり、かつ安静時左室流出路(LVOT)最大勾配が50mmHg以上であるとき、前記用量が7.5mgに増やされる、請求項17−22のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記HCMが閉塞性HCM(oHCM)である、請求項1−30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記対象が、治療開始前に、前記対象の左室流出路(LVOT)において少なくとも30mmHgの圧較差を有する、請求項1に記載の方法。
  33. 前記治療有効量が、前記対象における運動後最大勾配LVOTを30mmHg以下に下げるのに十分である、請求項1に記載の方法。
  34. 前記治療有効量が、前記対象における運動後最大勾配LVOTを20mmHg以下に下げるのに十分である、請求項1に記載の方法。
  35. 治療有効量が、前記対象における運動後最大勾配LVOTを10mmHg未満に下げるのに十分である、請求項1に記載の方法。
  36. 治療有効量が、前記対象におけるベースラインから第12週の運動後最大LVOT勾配の−100mmHg以上の変化をもたらすのに十分である、請求項1に記載の方法。
  37. 治療有効量が、前記対象における最大VO(mL/kg/分)を+3.0以上増やすのに十分である、請求項1に記載の方法。
  38. 治療有効量が、前記対象における最大VO(mL/kg/分)を+2.0以上増やすのに十分である、請求項1に記載の方法。
  39. 治療有効量が、前記対象における最大VO(mL/kg/分)を+1.5以上増やすのに十分である、請求項1に記載の方法。
  40. 前記化合物1が経口投与される、請求項1に記載の方法。
  41. 前記化合物1が1日1回投与される、請求項1に記載の方法。
  42. 前記化合物1が1日2回投与される、請求項1に記載の方法。
  43. 前記化合物1が、少なくとも12週間毎日投与される、請求項1に記載の方法。
  44. 前記化合物1が、少なくとも4週間毎日投与される、請求項1に記載の方法。
  45. 前記化合物1が、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、または20mgの化合物1を含む単位剤形で投与される、請求項1に記載の方法。
  46. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約10mg−約25mgである、請求項1に記載の方法。
  47. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約15mg−約20mgである、請求項1に記載の方法。
  48. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約2.5mgである、請求項1に記載の方法。
  49. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約5mgである、請求項1に記載の方法。
  50. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約7.5mgである、請求項1に記載の方法。
  51. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約10mgである、請求項1に記載の方法。
  52. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約15mgである、請求項1に記載の方法。
  53. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約20mgである、請求項1に記載の方法。
  54. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約25mgである、請求項1に記載の方法。
  55. 前記治療有効量が、10、15、20、及び25mgからなる群より選択される、1日1回投与される薬用量である、請求項1に記載の方法。
  56. 前記投与の前に、前記対象における前記左室駆出率(LVEF)を測定して第1のLVEF値を得ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  57. 前記投与の4週間後に、前記対象における前記LVEFを測定して第2のLVEF値を得ること、前記第1のLVEF値と比較した前記第2のLVEF値の変化のパーセンテージを計算することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  58. 前記1日合計薬用量が、前記変化パーセンテージに応じて調整される、請求項57に記載の方法。
  59. 前記変化パーセンテージが10%未満であるとき、前記1日合計薬用量が10mg増やされる、請求項57に記載の方法。
  60. 前記変化パーセンテージが10%以上15%未満であるとき、前記1日合計薬用量が5mg増やされる、請求項57に記載の方法。
  61. 前記変化パーセンテージが15%以上20%未満であるとき、前記1日合計薬用量が同じままである、請求項57に記載の方法。
  62. 前記変化パーセンテージが20%以上であるとき、前記1日合計薬用量が5mg低減される、請求項57に記載の方法。
  63. 前記化合物1の前記投与の前に、前記対象の体重を測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  64. 前記対象の体重が60kg以下であるとき、最初の4週間治療における前記1日薬用量が約10mgである、請求項63に記載の方法。
  65. 前記対象の体重が60kgを超えるとき、最初の4週間治療における前記1日薬用量が約15mgである、請求項63に記載の方法。
  66. 前記投与の2週間後に前記化合物1の血漿中濃度を測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  67. 前記化合物1の前記血漿中濃度が750ng/mLより高いとき、残りの治療期間の間、前記1日薬用量が同じままである、請求項66に記載の方法。
  68. 前記対象が、治療前に、15mm以上の左室壁厚を有する、請求項1に記載の方法。
  69. 治療前に、前記対象の体型指数(BMI)が約18−約37kg/mである、請求項1に記載の方法。
  70. 前記対象が、治療前に、55%以上のLVEFを有する、請求項1に記載の方法。
  71. 前記対象が、治療前に、50mmHg以上の運動後最大LVOT勾配を有する、請求項1に記載の方法。
  72. 次式:
    を有する化合物1 2−15mgを含む、単一の単位薬用量カプセル。
  73. 前記カプセルが、化合物1約2.5mgを含む、請求項72に記載の単一の単位薬用量カプセル。
  74. 前記カプセルが、化合物1約5mgを含む、請求項72に記載の単一の単位薬用量カプセル。
  75. 前記カプセルが、化合物1約7.5mgを含む、請求項72に記載の単一の単位薬用量カプセル。
  76. 前記カプセルが、化合物1約10mgを含む、請求項72に記載の単一の単位薬用量カプセル。
  77. 前記カプセルが、化合物1約15mgを含む、請求項72に記載の単一の単位薬用量カプセル。
  78. 次式:
    を有する化合物1 2−15mgを含む、単一の単位薬用量錠剤。
  79. 前記錠剤が、化合物1約2.5mgを含む、請求項78に記載の単一の単位薬用量錠剤。
  80. 前記錠剤が、化合物1約5mgを含む、請求項78に記載の単一の単位薬用量錠剤。
  81. 前記錠剤が、化合物1約7.5mgを含む、請求項78に記載の単一の単位薬用量錠剤。
  82. 前記錠剤が、化合物1約10mgを含む、請求項78に記載の単一の単位薬用量錠剤。
  83. 前記錠剤が、化合物1約15mgを含む、請求項78に記載の単一の単位薬用量錠剤。
  84. 次式:
    を有する化合物1 2−15mgを含む、医薬組成物。
  85. 化合物1約2.5mgを含む、請求項84に記載の医薬組成物。
  86. 化合物1約5mgを含む、請求項84に記載の医薬組成物。
  87. 化合物1約7.5mgを含む、請求項84に記載の医薬組成物。
  88. 化合物1約10mgを含む、請求項84に記載の医薬組成物。
  89. 化合物1約15mgを含む、請求項84に記載の医薬組成物。
  90. 請求項72−76のいずれか1項に記載の単位薬用量を含む、キット。
  91. 化合物1を投与するための指示を有するラベルをさらに含む、請求項90に記載のキット。
  92. 心筋拡張機能障害の治療を必要とする対象における心筋拡張機能障害を治療する方法であって、治療有効量の、次式:
    を有する化合物1またはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することを含み、前記治療有効量が、1日合計薬用量約2mg−50mgである、前記方法。
  93. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約2mg−30mgである、請求項92に記載の方法。
  94. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約2mgである、請求項92に記載の方法。
  95. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約10mg−15mgである、請求項92に記載の方法。
  96. 前記治療有効量が、1日合計薬用量約2mg−15mgである、請求項92に記載の方法。
  97. 心筋拡張機能障害の治療を必要とする前記対象が、非閉塞性肥大型心筋症(非oHCM)または駆出率保持性心不全(HFpEF)により特徴づけられる患者集団からの対象である;あるいは、心筋拡張機能障害の治療を必要とする前記対象が、心エコーにより測定される異常な左室スティフネス、または心臓磁気共鳴もしくは他の診断技法により測定される左室スティフネスを示す、請求項92−95のいずれかに記載の方法。
  98. 心筋拡張機能障害の治療を必要とする前記対象が、非閉塞性肥大型心筋症により特徴づけられる患者集団からの対象である、請求項97に記載の方法。
  99. 心筋拡張機能障害の治療を必要とする前記対象が、HFpEFにより特徴づけられる患者集団からの対象である、請求項97に記載の方法。
  100. HFpEFを有する前記患者が、50%以上の駆出率を有し、かつ異常な拡張機能のエビデンスを有する、請求項97または請求項99に記載の方法。
  101. 心筋拡張機能障害の治療を必要とする前記対象が、心エコーにより測定される左室スティフネスを示す、請求項97に記載の方法。
  102. 以下の特徴:僧帽弁E/A比>0.8;E/e’≧14;中隔e’<7cm/秒;側壁e’<10cm/秒のうちの少なくとも1つが満たされるとき、前記対象が、心エコーにより測定される左室スティフネスを有する、請求項97または請求項101に記載の方法。
  103. 心筋拡張機能障害の治療を必要とする前記対象が、心臓磁気共鳴により測定される左室スティフネスを示す、請求項97に記載の方法。
  104. 以下の特徴:異常な最大充満速度、最大充満速度到達時間、または最大拡張期ストレインレートのうちの少なくとも1つが満たされるとき、前記対象が、心臓磁気共鳴により測定される左室スティフネスを有する、請求項97または請求項103に記載の方法。
  105. 前記対象が、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)またはN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)の血清血中レベル上昇をさらに示す、請求項97または請求項101−104のいずれか1項に記載の方法。
  106. 少なくとも35pg/mLのBNPまたは125pg/mLのNT−proBNPが存在するとき、血清血中レベルが上昇する、請求項105に記載の方法。
  107. 肥大型心筋症をの治療を必要とする個体における肥大型心筋症を治療するための方法であって、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持するのに有効な量の化合物1を前記個体に投与することを含む、前記方法。
  108. 化合物1 2−15mgが、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する、請求項107に記載の方法。
  109. 化合物1 5−15mgが、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する、請求項107に記載の方法。
  110. 化合物1 約2.5mgが、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する、請求項107に記載の方法。
  111. 化合物1 約5mgが、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する、請求項107に記載の方法。
  112. 化合物1 約10mgが、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する、請求項107に記載の方法。
  113. 化合物1 約15mgが、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持する、請求項107に記載の方法。
  114. 化合物1の前記血漿中濃度が350−700ng/mLである、請求項107−113のいずれか1項に記載の方法。
  115. 前記HCMが閉塞性HCM(oHCM)である、請求項107−114のいずれか1項に記載の方法。
  116. 前記HCMが非閉塞性HCMである、請求項107−114のいずれか1項に記載の方法。
  117. 肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を治療するための方法であって、化合物1の1日用量5mgを少なくとも1週間投与すること、および
    前記個体における化合物1の血漿中濃度が200ng/mLを下回るとき、前記1日用量を10mgに増やすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が750ng/mLを上回るとき、前記1日用量を2.5mgに減らすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、前記1日用量を5mgにて維持すること
    を含む、前記方法。
  118. 前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mLを下回るとき、前記1日用量が10mgに増やされ、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が700ng/mLを上回るとき、前記1日用量が2.5mgに減らされ、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mL−700ng/mLであるとき、前記1日用量が5mgにて維持される、
    請求項117に記載の方法。
  119. 前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、前記1日用量が増やされ、
    前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg未満であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、前記1日用量が維持される、
    請求項117または118に記載の方法。
  120. 前記個体が、化合物1 5mgを少なくとも2週間投与される、請求項117または119のいずれか1項に記載の方法。
  121. 前記個体が、化合物1 5mgを少なくとも4週間投与される、請求項117または119のいずれか1項に記載の方法。
  122. 前記個体が、化合物1 5mgを少なくとも6週間投与される、請求項117または119のいずれか1項に記載の方法。
  123. 前記個体が、化合物1 5mgを少なくとも8週間投与される、請求項117または119のいずれか1項に記載の方法。
  124. 前記1日用量が10mgに増やされ、化合物1が少なくとも1週間投与され、前記方法が、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200ng/mLを下回るとき、前記1日用量を15mgに増やすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が750ng/mLを上回るとき、前記1日用量を5mgに減らすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、前記1日用量を10mgにて維持すること
    をさらに含む、請求項117−121のいずれか1項に記載の方法。
  125. 前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mLを下回るとき、前記1日用量が15mgに増やされ、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が700ng/mLを上回るとき、前記1日用量が5mgに減らされ、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mL−700ng/mLであるとき、前記1日用量が10mgにて維持される、
    請求項124に記載の方法。
  126. 前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、前記1日用量が増やされ、
    前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg未満であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、前記1日用量が維持される、
    請求項124または125に記載の方法。
  127. 前記個体が、化合物1 10mgを少なくとも2週間投与される、請求項124−126のいずれか1項に記載の方法。
  128. 前記個体が、化合物1 10mgを少なくとも4週間投与される、請求項124−126のいずれか1項に記載の方法。
  129. 前記個体が、化合物1 10mgを少なくとも6週間投与される、請求項124−126のいずれか1項に記載の方法。
  130. 前記個体が、化合物1 10mgを少なくとも8週間投与される、請求項124−126のいずれか1項に記載の方法。
  131. 前記1日用量が2.5mgに減らされ、化合物1が少なくともさらに1週間投与され、前記方法が、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200ng/mLを下回るとき、前記1日用量を5mgに増やすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、前記1日用量を2.5mgにて維持すること
    をさらに含む、請求項117−121のいずれか1項に記載の方法。
  132. 前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mLを下回るとき、前記1日用量が5mgに増やされ、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mL−700ng/mLであるとき、前記1日用量が2.5mgにて維持される、
    請求項131に記載の方法。
  133. 前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、前記1日用量が増やされ、
    前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg未満であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、前記1日用量が維持される、
    請求項131または132に記載の方法。
  134. 前記個体が、化合物1 2.5mgを少なくとも2週間投与される、請求項131−133のいずれか1項に記載の方法。
  135. 前記個体が、化合物1 2.5mgを少なくとも4週間投与される、請求項131または133のいずれか1項に記載の方法。
  136. 前記HCMが閉塞性HCM(oHCM)である、請求項117−135のいずれか1項に記載の方法。
  137. 前記HCMが非閉塞性HCMである、請求項117−135のいずれか1項に記載の方法。
  138. 肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を、化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持することにより、治療するための方法であって、
    a)2.5、5、10、及び15mgからなる群より選択される化合物1の1日用量を個体に投与すること
    を含む、前記方法。
  139. 化合物1の前記血漿中濃度が350−700ng/mLである、請求項138に記載の方法。
  140. b−i)前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200ng/mLを下回るとき、前記1日用量を次に高い薬用量に増やすこと、または
    b−ii)前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が750ng/mLを上回るとき、前記1日用量を次に低い薬用量に減らすこと、または
    b−iii)前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、化合物1の前記1日用量を維持すること
    をさらに含む、請求項138に記載の方法。
  141. b−i)前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mLを下回るとき、前記1日用量を次に高い薬用量に増やすこと、または
    b−ii)前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が700ng/mLを上回るとき、前記1日用量を次に低い薬用量に減らすこと、または
    b−iii)化合物1の前記血漿中濃度が350−700ng/mLであるとき、化合物1の前記1日用量を維持すること
    をさらに含む、請求項139に記載の方法。
  142. 前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、ステップb−i)における前記1日用量を増やすことが実施され、前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg未満であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、化合物1の前記1日用量が維持される、請求項140または141に記載の方法。
  143. c)2−4週間ごとにステップb)を繰り返すこと
    をさらに含む、請求項140−142のいずれか1項に記載の方法。
  144. c)4−6週間ごとにステップb)を繰り返すこと
    をさらに含む、請求項140−142のいずれか1項に記載の方法。
  145. c)4−8週間ごとにステップb)を繰り返すこと
    をさらに含む、請求項140−142のいずれか1項に記載の方法。
  146. 前記HCMが閉塞性HCM(oHCM)である、請求項138−145のいずれか1項に記載の方法。
  147. 前記HCMが非閉塞性HCMである、請求項138−145のいずれか1項に記載の方法。
  148. 肥大型心筋症(HCM)の治療を必要とする個体における肥大型心筋症(HCM)を、前記個体における化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持することにより、治療するための方法であって、化合物1の1日用量2.5−15mgを投与すること、前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200ng/mL未満であるときに前記1日用量を増やすこと、または前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が750ng/mLを超えるときに前記1日用量を減らすことを含む、前記方法。
  149. 前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350−700ng/mLにて達成及び維持され、前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mL未満であるとき、化合物1の前記1日用量が増やされ、または前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が700ng/mL未満であるとき、化合物1の前記血漿中濃度が減らされる、請求項148に記載の方法。
  150. 前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、化合物1の前記1日用量が増やされ、
    前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg未満であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、前記1日用量が維持される、
    請求項148または149に記載の方法。
  151. 前記HCMが閉塞性HCM(oHCM)である、請求項148−150のいずれか1項に記載の方法。
  152. 前記HCMが非閉塞性HCMである、請求項148−150のいずれか1項に記載の方法。
  153. 肥大型心筋症の治療を必要とする個体における肥大型心筋症を、前記個体における化合物1の血漿中濃度200−750ng/mLを達成及び維持することにより、治療するための方法であって、
    a)化合物1の1日用量2.5−15mgを少なくとも1週間投与すること、
    b)前記個体における化合物1の前記血漿中濃度を測定すること、
    c)前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200ng/mL未満であるとき、化合物1の前記1日用量を増やすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が750ng/mLを超えるとき、化合物1の前記1日用量を減らすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、化合物1の同じ前記1日用量を継続すること
    を含む、前記方法。
  154. 前記個体における化合物1の前記血漿中濃度350ng/mL−700ng/mLが達成及び維持され、ステップc)が、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mL未満であるとき、化合物1の前記1日用量を増やすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が700ng/mLを超えるとき、化合物1の前記1日用量を減らすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350−700ng/mLであるとき、化合物1の同じ前記1日用量を継続すること
    を含む、請求項153に記載の方法。
  155. 前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、化合物1の前記1日用量が増やされるか、または
    前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg未満であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、前記1日用量が維持される、
    請求項153または154に記載の方法。
  156. d)1−12週間ごとにステップa)−c)を繰り返すこと
    をさらに含む、請求項153または154に記載の方法。
  157. 前記ステップa)−c)が2週間ごとに繰り返される、請求項156に記載の方法。
  158. 前記ステップa)−c)が4週間ごとに繰り返される、請求項156に記載の方法。
  159. 前記ステップa)−c)が6週間ごとに繰り返される、請求項156に記載の方法。
  160. 前記ステップa)−c)が8週間ごとに繰り返される、請求項156に記載の方法。
  161. 前記ステップa)−c)が10週間ごとに繰り返される、請求項156に記載の方法。
  162. 前記ステップa)−c)が12週間ごとに繰り返される、請求項156に記載の方法。
  163. ステップa)における化合物1の初回1日用量が5mgである、請求項153−162のいずれか1項に記載の方法。
  164. 化合物1の前記1日用量が、2、2.5、5、10、及び15mgからなる群より選択され、ステップc)において、化合物1の前記1日用量が次に高い化合物1の量または次に低い化合物1の量に増やされるまたは減らされる、請求項153−162のいずれか1項に記載の方法。
  165. 前記HCMが閉塞性HCM(oHCM)である、請求項153−164のいずれか1項に記載の方法。
  166. 前記HCMが非閉塞性HCMである、請求項153−164のいずれか1項に記載の方法。
  167. 肥大型心筋症の治療を必要とする個体における肥大型心筋症を治療するための方法であって、2.5mg、5mg、10mg、及び15mgからなる群より選択される量の1日合計用量を前記個体に投与することを含む、前記方法。
  168. 化合物1の前記1日合計用量が2.5mgである、請求項167に記載の方法。
  169. 化合物1の前記1日合計用量が5mgである、請求項167に記載の方法。
  170. 化合物1の前記1日合計用量が10mgである、請求項167に記載の方法。
  171. 化合物1の前記1日合計用量が15mgである、請求項167に記載の方法。
  172. 前記HCMが閉塞性HCM(oHCM)である、請求項167−171のいずれか1項に記載の方法。
  173. 前記HCMが非閉塞性HCMである、請求項167−171のいずれか1項に記載の方法。
  174. 肥大型心筋症の治療を必要とする個体における肥大型心筋症を治療するための方法であって、
    a)化合物1の1日用量2−15mgを前記個体に少なくとも1週間投与すること、
    b)前記個体をモニターすること、
    c)薬物動態及び/または薬物力学の尺度に基づいて、化合物1の前記1日用量を調整すること
    を含む、前記方法。
  175. 前記モニターすることが非侵襲的モニター技法である、請求項174に記載の方法。
  176. 前記非侵襲的モニター技法が、最大VOレベルの測定、NYHA機能分類の評価、バルサルバ勾配の測定、心電図または心エコー図を用いた心臓活動の測定、及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項175に記載の方法。
  177. 前記調整するステップが、
    前記個体が前記非侵襲的モニター技法のうちの1つ以上において臨床的改善を示さないとき、化合物1の前記1日用量を増やすこと、または
    前記個体が前記非侵襲的モニター技法のうちの1つ以上において臨床的退行を示すとき、化合物1の前記1日用量を減らすこと、または
    前記個体が前記非侵襲的モニター技法のうちの1つ以上において臨床的改善を示すとき、化合物1の同じ前記1日用量を継続すること
    を含む、請求項176に記載の方法。
  178. 前記モニターするステップが、前記個体における化合物1の血漿中濃度を測定することを含む、及び/または、前記モニターするステップが、前記個体におけるN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)の血漿中濃度を測定することを含む、請求項174に記載の方法。
  179. 前記調整するステップが、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200ng/mL未満であるとき、化合物1の前記1日用量を増やすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が750ng/mLを超えるとき、化合物1の前記1日用量を減らすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が200−750ng/mLであるとき、化合物1の同じ前記1日用量を継続すること
    を含む、請求項178に記載の方法。
  180. 前記調整するステップが、
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350ng/mL未満であるとき、化合物1の前記1日用量を増やすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が700ng/mLを超えるとき、化合物1の前記1日用量を減らすこと、または
    前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が350−700ng/mLであるとき、化合物1の同じ前記1日用量を継続すること
    を含む、請求項178に記載の方法。
  181. 前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg以上であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、化合物1の前記1日用量が増やされ、または
    前記個体のバルサルバ勾配が30mmHg未満であり、かつ前記個体における化合物1の前記血漿中濃度が記載量を下回るとき、前記1日用量が維持される、
    請求項179または180に記載の方法。
  182. d)1−12週間ごとにステップa)−c)を繰り返すこと
    をさらに含む、請求項174−181のいずれか1項に記載の方法。
  183. 前記ステップa)−c)が2週間ごとに繰り返される、請求項182に記載の方法。
  184. 前記ステップa)−c)が4週間ごとに繰り返される、請求項182に記載の方法。
  185. 前記ステップa)−c)が6週間ごとに繰り返される、請求項182に記載の方法。
  186. 前記ステップa)−c)が8週間ごとに繰り返される、請求項182に記載の方法。
  187. 前記ステップa)−c)が10週間ごとに繰り返される、請求項182に記載の方法。
  188. 前記ステップa)−c)が12週間ごとに繰り返される、請求項182に記載の方法。
  189. ステップa)における化合物1の初回1日用量が5mgである、請求項174−188のいずれか1項に記載の方法。
  190. 化合物1の前記1日用量が、2、2.5、5、10、及び15mgからなる群より選択され、ステップc)において、化合物1の前記1日用量が、次に高い化合物1の量に増やされる、または次に低い化合物1の量に減らされる、請求項174−189のいずれか1項に記載の方法。
  191. 化合物1の前記1日用量が、2.5、5、7.5、10、12.5、及び15mgからなる群より選択され、ステップc)において、化合物1の前記1日用量が、次に高い化合物1の量に増やされる、または次に低い化合物1の量に減らされる、請求項174−189のいずれか1項に記載の方法。
  192. 前記HCMが閉塞性HCM(oHCM)である、請求項174−189のいずれか1項に記載の方法。
  193. 前記HCMが非閉塞性HCMである、請求項174−189のいずれか1項に記載の方法。
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