JP2023174492A - 柱構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Yasuhiro Maeda
モラレス,アレシャンドレ
Morales Alexandre
明男 杉本
Akio Sugimoto
大介 松若
Daisuke MATSUWAKA
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Abstract

Figure 2023174492000001
【課題】シール性が高い柱構造体を提供する。
【解決手段】柱構造体100が、上下方向に延在し、中空空間15を画定する周壁10を備える。周壁10は、上周壁部11、下周壁部12、および遷移部13を含む。上周壁部11は、平面視において周方向に沿って波形状に起伏している。下周壁部12は、上周壁部11よりも下方に位置づけられ、平面視において上周壁部11を外囲する。遷移部13は、上周壁部11と下周壁部12との間に一体に介在し、上周壁部11から下周壁部12に向かって波形状の起伏を漸次緩和するようにして径方向外側へ広げられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、柱構造体およびその製造方法に関する。
いわゆる「スマートポール」が、普及し始めている。スマートポールとは、1本の支柱に街灯のみならず多種の設備が取り付けられた多機能の柱構造体である。例えば特許文献1に開示される柱構造体には、照明器具や風力発電装置が取り付けられている。
この柱構造体は、鋼製の内側柱と、アルミニウム合金製の外側柱とを備える。内側柱の下端部は、外側柱の上端部に挿入され、連結材を介して外側柱に連結される。内側柱は、柱構造体の外観上部を形成し、外側柱は、柱構造体の外観下部を形成する。両柱は、延在方向に見て真円形状の外周面を有し、外側柱は、内側柱よりも大径を有する。両柱の連結部位は、上側から下側に向かって拡径された円錐台状のカバーで覆われる。
特許第3804603号公報
スマートポールには、照明器具以外に多数の設備が取り付けられるため、設備およびこれに繋がる配線が柱内部に配置されることが考えられる。しかし、上記の柱構造体は、多数の部材を要するので、柱内部のシール性を保証することが難しい。雨水等の水分が柱内部に侵入すると、設備が故障するおそれがある。
本発明は、シール性が高い柱構造体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、上下方向に延在して中空空間を画定する周壁を備え、前記周壁が、平面視において周方向に沿って波形状に起伏した上周壁部と、前記上周壁部よりも下方に位置づけられ、平面視において前記上周壁部を外囲する下周壁部と、前記上周壁部と前記下周壁部との間に一体に介在し、前記上周壁部から前記下周壁部に向かって前記波形状の起伏を漸次緩和するようにして径方向外側へ広げられた遷移部とを含む、柱構造体を提供する。
上記の構成によれば、周壁の上周壁部、遷移部および下周壁部は、一体化されており、上下方向に継ぎ目なく連続する。このため、高いシール性が得られる。加えて、下周壁部が相対的に太く、上周壁部が相対的に細いため、柱構造体が地面に安定的に支持される。上周壁部は、平面視において周方向に沿って波形状に起伏している。そのため、柱構造体が高くても、上端部での流体騒音の抑制も見込まれる。
前記上周壁部の前記波形状が、非回転対称であってもよい。
上記の構成によれば、上周壁部の外形輪郭が非回転対称形状である、すなわち、波形状の起伏が周方向に沿って不規則に変化する。そのため、円柱であれば周規性を持つカルマン渦により特定周波数の騒音が発生してしまうおそれがある場合に、当該特定周波数の流体騒音の抑制が見込まれる。
前記波形状は、周方向に交互に並ぶ複数の凸部および複数の凹部を有し、前記凹部の湾曲度が、前記凸部の湾曲度よりも小さくてもよい。
上記の構成によれば、拡管しやすく、下周壁部を所望の形状に成形しやすい。
前記柱構造体が、前記周壁の内周面から前記中空空間内に突出し、上下方向に延在する仕切り壁を更に備えてもよい。
上記の構成によれば、中空空間が仕切り壁によって仕切られるため、多数の設備が柱構造体に取り付けられた場合に、各設備に繋がる配線群の取り回しを整理できる。また、仕切り壁の存在により、設備間および配線間の電磁波干渉を抑制することができる。
前記仕切り壁は、周方向に互いに離れて配置され、前記周壁の前記内周面から径方向内側へ延びる複数のリブ部を含み、前記複数のリブ部の各々は、前記上周壁部に設けられた上リブ部、前記遷移部に設けられた中間リブ部、および前記下周壁部に設けられた下リブ部を含み、前記上リブ部、前記中間リブ部、および前記下リブ部は、上下方向に連続してもよい。
上記の構成によれば、仕切り壁が補強部材として機能し、高い剛性を有した柱構造体を提供することができる。
前記上リブ部は、前記波形状の凸部に接続されていてもよい。
上記の構成によれば、下リブ部の径方向移動量が少なくなり、リブ部の形状が上側と下側とで大きく変化することを回避できる。
前記中空空間内に配置されて上下方向に延び、前記周壁および前記仕切り壁とは別体の内筒部を更に備え、前記複数のリブ部の径方向内側端部が、互いに分離されており、前記内筒部が、前記複数のリブ部の前記径方向内側端部に支持されてもよい。
上記の構成によれば、中空空間が複数の空間に仕切られる。そのため、配線を取り回しやすくなる。また、内筒部に設備を取り付けることで、設備を柱構造体に内蔵することも容易となる。
前記仕切り壁が、前記複数のリブ部の径方向内側端部それぞれに接続された内筒部を更に含んでもよい。
上記の構成によれば、内筒部が周壁と一体化されるため、部品点数および組立工数が削減される。
前記複数のリブ部が、前記周壁との接合点から湾曲するようにして又は当該接合点と前記周壁の中心とを結ぶ直線に対し傾斜するようにして延び、前記内筒部の外周面に接続されていてもよい。
上記の構成によれば、拡管時にリブ部が直線的に伸びるように変形できる。これにより、周壁がリブ部に引っ張られるのを抑制できるため、周壁が安定的に加工される。
前記複数のリブ部の径方向内側端部が、前記周壁の中心部で互いに連結されてもよい。
上記の構成によれば、周壁の剛性が高くなる。
前記上リブ部は、平面視で径方向に沿って波形状に起伏し、前記下リブ部は、平面視で前記上リブ部よりも起伏が小さい波形状に形成され、もしくは径方向に直線的に延びてもよい。
上記の構成によれば、波形状を付けたことで、リブ部に拡管時の伸び代がもたらされる。リブ部が拡管を阻害するのを防止できる。
本発明の第2の態様は、周方向に沿って波形状に起伏した周壁を備える管状素材を準備することと、前記管状素材の一端開口を介して前記管状素材の中空空間内へとマンドレルを挿入し、前記管状素材の一端側を拡管することと、前記マンドレルの挿入を所定の挿入位置で止めて前記マンドレルを前記一端開口から抜き出し、前記挿入位置から他端側に、前記波形状を有した上周壁部を形成し、前記挿入位置から前記一端側に、前記管状素材の延在方向から見て前記上周壁部を外囲する輪郭を有した下周壁部と、前記上周壁部と前記下周壁部とを繋ぐ遷移部とを形成することとを備える、柱構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、シール性が高い柱構造体を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る柱構造体を示す正面図。 本発明の第1実施形態に係る柱構造体の遷移部の周辺を示す斜視断面図。 図1のIII-III線に沿って切断して示す断面図。 図1のIV-IV線に沿って切断して示す断面図。 図3に示す上周壁部の断面および図4に示す下周壁部の断面の水平面への投影図。 図1または図3のVI-VI線に沿って切断して示す断面図。 本発明の第1実施形態に係る柱構造体の製造方法の説明図。 図7のVIII-VIII線に沿って切断して示す断面図。 本発明の第1実施形態に係る柱構造体の製造方法の説明図。 本発明の第1実施形態に係る柱構造体の製造方法の説明図。 図10のXI-XI線に沿って切断して示す断面図。 図10のXII-XII線に沿って切断して示す断面図。 本発明の第2実施形態に係る柱構造体の模式図。 図13のXIV-XIV線に沿って切断して示す断面図。 図13のXV-XV線に沿って切断して示す断面図。 第2実施形態に対する第1変形例に係る柱構造体の図5相当図。 第2実施形態に対する第2変形例に係る柱構造体の図5相当図。 第2実施形態に対する第3変形例に係る柱構造体の図5相当図。 第2実施形態に対する第4変形例に係る柱構造体の斜視断面図。 図19のXX矢視図であって、第2実施形態に対する第4変形例に係る柱構造体の図3相当図。 図19のXXI-XXI線に沿って切断して示す断面図であって、第2実施形態に対する第4変形例に係る柱構造体の図4相当図。 第2実施形態に対する第5変形例に係る柱構造体の内筒部材の斜視断面図。 第2実施形態に対する第5変形例に係る柱構造体の図4相当図 本発明の第3実施形態に係る柱構造体の図3相当図。 本発明の第3実施形態に係る柱構造体の図4相当図。 本発明の第3実施形態に係る柱構造体の図5相当図。 本発明の第3実施形態の第1変形例に係る柱構造体の図3相当図。 本発明の第3実施形態の第1変形例に係る柱構造体の図4相当図。 本発明の第3実施形態の第2変形例に係る柱構造体の図3相当図。 本発明の第3実施形態の第2変形例に係る柱構造体の図4相当図。 本発明の第3実施形態の第3変形例に係る柱構造体の図3相当図。 本発明の第3実施形態の第3変形例に係る柱構造体の図4相当図。 本発明の第4実施形態に係る柱構造体の図3相当図。 本発明の第4実施形態に係る柱構造体の図4相当図。 本発明の第4実施形態に係る柱構造体の図5相当図。 本発明の第4実施形態に係る柱構造体の製造方法の図14相当図。 本発明の第4実施形態に係る柱構造体の製造方法の図15相当図。 本発明の第5実施形態に係る柱構造体の図3相当図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1を参照して、第1実施形態に係る柱構造体100は、上下方向に延びる支柱1と、支柱1の下端部に取り付けられて地面に固定される水平なベース2と、支柱1の上端部に取り付けられる上端支持部3とを備える。典型的には、照明具4が上端支持部3に取り付けられる。
柱構造体100は、いわゆるスマートポールであり、歩道の縁部に設置される。柱構造体100には、照明具4のみならず多数の設備(図示略)が設置される。柱構造体100は、歩道もしくはこれに隣接した車道を照明する機能のほか、歩行者もしくは車道上で停車中の運転者の便宜を図るための多数の機能を有する。
なお、柱構造体100に設置される設備として、第5世代移動通信システムあるいは無線LANの基地局、電気自動車用の充電器、非常電話、デジタルサイネージ、スピーカ、温湿度計等の各種センサ、および監視カメラを例示できる。これらの設備は、支柱1の外部または内部に取り付けられる。支柱1の内部では、給電線、信号線、あるいは電話線のように各設備に接続される配線が取り回される。
(支柱)
図1および図2を参照して、支柱1もしくは柱構造体100は、周壁10と仕切り壁16とを備える。周壁10は、上下方向に延在し、中空空間15を画定する。仕切り壁16は、周壁10の内周面から中空空間15内に突出し、上下方向に延在する。周壁10は、上端から下端に至るまで一体化されている。ここでの「一体化」は、複数部品が単一のユニットを構成するようにリジッドに組み付けられた状態をいうのではなく、単一部品において継ぎ目なく連続している状態をいう。仕切り壁16も、これと同様、一体化されている。
周壁10は、上周壁部11、下周壁部12、および遷移部13の3つの部位に大別される。下周壁部12は、上周壁部11よりも下方に位置づけられる。遷移部13は、上周壁部11と下周壁部12との間に一体に介在する。周壁10の軸心A10は鉛直に向けられており、上周壁部11、下周壁部12、および遷移部13は互いに同軸状である。上周壁部11は、支柱1の上部を構成し、上端支持部3は、上周壁部11に取り付けられる。下周壁部12は、支柱1の下部を構成し、ベース2は、下周壁部12の下端面に水平に設けられる。
(上周壁部)
図2および図3を参照して、上周壁部11は、平面視において周方向に波形状に起伏している。「波形状」とは、複数の凸部14aおよび複数の凹部14bが周方向に交互に並べられることによって形成される形状をいう。本実施形態では、1つの凸部14aと1つの凹部14bとが1組の波14を構成する。互いに同一形状を有した複数組の波14を周方向に並べることにより、上周壁部11の輪郭が波形状に形成されている。この波形状は、規則性を有し、上周壁部11は、軸心A10を中心とした360/n度回転対称である(nは波14の個数)。図示例ではn=8のため45度回転対称であるが、波14の個数は特に限定されない。
平断面視において、凸部14aは、軸心A10を中心として基準半径R11を有した仮想的な基準円C11に対し、径方向外側(軸心A10から径方向に離れる側)へU状に突出する。凹部14bは、この基準円C11に対し、径方向内側(軸心A10へと径方向に近づく側)へU状に凹んでいる。
凸部14aおよび凹部14bは、円弧状である。凹部14bの半径R14bは、凸部14aの半径R14aよりも大きい。換言すれば、凹部14bの湾曲度(曲率)は、凸部14aの湾曲度よりも緩やかであり、また、軸心A10を中心とする凹部14bの角度範囲θ14bは、凸部14aの角度範囲θ14aよりも大きい。なお、波14の個数が8の本例では、2つの角度範囲θ14a,θ14bの和が45度である。凸部14aは、軸心A10と凸部14aの頂点とを結ぶ線(図示略)に対して線対称である。凹部14bもこれと同様である。
上周壁部11には、複数の凸部14aにそれぞれ外接する外接円C11aと、複数の凹部14bにそれぞれ内接する内接円C11bとを想定できる。外接円C11aの半径が、上周壁部11の外径R11aであり、内接円C11bの半径が、上周壁部11の内径R11bである。軸線A10に直交する任意の断面内にて、周壁10の板厚は、全周にわたって一様である。上周壁部11の周長は、外接円C11aの円周よりも長い。周壁10の「周長」は、特段断らない限り、軸心A10に直交する断面内における周壁10の外周面の輪郭線の長さである。各部11~13の周長もこれと同様である。
(下周壁部)
図4および図5を参照して、下周壁部12は、真円筒形状であり、全周にわたって一様な板厚を有する。下周壁部12の板厚は、上周壁部11の板厚と同等もしくはそれよりも僅かに薄い。
下周壁部12の外径R12aは、上周壁部11の外径R11aよりも大きい。そのため、図5に示すように、軸心A10に直交する平面上に上周壁部11および下周壁部12が投影されると(簡略的に言って平面視において)、上周壁部11は、下周壁部11を外囲する。
(遷移部)
図2を参照して、遷移部13は、上周壁部11から下周壁部12に向かって波形状の起伏を漸次緩和するようにして径方向外側へ広げられている(図2を参照)。上周壁部11が下周壁部12よりも薄い場合には、遷移部13の板厚が、上側から下側に向かって漸次減少する。
(リブ部)
図2~図6を参照して、仕切り壁16は、周方向に互いに離れて配置された複数のリブ部20を含む。本実施形態では、4本のリブ部20が、周方向に90度の等間隔をあけて配置されているが、リブ部20の本数は特に限定されない。
各リブ部20は、周壁15の内周面から径方向内側へ延びる。本実施形態では、複数のリブ部20の径方向内端が互いに自由である。複数のリブ部20が別体または一体の内筒部を介して互いに間接的に連結される形態や、複数のリブ部20が互いに直接的に連結される形態については、第2~第4実施形態として後述する。
各リブ部20は、上周壁部11に設けられた上リブ部21、下周壁部12に設けられた下リブ部22、および遷移部13に設けられた中間リブ部23を含む。上リブ部21、中間リブ部23、および下リブ部22は、この順番で上下方向に連続する。上リブ部21は、波14の凸部14a、特にその頂点部に接続され、放射状に設けられている。
各リブ部20の周壁10への接続位置は、上端から下端に至るまで周方向において変わらない。他方、下周壁部12の内周面は、上周壁部11の内周面よりも径方向外側に位置するため、下リブ部22の周壁10への接続位置は、下リブ部11の周壁10への接続位置に対して径方向外側にある。複数の上リブ部21は、互いに同じリブ長L21を有し、複数の下リブ部22は、互いに同じリブ長L22を有する。下リブ部22のリブ長L22は、上リブ部21のリブ長L21と同等である。リブ長L21,L22は、下周壁部12の外径R12aの約半分である。
軸心A10から下リブ部22の径方向内端までの距離R22は、軸心A10から上リブ部21の径方向内端までの距離R21よりも大きい。中空空間15の中心部には、リブ部20で遮られない空間が形成される。当該空間は、上周壁部11の内側と比べ、下周壁部12の内側の方が広くなる。
(製造方法)
次に、図7~図12を参照して、上記周壁10および仕切り壁16を備える支柱1の製造方法を説明する。
まず、周方向に沿って波形状に起伏した周壁10Xと、周壁10Xの内周面から突出する仕切り壁16X(複数のリブ部20X)とを備える管状素材1Xを準備する(図7および図8を参照)。なお、管状素材1Xの全体(あるいは、少なくとも拡管成形される部位)が、伸縮性を有する合成樹脂フィルム90で覆われる。次に、管状素材1Xの一端開口1aXを介し、管状素材1Xの中空空間15X内へとマンドレル80を挿入し、管状素材1Xの一端側(下端側)を拡管する(図8および図9を参照)。マンドレル80の先端面が管状素材1Aの上端と下端との間に設定された所定の挿入位置Pに達すると、マンドレル80の挿入を止める(図10を参照)。次に、マンドレル80を逆向きに移動させ、一端開口1aXを介して中空空間15Xから抜き出す。これにより、上周壁部11、下周壁部12、および遷移部13が形成された支柱1が完成する(図1~図6を参照)。
管状素材1Xは、アルミニウム合金などの金属材料を押出成形することにより得られる。管状素材1Xは、両端に開口を有する。図7を図2と比較するとわかるとおり、上周壁部11は、マンドレル80による拡管成形が施されず、管状素材1Xの原形状を維持している部位である。管状素材1Xの断面形状については、上周壁部11に関して上記したとおりであるので、説明の重複を省略する。
マンドレル80は、管状素材1Xと同軸状に配置され、軸方向に移動することで管状素材1Xに挿入される。説明便宜上、一端開口1aXが下に向けられ、マンドレル80の挿入方向が上方である場合を例にとり説明する。ただし、管状素材1Xおよびマンドレル80の軸方向は、水平または他の方向に指向されていてもよい。なお、マンドレル80を移動させるアクチュエータ85は、図示のシリンダに限定されない。アクチュエータ85は、モータでもよく、この場合には、アクチュエータ85の出力回転を直線運動に変換してマンドレル80に伝達する機構(例えば、ボールねじ等)が追加される。
マンドレル80は、先細りの円筒状である。マンドレル80の基端側は、軸方向にわたって一様な外径R81を有する基部81を形成する。先端側は、円錐台状の縮径部81を形成する。縮径部82の先端面の半径R82は、管状素材1X(すなわち、上周壁部11)の内径R11bよりも僅かに短い。基部81の外径R81は、内径R11bよりも、更に言えば管状素材1X(すなわち、上周壁部11)の外径R11aよりも大きい。
マンドレル80の外周面には、複数のリブ部20Xと同数のスリット83が形成されている。複数のスリット83は、マンドレル80の軸方向に沿って延び、マンドレル80の先端面および基端面の両側で開放されている。複数のスリット83が複数のリブ部20Xと軸方向に整合する姿勢となるように、管状素材1Xは、マンドレル80に対して周方向に位置決めされる。そのため、以下のマンドレル80の挿入および抜出において、リブ部20Xは、スリット83内に受容され、マンドレル80の動作を阻害しない(図11および図12も参照)。
マンドレル80の先端面が一端開口1aXを通過すると、即座に縮径部81の外周面が管状素材1Xの内周面に当接する。特に、縮径部81の外周面は、周壁10Xに設けられた複数の凹部14bXの頂点部に当接する。
マンドレル80の挿入に伴う周壁10Xの挙動について、軸方向の特定位置(例えば、一端開口1aXの開口縁)に限定して、微視的に説明する。なお、マンドレル80のうち、当該特定位置にて周壁10Xと接触する部分を接触部と呼ぶ。まず、周壁10Xの内周面が縮径部81の先端部と接触する。その後、下記のフェーズAおよびBの変形が順次に行われる。
(A)マンドレル80の挿入が継続されるにつれ、マンドレル80の接触部の径は漸次大きくなる。マンドレル80が周壁10Xを径方向外側へ押圧し続け、それにより、凹部14bXの湾曲及び凹みが解消されていく。凹部14bXの凹みがある程度解消されると、次いで、凸部14aXの湾曲も解消されていく。(B)マンドレル80の接触部の径が管状素材1Xの外径R11aと等しくなるまでマンドレル80が挿入されると、波形状の起伏は解消され、周壁10Xの断面が、マンドレル80の接触部の外周面に沿った形状、本例では真円形状となる。マンドレル80が更に挿入されると、周壁80は、歪みを生じながら、漸次拡径されるマンドレル80の接触部の外周面に倣って拡管されていく。
縮径部82と接触する段階が終わって基部81と接触する段階になると、上記のフェーズAおよびBの変形が終わる。周壁10Xの内径が基部81の外径R81と同等になる状態で、周壁10Xの拡管が止まる。
マンドレル80の挿入に伴う周壁10Xの挙動について、管状素材1Aの全体を俯瞰して、巨視的に説明する。マンドレル80は、その先端面が挿入位置Pに達するまで、中空空間15X内に挿入される。周壁10Xのうち挿入位置Pに対して一端側は拡管される一方で、挿入位置Pに対して他端側は、マンドレル80による押圧を受けていないため、拡管されない。マンドレル80を抜き出す過程では、多少のスプリングバックを除き、管状素材1Xの変形は起こらない。
挿入位置Pから見て他端側では、管状素材1Xの原形状としての波形状を有する上周壁部11が形成される。挿入位置から見て一端側では、マンドレル80が挿入位置Pに位置する状態で縮径部82と接触していた領域に、遷移部13が形成される。同じく基部81と接触していた領域または基部81が通過した領域に、下周壁部12が形成される。
遷移部13には、上周壁部11の下端から連続し、上記フェーズAの変形のみが行われた起伏解消部13aと、上記フェーズBの変形も行われ、下周壁部12の上端に連続する円錐台部13bとが含まれる。起伏解消部13aでは、フェーズAの変形が下側ほど進捗している。上側から下側に向かって、波形状が漸次緩和されていき、その断面が円形に近づけられていく。円錐台部13bでは、フェーズBの変形が下側ほど進捗している。上側から下側に向かって、円形の断面が拡径されていく。
下周壁部12の周長は、管状素材1Xの周壁10X(すなわち、上周壁部11)の周長に対し、8%~12%程度長い。これは、上記フェーズBにおいて歪みを生じる変形が行われるためであり、その結果として、下周壁部12の断面が真円形状になるまで管状素材1Aを変形させることを実現可能になる。逆にいえば、下周壁部12の断面を目標とする大きさの真円形状とすべく、フェーズBで生じる歪みの適正範囲を考慮して、管状素材1Aの周壁10Aの周長が、下周壁部12の目標周長の89%~93%となるようにして、管状素材1Aが成形されている。なお、管状素材1Xは拡管特性が8~12%のひずみ範囲で設定しているが、材料種や熱処理条件によってこの範囲は変化する(例えば30%)。
なお、マンドレル80の挿入時には、管状素材1Xの外側に金型86が配置されていてもよい。これにより、管状素材1Xの過度の変形を抑制でき、遷移部13および下周壁部12の外面が目標とする形状に成形される確実性が向上する。
(作用効果)
上記のように構成される柱構造体100によれば、上周壁部11、遷移部13および下周壁部12が、上からこの順番で継ぎ目なく連続し、一体化された周壁10を構成する。このため、高いシール性が得られ、支柱1の内部の配線を雨水から保護することができる。
下周壁部12が相対的に太く、上周壁部11が相対的に細いため、柱構造体100は地面に安定的に支持される。上周壁部11は、平面視において周方向に沿って波形状に起伏している。そのため、柱構造体100が高背であるために上端部付近で高速の風に晒されやすい場合にあっても、上端部で生じ得る流体騒音の抑制が見込まれる。
波形状が、周方向に交互に並ぶ複数の凸部14aおよび複数の凹部14bを有し、凹部14bの湾曲度が凸部14aの湾曲度よりも小さい。これにより、上記フェーズAにおいて、マンドレル80が凹部14bXに接触して周壁10Xを径方向外側へ押圧するとき、凹部14bXの湾曲および凹みが解消されるようにして凹部14bXを変形させることが容易となる。変形の初期段階が容易かつ円滑に進行するため、下周壁部12を所望の形状に成形しやすい。
柱構造体100は、周壁10の内周面から中空空間15内に突出し、上下方向に延在する仕切り壁16を備える。中空空間15が仕切り壁16で間仕切りされるため、多数の設備が柱構造体100に取り付けられた場合に、各設備に繋がる配線群の取り回しを整理しやすい。また、仕切り壁16により、設備間および配線間の電磁波干渉を抑制することができる。
仕切り壁16は、周方向に互いに離れて配置され、周壁10の内周面から径方向内側へ延びる複数のリブ部20を含む。これにより、仕切り壁16が補強部材として機能し、高い剛性を有した柱構造体100を提供することができる。リブ部20は、波形状の凸部14aに接続されている。上記フェーズAにおいてリブ部20の径方向移動量が少なくなり、リブ部20の形状が上側と下側とで大きく変化することを回避できる。仕切り壁16あるいはリブ部20を管の内部へ溶接等により後付けすることは非常に難しく、特に、本実施形態のように高背の柱構造体100の支柱1では実際上は不可能ともいえる。これに対し、本実施形態では、管状素材1Xが仕切り壁16Xを予め有し、その管状素材1Xを部分的に拡管することで支柱1が成形される。これにより、上端から下端に至るまで支柱1の内部に仕切り壁16を設けることができる。
管状素材1Xの全体、あるいは拡管成形される部位が、伸縮性を有する合成樹脂フィルム90で覆われる。合成樹脂フィルム90により、下周壁部12の外周面の荒れを目立たなくすることができ、柱構造体100の美観が向上する。合成樹脂フィルム90には、文字、図形、記号、あるいはこれらの組合せにより構成される模様が印刷されていてもよく、それにより更なる美観向上が見込まれる。合成樹脂フィルム90として、ポリオレフィンフィルムを好適に利用できる。合成樹脂フィルム90は、管状素材1Xの外周面に単に巻き回されてもよく、巻回後にシュリンクされて外周面上に密着されてもよい。合成樹脂フィルム90を適用する代わりに、管状素材1Xが例えばペンキ等の塗装用の液に浸漬され、あるいは管状素材1Xの外周面に当該液が塗布されてもよい。
[第2実施形態]
次に、図13~図15を参照して、上記実施形態との相違を中心に、第2実施形態について説明する。本実施形態に係る柱構造体100は、中空空間15内に配置される内筒部材40を備える。内筒部材40は、第1実施形態と同じ要領で支柱1が製造された後に、支柱1の中空空間15内に挿通される。
一例として、内筒部材40は、上端から下端に至るまで軸方向の全体にわたって一様な外径R40aおよび板厚を有する円筒形状に形成される。内筒部材40は、支柱1と同軸状であり、中空空間15の中心部に配置される。他方、前述したとおり、軸心A10から下リブ部22の径方向内端までの距離R22は、軸心A10から上リブ部21の径方向内端までの距離R21よりも広く、中空空間15の中心部は、上周壁部11の内側と比べて下周壁部12の内側の方が広い。そこで、内筒部材40の外径R40aは、軸心A10から上リブ部21の距離R21と同等に設定されている。内筒部材40の上部は、複数の上リブ部21により支持される。内筒部材40の下部は、下リブ部22の径方向内端部から径方向に離れている。内筒部材40の下端部は、ベース2(図1を参照)に接合されていてもよく、それにより内筒部材40が安定的に地面に支持され、上リブ部21における支持荷重が軽減される。
このように、内筒部材40が設けられることで、中空空間15は、内筒部材40の内周面により画定される中央空間15aと、内筒部材40の外周面と周壁10の内周面とで画定される外側空間とに径方向において仕切られ、外側空間は、リブ部20により、周方向において複数の分割外側空間15bに仕切られる。このように、中空空間15が複数の空間に仕切られるため、配線を取り回しやすくなり、また、配線間の電磁波干渉の遮蔽効果が高くなる。更に、内筒部材40の中空空間15への挿通に先立ち、内筒部材40に、スマートポールとしての柱構造体100に必要とされる設備の機器5が取り付けられてもよい。これにより、柱構造体100が高背かつ一体化されていても、その内部に設備を容易に収容することができる。
支柱1とは別体の内筒部材が支柱1内に設けられる場合において、内筒部材の形状は、適宜変更可能である。第1変形例を示す図16を参照して、内筒部材41の断面は、円形に限定されず、矩形でもよい。内筒部材41は、複数のリブ部20に機械的に係合されていてもよい。例えば、内筒部材41に、リブ部20と同数のスリット41aを設け、複数のリブ部20が、複数のスリット41aにそれぞれ受容されてもよい。リブ部20の個数が4個であり、内筒部材41の断面が矩形である場合において、スリット41aは、矩形断面の頂点部から中心部に向かって凹設されてもよい。
第2変形例を示す図17を参照して、内筒部材42の断面形状が上端から下端に至るまで一様であり、内筒部材42が上リブ部21の径方向内端部に支持される場合において、内筒部材42は、スペーサ49を介して下リブ部22に連結されていてもよい。これにより、内筒部材42は支柱1に安定的に支持される。図17は、断面が矩形である場合を例示するが、断面が円形(図14を参照)の場合にも、このような支持構造を適用可能である。
第3変形例を示す図18を参照して、内筒部材43とリブ部20との機械的係合の他例として、内筒部材43の外表面が、複数のリブ部20の表面のうち、軸線A10を中心とする第1回転方向r1に臨む第1表面20aと、第1回転方向r1とは反対の第2回転方向r2に臨む第2表面20bとに当接していてもよい。これにより、内筒部材43の支柱1に対する周方向への変位が規制され、内筒部材43が支柱1に安定的に支持される。
この支持構造を実現するための構成の一例として、リブ部20の個数が4個である場合に、内筒部材43が、ボビン状の断面を有していてもよい。4個のリブ部20は、径方向に対向する一対の第1リブ部20Aと、一対の第1リブ部20Aと第1回転方向に隣接する一対の第2リブ部20Bとに分けられる。内筒部材43は、中央に配置された一対の主壁43aと、一対の主壁43aの両端部それぞれに連続する規制壁部43bとを備える。一対の主壁43aは、中空空間15の中央部に配置される。各規制壁部43bは、第1リブ部20Aの第1表面20aに当接する第1規制壁43cと、第1リブ部20Aと第1回転方向r1に隣接する第2リブ部20Bの第2表面20bに当接する第2規制壁43dと、第1規制壁43cと第2規制壁43dとを繋ぐ接続壁43eとを含み、これらの壁43a~43eが連続することで断面が閉ループ状に形成される。
次に、図19~図21を参照して、第2実施形態の第4変形例について説明する。第4変形例では、上リブ部21の径方向内端部が内筒部材44の外周面に溶接等により接合され、内筒部材44の下端部が地面により支持される。それにより、内筒部材44が起立状態で支柱1に安定的に支持されている。内筒部材44の断面は、非円形状であり、少なくとも1つの平坦部を有する。なお、第1変形例(図16に示す矩形断面)、第2変形例(図17に示す矩形断面)、および第3変形例(図18に示すボビン状断面)も、同様の平坦部を有すると言える。
本例では、内筒部材44が、八角形状の断面を有する。図示例では、八角形断面が、互いに等しい8つの内角を有する一方で、4つの長辺部44aと4つの短斜辺部44bとを有する。換言すれば、内筒部材44の断面は、4つの長辺部44aで構成される正方形の4角をC面取りすることによって得られる形状である。各短斜辺部44bは、隣接する2つの長辺部44aの間に介在して両長辺部44aを接続する。長辺部44aの長さは互いに等しく、短斜辺部44bの長さは互いに等しく、長辺部44aは短斜辺部44bよりも長い。
内筒部材44の八角形断面の中心は、軸心A10上に位置付けられる。各上リブ部21は、上周壁部10の凸部14aの内周面から軸心A10に向かって径方向内側へ延び、対応する短斜辺部44bの外周面に垂直に当接する。上リブ部21の径方向内端部は、この状態で短斜辺部44bに接合される。
中空空間15は、リブ部と内筒部材44とによって、中央空間15aと複数の分割外側空間15bとに仕切られる。柱構造体100に設けられる設備の機器5は、このような空間15a,15bに収容される。長辺部44aの外周面および内周面は、平坦部を構成すると共に中空空間15を仕切る。そのため、機器5の取付面が平坦となり、機器5を安定的に且つ容易に柱構造体100に設置できる。内筒部材44が、4つの長辺部44aと4つの短斜辺部44bとで構成される八角形断面を有する。4つの上リブ部21が4つの短斜辺部44bそれぞれに垂直に当接可能なようにして内筒部材44が支柱1内に配置されると、リブ部20の短縮化、長辺部44aの長大化、および中央空間15aの拡大化が図られ、機器5を配置するためのスペースを広く確保可能になる。
支柱1の下端には平板状のベース2が固着される。ベース2は、支柱1の下端から軸直交方向に鍔状に延び、アンカーボルト91で地面上に固定される。内筒部材44は、支柱1の下端開口から下方へ延びる。ベース2の中央には、内筒部材44を通過させるために十分に大きい貫通孔が形成されており、内筒部材44の下端部44cは、支柱1の下端開口およびベース2の貫通孔を通って、地中に埋め込まれている。地中の温度は、昼夜あるいは季節を問わず、外気温と比べて安定的である(すなわち、変動が小さい)。そのため、機器5から発せられる熱が内筒部材44を介して地中に逃がすことができる。内筒部材44および地中がヒートシンクとして機能でき、機器5の安定動作の継続に資する。
このような柱構造体100は、次の工程を実行することにより製造され得る。
(1A)内筒部材44を成形する;
(1B)必要とされる機器5を内筒部材44に取り付ける;
(2A)上周壁部11、下周壁部12、および遷移部13を含む周壁を備える支柱1を成形する;
(2B)支柱1の下端部に地面への固定のために必要とされる部材(例えば、ベース2等)を装着する;
(3A)内筒部材44の下端部44cを地中に埋め込み、柱構造体100が設置されるべき箇所で内筒部材44を起立させる;
(3B)支柱1を地面上に固定する;
(4)必要に応じて、上リブ部21が内筒部材44に接合される。
工程3Aと工程3Bとはどちらが先に行われてもよい。工程3Aを先に行う場合、支柱1が吊り上げられ、内筒部材44が中空空間15内に収容されるように、支柱1が上から下へ降ろされ、ベース2が接地する。工程3Bを先に行う場合、内筒部材44が吊り上げられ、内筒部材44が中空空間15内に収容されるように、内筒部材44が上から下へ降ろされ、下端部44cが地中に埋め込まれる。
この柱構造体100によれば、アンカーボルト91を地面から抜けば、内筒部材44を起立状態で維持して、支柱1のみを取り外すことができる。そのため、機器5のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
第5変形例を示す図22および図23を参照して、機器5の中には、ワイヤレス給電装置5aのように板状に形成されるものもある。柱構造体100に必要とされる機器にこのような板状の機器が含まれている場合には、内筒部材45が平坦部45aを有していると有益である。内筒部材が全周にわたって湾曲されているような場合、板状の機器がこのような内筒部材に取り付けられると、その機器と内筒部材の表面との間に有効活用困難なデッドスペースが形成されるおそれが高まる。これに対し、内筒部材45が平坦部45aを有し、板状の機器5aが平坦部45aに沿って配置されることで、このようなデッドスペースが形成されることを回避でき、その分、その他の機器5あるいは配線5bを配置するためのスペースを広く確保できる。
[第3実施形態]
次に、図24~図26を参照して、上記実施形態との相違を中心に、第3実施形態について説明する。本実施形態に係る柱構造体100においては、仕切り壁16が、複数のリブ部の径方向内端部それぞれに接続された内筒部30を更に含む。このように、支柱1とは別体の内筒部材41~43(図13~図23を参照)に代えて、内筒部30は、仕切り壁16の一部として支柱1に一体化されていてもよい。
内筒部30は、上周壁部11の内部では円形であり、下周壁部12の内部では、単なる一例として矩形である。本実施形態においても、第1実施形態と同じ要領で支柱1は製造される。上周壁部11は、管材素材の原形状を維持する部位である。管状素材1Xの周壁10Xが径方向外側へ押し広げる過程で、管状素材1Xの周壁10Xとともにリブ部20が径方向外側へ変位する。この変位に伴い、複数のリブ部20の径方向内端部同士の距離が広がり、内筒部30の湾曲が解消される。本例では、下周壁部12において、湾曲が完全に解消されて隣接するリブ部20が直線的に連結されるが、下周壁部12内での内筒部30の断面形状は、拡管の程度によって変わる。内筒部30は、下周壁部12内で楕円形状であってもよい。
次に、図27および図28を参照して、第3実施形態の第1変形例について説明する。本例においても、内筒部31は、上周壁部11の内側では円形である一方、下周壁部12の内側では角に丸みが付けられた矩形状断面を有する。内筒部31は、拡管成形前から周壁10(10X)に一体化されている。内筒部31は、拡管成形が施されなかった上周壁部11と接続されている部位において拡管成形前の原形状を維持する一方、拡管成形が施された下周壁部12と接続された内筒下部31Aにおいて拡管成形に伴って若干変形する。
ここで、各リブ部20の周壁10の内周面との接合点を外端接合点P1、周壁10の軸心A1と外端接合点P1とを純粋な半径方向に結ぶ仮想的な線を仮想直線PR、仮想直線PRと内筒部31の外周面との交点を最短内端接合点P2、仮想直線PRのうち外側接合点P1と最短内端接合点P2との間の区間をリブ最短経路PR1とする。前述された第3実施形態(図24~図26参照)においては、リブ部20がリブ最短経路に沿って直線的に延び、リブ部20の径方向内端部が最短内端接合点上で内筒部30に接合されていると言える。
本例においても、仕切り壁16は、4本のリブ部20を有し、4つの外側接合点P1が、周方向において等間隔をおいて配置されている。一方、各リブ部20は、軸方向に見て波形であり、リブ最短経路PR1あるいは仮想直線PRに対して湾曲されている。そのため、本例に係るリブ部20の全長は、リブ最短経路PR1よりも長い。
これにより、下周壁部12が径方向外側へ押し広げられる際に、リブ部20の突っ張りを抑制できる。下周壁部12が径方向外側へ押し広げようとするとき、リブ部20は、湾曲を解消するようにして変形し、リブ部20の径方向外端部が、下周壁部12と共に円滑に径方向外側へ移動できる。そのため、下周壁部12の拡管が円滑に行われ、下周壁部12およびリブ部20に過大な応力が発生するのを抑制できる。下周壁部12に割れが生じにくく、周壁10の品質が高くなる。
次に、図29および図30を参照して、第2変形例では、各リブ部20が、外端接合点P1から、内筒部32の接線方向に延びる。すなわち、各リブ部20は、外端接合点P1から、上記された仮想直線PRに対して傾斜しており、リブ部20の径方向内端部は、最短内端接合点P2から周方向にずれた位置で内筒部32の外周面に接続される。リブ部20の全長は、リブ最短経路PR1よりも長く、更にはリブ部20が直線的に延びる場合において可及的に長くなっている。この場合においても、下周壁部12の拡管時に、リブ部20の径方向外端部を径方向外側に円滑に移動させ、それによりリブ部20の傾斜が解消されるようにしてリブ部20が変形する。そのため、内筒部32の少なくとも上部が原形状を維持しつつ下周壁部12が円滑に拡管され、周壁10の品質が向上する。なお、本変形例においても、第1変形例と同様にして、内筒部32のうち、拡管成形が施された下周壁部12と接続された内筒下部32Aは、拡管成形に伴って若干変形し、角に丸みが付けられた矩形状断面を有する。
上記の各実施形態あるいはその変形例において、各リブ部20は1枚の板材で構成されている。これに対し、図31および図32を参照して、第3変形例では、2枚の板材25a,25bが、1組のリブ部20を構成する。各リブ部20において、2枚の板材25a,25bが、単一の外側接合点P1において周壁10の内周面に接合され、周方向において互いに離れるようにして径方向内側へ延びる。2枚の板材25a,25bは、再び周方向に互いに近づくようにして径方向内側へ延び、最短内端接合点P2あるいはその付近で合流されると共に内筒部33の外周面に接続される。2枚の板材25a,25bは、リブ最短経路PR1を基準にして周方向において互いに反対側へと湾曲され、リブ最短経路PR1よりも遠回りして外側接合点P1と最短内端接合点P2との間を結び、周壁10と内筒部33との間で閉ループ状の輪を形成する。この場合においても、下周壁部12の拡管時に、2枚の板材がどちらもその湾曲を解消するようにして変形する。例えば、2枚の板材25a,25bはその曲率半径が大きくなるように変形し、拡管前の原形状において2枚の板材25a,25bで囲まれた閉空間26は、幅が狭くなり径方向に長くなる。これにも関わらず、内筒部33および周壁10に過大な応力が作用するのを抑制でき、下周壁部12が円滑に拡管され、周壁10の品質が向上する。なお、本変形例においても、第1変形例と同様にして、内筒部33のうち、拡管成形が施された下周壁部12と接続された内筒下部33Aは、拡管成形に伴って若干変形し、角に丸みが付けられた矩形状断面を有する。
[第4実施形態]
次に、図33~図37を参照して、上記実施形態との相違を中心に、第4実施形態について説明する。本実施形態に係る柱構造体100においては、複数のリブ部20の径方向内端部が、中空空間15の中央部にて互いに連結される。複数のリブ部20は、一例として、軸心A10上の一点で連結されている。
上リブ部21は、径方向に対して湾曲しながら中空空間15内で延在する。下リブ部2は、径方向に沿って直線的に中空空間15内で延在する。本実施形態においても、第1実施形態と同じ要領で支柱1が製造される。上リブ部21は、管状素材1Xの原形状を維持する部位である。マンドレル80で管状素材1Xの周壁10Xが径方向外側へ押し広げられる過程で、管状素材1Xの周壁10Xとともにリブ部20が径方向外側へ変位する。この変位に伴い、各リブ部20の周壁との連結部と他のリブ部20との連結部との間の直線距離が広がり、各リブ部20の湾曲が解消される。本例では、下周壁部12において、湾曲が完全に解消されてリブ部20が直線的に延在するが、下リブ部22の断面形状は、拡管の程度および原形状におけるリブ部20の程度によって変わる。下リブ部22が、中空空間内で湾曲して延在していてもよい。
詳細図示を省略するが、第3および第4実施形態に係る柱構造体100においても、支柱1とは別体の内筒部材が支柱1内に設けられていてもよい。内筒部材は、隣接するリブ同士の間に配置されていてもよい。
[第5実施形態]
次に、図38を参照して、上記実施形態との相違を中心に、第5実施形態について説明する。本実施形態に係る柱構造体100においては、上周壁部11の波形状が、周方向に不規則に形成されている。換言すれば、軸線A10に直交する断面内において、波形状が非回転対称である。この場合、特定周波数の流体騒音の発生の抑制が見込まれる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、上記構成は、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更、追加、および削除可能である。
1 支柱
10 周壁
1X 管状素材
1aX 一端開口
11 上周壁部
12 下周壁部
13 遷移部
14 波
14a 凸部
14b 凹部
15 中空空間
16 仕切り壁
20 リブ部
21 上リブ部
22 下リブ部
23 中間リブ部
30 内筒部
40~43 内筒部材
100 柱構造体

Claims (12)

  1. 上下方向に延在し、中空空間を画定する周壁を備え、
    前記周壁が、
    平面視において周方向に沿って波形状に起伏した上周壁部と、
    前記上周壁部よりも下方に位置づけられ、平面視において前記上周壁部を外囲する下周壁部と、
    前記上周壁部と前記下周壁部との間に一体に介在し、前記上周壁部から前記下周壁部に向かって前記波形状の起伏を漸次緩和するようにして径方向外側へ広げられた遷移部とを含む
    柱構造体。
  2. 前記上周壁部の前記波形状が、非回転対称である
    請求項1に記載の柱構造体。
  3. 前記波形状は、周方向に交互に並ぶ複数の凸部および複数の凹部を有し、
    前記凹部の湾曲度が、前記凸部の湾曲度よりも小さい
    請求項1または請求項2に記載の柱構造体。
  4. 前記周壁の内周面から前記中空空間内に突出し、上下方向に延在する仕切り壁を更に備える
    請求項1に記載の柱構造体。
  5. 前記仕切り壁は、周方向に互いに離れて配置され、前記周壁の前記内周面から径方向内側へ延びる複数のリブ部を含み、
    前記複数のリブ部の各々は、前記上周壁部に設けられた上リブ部、前記遷移部に設けられた中間リブ部、および前記下周壁部に設けられた下リブ部を含み、前記上リブ部、前記中間リブ部、および前記下リブ部は、上下方向に連続する、
    請求項4に記載の柱構造体。
  6. 前記上リブ部は、前記波形状の凸部に接続されている
    請求項5に記載の柱構造体。
  7. 前記中空空間内に配置されて上下方向に延び、前記周壁および前記仕切り壁とは別体の内筒部を更に備え、
    前記複数のリブ部の径方向内側端部が、互いに分離されており、前記内筒部が、前記複数のリブ部の前記径方向内側端部に支持される
    請求項5または請求項6に記載の柱構造体。
  8. 前記仕切り壁が、前記複数のリブ部の径方向内側端部それぞれに接続された内筒部を更に含む
    請求項5または請求項6に記載の柱構造体。
  9. 前記複数のリブ部が、前記周壁との接合点から湾曲するようにして又は当該接合点と前記周壁の中心とを結ぶ直線に対し傾斜するようにして延び、前記内筒部の外周面に接続されている
    請求項8に記載の柱構造体。
  10. 前記複数のリブ部の径方向内側端部が、前記周壁の中心部で互いに連結される
    請求項5または請求項6に記載の柱構造体。
  11. 前記上リブ部は、平面視で径方向に沿って波形状に起伏し、前記下リブ部は、平面視で前記上リブ部よりも起伏が小さい波形状に形成され、もしくは径方向に直線的に延びる
    請求項10に記載の柱構造体。
  12. 周方向に沿って波形状に起伏した周壁を備える管状素材を準備することと、
    前記管状素材の一端開口を介して前記管状素材の中空空間内へとマンドレルを挿入し、前記管状素材の一端側を拡管することと、
    前記マンドレルの挿入を所定の挿入位置で止めて前記マンドレルを前記一端開口から抜き出し、前記挿入位置から他端側に、前記管状素材の原形状としての前記波形状を有する上周壁部と、前記挿入位置から前記一端側に、前記管状素材の延在方向から見て前記上周壁部を外囲する輪郭を有した下周壁部と、前記上周壁部と前記下周壁部とを一体に繋ぎ、前記上周壁部から前記下周壁部に向かって前記波形状の起伏を漸次緩和するようにして径方向外側へ広げられた遷移部とを形成することと
    を備える、柱構造体の製造方法。
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