JP2023182027A - 被覆部形成具、被覆部形成具を備えた型枠ユニット、及び型枠ユニットを用いて埋設構造物を製造する製造方法 - Google Patents

被覆部形成具、被覆部形成具を備えた型枠ユニット、及び型枠ユニットを用いて埋設構造物を製造する製造方法 Download PDF

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Hiromasa Asano
俊彦 齋藤
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Abstract

【課題】埋設構造物を製造する従来の型枠を利用しつつ、上端に一段下がった被覆部を形成可能な被覆部形成具、被覆部形成具を備えた型枠ユニット、及び型枠ユニットを用いて埋設構造物を製造する製造方法を提供する。【解決手段】埋設構造物900の上端910の一部に、当該埋設構造物900が埋設される路面Gの一部によって覆われる被覆部950を形成するための、被覆部形成具500であって、埋設構造物900を製造する型枠800に載置される土台部100と、被覆部950の上端面951を形成する上端面形成部400と、を備えることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本願発明は、側溝等の埋設構造物の上端の一部に、路面の一部によって覆われる被覆部を形成するための、被覆部形成具、被覆部形成具を備えた型枠ユニット、及び型枠ユニットを用いて埋設構造物を製造する製造方法に関する。
従来の特許文献1に示すような側溝等の埋設構造物では、埋設構造物の上端が路面と面一に露出していた。ただ、車両等が横断することで経年劣化し、埋設構造物の上端が損傷を受ける場合がある。そこで、近年の埋設構造物では、埋設構造物の上端の一部を一段下げて、路面の一部によって覆われる被覆部を形成している。この一段下がった被覆部によって、埋設構造物の上端は、路面舗装時にアスファルト等の舗装材によって覆われる。そのため、埋設構造物の上端は舗装材によって保護され、損傷し難くなる。ただ、埋設構造物の上端に一段下がった被覆部を形成するために、専用の型枠を準備しなければならず、製造コストが嵩むという問題があった。
特開2009-215794
そこで、本願発明は上記問題に鑑み、埋設構造物を製造する従来の型枠を利用しつつ、上端に一段下がった被覆部を形成可能な被覆部形成具、被覆部形成具を備えた型枠ユニット、及び型枠ユニットを用いて埋設構造物を製造する製造方法を提供する。
本願発明の被覆部形成具は、埋設構造物の上端の一部に、当該埋設構造物が埋設される路面の一部によって覆われる被覆部を形成するための、被覆部形成具であって、前記埋設構造物を製造する型枠に載置される土台部と、前記被覆部の表面を成形する上端面形成部と、を備える、ことを特徴とする。
上記特徴によれば、従来の型枠をそのまま利用して、埋設構造物の被覆部を成形でき、製造コストを抑えることができる。
さらに、本願発明の被覆部形成具は、前記上端面形成部の端部に漏防止部材を備えることを特徴とする。
上記特徴によれば、埋設構造物の製造時に、コンクリートが上端面形成部から下方へ流れ込まず、埋設構造物の被覆部が綺麗に成形される。
さらに、本願発明の被覆部形成具は、前記土台部には、前記型枠に対して磁力によって固定可能な磁力部が設けられていることを特徴とする。
上記特徴によれば、磁力部が磁力によって型枠の底壁と固定され、被覆部形成具の設置が容易となる。
さらに、本願発明の被覆部形成具は、前記土台部には、高さを調節可能な伸縮部が設けられていることを特徴とする。
上記特徴によれば、土台部の高さを変更することで、被覆部形成具によって成形される被覆部の深さも適宜変更することができる。
さらに、本願発明の型枠ユニットは、被覆部形成具と、前記埋設構造物を製造する型枠とを備えたことを特徴とする。
上記特徴によれば、従来の型枠をそのまま利用して、埋設構造物の被覆部を成形でき、製造コストを抑えることができる。
さらに、本願発明の埋設構造物を製造する製造方法は、型枠ユニットを用いて埋設構造物を製造する製造方法であって、蓋体を載置するための載置板と、前記型枠の底壁と、前記型枠の側壁によって囲まれた箇所に、前記被覆部形成具を設置し、前記型枠内にコンクリートを流し込んで、前記埋設構造物を製造する。
上記特徴によれば、従来の型枠をそのまま利用して、埋設構造物の被覆部を成形でき、製造コストを抑えることができる。
上述したように、本願発明の被覆部形成具、被覆部形成具を備えた型枠ユニット、及び型枠ユニットを用いて埋設構造物を製造する製造方法によれば、埋設構造物を製造する従来の型枠を利用しつつ、上端に一段下がった被覆部を形成可能である。
本願発明の実施形態1に係る被覆部形成具の分解斜視図である。 組み立てられた被覆部形成具の全体斜視図である。 (a)は、被覆部形成具の側面図、(b)は、被覆部形成具の正面図である。 埋設構造物を製造する型枠の正面図である。 (a)は、型枠に被覆部形成具を設置した正面図、(b)は、被覆部形成具周辺の拡大正面図である。 (a)は、型枠に被覆部形成具を設置して、コンクリートを流し込んだ状態の正面図、(b)は、被覆部形成具周辺の拡大正面図である。 製造された埋設構造物の正面図である。 埋設構造物を埋設した路面の正面図である。 本願発明の実施形態2に係る被覆部形成具の正面図である。
100 土台部
400 上端面形成部
500 被覆部形成具
800 型枠
900 埋設構造物
910 上端
950 被覆部
951 上端面

<実施形態1>
以下に、本願発明の実施形態1にかかる被覆部形成具500について、図1から図3を用いて説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本願発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
まず、図1は、本願発明の被覆部形成具500の分解斜視図、図2は、組み立てられた被覆部形成具500の全体斜視図、図3(a)は、被覆部形成具500の側面図、図3(b)は、被覆部形成具500の正面図である。
被覆部形成具500は、後述する型枠に載置される土台部100と、埋設構造物の上端面を形成する上端面形成部400とを備える。土台部100は、金属製の角パイプで構成されており、埋設構造物の型枠の長さに合わせて長尺状になっている。土台部100の底面110は、後述する型枠に載せる部分となっており、底面110の表面に磁石から構成される磁力部111を設けてもよい。磁力部111は、後述する金属製の型枠に、磁力により吸着して固定できる。なお、底面110に磁力部111が設けられているが、これに限定されず、土台部100全体に磁性を持たせて(つまり、金属製の土台部100全体を磁化させる)、型枠に吸着できるようにし、土台部100全体を磁力部111としてもよい。
また、上端面形成部400は、土台部100の固定面120に固定される金属製の裏面板410と、金属製の平坦な表面板420とを備え、裏面板410と表面板420に挟まれるように、中間部300を備える。中間部300は、裏面板410と表面板420を連結する金属製の連結板310を備える。図3(b)に示すように、連結板310の横幅は、表面板420及び裏面板410の横幅よりも短いので、連結板310の両側には、表面板420及び裏面板410で上下が挟まれた溝320が形成される。そして、この溝320に、漏防止部材200が嵌め込まれて固定されている。この漏防止部材200は、ゴム等の弾性変形可能な合成樹脂材料から構成されている。そして、漏防止部材200は、上端面形成部400の端部401側に配置され、さらに、漏防止部材200の端部210は上端面形成部400の端部401から側方へ突出している。なお、上端面形成部400は両端のそれぞれに、漏防止部材200を備えているが、これに限定されず、一方の端部のみに漏防止部材200を備えてもよい。
土台部100の固定面120と上端面形成部400の裏面板410とは溶接により固定されているが、これに限定されず、ボルトやナットなどの任意の固定手段で固定してもよい。また、裏面板410と連結板310、並びに連結板310と表面板420とは溶接により固定されているが、これに限定されず、ボルトやナットなどの任意の固定手段で固定してもよい。さらに、土台部100の固定面120、並びに、上端面形成部400の裏面板410及び連結板310及び表面板420を、貫通するボルトによって、これらの部材をまとめて固定してもよい。
なお、土台部100、並びに、上端面形成部400の裏面板410及び連結板310及び表面板420は、金属製であるが、これに限定されず、木製など任意の素材によって構成できる。さらに、上端面形成部400は、漏防止部材200を備えているが、これに限定されず、コンクリートが漏れる虞がなければ、漏防止部材200を備えなくてもよい。
では次に、図4から図7を参照して、本願発明の被覆部形成具500を用いて、埋設構造物900を製造する態様について説明する。なお、図4から図6は、型枠800によって埋設構造物900を製造する工程を示した正面図であって、図4は、型枠800の正面図、図5(a)は、型枠800に被覆部形成具500を設置した正面図、図5(b)は、被覆部形成具500周辺の拡大正面図、図6(a)は、型枠800に被覆部形成具500を設置して、コンクリートを流し込んだ状態の正面図、図6(b)は、被覆部形成具500周辺の拡大正面図、図7は製造された埋設構造物900の正面図である。
まず、図4及び図7に示すように、型枠800は、従来から利用されているものであり、埋設構造物900の上端910側を成形する底壁810と、埋設構造物900の側壁920側を成形する側壁820と、埋設構造物900の排水部960を成形する中央壁830とを備える。中央壁830の下端には、排水部960を塞ぐグレーチングを載置するための蓋掛部930を成形できるように、段部831が設けられている。さらに、蓋掛部930に取り付けられる略L字形状の載置板940を上端910に一体形成するために、載置板940が、中央壁830の段部831の外側に配置されている。
そして、この型枠800の底壁810、側壁820、及び中央壁830で囲まれた空間Xにコンクリートを流し込んで固化させることで、側溝などの埋設構造物が製造される。ただ、図7に示すように、埋設構造物900の上端910に被覆部950を成形する場合は、従来の型枠800をそのまま利用することができず、例えば、側壁820の下端821の一部に段部を設けるなどして、型枠800の一部を変更する必要がある。このように、埋設構造物900の被覆部950を成形するために、従来の型枠800の一部を変更するため、それだけ製造コストが嵩むという問題があった。さらに、被覆部950の形状や大きさを変更する場合も、その都度、従来の型枠800の一部を変更する必要があり、さらに製造コストが嵩むという問題があった。
そこで、本願発明では、従来の型枠800に変更を加えずに、従来の型枠800をそのまま利用して、被覆部950を備えた埋設構造物900を製造できるようにした。具体的には、図5に示すように、従来の型枠800の底壁810の上に被覆部形成具500を設置する。被覆部形成具500の土台部100の底面110には、磁力部111が設けられているので、磁力部111が磁力によって底壁810と固定され、設置が容易となる。また、上端面形成部400は、側壁820と載置板940の間に挟まれるように配置されている。そして、上端面形成部400の端部401のそれぞれは、側壁820又は載置板940に当接している。さらに、漏防止部材200の端部210のそれぞれも、側壁820又は載置板940に当接している。
次に図6に示すように、従来と同様に、コンクリートCを空間Xに流し込む。コンクリートCが固化した後に、埋設構造物900を型枠800から取り出して上下を反転させれば、図7に示す埋設構造物900が完成する。そして、被覆部形成具500が設置された箇所にはコンクリートCが流れ込まないので、この被覆部形成具500によって出来た空間が、埋設構造物900の被覆部950となるのである。そして、被覆部形成具500の上端面形成部400が、埋設構造物900の被覆部950の表面951を成形している。
図7に示すように、被覆部950は、載置板940の先端より下側に窪んだ形状をしており、被覆部950の深さD1は、被覆部形成具500の高さH1と対応している。このように、本願発明の被覆部形成具500によれば、従来の型枠800をそのまま利用して、埋設構造物900の被覆部950を成形でき、製造コストを抑えることができる。さらに、被覆部950の深さD1などの形状を変更したい場合であっても、被覆部形成具500を取り替えれば対応できるため、従来の型枠800をそのまま利用できることから、製造コストを抑えることができる。また、本願発明の被覆部形成具500と型枠800を備えた型枠ユニットによれば、従来の型枠800をそのまま利用できるので、製造コストを抑えることができる。
さらに、図6(b)に示すように、上端面形成部400の端部401のそれぞれは、側壁820又は載置板940に当接している。そのため、コンクリートCが上端面形成部400から下方へ流れ込みにくく、埋設構造物900の被覆部950が綺麗に成形される。さらに、漏防止部材200の端部210のそれぞれも、側壁820又は載置板940に当接しているので、コンクリートCが上端面形成部400から下方へ流れ込まず、埋設構造物900の被覆部950が綺麗に成形される。特に、ゴム等の弾性変形可能な材料から構成された漏防止部材200の端部210が、上端面形成部400の端部401から側方へ突出している。そのため、漏防止部材200の端部210が、側壁820又は載置板940に弾性変形して押しつけられている。その結果、漏防止部材200の端部210が、側壁820又は載置板940に強く密着して、コンクリートCの下方への流れ込みをより確実に防止できる。
そして、図8に示すように、埋設構造物900を実際の現場に設置する際は、路面Gに埋設構造物900を埋設する。なお、図8は、埋設構造物900を埋設した路面Gの正面図である。図8に示すように、埋設構造物900の載置板940の先端が路面Gと同じ高さになるように、路面Gはアスファルト等の舗装材で舗装される。その際、埋設構造物900の載置板940の先端よりも一段下側へ窪んだ被覆部950の表面951は、舗装材で覆われることになる。また、載置板940の先端は、被覆部950の表面951よりも上方へ突出しているので、アスファルト等の舗装材が排水部960側に流れ込まない。このように、埋設構造物900の上端910側は、路面Gの舗装材で覆われるので、損傷しにくくなるのである。なお、排水部960の上側は、両側の載置板940に掛け渡すように設置されるグレーチング等の蓋部材によって、閉じられる。
なお、図6に示す本願発明の型枠ユニットによれば、被覆部形成具500が、底壁810、側壁820、及び載置板940によって囲まれた箇所に設置されているが、これに限定されず、埋設構造物900が載置板940を備えない場合は、被覆部形成具500は、底壁810、側壁820、及び中央壁830の段部831によって囲まれた箇所に設置されてもよい。また、埋設構造物900は、U字状の側溝の態様をしているが、これに限定されず、集水桝などの任意の態様であってもよい。
<実施形態2>
以下では、本願発明の実施形態2に係る被覆部形成具500Aについて説明する。なお、実施形態2に係る被覆部形成具500Aは、土台部100Aの構成が異なるだけで、その他の構成は、実施形態1に係る被覆部形成具500と共通するので、その共通する構成について詳細な説明は省略する。また、図9は、被覆部形成具500Aの正面図である。
被覆部形成具500Aの土台部100Aは、ボルト部150A及びナット部160Aからなる伸縮部170Aを備える。ボルト部150Aの頭部151Aが型枠の底壁に設置される部分で、先端152Aがナット部160Aの孔161Aに螺合している。また、ナット部160Aは上端面形成部400Aに固定されている。そして、ボルト部150Aをナット部160Aに対して回転させれば、土台部100Aの高さH1Aを任意に変更させることができる。そして、土台部100Aの高さH1Aを変更することで、上端面形成部400Aの高さも変更させることができる。すると、被覆部形成具500Aによって成形される被覆部の深さD1も適宜変更することができる。なお、伸縮部170Aは、ボルト部150A及びナット部160Aから構成されているが、これに限定されず、高さH1Aを変更できるように伸縮できるのであれば、任意の構成を採用できる。
なお、本願発明の被覆部形成具、被覆部形成具を備えた型枠ユニット、及び型枠ユニットを用いて埋設構造物を製造する製造方法は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。

Claims (6)

  1. 埋設構造物の上端の一部に、当該埋設構造物が埋設される路面の一部によって覆われる被覆部を形成するための、被覆部形成具であって、
    前記埋設構造物を製造する型枠に載置される土台部と、
    前記被覆部の上端面を形成する上端面形成部と、を備えることを特徴とする被覆部形成具。
  2. 前記上端面形成部の端部に漏防止部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の被覆部形成具。
  3. 前記土台部には、前記型枠に対して磁力によって固定可能な磁力部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆部形成具。
  4. 前記土台部には、高さを調節可能な伸縮部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆部形成具。
  5. 請求項1又は2に記載の被覆部形成具と、前記埋設構造物を製造する型枠とを備えた、ことを特徴とする型枠ユニット。
  6. 請求項5に記載の型枠ユニットを用いて埋設構造物を製造する製造方法であって、
    前記型枠の底壁、側壁、及び蓋体を載置するための載置板によって囲まれた箇所に、前記被覆部形成具を設置し、
    前記型枠内にコンクリートを流し込んで、前記埋設構造物を製造する製造方法。
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