JP2023509167A - 車両用積層グレージングおよび関連する近赤外線ビューイングシステムを伴うデバイス、ならびにその製造 - Google Patents

Abstract

本発明は、極めて透明な第１のガラスシート（外部グレージング）、積層中間層および、第２のガラスまたはプラスチックのシート（内部グレージング）を含み、中間層と内部グレージングの間に孔を伴う車両用積層グレージング（１００）に関する。

Description

本発明は、近赤外線内のビューイングシステムと結び付けられた特に道路、鉄道の車両における積層グレージング、詳細にはフロントガラスに関する。本発明は、同様に、前記グレージングと近赤外線ビューイングシステムを組合わせたデバイスならびに積層グレージングの製造方法にも関する。

自律型車両用のグレージングおよび関連する技術は、特に安全性向上のために、絶えず進歩している。

レーザーまたは、英語表現の「ｌｉｇｈｔ ｄｅｔｅｃｔｉｏｎ ａｎｄ ｒａｎｇｉｎｇ（光による検知と測距）」または「ｌａｓｅｒ ｄｅｔｅｃｔｉｏｎ ａｎｄ ｒａｎｇｉｎｇ（レーザーによる検知と測距）」の頭文字であるＬＩＤＡＲによるリモートセンシングは、車両においてヘッドライトまたはルーフのところで使用されている。

より最近では、国際公開第２０１８／０１５３０１２号は、２枚の極めて透明なガラスシートとＬＩＤＡＲの視野のゾーンでは除去された赤外線フィルターを含む、７５０ｎｍ～１０５０ｎｍの近赤外線で機能するＬＩＤＡＲを積層フロントガラスの後ろに設置することを提案している。

国際公開第２０１８／０１５３０１２号

このデバイス（ＬＩＤＡＲに組み合わされたグレージング）の性能は、改善可能である。

より厳密には、本発明は、車両、特に道路車両（乗用車、トラック、公共交通機関：バス、長距離バスなど）または鉄道車両（詳細には最高速度が多くとも９０ｋｍ／ｈまたは多くとも７０ｋｍ／ｈの鉄道車両、詳細には地下鉄、路面電車）の積層グレージング（および好ましくは凸形グレージング）、詳細には、道路車両、詳細には乗用車のフロントガラスのための例えばサブセンチメートル、特に多くとも５ｍｍの所与の厚みＥ１を有するフロントガラスあるいはリヤウィンドウ、さらにはサイドウィンドウにおいて、
－ 自動車の場合、好ましくは多くとも４ｍｍ、さらには多くとも３ｍｍまたは２．５ｍｍ、特に２．１ｍｍ、１．９ｍｍ、１．８ｍｍ、１．６ｍｍおよび１．４ｍｍ、そして好ましくは少なくとも０．７ｍｍまたは１ｍｍの厚みの、第１の外側主要面Ｆ１と第２の内側主要面Ｆ２（車室に向かって方向づけられる）を伴う、外部グレージングのための、特に凸形ガラスである第１のガラスシートと、
－ 好ましくは道路車両の場合、多くとも１．８ｍｍ、より良くは多くとも１．２ｍｍ、さらには多くとも０．９ｍｍ（そしてより良くは少なくとも０．３ｍｍ、さらには少なくとも０．６ｍｍ）の厚みＥ３を有し、好ましくは熱可塑性のポリマー材料製、そしてさらにより良くはポリビニルブチラール（ＰＶＢ）製の、場合によっては中間、透明、極めて透明なまたは特に灰色もしくは緑色に着色された積層中間層（単層または複層）であって、場合によっては遮音の効果がありかつ／または場合によっては、特にヘッドアップディスプレイ（英語のＨｅａｄ Ｕｐ Ｄｉｓｐｌａｙ、略してＨＵＤ）のための積層グレージング（詳細にはフロントガラス）の上部から下部に向かって楔形に減少する横断面を有し、Ｆ２に向かって方向づけられた主要面ＦＡおよびＦＡとは反対側の主要面ＦＢを伴う積層中間層と、
－ 道路車両の場合、好ましくは第１のグレージングの厚みよりも薄く、ガラスの場合にはさらに多くとも３ｍｍまたは２ｍｍ、特に１．９ｍｍ、１．８ｍｍ、１．６ｍｍおよび１．４ｍｍ、あるいはさらに多くとも１．３ｍｍ、そして好ましくは少なくとも０．７ｍｍの厚みＥ２の、Ｆ２側の第３の主要面Ｆ３および第４の内側主要面Ｆ４（車室に向かって方向づけられる）を伴う、好ましくは凸形で詳細には着色された、内部グレージングのための第２のガラスまたはプラスチックのシートと、
を含み、第１および第２のシートの厚みが好ましくは厳密に５または４ｍｍ未満、さらには３．７ｍｍ未満であるグレージングに関する。

本発明によると、第１のガラスシートは、多くとも０．０５％の総酸化鉄重量含有量を有する。

特に、第２のガラスまたはプラスチックのシートは、近赤外線において（有意に）吸収することができ、例えば第２のシートはガラス製で、少なくとも０．４％の総酸化鉄重量含有量を有する。

同様に、第２の（ガラスまたはプラスチックの）シートは、特に台形または矩形、あるいは円形の断面で、特に少なくともセンチメートル単位で、好ましくは多くとも２５ｃｍ、より良くは多くとも１５ｃｍ、さらにより良くは、より優れた機械的強度のため多くとも５ｃｍの幅Ｗ１の貫通孔を厚み内に有している。

場合によっては、積層中間層（無色など）は、特に台形または矩形あるいは円形などの（特にガラスの貫通孔の断面と同じ形状で相似でさえある）断面を有する、場合によっては、特に多くとも１０ｍｍだけさらに幅広であるかまたは多くとも３ｍｍまたは１ｍｍだけさらに幅狭である、好ましくは少なくとも第２のシートの貫通孔を延長する、厚み内の部分孔または貫通孔を有する。

本発明に係るグレージングは、第２のシートの前記貫通孔の下で、好ましくは面Ｆ２の側に、可視光域において吸収性がありかつ８００ｎｍ～１８００ｎｍ、特に９０５±５ｎｍおよび／または１５５０±５ｎｍおよび／またはさらに８５０±５ｎｍの範囲内の赤外線において少なくともいわゆる動作波長で透明である選択的フィルターを有する。

前記貫通孔に対面して、積層グレージング（少なくとも、第１のガラスシート、任意の積層中間層、選択的フィルターを含むアセンブリ）は、
－ 例えばＦ２面（車室）側および／またはＦ１面側の第１のシートの（局所的）平面との関係において、好ましくは９０°さらには同じく好ましくは６０°さらには６０°までで測定される、動作波長における少なくとも８０．０％、９０．０％または９５．０％の全透過率、
－ 詳細には、選択的フィルターが面１から見た貫通孔を（有意に）マスキングしている状態で、Ｆ１面側で９０°さらには同じく好ましくは６０°さらには６０°までで測定される可視光内（特に少なくとも好ましくは５５０ｎｍ±５０ｎｍの値または、５００～６００ｎｍまたは４００～７００ｎｍの範囲内の値）、より良くは少なくとも５００～６００ｎｍまたは４００～７００ｎｍの範囲内、さらには３９０ｎｍ～７５０ｎｍの可視光の全範囲内で、多くとも１０．０％、５．０％または１．０％または０．５％、特に３９０～７５０ｎｍにわたり０．５％そして３９０～６００ｎｍにわたり０．１％の全透過率、
を有する。

好ましくは、選択的フィルターは、面Ｆ２に対しておよび／または面Ｆ３に対して押着されるのではなくむしろ、面Ｆ２（前方結合）または面Ｆ３（後方結合）あるいは両方に結合（接着による接触で糊着）される。

したがって、本発明によると、高い透過率レベルを達成するために、以下の選択が行なわれる：
１）対象にされた近赤外線において極めて透明な外部ガラス、
２）必然的にえぐれた、対象にされた近赤外線において吸収性がより高い内部ガラス。

この解決法は、２枚の完全な極めて透明なガラスに基づく先行技術の解決法よりもさらに高い性能を示す。

さらに、第２の極めて透明なガラスの使用を回避することによって、この解決法は、快適性（車両内の熱気）および美観を改善し、より経済的である。

貫通孔の形状および寸法は、先行技術にしたがって、グレージング（フロントガラス、リヤウィンドウなど）を横断する放射線全体を、効果的かつ選択的に透過し収集するように構成されている。

例えば、孔は、ＬＩＤＡＲなどの赤外線ビューイングシステムと同じ形状を有する。

孔（開放または閉鎖）は、特に、詳細には凸状で、好ましくは台形、さらには円形または卵形または楕円形、さらには矩形、方形などの凸状断面を有し得る。

孔は特に、ＬＩＤＡＲの位置付けに応じて、その視野により画定される寸法を有する。

第２の（ガラスまたはプラスチックの）シートの貫通孔は、開放されているかまたは、例えば動作波長において透明である充填材などにより全部または部分が占有されており、かつ／またはＬＩＤＡＲの一部分を挿入することで占有されている可能性がある。

貫通孔は次のものであり得る：
－ （第２のガラスまたはプラスチックのシートの壁により取り囲まれている）閉鎖孔、したがってグレージングの内部で特に最も近いグレージングの部分から少なくとも３ｃｍまたは５ｃｍ離隔した孔、
－ （周縁）ノッチを形成する開放または開通孔。

グレージングは、以下のもので構成された完全貫通孔を含むことができる：
－ 幅Ｄ１の積層中間層（単層または複層）内の貫通孔、
－ および幅Ｗ１の第２のガラスまたはプラスチックのシート内の前記貫通孔。

第１および第２の孔は、一体となったまたは近い対称軸を有し、かつ好ましくは同一の幅（積層前および／または後）を有するものである。

貫通孔は、赤外線ビューイングシステムの光学経路内に位置付けされるようになっている。

選択的フィルターは、動作波長における優れた透過に不利に作用することなく、車両の外部からＬＩＤＡＲなどの前記動作波長における赤外線ビューイングシステムを隠すのに役立つ。

本発明は、特に、グレージング（フロントガラス、リヤウィンドウなど）について、自律式または半自律式車両すなわちレベルＬ２＋、Ｌ３、Ｌ４およびＬ５（「全」自律式、ひいては自律式）ならびに、ロボットタクシーおよびシャトルタイプの車両などに適している。

ガラス製品に使用される天然の原料（砂、長石、石灰岩、ドロストーンなど）の大部分の中に不純物として存在する酸化鉄は、可視光領域および近紫外線の領域において吸収する（３価の鉄イオンＦｅ^３＋に起因する吸収）と同時に、また特に可視光領域および近赤外線の領域において吸収し（２価の鉄イオンＦｅ^２＋に起因する吸収）、このような理由から、第１のガラスシート中の酸化鉄は削減される。

したがって、第２のガラスシート（ガラス製である場合）中では、より高い酸化鉄含有量を選択することが可能である。

特に道路用車両のフロントガラスであるグレージングの角度は、典型的には地面に対して２１°～３６°そして平均３０°であり得る。同様に、フロントガラスが地面と３０°を成している場合、６０°がフロントガラス上へのＬＩＤＡＲのビームの入射角度となることから、６０°での高い透過率が極めて有利である。

赤外線における透過は、例えばＢｒｕｋｅｒ Ｖｅｒｔｅｘ－７０のようなフーリエ分光計を用いて測定される。

可視光領域における透過率を定量化するためには、多くの場合、ＩＳＯ ９０５０：２００３規格に準じて、ひいては、ＩＳＯ／ＣＩＥ １０５２６規格により定義されている通りのＤ６５光源およびＩＳＯ／ＣＩＥ １０５２７規格により定義されている通りのＣＩＥ １９３１測色標準観測者を考慮に入れて、３８０～７８０ｎｍで計算され３．２ｍｍまたは４ｍｍのガラス厚みに戻され、「Ｔ_Ｌ」と略されることの多い光透過率と呼ばれる光透過係数が定義される。

当然のことながら、無孔ゾーン（フロントガラスの中央ゾーン）内の積層グレージングの光透過率Ｔ_Ｌは、好ましくは少なくとも７０％または７５％、８０％または８５％、８８％である。

前記選択的フィルターは例えば、所与の表面積Ｓ０の局所的なものであり、第２のシート上の表面積Ｓ０の直交する投影は、少なくとも貫通孔の断面Ｓｃを包含する。

選択的フィルターは、例えば中実な層であり、さらには例えば（マイクロまたはナノの）格子を形成する不連続性を伴っている。

選択的フィルターは、あらゆる性質のもの、すなわちコーティング（インク、ワニスなど）、可撓性フィルムであり得、前記貫通孔のところに局在化されているか、または例えば以下で詳述するような１つのセンサーまたは他のセンサーを隠すためにより拡張されていてもよい。

選択的フィルターは（主として）、唯一のガラスシートを伴う１つのゾーン内にある。

詳細には褶曲、剥離または気泡の出現による光学的欠陥（歪みなど）の発生を回避する目的で、またはフィルターの正確な位置付けまたはその工業的な設置の迅速性のために、孔の下への選択的フィルターの一体化、詳細にはその糊着について以下で詳述する。

ポリマーフィルムが関与する選択的フィルターについては、この選択的フィルターが、面Ｆ２または積層中間層と接着による接触状態であることが好ましい。

貫通孔は、（第２のシートの部分内に設けられるキャビティのように開通するものとは対照的に）、好ましくは閉鎖されており、第２のシートの部分から少なくとも２ｃｍ／５ｃｍ／１０ｃｍさらにはそれ以上離隔されている。

選択的フィルターは、前記孔のいわゆる縁部ゾーン内で面Ｆ２と面Ｆ３の間で、例えば多くとも５０ｍｍ、より良くは多くとも２０ｍｍだけ貫通孔を超えてはみ出すことができ、例えばフィルターおよび孔について異なる形状を有することができる。

フィルターは孔およびＬＩＤＡＲを隠すことになるが、（動作波長において吸収する）不透明マスキング層を備えていないゾーン、例えばこの層のレジスト、さらには隣接するまたは近隣のゾーンを覆うことが望まれる可能性もある。

したがって、フィルターは、詳細には、センサーを備えたいわゆるカメラゾーン、詳細には可視光におけるカメラまたは遠赤外線カメラ（サーマルカメラ）をマスキングすることができる。ただし、このために、選択的フィルターは、可視光カメラまたはサーマルカメラによって検知すべき場面に由来する光線を通過させるために具備されたゾーン内に（閉鎖または開通した）レジストを有する。

選択的フィルターは、例えば孔に類似するまたは孔と相似の形状の、孔を取り囲む（閉鎖孔の周囲全体に存在する）閉輪郭を有することができる。選択的フィルターは同様に、閉鎖孔が中に内接する単純な幾何学的形状（矩形など）でもあり得る。

一定のまたは可変的な断面Ｓｃ、特に台形または矩形または円盤状または卵形の断面を有する貫通孔は、例えば、少なくとも２ｃｍ、３ｃｍ、５ｃｍのより小さい寸法（直径）のものであり、また好ましくは、多くとも３０ｃｍまたは２５ｃｍのより大きい寸法のものである。

前記貫通孔内には、好ましくは、特にポリマー材料製の多くとも１ｃｍの幅のインサートが存在し得る。インサートは少なくとも、孔を境界画定する第２のガラスまたはプラスチックのシートの壁上に組付けられる。このインサートは、同様に選択的フィルターによって隠されることになる。

ＬＩＤＡＲゾーンを識別しないために、選択的フィルターは好ましくは、その周囲全体または部分上で積層グレージングの透明ゾーンに隣接する、（面Ｆ１から見え、識別可能である）隔離された（ほぼ）不透明のゾーンを形成しない。したがって、選択的フィルターは、
－ （開通または閉鎖した）レジストを備えた状態で、（グレージングの周縁に通常存在するもののような）マスキング／装飾ゾーンに一体化され得、
－ このマスキングゾーンに隣接していてよく、
－ かつ／またはこの装飾ゾーンの全体または一部分を形成するように延在することができる。

有利には：
－ 選択的フィルターは、前記貫通孔を超えて延在し、外部からマスキング層を延長するか、または周縁マスキング層のレジストをマスキングする、
－ 選択的フィルターは、前記貫通孔を超えて延在し、特に外部からマスキング層を延長するか周縁マスキング層のレジストをマスキングし、選択的フィルターは、特に少なくとも1つの追加のセンサー、詳細には可視光カメラまたはサーマルカメラ、詳細には光線または電磁線（サーマルカメラ）を通過させるために穴が開けられた面Ｆ４で支持台に固定されたカメラのセンサーのために前記光線を通過させる目的で、少なくとも１つの局所的開口部または不連続性を有する。

選択的フィルターは、色空間Ｌ^＊ａ^＊ｂ^＊ ＣＩＥ １９７６内で定義されたＬ^＊１、ａ^＊１ｂ^＊１により定義される。色マスキング層Ｃ１は同様に、以下の式

によって得られる色差ΔＥ^＊を伴って、Ｌ^＊２、ａ^＊２ｂ^＊２により定義される。

好ましくは、ΔＥ^＊＜４、より良くはΔＥ^＊＜２（人間の眼には判別が困難）、さらにより良くはΔＥ^＊＜１（人間の眼には判別不能）。

同様に有利には、選択的フィルターは、表面Ｓの周縁にあり、グレージングは好ましくは、前記貫通孔の近辺にあるかまたはその領域内にある表面Ｓ’の選択的フィルターよりもさらに多く近赤外線を吸収する周縁不透明マスキング層を含み、このときＳ’は前記貫通孔においてレジストを有しており、表面Ｆ１上のＳ（前記貫通孔からずれたマスキング層）またはＳ＋Ｓ’（レジストを伴うマスキング層）の突出部は、特に黒色の周縁不透明マスキングゾーン、特にバンドである。

不透明マスキング層は特に、第１および第２のシートのうちの１つの上および／または積層中間層の上の少なくとも１つのコーティングの形態をしている。

ゾーンは例えば、グレージングの１つの縁、特に詳細にはフロントガラスの長手方向の縁に沿った矩形バンドである。バンドは特に、縁全体に沿った帯であり、前記貫通孔およびそれを隠している選択的フィルターによりゾーン（特に中央ゾーン）内で拡大されている。

マスキング層は、（閉鎖）孔の両側にあってよく、さらには（閉鎖）孔を取り囲んでいてもよい。

レジストは、例えば孔と類似または相似の形状を有し孔を取り囲む、開輪郭または閉輪郭を有することができる。

したがって選択的フィルターは、貫通孔を超えて延在し得る。

第１の構成において、選択的フィルターは、マスキング要素、詳細には周縁マスキングバンド、好ましくはグレージングの長手方向縁に沿った、特にフロントガラスの長手方向縁に沿ったマスキングバンド、さらにはマスキングフレームを単独で形成するために、孔の縁部ゾーン内（ひいては第２のガラスシートの下）を（大幅に）超えて延在する。

この場合、選択的フィルターは２重の機能性を有し、従来使用されている積層中間層上の不透明エナメル（面Ｆ２および／またはＦ３および／またはＦ４）または印刷されたインクの全部または一部に置き換わることができる。

第２の構成では、選択的フィルターは局所的にとどまり、孔を多くとも５０ｍｍだけ超えて延在し、グレージングはさらに、全体が着色された要素ではなくむしろ第１および第２のシートのうちの少なくとも１つの上および／または積層中間層の上の少なくとも１つのコーティングの形態で、不透明マスキング層を含んでいる。

マスキング層および選択的フィルターは、場合によっては、別の平面内に、かつ貫通孔の外にある。
－ これらは、これらの部分（貫通孔の近傍のもの）が整列させられているかさらにはこれらの主要面が部分的に対面し合うことができる（多くとも５０ｍｍにわたる側方被覆）という意味合いにおいて、隣接している。
－ あるいは、連続する不透明バンドのこの視覚的印象（黒色）を維持するため、多くとも１００μｍだけずれている（部分は、隣接せず被覆も無くずれている）。

詳細には、選択的フィルターの部分は、裸眼で不透明性の中断が見えないように、レジストから多くとも１００μｍだけ（側方に）離隔されており、レジストの縁を形成するマスキング層の部分は、選択的フィルターの広がりを制限したい場合、貫通孔の壁から多くとも５００μｍだけ（側方に）離隔されている。

マスキング層が、積層中間層（ＰＶＢ）上に被着（印刷）されたインクであるという特定の場合、剥離を回避するためにインクが少なくとも１ｃｍだけ前記貫通孔の縁から離隔されることが好ましい可能性がある。

エナメルなどのマスキング層が、貫通孔を伴う第２のシート上ではなくむしろ面２にのみ被着されることが好ましい可能性がある。

面Ｆ２でのガラス上のマスキング層の被着（エナメルシルクスクリーン印刷）の前に孔が製作される場合、孔のところの整列が、生産開始時の過程の調節ステップを複雑化し得る。エナメルの予備焼成の間（特に冷却の際）に発生する応力は、孔の創出によって生成される欠陥と組合わさって、このステップにおいて破損を生み出す可能性がある。

面Ｆ３またはＦ４でガラス上にシルクスクリーン印刷後に孔が製作される場合、エナメルの存在がガラスを脆弱化し、これにより孔の製作が複雑化され得る。

両方のケースにおいて、（エナメルなどの）ガラス上のマスキング層は、（他の層の縁よりも縁の感じがよい）美観的理由で、他の層よりも外側に設置されることが好ましい。

したがって、一実施形態において、本発明に係るグレージングは、第１および第２のシートのうちの少なくとも１つの上および／または積層中間層の上の少なくとも１つのコーティングの形態をした不透明マスキング層、および周縁マスキング層を含み、前記貫通孔の領域内で、マスキング層は貫通孔において、さらには場合によっては貫通孔の縁部にレジストを有し、選択的フィルターが、特に多くとも５０ｍｍ、２０ｍｍ、１０ｍｍにわたる被覆を伴って不透明マスキング層と向かい合っているか、または隣接している（縁はＦ１上で突出して当接している）か、多くとも０．５μｍまたは多くとも１５０μｍだけずれている。

詳細には（前記貫通孔の外で、縁部ゾーン内において）、選択的フィルターは、マスキング層と接触しており、さらには、選択的フィルターはマスキング層の上さらにはマスキング層の下のコーティングである。

以下の配設のうちの１つを想定することができる。

詳細には、マスキング層は、面Ｆ２上にあり、選択的フィルターは面Ｆ２上でマスキング層から離隔されかつこのマスキング層の上方にあるか、またはマスキング層と接触し、特にマスキング層上でコーティングを、特に、多くとも５０ｍｍにわたる被覆を形成する。

詳細には、選択的フィルターは面Ｆ２上のコーティングであり、マスキング層、特に、多くとも５０ｍｍにわたる被覆によって被覆されている。

詳細には、選択的フィルターは、面Ｆ２上のコーティングであり、マスキング層は、面ＦＡまたはＦＢのうちの一方の上にあり、特に、多くとも５０ｍｍにわたる被覆である。

詳細には、選択的フィルターは、面ＦＡまたはＦＢ上のコーティングであり、マスキング層、例えばインク、特に多くとも５０ｍｍにわたる被覆によって被覆されている。

詳細には、選択的フィルターは、面ＦＡまたはＦＢのうちの一方の上のコーティングであり、マスキング層は、面ＦＡまたはＦＢのうちの他方の上にあり、特に多くとも５０ｍｍにわたる被覆である。

詳細には、選択的フィルターは、面Ｆ２、ＦＡまたはＦＢのうちの一方の上のコーティングであり、マスキング層は面Ｆ３またはＦ４上にあり、特に、多くとも５０ｍｍにわたる（突出した）被覆である。

不透明マスキング層は、好ましくは連続層である（全面単色で、ソリッドな縁または変形形態としてグラデーションの縁（モチーフアセンブリ））。マスキング層は、グレージングの部分から２ｍｍまたは３ｍｍ（５ｍｍ未満）のところにあってよい。

マスキング層は、特に、グレージング（フロントガラスなど）を縁取る黒色エナメルの帯であり得る。したがって、このマスキング層内にレジストが創出される。別のマスキング層が、面Ｆ３またはＦ４にあってよい。

貫通孔の縁部ゾーンにおいて、裸の、あるいは例えば（日射制御層、加熱層、電極層などの）多くとも１００μｍ、１μｍの機能性コーティングでコーティングされる面Ｆ３は、次のものと接着による接触状態にある：
－ａ） ＰＶＢをベースとする積層中間層の面ＦＢ、
－ｂ） または、追加バンド、いわゆる後方バンド（閉鎖した貫通孔の場合には周囲にわたり、好ましくは少なくとも１０、２０ｍｍの幅を有する）、ＰＶＢをベースとする熱可塑性の後方バンド、前記貫通孔よりも、少なくとも１０、２０ｍｍだけ大きいＰＶＢの孔を伴う、貫通孔において部分的にまたは全体的に穴が開けられた積層中間層と合流している／接触した後方バンド。

積層中間層の面ＦＢは、貫通孔において厚み内で部分的または全体的に穴が開けられてよく、面Ｆ３のところで、前記孔は
－ 前記貫通孔（後退したＰＶＢ）よりも大きい、
－ 貫通孔と等しい、
－ 前記貫通孔よりも、多くとも５ｍｍ、３ｍｍ、１ｍｍだけ小さい、
積層中間層（ＰＶＢ）の孔を伴って、矩形内に含まれる所与の形状（例えば台形）と一致している。

選択的フィルターは、面Ｆ２と面Ｆ３の間にある。

前記孔の下に、選択的フィルターは、（余分の厚みを回避するため）サブミリメートルさらには多くとも０．５ｍｍ、０．３ｍｍまたは０．１５ｍｍの厚みの（可撓性）ポリマーフィルムを、面Ｆ２に接して、かつ前記孔の縁部ゾーン内で面Ｆ２に結合された状態で含むことができる。

ただし、あらゆる光学的歪みの危険性（気泡の存在など）を回避するため、前記貫通孔のゾーン内で、選択的フィルターが面Ｆ２に結合されていること：すなわち
－ 選択的フィルターが、糊着された（例えば積層後でさえガラスに糊着しないＰＥＴなどのフィルム）、または面Ｆ２と接着による接触状態にある（例えば積層後にガラスに糊着するＰＶＢなどの材料）前述のポリマーフィルムを含むか、
－ または選択的フィルターが、面Ｆ２上のコーティングであること
が好ましい。

前記貫通孔のゾーンの正面で、好ましくは前記貫通孔の縁部ゾーン内にある面Ｆ２は、少なくとも好ましくは、選択的フィルター、加熱、反射防止、破損防止の中から選択される少なくとも１つの機能性コーティングによる、少なくとも２つの機能を含む少なくとも１つのポリマーフィルムを含むことができる。

前記貫通孔の下で、選択的フィルターは、面Ｆ２に結合され、特に裸の面Ｆ２とまたは機能性コーティングと糊着されているかまたはそれと接着による接触状態にあり、したがって場合によっては、機能性コーティング上に糊着されているかまたはそれと接着による接触状態にある。

選択的フィルターは、好ましくは、前記貫通孔の縁部ゾーン内で前記貫通孔を超えて延在しており、選択的フィルターは裸のまたはコーティングされた面Ｆ２（いわゆる前方結合）、好ましくは裸のまたはコーティングされた面Ｆ３（いわゆる後方結合）に結合されている。

積層中間層は、前方結合（選択的フィルターは面ＦＡの下）または後方結合（選択的フィルターは面ＦＢの下）のために役立つことができる。

好ましくは、機械的保護を目的として、以下の接触が存在する：
－ 前記貫通孔の縁に至るまで積層中間層と面Ｆ３の間の接着による接触、
－ または、前記貫通孔の近くまで、例えば前記貫通孔から多くとも１０ｍｍだけ離隔されて積層中間層（ＰＶＢなど）と面Ｆ３との間の、および前記貫通孔の縁部ゾーン内の接着による接触、同様に、選択的フィルターまたはそれを覆うポリマーフィルム上の特にＰＶＢのような熱可塑性のプラスチック材料との別の接着による接触。

そして／または、好ましくは、以下の接触が存在する：
－ 前記孔の縁に至るまでの、積層中間層と面Ｆ２の間の接着による接触、
－ および前記孔の正面に、熱可塑性材料（例えばＰＶＢ）またはＰＳＡなどの接着層との面Ｆ２の接着による接触。

前記貫通孔に対面する単数または複数のポリマーフィルムの性質および／または厚みの選択は、特に、求められる、動作波長での透明性、可撓性および／または靭性に左右される。

本発明に係る単数または複数のポリマーフィルムは、第１のシートの曲率に適応可能であり、詳細には、柔軟性（可撓性または半可撓性）を有することができる。

単数または複数のポリマーフィルムは特に、ポリエステル系、詳細にはポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポリカーボネート系、ポリオレフィン（ポリエチレン、ポリプロピレン）、ポリウレタン系、ポリメタクリル酸メチル（ＰＭＭＡ）系、ポリアミド系、ポリイミド系、あるいはポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、さらにはフッ素ポリマー系、例えばエチレンテトラフルオロエチレン（ＥＴＦＥ）、ポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）、ポリクロロトリフルオロエチレン（ＰＣＴＦＥ）、エチレンクロロトリフルオロエチレン（ＥＣＴＦＥ）、フッ化エチレンプロピレンコポリマー（ＦＥＰ）またはポリスチレン（ＰＳ）であってよい。

ＰＥＴ（およびＰＶＢ製の中間層）が好ましい。

詳細には、一実施形態において、本発明に係るグレージング（特に選択的フィルター）は、サブミリメートル、好ましくは多くとも０．５ｍｍ、０．３ｍｍ、０．１５ｍｍの厚みのポリマーフィルム、特にＰＥＴフィルム、前記貫通孔に対面する、－特に前記選択的フィルターの一部を成し（着色フィルムまたは着色層の支持フィルム）－Ｆ２側の前方主要面Ｆ’Ａおよび反対側の後方主要面Ｆ’Ｂを含むポリマーフィルム、前記動作波長で透明なポリマーフィルム、
ａ） 好ましくは感圧接着剤ＰＳＡ、例えばアクリレート接着剤、または熱溶融性接着剤さらには二液型接着剤またはＵＶ接着剤である接着層（動作波長で透明である）を介して、
ｂ） 特に、多くとも０．７６ｍｍ、０．５ｍｍ、０．４ｍｍまたは０．１５ｍｍ、詳細には２５～１００μｍ、４０～７０μｍさらには多くとも５０μｍのサブミリメートルの厚みＥ’３（＜Ｅ３）の、前記貫通孔に対面して面Ｆ２と接着による接触状態にある前方バンドと呼ばれる局所的ポリマーバンドであって、場合によっては、貫通孔において穴が開けられた好ましくはポリビニルブチラールをベースとした積層中間層、好ましくは積層中間層と（接着）接触状態にある前方ポリマーバンドを介して、
ｃ） （前記貫通孔に対面して、さらには前記貫通孔の縁部ゾーン内の）中間層であって、好ましくはＰＶＢ（無色、遮音効果など）であり、ＦＡが場合によっては任意のフィルム収容用非貫通孔を有し、好ましくは面ＦＢ上に保護用ポリマーフィルムが存在している中間層を介して、
という構成のうちの少なくとも１つにしたがって、前記貫通孔に対面して、裸のまたは機能性コーティングを（少なくとも）伴う面Ｆ２に結合されているポリマーフィルムを含む。

このポリマーフィルムは、選択的フィルター（フィルム状）の下にあり、特に面Ｆ２のコーティングの形態をしているかまたはフィルム状である選択的フィルターを覆うか、あるいは前記選択的フィルターの一部を成すことができる。

動作波長で透明である接着層（または糊着剤）が好まれる。

ＰＶＢは、動作波長で透明である。

ａ）の場合、例えば第１および第２のシートの間への位置付け前に取り去るべき取外し可能なフィルム（ライナー）によって保護されている接着層（誘電体など）と選択的フィルム（フィルター）を予め組立てることが好まれる可能性がある。

複数のタイプの接着剤が存在する。溶融させなければならず硬化時点で糊着する熱溶融性（ホットメルト）接着剤、成分が反応する場合または溶剤が蒸発する場合に硬化する熱硬化性接着剤、接触しただけで直ちに糊着する感圧接着剤ＰＳＡである。

本発明によると、ＰＳＡ糊着剤（面Ｆ２、Ｆ３上、フィルム間、ＰＶＢなどの中間層上）の厚みは、例えば多くとも５０μｍ（接着テープタイプ）、詳細には液体型被着の場合多くとも２０μｍであり得る。

接着層は、感圧接着剤シートであり得る。

接着層（非接着性）は例えば、ゲル、詳細にはポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、多糖類、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、シリコーンをベースとするハイドロゲルであり得る。

接着層は、感圧接着剤でさえあり得る。ＰＳＡと略され一般に自着性と呼ばれる感圧接着剤は、圧力が加えられる場合に結合を形成し、糊着させるべき表面と接着剤を一体化させる接着剤である。接着剤を活性化するために、いかなる溶剤も、水も、あるいは熱も必要ではない。これは、自動車の内装、および多種多様な他の製品において使用される。

「感圧」というその名称が示している通り、所与の表面と自着性結合剤との間の結合度は、接着剤を標的表面に貼付するために用いられる圧力量によって影響される。他の因子も同様に介入し、平滑性、表面エネルギーおよび汚染物質の除去などが優れた接着力のために重要である。

ＰＳＡは、概して、結合を形成し、それを周囲温度で維持するように設計される。当業者であれば、その使用条件に適した自着性接着剤の調合を選択するように留意する。実際、ＰＳＡは概して、低温でその接着力を低下または消滅させ、高温で耐せん断性を低下させる。

ＰＳＡは、概して、適切な補足的接着剤または「粘着付与剤」（例えばエステル樹脂）と組み合わせたエラストマベースのものである。

エラストマは、以下のものをベースとするものであってよい：
－ 補足的粘着付与剤を必要としないほどに十分な糊着力を有し得る、アクリレート、
－ ニトリル、
－ 四官能性四塩化ケイ素（「Ｑ」）と反応した一官能性トリメチルシラン（「Ｍ」）で構成される「ＭＱ」タイプのケイ酸塩樹脂などの特殊な粘着付与剤を必要とする、シリコーン。シリコーン系のＰＳＡは、例えば、キシレン中またはキシレンとトルエンの混合物中に分散させられたポリジメチルシロキサン樹脂およびゴムである。
－ スチレンブタジエン－スチレン（ＳＢＳ）、スチレン－エチレン／ブチレン－スチレン（ＳＥＢＳ）、スチレン－エチレン／プロピレン（ＳＥＰ）、スチレン－イソプレン－スチレン（ＳＩＳ）ブロック共重合体などの、スチレン系のブロック共重合体、
－ ビニルエーテル。

有利には、感圧接着剤は、アクリレート系のＰＳＡおよびシリコーン系のＰＳＡの中から選択される。

これらの接着剤は、両面接着テープのロールの形態で市販されている。シリコーン系のＰＳＡとしては、２０１３接着テープ、７６５７接着テープ、Ｑ２－７７３５接着テープ、Ｑ２－７４０６接着テープ、Ｑ２－７５６６接着テープ、７３５５接着テープ、７３５８接着テープ、２８０Ａ接着テープ、２８２接着テープ、７６５１接着テープ、７６５２接着テープ、７３５６接着テープなどのＤｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ（登録商標）の接着テープを挙げることができる。

したがって、面Ｆ２上に直接、（好ましくは予め組立てられた要素を形成する）重なりの以下の構成を想定することができる（カッコ内は任意の要素）：
－ ＰＳＡ／全体が着色されたポリマーフィルム（／ＰＳＡなどの接着剤／／ＡＲフィルム）などの接着層
－ ＰＳＡ／全体が着色されたポリマーフィルム（／ＡＲコーティング）などの接着層
－ ＰＳＡ／主要面のうちの少なくとも１つの上に着色コーティングを伴うポリマーフィルム／（接着剤（ＰＳＡなど）／ＡＲフィルム）などの接着層
－ ＰＳＡ／主要面のうちの少なくとも１つの上に着色コーティングを伴うポリマーフィルム／（／ＡＲコーティング）などの接着層
あるいは、着色層上に：
－ ＰＳＡ／保護用または加熱用ポリマーフィルム／ＰＳＡなどの接着剤／）ＡＲフィルムなどの接着層
－ ＰＳＡ／保護用または加熱用ポリマーフィルム／ＰＳＡなどの接着剤／）ＡＲフィルムなどの接着層。

ｂ）の場合、選択的フィルム（フィルター）を前方バンドと予め組立てることが好まれる可能性がある。

ｂ）の場合、好ましくは、前方バンドは、特に多くとも０．５ｍｍ、好ましくは多くとも０．３ｍｍそしてより良くは多くとも０．１５ｍｍ、詳細には２５～１００μｍ、４０～７０μｍ、さらには多くとも５０μｍの厚みを有し、１５重量％未満の可塑剤、好ましくは１０重量％未満、さらにより良くは５重量％未満の可塑剤を含み、詳細には可塑剤を含まないポリビニルブチラール（ＰＶＢ）ベースの（製の）ものである。そして、積層中間層は、特に少なくとも０．３ｍｍそしてより良くは少なくとも０．５ｍｍの厚みＥ３を有し、可塑剤を伴う、特に１５重量％超の従来の可塑剤を伴う、ポリビニルブチラール（ＰＶＢ）ベースのものである。

詳細には、可塑剤無しのＰＶＢ前方バンドおよび／または後方バンドとして、所望の厚みのクラレ社の製品「ＭＯＷＩＴＡＬ ＬＰ ＢＦ」を選択することができる。

前方バンドは、ポリマーフィルム（選択的フィルター）の面を覆うように適応される形状を有する。

使用される両面接着テープは、保護フィルム（ライナー）を取り除く必要がある。その上、表面は位置付け前に糊着力を有し、したがって必要となった場合にフィルムを容易に再調整できない。さらに、ライナーの残渣が、気泡またはブレをもたらす可能性がある。

面Ｆ３の下の縁部ゾーン内の前方バンドは、同様に、（積層の際に）ＰＶＢとより良好に接触できるように、特に多くとも５ｃｍまたは１ｃｍの上にある単数または複数のフィルム（それらのうちの少なくとも１つ、すなわち、選択的フィルターフィルム、ＡＲフィルム、安全用フィルム、加熱用フィルムなど）から、特に、多くとも５ｃｍまたは１ｃｍだけはみ出していてもよい。

面Ｆ３の下で、特にポリビニルブチラール（ＰＶＢ）ベースの前方バンドは、材料の連続性を形成するため（中間層と前方バンドの間には空間が無い）、積層中間層と（側方）接着による接触状態にあることができる。

前記前方バンドは、特に、積層中間層との接着による接触を最も良好に保証するために、選択的フィルターから（好ましくは多くとも５ｃｍ、１ｃｍだけ）はみ出すことができる。

前方バンドは、ＰＶＢ製であっても、中間層のＰＶＢとは別のＰＶＢであり得、かつ／または少なくともＥ３とは異なる厚み、例えばより薄い厚みを有し得る。前方バンド（ＰＶＢ）／中間層（ＰＶＢ）の界面は、判別可能であり得る。

面Ｆ２は、以下のような動作波長で透明である特にポリエステル、ＰＥＴ製の（サブミリメートル、さらには多くとも２００μｍまたは１００μｍの厚みを有する）機能性ポリマーフィルムのうちの少なくとも１つを有する重なりを含むことができる。前記選択的フィルター（コーティングまたは全体）、安全用フィルム、加熱用フィルム、反射防止またはＡＲフィルム（場合によっては前記フィルムのうちの複数のものがＰＳＡ接着剤によって糊着されている）、面Ｆ２に結合されるフィルム（前方バンドまたは例えばＰＳＡ）。

当然のことながら、フィルムは、その表面により（選択的着色コーティング、加熱用コーティング、テクチャード加工またはコーティングによる動作波長における反射防止など）および／または全体で（全体での選択的フィルター、全体でのワイヤーによる加熱）、２つ以上の機能を組み合わせることができる。

同様に、（ ａ）またはｂ）にしたがった安全用要素の）少なくとも１つの機能性ポリマーフィルムは、少なくとも２つの機能、好ましくは前記フィルム上の少なくとも1つの機能性コーティング、特に、選択的フィルター、加熱、反射防止、破損防止の中から選択される機能を含んでいる。例えば：
－ 選択的フィルターコーティングおよび反射防止コーティング（同じ面または相対する面）を伴うフィルム、
－ 反射防止コーティングおよび／または加熱用コーティング（相対する面）を伴う選択的フィルターフィルム（全体が着色されたもの）、
－ 選択的フィルターコーティングを伴い、さらには反射防止コーティング（同じ面または相対する面）を伴う、破損防止または安全用フィルム。

破損防止フィルムの一例は、Ａｒｍｏｒｃｏａｔ ７ Ｍｉｌという名称のＳｏｌａｒ Ｇａｒｄフィルムである。

本明細書全体において、ＡＲは、少なくとも動作波長における反射防止を意味する。

したがって、プラスチック前方バンドは、すでにフィルターのフィルムおよび／または組立てシート（ＰＶＢ）と（全面的にまたは局限的に）結合されている。この後者の場合、前方バンドははみ出しており（デバイスよりも大きい）、前方バンドとシートの間の結びつきは、それだけでフィルターのフィルムの維持に役立つことができ、後方面およびプラスチックバンドの補足的結合は必要でない。

プラスチック前方バンドは、積層によりグレージングの面Ｆ２と糊着することができる。

両面接着テープとは反対に、熱可塑性バンドの自由面は、糊着力がなく、直ちに利用可能である。本発明に係るプラスチック前方バンドは、ライン上での時間のロスなく正確に位置付けすることを可能にする。

したがって、面Ｆ２上に直接、（好ましくは予め組立てされた要素を形成する）以下の重なりの構成を想定することができる：
－ 前方バンド／全体が着色されたフィルム／接着剤（ＰＳＡなど）または他の前方バンド／（／ＡＲフィルム）
－ 前方バンド／全体が着色されたフィルム／（ＡＲコーティング）
－ 前方バンド／主要面のうちの少なくとも１つの上に着色コーティングを伴うフィルム／ＡＲフィルム。

あるいは、着色層上で：
－ 前方バンド／ＡＲフィルム。

全体が着色されたフィルムは、前記選択的フィルター、例えばソーラーガード社の製品Ｓｍｏｋｅ－ｐｌｕｓであってよい。

ｃ）の場合、中間層はＰＶＢ製（無色、遮音の効果など）である。ＰＶＢは、動作波長で透明である。

中間層が複層である場合、それは、好ましくは多くとも０．４ｍｍの厚みのいわゆる前方シート（面Ｆ２側）であり得る。

例えばより厚い第２のシートは、任意のフィルム収容用非貫通孔を有し得る。

ＰＶＢは、好ましくは、例えばＩＴＯでドープされたＰＶＢのように動作波長を吸収する場合、孔が開けられている。

特に、ＰＶＢ前方シート／フィルム（選択的フィルター）という積層の前に予め組立てられた要素を、前方シートに孔が開けられたＰＶＢシートが結合された状態で形成することができる。

そして／または好ましくは（ ａ）、ｂ）またはｃ）の代替として、または両立可能である場合には、これらを併せて）、ポリマーフィルムまたは前記フィルムの上方にあり前記フィルムに結合されている別のポリマーフィルムは、
－ｍ） ａ）の場合のような接着層を介して、
－ｎ） 前記貫通孔の縁部ゾーン内で面Ｆ３と接着による接触状態にあり、好ましくは積層中間層と接着による接触状態にある、特にポリビニルブチラール（ＰＶＢ）ベースの後方バンドと呼ばれる局所的ポリマーバンドであって、特にフィルムから（多くとも１０ｃｍだけ）はみ出しており、前記貫通孔の下で欠如しているかまたは多くとも５ｍｍだけはみだしており、好ましくは積層中間層と（接着）接触状態にある後方バンドを介して、
－ｏ） 好ましくはＰＶＢをベースとし、（ｏ）の場合、ａ）またはｂ）と併用可能である）、好ましくは前記貫通孔において穴が開けられている積層中間層を介して、
という構成のうちの少なくとも１つにしたがって面Ｆ３に結合されている。

ｎ）については、この後方バンドは、貫通孔の縁部ゾーン（ガラス張り）の周囲全体にわたっていてよい。

後方バンドは、閉鎖表面（孔と同じ輪郭または貫通孔を包含する形状）を形成する。例えば、この後方バンドは、幅１５ｍｍ（例えば）であり、例えば矩形、台形フレームなどである。

前記後方バンドは、積層中間層との接着による接触を最も良好に保証するため、（好ましくは多くとも５ｃｍ、１ｃｍだけ）選択的フィルターからはみ出すことができる。

後方バンドは、前記貫通孔の下で欠如しているか、または前記貫通孔の下で多くとも５ｍｍ、３ｍｍだけはみ出していてよい。面Ｆ３の下そしてこの面Ｆ３と接触した状態で、後方バンドは同様に、（積層の際に）ＰＶＢとより良好に接触するため、またはこのゾーンを補強するために、下にある単数または複数のフィルム（選択的フィルター、ＡＲフィルムなど）から、特に多くとも５ｃｍ、１ｃｍだけはみ出すこともできる。

Ｆ３に対面して、特にポリビニルブチラール（ＰＶＢ）をベースとする後方バンドは、材料の連続性を形成するため（中間層と後方バンドの間に空間は無い）、積層中間層と（側方）接着による接触状態にあり得る。

後方バンドは、ＰＶＢ製であっても、中間層のＰＶＢとは別のＰＶＢであり得、かつ／または少なくともＥ３とは異なる厚み、例えばより薄い厚みを有し得る。後方バンド（ＰＶＢ）／中間層（ＰＶＢ）の界面は、判別可能であってよい。

好ましくは、ポリビニルブチラール（ＰＶＢ）（製）後方バンドは、１５重量％未満、好ましくは１０重量％未満、さらにより良くは５重量％未満の可塑剤を含み、詳細には可塑剤を含まず、特に、多くとも０．５ｍｍ、好ましくは多くとも０．３ｍｍそしてより良くは多くとも０．１５ｍｍ、詳細には２５～１００μｍ、４０～７０μｍ、さらには多くとも５０μｍの厚みを有する。そして、積層中間層は、（可塑剤、特に１５重量％超の従来の可塑剤を伴って）ポリビニルブチラール（ＰＶＢ）をベースとしており、特に少なくとも０．３ｍｍ、より良くは少なくとも０．５ｍｍの厚みを有する。

局所的前方バンドおよび／または後方バンドは、１５重量％未満の可塑剤を含み、詳細には可塑剤を含まないポリビニルブチラール（ＰＶＢ）ベースの（製の）ものであってよく、特に、積層中間層は、可塑剤を伴う、特に１５重量％超の可塑剤を伴うポリビニルブチラール（ＰＶＢ）製である。

例えば、（Ｆ２上に被着された選択的フィルム（フィルター）または選択的コーティング（選択的フィルター）と共に）以下のものがある：
－ ＰＳＡなどの接着層／ポリマーフィルムまたは互いに糊着されたポリマーフィルムの重なり／ＰＳＡなどの接着層または後方バンド、
－ 前方バンド／ポリマーフィルムまたは互いに糊着されたポリマーフィルムの重なり／ＰＳＡなどの接着層または後方バンド、
－ ＰＳＡなどの接着層／ポリマーフィルムまたは互いに糊着されたポリマーフィルムの重なり／中間層、
－ 前方バンド／ポリマーフィルムまたは互いに糊着されたポリマーフィルムの重なり／中間層、
－ 前方バンドまたはＰＳＡなどの接着層／ポリマーフィルムまたは互いに糊着されたポリマーフィルムの重なり／中間層／ポリマーフィルムまたは互いに糊着されたポリマーフィルムの重なり／ＰＳＡなどの接着層または後方バンド、
－ 中間層／ポリマーフィルムまたは互いに糊着されたポリマーフィルムの重なり／ＰＳＡなどの接着層、
－ 中間層／ポリマーフィルムまたは互いに糊着されたポリマーフィルムの重なり／後方バンド。

積層中間層は、前記貫通孔において、さらにはそれをやや超えて（特に多くとも５０ｍｍだけ）孔の縁部ゾーンの手前に延在して、穴が開けられていてよい。

グレージングは、少なくとも前記貫通孔の下に、前方バンドを形成する面Ｆ２と接着による接触状態にある第１のＰＶＢ層／特に前記選択的フィルターを形成するかまたはその一部を成す少なくとも1つのポリマーフィルムあるいはポリマーフィルムの重なり／前記後方バンドを形成する前記貫通孔において穴が開けられた第２のＰＶＢ層を含む多層を含むことができる。

前方バンドは、積層中間層と接触しており、後方バンドは、積層中間層と接触している。

３層はフィルターを含まない可能性もある（例えばＦ２における塗装の場合）。

一実施形態において、選択的フィルターは、以下のものを含む、好ましくは多くとも０．３ｍｍ、０．１５ｍｍの厚みの、特にＰＥＴであるポリマーフィルムを含んでいる：
－ 全体を着色する着色剤を含む、多くとも０．３ｍｍ／０．１５ｍｍの厚みの、特にＰＥＴである着色ポリマーフィルム、
－ および／または母材（有機、ポリマー、有機無機ハイブリッド：ゾルゲル法）と、前記母材内に分散し、前記可視光領域内に位置する光を（そのほぼ全てを）吸収し、主要面上で前記動作波長において（ほぼ）透明である着色剤とを含む化合物でできた着色層でコーティングされたフィルム（無色または着色）。

一実施形態において、選択的フィルターは、母材（有機、ポリマー、無機またはハイブリッド）および前記母材内に分散した着色剤を含む化合物でできた層を含み、前記着色剤は、前記可視光領域内に位置する光（そのほぼ全て）を吸収し、前記動作波長において（ほぼ）透明であり、層は前記孔のゾーン内で：
－ 面Ｆ２上のコーティング、
－ または、好ましくはＰＶＢ製の、面ＦＡまたはＦＢ側の積層中間層上のコーティング、詳細にはさらにＰＶＢ粒子を含むインク、
－ または、好ましくは面Ｆ２に結合された、多くとも０．３ｍｍ、０．１５ｍｍの厚みの、Ｆ２またはＦ３側の主要面上で特にＰＥＴの追加のポリマーフィルム上のコーティング、
を形成している。

着色層は、サブミリメートル、さらには多くとも２０μｍの厚みのものであり得る。

着色層の組成物は、ポリマーまたは有機無機ハイブリッドであり得る。

着色層の組成物／ポリマー母材は、モノマー、オリゴマーまたは、少なくとも１つのメタクリレート官能基を含むポリマー、エポキシド、分散ＰＶＢ粒子で構成されたワニス、ラテックス、ポリウレタンまたはアクリレートの中から選択される。

選択的フィルターは、近赤外線内の波長を透過させながら可視光内の波長を実質的に吸収する近赤外線黒色インクのような可視光中でのその透過率よりも高い赤外線中の透過率を有するあらゆる顔料または染料を含有することができる。例えば、選択的フィルター（層状）は、染料またはインク、例えばＳｐｅｃｔｒｅ（商標）インク、例えばＳｐｅｃｔｒｅ（登録商標）１００、１１０、１２０、１３０、１４０、１５０または１６０（Ｅｐｏｌｉｎ、Ｎｅｗａｒｋ、ＮＪ）；ミマキインク、例えばミマキＥＳ３、ＳＳ２１、ＢＳ３、ＳＳ２またはＨＳ（ミマキグローバル、東御市、長野県、日本）；またはセイコーインキ、例えばセイコー１０００、１３００、ＳＧ７００、ＳＧ７４０またはＶＩＣ（セイコーアドバンス株式会社、日本）、さらにはＭｉｎｇＢｏ ａｎｔｉ Ｆｏｒｇｅｒｙ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｃｏ Ｌｔｄ．の黒色インクＩＲ９５０８を含有し得る。

選択的フィルター（層状）は、ブラック、シアン、マゼンタまたはイエローの単数または複数の染料成分を含むことができる。

選択的フィルター（層状）は、染料または顔料またはその両方を含むコーティングであり得る。選択的層は、Ｌｕｍｏｇｅｎ（登録商標）Ｂｌａｃｋ ＦＫ４２８０またはＬｕｍｏｇｅｎ Ｂｌａｃｋ ＦＫ４２８１（ＢＡＳＦ、Ｓｏｕｔｈｆｉｅｌｄ、Ｍｌ）を含むことができる。

いくつかの例において、選択的フィルター（層状）は多層フィルムを含むことができ、この多層フィルムの単数または複数層は、染料、顔料またはその両方を含む。

好ましくは、
－ 着色剤は、Ｓｕｄａｎ Ｂｌａｃｋ Ｂ（登録商標）またはＮｉｇｒｏｓｉｎｅ Ｓｏｌｖｅｎｔ ｂｌａｃｋ ５の中から選択され、好ましくは、Ｓｕｄａｎ Ｂｌａｃｋ Ｂ（登録商標）である。
－ 着色剤は、層の０．１～１０重量％、好ましくは層の０．２～３重量％を占める。

選択的フィルター（層状）は、３０μｍ未満のワニスであり得る。

層状の選択的フィルターについては、層の厚みまたは着色剤の重量百分率、詳細には少なくとも１％、５％～２０％、３０％の重量百分率を調整することができる。

選択的フィルターは、「ロール・ツー・ロール」での「濃染」（染色）プロセス、特に染料を伴う高温浴中への浸漬により、染料が全体的に投入されたＰＥＴなどのポリマーフィルムを含むことができる。染料の最終濃度は、可視光内での不透明性をもたらすのに十分なものでなければならない。特許、国際公開第９３０７３２９号または米国特許第５１６２０４６号明細書を参照することができる。

ＰＥＴのようなポリマーフィルム上に、一主要面あたり１つの選択的層を置くことができる。

全体が着色されたＰＥＴなどのポリマーフィルムとこのフィルム上の選択的層とを組合わせることができ、ＰＶＢ上のＰＥＴなどの別のポリマーフィルムが前記孔に対面してまたは面Ｆ２上にとどまっている。

積層中間層は、面Ｆ２と接着による接触状態にある第１のＰＶＢ層／前記選択的フィルターを形成するかまたはその一部分を成すポリマーフィルム／前記貫通孔において穴が開けられた第２のＰＶＢ層を含む多層であり、ポリマーフィルムは場合によっては、前記貫通孔の外に日射制御層を担持している。

積層中間層は、前記貫通孔のゾーン内に、（特に予め組立てられた）以下の重なりのうちの１つの一部分を成すＰＶＢを含む：
－ｐ） 選択的フィルター／ＰＶＢ（／特にＰＥＴタイプのポリマーフィルムを含む反射防止要素）、
－ｑ） ＰＶＢ／Ｆ’ＡまたはＦ’Ｂに着色層を伴いかつ／または全体が着色されたポリマーフィルムなどの選択的フィルター（／反射防止コーティング）、
－ｒ） ＰＶＢ／Ｆ’ＡまたはＦ’Ｂに着色層を伴いかつ／または全体が着色されたポリマーフィルムなどの選択的フィルター／糊着剤（／反射防止フィルム）、
－ｓ）ＰＶＢ／着色層（／反射防止コーティング）。

そして、前記貫通孔の縁部ゾーンには、ｐ）、ｑ）、ｒ）のための後方バンドを付け加えることができる。

その上、本発明に係るグレージングは、前記貫通孔において１つの穴（より大きいものまたは前記貫通孔の延長にあるもの）を含む面Ｆ４で糊着された（不透明の）支持台、特に、ＬＩＤＡＲのなどの前記動作波長で赤外線ビューイングシステムを支持または維持することのできる手段を伴う、不透明で場合によっては強化されたプラスチックの支持台を含むことができる。

詳細には、面Ｆ４上に、特にサブセンチメートル、詳細には１～３ｍｍ、さらには１．５～２．５ｍｍの厚みの支持台を糊着することができる。この支持台は例えば、さらに強度を高めるため好ましくはガラス繊維が充填されたホルムアルデヒド（ポリオキシメチレンＰＯＭ）、ポリ臭化テルフェニル（ＰＢＴ）のポリマー、特にＰＡ６６ ＧＦ３０（３０％のガラス繊維）をベースとする、場合によっては（繊維などで）強化されたプラスチック、例えばポリカーボネート（ＰＣ）、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリアミド（ＰＡ６６）、アクリロニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）およびＡＢＳ－ＰＣアロイ、ポリスチレン（ＰＳ）、アクリロニトリルスチレンアクリレートＡＳＡでできている。

この支持台は、ＬＩＤＡＲおよび／またはＬＩＤＡＲを覆い隠す筐体を担持するため、あるいはこれを維持または安定化するのに貢献するために、役立つことができる。

前記貫通孔と同様、この支持台は、好ましくは、特にグレージングの上縁部で周縁にある。例えばこれは、（従来の）、バックミラー（が存在するまたは不在である）ゾーンである、中央ゾーンにある。

この支持台は、同様に、センサー、例えば可視光域におけるカメラおよび／サーマルカメラ（２．５μｍを超え、少なくとも９．５～１０．５μｍ、好ましくは８～１２μｍ）のセンサー、または他のあらゆるセンサー（雨滴、外部明度など）といった他の単数または複数の機能性要素を担持するかあるいは、維持または安定化するのに貢献することができる。この支持台は、単数または複数のセンサーに必要な数の（そして適したサイズの）穴を含む。それはさらに、熱線カメラまたは可視光カメラおよび／または、ＬＩＤＡＲ、サーマルカメラおよび／または可視光領域におけるカメラに個別のまたは共通の筐体を担持するかあるいは、維持または安定化するのに貢献することもできる。

孔がノッチである場合、このノッチの一部分がグレージングのフレームによってマスキングされ、したがって、ビューイングシステムにとって機能的でない。孔が閉鎖されていて縁に近すぎる場合も、同様である。

孔が閉鎖されている場合、グレージングの部分に最も近い孔の縁（好ましくは上部長手方向のそして特に中央ゾーン内の縁）は、（第２のシートの）グレージングのこの部分から少なくとも２ｃｍまたは３ｃｍ、より良くは５ｃｍ離れている。

貫通孔は、フロントガラスの上部長手方向縁の中央ゾーン、車内バックミラー（車両に応じて、孔に隣接するまたは取り外されているバックミラー）の通常のゾーン、面Ｆ２および／またはＦＡのマスキング層が概して上縁に沿った側方ゾーン（同乗者、ドライバーなど）上よりも厚いゾーン内にあり得る。

好ましくは、貫通孔は、特に台形または円形または卵形タイプの、次のような断面を有する：
－ 少なくとも２、３、５、８ｃｍの（例えば赤外線ビューイングシステムのサイズに適応された）より小さい寸法の断面、
－ そして好ましくは、（機械的側面のために）多くとも４０ｃｍ、３０ｃｍ、２０ｃｍのより大きな寸法（特に長辺また直径）の断面、
－ そして好ましくは、反射防止コーティングが、孔を包含する表面積を占め、多くとも３０ｃｍの長さである。

詳細には、貫通孔の断面は、四辺形、特に矩形または台形であり、ここで、
－ 第１の（長）辺またはいわゆる長手方向上縁（グレージングの長手方向上縁の部分に最も近いもの）は、好ましくは、グレージングの長手方向上縁の部分に平行であり、好ましくは多くとも３０ｃｍ、２０ｃｍまたは１５ｃｍまたは１２ｃｍの長さを有し、特に少なくとも５ｃｍまたは６ｃｍだけこの部分から離隔されている、
－ 第２の（長）辺またはいわゆる長手方向下縁（グレージングの長手方向上縁の部分から最も離れ、中央ゾーンにより近いもの）は、好ましくは、グレージングの長手方向上縁の部分に平行であり、好ましくは、多くとも３５ｃｍまたは３０ｃｍまたは２５ｃｍまたは２０ｃｍの長さ、そして好ましくは第１の長辺よりも大きい長さを有する、
－ 高さ（これらの長辺間の）は、好ましくは、少なくとも５ｃｍ、さらには多くとも１５ｃｍである。

孔が、多くとも１０、８、５、２ｃｍの小さいものである場合、円形孔にすることが好ましい。

貫通孔は、長手方向縁に沿っており、代替的には、貫通孔は側方縁に沿っている。

リヤウィンドウの場合、貫通孔は、長手方向縁（特に上部）または側方縁に沿って環状であってよい。

当然のことながら、貫通孔は、空の空間であるか、または少なくとも反射防止コーティングと赤外線ビューイングシステムの間に置かれるはずの、対象にされた近赤外線において吸収力のある何らかの材料によって（その中央部分において）満たされていない空間である。

ただし、例えば柔軟な材料、ポリマー（ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリプロピレンなど）でできた特に多くとも１．５ｃｍの幅のリングタイプの（モノリシックまたは分離したもしくは連結された複数の部片でできている）次のような（閉鎖、開放）インサートを想定することができる：
－ 孔を（上部部分で）境界画定するガラスまたはプラスチックの第２のシートの壁の上に組付け（特に糊着または強制嵌合）されたインサート、
－ さらには同様に、積層中間層の壁と接触しており、さらには面Ｆ２の上にさえあるインサート。

このインサートは、孔を超えて、特に面Ｆ４上で延在し得る。

このインサートは、次のことに使用され得る：
－ 孔の中に赤外線ビューイングシステムの全体または一部分を、または中間光学部品を反射防止コーティングと赤外線ビューイングシステムの間に設置するため、
－ 赤外線ビューイングシステムの固定手段の全体または一部分を、孔の中に設置するため。

中間層の孔が積層前に作られ、インサートが積層の前に中間層のところに（特に、多くとも１５０℃、特に加圧下で）設置される場合、このインサートは、反射防止コーティングの自由表面上での中間層のクリープを回避または削減するために役立つことができる。

一実施形態において、本発明は、前記貫通孔の下または中の要素の自由表面上に、少なくとも赤外線内の前記いわゆる動作波長に対する反射防止コーティングを含み、ここで１つの自由表面を伴って、要素は、以下の要素のうちの少なくとも1つの中から選択されている：
－ 多くとも０．３μｍ／０１５ｍの厚みの、選択的フィルターの全体または一部分を形成するかあるいは選択的フィルターに結合されこれを覆うポリマーフィルム、特にＰＥＴフィルム、
－ 裸のまたは（面Ｆａで選択的フィルターの活性層で）コーティングされている、積層中間層（フィルム状の選択的フィルターに沿った面ＦＢ側で、多くとも部分的に孔が開けられている）、
－ 前記選択的フィルターの着色層。

貫通孔は、好ましくは、積層グレージングの周縁ゾーン内、好ましくは長手方向上縁および／または周縁中央領域内にあり、反射防止コーティングは局所的で、この周縁ゾーン内にある。

貫通孔は、特に凸状断面の所与の形状、例えば台形または矩形または丸形または卵形の形状を有する。反射防止コーティングは、相似形状を有することができる。

ＡＲコーティングは、直接ポリマーフィルム上または機能的下層（選択的着色層さらには「ハードコート」タイプの層を含む）の上にあり得る。

選択的コーティングは、直接、ポリマーフィルム上または機能的下層の上にあり得る。

第１のガラスシートは、第２のシートの前記貫通孔の下または中の要素の自由面上に、少なくとも、８００ｎｍ～１８００ｎｍの範囲内の赤外線内のいわゆる動作波長における反射防止コーティングを含むことができ、ここでこの要素は以下のものの中から選択される：
－ 選択的フィルターの全体または一部分を形成するかあるいは選択的フィルターに結合されたポリマーフィルム、
－ 裸のまたは（面Ｆ３側の選択的フィルターの活性層などで）コーティングされた機械的保護用ポリマーフィルム、
－ 裸のまたは（面Ｆａ側で選択的フィルターの活性層で）コーティングされている積層中間層（フィルム状の選択的フィルターに沿った面ＦＢ側で、多くとも部分的に孔が開けられている）。

反射防止コーティングは、（動作波長で）屈折率を高低交互に繰り返す誘電体薄層（例えば金属またはケイ素の酸化物および／または窒化物）の重なりを含むことができる。

反射防止コーティングは、好ましくはゾルゲルの多孔質（機能性）シリカ層を含むことが好ましい。

第１の実施形態において、細孔は、特にシリカの、ナノメートルのビーズの密度の低い重なりの間隙であり、この層については、米国特許出願公開第２００４／０２５８９２９号明細書に記載されている。

第２の実施形態においては、多孔質層は、ＮＨ_３タイプの蒸気によって高密度化される、縮合した、シリカゾル（シリカオリゴマー）の被着によって得られ、この層については例えば国際公開第２００５／０４９７５７号中に記載されている。

第３の実施形態においては、多孔質層は同様に、欧州特許第１３２９４３３号明細書中に記載されているようなゾルゲルタイプのものであり得る。多孔質層は同様に、他の公知の発泡剤、すなわち、溶解状態そして場合によっては加水分解された形態の陽イオン界面活性分子のミセル、または、陰イオン界面活性剤のミセル、非イオン界面活性剤のミセル、または両親媒性分子、例えばブロックコポリマーを用いても得ることができる。

第４の実施形態においては、多孔質層は同様に、国際公開第２００８／０５９１７０号中に記載の通りのゾルゲルタイプのものであり得る。多孔質層は、こうして好ましくは高分子ビーズである発泡剤を用いて得ることができる。

本発明に係る特に多孔質シリカの反射防止コーティングは、有利には１０ｎｍ～１０μｍ（これらの限界値は含まれる）、詳細には５０ｎｍ～１μｍ、さらにより好適には７０～５００ｎｍの厚みを有することができる。

多孔質シリカ層は、少なくとも２０ｎｍ、５０ｎｍまたは８０ｎｍの閉鎖細孔を有することができ、場合によっては、機能層は、自由表面に向かって密集度が増大する細孔を含むことができる。

細孔は、特に米粒状の細長い形状を有し得る。さらにより好適には、細孔は、ほぼ球形または卵形の形状を有し得る。閉鎖細孔の大部分、さらにはその少なくとも８０％が、ほぼ球形または卵形の、特に細長いほぼ同一の所与の形状を有することが好ましい。

反射防止コーティングは、特に例えば多くとも２００ｎｍの厚みの化学的保護用下層、特にゾルゲル多孔質シリカ機能層が上にあるゾルゲルによる高密度シリカ層を含むことができる。

下層は、シリカまたは、二酸化ケイ素、準化学量論的酸化ケイ素、シリコンオキシカーバイド、シリコンオキシニトリドまたはシリコンオキシカーボニトリドの中から選択される、少なくとも部分的に酸化されたケイ素誘導体をベースとしたものであってよい。

下層は、下にある表面がソーダ石灰シリカガラス製である場合に、アルカリに対する障壁の役割を果たすため有用であることが判明している。

したがって、この下層は有利には、Ｓｉ、Ｏ、場合によっては炭素および窒素を含む。しかし、この下層は、同様に、ケイ素に比較して少量である材料、例えばＡｌ、ＺｎまたはＺｒなどの金属も含むことができる。下層は、ゾルゲルによってまたは熱分解によって、特に気相熱分解（ＣＶＤ）によって被着され得る。この後者の技術は、特にガラス基板の場合にはフロートガラスリボン上への直接的被着により、かなり容易にＳｉＯ_ｘＣ_ｙまたはＳｉＯ_２層を得ることを可能にする。しかしながら、真空技術、例えば（場合によってはドープされた）Ｓｉターゲットまたは（例えば酸化反応性雰囲気および／または窒化反応性雰囲気中での）シリコン亜酸化ターゲットからの陰極スパッタリングによって、被着を実施することも可能である。この下層は、好ましくは、少なくとも５ｎｍの厚み、特に１０ｎｍ～２００ｎｍ、例えば８０ｎｍ～１２０ｎｍの厚みを有する。

反射防止コーティングは同様に、反射防止特性を改変しない場合には被覆層を含むことができる。

同様に、面Ｆ２側のコーティングの正面で面Ｆ１にも反射防止コーティングを置くことができる。

反射防止コーティングは、孔の断面と同じ形状、例えば台形さらには矩形などの形状を有することができる。

先験的に選好度は比較的低いものの、反射防止コーティングは、前記貫通孔の正面の中央ゾーン内にのみあってよく、貫通孔からはみ出さず、さらには好ましくは多くとも１ｃｍだけ貫通孔の縁から離隔されている。例えば、貫通孔内の自由表面は、少なくとも５ｃｍ、１０ｃｍ、１５ｃｍ、好ましくは多くとも３０ｃｍの長さおよび／または辺を有する。

本発明の枠から逸脱することなく、中間層は当然のことながら異なる性質、例えば米国特許第６１３２８８２号明細書中に記載の通りの遮音の機能を保証するための異なる硬度を有する熱可塑性材料製の複数のシート、特に異なる硬度のＰＶＢシートアセンブリを含むことができる。同様にして、ガラスシートのうちの１枚は、従来使用されている厚みに比べて薄くすることができる。

中間層は、本発明によると、特にＨＵＤ（Ｈｅａｄ Ｕｐ Ｄｉｓｐｌａｙ、ヘッドアップディスプレイ）の利用分野向けに、楔形状を有し得る。同様に、中間層のシートのうちの１枚は、全体が着色され得る。

ＰＶＢ以外によく使われる積層中間層として、柔軟な状態で使用されるポリウレタンＰＵ、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）コポリマーなどの可塑剤無しの熱可塑性樹脂、アイオノマー樹脂を挙げることができる。これらのプラスチックは、例えば０．２ｍｍ～１．１ｍｍ、特に０．３～０．７ｍｍの厚みを有する。

積層中間層は、他の機能性プラスチックフィルム（透明、クリアまたは着色）、導電性のアサーマル層を担持するポリエチレンテレフタレートＰＥＴ製フィルムを含むことができ、例えば面Ｆ２およびＦ３の間のＰＶＢ／機能性フィルム／ＰＶＢがある。

透明なプラスチックフィルムは、１０～１００μｍの厚みを有することができる。

透明なプラスチックフィルムは、より広範にはポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン（ＰＥ：ポリエチレン、ＰＰ：ポリプロピレン）、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）、ポリカーボネート（ＰＣ）製であり得る。特にＰＥＴのクリアフィルムが好ましい。

例えば、コーティングされたＰＥＴクリアフィルム、例えばＥａｓｔｍａｎ社のＸＩＲ、ＰＥＴ－ＰＭＭＡの同時押出成形フィルム、例えばＳＲＦ ３Ｍ（登録商標）タイプのものだけでなく、視覚的に可能なかぎり透明で、その表面およびその粘性に関しオートクレーブ内で変質しない他の多くのフィルム（例えばＰＣ、ＰＥ、ＰＥＮ、ＰＭＭＡ、ＰＶＣ製）も同様に利用することができる。

車室の過熱を制限するかまたは空調の使用を制限する目的で、少なくとも第１および第２のシートのうちの一方（好ましくは外部ガラス）は着色されており、積層グレージングは同様に、日射を反射または吸収する層を、好ましくは面Ｆ４または面Ｆ２もしくはＦ３に、詳細には、ＴＣＯ層と呼ばれる透明導電性酸化物層（面Ｆ４に）、さらには少なくとも１つのＴＣＯ層を含む薄層の重なり、または少なくとも１つの銀層を含む薄層の重なり（Ｆ２またはＦ３に）を含むこともでき、ここで銀層、または各々の銀層は誘電性層の間に配置される。

面Ｆ２および／またはＦ３の（銀）層と、面Ｆ４のＴＣＯ層を、併せ持つことができる。

ＴＣＯ層（透明導電性酸化物層）は、好ましくは、フッ素ドープ酸化スズ（ＳｎＯ_２：Ｆ）層または酸化インシジウムスズ（ＩＴＯ）層である。

日射を反射または吸収する層は、好ましくは、前記貫通孔の正面には存在しない。

したがって、グレージングは、面Ｆ２上に、必要であれば少なくとも中央ゾーン内の前記貫通孔には無く、貫通孔の縁部では面Ｆ２およびＦａの間の、アサーマルの、特に導電性の、場合によっては加熱性の機能層である機能性コーティング、詳細には、銀の重なりを含むことができる。

中間層（または他のあらゆるポリマーフィルム）は、特に表面上に定着させられかつ第２のガラスシートの前記貫通孔の正面に存在するかまたは必要であれば存在しない、特に加熱用金属線（面ＦＢ、面ＦＡなど）を含むことができる。

加熱用線は特に、好ましくは銅、タングステン、金、銀またはアルミニウムあるいはこれらの金属のうちの少なくとも２つの合金で、０．１ｍｍ以下の厚みを有するものである。

一実施形態においては、（場合によっては局所的で、第２のガラスシートの前記貫通孔の正面の）グレージングの加熱ゾーンには、「母線」を互いに連結する「加熱用金属線」と呼ばれる個別の複数の金属線が含まれる。加熱電流は、これらの個別金属線を通過する。線は有利には、グレージングの透明性を劣化させないようにまたはごくわずかしか劣化させないように、非常に薄いものである。好ましくは、金属線は、０．１ｍｍ以下、詳細には０．０２～０．０４ｍｍ、そして理想的には０．０２４ｍｍ～０．０２９ｍｍの厚みを有する。金属線は、好ましくは銅、タングステン、金、銀またはアルミニウム、またはこれらの金属のうちの少なくとも２つの合金を含有する。合金は同様に、モリブデン、レニウム、オスミウム、イリジウム、パラジウムまたは白金も含有し得る。金属線は、好ましくは、電気的に絶縁されている。

第１のガラスシートおよび／または第２のガラスシートのガラスに関しては、これはソーダ石灰シリカタイプのガラスである。

特にシリカ、ソーダ石灰、ソーダ石灰シリカ（好ましい）、またはアルミノケイ酸塩またはホウケイ酸塩ベースの第１のガラスシートは、多くとも０．０５％（５００ｐｐｍ）、好ましくは多くとも０．０３％（３００ｐｐｍ）および多くとも０．０１５％（１５０ｐｐｍ）そして特に０．００５％以上の総酸化鉄（Ｆｅ_２Ｏ_３の形態で表現されるもの）重量含有量を有する。

特にシリカ、ソーダ石灰、好ましくはソーダ石灰シリカ（そして第１のガラスシートと同様）、さらにはアルミノケイ酸塩またはホウケイ酸塩ベースの第２のガラスシートは、少なくとも０．４％、好ましくは多くとも１．５％の総酸化鉄（Ｆｅ_２Ｏ_３の形態で表現されるもの）重量含有量を有する。

さらに、特に面Ｆ２上には、少なくとも中央ゾーン内で前記貫通孔には無く、貫通孔の縁部では面Ｆ２およびＦＡの間に存在するアサーマルの、特に導電性、場合によっては加熱性の機能層である機能性コーティング、詳細には、銀の重なりを想定することができ、選択的フィルターは場合によっては、特にアサーマル機能層の上または下の機能層と接触している。

一つの構成において、第１のグレージングは鉱物ガラス製であり、第２のグレージングは、例えばより薄いプラスチック製（フィルム）など、例えばＰＣ、ＰＭＭＡ、ＰＥＴ製である。代替的には、これは第２のガラスシートである。

本発明によると、グレージングの製造を単純化し加速するために、積層ライン外での糊着または接着による接触により予め組立てられた要素を用いる。

第２のガラスまたはプラスチックのシートは特に、緑、青、灰色である。第２のガラスシートは、鉄により緑色であるか、さらにはＣｏＯで青色であるか、ＳｅおよびＣｏＯで灰色であることができる。

特に、本出願人の、例えば緑色のＴＳＡｎｘ（０．５～０．６％の鉄）、ＴＳＡ２＋、ＴＳＡ３＋（０．８～０．９％の鉄）、ＴＳＡ４＋（１％の鉄）、ＴＳＡ５＋と呼称されるガラスを挙げることができる。

ＴＳＡ３＋（２．１ｍｍ）は例えば、約４０％という９０５ｎｍでの全透過率および約５０％という１５５０ｎｍでの全透過率を有する。

第２のガラスシートは、ＦｅＯ（二価鉄）の重量含有量と総酸化鉄（Ｆｅ_２Ｏ_３の形態で表現されるもの）重量含有量の間の比率として定義される、０．２２～０．３５または０．３０というレドックスを有し得る。

前記第２のガラスシートは、以下で定義される重量限界内で変動する含有量で次の成分を含む化学組成を有することができる：
ＳｉＯ_２ ６４～７５％
Ａｌ_２Ｏ_３ ０～５％
Ｂ_２Ｏ_３ ０～５％、
ＣａＯ ２～１５％
ＭｇＯ ０～５％。
Ｎａ_２Ｏ ９～１８％
Ｋ_２Ｏ ０～５％
ＳＯ_３ ０．１～０．３５％
Ｆｅ_２Ｏ_３（総鉄） 少なくとも０．４％、さらには０．４～１．５％、
場合によってはレドックス ０．２２～０．３
および特に０．１％未満の不純物。

内部および／または外部ガラスは、硬化、焼きなまし、強化処理（特により優れた機械的強度のため）タイプの化学的または熱的処理を受けているか、または半強化処理されている可能性がある。

第１のガラスシートおよび／または第２のガラスシートのガラスは、好ましくはフロートタイプのもの、すなわち、溶融状態のスズ浴（「フロート」浴）上に溶融ガラスを注ぐことからなるプロセスによって得られたと考えられるガラスである。「雰囲気」および「スズ」面というのは、それぞれ、フロート浴内に行き渡る雰囲気と接触状態にあった面、および溶融スズと接触状態にあった面を意味する。

スズ面は、ガラスの構造内に拡散したわずかな量のスズを表面に含有する。

面Ｆ２は、「スズ」面であっても「雰囲気」面であってもよい。

第１のガラスシートは、例えば、Ｓａｉｎｔ－Ｇｏｂａｉｎ ＧｌａｓｓのＤｉａｍａｎｔ（登録商標）またはＰｉｌｋｉｎｇｔｏｎのＯｐｔｉｗｈｉｔｅ（登録商標）、またはＳｃｈｏｔｔのＢ２７０（登録商標）、またはＡＧＣのＳｕｎｍａｘ（登録商標）ガラスなどのソーダ石灰シリカガラス、あるいは国際公開第０４／０２５３３４号中に記載の他の組成物であり得る。同様に、Ｓａｉｎｔ－Ｇｏｂａｉｎ Ｇｌａｓｓ社のＰｌａｎｉｃｌｅａｒ（登録商標）ガラスを選択することもできる。

通常の天然の原料では、酸化鉄の総重量含有量は、およそ０．１％（１０００ｐｐｍ）である。酸化鉄含有量を低減する目的で、極めて純度の高い原料を選択することができる。

本発明においては、ガラスの近赤外線透過率を増大させるため、第１のガラスシートのＦｅ_２Ｏ_３（総鉄）含有量は、好ましくは０．０１５％未満、さらには０．０１２％以下、特に０．０１０％である。Ｆｅ_２Ｏ_３含有量は、ガラスのコストに過度に不利にならないように、好ましくは０．００５％以上、特に０．００８％である。

赤外線内での第１のガラスシートの透過率をより一層増大させるために、三価鉄含有量に利する形で二価鉄含有量を低減させ、したがってガラス中に存在する鉄を酸化させることができる。こうして可能なかぎり低い、理想的にはゼロまたはほぼゼロの「レドックス」を有するガラスが求められる。この数値は、０～０．９の間で変動し得、ゼロレドックスは、完全に酸化したガラスに対応する。

少量の酸化鉄、特に２００ｐｐｍ未満、さらには１５０ｐｐｍ未満の酸化鉄を含むガラスは、０．４超、さらには０．５超という高いレドックスを有する自然な傾向を有する。この傾向は、恐らくは、酸化鉄含有量に応じた鉄の酸化還元バランスの変位に起因するものである。

第１のガラスシートのレドックスは、好ましくは０．１５以上、特に０．２～０．３０、特に０．２５～０．３０である。過度に低いレドックスは、実際、炉の寿命を短縮させる原因になる。

本発明に係るガラス（第１のシート、さらには第２のシート）において、シリカＳｉＯ_２は概して、以下の理由から狭い限界内に維持される。７５％を超えると、ガラスの粘度およびその失透適性は大幅に増大し、このためその溶融および溶融スズ浴上へのその流し込みはより困難になる。６０％未満、特に６４％未満では、ガラスの耐加水分解性は急速に低下する。好ましい含有量は、６５～７５％、特に７１～７３％である。

前記第１のガラスシートは、以下で定義される重量限界内で変動する含有量で次の成分を含む化学組成を有することができる：
ＳｉＯ_２ ６０～７５％
Ａｌ_２Ｏ_３ ０～１０％
Ｂ_２Ｏ_３ ０～５％、好ましくは０％
ＣａＯ ５～１５％
ＭｇＯ ０～１０％。
Ｎａ_２Ｏ ５～２０％
Ｋ_２Ｏ ０～１０％
ＢａＯ ０～５％、好ましくは０％
ＳＯ_３ ０．１～０．４％
Ｆｅ_２Ｏ_３（総鉄） ０～０．０１５％、
レドックス ０．１～０．３。

本明細書全体を通して、百分率は重量百分率である。

ガラスシートは好ましくは、スズ浴上でのフロート法によって形成される。

例えば引き上げ法、「ダウンドロー」法、ロールアウト法、フルコール法などの他のタイプの成形加工プロセスを使用することが可能である。

第１のガラスシートのガラス組成は、特に原料中に含まれる不可避的な不純物以外に、低い割合（１％まで）の他の成分、例えばガラスの溶融または清澄を補助する物質（Ｃｌなど）さらには、炉の建設に用いられる耐火物の溶解に由来する要素（例えばＺｒＯ_２）を含み得る。すでに言及した理由で、本発明に係る組成は、好ましくはＳｂ_２Ｏ_３、Ａｓ_２Ｏ_３またはＣｅＯ_２などの酸化物を含まない。

第１のガラスシートの組成は、好ましくは、赤外線（特に８００～１８００ｎｍの波長の場合）を吸収するいかなる物質も含まない。詳細には、本発明に係る組成は、好ましくは、以下の作用物質のいずれも含有しない：ＣｏＯ、ＣｕＯ、Ｃｒ_２Ｏ_３、ＮｉＯ、ＭｎＯ_２、Ｖ_２Ｏ_５などの遷移元素の酸化物、ＣｅＯ_２、Ｌａ_２Ｏ_３、Ｎｄ_２Ｏ_３、Ｅｒ_２Ｏ_３などの希土類の酸化物、さらにはＳｅ、Ａｇ、Ｃｕなどの元素状態の着色剤。除外するのが好ましい他の物質としては、以下の元素の酸化物も含まれる：Ｓｃ、Ｙ、Ｐｒ、Ｓｍ、Ｅｕ、Ｇｄ、Ｔｂ、Ｄｙ、Ｈｏ、Ｔｍ、Ｙｂ、Ｌｕ。これらの物質は、多くの場合、時としておよそ数ｐｐｍ以下（１ｐｐｍ＝０．０００１％）の非常に低い含有量で出現する、非常に強力な望ましくない着色効果を有する。それらの存在は、こうして、ガラスの透過率を極めて大幅に低減させる。

好ましくは、第１のガラスシートは、以下で定義される重量限界内で変動する含有量で次の成分を含む化学組成を有する：
ＳｉＯ_２ ６０～７５％
Ａｌ_２Ｏ_３ ０～１０％
Ｂ_２Ｏ_３ ０～５％、好ましくは０％
ＣａＯ ５～１５％
ＭｇＯ ０～１０％。
Ｎａ_２Ｏ ５～２０％
Ｋ_２Ｏ ０～１０％
ＢａＯ ０～５％、好ましくは０％
ＳＯ_３ ０．２超～０．４％
Ｆｅ_２Ｏ_３（総鉄） ０～０．０１５％、
レドックス ０．２～０．３０。

第１のガラスシートは、以下で定義される重量限界内で変動する含有量で次の成分を含む化学組成を有することができる：
ＳｉＯ_２ ６０～７５％
Ａｌ_２Ｏ_３ ０～１０％
Ｂ_２Ｏ_３ ０～５％、好ましくは０％
ＣａＯ ５～１５％
ＭｇＯ ０～１０％。
Ｎａ_２Ｏ ５～２０％
Ｋ_２Ｏ ０～１０％
ＢａＯ ０～５％、好ましくは０％
ＳＯ_３ ０．１～０．４％
Ｆｅ_２Ｏ_３（総鉄） ０～０．０２％、
レドックス ０．１５～０．３。

本発明においては、ガラスの近赤外線透過率を増大させるため、Ｆｅ_２Ｏ_３（総鉄）含有量は、好ましくは０．０１５％未満、さらには０．０１２％以下、特に０．０１０％である。Ｆｅ_２Ｏ_３含有量は、ガラスのコストに過度に不利にならないように、好ましくは０．００５％以上、特に０．００８％である。

レドックスは、好ましくは０．１５以上、特に０．２～０．３０、特に０．２５～０．３０である。過度に低いレドックスは、実際、炉の寿命を短縮させる原因になる。

本発明に係るガラスにおいて、シリカＳｉＯ_２は概して、以下の理由から狭い限界内に維持される。７５％を超えると、ガラスの粘度およびその失透適性は大幅に増大し、このためその溶融および溶融スズ浴上へのその流し込みはより困難になる。６０％未満、特に６４％未満では、ガラスの加水分解耐性は急速に低下する。好ましい含有量は、６５～７５％、特に７１～７３％である。

本発明に係る他の好ましい組成を、以下に再現する：
ＳｉＯ_２ ６５～７５％
Ａｌ_２Ｏ_３ ０～３％
ＣａＯ ７～１２％
ＭｇＯ ２～５％。
Ｎａ_２Ｏ １０～１５％
Ｋ_２Ｏ ０～５％
ＳＯ_３ ０．１～０．３％
Ｆｅ_２Ｏ_３（総鉄） ０～０．０１５％未満、
レドックス ０．１～０．３。

本発明に係る他の好ましい組成を、以下に再現する：
ＳｉＯ_２ ６５～７５％
Ａｌ_２Ｏ_３ ０～５％
ＣａＯ ７～１２％
ＭｇＯ １～５％。
Ｎａ_２Ｏ １０～１５％
Ｋ_２Ｏ ０～５％
ＳＯ_３ ０．２～０．４％
Ｆｅ_２Ｏ_３（総鉄） ０～０．０１５％未満、
レドックス ０．１～０．３。

当然のことながら、最も求められている利用分野は、グレージングが道路車両（自動車）さらには鉄道車両（適度なスピード）のフロントガラスになることである。

本発明は同様に、特にフロントガラスを形成する本発明に係る車両のグレージングを組入れる、特に自律式または半自律式の車両にも関する。

本発明は同様に、
－ 以上で説明したグレージング、
－ 前記貫通孔のところで第１のガラスシートを通過した後の放射線を送信および／または受信するような形で前記グレージングの後ろの車室内に配置された、ＬＩＤＡＲなどの前記動作波長での赤外線ビューイングシステム、
を含むデバイス、特に（道路）車両にも関する。

製造に関しては、脱ガスのために、積層すべき構造を袋に入れて乾燥炉内に置くことができる。

積層は、多くとも２００℃または１３０℃、さらには少なくとも１００℃ １２０℃の温度で、加圧下および／または真空下での熱処理であり得る。オートクレーブを利用することができる。

本発明は、
積層前に、前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内で、面Ｆ２は、多くとも０．２ｍｍ、さらに多くとも０．１５ｍｍの全厚みを有し、ポリマーフィルム、特にポリエステル、ＰＥＴまたは、特にＰＳＡ糊着剤によって糊着されたポリマーフィルムの重なりのような前記選択的フィルターを含む要素（重なりなど）を含んでおり、特にＰＶＢの単層または複層である積層中間層は、第２のシートの前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内にいわゆる中間層貫通孔を含み、面ＦＡが前記要素上にあり、特に面ＦＢが面Ｆ３上にあり、
前記積層の後、中間層孔は場合によっては、第２の（ガラス）シートの前記貫通孔から多くとも５ｍｍだけはみ出している、
先に説明された通りの前記積層グレージングの製造方法に関する。

本発明は、
積層前に、前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内で、面Ｆ２は、特に少なくとも０．２ｍｍの全厚みを有し、ポリマーフィルム、特にポリエステル、ＰＥＴまたは、特にＰＳＡ糊着剤によって糊着されたポリマーフィルムの重なりのような前記選択的フィルターを含む要素を含んでおり、特にＰＶＢ単層または複層である積層中間層は、第２のシートの前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内にいわゆる中間層貫通孔を含み、
前記要素は、前記中間層孔内にあり、
かつ前記貫通孔の縁部ゾーン内では、要素と前記後方バンドの面Ｆ３との間に存在し、
好ましくは前記積層の後、
前記中間層孔のところで、要素は中間層と接着による接触状態にあり、かつ／または後方バンドは中間層と接着による接触状態にあり、場合によっては、第２の（ガラス）シートの貫通孔内へ多くとも５ｍｍだけはみ出している、
先に説明された通りの前記積層グレージングの製造方法に関する。

本発明は、
積層の前に、前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内で、面Ｆ２は、ポリマーフィルム特にポリエステル、ＰＥＴまたは特にＰＳＡ糊着剤によって糊着されたポリマーフィルムの重なりのような前記選択的フィルターを含む要素（重なりなど）を含み、要素は特に、少なくとも０．２ｍｍの全厚みを有し、特にＰＶＢである積層中間層は、第１のシートまたは第１の複層を含み、第１のいわゆる中間層貫通孔を、第２のシートの前記貫通孔と対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内に伴い、
前記要素が、前記中間層孔内にあり、
積層中間層が、第１の孔ほど大きくない第２の中間層孔を有する第２のシートを、要素と面Ｆ３の間の前記貫通孔の縁部ゾーン内に含んでおり
好ましくは、前記積層の後、
前記第１の中間層孔のところで、要素が中間層と接着による接触状態にあり、
第２の中間層孔が場合によっては、第２の（ガラス）シートの貫通孔内へ多くとも５ｍｍだけはみ出している、
先に説明された通りの積層グレージングの製造方法に関する。

さらに、積層すべき構造（第１のシート、中間層、ポリマーフィルム製要素を含めかつ選択的フィルターを伴う第２のシート）の形成の前に、前記前方バンドおよび／または前記後方バンドを含む前記要素が予め組立てられる。

第１および第２のシートの間に位置付けする前に、例えば取外し可能なフィルム（ライナー）により保護されている接着層（誘電体など）と選択的フィルムを予め組立てることが好ましい可能性がある。

グレージングの製造を単純化し加速するために、積層ライン外で糊着または接着による接触によって予め組立てられた要素を使用することが好ましい可能性もある。

例えば、ＰＶＢ前方バンド／選択的フィルムという２層を予め組立て、さらには、この２層を（前記貫通孔の下で孔が開いたまたは開いていない）ＰＶＢ中間層シート上またはＰＶＢ後方バンド上に設置し結合させることができる（例えば局所的加熱）。

特に、以下の積層前に予め組立てられた要素を形成することができる。ＰＶＢ前方シート／フィルム（選択的フィルター）とそれに伴う、前方シートに結合された孔が開けられたＰＶＢシート。

本発明の有利ではあるものの非限定的ないくつかの実施形態が、以下に説明されるが、これらは当然のことながら必要があれば組合わせることができる。

ＬＩＤＡＲなどの赤外線ビューイングシステム７を伴う本発明の第１の実施形態におけるフロントガラス１００を、部分的断面図で概略的に示す。 図１の詳細図である。 図１のフロントガラス（車室側）の部分的正面図である。 図１のフロントガラス１００を、正面図（外部側）で概略的に示す。 一変形形態における図１のフロントガラス１００を、正面図（外部側）で概略的に示す。 一変形形態における図１のフロントガラス１００を、正面図（外部側）で概略的に示す。 一変形形態における図１のフロントガラス１００を、正面図（外部側）で概略的に示す。 本発明の第２の実施形態におけるフロントガラス２００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 本発明の第３の実施形態におけるフロントガラス３００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 図３のフロントガラス３００を正面図（車室側）で概略的に示す。 図４は、本発明の第４の実施形態におけるフロントガラス４００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 図５は、本発明の第５の実施形態におけるフロントガラス５００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 図６は、本発明の第６の実施形態におけるフロントガラス６００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 本発明の第６の実施形態の第１の変形形態におけるフロントガラス６００ａを、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 本発明の第６の実施形態の第２の変形形態におけるフロントガラス６００ｂを、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 本発明の第６の実施形態の第３の変形形態におけるフロントガラス６００ｃを、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 本発明の第７の実施形態におけるフロントガラス７００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 図７のフロントガラス（車室側）の部分正面図である。 本発明の第８の実施形態におけるフロントガラス８００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 本発明の第９の実施形態におけるフロントガラス９００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。 本発明の第９の実施形態の一変形形態におけるフロントガラス９００’を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

図は、一定の縮尺に従っていない。

図１は、８５０ｎｍまたは９０５ｎｍまたは１５５０ｎｍのＬＩＤＡＲなどの赤外線ビューイングシステム７を伴って、本発明に係るフロントガラス１００を断面図で概略的に示す。図１Ａ（図１’という場合がある）は、図１の詳細図であり、図１ａは、図１のフロントガラスの部分正面図である。図１Ａ（図１’という場合がある）は、図１の詳細図である。図１ａは、図１のフロントガラス（車室側）の部分正面図である。

図１ｂは、図１のフロントガラス１００を正面図（外部側）で概略的に示す。

このビューイングシステム７は、好ましくはフロントガラスの中央上部部分内に位置するゾーンに対面してフロントガラスの後ろに設置される。このゾーン内で、赤外線ビューイングシステム７は、フロントガラスの表面（面Ｆ２）に対して一定の角度で方向づけられている。詳細には、ＬＩＤＡＲは、地面に平行な方向または地面に対する平行線に近い方向、すなわち道路に向かってわずかに傾斜した方向にしたがって、画像取り込みゾーンに向かって直接に方向付けられ得る。

フロントガラスは、以下のものを含む積層グレージングである：
－ Ｆ１と呼ばれる外部面１１およびＦ２と呼ばれる内部面１２を伴う、外側ガラスシート１、
－ および、Ｆ３と呼ばれる外部面１３と車室側のＦ４と呼ばれる内部面１４とを伴う、例えば１．６ｍｍ、さらにはそれより小さい厚みの内側ガラスシート１’（または変形形態としてプラスチック）、
－ これら２枚のガラスシートは、最も多くの場合、積層グレージングの上から下へ楔の形で減少する横断面を場合によっては有するサブミリメートルの厚みの好ましくは透明なポリビニルブチラール（ＰＶＢ）製、例えば約０．７６ｍｍの厚みのＰＶＢ（ＳｏｌｕｔｉａまたはＥａｓｔｍａｎのＲＣ４１）および／または必要とあらば変形形態で例えば約０．８１ｍｍの厚みの遮音効果ＰＶＢ（３層または４層）の熱可塑性材料製の中間層３
、例えば、３枚のＰＶＢシートさらにはＰＶＢ／機能性ＰＥＴ（日射制御など）／ＰＶＢの３層からなる中間層３によって、互いに結合されている。

従来の周知の通り、フロントガラスは、要素１、１’および３の熱間積層によって得られる。例えば、０．７６ｍｍのクリアＰＶＢが選択される。貫通孔に対面してＰＶＢを保持する場合、このＰＶＢは動作波長で最も透明であることが好ましい。

特にシリカ、ソーダ石灰、ソーダ石灰シリカ（好ましい）、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩ベースの第１のガラスシート１は、多くとも０．０５％（５００ｐｐｍ）、好ましくは多くとも０．０３％（３００ｐｐｍ）そして多くとも０．０１５％（１５０ｐｐｍ）、特に０．００５％以上の総酸化鉄（Ｆｅ_２Ｏ_３の形態で表現される）重量含有量を有する。第１のガラスシートは、０．１５以上の、特に０．２～０．３０の、特に０．２５～０．３０のレドックスを有することができる。

特に、１．９５ｍｍのＯＰＴＷＨＩＴＥガラスが選択される。

特にシリカ、ソーダ石灰、好ましくはソーダ石灰シリカ（そして第１のガラスシートと同様）、さらにはアルミノケイ酸塩またはホウケイ酸塩ベースの第２のガラスシート１’は、少なくとも０．４％、好ましくは多くとも１．５％の総酸化鉄重量含有量を有する。第２のガラスシートは、０．２２～０．３５または０．３０のレドックスを有し得る。

特に、本出願人の、例えば緑色のＴＳＡｎｘ（０．５～０．６％の鉄）、ＴＳＡ２＋、ＴＳＡ３＋（０．８～０．９％の鉄）、ＴＳＡ４＋（１％の鉄）、ＴＳＡ５＋と呼称されるガラスを挙げることができる。１．６ｍｍのＴＳＡ３＋ガラスが選択される。

第１のガラスシートは、第２のガラスまたはプラスチックのシートの厚み内の貫通孔４、つまり壁４０により境界画定された孔、そしてここでは壁４０’により境界画定された中間層と呼ばれる任意の貫通孔を介した自由表面（積層中間層および第２のガラスまたはプラスチックのシートによって被覆されていないもの）を伴う、８００ｎｍ～１８００ｎｍ、特に８５０ｎｍ～１６００ｎｍの赤外線内の少なくとも１つのいわゆる動作波長で透明である重なり１０１を、面Ｆ２上に含んでいる。

したがって、本発明によると、長手方向上縁に沿った周縁中央領域内で、フロントガラスは、第２のガラスまたはプラスチックのシート１’そして場合によっては積層中間層３の厚み内に貫通孔４を含んでいる。赤外線ビューイングシステム７は、貫通孔４に向かい合っている。

図１ａ～１ｅに示されているように、孔４は、ここでは（ガラスシートの壁によって取り囲まれた）閉鎖孔であり、したがって、特に台形または矩形の断面（図１ｅ）のグレージングの内部に、次のものを含んでいる。
－ グレージング１０の長手方向上縁の部分に最も近く、この部分に平行で、この部分から少なくとも５ｃｍまたは６ｃｍだけ離隔された、多くとも２０ｃｍ、例えば１０．６ｃｍの長さの、いわゆる第１の長辺すなわち長手方向上縁、
－ 第１の長辺に平行で、部分から少なくとも５ｃｍまたは６ｃｍだけ離隔された、多くとも２５ｃｍまたは２０ｃｍ、例えば１７．５ｃｍの長さの、（中央ゾーンに近い、長手方向上縁１０の部分から最も離れた）いわゆる第２の長辺すなわち長手方向下縁、
－ 少なくとも５ｃｍ、ここでは１０ｃｍの（長辺間の）高さ。

貫通孔は、特に多くとも１０ｃｍ、８、５または２ｃｍの直径のものである場合、円形であり得る。

貫通孔４は、代替的には、ノッチ、したがって好ましくはルーフ側に通じる貫通孔であり得る。

貫通孔４は、フロントガラス１００の別の領域内（側方縁１０’に向かって移動されたもの、孔４について考えられる２つのゾーンを提示する図１ｅを参照のこと）、さらには車両の別のグレージング内、詳細にはリヤウィンドウ内にあってよい。

重なり１０１も同様に局所的である。ここでは、重なりは、前記孔４に対面し、例えば前記孔の縁部ゾーン内に存在し、その縁は、最大１０ｍｍだけ、面Ｆ２とＦ３の間で孔４を境界画定している壁からはみ出している。

フロントガラス１００は、Ｆ２面１２上に、フロントガラス（またはリヤウィンドウ）の周縁フレームを形成するエナメル層またはラッカーなどの、例えば黒色の不透明マスキング層５を含み、より広範なマスキングを伴うここでは中央ゾーンである、貫通孔を伴う周縁ゾーン内には、ＬＩＤＡＲ７の性能を邪魔しないように十分に大きいがＬＩＤＡＲ７の筐体８（プラスチック、金属など）をマスキングできるレジスト５１’を含んでいる。

筐体８そしてＬＩＤＡＲさえも、糊着剤６によって、面Ｆ４上で前記孔において穴が開けられた支持台８’に（そして場合によってはルーフ９に）固定（糊着など）され得る。

ここで、重なり１０１は、面Ｆ２上にあり、貫通孔４の縁部ゾーン（ゾーン１１’）内でマスキング層５をわずかに被覆して、その縁をマスキングしている。マスキング層５は、中央ゾーン内に上縁５０と下縁５１を有する。中央ゾーンの両側のマスキング層５の下縁５２は、部分１０により近い。

重なり１０１は、Ｆ２面１２から出発して、以下のものを含む。
－ 少なくともレジスト５１’そしてそれを超えて埋めることで外部から孔４を目立たなくするために選択的フィルターを形成する着色層２、
－ 厚み１０μｍの、（保護ライナーが取り除かれた状態の）液体式に被着されたＰＳＡ糊着剤２１、例えばアクリレート。
－ 動作波長での反射防止コーティング２２を伴う透明ＰＥＴフィルム２０。

例えば、供給業者ＤｉａｍｏｎｄｃｏａｔｉｎｇｓのＤＩＡＭＯＸ ＡＲ１６１７という名称のＡＲフィルムが選択される。

着色層２は、有機母材および前記母材中に分散した着色剤、好ましくは有機着色剤を含む化合物、例えばポリマー化合物であり、前記着色剤は、前記可視光領域内に位置する光を吸収し、前記動作波長で透明である。

着色剤は、例えば、Ｓｕｄａｎ Ｂｌａｃｋ Ｂ（登録商標）またはＮｉｇｒｏｓｉｎｅ Ｓｏｌｖｅｎｔ ｂｌａｃｋ ５の中から選択され、好ましくはＳｕｄａｎ Ｂｌａｃｋ Ｂ（登録商標）である。

化合物は、好ましくは、モノマー、オリゴマー、または少なくとも1つのメタクリレート官能基を含むポリマー、エポキシド、ＰＶＢの分散粒子からなるワニス、ラテックス、ポリウレタンまたはアクリレートの中から選択される。

層状選択的フィルターの有効性のためには、層の厚みまたは着色剤の重量百分率を調整することができる。

（層状の）選択的フィルターは、１００μｍ未満さらには３０μｍ（ワニスなど）のものであり得る。

積層グレージングは、前記貫通孔に対面して、
－ ９０°で測定された、動作波長で少なくとも８０％、９０％または９５％の全透過率、
－ 可視光内で多くとも１０％、５％、１％または０．１％の全透過率、
を有する。

図１ｂ～１ｅが外部からの図として示しているように、したがって、バックミラーゾーン（または縁部ゾーン）内そしてマスキングバンド５０’の形態をしたバックミラーゾーン内で両側に、黒色（または別の色）の連続マスキング層が存在すると思われる。

選択的フィルターは、色空間Ｌ^＊ａ^＊ｂ^＊ ＣＩＥ１９７６内で定義されたＬ^＊１、ａ^＊１ｂ^＊１により定義される。色Ｃ１のマスキング層も同様に、以下の式

によって得られる色差ΔＥ^＊を伴ってＬ^＊２、ａ^＊２ｂ^＊２によって定義される。

好ましくは、デルタＥ^＊＜４、より良くはデルタＥ^＊＜２（人間の眼では判別が困難である）、さらに良くはデルタＥ^＊＜１（人間の眼では判別不能）である。

重なり１０１は、孔４と同じ形状２ａ、すなわち（台形または図示していない変形形態では円形）の孔を包含する台形（図１ｂ）または矩形（図１ｅ、第１の縁部の場合、図１ｃおよび１ｄ）の形状を有することができる。

レジスト５１’は、孔４と同じ形状、すなわち（台形または図示していない変形形態では円形の）孔を包含する台形（図１ｂ、１ｃ）または矩形（図１ｄ）の形状を有することができる。

レジスト５１’は、閉鎖された状態で示されているが、開通していて着色層２によって埋められてもよい。

図１ｅにおいて、マスキング層５は、レジストを含まない（さらには、カメラゾーンを形成するための余分の厚みさえ含まない）。着色層２は、好ましくは、必要であればマスキングの連続性を維持するために、好ましくはわずかに離隔された状態で近接している。

着色層のゾーンは、単数または複数のセンサーを含むカメラゾーン内で役立つように、前記貫通孔を超えて十分に広いものである。

これらのセンサーの可視光内での透明度の必要性から、図１ｄおよび１ｅに示されたこの場合においては、重なり１０１（または少なくとも層２）は、「パターン化」（構造化）されており、したがって、例えば、可視光カメラのための第１の開口部２４およびサーマルカメラ用のより小さい他の開口部２５、さらには他のセンサー（雨滴、外部の明度など）を有する。

フロントガラス１００は、直線状または非直線の形状で、例えば（表面全体にわたる）積層中間層３の面Ｆ３側の面ＦＡまたはＦＢ上に置かれている、例えば５０μｍのほぼ目に見えない金属線アセンブリを含むことができる。これらの線は、ＬＩＤＡＲの妨げとなる場合には、貫通孔４には不在であってよい。

詳細図（図１Ａ（図１’という場合がある））では、面ＦＡが、ゾーン１３’内の貫通孔の縁部ゾーンの下で重なりの縁部を覆っていることが分かる。積層中間層の貫通孔は、数ｍｍだけ広がり得る。

製造中、重なり１０１が、例えば多くとも０．２ｍｍの薄いものである場合、貫通孔を伴うＰＶＢ（例えば０．３８ｍｍまたは０．７６ｍｍ）は重なりの上にあり、広がることにより、重なりの部分２ａおよび面Ｆ２と接着による接触状態となる（側方接触）。

前記貫通孔に対面してフィルムが存在することによって、安全用要素が形成される。

図２は、本発明の第２の実施形態におけるフロントガラス２００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

重なり２０１は、選択的フィルム、すなわちすでに説明した着色層２をここではＦ２に向かって方向づけられたその主要面の少なくとも１つの上に担持する透明なＰＥＴフィルム２０を含んでいるという点で、先行の重なり１０１と異なっている。

この選択的フィルムは、アクリレートＰＳＡ糊着剤２１によって面Ｆ２に糊着される。

前記貫通孔に対面してフィルムが存在することで、安全用要素が形成される。

反対側の面（面Ｆ３に向かって方向付けられている）上で、Ｐｅｔフィルム２０は、好ましくは、例えば屈折率が高い層および低い層の繰り返し、さらには（シリカなどの）中空粒子を伴う特にゾルゲルのシリカ多孔質層によるＡＲコーティング２２を含む。

重なりがかなり薄い（例えば多くとも２００μｍ）場合、積層の際に邪魔になる余分な厚みを創出することはない。

重なりがより厚い場合、第１の貫通孔を伴う第１のＰＶＢ、および第２のシートの前記貫通孔に対面して著しくはみ出すことなく）ＡＲ２２の縁部を覆うためより小さい第２の貫通孔を伴う第２のＰＶＢ（特にさらに薄いもの）を用いることができる。

図３は、本発明の第３の実施形態におけるフロントガラス３００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

図３Ａ（図３’という場合がある）は、図３のフロントガラス３００を正面図（車室側）で概略的に示す。

重なり３０１は、それがより厚いものである、例えばフィルム２０が、強化された破損防止機能を有し少なくとも３００μｍまたは４００μｍの厚みを有するという点で、先行の重なり２０１と異なっている。

同様に、この重なり３０１は、貫通孔の周囲全体にわたり例えば可塑剤無しのＰＶＢ貫通孔側の部分２３を伴って、ＰＶＢによってではなく例えば０．２ｍｍ未満の薄い後方バンド３’によって、貫通孔の縁部ゾーン内に結合されており、かつその内側部分によりＰＶＢ３と接着による接触状態にある（例えば判別可能な界面）という点で、先行の重なりと異なっている。前方バンドは、例えば、台形（または円形）の貫通孔を包含する矩形輪郭を有する。

積層構造の形成前に、選択的フィルム／バンドを予め組立てることができる。

図４は、本発明の第４の実施形態におけるフロントガラス４００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

重なり４０１は、それが、Ｆ２面１２に糊着されかつＰＳＡ接着剤２１、２１’により互いに糊着されたポリマーフィルムの重なりを含む、すなわち
－ 第１のフィルムは選択的であり、
－ 第２のフィルムはＡＲフィルム２０’、２２である、という点で、重なり３０１と異なっている。

代替的には、破損防止フィルムと選択的フィルムが選択される。

代替的には、破損防止フィルムとＡＲフィルムが選択される。

ＰＶＢは、Ｆ２側１２の主要面ＦＡ３１およびＦ３側１３のＦＢ３２を有する。

図５は、本発明の第５の実施形態におけるフロントガラス５００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

重なり５０１は、第１のフィルムが、全体が着色されていて選択的であるという点で、重なり２０１と異なっている。必要であれば、着色層を保存することが望まれる可能性がある。

代替的には、先行の重なり４０１の場合と同様に、後方バンドが使用される。

図６は、本発明の第６の実施形態におけるフロントガラス６００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

重なり６０１は、第１の選択的フィルムが、例えば可塑剤無しのＰＶＢの、例えば０．２ｍｍ未満の薄い前方バンド２１０によって、面Ｆ２に糊着されているという点で、重なり２０１と異なっている。前方バンドは、面１２と接着による接触状態にある面３１’を有する。

前方バンドと後方バンド３’のために、同じ（タイプの）ＰＶＢを選択することができる。

図６ａは、本発明の第６の実施形態の第１の変形形態におけるフロントガラス６００ａを、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

重なり６０１ａは、ＰＳＡ糊着剤２１’によって糊着された２つのフィルム、すなわち選択的フィルム２０ならびにＡＲフィルム２０’、２２を含むという点で、重なり６０１と異なる。

図６ｂは、本発明の第６の実施形態の第２の変形形態におけるフロントガラス６００ｂを、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

重なり６０１ｂは、つねに反射防止コーティング２２および前方バンド２１０を伴って、全体が着色された選択的フィルム２’を含むという点で、重なり６０１と異なっている。

図６ｃは、本発明の第６の実施形態の第３の変形形態におけるフロントガラス６００ｃを、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

重なり６０１ｃは、Ｆ２面１２側の面上に着色層２を伴うＡＲコーティング２２を有するフィルムを含むという点で、重なり６０１と異なっている。

図７は、本発明の第７の実施形態におけるフロントガラス７００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

図７Ａ（図７’という場合がある）は、図７のフロントガラス（車室側）の部分正面図である。

ＰＶＢ中間層３は、前記貫通孔４の下のゾーン内に維持される。このゾーン内そして縁部において、ＦＡ面３１は、Ｆ２面１２上またはＦＡ面（インク）上に被着された着色層２と接触状態にある。このゾーン内および縁部において、ＦＢ面３２は、部分２３で後方バンド３’を担持するＡＲフィルムと接着による接触状態にあり、Ｆ３面１３と接着による接触状態にありかつフィルム２０’の部分２ｂからはみ出している。

図８は、本発明の第８の実施形態におけるフロントガラス８００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

重なり８０１は、着色層２がフィルム２０の下でＦＢ面側に変位させられているという点で、重なり７０１と異なっている。後方バンドは、はみ出さない。

図９は、本発明の第９の実施形態におけるフロントガラス９００を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

重なり９０１は、重なり８０１と同じであるが、ＰＶＢは、ガラスの孔側の部分４０’と面３２を伴うＰＶＢ１ ３ｂ／日射制御層５’を伴う機能性ＰＥＴ２０ａ／ガラスの孔側の部分４０’と面３１を伴うＰＶＢ２ ３ａの３層であり、３層ＰＶＢは、前記孔においてそしてＦＢ面側のその縁部で、かつＰＥＴ２０の手前に、穴が開けられている。

より丈夫にするために、後方バンドを付け加えることができる。

図９Ａ（図９’という場合がある）は、本発明の第９の実施形態の変形形態におけるフロントガラス９００’を、貫通孔を中心とした部分的詳細断面図で概略的に示す。

フロントガラス９００’は、ＰＶＢ２のみが、前記貫通孔に対面して削除されている日射制御層（ＦＢ面側）であるという点で、フロントガラス９００と異なっている。ＰＶＢ２は、孔が開けられ、その後、すでに選択的層２およびＡＲ被覆層２２を担持しているＰｅｔ２０ａと組み立てられている。

１ 外側ガラスシート
１’ 内側ガラスシート
３ 中間層
４ 貫通孔
５ 不透明マスキング層
７ 赤外線ビューイングシステム
１１ 外部面
１２ 内部面
１３ 外部面
１４ 内部面
１００ フロントガラス

Claims (27)

1. 特に道路または鉄道の車両用積層グレージング（１００～９００）、詳細には、所与の厚みのフロントガラス、リヤウィンドウにおいて、
   － 第１の外側主要面Ｆ１（１１）および第２の内側主要面Ｆ２（１２）を伴う外部グレージングのための第１のガラスシート（１）と、
   － Ｆ２に向かって方向づけられた主要面ＦＡを伴いかつＦＡとは反対側の主要面ＦＢを伴うポリマー材料製の、所与の厚みＥ３の積層中間層（３）と、
   － Ｆ２側の第３の主要面Ｆ３（１３）および第４の内側主要面Ｆ４（１４）を伴う内部グレージングのための第２のガラスまたはプラスチックのシート（１’）と、
   を含む車両用積層グレージングであって、
   － 第１のガラスシートが、多くとも０．０５％の総酸化鉄の重量含有量を有し、
   － 第２のガラスシートが、少なくともセンチメートルの幅Ｗ１で厚み内を貫通する孔を有し、
   － グレージングが、前記貫通孔の下で、面Ｆ２の側に、可視光域において吸収性があり、かつ８００ｎｍ～１８００ｎｍの範囲内の赤外線において少なくともいわゆる動作波長で透明である選択的フィルターを有すること、
   前記貫通孔に対面して、積層グレージングが、
   － ９０°で測定される動作波長における少なくとも８０％、９０％または９５％の全透過率、
   － 可視光内で多くとも１０％、５％または１％の全透過率、
   を有すること、
   を特徴とする車両用積層グレージング。
2. 選択的フィルターが、前記貫通孔を超えて延在し、外部から前記グレージングのマスキング層を延長するかまたは前記グレージングの周縁マスキング層のレジストをマスキングし、この選択的フィルターはＬ^＊１、ａ^＊１ｂ^＊１により定義され、不透明マスキング層はＬ^＊２、ａ^＊２ｂ^＊２により定義され、好ましくは色差ΔＥ^＊が４未満、さらにはΔＥ^＊が２未満であることを特徴とする、請求項１に記載の車両用グレージング。
3. 選択的フィルターが、前記貫通孔を超えて延在し、特に、外部から前記グレージングのマスキング層を延長するかまたは前記グレージングの周縁マスキング層のレジストをマスキングし、選択的フィルターが、少なくとも１つの追加センサー、詳細には可視光カメラまたはサーマルカメラ、詳細には光線を通過させるために穴が開けられた支持台である面Ｆ４で支持台に固定されたカメラのセンサーのために、前記光線を通過させる目的で少なくとも１つの開口部または不連続性を有していることを特徴とする、請求項１または２に記載の車両用積層グレージング。
4. 第１または第２のシートのうちの少なくとも１つの上および／または積層中間層の上の、特に、少なくとも１つのコーティングの形態をした不透明マスキング層（５、５０、５１、５０’、５２）、および周縁不透明マスキング層を含み、ここでマスキング層が、前記貫通孔の領域内で、前記貫通孔においてさらには場合によっては貫通孔の縁部にレジスト（５１’）を有しており、貫通孔の縁部では、選択的フィルターが、特に好ましくは多くとも５０ｍｍにわたる被覆を伴って不透明マスキング層と向かい合っているかまたは隣接しているかまたは多くとも１５０μｍだけずれていることを特徴とする、請求項１から３のいずれか一つに記載の車両用積層グレージング。
5. 選択的フィルターが、第１または第２のシートのうちの少なくとも１つの上および／または積層中間層の上の、少なくとも１つのコーティングの形態をしているマスキング層と接触しており、さらには、選択的フィルターが、マスキング層の上さらにはマスキング層の下のコーティングであることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一つに記載の車両用積層グレージング。
6. 前記貫通孔のゾーンの正面で、好ましくは前記貫通孔の縁部ゾーン内にある面Ｆ２が、少なくとも２つの機能、好ましくは前記フィルム上の少なくとも１つの機能性コーティング毎に１つの機能を含む少なくとも１つのポリマーフィルムを含んでおり、ここで機能が、選択的フィルター、加熱、反射防止、破損防止の中から選択されるものであることを特徴とする、請求項１から５のいずれか一つに記載の車両用積層グレージング。
7. 選択的フィルターが、前記貫通孔の下で、面Ｆ２に結合され、特に裸の面Ｆ２とまたは機能性コーティングと糊着されているかまたはそれと接着による接触状態にあり、したがって場合によっては、機能性コーティング上に糊着されているかまたはそれと接着による接触状態にあることを特徴とする、請求項１から６のいずれか一つに記載の車両用グレージング。
8. 選択的フィルターが、前記貫通孔の縁部ゾーン内で前記貫通孔を超えて延在しており、前記孔の前記縁部ゾーン内で、選択的フィルターは面Ｆ２、好ましくは面Ｆ３に結合されている、請求項１から７のいずれか一つに記載の車両用グレージング。
9. 前記貫通孔に対面して、さらには前記貫通孔の縁部に、面Ｆ２に結合され、場合によってはそのうちの複数のものがＰＳＡ接着剤によって糊着されている選択的フィルターフィルム、少なくとも１５０μｍの安全用フィルム、加熱フィルム（２０’、２ｂ）、ＡＲ（反射防止）フィルムという、動作波長で透明な機能性ポリマーフィルムのうちの少なくとも１つを含んでいる、請求項１から８のいずれか一つに記載の車両用グレージング。
10. Ｆ２側の前方主要面Ｆ’Ａおよび反対側の後方主要面Ｆ’Ｂを伴うサブミリメートルの厚みの少なくとも１つのポリマーフィルム、前記動作波長で透明なポリマーフィルム、前記貫通孔に対面して裸のまたは機能性コーティングを伴う面Ｆ２に結合され、しかも、
    ａ） 好ましくは感圧接着剤ＰＳＡまたは熱溶融性接着剤である接着層を介して、
    ｂ） サブミリメートルの厚みの、好ましくはポリビニルブチラール（ＰＶＢ）をベースとした、前記貫通孔に対面して面Ｆ２と接着による接触状態にある前方バンドと呼ばれる局所的ポリマーバンドであって、場合によっては、好ましくはポリビニルブチラールをベースとする積層中間層には貫通孔において穴が開けられており、前方バンドが前記中間層の孔と対面しており、前方バンドが好ましくは積層中間層と接着による接触状態にある、局所的ポリマーバンドを介して、
    ｃ） 好ましくはＰＶＢをベースとする積層中間層を介して、
    という構成のうちの少なくとも１つにしたがって結合されたポリマーフィルムを含んでいること、
    および／または、好ましくは、前記ポリマーフィルムまたは前記フィルムの上方にあり前記フィルムに結合されている別のポリマーフィルムが、面Ｆ３に対して、
    ｍ） 好ましくは、詳細にはａ）に係る接着剤と同一である感圧接着剤ＰＳＡまたは熱溶融性である接着層を介して、
    ｎ） 前記貫通孔の縁部ゾーン内で面Ｆ３と接着による接触状態にあり、好ましくは積層中間層と接着による接触状態にある、特にポリビニルブチラール（ＰＶＢ）ベースの後方バンドと呼ばれる局所的ポリマーバンド（３’、２３）であって、前記貫通孔の下で欠如しているかまたは多くとも５ｍｍだけはみだしており、好ましくは積層中間層と接着による接触状態にある後方バンドを介して、
    ｏ） 好ましくはＰＶＢをベースとし、特に第２のシートの前記貫通孔においていわゆる中間層貫通孔を伴う積層中間層を介して、
    という構成のうちの少なくとも１つにしたがって結合されていること、
    を特徴とする、請求項１から９のいずれか一つに記載の車両用グレージング。
11. 前方および／または後方局所バンドが、１５重量％未満の可塑剤を含みかつ詳細には可塑剤を含まないポリビニルブチラール（ＰＶＢ）ベースのものであり、特に積層中間層が、可塑剤を伴う、特に１５重量％超の可塑剤伴うポリビニルブチラール（ＰＶＢ）ベースのものであることを特徴とする、請求項１０に記載の車両用積層グレージング。
12. 積層中間層が、前記貫通孔の下に厚み内を貫通する孔または部分孔を有し、グレージングが、少なくとも前記中間層孔の下に、前方バンドを形成する面Ｆ２と接着による接触状態にある第１のＰＶＢ層／特に前記選択的フィルターを形成するかまたはその一部分を成す少なくとも１つのポリマーフィルム、あるいはポリマーフィルムの重なり／前記後方バンドを形成する前記貫通孔において穴が開けられた第２のＰＶＢ層を含む多層を含んでおり、ここで前方バンドが、積層中間層と接着による接触状態にあることを特徴とする、請求項１０または１１に記載の車両用積層グレージング。
13. 積層中間層（３、３ａ、３ｂ、４０’、４０’’）が、場合によっては貫通孔内へ多くとも５ｍｍまたは２ｍｍだけ小さいサイズの、前記貫通孔に向いた厚み内を貫通する孔または部分孔を有することを特徴とする、請求項１から１２のいずれか一つに記載の車両用積層グレージング。
14. 積層中間層が、面Ｆ２と接着による接触状態にある第１のＰＶＢ層／前記選択的フィルターを形成するかまたはその一部分を成すポリマーフィルム／前記貫通孔において穴が開けられた第２のＰＶＢ層を含む多層であり、ここで、ポリマーフィルムは場合によっては、前記貫通孔の外に日射制御層を担持していることを特徴とする、請求項１から１３のいずれか一つに記載の車両用積層グレージング。
15. 選択的フィルターが、
    － 前記可視光領域内に位置する光を吸収し、前記動作波長において透明である全体を着色する着色剤を含み、かつ／または
    － 着色剤が、前記可視光領域内に位置する光を吸収し、前記動作波長において透明である、母材または前記母材内に分散した前記着色剤を含む化合物でできた着色層により、コーティングされている、
    好ましくは多くとも０．３ｍｍまたは０．１５ｍｍの厚みの、ポリマーフィルム、特にＰＥＴフィルムを含むことを特徴とする、請求項１から１４のいずれか一つに記載の車両用積層グレージング。
16. 選択的フィルターが、母材および前記母材内に分散した着色剤を含む化合物でできた着色層を含み、前記着色剤が、前記可視光領域内に位置する光を吸収し、前記動作波長において透明であり、着色層が前記孔のゾーン内で、
    － 面Ｆ２上のコーティング、
    － 好ましくはＰＶＢ製の、面ＦＡまたはＦＢ側で積層中間層上のコーティング、詳細にはさらにＰＶＢ粒子を含むインク、または
    － 好ましくは面Ｆ２に結合された、多くとも０．３ｍｍまたは０．１５ｍｍの厚みの、Ｆ２またはＦ３側の主要面上で特にＰＥＴの追加のポリマーフィルム上のコーティング、
    を形成していることを特徴とする、請求項１から１５のいずれか一つに記載の車両用積層グレージング。
17. 化合物が、ポリマー化合物、または着色層の有機無機ハイブリッドであり、化合物のポリマーが好ましくはモノマー、オリゴマー、または好ましくは少なくとも１つのメタクリレート官能基を含むポリマー、エポキシド、あるいはＰＶＢ、ラテックス、ポリウレタンまたはアクリレートの分散粒子で構成されるワニスの中から選択されていることを特徴とする、請求項１５または１６に記載の車両用積層グレージング。
18. 着色剤が、層の０．１～１０重量％、好ましくは層の０．２～３重量％を占めていることを特徴とする、請求項１５から１７のいずれか一つに記載の車両用積層グレージング。
19. 前記貫通孔の下で一要素の自由表面上に、少なくとも赤外線内の前記いわゆる動作波長における反射防止コーティングを含み、
    自由表面を伴って、該要素は、
    － 特に選択的フィルターの全体または一部分を形成するポリマーフィルム、
    － 積層中間層、
    － 前記選択的フィルターの着色層、
    という要素のうちの少なくとも１つから選択されることを特徴とする、請求項１から１８のいずれか一つに記載の車両用グレージング。
20. 前記貫通孔において穴を含む面Ｆ４に糊着された支持台、特に場合によっては強化されたプラスチックの支持台、さらにはＬＩＤＡＲなどの前記動作波長で赤外線ビューイングシステムを支持または維持することのできる手段を伴う支持台を含むことを特徴とする、請求項１から１９のいずれか一つに記載の車両用グレージング。
21. 貫通孔の中に、特にポリマー材料製のインサートを含むことを特徴とする、請求項１から２０のいずれか一つに記載の車両用グレージング。
22. 特にフロントガラスを形成する、請求項１から２１のいずれか一つに記載の車両用グレージングを組込んだ、特に自律型または半自律型の車両。
23. － グレージングに関する請求項１から２１のいずれか一つに記載の前記グレージング、
    － 前記貫通孔のところで第１のガラスシートを通過した後の放射線を送信および／または受信するような形で前記グレージングの後ろの車室内に配置された、ＬＩＤＡＲなどの前記動作波長での赤外線ビューイングシステム（７）、
    を含むことを特徴とする、デバイス、特に車両。
24. 積層前に、前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内で、面Ｆ２が、多くとも０．２ｍｍの全厚みを有し前記選択的フィルターを含む要素を含んでおり、
    特にＰＶＢの単層または複層である積層中間層が、第２のシートの前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内にいわゆる中間層貫通孔を含み、面ＦＡが前記要素上にあり、特に面ＦＢが面Ｆ３上にあること、
    前記積層の後、中間層孔は場合によっては、貫通孔内へ多くとも５ｍｍだけはみ出すこと、
    を特徴とする、請求項１から２１のいずれか一つに記載の前記積層グレージングの製造方法。
25. 積層前に、前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内で、面Ｆ２は前記選択的フィルターを含む要素を含んでおり、特にＰＶＢの単層または複層である積層中間層が、第２のシートの前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内にいわゆる中間層貫通孔を含み、前記要素は前記中間層孔内にあり、かつ前記貫通孔の縁部ゾーン内では、要素と前記後方バンドの面Ｆ３との間に存在すること、
    そして好ましくは前記積層の後、
    前記中間層孔のところで、要素は中間層と接着による接触状態にあり、かつ／または後方バンドは中間層と接着による接触状態にあり、場合によっては、第２のシートの貫通孔内へ多くとも５ｍｍだけはみ出すことを特徴とする、請求項１から２１のいずれか一つに記載の前記積層グレージングの製造方法。
26. 積層の前に、前記貫通孔に対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内で、面Ｆ２が、ポリマーフィルム特にポリエステル、ＰＥＴフィルムまたは特にＰＳＡ糊着剤によって糊着されたポリマーフィルムの重なりのような前記選択的フィルターを含む要素を含み、要素が特に、少なくとも０．２ｍｍの全厚みを有し、特にＰＶＢである積層中間層が、第１のシートまたは第１の複層を含み、第１のいわゆる中間層貫通孔を、第２のシートの前記貫通孔と対面してかつ前記貫通孔の縁部ゾーン内に伴い、
    前記要素が、前記中間層孔内にあること、
    積層中間層が、第１の中間層孔ほど大きくない第２の中間層孔を有する第２のシートを、要素と面Ｆ３の間の前記貫通孔の縁部ゾーン内に含んでいること、
    好ましくは、前記積層の後、
    前記第１の中間層孔のところで、要素が中間層と接着による接触状態にあること、
    第２の中間層孔が場合によっては、第２のシートの貫通孔内へ多くとも５ｍｍだけはみ出していること、
    を特徴とする、請求項１から２１のいずれか一つに記載の前記積層グレージングの製造方法。
27. 積層すべき構造の形成の前に、前記前方バンドおよび／または前記後方バンドを含む前記選択的フィルターを含む要素を予め組立てることを特徴とする、請求項２４から２６のいずれか一つに記載の前記積層グレージングの製造方法。

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