JP2023509968A - 脾腫を治療する方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023509968000001
ヒト対象における脾腫を治療するための治療法及び医薬組成物が記載される。特定の実施形態において、本発明は、BTK阻害剤を使用して脾腫を治療する治療法を含む。
【選択図】 図1A

Description

[0001]ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を使用して脾腫を治療する方法が本明細書に開示される。
[0002]骨髄線維症(MF)は、身体における血液形成組織に影響を及ぼすがんである慢性白血病である。骨髄線維症は、骨髄増殖性障害と呼ばれる疾患の群に属し、血液細胞の正常な産生を混乱させる珍しいタイプの骨髄がんである。骨髄線維症は、骨髄において広範な瘢痕化を引き起こし、脱力及び疲労を引き起こし得る重度の貧血につながり、骨髄線維症は、出血のリスクを増加させる血小板数の減少も引き起こし得る。骨髄線維症は、脾臓におけるCD34+悪性骨髄細胞の蓄積に起因した、肥大した脾臓及びリンパ節をしばしば引き起こす。
[0003]MFの臨床スペクトルは、原発性骨髄線維症、及び本態性血小板血症又は真性赤血球増加症の間に発症するMFを含む。骨髄線維症は、脾腫、白赤芽球症、血球減少症、涙滴変形赤血球症(teardrop poikilocytosis)、骨髄の線維化、髄外造血、骨髄微小血管密度の増加、並びにCD34を発現する造血幹細胞(HSC)及び前駆細胞(HPC)の構成的動員によって特徴付けられる慢性血液悪性腫瘍である。
[0004]骨髄線維症は、HSC及びHPCの構成的動員並びに脾腫の確立をもたらす、骨髄及び末梢血におけるHSC及びHPCの異常なトラフィッキング及びホーミングによっても特徴付けられる。CXCR4-CXCL12(SDF-1としても知られるCXCL12)シグナル伝達は、骨髄における前駆細胞の発達及び保持、二次リンパ臓器への未成熟及び成熟細胞のホーミング、並びに骨髄への形質細胞のトラフィッキング及びホーミングを含めた、適正なリンパ細胞及び骨髄細胞の発達及び機能の根底にある多様な過程において枢要な役割を果たす。MFにおいて、HSC及びHPCの構成的動員は、CXCR4プロモーターの過剰メチル化及びCXCL12のタンパク質分解酵素による分解に起因した、骨髄線維性CD34+細胞によるCXCR4発現の下方調節が理由で生じる、CXCR4-CXCL12軸の大きな変更と関連付けられている。MF患者の脾臓では、CXCL12、及びインテグリン、例えば最晩期抗原-4(VLA-4)が高発現され、CXCL12は、動員されるCD34+細胞に対する化学誘引物質として作用する。このことは、CXCL12発現レベルが異常に低い骨髄及び末梢血と対照をなす。CXCL12を介して脾臓に引き寄せられると、接着分子、例えばVLA-4及びそのリガンドVCAM-1(血管細胞接着分子1)は、CD34+細胞を隔離し、脾腫の形成をもたらす。加えて、この常軌を逸した幹細胞挙動は、幹細胞の固有の特性によってだけでなく、MF微小環境によって提供される調節シグナルによっても影響され得る(Wang(2015)Experimental Hematology 43、100~109ページ)。それゆえ、これらの経路を介した細胞トラフィッキング、ホーミング、及び隔離を巧みに操る能力は、MF患者を治療する機会を提供することになる。
[0005]ブルトン型チロシンキナーゼは、Tecファミリーに属する非受容体型チロシンキナーゼであり、造血系のいくつかの種類の良性及び悪性細胞において重要な機能を有する。さらに、不可逆性経口BTK阻害剤であるアカラブルチニブ及びイブルチニブを用いた最近の臨床研究は、慢性リンパ性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、及びびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫を含めた、多様なB細胞性悪性腫瘍に対する優れた臨床活性及び忍容性を実証している。さらに、BTK阻害剤の作用のメカニズムは多因子性であり、その機能の重要な構成要素は、腫瘍細胞及び腫瘍細胞を保護する微小環境の混乱にあることが現在明らかである。BTKの阻害は、数々の血管接着分子の発現を下方調節することによって、CXCR4-CXCL12誘導性細胞トラフィッキング、ホーミング、及びインテグリン接着を阻害することによって、CLL、MCL、及び急性骨髄性白血病における悪性骨髄細胞遊走を調節することが示されている(Zaitseva(2014)Oncotarget 5、9930~9938ページ)。CXCL12は、間質微小環境とのCLL細胞相互作用を調節することによって、CLL発病及び進行において中心的役割を果たし、細胞生存及び増殖につながる。BTKは、CXCR4-CXCL12シグナル伝達軸によって活性化されるシグナル変換において役割を有し、急速なインテグリン活性化に関わる。BTK阻害は、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)及びVLA-4インテグリンのCXCL12誘導性誘発を阻止する。さらに、BTK阻害は、低分子量(small)GTP結合タンパク質RhoAの活性化を遮断し、インテグリンアフィニティーを制御する。非常に重要なことには、CXCL12によるBTK tyrリン酸化及び活性化は、JAK2(ヤヌスキナーゼ2)の上流活性化に依存する。ゆえに、BTK及びJAKタンパク質チロシンキナーゼは、ケモカイン及びインテグリン活性化及び依存的細胞接着の両方において階層的活性を示す(Montresor(2018)Oncotarget、9、35123~35140ページ)。最後に、BTKは、HSC及びHPCを含めた、成熟及び原始骨髄細胞の両方で高発現される。CXCR4-CXCL12シグナル伝達軸は、CD34+細胞についての動員及びホーミングの枢要な手段である。
[0006]現在のところ、ルキソリチニブ、フェドラチニブ、及び同種幹細胞移植が、MFを有する患者を治療する主な手段である。JAK2変異を阻害するために開発された薬物であるルキソリチニブは、使用される最初の治療であることが多い。ルキソリチニブは、CALR(カルレティキュリン、染色体19p13.2に位置する)又はMPL(骨髄増殖性白血病ウイルスがん遺伝子;染色体1p34に位置する)変異を有する人々においても有効であり、その理由はCALR及びMPL変異はJAK2を活性化もするためである。ルキソリチニブは、脾臓サイズを低下させ且つ症状を制御するのに有効であり、全生存期間を増加させることができるが、ルキソリチニブは、ほとんどの症例において線維化を逆転させず、貧血及び低血小板数につながり得る。驚くべきことには、ルキソリチニブは、JAK2V617ドライバー変異を欠如するMF患者においても脾腫を低下させ且つ症状を制御するのに等しく働き、初期の治療予想を混乱させる。しかしながら、ルキソリチニブは、悪性CD34+細胞数又はJakアレルバーデン(allele burden)を低下させることに対して効果を有しないため、ルキソリチニブは疾患修飾性ではない。それにもかかわらず、MFの発生につながる細胞及び分子事象のより良い理解を有して、細胞トラフィッキング、ホーミング、及び接着のモジュレーションを通じて、脾腫を有する骨髄増殖性新生物を治療するための、例えばBTK阻害剤のようなより安全で且つより効果的な標的療法の可能性が存在する。
[0007]本発明は、ヒト対象にブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤を投与するステップを含む、治療を必要とするヒト対象における脾腫を治療する方法に関する。一部の実施形態において、ヒト対象は、脾臓において悪性CD34+骨髄細胞の蓄積を有する。一部の実施形態において、悪性CD34+骨髄細胞では、正常な骨髄細胞と比べて、CXCR4の発現が減少している。一部の実施形態において、ヒト対象は骨髄線維症に罹患している。一部の実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post PV-MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post ET-MF)からなる群から選択される。一部の実施形態において、ヒト対象はルキソリチニブ療法に応答しなかった。一部の実施形態において、ヒト対象は、JAK2V617F変異を有し、骨髄増殖性新生物(MPN)に続発する急性骨髄性白血病(AML)を任意選択で有する。一部の実施形態において、ヒト対象は、JAK2V617F変異を有さず、骨髄増殖性新生物に続発する急性骨髄性白血病を任意選択で有する。
[0008]一部の実施形態において、BTK阻害剤は、ヒト対象の末梢血への悪性CD34+骨髄細胞の遊走を刺激するのに十分な量で投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、ヒト対象の脾臓における悪性CD34+骨髄細胞のアポトーシスを刺激するのに十分な量で投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、悪性CD34+骨髄細胞におけるVLA-4の活性を減少させるのに十分な量で投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、悪性CD34+骨髄細胞におけるVLA-4の発現を減少させるのに十分な量で投与される。
[0009]本発明は、ヒト対象にBTK阻害剤を投与するステップを含む、脾腫に罹患しているヒト対象における脾臓から末梢血への悪性CD34+骨髄細胞の遊走を刺激する方法にも関する。一部の実施形態において、ヒト対象は、脾臓において悪性CD34+骨髄細胞の蓄積を有する。一部の実施形態において、方法は、BTK阻害剤を投与することによって、脾臓における悪性CD34+骨髄細胞のアポトーシスを刺激することを包含する。一部の実施形態において、悪性CD34+骨髄細胞では、正常な骨髄細胞と比べて、CXCR4の発現が減少している。一部の実施形態において、ヒト対象は骨髄線維症に罹患している。一部の実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一部の実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ療法に応答しなかった。一部の実施形態において、ヒト対象は、JAK2V617F変異を有し、骨髄増殖性新生物に続発する急性骨髄性白血病を任意選択で有する。一部の実施形態において、ヒト対象は、JAK2V617F変異を有せず、骨髄増殖性新生物に続発する急性骨髄性白血病を任意選択で有する。
[0010]本発明の方法は、JAK2阻害剤を用いて治療されたことがないヒト対象の治療を包含する。本発明の方法は、JAK2阻害剤に不耐性であるヒト対象の治療も包含する。本発明の方法は、JAK2阻害剤を用いた治療に不適格であるヒト対象の治療を包含する。本発明の方法は、JAK2阻害剤治療後に再発する又はJAK2阻害剤治療に対して難治性であるヒト対象の治療を包含する。
[0011]本発明の方法において、BTK阻害剤は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、480mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される。
[0012]本発明の方法において、BTK阻害剤は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、480mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に2回投与される。
[0013]本発明の方法において、BTK阻害剤は経口投与される。
[0014]本発明の方法において、BTK阻害剤は共有結合性BTK阻害剤である。
[0015]本発明の方法において、BTK阻害剤は非共有結合性BTK阻害剤である。
SDF-1への細胞遊走の阻害を示したグラフである。 SDF-1への細胞遊走の阻害を示したグラフである。 フィブロネクチンからの細胞の放出を示したグラフである。 細胞表面分子のレベルを示したグラフである。 サイトカイン及びケモカインレベルを示したグラフである。
[0020]本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され且つ記載されているものの、そのような実施形態は、単なる例として提供されるものであり、本発明の範囲を別様に限定することを意図されるわけではない。本発明の記載される実施形態の様々な代替物を、本発明を実践する際に採用してもよい。
[0021]別様に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。
[0022]本明細書において使用される「との組合せで投与される」及び「共投与」という用語は、両作用物質及び/又は両作用物質の代謝産物が同じ時に対象に存在するような、対象への2種以上の医薬品有効成分の投与を包含する。共投与は、別個の組成物での同時投与、別個の組成物での異なる時間における投与、又は2種以上の作用物質が存在する一組成物での投与を含む。
[0023]「有効量」又は「治療有効量」又は「十分な量」という用語は、疾患治療を含むがそれに限定されない意図される適用を達成するのに十分である、本明細書に記載される医薬品有効成分又は医薬品有効成分組合せ物の量を指す。治療有効量は、意図される適用(インビトロ又はインビボ)、又は治療されている対象及び疾患状態(例えば、対象の重量、年齢、及び性別)、疾患状態の重症度、投与の様式、並びに当業者によって容易に判定され得る他の因子に応じて変動してもよい。該用語は、標的細胞において特定の応答(例えば、悪性CD34+骨髄細胞)を誘導するであろう用量にも適用される。具体的用量は、選定された特定の化合物、従われるべき投薬レジメン、化合物が他の化合物との組合せで投与されるかどうか、投与のタイミング、化合物が投与される組織、及び化合物が運ばれる物理的送達システムに応じて変動するであろう。
[0024]「骨髄線維症」とは、血液細胞の正常な産生を混乱させ、重度の貧血、並びに脾臓、リンパ節、及び肝臓の肥大につながる、骨髄の自然発生的瘢痕化(線維化)を指す。骨髄線維症は、多様な疾患、主に骨髄増殖性(前白血病性)障害と関連し得る。骨髄線維症は、病因不明の骨髄様化生としても知られる。本明細書において使用される骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症を含むが、それらに限定されるわけではない。本明細書において使用される骨髄線維症は、骨髄、脾臓、及びリンパ節における悪性CD34+骨髄細胞の蓄積によって特徴付けられる。
[0025]「薬学的に許容できるキャリア」又は「薬学的に許容できる賦形剤」とは、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤、並びに吸収遅延剤を含むことを意図される。医薬品有効成分に対するそのような媒体及び作用物質の使用は、当技術分野において公知である。任意の従来の媒体又は作用物質が医薬品有効成分と不適合である限りを除いて、本発明の治療用組成物における任意の従来の媒体又は作用物質の使用が企図される。補足的有効成分も、記載される組成物に組み入れられ得る。
[0026]「薬学的に許容できる塩」という用語は、当技術分野において公知の多様な有機及び無機対イオンに由来する塩を指す。薬学的に許容できる酸付加塩は、無機酸及び有機酸を用いて形成され得る。塩が由来し得る無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸を含む。塩が由来し得る有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸を含む。薬学的に許容できる塩基付加塩は、無機及び有機塩基を用いて形成され得る。塩が由来し得る無機塩基は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、及びアルミニウムを含む。塩が由来し得る有機塩基は、例えば1級、2級、及び3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂を含む。具体的な例は、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンを含む。選択された実施形態において、薬学的に許容できる塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩から選定される。「共結晶」という用語は、当技術分野において公知のいくつかの共結晶形成体に由来する分子錯体を指す。塩とは異なり、共結晶は、典型的に、共結晶と薬物との間にプロトン移動を伴わず、その代わりに、結晶構造における共結晶形成体と薬物との間に水素結合、芳香環スタッキング、又は分散力等の分子間相互作用を伴う。
[0027]「QD」、「qd」、又は「q.d.」という用語は、毎日、1日1回、又は1日に1回を意味する。「BID」、「bid」、又は「b.i.d.」という用語は、1日につき2回、1日2回、又は1日に2回を意味する。「TID」、「tid」、又は「t.i.d.」という用語は、1日につき3回、1日3回、又は1日に3回を意味する。「QID」、「qid」、又は「q.i.d.」という用語は、1日につき4回、1日4回、又は1日に4回を意味する。
[0028]本明細書において使用される「脾腫」という用語は、サイズ又は重量によって評価される、脾臓の肥大を指す。一部の実施形態において、肥大は、悪性CD34+骨髄細胞の隔離、及び結果としての発症する髄外造血に起因する。
[0029]「治療効果」とは、その用語が本明細書において使用されるとき、上で記載される治療的有益性及び/又は予防的有益性を包含する。予防効果は、疾患若しくは病状の出現を遅延させること若しくは排除すること、疾患若しくは病状の症状の発症を遅延させること若しくは排除すること、疾患若しくは病状の進行を遅らせること、食い止めること、若しくは逆転させること、又はその任意の組合せを含む。
[0030]例えば分子量又は化学式等の物理的又は化学的特性を記載するために本明細書において値域が使用される場合、値域のすべての組合せ及び部分的組合せ並びに値域の中の具体的な実施形態が含まれることが意図される。数又は数値域に言及する場合の「約」という用語の使用は、言及される数又は数値域が、実験的変動内(又は統計的実験誤差内)の近似値であり、ゆえに、数又は数値域は、記述された数又は数値域の例えば1%~15%で変動することがあることを意味する。「含む(comprising)」という用語(及び、「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」又は「有する」又は「含む(including)」等の関連用語)は、例えば、記載される特質「からなる」又は「から本質的になる」実施形態、例えば任意の物質の組成、方法、又はプロセス等を含む。
[0031]本発明のBTK阻害剤化合物は、例えば化合物の多形、偽多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、配座多形、及び非晶質形態、並びにその混合物を含めた、表1におけるいずれかの結晶形態及び非晶質形態の化合物も含む。「結晶形態」及び「多形」は、特定の結晶形態又は非晶質形態が言及されない限り、例えば多形、偽多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、配座多形、及び非晶質形態、並びにその混合物を含めた、化合物のすべての結晶形態及び非晶質形態を含むことを意図している。
骨髄線維症の合併症を治療する方法
[0032]本開示は、BTK阻害剤を使用して、例えば脾腫、髄外造血、及び線維症を含めた、骨髄線維症の様々な合併症を治療し得るという発見に関する。したがって、ある特定の態様において、本開示は、任意選択で、脾腫を治療するための1種又は複数の他の支持療法又は活性剤との組合せで、有効量のBTK阻害剤を治療を必要とするヒト対象に投与することによって、脾腫、髄外造血、及び線維症を治療するための方法に関する。本明細書における本開示は、望ましい治療剤がBTK阻害に基づいて選択されることができることを実証する。それゆえ、作用の特定のメカニズムに拘束されることを望まないものの、BTK阻害は、1種又は複数の下流シグナル伝達構成要素(例えば、CXCR-4、CXCL12、VLA-4、VCAM-1)を変更して、末梢血にCD34+細胞の遊走を動員し、骨髄線維症と関連した合併症の治療において、特に、脾腫、髄外造血、及び線維症を含むがそれらに限定されない1種又は複数の骨髄線維症合併症を治療する又は阻止することにおいて有用であろうことが予想される。
[0033]ゆえに、本発明は、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、脾腫を治療する方法に関する。一部の実施形態において、脾腫は骨髄線維症に続発する。一部の実施形態において、MFは、慢性特発性骨髄線維症(cIMF)としても知られる原発性骨髄線維症である。これは、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発症する骨髄線維症とは対照的である。しかしながら、一部の実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発症する骨髄線維症に起因した脾腫を治療することを包含する。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、表1における化合物のいずれか又はその薬学的に許容できる塩である。
[0034]本発明は、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、脾腫を治療する方法にも関する。一実施形態において、脾腫は、原発性骨髄線維症、続発性骨髄線維症、真性赤血球増加症(PV)に続発する骨髄線維症、本態性血小板血症(ET)に続発する骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)に続発する骨髄線維症、及び特発性骨髄線維症からなる群から選択される骨髄線維症に罹患しているヒト対象におけるものである。一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性(prefibrotic)/早期PMF及び線維化期(overt fibrotic stage)PMFからなる群から選択される。一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア(HU)不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。
[0035]一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤ナイーブである(すなわち、JAK2阻害剤を用いた療法を受けたことがない)。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤不耐性である。一実施形態において、ヒト対象は、低血小板数に起因してJAK2阻害剤不適格である。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療後に再発している。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療に対して難治性である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、(i)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄増殖性新生物の重症度若しくは進行の低下がないこと、又は(ii)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発、を含むが、それらに限定されるわけではない。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄線維症の重症度又は進行の低下がないことである。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物及びその薬学的に許容できる塩である。
[0036]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける脾腫を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1から選択される化合物である、方法に関する。
[0037]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける髄外造血を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1から選択される化合物である、方法に関する。
[0038]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける線維症を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1のいずれかから選択される化合物である、方法に関する。
[0039]一実施形態において、ヒト対象は、彼らの脾臓において悪性CD34+骨髄細胞の蓄積を有する。これらの悪性CD34+骨髄細胞は、正常な骨髄細胞と比べて、CXCR4の発現が減少している。一実施形態において、BTK阻害剤は、ヒト対象の末梢血への悪性CD34+骨髄細胞の遊走を刺激するのに十分な治療有効量で投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、悪性CD34+骨髄細胞におけるVLA-4を不活性化するのに十分な量で投与される。
[0040]一実施形態において、本発明は、ヒト対象にBTK阻害剤を投与するステップを含む、骨髄線維症に罹患しているヒト対象における脾臓から末梢血への悪性CD34+骨髄細胞の遊走を刺激する方法に関する。一実施形態において、BTK阻害剤は、CXCR4及びCXCL12の活性を低下させ、それによって悪性CD34+骨髄細胞に対するこれらの分子の化学誘引効果を低下させるのに十分な量で投与される。CXCR4及びCXCL12活性の低下は、脾臓における悪性骨髄CD34+細胞の隔離の一因となる。一実施形態において、ヒト対象の脾臓において悪性CD34+骨髄細胞が蓄積している。これらの悪性CD34+骨髄細胞では、正常な骨髄細胞と比べてCXCR4の発現は減少している。
[0041]一実施形態において、方法は、脾腫、髄外造血、及び線維症等、骨髄線維症と関連した合併症を治療することを包含するが、骨髄線維症自体を治療することを包含しない(例えば、骨髄線維症の合併症のみがヒトにおいて治療され、骨髄線維症は治療されない)。
[0042]一実施形態において、BTK阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、560mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、投薬量及び投薬レジメンの節に従ってヒトに投与される。
[0043]一実施形態において、脾腫、髄外造血、又は線維症に罹患しているヒトは、参照により文献の全体として本明細書に組み入れられるMassie、New Engl.J.Med.(2013)25、2379~2390ページに記載される、ヒト対象におけるCALR変異(カルレティキュリン、染色体19p13.2に位置する)の存在によって特徴付けられる骨髄線維症を有する。
[0044]一実施形態において、脾腫、髄外造血、又は線維症に罹患しているヒトは、参照により文献の全体として本明細書に組み入れられるPikman、Plos Med.(2006)3、e270に記載される、ヒト対象におけるMPL変異(骨髄増殖性白血病ウイルスがん遺伝子;染色体1p34に位置する)の存在によって特徴付けられる骨髄線維症を有する。
[0045]一実施形態において、脾腫、髄外造血、又は線維症に罹患しているヒトは、ヒト対象におけるJAK2V617F変異によって特徴付けられる骨髄線維症を有する。JAK2V617Fは、参照により文献の全体として本明細書に組み入れられるNakatake(Oncogene(2012)31、1323~1333ページ)に記載される、骨髄細胞のサイトカイン非依存的増殖を促進する機能変異である。
[0046]一実施形態において、脾腫、髄外造血、又は線維症に罹患しているヒトは、JAK2V617F、MPL、CALR、及びその組合せからなる群から選択される1つ又は複数の変異によって特徴付けられる骨髄線維症を有する。
[0047]一実施形態において、脾腫、髄外造血、又は線維症に罹患しているヒトは、JAK2V617F変異がないことによって特徴付けられる骨髄線維症を有する。
[0048]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける本態性血小板血症に続発する骨髄線維症に罹患しているヒト対象における脾腫を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1から選択される化合物である、方法に関する。
[0049]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける慢性骨髄性白血病に続発する骨髄線維症を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1から選択される化合物である、方法に関する。
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[0050]一部の実施形態において、BTK阻害剤はTG-1701又はLoxo-305である。
[0051]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける骨髄線維症を治療する方法に関する。一実施形態において、MFは、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
[0052]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける骨髄線維症を治療する方法であって、MFは、真性赤血球増加症に続発するMF、本態性血小板血症に続発するMF、及びCMLに続発するMFからなる群から選択される、方法に関する。
[0053]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける原発性骨髄線維症を治療する方法に関する。
[0054]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける真性赤血球増加症後骨髄線維症を治療する方法に関する。
[0055]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける本態性血小板血症後骨髄線維症を治療する方法に関する。
[0056]一実施形態において、本発明は、表1からのBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、骨髄線維症(myleofibrosis)を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用に関する。一実施形態において、MFは、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
[0057]一実施形態において、本発明は、原発性骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1からのBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[0058]一実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症後骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[0059]一実施形態において、本発明は、本態性血小板血症後骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[0060]一実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症に続発する骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1からのBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[0061]一実施形態において、本発明は、本態性血小板血症に続発する骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[0062]一実施形態において、本発明は、慢性骨髄性白血病に続発する骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[0063]一実施形態において、本発明は、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、骨髄線維症を治療するための医薬の製造における、表1から選択されるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物の使用に関する。一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
[0064]上で記載される方法は、一次がん療法として、又はルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを含めた従来の療法を用いた治療後に使用されてもよい。
[0065]BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、原発性骨髄線維症、特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される骨髄線維症を治療するために、療法は当業者に周知である放射線療法、ホルモン療法、手術、及び免疫療法との組合せでも使用されてもよい。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
作用のメカニズム
[0066]骨髄線維症は、造血幹細胞及び前駆細胞の構成的動員、並びに髄外造血(EMH)の確立によって特徴付けられる。脾臓及び末梢血骨髄線維性CD34+細胞は、骨髄に帰巣するが脾臓には帰巣しないという欠陥がある能力を等しく共有する。このトラフィッキングパターンは、末梢血及び脾臓CD34+細胞の両方によるCXCR4の下方調節以外に、インテグリン又はケモカイン受容体の不一致の発現を原因とし得ない。無傷の化学誘引物質であるCXCL12(CXCR4に対するリガンド)の濃度は、末梢血骨髄線維症血漿よりも脾臓骨髄線維症血漿においてより大きい。セリンプロテアーゼによるタンパク質分解酵素による分解の産物である、CXCL12の機能的に不活性な切り取られた産物は、脾臓及び末梢血骨髄線維性血漿の両方において同様のレベルで検出された。骨髄線維性脾臓微小環境は、脾臓への悪性CD34+骨髄細胞の局在の一因となる無傷の機能的CXCL12のレベルの増加によって特徴付けられる(Wang(2015)Exp.Hematol.43、100~109ページ)。
[0067]異常なCD34+細胞トラフィッキング及び髄外造血は、骨髄線維症の病理生物学の不可欠な構成要素である。悪性骨髄CD34+細胞の構成的動員は、これらの細胞でのCXCR4の下方調節、及びCD34+細胞に対する化学誘引物質として働く無傷のCXCL12の量の低下によって説明される。末梢血において及びおそらく骨髄においてではなく、骨髄線維性脾臓内での無傷の十分に機能的なCXCL12の濃度の増加は、骨髄線維症患者の骨髄へよりもむしろ脾臓への悪性骨髄CD34+細胞のホーミングの一因となり、究極的には脾臓における髄外造血につながる。骨髄線維症患者における髄外造血の初期確立は、一部は正常な脾臓における無傷のCXCL12の存在に起因し、無傷のCXCL12の産生は、血管を裏打ちする細胞に局在している。骨髄線維症が進行するにつれて、骨髄ではCD34+細胞が次第に枯渇するが、CD34+細胞は末梢血に存在し、これは、骨髄線維性脾臓、末梢血、及び骨髄の間でのCD34+細胞トラフィッキングの結果である(Wang(2015)Exp.Hematol.43、100~109ページ)。
[0068]骨髄線維症における疾患進行は、髄外造血の増加に起因した、より大きな程度の脾腫を高頻度に伴う。EMHが生ずるためには、骨髄線維性造血幹細胞が脾臓に入り、次いで造血を開始し且つ持続させるために必要とされるシグナルを供給する許容微小環境が確立されなければならない。脾臓の微小環境内の変更は、骨髄線維性幹細胞(MF-SC)の異常なトラフィッキングの一因となり、EMHの発生につながる。脾臓骨髄線維症血漿は、骨髄線維症患者におけるEMHの開始及び発生をもたらすCXCL12の濃度の増加によって特徴付けられる。CXCL12の過度な産生に関与する脾臓細胞は、内皮細胞であるようである。骨髄及び脾臓内の微小環境は、一部には、脾臓に存在する無傷のCXCL12のレベルの増加に起因して、骨髄線維症において異なる。骨髄及び脾臓内のこれらの異なる微小環境は、脾臓における悪性CD34+骨髄細胞の隔離及び後続の疾患進行の一因となる(Wang(2015)Exp.Hematol.43、100~109ページ)。
[0069]末梢血及び骨髄におけるCXCR4の低下は、骨髄から悪性CD34+細胞を放出させ、一方で高いCXCL12レベルは、脾臓に悪性CD34+骨髄細胞を引き付け、一方で末梢血における低レベルのCXCL12は、脾臓における隔離を促進する。このことは、脾臓への悪性CD34+骨髄細胞の蓄積をもたらし、骨髄からCD34+骨髄細胞を枯渇させる。BTKの阻害は、CXCL12の発現及び活性を低下させ、ゆえに、脾臓における悪性CD34+骨髄細胞の蓄積をもたらすCXCL12の化学誘引効果は低下する。脾臓におけるCXCL12のこの阻害は、脾臓から末梢血への悪性CD34+骨髄細胞の遊走をもたらし、脾臓における骨髄線維性組織の形成を有効に低下させる。
[0070]VCAM-1の分解産物である可溶性VCAM-1の濃度は、原発性骨髄線維症を有する患者の血漿において上昇し、原発性骨髄線維症を有する患者の末梢血におけるCD34+細胞の絶対数と相関する。さらに、CD34+細胞によるCXCR-4発現は下方調節され、血漿CXCL12レベルは上昇し、このことは、CD34+細胞動員につながるCLCL12/CXCR-4相互作用の変更を説明する。骨髄線維性HSC及びHPCの構成的動員は、CXCR4プロモーターの過剰メチル化並びにCXCL12及び血管接着分子-1(VCAM-1)のタンパク質分解酵素による分解に起因した、骨髄線維性CD34+細胞によるCXCR4発現の下方調節の結果として生じる、CXCR4/CXCL12軸の大きな変更と関連付けられている。構成的CD34+細胞動員に関与するプロテアーゼを標的にする薬物は、原発性骨髄線維症を有する患者における造血の髄外部位の確立を阻止する又は髄外部位を排除するための興味深いストラテジーを提示する。
[0071]白血球及び前駆細胞の移動は、髄外造血の過程に極めて重要である。上で触れられるように、この過程はケモカイン、例えばCXCL12によって調節され、インテグリンLFA1及びVLA4によって媒介もされる。変異CALRではなくJAKV617Fは、低分子量GTPase Rap1の活性化を介してインテグリンシグナル伝達を刺激し、ICAM-1及びVCAM-1(脾臓において豊富に発現される)への顆粒球の結合の増加をもたらす。CALR変異白血球に対するJAKV617Fの差示的インテグリン結合と協調した走化性の差は、髄外造血の一因となり得る。原発性骨髄線維症において、脾腫のリスクは、JAKV617F陽性個体においてよりもCALR変異患者においてそれほど顕著ではない。JAK2V617Fキナーゼは、JAK2V617Fシグナル伝達を介して、BTK、PI3K/AKT、PLCγ1、及びRhoAを仲介し、ケモカインCXCL12と協力し、細胞遊走を調節する。このメカニズムは、骨髄から末梢血に及び髄外臓器に遊走するJAKV617F陽性骨髄前駆体及び幹細胞の異常な細胞運動性におけるこれらの下流分子の寄与の理論的根拠を提供する。ゆえに、MPNにおけるJAKV617F陽性クローンの異常な遊走及びホーミングを阻害するためのBTK阻害剤の使用は、本発明に包含される。しかしながら、一部の実施形態において、JAKV617F陽性クローンの存在は、BTK阻害剤を用いた治療に影響を与えない。ゆえに、JAKV617F変異を有する及びJAKV617F変異を有しないヒト対象のBTK阻害剤治療の両方とも、本発明に包含される。
骨髄線維症を治療する方法
[0072]本発明は、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、骨髄線維症を治療する方法に関する。一部の実施形態において、MFは、慢性特発性骨髄線維症としても知られる原発性骨髄線維症である。原発性骨髄線維症は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症とは対照的である。しかしながら、一部の実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症を治療することを包含する。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、表1における化合物のいずれか又はその薬学的に許容できる塩である。
[0073]本発明は、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、骨髄線維症を治療する方法にも関する。一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、続発性骨髄線維症、真性赤血球増加症に続発する骨髄線維症、本態性血小板血症に続発する骨髄線維症、慢性骨髄性白血病に続発する骨髄線維症、及び特発性骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。
[0074]一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤ナイーブである(すなわち、JAK2阻害剤を用いた療法を受けたことがない)。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤不耐性である。一実施形態において、ヒト対象は、低血小板数に起因してJAK2阻害剤不適格である。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療後に再発している。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療に対して難治性である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、(i)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを受けたヒト対象における任意のMPNの重症度若しくは進行の低下がないこと、又は(ii)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発、を含むが、それらに限定されるわけではない。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄線維症の重症度又は進行の低下がないことである。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物及びその薬学的に許容できる塩である。
[0075]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける原発性骨髄線維症を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1から選択される化合物である、方法に関する。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、共有結合性又は不可逆性BTK阻害剤である。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、非共有結合性又は可逆性BTK阻害剤である。
[0076]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける真性赤血球増加症後骨髄線維症を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1から選択される化合物である、方法に関する。
[0077]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける本態性血小板血症後骨髄線維症を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1のいずれかから選択される化合物である、方法に関する。
[0078]一実施形態において、ヒト対象は、彼らの脾臓において悪性CD34+骨髄細胞の蓄積を有する。これらの悪性CD34+骨髄細胞では、正常な骨髄細胞と比べて、CXCR4の発現が減少している。一実施形態において、BTK阻害剤は、ヒト対象の骨髄又は脾臓から末梢血への悪性CD34+骨髄細胞の遊走を刺激するのに十分な治療有効量で投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、悪性CD34+骨髄細胞におけるVLA-4を不活性化するのに十分な量で投与される。
[0079]一実施形態において、本発明は、ヒト対象にBTK阻害剤を投与するステップを含む、骨髄線維症に罹患しているヒト対象における脾臓から末梢血への悪性CD34+骨髄細胞の遊走を刺激する方法に関する。一実施形態において、ヒト対象は、彼らの脾臓において悪性CD34+骨髄細胞の蓄積を有する。これらの悪性CD34+骨髄細胞では、正常な骨髄細胞と比べて、CXCR4の発現が減少している。
[0080]一実施形態において、本発明は、BTK阻害剤を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、続発性骨髄線維症を治療する方法であって、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩であり、続発性骨髄線維症は、真性赤血球増加症に続発する骨髄線維症及び本態性血小板血症に続発する骨髄線維症からなる群から選択される、方法に関する。一実施形態において、真性赤血球増加症は、瀉血依存的真性赤血球増加症である。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを用いた以前のMF療法に失敗している。
[0081]一実施形態において、BTK阻害剤は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、560mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で投与される。一実施形態において、BTK阻害剤は、投薬量及び投薬レジメンの節に従ってヒトに投与される。
[0082]一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症から選択される。一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症から選択され、ヒト対象は、PMF、post PV-MF、又はpost ET-MFに対するルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。
[0083]一実施形態において、骨髄線維症は、CALR変異の存在によって特徴付けられる。
[0084]一実施形態において、骨髄線維症は、MPL変異の存在によって特徴付けられる。
[0085]一実施形態において、骨髄線維症は、ヒト対象におけるJAK2V617F変異によって特徴付けられる。
[0086]一実施形態において、骨髄線維症は、JAK2V617F、MPL、CALR、及びその組合せからなる群から選択される1つ又は複数の変異によって特徴付けられる。
[0087]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける真性赤血球増加症に続発する骨髄線維症を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1から選択される化合物である、方法に関する。
[0088]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける本態性血小板血症に続発する骨髄線維症を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1から選択される化合物である、方法に関する。
[0089]一実施形態において、本発明は、治療有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける慢性骨髄性白血病に続発する骨髄線維症を治療する方法であって、BTK阻害剤は表1から選択される化合物である、方法に関する。
[0090]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける骨髄線維症を治療する方法に関する。一実施形態において、MFは、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
[0091]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける骨髄線維症を治療する方法であって、MFは、真性赤血球増加症に続発するMF、本態性血小板血症に続発するMF、及びCMLに続発するMFからなる群から選択される、方法に関する。
[0092]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける原発性骨髄線維症を治療する方法に関する。
[0093]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける真性赤血球増加症後骨髄線維症を治療する方法に関する。
[0094]一実施形態において、本発明は、15mg QD、25mg QD、30mg QD、50mg QD、60mg QD、75mg QD、90mg QD、100mg QD、120mg QD、150mg QD、175mg QD、180mg QD、200mg QD、225mg QD、240mg QD、250mg QD、275mg QD、300mg QD、325mg QD、350mg QD、360mg QD、375mg QD、480mg QD、15mg BID、25mg BID、30mg BID、50mg BID、60mg BID、75mg BID、90mg BID、100mg BID、120mg BID、150mg BID、175mg BID、180mg BID、200mg BID、225mg BID、240mg BID、250mg BID、275mg BID、300mg BID、325mg BID、350mg BID、360mg BID、375mg BID、及び480mg BIDからなる群から選択される投薬量で、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩をヒトに投与するステップを含む、ヒトにおける本態性血小板血症後骨髄線維症を治療する方法に関する。
[0095]一実施形態において、本発明は、表1からのBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用に関する。一実施形態において、MFは、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
[0096]一実施形態において、本発明は、原発性骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1からのBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[0097]一実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症後骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[0098]一実施形態において、本発明は、本態性血小板血症後骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[0099]一実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症に続発する骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1からのBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[00100]一実施形態において、本発明は、本態性血小板血症に続発する骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[00101]一実施形態において、本発明は、慢性骨髄性白血病に続発する骨髄線維症を治療するための医薬の製造におけるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、治療することは、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、使用に関する。
[00102]一実施形態において、本発明は、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物の1回又は複数の用量をヒトに投与するステップを含む、骨髄線維症を治療するための医薬の製造における、表1から選択されるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物の使用に関する。一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
[00103]上で記載される方法は、一次がん療法として、又はルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを含めた従来の療法を用いた治療後に使用されてもよい。
[00104]BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、原発性骨髄線維症、特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される骨髄線維症を治療するために、療法は当業者に周知である放射線療法、ホルモン療法、手術、及び免疫療法との組合せでも使用されてもよい。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。
骨髄増殖性新生物を治療する方法
[00105]本発明は、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、MPNを治療する方法にも関する。一実施形態において、MPNは、真性赤血球増加症、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、血小板血症、本態性血小板血症、特発性全身性肥満細胞症(idiopathic systemic mastocystosis)(SM)、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病-非特定型(CEL-NOS)、分類不能骨髄増殖性新生物(MPN-U)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び全身性肥満細胞疾患(SMCD)からなる群から選択される。一実施形態において、MPNは、慢性好中球性白血病(CNL)、慢性好酸球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、好酸球増多症候群(HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。一実施形態において、真性赤血球増加症は、瀉血依存的真性赤血球増加症である。一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。
[00106]一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤ナイーブである(すなわち、JAK2阻害剤を用いた療法を受けたことがない)。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤不耐性である。一実施形態において、ヒト対象は、低血小板数に起因してJAK2阻害剤不適格である。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療後に再発している。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療に対して難治性である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、(i)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを受けたヒト対象における任意のMPNの重症度若しくは進行の低下がないこと、又は(ii)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発、を含むが、それらに限定されるわけではない。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄線維症の重症度又は進行の低下がないことである。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物及びその薬学的に許容できる塩である。
[00107]一実施形態において、本発明は、BTK阻害剤を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、MPNを治療する方法であって、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩であり、MPNは、真性赤血球増加症及び本態性血小板血症からなる群から選択される、方法に関する。一実施形態において、真性赤血球増加症は、瀉血依存的真性赤血球増加症である。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを用いた以前のMPN療法に失敗している。
[00108]本発明は、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、急性転化期(blast phase)MPN(MPN-BP)を治療する方法にも関する。一実施形態において、MPN-BPは、急性転化期真性赤血球増加症(BP-PV)、急性転化期骨髄線維症、急性転化期血小板血症、急性転化期本態性血小板血症(BP-ET)、急性転化期全身性肥満細胞症(BP-SM)、急性転化期慢性好中球性白血病(BP-CNL)、急性転化期骨髄異形成症候群(BP-MDS)、及び急性転化期全身性肥満細胞疾患(BP-SMCD)からなる群から選択される。一実施形態において、MPN-BPは、急性転化期慢性好中球性白血病(BP-CNL)、急性転化期慢性好酸球性白血病、急性転化期慢性骨髄単球性白血病(BP-CMML)、急性転化期非定型慢性骨髄性白血病(BP-aCML)、急性転化期若年性骨髄単球性白血病(BP-JMML)、急性転化期好酸球増多症候群(BP-HES)、並びに環状鉄芽球及び血小板増加症を伴う急性転化期骨髄異形成/骨髄増殖性新生物(BP-MDS/MPN-RS-T)からなる群から選択される。一実施形態において、急性転化期真性赤血球増加症は、瀉血依存的真性赤血球増加症である。一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。
[00109]一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤ナイーブである(すなわち、JAK2阻害剤を用いた療法を受けたことがない)。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤不耐性である。一実施形態において、ヒト対象は、低血小板数に起因してJAK2阻害剤不適格である。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療後に再発している。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療に対して難治性である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、(i)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを受けたヒト対象における任意のMPNの重症度若しくは進行の低下がないこと、又は(ii)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発、を含むが、それらに限定されるわけではない。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄線維症の重症度又は進行の低下がないことである。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物及びその薬学的に許容できる塩である。一実施形態において、BTK阻害剤は、投薬量及び投薬レジメンの節に従ってヒトに投与される。
[00110]一実施形態において、MPNは、CALR変異によって特徴付けられる。
[00111]一実施形態において、MPNは、MPL変異によって特徴付けられる。
[00112]一実施形態において、MPNは、JAK2V617F変異によって特徴付けられる。
[00113]一実施形態において、MPNは、JAK2V617F、MPL、CALR、及びその混合物からなる群から選択される1つ又は複数の変異によって特徴付けられる。
BET阻害剤との組合せ
[00114]ブロモドメイン及び末端外ドメイン(BET)タンパク質は、いくつかの成長促進性抗アポトーシス遺伝子の効率的な発現、及び細胞周期進行に要される転写調節因子である。BETファミリーは、BRD2、BRD3、BRD4、及びBRDTを含む。転写の間、BETタンパク質は、N末端ブロモドメイン(BRD)を介してクロマチンに導かれ、このドメインは、ヒストンH3及びH4におけるアセチル化リジン残基を認識する。BETの阻害剤は、このBET-ヒストン相互作用を分断し、その後、MYCを含めたがん遺伝子の転写を下方調節する。
[00115]MYC及びBTKは、細胞過程及び腫瘍進行の重要な調節因子である。BET阻害とMYC下方調節との間の関係性、及びMYCの過剰発現とがんとの間の関係性を踏まえると、BET阻害剤は、MYC関連疾患を治療するのに有用である。さらに、BTK阻害剤との組合せでの(in ation with)BET阻害剤は、骨髄細胞疾患を治療するのに有用である。
[00116]一部の実施形態において、本発明は、BET阻害剤との組合せで、有効量のBTK阻害剤を治療を必要とするヒト対象に投与することによって、脾腫、髄外造血、又は線維症を治療する方法に関する。本明細書における本開示は、望ましい治療剤がBTK阻害及びBET阻害に基づいて選択されることができることを実証する。それゆえ、作用の特定のメカニズムに拘束されることを望まないものの、BET阻害との組合せでのBTK阻害は、1種又は複数の下流シグナル伝達構成要素(例えば、CXCR-4、CXCL12、VLA-4、VCAM-1)を変更して、末梢血へのCD34+細胞の遊走を動員し、骨髄線維症と関連した合併症の治療において、特に、脾腫、髄外造血、又は線維症を含むがそれらに限定されない1種又は複数の骨髄線維症合併症を治療する又は阻止することにおいて有用であろうことが予想される。
[00117]ゆえに、本発明は、表2から選択されるBET阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩との組合せで、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、脾腫、髄外造血、又は線維症を治療する方法に関する。一部の実施形態において、脾腫は骨髄線維症に続発する。一部の実施形態において、脾腫は、慢性特発性骨髄線維症としても知られる原発性骨髄線維症と関連付けられる。原発性骨髄線維症は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症とは対照的である。しかしながら、一部の実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症に起因した脾腫を治療することを包含する。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、表2から選択されるBET阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩との組合せでの、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。
[00118]一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤ナイーブである(すなわち、JAK2阻害剤を用いた療法を受けたことがない)。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤不耐性である。一実施形態において、ヒト対象は、低血小板数に起因してJAK2阻害剤不適格である。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療後に再発している。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療に対して難治性である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、(i)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを受けたヒト対象における任意のMPNの重症度若しくは進行の低下がないこと、又は(ii)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発、を含むが、それらに限定されるわけではない。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄線維症の重症度又は進行の低下がないことである。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物及びその薬学的に許容できる塩である。一実施形態において、ヒトは、JAK2V617F、MPL、CALR、及びその組合せからなる群から選択される1つ又は複数の変異によって特徴付けられる脾腫、髄外造血、又は線維症に罹患している。
Figure 2023509968000014
[00119]本発明は、表2から選択されるBET阻害剤又はその薬学的に許容できる塩との組合せで、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を治療を必要とするヒトに投与するステップを含む、骨髄線維症を治療する方法を包含する。一部の実施形態において、骨髄線維症は、慢性特発性骨髄線維症としても知られる原発性骨髄線維症である。原発性骨髄線維症は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症とは対照的である。しかしながら、一部の実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症を治療することを包含する。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、表2から選択されるBET阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩との組合せでの、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。
[00120]一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤ナイーブである(すなわち、JAK2阻害剤を用いた療法を受けたことがない)。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤不耐性である。一実施形態において、ヒト対象は、低血小板数に起因してJAK2阻害剤不適格である。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療後に再発している。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療に対して難治性である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、(i)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを受けたヒト対象における任意のMPNの重症度若しくは進行の低下がないこと、又は(ii)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発、を含むが、それらに限定されるわけではない。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄線維症の重症度又は進行の低下がないことである。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物及びその薬学的に許容できる塩である。一実施形態において、ヒトは、JAK2V617F、MPL、CALR、及びその組合せからなる群から選択される1つ又は複数の変異によって特徴付けられる脾腫、髄外造血、又は線維症に罹患している。
[00121]一部の実施形態において、BET阻害剤は、1日1回、1日あたり2回、1日あたり3回、1日あたり4回、又は1日あたり5回投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、約40mg/日~約1000mg/日の投薬量で投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤は経口投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤及びBET阻害剤は、同時に、逐次的に、又は間欠的に投与される。BET阻害剤に対する用量及び投薬は、本明細書に記載されるとおりである。
[00122]一部の実施形態において、本発明は、(a)BTK阻害剤;(b)BET阻害剤;及び(c)薬学的に許容できる賦形剤、を含む薬学的組合せを包含する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤又はBET阻害剤単独の投与と比較して、相乗的な治療効果を提供する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤に対して骨髄線維症を感作する。一部の実施形態において、BET阻害剤は、表2から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。一部の実施形態において、組合せは、組み合わせられた剤形になっている。一部の実施形態において、組合せは、別個の剤形になっている。
[00123]一部の実施形態において、本発明は、治療を必要とするヒト対象における脾腫、髄外造血、又は線維症を治療するための、BTK阻害剤及びBET阻害剤を含む治療有効量の組合せの使用を包含する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤又はBET阻害剤単独の投与と比較して、相乗的な治療効果を提供する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤に対して悪性CD34+骨髄細胞を感作する。一部の実施形態において、BET阻害剤は、表2からの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む。一部の実施形態において、脾腫、髄外造血、又は線維症は、慢性特発性骨髄線維症としても知られる原発性骨髄線維症と関連付けられる。原発性骨髄線維症は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症とは対照的である。しかしながら、一部の実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する脾腫、髄外造血、又は線維症を治療することを包含する。一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、続発性骨髄線維症、真性赤血球増加症に続発する骨髄線維症、本態性血小板血症に続発する骨髄線維症、慢性骨髄性白血病に続発する骨髄線維症、及び特発性骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症からなる群から選択される。一実施形態において、原発性骨髄線維症は、原線維性/早期PMF及び線維化期PMFからなる群から選択される。一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。
[00124]一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤ナイーブである(すなわち、JAK2阻害剤を用いた療法を受けたことがない)。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤不耐性である。一実施形態において、ヒト対象は、低血小板数に起因してJAK2阻害剤不適格である。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療後に再発している。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療に対して難治性である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、(i)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを受けたヒト対象における任意のMPNの重症度若しくは進行の低下がないこと、又は(ii)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発、を含むが、それらに限定されるわけではない。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄線維症の重症度又は進行の低下がないことである。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物及びその薬学的に許容できる塩である。
[00125]一部の実施形態において、本発明は、BTK阻害剤及びBET阻害剤を含む治療有効量の組合せを治療を必要とするヒト対象に投与するステップを含む、骨髄線維症を治療するための、BTK阻害剤及びBET阻害剤を含む治療有効量の組合せの使用を包含する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤又はBET阻害剤単独の投与と比較して、相乗的な治療効果を提供する。一部の実施形態において、組合せは、BTK阻害剤に対して骨髄線維症を感作する。一部の実施形態において、BET阻害剤は、表2から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。一部の実施形態において、骨髄線維症は、慢性特発性骨髄線維症としても知られる原発性骨髄線維症である。原発性骨髄線維症は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症とは対照的である。しかしながら、一部の実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症又は本態性血小板血症に続発して発生する骨髄線維症に起因した脾腫を治療することを包含する。一部の実施形態において、BTK阻害剤は、表2から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩との組合せでの、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。一実施形態において、ヒトは、ヒドロキシウレア不耐性(許容できない副作用)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)として判定される。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤ナイーブである(すなわち、JAK2阻害剤を用いた療法を受けたことがない)。一実施形態において、ヒト対象はJAK2阻害剤不耐性である。一実施形態において、ヒト対象は、低血小板数に起因してJAK2阻害剤不適格である。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療後に再発している。一実施形態において、ヒト対象は、JAK2阻害剤治療に対して難治性である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、(i)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブを受けたヒト対象における任意のMPNの重症度若しくは進行の低下がないこと、又は(ii)ルキソリチニブ若しくはフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発、を含むが、それらに限定されるわけではない。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブを受けたヒト対象における任意の骨髄線維症の重症度又は進行の低下がないことである。一実施形態において、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法の失敗は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法後のヒト対象における任意の骨髄線維症の再発である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物及びその薬学的に許容できる塩である。一実施形態において、ヒトは、JAK2V617F、MPL、CALR、及びその組合せからなる群から選択される1つ又は複数の変異によって特徴付けられる脾腫、髄外造血、又は線維症に罹患している。
医薬組成物
[00126]一部の実施形態において、本発明は、骨髄線維症に対する、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、本発明は、骨髄線維症、原発性骨髄線維症、又は特発性骨髄線維症を治療するための、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、骨髄線維症は、原発性骨髄線維症、真性赤血球増加症後骨髄線維症、及び本態性血小板血症後骨髄線維症から選択される。
[00127]一部の実施形態において、本発明は、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、又は慢性骨髄性白血病に続発する骨髄線維症を治療するための、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供する。
[00128]医薬組成物は、典型的には、治療有効量の表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩を提供するように製剤化される。所望の場合、医薬組成物は、その薬学的に許容できる塩及び/又は配位錯体、並びに1種又は複数の薬学的に許容できる賦形剤、不活性の固形希釈剤及び充填剤を含めたキャリア、滅菌水溶液及び様々な有機溶媒を含めた希釈剤、透過増強剤、可溶化剤、並びにアジュバントを含有する。所望の場合、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩に加えて他の成分が調製物に混合されてもよい、又は両構成要素は、別個での若しくは同時での組合せでの使用のために別個の調製物に製剤化されてもよい。
[00129]選択される実施形態において、本発明の医薬組成物において提供されるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の濃度は、例えば100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、又は0.0001%w/w、w/v、又はv/v未満である。
[00130]選択される実施形態において、本発明の医薬組成物において提供されるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の濃度は、独立して、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、又は0.0001%w/w、w/v、又はv/vを上回る。
[00131]選択される実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の濃度は、独立して、およそ0.0001%~およそ50%、およそ0.001%~およそ40%、およそ0.01%~およそ30%、およそ0.02%~およそ29%、およそ0.03%~およそ28%、およそ0.04%~およそ27%、およそ0.05%~およそ26%、およそ0.06%~およそ25%、およそ0.07%~およそ24%、およそ0.08%~およそ23%、およそ0.09%~およそ22%、およそ0.1%~およそ21%、およそ0.2%~およそ20%、およそ0.3%~およそ19%、およそ0.4%~およそ18%、およそ0.5%~およそ17%、およそ0.6%~およそ16%、およそ0.7%~およそ15%、およそ0.8%~およそ14%、およそ0.9%~およそ12%、又はおよそ1%~およそ10%w/w、w/v、又はv/vの値域にある。
[00132]選択される実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の濃度は、独立して、およそ0.001%~およそ10%、およそ0.01%~およそ5%、およそ0.02%~およそ4.5%、およそ0.03%~およそ4%、およそ0.04%~およそ3.5%、およそ0.05%~およそ3%、およそ0.06%~およそ2.5%、およそ0.07%~およそ2%、およそ0.08%~およそ1.5%、およそ0.09%~およそ1%、およそ0.1%~およそ0.9%w/w、w/v、又はv/vの値域にある。
[00133]選択される実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の量は、独立して、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、又は0.0001gに等しい又はそれ未満である。
[00134]選択される実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の量は、独立して、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、又は10gよりも多い。
[00135]表1におけるBTK阻害剤化合物及びその薬学的に許容できる塩は、広い投薬量域にわたって有効である。例えば、成人の治療において、独立して、1日あたり0.01~1000mg、0.5~100mg、1~50mg、及び1日あたり5~40mgに及ぶ投薬量は、使用されてもよい投薬量の例である。正確な投薬量は、投与の経路、化合物が投与される形態、治療されるべき対象の性別及び年齢、治療されるべき対象の体重、並びに主治医の選好及び経験に依存するであろう。
[00136]非限定的な例となる医薬組成物及び医薬組成物を調製するための方法が、下で記載される。
経口投与のための医薬組成物
[00137]選択される実施形態において、本発明は、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩、及び経口投与に好適な薬学的賦形剤を含む、経口投与のための医薬組成物を提供する。
[00138]選択された実施形態において、本発明は、(i)組合せにおける有効量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩及び(ii)経口投与に好適な医薬賦形剤を含有する、経口投与のための固形医薬組成物を提供する。選択された実施形態において、組成物は、(iii)有効量の少なくとも1種の付加的な有効成分をさらに含有する。
[00139]選択された実施形態において、医薬組成物は、経口消費に好適な液体医薬組成物であってもよい。経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、カプセル、カシェー、若しくは錠剤等の個別の剤形として、或いはそれぞれが、水性若しくは非水性液体、水中油型乳濁液、又は油中水型液体乳濁液に、粉末として又は顆粒、溶液、若しくは懸濁液の状態で所定の量の有効成分を含有する液体又はエアロゾルスプレーとして提示され得る。そのような剤形は、方法のいずれかによって調製され得るが、すべての方法は、有効成分(複数可)を、1種又は複数の必要な成分を構成するキャリアと結び付けるステップを含む。一般的に、組成物は、有効成分(複数可)と液体キャリア若しくは微粉固形キャリア又はその両方とを均一に且つ密接に混和し、次いで必要な場合には、産物を所望の見栄えに形作ることによって調製される。例えば、錠剤は、任意選択で1種又は複数の補助的成分とともに、圧縮又は成形によって調製され得る。圧縮錠剤は、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、及び/又は表面活性剤若しくは分散剤等であるがそれらに限定されない賦形剤と任意選択で混合された、粉末又は顆粒等の自由流動形態の有効成分を適切な機械で圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らした粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって作製され得る。
[00140]水は一部の化合物の分解を促し得ることから、本発明は、無水医薬組成物及び剤形をさらに包含する。例えば、製薬技術分野において、長期保管を模倣する手段として水を添加して(例えば、5%)、貯蔵寿命又は経時的な製剤の安定性等の特徴を判定することができる。本発明の無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分、及び低水分又は低湿度条件を使用して調製され得る。ラクトースを含有する本発明の医薬組成物及び剤形は、製造、包装、及び/又は保管の間に水分及び/又は湿度との実質的な接触が予想される場合、無水とされ得る。無水医薬組成物は、無水医薬組成物の無水性質が維持されるように調製されることができ且つ保管されることができる。したがって、無水組成物は、水への曝露を阻止することが知られている材料を使用して包装されてもよく、それにより無水組成物は、適切な処方キットに含まれ得る。適切な包装の例は、密閉ホイル、プラスチック等、単位用量容器、ブリスターパック、及びストリップパックを含むが、それらに限定されるわけではない。
[00141]BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、従来の薬学的配合技法に従って、薬学的キャリアとの密接な混和物の状態で組み合わせられ得る。キャリアは、投与に望まれる調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとり得る。経口剤形のための組成物を調製する際、経口液体調製物(懸濁液、溶液、及びエリキシル剤等)若しくはエアロゾルの場合には、例えば水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤等、通常の薬学的媒体のいずれかがキャリアとして採用され得る;又は、経口固形調製物の場合には、一部の実施形態ではラクトースの使用を採用せずに、デンプン、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤等のキャリアが使用され得る。例えば、固形経口調製物に関して、適切なキャリアは、粉末、カプセル、及び錠剤を含む。所望の場合、錠剤は、標準的な水性又は非水性の技法によってコートされ得る。
[00142]医薬組成物及び剤形における使用に適切な結合剤は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、アカシア等の天然及び合成ガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、トラガカント末、グアーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、並びにその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。
[00143]本明細書に開示される医薬組成物及び剤形における使用のための適切な充填剤の例は、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート(dextrate)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。
[00144]崩壊剤を本発明の組成物において使用して、水性環境に曝露された場合に崩壊する錠剤を提供することができる。過剰の崩壊剤は、ボトルにおいて崩壊する錠剤をもたらすことがある。過少は、崩壊が生じるのに不十分であることがあり、ゆえに剤形からの有効成分の放出の速度及び程度を変更する。ゆえに、有効成分(複数可)の放出を有害に変更する過少でも過剰でもない十分量の崩壊剤を使用して、本明細書に開示される化合物の剤形を形成することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプ及び投与の様態に基づいて変動してもよく、当業者によって容易に認められ得る。約0.5~約15重量パーセントの崩壊剤、又は約1~約5重量パーセントの崩壊剤を、医薬組成物において使用してもよい。本発明の医薬組成物及び剤形を形成するために使用され得る崩壊剤は、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、又はその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。
[00145]本発明の医薬組成物及び剤形を形成するために使用され得る滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽質鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水添植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル(ethylaureate)、寒天、又はその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。付加的な滑沢剤は、例えばsyloidシリカゲル、合成シリカの凝固エアロゾル、又はその混合物を含む。滑沢剤は、医薬組成物の約1重量パーセント未満の量で任意選択で添加され得る。
[00146]水性懸濁液及び/又はエリキシル剤が経口投与に望まれる場合、水性懸濁液及び/又はエリキシル剤の中の必須の有効成分は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、及びその様々な組合せ等の希釈剤と一緒に、様々な甘味剤若しくは香味剤、着色物質、又は色素、並びに所望の場合には、乳化剤及び/又は懸濁化剤と組み合わせられてもよい。
[00147]錠剤をコートしないで又は公知の技法によってコートして、消化管における崩壊及び吸収を遅延させ得、それによって、より長い期間にわたる持続的作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリル等の時間遅延材料が採用され得る。経口使用のための製剤は、有効成分が、不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、若しくはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセルとしても、又は有効成分が、水若しくは油媒体、例えば落花生油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとしても提示され得る。
[00148]本発明の医薬組成物及び剤形を形成するために使用され得る界面活性剤は、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、及びその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。つまり、親水性界面活性剤の混合物を採用してもよいし、親油性界面活性剤の混合物を採用してもよいし、又は少なくとも1種の親水性界面活性剤及び少なくとも1種の親油性界面活性剤の混合物を採用してもよい。
[00149]適切な親水性界面活性剤は、一般的に、少なくとも10のHLB値を有してもよく、一方で適切な親油性界面活性剤は、一般的に、約10の又は約10未満のHLB値を有してもよい。非イオン性両親媒性化合物の相対的親水性及び疎水性を特徴付けするために使用される経験的パラメーターが、親水性-親油性バランス(「HLB」値)である。より低いHLB値を有する界面活性剤は、より親油性であるか又は疎水性であり、油におけるより大きな溶解度を有し、一方でより高いHLB値を有する界面活性剤は、より親水性であり、水溶液におけるより大きな溶解度を有する。親水性界面活性剤は、約10よりも大きなHLB値を有するそうした化合物、並びにHLB尺度が一般的に適用可能でないアニオン性、カチオン性、又は双性イオン性化合物であると一般的に考えられる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、約10又は約10未満のHLB値を有する化合物である。しかしながら、界面活性剤のHLB値は、産業用の、薬学的な、及び美容用の乳濁液の製剤化を可能にするために一般的に使用される単なる大まかな指針にすぎない。
[00150]親水性界面活性剤は、イオン性又は非イオン性のいずれかであってもよい。適切なイオン性界面活性剤は、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、及びポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチン及び水添レシチン;リゾレシチン及び水添リゾレシチン;リン脂質及びその誘導体;リゾリン脂質及びその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクセートナトリウム;アシルラクチレート(acylactylates);モノ-及びジ-グリセリドのモノ-及びジ-アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ-及びジ-グリセリド;モノ-及びジ-グリセリドのクエン酸エステル;並びにその混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。
[00151]前述の群のうち、イオン性界面活性剤は、例として、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質、及びその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸の塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシルラクチレート;モノ-及びジ-グリセリドのモノ-及びジ-アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ-及びジ-グリセリド;モノ-及びジ-グリセリドのクエン酸エステル;並びにその混合物を含む。
[00152]イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル(lactylic ester)、ステアロイル-2-ラクチレート、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン(cholylsarcosine)、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレート、リノレート、リノレネート、ステアレート、ラウリルサルフェート、テラセシル(teracecyl)サルフェート、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、並びにその塩及び混合物、のイオン化形態であってもよい。
[00153]親水性非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリエチレングリコールアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリエチレングリコールアルキルフェノール等のポリオキシアルキレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル及びポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル等のポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、及びステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの親水性エステル交換反応産物;ポリオキシエチレンステロール、その誘導体、及び類似体;ポリオキシエチル化ビタミン及びその誘導体;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体;並びにその混合物;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、並びにトリグリセリド、植物油、及び水添植物油からなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの親水性エステル交換反応産物を含んでもよいが、それらに限定されるわけではない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、又はサッカライドであってもよい。
[00154]他の親水性非イオン性界面活性剤は、限定されることなく、ラウリン酸PEG-10、ラウリン酸PEG-12、ラウリン酸PEG-20、ラウリン酸PEG-32、ジラウリン酸PEG-32、オレイン酸PEG-12、オレイン酸PEG-15、オレイン酸PEG-20、ジオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-32、オレイン酸PEG-200、オレイン酸PEG-400、ステアリン酸PEG-15、ジステアリン酸PEG-32、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100、ジラウリン酸PEG-20、トリオレイン酸PEG-25グリセリル、ジオレイン酸PEG-32、ラウリン酸PEG-20グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ステアリン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-40グリセリル、PEG-40パーム核油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-60トウモロコシ油、PEG-6カプリン酸/カプリル酸グリセリド、PEG-8カプリン酸/カプリル酸グリセリド、ラウリン酸ポリグリセリル-10、PEG-30コレステロール、PEG-25フィトステロール、PEG-30ダイズステロール、トリオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-40ソルビタン、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE-9ラウリルエーテル、POE-23ラウリルエーテル、POE-10オレイルエーテル、POE-20オレイルエーテル、POE-20ステアリルエーテル、コハク酸トコフェリルPEG-100、PEG-24コレステロール、オレイン酸ポリグリセリル-10、Tween 40、Tween 60、スクロースモノステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースモノパルミテート、PEG 10~100ノニルフェノールシリーズ、PEG 15~100オクチルフェノールシリーズ、及びポロキサマーを含む。
[00155]適切な親油性界面活性剤は、単なる例として、脂肪アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロール及びステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロール及びステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノ-及びジ-グリセリドの乳酸誘導体;グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、及びステロールからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの疎水性エステル交換反応産物;油溶性ビタミン/ビタミン誘導体;並びにその混合物を含む。この群のうち、好ましい親油性界面活性剤は、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びその混合物を含むか、又は植物油、水添植物油、及びトリグリセリドからなる群の少なくとも1つのメンバーとのポリオールの疎水性エステル交換反応産物である。
[00156]一実施形態において、本発明の化合物の良好な可溶化及び/又は溶解を確実にするために、並びに本発明の化合物の沈殿を最小限に抑えるために、組成物は可溶化剤を含んでもよい。可溶化剤を含むことは、注射用の組成物等、非経口使用のための組成物にとりわけ重要であり得る。可溶化剤を添加して、親水性薬物、及び/若しくは界面活性剤等の他の構成要素の溶解度を増加させることも、又は組成物を安定な若しくは均質な溶液若しくは分散体として維持することもできる。
[00157]適切な可溶化剤の例は、以下のもの:エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール及びその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール(transcutol)、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他のセルロース誘導体、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体等のアルコール及びポリオール;テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)又はメトキシPEG等、約200~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル;2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、及びポリビニルピロリドン等のアミド及び他の窒素含有化合物;プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エプシロン-カプロラクトン及びその異性体、δ-バレロラクトン及びその異性体、β-ブチロラクトン及びその異性体等のエステル;並びに、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及び水等、当技術分野において公知の他の可溶化剤を含むが、それらに限定されるわけではない。
[00158]可溶化剤の混合物も使用してもよい。例は、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200~100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、及びジメチルイソソルビドを含むが、それらに限定されるわけではない。特に好ましい可溶化剤は、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロール、及びプロピレングリコールを含む。
[00159]含まれ得る可溶化剤の量は、特に限定されない。所与の可溶化剤の量は、当業者によって容易に判定されることができる生体許容(bioacceptable)量に限定されることがある。ある状況では、例えば薬物の濃度を最大限に高めるために、生体許容量をはるかに超える可溶化剤の量を含み、過度の可溶化剤を、蒸留又は蒸発等の従来の技法を使用して、患者に組成物を提供する前に除去することが有利であることがある。ゆえに、存在する場合、可溶化剤は、薬物及び他の賦形剤の組合せ重量に基づいて、10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、又は最高約200重量%の重量比であり得る。所望の場合、5%、2%、1%、又はさらにそれ未満等、非常に少量の可溶化剤も使用してもよい。典型的に、可溶化剤は、約1重量%~約100重量%、より典型的には約5重量%~約25重量%の量で存在してもよい。
[00160]組成物は、1種又は複数の薬学的に許容できる添加物及び賦形剤をさらに含み得る。そのような添加物及び賦形剤は、限定されることなく、脱粘着剤(detackifier)、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化物質、防腐剤、キレート剤、粘性モジュレーター(viscomodulator)、張度剤(tonicifier)、香味料(flavorant)、着色料、付臭剤、乳白剤、懸濁化剤、結合剤、充填剤、可塑剤、滑沢剤、及びその混合物を含む。
[00161]加えて、加工を容易にするために、安定性を増強するために、又は他の理由のために、酸又は塩基を組成物に組み入れてもよい。薬学的に許容できる塩基の例は、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト(hydrocalcite)、水酸化アルミニウムマグネシウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)等を含む。酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノンスルホン酸(hydroquinosulfonic acid)、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸等、薬学的に許容できる酸の塩である塩基も適切である。リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、及びリン酸二水素ナトリウム等、多塩基酸の塩も使用され得る。塩基が塩である場合、カチオンは、アンモニウム、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属等、任意の好都合で且つ薬学的に許容できるカチオンであり得る。例は、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、及びアンモニウムを含んでもよいが、それらに限定されるわけではない。
[00162]適切な酸は、薬学的に許容できる有機又は無機酸である。適切な無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸等を含む。適切な有機酸の例は、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノンスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、及び尿酸を含む。
注射用医薬組成物
[00163]選択される実施形態において、本発明は、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩、及び注射に好適な薬学的賦形剤を含む、注射のための医薬組成物を提供する。組成物における構成要素、及び作用物質の量は、本明細書に記載されるとおりである。
[00164]注射による投与のために本発明の組成物を組み入れることができる形態は、水性若しくは油性懸濁液、又はゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、若しくは落花生油との乳濁液、並びにエリキシル剤、マンニトール、デキストロース、又は滅菌水溶液、及び同様の医薬ビヒクルを含む。
[00165]生理食塩水中の水溶液も、従来どおりに注射に使用される。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール(及び、その適切な混合物)、シクロデキストリン誘導体、並びに植物油も採用されてもよい。適正な流動性は、例えば、分散体の場合には要求される粒子サイズの維持のためのレシチン等のコーティングの使用によって、及び界面活性剤の使用によって、維持され得る。微生物の作用の阻止は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、及びチメロサールによってもたらされ得る。
[00166]滅菌注射液は、要求に応じて上で挙げられる様々な他の成分とともに、適当な溶媒において要求される量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を組み入れ、その後に濾過滅菌が続くことによって調製される。一般的に、分散体は、塩基性分散媒、及び上で挙げられるものからの要求される他の成分を含有する滅菌ビヒクルに、様々な滅菌有効成分を組み入れることによって調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合には、調製のある特定の望ましい方法は、有効成分+任意の付加的な所望の成分の事前に滅菌濾過した溶液からの、有効成分+任意の付加的な所望の成分の粉末を生じさせる真空乾燥及び凍結乾燥技法である。
[00167]BTK阻害剤若しくはその薬学的に許容できる塩、又はこれらの化合物の医薬組成物の投与は、作用の部位への化合物の送達を可能にする任意の方法によって達成され得る。これらの方法は、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、血管内、腹腔内、又は注入を含む)、局所的(例えば、経皮適用)、直腸投与、カテーテル若しくはステントによる局所送達による、又は吸入によるものを含む。化合物の組合せ物は、脂肪内(intraadiposally)又は髄腔内にも投与され得る。
[00168]例示的な非経口投与形態は、滅菌水溶液、例えば水性プロピレングリコール又はデキストロース溶液における、活性化合物の溶液又は懸濁液を含む。そのような剤形は、所望の場合には適切に緩衝され得る。
[00169]本発明は、キットも提供する。キットは、単独での又は好適なパッケージにおける組合せでの、表1から選択されるBTK阻害剤化合物又はその薬学的に許容できる塩、並びに使用のための使用説明書、臨床研究の考察、及び副作用のリストを含み得る文書資料を含む。そのようなキットは、科学的文献参照、添付文書材料、治験結果、及び/又はこれらの情報の要約等の情報も含んでもよく、その情報は、組成物の活性及び/若しくは利点を示し若しくは定め、及び/又は投薬、投与、副作用、薬物相互作用、若しくは医療ケア提供者に有用な他の情報を記載する。そのような情報は、様々な研究、例えば、インビボモデルを含む実験動物を使用した研究、及びヒト治験に基づく研究の結果に基づいてもよい。キットは、別の医薬品有効成分をさらに含有してもよい。使用のための適切な包装及び付加的な品目(例えば、液体調製物のための測定カップ、空気への曝露を最小限に抑えるためのホイルラッピング等)は、当技術分野において公知であり、キットに含まれてもよい。本明細書に記載されるキットは、医師、看護師、薬剤師、処方薬局職員等を含めた医療提供者に提供され得、販売され得、及び/又は宣伝され得る。キットは、選択された実施形態において、消費者に直接販売されてもよい。一実施形態において、本発明は、本明細書に記載される骨髄線維症の治療における使用のための、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩を含むキットを提供する。
投薬量及び投薬レジメン
[00170]投与されるBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の量は、治療されているヒト、障害又は病状の重症度、投与速度、化合物の体内動態、及び処方医師の裁量に依存するであろう。しかしながら、有効投薬量は、単回又は分割用量で、1日あたり体重kgあたり約0.001~約100mgの値域、例えば約1~約35mg/kg/日である。70kgのヒトに関して、有効投薬量は、約0.05~7g/日、例えば約0.05~約2.5g/日になるであろう。ある状況では、前述の値域の下限を下回る投薬量レベルが充分過ぎることがあり、一方で他の場合には、さらにより大きな用量が、例えばそのようなより大きな用量を、1日を通した投与のためにいくつかの小さな用量に分割することによって、いかなる有毒な副作用も引き起こすことなく採用されることができる。
[00171]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、単回用量で投与される。1日に複数回の投与、例えば1日に2回、も具体化される(empbodied)。典型的に、そのような投与は、経口的である。しかしながら、他の経路を、必要に応じて使用してもよい。
[00172]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、骨髄線維症を治療するために、複数回投与で投与される。一実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、複数回投与で投与される。一実施形態において、投薬は、1日あたり1回、2回、3回、又は4回であってもよい。一実施形態において、投薬は、1日1回、1日2回、1日3回、又は1日4回、1日おき、週1回、週2回、週3回、週4回、隔週、及び月1回からなる群から選択されてもよい。他の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1日あたり約1回~1日あたり約4回投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は1日に1回投与され、一方で他の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は1日に2回投与され、及び他の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は1日に3回投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、毎週月曜日、水曜日、及び金曜日を含めた、1週間に3回投与される。
[00173]BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の投与は、必要な限り続けてもよい。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31日、又はそれよりも多い日数を超える間投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、28、14、7、6、5、4、3、2、又は1日未満の間投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、約14日、約21日、約28日、約35日、約42日、約49日、又は約56日の間投与される。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、例えば慢性影響の治療のために、継続的に慢性的に投与される。別の実施形態において、MDM2阻害剤及びBTK阻害剤の投与は、約7日未満の間続く。さらに別の実施形態において、投与は、約6、10、14、28日、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、又は1年を超える間続く。一部の実施形態において、投与は、約1年、2年、3年、4年、又は5年を超える間続く。一部の実施形態において、連続的投薬は、必要な限り実現され且つ維持される。
[00174]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、約1mg~約600mg、約10mg~約500mg、約20mg~約450mg、約25mg~約200mg、約10mg~約200mg、約20mg~約150mg、約30mg~約120mg、約10mg~約90mg、約20mg~約80mg、約30mg~約70mg、約40mg~約60mg、約45mg~約55mg、約48mg~約52mg、約50mg~約150mg、約60mg~約140mg、約70mg~約130mg、約80mg~約120mg、約90mg~約110mg、約95mg~約105mg、約150mg~約250mg、約160mg~約240mg、約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、約195mg~約205mg、又は約198~約202mgの値域にある。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、約15mg、約25mg、約30mg、約50mg、約50mg、約75mg、約90mg、約100mg、約120mg、約125mg、約150mg、約175mg、約180mg、約200mg、約225mg、約240mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約360mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約480mg、約500mgである。
[00175]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、及び480mgである。
[00176]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、約0.01mg/kg~約4.3mg/kg、約0.15mg/kg~約3.6mg/kg、約0.3mg/kg~約3.2mg/kg、約0.35mg/kg~約2.85mg/kg、約0.15mg/kg~約2.85mg/kg、約0.3mg~約2.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1.7mg/kg、約0.15mg/kg~約1.3mg/kg、約0.3mg/kg~約1.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1mg/kg、約0.55mg/kg~約0.85mg/kg、約0.65mg/kg~約0.8mg/kg、約0.7mg/kg~約0.75mg/kg、約0.7mg/kg~約2.15mg/kg、約0.85mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約1.85mg/kg、約1.15mg/kg~約1.7mg/kg、約1.3mg/kg mg~約1.6mg/kg、約1.35mg/kg~約1.5mg/kg、約2.15mg/kg~約3.6mg/kg、約2.3mg/kg~約3.4mg/kg、約2.4mg/kg~約3.3mg/kg、約2.6mg/kg~約3.15mg/kg、約2.7mg/kg~約3mg/kg、約2.8mg/kg~約3mg/kg、又は約2.85mg/kg~約2.95mg/kgの値域にある。一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効投薬量は、約0.35mg/kg、約0.7mg/kg、約1mg/kg、約1.4mg/kg、約1.8mg/kg、約2.1mg/kg、約2.5mg/kg、約2.85mg/kg、約3.2mg/kg、又は約3.6mg/kgである。
[00177]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、及び480mg BIDの投薬量を含めた、10~500mg BIDの投薬量で投与される。
[00178]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、及び480mg QDの投薬量を含めた、10~600mg QDの投薬量で投与される。
[00179]BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の有効量は、口腔、舌下、及び経皮経路、動脈内注射による、静脈内に、非経口的に、筋肉内に、皮下に、又は経口的を含めた、同様の有用性を有する、作用物質の投与の許容される様態のいずれかによって、単回又は複数回用量のいずれかで投与されてもよい。
[00180]一部の実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、間欠投与として公知の、間欠的に対象に投与される。「間欠投与」によって、この用語は、治療有効用量のBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩のある期間の投与、それに続くある時期の中断、次いでその後に別の投与期間が続く等を意味する。各投与期間において、投薬頻度は、1日に3回、1日に2回、日毎、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回から独立的に選択され得る。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
[00181]「中断の期間」又は「中断期間」又は「休止期間」によって、この用語は、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩の投与を中断する時間の長さを意味する。中断の時期は、投与期間よりも長くても若しくは短くてもよいか、又は投与期間と同じであってもよい。中断期間中、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩以外の他の治療剤が投与されてもよい。中断期間は、特定のBTK阻害剤化合物と関連した任意の毒性作用を軽減するために必要であることがある。
[00182]一実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、骨髄線維症を治療するためにそれを必要とするヒト対象に第1の投与期間に投与、その後に中断期間が続き、次いで第2の投与期間が続く等で投与される。第1の投与期間、第2の投与期間、及び中断期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、9週間、10週間、11(elven)週間、3ヶ月、13週間、14週間、15週間、4ヶ月を上回る期間、及びそれよりも多い日数からなる群から独立的に選択され、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1日に3回、1日に2回、毎日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回、対象に投与される。一実施形態において、第1の投与期間は、第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも短い。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも長い。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約1週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
[00183]一実施形態において、真性赤血球増加症に続発する骨髄線維症を治療するために、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、それを必要とするヒト対象に第1の投与期間に投与、その後に中断期間が続き、次いで第2の投与期間が続く等で投与される。第1の投与期間、第2の投与期間、及び中断期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、9週間、10週間、11週間、3ヶ月、13週間、14週間、15週間、4ヶ月を上回る期間、及びそれよりも多い日数からなる群から独立的に選択され、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1日に3回、1日に2回、毎日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回、対象に投与される。一実施形態において、第1の投与期間は、第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも短い。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも長い。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約1週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物及びその薬学的に許容できる塩である。
[00184]一実施形態において、本態性血小板血症に続発する骨髄線維症を治療するために、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、それを必要とするヒト対象に第1の投与期間に投与、その後に中断期間が続き、次いで第2の投与期間が続く等で投与される。第1の投与期間、第2の投与期間、及び中断期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、9週間、10週間、11週間、3ヶ月、13週間、14週間、15週間、4ヶ月を上回る期間、及びそれよりも多い日数からなる群から独立的に選択され、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1日に3回、1日に2回、毎日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回、対象に投与される。一実施形態において、第1の投与期間は、第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも短い。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも長い。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約1週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
[00185]一実施形態において、慢性骨髄性白血病に続発する骨髄線維症を治療するために、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、それを必要とするヒト対象に第1の投与期間に投与、その後に中断期間が続き、次いで第2の投与期間が続く等で投与される。第1の投与期間、第2の投与期間、及び中断期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、9週間、10週間、11週間、3ヶ月、13週間、14週間、15週間、4ヶ月を上回る期間、及びそれよりも多い日数からなる群から独立的に選択され、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1日に3回、1日に2回、毎日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回、対象に投与される。一実施形態において、第1の投与期間は、第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも短い。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも長い。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約1週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
[00186]一実施形態において、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、第1の投与期間に、原発性骨髄線維症を治療するために治療を必要とするヒト対象に投与され、次いでその後に中断期間が続き、次いでその後に第2の投与期間が続く、等。第1の投与期間、第2の投与期間、及び中断期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、9週間、10週間、11週間、3ヶ月、13週間、14週間、15週間、4ヶ月を上回る期間、及びそれよりも多い日数からなる群から独立的に選択され、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、1日に3回、1日に2回、毎日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、又は月1回、対象に投与される。一実施形態において、第1の投与期間は、第2の投与期間と同じ長さである。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも短い。一実施形態において、第1の投与期間は第2の投与期間よりも長い。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約1週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約3週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は毎日対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、第1の投与期間及び第2の投与期間は約4週間であり、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は週1回対象に投与され;中断期間は約2週間である。一実施形態において、BTK阻害剤は、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
[00187]一実施形態において、骨髄線維症を治療するためにBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、3週間、6週間、9週間、12週間、15週間、18週間、21週間、24週間、27週間、30週間、33週間、36週間、39週間、42週間、45週間、48週間、51週間、54週間、57週間、60週間、63週間、66週間、69週間、72週間、75週間、78週間、81週間、84週間、87週間、90週間、93週間、96週間、99週間、102週間、105週間、108週間、111週間、114週間、117週間、120週間、123週間、126週間、129週間、132週間、135週間、138週間、141週間、144週間、147週間、150週間、153週間、及び156週間から選択される期間、それを必要とする対象に投与され、BTK阻害剤は、表1における化合物のいずれか又はその薬学的に許容できる塩から選択される。一実施形態において、BTK阻害剤は、1日2回100mgの用量で経口投与される。
[00188]一実施形態において、原発性骨髄線維症を治療するためにBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、3週間、6週間、9週間、12週間、15週間、18週間、21週間、24週間、27週間、30週間、33週間、36週間、39週間、42週間、45週間、48週間、51週間、54週間、57週間、60週間、63週間、66週間、69週間、72週間、75週間、78週間、81週間、84週間、87週間、90週間、93週間、96週間、99週間、102週間、105週間、108週間、111週間、114週間、117週間、120週間、123週間、126週間、129週間、132週間、135週間、138週間、141週間、144週間、147週間、150週間、153週間、及び156週間から選択される期間、それを必要とする対象に投与され、BTK阻害剤は、表1における化合物のいずれか又はその薬学的に許容できる塩から選択される。一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)である。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。
[00189]一実施形態において、真性赤血球増加症に続発する骨髄線維症を治療するために、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、3週間、6週間、9週間、12週間、15週間、18週間、21週間、24週間、27週間、30週間、33週間、36週間、39週間、42週間、45週間、48週間、51週間、54週間、57週間、60週間、63週間、66週間、69週間、72週間、75週間、78週間、81週間、84週間、87週間、90週間、93週間、96週間、99週間、102週間、105週間、108週間、111週間、114週間、117週間、120週間、123週間、126週間、129週間、132週間、135週間、138週間、141週間、144週間、147週間、150週間、153週間、及び156週間から選択される期間、それを必要とする対象に投与され、BTK阻害剤化合物は、表1及びその薬学的に許容できる塩から選択される。
[00190]一実施形態において、本態性血小板血症に続発する骨髄線維症を治療するために、BTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、3週間、6週間、9週間、12週間、15週間、18週間、21週間、24週間、27週間、30週間、33週間、36週間、39週間、42週間、45週間、48週間、51週間、54週間、57週間、60週間、63週間、66週間、69週間、72週間、75週間、78週間、81週間、84週間、87週間、90週間、93週間、96週間、99週間、102週間、105週間、108週間、111週間、114週間、117週間、120週間、123週間、126週間、129週間、132週間、135週間、138週間、141週間、144週間、147週間、150週間、153週間、及び156週間から選択される期間、それを必要とする対象に投与され、BTK阻害剤化合物は、表1及びその薬学的に許容できる塩から選択される。
[00191]一実施形態において、慢性骨髄性白血病に続発する骨髄線維症を治療するためにBTK阻害剤又はその薬学的に許容できる塩は、3週間、6週間、9週間、12週間、15週間、18週間、21週間、24週間、27週間、30週間、33週間、36週間、39週間、42週間、45週間、48週間、51週間、54週間、57週間、60週間、63週間、66週間、69週間、72週間、75週間、78週間、81週間、84週間、87週間、90週間、93週間、96週間、99週間、102週間、105週間、108週間、111週間、114週間、117週間、120週間、123週間、126週間、129週間、132週間、135週間、138週間、141週間、144週間、147週間、150週間、153週間、及び156週間から選択される期間、それを必要とする対象に投与され、BTK阻害剤化合物は、表1及びその薬学的に許容できる塩から選択される。
[00192]一実施形態において、ヒト対象は、ヒドロキシウレア耐性(不充分な応答)である。一実施形態において、ヒト対象は脾腫を有する。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫を有し且つ瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、脾腫なしで瀉血依存的である。一実施形態において、ヒト対象は、ルキソリチニブ又はフェドラチニブ療法に失敗した。
[00193]本明細書に包含される実施形態は、ここで、以下の実施例を参照して記載される。これらの実施例は、単なる例示の目的のために提供されるものであり、本明細書に包含される開示は、これらの実施例に限定されると決して解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書において提供される教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形を包含すると解釈されるべきである。
実施例1:骨髄線維症を有する患者に対するBTK阻害剤単剤療法
[00194]本研究の目的は、骨髄線維症を有する患者におけるBTK阻害剤化合物の安全性及び効力を調査することである。30人のMF患者が研究に参加し、BTK阻害剤化合物200又は300mgを1日に1回投与されるであろう。参加基準は、(1)少なくとも1種の他の作用物質(ヒドロキシウレア、インターフェロン、アナグレリド)を用いて以前に治療されていない、(2)≧18歳、(3)ジルベール病又は溶血に起因する場合を除いて、総ビリルビン≦正常上限(ULN)の1.5倍、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≦ULNの2.5倍、血清中クレアチニン≦1.5×ULNとして規定される、スクリーニング中の許容できる研究前の臓器機能、並びに(4)出産年齢の女性及び男性は、研究エントリー前及び研究参加の継続期間中、適当な避妊を使用することに同意しなければならない(すなわち、産児制御のホルモン法又はバリア法;禁欲)、である。本研究に参加している間に雌性対象が妊娠した場合又は彼女が妊娠していることが疑われる場合、彼女は直ちに研究から除外されるべきである。
[00195]研究の間又は終わりに、各MF患者は、以下の項目(1)血液学的応答;(2)JAK2V617Fアレルバーデン低下;(3)骨髄組織病理学的異常の変化;(4)ベースラインレティキュリン/コラーゲン線維化の低下;(5)静脈及び動脈血栓症の発生率;並びに(5)MF関連症状の変化、によって評価され、。BTK阻害剤化合物の安全性及び有効性が判定すされる。
実施例2:BTK阻害剤化合物の非盲検の第2a/2b相研究
[00196]ルキソリチニブを用いた治療に対する一次耐性、準最適応答を有する、又はルキソリチニブを用いた治療後に再発している、骨髄線維症を有する患者における療法の改善についての重大な満たされていないニーズがある。BTK阻害剤化合物は、BTKに結合する、経口的に生体利用可能な小分子の細胞傷害性化学療法剤である。
研究デザイン
[00197]研究は、ルキソリチニブ療法に失敗している、PMF、post PV-MF、又はpost ET-MFを有する対象における式(I)の化合物についての非盲検の2パート(パートA及びパートB)の第2a/2b相研究である。およそ190人の対象が研究に登録されるであろう(パートAにおいて90人、及びパートBにおいて100人)。
[00198]パートA(N=90):研究のパートAにおいて、対象は、3つの治療群のうちの1つに無作為に割り振られるであろう:コホート1、N=30人の対象:280mgのBTK阻害剤化合物を1日に1回。コホート2、N=30人の対象:420mgのBTK阻害剤化合物を1日に1回。コホート3、N=30人の対象:560mgのBTK阻害剤化合物を1日に1回。
[00199]パートB(N=100):およそ100人の対象がパートBに登録され、パートAからの推奨される用量及びスケジュールで治療されるであろう。データモニタリング委員会(DMC)は、臨床研究に関する安全性データを見直すために、研究の遂行中、パートA及びパートBに対して3ヶ月ごとに開催されるであろう。DMCは、パートAにおけるすべての対象が、24週目の査定を完了する機会を有した後も開催されるであろう。DMCは、パートAからの効力及び安全性データに基づいて、BTK阻害剤化合物の推奨される用量及びスケジュールを判定するであろう。パートA及びパートBにおいて、対象は、BTK阻害剤化合物を28日サイクルで1日に1回経口的に(PO)受けるであろう。血液学的及び非血液学的毒性に関しての用量低下は許可されるであろう。すべての対象は、疾患進行まで又は忍容性の欠如まで治療されるべきである。疾患進行の規定は、イメージング及び修正されたELN基準:中央イメージングレビュー(central imaging review)によるMRI(又はCT)による研究中の最低状態から≧25%の脾臓容積の増加、少なくとも2週間続く、≧1×10個/Lの絶対芽球数と関連した≧20%の骨髄芽球又は≧20%の末梢血芽球含有量によって確認される白血病性形質転換、に基づく。
研究目的
Figure 2023509968000015
参加基準
[00200]パートA及びパートBの両方における対象は、研究に適格であるために、以下の基準のすべてを満たさなければならない:1.>18歳の成人、2.左肋骨縁より少なくとも5cm下に触知可能な脾腫、3.世界保健機関(WHO)基準に従って治療医によって査定される、PMF、post-PV-MF、又はpost-ET-MFの確定診断、4.Dynamic International Prognostic System(DIPSS)によって規定される、高リスク、中間-2(intermediate-2)リスク、又は中間-1リスク、5.0~2のECOGパフォーマンスステータス、6.充分な血液学的な、肝臓の、及び腎臓の臓器機能(プロトコール規定のとおり、及びBTK阻害剤化合物の最初の投薬前14日以内)、血液学的:先行する7日間、成長因子の非存在下でANC≧1.0×10個/L;血小板数≧100×10個/L;末梢血芽球数<10%。肝臓:ジルベール症候群の場合を除いて、総ビリルビン≦正常上限(ULN)の2.0倍;アスパラギン酸トランスアミナーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)及びアラニントランスアミナーゼ/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(ALT/SGPT)≦2.5ULN。腎臓:コッククロフト・ゴールト(Cockcroft Gault)による推定クレアチニンクリアランス>45mL/分。
Figure 2023509968000016
[00201]7.出産の可能性のある女性、及び出産の可能性のあるパートナーを有する男性は、研究の間、有効な避妊法を使用することに同意しなければならない。加えて、男性は、治験薬の最後の投薬後3ヶ月間、避妊を使用し続けなければならず、男性は、治験薬の最後の投薬後1週間、避妊を使用し続けなければならない。有効な産児制御は、(a)組合せのエストロゲン及びプロゲストゲン含有ホルモン避妊(経口、膣内、経皮);(b)プロゲストゲンのみのホルモン避妊(経口、注射可能、埋込み可能);(c)子宮内デバイス;(d)子宮内ホルモン放出システム;(e)両側性卵管閉塞;(f)精管切除したパートナー;並びに(g)性的禁欲、を含む。
[00202]パートAにおける対象は、研究に適格であるために、以下のルキソリチニブ治療失敗基準を満たさなければならない:パートAにおけるルキソリチニブ治療失敗は、下の基準(a)又は(b)のいずれかを満たさなければならない:(a)少なくとも12週間のルキソリチニブ治療を受け、且つ以下のもの:下部肋骨縁(LCM)より≧5cm下に触知可能である身体検査による持続性脾腫、及びMPN-SAF TSS 2.0で>10のTSS、の両方を有するとして規定される脾臓応答の欠如、又は、左上腹部痛、骨痛、掻痒、若しくは寝汗の症状のみを含む、>5の単一症状スコア若しくは>3の2つの症状を有する患者。(b)又は、以下のもの:MRI若しくはCTによって査定される、最低状態から≧25%の脾臓容積増加、LCMより少なくとも5cm下に触知可能である新たな脾腫の出現、5~10cmのベースライン脾腫に対して、LCMより下の触知可能な距離における≧100%の増加、>10cmのベースライン脾腫に対して、LCMより下の触知可能な距離における≧50%の増加、のうちのいずれか1つによって規定される、ルキソリチニブ治療中の任意の時点での進行性疾患。
[00203]パートBにおける対象は、研究に適格であるために、以下のルキソリチニブ治療失敗基準を満たさなければならない:パートBにおけるルキソリチニブ治療失敗は、下の基準(a)又は(b)のいずれかを満たさなければならない:(a)少なくとも12週間のルキソリチニブ治療を受け、且つ以下のもの:ルキソリチニブ治療を査定するためにMRI又はCTを有する対象に関して、脾臓容積の少なくとも≧35%の低下を有することに失敗、LCMより下の5~10cmにおいて触知可能であるルキソリチニブ治療前のベースライン脾腫であって、しかし触知可能なままであるベースライン脾腫、LCMより下の>10cmに触知可能であるルキソリチニブ治療前のベースライン脾腫であって、しかし少なくとも50%減少しないベースライン脾腫、LCMより下の<5cmに触知可能であるルキソリチニブ治療前のベースライン脾腫はルキソリチニブ治療失敗として考えられる適格性がない、のうちの少なくとも1つを有するとして規定される脾臓応答の欠如;(b)又は、以下のもの:MRI若しくはCTによって査定される、最低状態から≧25%の脾臓容積増加、LCMより少なくとも5cm下に触知可能である新たな脾腫の出現、5~10cmのベースライン脾腫に対して、LCMより下の触知可能な距離における≧100%の増加、>10cmのベースライン脾腫に対して、LCMより下の触知可能な距離における≧50%の増加、のうちのいずれか1つによって規定される、ルキソリチニブ治療中の任意の時点での進行性疾患。
除外基準
[00204]以下の基準のうちのいずれかを満たす、パートA及びパートBの両方における対象は、研究に適格でないであろう:1.式(I)の化合物の最初の投薬の過去4週間以内の別の介入的臨床試験への参加(観察的研究への参加は許される)。2.式(I)の化合物の最初の投薬の4週間又はおよそ5半減期以内の大きな手術、化学療法、免疫修飾療法、生物学的療法、放射線療法、又は調査的療法等、最近/同時期の治療。3.先行する脾臓摘出。4.式(I)の化合物の最初の投薬前3ヶ月以内の脾臓照射。5.先行する同種幹細胞移植又は同種幹細胞移植に適格。6.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤又はBCL-2阻害剤を用いた先行する治療。7.先行するBTK阻害剤療法。8.妊娠している又は授乳している女性。9.大きな臓器移植の病歴。10.急性A型肝炎;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性の既知の病歴;臨床的に重大な心疾患(ニューヨーク心臓協会クラスIII又はIV);症候性鬱血性心不全;不安定狭心症;心室性不整脈;又は研究要件の順守を限定するであろう精神医学的疾病/社会的状況を含むがそれらに限定されない、無制御の併発する疾病。11.療法を要する、臨床的に重大な細菌性、真菌性、寄生虫性、又はウイルス性感染症を有する対象。抗生物質使用を要する急性細菌性感染症を有する対象は、抗生物質療法の経過が完了するまで、スクリーニング/登録を遅延させるべきである。治癒的に治療された基底細胞若しくは扁平上皮細胞皮膚癌、頸部の上皮内癌腫(carcinoma in situ)、正常な前立腺特異的抗原を有する臓器限定的(organconfined)若しくは治療された非転移性前立腺癌、完全な外科的切除後の上皮内乳癌腫、又は表在性移行細胞膀胱癌腫以外の、過去3年以内の他の悪性腫瘍。13.グレード2又はそれよりも高いQTc延長(NCI-CTCAE基準バージョン5.0による>480ミリ秒)。14.式(I)の化合物の最初の投薬を受ける前28日以内の造血成長因子(すなわち、エリスロポエチン(Epo)、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、ロミプロスチム)。15.式(I)の化合物の最初の投薬前4週間以内の活動性又は慢性出血。
無作為化手順
[00205]パートA:対象は、3つの治療コホートのうちの1つに1:1:1の配分スキームで無作為化されるであろう。契約臨床サービス提供者がパートA無作為化スケジュールを立てると考えられ、実際の無作為化割り振りは、確実な自動応答技術(Interactive Response Technology)(IRT)システムにより行われるであろう。パートB:対象は、DMCによって推奨されるBTK阻害剤化合物用量及びスケジュールに無作為化されるであろう。
統計解析
[00206]DMCは、臨床研究に関する安全性データを見直すために、研究の遂行中、パートA及びパートBについて3ヶ月ごとに開催されるであろう。DMCは、パートAにおけるすべての対象が、24週目の査定を完了する機会を有した後も開催されるであろう。DMCは、パートAからの効力及び安全性データに基づいて、パートBについてのBTK阻害剤化合物の推奨される用量及びスケジュールを判定するであろう。統計解析の結果、記述的要約統計、及び支持的列挙(supportive listing)は、研究パート(A又はB)によって及びパートA(コホートによる)内で提示されるであろう。
研究継続期間
[00207]研究は、最後の対象が登録された後の完全な2年間と考えられ、その時点で、研究治療にある対象は、ロールオーバー研究に登録する適格性について評価されるであろう。
実施例3:健常B細胞及び骨髄細胞におけるBTK阻害
[00208]化合物No.128(1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン)によるBTKリン酸化(活性化)の阻害を、健常B細胞において、並びに骨髄細胞株MOLM-13基本(basal)及びHel-92基本において査定した。化合物No.128を、刺激をせず骨髄細胞株とともに2時間、並びに10分間のαIgM及びH刺激を施して健常PBMCとともに2時間インキュベートした。表3に示されるように、骨髄細胞における化合物No.128の効能は、健常B細胞における化合物No.128の効能と同様である。
Figure 2023509968000017
実施例4:SDF-1(CXCL12)への細胞遊走の阻害
[00209]MFにおいて、脾臓は、血液と比較して高いレベルのSDF-1を有する。化学誘引物質ケモカインとして、SDF-1は、濃度勾配に沿って細胞を引き寄せる。化合物No.128及びルキソリチニブ(Rux)による透過性膜を通じた細胞遊走のインビトロ阻害を、Hel-92(V617F mut)細胞を使用して査定した。図1A及び1Bに示されるように、化合物No.128及びルキソリチニブは両方とも、SDF-1への細胞遊走を阻害する。
実施例5:フィブロネクチン放出
[00210]フィブロネクチンは、微小環境細胞外マトリックスの重要な構成要素であり、VLA-4(インテグリンα4β1)を通じて細胞に付着する。フィブロネクチンをコートしたプレートに1×10個のMV-411細胞を播種することによって、化合物No.128への曝露後のフィブロネクチンからの細胞の脱離を査定した(三つ組)。細胞を37℃で一晩接着させ、次いで未接着の細胞を洗い流した。次に、接着した細胞を、DMSO又は化合物No.128(1、2、又は5μm)で37℃にて2時間処理した。次いで、脱離した細胞を回収し、CellTiter Gloを使用して細胞数を判定した。図2に示されるように、細胞は、化合物No.128への曝露後にフィブロネクチンから脱離した。
実施例6:細胞接着に関わる表面分子の発現
[00211]細胞の微小環境への細胞の接着に関わる表面分子の発現の低下は、様々なコンパートメントにおける悪性細胞の保護を阻害することがある。化合物No.128で処理されたCOVID-19患者の血液由来の単球を、表面分子CD11a(LFA-1)、CD62L(L-セレクチン)、及びCD49d(VLA-4)のレベルについて査定した。図3に示されるように、化合物No.128での処理は、一部の患者において表面分子のレベルを低下させた。
実施例7:サイトカイン産生
[00212]化合物No.128への曝露後のインビトロでのサイトカイン産生に対する影響を、24時間のインキュベーション後の刺激された全血において査定した。図4に示されるように、化合物No.128は、細胞刺激があり次第のサイトカイン及びケモカイン産生を減少させた。

Claims (27)

  1. ヒト対象にブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を投与するステップを含む、治療を必要とするヒト対象における脾腫を治療する方法。
  2. 前記ヒト対象が、彼らの脾臓において悪性CD34+骨髄細胞の蓄積を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記悪性CD34+骨髄細胞が、正常な骨髄細胞と比べて、CXCR4の発現の減少を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記BTK阻害剤が、前記ヒト対象の末梢血への前記悪性CD34+骨髄細胞の遊走を刺激するのに十分な量で投与される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記BTK阻害剤が、前記悪性CD34+骨髄細胞におけるVLA-4の活性を減少させるのに十分な量で投与される、請求項2に記載の方法。
  6. 前記BTK阻害剤が、前記悪性CD34+骨髄細胞におけるVLA-4の発現を減少させるのに十分な量で投与される、請求項2に記載の方法。
  7. 前記ヒト対象が骨髄線維症に罹患している、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ヒト対象にBTK阻害剤を投与するステップを含む、脾腫に罹患しているヒト対象における脾臓から末梢血への悪性CD34+骨髄細胞の遊走を刺激する方法。
  9. 前記ヒト対象が、脾臓において悪性CD34+骨髄細胞の蓄積を有する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記悪性CD34+骨髄細胞が、正常な骨髄細胞と比べて、CXCR4の発現の減少を有する、請求項8に記載の方法。
  11. 前記ヒト対象が骨髄線維症に罹患している、請求項8に記載の方法。
  12. 前記骨髄線維症が、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症後骨髄線維症(post PV-MF)、及び本態性血小板血症後骨髄線維症(post ET-MF)からなる群から選択される、請求項7又は11に記載の方法。
  13. 前記ヒト対象がルキソリチニブ療法に応答しなかった、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ヒト対象がJAK2V617F変異を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記ヒト対象が、骨髄増殖性新生物(MPN)に続発する急性骨髄性白血病(AML)を有する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ヒト対象がJAK2V617F変異を有しない、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記ヒト対象が、骨髄増殖性新生物に続発する急性骨髄性白血病を有する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ヒト対象がJAK2阻害剤を用いて治療されたことがない、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記ヒト対象がJAK2阻害剤に不耐性である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記ヒト対象がJAK2阻害剤を用いた治療に不適格である、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記ヒト対象が、JAK2阻害剤治療後に再発する、又はJAK2阻害剤治療に対して難治性である、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記BTK阻害剤が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、480mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に1回投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記BTK阻害剤が、15mg、25mg、30mg、50mg、60mg、75mg、90mg、100mg、120mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mg、240mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、360mg、375mg、480mg、及び560mgからなる群から選択される用量で1日に2回投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記BTK阻害剤が経口投与される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記BTK阻害剤が共有結合性BTK阻害剤である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記BTK阻害剤が非共有結合性BTK阻害剤である、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記BTK阻害剤が、表1から選択される化合物又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
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