JP2023504531A - 腫瘍治療のための二重特異性融合タンパク質と抗Her2抗体の組合せ - Google Patents

腫瘍治療のための二重特異性融合タンパク質と抗Her2抗体の組合せ Download PDF

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Abstract

本発明は、免疫チェックポイント阻害剤を必要とする被験者の腫瘍を治療するための医薬の調製における、Her2阻害剤と組み合わせた免疫チェックポイント阻害剤の使用。さらに、有効量の前記免疫チェックポイント阻害剤及び有効量の前記Her2阻害剤、及び任意選択的に薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物、並びにそれを必要とする被験者における腫瘍を治療するための医薬の調製における薬学的組成物の使用に関するものである。

Description

本発明は、免疫チェックポイント阻害剤を必要とする被験者の腫瘍を治療するための医薬の調製における、Her2阻害剤と組み合わせた免疫チェックポイント阻害剤の使用に関するものである。
免疫系は、抗Her2抗体のADCC効果のような抗Her2抗体の抗腫瘍効果において重要な役割を果たし、T細胞機能と関連している。TIL値が高い患者ほど、抗Her2抗体に対する反応が良好である。反対に、病理学的完全寛解 (pCR) を達成しない患者はTregレベルが上昇し、免疫抑制状態を呈する。
動物実験でも、トラツズマブがIFN-γの分泌を増加させ、それによってPDL1の発現を誘導することが示されている。また、この経路はトラスツズマブ耐性の機序の一つとなる可能性がある。
前臨床試験では、Her2標的の治療効果は、生体の適応免疫反応に依存することが確認されている。従って、腫瘍免疫関連(PD1/PDL1、CTLA4、4-1BBなどのターゲット)と組み合わせることで、薬剤の抗腫瘍効果を相乗的に増強できる。
本開示は、PD-L1及びCTLA4に特異的に結合することができる、免疫チェックポイント阻害剤を必要とする被験者の腫瘍を治療するための医薬の調製におけるHer2阻害剤と組み合わせた免疫チェックポイント阻害剤の使用を提供し、有効量の前記免疫チェックポイント阻害剤及び有効量の前記Her 2阻害剤を含む医薬組成物、及び任意に薬学的に許容される賦形剤、並びにそれらを必要とする被験者の腫瘍を治療するための医薬の調製における医薬組成物の使用を提供する。
一形態では、本開示は、それを必要とする被験者における腫瘍を治療するための医薬の調製におけるHer2阻害剤と組み合わせた免疫チェックポイント阻害剤の使用を提供し、前記免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1及びCTLA4に特異的に結合することができる。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、二重特異性抗体又はその抗原結合断片である。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、二重特異性抗体であり、前記二重特異性抗体は、完全ヒト抗体である。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、抗原結合断片であり、前記抗原結合断片は、Fab、Fab'、F(ab)2、Fv断片、F(ab')2、scFv,di-scFv及び/又はdAbを含む。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は二量体であり、前記二量体は二つのポリペプチド鎖によって形成され、前記二つのポリペプチド鎖の各々は抗体Fcサブユニットを含み、前記二量体は2以上の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含み、前記ISVDの少なくとも一つはPD-L1に対する特異的であり、前記ISVDの少なくとも一つはCTLA4に対する特異的である。
いくつかの実施形態では、前記二つのポリペプチド鎖の少なくとも一つは、PD-L1に特異的なISVDとCTLA4に特異的なISVDの両方を含む。
いくつかの実施形態では、前記二つのポリペプチド鎖の各々は、PD-L1に対して特異的なISVDとCTLA4に対して特異的なISVDの両方を含む。
いくつかの実施形態では、前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について、PD-L1に特異的な前記ISVDは、CTLA4に特異的な前記ISVDに、任意にリンカーを介して融合される。
いくつかの実施形態では、前記二つのポリペプチド鎖の一つ又は両方について:PD-L1に特異的な前記ISVDは、任意にリンカーを介して、CTLA4に特異的な前記ISVDに融合され;CTLA4に特異的な前記ISVDは、任意にリンカーを介して、前記抗体Fcサブユニットに融合される。
いくつかの実施形態では、前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について:PD-L1に特異的な前記ISVDのC末端は、CTLA4に特異的な前記ISVDのN末端に、任意にリンカーを介して融合され;そしてCTLA4に特異的な前記ISVDのC末端は、前記抗体FcサブユニットのN末端に、任意にリンカーを介して融合される。
いくつかの実施形態では、前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について:PD-L1に特異的な前記ISVDは、任意にリンカーを介して、CTLA4に特異的な前記ISVDに融合され;PD-L1に特異的な前記ISVDは、任意にリンカーを介して、前記抗体Fcサブユニットに融合される。
いくつかの実施形態では、前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について:CTLA4に特異的な前記ISVDのC末端は、任意にリンカーを介して:PD-L1に特異的な前記ISVDのN末端に融合され;そしてPD-L1に特異的な前記ISVDのC末端は、任意にリンカーを介して、前記抗体FcサブユニットのN末端に融合される。
いくつかの実施形態では、前記抗体Fcサブユニットは、IgG Fcサブユニットに由来する。
いくつかの実施形態では、前記IgGは、ヒトIgG1である。
いくつかの実施形態では、前記抗体Fcサブユニットは、配列番号35、38及び39のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、ヒトPD-L1のN末端IgVドメインに結合することができる。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基I54、Y56、E58、Q66及び/又はR113に結合することができ、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインは、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基D61、N63、V68、M115、S117、Y123及び/又はR125にさらに結合することができ、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインは、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの立体配座エピトープに結合することができ、前記立体配座エピトープは、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基I54、Y56、E58、Q66及びR113を含み、前記ヒトPD-L 1 N末端IgVドメインは、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの立体配座エピトープに結合することができ、前記立体配座エピトープは、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基I54、Y56、E58、Q66、R113、D61、N63、V68、M115、S117、Y123及びR125を含み、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインは、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、PD-L1のPD1への結合を遮断することができる。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、PD-L1のCD80への結合を遮断することができる。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、参照抗PD-L1抗体とPD-L1との結合について競合し、ここで、前記参照抗PD-L1抗体は、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗PD-L1抗体は、配列番号5及び9のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗PD-L1抗体は、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗PD-L1抗体は、配列番号3及び7のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗PD-L1抗体は、配列番号4、8及び11のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗PD-L1抗体は、PD-L1に対して特異的なISVDである。
いくつかの実施形態では、前記参照抗PD-L1抗体は、配列番号6、10、12、13、14及び15のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗PD-L1抗体は、配列番号6に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、配列番号5及び9のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、配列番号3及び7のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、配列番号4、8及び11のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR 2を含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、配列番号6、10、12、13、14及び15のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、PD-L1に特異的な前記ISVDは、配列番号6に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、CTLA4に特異的な前記ISVDは、ヒトCTLA4と特異的に結合することができる。
いくつかの実施形態では、CTLA4に特異的な前記ISVDは、CTLA4のCD80への結合を遮断することができる。
いくつかの実施形態では、CTLA4に特異的な前記ISVDは、CTLA4のCD86への結合を遮断することができる
いくつかの実施形態では、CTLA4に特異的な前記ISVDは、参照抗CTLA4抗体とCTLA4との結合について交差競合し、前記参照抗CTLA4抗体は、配列番号19に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態では、参照抗CTLA4抗体は、配列番号17に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗CTLA4抗体は、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗CTLA4抗体は、配列番号18、21及び23のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗CTLA4抗体は、CTLA4に対して特異的なISVDである。
いくつかの実施形態では、前記参照抗CTLA4抗体は、配列番号20、22、及び24~32のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、前記参照抗CTLA4抗体は、配列番号20に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、長寿の状態は、生存時間を検出することによって評価される。
いくつかの実施形態では、前記認知状態は、オープンフィールド実験によって評価される。
一方、本願は、Zip11活性及び/又は発現を測定するための物質を試薬の調製に用いることも提供し、前記試薬は、被験者の老化状態を識別するために使用される。
いくつかの実施形態では、前記Zip11活性及び/又は発現は、Zip11核酸発現レベル及び/又は活性、及び/又はZip11タンパク質発現レベル及び/又は活性を含む。
いくつかの実施形態では、CTLA4に特異的な前記ISVDは、配列番号20、22及び24~32のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、CTLA4に特異的な前記ISVDは、配列番号20に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、前記二量体は、ホモ二量体である。
いくつかの態様では、前記リンカーは、配列番号33~34のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方は、配列番号40~43、46、48及び50のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方は、配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、前記二量体は、PD-L1のPD-1への結合を遮断することができる。
いくつかの実施形態では、前記二量体は、PD-L1のCD80への結合を遮断することができる。
いくつかの実施形態では、前記二量体は、CTLA4のCD80への結合を遮断することができる。
いくつかの実施形態では、前記二量体は、CTLA4のCD86への結合を遮断することができる。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、ヒトHer2を阻害することができる。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、Her2抗体又はその抗原結合部分及び/又はその複合体である。
いくつかの実施形態では、Her2抗体は、ペルツズマブ、トラスツズマブ及びマルゲツキシマブからなる群より選択される。
いくつかの実施態様では、前記結合体は、DS8201a及びT-DM1からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、二重特異性抗体又はその抗原結合部分であり、ヒトHer2の異なるエピトープに結合することができる。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、二重特異性抗体又はその抗原結合部分であり、前記二重特異性抗体又はその抗原結合部分は、共通の軽鎖を有し、前記共通軽鎖は、同じ配列を有する二つの軽鎖を指す。
いくつかの実施形態では、その重鎖は、生理学的条件下又はin vitroタンパク質発現中に、それぞれ前記軽鎖と正しく会合することができる。
いくつかの実施形態では、共通軽鎖は、それぞれペルツズマブの重鎖及びトラスツズマブの重鎖と会合することができる。
いくつかの実施形態では、共通軽鎖は、ペルツズマブの軽鎖、トラスツズマブの軽鎖、又はその突然変異体から選択される。
いくつかの実施態様では、共通軽鎖の可変領域の配列は、配列番号65~70のアミノ酸位置1~107に示す配列から選択される配列を含む。
いくつかの実施形態では、その重鎖可変領域は、それぞれ、ペルツズマブの重鎖可変領域及びトラスツズマブの重鎖可変領域であり、例えば、重鎖可変領域は、それぞれ、配列番号87及び配列番号88に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、重鎖のFc断片配列は、それぞれ配列番号89及び配列番号90に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、その二つの重鎖は、それぞれ配列番号83及び配列番号84に記載の配列を含む。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、0.01mg/kg~100mg/kgの用量で投与される。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、20mg/kg~30mg/kgの用量で投与される。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、0.01mg/kg~100mg/kgの用量で投与される。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、3mg/kg~5mg/kgの用量で投与される。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、週4回、週2回、週1回、2週に1回、3週に1回、4週に1回、5週に1回、6週に1回、8週に1回又は12週に1回の投与頻度で投与される。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、2週間に1回若しくは3週間に1回、又は負荷用量で投与される。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、週4回、週2回、週1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、又は12週間に1回の投与頻度で投与される。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、2週間に1回又は3週間に1回投与される。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、埋め込み、吸入、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内に投与される。
いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、静脈内投与によって投与される。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、埋め込み、吸入、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内に投与される。
いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与によって投与される。
いくつかの実施形態では、前記腫瘍は、固形腫瘍及び血液腫瘍からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、前記腫瘍は、NSCLC、乳癌、胃癌、胃食道接合部腺癌、食道腺癌、大腸癌、子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜癌、胆道癌、大腸癌及び尿路上皮癌からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、前記腫瘍は、Her2異常固形腫瘍及びHer2陽性癌からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、前記被験者は、抗Her2抗体及び/又は抗PD1剤が投与される。いくつかの実施形態では、前記抗Her2抗体は、トラスツズマブを含む。
いくつかの実施形態では、前記被験者は、化学療法を投与される。
いくつかの実施形態では、前記化学療法は、一次化学療法及び/又は二次化学療法を含む。いくつかの実施形態では、前記二次化学療法は、パクリタキセル+ラムシルマブ、パクリタキセル、ドセタキセル及び/又はイリノテカンの単剤療法を含む。
別の形態では、本開示は、有効量の本開示の前記免疫チェックポイント阻害剤と、有効量の前記Her2阻害剤と、任意に、薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する。
別の形態では、本開示は、それを必要とする被験者の腫瘍を治療するための医薬の調製における医薬組成物の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、週4回、週2回、週1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回又は12週間に1回の投与頻度で投与される。
いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、埋め込み、吸入、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内に投与される。
いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、0.01mg/kg~100mg/kgの用量で投与される。
いくつかの実施形態では、前記腫瘍は、固形腫瘍及び血液腫瘍からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、前記腫瘍は、NSCLC、乳癌、胃癌、胃食道接合部腺癌、食道腺癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜癌、胆道癌、結腸直腸癌及び尿路上皮癌からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、前記腫瘍は、Her2異常固形腫瘍及びHer2陽性がんからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、前記腫瘍を患っている被験者は、抗Her2抗体及び/又は抗PD1剤が投与される。いくつかの実施形態では、前記抗Her2抗体は、トラスツズマブを含む。
いくつかの実施形態では、前記被験者は、化学療法を投与される。
いくつかの実施形態では、前記化学療法は、一次化学療法及び/又は二次化学療法を含む。いくつかの実施形態では、前記二次化学療法は、パクリタキセル+ラムシルマブ、パクリタキセル、ドセタキセル及び/又はイリノテカンの単剤療法を含む。
本開示のさらなる形態及び利点は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろう。ここでは、本開示の例示的な実施形態のみが示され、説明される。 理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て開示から逸脱することなく、様々な明白な点で修正可能である。 従って、図面及び説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
本明細書に記載されているすべての刊行物、特許、及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物、特許、又は特許出願が、参照によって組み込まれるように具体的かつ個別に指示された場合と同じ程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に特に記載されている。 本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が採用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及び添付の図面(本明細書中の 「図」 及び 「図」 もまた)を参照することによって得られる。
本開示の二量体の例を示す。 ヘテロ二量体タンパク質融合の模式図を示す。パネルaはヘテロ二量体Fc融合技術を示し、パネルbは 「Fab」 技術を示す。
本明細書では、本発明の様々な実施形態が示され、説明されてきたが、そのような実施形態が単なる例として提供されることは当業者には明らかであろう。 本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、及び置換が生じ得る。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する種々の代替物が使用され得ることを理解されたい。
本明細書で使用される用語「抗体」は、一般に、免疫グロブリン又はその断片もしくは誘導体を指し、in vitro又はin vivoで産生されるかどうかにかかわらず、抗原結合部位を含む任意のポリペプチドを包含する。この用語は、ポリクローナル、モノクローナル、モノスペシフィック、ポリスペシフィック、非特異的、ヒト化、単鎖、キメラ、合成、組み換え、ハイブリッド、変異、及びグラフト抗体を含むが、これらに限定されない。本開示の目的では、 「無傷の抗体」 のように用語 「無傷の」 によって他に修飾されない限り、用語 「抗体」 は、Fab、F (ab') 2、Fv、scFv、Fd、dAbなどの抗体断片、及び抗原結合機能、すなわち、例えばCTLA-4又はPD-L 1に特異的に結合する能力を保持する他の抗体断片も含む。典型的には、そのような断片は抗原結合ドメインを含む。
本明細書で使用される用語、抗体の 「可変領域」 又は 「可変ドメイン」 は、一般に、抗体の重鎖又は軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ 「VH」 及び 「VL」 と称され得る。これらのドメインは、一般に、(同じクラスの他の抗体と比較して)抗体の最も可変な部分であり、抗原結合部位を含む。
本明細書で使用される用語「可変」 は、通常、可変ドメインの特定のセグメントが抗体間で配列において広範に異なるという事実を指す。Vドメインは抗原結合を媒介し、特定の抗体の特定の抗原に対する特異性を規定する。しかし、可変ドメインのスパン全体にわたって、可変性が均等に分布しているわけではない。その代わりに、それは軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方において、超可変領域 (CDR又はHVR) と呼ばれる三つのセグメントに集約される。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインはそれぞれ4つのFR領域を含み、大部分はβシート構造をとり、三つのCDRによって連結され、βシート構造を連結し、場合によってはβシート構造の一部を形成するループを形成する。各鎖中のCDRは、FR領域によって近接して一緒に保持され、他の鎖からのCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する (Kabat ら, Sequences of Immunological Interest, Fifth Edition, National Institute of Health, Bethesda, Md. (1991))を参照)定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接関与しないが、抗体依存性細胞毒性における抗体の関与のような種々のエフェクター機能を示す。
本明細書で使用される用語 「CDR」 、「HVR」又は 「HV」は、一般に、配列において超可変である及び/又は構造的に定義されたループを形成する抗体可変ドメインの領域を指す。一般に、抗体は6つのCDRを含む;VH (HCDR1、HCDR2、HCDR3)に三つ、VL (LCDR1、LCDR2、LCDR3) に三つである。本開示のISVDは、三つのCDR (例えば、VH、HCDR1、HCDR2及びHCDR3)のみを含み得る。天然抗体で、HCDR3及びLCDR3は6つのCDRの中で最も多様性を示し、特にHCDR3は、抗体に微細な特異性を付与する際に独特の役割を果たすと考えられている。例えば、Xuら, Immunity 13:37-45 (2000); Johnson and Wu, in Methods in Molecular Biology 248:1-25 (Lo, ed., Human Press, Totowa, N.J., 2003).を参照されたい。実際、重鎖のみからなる天然のラクダ抗体は、軽鎖が存在しない場合には機能的で安定である。例えば、Hamers-Castermanら、Nature 363:446-448 (1993);Sheriffら、Nature Struct.Biol.3:733-736 (1996)を参照されたい。
多くのCDR描写が使用されており、本明細書に包含される。Kabat相補性決定領域 (CDR) は配列可変性に基づいており、最も一般的に使用されている (Kabatら., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed.Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、 Md. (1991)). Chothia refers instead to the location of the structural loops (Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987)).AbM CDRは、Kabat HVRとChothia構造ループとの間の妥協を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用される。
「接触」 CDRは、入手可能な複雑な結晶構造の分析に基づいている。これらのCDRの残基を表1に示す:
Figure 2023504531000001
CDRは以下のように「拡張CDR」を含み得る。VLでは24-36又は24-34(LCDR1)、46-56又は50-56(LCDR2)及び89-97又は89-96(LCDR3)、VHでは26-35(HCDR1)、50-65又は49-65(HCDR2)及び93-102、94-102又は95-102(HCDR3)である。可変ドメイン残基は、これらの定義のそれぞれについて、Kabatら、前掲書に従って番号付けされる。
「Kabatにおける可変ドメイン残基番号付け」 又は 「Kabatにおけるアミノ酸位置番号付け」 という表現及びその変形は、一般に、Kabatら、上述の二量体/ポリペプチド鎖の編集の重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインに使用される番号付けシステムを指す。残基のKabat番号付けは、 「標準」 Kabat番号付けされた配列とポリペプチドの配列の相同性の領域で整列させることによって、所与のポリペプチドについて決定され得る。
「フレームワーク」又は「FR」残基は、本明細書で定義されるCDR残基以外の可変ドメイン残基である。「ヒトコンセンサスフレームワーク」又は「アクセプターヒトフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に存在するアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般に、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからである。一般に、配列のサブグループは、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed.Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.(1991) に示すサブグループである。例としては、VLについて、サブグループは、Kabatら、前掲のように、サブグループκI、κII、κIII又はκIVであってよい。さらに、VHについては、サブグループは、Kabatら、前掲のように、サブグループI、サブグループII、又はサブグループIIIであってもよい。あるいは、ヒトコンセンサスフレームワークは、特定の残基、例えば、ドナーフレームワーク配列を様々なヒトフレームワーク配列のコレクションと整列することによって、ドナーフレームワークに対するその相同性に基づいてヒトフレーム残基が選択される場合に、上記から誘導され得る。ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークに 「由来する」 受容体ヒトフレームワークは、その同一のアミノ酸配列を含み得、又は既存のアミノ酸配列変化を含み得る。いくつかの実施形態では、既存のアミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。
本明細書で使用される用語「相同性」 、「相同」又は「配列同一性」 は、一般に、二つ以上のポリヌクレオチド配列間又は二つ以上のポリペプチド配列間の配列類似性又は相互交換性を指す。二つの異なるアミノ酸配列間の配列同一性、類似性又は相同性を決定するプログラム(例えば、Emboss Needle又はBestFit)を使用する場合、デフォルト設定を使用してもよく、又はblosum45又はblosum80などの適切な得点行列を選択して、同一性、類似性又は相同性スコアを最適化してもよい。いくつかの実施形態では、相同であるポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、参照配列と少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、さらに100%の配列同一性を有するものである。相同性のあるポリペプチドは、同等の長さの配列を最適に整列させたときに、互いに少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有していてもよい。
用語「パーセント(%)配列同一性」は、本明細書で同定されたポリペプチド配列の文脈において使用される場合、一般に、配列を整列させ、任意に、最大パーセント配列同一性を達成するためにギャップを導入し、かつ配列同一性の一部として保存的置換を考慮しない後に、第2の参照ポリペプチド配列又はその一部のアミノ酸残基又はヌクレオチドと同一であるクエリー配列中のアミノ酸残基又はヌクレオチドのパーセンテージを指す。パーセントアミノ酸/ヌクレオチド配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、NEEDLE又はMegalign (DNASTAR) ソフトウェアのような公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを用いて、当業者の範囲内の様々な方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含めて、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。パーセント同一性は、規定されたポリペプチド/ポリヌクレオチド配列全体の長さにわたって測定することができ、又はより短い長さにわたって、例えば、より大きな規定されたポリペプチド/ポリヌクレオチド配列から採取された断片の長さにわたって測定することができる。表、図又は配列リストにおいて、本明細書に示される配列によってサポートされる任意の断片長は、パーセンテージ同一性が測定され得る長さを記述するために使用され得ることが理解される。
本出願では、用語 「二重特異性抗体」 は、第1の抗原又は抗原エピトープに特異的に結合することができる抗体の軽鎖及び重鎖、並びに第2の抗原又は抗原エピトープに特異的に結合することができる抗体の軽鎖及び重鎖をそれぞれ含む、二つの抗原又は抗原エピトープにそれぞれ結合することができる抗体を指す。一実施形態では、二重特異性抗体において、第1の抗原又は抗原エピトープに特異的に結合することができる抗体軽鎖及び第2の抗原又は抗原エピトープに特異的に結合することができる抗体軽鎖は、同じ配列を有する。一実施形態では、二重特異性抗体において、第1の抗原又は抗原エピトープに特異的に結合することができる抗体重鎖と、第2の抗原又は抗原エピトープに特異的に結合することができる抗体重鎖とは、異なる配列を有する。
本明細書で使用される用語 「PD-L1」 は、通常、プログラム細胞死リガンド1タンパク質、その機能的変異体及び/又はその機能的断片を指す。PD-L1は、分化抗原群274 (CD274) 又はB7ホモログ1(B7-H1) としても知られており、(ヒトにおける) CD274遺伝子によってコードされるタンパク質である。PD-L1は、その受容体であるプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)に結合し、活性化T細胞、B細胞及びマクロファージに発現する(Ishidaら, 1992 EMBO J, 11:3887-3395; Okazaki ら., Autoimmune dilated cardiomyopathy in PD-1 receptor-deficient mice.Science, 2001; 291: 319-22).PD-L 1及びPD-1の複合体化は、T細胞増殖及びIL-2及びIFN-γのサイトカイン産生を阻害することによって免疫抑制効果を発揮する(Freemanら., Engagement of PD-1 immunoinhibitory receptor by a novel B7 family member leads to negative regulation of lymphocyte activation, J. Exp.Med.2000、192:1027-1034;Carterら、PD-1:PD-L inhibitory pathway affects both CD4(+) and CD8(+) T cells and is overcome by IL-2.Eur.J. Immunol.2002、32:634-643)。例えば、用語「PD-L 1」は、NCBI受託番号Q9NZQ7に対して少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性を有し、PD1に特異的に結合するポリペプチド又はその断片を含み得る。PD-L1という用語は、PD-L1リガンド全体、可溶性PD-L1リガンド、及び第2の部位、例えばタンパク質ドメインに共有結合したPD-L1リガンドの機能的に活性な部分を含む融合タンパク質を含む。また、PD-L1の定義には、天然に存在するPD-L1とはアミノ酸配列が異なるが、受容体PD1に特異的に結合する能力を保持する変種も含まれる。さらに、PD-L1の定義には、PD1の生物学的活性を増強する変異体も含まれる。PD-L1 配列は当技術分野で公知であり、例えばGenBank Accession Number 29126で提供される。本明細書で使用される用語「PD-L1」は、ヒトPD-L1 (hPD-L1) 、hPD-L1の変異体、アイソフォーム、及び種相同体、及びhPD-L1と少なくとも一つの共通エピトープを有する類似体を含む。例えば、用語 PD-L1」は、他の哺乳類、例えば、ラット、マウス、ウサギ、非ヒト霊長類、ブタ、又はウシなどの他の種由来のPD-L1も包含する。完全なhPD-L1配列は、GenBank Accession No.29126に記載されている。
本明細書で使用される「ヒトPD-L1のN末端IgVドメイン」という用語は、一般に、そのN末端に位置するヒトPD-L1の細胞外ドメインを指す。また、「ヒトPD-L1のN末端IgVドメイン」という用語は、当該ドメイン内のエピトープを指すこともある。ヒトPD-L1タンパク質 (シグナルペプチドを含む) のN末端IgVドメインは、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含み得る。
本明細書で使用される用語「CTLA4」は、一般に、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4、その機能的変異体及び/又はその機能的断片を指す。CTLA4は、CD28ファミリーに属する免疫抑制性受容体である。CTLA4は、生体内のT細胞(CD4+細胞及びCD8+細胞)にのみ発現し、CD80及びCD86(それぞれB7-1及びB7-2とも呼ばれる)の二つのリガンドに結合する。例えば、用語「CTLA4」は、NCBI受託番号AAL 07473.1と少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性を有し、CD80及び/又はCD86に特異的に結合するポリペプチド又はその断片を含み得る。用語「CTLA4」は、CTLA4受容体全体、その細胞外ドメイン、及び第2の部分、例えばタンパク質ドメインに共有結合したCTLA4の機能的に活性な部分からなる融合タンパク質を含む。また、CTLA4の定義には、天然に存在するCTLA4とはアミノ酸配列が異なるが、リガンドCD80及び/又はCD86に特異的に結合する能力を保持する変異体も含まれる。CTLA4配列は当技術分野で公知であり、例えばGenBank Accession No.1493で提供される。本明細書で使用される用語「CTLA4」 は、ヒトCTLA4 (hCTLA4) 、hCTLA4の変異体、アイソフォーム、及び種相同体、並びにhCTLA4と少なくとも一つの共通エピトープを有する類似体を含む。例えば、用語「CTLA4」は、他の哺乳動物、例えば、ラット、マウス、ウサギ、非ヒト霊長類、ブタ、又はウシからのCTLA4も包含する。完全なhCTLA4配列は、GenBank Accession No.1493に記載されている。
本明細書で使用される用語「抗体Fcサブユニット」は、一般に、抗体Fcドメインの構成要素を指す。例えば、抗体Fcドメインは、二つ以上のメンバーによって形成され得、各メンバーは、一つのFcサブユニットと考えられ得る。本明細書で使用する「Fcドメイン」という用語は、一般に、抗体重鎖のFc部分又はFc断片を指す。例えば、免疫グロブリン重鎖定常領域のカルボキシル末端部分、又はFc受容体に結合することができるその類似体もしくは部分を指すことがある。公知のように、各免疫グロブリン重鎖定常領域は、4つ又は5つのドメインを含む。ドメインは以下のように順次命名される。CH1-hinge-CH2-CH3(-CH4).CH 4は、ヒンジ領域をもたないIgMに存在する。本開示では有用なFcドメイン又はFcサブユニットは、CH3ドメインを含み得る。例えば、Fcドメイン又はFcサブユニットは、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、Fcドメイン又はFcサブユニットはまた、免疫グロブリンヒンジ領域を含み得る。例えば、Fcドメイン又はFcサブユニットは、N末端からC末端まで、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含み得、又はこれらを含み得る。別の例において、Fcドメイン又はFcサブユニットは、N末端からC末端まで、免疫グロブリンヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH 3ドメインを含むか、又はこれらから構成されてもよい。Fcドメイン又はFcサブユニット内のアミノ酸残基位置は、Kabat、 E. A.ら.,.(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest 5th ed.NIH Publication No. 91-3242に従って決定されうる。
本明細書で使用する「Fcドメイン」という用語は、一般に、ネイティブ配列のFc領域及びバリアントFc領域を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を指す。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、Cys226の位置のアミノ酸残基から、又はPro230からそのカルボキシル末端まで伸長するように定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムによれば残基447)は、例えば、抗体の製造又は精製中に、又は抗体の重鎖をコードする核酸を組換え工学的に処理することによって除去することができる。従って、完全な抗体の組成物は、すべてのK 447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されていない抗体集団、及びK447残基を伴う抗体と伴わない抗体の混合物を有する抗体集団を含み得る。本発明の抗体において使用するのに適した天然配列Fc領域には、ヒトIgG1、IgG2 (IgG2A, IgG2B)、IgG3及びIgG4が含まれる。
本明細書中で特に指示されない限り、免疫グロブリン鎖における残基の番号付けは、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、5th Ed.Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MdにあるEUインデックスに記載のものであるPublic Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、 Md.(1991).KabatにおけるEU指数」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号を指す。
本明細書で使用する「二量体」という用語は、一般に、二つの、通常は非共有結合の、モノマー単位によって形成される高分子複合体を指す。各モノマー単位は、ポリペプチド鎖又はポリヌクレオチドなどの高分子であり得る。本明細書で使用される用語「ホモ二量体」は、一般に、二つの実質的に同一のポリペプチド鎖のような、二つの実質的に同一の単量体から構成されるか、又は二つの実質的に同一の単量体によって形成される二量体を指す。場合によっては、ホモ二量体の二つのモノマーは一つ以上の領域又は位置で異なっていてもよいが、このような相違はモノマーの機能又は構造に有意な変化を引き起こさない。例えば、当業者であれば、二つのモノマー間の差は、本開示において考慮される生物学的特性の文脈において、生物学的及び/又は統計学的有意性がほとんど又は全くないと考えるであろう。前記二つのモノマー間の構造/組成差は、例えば、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約5%以下、又はそれ以下であってもよい。
本明細書で使用される用語 「融合した」 又は 「融合」 は、一般に、二つのポリペプチド間の共有結合を指す。ポリペプチドは、典型的には、ペプチド結合を介して、直接相互に、又はアミノ酸リンカーを介して結合される。任意に、ペプチドは、当業者に公知の非ペプチド共有結合を介して結合され得る。
本明細書で使用される用語「融合タンパク質」は、一般に、異種ポリペプチド(すなわち、前者のポリペプチド又はそのドメインとは無関係のポリペプチド)のアミノ酸配列に直接又は間接的に(例えば、リンカーを介して)融合したポリペプチドのアミノ酸配列からなるか、又はその代わりになるポリペプチドのことを指す。
本明細書で使用される用語「免疫グロブリン単一可変ドメイン (ISVD) 」は、一般に、抗原結合ドメイン又はVHHドメイン又はVH又はVLドメインなどの断片をそれぞれ指す。抗原結合分子又は抗原結合タンパク質という用語は互換的に使用され、ナノボディという用語も含まれる。免疫グロブリン単一可変ドメインは、さらに、軽鎖可変ドメイン配列(例えば、VL-配列)、又は重鎖可変ドメイン配列(例えば、VH-配列)であり、より具体的には、従来の4鎖抗体由来の重鎖可変ドメイン配列又は重鎖抗体由来の重鎖可変ドメイン配列でありえる。従って、免疫グロブリン単一可変ドメインは、ドメイン抗体、又はドメイン抗体としての使用に適した免疫グロブリン配列、単一ドメイン抗体、単一ドメイン抗体、又は単一ドメイン抗体としての使用に適した免疫グロブリン配列、 「dAb」 、又はdAbとしての使用に適した免疫グロブリン配列、又はVHH配列を含むがこれらに限定されないナノボディであり得る。免疫グロブリン単一可変ドメインは、完全ヒト、ヒト化、そうでなければ配列最適化、又はキメラ免疫グロブリン配列を含む。免疫グロブリン単一可変ドメイン及び免疫グロブリン単一可変ドメインの構造は、しかしそれに限定されることなく、4つのフレームワーク領域又は「FR」で構成されると考えることができ、これらは当技術分野及び本明細書において「フレームワーク領域1」又は「FR1」と呼ばれ;「フレームワーク領域2」又は「FR2」と呼ばれ;「フレームワーク領域3」又は「FR3」と呼ばれ。及び「フレームワーク領域4」又は「FR4」とそれぞれ呼ばれ、これらのフレームワーク領域は、三つの相補性決定領域又は「CDR」によって中断され、これらは、当技術分野において「相補性決定領域1」又は「CDR1」と呼ばれ、「相補性決定領域2」又は「CDR2」と呼ばれ、及び「相補性決定領域3」又は「CDR3」とそれぞれ呼ばれる。
本明細書で使用される用語「ヒト化された」は、一般に、非ヒト抗体のCDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分又は全てが、ヒト免疫グロブリンに由来する対応するアミノ酸で置き換えられた抗体又はその断片を指す。例えば、抗体のヒト化形態では、CDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分又は全部がヒト免疫グロブリン由来のアミノ酸で置換されているが、一つ又は複数のCDR領域内のアミノ酸の一部、大部分又は全部は変更されていない。アミノ酸の小さな付加、欠失、挿入、置換又は修飾は、抗体がその特定の抗原/エピトープに結合する能力を損なわない限り、許容される。ヒト化抗体は、元の抗体と同様の抗原特異性を保持し得る。
本明細書で使用される用語「エピトープ」又は「抗原決定基」は、一般に、抗体が結合する抗原上の部位を指す。エピトープは、隣接したアミノ酸 (直鎖エピトープ) から形成されることもあれば、隣接していないアミノ酸がタンパク質の三次折畳みによって並置されて形成される (立体配座エピトープ) こともある。隣接するアミノ酸から形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒に曝露されると保持され、一方、三次折畳みによって形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒による処理で失われる。エピトープは、典型的には、少なくとも3個の、より一般的には、少なくとも5個又は8~10個のアミノ酸を独特の空間的立体配座で含む。エピトープの空間的立体配座を決定する方法は、例えば、X線結晶学及び2次元核磁気共鳴を含む。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology, Vol. 66, Glenn E. Morris, Ed (1996).を参照されたい。
本明細書で使用される用語 「立体配座エピトープ」 は、一般に、タンパク質の三次折畳みによって並置される抗原 (PD-L 1抗原など) の非隣接アミノ酸残基を指す。これらの不連続なアミノ酸残基は、ポリペプチド鎖が折りたたまれて天然のタンパク質を形成するときに、表面で一緒になることがある。立体配座エピトープは、限定されるものではないが、機能エピトープを含む。
本出願では、20の従来のアミノ酸及びその略語は、従来の規則に従う。参考文献として、Immunology - A Synthesis (EditionII、E.S..Golub and D.R.Gren、 Eds.Sinauer Associates、 Sunderland、 Mass. (1991))に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される用語「機能性エピトープ」は、一般に、抗体の結合にエネルギー的に寄与する、すなわち 「エネルギーエピトープ」 を形成する抗原のアミノ酸残基を指す。抗原のエネルギー的に寄与する残基のアラニンへのいずれか一つの突然変異は、抗体の結合を破壊し、その結果、抗体の相対KD比 (KD突然変異体/KD野生型) は、例えば、3倍を超える、4倍を超える、6倍を超える、10倍を超える、20倍を超える、30倍を超える、40倍を超える、50倍を超える、60倍を超える、70倍を超える、80倍を超える、90倍を超える、100倍を超える、150倍を超える、200倍を超える、又はそれ以上となり得る。
本明細書で使用される用語「細胞外ドメイン」は、一般に、細胞オルガネラ及び/又は細胞の外膜から突出するタンパク質 (例えば、受容体などの膜タンパク質) の一部を指す。ポリペプチド鎖が二重層を何度か通過すると、細胞外ドメインは膜に絡み合ったループからなる。細胞外ドメインは、特定のリガンドを認識し、それに応答することができる。
本明細書で使用される用語「リンカー」は、一般に、二つのポリペプチド配列を連結又は連結する、例えば、二つのポリペプチドドメインを連結する合成アミノ酸配列を指す。リンカーは、ペプチド結合を介して二つのアミノ酸配列を接続してもよい。いくつかの実施形態では、本開示のリンカーは、生物学的に活性な部位を第2の部位に直鎖状に連結する。例えば、ペプチドリンカーは、セリン及びグリシン配列からなるものや、Ala-Ala-Alaの繰り返しなど、非免疫原性かつ柔軟であってもよい。二量体の特定の構成に依存して、ペプチドリンカーは、例えば、以下のものから構成され得る。3~30(例えば、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30)のアミノ酸残基を含み得る。
用語「N-末端」は、「N-末端」と互換的に使用される場合があり、本明細書で使用する場合、これらは一般に、ポリペプチド鎖のアミノ末端/末端を指す。
用語「C-末端」は、「C-末端」と互換的に使用される場合があり、本明細書で使用する場合、これらは一般に、ポリペプチド鎖のカルボキシル末端/末端を指す。
本明細書で使用される用語「約」は、一般に、当該技術分野における通常の公差の範囲内にある変動を指し、一般に±10%以内、例えば、記載された値の9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、又は0.01%以内を指す。文脈から明らかでない限り、本明細書に提供されるすべての数値は、aboutという用語によって修正される。
本明細書で使用される用語 「併用」 、 「同時投与」 又は 「共投与」 は、一般に、一つの活性成分 (例えば、二量体) が別の活性成分 (例えば、免疫チェックポイント阻害剤) と共に投与されることを指す。一つの有効成分の投与は、一つの製剤として、又は二つの別々の製剤(例えば、二量体及び免疫チェックポイント阻害剤の一つ)として実施することができる。共投与は、いずれの順序でも同時又は逐次であり得る。
本明細書で使用される用語「特異的に結合する」又は「特異的である」は、一般に、標的と抗体との間の結合のような、測定可能かつ再現可能な相互作用を指し、これによって、生物学的分子を含む分子の不均一な集団の存在下における標的の存在が決定される。例えば、標的 (エピトープであり得る) に特異的に結合する抗体は、他の標的に結合するよりも高い親和性、結合力、より容易に、及び/又はより長い持続時間で、この標的に結合する抗体である。一実施形態では、無関係な標的に対する抗体の結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定された標的に対する抗体の結合の約10%未満である。特定の実施形態では、標的に特異的に結合する抗体は、<1x10-6M、<1x10-7M、<1x10-8M、<1x10-9M、又は<1x10-10Mの解離定数(KD)を有する。特定の実施形態では、抗体は、異なる種からのタンパク質間で保存されているタンパク質上のエピトープに特異的に結合する。別の実施形態では、特異的結合は、排他的結合を含み得るが、排他的結合を必要としない。
基本4鎖抗体ユニットは、2本の同一の軽鎖(L鎖)と2本の同一の重鎖(H鎖)からなるヘテロ4量体糖タンパク質である。IgM抗体は5本の基本4鎖ユニットとJ鎖と呼ばれる付加ポリペプチドからなり、10個の抗原結合部位を持つ。IgA抗体は2-5本の基本4鎖ユニットからなり、J鎖と結合して重合し多価の集合体を形成することができる。IgGの場合、4鎖ユニットは一般に約150,000ダルトンである。各L鎖は一つの共有ジスルフィド結合によってH鎖に結合しているが、二つのH鎖はH鎖のアイソタイプに応じて一つ以上のジスルフィド結合によって互いに結合している。また、H鎖とL鎖はそれぞれ鎖内ジスルフィド結合(SS)を規則正しい間隔で持っている。H鎖はN末端に可変ドメイン(VH)を持ち、α鎖とγ鎖はそれぞれ三つの定常ドメイン(CH)を持ち、μとεは4つのCHドメインを持つ。L鎖はN末端に可変ドメイン(VL)を持ち、もう一方の末端には定常ドメイン(CH)を持つ。VLはVHと整列し、CLは重鎖の第1の定常ドメイン (CHI) と整列する。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間の界面を形成すると考えられている。VHとVLが対になることで一つの抗原結合部位が形成される。異なるクラスの抗体の構造と性質については、例えば、Basic and Clinical Immunology, 8th Edition, Daniel P. Sties, Abba I. Terr and Tristram G. Parsolw (eds), Appleton & Lange, Norwalk, Conn., 1994, page 71 and Chapter 6を参照されたい。脊椎動物種のL鎖は、定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパとラムダとよばれる二つの明確に区別されるタイプのうちの一つに分類される。重鎖 (CH) の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、免疫グロブリンは異なるクラス又はアイソタイプに割り当てられる。免疫グロブリンは5つのクラスに分類される。IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMは、それぞれα、δ、ε、γ及びμと呼ばれる重鎖を有する。y及びaクラスは、CH配列及び機能における比較的小さな差異に基づいてさらにサブクラスに分類され、例えば、ヒトは以下のサブクラス:IgGl、IgG2A、IgG2B、IgG3、IgG4、IgA1及びIgK1を発現する。
本出願において、抗体の用語 「抗原結合部分」 は、全長抗体の一つ以上の部分を指し、抗原結合部分は、抗体によって結合されたものと同じ抗原 (Her2など) への結合能力を維持し、抗原への特異的結合について全長抗体と競合する。一般的には、Fundamental Immunology、 Ch.7 (Paul W. ed. edition II Raven Press、 N.Y. 1989) を参照されたい、その全体及びすべての目的のために、参照に本明細書に組み込まれる。抗原結合部分は、組換えDNA技術を用いるか、全長抗体の酵素的又は化学的切断によって製造することができる。場合によっては、抗原結合部分は、Fab、Fab’、F (ab’) 2、Fd、Fv、dAb、相補的決定領域 (CDR) 断片、一本鎖抗体 (scFvなど) 、キメラ抗体、及びダイアボディーなどのポリペプチドを含み、ポリペプチドに特異的抗原結合能を十分に付与する抗体の少なくとも一部を含む。抗体の抗原結合部分 (上記の抗体断片など) は、当業者に知られている従来技術 (組換えDNA技術又は酵素的又は化学的切断プロセスなど) を用いて、所与の抗体 (モノクローナル抗体2E12など) から得ることができ、完全長抗体のスクリーニングと同じプロセスでその特異性についてスクリーニングされる。
本明細書で使用される用語「ポリペプチド鎖」は、一般に、二つ以上の共有結合ペプチドを含む高分子を指す。ポリペプチド鎖内のペプチドは、ペプチド結合を介して互いに連結されていてもよい。各ポリペプチド鎖は、一つのN末端又はアミノ末端及び一つのC末端又はカルボキシ末端を含み得る。
本明細書中で使用される用語「CD80」は、一般に、B7.1としても知られるCD28/CTLA4に対するリガンド、その機能性変異体及び/又はその機能性断片を指す。CD80は、一般に、専門の抗原提示細胞(APC)の表面上に発現する。例えば、用語「CD80」は、NCBI Accession No.P33681に対して少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性を有し、CTLA4と特異的に結合するポリペプチド又はその断片を含み得る。D80の定義には、天然に存在するCD 80とはアミノ酸配列が異なるが、CTLA4に特異的に結合する能力を保持する変異体も含まれる。CD80の定義にさらに含まれるのは、CTLA4の生物学的活性を増強する変異体である。CD80の配列は当技術分野で知られており、例えば、GenBank Accession Numbers P33681で提供される。本明細書で使用される用語「CD80」は、ヒトCD80 (hCD80) 、hCD80の変異体、アイソフォーム、及び種相同体、及びhCD 80と少なくとも一つの共通エピトープを有する類似体を含む。例えば、用語「CD80」は、他の哺乳類、例えば、ラット、マウス、ウサギ、非ヒト霊長類、ブタ、又はウシなどの他の種由来のCD80も包含する。完全なhCD80配列は、GenBank Accession No.P33681に記載されている。
本明細書で使用される用語「CD86」は、一般に、B7.2としても知られるCD28/CTLA4に対するリガンド、その機能性変異体及び/又はその機能性断片を指す。CD86は、一般に、専門の抗原提示細胞(APC)の表面上に発現する。例えば、用語「CD86」は、NCBI Accession No.P42081に対して少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性を有し、CTLA4と特異的に結合するポリペプチド又はその断片を含み得る。また、CD86の定義には、天然に存在するCD86とはアミノ酸配列が異なるが、CTLA4と特異的に結合する能力を保持する変異体も含まれる。CD86の定義にさらに含まれるのは、CTLA4の生物学的活性を増強する変異体である。CD86配列は当技術分野で知られており、例えば、GenBank Accession Numbers U04343で提供される。本明細書で使用される用語「CD86」は、ヒトCD86(hCD86)、hCD86の変異体、アイソフォーム、及び種ホモログ、並びにhCD86と少なくとも一つの共通エピトープを有する類似体を含む。例えば、用語「CD86」は、他の哺乳類、例えば、ラット、マウス、ウサギ、非ヒト霊長類、ブタ、又はウシなどの他の種由来のCD86も包含する。完全なhCD86配列は、GenBank Accession No.U04343に記載されている。
本明細書で使用される用語「PD1」は、一般に、CD279としても知られるプログラム細胞死-1受容体、その機能的変異体及び/又はその機能的断片を指す。PD1は、一般に、T細胞、B細胞、ナチュラルキラーT細胞、活性化単球及び樹状細胞 (DC) 上に発現されるPD1は、そのリガンドPD-L1及びPD-L2に結合し得る。例えば、用語「PD1」は、NCBI Accession No P42081に対して少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性を有し、PD-L1と特異的に結合するポリペプチド又はその断片を含み得る。また、PD1の定義には、天然に存在するPD1とはアミノ酸配列が異なるが、PD-L1に特異的に結合する能力を保持する変異体も含まれる。PD1の定義にさらに含まれるのは、PD-L1の生物学的活性を増強する変異体である。PD1配列は当技術分野で知られており、例えば、GenBank Accession Number Q15116.3で提供される。本明細書で使用する「PD1」という用語は、ヒトPD1(hPD1)、hPD1の変異体、アイソフォーム、及び種ホモログ、並びにhPD1と少なくとも一つの共通エピトープを有するアナログを含む。例えば、用語「PD1」は他の哺乳類、例えば、ラット、マウス、ウサギ、非ヒト霊長類、ブタ、又はウシなどの他の種由来のPD 1も包含する。完全なhPD1配列はGenBank Accession No.Q15116.3に記載されている。
本明細書で使用される用語「遮断」は、一般に、リガンドとその特異的受容体との間など、分子とその特異的結合パートナーとの間の結合活性の阻害又は減少を指す。
本明細書で使用される用語「遮断抗体」及び「アンタゴニスト抗体」とは、一般に、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害又は低下させる抗体を指す。一部の実施形態では、遮断抗体抗体又はアンタゴニスト抗体は、抗原の生物学的活性を実質的に又は完全に阻害する。本開示のPD-L1特異的ISVD又はCTLA4特異的ISVDは、遮断性又は拮抗性ISVDであり得る。例えば、本開示のPD-L1特異的ISVDは、抗原刺激に対するT細胞による機能不全状態から機能的応答を回復するように、PD-L1とその受容体PD-1との相互作用を遮断し、従ってPD-1を介したシグナル伝達を遮断することができる。本開示のCTLA4特異的ISVDは、抗原刺激に対するT細胞による機能不全状態から機能的応答を回復するように、CTLA4とCD80/CD86との相互作用を遮断し、従って、CTLA4を介したシグナル伝達を遮断し得る。
本明細書で使用される用語「結合のための交差競合体」、「交差競合」、 「交差阻害」 、 「交差遮断」 及び 「交差ブロッキング」 は、互換的に使用され、一般に、本発明の別の抗体 (例えば、本開示のPD-L1特異的ISVD又はCTLA4特異的ISVD) の標的/抗原 (例えば、それぞれPD-L 1又はCTLA4) へのアロステリック調節を介して直接的又は間接的に結合を妨害する抗体又はその断片の能力を指す。ある抗体又はその断片が、標的に対する別の抗体の結合をどの程度妨害することができるか、従って、本発明に従って交差ブロック又は交差競合すると言えるかどうかは、競合結合アッセイを用いて決定することができる。特に好適な定量的交差競合アッセイの一つは、FACSベース又はAlphaScreenベースのアプローチを用いて、標識(例えば、Hisタグ付き、ビオチン化又は放射性標識)された抗体又はその断片と他の抗体又はその断片との間の標的への結合の点で、競合を測定する。一般に、交差競合抗体又はその断片は、例えば、アッセイの間及び第二の抗体又はその断片の存在下で、本発明による免疫グロブリン単一可変ドメイン又はポリペプチドの記録された置換が、所定の量で存在する、試験されるべき潜在的交差遮断抗体又はその断片による最大理論的置換(例えば、交差遮断する必要があるコールド(例えばラベルなし)抗体又はその断片による置換)の100% (例えば、FACSベースの競合アッセイ)までであるように、交差競合アッセイにおいて標的に結合するものである。好ましくは、交差競合抗体又はその断片は、10%~100%、例えば50%~100%の間の記録された置換を有する。
本明細書で使用される用語「実質的に減少された」又は「実質的に異なる」とは、一般に、二つの数値 (一般に、一つは分子に関連し、もう一つは参照/コンパレータ分子に関連する) の間の十分に高い程度の差を指し、その結果、当業者は、二つの値の間の差が、前記値 (例えば、KD値) によって測定される生物学的特性の文脈内で統計的有意差であるとみなすであろう。前記二つの値の差は、例えば、参照/比較対象分子の値の関数として、約10%より大きい、約20%より大きい、約30%より大きい、約40%より大きい、及び/又は約50%より大きい。
本明細書で使用される用語「実質的に類似する」又は「実質的に同じ」は、一般に、二つの数値(例えば、本開示の分子に関連するものと参照/比較対象分子に関連するもの)の間の十分に高い類似度を指し、当業者は、前記数値によって測定される生物学的特性(例えばKD値)の文脈内で、その差はほとんど又は全くない生物学的及び/又は統計的意義であると考えてしまうような数値のことをいう。前記二つの値の差は、例えば、基準値/比較値の関数として、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、及び/又は約10%以下であること。
本開示では、特定の配列番号に記載のアミノ酸配列又はヌクレオチド配列は、実質的に同一の機能/特性を有する相同体又はその変種も包含する。例えば、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又はそれ以上の配列同一性を有する配列;及び/又は1以上(例えば、1-10、1-9、1-8、1-7、1-6、1-5、1-4、1-3、1-2などの少数)のアミノ酸又はヌクレオチドの付加、欠失又は置換を有する変異体。
本明細書で使用される用語「腫瘍」は、一般に、臨床的に測定可能な程度の腫瘍の成長又は転移を指す。腫瘍は、固形腫瘍、血液腫瘍、又はリンパ腫であり得る。例えば、腫瘍は、肺癌(非小細胞肺癌など)、乳癌(トリプルネガティブ乳癌など)、腎臓癌(腎細胞癌など)、メラノーマ、子宮頸癌、子宮癌、膵臓癌、腹膜癌、卵巣癌、胃癌、胃食道接合部腺癌、食道腺癌、胆道癌、尿路上皮癌及び大腸癌から選択され得る。腫瘍は、進行性腫瘍又は転移性腫瘍であってもよい。
本明細書で使用される用語「被験者」は、一般に、猫、犬、馬、豚、牛、羊、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット、又はサルを含むが、これらに限定されない、ヒト又は非ヒト動物を指す。
本明細書で使用される「治療する」という用語は、一般に、治療効果を有し、生体内の異常状態を少なくとも部分的に緩和又は消失させることを意味する。本明細書で使用される用語「治療する」は、薬剤を投与された患者群における薬剤を投与されなかった対照群と比較して薬剤状態の症状を改善することを指す。治療の効果は、細胞表現型の変化の変化又は非変化、細胞増殖の変化又は非変化、腫瘍サイズの変化又は非変化、腫瘍サイズの変化又は非変化、進行性疾患の変化又は非変化、安定疾患の変化又は非変化、疾患制御率の変化又は非変化、部分応答の変化又は非変化を測定することによってモニターすることができる。「治療する」 又は 「治療」 という用語は、必ずしも完全治癒を意味するものではない。病気の望ましくない症状がある程度緩和されること、又は病気の進行が遅くなることは、治療とみなすことができる。さらに、治療には、患者の全体的な健康感や外観を悪化させるような行為も含まれる場合がある。
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される賦形剤」は、当業者に知られているように (例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18 th Ed.Mack Printing Company, 1990, ページ1289- 1329)を参照のこと) 、あらゆる溶媒、分散媒体、コーティング剤、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤 (例えば、抗菌剤、抗真菌剤) 、等張剤、吸収遅延剤、塩、防腐剤、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、着香剤、染料、及びこれらの類似物及びそれらの組み合わせを含む。任意の従来の担体が活性成分と不適合である場合を除き、治療用又は医薬組成物におけるその使用が企図される。
本明細書で使用される化合物の 「有効量」 という用語は、一般に、被験者の生物学的又は医学的応答、例えば、酵素又はタンパク質活性の減少又は阻害を誘発するか、症状を改善するか、状態を緩和するか、疾患の進行を遅らせるか遅延させるか、又は疾患などを予防する本発明の化合物の量を指す。
本明細書で使用される用語「抗原結合断片」は、一般に、抗体と抗原との間の特異的結合に関与するアミノ酸を含む抗体分子の一部を指す。抗体によって特異的に認識されかつ結合される抗原の部分は、本明細書中で上述したように 「エピトープ」 と呼ばれる。上述のように、抗原結合ドメインは、典型的には、抗体軽鎖可変領域(VL)と抗体重鎖可変領域(VH)から構成され得るが、その両方から構成される必要はない。例えば、Fd断片は二つのVH領域を有し、無傷の抗原結合ドメインのいくつかの抗原結合機能をしばしば保持する。抗体の抗原結合断片の例としては、(1)VL、VH、CL、CH1ドメインを有する1価の断片であるFab断片、(2)二つのFab断片がヒンジ領域でジスルフィド結合した2価の断片であるF(ab′)2 断片が挙げられる。(3) 二つのVH及びCH1ドメインを有するFd断片、(4) 抗体の単一アームのVL及びVHドメインを有するFv断片、(5) dAb断片(Wardら、 「大腸菌から分泌される単一免疫グロブリン可変ドメインのレパートリーの結合活性」 、Nature 341:544-546 (1989) (参照により本明細書に組み込まれる)) VHドメイン;(6)単離相補性決定領域(CDR)、(7)例えばscFV-ライブラリから得られた単鎖Fv (scFv) が挙げられる。Fv断片の二つのドメイン、VL及びVHは別々の遺伝子によってコードされているが、これらは組換え法を用いて、VL及びVH領域が対になって一価の分子(単鎖Fv(scFv)として知られている)を形成する単一のタンパク質鎖としてそれらを作ることができる合成リンカーによって結合することができる(例えば、Hustonら、「Protein Engineering of Antibody Binding Sites: Recovery of Specific Activity in an Anti-Digoxin Single-Chain Fv Analogue Produced in Escherichia coli," Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883 (1988)を参照のこと。これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来技術を用いて得られ、断片は、無傷の抗体と同じ方法で機能について評価される。
本明細書で使用される第1の薬剤と第2の薬剤の「併用」という用語は、一般に、第1の薬剤と第2の薬剤の共投与を意味し、例えば、同一の薬学的に許容される担体に溶解又は相互混合してもよく、第1の薬剤の投与の後に第2の薬剤を投与してもよく、第2の薬剤の投与の後に第1の薬剤を投与してもよい。従って、本開示は、組み合わせ治療処置の方法及び組み合わせ医薬組成物を含む。
本明細書で使用される用語「Her2」は、一般に、上皮成長因子受容体のファミリーに属する、c-erbB2、ErbB2又はNeuとしても知られるI型膜貫通タンパク質を指す。本開示の文脈では、用語「Her 2」は、Her 2の相同体、変異体、及びスプライスアイソフォームを含むアイソフォームも包含する。用語 「Her 2」 は、変異体タンパク質 (アイソフォームを含む) 、相同タンパク質及び/又はフラグメントが、ペルツズマブ、トラスツズマブ及びマルゲツキシマブなどとして提供される1以上のHer 2特異的抗体によって認識される場合、Her 2ホモログ、変異体及びイソ型の1以上の配列、並びに配列の断片の配列を有するタンパク質をさらに包含する。Her2は、ヒトHer2であってもよい。ヒトHer2遺伝子は染色体位置17q12にマップされ、Her2遺伝子のゲノム配列はGenBankのNG_007503.1に記載されている。ヒトでは、5つのHer2アイソフォームが存在する。本明細書では、「Her2」という用語は、すべてのHer2アイソフォームを総称するために使用される。
二量体
一形態では、本開示は、免疫チェックポイント阻害剤を必要とする被験者の腫瘍を治療するための医薬の調製におけるHer 2阻害剤と組み合わせた免疫チェックポイント阻害剤の使用を提供し、前記免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L 1及びCTLA 4に特異的に結合することができる
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、二量体であり得る。二量体は、二つのポリペプチド鎖によって形成され得、二つのポリペプチド鎖の各々は、抗体Fcサブユニットを含む。例えば、二量体は、各ポリペプチド鎖が抗体Fcサブユニットを含む二つのポリfペプチド鎖から構成されてもよく、一方のポリペプチド鎖の抗体Fcサブユニットが他方のポリペプチド鎖の抗体Fcサブユニットと会合して二量体を形成してもよい。一例では、二量体の二つのポリペプチド鎖は、互いに融合して(例えば、ペプチドリンカーを介して又はペプチド結合によって)一つの単一ポリペプチド鎖となることはない。
二量体は、二つ以上の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVD)を含み得る。例えば、二量体の一つのポリペプチド鎖は二つ以上のISVDを含むことができ、二量体の他のポリペプチド鎖はいずれのISVDも含まない。別の例では、二つのポリペプチド鎖の各々は、一つ又は複数のISVDを含み得る。さらに別の例では、二つのポリペプチド鎖の各々は、二つ以上のISVDsから構成されてもよい。
ISVDの少なくとも一つはPD-L1に特異的であってもよく、ISVDの少なくとも一つはCTLA4に特異的であってもよい。例えば、二量体の一つのポリペプチド鎖は、PD-L1に特異的な一つ以上のISVD、及びCTLA4に特異的な一つ以上のISVDを含むことができ、二量体の他のポリペプチド鎖は、いずれのISVDも含まない。別の例では、二量体の一つのポリペプチド鎖はPD-L1に特異的な一つ以上のISVDを含み得、二量体の他のポリペプチド鎖はCTLA4に特異的な一つ以上のISVDを含み得る。別の例では、二量体の一つのポリペプチド鎖は、PD-L1に特異的な一つ以上のISVD、及びCTLA4に特異的な一つ以上のISVDを含み得、二量体の他のポリペプチド鎖は、PD-L1に特異的な一つ以上のISVD、及び/又はCTLA4に特異的な一つ以上のISVDを含み得る。
PD-L1に特異的な一つ以上のISVDは、同一であっても異なっていてもよい。CTLA4に特異的な一つ以上のISVDは、同一であっても異なっていてもよい。
場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、いかなる抗体軽鎖CDRも含まない。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、いかなる抗体軽鎖可変領域も含まない。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、いかなる抗体軽鎖又はその断片も含まない。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、少なくとも重鎖CDR3を含む。いくつかの態様では、PD-L1に特異的なISVDは、重鎖CDR1を含む。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、重鎖CDR2を含む。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、重鎖可変領域を含む。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、抗PD-L1 VHHである。PD-L1に特異的なISVDは、ヒト化されていてもよい。
場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、いかなる抗体軽鎖CDRも含まない。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、いかなる抗体軽鎖可変領域も含まない。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、いかなる抗体軽鎖又はその断片も含まない。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、少なくとも重鎖CDR3を含む。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、重鎖CDR1を含む。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、重鎖CDR2を含む。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、重鎖可変領域を含む。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、抗CTLA4 VHHである。CTLA4に特異的なISVDは、ヒト化されていてもよい。
場合によっては、二つのポリペプチド鎖の少なくとも一つは、PD-L1に特異的なISVD及びCTLA4に特異的なISVDの両方を含み得る。例えば、二つのポリペプチド鎖のうちの一つは、PD-L1に特異的な一つ以上のISVDと、CTLA4に特異的な一つ以上のISVDとを含み得る。別の例では、二つのポリペプチド鎖の各々は、PD-L1に特異的な一つ以上のISVD、及びCTLA4に特異的な一つ以上のISVDを含み得る。
二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について、PD-L1に特異的なISVDは、場合によりリンカーを介して、CTLA4に特異的なISVDに融合されてもよい。例えば、二つのポリペプチド鎖の一方又は両方において、PD-L1に特異的な一つ以上のISVD、及びCTLA4に特異的な一つ以上のISVDがあり得る。1本のポリペプチド鎖中にPD-L1に特異的な二つ以上のISVDが存在する場合、それらは互いに融合されてもよく(例えば、直接又はペプチドリンカーを介して)、それらの一つ以上はさらに、CTLA4に特異的な一つ以上のISVDに融合されてもよい。CTLA4に特異的な二つ以上のISVDが単一のポリペプチド鎖に存在する場合、それらは互いに融合されてもよく(例えば、直接又はペプチドリンカーを介して)、それらの一つ以上はさらにPD-L1に特異的な一つ以上のISVDに融合されてもよい。一つ以上のリンカー(例えば、ペプチドリンカー)は、任意の二つのISVDの間、例えば、PD-L1に特異的な二つのISVDの間、CTLA4に特異的な二つのISVDの間、又はPD-L1に特異的な一つのISVDとCTLA4に特異的な一つのISVDの間に存在し得る。
二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について、PD-L1に特異的なISVDは、任意にリンカーを介して、CTLA4に特異的なISVDに融合されてもよく;及びCTLA4に特異的なISVDは、今度は任意にリンカーを介して、抗体Fcサブユニットに融合されてもよい。例えば、単一のポリペプチド鎖において、PD-L1に特異的なISVDは、CTLA4に特異的なISVDに直接(例えば、フレーム内)又はリンカーを介して融合されてもよく、CTLA4に特異的なISVDは、抗体Fcサブユニットに直接(例えば、フレーム内)又はリンカーを介して融合されてもよい。一つのポリペプチド鎖にPD-L1に特異的な二つ以上のISVD及び/又はCTLA4に特異的な一つ以上のISVDが存在する場合、PD-L1に特異的なISVD及びCTLA4に特異的なISVDは、任意の順序で互いに直接又はリンカーを介して融合されてもよく、CTLA4に特異的な少なくとも一つのISVDは、抗体Fcサブユニットに直接 (例えば、フレーム内) 又はリンカーを介して融合されてもよい。例えば、二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について、PD-L1に特異的なISVDのC末端は、CTLA4に特異的なISVDのN末端に、任意にリンカーを介して融合されてよく;及びCTLA4に特異的なISVDのC末端は、抗体FcサブユニットのN末端に、任意にリンカーを介して融合されてもよい。例えば、単一のポリペプチド鎖において、PD-L1に特異的なISVDのうちの一つのC末端を、CTLA4に特異的なISVDのうちの一つのN末端に、直接(例えば、フレーム内)又はリンカーを介して融合されてもよく、CTLA4に特異的なISVDのうちの一つのC末端を、抗体FcサブユニットのN末端に、直接 (例えば、フレーム内) 又はリンカーを介して融合されてもよい。一例では、一つのポリペプチド鎖中にPD-L1に特異的な一つ以上のISVD及び/又はCTLA4に特異的な一つ以上のISVDが存在する場合、PD-L1に特異的なISVD及びCTLA4に特異的なISVDは、任意の順序に従って、直接又はリンカーを介して互いに融合されてもよいが、PD-L1に特異的な少なくとも一つのISVDのC末端は、直接 (例えば、フレーム中で) 又はリンカーを介して、CTLA4に特異的な少なくとも一つのISVDのN末端に融合されてもよく、及びCTLA4に特異的な少なくとも一つのISVDのC末端は、直接 (例えば、フレーム中で) 又はリンカーを介して、抗体FcサブユニットのN末端に融合されてもよい。
二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について、CTLA4に特異的なISVDは、任意にリンカーを介して、PD-L1に特異的なISVDに融合されてもよく;及びPD-L1に特異的なISVDは、次いで、任意にリンカーを介して、抗体Fcサブユニットに融合されてもよい。例えば、単一のポリペプチド鎖において、CTLA4に特異的なISVDは、PD-L1に特異的なISVDに直接(例えば、フレーム内)又はリンカーを介して融合されてもよく、PD-L1に特異的なISVDは、抗体Fcサブユニットに直接 (例えば、フレーム内) 又はリンカーを介して融合されてもよい。一つのポリペプチド鎖にPD-L1に特異的なISVDが二つ以上、及び/又はCTLA4に特異的なISVDが二つ以上存在する場合、PD-L1に特異的なISVDとCTLA4に特異的なISVDとは、任意の順序で直接又はリンカーを介して互いに融合されてもよく、PD-L1に特異的な少なくとも一つのISVDは、抗体Fcサブユニットに直接 (例えば、フレーム内) 又はリンカーを介して融合されてもよい。例えば、二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について、CTLA4に特異的なISVDのC末端は、PD-L1に特異的なISVDのN末端に、任意にリンカーを介して融合されてもよく;及びPD-L1に特異的なISVDのC末端は、抗体FcサブユニットのN末端に、任意にリンカーを介して融合されてもよい。例えば、単一のポリペプチド鎖において、CTLA4に特異的なISVDのうちの一つのC末端は、PD-L1に特異的なISVDのうちの一つのN末端に、直接的に(例えば、フレーム内で)又はリンカーを介して融合されてもよく、PD-L1に特異的なISVDのうちの一つのC末端は、抗体FcサブユニットのN末端に、直接的に(例えば、フレーム内で)又はリンカーを介して融合されてもよい。一例では、一つのポリペプチド鎖中にPD-L1に特異的な一つ以上のISVD及び/又はCTLA4に特異的な一つ以上のISVDが存在する場合、PD-L1に特異的なISVD及びCTLA4に特異的なISVDは、任意の順序に従って、直接又はリンカーを介して互いに融合されてもよいが、CTLA4に特異的な少なくとも一つのISVDのC末端は、直接 (例えば、フレーム中で) 又はリンカーを介して、PD-L1に特異的な少なくとも一つのISVDのN末端に融合されてもよく、PD-L1に特異的な少なくとも一つのISVDのC末端は、直接 (例えば、フレーム中で) 又はリンカーを介して、抗体FcサブユニットのN末端に融合されてもよい。
本出願において使用されるリンカー(例えばペプチドリンカー) (例えば、本出願の二量体によって構成されるような)は、例えばペプチド結合を介して二つのポリペプチド配列を連結又は連結する合成アミノ酸配列であってもよい。例えば、ペプチドリンカーは、1~10個のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上のアミノ酸)、1~15個のアミノ酸(例えば、1~10、11、12、13、14又は15アミノ酸)、1~20個のアミノ酸(例えば、1~15、16、17、18、19又は20アミノ酸)、1~30個以上のアミノ酸(例えば、1-20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれ以上のアミノ酸)を含み得る。例えば、ペプチドリンカーは、配列番号33~34のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含み得る。
抗体Fcサブユニットは、IgG Fcサブユニットに由来するものであってもよい。例えば、IgGは、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4からなる群より選択され得る。いくつかの実施形態では、IgGはヒトIgG1であり、IgG FcサブユニットはヒトIgG1 Fcサブユニットである。いくつかの実施形態では、Fcサブユニットは、配列番号35、38及び39のいずれか一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) の同一性を有するアミノ酸配列を含む。例えば、Fcサブユニットは、配列番号35、38及び39のいずれかに記載されているアミノ酸配列において、一つ以上(例:1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10又はそれ以上)のアミノ酸欠失、挿入及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
いくつかの実施形態では、Fcサブユニットは、IgG Fcサブユニットの変異体 (例えば、ヒトIgG1 Fcサブユニットの変異体) であってもよい。例えば、変異体は、ADCC又はCDC活性を増強又は減少させる一つ以上のアミノ酸突然変異を含み得る。別の例として、変異体は、FcRn結合活性及び/又は変異体を含む分子の半減期に影響を及ぼす1以上のアミノ酸突然変異を含み得る。さらに別の例として、変異体は、二つ以上のFcサブユニット (又はFcモノマー) 間の相互作用(例,関連)に影響を及ぼす、及び/又はFcヘテロダイマー形成の効率を増加又は減少させる一つ以上のアミノ酸突然変異を含み得、例えば、変異体は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれるCN 102558355 A、CN 103388013 A、CN 105820251 A、又はCN 106883297 Aに記載されるような一つ以上のアミノ酸置換を含み得る。
PD-L1に特異的なISVDは、ヒトPD-L1に特異的に結合してもよい。例えば、PD-L1に特異的なISVDは、ヒトPD-L1の細胞外ドメイン内のエピトープに特異的に結合し得る。このようなエピトープは、例えば、Gang Hao ら.、J.Mol.Recognit..2015; 28:269-276, Zhang ら., Oncotarget.2017 Oct; 08 (52):90215-90224, and Zhang ら., Cell Discov.2017 Mar 7; 3:17004.によって示されるように、当該技術分野において公知である。
例えば、PD-L1に特異的なISVDは、ヒトPD-L1のN末端IgVドメインに結合し得る。ヒトPD-L1 (シグナルペプチドを含む) のN末端IgVドメインは、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含み得る。本開示では、PD-L1に特異的なISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基154、Y56、E58、Q66及び/又はR113に結合し得る。特定の実施形態では、PD-L1に特異的なISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメイン(例えば、配列番号64のアミノ酸残基154、Y56、E58、Q66及び/又はR 113)の残基154、Y56、E58、Q66及びR113に結合し得る。PD-L1に特異的なISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメイン(例えば、配列番号64のアミノ酸残基D61、N63、V68、M115、S117、Y123及び/又はR125)の残基D61、N63、V68、M115、S117、Y123及び/又はR 125にさらに結合し得る。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインのアミノ酸残基154、Y56、E58、Q66、R113、D61、N63、V68、M115、S117、Y123及び/又はR125(例えば、配列番号64のアミノ酸残基154、Y56、E58、Q66、R113、D61、N63、V68、M115、S117、Y123及び/又はR125)に結合し得る。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの立体配座エピトープに結合することができ、立体配座エピトープは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基154、Y56、E58、Q66及び/又はR113 (例えば、配列番号64のアミノ酸残基154、Y56、E58、Q66及び/又はR113) を含み得る。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの立体配座エピトープに結合することができ、立体配座エピトープは、ヒトPD-L1N末端IgVドメインのアミノ残基154、Y56、E58、Q66、R113、D61、N63、V 68、M115、S117、Y123及び/又はR125(例えば、配列番号64のアミノ酸残基154、Y56、E58、Q66、R113、D61、N63、V68、M115、S117、Y123及び/又はR125)を含み得る。
本開示のPD-L1に特異的なISVD (例えば、PD-L1 ISVD-9及びそのヒト化変異体)は、ヒトPD-L1のN末端IgVドメインに結合する。PD-L1 ISVD-9を例にとると、PD-L1 ISVD-9の残基Phe101 (配列番号6) ヒトPD-L1N末端IgVドメインのTyr 56と相互作用し、ヒトPD-L1N末端IgVドメインのTyr 56がAlaで置換された場合、PD-L1 ISVD-9とPD-L1の間の結合親和性は200倍以上低下した。ヒトPD‐L 1 N末端IgVドメインのIle 54をAlaで置換すると、 PD‐L 1 ISVD‐9とPD‐L 1の間の結合親和性は約40倍低下した。PD-L1 ISVD-9の残基Asp 99 (配列番号6) ヒトPD-L1N末端IgVドメインのA rgil 3と相互作用し、ヒトPD-L1N末端IgVドメインのA rgl 3をAlaで置換すると、PD-L1 ISVD-9とPD-L1との結合親和性が約90倍低下した。PD-L1 ISVD-9の残基Seri 00 (配列番号6) ヒトPD-L1N末端IgVドメインのGlu 58と相互作用し、ヒトPD-L1N末端IgVドメインのGlu 58をAlaで置換すると、PD-L1 ISVD-9とPD-L1との間の結合親和性は約25倍低下した。PD-L1 ISVD-9の残基Thrl 05 (配列番号6) ヒトPD-L1N末端IgVドメインのGln 66と相互作用し、ヒトPD-L1N末端IgVドメインのGln 66をAlaで置換すると、PD-L1 ISVD-9とPD-L1の結合親和性は約82倍低下した。さらに、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基D61、N63、V68、M115、S117、Y123及びR125は、PD-L1 ISVD-9とヒトPD-L1との間の相互作用に関与している可能性があり、これらの残基をAlaで置換すると、結合親和性が約2~10倍低下した。これらの結果を以下の表2に要約する。
Figure 2023504531000002
PD-L1に特異的なISVDは、PD-L1のPD1への結合を遮断することができる。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、PD-L1のCD80への結合を遮断することができる。
PD-L1に特異的なISVDは、PD-L1への結合について、対照抗PD-L1抗体と交差競合することができる。
参照用抗PD-L1抗体は、重鎖CDR3を含み得る。重鎖CDR3は、DSFX1X2PTCX3X4X5X6SSGAFQY(配列番号1)に記載のアミノ酸配列を含み得、X1はE又はGであってもよく;X2はD又はYであってもよく;X3はT又はPであってもよく;X4はL又はGであってもよく;X5はV又はPであってもよく;及びX6は、T又はAであってもよい。 場合によっては、参照抗PD-L1抗体は、配列番号5及び9のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含み得る。参照抗PD-L1抗体はまた、重鎖CDR1を含み得る。重鎖CDR1は、GX1X2X3X4X5RCMA(配列番号2)に記載のアミノ酸配列を含み得、 X1はK又はNであってもよい;X2はM又はIであってもよく;X3はS又はIであってもよく;X4はS又はRであってもよく;X5はR又はVであってもよい。例えば、参照抗PD-L1抗体は配列番号3及び7のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含み得る。場合によっては、参照抗PD-L1抗体は、重鎖CDR2を含み得る。重鎖CDR2は、配列番号4、8及び11のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含み得る。場合によっては、参照抗PD-L1抗体は、抗PD-L1 VHHのようなPD-L1に特異的なISVDである。参照抗PD-L1抗体は、重鎖可変ドメインを含み得る。参照抗PD-L1抗体は、配列番号6、10、12、13、14及び15のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含み得る。
本開示では、PD-L1に特異的なISVD (例えば、本開示の二量体に含まれるような)は、重鎖CDR3を含み得る。重鎖CDR3は、DSFX1X2PTCX3X4X5X6SSGAFQY(配列番号1)に記載のアミノ酸配列を含み得、X1はE又はGであってもよく;X2はD又はYであってもよく;X3はT又はPであってもよく;X4はL又はGであってもよく;X5はV又はPであってもよく;及びX6は、T又はAであってもよい。 例えば、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号5及び9のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含み得る。
例えば、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号5及び9のいずれの一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) の同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含み得る。場合によっては、重鎖CDR3は、配列番号5及び9のいずれか一つに記載の配列において、1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
本開示では、PD-L1に特異的なISVD (例えば、本開示の二量体に含まれるような)は、重鎖CDR1も含み得る。重鎖CDR1は、GX1X2X3X4X5RCMA(配列番号2)に記載のアミノ酸配列を含み得、 X1はK又はNであってもよい;X2はM又はIであってもよく;X3はS又はIであってもよく;X4はS又はRであってもよく;X5はR又はVであってもよい。例えば、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号3及び7のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含み得る。
例えば、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号3及び7のいずれか一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) の同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含み得る。場合によっては、重鎖CDR1は、配列番号3及び7のいずれか一つに記載の配列において、1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
本開示では、PD-L1に特異的なISVD (例えば、本開示の二量体に含まれるような)は、重鎖CDR2をさらに含み得る。重鎖CDR2は、任意の適切なアミノ酸配列を含み得る。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号4、8及び11のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含み得る。
例えば、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号4、8及び11のいずれか一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) の同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含み得る。場合によっては、重鎖CDR2は、配列番号4、8、及び11のいずれか一つに記載の配列において、1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入、及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
本開示では、PD-L1に特異的なISVD(本開示の二量体に含まれる)は、重鎖可変ドメインを含み得る。PD-L1に特異的なISVDは、配列番号6、10、12、13、14及び15のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含み得る。
例えば、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号6、10、12、13、14及び15のいずれか一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) 同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含み得る。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号6、10、12、13、14及び15のいずれか一つに記載の配列において、1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入及び/又は置換を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含み得る。
本開示では、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号6、10、12、13、14、及び15のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含み得る。例えば、PD-L1に特異的なISVD (本開示の二量体に含まれる) は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含み得る。例えば、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号6、10、12、13、14、及び15のいずれか一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、配列番号6、10、12、13、14、及び15のいずれか一つに記載の配列において、1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入、及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
場合によっては、PD-L1に特異的なISVDは、重鎖可変ドメイン (VH又はVHH) を含むか、又はそれらから構成される。
例えば、PD-L1に特異的なISVDは、PD-L1 ISVD-9、PD-L1 ISVD-6、PD-L1 ISVD-m3、PD-L1 ISVD-4、PD-L1 ISVD-11及びPD-L1 ISVD-13から選択され得る。
CTLA4に特異的なISVDは、ヒトCTLA4に特異的に結合し得る。例えば、CTLA4に特異的なISVDは、ヒトCTLA4の細胞外ドメインのエピトープに特異的に結合し得るものであってもよく、かかるエピトープは、CN107400166Aに記載のもの、Udupi A. Ramagopal, ら., PNAS 2017 May, 114 (21) に記載のもの等を含み得る。
CTLA4に特異的なISVDは、CTLA4のCD80への結合を遮断することができる。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、CTLA4のCD86への結合を遮断することができる。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、ヒト化され得る。
CTLA4に特異的なISVDは、参照抗CTLA4抗体とCTLA4への結合について交差競合することができる。
参照抗CTLA4抗体は、重鎖CDR3を含み得る。重鎖CDR3は、配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み得る。参照抗CTLA4抗体はまた、重鎖CDR1を含み得る。重鎖CDR1は、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み得る。場合によっては、参照抗CTLA4抗体は、重鎖CDR2を含み得る。重鎖CDR2は、AIX1X2GGGSTYYADSVKG(配列番号16)に記載のアミノ酸配列を含み得、 X1はY又はSであってよく;X2はI又はLであってよい。 例えば、重鎖CDR2は、配列番号18、21及び23のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含み得る。場合によっては、参照抗CTLA4抗体は、抗CTLA4 VHHなど、CTLA4に特異的なISVDである。参照抗CTLA4抗体は、重鎖可変ドメインを含み得る。参照抗CTLA4抗体は、配列番号20、22、及び24~32のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み得る。
本開示では、CTLA4に特異的なISVD (例えば、本開示の二量体に含まれるような)は、重鎖CDR3を含み得る。重鎖CDR3は、配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み得る。
場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号19に記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%)の同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含み得る。場合によっては、重鎖CDR3は、配列番号19に記載の配列において1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入、及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
本開示では、 CTLA4に特異的なISVD (例えば、本開示の二量体に含まれるような) は、重鎖CDR1を含み得る。重鎖CDR1は、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み得る。
場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号17に記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%)の同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含み得る。場合によっては、重鎖CDR1は、配列番号17に記載の配列において、1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入、及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
本開示では、CTLA4に特異的なISVD (例えば、本開示の二量体に含まれるような)は、重鎖CDR2をさらに含み得る。重鎖CDR2は、AIX1X2GGGSTYYADSVKG(配列番号16)に記載のアミノ酸配列を含み得、 X1はY又はSであってよく;X2はI又はLであってよい。 場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号18、21及び23のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含み得る。
例えば、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号18、21及び23のいずれか一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) の同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含み得る。場合によっては、重鎖CDR2は、配列番号18、21及び23のいずれか一つに記載の配列において、1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入、及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
本開示では、CTLA4に特異的なISVD(本開示の二量体に含まれるような)は、重鎖可変ドメインを含み得る。CTLA4に特異的なISVDは、配列番号20、22、及び24~32のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み得る。
例えば、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号20、22、及び24~32のいずれか一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) の同一性を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含み得る。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号20、22、及び24~32のいずれか一つに記載の配列において、1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入、及び/又は置換を有するアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含み得る。
本開示では、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号20、22、及び24~32のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含み得る。例えば、 CTLA4に特異的なISVD (本開示の二量体に含まれる) は、配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み得る。
例えば、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号20、22、及び24~32のいずれか一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号20、22、及び24~32のいずれか一つに記載の配列において、1以上 (例えば1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10、又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入、及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
場合によっては、CTLA4に特異的なISVDは、重鎖可変ドメイン (VH又はVHH) を含むか、又はそれらから構成される。
例えば、CTLA4に特異的なISVDは、CTLA4 ISVD-34、CTLA4 ISVD-C 1、CTLA4 ISVD-13、CTLA4 ISVD-26、CTLA4 ISVD-27、CTLA4 ISVD-28、CTLA4 ISVD-29、CTLA4 ISVD-30、CTLA4 ISVD-31、CTLA4 ISVD-32、及びCTLA4 ISVD-33から選択選択され得る。
例えば、本出願の二量体は、二つのポリペプチド鎖を含み得るか、又は二つのポリペプチド鎖からなり得る。二つのポリペプチド鎖のアミノ酸配列は同一であっても異なっていてもよい。場合によっては、本開示の二量体は、ホモ二量体であってもよい。
本開示では、二量体の二つのポリペプチド鎖の一方又は両方が、請求項40~43、46、48及び50のいずれか一項に記載のアミノ酸配列を含み得る。例えば、二量体の二つのポリペプチド鎖の一方又は両方は、配列番号40に記載のアミノ酸配列を含み得る。
具体例では、二量体の二つのポリペプチド鎖の一方又は両方は、配列番号40~43、46、48及び50のいずれか一つに記載のアミノ酸配列と少なくとも80% (例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%) 同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。場合によっては、二量体の二つのポリペプチド鎖の一方又は両方は、配列番号:40-43、46、48及び50のいずれか一つに記載の配列において、1以上 (例えば、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-10又はそれ以上) のアミノ酸欠失、挿入及び/又は置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
一例として、PD-L1に特異的なISVDは、CTLA4に特異的なISVDのN末端アミノ酸に(直接的又は間接的に、例えばペプチドリンカーなどのリンカーを介して)融合して二特異性結合部分を形成してもよい。次いで、このような二特異的結合部分の一つを、本開示の一つのFcサブユニットのN末端アミノ酸に(直接的又は間接的に、例えばペプチドリンカーなどのリンカーを介して)融合させて、二量体の一つのポリペプチド鎖を提供してもよい。次いで、別のそのような二特異的結合部分を、本開示の別のFcサブユニットのN末端アミノ酸に(直接的又は間接的に、例えばペプチドリンカーなどのリンカーを介して)融合させて、二量体の他のポリペプチド鎖を提供してもよい。2本のポリペプチド鎖の二つのFcサブユニットは互いに(例えば、非共有結合相互作用及び/又はジスルフィド結合又は他の共有結合を介して、場合によっては、そのような共有結合はペプチド結合ではない)結合して二量体を形成してもよい。二つの生体特異的結合部分は、同一であっても異なっていてもよい。二つのFcサブユニットは、同一であっても異なっていてもよい。
いくつかの実施形態では、二量体は、二つの同一のポリペプチド鎖を含み、各ポリペプチド鎖は、Fcサブユニットの一つに融合された二特異的結合部分の一つを含み、二つのFcサブユニットが互いに結合してタンパク質性ホモ二量体を形成する、タンパク質性ホモ二量体である。二つのFcサブユニットは、非共有相互作用及び/又はジスルフィド結合又は他の共有結合を介して互いに結合してもよく、場合によっては、そのような共有結合はペプチド結合ではない。
図lA-lBは、本開示の二量体の例を提供し、1は、PD-L1に特異的なISVDを示し、2は、CTLA4に特異的なISVDを示し、3は、Fcサブユニットを含むFcドメインを示し、及び4は、二特異的結合部分を示す。
本開示の二量体は、CTLA4への結合についてCD80及び/又はCD86と競合することができる。例えば、CTLA4発現細胞株、例えばCTLA4発現HEK293細胞株を用いたin vitroの実験で競合を検討することができる。別の例として、競合は、競合ELISAアッセイのようなELISAエッセイにおいて検査され得る。
本開示の二量体は、PD-L1への結合についてPD1及び/又はCD80と競合することができる。例えば、PD-L1発現細胞株、例えばPD-L1発現A375細胞株を用いたin vitroの実験で競合を検討することができる。別の例として、競合は、競合ELISAアッセイのようなELISAエッセイにおいて検査され得る。
本開示の二量体は、PD-L1のPD-1への結合を遮断することができる。場合によっては、本開示の二量体は、PD-L1のCD80への結合を遮断することができる。場合によっては、本開示の二量体は、CTLA4のCD80への結合を遮断することができる。場合によっては、本開示の二量体は、CTLA4のCD86への結合を遮断することができる。
本開示の二量体は、約lx10-6M以下、例えば約lx10-7 M以下、約lx10-8M以下、約0.5x10-8M以下、約lx10-9M以下、約lx10-10M以下、又はそれ以下の値のKDでCTLA4に結合し得る。
本開示の二量体は、約lx10-6M以下、例えば、約lx10-7M以下、約lx10-8M以下、約0.5x10-8M以下、約lx10-9M以下、約lx10-10M以下、又はそれ以下の値のKD でPD-L1に結合し得る。
本開示の二量体は、免疫細胞(例えば、PBMC細胞)による免疫調節物質(例えば、IL-2)の分泌を刺激することができる。
例えば、本開示の二量体は、aPDL1.9-aCTLA4.34- Fc, aPDL1.9-L-aCTLA4.34-Fc, aCTLA4.34-aPDLl.9- から選択することができる。 Fc、aCTLA4.34-L-aPDLl.9-Fc、aPDL1.6- aCTLA4.34-Fc, aPDLl.m3-aCTLA4.34-Fc 及びaPDL1.9-aCTLA4.13-Fc から選択され得る。
例えば、本開示の二量体は、CTLA4に特異的なISVD及びPDL1に特異的なISVDを含み得る。PD-L1に特異的なISVDは、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むCDR3、配列番号4に記載のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むCDR1を含み得る。また、CTLA4に特異的なISVDは、配列番号19に記載のアミノ酸配列を含むCDR3、配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むCDR1を含み得る。また、本開示の二量体は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むPD-L1に特異的なISVDと、配列番号20に記載のアミノ酸配列を含むCLTA4に特異的なISVDとを含み得る。例えば、本開示の二量体は、配列番号40のアミノ酸配列を含み得る。
また、本開示の二量体は、KN046と命名することができる。
Her2阻害剤
本開示では、Her2阻害剤は、Her2抗体又はその抗原結合部分及び/又はその複合体であり得る。
いくつかの実施形態では、Her2阻害剤は、二重特異性抗体又はその抗原結合部分であり得、二重特異性抗体又はその抗原結合部分は、共通の軽鎖を有し得、前記共通の軽鎖は、同じ配列を有する二つの軽鎖を指す。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体又はその抗原結合部分の重鎖は、生理学的条件下又はin vitroタンパク質発現中に、それぞれ前記軽鎖と正しく会合することが可能であり得る。
共通軽鎖は、二つの元のモノクローナル抗体(既知のモノクローナル抗体)のうち、少なくとも一方の軽鎖の配列が異なるものから設計されてもよい。いくつかの実施形態では、共通軽鎖は、二つの元のモノクローナル抗体のうちの一つと同一であってもよく、またはその一つを基準として修飾されてもよく(例えば、アミノ酸配列修飾)、その修飾の目的は、それぞれの抗原またはエピトープとの親和性を維持することである。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列修飾、アミノ酸の変異、欠失又は付加、例えば、3個以下のアミノ酸、好ましくは2個以下のアミノ酸、より好ましくは1個以下のアミノ酸の変異、欠失又は付加を含んでいてよい。
本出願では、異なる抗原又は抗原エピトープに対する二つのモノクローナル抗体(即ち、オリジナル抗体)の軽鎖配列(特に可変領域配列)を解析・検証し、二つのモノクローナル抗体の重鎖と会合可能な共通の軽鎖を得ることができる。重鎖と結合した後も、共通の軽鎖は元のモノクローナル抗体が指向する抗原又は抗原エピトープに特異的に結合することができる。
本出願では、異なる抗原又は抗原エピトープに対する二つのモノクローナル抗体(即ち、オリジナル抗体)の軽鎖配列(特に可変領域配列)を解析・検証し、二つのモノクローナル抗体の重鎖と会合可能な共通の軽鎖を得ることができる。重鎖と結合した後も、共通の軽鎖は元のモノクローナル抗体が指向する抗原又は抗原エピトープに特異的に結合することができる。
本出願では、共通軽鎖は、二重特異性抗体を発現するために使用することができ、また、二つの抗体を含む混合物を発現するために使用することもできる。二重特異性抗体が発現される場合、抗体は、第1の抗原に結合することができる軽鎖及び重鎖、並びに第2の抗原に結合することができる軽鎖及び重鎖を含み、二つの軽鎖の配列は完全に同一である、すなわち、共通軽鎖である。
本出願では、二つの元の抗体の軽鎖定常領域は、κ型又はλ型であり得る;κ型軽鎖定常領域は、Km1、Km2及びKm3のような種々のアロタイプを含む;λ型軽鎖定常領域は、CL1、CL2、CL3、CL6及びCL7のような種々のアロタイプを含む。
可変領域は、抗原と抗体との間の特異的結合にとって重要であり得ることが当技術分野において知られており、従って、抗体を修飾又は取得するプロセスの間、可変領域配列の選択及び修飾が重要である。従って、本願では、共通軽鎖を有する二重特異性抗体又は抗体混合物を得るためには、まず、共通軽鎖の可変領域を得る必要がある。上述した方法に従って、共通軽鎖の可変領域として、一つの元のモノクローナル抗体又はその変異体の軽鎖可変領域を選択した後、共通軽鎖の定常領域を決定する。通常、共通軽鎖定常領域は、共通軽鎖可変領域が由来するモノクローナル抗体の軽鎖定常領域であると決定され得る。場合によっては、他のモノクローナル抗体の軽鎖定常領域を共通軽鎖定常領域と決定することができる。必要に応じて、より好適な共通軽鎖の定常領域を得るために、当該技術分野で知られている知識に基づいて、元の軽鎖定常領域を修飾(例えば、アミノ酸の付加、欠失又は変異等)してもよく、例えば、修飾後の共通軽鎖定常領域は、より優れたADCC、CDC、エンドサイトーシス、安定性、免疫原性又は半減期等の特性を有する。
本出願では、二つの原抗体の重鎖の種類は同じでも異なっていてもよく、好ましくは、重鎖の種類は同じであることである。一実施形態では、二重特異性抗体及び抗体混合物を調製する場合、重鎖の可変領域及びCH1ドメインの配列は、元の抗体の配列と比較して変更されない。
本出願では、二重特異性抗体の二つのアーム、又は二つの抗体を含む混合物の抗体は、いずれも二つのオリジナルのモノクローナル抗体に由来し得る。二重特異性抗体又は抗体混合物を調製する場合、軽鎖可変領域の配列のみを変更して共通の軽鎖を得るが、重鎖可変領域の配列は変更する必要がない場合がある。すなわち、調製された二重特異性抗体又は抗体混合物において、抗体重鎖可変領域の配列は、元の抗体の配列と同一であってもよいが、少なくとも一つの軽鎖可変領域の配列は、元の抗体の配列と異なっていなければならない。
本出願では二つの元のモノクローナル抗体は、異なる要求又は目的に従って選択されてもよく、例えば、選択された二つのモノクローナル抗体は、同じ抗原の異なる抗原エピトープに対するものであってもよい。;あるいは、選択された抗体の一方が腫瘍細胞の表面上の関連抗原に結合し、他方の抗体が免疫エフェクター細胞をトリガーして、細胞をさらに死滅させることができる。
本出願では、二重特異性抗体を調製する際に、抗体発現時にヘテロ二量体タンパク質の形成を促進するために、重鎖(Fc断片など)を当技術分野で公知の技術に基づいて修飾することができる。
本出願では、抗体混合物を調製する際、重鎖 (Fcフラグメントなど) は、抗体発現中のホモダイマータンパク質の形成を促進するために、当該分野で公知の技術に基づいて修飾することができる。
本願では、抗体重鎖のFc断片を修飾してホモ二量体タンパク質又はヘテロ二量体タンパク質の形成を促進する技術が当該技術分野で知られており、例えば、Ridgway, Presta ら.1996、Carter 2001、特許CN102558355A及び特許CN103388013Aを言及され得る。
本出願では、異なる抗原エピトープを認識するポリペプチドを融合する技術としては、例えば、実施例に示すようなヘテロ二量体Fc融合技術などが考えられるが、これらに限定されず、「Fab」技術であってもよく、図2を参照されたい。
本出願では用いるヘテロ二量体Fc融合技術は、「ノブ」-「ホール」モデルに基づいていてもよく、また、「電荷反発モデル」に基づいていてもよいが、これら二つのモデルに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体又はその抗原結合部分の重鎖Fcセグメントは、ヘテロ二量体タンパク質の形成にとってより有利になるように設計されてもよい。
いくつかの実施形態では、二つの元のモノクローナル抗体は、ペルツズマブ及びトラスツズマブであってもよい。
いくつかの実施形態では、共通軽鎖は、それぞれペルツズマブの重鎖及びトラスツズマブの重鎖と会合することができる。
いくつかの実施形態では、共通軽鎖は、ペルツズマブ又はトラスツズマブの軽鎖又はその突然変異体から選択され得る。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体又はその抗原結合部分の重鎖 (可変領域及び定常領域を含む) は二つの元のモノクローナル抗体と同一であり得るか、又は形成を容易にするために修飾され得る。ヘテロ二量体タンパク質;たとえば、ヘテロ二量体タンパク質の形成を促進するために、重鎖Fcセグメントを修飾する。
いくつかの実施形態では、共通軽鎖は、ペルツズマブ又はトラスツズマブの軽鎖又はその突然変異体から選択され得る。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体又はその抗原結合部分の重鎖 (可変領域及び定常領域を含む) は二つの元のモノクローナル抗体と同一であり得るか、又は形成を容易にするために修飾され得る。ヘテロ二量体タンパク質;たとえば、ヘテロ二量体タンパク質の形成を促進するために、重鎖Fcセグメントを修飾する。
いくつかの実施形態では、共通軽鎖の可変領域の配列は、配列番号65~70のアミノ酸1~107から選択される配列を含み得る。いくつかの実施形態では、軽鎖定常領域の配列は、配列番号65のアミノ酸108~214の配列を含み得る。例えば、Her2阻害剤の共通軽鎖の可変領域は、トラスツズマブの軽鎖可変領域であってもよい。
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分の重鎖可変領域は、それぞれ、ペルツズマブの重鎖可変領域及びトラスツズマブの重鎖可変領域であり得る;例えば、重鎖可変領域は、それぞれ配列番号87及び配列番号88に記載の配列を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、二つの重鎖の可変領域の配列は、それぞれ配列番号89及び90に記載の配列を含み得る。
一実施形態では、その二つの重鎖は、それぞれ配列番号83及び84に記載の配列を含み得る。
例えば、Her 2阻害剤の共通軽鎖は、配列番号65に記載のアミノ酸配列を含み得る。 重鎖可変領域は、それぞれ配列番号87、88に記載の配列を含み得、 二つの重鎖の可変領域は、それぞれ配列番号89、90に記載のアミノ酸配列を含み得る。その二つの重鎖は、それぞれ配列番号83、84に記載の配列を含み得る。
また、本開示のHer2阻害剤は、KN026と命名することができる。
医薬組成物及び用途
本開示では、有効量の前記免疫チェックポイント阻害剤及び有効量の本開示のHer2阻害剤、並びに任意に薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、「有効量」という用語は、被験者に投与された場合、状態、又は障害若しくは疾患を少なくとも部分的に緩和、抑制、予防及び/又は改善するために有効である、本開示の免疫チェックポイント阻害剤又はHer2阻害剤の量を指す。本発明の医薬組成物の有効量は、疾患の予防又は治療のために投与することができる。医薬組成物の適切な投与量は、治療すべき疾患の種類、医薬組成物の種類、疾患の重症度及び経過、個人の臨床状態、個人の臨床歴及び治療に対する反応、並びに主治医の裁量に基づいて決定され得る。
別の形態では、本開示は、被験者における腫瘍治療のための医薬調製における、本開示における医薬組成物の使用を提供する。
別の形態では、本開示は、被験者における腫瘍治療における使用のための、本開示における医薬組成物を提供する。
別の形態では、本開示は、本開示における医薬組成物を含む、被験者における腫瘍を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本治療は、治療の中止後、個体における持続的応答をもたらす。本明細書に記載の医薬は、腫瘍の治療のための腫瘍免疫原性の向上など、免疫原性の向上が望まれる状態の治療における使用を見出すことができる。また、医薬組成物は、有効量の免疫チェックポイント及びHer2阻害剤を個体に投与することによって、腫瘍を有する個体における免疫機能を増強することができる。
本開示では、前記腫瘍は、固形腫瘍及び血液腫瘍からなる群より選択され得る。
本開示では、前記腫瘍は、NSCLC、乳癌、胃癌、胃食道接合部腺癌、食道腺癌、子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜癌、胆道癌、大腸癌及び尿路上皮癌からなる群より選択され得る。
本開示では、前記腫瘍は、Her2異常固形腫瘍及びHer2陽性癌からなる群から選択され得る。
本開示では、前記被験者は、抗Her2抗体及び/又は抗PD1剤が投与され得る。
例えば、前記抗Her2抗体は、トラスツズマブを含み得る。
例えば、前記被験者は、化学療法を投与され得る。
いくつかの実施形態において、前記化学療法は、一次化学療法及び/又は二次化学療法を含み得る。例えば、前記二次化学療法は、パクリタキセル+ラムシルマブ、パクリタキセル、ドセタキセル及び/又はイリノテカンの単剤療法を含み得る。
本開示では、前記化学療法は、化学剤による前記腫瘍に対する任意の治療を指す場合がある。前記化学剤は、腫瘍細胞を殺し、腫瘍を縮小させ、及び/又は癌の徴候及び症状を緩和させることができる。例えば、前記化学療法は、一次化学療法及び/又は二次化学療法を含み得る。
本開示では、前記一次化学療法は、所定の種類及び病期の癌の初期治療に一般的に受け入れられている化学療法レジメン又はレジメンを指す場合がある。 例えば、前記一次化学療法は、プラチナベースの化学療法を含み得る。いくつかの実施形態では、前記一次プラチナベースの化学療法は、プラチナ (P) 化合物 (シスプラチン又はカルボプラチン) による化学療法を含み得る。
本開示では、前記二次化学療法は、一次選択化学療法が十分に機能しない場合に試みられるものを指す場合がある。例えば、前記二次化学療法は、パクリタキセル+ラムシルマブ、パクリタキセル、ドセタキセル及び/又はイリノテカンの単剤療法を含み得る。
本開示では、前記Her2陽性癌とは、Her2の発現量が正常値よりも高い腫瘍細胞を有する癌を指す場合がある。
本開示では、前記Her2異常固形腫瘍は、Her2異常を有する固形腫瘍を指す場合があり、例えば、前記固形腫瘍は、異常なHer2遺伝子増幅、Her2遺伝子変異、及びHer2タンパク質の過剰発現を有する場合がある。
本開示では、前記抗PD1剤は、PD1に結合し、及び/又はPD1とPD-L1との間の結合を遮断する任意の薬剤を指す場合がある。例えば、前記抗PD1剤は、抗PD1抗体を含み得る。
本開示では、前記腫瘍は、その被験者が以前のトラスツズマブ療法に失敗した前記Her2異常固形腫瘍を含み得る。
本開示では、前記腫瘍は、被験者が全身療法の少なくとも一つの以前の治療で失敗した (例えば、以前のトラスツズマブ療法で失敗、又はトラスツズマブ及び抗PD-1剤療法の両方で失敗) Her2陽性GC (胃癌) 及びHer2陽性GEJ (胃食道接合部腺癌) を含み得る。
本発明の医薬組成物は、同一の投与経路で投与してもよいし、異なる投与経路で投与してもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、埋め込み、吸入、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内により投与され得る。いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、埋め込み、吸入、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内により投与され得る。いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、埋め込み、吸入、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内により投与され得る。
本開示では、前記Her2阻害剤は、静脈内投与により投与されてもよい。
本開示では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与により投与されてもよい。
一般的な命題として、被験者に投与される免疫チェックポイント阻害剤の有効量及びHer2阻害剤の有効量は、1回以上の投与によるかどうかにかかわらず、被験者体重の約0.01~約100mg/kgの範囲であってよい。
いくつかの実施形態では、Her2阻害剤は、約0.01~約100mg/kg、約1mg/kg~約80mg/kg、約1mg/kg~約70mg/kg、約1mg/kg~約60mg/kg、約1mg/kg~約50mg/kg、約1mg/kg~約40mg/kg、約1mg/kg~約30mg/kg、約1mg/kg~100mg/kg投与、約5mg/kg~約100mg/kg投与、約10mg/kg~約100mg/kg投与又は約20mg/kg~約100mg/kgで投与され得る。いくつかの実施形態では、前記Her2阻害剤は、約20~約30mg/kgで投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、約0.01~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約80mg/kg、約0.01mg/kg~約60mg/kg、約0.01mg/kg~約40mg/kg、約0. mg/kg~約20mg/kg、約0.01mg/kg~約15mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.01mg/kg~約5mg/kg、約0.01mg/kg~約4mg/kg、又は約0.01mg/kg~約3mg/kgで投与され得る。いくつかの実施形態では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、約1~約5mg/kgの用量で投与されてもよい。 例えば、前記免疫チェックポイント阻害剤は、約3mg/kg~約5mg/kgの用量で投与されてもよい。
例えば、前記免疫チェックポイント阻害剤は約3mg/kgの用量で投与されてもよく、前記Her2阻害剤は約20mg/kg又は約30mg/kgの用量で投与されてもよい。例えば、前記免疫チェックポイント阻害剤は、約5mg/kgの用量で投与されてもよく、前記Her2阻害剤は、約20mg/kgで投与されてもよい。
投与は、単回投与でもよいし、輸液などの複数回投与(例えば、2回又は3回投与)でもよい。併用治療において投与される抗体の用量は、単独治療と比較して減少され得る。本治療法の経過は、従来の技術により容易に観察できる。
医薬組成物は、約0.01~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約80mg/kg、約0.01mg/kg~約60mg/kg、約0.01mg/kg~約40mg/kg、約0.01mg/kg~約20mg/kg、約0.01mg/kg~約15mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.01mg/kg~約5mg/kg、又は約0.01mg/kg~約3mg/kg投与され得る。
医薬組成物は、治療反応が得られる限り、週4回、週2回、週1回、2週に1回、3週に1回、4週に1回、5週に1回、6週に1回、8週に1回、12週に1回の投与頻度で被験者に投与されてもよく、又はそれ以下の頻度で投与されてもよい。特定の実施形態では、Her2阻害剤は、治療反応が得られる限り、週4回、週2回、週1回、2週に1回、3週に1回、4週に1回、5週に1回、6週に1回、8週に1回、12週に1回の投与頻度で被験者に投与されてもよく、又はそれ以下の頻度で投与されてもよい。特定の実施形態では、免疫チェックポイントは、治療反応が得られる限り、約4回/週、2回/週、1回/週、2週/週、3週/週、4週/週、5週/週、6週/週、8週/週、9週/週、12週/週の投与頻度で被験者に投与されてもよく、又はそれ以下の頻度で投与されてもよい。
本開示では、前記Her2阻害剤は、2週間に1回又は3週間に1回、又は負荷用量で投与されてもよい。本開示では、前記免疫チェックポイント阻害剤は、2週間に1回又は3週間に1回投与されてもよい。
例えば、前記免疫チェックポイント阻害剤は、2週間に1回投与されてもよく、前記Her2阻害剤は、2週間に1回投与されてもよい。例えば、前記免疫チェックポイント阻害剤は、3週間に1回投与されてもよく、前記Her2阻害剤は、2週間に1回投与されてもよい。例えば、前記免疫チェックポイント阻害剤は、3週間に1回投与されてもよく、前記Her2阻害剤は、3週間に1回投与されてもよい。
本開示では、それを必要とする対象における腫瘍を治療するための医薬品の調製における、Her2阻害剤と組み合わせた免疫チェックポイント阻害剤の使用を提供する。用語「と組み合わせて」の使用は、治療がそれを必要とする被験者に投与される順序を制限しない。免疫チェックポイント阻害剤は、前(例えば、1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間又は12週間前)、併用若しくは同時、又は後(例えば、。1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)、同時又は後続にHer2阻害剤を必要とする被験者に投与される。
実施例
以下の実施例は、当業者に本発明の製造方法及び使用方法の完全な開示及び説明を提供するために記載されており、発明者がその発明とみなすものの範囲を制限することを意図するものではなく、また、以下の実験が行われた全て又は唯一の実験であることを示すことを意図するものでもない。使用する数値(例えば、量、温度等。)の正確性を確保するための努力がなされてきたが、いくつかの実験誤差や偏差を考慮に入れるべきである。特に明記しない限り、部品は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧又は大気圧に近い。標準的な略語が使用されてもよく、例えば、bp、塩基対;kb、キロベース;pl、ピコリットル;s又はsec、秒;min、分;h又はhr、時間;aa、アミノ酸;nt、ヌクレオチド;i.m、筋肉内;i.p、腹腔内;s.c、皮下などと記載される。
施例1 Her2陽性腫瘍を有する被験者における本開示の二量体と組み合わせたHer2阻害剤の臨床研究
本試験は、非盲検、第lb相、多施設臨床試験である。本試験の目的は、Her2陽性腫瘍を有する被験者において、Her2阻害剤と本開示の二量体とを併用した場合の安全性及び有効性を評価することである。
本試験には用量漸増期と用量拡大期が含まれる。Her2阻害剤の用量漸増は20mg/kgQ2Wと30mg/kgQ2W、二量体の用量漸増は3mg/kgQ2Wとする。本フェーズでは、mTPI (Modified Toxicity Probability Interval) が実施される。mTPI-2は、投与量を増減させながら、計算されたデザインに従って最大耐量(MTD)を決定する。観察されたDLT(用量制限毒性)に対してmTPI-2の等張回帰を適用し、用量漸増段階後に目標DLTに最も近い投与量としてMTDを推定する。
第1投与群(Her2阻害剤6 20mg/kg Q2W+二量体3mg/kg Q2W)には、3~6名を被験者とする。SMCはDLT観察後に実施し、第1投与群の被験者は、mTPI-2デザイン表に従って「高用量への昇順」基準を満たす場合、第2投与群(Her2阻害剤6 30mg/kg Q2W+二量体3mg/kg Q2W)に分類される。第2群は3~6名の被験者を対象とし、第1投与群は12名に拡大される。被験者が「高用量への移行」又は「元の用量を維持」基準を満たし、用量漸増期の全DLT観察が終了した時点で、第2用量群は12名に拡大される。
用量漸増フェーズ終了後、SMCによりRP2D(Recommended Phase II Dose)が決定され、本試験は用量拡張フェーズに入る。SMCは、Her2阻害剤及び二量体の安全性、PKデータ及び/又はその他のデータに従って、同一用量レベルでの原量、中間用量増加群、又はその他の増加群(例えば、固定用量投与、Q3Wなどの異なる投与間隔)を決定し、又は高用量試験(例えば、二量体5mg/kg)を実施する。
試験の主要評価項目:
用量漸増期:DLT(用量制限毒性);
用量拡大期:RECIST1.1により決定されるORR(客観的奏効率)、及びDOR(奏効期間)。
この結果は、Her2阻害剤と本開示の二量体を併用することで、被験者のHer2陽性腫瘍を効果的に治療できることを示している。
実施例2 Her2異所性固形癌患者を対象としたKN026(Her2標的二重特異性抗体) とKN046(抗PD-L 1/CTLA-4二重特異性抗体) の併用投与時の安全性、忍容性及び有効性の予備的評価結果について
背景:
Her2はcGAS-STINGシグナルを介して自然免疫を強力に抑制することから、Her2抗体によるADCPはマクロファージを介した免疫抑制にもつながることが予想される。前臨床試験、臨床試験ともに、抗Her2抗体と免疫チェックポイント阻害剤の併用により、自然免疫と適応免疫が協調的に作用することが示唆されている。KN026は、二つの異なるHer2エピトープに同時に結合する新規の二重特異性抗体である。KN046 は、PD-L1 と PD-1/CD80 の相互作用及び CTLA-4 と CD80/CD86 の相互作用の両方を阻害する新規の二重特 異性抗体である。今回、Her2異常のある固形がん患者を対象に、KN026とKN046の併用による安全性、忍容性、有効性を評価する第Ib相用量漸増試験及び拡大試験の中間結果を報告する。
試験方法:
本試験では、標準治療が無効で、Her2異常が局所的に確認された患者さん(Her2変異、Her2増幅、Her2過剰発現)を対象とした。対象被験者には、KN026 と KN046 を 3 段階の用量で、病勢進行、許容できない毒性、同意の撤回(DL1)まで併用投与した。KN026 20 mg/kg Q2W + KN046 3 mg/kg Q2W; DL2:KN026 20mg/kg Q2W、1サイクル目の1日目、8日目に負荷投与+KN046 5mg/kg Q3W;DL3.:KN026 30mg/kg Q3W、1サイクル目の1日目、8日目に負荷投与+KN046 5mg/kg Q3W。腫瘍応答は RECIST 1.1 に基づいて Q8W で評価された。主要評価項目はDLT、主要副次的評価項目は有効性パラメータ(ORR、DOR、PFS)であった。
試験結果:
2020年9月8日時点で、DL1(n=20、用量漸増3)、DL2(n=3)、DL3(n=2)に25例が登録された(mGC/GEJ 15例、mCRC 8例、その他の固形癌2例)。15名が治療を継続し、10名が病勢進行(5名)、死亡(2名)、その他の理由(3名)により治療を中止した。Her2陽性は18例(18例中12例はトラスツズマブ前治療が無効)、Her2変異は2例、Her2低発現(FISH増幅なし)は5例であった。DLTは認められなかった。また、LVEFの低下や臨床的に意義のある心因性の事象は認められなかった。治療関連有害事象は23名(92%)に発現し、そのうちグレード3以上の治療関連有害事象は6名(24%)に発現した。11名(44%)にirAEが発生し、1名がグレード3の免疫介在性内分泌障害を経験した以外は、ほとんどがグレード1又は2であった。KN026及びKN046に関連する主な有害事象は(頻度≧15%)、輸液関連反応(n=11、44.0%)、貧血(n=9、36.0%)、白血球数減少(n=6、24.0%)、下痢(n=5、20.0%)、AST上昇(n=5、20.0%)、血小板数減少(n=5、20.0%)、発疹(n=5、20.0%)、ALT上昇(n=4、16.0%)などであった。Her2陽性患者(n=14)の客観的奏効率は9/14(64.3%)、病勢コントロール率は13/14(92.9%、95% CI 66.1~99.8%)であった。Her2変異又は低発現の5例中4例がSDを達成し、うち1例は24週以上SDを達成した。病勢進行による死亡例は2例で、いずれもCOVID-19の制限によりKN026+KN046を1サイクル投与したのみであった。
結論:KN026とKN046の併用療法は、Her2陽性固形癌において、忍容性が高く、予備的な抗腫瘍活性が確認された。
臨床試験情報:NCT04040699
実施例3 画期的治療薬指定申請(BTDR)に関する助言
本書は、当部署が画期的治療指定(BTD)の申請が適切かどうか、現時点では初歩的すぎる可能性や、現在はBTD基準を満たしていない可能性があるかなどについて見解を述べる際の根拠として用いられる。
1. 適応症が重篤で生命を脅かすかどうかに関連する情報を提供する。適応症とその製品が対象とする疾患について簡単に説明する:
本剤の適応症は、Her2 陽性(Her2 IHC3+ 又は Her2 IHC2+/FISH+) 胃/胃食道接合部腺癌及び食道腺癌(GC/GEJ/EAC)である。
2.薬剤の概要、薬剤の作用機序(既知の場合)、既存の治療法との関連性を説明する:
KN026は、Her2ドメインIIとIVを同時に標的とするHer2二重特異性抗体、KN046は、PD1/PD-L1及びCTLA-4経路を遮断するPD-L1/CTLA-4二重特異性抗体である。
3.利用可能な治療法があれば簡単に説明する:
フルオロピリミジン、プラチナ製剤、トラスツズマブを基本としたレジメンが一次治療として一般的に使用されている。二次治療として、パクリタキセル+ramucirumab、パクリタキセル、ドセタキセル、イリノテカンの単剤療法、及び最善の支持療法があり、約15-25%の客観的奏効率が得られている。全生存の中央値は、二次治療で約8~9ヵ月、後期治療で4~6ヵ月であり、未だ大きな医療ニーズがある。
4.試験デザイン、試験エンドポイント、治療群、登録被験者数など、予備的な臨床エビデンス*に関連する情報を提供する:
KN046-IST-02 (NCT04040699) は、Her2 陽性固形がんを対象に KN046 と KN026 の有効性と安全性を評価するための進行中の用量漸増・拡大試験である。2020年9月3日現在、Her2 陽性固形がん患者 14 名(うち Her2 陽性 GC/GEJ 患者 9 名)が登録され、有効性が評価されている。Her2陽性固形癌で64.3%(9/14)、Her2陽性GC/GEJで66.7%(6/9)の奏効率が確認された。14名の患者はトラスツズマブによる前治療が無効で、60%(6/10)の客観的奏効率が認められ、2名はトラスツズマブと抗PD-1薬の両方が無効で、1名の部分奏効と1名の疾患安定が認められた。
例えば、腫瘍学/血液学分野の製品については、予備的な臨床的証拠として、奏効率、奏効期間、前治療の程度などが挙げられる。
本明細書では、本発明の好ましい実施形態が示され、説明されてきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本発明は、明細書中で提供される具体例によって限定されることは意図されない。上述の明細書を参照して本発明を説明したが、本明細書の実施形態の説明及び図示は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。 本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、及び置換が生じ得る。さらに、本発明のすべての態様は、種々の条件及び変数に依存する本明細書に記載された特定の描写、構成又は相対的比率に限定されないことが理解されるものとする。 本明細書に記載される本発明の実施形態に対する種々の代替物が、本発明の実施において使用され得ることを理解されたい。従って、本発明は、そのような代替物、修正物、変形物又は均等物も包含するものと考えられる。 以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれによってカバーされることが意図される。

Claims (107)

  1. 免疫チェックポイント阻害剤とHer2阻害剤との組み合わせによる、それを必要とする被験者の腫瘍を治療するための医薬品の調製における使用であって、
    前記免疫チェックポイント阻害剤がPD-L1及びCTLA4に特異的に結合することができる。
  2. 前記免疫チェックポイント阻害剤が、二重特異性抗体又はその抗原結合断片である、請求項1に記載の使用。
  3. 前記免疫チェックポイント阻害剤が抗原結合断片であり、前記抗原結合断片がFab、Fab'、F (ab) 2、Fv断片、F (ab') 2、scFv、di-scFv及び/又はdAbを含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の使用。
  4. 前記免疫チェックポイント阻害剤が二重特異性抗体であり、前記二重特異性抗体が完全ヒト抗体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記免疫チェックポイント阻害剤が二量体であり、前記二量体が2本のポリペプチド鎖によって形成され、前記2本のポリペプチド鎖の各々が抗体Fcサブユニットを含み、前記二量体が2以上の免疫グロブリン単一可変ドメイン(ISVDs)を含み、前記ISVDsの少なくとも一つがPD-L1に特異的であり、前記ISVDsの少なくとも一つがCTLA4に特異的であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記二つのポリペプチド鎖の少なくとも一つが、PD-L1に特異的なISVDとCTLA4に特異的なISVDの両方を含む、請求項5に記載の使用。
  7. 前記二つのポリペプチド鎖の各々が、PD-L1に特異的なISVD及びCTLA4に特異的なISVDの両方を含む、請求項5~6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について、PD-L1に対する前記ISVDが、任意にリンカーを介して、CTLA4に対する前記ISVDに融合される、請求項5~7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について:前記PD-L1に特異的なISVDは、任意にリンカーを介して、前記CTLA4に特異的なISVDに融合され;及び前記CTLA4に特異的なISVDは、任意にリンカーを介して、前記抗体Fcサブユニットに融合される、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について:PD-L1に特異的な前記ISVDのC末端が、任意にリンカーを介して、CTLA4に特異的な前記ISVDのN末端に融合され;及びCTLA4に特異的な前記ISVDのC末端が、任意にリンカーを介して、前記抗体FcサブユニットのN末端に融合される、請求項5~9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について:前記PD-L1に特異的なISVDは、任意にリンカーを介して、前記PD-L1に特異的なISVDに融合され;及び前記CTLA4に特異的なISVDは、任意にリンカーを介して、前記抗体Fcサブユニットに融合される、請求項5~10のいずれか一項に記載の使用。
  12. 前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方について:CTLA4に特異的な前記ISVDのC末端が、任意にリンカーを介して、PD-L1に特異的な前記ISVDのN末端に融合され;及びPD-L1に特異的な前記ISVDのC末端が、任意にリンカーを介して、前記抗体FcサブユニットのN末端に融合される、請求項11に記載の使用。
  13. 前記抗体Fcサブユニットが、IgG Fcサブユニットに由来する、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用。
  14. 前記IgGがヒトIgG1である、請求項13に記載の使用。
  15. 前記抗体Fcサブユニットが、配列番号35、38及び39のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用。
  16. PD-L1に特異的な前記ISVDが、ヒトPD-L1のN末端IgVドメインに結合することができる、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用。
  17. PD-L1に特異的な前記ISVDが、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基I54、Y56、E58、Q66及び/又はR113に結合することができ、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインが配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の使用。
  18. PD-L1に特異的な前記ISVDが、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基D61、N63、V68、M115、S117、Y123及び/又はR125にさらに結合することができ、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインが配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む、請求項17に記載の使用。
  19. PD-L1に特異的な前記ISVDが、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの立体配座エピトープに結合することができ、前記立体配座エピトープが、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基I54、Y56、E58、Q66及びR113を含み、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインが、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の使用。
  20. PD-L1に特異的な前記ISVDが、ヒトPD-L1N末端IgVドメインの立体配座エピトープに結合することができ、前記立体配座エピトープが、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインの残基I54、Y56、E58、Q66、R113、D61、N63、V68、M115、S117、Y123及びR125を含み、前記ヒトPD-L1N末端IgVドメインが、配列番号64に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の使用。
  21. PD-L1に特異的な前記ISVDが、PD-L1のPD1への結合を遮断することができる、請求項1~20のいずれか一項に記載の使用。
  22. PD-L1に特異的な前記ISVDが、PD-L1のCD80への結合を遮断することができる、請求項1~21のいずれか一項に記載の使用。
  23. PD-L1に特異的な前記ISVDが、参照抗PD-L1抗体とPD-L1との結合について競合し、前記参照抗PD-L1抗体が、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の使用。
  24. 前記参照抗PD-L1抗体が、配列番号5及び9のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む、請求項23に記載の使用。
  25. 前記参照抗PD-L1抗体が、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の使用。
  26. 前記参照抗PD-L1抗体が、配列番号3及び7のいずれか一に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の使用。
  27. 前記参照抗PD-L1抗体が、配列番号4、8及び11のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の使用。
  28. 前記参照抗PD-L1抗体がPD-L1に特異的なISVDである、請求項1~27のいずれか一項に記載の使用。
  29. 前記参照抗PD-L1抗体が、配列番号6、10、12、13、14、及び15のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の使用。
  30. 前記参照抗PD-L1抗体が、配列番号6に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の使用。
  31. PD-L1に特異的な前記ISVDが、配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の使用。
  32. PD-L1に特異的な前記ISVDが、配列番号5及び9のいずれか一に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の使用。
  33. PD-L1に特異的な前記ISVDが、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の使用。
  34. PD-L1に特異的な前記ISVDが、配列番号3及び7のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の使用。
  35. PD-L1に特異的な前記ISVDが、配列番号4、8及び11のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の使用。
  36. PD-L1に特異的な前記ISVDが、配列番号6、10、12、13、14及び15のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の使用。
  37. PD-L1に特異的な前記ISVDが、配列番号6に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の使用。
  38. CTLA4に特異的な前記ISVDが、ヒトCTLA4に特異的に結合することができる、請求項1~37のいずれか一項に記載の使用。
  39. CTLA4に特異的な前記ISVDが、CTLA4のCD80への結合を遮断することができる、請求項1~38のいずれか一項に記載の使用。
  40. CTLA4に特異的な前記ISVDが、CTLA4のCD86への結合を遮断することができる、請求項1~39のいずれか一項に記載の使用。
  41. CTLA4に特異的な前記ISVDが、CTLA4と参照抗CTLA4抗体との交差結合について競合し、前記参照抗CTLA4抗体が、配列番号19に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR 3を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の使用。
  42. 前記参照抗CTLA4抗体が、配列番号17に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む、請求項41に記載の使用。
  43. 前記参照抗CTLA4抗体が、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の使用。
  44. 前記参照抗CTLA4抗体が、配列番号18、21及び23のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR2を含む、請求項1~43のいずれか一項に記載の使用。
  45. 前記参照抗CTLA4抗体が、CTLA4に特異的なISVDである、請求項1~44のいずれか一項に記載の使用。
  46. 前記参照抗CTLA4抗体が、配列番号20、22、及び24~32のいずれか一つに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の使用。
  47. 前記参照抗CTLA4抗体が、配列番号20に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の使用。
  48. CTLA4に特異的な前記ISVDが、配列番号19に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR3を含む、請求項1~47のいずれか一項に記載の使用。
  49. CTLA4に特異的な前記ISVDが、配列番号17に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR1を含む、請求項1~48のいずれか一項に記載の使用。
  50. CTLA4に特異的な前記ISVDが、配列番号16に記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR 2を含む、請求項1~49のいずれか一項に記載の使用。
  51. CTLA4に特異的な前記ISVDが、配列番号18、21及び23のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる重鎖CDR 2を含む、請求項1~50のいずれか一項に記載の使用。
  52. CTLA4に特異的な前記ISVDが、配列番号20、22、及び24~32のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む、請求項1~51のいずれか一項に記載の使用。
  53. CTLA4に特異的な前記ISVDが、配列番号20に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変ドメインを含む、請求項1~52のいずれか一項に記載の使用。
  54. 前記二量体がホモ二量体である、請求項1~53のいずれか一項に記載の使用。
  55. 前記リンカーが、配列番号33~34のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~54のいずれか一項に記載の使用。
  56. 前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方が、配列番号40~43、46、48及び50のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~55のいずれか一項に記載の使用。
  57. 前記二つのポリペプチド鎖の一方又は両方が、配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の使用。
  58. 前記二量体が、PD-L1のPD-1への結合を遮断することができる、請求項1~57のいずれか一項に記載の使用。
  59. 前記二量体が、PD-L1のCD80への結合を遮断することができる、請請求項1~58のいずれか一項に記載の使用。
  60. 前記二量体が、CTLA4のCD80への結合を遮断することができる、請求項1~59のいずれか一項に記載の使用。
  61. 前記二量体が、CTLA4のCD86への結合を遮断することができる、請求項1~60のいずれか一項に記載の使用。
  62. 前記Her2阻害剤がヒトHer2を阻害することができる、請求項1~61のいずれか一項に記載の使用。
  63. 前記Her2阻害剤がHer2抗体又はその抗原結合部分及び/又はその複合体である、請求項1~62のいずれか一項に記載の使用。
  64. 前記Her2抗体が、ペルツズマブ、トラスツズマブ及びマルゲツキシマブからなる群より選択される、請求項63に記載の使用。
  65. 前記結合体がDS8201 a及びT-DM1からなる群より選択される、請求項1~64のいずれか一項に記載の使用。
  66. 前記Her2阻害剤が、二重特異性抗体又はその抗原結合部分であり、ヒトHer 2の異なるエピトープに結合し得る、請求項1~65のいずれか一項に記載の使用。
  67. 前記Her2阻害剤が二重特異性抗体又はその抗原結合部分であり、前記二重特異性抗体又はその抗原結合部分が共通軽鎖を有し、前記共通軽鎖が同じ配列を有する二つの軽鎖を指す、請求項1~66のいずれか一項に記載の使用。
  68. 前記重鎖が、生理的条件下又はin vitroタンパク質発現中に、それぞれ前記軽鎖と正しく会合し得る、請求項67のいずれかに記載の使用。
  69. 共通軽鎖が、それぞれ、ペルツズマブの重鎖及びトラスツズマブの重鎖と会合し得る、請求項1~68のいずれか一項に記載の使用。
  70. 共通軽鎖が、ペルツズマブの軽鎖、トラスツズマブの軽鎖、又はそれらの変異体から選択される、請求項1~69のいずれか一項に記載の使用。
  71. 共通軽鎖の可変領域の配列が、配列番号65~70のアミノ酸位置1から107に記載の配列から選択される配列を含む、請求項70のいずれかに記載の使用。
  72. 重鎖可変領域が、それぞれ、ペルツズマブの重鎖可変領域及びトラスツズマブの重鎖可変領域であり、例えば、重鎖可変領域は、それぞれ、配列番号87及び88に記載の配列を含む、請求項1~71のいずれか一項に記載の使用。
  73. 重鎖のFc断片配列が、それぞれ配列番号89及び90に記載の配列を含む、請求項1~72のいずれか一項に記載の使用。
  74. その二つの重鎖が、それぞれ配列番号83及び84に記載の配列を含む、請求項1~73のいずれか一項に記載の使用。
  75. 前記Her2阻害剤が、0.01mg/kg~100mg/kgの用量で投与される、請求項1~74のいずれか一項に記載の使用。
  76. 前記Her2阻害剤が、20mg/kg~30mg/kgの用量で投与される、請求項1~75のいずれか一項に記載の使用。
  77. 前記免疫チェックポイント阻害剤が、0.01mg/kg~100mg/kgの用量で投与される、請求項1~76のいずれか一項に記載の使用。
  78. 前記免疫チェックポイント阻害剤が、3mg/kg~5mg/kgの用量で投与される、請求項1~77のいずれか一項に記載の使用。
  79. 前記Her2阻害剤が、週4回、週2回、週1回、2週に1回、3週に1回、4週に1回、5週に1回、6週に1回、8週に1回又は12週に1回の投与頻度で投与される、請求項1~78のいずれかに記載の使用方法。
  80. Her 2阻害剤が、2週間に1回又は3週間に1回、又は負荷用量で投与される、請求項1~79のいずれか一項に記載の使用。
  81. 前記免疫チェックポイント阻害剤が、約1週間に4回、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、9週間に1回、又は12週間に1回の投与頻度で投与される、請求項1~80のいずれか一項に記載の使用。
  82. 前記免疫チェックポイント阻害剤が、2週間に1回又は3週間に1回投与される、請求項1~81のいずれか一項に記載の使用。
  83. 前記Her2阻害剤が、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、埋め込み、吸入、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内により投与される、請求項1~82のいずれかに記載の使用。
  84. 前記Her2阻害剤が静脈内投与により投与される、請求項1~83のいずれか一項に記載の使用。
  85. 前記免疫チェックポイント阻害剤が、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔、眼窩内、埋め込み、吸入、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内に投与される、請求項1~84のいずれか一項に記載の使用。
  86. 前記免疫チェックポイント阻害剤は、静脈内投与により投与される、請求項1~85のいずれか一項に記載の使用。
  87. 前記腫瘍が、固形腫瘍及び血液腫瘍からなる群から選択される、請求項1~86のいずれか一項に記載の使用。
  88. 前記腫瘍が、NSCLC、乳癌、胃癌、胃食道接合部腺癌、食道腺癌、子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜癌、胆道癌、大腸癌及び尿路上皮癌からなる群より選ばれる、請求項1~87のいずれか一項に記載の使用。
  89. 前記腫瘍が、Her2異常固形腫瘍及びHer2陽性癌からなる群から選択される、請求項1~88のいずれか一項に記載の使用。
  90. 前記被験者が、抗Her2抗体及び/又は抗PD1剤を投与されている、請求項1~89のいずれか一項に記載の使用。
  91. 前記抗Her2抗体が、トラスツズマブを含む、請求項90に記載の使用。
  92. 前記被験者が化学療法を投与される、請求項1~91のいずれか一項に記載の使用。
  93. 前記化学療法が、一次化学療法及び/又は二次化学療法を含む、請求項92に記載の使用。
  94. 前記二次化学療法が、パクリタキセル+ラムシルマブ、パクリタキセル、ドセタキセル及び/又はイリノテカンの単剤療法を含む、請求項93に記載の使用。
  95. 請求項1~94のいずれか一項に記載の有効量の前記免疫チェックポイント阻害剤と、請求項1~94のいずれか一項に記載の有効量の前記Her2阻害剤と、場合により、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
  96. 腫瘍を治療するための医薬の調製における、請求項95に記載の医薬組成物の使用。
  97. 前記医薬組成物が、週4回、週2回、週1回、2週に1回、3週に1回、4週に1回、5週に1回、6週に1回、8週に1回又は12週に1回の投与頻度で投与される、請求項99に記載の使用。
  98. 前記医薬組成物が、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、埋め込み、吸入、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内により投与される、請求項96~97のいずれか一項に記載の使用。
  99. 前記医薬組成物が0.01mg/kg~100mg/kgの用量で投与される、請求項96~98のいずれか一項に記載の使用。
  100. 前記腫瘍が、固形腫瘍及び血液腫瘍からなる群から選択される、請求項96~99のいずれか一項に記載の使用。
  101. 前記腫瘍が、NSCLC、乳癌、胃癌、胃食道接合部腺癌、食道腺癌、子宮頸癌、卵巣癌、子宮内膜癌、胆道癌、大腸癌及び尿路上皮癌からなる群より選ばれる、請求項96~100のいずれか一項に記載の使用。
  102. 前記腫瘍が、Her2異常固形腫瘍及びHer2陽性癌からなる群から選択される、請求項96~101のいずれか一項に記載の使用。
  103. 前記腫瘍に罹患している被験者が、抗Her 2抗体及び/又は抗PD1剤を投与されている、請求項96~102のいずれか一項に記載の使用。
  104. 前記抗Her2抗体が、トラスツズマブを含む、請求項103に記載の使用。
  105. 前記被験者が化学療法を投与される、請求項103~104のいずれか一項に記載の使用。
  106. 前記化学療法が、一次化学療法及び/又は二次化学療法を含む、請求項105に記載の使用。
  107. 前記二次化学療法が、パクリタキセル+ラムシルマブ、パクリタキセル、ドセタキセル及び/又はイリノテカンの単剤療法を含む、請求項106に記載の使用。
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