JP2023503776A - 造血幹細胞移植後の血栓性微小血管症(hsct-tma)の治療方法 - Google Patents

造血幹細胞移植後の血栓性微小血管症(hsct-tma)の治療方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、対象に、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤の治療または予防有効量を投与することを含む、対象における造血幹細胞移植後の血栓性微小血管症(HSCT-TMA)を治療または予防する方法に関する。本出願の図2の前記タンパク質は、先行技術において、コバーシン、ノマコパン、EV576、またはOmCIタンパク質として指定されている。あるいは、薬剤は、図2のアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19から168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物をコードする核酸分子である。

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)ウェブサイトの掲載日: 2018年9月30日 ウェブサイトのアドレス: http://investor.akaritx.com/news-releases/news-release-details/akari-therapeutics-announces-new-clinical-data-post-transplant (2)学会開催日: 2018年9月28日~30日 学会名及び開催場所: The Inborn Errors Working Party(IEWP) annual conference 2018 Leiden,The Netherlands (3)ウェブサイトの掲載日: 2019年3月13日 ウェブサイトのアドレス: http://investor.akaritx.com/news-releases/news-release-details/positive-fda-meeting-outlines-path-ahead-akari-therapeutics
本発明は、造血幹細胞移植後の血栓性微小血管症(HSCT-TMA)を治療および予防する方法に関する。
本文中に言及され、本明細書の最後に列挙される全ての文書は、参照により本明細書に組み込まれる。
補体
補体系は、外来侵入に対する身体の自然防御機構の必須部分であり、炎症過程にも関与している。血清中および細胞表面の30を超えるタンパク質が、補体系の機能および調節に関与している。最近、有益な過程および病理学的過程の両方に関連する可能性がある補体系の約35の公知の成分と同様に、補体系自体が、血管新生、血小板活性化と止血、グルコース代謝、および精子形成のように多様な機能を有する少なくとも85の生物学的経路と相互作用することが明らかになった。
補体系は、免疫系によって非自己として認識される物質の存在によって活性化される。(1)IgMおよびIgG複合体によって、または糖質の認識によって活性化される古典的経路;(2)非自己表面(特異的調節分子を欠如する)および細菌エンドトキシンによって活性化される第二経路;ならびに(3)病原体表面のマンノース残基へのマンナン結合性レクチン(MBL)の結合によって活性化されるレクチン経路という3つの活性化経路が存在する。これら3つの経路は、細胞表面の類似のC3コンバターゼおよびC5コンバターゼの形成による補体活性化の産生をもたらす、イベントの平行するカスケードを含み、その結果、急性期炎症メディエーター(C3aおよびC5a)の放出および膜侵襲複合体(MAC)の形成を生じる。古典的経路(ここではC1qを介した古典的およびMBLを介したレクチンとして定義される)および第二経路に関与する、平行するカスケードを図1に示す。
補体経路の成分を文字「C」に続く「3」などの数字で表し、それにより「C3」が補体タンパク質C3を表すようにすることが慣例である。これらの成分の一部は、補体系の活性化時に切断され、切断産物は数字の後に小文字で示される。したがって、C5は、慣例的にC5aおよびC5bと呼ばれる断片に切断される。補体タンパク質は、必ずしも数字の順番で作用するわけでないので、数字は、必ずしも作用の順番を示すわけではない。この呼称の慣例が、本出願に使用される。)
古典的補体経路、第二補体経路およびレクチン補体経路は、本明細書においてまとめて補体経路と呼ばれる。C5bは、補体活性化の「後期」または「最終」イベントを開始する。これらは、最終補体成分が相互作用してMACを形成する一連の重合反応を含み、MACは、一部の病原体の細胞膜に孔を開け、そのことが病原体の死に繋がり得るか、溶解を引き起こすことなく身体の細胞を活性化する。最終補体成分には、C5b(膜侵襲システムの集合を開始する)、C6、C7、C8およびC9が含まれる。
LTB4
ロイコトリエンB4(LTB4)は、記載された、最も強力な走化性および化学運動性エイコサノイドであり、インテグリンのアップレギュレーションを介して好中球の血管内皮への接着を促進する[1]。それは、また、好中球に関する完全な分泌促進物質であり、その凝集を誘導し、微小血管透過性を増加させる。LTB4は、ナチュラルキラー細胞、単球および好酸球を動員および活性化する。それは、スーパーオキシドラジカルの形成を増加させ[2]、組織の炎症を増強および延長するおそれがある、いくつかの炎症促進性サイトカインおよびメディエーターの産生を含む遺伝子発現をモジュレートする[3,4]。LTB4は、また、適応免疫応答の誘導および管理に役割を果たす。例えば、流入領域リンパ節への樹状細胞輸送の調節[5,6]、肺T細胞からのTh2サイトカインIL-13の産生[7]、抗原特異的エフェクターCD8+ T細胞の動員[8]ならびにヒトBリンパ球の活性化および増殖[9]である。
LTB4およびヒドロキシエイコサノイドは、BLT1およびBLT2 Gタンパク質共役受容体を介してそれらの効果を媒介する[10,11]。ヒトBLT1は、LTB4に特異的な高親和性受容体であり(Kd 0.39~1.5nM;[12])、競合結合研究で20-ヒドロキシLTB4および12-エピLTB4だけがLTB4と置き換わることができる[13]。ヒトBLT2は、BLT1と比べてLTB4に対して20分の1の親和性(Kd 23nM)を有し、12-エピLTB4、20-ヒドロキシLTB4、12(S)-HETE、15(S)-HETE、12(S)-HPETEおよび15(S)-HPETEを含む、より広い範囲のエイコサノイドと結合することによって活性化される[13]。ヒトBLT2は、ヒトおよびマウスBLT1と45.2および44.6%のアミノ酸同一性を有し、一方で、ヒトおよびマウスBLT2は、92.7%の同一性を有する[11]。
ヒトBLT1は、内皮細胞および血管平滑筋細胞で発現すると最近記載されたものの、主として白血球の表面で発現する。ヒトBLT2は、より広い範囲の組織および細胞型で発現する。ヒト好中球の活性化、血管外遊出およびアポトーシスを阻害する[14]、BLT1およびBLT2のいくつかの特異的アンタゴニストが記載されている。
いくつかの市販薬が、エイコサノイドを標的とする。これらには、ホスホリパーゼA2(PLA2)をモジュレートし、それにより、エイコサノイド前駆体であるアラキドン酸(AA)の放出を阻害するグルココルチコイド[15]が含まれる。プロスタグランジンおよびトロンボキサンの合成を防止する非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)および他のCOX2阻害剤[16]。LTB4合成および他のロイコトリエンに必要な5-LOX酵素を阻害する(ジロートン;[17])か、またはシステイニルロイコトリエンの効果を媒介するCysLT1受容体と拮抗する(ザフィルルカストおよびモンテルカスト)[18]かのいずれかの、いくつかのロイコトリエン(LK)調節物質もある。LK調節物質は、経口的に利用可能であり、例えば喘息の治療に使用するためにFDAによって承認されている。LTB4またはその受容体に特異的に作用する薬物は、まだ販売されていない。
造血幹細胞移植
造血幹細胞移植(HSCT)は、骨髄または免疫系に損傷または欠陥のある患者の造血機能を再確立するために、自己または同種幹細胞の静脈内注入を伴う。世界中で毎年50,000を超えるHSCTが実施されており、この数は年々増加している。幹細胞移植は依然として、多くの異なるタイプの進行性または難治性の疾患を有する患者にとっての最後の希望である。
HSCTの手法は、白血病などの骨髄浸潤過程を排除するため、または先天性免疫不全障害を治すための治療の一部として行われることがよくある。HSCTを使用して、がんを有する患者に骨髄が通常許容できるよりも高用量の化学療法を受けさせることができるようにし、骨髄を以前に採取した幹細胞と交換することによって、その後骨髄機能を回復させる。HSCTは、任意の供給源(骨髄、末梢血、または臍帯血など)から、幹細胞がもともと得られたのと同じ対象(自家HSCT)、または異なる対象(同種移植)のいずれかの対象に血液前駆細胞/幹細胞を移植することを対象とする、一般的な用語として使用される。
移植に関連した死亡率および罹患率はここ数年で大幅に減少しているが、血栓性微小血管症(TMA)などのHSCTに関連した合併症に起因する死亡率は依然として比較的高い。
造血幹細胞移植後の血栓性微小血管症(HSCT-TMA)
TMAは小血管の閉塞性障害であり、TMAの病態生理学には、動脈および毛細血管の血小板が媒介する血栓症、関連する虚血性組織損傷、ならびに部分的に閉塞した血管にかかるせん断応力による赤血球の断片化が関与する。TMAはHSCTレシピエントの20~30%で発生し、通常は移植後100日以内に発生する[19]。造血幹細胞移植後の血栓性微小血管症(HSCT-TMA)の結果は深刻であり、死亡率は90~100%に達すると報告されている。これらの高いリスクにもかかわらず、多くの患者にとって、HSCTは根治という目標を有する唯一残された治療的介入であることが多い。
HSCT-TMAは、同種HSCT後により多くみられるが、依然として自家移植の重大な合併症でもある。HSCT-TMAは通常、貧血、血小板減少症、腎機能障害、および肺高血圧症として現れ、胃腸症状および中枢神経系の損傷を伴うことがある[20]。
現在、HSCT-TMAに対して一般に認められた標準的な治療法はない。したがって、HSCT-TMAに関連する高い死亡率を低下させるためには、新たな効果的な治療が大いに必要とされている。
補体阻害剤
WO2004/106369(Evolutec Limited[21])は、補体阻害剤に関する。開示される補体阻害剤の特定のサブセットは、C5に方向づけられ、補体活性化経路のいずれかによりC5がC5aおよびC5bに開裂されるのを防止する。このようなC5開裂阻害剤の特定の例は、Ornithdoros moubata種のマダニによって産生されるタンパク質であり、その成熟型は、WO2004/106369の図4に示されるアミノ酸配列のアミノ酸19~168からなるタンパク質である。 WO2004/106369号では、このタンパク質は、「EV576」、「OmCIタンパク質」、および「コバーシン」の名称によって知られており、より最近には「ノマコパン」として知られている[22]。このタンパク質は、本明細書において「ノマコパン」と称される。
マダニにおいて、ノマコパンは、成熟ノマコパンタンパク質のN末端に、WO2004/106369の図4に示されるアミノ酸配列のアミノ酸1~18を含むリーダー配列を有するプレタンパク質として発現する。リーダー配列は、発現後に開裂除去される。成熟タンパク質は、WO2004/106369の図4および本出願の図2に示されるアミノ酸配列のアミノ酸19~168からなる配列を有する。
ノマコパンは、また、ロイコトリエンB4(LTB4)活性を阻害する能力を有する。LTB4と結合する能力は、当技術分野において公知の標準的なin vitroアッセイによって、例えば、標識LTB4への結合をめぐって競合するノマコパンと抗LTB4抗体との間の競合ELISAによって、等温滴定熱量測定によって、または蛍光滴定によって、実証され得る。
WO2007/028968、WO2008/029167、WO2008/029169、WO2011/083317、WO2016/198133、WO2017/0140903、WO2018/0193120、WO2018/0193121およびWO2018/193122などの、様々な応用におけるノマコパンまたはその機能的等価物の使用に関する、いくつかのさらなる特許出願がある。これらの応用については、HSCT-TMAの治療におけるノマコパンまたはその機能的等価物の有効性を確証する実験的証拠はない。
本発明に至る研究において、LTB4に結合し、C5に結合することによって補体経路も阻害する分子ノマコパンは、上に議論したように、HSCT-TMA患者における症状を改善することが示されている。ノマコパンは、補体(C5を阻害することにより)およびLTB4の両方を阻害する能力を有するため、特に、単独または他の治療法との組合せにおけるHSCT-TMAの予防および治療において有利である。
ノマコパンは、HSCT-TMA患者においてTMAの症状を改善することが示されている。ノマコパンは、補体(C5を阻害することにより)を阻害する能力を有するため、特に、単独または他の治療法との組合せにおけるHSCT-TMAの予防および治療において有利である。実施例および図3では、溶血性貧血、赤血球断片数、血小板減少症、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルの上昇、タンパク尿および/またはクレアチニンの上昇、高血圧、神経学的症状、ならびに胃腸(GI)出血を含む、TMAの8つの異なるマーカーを解消するためにノマコパンを使用することが実証されている。さらに、この実施例は、ノマコパンが、HSCT-TMA患者において長期間にわたって補体活性を有意に低下させることができたことを示している。
したがって、本発明者らは、マダニタンパク質ノマコパン(当技術分野および本明細書においてEV576およびOmCIとも称される[21])の投与が、HSCT-TMAを治療または予防するために使用できることを実証した。
したがって、本発明は、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤の治療または予防有効量を投与すること(administering)を含む、HSCT-TMAを治療または予防する方法を提供する。
本発明は、また、HSCT-TMAを治療または予防する方法における使用のための、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤を提供する。
本発明は、また、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物をコードする核酸分子である薬剤の治療または予防有効量を投与することを含む、HSCT-TMAを治療または予防する方法を提供する。
本発明は、また、HSCT-TMAを治療または予防する方法における使用のための、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物をコードする核酸分子である薬剤を提供する。
本発明は、また、(a)図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤の治療または予防有効量、および(b)第2のHSCT-TMA治療を投与することを含む、HSCT-TMAを治療または予防する方法を提供する。
本発明は、また、HSCT-TMAを治療または予防する方法における使用のための、(a)図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤、および(b)第2のHSCT-TMA治療を提供する。
本発明は、また、(a)図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物をコードする核酸分子である薬剤の治療または予防有効量、および(b)第2のHSCT-TMA治療を投与することを含む、HSCT-TMAを治療または予防する方法を提供する。
本発明は、また、HSCT-TMAを治療または予防する方法における使用のための、(a)図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物をコードする核酸分子である薬剤、および(b)第2のHSCT-TMA治療を提供する。
本発明は、また、HSCT-TMAを治療もしくは予防するために必要とされる第2のHSCT-TMA治療の量を減少させる、またはHSCT-TMAを治療もしくは予防するために必要とされる第2のHSCT-TMA治療による治療期間を減少させる方法であって、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質もしくはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤または前記薬剤をコードする核酸分子の治療または予防有効量および前記第2のHSCT-TMA治療を投与することを含む方法を提供する。
HSCT-TMAおよびその診断
TMAはHSCTを受けた対象の10~30%で発生することが報告されており、通常は移植後100日以内に発生する[23]。HSCT-TMAは、対象がHSCTを受けた後で発生するTMAである。一般に、HSCT-TMAはHSCTから100日以内に発生するが、HSCT-TMAは、HSCTから200日以内、150日以内、125日以内、80日以内、または50日以内に発生することもある。HSCT-TMAは、移植に関連した血栓性微小血管症(TA-TMA)およびHSCT関連TMAとしても知られている。HSCT-TMAの存在は、当該技術分野でよく理解されている日常的な診断によって決定することができる。
例えば、HSCT-TMAの診断基準は、Cho等[24]において以前に記載されている。この例では、HSCT-TMAの診断基準には、(i)通常の凝固アッセイ、(ii)高倍率視野(2HPF以上)あたり2個以上の分裂赤血球を有する分裂赤血球増加症、(iii)血清ラクトースデヒドロゲナーゼ(LDH)の上昇、(iv)クームス試験陰性、(v)血小板数が50,000/μL未満または以前の数から50%以上減少している血小板減少症、(vi)ヘモグロビン濃度の減少、および(vii)血清ハプトグロビンの減少が含まれる。
HSCT-TMAの代替診断基準はIacopinoの基準である[25]。ここで、HSCT-TMAの最小基準は、(1)以下のパラメーター:微小血管障害性溶血、血小板減少症、腎機能障害、神経学的機能障害、発熱の少なくとも2つの同時発生、(2)血清LDH活性の増加を伴う血液塗抹標本の微小血管障害性の変化であった。これらの基準の臨床パラメーターは、以下のように定義された;クームス試験が陰性の血管内溶血である微小血管障害性溶血、血小板数が150×10/L未満の血小板減少症、原因不明に口腔温度が38℃を超えるTMA関連の発熱、少なくとも1回の神経精神医学的検査中における異常所見として定義された神経学的機能障害。腎機能障害は、血清クレアチニンが1.5mg/dlを超えた場合、または以前に確立された高いベースライン値が50%上昇した場合に診断された。
造血幹細胞移植
対象は以前に自家HSCTまたは同種HSCTを受けていてもよい。例えば、対象は、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫、生殖細胞腫瘍、自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、全身性硬化症など)、および/またはアミロイドーシスを治療する、または治療しようとするために自家HSCTを受けていてもよい。
あるいは、対象は、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、再生不良性貧血、赤芽球癆、発作性夜間ヘモグロビン尿症、ファンコニ貧血、重症型サラセミア、鎌状赤血球貧血、重度の複合免疫不全症、ウィスコット・アルドリッチ症候群、血球貪食性リンパ組織球増殖症、先天性代謝異常、表皮水疱症、重度の先天性好中球減少症、シュワックマン・ダイアモンド症候群、ダイアモンド・ブラックファン貧血、および/または白血球接着不全を治療するために同種HSCTを受けていてもよい。
HSCTの移植前治療
HSCTの前に、対象は準備または移植前治療レジメンを受けるのが典型的である。このようなレジメンは、移植された移植片の拒絶を予防するのに十分な免疫抑制を提供するように、および/または移植が行われている疾患を根絶するように機能する。対象は以前に骨髄破壊的または非骨髄破壊的移植前治療レジメンを受けていてもよい。
骨髄破壊的レジメンは、自家移植または同種移植において残存するがん細胞を全て殺し、同種移植において生着のために免疫抑制を引き起こすように設計されている。骨髄破壊的レジメンは、放射線を含むかまたは放射線を含まないレジメンであってもよい。放射線を含む骨髄破壊的レジメンの例には、(i)全身照射およびシクロホスファミド、(ii)全身照射およびエトポシド、(iii)全身照射、エトポシド、およびシクロホスファミド、ならびに(iv)全身照射およびメルファランが含まれる。放射線を含まない骨髄破壊的レジメンの例には、(i)シクロホスファミドおよびブスルファン、(ii)ブスルファンおよびエトポシド、(iii)シクロホスファミド、カルムスチン、およびエトポシド、(iv)シクロホスファミド、カルムスチン、エトポシド、およびシスプラチン、ならびに(v)カルムスチン、エトポシド、シタラビン、およびメルファランが含まれる。
例えば、白血病の対象において、非骨髄破壊的レジメンは通常、効果的な治療の重要な要素がドナー細胞によって媒介される移植片対腫瘍効果である場合に使用される。このような場合、毒性がある骨髄破壊的準備レジメンは必ずしも必要ではない。非骨髄破壊的レジメンは、対象にドナーおよびレシピエントの造血細胞が同時に存在する混合キメラ現象を引き起こし得る。非骨髄破壊的レジメンは、骨髄破壊的レジメンよりも実質的に低い化学療法薬および放射線の用量を使用する。このようなレジメンは通常、慢性リンパ性白血病または慢性骨髄性白血病などの成長の遅い腫瘍に有益である。
HSCT-TMAのリスク因子
対象は、HSCT-TMAに罹患しているか、罹患している疑いがあるか、または発症するリスクがあってもよい。HSCT-TMAを発症するリスクのある対象は、HSCT-TMAまたはその症状を予防するために、本明細書で言及した薬剤の投与から利益を得る可能性がある。HSCT-TMAのリスク因子には、HSCT移植前治療の過程で使用される治療薬の投与、および以下に概説する他のいくつかの患者の特徴が含まれる。
対象が骨髄破壊的または非骨髄破壊的移植前治療レジメンを受けたかどうかは、対象がHSCT-TMAを発症するリスクに影響を与え得る。骨髄破壊的移植前治療レジメンを受けた対象は、骨髄破壊的移植前治療レジメンを受けていない対象と比較して、HSCT-TMAを発症するリスクが高くなる。いくつかの実施形態では、対象は、骨髄破壊的または非骨髄破壊的移植前治療レジメン、例えば、骨髄破壊的移植前治療レジメンを受けている。
別のリスク因子は、カルシニューリン阻害剤(CNI)による対象の予備治療であり、HSCT-TMAを発症するリスクを高め得る[24]。CNIは通常、炎症を軽減するために使用され、GVHDを予防および/または治療するために使用され得る。これらのCNIは、移植前治療レジメンの一部として、またはHSCTの後に使用され得る。CNIの例は、タクロリムスおよびピメクロリムスである。いくつかの実施形態では、対象は、1つまたは複数のCNIによる治療を受けており、任意選択で、CNIはタクロリムスである。
HSCTの移植前治療レジメンで使用される治療薬は、対象がHSCT-TMAを発症するリスクを高め得る。このような治療薬には、(i)ブスルファンなどのアルキル化抗悪性腫瘍薬、(ii)シクロスポリン、(iii)フルダラビン、(iv)シスプラチン、および/または(v)哺乳類のラパマイシン標的(mTOR)阻害剤が含まれる。いくつかの実施形態では、対象は、(i)ブスルファンなどのアルキル化抗悪性腫瘍薬、(ii)シクロスポリン、(iii)フルダラビン、(iv)シスプラチン、および/または(v)哺乳類のラパマイシン標的(mTOR)阻害剤の1つまたは複数による治療を受けている。
対象に急性GVHD(aGVHD)が存在すると、対象がHSCT-TMAを発症するリスクも高まり得る[24]。例えば、グレードII~IVのaGVHDの存在は、対象がHSCT-TMAを発症するリスクを大幅に高める。いくつかの実施形態では、対象はaGVHDを有する。
同種HSCTでは、ドナーおよびレシピエントは、一致した、または一致していないヒト白血球抗原(HLA)を含み得る。これらのHLAは、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DRB1、HLA-DQB1、および/またはHLA-DPB1遺伝子座を含み得る。対象(すなわち、レシピエント)がHLAが一致していないドナーの細胞によるHSCTを受けている場合、HSCT-TMAを発症するリスクが高くなる[24]。いくつかの実施形態では、対象はHLAが一致していないドナーの細胞によるHSCTを受けている。
HSCT-TMAを発症するリスクのある患者には、より年上の、特に35歳を上回る患者も含まれる[24]。いくつかの実施形態では、対象は35歳を上回る。
HSCTを受けている対象に日和見感染が存在すると、HSCT-TMAを発症するリスクが高まる[24]。このような日和見感染症の例には、サイトメガロウイルス(CMV)感染症が含まれる。いくつかの実施形態では、対象は、CMV感染症などの1つまたは複数の日和見感染症を有する。
HSCT-TMAの治療または予防の観点から、これらのリスク因子の1つまたは複数を有する対象が好ましい。いくつかの実施形態では、対象は、これらのリスク因子のうちの1つまたは複数を有してもよいが、臨床症状を示していなくてもよい。
GVHDの同時発生
HSCT-TMAに加えて、他のいくつかの状態がHSCTに関連している。例えば、GVHDは全身性炎症症候群であり、同種HSCT後にも発生し得る。本出願人は、ノマコパンが補体阻害を介したaGVHDの治療および予防に有効であることを以前に実証した[26]。GVHDにおけるLTB4の関与が最近報告され[27]、GVHDを治療するための追加的な標的としてLTB4が示唆されている。
したがって、本明細書に開示される治療法は、C5開裂およびLTB4活性の両方の二重阻害によって、したがって、(i)補体阻害を介してHSCT-TMA、ならびに(ii)補体阻害およびLTB4活性の阻害の両方を介してGVHDの両方が効果的に治療され得るので、GVHDおよびHSCT-TMAの同時発生を治療するのに特に適している。
したがって、本明細書に開示される治療薬は、対象においてGVHDおよびHSCT-TMAの両方を治療する方法で使用することができる。言い換えれば、HSCT-TMAおよびGVHDの両方を有する対象が好ましい。
例えば、参考文献[28]に要約されているように、対象はaGVHDを罹患している可能性があり、ステージ+、++、+++、または+++ ++にある1つまたは複数の症状を有するGVHDを有する可能性があり、ならびに/あるいは対象はI、II、III、またはIVの臨床グレードを有する可能性がある。これらの臨床ステージおよび等級付けは先行技術でよく知られており、以下の表に要約されている。
Figure 2023503776000001
Figure 2023503776000002
GVHDの治療の結果は、GVHDのステージおよび/またはグレードの改善であってもよい。GVHDに罹患している対象は、GVHDから生じる内部(腸など)の組織損傷などの組織損傷を有する可能性がある。したがって、治療の結果はこの組織損傷の減少であってもよい。GVHDの症状は血清LDHによって測定することができる。したがって、治療の結果は、例えば当該技術分野で公知の標準的な方法によって測定されるように、血清LDHの減少であってもよい。
対象では血小板数が減少している可能性がある。したがって、GVHDの治療の結果は、例えば、当技術分野で公知の標準的な方法によって測定されるように、血小板数の増加であってもよい。
HSCT-TMAの治療における補体系の標的化
HSCT-TMAの対象において補体の活性化が特定された。HSCT-TMA対象で特定された補体異常の例には、抗H因子抗体、ならびにH因子関連タンパク質1および3をコードする遺伝子を含む欠失の高い発生率が含まれる[29]。HSCT-TMAを治療するために、エクリズマブなどの補体阻害剤が以前に提案されたことがある。この治療がTMAの症状の解消および生存率の向上につながるという証拠がいくつかある[30,31]。
エクリズマブによるHSCT-TMAの治療が提案されているが、その使用にはいくつかの制限が伴う。例えば、以下に概説するように、患者の亜集団はC5多型を有することが知られており、C5多型はエクリズマブのC5への結合を減少させるので、患者はエクリズマブによる治療に対して耐性になる。
さらに、HSCT-TMAと診断された、またはHSCT-TMAを有する疑いがある対象は、自己抗体を除去するように機能する血漿交換療法で治療された可能性がある。これらの自己抗体の除去に加えて、エクリズマブなどの以前に投与された治療用抗体も除去されるだろう。それにより、血漿交換治療法を受けている患者では、治療用抗体の有用性が制限される。しかし、本発明者等は、本明細書に開示される治療薬は、血漿交換療法中および血漿交換療法後も作用し続けるので、そのような制限を受けないことを示した。したがって、いくつかの実施形態では、対象は、血漿交換療法の前および/または後に(例えば、血漿交換療法の2、3、4、5日以内に)本発明に従って治療される。
治療のタイミング
診断後または発病後の早期に治療を開始することが有利であり得る。本発明の好ましい実施形態では、対象における本発明によるHSCT-TMAの治療は、最初の診断から約1日以内、最初の診断から約5日以内、最初の診断から約10日以内、最初の診断から約20日以内、最初の診断から約1カ月以内、最初の診断から約2カ月以内、最初の診断から約6カ月以内に開始される。
本発明の好ましい実施形態では、対象における本発明によるHSCT-TMAの治療は、約1日以下の罹病期間、約5日以下の罹病期間、約10日以下の罹病期間、約20日以下の罹病期間、約1カ月以下の罹病期間、約2カ月以下の罹病期間、約6カ月以下の罹病期間を有する対象におけるものである。
投与成績
対象は、治療の結果として、症状の発生率の減少、症状の軽減、症状の発生もしくは再発生の阻害もしくは遅延、またはその組合せを有する可能性がある。好ましくは、治療は、典型的な疾患状態の症状の軽減をもたらす。例えば、これは診断基準として上記に概説した1つまたは複数の要素の減少として現れる可能性がある。
治療はまた、必要とされる第2のHSCT-TMA治療の量または期間の減少をもたらす可能性がある。
本発明の薬剤は、他のHSCT-TMA治療と組み合わせて使用することができる。本発明の薬剤と他の(本明細書において「第2の」と称される)HSCT-TMA治療との組合せは、本発明の薬剤による治療の非存在下で使用される量と比較して、第2のHSCT-TMA薬剤の量が減少するか、または、本発明の薬剤による治療の非存在下で使用される治療期間と比較して、第2のHSCT-TMA薬剤による治療の期間が減少するようなものであり得る。これは、特定の公知の治療法の副作用を考慮すると有利である。したがって、治療に使用される第2のHSCT-TMA治療の量を減少させる方法、または第2のHSCT-TMA治療による治療の期間を減少させる方法もまた、提供される。
好ましくは、第2のHSCT-TMA治療は、(i)抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)または抗MASP2抗体(例えば、OMS721)などの第2の補体阻害剤、(ii)カルシニューリン阻害剤の用量減少または完全な休薬、(iii)血漿交換(すなわち、血漿交換療法)、(iv)リツキシマブなどの抗CD20抗体、(v)ダクリズマブなどの抗CD25抗体、(vi)デフィブロチド、(vii)ビンクリスチンなどのビンカアルカロイド、(viii)プラバスタチンなどのスタチン、(ix)赤血球および/または血小板の輸血、ならびに(x)チアジド系利尿薬、カルシウムチャネルブロッカー、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、およびベータブロッカーなどの降圧薬から選択される。あるいは、第2の補体阻害剤は、LFG316(Novartis、Basel、SwitzerlandおよびMorphoSys、Planegg、Germany)または米国特許第8,241,628号および米国特許第8,883,158号の表1の配列によって特定された別の抗体、抗C5ペグ化RNAアプタマーであるARC1905(Ophthotech、Princeton、N.J.およびNew York、N.Y.)、Mubodina(登録商標)(Adienne Pharma & Biotech、Bergamo、Italy)(例えば、米国特許第7,999,081号を参照のこと)、ARC1005(Novo Nordisk、Bagsvaerd、Denmark)、SOMAmer(SomaLogic、Boulder、Colo.)、SOB1002(Swedish Orphan Biovitrum、Stockholm、Sweden)、RA101348(Ra Pharmaceuticals、Cambridge、Mass.)、アウリントリカルボン酸(「ATA」)、および抗C5-siRNA(Alnylam Pharmaceuticals、Cambridge、Mass.)から選択され得る。
本発明の薬剤および第2のHSCT-TMA治療が使用される場合、それらは一緒にまたは別々に投与または実施され得る。本発明の薬剤は、最初に投与される場合があり、第2のHSCT-TMA治療が2番目に投与もしくは実施される場合があるか、またはその逆である。
したがって、例えば上記の方法において、本発明の薬剤が1つまたは複数の他のHSCT-TMA治療と組み合わせて使用される場合、これは、第2のHSCT-TMA治療によりHSCT-TMAを治療もしくは予防する方法における使用のための、または図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質もしくはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤によりHSCT-TMAを治療もしくは予防する方法における使用のための第2のHSCT-TMA治療としての、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤として記載することができる。
治療が、第2のHSCT-TMA治療の量、または治療期間における減少を生じる場合、減少は、本発明の薬剤の非存在下で使用される第2の治療の量と比較して、最大でまたは少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80%であり得る。
様々なHSCT-TMAマーカーが存在し、当該技術分野ではよく知られている。したがって、治療の結果は、これらのマーカーが、当該技術分野で通常どおりに受け入れられているパラメーターに向かって、またはパラメーター内でのシフトである可能性がある。このようなマーカーには、溶血性貧血、赤血球断片数、血小板減少症、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルの上昇、タンパク尿および/またはクレアチニンの上昇、高血圧、神経学的症状、ならびに消化管(GI)出血が含まれる。タンパク尿は、クレアチニンに対する尿タンパクの比が2mg/mgを超えており、および/または無作為な尿検査タンパク質濃度≧30mg/dLとして定義される。
任意の減少または増加への任意の参照は、処置の非存在下での前記対象と比較される疾患パラメーターにおける減少または増加である。好ましくは、パラメーターは、定量でき、この場合、増加または減少は、好ましくは統計的に有意である。例えば増加または減少は、治療の非存在下(例えば、前記治療が開始される前)のパラメーターと比較して、少なくとも3、5、10、15、20、30、40、50%またはそれよりも大きい場合がある。
対象
好ましい対象、薬剤、用量およびその他は、本明細書に開示される通りである。
本発明の実施において薬剤が投与される対象は、好ましくは哺乳動物であり、好ましくはヒトである。薬剤が投与される対象は、HSCT-TMAのリスクがあるか、またはHSCT-TMAを有する対象である。いくつかの実施形態では、対象は、高レベルの終末補体複合体(sC5b9)を有する。いくつかの実施形態では、sC5b9の上昇したレベルは、血清の244ng/mLを超える。いくつかの実施形態では、対象は、組織学による補体沈着の証拠を有する。
本発明の方法は、また、(i)対象がHSCT-TMAのリスクがあるまたはHSCT-TMAを有するかどうかを判定すること、(ii)ノマコパンの投与前および/または後に実施され得る、HSCT-TMAの重症度を決定することの、1つまたは複数の追加的なステップを含む場合がある。
本発明に使用すべき薬剤
本発明の一実施形態によると、薬剤は、ノマコパン自体またはその機能的等価物である。以下において、「ノマコパン型タンパク質」という用語は、「図2に示されるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはその機能的等価物」についての略記として使用される。
ノマコパンは、マダニOrnithodoros moubataの唾液腺から単離された。ノマコパンは、リポカリンファミリーの遠いメンバーであり、補体活性化を阻害することが示された最初のリポカリンファミリーのメンバーである。ノマコパンは、C5に結合し、C5コンバターゼによるC5のC5aおよびC5bへの開裂を防止することによって、古典的補体経路、第二補体経路、およびレクチン補体経路を阻害することで、活性(例えば炎症促進性)ペプチドであるC5aの産生およびMACの形成の両方を阻害する。ノマコパンは、ラット、マウスおよびヒト血清中でC5に結合し、C5コンバターゼによるC5の開裂を約0.02mg/mlのIC50で防止することが実証されている。
したがって、ノマコパン型タンパク質は、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168または図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸1~168を含むまたはそれからなる場合がある。図2に示されるタンパク質配列の最初の18アミノ酸は、C5の結合またはLTB4結合活性に必要とされないシグナル配列を形成するので、これは、必要に応じて、例えば組換えタンパク質産生の効率のために、省かれる場合がある。
ノマコパンタンパク質は、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して決定された1nMのKdでC5に結合することが実証されている[32]。ノマコパン型ペプチド(例えば、ノマコパンタンパク質の機能的等価物)は、好ましくは、好適には360nM未満、より好適には300nM未満、最も好適には250nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは150nM未満、最も好ましくは100nM未満、さらにより好ましくは50、40、30、20、または10nM未満、有利には5nM未満のKdでC5と結合する能力を保持し、その際、前記Kdは、好ましくは[32]に記載された方法により、表面プラズモン共鳴を使用して決定される。
ノマコパンは、古典的補体経路、第二補体経路およびレクチン補体経路を阻害する。好ましくは、ノマコパン型タンパク質は、C5の全体的コンフォメーションを安定化するが、3つの活性化経路のC5コンバターゼによって標的化されるC5開裂部位を直接には遮断しないように、C5に結合する。C5へのノマコパンの結合は、C5の全体的コンフォメーションの安定化を招くが、コンバターゼ開裂部位を遮断しない。ノマコパンの機能的等価物も、好ましくはこれらの特性を共有する。
C5は、C5コンバターゼ酵素によって開裂される(図1)。この開裂の産物は、アナフィラトキシンC5aおよび溶解複合体C5bを含み、これは、膜侵襲複合体(MAC)としても公知の、C5b、C6、C7、C8およびC9の複合体の形成を促進する。C5aは、好中球および好酸球の走化性、好中球の活性化、毛細血管の透過性増加および好中球アポトーシスの阻害を含む多くの病的炎症過程に意味づけられている高度に炎症促進性のペプチドである[33]。
C5に結合して阻害するモノクローナル抗体および低分子は、様々な疾患[34]、特にPNH、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、および移植片拒絶反応を治療するために研究されている。しかし、これらのモノクローナル抗体の一部は、C5多型を有する対象からのある特定のC5タンパク質に結合せず、したがって、これらの対象には無効である[35]。好ましくは、ノマコパン型タンパク質は、野生型C5だけでなく、C5多型(例えば、エクリズマブによる治療を無効にする、またはエクリズマブによる治療の効力を減少させるC5多型)を有する対象からのC5にも結合し、その開裂を阻害する。「C5多型」という用語は、野生型C5と比較して、どれも1つもしくは複数であり得る挿入、欠失、アミノ酸置換、フレームシフト、短縮化、またはこれらの変化の1つもしくは複数の組合せによって変化された任意のバージョンのC5を含む。ヒト対象において、野生型C5は、受託番号NP_001726.2;バージョンGI:38016947を有するC5タンパク質と考えられている。C5多型の例には、モノクローナル抗体エクリズマブの有効性を減少させる、アミノ酸位置885での多型、例えば、Arg885Cys(c.2653C>Tによってコードされる)、p.Arg885His(c.2654G>Aによってコードされる)、およびArg885Serが含まれる[35]。
C5多型、例えば、エクリズマブによる治療を無効にする、またはエクリズマブによる治療の有効性を減少させるC5多型を有する対象からのC5を含むC5と結合する薬剤の能力は、当技術分野において公知の標準的なin vitroアッセイ、例えば、表面プラズモン共鳴、またはタンパク質をゲル上で標識C5と共にインキュベーションした後のウエスタンブロットにより決定される場合がある。好ましくは、ノマコパン型タンパク質は、野生型C5および/またはC5多型、例えば、エクリズマブによる治療を無効にする、もしくはエクリズマブによる治療の有効性を減少させるC5多型を有する対象からのC5のいずれかであるC5と、360nM未満、より好適には300nM未満、最も好適には250nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは150nM未満、最も好ましくは100nM未満、さらにより好ましくは50、40、30、20、または10nM未満、有利には5nM未満のKdで結合し、その際、前記Kdは、表面プラズモン共鳴を使用して、好ましくは[32]に記載される方法により決定される。
これは、野生型C5およびC5多型、例えばエクリズマブによる治療を無効にする、またはエクリズマブによる治療の有効性を減少させるC5多型を有する対象からのC5に対して、より高い、より低いまたは同じ親和性を示す場合がある。
ノマコパン型タンパク質が補体活性化を阻害する能力は、また、薬剤が血清中で補体活性化を阻害する能力を測定することによって決定される場合がある。例えば、血清中の補体の活性は、当技術分野において公知または本明細書に記載される任意の手段によって測定することができる。
ノマコパン型タンパク質は、また、エイコサノイド活性を阻害する機能を有すると定義される場合がある。ノマコパンは、また、LTB4と結合すると実証されている。ノマコパンタンパク質の機能的等価物もまた、ノマコパンタンパク質と類似の親和性でLTB4と結合する能力を保持する場合がある。
ノマコパン型タンパク質がLTB4と結合する能力は、当技術分野において公知の標準的なin vitroアッセイ、例えば、標識LTB4への結合をめぐって競合するノマコパンと抗LTB4抗体との間の競合ELISA、等温滴定熱量測定または蛍光滴定によって決定される場合がある。蛍光滴定を使用して得られるデータは、ノマコパンがLTB4に、100から300pMの間のKdで結合することを示している。例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)中のLTB4(Caymen Chemicals、Ann Arbor、MI、USA)に対する結合活性は、分光蛍光計、例えば、LS 50 B分光蛍光計(Perkin-Elmer、Norwalk、CT、USA)で定量することができる。これは、以下のように実施され得る:
2mLのPBS中の100nM精製ノマコパン溶液を、磁気スターラーを備える石英キュベット(10mm経路長;Hellma、Muhlheim、Germany)中に加えた。温度を20℃に調整し、平衡に達した後、タンパク質のTyr/Trpの蛍光を280nmで励起させた(スリット幅:15nm)。最大発光に対応する蛍光発光を340nmで測定した(スリット幅:16nm)。PBS中の30μM LTB4リガンド溶液を、最大体積20μL(全試料体積の1%)まで段階的に添加し、30秒インキュベーション後に定常状態の蛍光を測定した。KD値の計算のために、初期蛍光強度100%に対してデータを規準化し、3μM N-アセチル-トリプトファンアミド溶液の滴定を使用してインナーフィルター効果を補正し、対応するリガンド濃度に対してデータをプロットした。次に、二分子複合体の形成に関する質量作用の法則に基づく非線形最小二乗回帰を使用して、公表された式(Breustedtら、2006)[36]を用いてOriginソフトウェアバージョン8.5(OriginLab、Northampton、MA、USA)によりデータをフィットした。
ノマコパンは、1nM未満、より好適には0.9nM未満、最も好適には0.8nM未満、好ましくは0.7nM未満、より好ましくは0.6nM未満、最も好ましくは0.5nM未満、さらにより好ましくは0.4nM未満、有利には0.3nM未満のKdでLTB4と結合する場合があり、その際、前記Kdは、蛍光滴定を使用して、好ましくは上記方法により決定される。ノマコパン型タンパク質は、好ましくはこれらの特性を共有する。
本発明の一実施形態によると、ノマコパン型タンパク質は、C5およびLTB4の両方、例えば野生型C5およびC5多型、例えばエクリズマブによる治療を無効にする、またはエクリズマブによる治療の有効性を減少させるC5多型を有する対象からのC5の両方、かつ、LTB4に結合する場合がある。
したがって、ノマコパン型タンパク質は、C5コンバターゼによる補体C5の補体C5aおよび補体C5bへの開裂を防止するように、かつ、またLTB4活性を阻害するように作用する場合がある。上記に概説したように、HSCT-TMAおよびGVHDが同時発生している対象を治療する場合は、C5およびLTB4の両方に結合する薬剤を使用することが特に有利である。
好ましくは、本発明の薬剤は、吸血性節足動物に由来する。「吸血性節足動物」という用語は、適切な宿主から餌として血を吸う、昆虫、マダニ、シラミ、ノミおよびダニなどの全ての節足動物を含む。好ましくは、本薬剤は、マダニ、好ましくは、マダニOrnithodoros moubataに由来する。
ノマコパンの機能的等価物は、それが野生型C5もしくはC5多型を有する対象からのC5のいずれかのC5に結合する能力およびC5コンバターゼによるC5のC5aおよびC5bへの開裂を防止する能力を保持する、ノマコパンの相同体または断片であり得る。その相同体または断片は、また、LTB4と結合する能力を保持する場合がある。
相同体(Homologues)は、例えば、Rhipicephalus appendiculatus、R.sanguineus、R.bursa、A.americanum、A.cajennense、A.hebraeum、Boophilus microplus、B.annulatus、B.decoloratus、Dermacentor reticulatus、D.andersoni、D.marginatus、D.variabilis、Haemaphysalis inermis、Ha.leachii、Ha.punctata、Hyalomma anatolicum anatolicum、Hy.dromedarii、Hy.marginatum marginatum、Ixodes ricinus、I.persulcatus、I.scapularis、I.hexagonus、Argas persicus、A.reflexus、Ornithodoros erraticus、O.moubata moubata、O.m.porcinus、およびO.savignyiを含む他のマダニ種からのノマコパンタンパク質配列を含む、図2に明示的に特定されるノマコパン配列のパラログおよびオルソログを含む。
「相同体」という用語は、また、イエカ属(Culex)、ハマダラカ属(Anopheles)およびヤブカ属(Aedes)の種、特にCulex quinquefasciatus、Aedes aegyptiおよびAnopheles gambiaeを含むカ種;ノミ種、例えばCtenocephalides felis(ネコノミ);アブ;スナバエ;ブユ;ツェツェバエ;シラミ;ダニ;ヒル;および扁虫からの同等のノマコパンタンパク質配列を含むことが意味される。ネイティブなノマコパンタンパク質は、O.moubataにおいて約18kDaの別の3つの形態で存在すると考えられており、「相同体」という用語は、ノマコパンのこれらの代替形態を含むことが意味される。
図2に示されるノマコパン配列の相同体を同定する方法は、当業者に明らかであろう。例えば、相同体は、公的配列データベースおよび非公的配列データベースの両方の相同性検索によって同定される場合がある。好適には、公的に入手可能なデータベースが使用される場合がある。とはいえ、非公的または商業的に利用可能なデータベースは、特に、それらが公的データベースに表されていないデータを含むならば、等しく有用である。一次データベースは、一次ヌクレオチド配列または一次アミノ酸配列データの寄託サイトであり、公的または商業的に利用可能な場合がある。公的に利用可能な一次データベースの例には、GenBankデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)、EMBLデータベース(http://www.ebi.ac.uk/)、DDBJデータベース(http://www.ddbj.nig.ac.jp/)、SWISS-PROTタンパク質データベース(http://expasy.hcuge.ch/)、PIR(http://pir.georgetown.edu/)、TrEMBL(http://www.ebi.ac.uk/)、TIGRデータベース(http://www.tigr.org/tdb/index.html参照)、NRL-3Dデータベース(http://www.nbrfa.georgetown.edu)、Protein Data Base(http://www.rcsb.org/pdb)、NRDBデータベース(ftp://ncbi.nlm.nih.gov/pub/nrdb/README)、OWLデータベース(http://www.biochem.ucl.ac.uk/bsm/dbbrowser/OWL/)および二次データベースPROSITE(http://expasy.hcuge.ch/sprot/prosite.html)、PRINTS(http://iupab.leeds.ac.uk/bmb5dp/prints.html)、Profiles(http://ulrec3.unil.ch/software/PFSCAN_form.html)、Pfam(http://www.sanger.ac.uk/software/pfam)、Identify(http://dna.stanford.edu/identify/)およびBlocks(http://www.blocks.fhcrc.org)データベースが含まれる。商業的に利用可能なデータベースまたは非公的データベースの例には、PathoGenome(Genome Therapeutics Inc.)およびPathoSeq(以前はIncyte Pharmaceuticals Inc.のもの)が含まれる。
典型的には、2つのポリペプチドの間の(好ましくは、活性部位などの特定領域にわたる)30%よりも大きい同一性は、機能的等価性の指標、したがって、2つのタンパク質が相同である指標であると考えられる。好ましくは、相同体であるタンパク質は、図2で特定されるノマコパンタンパク質配列(配列番号2)と60%よりも大きい配列同一性のレベルを有する。より好ましい相同体は、図2に示されるノマコパンタンパク質配列(配列番号2)とそれぞれ70%、80%、90%、95%、98%、または99%よりも大きい同一性の程度を有する。本明細書において言及される同一性パーセンテージは、BLASTバージョン2.1.3を使用して、NCBI(the National Center for Biotechnology Information;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)によって明示されるデフォルトパラメーター[Blosum 62行列;ギャップ開始ペナルティー=11およびギャップ伸長ペナルティー=1]を使用して決定されるものである。%同一性は、関連参照配列(例えば配列番号2のアミノ酸1~168または配列番号2のアミノ酸19~168)の完全長にわたる場合がある。
したがって、ノマコパン型タンパク質は、参照配列、例えば図2、配列番号2のアミノ酸19~168または図2、配列番号2のアミノ酸1~168に対するある特定のアミノ酸配列同一性%への参照により、例えば、図2、配列番号2のアミノ酸19~168または図2、配列番号2のアミノ酸1~168と少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%の同一性を有する配列を含むまたはそれからなるタンパク質として記載することができる。ノマコパン型タンパク質が前記配列を含む場合、ノマコパン型タンパク質は、融合タンパク質(例えば、第2のタンパク質、例えば、異種タンパク質との)であり得る。適切な第2のタンパク質を以下に述べる。
本開示の様々な態様および実施形態では、改変されたノマコパンポリペプチド(例えば、ノマコパン型タンパク質)は、配列番号2および配列番号4において、改変されていないノマコパンポリペプチドと1から50、2~45、3~40、4~35、5~30、6~25、7~20、8~25、9~20、10~15アミノ酸、最大1、2、3、4、5、7、8、9、10、20、30、40、50アミノ酸で異なっていてもよい。これらは、置換、挿入、または欠失であり得るが、好ましくは置換である。欠失する場合、これらは、好ましくは、1、2、3、4、5、7または10個までのアミノ酸の欠失(例えば、NまたはC末端からの欠失)である。したがって、変異体には、例えばタンパク質の機能または活性に不利に影響しない保存的アミノ酸置換などのアミノ酸置換を含むタンパク質が含まれる。本用語は、また、天然生物学的バリアント(例えば、ノマコパンタンパク質が由来する種内の対立遺伝子バリアントまたは地理的変異)を含むことが意図される。野生型C5および/もしくはC5多型(例えば、エクリズマブによる治療を無効にする、もしくはエクリズマブによる治療の有効性を減少させるC5多型)を有する対象からのC5および/またはLTB4と結合する改善された能力を有する変異体は、また、タンパク質配列中の特定の残基の系統的または定方向変異により設計される場合がある。
これらの改変は、配列番号2および配列番号4に記載されるようにノマコパンポリペプチドに対して行われてもよく、分子が有用性を維持し、得られる改変ノマコパンポリペプチドが、配列番号2および配列番号4に記載のノマコパンポリペプチドに匹敵するLTB4結合活性およびC5結合を保持するという条件の下で、機能的変異体であるとみなされ、例えば、本明細書の他の場所で言及されている試験を使用して決定することができる(例えば、これらの各々への結合は、未改変のノマコパンポリペプチドと比較して、少なくとも80、85、90、95%の結合である)。
C5およびLTB4に結合する機能的変異体の要件を考えると、改変が行われる場合、特定の残基は改変から除外するべきである。これらには、保存されたシステイン残基が含まれる。他の残基は改変から除外するかまたは、置換する場合は、保存的改変のみが施されるべきである。これらは、以下に定義するLTB4結合残基およびC5結合残基である。LTB4とC5の結合が比較的よく理解されていることを考えると、ノマコパンに対して約65%の同一性のパーセンテージを有してもよいが、変更がC5およびLTB4の結合に関与しない残基に限定される分子設計をすることが可能である。
いくつかの実施形態では、成熟ノマコパン分子の位置6、38、100、128、129、150での6つのシステインアミノ酸の各々(例えば、配列番号4に示されるシグナル配列を含む全長タンパク質の残基19から168に対応するもの)が保持され、以下に記載のLTB4結合残基のうちの少なくとも5、10、または15、または各々、およびC5結合残基のうちの少なくとも5、10、または15、または20、または各々が保持されるか、または保存的改変が施されている。
いくつかの実施形態では、配列番号4の位置6、38、100、128、129、150の6つのシステインアミノ酸の各々が保持され、以下に記載のLTB4結合残基のうちの少なくとも5、10、もしくは15、または各々およびC5結合残基のうちの少なくとも5、10、もしくは15、もしくは20、または各々が保持されるか、または保存的改変が施され、LTB4およびC5結合残基の最大2、3、4、5、10、15、20までが保存的改変が施されている。
いくつかの実施形態では、配列番号4の位置6、38、100、128、129、150の6つのシステインアミノ酸の各々が保持され、以下に記載のLTB4結合残基のうちの少なくとも5、10または15または各々およびC5結合残基のうちの少なくとも5つ、10、または15、または20、または各々が保持されている。
いくつかの実施形態では、配列番号4の位置6、38、100、128、129、150の6つのシステインアミノ酸の各々が保持され、以下に記載されるLTB4結合残基の各々およびC5結合残基の各々が保持されるか、または保存的改変が施されている。
いくつかの実施形態では、配列番号4の位置6、38、100、128、129、150の6つのシステインアミノ酸の各々が保持され、以下に記載のLTB4結合残基の各々およびC5結合残基の各々が、保持されるか、または保存的改変が施され、C5および/またはLTB4結合残基の最大2、3、4、5、10、15、20までが、保存的改変が施されている。
いくつかの実施形態では、配列番号4の位置6、38、100、128、129、150の6つのシステインアミノ酸の各々が保持され、以下に記載されるLTB4結合残基の各々およびC5結合残基の各々が保持されている。
これらの領域外で行われる改変は、保存的でも非保存的であってもよい。
これらの実施形態の各々では、これらの6つのシステインアミノ酸残基間の間隔は、分子の全体的な構造を保存するために好ましくは保持されている(例えば、分子は、図2のアミノ酸配列のアミノ酸1~168に従った配列のアミノ末端からカルボキシル末端に配置された場合、32アミノ酸離れた、62アミノ酸離れた、28アミノ酸離れた、1アミノ酸離れた、および21アミノ酸離れた距離で互いに間隔を置いた6つのシステイン残基を含む)。
LTB4結合残基
LTB4への結合に関与すると考えられ、好ましくは非改変形態で保持されるか、または配列番号2または配列番号4に対して改変された任意の分子の配列においてのみ保存的変化を受ける残基は、Phe18、Tyr25、Arg36、Leu39、Gly41、Pro43、Leu52、Val54、Met56、Phe58、Thr67、Trp69、Phe71、Gln87、Arg89、His99、His101、Asp103、およびTrp115(配列番号4に応じた番号付け)である。
C5結合残基
C5への結合に関与すると考えられる残基は、好ましくは、配列番号2または配列番号4に対して改変された任意の分子の配列において非改変形態で保持され、Val26、Val28、Arg29、Ala44、Gly45、Gly61、Thr62、Ser97、His99、His101、Met114、Met116、Leu117、Asp118、Ala119、Gly120、Gly121、Leu122、Glu123、Val124、Glu125、Glu127、His146、Leu147、およびAsp149(配列番号4に応じた番号付け)である。
LTB4および/またはC5結合残基
LTB4およびC5の両方の結合に関与する2つのヒスチジン残基、His99およびHis101がある。したがって、LTB4および/またはC5結合に関与する残基のリストは、Phe18、Tyr25、Val26、Val28、Arg29、Arg36、Leu39、Gly41、Pro43、Ala44、Gly45、Leu52、Val54、Met56、Phe58、Gly61、Thr62、Thr67、Trp69、Phe71、Gln87、Arg89、Ser97、His99、His101、Asp103、Met114、Trp115、Met116、Leu117、Asp118、Ala119、Gly120、Gly121、Leu122、Glu123、Val124、Glu125、Glu127、His146、Leu147、およびAsp149(配列番号4に応じた番号付け)である。
ノマコパンの機能的等価物には、ノマコパンタンパク質の断片が含まれるが、但し、このような断片は、野生型C5および/もしくはC5多型(例えば、エクリズマブによる治療を無効にする、もしくはエクリズマブによる治療の有効性を減少させるC5多型)を有する対象からのC5および/またはLTB4と結合する能力を保持する。断片には、例えば、150アミノ酸未満、145アミノ酸未満である、ノマコパンタンパク質配列(または相同体)由来のポリペプチドが含まれる場合があるが、但し、これらの断片は、補体野生型C5および/もしくはC5多型(例えば、エクリズマブによる治療を無効にする、もしくはエクリズマブによる治療の有効性を減少させるC5多型)を有する対象からのC5および/またはLTB4と結合する能力を保持する。断片には、例えば、少なくとも150アミノ酸、少なくとも145アミノ酸であるノマコパンタンパク質配列(または相同体)に由来するポリペプチドが含まれる場合があるが、但し、これらの断片は、補体野生型C5および/もしくはC5多型(例えば、エクリズマブによる治療を無効にする、もしくはエクリズマブによる治療の有効性を減少させるC5多型)を有する対象からのC5および/またはLTB4と結合する能力を保持する。
任意の機能的等価物またはその断片は、好ましくは、ノマコパン中に見出されるシステイン残基のパターンを保持する。例えば、前記機能的等価物は、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸1~168による配列のアミノ末端からカルボキシル末端に配列したときに32アミノ酸離れた、62アミノ酸離れた、28アミノ酸離れた、1アミノ酸離れたおよび21アミノ酸離れた距離で相互に間隔が空いた6つのシステイン残基を含む。ノマコパンタンパク質の例示的な断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14に開示されている。対応する断片をコードするDNAは、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13に開示されている。
本明細書の図2に明示的に特定されるO.moubataノマコパンタンパク質の断片だけでなく、上記のようなこのタンパク質の相同体の断片も、このような断片として含まれる。相同体のこのような断片は、典型的には図2におけるノマコパンタンパク質配列の断片と60%よりも大きい同一性を有するが、相同体のより好ましい断片は、図2におけるノマコパンタンパク質配列の断片とそれぞれ70%、80%、90%、95%、98%または99%よりも大きい同一性のレベルを示す。好ましくは、このような断片は、上述のシステイン間隔を保持する。改善された特性を有する断片は、もちろん、野生型配列の系統的変異または断片化に続く適切な活性アッセイによって合理的に設計される場合がある。断片は、C5の野生型もしくは多型バリアントの一方もしく両方のC5および/またはLTB4に対してノマコパンと類似またはより大きい親和性を示す場合がある。これらの断片は、ノマコパンタンパク質の断片について上に記載されたサイズであり得る。
上記のように、ノマコパン型タンパク質は、好ましくは、野生型C5および/またはC5多型(例えば、エクリズマブによる治療を無効にする、もしくはエクリズマブによる治療の有効性を減少させるC5多型)を有する対象からのC5およびLTB4の両方に結合する。
任意の置換は、好ましくは、例えば次の表に応じた保存的置換である。第2列の同じブロック内にあり、好ましくは第3列の同じ行にあるアミノ酸は、互いに置換され得る:
Figure 2023503776000003
本発明により使用される機能的等価物は、例えば、異種タンパク質配列についてのコード配列のフレーム内に、ノマコパンタンパク質または機能的等価物をコードするポリヌクレオチドをクローニングすることによって得られる融合タンパク質であり得る。本明細書に使用される「異種」という用語は、ノマコパンタンパク質またはその機能的等価物以外の任意のポリペプチドを表すことが意図される。可溶性融合タンパク質のN末端またはC末端のいずれかに含まれ得る異種配列の例は、以下:膜結合タンパク質の細胞外ドメイン、免疫グロブリン定常領域(Fc領域)、PASもしくはXTENもしくは類似の構造不定のポリペプチド、多量体化ドメイン、細胞外タンパク質のドメイン、シグナル配列、搬出配列、またはアフィニティークロマトグラフィーによる精製を可能にする配列である。これらの異種配列の多くは、発現プラスミドに入れて市販されており、それは、これらの配列と融合されたタンパク質の特異的生物学的活性を顕著に損なうことなく追加的な特性を提供するために、これらの配列が一般的に融合タンパク質に含まれるからである[37]。このような追加的な特性の例は、体液中により長く持続する半減期(例えば、Fc領域の付加またはPAS化(PASylation)[38]の結果として生じる)、細胞外局在、またはヒスチジン、GST、FLAG、アビジンもしくはHAタグなどのタグによって可能になるような、より簡単な精製手順である。融合タンパク質は、追加的に、リンカー配列(例えば1~50アミノ酸長を含有する場合があり、それにより、構成成分がこのリンカーによって分離される。
したがって、融合タンパク質は、ノマコパン様タンパク質を含むタンパク質の例であり、これらには、具体例としてPAS配列およびノマコパン型タンパク質配列を含むタンパク質が含まれる。PAS配列は、例えば、[38]、およびEP2173890に記載されており、PAS化ノマコパン分子は、Kuhnら[39]に記載されている。PAS化は、タンパク質と、アミノ酸Pro、Ala、および/またはSerから構成されるコンフォメーション的に無秩序なポリペプチド配列との遺伝的融合を説明している。これは、XL Protein(http://xl-protein.com/)によって開発された技法であり、大きな流体力学的体積を有する溶媒和したランダム鎖を、それと融合されるタンパク質に結合させる簡単な方法を提供する。ポリペプチド配列は、ランダムコイル構造をとる。したがって、結果として生じる融合タンパク質のみかけの分子量は、融合タンパク質の実際の分子量よりもはるかに大きい。これにより、生体系での腎臓濾過によるクリアランス率が大幅に低下する。適切なPAS配列は、EP2173890ならびに[38]に記載されている。任意の適切なPAS配列が、融合タンパク質に使用され得る。例には、ランダムコイルコンフォメーションを形成し、アラニン、セリンおよびプロリン残基からなるかまたは本質的にそれからなる(またはプロリンおよびアラニン残基からなるかまたは本質的にそれからなる)少なくとも約100個のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列が含まれる。これは、複数のアミノ酸リピートを含む場合があり、その際、前記リピートは、Ala、Ser、およびPro残基(またはプロリンおよびアラニン残基)からなるかまたは本質的にそれからなり、同一アミノ酸残基の連続は、6つ以下である。プロリン残基は、配列のアミノ酸の4%よりも大きく40%未満を構成する場合がある。配列は、
ASPAAPAPASPAAPAPSAPA(配列番号15);
AAPASPAPAAPSAPAPAAPS(配列番号16);
APSSPSPSAPSSPSPASPSS(配列番号17);、
SAPSSPSPSAPSSPSPASPS(配列番号18);
SSPSAPSPSSPASPSPSSPA(配列番号19);
AASPAAPSAPPAAASPAAPSAPPA(配列番号20)および
ASAAAPAAASAAASAPSAAA(配列番号21)
またはこれらの配列の全体もしくは部分としてのこれらの配列の環状並び替えバージョンもしくは多量体から選択されるアミノ酸配列を含む場合がある。例えば、PAS配列中に存在するリピートのうち1つの5~40、10~30、15~25、18~20、好ましくは、20~30または30コピー、すなわち配列番号15~21のうち1つ、好ましくは15個が存在し得る。好ましくは、PAS配列は、配列番号15の30コピーを含むまたはそれからなる。好ましくは、PAS配列は、ノマコパン型タンパク質のN末端と(直接またはリンカー配列を介して)融合され、ある特定の好ましい実施形態では、ノマコパン型タンパク質は、配列番号2のアミノ酸19~168を含むまたはそれからなる場合がある(例えば、融合タンパク質は、(a)配列番号15の30コピーからなるPAS配列および(b)配列番号2のアミノ酸19~168を含み、その際、(a)は、(b)のN末端に直接またはリンカー配列を介して融合されている)。例示的な配列が図6および配列番号22に提供されている。
融合タンパク質は、リンカー配列(例えば、1~50、2~30、3~20、5~10、2~4、3~5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10アミノ酸の長さ)をさらに含む場合があり、それにより、構成成分は、このリンカーによって分離される。一実施形態では、リンカー配列は、単一のアラニン残基であり得る。
現在、「PAS-ノマコパン」は、例えば、上記のように、PAS化されたノマコパンの機能的等価物を指すことを意図している。実施例1および2で試験されたPAS-ノマコパン分子の正確な配列は、図6および配列番号22に示されている。PAS-ノマコパンには、半減期が長いため投与頻度が少なく、患者にとってより便利であるという利点がある。したがって、PAS-ノマコパンは、C5およびLTB4依存性経路の両方を阻害し、しかしノマコパンよりも投与頻度が少ないため、投与上の利点があるという点において、ノマコパンの利点を兼ね備える。
タンパク質およびその機能的等価物は、宿主細胞における発現により組換え形態として調製される場合がある。このような発現方法は、当業者に公知であり、[40]および[41]によって詳細に記載されている。ノマコパンタンパク質およびその機能的等価物の組換え形態は、好ましくは、グリコシル化されていない。好ましくは、宿主細胞は、大腸菌(E.coli)である。
ノマコパンタンパク質およびその機能的等価物は、好ましくは、例えばそれがその中で発現される宿主細胞および/または細胞増殖培地の少なくとも1つの成分から分離された、単離形態である。一部の実施形態では、ノマコパンタンパク質またはその機能的等価物は、例えば、電気泳動またはクロマトグラフィーによって決定される、少なくとも90%、95%、または99%の純度に精製される。本発明のタンパク質および断片は、また、タンパク質化学の通例の技法を使用して調製することができる。例えば、タンパク質断片は、化学合成によって調製される場合がある。融合タンパク質を生成する方法は、当技術分野において標準的であり、熟練の読者に公知である。例えば、大部分の一般分子生物学、微生物学、組換えDNA技法および免疫学的技法は、[40]または[42]に見出すことができる。
本発明のさらなる実施形態によると、薬剤は、ノマコパン型タンパク質をコードする核酸分子であり得る。例えば、対象において関連細胞によるノマコパン型タンパク質のin vivoまたはex vivoのいずれかの内因性産生を引き起こすために遺伝子療法が採用される場合がある。別のアプローチは、治療用遺伝子が血流または筋組織中に直接注射される、「naked DNA」の投与である。
好ましくは、このような核酸分子は、図2におけるヌクレオチド配列(配列番号1)の塩基55~507を含むまたはそれからなる。このヌクレオチド配列は、シグナル配列を有さない図2におけるノマコパンタンパク質をコードする。図2におけるヌクレオチド配列の最初の54塩基は、補体阻害活性またはLTB4結合活性に必要とされないシグナル配列をコードする。あるいは、核酸分子は、シグナル配列を有するタンパク質をコードする、図2における核酸配列の塩基1~507を含むまたはそれからなる場合がある。
投与様式
ノマコパン型タンパク質は、投与が実施されるために医療従事者を必要とせず、これらの分子は迅速に吸収される。対照的に、多くの組換え抗体は、非常にゆっくりと吸収されるか、皮下注射または他の投与経路によって投与することができず、結果として長時間かけて(例えば静脈内に)注入する必要がある。したがって、このような分子の投与は、また、医療従事者を必要とする。したがって、ノマコパン型タンパク質は、注入を必要とする他の薬剤よりも投与が容易であるという利点も有する。
薬剤は、治療または予防有効量で投与される。「治療有効量」という用語は、HSCT-TMAを治療するために必要な薬剤の量を表す。これに関連して、「治療すること」には、障害の重症度を減少させることが含まれる。
本明細書に使用される「予防有効量」という用語は、関連する状態、例えばHSCT-TMAを予防するために必要な薬剤の量を表す。これに関連して、「予防すること」は、例えば、薬剤の投与が開始される前には障害の存在が検出されない場合に、障害の重症度を減少させることを含む。
減少または改善は、投与を行わず、本明細書に記載の薬剤もない場合の結果に対するものである。結果は、上記の診断基準など、このような患者を評価するために使用される標準的な基準に従って評価される。これを定量できる範囲で、相対基準に少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%の減少または改善がある。
好ましくは、ノマコパン分子に基づいて計算される用量は、0.1mg/kg/日から10mg/kg/日(患者の質量と比較した薬物の質量)例えば、0.2~5、0.25~2、または0.1~1mg/kg/日である。いくつかの実施形態では、ノマコパンの用量は0.25mg/kg/日から2mg/kg/日である。融合タンパク質(例えば、本明細書で議論されるような)は、ノマコパン分子よりも大きいので、等モル量をそのようなタンパク質に使用することができる。したがって、ノマコパンの機能的等価物については、上に言及した用量の等モル量を使用することができる。例えば、ノマコパンおよび約600アミノ酸のPAS部分、または本明細書で定義されるPAS部分を含む融合タンパク質については、例えば、PAS-ノマコパン)0.1mg/kg/日の等モル量は0.4mg/kg/日であるため、用量は0.4mg/kg/日から40mg/kg/日(患者の体重に対する薬物の質量)、例えば0.8~20、1~8、または0.4~4mg/kg/日になり得る。あるいは、これらの融合タンパク質のより長い半減期をもたらすために、例えば、1週間の間に、40mg~2g、50mg~1.5g、75mg~1g、例えば週に1または2回のような、例えば、投与で、用量あたりでより多くの量を与えることができ、より少ない頻度で用量を投与することができる。
治療または予防有効量は、終末補体の阻害の点からさらに定義することができ、例えば、終末補体活性(TCA)が、治療の非存在下での終末補体活性と比較して少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%減少していることを意味する量であり得る。用量および回数は、終末補体活性を所望のレベルに維持するために調整される場合があり、そのレベルは、治療の非存在下での終末補体活性と比較して例えば10%以下、例えば9、8、7、6、5、4、3、2、1%以下であり得る。
治療または予防有効量は、血漿中のLTB4レベルの減少の点からさらに定義することができ、例えば、治療の非存在下での血漿中のLTB4レベルと比較して、血漿中のLTB4レベルが少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%低下することを意味する量、またはLTB4レベルが正常レベルの特定の範囲内になる(例えば、正常の90~110%、正常の85~115%)ような量であり得る。血漿中のLTB4レベルを所望のレベルに維持するために、用量および回数を調整することができ、これは、例えば、治療の非存在下での血漿中のLTB4レベルと比較して、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下、例えば9、8、7、6、5、4、3、2、1%以下であってもよいし、または正常レベルの特定の範囲内(例えば、通常の90~110%、通常の85~115%)であってもよい。LTB4レベルは、日常的な方法によって決定され得る(例えば、イムノアッセイ、例えば、順次的競合結合技術に基づく市販のR&Dシステムアッセイを参照されたい[43])。
用量が示されるとき、これは、タンパク質またはその機能的等価物である薬剤の用量に関するものである。核酸分子である薬剤に適した用量を使用して、これらのレベルが生じる場合がある。存在する非活性タンパク質の存在をもたらすために用量を変えることができる(例えば、600アミノ酸のPAS部分を有するPAS-ノマコパンはノマコパンよりも分子量が大きいので、等モル量はこれを考慮に入れる)。ノマコパンに提供される任意の用量の等モル量は、追加の配列を含むその任意のノマコパン機能的等価物に使用することができる。等モル量は、日常的な方法を使用して計算できる。
終末補体活性は、当技術分野において公知の標準的なアッセイによって、例えば、Quidel CH50溶血アッセイおよびヒツジ赤血球溶解CH50アッセイを使用して測定することができる。
用量を投与する必要がある回数は、関与する薬剤の半減期に依存する。ノマコパンタンパク質またはその機能的等価物は、例えば、1日2回ベース、毎日ベース、または2、3、4日、5、6、または7日もしくはより多くの日数毎、例えば、1日2回、毎日ベースに投与される場合がある。延長された半減期バージョン、例えばPAS化ノマコパン分子は、より少ない回数で投与することができる(例えば、2、3、4日毎、5、6、7、10、15または20日もしくはより多くの日数毎、例えば、1日1回または2日もしくはより多くの日数毎、または毎週)。
用量の正確な投薬量および回数は、また、投与時での患者の状態に依存する場合がある。投薬量を決定する場合に考慮され得る要因には、治療または予防の必要性、患者における病状の重症度、患者の全身の健康状態、年齢、体重、性別、食事、投与の時間および回数、薬物の組合せ、反応の感受性および治療に対する患者の抵抗性または応答が含まれる。正確な量は、日常的な実験により決定することができるが、最終的には医師の判断に委ねられてもよい。
投薬レジメンはまた、最初の「アブレーティングレジメン(ablating regimen)」とそれに続く1または2以上の後続用量(例えば、維持用量)の形態をとることができる。一般に、アブレーティングレジメンはその後の投与量よりも多くなる。ノマコパンの例として、これは0.6~1.2mg/kgのアブレーティングレジメンであり、その後8~18、10~14、または11~13時間(例えば約12時間)後に0.3~0.6mg/kg、続いて、0.45~0.9mg/kgの維持量であって、これは例えば、1日1回投与できる。
PAS化バージョン(例えば、PAS-ノマコパン、例えば、本明細書の他の場所に記載されているような)については、適切なレジメンは、6~12mg/kg(例えば、600mg)のアブレーティングレジメン、その後6~12mg/kg(例えば、600mg)3-10、4~8、5~7、例えば約7日後、続いて、4~8mg/kg(例えば400mg)の維持用量であってよく、これは例えば1日1回投与され得る。
1つまたは複数のアブレーティング用量は、維持用量の少なくとも1.5倍、2倍、または5倍であってもよい。アブレーティング用量は、単回用量として、または特定の時間枠内の1つまたは複数の用量(例えば、2回の用量)として投与されてもよい。通常、負荷用量は、単一の24時間(または延長された半減期バージョンの場合は1週間)中に投与される1、2、3、4、または5用量となろう。維持用量は、規則的な間隔で繰り返される、より低い用量であり得る。維持用量は、12、24、または48時間毎(または毎週、または延長された半減期バージョンの場合は2週間毎)などの間隔で繰り返すことができる。正確なレジメンは日常的な実験によって決定できるが、最終的には臨床医の判断に委ねられてもよい。維持用量は、最初のアブレーティング用量の少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90または100%、または最初のアブレーティング用量の最大20、30、40、50、60、70、80、90または100%であり得る。
さらなる実施形態では、治療経過にわたり同じ用量が使用される(例えば、毎日または1日2回または毎週)。
薬剤は、一般に、薬学的に許容される担体と組み合わせて、またはその中で投与される。「薬学的に許容される担体」という用語は、一般に液体であるが、担体自体が毒性作用を誘発しないか、または医薬組成物を受け取る個体に有害な抗体の産生を引き起こさないという条件の下で、他の薬剤を含み得る。薬学的に許容される担体は、例えば、水、食塩水、グリセロール、エタノールなどの液体または湿潤剤もしくは乳化剤などの補助物質、pH緩衝物質およびその他を含有する場合がある。したがって、採用される医薬担体は、投与経路に応じて様々である。薬学的に許容される担体の詳細な議論は[44]で利用可能である。好ましい実施形態では、薬剤は、液体、例えば、水またはPBSの溶液中で投与される。
薬剤は、コロイド送達システム(例えば、リポソーム、ナノ粒子、または微粒子(例えば、[45]で議論されるように))を使用して任意選択で送達され得る。これらの担体システムの利点には、感受性タンパク質の保護、徐放、投与頻度の減少、患者のコンプライアンス、および制御された血漿レベルが含まれる。
リポソーム(例えば、合成および/または天然起源のリン脂質を含む)は、例えば、20nm 100または200マイクロメートル、例えば小さな単層ベシクル(25~50nm)、大きな単層ベシクル(100~200nm)、巨大な単層ベシクル(1~2μm)または多層ベシクル(MLV;1μm-2μm)であってもよい。
ナノ粒子(サイズが10~1000nmのコロイド担体)は、脂質、ポリマー、または金属から製造できる。ポリマーナノ粒子は、天然または合成ポリマー(例えば、キトサン、アルギン酸塩、PCL、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(グリコリド)、PLGA)から作ることができ、ナノスフェア(分子はポリマーマトリックス内に均一に分布されている)またはナノカプセル(高分子膜内に閉じ込められた薬物分子を運ぶ)として生成されてもよい。
微粒子、例えば、でんぷん、アルギン酸塩、コラーゲン、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)から作られているものも使用できる。
ヒドロゲルが、代替的または追加的に存在してもよい。
例えば融合タンパク質のような、より大きな分子量の分子の場合、ヒアルロニダーゼなどの追加の賦形剤も、例えば、大容量(例:2~20ml)の投与を可能にするために使用することができる。
薬剤は、好ましくは、皮下注射または滑液への注射によって送達される。対象の投与の容易さの観点から、皮下注射が好ましい。いくつかの実施形態では、これは、1日1回または2回の皮下注射を介する。
好ましくは、治療経過は、少なくとも1、2、3、4、5もしくは6週間、または少なくとも1、2、3、4、5もしくは6カ月、または少なくとも1、2、3、4、5もしくは6年の間継続される。治療経過は、少なくとも対象の症状が軽減するまで継続することが好ましい。したがって、治療過程は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40週間の薬剤の投与(例えば、毎日、隔日または毎週)であり得る。
維持用量(例えば、単回1日または1週間維持用量)は、治療経過全体にわたり一定を維持する場合)または維持用量(例えば、1日維持用量)は、治療経過中に改変(例えば、増加もしくは減少)される場合がある。維持用量は、終末補体活性および血漿LTB4レベルを所望のレベル、例えば、治療の非存在下での前記患者からの血清と比較して、もしくは正常対照血清と比較して、10%以下の終末補体活性、ならびに/または治療の非存在下での前記患者からの血漿と比較して90%以下の血漿LTB4レベルを維持するために、または正常レベルの特定の範囲内にある血漿LTB4レベル(例えば、正常の90~110%、正常の85~115%)を達成するために、変更され得る。あるいは、各維持量は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10週間、例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10週間毎日継続してもよい。対象の症状が改善するにつれて、維持量を減らすことができる。対象の症状が改善するにつれて、薬剤の量または薬剤の投与頻度を減らすことができる。
したがって、初期アブレーティング用量またはレジメンがあり得、その後、上記で定義された維持用量であってもよい初期維持用量(例えば、毎日または毎週の初期維持用量)、および1つまたは複数のさらなる維持用量(例えば、毎日または毎週のさらなる維持量)、例えば少なくとも2、3、4、5回のさらなる維持用量があり得る。
したがって、本発明は、対象に上記で定義された薬剤の初期アブレーティング用量またはレジメンを投与し、次に、上記で定義された薬剤の維持用量(例えば、毎日または毎週の維持用量)を投与することを含む、対象におけるHSCT-TMAを治療または予防する方法をさらに含み、ここで初期維持用量および1つまたは複数のさらなる維持用量がある。
したがって、本発明は、対象のHSCT-TMAを治療または予防する方法で使用するための上記で定義された薬剤、上記で定義された薬剤の初期アブレーティング用量またはレジメンを対象に投与する方法、次いで上記で定義された薬剤の維持用量(例えば、毎日または毎週の維持用量)を投与することさらに含み、ここで、初期維持用量および1つまたは複数のさらなる維持用量がある。
1つまたは複数のさらなる維持用量は、対象(例えば、対象からの生物学的サンプル)における終末補体活性もしくは血漿LTB4レベルを試験し、終末補体活性のレベルおよび/もしくは血漿LTB4レベルに基づいてさらなる維持用量を決定し、および/または対象の症状を試験し、ならびに症状に基づいてさらなる維持用量を決定することによって決定され得る。この方法は、任意選択で、前記さらなる維持用量を投与することをさらに含み得る。前記さらなる用量は、終末補体活性を所望のレベルに維持するレベルであると計算され得る。
生物学的サンプルが採取される場合、これは血液、例えば、全血、血漿または血清サンプルであり得る。この方法は、任意選択で、サンプルを採取するステップをさらに含み、さらに任意選択で、サンプルのTCAを決定するステップおよび/または血漿LTB4レベルを決定するステップを含む。
1つまたは複数のさらなる維持用量は、対象(例えば、生物学的サンプル)における終末補体活性および/または血漿LTB4レベルを試験し、終末補体活性のレベルおよび/または血漿LTB4レベルに基づいてさらなる維持用量を決定し、および/または対象の症状を試験し、ならびに症状に基づいてさらなる維持量を決定することによって決定され得る。この方法は、任意選択で、前記さらなる維持用量を投与することをさらに含み得る。前記さらなる用量は、終末補体活性および/または血漿LTB4レベルを所望のレベルに維持するレベルであると計算される場合がある。
特定の態様では、所望の補体活性レベルは、治療の非存在下での前記対象からの血清と比較して、または正常対照血清と比較して10%以下であり、および/または血漿LTB4レベルが、治療の非存在下での前記対象からの血清と比較して90%以下であり、および/または血漿LTB4レベルが正常レベルの特定の範囲内にある(例えば、正常の90~110%、正常の85~115%)。
特定の態様では、TCAおよび/または血漿LTB4が所望のレベルよりも高い場合、維持用量が増加され、ここで、任意選択で、TCAが5、4、3、2、1%未満である、および/またはLTB4血漿レベルが、治療の非存在下での前記患者からの血漿と比較して90%以下である場合(または血漿LTB4レベルが正常レベルの特定の範囲内(例えば、正常の90~110%、正常の85~115%)にある場合)、用量は維持または減少される。
特定の態様では、症状が悪化する場合、維持用量は増加され、任意選択で、症状が改善する場合、用量は維持または減少される。
一部の実施形態では、対象は、治療の開始から1カ月以内、治療の開始から2週間以内、治療の開始から1週間以内に検査される。他の実施形態では、対象は、1日1回もしくは1日に少なくとも1回、1週間に1回、もしくは1週間に少なくとも1回、2週間に1回もしくは2週間に少なくとも1回、1カ月に1回または2カ月に1回検査される。
投薬レジメンは、また、治療される対象の体重に依存しない固定用量の形態をとる場合がある。固定用量は、単回用量として、または特定の時間枠内の1つもしくは複数の用量として投与され得る。固定用量は、典型的なヒト患者(例えば、体重50kgから100kgの間の患者)について1mg~500mgのノマコパン(例えば、配列番号4)であり得る。ノマコパン型タンパク質の分子量を使用して、機能的等価薬剤の当量の固定用量を計算することができる。一部の実施形態では、固定用量は、1mg~400mg、1mg~300mg、1mg~200mg、1mg~100mg、1mg~50mg、1mg~20mg、1mg~10mg、5mg~80mg、5mg~50mg、10mg~60mg、10mg~50mg、20mg~50mg、20mg~40mgまたは25mg~35mgの間のノマコパン(例えば、配列番号4)またはノマコパン型タンパク質のモル当量である。好ましくは、固定用量は、30mg、または45mgのノマコパン(配列番号4)またはノマコパン型タンパク質のモル当量である。典型的には、固定用量は、単一の24時間中に投与された1、2、3、4または5用量である。固定用量は、3、4、6、8、12、24、または48時間毎などの間隔で繰り返される場合がある。正確なレジメンは、日常的な実験により決定することができるが、最終的に医師の判断に委ねられてもよい。
補体活性化の古典的および第二経路の模式ダイアグラムを示す図である。アナフィラトキシンを星形で囲む。 ノマコパンの一次配列を示す図である。シグナル配列に下線を付ける。システイン残基を太字で示す。ヌクレオチド番号およびアミノ酸番号を右に示す。 ノマコパンバリアントの例を示す図である。 ノマコパンで治療した2人のHSCT-TMA患者の臨床的進行を示す表である。 ノマコパンによる治療後のHSCT-TMA患者における補体活性を示す図である。 ノマコパンによる治療後のHSCT-TMA患者の血清における遊離ノマコパンのレベルを示す図である。 PAS-ノマコパン配列を示す図である。
HSCT-TMAの2人の患者をノマコパンで治療し、結果を図3に示す。これは、英国の指定された患者プログラムの一部であった。
第1の患者(図3の患者1)は、2018年1月19日に急性リンパ芽球性白血病の治療としてHSCT移植を受け、2018年6月初旬にHSCT-TMAと診断された。診察時に、患者には活動性感染またはGVHDの徴候はなかったが、振戦および腹痛、皮膚病変、高血圧、浮腫、体重増加、ならびに血小板減少症、貧血、LDHの上昇、赤血球断片などの血液異常があった。彼女はまた、タンパク尿および血尿、非常に高い可溶性終末補体複合体(sC5b9)レベル(692ng/mL)、ならびに神経学的障害を有していた。患者は、2018年6月8日から表1に記載されているノマコパン投与を受け、ノマコパンを開始してから63日以内にHSCT-TMAの症状が解消され(図3)、彼女は感染症またはGVHDを発症せず、HSCTの治療後1年半超えても健在であった。
第2の患者(患者2)は、高リスク急性骨髄性白血病の治療のために2018年2月9日にHSCT移植を受け、2018年4月19日にHSCT-TMAと診断された。診察時に、患者は肺GVHD、LDHの上昇、赤血球断片、血小板減少症、溶血性貧血、タンパク尿、sC5b9の上昇を示し、クームスは陰性であった。患者は、2018年7月9日(TMAの診断後2カ月半を超えていた)から表1に記載されているノマコパン投与を受け、ノマコパンを開始してから28日以内にHSCT-TMAの症状の多くが解消された(図3)。しかし、肺GVHDは悪化し、彼女はノマコパンを止めた直後に肺GVHDによって引き起こされた合併症で死亡した。
これらの患者および他の3人のHSCT-TMAと指定された患者(患者3~5)の両方では、CH50 ELISAによって測定された終末補体活性(図4)および遊離ノマコパンレベルが評価された(図5)。データは、HSCT-TMA小児患者の治療に使用したノマコパンの投与は、補体活性を迅速かつ完全に阻害したことを示している。
Figure 2023503776000004
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Claims (28)

  1. 対象に、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤の治療または予防有効量を投与することを含む、対象における造血幹細胞移植後の血栓性微小血管症(HSCT-TMA)を治療または予防する方法。
  2. 対象におけるHSCT-TMAを治療または予防する方法における使用のための、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物である薬剤。
  3. 対象に、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物をコードする核酸分子である薬剤の治療または予防有効量を投与することを含む、対象におけるHSCT-TMAを治療または予防する方法。
  4. 対象におけるHSCT-TMAを治療または予防する方法における使用のための、図2におけるアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸19~168を含むタンパク質またはこのタンパク質の機能的等価物をコードする核酸分子である薬剤。
  5. 薬剤が、配列番号2のアミノ酸19~168の配列と少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含むタンパク質であるか、またはそれをコードするものであり、
    前記タンパク質が、C5と結合して、コンバターゼによる補体C5の補体C5aおよび補体C5bへの開裂を防止し、かつ、LTB4に結合する、
    請求項1もしくは3のいずれか一項に記載の方法または請求項2もしくは4のいずれか一項に記載の使用のための薬剤。
  6. 薬剤が、配列番号2のアミノ酸19~168の配列と少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むタンパク質であるか、またはそれをコードするものであり、
    前記タンパク質が、C5と結合して、コンバターゼによる補体C5の補体C5aおよび補体C5bへの開裂を防止し、かつ、LTB4に結合する、
    請求項1、3もしくは5のいずれか一項に記載の方法または請求項2、4もしくは5のいずれか一項に記載の使用のための薬剤。
  7. 薬剤が、配列番号2のアミノ酸19~168の配列を含むまたはそれからなるタンパク質であるか、またはそれをコードするものである、請求項1、3もしくは5から6のいずれか一項に記載の方法、または請求項2、4もしくは5から6のいずれか一項に記載の使用のための薬剤。
  8. 薬剤が、最大で50個のアミノ酸置換、挿入または欠失が行われた、配列番号2のアミノ酸19~168の配列を含むタンパク質であるか、またはそれをコードするものであり、
    タンパク質が、C5と結合して、コンバターゼによる補体C5の補体C5aおよび補体C5bへの開裂を防止し、かつ、LTB4に結合し、
    配列番号4に記載の成熟ノマコパン分子の位置6、38、100、128、129、150の6つのシステインアミノ酸の各々が保持されており、LTB4結合残基のうちの少なくとも5、10または15または各々、およびC5結合残基セットのうちの少なくとも5、10または15または20または各々が保持されているか、または保存的改変が施され、
    LTB4結合残基は、Phe18、Tyr25、Arg36、Leu39、Gly41、Pro43、Leu52、Val54、Met56、Phe58、Thr67、Trp69、Phe71、Gln87、Arg89、His99、His101、Asp103、およびTrp115(配列番号4による番号付け)であり、ならびにC5結合残基は、Val26、Val28、Arg29、Ala44、Gly45、Gly61、Thr62、Ser97、His99、His101、Met114、Met116、Leu117、Asp118、Ala119、Gly120、Gly121、Leu122、Glu123、Val124、Glu125、Glu127、His146、Leu147およびAsp149(配列番号4による番号付け)である、
    請求項1もしくは3のいずれか一項に記載の方法、または請求項2もしくは4のいずれか一項に記載の使用のための薬剤。
  9. LTB4およびC5結合残基の最大2、3、4、5、10、15、20が、保存的改変が施されている、請求項8に記載の方法または使用のための薬剤。
  10. LTB4結合残基のうちの少なくとも5、10または15または各々、およびC5結合残基のうちの少なくとも5、10または15または20または各々が保持されている、請求項8または9に記載の方法または使用のための薬剤。
  11. LTB4結合残基の各々およびC5結合残基の各々が、保持されるか、または保存的改変が施されている、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
  12. LTB4結合残基の各々およびC5結合残基の各々が、保持されるか、または保存的改変が施され、C5および/またはLTB4結合残基のうちの最大2、3、4、5、10、15、20が、保存的改変が施されている、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
  13. LTB4結合残基の各々およびC5結合残基の各々が保持されている、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
  14. 薬剤が、前記請求項のいずれかに規定されるタンパク質の断片であるか、またはそれをコードするものであり、
    前記タンパク質が、C5と結合して、コンバターゼによる補体C5の補体C5aおよび補体C5bへの開裂を防止し、かつ、LTB4に結合する、
    請求項1もしくは3のいずれか一項に記載の方法、または請求項2もしくは4のいずれか一項に記載の使用のための薬剤。
  15. 薬剤が、皮下または滑液内に、好ましくは皮下に投与される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
  16. 対象が、ヒトである、前記請求項のいずれかに記載の方法または使用のための薬剤。
  17. 方法が、対象におけるGVHDを治療することをさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
  18. GVHDが急性GVHDである、請求項17に記載の方法または使用のための薬剤。
  19. 方法が、対象に薬剤の初期アブレーティング(ablating)レジメンを投与し、次いで、薬剤の維持用量を投与することを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤であって、任意選択で初回維持用量および1または2以上のさらなる維持用量がある、方法または使用のための薬剤。
  20. 方法が、第2のHSCT-TMA治療の投与をさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
  21. 第2のHSCT-TMA治療が、(i)第2の補体阻害剤、(ii)カルシニューリン阻害剤の用量減少または完全な休薬、(iii)血漿交換、(iv)抗CD20抗体、(v)抗CD25抗体、(vi)デフィブロチド、(vii)ビンクリスチンなどのビンカアルカロイド、および(viii)スタチンから選択される、請求項20に記載の方法または使用のための薬剤。
  22. (a)第2の補体阻害剤がエクリズマブまたはOMS721であり、
    (b)抗CD20抗体がリツキシマブであり、
    (c)抗CD25抗体がダクリズマブであり、
    (d)ビンカアルカロイドがビンクリスチンであり、および/または
    (e)スタチンがプラバスタチンである、請求項21に記載の方法または使用のための薬剤。
  23. 配列番号2のアミノ酸19~168を含むタンパク質の機能的等価物が、(a)請求項6から14のいずれかで定義される配列、および(b)第2の配列を含む融合タンパク質であり、
    前記融合タンパク質が、C5と結合して、コンバターゼによる補体C5の補体C5aおよび補体C5bへの開裂を防止し、かつ、LTB4と結合する、
    前記請求項のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
  24. 前記第2の配列が、PAS配列である、請求項23に記載の方法または使用のための薬剤。
  25. 前記融合タンパク質が、ASPAAPAPASPAAPAPSAPA(配列番号15);AAPASPAPAAPSAPAPAAPS(配列番号16);APSSPSPSAPSSPSPASPSS(配列番号17)、SAPSSPSPSAPSSPSPASPS(配列番号18)、SSPSAPSPSSPASPSPSSPA(配列番号19)、AASPAAPSAPPAAASPAAPSAPPA(配列番号20)およびASAAAPAAASAAASAPSAAA(配列番号21)のうちの1つの複数コピー、好ましくは配列番号15~21のうちの1つの20~30または30コピーを含む、請求項23または24に記載の方法または使用のための薬剤。
  26. 前記融合タンパク質が、(a)配列番号15の30コピーからなるPAS配列および(b)(i)配列番号2のアミノ酸19~168を含み、(a)が、(b)のN末端と融合されている、請求項23から25のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
  27. 前記融合タンパク質が、配列番号22の配列を含む、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
  28. タンパク質または融合タンパク質が、C5と結合して、コンバターゼによる補体C5の補体C5aおよび補体C5bへの開裂を防止し、かつ、LTB4と結合する、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法または使用のための薬剤。
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