JP2023504842A - 加工性、クリープ強度および耐食性に優れたニッケル-クロム-鉄-アルミニウム合金およびその使用 - Google Patents

加工性、クリープ強度および耐食性に優れたニッケル-クロム-鉄-アルミニウム合金およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、熱伝達媒体として溶融硝酸塩を用いるソーラータワー発電所で使用するための、(重量%で)>17~33%のクロム、1.8~<4.0%のアルミニウム、0.10~15.0%の鉄、0.001~0.50%のケイ素、0.001~2.0%のマンガン、0.00~0.60%のチタン、各0.0002~0.05%のマグネシウムおよび/またはカルシウム、0.005~0.12%の炭素、0.001~0.050%の窒素、0.0001~0.020%の酸素、0.001~0.030%のリン、最大0.010%の硫黄、最大2.0%のモリブデン、最大2.0%のタングステン、残部のニッケルおよびプロセスに起因する通常の不純物を含み、ニッケル≧50%である、ニッケル-クロム-鉄-アルミニウム合金であって、以下の関係式:Fp≦39.9 (2a)、Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3a)が成り立たなければならず、ここで、Cr、Fe、Al、Si、Ti、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である、合金に関する。

Description

本発明は、卓越した高温耐食性、良好なクリープ強度を示し、かつ加工性が向上したニッケル-クロム-鉄-アルミニウム鍛錬用合金に関する。
ニッケル、クロムおよびアルミニウムの含有量が異なるオーステナイト系ニッケル-クロム-鉄-アルミニウム合金は、古くから築炉や化学・石油化学産業で使用されてきた。この用途では、良好な高温耐食性および良好な熱間強度/クリープ強度が要求される。
ニッケル、クロムおよびアルミニウムの含有量が異なるニッケル合金も、その特性ゆえソーラータワー発電所での使用に関して大きな関心を集めている。この設備は、高い塔の周囲に配置された鏡面体(ヘリオスタット)のフィールドからなる。鏡面体は、上部に取り付けられた吸収体(ソーラーレシーバー)に太陽光を集中させる。吸収体はチューブシステムからなり、これにより熱伝達媒体が加熱される。この媒体は、中間貯蔵槽を備えた循環部内を循環している。熱交換器システムにより、熱エネルギーは発電機を用いて二次回路で電気に変換される。熱伝達媒体は主に、溶融した硝酸ナトリウム塩と硝酸カリウム塩の混合塩であり、部品に使用する合金にもよるが、塩の最高使用温度は約700℃である(Kruizenga et al., Materials Corrosion of High Temperature Alloys Immersed in 600°C Binary Nitrate Salt, Sandia Report, SAND 2013-2526, 2013)。
700℃を超えると、硝酸カリウム塩の溶融分解が顕著になり、金属管の腐食が大幅に進む。そのため、最高使用温度は、材料にもよるが600~700℃である。吸収体で使用される材料は、特にAlloy 800H(材料番号1.4876、UNS N08810)またはAlloy 625(材料番号2.4856、UNS N06625)である(表1参照)。
一般に、表1に示した合金の高温耐食性は、クロム含有量の増加とともに向上することに留意する必要がある。Alを含有する合金は、酸化クロム膜(Cr)を形成し、その下には多少なりとも閉じた酸化アルミニウム膜(Al)が存在する。例えばイットリウムやセリウムなど酸素親和性が強い元素を少量添加することで、耐酸化性が向上する。クロム分は、使用領域での使用中にゆっくりと消費されて保護膜を生成する。したがって、保護膜を形成するクロム元素の含有量が多いほど、クロム含有量が臨界値を下回って、例えば鉄および/またはニッケルを含有する酸化物などのCr以外の酸化物が生成する時期が遅れるため、材料の寿命が延びることになる。アルミニウムおよび/またはケイ素を添加することにより、高温耐食性をさらに向上させることができる。ある最低含有量以上では、これらの元素が酸化クロム膜の下に閉じた膜を形成するため、クロムの消費が減少する。
特に炭素の含有量が多いと、所定の温度での熱間強度あるいはクリープ強度が向上する。しかし、クロム、アルミニウム、ケイ素、モリブデンおよびタングステンなどの固溶体強化元素の含有量が多い場合にも熱間強度が向上する。500℃~900℃の範囲では、アルミニウム、チタンおよび/またはニオブを添加すると、γ’相および/またはγ”相が析出して強度を向上させることができる。
これらの合金の先行技術例を表1に示す。Alloy 602 CA(N06025)、Alloy 693(N06693)、Alloy 603(N06603)、またはAlloy 214(N07208)などの合金は、1.8%超の高いアルミニウム含有量ゆえにAlloy 600(N06600)やAlloy 601(N06601)に比べて卓越した耐食性を示すことが知られている。Alloy 214はアルミニウム含有量が多いため、硝酸ナトリウム60%/硝酸カリウム40%の塩溶融物において優れた耐久性を示す(Kruizenga et al., Materials Corrosion of High Temperature Alloys Immersed in 600°C Binary Nitrate Salt, Sandia Report, SAND 2013-2526, 2013)。一方で、Alloy 602 CA(N06025)、Alloy 693(N06693)、Alloy 603(N06603)やAlloy 214(N07208)などの合金は、炭素量やアルミニウムの含有量が多いため、溶融硝酸塩が使用される温度範囲で卓越した熱間強度あるいはクリープ強度を示す。Alloy 602 CA(N06025)およびAlloy 603(N06603)は、1000℃を超える温度でもなおも卓越した熱間強度あるいはクリープ強度を示す。しかし、例えば高いアルミニウム含有量によって加工性が損なわれ、アルミニウム含有量が高いほどその障害は大きくなる(例えば、Alloy 693(N06693)やAlloy 214(N07208)などの場合)。ニッケルと低融点の金属間相を形成するケイ素についても高い程度で同様である。特にAlloy 602 CA(N06025)やAlloy 603(N06603)では、一次炭化物の割合が高いため、冷間加工性が制限される。
国際公開第2019/075177号には、吸収管、貯蔵槽および熱交換器を含むソーラータワーシステムが開示されており、これらはいずれも熱伝達媒体として650℃超の温度で溶融塩を含み、その際、当該開示は、吸収管、貯蔵槽および熱交換器の部品の少なくとも1つが、(重量%で)25~45%のNi、12~32%のCr、0.1~2.0%のNb、最大4%のTa、最大1%のV、最大2%のMn、最大1.0%のAl、最大5%のMo、最大5%のW、最大0.2%のTi、最大2%のZr、最大5%のCo、最大0.1%のY、最大0.1%のLa、最大0.1%のCs、最大0.1%の他の希土類、最大0.20%のC、最大3%のSi、0.05~0.50%のN、最大0.02%のB、ならびに残部のFeおよび不純物を含む合金から製造される。
欧州特許出願公開第0508058号明細書には、(重量%で)0.12~0.3%のC、23~30%のCr、8~11%のFe、1.8~2.4%のAl、0.01~0.15%のY、0.01~1.0%のTi、0.01~1.0%のNb、0.01~0.2%のZr、0.001~0.015%のMg、0.001~0.01%のCa、最大0.03%のN、最大0.5%のSi、最大0.25%のMn、最大0.02%のP、最大0.01%のS、残部のNiおよび不可避の溶解による不純物からなるオーステナイト系ニッケル-クロム-鉄合金が開示されている。
米国特許第4882125号明細書には、1093℃を超える温度での硫化および酸化に対する卓越した耐久性、983℃を超える温度で2000PSIの応力での200を超える卓越したクリープ強度、良好な引張強さ、および(室温および高温の双方での)良好な延性を特徴とし、(重量%で)27~35%のCr、2.5~5%のAl、2.5~6%のFe、0.5~2.5%のNb、最大0.1%のC、それぞれ最大1%のTiおよびZr、最大0.05%のCe、最大0.05%のY、最大1%のSi、最大1%のMn、ならびに残部のNiからなる、クロムを高度に含有するニッケル合金が開示されている。
欧州特許出願公開第0549286号明細書には、55~65%のNi、19~25%のCr、1~4.5%のAl、0.045~0.3%のY、0.15~1%のTi、0.005~0.5%のC、0.1~1.5%のSi、0~1%のMn、および少なくとも0.005%の、Mg、Ca、Ceの群の元素のうち少なくとも1つの合計、<0.5%のMg+Caの合計、<1%のCe、0.0001~0.1%のB、0~0.5%のZr、0.0001~0.2%のN、0~10%のCo、残部の鉄および不純物を含む、高温耐久性のNi-Cr合金が開示されている。
独国特許出願公開第60004737号明細書により、≦0.1%のC、0.01~2%のSi、≦2%のMn、≦0.005%のS、10~25%のCr、2.1~<4.5%のAl、≦0.055%のN、合計で0.001~1%の元素B、Zr、Hfの少なくとも1つを含む耐熱ニッケル基合金が知られており、その際、前述の元素は、次の含有量で存在してもよい:B≦0.03%、Zr≦0.2%、Hf<0.8%、0.01~15%のMo、0.01~9%のW、ただし、Mo+Wの合計含有量は、2.5~15%であってよい、0~3%のTi、0~0.01%のMg、0~0.01%のCa、0~10%のFe、0~1%のNb、0~1%のV、0~0.1%のY、0~0.1%のLa、0~0.01%のCe、0~0.1%のNd、0~5%のCu、0~5%のCo、残部のNi。MoおよびWについては、以下の式を満たす必要がある:
2.5≦Mo+W≦15 (1)
独国特許出願公開第102015200881号明細書において、溶融塩用のオーステナイト鋼製の管状体、特に溶融塩を熱媒とするソーラーレシーバーの吸収管、または溶融塩を搬送するための他の導管が記載されており、これは、重量ベースで以下:
0~0.025%のC、好ましくは0.0095~0.024%のC;
0.05~0.16%のN;
2.4~2.6%のMo;
0.4~0.7%のSi;
0.5~1.63%のMn;
0~0.0375%のP;
0~0.0024%のS;
17.15~18.0%のCr;
12.0~12.74%のNi;
0.0025~0.0045%のB;
を含む鋼組成を有し、残部は、Fe、および任意に通常の不純物である。
独国特許出願公開第102012002514号明細書には、(重量%で)12~28%のクロム、1.8~3.0%のアルミニウム、1.0~15%の鉄、0.01~0.5%のケイ素、0.005~0.5%のマンガン、0.01~0.20%のイットリウム、0.02~0.60%のチタン、0.01~0.2%のジルコニウム、0.0002~0.05%のマグネシウム、0.0001~0.05%のカルシウム、0.03~0.11%の炭素、0.003~0.05%の窒素、0.0005~0.008%のホウ素、0.0001~0.010%の酸素、0.001~0.030%のリン、最大0.010%の硫黄、最大0.5%のモリブデン、最大0.5%のタングステン、残部のニッケルおよびプロセスに起因する通常の不純物を含むニッケル-クロム-アルミニウム-鉄合金が記載されており、その際、以下の関係式が成り立たなければならない:7.7C-x*a<1.0、ここで、PN>0である場合にはa=PNであり、PN≦0である場合にはa=0である。ここで、x=(1.0Ti+1.06Zr)/(0.251Ti+0.132Zr)であり、PN=0.251Ti+0.132Zr-0.857Nであり、Ti、Zr、N、Cは、当該元素の重量%での濃度である。
独国特許発明第102012013437号明細書には、(重量%で)>25~28%のクロム、>2~3.0%のアルミニウム、1.0~11%の鉄、0.01~0.2%のケイ素、0.005~0.5%のマンガン、0.01~0.20%のイットリウム、0.02~0.60%のチタン、0.01~0.2%のジルコニウム、0.0002~0.05%のマグネシウム、0.0001~0.05%のカルシウム、0.03~0.11%の炭素、0.003~0.05%の窒素、0.0005~0.008%のホウ素、0.0001~0.010%の酸素、0.001~0.030%のリン、最大0.010%の硫黄、最大0.5%のモリブデン、最大0.5%のタングステン、残部のニッケルおよびプロセスに起因する通常の不純物を含むニッケル-クロム-アルミニウム-鉄合金の、シームレス管製造への使用が記載されており、その際、以下の関係式:0<7.7C-x*a<1.0 (2)、PN>0である場合にはa=PN (3a)、PN≦0である場合にはa=0 (3b)、x=(1.0Ti+1.06Zr)/(0.251Ti+0.132Zr) (3c)、PN=0.251Ti+0.132Zr-0.857N (4)が成り立たなければならず、ここで、Ti、Zr、N、Cは、当該元素の重量%での濃度である。
独国特許出願公開第1020120111161号明細書には、(重量%で)24~33%のクロム、1.8~4.0%のアルミニウム、0.10~7.0%の鉄、0.001~0.50%のケイ素、0.005~2.0%のマンガン、0.00~0.60%のチタン、各0.0002~0.05%のマグネシウムおよび/またはカルシウム、0.005~0.12%の炭素、0.001~0.050%の窒素、0.0001~0.020%の酸素、0.001~0.030%のリン、最大0.010%の硫黄、最大2.0%のモリブデン、最大2.0%のタングステン、残部のニッケルおよびプロセスに起因する通常の不純物を含むニッケル-クロム-アルミニウム合金が記載されており、その際、以下の関係式:Cr+Al>28 (2a)、Fp≦39.9 (3a)、Fp=Cr+0.272・Fe+2.36・Al+2.22・Si+2.48・Ti+0.374・Mo+0.538・W-11.8・C (4a)が成り立たなければならず、ここで、Cr、Fe、Al、Si、Ti、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。
米国特許第5,862,800号明細書には、溶融塩に太陽エネルギーを導入するためのソーラータワー発電所が開示されており、その際、合金Alloy 625製の同じ直径および同じ肉厚の管が使用されている。Alloy 625の組成は、以下のように示されている:Cr 20~23%、Al≦0.4%、Fe≦5%、Si≦0.5%、Mn≦0.5%、Ti≦0.4%、C 0.03~0.1%、P≦0.02%、S≦0.015%、Mo 8~10%、Nb 3.15~4.15%、Ni 残部(≧58%)。
本発明は、クロムおよびアルミニウムの含有量が十分に高く、
・ 良好な相安定性
・ 良好な加工性
・ Alloy 602 CA(N06025)と同様の大気中での良好な耐食性
・ および良好な熱間強度/クリープ強度
を示すため、別の用途への提供が可能なニッケル合金を設計するという課題に基づく。
この課題は、熱伝達媒体として溶融硝酸塩を用いるソーラータワー発電所で使用するための、(重量%で)>17~33%のクロム、1.8~<4.0%のアルミニウム、0.10~15.0%の鉄、0.001~0.50%のケイ素、0.001~2.0%のマンガン、0.00~0.60%のチタン、各0.0002~0.05%のマグネシウムおよび/またはカルシウム、0.005~0.12%の炭素、0.001~0.050%の窒素、0.0001~0.020%の酸素、0.001~0.030%のリン、最大0.010%の硫黄、最大2.0%のモリブデン、最大2.0%のタングステン、残部のニッケルおよびプロセスに起因する通常の不純物を含み、ニッケル≧50%である、ニッケル-クロム-鉄-アルミニウム合金であって、以下の関係式:
Fp≦39.9 (2a)
Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3a)
が成り立たなければならず、ここで、
Cr、Fe、Al、Si、Ti、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度であり、
Cr、Fe、Al、Si、Ti、Nb、Cu、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である、合金により解決される。
本発明の主題の有利なさらなる実施形態は、関連する従属請求項から得ることができる。
合金の含有量のデータはいずれも、特に断りのない限り重量%単位である。
クロム元素の分布範囲は>17~33%であり、好ましい範囲は以下のように設定することができる:
- >18~33%
- 20~33%
- 22~33%
- 24~33%
- 25~33%
- 26~33%
- 27~32%
- 28~32%
- >28~32%
- 29~31%
アルミニウム含有量は1.8~<4.0%であるが、ここでも合金の用途に応じて好ましいアルミニウム含有量を以下のように設定することが可能である:
- 1.8~3.8%
- 1.8~3.2%
- 2.0~3.2%
- 2.0~<3.0%
- 2.0~2.8%
- 2.2~2.8%
- 2.2~2.6%
- 2.5~<4.0%
- >3.0~<4.0%
- >3.2~<4.0%
- >3.2~3.8%
- >3.0~<3.5%
鉄の含有量は0.1~15.0%の範囲であり、適用範囲に応じて好ましい含有量を以下の分布範囲内に設定することができる:
- 0.1~12.0%
- 0.1~10.0%
- 0.1~7.5%
- 0.1~4.0%
- 0.1~3.0%
- 0.1~<2.5%
- 0.1~2.0%
- 0.1~<2.0%
- 0.1~1.0%
- 0.1~<1.0%
- 1.0~15.0%
- 1.25~15.0%
- >2.5~15.0%
- >4.0~15.0%
- >4.0~12.0%
- >7.0~15.0%
- >7.0~10.5%
- 7.5~10.5%
ケイ素含有量は0.001~0.50%である。好ましくは、Siは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~<0.40%
- 0.001~<0.25%
- 0.001~0.20%
- 0.001~<0.10%
- 0.001~<0.05%
マンガン元素も同様であり、合金に0.001~2.0%含まれていてよい。あるいは以下のような分布範囲も考えられる:
- 0.001~0.50%
- 0.001~<0.40%
- 0.001~0.20%
- 0.001~0.10%
- 0.001~<0.05%
- 0.005~<0.05%
チタン含有量は0.00~0.60%である。好ましくは、Tiは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~0.60%
- 0.001~0.50%
- 0.001~0.30%
- 0.001~0.10%
- 0.01~0.30%
- 0.01~0.25%
- 0.00~<0.02%
マグネシウムおよび/またはカルシウムも、0.0002~0.05%の含有量で含まれていてよい。好ましくは、これらの元素を合金において以下のように設定することができる:
- 0.0002~0.03%
- 0.0002~0.02%
- 0.0005~0.02%
合金は、0.005~0.12%の炭素を含む。好ましくは、これを合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.01~<0.12%
- 0.005~0.10%
- 0.005~<0.08%
- 0.005~<0.05%
- 0.01~0.03%
- 0.01~<0.03%
- 0.02~0.10%
- 0.03~0.10%
これは、0.001~0.05%の含有量で含まれている窒素元素についても同様である。好ましい含有量は、次のように示すことができる:
- 0.003~0.04%
合金はさらに、0.001~0.030%の含有量でリンを含む。好ましい含有量は、次のように示すことができる:
- 0.001~0.020%
合金はさらに、0.0001~0.020%、特に0.0001~0.010%の含有量で酸素を含む。
硫黄元素は、合金中に以下のように含まれている:
- 硫黄 最大0.010%
モリブデンおよびタングステンは、単独でまたは組み合わせて、合金中にそれぞれ最大2.0%の含有量で含まれている。好ましい含有量は、次のように示すことができる:
- Mo 最大1.0%
- W 最大1.0%
- Mo 最大<0.50%
- W 最大<0.50%
- Mo 最大<0.10%
- W 最大<010%
- Mo最大<0.05%
- W 最大<0.05%
また、十分な相安定性を得るために、以下の関係式:
Fp≦39.9 (2a)
Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3a)
が成り立たなければならず、ここで、
Cr、Fe、Al、Si、Ti、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。
好ましい範囲を、以下のように設定することができる:
Fp≦38.4 (2b)
Fp≦36.6 (2c)
ニッケル含有量は50%以上である。ニッケル含有量は、好ましくは以下のように設定されていてよい:
- ≧55%または>55%
- ≧60%または>60%
- ≧65%または>65%
- ≧68%または>68%
任意に、イットリウム元素は、合金において0.001~0.20%の含有量に設定することができる。好ましくは、Yは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~0.15%
- 0.001~0.10%
- 0.001~0.08%
- 0.001~<0.045%
- 0.01~<0.045%
任意に、ランタン元素は、合金において0.001~0.20%の含有量に設定することができる。好ましくは、Laは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~0.15%
- 0.001~0.10%
- 0.001~0.08%
- 0.001~0.04%
- 0.01~0.04%
任意に、セリウム元素は、合金において0.001~0.20%の含有量に設定することができる。好ましくは、Ceは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~0.15%
- 0.001~0.10%
- 0.001~0.08%
- 0.001~0.04%
- 0.01~0.04%
任意に、セリウムおよびランタンを同時に添加した場合、セリウムミッシュメタル(約50%のCe、約25%のLa、約15%のPr、約5%のNd、Sm、TbおよびYの混合物)を0.001~0.20%の含有量で使用することができる。好ましくは、セリウムミッシュメタルは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~0.15%
- 0.001~0.10%
- 0.001~0.08%
- 0.001~0.04%
- 0.01~0.04%
任意に、ニオブ元素は、合金において0.00~1.10%の含有量に設定することができる。好ましくは、ニオブは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~<1.10%
- 0.001~<0.70%
- 0.001~<0.50%
- 0.001~0.30%
- 0.001~<0.30%
- 0.001~<0.20%
- 0.01~0.30%
- 0.10~1.10%
- 0.20~0.70%
合金中にニオブが含まれている場合、式(3a)に以下のようにニオブの項を追加する必要がある:
Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+1.26*Nb+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3b)
ここで、Cr、Fe、Al、Si、Ti、Nb、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。
任意に、ジルコン含有量は0.001~0.20%である。好ましくは、ジルコンは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~0.15%
- 0.001~<0.10%
- 0.001~0.07%
- 0.001~0.04%
- 0.01~0.15%
- 0.01~<0.10%
任意に、ハフニウム含有量は0.001~0.20%である。好ましくは、ハフニウムは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~0.15%
- 0.001~<0.10%
- 0.001~0.07%
- 0.001~0.04%
- 0.01~0.15%
- 0.01~<0.10%
任意に、合金中に0.001~0.60%のタンタルが含まれていてもよい。
好ましくは、Taは、合金において以下のような分布範囲内に設定することができる:
- 0.001~0.60%
- 0.001~0.50%
- 0.001~0.30%
- 0.001~0.10%
- 0.001~<0.02%
- 0.01~0.30%
- 0.01~0.25%
任意に、ホウ素元素は、合金中に以下のように含まれていてよい:
- 0.0001~0.008%
好ましい含有量は、次のように示すことができる:
- 0.0005~0.008%
- 0.0005~0.004%
さらに、合金は任意に0.0~5.0%のコバルトを含むことができ、これはさらに以下のように限定することができる:
- 0.001~5.0%
- 0.01~5.0%
- 0.01~<5.0%
- 0.01~2.0%
- 0.1~2.0%
- 0.1~<2.0%
- 0.001~0.5
さらに、合金中に最大0.5%の銅が含まれていてよい。
銅含有量は.さらに次のように制限することができる:
- 最大0.20%
- 最大0.10%
- 最大0.05%
- <0.05%
- 最大0.015%
- <0.015%
合金中に銅が含まれている場合、式(3a)に以下のように銅の項を追加する必要がある:
Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+0.477*Cu+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3c)
ここで、Cr、Fe、Al、Si、Ti、Cu、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。
合金中にニオブおよび銅が含まれている場合、式(3a)に以下のようにニオブおよび銅の項を追加する必要がある:
Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+1.26*Nb+0.477*Cu+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3d)
ここで、Cr、Fe、Al、Si、Ti、Nb、Cu、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。
さらに、合金中に最大0.5%のバナジウムが含まれていてよい。
バナジウム含有量は、さらに以下のように制限することができる:
- 最大0.20%
- 最大0.10%
- 最大0.05%
最後に、不純物にはさらに鉛、亜鉛およびスズの元素が以下のような含有量で含まれていてよい:
Pb 最大0.002%
Zn 最大0.002%
Sn 最大0.002%
さらに、任意に、特に良好な加工性を表す以下の関係式:
Fa≦60 (4a)
Fa=Cr+20.4*Ti+201*C (5a)
が成り立つことができ、ここで、
Cr、TiおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。好ましい範囲は、以下:
Fa≦54 (4b)
のように設定することができる。
合金中にニオブが含まれている場合、式(5a)に以下のようにニオブの項を追加する必要がある:
Fa=Cr+6.15*Nb+20.4*Ti+201*C (5b)
ここで、Cr、Nb、TiおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。
さらに、任意に、特に良好な熱間強度またはクリープ強度を表す以下の関係式:
Fk≧47 (6a)
Fk=Cr+19*Ti+10.2*Al+12.5*Si+98*C (7a)
が成り立つことができ、ここで、
Cr、Ti、Al、SiおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。
好ましい範囲は、以下:
Fk≧49 (6b)
Fk≧53 (6c)
のように設定することができる。
合金中にニオブおよび/またはホウ素が含まれている場合、式(7a)に以下のようにニオブおよび/またはホウ素の項を追加する必要がある:
Fk=Cr+19*Ti+34.3*Nb+10.2*Al+12.5*Si+98*C+2245*B (7b)
ここで、Cr、Ti、Nb、Al、Si、CおよびBは、当該元素の重量%での濃度である。
本発明による合金は、好ましくは、開放溶解した後、VOD(真空酸素脱炭)またはVLF(真空取鍋炉)プラントで処理される。ただし、真空中での溶解・鋳造(VIM)も可能である。インゴット鋳造または連続鋳造の後、合金を、必要に応じて900℃~1270℃の温度で0.1時間~100時間にわたって焼鈍して所望の半製品形態とした後、必要に応じて900℃~1270℃で0.05時間~100時間にわたって中間焼鈍して、熱間成形する。材料の表面を、必要に応じて(また数回)化学的および/または機械的に除去し、その間および/または最後に洗浄することができる。熱間成形の終了後、必要に応じて、例えばアルゴンや水素などの保護ガス下で700℃~1250℃で0.1分~70時間の中間焼鈍を行い、その後、大気中、撹拌焼鈍雰囲気中、または水浴中で冷却して、所望の半製品形態に成形度98%までの冷間成形を行うことができる。その後、溶体化処理が700℃~1250℃の温度範囲で0.1分~70時間にわたり、任意に例えばアルゴンや水素などの保護ガス下で行われ、その後、大気中、撹拌焼鈍雰囲気中、または水浴中で冷却が行われる。必要に応じて、最後の焼鈍の間および/または後に、材料表面の化学的および/または機械的な清浄化を行うことができる。
本発明による合金は、ストリップ、シート、ロッド、ワイヤ、長手溶接管、およびシームレス管といった製品形態で容易に製造および使用することができる。
これらの製品形態は、平均粒径5μm~600μmで製造される。好ましい範囲は、20μm~200μmである。
本発明による合金は、好ましくは、溶融硝酸塩を熱伝達媒体として使用するソーラータワー発電所に使用される。本発明による合金は、溶融塩と接触するすべての部品に使用することができる。
本発明による合金は、特に、太陽光発電所の塔の吸収体(ソーラーレシーバー)、および/または発電回路(例えば蒸気タービン経由)の熱交換器、および/または貯蔵槽や輸送管に使用することができる。
硝酸塩は、好ましくは、硝酸ナトリウム塩と硝酸カリウム塩との混合物であってよい。
この混合物は、好ましくは以下の組成からなることができる:
- 50~70%の硝酸ナトリウムと50~30%の硝酸カリウム
- 55~65%の硝酸ナトリウムと45~35%の硝酸カリウム
- 58~62%の硝酸ナトリウムと42~38%の硝酸カリウム
あるいは硝酸ナトリウムと硝酸カリウムと窒化ナトリウムとの混合物を使用してもよい。
また、必要に応じて、塩混合物を純CO雰囲気下で使用することも可能である。
最高使用温度は800℃である。最高使用温度は、以下のように制限されていてよい:
- 最高750℃
- 最高700℃
- 最高680℃
- 最高650℃
- <650℃
- 最高620℃
- 最高600℃
- <600℃
実施した試験
相安定性
平衡状態にある生成された相を、Thermotech社のJMatProプログラムで、異なる合金変形例について計算した。計算のためのデータベースとして、Thermotech社のニッケル基合金用データベースTTNI7を使用した。
成形性を、DIN EN ISO 6892-1に準拠した室温での引張試験で測定する。ここで、耐力Rp0.2、引張強さR、および破断伸びAを測定する。破断した試験片の元のゲージ長Lと破断後のゲージ長Lの延びから伸びAを求める:
A=(L-L)/L 100%=ΔL/L 100%
ゲージ長に応じて、破断伸びに添え字を付す:
例えば、Aの場合、ゲージ長L=5・dであり、ここで、d=円形の試験片の初期直径である。
ゲージ範囲の直径が6mm、ゲージ長Lが30mmの円形の試験片で試験を行った。試験片を、半製品の成形方向に対して横方向に採取した。成形速度は、Rp0.2=10MPa/sの場合、およびR=6.7の場合に、10-3 1/s(40%/min)であった。
室温での引張試験における伸びAの測定値を成形性の指標とすることができる。加工性が良好な材料は、少なくとも50%の伸びを有する。
熱間強度を、DIN EN ISO 6892-2に準拠した熱間引張試験により測定する。ここで、耐力Rp0.2、引張強さR、および破断伸びAを、室温での引張試験(DIN EN ISO 6892-1)と同様に測定する。
ゲージ範囲の直径が6mm、初期ゲージ長Lが30mmの円形の試験片で試験を行った。試験片を、半製品の成形方向に対して横方向に採取した。成形速度は、Rp0.2=8.33の場合には10-5 1/s(0.5%/min)であり、R=8.33の場合には10-4 1/s(5%/min)であった(DIN EN ISO 6892-2)。
試験片を、室温で引張試験機に設置し、引張力を加えずに所望の温度まで昇温させる。試験温度に達した後、1時間(600℃)または2時間(700℃~1100℃)かけて温度平衡に達する。その後、所望のひずみ速度が維持されるように試験片に引張力を加えて試験を開始する。
材料のクリープ強度は、熱間強度の増加とともに向上する。そのため、熱間強度は、様々な材料のクリープ強度を評価するためにも用いられる。
高温での耐食性を、大気中で1000℃での酸化試験で調べ、その際、96時間ごとに試験を中断し、酸化による試験片の重量変化を測定した。試験中、試験片をセラミックるつぼに入れ、スポーリングした酸化物を回収し、スポーリングした酸化物の重量を測定することができた。試験片の重量変化(正味重量変化)とスポーリングした酸化物の重量との和が、試験片の総重量変化である。比重量変化は、試験片の単位表面当たりの重量変化である。以下、比正味重量変化をmNetto、比総重量変化をmBrutto、スポーリングした酸化物の比重量変化をmspallと称する。試験を、厚さ約5mmの試験片について行った。各バッチから3つの試験片を採取し、その際、示された値はこれら3つの試験片の平均値である。
特性の説明
- 溶融塩における耐食性
Kruizengaら(2013, Materials Corrosion of High Temperature Alloys Immersed in 600°C Binary Nitrate Salt)では、特にニッケル合金Alloy 625(N06625)、Alloy 120(N08120)、Alloy 230(N02230)、Alloy 242(N10242)、Alloy 214(N07208)(表1)について、空気と共に流動する硝酸ナトリウム塩60%および硝酸カリウム塩40%からなる溶融塩における600℃での耐食性が試験された。使用した合金の分析結果を表2に示す。試験終了後、金属表面から酸化膜を除去し、試験前、試験後、酸化膜除去後の試験片の重量を測定して、酸化膜の重量を求めた。ここから、試験前の試験片表面に対する重量損失量(スケール除去量)を求める。
表3に、3000時間後の腐食速度を、一方にはスケール除去量(mg/cm)として、もう一方には金属損失量(μm/年)として換算して示す。合金Alloy 214は、アルミニウム含有量4.5%で5.7μm/年と最も低い腐食速度を示し、次いでAlloy 224は、アルミニウム含有量3.8%で8.3μm/年の腐食速度を示す。試験した他のすべてのニッケル合金(Alloy 625、Alloy 120、Alloy 242、およびAlloy 230)は、アルミニウム含有量が0.5%未満で16.8μm/年以上とはるかに高い腐食速度を示している。Alloy 214およびAlloy 224は、溶融硝酸塩に対して良好な保護効果を発揮する酸化アルミニウム膜を形成する。合金Alloy 625、Alloy 120、Alloy 242、およびAlloy 230のようにアルミニウム含有量が少なすぎると、酸化アルミニウム膜が形成されず、腐食速度が高まる。したがって、溶融硝酸塩において使用される合金は、閉じた酸化アルミニウム膜が形成されるのに十分なアルミニウム含有量を有することが有利である。
本発明による合金は、溶融硝酸塩における卓越した耐食性に加えて、さらに以下の特性も有する:
- 良好な相安定性
- 良好な加工性
- Alloy 602CA(N06025)と同様の大気中での良好な耐食性
- 良好な熱間強度/クリープ強度
- 相安定性
Tiおよび/またはNbを添加したニッケル-クロム-鉄-アルミニウム系では、合金含有量に応じて、例えばラーベス相、σ相もしくはμ相、または脆化η相もしくはε相などの様々な脆化TCP(topologically close-packed)相が形成し得る(例えば、Ralf Buergel, Handbuch der Hochtemperaturwerkstofftechnik, 3. Auflage, Vieweg Verlag, Wiesbaden, 2006, p.70-374参照)。例えばバッチ111389のN06690の平衡相分率を温度の関数として計算すると(典型的な組成は表4参照)、720℃(T BCC)未満でα-クロム(図1のBCC相)がかなりの割合で形成されることが数学的に示される。この相の形成は、分析的にベース材料と大きく異なるため、非常に困難である。しかし、例えば“E. Slevolden, J.Z. Albertsen. U. Fink, Tjeldbergodden Methanol Plant: Metal Dusting Investigations,” Corrosion/2011, paper no. 11144 (Houston, TX: NACE 2011), p.15”にAlloy 693(UNS 06693)の変形例について記載されているように、この相のソルバス温度T BCCが非常に高い場合には、これは十分に起こり得る。図2および図3に、表4の合金3あるいは合金10のAlloy 693の変形例(米国特許第4,882,125号明細書、表1より)の相図を示す。この相は脆性を示すため、材料の望ましくない脆化を引き起こす。合金3の形成温度T BCCは1079℃であり、合金10の形成温度T BCCは939℃である。“E. Slevolden, J.Z. Albertsen. U. Fink, Tjeldbergodden Methanol Plant: Metal Dusting Investigations,” Corrosion/2011, paper no. 11144 (Houston, TX: NACE 2011), p.15”には、α-クロム(BCC相)が発生する合金の正確な分析結果は記載されていない。しかし、表4にAlloy 693について示した例のうち、計算上のソルバス温度T BCCが最も高い分析物(例えば合金10)ではα-クロムが発生する可能性があると推測される。補正した分析(ソルバス温度T BCCを低減したもの)において、“E. Slevolden, J.Z. Albertsen. U. Fink, Tjeldbergodden Methanol Plant: Metal Dusting Investigations,” Corrosion/2011, paper no. 11144 (Houston, TX: NACE 2011), p.15”では、α-クロムは表面近傍でのみ検出された。このような脆化相の発生を避けるために、本発明による合金では、ソルバス温度T BCCが、表4のAlloy 693(米国特許第4,882,125号明細書、表1より)の例の中で最も低いソルバス温度T BCCに相当する939℃以下であることが望ましい。
これは特に、以下の式:
Fp≦39.9 (2a)
Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+1.26*Nb+0.477*Cu+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3d)
が成り立つ場合に該当し、ここで、
Cr、Al、Fe、Si、Ti、Nb、Cu、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。先行技術による合金を含む表4から、Fpは、合金8、合金3および合金2では39.9より大きく、合金10でちょうど39.9であることがわかる。T BCCが939℃未満である他のすべての合金において、Fp≦39.9である。
- 加工性
加工性の一例として、ここでは成形性について考察する。
合金は、複数の機序で強化することができ、高い熱間強度やクリープ強度を持つようになる。別の元素を添加すると、元素に応じて多少なりとも強度が向上する(固溶強化)。それよりも、微粒子や析出物による強度の向上(粒子強化)の方がはるかに効果的である。これは、例えば、ニッケル合金にAlや例えばTiなどの他の元素を添加した際に生じるγ’相や、クロムを含むニッケル合金に炭素を添加した際に生じる炭化物によって実現できる(例えば、Ralf Buergel, Handbuch der Hochtemperaturwerkstofftechnik, 3. Auflage, Vieweg Verlag, Wiesbaden, 2006, p.358-369参照)。
γ’相形成元素の含有量あるいはC含有量を増加させると、確かに熱間強度は向上するが、溶体化処理された状態であっても成形性はますます損なわれる。
成形性が非常に良好な材料では、室温での引張試験における伸びAが50%以上、少なくとも45%以上が目標とされる。
これは特に、炭化物形成元素であるCr、Nb、TiおよびCにおいて以下の関係式:
Fa≦60 (4a)
Fa=Cr+6.15*Nb+20.4*Ti+201*C (5b)
が成り立つ場合に達成され、ここで、
Cr、Nb、TiおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。
- 熱間強度/クリープ強度
同時に、高温での耐力あるいは引張強さは、少なくともAlloy 601の値に達することが望ましい(表6参照)。
600℃:耐力Rp0.2>150MPa;引張強さR>500MPa (8a,8b)
800℃:耐力Rp0.2>130MPa;引張強さR>135MPa (8c,8d)
耐力あるいは引張強さは、Alloy 602 CAの引張強さの範囲であることが望ましい(表6参照)。以下の4つの関係式のうち少なくとも3つが成り立つことが望ましい:
600℃:耐力Rp0.2>250MPa;引張強さR>570MPa (9a,9b)
800℃:耐力Rp0.2>180MPa;引張強さR>190MPa (9c,9d)
要件8a、8b、8cおよび8dは特に、主要な強化元素において以下の関係式:
Fk≧47 (6a)
Fk=Cr+19*Ti+34.3*Nb+10.2*Al+12.5*Si+98*C+2245*B (7b)
が成り立つ場合に満たされ、ここで、
Cr、Ti、Nb、Al、Si、CおよびBは、当該元素の重量%での濃度である。
- 大気中での耐食性:
本発明による合金は、Alloy 602 CA(N06025)と同様の大気中での良好な耐食性を有する。
典型的なバッチ例111389(表5aおよび表5b)のAlloy 690(N06690)の、熱力学的平衡状態にある相の量割合(重量%)と温度との関係を示す図。 表4の合金3の例のAlloy 693(N06693)の、熱力学的平衡状態にある相の量割合(重量%)と温度との関係を示す図。 表4の合金10の例のAlloy 693(N06693)の、熱力学的平衡状態にある相の量割合(重量%)と温度との関係を示す図。
実施例:
- 製造:
表5aおよび表5bは、実験室規模で溶解したバッチの分析と、比較のために引用した工業規模で溶解した先行技術による幾つかのバッチAlloy 602CA(N06025)、Alloy 690(N06690)、Alloy 601(N06601)の分析を示している。先行技術によるバッチにはTを、本発明によるバッチにはEを付してある。実験室規模で溶解したバッチにはLを、工業規模で溶解したバッチにはGを付してある。
実験室規模で真空溶解した表5aおよび表5bの合金のインゴットを、900℃~1270℃で8時間焼鈍し、熱間圧延、さらには900℃~1270℃で0.1~1時間の中間焼鈍を行って、それぞれ最終厚さを13mmおよび6mmとした。こうして製造したシートを、900℃~1270℃で1時間にわたって溶体化処理した。これらのシートから、測定に必要な試験片を作製した。
工業規模で溶解した合金の場合、社内で製造した適切な厚さのシートの工業製品からサンプルを採取した。これらのシートから、測定に必要な試験片を作製した。
合金の変形例はいずれも、通常、70~505μmの粒径を有していた。
表5aおよび表5bのバッチ例について、以下の特性を比較する:
- 溶融硝酸塩における耐食性
- 相安定性
- 室温での引張試験による成形性
- 熱間引張試験による熱間強度/クリープ強度
- 酸化試験による大気中での耐食性
- 溶融硝酸塩における耐食性:
実験室規模で溶解したバッチ2301、250129~250138、および250147~250149、ならびにバッチ250164、250311および250526については、アルミニウムは1.8%以上である。このアルミニウム含有量は十分に多いため、酸化クロム膜の下に閉じた酸化アルミニウム膜が生じ得る。したがってこれらは、溶融塩における耐食性に求められる要件を満たしている。
- 相安定性:
表4の選択された先行技術による合金とすべての実験用バッチ(表5aおよび表5b)について、相図を計算し、表4および表5aにソルバス温度T BCCを記入した。また、表4あるいは表5aおよび表5bの組成について、式3dによりFpの値を算出した。Fpは、ソルバス温度T BCCが高いほど大きくなる。ソルバス温度T BCCが合金10より高いN06693の例はいずれも、Fp>39.9である。したがって、Fp≦39.9(式2a)という要件は、合金において十分な相安定性を得るための良好な基準である。表5aおよび表5bの実験用バッチはいずれも、Fp≦39.9の基準を満たす。
- 成形性(加工性):
表6には、室温(RT)および600℃での耐力Rp0.2、引張強さRおよび伸びA、さらには800℃での引張強さRが記入されている。また、FaおよびFkの値も記入されている。
表6において、先行技術による合金Alloy 602 CAのバッチ例156817および160483は、室温での伸びAがそれぞれ36%および42%と比較的小さく、良好な成形性の要件を下回っている。Faは60を上回っており、したがって良好な成形性を特徴づける範囲を超えている。本発明による合金(E)はいずれも、50%を上回る伸びを示している。よって、これらは要件を満たしている。本発明による合金はいずれもFaが60未満である。よって、これらは良好な成形性が得られる範囲内にある。特にFaが比較的小さい場合に伸びが大きい。
- 熱間強度/クリープ強度:
表6の先行技術による合金Alloy 601の例バッチ156656は、600℃あるいは800℃での耐力および引張強さの最低条件の例であるのに対して、先行技術による合金Alloy 602 CAのバッチ例156817および160483は、600℃あるいは800℃での耐力および引張強さの非常に良好な値の例である。Alloy 601は、関係式8a~8dで記述される熱間強度あるいはクリープ強度の最低条件を満たす材料の代表例である。Alloy 602 CAは、関係式9a~9dで記述される卓越した熱間強度あるいはクリープ強度を示す材料の代表例である。両合金ともFkの値は47を優に超え、Alloy 602 CAではさらにAlloy 601の値を大幅に上回っており、ここから、Alloy 602 CAの強さ値が増加していることがわかる。本発明による合金(E)はいずれも、600℃あるいは800℃での耐力および引張強さがAlloy 601の範囲内であるかまたはそれを大幅に上回り、したがって関係式8a~8dを満たしている。これらはAlloy 602 CAの値の範囲内にあり、バッチ250526およびバッチ250311を除いて、望ましい要件、すなわち4つの関係式9a~9dのうちの3つをも満たしている。Fkはまた、表6の実施例における本発明によるすべての合金について47より大きく、あるいは54より大きく、したがって良好な熱間強度あるいはクリープ強度を特徴とする範囲内にある。本発明によらない実験用バッチのうち、バッチ2297および2300は、関係式8a~8dが成り立たず、Fkも47未満である例である。
- 大気中での耐食性:
表7は、1100℃で大気中にて96時間×11サイクル、すなわち合計で1056時間の酸化試験後の比重量変化を示したものである。表7に、1056時間後のスポーリングした酸化物の比総重量変化、比正味重量変化、および比重量変化を示す。先行技術による合金のバッチ例であるAlloy 601およびAlloy 690は、Alloy 602 CAよりも著しく大きい総重量変化を示し、その際、Alloy 601の総重量変化は、Alloy 690の総重量変化よりもさらに著しく大きい。どちらも酸化アルミニウム膜よりも速く成長する酸化クロム膜を形成している。Alloy 601は、なおも約1.3%のAlを含む。この含有量は、部分的に閉じた酸化アルミニウム膜を形成するのにも少なすぎるため、酸化膜の下の金属材料内部でアルミニウムが酸化される(内部酸化)。そのため、Alloy 690と比較して重量が増加している。Alloy 602CAは、約2.3%のアルミニウムを含む。よって、この合金では、酸化クロム膜の下に閉じた酸化アルミニウム膜が形成し得る。これにより、酸化膜の成長が著しく抑制され、比重量増加も抑制される。本発明による合金(E)はいずれも、少なくとも2%のアルミニウムを含むため、Alloy 602 CAと同様に低いかまたはそれよりも低い総重量増加を示す。また、Alloy 602 CAのバッチ例と同様に、本発明による合金はいずれもスポーリングを測定精度の範囲内で示すが、Alloy 601およびAlloy 690は大きなスポーリングを示す。
したがって、本発明による合金「E」の特許請求される限度について、以下のように詳細に根拠づけることができる:
クロム含有量が少なすぎると、腐食性雰囲気で合金を使用した場合にクロム濃度が非常に迅速に臨界限度を下回ってしまい、閉じた酸化クロム膜が形成できなくなる。したがって、17%超のクロムの含有量が下限となる。クロム含有量が多すぎると合金の相安定性が低下し、これは特に1.8%以上の高アルミニウム含有量の場合に該当する。したがって、33%のクロムを上限とする。
酸化クロム膜の下にアルミニウム酸化膜が形成されることで、酸化速度が低下する。アルミニウムが1.8%を下回ると、酸化アルミニウムの膜が不完全で、その効果を十分に発揮することができなくなる。アルミニウム含有量が高すぎると、合金の加工性が損なわれる。したがって、アルミニウム含有量は4.0%未満が上限となる。
鉄含有量を減らすと合金のコストが高くなる。0.1%を下回ると、特別な出発原料を使用しなければならないため、コストが不釣り合いに高くなる。したがって、コスト面を考慮し、0.1%の鉄含有量を下限とする。鉄含有量を増やすと、特にクロムおよびアルミニウム含有量が多い場合に、相安定性が低下する(脆性相が形成される)。したがって、鉄15%が、本発明による合金の相安定性を確保するための合理的な上限値である。
合金の製造には、ケイ素が必要である。そのため、0.001%の最低含有量が必要である。特にアルミニウムおよびクロム含有量が多い場合は、加工性および相安定性が損なわれる。そのため、ケイ素含有量は0.50%に制限されている。
加工性の向上には、0.001%のマンガン最低含有量が必要である。マンガン元素は耐酸化性を低下させるため、2.0%に制限される。
チタンは、高温強度を高める。0.60%を超えると酸化挙動が悪化し得るため、最大値は0.60%である。
マグネシウム含有量および/またはカルシウム含有量が非常に少なくても、硫黄の凝固により加工性が向上し、それにより低融点のニッケル-硫黄共晶の発生が回避される。したがって、マグネシウムおよび/またはカルシウムについて、0.0002%の最低含有量が必要である。含有量が多すぎると、金属間化合物であるニッケル-マグネシウム相あるいはニッケル-カルシウム相が発生し、これも加工性を著しく低下させる。したがって、マグネシウム含有量および/またはカルシウム含有量は、最大0.05%に制限される。
良好なクリープ強度を得るためには、0.005%の炭素最低含有量が必要である。炭素は、最大0.12%に制限される。なぜならば、この含有量を超えると、この元素は、一次炭化物の過剰な形成により加工性を低下させるためである。
0.001%の窒素最低含有量が必要であり、それにより材料の加工性が向上する。窒素は、粗大な炭窒化物の生成により加工性が低下するため、最大0.05%に制限される。
酸素含有量は0.020%以下でないと、合金の製造はできない。酸素含有量が少なすぎるとコストが高くなる。そのため、酸素含有量は0.0001%以上である。
リンは界面活性元素であり耐酸化性を損なうため、リン含有量は0.030%以下とすることが望ましい。リン含有量が少なすぎると、コストが高くなる。そのため、リン含有量は0.001%以上である。
硫黄は界面活性元素であり耐酸化性を損なうため、可能な限り含有量を少なく設定することが望ましい。そのため、硫黄は最大0.010%に定められる。
モリブデン元素は耐酸化性を低下させるため、最大2.0%に制限される。
タングステン元素も同様に耐酸化性を低下させるため、最大2.0%に制限される。
ニッケルは、残部元素である。ニッケル含有量が少なすぎると相安定性が低下し、これは特にクロム含有量が多い場合に該当する。したがって、ニッケルは50%以上でなければならない。
また、十分な相安定性を得るために、以下の関係式:
Fp≦39.9 (2a)
Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3a)
が成り立たなければならず、ここで、
Cr、Fe、Al、Si、Ti、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。Fpの制限および他の元素の包含の可能性については、前記で詳細に根拠づけを行った。
必要に応じて、例えば、イットリウム、ランタン、セリウム、セリウムミッシュメタルなどの酸素親和性元素を添加することにより、耐酸化性をさらに向上させることができる。これらの元素は酸化物膜に取り込まれ、粒界で酸素の拡散経路を遮断する。
イットリウムの耐酸化性向上効果を得るためには、0.001%のイットリウム最低含有量が必要である。コストの面から、上限は0.20%に設定される。
ランタンの耐酸化性向上効果を得るためには、0.001%のランタン最低含有量が必要である。コストの面から、上限は0.20%に設定される。
セリウムの耐酸化性向上効果を得るためには、0.001%のセリウム最低含有量が必要である。コストの面から、上限は0.20%に設定される。
セリウムミッシュメタルの耐酸化性向上効果を得るためには、0.001%のセリウムミッシュメタル最低含有量が必要である。コストの面から、上限は0.20%に設定される。
ニオブも高温強度を高めるため、必要に応じてニオブを添加することが可能である。含有量物を増やすと、コストが非常に高くなる。そのため、上限は1.10%に定められる。
タンタルも高温強度および耐酸化性を高めるため、必要に応じて合金はタンタルも含むことができる。含有量を増やすと、コストが非常に高くなる。そのため、上限は0.60%に定められる。効果を得るには、0.001%の最低含有量が必要である。
必要に応じて、合金はジルコンも含むことができる。ジルコンの高温強度および耐酸化性向上効果を得るためには、0.001%のジルコン最低含有量が必要である。コスト面から、上限はジルコン0.20%に定められる。
必要に応じて、合金はハフニウムも含むことができる。ハフニウムの高温強度および耐酸化性向上効果を得るためには、0.001%のハフニウム最低含有量が必要である。コスト面から、上限はハフニウム0.20%に定められる。
ホウ素はクリープ強度を向上させるため、必要に応じて合金にホウ素を添加することができる。したがって、少なくとも0.0001%の含有が望ましい。同時に、この界面活性元素は耐酸化性を低下させる。そのため、最大0.008%のホウ素が定められる。
この合金には、コバルトが最大5.0%含まれていてよい。含有量が多くなると、耐酸化性が著しく低下する。
銅元素は耐酸化性を低下させるため、最大0.5%に制限される。
バナジウム元素は耐酸化性を低下させるため、最大0.5%に制限される。
鉛元素は耐酸化性を低下させるため、最大0.002%に制限される。亜鉛やスズも同様である。
さらに、任意に、炭化物形成元素であるクロム、チタンおよび炭素において、特に良好な加工性を表す以下の関係式:
Fa≦60 (4a)
Fa=Cr+20.4*Ti+201*C (5a)
が成り立つことができ、ここで、
Cr、TiおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。Fpの制限および他の元素の包含の可能性については、前記で詳細に根拠づけを行った。
さらに、任意に、強度増加元素において、特に良好な熱間強度あるいはクリープ強度を表す以下の関係式:
Fk≧47 (6a)
Fk=Cr+19*Ti+10.2*Al+12.5*Si+98*C (7a)
が成り立つことができ、ここで、
Cr、Ti、Al、SiおよびCは、当該元素の重量%での濃度である。Fpの制限および他の元素の包含の可能性については、前記で詳細に根拠づけを行った。
Figure 2023504842000002
Figure 2023504842000003
Figure 2023504842000004
Figure 2023504842000005
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Figure 2023504842000008
Figure 2023504842000009

Claims (26)

  1. 熱伝達媒体として溶融硝酸塩を用いるソーラータワー発電所で使用するための、(重量%で)>17~33%のクロム、1.8~<4.0%のアルミニウム、0.10~15.0%の鉄、0.001~0.50%のケイ素、0.001~2.0%のマンガン、0.00~0.60%のチタン、各0.0002~0.05%のマグネシウムおよび/またはカルシウム、0.005~0.12%の炭素、0.001~0.050%の窒素、0.0001~0.020%の酸素、0.001~0.030%のリン、最大0.010%の硫黄、最大2.0%のモリブデン、最大2.0%のタングステン、残部のニッケルおよびプロセスに起因する通常の不純物を含み、ニッケル≧50%である、ニッケル-クロム-鉄-アルミニウム合金であって、以下の関係式:
    Fp≦39.9 (2a)
    Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3a)
    が成り立たなければならず、ここで、
    Cr、Fe、Al、Si、Ti、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である、合金。
  2. 特に溶融塩と接触するすべての部品に使用するための、請求項1記載の合金。
  3. 前記合金は、800℃の最高温度まで使用可能である、請求項1または2記載の合金。
  4. クロム含有量が>18~33%である、請求項1から3までのいずれか1項記載の合金。
  5. アルミニウム含有量が1.8~3.8%である、請求項1から4までのいずれか1項記載の合金。
  6. 鉄含有量が0.1~12.0%である、請求項1から5までのいずれか1項記載の合金。
  7. ケイ素含有量が0.001~<0.40%である、請求項1から6までのいずれか1項記載の合金。
  8. マンガン含有量が0.001~0.50%である、請求項1から7までのいずれか1項記載の合金。
  9. チタン含有量が0.001~0.50%である、請求項1から8までのいずれか1項記載の合金。
  10. 炭素含有量が0.01~0.10%である、請求項1から9までのいずれか1項記載の合金。
  11. 任意に、イットリウム含有量が0.001~0.20%である、請求項1から10までのいずれか1項記載の合金。
  12. 任意に、ランタン含有量が0.001~0.20%である、請求項1から11までのいずれか1項記載の合金。
  13. 任意に、セリウム含有量が0.001~0.20%である、請求項1から12までのいずれか1項記載の合金。
  14. 任意に、セリウムミッシュメタル含有量が0.001~0.20%である、請求項1から13までのいずれか1項記載の合金。
  15. 任意に、ニオブ含有量が0.0~1.1%であり、前記式(3a)にNbの項が追加され:
    Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+1.26*Nb+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3b)
    ここで、Cr、Fe、Al、Si、Ti、Nb、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である、請求項1から14までのいずれか1項記載の合金。
  16. 任意に、ジルコン含有量が0.001~0.20%である、請求項1から15までのいずれか1項記載の合金。
  17. 任意に、ハフニウム含有量が0.001~0.20%である、請求項1から16までのいずれか1項記載の合金。
  18. 任意に、ホウ素含有量が0.0001~0.008%である、請求項1から17までのいずれか1項記載の合金。
  19. 任意にさらに0.0~5.0%のコバルトを含む、請求項1から18までのいずれか1項記載の合金。
  20. さらに最大0.5%の銅を含み、前記式(3a)にCuの項が追加され:
    Fp=Cr+0.272*Fe+2.36*Al+2.22*Si+2.48*Ti+0.477*Cu+0.374*Mo+0.538*W-11.8*C (3c)
    ここで、Cr、Fe、Al、Si、Ti、Cu、Mo、WおよびCは、当該元素の重量%での濃度である、請求項1から19までのいずれか1項記載の合金。
  21. さらに最大0.5%のバナジウムを含む、請求項1から20までのいずれか1項記載の合金。
  22. 前記不純物は、最大0.002%の鉛、最大0.002%の亜鉛、最大0.002%のスズの含有量に設定されている、請求項1から21までのいずれか1項記載の合金。
  23. Nbを含まない合金について、以下の式:Fa≦60 (4a)、Fa=Cr+20.4*Ti+201*C (5a)が成り立ち、これにより特に良好な加工性が達成され、ここで、Cr、TiおよびCは、当該元素の重量%での濃度であり、あるいはNbを含む合金について、Fa=Cr+6.15*Nb+20.4*Ti+201*C (5b)が成り立ち、ここで、Cr、Nb、TiおよびCは、当該元素の重量%での濃度である、請求項1から22までのいずれか1項記載の合金。
  24. BおよびNbを含まない合金について、以下の式:Fk≧47 (6a)、Fk=Cr+19*Ti+10.2*Al+12.5*Si+98*C (7a)が成り立ち、これにより特に良好な熱間強度/クリープ強度が達成され、ここで、Cr、Ti、Al、SiおよびCは、当該元素の重量%での濃度であり、あるいはBおよび/またはNbを含む合金について、Fk=Cr+19*Ti+34.3*Nb+10.2*Al+12.5*Si+98*C+2245*B (7b)が成り立ち、ここで、Cr、Ti、Nb、Al、Si、CおよびBは、当該元素の重量%での濃度である、請求項1から23までのいずれか1項記載の合金。
  25. ストリップ、シート、ワイヤ、ロッド、長手溶接管、およびシームレス管としての、請求項1から24までのいずれか1項記載の合金の使用。
  26. ストリップ、シート、ワイヤ、ロッド、長手溶接管、およびシームレス管を製造するための、請求項1から24までのいずれか1項記載の合金の使用。
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