JP2023175101A - 冷却液劣化判定システム - Google Patents

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Yasuro Kodama
揚一郎 吉井
Yoichiro Yoshii
雅之 長澤
Masayuki Nagasawa
新一 小倉
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Abstract

【課題】冷却液の劣化を正確に判定することが可能な冷却液劣化判定システムを提供する。【解決手段】冷却液劣化判定システム50は、エンジン10を通過した冷却液の温度を測定する温度センサ31と、冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度を測定する濃度センサ32と、冷却液の劣化を判定する制御装置40と、を備える。制御装置40は、冷却液が交換されるまでの間において、温度センサ31により測定された冷却液の温度が規定温度以上である積算時間を計時する積算時間計時部42と、積算時間が規定時間以上である場合、冷却液が劣化したと判定する劣化判定部43と、濃度センサ32により測定されたエチレングリコールの濃度に基づいて規定時間を補正する補正部44と、を有する。劣化判定部43は、補正部44により補正された規定時間と積算時間とを比較することによって、冷却液の劣化を判定する。【選択図】図5

Description

本発明は、冷却液劣化判定システムに関する。
従来から、動力源であるエンジンと、エンジンを制御する制御装置とを備えた内燃機関システムが提案されている。エンジンの稼働時には、エンジンは、燃料と空気との混合気の燃焼により、高温に発熱する。そこで、エンジンには、冷却液が通水され、冷却循環機構により、冷却液を循環して、冷却液がエンジンに送られる。
ところで、このような冷却液には、不凍性を目的として、エチレングリコールを含むものが使用されることがある。しかしながら、エチレングリコールは、80℃を超える温度環境下では、酸化劣化することがある。エチレングリコールが酸化劣化すると、冷却液にギ酸又は酢酸等の有機酸が生成される。有機酸は、腐食性イオンとして働く。したがって、エチレングリコールが酸化劣化して冷却液が劣化すると、当該冷却液が流れる流路の金属が腐食するおそれがある。
例えば、このような冷却液を管理するシステムとして、特許文献1には、冷却液の温度が規定温度以上である時間を積算し、この積算時間が規定時間に到達すると、冷却液が劣化したと判定するシステムが開示されている。
特開2009-087825号公報
エチレングリコールの酸化劣化は、冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度に依存する。しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、エチレングリコールの濃度を考慮せずに、冷却液の劣化を判定しているので、例えばエチレングリコールの濃度が規定濃度よりも薄められた場合、冷却液の劣化を正確に判定することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、冷却液の劣化を正確に判定することが可能な冷却液劣化判定システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の冷却液劣化判定システムは、エンジンを冷却する冷却液としてエチレングリコールを含む冷却液の劣化を判定する冷却液劣化判定システムであって、前記エンジンを通過した前記冷却液の温度を測定する温度センサと、前記冷却液に含まれる前記エチレングリコールの濃度を測定する濃度センサと、前記温度センサ及び前記濃度センサの各測定結果に基づいて前記冷却液の劣化を判定する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記冷却液が交換されるまでの間において、前記温度センサにより測定された前記冷却液の温度が規定温度以上である積算時間を計時する積算時間計時部と、前記積算時間が規定時間以上である場合、前記冷却液が劣化したと判定する劣化判定部と、前記濃度センサにより測定された前記エチレングリコールの濃度に基づいて前記規定時間を補正する補正部と、を有し、前記劣化判定部は、前記補正部により補正された前記規定時間と前記積算時間とを比較することによって、前記冷却液の劣化を判定することを特徴とする。
この構成により、劣化判定部は、冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度を考慮して、冷却液の劣化を判定することができる。よって、冷却液劣化判定システムは、冷却液の劣化を正確に判定することができる。
更に好ましい態様として、前記冷却液劣化判定システムは、内燃機関システムに組み込まれており、前記内燃機関システムは、前記エンジンと、前記冷却液を冷却しながら前記エンジンへ循環させる冷却循環機構と、を備え、前記冷却循環機構は、前記エンジンを通過した高温の前記冷却液が流れる高温流路と、冷却された低温の前記冷却液が流れる低温流路と、を有し、前記濃度センサは、前記高温流路に設置される。
この態様により、濃度センサは、冷却液の正確な劣化判定に寄与する高温の冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度を精度良く測定することができる。冷却液劣化判定システムは、エチレングリコールの酸化劣化を過小評価する可能性を低減することができる。よって、冷却液劣化判定システムは、冷却液の劣化を正確且つ精度良く判定することができる。
更に好ましい態様として、前記冷却液劣化判定システムは、内燃機関システムに組み込まれており、前記内燃機関システムは、前記エンジンと、前記冷却液を冷却しながら前記エンジンへ循環させる冷却循環機構と、を備え、前記冷却循環機構は、前記エンジンを通過する前記冷却液を前記エンジンから排出する排出口を有し、前記温度センサ及び前記濃度センサは、前記排出口に設置されている。
この態様により、濃度センサは、冷却液の正確な劣化判定に寄与する高温の冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度を正確に測定することができる。よって、冷却液劣化判定システムは、冷却液の劣化を更に正確に判定することができる。
更に好ましい態様として、前記濃度センサは、前記冷却液の密度を測定する密度計、又は、前記冷却液の屈折率を測定する屈折率計と、前記密度計により測定された前記冷却液の密度、又は、前記屈折率計により測定された前記冷却液の屈折率、及び、前記温度センサにより測定された前記冷却液の温度から、前記エチレングリコールの濃度を算出する濃度算出部と、によって構成される。
この態様により、濃度センサは、冷却液の温度に依存するエチレングリコールの濃度を正確に測定することができる。よって、冷却液劣化判定システムは、正確に測定されたエチレングリコールの濃度に基づいて、冷却液の劣化を更に正確に判定することができる。
更に好ましい態様として、前記補正部は、前記濃度センサにより測定された前記エチレングリコールの濃度、及び、前記温度センサにより測定された前記冷却液の温度から、前記エチレングリコールの酸化劣化の進行度合いを相対的に示す劣化速度係数を算出し、算出された前記劣化速度係数により前記規定時間を除算することによって、前記規定時間を補正する。
この態様により、冷却液劣化判定システムは、エチレングリコールの濃度を考慮した冷却液の劣化判定を簡単に実現することができる。よって、冷却液劣化判定システムは、冷却液の劣化を正確且つ容易に判定することができる。
本発明によれば、冷却液の劣化を正確に判定することが可能な冷却液劣化判定システムを提供することができる。
本実施形態の冷却液劣化判定システムが組み込まれた内燃機関システムを模式的に示す図。 濃度センサの構成を示すブロック図。 冷却液の温度及び密度とエチレングリコールの濃度との関係を示す図。 温度センサ及び濃度センサの設置箇所を説明する図。 制御装置の構成を示すブロック図。 冷却液の温度及びエチレングリコールの濃度と劣化速度係数との関係を示す図。 冷却液劣化判定システムの動作の流れを示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。各実施形態において同一の符号を付された構成については、特に言及しない限り、各実施形態において同様の機能を有し、その説明を省略する。
図1は、本実施形態の冷却液劣化判定システム50が組み込まれた内燃機関システム1を模式的に示す図である。
冷却液劣化判定システム50は、エンジン10を冷却する冷却液としてエチレングリコールを含む冷却液の劣化を判定するシステムである。冷却液劣化判定システム50は、車両に搭載された内燃機関システム1に組み込まれている。
内燃機関システム1は、エンジン10と、冷却循環機構20と、温度センサ31と、濃度センサ32と、制御装置40と、スタータ60と、警告灯70と、を備える。温度センサ31と、濃度センサ32と、制御装置40とが、冷却液劣化判定システム50を構成する。
エンジン10は、車両の動力源となる装置である。エンジン10は、シリンダブロックに、ピストンが摺動自在に配置されており、シリンダヘッドには吸気弁及び排気弁が設けられている。エンジン10の燃焼室では、燃料と吸入空気を混合した混合気を着火して燃焼し、これにより、エンジン10が稼働する。この燃焼により、エンジン10が加熱されることから、本実施形態では、エンジン10のシリンダブロック及びシリンダヘッドには、エンジン10を冷却する冷却液が流れる流路が形成されている。
本実施形態では、冷却液は、水にエチレングリコール(以下「EG」とも称する)等を含む添加剤が添加された液体である。本実施形態では、冷却液に、エチレングリコールを30%~60%(例えば質量%)含んでいてもよい。冷却液にエチレングリコールを添加することにより、冷却液の凍結を防止することができる。
エンジン10を冷却する冷却液は、一般的に知られた冷却循環機構20により、エンジン10へ循環される。冷却循環機構20は、ポンプ21、ヒータコア22、ラジエータ23、及び、リザーブタンク24を備えており、これらは配管25を介して接続されている。
ポンプ21は、エンジン10よりも上流側に設置されており、エンジン10に冷却液を圧送する。エンジン10の稼働時には、エンジン10が加熱されるので、ポンプ21の圧送により、エンジン10は冷却される。
エンジン10の下流側には、温度センサ31及び濃度センサ32が設置されている。温度センサ31は、エンジン10を通過した冷却液の温度を測定する。濃度センサ32は、冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度を測定する。
温度センサ31及び濃度センサ32の下流側には、ヒータコア22及びラジエータ23が設置されている。ヒータコア22は、車両の室内の温度を昇温する際に、エンジン10を通過した冷却液の熱を熱交換により吸熱するものである。ラジエータ23は、エンジン10を通過した冷却液を冷却することができる。
更に、ラジエータ23とポンプ21との間には、冷却液を貯蔵するリザーブタンク24が設置されている。リザーブタンク24は、ポンプ21に供給される冷却液の不足時には、リザーブタンク24から冷却液が供給される。本実施形態では、リザーブタンク24は、ラジエータ23とポンプ21との間に設置されているが、例えば、ラジエータ23に設置されていてもよい。
本実施形態では、図1に示すエンジン(具体的にはシリンダブロック及びシリンダヘッド)10、ヒータコア22、ラジエータ23、ポンプ21に形成された流路と、これらを接続する配管25内の流路とから成る流路が、本発明でいうところの「冷却液の流路」に相当する。
制御装置40は、内燃機関システム1の各構成要素を制御する。例えば、制御装置40は、スタータ60からの始動信号に基づいて、エンジン10の始動制御を行い、継続してエンジン10の燃焼制御を行う。制御装置40によるエンジン10の制御は、エンジン10の空燃比制御等、エンジン10を稼働させる一般的な制御であり、その詳細な説明を省略する。
また、制御装置40は、温度センサ31及び濃度センサ32の各測定結果に基づいて冷却液の劣化を判定する。制御装置40は、冷却液が劣化していると判定した場合、冷却液の交換を促す警告灯70を点灯させる制御を行う。制御装置40は、温度センサ31に電気的に接続されており、温度センサ31から送信された冷却液の温度の測定結果を示す測定信号を受信する。制御装置40は、濃度センサ32に電気的に接続されており、濃度センサ32から送信されたエチレングリコールの濃度の測定結果を示す測定信号を受信する。制御装置40は、CPU等の演算装置と、RAM及びROM等の記憶装置とをハードウエアとして備えている。
図2は、濃度センサ32の構成を示すブロック図である。図3は、冷却液の温度及び密度とエチレングリコールの濃度との関係を示す図である。
冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度は、冷却液の密度又は屈折率から測定され得る。濃度センサ32は、密度計33又は屈折率計と、濃度算出部34と、によって構成される。密度計33は、冷却液の密度を測定する。屈折率計は、冷却液の屈折率を測定する。濃度算出部34は、密度計33により測定された冷却液の密度、又は、屈折率計により測定された冷却液の屈折率、及び、温度センサ31により測定された冷却液の温度から、エチレングリコールの濃度を算出する。本実施形態では、濃度センサ32が密度計33と濃度算出部34とを有するものとして説明する。
冷却液の密度又は屈折率は、冷却液の温度に依存する。例えば、冷却液の密度は、図3に示すように、冷却液の温度上昇に伴って低下する。また、図3に示すように、冷却液の温度及び密度が決まると、エチレングリコールの濃度が決まる。濃度算出部34には、図3に示すような、冷却液の温度及び密度とエチレングリコールの濃度との関係を記述する数理モデル(数式)が予め設定されていてもよい。濃度算出部34は、密度計33により測定された冷却液の密度と、温度センサ31により測定された冷却液の温度とを、この数理モデルに入力することによって、エチレングリコールの濃度の算出することができる。これにより、濃度センサ32は、エチレングリコールの濃度を測定することができる。なお、濃度算出部34は、制御装置40の一部であってもよい。
濃度センサ32が密度計33又は屈折率計と濃度算出部34とによって構成されることにより、濃度センサ32は、冷却液の温度に依存するエチレングリコールの濃度を正確に測定することができる。よって、冷却液劣化判定システム50は、正確に測定されたエチレングリコールの濃度に基づいて、冷却液の劣化を更に正確に判定することができる。
図4は、温度センサ31及び濃度センサ32の設置箇所を説明する図である。図4には、エンジン10及び冷却循環機構20の一例が示されている。
冷却循環機構20は、エンジン10を通過した高温の冷却液が流れる高温流路26と、ヒータコア22又はラジエータ23等によって冷却された低温の冷却液が流れる低温流路27と、を有している。図4では、高温流路26が灰色で示されており、低温流路27が高温流路26よりも薄い灰色で示されている。
高温流路26にはエンジン10を通過した高温の冷却液が安定的に流れるので、高温流路26を流れる冷却液の温度は安定している。一方、エンジン10の稼働状態によっては低温の冷却液をエンジン10に供給する必要が無い場合があることから、低温流路27には冷却液が安定的に流れないことがあるので、低温流路27を流れる冷却液の温度は高温流路26よりも安定していない。また、エチレングリコールは高温であるほど酸化劣化しやすいことから、冷却液の劣化を正確に判定するためには、当該劣化判定に用いられるエチレングリコールの濃度を、高温流路26を流れる冷却液に対して測定することが望ましい。すなわち、低温流路27を流れる冷却液に対してエチレングリコールの濃度を測定すると、エチレングリコールの酸化劣化を過小評価する可能性がある。
このようなことから、濃度センサ32(具体的には密度計33)は、高温流路26に設置されている。これにより、濃度センサ32は、冷却液の正確な劣化判定に寄与する高温の冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度を精度良く測定することができる。冷却液劣化判定システム50は、エチレングリコールの酸化劣化を過小評価する可能性を低減することができる。よって、冷却液劣化判定システム50は、冷却液の劣化を正確且つ精度良く判定することができる。
また、冷却循環機構20は、エンジン10を通過する冷却液をエンジン10から排出する排出口28を有している。排出口28を通過する冷却液は、ヒータコア22又はラジエータ23等によって冷却される前であり、高温の冷却液である。温度センサ31は、この排出口28に設置されており、高温の冷却液の温度を測定する。図3を用いて説明したように、冷却液の密度は冷却液の温度に依存するので、濃度センサ32の設置箇所と温度センサ31の設置箇所とが異なると、濃度センサ32の測定誤差が大きくなる。
このようなことから、濃度センサ32は、温度センサ31と同一箇所であり、高温の冷却液が流れる排出口28に設置されている。これにより、濃度センサ32は、冷却液の正確な劣化判定に寄与する高温の冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度を正確に測定することができる。よって、冷却液劣化判定システム50は、冷却液の劣化を更に正確に判定することができる。
なお、本実施形態は、濃度センサ32の設置箇所を排出口28に限定するものではない。例えば、濃度センサ32は、高温流路26の1つであるラジエータ23の入口やリザーブタンク24内に設置されていてもよい。
図5は、制御装置40の構成を示すブロック図である。図6は、冷却液の温度及びエチレングリコールの濃度と劣化速度係数との関係を示す図である。
制御装置40は、始動回数計数部41と、積算時間計時部42と、劣化判定部43と、補正部44と、を備える。
始動回数計数部41は、エンジン10の冷間始動を判定し、冷却液が交換されるまでの間の冷間始動回数を計数する。冷間始動は、エンジン10の外気温度(雰囲気温度)以下における始動であり、本実施形態では、冷却液から、エンジン10から入熱された熱を完全に放熱されたときのエンジン10の始動である。例えば、エンジン10の冷間始動は、スタータ60からの始動信号を受信したタイミングで、外気温度と、冷却液の温度とを対比することにより判定されてもよい。また、エンジン10の冷間始動は、冷却液の温度が低下してから、エンジン10が始動するタイミングで、判定されてもよい。
積算時間計時部42は、冷却液が交換されるまでの間において、温度センサ31により測定された冷却液の温度が規定温度以上である積算時間を計時する。ここで、規定温度とは、冷却液に含まれるエチレングリコールが酸化劣化して、冷却液にギ酸又は酢酸等の有機酸が生成される温度である。規定温度は、例えば80℃である。
劣化判定部43は、積算時間計時部42により計時された積算時間が規定時間以上である場合、冷却液が劣化したと判定する。好ましくは、劣化判定部43は、積算時間計時部42により計時された積算時間が規定時間以上であり、且つ、始動回数計数部41により計数された冷間始動回数が規定回数以上である場合、冷却液が劣化したと判定する。
冷却液が劣化したと判定された場合、劣化判定部43は、警告灯70を点灯させるための制御信号である警告信号を警告灯70に送信して警告灯70を点灯させる。これにより、制御装置40は、冷却液の交換を適切なタイミングでユーザに促すことができる。
ここで、規定時間は、例えば、次のようにして求めてもよい。すなわち、冷却液に所定量の酸素が溶存している状態で、エンジン10を通過した冷却液の最高温度と同じ温度で冷却液を加熱し、エチレングリコールから生成されるギ酸又は酢酸等の有機酸の量が所定の量に到達したときの加熱時間を、予め実験等により取得する。取得された加熱時間を、規定時間として定めることができる。これにより、積算時間計時部42により計時された積算時間が規定時間以上である場合には、冷却液に含まれるエチレングリコールが酸化劣化していると考えることができる。規定時間は、例えば3000時間~50000時間であり、好ましくは5000時間~30000時間である。
冷却液が規定温度に到達すると、エチレングリコールの酸化劣化が開始するが、冷却液の溶存酸素量は消費されていく。一方、冷却液の溶存酸素量は、エンジン10の冷間時において、リザーブタンク24を含む冷却循環機構20内の気相(エア)から取り込まれることにより増加する。したがって、エンジン10の冷間時には、冷却液に酸素が補充され、規定時間で溶存酸素量は飽和する。
そこで、本実施形態では、劣化判定部43は、積算時間が規定時間以上であるという判定条件に加えて、始動回数計数部41により計数された冷間始動回数が規定回数以上であるときに、冷却液が劣化したと判定する。
ところで、エチレングリコールの酸化劣化は、冷却液の温度及び溶存酸素量だけでなく、エチレングリコールの濃度に依存する。エチレングリコールの濃度が低いほど、エチレングリコールの酸化劣化は進行し易い。すなわち、エチレングリコールの濃度が低いほど、冷却液の劣化速度は速くなる。
図6には、冷却液の温度及びエチレングリコールの濃度と劣化速度係数との関係が示されている。劣化速度係数は、エチレングリコールの酸化劣化の進行度合いを相対的に示す指標である。具体的には、劣化速度係数は、冷却液の温度が90℃でありエチレングリコールの濃度が50%である場合の劣化速度係数を1として、各温度及び各濃度におけるエチレングリコールの酸化劣化の進行度合いを相対的に示す指標である。図6に示すグラフは、次のようにして求めた。試験液として、エチレングリコールの濃度が30%の水溶液と50%の水溶液とを用意した。これらの試験液を密閉容器内に収容し、試験液の温度が20℃、30℃、・・・、110℃、120℃の各温度になるように加熱した。加熱時間は、各温度において504時間とした。その後、各温度において各濃度の試験液に生成されたギ酸及びグリコール酸の成分量を測定した。そして、冷却液の温度が90℃でありエチレングリコールの濃度が50%である試験液に含まれる当該成分量を、劣化速度係数=1として、各温度において各濃度の試験液に含まれる成分量から、それぞれの劣化速度係数を算出した。
図6に示すように、エチレングリコールの酸化劣化がエチレングリコールの濃度に依存することから、本実施形態では、エチレングリコールの濃度を考慮して冷却液の劣化判定を行う。このために、本実施形態の制御装置40は、補正部44を備える。
補正部44は、濃度センサ32により測定されたエチレングリコールの濃度に基づいて規定時間を補正する。具体的には、図6に示すように、冷却液の温度及びエチレングリコールの濃度が決まると、劣化速度係数が決まる。補正部44には、図6に示すような、冷却液の温度及びエチレングリコールの濃度と劣化速度係数との関係を記述する数理モデル(数式)が予め設定されていてもよい。補正部44は、濃度センサ32により測定されたエチレングリコールの濃度と、温度センサ31により測定された冷却液の温度とを、この数理モデルに入力することによって、劣化速度係数を算出することができる。そして、補正部44は、算出された劣化速度係数により規定時間を除算することによって、規定時間を補正する。
劣化判定部43は、補正部44により補正された規定時間と、積算時間計時部42により計時された積算時間とを比較することによって、冷却液の劣化を判定する。図6に示すように、エチレングリコールの濃度が低いほど、劣化速度係数は大きくなることから、規定時間は短い時間に補正される。劣化判定部43は、積算時間が規定時間以上である場合に冷却液が劣化したと判定するので、エチレングリコールの濃度が低いほど、冷却液が劣化したと判定し易くなる。
このように、補正部44が劣化速度係数を算出し、算出された劣化速度係数を用いて規定時間を補正することにより、冷却液劣化判定システム50は、エチレングリコールの濃度を考慮した冷却液の劣化判定を簡単に実現することができる。よって、冷却液劣化判定システム50は、冷却液の劣化を正確且つ容易に判定することができる。
また、劣化判定部43は、濃度センサ32により測定されたエチレングリコールの濃度が規定濃度範囲外である場合、冷却液が劣化したと判定することができる。規定濃度範囲は、例えば25%~70%であり、好ましくは30%~65%である。エチレングリコールの濃度が規定濃度範囲外である場合、ユーザがリザーブタンク24に水道水を投入して冷却液を意図的に薄めたり、エチレングリコールを投入して冷却液を意図的に濃くしたりした可能性が高い。この場合、冷却液が所望の性能を発揮できなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、劣化判定部43は、濃度センサ32により測定されたエチレングリコールの濃度が規定濃度範囲外である場合、冷却液が劣化したと判定する。これにより、制御装置40は、冷却液が所望の性能を発揮できなくなる事態を抑止することができる。
図7は、冷却液劣化判定システム50の動作の流れを示すフローチャートである。
ステップS1において、制御装置40がエンジン10を始動させると、温度センサ31は、冷却液の温度を測定する。
ステップS2において、濃度センサ32は、冷却液の濃度を測定する。
ステップS3において、劣化判定部43は、濃度センサ32より測定されたエチレングリコールの濃度が規定濃度範囲以内であるか否かを判定する。エチレングリコールの濃度が規定濃度範囲以内である場合、冷却液劣化判定システム50は、ステップS4に移行する。エチレングリコールの濃度が規定濃度範囲外である場合、冷却液劣化判定システム50は、ステップS13に移行する。
ステップS4において、補正部44は、濃度センサ32により測定されたエチレングリコールの濃度、及び、温度センサ31により測定された冷却液の温度から、劣化速度係数を算出する。
ステップS5において、補正部44は、算出された劣化速度係数により規定時間を除算することによって、規定時間を補正する。
ステップS6において、温度センサ31は、冷却液の温度を測定する。
ステップS7において、劣化判定部43は、温度センサ31により測定された冷却液の温度が規定温度に到達したか否かを判定する。冷却液の温度が規定温度に到達した場合、冷却液劣化判定システム50は、ステップS8に移行する。冷却液の温度が規定温度に到達していない場合、冷却液劣化判定システム50は、ステップS9に移行する。
ステップS8において、積算時間計時部42は、冷却液の温度が規定温度以上である積算時間を計時する。そして、冷却液劣化判定システム50は、ステップS10に移行する。
ステップS9において、積算時間計時部42は、冷却液の温度が規定温度以上である積算時間を計時中であれば積算時間の計時を終了し、計時された時間を記憶する。その後、冷却液劣化判定システム50は、ステップS6に移行する。
ステップS10において、劣化判定部43は、積算時間計時部42により計時された積算時間が規定時間に到達したか否かを判定する。積算時間が規定時間に到達した場合、冷却液劣化判定システム50は、ステップS11に移行する。積算時間が規定時間に到達していない場合、冷却液劣化判定システム50は、ステップS6に移行する。
ステップS11において、始動回数計数部41は、エンジン10の冷間始動回数を計数する。
ステップS12において、劣化判定部43は、始動回数計数部41により計数された冷間始動回数が規定回数に到達したか否かを判定する。冷間始動回数が規定回数に到達した場合、冷却液劣化判定システム50は、ステップS13に移行する。冷間始動回数が規定回数に到達していない場合、冷却液劣化判定システム50は、ステップS6に移行する。
ステップS13において、劣化判定部43は、警告灯70を点灯させるための警告信号を警告灯70に送信して警告灯70を点灯させる。その後、図7に示す冷却液劣化判定システム50の動作が終了する。冷却液の交換後、冷却液劣化判定システム50は、始動回数計数部41により計数された冷間始動回数、及び、積算時間計時部42により計時された積算時間をリセットして、図7に示す動作を再度行う。
以上のように、冷却液劣化判定システム50は、エンジン10を冷却する冷却液としてエチレングリコールを含む冷却液の劣化を判定する冷却液劣化判定システムである。冷却液劣化判定システム50は、エンジン10を通過した冷却液の温度を測定する温度センサ31と、冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度を測定する濃度センサ32と、温度センサ31及び濃度センサ32の各測定結果に基づいて冷却液の劣化を判定する制御装置40と、を備える。制御装置40は、冷却液が交換されるまでの間において、温度センサ31により測定された冷却液の温度が規定温度以上である積算時間を計時する積算時間計時部42と、積算時間が規定時間以上である場合、冷却液が劣化したと判定する劣化判定部43と、濃度センサ32により測定されたエチレングリコールの濃度に基づいて規定時間を補正する補正部44と、を有する。劣化判定部43は、補正部44により補正された規定時間と積算時間とを比較することによって、冷却液の劣化を判定する。
これにより、劣化判定部43は、冷却液に含まれるエチレングリコールの濃度を考慮して、冷却液の劣化を判定することができる。よって、冷却液劣化判定システム50は、冷却液の劣化を正確に判定することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更を行うことができる。本発明は、或る実施形態の構成を他の実施形態の構成に追加したり、或る実施形態の構成を他の実施形態と置換したり、或る実施形態の構成の一部を削除したりすることができる。
1…内燃機関システム、10…エンジン、20…冷却循環機構、26…高温流路、27…低温流路、28…排出口、31…温度センサ、32…濃度センサ、33…密度計、34…濃度算出部、40…制御装置、42…積算時間計時部、43…劣化判定部、44…補正部、50…冷却液劣化判定システム

Claims (5)

  1. エンジンを冷却する冷却液としてエチレングリコールを含む冷却液の劣化を判定する冷却液劣化判定システムであって、
    前記エンジンを通過した前記冷却液の温度を測定する温度センサと、
    前記冷却液に含まれる前記エチレングリコールの濃度を測定する濃度センサと、
    前記温度センサ及び前記濃度センサの各測定結果に基づいて前記冷却液の劣化を判定する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記冷却液が交換されるまでの間において、前記温度センサにより測定された前記冷却液の温度が規定温度以上である積算時間を計時する積算時間計時部と、
    前記積算時間が規定時間以上である場合、前記冷却液が劣化したと判定する劣化判定部と、
    前記濃度センサにより測定された前記エチレングリコールの濃度に基づいて前記規定時間を補正する補正部と、を有し、
    前記劣化判定部は、前記補正部により補正された前記規定時間と前記積算時間とを比較することによって、前記冷却液の劣化を判定する
    ことを特徴とする冷却液劣化判定システム。
  2. 前記冷却液劣化判定システムは、内燃機関システムに組み込まれており、
    前記内燃機関システムは、前記エンジンと、前記冷却液を冷却しながら前記エンジンへ循環させる冷却循環機構と、を備え、
    前記冷却循環機構は、前記エンジンを通過した高温の前記冷却液が流れる高温流路と、冷却された低温の前記冷却液が流れる低温流路と、を有し、
    前記濃度センサは、前記高温流路に設置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却液劣化判定システム。
  3. 前記冷却液劣化判定システムは、内燃機関システムに組み込まれており、
    前記内燃機関システムは、前記エンジンと、前記冷却液を冷却しながら前記エンジンへ循環させる冷却循環機構と、を備え、
    前記冷却循環機構は、前記エンジンを通過する前記冷却液を前記エンジンから排出する排出口を有し、
    前記温度センサ及び前記濃度センサは、前記排出口に設置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却液劣化判定システム。
  4. 前記濃度センサは、
    前記冷却液の密度を測定する密度計、又は、前記冷却液の屈折率を測定する屈折率計と、
    前記密度計により測定された前記冷却液の密度、又は、前記屈折率計により測定された前記冷却液の屈折率、及び、前記温度センサにより測定された前記冷却液の温度から、前記エチレングリコールの濃度を算出する濃度算出部と、によって構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却液劣化判定システム。
  5. 前記補正部は、
    前記濃度センサにより測定された前記エチレングリコールの濃度、及び、前記温度センサにより測定された前記冷却液の温度から、前記エチレングリコールの酸化劣化の進行度合いを相対的に示す劣化速度係数を算出し、
    算出された前記劣化速度係数により前記規定時間を除算することによって、前記規定時間を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却液劣化判定システム。
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