JP2023184098A - 表示体 - Google Patents

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美博 喜多
Yoshihiro Kita
正浩 横尾
Masahiro Yokoo
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【課題】特殊な画像表示が可能な表示技術を提供する。【解決手段】表示体1Aは、第1主面S1及び第2主面S2を有する透明材料層2と、第1主面S1上に設けられ、規則的に配列した複数の光透過部32を有する遮光性のマスク層3と、第2主面S2上に設けられた画像表示層とを備え、画像表示層は、第1色を表示する第1層4Gと、第1色とは異なる第2色を表示する第2層4Bとを含み、第1層4Gは、第1方向から観察した場合に光透過部32の少なくとも一部を介して観察可能な複数の第1部分41Gを含み、前記第2層4Bは、第1方向から観察した場合に、光透過部32の上記少なくとも一部を介して観察不可能であり、第1方向とは異なる第2方向から観察した場合に、光透過部32の上記少なくとも一部を介して観察可能な複数の第2部分41Bを含み、第1部分41Gの配列と第2部分41Bの配列とは形状が等しい。【選択図】図2

Description

本発明は、表示技術に関する。
近年、スキャナ、プリンター及びカラーコピー機等のデジタル機器の性能向上が進み、貴重印刷物の精巧な複製物を容易に作製することが可能となっている。そのような複製や偽造を防止するために、偽造防止技術が必要とされている。また、前述のような偽造防止技術の中でも、すかしやホログラム等に代表される、道具を必要とせず、印刷物を手にした全ての人に真偽判別を可能とする偽造防止技術が特に必要とされている。
道具を必要とせずに真偽判別を可能とする偽造防止技術の一つとして、光の干渉条件の変化に応じて色が変化する機能性顔料(光干渉顔料とも呼ぶ)を含んだ光学的変化インキを利用した偽造防止技術がある。これらのインキを使用して形成した印刷層が表示する画像は、照明方向や観察方向の変化に伴って色が変化するため、判別者は、その色変化を確認することで印刷物の真偽を判別することができる。
この光学的変化インキの代表例としては、紙幣などに採用されているパールインキやOVI(Optical Variable Ink)等がある。前者を使用して印刷した画像は、照明方向や観察方向の変化に伴って、例えば、無色からピンク色に変化する。また、後者を使用して印刷した画像は、照明方向や観察方向の変化に伴って、例えば、青緑色から紫色等に変化する。
これらの光学的変化インキの色変化を利用すると、更に複雑な色変化を生じさせることもできる。例えば、特許文献1には、光干渉顔料を含み、幅方向へ規則的に配列した複数の第1画線を、各々の長さ方向に垂直な断面が略半円形状となるように設け、正反射光を観察する条件下で第1画線とは異なる色を呈する複数の第2画線の各々を、第1画線の表面の一部が露出するように第1画線上に設けることが記載されている。このようにして得られる印刷物は、第1画線の長さ方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させることにより、第1画線からの正反射光の強度と第2画線からの正反射光の強度との比が変化し、それら画線が表示する画像の色が変化する。そして、この画像は、光干渉顔料による色変化を更に生じ得る。
特許第5967651号公報
本発明は、特殊な画像表示が可能な表示技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、第1主面及びその裏面である第2主面を有する透明材料層と、前記第1主面上に設けられ、規則的に配列した複数の光透過部を有する遮光性のマスク層と、前記第2主面上に設けられた画像表示層とを備え、前記画像表示層は、第1色を表示する第1層と、前記第1色とは異なる第2色を表示する第2層とを含み、前記第1層は、第1方向から観察した場合に前記複数の光透過部の少なくとも一部を介して観察可能な複数の第1部分を含み、前記第2層は、前記第1方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察不可能であり、前記第1方向とは異なる第2方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察可能な複数の第2部分を含み、前記複数の第1部分の配列と前記複数の第2部分の配列とは形状が等しい表示体が提供される。
本発明の他の側面によると、前記マスク層のうち前記複数の光透過部が設けられた部分は、ストライプ状である上記側面に係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記マスク層のうち前記複数の光透過部が設けられた部分は、格子状又は市松模様状である上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記画像表示層は、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色を表示する第3層を更に含み、前記第3層は、前記第1方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察不可能であり、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察可能な複数の第3部分を含み、前記複数の第3部分の配列は、前記第1部分の前記配列及び前記複数の第2部分の前記配列は形状が等しい上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、第1主面及びその裏面である第2主面を有する透明材料層と、前記第1主面上に設けられた遮光性のマスク層であって、各々が線状であり、幅方向へ規則的に配列した複数の光透過部が設けられたマスク層と、前記第2主面上に設けられた画像表示層とを備え、前記画像表示層は、第1色を表示する第1層と、前記第1色とは異なる第2色を表示する第2層とを含み、前記第1層は、各々が線状であり、第1方向から観察した場合に前記複数の光透過部の少なくとも一部を介して観察可能な複数の第1部分を含み、前記第2層は、各々が線状である複数の第2部分を含み、前記複数の第2部分は、前記第1方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察不可能であり、前記第1方向とは異なる第2方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して少なくとも部分的に観察可能であり、前記複数の第1部分と前記複数の第2部分とは、それらの幅方向へ交互に配列した表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記複数の光透過部は入れ子状に配列した上記側面に係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記画像表示層は、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色を表示する第3層を更に含み、前記第3層は、各々が線状である複数の第3部分を含み、前記複数の第3部分は、前記第1方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察不可能であり、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して少なくとも部分的に観察可能であり、前記複数の第1部分と前記複数の第2部分と前記複数の第3部分とは、それらの幅方向へこの順に繰り返し配列した上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記複数の第1部分と前記複数の第2部分とは互いから離間している上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、観察方向を前記第1方向から前記第2方向へ変化させる途中で、前記複数の第1部分の各々の一部と前記複数の第2部分の各々の一部とを、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して同時に観察可能である上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った裏面層を更に備え、前記複数の第1部分について前記光透過部を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値Rpfと、前記複数の第1部分について前記光透過部を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値Rafと、前記裏面層の前記第2主面と向き合った面とは反対の面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値Rpbと、前記裏面層の前記第2主面と向き合った前記面とは反対の前記面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値Rabとは、下記式(1)乃至(3)に示す関係を満たす上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
Raf≧20% …(1)
Rab≧30% …(2)
(Rpf-Raf)-(Rpb-Rab)≧10% …(3)
本発明の更に他の側面によると、前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った裏面層として反射層を更に備えた上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った裏面層として反射層を更に備え、前記裏面層は、光反射性又は光散乱性顔料を含んだインキからなる上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記透明材料層の厚さは150μm以下であり、前記複数の光透過部は、幅が100μm以下であり、200μm以下のピッチで配列し、前記複数の第1部分は幅が90μm以下である上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記マスク層の厚さ及び前記画像表示層が含んでいる層の各々の厚さは0.2μm以上である上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係る表示体と、前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った接着剤層とを備えたラベルが提供される。
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係る表示体と、前記表示体を支持した物品とを備えた表示体付き物品が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記物品は支持面を有し、前記表示体は前記第2主面が前記画像表示層を間に挟んで前記支持面と向き合うように前記物品に支持されており、前記表示体は、前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った裏面層を更に備え、前記裏面層は、反射層であるか、又は、光反射性若しくは光散乱性顔料を含んだインキからなるか、又は、前記複数の第1部分の1以上について前記光透過部を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値Rpfと、前記複数の第1部分の前記1以上について前記光透過部を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値Rafと、前記裏面層の前記第2主面と向き合った面とは反対の面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値Rpbと、前記裏面層の前記第2主面と向き合った前記面とは反対の前記面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値Rabとは、下記式(1)乃至(3)に示す関係を満たす上記側面に係る表示体付き物品が提供される。
Raf≧20% …(1)
Rab≧30% …(2)
(Rpf-Raf)-(Rpb-Rab)≧10% …(3)
本発明の更に他の側面によると、前記マスク層と前記支持面との色差ΔE abは5以下である上記側面の何れかに係る表示体付き物品が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記マスク層は黒色である上記側面の何れかに係る表示体付き物品が提供される。
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示体の上面図である。 図2は、図1に示す表示体のII-II線に沿った断面図である。 図3は、図1及び図2に示す表示体が或る観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。 図4は、図1及び図2の表示体が図3の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。 図5は、図1及び図2に示す表示体が他の観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。 図6は、図1及び図2の表示体が図5の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。 図7は、図1及び図2に示す表示体が更に他の観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。 図8は、図1及び図2の表示体が図7の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。 図9は、図1及び図2に示す表示体が更に他の観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。 図10は、図1及び図2の表示体が図9の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。 図11は、図1及び図2に示す表示体が更に他の観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。 図12は、図1及び図2の表示体が図11の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。 図13は、本発明の第2実施形態に係る表示体が或る観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。 図14は、図13の表示体からマスク層を省略してなる構造を示す図である。 図15は、本発明の第3実施形態に係る表示体が或る観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。 図16は、図15の表示体からマスク層を省略してなる構造を示す図である。 図17は、本発明の第4実施形態に係る表示体が或る観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。 図18は、図17の表示体からマスク層を省略してなる構造を示す図である。 図19は、本発明の第5実施形態に係る表示体の断面図である。 図20は、本発明の第6実施形態に係るラベルの断面図である。 図21は、本発明の第7実施形態に係る表示体付き物品の断面図である。 図22は、実施例で利用した印刷方法における第1工程を示す断面図である。 図23は、実施例で利用した印刷方法における第2工程を示す断面図である。 図24は、実施例で利用した印刷方法における第3工程を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。以下に記載する事項は、単独で又は複数を組み合わせて、上記側面の各々に組み入れることができる。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、下記の構成部材の材質、形状、及び構造等によって限定されるものではない。本発明の技術的思想には、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
なお、同様又は類似した機能を有する要素については、以下で参照する図面において同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は模式的なものであり、或る方向の寸法と別の方向の寸法との関係、及び、或る部材の寸法と他の部材の寸法との関係等は、現実のものとは異なり得る。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示体の上面図である。図2は、図1に示す表示体のII-II線に沿った断面図である。
なお、各図において、X方向は、後述する透明材料層の第1主面に平行な方向、即ち、表示体の表示面に平行な方向である。また、Y方向は、第1主面に平行であり且つX方向に対して垂直な方向、即ち、表示面に平行な方向であり且つX方向に対して垂直な方向である。そして、Z方向は、X方向及びY方向に対して垂直な方向、即ち、表示体の厚さ方向である。
図1及び図2に示す表示体1Aは、透明材料層2と、マスク層3と、画像表示層とを含んでいる。
透明材料層2は、可視域の光に対して透明な材料からなる層である。透明材料層2は、好ましくは無色透明である。
透明材料層2は、マスク層3及び画像表示層を支持する基材である。透明材料層2は、シート及びフィルムなどの軟質基材、又は、カードなどの硬質基材とすることができる。透明材料層2は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
透明材料層2の材質は、ガラスなどの無機物、又は、ポリマーなどの有機物とすることができる。ポリマーなどの有機物としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、及びポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリプロピレン等の光硬化性樹脂;アクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びアルキド樹脂等の熱硬化性樹脂;並びに、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、及びポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
透明材料層2の厚さは、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。透明材料層2の厚さを小さくすると、表示体1Aの強度が低下する。また、透明材料層2の厚さを小さくすると、表示体1Aが表示する画像に色変化を生じさせるために必要な観察方向の変化量が大きくなる。
透明材料層2の厚さは、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。透明材料層2の厚さを大きくすると、観察方向を僅かに変化させただけで、表示体1Aが表示する画像に色変化を生じ得る。
透明材料層2は、図2に示すように、第1主面S1及びその裏面である第2主面S2を有している。ここでは、第1主面S1及び第2主面S2は、互いに対して平行な平面である。
マスク層3は、第1主面S1上に設けられている。マスク層3は、Y方向へ各々が伸び、X方向へ配列した複数の遮光部31からなる。遮光部31は、幅が互いに等しく、互いから離間しており、一定のピッチでX方向へ配列している。
マスク層3は、遮光性である。即ち、マスク層3の遮光部31は、不透明であるか又は半透明である。遮光部31は、画像表示層のうちこれらによって隠蔽される部分の色の視認を不可能又は困難とする。遮光部31は、可視域の光に対して光吸収性であってもよく、光散乱性であってもよく、光反射性であってもよい。
遮光部31は、着色していてもよく、無色であってもよい。ここでは、一例として、遮光部31は黒色であるとする。即ち、マスク層3は黒色であるとする。
遮光部31の高さ、即ち、マスク層3の厚さは、例えば、0.1乃至10μmの範囲内にある。好ましくは、マスク層3の厚さは0.2μm以上である。遮光部31の高さを小さくすると、マスク層3の隠蔽力が小さくなる可能性がある。高さが大きな遮光部31は、小さな幅Wで形成することが難しい。
マスク層3は、規則的に配列した複数の光透過部32を有している。光透過部32は、遮光部31と比較して、可視域における透過率が高い。ここでは、マスク層3は、遮光部31間の隙間を、線状の光透過部32として有している。即ち、マスク層3のうち光透過部32が設けられた部分は、ストライプ状である。光透過部32は、Y方向へ各々が伸び、X方向へ配列している。光透過部32は、幅が互いに等しく、一定のピッチでX方向へ配列している。光透過部32は、遮光部31間の隙間を埋め込んだ透明材料からなる透明部であってもよい。透明部は、好ましくは無色透明である。
光透過部32の幅Wは、20μm以上であることが好ましく、25μm以上であることがより好ましい。幅Wを小さくすると、表示体1Aが表示する画像の色へ画像表示層が及ぼす影響が小さくなる。
光透過部32の幅Wは、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。幅Wを大きくすると、表示体1Aが表示する画像に色変化を生じさせるために必要な観察方向の変化量が大きくなる。
光透過部32の配列のピッチPは、50μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましい。ピッチPを小さくした場合、後述する第1部分41G、第2部分41B及び第3部分41Rの幅も小さくする必要がある。
ピッチPは、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。ピッチPを大きくすると、特には遮光部31の幅が大きい場合に、遮光部31の各々を肉眼による観察で識別可能となる。
画像表示層は、第2主面S2上に設けられている。画像表示層は、第1層4Gと、第2層4Bと、第3層4Rとを含んでいる。
第1層4Gは、第1色を表示する。ここでは、一例として、第1層4Gは、緑色を表示することとする。
第1層4Gは、複数の第1部分41Gを含んでいる。これら第1部分41Gは、第1方向から観察した場合に、光透過部32の少なくとも一部を介して観察可能である。そして、第1部分41Gは、第1方向とは異なる第2方向及び第3方向から観察した場合に、光透過部32の上記少なくとも一部を介して観察不可能である。
ここでは、第1部分41Gは、Y方向へ各々が伸び、X方向へ配列している。第1部分41Gは、透明材料層2を間に挟んで光透過部32と向き合っている。また、第1方向はZ方向であり、第2方向は、Y方向に対して垂直であり且つZ方向に対してプラス側へ傾いた方向であり、第3方向は、Y方向に対して垂直であり且つZ方向に対してマイナス側へ傾いた方向である。
第2層4Bは、第1色とは異なる第2色を表示する。ここでは、一例として、第2層4Bは、青色を表示することとする。
第2層4Bは、複数の第2部分41Bを含んでいる。これら第2部分41Bは、第1方向から観察した場合に、光透過部32の上記少なくとも一部を介して観察不可能であり、第2方向から観察した場合に、光透過部32の上記少なくとも一部を介して観察可能である。そして、第2部分41Bは、第3方向から観察した場合に、光透過部32の上記少なくとも一部を介して観察不可能である。
ここでは、第2部分41Bは、Y方向へ各々が伸び、X方向へ配列している。第2部分41Bは、透明材料層2を間に挟んで遮光部31と向き合っている。
第3層4Rは、第1色及び第2色とは異なる第3色を表示する。ここでは、一例として、第3層4Rは、赤色を表示することとする。
第3層4Rは、複数の第3部分41Rを含んでいる。これら第3部分41Rは、第1方向及び第2方向から観察した場合に、光透過部32の上記少なくとも一部を介して観察不可能であり、第3方向から観察した場合に、光透過部32の上記少なくとも一部を介して観察可能である。
ここでは、第3部分41Rは、Y方向へ各々が伸び、X方向へ配列している。第3部分41Rは、透明材料層2を間に挟んで遮光部31と向き合っている。
第1部分41Gと第2部分41Bと第3部分41Rとは、それらの幅方向へこの順に繰り返し配列している。具体的には、第1部分41G、第2部分41B及び第3部分41Rは、1つの第1部分41Gと、1つの第2部分41Bと、1つの第3部分41Rとから各々がなる繰り返し単位をX方向へ並べた構造を形成している。各繰り返し単位において、第2部分41B、第1部分41G及び第3部分41Rは、X方向へこの順に配列している。これら繰り返し単位の配列のピッチは、光透過部32の配列のピッチPと等しい。
第1部分41Gの配列と、第2部分41Bの配列と、第3部分41Rの配列とは、形状が互いに等しい。また、これら配列は、位置が互いに等しい。ここでは、これら配列の各々は矩形状である。
第1部分41G、第2部分41B及び第3部分41Rは、互いから離間している。この構成を採用すると、観察方向の変化に応じた色の変化が分かり易くなる。即ち、観察者に、色が変化したという強い印象を与えることができる。また、この構成を採用すると、外部から第2主面S2へ光が入射し易くなり、表示体1Aはより明るい画像を表示し得る。これらの効果を得るうえでは、第1部分41Gとこれに隣り合った第2部分41Bとの間の距離、及び、第1部分41Gとこれに隣り合った第3部分41Rとの間の距離は、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。
但し、これらの距離を大きくすると、第1方向と第2方向とが成す角度、及び、第1方向と第3方向とが成す角度が大きくなる。即ち、表示体1Aが表示する画像の色を第1色から第2色又は第3色へ変化させるために必要な観察方向の変化量が大きくなる。この観点から、これらの距離は、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
第1部分41Gとこれに隣り合った第2部分41Bとは、互いに接していてもよい。同様に、第1部分41Gとこれに隣り合った第3部分41Rとは、互いに接していてもよい。この構成を採用すると、観察方向の変化に応じた色の変化が連続的になる。
第1部分41Gの幅W1は、光透過部32の幅Wと比較してより小さいことが好ましい。幅W1が幅Wと比較してより小さい場合、第2部分41B及び第3部分41Rは、第1部分41Gから離間させることになる。それ故、外部から第2主面S2へ光が入射し易くなり、表示体1Aはより明るい画像を表示し得る。また、この場合、第1部分41Gから第2部分41Bまでの距離、及び、第1部分41Gから第3部分41Rまでの距離が十分に大きければ、観察方向を第1方向から僅かに変化させただけでは、表示体1Aが表示する画像の色変化は生じない。これらの効果を得るうえでは、幅Wと幅W1との差は、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。
幅W1は、90μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。また、幅W1は、50μm以上であることが好ましく、70μm以上であることがより好ましい。
画像表示層が含んでいる各層の厚さは、例えば、0.1乃至10μmの範囲内にある。好ましくは、これら層の厚さは0.2μm以上である。
遮光部31、第1部分41G、第2部分41B及び第3部分41Rは、例えば、印刷によって形成することができる。この印刷には、例えば、スクリーン印刷、スクリーンオフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、又はフレキソ印刷を利用することができる。
この印刷には、例えば、汎用のカラーインキを使用することができる。この印刷に使用するインキは、例えば、樹脂と顔料とを含んでいる。
インキの樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、エチルセルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、及び光硬化性樹脂等の汎用樹脂を用いることが可能である。
インキの顔料としては、金属;二酸化チタン、亜鉛華、及び鉄黒に代表される酸化物;水酸化物;硫化物;セレン化物;アルミン酸コバルト;フェロシアン化物;クロム酸塩;硫酸塩;炭酸塩;ケイ酸塩;燐酸塩;及び炭素等がある。有機顔料としては、炭素化合物、ニトロソ系化合物;ニトロ系化合物;アゾ系化合物;レーキ系顔料、フタロシアニン系化合物、及び縮合多環材料等がある。
インキの顔料として、光散乱粒子を使用してもよい。光散乱粒子の材質は、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン-アクリル共重合体若しくはその架橋体、メラミン-ホルマリン縮合物、ウレタン樹脂、ポリエステル、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、又はこれらの共重合体である。光散乱粒子には、無機物を使用してもよい。光散乱粒子に使用可能な無機物は、例えば、スメクタイト、カオリナイト、及びタルク等の粘土化合物;シリカ、チタニア、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化バリウム、及び酸化ストロンチウム等の無機酸化物;炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸ストロンチウム等の無機炭酸塩;塩化バリウム及び塩化ストロンチウム等の無機塩化物;硫酸バリウム及び硫酸ストロンチウム等の無機硫酸塩;硝酸バリウム及び硝酸ストロンチウム等の無機硝酸塩;水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、及び水酸化ストロンチウム等の無機水酸化物;及びガラスである。
インキは、溶剤を更に含むことができる。溶剤は、例えば、石油ナフサ、トルエン、キシレン、テトラリン、及びテレピン油等の炭化水素系溶剤;酢酸n-ブチル及び酢酸メトキシブチル等のエステル系溶剤;MIBK、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、及びイソホロン等のケトン系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、及びブチルカルビトール等の多価アルコール誘導体;又はそれらの混合物である。
インキは、添加剤を更に含むことができる。添加剤は、例えば、植物油、界面活性剤、ワックス膨潤体、消泡剤、レベリング剤、スリップ剤、紫外線吸収剤、可塑剤、硬化促進剤、又はそれらの混合物である。
表示体1Aは、1以上の保護層を更に含むことができる。例えば、表示体1Aは、マスク層3を間に挟んで第1主面S1上に設けられた保護層を更に含むことができる。或いは、表示体1Aは、画像表示層を間に挟んで第2主面S2上に設けられた保護層を更に含むことができる。或いは、表示体1Aは、これら保護層の双方を更に含むことができる。
保護層は、可視域の光に対して透明である。保護層は、好ましくは無色透明である。
保護層は、シート又はフィルムとすることができる。例えば、保護層は、ポリマーシート又はポリマーフィルムとすることができる。保護層は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
保護層の材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、及びポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリプロピレン等の光硬化性樹脂;アクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びアルキド樹脂等の熱硬化性樹脂;並びに、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、及びポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
この表示体1Aが表示する画像は、以下に説明するように、観察方向の変化に応じて色が変化し得る。なお、ここでは、表示体1Aの画像表示層側の面を白色光で照明し、表示体1Aのマスク層3側の面を観察することとする。
図3は、図1及び図2に示す表示体が或る観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。図4は、図1及び図2の表示体が図3の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。
図3に示す観察条件では、観察者OBが表示体1Aを観察する方向である観察方向Dは、第1方向、即ちZ方向である。この観察条件下では、図4に示すように、第2部分41B及び第3部分41Rは遮光部31によって隠蔽され、第1部分41Gのみが光透過部32の位置で透けて見える。それ故、表示体1Aが遮光部31の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像の色は、遮光部31の色と第1部分41Gの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第1部分41Gは緑色であるので、上記画像の色は暗緑色となる。
図5は、図1及び図2に示す表示体が他の観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。図6は、図1及び図2の表示体が図5の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。
図5に示す観察条件では、観察方向Dは、Y方向に対して垂直であり且つZ方向に対してプラス側へ傾いた方向である。この観察方向DがZ方向に対して成す角度は、第2方向がZ方向に対して成す角度と比較してより小さい。この観察条件下では、図6に示すように、第3部分41Rは遮光部31によって隠蔽され、第1部分41G及び第2部分41Bの各々は、一部が遮光部31によって隠蔽され、残りの部分が光透過部32の位置で透けて見える。このように、観察方向Dを第1方向から第2方向へ変化させる途中で、第1部分41Gの各々の一部と第2部分41Bの各々の一部とを、光透過部32の少なくとも一部を介して同時に観察可能である。それ故、表示体1Aが遮光部31の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像の色は、遮光部31の色と第1部分41Gの色と第2部分41Bの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第1部分41Gは緑色であり、第2部分41Bは青色であるので、上記画像の色は暗シアン色となる。
図7は、図1及び図2に示す表示体が更に他の観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。図8は、図1及び図2の表示体が図7の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。
図7に示す観察条件では、観察方向Dは第2方向である。この観察条件下では、図7に示すように、第1部分41G及び第3部分41Rは遮光部31によって隠蔽され、第2部分41Bのみが光透過部32の位置で透けて見える。それ故、表示体1Aが遮光部31の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像の色は、遮光部31の色と第2部分41Bの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第2部分41Bは青色であるので、上記画像の色は暗青色となる。
図9は、図1及び図2に示す表示体が更に他の観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。図10は、図1及び図2の表示体が図9の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。
図9に示す観察条件では、観察方向Dは、Y方向に対して垂直であり且つZ方向に対してマイナス側へ傾いた方向である。この観察方向DがZ方向に対して成す角度は、第3方向がZ方向に対して成す角度と比較してより小さい。この観察条件下では、図10に示すように、第2部分41Bは遮光部31によって隠蔽され、第1部分41G及び第3部分41Rの各々は、一部が遮光部31によって隠蔽され、残りの部分が光透過部32の位置で透けて見える。このように、観察方向Dを第1方向から第3方向へ変化させる途中で、第1部分41Gの各々の一部と第3部分41Rの各々の一部とを、光透過部32の少なくとも一部を介して同時に観察可能である。それ故、表示体1Aが遮光部31の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像の色は、遮光部31の色と第1部分41Gの色と第3部分41Rの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第1部分41Gは緑色であり、第3部分41Rは青色であるので、上記画像の色は暗イエロー色となる。
図11は、図1及び図2に示す表示体が更に他の観察条件下で表示する画像を観察者が観察している様子を概略的に示す図である。図12は、図1及び図2の表示体が図11の観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。
図11に示す観察条件では、観察方向Dは第3方向である。この観察条件下では、図12に示すように、第1部分41G及び第2部分41Bは遮光部31によって隠蔽され、第3部分41Rのみが光透過部32の位置で透けて見える。それ故、表示体1Aが遮光部31の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像の色は、遮光部31の色と第3部分41Rの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第3部分41Rは赤色であるので、上記画像の色は暗赤色となる。
上記の通り、表示体1Aは、マスク層3や画像表示層が含んでいる各層に光学的変化インキを使用しない場合であっても、観察方向の変化に応じて画像の色が変化し得る。それ故、使用可能な顔料への制約がなく、例えば、光学的変化インキでは実現できない色変化を生じさせることもできる。このように、表示体1Aについて上述した技術は、特殊な画像表示を可能とする。
<第2実施形態>
図13は、本発明の第2実施形態に係る表示体が或る観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。図14は、図13の表示体からマスク層を省略してなる構造を示す図である。
図13に示す表示体1Bは、マスク層3及び画像表示層に以下の構造を採用したこと以外は、上述した表示体1Aと同様である。
即ち、表示体1Bでは、マスク層3のうち光透過部が設けられた部分、ここでは遮光部は、ストライプ形状ではなく格子状である。マスク層3の光透過部は、正方形状又は矩形状である。
また、表示体1Bでは、画像表示層は図14に示す構造を有している。
即ち、第1部分41Gは、複数の第1メインパターンと複数の第1サブパターンとを含んでいる。第1メインパターンの各々は、第1十字部と第1連結部とをX方向へ交互に連ねた形状を有している。第1十字部は、それらの交差部(以下、第1交差部という)の位置がマスク層3の光透過部の中心と一致するように、それぞれ、マスク層3の光透過部と向き合っている。第1サブパターンの各々は、X方向へ伸びた形状を各々が有し、X方向へ配列した複数の第1島状部からなる。第1メインパターンと第1サブパターンとは、各第1島状部がY方向へ隣り合った第1十字部の中間に位置するように、Y方向へ交互に配列している。
第2部分41Bは、複数の第2メインパターンと複数の第2サブパターンとを含んでいる。第2メインパターンの各々は、第2十字部と第2連結部とをX方向へ交互に連ねた形状を有している。第2サブパターンの各々は、X方向へ伸びた形状を各々が有し、X方向へ配列した複数の第2島状部からなる。第2メインパターンと第2サブパターンとは、各第2島状部がY方向へ隣り合った第2十字部の中間に位置するように、Y方向へ交互に配列している。そして、第2十字部及び第2島状部の位置は、それぞれ、第1十字部及び第1島状部の位置に対してX方向及びY方向の各々へ1/3周期分ずれている。
第3部分41Rは、複数の第3メインパターンと複数の第3サブパターンとを含んでいる。第3メインパターンの各々は、第3十字部と第3連結部とをX方向へ交互に連ねた形状を有している。第3サブパターンの各々は、X方向へ伸びた形状を各々が有し、X方向へ配列した複数の第3島状部からなる。第3メインパターンと第3サブパターンとは、各第3島状部がY方向へ隣り合った第3十字部の中間に位置するように、Y方向へ交互に配列している。そして、第3十字部及び第3島状部の位置は、それぞれ、第1十字部及び第1島状部の位置に対してX方向及びY方向の各々へ2/3周期分ずれている。
この表示体1Bでは、第1方向はZ方向である。第2方向は、隣り合った第1及び第2十字部の中心を結ぶ線分に対して垂直であり且つZ方向に対してプラス側へ傾いた方向である。そして、第3方向は、隣り合った第1及び第3十字部の中心を結ぶ線分に対して垂直であり且つZ方向に対してマイナス側へ傾いた方向である。
表示体1Aが遮光部の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像は、上記の通り、観察方向をY方向に対して垂直な面内で変化させると色が変化する。しかしながら、表示体1Aが表示する上記画像は、観察方向をX方向に対して垂直な面内で変化させても、色変化を生じない。
これに対し、表示体1Bが遮光部の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像は、観察方向を何れの方向へ変化させても色変化を生じる。このように、表示体1Bについて上述した技術は、更に特殊な画像表示を可能とする。
<第3実施形態>
図15は、本発明の第3実施形態に係る表示体が或る観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。図16は、図15の表示体からマスク層を省略してなる構造を示す図である。
図15に示す表示体1Cは、マスク層3及び画像表示層に以下の構造を採用したこと以外は、上述した表示体1Aと同様である。
即ち、表示体1Cでは、マスク層3のうち光透過部が設けられた部分、ここでは遮光部31は、ストライプ形状ではなく市松模様状である。マスク層3の光透過部は、正方形状又は矩形状である。
また、表示体1Cでは、画像表示層は図16に示す構造を有している。
即ち、第1部分41Gは、Y方向へ伸びた形状を各々が有し、X方向と、Y方向に対して傾いた方向とに配列している。第1部分41Gは、それぞれ、マスク層3の光透過部と向き合っている。
第2部分41Bは、Y方向へ伸びた形状を各々が有し、X方向と、Y方向に対して傾いた上記方向とに、第1部分41Gと同じピッチで配列している。第2部分41Bは、それぞれ、マスク層3の遮光部31と向き合っている。第2部分41Bは、Y方向における位置が第1部分41GのY方向における位置と一致し、X方向における位置が第1部分41GのX方向における位置に対してずれている。
第3部分41Rは、Y方向へ伸びた形状を各々が有し、X方向と、Y方向に対して傾いた上記方向とに、第1部分41Gと同じピッチで配列している。第3部分41Rは、それぞれ、マスク層3の遮光部31と向き合っている。第3部分41Rは、Y方向における位置が第1部分41GのY方向における位置と一致し、X方向における位置が第1部分41GのX方向における位置及び第2部分41BのX方向における位置に対してずれている。
この表示体1Cでは、第1方向はZ方向である。第2方向は、Y方向に対して垂直であり且つZ方向に対してプラス側へ傾いた方向である。そして、第3方向は、Y方向に対して垂直であり且つZ方向に対してマイナス側へ傾いた方向である。
表示体1Cが遮光部の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像は、表示体1Bが表示する画像と同様に、観察方向を何れの方向へ変化させても色変化を生じる。このように、表示体1Cについて上述した技術も、より特殊な画像表示を可能とする。
<第4実施形態>
図17は、本発明の第4実施形態に係る表示体が或る観察条件下で表示する画像を拡大して示す図である。図18は、図17の表示体からマスク層を省略してなる構造を示す図である。
図17に示す表示体1Dは、マスク層3及び画像表示層に以下の構造を採用したこと以外は、上述した表示体1Aと同様である。
即ち、表示体1Dでは、マスク層3の光透過部は、各々が線状であり、幅方向へ規則的に及び入れ子状に配列している。より詳細には、マスク層3の光透過部が設けられた部分、ここでは遮光部31は、ストライプ形状ではなく、同心円状である。
また、表示体1Dでは、画像表示層は図18に示す構造を有している。
即ち、第1部分41Gは、各々が線状であり、幅方向へ規則的に及び入れ子状に配列している。より詳細には、第1部分41Gは、同心円状であり、マスク層3の光透過部とそれぞれ向き合っている。
第2部分41Bは、各々が線状であり、幅方向へ規則的に及び入れ子状に配列している。より詳細には、第2部分41Bは、同心円状であり、マスク層3の遮光部31とそれぞれ向き合っている。第2部分41Bの配列の中心は、第1部分41Gの配列の中心と一致している。
第3部分41Rは、各々が線状であり、幅方向へ規則的に及び入れ子状に配列している。より詳細には、第3部分41Rは、同心円状であり、マスク層3の遮光部31とそれぞれ向き合っている。第3部分41Rの配列の中心は、第1部分41Gの配列の中心と一致している。
第1部分41G、第2部分41B及び第3部分41Rは、同心円状に配列している。
これらは、第1部分41Gの各々に対して、その内側に第2部分41Bが隣り合い、その外側に第3部分41Rが隣り合うように配列している。
この表示体1Dでは、第1方向はZ方向である。第2方向は、例えば、Y方向に対して垂直であり且つZ方向に対してプラス側へ傾いた方向である。そして、第3方向は、例えば、Y方向に対して垂直であり且つZ方向に対してマイナス側へ傾いた方向である。
表示体1Dを第1方向から観察した場合、第2部分41B及び第3部分41Rは遮光部31によって隠蔽され、第1部分41Gのみが光透過部の位置で透けて見える。それ故、表示体1Dが遮光部31の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像の色は、遮光部31の色と第1部分41Gの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第1部分41Gは緑色であるので、上記画像の色は暗緑色となる。
表示体1Dを第2方向から観察した場合、図中、円の中心に対して右に位置した領域では、第1部分41G及び第3部分41Rは遮光部31によって隠蔽され、第2部分41Bのみが光透過部の位置で透けて見える。それ故、表示体1Dがこの領域で表示する画像の色は、遮光部31の色と第2部分41Bの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第2部分41Bは青色であるので、上記画像の色は暗青色となる。
表示体1Dを第2方向から観察した場合、図中、円の中心に対して左に位置した領域では、第1部分41G及び第2部分41Bは遮光部31によって隠蔽され、第3部分41Rのみが光透過部の位置で透けて見える。それ故、表示体1Dがこの領域で表示する画像の色は、遮光部31の色と第3部分41Rの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第3部分41Rは赤色であるので、上記画像の色は暗赤色となる。
表示体1Dを第2方向から観察した場合、図中、円の中心に対して上又は下に位置した領域では、第2部分41B及び第3部分41Rは遮光部31によって隠蔽され、第1部分41Gのみが光透過部の位置で透けて見える。それ故、表示体1Dがこれらの領域で表示する画像の色は、遮光部31の色と第1部分41Gの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第1部分41Gは青色であるので、上記画像の色は暗緑色となる。
表示体1Dを第3方向から観察した場合、図中、円の中心に対して左に位置した領域では、第1部分41G及び第3部分41Rは遮光部31によって隠蔽され、第2部分41Bのみが光透過部の位置で透けて見える。それ故、表示体1Dがこの領域で表示する画像の色は、遮光部31の色と第2部分41Bの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第2部分41Bは青色であるので、上記画像の色は暗青色となる。
表示体1Dを第3方向から観察した場合、図中、円の中心に対して右に位置した領域では、第1部分41G及び第2部分41Bは遮光部31によって隠蔽され、第3部分41Rのみが光透過部の位置で透けて見える。それ故、表示体1Dがこの領域で表示する画像の色は、遮光部31の色と第3部分41Rの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第3部分41Rは赤色であるので、上記画像の色は暗赤色となる。
表示体1Dを第3方向から観察した場合、図中、円の中心に対して上又は下に位置した領域では、第2部分41B及び第3部分41Rは遮光部31によって隠蔽され、第1部分41Gのみが光透過部の位置で透けて見える。それ故、表示体1Dがこれらの領域で表示する画像の色は、遮光部31の色と第1部分41Gの色との混色となる。ここでは、遮光部31は黒色であり、第1部分41Gは青色であるので、上記画像の色は暗緑色となる。
以上の通り、表示体1Dが遮光部の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像は、第1方向から観察した場合には、その全体に亘って同じ色である。これに対し、観察方向を第2又は第3方向へ変化させると、表示体1Dが表示する上記画像は、色が異なる領域を含むことになる。このように、表示体1Dについて上述した技術も、特殊な画像表示を可能とする。
<第4実施形態>
図19は、本発明の第5実施形態に係る表示体の断面図である。
図19に示す表示体1Eは、裏面層5を更に含んでいること以外は、上述した表示体1Aと同様である。
裏面層5は、画像表示層を間に挟んで第2主面S2と向き合っている。ここでは、裏面層5は、画像表示層上に設けられている。具体的には、裏面層5は、Y方向へ各々が伸び、X方向へ配列した複数の裏面部51を含んでいる。これら裏面部51は、画像表示層の第1部分41G、第2部分41B及び第3部分41Rの上に設けられている。
裏面層5は、例えば、反射層である。反射層は、例えば、金属材料層である。反射層は、光反射性又は光散乱性顔料を含んだインキから形成することもできる。そのような反射層は、光反射性又は光散乱性顔料と樹脂とを含む。
裏面層5を形成するためのインキとしては、顔料が光反射性又は光散乱性顔料であること以外は、遮光部31、第1部分41G、第2部分41B及び第3部分41Rを形成するためのインキについて上述したのと同様のものを使用することができる。
光反射性又は光散乱性顔料は、例えば、無機物からなる。光反射性顔料に使用可能な無機物は、例えば、アルミニウム、クロム、金、銀、ニッケル、及び銅等の金属又は合金である。光散乱製顔料に使用可能な無機物は、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、リトポン、及び酸化チタンである。光散乱製顔料に使用可能な無機物としては、スメクタイト、カオリナイト、及びタルク等の粘土化合物;シリカ、チタニア、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化バリウム、及び酸化ストロンチウム等の無機酸化物;炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸ストロンチウム等の無機炭酸塩;塩化バリウム及び塩化ストロンチウム等の無機塩化物;硫酸バリウム及び硫酸ストロンチウム等の無機硫酸塩;硝酸バリウム及び硝酸ストロンチウム等の無機硝酸塩;水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、及び水酸化ストロンチウム等の無機水酸化物;並びにガラスも挙げられる。
表示体1Eは、下記式(1)乃至(3)に示す関係を満たしていることが好ましい。
Raf≧20% …(1)
Rab≧30% …(2)
(Rpf-Raf)-(Rpb-Rab)≧10% …(3)
ここで、「Rpf」は、第1部分41Gについて光透過部32を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値である。「Raf」は、第1部分41Gについて光透過部32を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値である。「Rpb」は、裏面層5の第2主面S2と向き合った面とは反対の面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値である。「Rab」は、裏面層5の第2主面S2と向き合った面とは反対の面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値である。
これら反射率の測定には、微小領域へ測定光を照射して反射率を測定可能な顕微分光反射率測定装置を用いる。
具体的には、第1部分41Gについて光透過部32を介して400乃至700nmの波長範囲内で反射率を測定する際には、第1部分41Gへ焦点を合わせるとともに、測定光を照射する領域の径を第1部分41Gの幅よりも小さくする。測定は、任意の5箇所に対して行い、最も大きな平均反射率が得られた測定結果と最も小さな平均反射率が得られた測定結果とを除外し、残りの3つの測定結果を算術平均する。この算術平均によって得られた結果から、第1部分41Gについて反射率の最大値Rpf及び平均値Rafを得る。
また、裏面層5について400乃至700nmの波長範囲内で反射率を測定する際には、裏面部51へ焦点を合わせるとともに、測定光を照射する領域の径を裏面部51の幅よりも小さくする。測定は、任意の5箇所に対して行い、最も大きな平均反射率が得られた測定結果と最も小さな平均反射率が得られた測定結果とを除外し、残りの3つの測定結果を算術平均する。この算術平均によって得られた結果から、裏面層5について反射率の最大値Rpb及び平均値Rabを得る。
式(1)の関係を満たしている表示体1Eは、前面から白色光で照明したときに、第1部分41Gの位置で高い反射率を示す。式(2)の関係を満たしている表示体1Eでは、裏面層5は、黒色表面などの低反射率の表面と比較して、白色光に対して高い反射率を示す。式(3)の関係を満たしている表示体1Eは、前面から白色光で照明したときに第1部分41Gの位置で呈する色の彩度が、裏面から白色光で照明したときに裏面層5の位置で呈する色の彩度と比較して十分に大きい。
画像表示層が含んでいる各層の厚さは、上記の通り、例えば、10μm以下である。そのような層へ波長範囲が400乃至700nmの可視光線を照射した場合、この層は多くの光を透過させる一方、この層が反射する光は僅かである。
それ故、上述した表示体1Aは、例えば、表示体1Aの背面を白色光で照明して透過光を観察する場合や、表示体1Aをその背面が白色表面と接するようにこの表面上へ設置するとともに、表示体1Aの前面を白色光で照明して反射光を観察する場合には、遮光部31の配列と画像表示層とが重なり合った位置で明るい画像を表示する。明るい画像は視認し易い。しかしながら、表示体1Aをその背面が低反射率の表面、例えば黒色表面と接するようにこの表面上へ設置するとともに、表示体1Aの前面を白色光で照明して反射光を観察した場合、表示体1Aが表示する上記画像は暗く、それ故、視認し難い。
表示体1Eは、裏面層5を含んでいる。表示体1Eの前面を白色光で照明した場合、裏面層5は、画像表示層が含んでいる層を透過した光について、黒色表面などの低反射率表面と比較して、より高い反射率を示す。それ故、表示体1Eは、その背面が低反射率の表面、例えば黒色表面と接するようにこの表面上へ設置するとともに、表示体1Eの前面を白色光で照明して反射光を観察した場合であっても、遮光部31の配列と画像表示層とが重なり合った位置で明るい画像を表示する。即ち、表示体1Eは、視認し易い画像を、より多様な条件下で表示し得る。
なお、裏面層5は、表示体1B乃至1Dに設けることもできる。そのような表示体も、表示体1Eと同様に、視認し易い画像を、より多様な条件下で表示し得る。
<第6実施形態>
図20は、本発明の第6実施形態に係るラベルの断面図である。
図20に示すラベル10Eは、上記の表示体1Eと接着剤層11とを含んでいる。接着剤層11は、表示体1Eによって支持されている。接着剤層11は、画像表示層及び裏面層5を間に挟んで第2主面S2と向き合っている。接着剤層11は、例えば、熱可塑性樹脂からなるか又は粘着剤からなる。ラベル10Eは、接着剤層11上に剥離可能に設けられた剥離シートを更に含んでいてもよい。
表示体1Eを他の物品に支持させる場合、表示体1Eを含んだラベル10Eを準備しておき、このラベル10Eを上記物品へ貼り付けてもよい。なお、ラベルは、表示体1A乃至1Dの何れか又はそれに裏面層5を設けたものに、接着剤層11を支持させてなるものであってもよい。
<第7実施形態>
図21は、本発明の第7実施形態に係る表示体付き物品の断面図である。
図21に示す表示体付き物品100は、ラベル10と物品110とを含んでいる。
ラベル10は、表示体1と接着剤層11とを含んでいる。表示体1は、表示体1A乃至1Dの何れかであるか、これに裏面層5を設けたものであるか、又は、表示体1Eである。接着剤層11は、画像表示層を間に挟んで、又は、画像表示層及び裏面層5を間に挟んで第2主面S2と向き合うように、表示体1によって支持されている。表示体1は、接着剤層11を介して、物品110に貼り付けられている。ここでは、一例として、表示体1は表示体1Eであるとする。
物品110は、表示体1を支持している。ここでは、上記の通り、物品110は、支持面を有しており、この支持面の位置で接着剤層11を介して表示体1を支持している。物品110は、接着剤以外の手段で表示体1を支持してもよい。
マスク層3と支持面との色差ΔE abは小さいこと、例えば、5以下であることが好ましい。この場合、マスク層3の存在が分かり難くなり、表示体1が物品110に貼り付けられていることが分かり難くなる。また、この場合、表示体1が遮光部31の配列と画像表示層とが重なり合った位置で表示する画像の観察方向に応じた変化を認識し易くなる。
マスク層3及び支持面の色の測定には、微小な測定領域を顕微鏡で拡大して測色することが可能な微小面分光色差計を用いる。具体的には、マスク層3の色を測定する際には、遮光部31のうち、その幅よりも小さな径を有している領域に対して焦点を合わせ、この領域に対して測色を実施する。この測色を任意の3箇所に対して行い、得られた結果を算術平均することにより、マスク層3の色を得る。また、支持面の色についても、マスク層3について上述したのと同様の方法により得る。そして、これらの結果から、色差ΔE abを算出する。
<変形例>
上述した表示体、ラベル及びラベル付き物品には、様々な変形が可能である。
例えば、画像表示層は、色が互いに異なる4以上の層を含んでいてもよい。或いは、第3層4Rは省略してもよい。この場合、第3層4Rの第3部分41Rの位置には、第3部分41Rの代わりに、第2層4Bの第2部分41Bを更に配置してもよい。
<例1>
図22は、実施例で利用した印刷方法における第1工程を示す断面図である。図23は、実施例で利用した印刷方法における第2工程を示す断面図である。図24は、実施例で利用した印刷方法における第3工程を示す断面図である。
本例では、図22乃至図24に示すグラビアオフセット印刷装置を使用して、図1及び図2を参照しながら説明した表示体1Aを製造した。このグラビアオフセット印刷装置は、凹版である印刷版210と、インキ転写用のブランケット250と、印刷版210の凹部である溝211へインキ230を充填するドクタ220と、ブランケット胴240と、その表面に固定されたブランケット250と、印刷定盤260とを含んでいる。
印刷版210としては、幅が100mmであり、長さが100mmであり、一方の面にエッチングによって溝211を形成した金属製の平板を使用した。マスク層3を形成するための印刷版210(以下、マスク層形成用の印刷版ということもある)では、溝211の幅を60μmとし、溝211のピッチを85μmとした。第1層4G、第2層4B及び第3層4Rを形成するための印刷版210(以下、画像表示層形成用の印刷版ということもある)では、溝211の幅を20μmとし、ピッチを85μmとした。
ブランケット胴240としては、SUS304製であり、胴幅が220mmであり、直径が300mmであるのものを使用した。
ブランケット250として、シリコーンゴムを主体とする、厚さが0.9mmであり、硬度が20°であり、幅が200mmであり、長さが250mmであるのものを使用した。
ブランケット胴240は、移動可能な台車(図示せず)によって回転可能に支持されている。台車は、架台に支持されている。ブランケット胴240の表面に固定されたブランケット250は、図22に示すようにドクタ220で溝211へインキ230を充填することによって形成したインキパターン231を、図23に示すように、ブランケット胴240がブランケット250を印刷版210へ向けて押圧しつつ転動することで印刷版210から受け取る。その後、図24に示すように、ブランケット胴240が、印刷定盤260上に載置された透明材料層2へ向けてブランケット250を押圧しつつ転動することで、インキパターン231がブランケット250から透明材料層2へ転写される。
本例では、このグラビアオフセット印刷装置を使用して、透明材料層2上に、マスク層3、第1層4G、第2層4B及び第3層4Rを形成した。
透明材料層2としては、幅が150mmであり、長さ150mmであり厚さが0.05mmであるポリエチレンテレフタレート基材を使用した。透明材料層2上には、先ず、その一方の主面にマスク層3を形成した。
マスク層3を形成するためのインキとしては、ブラック色のオフセット印刷用インキを使用した。印刷版210としては、上述したマスク層形成用の印刷版を使用した。
印刷版210の溝211へブラックインキを充填する第1工程において、印刷版210へのインキ230の供給量は0.5g/cmとした。ドクタ220が印刷版210と接する位置をドクタ220のゼロ点とし、ドクタ220の位置をゼロ点から印刷版210の方向へ0.5mm近づけた位置に設定して、ドクタ220によってインキ230を掻き取りながら、溝211にインキ230を充填した。
ブラックインキを印刷版210からブランケット250上へと移行させる第2工程では、ブランケット250が印刷版210と接する位置をブランケット胴240のゼロ点とし、ブランケット胴240の位置をゼロ点から印刷版210の方向へ0.5mm近づけた位置に設定した。この位置で、ブランケット胴240を50mm/secで転動させて、溝211へブランクインキを充填してなるインキパターン231を、印刷版210からブランケット250上へ移行させた。
ブラックインキからなるインキパターン231をブランケット250から透明材料層2上へ転写する第3工程では、透明材料層2がブランケット250と接する位置をブランケット胴240のゼロ点とし、ブランケット胴240の位置をゼロ点から透明材料層2の方向へ0.5mm近づけた位置に設定した。この位置で、ブランケット胴240を100mm/secで転動させて、ブラックインキからなるインキパターン231を、ブランケット250から透明材料層2上へ転写した。
その後、透明材料層2を印刷装置から取り出し、約100℃で30分間に亘る加熱を行って、インキパターン231を乾燥させた。このようにして、インキパターン231の乾燥物からなる遮光部31を含んだマスク層3を得た。
次に、透明材料層2のマスク層3を形成した面の裏面に、第3層4Rを形成した。第3層4Rを形成するためのインキとしては、マゼンタ色のオフセット印刷用インキを使用した。印刷版210としては、上述した画像表示層形成用の印刷版を使用した。これらを除き、第3層4Rは、マスク層3について上述したのと同様の方法により形成した。なお、第3部分41Rの各々は、その全体が遮光部31と透明材料層2を間に挟んで向き合い、且つ、Z方向に対して垂直な平面への第3部分41Rの正射影が、この平面への遮光部31の正射影の輪郭からX方向へ0.1mm離間するように形成した。
次に、透明材料層2の第3層4Rを形成した面に、第2層4Bを形成した。第2層4Bを形成するためのインキとしては、シアン色のオフセット印刷用インキを使用した。印刷版210としては、上述した画像表示層形成用の印刷版を使用した。これらを除き、第2層4Bは、マスク層3について上述したのと同様の方法により形成した。なお、印刷版210へのシアンインキの供給に先立ち、印刷版210上に残留していたマゼンタインキは、洗浄液とウエスとを用いて除去した。また、第2部分41Bの各々は、その全体が遮光部31と透明材料層2を間に挟んで向き合い、且つ、Z方向に対して垂直な平面への第2部分41Bの正射影が、この平面への遮光部31の正射影の輪郭からX方向へ0.1mm離間するように形成した。
その後、透明材料層2の第2層4B及び第3層4Rを形成した面に、第1層4Gを形成した。第1層4Gを形成するためのインキとしては、グリーン色のオフセット印刷用インキを使用した。印刷版210としては、上述した画像表示層形成用の印刷版を使用した。これらを除き、第1層4Gは、マスク層3について上述したのと同様の方法により形成した。なお、印刷版210へのグリーンインキの供給に先立ち、印刷版210上に残留していたシアンインキは、洗浄液とウエスとを用いて除去した。また、第1部分41Gの各々は、その中心線のX方向における位置と、この第1部分41Gと向き合った光透過部32の中心線のZ方向における位置とが一致するように形成した。
このようにして得られた表示体1Aにおいて、マスク層3の遮光部31は、幅が58μmであり、厚さが1.2μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第1層4Gの第1部分41Gは、幅が18μmであり、厚さが0.9μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第2層4Bの第2部分41Bは、幅が20μmであり、厚さが1.1μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。そして、第3層4Rの第3部分41Rは、幅が19μmであり、厚さが1.0μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。
この表示体1Aに対して、ラムダビジョン社製のLVmicro-Zを用いた反射率の測定を行った。ここでは、測定領域の直径は15μmとした。その結果、最大反射率Rpfは25%であり、平均反射率Rafは8%であり、最大反射率Rpbは30%であり、平均反射率Rabは10%であった。そして、これらの値を式(3)の左辺へ代入することによって算出される値は-3%であった。即ち、この表示体1Aは、式(1)乃至(3)に示す関係の何れも満たしていなかった。なお、表示体1Aは裏面層5を含んでいないので、ここでは、最大反射率Rpb及び平均反射率Rabは、第1部分41Gの第2主面S2と向き合った面とは反対の面について得られた値としている。
この表示体1Aのマスク層3側の面を、白色光で画像表示層側の面を照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Aが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
また、この表示体1Aを黒色基材に、画像表示層が黒色基材と向き合うように貼り付けた。そして、表示体1Aのマスク層3側の面を、白色光で照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、表示体1Aが表示する画像は、暗く、視認し難かった。
<例2>
本例では、図19を参照しながら説明した表示体1Eを製造した。マスク層3、画像表示層、及び裏面層5は、例1において使用したのと同様のグラビアオフセット印刷装置を用いて形成した。
透明材料層2としては、例1において使用したのと同様のポリエチレンテレフタレート基材を使用した。透明材料層2上には、先ず、その一方の主面にマスク層3を形成した。マスク層3は、例1において行ったのと同様の方法により形成した。
次に、透明材料層2のマスク層3を形成した面の裏面に、第3層4Rを形成した。第3層4Rは、例1において行ったのと同様の方法により形成した。
続いて、裏面層5が含む裏面部51の一部を、第3層4Rが含む第3部分41R上に形成した。これらを形成するためのインキとしては、ホワイト色のオフセット印刷用インキを使用した。印刷版210としては、上述した画像表示層形成用の印刷版を使用した。これらを除き、裏面部51のうち第3部分41Rを被覆するものは、マスク層3について上述したのと同様の方法により形成した。
次に、透明材料層2の第3層4R等を形成した面に、第2層4Bを形成した。第2層4Bは、例1において行ったのと同様の方法により形成した。
続いて、裏面層5が含む裏面部51の他の一部を、第2層4Bが含む第2部分41B上に形成した。これらを形成するためのインキとしては、上記と同様のホワイトインキを使用した。印刷版210としては、上述した画像表示層形成用の印刷版を使用した。これらを除き、裏面部51のうち第2部分41Bを被覆するものは、マスク層3について上述したのと同様の方法により形成した。
次に、透明材料層2の第2層4B及び第3層4R等を形成した面に、第1層4Gを形成した。第1層4G、例1において行ったのと同様の方法により形成した。
その後、裏面層5が含む裏面部51の残りを、第1層4Gが含む第1部分41G上に形成した。これらを形成するためのインキとしては、上記と同様のホワイトインキを使用した。印刷版210としては、上述した画像表示層形成用の印刷版を使用した。これらを除き、裏面部51のうち第1部分41Gを被覆するものは、マスク層3について上述したのと同様の方法により形成した。以上のようにして、第1部分41G、第2部分41B及び第3部分41Rを被覆した裏面部51からなる裏面層5を得た。
このようにして得られた表示体1Eにおいて、マスク層3の遮光部31は、幅が58μmであり、厚さが1.1μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第1層4Gの第1部分41Gと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が23μmであり、厚さが1.8μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第2層4Bの第2部分41Bと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が24μmであり、厚さが1.7μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。そして、第3層4Rの第3部分41Rと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が23μmであり、厚さが1.8μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。
この表示体1Eに対して、ラムダビジョン社製のLVmicro-Zを用いた反射率の測定を行った。ここでは、測定領域の直径は15μmとした。その結果、最大反射率Rpfは60%であり、平均反射率Rafは30%であり、最大反射率Rpbは93%であり、平均反射率Rabは91%であった。そして、これらの値を式(3)の左辺へ代入することによって算出される値は28%であった。即ち、この表示体1Eは、式(1)乃至(3)に示す関係を満たしていた。
この表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で裏面層5側の面を照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Eが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
また、この表示体1Eを黒色基材に、裏面層5が黒色基材と向き合うように貼り付けた。そして、表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Eが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
次に、この表示体1Eに対して、上述した測色を行った。この測色には、スガ試験機社製のカラーメーターSC-50μを用いた。ここでは、測定範囲の直径は50μmとした。その結果、マスク層3と黒色基材の表面である支持面との色差ΔE abは0.9であった。また、白色光照明条件下で、表示体1Eとこれが貼り付けられた黒色基材とを肉眼で観察したところ、それらは一体物の如く見えた。
<例3>
本例では、図19を参照しながら説明した表示体1Eを、以下の事項を除き、例2と同様の方法により製造した。即ち、本例では、グリーンインキの代わりにシアンインキを使用して第1層4Gを形成し、シアンインキの代わりにマゼンタインキを使用して第2層4Bを形成し、マゼンタインキの代わりにグリーンインキを使用して第3層4Rを形成し、ホワイトインキの代わりに、銀ナノ粒子と樹脂とを含んだ銀インキを使用して裏面層5を形成した。
このようにして得られた表示体1Eにおいて、マスク層3の遮光部31は、幅が60μmであり、厚さが1.0μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第1層4Gの第1部分41Gと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が22μmであり、厚さが2.0μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第2層4Bの第2部分41Bと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が21μmであり、厚さが2.1μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。そして、第3層4Rの第3部分41Rと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が21μmであり、厚さが2.0μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。
この表示体1Eに対して、ラムダビジョン社製のLVmicro-Zを用いた反射率の測定を行った。ここでは、測定領域の直径は15μmとした。その結果、最大反射率Rpfは65%であり、平均反射率Rafは25%であり、最大反射率Rpbは45%であり、平均反射率Rabは35%であった。そして、これらの値を式(3)の左辺へ代入することによって算出される値は30%であった。即ち、この表示体1Eは、式(1)乃至(3)に示す関係を満たしていた。
この表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で裏面層5側の面を照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Eが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
また、この表示体1Eを黒色基材に、裏面層5が黒色基材と向き合うように貼り付けた。そして、表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Eが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
次に、この表示体1Eに対して、上述した測色を行った。この測色には、スガ試験機社製のカラーメーターSC-50μを用いた。ここでは、測定範囲の直径は50μmとした。その結果、マスク層3と黒色基材の表面である支持面との色差ΔE abは0.9であった。また、白色光照明条件下で、表示体1Eとこれが貼り付けられた黒色基材とを肉眼で観察したところ、それらは一体物の如く見えた。
<例4>
本例では、図19を参照しながら説明した表示体1Eを、以下の事項を除き、例2と同様の方法により製造した。即ち、本例では、ブラックインキの代わりに、銀ナノ粒子と樹脂とを含んだ銀インキを使用してマスク層3を形成し、グリーンインキの代わりにマゼンタインキを使用して第1層4Gを形成し、シアンインキの代わりにグリーンインキを使用して第2層4Bを形成し、マゼンタインキの代わりにシアンインキを使用して第3層4Rを形成し形成した。
このようにして得られた表示体1Eにおいて、マスク層3の遮光部31は、幅が58μmであり、厚さが1.2μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第1層4Gの第1部分41Gと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が23μmであり、厚さが1.8μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第2層4Bの第2部分41Bと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が23μmであり、厚さが1.8μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。そして、第3層4Rの第3部分41Rと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が24μmであり、厚さが1.7μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。
この表示体1Eに対して、ラムダビジョン社製のLVmicro-Zを用いた反射率の測定を行った。ここでは、測定領域の直径は15μmとした。その結果、最大反射率Rpfは70%であり、平均反射率Rafは35%であり、最大反射率Rpbは93%であり、平均反射率Rabは91%であった。そして、これらの値を式(3)の左辺へ代入することによって算出される値は33%であった。即ち、この表示体1Eは、式(1)乃至(3)に示す関係を満たしていた。
この表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で裏面層5側の面を照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Eが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
また、この表示体1Eをシルバーメタル色基材に、裏面層5がシルバーメタル色基材と向き合うように貼り付けた。そして、表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Eが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
次に、この表示体1Eに対して、上述した測色を行った。この測色には、スガ試験機社製のカラーメーターSC-50μを用いた。ここでは、測定範囲の直径は50μmとした。その結果、マスク層3とシルバーメタル色基材の表面である支持面との色差ΔE abは4.5であった。また、白色光照明条件下で、表示体1Eとこれが貼り付けられたシルバーメタル色基材とを肉眼で観察したところ、それらは一体物の如く見えた。
<例5>
本例では、図19を参照しながら説明した表示体1Eを、例3と同様の方法により製造した。
このようにして得られた表示体1Eにおいて、マスク層3の遮光部31は、幅が58μmであり、厚さが1.2μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第1層4Gの第1部分41Gと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が24μmであり、厚さが1.7μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第2層4Bの第2部分41Bと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が23μmであり、厚さが1.8μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。そして、第3層4Rの第3部分41Rと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が24μmであり、厚さが1.7μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。
この表示体1Eに対して、ラムダビジョン社製のLVmicro-Zを用いた反射率の測定を行った。ここでは、測定領域の直径は15μmとした。その結果、最大反射率Rpfは70%であり、平均反射率Rafは35%であり、最大反射率Rpbは93%であり、平均反射率Rabは91%であった。そして、これらの値を式(3)の左辺へ代入することによって算出される値は33%であった。即ち、この表示体1Eは、式(1)乃至(3)に示す関係を満たしていた。
この表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で裏面層5側の面を照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Eが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
また、この表示体1Eをシルバーメタル色とは異なるメタル色の基材に、裏面層5がメタル色基材と向き合うように貼り付けた。そして、表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Eが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
次に、この表示体1Eに対して、上述した測色を行った。この測色には、スガ試験機社製のカラーメーターSC-50μを用いた。ここでは、測定範囲の直径は50μmとした。その結果、マスク層3とメタル色基材の表面である支持面との色差ΔE abは6.5であった。また、白色光照明条件下で、表示体1Eとこれが貼り付けられたメタル色基材とを肉眼で観察したところ、それらは色の相違が大きく、表示体1Eがメタル色基材へ貼り付けられていることが分かり易かった。
<例6>
本例では、図19を参照しながら説明した表示体1Eを、以下の事項を除き、例2と同様の方法により製造した。即ち、本例では、ホワイトインキの代わりにブラックインキを使用して裏面層5を形成した。
このようにして得られた表示体1Eにおいて、マスク層3の遮光部31は、幅が58μmであり、厚さが1.2μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第1層4Gの第1部分41Gと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が21μmであり、厚さが1.7μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。第2層4Bの第2部分41Bと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が23μmであり、厚さが1.8μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。そして、第3層4Rの第3部分41Rと裏面層5の裏面部51との積層体は、幅が22μmであり、厚さが1.7μmであり、85μmのピッチで幅方向へ配列していた。
この表示体1Eに対して、ラムダビジョン社製のLVmicro-Zを用いた反射率の測定を行った。ここでは、測定領域の直径は15μmとした。その結果、最大反射率Rpfは15%であり、平均反射率Rafは6%であり、最大反射率Rpbは4%であり、平均反射率Rabは3%であった。そして、これらの値を式(3)の左辺へ代入することによって算出される値は8%であった。即ち、この表示体1Eは、式(1)乃至(3)に示す関係の何れも満たしていなかった。
この表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で裏面層5側の面を照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、観察方向の変化に応じて画像の色が大きく変化した。また、表示体1Eが表示する画像は、明るく、視認し易かった。
また、この表示体1Eを黒色基材に、裏面層5が黒色基材と向き合うように貼り付けた。そして、表示体1Eのマスク層3側の面を、白色光で照明するとともに、Y方向に対して垂直な面内で観察方向を変化させながら観察した。その結果、表示体1Eが表示する画像は、暗く、視認し難かった。
次に、この表示体1Eに対して、上述した測色を行った。この測色には、スガ試験機社製のカラーメーターSC-50μを用いた。ここでは、測定範囲の直径は50μmとした。その結果、マスク層3と黒色基材の表面である支持面との色差ΔE abは4.5であった。また、白色光照明条件下で、表示体1Eとこれが貼り付けられた黒色基材とを肉眼で観察したところ、それらは一体物の如く見えた。
1…表示体、1A…表示体、1B…表示体、1C…表示体、1D…表示体、1E…表示体、2…透明材料層、3…マスク層、4B…第2層、4G…第1層、4R…第3層、5…裏面層、10E…ラベル、11…接着剤層、31…遮光部、32…光透過部、41B…第2部分、41G…第1部分、41R…第3部分、51…裏面部、100…表示体付き物品、110…物品、OB…観察者、D…観察方向。

Claims (19)

  1. 第1主面及びその裏面である第2主面を有する透明材料層と、
    前記第1主面上に設けられ、規則的に配列した複数の光透過部を有する遮光性のマスク層と、
    前記第2主面上に設けられた画像表示層と
    を備え、
    前記画像表示層は、第1色を表示する第1層と、前記第1色とは異なる第2色を表示する第2層とを含み、
    前記第1層は、第1方向から観察した場合に前記複数の光透過部の少なくとも一部を介して観察可能な複数の第1部分を含み、
    前記第2層は、前記第1方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察不可能であり、前記第1方向とは異なる第2方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察可能な複数の第2部分を含み、
    前記複数の第1部分の配列と前記複数の第2部分の配列とは形状が等しい表示体。
  2. 前記マスク層のうち前記複数の光透過部が設けられた部分は、ストライプ状である請求項1に記載の表示体。
  3. 前記マスク層のうち前記複数の光透過部が設けられた部分は、格子状又は市松模様状である請求項1に記載の表示体。
  4. 前記画像表示層は、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色を表示する第3層を更に含み、
    前記第3層は、前記第1方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察不可能であり、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察可能な複数の第3部分を含み、
    前記複数の第3部分の配列は、前記第1部分の前記配列及び前記複数の第2部分の前記配列は形状が等しい請求項1に記載の表示体。
  5. 第1主面及びその裏面である第2主面を有する透明材料層と、
    前記第1主面上に設けられた遮光性のマスク層であって、各々が線状であり、幅方向へ規則的に配列した複数の光透過部が設けられたマスク層と、
    前記第2主面上に設けられた画像表示層と
    を備え、
    前記画像表示層は、第1色を表示する第1層と、前記第1色とは異なる第2色を表示する第2層とを含み、
    前記第1層は、各々が線状であり、第1方向から観察した場合に前記複数の光透過部の少なくとも一部を介して観察可能な複数の第1部分を含み、
    前記第2層は、各々が線状である複数の第2部分を含み、前記複数の第2部分は、前記第1方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察不可能であり、前記第1方向とは異なる第2方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して少なくとも部分的に観察可能であり、
    前記複数の第1部分と前記複数の第2部分とは、それらの幅方向へ交互に配列した表示体。
  6. 前記複数の光透過部は入れ子状に配列した請求項5に記載の表示体。
  7. 前記画像表示層は、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色を表示する第3層を更に含み、
    前記第3層は、各々が線状である複数の第3部分を含み、前記複数の第3部分は、前記第1方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して観察不可能であり、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向から観察した場合に、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して少なくとも部分的に観察可能であり、
    前記複数の第1部分と前記複数の第2部分と前記複数の第3部分とは、それらの幅方向へこの順に繰り返し配列した請求項5に記載の表示体。
  8. 前記複数の第1部分と前記複数の第2部分とは互いから離間している請求項1又は5に記載の表示体。
  9. 観察方向を前記第1方向から前記第2方向へ変化させる途中で、前記複数の第1部分の各々の一部と前記複数の第2部分の各々の一部とを、前記複数の光透過部の前記少なくとも一部を介して同時に観察可能である請求項1又は5に記載の表示体。
  10. 前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った裏面層を更に備え、前記複数の第1部分について前記光透過部を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値Rpfと、前記複数の第1部分について前記光透過部を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値Rafと、前記裏面層の前記第2主面と向き合った面とは反対の面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値Rpbと、前記裏面層の前記第2主面と向き合った前記面とは反対の前記面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値Rabとは、下記式(1)乃至(3)に示す関係を満たす請求項1又は5に記載の表示体。
    Raf≧20% …(1)
    Rab≧30% …(2)
    (Rpf-Raf)-(Rpb-Rab)≧10% …(3)
  11. 前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った裏面層として反射層を更に備えた請求項1又は5に記載の表示体。
  12. 前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った裏面層として反射層を更に備え、前記裏面層は、光反射性又は光散乱性顔料を含んだインキからなる請求項1又は5に記載の表示体。
  13. 前記透明材料層の厚さは150μm以下であり、前記複数の光透過部は、幅が100μm以下であり、200μm以下のピッチで配列し、前記複数の第1部分は幅が90μm以下である請求項1又は5に記載の表示体。
  14. 前記マスク層の厚さ及び前記画像表示層が含んでいる層の各々の厚さは0.2μm以上である請求項1又は5に記載の表示体。
  15. 請求項1又は5に記載の表示体と、
    前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った接着剤層と
    を備えたラベル。
  16. 請求項1又は5に記載の表示体と、
    前記表示体を支持した物品と
    を備えた表示体付き物品。
  17. 前記物品は支持面を有し、前記表示体は前記第2主面が前記画像表示層を間に挟んで前記支持面と向き合うように前記物品に支持されており、
    前記表示体は、前記画像表示層を間に挟んで前記第2主面と向き合った裏面層を更に備え、
    前記裏面層は、反射層であるか、又は、光反射性若しくは光散乱性顔料を含んだインキからなるか、又は、
    前記複数の第1部分の1以上について前記光透過部を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値Rpfと、前記複数の第1部分の前記1以上について前記光透過部を介して400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値Rafと、前記裏面層の前記第2主面と向き合った面とは反対の面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の最大値Rpbと、前記裏面層の前記第2主面と向き合った前記面とは反対の前記面について400乃至700nmの波長範囲内で測定される反射率の平均値Rabとは、下記式(1)乃至(3)に示す関係を満たす請求項16に記載の表示体付き物品。
    Raf≧20% …(1)
    Rab≧30% …(2)
    (Rpf-Raf)-(Rpb-Rab)≧10% …(3)
  18. 前記物品は支持面を有し、前記表示体は前記第2主面が前記画像表示層を間に挟んで前記支持面と向き合うように前記物品に支持されており、前記マスク層と前記支持面との色差ΔE abは5以下である請求項16に記載の表示体付き物品。
  19. 前記マスク層は黒色である請求項16に記載の表示体付き物品。
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