JP2023507256A - 酢酸ビニル生産中の様々な流れの可燃性を監視する方法およびシステム - Google Patents

酢酸ビニル生産中の様々な流れの可燃性を監視する方法およびシステム Download PDF

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Abstract

酢酸ビニルを生産する方法およびシステムは、酢酸ビニル生産プロセスの1より多くの位置において改良された効率で燃焼限界(FL)式を使用し得る。本発明において、FLは、酢酸ビニル生産プロセスの4つの部分:反応器、プロセス間熱交換器、二酸化炭素除去システムおよびエチレン回収システムの1つ以上で使用することができる。かかるFLは、作動状態の関数であり、FLに関する作動状態(例えば、温度、圧力および成分濃度)の2つ以上の相互関係を表す少なくとも1つの相互作用項を含む。

Description

優先権主張
[0001]本開示は2019年12月19日に出願された米国仮特許出願第62/950264号に基づく優先権を主張する。
背景
[0002]本開示は酢酸ビニルを生産する方法およびシステムに関する。
[0003]酢酸ビニルは慣例的に、エチレンがアセトキシル化される、エチレン、酸素および酢酸の気相反応によって生産される。反応は通例固定床触媒反応器で実施される。触媒は、シリカまたはアルミナベース上に担持されたパラジウムまたはパラジウム/金混合物を含み得る。酢酸ビニルの生成に加えて、二酸化炭素および水を形成するエチレンの望ましくない燃焼も起こる。形成され得る他の望ましくない不純物としては、アセトアルデヒド、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトン、エチレングリコールジアセテート、アクロレインおよびクロトンアルデヒドがある。
[0004]反応に関する選択性および変換率は、反応器温度、成分濃度および触媒の状態を含むいくつかの変量の関数である。触媒表面へのタールおよびポリマー性物質の蓄積および/または触媒金属の構造上の変化に起因して時間と共に日常的に起こる触媒の失活は、特に選択性に関して反応過程に悪影響を及ぼす可能性がある。反応器性能におけるこれらの変化は最終的に、酢酸ビニルプラントの精製部分に入る液体の流れの組成変化を引き起こす可能性がある。
[0005]エチレンのアセトキシル化は、酢酸ビニル、水および二酸化炭素ならびに過剰に使用された未反応のエチレンおよび酢酸を含む、粗な酢酸ビニル生成物を生じる。エチレンおよび酢酸は、ユニットの反応および精製部分から反応器へリサイクルされて戻される。生成物の酢酸ビニルは回収され、精製部分で精製され、貯蔵タンクへ送られる。廃水は処理施設へ送られ、二酸化炭素は公害防止装置に送られる。窒素およびアルゴンのような不活性ガスは経時的に蓄積することがあり、その際には反応部分から除去されて蓄積を最小限にすることができる。
[0006]一般的に言って、アセトキシル化の速度は、反応器内の酸素の濃度が増大するにつれて増大する。しかし、反応器中に導入され得る酸素の量は、反応混合物の燃焼限界によって制限される。燃焼限界は、通例、発火源と接触したときに圧力上昇を引き起こす混合物中の酸素の最低濃度として定義される。酸素濃度がこの燃焼限界を超えると、火災または爆発が起こることがある。
[0007]かかる火災または爆発のリスクを最小限にするために様々なステップがとられている。例えば、欧州特許第0845453号の固定床反応器では、入口ガス組成中の酸素の濃度が厳密に監視され、閾値またはその付近に維持される。この閾値を定めるのに使用される数学的近似法は、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第0845453号に記載されている。入口酸素濃度がこの閾値を超えると、運転停止信号が作動され、反応器内への新たな酸素の進入を止めることにより反応がクエンチされる。
[0008]しかしながら、燃焼限界の従来の算定および/または燃えにくさの範囲の設定は本質的に不正確であり得る。数学的な相関を展開するのに使用される従来の実験技術および方法は一般に低い燃焼限界を計算する。これらの相関関係は真の燃焼限界からの緩衝材を提供する。安全性は得られるが、真の燃焼限界が指示するよりも低い酸素濃度での作動のために反応効率が損なわれる。
[0009]本開示は酢酸ビニルを生産する方法およびシステムに関する。
[0010]本開示の一態様によれば、方法は、酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流を反応器内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流を生成させ;粗酢酸ビニル流を熱交換器内で冷却し;供給流または反応器の圧力、供給流または反応器の温度、および供給流中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定および/または決定し;供給流の酸素含量([O])を測定および/または決定し;AFLmin>FL-[O]が真であるとき運転停止手順または補修ステップを開始することを含み、ここで燃焼限界に対する最小接近(minimum approach to flammability limit)(AFLmin)および燃焼限界(FL)式は状態に基づき、FL式は少なくとも1つの相互作用項を含む。
[0011]本開示の一態様によれば、方法は、酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流を反応器内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流を生成させ;粗酢酸ビニル流を熱交換器内で冷却し;粗酢酸ビニル流をテールガス流、フラッシュガス流および酢酸ビニル流に分離し、ここで、テールガス流はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、フラッシュガス流はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、酢酸ビニル流は酢酸ビニル、水および酢酸を含み;テールガス流を熱交換器内で加熱し;加熱後のテールガス流の圧力、加熱後のテールガス流の温度、および加熱後のテールガス流中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定および/または決定し;加熱後のテールガス流の酸素含量([O])を測定および/または決定し;AFLmin>FL-[O]が真であるとき運転停止手順または補修ステップを開始することを含み、ここで燃焼限界に対する最小接近(AFLmin)および燃焼限界(FL)式は状態に基づき、FL式は少なくとも1つの相互作用項を含む。
[0012]本開示の一態様によれば、方法は、酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流を反応器内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流を生成させ;粗酢酸ビニル流を熱交換器内で冷却し;粗酢酸ビニル流をテールガス流、フラッシュガス流および酢酸ビニル流に分離し、ここでテールガス流はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、フラッシュガス流はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、酢酸ビニル流は酢酸ビニル、水および酢酸を含み;二酸化炭素の少なくとも一部分をフラッシュガス流から取り出してCO除去オーバーヘッド流を生成させ;CO除去オーバーヘッド流の圧力、CO除去オーバーヘッド流の温度、およびCO除去オーバーヘッド流中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定および/または決定し;CO除去オーバーヘッド流の酸素含量([O])を測定および/または決定し;AFLmin>FL-[O]が真であるとき運転停止手順または補修ステップを開始することを含み、ここで燃焼限界に対する最小接近(AFLmin)および燃焼限界(FL)式は状態に基づき、FL式は少なくとも1つの相互作用項を含む。
[0013]本開示の一態様によれば、方法は、酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流を反応器内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流を生成させ;粗酢酸ビニル流を熱交換器内で冷却し;粗酢酸ビニル流をテールガス流、フラッシュガス流および酢酸ビニル流に分離し、ここでテールガス流はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、フラッシュガス流はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、酢酸ビニル流は酢酸ビニル、水および酢酸を含み;テールガス流を熱交換器内で加熱し;二酸化炭素の少なくとも一部分をフラッシュガス流から取り出してCO除去オーバーヘッド流を生成させ;蒸発した酢酸を加熱後のテールガス流およびCO除去オーバーヘッド流と蒸発器内で混合して蒸発流を生成させ;酸素を蒸発流に加えて供給流を生成させ;(a)、(b)および/または(c)、すなわち、(a)供給流または反応器の圧力、供給流または反応器の温度、および供給流中の少なくとも1つの成分の濃度、(b)加熱後のテールガス流の圧力、加熱後のテールガス流の温度、および加熱後のテールガス流の少なくとも1つの成分の濃度、(c)CO除去オーバーヘッド流の圧力、CO除去オーバーヘッド流の温度、およびCO除去オーバーヘッド流中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定および/または決定し、ここで、(a)は(a)の状態に基づく燃焼限界に対する第1の最小接近(AFLmin)(a first minimum approach to flammability limit)および第1の燃焼限界(FL)式と関連し、(b)は(b)の状態に基づく第2の最小AFLminおよび第2のFL式と関連し、(c)は(c)の状態に基づく第3の最小AFLminおよび第3のFL式と関連し、第1のFL式、第2のFL式、および第3の第2のFL式の1つ以上が少なくとも1つの相互作用項を含み;供給流、加熱後のテールガス流、CO除去オーバーヘッド流、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される流れの酸素含量([O])を測定および/または決定し;(a)、(b)または(c)の1つ以上に対するAFLmin>FL-[O]が真であるとき運転停止手順または補修ステップを開始することを含む。
[0014]本開示の一態様によれば、方法は、酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流を反応器内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流を生成させ;粗酢酸ビニル流を熱交換器内で冷却し;粗酢酸ビニル流をテールガス流、フラッシュガス流および酢酸ビニル流に分離し;フラッシュガス流の一部分を、ベント流を有するエチレン回収プロセスに搬送し;ベント流の圧力、ベント流の温度、およびベント流中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定し、ここで、状態は燃焼限界に対する最小接近(AFLmin)および少なくとも1つの相互作用項を含む燃焼限界(FL)式と関連し;ベント流中の酸素含量([O])を測定し;ベント流に対するAFLmin>FL-[O]が真であるときエチレン回収プロセスの作動状態を変更してエチレン回収プロセスをAFLmin≦FL-[O]に戻すことを含む。
[0015]以下の図は、ある態様の実施形態を例示するために含まれるものであり、排他的な実施形態と考えられるべきでない。開示される主題は、当技術分野で熟練しており本開示の利益を有する当業者が想到するような、形式および機能において多数の修正、変更、組合せおよび等価物が可能である。
[0016]図は本開示の酢酸ビニル生産プロセスの一例のプロセスフロー図を示す。
[0017]既に説明したように、酢酸ビニル反応器は、安全性を達成するが反応効率を大いに低下させ、それ故に製造コストを増大する燃焼限界に基づいて作動される。さらに、製造業者が酢酸ビニル生産プロセスに沿った追加の位置で可燃性を監視する場合、生産プロセスに沿った異なる位置で対応する組成物における状態(例えば、温度および圧力)および成分が異なるにしても同じ慣用の燃焼限界の算定および/または不燃性範囲の設定が使用されることが多い。したがって、酢酸ビニル生産プロセスを通じてより正確な燃焼限界関係を利用する、安全管理および改良された運転効率を提供する酢酸ビニル生産プロセスに対するニーズが存在する。
[0018]本開示は酢酸ビニル生産プロセスの1より多くの位置において改良された効率で燃焼限界(FL)式を用いて酢酸ビニルを生産する方法およびシステムに関する。本発明において、FLは酢酸ビニル生産プロセスの4つの部分:反応器、プロセス間熱交換器、二酸化炭素除去システムおよびエチレン回収システムに対して使用されることができる(本明細書でさらに詳細に記載される)。
[0019]本明細書に記載されるFLは、作動状態の関数であり、2つ以上の作動状態(例えば、温度、圧力および成分濃度)のFLに対する相互関係を表す少なくとも1つの相互作用項を含む。FLは、通例モルパーセント酸素の単位で表される。しかしながら、当業者には分かるように、他の単位が許容できる。
[0020]本明細書には、4つのタイプの相互作用項:成分-成分相互作用項、温度-成分相互作用項、圧力-成分相互作用項、および圧力-温度相互作用項が記載される。本明細書に記載される各々のFL式は、少なくとも1つの相互作用項を含む。さらに、含まれる各々の相互作用項について、本明細書に記載される各々のFLは、前記相互作用項の1つ以上を含み得る。例えば、第1のFLは、1つの成分-成分相互作用項、2つの温度-成分相互作用項、および圧力-温度相互作用項を含み得、圧力-成分相互作用項を含まなくてよい。さらに、第2のFLは、3つの成分-成分相互作用項、2つの温度-成分相互作用項、2つの圧力-成分相互作用項を含み得、圧力-温度相互作用項を含まなくてよい。好ましくは、少なくとも1つ(より好ましくは少なくとも3つ)の成分-成分相互作用項がFL式に含まれる。
[0021]式1aは本明細書に記載される燃焼限界を計算するための一般式である。
Figure 2023507256000001
式中、FLは燃焼限界であり;α、β、γ、δおよびεは、所与の範囲の組成、圧力および温度に対して実験的に決定されることができる因子であり;Pは圧力であり;Tは温度であり;[C]は組成中の考慮されるi番のC成分の各々の濃度であり;Iは考慮されるj番の相互作用項Iであり;a、bおよびcは指数(通例1または2)である。
[0022]式1について組成中で考慮されるC成分の数iは、0~10もしくはそれ以上、または1~10、または2~7の範囲であり得る。式1に対する組成中で考慮されるI成分の数jは1~20もしくはそれ以上、または1~15、または2~10、または4~12の範囲であり得る。
[0023]相互作用項は、互いに掛け合わせる2つ以上の作動状態であることができる(例えば、I=P*[C](dおよびeは指数、通例1)は圧力-成分相互作用項の一例であり、I=T*[C](fおよびgは指数、通例1)は温度-成分相互作用項の一例であり、I=[C*[C(hおよびkは指数、通例1)は成分-成分相互作用項の一例であり、ここで2つの成分は同一でも異なってもよく、I=P*T(lおよびmは指数、通例1)は圧力-温度相互作用項である。本明細書において相互作用項の状態は乗じられるものとして示されているが、他の数学的関係が使用されてもよい。例えば、2つの成分間に逆の関係が確認されれば、相互作用項は上述の例に示されているように乗じられるのではなく、第2の状態により割られた第1の状態を含み得る。
[0024]FL式は、考慮される組成中の1つ以上の成分に対する濃度項を含むことができる。考慮される組成中の全ての成分がFL式に含まれる必要はない。
[0025]FL式は、少なくとも1つの相互作用項を含むことができる。好ましくは、FLは4つの相互作用項の各々の少なくとも1つを含む。より好ましくは、FLは(a)2つ以上の成分-成分相互作用項、(b)1つ以上の温度-成分相互作用項、(c)1つ以上の圧力-成分相互作用項、(d)圧力-温度相互作用項、または(e)(a)-(d)の2つ以上の任意の組合せを含む。
[0026]例えば、式2-5はFL式の例である。
Figure 2023507256000002
[0027]燃焼限界に対する接近(AFL)は、式6に示されるように組成物の可燃限界と組成物中の酸素含量([O])との差として定義される。AFLは通例、特定のガス中のモルパーセント酸素の単位で表される。しかしながら、当業者には分かるように、他の単位が許容され、式6に関してFL、AFLおよび[O]の単位は同一であるべきである。
Figure 2023507256000003
[0028]AFLが0のとき、酸素含量は燃焼限界に等しい。
[0029]各FLは対応する最小のAFLを有する。最小のAFL(AFLmin)は、安全な作動がAFLmin≦FL-[O]である場合、安全に作動しながらFLに接近することができる値を提供する閾値である。AFLminを決定する方法は、当技術分野で公知であり、FL式の不確実性、センサ検出限界、およびセンサ測定精度(または誤差)のような考慮事項を含み得る。欧州特許出願公開第0845453号は、燃焼限界に対する接近を決定する方法を記載しており、参照により本明細書に組み込まれる。
[0030]FLが監視されるシステムにおける各々の位置は、対応するAFLminおよびFL式(本明細書においては略して「AFLmin/FL組合せ」という)を有する。AFLmin/FL組合せは一般に、各々の位置における異なる考慮事項のために、酢酸ビニル生産プロセス内の異なる位置に対して独特である。しかしながら、場合によって、2つの位置が同じAFLmin/FLを有する。
[0031]本開示のシステムおよび方法は、酢酸ビニル生産プロセスの4つの部分:反応器入口、プロセス間熱交換器、二酸化炭素除去システム、およびエチレン回収システムの1つ以上についてAFLmin/FL組合せを有し得る(本明細書にさらに詳細に記載される)。好ましくは、酢酸ビニル生産プロセスの前記部分の2つ以上がそれぞれのAFLmin/FL組合せを有する。より好ましくは、酢酸ビニル生産プロセスの前記部分の3つまたは4つがそれぞれのAFLmin/FL組合せを有する。最も好ましくは、酢酸ビニル生産プロセスの前記部分の4つ全てがそれぞれのAFLmin/FL組合せを有する。
[0032]図は本開示の酢酸ビニル生産プロセス100の一例のプロセスフロー図を示す。本発明の範囲を変更することなくプロセス100に対して追加の構成要素および修正をなすことが可能である。さらに、当業者には分かるように、プロセス100および関連システムの記載は、流れを使用して、様々なラインを通過する流体を記載している。各々の流れに対して、関連システムは、対応するライン(例えば、対応する流体またはその他の材料が容易に通過できるパイプまたはその他の通路)、および場合によりバルブ、ポンプ、コンプレッサー、熱交換器またはその他の機器を、明確に記載されているか否かにかかわらず有して、システムの適正な作動を確実にする。
[0033]さらに、個々の流れに対して使用される記述語は、前記流れの組成を前記記述語からなるものに限定しない。例えば、エチレン流は必ずしもエチレンのみからなるわけではない。むしろ、エチレン流は、エチレンおよび希釈ガス(例えば、不活性ガス)を含み得る。代わりに、エチレン流はエチレンのみからなってもよい。あるいは、エチレン流は、エチレン、別の反応物質、および任意に不活性成分を含んでもよい。
[0034]例示されたプロセス100において、酢酸流102およびエチレン流104は蒸発器106に導入される。場合により、エタンも蒸発器106に加えられてよい。加えて、1つ以上のリサイクル流130、158(各々さらに本明細書に記載される)も蒸発器106に導入されてよい。場合により、リサイクル流130、158の1つ以上が蒸発器106への導入前に酢酸流102と組み合わせられることができる(示されていない)。
[0035]蒸発器106の温度および圧力は広い範囲にわたって変化し得る。蒸発器106は、好ましくは100℃~250℃、または100℃~200℃、または120℃~150℃の温度で作動する。蒸発器106の作動圧力は、好ましくは0.1MPa~2.03MPa、または0.25MPa~1.75MPa、または0.5MPa~1.5MPaである。蒸発器106は蒸発した供給流108を生成させる。蒸発した供給流108は、蒸発器106を出て、酸素流110と一緒になって混合供給流112を生成させる。混合供給流112は、酢酸ビニル反応器116に供給される前にセンサ114により分析される。
[0036]センサ114は、混合供給流112中の水の濃度を決定するための水センサを含む。センサ114は、場合により温度センサ、圧力センサ、流量センサ、組成センサ(例えば、ガスクロマトグラフィー、赤外分光法、および酸素分析計)など、ならびにこれらの任意の組合せも含むことができる。個々のセンサの各々は、単独または複数で存在することができる。特定のセンサを複数有することは、センサ交換のための停止時間を最小限にし、かつ較正センサの欠陥または機能停止の結果生じる安全性の問題を軽減するという重複機能を提供する。センサ114は一般に酢酸ビニル反応器116の上流に示されるが、前記センサは、反応器入口での状態(例えば、温度、圧力または成分濃度)を評価するために算定が行なわれ得る他の位置または第1のAFLmin/FL組合せが適用される他の適切な位置に配置されてもよい。
[0037]本明細書に記載されるように、プロセス100内の多くの位置が、監視されず必要に応じて状態が調節されないと可燃性になる可能性を有する組成を含有する。プロセス100および関連システムの一部分は、火災および爆発のリスクを軽減するように作動されるべきである。1つのかかる位置は反応状態下の混合供給流112である。したがって、混合供給流112の組成、混合供給流112および/または酢酸ビニル反応器116の温度ならびに混合供給流112および/または酢酸ビニル反応器116の圧力は、酢酸ビニル反応器116の安全な作動を提供するように調節され得る。
[0038]酢酸ビニル反応器116の作動状態は、混合供給流112の組成に基づいて調節され得る。一般に、酢酸ビニル反応器116の作動状態に対して適切な範囲を、以下に提供する。
[0039]酢酸ビニル反応器116の一般的な作動状態に関して、酢酸ビニルを生産するときエチレン対酸素のモル比は、好ましくは酢酸ビニル反応器116内で20:1未満(例えば、1:1~20:1、または1:1~10:1、または1.5:1~5:1、または2:1~4:1)である。さらに、酢酸対酸素のモル比は、好ましくは酢酸ビニル反応器116内で10:1未満(例えば、0.5:1~10:1、0.5:1~5:1、または0.5:1~3:1)である。エチレン対酢酸のモル比は、好ましくは酢酸ビニル反応器116内で10:1未満(例えば、1:1~10:1、または1:1~5:1、または2:1~3:1)である。したがって、混合供給流112は、エチレン、酸素および酢酸を前記モル比で含む。
[0040]酢酸ビニル反応器116は、熱交換媒体を介して、発熱反応により発生した熱を吸収し、そこの温度を100℃~250℃、または110℃~200℃、または120℃~180℃の温度範囲内に制御することができるシェルおよびチューブ反応器でよい。酢酸ビニル反応器116内の圧力は、0.5MPa~2.5MPa、または0.5MPa~2MPaに維持され得る。
[0041]さらに、酢酸ビニル反応器116は、固定床反応器または流動床反応器、好ましくはエチレンのアセトキシル化に適した触媒を含有する固定床反応器であり得る。酢酸ビニルの生産に適した触媒は、例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,743,607号;同第3,775,342号;同第5,557,014号;同第5,990,344号;同第5,998,659号;同第6,022,823号;同第6,057,260号;および同第6,472,556号に記載されている。適切な触媒は、パラジウム、金、バナジウム、およびこれらの混合物を含み得る。特に触媒酢酸パラジウム/酢酸カリウム/酢酸カドミウムおよび酢酸パラジウム/アセトラウリン酸バリウム(barium acetolaurate)/酢酸カリウムが好ましい。一般に、触媒のパラジウム含量は、0.5wt%~5wt%、または0.5wt%~3wt%、または0.6wt%~2wt%である。金またはその化合物の1つが使用されるときは、0.01wt%~4wt%、または0.2wt%~2wt%、または0.3wt%~1.5wt%の割合で加えられる。触媒はまた、好ましくは耐火性支持体、好ましくは金属酸化物、例えばシリカ、シリカ-アルミナ、チタニアまたはジルコニア、より好ましくはシリカも含有する。
[0042]酢酸ビニル反応器116が作動される作動状態は、第1のAFLmin/FL組合せに基づき得る。第1のFLは混合供給流112または酢酸ビニル反応器116内の圧力、混合供給流112または酢酸ビニル反応器116内の温度、および混合供給流112中の個々の成分の濃度に基づき得る。プロセス100は、1つ以上のリサイクル流130、156、168を使用し、希釈剤が含まれ得るので、混合供給流112中の成分はエチレン、酢酸および酸素より多い。その濃度が第1のFL式(例えば、式1-5の1つ)に(単独でおよび/または相互作用項中に)使用され得る、混合供給流112中の成分の例には、限定されることはないが、エチレン、酢酸、メタン、エタン、プロパン、水、窒素、アルゴンおよび二酸化炭素がある。
[0043]本明細書に記載される様々な流れ中の成分の濃度は、直接測定されることができるかまたは異なる成分の測定値に基づいて計算されることができる。例えば、流れ中の(二量体化を説明する)酢酸含量は、測定値に基づいて計算され得る。次いで、酢酸含量は水含量から導かれ得る。さらに、測定値から導かれる測定または値は、目的の位置のものである必要はない。例えば、反応器入口における水含量は、精製プロセス148に由来するリサイクル流(パラグラフ55で言及されるが)図には示されてない)の水含量から導かれ得る。したがって、状態値(例えば、温度値、圧力値、または流れ中の成分の濃度)が本明細書に記載されるとき、状態値は、前記位置における直接の測定値に限定されないが、その位置またはプロセス100内の他の位置における測定値に基づいて前記位置に対して導かれた値を包含する。
[0044]FL式導出の考察は実施例の欄に提供される。第1のFLは、酢酸ビニル反応器116内の圧力、酢酸ビニル反応器116の温度、および入口における酢酸ビニル反応器116内の個々の成分の濃度に基づき得る。ここでも、一般に、第1のFL式は、少なくとも1つの相互作用項を含み得る。好ましくは、第1のFL式は、4つの相互作用項の各々の少なくとも1つを含む。より好ましくは、第1のFL式は、(a)2つ以上の成分-成分相互作用項、(b)1つ以上の温度-成分相互作用項、(c)1つ以上の圧力-成分相互作用項、(d)圧力-温度相互作用項、または(e)(a)-(d)の2つ以上の任意の組合せを含む。第1のFL式の相互作用項に含まれ得る成分には、限定されることはないが、エタンの濃度([C])、メタンの濃度([CH])、二酸化炭素の濃度([CO])、酢酸の濃度([HAc])、水の濃度([HO])、エチレンの濃度([C])、プロパンの濃度([C])、およびこれらの任意の組合せがある。したがって、第1のFL式に含まれ得る相互作用項の例として、限定されることはないが、P*T、P*[C]、P*[CH]、P*[CO]、P*[HAc]、P*[HO]、P*[C]、P*[C]、T*[C]、T*[CH]、T*[CO]、T*[HAc]、T*[HO]、T*[C]、T*[C]、[C]*[CH]、[C]*[CO]、[C]*[HAc]、[C]*[HO]、[C]*[C]、[C]*[C]、[CH]*[CO]、[CH]*[HAc]、[CH]*[HO]、[CH]*[C]、[CH]*[C]、[CO]*[HAc]、[CO]*[HO]、[CO]*[C]、[CO]*[C]、[HAc]*[HO]、[HAc]*[C]、[HAc]*[C]、[HO]*[C]、[HO]*[C]、[C]*[C]、およびこれらの任意の組合せが挙げられる。不活性ガスがガス混合物の熱容量に影響するのであれば、不活性ガスは場合により含まれ得る。したがって、さらに第1のFL式に含まれ得る相互作用項の例として、限定されることはないが、P*[inert]、T*[inert]、[inert]*[C]、[inert]*[CH]、[inert]*[CO]、[inert]*[HAc]、[inert]*[HO]、[inert]*[C]、[inert]*[C]、[inert a]*[inert b]、およびこれらの任意の組合せが挙げられる。酢酸ビニル生産に使用される不活性ガスの例には、限定されることはないが、アルゴン、窒素など、およびこれらの任意の組合せがある。相互作用項の上述の例(両方のリスト)において、相互作用項の各々の成分に対して上に記載された対応する指数は1である。しかしながら、他の指数(例えば、-2、-1、-0.5、0.5、1、2など)が使用され得る。
[0045]酢酸ビニル反応器116の状態は、監視され、第1のFLを計算し第1の最小AFLに対する侵害を確認するために使用され得る。例えば、作動時、作動状態(例えば、圧力、温度、および混合供給流112中の個々の成分の濃度)の変動を説明するために第1のFLが連続的に計算され、最小のAFL内での作動(すなわち、AFLmin≦FL-[O])を確実にするために混合供給流112中の酸素含量(モルパーセント酸素)が連続的に測定される。最小のAFLが侵害されれば(すなわち、リアルタイムのAFLが最小のAFL未満であれば、またはAFLmin>FL-[O]であれば)、プロセス100は、運転停止手順に入り得るかまたは最小のAFLが侵害されないように補修ステップを受け得る。
[0046]再び図を参照すると、反応器116内の酢酸ビニル反応は、粗酢酸ビニル流118を生成させる。変換率および反応状態に応じて、粗酢酸ビニル流118は、5wt%~30wt%の酢酸ビニル、5wt%~40wt%の酢酸、0.1wt%~10wt%の水、10wt%~80wt%のエチレン、1wt%~40wt%の二酸化炭素、0.1wt%~50wt%のアルカン(例えば、メタン、エタン、またはこれらの混合物)、および0.1wt%~15wt%の酸素を含むことができる。場合により、粗酢酸ビニル流118は、0.01wt%~10wt%の酢酸エチルも含み得る。粗酢酸ビニル流118は、酢酸メチル、アセトアルデヒド、アクロレイン、プロパンおよび不活性物質、例えば窒素またはアルゴンのような他の化合物を含み得る。一般に、これらの他の化合物は、不活性物質を除いて、非常に少量で存在する。
[0047]粗酢酸ビニル流118は、熱交換器120を通過して粗酢酸ビニル流118の温度を低下させ、次いで分離器122(例えば、蒸留塔)に入る。好ましくは、粗酢酸ビニル流118は、分離器122に導入される前に80℃~145℃、または90℃~135℃の温度に冷却される。好ましくは、液化可能な成分の凝縮は起こらず、冷却された粗酢酸ビニル流118はガスとして分離器122に導入される。
[0048]粗酢酸ビニル流118の成分を分離するためのエネルギーは、反応器116内の反応熱により提供され得る。いくつかの実施形態において、分離器122内の分離エネルギーを増大するための任意のリボイラーがあってもよい。
[0049]分離器122は、粗酢酸ビニル流118を少なくとも2つの流れ:オーバーヘッド流124およびボトム流126に分離する。オーバーヘッド流124は、エチレン、二酸化炭素、水、アルカン(例えば、メタン、エタン、プロパンまたはこれらの混合物)、酸素および酢酸ビニルを含むことができる。ボトム流は、酢酸ビニル、酢酸、水、ならびに潜在的にエチレン、二酸化炭素およびアルカンを含むことができる。
[0050]オーバーヘッド流124は、スクラバー128に搬送されてオーバーヘッド流124中の酢酸ビニルを除去する。結果として、スクラバー128は、テールガス流130およびボトム流132を有する。酢酸ビニルスクラビングは、オーバーヘッド流124を水と酢酸の混合物に通すことにより達成されることができる。
[0051]テールガス流130は、エチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含む。テールガス流130の状態(例えば、温度、圧力、および/または成分の組成)は、センサ134を用いて測定され得る。センサ134としては、限定されることはないが、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、組成センサ(例えば、ガスクロマトグラフィー、赤外分光法、および酸素分析計)など、ならびにこれらの任意の組合せが挙げられる。個々のセンサは、各々が単独でまたは複数存在することができる。特定のセンサを複数有することは、センサ交換のための停止時間を最小限にし、かつ較正センサの欠陥または機能停止の結果生じる安全性の問題を軽減するという重複機能を提供する。センサ134は、一般にスクラバー128の下流としてテールガス流130に沿って示されているが、前記センサは、スクラバー128後のテールガス流130の状態(例えば、温度、圧力、または成分濃度)を評価するために計算が行なわれ得る他の位置に配置されてもよい。
[0052]テールガス流130(リサイクル流ともいわれる)は、搬送されて、粗酢酸ビニル流118がテールガス流130を加熱する熱交換器120を通って、蒸発器106に戻される。場合により、テールガス流130は、プロセス内の他のリサイクル流(示されていない)および供給流を含めた他の流れにより増やされることができ、またはそうでなければ、これらの他の流れが加えられている。示されているように、エチレン供給流136およびメタン供給流138(または他のバラストガス流)は、テールガス流130と合わせられる(例えば混合または同伴される)。
[0053]さらに、スクラバー128と熱交換器120との間で、他の工程(示されていない)がテールガス流130に対して行なわれてもよい。例えば、テールガス流130は、二酸化炭素の少なくとも一部分が除去されてもよい。
[0054]熱交換器120で加熱された後のテールガス流130は、潜在的に可燃性および/または爆発性である。したがって、第2のAFLmin/FL組合せは、本開示の方法およびシステムにおいて蒸発器への導入前のテールガス流130の可燃性を監視するために使用されることができる。
[0055]したがって、熱交換器120と蒸発器106との間で、テールガス流130はセンサ140により分析される。センサ140の例には、限定されることはないが、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、組成センサ(例えば、ガスクロマトグラフィー、赤外分光法、および酸素分析計)など、およびこれらの任意の組合せがある。個々のセンサは、各々が単独でまたは複数存在することができる。特定のセンサを複数有することは、センサ交換のための停止時間を最小限にし、かつ較正センサの欠陥または機能停止の結果生じる安全性の問題を軽減するという重複機能を提供する。センサ140は一般に熱交換器120と蒸発器106との間に示されているが、前記センサは、熱交換器120と蒸発器106との間の状態(例えば、温度、圧力、または成分濃度)を評価するために計算が行なわれ得る他の位置または第2のAFLmin/FL組合せが適用される他の適切な位置に配置されてもよい。
[0056]FL式導出の考察を実施例の欄に提供する。第2のFLは、テールガス流130を含有するラインの圧力、テールガス流130の温度、およびテールガス流130中の個々の成分の濃度に基づき得る。ここでも、一般に、第2のFL式は少なくとも1つの相互作用項を含み得る。好ましくは、第2のFL式は4つの相互作用項の各々の少なくとも1つを含む。より好ましくは、第2のFL式は、(a)2つ以上の成分-成分相互作用項、(b)1つ以上の温度-成分相互作用項、(c)1つ以上の圧力-成分相互作用項、(d)圧力-温度相互作用項、または(e)(a)-(d)の2つ以上の任意の組合せを含む。その濃度が第2のFL式(例えば、式1-5の1つ)に使用され得る酢酸ビニル反応器116内の成分の例には、限定されることはないが、エチレン、メタン、エタン、プロパンおよび二酸化炭素がある。第2のFL式の相互作用項に含まれ得る成分には、限定されることはないが、エタンの濃度([C])、メタンの濃度([CH])、二酸化炭素の濃度([CO])、エチレンの濃度([C])、プロパンの濃度([C])、およびこれらの任意の組合せがある。したがって、第2のFL式に含まれ得る相互作用項の例としては、限定されることはないが、P*T、P*[C]、P*[CH]、P*[CO]、P*[C]、P*[C]、T*[C]、T*[CH]、T*[CO]、T*[C]、T*[C]、[C]*[CH]、[C]*[CO]、[C]*[C]、[C]*[C]、[CH]*[CO]、[CH]*[C]、[CH]*[C]、[CO]*[C]、[CO]*[C]、[C]*[C]、およびこれらの任意の組合せが挙げられる。不活性ガスは、不活性ガスがガス混合物の熱容量に影響するのであれば、場合により含まれ得る。したがって、さらに第2のFL式に含まれ得る相互作用項の例として、限定されることはないが、P*[inert]、T*[inert]、[inert]*[C]、[inert]*[CH]、[inert]*[CO]、[inert]*[HAc]、[inert]*[HO]、[inert]*[C]、[inert]*[C]、[inert a]*[inert b]、およびこれらの任意の組合せが挙げられる。酢酸ビニル生産に使用される不活性ガスの例には、限定されることはないが、アルゴン、窒素など、およびこれらの任意の組合せがある。相互作用項の上述の例(両方のリスト)において、相互作用項の各々の成分に対して上に記載された対応する指数は1である。しかしながら、他の指数(例えば、-2、-1、-0.5、0.5、1、2、など)が使用され得る。
[0057]テールガス流130の状態は、第2のFLを計算し、第2の最小AFLに対する侵害を確認するために、監視され使用され得る。例えば、作動時、第2のFLは、作動状態(例えば、圧力、温度、およびテールガス流130中の個々の成分の濃度)の変動を説明するために連続的に計算され、テールガス流130の酸素含量(モルパーセント酸素)は、第2の最小AFL以内での作動(すなわち、AFLmin≦FL-[O])を確実にするために連続的に測定される。第2の最小AFLが侵害されれば(すなわち、リアルタイムのAFLが最小のAFL未満であれば、またはAFLmin>FL-[O]であれば)、プロセス100は、運転停止手順に入り得るか、または最小のAFLが侵害されないように補修ステップを受け得る。
[0058]再び図を参照すると、分離器122からのボトム流126とスクラバー128からのボトム流132は合わせられ、未精製タンク142に供給されることができる。一般に、未精製タンク142に入る流れは、0.1MPa~0.15MPaの圧力に減圧される。入ってくる流れを減圧する際、エチレン、二酸化炭素、不活性ガス(例えば、窒素および/またはアルゴン)および酢酸は、フラッシュしてフラッシュガス流144を生成させる。未精製タンク142の底部は、主として酢酸ビニル、水および酢酸を含み、いくらかの酢酸エチル副産物を含む。底部は酢酸ビニル流146として輸送されて様々なプロセス148により精製されて、精製された酢酸ビニル生成物流150を生成させる。精製プロセス148の例には、限定されることはないが、共沸蒸留、水ストリッピング、蒸留、相分離など、およびこれらの任意の組合せがある。いろいろな処理方法およびシステムの例は、各々参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,410,817号、同第8,993,796号、および同第9,045,413号ならびに米国特許出願公開第2014/0066649号に記載されている。
[0059]さらに、精製プロセス148は、個々にまたは任意の組合せでリサイクルされて蒸発器106、テールガス流130、フラッシュガス流144および/またはプロセス100内のその他の流れに戻されることができる追加の流れを生成させ得る。
[0060]場合により(図に示されていない)、テールガススリップ流130の一部がフラッシュガス流144と合わせられ(例えば混合されまたは同伴され)てもよい。
[0061]フラッシュガス流144(場合によりテールガススリップ流130の一部分と合わせられていてもよい)中の二酸化炭素の少なくとも一部分はリサイクルして蒸発器106に戻される前に除去される。図に示されているように、フラッシュガス流144は、最初にCOスクラバー152を、次いでCO吸収装置156を通過してCO除去オーバーヘッド流158を生成する。COスクラバー152とCO吸収装置156との間で、エチレンがエチレン流154からフラッシュガス流144に加えられることができる。
[0062]CO除去オーバーヘッド流158は、酸素含量が本明細書に記載されるプロセスおよびシステムのために監視されることができるもう1つ別の潜在的に可燃性または爆発性の組成物である。したがって、第3のAFLmin/FL組合せは、CO除去オーバーヘッド流158の可燃性を監視するために本開示の方法およびシステムにおいて使用されることができる。
[0063]したがって、CO吸収装置156の後、CO除去オーバーヘッド流158はセンサ160により分析される。センサ160の例には、限定されることはないが、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、組成センサ(例えば、ガスクロマトグラフィー、赤外分光法、および酸素分析計)など、ならびにこれらの任意の組合せがある。個々のセンサの各々は、単独でまたは複数で存在することができる。特定のセンサを複数有することは、センサ交換のための停止時間を最小限にし、かつ較正センサの欠陥または機能停止の結果生じる安全性の問題を軽減するという重複機能を提供する。センサ160は、一般にCO吸収装置156の下流として示されるが、前記センサ160は、CO吸収装置156の下流の状態(例えば、温度、圧力、または成分濃度)を評価するために計算が行なわれ得る他の位置または第3のAFLmin/FL組合せが適用される他の適切な位置に配置されてもよい。
[0064]FL式導出の考察を実施例の欄に提供する。第3のFLは、CO除去オーバーヘッド流158を含有するラインの圧力、CO除去オーバーヘッド流158の温度、およびCO除去オーバーヘッド流158中の個々の成分の濃度に基づき得る。ここでも、一般に、第3のFL式は少なくとも1つの相互作用項を含み得る。好ましくは、第3のFL式は4つの相互作用項の各々の少なくとも1つを含む。より好ましくは、第3のFL式は、(a)2つ以上の成分-成分相互作用項、(b)1つ以上の温度-成分相互作用項、(c)1つ以上の圧力-成分相互作用項、(d)圧力-温度相互作用項、または(e)(a)-(d)の2つ以上の任意の組合せを含む。濃度が第3のFL式(例えば、式1-5の1つ)に使用され得る酢酸ビニル反応器116中の成分の例には、限定されることはないが、エチレン、メタン、エタン、プロパンおよび二酸化炭素がある。第2のFL式の相互作用項に含まれ得る成分には、限定されることはないが、エタンの濃度([C])、メタンの濃度([CH])、二酸化炭素の濃度([CO])、エチレンの濃度([C])、プロパンの濃度([C])、およびこれらの任意の組合せがある。したがって、第3のFL式に含まれ得る相互作用項の例としては、限定されることはないが、P*T、P*[C]、P*[CH]、P*[CO]、P*[C]、P*[C]、T*[C]、T*[CH]、T*[CO]、T*[C]、T*[C]、[C]*[CH]、[C]*[CO]、[C]*[C]、[C]*[C]、[CH]*[CO]、[CH]*[C]、[CH]*[C]、[CO]*[C]、[CO]*[C]、[C]*[C]、およびこれらの任意の組合せが挙げられる。不活性ガスは、不活性ガスがガス混合物の熱容量に影響するのであれば、場合により含まれ得る。したがって、さらに第2のFL式に含まれ得る相互作用項の例として、限定されることはないが、P*[inert]、T*[inert]、[inert]*[C]、[inert]*[CH]、[inert]*[CO]、[inert]*[HAc]、[inert]*[HO]、[inert]*[C]、[inert]*[C]、[inert a]*[inert b]、およびこれらの任意の組合せが挙げられる。酢酸ビニル生産に使用される不活性ガスの例には、限定されることはないが、アルゴン、窒素など、およびこれらの任意の組合せがある。相互作用項の上述の例(両方のリスト)において、相互作用項の各々の成分に対して上に記載された対応する指数は1である。しかしながら他の指数(例えば、-2、-1、-0.5、0.5、1、2、など)が使用され得る。
[0065]テールガス流130およびCO除去オーバーヘッド流158は類似の成分を有するので、第2のFL式および第3のFL式は同じであってもよい。しかしながら、異なるセンサが使用され得るので第2の最小AFLおよび第3の最小AFLは異なり得る。
[0066]CO除去オーバーヘッド流158の状態は、第3のFLを計算し、第3の最小AFLに対する侵害を確認するために、監視され使用され得る。例えば、作動時、第3のFLは、作動状態(例えば、圧力、温度、およびCO除去オーバーヘッド流158の個々の成分の濃度)の変動を説明するために連続的に計算され、CO除去オーバーヘッド流158の酸素含量(モルパーセント酸素)は、第3の最小AFL以内での作動(すなわち、AFLmin≦FL-[O])を確実にするために連続的に測定される。第3の最小AFLが侵害されれば(すなわち、リアルタイムのAFLが最小のAFL未満であれば、またはAFLmin>FL-[O]であれば)、プロセス100は、運転停止手順に入り得るか、または最小のAFLが侵害されないように補修ステップを受け得る。
[0067]再び図を参照すると、CO除去オーバーヘッド流158は、次いで熱交換器162を通過し、蒸発器106に供給されることができる。さらに、フラッシュガス流144および/またはCO除去オーバーヘッド流158からのスリップ流164は、不活性物質をシステムからパージするために使用される。このスリップ流164は、エチレン回収プロセス166を通って送られることができる。エチレン回収プロセス162は、エチレンベント流168およびリサイクル流172を生成する。
[0068]エチレン回収プロセス166の例として、限定されることはないが、スクラビングシステム、膜回収工程など、およびこれらの任意の組合せを挙げることができる。
[0069]エチレン回収プロセス166は、ベント流168およびエチレンを他の工程に回収させるかまたはこのプロセス100にリサイクルして戻すための追加の流れ172を生成することができる。
[0070]エチレン回収プロセス166のベント流168および関連アウトプット流は、本明細書に記載されるプロセスおよびシステムのために酸素含量が監視されることができる付加的な潜在的に可燃性または爆発性の組成物である。したがって、第4のAFLmin/FL組合せは、本開示の方法およびシステムにおいてエチレンベント流168の可燃性を監視するために使用されることができる。
[0071]したがって、エチレン回収プロセス166の後、エチレンベント流168はセンサ170により分析される。センサ170の例には、限定されることはないが、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、組成センサ(例えば、ガスクロマトグラフィー、赤外分光法、および酸素分析計)など、ならびにこれらの任意の組合せがある。個々のセンサは、各々単独でまたは複数存在することができる。特定のセンサを複数有することは、センサ交換のための停止時間を最小限にし、かつ較正センサの欠陥または機能停止の結果生じる安全性の問題を軽減するという重複機能を提供する。センサ170は、一般にエチレンベント流168に沿って示されているが、前記センサ170は、エチレンベント流168の状態(例えば、温度、圧力、または成分濃度)を評価するために計算が行なわれ得る他の位置または第4のAFLmin/FL組合せが適用される他の適切な位置に配置されてもよい。
[0072]FL式導出の考察を実施例の欄に提供する。第4のFLは、エチレンベント流168を含有するラインの圧力、エチレンベント流168の温度、およびエチレンベント流168中の個々の成分の濃度に基づき得る。ここでも、一般に、第4のFL式は少なくとも1つの相互作用項を含み得る。好ましくは、第4のFL式は4つの相互作用項の各々の少なくとも1つを含む。より好ましくは、第4のFL式は、(a)2つ以上の成分-成分相互作用項、(b)1つ以上の温度-成分相互作用項、(c)1つ以上の圧力-成分相互作用項、(d)圧力-温度相互作用項、または(e)(a)-(d)の2つ以上の任意の組合せを含む。濃度が第4のFL式(例えば、式1-5の1つ)に使用され得る酢酸ビニル反応器116内の成分の例には、限定されることはないが、エチレン、メタン、エタン、プロパンおよび二酸化炭素がある。第2のFL式の相互作用項に含まれ得る成分には、限定されることはないが、エタンの濃度([C])、メタンの濃度([CH])、二酸化炭素の濃度([CO])、エチレンの濃度([C])、プロパンの濃度([C])、およびこれらの任意の組合せがある。したがって、第2のFL式に含まれ得る相互作用項の例としては、限定されることはないが、P*T、P*[C]、P*[CH]、P*[CO]、P*[C]、P*[C]、T*[C]、T*[CH]、T*[CO]、T*[C]、T*[C]、[C]*[CH]、[C]*[CO]、[C]*[C]、[C]*[C]、[CH]*[CO]、[CH]*[C]、[CH]*[C]、[CO]*[C]、[CO]*[C]、[C]*[C]、およびこれらの任意の組合せが挙げられる。不活性ガスは、不活性ガスがガス混合物の熱容量に影響するのであれば、場合により含まれ得る。したがって、さらに第2のFL式に含まれ得る相互作用項の例として、限定されることはないが、P*[inert]、T*[inert]、[inert]*[C]、[inert]*[CH]、[inert]*[CO]、[inert]*[HAc]、[inert]*[HO]、[inert]*[C]、[inert]*[C]、[inert a]*[inert b]、およびこれらの任意の組合せが挙げられる。酢酸ビニル生産に使用される不活性ガスの例には、限定されることはないが、アルゴン、窒素など、およびこれらの任意の組合せがある。相互作用項の上述の例(両方のリスト)において、相互作用項の各々の成分に対して上に記載された対応する指数は1である。しかしながら他の指数(例えば、-2、-1、-0.5、0.5、1、2、など)が使用され得る。
[0073]エチレン回収プロセス166および/またはエチレンベント流168の状態は、第4のFLを計算し、第4の最小AFLに対する侵害を確認するために、監視され使用され得る。例えば、作動時、第4のFLは、作動状態(例えば、圧力、温度、およびエチレンベント流164中の個々の成分の濃度)の変動を説明するために連続的に計算され、エチレンベント流164の酸素含量(モルパーセント酸素)は、第4の最小AFL以内での作動(すなわち、AFLmin≦FL-[O])を確実にするために連続的に測定される。エチレン回収プロセス166および/またはエチレンベント流168は、プロセス100の残りからいくらか自立しているので、第4の最小AFLの侵害(すなわち、リアルタイムのAFLが最小のAFL未満である、すなわちAFLmin>FL-[O])は、プロセス100を停止することよりも厳しくない措置という結果となり得る。一般に、エチレン回収プロセス166の作動状態は、エチレン回収プロセス166および/またはエチレンベント流168を安全な作動に戻すように変えられる。例えば、スリップ流164流量が変えられ得、および/または希釈ガス(例えば、窒素またはアルゴンのような不活性ガス)が流れ168に加えられ得る。エチレン回収プロセス166および/またはエチレンベント流168を安全な作動に戻すために取ることができる他の適切な作用は当業者に明らかである。
[0074]図はプロセス100を一般的に例示しているが、例示されたプロセス100とは異なり得る他の酢酸ビニル生産プロセスに本開示の教示をいかに適合させるべきか、当業者は認識する。異なる酢酸ビニル生産プロセスおよびシステムの例は、各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,410,817号、同第8,993,796号、および同第9,045,413号ならびに米国特許出願公開第2014/0066649号に記載されている。
例の実施形態
[0075]本開示の第1の非限定的例示方法は、酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流112を反応器116内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流118を生成させ;粗酢酸ビニル流118を熱交換器120で冷却し;供給流112または反応器116の圧力、供給流112または反応器116の温度、および供給流112中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定および/または決定し;供給流112の酸素含量([O])を測定および/または決定し;AFLmin>FL-[O]が真であるとき運転停止手順または補修ステップを開始することを含み、ここで燃焼限界に対する最小接近(AFLmin)および燃焼限界(FL)式は状態に基づき、FL式は少なくとも1つの相互作用項を含む。
[0076]本開示の第2の非限定的例示方法は、酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流112を反応器116内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流118を生成させ;粗酢酸ビニル流118を熱交換器120で冷却し;粗酢酸ビニル流118をテールガス流130、フラッシュガス流144および酢酸ビニル流146に分離し、ここでテールガス流130はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、フラッシュガス流144はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、酢酸ビニル流146は酢酸ビニル、水および酢酸を含み;テールガス流130を熱交換器120で加熱し;加熱後のテールガス流130の圧力、加熱後のテールガス流130の温度、および加熱後のテールガス流130中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定および/または決定し;加熱後のテールガス流130の酸素含量([O])を測定および/または決定し;AFLmin>FL-[O]が真であるとき運転停止手順または補修ステップを開始することを含み、ここで燃焼限界に対する最小接近(AFLmin)および燃焼限界(FL)式は状態に基づき、FL式は少なくとも1つの相互作用項を含む。
[0077]本開示の第3の非限定的例示方法は、酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流112を反応器116内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流118を生成させ;粗酢酸ビニル流118を熱交換器120で冷却し;粗酢酸ビニル流118をテールガス流130、フラッシュガス流144および酢酸ビニル流146に分離し、ここでテールガス流130はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、フラッシュガス流144はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、酢酸ビニル流146は酢酸ビニル、水および酢酸を含み;二酸化炭素の少なくとも一部分をフラッシュガス流144から除去してCO除去オーバーヘッド流158を生成させ;CO除去オーバーヘッド流158の圧力、CO除去オーバーヘッド流158の温度、およびCO除去オーバーヘッド流158中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定および/または決定し;CO除去オーバーヘッド流158の酸素含量([O])を測定および/または決定し;AFLmin>FL-[O]が真であるとき運転停止手順または補修ステップを開始することを含み、ここで燃焼限界に対する最小接近(AFLmin)および燃焼限界(FL)式は状態に基づき、FL式は少なくとも1つの相互作用項を含む。
[0078]第1、第2および第3の例示方法の2つ以上が一緒に行なわれてもよい。例えば、第1および第2の例示方法が一緒に行なわれてもよい。別の例において、第1および第3の例示方法が一緒に行なわれてもよい。さらに別の例において、第2および第3の例示方法が一緒に行なわれてもよい。もう1つ別の例において、第1、第2および第3の例示方法が一緒に行なわれてもよい。加えて、本明細書に記載される流れのリサイクルおよび他のプロセスステップが、第1、第2および第3の例示方法の1つ以上と組み合わせて行なわれることができる。
[0079]本開示の第4の非限定的例示方法は、酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流112を反応器116内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流118を生成させ;粗酢酸ビニル流118を熱交換器120で冷却し;粗酢酸ビニル流118をテールガス流130、フラッシュガス流144および酢酸ビニル流146に分離し、ここでテールガス流130はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、フラッシュガス流144はエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、酢酸ビニル流146は酢酸ビニル、水および酢酸を含み;テールガス流130を熱交換器120で加熱し;二酸化炭素の少なくとも一部分をフラッシュガス流144から除去してCO除去オーバーヘッド流158を生成させ;蒸発した酢酸を加熱後のテールガス流130およびCO除去オーバーヘッド流158と蒸発器106内で混合して蒸発流108を生成させ;蒸発流108に酸素を加えて供給流112を生成させ;(a)、(b)および/または(c)の状態を測定および/または決定し、(a)供給流112または反応器116の圧力、供給流112または反応器116の温度、および供給流112中の少なくとも1つの成分の濃度;(b)加熱後のテールガス流130の圧力、加熱後のテールガス流130の温度、および加熱後のテールガス流130中の少なくとも1つの成分の濃度;(c)CO除去オーバーヘッド流158の圧力、CO除去オーバーヘッド流158の温度、およびCO除去オーバーヘッド流158中の少なくとも1つの成分の濃度であり、ここで、(a)は(a)の状態に基づく燃焼限界に対する第1の最小接近(AFLmin)および第1の燃焼限界(FL)式と関連し、(b)は(b)の状態に基づく第2の最小AFLminおよび第2のFL式と関連し、(c)は(c)の状態に基づく第3の最小AFLminおよび第3のFL式と関連し、第1のFL式、第2のFL式および第3の第2のFL式の1つ以上は少なくとも1つの相互作用項を含み;供給流112、加熱後のテールガス流130、CO除去オーバーヘッド流158、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される流れの酸素含量([O])を測定および/または決定し;(a)、(b)または(c)の1つ以上に対してAFLmin>FL-[O]が真であるとき運転停止手順または補修ステップを開始することを含む。第4の非限定的例示方法はさらに以下の1つ以上を含み得る。要素1:第1のFL式、第2のFL式および/または第3のFL式が式1による。要素2:第1のAFLminが第2のAFLminと異なり、および/または第1のAFLminが第3のAFLminと異なり、および/または第2のAFLminが第3のAFLminと異なる。要素3:第1のFL式が第2のFL式と異なり、および/または第1のFL式が第3のFL式と異なり、および/または第2のFL式が第3のFL式と異なる。要素4:少なくとも1つの相互作用項が、成分-成分相互作用項、温度-成分相互作用項、圧力-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。要素5:第2の第1の式、第2のFL式、および/または第3のFL式が、定数、温度、圧力、対応する組成物中の成分の濃度からなる群から選択される1つ以上の項を含む。要素6:第1のFL式および/または第2のFL式および/または第3のFL式が、少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む。要素7:第1のFL式および/または第2のFL式および/または第3のFL式が、少なくとも1つの圧力-成分項、少なくとも1つの温度-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、および少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む。要素8:少なくとも1つの相互作用項が、3~15の相互作用項である。要素9:方法が、さらにフラッシュガス流144から二酸化炭素の少なくとも一部分を除去する前にテールガススリップ流130の一部分をフラッシュガス流144と合わせることを含む。要素10:粗酢酸ビニル流118を分離することが、粗酢酸ビニル流118を分離器122内でオーバーヘッド流124および第1のボトム流126に分離し;オーバーヘッド流124をスクラバー128でテールガス流130および第2のボトム流132に分離し;第1および第2のボトム流126、132を合わせ(混合し)(combining);合わせられた(混合された)(combined)第1および第2のボトム流126、132を未精製タンク142内でフラッシュガス流144および酢酸ビニル流146に分離することを含む。要素11:方法がさらに、酢酸ビニル流146を精製された酢酸ビニル生成物流150に精製することを含む。要素12:方法がさらに、酢酸ビニル流146を、精製された酢酸ビニル生成物流150および1つ以上の追加の流れに精製し;追加の流れの少なくとも1つをリサイクルして蒸発器106、テールガス流130またはフラッシュガス流144に戻すことを含む。要素13:方法がさらに、熱交換器120の上流でエチレンおよび/またはメタンをテールガス流130に加えることを含む。要素14:方法がさらに、熱交換器120の上流でテールガス流130から二酸化炭素の少なくとも一部分を除去することを含む。要素15:方法がさらに、エチレンおよび/または酢酸を蒸発器106に加えることを含む。要素16:方法がさらに、フラッシュガス流144の一部分を、ベント流168を有するエチレン回収プロセス166に搬送し;ベント流168の圧力、ベント流168の温度、およびベント流168中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定し、ここで、状態は燃焼限界に対する第4の最小接近(AFLmin)(a fourth minimum approach to flammability limit)および少なくとも1つの相互作用項を含む第4の燃焼限界(FL)式と関連し;ベント流168の酸素含量([O])を測定し;ベント流168に対してAFLmin>FL-[O]が真であるときエチレン回収プロセス166の作動状態を変更してエチレン回収プロセス166をAFLmin≦FL-[O]に戻すことを含む。要素17:要素16において、第4のAFLminが、第1のAFLminおよび/または第2のAFLminおよび/または第3のAFLminと異なる。要素18:要素16において、第4のFL式が、第1のFL式および/または第2のFL式および/または第3のFL式と異なる。要素19:要素16において、第4のFL式についての少なくとも1つの相互作用項が、成分-成分相互作用項、温度-成分相互作用項、圧力-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。要素20:要素16において、第2の第1の式、第2のFL式、および/または第3のFL式が、定数、温度、圧力、対応する組成物中の成分の濃度からなる群から選択される1つ以上の項を含む。要素21:要素16において、第4のFL式が少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む。要素22:要素16において、第4のFL式が、少なくとも1つの圧力-成分項、少なくとも1つの温度-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、および少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む。要素23:要素16において、第4のFL式についての少なくとも1つの相互作用項が、3~15の相互作用項である。組合せの例には、限定されることはないが、要素2-22の1つ以上と組み合わせた要素1;要素2および3の組合せ;要素4および5の組合せ;要素2-8の2つ以上の組合せ;要素9-15の2つ以上の組合せ;要素9-15の1つ以上と組み合わせた要素2-8の1つ以上;要素17-23の1つ以上と組み合わせた要素16;要素16と組み合わせた、場合によりさらに要素17-23の1つ以上と組み合わせた、要素2-8の1つ以上;要素16と組み合わせた、場合によりさらに要素17-23の1つ以上と組み合わせた、場合によりさらに要素2-8の1つ以上と組み合わせた、要素9-15の1つ以上がある。
[0080]本開示の第5の非限定的例示方法は:酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流112を反応器116内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流118を生成させ;粗酢酸ビニル流118を熱交換器120で冷却し;粗酢酸ビニル流118を、テールガス流130、フラッシュガス流144および酢酸ビニル流146に分離し;フラッシュガス流144の一部分を、ベント流168を有するエチレン回収プロセス166に搬送し;ベント流168の圧力、ベント流168の温度、およびベント流168中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定し、ここで、状態は燃焼限界に対する最小接近(AFLmin)および少なくとも1つの相互作用項を含む燃焼限界(FL)式と関連し;ベント流168の酸素含量([O])を測定し;ベント流168に対するAFLmin>FL-[O]が真であるときエチレン回収プロセス166の作動状態を変更してエチレン回収プロセス166をAFLmin≦FL-[O]に戻すことを含む。第5の非限定的例示方法はさらに以下の1つ以上を含み得る。要素24:FL式が式1による。要素25:少なくとも1つの相互作用項が、成分-成分相互作用項、温度-成分相互作用項、圧力-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。要素26:FL式が少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む。要素27:FL式が、少なくとも1つの圧力-成分項、少なくとも1つの温度-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、および少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む。要素28:少なくとも1つの相互作用項が、3~15の相互作用項である。
[0081]本発明の実施形態のより良好な理解を助けるために、本明細書を通じて、好ましいまたは代表的な実施形態の例が挙げられている。これらの例は、いかなる意味でも本発明の範囲を限定または規定するように読まれるべきではない。
[0082]以下に様々なFL式を導出するための非限定的な実施例を記載する。
[0083]FLについての一般式は式1である。
Figure 2023507256000004
[0084]因子α、β、γ、δおよびεの値は実験的に決定されることができる。一般に、かかる因子の実験的決定は、FL式が適用されるべき位置に対する妥当な可能性のある作動状態範囲を設定することを含む。
[0085]次いで、前記作動状態範囲内の様々な状態下で、可燃性前の最大の酸素濃度(ガス全体に対するモルパーセント酸素)が実験的に決定される。蓄積されたデータに基づいて、いずれかのデータ適合モデルを用いてFL式が導出される。データに適合する複数の式が得られ得る。データ適合モデルから導出される個々の式は、式1のiおよびjに対してあらゆる数を有し得る。iおよびjに対する数ならびにCおよびI項のいずれが個々の式に含まれるかは、データ適合の前にオペレーターによって設定され得る。あるいは、iおよびjに対する数ならびにCおよびI項のいずれが式に含まれるかは、データ適合モデル自体に由来し得る。作動時にいずれかの式が使用されるべきか決定するには多数の式の統計分析が使用され得る。
[0086]第1の実施例において、表1の可能性のある作動状態範囲を反応器状態および反応器入口組成について分析した。可能な限り、ASTM E918-09(2015)に従って酸素に対する可燃性の濃度限界を決定した。
Figure 2023507256000005
[0087]式7-10を含む多数のFL式が導出された。ここで、FLは乾燥ガス中mol%で表した可燃性酸素組成であり;Pはpsigで表した圧力であり;Tは℃で表した温度であり;[C]、[CH]および[CO]は、酸素を含まない乾燥ガス中のモルパーセントで表したエタン、メタンおよび二酸化炭素濃度であり;[Hac]は酸素を含まないガス中の重量パーセントで表した酢酸濃度であり;[HO]は酸素を含まないガス中の重量パーセントで表した水濃度であり;乾燥ガスは、混合供給流112の水および酢酸を除いた組成であり;酸素を含まない乾燥ガスは、混合供給流112の水、酢酸および酸素を除いた組成であり;酸素を含まないガスは、混合供給流112の酸素を除いた組成である。
式7:
Figure 2023507256000006
式8:
Figure 2023507256000007
式9:
Figure 2023507256000008
式10:
Figure 2023507256000009
[0088]FL式のいずれ(例えば、式7-10またはその他)を作動時に使用すべきか決定する際に、統計分析を使用することができる。ここでも、本発明において提供される式7-10は、表1内の状態から生成されたデータから導出され、対応する実験設計で規定される酢酸ビニルシステム/プロセス構成および状態に特有である。当業者には認識されるように、式7-10は、必ずしもあらゆる酢酸ビニルプロセス/システムで使用されることはできない。さらに、本開示に接した当業者は、過度の実験なしに、異なる反応器に適した状態範囲内の可燃性データ点をどのように測定するか、および酢酸ビニルシステム/プロセス構成をどのように考慮するかを認識する。
[0089]第2の実施例において、プロセス間熱交換器および/または二酸化炭素除去システムに適用可能であり得る、表2の可能性のある作動状態範囲を分析した。可能な限り、ASTM E918-09(2015)に従って酸素に対する可燃性の濃度限界を決定した。
Figure 2023507256000010
[0090]式11-14を含む多数のFL式が導出された。ここで、FLは乾燥ガス中mol%で表した可燃性酸素組成であり;Pはpsigで表した圧力であり;Tは℃で表した温度であり;[C]、[CH]および[CO]は、酸素を含まない乾燥ガス中のモルパーセントで表したエタン、メタンおよび二酸化炭素濃度であり;酸素を含まない乾燥ガスは、水、酢酸および酸素を除いた流れの組成である。
式11:
Figure 2023507256000011
式12:
Figure 2023507256000012
式13:
Figure 2023507256000013
式14:
Figure 2023507256000014
[0091]FL式のいずれ(例えば、式11-14またはその他)を作動時に使用すべきか決定する際に、統計分析を使用することができる。ここでも、本発明において提供される式11-14は、表2内の状態から生成されたデータから導出され、対応する実験設計で規定される酢酸ビニルシステム/プロセス構成および状態に特有である。当業者には認識されるように、式11-14は、必ずしも任意のあらゆる酢酸ビニルプロセス/システムで使用されることはできない。さらに、本開示に接した当業者は、過度の実験なしに、異なる反応器に適した状態範囲内の可燃性データ点をどのように測定するか、および酢酸ビニルシステム/プロセス構成をどのように考慮するかを認識する。
[0092]他に示さない限り、本明細書および随伴する特許請求の範囲で使用される分子量、反応条件などのような、成分、性質の量を表す全ての数は、いかなる場合も用語「約」により修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対に指示されない限り、以下の本明細書および添付の特許請求の範囲に記載の数に関するパラメーターは、本発明の実施形態で得られることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低でも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限するつもりはないが、各々の数に関するパラメーターは、少なくとも報告された有効数字の数を考慮して、そして通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
[0093]本明細書に開示された本発明の実施形態を取り込んだ1つ以上の実例の実施形態が本明細書に提示される。分かり易くするために、物理的実践の全ての特徴が本明細書に記載されまたは示されているわけではない。本発明の実施形態を取り込んだ物理的実施形態の開発において、開発者の目標を達成するために、実施毎に、また時により変化するシステム関連、ビジネス関連、政府関連およびその他の制約の遵守のような数多くの実施に特有の決定をなさなければならないと理解される。開発者の努力は時間がかかるかもしれないが、かかる努力は当技術分野で通常の技量を有し本開示の利益を得る者には日常の仕事である。
[0094]組成および方法は様々な成分またはステップを「含む」として本明細書に記載されているが、組成および方法はまたそれらの様々な成分およびステップ「から本質的になる」かまたは「からなる」こともできる。
[0095]したがって、本発明は述べられた目標および利点ならびにそこに内在するものを実現するように適宜改変される。本発明は、当技術分野で熟練し本発明の教示の利益を有する当業者に明らかな、異なるが等価なやり方で変更され実践され得るので、上に開示された特定の実施形態は、単なる実例である。また、以下の特許請求の範囲の記載を除き、本明細書に示された構造または設計の詳細に限定する意図はない。したがって、上に開示された特定の例示実施形態は、変更され、組み合わせられ、または修正され得、かかるバリエーションは全て、本発明の範囲および思想の内にあると考えられることは明白である。本明細書に実例として開示された本発明は、本明細書に具体的に開示されてないいずれかの要素および/または本明細書に開示されたいずれかの任意要素の非存在下で適切に実施され得る。組成および方法は、様々な成分またはステップを「含む」、「含有する」、または「包含する」として記載されているが、組成および方法はまたそれらの様々な成分およびステップ「から本質的になる」かまたは「からなる」こともできる。上に開示された全ての数および範囲は、いくらかの量、変化し得る。下限および上限をもつ数に関する範囲が開示されている場合はいつも、その範囲内に入るあらゆる数および含まれるあらゆる範囲が具体的に開示されている。特に、本明細書に開示された(「約a~約b」または同等に「およそa~b」または同等に「およそa-b」の形の)値のあらゆる範囲は、そのより広い値の範囲内に包含されるあらゆる数および範囲を記載していると理解されたい。また、特許請求の範囲に記載の用語は、特許権者により他に明白明瞭に定義されない限り、明らかな通常の意味を有する。さらにまた、特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」または「an」は、本発明においてそれが導入する要素の1つまたは1つより多くを意味すると定められる。

Claims (28)

  1. 酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流112を反応器116内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流118を生成させるステップ;
    前記粗酢酸ビニル流118を熱交換器120で冷却するステップ;
    前記粗酢酸ビニル流118を、テールガス流130、フラッシュガス流144および酢酸ビニル流146に分離するステップであり、前記テールガス流130がエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、前記フラッシュガス流144がエチレン、二酸化炭素、アルカンおよび酸素を含み、前記酢酸ビニル流146が酢酸ビニル、水および酢酸を含む、ステップ;
    前記テールガス流130を前記熱交換器120で加熱するステップ;
    前記二酸化炭素の少なくとも一部分を前記フラッシュガス流144から除去してCO除去オーバーヘッド流158を生成させるステップ;
    蒸発した酢酸を加熱後の前記テールガス流130および前記CO除去オーバーヘッド流158と蒸発器106内で混合して蒸発流108を生成させるステップ;
    前記蒸発流108に酸素を加えて前記供給流112を生成させるステップ;
    (a)前記供給流112および/または前記反応器116の圧力、前記供給流112および/または前記反応器116の温度、ならびに前記供給流112および/または前記反応器116中の少なくとも1つの成分の濃度;
    (b)加熱後の前記テールガス流130の圧力、加熱後の前記テールガス流130の温度、および加熱後の前記テールガス流130中の少なくとも1つの成分の濃度;
    (c)前記CO除去オーバーヘッド流158の圧力、前記CO除去オーバーヘッド流158の温度、および前記CO除去オーバーヘッド流158中の少なくとも1つの成分の濃度
    の(a)、(b)および/または(c)の状態を測定および/または決定するステップであって、ここで、(a)は(a)の前記状態に基づく燃焼限界に対する第1の最小接近(AFLmin)および第1の燃焼限界(FL)式と関連し、(b)は(b)の前記状態に基づく第2の最小AFLminおよび第2のFL式と関連し、(c)は(c)の前記状態に基づく第3の最小AFLminおよび第3のFL式と関連し、前記第1のFL式、第2のFL式および前記第3の第2のFL式の1つ以上が少なくとも1つの相互作用項を含む、ステップ;
    前記供給流112、加熱後の前記テールガス流130、前記CO除去オーバーヘッド流158およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される流れの酸素含量([O])を測定および/または決定するステップ;ならびに
    (a)、(b)または(c)の1つ以上に対してAFLMIN>FL-[O]が真であるとき運転停止手順または補修ステップを開始するステップ
    を含む方法。
  2. 前記第1のAFLminが前記第2のAFLminと異なり、および/または前記第1のAFLminが前記第3のAFLminと異なり、および/または前記第2のAFLminが前記第3のAFLminと異なる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のFL式が前記第2のFL式と異なり、および/または前記第1のFL式が前記第3のFL式と異なり、および/または前記第2のFL式が前記第3のFL式と異なる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの相互作用項が、成分-成分相互作用項、温度-成分相互作用項、圧力-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記第1のFL式、前記第2のFL式および/または前記第3のFL式が、定数、温度、圧力、対応する組成中の成分の濃度からなる群から選択される1つ以上の項を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記第1のFL式および/または前記第2のFL式および/または前記第3のFL式が、少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記第1のFL式および/または前記第2のFL式および/または前記第3のFL式が、少なくとも1つの圧力-成分項、少なくとも1つの温度-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、および少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの相互作用項が、3~15の相互作用項である、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. さらに、
    前記二酸化炭素の少なくとも一部分を前記フラッシュガス流144から除去する前に、前記テールガススリップ流130の一部分を前記フラッシュガス流144と合わせるステップを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記粗酢酸ビニル流118を分離するステップが、
    前記粗酢酸ビニル流118を分離器122内でオーバーヘッド流124および第1のボトム流126に分離するステップ;
    前記オーバーヘッド流124をスクラバー128内で前記テールガス流130および第2のボトム流132に分離するステップ;
    前記第1および第2のボトム流126、132を合わせるステップ;ならびに
    前記合わせられた第1および第2のボトム流126、132を未精製タンク142内で前記フラッシュガス流144および前記酢酸ビニル流146に分離するステップ
    を含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. さらに、
    前記酢酸ビニル流146を精製された酢酸ビニル生成物流150に精製するステップ
    を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. さらに:
    前記酢酸ビニル流146を、精製された酢酸ビニル生成物流150および1つ以上の追加の流れに精製するステップ;ならびに
    前記追加の流れの少なくとも1つをリサイクルして、前記蒸発器106、前記テールガス流130および/または前記フラッシュガス流144に戻すステップ
    を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  13. さらに、
    前記熱交換器120の上流でエチレンおよび/またはメタンを前記テールガス流130に加えるステップ
    を含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. さらに、
    前記熱交換器120の上流で前記二酸化炭素の少なくとも一部分を前記テールガス流130から除去するステップ
    を含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
  15. さらに、
    エチレンおよび/または酢酸を前記蒸発器106に加えるステップ
    を含む、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
  16. さらに、
    前記フラッシュガス流144の一部分を、ベント流168を有するエチレン回収プロセス166に搬送するステップ;
    前記ベント流168の圧力、前記ベント流168の温度、および前記ベント流168中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定するステップであって、前記状態が、燃焼限界に対する第4の最小接近(AFLmin)、および少なくとも1つの相互作用項を含む第4の燃焼限界(FL)式と関連する、ステップ;
    前記ベント流168中の酸素含量([O])を測定するステップ;および
    前記ベント流168に対してAFLmin>FL-[O]が真であるとき、前記エチレン回収プロセス166の作動状態を変更して、前記エチレン回収プロセス166をAFLmin≦FL-[O]に戻すステップ
    を含む、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記第4のAFLminが、前記第1のAFLminおよび/または第2のAFLminおよび/または前記第3のAFLminと異なる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第4のFL式が、前記第1のFL式および/または前記第2のFL式および/または前記第3のFL式と異なる、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記第4のFL式に対する前記少なくとも1つの相互作用項が、成分-成分相互作用項、温度-成分相互作用項、圧力-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項16~18の一項に記載の方法。
  20. 前記第1のFL式、前記第2のFL式および/または前記第3のFL式が、定数、温度、圧力、対応する組成中の成分の濃度からなる群から選択される1つ以上の項を含む、請求項16~19の一項に記載の方法。
  21. 前記第4のFL式が、少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む、請求項16~20の一項に記載の方法。
  22. 前記第4のFL式が、少なくとも1つの圧力-成分項、少なくとも1つの温度-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、および少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む、請求項16~21の一項に記載の方法。
  23. 前記第4のFL式に対する前記少なくとも1つの相互作用項が、3~15の相互作用項である、請求項16~22の一項に記載の方法。
  24. 酢酸、エチレン、酸素、二酸化炭素、アルカンおよび水を含む供給流112を反応器116内で反応させて、酢酸ビニル、酢酸、水、エチレン、二酸化炭素およびアルカンを含む粗酢酸ビニル流118を生成させるステップ;
    前記粗酢酸ビニル流118を熱交換器120で冷却するステップ;
    前記粗酢酸ビニル流118を、テールガス流130、フラッシュガス流144および酢酸ビニル流146に分離するステップ;
    前記フラッシュガス流144の一部分を、ベント流168を有するエチレン回収プロセス166に搬送するステップ;
    前記ベント流168の圧力、前記ベント流168の温度、および前記ベント流168中の少なくとも1つの成分の濃度の状態を測定するステップであって、前記状態は燃焼限界に対する最小接近(AFLmin)および少なくとも1つの相互作用項を含む燃焼限界(FL)式と関連する、ステップ;
    前記ベント流168中の酸素含量([O])を測定するステップ;ならびに
    前記ベント流168に対してAFLmin>FL-[O]が真であるとき、前記エチレン回収プロセス166の作動状態を変更して、前記エチレン回収プロセス166をAFLmin≦FL-[O]に戻すステップ
    を含む方法。
  25. 前記少なくとも1つの相互作用項が、成分-成分相互作用項、温度-成分相互作用項、圧力-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記FL式が、少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む、請求項24または25に記載の方法。
  27. 前記FL式が、少なくとも1つの圧力-成分項、少なくとも1つの温度-成分相互作用項、圧力-温度相互作用項、および少なくとも2つの成分-成分相互作用項を含む、請求項24~26の一項に記載の方法。
  28. 前記少なくとも1つの相互作用項が、3~15の相互作用項である、請求項24~27の一項に記載の方法。
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