JP2023506860A - 抗ウイルス性化合物、組成物及び使用方法 - Google Patents

抗ウイルス性化合物、組成物及び使用方法 Download PDF

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Abstract

本開示は式(I)の構造を有する抗ウイルス化合物及びウイルス感染の治療において使用するためのその組成物を提供する。特に、式(I)の化合物は、ウイルスRNAアイソフォームの変化した蓄積に反映されるように、ウイルスmRNAプロセシングの輸送を妨げることができるとともに、核から細胞質への輸送も妨げることができる。このような化合物は、HIV、アデノウイルス、コロナウイルスの細胞への感染を減少させることが示される。本発明は、HIV/AIDSの治療に好適に用いることができる化合物を提供する。【選択図】 21F

Description

関連出願の相互参照
本出願は、「ANTIVIRAL COMPOUNDS, COMPOSITIONS AND METHODS OF USE」と題する2019年12月16日出願の米国仮特許出願第62/948,672号の利益を主張するものである。
本発明は、ウイルス感染の治療用化合物、その用途及び方法に関する。ウイルス感染は、レトロウイルス感染や宿主細胞のRNAプロセシングファクターに複製が依存するもの(例えば、アデノウイルス、ヘルペス、インフルエンザ、SARS、コロナウイルスなど)であり得る。この化合物は、HIV-1とアデノウイルスの両方のRNAプロセッシングを妨害することが、ウイルスRNAスプライシング型の蓄積の変化やRNAプロセッシングの制御に関わる細胞内タンパク質の修飾によって証明されている。本発明は、HIV AIDSだけでなく、修飾されたRNAプロセシングファクターの活性に依存する他のウイルス感染(アデノウイルス、インフルエンザ、B型肝炎、ヘルペス、コロナウイルス)の治療にも適している可能性がある化合物を提供する。
後天性免疫不全症候群(AIDS)とは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することによって起こる免疫系の疾患である。HIVウイルスはレトロウイルスと呼ばれるRNAウイルスの一種で、感染した宿主細胞のDNAに自分のゲノムのコピーを挿入し、宿主細胞のゲノムを変化させる。宿主細胞の細胞質内に侵入したウイルスは、逆転写酵素を用いてRNAゲノムからDNAを逆転写する。ウイルスのDNAはその後インテグラーゼ酵素によって宿主細胞のゲノムに組み込まれ、プロウイルスを形成する。逆転写酵素及びインテグラーゼ酵素は共にHIVウイルス粒子の一部を構成している。宿主細胞が自らのゲノムDNAを転写・翻訳すると、プロウイルスのウイルス遺伝子は、新しいウイルスへの組み立てに適したウイルスタンパク質にされる。
HIVは、2種類のレンチウイルスHIV-1とHIV-2として発見された。各タイプとも、HIVに感染した体液に直接触れることで感染する可能性がある。HIVウイルスは、ヒトの免疫システムを破壊するのに効果的である。HIVの特定の標的は、ヘルパーT細胞(特にCD4+T細胞)、マクロファージ、及び樹状細胞である。宿主の感染後、CD4+T細胞のレベルは通常、臨界レベル未満に低下し、それによって細胞媒介免疫が失われ、体は次第に日和見感染症や癌にかかりやすくなっていく。AIDSと診断されるには、HIV感染者がAIDS指標疾患を患っているか、CD4数が200個/mm未満であることが条件となる。
高活性抗レトロウイルス療法(HAART)は、抗レトロウイルス併用療法(cART)や抗レトロウイルス療法(ART)とも呼ばれ、ウイルスの侵入、逆転写、統合、転写、並びにウイルス組み立て及び生成など、複数のウイルスタンパク質又はプロセスを標的としている。HAARTは、ウイルス量を50コピー未満に減らし、CD4+T細胞の数を補充することが可能である。しかしながら、生存率の向上にもかかわらず、AIDSは現在、長期のHAARTによる合併症(脂質代謝の乱れなど)をもたらす慢性疾患となっている。HAARTの利点は明らかであるものの、この治療法は特異性が低く、毒性が強く、高価である。さらに、HAARTは、HAARTに感受性の低いウイルスの変異体の選択を促進すると考えられている。最後に、HARRTは、休眠中のT細胞に休眠ウイルスが存在する可能性のあるHIVリザーバの問題には対処していない。
最近、スチルベン系化合物の2-(2-(5-ニトロ-2-チエニル)ビニル)キノロン(5350150と呼ばれる)が、核から細胞質へのHIV mRNAの輸送を阻害する作用機序により、HIV複製を阻害することが明らかにされた(Wong,Balachandranら、2013)。5350150は毒性閾値未満の濃度でその活性を示したが、関連するチオフェン置換スチルベン化合物は光不安定性/毒性特性を有することが知られており、この系の抗HIV特性を利用するためには、まず中央のスチルベン二重結合を置換する必要があると強く示唆された。
本発明は、本開示に記載の化合物がウイルス感染を調節するという発見に部分的に基づく。幸いなことに、本開示に記載の化合物は、ウイルスmRNAのプロセシングと、ウイルスmRNAを核から細胞質へ輸送することを妨げることが可能であることがわかった。このような化合物は、侵入後のHIV、アデノウイルス、コロナウイルスの複製の阻害を示す。本発明は、HIV AIDS及びその他のウイルス性疾患の治療に好適な化合物を提供する。
第1の態様では、式Iの構造を有する化合物が提供される。
Figure 2023506860000002
式中、XはS、O、及びN-Jから選択されてもよく、XはS、O、及びN-Jから選択されてもよく、ZはCH、N、及びCEから選択されてもよく、ZはCH、N、及びCRから選択されてもよく、ZはCH、N、及びCRから選択されてもよく、Eは、置換されていてもよい炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル(アルキル基の1つ以上の炭素がN若しくはO、又はその両方で置換されていてもよい)、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいピリジン、CHOH、CHCHOJ、及びCHCH-Qから選択されてもよく、ここで、置換されていてもよいアルキル、アリール及びピリジンは、OH、CH、CHCH、CHCHCH、CHCH(CH)CH、CH(CH)CH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、OCHCH(CH)CH、OCH(CH)CH、CN、F、Cl、Br、I、及びCFで独立に置換された一つ以上のH原子を有しており、Tは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、1つ以上のアルキル水素はJ、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、NO、CN、CF、OCF、SONH(J)、SON(J、及びNJで置換されていてもよく、Tは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、J、NO、CF、OCF、CN、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、及びNJで置換されていてもよく、Mは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、J10、CHOH、CHCHOH、CN、F、Cl、Br、I、CF、NHCHCHQ、NH(J)、N(J、CHCHOJ、COJ、及びCON(Jで置換されていてもよく、Qは
Figure 2023506860000003
から選択されてもよく、Rは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ、及びNで置換されていてもよく、Rは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ及びNで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されてもよく、Jは、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐のO-アルキル、OH、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、NO、CN、NH、NJ、F、CF、及びOCFから選択されてもよく、Jは、炭素数1~4の直鎖又は分岐アルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐O-アルキル、OH、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、NO、CN、NH、NJ、F、CF、及びOCFから選択されてもよく、且つJ10は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐のO-アルキル、OH、CHOH、CN、NH、NJ、及びCFから選択されてもよい。
さらなる態様において、式IIの構造を有する化合物が提供される。
Figure 2023506860000004
式中、XはS、O、及びN-Jから選択されてもよく、XはS、O、及びN-Jから選択されてもよく、ZはCH、N、及びCEから選択されてもよく、Eは、置換されていてもよい炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル(アルキル基の1つ以上の炭素がN若しくはO、又はその両方で置換されていてもよい)、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいピリジン、CHOH、CHCHOJ、及びCHCH-Qから選択されていてもよく、ここで、置換されていてもよいアルキル、アリール、及びピリジンは、OH、CH、CHCH、CHCHCH、CHCH(CH)CH、CH(CH)CH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、OCHCH(CH)CH、OCH(CH)CH、CN、F、Cl、Br、I、及びCFで独立に置換された一つ以上のH原子を有しており、Tは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、1つ以上のアルキル水素はJ、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、NO、CN、CF、OCF、SONH(J)、SON(J、及びNJで置換されていてもよく、Tは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、ここで、1つ以上のアルキル水素は、J、NO、CF、OCF、CN、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、及びNJで置換されていてもよく、Mは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、J10、CHOH、CHCHOH、CN、F、Cl、Br、I、CF、NHCHCHQ、NH(J)、N(J、CHCHOJ、COJ、及びCON(Jで置換されていてもよく、Qは
Figure 2023506860000005
から選択されてもよく、Rは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上の炭素は、N若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ、及びNで置換されていてもよく、Rは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上の炭素は、N若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ 及びNで置換されていてもよく、Rは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上の炭素はN若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ、及びNで置換されていてもよく、Rは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、ここで1つ以上の炭素は、N若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ、及びNで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、Jは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選択されてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、Jは、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐のO-アルキル、OH、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、NO、CN、NH、NJ、F、CF、及びOCFから選択されてもよく、Jは、炭素数1~4の直鎖又は分岐アルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐O-アルキル、OH、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、NO、CN、NH、NJ、F、CF、及びOCFから選択されてもよく、且つJ10は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐のO-アルキル、OH、CHOH、CN、NH、NJ、及びCFから選択されてもよい。
さらなる態様において、本開示に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む、ウイルス感染を治療するための医薬組成物が提供される。
さらなる態様において、ウイルス感染を治療するための、本開示に記載の化合物の使用が提供される。
さらなる態様において、ウイルス感染を治療するための医薬の製造における、本開示に記載の化合物の使用が提供される。
さらなる態様において、ウイルス感染を治療する方法であって、それを必要とする対象に、本開示に記載の化合物又はその医薬組成物を投与することを含む方法が提供される。
はS及びOから選択されてもよく、XはS及びOから選択されてもよく、且つZはCH及びNから選択されてもよい。XはS及びOから選択されてもよい。XはS及びOから選択されてもよい。ZはCH及びNから選択されてもよい。Tは、H又は炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよく、且つTは、H、NO、CFCN、又は炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよい。Tは、H又は炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよい。Tは、H、NO、CFCN、又は炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよい。MはH又はCHから選択されてもよい。Rは、H、CH、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、及びNから選択されてもよく、RはH、CH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択されてもよく、RはH又は炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択されてもよく、且つRはH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択されてもよい。Rは、H、CH、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、及びNから選択されてもよい。RはH、CH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択されてもよい。RはH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択されてもよい。RはH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択されてもよい。あるいは、Tは、H、NO、CF、CO、CN、又は炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択されてもよい。
はSであってもよく、XはS及びOから選択されてもよく、且つZはCH及びNから選択されてもよい。XはSであってもよい。XはSであってもよい。XはOであってもよい。ZはNであってもよい。ZはCHであってもよい。TはCF及びCNから選択されてもよい。TはHであってもよい。TはCFであってもよい。TはCNであってもよい。MはHであってもよい。Rは、H、CO、NO、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、及びNから選択されてもよい。RはHであってもよい。RはClであってもよい。RはHであってもよい。RはBrであってもよい。RはHであってもよい。Rは、H、CH、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、及びNから選択されてもよい。RはH、CH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択されてもよい。RはH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択されてもよい。RはH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択されてもよい。
上記化合物は以下のうちの1以上から選択されてもよい。
Figure 2023506860000006
あるいは、上記化合物は以下のうちの1以上から選択されてもよい。
Figure 2023506860000007
上記化合物は、
Figure 2023506860000008
であってもよい。
上記ウイルス感染はHIV及びアデノウイルスのうちの1以上から選択されてもよい。あるいは、コロナウイルス感染であってもよい。
第1グループGPS化合物(387-434)の抗HIV-1活性に関する予備的評価 第2グループGPS化合物(435-495)の抗HIV-1活性に関する予備的評価。 図2は、GPS475(5d)(図2A)、GPS477(5i)(図2B)、GPS484(5h)(図2C)、GPS389(5a)(図2D)、GPS428(5c)(図2E)、GPS472(8d)(図2F)、GPS504(8e)(図2G)、及びGPS505(8f)(図2H)について、HIV野生型サブタイプB(NL4-3WT及びHIV-1BaL)に対して濃度を上げながら評価した抗HIV活性(棒グラフ)及びCEM-GXR細胞に対する細胞毒性(折れ線グラフ)を示す。 図2は、GPS475(5d)(図2A)、GPS477(5i)(図2B)、GPS484(5h)(図2C)、GPS389(5a)(図2D)、GPS428(5c)(図2E)、GPS472(8d)(図2F)、GPS504(8e)(図2G)、及びGPS505(8f)(図2H)について、HIV野生型サブタイプB(NL4-3WT及びHIV-1BaL)に対して濃度を上げながら評価した抗HIV活性(棒グラフ)及びCEM-GXR細胞に対する細胞毒性(折れ線グラフ)を示す。 図2は、GPS475(5d)(図2A)、GPS477(5i)(図2B)、GPS484(5h)(図2C)、GPS389(5a)(図2D)、GPS428(5c)(図2E)、GPS472(8d)(図2F)、GPS504(8e)(図2G)、及びGPS505(8f)(図2H)について、HIV野生型サブタイプB(NL4-3WT及びHIV-1BaL)に対して濃度を上げながら評価した抗HIV活性(棒グラフ)及びCEM-GXR細胞に対する細胞毒性(折れ線グラフ)を示す。 図2は、GPS475(5d)(図2A)、GPS477(5i)(図2B)、GPS484(5h)(図2C)、GPS389(5a)(図2D)、GPS428(5c)(図2E)、GPS472(8d)(図2F)、GPS504(8e)(図2G)、及びGPS505(8f)(図2H)について、HIV野生型サブタイプB(NL4-3WT及びHIV-1BaL)に対して濃度を上げながら評価した抗HIV活性(棒グラフ)及びCEM-GXR細胞に対する細胞毒性(折れ線グラフ)を示す。 図2は、GPS475(5d)(図2A)、GPS477(5i)(図2B)、GPS484(5h)(図2C)、GPS389(5a)(図2D)、GPS428(5c)(図2E)、GPS472(8d)(図2F)、GPS504(8e)(図2G)、及びGPS505(8f)(図2H)について、HIV野生型サブタイプB(NL4-3WT及びHIV-1BaL)に対して濃度を上げながら評価した抗HIV活性(棒グラフ)及びCEM-GXR細胞に対する細胞毒性(折れ線グラフ)を示す。 図2は、GPS475(5d)(図2A)、GPS477(5i)(図2B)、GPS484(5h)(図2C)、GPS389(5a)(図2D)、GPS428(5c)(図2E)、GPS472(8d)(図2F)、GPS504(8e)(図2G)、及びGPS505(8f)(図2H)について、HIV野生型サブタイプB(NL4-3WT及びHIV-1BaL)に対して濃度を上げながら評価した抗HIV活性(棒グラフ)及びCEM-GXR細胞に対する細胞毒性(折れ線グラフ)を示す。 図2は、GPS475(5d)(図2A)、GPS477(5i)(図2B)、GPS484(5h)(図2C)、GPS389(5a)(図2D)、GPS428(5c)(図2E)、GPS472(8d)(図2F)、GPS504(8e)(図2G)、及びGPS505(8f)(図2H)について、HIV野生型サブタイプB(NL4-3WT及びHIV-1BaL)に対して濃度を上げながら評価した抗HIV活性(棒グラフ)及びCEM-GXR細胞に対する細胞毒性(折れ線グラフ)を示す。 図2は、GPS475(5d)(図2A)、GPS477(5i)(図2B)、GPS484(5h)(図2C)、GPS389(5a)(図2D)、GPS428(5c)(図2E)、GPS472(8d)(図2F)、GPS504(8e)(図2G)、及びGPS505(8f)(図2H)について、HIV野生型サブタイプB(NL4-3WT及びHIV-1BaL)に対して濃度を上げながら評価した抗HIV活性(棒グラフ)及びCEM-GXR細胞に対する細胞毒性(折れ線グラフ)を示す。 野生型サブタイプA(N54WTサブタイプA)及びサブタイプB(NL4-3WTサブタイプB)に対して、CEM-GXR細胞における濃度を上げながら評価した場合の、GPS491(12c)の抗HIV-1活性のプロット。 野生型サブタイプA(N54WTサブタイプA)及びサブタイプB(BNL4-3WTサブタイプB)に対して、CEM-GXR細胞における濃度を上げながら評価した場合の、GPS488(12a)の抗HIV-1活性のプロット。 3人の別々のPBMCドナーに対する、様々な濃度におけるHIV-1BaLウイルスに対するGPS491(12c)の抗ウイルス効果。ウイルス感染レベルは、感染後11日目の細胞培養液中のp24ウイルスタンパク質の濃度によって決定した。3つのPBMCドナー細胞を、PBMC-HD01、HD02、及びHD03とラベル付けした。 3人の別々のPBMCドナーに対する、様々な濃度におけるHIV-1IIIBウイルスに対するGPS491(12c)の抗ウイルス効果。ウイルス感染レベルは、感染後11日目の細胞培養液中のp24ウイルスタンパク質の濃度によって決定した。3つのPBMCドナー細胞を、PBMC-HD01、HD02、及びHD03とラベル付けした。 3人の別々のPBMCドナーに対する、様々な濃度におけるHIV-1BaLウイルスに対するGPS488(12a)の抗ウイルス効果。ウイルス感染レベルは、感染後11日目の細胞培養液中のp24ウイルスタンパク質の濃度によって決定した。3つのPBMCドナー細胞を、PBMC-HD01、HD02、及びHD03とラベル付けした。 3人の別々のPBMCドナーに対する、様々な濃度におけるHIV-1IIIBウイルスに対するGPS488(12a)の抗ウイルス効果。ウイルス感染レベルは、感染後11日目の細胞培養液中のp24ウイルスタンパク質の濃度によって決定した。3つのPBMCドナー細胞を、PBMC-HD01、HD02、及びHD03とラベル付けした。 HIV-1BaLウイルスに感染した3名のドナーからの、PBMCをコントロールとしたエムトリシタビン(FTC)の抗ウイルス効果を示す。ウイルス感染レベルは、感染後11日目の細胞培養液中のp24ウイルスタンパク質の濃度によって決定し、3つのPBMCドナー細胞をPBMC-HD01、HD02、及びHD03とラベル付けした。 HIV-1IIIBウイルスに感染した3名のドナーからの、PBMCを対照としたエムトリシタビン(FTC)の抗ウイルス効果を示す。ウイルス感染レベルは、感染後11日目の細胞培養液中のp24ウイルスタンパク質の濃度によって決定し、3つのPBMCドナー細胞をPBMC-HD01、HD02、及びHD03とラベル付けした。 様々な濃度におけるGPS491(12c)と共に1、4、7、又は11日間培養した後のPBMC生存率の評価生存率のデータはGuava ViaCount assayで測定した(3人のPBMCドナーのデータ)。 様々な濃度におけるGPS488(12a)と共に1、4、7、又は11日間培養した後のPBMC生存率の評価。生存率のデータはGuava ViaCount assayで測定した(3人のPBMCドナーのデータ)。 FTCと共に4、7、又は11日間培養した後のPBMC生存率の評価。生存率のデータはGuava ViaCount assayで測定した(3人のPBMCドナーのデータ)。 様々な濃度におけるGPS519(12e)と4、7、又は11日間培養した後のPBMC生存率の評価。生存率のデータはGuava ViaCount assayで測定した(3人のPBMCドナーのデータ)。 多剤耐性臨床分離株に対するGPS488(12a)の抗HIV-1活性のプロット。E00443 RTIは(N)NRTI耐性分離株に相当し、2948 PIはPI耐性分離株に相当する。 多剤耐性臨床分離株に対するGPS488(12a)の抗HIV-1活性のプロット。11845INI耐性はINI耐性分離株に相当し、MVC res侵入はマラビロク耐性R5株に相当する。 多剤耐性臨床分離株に対するGPS491(12c)の抗HIV-1活性の一連のプロットを示す。E00443 RTIは(N)NRTI耐性分離株に相当し、2918 PIはPI耐性分離株に相当する。(N)NRTI耐性分離株及びPI耐性分離株。 多剤耐性臨床分離株のINI耐性分離株、MVC耐性R5株に対するGPS491(12c)の抗HIV-1活性を示す一連のプロットを示す。 主要なHIV mRNAの産生に使用されるドナーとアクセプタースプライス部位のマップを示す(SS-単一スプライシング、US-非スプライシング、MS-多重スプライシング)。 HeLa B2細胞にプロウイルスを誘導するために、濃度を変化させたGPS491(14c)で処理した、又は未処理のまま(DMSO(-)Dox)、又は陽性対照としてドキシサイクリン((+)Dox DMSO)で処理したHeLa B2細胞からの定量RT-qPCRアッセイを示す。エラーバーは標準偏差を示し、()はP<0.001を示す。N=3。 10μMのGPS化合物(GPS389(5a)、GPS428(5c)、GPS440(8a)、又は1.25μM GPS491(12c)、又は未処理のまま(マイナス)、又は陽性対照としてドキシサイクリン(Dox)で処理したHeLa-HIV細胞のエンドポイントRT-qPCRアッセイを示す。GPS431は、比較のためにライブラリから不活性化合物としてアッセイに含まれている。 GPS491(12c)がB2 HeLa細胞においてウイルスタンパク質レベルを減少させることを示している。(A)はウェスタンブロットデータを、ドキシサイクリン陽性対照に対する平均タンパク質レベル(Gag、Env及びTat)と共にグラフ形式で示し、エラーバーは標準偏差を示す。(*)はP<0.001を示す。N=3のHeLa細胞B2は、Doxycline(商標)(Dox)に曝露したか、又はDMSOのみで未処理のまま、ドキシサイクリンと共に濃度を増加させたGPS491(250nm~2.5μM)に曝露した。相対的なGag、Env及びTatのレベルは、総タンパク質のローディングコントロールに対して正規化した。BioRad(商標)Stain-Free Gel systemを用いて総タンパク質量を定量した。 (B)は、Doxに曝露するか、又はDMSOのみで未処理のまま、Doxとともに様々な濃度のGPS491(12c)(250nm~2.5μM)に曝露したHeLa細胞B2のウェスタンブロットによってGAPDHローディングコントロールに正規化したTatタンパク質濃度を示す。Doxを使用してHeLa B2細胞でプロウイルスを誘導した。 HeLa HIV Δmls rtA細胞におけるHIV-1タンパク質発現に対する選択したGPS化合物(GPS428(5c)、GPS440(8a)、GPS491(12c))の濃度増加の効果を示し、HeLa HIV-1細胞をDMSO又は試験化合物で4時間処理し、プロウイルス発現を誘導するためにドキシサイクリン(dox)による24時間の培養を行い、細胞を採取してウイルスタンパク質とウイルスタンパク質レベルを評価した。(A)はHIVGag(p24)ELISAで評価したHIV Gag(GFP)の相対発現量を示す。 GPS428(5c)、GPS440(8a)、GPS491(12c)に、それらの濃度を増加させながら曝露したHeLa HIV-1細胞の、アラマーブルー(Alamar blue)による相対細胞生存率を示す。GPS431はライブラリ由来の不活性化合物で、比較用のアッセイに含まれていたものである。 GPS 491(12c)は、選択されたSRタンパク質の発現とリン酸化を変化させる。HeLa rtTA HIVΔmls細胞をDMSO又はGPS491+ドキシサイクリンで24時間処理した。その後、ホスファターゼ阻害剤を含むRIPAバッファ内に細胞を回収し、ライセートはStainFree SDS-PAGEゲルで分画した。(A)各SRタンパク質の代表的なウェスタンブロットを示し、併せてDMSO処理細胞に対するSRタンパク質レベルへのGPS491の効果を測定した3つの独立したサンプル群のウェスタンブロットの概要を示す。 細胞ライセートは、Stainfree細胞にロードする前に、モック処理するか、又はアルカリホスファターゼ(PPase)で処理した。PVDFに転写後、ブロットをSRSF4についてプロービングした。ブロットはn>3つの独立したアッセイの代表的なものである。 GPS491(12c)はA549細胞においてアデノウイルス(Ad5)の複製を阻害する。T0(点線)は、1時間の吸着期間の直後に採取して接種菌の残存ウイルスを測定したサンプルである。データポイントは、二重サンプルの平均を表す。エラーバーは3回の実験の標準偏差を表す。 GPS491(12c)は、化合物の濃度を上げると、A549細胞に最小限の毒性を誘発した。 GPS491(12c)化合物2.5μM又はDMSOで処理したHAdV-C5感染A549細胞を、8時間、16時間、24時間時点でRIPAバッファで採取し、ヘキソンタンパク質発現を調べた。 HAdV-C5に感染したA549細胞をDMSO単独、2.5μMのGPS491(12c)化合物、又は非感染対照のいずれかで処理し、感染後8時間後に4%PFAで固定し、細胞の免疫蛍光イメージングで分析し、アデノウイルスヘキソン又はE1Aタンパク質を検出するため染色した。 HAdV-C5に感染したA549細胞は、8時間後と16時間後にRIPAバッファ内に回収し、E1Aタンパク質の発現を調査した。 Bcl-x pre-mRNA及びBcl-xミニ遺伝子x2.13と、RT-PCRに使用したプライマーの位置を示すマップである。 Bcl-xミニ遺伝子X2.13を有するプラスミドと、myc、SRSF2、SRSF3、SRSF4、Tra2a、Tra2b、SRSF10、又はSRSF7のうちいずれかの発現を駆動するCMVプロモーターを含むプラスミドとを同時導入した10μMのGPS488で処理した293細胞。 xS及びxL転写スプライスバリアントの相対存在量を示す(B)におけるヒストグラムに対応するRT-PCRデータである。 Bcl-xミニ遺伝子X2.13を有するプラスミドと、myc、SRSF2、SRSF3、SRSF4、Tra2a、Tra2b、SRSF10、又はSRSF7のうちいずれかの発現を駆動するCMVプロモーターを含むプラスミドとを同時導入したGPS491(12c)10μMで処理した293細胞。 xS及びxL転写スプライスバリアントの相対存在量を示す(A)におけるヒストグラムに対応するRT-PCRデータである。 Bcl-x ENDO構築物と、xL及びxSスプライスバリアント転写物を検出するために使用したプライマーとのマップを示す Bcl-XendoレポーターとSRSF10コンストラクトを同時導入した293細胞を10μMのGPS491(12c)化合物で処理すると、xSスプライスバリアント転写物の生成にシフトが見られる。 Bcl-XendoレポーターとSRSF10コンストラクトを同時導入した293細胞を20μMのGPS491(12c)化合物で処理すると、xSスプライスバリアント転写物の生成にシフトが見られる。 10μMのGPS488(12a)又は10μMのGPS491(12c)を添加しても、 DMSOコントロールと比較して、SRSF1又はSRSF9の過剰発現によって誘発されるスプライスサイト利用のシフトは変わらなかった。 13S、12S、又は9Sスプライスバリアントを生成するためのE1A RNA処理イベントを描いたマップを示し、プライマーの位置を矢印で示した。 A549細胞をHAdV-C5に1時間感染させ、HAdV-C5を感染させたA549細胞をDMSO単独、2.5μMのGPS491(12c)化合物、又は5μMのGPS491(12c)化合物で処理した。8時間後、16時間後、24時間後に、E1A RNAアイソフォーム(13S、12S、9S)のレベルをRT-PCRで分析した。 HAdV-C5を感染させたA549細胞をDMSO単独又は2.5μMのGPS491(12c)で処理し、0時間、16時間、20時間、24時間後にウイルスDNA複製レベルを分析した。 は、コロナウイルス亜科のメンバーの概要、及び229Eコロナウイルス(αコロナウイルス属)及びOC43コロナウイルス(βコロナウイルス属)に感染したHuh7細胞に対するGPS491(12c)化合物の効果を調べるための実験的アッセイの設計を示す。(B)は、229Eコロナウイルス(灰色の棒)又はOC43コロナウイルス(ハッチングした棒)のいずれかに感染したHuh7細胞についてのウイルスRNAレベル(灰色の棒)を示すRT-qPCR結果を示す。 感染細胞におけるウイルスタンパク質の免疫蛍光法による定量を示す(229E Sタンパク質は黒い棒で示し、OC43 Nタンパク質は白い棒で示す)。 濃度を増加させながらGPS491(12c)化合物で処理した場合の、229EウイルスRNA(ダイヤモンド形、黒線)及びウイルススパイクタンパク質レベル(円、黒線)に関する用量応答効果を示す。Huh7細胞(右手Y軸)の細胞生存率(灰色線、丸印)は、アラマーブルー(Alamar blue)により測定した。 229EコロナウイルスOC43コロナウイルスに感染させたHuh7細胞から培地に放出させ、その後用量を変化させながらGPS491(12c)化合物で処理した後の、ウイルスRNAレベルのRT-qPCR結果である。示すデータは、二度実施した2つの独立のアッセイからのものである。 非感染のHuh7細胞コントロールと比較して、DMSO又は濃度を増加させたGPS491(12c)化合物のいずれかで処理したSARS-CoV2感染Huh7細胞からのNタンパク質及びSタンパク質の発現に関する免疫蛍光の結果を示し、データは三回実施した1つの実験から得られたものである。 SARS-CoV2を感染させたHuh7細胞から培地に放出させ、その後、用量を増やしながらGPS491(12c)化合物で処理した、ウイルスRNAレベルのRT-qPCR結果を示し、3回行った1つの実験から得られたデータである。
発明の詳細な説明
以下の発明の詳細な説明は、添付の図面を組み合わせて読むことにより、よりよく理解できるであろう。発明を例示する目的で、図面は本発明の実施形態を示している。しかしながら、本発明は示された正確な配置、実施例、及び手段に限定されるものではない。
本開示中で直接定義していない語は、一般的に本発明の属する技術分野において理解されるような、一般的にそれらに関連する意味を有するものとして理解される。
当業者は、COOH及びNRが対応するイオン、例えば、それぞれカルボキシレートイオンやアンモニウムイオンを含んでもよいことを理解するであろう。また上記イオンが示されている場合、当業者であれば対イオンも存在することを認識するであろう。
特に限定されないが、当業者であれば、本開示に記載の上記化合物に対して上記部分が共有結合する点は、例えば、特定の条件下で切断することができると認識するであろう。特に限定されないが、特定の条件はin vivoでの酵素的又は非酵素的手段であってもよい。特に限定されないが、部分構造の開裂は、例えば、自発的に起こってもよく、また触媒作用によって引き起こされてもよく、他の剤によって引き起こされてもよく、あるいは物理的パラメータ又は環境パラメータ(例えば、酵素、光、酸、体温、又はpH)の変化によって誘導されてもよい。上記部分構造(moiety)は、特に限定されないが、例えば、官能基をマスクするように作用する保護基であってもよく、能動若しくは受動輸送機構の1以上のための基質として作用する基であってもよく、上記化合物にある特性を付与する、若しくは特性(溶解性、生化学的利用能、若しくは局在化)を高めるように作用する基であってもよい。
いくつかの実施形態では、本開示に記載されるような化合物は、ウイルス感染の治療のために使用され得る。あるいは、本開示に記載の化合物は、スプライシング、ポリアデニル化、及び細胞質への輸送を含むウイルスRNAプロセシングを妨げるために使用されてもよい。あるいは、HIV AIDSの治療に好適な化合物であってもよい。
本開示に記載の化合物は遊離型であってもよく、その塩の形態であってもよい。ある実施形態においては、本開示に記載の化合物は、当該技術分野で公知の薬学的に許容される塩であってもよい(Berge S.M.ら、J.Pharm.Sci.(1977)66(1):1-19).本開示に記載の薬学的に許容される塩は、例えば、親化合物の所望の薬学的活性を有する塩(親化合物の生物学的効果及び/又は特性を保持しつつ、生物学的に及び/又は他の理由で望ましくない塩に該当しない塩)を含んでもよい。塩を形成することができる一つ以上の官能基を有する本開示に記載の化合物は、例えば、薬学的に許容される塩として形成されてもよい。塩基性官能基を一つ以上含んでいる化合物は、例えば、薬学的に許容される有機酸又は無機酸で薬学的に許容される塩を形成することができる。薬学的に許容される塩は、特に限定されないが、例えば、酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酪酸、桂皮酸、クエン酸、樟脳酸、カンファースルホン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジエチル酢酸、ジグルコン酸、ドデシルスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グリセロリン酸、グリコール酸、ヘミスルホン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、イソニコチン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、ペクチニン酸、3-フェニルプロピオン酸、リン酸、ピクリン酸、ピメリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸、スルファミン酸、酒石酸、チオシアン酸、又はウンデカン酸由来のものであってもよい。酸性官能基を一つ以上含んでいる化合物は、例えば、薬学的に許容される塩基との薬学的に許容される塩類を形成することができてもよく、例えば、特に限定されないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を基礎とする無機塩基、又は第一級アミン化合物、第二級アミン化合物、第三級アミン化合物、第四級アミン化合物、置換アミン、天然置換アミン、環状アミン、又は塩基性イオン交換樹脂などの有機アミンであってもよい。薬学的に許容される塩類は、特に限定されないが、例えば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガ若しくはアルミニウム、アンモニア、ベンザチン、メグルミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、グルカミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、N-エチルピペリジン、テオブロミン、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェンアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン又はポリアミン樹脂などの薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩に由来するものであってもよい。ある実施形態においては、本開示に記載の化合物は酸性と塩基性の両方の基を含んでいてもよく、分子内塩又は双性イオンの形態であてもよく、特に限定されないが、例えばベタインであってもよい。本開示に記載の塩は当業者に公知の従来の方法によって製造してもよく、特に限定されないが、例えば遊離型を有機酸若しくは無機酸又は塩基と反応させるか、又は他の塩からアニオン交換若しくはカチオン交換によって製造してもよい。当業者であれば、塩は化合物の単離及び精製中にin situで調製、又は単離若しくは生成された化合物を別途反応させることによって調製され得ることを認識するであろう。
ある実施形態においては、本開示に記載の化合物とその異なる形態(例えば遊離型、塩、多形、異性体型)は全て、溶媒が付加した形態、例えば溶媒和物であってもよい。溶媒和物は、化学量論的又は非化学量論的な量の溶媒が化合物に物理的に結合したもの又はその塩のいずれかを含む。上記溶媒は、特に限定されないが、例えば、薬学的に許容される溶媒であってもよい。例えば、水和物は上記溶媒が水の場合に形成され、アルコラートは上記溶媒がアルコールの場合に形成される。
ある実施形態においては、本開示に記載の化合物とその異なる形態(例えば遊離型、塩、多形、異性体型)は結晶型及び無定形型を含んでもよく、例えば、多形型、擬多形型、立体配座多形型、無定形型、又はその組み合わせであってもよい。多形型は、同一の元素組成を有する化合物の異なる結晶充填配置を含んでもよい。多形型は、X線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的・電気的特性、安定性及び/又は溶解度.が通常異なる。当業者は、再結晶溶媒、結晶化速度、及び保存温度などの種々の要因によって単結晶が支配的になる場合があることも認識するであろう。
ある実施形態においては、本開示に記載の化合物とその異なる全ての形態(例えば遊離型、塩、多形、異性体型)は、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体、個々のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、ラセミ体、ジアステレオマー混合物、及びその組み合わせなどの異性体を含み、便宜のために示した式の記述に限定されない。
ある実施形態においては、本開示に記載の医薬組成物はそのような化合物の塩、好ましくは薬学的又は生理学的に許容される塩であってもよい。医薬製剤は、注射、吸入、局所投与、洗浄、又は選択した治療に好適な他の態様により行われる、上記製剤の投与の態様のために許容される担体、賦形剤、又は希釈剤の1以上を典型的には含むであろう。好適な担体、賦形剤、又は希釈材(本開示では相互に交換可能に使用される)は、上記投与態様において使用される、当該技術分野において公知のものである。
好適な医薬組成物は当該技術分野において公知の手段によって処方することができ、その投与態様や服用量は熟練の専門家によって決定される。非経口投与の場合、化合物は滅菌若しくは生理食塩水、又はビタミンKに使用されるような非水溶性化合物の投与に使用される薬学的に許容されるビヒクルに溶解されてもよい。経腸投与の場合、上記化合物は錠剤、カプセル、又は液体に溶解された形態で投与されてもよい。上記錠剤又はカプセルは腸溶コーティングされていてもよく、徐放するための剤形であってもよい。剤型としては、化合物を局所的に投与するのに使用できる、放出される化合物をカプセル化した高分子又はタンパク質微粒子、あるいは軟膏、ペースト、ゲル、ヒドロゲル、溶液などの多くの好適な剤型が知られている。徐放性パッチ又はインプラントは長期にわたって薬剤を放出するのに使用することができる。当業者に公知の手法の多くはRemington:the Science&Practice of Pharmacy by Alfonso Gennaro, 20th ed., Lippencott Williams & Wilkins,(2000)に記載されている。非経口投与用の製剤は、例えば、賦形剤、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物性油、又は水素化ナフタレンを含んでいてもよい。生体適合性で生分解性のラクチド重合体、ラクチド/グリコリド共重合体、又はポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体を、化合物の放出を制御するのに使用してもよい。調節化合物のための他の潜在的に有用な非経口送達システムには、エチレン/酢酸ビニル重合体粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み注入システム、及びリポソームが含まれる。吸入用製剤は賦形剤、例えばラクトースを含んでもよく、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、グリココール酸塩、及びデオキシコール酸塩を含む水溶液であってもよく、また点鼻薬の形態で、又はゲルとして投与するための油性溶液であってもよい。
本明細書に記載の化合物若しくは医薬組成物、又は本発明に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物はインプラント、グラフト、プロテーゼ、ステントなどの医療機器又は医療器具によって投与してもよい。また、インプラントは上記化合物や組成物を含み、かつ放出するように工夫されていてもよい。例えば、ある一定期間化合物を放出するように適合された高分子材料からなるインプラントであってもよい。
本開示に記載の医薬組成物の「有効量」とは、治療上有効な量や予防的に有効な量が含まれる。「治療上有効な量」とは、必要な投与量及び必要な期間において、所望の治療結果(例えば腫瘍の大きさを小さくする、寿命を延ばす、又は余命を伸ばす、など)を達成するために有効な量をいう。化合物の治療上有効な量は対象の病状、年齢、性別、及び体重などの要因、並びに対象において所望の応答を引き出すその化合物の能力に応じて変動する。投与計画は、最適な治療上の応答が得られるように調整されてもよい。治療上有効な量は、化合物の何らかの有毒作用又は有害な作用を治療的に有益な作用が上回る量でもある。「予防的に有効な量」とは、必要な投与量及び必要な期間において、所望の予防的結果(例えば腫瘍を小さくする、寿命を延ばす、余命を伸ばす、又は前立腺がんがアンドロゲン非依存性前立腺がんに進行するのを防ぐ、など)を達成するために有効な量をいう。典型的には、疾患の初期の段階よりも前、あるいは初期の段階で対象に予防的な容量を用いる。予防的な用量は治療学的に有効な量よりも少なくてもよい。
なお、投薬量の値は軽減すべき病状の重症度に伴って変動し得る。特定の対象に対し、その対象特有の投与計画は、個々の必要性や上記化合物の投与を管理又は監督する人物の専門的判断に応じて時間とともに調整してもよい。本開示に記載の投薬量の範囲は典型的なものでしかなく、医師によって選択され得る投薬量の範囲を制限するものではない。組成物中の活性化合物の量は、対象の病状、年齢、性別、及び体重などの要因に応じて変動する。投与計画は、最適な治療上の応答が得られるように調整されてもよい。例えば、単回のボーラス投与であってもよく、時間をかけて数回の分割した服用量で投与してもよく、治療的な状況の緊急度によって示されるように、用量を比例的に減らしたり増やしたりしてもよい。投与が容易で、かつ投与量が一定になることから、単位剤形の非経口組成物を処方するのが有利な場合もある。
一般的に、本開示に記載の化合物は、実質的な毒性を引き起こすことなく使用されなければならない。本開示に記載の化合物は、標準的な手法を用いて決定することができ、例えば細胞培養又は実験動物で試験し、治療指数(すなわち、LD50(集団の50%にとって致命的な用量)とLD100(集団の100%にとって致命的な用量)の間の比率)を決定することで決定することができる。しかしながら、ある状況、例えば病状が重篤な状態においては、かなり過剰な量の組成物を投与するのが適当な場合がある。本開示に記載の化合物の一部は、ある濃度において有毒な場合がある。毒性のある濃度、及び無毒の濃度を決定するのに滴定を用いてもよい。化合物が他の組織に影響を及ぼすかどうかの指標を提供するのに動物実験を使用してもよい。
本開示に記載の化合物は、対象に投与されてもよい。本明細書で使用されるように「対象」はヒト、人間以外の霊長類、ラット、マウス、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコなどであってもよい。上記対象は、HIV AIDSやアデノウイルス感染などのウイルス感染にかかっていることが疑われる、あるいはその危険性がある対象であり得る。あるいは、上記感染はコロナウイルス感染であってもよい。各種ウイルス感染の診断方法については、当業者に公知である。
種々の別の実施形態及び実施例を本開示にて述べる。この実施形態や実施例は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
[物質及び方法]
細胞株及びウイルス
インジケータ細胞株CEM-GXRはMark Brockman博士(Simon Fraser University)より入手した。(N)NRTI耐性ウイルス(E00443)は、Zabrina Brumme博士(Simon Fraser University)より入手した。HIV-1 CXCR4-tropic実験室適応株NL4-3、及びIIIB、HIV-1 CCR5-tropic BaL、インテグラーゼ阻害剤耐性ウイルス(cat.#.11845)、プロテアーゼ阻害剤耐性ウイルス(cat.#.2948)、HIV-1サブタイプA(cat.#.4114)は国立衛生研究所(NIH)AIDS Research and Reference reagent program, Division of AIDS,NIAID,NIH)を通して取得した。アデノウイルスC5(HAdV-C5)及びA549細胞はM.Brown博士(University of Toronto)から入手した。コロナウイルス株229E及びOC43、HEK293及びHuh7細胞株はATCCから入手した。HeLa B2細胞(HeLa rtTA HIV-1Δmls)は、以前に説明したとおりである(Wong,Balachandranら、2011)。
化合物の合成と特性評価
すべての化学物質はシグマ-アルドリッチ(商標)又はオークウッドケミカルズ(商標)から購入し、言及されていない限り精製せずに使用した。すべての溶媒を乾燥し、Nで保管した。H、13C、19F NMRスペクトルは、Bruker AC 400 Ultrashield(商標)10分光光度計を用いて、それぞれ400、100、400MHzで記録した。化学シフトはppmで表す(δスケール)。ピーク多重度を報告する場合、以下の略号を使用する:s(シングレット)、d(ダブレット)、dd(ダブレットのダブレット)、ddd(ダブレットのダブレット)、t(トリプレット)td(ダブレットのトリプレット)、q(カルテット)、m(マルチプレット)。カップリング定数はHzで報告されている。すべての高分解能質量スペクトルは、Thermo Scientific(商標)Q Exactive Orbitrap(商標)High Resolution Mass Spectrometerで記録された。シリカゲル(Silicycle(商標)、 Siliaflash(商標)F60、40~63μm、230~400メッシュ)又はBiotage Isolera(商標)精製システム(PartnerTechAtvidaberg(商標)AB)でプレパックしたシリカゲルカラム(Biotage(商標)、部品番号FSKO-1107-0010、FSKO-1107-0025、又はFSKO-1107-0050)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーが実施された。
抗HIV-1アッセイ
化合物の抗HIV活性は、CEM-GXR細胞をベースとしたヒトT細胞レポーターアッセイで測定した。これらの細胞は、HIV-1感染時にtat依存性プロモーターの活性化によりGFPを発現し、フローサイトメトリー分析(guavaSoft2.2(商標)ソフトウェア、Guava HT8、Millipore(商標))により感染レベルをモニターした。抗ウイルス活性は、HIV-1感染(GFP陽性)細胞を1%含むCEM-GXR細胞の同時培養において、HIV-1拡散の抑制を測定するアッセイで評価した。試験化合物の連続希釈液を入れた96ウェルプレートで感染を行い、3日目に半数効果濃度(EC50)を測定した。
PBMCの分離とHIVへの感染
末梢血単核細胞(PBMC)は、書面による同意書に基づきHIV陰性の健康なドナーから入手し、50U/mLのヒトIL-2を補充したR10+で維持した。研究プロトコルは、University of British Columbia-Providence Health Care Research InstituteのInstitutional Reviews Boardにより承認された。PBMCを5μg/ml PHAで活性化し、3日後に0.01の感染倍率(MOI)でウイルスストックを感染させた。感染後6時間で、細胞を洗浄し、GPS分子又はコントロール化合物としてのFTCの存在下で50U/mlのIL-2を補充したR10+培地にさらに11日間再懸濁した。11日目の培養上清中のp24Gagの蓄積量を酵素結合免疫吸着測定法(ELISA;Xpress Bio(商標))で定量し、p24Gag値の増加量をウイルス増殖の指標とした。
アデノウイルス感染アッセイ
A549細胞を50万個/ウェルの密度で6ウェルプレートに播種し、播種後24時間時点でHAdV-C5を100~400の接種時MOIで感染させた。37℃、1時間の吸着期間後、接種物を除去し、DMSO又はGPS491を含む培養液で置換した。細胞及び培地を感染24時間後にまとめて採取し、HEK293細胞で終点希釈を行い、感染性ウイルス産生を定量化する。A549細胞に対するGPS491化合物の毒性を測定するためにアラマーブルー(Alamar Blue(商標))アッセイを使用した。96ウェルプレートに播種後24時間の時点で、A549細胞をGPS491化合物又はコントロールとしてのDMSOで24時間インキュベートした。細胞代謝率は、製造元の指示に従いアラマーブルー(AlamarBlue(商標))で測定した。細胞生存率はトリパンブルー排除アッセイで測定した。細胞を2mM EDTAで持ち上げ、等量の0.3%トリパンブルーと混合した。細胞は、10個のグリッドを含むプラスチック製の使い捨て式血球計算板で計数し、95%超の細胞が色素を除いた。代謝率及び生存率は、コントロールとしてのDMSO処理した細胞と比較する。3つの全パネルのエラーバーは、3つの実験の標準偏差を表す。
アデノウイルスタンパク質発現の検出
タンパク質ライセートは10%Stain-Freeゲル(McDonaldら、2008)で分析し、Bio-Rad TurboBlot(商標)システムを用い、製造者のプロトコルに従ってポリビニリデン・ジフルオリド(PVDF)メンブレンに移し替えた。E1Aとヘキソンのブロットは、1×PBS(PBS-T)中の0.05%Tween20で希釈した5%スキムミルクで室温で1時間ブロッキングし、一次抗体と4℃で一晩インキュベートされた。3回のPBS-T洗浄後、メンブレンを二次抗体と室温で1時間インキュベートした。E1A分析のために、ブロットはポリクローナルE1A一次抗体(Santa Cruz(商標)、sc-430)とホースラディッシュペルオキシダーゼに結合した二次抗ウサギ抗体(HRP、PBS-Tで1:5000希釈を使用)でプロービングされた。ヘキソンの解析には、マウス抗ヘキソン抗体を含む2Hx-2細胞からの培養液の原液と、西洋わさびペルオキシダーゼを結合した二次抗マウス抗体(PBS-Tで1:5000希釈)でブロットをプロービングした。ウイルスタンパク質の免疫蛍光検出のために、細胞を4%パラホルムアルデヒドで15分間固定し、PBS(PBT)中の0.1%Triton X-100で透過処理した後、PBT(BSA-PBT)中の5%ウシ血清アルブミン(BSA)で室温で45分間ブロッキングした。細胞を一次抗体とともに37℃で45分間インキュベートし、PBSで3回洗浄した後、二次抗体とともに45分間インキュベートした。染色したカバースリップをPBTで2回、PBSで2回洗浄し、DAPI(4′,6′-ジアアミジノ-2-フェニルインドール)を0.25μg/mLで含むPBSでマウントし、4℃で保存する。
ViaCountバイアビリティアッセイ
ViaCount(商標)アッセイは、Guava easyCyte 8HT(商標)フローサイトメーターを用いて、製造者のマニュアルに従って実施した(Guava Technologies(商標),Inc.,ヘイワード、カリフォルニア、米国)。つまり、様々な濃度の化合物の非存在下又は存在下でCEM-GXR細胞を96ウェルプレートに80000細胞/ウェルで播種した。24時間後、25μLの細胞懸濁液を225μLのGuava ViaCount(商標)試薬と混合し、混合物を室温で5分間インキュベートした。サンプル取得とデータ解析は、ViaCount(商標)ソフトウェアモジュールを用いてEasyFit(商標)解析機能を選択することで実施した。
HeLaB2細胞を用いたqRT-PCRによるHIV転写産物の選択的スプライシングへの化合物の影響
HIVゲノム発現をモニターするために、イントロン又はエクソン/イントロン接合部の近傍に位置する3つの異なるプライマーセット(プライマーのUS、SS、MSペア)を用いた定量的RT-PCRアッセイを以前に記述したように実施した(Duffy 2012)。
A549細胞におけるRT-PCRによるE1A転写産物の選択的スプライシングに対するGPS491化合物の影響
A549細胞にアデノウイルスC5を100のMOIで1時間感染させた後、ウイルスを除去し、DMSO又はGPS491(2.5μM又は5μM)を含む培地に置き換えた。ウイルス感染後8時間、16時間、24時間後に全RNAを抽出した。cDNA作成後、E1A特異的プライマーを用いてRT-PCRを実施した。
A549細胞におけるアデノウイルスウイルスDNA複製に対するGPS491化合物の影響。
アデノウイルスDNA解析のために、細胞を6cmプレートに1x106個の密度で播種した。翌日、細胞をHAdV-C5(MOI100)に1時間感染させた後、接種物を除去し、DMSO又はGPS491(2.5μM)を含む培地に置換した。感染後、指定された時間に細胞を回収し、1xPBSで洗浄した。200uLの溶解バッファ(10mM Tris-HCl[pH8.0]、75mM NaCl、0.1% SDS、0.5% NP-40、0.5%Tween20、0.5mg/mlプロテイナーゼK)を用いて56℃で4~5時間細胞を溶解し、混合液を15分間沸騰させた。試料を13000xgで遠心分離し、上清を回収した。ある実験から得られた全てのサンプルは同時に処理された。アデノウイルスのDNAレベルは、Grosso F.ら(2017).J Virol.91(3):e01623-16において以前に詳述したようにqPCRによって決定された。
コロナウイルス感染アッセイ
Huh7細胞にコロナウイルスの229E(MOI0.1)株又はOC43(MOI 1)株を感染させた。37℃、1時間の吸着期間後、接種物を除去し、DMSO又は10μMのGPS491を含む培養液で置換した。2日後(229E感染細胞)又は4日後(OC43感染細胞)のいずれかに、RT-qPCRによるウイルスRNA定量のために培地を採取し、感染細胞を固定して免疫蛍光顕微鏡でウイルスタンパク質(229Eのスパイクタンパク質とOC43のヌクレオカプシドタンパク質)の存在を測定した。229Eコロナウイルスに対するGPS491の用量反応効果を測定するため、Huh7細胞を229EにM.O.I.0.1で1時間感染させた。ウイルスの接種物を除去し、1%DMSOまたは様々な用量のGPS491を含む新しい培地を加えた。2日後、培地を採取してウイルスRNAを定量した。細胞を固定し、229E Sの発現を免疫蛍光法で測定した。全ての値は、DMSOのみで処理したウイルス感染サンプルで検出された値との相対値で表される。いくつかの実験では、Huh7細胞に229E、OC43、又はSARS-CoV2株のいずれかをMOI 1で感染させた。細胞は1時間ウイルスに感染させた後、培地を除去し、DMSO又は濃度を増大させたGPS491を含む培地に交換した。感染後4日目(OC43)又は2日目(229E、SARS-CoV2)に、培地を採取してウイルスRNAのレベルを測定し、SARS-CoV2の場合は細胞を固定・染色して免疫蛍光顕微鏡でウイルス抗原(Nタンパク質とSタンパク質)を検出した。
HeLa B2細胞におけるウイルスタンパク質レベル及びSRタンパク質レベルに対する化合物の影響
HeLa B2細胞をDMSO又は指定濃度のGPS491の存在下でインキュベートし、2μg/mlドキシサイクリンの添加によりプロウイルスの発現を誘導した。24時間の処理後、細胞を1xPBS、2mM EDTAで回収し、細胞ペレットをRIPAバッファに再懸濁した。HIV-1 Gag(抗p24)、Env(抗gp120)、又はTatに対する抗体を用いて、ウエスタンブロットによりタンパク質量を検出した。SRタンパク質発現への影響を評価するために、ホスファターゼ阻害剤を含むRIPAバッファで細胞を採取し、ライセートをStainFree(商標)SDS-PAGEゲルで分画した。ウェスタンブロットは、以下のいずれかの抗体でプローブした。マウスα-SRSF1(Life Technologies(商標)、Cat:32-4500)、ウサギα-SRSF2(BD Pharmingen(商標)、Cat:556363)、マウスα-SRSF3(Life Technologies(商標)、Cat:33-4200)、ウサギα-SRSF4(Novus Biologicals(商標)、Cat:2-04144)、ウサギα-SRSF5(MBL、RN082PW)、ウサギα-SRSF6(Novus Biologicals(商標)、Cat:NBP2-04142)、ウサギα-SRSF7(Abcam(商標)、Cat:ab137247)、及びウサギα-SウエスタンブロットCat:RN081PW)、ウサギα-Tra2β(Abcam(商標)、Cat:ab31353)、及びウサギα-GAPDH(Sigma(商標)、Cat:G9545)。次の二次抗体を使用した。α-マウス、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)-コンジュゲートIgG(Jackson Immunoresearch Laboratories(商標)、Cat:715-036-150)又はα-ウサギ、HRP-コンジュゲートIgG(Jackson Immunoresearch Laboratories(商標)、Cat:711-036-152)。タンパク質の移動における変化がリン酸化の変化に起因するかどうかを調べるために、ゲル上で実行する前に、抽出物をλホスファターゼ(New England Biolabs、Cat:P0753S)で処理した。適切な二次抗体とのインキュベーション後、ブロットはECL(Perkin-Elmer)、ECL Plus(Perkin-Elmer)、又はClarity Western ECL substrate (BioRad)により可視化された。化学発光はBioRad ChemiDoc Imaging Systemで画像化した。その後、ブロットはローディングコントロールとしてチューブリン又はGAPDHについてプローブされた。検出されたバンドの相対強度の定量は、ImageLabソフトウェアを用いて行い、ローディングコントロール(GAPDH、チューブリン、又は総タンパク質)の対応するバンドに対して正規化した。
反応スキームと実験手順
1.5-ニトロチオフェン-2-カルボン酸2からのジヘテロアリールアミド5a-lの調製
化合物5a-lの合成は、5-ニトロチオフェン-2-カルボン酸2(それ自体はアルデヒド1の重クロム酸酸化により収率82%で入手可能)をTFFH-CsFとの反応により酸フルオリド3に変換し、この中間体をTBAF存在下で必要なN-TMS置換2-アミノベンゾチアゾール4a-lと反応させた(Zamiri and Grierson 2017)。ヘキサンに溶解するため、酸フッ化物2はフッ素化反応副生成物のN,N,N,N-テトラメチルウレアと1:1の混合物として単離された。しかしながら、カップリング工程の溶媒としてアセトニトリルを使用すると、目的のアミド生成物5a-iの沈殿が促進されるため、非極性の尿素汚染物やその他の不純物は簡単な真空ろ過で目的のアミドから容易に分離された。化合物5bの単離にさらなるカラムクロマトグラフィー操作を必要とした以外は、真空ろ過で十分にアミド5a及び5c-lを95%以上の純度で得ることができた。
スキーム1
Figure 2023506860000009
反応スキーム1.試薬と条件:i)KCr、5N HSO、100℃、2時間;ii)TFFH、CsF、MeCN、室温、12時間;iii)MeCN、TBAF(触媒)、50℃、12時間。
5-ニトロチオフェン-2-カルボキシリック(2)の調製:
Figure 2023506860000010
5N HSO(40mL)中の重クロム酸カリウム(2.8g、11.5mmol)の撹拌溶液に5-ニトロ-2-チオフェンカルボキサルデヒド1(4g、25.5mmol)を加え、反応物を100℃で2時間加熱した。その後、混合物を氷浴で冷却し、水(40mL)で希釈した。得られた沈殿物を吸引ろ過で集め、氷水(5×20mL)で洗浄し、高真空下で乾燥することにより、緑色の固体として2が得られた(3.6g、20.8mmol、収率82%)。
H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ=13.9(s,1H),8.12(d,J=4.1Hz,1H),7.74(d,J=4.1Hz,1H).
5-ニトロチオフェン-2-カルボニルフルオリド3の調製:
Figure 2023506860000011
チオフェン-2-カルボン酸2(800mg、4.64mmol)、TFFH(1.22g、4.64mmol)、及びCsF(1.36g、8.96mmol)のMeCN(24mL)中の混合物を室温で12時間攪拌した。その後、生成物の混合物を減圧下で濃縮し、ヘキサンに取り込み、ろ過してセシウム塩を除去した。濾液を濃縮して黄色い油状液体を得、これを高真空下で5時間乾燥させた。そのH NMRスペクトルに基づき、単離された物質は、酸フッ化物3と1,1,3,3-テトラメチルウレア副生成物の1:1混合物に相当するものであった。また、微量の未同定物質のピークも観測された。生成混合物は、714mg(4.08mmol、変換率88%)の酸フルオリド3を含むと推定された。
H NMR(400MHz,CDCN):δ=8.01(m,1H),7.94(m,1H),2.73(s,12H,NMe).
19F NMR(400MHz,CDCN):δ=23.74;19FNMR(400MHz,CDCl):δ=25.55.
N-TS-アミン4a-lの調製のための一般的な手順
N-トリメチルシリル化アミン4a-lは、対応するヘテロ芳香族アミン前駆体(0.5mmol)(使用前に12時間高真空下で乾燥)をニートTMSCN(0.5mL)中で窒素下で撹拌しながら、示された時間、70℃で反応させて調製した。過剰のTMSCNを高真空下で除去し、得られたN-シリル化アミンを精製しないまま、アミド結合形成反応に使用した。各アミンのN-シリル化誘導体への変換率は、CDCl中のH NMR分析により決定した(使用前に塩基性アルミナカラムに通した)。
4-クロロ-N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4a)
Figure 2023506860000012
4-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-アミンから調製。30分間加熱(黄色のオイル、変換率100%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=7.37(d,J=7.7Hz,1H),7.23(d,J=7.8Hz,1H),6.92(t,J=7.7Hz,1H),5.22(s,1H),0.30(s,9H).
6-(トリフルオロメトキシ)-N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4b)
Figure 2023506860000013
14時間加熱、褐色油状液体、変換率95%。
H NMR(CDCN):δ=7.59(d,4J=2.2Hz,1H),7.43(d,3J=8.8Hz,1H),7.16-7.19(dd,3J=8.6Hz,4J=2.4Hz,1H),5.97(s,1H),0.33(s,9H).
6-ニトロ-N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4c)
Figure 2023506860000014
6-ニトロベンゾ[d]チアゾール-2-アミンから調製。12時間加熱、黄色油状液体、変換率100%
H NMR(400MHz,CDCl):δ=8.41(s,1H),8.11(d,J=9.0Hz,1H),7.46(d,J=8.9Hz,1H),5.28(s,1H),0.34(s,9H).
6-クロロ-N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4d)
Figure 2023506860000015
14時間加熱、オフホワイト固体、変換率100%。
H NMR(CDCN):δ=7.62(d,4J=2.2Hz,1H),7.36(d,3J=8.5Hz,1H),7.21-7.24(dd,3J=8.4Hz,4J=2.1Hz,1H),5.94(s,1H),0.32(s,9H).
4,6-ジクロロ-N,N-ビス(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4e)
Figure 2023506860000016
12時間加熱、橙色油状液体、変換率100%
H NMR(400MHz,CDCl):δ=7.36(d,J=2.1Hz,1H),7.24(d,J=2.0Hz,1H),5.16(s,1H),0.31(s,18H).
5-ブロモ-N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4f)
Figure 2023506860000017
14時間加熱、白色固体、変換率95%。
H NMR(CDCN):δ=7.58(d,4J=2.0Hz,1H),7.52(d,3J=8.4Hz,1H),7.18-7.21(dd,3J=8.3Hz,4J=2.0Hz,1H),6.03(s,1H),0.32(s,9H).
N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4g)
Figure 2023506860000018
ベンゾ[d]チアゾール-2-アミンから調製。30分間加熱(黄色油状液体、変換率100%)。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=7.41(s,2H),7.13(s,1H),6.93(s,1H),4.91(s,1H),0.21(s,9H).
6-(トリフルオロメチル)-N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4h)
Figure 2023506860000019
14時間加熱、褐色油状液体、変換率100%。
H NMR(CDCN):δ=7.96(d,4J=1.8Hz,1H),7.54-7.56(dd,3J=8.5Hz,4J=1.8Hz,1H),7.47(d,3J=8.2Hz,1H),6.13(s,1H),0.34(s,9H).
エチル 2-((トリメチルシリル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール-6-カルボキシレート(4i)
Figure 2023506860000020
12時間加熱、褐色固体、変換率100%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=8.22(s,1H),7.92(d,J=7.2Hz,1H),7.46(d,J=7.4Hz,1H),5.29(bs,1H),4.30(bs,2H),1.33(bs,3H),0.31(s,9H).
6-フルオロ-N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4j)
Figure 2023506860000021
14時間加熱、白色固体、変換率95%。
H NMR(CDCN):δ=7.36-7.41(m,2H),7.00-7.05(ddd,3J=9.4Hz,3J=8.9Hz,4J=2.6Hz,1H),5.84(s,1H),0.32(s,9H).
6-ブロモ-N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4k)
Figure 2023506860000022
14時間加熱、白色固体、変換率95%。
H NMR(CDCN):δ=7.75(d,4J=2.0Hz,1H),7.35-7.38(dd,3J=8.3Hz,4J=2.0Hz,1H),7.30(d,3J=8.5Hz,1H),5.95(s,1H),0.32(s,9H).
6-(メチルスルホニル)-N-(トリメチルシリル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(4l)
Figure 2023506860000023
20時間加熱、褐色固体、変換率100%。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=8.10(s,1H),7.75(d,J=8.0Hz,1H),7.55(d,J=8.0Hz,1H),5.42(s,1H),3.01(s,3H),0.32(s,9H).
N-TMSアミン4a-Iと5-ニトロチオフェン-2-カルボニルフルオリド3とのカップリングを介したジ(ヘテロ)アリールアミド5a-lの調製のための一般的手順:
カップリング実験では、4.08mmolの3を含む酸フッ化物3-尿素混合物をMeCN(6mL)に溶解させた。このストック溶液(179mg、1.02mmol、1.28当量の3を含む)のアリコート(1.5mL)を一連の反応容器に加えた。各反応容器にはそれぞれに異なるTMS-アミン4(0.8mmol)が入っている。この直後に、THF中の1M TBAF(10μL、0.01mmol)を各反応容器に添加した。得られた混合物を50℃で12時間撹拌した。反応後、所望のアミド生成物5a-Iが析出し、5bを除き、単純な真空濾過により純品として単離された。
N-(4-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド(5a):
Figure 2023506860000024
N-TMSアミン4aから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5aを黄色固体として得た。40%(108mg、0.32mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.73(s,1H),8.32(d,J=4.2Hz,1H),8.20(d,J=4.2Hz,1H),8.02(d,J=8.0Hz,1H),7.57(d,J=7.8Hz,1H),7.34(t,J=7.9Hz,1H).
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=154.7,133.3,130.6,130.2,126.5,124.9,121.0(5つの炭素が欠如)。
DEPT 135 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.6,130.2,126.5,124.9,121.0
HRMS(HESI):m/z[M-H] calcd for C12ClN: 337.94663;found:337.94647.
5-ニトロ-N-(6-(トリフルオロメトキシ)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(5b)
Figure 2023506860000025
N-TMSアミン4bから。沈殿した生成物をさらにフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH9:1)で精製し、微量不純物を除去した。化合物5bを黄色固体として得た;22%(70mg、0.18mmol)。
H NMR(400MHz,アセトン-d):δ=8.19(d,J=4.2Hz,1H),8.11(d,J=4.3Hz,1H),8.04(s,1H),7.83(d,J=8.8Hz,1H),7.45(d,J=8.8Hz,1H).
13C NMR(100MHz,アセトン-d):δ=162.4,162.3,156.1,146.2,145.7,144.7,133.3,130.7,130.2,121.6(q,J=255.0Hz),121.3,116.0.
19F NMR(400MHz,アセトン-d):δ=-58.86.
5-ニトロ-N-(6-ニトロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(5c):
Figure 2023506860000026
N-TMSアミン4cから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5cを黄色固体として得た。45%(126mg、0.36mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.91(s,1H),9.07(s,1H),8.30(dd,J=2.4,9.0Hz,1H),8.22(m,2H),7.90(dd,J=8.8Hz,1H)。
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=154.6,143.3,130.8,130.2,122.2,119.4,(6つの炭素が欠如)。
DEPT 90 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.8,130.2,122.2,119.4.
HRMS(HESI):m/z[M-H] calcd for C12:348.97068;found:348.97015.
N-(6-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド(5d):
Figure 2023506860000027
N-TMSアミン4dから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5dを黄色固体として得た。80%(218mg、0.64mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.60(s,1H),8.13-8.18(m,3H),7.70-7.72(m,1H),7.50(dd,J=2.21,8.59Hz,1H).
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=154.3,130.3,130.2,128.2,128.0,127.0,121.9,(5つの炭素が欠如)。
DEPT 90 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.3,130.2,127.0,121.9.
N-(4,6-ジクロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド(5e):
Figure 2023506860000028
4eから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5eを緑がかった黄色の固体として得た。70%(210mg、0.56mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.82(s,1H),8.15-8.38(m,3H),7.72(s,1H).
N-(5-ブロモベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド(5f):
Figure 2023506860000029
4fから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5fを黄色固体として得た。54%(164mg,0.43mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.66(s,1H),8.17-8.21(m,2H),8.01(d,J=8.4Hz,1H),7.93(s,1H),7.52(dd,J=2.1,8.5Hz,1H).
13C DEPT90 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.2,126.6,124.0.
N-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド(5g):
Figure 2023506860000030
4gから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5gを黄色固体として得た。55%(133mg、0.44mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.61(s,1H),7.98-8.18(m,3H),7.69(s,1H),7.49(t,J=7.6Hz,1H),7.36(t,J=7.6Hz,1H).
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=154.0,130.2,130.1,126.9,124.1,122.4,(6つの炭素が欠如).
DEPT 135 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.2,130.1,126.8,124.1,122.4.
5-ニトロ-N-(6-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(5h):
Figure 2023506860000031
4hから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5hを黄色固体として得た。60%(180mg、0.48mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.77(s,1H),8.51(s,1H),8.18(d,J=4.2Hz,1H),8.16(bs,1H),7.88(m,1H),7.78(dd,J=8.6,1.7Hz,1H).
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=154.4,130.5,130.2,128.5,125.8,124.5(q,J=270.4Hz),124.2(q,J=32.1Hz),123.4,120.3,(4つの炭素が欠如).
DEPT 90 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.5,130.2,123.4,120.3.
19F NMR(400MHz,DMSO-d):δ=-59.62.
エチル 2-(5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-カルボキシレート(5i):
Figure 2023506860000032
4iから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5iを緑がかった黄色の固体として得た。88%(264mg、0.70mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.72(s,1H),8.60(s,1H),8.00-8.16(m,3H),7.75(m,1H),4.32(q,J=7.1Hz,2H),1.34(t,J=7.1Hz,3H).
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=165.3,154.2,130.4,130.2,127.6,125.3,124.1,60.9,14.2,(6つの炭素が欠如).
DEPT 135 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.4,130.1,127.6,124.1,60.9,14.2.
N-(6-フルオロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド(5j)
Figure 2023506860000033
4jから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5jを黄色固体として得た。79%(205mg、0.63mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.55(s,1H),8.10-8.18(m,2H),7.92(dd,J=2.7,8.7Hz,1H),7.74(bs,1H),7.33(td,J=2.8,9.1Hz,1H).
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=168.3,160.1,157.7,154.3,147.4,130.3,130.2,114.9,114.7,108.5,(2つの炭素が欠如).
DEPT 90 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.3,130.2,114.9,114.7.
19F NMR(400MHz,CDCl):δ=-117.57.
N-(6-ブロモベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド(5k)
Figure 2023506860000034
4kより。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5kを黄色固体として得た。45%(138mg、0.36mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.60(s,1H),8.18-8.28(m,3H),7.60-7.6(m,2H).
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=154.3,130.4,130.2,129.7,124.7,116.1,(6つの炭素が欠如).
DEPT 135 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.3,130.2,129.6,124.7.
N-(6-(メチルスルホニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド(5l-GPS427)
Figure 2023506860000035
4lから。析出した生成物をMeCN、次いでヘキサンで洗浄し、5lを黄色固体として得た。74%(226mg、0.59mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.84(s,1H),8.69(s,1H),8.22(m,2H),8.00(dd,J=1.8,8.5Hz,1H),7.95(d,J=8.2Hz,1H),3.26(s,3H).
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=154.5,135.9,130.6,130.2,125.4,122.5,44.0,(6つの炭素が欠如).
DEPT 135 NMR(100MHz,DMSO-d):δ=130.6,130.2,125.4,122.5.
2.5-トリフルオロメチルチオフェン-2-カルボン酸からのアミド8a-cの調製:目的のアミド8a-cを得るため、化合物5a-iの調製方法を変更し、N-TMSアミン4a、4b及び4hをin situで生成する酸フルオリド7と反応させた。さらに、この「ワンポット」操作では、反応媒体中にCsFが存在するため、カップリング反応を開始するためにTBAFを添加する必要がない。
スキーム2
Figure 2023506860000036
試薬と条件:i))TFFH、CsF、MeCN、室温、12時間;iii)MeCN、TBAF(cat)、50℃、12時間。
N-(4-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボキサミド(8a):
Figure 2023506860000037
MeCN(3mL)中の5-トリフルオロメチルチオフェン-2-カルボン酸6a(115mg、0.6mmol)、TFFH(160mg、0.6mmol)、及びCsF(160mg、1.05mmol)の混合物を室温で12時間攪拌した。in situで生成した酸フッ化物7aを含む混合物に、MeCN(3mL)中のTMS-アミン4a(0.4mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を50℃で48時間撹拌した。その後、減圧下で濃縮し、得られた固体をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(0-100%EtOAc in Hex)に供して、8aを淡いピンクの固体として収率66%で得た(95mg、0.26mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.62(s,1H),8.40(s,1H),8.02(d,J=7.9Hz,1H),7.90(d,J=4.1 Hz, 1 H),7.57(d,J=7.8Hz,1H),7.34(t,J=7.9Hz,1H).
13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=159.7,159.2,145.4,141.2,134.7(q,J=37.8Hz),133.3,131.3,126.4,124.8,124.6,121.9(q,J=271.2Hz),121.0,(1つの炭素が欠如).
DEPT 135 13C NMR(100MHz,DMSO-d):δ=131.3,126.4,124.8,121.0.
19F NMR(400MHz,DMSO-d):δ=-54.73.
N-(6-ニトロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボキサミド(8b):
Figure 2023506860000038
MeCN(3mL)中のカルボン酸6a(115mg、0.6mmol)、TFFH(160mg、0.6mmol)及びCsF(300mg、2.00mmol)の混合物を室温で12時間攪拌した。in situで生成した酸フッ化物7aを含む混合物に、MeCN(3mL)中のTMS-アミン4b(0.4mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を50℃で48時間撹拌した。その後、減圧下で濃縮し、得られた固体をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hex/EtOAc7:3)に供して、8bを淡黄色固体として収率16%で得た(23.5mg、0.06mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.78(s,1H),9.10(s,1H),8.30-8.34(m,2H),7.91-7.94(m,2H).
19F NMR(400MHz,DMSO-d):δ=-54.73.
5-(トリフルオロメチル)-N-(6-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(8c):
Figure 2023506860000039
MeCN(3mL)中のカルボン酸6(115mg、0.6mmol)、TFFH(160mg、0.6mmol)及びCsF(500mg、3.30mmol)の混合物を室温で12時間攪拌した。in situで生成した酸フッ化物を含む混合物に、MeCN(3mL)中のTMS-アミン4h(0.4mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を50℃で48時間撹拌した。その後、減圧下で濃縮し、得られた固体をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 7:3)に供して、8cを淡黄色固体として収率48%で得た(76mg、0.19mmol)。
H NMR(400MHz,アセトン-d):δ=8.43(bs,1H),8.30(dt,J=1.4,4.0Hz,1H),7.93(d,J=8.6Hz,1H),7.79(m,2H).
13C NMR(100MHz,アセトン-d):δ=162.7,161.6,150.9,142.7,136.8(q,J=38.2Hz),133.1,131.5,131.3(q,J=3.6Hz),126.1(q,J=32.7Hz),125.6(q,J=271.2Hz),124.1(q,J=3.1Hz),123.0(q,J=271.2Hz),121.4,120.5(q,J=3.9Hz).
DEPT 135 13C NMR(100MHz,アセトン-d):δ=131.5,131.3(q,J=3.6Hz),124.1(q,J=3.1Hz),121.4,120.5(q,J=3.9Hz).
19F NMR(400MHz、アセトン-d):δ=-56.74,-61.64.
メチル 5-((6-ニトロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバモイル)チオフェン-2-カルボキシラート(8d)
Figure 2023506860000040
MeCN(3mL)中の5-(メトキシカルボニル)チオフェン-2-カルボン酸6b(111.6mg、0.6mmol)、TFFH(160mg、0.6mmol)、及びCsF(160mg、1.05mmol)の混合物を室温で12時間攪拌した。室温でニート4b(0.7mmol)を含む反応容器に、in situで生成した酸フッ化物7b(0.6mmol)を1回で加えた。この直後、THF中の1M TBAF(10μL、0.01mmol)を加えた。反応混合物を50℃で48時間撹拌した。析出した生成物を吸引ろ過で単離し、MeCN及びヘキサンで洗浄した。化合物8dを極淡い緑色固体として得た(195mg、77%)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.68(s,1H),9.09(s,1H),8.30(m,2H),7.91-7.93(m,2H),3.88(s,3H).
5-シアノ-N-(6-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(8e)
Figure 2023506860000041
MeCN(3mL)中のカルボン酸6c(153mg、1.0mmol)、TFFH(264mg、1.0mmol)及びCsF(230mg、1.5mmol)の混合物を室温で24時間攪拌した。in situで生成した酸フッ化物7cを含む混合物に、MeCN(3mL)中のTMS-アミン4c(145mg、0.67mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を50℃で48時間撹拌した。減圧下で濃縮し、得られた固体をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%EtOAc)に供して、8eを白色固体として収率54%で得た(127mg、0.36mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.67(s,1H),8.53(s,1H),8.27(bs,1H),8.09(d,J=3.8Hz,1H),7.90(bs,1H),7.79(dd,J=8.3Hz,1H).
DEPT 135 13C NMR(400MHz,DMSO-d):δ=139.9,131.1,123.3,120.2.
N-(4-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-5-シアノチオフェン-2-カルボキサミド(8f)
Figure 2023506860000042
MeCN(3mL)中のカルボン酸6c(153mg、1.0mmol)、TFFH(264mg、1.0mmol)及びCsF(230mg、1.5mmol)の混合物を室温で24時間攪拌した。in situで生成した酸フッ化物7cを含む混合物に、MeCN(3mL)中のTMS-アミン4a(123mg、0.67mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を50℃で48時間撹拌した。減圧下で濃縮し、得られた固体を、EtOAcを用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに供して、8fを黄色固体として収率56%で得た(120mg、0.375mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.62(s,1H),8.40(d,J=3.4Hz,1H),8.09(d,J=3.8Hz,1H),8.02(d,J=7.8Hz,1H),7.57(d,J=7.8Hz,1H),7.35(dd,J=7.6,8.2Hz,1H).
13C NMR(400MHz,DMSO-d):δ=159.3,159.1,145.3,143.6,139.9,133.2,131.1,126.4,124.8,124.6,120.9,114.1,113.6.
DEPT 135 13C NMR(400MHz,DMSO-d):δ=139.9,131.1,126.4,124.8,120.9.
3.2-トリフルオロメチルチアゾール-5-カルボン酸からのアミド12a-cの調製:
アミド8a-cの調製に用いたプロトコルをさらに用いて、2-トリフルオロメチルチアゾールベースのアミド12a-cにアクセスした。
スキーム3
Figure 2023506860000043
試薬と条件:i)LiOH、THF/HO(5-3)、室温、2.5時間;ii)TFFH、CsF、MeCN、室温、12時間;iii)MeCN、TBAF(cat)、50℃、12時間。
2-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボン酸(10):
Figure 2023506860000044
THF/HO(5-3)(80mL)中のエチルエステル9(0.97g、4.31mmol)及びLiOH(220mg、9.17mmol)の混合物を室温で2.5時間攪拌した。その後、濃塩酸を用いてpH1まで酸性化した。混合物をCHCLで抽出し、水層をCHCL(4X、20mL)で洗浄した。集めた有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、10を黄色固体93%(790mg、4.01mmol)として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.61(s,1H).
13C NMR(400MHz,DMSO-d):δ=161.1,157.5(q,J=40.0Hz),148.3,135.6,119.2(q,J=272.6Hz).
19F NMR(400MHz,DMSO-d):δ=-60.66.
N-(4-クロロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド(12a):
Figure 2023506860000045
MeCN(8mL)中のカルボン酸10(300mg、1.5mmol)、TFFH(400mg、1.5mmol)、及びCsF(340mg、2.25mmol)の混合物を室温で12時間攪拌した。in situで生成した酸フッ化物11を含む混合物に、MeCN(8mL)中のTMS-アミン4a(1mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を50℃で12時間撹拌した。減圧下で濃縮し、得られた固体をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hex/EtOAc 7:3)に供して、12aを白色固体として収率58%で得た(210mg、0.58mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.84(s,1H),9.10(s,1H),8.03(d,J=7.9Hz,1H),7.58(d,J=7.7Hz,1H),7.36(t,J=7.9Hz,1H).
13C NMR(400MHz,DMSO-d):δ=159.0,158.6,158.0(q,J=40.0Hz),146.5,145.3,137.9,133.2,126.5,125.0,124.6,121.0,119.2(q,J=273.3Hz).
DEPT 135 13C NMR(400MHz,DMSO-d):δ=146.5,126.5,125.0,121.1.
19F NMR(400MHz,DMSO-d):δ=-60.57.
N-(6-ニトロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド(12b):
Figure 2023506860000046
MeCN(6mL)中のカルボン酸10(267mg、1.35mmol)、TFFH(362mg、1.37mmol)及びCsF(500mg、3.31mmol)の混合物を室温で27時間攪拌した。in situで生成した酸フッ化物を含む混合物に、MeCN(6mL)中のTMS-アミン4c(0.85mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を50℃で48時間撹拌した。その後、減圧下で濃縮し、12bを純粋な形で黄色固体として収率119%(380mg、1.01mmol)で得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=11.84(s,1H),8.67(d,J=2.5Hz,1H),8.41(s,1H),8.11(dd,J=2.5,8.9Hz,1H),7.55(d,J=8.9Hz,1H).
19F NMR(400MHz,DMSO-d):δ=-60.24
2-(トリフルオロメチル)-N-(6-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(12c):
Figure 2023506860000047
MeCN(6mL)中のカルボン酸10(250mg、1.27mmol)、TFFH(340mg、1.28mmol)及びCsF(600mg、3.95mmol)の混合物を室温で12時間攪拌した。in situで生成した酸フッ化物を含む混合物に、MeCN(6mL)中のTMS-アミン4h(0.85mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を50℃で12時間撹拌した。その後、減圧下で濃縮し、得られた固体をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%EtOAc)に供し、その後、EtOAcで再結晶化し、12cを白色固体として収率55%で得た(184mg、0.46mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=13.87(s,1H),8.95(s,1H),8.52(s,1H),7.89(d,J=8.2Hz,1H),7.78(d,J=8.7Hz,1H).
13C NMR(400MHz,DMSO-d):δ=157.7(q,J=40.1Hz),146.5,138.7,131.1,124.5(q,J=272.7Hz),124.2(q,J=32.1Hz),123.5(2XCH),120.3,119.2(q,J=271.9Hz),(3つの炭素が欠如).
DEPT 135 13C NMR(400MHz,DMSO-d):δ=146.5,123.5,120.3.
19F NMR(400MHz,DMSO-d):δ=-60.59,-59.63.
4.N-(6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド(12d)の調製及びN-(6-アジドベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド(12e)への転化:
Figure 2023506860000048
反応スキーム:試薬と条件:i)SnCl、SnCl、HCl、室温、4時間;ii)NaNO、HCl、NaN、HO、0℃、2時間、室温、1時間。
N-(6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド(12d):
Figure 2023506860000049
N-(6-ニトロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド12b(377mg、1mmol)をDCM中の1M SnCl(1.75mL、1.75mmol)の冷却した溶液及び濃HCl(0.9mL)に添加した。得られた混合物を0℃で10分間撹拌した後、SnCl(682mg、0.5mLの濃HCl中3.6mmol)を0℃で滴下(30分かけて)添加した。得られた混合物を0℃で30分間、次いで室温で45分間攪拌した。その後、反応混合物をEtOで希釈し、濾過した。単離した生成物を短いシリカゲルカラムに通し、100%MeOHを溶出液として使用した。単離した生成物を濃縮後、EtOAcに溶解し、HOで洗浄して、12dを28%の収率で得た(95mg、0.28mmol)。
H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ=8.97(bs,1H),8.03(s,1H),7.83(bs,1H),7.46(dd,J=2.1,8.6Hz,1H)
19F NMR(400MHz,DMSO-d):δ=-60.44
N-(6-アジドベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド(12e)
Figure 2023506860000050
N-(6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(トリフルオロメチル)チアゾール-5-カルボキサミド(12d)(75mg、0.20mmol)を2.36N塩酸(0.7mL)に溶解し、氷浴中で0℃まで冷却した。この攪拌混合物に、水1.1mL中のNaNO(16mg、40mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。その後、反応混合物を酢酸ナトリウムでpH6.0~7.0に徐々に中和した。次に、アジ化ナトリウムの水溶液(水1.1mL中0.26mmol)を徐々に加え、混合物を-5℃で30分間攪拌した。次に反応混合物をEtOAc(4.5mL)で希釈し、EtOAc3x5mLで抽出した。集めた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。単離した粗生成物をカラムクロマトグラフィー(100%EtOAc)で精製し、収率3%(3mg、0.008mmol)で12eを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ=13.68(s,1H),8.94(bs,1H),7.89(s,1H),7.75(bs,1H),7.23(dd,J=2.5,8.6Hz,1H)
19F NMR(400MHz,DMSO-d6):δ=-60.51
実施例1-5350150化合物をベースとした化合物ライブラリの構築と評価。
一般式に当てはまる分子の選択された例としては、以下のようなものがある。
Figure 2023506860000051
5350150の中央の二重結合をアミドに交換することが生物活性に悪影響を及ぼすかどうか、また、もし影響を及ぼすとすれば、右側のどのような代替モチーフが活性を回復するのかを明らかにするため、フッ化アシル-TMSアミン縮合プロトコルを用いて5350150-アミド類似体の探索ライブラリを調製した。
このライブラリの抗HIV活性の予備的評価は、以前述べたように細胞ベースのスクリーニングを用いて行われた(Cheung,Horhantら、2016)。簡単に説明すると、CEM-GXR細胞は、HIV-1感染時にtat依存性プロモーターの活性化によりGFPを発現する不死化CD4+ T-リンパ球系である(Brockman,Tanziら、2006)。レポーターCEM-GXR細胞は、アッセイ開始時(0日目)に1%のHIV-1NL4-3感染(GFP陽性)細胞と同時培養することで感染させた。感染細胞による接種直後に、DMSO中のライブラリからの個々の化合物を、濃度を変えつつ、各マイクロプレートのウェル内の培養物に添加した。ライブラリ化合物の最終濃度は1.25~10μM、DMSOの最終濃度は0.1%未満であった。培養3日目にGFP発現を読み出しとしてフローサイトメトリーにより培養中の感染細胞率を測定した。一連の化合物の選択について決定した結果を図1A及び図1Bに報告する。
図1A及び1Bに示すように、「右側」に官能基化されたベンゾチアゾール-2-アミンモチーフを有する12の5350150アミド類似体について、抗HIV活性が見出された。これらの化合物のうち、5a(GPS389)、5b(GPS426)、5c(GPS428)、5d(GPS475)、5e(GPS476)、5f(GPS478)、及び5h(GPS484)は、一次ライブラリスクリーニングで有意に活性を示した。他の4つのベンゾチアゾール系化合物:無置換ベンゾチアゾール5g(GPS445)、6-フルオロ化合物5j(GPS474)、6-ブロモ化合物5k(GPS473)、及び6-メチルスルホン5i(GPS477)は中程度から弱い抗HIV活性を示した。
CEM-GXR細胞の生存率に対する分子の潜在的な細胞毒性効果は、Guava ViaCountアッセイによって決定した。このアッセイは、DNA結合色素に対する透過性に基づいて生存細胞と非生存細胞を区別して染色し、前方散乱(FSC)特性を利用して遊離核や細胞破片を無傷の細胞から区別して細胞数を定量するものである。CEM-GXR細胞を0.5~100μMの範囲の濃度の化合物と24時間インキュベートした。
6-OCF3化合物5b(GPS426)、5e(GPS476)、5f(GPS478)は予備スクリーニングで5μMで毒性を示したが(データは示さず)、活性型ベンズイソチアゾール化合物5a(GPS389)、5c(GPS428)、5h(GPS484)と他の低活性化合物は毒性が活性を下回り、選択性指数(毒性/活性比)は低いと判断した(データ示さず)。図2は、ベンズイソチアゾール化合物を代表する活性化合物としてのGPS475(5d)(図2A)、GPS477(5i)(図2B)、GPS484(5h)(図2C)、GPS389(5a)(図2D)、GPS428(5c)(図2E)、GPS472(8d)(図2F)、GPS504(8e)(図2G)、及びGPS505(8f)(図2Hを有する5350150アミド類似体のライブラリからの化合物の選択についての抗HIV活性(棒グラフ)及びCEM-GXR細胞に対する細胞毒性(線グラフ)を示す。
チオフェン系5350150アミド類似体の活性/毒性(選択性指数)比を改善するために検討された構造変化には、チオフェン環上のニトロ置換基をR1=H、Me、CF、COH、COMe、及びCNに置き換えることが関与する。C-2置換基がH、Me、及びCF3に対応するチオフェン化合物は、市販のチオフェン-2-カルボン酸、5-メチルチオフェン-2-カルボン酸、及び5-トリフルオロメチルチオフェンカルボン酸からそれぞれ調製した。チオフェン環のC-2にメチルエステル官能基を有する5350150アミド類似体8dは、チオフェン-2,5-ジカルボン酸16をそのジメチルエステル誘導体17に変換した後、加水分解してモノエステル酸中間体18を得た(以下のスキーム5参照)。C-2シアノ置換チオフェン-2-カルボン酸20から化合物8e及び8fにアクセスするために、ペプチドカップリング条件下でアンモニアとの反応によりモノエステル18をアミド19に変換し、POClとの反応によりCONH→CN変換し、その後エステル官能基の加水分解を実施した。
-2CF置換チオフェン類似体8a(GPS440)(4-Clベンゾチアゾールモチーフ)、8b(GPS483)(6-ニトロベンゾチアゾールyニット)及び8c(GPS485)(6-トリフルオロメチルベンゾチアゾールモチーフ)は最も有効であった.しかしながら、チオフェンアナログ8b(GPS483)及び8c(GPS485)は、低マイクロモル濃度で毒性を示した。
スキーム5
Figure 2023506860000052
試薬と条件:i))MeOH-HCl(飽和);ii)NaOHaq().5当量);iii NH、DMF、EDC;POCl、その後NaOHaq。
5350150アミド類似体8a-cのチオフェン環をチアゾールモチーフで、C-2NO2基をR=CF及びCNで置換する検討により、それぞれ化合物12a-f及び13a-dを調製することができた(実施例1)。C-2 CF置換チアゾール化合物12a(GPS488)(4-Clベンゾチアゾールユニット)、12b(GPS506)(6-NO2置換基)、12c(GPS491)(6-CF3置換基)及び12e(GPS519)(6-アジド置換基)はこのシリーズで最も活性な5350150アミド類似体であった。
チアゾール系では、化合物15a-c(実施例1)のように、2-トリフルオロメチルチアゾール環のC-4にぶら下がったCH2OMe側鎖を導入する修飾をさらに検討した。これらの化合物に必要なチアゾール前駆体は市販されており、また代わりに、P.Peveralloらの欧州特許出願第3290417号明細書(2018)に従って調製することができる。
細胞生存率プロファイルに基づき、2つの化合物12a(GPS488)と12c(GPS491)が、より詳細な生物学的研究のための先行リード化合物として選択された。
実施例2:T細胞株及びPBMCにおける野生型HIV株に対するEC50の算出
HIV-1サブタイプの遺伝子変異やそのコアセプターの使用状況により、抗HIV薬の抗ウイルス活性が大きく異なる可能性があることから、化合物GPS488(12a)とGPS491(12c)を異なるHIV-1サブタイプ及びトロピズムを用いたウイルス拡散の抗HIVスクリーンアッセイで評価した。実験では、最終濃度が100nM~10μMのGPS488(12a)とGPS491(12c)の連続希釈液が培養液に含まれ、GraphPad Prism(商標)ソフトウェアによる非線形回帰で半数効果用量(EC50)値を算出した。図3A及び3Bに示すように、化合物GPS488(12a)及びGPS491(12c)は、HIV-1IIIB(サブタイプB、X4-トロピック)、及びHIV-1 97USSN54(サブタイプA、R5-トロピック)のウイルス複製及び細胞間拡散を阻害する用量依存的能力を示し、更に化合物GPS488(12a)のEC50は1290nM(WT-サブタイプB)及び955nM(WTサブタイプA)(図3B)であり、化合物GPS491(12c)のEC50は248nM(WT-サブタイプB)及び176nM(WTサブタイプA)(図3A)であることが示された。なお、これらのアッセイにおいて、化合物GPS491(12c)はGPS488(12a)よりも4.5倍強力であった。これらのEC50値を検証するために、抗HIV薬であるエムトリシタビン(FTC)を陽性対照として抗HIVアッセイに含めた。最終濃度が1nM~10μMのFTCの連続希釈液を試験し、EC50値は33.69nM(WTサブタイプB)及び26.28nM(WTサブタイプA)と測定された。
また、GPS488(12a)及びGPS491(12c)の抗ウイルス活性を、3人の別々のドナーの末梢血単球を使用して評価した。図4A及び図4Bに示すように、GPS491(12c)は、HIV-1Bal株に対して試験した場合に480nM、110nM、及び211nMのEC50値を示し、HIV-1IIIB株に対して試験した場合に655nM、962nM、及び921nMのEC50値を示した。また、GPS488(12a)化合物については、3名のドナーの末梢血単球においてHIV感染性を低下させる能力を、用量濃度を増加させながら試験した。図5A及び図5Bに示すように、GPS488(12a)化合物は、HIV-1Bal株に対して試験した場合に335nM、44nM、200nMのEC50値を示し、HIV-1 IIIB株に対して試験した場合に155nM、4275nM、及び3338nMのEC50値を示した。図6は、末梢血単球アッセイにおいて陽性対照として含まれる抗HIV薬、エムトリシタビン(FTC)のEC50値である。
GPS488(12a)、PS491(12c)、GPS519(12e)が哺乳類細胞に対して何らかの毒性を示すかどうかを調べるため、濃度を上げつつ化合物を処理したPBMCにおいてViaCountアッセイを用いて11日間の細胞生存率が測定された。図7A-7Cに示すように、GPS488(12a)及びGPS491(12c)は、0.1~10μMの範囲で細胞を曝露したときにある程度の細胞毒性を示したが、3つの化合物全てについて1μMで最小限の毒性しか示さず、GPS519(12e)はエムトリシタビン(FTC)コントロールと比較して同じ濃度範囲で最小限の毒性を示した(図7Dにおいて)。
実施例3:抗レトロウイルス療法で現在使用されている4種類の薬剤に耐性を持つHIV株に対するEC50の算出
薬剤耐性株に対する可能性を評価するため、GPS488(12a)及びGPS491(12c)の抗レトロウイルス活性を、現行の4つの主要な薬剤標的カテゴリーのうち少なくとも1つに耐性を持つHIV-1の主要株に対して試験した。(非)ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(N)NRTI(RTI)、プロテアーゼ阻害剤(PI)、インテグラーゼ阻害剤(INI)、及びCCR5共受容体阻害剤(MVC)。
NNRTIとNRTIの両方に対して感受性が大幅に低下した分離株(E00443)に対して、化合物GPS488(12a)とGPS491(12c)を評価した。実際、この分離株は、エファビレンツ(商標)(EFV)とネビラピン(商標)(NVP)に高度な耐性を与える、広く知られているNNRTI耐性変異K103Nを含む様々な変異を保有している。また、このウイルスはNRTI耐性変異D67N、K70R、Y115F、Q151M、M184V、及びK219Qを持っており、ラミブジン(3TC)、アバカビル(商標)(ABC)、ジドブジン(商標)(AZT)、エミトリシタビン(商標)(FTC)に高度な耐性を付与している。この併用療法は、現在最も処方頻度の高い3種類のHIVプロテアーゼ阻害剤のうちの2種類である、アタザナビル(商標)(ATV)及びロピナビル(商標)(LPV)に対する感受性を低下させるものである。アッセイ化合物GPS488(12a)及びGPS491(12c)は活性を維持し、EC50はそれぞれ1157nMと235nMであった(図8A、図9A)。化合物GPS488(12a)及びGPS491(12c)は、G48V及びL90Mの置換を含むPI耐性分離株(2948)に対しても同様に効力を維持した(EC50はそれぞれ1168nM及び230nM)(図8A及び図9A)。
GPS488(12a)及びGPS491(12c)がHIV-1インテグラーゼを標的としているかどうかを確認するため、ラルテグラビル(商標)(RAL)とエルビテグラビル(商標)(EVG)に対する感受性を100倍超低下させるG140S及びQ148H置換を有する臨床分離株(11845INI)について試験し、ドルテグラビル(商標)(DTG)に対して最大10倍感受性が低減した。図8B及び図9Bに示すように、11845臨床分離株に対して、GPS491(12c)は203nMのEC50を示し、GPS488(12a)は951nMのEC50を示した。図8B及び図9Bに示すように、化合物GPS488(12a)及びGPS491(12c)は、侵入阻害剤ベースの薬剤であるマラビロク(商標)(MVC)に耐性を持つHIV-1株に対して活性を保持していた(EC50はそれぞれ969nM及び216nM)。HIV-1BaLのR5株に由来するこのマラビロク耐性バリアントは、エンベロープV3ループ内に5つの変異を有している。A19T、L20F、T22A、E25D、及びI26V。
実施例4:GPS化合物がHIV転写産物のスプライシング及びウイルスタンパク質の翻訳に与える影響。
エンドポイントPCR及び定量的RT-PCRを使用して、図10Aに示すように、プライマー(US、SS及びMS)を使用して、HIV転写物のスプライシングに対する化合物の影響を監視した。図10Bに示すように、様々な濃度のGPS491(12c)(2.5μM、1.0μM、500nM)により、Hela B2細胞においてDoxコントロールと比較してUS及びSS転写レベルが減少した。US及びSS転写物の生成に対する同様の影響は、HeLa rtTA-HV-ΔMls(図10C)においてGPS389(5a)、GPS428(5c)、GPS440(8a)、GPS445(5g)、及びGPS491(12c)で処理した細胞でも観察された。なおGPS431は比較のために不活性化合物として含まれている。次に、Hela B2細胞を用いて、GPS化合物のウイルスタンパク質産生への影響を測定した。図11に示すように、GPS491(12c)の濃度を増加すると、Env、Tat及びGagの発現量の低下が観察された。図12Aは、HIV-1プロウイルスがドキシサイクリンによって発現するGagを有するHeLa細胞株において、化合物濃度の増加でGag発現に影響を与えるGPS化合物の選択を示す。
実施例5:化合物GPS491及びGPS488が宿主タンパク質スプライシング因子の発現/修飾に与える影響
GPS化合物がSRタンパク質の存在量や修飾に影響を与えるかどうかを調べるために、HeLa B2細胞で複数のSRタンパク質のレベルを測定した。簡単に説明すると、DMSO又はGPS491で24時間処理したHeLa rtTA HIVΔmls細胞の細胞溶解物をSDS-PAGEゲルで分画し、ウェスタンブロットで個々の因子を検出した。図13(A)に示すように、GPS491(12c)2.5μMとのインキュベーションによって、SRタンパク質存在量が選択的に変化し、SRSF5及びSRSF9の両方のレベルを1.5倍に増加させる一方で、SRSF4及びSRSF6の存在量はそれぞれ20%及び50%減少した。調査した他のSR/SR関連因子のレベルには、限定的な変化が観察された。しかしながら、SRタンパク質の存在量の変化に加えて、SRSF4のリン酸化の程度が増加したことと一致するSRSF4の移動の変化も確認された。このことが実際に起こっているかどうかを調べるために、SDS-PAGEとウェスタンブロッティングの前に、細胞抽出物をアルカリホスファターゼで処理するか否かを決定した。図13(B)に示されるように、ホスファターゼ(PPase)による処理によって、全てのサンプルについてSRSF4の移動度が増加し、DMSOとGPS491による処理サンプルの間で観察された移動度の差がなくなり、リン酸化度の増加による移動度の変化と一致した。
GPS化合物のSRタンパク質への影響を更に調べるため、GPS488(12a)及びGPS491(12c)がSRタンパク質に誘導されたBcl-x転写物のスプライシングシフトに影響を与えるかどうかを試験した。簡単に言うと、SRSF2、SRSF3、SRSF4、TRA2a、TRA2b、SRSF7、又はSRSF10のいずれかを発現するプラスミドを、X2.13 Bcl-xレポーターミニ遺伝子(図16Aに示す)と共に293細胞へ同時導入し、及びBcl-xL及びBcl-xSスプライスバリアント転写物のレベルは、10μMのGPS488(12a)又はGPS491(12c)化合物、又はDMSO対照のいずれかで24時間処理した後にRT-PCRによって測定された。図16B及び16Cに示すように、SRSF2の存在と組み合わせたGPS488(12a)化合物での処理によって、Bcl-xS転写スプライスバリアントの存在量が増加し、一方、SRSF7タンパク質の存在によって、Bcl-xS転写スプライスバリアントの存在量が減少する。図17A及び図17Bに示すように、トランスフェクトされた293細胞をSRSF10タンパク質と一緒にGPS491(12c)化合物で処理すると、Bcl-x-Sスプライスバリアントが減少した。SRSF10を介したスプライシングに対するGPS491(12c)化合物の効果は、図18に示すように、細胞をGPS491(12c)化合物10μM又は20μMのいずれかで処理した場合、Bcl-Xendoレポーター内で確認された。
SRSF1及びSRSF9タンパク質は、Bcl-xスプライシングをBcl-xL転写バリアントを優先するようにシフトさせることが知られている。図19に示すように、10μMのGPS488(12a)(図19A)又は10μMのGPS491(12c)(図19B)を添加しても、Bcl-xLスプライシングバリアントの生成にいかなる影響も与えなかった。
実施例6:GPS491化合物がアデノウイルスの複製に与える影響。
図14Aに示すように、GPS491(12c)化合物の、A549細胞においてアデノウイルス(Ad5)複製を阻害する能力を試験した。Ad5感染細胞を、濃度を増加させたGPS491(0μM~20μM)に24時間曝露し、その時点で細胞/培地を回収してウイルス力価を測定した。アデノウイルスに対するGPS491(12c)化合物の計算上のIC50は1μMであった。GPS491化合物は、トリパンブルーテスト及びアラマーブルー(Alamar Blue(商標))アッセイで示されるように、24時間にわたってA549細胞株に対して最小限の毒性を示した(図14B)。次に、GPS491(12c)化合物がアデノウイルスのウイルスタンパク質発現に与える影響について検討した。図15に示すように、GPS491(12c)化合物は、ウェスタンブロットで示すように、ヘキソンタンパク質の発現を阻害し、E1Aタンパク質の発現を遅延させた(図15A及び図15C)。免疫蛍光法により、GPS491(12c)は、E1Aウイルスタンパク質及びhexonタンパク質の産生にも影響を及ぼした(図15B)。
E1A発現の変化したパターンが、ウイルスRNAの蓄積又はスプライシングの変化に起因するかどうかを評価するために、RT-PCR分析を行った。E1A転写体は、アデノウイルス感染時に生成される最初のウイルスRNAであり、代替スプライシングにより、図20(A)に示すように、13S、12S、及び9Sの3種類のmRNAに加工されることができる。異なるE1A RNAアイソフォームの存在量はアデノウイルス感染の経過とともに変動し、感染後の初期には13Sと12Sが優勢で、後期には9Sが主要なE1A RNAである。図20(B)に示すように、両濃度のGPS491(12c)化合物による細胞の処理は、9SRNA転写物の生成を好むDMSO対照と比較して、13S RNA転写物の生成を好むE1A転写物スプライシングのシフトを誘導した。24時間にわたるE1A RNAの分析により、GPS491の存在下でE1A RNAの蓄積に著しい変化があることが明らかになった。感染8時間後には、DMSO及びGPS491処理サンプルの両方で13S及び12S RNAが優勢なアイソフォームとなったが、GPS491添加により13S RNAの相対存在量が増加した。感染後には、DMSO処理によりE1A RNAの蓄積は9S RNAにシフトしたが、GPS491処理は13S RNAの優位性を著しく高め、このアイソフォームは感染16時間後までに全E1A RNAの90%以上を占めるようになった。E1A RNAプロセッシングの変化は、E1Aタンパク質の発現速度の変化した動力学を説明できるものの、ヘキソンの消失の根拠は不明なままであった。ヘキソン合成の喪失がウイルスDNA合成の阻害によって説明できるかどうかを判断するために、qPCRを用いてDMSO又はGPS491の存在下でアデノウイルスゲノムの存在量を測定した。図20(C)に示すように、遅れた遺伝子発現の消失と一致して、GPS491添加によりウイルスDNAの蓄積はウイルス添加直後に観測されたものと同レベルまで減少した。まとめると、これらのことから、GPS491は、ウイルスゲノムの複製に不可欠なアデノウイルス遺伝子発現の初期過程に影響を及ぼしていることが示された。
実施例7:コロナウイルスの複製に対するGPS491化合物の影響
GPS491は、HIV-1やアデノウイルスなどの関連性が非常に低いウイルスを抑制できることから、コロナウイルスなど、宿主のRNAスプライシング機構に直接依存しないウイルスに対しても活性を示すのではないかという疑問が生まれた。正鎖RNAウイルスの複製サイクルは細胞質内に限定されているため、細胞内スプライシングに依存することは知られていない。コロナウイルスはGPS491の影響を受けないことを予想した。しかし、予想に反して、GPS491の2種類のヒト季節性コロナウイルス(229E及びOC43)の複製に対する効果は、両ウイルスとも顕著に抑制されることが明らかになった。図21Aに示すように、GPS491(12c)化合物は、Huh7細胞におけるコロナウイルスのアルファ及びベータ属のメンバーの複製を阻害する能力について試験した。Huh7感染細胞を、濃度を増加させたGPS491(0μM~10μM)に24時間曝露した。この時点で細胞を固定し、免疫蛍光法でウイルスタンパク質レベルを検出し、培地を回収してRT-qPCRでウイルス力価を測定した。図21Bに示すように、GPS491(12c)化合物の添加によって、細胞における229Eスパイク(S)/OC43ヌクレオキャプシド(N)タンパク質発現の消失及び培地におけるウイルスゲノムRNA蓄積(ウイルス粒子の形成を示す)の両方によって証明されるように、コロナウイルス複製が著しく減少した。図21C及び図21Dに示すように、用量反応分析により、GPS491は229E及びOC43ウイルスの複製を非常に強力に阻害することが明らかになった。229Eコロナウイルスに対しては、GPS491(12c)化合物のEC50~250nM及び10μMの50%細胞毒性濃度(CC50)がHuh7細胞株で観察された。GPS491化合物は、アラマーブルー(Alamar Blue)アッセイで示されるように、24時間にわたってHuh7細胞株に対して最小限の毒性を示した(図21C)。また、コロナウイルスのSARS-CoV2株によるHuh7細胞への感染も検討した。Huh7細胞にSARS-CoV2を接種時MOI 1で感染させ、1時間の吸着期間を経て、DMSO又はGPS491(12c)化合物をさまざまな濃度(0.1μM~10μM)で添加した新しい培地に置き換えた。感染後2日目に、細胞を固定して染色し、Hoechst(商標)染色で標準化した細胞内SARS-CoV2 N及びSタンパク質の存在を検出し(図21E)、その上の培地を採取してRT-qPCRによるウイルスRNAレベルを検出した(図21F)。GPS491がいくつかのコロナウイルス(229E、OC43、SARS-CoV2)の複製を抑制する能力は、GPS491の影響を受ける宿主細胞成分への依存性の可能性を示唆するものであった。あるいは、証拠の蓄積によって、ウイルスのヌクレオカプシド(N)タンパク質の機能において、SRキナーゼの役割が明らかにされつつある。配列解析の結果、(SRタンパク質と同様に)Nタンパク質内にアルギニン-セリン反復配列が高度に保存された領域があり、宿主キナーゼ(SRPK1、GSK-3)によるそのリン酸化がウイルス複製に必要であることが明らかになった。
本明細書では本発明の種々の実施形態を開示するが、当業者の技術常識に従って本発明の範囲内で多くの翻案や改変を行うことができる。上記改変は、実質的に同様な方法で同様の結果を達成するために、本発明のいずれかの態様の代替として公知の同等物に置き換えることを含む。数値範囲は、範囲の両端の数字を含む。「含む・含有する(comprising)」という語は、非限定的な(open-ended)語であり、「含む(including)」、「~に限定されない」などと実質的に等価な語であり、「含む・含有する(comprises)」も対応する意味を有する。本発明で使用されているように、単数形の形態のa”、“an”及び“the”は、文脈で明らかにそうではないことが述べられていない限り、複数形の支持物をも含む。したがって、例えば「物(“a thing”)」は2以上の物も含む。本明細書の参考文献の引用は、その参考文献が本発明の実施形態に対する先行技術であることを認めるものではない。本発明は、実質的に上で述べたようなものであって、実施例や図面を参照する実施形態や変形を全て含む。
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Claims (20)

  1. 下記式Iの構造を有する化合物。
    Figure 2023506860000053
    式中、
    はS、O、及びN-Jから選択され、
    はS、O、及びN-Jから選択され、
    はCH、N、及びCEから選択され、
    はCH、N、及びCRから選択され、
    はCH、N、及びCRから選択され、
    Eは、置換されていてもよい炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル(ここで、前記アルキル基の1つ以上の炭素がN若しくはO、又はその両方で置換されていてもよい)、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいピリジン、CHOH、CHCHOJ、及びCHCH-Qから選択され、ここで、置換されていてもよいアルキル、アリール及びピリジンは、OH、CH、CHCH、CHCHCH、CHCH(CH)CH、CH(CH)CH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、OCHCH(CH)CH、OCH(CH)CH、CN、F、Cl、Br、I、及びCFで独立に置換された一つ以上のH原子を有しており、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル炭素はN若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、1つ以上のアルキル水素はJ、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、NO、CN、CF、OCF、SONH(J)、SON(J、及びNJで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、J、NO、CF、OCF、CN、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、及びNJで置換されていてもよく、
    Mは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、J10、CHOH、CHCHOH、CN、F、Cl、Br、I、CF、NHCHCHQ、NH(J)、N(J、CHCHOJ、COJ、及びCON(Jで置換されていてもよく、
    Qは
    Figure 2023506860000054
    から選択され、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ、及びNで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルであって、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ及びNで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル水素は、独立にNH又はNH(炭素数2~4の直鎖又は分岐アルキル)、CHCHOH、CHCHOMe、CN、NH、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐のO-アルキル、OH、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、NO、CN、NH、NJ、F、CF、及びOCFから選択され、
    は、炭素数1~4の直鎖又は分岐アルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐O-アルキル、OH、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、NO、CN、NH、NJ、F、CF、及びOCFから選択され、且つ
    10は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐のO-アルキル、OH、CHOH、CN、NH、NJ、及びCFから選択される。
  2. 化合物であって、該化合物は、式IIの構造を有する、化合物。
    Figure 2023506860000055
    式中、
    はS、O、及びN-Jから選択され、
    はS、O、及びN-Jから選択され、
    はCH、N、及びCEから選択され、
    Eは、置換されていてもよい炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル(前記アルキル基は1つ以上の炭素がN若しくはO、又はその両方で置換されていてもよい)、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいピリジン、CHOH、CHCHOJ、及びCHCH-Qから選択され、ここで、置換されていてもよいアルキル、アリール、及びピリジンは、OH、CH、CHCH、CHCHCH、CHCH(CH)CH、CH(CH)CH、OCH、OCHCH、OCHCHCH、OCHCH(CH)CH、OCH(CH)CH、CN、F、Cl、Br、I、及びCFで独立に置換された一つ以上のH原子を有しており、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、1つ以上のアルキル水素はJ、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、NO、CN、CF、OCF、SONH(J)、SON(J、及びNJで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、J、NO、CF、OCF、CN、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、及びNJで置換されていてもよく、
    Mは、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上のアルキル炭素は、N若しくはO、又はその両方で置換されていてもよく、ここで1つ以上のアルキル水素は、J10、CHOH、CHCHOH、CN、F、Cl、Br、I、CF、NHCHCHQ、NH(J)、N(J、CHCHOJ、COJ、及びCON(Jで置換されていてもよく、
    Qは
    Figure 2023506860000056
    から選択され、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上の炭素はN若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、n、及びNで置換されており、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルであって、1つ以上の炭素はN若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ、及びNで置換されており、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上の炭素はN若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ、及びNで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択され、ここで1つ以上の炭素は、N若しくはO、又はその両方、CHOH、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、SON(J、NJ、及びNで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選ばれ、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選ばれ、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選ばれ、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選ばれ、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選ばれ、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選ばれ、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、H、炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキル、CHCHOH、CHCHOMe、CN、及びCFから選ばれ、ここで1つ以上のアルキル水素はNH、NHJ10、Q、OCF、及びCFで置換されていてもよく、
    は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐のO-アルキル、OH、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、NO、CN、NH、NJ、F、CF、及びOCFから選択され、
    は、炭素数1~4の直鎖又は分岐アルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐O-アルキル、OH、CHOH、CHOJ、CHCHOJ、CHCH-Q、CO、CONH(J)、CON(J、SONH(J)、SON(J、NO、CN、NH、NJ、F、CF、及びOCFから選択され、且つ
    10は、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル、炭素数1~4の直鎖又は分岐のO-アルキル、OH、CHOH、CN、NH、NJ、及びCFから選択される。
  3. 請求項1又は2に記載の化合物であって
    はS及びOから選択され、
    はS及びOから選択され、且つ
    はCH及びNから選択される、化合物。
  4. 請求項1、2、又は3記載の化合物であって
    は、H又は炭素数1~6の直鎖、分岐又は環状のアルキルから選択され、
    は、H、NO、CFCN、又は炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキルから選択される、化合物。
  5. MがH又はCHから選択される請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物であって、
    は、H、CH、CO、CON(J、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、SO、及びNから選択され、
    はH、CH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択され、
    はH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択され、且つ
    はH、炭素数1~6の直鎖、分岐、又は環状のアルキル、CHOH、NO、CN、F、Cl、Br、I、CF、OCF、及びNから選択される、化合物。
  7. 前記化合物は、
    Figure 2023506860000057
    のうち1以上から選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 前記化合物は、
    Figure 2023506860000058
    のうち1以上から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 前記化合物は
    Figure 2023506860000059
    である、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含有する、ウイルス感染を治療するための医薬組成物。
  11. 前記ウイルス感染は、HIV及びアデノウイルスのうち1以上から選択される請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 前記ウイルス感染がコロナウイルス感染である、請求項10に記載の医薬組成物。
  13. ウイルス感染を治療するための、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  14. ウイルス感染を治療するための医薬の製造における、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  15. 前記ウイルス感染は、HIV及びアデノウイルスのうち1以上から選択される請求項13又は14に記載の使用。
  16. 前記ウイルス感染がコロナウイルス感染である、請求項13又は14記載の使用。
  17. ウイルス感染を治療する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬組成物を投与することを含む、方法。
  18. 前記ウイルス感染は、HIV及びアデノウイルスのうち1以上から選択される請求項16に記載の方法。
  19. 前記ウイルス感染がコロナウイルス感染である、請求項17に記載の方法。
  20. それを必要とする対象におけるウイルス感染の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。

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