JP2023500802A - 湿式造粒におけるバインダーとしてのオクテニルコハク酸デンプンの使用 - Google Patents

湿式造粒におけるバインダーとしてのオクテニルコハク酸デンプンの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、湿式造粒におけるバインダーとしての、特に医薬固体剤形のための、オクテニルコハク酸デンプンの使用、特にオクテニルコハク酸ナトリウムデンプンの使用、及びその方法によって得られる顆粒に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、湿式造粒におけるバインダーとしての、特に医薬固体剤形のための、オクテニルコハク酸デンプンの使用、特にオクテニルコハク酸ナトリウムデンプンの使用、及びその方法によって得られる顆粒に関する。
湿式造粒は、所望の顆粒特性を得ることにおける、その汎用性及び信頼性により、医薬産業で広く使用されている。湿式造粒は全ての薬物に適用することができ、錠剤を製造するための一般的な方法と見なされている。
湿式造粒は、造粒用の液体を添加することによって粉末を凝集させ、顆粒を形成するプロセスである。湿式造粒により、流動性、錠剤を形成するための成形性、含有量均一性が改善され、均一な粒子サイズ及び形状が生じ、製剤原料及び添加物特性のわずかな変化による影響が最小限に抑えられる。
これは、低剪断技術、高剪断プロセス、又は流動床造粒として実施することができる。最近では、湿式造粒プロセスの改善は、特定の二軸押出における連続加工を伴っている。
湿潤状態での粒子間表面間の良好な接着及び凝集を確保するために、適切な特性を有するバインダーを添加する。適切なバインダーは、顆粒が乾燥し、サイズが縮小した後、良好な可塑性、成形性、及び結合能力を得るのに重要である。
一般的に使用するバインダーは、半合成セルロース誘導体、ビニルピロリドン誘導体などの合成ポリマー、又はアルファ化デンプン、デンプン加水分解物、ゼラチン、アルギン酸ナトリウムなどの天然ポリマーである。
いくつものバインダーが試験されてきたものの、バイオアベイラビリティを改善するため、流体に曝露すると短期間内(2.5~10分間)に完全に崩壊する、強く、摩損しない(non-friable)錠剤を提供するように性能が改善されたバインダーを見出すことが尚も必要とされている。
本発明者らは、複数種のさまざまなデンプン誘導体の特性を試験し、10~10g/molの範囲内、好ましくは10~10g/molの範囲内、更に好ましくは100,000~500,000g/molの範囲内、更に好ましくは100,000~400,000g/molの範囲内、更に好ましくは100,000~300,000g/molの範囲内、更に好ましくは100,000~200,000g/molの範囲内、また更に好ましくは150,000g/molで選択される重量平均分子量(Mw)を有するオクテニルコハク酸デンプンの使用により、水分の影響を受けやすくなく、短期間内に崩壊することができる、高硬度を有する医薬製品が製造されることを見出した。更に、当該バインダー溶液の低粘度により、湿式造粒中の良好な噴霧性能が可能となる。最後に、このバインダーの低表面張力は、疎水性原料に対するバインダーの浸透においてより効果的である。
第1の実施形態では、本発明は、1つ又は複数の原料を含む顆粒を湿式造粒によって調製するための方法であって、a)10~10g/mol、好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは100,000~500,000g/mol、更に好ましくは100,000~400,000g/mol、更に好ましくは100,000~300,000g/mol、更に好ましくは100,000~200,000g/mol、また更に好ましくは150,000g/molに含まれる重量平均分子量を有するオクテニルコハク酸デンプンからなるバインダーの存在下で、造粒液で原料の粉末を湿潤させることにより、顆粒を得るステップと、b)当該顆粒を乾燥させるステップと、を含む、方法に関する。特定の実施形態では、当該方法は、a1)原料粉末を当該バインダーの粉末と混合するステップと、a2)ステップa1)の当該粉末混合物を溶媒からなる造粒液で湿潤させるステップと、c)当該顆粒を乾燥させるステップと、を含む。別の特定の実施形態では、ステップa)の当該原料粉末を、当該バインダーを含む造粒液で湿潤させる。この特定の実施形態では、当該バインダーを含む造粒液を、原料粉末上に噴霧してもよい。当該バインダーを含む当該造粒液は、好ましくは10~10mPa.sに含まれる粘度を有する。前述の方法は、乾燥させた顆粒を粉砕するステップc)を更に含む。好ましい実施形態では、当該オクテニルコハク酸デンプンは、もちトウモロコシ(waxy maize)オクテニルコハク酸デンプンであり、より好ましくは、当該オクテニルコハク酸デンプン含有量は、当該顆粒の総乾燥重量の1~50重量%、好ましくは1~15重量%である。特定の実施形態では、当該原料は、医薬活性剤である。
別の態様では、本発明は、医薬錠剤を調製するための方法であって、前述のように顆粒を調製するステップと、顆粒を圧縮することにより錠剤を得る最終ステップと、を含む、方法に関する。
本発明はまた、1つ又は複数の原料と、10~10g/mol、好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは100,000~500,000g/mol、更に好ましくは100,000~400,000g/mol、更に好ましくは100,000~300,000g/mol、更に好ましくは100,000~200,000g/mol、また更に好ましくは150,000g/molに含まれる重量平均分子量を有するオクテニルコハク酸デンプンと、を含む、顆粒、及び当該顆粒を含む医薬錠剤、に関する。最後に、本発明はまた、湿式造粒のためのバインダーとしての、10~10g/mol、好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは100,000~500,000g/mol、更に好ましくは100,000~400,000g/mol、更に好ましくは100,000~300,000g/mol、更に好ましくは100,000~200,000g/mol、また更に好ましくは150,000g/molに含まれる重量平均分子量を有するオクテニルコハク酸デンプンの使用、に関する。
他の特徴、詳細、及び利点は、以下の詳細な説明及び図面に示される。
湿式造粒による錠剤の調製に使用するバインダーの重量平均分子量(Mw)をもとに、錠剤硬度を測定している。バインダーは錠剤塊の3重量%で使用した。顆粒粉末を50%相対湿度(RH)で保管した後、圧縮した。圧縮力は、15kNである。 異なるバインダーで錠剤を調製するのに使用する圧縮力をもとに、錠剤硬度を測定している。バインダーは錠剤塊の3重量%で使用した。顆粒粉末を60%相対湿度(RH)で保管した後、圧縮した。 PVPをバインダーとして使用する場合の錠剤硬度に対する水分の影響。PVPをバインダーとして用い錠剤を調製するのに使用する圧縮力をもとに、錠剤硬度を測定している。PVPは錠剤塊の3重量%で使用した。顆粒粉末を複数の相対湿度(30%RH、50%RH、及び60%RH)で保管した後、圧縮した。 CLEARGUM CO01をバインダーとして使用する場合の錠剤硬度に対する水分の影響。CLEARGUM CO01をバインダーとして用い錠剤を調製するのに使用する圧縮力をもとに、錠剤硬度を測定している。CLEARGUM CO01は錠剤塊の3重量%で使用した。顆粒粉末を複数の相対湿度(30%RH、50%RH、及び60%RH)で保管した後、圧縮した。 CLEARGUM CO03をバインダーとして使用する場合の錠剤硬度に対する水分の影響。CLEARGUM CO03をバインダーとして用い錠剤を調製するのに使用する圧縮力をもとに、錠剤硬度を測定している。CLEARGUM CO03は錠剤塊の3重量%で使用した。顆粒粉末を複数の相対湿度(30%RH、50%RH、及び60%RH)で保管した後、圧縮した。 異なるバインダーで調製した錠剤の硬度をもとに測定した崩壊時間。バインダーは錠剤塊の3重量%で使用した。顆粒粉末を60%RHで保管した後、圧縮した。
本発明者らは、マンニトールの湿式造粒における、異なる種類の変性デンプン及び従来のバインダーのバインダー効率を評価した。これらの試料は、10~10g/mol、好ましくは100,000~500,000g/mol、更に好ましくは100,000~400,000g/mol、更に好ましくは100,000~300,000g/mol、更に好ましくは100,000~200,000g/mol、また更に好ましくは150,000g/molに含まれる重量平均分子量を有するオクテニルコハク酸デンプンが、強い錠剤及び顆粒を製造するのに特に効果的であることを示した。
本発明は、1つ又は複数の原料を含む顆粒を湿式造粒によって調製するための方法であって、a)10~10g/mol、好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは100,000~500,000g/mol、更に好ましくは100,000~400,000g/mol、更に好ましくは100,000~300,000g/mol、更に好ましくは100,000~200,000g/mol、また更に好ましくは150,000g/molに含まれる重量平均分子量を有するオクテニルコハク酸デンプンからなるバインダーの存在下で、造粒液で原料粉末を湿潤させることにより、顆粒を得るステップと、b)当該顆粒を乾燥させるステップと、を含む、方法に関する。
「顆粒」という用語は、一次粒子から作製された凝集物を指す。異なる方法によって、特に造粒において、顆粒を得ることができる。造粒液を使用して粉末を凝集させる湿式造粒によって、顆粒を得ることができる。顆粒は、任意の好適なサイズ、好ましくは0.1~2mmの範囲のサイズを有することができる。
「原料(substances)」という用語は、対象となる任意の化合物を指す。化合物の特有の性質は重要ではなく、任意の原料を用いることができる。特定の実施形態では、当該原料は、活性原料である。
本明細書で用いる活性原料は、非医薬の剤及び医薬の剤を含む。「活性」という用語は、典型的には、対象となる任意の原料、例えば、医薬、獣医学品、食品、栄養補助食品、化粧品、又は農薬を指すために使用される。このような活性原料の例は、医薬活性成分、着色剤、香味料である。好ましくは、本発明の活性原料は、医薬活性剤、好ましくはヒト用を意図した医薬活性剤である。医薬活性剤は、化学分子であってもよいが、また、例えば、タンパク質、DNA若しくはRNAに由来するものなどの核酸、細胞、又はウイルスに基づく、又はそれに由来する活性原料での場合のように、いわゆる「生物学的」活性成分であってもよい。
原料を最初に粉砕することにより、原料粉末として言及する均一な分布の原料を製造することができる。また、原料を、粉末形態で直接購入することもできる。
添加物粉末を用い原料粉末を均質化することもできる。当該添加物は、好便な単位剤形での一貫した量の原料の送達を確保するように、並びに生産プロセスのコスト、容易性、及び信頼性を最適化するように選択される。添加物は、充填剤(又は希釈剤)、崩壊剤、滑沢剤、抗接着剤、滑剤、湿潤及び表面活性剤、安定剤、顔料、香味剤、甘味料、吸着剤、及び味マスク剤であってもよい。
次いで、原料の粉末を、バインダーの存在下で造粒液により湿潤させる。原料を、バインダーの乾式又は湿式添加方法を使用して造粒することができる。
バインダーは、湿式造粒プロセスにおける顆粒中の原料粉末間の接着及び凝集を確保するために適切な表面湿潤を有する、重要な製剤成分である。
本発明によるバインダーは、オクテニルコハク酸デンプン、好ましくはオクテニルコハク酸ナトリウムデンプンである。
本開示によるバインダーは、低表面張力を示す。好ましい実施形態では、バインダー水溶液(30%w/w)は、実施例に開示されている方法により、23℃でWilhelmyプレートを用い45mN/m未満、好ましくは40mN/m未満であるとして測定される、表面張力を有する。
本開示のオクテニルコハク酸デンプンは、デンプン質材料である。「デンプン質材料」という表現は、標準的には、デンプンから得られた原料を指す。「デンプン」という表現は、標準的には、当業者に公知の任意の技術によって、トウモロコシ、タピオカ、大麦などの任意の好適な植物素材から単離したデンプンを指すことについて、念頭に置かれたい。単離したデンプンは、典型的には、3重量%以下の不純物を含有する。当該パーセンテージは、単離したデンプンの総乾燥重量に対する不純物の乾燥重量で表されている。これらの不純物は、典型的には、タンパク質、コロイド状物質、及び繊維状残渣を含む。好適な植物素材としては、例えば、マメ科植物、穀物、及び塊茎が挙げられる。
オクテニルコハク酸デンプンは、当業者に公知である。オクテニルコハク酸デンプンは、典型的には、エステル化によって、例えば、デンプン質材料とオクテニルコハク酸無水物との反応から得られる。
好ましい実施形態では、本開示によるオクテニルコハク酸デンプンを、好ましくはアルファ-アミラーゼで更に部分的に加水分解する。
好ましい実施形態では、本開示によるオクテニルコハク酸デンプンは、デンプンの総乾燥重量に対する乾燥重量として表される、50重量%超のアミロペクチンを含むデンプンに由来する。このアミロペクチン含有量を、標準的には、複合体を形成するようアミロースによって吸収されたヨウ素の電位差分析によって、当業者が決定することができる。好ましい実施形態では、本開示によるオクテニルコハク酸デンプンは、少なくとも60%、更に好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも90%、更に好ましくは少なくとも95%のアミロペクチン含有量を示すデンプンに由来する。
好ましい実施形態では、本開示によるオクテニルコハク酸デンプンは、もち種デンプン(waxy starch)、更により好ましくはもちトウモロコシデンプンに由来する。
好ましい実施形態では、本開示によるオクテニルコハク酸デンプンは、オクテニルコハク酸ナトリウムデンプンである。
好ましい実施形態では、本開示によるオクテニルコハク酸デンプンは、10~1000mPa.sの範囲内で選択されるブルックフィールド粘度を有し、当該粘度は、溶液の総重量に対して24乾燥重量%の当該オクテニルコハク酸デンプンを含む溶液に対してSC4-18スピンドルを使用して、20℃、60rpmで20分後に決定されるものである。より好ましくは、この粘度は、20~300mPa.sの範囲内、更に好ましくは20~150mPa.sの範囲内で選択される。
本開示によるオクテニルコハク酸デンプンは、とりわけ最終粉末の安全性及び性能の観点から、所望の特性を妨げないものである限り、以前にさらされた好ましいもの以外の化学的及び/又は物理的変性を経てもよい。しかしながら、この変性は、本発明において必須ではないとみられるので、本発明のオクテニルコハク酸デンプンを、好ましくは更に変性しない。
市販の好適なオクテニルコハク酸デンプンの例として、CLEARGUM(登録商標)CO01(Roquette)又はCLEARGUM(登録商標)CO03(Roquette)の名称で販売されているものを挙げることができる。好ましい実施形態では、CLEARGUM(登録商標)CO01は、90~200mPa.sの範囲内で選択されるブルックフィールド粘度を有し、CLEARGUM(登録商標)CO03は、20~100mPa.sの範囲内のブルックフィールド粘度を有する。
10~10g/molに含まれる重量平均分子量(Mw)を有するオクテニルコハク酸塩をバインダーとして使用することにより、短期間内に崩壊する強い錠剤を得て、バイオアベイラビリティを改善することができる。本発明によれば、当該オクテニルコハク酸デンプンは、10~10g/mol、好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは100,000~500,000g/mol、更に好ましくは100,000~400,000g/mol、更に好ましくは100,000~300,000g/mol、更に好ましくは100,000~200,000g/mol、より好ましくは150,000g/molの重量平均分子量を有する。好ましい実施形態では、当該オクテニルコハク酸デンプンは、CLEARGUM(登録商標)CO01(CASN°66829-29-6、Roquette)又はCLEARGUM(登録商標)CO03(CAS N°66829-29-6、Roquette)、より好ましくはCLEARGUM(登録商標)CO03 (CAS N°66829-29-6、Roquette)である。
重量平均分子量については、0.02マイクロメートルのフィルターで濾過した、0.02%のアジ化ナトリウム(Aldrich ref.19.993-1)を含有する0.1mol/Lの硝酸ナトリウム水(脱気済みHPLCグレード水)溶液(Merck ref:6546)からなる溶出溶液中にサンプルを溶解し、MALS検出器を備えるサイズ排除クロマトグラフィーで分析することによって、当業者が決定することができる。MW分布を記録し、完全な重量分布の平均値を計算する。非限定的な例として、高速液体クロマトグラフィユニットは、高圧イソクラティックポンプ(WATERS515型)、オートサンプラー(WATER717+型)、示差屈折率計(WATERS2414型)、カラムオーブン、多角静的光散乱(MALS)検出器(DAWN HELEOS II(Wyatt))を備えている。好ましい実施形態では、分析を、110分の間、100μLの注入量及び0.5mL/分の移動相出力、40℃の温度で実施する。10mLの溶出溶媒を40mgのPullulan P50 Shadex標準キットP82(Waters-ref.WATO34207)に添加し、ゆっくりと攪拌しながら100℃で30分間インキュベートすることにより、正規化サンプルを調製して、正規化ステップを行う。100μLの得られた溶液を、当該サイズ排除クロマトグラフィーで分析する。次いで、10mLの溶出溶媒を100mgのサンプルに添加し100℃で30分間インキュベートすることによって、サンプルを調製し、当該サイズ排除クロマトグラフィーで分析する。分子量を、Astraソフトウェアで計算する。
特定の実施形態では、当該オクテニルコハク酸デンプンは、当該顆粒の総乾燥重量の0.1~50重量%、好ましくは1~10重量%、より好ましくは3重量%に含まれる濃度で存在する。
第1の特定の実施形態では、原料を、バインダーの乾式添加を用いて造粒する。この特定の方法では、これまでに開示したオクテニルコハク酸デンプンからなる粉末形態のバインダーを、原料粉末と混合する。次いで、得られた粉末混合物を、造粒液で湿潤させる。この場合、造粒液は、好ましくは、水、有機溶媒、例えば、エタノール、イソプロパノール、メタノール、アセトン、及びそれらの混合物、好ましくは少なくとも50%の水を含む混合物からなる群から選択される溶媒であり、より好ましくは、当該造粒液は、水である。当該造粒液は、乾燥によって容易に除去される揮発性のものである必要がある。したがって、バインダーの乾式添加の場合、原料粉末をバインダーの粉末と混合した後、造粒液で湿潤させる。
別の特定の実施形態では、原料を、バインダーの湿式添加を用いて造粒する。この特定の方法では、原料粉末を、前述のようにオクテニルコハク酸デンプンからなる当該バインダーを含む造粒液で湿潤させる。したがって、別の観点では、バインダー溶液を造粒液として原料粉末を湿潤させることによって、湿式造粒を実施する。この特定の実施形態では、前述のようにオクテニルコハク酸デンプンを溶媒中に溶解することによって、当該造粒液を調製する。当該溶媒は、乾燥によって容易に除去される揮発性のものである必要がある。好ましくは、当該溶媒は、水、有機溶媒、例えば、エタノール、イソプロパノール、メタノール、アセトン、及びそれらの混合物、好ましくは少なくとも50%の水を含む混合物からなる群から選択され、より好ましくは、当該造粒液は、水である。
好ましい実施形態では、当該オクテニルコハク酸デンプンを含む造粒液は、50~300mPa.s、好ましくは50~150mPa.sに含まれる、より好ましくは、74mPa.sの、25℃でのブルックフィールド粘度を有する。粘度は、回転速度を100rpmとしたBrookfieldデジタル粘度計DV-Iで測定したものである。
当該造粒液を、原料の乾燥粉末上に、特に造粒機内で、注入又は噴霧することができる。チャンバに入っている粉末を、典型的には、剪断力を加えることによって、又は粉末混合物を流動化することによって混合し、顆粒を形成する。
当該造粒を、流動床造粒機又は高剪断造粒機、好ましくは高剪断造粒機、例えば、6リットルのボウルを備えた実験室ミキサー造粒機DiosnaP1-6で行うことができる。当該高剪断造粒機は、好ましくは、混合ボウル、インペラ、及びチョッパーを備える。通常、インペラは、200~1500rpmの速度で動き、チョッパーの回転速度は、10~2200rpmである。
造粒液を、典型的には、連続混合により5秒~15分に含まれる時間範囲で時間をかけて添加する。
最後に、顆粒を、当業者に公知の一般的な技術を用いて、適切な水分含有量で、好ましくは、水の0~20重量%、より好ましくは水の1~3重量%の乾燥減量値で乾燥させることができる。乾燥を、好ましくは、流動床において、20~120℃、好ましくは60℃の温度で、10~180分間行う。水含有量を、自動モードにより120℃の乾燥温度でSartorius水分分析器MA150を用いて測定する。
乾燥した顆粒を、その後のプロセスに適切な粒径分布を得るように、好ましくはレーザー回折によって決定した20~1500μmの範囲内の顆粒サイズを得るように、粉砕ステップに供することができる。好ましくは、サイズ決めステップを、低剪断スクリーニングミル、例えば、800μmのふるいを有するU5Comilを用いて為す。
次いで、乾燥した顆粒を、例えば経口投与のために、固体剤形で調製することができる。固体剤形としては、錠剤、カプセル、丸剤、トローチ、カシェなどが挙げられる。
したがって、本発明はまた、医薬錠剤を調製するための方法であって、前述の方法によって得られた顆粒を錠剤に圧縮する、方法に関する。別の実施形態では、乾燥した顆粒を、カプセル内に封入する。
圧縮ステップの前に滑沢剤を添加し、錠剤を取り出しやすくすることができる。本明細書で使用するとき、「滑沢剤」という用語は、表面摩擦を低減し、顆粒の表面を滑沢にし、静電気の蓄積の傾向を減少させ、及び/又は顆粒の摩損を低減する、任意の医薬的に許容される剤を指す。好ましくは、当該滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
好ましくは、圧縮ステップを、例えば、シングル式パンチプレス機又はロータリー式錠剤プレス機による、好ましくはロータリー式錠剤プレス機による、錠剤プレスによって行う。
好ましくは、圧縮ステップを、例えば、シングル式パンチプレス機又はロータリー式錠剤プレス機による、好ましくはロータリー式錠剤プレス機による、錠剤プレスによって行い、好ましくは、圧縮ステップを、典型的には、スチールダイキャビティ内に2つの鋼パンチを備える機械で実施する。錠剤を形成する際、キャビティ内でのパンチによって、乾燥した顆粒に圧力をかける。
本開示はまた、前述の原料の顆粒を調製する方法によって得られる、顆粒に関する。当該顆粒は、前述のように、1つ又は複数の原料と、バインダーとを含む。
好ましくは、本発明による顆粒は、少なくとも100g/Lのかさ密度、好ましくは400~800g/Lの範囲内で選択される、より好ましくは500~700g/Lの範囲内で選択されるかさ密度を有する。
好ましくは、本発明による顆粒は、少なくとも100g/Lのタップ密度、好ましくは600~1000g/Lの範囲内で選択される、より好ましくは700~900g/Lの範囲内で選択されるタップ密度を有する。
これらのバルク密度及びタップ密度は、典型的には、実施例に記載の方法に従って当業者が決定することができる。
別の態様では、本発明は、前述の錠剤を調製するための方法によって得られる、医薬錠剤に関する。当該医薬錠剤は、前述の顆粒を含む。別の実施形態では、当該医薬錠剤は、前述のように、1つ又は複数の原料と、バインダーとを含む。
好ましくは、本発明による医薬錠剤は、60分未満、好ましくは15分未満、より好ましくは2~7分の崩壊時間を示す。崩壊時間を、実施例に記載の方法に従って、当業者が決定することができる。
好ましくは、本発明による医薬錠剤は、1%未満の摩損度を有する。摩損度は、実施例に記載の方法に従って、当業者が測定することができる。
好ましくは、本発明による医薬錠剤は、15kNの圧縮力で硬度が高くなり、50Nより高い、好ましくは100より高い、より好ましくは110~150Nの硬度を示す。当業者は、実施例に記載の方法に従って、硬度を測定することができる。
本発明の他の特徴及び利点は、以下に示す実施例を読むことで明確に把握される。以下の実施例は、本発明を例示するものであり、限定するものではない。
1.材料及び方法
A.造粒マトリックス
以下の造粒試験では、以下の製品をバインダーとして試験した:
Figure 2023500802000002
重量平均分子量については、0.02マイクロメートルのフィルターで濾過した、0.02%のアジ化ナトリウム(Aldrich ref.19.993-1)を含有する0.1mol/Lの硝酸ナトリウム水(脱気済みHPLCグレード水)溶液(Merck ref:6546)からなる溶出溶液中にサンプルを溶解し、MALS検出器を備えるサイズ排除クロマトグラフィーで分析することによって、当業者が決定した。MW分布を記録し、完全な重量分布の平均値を計算する。非限定的な例として、高速液体クロマトグラフィユニットは、高圧イソクラティックポンプ(WATERS515型)、オートサンプラー(WATER717+型)、示差屈折率計(WATERS2414型)、カラムオーブン、多角静的光散乱(MALS)検出器(DAWN HELEOS II(Wyatt))を備えている。好ましい実施形態では、分析を、110分の間、100μLの注入量及び0.5mL/分の移動相出力、40℃の温度で実施する。10mLの溶出溶媒を40mgのPullulan P50 Shadex標準キットP82(Waters-ref.WATO34207)に添加し、ゆっくりと攪拌しながら100℃で30分間インキュベートするすることにより、正規化サンプルを調製して、正規化ステップを行う。100μLの得られた溶液を、当該サイズ排除クロマトグラフィーで分析する。次いで、10mLの溶出溶媒を100mgのサンプルに添加し100℃で30分間インキュベートすることによって、サンプルを調製し、当該サイズ排除クロマトグラフィーで分析する。分子量を、Astraソフトウェアで計算する。
造粒する粉末は、マンニトール(PEARLITOL(登録商標)50C、Roquette)で構成した。
バインダーを、合計1.5kgの粉末(マンニトール及びバインダー)に対して3重量%で用いた。
表1に列挙した45gの乾燥したバインダーをそれぞれ150gの水に溶解することによって、錠剤中3%のバインダーとなるバインダー溶液を調製した(表2)。
Figure 2023500802000003
バインダー溶液の粘度を、ブルックフィールドデジタル粘度計DV-Iにより25℃で測定した。回転速度は100rpmとした。
B.粉末及び錠剤の調製方法。
1.湿式造粒
6リットルのボウルを備えた、実験室ミキサー造粒機DiosnaP1-6を用いて、高剪断湿式造粒を行った。マンニトールを混合し、Diosnaボウル(6L)内の凝集物を、250rpmのインペラ速度及び1800rpmのチョッパー速度で5分間砕く。バインダー溶液を、引き続き剪断に供している粉末上に噴霧することによって添加する。粉末を5分間混合し、適切なサイズで顆粒を製造する。
用いたマンニトール及びバインダーの量を、以下の表3に示す。
Figure 2023500802000004
造粒は、In Touch及びHistデータソフトウェアを用いて追跡する。次いで、顆粒を、Aeromatic Fielder AG内で、60℃の循環熱風により乾燥させる。
次いで、顆粒のサイズを、800μmのメッシュスクリーン及び2500rpmの速度でUComilにより較正する。
2.粉末の事前コンディショニング
造粒物を較正してから、それらを同じ重量の3つの画分に分け、25℃で、30%、50%、又は60%の相対湿度のHPP110定常気候室内で1週間保管する。
3.錠剤化
1週間の事前コンディショニング後、顆粒を圧縮することにより錠剤を形成する。圧縮ステップの前に、粉末及び1.2重量%のステアリン酸マグネシウムをcycloidal turbula(登録商標)ミキサー内にて34rpmで5分間混合することによって、滑沢化を行う。
400mgの錠剤を、直径10mm及びキャビティパンチ9mmのKorschXP1錠剤プレス機を用いて調製する。用いる圧縮力は、5KN、10KN、15KN、20KN、及び25KNである。各圧縮力について、80錠を、20錠/分の錠剤出力で製造する。
C.特性評価
1.バインダー溶液
バインダーの性能は、部分的に、表面張力、及び粉末上に広がること、によるものであるため、バインダー溶液を分析した。各バインダー溶液の表面張力γLV(mN/m)を、張力計KRUESS K12により、粗白金製のKruess標準プレート(Wilhelmyプレート、幅:19.9mm、厚さ:0.2mm、高さ10mm)を用いて測定する。熱調節したセルを用いることによって、23℃で測定を行った。測定前に、プレートを、火炎(ガス燃焼バーナ)によって除染する必要がある。方法パラメータは以下のとおりである:6mm/分の検出速度、0.01gの検出感度、2mmの浸漬深さ。
2.顆粒
粒子のサイズを、標準的なベンチュア分散機及び0バールの分散圧力を用いて、空気力学的粉末モジュールを備えたMalvern3000粒度計によって分析する。用いる光学モデルは、フラウンホーファー回折モデルである。結果を、体積%で表す。
注入時密度(poured density)及びタップ密度を、100gの粉末の体積測定から計算する。注入時密度を、欧州薬局方に記載されているように、100gの粉末をメスシリンダーに注入することによって得る。Stampfvolumeter STAV2003タッピング機を用いて、前述のサンプルを2500回タップすることによってタップ密度を得る。
3.錠剤
錠剤の硬度、摩損度、及び崩壊時間を測定する。摩損度を、摩損度測定器ERWEKA TAR220で測定する。回転速度を、25rpmにて4分間でプログラムし、摩損度を、以下の式で測定する。
Figure 2023500802000005
10個の錠剤の硬度を、8M錠剤硬度試験機(Pharmatron AG)で測定する。
崩壊時間を、Disi Test50 Pharmatronを用いて測定する。この方法では、6個の錠剤を、37℃の900mLの蒸留水に浸漬する。機械によってもはや検出されなくなったときに、錠剤が崩壊したとみなす。
結果
1.バインダー特性
以下の表4は、バインダーと、造粒試験に用いるとき23乾燥重量%のバインダー溶液との特性を示す。特性は、オクテニルコハク酸デンプンが他のバインダー溶液よりもはるかに低い表面張力を示すことを、明確に示している。この低い表面張力は、活性成分の疎水性粉末などの疎水性表面上での溶液の良好な広がり性をもたらすものである。したがって、これらの特性により、オクテニルコハク酸デンプンに、粉末顆粒バインダーとして非常に良好な利点がもたらされる。
Figure 2023500802000006
2.バインダー分子量に応じた錠剤硬度(50%RH-15KN)
図1は、バインダー分子量に対して錠剤硬度を表す。圧縮前に、顆粒を50%RHで平衡化した。用いる圧縮力は、15kNである。
図1に示すように、デンプン誘導体バインダーで作製した錠剤の硬度は、バインダーの分子量に応じて異なり、分子量が高くなるほど、錠剤は硬くなる。これらの結果によれば、錠剤硬度の観点で最良である4種類のデンプン誘導体は、CLEARGUM(登録商標)CO01、CLEARGUM(登録商標)CO03、LYCOAT(登録商標)RS720、及びLYCOAT(登録商標)RS780である。
3.バインダーに応じた錠剤圧縮プロファイル
図2は、4種類の最良のデンプン誘導体及びPVPで造粒したマンニトール粉末の圧縮プロファイルを示す。圧縮前に、顆粒を60%RHで1週間保管した。
図2から、CLEARGUM(登録商標)CO01、CLEARGUM(登録商標)CO03、及びLYCOAT(登録商標)RS780が、15kNの圧縮力で得られた130N~140Nの硬度値を有する非常に類似した圧縮プロファイルを示すことが分かる。LYCOAT(登録商標)RS720及びPVPは、ここでは、それぞれ約150N及び160Nの同じ圧縮力で、よりわずかな硬度を示すようにみえる。
概して言えば、ここで圧縮された全ての顆粒は、広範囲の硬度に及ぶ良好な圧縮プロファイルを示す。
4.硬度に対する水分の影響
図3、図4、及び図5は、それぞれ、PVP、CLEARGUM(登録商標)CO01、及びCLEARGUM(登録商標)CO03で造粒したマンニトールの圧縮プロファイルを示す。全ての粉末を、圧縮前に3つの異なる相対湿度(30%RH、50%RH、及び60%RH)で1週間事前コンディショニングした。
CLEARGUMCO01又はCLEARGUMCO03で作製した顆粒とは対照的に、PVPで作製した顆粒の圧縮挙動は、事前コンディショニング条件の影響を非常に受けやすいことが明確にみられる。
実際には、PVPを含有する錠剤の硬度は、試験した相対湿度範囲にわたって15kNの圧縮力で36N超の変化を示す。この変化は、硬度値の23%~29%に相当する。
15KNの同じ圧縮力で、同じ相対湿度範囲について、CLEARGUM(登録商標)CO01及びCLEARGUM(登録商標)CO03を含有する錠剤の硬度は、それぞれ13N及び11Nの硬度を示す。これらの変化は、硬度値の8%~10%に相当する。
保管の湿度条件に関し、オクテニルコハク酸デンプンで得られたより良好な安定性は、顆粒及び錠剤の特性の持続性を保証することが可能になることから、明確な利点である。
5.摩損度及び崩壊時間
この試験で調製した全ての錠剤は、測定条件において1%未満の摩損度値を示す。
異なるバインダーで調製した錠剤の水中の崩壊時間を、図6に示す。CLEARGUM CO03で造粒した錠剤は、最も短い崩壊時間を示す。この挙動は有利である。
6.結論
この試験では、CLEARGUM(登録商標)CO01、CLEARGUM(登録商標)CO03、LYCOAT(登録商標)RS720、LYCOAT(登録商標)RS780、又はPVPのいずれかで造粒したマンニトールの、錠剤を形成する能力を比較した。これらのバインダーの全てで、造粒したマンニトールは、良好な圧縮プロファイル及び非常に低い摩損度を有する錠剤を形成可能であった。
しかしながら、オクテニルコハク酸デンプンとは対照的に、PVPで作製した錠剤は顆粒の保存相対湿度に応じて硬度の大きな変動を示すことが明らかであった。したがって、このことにより、それらのデンプン誘導体バインダーは、造粒製剤の安定性を保証するのにはるかに適切なものになる。
加えて、オクテニルコハク酸デンプン溶液で測定した低い表面張力は、活性成分の疎水性粉末などの疎水性表面上での溶液のより良好な広がり性をもたらすことから、非常に大きな利点である。
したがって、CLEARGUM CO01及びCLEARGUM CO03は、ここでは最良の造粒用バインダーであるとみられる。これらの2つのデンプン誘導体のうち、CLEARGUM CO03は、そのより低い分子量、溶液中でのより低い粘度、及び錠剤のより短い崩壊時間により、最良の折衷である。

Claims (13)

  1. 1つ又は複数の原料を含む顆粒を湿式造粒によって調製するための方法であって、
    a)10~10g/mol、好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは100,000~500,000g/mol、更に好ましくは100,000~400,000g/mol、更に好ましくは100,000~300,000g/mol、更に好ましくは100,000~200,000g/mol、また更に好ましくは150,000g/molに含まれる重量平均分子量を有するオクテニルコハク酸デンプンからなるバインダーの存在下で、造粒液で原料の粉末を湿潤させることにより、顆粒を得るステップと、
    b)前記顆粒を乾燥させるステップと、
    を含む、方法。
  2. ステップa)が、
    a1)原料粉末を前記バインダーの粉末と混合するステップと、
    a2)ステップa1)の前記粉末混合物を、溶媒からなる造粒液で湿潤させるステップと、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. ステップa)の前記原料粉末を、前記バインダーを含む造粒液で湿潤させる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記バインダーを含む前記造粒液を、前記原料粉末上に噴霧する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記バインダーを含む前記造粒液が、10~10mPa.sに含まれる粘度を有する、請求項3又は4に記載の方法。
  6. c)前記乾燥させた顆粒を粉砕するステップを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記オクテニルコハク酸デンプンが、もちトウモロコシオクテニルコハク酸デンプンである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記オクテニルコハク酸デンプン含有量が、前記顆粒の総乾燥重量の1~50重量%、好ましくは1~15重量%である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記原料が、医薬活性剤である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 医薬錠剤を調製するための方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の顆粒を調製するステップと、前記顆粒を圧縮することにより錠剤を得る最終ステップと、を含む、方法。
  11. 1つ又は複数の原料と、10~10g/mol、好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは100,000~500,000g/mol、更に好ましくは100,000~400,000g/mol、更に好ましくは100,000~300,000g/mol、更に好ましくは100,000~200,000g/mol、また更に好ましくは150,000g/molに含まれる重量平均分子量を有するオクテニルコハク酸デンプンと、を含む、顆粒。
  12. 請求項11に記載の顆粒を含む、医薬錠剤。
  13. 湿式造粒のためのバインダーとしての、10~10g/mol、好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは10~10g/mol、更に好ましくは100,000~500,000g/mol、更に好ましくは100,000~400,000g/mol、更に好ましくは100,000~300,000g/mol、更に好ましくは100,000~200,000g/mol、また更に好ましくは150,000g/molに含まれる重量平均分子量を有するオクテニルコハク酸デンプンの使用。

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