JP2023503491A - 前処理剤の塗布による、顔料系着色剤の性能向上 - Google Patents

前処理剤の塗布による、顔料系着色剤の性能向上 Download PDF

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Abstract

本発明は、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を染色するための方法であって、以下の工程:水性担体中において(V-1)少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含んでなる前処理剤(V)をケラチン物質へ塗布する工程、および、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)、少なくとも1つの顔料(F-2)を含んでなる染料(F)をケラチン物質へ塗布する工程、を含む方法に関する。本発明は、2つの別々の容器に製造された2つの染料(V)と(F)を含む多成分包装ユニットにも関する。

Description

本出願の対象は、少なくとも2つの異なる剤(V)および(F)の塗布を含むケラチン物質、特にヒトの毛髪を染色するための方法である。前記剤(V)は、含水担体中に少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含む前処理剤を表す。前記着色剤(F)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)および少なくとも1つの顔料(F-2)を含む。
本出願の第2の対象は、2つの異なる容器に別々に装備された2つの剤(V)および剤(F)を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を染色するための多成分包装ユニット(キット)である。
ケラチン繊維、特に毛髪の形状および色を変えることは、現代の化粧品の重要な分野である。毛髪の色を変えるため、専門家には、着色の要求に応じた様々なカラーリング系が知られている。良好な堅牢性および良好な白髪カバー性を伴った長期的な強い染色のためには、通常、酸化染料が使用される。このような染料は通常、酸化染料前駆物資(いわゆる顕色成分)および発色成分を含み、これらは、過酸化水素などの酸化剤の影響を受けて、互いに実際の染料を生成する。酸化染料は、非常に長持ちする染色結果を特徴とする。
直接染料を使う場合、既に調製された染料が着色剤から毛髪繊維に拡散する。酸化染料と比べて、直接染料を用いて得られた染色物は、色の保持時間が短く、より迅速な洗浄性を有する。直接染料による染色は通常、5~20回の洗浄の間、毛髪に残留する。
毛髪および/または皮膚の色を短期間変えるため、着色顔料の使用が知られている。着色顔料は、不溶性の着色物質と理解されている。着色顔料は、小粒子として染料組成物中に溶解せずに存在し、外部から毛髪繊維および/または皮膚の表面にもっぱら付着する。従って、着色顔料は通常、界面活性剤を含む洗剤で数回洗えば、残留することなく除去され得る。このタイプの製品は、「ヘアマスカラ」の名称で様々なものが市販されている。
ユーザーが特に長持ちする染色を望む場合、これまでのところ、酸化染料の使用が唯一の選択肢であった。しかし、多くの最適化の試みにもかかわらず、不快なアンモニアまたはアミンの臭いは、酸化染毛剤において完全に回避することはできていない。酸化染料の使用にともなう毛髪の損傷も、ユーザーの毛髪に悪影響を及ぼす。したがって、継続的な課題は、代替の高性能染色方法の探索である。最近益々注目されるようになった実行可能な代替着色方法の1つは、着色顔料の使用に基づく。
顔料による着色には、いくつかの重要な利点がある。顔料は外側からケラチン物質、特に毛髪繊維に付着するのみであるため、染色過程に関連する損傷は特に低い。さらに、不要になった着色を残留物なく素早く簡単に除去できるため、ユーザーは、手間をかけずにすぐに元の髪色に戻すことができる。したがって、特に定期的に毛髪の色を変えたくない消費者にとって、この着色方法は特に魅力的である。
近年の研究では、この染色方法における低耐久性の問題に取り組んでいる。これに関連して、顔料により得られる着色結果の洗浄堅牢性が、顔料を特定のアミノ官能化シリコーンポリマーと組み合わせることによって向上し得ることがわかった。さらに、特に好適な顔料と顔料濃度を黒髪上で選択することにより、より明るい着色結果を達成できたため、この着色方法により、それまで酸化性毛髪処理剤(脱色剤)によってのみ可能であった明るい髪色にすることさえも可能になった。
しかしながら、これらの多くの利点に加えて、顔料系の着色方法には、依然としていくつかの欠点がある。顔料と、顔料を固定化するアミノシリコーンの両方が毛髪繊維の表面に沈着するため、均一な着色結果の達成は、着色される毛髪の表面構造に大きく依存する。これに関連して実施された研究において、染色時に毛髪の表面になお存在する物質でさえ、その後の染色結果の品質に非常に強い影響を与え得ることが示された。たとえば、先にコンディショナーまたはスタイリング製品で毛髪を処理している人では、低強度で、非常に不均一な色落ちを伴う着色が得られた。この理論に傾倒することなく、ケア剤および/またはスタイリング剤に含まれるさまざまな成分が毛髪の特定の領域に蓄積し、その後の着色過程での均一な着色フィルムの形成を妨げる可能性があると思われる。
ユーザーは、良好な均一性と高い再現性を備える強い着色を望んでいる。したがって、着色結果が先に塗布され得る他の化粧品の種類および量に依存する着色方法は、ユーザーの目には非常に魅力的ではない。
本出願の課題は、良好な再現性を備える強い染色を達成できる顔料ベースの染色方法を見出すことである。この方法で染色されたケラチン物質または毛髪は、毛髪のタイプや以前に使用した他の化粧品に関係なく、関連するパッケージ情報または使用説明書を読んだ後にユーザーが期待する正確な色調と色強度をもたらすべきである。着色は、ケア剤またはスタイリング剤を事前に使用した場合でも、高度な均一性とレベリングを特徴とするべきである。
驚くべきことに、ケラチン物質、特に毛髪を、少なくとも2つの剤(V)と(F)をケラチン物質(毛髪のようなケラチン繊維)に塗布する2段階のプロセスを用いて染色する場合に、この課題を見事に解決し得ることがわかった。ここで、剤(V)は、水性担体または含水担体中に少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤(V-1)を含む前処理剤である。前処理剤(V)は、実際の着色剤(F)を塗布する前にケラチン物質に塗布し、作用させ、必要に応じて再度すすぎ流す。前処理剤(V)を塗布した後、実際の着色剤(F)をケラチン物質に塗布して染色を行う。着色剤(F)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)および少なくとも1つの顔料(F-2)の含有を特徴とする。
本発明の第1の対象は、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を着色するための方法であって、以下の工程:
・前処理剤(V)をケラチン物質へ塗布する工程、
ここで、前記前処理剤は、含水担体中に存在し、
(V-1)少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含んでなる、並びに、
・着色剤(F)をケラチン物質へ塗布する工程、
ここで、前記着色剤は、
(F-1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、および
(F-2)少なくとも1つの顔料を含んでなる、
を含む方法である。
本発明に至る研究において、毛髪が2つの剤(V)および(F)の連続塗布によって着色される場合、特に強く均一な着色結果が毛髪に得られ得ることが示された。驚くべきことに、コンディショナーまたはスタイリング剤を事前に塗布しても、着色結果の強度と均一性は影響を受けなかった。
<ケラチン物質>
ケラチン物質は、毛髪、皮膚、爪(例えば、手指の爪および/または足指の爪)を包含する。羊毛、毛皮および羽毛も、ケラチン物質の定義に含まれる。
好ましくは、ケラチン物質は、ヒトの毛髪、ヒトの皮膚およびヒトの爪(特に、手指の爪および足指の爪)であると理解される。ケラチン物質は、ヒトの毛髪であると理解される。
<着色剤>
「着色剤」という用語は、本発明においては、顔料を使用してもたらされる、ケラチン物質、特に毛髪の着色に対して用いられる。この着色方法では、顔料は、ケラチン物質の表面に、特に均質で均一で滑らかな膜状で着色化合物として沈着する。
<前処理剤(V)>
本発明の方法において、前処理剤(V)は、着色剤(F)を塗布する前に、ケラチン物質、ケラチン繊維に塗布される。
前処理剤(V)は、水性担体または含水担体中に少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤(V-1)を含むことを特徴とする。
<前処理剤の含水量>
前処理剤(V)は、水性担体または含水担体中に陰イオン性界面活性剤(V-1)を含む。好ましくは、前処理剤(V)は、高い含水量を有する。本発明による方法での使用に特に好適なのは、前処理剤(V)の総重量に基づいて50.0~98.0重量%、好ましくは60.0~90.0重量%、さらに好ましくは70.0~90.0重量%、そして非常に特に好ましくは75.0~90.0重量%の水を含む前処理剤(V)であると見出された。
一実施形態では、本発明による方法は、前処理剤(V)が、前処理剤(V)の総重量に基づいて50.0~98.0重量%、好ましくは60.0~90.0重量%、さらに好ましくは70.0~90.0重量%、最も好ましくは75.0~90.0重量%の水を含むことを特徴とする。
<前処理剤中の陰イオン性界面活性剤(V-1)>
必須成分として、本発明による前処理剤は、少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤(V-1)を含む。
界面活性剤(T)という用語は、表面および界面で吸着層を形成するか、またはバルク相で凝集してミセルコロイドまたはリオトロピック中間相を形成できる界面活性物質を意味する。疎水性基と負に帯電した親水性の頭部基からなる陰イオン性界面活性剤、負と相殺する正の両方の電荷を持つ両性または双性イオン性界面活性剤、疎水性基に加えて正の電荷を持つ親水性基を有する陽イオン性界面活性剤、および電荷は有さないが、水溶液中で強く水和し、強い双極子モーメントを有する非イオン性界面活性剤に分類される。
特定の陰イオン性界面活性剤(V-1)は、本発明による着色剤(F)のその後の塗布において、強く均一で再現性のある着色結果を達成するのに特に適していることが見出された。
本発明の剤に使用することができる適切な陰イオン性界面活性剤(V-1)には以下が含まれる:
・8~30個のC原子を有する直鎖および分岐脂肪酸(石鹸)、
・式R-O-(CH-CHO)-CH-COOH:
[式中、Rは、8~30個のC原子を有する直鎖または分岐の飽和または不飽和アルキル基であり、x=0または1~16である]のエーテルカルボン酸、
・アシル基に8~24個のC原子を有するアシルサルコシド、
・アシル基に8~24個のC原子を有するアシルタウリド、
・アシル基に8~24個のC原子を有するイセチオン酸アシル、
・アルキル基に8~24個のC原子を有するスルホコハク酸モノおよび/またはジアルキルエステル、並びにアルキル基に8~24個のC原子、および1~6個のオキシエチル基を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、
・8~24個のC原子を有するα-オレフィンスルホン酸塩、
・式R-(OCH-CH-OSO
[式中、Rは好ましくは、8~30個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和アルキル基であり、x=0または1~12であり、Xはアルカリ金属またはアンモニウムイオンである]の硫酸アルキルおよび/またはアルキルポリグリコールエーテル硫酸塩、
・8~24個のC原子と1~6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホン酸塩、
・8~22個のC原子を有する脂肪アルコールへの、約2~15分子のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物である、酒石酸およびクエン酸とアルコールとのエステル
・式:
Figure 2023503491000001
[式中、
は、好ましくは8~30個の炭素原子の脂肪族炭化水素基であり、Rは水素、基(CHCHO)、またはXであり、nは0~10であり、Xは水素、アルカリ金属またはアルカリ土類金属またはNR、(式中R~Rは、それぞれ独立してC~Cの炭化水素基である)である]
のアルキルおよび/またはアルケニルエーテルホスフェート
式(T-1):

Figure 2023503491000002
[式中、
は、直鎖または分岐、飽和または不飽和のC-C30アルキル基を表し、
xは0~50の整数を表し、
Mは、水素原子、アンモニウム(NH、または一価または多価陽イオンの同等物である]
の少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤(V-1)を前処理剤(V)において使用した場合、非常に特に満足のいく結果が得られた。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、前処理剤(V)が
(V-1)式(T-1):

Figure 2023503491000003
[式中、
は、直鎖または分岐、飽和または不飽和のC-C30アルキル基を表し、
xは、0~50の整数を表し、
Mは、水素原子、アンモニウム(NH、または一価または多価陽イオンの同等物である。]
の少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする方法である。
基Rは、陰イオン性界面活性剤の疎水性部分を表し、直鎖または分岐、飽和または不飽和のC-C30アルキル基を表す。該基が不飽和C-C30アルキル基を表す場合、アルキル基はモノ不飽和またはポリ不飽和となりうる。
好ましくは、基Rは、直鎖で飽和または不飽和のC-C30アルキル基、非常に好ましくは、基Rは直鎖で飽和または不飽和のC12-C22アルキル基である。明らかに非常に特に好ましくは、基Rは直鎖で飽和または不飽和のC12-C18アルキル基についてのRを表す。
飽和の直鎖C-C30アルキル基の例は、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、およびベヘニル基である。
指数xは、陰イオン性界面活性剤に含まれるエチレンオキシド基の数を示す。xが0の場合、式(T-1)の陰イオン性界面活性剤にはエチレンオキシド単位はなく、この場合は、硫酸アルキルまたは硫酸アルキル塩が存在する。
アルキル硫酸塩の例は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびミリスチル硫酸ナトリウムである。
好ましくは、xは、0~5の整数を表し、特に好ましくは、xは、1~5の整数を表す。
基Mは、水素原子、アンモニウム(NH、または一価もしくは多価陽イオンの同等物を表す。
Mが水素原子を表す場合、陰イオン性界面活性剤はプロトン化(およびエトキシル化)硫酸エステルの形で存在する。水溶液中では、プロトン化形態は、脱プロトン化形態、陰イオン電荷を帯びている脱プロトン化形態と平衡状態にある。このため、式(I)のプロトン化された化合物も陰イオン性界面活性剤の群に分類される。
Mがアンモニウム(NHまたは一価または多価陽イオンの同等物を表す場合、式(I)の陰イオン性界面活性剤はその塩の形で存在する。ここで、一価または多価陽イオンの対応する同等物の存在は、陰イオン性界面活性剤の電気的中性を確保する。好ましくは、Mは一価カチオン、特にナトリウムまたはカリウムカチオンを表す。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、前処理剤(V)が、Rが、直鎖、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基であり、Xが、0~5の整数、好ましくは1~5の整数であり、Mが水素原子またはアルカリ金属カチオン、好ましくはナトリウムカチオン、またはカリウムカチオンを表す、式(T-1)の少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤(V-1)を含むことを特徴とする方法である。
式(I)の特に好ましい陰イオン性界面活性剤は、例えば、BASF社からTexapon NSO BZ(BZ=安息香酸で保存)の商品名、およびINCI名ラウレス硫酸ナトリウムとして市販されている。このラウレス硫酸ナトリウムはCAS番号68891-38-3を有する。
本発明の方法により特に良好な着色結果を確実にするために、前処理剤は、好ましくは特定の数量範囲の陰イオン性界面活性剤(V-1)を含む。前処理剤(V)が、前記前処理剤の総重量に基づいて、2.0~18.0重量%、好ましくは4.0~16.0重量%、より好ましくは6.0~14.0重量%、最も好ましくは8.0~12.0重量%の総量で、1以上の陰イオン性界面活性剤(V-1)を含む場合に、特に強く均一な着色を得ることができた。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明による方法は、前処理剤(V)が、前記前処理剤の総重量に基づいて、2.0~18.0重量%、好ましくは4.0~16.0重量%、より好ましくは6.0~14.0重量%、最も好ましくは8.0~12.0重量%の総量で、1以上の陰イオン性界面活性剤(V-1)を含むことを特徴とする方法である。
<前処理剤中の双性イオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤>
前処理剤(V)において少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤(V-1)だけでなく、さらに少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤、および/または両性界面活性剤を使用した場合に、本発明の方法により達成可能な着色効果は、強度、均一性および再現性に関してさらに改善できた。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明による方法は、前処理剤(V)が、
(V-2)少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤、および/または両性界面活性剤
を含むことを特徴とする方法である。
非常に特に適切な双性イオン性界面活性剤(V-2)は、以下の式(T-2)、(T-3)、(T-4)および/または(T-5)の化合物から選択され得る。
Figure 2023503491000004

Figure 2023503491000005

Figure 2023503491000006

Figure 2023503491000007
[式中、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して界面活性剤の疎水性基を表す。R、R、RおよびRは、独立して、直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは直鎖、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す]
式(T-2)、(T-3)、(T-4)および/または(T-5)の双性イオン性界面活性剤はそれぞれ、2つのメチル基に加えて、それぞれR基及びさらには酸官能性を有する基を含む陽イオン電荷を第4級窒素原子の形で有する。この陽イオン電荷は、脱プロトン化され得るカルボン酸またはスルホン酸の酸官能基によって中和される。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明による方法は、前処理剤(V)が
(V-2)式(T-2)、(T-3)、(T-4)および/または(T-5):
Figure 2023503491000008

Figure 2023503491000009

Figure 2023503491000010

Figure 2023503491000011

[式中、R、R、R、Rは、独立して、直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは直鎖で飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す。]
で示される界面活性剤から選択される少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする方法である。
基Rは、直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは、直鎖で、飽和または不飽和のC11-C21アルキル基、特に非常に好ましくは、直鎖で、飽和または不飽和のC11-C17アルキル基を表す。
基Rは、直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは、直鎖で、飽和または不飽和のC11-C21アルキル基、特に非常に好ましくは、直鎖で、飽和または不飽和のC11-C17アルキル基を表す。
基Rは、直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは、直鎖で、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す。
基Rは、直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは、直鎖で、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す。
特に適切な式(T-2)の双性イオン性界面活性剤は、アルキルアミドアルキルベタインである。特に適切な両性界面活性剤は、INCI名コカミドプロピルベタイン及び、INCI名コカミドプロピルベタインとして知られているものを含む。
特に適切な式(T-3)の双性イオン性界面活性剤は、例えば、C12-C14アルキルジメチルベタインであり、これはINCI名ココベタインの下、Global Amines社(以前はClariant社)から市販品Genagen KBの形態で入手できる。ココベタインのCAS番号は66455-29-6である。
特に、式(T-2)および(T-4)の双性イオン性界面活性剤は、本発明における問題の解決に特によく適していることが示された。
さらに非常に特に好ましい実施形態においては、本発明による方法は、前処理剤(V)が、
(V-2)式(T-2)および/または(T-4)の界面活性剤から選択される少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤
を含むことを特徴とする方法である。
本発明の方法により特に良好な染色結果を達成するために、前処理剤は、好ましくは、両性界面活性剤または双性イオン性界面活性剤(V-2)を特定の量範囲で含む。前処理剤(V)が、前記前処理剤の総重量に基づいて、0.5~8.5重量%、好ましくは1.0~7.5重量%、より好ましくは1.5~6.5重量%、最も好ましくは2.0~4.5重量%の総量で、1以上の双性イオン性界面活性剤(V-2)を含む場合に、特に強力で均一な着色を得ることができた。
非常に特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、前処理剤(V)が、前記前処理剤の総重量に基づいて、0.5~8.5重量%、好ましくは1.0~7.5重量%、より好ましくは1.5~6.5重量%、最も好ましくは2.0~4.5重量%の総量で、1以上の双性イオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤(V-2)を含むことを特徴とする方法である。
<着色剤(F)>
本発明の方法により、前処理剤(V)の塗布に続いて、ここで着色剤(F)がケラチン物質へ塗布される。着色剤(F)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)および少なくとも1つの顔料(F-2)を含む。
<着色剤(F)中のアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)>
本発明に必須の第1の成分(F-1)として、着色剤(F)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含む。アミノ官能化シリコーンポリマーは、代替的にアミノシリコーンまたはアモジメチコンとも称される。
シリコーンポリマーは、少なくとも500g/mol、好ましくは少なくとも1000g/mol、より好ましくは少なくとも2500g/mol、特に好ましくは少なくとも5000g/molの分子量を有し、反復有機単位を含む巨大分子である。
シリコーンポリマーの最大分子量は、重合度(重合されているモノマーの数)およびバッチサイズに依存し、一部では重合方法によっても決まる。本発明の目的のためには、シリコーンポリマーの最大分子量が10g/mol以下、好ましくは10g/mol以下、特に好ましくは10g/mol以下であることが好ましい。
シリコーンポリマーは多くのSi-O反復単位を含み、Si原子は、有機基、例えばアルキル基または置換アルキル基を有していてもよい。従って、シリコーンポリマーは、ポリジメチルシロキサンとも称される。
シリコーンポリマーは、その高い分子量に応じて、10個より多くのSi-O反復単位、好ましくは50個より多くのSi-O反復単位、より好ましくは100個より多くのSi-O反復単位、最も好ましくは500個より多くのSi-O反復単位に基づく。
アミノ官能化シリコーンポリマーは、アミノ基を有する構造単位を少なくとも1つ含む官能化シリコーンであると理解される。好ましくは、アミノ官能化シリコーンポリマーは、それぞれが少なくとも1つのアミノ基を有する複数の構造単位を有する。アミノ基は、第一級アミノ基、第二級アミノ基および第三級アミノ基を意味すると理解される。これらのアミノ基は全て、酸性環境でプロトン化されてカチオン形態で存在し得る。
基本的に、アミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)が少なくとも1つの第一級アミノ基、少なくとも1つの第二級アミノ基および/または少なくとも1つの第三級アミノ基を有する場合、有益な効果がアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)により得られた。しかし、着色剤(F)において、少なくとも1つの第二級アミノ基を有するアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を用いた場合に、最も洗浄堅牢性のある染色が得られた。
非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、着色剤(F)が、少なくとも1つの第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を含むことを特徴とする。
第二級アミノ基は、アミノ官能化シリコーンポリマーにおいて、様々な位置に存在し得る。式(Si-アミノ):

Figure 2023503491000012
で示される構造単位を少なくとも1つ、好ましくは複数有するアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を用いた場合に、特に有益な結果が見られた。
式(Si-アミノ)で示される構造単位において、略語ALK1およびALK2は独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、着色剤(F)が、式(Si-アミノ):

Figure 2023503491000013

[式中、ALK1およびALK2は、独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す]
で示される少なくとも1つの構造単位を含むアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を少なくとも1つ含んでなることを特徴とする。
アスタリスク(*)で示した位置は、シリコーンポリマーの別の構造単位への結合を示す。例えば、アスタリスクに隣接するケイ素原子は、別の酸素原子に結合し得、アスタリスクに隣接する酸素原子は、別のケイ素原子またはC-Cアルキル基にさえ結合し得る。
或いは、二価C-C20アルキレン基は、二価のC-C20アルキレン基と称されることもあり、これは、各ALK1およびALK2基が2つの結合を形成できることを意味する。
ALK1の場合、ケイ素原子からALK1基までに1つの結合が生じ、ALK1と第二級アミノ基との間に第二の結合が存在する。
ALK2の場合、第二級アミノ基からALK2基までに1つの結合が存在し、ALK2と第一級アミノ基との間に第二の結合が存在する。
直鎖二価C-C20アルキレン基の例には、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)およびブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)を含む。プロピレン基(-CH-CH-CH-)が特に好ましい。3個の炭素原子の鎖長から、二価アルキレン基が分岐していてもよい。分岐鎖二価のC-C20アルキレン基の例は、(-CH-CH(CH)-)および(-CH-CH(CH)-CH-)である。
別の特に好ましい実施態様では、式(Si-アミノ)で示される構造単位は、アミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)における反復単位を表すので、シリコーンポリマーは、式(Si-アミノ)で示される構造単位を複数含む。
少なくとも1つの第二級アミノ基を有する特に適しているアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を、以下に挙げる。
本発明の方法において、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:

Figure 2023503491000014
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を含有する少なくとも1つの染色剤(F)がケラチン物質に塗布された場合に、最良の洗浄堅牢性を有する染色が得られた。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、着色剤(F)が、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:

Figure 2023503491000015
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を含有することを特徴とする。
式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位を有する相応のアミノ官能化シリコーンポリマーは、例えば、市販品のDC 2-8566またはDowsil 2-8566 Amino Fluidであり、これは、Dow Chemical社により市販され、”シロキサンおよびシリコーン、3-[(2-アミノエチル)アミノ]-2-メチルプロピルMe、Di-Me-シロキサン”の名称および106842-44-8のCAS番号を有する。
別の好ましい実施態様においては、本発明の方法は、式(Si-III):
Figure 2023503491000016
[式中、
・mおよびnは、和(n+m)が1~1000の範囲となるように選択される数を意味し、
・nは0~999の範囲の数であり、mは1~1000の範囲の数であり、
・R、RおよびRは、同じかまたは異なっており、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、
・ここで、R~Rのうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(F-1)を含む、着色剤(F)のケラチン物質への塗布を特徴とする。
本発明の別の好ましい方法は、式(Si-IV):

Figure 2023503491000017
[式中
・pおよびqは、和(p+q)が1~1000の範囲となるように選択される数を意味し、
・pは0~999の範囲の数であり、qは1~1000の範囲の数であり、
・RおよびRは、異なるものであり、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、R~Rのうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(F-1)を含む着色剤(F)のケラチン物質への塗布を特徴とする。
式(Si-III)で示されるシリコーンと式(Si-IV)で示されるシリコーンとは、窒素含有基を有するSi原子における基が異なる。式(Si-III)では、Rはヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、一方、式(Si-IV)における基はメチル基である。添え字mおよびnまたはpおよびqが示された個々のSi基はブロックとして存在していなくてもよく、むしろ、個々の単位は統計的に分布して存在していてもよい。即ち、式(Si-III)および式(Si-IV)では、必ずしも全てのR-Si(CH基が-[O-Si(CH]基に結合していない。
また、式(Si-V):
Figure 2023503491000018

[式中、
Aは、基-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCHを表し、
Dは、基-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCHを表し、
b、nおよびcは0~1000の整数を表し、
より詳しくは
・n>0およびb+c>0
・条件A=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方が満たされる]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(F-1)を含む着色剤(F)をケラチン繊維に塗布する本発明の方法が、所望の効果に関して特に有効であることも分かった。
上記の式(Si-V)において、添え字b、cおよびnを有する個々のシロキサン単位は統計的に分布している、即ち、それらは、必ずしもブロックコポリマーでなくてもよい。
着色剤(F)は、式(Si-VI):
Figure 2023503491000019
[式中、Rは、炭化水素、または1~約6個の炭素原子を有する炭化水素基であり、Qは、一般式-RHZ〔ここで、Rは、炭素および水素原子、炭素、水素および酸素原子、または炭素、水素および窒素原子で構成されている基Zおよび水素が結合している二価連結基であり、Zは、少なくとも1のアミノ官能基を含む有機アミノ官能基である〕で示される極性基であり;aは、約0~約2の範囲の数であり、bは、約1~約3の範囲の数であり、a+bは、3以下であり、cは、約1~約3の範囲の数であり、xは、1~約2,000、好ましくは約3~約50、最も好ましくは約3~約25の数であり、yは、約20~約10,000、好ましくは約125~約10,000、最も好ましくは約150~約1,000の範囲の数であり、Mは、当技術分野で知られている適当なシリコーン末端基、好ましくはトリメチルシロキシである]
で示される1以上の様々なアミノ官能化シリコーンポリマーを更に含んでよい。
Rで示される基の非限定的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシルなどのアルキル基;ビニル、ハロビニル、アルキルビニル、アリル、ハロアリル、アルキルアリルなどのアルケニル基;シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;フェニル基、ベンジル基;3-クロロプロピル、4-ブロモブチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、クロロシクロヘキシル、ブロモフェニル、クロロフェニルなどのハロ炭化水素基;およびメルカプトエチル、メルカプトプロピル、メルカプトヘキシル、メルカプトフェニルなどの硫黄含有基を包含する。好ましくは、Rは、1~約6個の炭素原子を有するアルキル基であり、最も好ましくは、Rはメチルである。Rの例は、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、-CHCH(CH)CH-、フェニレン、ナフチレン、-CHCHSCHCH-、-CHCHOCH-、-OCHCH-、-OCHCHCH-、-CHCH(CH)C(O)OCH-、-(CHCC(O)OCHCH-、-C-、-CCH-;および-(CHC(O)SCHCH-を包含する。
Zは、少なくとも1つのアミノ官能基を含む有機アミノ官能基である。Zの1つの式は、NH(CHNH[式中、zは1以上である]である。Zの別の式は、-NH(CH(CHzzNH[式中、zおよびzzは共に、独立して1以上である]であり、この構造は、ピペラジニルのようなジアミノ環構造を含む。Zは最も好ましくは-NHCHCHNH基である。Zの別の式は、-N(CH(CHzzNXまたは-NX[式中、Xの各Xは、独立して、水素およびC1-12アルキル基からなる群から選択され、zzは0である]である。
Qは、最も好ましくは、式-CHCHCHNHCHCHNHで示される極性アミノ官能性基である。式中、aは、約0から約2の範囲の値を取り、bは、約2から約3の範囲の値を取り、a+bは、3以下であり、cは、約1から約3の範囲の値を取る。RSiO(4-a-b)/2単位とRSiO(4-c)/2単位とのモル比は、約1:2~1:65の範囲であり、好ましくは約1:5~約1:65の範囲であり、最も好ましくは約1:15~約1:20の範囲である。上記式で示される1以上のシリコーンを使用する場合、上記式における様々な可変置換基は、シリコーン混合物中に存在する様々なシリコーン成分について異なっていてよい。
特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、式(Si-VII):

Figure 2023503491000020
[式中、
・Gは、-H、フェニル基、-OH、-O-CH、-CH、-O-CHCH、-CHCH、-O-CHCHCH、-CHCHCH、-O-CH(CH、-CH(CH、-O-CHCHCHCH、-CHCHCHCH、-O-CHCH(CH、-CHCH(CH、-O-CH(CH)CHCH、-CH(CH)CHCH、-O-C(CH、-C(CHであり;
・aは、0~3の間の数、特に0を表し、
・bは、0~1の間の数、特に1を表し、
・mおよびnは、和(m+n)が1~2000の間、好ましくは50~150の間となるような数であり、nは好ましくは、0~1999および49~149の値を取り、mは好ましくは、1~2000、1~10の値を取り、
・R’は、
・Q-N(R’’)-CH-CH-N(R’’)
・Q-N(R’’)
・Q-N(R’’)
・Q-NH(R’’)
・Q-N(R’’)A
・Q-N(R’’)-CH-CH-NR’’H
〔ここで、
各Qは、化学結合、-CH-、-CH-CH-、-CHCHCH-、C(CH-、-CHCHCHCH-、-CHC(CH-、-CH(CH)CHCH-であり、
R’’は、-H、-フェニル、-ベンジル、CH-CH(CH)Ph、C1-20アルキル基、好ましくは-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-C(CHからなる群から選択される同じまたは異なる基を表し、
Aは、塩化物、臭化物、ヨウ化物またはメトスルフェートから好ましくは選択されるアニオンを表す〕
から選択される一価基である]
で示されるアミノ官能性シリコーンポリマー(F)のケラチン物質への塗布を特徴とする。
特に好ましい実施態様においては、本発明の方法は、式(Si-VIIa):

Figure 2023503491000021
[式中、mおよびnは、和(m+n)が1~2000の間、好ましくは50~150の間となるような数であり、nは好ましくは、0~1999および49~149の値をとり、mは好ましくは、1~2000、1~10の値をとる]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(F-1)を含む着色剤(F)のケラチン物質への塗布を特徴とする。
INCI名では、これらのシリコーンは、トリメチルシリルアモジメチコンと称される。
別の好ましい実施態様において、本発明の方法は、式(Si-VIIb):

Figure 2023503491000022
[式中、Rは、-OH、-O-CHまたは-CH基を表し、
m、n1およびn2は、和(m+n1+n2)が1~2000の間、好ましくは50~150の間となるような数であり、和(n1+n2)は好ましくは、0~1999および49~149の値をとり、mは好ましくは、1~2000、1~10の値をとる]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマーを含む着色剤(F)のケラチン物質への塗布を特徴とする。
INCI名では、これらのアミノ官能化シリコーンポリマーは、アモジメチコンと称される。
どのアミノ官能性シリコーンを使用するかにかかわらず、アミン価が0.25meq/g超、好ましくは0.3meq/g超、0.4meq/g超のアミノ官能性シリコーンポリマーを含む本発明による着色剤(F)が好ましい。アミン価は、アミノ官能性シリコーン1gあたりのアミンのミリ当量を表す。アミン価は、滴定により測定でき、単位mgKOH/gで表される。
さらに、特定の4-モルホリノメチル置換シリコーンポリマー(F-1)を含有する着色剤(F)もまた、本発明の方法における使用に適している。このアミノ官能化シリコーンポリマーは、式(Si-VIII)で示される構造単位および式(Si-IX)で示される構造単位を含む。
Figure 2023503491000023
対応する4-モルホリノメチル置換シリコーンポリマーを以下に示す。
対応するアミノ官能化シリコーンポリマーは、アモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーの名称で知られており、Wackerから原料Belsil ADM 8301 Eの形態で市販されている。
4-モルホリノメチル置換シリコーンとして、例えば、式(Si-VIII)、(Si-IX)および(Si-X):
Figure 2023503491000024

[式中、
は-CH、-OH、-OCH、-O-CHCH、-O-CHCHCHまたは-O-CH(CHであり、
は-CH、-OHまたは-OCHである]
で示される構造単位を有するシリコーンを使用できる。
特に好ましい本発明における着色剤(F)は、式(Si-XI):
Figure 2023503491000025
[式中、
は-CH、-OH、-OCH、-O-CHCH、-O-CHCHCHまたは-O-CH(CHであり、
は-CH、-OHまたは-OCHであり、
Bは、基-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCHを表し、
Dは、基-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCHを表し、
a、bおよびcは、a+b+c>0の条件で、独立して0~1000の整数を表し、
mおよびnは互いに独立して、整数1~1000を表す、
ただし、
・条件B=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方は満たされ、
・単位a、b、c、mおよびnは、分子において統計的に分布しているか、またはブロック状である]
で示される少なくとも1つの4-モルホリノメチル置換シリコーンを含有する。
構造式(Si-XI)では、シロキサン基nおよびmが、必ずしもそれぞれ末端基BまたはDに直接結合していなくてもよいことを示すことが意図されている。むしろ、好ましい式(Si-VI)ではa>0またはb>0であり、特に好ましい式(Si-VI)ではa>0およびc>0、即ち、末端基BまたはDは好ましくはジメチルシロキシ基に結合している。また、式(Si-VI)において、シロキサン単位a、b、c、mおよびnは好ましくは統計的に分布している。
本発明に従って使用される式(Si-VI)で示されるシリコーンは、トリメチルシリル末端型(DまたはB=-Si(CH)であってよいが、両端でジメチルシリルヒドロキシ末端型であっても、一端でジメチルシリルヒドロキシ末端型およびジメチルシリルメトキシ末端型であってもよい。本発明において特に好ましいシリコーンは、各関連に対して
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CH
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CHOH
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CHOCH
B=-O-Si(CHおよびD=-Si(CHOH
B=-O-Si(CHOCHおよびD=-Si(CHOH
であるシリコーンから選択される。これらのシリコーンは、本発明の剤で処理された毛髪の毛髪特性の顕著な向上、および酸化処理における著しく改善された保護をもたらす。
本発明における着色剤がアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を特定の範囲の量で含む場合に、特に有利であることが見出された。着色剤が、前記着色剤の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~5.0重量%、より好ましくは0.3~3.0重量%、最も好ましくは0.4~2.5重量%の総量で、1以上のアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を含む場合に、特に満足な結果が得られた。
他の特に好ましい実施形態の範囲内において、本発明の方法は、着色剤(F)は前記着色剤の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~5.0重量%、より好ましくは0.3~3.0重量%、非常に特に好ましくは0.4~2.5重量%の総量で、1以上のアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を含むことを特徴とする。
<着色剤(F)における顔料(F-2)>
本発明に必須の第2の成分として、本発明の方法に使用される着色剤(F)は、少なくとも1つの顔料を含む。
本発明の意味における顔料は、25℃での水への溶解度が0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、更に好ましくは0.05g/L未満の着色化合物である。水への溶解度は、例えば、下記方法により測定できる:0.5gの顔料をビーカーに秤取する。磁気撹拌棒を加える。次いで、1Lの蒸留水を添加する。この混合物をマグネチックスターラーで撹拌しながら25℃で1時間加熱する。この時間が経過しても顔料の未溶解成分が混合物中に見える場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。微細に分散した顔料の強度が高いために、顔料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物をろ過する。未溶解顔料がろ紙上に残留する場合は、その顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
適当な着色顔料は、無機起源および/または有機起源であってよい。
好ましい実施態様では、本発明における剤(F)は、無機顔料および/または有機顔料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物(F-2)を含むことを特徴とする。
好ましい実施態様において、本発明における着色剤(F)は、少なくとも1つの無機顔料および/または有機顔料(F-2)を含むことを特徴とする。
好ましい着色顔料は、合成または天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機着色顔料は、例えば、チョーク、黄土、アンバー、緑土、焼成テーラ・ディ・シエナまたはグラファイトから調製できる。また、黒色酸化鉄などの黒色顔料、ウルトラマリンまたは赤色酸化鉄などの有色顔料、および蛍光顔料または燐光顔料を、無機着色顔料として使用できる。
有色の金属酸化物、金属水酸化物および金属酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、ケイ酸塩、金属硫酸化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、クロム酸塩および/またはモリブデン酸塩が特に適している。好ましい着色顔料は、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および褐色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、pigment blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)および/またはカルミン(コチニール)である。
本発明では、着色真珠光沢顔料もまた、特に好ましい着色顔料である。これらは通常、雲母および/または雲母ベースであり、1以上の金属酸化物で被覆されている場合がある。雲母は層状ケイ酸塩に属する。これらのケイ酸塩の最も重要な代表例は、白雲母、金雲母、ソーダ雲母、黒雲母、鱗雲母およびマーガライトである。金属酸化物と組み合わせた真珠光沢顔料を製造するためには、白雲母または金雲母などの雲母を金属酸化物で被覆する。
天然の雲母の代替品として、1以上の金属酸化物で被覆された合成雲母を真珠光沢顔料として使用できる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然または合成の雲母(マイカ)をベースとし、上記した金属酸化物の1以上で被覆されたものである。金属酸化物の層の厚さを変えることで、それぞれの顔料の色を変えることができる。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、着色剤(F)が、有色の金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫酸化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料からなる群から、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属酸塩化物で被覆された有色の雲母または雲母ベース顔料から好ましくは選択される無機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(F-2)を含むことを特徴とする。
別の好ましい実施態様では、本発明における組成物は、二酸化チタン(CI 77891)、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色および/または褐色酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、Pigment Blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、酸化クロム(CI 77288)および/または紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)からなる群から選択される1以上の金属酸化物と反応した雲母または雲母ベース顔料から選択される顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(F-2)を含んでなることを特徴とする。
特に適当な着色顔料の例は、Merck社からRona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)の商品名で、Sensient社からAriabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)の商品名で、Eckart Cosmetic Colors社からPrestige(登録商標)の商品名で、Sunstar社からSunshine(登録商標)の商品名で市販されている。
商品名がColorona(登録商標)の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Colorona Copper,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange,Merck,Mica,CI77491(酸化鉄),アルミナ
Colorona Patina Silver,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン)
Colorona RY,Merck,CI 77891(二酸化チタン),雲母,CI75470(カーマイン)
Colorona Oriental Beige,Merck,雲母,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue,Merck,雲母,二酸化チタン,フェロシアン化鉄
Colorona Chameleon,Merck,CI77491(酸化鉄),雲母
Colorona Aborigine Amber,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue,Merck,CI77499(酸化鉄),雲母
Colorona Patagonian Purple,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン),CI77510(フェロシアン化鉄)
Colorona Red Brown,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン)
Colorona Russet,Merck,CI77491(二酸化チタン),雲母,CI77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red,Merck,雲母,二酸化チタン(CI77891),D&C RED NO.30(CI73360)
Colorona Majestic Green,Merck,CI77891(二酸化チタン),雲母,CI77288(酸化クロムグリーン)
Colorona Light Blue,Merck,雲母,二酸化チタン(CI77891),フェロシアン化鉄(CI77510)
Colorona Red Gold,Merck,雲母,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25,Merck,雲母,二酸化チタン(CI77891),酸化鉄(CI77491)
Colorona Carmine Red,Merck,雲母,二酸化チタン,カーマイン
Colorona Blackstar Green,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Bronze,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20,Merck,雲母,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine,Merck,CI77491(酸化鉄),雲母
Colorona Sienna,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold,Merck,Mica,CI77891(二酸化チタン),シリカ,CI77491(酸化鉄),酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29,Merck,雲母,二酸化チタン,酸化鉄,雲母,CI77891,CI77491(EU)
Colorona Mica Black,Merck,CI77499(酸化鉄),Mica,CI77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold,Merck,Mica,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄)
商品名がXirona(登録商標)の他の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Xirona Golden Sky,Merck,シリカ,CI77891(二酸化チタン),酸化スズ
Xirona Caribbean Blue,Merck,Mica,CI77891(二酸化チタン),シリカ,酸化スズ
Xirona Kiwi Rose,Merck,シリカ,CI77891(二酸化チタン),酸化スズ
Xirona Magic Mauve,Merck,シリカ,CI77891(二酸化チタン),酸化スズ
また、商品名がUnipure(登録商標)の他の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Unipure Red LC 381 EM,Sensient CI77491(酸化鉄),シリカ
Unipure Black LC 989 EM,Sensient,CI77499(酸化鉄),シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM,Sensient,CI77492(酸化鉄),シリカ
別の実施態様では、本発明における組成物はまた、(a)有機顔料からなる群からの1以上の着色化合物(F-2)を含み得る。
本発明における有機顔料は、例えばニトロソ、ニトロ-アゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリノン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケト-ピロロピロール、インディゴ、チオインディゴ、ジオキサジンおよび/またはトリアリールメタン化合物からなる群から選択されてよい、相応に不溶性の有機染料またはカラーラッカーである。
特に適当な有機顔料の例は、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCl42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160の青色顔料、カラーインデックスがCI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI61565、CI61570、CI74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI11725、CI15510、CI45370、CI71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915および/またはCI75470の赤色顔料である。
別の特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、着色剤(F)が、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCl42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160の青色顔料、カラーインデックスがCI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI61565、CI61570、CI74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI11725、CI15510、CI45370、CI71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915および/またはCI75470の赤色顔料からなる群から好ましくは選択される有機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(F-2)を含むことを特徴とする。
有機顔料はカラーペイントであってもよい。本発明の意味において、用語「カラーラッカー」は、吸収された染料の層を含んでなる粒子を意味し、粒子および染料のユニットは、上記条件下で不溶性である。粒子は例えば無機物質であり得、これは、アルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウムまたはアルミニウムであり得る。
例えば、アリザリンカラーワニスを使用できる。
優れた耐光性および耐温度性のためには、本発明の方法の着色剤(F)において上記顔料を使用することが特に好ましい。また、使用する顔料が特定の粒度を有することが好ましい。従って、本発明では、少なくとも1種の顔料が1.0~50μm、好ましくは5.0~45μm、好ましくは10~40μm、14~30μmの平均粒度D50を有することが有利である。平均粒度D50は、例えば、動的光散乱(DLS)を用いて測定できる。
顔料(F-2)は本発明における着色剤の第2の必須成分を構成し、好ましくは、特定の範囲の量で前記剤に使用される。着色剤が、前記着色剤の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.2~2.5重量%、最も好ましくは0.25~1.5重量%の総量で、1以上の顔料(F-2)を含む場合に、特に満足のいく結果が得られた。
別の非常に特に好ましい実施形態において、本発明における方法は、着色剤(F)が、前記着色剤の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.2~2.5重量%、特に好ましくは0.25~1.5重量%の総量で、1以上の顔料(F-2)を含むことを特徴とする。
任意の成分として、本発明における方法で使用される着色剤(F)は、1以上の直接染料を含有してもよい。直接作用染料は、毛髪に直接作用し、色を形成するために酸化工程を必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン、トリアリールメタン染料、またはインドフェノールである。
本発明の意味における直接染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味における直接染料は、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
直接染料は、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料および非イオン性直接染料に分類できる。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、着色剤(F)が、さらに、アニオン性直接染料、非イオン性直接染料およびカチオン性直接染料を含むことを特徴とする。
適当なカチオン性直接染料は、Basic Blue 7、Basic Blue 26、HC Blue 16、Basic Violet 2、Basic Violet 14、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 16、Basic Blue 347(Cationic Blue 347 / Dystar)、HC Blue No. 16、Basic Blue 99、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87、Basic Orange 31、Basic Red 51、Basic Red 76を包含する。
非イオン性直接染料として、非イオン性ニトロおよびキノン染料並びに天然アゾ染料を使用できる。適当な非イオン性直接染料は、以下の国際名称または商品名で記載されているものである:HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、HC Orange 1、Disperse Orange 3、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、HC Red BN、HC Blue 2、HC Blue 11、HC Blue 12、Disperse Blue 3、HC Violet 1、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Black 9の既知の化合物、および1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸および2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール。
本発明に至る研究の過程で、良好な色強度および堅牢性を有する染色は、少なくとも1つのアニオン性直接染料(F-2)を含む剤(F)を用いた場合にも生成し得ることが見出された。
したがって、さらなる実施形態において、本発明による方法は、着色剤(F)が少なくとも1つのアニオン性直接染料を含むことを特徴とする。
アニオン性直接染料は、酸性染料とも称される。酸性染料は、少なくとも1個のカルボン酸基(-COOH)および/または少なくとも1個のスルホン酸基(-SOH)を有する直接染料である。pH値に依存して、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SOH)は、それらの脱プロトン化形態(-COO、-SO 存在)と平衡関係を示す。プロトン化形態の割合は、pH値の低下とともに増える。直接染料をその塩として使用する場合、カルボン酸基またはスルホン酸基は脱プロトン化形態で存在し、電気的中性を維持するために、対応する化学量論的に同等のカチオンで中和される。本発明の酸性染料は、そのナトリウム塩および/またはそのカリウム塩の形態でも使用できる。
本発明の意味における酸性染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味における酸性染料は、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
酸性染料のアルカリ土類塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩は、対応するアルカリ塩よりも低い溶解度をしばしば有する。これらの塩の溶解度が0.5g/L未満(25℃、760mmHg)の場合、それらは直接染料の定義に含まれない。
酸性染料の本質的な特徴は、アニオン性電荷を形成する能力であり、その原因となるカルボン酸基またはスルホン酸基は通常、様々な発色団系に結合している。適当な発色団系は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンタン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料の構造に見られる。
別の実施態様では、ケラチン物質を着色するための方法は、染色成分(F)が、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料からなる群から選択される少なくとも1つのアニオン性直接染料を含んでなり、上記群からの染料はそれぞれ、少なくとも1個のカルボン酸基(-COOH)、カルボン酸ナトリウム基(-COONa)、カルボン酸カリウム基(-COOK)、スルホン酸基(-SOH)、スルホン酸ナトリウム基(-SONa)および/またはスルホン酸カリウム基(-SOK)を有することを特徴とする。
例えば、下記群から選択される1以上の化合物が適当な酸性染料として包含される:Acid Yellow 1(D&C Yellow 7、Citronin A、Ext.D&C Yellow No.7、Japan Yellow 403、CI10316、COLIPA n°B001)、Acid Yellow 3(COLIPA n°54、D&C Yellow N°10、Quinoline Yellow、E104、Food Yellow 13)、Acid Yellow 9(CI13015)、Acid Yellow 17(CI18965)、Acid Yellow 23(COLIPA n°29、Covacap Jaune W1100(LCW)、Sicovit Tartrazine 85 E102(BASF)、Tartrazine、Food Yellow 4、Japan Yellow 4、FD&C Yellow No.5)、Acid Yellow 36(CI13065)、Acid Yellow 121(CI18690)、Acid Orange 6(CI14270)、Acid Orange 7(2-Naphthol orange、Orange II、CI15510、D&C Orange 4、COLIPA n°015)、Acid Orange 10(C.I.16230;Orange G ナトリウム塩)、Acid Orange 11(CI45370)、Acid Orange 15(CI50120)、Acid Orange 20(CI14600)、Acid Orange 24(BROWN 1;CI20170;KATSU201;ナトリウム塩不含有;Brown No.201;RESORCIN BROWN;ACID ORANGE 24;Japan Brown 201;D&C Brown No.1)、Acid Red 14(C.I.14720)、Acid Red 18(E124、Red18;CI16255)、Acid Red 27(E123、CI16185、C-Rot46、Real red D、FD&C Red Nr.2、Food Red 9、Naphthol red S)、Acid Red 33(Red33、Fuchsia Red、D&C Red33、CI17200)、Acid Red 35(CI C.I.18065)、Acid Red 51(CI45430、Pyrosin B、Tetraiodofluorescein、Eosin J、Iodeosin)、Acid Red 52(CI45100、Food Red106、Solar Rhodamine B、Acid Rhodamine B、Red n°106 Pontacyl Brilliant Pink)、Acid Red 73(CI27290)、Acid Red 87(Eosin、CI45380)、Acid Red 92(COLIPA n°53、CI 45410)、Acid Red 95(CI45425、Erythtosine,Simacid Erythrosine Y)、Acid Red 184(CI15685)、Acid Red 195、Acid Violet 43(Jarocol Violet 43、Ext.D&C Violet n°2、C.I.60730、COLIPA n°063)、Acid Violet 49(CI42640)、Acid Violet 50(CI50325)、Acid Blue 1(Patent Blue、CI42045)、Acid Blue 3(Patent Blue V、CI42051)、Acid Blue 7(CI42080)、Acid Blue 104(CI42735)、Acid Blue 9(E133、Patent blue AE、Amido blue AE、Erioglaucin A、CI42090、C.I.Food Blue 2)、Acid Blue 62(CI62045)、Acid Blue 74(E132、CI73015)、Acid Blue 80(CI61585)、Acid Green 3(CI42085、Foodgreen1)、Acid Green 5(CI42095)、Acid Green 9(C.I.42100)、Acid Green 22(C.I.42170)、Acid Green 25(CI61570、Japan Green 201、D&C Green No.5)、Acid Green 50(Brilliant Acid Green BS、C.I.44090、Acid Brilliant Green BS、E142)、Acid Black 1(Black n°401、Naphthalene Black 10B、Amido Black 10B、CI20470、COLIPA n°B15)、Acid Black 52(CI15711)、Food Yellow 8(CI14270)、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1。
例えば、アニオン性直接染料の水溶性は、下記方法で測定できる。0.1gのアニオン性直接染料をビーカーに導入する。磁気撹拌棒を加える。次いで、100mLの水を添加する。この混合物をマグネチックスターラーで撹拌しながら25℃に加熱する。60分間撹拌する。次いで、水性混合物を視覚的に評価する。未溶解残留物がまだ存在する場合、例えば10mL刻みで、水の量を増やす。使用した染料の量が完全に溶解するまで水を加える。染料の強度が高いために、染料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物をろ過する。未溶解染料がろ紙上に残留する場合は、より多くの水を用いて溶解度試験を繰り返す。0.1gのアニオン性直接染料が25℃で100mLの水に溶解した場合、その染料の溶解度は1.0g/Lである。
Acid Yellow 1は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩と称され、少なくとも40g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 3は、2-(2-キノリル)-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノスルホン酸およびジスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、20g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 9は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は40g/L(25℃)より大きい。
Acid Yellow 23は、4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の三ナトリウム塩であり、25℃の水に高度に溶解できる。
Acid Orange 7は、4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホネートのナトリウム塩である。その水への溶解度は、7g/L(25℃)より大きい。
Acid Red 18は、7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル)]-1,3-ナフタレンジスルホネートの三ナトリウム塩であり、20重量%より大きい非常に高い水溶性を有する。
Acid Red 33は、5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホネートの二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は2.5g/L(25℃)である。
Acid Red 92は、3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキソキサンテン-9-イル)安息香酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は10g/L(25℃)より大きい。
Acid Blue 9は、2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル]アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホネートの二ナトリウム塩であり、20重量%(25℃)より大きい水への溶解度を有する。
従って、別の実施態様では、本発明における方法は、着色剤(F)が、Acid Yellow 1、Acid Yellow 3、Acid Yellow 9、Acid Yellow 17、Acid Yellow 23、Aacid Yellow 36、Acid Yellow 121、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 11、Acid Orange 15、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Acid Red 14、Acid Red 27、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 51、Acid Red 52、Acid Red 73、Acid Red 87、Acid Red 92、Acid Red 95、Acid Red 184、Acid Red 195、Acid Violet 43、Acid Violet 49、Acid Violet 50、Acid Blue 1、Acid Blue 3、Acid Blue 7、Acid Blue 104、Acid Blue 9、Acid Blue 62、Acid Blue 74、Acid Blue 80、Acid Green 3、Acid Green 5、Acid Green 9、Acid Green 22、Acid Green 25、Acid Green 50、Acid Black 1、Acid Black 52、Food Yellow 8、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1からなる群から選択される少なくとも1つの直接染料(F-2)を含むことを特徴とする。
直接染料は、所望の色強度に応じて着色剤(F)において様々な量で使用され得る。特に満足のいく結果は、着色剤(F)が、前記着色剤(F)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1以上の直接染料(b)を含有する場合に得られた。
また、着色剤(F)は、着色化合物(F-2)として、少なくとも1つのフォトクロミック染料またはサーモクロミック染料を含有してもよい。
フォトクロミック染料は、UV光(太陽光またはブラックライト)の照射に反応して、色相が可逆的に変化する染料である。この過程では、UV光によって染料の化学構造が変化し、その結果、染料の吸収挙動(フォトクロミー)が変化する。
サーモクロミック染料は、温度変化に反応して、色相が可逆的に変化する染料である。この過程では、温度の変化によって染料の化学構造が変化し、その結果、染料の吸収挙動(サーモクロミズム)が変化する。
着色剤(F)は、前記着色剤(F)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1以上のフォトクロミック染料(b)を含有してよい。
着色剤(F)は、前記着色剤(F)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1以上のサーモクロミック染料(b)を含有してよい。
<剤(V)および/または剤(F)における更なる任意成分>
すでに記載された本発明に必須の成分に加えて、前処理剤(V)および/または着色剤(F)は他の任意の成分も含有してもよい。
剤はまた、他の活性成分、助剤および添加剤、例えば溶媒、C-C30脂肪アルコール、C-C30脂肪酸トリグリセリド、C-C30脂肪酸モノグリセリド、C-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素などの脂肪成分;ポリマー、ストラクチュラント(structurant)、例えばグルコース、マレイン酸および乳酸、ヘアコンディショニング化合物、例えばリン脂質、例えばレシチンおよびケファリン;香油、ジメチルイソソルバイドおよびシクロデキストリン;繊維構造改善活性成分、特に単糖類、二糖類およびオリゴ糖、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース、フルクトースおよびラクトース;製剤を着色するための染料;フケ防止活性成分、例えばピロクトン・オラミン、亜鉛オマジンおよびクリンバゾール;アミノ酸およびオリゴペプチド;動物系および/または植物系並びに脂肪酸縮合物または任意にアニオン変性型もしくはカチオン変性型誘導体の形態のタンパク質加水分解物;植物油;光安定剤およびUVブロッカー;活性成分、例えばパンテノール、パントテン酸、パントラクトン、アラントイン、ピロリジノンカルボン酸およびその塩、ビサボロール;ポリフェノール、特にヒドロキシ桂皮酸、6,7-ジヒドロキシクマリン、ヒドロキシ安息香酸、カテキン、タンニン、ロイコアントシアニジン、アントシアニジン、フラバノン、フラボンおよびフラボノール;セラミドまたは疑似セラミド;ビタミン類、プロビタミンおよびビタミン前駆体;植物抽出物;脂肪およびワックス、例えば脂肪アルコール、ミツロウ、モンタンワックスおよびパラフィン;膨潤剤および浸透剤、例えばグリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、カーボネート、炭酸水素塩、グアニジン、尿素、第一級、第二級および第三級ホスフェート;乳白剤、例えばラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;真珠光沢剤、例えばエチレングリコールモノ-およ
びジステアレート並びにPEG-3-ジステアレート;並びに発泡剤、例えばプロパン-ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、COおよび空気を含有してもよい。
これらの他の物質の選択は、剤の所望の特性に応じて当業者によって行われる。他の任意成分およびこのような成分の使用量は、当業者に知られている関連マニュアルに明示されている。付加的な活性成分および助剤は、好ましくは、本発明における調製物中に、各剤の総重量に対して0.0001~25重量%ずつ、0.0005~15重量%ずつの量で使用される。
しかしながら、前処理剤(V)の目的は、コンディショナーまたはスタイリング剤の先の塗布によって、ケラチン物質の表面に沈着したすべての物質を除去することである。ポリマーおよび/または陽イオン性界面活性剤は、そのケラチン物質との親和性の高さにより、後に塗布される顔料着色剤に悪影響を与え得ると考えられている。
このため、本発明による前処理剤(V)において、ポリマーおよび陽イオン性界面活性剤を使用しないこと、またはそれらの使用量を最小限に抑えることが特に好ましい。
さらに好ましい実施形態において、本発明による方法は、前処理剤(V)に含まれるすべてのポリマーの総含有量が、前記前処理剤の総重量に基づき、0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、非常に好ましくは0.01重量%未満であることを特徴とする。
さらに好ましい実施形態において、本発明による方法は、前処理剤(V)に含まれるすべての陽イオン性界面活性剤の総含有量が、前処理剤の総重量に基づき、0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、非常に好ましくは0.01重量%未満であることを特徴とする。
<前処理剤(V)および/または着色剤(F)のpH値>
本発明による剤(V)および剤(F)のpH値は、わずかに酸性からアルカリ性のpHに調整されうる。
一実施形態では、前処理剤(V)は、2.0~6.5、好ましくは2.5~6.0、より好ましくは3.0~5.5、そして最も好ましくは3.5~5.0のpHを有する。本発明の方法により、これらのpH値を有する前処理剤(V)が使用された場合に、特に高い色強度の着色を得ることができた。
別の実施形態では、前処理剤(V)は、7.0~11.5、好ましくは7.5~11.0、最も好ましくは8.0~10.5のpHを有する。本発明の方法により、これらのpH値を有する前処理剤(V)が使用された場合、特に良好な均一性の着色を得ることができた。
本発明による着色剤(F)のpH値は、わずかに酸性からアルカリ性のpHに調整されうる。非常に好ましくは、着色剤(F)は、5.0~10.0の範囲、好ましくは6.0~9.5、より好ましくは6.0~8.7、最も好ましくは6.0~7.5の範囲のpHを有する。
当業者に既知のアルカリ化剤および酸性化剤は、それぞれ所望のpH値を設定するために使用され得る。本発明の目的のためのpH値は、22℃の温度下で測定されたpH値である。
アルカリ化剤として、その剤は、例えば、アンモニア、アルカノールアミンおよび/または塩基性アミノ酸を含有してもよい。
本発明の剤において使用し得るアルカノールアミンは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するC-Cアルキル塩基を有する第一級アミンから、好ましくは選択される。好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールにより形成される群より選択される。
本発明において特に好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択される。したがって、特に好ましい実施形態は、本発明における剤が、アルカリ化剤として2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択されるアルカノールアミンを含むことを特徴とする。
本発明の目的のために、アミノ酸は、その構造中に少なくとも1つのプロトン化可能なアミノ基および少なくとも1つの-COOH基または-SOH基を含む有機化合物である。好ましいアミノ酸は、アミノカルボン酸、特にα-(アルファ)アミノカルボン酸およびω-アミノカルボン酸であり、中でも、α-アミノカルボン酸が特に好ましい。
本発明によると、塩基性アミノ酸は、等電点pIが7.0より大きいアミノ酸である。
塩基性α-アミノカルボン酸は、少なくとも1つの非対称炭素原子を含む。本発明の文脈において、いずれのエナンチオマーも、特定の化合物またはそれらの混合物として、特にラセミ体として同等に使用され得る。しかしながら、自然に好ましい異性体形態、通常はL-配置のもの、を使用することが特に有利である。
塩基性アミノ酸は、アルギニン、リジン、オルニチンおよびヒスチジン、特に好ましくはアルギニンおよびリジンにより形成される群から好ましくは選択される。したがって、別の特に好ましい実施形態において、本発明の剤は、アルカリ化剤が、アルギニン、リジン、オルニチンおよび/またはヒスチジンの群からの塩基性アミノ酸であることを特徴とする。
さらに、本製品は他のアルカリ化剤、特に無機アルカリ化剤を含有してもよい。本発明に使用可能な無機アルカリ化剤は、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムにより形成される群から選択される。
また、本発明では、所望のpH値は、緩衝系によって調整することができる。緩衝液または緩衝系は、通常、弱または中程度の強さの酸(例えば、酢酸)と、該酸の完全に解離した中性塩(例えば、酢酸ナトリウム)との混合物であると理解される。いくらかの塩基または酸を加えた場合、pH値はほとんど変化しない(緩衝)。緩衝液に含まれる緩衝物質の効果は、弱酸または弱塩基の解離平衡に起因3する弱酸または弱塩基の形成による水素イオンまたは酸化物イオンの補促反応に基づく。
緩衝系は、無機酸または有機酸とその酸の対応する塩との混合物から形成され得る。
酸は弱酸と強塩基のすべての塩で緩衝でき、塩基は強酸と弱塩基の塩で緩衝できる。強塩酸(完全にイオンに解離)は、例えば、酢酸ナトリウムを加えることによって緩衝できる。平衡によると、
Figure 2023503491000026
塩酸は酢酸ナトリウムによって弱酢酸に変換され、塩化ナトリウムが形成され、過剰の酢酸ナトリウムの存在下ではごくわずかしか解離しない。酸と塩基の両方に対して有効な緩衝剤は、弱酸とその塩の混合物である。
文献により既知の緩衝系の例は、酢酸/酢酸ナトリウム、ホウ酸/ホウ酸ナトリウム、リン酸/リン酸ナトリウム、および炭酸水素塩/ソーダである。
本発明の剤のpHは、例えば、無機緩衝系または有機緩衝系を加えることによって調整されうる。本発明の目的のために、無機緩衝系は、無機酸とその共役対応する無機塩基との混合物であると理解される。
本発明の目的のために、有機緩衝系は、有機酸とその共役対応する塩基との混合物であると理解される。有機酸ラジカルのため、その有機酸の共役対応する塩基も有機である。ここで、酸性陰イオン電荷を中和するために存在する陽イオンは、無機または有機であり得る。
無機酸の例としては、硫酸、塩酸、リン酸(HPO)などが挙げられる。リン酸は、中程度の強さの酸であり、特に好ましい。
特に好適な無機酸は、リン酸二水素カリウムである。
リン酸二水素カリウムは、分子式KHPOで、CAS番号7778-77-0を有する。リン酸二水素カリウムは136.09g/molのモル質量を有する。水に非常に溶けやすく(20℃で222g/L)、水中で酸性に反応する。リン酸二水素カリウムの5%水溶液のpH値は4.4である。
別の特に好ましい無機酸は、リン酸二水素ナトリウムである。リン酸二水素ナトリウムは、分子式NaHPOを有し、CAS番号7558-80-7(無水物)、10049-21-5(一水和物)、13472-35-0(二水和物)を有する。無水リン酸二水素ナトリウムは、119.98g/molのモル質量を有する。リン酸二水素ナトリウムは、水溶液中で酸性に反応する。
上記2つの酸の対応する塩として特に好ましいのは、リン酸水素二カリウムである。リン酸水素二カリウムは、分子式KHPOを有し、CAS番号7758-11-4(無水)および16788-57-1(三水和物)を有する。無水リン酸水素二カリウムは174.18 g/molのモル質量を有する。リン酸水素二カリウムは、水溶液中でアルカリ性に反応する。
また、上記2つの酸の対応する塩として特に好ましいのは、リン酸水素二ナトリウムである。リン酸水素二ナトリウムは分子式NaHPOを有し、CAS番号7558-79-4(無水)、10028-24-7(二水和物)、7782-85-6(七水和物)および10039-32-4(十二水和物)を有する。無水リン酸水素二ナトリウムは、141.96g/molのモル質量を有している。リン酸水素二ナトリウムは、水溶液中でアルカリ性に反応する。
有機酸の例としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、マロン酸、マレイン酸が挙げられる。
これらの有機酸の対応する塩の例としては、クエン酸のナトリウム塩およびカリウム塩、コハク酸のナトリウム塩およびカリウム塩、酒石酸のナトリウム塩およびカリウム塩、乳酸のナトリウム塩およびカリウム塩、酢酸のナトリウム塩およびカリウム塩、リンゴ酸のナトリウム塩およびカリウム塩、マロン酸のナトリウム塩およびカリウム塩、マレイン酸のナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。
<方法工程の順序>
前述の通り、前処理剤(V)は、着色剤(F)の塗布の前に塗布される。この文脈において、前処理剤(V)をケラチン物質に塗布し、特定時間作用させ、その後再び水ですすぎ流すことが特に好ましいとわかった。
したがって別の主題は、ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を着色するための方法であって以下の工程:
(1)前処理剤(V)をケラチン繊維に塗布する工程(前記前処理剤(V)は、本発明の第1の主題の説明において詳細に開示されている)、
(2)ケラチン繊維を、工程(1)で塗布した前処理剤に曝露する工程
(3)前処理剤を水ですすぎ流す工程
(4)ケラチン繊維に着色剤(F)を塗布する工程(前記着色剤は、本発明の第1の主題の説明において詳細に開示されている)、
(5)ケラチン繊維を工程(4)で塗布した着色剤に暴露する工程、及び
(6)水で染料をすすぎ流す工程
を含む方法である。
明示的にかなり特に好ましいのは、ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を着色するための方法であって、表示された順序で以下の工程:
(1)前処理剤(V)をケラチン繊維に塗布する工程(前処理剤(V)は、本発明の第1の主題の説明において詳細に開示されている)、
(2)ケラチン繊維を、工程(1)で塗布した前処理剤に曝露する工程、
(3)前処理剤を水ですすぎ流す工程、
(4)ケラチン繊維に着色剤(F)を塗布する工程(着色剤は、本発明の第1の主題の説明において詳細に開示されている)、
(5)ケラチン繊維を工程(4)で塗布した着色剤に暴露する工程、及び
(6)水で染料をすすぎ流す工程
を含む方法である。
本発明による方法の工程(1)において、含水担体中に少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含む前処理剤(V)が、毛髪に塗布される。
次の工程において、先に塗布した前処理剤(V)をケラチン繊維に作用させる。この文脈においては、例えば30秒~60分の異なる曝露時間が考えられる。30秒~5分の曝露時間が好ましい。
ケラチン繊維への前処理剤(V)の作用に続いて、工程(3)で、前記前処理剤が最終的に水ですすぎ流される。ここで、好ましい実施形態において、前処理剤(V)は、水のみで、すなわち、本発明によらない後処理剤またはシャンプーを使用せずに、洗い流される。
原則的に、ユーザーはここで2つの剤(V)と剤(F)の塗布期間を自由に選択できる。
しかしながら、着色剤(F)は、前処理剤(V)をすすぎ流した後の状態のケラチン物質または毛髪に、塗布されなければならない。このため、本発明では、2つの剤(V)及び剤(F)の塗布の間に、他のコンディショナー、スタイリング剤などの他の剤を塗布しないことが必須である。このようにして、2剤(V)及び(F)の塗布の間の最大時間間隔は、通常、最大24時間に制限される。
水による前処理剤(V)のすすぎと、ケラチン繊維への着色剤(F)の塗布との間に、24時間以下、好ましくは12時間以下、更に好ましくは6時間以下、非常に特に好ましくは3時間以下の期間があると好ましいことが見出された。
さらなる好ましい実施形態において、本発明による方法は、工程(3)と工程(4)の間に、最大で24時間、好ましくは最大で12時間、さらに好ましくは最大で6時間、非常に特に好ましくは最大で3時間の期間があることを特徴とする。
さらなる好ましい実施形態において、本発明による方法は、工程(4)が、工程(3)の後に直接行われることを特徴とする。工程(4)は、着色剤を塗布するために用いられる。
工程(5)における着色剤(F)へのケラチン繊維の曝露は、例えば、15秒~30分の範囲の期間、好ましくは30秒~15分の範囲の期間、より好ましくは1~15分の範囲の期間であり得る。
その後、工程(6)において、着色剤(F)は最終的に水ですすぎ流される。ここで、好ましい実施形態において、着色剤(F)は、水のみで、すなわち、本発明によらない後処理剤またはシャンプーを使用せず、洗い流される。
<多成分包装ユニット>
ユーザーの利便性を高めるため、好ましくは、ユーザーは全ての必要な剤を多成分包装ユニット(キット)の形で提供される。
したがって、本発明の別の対象は、ケラチン物質を染色するための多成分包装ユニット(キット)であって、別々に調製された、
・前処理剤(V)を含む第1の容器(前記前処理剤(V)は、本発明の第1の主題の説明において詳細に開示されている)、および
・着色剤(F)を含む第2の容器(前記着色剤(F)は、本発明の第1の主題の説明において詳細に開示されている)、
を含む、多成分包装ユニットである。
本発明による多成分包装ユニットのさらなる好ましい実施形態に関して、必要な変更を加えて、本発明の方法におけるものと同様のことが適用される。
1.調製物
以下の調製物を調製した(特に断りのない限り、データはすべて重量%)。
Figure 2023503491000027

Figure 2023503491000028

Figure 2023503491000029

2.毛束への塗布
最初に、毛髪束(Kerling社)をコンディショナーで処理した。この目的のために、湿らせた毛髪にコンディショナーを(毛髪1g当たり0.2g)塗布し、5分間作用させるために放置した後、水ですすいだ。
各前処理剤(V)をまだ湿っている毛髪束に塗布した。この目的のために、毛髪1gあたり0.2gの前処理剤(V)を各毛束に塗布し、30秒間もみこみ、その後水ですすいだ。
基準の毛髪束は、前処理剤(V)を塗布せずに、直接、着色剤(F)で処理された。
その後、着色剤(F)を、まだ湿っている毛髪に直接塗布した。この目的ために、毛髪1gあたり0.2gの着色剤(F)をもみこみ、5分間作用させるために放置した後、水で再びすすいだ。
処理終了後、毛髪束をData color Spectraflash 450色差計で熱量測定した。
明確な色強度を評価するために使用されるdE値は、それぞれの毛髪束部分で測定されたL*a*b*測色値から、以下のように導かれる。
Figure 2023503491000030
、a およびb=基準毛髪束の測定値
、aおよびb=本発明による方法で得られた着色の測定値
Figure 2023503491000031
3.ヘアスタジオでの塗布
3名の被験者において、まずコンディショナーを塗布した。この目的のために、コンディショナーを湿った毛髪に塗布し、5分間放置して作用させた後、水ですすぎ流した。
次に、2人の被験者のまだ湿った毛髪に、2種類の前処理剤(V1)および(V2)を1つずつ塗布し、30秒間もみこんだ後、水ですすぎ流した。
前処理剤(V)は、どの被験者にも塗布しなかった。
次に、各被験者に染料(F)を塗布した。この目的のため、染料(F)を毛髪に5分間マッサージした後、再び水ですすいだ。
着色強度と均一性は、熟練者が目視で評価した。
Figure 2023503491000032

Claims (17)

  1. ケラチン物質、特にヒトの毛髪を染色するための方法であって、以下の工程:
    ・前処理剤(V)をケラチン物質への塗布する工程、ここで、前記前処理剤は、含水担体中に存在し、(V-1)少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含んでなる、
    並びに、
    ・着色剤(F)をケラチン物質へ塗布する工程、ここで前記着色剤は、(F-1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、および(F-2)少なくとも1つの顔料を含んでなる、を含む方法。
  2. 前処理剤(V)は、(V-1)式(T-1):

    Figure 2023503491000033
    [式中、Rは、直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和のC-C30のアルキル基を表し、xは、0~50の整数を表し、Mは、水素原子、アンモニウム(NH、または1価もしくは多価陽イオンの同等物である]
    の少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前処理剤(V)は、Rが、直鎖で、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基であり、Xが、0~5の整数、好ましくは1~5の整数であり、Mが、水素原子またはアルカリ金属陽イオン、好ましくはナトリウム陽イオン、またはカリウム陽イオンを表す、少なくとも1つの式(T-1)の陰イオン性界面活性剤(V-1)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前処理剤(V)は、前記前処理剤の総重量に基づいて、2.0~18.0重量%、好ましくは4.0~16.0重量%、より好ましくは6.0~14.0重量%、最も好ましくは8.0~12.0重量%の総量で、1以上の陰イオン性界面活性剤(V-1)を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前処理剤(V)は、(V-2)少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤、および/または両性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 前処理剤(V)は、(V-2)式(T-2)、(T-3)、(T-4)および/または(T-5):
    Figure 2023503491000034
    [式中、R、R、R、Rは独立して、直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは、直鎖で飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す]
    の界面活性剤から選択される少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前処理剤(V)は、前記前処理剤の総重量に基づいて、0.5~8.5重量%、好ましくは1.0~7.5重量%、より好ましくは1.5~6.5重量%、最も好ましくは2.0~4.5重量%の総量で、1以上の双性イオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤(V-2)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 着色剤(F)は、少なくとも1つの2級アミノ基を有する、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 着色剤(F)は式(Si アミノ):

    Figure 2023503491000035
    [式中、ALK1およびALK2は独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す]
    の少なくとも1つの構造単位を含む、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 着色剤(F)は、式(Si-I)および式(Si-II):
    Figure 2023503491000036
    の構造単位を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 着色剤(F)は、前記着色剤の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~5.0重量%、より好ましくは0.3~3.0重量%、非常に好ましくは0.4~2.5重量%の総量で、1以上のアミノ官能化シリコーンポリマー(F-1)を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 着色剤(F)は、着色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫酸化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料からなる群、および/または、少なくとも1つの金属酸化物および/または金属酸塩化物で被膜された雲母または雲母ベースの着色顔料から好ましくは選択される、少なくとも1つの無機顔料(F-2)を含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 着色剤(F)は、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCl42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160の青色顔料、カラーインデックスがCI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI61565、CI61570、CI74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI11725、CI15510、CI45370、CI71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915および/またはCI75470の赤色顔料からなる群から好ましくは選択される、少なくとも1つの有機顔料(F-2)を含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. 着色剤(F)は、前記着色剤の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.2~2.5重量%、非常に好ましくは0.25~1.5重量%の総量で、1以上の顔料(F-2)を含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
  15. ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を着色するための方法であって、以下の工程:
    (1)請求項1~7に記載の前処理剤(V)をケラチン繊維に塗布する工程
    (2)ケラチン繊維を工程(1)で塗布した前処理剤に曝露する工程
    (3)前処理剤を水ですすぎ流す工程
    (4)請求項1~14に記載される着色剤(F)をケラチン繊維に塗布する工程
    (5)工程(4)で塗布した着色剤へケラチン繊維を曝露する工程
    (6)水で染料をすすぎ流す工程
    を含む方法。
  16. 工程(3)と(4)との間が、最大24時間、好ましくは最大12時間、さらに好ましくは最大6時間、最も好ましくは最大3時間であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. ケラチン物質を染色するためのキットであって、別々に包装された
    ・請求項1~7に記載の前処理剤(V)を含む第1の容器、
    ・請求項1~14に記載の着色剤(F)を含む第2の容器
    を含む、キット。
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