JP2023180290A - 装置および電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】並列接続された素子間で、故障や特性のバラつきにより素子電流がアンバランスになると何れかの素子に電流が集中して素子破壊を引き起こす虞がある。【解決手段】 共通の電流経路から分岐して、並列接続された複数の半導体素子のうち一の半導体素子を通る電流経路と、他の半導体素子を通る電流経路とに流れる電流の差に応じたパラメータを測定するセンサと、前記センサにより測定された前記パラメータが基準範囲外となったことに応じて、異常が生じたことを検知する検知部と、を備える、装置が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、装置および電力変換装置に関する。
従来、電力変換装置などでは複数の半導体素子が並列に接続されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2020-14295号公報
並列接続された素子間で、故障や特性のバラつきにより素子電流がアンバランスになると何れかの素子に電流が集中して素子破壊を引き起こす虞がある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、装置が提供される。装置は、共通の電流経路から分岐して、並列接続された複数の半導体素子のうち一の半導体素子を通る電流経路と、他の半導体素子を通る電流経路とに流れる電流の差に応じたパラメータを測定するセンサと、前記センサにより測定された前記パラメータが基準範囲外となったことに応じて、異常が生じたことを検知する検知部と、を備えてよい。
上記の装置において、前記センサは、前記共通の電流経路から分岐して前記一の半導体素子を通る電流経路と、前記他の半導体素子を通る電流経路との間で互いに電流を逆向きに流すよう配置された逆並列部分の総電流に応じた前記パラメータを測定してよい。
上記いずれかの装置において、前記センサは、磁気センサであってよい。
前記センサは、ロゴスキーコイルを有してよい。
上記いずれかの装置は、複数の前記センサを備えてよい。前記複数のセンサのそれぞれは、前記共通の電流経路から分岐して前記複数の半導体素子のそれぞれを通る複数の電流経路のうち、互いに異なる一対の電流経路に流れる電流の差に応じた前記パラメータを測定してよい。
複数の前記センサを備える上記の装置において、前記複数のセンサの数は、前記複数の半導体素子の数よりも少なくてよい。
複数の前記センサを備える上記いずれかの装置において、前記複数のセンサは、前記複数の半導体素子のうち、前記一の半導体素子を通る電流経路と、当該一の半導体素子とは異なる各半導体素子を通る電流経路とに流れる電流の差に応じた前記パラメータを測定してよい。
複数の前記センサを備える上記いずれかの装置において、前記複数の半導体素子はn個(但しnは2以上の整数)の半導体素子を有してよい。前記複数のセンサは、前記複数の半導体素子のうち第Nの半導体素子(但し、Nは1≦N≦n-1の各整数)を通る電流経路と、第N+1の半導体素子を通る各電流経路とに流れる電流の差に応じた前記パラメータを測定してよい。
複数の前記センサを備える上記いずれかの装置において、前記複数のセンサは、前記共通の電流経路から分岐して前記複数の半導体素子のうち2以上の同数の半導体素子へと至る少なくとも1対の電流経路に流れる電流の差に応じた前記パラメータを測定する少なくとも1つの前記センサを有してよい。
複数の前記センサを備える上記いずれかの装置において、前記検知部は、少なくとも1つの前記センサにより測定された前記パラメータが基準範囲外となったことに応じて、異常が生じたことを検知してよい。
上記いずれかの装置において、前記検知部は、前記複数の半導体素子に対するターンオン信号の入力タイミングから基準時間が経過するタイミングで、前記センサにより測定された前記パラメータが前記基準範囲外となるか否かを検知してよい。
上記いずれかの装置において、前記検知部により異常が生じたことが検知されたことに応じて前記複数の半導体素子に流れる電流を遮断する遮断制御部をさらに備えてよい。
上記いずれかの装置において、各半導体素子は、スイッチング素子であってよい。
上記の装置は、入力される駆動信号に応じて各スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動部をさらに備えてよい。
本発明の第2の態様においては、電力変換装置が提供される。電力変換装置は、それぞれスイッチング素子である前記複数の半導体素子と、上記の装置と、を備えてよい。
上記の電力変換装置において、各半導体素子は、ワイドバンドギャップ半導体素子であってよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
第1の実施形態に係る電力変換装置1を示す。 正常な場合での電力変換装置1の動作波形を示す。 異常が生じた場合での電力変換装置1の動作波形を示す。 異常が生じた場合での電力変換装置1の他の動作波形を示す。 第2の実施形態に係る電力変換装置1Aを示す。 正常な場合での電力変換装置1Aの動作波形を示す。 異常が生じた場合での電力変換装置1Aの動作波形を示す。 異常が生じた場合での電力変換装置1Aの他の動作波形を示す。 異常が生じた場合での電力変換装置1Aの他の動作波形を示す。 第2の実施形態の変形例(1)に係る電力変換装置1Bを示す。 第2の実施形態の変形例(2)に係る電力変換装置1Cを示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[1.第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る電力変換装置1を示す。なお、図中、白抜きの矢印記号は電圧を示し、黒塗りの矢印記号は電流を示す。
[1.1.電力変換装置1]
電力変換装置1は、一例としてモータ駆動用または電力供給用に用いられる電力変換装置の1相分を示したものであり、正側電源線101および負側電源線102と、電源出力端子105との接続を切り換えることで、電源出力端子105から変換した電圧を出力する。正側電源線101および負側電源線102の間には例えば数千から数百V程度の直流電圧が印加されてよい。
電力変換装置1は、並列接続された2つのスイッチング素子11,…と、並列接続された2つのスイッチング素子12,…(スイッチング素子12(1)、12(2)とも称する)と、各スイッチング素子11,…に対応付けられた駆動装置2と、各スイッチング素子12,…に対応付けられた駆動装置5とを備える。
各スイッチング素子11,…および各スイッチング素子12,…は、それぞれ駆動装置2および駆動装置5によってオン/オフが切り換えられる素子である。本実施形態では一例として、複数のスイッチング素子11および複数のスイッチング素子12はそれぞれMOSFETであり、正側電源線101の側がカソードである寄生ダイオードを有している。なお、複数のスイッチング素子11および複数のスイッチング素子12はIGBTまたはバイポーラトランジスタなど、他構造の半導体素子を適用することもでき、必要に応じて各々の半導体素子にダイオード、ショットキーバリアダイオード等が逆並列に接続される。
複数のスイッチング素子11および複数のスイッチング素子12の少なくとも一方は、ワイドバンドギャップ半導体素子でよい。ワイドバンドギャップ半導体素子とは、シリコン半導体素子よりもバンドギャップが大きい半導体素子であり、例えばSiC、GaN、ダイヤモンド、窒化ガリウム系材料、酸化ガリウム系材料、AlN、AlGaN、または、ZnOなどを含む半導体素子である。ワイドバンドギャップ半導体素子は、シリコン半導体素子よりもスイッチング速度を向上させることが可能である。
各スイッチング素子11,…は電力変換装置1における上アームを構成してよく、各スイッチング素子12,…は電力変換装置1における下アームを構成してよい。2つのスイッチング素子11,…と、2つのスイッチング素子12,…とは、正側電源線101および負側電源線102の間に直列に順次接続されてよい。2つのスイッチング素子11,…と、2つのスイッチング素子12,…との中点には電源出力端子105が接続されてよい。
各スイッチング素子11,…は、共通の電流経路から分岐した2つの並列な電流経路1011,…に設けられてよい。本実施形態においては一例として、2つの電流経路1011,…は、電流の上流側(正極側)から下流側(負極側)に向かって正側電源線101から分岐してよい。また2つの電流経路1011,…は、電流の下流側から上流側に向かって、電源出力端子105に接続される出力用の電流経路から分岐してよい。分岐した各電流経路1011に流れる電流は、当該電流経路1011に設けられたスイッチング素子11の素子電流であってよい。
2つの電流経路1011,…は、互いに逆向きに電流を流すように配置された逆並列部分510を有してよい。逆並列部分510の電流経路1011同士は互いに逆平行に配置されてよい。逆並列部分510の電流経路1011同士は、互いに差動的に作用して磁界を打ち消し合ってよい。
各スイッチング素子12,…は、共通の電流経路から分岐した2つの並列な電流経路1021,…に設けられてよい。本実施形態においては一例として、2つの電流経路1021,…は、電流の上流側(正極側)から下流側(負極側)に向かって、電源出力端子105に接続される出力用の電流経路から分岐してよい。また2つの電流経路1021,…は、電流の下流側から上流側に向かって、負側電源線102から分岐してよい。これにより、共通の電流経路に流れる電流Idは、スイッチング素子12(1)を通る電流経路1021(電流経路1021(1)とも称する)に流れる電流Id1と、スイッチング素子12(2)を通る電流経路1021(電流経路1021(2)とも称する)に流れる電流Id2とに分流してよい。分岐した各電流経路1021(1),1021(2)に流れる電流は、当該電流経路1021(1),1021(2)に設けられたスイッチング素子12(1),12(2)の素子電流であってよい。
2つの電流経路1021(1),1021(2)は、互いに逆向きに電流を流すように配置された逆並列部分510を有してよい。逆並列部分510の電流経路1021同士は互いに逆平行に配置されてよい。逆並列部分510の電流経路1021同士は、互いに差動的に作用して磁界を打ち消し合うべく、隣接して配置されてよい。
ここで、スイッチング素子11の故障や特性(一例として、温度特性やスイッチング速度、ゲート電圧の閾値など)のバラつきによって一部の電流経路1011に電流が集中すると、過電流による素子破壊が生じ得る。同様に、スイッチング素子12の故障や特性のバラつきによって一部の電流経路1021に電流が集中すると、過電流による素子破壊が生じ得る。そのため、本実施形態に係る電力変換装置1では、並列接続された各スイッチング素子11の素子電流がアンバランスとなった場合に駆動装置2が異常の発生を検知し、並列接続された各スイッチング素子12の素子電流がアンバランスとなった場合に駆動装置5が異常の発生を検知するようになっている。なお、駆動装置2の構成は駆動装置5と同様であるため、説明を省略し、図示を簡略化する。
駆動装置5は、装置の一例であってよく、駆動部50と、センサ51と、検知部52と、遮断制御部55とを有する。なお、駆動装置5の各部は、図示しないゲートドライブユニット(GDU)基板上に設けられてよい。
駆動部50は、入力される駆動信号S1に応じて各スイッチング素子12の制御端子(本実施形態では一例としてゲート端子)を駆動する。本実施形態では一例として駆動部50は、駆動信号S1がハイレベルの場合に各スイッチング素子12をオン状態にし、駆動信号S1がローレベルの場合に各スイッチング素子12をオフ状態にしてよい。駆動部50は、駆動装置2の駆動部(図示せず)と協働し、複数のスイッチング素子11と、複数のスイッチング素子12とを交互にオン状態にする場合に、一方の素子をターンオフしてオフ状態に切り替えた後、他方の素子をターンオンしてよい。駆動部50は、各スイッチング素子12のゲート端子に接続されてよい。なお、駆動信号S1は、後述の遮断制御部55から駆動部50に入力されてよい。
センサ51は、共通の電流経路から分岐してスイッチング素子12(1)を通る電流経路1021と、スイッチング素子12(2)を通る電流経路1021とに流れる電流Id1,Id2の差に応じたパラメータを測定する。測定されるパラメータ(測定パラメータとも称する)は、電流Id1と、電流Id2とのアンバランスの度合いを示してよい。
センサ51は、電流経路1021(1)と、電流経路1021(2)との間で互いに電流を逆向きに流すよう配置された逆並列部分510の総電流に応じたパラメータを測定してよい。電流経路1021(1),1021(2)の逆並列部分510の総電流とは、逆並列部分510における電流経路1021(1)の電流と、逆並列部分510における電流経路1021(2)の電流とを合成した電流であってよい。
センサ51は、磁気センサであってよく、逆並列部分510に流れる総電流により生じる磁気に応じたパラメータを測定してよい。本実施形態では一例として、センサ51は、ロゴスキーコイルを有してよい。ロゴスキーコイルは、逆並列部分510の電流経路1021同士を囲むように設けられてよく、逆並列部分510の総電流により生じる磁気に応じた誘起電圧Vmを両端に発生させてよい。センサ51は、ロゴスキーコイルに生じる誘起電圧Vmを測定パラメータとして測定してよい。測定される誘起電圧Vmは、逆並列部分510の総電流の微分値、つまり時間変化率を示してよい。電流経路1021(1)の電流の時間変化率と、電流経路1021(2)の電流の時間変化率とが等しい場合には、測定パラメータはゼロであってよい。センサ51は、測定結果を検知部52に供給してよい。
検知部52は、センサ51による測定パラメータが基準範囲外となったことに応じて、異常が生じたことを検知する。これにより、素子電流Id1,Id2が基準よりもアンバランスとなったことに応じて異常の発生が検知される。
基準範囲は、任意に設定されてよく、一例として、スイッチング素子12(1),12(2)の素子電流Id1,Id2の差の許容量に応じた範囲であってよい。検知部52は、測定パラメータが基準範囲内であるか否かを判定する判定部520を有してよく、判定部520によって測定パラメータが基準範囲外と判定されたことに応じて、異常が生じたことを検知してよい。判定部520は、測定パラメータと、基準範囲の上限値,下限値とを比較するコンパレータであってよい。
検知部52は、複数のスイッチング素子12に対するターンオン信号の入力タイミングから基準時間が経過するタイミングで測定パラメータが基準範囲外となるか否かを検知してよい。基準時間は、ターンオン信号の入力タイミングから、スイッチング素子12が定常オン状態となるまでの時間以上の長さであってよい。この場合には、スイッチング素子12の定常オン状態で検知が行われる。これに代えて、基準時間は、ターンオン信号の入力タイミングから、定常オン状態となるまでの時間未満の長さであってもよい。この場合には、スイッチング素子12の過渡状態で検知が行われる。
検知部52は、検知結果を示す検知信号S2を、遮断制御部55と、駆動装置5の外部(一例として電力変換装置1述の制御装置)とに供給してよい。本実施形態では一例として検知信号S2は、ハイレベルの場合に、異常が生じたことを示してよく、ローレベルの場合に、異常が生じていないことを示してよい。
遮断制御部55は、異常が生じたことが検知されたことに応じて、複数のスイッチング素子12に流れる電流を遮断する。遮断制御部55は、異常が生じたことが検知されたことに応じて、各スイッチング素子12をオフ状態にしてよい。
遮断制御部55は、NOTゲート550と、ANDゲート551とを有してよい。NOTゲート550は、検知部52とANDゲート551との間に設けられてよく、検知部52から出力される検知信号S2を反転した信号をANDゲート551に供給してよい。NOTゲート550から出力される信号は、各スイッチング素子12に流れる電流を遮断するべきか否かを示す遮断信号S3であってよい。本実施形態では一例として、遮断信号S3は、ハイレベルの場合には電流を遮断するべきでないことを示し、ローレベルの場合には電流を遮断するべきであることを示してよい。
ANDゲート551は、電力変換装置1の制御装置と、駆動部50との間に設けられてよい。ANDゲート551は、制御装置から供給されるスイッチング素子12の制御信号S4と、NOTゲート550から供給される遮断信号S3との論理積をとってよい。ANDゲート551は、論理積の演算結果に応じた駆動信号S1を駆動部50に供給してよい。
これにより、検知部52により異常が生じたことが検知されている場合には、制御装置からの制御信号S4の信号レベルに関わらず、ローレベルの駆動信号S1が駆動部50に供給される結果、各スイッチング素子12に流れる電流が遮断されてよい。
検知部52により異常が生じたことが検知されていない場合には、制御装置からの制御信号S4に応じた信号レベルの駆動信号S1が駆動部50に供給されてよい。本実施形態では一例として、制御信号S4がハイレベルの場合にはハイレベルの駆動信号S1が駆動部50に供給されてよく、制御信号S4がローレベルの場合にはローレベルの駆動信号S1が駆動部50に供給されてよい。
以上の電力変換装置1によれば、共通の電流経路1021から分岐してスイッチング素子12(1)を通る電流経路1021(1)と、スイッチング素子12(2)を通る電流経路1021(2)とに流れる電流Id1,Id2の差に応じた測定パラメータが基準範囲外となったことに応じて、異常が生じたことが検知される。従って、並列接続された2つのスイッチング素子12,…の間で素子電流がアンバランスになると、異常が生じたと検知される。これにより、2つのスイッチング素子12,…に流れる素子電流それぞれの異常を、1つのセンサ51で確実に検知することができる。よって、素子電流を個別に測定するべく2つのスイッチング素子12,…のそれぞれに対してセンサ51を設ける場合と比較して、異常を検知するための回路構成を簡略化することができる。また、電流Id1,Id2の差に応じた測定パラメータを用いて異常を検知するため、正常に変動する素子電流と、異常な素子電流との差に応じて異常が検知される。従って、正常に変動する素子電流と、異常な素子電流との差が早期に大きくなる場合に、速やかに異常を検知することができる。
また、スイッチング素子12(1)を通る電流経路1021(1)と、スイッチング素子12(2)を通る電流経路1021(2)との間で互いに電流を逆向きに流すよう配置された逆並列部分510の総電流に応じた測定パラメータがセンサ51によって測定される。従って、逆並列部分510の総電流に応じたパラメータとして、逆並列部分に流れる電流により互いに打ち消された磁界に応じたパラメータを測定することができるため、磁気センサをセンサ51に用いることができる。
また、センサ51は磁気センサであるので、電流経路1021(1),1021(2)に流れる電流の差に応じたパラメータを、当該電流経路1021(1),1021(2)から電気的に絶縁された状態で測定することができる。従って、電流経路1021(1),1021(2)の電位に応じて絶縁回路などにより測定信号の電位をシフトする構成を省くことができる。また、電位をシフトすることによる遅延を無くして測定信号を速やかに伝送することができるため、速やかに異常を検知することができる。
また、センサ51はロゴスキーコイルを有するので、コアを有する他のセンサを用いる場合と比較して、駆動装置5を小型化することができる。また、電流の時間変化率を測定することができるため、電流の大きさの大小に関わらず、素子電流の異常を確実に検知することができる。
また、複数のスイッチング素子12に対するターンオン信号の入力タイミングから基準時間が経過するタイミングで測定パラメータが基準範囲外となるか否かが検知される。従って、異常が確実に生じるタイミングで、異常の有無を検知することができる。
また、異常が生じたことが検知されたことに応じて複数のスイッチング素子12に流れる電流が遮断されるので、異常状態で各スイッチング素子12がオン状態に維持されるのを防止することができる。
[1.2.動作]
図2は、正常な場合での電力変換装置1の動作波形を示す。なお、本図や、後述の図3、図4などにおいて横軸は時間を示し、縦軸は共通の電流経路を流れる電流Idや素子電流Id1,Id2、センサ51で測定される誘起電圧Vm、検知部52からの検知信号S2、遮断制御部55における遮断信号S3を示す。
時点t10において制御信号S4がハイレベルになり各スイッチング素子12がターンオンされると、共通の電流経路の電流Idと、スイッチング素子12(1),12(2)の素子電流Id1,Id2とがそれぞれ上昇する。本動作例においては、素子電流Id1,Id2の差に応じて生じる誘起電圧Vmが基準範囲内であるため、検知信号S2がローレベルに維持され、遮断信号S3はハイレベルに維持される。そして、時点t15において制御信号S4がローレベルになり各スイッチング素子12がターンオフされ、電流Id,Id1,Id2が0となる。
図3は、異常が生じた場合での電力変換装置1の動作波形を示す。時点t20において制御信号S4がハイレベルになり各スイッチング素子12がターンオンされると、共通の電流経路の電流Idと、スイッチング素子12(1)の素子電流Id1とがそれぞれ上昇する。本動作例においては、スイッチング素子12(2)が故障する結果、素子電流Id2は上昇しないため、素子電流Id1,Id2の差に応じて生じる誘起電圧Vmが基準範囲外となる。これにより、時点t20から基準時間経過後の時点t21において、異常が生じたことが検知部52により検知され、検知信号S2がハイレベルとなる。そして、時点t22において遮断信号S3がローレベルとなる結果、時点t25において、各スイッチング素子12に流れる電流が遮断される。
図4は、異常が生じた場合での電力変換装置1の他の動作波形を示す。時点t30において制御信号S4がハイレベルになり各スイッチング素子12がターンオンされると、共通の電流経路の電流Idと、スイッチング素子12(2)の素子電流Id2とがそれぞれ上昇する。本動作例においては、スイッチング素子12(1)が故障する結果、素子電流Id1は上昇しないため、素子電流Id1,Id2の差に応じて生じる誘起電圧Vmが基準範囲外となる。これにより、時点t30から基準時間経過後の時点t31において、異常が生じたことが検知部52により検知され、検知信号S2がハイレベルとなる。そして、時点t32において遮断信号S3がローレベルとなる結果、時点t35において、各スイッチング素子12に流れる電流が遮断される。
[2.第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係る電力変換装置1Aを示す。なお、本実施形態や、後述の変形例において、上アーム側の構成は下アーム側の構成と同様であるため、説明および図示を省略する。また、図1に示された電力変換装置1と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
[2.1.電力変換装置1A]
電力変換装置1Aは、並列接続された3つ以上(本実施形態では一例として3つ)のスイッチング素子12,…(スイッチング素子12(1),12(2),12(3)とも称する)と、各スイッチング素子12,…に対応付けられた駆動装置5Aとを備える。
各スイッチング素子12,…は、共通の電流経路から分岐した複数(本実施形態では一例として3つ)の並列な電流経路1021A,…に設けられてよい。共通の電流経路は、電源出力端子105に接続される出力用の電流経路であってもよいし、負側電源線102であってもよい。共通の電流経路に流れる電流Idは、スイッチング素子12(1)を通る電流経路1021A(電流経路1021A(1)とも称する)に流れる電流Id1と、スイッチング素子12(2)を通る電流経路1021A(電流経路1021A(2)とも称する)に流れる電流Id2と、スイッチング素子12(3)を通る電流経路1021A(電流経路1021A(3)とも称する)に流れる電流Id3とに分流してよい。
各電流経路1021A,…は、他の電流経路1021Aとの間で互いに逆向きに電流を流すように配置された逆並列部分510を有してよい。逆並列部分510は、複数の電流経路1021Aのうち一のスイッチング素子12を通る電流経路1021Aと、当該一のスイッチング素子12とは異なるスイッチング素子12を通る各電流経路1021Aとの間に設けられてよい。本実施形態では一例として、逆並列部分510は、電流経路1021A(1)および電流経路1021A(2)の間に設けられ、電流経路1021A(1)および電流経路1021A(3)の間に設けられてよい。逆並列部分510の電流経路1021A同士は互いに逆平行に配置されてよい。逆並列部分510の電流経路1021A同士は、互いに差動的に作用して磁界を打ち消し合うべく、隣接して配置されてよい。
駆動装置5Aは、複数のセンサ51Aと、検知部52Aと、遮断制御部55とを有する。複数のセンサ51Aの数は、複数のスイッチング素子12の数よりも少なくてよい。本実施形態においては一例として、複数のセンサ51Aの個数は2、複数のスイッチング素子12の個数は3であってよい。
各センサ51Aは、第1の実施形態におけるセンサ51と同様のセンサであってよい。複数のセンサ51Aのそれぞれは、共通の電流経路から分岐して複数のスイッチング素子12のそれぞれを通る複数の電流経路1021Aのうち、互いに異なる一対の電流経路1021A,1021Aに流れる電流の差に応じたパラメータを測定してよい。例えば、複数のセンサ51Aは、複数の電流経路1021Aのうち一のスイッチング素子12を通る電流経路1021Aと、当該一のスイッチング素子12とは異なる各スイッチング素子12を通る電流経路1021Aとに流れる電流の差に応じたパラメータを測定してよい。本実施形態においては一例として、2つのセンサ51Aのうち一方のセンサ51A(センサ51A(1)とも称する)は、スイッチング素子12(1)を通る電流経路1021A(1)と、他のスイッチング素子12(2)を通る電流経路1021A(2)との逆並列部分510に流れる総電流に応じた誘起電圧Vm1を測定してよい。他方のセンサ51A(センサ51A(2)とも称する)は、スイッチング素子12(1)を通る電流経路1021A(1)と、他のスイッチング素子12(3)を通る電流経路1021A(3)との逆並列部分510に流れる総電流に応じた誘起電圧Vm2を測定してよい。
検知部52Aは、少なくとも1つのセンサ51Aによる測定パラメータが基準範囲外となったことに応じて、異常が生じたことを検知する。基準範囲は、任意に設定されてよく、一例として、スイッチング素子12(1),12(2),…の素子電流の差の許容量に応じた範囲であってよい。検知部52Aは、複数(本実施形態においては一例として2つ)の判定部520と、ORゲート521を有してよい。
各判定部520は、センサ51Aと1対1で対応してよく、対応するセンサ51Aによる測定パラメータが基準範囲内であるか否かを判定してよい。各判定部520は、判定結果を示す信号(判定信号S5とも称する)をORゲート521に供給してよい。本実施形態では一例として、センサ51A(1)に対応する判定部520(判定部520(1)とも称する)は判定信号S5(1)をORゲート521に供給してよく、センサ51A(2)に対応する判定部520(判定部520(2)とも称する)は判定信号S5(2)をORゲート521に供給してよい。判定信号S5は、ハイレベルの場合に、測定パラメータが基準範囲外であることを示してよく、ローレベルの場合に、測定パラメータが基準範囲内であることを示してよい。
ORゲート521は、各判定部520による判定信号S5の論理和をとってよい。ORゲート521は、論理和の演算結果に応じた検知信号S2を遮断制御部55と、駆動装置5Aの外部(一例として電力変換装置1Aの制御装置)とに供給してよい。
なお、以上の検知部52Aは、上述の検知部52と同様に、複数のスイッチング素子12に対するターンオン信号の入力タイミングから基準時間が経過するタイミングで、測定パラメータが基準範囲外となるか否かを検知してよい。
以上の電力変換装置1Aによれば、共通の電流経路から分岐して複数のスイッチング素子12のそれぞれを通る複数の電流経路1021A,…のうち、互いに異なる一対の電流経路1021A,1021Aに流れる電流の差に応じたパラメータが複数のセンサ51Aのそれぞれにより測定される。従って、各対の電流経路1021に配置された各対のスイッチング素子12に流れる素子電流がアンバランスになる場合それぞれで、異常が生じたと検知することができる。よって、各対のスイッチング素子12に流れる素子電流それぞれの異常を確実に検知することができる。
また、複数のスイッチング素子12のうち、一のスイッチング素子12(1)を通る電流経路1021Aと、他の各スイッチング素子12(2),…を通る電流経路1021A,…とに流れる電流の差に応じたパラメータが複数のセンサ51Aにより測定される。従って、一のスイッチング素子12(1)と、他の各スイッチング素子12(2),…とに流れる素子電流がアンバランスになる場合それぞれで、異常が生じたと検知することができる。
また、少なくとも1つのセンサ51Aにより測定されたパラメータが基準範囲外となったことに応じて異常が生じたことが検知されるので、各センサ51Aにより測定されたパラメータの全てが基準範囲外となったことに応じて異常が検知される場合と比較して、異常を確実に検知することができる。
また、センサ51Aの数はスイッチング素子12の数よりも少ないので、各スイッチング素子12に対してそれぞれセンサ51Aを設ける場合と比較して回路構成を簡略化することができる。
[2.2.動作]
図6は、正常な場合での電力変換装置1Aの動作波形を示す。なお、本図や、後述の図7~9などにおいて横軸は時間を示し、縦軸は共通の電流経路を流れる電流Idや素子電流Id1,Id2,Id3、センサ51A(1),51A(2)で測定される誘起電圧Vm1,Vm2、判定部520(1),520(2)からの判定信号S5(1),S5(2)、検知部52からの検知信号S2、遮断制御部55における遮断信号S3を示す。
時点t40において制御信号S4がハイレベルになり各スイッチング素子12がターンオンされると、共通の電流経路の電流Idと、スイッチング素子12(1),12(2),12(3)の素子電流Id1,Id2,Id3とがそれぞれ上昇する。本動作例においては、素子電流Id1,Id2の差に応じて生じる誘起電圧Vm1が基準範囲内であるため、判定信号S5(1)がローレベルに維持される。また、素子電流Id1,Id3の差に応じて生じる誘起電圧Vm2が基準範囲内であるため、判定信号S5(2)がローレベルに維持される。これにより、検知信号S2がローレベルに維持され、遮断信号S3はハイレベルに維持される。そして、時点t45において制御信号S4がローレベルになり各スイッチング素子12がターンオフされ、電流Id,Id1,Id2,Id3が0となる。
図7は、異常が生じた場合での電力変換装置1Aの動作波形を示す。時点t50において制御信号S4がハイレベルになり各スイッチング素子12がターンオンされると、共通の電流経路の電流Idと、スイッチング素子12(1)の素子電流Id1と、スイッチング素子12(2)の素子電流Id2とがそれぞれ上昇する。本動作例においては、スイッチング素子12(3)が故障する結果、素子電流Id3は上昇しないため、素子電流Id1,Id3の差に応じて生じる誘起電圧Vm2が基準範囲外となる。これにより、時点t50から基準時間経過後の時点t51において、異常が生じたことが検知部52により検知され、判定信号S5(2)および検知信号S2がハイレベルとなる。そして、時点t52において遮断信号S3がローレベルとなる結果、時点t55において、各スイッチング素子12に流れる電流が遮断される。
図8は、異常が生じた場合での電力変換装置1Aの他の動作波形を示す。時点t60において制御信号S4がハイレベルになり各スイッチング素子12がターンオンされると、共通の電流経路の電流Idと、スイッチング素子12(2)の素子電流Id2と、スイッチング素子12(3)の素子電流Id3とがそれぞれ上昇する。本動作例においては、スイッチング素子12(1)が故障する結果、素子電流Id1は上昇しないため、素子電流Id1,Id2の差に応じて生じる誘起電圧Vm1と、素子電流Id1,Id3の差に応じて生じる誘起電圧Vm2とが基準範囲外となる。これにより、時点t60から基準時間経過後の時点t61において、異常が生じたことが検知部52により検知され、判定信号S5(1),S5(2)および検知信号S2がハイレベルとなる。そして、時点t62において遮断信号S3がローレベルとなる結果、時点t65において、各スイッチング素子12に流れる電流が遮断される。
図9は、異常が生じた場合での電力変換装置1Aの他の動作波形を示す。時点t70において制御信号S4がハイレベルになり各スイッチング素子12がターンオンされると、共通の電流経路の電流Idと、スイッチング素子12(1)の素子電流Id1とがそれぞれ上昇する。本動作例においては、スイッチング素子12(2)とスイッチング素子12(3)とが故障する結果、素子電流Id2,Id3は上昇しないため、素子電流Id1,Id2の差に応じて生じる誘起電圧Vm1と、素子電流Id1,Id3の差に応じて生じる誘起電圧Vm2とが基準範囲外となる。これにより、時点t70から基準時間経過後の時点t71において、異常が生じたことが検知部52により検知され、判定信号S5(1),S5(2)および検知信号S2がハイレベルとなる。そして、時点t72において遮断信号S3がローレベルとなる結果、時点t75において、各スイッチング素子12に流れる電流が遮断される。
[2.3.第2の実施形態の変形例]
[2.3.1.第2の実施形態の変形例(1)]
図10は、第2の実施形態の変形例(1)に係る電力変換装置1Bを示す。
電力変換装置1Bは、並列接続されたn個(但し、nは2以上の整数であり、本実施形態では一例として3)のスイッチング素子12,…(スイッチング素子12(1),12(2),12(3)とも称する)と、各スイッチング素子12,…に対応付けられた駆動装置5Bとを備える。
各スイッチング素子12,…は、共通の電流経路から分岐した複数の並列な電流経路1021B,…に設けられてよい。共通の電流経路は、電源出力端子105に接続される出力用の電流経路であってもよいし、負側電源線102であってもよい。共通の電流経路に流れる電流は、スイッチング素子12(1)を通る電流経路1021B(電流経路1021B(1)とも称する)に流れる電流Id1と、スイッチング素子12(2)を通る電流経路1021B(電流経路1021B(2)とも称する)に流れる電流Id2と、スイッチング素子12(3)を通る電流経路1021B(電流経路1021B(3)とも称する)に流れる電流Id3とに分流してよい。
各電流経路1021B,…は、他の電流経路1021Bとの間で互いに逆向きに電流を流すように配置された逆並列部分510を有してよい。逆並列部分510は、複数の電流経路1021Aのうち第Nのスイッチング素子12(N)(但し、Nは1≦N≦n-1の各整数)を通る電流経路1021A(N)と、第N+1のスイッチング素子12(N+1)を通る電流経路1021A(N+1)との間に設けられてよい。本実施形態では一例として、逆並列部分510は、電流経路1021A(1)および電流経路1021A(2)の間に設けられ、電流経路1021A(2)および電流経路1021A(3)の間に設けられてよい。逆並列部分510の電流経路1021B同士は互いに逆平行に配置されてよい。逆並列部分510の電流経路1021B同士は、互いに差動的に作用して磁界を打ち消し合うべく、隣接して配置されてよい。
駆動装置5Bは、複数のセンサ51Bと、検知部52Aと、遮断制御部55とを有する。複数のセンサ51Bの数は、複数のスイッチング素子12の数よりも少なくてよく、n-1個(本実施形態においては一例として2個)であってよい。
各センサ51Bは、第1の実施形態におけるセンサ51と同様のセンサであってよい。複数のセンサ51Bは、複数のスイッチング素子12のうち第Nのスイッチング素子12を通る電流経路1021と、第N+1のスイッチング素子12を通る各電流経路1021とに流れる電流の差に応じたパラメータを測定してよい。一例として、n-1個のセンサ51Bのうち、第1のセンサ51B(1)は、第1のスイッチング素子12(1)を通る電流経路1021B(1)と、第2のスイッチング素子12(2)を通る電流経路1021B(2)との逆並列部分510に流れる総電流に応じた誘起電圧Vm1を測定してよい。第2のセンサ51B(2)は、第2のスイッチング素子12(2)を通る電流経路1021B(2)と、第3のスイッチング素子12(3)を通る電流経路1021B(3)との逆並列部分510に流れる総電流に応じた誘起電圧Vm2を測定してよい。
[2.3.2.第2の実施形態の変形例(2)]
図11は、第2の実施形態の変形例(2)に係る電力変換装置1Cを示す。
電力変換装置1Cは、並列接続された4つ以上(本実施形態においては一例として4つ)のスイッチング素子12,…(スイッチング素子12(1),12(2),12(3),12(4)とも称する)と、各スイッチング素子12,…に対応付けられた駆動装置5Cとを備える。
各スイッチング素子12,…は、共通の電流経路から分岐した複数の並列な電流経路1021C,…に設けられてよい。共通の電流経路は、電源出力端子105に接続される出力用の電流経路であってもよいし、負側電源線102であってもよい。本実施形態における電流経路は、段階的に分岐して枝分かれ構造、階層構造を形成してよい。例えば、共通の電流経路は、2以上の同数のスイッチング素子12,…に至る少なくとも1対の電流経路1021Dに1回または複数回、分岐してよい。これに加えて、分岐した電流経路1021は、それぞれスイッチング素子12を通る電流経路1021Cに分岐してよい。
本実施形態においては一例として、共通の電流経路は、2つのスイッチング素子12(1),12(2)に至る電流経路1021D(1)と、2つのスイッチング素子12(3),12(4)に至る電流経路1021D(2)とに1回、分岐してよい。このうち電流経路1021D(1)は、スイッチング素子12(1)を通る電流経路1021C(1)と、スイッチング素子12(2)を通る電流経路1021C(2)とに分岐してよい。電流経路1021D(2)は、スイッチング素子12(3)を通る電流経路1021C(3)と、スイッチング素子12(4)を通る電流経路1021C(4)とに分岐してよい。これにより、共通の電流経路に流れる電流Idは、電流経路1021D(1)に流れる電流Id10(=Id1+Id2)と、電流経路1021D(2)に流れる電流Id20(=Id3+Id4)等とに分流してよい。電流経路1021D(1)に流れる電流Id10は、電流経路1021C(1)に流れる電流Id1と、電流経路1021C(2)に流れる電流Id2とに分流してよい。電流経路1021D(2)に流れる電流Id20は、電流経路1021C(3)に流れる電流Id3と、電流経路1021C(4)に流れる電流Id4とに分流してよい。
各電流経路1021Dは、他の電流経路1021Dとの間で互いに逆向きに電流を流すように配置された逆並列部分510Dを有してよい逆並列部分510Dの電流経路1021D同士は互いに逆平行に配置されてよい。逆並列部分510Dの電流経路1021D同士は、互いに差動的に作用して磁界を打ち消し合うべく、隣接して配置されてよい。
各電流経路1021C,…は、他の電流経路1021Cとの間で互いに逆向きに電流を流すように配置された逆並列部分510Cを有してよい。逆並列部分510Cは、複数の電流経路1021Cのうち一のスイッチング素子12を通る電流経路1021Cと、当該一のスイッチング素子12とは異なるスイッチング素子12を通る電流経路1021Cとの間に設けられてよい。一例として、逆並列部分510Cは、共通の電流経路1021Dから分岐した電流経路1021C,1021Cの間に設けられてよい。逆並列部分510Cの電流経路1021C同士は互いに逆平行に配置されてよい。逆並列部分510Cの電流経路1021C同士は、互いに差動的に作用して磁界を打ち消し合うべく、隣接して配置されてよい。
駆動装置5Cは、複数のセンサ51Cと、検知部52Cと、遮断制御部55とを有する。複数のセンサ51Cの数は、複数のスイッチング素子12の数よりも少なくてよい。本実施形態においては一例として、複数のセンサ51Cの個数は3、複数のスイッチング素子12の個数は4であってよい。
各センサ51Cは、第1の実施形態におけるセンサ51と同様のセンサであってよい。複数のセンサ51Cのうち少なくとも1つのセンサ51C(センサ51C(10)とも称する)は、少なくとも1対の電流経路1021Dに流れる電流の差に応じたパラメータを測定してよい。別言すれば、センサ51C(10)は、電流経路1021D,1021Cの階層構造のうち、上位階層の電流経路1021Dの逆並列部分510に流れる総電流に応じたパラメータを測定してよい。本実施形態においては一例として、センサ51C(10)は、電流経路1021D(1)と、電流経路1021D(2)との逆並列部分510に流れる総電流に応じた誘起電圧Vm10を測定する。
また、センサ51C(10)以外の各センサ51Cは、複数の電流経路1021Cのうち、互いに異なる一対の電流経路1021C,1021Cに流れる電流の差に応じたパラメータを測定してよい。本実施形態においては一例として、第1のセンサ51C(1)は、電流経路1021C(1)と、電流経路1021C(2)との逆並列部分510に流れる総電流に応じた誘起電圧Vm1を測定する。また、第2のセンサ51C(2)は、電流経路1021C(3)と、電流経路1021C(4)との逆並列部分510に流れる総電流に応じた誘起電圧Vm2を測定する。
検知部52Cは、各センサ51Cと1対1で対応する3つの判定部520と、ORゲート521とを有してよい。
[3.他の変形例]
なお、上記の第1および第2の実施形態においては、駆動装置5,5A~5Cは、駆動部50および遮断制御部55を有することとして説明したが、これらの少なくとも一方を有しなくてもよい。駆動装置5,5A~5Cは、駆動部50や遮断制御部55を有しない場合には、センサ51,51A~51Cによる測定パラメータが基準範囲外となったことに応じて、異常が生じたことを示す検知信号S2を外部出力してよい。
また、センサ51,51A~51Cは、並列接続されたスイッチング素子12の素子電流の差に応じたパラメータを測定することとして説明したが、並列接続された他の種類の半導体素子(一例としてダイオードや発光ダイオード)の素子電流の差に応じたパラメータを測定してもよい。この場合には、遮断制御部55は、並列接続された半導体素子とは別個のスイッチング素子を駆動して、並列接続された半導体素子に流れる電流を遮断してよい。また、駆動装置5,5A~5Cは、電力変換装置1,1A~1Cとは異なる種類の装置に具備されてもよい。
また、センサ51,51A~51Cがスイッチング素子12のドレイン側に設けられることとして説明したが、ソース側に設けられてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1 電力変換装置
2 駆動装置
5 駆動装置
11 スイッチング素子
12 スイッチング素子
50 駆動部
51 センサ
52 検知部
55 遮断制御部
101 正側電源線
102 負側電源線
105 電源出力端子
510 逆並列部分
520 判定部
521 ORゲート
550 NOTゲート
551 ANDゲート
1011 電流経路
1021 電流経路

Claims (11)

  1. 共通の電流経路から分岐して、並列接続された複数の半導体素子のうち一の半導体素子を通る電流経路と、他の半導体素子を通る電流経路とに流れる電流の差に応じたパラメータを測定するセンサと、
    前記センサにより測定された前記パラメータが基準範囲外となったことに応じて、異常が生じたことを検知する検知部と、
    を備える、装置。
  2. 前記センサは、前記共通の電流経路から分岐して前記一の半導体素子を通る電流経路と、前記他の半導体素子を通る電流経路との間で互いに電流を逆向きに流すよう配置された逆並列部分の総電流に応じた前記パラメータを測定する、請求項1に記載の装置。
  3. 複数の前記センサを備え、
    前記複数のセンサのそれぞれは、前記共通の電流経路から分岐して前記複数の半導体素子のそれぞれを通る複数の電流経路のうち、互いに異なる一対の電流経路に流れる電流の差に応じた前記パラメータを測定する、請求項1に記載の装置。
  4. 前記複数のセンサの数は、前記複数の半導体素子の数よりも少ない、請求項3に記載の装置。
  5. 前記複数のセンサは、前記複数の半導体素子のうち、前記一の半導体素子を通る電流経路と、当該一の半導体素子とは異なる各半導体素子を通る電流経路とに流れる電流の差に応じた前記パラメータを測定する、請求項3または4に記載の装置。
  6. 前記複数の半導体素子はn個(但しnは2以上の整数)の半導体素子を有し、
    前記複数のセンサは、前記複数の半導体素子のうち第Nの半導体素子(但し、Nは1≦N≦n-1の各整数)を通る電流経路と、第N+1の半導体素子を通る各電流経路とに流れる電流の差に応じた前記パラメータを測定する、請求項3または4に記載の装置。
  7. 前記複数のセンサは、前記共通の電流経路から分岐して前記複数の半導体素子のうち2以上の同数の半導体素子へと至る少なくとも1対の電流経路に流れる電流の差に応じた前記パラメータを測定する少なくとも1つの前記センサを有する、請求項3または4に記載の装置。
  8. 前記検知部は、少なくとも1つの前記センサにより測定された前記パラメータが基準範囲外となったことに応じて、異常が生じたことを検知する、請求項3または4に記載の装置。
  9. 前記検知部は、前記複数の半導体素子に対するターンオン信号の入力タイミングから基準時間が経過するタイミングで、前記センサにより測定された前記パラメータが前記基準範囲外となるか否かを検知する、請求項1に記載の装置。
  10. それぞれスイッチング素子である前記複数の半導体素子と、
    請求項1に記載の装置と、
    を備える電力変換装置。
  11. 各半導体素子は、ワイドバンドギャップ半導体素子である、請求項10に記載の電力変換装置。
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