JP2023179266A - 緩勾配積みブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】緩勾配の法面に対しても単体で自立・安定した積み重ねを実現し、壁高5メートル以上となる擁壁の構築にも対応可能であると共に、裏込め砕石の敷均し・整形が困難な法面に対しても施工が可能な緩勾配積みブロックを提供する。【解決手段】本発明に係る緩勾配積みブロック1は、勾配が1割以上の法面Sに対し、自立して積み重ねられて擁壁を形成する緩勾配積みブロック1であって、擁壁面となる傾斜面11が前部に設けられた本体部10と、本体部10の後方位置に設けられた型枠構成部40と、本体部10の後部と型枠構成部40の前部とを連結する複数の脚部21、22、23とを備え、型枠構成部40は、前部に傾斜面11と平行に形成される型枠構成面41と、本体部10の下面10bと同一面内に形成される下面40bと、を有して、長手方向と直交する断面が三角形状もしくは台形状に形成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、緩勾配の法面に対し、自立して積み重ねられて擁壁を形成する緩勾配積みブロックに関する。
従来より、河川等の法面に擁壁を形成する際に使用される自立式すなわち自立して積み重ねられる積みブロックが知られている(特許文献1:特開2003-193452号公報参照)。
特開2003-193452号公報
自立式の積みブロックは、大掛かりな足場を建設することなく積み重ねられるため、施工性の向上を図ることができる。ここで、特許文献1に例示されるように、1割未満(傾斜角度が45°超)の急勾配の法面に使用する自立式の積みブロックは、その実現も可能であった。これに対して、1割以上(傾斜角度が45°以下)の緩勾配の法面に使用する自立式の積みブロック(本願において、「緩勾配積みブロック」と称する)は、以下に示す課題によって、その実現が困難とされていた。先ず、上段に配置される積みブロックは、段数が増加するほど自立性が低下して背面側に転倒してしまう課題があった(特に壁高5メートル以上の構築は現実的には不可能とされていた)。
また、緩勾配の法面は、積みブロックの背面に設ける裏込め砕石に対して物理的に転圧できないという課題があった。特に1割の勾配となると、裏込め砕石が崩れてきてしまい、配置した場所に留まらないためである。(仮に、土のみならば建設機械のバケット部等を用いて転圧が可能であることはいうまでもない)。
したがって、従来は、積みブロックの背面にサポート部材を設置して転倒防止のための固定を行い、且つ、所定位置(裏込め砕石の前面と積みブロックの後面との中間となる位置)に型枠材(いわゆる抜き型枠等)を入れ、型枠材の前面側に生コン、型枠材の背面側に裏込め砕石を投入しながら当該積みブロックを積み重ねていくしかなかった。特に背面のサポート部材を設置する足場は沈下が生じ易く、積みブロックの前面の勾配を一定に保つことが難しいため、非常に難易度の高い工事となっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、緩勾配(1割以上の勾配)の法面に対しても単体で自立・安定した積み重ねを実現し、壁高5メートル以上となる擁壁の構築にも対応可能であると共に、裏込め砕石の敷均し・整形が困難な法面に対しても正確且つ容易に施工が可能な緩勾配積みブロックを提供することを目的とする。
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
一実施形態に係る緩勾配積みブロックは、勾配が1割以上の法面に対し、自立して積み重ねられて擁壁を形成する緩勾配積みブロックであって、擁壁面となる傾斜面が前部に設けられた本体部と、前記本体部の後方位置に設けられた型枠構成部と、前記本体部の後部と前記型枠構成部の前部とを連結する複数の脚部と、を備え、前記型枠構成部は、前部に前記傾斜面と平行に形成される型枠構成面と、前記本体部の下面と同一面内に形成される下面と、を有して、長手方向と直交する断面が三角形状もしくは台形状に形成されていることを特徴とする。
これによれば、緩勾配の法面に対して、複数の緩勾配積みブロックが上下方向に自立して積み重ねられて、本体部の傾斜面が擁壁面となる擁壁を構築することができる。その場合、積み重ねられる垂直方向高さが5メートル以上に設定される構成も可能となる。従来は、勾配が1割以上の法面に対し、垂直方向高さが5メートル以上まで自立して積み重ねられる積みブロックの実現が困難であったが、その実現が可能となる。
また、前記本体部の側面、および前記型枠構成部の側面には、同一の軸心と同一の内径とを有して前後方向に穿設される配管設置孔が形成されていることが好ましい。これによれば、配管設置孔内に、対応する外径の配管を設置することが可能となる。したがって、法面側の裏込め砕石等における滞留水を、配管を通過させて擁壁面の外方へ排出することが可能となる。
また、前記脚部は、上面に左右の側面まで至るように穿設された上部溝を有し、且つ、下面に左右の側面まで至るように穿設された下部溝を有し、前記上部溝と、前記下部溝とは、前記傾斜面が連続面となるように複数の前記緩勾配積みブロックが上下方向に積み重ねられる場合に、前後方向において同一位置となるように配設されると共に、組み合わされた状態で、左右の空間を連通して胴込めコンクリートを通流させる連通孔を構成することが好ましい。これによれば、脚部間のいずれかの空間部において、胴込めコンクリートの込め不足が発生した場合にも、隣接する空間部から連通孔を介して胴込めコンクリートが補充されるため、施工不良の発生を防止することが可能となる。
また、他の実施形態に係る緩勾配積みブロックは、勾配が1割以上の法面に対し、自立して積み重ねられて擁壁を形成する緩勾配積みブロックであって、擁壁面となる傾斜面が前部に設けられた本体部と、前記本体部の後部から後方へ延設された第1脚部および第2脚部と、を備え、前記第1脚部および前記第2脚部は、それぞれ、互いに対向する内面に型枠材を係止させる内側係止部を有することを特徴とする。
これによれば、緩勾配の法面に対して、複数の緩勾配積みブロックが上下方向に自立して積み重ねられて、本体部の傾斜面が擁壁面となる擁壁を構築することができる。その場合、積み重ねられる垂直方向高さが5メートル以上に設定される構成も可能となる。従来は、勾配が1割以上の法面に対し、垂直方向高さが5メートル以上まで自立して積み重ねられる積みブロックの実現が困難であったが、その実現が可能となる。
また、前記内側係止部は、前記傾斜面から所定距離の位置に、前記傾斜面と同一傾斜角度で形成される係止面を有することが好ましい。これによれば、緩勾配積みブロックの内側係止部に型枠材を係止させた状態で、胴込めコンクリートおよび裏込め砕石をそれぞれ型枠材の前後に込める作業を順次実施するだけで、最終的に上下方向に積み重ねられた勾配積みブロックにより構築される擁壁において、連続する胴込めコンクリートの層および連続する裏込め砕石の層を均等な厚さで形成することが可能となる。
また、前記第1脚部および前記第2脚部は、それぞれ、前記内側係止部として、前記傾斜面からの距離が相対的に短い第1内側係止部と、相対的に長い第2内側係止部と、を有することが好ましい。これによれば、型枠材の係止位置が2通りに設定可能となる。さらに、壁高や設計条件に応じて、裏込めコンクリートの有無等に対応する構成が容易に実現可能となる。
また、前記第1脚部および前記第2脚部は、それぞれ、前記内面と逆向きの外面に、前記内側係止部と左右対称となる構成の外側係止部を有することが好ましい。これによれば、隣接する緩勾配積みブロック同士の間においても、外側係止部に型枠材を係止させることによって胴込めコンクリートおよび裏込め砕石の層を、第1脚部と第2脚部との間と同じ構成で形成することができる。
また、前記傾斜面が連続面となるように複数の前記緩勾配積みブロックが所定隙間以下で左右方向に並設される場合に、隣接する一方の前記緩勾配積みブロックにおける前記第1脚部の前記外面と、隣接する他方の前記緩勾配積みブロックにおける前記第2脚部の前記外面との間隔が、各前記緩勾配積みブロックにおける前記第1脚部の前記内面と前記第2脚部の前記内面との間隔に対して一致するように構成されており、隣接する一方の前記緩勾配積みブロックにおける前記第1脚部の前記外側係止部と、隣接する他方の前記緩勾配積みブロックにおける前記第2脚部の前記外側係止部とによって型枠材を係止可能に構成されていることが好ましい。これによれば、内側係止部に係止させる型枠材と、外側係止部に係止させる型枠材とを、同一形状にすることができるため、施工性の向上と、型枠材の不適合による施工不良の防止を図ることができる。
また、前記傾斜面が連続面となるように複数の前記緩勾配積みブロックが上下方向に積み重ねられる場合に、相互に係合されて位置決め作用をなす係合突起および係合溝が設けられており、前記係合突起は前記第1脚部の上面および前記第2脚部の上面に配置され、前記係合溝は前記本体部の下面に配置されていることが好ましい。これによれば、下になる緩勾配積みブロックの係合突起と、上になる緩勾配積みブロックの係合溝とを係合させるだけで、それぞれの傾斜面が連続面となるように適切に、且つ、簡易に位置決めを行うことができる。さらに、係合溝が、第1脚部および第2脚部ではなく本体部に配置される構成とすることによって、第1脚部および第2脚部の強度低下を防ぐことができる。
また、少なくとも前記傾斜面がポーラス状コンクリートによって形成されていることが好ましい。これによれば、擁壁面の明度を低下させると共に、吸音効果を高めることができるため、景観性・環境性に優れた擁壁を実現することができる。
本発明によれば、緩勾配すなわち1割以上の勾配を有する法面に対しても、単体で自立・安定した積み重ねを実現することができ、特に、壁高5メートル以上となる擁壁の構築も可能となる。さらに、裏込め砕石の敷均し・整形が困難な法面に対しても正確且つ容易な施工が可能となる。
本発明の第一の実施形態に係る緩勾配積みブロックの例を示す斜視図である。 図1の緩勾配積みブロックの例を示す斜視図である。 図1の緩勾配積みブロックの例を示す斜視図である。 図1の緩勾配積みブロックが上下方向に積み重ねられた状態の例を示す斜視図である。 図1の緩勾配積みブロックを用いて擁壁を構築する場合の構成例(施工例)を示す説明図(側面視の断面図)である。 本発明の第二の実施形態に係る緩勾配積みブロックの例を示す斜視図である。 図6の緩勾配積みブロックの配管設置孔の例を示す斜視図である。 図6の緩勾配積みブロックを用いて擁壁を構築する場合の構成例(施工例)を示す説明図(側面視の断面図)である。
(第一の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第一の実施形態について詳しく説明する。図1は本実施形態に係る緩勾配積みブロック1の例を示す上面側斜視図(概略図)であり、図2は下面側斜視図(概略図)であり、図3は後部側斜視図(概略図)である。また、図4は緩勾配積みブロック1が上下方向に積み重ねられた状態の例を示す斜視図(構造を分かり易くするため、型枠材、胴込めコンクリート、裏込め砕石は不図示)である。また、図5は緩勾配積みブロック1を用いて擁壁を構築する場合の構成例を示す説明図(側面視の断面図)である。なお、説明の便宜上、図中において矢印により緩勾配積みブロック1の前後、左右、および上下方向を示している。また、各実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
この緩勾配積みブロック1は、緩勾配(すなわち、勾配が1割以上)の法面に対し、自立して積み重ねられて擁壁を形成するものであり、主として河川の法面を保護する目的で使用される。ただし、対象は河川の法面に限定されるものではなく、また、擁壁には、砂防ダム、堰、堤、等を構成する場合も含まれる。
構成例として、緩勾配積みブロック1は、擁壁面となる傾斜面11が前部に設けられた本体部10と、本体部10の後部(具体的には、背面10a)から水平方向後方へ延設された略角柱状の第1脚部21および第2脚部22と、を備えている。この緩勾配積みブロック1は、プレキャストコンクリート製である。なお、必要に応じて、内部に鉄筋等の補強部材が配設される。また、緩勾配積みブロック1の外形寸法は特に限定されないが、一例として、高さ250mm、左右長さ2000mm、前後長さ1000mmに形成されている。
本実施形態において、傾斜面11は水平状の下面10bに対して所定の傾斜角度θ(一例として、施工対象となる法面Sの勾配と一致するように設定される)をなしている(例えば、法面Sの勾配が1割の場合、θ=45°に設定される)。
これによれば、図4に示すように、緩勾配の法面Sに対して、複数の緩勾配積みブロック1が上下方向に自立して積み重ねられて、傾斜面11が擁壁面をなす擁壁の構築が可能となる。なお、通常は、基礎コンクリートFを打設して、その上に緩勾配積みブロック1が積み重ねられる。
ここで、傾斜面11が連続面となるように当該緩勾配積みブロック1が上下方向に積み重ねられる際に、相互に係合されて位置決め作用をなす係合突起12および係合溝13が設けられている。一例として、係合突起12は第1脚部21の上面21cおよび第2脚部22の上面22cに配置され、係合溝13は本体部10の下面10bに配置されている。
これによれば、下になる緩勾配積みブロック1の係合突起12と、上になる緩勾配積みブロック1の係合溝13とを係合させるだけで、それぞれの傾斜面11が連続面となるように適切に、且つ、簡易に位置決めを行うことができる。さらに、係合溝13が、第1脚部21および第2脚部22ではなく本体部10に配置される構成とすることによって、第1脚部21および第2脚部22の強度低下を防ぐことができる。
なお、緩勾配積みブロック1は、少なくとも傾斜面11がポーラス状コンクリートによって形成されていることが好ましい。これによれば、擁壁面の明度を低下させると共に、吸音効果を高めることができるため、景観性・環境性に優れた擁壁を実現することができる。
次に、第1脚部21および第2脚部22は、それぞれ、互いに対向する内面21a、22aに型枠材Pを係止させる内側係止部23、24を有している(図3、図5参照)。具体的に、第1脚部21は、第2脚部22に対向する内面21aに内側係止部23を有している。一方、第2脚部22は、第1脚部21に対向する内面22aに内側係止部24を有している。この内側係止部23と内側係止部24とは左右方向において対称となる形状に形成されている。なお、「型枠材」とは、樹脂や木材等からなる板状に形成された施工用の資材であって、施工後に抜き取りを行う「抜き型枠」、もしくは施工後に抜き取りを行わずに残存させる「残存型枠」の両方の場合が含まれる(図5は残存型枠の場合を示す)。
一例として、内側係止部23、24は、傾斜面11から所定距離の位置に、当該傾斜面11と同一傾斜角度で形成される係止面27、28を有している。具体的に、第1脚部21の内側係止部23は、係止面27を有している。一方、第2脚部22の内側係止部24は、係止面28を有している。前述の通り、係止面27と係止面28とは左右方向において対称となる形状に形成されている。
上記の構成によれば、緩勾配積みブロック1の内側係止部23、24に型枠材Pを係止させた状態で、型枠材Pの前方側に胴込めコンクリートCを、後方側に裏込め砕石Bを、それぞれ込めることができる。この工程の実施後に、別の緩勾配積みブロック1を積み重ねて、同様の工程を実施する。これを設定回数、繰り返すだけで、最終的に、図5に示すように上下方向に積み重ねられた緩勾配積みブロック1による擁壁において、連続する胴込めコンクリートCの層および連続する裏込め砕石Bの層を、それぞれ均等な厚さで形成することが可能となる。
また、本実施形態に係る第1脚部21および第2脚部22は、それぞれ、内側係止部23、24として、傾斜面11からの距離が相対的に短い第1内側係止部23A、24Aと、相対的に長い第2内側係止部23B、24Bと、を有している。具体的に、第1脚部21の内側係止部23は、傾斜面11からの距離が相対的に短い第1内側係止部23Aと、相対的に長い第2内側係止部23Bと、を有している。一方、第2脚部22の内側係止部24は、傾斜面11からの距離が相対的に短い第1内側係止部24Aと、相対的に長い第2内側係止部24Bと、を有している。これによれば、壁高や設計条件に応じて、型枠材の係止位置を2通りに設定することが可能となる。
また、本実施形態に係る第1脚部21および第2脚部22は、内面21a、22aと逆向きの外面21b、22bに、内側係止部23、24と左右対称となる構成の外側係止部25、26を有している(図3、図5参照)。ここで、第1脚部21の外側係止部25は、係止面29を有している。一方、第2脚部22の外側係止部26は、係止面30を有している。具体的に、第1脚部21は、外面21bにおいて、第1内側係止部23Aと左右対称の第1外側係止部25A、および第2内側係止部23Bと左右対称の第2外側係止部25Bを有している(したがって、係止面27Aと左右対称の係止面29A、および係止面27Bと左右対称の係止面29Bを有している)。一方、第2脚部22は、外面22bにおいて、第1内側係止部24Aと左右対称の第1外側係止部26A、および第2内側係止部24Bと左右対称の第2外側係止部26Bを有している(したがって、係止面28Aと左右対称の係止面30A、および係止面28Bと左右対称の係止面30Bを有している)。
ここで、傾斜面11が連続面となるように複数の緩勾配積みブロック1が所定寸法の隙間以下で左右方向に並設される場合に、隣接する一方の緩勾配積みブロック1における第1脚部21の外側係止部25と、隣接する他方の緩勾配積みブロック1における第2脚部22の外側係止部26とによって型枠材Pを係止可能に構成されている。
これによれば、隣接する緩勾配積みブロック1同士の間においても、外側係止部25、26に型枠材Pを係止させることによって、胴込めコンクリートCおよび裏込め砕石Bの層を形成することができる。また、その際、各緩勾配積みブロック1における第1脚部21と第2脚部22との間に形成される胴込めコンクリートCおよび裏込め砕石Bの層に対し、同じ構成(位置、厚さ)で形成することができる。
さらに、本実施形態においては、隣接する一方の緩勾配積みブロック1における第1脚部21の外面21bと、隣接する他方の緩勾配積みブロック1における第2脚部22の外面22bとの間隔が、各緩勾配積みブロック1における第1脚部21の内面21aと第2脚部22の内面22aとの間隔に対して一致するように(すなわち、同一の距離となるように)構成されている。
これによれば、内側係止部23、24に係止させる型枠材Pと、外側係止部25、26に係止させる型枠材Pとを、同一形状にすることができるため、型枠材Pのコストダウン、ならびに、施工性の向上および型枠材Pの不適合による施工不良の防止を図ることができる。
(第二の実施形態)
続いて、本発明の第二の実施形態に係る緩勾配積みブロック1について説明する。本実施形態に係る緩勾配積みブロック1は、前述の第一の実施形態に対して課題や基本的な構成は同様であるが、特に、型枠構成部40を備える構成等において相違点を有する。以下、当該相違点を中心に本実施形態について説明する。ここで、図6は、本実施形態に係る緩勾配積みブロック1の構成例を示す斜視図(概略図)である。
本実施形態に係る緩勾配積みブロック1は、本体部10の後方となる位置に型枠構成部40を備えている。また、本体部10の後部(背面10a)と型枠構成部40の前部(後述の傾斜面41)とを連結する複数の脚部を備えている。一例として、第1脚部21、第2脚部22、および第3脚部23の3個の脚部を備えている。これにより、2個の脚部の場合よりも各脚部をコンパクト化しつつ、ブロック全体としての強度向上を図ることができる。ただし、この構成に限定されるものではなく、脚部は2個もしくは4個以上としてもよい(不図示)。
型枠構成部40は、前部(ただし、上記脚部21、22、23との連結位置を除く)に、本体部10の傾斜面11と平行に形成される傾斜面41を備えている。当該傾斜面41は、「型枠構成面」を構成する。すなわち、前述の第一の実施形態のように脚部間に型枠を係止させることなく、当該型枠構成面41を型枠として作用させることができるため、そのままの状態で脚部間の空間部51、52、53、54に胴込めコンクリートCを込めることができる。別途、型枠を準備して組込む作業が不要となるため、コストの低減および施工性の向上が可能となる。なお、一例として、傾斜面11と傾斜面41との距離は350mmに設定されているが、これに限定されるものではなく、設計条件等に応じて、その他の寸法(例えば、450mm等)に設定してもよい。
また、型枠構成部40は、本体部10の下面10bと同一面内に形成される下面40bを備えると共に、長手方向と直交する断面が三角形状もしくは台形状に形成されている。なお、当該三角形状、台形状、いずれの場合にも、当該断面において、下面40bの両端から上方へ延びる2辺が相互に逆向きに傾斜(直角を含む)する形状に形成されている(本体部10の断面形状も同様である)。これによれば、1割以上の緩勾配の法面Sに対して、複数の緩勾配積みブロック1を上下方向に(特に、5メートル以上まで)、安定した状態で自立して積み重ねることが可能となる。
ここで、本実施形態に係る本体部10および型枠構成部40の変形例を図7(側面部分の拡大図)に示す。具体的には、図7(a)に示すように、本体部10の側面10cおよび型枠構成部40の側面40cにおいて、同一の軸心と同一の内径とを有して前後方向に穿設される配管設置孔42を備えている。これにより、図7(b)に示すように、当該配管設置孔42内に、対応する外径の配管Tを設置することができる。一例として、配管Tには樹脂(塩化ビニル等)製の円管が用いられる。そのため、配管設置孔42として、隣接する一方の緩勾配積みブロック1の側面10cと、隣接する他方の緩勾配積みブロック1の側面10cとが、それぞれ断面半円形に形成されており、隣接配置された際に合わさって円形の空間が形成される構成となっている。ただし、この構成に限定されるものではなく、矩形の空間が形成される構成としてもよく、また、配管Tに角管を用いてもよい。さらに、隣接する一方の緩勾配積みブロック1の側面10cのみに、配管設置孔42が穿設される構成としてもよい(いずれも不図示)。
これによれば、緩勾配積みブロック1が、特にポーラス状コンクリートではない通常コンクリートを用いて形成される場合に、施工(積層)後の法面S側(例えば、裏込め砕石B等)における滞留水を、配管Tを通過させて擁壁面(傾斜面11)の外方(前方)へ排出することが可能となる。
なお、配管設置孔42の変形例として、図7(c)に示すように、本体部10の側面10cの最前部位置に、ハンマー等で破砕可能な厚みを有する蓋部43を、例えば、傾斜面11と一体でコンクリート形成によって設ける構成としてもよい。これによれば、配管設置孔42に配管Tを設置する必要がない場合に、配管設置孔42を擁壁面(傾斜面11)に露出させないようにすることができるため、特に、美観の向上を図ることができる。
次に、本実施形態に係る第1脚部21は、上面21cに左右の側面21e、21fまで至るように穿設された上部溝45aを備え、且つ、下面21dに左右の側面21e、21fまで至るように穿設された下部溝45bを備えている。これと同様に、第2脚部22は、上面22cに側面22e、22fまで至る上部溝45aと、下面22dに側面22e、22fまで至る下部溝45bとを備えている。また、第3脚部23は、上面23cに側面23e、23fまで至る上部溝45aと、下面23dに側面23e、23fまで至る下部溝45bとを備えている。
ここで、傾斜面11が連続面となるように当該緩勾配積みブロック1が上下方向に積み重ねられる際に、対応する上下位置(すなわち、下方の第1脚部21と上方の第1脚部21、下方の第2脚部22と上方の第2脚部22、下方の第3脚部23と上方の第3脚部23)における、上部溝45aと、下部溝45bとが、前後方向において同一位置となるように配設されている。
これによれば、上記の積み重ね状態において、対応する(すなわち、同一位置に配設される)上部溝45aと、下部溝45bとが、組み合わされることにより、左右の空間部を連通する連通孔45が構成される(図8の施工図参照)。したがって、各空間部(図6に示す51、52、53、54)に込められる胴込めコンクリートCを、当該連通孔45を通過させて隣接する空間部へ通流させることができる。万一、いずれかの空間部において、胴込めコンクリートCの込め不足が発生した場合にも、隣接する空間部から連通孔45を介して胴込めコンクリートCが補充されるため、施工不良の発生を防止することが可能となる。なお、図8に示すように、最上部に天端コンクリートUが配設される構成としてもよい。
以上、説明した通り、本実施形態に係る緩勾配積みブロック1によれば、緩勾配の法面Sに対しても、単体で(すなわち、緩勾配積みブロック1以外の補助部材を必須構成とせずに)自立・安定した積み重ねが可能となる。特に、従来の自立式積みブロックでは対応が困難であった壁高(垂直方向高さ)5メートル以上となる施工現場にも対応できる点において、優位性を備えている。当該緩勾配積みブロック1は、勾配が1割以上、2割以下の緩勾配に対する使用が好適であり、さらに、勾配が1割以上、1割5分以下の緩勾配に対する使用がより一層好適である。なお、勾配が2割以上の緩勾配に対する使用も可能であるが、勾配が緩くなるほど(2割を超えて大きくなるほど)、壁高の制限が大きくなる(施工可能な高さが低くなる)。代表的な例として、勾配が1割の場合、設計条件にもよるが、壁高8メートル程度までは特別な対応なく適用可能である。
上記に加え、当該緩勾配積みブロック1は、水平積みで設置可能であるため、施工性、安全性も向上する。さらに、石工等の専門技能者を要せずに設置可能であるため、施工作業の制約が緩和される。
また、裏込め砕石Bの敷均し・整形が困難な法面Sに対しても、当該緩勾配積みブロック1を設置するだけで、裏込め砕石Bの施工を行うことが可能となる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。具体的に、上記の実施形態では、河川における法面を例として説明したが、これに限定されるものではなく、海岸、沢、道路等の場合にも同様に適用することが可能である。また、緩勾配の法面に好適に適用可能であるが、急勾配の法面に適用することも不可能ではない。
1 緩勾配積みブロック
10 本体部
11 傾斜面
21 脚部(第1脚部)
22 脚部(第2脚部)
23 脚部(第3脚部)
40 型枠構成部
41 傾斜面(型枠構成面)
42 配管設置孔
45 連通孔
45a 上部溝
45b 下部溝
B 裏込め砕石
C 胴込めコンクリート
S 法面

Claims (12)

  1. 勾配が1割以上の法面に対し、自立して積み重ねられて擁壁を形成する緩勾配積みブロックであって、
    擁壁面となる傾斜面が前部に設けられた本体部と、
    前記本体部の後方位置に設けられた型枠構成部と、
    前記本体部の後部と前記型枠構成部の前部とを連結する複数の脚部と、を備え、
    前記型枠構成部は、前部に前記傾斜面と平行に形成される型枠構成面と、前記本体部の下面と同一面内に形成される下面と、を有して、長手方向と直交する断面が三角形状もしくは台形状に形成されていること
    を特徴とする緩勾配積みブロック。
  2. 前記本体部の側面、および前記型枠構成部の側面には、同一の軸心と同一の内径とを有して前後方向に穿設される配管設置孔が形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の緩勾配積みブロック。
  3. 前記脚部は、上面に左右の側面まで至るように穿設された上部溝を有し、且つ、下面に左右の側面まで至るように穿設された下部溝を有し、
    前記上部溝と、前記下部溝とは、前記傾斜面が連続面となるように複数の前記緩勾配積みブロックが上下方向に積み重ねられる場合に、前後方向において同一位置となるように配設されると共に、組み合わされた状態で、左右の空間部を連通して胴込めコンクリートを通流させる連通孔を構成すること
    を特徴とする請求項1記載の緩勾配積みブロック。
  4. 前記複数の脚部として、3個の脚部を備えること
    を特徴とする請求項1記載の緩勾配積みブロック。
  5. 勾配が1割以上の法面に対し、自立して積み重ねられて擁壁を形成する緩勾配積みブロックであって、
    擁壁面となる傾斜面が前部に設けられた本体部と、
    前記本体部の後部から後方へ延設された第1脚部および第2脚部と、を備え、
    前記第1脚部および前記第2脚部は、それぞれ、互いに対向する内面に型枠材を係止させる内側係止部を有すること
    を特徴とする緩勾配積みブロック。
  6. 前記内側係止部は、前記傾斜面から所定距離の位置に、前記傾斜面と同一傾斜角度で形成される係止面を有すること
    を特徴とする請求項5記載の緩勾配積みブロック。
  7. 前記第1脚部および前記第2脚部は、それぞれ、前記内側係止部として、前記傾斜面からの距離が相対的に短い第1内側係止部と、相対的に長い第2内側係止部と、を有すること
    を特徴とする請求項5記載の緩勾配積みブロック。
  8. 前記第1脚部および前記第2脚部は、それぞれ、前記内面と逆向きの外面に、前記内側係止部と左右対称となる構成の外側係止部を有すること
    を特徴とする請求項5記載の緩勾配積みブロック。
  9. 前記傾斜面が連続面となるように複数の前記緩勾配積みブロックが所定隙間以下で左右方向に並設される場合に、隣接する一方の前記緩勾配積みブロックにおける前記第1脚部の前記外面と、隣接する他方の前記緩勾配積みブロックにおける前記第2脚部の前記外面との間隔が、各前記緩勾配積みブロックにおける前記第1脚部の前記内面と前記第2脚部の前記内面との間隔に対して一致するように構成されており、
    隣接する一方の前記緩勾配積みブロックにおける前記第1脚部の前記外側係止部と、隣接する他方の前記緩勾配積みブロックにおける前記第2脚部の前記外側係止部とによって型枠材を係止可能に構成されていること
    を特徴とする請求項8記載の緩勾配積みブロック。
  10. 前記傾斜面が連続面となるように複数の前記緩勾配積みブロックが上下方向に積み重ねられる場合に、相互に係合されて位置決め作用をなす係合突起および係合溝が設けられており、前記係合突起は前記第1脚部の上面および前記第2脚部の上面に配置され、前記係合溝は前記本体部の下面に配置されていること
    を特徴とする請求項5記載の緩勾配積みブロック。
  11. 積み重ねられる垂直方向高さが5メートル以上に設定されること
    を特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の緩勾配積みブロック。
  12. 少なくとも前記傾斜面がポーラス状コンクリートによって形成されていること
    を特徴とする請求項11記載の緩勾配積みブロック。
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