JP2023176696A - 成膜装置、及び燃料被覆管の製造方法 - Google Patents

成膜装置、及び燃料被覆管の製造方法 Download PDF

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Nozomi Murakami
大樹 佐藤
Daiki Sato
裕史 岡田
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正純 角
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龍哉 安永
Tatsuya Yasunaga
恭平 加賀谷
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Abstract

【課題】より長期にわたって安定的に使用することが可能な成膜装置、及び燃料被覆管の製造方法を提供する。【解決手段】成膜装置は、真空チャンバーと、真空チャンバーの底部又は最上部に配置され、上下方向に延びる軸線回りに回転可能な電極材と、電極材上に設置され、又は該電極材から吊るされて、軸線方向に延びるとともにジルコニウム合金からなる管材の外周側に、軸線方向に配列されたスパッタリング蒸発源としてのクロムからなる複数のターゲットと、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、成膜装置、及び燃料被覆管の製造方法に関する。
原子炉(軽水炉)では、燃料ペレットを燃料被覆管に収容して燃料棒を構成し、燃料棒を複数束ねることで燃料集合体が形成される。一般的に燃料被覆管は、ジルコニウム合金によって形成される。しかしながら、ジルコニウム合金は、事故等の場合に、高温の水蒸気に晒されると、酸化反応が生じたり、変形が生じたりする虞があるため、これらの万一の場合における事故耐性の向上が望まれている。また、今後、使用済み燃料削減の観点から燃料の高燃焼度化が進められる傾向にある。そのため、原子炉内での長期間使用に耐えるように、燃料集合体の耐腐食性向上、耐摩耗性向上に対する要請が高まっている。
そこで、例えば下記特許文献1に記載されているように、ジルコニウム合金の表面にクロムによる被膜を形成する技術が提唱されている。この技術では、金属元素を含む第1の被膜層と、これを覆うクロムからなる第2の被膜層によって管材を覆うとされている。被膜の形成に用いられる方法として具体的には、溶射や化学蒸着等が例示されている。
特表2017-517631号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、溶射や化学蒸着によって被膜を形成するのみでは、熱的影響や化学的影響による基材の変質が起こる。また、結晶粒界を境界として被膜の割れや脱落を生じる虞がある。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、より長期にわたって安定的に被膜を維持し続けることが可能な成膜装置、及び燃料被覆管の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る成膜装置は、真空チャンバーと、該真空チャンバーの底部、又は最上部に配置され、上下方向に延びる軸線回りに回転可能な電極材と、該電極材上に設置され、又は該電極材から吊るされて、前記軸線方向に延びるとともにジルコニウム合金からなる管材の外周側に、前記軸線方向に配列されたスパッタリング蒸発源としてのクロムからなる複数のターゲットと、を備える。
本開示に係る燃料被覆管の製造方法は、真空チャンバー内の電極材に、軸線方向に延びるジルコニウム合金からなる管材を設置し、クロムからなるターゲットを前記管材の外周側に、前記軸線方向に複数設置する準備工程と、前記真空チャンバー内にアルゴンを供給した状態で、前記電極材と前記真空チャンバーとの間に電圧を印可するエッチング工程と、前記真空チャンバー内にアルゴンと窒素とを供給した状態で前記ターゲットと前記真空チャンバーとの間、及び前記電極材と前記真空チャンバーとの間に、各々独立した電源で電圧を印加して、前記管材を前記軸線回りに回転させることで、前記管材の表面にアモルファス化した被膜を形成する被膜形成工程と、を含む。
本開示によれば、より長期にわたって安定的に使用することが可能な成膜装置、及び燃料被覆管の製造方法を提供することができる。
本開示の実施形態に係る燃料被覆管の構成を示す縦断面図である。 本開示の実施形態に係る燃料被覆管の構成を示す横断面図である。 本開示の実施形態に係る成膜装置の構成を示す模式断面図である。 本開示の実施形態に係る燃料被覆管の製造方法における被膜形成工程の様子を示す説明図である。 本開示の実施形態に係る燃料被覆管の製造方法の各工程を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施形態に係る燃料棒1、被覆管10(燃料被覆管)、及び被覆管10の製造方法、及び成膜装置40について、図1から図5を参照して説明する。
(燃料棒の構成)
燃料棒1は、炉心の内部で上下方向を軸として配置される棒状をなしている。図1に示すように、燃料棒1は、筒状の被覆管10と、この被覆管10の内部に収容されているスプリング11、及び燃料ペレット2と、両端部に設けられた上部端栓12、及び下部端栓13と、を有している。
燃料ペレット2は、例えばウランやプルトニウムを主成分とする核分裂性物質であり、炉心の熱源として用いられる。燃料ペレット2は、高さ・直径ともに約1cm程度の円柱型のペレット状に成型されている。このような燃料ペレット2が、被覆管10の下方から順に積み重なるようにして充填されている。最も上方の燃料ペレット2は、スプリング11によって下方に向かって押圧されている。
(被覆管の構成)
図2及び図3に示すように、被覆管10は、軸線Oを中心とする円筒状の管材31と、管材31の外表面に形成された金属層32(被膜)と、を有している。管材31は、ジルコニウム合金で形成されている。より具体的には、この管材31は、ジルコニウムと、錫、ニオブ、鉄、クロム、及び酸素の中から選択された少なくとも1つの化学種と、を含んでいる。さらに具体的には、この管材31は、0~2重量%の錫と、0~2重量%のニオブと、0~0.4重量%の鉄と、0~0.5重量%のクロムと、0~0.2重量%の酸素と、その残余の成分としてのジルコニウムと、を含んでいる。
金属層32は、クロムと窒素とを含む被膜である。より具体的には、金属層32中では、窒素を含むクロム元素が、結晶構造ではなく、アモルファス構造を形成している。なお、ここではアモルファス構造に近い超微細な結晶構造も含めアモルファス構造という。金属層32は、管材31の外周側を向く表面(外周面)に形成されている。なお、このような金属層32の外周側にそれぞれ純クロムからなる他の被膜層を設けることも可能である。この場合、純クロムは金属層32よりも柔らかいことから、管材31に膨張を生じた場合にこれに追従して、被膜にクラックが生じる可能性を低減することができる。
(成膜装置の構成)
次に、上述の管材31に金属層32を形成するための成膜装置40について、図3と図4を参照して説明する。成膜装置40は、管材31に負の電位(バイアス電圧)を印加する電極材41と、スパッタリング蒸発源としてのターゲット42及び磁石43と、電源44,電源45と、を有している。なお、図3中では、図示簡略化のため、電源44,電源45の図示を省略している。また、図4中では、図示簡略化のため、1組のターゲット42及び磁石43のみ図示している。
スパッタリング蒸発源としてのターゲット42及び磁石43には電源45の負極が接続されている。磁石43は、ターゲット42の外周側に設けられている。より具体的には、管材31から見てターゲット42の背面になるように、ターゲット42の外周側に磁石43が配置されている。なお、磁石43はターゲット42に接していてもよいし、離間していてもよい。ターゲット42の表面は、管材31に向かって露出している。ターゲット42は、管材31の外面に対して径方向に間隔をあけて配置されている。
このようなターゲット42及び磁石43の組が、管材31の軸線O方向に複数設けられている。また、これらターゲット及び磁石43は、軸線O方向から見て、周方向に互いに間隔をあけて配置されている。より具体的には、軸線O方向から見て、ある任意のターゲット42及び磁石43の周方向位置を0°とすると、軸線O方向に隣り合う他のターゲット42及び磁石43は、180°の周方向位置に設けられていることが望ましい。なお、これら周方向位置は一例であって、設計や仕様に応じて適宜変更することが可能である。
さらに、図3中の破線で示すように、軸線O方向に隣り合う一対のターゲット42及び磁石43同士では、軸線O方向における端部の少なくとも一部が軸線O方向に互いに重なり合っている。つまり、これら一対のターゲット42及び磁石43の組は、軸線O方向にオーバーラップしている。また、軸線O方向の両端側に位置するターゲット42及び磁石43は、軸線O方向において管材31の端部よりも外側まで延びている。言い換えれば、管材31の両端部は、径方向外側からターゲット42及び磁石43によって覆われている。
管材31に負の電位(バイアス電圧)を印加する電極材41は、管材31に下方から接触する板状をなしている。また、電極材41を上部に配置して、管材31を当該電極材41に吊るして固定することもできる。電極材41は自身の中心軸(軸線O)回りに回転可能とされている。電極材41を回転させることにより管材31の表面に周方向に順次被膜が形成される。なお、電極材41を固定してターゲット42を電極材41の中心軸回りに回転させてもよい。
(燃料被覆管の製造方法)
次に、図4と図5を参照して、燃料被覆管の製造方法について説明する。図5に示すように、この製造方法は、準備工程S1と、エッチング工程S2と、被膜形成工程S3と、を含む。
準備工程S1では、上述の管材31を準備するとともに、この管材31を電極材41に設置する。この状態で、管材31を真空チャンバー46内に配置する。さらに、管材31の外周側に、クロムからなるターゲット42を配置し、さらに管材31から見てターゲット42の背面になるように、ターゲット42の外周側に磁石43を配置する。
準備工程S1の次に、エッチング工程S2を実行する。この工程では、真空チャンバー内にアルゴンを供給しながら、電源44からの電力供給により、管材31(電極材41)に、真空チャンバー46に対して負の電位(バイアス電圧)が印可される。これにより、真空チャンバー46内のアルゴンがプラズマ状態になり、アルゴンイオン(Ar)が発生する。このバイアス電圧の大きさを300V以上とすることで、アルゴンイオンが管材31に強く照射されて管材31の表面がエッチングクリーニングされる。
続いて、被膜形成工程S3を実行する。この工程では、真空チャンバー内にアルゴンと窒素を供給しながら、電源45からの電力供給により、ターゲット42に、真空チャンバー46に対して負の電位が印加される。電位印加と磁石43の磁場作用により、ターゲット42の表面近傍が高濃度のアルゴンプラズマとなり、アルゴンイオン(Ar)照射によりターゲットのクロム元素がスパッタリングで放出される。同時に電源44からの電力供給により、管材31(電極材41)に、真空チャンバー46に対して負の電位(バイアス電圧)が印可される。この時のアルゴンの分圧は0.1Pa以下とされる。より望ましくは0.01Pa以上0.1Pa以下とされる。また、窒素の分圧は0Paより大きく、0.06Pa以下の範囲内とされる。また、真空チャンバー46内の温度は150℃以上200℃以下とされる。なお、詳しくは後述するが、バイアス電圧の大きさが150V以上である場合、クロムが結晶化してしまい、アモルファスによる金属層32を得ることができない。
このような条件下では、図4に示すように、真空チャンバー46内で窒素分子がプラズマによって放出された電子(プラズマ電子)に衝突して窒素イオン(N)が形成される。管材31の表面にはスパッタリングで放出されたクロム元素(Cr)が蒸着すると同時に、バイアス電圧により電気的にアルゴンイオン(Ar)、窒素イオン(N)が引付けられ、蒸着されるクロム元素(Cr)にエネルギーを付与しながら窒素元素(N)を供給することでアモルファス構造の金属層32が形成される。
(作用効果)
ここで、管材31に金属層32を形成するに当たっては、従来、溶射や化学蒸着が用いられることが一般的であった。しかしながら、溶射や化学蒸着によって被膜を形成するのみでは、熱的影響や化学的影響による基材の変質が起こる。また、結晶粒界を境界として被膜の割れや脱落を生じる虞があった。そこで、本実施形態では、上述の構成、及び方法を採っている。
上記構成によれば、管材31の表面にアモルファス化した窒素とクロムの被膜を形成することができる。これにより、例えば窒化クロムが結晶化した被膜を形成した場合とは異なり、微視的に境界のない一様な被膜構造を得ることができる。その結果、例えば経年使用によって管材31が膨張したり変形したりした場合であっても、その変形を被膜が追従して抑制するため、被覆管10としての寿命をさらに長く維持することができる。
さらに、軸線O方向に配列された複数のターゲット42を備えることから、当該軸線O方向の寸法が大きい長尺状の管材31に対しても、膜厚のムラを生じることなく均一に被膜を形成することができる。反対に、長尺状の管材31に対して、1つの大きなターゲット42を用いた場合、当該ターゲット42の内部抵抗によって、ターゲット42と真空チャンバー46との間の電位差に不均一な個所が生じる虞がある。しかしながら、上記のように複数の小さなターゲット42によって成膜を行うことによって、電位差の不均一が解消され、金属層32の膜厚を管材31の延在長さ全域にわたって均一に維持することが可能となる。
さらに、複数のターゲット42は、軸線O方向から見て、周方向に互いに間隔をあけて配置されている。この構成によれば、例えば周方向の全域から管材を覆う筒状のターゲット42を用いる場合に比べて、ターゲット42の寸法を小さく抑えることができる。これにより、装置の製造コストを削減することができる。特に、ターゲット42を小さくすることによって、これらを外周側から覆う真空チャンバー46の容積・寸法体格も小さく抑えることができる。これにより、さらなるコスト削減を実現することが可能となる。
加えて、このようにターゲット42の大型化を回避することで、上述したものと同様の理由により、真空チャンバー46とターゲット42との間の電位差の不均一が解消され、金属層32の膜厚を管材31の延在長さ全域にわたってより均一に維持することが可能となる。
さらに、上記構成では、軸線O方向に隣り合う一対のターゲット42同士では、互いの端部の少なくとも一部が軸線O方向に重なっている。ここで、ターゲット42の軸線O方向における両端部では十分なプラズマ密度を確保できず、スパッタリングで放出されるクロム元素の量が少なくなってしまう。そのため、当該両端部では、被膜(金属層32)の膜厚が小さくなりがちであることが知られている。しかしながら、ターゲット42の軸線O方向における両端部で、一対のターゲット42同士が互いに重なっていることにより、一対のターゲット42によりスパッタリングで放出されるクロム元素が重畳され、相乗効果によって十分なクロム元素量を確保することが可能となる。その結果、当該端部であっても膜厚を確保して、所望の膜厚を有する被膜を得ることが可能となる。
また、上記製造方法によれば、管材31の表面にアモルファス化した窒素とクロムの被膜を形成することができる。これにより、例えば窒化クロムが結晶化した被膜を形成した場合とは異なり、微視的に境界がない、即ち、変形に対する追従性を弱める結晶粒界や格子欠陥がない被膜構造を得ることができる。その結果、例えば管材31が膨張したり変形したりした場合であっても、被膜が変形に追従しやすく、被覆管10としての寿命をさらに長く維持することができる。
以上、本開示の実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成や方法に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記実施形態では、電極材41の回転に伴って管材31が軸線O回りに回転しながら成膜を行う構成と方法について説明した。しかしながら、真空チャンバー46の寸法の制約が許容する限りにおいて、電極材41を回転させつつ、軸線O方向に管材31を進退動させる構成を採ることも可能である。
また、上記実施形態では、複数のターゲット42及び磁石43がそれぞれ周方向に180°の周方向間隔をあけて配列されている例について説明した。しかしながら、周方向間隔は上記に限定されず、軸線O方向一方側から他方側に向かうに従って螺旋状となるように複数のターゲット42及び磁石43を配列することも可能である。このような構成によっても上述したものと同様の作用効果を得ることができる。
<付記>
各実施形態に記載の成膜装置40、及び燃料被覆管(被覆管10)の製造方法は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る成膜装置40は、真空チャンバー46と、該真空チャンバー46の底部、又は最上部に配置され、上下方向に延びる軸線O回りに回転可能な電極材41と、該電極材41上に配置され、又は該電極材41から吊るされて、前記軸線O方向に延びるとともにジルコニウム合金からなる管材31の外周側に前記軸線O方向に配列されたスパッタリング蒸発源としてのクロムからなる複数のターゲット42と、を備える。
上記構成によれば、管材31の表面にアモルファス化した窒素とクロムの被膜を形成することができる。これにより、結晶粒界や格子欠陥がない被膜構造を得ることができる。さらに、軸線O方向に配列された複数のターゲット42を備えることから、当該軸線O方向の寸法が大きい長尺状の管材に対しても、膜厚のムラを生じることなく均一に被膜を形成することができる。
(2)第2の態様に係る成膜装置40は、(1)の成膜装置40であって、前記複数のターゲット42は、前記軸線O方向から見て、周方向に互いに間隔をあけて配置されている。
上記構成によれば、例えば周方向の全域から管材31を覆うターゲット42を用いる場合に比べて、ターゲット42の寸法を小さく抑えることができる。これにより、装置の製造コストを削減することができる。
(3)第3の態様に係る成膜装置40は、(1)又は(2)の成膜装置40であって、前記複数のターゲット42は、前記軸線O方向から見て、周方向に180°の間隔をあけて配置されている。
上記構成によれば、ターゲット42の大型化を回避できることから、装置の製造コストを削減することができる。
(4)第4の態様に係る成膜装置40は、(1)から(3)のいずれか一態様に係る成膜装置40であって、前記軸線O方向に隣り合う一対の前記ターゲット42同士では、互いの少なくとも一部が前記軸線O方向に重なっている。
上記構成によれば、被膜の膜厚が小さくなりがちなターゲット42の軸線O方向における両端部で、一対のターゲット42同士が互いに重なっている。これにより、当該端部であっても膜厚を確保して、所望の膜厚を有する被膜を得ることが可能となる。
(5)第5の態様に係る燃料被覆管(被覆管10)の製造方法は、真空チャンバー46内の電極材41に、軸線O方向に延びるジルコニウム合金からなる管材31を設置し、クロムからなるターゲット42を前記管材31の外周側に、前記軸線O方向に複数設置する準備工程S1と、前記真空チャンバー46内にアルゴンを供給した状態で、前記電極材41と真空チャンバー46との間に電圧を印可するエッチング工程S2と、前記真空チャンバー46内にアルゴンと窒素とを供給した状態で前記ターゲット42と前記真空チャンバー46との間、及び前記電極材41と前記真空チャンバーとの間に、各々独立した電源で電圧を印加して、管材31を前記軸線O回りに回転させることで、前記管材31の表面にアモルファス化した被膜を形成する被膜形成工程S3と、を含む。
上記方法によれば、管材31の表面にアモルファス化した窒素とクロムの被膜を形成することができる。これにより、結晶粒界や格子欠陥がない被膜構造を得ることができる。さらに、軸線O方向に配列された複数のターゲット42を用いることから、当該軸線O方向の寸法が大きい長尺状の管材31に対しても、膜厚のムラを生じることなく均一に被膜を形成することができる。
1 燃料棒
2 燃料ペレット
10 被覆管(燃料被覆管)
11 スプリング
12 上部端栓
13 下部端栓
31 管材
32 金属層
40 成膜装置
41 電極材
42 ターゲット
43 磁石
44 電源
45 電源
46 真空チャンバー
O 軸線

Claims (5)

  1. 真空チャンバーと、該真空チャンバーの底部、又は最上部に配置され、上下方向に延びる軸線回りに回転可能な電極材と、該電極材上に設置され、又は該電極材から吊るされて、前記軸線方向に延びるとともにジルコニウム合金からなる管材の外周側に、前記軸線方向に配列されたスパッタリング蒸発源としてのクロムからなる複数のターゲットと、を備える成膜装置。
  2. 前記複数のターゲットは、前記軸線方向から見て、周方向に互いに間隔をあけて配置されている請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記複数のターゲットは、前記軸線方向から見て、周方向に180°の間隔をあけて配置されている請求項1又は2に記載の成膜装置。
  4. 前記軸線方向に隣り合う一対の前記ターゲット同士では、互いの少なくとも一部が前記軸線方向に重なっている請求項1に記載の成膜装置。
  5. 真空チャンバー内の電極材に、軸線方向に延びるジルコニウム合金からなる管材を設置し、クロムからなるターゲットを前記管材の外周側に、前記軸線方向に複数設置する準備工程と、前記真空チャンバー内にアルゴンを供給した状態で、前記電極材と前記真空チャンバーとの間に電圧を印可するエッチング工程と、前記真空チャンバー内にアルゴンと窒素とを供給した状態で前記ターゲットと前記真空チャンバーとの間、及び前記電極材と前記真空チャンバーとの間に、各々独立した電源で電圧を印加して、前記管材を前記軸線回りに回転させることで、前記管材の表面にアモルファス化した被膜を形成する被膜形成工程と、を含む燃料被覆管の製造方法。
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