JP2023502590A - 免疫療法のための精密医療法 - Google Patents

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Abstract

がん免疫療法は、最も処置の困難ながんにおいてさえも、長期生存率を伴って、非常に大きな臨床的成功を達成した。しかし、この効果は少数の症例で観察されるのみであり、この反応についてのバイオマーカーはない。本明細書中に記載される方法は、2つの独立した全身慢性炎症の指標(炎症年齢であるiAge、およびサイトカイン応答スコアであるCRS)を使用して、患者を、がん免疫療法、ワクチン接種、および/または抗病原体療法に対するレスポンダーとノンレスポンダーとに階層化することによって、免疫老化を低減し、がん免疫療法、ワクチン接種の転帰、および/または感染症の処置の転帰を改善する。iAge別の免疫プロテオームシグニチャにより、処置の前にiAgeを低減してノンレスポンダー患者をレスポンダーに移行させることを目的とした個別化初期療法が創製される。患者を処置してiAgeを低減しCRSを改善することによって、ノンレスポンダーをレスポンダーへと移行させることができる。

Description

背景
過去5年間にわたり、がん免疫療法処置は、複数種のがんにおいて非常に大きな臨床的成功を収めており、多くの場合には無病生存期間が長く、10年を超えている。成功した免疫療法の例として、免疫チェックポイント阻害薬があり、これは、処置の困難な多くのがんにおける反応長期持続率が、前例にないほど高い。しかしながら、こうしたアプローチの利益を受ける患者の割合は、罹患臓器およびがん種にかかわらず、限定的である(20%以下)。そのため、当該療法に反応し得る患者の選択を改善できるバイオマーカーの特定が、ますます必要とされている。
不適切な薬物使用を減らすためには、バイオマーカーは、免疫療法処置に反応できる可能性の高い患者を、処置前と処置中との両方において特定できる必要がある。目標とされる臨床反応は、処置中に腫瘍が縮小すること、として定義される。疾患予後に関連する複数のベースライン因子が、奏効率と関連付けられている。たとえば、腫瘍サイズが小さいまたは血清乳酸脱水素酵素(LDH)のベースラインレベルが低い患者は、抗PD-1処置に反応する可能性が高い。死んだ腫瘍細胞により放出され得て一部の患者の血清中で検出され得る循環腫瘍DNA(ctDNA)は、腫瘍の増悪との関連性が強い。
抗PD-1処置に対する反応は、一部、腫瘍微小環境内におけるリガンドPD-L1の発現によって予測できる。PD-L1の発現は、メラノーマ患者における処置の有効性と相関関係にあるが、扁平上皮癌、非小細胞肺がん、およびメルケル細胞癌などのその他のがんの患者においてはそうではない。
腫瘍細胞上にネオアンチゲンが存在すると、腫瘍に対する免疫原性が促進されて、処置の有効性が改善される。そのため、腫瘍細胞と宿主細胞との間の遺伝的多様性が高いことは、チェックポイント阻害薬処置の有効性についての1つの指標である。このことは、とりわけ、変異率の高いメラノーマ患者における抗CTLA-4処置および結腸直腸がんまたは非小細胞肺がん患者における抗PD-1処置にあてはまる。
免疫療法処置前における改善された処置反応性に関連するその他の免疫学的要因には、好酸球数およびリンパ球数の上昇、腫瘍浸潤CD8陽性T細胞数が多いこと、ならびに、抗PD-1処置したメラノーマ患者からの血清中におけるTGF-βレベルの増加が含まれる。
また、複数の処置後免疫バイオマーカーが、がん免疫療法に対する反応の改善に関連することも示唆されている。たとえば、抗CTLA-4処置に反応する可能性の高い患者は、誘導性共刺激分子(ICOS)(陽性)T細胞の数が増大し、好中球/リンパ球の比率が低下している。
本明細書中に記載されるのは、対象の慢性炎症の細胞内レベルまたは細胞外レベル(iAge、サイトカイン応答スコアCRS、および/またはJak-STAT応答)に基づく患者階層化を利用した、がんを処置するための方法と、これに続く、がん免疫療法に対する臨床的および免疫学的反応の改善を目的とした個別化療法の設計である。
概要
本開示は、対象を、免疫療法(たとえば、がん患者)、ワクチン(たとえば、ワクチン接種の利益を受け得る対象)、および抗病原体治療(たとえば、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬など)で処置するための方法を記載するものであり、これによって、対象は、彼らの炎症年齢レベルに基づいて階層化され得て、炎症年齢の低減と、治療処置(たとえば、がん免疫療法、ワクチン接種、抗病原体治療)に対する臨床および免疫応答の改善とを目的とした個別化介入を受けることができる。
炎症年齢スコアリングシステム(iAge)を使用することによって、対象(たとえば、がん患者、ワクチン接種の対象、感染症を有する対象)を、有効な反応を展開できる(たとえば、免疫療法に対して目標の臨床反応を展開できる、ワクチンに対して保護反応を生み出せる、または病原体に対して免疫応答を展開できる)免疫系を有する人と、そうでない人とに分類できる。この炎症年齢スコアリングシステムを使用することにより、炎症を標的とする初期療法を導き、ノンレスポンダーに分類された患者において、目標とされる最適な反応を可能とすることができる。また、iAgeを使用することにより、対象を、異なるワクチンまたは抗病原体療法へと階層化することもできる。また、サイトカイン応答スコア(CRS)を使用することにより、がん患者を、免疫療法に対して目標の臨床反応を展開できる人と、そうでない人とに分類することもできる。
対象のiAge、CRS、および/またはJak-STAT応答に基づいて、対象を、免疫療法、ワクチン接種、および/または抗病原体療法について、レスポンダーまたはノンレスポンダーに分類できる。ノンレスポンダーに分類された患者は、レスポンダー区分へと移行できるように、iAgeの低減、CRSの増大、および/またはJak-STAT応答の増大を図る処置を受けることができる。また、ノンレスポンダーも、階層化され得ることにより、その他の抗がん療法、その他のワクチン、またはその他の抗病原体療法を受けることができる。分類は、対象のiAge、CRS、および/またはJak-STAT応答を、暦年齢が類似する患者のものと比較することによってなされる。対象のiAge、CRS、および/またはJak-STAT応答に基づいて、対象が該当年齢のコホートと比べてより若いiAge、またはより高応答性のCRSおよび/もしくはJak-STATスコアを有する場合には、当該対象は、免疫療法、ワクチン接種、または抗病原体療法に対するレスポンダーであり得る。対象が該当年齢のコホートと比べてより年長のiAge、ならびに/またはより低いCRSおよび/もしくはJak-STATスコアを有する場合には、免疫療法、ワクチン接種、または抗病原体療法に対するレスポンダー群へと移行できるように、iAgeの低減、ならびに/またはCRSおよび/もしくはJak-STATスコアの増大を図る処置を受けることができる。
iAge、ナイーブCD8(陽性)T細胞、およびJak STATシグナル伝達応答を示すグラフである。 iAge、ナイーブCD8(陽性)T細胞、およびJak STATシグナル伝達応答を示すグラフである。 iAge、ナイーブCD8(陽性)T細胞、およびJak STATシグナル伝達応答を示すグラフである。 iAgeおよびCRSに基づく、がん患者のレスポンダーおよびノンレスポンダーへの階層化を示す。 iAgeを使用するがん患者の階層化を示す。
詳細な説明
様々な実施形態が記載される前に理解されるべきことには、本開示の教示は、記載される具体的な実施形態に限定されず、よって言うまでもなく変更され得る。また、本明細書中において使用される専門用語は、具体的な実施形態を説明することのみを目的とするものであって限定を意図するものではないことも理解されるべきである、というのは、本発明の教示の範囲は付随する特許請求の範囲によってのみ限定され得るためである。
特に定義がなければ、本明細書中において使用されるすべての科学技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料を本発明の教示に係る実施または試験において使用できるが、以下に、いくつかの例示的な方法および材料が記載される。
なお、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、不定冠詞「a」「an」および定冠詞「the」が付いた単数形は、文脈上明らかな矛盾がない限り複数の対象物も含むことに留意されたい。さらに、請求項が任意の要素をいずれも除外するように立案され得ることにも留意されたい。そのため、この記載は、クレーム要素の記載に関して「単に(solely)」、「のみ(only)」などのような排他的な用語を用いるための、または、「否定的な」限定を用いるための先行詞として機能するように意図されたものである。物質の濃度またはレベルに関して与えられる数値限定は、文脈上明らかな矛盾がない限り近似値を意図したものである。したがって、濃度が(たとえば)10μgと記載されている場合、この濃度は少なくともおよそまたは約10μgであると理解されるべきであることが意図される。
本開示を読むことによって当業者にとって明らかになるように、本明細書中に記載および例示される個々の実施形態の各々は、本発明の教示の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るかまたは当該特徴と組み合わされ得る別個の構成要素および特徴を有している。記載されたいずれの方法も、事象が記載されている順序で、または論理的に可能な他の任意の順序で実行することができる。
定義
本開示に関して、本明細書中の記載において使用される科学技術用語は、具体的に定義されていない限り、当業者によって一般的に理解される意味を有する。したがって、以下の用語は、以下に記載される意味を有することが意図されている。
本明細書中において使用される場合、「活性化」は、物質、アレルゲン、薬物、タンパク質、化学物質、もしくはその他の刺激に曝露された際の、または物質、アレルゲン、薬物、タンパク質、化学物質、もしくはその他の刺激を除去した際の生理的条件として定義される。
本明細書中において使用される場合、「抗体」は、機能上はリガンド結合タンパク質として規定され、構造上は、当業者が免疫グロブリンの可変領域に由来するものと認識するアミノ酸配列を含むものとして規定される、タンパク質として定義される。抗体は、免疫グロブリン遺伝子、免疫グロブリン遺伝子の断片、ハイブリッドの免疫グロブリン遺伝子(異なる動物からの遺伝情報を組み合わせて作製される)、または合成の免疫グロブリン遺伝子によって実質的にコードされる1つ以上のポリペプチドからなっていてよい。認識される天然の免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、およびミュー定常領域の遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域の遺伝子、ならびに複数のDセグメントおよびJセグメントを含む。軽鎖はカッパまたはラムダのいずれかに分類される。重鎖はガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンに分類され、これらによって免疫グロブリンクラスIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEがそれぞれ規定される。抗体は、完全型免疫グロブリンとして、または多様なペプチダーゼによる消化によって産生されるよく特徴づけされた複数の断片として、または組換えDNA技術によって作製される多様な断片として存在する。抗体は、多くの異なる種(たとえば、ウサギ、ヒツジ、ラクダ、ヒト、または、マウスもしくはラットなどの齧歯類)に由来し得る、または合成できる。抗体は、キメラ化、ヒト化、またはヒューマニア化(humaneered)されたものであり得る。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナル、複数本鎖または一本鎖、断片または完全型の免疫グロブリンであり得る。
本明細書中において使用される場合、「抗体断片」は、完全型抗体の少なくとも1つの部分またはその組換えバリアントとして定義されるものであり、当該抗体断片が抗原などの標的を認識できて特異的に結合できるために十分な抗原結合ドメイン(たとえば完全型抗体の抗原決定可変領域)を指す。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)、およびFv断片、scFv抗体断片、直鎖状の抗体、sdAb(VまたはV)、ラクダ類VHHドメインなどのシングルドメイン抗体、および複数の抗体断片から形成される多重特異性抗体を含むが、これらに限定されない。用語「scFv」は、軽鎖の可変領域を含む少なくとも1つの抗体断片と重鎖の可変領域を含む少なくとも1つの抗体断片とを含む融合タンパク質として定義されるものであり、この軽鎖および重鎖の可変領域は、短い可動性ポリペプチドリンカーを介して連結していて、一本鎖ポリペプチドとして発現され得て、また、scFvは、由来元の完全型抗体の特異性を保持している。特に記載がない限り、本明細書中において使用される場合、scFvはV可変領域とV可変領域とを順不同で有し得るものであり、たとえば、このポリペプチドのN末端およびC末端に関して、scFvは、V-リンカー-Vを含んでもよい、またはV-リンカー-Vを含んでもよい。
本明細書中において使用される場合、「抗原」は、免疫応答を引き起こす分子として定義される。この免疫応答は、抗体の産生もしくは特定の免疫担当細胞の活性化のいずれか、またはその両方を伴い得る。当業者には、事実上すべてのタンパク質またはペプチド(グリコシル化ポリペプチド、リン酸化ポリペプチド、およびその他の翻訳後修飾されたポリペプチド(脂質修飾ポリペプチドを含む)を含む)を含むがこれらに限定されない高分子はいずれも抗原として働き得る、ということが理解され得る。さらに、抗原は、組換えのまたはゲノムのDNAに由来するものであってもよい。よって、当業者には、免疫応答を顕在化させるタンパク質をコードするヌクレオチド配列または部分ヌクレオチド配列を含む任意のDNAは、本明細書中において使用されるところの「抗原」をコードする、ということが理解され得る。さらに、当業者には、抗原は必ずしも遺伝子の全長ヌクレオチド配列によってのみコードされるわけではないことが理解され得る。本発明は1つを超える遺伝子の部分ヌクレオチド配列の使用を含むがこれに限定されないということと、さらに、こうしたヌクレオチド配列は、所望の免疫応答を顕在化させるポリペプチドをコードするための様々な組み合わせで並んでいるということとが容易に明らかになる。また、当業者には、抗原は必ずしも「遺伝子」にコードされていなくてもよいことが理解され得る。抗原は、合成できる、または生体試料から得ることができる、またはポリペプチドでなく高分子であってもよい、ということが容易に明らかになる。こうした生体試料は、組織試料、腫瘍試料、その他の生物学的成分を含む細胞または体液を含み得るが、これらに限定されない。
本明細書中において使用される場合、用語「キメラ抗原受容体」および用語「CAR」は区別なく使用される。本明細書中において使用される場合、「CAR」は、抗原認識部位および細胞活性化要素を備える融合タンパク質として定義される。
本明細書中において使用される場合、「CAR T細胞」または「CAR Tリンパ球」は区別なく使用されており、実際の発現レベルにかかわらず、CARポリペプチド産生能力を含有するT細胞として定義される。たとえば、CARを発現できる細胞は、当該細胞中でCARを発現するための核酸配列を含有するT細胞である。
本明細書中において使用される場合、「有効量」または「治療的有効量」は区別なく使用されており、特定の生物学的結果を達成するために有効であると本明細書中に記載される化合物、調製物、材料、または組成物の量として定義される。
本明細書中において使用される場合、「エピトープ」は、免疫応答を顕在化させることができる抗原の一部分として、または抗体に結合する抗原の一部分として定義される。エピトープは、抗体により認識されるタンパク質配列またはサブ配列であり得る。
本明細書中において使用される場合、「発現ベクター」および「発現コンストラクト」は区別なく使用され、いずれも、細胞内でタンパク質を発現させるために設計されたプラスミド、ウイルス、またはその他の核酸として定義される。ベクターまたはコンストラクトを使用して遺伝子を宿主細胞内に導入し、これによってベクターが細胞内でポリメラーゼと相互作用して、ベクター/コンストラクトによりコードされるタンパク質が発現される。発現ベクターおよび/または発現コンストラクトは、細胞内で染色体の外に存在し得る、または染色体中に一体化され得る。染色体中に一体化される場合、発現ベクターまたは発現コンストラクトを含む核酸が、発現ベクターまたは発現コンストラクトとなり得る。
本明細書中において使用される場合、「異種」は、宿主細胞と同属ではない核酸および/またはポリペプチドを意味するものとして定義される。たとえば、あるコンストラクトは、宿主細胞中では見られない様式で並んでいるいくつかの同属配列を含有する場合に、および/または、当該コンストラクトが宿主細胞中では見られないいくつかの異種配列を含有する場合に、宿主細胞に対して異種である。
本明細書中において使用される場合、用語「免疫機能障害」は、十分健康な個体と比較した際のある個体における免疫機能の任意の低下として定義される。免疫機能障害を有する個体は、CD8陽性CD28陰性細胞の量の実質的な増加により、または、さらに一般的には、サイトカイン応答の低下、ベースラインリン酸化タンパク質レベルの増加、およびその他の同時発生する指標により、容易に特定できる。
本明細書中において使用される場合、用語「インフラマソーム」は、インフラマソーム開始センサと、アダプタータンパク質として働くCARD(カスパーゼ活性化および動員ドメイン)含有アポトーシス関連スペック様タンパク質(apoptosis-associated speck-like protein containing a CARD)と、プロテアーゼ-カスパーゼ-1とから構成されるサイトゾル型多タンパク質複合体として定義される。インフラマソーム開始センサは、NLR、パイリンおよびHINドメイン含有(PYHIN、Aim2様受容体、またはALRとしても知られる;たとえばAim2)、またはTRIM(たとえばパイリン)といったファミリーのメンバーを含む。複合体が形成されると、カスパーゼ-1依存的にプロインターロイキン1β(pro-IL-1β)およびpro-IL-18というサイトカインが切断されて、分泌型成熟形態となる。また、インフラマソームは、パイロトーシス型の細胞死を開始する。
本明細書中において使用される場合、「一本鎖抗体」(scFv)は、抗原結合活性における機能を有する免疫グロブリン分子として定義される。scFv(一本鎖可変断片)型の抗体は、重鎖(V)および軽鎖(V)の可変領域からなり、これらは可動性ペプチドリンカーによって互いに結合している。
免疫年齢
Jak/STATシグナル伝達経路は、感染との闘いから免疫寛容の維持まで、免疫系が遭遇する複数種類の攻撃に対処するために、非常に重要である。また、STATはヒトにおける免疫系の発達および機能にも関与しており、がんの免疫監視を維持するという重要な役割を担っていることが明らかである(Nature. 2007; 450(7171):903-7; Nat Rev Cancer (2009) 9:798-809)。
Jak-STAT経路は老化につれて著しく変化し得るものであり、これが、高齢成人における免疫機能不全の主要な原因の1つである。サイトカイン応答スコア(CRS)を使用することにより、免疫の低下およびがん免疫監視の低下を予測することができる。
また、炎症年齢スコアリングシステム(iAge)を使用することによって、年齢に関連する多疾病罹患および死亡率を予測することができる。iAgeは、心血管健康状態のバイオマーカーとして極めて感受性が高い可能性がある、というのは、臨床上または検査上の心血管リスク因子のない非常に健康で比較的年長の対象においても、レベルの上昇に基づいて左室リモデリングおよび動脈硬化を予測できるためである。また、iAgeによって、研究期間(長くて6年間の経過観察)中に接種したいずれのインフルエンザワクチン株に対しても反応を展開できない無症候性免疫不全の若い患者(16~35歳の対象の10%)を特定することもできる。こうした対象は、特徴として、免疫細胞組成の点で自身の年齢よりも年長の免疫学的表現型を有し、複数の急性刺激に対して生体外反応を示し、高齢に関連する遺伝子モジュールを発現している。
サイトカイン応答スコアCRSおよびiAgeは、炎症、T細胞中におけるJak-STATシグナル伝達経路の低下、およびナイーブCD8(陽性)T細胞数の減少についての独立した指標であるため(図1A~図1C)、当該指標を使用することによって、がん患者を、免疫療法に対する臨床応答に基づいて階層化できる。本明細書中に記載される方法は、血液炎症マーカーCRSおよびiAgeを使用することによって、がん患者を、免疫療法に対するレスポンダー群とノンレスポンダー群とに階層化する。ノンレスポンダーは、レスポンダー群に移行できるiAgeおよび/またはCRS(および/またはJak-STATスコア)が得られるように、iAgeの低減および/またはCRS(および/またはJak-STATスコア)の増大を図る処置を受けることができる。
この手順は、免疫療法処置による輸液を行なう前に、静脈穿刺または任意の適切な方法によって対象がん患者から末梢血試料を採取することを伴う(図2)。免疫療法処置は、抑制性免疫受容体に対して、抗体や小分子などを含む特定の分子を使用することを含み得る。詰まった血液を遠心分離することによって、またはその他の任意の適切な方法によって、血液細胞から血清を分離する(図2)。
iAgeの構築:血清タンパク質を測定するために、得た血清を、底部フィルタ付き96ウェルプレート中で抗体結合磁気ビーズと混合して、室温で2時間インキュベートし、続いて4℃で一晩インキュベートすることができる。室温インキュベーション工程は、オービタルシェーカー中で500~600rpmにて実施できる。プレートを真空ろ過に供し、洗浄バッファーで2回洗浄し、次いでビオチン化検出抗体と共に室温で2時間インキュベートできる。次いで、試料をろ過し、上述されるように2回洗浄して、ストレプトアビジン-PE中に再懸濁できる。室温で40分間インキュベートした後、真空洗浄をさらに2回行って、試料をリーディングバッファー(Reading Buffer)中に再懸濁できる。試料1つにつき2回または3回測定できる。Luminex200機器を使用し、試料1つおよびサイトカイン1種について下界100個のビーズにて、プレートの読み取りを実施でき、平均蛍光強度(MFI)を記録する。
炎症年齢(iAge)を導き出すために(図2)、平均蛍光強度を正規化して、これを使用して重回帰分析を行ない、その計算には以下の回帰係数を用いる:MIGには0.6357、TRAILには-0.3760、IFNGには-0.3235、エオタキシンには0.2912、GROAには-0.2723、IL2には-0.2063、TGFAには-0.1978、PAI1には-0.1587、LIFには-0.1587、レプチンには0.1549、MIP1Aには0.1547、IL1Bには0.1471。MFIに、該当タンパク質の回帰係数を乗じて、これらの数をすべて加算することによって、対象のiAgeを得ることができる。下記表1に、各暦年齢(10年毎)におけるiAgeの範囲が列記される。
Figure 2023502590000001
回帰係数が正であるマーカーは年齢につれて血清濃度が増加し(MIG、エオタキシン、レプチン、MIP1A、およびIL1B)、回帰係数が負であるものは年齢につれて血清濃度が減少した(TRAIL、IFNG、GROA、IL2、TGFA、PAI1、およびLIF)。
MIG(ガンマインターフェロンに誘導されるモノカイン)は、CXCケモカインファミリーに属する小さなサイトカインである。MIGは、走化性の誘導、白血球の分化および増殖の促進、ならびに組織の血管外遊出の惹起に関与するケモカインの1種である。MIGは、免疫細胞の遊走、分化、および活性化を調節する。腫瘍浸潤リンパ球は、臨床成績、およびチェックポイント阻害薬に対する反応の予測において重要である。in vivo研究から、軸が、腫瘍の増殖および転移を増大させることによって腫瘍形成性の役割を果たしていることが示唆されている。MIGは主に、病巣部位へのリンパ球の浸潤に介在し、腫瘍増殖を抑制する。
TRAIL(TNF関連アポトーシス誘導リガンド)は、ほとんどの正常組織細胞によって産生および分泌されるサイトカインである。特定のデスレセプターに結合することによって主に腫瘍細胞においてアポトーシスを引き起こすと考えられている。また、TRAILは、CD253(表面抗原分類253)およびTNFSF10(腫瘍壊死因子(リガンド)スーパーファミリー、メンバー10)とも称されている。TRAILは下記文献中に記載される:Wiley et al Immunity 1005 3: 673-82 および Pitti J. Biol. Chem. 1996 271 : 12687-90。
INFG(インターフェロンガンマ、IFNy、またはII型インターフェロンとしても知られる)は、II型クラスのインターフェロンの唯一のメンバーである、二量体型の可溶性サイトカインである。IFNGは、ウイルス感染、いくつかの細菌感染、および原虫感染に対する自然免疫および適応免疫にとって非常に重要である。INFGは、マクロファージの重要な活性化因子であり、クラスII主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子の発現に対する誘導物質である。INFGは下記文献中に記載される:Schoenborn et al Adv. Immunol. 2007 96: 41-1O1 および Gray Nature. 1982 298: 859-63。
エオタキシン(C-CモチーフケモカインIIまたは好酸球走化タンパク質としても知られる)は、CCケモカインファミリーに属する小さなサイトカインである。エオタキシンは、好酸球を、その走化性の誘導によって選択的に動員するため、アレルギー反応と関連付けられる。エオタキシンの作用には、ケモカイン受容体として知られるGタンパク質結合受容体への結合が介在する。CCLIIをリガンドとするケモカイン受容体は、CCR2、CCR3、およびCCR5を含む。エオタキシンは下記文献中に記載される:Kitaura et al The Journal of Biological Chemistry 1 996 271: 7725-30 および Jose et al The Journal of Experimental Medicine 1994 1 79: 881-7。
GROA(CXCLI、GROIがん遺伝子、GROa、KC、好中球活性化タンパク質3(NAP-3)、およびメラノーマ増殖刺激活性アルファ(MSGA-a)としても知られる)は、ヒトメラノーマ細胞によって分泌され、分裂促進特性を有し、メラノーマ病態形成と関連付けられる。GROAはマクロファージ、好中球、および上皮細胞によって発現され、好中球化学誘引活性を有する。このケモカインは、その作用を、ケモカイン受容体CXCR2を経るシグナル伝達によって顕在化させる。GROAは下記文献中に記載される:Haskill et al Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 190 87 (19): 7732-6。
IL-2は、免疫系に対して多面的作用を有する重要なサイトカインの1種である。免疫を担う白血球細胞(白血球、多くの場合はリンパ球)の活性を調節する15.5~16kDaのタンパク質である。IL-2の主要な供給源は、活性化されたCD4陽性T細胞、活性化されたCD8陽性T細胞、NK細胞、樹状細胞、およびマクロファージである。IL-2は、CD4陽性制御性T細胞を維持するための重要な因子であり、CD4陽性T細胞から様々なサブセットへの分化において非常に重要な役割を果たす。CD8陽性T細胞およびNK細胞の細胞毒性活性を促進でき、抗原に応答してT細胞の分化プログラムを調節して、ナイーブ型CD4陽性T細胞のヘルパーT17(Th17)への分化を阻害しながらヘルパーT1(Th1)細胞およびヘルパーT2(Th2)細胞への分化を促進できる。
TGFA(形質転換増殖因子アルファ)は、EGFと一部相同性のある5.7kDaのポリペプチドである。TGFAは、上皮増殖因子受容体のリガンドである増殖因子であって、細胞の増殖、分化、および成長のためのシグナル伝達経路を活性化する。また、TGFAは、強力な細胞遊走刺激因子でもある。TGFAは、マクロファージ、脳細胞、および角化細胞において産生され得る。TGFAは、上皮の成長を誘導できる。また、TGFAは、TLRについて、その発現と、上皮表面での宿主細胞の防御機構を増強するその機能とを上方制御できる。TGFAは、膜貫通型結合リガンドとしても、可溶性リガンドとしても作用し得る。TGFAは多種のがんに関連付けられており、また、口唇口蓋裂のいくつかの症例にも関与している可能性がある。この遺伝子について、異なるアイソフォームをコードする選択的スプライシング型転写バリアントが見つかっている。
PAI1(プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1)は、セリンプロテイナーゼ阻害薬(セルピン)スーパーファミリーのメンバーである。PAI1は、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)およびウロキナーゼ(uPA)の主要な阻害薬であり、よって、線維素溶解の阻害薬である。また、PAI1は細胞遊走の制御因子でもある。PAI1は、たとえば炎症、アテローム性動脈硬化、インスリン抵抗性、肥満、併存疾患、およびウェルナー症候群を含む、年齢に関連した複数の状態に関与し得る。PAI1は、感染の急性期において、インターフェロンガンマの放出を調節することにより、宿主防御性の役割を果たし得る。IFNGはPAI-1の発現を調節するが、このことからPAI-1とIFNGとの複雑な相互作用が示唆される。また、PAI1は、Toll様受容体4(TLR4)を介してマクロファージを活性化でき、がん促進性M2マクロファージの腫瘍への遊走を促進し得る。
LIF(白血病抑制因子)は、いくつかの異なる機序に影響を及ぼす多面的作用を有するインターロイキン・クラス6のサイトカインである。LIFは、正常細胞および骨髄性白血病細胞における血球分化の誘発、神経細胞分化の誘発、腎臓発達中における間葉から上皮への転換の調節に関与しており、また、母体胎児界面における免疫寛容性の役割も有し得る。LIFは、細胞のゲノム内においてエピジェネティックな可塑性を導入および/または維持できる、すなわち、LIFはエピジェネティックな柔軟性を許容する。この柔軟性は幹細胞中において最も大きく、ここでLIFはNanogと共同して機能して、胚性幹細胞中における多能性および自己再生を演出する。また、LIFは、T細胞の、TH17細胞ではなくTregへの発達においても役割を果たしている。間葉系幹細胞を含む幹細胞は、LIFにより多能性状態にて維持され、LIF(IL-6ではなく)が幹細胞増殖を促進する場において免疫特権を有する。複数のアイソフォームをコードする選択的にスプライシングされた転写バリアントが、この遺伝子について観察されている。
レプチンは、白色脂肪細胞によって循環中に分泌され、エネルギー恒常性の調節において主要な役割を果たす。レプチンは、脳内のレプチン受容体に結合し、これにより、摂食抑制とエネルギー消費亢進とを担う下流のシグナル伝達経路が活性化される。また、レプチンはいくつかの内分泌機能を有し、免疫反応および炎症反応の調節、造血、血管新生、生殖、骨形成、ならびに創傷治癒に関与している。レプチンは、栄養状態と炎症誘発性Tヘルパー1免疫応答とを直接結びつけ得て、飢餓状態においてレプチン血漿濃度が低下すると免疫機能障害が導かれ得る。レプチンは慢性炎症の病態形成に関与しており、肥満状態において循環レプチンレベルが上がると軽微な炎症をもたらし得ると考えられ、これにより、肥満個体における心血管疾患、II型糖尿病、および変性疾患(自己免疫およびがんを含む)の罹患リスクがさらに上がりやすくなる。栄養不良の個体においてみられるようなレプチンレベルの低下は、感染リスクの増大および細胞性免疫応答の低下に関連付けられている。この遺伝子およびその調節領域における変異は、ヒト患者において、性腺機能低下を伴う高度肥満および病的肥満を引き起こす。また、この遺伝子における変異は、2型糖尿病の発生とも関連付けられている。
MIP1A(マクロファージ炎症性タンパク質)は、CCまたはベータケモカインサブファミリーのメンバーである。MIP1Aは、白血球の活性化および輸送を調節する。MIP1Aは、単球、T細胞、B細胞、および好酸球を含む様々な細胞に対する走化性因子として働く。MIP1Aは、受容体CCR1、CCR4、およびCCR5への結合を介して炎症反応に関与する。
IL-1B(インターロイキン1ベータ)は、インターロイキン1サイトカインファミリーのメンバーである。IL1Bは重要な炎症反応メディエータであり、細胞の増殖、分化、およびアポトーシスを含む様々な細胞活性に関与している。LI-1Bは、活性化されたマクロファージによってプロタンパク質として産生され、これがカスパーゼ1(CASP1/ICE)によるタンパク質分解処理を受けて活性型になる。
CRSの構築:免疫細胞の分離は、密度勾配による血液の分画遠心の使用を含んでよい(図2)。得られた細胞ペレットを、温めた培地中に懸濁し、2回洗浄して、生細胞数0.5×10^6個/mLにて再懸濁してよい。細胞試料200uLを、96ウェルのディープウェルプレートの各ウェルに播種してよい。37℃において1時間静置した後、サイトカイン(IFNa、IFNg、IL-6、IL-7、IL-10、IL-2、またはIL-21)を50ul添加することによって細胞を刺激してよく(図2)、37℃において15分間インキュベートしてよい。この細胞をパラホルムアルデヒドで固定し、メタノールで透過処理して、80Cで一晩維持してよい。次いで、Pacific Orange色素およびAlexa-750色素(インビトロジェン、Carlsbad、CA)を組み合わせて使用して各ウェルをバーコード化して、チューブにプールしてよい。この細胞をFACSバッファー(2%FBSおよび0.1%アジ化ナトリウムを添加したPBS)で洗浄し、以下の抗体(すべて入手元はBD Biosciences、San Jose、CA)で染色してよい:CD3 Pacific Blue、CD4 PerCP-Cy5.5、CD20 PerCp-Cy5.5、CD33 PE-Cy7、CD45RA Qdot 605、pSTAT-1 AlexaFluor488、pSTAT-3 AlexaFluor647、pSTAT-5 PE。試料をFACSバッファー中で洗浄および再懸濁してよい。LSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences)を使用しDIVA 6.0ソフトウェアを用いて、1つの刺激条件について100,000個の細胞を集める。データ分析は、FlowJo v9.3を用い、前方対側方散乱プロファイルに基づいて生細胞についてゲーティングし、次いで前方散乱の領域対高さを使用して1重項に対してゲーティングし、続いて細胞サブセット特異的にゲーティングすることによって行なってよい。
細胞、サイトカイン刺激、リン酸化タンパク質指標と、同じプレート上で測定した未処理、未正規化、細胞-リン酸化タンパク質マッチングベースラインとの比率として、刺激に起因する倍数変化差異を算出できる。測定日のアッセイの平均を使用して各個体について倍率変更を行なうことによって、データを正規化できる。
サイトカイン応答スコア(CRS)を構築するために(図2)、再現性があり年齢関連性であり正規化した15のサイトカイン応答を、ベースライン(未刺激)からの倍増加として表すことができ、以下のものについての倍増加を総計することができる:CD8陽性細胞をIFNaで刺激してpSTAT1、3、および5を測定;CD8陽性細胞をIL6で刺激してpSTAT1、3、および5を測定、CD8陽性細胞をIFNgで刺激してpSTAT1を測定、CD8陽性細胞をIL21で刺激してpSTAT1を測定;CD4陽性細胞をIFNaで刺激してpSTAT5を測定、CD4陽性細胞をIL6で刺激してpSTAT5を測定、CD20陽性細胞をIFNaで刺激してpSTAT1を測定、単球をIL10で刺激してpSTAT3を測定、単球をIFNgで刺激してpSTAT3を測定、単球をIFNaで刺激してpSTAT3を測定、および、単球をIL6で刺激してpSTAT3を測定。
IFNA(インターフェロンアルファ)は、I型クラスのインターフェロンのメンバーである。そして、ヒトにおいて13通りのバリアントを有する。IFNAは造血細胞、主に形質細胞様樹状細胞によって分泌される。IFNAは、防御的な役割または有害な役割を有し得る。IFNAは、ウイルスまたは細菌からのssRNA、dsRNA、およびサイトゾルDNAによって誘導され得る。IFNAはカスパーゼ11の発現を誘導でき、これが、標準的ではないインフラマソームの活性化に寄与する。組換えIFNAの使用が感冒の症状軽減および持続期間短縮に有効であることが示されている。
INFG(インターフェロンガンマ)は、II型クラスのインターフェロンのメンバーである。コードされるタンパク質は、自然免疫系と適応免疫系の両方の細胞によって分泌される。活性タンパク質はホモダイマーであり、インターフェロンガンマ受容体に結合して、ウイルスおよび微生物による感染に対する細胞応答を誘発する。この遺伝子における変異は、ウイルス、細菌、および寄生虫による感染ならびにいくつかの自己免疫疾患に対する易罹患性の増大に関連する。
IL6は、炎症、免疫応答、および造血に対する多面的作用を有するサイトカインである。IL6は、感染および組織傷害に応答して迅速かつ一時的に産生され、急性期応答、造血、および免疫反応の刺激を経て宿主防御に寄与する。IL6は、炎症、およびB細胞の成熟において機能する。さらに、IL6は、自己免疫疾患または感染を有する人において発熱を誘導できる内因性発熱物質であることが示されている。IL6は、主に、急性および慢性の炎症部位において産生され、血清中に分泌されて、インターロイキン6受容体アルファを経て転写性炎症反応(transcriptional inflammatory response)を誘導する。IL6は、糖尿病および全身性若年性関節リウマチに対する易罹患性を含む多種多様な炎症関連疾患状態と関連付けられる。IL-6の調節不全性連続合成は、慢性炎症および自己免疫に対して病理学的な作用を及ぼす。選択的スプライシングの結果として、複数の転写バリアントが生じる。
IL10は、免疫調節および炎症における多面的作用を有するサイトカインである。IL-10は抗炎症性サイトカインであり、感染の間、Th1細胞、NK細胞、およびマクロファージの活性を阻害する(これらはいずれも、最適な病原体除去に必要であるが、組織損傷にも寄与する)。IL10は、リンパ節におけるT細胞の活性化および分化を制限して組織における炎症誘発反応を抑制することによって、Th1およびTh2の自然応答および適応応答を直接調節できる。また、B細胞の生存、増殖、および抗体産生を亢進させる。このサイトカインはNF-カッパB活性を遮断でき、JAKSTATシグナル伝達経路の調節に関与する。マウスにおけるノックアウト研究によって、このサイトカインが腸管内で必須の免疫調節因子として機能していることが示唆されている。
IL21は、免疫調節活性を有する共通ガンマ鎖サイトカインファミリーのメンバーである。IL21は、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、B細胞、細胞傷害性T細胞、および上皮細胞を含む複数の標的細胞の分化、増殖、および活性を誘導するにより、自然免疫応答および適応免疫応答の両方に関与する。IL21は、抗腫瘍性および抗ウイルス性の反応にとって重要であり、また、自己免疫疾患および炎症性障害の発生を促進する炎症反応に対して大きな影響を及ぼす。
pSTAT1(リン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子1)は、インターフェロン(IFN)、サイトカインKITLG/SCF、ならびにその他のサイトカインおよびその他の増殖因子に対する細胞応答に介在する。I型IFN(IFNアルファおよびIFNベータ)が細胞表面の受容体に結合すると、これに続いて、プロテインキナーゼを経るシグナル伝達によって、Jakキナーゼ(TYK2およびJAK1)の活性化が導かれて、STAT1およびSTAT2のチロシンリン酸化が導かれる。リン酸化されたSTATは二量体となり、ISGF3G/IRF-9と結合して、ISGF3転写因子と呼ばれる複合体を形成し、これが核内に移行する(PubMed:28753426)。ISGF3は、IFN刺激応答エレメント(ISRE)に結合してIFN応答遺伝子(ISG)の転写を活性化し、これにより細胞が抗ウイルス状態になる。II型IFN(IFNガンマ)に応答して、STAT1はチロシンリン酸化およびセリンリン酸化される(PubMed:26479788)。次いで、IFNガンマ活性化因子(GAF)と呼ばれるホモダイマーを形成し、核内移行してIFNガンマ活性化配列(GAS)に結合し、標的遺伝子の発現を駆動して、細胞を抗ウイルス状態へと誘導する。
pSTAT3(リン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子3)は、インターロイキン、KITLG/SCF、LEP、およびその他の増殖因子に対する細胞応答に介在する。活性化されると、NCOA1またはMED1などのコアクチベーターを標的遺伝子のプロモーター領域へと動員する。様々な急性期タンパク質遺伝子のプロモーターにおいて同定されているインターロイキン6(IL-6)応答配列に結合する。IL31により、IL31RAを経て活性化される。ナイーブ型CD4陽性T細胞からTヘルパーTh17または制御性T細胞(Treg)への分化を調節することによって、炎症反応の制御因子として働く:LOXL3によるリシン残基の脱アセチル化および酸化は、STAT3の二量体化を妨げてその転写活性を阻害する。
pSTAT5(リン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子5)は、サイトカイン受容体の下流にあるヤヌス活性化キナーゼ(JAK)によって活性化される。STAT5タンパク質は多種多様な造血性および非造血性のサイトカインおよび増殖因子(いずれも、JAK-STATシグナル伝達経路をその主要なシグナル伝達様式として使用する)によって活性化される。STAT5タンパク質は、増殖、分化、および生存などの重要な細胞機能を決定的に調節する。STAT5は、正常な免疫機能および恒常性の維持において重要な役割を果たしており、これらはいずれも、受容体複合体中で共通ガンマ鎖(γ(c))を有するIL-2サイトカインファミリーの特定のメンバーによって調節される。STAT5は、免疫系におけるγ(c)サイトカインファミリーのメンバーの生物学的作用に決定的に介在する。本質的に、STAT5はTregの機能および発生において非常に重要な役割を果たし、一貫して活性化されているSTAT5は、抗腫瘍免疫の抑制と、腫瘍細胞の増殖、浸潤、および生存の増大とに関与する。
免疫老化
免疫系は、老化につれて、その組成および機能が複数の顕著な変化を受けるが、こうした変化は、まとめて「免疫老化」と呼ばれるパターンである。免疫老化は免疫系における自然免疫と適応免疫との両方に影響を及ぼし、免疫老化の主な特徴は、免疫細胞サブセットの頻度の変化、抗原提示における欠陥、細胞毒性機能の低下、およびT細胞の能力範囲の限定を含む(Pawelec G, Larbi A. (2008), Immunity and ageing in man: Annual Review 2006/2007. Exper Gerontol 43:34-38; Weiskopf D, Weinberger B, GrubeckLoebenstein B. (2009), The aging of the immune system. Transpl Int. 22:1041-1050、これらの両方の全体をあらゆる目的において引用により本明細書に援用する)。
免疫老化の間に生じるその他の変化は、サイトカインシグナル伝達応答の低下、ホスホ-STATのベースラインレベルの増加、およびメモリ細胞集団の増大を含む(Shen-Orr et al. (2016). Defective Signaling in the JAK-STAT Pathway Tracks with Chronic Inflammation and Cardiovascular Risk in Aging Humans, Cell Systems. 3(4):374-384.E4、この全体をあらゆる目的において引用により本明細書に援用する)。また、とりわけ臨床的に重要であることには、免疫老化の結果として抗体反応に欠陥が生じ、多くの年長者は、ワクチン接種後に、防御抗体力価を産生できない(Furman D et al. (2013). Apoptosis and other immune biomarkers predict influenza vaccine responsiveness. Molecular Systems Biology 9:659、この全体をあらゆる目的において引用により本明細書に援用する)。
免疫老化は、宿主の感染反応能力と、(特にワクチン接種による)長期免疫記憶の発達との両方に影響を及ぼす。免疫老化は、感染を繰り返した結果としておよび抗原(吸入アレルゲン、食物など)に連続的に曝露されたことによって生じるメモリー細胞およびエフェクター細胞の蓄積に関連する。この慢性炎症は、免疫老化を特徴づけ、生存および脆弱性に対して著しい影響を有し得る。また、免疫老化は、酸化ストレスによって引き起こされる免疫系の改変にも関連し得る。
免疫老化は、炎症性機序と抗炎症性機序のバランスが崩れて慢性炎症を生じることによって発生し得る。この慢性炎症は、生涯にわたって生じる慢性的な抗原刺激によるものであり得て、かつ、酸素フリーラジカルおよび毒性産物の生成を伴う酸化ストレスによるものであり得る。これらの因子はアポトーシスリンパ球の能力を改変することができ、リンパ球区画のこうした改変および炎症性サイトカインの慢性的発現は、長寿の過程および免疫老化関連疾患への関与が明らかである。
標準的な急性炎症タンパク質(C反応性タンパク質、インターロイキン6など)が、以前の研究において免疫老化と関連付けられているが、全身慢性炎症との関連は未だ確立されていない。周知される免疫老化マーカー(ナイーブCD8(陽性)T細胞の頻度)を使用して、複数の回帰モデルによって年齢、CMV、および性別をコントロールした後で、免疫老化に対するiAgeの寄与が推定された。ナイーブCD8(陽性)T細胞の変化に対する寄与が最も大きかったのは年齢であり、続いてiAge、CMV(負の寄与)、および性別であった(女性における総CD8(陽性)T細胞の頻度は、男性との比較で、24%対30%であった)。iAgeは、ナイーブCD8(陽性)T細胞の頻度との相関が大きく、その程度は、CMV陽性に対する程度と類似していた。暦年齢の寄与が最も大きく(P<10-15)、続いてiAge(P<10-5)、CMV(P<10-3)、および性別(P=0.012)であった(A)。
また、慢性炎症が免疫応答に及ぼす影響についても、機能性免疫アッセイ(ホスホフロー)を使用して測定されており、その際には、細胞をex vivoにおいて刺激して、様々な細胞内タンパク質のリン酸化を、当該タンパク質のリン酸化形態に対する抗体を使用して測定している。特に、4種の独立した刺激(インターフェロンアルファ、インターロイキン6、インターロイキン10、およびインターロイキン21)に対する応答が計818人において測定され、B細胞、総CD4(陽性)T細胞(ならびにCD45RA(陽性)およびCD45RA(陰性)サブセット)、総CD8(陽性)T細胞(ならびにCD45RA(陽性)およびCD45RA(陰性)サブセット)、および単球におけるホスホ-STAT1、ホスホ-STAT3、およびホスホ-STAT5の倍増加が求められた。年齢、CMV、および性別をコントロールする重回帰分析から、驚くべきことに、iAgeの増大に関連して、刺激に対するB細胞およびT細胞の応答が全体的に減少し、単球応答が全体的に増強されたことが示された(combined P<10-5)。
これらの結果は、iAgeが免疫機能低下(免疫老化)についての重要な免疫予測因子であり、免疫学的健康の「尺度」として使用できることを示す。
免疫老化は、がん細胞を殺し、病原生物感染から守り、ワクチンに対して効果的な反応を生じるという免疫系の能力の低下に関連している。対象を処置してiAgeを下げることによって、対象における免疫老化を低減でき、また、がん細胞を殺し、病原生物感染から守り、ワクチンに対して効果的な反応を生じるという、対象の免疫系の能力を改善できる。下記に、iAgeを下げることによって免疫老化を低減するための薬剤および方法が記載される。
免疫療法
近年、がんに対するがん免疫療法の開発および実現が急速に増加している。抗細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)抗体および抗プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)抗体が承認された結果、様々ながんの疾患転帰が著しく改善された。腫瘍細胞の増殖および生存を妨げることを目的とする化学療法および放射線療法とは異なり、免疫療法は、患者の抗腫瘍免疫応答を増強することによって、腫瘍を間接的に標的とする。こうした療法は、多くの形態のがんにおいて非常に大きな成功を収めているにもかかわらず、その成功率は概して低く、目標とされる臨床反応を規定するバイオマーカーは依然として存在しない。
現行のがん免疫療法の生物学的基盤は、がん免疫監視という概念であるが、これは、腫瘍細胞が新たな抗原を有していて免疫反応を誘発するために、免疫系が腫瘍細胞を除去できて、それに伴って腫瘍が退縮して、その存在による臨床徴候がなくなる、ということを提案するものである。この理論について調べるために実施された先駆的な研究において、化学的に誘発した肉腫が、免疫不能マウスにおいて野生型と比べてより早くかつより高侵襲性で増殖することが示され、これは前者がリンパ球を有さないため(組換え活性化(RAG)遺伝子を操作して変異させてある)、またはIFNγ受容体遺伝子もしくはSTAT-1遺伝子のいずれかの欠如によりIFNγに応答できないためである、ということが示された。免疫監視は、RAG2-/-/STAT1-/-二重変異マウスを使用して示され、このマウスでは腫瘍が自発的に生じた。こうした腫瘍は、ヒトの主な悪性腫瘍(乳房、肺、または結腸などの)のうちのいくつかに類似する。がん免疫編集は、マウス間での腫瘍の移植によって示された。免疫不能マウスから免疫応答マウスに腫瘍が移植されると、腫瘍の40%が拒絶された。一方、同系の免疫応答マウスからの腫瘍を使用して移植を行った場合には、拒絶は生じなかった。このことは、免疫応答動物(たとえ自己の腫瘍を拒絶できなくても)において免疫編集が生じており、免疫監視からの逃避が可能となっていたことを明らかに示している。何十年間にもわたる追跡研究により、腫瘍免疫についての新たな理論が導入された。この理論は以下の3つの段階を提案するものであった:1)初期における腫瘍の「排除(Elimination)」(免疫監視仮説)、2)免疫系が腫瘍を制御している状態を指す「平衡(Equilibrium)」、および3)腫瘍細胞が免疫編集されて免疫制御を受けずに増殖する「逃避(Escape)」。この3つのEの理論は、がん細胞と免疫系の相互作用を理解するための原則として、今も世界中で広く受け入れられている。また、この理論によって、がん免疫療法分野を覆すに至る道筋がつけられた。
がんのための免疫療法は、がんと闘うための身体の自然防御を増強する。これには、身体により産生されたまたは研究室において作製された、免疫系の機能を改善または回復させるための物質が使用される。がん免疫療法は、たとえば、モノクローナル抗体、免疫チェックポイント阻害薬、がんワクチン、たとえばキメラ抗原受容体により改変された免疫細胞、およびたとえばがん細胞を特異的に標的としたり免疫系の阻害を克服したりする(たとえば骨髄性サプレッサー細胞により)ことによって免疫系の機能または作用を増強するその他の不特定の免疫療法などを含む。
がんを処置するためのモノクローナル抗体は、たとえば、抗CD20抗体(たとえば、ベキサール(登録商標)、ゼヴァリン(登録商標)、リツキサン(登録商標)、ガジヴァロ(Gazyvaro)(登録商標)、アーゼラ(登録商標))、抗Her2抗体(たとえば、ハーセプチン(登録商標)、カドサイラ(登録商標)、パージェタ(登録商標))、抗CD30抗体(たとえば、アドセトリス(登録商標))、抗CD19および抗CD3二重特異性抗体(たとえば、ビーリンサイト(登録商標))、抗VegF抗体(たとえば、アバスチン(登録商標)、サイラムザ(登録商標))、抗EGFR抗体(たとえば、アービタックス(登録商標)、ポートラーザ(登録商標)、ベクティビックス(登録商標))、抗PDGFR-α抗体(たとえば、ラルトルボ(Lartruvo)(登録商標))、抗CD38抗体(たとえば、ダラザレックス(登録商標))、抗SLAMF7抗体(たとえば、エムプリシティ(登録商標))、抗GD2抗体(たとえば、ユニツキシン(登録商標))、抗CD19抗体(たとえば、ビーリンサイト(登録商標))、抗RANKL抗体(たとえば、ザイゲバ(Xgeva)(登録商標)、プロリア(登録商標))、抗EpCAMおよび抗CD3抗体(たとえば、レモバブ(登録商標))、抗EpCAM抗体(たとえば、プロキシニウム(Proxinium)(登録商標))、抗CD52抗体(たとえば、キャンパス(登録商標))、および抗CD33抗体(たとえば、マイロターグ(登録商標))を含む。
がんを処置するためのチェックポイント阻害薬は、たとえば、ニボルマブ(オプジーボ)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、アテゾリズマブ(テセントリク)、イピリムマブ(ヤーボイ)、デュルバルマブ(イミフィンジ(登録商標))、アベルマブ(バベンチオ(登録商標))、リリルマブ、およびBMS-986016(リラトリマブ(Relatlimab))を含む。ニボルマブ、アテゾリズマブ、ペムブロリズマブ、デュルバルマブ、およびアベルマブは、チェックポイントタンパク質PD-1/PD-L1において作用して、抗腫瘍免疫細胞のアポトーシスを阻害する。イピリムマブは、CTLA4において作用して、腫瘍中の活性化T細胞に対するCTLA4の下方制御を防止する。リリルマブは、KIRにおいて作用して、ナチュラルキラー細胞の活性化を促進する。BMS-986016は、LAG3において作用して、抗原特異的Tリンパ球を活性化し、細胞傷害性T細胞介在性の腫瘍細胞溶解を増強する。
がんを処置するためのキメラ抗原受容体は、たとえば、T細胞における抗CD19 CAR(たとえば、キムリア(登録商標)およびイエスカルタ(登録商標))を含む。また、CAR療法は、たとえば、4-1BB、5T4、腺癌抗原、アルファ-フェトプロテイン、BAFF、Bリンパ腫細胞、C242抗原、CA125、炭酸脱水酵素9(CA-IX)、C-MET、CCR4、CD152、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD4、CD40、CD44 v6、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CEA、CNTO888、CTLA-4、DR5、EGFR、EpCAM、CD3、FAP、フィブロネクチンエクストラドメインB、葉酸受容体1、GD2、GD3ガングリオシド、糖タンパク質75、GPNMB、HER2/neu、HGF、ヒト分散因子(scatter factor)受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgG1、L1-CAM、IL-13、IL-6、インスリン様成長因子I受容体、アルファ5β1インテグリン、インテグリンαvβ3、MORAb-009、MS4A1、MUC1、ムチン(mucin)CanAg、Nグリコリルノイラミン酸、NPC-1C、PDGF-Rα、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺癌細胞、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、TAG-72、テネイシンC、TGF β2、TGF-β.、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGFA、VEGFR-1、VEGFR2、707-AP、ART-4、B7H4、BAGE、β-カテニン/m、Bcr-abl、MN/C IX抗体、CAMEL、CAP-1、CASP-8、CD25、CDC27/m、CDK4/m、CT、Cyp-B、DAM、ErbB3、ELF2M、EMMPRIN、ETV6-AML1、G250、GAGE、GnT-V、Gp100、HAGE、HLA-A*0201-R170I、HPV-E7、HSP70-2M、HST-2、hTERT(またはhTRT)、iCE、IL-2R、IL5、KIAA0205、LAGE、LDLR/FUT、MAGE、MART-1/メランA、MART-2/Ski、MC1R、ミオシン/m、MUM-1、MUM-2、MUM-3、NA88-A、PAP、プロテイナーゼ-3、p190 minor bcr-abl、Pml/RARα、PRAME、PSA、PSM、PSMA、RAGE、RU1またはRU2、SAGE、SART-1またはSART-3、サバイビン、TPI/m、TRP-1、TRP-2、TRP-2/INT2、WT1、NY-Eso-1またはNY-Eso-Bまたはビメンチンを含む様々な腫瘍関連抗原を標的にすることもできる。
がんワクチンは、たとえば、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン、樹状細胞ワクチン(たとえば、前立腺がんのためのプロベンジ(登録商標))、腫瘍細胞ワクチン、抗原ワクチン、腫瘍溶解性ウイルスワクチン(たとえば、イムリジック(Imlygic)(商標))、非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫のワクチン(たとえば、BioVaxID(商標))、乳がんワクチン(たとえば、Neuvax(商標))、脳がんワクチン(たとえば、DCVax(商標)、CDX-110(商標))、膵臓がんワクチン(たとえば、GVAX Pancreas、HyperAcute(商標)Pancreas)、結腸直腸がんワクチン(たとえば、Imprime PGG(登録商標))、膀胱がんワクチン(たとえば、BCG(商標))、固形腫瘍ワクチン(たとえば、OK432(商標))、肺がんおよび胃腸がんのワクチン(たとえば、PSK(商標))、子宮頸がんワクチン(たとえば、シゾフィラン(商標))、および胃がんワクチン(たとえば、レンチナン(商標))を含む。
がんを処置するためのその他の免疫療法は、たとえば、IL-2ジフテリア毒素融合タンパク質(たとえば、オンタック(Ontak)(登録商標))を含む。
がんの種類
本明細書中に記載される方法で処置できるがんは、たとえば、FDA承認免疫療法について承認された適応症、たとえば、メラノーマ、非小細胞肺がん、頭頸部扁平上皮がん、古典的ホジキンリンパ腫、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、尿路上皮癌、高頻度マイクロサテライト不安定性がん、胃がん、子宮頸がん、肝細胞癌、メルケル細胞癌、腎細胞癌(キイトルーダ(登録商標));進行性もしくは転移性尿路上皮癌、切除不能、ステージIII非小細胞肺がん(イミフィンジ(登録商標));切除不能もしくは転移性メラノーマ、転移性非小細胞肺がん、進行腎細胞癌、古典的ホジキンリンパ腫、再発性もしくは転移性扁平上皮癌、進行性もしくは転移性尿路上皮癌、高頻度マイクロサテライト不安定性、もしくはミスマッチ修復機構欠損転移性結腸直腸がん、肝細胞癌(オプジーボ(登録商標));尿路上皮癌、非小細胞肺がん、トリプルネガティブ乳がん、小細胞肺がん(テセントリク(登録商標));転移性メルケル細胞癌(バベンチオ(登録商標));切除不能な転移性メラノーマ、進行性腎細胞癌、高頻度マイクロサテライト不安定性、もしくはミスマッチ修復機構欠損転移性結腸直腸がん(ヤーボイ(登録商標));難治性びまん性B細胞リンパ腫、再発性もしくは難治性急性リンパ芽球性白血病(キムリア(登録商標));またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫(イエスカルタ(登録商標))などを含む。
また、本明細書中に記載される方法で処置できるがんは、たとえば、開発中の適応症、たとえば、急性骨髄性白血病、膀胱がん、頭頸部の扁平上皮癌、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、転移性固形悪性腫瘍(リリルマブ(商標));またはメラノーマ、進行性結腸直腸がん、進行性脊索腫、転移性メラノーマ、胃食道がん、固形腫瘍、胃がん、進行性腎臓細胞がん、進行性非小細胞肺がん(リラトリマブ(商標))などを含む。
本明細書中における方法で処置できるその他のがんは、たとえば、肉腫、癌、メラノーマ、脊索腫、悪性組織球腫、中皮腫、神経膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、髄芽細胞腫、悪性髄膜腫、悪性シュワン細胞腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患を含む。いくつかの実施形態において、がんは、白血病、リンパ腫、骨髄腫、骨髄異形成症候群、および/または骨髄増殖性疾患である。
ワクチン
ワクチンは、対象における防御免疫応答(たとえば、抗体応答または細胞介在性応答)を刺激して1種または数種の疾患に対する免疫を提供するために使用される物質であり得る。ワクチンは、たとえば、アデノウイルス、炭疽、子宮頸がん、水疱、コレラ、デング熱、ジフテリア、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenza)、A型肝炎、B型肝炎、E型肝炎、HPV、インフルエンザ、日本脳炎、マラリア、麻疹、髄膜炎、髄膜炎菌性(MenACWY)、血清型B株髄膜炎菌性、流行性耳下腺炎(ムンプス)、肺炎球菌、ポリオ、狂犬病、ロタウイルス、風疹、帯状疱疹(shingles)、天然痘、破傷風、結核、チフス、水痘、百日咳、および黄熱を含む、非常に多くの衰弱性または重篤な疾患/感染病原体に対して防御する。
ワクチンは、疾患の原因病原体、その産物、または合成置換体から調製することができ、当該疾患を誘発することなく抗原として作用するように扱うことができる。ワクチンの種類の例は、たとえば、生ワクチンまたは弱毒化ワクチン(たとえば、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、インフルエンザ、ロタウイルス、帯状疱疹(zoster)、黄熱)、不活化ワクチンまたは死菌ワクチン(たとえば、ポリオ、A型肝炎、狂犬病)、トキソイド(不活化トキソイド)ワクチン(たとえば、ジフテリア、および破傷風)、およびサブユニット/結合型ワクチン(たとえば、B型肝炎、インフルエンザ、ヘモフィルス・インフルエンザb菌、百日咳、肺炎球菌、髄膜炎菌、HPV)を含む。
弱毒化ワクチンは、いくつかの異なる方法で作製できる。最も一般的な方法のうちのいくつかは、一連の細胞培養または動物胚(典型的にはニワトリ胚)による疾患原因ウイルスの継代を伴う。ニワトリ胚を使用する場合を例にとると、1つの系において異なる胚中でウイルスを増殖させる。継代を重ねる毎に、ウイルスは、ニワトリ細胞中での複製が良好になっていくが、ヒト細胞中での複製能力は失っていく。ワクチンでの使用を目的としたウイルスは、200を超える異なる胚または細胞培養にて増殖(「継代」)させることができる。最終的には、弱毒化ウイルスはヒト細胞中において首尾よく(または、全く)複製できなくなり、ワクチン中で使用できる。非ヒト宿主におけるウイルスの継代を伴うすべての方法においては、ヒト免疫系により依然として認識され得るがヒト宿主中で首尾よく複製できないような型のウイルスが作製される。得られるワクチンウイルスがヒトに与えられると、疾病を引き起こすのに十分な程度には複製できないが、依然として、将来的な感染に対して防御可能な免疫応答を誘発できる。
死菌または不活化ワクチンは、典型的には熱またはホルムアルデヒドもしくはホルマリンなどの化学物質を使用して、病原体を不活化することによって創製できる。これによって、病原体の複製能力は破壊されるが、「完全な状態」で保持されるため免疫系は依然として認識できる。(この種類のウイルスワクチンを指すためには、「死菌」よりも「不活化」の方が一般的に使用される、というのは、ウイルスは一般的には生きているとみなされていないためである。)死菌または不活化病原体は全く複製できないため、疾患を引き起こすことのできる高病原性形態に戻ることはできない(生、弱毒化ワクチンについて上述されるのと同様)。しかしながら、こうしたワクチンは、生ワクチンと比べて、防御期間が短い傾向があり、より長期の免疫を与えるためには追加免疫が必要となる可能性が高い。
不活化毒素を使用して創製された免疫化は、トキソイドとよばれる。トキソイドは、実際には死菌または不活化ワクチンとみなされ得るが、時には、独自の区分を与えられて、不活化型の菌ではなく不活化毒素を含有するという事実を強調する場合がある。
サブユニットワクチンおよび結合型ワクチンはいずれも、防御相手である病原体の一部のみを含有する。サブユニットワクチンは、標的病原体の一部のみを使用して、免疫系からの応答を誘発する。これは、病原体から特定のタンパク質を単離してそれのみを抗原として提示することによって行うことができる。無細胞の百日咳ワクチンおよびインフルエンザワクチン(注射型)は、サブユニットワクチンの例である。また、遺伝子操作によって創製できる種類のサブユニットワクチンもある。結合型ワクチンは、2つの異なる成分の組み合わせを使用して作製できる。しかしながら、結合型ワクチンは、細菌の外被からの断片を使用して作製する。こうした外被をキャリアタンパク質に化学的に結合させ、得られた組み合わせをワクチンとして使用する。
病原体
病原生物は、対象において疾患を引き起こすことができる。ヒト病原体は、ヒトにおいて疾病を引き起こすことができる。病原生物の一般的な例は、たとえば、アクチノミセス・イスラエリ(Actinomyces israelii)、バチルス・アントラシス(Bacillus anthracis)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)、ボレリア(Borrelia)、ブルセラ(Brucella)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、クラミドフィラ・シッタシ(Chlamydophila psittaci)、コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheria)、エーリキア(Ehrlichia)、エンテロコッカス(Enterococcus)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenza)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、レプトスピラ(Leptospira)属、リステリア・モノシトゲネス(Listeria monocytogenes)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、ノカルジア・アステロイデス(Nocardia asteroids)、リケッチア・リケッチ(Rickettsia rickettsia)、サルモネラ(Salmonella)、シゲラ(Shigella)、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholera)、エルシニア・ペスチス(Yersinia pestis)、リステリア(Listeria)、大腸菌、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ナイセリア(Neisseria)、クロストリジウム(Clostridia)、クラミジア(Chlamydia)、マイコプラズマ(mycoplasma)などの、特定の株の細菌を含む。
また、病原生物は、たとえば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、インフルエンザ、肝炎、ポックスウイルス、パポバウイルス、パラミクソウイルス、コロナウイルス、ピコルナウイルス、レオウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、アレナウイルス、ラブドウイルス、レトロウイルス、ヘパドナウイルス、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)などのウイルスも含む。
病原生物は、たとえば、カンジダ(Candida)、アスペルギルス(Aspergillus)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、ヒストプラズマ(Histoplasma)、ニューモシスチス(Pneumocystis)、およびスタキボトリス(Stachybotrys)などの真菌を含む。
また、病原体は、ワクチンの標的である、上述される生物も含む。
抗病原体療法は、たとえば、病原細菌を対象とする抗生物質、病原ウイルスを対象とする抗ウイルス療法、および病原真菌を対象とする抗真菌療法を含み得る。また、抗体は、細菌、ウイルス、または真菌によって引き起こされる特定の感染症を処置するために投与できる。
iAgeを使用する処置
がんを有していて免疫療法(上述される)の候補である対象について、血液を採取して、iAgeおよびCRSを上述の通りに計算する。対象のiAgeに基づいて、対象が該当年齢群の中で最も若いiAge四分位数に入る場合には(表1を参照)、レスポンダーに分類することができ、免疫療法を進めることができる。対象のiAgeに基づいて、対象が中間2つの四分位数に入る場合には、対象の血液細胞(たとえば、CD4陽性およびCD8陽性細胞)を刺激して、Jak-STAT活性を測定する(たとえば、以下の実施例1を参照)。Jak-STAT活性に基づいて最高四分位数に入る対象は、レスポンダーに分類することができ、免疫療法で処置することができる。Jak-STAT活性に基づいて下位3つの四分位数に入る対象は、ノンレスポンダーに分類することができ、レスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減(およびJak-STATスコアの増大)を図る処置を受ける。対象のiAgeに基づいて、対象が最も年長の四分位数に入る場合には、ノンレスポンダーに分類することができ、比較的若いiAge四分位数に入るレスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減を図る処置を受ける(以下を参照)。
代替的には、対象のiAgeに基づいて、対象が該当年齢群の中で最も若いiAge五分位数に入る場合には(表1を参照)、レスポンダーに分類することができ、免疫療法を進めることができる。対象のiAgeに基づいて、対象が中間3つの五分位数に入る場合には、対象の血液細胞(たとえば、CD4陽性およびCD8陽性細胞)を刺激して、Jak-STAT活性を測定する(たとえば、以下の実施例1を参照)。Jak-STAT活性に基づいて最高四分位数に入る対象は、レスポンダーに分類することができ、免疫療法で処置することができる。Jak-STAT活性に基づいて下位3つの四分位数に入る対象は、ノンレスポンダーに分類することができ、レスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減(およびJak-STATスコアの増大)を図る処置を受ける。対象のiAgeに基づいて、対象が最も年長の五分位数に入る場合には、ノンレスポンダーに分類することができ、比較的若いiAge五分位数に入るレスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減を図る処置を受ける(以下を参照)。
さらに代替的には、対象のiAgeに基づいて、対象が該当年齢群の中で最も若いiAge三分位数に入る場合には(表1を参照)、レスポンダーに分類することができ、免疫療法を進めることができる。対象のiAgeに基づいて、対象が中間の三分位数に入る場合には、対象の血液細胞(たとえば、CD4陽性およびCD8陽性細胞)を刺激して、Jak-STAT活性を測定する(たとえば、以下の実施例1を参照)。Jak-STAT活性に基づいて最高四分位数に入る対象は、レスポンダーに分類することができ、免疫療法で処置することができる。Jak-STAT活性に基づいて下位3つの四分位数に入る対象は、ノンレスポンダーに分類することができ、レスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減(およびJak-STATスコアの増大)を図る処置を受ける。対象のiAgeに基づいて、対象が最も年長の三分位数に入る場合には、ノンレスポンダーに分類することができ、比較的若いiAge三分位数に入るレスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減を図る処置を受ける(以下を参照)。
ワクチン接種の候補である対象(たとえば高齢者)について、血液を採取することができ、iAgeおよびCRSを上述の通りに計算する。対象のiAgeに基づいて、対象が該当年齢群の中で最も若いiAge四分位数に入る場合には(表1を参照)、レスポンダーに分類することができ、ワクチン接種を進めることができる。対象のiAgeに基づいて、対象が中間2つの四分位数に入る場合には、対象の血液細胞(たとえば、CD4陽性およびCD8陽性細胞)を刺激して、Jak-STAT活性を測定する(たとえば、以下の実施例1を参照)。Jak-STAT活性に基づいて最高四分位数に入る対象は、レスポンダーに分類することができ、ワクチン接種を受けることができる。Jak-STAT活性に基づいて下位3つの四分位数に入る対象は、ノンレスポンダーに分類することができ、レスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減(およびJak-STATスコアの増大)を図る処置を受ける。対象のiAgeに基づいて、対象が最も年長の四分位数に入る場合には、ノンレスポンダーに分類することができ、比較的若いiAge四分位数に入るレスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減を図る処置を受ける(以下を参照)。また、ノンレスポンダーに分類される対象は、当該対象における免疫老化に打ち勝てるように、より高用量のワクチンおよび/またはより高強度のワクチン調製物(たとえば、抗原、アジュバント、および/または免疫賦活剤のカクテル)で処置することもできる。
代替的には、対象のiAgeに基づいて、対象が該当年齢群の中で最も若いiAge五分位数に入る場合には(表1を参照)、レスポンダーに分類することができ、ワクチン接種を進めることができる。対象のiAgeに基づいて、対象が中間3つの五分位数に入る場合には、対象の血液細胞(たとえば、CD4陽性およびCD8陽性細胞)を刺激して、Jak-STAT活性を測定する(たとえば、以下の実施例1を参照)。Jak-STAT活性に基づいて最高四分位数に入る対象は、レスポンダーに分類することができ、ワクチン接種を受けることができる。Jak-STAT活性に基づいて下位3つの四分位数に入る対象は、ノンレスポンダーに分類することができ、レスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減(およびJak-STATスコアの増大)を図る処置を受ける。対象のiAgeに基づいて、対象が最も年長の五分位数に入る場合には、ノンレスポンダーに分類することができ、比較的若いiAge五分位数に入るレスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減を図る処置を受ける(以下を参照)。また、ノンレスポンダーに分類される対象は、当該対象における免疫老化に打ち勝てるように、より高用量のワクチンおよび/またはより高強度のワクチン調製物(たとえば、抗原、アジュバント、および/または免疫賦活剤のカクテル)で処置することもできる。
さらに代替的には、対象のiAgeに基づいて、対象が該当年齢群の中で最も若いiAge三分位数に入る場合には(表1を参照)、レスポンダーに分類することができ、ワクチン接種を進めることができる。対象のiAgeに基づいて、対象が中間の三分位数に入る場合には、対象の血液細胞(たとえば、CD4陽性およびCD8陽性細胞)を刺激して、Jak-STAT活性を測定する(たとえば、以下の実施例1を参照)。Jak-STAT活性に基づいて最高四分位数に入る対象は、レスポンダーに分類することができ、ワクチン接種を受けることができる。Jak-STAT活性に基づいて下位3つの四分位数に入る対象は、ノンレスポンダーに分類することができ、レスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減(およびJak-STATスコアの増大)を図る処置を受ける。対象のiAgeに基づいて、対象が最も年長の三分位数に入る場合には、ノンレスポンダーに分類することができ、比較的若いiAge三分位数に入るレスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減を図る処置を受ける(以下を参照)。また、ノンレスポンダーに分類される対象は、当該対象における免疫老化に打ち勝てるように、より高用量のワクチンおよび/またはより高強度のワクチン調製物(たとえば、抗原、アジュバント、および/または免疫賦活剤のカクテル)で処置することもできる。
病原生物に曝露されたことのある、および/または病原生物に感染している、および/または病原生物に感染し易い対象について、血液を採取することができ、iAgeおよびCRSを上述の通りに計算する。対象のiAgeに基づいて、対象が該当年齢群の中で最も若いiAge四分位数に入る場合には(表1を参照)、レスポンダーに分類することができ、該当病原生物に対する標準的な処置を進めることができる。対象のiAgeに基づいて、対象が中間2つの四分位数に入る場合には、対象の血液細胞(たとえば、CD4陽性およびCD8陽性細胞)を刺激して、Jak-STAT活性を測定する(たとえば、以下の実施例1を参照)。Jak-STAT活性に基づいて最高四分位数に入る対象は、レスポンダーに分類することができ、該当病原生物に対する標準的な処置を進めることができる。Jak-STAT活性に基づいて下位3つの四分位数に入る対象は、ノンレスポンダーに分類することができ、レスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減(およびJak-STATスコアの増大)を図る処置を受ける。対象のiAgeに基づいて、対象が最も年長の四分位数に入る場合には、ノンレスポンダーに分類することができ、比較的若いiAge四分位数に入るレスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減を図る処置を受ける(以下を参照)。また、ノンレスポンダーに分類される対象は、当該対象における免疫老化に打ち勝てるように、より高強度の療法および/またはより高用量の治療薬で処置することもできる。
代替的には、対象のiAgeに基づいて、対象が該当年齢群の中で最も若いiAge五分位数に入る場合には(表1を参照)、レスポンダーに分類することができ、該当病原生物に対する標準的な処置を進めることができる。対象のiAgeに基づいて、対象が中間3つの五分位数に入る場合には、対象の血液細胞(たとえば、CD4陽性およびCD8陽性細胞)を刺激して、Jak-STAT活性を測定する(たとえば、以下の実施例1を参照)。Jak-STAT活性に基づいて最高四分位数に入る対象は、レスポンダーに分類することができ、該当病原生物に対する標準的な処置を進めることができる。Jak-STAT活性に基づいて下位3つの四分位数に入る対象は、ノンレスポンダーに分類することができ、レスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減(およびJak-STATスコアの増大)を図る処置を受ける。対象のiAgeに基づいて、対象が最も年長の五分位数に入る場合には、ノンレスポンダーに分類することができ、比較的若いiAge五分位数に入るレスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減を図る処置を受ける(以下を参照)。また、ノンレスポンダーに分類される対象は、当該対象における免疫老化に打ち勝てるように、より高強度の療法および/またはより高用量の治療薬で処置することもできる。
さらに代替的には、対象のiAgeに基づいて、対象が該当年齢群の中で最も若いiAge三分位数に入る場合には(表1を参照)、レスポンダーに分類することができ、該当病原生物に対する標準的な処置を進めることができる。対象のiAgeに基づいて、対象が中間の三分位数に入る場合には、対象の血液細胞(たとえば、CD4陽性およびCD8陽性細胞)を刺激して、Jak-STAT活性を測定する(たとえば、以下の実施例1を参照)。JakSTAT活性に基づいて最高四分位数に入る対象は、レスポンダーに分類することができ、該当病原生物に対する標準的な処置を進めることができる。JakSTAT活性に基づいて下位3つの四分位数に入る対象は、ノンレスポンダーに分類することができ、レスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減(およびJak-STATスコアの増大)を図る処置を受ける。対象のiAgeに基づいて、対象が最も年長の三分位数に入る場合には、ノンレスポンダーに分類することができ、比較的若いiAge三分位数に入るレスポンダー群に移行できるようにiAgeの低減を図る処置を受ける(以下を参照)。また、ノンレスポンダーに分類される対象は、当該対象における免疫老化に打ち勝てるように、より高強度の療法および/またはより高用量の治療薬で処置することもできる。
iAgeを下げるための薬剤
iAgeを使用して患者を分類することに加えて(図3)、これを使用して、対象の各タンパク質レベルと集団(たとえば、暦年齢が類似)のそれとを比較することにより、個体の炎症プロファイルを導き出すこともできる。得られるシグニチャ(またはバーコード)を使用して、drugbankデータベース(www.drugbank.ca)使用によるタンパク質-化合物結合(PCI)分析を行なって、iAgeを下げるための個別化初期療法を得ることができる(図3)。個別化された推奨に従っている患者について、そのiAgeの変化を、これが最適なレベル(所与の年齢区分における集団平均よりも低い)に到達して処置表現型レスポンダーに移行できるようになるまで、週1回監視できる(図3)。次いで、患者がレスポンダーに分類されて、免疫療法処置にとって好適となる。
対象は、TRAIL、IFNG、GROA、IL2、TGFA、PAI1、および/またはLIFのレベルを人間の暦年齢にとって最適なレベルに下げる処置により、iAgeが下がり得る。また、対象は、MIG、エオタキシン、レプチン、IL-1B、またはMIP1Aのレベルを人間の年齢にとって最適なレベルに上げる処置により、iAgeが下がり得る。
また、対象は、全身慢性炎症がある場合には、以下のものの単独または組み合わせでの使用によりこれを低減することによって、iAgeが下がり得る:(1)抗炎症薬(NSAID、たとえばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、セレコキシブ、オキサプロジン、ピロキシカム、インドメタシン、メロキシカム、フェノプロフェン、ジフルニサル、エトドラク、ケトロラック、メクロフェナム酸、ナブメトンなど)またはコルチコステロイド(たとえば、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド)を含むがこれらに限定されない薬理学処置;(2)魚油、リポ酸、ならびにクルクミン、もしくは、ショウガ、ニンニク、ターメリック(turmeric)、ヒソップ(hyssop)、タイマ(cannabis)、ライオンゴロシ(Harpagophytum procumbens)、およびカイエン(cayenne)などのスパイス/ハーブを含むがこれらに限定されない、栄養補助剤または栄養補助食品;(3)オリーブ油、葉菜類(たとえばケールおよびホウレンソウ)、ブロッコリ、アボカド、緑茶、ピーマン(bell peppers)、チリペッパー(chili peppers)、キノコ類、ブラックチョコレート(dark chocolate)、ココア(cocoa)、トマト、脂肪の多い魚類(たとえば、サーモン(salmon)、サーディン(sardines)、ニシン(herring)、アンチョビ(anchovies)、およびサバ(mackerel))、ナッツ(クルミおよびアーモンド)、および果実(たとえば、サクランボ(cherries)、ブラックベリー(blackberries)、ブルーベリー(blueberries)、ラズベリー(raspberries)、イチゴ(strawberries)、ブドウ(grapes)、およびオレンジ(oranges))などの抗酸化物質およびポリフェノールに富む食物の摂取増加、ならびに/または、精製炭水化物(たとえば、白パン(white bread)およびペストリー(pastries))、ブドウ糖果糖液糖(high-fructose corn syrup)、精製糖、加工包装食品、揚げ物、赤身肉、過剰量のアルコール、および加工肉などの、炎症を増大させ得る食物の摂取低減を含むがこれらに限定されない、食事における変化;ならびに、(4)喫煙および飲酒の除去もしくは低減、健康体重の維持、およびストレスレベルの低減を含むがこれらに限定されない、生活習慣の変化。
本明細書中に開示される本発明は、以下の実験の詳細によって、理解がより深まるであろう。しかしながら、当業者であれば、記載される具体的な方法および結果は本発明の説明のみを目的とするものであり、本発明は付随の特許請求の範囲においてさらに十分に記載されるということを容易に理解するであろう。特記しない限り、本開示は具体的な手順または材料などに限定されず、よって変更され得る。また、本明細書中において使用される専門用語は、具体的な実施形態を説明することのみを目的とするものであって、限定を意図するものではないということが理解される。
実施例
実施例1:iAgeは、ナイーブCD8(陽性)T細胞、および刺激に対するex vivo Jak-STATシグナル伝達応答と相関関係にある
高iAgeにおいて循環ナイーブCD8(陽性)T細胞の頻度が低下し(A)、iAgeによって、刺激に対するex vivo Jak-STATシグナル伝達応答の低下を予測できる(BおよびC)。サイトカイン-細胞-STATの組み合わせ(合計96通り)を、対象のiAgeに関して分析した。ここには、B細胞、CD4(陽性)T細胞(ならびに、そのCD45(陽性)および(陰性)サブセット)、CD8(陽性)T細胞(ならびに、そのCD45(陽性)および(陰性)サブセット)、および単球という8種の細胞種と、インターロイキン-6(IL-6)、IL-10、IL-21、およびインターフェロン-アルファという4種のサイトカインと、3種のSTATタンパク質(STAT1、3、および5)を含めた。図1Bは、ボルケーノプロット(volcano plot)であり、並べ替え検定を伴う重回帰分析の結果であって、年齢、性別、およびサイトメガロウイルス状態について調整した後のiAgeについて得られる回帰係数の関数として偽発見率(Benjamini-Hochberg FDR)(y軸)を推定するものである。図1Cは、インターロイキン-6に対するex vivo CD8(陽性)T細胞蛍光体-STAT-1応答を正規化したものである。iAgeの三分位数が低い場合には、iAgeの三分位数が高い場合よりも応答が有意に強いということを示す(C)。
iAgeと、ナイーブCD8(陽性)T細胞との間、および刺激に対するex vivo JakSTATシグナル伝達応答との間には、負の相関があった。
実施例2:iAgeおよびCRSを使用するがん患者の階層化
免疫療法処置の前に、患者から血液試料を得る。標準的な方法により、血清と免疫細胞とを分離する。血清試料を使用してタンパク質濃度を測定して、炎症年齢(iAge)を求める;そして、細胞をex vivoにおいてサイトカインで刺激して、細胞内シグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)タンパク質のリン酸化を測定し、サイトカイン応答スコア(CRS)を導き出す。iAgeおよびCRSは、独立して、免疫療法処置に対する患者の反応を予測することができる。図2は、このプロセスのフロー図を示す。
処置の前に、iAgeおよびCRSを使用して、がん患者を免疫療法に対するレスポンダーとノンレスポンダーとに階層化できる。
実施例3:iAgeを使用するがん患者の階層化
iAgeを使用して、がん患者を免疫療法処置に対するレスポンダーとノンレスポンダーとに分類することができ(A)、かつ、iAge別の炎症性タンパク質シグニチャ(バーコード)を導き出すことができて、これをiAge別の推奨エンジンに入力すると、iAgeの低減を目的とした個別化初期療法を創出でき、医療判断を通知でき、これにより、ノンレスポンダー患者を(免疫療法に適した)レスポンダー患者に移行させることができる(B)。図3は、このプロセスのフロー図を示す。
iAgeを使用して、がん免疫療法に関して患者を階層化し、免疫療法に対するノンレスポンダーからレスポンダーへの移行を補助する。
本明細書中に記載および引用されるすべての出版物、特許、および特許出願の全体を、引用により本明細書に援用する。開示される発明は、記載される具体的な方法、プロトコール、および材料に限定されず、これらは変更され得るということが理解される。また、本明細書中において使用される専門用語は、具体的な実施形態を説明することのみを目的とするものであって、本発明の範囲の限定を意図するものではなく、本発明の範囲は付随の特許請求の範囲によってのみ限定されるということも理解される。
当業者であれば、ルーチン的な実験法を使用するだけで、本明細書中に記載される本発明の具体的な実施形態に対する多くの等価物について認識または確認できるであろう。このような等価物は、付随の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (22)

  1. がん患者を処置する方法であって、該当暦年齢での最も若い三分位数内にあるiAgeを有するがん患者を選択する工程と、前記がん患者に免疫療法の有効量を投与する工程とを含む、方法。
  2. 前記iAgeは、最も若い四分位数内にある、請求項1に記載の方法。
  3. 前記iAgeは、最も若い五分位数内にある、請求項1に記載の方法。
  4. 前記免疫療法は、チェックポイント阻害薬、モノクローナル抗体、がんワクチン、またはキメラ抗原受容体である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記チェックポイント阻害薬は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、イピリムマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、リリルマブ、およびリラトリマブからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記キメラ抗原受容体は腫瘍関連抗原に結合する、請求項4に記載の方法。
  7. 前記腫瘍関連抗原はCD19である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記モノクローナル抗体は、抗CD20抗体、抗Her2抗体、抗CD30抗体、抗CD19および抗CD3二重特異性抗体、抗VegF抗体、抗EGFR抗体、抗PDGFR-α抗体、抗CD38抗体、抗SLAMF7抗体、抗GD2抗体、抗CD19抗体、抗EpCAMおよび抗CD3二重特異性抗体、抗EpCAM抗体、抗CD52抗体、および抗CD33抗体からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  9. 前記抗CD20抗体は、ベキサール(登録商標)、ゼヴァリン(登録商標)、リツキサン(登録商標)、ガジヴァロ(登録商標)、およびアーゼラ(登録商標)からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記抗Her2抗体は、ハーセプチン(登録商標)、カドサイラ(登録商標)、およびパージェタ(登録商標)からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
  11. 前記抗VegF抗体は、アバスチン(登録商標)またはサイラムザ(登録商標)である、請求項8に記載の方法。
  12. 前記抗EGFR抗体は、アービタックス(登録商標)、ポートラーザ(登録商標)、およびベクティビックス(登録商標)からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
  13. 前記抗RANKL抗体は、ザイゲバ(登録商標)またはプロリア(登録商標)である、請求項8に記載の方法。
  14. 前記がん患者は固形腫瘍を有する、請求項1に記載の方法。
  15. 感染症を有する患者を処置する方法であって、該当暦年齢での最も若い三分位数内にあるiAgeを有する患者を選択する工程と、前記患者に抗病原体療法の有効量を投与する工程とを含む、方法。
  16. 前記iAgeは、最も若い四分位数内にある、請求項15に記載の方法。
  17. 前記iAgeは、最も若い五分位数内にある、請求項15に記載の方法。
  18. 前記抗病原体療法は、抗生物質、抗ウイルス剤、または抗体である、請求項15に記載の方法。
  19. 患者にワクチン接種をする方法であって、ワクチンを受ける患者群の暦年齢での最も若い三分位数内にあるiAgeを有する患者を選択する工程と、前記患者に前記ワクチンの有効量を投与する工程とを含む、方法。
  20. 前記iAgeは、最も若い四分位数内にある、請求項19に記載の方法。
  21. 前記iAgeは、最も若い五分位数内にある、請求項19に記載の方法。
  22. 前記ワクチンは、インフルエンザワクチン、肝炎ワクチン、または抗マラリアワクチンである、請求項19に記載の方法。
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