JP6393352B2 - 既存用水路の補修工法 - Google Patents

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Description

本発明は矢板鋼板で擁壁を形成した既存用水路の補修工法における基礎の構築方法に関するものである。
矢板鋼板を両岸に打ち込んで擁壁とし、矢板鋼板の上端に笠木コンクリートを打設して形成した構造の灌漑のための用水路や排水路が知られている。これらの用水路は特に経年変化によって矢板鋼板部分が腐食して補修が必要となる。また一部の腐食部分の補修を行っても、いずれは他の部分も補修が必要となってくるので、腐食箇所ばかりではなく矢板鋼板の表面側に新たな擁壁を構築する手段が提案されている。
特許文献1(特開2014−88753号公報)は、本出願人が先に提案したもので、矢板鋼板の適宜位置に装着した補強材にパネル取付部を設け、用水路底面から笠木部の下方に達する高さで、適宜幅のFRP樹脂板或いは薄鋼板等薄金属板で形成した擁壁板を、隣接する擁壁板と連続して既存矢板鋼板の表面を覆うようにパネル取付部に装着し、既存矢板鋼板と新たに設けた擁壁板の間に、セメント系充填材を充填打設して新規な表面擁壁を形成するものである。
また特許文献2(登録実用新案3201577号公報)に示されているコンクリート擁壁に装着した接続バーの先端にパネルを連結し、パネルと擁壁板の間にコンクリートを充填打設して新規な表面擁壁を構築する手段を、矢板鋼板の用水路の改修にも採用している(ストパネ工法・登録商標)。
特開2014−88753号公報。 登録実用新案3201577号公報。
矢板鋼板で構築された用水路の補修を、前記特許文献1,2で示されているように矢板鋼板の外側に新たな擁壁を構築する手段で行うことが提案され、また実施されているが、前記の手段による新規に構築される表面擁壁は、矢板鋼板とは充填コンクリートで一体化しているとは言えるが、この表面擁壁は矢板鋼板と擁壁板とのサンドイッチ構造で、且つ両者は、矢板鋼板に装着した連結部材で連結されているに過ぎない。
連結部材の取付個所を腐食の程度が少ない箇所に設定したとしても、矢板鋼板は経年変化で当然その強度も低下している。このため、新規構築の表面擁壁の荷重を矢板鋼板自体が負担し、また土圧に対する耐久力も腐食している矢板鋼板自体で負担する結果となり、矢板鋼板の弱体化で表面擁壁が剥離して崩落する恐れも生じてしまう。
そこで本発明は、矢板鋼板を使用した用水路の補修に際して、土中埋設部分の矢板鋼板は腐食の進行が少なく堅牢性を備えていることに着目し、当該箇所に補修用水路の基礎工構築を行う新規な基礎工を備えた既存用水路の補修工法を提案したものである。
本発明の請求項1記載に係る既存用水路の補修工法は、矢板鋼板で擁壁を形成した既存用水路の補修に際しての基礎工であって、既存用水路の底方において矢板鋼板に基礎用透孔を設け、前記透孔箇所において、水路底面以下に埋設されている矢板鋼板(埋設矢板鋼板)に基礎構築部材を連結してなることを特徴とするものである。
従って基礎構築部材が堅牢な埋設矢板鋼板部分と連結されるので、この基礎構築部材上に矢板鋼板を被覆する新規擁壁や新規用水路を構築した場合に、構築される新規擁壁等の荷重を埋設矢板鋼板が負担することになる。
また本発明の請求項2記載に係る既存用水路の補修工法は、前記の連結手段が、透孔箇所の背面に掘削した背面穴に基礎構築部材の一部を突出させ、当該背面穴にコンクリートを打設したもので、コンクリートによって基礎構築部材が埋設矢板鋼板と一体化するものである。
また本発明の請求項5記載に係る既存用水路の補修工法は、前記の連結手段が、基礎構築部材に適宜な連結部を設け、透孔縁部に当該連結部を連結したもので、基礎構築部材に加わる荷重負担を埋設矢板鋼板に負担させる連結がなされるものである。
また本発明の請求項3記載の発明は、連結手段として基礎構築部材の一部を背面穴に突出させてコンクリートを打設する構成を採用した場合に、特に基礎構築部材に構築擁壁の最下方部を構成するパネル板を備えてなる擁壁パネルとしたもので、基礎工と共に新規擁壁の最下方も同時に構築されるものである。
また本発明の請求項4記載の発明は、連結手段としてコンクリート打設を採用した場合に、基礎構築部材を下方開口コの字状の支持ブロック体として、基礎用透孔を跨がせて設置してなるもので、支持ブロック体と埋設矢板鋼板がコンクリートで一体化され、新規擁壁の基礎工を構成することになる。
また本発明の請求項6記載に係る既存用水路の補修工法は、基礎構築部材が対向矢板鋼板に架設する梁材としたもので、構築される基礎梁材上に新規用水路となるコンクリート製品を載置することで新規用水路の荷重を埋設矢板鋼板に負担させると共に、基礎梁材が新規用水路の構築基準(水路傾斜他)とすることができる。
本発明工法は上記のとおりで、矢板鋼板を使用した既存用水路の補修に際して、新規擁壁や新規用水路の荷重を腐食の進行が少なく堅牢性を備えている矢板鋼板の土中埋設部分に荷重負担させる基礎工を構築して所定の補修を行うもので、補修後用水路の堅牢性を実現するものである。
本発明工法の対象となる用水路の説明図(施工前)。 本発明工法の第一実施形態(擁壁パネル使用の基礎工構築)の作業工程説明図(底方掘削)。 同図(背面支柱杭打設及びケーシング設置)。 同図(擁壁パネル設置前)。 同図(基礎工施工後)。 同図(完成時断面図)。 同第一実施形態の別例(前面支柱杭採用)の作業工程説明図(擁壁パネル設置前)。 同図(コンクリート打設前)。 同図(基礎工施工後)。 同第二実施形態(支持ブロック体使用の基礎工構築)の作業工程図(支持ブロック体設置前)。 同図(完成時断面図)。 同第二実施形態の別例(前面支柱杭採用)の作業工程説明図(支持ブロック体設置前)。 同図(完成時断面図)。 本発明工法の第三実施形態(梁材基礎工構築)の作業工程説明図(底方掘削)。 同図(梁材設置)。 同図(型枠設置前)。 同図(型枠設置後の用水路載置)。 同第三実施形態の別例の説明図。 本発明工法の第四実施形態(支持梁構築)の作業工程説明図(梁材設置)。 同図(支持梁完成時)。 同図(平面図)。
本発明工法が適用される補修対象の用水路は、矢板鋼板01を地盤(用水路底面)02に打ち込んで両岸からの背圧(土圧)を受け止めて水路03を確保し、前記矢板鋼板01の上縁に笠木部04を設けて用水路を構築している。また笠木部04は、土圧耐久力を高めるために前面に腹起し部材05を配置し、対向笠木間に切梁部材06を架設した水路もある。
第一実施形態(第一実施例)として示した本発明工法は、図1乃至6に示したとおり、前記の既存用水路の矢板鋼板01の表面に新規に表面擁壁Xを構築するものであり、その施工は、基本的に基礎工構築及びパネルによる擁壁構築がなされ、基礎工構築は矢板鋼板01の水路底方裏面に上下ケーシング1a,1bの拡張設置を行うケーシング設置工、背面支柱杭2の打ち込み設置を行う背後杭設置工、矢板鋼板01の前面の水路底面の整備工、矢板鋼板01の最下方パネル(表面擁壁の最下方部分を構成する)6を配置するパネル設置工、コンクリートを充填する充填打設工の順で行う。この基礎工構築後に擁壁構築を行うものである。
また前記の各工は構築しようとする表面擁壁Xの長さに対応して適宜に工区を分け、或いは部分的に先行すべき各工を適宜実施していくものである。
ケーシング設置工は、例えば下方開口コの字状板の上方ケーシング1aと上方開口コの字状板の下方ケーシング1bとを組み合わせて形成した分割ケーシングを使用するもので、既存用水路の底方において上下ケーシング1a,1bを噛み合わせた大きさに対応した基礎用透孔Aを矢板鋼板01に設け、前記透孔Aの箇所から矢板鋼板01の裏面を用水路底面(地盤)02以下まで拡張掘削して、少なくとも埋設矢板鋼板(地盤以下の矢板鋼板)01aが露出する背面穴Bを形成し、背面穴B内に上下ケーシング1a,1bを設置するものである。
ケーシング設置工は、上下ケーシング1a,1bを噛み合わせた状態で基礎用透孔Aから背面穴Bに差し入れ、背面穴B内において下方ケーシング1bを下方に移動させて設置する。この上下ケーシング1a,1bの設置は地盤が崩落し易い場合に適用するものであり、必ずしもにケーシング設置を行わなくとも良い。
背後杭設置工は、背面支柱杭2を既存擁壁背後に前記上下ケーシング1a,1bの設置位置の奥方に当接するように打ち込むものである。
前記背面支柱杭2には例えばC鋼(どのような規格材を採用するか等は用水路環境によって定める)を使用し、後述するパネル連結部材3と対応する適宜な連結部(図示せず)を備える。連結部は例えばC鋼の前面の所定位置(背面支柱杭2の打ち込み後に実施する後述の開削孔の対応位置)に、パネル連結部材3が連結可能とした任意の構造を採用できるものである。
前記のケーシング設置工及び背後杭設置工と併せて水路底面整備工を行う。水路底面整備工は、前記の背面穴Bの掘削と同時進行で矢板鋼板01の前面の水路底面に適宜深さの前面穴Cを矢板鋼板01の前面に添って基礎を構築する範囲全長に形成し、当該前面穴Cに砕石4を敷設すると共に、矢板鋼板01の前面に添って足鋼材5若しくは鉄筋を配置する。
基礎パネル(最下方擁壁パネルと基礎構築部を兼ねる)6は、パネル板61の背面に適宜長さの支持部62を突設したもので、パネル板61は、新規に構築される擁壁の表面となるもので、金属板やプラスチック板でも良いが、好ましくはコンクリートパネルを使用する。更にこのパネル板61には、パネル連結部材3の連結用の連結孔63を穿設してなる。
パネル設置工(基礎工構築)は、予め上下ケーシング1a,1bで形成された背面穴Bの空間を通して背面支柱杭2にパネル連結部材3を連結しておき、パネル板61を足鋼材5の上に載置すると共に、パネル連結部材3を連結孔63に挿通し、固定ナット(表裏配置)31でパネル板61を固定する。従って支持部62は基礎用透孔Aを通り上下ケーシング1a,1bで囲繞された空間内に位置することになる。
次に基礎パネル6の背後にコンクリート7を充填打設すると(充填打設工)、上下ケーシング1a,1b、及び背面支柱杭2、及びパネル連結部材3、及び支持部62を含む基礎方パネル6が一体となった基礎Yが構築されることになる。
用水路補修は、前記の基礎工構築を終えると、次に擁壁構築を行うもので、擁壁構築は前記の構築基礎Yの上に矢板鋼板01を覆う新規擁壁Xを構築するもので、連結部材配置工、擁壁パネル設置工、擁壁パネル背面の充填打設工を行う。
擁壁構築手順を簡単に説明すると、連結部材配置工は、適宜間隔で打ち込まれた背面支柱杭2を立て込んだ位置で、且つ適宜な高さ位置で実施するもので、パネル連結部材3Aを設ける箇所に開削孔を形成する。開削孔の形成手段は、矢板鋼板01の所定位置に予めマーキングを表示し、当該箇所の矢板鋼板01を穿孔して連結用透孔を形成し、前記連結用透孔を通して矢板鋼板01の背後の土中に崩壊防止用パイプ8を打ち込み、更に当該パイプ8内の土壌を掻き出して除去し、背面支柱杭2の所定の連結部を露出させる開削孔を形成する。
尚開削孔の形成位置は、矢板鋼板01の凹凸面のいずれでも良いが、できるだけバランスが良く、且つ上下に配置する。特にパネル連結部材3Aが限定されるものでは無く任意な部材で良いが、少なくとも背面支柱杭2に設けた連結部の構造と対応して背面支柱杭2に連結固定でき、且つ擁壁パネル6Aを連結可能な構造であれば良い。
擁壁パネル設置工は、新規擁壁Xの表面被覆であり新規擁壁Xの型枠となる擁壁パネル6Aを所定の位置に設置するもので、パネル連結部材3Aに連結固定できる構造であれば良く。例えばパネル連結部材3Aを螺子棒とし、固定ナット(表裏)31Aを採用する場合には、擁壁パネル6Aに連結孔を穿設しておけばよい。
充填打設工は、構築された基礎Yの上に擁壁パネル6Aを配置した後に、パネル背面に適宜な充填材(例えばセメント系充填材)7Aを充填打設するものである。前記のパネル設置工や充填打設工は、順次上方に構築しても良く、また適宜な高さ(矢板鋼板01の腐食範囲)までの構築でも、更には必要に応じて笠木部04に達する高さまで構築しても良い。
而して充填材7Aの固化によって、パネル連結部材3Aで背面支柱杭2と擁壁パネル6Aが連結され、矢板鋼板01と背面支柱杭10と擁壁パネル6Aと充填材7Aが一体となり、且つ構築された基礎Yとも一体となる新規擁壁Xが構築され、腐食した矢板鋼板で構成されていた用水路の補修が実現するものである。
特に構築された基礎Yは、背面穴B内に突出した支持部62が埋設矢板鋼板01aと一体となる打設コンクリート7に確り固められているので、基礎Y上に構築される表面擁壁Xの荷重は埋設矢板鋼板01aで負担することになり、表面擁壁Xの自重による沈下が防止されるものである。また前記第一実施形態において、新規擁壁を構築せずに基礎工構築終了後に、後述する第三実施形態と同様に新規用水路構築の基礎として利用するようにしても良い。
図7乃至9は、前記第一実施形態における別例(第二実施例)を示したもので、擁壁構築に際して背面支柱杭2を採用せずに前面支柱杭2Aを採用した例である。この第二実施例の基礎工構築は、基礎用透孔Aの穿設、背面穴B及び前面穴Cの掘削を行い、基礎パネル6Aの設置、前面支柱杭2Aの立設、コンクリートの打設の順で行う。尚基礎パネル設置前に、適宜前面穴Cに砕石4を敷設すると共に、矢板鋼板01の前面に添って足鋼材5若しくは鉄筋を配置する水路底面整備工を行う。
基礎パネル(最下方擁壁パネルと基礎構築部材を兼ねる)6aは、パネル板61の背面に適宜長さの支持部62を突設したものであるが、支持部62の下面に埋設矢板鋼板01aとの連結部64を設け、且つ前面支柱杭2Aの位置決め部65を設けたものである。
連結部64は、パネル板61を所定の位置(新規擁壁Xの表面と一致)に設置した際に、埋設矢板鋼板01aの表裏を挟持する下駄形状に形成したものであり、位置決め部65は、前面支柱杭2Aの起立位置(上端が腹起し部材05で支持される位置)に対応して、透孔若しくは切欠凹部形状等で形成してなる。
基礎パネル6aの設置は、支持部62を背面穴B内に差し込むと共に、連結部64で埋設矢板鋼板01aを挟持することで行い、基礎パネル6aの設置と共に前面支柱杭6Aの立込みを行う。この前面支柱杭2Aは、上方端を腹起し部材05に係止させ、下端部分を位置決め部65に係止する。
基礎パネル6aの設置後に背面穴B及び基礎パネル6aの背後にコンクリート7Bを充填打設すると支持部62及び連結部64を含む基礎パネル6aが一体となった基礎Y1が構築されることになる。
基礎Y1構築後は、前面支柱杭2Aに胴縁杆21を差し渡し、胴縁杆21に擁壁パネル6Aを張着し、擁壁パネル6Aの背後にコンクリート打設を行って表面擁壁Xを構築する。或いは基礎Y1を利用した新規用水路構築の基礎とするものである。
図10、11は本発明の第二実施形態(第三実施例)を示したものである。この第二実施例は、基礎構築部材としてコンクリート製の支持ブロック体9を採用したものである。
支持ブロック体9は、下方開口コの字状に形成したもので、後方脚部91と前方脚部92とを備えると共に、上面に下方開口個所と連通する縦孔部93を設けたものである。
支持ブロック体9を採用した基礎工構築は、第一実施形態と同様に矢板鋼板01の表面側の用水路底面02を適宜範囲で掘削して前面穴Cを形成し、前記前面穴Cに面した矢板鋼板01に、適宜高さの基礎用透孔Aを穿設し、更に当該基礎用透孔Aの箇所から矢板鋼板01裏面を用水路底面02よりも深く下方に掘削して背面穴Bを形成する(図10)。
次にこの支持ブロック体9を、前記の基礎用透孔Aを跨ぎ、且つ後方脚部91の内側面を埋設矢板鋼板01aの裏面に当接するように設置する。支持ブロック体9の設置後に縦孔部93からコンクリートを流し込んで、埋設矢板鋼板01aと支持ブロック体9との隙間をコンクリートで充たし、埋設矢板鋼板01aと支持ブロック体9を一体化させる。これによって支持ブロック体9による基礎Y2が構築されることになる。
基礎Y2の構築後に擁壁構築を行うもので、基礎Y2の背後に背面支柱杭2を打ち込み、基礎Y2上に背面支柱杭2と連結した擁壁パネル6Aを配置し、擁壁パネル6Aの背面と矢板鋼板01間にコンクリート7Cを打設して新規擁壁Xを構築するものである。
図12,13は第二実施形態の別例(第四実施例)で基礎構築部材として支持ブロック体9Aを採用するものであるが、背面支柱杭2に替えて前面支柱杭2Aを採用する例である。
支持ブロック体9Aは、前記の支持ブロック体9と同様に後方脚部91、前方脚部92、縦孔部93を備えると共に、前面支柱杭2Aを装着する装着部94を設けたものである。この装着部94は、前面支柱杭2Aの起立位置に対応して設けるもので、前面支柱杭2Aを起立保持する構造であれば任意形状とすることができるもので、図示例は縦孔部93と連続して設けている。
前記の支持ブロック体9Aを採用した基礎工構築は、第三実施例と同様に、基礎用透孔A、背面穴B、前面穴Cを形成し(図12)、支持ブロック体9Aを、基礎用透孔Aを跨ぎ、且つ後方脚部91の内側面を埋設矢板鋼板01aの裏面に当接するように設置する。支持ブロック体9の設置後に、前面支柱杭2Aの立込みを行い、縦孔部93からコンクリートを流し込んで、埋設矢板鋼板01aと支持ブロック体9Aとの隙間をコンクリート7Dで充たし、埋設矢板鋼板01aと支持ブロック体9Aと前面支柱杭2Aを一体化させる。これによって支持ブロック体9Aによる基礎Y3が構築されることになる。
基礎Y3構築後は、前面支柱杭2Aに胴縁杆21を差し渡し、胴縁杆21に擁壁パネル6Aを張着し、擁壁パネル6Aの背後にコンクリート打設を行って表面擁壁X等の構築を行う。
次に図14乃至17は、基礎構築部材として梁材10を採用した第三実施形態(第五実施例)を示したものである。この第五実施例は、対面する埋設矢板鋼板01aに梁材(H鋼等)10を架設し、当該梁材10上にコンクリート製品である用水路部材Eを載置構築するもので、水路底面整備工、梁材架設工によって基礎の構築を行い、その後用水路設置工を順次行うものである。
水路底面整備工は、水路底面02において、少なくとも梁材(H鋼)10の高さ以上の溝Dを掘削し、掘削溝Dと対応する矢板鋼板01の対向箇所にそれぞれ基礎用透孔Aを設け、前記透孔Aの箇所から矢板鋼板01の裏面を掘削して背面穴Bを形成するものである。
梁材架設工は、梁材10を両端が基礎用透孔Aから背面穴Bに差し入れ、対面する埋設矢板鋼板01a間に差し渡し、埋設矢板鋼板01aの表面側に閉塞板(コンクリート型枠板)11を配置すると共に、背面穴B内にコンクリート7Eを打設し、梁材10と埋設矢板鋼板01aを一体化させて基礎Y4を構築するものである。特に前記の梁材10には、予め螺合調整可能な調整ボルト101を植立し、更に箱形型枠12を配置しておく。
基礎Y4の構築を終えると、次に用水路設置工を行うもので、用水路にはコンクリート製品である用水路部材Eを使用する。初めに前記した梁材10に植立した調整ボルト101に用水路部材Eを仮載置して、用水路構築が設計値と一致するように調整ボルト101の高さ調整を行う。
次に箱形型枠12は、偏平箱型下方枠(底板にボルト通し孔を備える)と、枠板で構成された上方枠で構成されており、上方枠の上下位置を調整して箱形型枠12が用水路部材Eの下面と当接ように調整を行った後、箱形型枠12内にコンクリート7Fを打設する。
従ってコンクリート7Fの固化によって箱形型枠12内のコンクリート7Fと用水路部材Eが一体化し、矢板鋼板水路内に設計値通りの新規な用水路が構築されるものである。
尚梁材10は、背面穴Bに充填したコンクリート7Eの固化後に溝Dを埋戻し、上面のみを露出させて土中に埋没させることで、腐食の進行を遅らせる事ができる。
図18は前記第三実施形態の別例(第六実施例)で、基礎構築部材として梁材10Aを採用して、埋設矢板鋼板01aと直接連結するものである。即ち梁材10Aの一端に連結部102を設けて、前記連結部102で埋設矢板鋼板01aと直接連結することで、背面穴Bへのコンクリート7Eの充填打設を省略できるようにしたものである。
梁材10Aに設けた連結部102は、埋設矢板鋼板01aへの当接板に連結孔を設けたもので、掘削溝D(前面穴C)、基礎用透孔A、背面穴Bを形成した後、基礎用透孔Aの近傍の埋設矢板鋼板01aの露出部分にボルト孔A1を設け、当該ボルト孔A1を使用して連結ボルト103で梁材10Aの連結部102を埋設矢板鋼板01aに直接連結して基礎とするものである。
次に図19乃至21に示した第四実施形態について説明する。この実施形態は、矢板鋼板01を採用している用水路において、新規な用水路を構築するに際して、水路底面02に水路構築の前提となる格子基礎Y5を構築するものである。
基礎の構築手順は、第一実施形態と同様にケーシングの設置工、水路底面整備工、コンクリート打設工を順次行うものである。
ケーシング設置工は、第一実施形態と同様に上下ケーシング1a,1bからなる分割ケーシングを採用し、矢板鋼板01の所定の対向箇所にそれぞれ基礎用透孔Aを設け、前記透孔Aの箇所から矢板鋼板01の裏面を掘削して背面穴Bを形成し、背面穴B内に上下ケーシング1a,1bを設置する。
水路底面整備工は、前記の背面穴Bの掘削と同時進行で矢板鋼板01の前面の水路底面に適宜深さの前面穴Cを矢板鋼板01の前面に添って基礎を構築する範囲全長に形成し、当該前面穴Cに砕石4を敷設すると共に、矢板鋼板01の前面に添って足鋼材5若しくは鉄筋を配置する。同時に対向する矢板鋼板01の基礎用透孔Aの間の水路底面に溝Dを掘削し、砕石4を敷設する。
コンクリート打設工は、対向する基礎用透孔Aを通して両端がケーシング空間に挿入するように梁材10Bを架設する。そして前記梁材10Bを内在させる横断型枠13と、矢板鋼板01と平行に配置する縦列型枠14を設け、前記型枠13,14内にコンクリート7Gを打設する。
従ってコンクリート7Gの固化後には、水路底面02に格子状の基礎Y5が構築されることになる。この格子基礎Y5の構築後に、適宜なコンクリート製品である用水路部材Eを設置し、或いは格子基礎Y5上にブロック板等を使用した新規用水路等を構築するなどして水路補修を実現するものである。
1a 上方ケーシング
1b 下方ケーシング
2 背面支柱杭
2A 前面支柱杭
21 胴縁杆
3,3A パネル連結部材
31,31A 固定ナット
4 砕石
5 足鋼材
6,6a 基礎パネル(基礎構築部材)
6A 擁壁パネル
61 パネル板
62 支持部
63 連結孔
64 連結部
65 位置決め部
7,7A,・・・コンクリート(充填材)
8 崩壊防止用パイプ
9,9A 支持ブロック体(基礎構築部材)
91 後方脚部
92 前方脚部
93 縦孔部
10,10A、10B 梁材(基礎構築部材)
101 調整ボルト
102 連結部
103 連結ボルト
11 閉塞板(型枠板)
12 箱形型枠
13 横断型枠
14 縦列型枠
A 基礎用透孔
B 背面穴
C 前面穴
D 溝
E 用水路構築部材
X 新規擁壁
Y1、Y2・・・基礎
01 矢板鋼板
01a 埋設矢板鋼板
02 地盤(用水路底面)
03 用水路
04 笠木部
05 腹起し部材
06 切梁部材

Claims (7)

  1. 矢板鋼板で擁壁を形成した既存用水路の補修に際しての基礎工であって、既存用水路の底方において矢板鋼板に基礎用透孔を設け、前記透孔背面箇所を掘削して背面穴を形成すると共に、露出させた水路底面以下に埋設されている矢板鋼板に、基礎構築部材を連結してなることを特徴とする既存用水路の補修工法。
  2. 連結手段が、背面穴に基礎構築部材の一部を突出させ、当該背面穴にコンクリートを打設したものである請求項1記載の既存用水路の補修工法。
  3. 基礎構築部材に構築擁壁の最下方部を構成するパネル板を備えてなる請求項2記載の既存用水路の補修工法。
  4. 基礎構築部材が下方開口コの字状の支持ブロック体で、基礎用透孔を跨がせて設置してなる請求項2記載の既存用水路の補修工法。
  5. 連結手段が、基礎構築部材に適宜な連結部を設け、透孔縁部に当該連結部を連結してなる請求項1乃至3記載の何れかの既存用水路の補修工法。
  6. 基礎構築部材が対向矢板鋼板に架設する梁材であって、前記梁材上に新規水路を構築してなる請求項2又は5記載の既存用水路の補修工法。
  7. 梁材の架設位置を既存水路底面下とし、架設した梁材の上面にコンクリート製品である新規用水路部材の仮支持を行う調整ボルトを植立し、所定の高さの箱形型枠を梁材上に配置し、型枠内にコンクリートを打設すると共に、新規用水路部材を調整ボルト上に載置して打設コンクリートと一体化してなる請求項6記載の既存用水路の補修工法。
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