JP2023184248A - 超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法、及び、超音波診断装置の制御プログラム - Google Patents

超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法、及び、超音波診断装置の制御プログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2023184248000001
【課題】処理を複雑にすることなく低域のクラッタを除去したドプラ音を生成すること。
【解決手段】本開示の一態様に係る超音波診断装置は、超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得る送受信部と、前記受信信号を検波してドプラ信号を生成する検波部と、前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するフィルタリング部と、前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成する解析部と、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成する生成部と、を備えている。
【選択図】図4

Description

本開示は、超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法、及び、超音波診断装置の制御プログラムに関する。
従来、ドプラの原理を利用して、被検体の血流速度等を測定し、これにより得られたドプラ波形に基づいて、血流の速度変化をスペクトル表示する画像モードであるドプラモードを有する超音波診断装置が知られている。このような超音波診断装置において、ドプラモードとして、例えば、PWD(パルス波ドプラ)モード、CWD(連続波ドプラ)モード及びTDI(組織ドプラ)モードといった種類がある。例えば、PWDモードでは、超音波パルスが生体内へ送波され、特定の深さに設定された、ドプラ信号を計測する観察領域(ドプラサンプルゲート)から抽出されたドプラ情報が周波数解析され、これにより得られたドプラスペクトル(血流速度毎の信号強度を表したもの)からドプラ波形が形成される。また、例えば、CWDモードでは、連続波超音波が送波され、その超音波ビーム軸上からの反射波が受波される。これにより得られた受信信号からドプラ情報が抽出され、上記と同様にドプラ波形が形成される。
図1Aは、ドプラ波形の一例を示す図である。
ドプラ波形は、時系列のドプラスペクトルに基づいて生成される観察対象の動きの速度(即ち、ドプラ偏移周波数)の時間的変化の情報である。例えば、ドプラ波形は、図1Aに示すように、時間を横軸、速度(即ち、ドプラ偏移周波数)を縦軸として、各速度(即ち、周波数成分)の信号強度(パワーとも称される)を輝度(階調)とした波形で表現される。
図1Aにおいて、丸で囲まれた領域は、ドプラサンプルゲートを表し、当該領域の血流信号を捉えることにより、ドプラ波形が形成される。尚、図1Aにおいて、図示される時間軸上の直線をベースラインと呼び、ベースラインに対して図面上側の速度は、プローブに向かってくる血流の速度を表し、ベースラインに対して図面下側の速度は、プローブから遠ざかる血流の速度を表す。
ところで、ドプラ信号の中には、心臓の壁等の動きの遅い物体からの不要な信号(クラッタ、クラッタ信号又はクラッタ成分と呼ばれる)が存在する。クラッタは、微弱な血流信号を検出する際の妨げになることから、強い低周波の不要な信号であるクラッタは、通常ハイパスフィルタで構成されるウォールモーションフィルタによって除去される。したがって、ウォールモーションフィルタは、ドプラ信号の組織成分をカットして血流成分を抽出するためのフィルタであると捉えられてよい。尚、ウォールモーションフィルタは、ウォールフィルタ、クラッタフィルタ、MTI(Moving Target Indicator)フィルタ等と呼ばれてもよい。
例えば、特許文献1には、クラッタを除去する技術が開示されている。
特開平2-264644号公報
特許文献1に開示されている技術では、クラッタを除去するために、フィルタリング(フィルタ処理)は、画像と音とに共通のバンドパスフィルタ(ウォールモーションフィルタに相当)を適用することで行われ、バンドパスフィルタによってクラッタを除去したドプラ信号を周波数解析してスペクトル信号を生成している。さらにドプラ音から低域のクラッタを除去するために、スペクトル信号においてクラッタをフィルタリングし、フィルタリング後の信号をフーリエ逆変換してドプラ音を生成している。当該技術では、このようにしてスペクトル信号からドプラ音を生成するので、フーリエ逆変換結果をドプラ音に合成する処理が生じ、処理が複雑になる。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、処理を複雑にすることなく低域のクラッタを除去したドプラ音を生成することを可能とする超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法、及び、超音波診断装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様は、
超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得る送受信部と、
前記受信信号を検波してドプラ信号を生成する検波部と、
前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するフィルタリング部と、
前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成する解析部と、
前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成する生成部と、
を備えている超音波診断装置を提供する。
又、本開示の一態様は、
超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得るステップと、
前記受信信号を検波してドプラ信号を生成するステップと、
前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するステップと、
前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成するステップと、
前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成するステップと、
を含む、超音波診断装置の制御方法を提供する。
又、本開示の一態様は、
超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得るステップと、
前記受信信号を検波してドプラ信号を生成するステップと、
前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するステップと、
前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成するステップと、
前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成するステップと、
を超音波診断装置に実行させるための、超音波診断装置の制御プログラムを提供する。
本開示の一態様によれば、周波数解析して生成された画像信号(スペクトル信号)を用いることなく音信号を生成できるので、処理を複雑にすることなく低域のクラッタを除去したドプラ音を生成することが可能である。
ドプラ波形の一例を示す図 ドプラ波形の一例を示す図 ドプラ波形の一例を示す図 本開示の第1実施形態に係る超音波診断装置の外観の一例を示す図 本開示の第1実施形態に係る超音波診断装置の全体構成の一例を示す図 本開示の第1実施形態に係る超音波診断装置のドプラ信号処理部の構成の一例を示す図 本開示の第1実施形態に係る画像用ウォールモーションフィルタ及び音用ウォールモーションフィルタのフィルタ特性の例を示す図 本開示の第1実施形態に係る画像用ウォールモーションフィルタ及び音用ウォールモーションフィルタのフィルタ特性の例を示す図 本開示の第1実施形態に係るカットオフ周波数選択用ユーザーインターフェイスの例を示す図 本開示の第1実施形態に係る超音波診断装置Aの動作の一例を示すフロー図 本開示の第2実施形態に係る超音波診断装置のドプラ信号処理部の構成の一例を示す図 本開示の第2実施形態に係る共用ウォールモーションフィルタ及び音用ウォールモーションフィルタのフィルタ特性と、これらのフィルタを合成することにより得られるフィルタ特性と、の例を示す図 本開示の第2実施形態に係る共用ウォールモーションフィルタ及び音用ウォールモーションフィルタのフィルタ特性と、これらのフィルタを合成することにより得られるフィルタ特性と、の例を示す図 本開示の第2実施形態に係る共用ウォールモーションフィルタ及び音用ウォールモーションフィルタのフィルタ特性と、これらのフィルタを合成することにより得られるフィルタ特性と、の例を示す図 本開示の第2実施形態に係るカットオフ周波数選択用ユーザーインターフェイスの例を示す図 本開示の第2実施形態に係る超音波診断装置Aの動作の一例を示すフロー図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態)
[超音波診断装置の構成]
以下、図2~図4を参照して、本開示の第1実施形態に係る超音波診断装置(以下、「超音波診断装置A」と称する)の構成について説明する。
図2は、超音波診断装置Aの外観の一例を示す図である。図3は、超音波診断装置Aの全体構成の一例を示す図である。
超音波診断装置Aは、被検体内の形状、性状又は動態を超音波画像として可視化し、画像診断するために用いられる。尚、本実施形態では、超音波診断装置Aの観察対象の一例として、被検体の血管内を通流する血流を取り上げる。但し、超音波診断装置Aの観察対象としては、被検体の血流以外の組織であってもよい。
超音波診断装置Aは、図2に示すように、超音波診断装置本体100及び超音波プローブ200を備える。
超音波プローブ200は、超音波ビーム(ここでは、1~30MHz程度)を被検体(例えば、人体)内に対して送信するとともに、送信した超音波ビームのうち被検体内で反射された超音波エコーを受信して電気信号に変換する音響センサーとして機能する。
ユーザーは、超音波プローブ200の超音波ビームの送受信面を被検体に接触させて超音波診断装置Aを動作させ、超音波診断を行う。尚、超音波プローブ200には、コンベックスプローブ、リニアプローブ、セクタプローブ、又は三次元プローブ等の任意のものを適用することができる。
超音波プローブ200は、例えば、マトリクス状に配設された複数の振動子(例えば、圧電素子)と、当該複数の振動子の駆動状態のオンオフを個別に又はブロック単位(以下、「チャンネル」と称する)で切替制御するためのチャンネル切替部(例えば、マルチプレクサ)を含んで構成される。超音波プローブ200の各振動子は、超音波診断装置本体100(送信部1a)で発生された電圧パルスを超音波ビームに変換して被検体内へ送信し、被検体内で反射した超音波エコーを受信して電気信号(以下、「受信信号」と称する)に変換し、超音波診断装置本体100(受信部1b)へ出力する。
超音波診断装置本体100は、送受信部1(送信部1a、受信部1b)、断層画像生成部2、ドプラ信号処理部3、表示処理部4、モニタ5、ドプラ音出力部6、スピーカ7、操作入力部8、及び、制御装置10を備えている。
送受信部1(本開示に係る送受信部)の送信部1aは、超音波プローブ200に対して駆動信号たる電圧パルスを送出する送信器である。送信部1aは、例えば、高周波パルス発振器、パルス設定部等を含んで構成される(いずれも図示せず)。送信部1aは、高周波パルス発振器で生成した電圧パルスを、パルス設定部で設定した電圧振幅、パルス幅及び送出タイミングに調整して、超音波プローブ200のチャンネルごとに送出する。
送信部1aは、超音波プローブ200の複数のチャンネルそれぞれにパルス設定部を有しており、複数のチャンネルごとに電圧パルスの電圧振幅、パルス幅及び送出タイミングを設定可能になっている。例えば、送信部1aは、複数のチャンネルに対して適切な遅延時間を設定することによって目標とする深度を変更したり、異なるパルス波形を発生させる(例えば、Bモードでは1波のパルス、PWDモードでは4波のパルスを送出する)。
送受信部1の受信部1bは、超音波プローブ200で生成された超音波エコーに係る受信信号を受信処理する受信器である。受信部1bは、プリアンプ、AD変換部、受信ビームフォーマー、及び処理系統切替部を含んで構成される(いずれも図示せず)。
受信部1bは、プリアンプにて、チャンネルごとに微弱な超音波エコーに係る受信信号を増幅し、AD変換部にて、受信信号を、デジタル信号に変換する。そして、受信部1bは、受信ビームフォーマーにて、各チャンネルの受信信号を整相加算することで複数チャンネルの受信信号を1つにまとめて、音響線データとする。又、受信部1bは、処理系統切替部にて、受信ビームフォーマーで生成された受信信号を送信する先を切り替え制御し、実行する動作モードに応じて、断層画像生成部2又はドプラ信号処理部3の一方に出力する。
断層画像生成部2は、Bモード動作の際に受信部1bから受信信号を取得して、被検体の内部の断層画像(Bモード画像とも称される)を生成する。
断層画像生成部2は、例えば、超音波プローブ200が深度方向に向けてパルス状の超音波ビームを送信した際に、その後に検出される超音波エコーの信号強度(Intensity)を時間的に連続してラインメモリに蓄積する。そして、断層画像生成部2は、超音波プローブ200からの超音波ビームが被検体内を走査するに応じて、各走査位置での超音波エコーの信号強度をラインメモリに順次蓄積し、フレーム単位となる二次元データを生成する。そして、断層画像生成部2は、被検体の内部の各位置で検出される超音波エコーの信号強度を輝度値に変換することによって、断層画像を生成する。
断層画像生成部2は、例えば、包絡線検波回路、ダイナミックフィルタ及び対数圧縮回路を含んで構成される。包絡線検波回路は、受信信号を包絡線検波して、信号強度を検出する。対数圧縮回路は、包絡線検波回路で検出された受信信号の信号強度に対して対数圧縮を行う。ダイナミックフィルタは、深度に応じて周波数特性を変化させたバンドパスフィルタであって、受信信号に含まれるノイズ成分を除去する。
ドプラ信号処理部3は、PWDモード、CWDモード及びTDIモードの際に受信部1bから受信信号を取得して、血流からの超音波エコーの送信周波数に対するドプラ偏移周波数を検出する。そして、ドプラ信号処理部3は、ドプラ偏移周波数毎(即ち、血流の速度毎)の信号強度を表すドプラスペクトルに係る情報を、順次、表示処理部4に出力する。尚、血流の速度とドプラ偏移周波数とは、以下の式(1)のように、正比例の関係にある。
V=c/2cosθ × Fd/F0 …(1)
(但し、V:血流速度、F0:超音波ビームの送信周波数(または受信周波数)、Fd:ドプラ偏移周波数、c:生体内音速、θ:超音波ビームのビーム方向と血流方向のなす交差角度)
例えば、ドプラ信号処理部3は、PWDモード動作においては、超音波プローブ200が、パルス繰り返し周波数に従って一定間隔でパルス状の超音波ビームを送信している際に、当該パルス繰り返し周波数に同期して超音波エコーに係る受信信号をサンプリングする。そして、ドプラ信号処理部3は、例えば、同じサンプルゲート位置からのn番目の超音波ビームに係る超音波エコーとn+1番目の超音波ビームに係る超音波エコーの位相差に基づいて、ドプラ偏移周波数を検出する。
又、ドプラ信号処理部3は、受信部1bからの受信信号の超音波プローブ200に対する方向(超音波プローブ200に向かってくる血流か、超音波プローブ200から遠ざかる血流か)を分離する。ドプラ信号処理部3は、必要に応じて、分離された受信信号の周波数成分を、聞きやすい音声ピッチの周波数に変換する。そして、ドプラ信号処理部3は、分離され、必要に応じて周波数変換された受信信号に対して、DA変換等の後処理を実行してドプラ音信号を生成し、生成したドプラ音信号をドプラ音出力部6に出力する。
ドプラ信号処理部3は、ドプラスペクトルを生成する前に、ドプラ信号に対して画像用ウォールモーションフィルタを適用し、ドプラ音信号を生成する前に、ドプラ信号に対して音用ウォールモーションフィルタを適用する。このように、本実施形態において、画像用ウォールモーションフィルタ及び音用ウォールモーションフィルタを、ドプラ信号に対して別々に適用することで、フィルタリング後の信号をフーリエ逆変換してドプラ音を生成するという処理の複雑さを回避しながら、低域のクラッタを除去したドプラ音を生成する。
表示処理部4は、断層画像生成部2から出力される断層画像や、ドプラ信号処理部3から出力されるドプラスペクトルを取得して、モニタ5に表示させる表示用画像を生成する。
表示処理部4は、ドプラ波形生成部4a及びグラフィック処理部4bを有している。
ドプラ波形生成部4aは、例えば、ドプラ信号処理部3から順次出力される時系列のドプラスペクトルに基づいて、ドプラ波形を生成する。ドプラ波形は、図1Aに示したように、時系列のドプラスペクトルに基づいて生成される観察対象の動きの速度(即ち、ドプラ偏移周波数)の時間的変化の情報であり、例えば、各時点の血流速度は、一本のラインのような形態で表現され、血流速度毎(即ち、ドプラ偏移周波数毎)の信号強度が画素の輝度の大きさによって表現される。
グラフィック処理部4bは、断層画像生成部2から出力される断層画像や、ドプラ波形生成部4aに生成されたドプラ波形画像に対して、各種の画像処理を施す。そして、グラフィック処理部4bは、これらの断層画像とドプラ波形画像とを用いて、表示用画像を生成する。
モニタ5は、表示処理部4によって生成された表示用画像や、ユーザーがフィルタ特性(例えば、カットオフ周波数等)を設定できるようにする設定用ユーザーインターフェイス(画面)等を表示するディスプレイである。モニタ5は、例えば、液晶ディスプレイによって構成されてよい。
ドプラ音出力部6は、ドプラ信号処理部3から出力されるドプラ音信号を、パワーアンプでパワー増幅して、スピーカ7から出力させるドプラ音を生成する。
スピーカ7は、例えば、ドプラ音出力部6からのドプラ音を外部に向けて出力するスピーカである。
尚、断層画像生成部2、ドプラ信号処理部3、表示処理部4及び/又はドプラ音出力部6は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)等で構成されたデジタル演算回路によって実現される。但し、これらの構成は、種々に変形可能であり、例えば、その一部又は全部がハードウェア回路によって実現されてもよいし、プログラムに従った演算処理によって実現されてもよい。
操作入力部8は、ユーザーが入力操作を行うためのユーザーインターフェイスであり、例えば、押しボタンスイッチ、キーボード、及びマウス等で構成される。操作入力部8は、ユーザーが行った入力操作を操作信号に変換し、制御装置10に入力する。
制御装置10は、超音波プローブ200、送受信部1、断層画像生成部2、ドプラ信号処理部3、表示処理部4、モニタ5、ドプラ音出力部6、スピーカ7及び操作入力部8と信号を相互にやり取りし、これらを統括制御する。尚、制御装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。そして、制御装置10の各機能は、CPUがROMやRAMに格納された制御プログラムや各種データを参照することによって実現される。但し、制御装置10の機能の一部又は全部は、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア回路、又はこれらの組み合わせによっても実現できることは勿論である。
制御装置10は、送受信制御部11及びフィルタリング制御部12を備えている。
送受信制御部11は、接続された超音波プローブ200の種類(例えば、コンベックス型、セクタ型、又は、リニア型等)や、操作入力部8を介してユーザーによって設定された、被検体内の撮像対象の深度、及び、撮像モード(例えば、Bモード、PWDモード、カラードプラモード、又は、パワードプラモード)等に基づいて、超音波ビームの送受信条件を決定する。そして、送受信制御部11は、このようにして決定した送受信条件となるように、送信部1a及び受信部1bそれぞれを制御して、超音波プローブ200における超音波の送受波を実行させる。
フィルタリング制御部12は、ウォールモーションフィルタ(例えば、後述する画像用ウォールモーションフィルタ3fi等)のフィルタ特性に基づいて、ウォールモーションフィルタ及びそのフィルタ処理を制御する。尚、ウォールモーションフィルタのフィルタ特性は、操作入力部8を介してユーザーによって設定されて適用されることもあるし、超音波診断装置Aの内部パラメータに基づいて適用されることもある。
図4は、第1実施形態に係る、PWDを実行するドプラ信号処理部3の構成の一例を示す図である。PWDを実行するドプラ信号処理部3は、例えば、バンドパスフィルタ3a、直交検波部3b、ローパスフィルタ3c、レンジゲート3d、積分回路3e、ウォールモーションフィルタ3f、FFT解析部3g、及びドプラ音信号生成部3hを含んで構成される。
バンドパスフィルタ3aは、受信信号から不必要な周波数成分を除去し、不必要な周波数成分を除去した受信信号を直交検波部3bに出力する。
直交検波部3bは、バンドパスフィルタ3aから出力された受信信号に対して、送信した超音波パルスと同相の参照信号及び送信した超音波パルスとπ/2だけ位相の異なる参照信号をミキシングし、直交検波信号を生成してローパスフィルタ3cに出力する。直交検波部3bは、本開示に係る検波部の一例である。直交検波信号は、本開示に係るドプラ信号又はドプラ偏移信号の一例である。
ローパスフィルタ3cは、直交検波部3bから出力された直交検波信号の高周波成分を除去し、ドプラ偏移周波数に係る受信信号を生成してレンジゲート3dに出力する。
レンジゲート3dは、ローパスフィルタ3cから出力された受信信号のうち、ドプラサンプルゲート深度からの超音波エコーのみを取得して積分回路3eに出力する。
積分回路3eは、レンジゲート3dから出力された受信信号を積分してウォールモーションフィルタ3f(後述する画像用ウォールモーションフィルタ3fi及び音用ウォールモーションフィルタ3fs)に出力する。
ウォールモーションフィルタ3fは、画像用ウォールモーションフィルタ3fi及び音用ウォールモーションフィルタ3fsを適用して、積分回路3eから出力された受信信号に含まれる低周波成分(クラッタ成分)をカット又は抑制するフィルタ処理を行う。ウォールモーションフィルタ3fは、本開示に係るフィルタリング部の一例である。
ウォールモーションフィルタ3fは、画像用ウォールモーションフィルタ3fi及び音用ウォールモーションフィルタ3fsを有している。
画像用ウォールモーションフィルタ3fiは、例えば、ハイパスフィルタとして構成されてよい。画像用ウォールモーションフィルタ3fiは、フィルタリング制御部12の制御の下、画像用に適用されるフィルタ特性(例えば、カットオフ周波数等)に基づいて、積分回路3eから出力された受信信号に含まれる低周波成分(クラッタ成分)をカット又は抑制するフィルタ処理を行う。そして、画像用ウォールモーションフィルタ3fiは、クラッタ成分をカット又は抑制した受信信号を生成してFFT解析部3gに出力する。クラッタ成分をカット又は抑制したこの受信信号は、本開示に係る第1フィルタ処理済みドプラ信号又はドプラ偏移信号の一例である。
音用ウォールモーションフィルタ3fsは、例えば、ハイパスフィルタとして構成されてよい。音用ウォールモーションフィルタ3fsは、フィルタリング制御部12の制御の下、音用に適用されるフィルタ特性(例えば、カットオフ周波数等)に基づいて、積分回路3eから出力された受信信号に含まれる低周波成分(クラッタ成分)をカット又は抑制するフィルタ処理を行う。そして、音用ウォールモーションフィルタ3fsは、クラッタ成分をカット又は抑制した受信信号を生成してドプラ音信号生成部3hに出力する。クラッタ成分をカット又は抑制したこの受信信号は、本開示に係る第2フィルタ処理済みドプラ信号又はドプラ偏移信号の一例である。
尚、画像用ウォールモーションフィルタ3fiと音用ウォールモーションフィルタ3fsとは、ハードウェア又はソフトモジュールとして、別々のフィルタとして実現されてもよいし、単一のフィルタとして実現されてもよい。後者の場合、フィルタリング制御部12が、単一のフィルタのフィルタ特性を切り替えることで、画像用ウォールモーションフィルタ3fiと音用ウォールモーションフィルタ3fsとを実現することができる。
FFT解析部3gは、画像用ウォールモーションフィルタ3fiから出力された受信信号のドプラ偏移周波数成分を周波数解析することでドプラスペクトルを生成して表示処理部4に出力する。FFT解析部3gは、本開示に係る解析部の一例である。ドプラスペクトルは、本開示に係る画像信号、スペクトル信号又はスペクトル画像信号の一例である。
ドプラ音信号生成部3hは、音用ウォールモーションフィルタ3fsから出力された受信信号の超音波プローブ200に対する方向を分離し、必要に応じて周波数変換し、DA変換等の後処理を実行することでドプラ音信号(例えば、ステレオ左信号及びステレオ右信号)を生成してドプラ音出力部6に出力する。尚、ステレオ左信号及びステレオ右信号は、同一(即ち、モノラル)であってもよい。ドプラ音信号生成部3hは、本開示に係る生成部の一例である。ドプラ音信号は、本開示に係る音信号の一例である。
[ウォールモーションフィルタのフィルタ特性]
まず、本実施形態に係るウォールモーションフィルタのフィルタ特性を説明する前に、図1B及び図1Cを参照して、画像と音とに共通のウォールモーションフィルタを適用する例について説明する。
図1Bは、ドプラ波形の一例を示す図であり、ドプラ信号の組織成分がウォールモーションフィルタによってカットしきれない例を示す。図1Bにおいて、組織の強い信号(矢印で示される部分)があると、当該信号は、ウォールモーションフィルタによってカットしきれず、ドプラ音にブツブツとした異音が混じってしまう。
これを避けるために(即ち、低周波の成分をカットするために)、ドプラ音に合わせてウォールモーションフィルタのカットオフ周波数を高くする対応が考えられる。
図1Cは、ドプラ波形の一例を示す図であり、ウォールモーションフィルタのカットオフ周波数を高くした例を示す。このようにカットオフ周波数を高くした場合、図1Cに示すように、画像のベースライン付近に隙間が発生してしまう。
以下、図5A及び図5Bを参照して、このような問題を回避又は抑制するための、画像用ウォールモーションフィルタ3fi及び音用ウォールモーションフィルタ3fsのフィルタ特性の例について説明する。
図5A及び図5Bは、画像用ウォールモーションフィルタ3fi及び音用ウォールモーションフィルタ3fsのフィルタ特性の例を示す図である。
図5Aに示すように、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数(図5Aの右側)は、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数(図5Aの左側)より高くてもよい。これにより、画像のベースライン付近に隙間が発生するのを防ぎながら又は抑制しながら、ドプラ音にブツブツとした異音が混ざらないようにすることができる。尚、カットオフ周波数は、例えば、フィルタの遮断特性が-6dBとなる周波数等であるとして定義されてよい。
又、図5Bに示すように、音用ウォールモーションフィルタ3fsの遷移域のゲイン変化(図5Bの右側)が、画像用ウォールモーションフィルタ3fiの遷移域のゲイン変化(図5Bの左側)より緩やかになるようなフィルタ特性にしてもよい。これにより、ドプラ音の低音を全てカットするのではなく、ブツブツとした異音を抑制しながら低音を残すことができる。例えば、図5Bの点線枠で囲った部分の低音を完全にカットせずに残すことで、低音が表現されるようになり、ゲインを下げることでブツブツとした異音を抑制することができる。
尚、図5Bに示す構成の場合、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数をユーザーが選択できるユーザーインターフェイスが提供されてよい。また、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのそれぞれのカットオフ周波数に対応付けられている、音用ウォールモーションフィルタ3fsの遷移域及び遷移域のゲイン変化の急峻性を示す値が、予め定められて超音波診断装置Aに記憶されていてよい。
[ウォールモーションフィルタのカットオフ周波数選択]
以下、図6を参照して、ユーザーによるカットオフ周波数選択のためのユーザーインターフェイス(画面)の例について説明する。
図6は、ユーザーがウォールモーションフィルタのカットオフ周波数(即ち、遮断特性)を選択できるようにするためのユーザーインターフェイスの例を示す。このようなユーザーインターフェイスは、ユーザーが、操作入力部8のボタン、キーボード、マウス等を操作することで、モニタ5に表示される。
図6の(A)は、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数を設定するための設定領域602、及び、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数を設定するための設定領域603を含むユーザーインターフェイス601を示す。設定領域602は、本開示に係る第1設定部の一例であり、設定領域603は、本開示に係る第2設定部の一例である。
ユーザーは、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数について、例えば、設定領域602内の「+」ボタン(又は「-」ボタン)にマウスを合わせてクリックすることで、カットオフ周波数に対応付けられているインデックス値(設定領域602内の中央)を増加(又は減少)させることができる。又、ユーザーは、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数について、例えば、設定領域603内の「+」ボタン(又は「-」ボタン)にマウスを合わせてクリックすることで、カットオフ周波数に対応付けられているインデックス値(設定領域603内の中央)を増加(又は減少)させることができる。尚、ユーザーは、例えば、カットオフ周波数を実際に適用するための(設定情報として超音波診断装置Aに記憶させるための)ボタン(図示せず)にマウスを合わせてクリックすることで、当該設定を反映させることができる。以下で説明するユーザーインターフェイスについても同様である。
図示されるインデックス値は、例えば、画像及び音ともに、1~10の整数であってよく、大きいインデックス値ほど高いカットオフ周波数に対応付けられてよい。また、インデックス値とカットオフ周波数との対応付けを示す情報は、超音波診断装置Aに記憶されている。以下で説明するユーザーインターフェイスについても同様である。
この例では、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数に、インデックス値「2」に対応付けられているカットオフ周波数が適用され、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数に、インデックス値「8」に対応付けられているカットオフ周波数が適用される。したがって、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数は、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数より高くなる。
図6の(B-1)は、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数と音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数とを単一(共通)の設定項目で設定するための設定領域605を含むユーザーインターフェイス604を示す。この例では、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数に対して、下限値が設けられているが、この下限値は、ユーザーによって設定可能でない内部パラメータである。尚、カットオフ周波数の下限値に対応付けられているインデックス値は6であるものとする。設定領域605は、本開示に係る第3設定部の一例である。
ユーザーは、ウォールモーションフィルタのカットオフ周波数について、例えば、設定領域605内の「+」ボタン(又は「-」ボタン)にマウスを合わせてクリックすることで、カットオフ周波数に対応付けられているインデックス値(設定領域605内の中央)を増加(又は減少)させることができる。
設定されたカットオフ周波数(インデックス値)が、下限値以上である場合、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数及び音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数のいずれにも、設定されたカットオフ周波数が適用される。
一方、設定されたカットオフ周波数が、下限値を下回る場合、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数には、設定されたカットオフ周波数が適用されるが、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数には、カットオフ周波数の下限値が適用される。
この例では、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数に、インデックス値「2」に対応付けられているカットオフ周波数が適用される。一方、設定されたインデックス値「2」は、カットオフ周波数の下限値に対応付けられているインデックス値「6」より小さいので、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数には、インデックス値「6」に対応付けられているカットオフ周波数が適用される。したがって、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数は、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数より高くなる。
したがって、この例では、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数が、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数より低くなることはない。
図6の(B-2)は、図6の(B-1)の設定領域605と同様の設定領域607に加えて、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数の下限値を設定するための設定領域608を含むユーザーインターフェイス606を示す。したがって、この例では、この下限値は、ユーザーによって設定可能である。設定領域607は、本開示に係る第3設定部の一例であり、設定領域608は、本開示に係る第4設定部の一例である。
ユーザーは、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数の下限値について、例えば、設定領域608内の「+」ボタン(又は「-」ボタン)にマウスを合わせてクリックすることで、カットオフ周波数の下限値に対応付けられているインデックス値を増加(又は減少)させることができる。
設定されたカットオフ周波数(インデックス値)が、設定されたカットオフ周波数の下限値(インデックス値)以上である場合、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数及び音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数のいずれにも、設定されたカットオフ周波数が適用される。
一方、設定されたカットオフ周波数が、設定されたカットオフ周波数の下限値を下回る場合、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数には、設定されたカットオフ周波数が適用されるが、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数には、カットオフ周波数の下限値が適用される。
この例では、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数に、インデックス値「8」に対応付けられているカットオフ周波数が適用される。一方、設定されたインデックス値「8」は、カットオフ周波数の下限値に対応付けられているインデックス値「6」より大きいので、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数にも、インデックス値「8」に対応付けられているカットオフ周波数が適用される。
したがって、この例でも、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数が、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数より低くなることはない。
[超音波診断装置の動作]
以下、図7を参照して、超音波診断装置Aの動作例について説明する。
図7は、第1実施形態に係る超音波診断装置Aの動作の一例を示すフロー図である。
ステップS701において、ウォールモーションフィルタ3fは、適用する画像用ウォールモーションフィルタ3fi及び音用ウォールモーションフィルタ3fsのフィルタ特性を決定する。フィルタ特性は、上述したように、カットオフ周波数、遷移域のゲイン変化の急峻性(緩やかさ)等であってよい。
ステップS702において、送受信部1は、超音波プローブ200を用いて超音波を送受波して、被検体内の観察対象からの超音波エコーに係る受信信号を得る。
ステップS703において、直交検波部3bは、受信信号を検波してドプラ信号を生成する。
ステップS704において、ウォールモーションフィルタ3fは、ステップS701において決定されたフィルタ特性を有する画像用ウォールモーションフィルタ3fiをドプラ信号に適用して、第1フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。即ち、画像用ウォールモーションフィルタ3fiは、第1フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。
ステップS705において、FFT解析部3gは、第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析してドプラスペクトルを生成する。
ステップS706において、ウォールモーションフィルタ3fは、ステップS701において決定されたフィルタ特性を有する音用ウォールモーションフィルタ3fsをドプラ信号に適用して、第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。即ち、音用ウォールモーションフィルタ3fsは、第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。
ステップS707において、ドプラ音信号生成部3hは、第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいてドプラ音信号を生成する。
以後、モニタ5は、ドプラスペクトルに基づいて表示処理部4によって生成された表示用画像を表示し、スピーカ7は、ドプラ音信号に基づいてドプラ音出力部6によって生成されたドプラ音を出力する。
尚、図7に示すフロー図におけるステップは、図示される順序に限定されるものではない。例えば、ステップS704とステップS706とは、逆の順序で実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る超音波診断装置(超音波診断装置A)は、
超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得る送受信部(送受信部1)と、
前記受信信号を検波してドプラ信号を生成する検波部(ドプラ信号処理部3、直交検波部3b)と、
前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するフィルタリング部(ウォールモーションフィルタ3f、画像用ウォールモーションフィルタ3fi、音用ウォールモーションフィルタ3fs)と、
前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号(ドプラスペクトル)を生成する解析部(FFT解析部3g)と、
前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号(ドプラ音信号)を生成する生成部(ドプラ音信号生成部3h)と、
を備えている。
本実施形態に係る超音波診断装置(超音波診断装置A)によれば、生成部(ドプラ音信号生成部3h)が、解析部(FFT解析部3g)が周波数解析して生成した画像信号(ドプラスペクトル)を用いることなく音信号(ドプラ音信号)を生成できるので、処理を複雑にすることなく低域のクラッタを除去したドプラ音を生成することが可能である。
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態について説明する。以下では、第2実施形態のうち、第1実施形態と異なる部分について説明する。
本実施形態では、ドプラ信号処理部3は、ドプラスペクトルを生成する前に、ドプラ信号に対して共用ウォールモーションフィルタを適用し、ドプラ音信号を生成する前に、ドプラ信号に対して共用ウォールモーションフィルタを適用することで得られたフィルタ処理済みドプラ信号に対して音用ウォールモーションフィルタを適用する。このようにフィルタを適用することで、フィルタリング後の信号をフーリエ逆変換してドプラ音を生成するという処理の複雑さを回避しながら、低域のクラッタを除去したドプラ音を生成する。
図8は、第2実施形態に係る、PWDを実行するドプラ信号処理部3の構成の一例を示す図である。第1実施形態と第2実施形態とでは、ウォールモーションフィルタ3fの構成が異なる。具体的には、第2実施形態に係るウォールモーションフィルタ3fは、共用ウォールモーションフィルタ3fc及び音用ウォールモーションフィルタ3fs’を有している。したがって、第2実施形態では、ウォールモーションフィルタ3fは、共用ウォールモーションフィルタ3fc及び音用ウォールモーションフィルタ3fs’を適用して、積分回路3eから出力された受信信号に含まれる低周波成分(クラッタ成分)をカット又は抑制するフィルタ処理を行う。
共用ウォールモーションフィルタ3fcは、例えば、ハイパスフィルタとして構成されてよい。共用ウォールモーションフィルタ3fcは、フィルタリング制御部12の制御の下、共用(画像用)に適用されるフィルタ特性(例えば、カットオフ周波数等)に基づいて、積分回路3eから出力された受信信号に含まれる低周波成分(クラッタ成分)をカット又は抑制するフィルタ処理を行う。そして、共用ウォールモーションフィルタ3fcは、クラッタ成分をカット又は抑制した受信信号を生成してFFT解析部3g及び音用ウォールモーションフィルタ3fs’に出力する。クラッタ成分をカット又は抑制したこの受信信号は、本開示に係る第1フィルタ処理済みドプラ信号又はドプラ偏移信号の一例である。
音用ウォールモーションフィルタ3fs’は、例えば、ハイパスフィルタとして構成されてよい。音用ウォールモーションフィルタ3fs’は、フィルタリング制御部12の制御の下、音用に適用されるフィルタ特性(例えば、カットオフ周波数等)に基づいて、共用ウォールモーションフィルタ3fcから出力された受信信号に含まれる低周波成分(クラッタ成分)をカット又は抑制するフィルタ処理を行う。そして、音用ウォールモーションフィルタ3fs’は、クラッタ成分をカット又は抑制した受信信号を生成してドプラ音信号生成部3hに出力する。クラッタ成分をカット又は抑制した受信信号は、本開示に係る第2フィルタ処理済みドプラ信号又はドプラ偏移信号の一例である。
尚、共用ウォールモーションフィルタ3fcと音用ウォールモーションフィルタ3fs’とは、ハードウェア又はソフトモジュールとして、別々のフィルタとして実現されてもよいし、単一のフィルタとして実現されてもよい。後者の場合、フィルタリング制御部12が、単一のフィルタのフィルタ特性を切り替えることで、共用ウォールモーションフィルタ3fcと音用ウォールモーションフィルタ3fs’とを実現することができる。
[ウォールモーションフィルタのフィルタ特性]
以下、図9A~図9Cを参照して、共用ウォールモーションフィルタ3fc及び音用ウォールモーションフィルタ3fs’のフィルタ特性と、これらのフィルタを合成することにより得られるフィルタ特性と、の例について説明する。
図9A~図9Cは、共用ウォールモーションフィルタ3fc及び音用ウォールモーションフィルタ3fs’のフィルタ特性と、これらのフィルタを合成することにより得られるフィルタ特性と、の例を示す図である。
図9Aに示すように、音用ウォールモーションフィルタ3fs’のカットオフ周波数(図9Aの中央)は、共用ウォールモーションフィルタ3fcのカットオフ周波数(図9Aの左側)より高くてもよい。これにより、結果として、音用には、音用ウォールモーションフィルタ3fs’のカットオフ周波数が適用されることになる(図9Aの右側)。したがって、画像のベースライン付近に隙間が発生するのを防ぎながら又は抑制しながら、ドプラ音にブツブツとした異音が混ざらないようにすることができる。尚、カットオフ周波数は、例えば、フィルタの遮断特性が-6dBとなる周波数等であるとして定義されてよい。
又、音用ウォールモーションフィルタ3fs’のカットオフ周波数を固定したまま、共用ウォールモーションフィルタ3fcのカットオフ周波数を変化させると、上述した音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数に対して下限値を設ける場合と同様の動作をもたらすことができる。即ち、音用ウォールモーションフィルタ3fs’のカットオフ周波数は、上述した音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数の下限値のように機能することができる。例えば、図9Bに示すように、共用ウォールモーションフィルタ3fcのカットオフ周波数(図9Bの左側)が、音用ウォールモーションフィルタ3fs’のカットオフ周波数(図9Bの中央)より高い場合、音用には、共用ウォールモーションフィルタ3fcのカットオフ周波数が適用されることになる(図9Bの右側)。
又、音用ウォールモーションフィルタ3fs’の遷移域のゲイン変化が、共用ウォールモーションフィルタ3fcの遷移域のゲイン変化より緩やかになるようなフィルタ特性にしてもよい。これにより、ドプラ音の低音を全てカットするのではなく、ブツブツとした異音を抑制しながら低音を残すことができる。代替的に又は追加的に、音用ウォールモーションフィルタ3fs’の遮断域のゲインが、共用ウォールモーションフィルタ3fcの遮断域のゲインより高くなるようなフィルタ特性にしてもよい。これにより、音用ウォールモーションフィルタ3fs’の遮断域のゲインの高低によって、ブツブツとした異音を抑制することと低音を残すこととの間でバランスを取ることができる。図9Cは、これらの両方のフィルタ特性を適用した例を示す。図9Cに示すように、音用ウォールモーションフィルタ3fs’の遷移域のゲイン変化が、共用ウォールモーションフィルタ3fcの遷移域のゲイン変化より緩やかであり、音用ウォールモーションフィルタ3fs’の遮断域のゲインが、共用ウォールモーションフィルタ3fcの遮断域のゲインより高い場合(図9Cの左側及び中央)、例えば、点線枠(図9Cの右側)で囲った部分の低音を完全にカットせずに残すことができる。
尚、図9Cに示す構成の場合、共用ウォールモーションフィルタ3fcのカットオフ周波数及び音用ウォールモーションフィルタ3fs’の遮断域のゲインをユーザーが選択できるユーザーインターフェイスが提供されてよい。また、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数と音用ウォールモーションフィルタ3fs’の遮断域のゲインとのそれぞれの組み合わせに対応付けられている、音用ウォールモーションフィルタ3fsの遷移域及び遷移域のゲイン変化の急峻性を示す値が、予め定められて超音波診断装置Aに記憶されていてよい。
[ウォールモーションフィルタのカットオフ周波数選択]
以下、図10を参照して、ユーザーによるカットオフ周波数選択のためのユーザーインターフェイス(画面)の例について説明する。
図10は、ユーザーがウォールモーションフィルタのカットオフ周波数(即ち、遮断特性)を選択できるようにするためのユーザーインターフェイスの例を示す。このようなユーザーインターフェイスは、ユーザーが、操作入力部8のボタン、キーボード、マウス等を操作することで、モニタ5に表示される。
図10の(C)は、共用ウォールモーションフィルタ3fcのカットオフ周波数を設定するための設定領域1002を含むユーザーインターフェイス1001を示す。この例では、音用ウォールモーションフィルタ3fs’のカットオフ周波数は、ユーザーによって設定可能でない内部パラメータである。設定領域1002は、本開示に係る第5設定部の一例である。尚、図10の(C)に示すユーザーインターフェイス1001に対する操作等については、図6の(B-1)に示すユーザーインターフェイス604に対する操作等と同様であるので、説明を省略する。
図10の(D)は、図10の(C)の設定領域1002と同様の設定領域1004に加えて、音用ウォールモーションフィルタ3fs’のカットオフ周波数を設定するための設定領域1005を含むユーザーインターフェイス1003を示す。この例では、音用ウォールモーションフィルタ3fs’のカットオフ周波数は、ユーザーによって設定可能である。設定領域1004は、本開示に係る第5設定部の一例であり、設定領域1005は、本開示に係る第6設定部の一例である。尚、図10の(D)に示すユーザーインターフェイス1003に対する操作等については、図6の(A)に示すユーザーインターフェイス601に対する操作等と同様であるので、説明を省略する。
[超音波診断装置の動作]
以下、図11を参照して、超音波診断装置Aの動作例について説明する。
図11は、第2実施形態に係る超音波診断装置Aの動作の一例を示すフロー図である。
ステップS1101において、ウォールモーションフィルタ3fは、適用する共用ウォールモーションフィルタ3fc及び音用ウォールモーションフィルタ3fs’のフィルタ特性を決定する。フィルタ特性は、上述したように、カットオフ周波数、遷移域のゲイン変化の急峻性(緩やかさ)等であってよい。
ステップS1102において、送受信部1は、超音波プローブ200を用いて超音波を送受波して、被検体内の観察対象からの超音波エコーに係る受信信号を得る。
ステップS1103において、直交検波部3bは、受信信号を検波してドプラ信号を生成する。
ステップS1104において、ウォールモーションフィルタ3fは、ステップS1101において決定されたフィルタ特性を有する共用ウォールモーションフィルタ3fcをドプラ信号に適用して、第1フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。即ち、共用ウォールモーションフィルタ3fcは、第1フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。
ステップS1105において、FFT解析部3gは、第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析してドプラスペクトルを生成する。
ステップS1106において、ウォールモーションフィルタ3fは、ステップS1101において決定されたフィルタ特性を有する音用ウォールモーションフィルタ3fs’を第1フィルタ処理済みドプラ信号に適用して、第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。即ち、音用ウォールモーションフィルタ3fs’は、第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。
ステップS1107において、ドプラ音信号生成部3hは、第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいてドプラ音信号を生成する。
以後、モニタ5は、ドプラスペクトルに基づいて表示処理部4によって生成された表示用画像を表示し、スピーカ7は、ドプラ音信号に基づいてドプラ音出力部6によって生成されたドプラ音を出力する。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る超音波診断装置(超音波診断装置A)は、
超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得る送受信部(送受信部1)と、
前記受信信号を検波してドプラ信号を生成する検波部(ドプラ信号処理部3、直交検波部3b)と、
前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するフィルタリング部(ウォールモーションフィルタ3f、共用ウォールモーションフィルタ3fc、音用ウォールモーションフィルタ3fs’)と、
前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成する解析部(FFT解析部3g)と、
前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成する生成部(ドプラ音信号生成部3h)と、
を備えている。
本実施形態に係る超音波診断装置(超音波診断装置A)によれば、生成部(ドプラ音信号生成部3h)が、解析部(FFT解析部3g)が周波数解析して生成した画像信号(ドプラスペクトル)を用いることなく音信号(ドプラ音信号)を生成できるので、処理を複雑にすることなく低域のクラッタを除去したドプラ音を生成することが可能である。
(変形例1)
上記のユーザーインターフェイス601では、ユーザーは、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数を、音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数より高く設定することも可能である。また、上記のユーザーインターフェイス1001でも、ユーザーは、共用ウォールモーションフィルタ3fcのカットオフ周波数を、音用ウォールモーションフィルタ3fs’のカットオフ周波数より高く設定することも可能である。しかしながら、他のユーザーインターフェイスの例と同様に、音用ウォールモーションフィルタ3fs(又は音用ウォールモーションフィルタ3fs’)のカットオフ周波数が、画像用ウォールモーションフィルタ3fi(又は共用ウォールモーションフィルタ3fc)のカットオフ周波数より低くならないようにしてもよい。例えば、画像用ウォールモーションフィルタ3fiのカットオフ周波数(インデックス値)が音用ウォールモーションフィルタ3fsのカットオフ周波数(インデックス値)より高い(大きい)場合、ユーザーが、カットオフ周波数を実際に適用するためのボタンをクリックしたときに、超音波診断装置Aは、当該設定を反映させることができない旨のポップアップメッセージをモニタ5に表示させてもよい。
(変形例2)
上記のユーザーインターフェイス601等では、ユーザーがインデックス値を選択することでカットオフ周波数を選択する構成であったが、インデックス値の代わりに、複数のカットオフ周波数を選択肢の形で表示し、ユーザーが複数の選択肢のうちの1つを選択できる構成であってもよい。あるいは、インデックス値の代わりに、ユーザーが、カットオフ周波数自体を入力できる構成であってもよい。
(変形例3)
図5Bに示す例では、音用ウォールモーションフィルタ3fsの遷移域及び遷移域のゲイン変化の急峻性を示す値が、予め定められて超音波診断装置Aに記憶されている構成であったが、遷移域及び遷移域のゲイン変化の急峻性を示す値を選択肢の形で表示し、ユーザーが複数の選択肢のうちの1つを選択できる構成であってもよい。あるいは、ユーザーが、遷移域及び遷移域のゲイン変化の急峻性を示す値自体を入力できる構成であってもよい。
(実施形態のまとめ)
本開示の一態様に係る超音波診断装置は、超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得る送受信部と、前記受信信号を検波してドプラ信号を生成する検波部と、前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するフィルタリング部と、前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成する解析部と、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成する生成部と、を備えている。
上記の構成により、周波数解析して生成された画像信号を用いることなく音信号を生成できるので、処理を複雑にすることなく低域のクラッタを除去したドプラ音を生成することが可能である。
本超音波診断装置において、前記フィルタリング部は、第1フィルタを前記ドプラ信号に適用して、前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を生成し、前記第1フィルタが有するフィルタ特性とは異なるフィルタ特性を有する第2フィルタを前記ドプラ信号に適用して、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。
上記の構成により、スペクトル画像及びドプラ音にそれぞれ合わせたフィルタ特性を有するフィルタを適用することが可能である。
本超音波診断装置において、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、前記第2フィルタのカットオフ周波数は、前記第1フィルタのカットオフ周波数より高い。
上記の構成により、スペクトル画像についてはベースライン付近の信号をあまりカットせず、ドプラ音については低周波成分をカットして、ブツブツとした異音が混ざらないようにすることが可能である。
本超音波診断装置において、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、前記第2フィルタの遷移域のゲイン変化は、前記第1フィルタの遷移域のゲイン変化より緩やかである。
上記の構成により、低めの音を完全にカットせず残すことで、低音が表現されるようにしつつ、低音のゲインを下げることでブツブツとした異音を抑制することが可能である。
本超音波診断装置は、前記第1フィルタのフィルタ特性を設定するためのユーザー操作可能な第1設定部と、前記第2フィルタのフィルタ特性を設定するためのユーザー操作可能な第2設定部と、をさらに備えている。
上記の構成により、ユーザーは、スペクトル画像及びドプラ音にそれぞれ合わせてフィルタ特性を調整することが可能である。
本超音波診断装置において、前記第1フィルタのフィルタ特性及び前記第2フィルタのフィルタ特性は、カットオフ周波数である。
上記の構成により、ユーザーは、スペクトル画像及びドプラ音にそれぞれ合わせてカットオフ周波数を調整することが可能である。
本超音波診断装置は、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタのカットオフ周波数を設定するためのユーザー操作可能な第3設定部をさらに備えており、前記第2フィルタのカットオフ周波数には下限値が設けられ、設定された前記第2フィルタのカットオフ周波数が前記下限値を下回る場合、前記フィルタリング部は、前記下限値のカットオフ周波数を有する前記第2フィルタを適用して、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。
上記の構成により、ユーザーは、1つのカットオフ周波数を設定するという単純な操作で、2つのフィルタのカットオフ周波数を適用することができる。
本超音波診断装置は、前記下限値を設定するためのユーザー操作可能な第4設定部をさらに備えている。
上記の構成により、ユーザーは、ドプラ音においてカットしたい低周波帯域を設定することが可能である。
本超音波診断装置において、前記フィルタリング部は、第3フィルタを前記ドプラ信号に適用して、前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を生成し、前記第3フィルタが有するフィルタ特性とは異なるフィルタ特性を有する第4フィルタを前記第1フィルタ処理済みドプラ信号に適用して、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する。
上記の構成により、スペクトル画像及びドプラ音にそれぞれ合わせたフィルタ特性を有するフィルタを適用することが可能である。
本超音波診断装置において、前記第3フィルタ及び前記第4フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、前記第4フィルタのカットオフ周波数は、前記第3フィルタのカットオフ周波数より高い。
上記の構成により、スペクトル画像についてはベースライン付近の信号をあまりカットせず、ドプラ音については低周波成分をカットして、ブツブツとした異音が混ざらないようにすることが可能である。
本超音波診断装置において、前記第3フィルタ及び前記第4フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、前記第4フィルタの遷移域のゲイン変化は、前記第3フィルタの遷移域のゲイン変化より緩やかである。
上記の構成により、低めの音を完全にカットせず残すことで、低音が表現されるようにしつつ、低音のゲインを下げることでブツブツとした異音を抑制することが可能である。
本超音波診断装置において、前記第3フィルタ及び前記第4フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、前記第4フィルタの遮断域のゲインは、前記第3フィルタの遮断域のゲインより高い。
上記の構成により、第4フィルタの遮断域のゲインの高低によって、ブツブツとした異音を抑制することと低音を残すこととの間でバランスを取ることができる。
本超音波診断装置は、前記第3フィルタのフィルタ特性を設定するためのユーザー操作可能な第5設定部と、前記第4フィルタのフィルタ特性を設定するためのユーザー操作可能な第6設定部と、をさらに備えている。
上記の構成により、ユーザーは、スペクトル画像及びドプラ音にそれぞれ合わせてフィルタ特性を調整することが可能である。
本超音波診断装置において、前記第3フィルタのフィルタ特性及び前記第4フィルタのフィルタ特性は、カットオフ周波数である。
上記の構成により、ユーザーは、スペクトル画像及びドプラ音にそれぞれ合わせてカットオフ周波数を調整することが可能である。
本開示の一態様に係る超音波診断装置の制御方法は、超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得るステップと、前記受信信号を検波してドプラ信号を生成するステップと、前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するステップと、前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成するステップと、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成するステップと、を含む。
上記の構成により、周波数解析して生成された画像信号を用いることなく音信号を生成できるので、処理を複雑にすることなく低域のクラッタを除去したドプラ音を生成することが可能である。
本開示の一態様に係る超音波診断装置の制御プログラムは、超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得るステップと、前記受信信号を検波してドプラ信号を生成するステップと、前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するステップと、前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成するステップと、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成するステップと、を超音波診断装置に実行させる。
上記の構成により、周波数解析して生成された画像信号を用いることなく音信号を生成できるので、処理を複雑にすることなく低域のクラッタを除去したドプラ音を生成することが可能である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示の一態様は、処理を複雑にすることなく低域のクラッタを除去したドプラ音を生成することが可能である超音波診断装置として有用である。
A 超音波診断装置
100 超音波診断装置本体
1 送受信部
2 断層画像生成部
3 ドプラ信号処理部
3a バンドパスフィルタ
3b 直交検波部
3c ローパスフィルタ
3d レンジゲート
3e 積分回路
3f ウォールモーションフィルタ
3fi 画像用ウォールモーションフィルタ
3fs 音用ウォールモーションフィルタ
3fc 共用ウォールモーションフィルタ
3fs’ 音用ウォールモーションフィルタ
3g FFT解析部
3h ドプラ音信号生成部
4 表示処理部
4a ドプラ波形生成部
4b グラフィック処理部
5 モニタ
6 ドプラ音出力部
7 スピーカ
8 操作入力部
10 制御装置
11 送受信制御部
12 フィルタリング制御部
200 超音波プローブ
601 ユーザーインターフェイス
602 設定領域
603 設定領域
604 ユーザーインターフェイス
605 設定領域
606 ユーザーインターフェイス
607 設定領域
608 設定領域
1001 ユーザーインターフェイス
1002 設定領域
1003 ユーザーインターフェイス
1004 設定領域
1005 設定領域

Claims (16)

  1. 超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得る送受信部と、
    前記受信信号を検波してドプラ信号を生成する検波部と、
    前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するフィルタリング部と、
    前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成する解析部と、
    前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成する生成部と、
    を備えている超音波診断装置。
  2. 前記フィルタリング部は、
    第1フィルタを前記ドプラ信号に適用して、前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を生成し、
    前記第1フィルタが有するフィルタ特性とは異なるフィルタ特性を有する第2フィルタを前記ドプラ信号に適用して、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、
    前記第2フィルタのカットオフ周波数は、前記第1フィルタのカットオフ周波数より高い、
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、
    前記第2フィルタの遷移域のゲイン変化は、前記第1フィルタの遷移域のゲイン変化より緩やかである、
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  5. 前記第1フィルタのフィルタ特性を設定するためのユーザー操作可能な第1設定部と、
    前記第2フィルタのフィルタ特性を設定するためのユーザー操作可能な第2設定部と、
    をさらに備えている、請求項2に記載の超音波診断装置。
  6. 前記第1フィルタのフィルタ特性及び前記第2フィルタのフィルタ特性は、カットオフ周波数である、
    請求項5に記載の超音波診断装置。
  7. 前記第1フィルタ及び前記第2フィルタのカットオフ周波数を設定するためのユーザー操作可能な第3設定部
    をさらに備えており、
    前記第2フィルタのカットオフ周波数には下限値が設けられ、
    設定された前記第2フィルタのカットオフ周波数が前記下限値を下回る場合、前記フィルタリング部は、前記下限値のカットオフ周波数を有する前記第2フィルタを適用して、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する、
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  8. 前記下限値を設定するためのユーザー操作可能な第4設定部
    をさらに備えている、請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記フィルタリング部は、
    第3フィルタを前記ドプラ信号に適用して、前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を生成し、
    前記第3フィルタが有するフィルタ特性とは異なるフィルタ特性を有する第4フィルタを前記第1フィルタ処理済みドプラ信号に適用して、前記第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  10. 前記第3フィルタ及び前記第4フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、
    前記第4フィルタのカットオフ周波数は、前記第3フィルタのカットオフ周波数より高い、
    請求項9に記載の超音波診断装置。
  11. 前記第3フィルタ及び前記第4フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、
    前記第4フィルタの遷移域のゲイン変化は、前記第3フィルタの遷移域のゲイン変化より緩やかである、
    請求項9に記載の超音波診断装置。
  12. 前記第3フィルタ及び前記第4フィルタは、ハイパスフィルタとして構成されており、
    前記第4フィルタの遮断域のゲインは、前記第3フィルタの遮断域のゲインより高い、
    請求項9に記載の超音波診断装置。
  13. 前記第3フィルタのフィルタ特性を設定するためのユーザー操作可能な第5設定部と、
    前記第4フィルタのフィルタ特性を設定するためのユーザー操作可能な第6設定部と、
    をさらに備えている、請求項9に記載の超音波診断装置。
  14. 前記第3フィルタのフィルタ特性及び前記第4フィルタのフィルタ特性は、カットオフ周波数である、
    請求項13に記載の超音波診断装置。
  15. 超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得るステップと、
    前記受信信号を検波してドプラ信号を生成するステップと、
    前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するステップと、
    前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成するステップと、
    前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成するステップと、
    を含む、超音波診断装置の制御方法。
  16. 超音波を送受波して超音波エコーに係る受信信号を得るステップと、
    前記受信信号を検波してドプラ信号を生成するステップと、
    前記ドプラ信号に含まれる低周波成分をカット又は抑制するフィルタ処理を行い、前記ドプラ信号から第1フィルタ処理済みドプラ信号及び第2フィルタ処理済みドプラ信号を生成するステップと、
    前記第1フィルタ処理済みドプラ信号を周波数解析して画像信号を生成するステップと、
    前記第2フィルタ処理済みドプラ信号に基づいて音信号を生成するステップと、
    を超音波診断装置に実行させるための、超音波診断装置の制御プログラム。
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