JP2023505597A - ザクロおよびシャクヤクの抽出物を含む化粧品組成物 - Google Patents

ザクロおよびシャクヤクの抽出物を含む化粧品組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、生理学的に許容できる媒体中に、ザクロの抽出物およびシャクヤク抽出物を含む化粧品組成物に関する。

Description

本発明は化粧分野に関する。特に、ザクロの油性抽出物およびシャクヤクの油性抽出物の特定の混合物であって、ケラチン物質の表面の快適さ、軟化および水分補給を改善すること、皮膚および/または唇、特に唇のボリュームおよび堅さの喪失を防止および/または低減すること、を目的とする混合物に関する。
(先行技術)
皮膚は、環境に対する身体の第一の保護バリアーである。したがって、皮膚および唇は、皮膚バリアーを弱くし、皮膚および唇の脱水を促進し、その美的外観を劣化させる可能性のある外的または内的原因の因子に日々さらされている。
顔の皮膚、ひいては唇は、水分の喪失に最も敏感な体の一部である。皮膚および唇の良好な水分補給は、特に触覚感度に影響を与える快適さのために不可欠である(Effect of hydration on the tactile and thermal sensitivity of the lip, S. Guest, Physiology & Behavior 123 (2014), 127-135)。
したがって、皮膚および/または唇に栄養補給し、水分補給し、皮膚のバリアーを回復させることができ、それによって皮膚が日々露出されている有害な影響を防止および/または低減することができる、新規の剤を見出すことが常に求められている。
意外にも、本出願人は、ザクロ抽出物およびシャクヤク抽出物、特にザクロの花の油性抽出物およびシャクヤクの花の油性抽出物を組み合わせた抽出物の混合物におけるインビトロ効果を見出した。具体的には、この植物抽出物の混合物は、皮膚のバリアーの水分補給、堅さおよび強化に関連する機能を有するいくつかの遺伝子の発現を調節することを可能にする。したがって、これらの抽出物の混合物を化粧品の活性成分として使用して、ケラチン物質、好ましくは皮膚および/または唇の水分補給および/または栄養補給を促進および/または刺激すること、および/または、皮膚または/または唇の、ボリュームの喪失、堅さの喪失、弾性の喪失、皮膚厚さの低下および/またはバリアー機能の劣化を防止および/または低減することが想定される。
本発明の第一の主題は、生理学的に許容できる媒体中に、ザクロの抽出物およびシャクヤクの抽出物、好ましくはザクロの花の抽出物およびシャクヤクの花の抽出物を含む化粧品組成物に関する。
本発明はさらに、ケラチン物質、特に皮膚および/または唇のケアおよび/またはメイクアップのための化粧方法であって、本発明の化粧品組成物を少なくとも一つの層で該ケラチン物質に適用することを含む方法に関する。
本発明における「ケラチン物質」とは、皮膚および/またはその付属器ならびに唇を意味する。特に、顔、首および/または体、ならびに唇の皮膚に関するものである。
本発明の化粧方法は、特に、ケラチン物質、好ましくは皮膚および/または唇の水分補給および/または栄養補給を促進および/または刺激すること、および/または、皮膚および/または唇の、ボリュームの喪失、堅さの喪失、弾性の喪失、皮膚厚さの低下および/またはバリアー機能の劣化を防止および/または低減すること、を目的とする。
本発明はさらに、本発明の植物抽出物の混合物、特にホホバ油中のザクロの花の抽出物および甘アーモンド油中のシャクヤクの花の抽出物の少なくとも一つの混合物の、活性成分の混合物としての化粧品的使用であって、ケラチン物質、好ましくは皮膚および/または唇の水分補給および/または栄養補給を促進および/または刺激する、および/または、皮膚および/または唇の、ボリュームの喪失、堅さの喪失、弾性の喪失、厚さの低下ならびにバリアー機能の劣化を防止および/または低減する使用に関する。
図1は、対照条件下または本発明の抽出物の存在下でのアクアポリン3(AQP3)の発現(染色強度/細胞)を例示するグラフである。
図2は、対照条件下または本発明の抽出物の存在下でのナイドジェンの発現(染色強度/細胞)を例示するグラフである。
図3は、対照条件下または本発明の抽出物の存在下でのプロコラーゲン1の発現(染色強度/細胞)を例示するグラフである。
図4は、対照条件下または本発明の抽出物の存在下でのフィブロネクチンの発現(染色強度/細胞)を例示するグラフである。
(本発明の詳細な説明)
本発明の植物抽出物
一態様において、本発明は、植物抽出物の混合物、特に、ザクロの抽出物およびシャクヤクの抽出物の混合物に関する。
植物「抽出物」とは、一般的に、植物原料物質から抽出することによって得られる、自然に先在しない単離された物質を意味する。
本発明による植物抽出物は、溶液または濃縮物の形態で化粧品組成物に使用され、別称「該抽出物を含む製品」と称され、該濃縮物の溶媒は、抽出溶媒および/または追加溶媒であるかもしれない。したがって、組成物の例で例示される抽出物は、溶液の形態である。また、製品または各抽出物を含有する製品という用語が使用されるが、該製品のいくつかは市販品である。
当業者には、一般的に、植物または植物界により、化粧品上重要な多くの物質を生成できることが知られている。使用される植物または花の種類に応じて、これらの重要な物質は、該植物の異なる部分または異なる器官、特に種子、根、球根、茎、葉、花弁、花、花頭(flowering head)ひいては植物全体において見出すことができる。一つの同じ植物、または1つの同じ花の場合、異なる抽出物、特に種子、根、球根、茎、葉、花弁、花、花頭からの抽出物は、活性分子の異なる組成を有し、したがって相補的で均一な相乗的な化粧的性質を有する。
本発明において、該混合物は、各植物抽出物が、種子、根、球根、茎、葉、花弁、花、花頭、植物全体、およびこれらの混合物からなる群から選択される該植物の一部分から得られることを特徴とする。
特定の一実施態様において、各植物抽出物は、花弁、花、花頭およびこれらの混合物からなる群から選択される該植物の一部分から得られ、好ましくは、本発明の植物抽出物は、花および/または花弁から得られる。
したがって、好ましい一実施態様によれば、本発明はザクロの花の抽出物およびシャクヤクの花の抽出物の混合物に関する。
特定の好ましい一実施態様において、本発明の各植物抽出物は、「油性抽出物」である。本発明における「油性抽出物」とは、非揮発性化合物を含む抽出物を意味する。したがって、本発明の植物抽出物は、揮発性化合物からなる「精油」とは異なる。精油は、植物材料物質から揮発性分子(例えば、テルペノイド、芳香族分子)を抽出または蒸留することによって得られるものである。
植物原料物質を抽出するための多数の方法が先行技術において知られており、当業者は、本発明の植物抽出物を調製するために、これらの既知の方法を容易に実施し、または必要に応じて適応することができる。それにもかかわらず、本発明の植物抽出物は、好ましくは、グリーン抽出法を用いて得られる。
「グリーン抽出」とは、省エネルギーであるが、代替溶媒や再生可能な植物資源を使用し、安全で高品質な製品/抽出物を保証することを可能にする抽出方法を意味する。グリーン抽出は、六つの主要な原則を優先する(Farid Chemat, Dunod, 2010, Eco-Extraction du vegetal):
-品種の選択および再生可能な植物資源の使用によるイノベーションの促進。
-グリーン溶媒と称される、主に農業資源に由来する代替溶媒を優先すること;
-革新的な技術の補助による省エネ、およびエネルギー回収の促進。
-バイオとアグリ精製を統合するための、廃棄物の代わりに副産物を産生すること。
-技術革新による単位操作の削減、および安全で堅牢な制御されたプロセスの促進。
-汚染物質を含まない非変性で生分解性の製品で、特に「グリーン抽出物」の価値を示すものを優先すること。
グリーン溶媒として、水または植物油を使用するのが有利である。
特定の一実施態様において、本発明は、ザクロの花の油性抽出物およびシャクヤクの花の油性抽出物の混合物に関し、該油性抽出物は、好ましくは、上記の抽出方法の手段によって得られる。
ザクロ抽出物
本発明では、ザクロ抽出物、好ましくは、西アジア起源で熱帯・亜熱帯地域で栽培されるリトラセア(Lythraceae)ファミリーの果樹であるプニカ・グラナツム(Punica granatum)種からのザクロ抽出物を使用する。
本発明の文脈において、植物抽出物を得るために使用されるザクロは、好ましくはモロッコ産のものである。
本発明の文脈において、ザクロ植物抽出物は、種子、根、球根、茎、葉、花弁、花、花頭、植物全体、およびこれらの混合物からなる群から選択される該植物の一部分から得られる。好ましい一実施態様において、プニカ・グラナツム(Punica granatum)である該ザクロ抽出物は、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient):プニカ・グラナツム(Punica granatum)の花の抽出物を有する、花の抽出物である。
特定の一実施態様において、該ザクロ抽出物は、特に欧州特許EP2413706(B1)に記載されている特許取得済みのオレオ・エコ抽出プロセス(Oleo-eco-extraction process)による油抽出を介して得られる。有利なことに、このプロセスは、有機溶媒を使用せず、化学変換することなく、天然脂肪物質、特に植物油またはワックス、好ましくはホホバワックスを用いて、ザクロの花に含有されている天然の非揮発性化合物の抽出を可能にする。
したがって、特定の一好ましい実施態様において、本発明で使用される該ザクロ抽出物は、少なくとも以下の工程を含む抽出方法で得られるものである:
a)固体原料物質、好ましくはザクロの花を分散可能な形態で、天然脂肪物質、好ましくはホホバワックスと、該脂肪物質の融点よりも高い温度で、酸素を含まないまたは本質的に含まない雰囲気で混合および含浸させること;
b)マイクロ波を用いて10分またはそれ以下の時間、酸素を含まないか本質的に含まない雰囲気で、80~200℃の温度に加熱すること。
c)マイクロ波を用いて、脂肪物質の融点より高い温度で、酸素を含まないまたは本質的に含まない雰囲気で、抽出される材料物質を微分散させ、場合により上記の天然脂肪物質中の原料の細胞を破壊すること、工程c)は、工程b)の前、間または後に実施することが可能である。
この特定の実施態様において、ザクロの花は予め粉砕され、好ましくは低温、例えば-20~-80℃で粉砕される。低温での粉砕は、有利には植物材料物質に含有される活性分子の保存を可能にする。
したがって、本発明に使用される該ザクロ抽出物は、好ましくはザクロの花の油性抽出物であり、さらに好ましくはホホバワックス中のザクロの花の抽出物である。
このザクロの油性抽出物は、化粧品的使用に有利な特性を有している。ザクロの花は、ポリフェノール、特にエラグ酸およびアントシアニン(抗酸化分子)を多く含んでいる。また、液体のホホバワックスは皮膚の皮脂に近い組成を有し、98%が表皮細胞間セメントの脂質に強い親和性を有するC20:1エステルからなる。
したがって、ホホバワックス中のザクロの花の抽出物を使用することは、この抽出物が特に、水分補給を促進し、軟化し、皮膚の再構築特性(堅さ、弾性)に関与することから、本発明の化粧方法を実施するのに特に有利である。
好ましい一実施態様において、本発明で使用されるザクロ抽出物は、Oleosによって商品名「Plump Oleoactif(登録商標)」で販売されている製品である。「Plump Oleoactif(登録商標)」製品は、国際INCI命名法おいて、シンモンドシア・キネンシス(ホホバ)種子油(および)プニカ・グラナツムの花の抽出物(および)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3(Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil (and) Punica Granatum Flower Extract (and) Polyglyceryl-3 Diisostearate)として言及されている。
ザクロ抽出物は、本発明の化粧品組成物中に、所望の効果を得るための有効量で含有される。
特に、該ザクロ抽出物、好ましくは商品名「Plump Oleoactif(登録商標)」で販売されている製品は、組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%、特に0.0005重量%~5重量%、好ましくは0.001重量%~1重量%、より好ましくは0.005重量%~0.5重量%、さらに好ましくは0.01重量%~0.4重量%、ひいては0.05重量%~0.3重量%の範囲の原料物質(製品の重量)としての含有量で含まれる。
シャクヤク抽出物
本発明では、シャクヤク抽出物、好ましくは、南・中央ヨーロッパ起源の草本植物であるパエオニア・オフィキナリス(Paeonia officinalis)種由来の、薬効のあるシャクヤクの抽出物を使用する。
本発明の文脈において、植物抽出物を得るために使用されるシャクヤクは、好ましくはフランス起源のものである。
本発明の文脈において、シャクヤク植物抽出物は、種子、根、球根、茎、葉、花弁、花、花頭、植物全体、およびこれらの混合物からなる群から選択される該植物の一部分から得られる。好ましい一実施態様において、パエオニア・オフィキナリス(Paeonia officinalis)からの該シャクヤク抽出物は、花抽出物(INCI名:パエオニア・オフィキナリス(Paeonia officinalis)の花の抽出物)である。
特定の一実施態様において、該シャクヤク抽出物は、甘アーモンド油中での浸軟によって得られる。
特定の一実施態様において、該甘アーモンド油は、以下の工程を含む方法で得られる:
a)甘アーモンドを冷却圧縮すること;
b)バージン油(virgin oil)を中性の土壌の上で脱色させること;および
c)バージン油を蒸気脱臭すること。
工程c)の後、得られる甘アーモンド油は、精製された甘アーモンド油である。
したがって、特定の好ましい一実施態様において、本発明で使用される該シャクヤク抽出物は、以下の工程を含む抽出方法で得られる:
a)甘アーモンドを冷却圧縮すること;
b)バージン油(virgin oil)を中性の土壌の上で脱色させること;
c)バージン油を蒸気脱臭すること、および
d)シャクヤク植物材料物質を、工程c)で得られた精製された甘アーモンド油中に浸軟させること。
特定の一実施態様において、植物材料物質、好ましくは花、より好ましくはシャクヤクの花弁は、該甘アーモンド油中に浸漬させる前には乾燥させたままにする。
したがって、本発明で使用される該シャクヤク抽出物は、好ましくはシャクヤクの花の油性抽出物であり、より好ましくは甘アーモンド油中のシャクヤクの花の抽出物である。
有利には、甘アーモンド油はフランス薬局方にて言及されており、本発明の化粧品組成物に使用することができる。さらに、甘アーモンド油は、化粧品的使用に有利な特性を有する。伝統的に、皮膚を柔らかくするために使用される甘アーモンド油は、鎮静特性を有する。
甘アーモンド油は、特にオメガ-6含有量が高い。これらの脂肪酸は、皮膚細胞膜の変わりやすさに関与していることで、健康な皮膚を維持するために不可欠である。甘アーモンド油は、再構築および保護効果で知られているリノール酸(C18:2n-6)も高く、この脂肪酸はセラミドの組成に含まれており、皮膚バリアーを保護することを強化する方向に貢献している。しかし、皮膚におけるリノール酸の存在は、年齢とともに大きく減少することが知られている(Hayashi 2003)。甘アーモンド油はまた、オメガ-9含有量、特にオレイン酸(C18 :1 n-9)が高い。これらのオメガ-9は、栄養補給の性質で知られており、したがって、乾燥皮膚や損傷皮膚、特に唇に使用すると、皮膚表面に膜形成バリアーを作ることで、水分の蒸発に対抗するといった特定の利点がある。皮膚のオレイン酸はまた、年齢とともに少なくっていく。
したがって、甘アーモンド油中のシャクヤクの花の抽出物を使用することにより、本発明の化粧方法における使用に特定の利点があり、この抽出物により、特に皮膚および/または唇の水分補給および栄養補給ならびに皮膚バリアーを促進する。
好ましい一実施態様において、本発明に使用されるシャクヤク抽出物は、Greentechにより商品名「Pivoine de France extrait huileux (amande douce raffinee)」で販売されている製品である。この製品は、国際INCI命名法において、プルヌス・アミグダルス・ズルシス(甘アーモンド)油(および)パエオニア・オフィキナリスの花の抽出物(Prunus Amygdalus dulcis (sweet almond) oil (and) Paeonia officinalis flower extract)として言及されている。
シャクヤク抽出物は、本発明の化粧品組成物中に、所望の効果を得るための有効量で含有される。
特に、該シャクヤク抽出物は、好ましくは、商品名「Pivoine de France extrait huileux (amande douce raffinee)」で販売されている製品は、組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%、特に0.0005重量%~5重量%、好ましくは0.001重量%~1重量%、より好ましくは0.005重量%~0.5重量%;さらに好ましくは0.01重量%~0.4重量%、ひいては0.05重量%~0.3重量%の範囲の原料物質(製品の重量)としての含有量で含まれる。
本発明の化粧品的ガレノス組成物
本発明において、この抽出物の混合物は、特に、化粧品組成物の調製に使用される。
したがって、一態様において、本発明は、生理学的に許容できる媒体中に、ザクロ抽出物およびシャクヤク抽出物を含む化粧品組成物に関する。
「生理学的に許容できる」または「化粧品的に許容できる」とは、組成物が、哺乳類の皮膚および/または唇、より詳細にはヒトの皮膚および/または唇、好ましくは唇と接触する局所使用に適していることを意味する。
好ましい一実施態様において、該ザクロ抽出物は、ザクロの花の抽出物であり、より好ましくはザクロの花の油性抽出物である。
別の好ましい実施態様において、該シャクヤク抽出物は、シャクヤクの花の抽出物であり、より好ましくはシャクヤクの花の油性抽出物である。
好ましい一実施態様において、該ザクロ抽出物および該シャクヤク抽出物は、上記の抽出方法で調製される。好ましくは、該ザクロの花の油性抽出物は、ホホバ油中で抽出される。同様に好ましくは、該シャクヤクの花の油性抽出物は、甘アーモンド油中で抽出される。
いくつかの特定の実施態様において、該化粧品組成物はさらにシアバター(Butyrospermum parkii)を含む。
シアバターは、本発明の化粧方法において十分に有利な特性を有する。このバターは、本発明の化粧品組成物に含有される場合、唇の皮膚に栄養補給・保護する方向に貢献し、これにより皮膚の再生を促進し、皮膚の乾燥から保護する。したがって、シアバターは、皮膚または唇に、悪天、寒さ、風または太陽のような外因性攻撃に対する保護を提供する。
好ましくは、本発明の化粧品組成物に使用されるシアバターは、環境への影響のない自然なプロセスで得られ、溶媒や保存剤を含まないものである。また、好ましくは、本発明の化粧品組成物に使用されるシアバターは、不ケン化物画分が豊富なバターである。
「不けん化画分」とは、鹸化後に得られる非グリセリド、水不溶性画分を意味する。不けん化画分は、植物油に小さい割合で含有されており、特にポリフェノール、フィトステロール、鉱物、ビタミン、および他の抗酸化酵素が豊富である。
本発明において、不けん化画分が豊富なシアバターは、好ましくは、超臨界CO2技術で得られる。
したがって、最も好ましい一実施態様において、本発明は、生理学的に許容できる媒体中に、
a.ホホバ油中のザクロの花の抽出物、好ましくはホホバ油中のプニカ・グラナツム(Punica granatum)の花の抽出物;
b.甘アーモンド油中のシャクヤクの花の抽出物、好ましくは甘アーモンド油中のパエノニア・オフィシナリス(Paenonia officinalis)の花の抽出物;および
c.場合により、シアバター、
を含む化粧品組成物に関する。
好ましい一実施態様において、本発明の組成物は、
-ザクロの花の油性抽出物、特に、Oleosにより商品名「Plump Oleoactif(登録商法)」(INCI名:シンモンドシア・キネンシス(ホホバ)種子油(および)プニカ・グラナツムの花の抽出物(および)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3)で販売されている抽出物;および
-シャクヤクの花の油性抽出物、特に、Greentechにより商品名「Pivoine de France extrait huileux (amande douce raffinee)」(INCI名:プルヌス・アミグダルス・ズルシス(甘アーモンド)油(および)パエオニア・オフィキナリスの花の抽出物)で販売されている抽出物、を含む。
本発明において、ザクロの油性抽出物およびシャクヤクの油性抽出物は、所望の効果を得るための有効量で使用される。これらは、好ましくは、混合物に使用され、ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、好ましくは唇への局所適用に適合した化粧品組成物に組み込まれる。
特定の一実施態様において、ザクロの油性抽出物およびシャクヤクの油性抽出物は、好ましくは混合物に使用され、それぞれ化粧品組成物中に組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%、好ましくは0.0005重量%~5重量%、より好ましくは0.001重量%~1重量%の範囲の原料物質としての含有量で含まれる。
特定の好ましい一実施態様において、各抽出物は、組成物中に組成物総重量に対して0.1重量%~1重量%、より好ましくは0.2重量%~0.5重量%の範囲の量で含有される。
好ましい一実施態様において、本発明の組成物は、
-ザクロの花の油性抽出物、特に、Oleosにより商品名「Plump Oleoactif(登録商標)」(INCI名:シンモンドシア・キネンシス(ホホバ)種子油(および)プニカ・グラナツムの花の抽出物(および)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3)で販売されている抽出物(組成物の総重量に対して0.001重量%~1重量%、好ましくは0.1重量%~1重量%、より好ましくは0.2重量%~0.5重量%の範囲の量)、および
-シャクヤクの花の油性抽出物、特に、Greentechにより商品名「Pivoine de France extrait huileux (amande douce raffinee)」(INCI名:プルヌス・アミグダルス・ズルシス(甘アーモンド)油(および)パエオニア・オフィキナリスの花の抽出物)で販売されている抽出物(組成物の総重量に対して0.001重量%~1重量%、好ましくは0.1重量%~1重量%、より好ましくは0.2重量%~0.5重量%の範囲の量)、を含む。
好ましい一実施態様において、本発明の化粧品組成物は、ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、特に唇のためのケアおよび/またはメイクアップ組成物である。
本発明の化粧品組成物は、局所適用のための組成物を得るために、少なくとも一つのザクロ抽出物、少なくとも一つのシャクヤク抽出物、場合によりシアバター、およびさらに当業者に知られている一つまたはそれ以上の化粧品的に許容できる賦形剤を含む。
したがって、本発明はまた、唇および/または皮膚のための局所用組成物の形態、特にリップバーム、スティック、リップワニス(lip varnish)、クリーム、水中油型もしくは油中水型のエマルジョンまたは複合エマルジョン、溶液、懸濁液、ゲル、乳液(milk)、ローションまたはセラム(serum)の形態の化粧品組成物に関する。
好ましい一実施態様において、該組成物は、リップバーム、スティックまたはリップワニス(lip varnish)の形態である。
別の好ましい実施態様において、該組成物は、皮膚クリームまたはオイルの形態である。
本発明の組成物はまた、抗酸化剤、エモリエント剤、水分補給剤(hydrating agent)、抗老化剤、香料、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの化粧品添加剤を含み得る。
本発明の組成物に有利に使用される化粧品添加剤は、組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%、好ましくは0.001重量%~5重量%の範囲(の原料物質)の量で含有され得る。
組成物の種類に応じて、ポリマー、界面活性剤、レオロジー剤(rheological agent)、香料、電解質、pH調整剤、防腐剤、着色剤、真珠光沢剤、顔料およびこれらの混合物の中から一つまたはそれ以上の化粧品的に許容できる賦形剤を選択することも可能である。
当業者は、所望のガレノスの形態に応じて、水相および/または脂肪相の種類および含有量を適合させることができる。
一実施態様において、本発明の組成物は無水組成物である。
「無水」とは、特に、組成物に水がむしろ意図的に添加されていないが、組成物に使用されるさまざまな化合物中に微量な状態で水は存在し得ることを意味する。特に、本発明の組成物は、該組成物の総重量に対して4重量%未満、好ましくは3重量%未満、より好ましくは2重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは0.5重量%未満を含み、ひいては水を完全に含まない。
別の実施態様において、本発明の組成物は水相を含む。
水相は、存在する場合、一般的に該組成物の総重量に対して1重量%~99重量%を示す。脂肪相または油相は、一般的に該組成物の総重量に対して0.2重量%~45重量%、好ましくは0.5重量%~30重量%、より好ましくは2重量%~25重量%の範囲である。
水相
いくつかの実施態様において、本発明の化粧品組成物は水相を含む。本発明の組成物の水相は、水、場合により水溶性溶媒を含む。
本発明による「水溶性溶媒」とは、環境温度で液体であり、水混和性(25℃、大気圧で50重量%を超える水との混和)である化合物を意味する。特定の言及として、
- 低級C1-C5モノ-アルコール、例えばエタノール、イソプロパノールおよびこれらの混合物;
- C2-C8グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびこれらの混合物;
- C2-C32ポリオール、例えばポリグリセロール、ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物;
- およびこれらの混合物、が挙げられる。
また、親水性ゲル化剤、抗酸化剤、防腐剤およびこれらの混合物を含む。
「親水性ゲル化剤」としては、特定の言及として、アクリル酸のポリマー、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、カルボキシビニルのポリマー、アクリル系またはポリウレタン系の会合性増粘剤、多糖類ゲル化剤、天然または変性のゴム、鉱物ゲル化剤およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の化粧品組成物中の親水性ゲル化剤(複数可)含有量は、一般的に該組成物の総重量に対して0.01重量%~5重量%、特に0.1重量%~4重量%、好ましくは0.2重量%~3重量%、より好ましくは0.5重量%~2重量%の範囲である。
脂肪相または油相
いくつかの実施態様において、本発明の化粧品組成物は、脂肪相(固体脂肪物質)または油相を含む。
「油相」とは、互いに混和可能であっても不可能であってもよい、油または油の混合物を意味する。
本発明において、「油」とは、水溶性でなく、25℃、大気圧で液体の脂肪性物質を意味する。
これらの油は、揮発性または不揮発性、植物性、鉱物性、または合成品であり得る。
本発明における「揮発性油」とは、以下に示す基準のうち少なくとも一つで定義される揮発性を有する油を意味する。
本発明における揮発性は、例えば、25℃で経験的な方法で測定可能で、2.6Pa~40 000Pa、例えば5Pa~20 000Pa、10Pa~8 000Pa、ひいては15~150Paの値を有する蒸気圧により定義することができる。蒸気圧は、対象となる化合物に最適な方法の一つ、特に「OECD Guidelines for the Testing of Chemicals - Vapour pressure」(n°104 agreed on 23 March 2006)で推奨されている方法に従って測定されるものとする。あるいは、揮発性油は、250℃より低い、好ましくは230℃より低い、より好ましくは150℃~220℃の気圧における沸点を有するものを選択することができる。最後に、揮発性油は、35℃~100℃、好ましくは40℃~80℃の範囲の引火点を有する油として定義することができる。
本発明における「非揮発性油」とは、上記に定義される揮発性の基準を満たさない油、特に25℃において経験的方法で測定可能な蒸気圧が2.6Paより低く、好ましくは上記の方法で測定した0.13Paより低い油を意味する。
本発明の油相は、天然由来の油、炭化水素油、ケイ素含有油、およびこれらの混合物を含み得る。
これらの油性化合物は、揮発性または不揮発性、30℃において液体または固体、植物性、鉱物性または合成性であり得る。
本発明における「天然由来の油」とは、植物、根、葉または果実から抽出され、場合によりエステル化より転換される植物油を意味する。
本発明における「炭化水素油」とは、主に水素原子および炭素原子を含有する油性化合物を意味する。
炭化水素系非揮発性油性化合物として、特に、炭化水素油、植物由来の炭化水素油、C10-C40合成エーテル、C10-C40合成エステル、C12-C26脂肪アルコール、C12-C22高級脂肪酸、およびこれらの混合物について言及することができる。
本発明における「ケイ素含有油」とは、少なくとも一つのケイ素原子、特に、少なくとも一つのSi-O基を含有する油を意味する。
脂肪相または油相はまた、ワックス、ペースト状脂肪物質、およびこれらの混合物を含むこともある。
本発明における「ワックス」とは、25℃で固体であり、固体/液体状態から可逆的に変化し、30℃より高い、好ましくは45℃より高い融点を有する化合物を示すことを意味する。
特に、ポリエチレンワックス、キャンデリラワックス、ビーズワックス、およびこれらの混合物を言及することができる。
本発明の組成物、特に唇のための組成物は、組成物の総重量に対して5重量%~25重量%、例えば10重量%~20重量%、好ましくは12重量%~18重量%の範囲のワックス含有量を有し得る。
「ペースト状脂肪化合物」または「ペースト状化合物」または「ペースト状脂肪物質」とは、25℃の温度において液体画分および固体画分を有する非結晶性脂肪化合物を示す。
例えば、ペースト状化合物は、ラノリンおよびその誘導体、脂肪酸トリグリセリドおよびその誘導体、シアバター、ココアバター、マンゴー油またはバター、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の組成物、特に唇のための組成物は、組成物の総重量に対して5重量%~25重量%、例えば10重量%~22重量%、好ましくは15重量%~20重量%の範囲のペースト状化合物の含有量を有し得る。
化粧方法および化粧品的使用
以下に記載の化粧方法および化粧品的使用は、ケラチン物質、特に健康なケラチン物質、好ましくは健康な皮膚および/またはは唇、特に健康な唇(「健康な」対象)への適用を目的とする。
本発明による「健康なケラチン物質」とは、病的状態(病状に苦しんでいる「非健康な」対象)に関連する障害に苦しんでいないケラチン物質を意味する。皮膚および/または唇、あるいは健康な皮膚および/または唇という用語は、本明細書の残りの部分では差別せずに使用されるであろう。
本発明のさらなる主題は、健康なケラチン物質、特に皮膚および/または唇のケアおよび/またはメイクアップのための化粧方法であって、上記の化粧品組成物を少なくとも一つの層で該ケラチン物質に適用することを含む方法に関する。
本発明において、該化粧方法は、ケラチン物質、好ましくは皮膚および/または唇の水分補給および/または栄養補給を促進および/または刺激すること、および/または、皮膚および/または唇の、ボリュームの喪失、堅さの喪失、弾性の喪失、皮膚厚さの低下および/またはバリアー機能の劣化を防止および/または低減することを目的とする。
その結果、特に水分補給に対する効果を介して、本発明の該化粧方法は、ケラチン物質の快適さ、特に皮膚および/または唇の快適さを改善することを可能にする。
本発明のさらなる主題は、上記に記載されているような植物抽出物の混合物、特に、ホホバ油中のザクロの花の抽出物および甘アーモンド油中のシャクヤクの花の抽出物の少なくとも一つの混合物の、活性成分の混合物としての化粧品的使用であって、ケラチン物質、好ましくは皮膚および/または唇の水分補給および栄養補給を促進および/または刺激する、および/または、皮膚の、ボリュームの喪失、堅さの喪失、弾性の喪失、皮膚厚さの低下および/またはバリアー機能の劣化を防止および/または低減する使用である。
特定の一実施態様において、本発明の方法に使用される組成物は、
-ザクロの花の油性抽出物、特に、Oleosにより商品名「Plump Oleoactif(登録商標)」(INCI名:シンモンドシア・キネンシス(ホホバ)種子油(および)プニカ・グラナツムの花の抽出物(および)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3)で販売されている抽出物;および
-シャクヤクの花の油性抽出物、特に、Greentechにより商品名「Pivoine de France extrait huileux (amande douce raffinee)」(INCI名:プルヌス・アミグダルス・ズルシス(甘アーモンド)油(および)パエオニア・オフィキナリスの花の抽出物)で販売されている抽出物、を含む。
特定の一実施態様において、本発明の組成物は、皮膚の堅さおよび/または弾性および/またはボリュームの喪失、あるいは乾燥皮膚を有する健康な対象に適用される。
別の特定の実施態様において、本発明の組成物は、唇のボリュームの喪失、または乾燥したもしくは容易に刺激される唇を有する健康な対象に適用される。
本発明は、以下の非限定的な実施例において説明される。
パーセンテージは、特に断らない限り、組成物の総重量に対する原料物質の重量で示される。
1.材料物質および方法
1.1.ザクロおよびシャクヤクの油性抽出物
下記の実施例で使用した抽出物は、
・ザクロの花の油性抽出物: Oleosによる「Plump Oleoactif(登録商標)」(INCI名:シンモンドシア・キネンシス(ホホバ)種子油(および)プニカ・グラナツムの花の抽出物(および)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3)である。
・シャクヤクの花の油性抽出物:Greentechによる「Pivoine de France extrait huileux (amande douce raffinee)」(INCI名:プルヌス・アミグダルス・ズルシス(甘アーモンド)油(および)パエオニア・オフィキナリスの花の抽出物)である。
これらの抽出物は、油性活性成分を可溶化するために1%BSA(ウシ血清アルブミン)の存在下、培地中の原料物質の0.25重量%の濃度で使用される。
1.2.正常ヒトケラチン生成細胞の培養および処理
腹壁形成術から得られた正常ヒトケラチン生成細胞(NHK)を、Epilife培地添加のTPP150フラスコ中に継代4で播種した。NHKをトリプシン処理し、プレコンフルエンス(pre-confluence)させ(0.05%トリプシン-EDTA、GIBCO-インビトロゲン)、血清含有培地で中和した。その後、96ウェルイメージングプレート(μ-plate 96 well, ibiTreat, Ibidi)にウェルあたり15000の細胞の割合で継代5で播種した。
コンフルエント時に、NHKを200μMのCaCl2を含有する完全なEpilife培地中で本発明の植物抽出物で処理し、細胞の分化を促進した(0.2mL/ウェル)。処理は、各条件について、48h(初期分化マーカーの研究)または5日間(後期分化マーカーの研究)で三回行った。非処理対照条件(NT)では、培地を新鮮な培地+CaCl2に置き換えた。
1.3.正常なケラチン生成細胞の培養および処理
腹壁形成術で得られた正常ヒト線維芽細胞(NHF)を、継代P6で10%ウシ胎児血清添加DMEM培地1g/Lグルコース中で、96ウェルプレートに1ウェルあたり30 000の細胞の播種密度で播種した。
コンフルエンス時に、NHFをDMEM培地1g/Lグルコース+10%FCS中で本発明の植物抽出物で処理した。処理は、各条件について3回に分けて、5日間行った。対照条件NT(未処理)については、培地を新鮮な培地に置き換えた。
1.4.免疫染色
これらの処理後、細胞をPBS(PBS錠、Invitrogen GIBCO)で3回すすぎ、ホルマリン(中性緩衝した10%ホルマリン溶液、Sigma)で10分間固定した。
PBSで3回すすいだ後、0.1%PBSトリトン溶液(トリトンX-100、Sigma)で細胞膜を透過処理し、再びPBSで3回すすいだ。
環境温度で30分間1%PBS/BSA溶液(ウシ胎児血清からのアルブミン, Sigma)で細胞をコーティングした。
次に、1%PBS/BSA溶液を、1%PBS/BSAで希釈した各染色タンパク質(表1を参照)に対応する一次抗体溶液に置き換えた。プレートを4℃で一晩インキュベートした。
細胞をPBSで3回洗浄し、標的とする一次抗体による二次抗体溶液(表2を参照)および、1%PBS/BSAで希釈した1:500 DAPI(4’,6’-ジアミジノ-2-フェニルインドール、ジヒドロクロライド、インビトロゲン分子プローブ)でコーティングした。プレートを室温で1時間暗所に保持した。
二次抗体溶液を吸引し、細胞をPBSで2回、蒸留水で1回すすいだ。PBSを各ウェルに1mLの割合で沈殿させた。プレートを画像取得まで4℃の暗所に保持した。
Figure 2023505597000001
1.5.画像の取得および分析
プレートをThermo CellomicsによるArrayScan XTiでスキャンした。
画像を、Arrayscanシステム用に開発されたバイオアプリケーションであるSpot Detector画像解析ソフトウェアで分析した。
このプログラム(パイプライン)により、標的とするタンパク質の発現に対応する赤色染色の検出が可能となる。測定領域の表面は、画像表面の全体として区切る。
細胞数は、青色染色の検出に介した、核のカウントにより決定した。
1.6.統計分析
結果の統計分析は、平均値、標準偏差および信頼区間(α=0.05)を計算することによって行った。
対照と処理細胞との間で観察されたこれらの比率の差の有意性は、スチューデントの検定で測定した。この検定は、得られた値が0.05未満の場合、有意であるとされる。
2.本発明の植物抽出物のインビトロでの効果
本発明の植物抽出物およびその混合物の効果を、NHKおよびNHFの培地に対して試験した。NHKおよびNHFを培地に置き、上記のプロトコールに従って処理し、目的とするタンパク質の遺伝子発現を評価した。
2.1.水分補給に対する効果
アクアポリン(AQP)は、生体膜の水分子に対して透過性の「孔」またはチャネルを形成する膜タンパク質の一クラスである。それらは、最内層から表層に向かって水の供給を可能にし;したがって、表皮の下部に発現するAQP3は、表皮を通る水流の設定において基本的な役割を果たす。皮膚の水分補給の調節におけるその利点は、出願人によって特に研究されてきた。
図1の結果は、ザクロの油性抽出物単独で処理した場合、アクアポリン3の染色強度が非常に強く、有意に増加(+846%)することを示している。シャクヤク抽出物単独では、この遺伝子の発現に有益な効果はない。しかし、両抽出物の混合物は、ザクロ抽出物単独で得られたものよりもさらに高いアクアポリン3の発現の有意な増加(+932%)を誘導する。
したがって、これらの結果は、本発明の二つの抽出物の混合物が、ケラチン物質、特に皮膚および/または唇の水分補給に有益な効果を有することを示している。
2.2.真皮-表皮接合部への影響
真皮-表皮接合部あるいは表皮基底膜は、真皮から表皮を分離する無細胞領域である。それは、表皮の真皮への接着を機械的にサポートし、交換を制御し、その構成グリコタンパク質を介してケラチン生成細胞の接着および移動のサポートとして作用することにより、皮膚の再表皮形成において基本的な役割を果たす。ナイドジェン(エンタクチンとも称される)は、この基底層の構成要素の集合を可能にするこの基底層に見出すグリコタンパク質である。
図2の結果では、ザクロの油性抽出物単独で処理で、ナイドジェンの発現に影響がないことを示している。ただシャクヤク抽出物単独でも、この遺伝子の発現が有意に増加(+16%)することを可能にする。予想外なことに、この結果はまた、これらの二つの抽出物の混合物がナイドジェンの発現が44%も有意に増加するといった相乗効果を誘導することも示している。
したがって、結果は予想外なことに、本発明の二つの抽出物の混合物が、真皮-表皮接合部を維持し、したがって皮膚のバリアー機能を維持するのに有益な相乗効果を示すことを示している。
2.3.堅さおよびボリュームに対する効果
コラーゲン1は、いわゆる構造のタンパク質の一ファミリーに属し、真皮における原線維に存在する。この支持タンパク質は、細胞外マトリックス(ECM)に多量に含有されており、組織に伸展に対する機械的抵抗力を与える。プロコラーゲンは、1型コラーゲンの可溶性前駆体である。ECMにおけるコラーゲン線維の沈着および集合は、構造タンパク質であるフィブロネクチンを含むいくつかのタンパク質が関与する複雑なプロセスである。
図3の結果は、ザクロの油性抽出物単独での処理もシャクヤク抽出物単独での処理も、プロコラーゲン1の発現を調節できないことを示している。他方で、予想外に、これら二つの抽出物の混合物は、この遺伝子の発現を17%と有意に増加させることを可能にするといった相乗効果を誘導することを示している。
さらに、図4の結果では、ザクロ抽出物単独での処理でフィブロネクチンの発現を6%と有意に減少させ、シャクヤク抽出物単独での処理でフィブロネクチンの発現を5%と有意に増加させたことを示している。驚いたことに、二つの抽出物の混合物では、フィブロネクチンの発現を15%と有意に増加させることを可能にすることで、潜在的な効果を誘導する。
したがって、驚くべきことに、本発明の二つの抽出物の混合物は、相乗効果、ひいては潜在化効果を示し、したがって、皮膚の細胞外マトリックスの維持に有益であることを結果は示している。したがって、この抽出物の混合物は、ボリュームの喪失、堅さの喪失、弾性の喪失および皮膚厚さの低下を防止および/または低減することを可能にする。
3.製剤の実施例
以下に例示する化粧品組成物は、化粧品分野における従来の製剤化方法に従って調製した。
3.1.濃厚なクリームの形態の組成
Figure 2023505597000002
この組成物は、本発明の二つの油性抽出物の混合物を、等しい比率で含む(ザクロの花の0.25%油性抽出物およびシャクヤクの花の0.25%油性抽出物)。
この組成物を皮膚、特に顔に適用することにより、水分補給および栄養補給作用を与え、ボリュームの喪失、堅さの喪失、弾性の喪失、皮膚厚さの低下を防止および/または低減する。
3.2.リップバームの形態の組成
Figure 2023505597000003
この組成物は、本発明の二つの油性抽出物の混合物を、等しい比率で含む(ザクロの花の0.25%油性抽出物およびシャクヤクの花の0.25%油性抽出物)。
このバームは、唇に適用すると、すぐに栄養供給効果および水分補給効果を与え、ボリュームの喪失を防止し、痛んだ唇を保護し、唇の表面に快適さ、軟化および水分補給を与える。

Claims (8)

  1. 生理学的に許容できる媒体中にザクロの抽出物およびシャクヤクの抽出物を含む化粧品組成物であって、該ザクロの抽出物はザクロの花の油性抽出物であり、かつ該シャクヤクの抽出物はシャクヤクの花の油性抽出物である、ことを特徴とする化粧品組成物。
  2. ザクロの花の油性抽出物が、ホホバ油中のザクロの花の抽出物であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
  3. シャクヤクの花の油性抽出物が、甘アーモンド油中のシャクヤクの花の抽出物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
  4. a.該組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%の範囲の原料物質としての含有量の、ホホバ油中のザクロの花の抽出物、好ましくはホホバ油中のプニカ・グラナツムの花の抽出物;
    b.該組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%の範囲の原料物質としての含有量の、甘アーモンド油中のシャクヤクの花の抽出物、好ましくは甘アーモンド油中のパエノニア・オフィシナリスの花の抽出物;
    c.場合によりシアバター、
    を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  5. 唇および/または皮膚のための局所用組成物の形態、特に、リップバーム、スティック、リップワニス、クリーム、水中油型または油中水型のエマルジョンまたは複合エマルジョン、溶液、懸濁液、ゲル、乳液、ローションまたはセラムの形態であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  6. ケラチン物質、特に皮膚および/または唇のケアおよび/またはメイクアップのための化粧方法であって、請求項1~5のいずれか一項に記載の化粧品組成物を少なくとも一つの層で該ケラチン物質に適用することを含む方法。
  7. ケラチン物質、好ましくは皮膚および/または唇の水分補給および/または栄養補給を促進および/または刺激すること、および/または、皮膚および/または唇の、ボリュームの喪失、堅さの喪失、弾性の喪失、皮膚厚さの低下および/またはバリアー機能の劣化を防止および/または低減すること、を目的とすることを特徴とする、請求項6に記載の化粧方法。
  8. 請求項1~4のいずれか一項に記載の植物抽出物の混合物、特にホホバ油中のザクロの花の抽出物および甘アーモンド油中のシャクヤクの花の抽出物の少なくとも一つの混合物の、活性成分の混合物としての化粧品的使用であって、ケラチン物質、好ましくは皮膚および/または唇の水分補給および/または栄養補給を促進および/または刺激する、および/または、皮膚の、ボリュームの喪失、堅さの喪失、弾性の喪失、厚さの低下および/または皮膚のバリアー機能の劣化を防止および/または低減する使用。
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