JP2023509208A - 遮断パネルおよび遮断パネルの製造方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、発泡コア層と、前記発泡コア層に張り付けられたカバー層とを有する遮断パネル、特に壁パネルまたは屋根パネルに関する。また、本発明は、複数の前記遮断パネルを含む、遮断カバー、特に壁カバーまたは床カバーに関する。

Description

本発明は、遮断パネル、特に壁パネルまたは屋根パネルに関する。また、本発明は、複数の前記遮断パネルを含む、遮断カバー、特に壁カバーまたは床カバーに関する。さらに、本発明は、遮断パネル、特に壁パネルまたは屋根パネルの製造方法に関する。

典型的には、遮断発泡材料は、床カバーの下部、特に浮き床の下部、または例えば壁カバーの背後の、熱遮断層および音遮断層に、適用される。前記発泡材料は、独立気泡発泡材料または連続気泡発泡材料のいずれかであり得、典型的には、少なくとも部分的にポリウレタンから作製されている。固体発泡材料の、予め構築されたパネルが適用され得るが、遮断材料が噴霧によって半液体形態で適用されることも、考えられる。これらの材料に関する懸念が高まっているトピックは、換気が制限された最近の改良型あるいは高効率建築の住宅に主に起因する、有害なおそれのある揮発性および半揮発性物質の移行である。（有害な）化学物質を使用する建築材料は、建物内の空気の質に影響を与え、その空気にさらされる人々の健康に影響を与える可能性がある。スプレー発泡体（ｆｏａｍ）建築材料の設置または使用中に大きなリスクが見られ、（揮発性の）化学物質は、皮膚から吸収されたり、吸い込まれたりすると、皮膚、目、肺の炎症、喘息、化学物質の感作を引き起こすことが分かっている。ポリウレタンは、完全に反応または硬化した状態では、実質的に安定であり、その化学的性質に対する重大な懸念事項はない。しかし、接着剤、コーティング剤、スプレー発泡体などの一部の製品は、建築業者または住宅所有者が遮断材を組み込む際に反応し、その後何時間も反応し続け、人々がさらされる可能性のある未硬化のイソシアネート類を、含有している可能性がある。メチレンジフェニルジイソシアネートなどのイソシアネート類は、ポリオールと反応してポリウレタンを形成する化学物質で、特に毒性を有することが知られている。また、ポリウレタンベースの材料を使用する別の課題として、リサイクル性の議論がある。ポリウレタンは、焼却すると有毒ガスが発生し、ポリウレタンの物理的および化学的なリサイクルには、いくつかの技術的および経済的困難を伴う。そのため、再生可能で天然由来の遮断層として、既存のポリウレタンベースの発泡材料をすべて天然素材に置き換えることが求められている。

本発明の第１の目標は、パネル特性を備えることなく、合成ポリマーベースの遮断パネルに代わる木材ベースの遮断パネルを提供することである。

改良された木材ベースの遮断パネルを提供することが、本発明の第２の目的である。

従来のポリウレタンベースの発泡材料よりも改善された特性を有する、改良された木材ベースの遮断パネルを提供することが、本発明の第３の目的である。

これらの目標の少なくとも１つは、遮断パネル、特に壁パネルまたは屋根パネルまたは床パネルであって、
・少なくとも１つの発泡コア層を含むコアであって、前記発泡コア層が少なくとも部分的に木材発泡体から作製されている、コアと
・前記発泡コア層に直接または間接的に張り付けられる少なくとも１つのカバー層と、
を含むパネル、を提供することによって達成することができる。

木材発泡体を含む発泡コア層と、その発泡コア層に張り付けられたカバー層とを組み合わせて使用することには、いくつかの利点がある。まず、木材発泡体の利点として、高い耐火性、優れた消音または遮音性、および良好な断熱性を有しながら、依然として完全に木質ベースの材料であることが、挙げられる。また、木質発泡体は密度が低いため、非常に軽量な素材である。また、耐湿性に優れ、水中に浸したときに曲げや反りが少ないことが、実験で確認されている。このような木材発泡体の特性から、この材料は、屋根カバー、天井カバーおよび／または壁カバー用の断熱層および／または遮音層として特に適している。木材発泡体は、木材繊維をＰＶＣ、ＰＵ、合成樹脂、または合成接着剤などの合成ポリマーと混合せず、木材のみをベースとしているので、複合材料として適格ではなく、木材ポリマー複合材料（ＷＰＣ）とは異なる。前記木材発泡体の構造は、製造プロセスで添加される過酸化水素によって開始され得る木材繊維間の自然な化学結合に、部分的に帰属し得る。しかし、これらの化学的な力だけでは、十分な機械的強度を得ることはできない。木材発泡体の構造の元になる第２の要因は、木材繊維（のストランド）間の物理的定着および絡み合いである。例えば、未処理の木材繊維は非常に滑らかな表面を有するが、定着を行うためには繊維を粗くする必要がある。これは、例えば、木材繊維を粗くする精錬機で基材を研磨し、木材繊維の表面を、もはや互いに滑らない状態になるまで粗くすることによって、行うことができる。粗面化された木材繊維の自然な化学結合によって、接着剤を使用せずに製造され得る比較的高い機械的強度を有する木材発泡体を、得ることができる。木材発泡体は、通常、実質的に開気孔構造を有している。前記発泡コア層は、好ましくは防水層である。硬材および軟材の両方、ならびに他のリグノセルロースは、木材発泡体を製造するのに適した原料である。特に、この材料の優れた断熱特性は、遮断パネル、特に壁パネルまたは屋根パネルのコア層の材料としての使用に、かなり好適である。この適性は、その材料の高い耐火性によって、強化される。実際、火災が発生した場合、遮断パネルはくすぶりながらも消火に寄与するであろう。このことは、環境面でも安全面でも非常に有利である。

前記発泡コア層に直接または間接的に張り付けられる少なくとも１つのカバー層の使用は、そのようなカバー層により発泡コア層に保護機能がもたらされるので、有益である。本発明によるパネルにおいて両層を使用することは、いくつかの技術的利点を有する。前記発泡コア層とカバー層の両方が比較的軽量であるため、このような組み合わせにより、複数の建築分野での適用に適した比較的軽量のパネルが、得られる。材料の柔軟性が比較的大きいため、湾曲または成形された壁パネルとして、または例えば天井パネルとして、使用され得る。また、軽量で密度が低いため、壁面への負荷を低く抑えることができ、外壁被覆材としても使用され得る。これにより、従来のねじおよび／または釘による接続が不用になる場合があるため、代替の接続システムが使用できるなど、設置が簡単にできるようになる。しかし、本発明によるパネルの釘打ちおよび／またはねじ止めは、可能である。さらに、使用される材料の組み合わせは、例えば、鋸引きおよび接着にも適している。

木材発泡体の素材は、従来の天然素材が有するいくつかの利点も備えている。木材発泡体の利点は、比較的高い通気性を有し、取り込まれた湿気を制御された方法で排出することができることである。通気性の欠如は、杉または他の軟材などの従来の木材材料に共通する問題であり、これによって木材の腐敗が引き起こされる可能性がある。前記パネルは、好ましくは、前記発泡コア層と前記カバー層の両方に天然材料を含み、このことは、環境の観点から望ましい。前記カバー層は、典型的には、木材発泡体発泡コア層のための保護機能を提供する。本発明によるパネルは、屋内および屋外の両方での使用が考えられ、また、家庭内の乾燥した領域および湿った領域（例えば浴室など）での使用も考えられる。木材発泡体を含む発泡コア層により、表面レベルを均一化させることができる。これは、床材に使用される場合、さらなる床下層の使用を省くことができるため、特に有益であり、壁または屋根の構造物に適用する場合にも有用であり得る。発泡コア層の木材発泡体は、好ましくは、建築用途の所望の遮音性および／または断熱性が得られるように構成されている。したがって、本発明によるパネルが、別個の遮断（ポリウレタン）層を有する従来の床、壁または天井パネルの使用に取って代わると考えられる。本発明によるパネルについては、長い製品寿命が見込まれる。しかし、パネルを取り外す必要がある場合でも、パネルの少なくともコア層が実質的に木材ベースであるため、そのリサイクルはむしろ簡単である。さらに、このパネルにより、特に環境および健康に敏感な消費者向けに、ポリウレタンベースの製品に代わる、競争力のある価格の製品が提供される。さらなる可能な実施形態では、少なくとも１つの発泡コア層が実質的に完全に木材発泡体から製造されていることが、考えられる。

典型的には、少なくとも１つの発泡コア層は、３０ｋｇ／ｍ^３～３００ｋｇ／ｍ^３の密度、好ましくは４０ｋｇ／ｍ^３～２５０ｋｇ／ｍ^３の密度を有する。ここで、機械的強度は、前記木材発泡体の密度によって異なり、密度が高いほど、繊維は互いに接近し、木材自体の結合および絡み合い定着(ｅｎｔａｎｇｌｅｍｅｎｔ ａｎｃｈｏｒａｇｅｓ)は、より強くなる。したがって、密度が高ければ高いほど、機械的強度が高くなる可能性がある。しかし、木材発泡体の内部定着により、比較的低い密度であっても、かなりの軽量パネルを提供しながらも、遮断パネルに十分な強度を提供することができる。さらに、例えば、少なくとも１つの発泡コア層が、３０ｋｇ／ｍ^３～３００ｋｇ／ｍ^３、好ましくは４０ｋｇ／ｍ^３～２５０ｋｇ／ｍ^３の密度を有することが、考えられる。しかし、少なくとも１つの発泡コア層が、４０ｋｇ／ｍ^３～２００ｋｇ／ｍ^３、または４０ｋｇ／ｍ^３～１５０ｋｇ／ｍ^３、または４０ｋｇ／ｍ^３～１００ｋｇ／ｍ^３の密度を有することも考えられる。また、少なくとも１つの発泡コア層が、３０ｋｇ／ｍ^３または４０ｋｇ／ｍ^３と、７０ｋｇ／ｍ^３または８０ｋｇ／ｍ^３との間の密度を有することも考えられる。

既に上で示したように、本発明によるパネルの好ましい実施形態では、少なくとも１つの発泡コア層は、樹脂、結合剤および／または接着剤を、実質的に含まない。そのような添加物のいずれかからの排出による健康上の懸念が排除され得るので、そのような実施形態は、有益である。前記発泡コア層は、好ましくは、合成ポリマーなどの他の（化学）合成添加物も含まない。前記発泡コア層が、木材発泡体、特に木材繊維および／または木材ストランドのみから構成されることも考えられる。また、そのような遮断パネルが、樹脂、結合剤および／または接着剤を実質的に含まないことも有益である。前記発泡コア層の木材発泡体は、典型的には、化学的に結合した木材繊維から構成され、前記木材繊維は、さらに、木材繊維および／または木材繊維のストランドの物理的定着および絡み合いによって結合されている。

可能な実施形態では、前記遮断パネルの少なくとも１つのカバー層は、少なくとも部分的に、圧密（ｄｅｎｓｉｆｉｅｄ）木材から作製されている。圧密木材を含み得るカバー層に関して、そのような材料層の使用は、いくつかの利点を有する。圧密木材は、木材の機械的特性をかなり向上させる。圧密木材は、工学的なプロセスによって得ることができ、その一例を以下に示す。技術的には、木材をその元の厚さの２０％まで圧縮することが可能であり、その結果、いわゆる完全な圧密化を実現することができる。本発明の範囲内で意味する圧密化は、通常、その元の厚さの少なくとも５０％、好ましくは少なくとも４０％、より好ましくは少なくとも３０％に圧縮される。このような圧密木材を得る目的で、天然木材はまず、より多孔質で柔軟な木材を得るために、ＮａＯＨ／Ｎａ_２ＳＯ_３の溶液中で煮沸される。その後、その木材は、少なくとも１００℃の温度で、木材の成長方向に対して垂直に圧縮される。このプロセスでは、通常、木材の細胞同士をつなぐ接着剤である木材のヘミセルロースとリグニン（木材のより硬い成分）が部分的に除去される。これらを完全に除去すると、質の悪い材料になる可能性があり、木材を結合させるためにリグニンが依然必要であることが示唆される。木材のセルロースはそのまま残っており、間隔の狭いセルロースナノファイバー間の水素結合が、圧密木材の強度を高めている。したがって、前記カバー層の圧密木材は、好ましくは、化学的に処理され圧縮された木材から構成されている。好ましくは、前記カバー層の圧密木材は、１０重量％未満のヘミセルロースおよび／または１５重量％未満のリグニンを含む。このプロセスで得られた圧密木材は、かなり安定したタイプであり、湿度条件下でも影響を受けないため、天井および天井構造物、ならびに例えば床材における使用に適している。また、この材料の優れた機械的特性に加えて、圧密木材は比較的軽量な材料であり、建築目的には有益である。圧密木材は、その比較的高い耐傷性により、カバー層としても適している。「圧密木材」という用語の代わりに、「圧縮木材」という用語を使用することもできる。圧密木材は、半径方向に圧密化された木材および／または接線方向に圧密化された木材であり得る。好ましくは、カバー層の圧密木材は、少なくとも部分的に、ハンノキ、バルサ、ブナ、ヒッコリー、マホガニー、メープル、オーク、チーク、クルミ、オーク、および／またはポプラなどの硬材から構成されている。カバー層を作成するために使用される硬材は、好ましくは、単子葉植物ではない被子植物（または顕花植物）から得られる。通常、前記圧密木材は防水性を有する。したがって、前記カバー層は、好ましくは、防水層である。例えば、少なくとも１つのカバー層が実質的に全体的に圧密木材から製造されていることも考えられる。

特に、カバー層として圧密木材層が適用される場合、少なくとも１つの発泡コア層と少なくとも１つのカバー層とが一緒に融着される実施形態が考えられる。この方法では、接着剤および／また結合剤および／または結合材料の使用が省略され得る。前記発泡コア層および前記カバー層が共に木材ベースの材料を含むため、前記層を一緒に融着させることが可能である。融着は、例えば、熱を加えることによって行われる熱融着であり得る。コア層とカバー層との融着は、典型的には、前記層間の強固で堅固な接続をもたらす。また、層間剥離の変化も著しく減少させることができる。しかし、前記カバー層が前記発泡コア層に接着されることも、依然として想像可能である。

また、少なくとも１つのカバー層が、少なくとも部分的に金属材料から作製されていることも考えられる。カバー層が少なくとも部分的に金属材料でできていることにより、木材発泡体の保護機能を提供することができる。例えば、木材発泡体コア層が金属材料でコーティングされていることが考えられる。例えば、金属カバー層が金属ケーシングの少なくとも一部を形成することができるように、（部分的に）金属カバー層が比較的剛性のある（例えば金属シートである）ことも可能である。その場合、遮断パネルは、容易に少なくとも部分的に構造化され得る。パネルの少なくとも１つの表面は、例えば、構造化されたパターンを備え得る。これにより、例えば、パネルを屋根パネルとして使用する可能性が生じる。少なくとも部分的に金属材料から作製されているカバー層の使用により、連結部品を容易に組み込む（相互接続する）ことが可能になる。また、少なくとも１つのカバー層が金属箔を含むことも、考えられる。金属箔の非限定的な例は、アルミニウム箔、錫箔、金属箔および／またはコンポジション箔（ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎ ｌｅａｆ）である。金属箔の存在により、パネルの遮断特性をさらに高めることができる。別の可能性は、少なくとも部分的に天然繊維から作製されている少なくとも１つのカバー層の存在である。非限定的な例は、竹、麻、リネン、亜麻、ジュート、サイザル麻、ココナッツおよび／またはバナナ繊維である。天然繊維は、例えば、少なくとも部分的に（織られた）マットの形態で存在し得る。使用されるタイプに応じて、天然繊維は、良好な撥水性、良好な弾性、良好な体温調節特性、および／またはバクテリア忌避性を有するという利点を有し得る。さらに、天然繊維は通常、高い持続可能性と低汚染性により、良好なエコロジカルフットプリントの利点がある。したがって、木材発泡体と天然繊維の組み合わせは、環境に優しい特性および／またはパネルのリサイクルの容易さに、寄与し得る。

前記発泡コア層は、少なくとも１つの支持構造体を備え得る。そのような支持構造体は、例えば、発泡コア層の空間的配向に寄与し、および／または支持する距離要素として機能し得る。例えば、少なくとも１つの支持要素が、発泡コア層内に実質的に埋め込まれている可能性がある。

前記木材発泡体は、例えば、連続気泡発泡体であり得る。木材発泡体の連続気泡発泡体構造は、発泡コア層の通気性、ひいては遮断パネルの通気性に寄与し得る。しかし、前記木質発泡体が独立気泡発泡体であることも、考えられる。少なくとも１つの発泡コア層が、単一種類の木材から作製される木材発泡体を含むことが、さらに考えられる。木材発泡体が単一種類の木材から作製されるものを使用することの利点は、製造コストが安くなる可能性があることである。また、木質発泡体の製造に複数種類の木材を用いることも可能である。既に上で示したように、前記木材発泡体は、例えば、軟材もしくは硬材、またはその両方の組み合わせから作製され得る。発泡コア層に使用するための木材発泡体の作製のために使用され得る木材の種類の非限定的な例としては、ブナ材および／またはマツ材が挙げられる。

パネルが複数の発泡コア層を含み、ここで、各発泡コア層が木材発泡体を含み得る。このような実施形態では、各発泡コア層は、異なる密度を有し得る。剛性などの材料特性を比較的容易に適合させることができるため、それぞれが木材発泡体を有する複数の発泡コア層を含むパネルを提供することは、有益であり得る。複数の発泡コア層は、例えば、融着プロセスを介して相互に接続され得る。その利点は、接着剤の使用を避けることができることである。さらなる可能な実施形態において、前記パネルは、好ましくは少なくとも２つの発泡コア層の間で囲まれる少なくとも１つの中間層を含み得、ここで、前記中間層は、より好ましくは圧密木材を含む。この構成により、前述の抑制特性および遮断特性を有し、ねじり硬さおよび剛性を加えるために（実質的に）剛性のある背骨部(ｓｐｉｎｅ)を有する軽量パネルを構築することが、可能になる。

上記で取り上げたように、前記コアは、好ましくは、少なくとも１つの中間層を含む。コアに1つまたは複数の中間層を加えることにより、典型的には、前記コアの音響特性および／または構造特性、ひいてはそのようなパネルの音響特性および／または構造特性が、改善される。好ましくは、少なくとも１つの中間層は、少なくとも１つの発泡コア層に、少なくとも部分的に囲まれている。より好ましくは、少なくとも１つの、好ましくはそれぞれの、中間層は、他のコア材料、特に１つまたは複数の発泡コア層によって実質的に全体的に囲まれている。好ましくは、少なくとも１つの中間層は、発泡コア層内に、またはコアの２つの隣接する発泡コア層間に、埋め込まれている。好ましくは、前記中間層は、補強層として機能するように構成される。これにより、パネルを屋根パネル、壁パネル、または床パネルとしての使用に適合させることが、容易になる。また、これにより、パネルエッジをプロファイルすること、特にパネルを他のパネルと相互接続するのに適合させることが、容易になる。好ましくは、少なくとも１つの中間層は、相互接続された繊維を含む。より好ましくは、前記中間層は繊維マットを形成しており、これは織布または不織布マットであり得る。典型的には、繊維は、熱硬化性樹脂などの樹脂によって相互接続される。好ましくは、中間層は、ガラス繊維、炭素繊維、および／またはアラミド繊維からなる群から選択される（合成）繊維を含む。好ましくは、中間層は、亜麻、ジュート、麻、アバカ、ラミー、セルロース、および／またはケナフからなる群から選択される天然繊維を含む。したがって、好ましくは、少なくとも１つの中間層は、開放層および／または多孔質層、好ましくは織布または不織布マットである。好ましくは、少なくとも１つの発泡したコア層は、前記中間層を、または前記中間層に存在する孔の少なくとも一部を、貫通する。前記コアが、前記中間層の貫通孔を介して相互に接続された少なくとも２つの発泡コア（サブ）層を含むことが、想像される。好ましくは、前記コアは厚さＴを有し、前記コアは、前記コアの０．５Ｔで定義される中心線の両側に位置する複数の埋め込まれた補強層、特に、ガラス繊維層を含む。単一の中間層が適用される場合、この中間層はコアの中心線に配置され得る。あるいは、前記単一の中間層は、コアの上部（これが通常好ましい）または下部に、配置され得る。

好ましくは、パネルの製造中に、少なくとも１つの中間層が、木材発泡体ベースの発泡コア層に転換される水性木材パルプ中に配置され、次いで、前記木材パルプが乾燥されて発泡コア層に転換され、その結果、前記中間層を中に埋め込んだ発泡コア層が、得られる。これはまた、コアが少なくとも１つの中間層を組み込んだ一体的に接続された複数の発泡層を含む、好ましい実施形態と見なすことができる。

好ましくは、木材発泡体をベースとする発泡コア層の製造は、木材を削り取り、さらに木粉が形成されるまで前記木材を粉砕することによって、行われる。水を加え、この混合物を加熱すると、通常、木材パルプが得られる。このリグノセルロースを含有する懸濁液は、さらにヘミセルロースおよびリグニンを含み、通常、さらに木材残渣も含む。この残渣画分は、次いで、乾燥中に木材粒子／繊維を結合するための結合剤（接着剤）として機能するように活性化させられ得る。前記懸濁液を発泡体へと発泡させることは、通常、タンパク質などの気泡安定剤によって、ならびに懸濁液を曝気することによって、および通常８０～１４０℃の範囲の温度で懸濁液を乾燥させることによって、行われる。このプロセスは、懸濁液中に少なくとも１つの中間層を導入し、発泡および乾燥の際に最終発泡コア層中に中間層を埋め込むのに、非常に好適である。

開放型中間層の代わりに、コアはまた、任意に追加的に、少なくとも１つの閉鎖型中間層を含み得る。中間層が、少なくとも部分的に、圧密木材から作製されていることが想像される。

好ましくは、少なくとも１つの発泡コア層は、０．５～２０ｃｍ、好ましくは１～１５ｃｍ、より好ましくは２～１０ｃｍの厚さを有する。このような厚さを有する本発明による発泡コア層は、良好な遮断特性を有する一方で、そのようなパネルに十分な安定性を与えることが実験的に見出されている。所望の用途および所望の材料特性に応じて、前記発泡コア層の厚さを選択することができる。比較的厚い発泡コア層は、例えば、改善された（熱）遮断特性を提供し得る。

典型的には、前記カバー層は、少なくとも８００ｋｇ／ｍ^３、好ましくは少なくとも９００ｋｇ／ｍ^３、より好ましくは少なくとも１０００ｋｇ／ｍ^３の密度を有する。前記カバー層の密度は、通常、少なくとも１つの発泡コア層の密度よりも実質的に高い。前記カバー層は、１～７ｍｍ、好ましくは２～５ｍｍの厚さを有し得る。しかし（金属）箔がカバー層として使用される場合、その厚さは１ｍｍ未満であり得る。前記カバー層は、前記発泡コア層に接着され得る。したがって、少なくとも１つの発泡コア層、および少なくとも１つのカバー層は、一緒に接着され得る。接着剤を適用する場合、好ましくは、天然および／または無毒の接着剤が使用される。そのような天然接着剤は、例えば、天然樹脂およびデキストリンのような有機源から作製され得る。

少なくとも１つのカバー層は、前記発泡コア層の上面を超える上面面積を有し得る。あるいは、前記カバー層は、オフセット位置で前記発泡コア層に取り付けられ得る。両方の選択肢により、通常、設置中にパネルの相互接続を可能にするために１つまたは複数の縁部、好ましくはカバー層の縁部をプロファイルすることが、より容易になる。実際、本発明によるパネルが、相互接続結合手段を備える少なくとも１対の対向する側縁部を含むことも、可能である。そのような相互接続連結手段は、例えば、舌部と溝の組み合わせであり得る。相互接続連結手段が、少なくとも１つの発泡コア層および／または少なくとも１つのカバー層に設けられ得る。

他の有益な実施形態では、前記パネルは、少なくとも１つの発泡コア層の上部の反対側に直接または間接的に張り付けられる少なくとも２つのカバー層、を含む。したがって、基本的に、少なくとも１つの発泡コア層が少なくとも２つのカバー層によって実質的に囲まれているサンドイッチ構造を、得ることができる。前記発泡コア層が前記カバー層によって実質的に囲まれていることも考えられる。そのような実施形態では、前記カバー層は、その保護機能を、さらに付与することができる。

好ましい実施形態では、少なくとも１つの発泡コア層の上に、少なくとも１つのカバー層が直接的または間接的に張り付けられている。ここで、装飾用上面は、適用される場合、好ましくは、カバー層によって少なくとも部分的に形成され得る。前記カバー層を保護するために、保護コーティングが使用され得る。特に前記カバー層が圧密木材を含む場合、そのような保護コーティングは、油性のコーティングであり得る。また、前記カバー層に油性コーティングを施すことも、考えられる。カバー層に油性コーティングを施すことで、カバー層の寸法安定性を向上させることができる。圧密木材は、湿度約９５％などの極端な高湿度条件下では、若干弱くなったり、膨潤したりすることがある。油性コーティングは、この膨潤を防止し、カバー層に保護コーティングをもたらすことができる。また、少なくとも１つの発泡コア層が、少なくとも１つのカバー層の上に直接または間接的に張り付けられていることも考えられる。

また、パネルが、カバー層および／または発泡コア層の上に直接または間接的に張り付けられる装飾用上部基板を備え、ここで、前記装飾用上部基板がパネルの装飾用上面を構成することが好ましい場合がある。前記上部基材は、単一の層から構成されてもよく、または複数の層から構成されてもよい。好ましくは、前記上部基材は、適用される場合、少なくとも１つのプリント層および／または前記プリント層を覆う少なくとも１つの保護（上部）層を、備える。プリント層および／または保護層の存在により、前記パネル、特にカバー層が、引っ掻きから、ならびに／または紫外線／湿気および／または磨耗などの環境要因から起こりうる損傷にさらされることを、防止することができる。前記カバー層が圧密木材を含む場合、少なくとも１つのプリント層および／または保護層が適用される前に、前記圧密木材カバー層に油性コーティングが施されることも、考えられる。前記プリント層は、装飾プリントが施されたフィルムによって形成され得、ここで、前記フィルムは、前記カバー層および／または前記発泡コア層上に張り付けられる。前記プリント層はまた、前記カバー層、前記発泡コア層の上面に、または前記カバー層および／または前記発泡コア層上に塗布されたプライマー層上に、直接塗布される少なくとも1つのインク層によって形成され得る。

別の可能な実施形態では、前記遮断パネルは、前記発泡コア層の下側部に取り付けられる少なくとも１つのバッキング層、を含み得る。前記バッキング層は、例えば、前記パネルに安定性および／または保護を提供し得る。前記バッキング層は、例えば、多孔質天然層、特に多孔質セルロースを含み得る。多孔質セルロースバッキング層の使用により、製造プロセス中に、木材発泡体を含む発泡コア層からの水分の蒸発が可能になる一方で、（半）多孔質バッキング層が壁、天井、または屋根構造物の一部と接触して、パネルの通気性に関する利点をもたらすことができる。このような多孔質バッキング層の存在により、木材発泡体を含む発泡コア層への対流熱放射を、より多く吸収できる可能性がある。また、別の天然繊維材料がバッキング層として適用されることもあり得、例えば、ＰＬＡに基づく不織布構造体が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、前記バッキング層が非多孔性天然層、好ましくは非多孔性蒸気バリア層である可能性もある。そのような層の可能な非限定的な例は、非多孔性セルロースである。非多孔性バッキング層は、比較的高いレベルの湿気が存在する領域（例えば、浴室）で、湿気が木材発泡体を含む発泡コア層に入ることを、防止することができる。多孔質バッキング材料および非多孔質バッキング材料は両方とも、木材発泡体を含む発泡コア層の製造に用いられる乾燥条件に耐えるために、耐熱性または結晶構造、好ましくはバイオベースの材料から製造する必要があるであろう。

少なくとも１つの発泡コア層が、少なくとも１つの鉱物材料、特にコンクリートを含み得る。前記発泡コア層における充填材として少なくとも１つの鉱物材料を使用すると、発泡コア層の吸水性が低下する可能性がある。例えば、５～１５重量％の鉱物材料が、前記発泡コア層中に適用され得る。木材発泡体は吸水性に影響されやすく、このことは、真菌の攻撃を促す可能性があるため望ましくない。特に前記量での、少なくとも１つの鉱物材料の使用は、木材発泡体の吸水性を著しく低下させる可能性がある。前記発泡コア層において少なくとも１つの鉱物材料を使用すると、前記発泡コア層の密度がより高くなる可能性もある。鉱物材料の代わりに、シランおよび／またはワックスなどの少なくとも１つの疎水性添加剤が適用されることも、考えられる。しかし、前記疎水性添加剤は、前記発泡コア層の強度に悪影響を及ぼすであろう。

好ましくは、パネルの各層は、実質的に防水層である。好ましくは、そのような装飾用パネルは、防水パネルである。好ましくは、前記遮断パネル自体は、熱的に安定した（耐熱性の）パネルである。

本発明による装飾用パネルの好ましい実施形態では、前記パネルは、カバー層を含まない。本発明による遮断パネルの別の好ましい実施形態では、前記パネルは、任意の木材発泡体をベースの発泡コア層を含まない。

好ましくは、少なくとも１つのパネル層、特に少なくとも１つの発泡コア層および／または少なくとも１つの装飾用カバー層は、少なくとも１つの抗菌剤を含む、および／または少なくとも１つの抗菌剤で被覆される。組み込まれる１つまたは複数の抗菌剤は、細菌、真菌、微生物および他の病原体または非病原体の増殖を阻害し、典型的には時間の経過とともにタイル表面に移行し、それによって、タイル表面との接触時に微生物の増殖を制御する濃度勾配が、確立される。好ましくは、前記抗菌剤は、（ｉ）ハロゲン化フェニルエーテル類、ハロゲン化サリチルアニリド類、セスキテルペンアルコール類、ハロゲン化カルバニリド類、ビスフェノール化合物、一般フェノール類、ホルムアルデヒド、四級アンモニウム化合物、ピリジン誘導体およびヘキサクロロフェンなどの有機抗菌物質または有機金属抗菌物質、ならびに／または（ｉｉ）ガラスまたはセラミックマトリックス中の、銀、亜鉛または銅を含む無機抗菌物質、から選択され、ここで、前記抗菌剤は、好ましくは、２，４，４´-トリクロロ－２´－ヒドロキシジフェニルエーテルを含む。前記抗菌剤はまた、トリクロサン、オルトフェニルフェノール、ジヨードメチルｐ－トリルスルホン、ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオン、プロピコナゾールなどのアゾール、ポリ（ヘキサメチレンビグアニド）塩酸塩、３，４，４’トリクロロカルバリド、バリウム一水和物（ｂａｒｉｕｍ ｍｏｎｏ ｈｙｄｒａｔｅ）、およびゼオライトまたは非晶質ガラス粉末中の、銀、銅、または亜鉛、からなる群から選択される化学物質であってもよい。前記発泡層の製造中に、少なくとも１つの抗菌剤を木材発泡体（または前駆体の木材パルプ懸濁液）と混合することは、想像可能であり、むしろ現実的である。

本発明はさらに、本発明に係る複数の遮断パネルを含む、遮断カバー、特に遮断壁カバー、遮断天井カバー、または遮断屋根カバー、または遮断床カバーに関する。上に示したように、層の比較的高い柔軟性のために、カバーは、湾曲したまたは成形された構成で、適用され得る。

本発明はさらに、好ましくは本発明に係る、遮断パネル、特に壁パネルまたは屋根パネルを製造する方法に関し、当該方法は、
ａ）上側部と下側部とを含む少なくとも１つの発泡コア層を提供するステップであって、前記発泡コア層が木材発泡体を含む、ステップ、
ｂ）圧密木材を含む少なくとも１つの装飾用カバー層を提供するステップ、および
ｃ）少なくとも１つのカバー層を、前記発泡コア層の前記上側部および／または前記下側部に張り付けるステップ、
を含む。

本発明の実施形態は、以下に示される非限定的な一連の項に、さらに示される。

１．遮断パネル、特に壁パネル、屋根パネル、または床パネルであって、
・少なくとも１つの発泡コア層を含むコアであって、前記発泡コア層が少なくとも部分的に木材発泡体から作製される、コアと
・前記発泡コア層に、直接または間接的に張り付けられる少なくとも１つのカバー層と、
を含むパネル。

２．少なくとも１つの発泡コア層が、３０ｋｇ／ｍ^３～３００ｋｇ／ｍ^３の密度、好ましくは４０ｋｇ／ｍ^３～２５０ｋｇ／ｍ^３の密度を有する、項１に記載のパネル。

３．少なくとも１つの発泡コア層が、樹脂、結合剤および／または接着剤を実質的に含まない、項１または項２のいずれか１項に記載のパネル。

４．少なくとも１つの発泡コア層が、合成ポリマーを実質的に含まない、項１から３のいずれか１項に記載のパネル。

５．前記発泡コア層の前記木材発泡体が、化学的に結合した木材繊維から構成され、前記木材繊維が、さらに、木材繊維および／または木材繊維のストランドの物理的定着および絡み合いによって結合されている、項１から４のいずれか１項に記載のパネル。

６．少なくとも１つのカバー層が、少なくとも部分的に、圧密木材から作製されている、項１から５のいずれか１項に記載のパネル。

７．少なくとも１つのカバー層が、少なくとも部分的に、金属材料から作製されている、項１から６のいずれか１項に記載のパネル。

８．少なくとも１つのカバー層が、金属箔を含む、項１から７のいずれか１項に記載のパネル。

９．少なくとも１つのカバー層が、少なくとも部分的に天然繊維から作製されている、項１から８のいずれか１項に記載のパネル。

１０．前記発泡コア層が、少なくとも１つの支持構造体を含む、項１から９のいずれか１項に記載のパネル。

１１．前記木材発泡体が、連続気泡発泡体である、項１から１０のいずれか１項に記載のパネル。

１２．前記パネルが複数の発泡コア層を含み、ここで、各発泡コア層が木材発泡体を含む、項１から１１のいずれか１項に記載のパネル。

１３．前記コアが、少なくとも１つの中間層を含む、項１から１２のいずれか１項に記載のパネル。

１４．少なくとも１つの中間層が、少なくとも１つの発泡コア層に、少なくとも部分的に囲まれている、項１３に記載のパネル。

１５．少なくとも１つの中間層が、発泡コア層内に、または２つの隣接する発泡コア層間に埋め込まれている、項１３または１４に記載のパネル。

１６．前記中間層が、補強層として機能するように構成されている、項１３から１５のいずれか１項に記載のパネル。

１７．前記中間層が、相互接続された繊維を含む、項１３から１６のいずれか１項に記載のパネル。

１８．前記中間層が、ガラス繊維、炭素繊維、および／またはアラミド繊維からなる群から選択される繊維を含む、項１３から１７のいずれか１項に記載のパネル。

１９．前記中間層が、亜麻、ジュート、麻、アバカ、ラミー、セルロース、および／またはケナフからなる群から選択される天然繊維を含む、項１３から１８のいずれか１項に記載のパネル。

２０．前記中間層が、開放層および／または多孔質層、好ましくは織布または不織布マットである、項１３から１９のいずれか１項に記載のパネル。

２１．少なくとも１つの発泡コア層が、前記中間層を貫通している、項１３から２０のいずれか１項に記載のパネル。

２２．前記コアが、前記中間層の貫通孔を介して相互に接続された少なくとも２つの発泡コア層を含む、項１３から２１のいずれか１項に記載のパネル。

２３．前記コアが、少なくとも１つの中間層を組み込んだ、一体的に接続された複数の発泡層を含む、項１３から２２のいずれか１項に記載のパネル。

２４．前記コアが厚さＴを有し、ここで、前記コアが、前記コアの０．５Ｔで定義される中心線の両側に位置する複数の埋め込まれた補強層、特にガラス繊維層を含む、項１３から２３のいずれか１項に記載のパネル。

２５．前記コアが、少なくとも１つの閉鎖層を含む、項１３から２４のいずれか１項に記載のパネル。

２６．前記中間層が、少なくとも部分的に、圧密木材から作製されている、項１３から２５のいずれか１項に記載のパネル。

２７．少なくとも１つの発泡コア層が、０．５～２０ｃｍ、好ましくは１～１５ｃｍ、より好ましくは２～１０ｃｍの厚さを有する、項１から２６のいずれか１項に記載のパネル。

２８．前記カバー層が、少なくとも８００ｋｇ／ｍ^３、好ましくは少なくとも９００ｋｇ／ｍ^３、より好ましくは少なくとも１０００ｋｇ／ｍ^３の密度を有する、項１から２７のいずれか１項に記載のパネル。

２９．前記カバー層が、１～１０ｍｍ、好ましくは２～７ｍｍの厚さを有する、項１から２８のいずれか１項に記載のパネル。

３０．少なくとも１つの発泡コア層と少なくとも１つのカバー層とが、一緒に融着される、項１から２９のいずれか１項に記載のパネル。

３１．少なくとも１つの発泡コア層と少なくとも１つのカバー層とが、一緒に接着される、項１から３０のいずれか１項に記載のパネル。

３２．前記カバー層が、前記発泡コア層の上面を超える上面面積を有する、項１から３１のいずれか１項に記載のパネル。

３３．前記少なくとも１つの発泡コア層の上部の反対側に直接または間接的に張り付けられる少なくとも２つのカバー層を含む、項１から３２のいずれか１項に記載のパネル。

３４．相互接続結合手段を備える少なくとも１対の対向する側縁部を含む、項１から３３のいずれか１項に記載のパネル。

３５．少なくとも１つの発泡コア層が、鉱物材料、特にコンクリートを含む、項１から３４のいずれか１項に記載のパネル。

３６．前記パネルの各層が、実質的に防水層である、項１から３５のいずれか１項に記載のパネル。

３７．前記パネルが、カバー層を含まない、項１から３６のいずれか１項に記載のパネル。

３８．前記パネルが、木材発泡体ベースの発泡コア層を含まない、項１から３７のいずれか１項に記載のパネル。

３９．項１～３８のいずれかに記載の複数の遮断パネルを含む、遮断カバー、特に壁カバーまたは床カバー。

４０．好ましくは項１～３８のいずれかに記載の、遮断パネル、特に壁パネルまたは屋根パネルを製造する方法であって、
ａ）上側部と下側部とを含む少なくとも１つの発泡コア層を提供するステップであって、前記発泡コア層が木材発泡体を含む、ステップ、
ｂ）圧密木材を含む少なくとも１つの装飾用カバー層を提供するステップ、および
ｃ）少なくとも１つのカバー層を前記発泡コア層の前記上側部および／または前記下側部に張り付けるステップ、
を含む、方法。

本発明を、次の図面に示す非制限的な例示的実施形態に基づいて説明する。

本発明による遮断パネルの第１の可能な実施形態の斜視図である。 本発明による遮断パネルの第２の可能な実施形態の斜視図である。 本発明による遮断パネルの第３の可能な実施形態の断面図である。 本発明による遮断パネルの第４の可能な実施形態の断面図である。 本発明による遮断パネルの第５の可能な実施形態の断面図である。

図１は、少なくとも一部が木質発泡体から作製されている発泡コア層１０１と、発泡コア層１０１に張り付けられたカバー層１０２とを備える遮断パネル１００を示す。パネル１００は、例えば、壁パネルまたは屋根パネルとして使用され得る。前記発泡コア層１０１は、上側部１０１aおよび下側部１０１ｂを含む。前記カバー層１０２は、発泡コア層１０１の前記上面１０１ａに張り付けられている。前記発泡コア層１０１は、木材発泡体を含み、前記木材発泡体は、好ましくは、実質的に開気孔構造を有する。前記カバー層１０２は、圧密木材を含む。図示の実施形態では、前記カバー層１０２は、特に融着を介して、前記発泡コア層１０１に直接取り付けられる。

図２は、本発明による遮断パネル２００の第２の可能な実施形態を示す斜視図である。前記パネル２００は、木材発泡体コア層２０１と、２つのカバー層２０２ａ、２０２ｂとを含む。前記コア層２０１は、実際には、カバー層２０２ａ、２０２ｂの間で実質的に囲まれている。図示の実施形態では、前記カバー層２０２ａ、２０２ｂは、金属材料から作製されている。したがって、前記発泡コア層２０１の木材発泡体は、前記カバー層２０２ａ、２０２ｂによって遮蔽される。前記金属カバー層２０２ａ、２０２ｂは、実際には、コア層２０１を取り囲む金属ケーシングを形成している。各カバー層２０２ａ、２０２ｂは、前記発泡コア層２０１の上面を超える上面面積を有する。前記パネル２００、特にカバー層２０２ａ、２０２ｂは、パネルの容易な設置を可能にする相互接続連結手段２０３を備えている。図示された実施形態のパネル２００は、構造化された上面を備え、また、パネルの下面もわずかに構造化されている。このことも、例えば屋根パネル２００としての用途において、前記遮断パネル２００の使いやすさに寄与し得る。

図３は、本発明に係る遮断パネル３００の第３の可能な実施形態を示す断面図である。パネル３００は、木材発泡体を含む発泡コア層３０１と、接着層３０４を介して発泡コア層に取り付けられるカバー層３０２とを備える。任意選択で、前記パネル３００は、発泡コア層３０１の下側部に取り付けられたバッキング層３０５を備える。また、任意選択で、パネル３００は、プリント層３０６および／または少なくとも１つの保護層３０７を備え得る。

図４は、本発明に係る遮断パネル４００の第４の可能な実施形態を示す断面図である。木材発泡体を含む発泡コア層４０１は、金属箔から作製されるカバー層４０２に取り付けられている。前記発泡コア層４０１の厚さ（ｄ）ｆは、前記カバー層４０２の厚さ（ｄ）ｃより実質的に大きいことが分かる。

図５は、本発明に係る遮断パネル５００の第５の可能な実施形態を示す断面図である。パネル５００は、カバー層５０２を含む。前記パネル５００はまた、２つの発泡コア層５０１ａ、５０１ｂの間に囲まれている少なくとも１つの中間層５０８を含む。前記中間層５０８は、圧密木材および／または繊維ベースの補強層を含み、相互接続連結外形（図示せず）を備え得る。前記中間層５０８は、例えば、好ましくは相互接続された、亜麻、ジュート、麻、アバカ、ラミー、セルロース、および／またはケナフからなる群から選択される天然繊維などの、別の天然材料を含むことも考えられる。

天然繊維の代わりに、ガラス繊維、炭素繊維、および／またはアラミド繊維などの合成繊維も、使用され得る。場合により、前記中間層５０８は、好ましくは相互接続された、繊維を含み、前記発泡コア層５０１ａ、５０１ｂの一方または両方が貫通されている開放層および／または多孔質層、好ましくは織布または不織布マットを構成している。好ましくは、前記発泡コア層５０１ａ、５０１ｂは、中間層５０８に形成された貫通孔を介して相互に接続されている。本実施形態では、前記中間層５０８がパネル５００のコアの中心線上に位置し、下方発泡コア層５０１ｂと中間層５０８と上方発泡コア層５０１ａとの積層体によってコアが形成されていることが、示されている。

上述の発明の概念は、いくつかの例示的な実施形態によって例示されている。個別の発明の概念が適用される際は、前記説明した例のその他の詳細を適用しなくても当該個別の発明の概念が適用される可能性があると考えられる。当業者は、具体的な用途に想到するために数多の発明の概念を組み合わせることができるということを理解することになるため、上述の発明の概念の全ての考え得る組み合わせの例を詳述する必要はない。

本発明は、ここに図示および説明した実施例に限定されるのではなく、当業者に明らかになる添付の請求項の範囲内で数多の変形が可能であることが明らかになるであろう。「遮断（ｉｎｓｕｌａｔｅｄ）パネル」という用語が使用される場合、それは、「遮断(ｉｎｓｕｌａｔｉｎｇ)パネル」とも呼ばれ得る。本発明による遮断パネルは、典型的には、床パネルとしての使用にも適している。

本特許公報で使用される「を含む」という動詞およびその活用形は、「を含む」を意味するだけでなく、「を含有する」、「から実質的になる」、「によって形成される」というフレーズおよびそれらの活用形も意味すると理解される。

Claims (41)

1. 遮断パネル、特に壁パネルまたは屋根パネルであって、
   少なくとも１つの発泡コア層を含むコアであって、前記発泡コア層が少なくとも部分的に木材発泡体から作製され、前記コアが少なくとも１つの中間層を含む、コアと
   前記コアに、特に前記コアの少なくとも１つの発泡コア層に、直接または間接的に張り付けられる少なくとも１つのカバー層と、
   を含むパネル。
2. 少なくとも１つの中間層が、少なくとも１つの発泡コア層に、少なくとも部分的に囲まれている、請求項１に記載のパネル。
3. 少なくとも１つの中間層が、発泡コア層内に、または２つの隣接する発泡コア層間に埋め込まれている、請求項１または２に記載のパネル。
4. 前記中間層が、補強層として機能するように構成されている、請求項１から３のいずれか１項に記載のパネル。
5. 前記中間層が、相互接続された繊維を含む、請求項１から４のいずれか１項に記載のパネル。
6. 前記中間層が、ガラス繊維、炭素繊維、および／またはアラミド繊維からなる群から選択される繊維を含む、請求項１から５のいずれか１項に記載のパネル。
7. 前記中間層が、亜麻、ジュート、麻、アバカ、ラミー、セルロース、および／またはケナフからなる群から選択される天然繊維を含む、請求項１から６のいずれか１項に記載のパネル。
8. 前記中間層が、開放層および／または多孔質層、好ましくは織布または不織布マットである、請求項１から７のいずれか１項に記載のパネル。
9. 少なくとも１つの発泡コア層が、前記中間層を貫通している、請求項１から８のいずれか１項に記載のパネル。
10. 前記コアが、前記中間層の貫通孔を介して相互に接続された少なくとも２つの発泡コア層を含む、請求項１から９のいずれか１項に記載のパネル。
11. 前記コアが、少なくとも１つの中間層を組み込んだ、一体的に接続された複数の発泡層を含む、請求項１から１０のいずれか１項に記載のパネル。
12. 前記コアが厚さＴを有し、ここで、前記コアが、前記コアの０．５Ｔで定義される中心線の両側に位置する複数の埋め込まれた補強層、特にガラス繊維層を含む、請求項１から１１のいずれか１項に記載のパネル。
13. 前記コアが、少なくとも１つの閉鎖層を含む、請求項１から１２のいずれか１項に記載のパネル。
14. 前記中間層が、少なくとも部分的に、圧密木材から作製されている、請求項１から１３のいずれか１項に記載のパネル。
15. 少なくとも１つの発泡コア層が、３０ｋｇ／ｍ^３～３００ｋｇ／ｍ^３の密度、好ましくは４０ｋｇ／ｍ^３～２５０ｋｇ／ｍ^３の密度を有する、請求項１から１４のいずれか１項に記載のパネル。
16. 少なくとも１つの発泡コア層が、樹脂、結合剤および／または接着剤を実質的に含まない、請求項１から１５のいずれか１項に記載のパネル。
17. 少なくとも１つの発泡コア層が、合成ポリマーを実質的に含まない、請求項１から１６のいずれか１項に記載のパネル。
18. 前記発泡コア層の前記木材発泡体が、化学的に結合した木材繊維から構成され、ここで、前記木材繊維が、さらに、木材繊維および／または木材繊維のストランドの物理的定着および絡み合いによって結合されている、請求項１から１７のいずれか１項に記載のパネル。
19. 少なくとも１つのカバー層が、少なくとも部分的に、圧密木材から作製されている、請求項１から１８のいずれか１項に記載のパネル。
20. 少なくとも１つのカバー層が、少なくとも部分的に、金属材料から作製されている、請求項１から１９のいずれか１項に記載のパネル。
21. 少なくとも１つのカバー層が、金属箔を含む、請求項１から２０のいずれか１項に記載のパネル。
22. 少なくとも１つのカバー層が、少なくとも部分的に、天然繊維から作製されている、請求項１から２１のいずれか１項に記載のパネル。
23. 前記発泡コア層が、少なくとも１つの支持構造体を含む、請求項１から２２のいずれか１項に記載のパネル。
24. 前記木材発泡体が、連続気泡発泡体である、請求項１から２３のいずれか１項に記載のパネル。
25. 前記パネルが複数の発泡コア層を含み、ここで、各発泡コア層が木材発泡体を含む、請求項１から２４のいずれか１項に記載のパネル。
26. 少なくとも１つの発泡コア層が、０．５～２０ｃｍ、好ましくは１～１５ｃｍ、より好ましくは２～１０ｃｍの厚さを有する、請求項１から２５のいずれか１項に記載のパネル。
27. 前記カバー層が、少なくとも８００ｋｇ／ｍ^３、好ましくは少なくとも９００ｋｇ／ｍ^３、より好ましくは少なくとも１０００ｋｇ／ｍ^３の密度を有する、請求項１から２６のいずれか１項に記載のパネル。
28. 前記カバー層が、１～１０ｍｍ、好ましくは２～７ｍｍの厚さを有する、請求項１から２７のいずれか１項に記載のパネル。
29. 少なくとも１つの発泡コア層と少なくとも１つのカバー層とが、一緒に融着される、請求項１から２８のいずれか１項に記載のパネル。
30. 少なくとも１つの発泡コア層と少なくとも１つのカバー層とが、一緒に接着される、請求項１から２９のいずれか１項に記載のパネル。
31. 前記カバー層が、前記発泡コア層の上面を超える上面面積を有する、請求項１から３０のいずれか１項に記載のパネル。
32. 前記少なくとも１つの発泡コア層の上部の反対側に直接または間接的に張り付けられる少なくとも２つのカバー層を含む、請求項１から３１のいずれか１項に記載のパネル。
33. 相互接続結合手段を備える少なくとも１対の、好ましくは複数の対の、対向する側縁部を含む、請求項１から３２のいずれか１項に記載のパネル。
34. 少なくとも１つの発泡コア層が、鉱物材料、特にコンクリートを含む、請求項１から３３のいずれか１項に記載のパネル。
35. 前記パネルの各層が、実質的に防水層である、請求項１から３４のいずれか１項に記載のパネル。
36. 前記パネルが、カバー層を含まない、請求項１から３５のいずれか１項に記載のパネル。
37. 前記パネルが、木材発泡体ベースの発泡コア層を含まない、請求項１から３６のいずれか１項に記載のパネル。
38. 少なくとも１つのパネル層が、少なくとも１つの抗菌剤を含む、および／または少なくとも１つの抗菌剤で被覆される、請求項１から３７のいずれか１項に記載のパネル。
39. 前記抗菌剤が、（ｉ）ハロゲン化フェニルエーテル類、ハロゲン化サリチルアニリド類、セスキテルペンアルコール類、ハロゲン化カルバニリド類、ビスフェノール化合物、一般フェノール類、ホルムアルデヒド、四級アンモニウム化合物、ピリジン誘導体およびヘキサクロロフェンなどの有機抗菌物質または有機金属抗菌物質、ならびに／または（ｉｉ）ガラスまたはセラミックマトリックス中の、銀、亜鉛または銅を含む無機抗菌物質、から選択され、ここで、前記抗菌剤が、好ましくは、２，４，４´-トリクロロ－２´－ヒドロキシジフェニルエーテルを含む、請求項３８に記載のパネル。
40. 請求項１～３９のいずれかに記載の複数の遮断パネルを含む、遮断カバー、特に壁カバーまたは床カバー。
41. 好ましくは請求項１～３９のいずれかに記載の、遮断パネル、特に壁パネルまたは屋根パネルを製造する方法であって、
    ａ）上側部と下側部とを含む少なくとも１つの発泡コア層を提供するステップであって、前記発泡コア層が木材発泡体を含む、ステップ、
    ｂ）圧密木材を含む少なくとも１つの装飾用カバー層を提供するステップ、および
    ｃ）少なくとも１つのカバー層を前記発泡コア層の前記上側部および／または前記下側部に張り付けるステップ、
    を含む、方法。

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