JP2023180639A - レバー式コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】外力が加えられることによるロックアームの予期しない変形を回避することができるレバー式コネクタを提供する。【解決手段】レバー式コネクタ1は、嵌合面11Aと、嵌合面11Aとは異なる第1レバー取付面11D1と、を有して相手コネクタ100と嵌合されるコネクタハウジング10と、嵌合面11Aに沿って配される前壁71と、前壁71から延びて第1レバー取付面11D1に沿って配される周壁73と、を備えるフロントホルダ70と、コネクタハウジング10に対して、初期位置から嵌合完了位置まで回動可能に組み付けられるレバー80と、を備え、コネクタハウジング10が、第1レバー取付面11D1に撓み可能に配される第1アーム部44と、第1アーム部44から突出して、レバー80が初期位置にあるときにレバー80に係合する第1ロック突起45と、を備える第1ロックアーム43を備え、周壁73が第1アーム部44を覆っている。【選択図】図7
Description
本明細書によって開示される技術は、レバー式コネクタに関する。
レバー式コネクタは、てこの原理によって相手コネクタとの嵌合および離脱を補助するためのレバーを備えている。レバーは、ハウジングに組み付けられ、初期位置と、ハウジングに対して相手コネクタが正規嵌合位置に嵌合された状態となる嵌合完了位置との間で回動可能に軸支されている。この種のレバー式コネクタは、コネクタが相手コネクタと嵌合されていないときにレバーを初期位置に保持する係止部を備える場合がある。係止部は、撓み可能な係止板と、係止板から突出してレバーに係合する係止段部とを備えている。コネクタが相手コネクタと嵌合する際には、係止段部が相手コネクタに押圧されることによって係止板が撓み、レバーへの係合が解除されて、レバーの嵌合完了位置への回動が可能となる(特許文献1参照)。
上記のコネクタでは、予期しない外力が加わることによって、係止板が変形することが懸念され、改善が求められていた。
本明細書によって開示されるレバー式コネクタは、本明細書によって開示されるレバー式コネクタは、嵌合面と、前記嵌合面とは異なるレバー取付面と、を有して相手コネクタと嵌合されるコネクタハウジングと、前記嵌合面に沿って配される前壁と、前記前壁から延びて前記レバー取付面に沿って配される周壁と、を備えるフロント部材と、前記コネクタハウジングに対して、初期位置から嵌合完了位置まで回動可能に組み付けられるレバーと、を備え、前記コネクタハウジングが、前記レバー取付面に撓み可能に配されるアーム本体と、前記アーム本体から突出して、前記レバーが前記初期位置にあるときに前記レバーに係合するロック突起と、を備えるロックアームを備え、前記周壁が前記アーム本体を覆っている。
本明細書によって開示されるレバー式コネクタによれば、外力が加えられることによるロックアームの予期しない変形を回避することができる。
[実施形態の概要]
(1)本明細書によって開示されるレバー式コネクタは、嵌合面と、前記嵌合面とは異なるレバー取付面と、を有して相手コネクタと嵌合されるコネクタハウジングと、前記嵌合面に沿って配される前壁と、前記前壁から延びて前記レバー取付面に沿って配される周壁と、を備えるフロント部材と、前記コネクタハウジングに対して、初期位置から嵌合完了位置まで回動可能に組み付けられるレバーと、を備え、前記コネクタハウジングが、前記レバー取付面に撓み可能に配されるアーム部と、前記アーム部から突出して、前記レバーが前記初期位置にあるときに前記レバーに係合するロック突起と、を備えるロックアームを備え、前記周壁が前記アーム部を覆っている。
(1)本明細書によって開示されるレバー式コネクタは、嵌合面と、前記嵌合面とは異なるレバー取付面と、を有して相手コネクタと嵌合されるコネクタハウジングと、前記嵌合面に沿って配される前壁と、前記前壁から延びて前記レバー取付面に沿って配される周壁と、を備えるフロント部材と、前記コネクタハウジングに対して、初期位置から嵌合完了位置まで回動可能に組み付けられるレバーと、を備え、前記コネクタハウジングが、前記レバー取付面に撓み可能に配されるアーム部と、前記アーム部から突出して、前記レバーが前記初期位置にあるときに前記レバーに係合するロック突起と、を備えるロックアームを備え、前記周壁が前記アーム部を覆っている。
上記の構成によれば、アーム部が周壁に覆われて保護されているため、外力が加えられることによるロックアームの予期しない変形を回避することができる。また、フロント部材の周壁をロックアームの保護壁として利用しているので、コネクタを大型化することなくロックアームの保護が可能となる。
(2)上記(1)のレバー式コネクタにおいて、前記周壁が、前記ロック突起に対して、前記レバーとは反対側に隣接して配されていても構わない。
このような構成によれば、ロック突起のレバーに対する保持力が周壁によって補助されるので、レバーの予期しない嵌合完了位置への回動を確実に規制できる。
(3)上記(1)または(2)のレバー式コネクタにおいて、前記ロック突起が、前記レバーが前記初期位置にあるときに前記レバーに係合するレバー係合面を有する第1突起部と、前記アーム部から離れるほど前記嵌合面から離れる向きに傾く案内面を有する第2突起部と、を備えていても構わない。
このような構成によれば、ロック突起が、複数の突起部を備えているので、それぞれに突起部に異なる役割を持たせることができ、設計の自由度が高まる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかのレバー式コネクタにおいて、前記コネクタハウジングが、端子金具を収容可能なキャビティを有する端子保持部と、端子保持部とは異なる位置に配されたロック配置部と、を備えており、前記ロック配置部が、前記ロックアームと、前記レバーが前記嵌合完了位置にあるときに前記レバーと係合する嵌合完了保持部と、を備えていても構わない。
このような構成によれば、レバーを初期位置、および嵌合完了位置に保持するための構成をロック配置部にまとめて配置することにより、コネクタハウジングの構成の複雑化を避けることができる。
[実施形態の詳細]
本明細書によって開示される技術の具体例を、以下に図1から図15を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本明細書によって開示される技術の具体例を、以下に図1から図15を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態のレバー式コネクタ1は、相手コネクタ100と嵌合するコネクタであって、図1および図2に示すように、電線の端末に接続された端子金具を保持するコネクタハウジング10と、コネクタハウジング10に組み付けられるフロントホルダ70と、コネクタハウジング10に対して嵌合初期位置と嵌合完了位置との間で回動可能に組み付けられるレバー80と、コネクタハウジング10に組み付けられて電線を保護する電線カバー90と、を備えている。以下の説明において、レバー式コネクタ1の相手コネクタ100に対する嵌合方向(図1の左下-右上方向)を前後方向とし、相手コネクタ100が組み付けられる側(図1の左下側)を前側とする。
[コネクタハウジング10]
コネクタハウジング10は、合成樹脂製であって、図3に示すように、ハウジング本体11と、2つの回動軸12と、2つのホルダ係止突起13と、を備えている。
コネクタハウジング10は、合成樹脂製であって、図3に示すように、ハウジング本体11と、2つの回動軸12と、2つのホルダ係止突起13と、を備えている。
ハウジング本体11は、全体として直方体状をなしており、図4および図5に示すように、前面が嵌合面11A、後面(嵌合面11Aと反対側の面)が電線導出面11B、嵌合面11Aに対して垂直な面がロック配置面11C、嵌合面11Aおよびロック配置面11Cに対して垂直な2つの面が第1レバー取付面11D1(レバー取付面の一例)および第2レバー取付面11D2となっている。ハウジング本体11において、嵌合面11Aに隣接する一部分は、図3および図5に示すように、それよりも後方の部分よりも一回り小さいホルダ取付部11Hとなっており、ロック配置面11Cと、2つのレバー取付面11D1、11D2とにおいて、ホルダ取付部11Hとそれよりも後方の部分との間には、嵌合面11A側を向く段差面11Sがある。
図3に示すように、ハウジング本体11においてロック配置面11Cに隣接する部分は、ロック配置部31となっており、その他の部分は、端子保持部21となっている。
端子保持部21は、図3に示すように、嵌合面11Aと電線導出面11Bとの間を貫通する複数のキャビティ22を有している。各キャビティ22の内部には、雌端子金具と、雌端子金具に接続された電線の端末部とが保持されている。
ロック配置部31は、図3および図4に示すように、第1レバー取付面11D1に隣接して配される初期ロック部41と、第2レバー取付面11D2に隣接して配される誤組付防止部61と、初期ロック部41と誤組付防止部61との間に配される嵌合完了ロック部51と、を備えている。
初期ロック部41は、図5および図6に示すように、第1レバー取付面11D1に配される第1ロック凹部42と、第1ロック凹部42の内部に配される第1ロックアーム43(ロックアームの一例)と、を備える。
第1ロック凹部42は、図5および図6に示すように、第1レバー取付面11D1に対して垂直に、互いに間隔を開けて配される2つの第1側面42Aと、2つの第1側面42Aにおいて、嵌合面11A側の端縁同士を接続し、嵌合面11Aとは反対側を向いて配される第1奥端面42Bと、2つの第1側面42Aを接続し、第1レバー取付面11D1に平行な第1底面42Cと、で規定される凹部である。
第1ロックアーム43は、図5および図6に示すように、第1アーム部44(アーム部の一例)と、第1アーム部44から突出する第1ロック突起45(ロック突起の一例)と、を備えている。第1アーム部44は、第1奥端面42Bから電線導出面11Bに向かって延びる板ばね状をなしており、第1レバー取付面11D1に対して垂直な方向に撓み可能となっている。第1ロック突起45は、第1アーム部44の延出端に配され、第1レバー取付面11D1よりも外側に突出している。第1ロック突起45は、レバー80に係止する第1突起部46と、相手コネクタ100によって押圧される第2突起部47と、を備えている。第1突起部46と第2突起部47とは、端子保持部21に近い側からこの順に配されている。
図5、図6および図8に示すように、第1突起部46において、嵌合面11A側を向く面は、第1レバー取付面11D1に対して垂直な第1ホルダ受面46Aを有しており、嵌合面11Aと反対側を向く面は、レバー80と係合するレバー係合面46Bとなっている。レバー係合面46Bは、第1レバー取付面11D1に対して概ね垂直に延びる、切り立った面となっている。図5および図6に示すように、第2突起部47において、嵌合面11A側を向く面は、第1ホルダ受面46Aに隣接し、第1レバー取付面11D1に対して垂直な第2ホルダ受面47Aと、第2ホルダ受面47Aよりも第2突起部47の先端側に配され、第1アーム部44から離れるほど嵌合面11Aから離れる向きに傾く案内面47Bと、を有している。
図6に示すように、第1アーム部44の外面から第1突起部46の延出端までの距離で規定される第1突起部46の突出高さH1は、第1アーム部44の外面から第2突起部47の延出端までの距離で規定される第2突起部47の突出高さH2よりも小さくなっている。
嵌合完了ロック部51は、図4に示すように、ロック配置面11Cに配される第2ロック凹部52と、第2ロック凹部52の内部に配される第2ロックアーム53(嵌合完了保持部の一例)と、を備える。
第2ロック凹部52は、ロック配置面11Cに対して垂直に、互いに間隔を開けて配される2つの第2側面52Aと、2つの第2側面52Aにおいて、嵌合面11A側の端縁同士を接続し、嵌合面11Aとは反対側を向いて配される第2奥端面52Bと、で規定される凹部である。
第2ロックアーム53は、第2アーム部54と、第2アーム部54から突出する第2ロック突起55と、を備えている。第2アーム部54は、第2奥端面52Bから電線導出面11Bに向かって延びる板ばね状をなしている。第2ロック突起55は、第2アーム部54の延出端から、ロック配置面11Cよりも外側に突出している。
誤組付防止部61は、図8に示すように、第2レバー取付面11D2に配される誤組付防止凹部62を有している。誤組付防止凹部62は、第2レバー取付面11D2に対して垂直に、互いに間隔を開けて配される2つの第3側面62Aと、2つの第3側面62Aを接続し、第2レバー取付面11D2に平行な第2底面62Bと、で規定される凹部であって、嵌合面11Aに開口部を有している。
図3および図5に示すように、第1レバー取付面11D1には、回動軸12とホルダ係止突起13とが配されている。回動軸12は、略円柱状をなし、第1レバー取付面11D1から外側に向かって延びている。ホルダ係止突起13は、第1レバー取付面11D1から突出する突起である。第2レバー取付面11D2にも、同様に回動軸12とホルダ係止突起13とが配されている。
[フロントホルダ70]
フロントホルダ70は、コネクタハウジング10のホルダ取付部11Hを覆う部材である、フロントホルダ70は、合成樹脂製であって、図3、図8、および図9に示すように、嵌合面11Aに沿って配される前壁71と、前壁71の周縁から延び、ホルダ取付部11Hを囲む周壁73と、を備えている。
フロントホルダ70は、コネクタハウジング10のホルダ取付部11Hを覆う部材である、フロントホルダ70は、合成樹脂製であって、図3、図8、および図9に示すように、嵌合面11Aに沿って配される前壁71と、前壁71の周縁から延び、ホルダ取付部11Hを囲む周壁73と、を備えている。
前壁71は、キャビティ22を囲む壁の一部を構成して、キャビティ22の内部に配される端子金具を抜け止めしている。前壁71は、相手コネクタ100に備えられる相手端子の進入を許容する複数の端子挿通孔72を有している。複数の端子挿通孔72のそれぞれは、複数のキャビティ22のそれぞれと連通している。周壁73は、第1レバー取付面11D1に沿って配される第1側壁73Aと、第2レバー取付面11D2に沿って配される第2側壁73Bと、を備えている。
フロントホルダ70がコネクタハウジング10に取り付けられた状態では、図7および図8に示すように、第1側壁73Aが第1アーム部44を覆っている。第1ロック突起45は、フロントホルダ70から露出しており、第1側壁73Aの延出端が、第1ロック突起45に隣接して配されている。
フロントホルダ70は、図3および図9に示すように、前壁71から第2側壁73Bの延出端まで延び、第2側壁73Bを貫通する切り欠き部74を有している。フロントホルダ70がコネクタハウジング10に取り付けられた状態では、図8に示すように、切り欠き部74が誤組付防止凹部62と連通している。
フロントホルダ70は、図3および図9に示すように、第1側壁73Aおよび第2側壁73Bをそれぞれ貫通し、ホルダ係止突起13を受け入れる2つのホルダ係止孔75を有している。図2に示すように、各ホルダ係止突起13が、ホルダ係止孔75の内部に入り込んでホルダ係止孔75の孔縁に係止することにより、フロントホルダ70がコネクタハウジング10に保持される。
[レバー80]
レバー80は、てこの原理によって、コネクタハウジング10の相手コネクタ100に対する嵌合および離脱を補助するための部材であって、回動軸12を回動中心として、初期位置(図1、図7およびおよび図12に示す位置)と、コネクタハウジング10に対して相手コネクタ100が正規嵌合位置に嵌合された状態となる嵌合完了位置(図14に示す位置)との間で回動可能に軸支されている。
レバー80は、てこの原理によって、コネクタハウジング10の相手コネクタ100に対する嵌合および離脱を補助するための部材であって、回動軸12を回動中心として、初期位置(図1、図7およびおよび図12に示す位置)と、コネクタハウジング10に対して相手コネクタ100が正規嵌合位置に嵌合された状態となる嵌合完了位置(図14に示す位置)との間で回動可能に軸支されている。
レバー80は、合成樹脂製であって、図2および図4に示すように、第1レバー取付面11D1に沿って配される第1カム板81Aと、第2レバー取付面11D2に沿って配される第2カム板81Bと、これら2つのカム板81A、81B同士を連結する回動操作部85と、を備えた、略U字形の部材である。
第1カム板81Aは、図2および図7に示すように、軸孔82と、カム溝83とを有している。軸孔82は、第1カム板81Aを貫通する略円形の孔であって、内部に回動軸12が挿通される。カム溝83は、第1カム板81Aの外表面(第2カム板81Bとは反対側の面)に配された溝であって、第1カム板81Aの外縁に、カム進入口83Aを有している。カム溝83は、カム進入口83Aから奥方に向かうにつれて次第に第1カム板81Aの回動中心である軸孔82に接近するような略弧状をなしている。第1カム板81Aの外周面は、レバー80が初期位置にあるときに第1突起部46のレバー係合面46Bと係合する係止受面84を有している。
第2カム板81Bは、係止受面84を有しない点を除いて第1カム板81Aと同様の構成を有しているので、第1カム板81Aと同一の構成に同一の符号を付して説明を省略する。
レバー80は、図2に示すように、回動操作部85から突出するロック爪86を備えている。ロック爪86は、回動操作部85の両端間の中央位置から突出する突起である。
[電線カバー90]
電線カバー90は、コネクタハウジング10に対して電線導出面11Bを覆うように組み付けられて、キャビティ22から導出された電線を保護するための部材である。電線カバー90は、合成樹脂製であって、図2に示すように、主壁91と、主壁91から延びる2つの側壁92とを備えている。主壁91は、電線導出面11Bに対向して配される壁である。2つの側壁92のそれぞれは、主壁91の2つの側縁のそれぞれから延び、互いに対向して配されている。なお、図面の見易さを考慮し、図4、図7および図8では電線カバー90を省略して示している。
電線カバー90は、コネクタハウジング10に対して電線導出面11Bを覆うように組み付けられて、キャビティ22から導出された電線を保護するための部材である。電線カバー90は、合成樹脂製であって、図2に示すように、主壁91と、主壁91から延びる2つの側壁92とを備えている。主壁91は、電線導出面11Bに対向して配される壁である。2つの側壁92のそれぞれは、主壁91の2つの側縁のそれぞれから延び、互いに対向して配されている。なお、図面の見易さを考慮し、図4、図7および図8では電線カバー90を省略して示している。
[相手コネクタ100]
相手コネクタ100は、図10および図11に示すように、コネクタハウジング10と嵌合可能な相手ハウジング110と、相手ハウジング110に組み付けられる複数の相手端子金具120とを備えている。
相手コネクタ100は、図10および図11に示すように、コネクタハウジング10と嵌合可能な相手ハウジング110と、相手ハウジング110に組み付けられる複数の相手端子金具120とを備えている。
相手ハウジング110は、合成樹脂製であって、図10および図11に示すように、端子保持壁111と、フード部112と、2つの仕切壁113と、3つの誤組付防止突部117A、117B、117Cと、を備える。
図10および図11に示すように、端子保持壁111は、長方形の板状をなしている。フード部112は、端子保持壁111から延びる角筒状をなしており、互いに対向して配される2つの長壁112Aと、2つの長壁112Aの一端同士を繋ぐ第1短壁112Bと、2つの長壁112Aの他端同士を繋ぐ第2短壁112Cと、で構成されている。2つの仕切壁113は、フード部112の内部に配され、端子保持壁111とフード部112とで規定される相手ハウジング110の内部空間を3つの嵌合空間114A、114B、114Cに区画している。第1短壁112Bに隣接する一の嵌合空間114Aの内部にコネクタハウジング10が嵌合され、他の嵌合空間114B、114Cには、他のコネクタハウジング(図示せず)が嵌合される。第1短壁112Bは、図15に示すように、逃がし凹部115を有している。逃がし凹部115は、第1短壁112Bの内面から凹む凹部であって、第1ロック突起45を受け入れ可能となっている。
相手ハウジング110は、図10および図11に示すように、円柱状の6つのカムフォロア116を備えている。2つの短壁112B、112Cの内表面からそれぞれ1つずつのカムフォロア116が突出している。2つの仕切壁113の両面からも、それぞれ1つずつのカムフォロア116が突出している。つまり、3つの嵌合空間114A、114B、114Cの内部には、互いに対をなす2つのカムフォロア116が突出している。
複数の相手端子金具120のそれぞれは、金属製であって、図12に示すように、L字の棒状をなしており、端子保持壁111を貫通するタブ部121と、タブ部121の一端から略垂直に延びる接続部122と、を備えている。
3つの誤組付防止突部117A、117B、117Cは、図11に示すように、3つの嵌合空間114A、114B、114Cの内部に1つずつが配置されている。3つの誤組付防止突部117A、117B、117Cは、互いに形状が異なっている。一の嵌合空間114Aに嵌合するレバー式コネクタ1が有する誤組付防止凹部62および切り欠き部74は、一の嵌合空間114Aの内部に配された誤組付防止突部117Aを受け入れ可能であるが、他の嵌合空間114B、114Cの内部に配された他の誤組付防止突部117B、117Cを受け入れ不能となっている。
[レバー式コネクタ1と相手コネクタ100との嵌合]
レバー式コネクタ1が相手コネクタ100に嵌合されていない状態では、図7および図8に示すように、レバー80が初期位置に保持されており、第1突起部46のレバー係合面46Bが第1カム板81Aの係止受面84に当接することで、レバー80の初期位置から嵌合完了位置への回動が規制されている。レバー係合面46Bが、第1レバー取付面11D1を含む平面に対して概ね垂直に延びる、切り立った面となっていることで、第1カム板81Aへの係合の強度が大きくなり、レバー80が確実に初期位置に保持される。
レバー式コネクタ1が相手コネクタ100に嵌合されていない状態では、図7および図8に示すように、レバー80が初期位置に保持されており、第1突起部46のレバー係合面46Bが第1カム板81Aの係止受面84に当接することで、レバー80の初期位置から嵌合完了位置への回動が規制されている。レバー係合面46Bが、第1レバー取付面11D1を含む平面に対して概ね垂直に延びる、切り立った面となっていることで、第1カム板81Aへの係合の強度が大きくなり、レバー80が確実に初期位置に保持される。
レバー80に予期しない外力が加えられると、レバー80が第1突起部46の係止力に抗して、初期位置から嵌合完了位置へ回動しようとする場合がある。このような場合には、第1突起部46が第1カム板81Aによって嵌合面11Aに向かって押圧され、第1ロックアーム43が外側に向かって撓み変形してしまうことが懸念される。しかし、本実施形態では、第1アーム部44がフロントホルダ70の第1側壁73Aによって覆われているため、第1アーム部44の変形が抑制される。また、第1側壁73Aの延出端が、第2突起部47および第1突起部46に隣接して配されている。これにより、第1突起部46が第1カム板81Aによって嵌合面11Aに向かって押圧されたとしても、第1突起部46のレバー80に対する保持力が第1側壁73Aによって補助されるので、レバー80の予期しない嵌合完了位置への回動を確実に規制できる。
レバー式コネクタ1が相手コネクタ100に嵌合される際には、まず、コネクタハウジング10が相手コネクタ100の嵌合空間114Aに浅く進入する。すると、図12に示すように、カムフォロア116がカム進入口83Aからカム溝83の内部に進入する。また、図13に示すように、第1短壁112Bが案内面47Bに案内されつつ第2突起部47に乗り上げることで、第1アーム部44が内側に撓み、第1ロック突起45が第1ロック凹部42の内部に退避する。これにより、第1突起部46の第1カム板81Aに対する係合が解除され、レバー80の嵌合完了位置への回動が可能となる。このとき、第1突起部46の突出高さH1が、第2突起部47の突出高さH2よりも小さくなっているから、第1突起部46が確実に第1ロック凹部42の内部に退避し、第1突起部46の第1カム板81Aに対する係合が確実に解除される。
次に、レバー80が初期位置から嵌合完了位置に向けて回動される。レバー80の回動に伴って、カムフォロア116がカム溝83の奥方に向かって移動し、カムフォロア116とカム溝83との係合に基づくカム作用によって、コネクタハウジング10が相手コネクタ100に相対的に引き寄せられる。レバー80が嵌合完了位置に近づくと、ロック爪86が第2ロック突起55に乗り上げることで、第2ロックアーム53が撓まされる。
レバー80が嵌合完了位置に達すると、図14に示すように、コネクタハウジング10が相手コネクタ100に対して正規の嵌合位置に至る。第2ロックアーム53が弾性復帰し、ロック爪86が第2ロック突起55に係合することで、レバー80が完了嵌合位置に保持される。また、図15に示すように、第1ロックアーム43が弾性復帰し、第1ロック突起45が逃がし凹部115の内部に収容される。
また、誤組付防止突部117Aが誤組付防止凹部62の内部に収容される。なお、レバー式コネクタ1が誤って他の嵌合空間114B、114Cのいずれかに進入した場合には、誤組付防止突部117B、117Cが誤組付防止凹部62の内部に進入できず、コネクタハウジング10が正規の嵌合完了位置まで進入することができないため、誤組み付けを検知することができる。
[作用効果]
以上のように本実施形態によれば、レバー式コネクタ1は、嵌合面11Aと、嵌合面11Aとは異なる第1レバー取付面11D1と、を有して相手コネクタ100と嵌合されるコネクタハウジング10と、嵌合面11Aに沿って配される前壁71と、前壁71から延びて第1レバー取付面11D1に沿って配される周壁73と、を備えるフロントホルダ70と、コネクタハウジング10に対して、初期位置から嵌合完了位置まで回動可能に組み付けられるレバー80と、を備え、コネクタハウジング10が、第1レバー取付面11D1に撓み可能に配される第1アーム部44と、第1アーム部44から突出して、レバー80が初期位置にあるときにレバー80に係合する第1ロック突起45と、を備える第1ロックアーム43を備え、周壁73が第1アーム部44を覆っている。
以上のように本実施形態によれば、レバー式コネクタ1は、嵌合面11Aと、嵌合面11Aとは異なる第1レバー取付面11D1と、を有して相手コネクタ100と嵌合されるコネクタハウジング10と、嵌合面11Aに沿って配される前壁71と、前壁71から延びて第1レバー取付面11D1に沿って配される周壁73と、を備えるフロントホルダ70と、コネクタハウジング10に対して、初期位置から嵌合完了位置まで回動可能に組み付けられるレバー80と、を備え、コネクタハウジング10が、第1レバー取付面11D1に撓み可能に配される第1アーム部44と、第1アーム部44から突出して、レバー80が初期位置にあるときにレバー80に係合する第1ロック突起45と、を備える第1ロックアーム43を備え、周壁73が第1アーム部44を覆っている。
上記の構成によれば、第1アーム部44が周壁73に覆われて保護されているため、外力が加えられることによる第1ロックアーム43の予期しない変形を回避することができる。また、フロントホルダ70の周壁73を第1アーム部44の保護壁として利用しているので、コネクタを大型化することなく第1ロックアーム43の保護が可能となる。
また、周壁73が、第1ロック突起45に対してレバー80と反対側に隣接して配されている。このような構成によれば、周壁73によって、第1ロック突起45のレバー80に対する保持力が補助されるので、外力が加えられることによって、レバー80の嵌合完了位置への意図しない回動を確実に規制できる。
また、第1ロック突起45が、レバー80が初期位置にあるときにレバー80に係合するレバー係合面46Bを有する第1突起部46と、第1アーム部44から離れるほど嵌合面11Aから離れる向きに傾く案内面47Bを有する第2突起部47と、を備えている。
このような構成によれば、第1ロック突起45が、複数の突起部46、47を備えているので、それぞれに突起部46、47に異なる役割を持たせることができ、設計の自由度が高まる。
また、コネクタハウジング10が、端子金具を収容可能なキャビティ22を有する端子保持部21と、端子保持部21とは異なる位置に配されたロック配置部31と、を備えており、ロック配置部31が、第1ロックアーム43と、レバー80が嵌合完了位置にあるときにレバー80と係合する第2ロックアーム53と、を備えている。
このような構成によれば、レバー80を初期位置、および嵌合完了位置に保持するための構成をロック配置部31にまとめて配置することにより、コネクタハウジング10の構成の複雑化を避けることができる。
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、ロックアームがコネクタハウジングの片側にのみ配されていたが、ロックアームがコネクタハウジングの両側に配されていても構わない。
(2)上記実施形態では、フロント部材が、キャビティを囲む壁の一部を構成するフロントホルダであったが、フロント部材は、例えば、キャビティの内部に配された端子金具に係合して端子金具の抜け止めを図るフロントリテーナであっても構わない。
(3)上記実施形態では、完了嵌合保持部が第2ロックアームであったが、嵌合完了保持部は、例えばレバーに設けられるロックアームに係合するロック爪であっても構わない。
(1)上記実施形態では、ロックアームがコネクタハウジングの片側にのみ配されていたが、ロックアームがコネクタハウジングの両側に配されていても構わない。
(2)上記実施形態では、フロント部材が、キャビティを囲む壁の一部を構成するフロントホルダであったが、フロント部材は、例えば、キャビティの内部に配された端子金具に係合して端子金具の抜け止めを図るフロントリテーナであっても構わない。
(3)上記実施形態では、完了嵌合保持部が第2ロックアームであったが、嵌合完了保持部は、例えばレバーに設けられるロックアームに係合するロック爪であっても構わない。
1:レバー式コネクタ
10:コネクタハウジング
11:ハウジング本体
11A:嵌合面
11B:電線導出面
11C:ロック配置面
11D1:第1レバー取付面(レバー取付面)
11D2:第2レバー取付面
11H:ホルダ取付部
11S:段差面
12:回動軸
13:ホルダ係止突起
21:端子保持部
22:キャビティ
31:ロック配置部
41:初期ロック部
42:第1ロック凹部
42A:第1側面
42B:第1奥端面
42C:第1底面
43:第1ロックアーム(ロックアーム)
44:第1アーム部(アーム部)
45:第1ロック突起(ロック突起)
46:第1突起部
46A:第1ホルダ受面
46B:レバー係合面
47:第2突起部
47A:第2ホルダ受面
47B:案内面
51:嵌合完了ロック部
52:第2ロック凹部
52A:第2側面
52B:第2奥端面
53:第2ロックアーム(嵌合完了保持部)
54:第2アーム部
55:第2ロック突起
61:誤組付防止部
62:誤組付防止凹部
62A:第3側面
62B:第2底面
70:フロントホルダ
71:前壁
72:端子挿通孔
73:周壁
73A:第1側壁
73B:第2側壁
74:切り欠き部
75:ホルダ係止孔
80:レバー
81A:第1カム板
81B:第2カム板
82:軸孔
83:カム溝
83A:カム進入口
84:係止受面
85:回動操作部
86:ロック爪
90:電線カバー
91:主壁
92:側壁
100:相手コネクタ
110:相手ハウジング
111:端子保持壁
112:フード部
112A:長壁
112B:第1短壁
112C:第2短壁
113:仕切壁
114A、114B、114C:嵌合空間
115:逃がし凹部
116:カムフォロア
117A、117B、117C:誤組付防止突部
120:相手端子金具
121:タブ部
122:接続部
H1:第1突起部の突出高さ
H2:第2突起部の突出高さ
10:コネクタハウジング
11:ハウジング本体
11A:嵌合面
11B:電線導出面
11C:ロック配置面
11D1:第1レバー取付面(レバー取付面)
11D2:第2レバー取付面
11H:ホルダ取付部
11S:段差面
12:回動軸
13:ホルダ係止突起
21:端子保持部
22:キャビティ
31:ロック配置部
41:初期ロック部
42:第1ロック凹部
42A:第1側面
42B:第1奥端面
42C:第1底面
43:第1ロックアーム(ロックアーム)
44:第1アーム部(アーム部)
45:第1ロック突起(ロック突起)
46:第1突起部
46A:第1ホルダ受面
46B:レバー係合面
47:第2突起部
47A:第2ホルダ受面
47B:案内面
51:嵌合完了ロック部
52:第2ロック凹部
52A:第2側面
52B:第2奥端面
53:第2ロックアーム(嵌合完了保持部)
54:第2アーム部
55:第2ロック突起
61:誤組付防止部
62:誤組付防止凹部
62A:第3側面
62B:第2底面
70:フロントホルダ
71:前壁
72:端子挿通孔
73:周壁
73A:第1側壁
73B:第2側壁
74:切り欠き部
75:ホルダ係止孔
80:レバー
81A:第1カム板
81B:第2カム板
82:軸孔
83:カム溝
83A:カム進入口
84:係止受面
85:回動操作部
86:ロック爪
90:電線カバー
91:主壁
92:側壁
100:相手コネクタ
110:相手ハウジング
111:端子保持壁
112:フード部
112A:長壁
112B:第1短壁
112C:第2短壁
113:仕切壁
114A、114B、114C:嵌合空間
115:逃がし凹部
116:カムフォロア
117A、117B、117C:誤組付防止突部
120:相手端子金具
121:タブ部
122:接続部
H1:第1突起部の突出高さ
H2:第2突起部の突出高さ
Claims (4)
- 嵌合面と、前記嵌合面とは異なるレバー取付面と、を有して相手コネクタと嵌合されるコネクタハウジングと、
前記嵌合面に沿って配される前壁と、前記前壁から延びて前記レバー取付面に沿って配される周壁と、を備えるフロント部材と、
前記コネクタハウジングに対して、初期位置から嵌合完了位置まで回動可能に組み付けられるレバーと、を備え、
前記コネクタハウジングが、
前記レバー取付面に撓み可能に配されるアーム部と、前記アーム部から突出して、前記レバーが前記初期位置にあるときに前記レバーに係合するロック突起と、を備えるロックアームを備え、
前記周壁が前記アーム部を覆っている、レバー式コネクタ。 - 前記周壁が、前記ロック突起に対して、前記レバーとは反対側に隣接して配されている、請求項1に記載のレバー式コネクタ。
- 前記ロック突起が、前記レバーが前記初期位置にあるときに前記レバーに係合するレバー係合面を有する第1突起部と、前記アーム部から離れるほど前記嵌合面から離れる向きに傾く案内面を有する第2突起部と、を備えている、請求項1または請求項2に記載のレバー式コネクタ。
- 前記コネクタハウジングが、端子金具を収容可能なキャビティを有する端子保持部と、端子保持部とは異なる位置に配されたロック配置部と、を備えており、
前記ロック配置部が、前記ロックアームと、前記レバーが前記嵌合完了位置にあるときに前記レバーと係合する嵌合完了保持部と、を備えている、請求項1または請求項2に記載のレバー式コネクタ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022094103A JP2023180639A (ja) | 2022-06-10 | 2022-06-10 | レバー式コネクタ |
PCT/JP2023/020638 WO2023238794A1 (ja) | 2022-06-10 | 2023-06-02 | レバー式コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022094103A JP2023180639A (ja) | 2022-06-10 | 2022-06-10 | レバー式コネクタ |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022094103A Pending JP2023180639A (ja) | 2022-06-10 | 2022-06-10 | レバー式コネクタ |
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---|---|
JP (1) | JP2023180639A (ja) |
WO (1) | WO2023238794A1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH067587Y2 (ja) * | 1986-12-13 | 1994-02-23 | 矢崎総業株式会社 | ロツク部の保護ブリツジ |
JP3882111B2 (ja) * | 2002-04-22 | 2007-02-14 | 住友電装株式会社 | レバー式コネクタ |
JP2012238498A (ja) * | 2011-05-12 | 2012-12-06 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | レバー式コネクタ |
JP2015060628A (ja) * | 2013-09-17 | 2015-03-30 | 住友電装株式会社 | コネクタ |
-
2022
- 2022-06-10 JP JP2022094103A patent/JP2023180639A/ja active Pending
-
2023
- 2023-06-02 WO PCT/JP2023/020638 patent/WO2023238794A1/ja unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2023238794A1 (ja) | 2023-12-14 |
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