JP2023176950A - 溶接システムおよび溶接方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023176950000001
【課題】本発明によれば、仮付溶接を行った位置を溶接する場合において、良質な溶接を実現させる溶接システムおよび溶接方法を提供することができる。
【解決手段】本発明は、第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムであって、前記突合せ部を含む領域の形状データを取得する形状データ取得部と、前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出する仮付溶接検出部と、前記仮付溶接領域に対応する前記形状データを用いず、前記仮付溶接領域の外側領域に対応する前記形状データを用いて、前記溶接トーチの移動経路を生成する移動経路生成部と、を備える溶接システムである。

【選択図】図1

Description

本発明は溶接システムおよび溶接方法に関する。
溶接ロボットを用いて、溶接対象である二つの被溶接部材の端面を突合せ溶接する場合に、本溶接動作に先立って、仮付溶接を行って二つの被溶接部材の位置がズレないようにする技術が利用されている。また、仮付溶接を行った部分は、被溶接部材の端面が仮付溶接部により隠れてしまうため、仮付溶接に影響を受けずに、被溶接部材の端面に沿って適切な経路で本溶接を行うことが課題となっている。例えば、特許文献1には、本溶接と同時に端面を検出するレーザセンサによる検出結果が所定の基準値よりも大きくなった場合に、前の検出位置を溶接位置とする技術が開示されている。
特開2016-150349号公報
しかしながら、上記技術では、仮付溶接が行われた位置では、被溶接部材の端面が正確に判定できないため、本溶接すべき位置から実際の溶接パスの位置がずれて、溶接品質が悪化するという課題がある。または、仮付溶接の品質が一定程度確保されていないと被溶接部材の位置決めが適切にできず、溶接品質が悪化するという課題がある。
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、仮付溶接を行った位置を溶接する場合において、良質な溶接を実現させることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、
第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムであって、前記突合せ部を含む領域の形状データを取得する形状データ取得部と、前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出する仮付溶接検出部と、前記仮付溶接領域に対応する前記形状データを用いず、前記仮付溶接領域の外側領域に対応する前記形状データを用いて、前記溶接トーチの移動経路を生成する移動経路生成部と、を備える溶接システムである。
あるいは、
第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムであって、前記突合せ部を含む領域の形状データを取得する形状データ取得部と、前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出する仮付溶接検出部と、前記仮付溶接検出部で検出した前記仮付溶接領域に関する情報に基づいて、溶接可否を判定する溶接可否判定部を備える、溶接システムである。
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、仮付溶接を行った位置を溶接する場合において、良質な溶接を実現させる溶接システムおよび溶接方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る溶接システム100の全体構成例を示す図。 本実施形態に係る溶接システム100を用いて対象部材を計測する様子を示す図。 本実施形態に係る溶接システム100を用いて対象部材を溶接する様子を示す図。 端末1のハードウェアの構成例を示す図。 端末1の機能構成例を示す図。 本実施形態に係る仮付溶接検出部104による仮付溶接領域の検出処理の一例を示す図。 本実施形態に係る溶接可否判定基準記憶部124に記憶された情報の一例を示す図。 本実施形態に係る溶接可否判定基準記憶部124に記憶された仮付溶接の位置に関する条件の一例を示す図。 本実施形態に係る溶接可否判定基準記憶部124に記憶された仮付溶接の大きさに関する条件の一例を示す図。 本実施形態に係る溶接可否判定基準記憶部124に記憶された隣接する仮付溶接との距離に関する条件の一例を示す図。 本実施形態に係るトーチ位置・角度条件記憶部124に記憶されたトーチ位置と角度条件の一例を示す図。 オーバーラップ型においてトーチ位置と角度を決定する一例を示す図。 T型において、トーチ位置と角度を決定する一例を示す図。 J型において、トーチ位置と角度を決定する一例を示す図。 本実施形態に係るトーチ位置・角度条件記憶部124に記憶されたトーチ位置と角度条件の他の一例を示す図。 本実施形態に係る溶接システムの全体の制御フローを示す図。 T型において、作業予定ルートに沿って複数の円弧220を定義する例を示す図。 T型において、円弧220で定義された二次元平面における各部材の位置関係とギャップ距離計測の一例を示す図。 T型において、対象部材の相対位置が傾いた状態におけるギャップ距離計測の一例を示す図。 第1の端面201aと第2の端面202aとの任意の位置にP1―P4を指定する例を示す図。 第1および第2の対象部材201、202それぞれの終端を検出する例を示す図。 複数の基準線250を作成する例を示す図。 図22の部分拡大図を示す図。 段差検出する様子を示す図。 移動経路生成部106により生成した中点を繋いで溶移動経路を生成する例を示す図。 本発明の他の実施形態に係る溶接システム1000の全体構成例を示す図。
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば以下のような構成を備える。
[項目1]
第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムであって、
前記突合せ部を含む領域の形状データを取得する形状データ取得部と、
前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出する仮付溶接検出部と、
前記仮付溶接領域に対応する前記形状データを用いず、前記仮付溶接領域の外側領域に対応する前記形状データを用いて、前記溶接トーチの移動経路を生成する移動経路生成部と、を備える溶接システム。
[項目2]
項目1に記載の溶接システムにおいて、
前記形状データ取得部は、前記突合せ部分を含む領域の三次元点群データを計測し、
前記仮付溶接検出部は、前記三次元点群データに基づいて、第1の対象部材又は第2の対象部材の厚み方向に盛り上がった領域を前記仮付溶接領域と判定する、溶接システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の溶接システムにおいて、
前記仮付溶接領域の外側領域における前記第1の対象部材と前記第2の対象部材の間のギャップ距離を計測するギャップ計測部を備え、
前記移動経路生成部は、前記ギャップ計測部で計測したギャップ距離に基づいて前記溶接トーチの移動経路を生成する、溶接システム。
[項目4]
項目1乃至3のいずれか1項に記載の溶接システムにおいて、
前記仮付溶接検出部で検出した前記仮付溶接領域に関する情報に基づいて、溶接可否を判定する溶接可否判定部を備える、溶接システム。
[項目5]
項目4に記載の溶接システムにおいて、
前記溶接可否判定部により溶接不可と判定された場合に、前記溶接トーチの移動経路の生成又は出力を禁止する、あるいは溶接不可であることをユーザに通知する、溶接システム。
[項目6]
項目4又は5に記載の溶接システムにおいて、
前記溶接可否判定部は、前記仮付溶接領域の位置が、予め設定された許容位置の範囲内に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容位置の範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
[項目7]
項目4乃至6のいずれか1項に記載の溶接システムにおいて、
前記溶接可否判定部は、前記仮付溶接領域の長さ、面積、体積の少なくともいずれかが予め設定された許容範囲内に収まっているか否かを判定し、前記許容範囲に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
[項目8]
項目4乃至7のいずれか1項に記載の溶接システムにおいて、
前記突合せ部に複数の前記仮付溶接領域が存在する場合に、
前記溶接可否判定部は、任意の前記仮付溶接領域と隣接する他の前記仮付溶接領域の間の隣接距離が、予め設定された許容範囲内に収まっているか否かを判定し、前記許容範囲に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
[項目9]
第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムであって、
前記突合せ部を含む領域の形状データを取得する形状データ取得部と、
前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出する仮付溶接検出部と、
前記仮付溶接検出部で検出した前記仮付溶接領域に関する情報に基づいて、溶接可否を判定する溶接可否判定部を備える、溶接システム。
[項目10]
項目9に記載の溶接システムにおいて、
前記溶接可否判定部により溶接不可と判定された場合に、前記溶接トーチの移動経路の生成又は出力を禁止する、あるいは溶接不可であることをユーザに通知する、溶接システム。
[項目11]
項目9又は10に記載の溶接システムにおいて、
前記溶接可否判定部は、前記仮付溶接領域の位置が、予め設定された許容位置の範囲内に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容位置の範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
[項目12]
項目9乃至11のいずれか1項に記載の溶接システムにおいて、
前記溶接可否判定部は、前記仮付溶接領域の長さ、面積、体積の少なくともいずれかが予め設定された許容範囲内に収まっているか否かを判定し、前記許容範囲に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
[項目13]
請求項9乃至12のいずれか1項に記載の溶接システムにおいて、
前記突合せ部に複数の前記仮付溶接領域が存在する場合に、
前記溶接可否判定部は、任意の前記仮付溶接領域と隣接する他の前記仮付溶接領域の間の隣接距離が、予め設定された許容範囲内に収まっているか否かを判定し、前記許容範囲に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
[項目14]
第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムを用いた溶接方法であって、
前記突合せ部を含む領域の形状データを取得し、
前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出し、
前記仮付溶接領域に対応する前記形状データを用いず、前記仮付溶接領域の外側領域に対応する前記形状データを用いて、前記溶接トーチの移動経路を生成する、溶接方法。
[項目15]
第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムを用いた溶接方法であって、
前記突合せ部を含む領域の形状データを取得し、
前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出し、
前記仮付溶接検出部で検出した前記仮付溶接領域に関する情報に基づいて、溶接可否を判定する、溶接方法。
<実施の形態の詳細>
本発明の一実施形態に係る溶接システム100の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号及び名称が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
図1は、本実施形態の溶接システム100の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の溶接システム100では、端末1と、作業用ロボット2、コントローラ3とを有している。作業用ロボット2は、少なくともアーム21、センサ22、溶接トーチ23を有している。端末1とコントローラ3と作業用ロボット2とは、有線または無線にて互いに通信可能に接続されている。
図2は、溶接システム100の作業用ロボット2を用いて、作業予定ルート31を計測する様子を示す図である。本溶接を予定している作業予定ルート31は、ユーザによる設定され、2つの対象部材201、202の突合せ部203に沿って生成される。本実施形態では、作業用ロボット2のアーム21に設けられたセンサ22により、作業予定ルート31に沿って突合せ部203付近の表面および端面の形状の点群データが取得され、その点群データから突合せ部203に存在する仮付溶接や隙間を検出して、溶接の移動経路32の調整や溶接可否を判定することにより、良質な溶接を実現させるものである。
図3は、溶接システム100の作業用ロボット2を用いて、生成された溶接パス200aに対して溶接を行う様子を示す図である。生成された溶接パス200aに応じて溶接トーチの目標位置と目標角度を含む移動経路32が決定され、作業用ロボット2は、溶接トーチ23が移動経路32に沿って移動するようにアーム21の動作を制御して、略X軸方向に沿うように溶接動作を実行する。
<端末1>
図4は、端末1のハードウェア構成を示す図である。端末1は、例えば、パーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。例えば、端末1のプロセッサ10に設けられる一部の機能が外部のサーバや別端末により実行されてもよい。
端末1は、少なくとも、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
プロセッサ10は、端末1全体の動作を制御し、少なくとも計測用ロボット2及び溶接用ロボット3とのデータ等の送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば、プロセッサ10はCPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)であり、あるいは、CPU及びGPUであり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開された本システムのためのプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、端末1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されていてもよい。
送受信部13は、端末1を少なくとも作業用ロボット2と接続し、プロセッサの指示に従い、データ等の送受信を行う。なお、送受信部13は、有線または無線により構成されおり、無線である場合には、例えば、WiFiやBluetooTh(登録商標)及びBLE(BluetooTh Low Energy)の近距離通信インターフェースにより構成されていてもよい。
入出力部14は、例えば、端末1がパーソナルコンピュータで構成されている場合は情報出力機器(例えば、ディスプレイ)と情報入力機器(例えば、キーボードやマウス)により構成され、スマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等の情報入出力機器により構成されている。
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
<作業用ロボット2>
図1-3に戻り、本実施形態に係る作業用ロボット2について説明する。
上述のとおり、作業用ロボット2は、アーム21と、センサ22と、溶接トーチ23とを有する。なお、図示された構成は一例であり、この構成に限定されない。なお、図24に示すように、アーム2100と、センサ2200とを備える計測用ロボット2000と、アーム3100と、溶接トーチ3200とを備える溶接用ロボット3000を備えて、計測用ロボットにより計測動作を行い、溶接用ロボットにより溶接動作を行うようにすることも可能である。
計測用ロボット2のアーム21及び溶接用ロボット3のアーム31は、三次元のロボット座標系に基づき、端末1にその動作を制御される。また、アーム21及びアーム31は、有線または無線で計測用ロボット2及び溶接用ロボット3と接続されたコントローラ4によりその動作を制御されてもよい。
作業用ロボット2のセンサ22は、三次元のセンサ座標系に基づき、第1および第2の対象部材201、202のセンシングを行う。センサ22は、例えば、三次元スキャナとして動作するレーザセンサであり、センシングにより突合せ部203を形成する第1の対象部材201と第2の対象部材が突合せられている突合せ部203付近の三次元点群データを取得する。三次元点群データは、例えば、それぞれの点データがセンサ座標系の座標情報を有し、点群により検査対象物の形状を把握することが可能となる。取得した三次元点群データは、第1および第2の対象部材201、202を仮付けした仮付溶接領域30の検出、突合せ部203における第1および第2の対象部材201、202の間のギャップ距離の検出に利用される。検出された仮付溶接領域30とギャップ距離の情報に基づいて、更に、溶接を行う経路である溶接パス200aが生成される。
なお、センサ22は、レーザセンサに限らず、例えば、ステレオ方式などを用いた画像センサなどであってもよいし、作業用ロボットとは独立したセンサであってもよく、三次元のセンサ座標系における座標情報が取得できるものであればよい。また、説明を具体化するために、以下では三次元点群データを用いた構成を一例として説明する。
なお、作業前に所定のキャリブレーションを行い、ロボット座標系及びセンサ座標系を互いに関連付け、例えばセンサ座標系を基にユーザが位置(座標)を指定することにより、アーム21やセンサ22が対応した位置を基に動作制御されるように構成をなしてもよい。
作業用ロボット2の溶接トーチ23は、三次元のセンサ座標系に基づき、第1および第2の対象部材201、202の突合せ部203に略X軸方向に沿って設定された溶接パス200aに対して溶接作業を行う。溶接トーチ23は、例えば、アーク溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接、プラズマアーク溶接などの融接による溶接方式に用いられるツールであり、溶接トーチ23から第1および第2の対象部材201、202を溶融させるアーク、レーザー、ビームなどを出力して、第1および第2の対象部材201、202を溶接する。なお、溶接トーチ23は、ろう付けなどのろう接で用いられる溶加材(接着剤)の吐出部、またはシーリング材や接着剤の吐出部であっても良い。
なお、作業前に所定のキャリブレーションを行い、作業用ロボット2のロボット座標系、及びトーチ座標系を互いに関連付け、例えば、トーチ座標系を基にユーザが位置(座標)を指定することにより、アーム21や溶接トーチ23が対応した位置を基に動作制御されるように構成をなしてもよい。
<端末1の機能>
図5は、端末1に実装される機能を例示したブロック図である。本実施の形態においては、端末1のプロセッサ10は、条件設定部101、形状データ取得部102、ギャップ・段差計測部103、仮付溶接検出部104、溶接可否判定部105、移動経路生成部106、溶接実行部107を有している。また、端末1のストレージ12は、条件記憶部121、三次元CADデータ記憶部122、計測形状データ記憶部123、溶接可否判定基準記憶部124、トーチ位置・角度条件記憶部125を有している。
条件設定部101は、端末1の入出力部14を介して、第1および第2の対象部材201、202に関する情報、計測条件に関する情報の入力をユーザから受け付ける。例えば、溶接対象部材に関する情報としては、材質や形状等の情報をユーザが選択して入力する。計測条件に関する情報としては、計測対象の範囲、計測センサの角度、計測のサンプリング周期などがユーザより入力される。入力された情報は溶接条件記憶部121に記憶される。
条件設定部101は、更に、溶接トーチ23を移動させながら連続的に溶接動作を行い線状の溶接パスを生成する線状溶接と、溶接トーチ23が静止した状態で溶接動作を行う点状溶接から、溶接タイプを入力することもできる。また、三次元CADデータ記憶部122に記憶された溶接対象部材のCADデータに対して、作業予定ルート31を設定入力することができる。また、作業予定ルート31に対して、後述するギャップ計測を行う位置(二次元平面)を設定入力することができる。入力された溶接タイプ、溶接パス、ギャップ計測位置の情報は溶接条件記憶部121に記憶される。
形状データ取得部102は、端末1の指示により、例えば、計測用ロボット2を制御し、アーム21及びセンサ22を動作させて、予め設定した作業予定ルート31を含む第1および第2の対象部材201、202の突合せ部203の三次元点群データを取得する。なお、突合せ部203の三次元点群データを取得できるよう、アーム21及びセンサ22の動作は予め設定されている。取得した三次元点群データは、例えば、センサ座標系に基づく三次元座標情報データであり、計測形状データ記憶部123に記憶される。
ギャップ・段差計測部103は、取得した点群データと、条件記憶部121の情報と、更に場合によっては、三次元CADデータ記憶部122の情報に基づいて、第1の対象部材201と第2の対象部材202の間のギャップ距離を計測する。当該ギャップ計測は、T型溶接の場合は、図13に示すような作業予定ルート31に沿って定義される複数の円弧220で規定される平面上の点群データを取得し、当該平面上の点群データに基づいてギャップ距離が計測される。ギャップ計測の詳細な方法は、後述する。また、図18-23に示すような板材の端面同士を突き合わせた溶接の場合は、図22に示す段差傾き(θ2)が計測される。段差傾きの詳細な方法は、後述する。
仮付溶接検出部104は、形状データ取得部102で取得し、計測形状データ記憶部123に記憶された点群データに基づいて、突合せ部203に存在する仮付溶接が行われた領域である仮付溶接領域30を検出する。特に、第1および第2の対象部材201、202の突合せ部が長く、作業予定ルート31の距離が長い場合には、第1および第2の対象部材201、202の相対位置が少しずれると、対象部材の間のギャップ距離や段差が大きくなるため、本溶接の前に先立って行われる仮付溶接により突合せ部203に仮付溶接が行われることが多い。
仮付溶接検出部104による仮付溶接領域30の検出処理の一例を図6に示す。図6は、第1の対象部材201と第2の対象部材202の溶接であって、特に板材の端面同士を突き合わせる溶接を行う場合の仮付溶接の領域の検出処理を示す。図面下側が第1の対象部材201を、上側が第2の対象部材202を示しており、中央の点線が対象部材間の突合せ部(つまり、作業予定ルート31)を示している。仮付溶接検出部103は、突合せ部203の三次元点群データから第1と第2の対象部材201、202と直交するZ軸方向(図面の奥行方向)の値が大きい点群を仮付溶接領域30として抽出する。つまり、対象部材の表面よりも高い点群を仮付溶接領域30として判断する。仮付溶接領域30の点群の抽出方法としては、Z軸方向の値が平均値よりも、予め定めた所定距離以上大きい、又は対象部材の厚みの所定割合よりも大きい点群を抽出しても良いし、あるいは、突合せ部203からY軸方向に離れた位置における第1の対象部材201と第2の対象部材202のZ軸方向の値を基準値とし、当該基準値よりも、予め定めた所定距離以上大きい、又は対象部材の厚みの所定割合よりも大きい点群を抽出しても良い。また、対象部材の表面よりも盛り上がった位置を抽出する方法でれば、他の方法を用いても良い。
仮付溶接検出部104は、抽出した仮付溶接領域30のY軸方向の最大値の点(最も第2の対象部材側に位置する点)と最小値の点(最も第1の対象部材側に位置する点)を検出し、これらの点のY軸方向の差分を検出する。つまり、Y軸方向における仮付溶接領域30の長さを検出する。あるいは、仮付溶接領域30の重心位置を検出し、重心位置を通り第2の対象部材側の点と第1の対象部材側の点を結ぶ線で長さが最大となる線を仮付溶接領域30の長さとして検出しても良い。
溶接可否判定基準記憶部124は、例えば図7に示すような、仮付溶接の位置、仮付溶接領域30の大きさ(長さ)、仮付溶接の間隔に関する溶接可否判定の基準と、ギャップ距離、突合せ部の段差角度に関する溶接可否判定の基準を記憶している。仮付溶接の品質が十分に高くないと、本溶接の作業中に対象部材の位置関係にずれか生じて、ギャップ距離や段差が大きくなり、本溶接による溶接品質が悪くなる可能性があるため、溶接可否判定基準記憶部124には、仮付溶接の品質が悪く、本溶接をおこなうべきでない条件が設定されている。
仮付溶接の位置に関する溶接NGの判定条件は、例えば、仮付溶接領域30の位置が許容範囲の外側に存在すること、として設定される。この仮付溶接の位置に関する条件について図8を用いて説明する。図8に示す通り、Y軸方向に許容範囲が予め設定されており、仮付溶接領域30の点群のY軸方向の位置が許容位置の範囲内にあれば溶接OKと判断し、仮付溶接領域30の点群の少なくとも一部が許容範囲の外側にあれば溶接NGと判断する。
次に、仮付溶接の大きさに関する溶接NGの判定条件は、例えば、仮付溶接領域30の幅が、下限しきい値よりも小さい、または上限しきい値よりも大きいこと、として設定される。この仮付溶接の大きさ(長さ)に関する条件について図9を用いて説明する。判定条件の一例として、図9に示す通り、Y軸方向の仮付溶接領域30の長さ(幅)L1に許容範囲が予め設定されており、仮付溶接検出部104にて検出した長さLが許容範囲内(下限しきい値以上かつ上限しきい値以下)である場合には溶接OKと判断し、仮付溶接検出部104にて検出した長さL1が許容範囲外(下限しきい値よりも小さい、又は上限しきい値よりも大きい)である場合には溶接NGと判断する。なお、判定条件は、必ずしもY軸方向の仮付溶接領域30の長さである必要は無く、例えば、仮付溶接領域30の重心位置を通り第2の対象部材側の点と第1の対象部材側の点を結ぶ距離最長の線の長さであっても良い。あるいは、仮付溶接領域30の大きさに関する他のパラメータが所定範囲内であるか否かに基づいて判断することとしても良い。
次に、仮付溶接の間隔に関する溶接NGの判定条件は、隣接する仮付溶接との距離(間隔)が所定距離よりも離れていることである。この隣接する仮付溶接との距離に関する条件について図10を用いて説明する。図10に示す通り、隣接する仮付溶接との隣接距離L2が所定距離以下の場合には溶接OKと判断し、隣接距離L2が所定距離よりも長い場合には溶接NGと判断する。なお、隣接距離L2は、隣接する仮付溶接領域30の点群のうち直線距離が最短となる距離、又はX軸方向の距離が最短となるX事項方向の距離、と定義しても良いし、隣接する仮付溶接領域30の重心位置の間の直線距離又はX事項方向の距離、と定義しても良い。
次に、ギャップ距離に関する溶接NGの判定条件は、ギャップ距離が所定しきい値を超えていることである。具体的には、図11に示すように、溶接タイプがオーバーラップ型であれば、ギャップ距離nが所定しきい値(Th2)よりも大きいこと、溶接タイプがT型であれば、ギャップ距離nが所定しきい値(Th4)よりも大きいこと、溶接タイプがJ型であれば、ギャップ距離nが所定しきい値(Th7)よりも大きいことである。また、溶接タイプが端部の突合せ型である場合のギャップ距離に関する溶接NGの判定条件は、図12に示すように、ギャップ距離nが所定しきい値(Th9)よりも大きいことである。
また、端部突合せ型の溶接における突合せ部の段差角度が所定しきい値超えていることである。具体的には、図12に示すように、段差角度θ2が所定しきい値(Th11)を超えていることである。
溶接可否判定部105は、溶接可否判定基準記憶部124に記憶された、仮付溶接とギャップ距離に関する溶接可否判定の基準と、仮付溶接検出部により検出した仮付溶接領域30に関する情報、ギャップ計測部により検出したギャップ距離に関する情報に基づいて、溶接可否を判断する。溶接可否判定部105による溶接可否の判断結果が「不可」である場合(つまり、溶接を許可しないと判断した場合)、溶接を実行するために必要な処理である溶接パスや溶接トーチの移動経路32の生成又は出力を禁止する、あるいは、溶接可否の判定結果が「不可」である旨の通知を端末1やコントローラ4を介してユーザに通知する。溶接可否判定の詳細は後述する。
トーチ位置・角度条件記憶部124は、図11や図15に示すような、第1の対象部材201と第2の対象部材202の間のギャップ距離や段差角度に応じたトーチ位置と角度条件が記憶されている。図11に示す例では、図12に示すようなオーバーラップ型タイプ(第1の対象部材201と第2の対象部材202が平行に重なる状態で溶接されるタイプ)、図13に示すようなT型タイプ(第2の対象部材202の平面部に第1の対象部材201の端面が略垂直に突き立てられた位置で溶接されるタイプ)、図14に示すようなJ型タイプ(曲面部を有する第1の対象部材201が曲面部で前記第2の部材の平面部と溶接されるタイプ)の各溶接における、第1の対象部材201と第2の対象部材202の間のギャップ距離の長さに応じた溶接トーチの位置と角度の条件が記憶されている。
オーバーラップ型では、ギャップ距離nが第1しきい値(Th1)よりも小さい場合には、図12(a)に示すように,溶接トーチの位置と溶接トーチの角度はそれぞれ所定位置と所定角度(θ1)から変更させない。ギャップ距離nが第1しきい値(Th1)よりも大きく、第2しきい値(Th2)よりも小さい場合には、図12(b)に示すように、溶接トーチの位置を所定位置からZ方向のプラス側にシフトさせる(トーチ角度は所定角度から変更しない)。またギャップ距離nが第2しきい値(Th2)よりも大きい場合は、ギャップ距離が大き過ぎるため溶接NGとする。
次に、T型では、ギャップ距離nが第3しきい値(Th3)よりも小さい場合には、図13(a)に示すように、溶接トーチの位置は部材境界位置を溶接する位置とし、溶接トーチの角度は所定角度(θ2)から変更せない。ギャップ距離nが第3しきい値(Th3)よりも大きく、第4しきい値(Th4)よりも小さい場合には、図13(b)に示すように、トーチ位置を部材境界位置からZ方向のプラス側にシフトさせる(トーチ角度は所定角度(θ2)から変更しない)、またギャップ距離nが第4しきい値(Th4)よりも大きい場合は、ギャップ距離が大き過ぎるため溶接NGとする。
次に、J型では、ギャップ距離nが第5しきい値(Th5)よりも小さい場合には、溶接トーチの位置と溶接トーチの角度はそれぞれ所定位置と所定角度(θ3)から変更しない。ギャップ距離nが第5しきい値(Th5)よりも大きく、第6しきい値(Th6)よりも小さい場合には、図14(a)に示すように、トーチ位置を所定位置からX方向のマイナス側にシフトさせ、トーチ角度は所定角度から変更しない。ギャップ距離nが第6しきい値(Th6)よりも大きく、第7しきい値(Th7)よりも小さい場合には、図14(b)に示すように、トーチ位置を所定位置からX方向のマイナス側にシフトさせ、トーチ角度は所定角度(θ3)から角度減少して下側部材と並行に近くなる角度(θ3’)に変更する。ギャップ距離nが第7しきい値(Th7)よりも大きい場合は、ギャップ距離が大き過ぎるため溶接NGとする。
また、図15に示す例では、図19に示すような端部突合せ型の溶接における、第1の対象部材201と第2の対象部材202の間のギャップ距離の長さに応じた溶接トーチの位置と角度の条件が記憶されている。例えば、ギャップ距離nが第8しきい値(Th8)よりも小さい場合には、溶接トーチ23の位置と溶接トーチ23の角度はそれぞれ所定位置と所定角度(θ1)から変更せず、ギャップ距離nが第8しきい値(Th8)よりも大きく、第9しきい値(Th9)よりも小さい場合には、溶接トーチ23の位置を所定位置からY軸方向のプラス側にシフトさせる(トーチ角度は所定角度から変更しない)、またギャップ距離nが第9しきい値(Th9)よりも大きい場合は、溶接不可と判断して、入出力部14を介して、溶接すべきでない旨のエラー通知を行うと共に、溶接動作の実行を禁止する。
図15に示す例では、図19に示すような板材の端面同士を突き合わせた状態の溶接における、第1の対象部材201と第2の対象部材202が載置された面(図23ではY軸方向)に対する傾き(θ2)に応じた溶接トーチの位置と角度の条件が記憶されている。例えば、傾き(θ2)が第10しきい値(Th10)よりも小さい場合には、溶接トーチ23の位置と溶接トーチ23の角度はそれぞれ所定位置と所定角度(θ3)から変更せず、傾き(θ2)が第10しきい値(Th10)よりも大きく、第11しきい値(Th11)よりも小さい場合には、溶接トーチ23の角度を所定角度よりも大きくし、また、傾き(θ2)が第11しきい値(Th11)よりも大きい場合は、段差が大きすぎるため溶接不可となる。
移動経路生成部105は、溶接タイプがオーバーラップ型、T型、J型である場合には、図11に示すトーチ位置・角度条件記憶部124の情報と、第1の対象部材201と第2の対象部材202の間のギャップ距離と、に応じて、ギャップ計測を行う複数の円弧220で定義される各平面の位置において溶接トーチ23の位置と角度を決定し、当該複数の位置においてそれぞれ決定した溶接トーチ23の位置となるような移動経路32を生成する。また、移動経路32に加えて、当該複数の位置においてそれぞれ決定した溶接トーチ23の角度となるように溶接トーチの姿勢角度の角度目標を生成しても良い。
ここで、仮付溶接検出部104により検出された仮付溶接領域30は、溶接材により第1と第2の対象部材201,202の表面形状が覆われており、各対象部材間の境界線やギャップ距離を正しく計測することができないため、仮付溶接領域30で検出したギャップ距離の情報を利用すると、移動経路32を正確に生成できない可能性が有る。そのため、移動経路生成部105は、複数の円弧220の各平面の位置において決定した溶接トーチ23の位置の情報から、仮付溶接領域30を含む平面における情報を除外し(つまり、仮付溶接領域30に対応する形状データを用いず)、仮付溶接領域30以外の領域に対応する位置において決定した溶接トーチ23の位置の情報を用いて、移動経路32を生成する。また、溶接トーチの姿勢角度の角度目標も上記と同様に、仮付溶接領域30を含む平面における情報を除外し(つまり、仮付溶接領域30に対応する形状データを用いず)、仮付溶接領域30以外の領域に対応する位置において決定した溶接トーチ23の角度の情報を用いて、角度目標を決定する。
或いは、溶接タイプが図20に示すような第1の対象部材201と第2の対象部材202の板材の端面同士を突き合わせた状態の溶接タイプである場合は、移動経路生成部105は、図15に示すトーチ位置・角度条件記憶部124の情報と、第1の対象部材201と第2の対象部材202の突合せ部の段差傾き(θ2)と、に応じて、段差傾きを計測する各位置において溶接トーチ23の位置と角度を決定し、当該複数の位置においてそれぞれ決定した溶接トーチ23の位置と溶接トーチ23の角度となるような移動経路32を生成する。
ここでも、上述した通り、移動経路生成部105は、複数の基準線250の位置において決定した溶接トーチ23の位置(ギャップの中心点)の情報から、仮付溶接領域30を含む平面における情報を除外し(つまり、仮付溶接領域30に対応する形状データを用いず)、仮付溶接領域30以外の領域に対応する位置において決定した溶接トーチ23の位置の情報を用いて、移動経路32を生成する。また、溶接トーチの姿勢角度の角度目標も上記と同様に、仮付溶接領域30を含む平面における情報を除外し(つまり、仮付溶接領域30に対応する形状データを用いず)、仮付溶接領域30以外の領域に対応する位置において決定した溶接トーチ23の角度の情報を用いて、角度目標を決定する。
溶接実行部106は、生成した移動経路32に基づいて、作業用ロボット2を制御して、溶接動作を実行する。
条件記憶部121は、前述した通り、条件設定部101で入力設定された溶接対象部材の材質や形状、計測条件に関する情報、溶接タイプ、ギャップ計測位置の情報が記憶される。なお、記憶される情報は溶接条件設定部101を介してユーザが入力した情報に限られず、予めシステムに登録されている情報や、所定ルールに基づいてシステムが自動的に判断した情報であってもよい。
三次元CADデータ記憶部122は、第1および第2の対象部材201、202の材質や形状の情報、作業予定ルート31の情報、第1および第2の対象部材201、202の板厚(Z軸方向の厚み)の情報の情報などを記憶する。
計測形状データ記憶部123は、点群データ取得部102で取得された点群データが記憶される。
<制御フロー>
図16は、溶接システムの全体の制御フローを示す図である。まず、溶接条件設定部101により溶接条件等の決定を行う(ステップ101)。このステップでは、条件設定部101により、溶接対象部材201、202の作業予定ルート31に関する情報、入力された溶接タイプ(T型又は板材端部突合せ型)、形状計測位置の情報を、端末1の入出力部14を介してユーザから受け付ける。これらの情報は、必ずしもユーザが入力する必要は無く、システムに予め登録されていても良い。
次に、形状データ取得部102により三次元点群データを取得する(ステップ102)。このステップでは、前述したステップ101で入力される、あるいは予め設定された作業予定ルート31に関する情報に基づいて、作業用ロボット2を制御し、予め設定した作業予定ルート31を含む第1および第2の対象部材201、202の突合せ部203の三次元点群データを取得する。次に、ギャップ・段差計測部103によりギャップ計測を行う(ステップ103)。このステップにおいて、ギャップ・段差計測部103は、計測した三次元点群データに基づいて突合せ部のギャップ距離と、突合せ部の段差傾きを計測する。以下により詳細に説明する。
次に、仮付溶接検出部104により仮付溶接領域30に関する情報を取得する(ステップ103)。次に、溶接可否判定部105により溶接の可否を判定する(ステップ106)。このステップでは、溶接可否判定基準記憶部124に記憶された判定基準と、ステップ103,104で計測又は検出した情報に基づいて、溶接可否を判定する。次に、溶接可否の判定結果が溶接NGである場合にはステップ111の処理に遷移し、溶接可否の判定結果が溶接OKである場合にはステップ108の処理に遷移する(ステップ107)。溶接可否の判定結果が溶接NGである場合には、溶接の実行を禁止すると共に、ユーザに溶接NGである旨の通知を行う(ステップ111)。
次に、溶接可否の判定結果が溶接OKである場合には、移動経路生成部106により、溶接トーチの位置と角度を決定する(ステップ108)。このステップでは、図11に示すようなトーチ位置・角度条件記憶部125に記憶された条件に基づいて、作業予定ルート31に沿って生成される円弧220で定義される2次元平面毎に溶接トーチの位置と角度を決定する。次に、移動経路生成部により溶接トーチの移動経路32を生成する(ステップ109)。このステップでは、ステップ108で生成したそれぞれの2次元平面において設定した溶接トーチの位置と角度となるように、溶接トーチの移動経路32を生成する。次に、生成した移動経路32に沿って溶接トーチを制御し溶接を実行する(ステップ110)。
図17-19は、図13に示すようなT型タイプ(第1の対象部材201の平面部に第2の対象部材202の端面が略垂直に突合せられている状態)の溶接において、ギャップ距離の計測(ステップ103)と移動経路32の生成(ステップ109)を実行する具体例を説明する。
図17(a)は、T型タイプの溶接において、ステップ103のギャップ計測を行う際に、作業予定ルート31に沿って複数の円弧220を定義する例を示している。三次元CADデータ記憶部122などに記憶されている作業予定ルート31に沿って、Y軸方向に所定間隔で円弧220が定義される。各円弧220で定義される二次元平面毎に点群データが取得される。図17(b)は、上記した各円弧220で定義される二次元平面毎に取得した点群データの一例を示す図である。仮付溶接領域30以外の平面においては、第1と第2の対象部材の表面形状に沿って、L字型の点群データが取得される。
図18(a)は、T型の形状タイプの対象部材201と202を測定する際の円弧220で定義された二次元平面における各部材の位置関係を示す。図18(b)は円弧220で定義された二次元平面における点群データの一例を示す。ギャップ・段差計測部103は、図18(b)に示すような二次元の点群データに基づいて、対象部材201の最下部(端部)を示す点群と、対象部材202の表面形状を示す点群との距離を算出することにより、対象部材201と202のギャップ距離を取得する。図18に示すT型(溶接対象部材が互いに略直交する形状)におけるギャップ距離は、一例として、図18(b)に示すように、断面平面上の点群データ(二次元)における第1の対象部材201の点群と第2の対象部材202の点群のペアであって、点群間の直線距離が最短となる点群のペアの間の距離で定義することができる。ただし、直線距離が最短となる点群間の距離である必要は必ずしもなく、第1の対象部材201の点群と第2の対象部材202の点群のペアであって互いに近接する点群間の距離として定義しても良い。
また、図19(a)と図19(b)は、第1の対象部材201と第2の対象部材202の相対位置関係が互いに略直交する状態から左右にそれぞれ傾いた状態におけるギャップ距離の計測方法を示す図である。図19(a)は、作業用ロボット2から離れる方向に対象部材201が傾いた状態を示している。この状態では、第2の対象部材202の上面に垂直な方向において、第1の対象部材201の作業用ロボット側のエッジ位置と第2の対象部材202の上面との距離をギャップ距離として計測する。一方、図19(b)は、計測用ロボットに近づく方向に第1の対象部材201が傾いた状態を示している。この状態では、第2の対象部材202の上面に垂直な方向において、第1の対象部材201の作業用ロボット2側のエッジ位置と第2の対象部材202の上面との距離をギャップ距離として計測する。
移動経路32の生成(ステップ109)では、円弧220で規定される平面位置において、ステップ108で決定した溶接トーチの位置となるように溶接トーチの移動経路32が生成される。ここで、図17(b)に示すように、仮付溶接領域30を含む平面位置においては、第1と第2の対象部材の表面形状を計測できないため、正確にギャップ距離を取得することができず、溶接トーチの位置を適切に判断することができない。そのため、移動経路32の生成(ステップ109)では、移動経路32の生成に用いる情報から、仮付溶接領域30を含むデータを除外する。具体的には、図17(b)に示す仮付溶接領域30を含む平面位置で取得された点群データ、及びこれに基づいて計測されたギャップ距離、及びこれに基づいて決定された溶接トーチの位置、を除外して、仮付溶接領域30を含まない平面位置で取得された点群データ及びこれに基づいて生成されるギャップ距離、溶接トーチの位置の情報に基づいて、溶接トーチの移動経路32を生成する。例えば、仮付溶接領域30のY軸方向の両側に隣接する仮付溶接領域30を含まない平面における溶接トーチの位置を直線で結んだ経路を、仮付溶接領域30における溶接トーチの移動経路32とすることができる。
図20-25は、第1の対象部材201と第2の対象部材202の板材の端面同士を突き合わせた状態の溶接を行う場合における、ギャップ距離の計測(ステップ103)と、移動経路32の生成(ステップ109)を実行する具体例を説明する。
図20は、第1および第2の対象部材201、202の第1の端面201aおよび第2の端面202aを含む突合せ部203のギャップ距離(隙間)や段差を計測する際の前処理の一例を示している。図20に示すように、第1の端面201aと第2の端面202aとの間にはギャップ距離nのギャップGが存在し、複数の仮付溶接領域30が存在する。このような場合に、まず、第1の対象部材201の第1の端面201aの任意の位置にP1を指定し、ギャップGを挟んで第2の対象部材202の第2の端面202aの任意の位置にP2を指定する。また、P1を挟むように第1の端面201aのX軸方向のプラス側とマイナス側のそれぞれにP3とP4を指定する。ここで、P1,2,3,4の指定は、端末1やコントローラ3を介してユーザに入力させても、溶接システム100が自動的に指定しても良い。
次に、図21に示すように、指定したP1、P2を基準にしてX軸方向のプラス側とマイナス側にX軸方向に沿って操作球230、240を走査していくことにより点群サーチし、第1および第2の対象部材201、202それぞれの終端を検出する。ここでは、P1から一つ一つの操作球(SearchRadius)230の半径がSearchRadiusV、操作球230の配置間隔がPitchVとなるように、同様に、P2から一つ一つの操作球240の半径がSearchRadiusV、操作球(SearchRadius)240の配置間隔がPitchVで、それぞれX軸方向のプラス側とマイナス側に走査し、断面平面上の点群データ(二次元)が取得できなくなるところをそれぞれ、第1の終端203a、204a、第2の終端203b、204bとする。
次に、図22に示すように、ギャップ計測部103は、操作球230と操作球240のギャップGを挟んで対応する球同士を直線でつなぎ、作業予定ルート31の断面となる複数の基準線250を作成する。この際、各操作球(SearchRadius)230、240の中の点群に対して最短距離となるように、すなわち、SearchRadius内の点群同士が最短距離となるように、各球230、240のペアをつなぎ、第1の対象部材201の第1の端面201aと、第2の対象部材202の第2の端面202aとの間の最短距離をギャップ距離nとして取得する。
図23は、図22の部分拡大図である。ここでは、図22で作成した基準線250をさらに分割する。図23に示すように、図22で作成した基準線250(位置P1とP2との間の線分)に沿って円領域を一つ一つの操作球260の半径がSearchRadiusU、操作球260の配置間隔がPitchVでY軸方向のプラス側とマイナス側に走査し、基準線250ごとに中点をサーチする。
図24は、図23の操作球260の点の重心位置を用いて段差検出する様子を示している。図24に示すように、第1の対象部材201と第2の対象部材202の各上面の間に段差がある場合には、例えば、図24において、操作球260を走査して点群270が取得できなくなった端面201a、202aの各端点201b、202bを結んだ線分280の中点Cを算出する。ここでは、操作球260の点の重心位置の変化量が大きいため、Z軸方向の高さの差を段差として検出する。
次に、溶接トーチ位置・角度決定部104により溶接トーチ23による溶接位置と溶接トーチの角度の決定を行う(ステップ104)。このステップにおいて、溶接トーチ位置・角度決定部104は、トーチ位置・角度条件記憶部124に記憶されている、ギャップ距離と形状タイプに対応するトーチ位置と角度の情報、溶接適否の情報に基づいて、溶接トーチ23の位置と溶接トーチ23の角度を決定すると共に、溶接適否を決定して、溶接適否の決定結果をユーザに通知する。
例えば、溶接トーチ位置・角度条件記憶部124は、例えば、図15に示すように、ギャップ距離nが第1しきい値(Th1)よりも小さい場合には、溶接トーチ23の位置と溶接トーチ23の角度はそれぞれ所定位置と所定角度(θ1)から変更せず、ギャップ距離nが第1しきい値(Th1)よりも大きく、第2しきい値(Th2)よりも小さい場合には、溶接トーチ23の位置を所定位置からY軸方向のプラス側にシフトさせる(トーチ角度は所定角度から変更しない)、またギャップ距離nが第2しきい値(Th2)よりも大きい場合は、溶接不可と判断して、入出力部14を介して、溶接すべきでない旨のエラー通知を行うと共に、溶接動作の実行を禁止する。
また、溶接トーチ位置・角度条件記憶部124は、図15に示す通り、第1の対象部材201と第2の対象部材202の上面に段差(Z軸方向にずれがある)がある場合には、溶接トーチ位置・角度決定部104は、第1の端面201aと第2の端面202aとを結ぶことにより形成されたギャップ面GSと、第1および第2の対象部材201、202が載置された面(図24ではY軸方向)に対する傾き(θ2)に関する情報と、トーチ位置・角度条件記憶部124の情報に応じて、ギャップ計測位置における溶接トーチ23のギャップ面GSに対する位置と角度を決定する。例えば、傾き(θ2)が第3しきい値(Th3)よりも小さい場合には、溶接トーチ23の位置と溶接トーチ23の角度はそれぞれ所定位置と所定角度(θ3)から変更せず、傾き(θ2)が第3しきい値(Th3)よりも大きく、第4しきい値(Th4)よりも小さい場合には、溶接トーチ23の角度を所定角度よりも大きくし、また、傾き(θ2)が第4しきい値(Th4)よりも大きい場合は、段差が大きすぎるため溶接不可と判断して、入出力部14を介して、溶接すべきでない旨のエラー通知を行うと共に、溶接動作の実行を禁止する。その際、溶接トーチ23のギャップ面GSに対する角度を、ギャップ面GSに対して垂直となる向きに調整することが、溶接品質の向上のために好ましい。
次に、図25に示すように、移動経路生成部106により生成した中点を繋いで溶接パス200aを生成する(ステップ109)。このステップにおいて、移動経路生成部106は、略X軸方向に沿うように設定され、溶接トーチ23の位置と溶接トーチ23の角度に基づいて、溶接トーチ23の移動ルートと角度で定義される移動経路32を生成する。ここで、移動経路32は溶接トーチ23の位置のみで定義される移動ルートで定義することも可能である。
ここで、移動経路32の生成(ステップ109)では、基準線250お各位置において、ステップ108で決定した溶接トーチの位置となるように溶接トーチの移動経路32が生成される。ここで、図25に示すように、仮付溶接領域30を含む平面位置においては、第1と第2の対象部材の表面形状を計測できないため、正確にギャップ距離や傾き(θ2)を取得することができず、溶接トーチの位置を適切に判断することができない。そのため、移動経路32の生成(ステップ109)では、移動経路32の生成に用いる情報から、仮付溶接領域30を含むデータを除外する。具体的には、図25に示す仮付溶接領域30を通過する基準線250で取得されたギャップ距離、傾き(θ2)、及びこれに基づいて決定された溶接トーチの位置、を除外して、仮付溶接領域30を通過しない基準線で取得された点群データ及びこれに基づいて生成されるギャップ距離、溶接トーチの位置の情報に基づいて、溶接トーチの移動経路32を生成する。例えば、図25におけるX軸方向の仮付溶接領域30の両側に隣接する仮付溶接領域30を含まない基準線において決定された溶接トーチの位置(ギャップ中点)を直線で結んだ経路を、仮付溶接領域30における溶接トーチの移動経路32とすることができる。
図20-25で説明したように、ギャップの中央に移動経路32を設定することで、ギャップが平面上になくても移動経路32の生成が可能となる。また、ギャップの中央で溶接することで、投入資源、エネルギー最小で溶接が可能となる。さらに、抽出したギャップ量に応じて溶接条件を変更することが容易となる。これにより、溶接する対象部材の突合せ部に隙間や段差があり、隙間や段差の幅は一定ではない場合であっても、作業精度よく溶接が可能となり、溶接の品質を向上させることができる。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、図1では、本実施形態の溶接システム100の一例として作業用ロボット2がセンサ22と溶接トーチ23の両方を備えた構成であったが、センサを備えた計測用ロボットと、溶接トーチを備えた溶接用ロボットとを備えた構成としてもよい。
図26は、本発明の他の実施形態に係る溶接システム1000の全体構成例を示す図である。図26に示す溶接システム1000では、端末1と、計測用ロボット2000、溶接用ロボット3000、コントローラ3とを有している。計測用ロボット2000は、少なくともアーム2100、アーム2100の先端に搭載されたセンサ2200を有している。溶接用ロボット3000は、少なくともアーム3100、アーム3100の先端に搭載された溶接トーチ3200を有している。端末1とコントローラ3は、計測用ロボット2000と溶接用ロボット3000に対してそれぞれ有線または無線にて互いに通信可能に接続されている。
本実施形態では、計測用ロボット2000のアーム2100に設けられたセンサ2200により、図2に示す2つの対象部材201、202の突合せ部203付近の表面および端面の形状の点群データが取得され、その点群データから突合せ部203の隙間や段差に応じて移動経路32が生成される。そして、溶接用ロボット3000は、生成された移動経路32に応じてアーム3100の動作を制御して、略X軸方向に沿うように溶接動作を実行する。
上述した実施形態では、ロボットアームを用いて溶接を行う溶接システムに本発明を適用する実施例を説明したが、本発明は溶接の用途に限らず、シーリング作業や接着作業などの二つの部材の突合せ部分に対して接着等の作業を行う溶接システムにおいても本発明を適用することは可能である。その場合には、溶接トーチは、シーリング剤又は接着剤を吐出する吐出部に置き換えることが可能である。
1 端末
2 作業用ロボット
3 コントローラ
10 プロセッサ
11 メモリ
12 ストレージ
13 送受信部
14 入出力部
15 バス
21 アーム
22 センサ
23 溶接トーチ
30 仮付溶接領域
31 作業予定ルート
32 移動経路
100、1000 溶接システム
101 条件設定部
102 形状データ取得部
103 ギャップ・段差計測部
104 仮付溶接検出部
105 溶接可否判定部
106 移動経路生成部
107 溶接実行部
121 条件記憶部
122 三次元CADデータ記憶部
123 計測形状データ記憶部
124 溶接可否判定基準記憶部
125 トーチ位置・角度条件記憶部
201 第1の対象部材
201a 第1の端面
201b 第1の端点
202 第2の対象部材
202a 第2の端面
202b 第2の端点
203 突合せ部
203a、204a 第1の終端
203b、204b 第2の終端
220 円弧
230、240、260 操作球
250 基準線
270 点群
280 線分
2000 計測用ロボット
3000 溶接用ロボット
G ギャップ
GS ギャップ面
n ギャップ距離
C 中点

Claims (15)

  1. 第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムであって、
    前記突合せ部を含む領域の形状データを取得する形状データ取得部と、
    前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出する仮付溶接検出部と、
    前記仮付溶接領域に対応する前記形状データを用いず、前記仮付溶接領域の外側領域に対応する前記形状データを用いて、前記溶接トーチの移動経路を生成する移動経路生成部と、を備える溶接システム。
  2. 請求項1に記載の溶接システムにおいて、
    前記形状データ取得部は、前記突合せ部分を含む領域の三次元点群データを計測し、
    前記仮付溶接検出部は、前記三次元点群データに基づいて、第1の対象部材又は第2の対象部材の厚み方向に盛り上がった領域を前記仮付溶接領域と判定する、溶接システム。
  3. 請求項1又は2に記載の溶接システムにおいて、
    前記仮付溶接領域の外側領域における前記第1の対象部材と前記第2の対象部材の間のギャップ距離を計測するギャップ計測部を備え、
    前記移動経路生成部は、前記ギャップ計測部で計測したギャップ距離に基づいて前記溶接トーチの移動経路を生成する、溶接システム。
  4. 請求項1に記載の溶接システムにおいて、
    前記仮付溶接検出部で検出した前記仮付溶接領域に関する情報に基づいて、溶接可否を判定する溶接可否判定部を備える、溶接システム。
  5. 請求項4に記載の溶接システムにおいて、
    前記溶接可否判定部により溶接不可と判定された場合に、前記溶接トーチの移動経路の生成又は出力を禁止する、あるいは溶接不可であることをユーザに通知する、溶接システム。
  6. 請求項4に記載の溶接システムにおいて、
    前記溶接可否判定部は、前記仮付溶接領域の位置が、予め設定された許容位置の範囲内に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容位置の範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
  7. 請求項4に記載の溶接システムにおいて、
    前記溶接可否判定部は、前記仮付溶接領域の長さ、面積、体積の少なくともいずれかが予め設定された許容範囲内に収まっているか否かを判定し、前記許容範囲に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
  8. 請求項4に記載の溶接システムにおいて、
    前記突合せ部に複数の前記仮付溶接領域が存在する場合に、
    前記溶接可否判定部は、任意の前記仮付溶接領域と隣接する他の前記仮付溶接領域の間の隣接距離が、予め設定された許容範囲内に収まっているか否かを判定し、前記許容範囲に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
  9. 第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムであって、
    前記突合せ部を含む領域の形状データを取得する形状データ取得部と、
    前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出する仮付溶接検出部と、
    前記仮付溶接検出部で検出した前記仮付溶接領域に関する情報に基づいて、溶接可否を判定する溶接可否判定部を備える、溶接システム。
  10. 請求項9に記載の溶接システムにおいて、
    前記溶接可否判定部により溶接不可と判定された場合に、前記溶接トーチの移動経路の生成又は出力を禁止する、あるいは溶接不可であることをユーザに通知する、溶接システム。
  11. 請求項9に記載の溶接システムにおいて、
    前記溶接可否判定部は、前記仮付溶接領域の位置が、予め設定された許容位置の範囲内に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容位置の範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
  12. 請求項9に記載の溶接システムにおいて、
    前記溶接可否判定部は、前記仮付溶接領域の長さ、面積、体積の少なくともいずれかが予め設定された許容範囲内に収まっているか否かを判定し、前記許容範囲に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
  13. 請求項9に記載の溶接システムにおいて、
    前記突合せ部に複数の前記仮付溶接領域が存在する場合に、
    前記溶接可否判定部は、任意の前記仮付溶接領域と隣接する他の前記仮付溶接領域の間の隣接距離が、予め設定された許容範囲内に収まっているか否かを判定し、前記許容範囲に収まっている場合に溶接可と判定し、前記許容範囲に収まっていない場合に溶接不可と判定する、溶接システム。
  14. 第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムを用いた溶接方法であって、
    前記突合せ部を含む領域の形状データを取得し、
    前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出し、
    前記仮付溶接領域に対応する前記形状データを用いず、前記仮付溶接領域の外側領域に対応する前記形状データを用いて、前記溶接トーチの移動経路を生成する、溶接方法。
  15. 第1の対象部材と第2の対象部材の突合せ部を溶接トーチにより溶接する作業を実行する溶接システムを用いた溶接方法であって、
    前記突合せ部を含む領域の形状データを取得し、
    前記突合せ部を仮付溶接した仮付溶接領域を前記形状データに基づき検出し、
    前記仮付溶接検出部で検出した前記仮付溶接領域に関する情報に基づいて、溶接可否を判定する、溶接方法。
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