JP2023183348A - 既存壁の移築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存壁を移築して補強するに当たり、復元した既存壁の壁面に設ける補修箇所を低減できる、既存壁の移築方法を提供すること。【解決手段】既存壁の移築方法は、下側定着体23が埋設された鉄筋コンクリート造の新築基礎20を構築し、下側定着体23に鉛直方向に延びる補強鋼棒21を接合するステップS5と、各ピースCL、CU、WL、WUを揚重して、補強鋼棒21を各ピースCL、CU、WL、WUの貫通孔27に挿通させながら新築基礎20の上に吊り下ろして組み立てるステップS6と、組み立てたピースCL、CU、WL、WUの上面に上側定着板31を配置し、補強鋼棒21に緊張力を導入して、この状態で、補強鋼棒21を上側定着板31に接合するステップS7と、を備える。【選択図】図15

Description

本発明は、組積造などの既存壁の移築方法に関する。
従来より、文化遺産である煉瓦の組積造の建物を補強することが行われている(特許文献1、2参照)。
特許文献1には、既設のレンガ壁の補強工法が示されている。具体的には、レンガ壁の基礎に形成した横穴からPC鋼棒の下端部に定着板を取り付けたのち、横穴に早強コンクリートを充填し、固定する。レンガ壁の上端と下端との間を貫通し緊張力が付与された複数のPC鋼棒によって、レンガ壁の上端と下端との間に圧縮力が付与される。
特許文献2には、組積造の補強構造が示されている。組積造の補強構造は、組積造壁の側面に形成された横穴と、壁上端から下方に向かって形成されて横穴に連通する貫通孔と、貫通孔より下方で、横穴からさらに下方に向かって形成された緊張材固定穴と、壁上端から緊張材固定穴まで延在する緊張材と、を有する。緊張材は、その下端が緊張材固定穴の中で定着板とともに充填剤により固定され、張力が付与された状態で、上方部分が固定されている。
特開2010-281033号公報 特開2018-178646号公報
本発明は、既存壁を移築して補強するに当たり、復元した既存壁の壁面に設ける補修箇所を低減できる、既存壁の移築方法を提供することを課題とする。
第1の発明の既存壁の移築方法は、既存壁(例えば、後述の建物の外壁部1)の移築方法であって、前記既存壁を水平方向に並んだ複数のピース(例えば、後述のピースCL、CU、WL、WU)に分割する第1工程(例えば、後述のステップS1~S3)と、下側定着体(例えば、後述の下側定着体23)が埋設された鉄筋コンクリート造の基礎(例えば、後述の新築基礎20)を構築し、前記下側定着体に鉛直方向に延びる補強鋼棒(例えば、後述の補強鋼棒21)を接合する第2工程(例えば、後述のステップS5)と、前記各ピースに鉛直方向に延びる貫通孔(例えば、後述の貫通孔27)を形成し、前記各ピースを揚重して、前記補強鋼棒を前記貫通孔に挿通させながら前記基礎の上に吊り下ろすことで、前記ピースを組み立てる第3工程(例えば、後述のステップS6)と、前記組み立てたピースの上面に上側定着体(例えば、後述の上側定着板31)を配置し、前記補強鋼棒に緊張力を導入して、この状態で、前記補強鋼棒を前記上側定着体に接合する第4工程(例えば、後述のステップS7)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、基礎に下側定着体を埋設し、この下側定着体に鉛直方向に延びる補強鋼棒を接合する。次に、この補強鋼棒をピースに形成した貫通孔に挿通させながら、ピースを基礎の上面に配置する。よって、各ピースに形成した貫通孔は、各ピースの下面から上面に至っていることになる。次に、組み立てたピースの上面に上側定着体を配置し、補強鋼棒に緊張力を導入して、この状態で、補強鋼棒を上側定着体に接合する。これにより、各ピースに圧縮力を導入して、復元した既存壁を補強できる。
また、貫通孔を各ピースの下面から上面に至るように設けたので、従来のように、各ピースの側面に、補強鋼棒を下側定着体に接合するための開口部を設ける必要がなく、復元した既存壁の壁面に設ける補修箇所を低減できる。
第2の発明の既存壁の移築方法は、前記第1工程では、前記各ピースをさらに下側ピース(例えば、後述のCL、WL)および上側ピース(例えば、後述のCU、WU)に分割し、前記第3工程では、前記基礎の上面に高さ調整材(例えば、後述のスペーサ26)を設け、前記基礎上の高さ調整材の上に前記下側ピースを配置する、および/または、前記下側ピースの上面に高さ調整材を設け、前記下側ピース上の高さ調整材の上に前記上側ピースを配置することを特徴とする。
この発明によれば、基礎の上面に高さ調整材を設け、この基礎上の高さ調整材の上に下側ピースを配置した場合には、下側ピースの水平精度を確保できる。また、下側ピースの上面に高さ調整材を設け、この下側ピース上の高さ調整材の上に上側ピースを配置した場合には、上側ピースの水平精度を確保できる。
第3の発明の既存壁の移築方法は、前記第4工程では、前記上側定着体を前記組み立てたピースの上面または前記組み立てたピースの上面に設けた凹部に配置するとともに、前記補強鋼棒に緊張力を導入した後、前記補強鋼棒と前記貫通孔との隙間に充填材(例えば、後述の充填材28)を充填することを特徴とする。
この発明によれば、上側定着体を、組み立てたピースの上面または組み立てたピース上面に設けた凹部に配置することで、補強鋼棒を介して各ピースに確実に圧縮力を導入できる。
また、補強鋼棒に緊張力を導入した後、補強鋼棒と貫通孔との隙間に充填材を充填したので、補強鋼棒に導入した緊張力を容易に保持できる。
本発明によれば、既存壁を移築して補強するに当たり、復元した既存壁の壁面に設ける補修箇所を低減できる、既存壁の移築方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る既存壁の移築方法が適用される建物の外壁部の正面図および平面図である。 図1の外壁部のA-A断面図である。 第1実施形態に係る復元した外壁部の正面図および平面図である。 図3の復元した外壁部のB-B断面図である。 図4の復元した外壁部の破線Cで囲んだ部分の拡大図である。 図5の復元した外壁部のE-E断面図である。 図4の復元した外壁部の破線Dで囲んだ部分の拡大図である。 図7の復元した外壁部のF-F矢視図である。 第1実施形態に係る外壁部の移築手順のフローチャートである。 第1実施形態に係る外壁部の移築手順の説明図(その1:外壁部の分割位置および補強部材の取り付け位置を示す図)である。 補強部材の縦断面図である。 第1実施形態に係る外壁部の移築手順の説明図(その2:ピースCL、WLの取り外し状況を示す図)である。 第1実施形態に係る外壁部の移築手順の説明図(その3:新築基礎の縦断面図)である。 第1実施形態に係る外壁部の移築手順の説明図(その4:ピースCLの取り付け状況を示す図)である。 第1実施形態に係る外壁部の移築手順の説明図(その5:ピースWLの取り付け状況を示す図)である。 PC鋼棒に導入する緊張力の計算に用いる外壁部の模式図である。 本発明の第2実施形態に係る復元した外壁部の上部の縦断面図である。 本発明の変形例に係る復元した外壁部の一部の縦断面図である。
本発明は、既存壁の移築方法であり、鉄筋コンクリート造の基礎に補強鋼棒を接合しておき、補強鋼棒を各ピースの貫通孔に挿通させながら、各ピースを基礎の上面に吊り下ろして組み立てることで既存壁を復元するとともに、各ピースの貫通孔に挿通した補強鋼棒に緊張力を導入して、復元した既存壁を補強するものである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る既存壁の移築方法が適用される既存壁としての建物の外壁部1の正面図である。図1(b)は、図1(a)の外壁部1の平面図である。図2は、図1(a)の外壁部1のA-A断面図である。
建物の外壁部1は、煉瓦の組積造であり、地盤面2上に構築されて水平方向に延びる基礎部10と、基礎部10上に所定間隔おきに設けられた柱部11と、基礎部10上で柱部11同士の間に設けられた壁部12と、を含んで構成される。各壁部12の中央の開口13には、窓14およびパネル15が嵌め込まれている。
以上の建物の外壁部1を移築して復元する。図3(a)は、復元した外壁部1Aの正面図であり、図3(b)は、図3(a)の復元した外壁部1Aの平面図である。図4は、図3(a)の復元した外壁部1AのB-B断面図である。
復元した建物の外壁部1Aは、新築基礎20の上に構築されている。新築基礎20は、地盤面2上に構築された鉄筋コンクリート造である。新築基礎20と復元した外壁部1Aの上端面との間には、所定間隔おきに、緊張力が導入された補強鋼棒21が設けられており、これにより、復元した外壁部1Aが補強されている。
図5は、図4の復元した外壁部1Aの破線Cで囲んだ部分の拡大図である。図6は、図5の復元した外壁部1AのE-E断面図である。
新築基礎20の補強鋼棒21の位置には、凹部22が形成されている。新築基礎20の内部には、下側定着体23が埋設されている。この下側定着体23は、新築基礎20に定着された定着体本体24と、定着体本体24に設けられて凹部22に露出する円筒形状の継手部25と、を備える。継手部25の内部には、雌ねじ部が形成されている。補強鋼棒21の上下端部には、雄ねじ部が形成されており、この補強鋼棒21の下端部の雌ねじ部は、継手部25の雌ねじ部に螺合されている。
また、新築基礎20上には、高さ調整材としてのスペーサ26が適宜配置されており、復元した建物の外壁部1A(ピースCL、WL)は、これらスペーサ26上に載置されている。
復元した建物の外壁部1Aには、鉛直方向に延びてこの外壁部1Aの下端面から上端面に至る貫通孔27が設けられており、補強鋼棒21は、この貫通孔27に挿通されている。貫通孔27と補強鋼棒21との隙間、および新築基礎20の上面と外壁部1Aの下端面との隙間には、充填材28が充填されている。
図7は、図4の復元した外壁部1Aの破線Dで囲んだ部分の拡大図である。図8は、図7の復元した外壁部1AのF-F矢視図である。
復元した建物の外壁部1Aの上端面は、全面に亘ってプレート30で覆われており、このプレート30上で補強鋼棒21の直上には、上側定着板31が配置されている。補強鋼棒21は、プレート30および上側定着板31を貫通している。補強鋼棒21に緊張力を導入した状態で、補強鋼棒21の上端部にナット32を螺合して締め付けることにより、ナット32が上側定着板に係止して、補強鋼棒21に導入した緊張力が保持される。
また、復元した外壁部1Aの内側には、この外壁部1Aを内側から補強する補強柱梁架構40が構築されている。補強柱梁架構40は、柱部11(ピースCL、CU)の内壁面に沿って鉛直方向に延びるH形鋼である補強柱41と、補強柱41の上端同士を連結するH形鋼である補強梁42と、補強梁42と外壁部1Aの上端面とを連結する図示しない頭繋ぎと、を備える。
以下、建物の外壁部1を移築する手順について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、図10に示すように、建物の外壁部1について、複数のピースに分割する分割位置(図10中破線で示す)、および、各ピースの補強部材50の取り付け位置を設定する。
具体的には、クレーンなどの揚重装置で揚重可能となるように、外壁部1を上下に二段、水平方向に7つの合計14個のピースCL、CU、WL、WUに分割する。ピースCLは、柱部11の下側部分(下側ピース)であり、ピースCUは、柱部11の上側部分(上側ピース)である。ピースWLは、壁部12の下側部分(下側ピース)であり、ピースWUは、壁部12の上側部分(上側ピース)である。これらピースCL、CU、WL、WUのそれぞれについて、上下2箇所に補強部材50を配置する。
ステップS2では、実際に、建物の外壁部1に補強部材50を取り付ける。
図11は、補強部材50の縦断面図である。補強部材50は、外壁部1の両側面に板状のゴムプレート51を挟んで配置された一対のH形鋼52と、外壁部1を貫通して両端が一対のH形鋼52の外側面に係止されたPC鋼棒53と、を備える。
PC鋼棒53の両端には、ナット54が螺合されている。これらナット54は、PC鋼棒53に緊張力が導入された状態で、H形鋼52に係止している。
PC鋼棒53の一端側には、センターホールジャッキ55が取り付けられており、このセンターホールジャッキ55によりPC鋼棒53に緊張力が導入されている。
ステップS3では、実際に、建物の外壁部1を切断カッター等により分割位置で切断して、各ピースCL、CU、WL、WUに分割し、分割した各ピースCL、CU、WL、WUを揚重して、図示しない仮置きスペースに仮置きする。
具体的には、図12(a)および図12(b)に示すように、各ピースCL、CU、WL、WUの補強部材50に吊り治具60を取り付けて揚重装置70で吊り上げることで、各ピースCL、CU、WL、WUを揚重する。ここで、各ピースCL、CU、WL、WUを切断して揚重する順番は、図10の丸で囲まれた数字の順番とする。
吊り治具60は、図12(a)および図12(b)に示すように、H形鋼を井桁状に組んで構成された吊り治具本体61と、吊り治具本体61に取り付けられた吊りワイヤ62と、を備えている。下側の補強部材50と上側の補強部材50とを図示しない連結部材で連結し、上側の補強部材50に吊り治具60の吊りワイヤ62を連結し、吊り治具60の吊り治具本体61に揚重装置70の吊りワイヤ71を連結する。この状態で、揚重装置70を駆動して、各ピースCL、CU、WL、WUを吊り上げる。
ステップS4では、各ピースCL、CU、WL、WUを移築先まで運搬する。具体的には、仮置きヤードに仮置きした各ピースCL、CU、WL、WUを揚重装置70で揚重して、トレーラ等の搬送車両の荷台に載せて、移築先まで運搬する。
ステップS5では、図13に示すように、予め、移築先にて、鉄筋コンクリート造の新築基礎20を構築して、新築基礎20の下側定着体23に、補強鋼棒21を接合する。また、新築基礎20上に、高さ調整材としてのスペーサ26を適宜配置しておく。
ステップS6では、図14および図15に示すように、各ピースCL、CU、WL、WUを新築基礎20上で組み立てる。すなわち、まず、各ピースCL、CU、WL、WUに削孔して、各ピースCL、CU、WL、WUの下端面から上端面に至る貫通孔27を設ける。次に、各ピースCL、CU、WL、WUを揚重装置70で揚重し、各ピースCL、CU、WL、WUの貫通孔27に新築基礎20の補強鋼棒21を挿通しながら新築基礎20の上に吊り下ろすことで、新築基礎20上で組み立てる。これにより、図3および図4に示すように、建物の外壁部1Aを復元する。
なお、図14よび図15は、各ピースCL、CU、WL、WUの取り付け状況の一例である。図14は、ピースCLの取り付け状況であり、図15は、ピースWLの取り付け状況である。各ピースCL、CU、WL、WUを取り付ける順番は、図3の丸で囲まれた数字の順番とする。
ステップS7では、補強鋼棒21に緊張力を導入して保持する。具体的には、復元した建物の外壁部1Aの上端面に、プレート30および上側定着板31を配置する。次に、補強鋼棒21の上端部に図示しないセンターホールジャッキを取り付けて、補強鋼棒21に緊張力を導入する。この状態で、補強鋼棒21の上端部にナット32を締め付けて、補強鋼棒21を上側定着板31に係止させる。次に、補強鋼棒21と貫通孔27との隙間および新築基礎20の上面と外壁部1Aの下端面との隙間に、充填材28を充填する。
また、図示しないサポートなどで、各ピースCL、CU、WL、WUの転倒を防止しながら、補強部材50を取り外し、各ピースCL、CU、WL、WUの内側に補強柱梁架構40を適宜組み立てる。このようにして、各ピースCL、CU、WL、WUを全て取り付けて組み立てる。
[PC鋼棒に導入する緊張力の計算]
以下、補強部材のPC鋼棒に導入する緊張力を求める。
ピースWL、WUを、図16に示すような形状とすると、上側のピースWUの方が下側のピースWLよりも重くなる。具体的には、補強部材を取り付けた状態でのピースWUの重量Pは、7.22tとなる。補強部材の5本のPC鋼棒のうち4本に緊張力を導入するものとすると、PC鋼棒1本あたりの負担荷重Wは、以下の式(1)で求められる。
W=P/4=7.22/4=1.805t=17.70kN・・・(1)
PC鋼棒1本あたりに必要な鉛直抵抗力Nは、摩擦係数μ=0.3、衝撃荷重係数Ψ=1.5として、以下の式(2)で求められる。
N=W/μ・Ψ
=17.70/0.3・1.5・・・(2)
=88.50kN
鉛直抵抗は、ピースWUを締め付けるH形鋼の二面摩擦により生じるので、PC鋼棒1本あたりに必要な軸力Ffは、以下の式(3)で求められる。
Ff=N/2=44.25kN・・・(3)
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)新築基礎20に下側定着体23を埋設し、この下側定着体23に鉛直方向に延びる補強鋼棒21を接合する。次に、この補強鋼棒21を各ピースCL、CU、WL、WUの貫通孔27に挿通させながら、これらピースCL、CU、WL、WUを新築基礎20の上面に配置する。次に、組み立てたピースCL、CU、WL、WUの上面に上側定着板31を配置し、補強鋼棒21に緊張力を導入して、この状態で、補強鋼棒21を上側定着板31に接合する。これにより、各ピースCL、CU、WL、WUに圧縮力を導入して、復元した外壁部1Aを補強できる。
また、貫通孔27を各ピースCL、CU、WL、WUの下面から上面に至るように設けたので、従来のように、各ピースCL、CU、WL、WUの側面に、補強鋼棒を下側定着体に接合するための開口部を設ける必要がなく、復元した外壁部1Aの壁面に設ける補修箇所を低減できる。
(2)新築基礎20の上面にスペーサ26を設け、この新築基礎20上のスペーサ26の上に下側のピースCL、WLを配置したので、下側のピースCL、WLの水平精度を確保できる。
(3)上側定着板31を、組み立てたピースCL、CU、WL、WUの上面に配置することで、補強鋼棒21を介して各ピースCL、CU、WL、WUに確実に圧縮力を導入できる。
また、補強鋼棒21に緊張力を導入した後、補強鋼棒21と貫通孔27との隙間に充填材28を充填したので、補強鋼棒21に導入した緊張力を容易に保持できる。
〔第2実施形態〕
図17は、本発明の第2実施形態に係る復元した外壁部1Aの上部の縦断面図である。
本実施形態では、各ピースCL、CU、WL、WUを組み立てて復元した外壁部1Aの上面に凹部33を設け、この凹部33に上側定着板31を設けた点が、第1実施形態と異なる。
本実施形態によれば、上述の(1)~(3)と同様の効果がある。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の各実施形態では、新築基礎20の上面にスペーサ26を設け、この新築基礎20の上面のスペーサ26の上に下側ピースCL、WLを配置したが、これに限らない。例えば、このような構成に加えて、あるいは、このような構成の代わりに、図18に示すように、下側ピースCL、WLの上面にスペーサ26を設け、この下側ピースCL、WL上のスペーサ26の上に上側ピースCU、WUを配置してもよい。
また、上述の各実施形態では、地盤面2上に新たに新築基礎20を構築し、この新築基礎20上に建物の外壁部1Aを復元したが、これに限らず、既存の基礎部10を再利用して、この既存の基礎部10上に建物の外壁部1Aを復元してもよい。
1…建物の外壁部(既存壁) 1A…復元した建物の外壁部 2…地盤面
10…基礎部 11…柱部 12…壁部 13…開口 14…窓 15…パネル
20…新築基礎 21…補強鋼棒 22…凹部 23…下側定着体
24…定着体本体 25…継手部 26…スペーサ(高さ調整材)
27…貫通孔 28…充填材
30…プレート 31…上側定着板(上側定着体) 32…ナット 33…凹部
40…補強柱梁架構 41…補強柱 42…補強梁
50…補強部材 51…ゴムプレート 52…H形鋼
53…PC鋼棒 54…ナット 55…センターホールジャッキ
60…吊り治具 61…吊り治具本体 42…吊りワイヤ
70…揚重装置 71…吊りワイヤ
CL…柱部の下側のピース CU…柱部の上側のピース
WL…壁部の下側のピース WU…壁部の上側のピース

Claims (3)

  1. 既存壁の移築方法であって、
    前記既存壁を水平方向に並んだ複数のピースに分割する第1工程と、
    下側定着体が埋設された鉄筋コンクリート造の基礎を構築し、前記下側定着体に鉛直方向に延びる補強鋼棒を接合する第2工程と、
    前記各ピースに鉛直方向に延びる貫通孔を形成し、前記各ピースを揚重して、前記補強鋼棒を前記貫通孔に挿通させながら前記基礎の上に吊り下ろすことで、前記ピースを組み立てる第3工程と、
    前記組み立てたピースの上面に上側定着体を配置し、前記補強鋼棒に緊張力を導入して、この状態で、前記補強鋼棒を前記上側定着体に接合する第4工程と、を備えることを特徴とする既存壁の移築方法。
  2. 前記第1工程では、前記各ピースをさらに下側ピースおよび上側ピースに分割し、
    前記第3工程では、前記基礎の上面に高さ調整材を設け、前記基礎上の高さ調整材の上に前記下側ピースを配置する、および/または、前記下側ピースの上面に高さ調整材を設け、前記下側ピース上の高さ調整材の上に前記上側ピースを配置することを特徴とする請求項1に記載の既存壁の移築方法。
  3. 前記第4工程では、前記上側定着体を前記組み立てたピースの上面または前記組み立てたピースの上面に設けた凹部に配置するとともに、前記補強鋼棒に緊張力を導入した後、前記補強鋼棒と前記貫通孔との隙間に充填材を充填することを特徴とする請求項1または2に記載の既存壁の移築方法。
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