JP2023500923A - 大腸癌検出方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、大腸癌診断に情報を提供する方法、大腸癌診断用組成物及びこれを含むキットに関し、より詳細には、メチル化された複数の大腸癌マーカー遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いて、大腸癌診断に情報を提供する方法、大腸癌診断用組成物及びこれを含むキットに関する。【選択図】 図1

Description

本発明は、大腸癌診断に情報を提供する方法、大腸癌診断用組成物及びこれを含むキットに関し、より詳細には、メチル化された複数の大腸癌マーカー遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いて、大腸癌診断に情報を提供する方法、大腸癌診断用組成物及びこれを含むキットに関する。
哺乳類細胞のゲノムDNAには、A、C、G、Tの他に5番目の塩基が存在し、これは、シトシン環の5番目の炭素にメチル基が付いた5-メチルシトシン(5-mC)である。5-mCは、常に、CGジヌクレオチドのCのみに付着し(5’-mCG-3’)、このようなCGを、通常、CpGと表示する。CpGのCは、その殆どがメチル基が付いてメチル化されている。このようなCpGのメチル化は、Aluや転移因子(transposon)のようにゲノム内に反復される塩基配列(repetitive sequence)が発現しないように抑制し、哺乳類細胞において遺伝子外変化が最も頻繁に現れる部位である。このようなCpGの5-mCは、自然に脱アミノ化(deamination)してTに変わり、これによって、哺乳類ゲノム内のCpGは正常に現れるべき頻度(1/4×1/4=6.25%)よりも遥かに低い1%の頻度しか現れない。
CpGのうち、例外的に密集して現れるものがあり、これをCpG部位(CpG島)という。CpG部位は、長さが0.2~3kbであり、C及びG塩基の分布百分率が50%を超え、CpGの分布百分率が3.75%以上と高く集中して現れる部位のことを指す。CpG部位は、全体の人体遺伝体に約45,000個が現れ、特に、遺伝子の発現を調節するプロモーター部位に集中して現れる。実際に人体遺伝子の約半分を占める重要遺伝子(housekeeping genes)のプロモーターには、CpG部位が現れる(Cross,S.et al.,Curr.Opin.Gene Develop.,5:309,1995)。異常なDNAメチル化は、主に該当の遺伝子の5’発現調節部位(5’ regulatory region)で起き、該当の遺伝子の発現を減少させることが知られている。
一方、正常人の体細胞(somatic cell)では、それらの重要遺伝子プロモーター部位のCpG島がメチル化されていないが、発生中に発現しないように刻印された(imprinted)遺伝子と非活性化(inactivation)されたX染色体上の遺伝子はメチル化されている。
発癌過程中にはプロモーターCpG島にメチル化が現れ、その該当の遺伝子の発現に障害が起きる。特に、細胞周期やアポトーシスを調節し、DNAを復旧し、細胞の付着と細胞間相互協力作用に関与し、浸潤と転移を抑制する腫瘍抑制遺伝子の発現調節部位CpG島にメチル化が発生する場合に、これは、コーディング配列の突然変異と同様に、それらの遺伝子の発現と機能を遮断し、結果として癌の発生と進行が促進される。その他にも、老化によってCpG島に部分的にメチル化が現れることもある。
腫瘍関連遺伝子の発現調節部位メチル化が癌の重要な指標であり、したがって、これは癌の診断と早期診断、発癌危険の予測、癌の予後予測、治療後追跡調査、抗癌療法に対する反応予測など、多方面に利用可能である。実際に、近年、血液や客談、唾液、大便、小便などで腫瘍関連遺伝子のプロモーターメチル化を調査して、各種の癌診療に使用しようとする試みが活発に行われている(Ahlquist,D.A.et al.,Gastroenterol.,119:1219,2000)。
このような技術的背景下で、本出願の発明者らは、複数のメチル化された大腸癌マーカー遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いて、大腸癌マーカー遺伝子のメチル化を、高い検出限度及び正確度で検出できることを確認し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、複数のメチル化された大腸癌マーカー遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いて大腸癌診断に情報を提供する方法を提供することにある。
本発明の目的は、複数のメチル化された大腸癌マーカー遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いて大腸癌診断用組成物を提供することにある。
本発明の目的は、前記組成物を含む大腸癌診断用キットを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、次の段階を含む、大腸癌診断に情報を提供する方法に関する:(a)メチル化されたSDC2(Syndecan 2)遺伝子及びADHFE1(Alcohol Dehydrogenase Iron Containing 1)遺伝子、非メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を互いに異なるように変形させる一つ以上の試薬でサンプルを処理する段階;及び、(b)メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーを処理する段階。
本発明は、また、メチル化されたSDC2(Syndecan 2)遺伝子及びADHFE1(Alcohol Dehydrogenase Iron Containing 1)遺伝子、非メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を互いに異なるように変形させる一つ以上の試薬、及び前記メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーを含む大腸癌診断用組成物を提供する。
本発明は、また、前記組成物を含む大腸癌診断用キットを提供する。
大腸癌手術患者の癌組織及びこれと連接する正常組織DNAを用いた遺伝体レベルメチル化分析(MeDIA-CpG microarray)の結果である。
ADHFE1遺伝子のメチル化特異的なプライマーによる増幅結果である。
ADHFE1遺伝子のメチル化特異的なプライマーによる増幅結果である。
正常人と大腸癌患者を対象にSDC2遺伝子メチル化及びADHFE1遺伝子のメチル化を検出し、大腸癌を診断した結果である。
特に断りのない限り、本明細書で使われる技術的及び科学的用語はいずれも、本発明の属する技術の分野における熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書における命名法は、本技術分野でよく知られており、通常用いられるものである。
本出願の発明者らは、複数のメチル化された大腸癌マーカー遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いて、単一の大腸癌マーカー遺伝子に基づくメチル化検出度に比べて、メチル化DNA検出の敏感度及び特異度が向上し得ることを確認した。本発明に係る具体的実施例では、SDC2遺伝子のメチル化検出に比べて、SDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子のメチル化を検出することによって、大腸癌診断に対する敏感度及び特異度が向上し、大腸癌診断に有用性が高いことを確認した。
したがって、本発明は、一観点において、次の段階を含む大腸癌診断に情報を提供する方法に関する:(a)メチル化されたSDC2(Syndecan 2)遺伝子及びADHFE1(Alcohol Dehydrogenase Iron Containing 1)遺伝子、非メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を互いに異なるように変形させる一つ以上の試薬でサンプルを処理する段階;及び、(b)メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーを処理する段階。
本発明において、段階(a)は、メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子、非メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を互いに異なるように変形させる一つ以上の試薬でサンプルを処理する段階である。
本発明における“メチル化”とは、シトシン(cytocine)塩基環の5番目の炭素にメチル基が付いて5-メチルシトシン(5-mC)に変形されたことを意味し、5-メチルシトシンは、常に、CGジヌクレオチドのCのみに付着し(5’-mCG-3’)、このようなCGを通常、CpGと表示する。このようなCpGのメチル化は、Aluや転移因子(transposon)のようにゲノム内に反復される塩基配列(repetitive sequence)が発現しないように抑制し、哺乳類細胞において遺伝子外変化が最も頻繁に現れる部位である。このようなCpGの5-mCは、自然に脱アミノ化してTに変わり、これによって、哺乳類ゲノム内のCpGは、正常に現れるべき頻度(1/4×1/4=6.25%)よりも遥かに低い1%の頻度しか現れない。
CpGのうち、例外的に密集して現れるものがあり、これをCpG島という。CpG島は、長さが0.2~3kbであり、C及びG塩基の分布百分率が50%を超え、CpGの分布百分率が3.75%以上と高く集中して現れる部位のことを指す。CpG島は、全体の人体遺伝体に約45,000個が現れ、特に、遺伝子の発現を調節するプロモーター部位に集中して現れる。実際に人体遺伝子の約半分を占める重要遺伝子(housekeeping genes)のプロモーターにはCpG島が現れる
検体から分離された核酸は、検体の生物学的試料によって得られる。大腸癌や大腸癌の進行段階を診断したい場合は、スクレイピングや生検により大腸組職から核酸を分離しなければならない。このような試料は、当該分野で知られた種々の医学的過程によって得ることができる。
前記検体から得られたサンプルの核酸のメチル化程度は、大腸組職の細胞成長性異常がない検体の同じ核酸部分と比較して測定する。ハイパーメチル化は、一つ以上の核酸でメチル化された対立遺伝子が存在することを意味する。大腸組職の細胞成長性異常がない検体は、同じ核酸を検査した時に、メチル化対立遺伝子が現れない。
“正常”細胞は、異常な細胞形態又は細胞学的性質の変化を示さない細胞を意味する。“腫瘍”細胞は、癌細胞を意味し、“非腫瘍”細胞は、病症組織の一部であるが、腫瘍部位ではないと判断される細胞を意味する。
本発明によれば、検体から分離された一つ以上の核酸のメチル化段階を決定して、検体の大腸組織の細胞成長性異常を早期診断することができる。前記一つ以上の核酸のメチル化段階は、大腸組職の細胞成長性異常を持たない検体から分離された一つ以上の核酸のメチル化状態と比較することを特徴とし得る。核酸は、CpG島のようなCpG含有核酸であることが好ましい。
本発明によれば、検体から分離された一つ以上の核酸のメチル化を決定することを含む検体の大腸組織の細胞成長性異常素質を診断できる。前記一つ以上の核酸のメチル化段階は、大腸組職の細胞成長性異常に対する素質を持っていない検体から分離された一つ以上の核酸のメチル化状態と比較することを特徴とし得る。
“素質”は、前記細胞成長性異常にかかりやすい性質を意味する。素質を持つ検体は、まだ細胞成長性異常を持っていないが、細胞成長性異常が存在したり或いは存在する傾向が増加している検体のことを指す。
前記ターゲットDNAのうち、CpGメチル化の存在が疾病の指標であってよく、例えば、ターゲットDNAのプロモーター、5’非番駅領域及びイントロンのいずれか一部位のCpGメチル化を測定することができる。
CpG含有遺伝子は、通常、DNAである。しかし、本発明の方法は、例えば、DNA、又はDNAとmRNAを含むRNAを含有する試料を適用することができ、ここで、DNA又はRNAは、一本鎖又は二本鎖でよく、又はDNA-RNAハイブリッドを含有している試料であることを特徴とし得る。
核酸混合物も使用されてよい。本発明で使われる“多重”は、一種の遺伝子内に検出される特異的な核酸配列部位が複数個である場合も、一つのチューブ(単一反応器)内に複数のターゲットDNAを含む場合をも含む。検出される特異的な核酸配列は、大きい分子の分画であってよく、最初から特異配列が全体核酸配列を構成する分離された分子形態で存在してよい。前記核酸配列は、純粋な形態で存在する核酸である必要はなく、核酸は、全体ヒトDNAが含まれているもののように、複雑な混合物内の少ない分画であってもよい。
具体的に、本発明は、単一反応器内のサンプルのうち、複数のターゲットDNAのメチル化を検出するためのものであり、前記サンプルは、複数の多重ターゲットDNAを含むことができ、ターゲットDNAは、対照群遺伝子の他に、異常にメチル化されて発現が抑制される場合、大腸癌の発生又は進行に影響を与える遺伝子であればいずれも利用可能である。
本発明において、前記サンプルは、人体に由来するものであることを特徴とし、例えば、前記サンプルは、大腸癌組織、細胞、大便、小便、血液、血清又はプラズマを使用することができる。
前記メチル化されたDNAと非メチル化されたDNAを互いに異なるように変形させる一つ以上の試薬は、非メチル化されたシトシン塩基とメチル化されたシトシン塩基とを区別できるものであれば、いずれも使用可能であり、例えば、バイサルファイト(bisulfite)、ヒドロゲンサルファイト(hydrogen sulfite)、ジサルファイト(disulfite)及びこれらの組合せでよいが、これに限定されるものではない。具体的に、前記試薬によって、メチル化されたシトシン塩基は変換されなく、非メチル化されたシトシン塩基は、ウラシル又はシトシン以外の塩基に変換されてよい。
本発明において、段階(b)は、メチル化されたSDC2遺伝子及びメチル化されたADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーを処理する段階である。
前記プライマーは、例えば、PCRのために、正方向及び逆方向プライマーを対にさせて同時に使用することができる。また、前記プライマーの3’末端には必ずCpG部位のメチル化された“C”が位置するように製作され、メチル化検出に対する特異性が高い特徴を有することになる。前記メチル化されたADHFE1遺伝子を特異的に増幅する正方向プライマーは、例えば、配列番号1又は4の配列を含むことができる。前記逆方向プライマーは、例えば、配列番号2又は5の配列を含むことができる。前記メチル化されたSDC2遺伝子を特異的に増幅するプライマーは、配列番号10又は11の配列を含むことができる。
本発明は、前記(b)段階でプライマーによって特異的に増幅されたメチル化SDC2遺伝子及びメチル化ADHFE1遺伝子にそれぞれ相補的にハイブリダイズ可能なプローブを処理する段階をさらに含むことができる。
ハイブリダイズ反応において、厳格な特定レベルを達成するために用いられる条件は、ハイブリダイズされる核酸の性質によって様々である。例えば、ハイブリダイズされる核酸部位の長さ、相同性程度、ヌクレオチド配列組成(例えば、GC/AT組成比)及び核酸タイプ(例えば、RNA、DNA)などがハイブリダイズ条件を選択する上で考慮される。更なる考慮条件は、核酸が、例えばフィルターなどに固定化されているか否かである。
非常に厳格に進行される条件の例を挙げると、次の通りである:室温の2X SSC/0.1% SDS(ハイブリダイズ条件);室温の0.2X SSC/0.1% SDS(厳格性の低い条件);42℃での0.2X SSC/0.1% SDS(普通の厳格性を有する条件);68℃で0.1X SSC(高い厳格性を有する条件)。洗浄過程は、これら条件のいずれか一条件を用いて行うことができ、例えば、高い厳格性を有する条件、又は前記条件をそれぞれ使用することができ、前記記載の順にそれぞれ10~15分ずつ、前記記載の条件を全部又は一部反復して行うことができる。ただし、上述したように、最適条件は、含まれた特別なハイブリダイズ反応によって様々であり、実験から決定できる。一般に、重要なプローブのハイブリダイズには、高い厳格性を有する条件が用いられる。
前記増幅されたメチル化SDC2遺伝子に相補的にハイブリダイズ可能なプローブは、例えば、配列番号3又は6の配列を含むことができる。前記増幅されたメチル化ADHFE1遺伝子に相補的にハイブリダイズ可能なプローブは、配列番号12の配列を含むことができる。
場合によって、プローブは検出可能に標識され、例えば、放射線同位元素、蛍光化合物、バイオ発光化合物、化学発光化合物、金属キレート又は酵素で標識されてよい。前記のようなプローブを適切に標識することは、当該分野で広く知られた技術であり、通常の方法で行うことができる。
前記増幅産物の量は、蛍光信号によって検出できる。プローブの結合した増幅産物の二重螺旋DNAに結合して蛍光を示す試薬(intercalator)を使用するインターカレーティング(Intercalating)法、5’末端は蛍光物質、3’末端は消光子(quencher)で標識されたオリゴヌクレオチドを使用する方法などがある。
本願発明に係る増幅は、リアルタイム定量増幅、例えば、リアルタイム重合酵素連鎖反応(Real-Time PCR)によって行われてよく、リアルタイム重合酵素連鎖反応においてPCR増幅産物の量は蛍光信号によって検出されてよい。リアルタイム重合酵素連鎖反応が進みながら増加するポリヌクレオチド量によって蛍光信号の強度が増加し、増幅サイクル回数による蛍光信号強度を示す増幅プロファイル(amplification profile)曲線が得られる。
増幅プロファイル曲線は、一般に、実質的なポリヌクレオチド量が反映されていない背景の蛍光信号が現れるベースライン(baseline)領域、ポリヌクレオチド生成物量の増加による蛍光信号増加が現れる指数的領域(exponential region)、及びPCR反応が飽和状態となって蛍光信号強度の増加が現れない停滞状態領域(plateau region)に分けられる。
通常、ベースライン領域から指数的領域に移る地点、すなわち、PCR増幅産物量が蛍光で検出可能な量に到達した時の蛍光信号強度を臨界値(threshold)といい、増幅プロファイル曲線で臨界値に対応する増幅サイクル回数を、臨界サイクル(threshold cycle:Ct)値という。
前記Ct値を測定し、標準物質に対するCt(threshold cycle)値に基づいて濃度が決定された標準曲線を分析し、増幅された遺伝子の濃度を確認することによって、メチル化特異的敏感度及び/又は特異度を決定することができる。
一実施例において、前記メチル化検出はPCR、メチル化特異PCR(methylation specific PCR)、リアルタイムメチル化特異PCR(real time methylation specific PCR)、メチル化DNA特異的結合タンパク質を用いたPCR、メチル化DNA特異的結合抗体を用いたPCR、定量PCR、遺伝子チップ、シーケンシング、シーケンシングバイシンセシス(Sequencing by synthesis)及びシーケンシングバイライゲーション(Sequencing by ligation)からなる群から選ばれる方法によって行われてよい。
(1)メチル化特異PCR(methylation specific PCR):前記メチル化特異PCRで検出する場合、バイサルファイトを処理すれば、5’-CpG’-3部位のシトシンがメチル化された場合にはそのままシトシンが残っており、非メチル化された場合には、ウラシルに変わる。したがって、バイサルファイト処理後に変換された塩基配列を対象に、5’-CpG-3’塩基配列が存在する部位に該当するプライマーを作製することができる。プライマーを用いてPCRをすれば、メチル化された場合には、メチル化された塩基配列に該当するプライマーを使用したものからPCR産物が作られ、アガロースゲル電気泳動方法でメチル化の有無が確認できる。ここで、前記メチル化検出プローブは、TaqMan、分子標識(Molecular Beacon)、自己報告(self-reporting)機能を有する或いはエネルギー転移標識機能を有するプローブでよいが、これに制限されない。
(2)リアルタイムメチル化特異PCR(real time methylation specific PCR):前記リアルタイムメチル化特異PCRは、メチル化特異PCR方法をリアルタイム測定方法に転換したものであって、ゲノムDNAにバイサルファイトを処理した後、メチル化された場合に該当するPCRプライマーをデザインし、これらのプライマーを用いてリアルタイムPCRを行う。このとき、増幅された塩基配列と相補的なTaqManプローブを用いて検出する方法とサイバーグリーン(Sybr green)を用いて検出する2つの方法がある。したがって、リアルタイムメチル化特異PCRは、メチル化されたDNAだけを選択的に定量分析することができる。このとき、in vitroメチル化DNAサンプルを用いて標準曲線を作成し、標準化のために、塩基配列内に5’-CpG-3’配列のない遺伝子を陰性対照群として共に増幅してメチル化程度を定量分析することができる。
(3)メチル化DNA特異的結合タンパク質を用いたPCR又は定量PCR及びDNAチップ:前記メチル化DNA特異的結合タンパク質を用いたPCR又はDNAチップ方法は、メチル化DNAにのみ特異的に結合するタンパク質をDNAと混合すると、メチル化DNAにのみ特異的にタンパク質が結合するので、メチル化DNAのみを選択的に分離することができる。
また、定量PCR方法でもメチル化の有無が測定でき、メチル化DNA特異的結合タンパク質で分離したメチル化DNAは、蛍光染料で標識し、相補的なプローブが集積されたDNAチップにハイブリダイゼーションさせることによって、メチル化の有無が測定できる。
(4)差別的メチル化の検出-バイサルファイトシーケンシング方法:メチル化CpGを含有した核酸を検出する他の方法は、核酸を含有した試料を、非メチル化シトシンを変形させる製剤と接触させる段階、及びCpG-特異的オリゴヌクレオチドプライマーを使用し、試料のCpG含有核酸を増幅させる段階を含む。ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、変形されたメチル化及び非メチル化核酸を区別してメチル化核酸を検出することを特徴とし得る。前記増幅段階は選択的であり、好ましいものではあるが、必須のものではない。前記方法は、変形された(例えば、化学的に変形された)メチル化及び非メチル化DNAを区別するPCR反応に依存する。
(5)バイサルファイトシーケンシング方法:メチル化CpGを含有した核酸を検出する他の方法は、核酸を含有した試料を、非メチル化シトシンを変形させる製剤と接触させる段階、及びメチル化非依存的(Methylation independent)オリゴヌクレオチドプライマーを使用して試料のCpG含有核酸を増幅させる段階を含む。ここで、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、変形されたメチル化及び非メチル化核酸を区別せずに核酸を増幅することを特徴とし得る。前記増幅された産物をシーケンシングプライマーを用いてサンガー(Sanger)方法でシーケンシングするか、次世代シーケンシング(next generation sequencing)方法として、メチル化核酸の検出のためのバイサルファイト(bisulfite)シーケンシングと関連付いて記載されている。
(6)ここで、次世代シーケンシング方法は、シーケンシングバイシンセシスとシーケンシングバイライゲーション方法とすることを特徴とし得る。この方法の特徴は、細菌のクローン(bacterial clone)を作る代わりに、単一DNA断片を空間的に分離してin situで増幅し(clonal amplification)、シーケンシングするということにある。このとき、数十万個の断片を同時に読み出すことから、マッシブパラレルシーケンシング(massively parallel sequencing)方法と呼ばれることもある。
基本的には、シーケンシングバイシンセシス(Sequencing by synthesis)方法であり、モノ或いはジヌクレオチドを順次に付けながらシグナルを得る方法を用いるが、パイロシーケンシング、イオントレント(ion torrent)、Solexa方法がそれに当たる。
シーケンシングバイシンセシスに基づくNGS装備としては、ロシュ(Roche)社の454プラットホーム、イルミナ(Illumina)社のHiSeqプラットホーム、ライフテクノロジー(Life Technology)社のIon PGMプラットホーム、最後にパシフィックバイオサイエンス(Pacific BioSciences)社のPacBioプラットホームがある。454とIon PGMは、クローナル増幅(clonal amplification)方法としてemersion PCRを利用し、HiSeqは、ブリッジ増幅(Bridge amplification)を利用する。シーケンシングバイシンセシス方法は、1個のヌクレオチドを順次に付けながらDNAを合成させて行く時に発生するリン酸(phosphate)、水素イオン、或いはあらかじめ付けておいた蛍光を検出して配列を読んで行く。配列を検出する方法において、454は、リン酸を使用するパイロシーケンシング(pyroseqeuncing)方法を利用し、Ion PGMは水素イオン検出を利用する。HiSeqとPacBioは、蛍光を検出して配列を読み取る。
シーケンシングバイライゲーション(Sequencing by Ligation)は、DNAリガーゼを利用するシーケンシング技術であり、DNA塩基配列に存在する特定位置のヌクレオチドを確認する技術である。大部分のシーケンシング技術が重合酵素を使用するのと違い、重合酵素を使用しなく、DNAリガーゼがミスマッチ配列をライゲーションしない特徴を利用する。SOLiDシステムがそれに当たる。この手法では、間隔を置いて2個ずつ塩基を読むが、プライマーリセット(primer reset)を用いて独立して5回を反復するので、最終的には各塩基を2回ずつ重複して読み、正確度を高める。
シーケンシングバイライゲーション(Sequencing by Ligation)の場合、16個の組合せからなるジヌクレオチドプライマーセットのうち、該当の塩基配列に対応するジヌクレオチドプライマーが順次にライゲーションされ、このライゲーションの組合せを最終的に分析することで、当該DNAの塩基配列が完成する。
ここで、次世代シーケンシング方法は、シーケンシングバイシンセシス(Sequencing by synthesis)又はシーケンシングバイライゲーション(Sequencing by Ligation)方法とすることを特徴とし得る。ここで、メチル化DNA特異的結合タンパク質はMBD2btに制限されなく、抗体は5’-メチル-シトシン(5’-methyl-cytosine)抗体であり、これに制限されない。
本発明で用いられるプライマーと関連して、前記段階(a)によって試薬、例えば、バイサルファイトを処理すれば、5’-CpG’-3部位のシトシンがメチル化された場合にはそのままシトシンとして残っており、非メチル化された場合にはウラシルに変わる。したがって、試薬、例えば、バイサルファイト処理後に変換された塩基配列を対象に、5’-CpG-3’塩基配列が存在する部位に該当するプライマーを作製することができる。
前記プライマーは、増幅される遺伝子ローカスの各鎖と“概略的に”相補性を有するように作製されてよい。これは、重合反応を行う条件でプライマーが対応する核酸鎖とハイブリダイゼーションされるのに十分な相補性を有することを意味する。
本発明は、他の観点において、メチル化されたSyndecan 2(SDC2)遺伝子及びADHFE1遺伝子、非メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を互いに異なるように変形させる一つ以上の試薬;及び、前記メチル化されたSDC2遺伝子及びメチル化されたADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーを含む大腸癌診断用組成物に関する。
本発明に係る組成物に含まれる構成は、前述した構成と重なるので、これについては同様の説明が適用される。
本発明は、さらに他の観点において、前記組成物を含むターゲットDNAのメチル化検出用キットに関する。
一実施例において、前記キットは、サンプルを入れる区切られたキャリア手段、試薬を含む容器、メチル化SDC2遺伝子及びメチル化ADHFE1遺伝子のそれぞれのプライマーを含む容器を含むことができる。場合によって、前記メチル化SDC2遺伝子及びメチル化ADHFE1遺伝子増幅産物のそれぞれを検出するためのプローブを含む容器をさらに含むことができる。
前記キャリア手段は、瓶、チューブのような一つ以上の容器を収容するに適し、各容器は、本発明の方法に用いられる独立した構成要素を含有する。本発明の明細書において、当該分野における通常の知識を有する者は、容器中の必要な製剤を容易に分配することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるものと解釈されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
実施例1.大腸癌特異的メチル化遺伝子ADHFE1選別
本発明者らは、大腸癌から特異的にメチル化された遺伝子を探すために、12名の大腸癌手術患者の癌組織及びこれと連接する正常組織DNAを用いた遺伝体レベルメチル化分析(MeDIA-CpG microarray)を行い、32種の大腸癌でメチル化された遺伝子を報告したことがある(Oh et al.,Journal of Molecular Diagnostics,2013;15(4):498-507:Supplemental Table 1)。これら32種の遺伝子のうち、大腸癌組織で多くメチル化されたADHFE1(NM_144650,Alcohol dehydrogenase,iron containing,1)を大腸癌特異的メチル化遺伝子として選別した(図1)。
実施例2.ADHFE1メチル化検出プライマー及びプローブ検証
ADHFE1遺伝子のメチル化を検出するためのプライマーを製作するために、バイサルファイト(bisulfate)で変換されたADHFE1遺伝子配列を対象に、MethPrimer(http://www.urogene.org/cgi-bin/methprimer/methprimer.cgi)を用いてメチル化特異的プライマーとプローブを設計した(表1)。
Figure 2023500923000002
設計されたプライマーのADHFE1遺伝子のメチル化特異的検出能力を確認するために、メチル化及び非メチル化対照(control)DNA(EpiTect PCR control DNA set(Qiagen,cat.no.59695)を用いて、qMSP(quantitative methylation-specific real time PCR)方法で検証した。qMSPは、AB 7500 Fast(Thermo Fischer)装備を用いた。合計30μlPCR反応溶液(バイサルファイトで変換された鋳型ヒトDNA、20ng/2μl;5X AptaTaq DNA Master(Roche Diagnostics)、6μl;メチル化特異的PCRプライマー(IDT,USA)、各2μl(2.5pmole/μl)、TaqManプローブ(IDT,USA)、各2μl(2.5pmole/μl);D.W.14μl)を準備し、PCR条件は、95℃、5分処理後に、95℃で15秒、65℃で1分とし、合計40回行った。PCR産物の増幅の有無をリアルタイムで確認した。内部対照遺伝子としてCOL2A1遺伝子を共に増幅した(図2)。
図2に示すように、メチル化DNAでは、ADHFE1(Set 1)と対照遺伝子COL2A1が共に増幅されたが、非メチル化DNAではADHFE1(Set1)遺伝子は増幅されず、対照遺伝子であるCOL2A1のみ増幅されることを確認することにより、ADHFE1遺伝子に対するset 1メチル化特異的なプライマーが正常に作動することを確認した。
図3は、メチル化DNAではADHFE1(Set 2)と対照遺伝子COL2A1が共に増幅されたが、非メチル化DNAでは、ADHFE1(Set 2)遺伝子は増幅されず、対照遺伝子であるCOL2A1のみ増幅されることを確認することにより、ADHFE1遺伝子に対するSet 2メチル化特異的なプライマーが正常に作動することを確認した。
実施例3.糞便DNAにおいてSDC2とADHFE1遺伝子メチル化組合せを用いた大腸癌診断性能増加
ADHFE1遺伝子を、既存の大腸癌早期診断用メチル化バイオマーカーであるSDC2遺伝子(大韓民国特許登録第10-1142131号)のメチル化と組み合わせたときに、大腸癌診断能力が改善されるどうかを確認するために、大腸内視鏡正常人(24人、ヨンセ医療院チェックアップセンター)と大腸癌患者33人(ヨンセ医療院大腸肛門外科)を対象に、SDC2遺伝子のメチル化を測定した(図4)。これらの検体は、事前にSDC2メチル化を測定した検体であり、大腸内視鏡正常人の場合、24人の1人でSDC2メチル化陽性(4.2%)が観察され、大腸癌患者の場合、18人(54.5%)のみが、SDC2メチル化が陽性である検体を使用した。
これらの検体においてメチル化測定は、実施例2に記載のqMSP(quantitative methylation-specific real time PCR)方法を用いた。qMSPは、AB7500 Fast(Thermo Fischer)装備を用い、バイサルファイト変換は、 EZメチル化ゴールドキット(EZ Methylation Gold Kit)(Catalog No.D5006,Zymo Research,USA)を用いた。糞便DNA対象SDC2とADHFE1遺伝子のメチル化測定は、合計30μlPCR反応溶液(バイサルファイトで変換された糞便DNA、2.0ug/10μl;5X AptaTaq DNA Master(Roche Diagnostics)、6μl;メチル化特異的PCRプライマー(IDT,USA)、各2μl(2.5pmole/μl)、TaqManプローブ(IDT,USA)、各2μl(2.5pmole/μl);D.W.6μl)を準備し、内部対照遺伝子としてはCOL2A1遺伝子を共に増幅した。PCR条件は、95℃、5分処理後、95℃で15秒、65℃で1分とし、合計40回行った。PCR産物の増幅の有無をリアルタイムで確認した(図3)。メチル化及び非メチル化対照(control)DNA(EpiTect PCR control DNA set(Qiagen,cat.no.59695)を対照群として用いて共に試験した。
Figure 2023500923000003
ADHFE1遺伝子(Set2)のメチル化を大腸内視鏡正常人の大便から測定したとき、1人でのみメチル化陽性を示し(特異度95.8%)、大腸癌患者では26人でメチル化陽性(敏感度78.8%)を示し、大腸癌検出に有効性があることを確認した。また、既存に知られたSDC2遺伝子メチル化にADHFE1遺伝子(Set2)メチル化を組み合わせたとき、大腸内視鏡正常人でメチル化陽性頻度は1人が追加されて合計2人となり、特異度が91.7%と優れているため、特異度の有意な損傷はなかった。大腸癌患者におけるメチル化陽性頻度は、9人が追加されて合計27人となり、敏感度が81.8%と有意に増加した(図4、P<0.033、Fisher’s exact test)。
本発明は、複数のメチル化された大腸癌マーカー遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いてメチル化を高い検出敏感度で検出することにより、単一のマーカー遺伝子で検出する方法に比べて、大腸癌検出能力が改善され、正確で迅速に大腸癌診断が可能となり、有用である。
以上、本発明内容の特定の部分を詳細に記述したところ、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的記述は単に好ましい実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が制限されるものでない点は明らかであろう。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付する請求項及びそれらの等価物によって定義されるといえよう。

Claims (21)

  1. 次の段階を含む、大腸癌診断のための情報を提供する方法:
    (a)メチル化されたSDC2(Syndecan 2)遺伝子及びADHFE1(Alcohol Dehydrogenase Iron Containing 1)遺伝子、及び非メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を互いに異なるように変形させる一つ以上の試薬でサンプルを処理する段階;及び
    (b)メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーを処理する段階。
  2. 前記試薬は、バイサルファイト(bisulfite)、ヒドロゲンサルファイト(hydrogen sulfite)、ジサルファイト(disulfite)又はこれらの組合せであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記試薬処理によって少なくとも一つのシトシン塩基が、ウラシル又はシトシン以外の塩基に変換されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記メチル化されたADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーは、配列番号1又は4の配列を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記メチル化されたADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーは、配列番号2又は5の配列をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記メチル化されたSDC2遺伝子を特異的に増幅するプライマーは、配列番号10又は11の配列を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. (c)前記(b)段階でプライマーによって特異的に増幅されたメチル化SDC2遺伝子及びメチル化ADHFE1遺伝子にそれぞれ相補的にハイブリダイズ可能なプローブを処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 前記増幅されたメチル化ADHFE1遺伝子に相補的にハイブリダイズ可能なプローブは、配列番号3又は6の配列を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記増幅されたメチル化SDC2遺伝子に相補的にハイブリダイズ可能なプローブは、配列番号12の配列を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  10. 前記メチル化検出は、PCR、メチル化特異PCR(methylation specific PCR)、リアルタイムメチル化特異PCR(real time methylation specific PCR)、メチル化DNA特異的結合タンパク質を用いたPCR、メチル化DNA特異的結合抗体を用いたPCR、定量PCR、遺伝子チップ、シーケンシング、シーケンシングバイシンセシス(Sequencing by synthesis)及びシーケンシングバイライゲーション(Sequencing by ligation)からなる群から選ばれる方法によって行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. 前記プローブに結合して蛍光を示す物質を検出することによって、メチル化を検出することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  12. メチル化されたSDC2(Syndecan 2)遺伝子及びADHFE1(Alcohol Dehydrogenase Iron Containing 1)遺伝子、及び非メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を互いに異なるように変形させる一つ以上の試薬;及び
    前記メチル化されたSDC2遺伝子及びADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーを含む大腸癌診断用組成物。
  13. 前記試薬は、バイサルファイト(bisulfite)、ヒドロゲンサルファイト(hydrogen sulfite)、ジサルファイト(disulfite)又はそれらの組合せであることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記試薬処理によって少なくとも一つのシトシン塩基が、ウラシル又はシトシン以外の塩基に変換されることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  15. 前記メチル化されたADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーは、配列番号1又は4の配列を含むことを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  16. 前記メチル化されたADHFE1遺伝子を特異的に増幅するプライマーは、配列番号2又は5の配列をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  17. 前記メチル化されたSDC2遺伝子を特異的に増幅するプライマーは、配列番号10又は11の配列を含むことを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  18. 前記プライマーによって特異的に増幅されたメチル化SDC2遺伝子とADHFE1遺伝子にそれぞれ相補的にハイブリダイズ可能なプローブをさらに含む、請求項12に記載の組成物。
  19. 前記増幅されたメチル化ADHFE1遺伝子に相補的にハイブリダイズ可能なプローブは、配列番号3又は6の配列を含むことを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記増幅されたメチル化SDC2遺伝子に相補的にハイブリダイズ可能なプローブは、配列番号12の配列を含むことを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
  21. 請求項12~20のいずれか一項に記載の組成物を含む大腸癌診断用キット。
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