JP2023174205A - 研磨パッド寿命推定方法および研磨装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023174205000001
【課題】研磨パッドの寿命を正確に推定することができる、改良された技術を提供する。
【解決手段】研磨パッド寿命推定方法は、研磨ヘッド7に設けられた圧力室C1を形成する弾性膜により、ワークピースWを研磨パッド2の研磨面2aに押し付けてワークピースWを研磨し、ワークピースWの研磨中に、ワークピースWの膜厚を測定しながら、膜厚の測定値に基づいて、圧力室C1内の圧力を制御し、ワークピースWの研磨中の圧力室C1内の圧力の変化を表す圧力時系列データを学習済みモデル42に入力し、研磨パッド2の寿命指標を学習済みモデル42から出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ウェーハ、基板、パネルなどのワークピースを研磨するための研磨装置に使用される研磨パッドの寿命を推定する技術に関する。
化学機械研磨(以下、CMPという)は、シリカ(SiO)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッド上に供給しつつワークピース(例えば、ウェーハ、基板、またはパネルなど)を研磨パッドに摺接させて該ワークピースを研磨するプロセスである。このCMPを行うための研磨装置は、研磨面を有する研磨パッドを支持する研磨テーブルと、ワークピースを研磨パッドに押し付けるための研磨ヘッドを備えている。
研磨装置は、次のようにしてワークピースを研磨する。研磨テーブルおよび研磨パッドを一体に回転させながら、研磨液(典型的にはスラリー)を研磨パッドの研磨面に供給する。研磨ヘッドはワークピースを回転させながら、ワークピースの表面を研磨パッドの研磨面に対して押し付ける。ワークピースは、研磨液の存在下で研磨パッドに摺接される。ワークピースの表面は、研磨液の化学的作用と、研磨液に含まれる砥粒および/または研磨パッドの機械的作用により、研磨される。
ワークピースの研磨を行うと、研磨パッドの研磨面には砥粒や研磨屑が付着し、研磨パッドの研磨性能が低下してくる。そこで、研磨パッドの研磨面を再生するために、ドレッサ50による研磨パッドのドレッシングが行なわれる。ドレッサ50は、その下面に固定されたダイヤモンド粒子などの硬質の砥粒を有しており、このドレッサ50で研磨パッドの研磨面をわずかに削り取ることにより、研磨パッドの研磨面を再生する。
研磨パッドは、ドレッシングを繰り返すにつれて徐々に減耗していく。研磨パッドが減耗すると、意図した研磨性能が得られなくなるため、研磨パッドを定期的に交換することが必要となる。そこで、研磨パッドの使用時間が、予め定められた時間を超えたとき、または研磨されたワークピースの枚数が、予め定められた数を超えたときに、研磨パッドが新たなものに交換される。
特開2001-334461号公報 特開2000-288915号公報
しかしながら、研磨パッドの使用時間および研磨されたワークピースの枚数は、研磨パッドの減耗を間接的に表しているにすぎず、研磨パッドの減耗を正確に反映していないことがある。結果として、まだ寿命に到達していない研磨パッドが交換されることがあり、あるいは使用限界を超えて減耗した研磨パッドが使用され続けることがある。特に、過度に減耗した研磨パッドが使用されると、ワークピースの目標の膜厚プロファイルが達成できないことがある。
そこで、本発明は、研磨パッドの寿命を正確に推定することができる、改良された技術を提供する。
一態様では、研磨ヘッドに設けられた圧力室を形成する弾性膜により、ワークピースを研磨パッドの研磨面に押し付けて前記ワークピースを研磨し、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピースの膜厚を測定しながら、前記膜厚の測定値に基づいて、前記圧力室内の圧力を制御し、前記ワークピースの研磨中の前記圧力の変化を表す圧力時系列データを学習済みモデルに入力し、前記研磨パッドの寿命指標を前記学習済みモデルから出力する、研磨パッド寿命推定方法が提供される。
一態様では、前記圧力時系列データに加え、前記ワークピースの研磨に関する研磨データを前記学習済みモデルに入力する。
一態様では、前記研磨データは、前記ワークピースの情報および前記ワークピースの研磨条件のうちの少なくとも1つを含む。
一態様では、前記圧力時系列データに加え、ドレッサによりドレッシングされた前記研磨パッドのカットレートを前記学習済みモデルに入力する。
一態様では、前記圧力時系列データを前記学習済みモデルに入力し、前記研磨パッドの寿命指標を前記学習済みモデルから出力する工程は、前記ワークピースの研磨後であって、次のワークピースを研磨する前に実行される。
一態様では、前記圧力室は、複数の圧力室であり、前記圧力室内の圧力を制御する工程は、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピースの膜厚を測定しながら、前記膜厚の測定値に基づいて、前記複数の圧力室内の圧力を制御する工程であり、前記圧力時系列データを学習済みモデルに入力する工程は、前記ワークピースの研磨中の前記複数の圧力室内の圧力の変化をそれぞれ表す複数の圧力時系列データを学習済みモデルに入力する工程である。
一態様では、弾性膜により形成された圧力室を有し、前記弾性膜によりワークピースを研磨パッドの研磨面に押し付けて前記ワークピースを研磨する研磨ヘッドと、前記ワークピースの膜厚を測定する膜厚センサと、前記膜厚の測定値に基づいて、前記ワークピースの研磨中に前記圧力室内の圧力を制御する研磨制御部と、前記ワークピースの研磨中の前記圧力の変化を表す圧力時系列データを学習済みモデルに入力し、前記研磨パッドの寿命指標を前記学習済みモデルから出力するパッド寿命算定部を備えている、研磨装置が提供される。
一態様では、前記パッド寿命算定部は、前記圧力時系列データに加え、前記ワークピースの研磨に関する研磨データを前記学習済みモデルに入力するように構成されている。
一態様では、前記研磨データは、前記ワークピースの情報および前記ワークピースの研磨条件のうちの少なくとも1つを含む。
一態様では、前記研磨装置は、前記研磨パッドの前記研磨面をドレッシングするドレッサをさらに備えており、前記パッド寿命算定部は、前記圧力時系列データに加え、前記ドレッサによりドレッシングされた前記研磨パッドのカットレートを前記学習済みモデルに入力するように構成されている。
一態様では、前記パッド寿命算定部は、前記ワークピースの研磨後であって、次のワークピースを研磨する前に、前記圧力時系列データを前記学習済みモデルに入力し、前記研磨パッドの寿命指標を前記学習済みモデルから出力するように構成されている。
一態様では、前記圧力室は、複数の圧力室であり、前記研磨制御部は、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピースの膜厚を測定しながら、前記膜厚の測定値に基づいて、前記複数の圧力室内の圧力を制御するように構成されており、前記パッド寿命算定部は、前記ワークピースの研磨中の前記複数の圧力室内の圧力の変化をそれぞれ表す複数の圧力時系列データを学習済みモデルに入力するように構成されている。
ワークピースの研磨中の研磨ヘッドの圧力室内の圧力変化は、研磨パッドの減耗の程度を反映する。したがって、学習済みモデルは、研磨ヘッドの圧力室内の圧力変化を示す圧力時系列データから、研磨パッドの寿命を正確に推定することができる。
研磨装置の一実施形態を示す模式図である。 研磨ヘッドの一実施形態を示す断面図である。 研磨パッドが新品のときの研磨ヘッドの圧力室内の圧力の時間変化を示す圧力時系列データの一例を示すグラフである。 研磨パッドが大きく減耗しているときの研磨ヘッドの圧力室内の圧力の時間変化を示す圧力時系列データの一例を示すグラフである。 研磨パッドが大きく減耗しているときの研磨ヘッドの圧力室内の圧力の時間変化を示す圧力時系列データの他の例を示すグラフである。 学習済みモデルの一例を示す図である。 1枚の研磨パッドが寿命に達するまで複数のウェーハを研磨したときの、ウェーハの枚数と、研磨パッドの使用時間との関係の一例を表す図である。 複数の研磨パッドを用いて、それぞれの研磨パッドが寿命に達するまで複数のウェーハを研磨したときの、ウェーハの枚数と、各研磨パッドの使用時間との関係の一例を表す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、研磨装置の一実施形態を示す模式図である。研磨装置は、半導体デバイスの製造に使用されるワークピースの一例であるウェーハWを化学機械的に研磨する装置である。図1に示すように、この研磨装置は、研磨面2aを有する研磨パッド2を支持する研磨テーブル5と、ウェーハWを研磨面2aに対して押し付ける研磨ヘッド7と、研磨液(例えば、砥粒を含むスラリー)を研磨面2aに供給する研磨液供給ノズル8を備えている。
研磨ヘッド7は、その下面にウェーハWを保持できるように構成されている。ウェーハWは被研磨膜を有する。以下の実施形態では、ワークピースの例としてウェーハが使用されているが、ワークピースはウェーハに限定されず、半導体デバイスの製造に使用される円形基板、矩形基板、パネルなどであってもよい。
研磨装置は、支軸14と、支軸14の上端に連結された研磨ヘッド揺動アーム16と、研磨ヘッド揺動アーム16の自由端に回転可能に支持された研磨ヘッドシャフト18をさらに備えている。研磨ヘッド7は、研磨ヘッドシャフト18の下端に固定されている。研磨ヘッド揺動アーム16内には、電動機などを備えた研磨ヘッド回転機構(図示せず)が配置されている。この研磨ヘッド回転機構は、研磨ヘッドシャフト18に連結されており、研磨ヘッドシャフト18および研磨ヘッド7を矢印で示す方向に回転させるように構成されている。
研磨ヘッドシャフト18は、図示しない研磨ヘッド昇降機構(ボールねじ機構などを含む)に連結されている。この研磨ヘッド昇降機構は、研磨ヘッドシャフト18を研磨ヘッド揺動アーム16に対して相対的に上下動させるように構成されている。この研磨ヘッドシャフト18の上下動により、研磨ヘッド7は、矢印で示すように、研磨ヘッド揺動アーム16および研磨テーブル5に対して相対的に上下動可能となっている。
研磨装置は、研磨パッド2および研磨テーブル5をそれらの軸心を中心に回転させるテーブル回転モータ21をさらに備えている。テーブル回転モータ21は研磨テーブル5の下方に配置されており、研磨テーブル5は、テーブル軸5aを介してテーブル回転モータ21に連結されている。研磨テーブル5および研磨パッド2は、テーブル回転モータ21によりテーブル軸5aを中心に矢印で示す方向に回転されるようになっている。研磨パッド2は、研磨テーブル5の上面に貼り付けられている。研磨パッド2の露出面は、ウェーハWを研磨する研磨面2aを構成している。
ウェーハWの研磨は次のようにして行われる。ウェーハWは、その被研磨面が下を向いた状態で、研磨ヘッド7に保持される。研磨ヘッド7および研磨テーブル5をそれぞれ回転させながら、研磨テーブル5の上方に設けられた研磨液供給ノズル8から研磨液(例えば、砥粒を含むスラリー)を研磨パッド2の研磨面2a上に供給する。研磨パッド2はその中心軸線を中心に研磨テーブル5と一体に回転する。研磨ヘッド7は研磨ヘッド昇降機構(図示せず)により所定の高さまで移動される。さらに、研磨ヘッド7は上記所定の高さに維持されたまま、ウェーハWを研磨パッド2の研磨面2aに押し付ける。ウェーハWは研磨ヘッド7と一体に回転する。研磨液が研磨パッド2の研磨面2a上に存在した状態で、ウェーハWは研磨面2aに摺接される。ウェーハWの表面は、研磨液の化学的作用と、研磨液に含まれる砥粒および/または研磨パッド2の機械的作用との組み合わせにより、研磨される。
研磨装置は、研磨面2a上のウェーハWの膜厚を測定する膜厚センサ24を備えている。膜厚センサ24は、ウェーハWの膜厚を直接または間接に示す膜厚の測定値を生成するように構成されている。この膜厚の測定値は、ウェーハWの膜厚に従って変化し、ウェーハWの膜厚を示す。膜厚の測定値は、ウェーハWの膜厚自体を表す値であってもよいし、または膜厚に換算される前の物理量または信号値であってもよい。
膜厚センサ24の例としては、光学式膜厚センサ、渦電流センサが挙げられる。光学式膜厚センサは、ウェーハWの表面に光を照射し、ウェーハWからの反射光のスペクトルからウェーハWの膜厚を決定するように構成される。渦電流センサは、ウェーハWに形成されている導電膜に渦電流を誘起させ、導電膜と渦電流センサのコイルとを含む電気回路のインピーダンスに従って変化する信号値を出力するように構成される。光学式膜厚センサおよび渦電流センサには、公知の装置を使用することができる。
膜厚センサ24は、研磨テーブル5内に設置されており、研磨テーブル5と一体に回転する。より具体的には、膜厚センサ24は、研磨テーブル5が一回転するたびに、研磨面2a上のウェーハWを横切りながら、ウェーハWの複数の測定点での膜厚を測定するように構成されている。本実施形態では、膜厚センサ24は、ウェーハWの中心を含む複数の測定点での膜厚を測定するように配置されている。したがって、複数の測定点はウェーハWの半径方向に並んでいる。
研磨装置は、膜厚センサ24によって得られた膜厚の測定値に基づいて、ウェーハWの研磨中に研磨ヘッド7の圧力室(後述する)内の圧力を制御する研磨制御部30と、ウェーハWの研磨中の研磨ヘッド7の圧力室内の圧力変化を表す圧力時系列データを学習済みモデル42に入力し、研磨パッドの寿命指標を学習済みモデル42から出力するパッド寿命算定部40をさらに備えている。
研磨制御部30は、少なくとも1台のコンピュータから構成されている。研磨制御部30は、膜厚の測定値に基づいて研磨ヘッド7の圧力室内の圧力を制御するためのプログラムが格納された記憶装置30aと、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する演算装置30bを備えている。記憶装置30aは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの主記憶装置と、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの補助記憶装置を備えている。演算装置30bの例としては、CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)が挙げられる。ただし、研磨制御部30の具体的構成はこれらの例に限定されない。
パッド寿命算定部40は、少なくとも1台のコンピュータから構成されている。パッド寿命算定部40は、学習済みモデル42、学習済みモデル42を用いて研磨ヘッド7の寿命を算定するためのプログラム、および学習済みモデル42を構築するための機械学習を実行するプログラムが格納された記憶装置40aと、これらプログラムに含まれる命令に従って演算を実行する演算装置40bを備えている。記憶装置40aは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの主記憶装置と、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの補助記憶装置を備えている。演算装置40bの例としては、CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)が挙げられる。ただし、パッド寿命算定部40の具体的構成はこれらの例に限定されない。
研磨制御部30およびパッド寿命算定部40のそれぞれは、複数のコンピュータから構成されてもよい。例えば、研磨制御部30およびパッド寿命算定部40のそれぞれは、エッジサーバおよびクラウドサーバの組み合わせであってもよい。
膜厚センサ24は、研磨制御部30に接続されている。膜厚センサ24によって生成された膜厚の測定値は、研磨制御部30に送られる。すなわち、ウェーハWの複数の測定点での膜厚の測定値は、膜厚センサ24から出力され、研磨制御部30に送られ、記憶装置30a内に保存される。パッド寿命算定部40は、研磨制御部30に接続されている。
研磨装置は、研磨パッド2の研磨面2aをドレッシングするドレッサ50を備えている。このドレッサ50は、研磨パッド2の研磨面2aに摺接されるドレッシングディスク51と、ドレッシングディスク51が連結されるドレッサシャフト52と、ドレッサシャフト52を回転自在に支持するドレッサ揺動アーム55とを備えている。ドレッシングディスク51の下面はドレッシング面51aを構成し、このドレッシング面51aは砥粒(例えば、ダイヤモンド粒子)から構成されている。
ドレッサシャフト52は、ドレッサ揺動アーム55内に配置された図示しないディスク押圧機構(例えばエアシリンダを含む)に連結されている。このディスク押圧機構は、ドレッサシャフト52を介してドレッシングディスク51のドレッシング面51aを研磨パッド2の研磨面2aに対して押し付けるように構成されている。さらに、ドレッサシャフト52は、ドレッサ揺動アーム55内に配置された図示しないディスク回転機構(例えば電動機を含む)に連結されている。このディスク回転機構は、ドレッサシャフト52を介してドレッシングディスク51を矢印で示す方向に回転させるように構成されている。
研磨パッド2の研磨面2aのドレッシングは次のようにして行われる。研磨パッド2は研磨テーブル5とともにテーブル回転モータ21によって回転されながら、図示しない純水供給ノズルから純水が研磨面2aに供給される。ドレッシングディスク51は、ドレッサシャフト52を中心にディスク回転機構(図示せず)により回転されながら、ドレッシングディスク51のドレッシング面51aはディスク押圧機構(図示せず)により研磨面2aに押圧される。研磨面2a上に純水が存在した状態で、ドレッシングディスク51は研磨面2aに摺接される。ドレッシングディスク51の回転中、ドレッサ揺動アーム55を支軸58を中心に旋回させてドレッシングディスク51を研磨面2aの半径方向に揺動させる。このようにして、ドレッシングディスク51により研磨パッド2がわずかに削り取られ、研磨面2aがドレッシング(再生)される。研磨パッド2の研磨面2aのドレッシングは、ウェーハWの研磨中、またはウェーハWの研磨後に実施される。
次に、研磨ヘッド7について説明する。図2は、研磨ヘッド7の一実施形態を示す断面図である。研磨ヘッド7は、研磨ヘッドシャフト18の端部に固定されたヘッド本体61と、ヘッド本体61の下部に取り付けられた弾性膜64と、ヘッド本体61の下方に配置されたリテーナリング62とを備えている。リテーナリング62は、弾性膜64の周囲に配置されている。このリテーナリング62は、ウェーハWの研磨中にウェーハWが研磨ヘッド7から飛び出さないようにするためにウェーハWを保持する環状の構造体である。
弾性膜64とヘッド本体61との間には、4つの圧力室C1,C2,C3,C4が設けられている。圧力室C1,C2,C3,C4は弾性膜64とヘッド本体61によって形成されている。中央の圧力室C1は円形であり、他の圧力室C2,C3,C4は環状である。これらの圧力室C1,C2,C3,C4は、同心上に配列されている。
圧力室C1,C2,C3,C4にはそれぞれ気体移送ラインF1,F2,F3,F4が接続されている。気体移送ラインF1,F2,F3,F4の一端は、研磨装置が設置されている工場に設けられたユーティリティとしての圧縮気体供給源(図示せず)に接続されている。圧縮空気等の圧縮気体は、気体移送ラインF1,F2,F3,F4を通じて圧力室C1,C2,C3,C4にそれぞれ供給されるようになっている。圧力室C1,C2,C3,C4内の圧縮気体は、弾性膜64を介してウェーハWを研磨パッド2の研磨面2aに対して押し付ける。
圧力室C3に連通する気体移送ラインF3は、図示しない真空ラインに接続されており、圧力室C3内に真空を形成することが可能となっている。圧力室C3内に真空が形成されると、圧力室C3を構成する弾性膜64が上方に窪む。その結果、研磨ヘッド7は、吸盤のように変形した弾性膜64によりウェーハWを保持することができる。一実施形態では、圧力室C3を構成する、弾性膜64の部位に開口が形成されており、圧力室C3に真空を形成することによりウェーハWが研磨ヘッド7に吸着保持されてもよい。
ヘッド本体61とリテーナリング62との間には、環状の弾性膜66が配置されており、この弾性膜66の内部には圧力室C5が形成されている。圧力室C5は、気体移送ラインF5を介して上記圧縮気体供給源に連結されている。圧縮気体は、気体移送ラインF5を通じて圧力室C5内に供給され、圧力室C5内の圧縮気体はリテーナリング62を研磨パッド2に対して押し付ける。
気体移送ラインF1,F2,F3,F4,F5は、研磨ヘッドシャフト18に取り付けられたロータリージョイント70を経由して延びている。圧力室C1,C2,C3,C4,C5に連通する気体移送ラインF1,F2,F3,F4,F5には、それぞれ圧力レギュレータR1,R2,R3,R4,R5が設けられている。圧縮気体供給源からの圧縮気体は、圧力レギュレータR1~R5を通って圧力室C1~C5内にそれぞれ独立に供給される。圧力レギュレータR1~R5は、圧力室C1~C5内の圧縮気体の圧力を調節するように構成されている。
圧力レギュレータR1~R5は、圧力室C1~C5の内部圧力を互いに独立して変化させることが可能であり、これにより、ウェーハWの対応する4つの領域、すなわち、中央部、内側中間部、外側中間部、およびエッジ部に対する押し付け圧力、およびリテーナリング62の研磨パッド2への押し付け圧力を独立に調節することができる。気体移送ラインF1,F2,F3,F4,F5は大気開放弁(図示せず)にもそれぞれ接続されており、圧力室C1~C5を大気開放することも可能である。本実施形態では、弾性膜64は、4つの圧力室C1~C4を形成するが、一実施形態では、弾性膜64は3つ以下、または5つ以上の圧力室を形成してもよい。単一の圧力室のみが設けられてもよい。
圧力レギュレータR1~R5は研磨制御部30に接続されている。研磨制御部30は、ウェーハWの膜厚の測定値に基づいて、圧力室C1~C5内の圧力を圧力レギュレータR1~R5を介して制御するように構成されている。より具体的には、研磨制御部30は、ウェーハWの膜厚の複数の測定値を膜厚センサ24(図1参照)から受け取り、膜厚の複数の測定値に基づいて、目標膜厚を達成するための圧力室C1~C5のそれぞれの目標圧力値を決定し、目標圧力値を圧力レギュレータR1~R5に送信する。圧力レギュレータR1~R5は、圧力室C1~C5内の圧力が対応する目標圧力値に維持されるように動作する。したがって、研磨制御部30により決定された圧力室C1~C5のための目標圧力値は、圧力室C1~C5内の実際の圧力にそれぞれ相当する。一実施形態では、圧力センサにより圧力室C1~C5内の圧力を測定してもよい。
研磨ヘッド7はウェーハWの複数の領域に対して、独立した圧力をそれぞれ加えることができる。例えば、研磨ヘッド7は、ウェーハWの表面の異なる領域を異なる圧力で研磨パッド2の研磨面2aに対して押し付けることができる。したがって、研磨ヘッド7は、ウェーハWの膜厚プロファイルを制御して、目標とする膜厚プロファイルを達成することができる。
一実施形態では、研磨制御部30は、研磨中のウェーハWの膜厚の測定値から、圧力室C1~C4に対応するウェーハW上の複数の領域の複数の平均研磨レートをそれぞれ計算し、各領域の平均研磨レートと予め決められた目標研磨レートとの差を算出し、差が小さくなるように圧力室C1~C4内の圧力値を決定する。例えば、圧力室C1に対応する領域の平均研磨レートが目標研磨レートを下回った場合は、圧力室C1の圧力を大きくする。
他の実施形態では、研磨制御部30は、研磨中のウェーハWの膜厚の測定値から、圧力室C1~C4に対応するウェーハW上の複数の領域の膜厚の複数の平均値を計算し、各領域の膜厚の平均値と、研磨の進行とともに変化する予めあらかじめ決められた目標膜厚値との差を算出し、差をなくすために必要な圧力室C1~C4内の目標圧力値を決定する。
ウェーハWは、予め設定された研磨条件下で研磨される。研磨条件には、研磨テーブル5の回転速度、研磨ヘッド7の回転速度、研磨ヘッド7の圧力室C1~C4内の初期圧力、研磨パッド2の研磨面2aに供給される研磨液の種類および流量などが含まれる。研磨条件が一定であれば、同じ種類のウェーハの研磨レート(除去レートともいう)は概ね同じである。しかしながら、研磨パッド2が減耗してくると、研磨面2aに形成されている溝が浅くなり、研磨液が研磨面2a上に保持されにくくなる。結果として、研磨条件が同じであるにもかかわらず、ウェーハの研磨レートが低下してしまう。したがって、研磨パッド2の減耗が進行したときは、研磨パッド2を新たなものに交換する必要がある。
図1に示すパッド寿命算定部40は、学習済みモデル42を用いて、研磨パッド2の寿命を推定するように構成されている。学習済みモデル42には、ウェーハWの研磨中に取得された研磨ヘッド7の圧力室内の圧力の変化を表す圧力時系列データが入力される。パッド寿命算定部40は、学習済みモデル42により定められたアルゴリズムに従って計算を実行し、研磨パッド2の寿命指標を決定する。
上記圧力時系列データの圧力は、上述した圧力室C1~C4のうちの少なくとも1つの圧力室内の圧力である。以下に説明する実施形態では、圧力室C1内の圧力変化を示す圧力時系列データが使用されるが、他の実施形態では圧力室C1以外の圧力室C2,C3,またはC4内の圧力変化を示す圧力時系列データが学習済みモデル42に入力されてもよい。さらに他の実施形態では、圧力室C1~C4のうちの複数、または圧力室C1~C4のすべての圧力の変化を示す複数の圧力時系列データが学習済みモデル42に入力されてもよい。
学習済みモデル42に入力される圧力時系列データは、1枚のウェーハを研磨しているときの研磨ヘッド7の圧力室C1内の圧力の、研磨時間に伴う変化を示すデータである。より具体的には、圧力時系列データは、1枚のウェーハの研磨開始から研磨終了までの圧力室C1内の圧力の変化を示すデータである。この圧力時系列データは、研磨パッド2の減耗状態によって変わりうる。すなわち、研磨パッド2が新品であって、研磨面2aに溝が存在しているときは、研磨面2a上に供給された研磨液(例えばスラリー)は、溝内に保持される。したがって、ウェーハWの研磨中は、ウェーハWと研磨パッド2の研磨面2aとの間に十分な量の研磨液が存在する。研磨ヘッド7は、圧力室C1内の圧力を適切な範囲内に維持した状態で、ウェーハWを高い研磨レートで研磨することができる。
図3は、研磨パッド2が新品のときの、ウェーハWの研磨中における研磨ヘッド7の圧力室C1内の圧力の時間変化を示す圧力時系列データの一例を示すグラフである。ウェーハWの研磨中、研磨ヘッド7の複数の圧力室C1~C4(図2参照)内の圧力は、ウェーハWの面内の膜厚のばらつきをなくすように変化しつつ、ウェーハWの全体の膜厚が目標膜厚に到達するように変化する。このような圧力制御に従い、図3に示すように、圧力室C1内の圧力は多少変動するが、概ね適正な範囲内で推移する。
図4は、研磨パッド2がある程度減耗しているときの、ウェーハWの研磨中における研磨ヘッド7の圧力室C1内の圧力の時間変化を示す圧力時系列データの一例を示すグラフである。研磨パッド2の減耗が進行し、研磨面2aの溝が浅くなると、研磨液は、ウェーハWと研磨パッド2の研磨面2aとの間の隙間に進入しにくくなる。結果として、ウェーハWの研磨レートは低下する。研磨パッド2がさらに減耗すると、図5に示すように、研磨レートを上昇させるために、圧力室C1内の圧力がさらに上昇する。
このように、研磨パッド2の減耗は、研磨ヘッド7の圧力室C1内の圧力の時間変化を示す圧力時系列データに反映される。そこで、パッド寿命算定部40は、ウェーハWの研磨中に取得された圧力時系列データを学習済みモデル42(図1参照)に入力し、学習済みモデル42から研磨パッド2の寿命指標を出力する。
研磨パッド2の寿命指標は、研磨パッド2の減耗の程度を示す指標である。作業員は、パッド寿命算定部40によって算定された研磨パッド2の寿命指標に基づいて、研磨パッド2を交換すべきか否かを判断することができる。例えば、研磨パッド2の寿命指標は、その研磨パッド2を用いて研磨することができるウェーハ(ワークピース)の枚数である。他の例では、研磨パッド2の寿命指標は、その研磨パッド2の寿命に対する、研磨パッド2の現在の使用時間の割合を示す指標である。さらに他の例では、研磨パッド2の寿命指標は、研磨パッド2の寿命を直接または間接に表す数値(例えば、1~10の数値)である。
学習済みモデル42は、パッド寿命算定部40によって実行される機械学習により構築される。この機械学習に用いられる訓練データは、他の研磨パッドを用いて過去に多数のウェーハを研磨したときに取得された訓練用圧力時系列データを含む。訓練データは、正解ラベルである研磨パッドの寿命指標をさらに含む。機械学習の例としては、SVR法(サポートベクター回帰法)、PLS法(部分最小二乗法:Partial Least Squares)、ディープラーニング法(深層学習法)、ランダムフォレスト法、および決定木法などが挙げられる。一例では、学習済みモデル42は、ディープラーニング法によって構築されたニューラルネットワークから構成されている。
図6は、ディープラーニングを用いて構築された学習済みモデル42の一例を示す模式図である。学習済みモデル42は、入力層101と、複数の隠れ層(中間層ともいう)102と、出力層103を有している。ただし、学習済みモデル42は図6に示す例に限定されない。
ディープラーニングを用いた学習済みモデル42の構築は、次のようにして行われる。図6に示す入力層101に、訓練用圧力時系列データが入力される。モデル42は、入力層101に訓練用圧力時系列データが入力されると、出力層103から研磨パッドの寿命指標を出力する。パッド寿命算定部40は、出力層103から出力された研磨パッドの寿命指標と、正解ラベルである研磨パッドの寿命指標との差を最小とするように各ノード(ニューロン)のパラメータ(重みやしきい値など)を調整する。これにより、モデルは、入力層101に入力されたデータに基づいて、出力層103から適切な研磨パッドの寿命指標を出力するように学習される。
複数の研磨パッドを用いて複数のウェーハを研磨したときに得られた複数の訓練用圧力時系列データを用いて上記機械学習を繰り返すことにより、学習済みモデル42が構築される。多数の研磨パッドを用いた機械学習を実行することにより、学習済みモデル42から出力される研磨パッド2の寿命指標の精度を高めることができる。したがって、学習済みモデル42は、研磨ヘッド7の圧力室C1内の圧力変化を示す圧力時系列データから、研磨パッド2の寿命を正確に推定することができる。学習済みモデル42は、パッド寿命算定部40の記憶装置40a内に格納される。
訓練データに含まれる正解ラベルとしての研磨パッドの寿命指標は、以下のようにして取得される。少なくとも1枚の研磨パッドを用いて、その研磨パッドが寿命に達するまで、複数のウェーハを研磨する。図7は、1枚の研磨パッドが寿命に達するまで複数のウェーハを研磨したときの、ウェーハの枚数と、研磨パッドの使用時間との関係の一例を表す図である。図7に示す例では、1000枚のウェーハを研磨したときに、研磨パッドはその寿命に達している。正解ラベルとしての研磨パッドの寿命指標は、研磨パッドの使用開始から研磨パッドの寿命到達までの各時点でのウェーハの研磨枚数の、1000枚に対する割合、各時点でのウェーハの枚数を1000枚から減算した枚数(研磨可能枚数)、またはそれに準じた数値で表すことができる。各時点での寿命指標は、その時点で取得された対応する訓練用圧力時系列データと関連付けられ、訓練データに加えられる。このようにして作成された訓練データは、パッド寿命算定部40の記憶装置40a内に格納される。
図8は、複数の研磨パッドを用いて、それぞれの研磨パッドが寿命に達するまで複数のウェーハを研磨したときの、ウェーハの枚数と、各研磨パッドの使用時間との関係の一例を表す図である。図8に示す例では、機械学習のための訓練データを取得するために、複数の研磨パッドが使用される。これらの研磨パッドは同じ構造および同じ材料を有するが、研磨パッドに対するドレッシングなどの外的因子により、研磨パッドの寿命が異なることがある。そこで、図8に示す例では、複数の研磨パッドが、その寿命に達するまで研磨に使用される。研磨パッドA,B,Cは、同じ構造および同じ材料を有するが、研磨パッドAは1000枚のウェーハを研磨したときに寿命に達し、研磨パッドBは900枚のウェーハを研磨したときに寿命に達し、研磨パッドCは1100枚のウェーハを研磨したときに寿命に達している。各研磨パッドを用いた正解ラベルである研磨パッドの寿命指標は、図7の例と同様にして取得される。
訓練データを得るための研磨において、その研磨パッドがその寿命に達したか否かは、例えば、熟練した作業員が、研磨パッドの研磨面に形成されている溝を目視して決定してもよい。他の例では、パッド寿命算定部40または作業員は、研磨パッドを用いて研磨されたウェーハの膜厚プロファイルと、目標膜厚プロファイルとの差に基づいて、研磨パッドがその寿命に達したことを決定してもよい。例えば、上記差が基準値を超えたときは、パッド寿命算定部40または作業員は、研磨パッドがその寿命に達したと判定することができる。膜厚プロファイルは、ウェーハ面内の膜厚の均一性に置き換えてもよい。さらに他の例では、パッド寿命算定部40または作業員は、研磨パッドを用いて研磨されたウェーハの研磨レートが所定のしきい値を下回ったときに、研磨パッドがその寿命に達したことを決定してもよい。
一実施形態では、パッド寿命算定部40は、学習済みモデル42を用いた研磨パッド2の寿命指標の算出を、ウェーハの研磨工程の間に実行する。すなわち、パッド寿命算定部40は、ウェーハWの研磨後であって、次のウェーハを研磨する前に、研磨されたウェーハWに関する圧力時系列データを学習済みモデル42に入力し、研磨パッド2の寿命指標を学習済みモデル42から出力する。もし、得られた研磨パッド2の寿命指標が研磨パッド2の交換時期を示唆している場合には、次のウェーハが研磨される前に、研磨パッド2は新品の研磨パッドに交換される。
ウェーハWの研磨中における研磨ヘッド7の圧力室C1内の圧力変化は、研磨されているウェーハWの状態および/またはウェーハWの研磨条件にも影響されることがある。そこで、より正確な研磨パッド2の寿命指標を算定するために、一実施形態では、パッド寿命算定部40は、圧力時系列データに加えて、ウェーハWの研磨に関する研磨データを学習済みモデル42に入力してもよい。
研磨データは、ウェーハWの情報およびウェーハWの研磨条件のうちの少なくとも1つを含む。ウェーハWの情報の例としては、ウェーハWの研磨レート、目標膜厚に到達するのに要したウェーハWの研磨時間、ウェーハWの初期膜厚および目標膜厚、研磨後のウェーハWの膜厚プロファイル(膜厚分布)、および研磨後のウェーハWの研磨量のプロファイルが挙げられる。ウェーハWの研磨条件の例としては、研磨テーブル5および研磨パッド2の回転速度、研磨ヘッド7の回転速度、研磨パッド2に供給された研磨液の流量が挙げられる。
一実施形態では、研磨制御部30は、研磨中の膜厚測定データに基づいた各圧力室内の圧力制御(例えば、目標研磨レートあるいは目標膜厚値との比較による)を、研磨中の一部の期間においてのみ行ってもよい。例えば、研磨開始から所定の時間までの固定研磨条件期間では、圧力室内を予め決められた一定の圧力に維持した状態でウェーハの研磨を行い、その固定研磨条件期間内に取得された研磨量のプロファイル(研磨量分布)、あるいは平均研磨量、あるいは平均残膜量、あるいは残膜のプロファイル(残膜分布)を研磨データとして含んでもよい。
学習済みモデル42を構築するための機械学習に使用される訓練データは、学習済みモデル42に入力される研磨データと同じ種類の研磨データを含む。すなわち、訓練データは、訓練用圧力時系列データに加え、訓練用圧力時系列データが取得されたときのウェーハの情報およびウェーハの研磨条件のうちの少なくとも1つを含む。
一実施形態では、パッド寿命算定部40は、圧力時系列データに加え、ドレッサ50によりドレッシングされた研磨パッド2のカットレートを学習済みモデル42に入力するように構成されている。研磨パッド2のカットレートは、単位時間あたりにドレッサ50によって削り取られる研磨パッド2の厚さ(量)である。ドレッサ50によって削り取られる研磨パッド2の厚さ(量)は、ドレッシング前の研磨パッド2の研磨面2aの高さと、ドレッシング後の研磨パッド2の研磨面2aの高さとの差である。
ドレッサ50のドレッシングディスク51は、そのドレッシング面51aに硬質の砥粒(例えばダイヤモンド砥粒)を有している。この砥粒は研磨パッド2のドレッシングを繰り返すにつれて徐々に摩耗する。したがって、研磨パッド2のカットレートも徐々に変化する。研磨パッド2のカットレートが変化すると、ドレッシングされた研磨パッド2の研磨面2aの状態も変化すると想定され、これが圧力時系列データに影響することがある。
そこで、より正確な研磨パッド2の寿命指標を算定するために、パッド寿命算定部40は、圧力時系列データに加え、研磨パッド2のカットレートを学習済みモデル42に入力する。学習済みモデル42を構築するための機械学習に使用される訓練データは、訓練用圧力時系列データに加え、訓練用圧力時系列データが取得されたときの研磨パッドのカットレートを含む。
さらに、一実施形態では、パッド寿命算定部40は、圧力時系列データに加え、ウェーハWに関する研磨データ、および研磨パッド2のカットレートを学習済みモデル42に入力するように構成されてもよい。学習済みモデル42を構築するための機械学習に使用される訓練データは、訓練用圧力時系列データに加え、学習済みモデル42に入力される研磨データと同じ種類の研磨データと、訓練用圧力時系列データが取得されたときの研磨パッドのカットレートを含む。この実施形態によれば、パッド寿命算定部40は、より正確な研磨パッド2の寿命指標を算出することが期待される。
上述した実施形態では研磨ヘッドが複数の圧力室C1~C4を有するが、単一の圧力室のみを有する研磨ヘッドの圧力時系列データを用いて機械学習により研磨パッド2の寿命指標を算出することも可能である。
他の実施形態では、研磨制御部30は、研磨中のウェーハWの膜厚の測定値(すなわち、ウェーハWの現在の膜厚)から、圧力室C1~C4に対応するウェーハW上の複数の領域のそれぞれの膜厚の平均値を算出し、各領域の膜厚の平均値と、ウェーハW全体の膜厚の平均値との差を算出し、差をなくすために必要な圧力室C1~C4内の圧力値を決定する。例えば、圧力室C1に対応する領域の膜厚の平均値がウェーハW全体の膜厚の平均値を下回っているときは、研磨制御部30は、圧力室C1の圧力値を下げる。他の例では、圧力室C4に対応する領域の膜厚の平均値がウェーハW全体の膜厚の平均値を上回っている場合は、研磨制御部30は、圧力室C4の圧力値を上げる。
機械学習時および寿命指標の推定時において、異なる2つの圧力室の圧力時系列データをモデルの入力層に入力してもよい。研磨パッドの溝深さなどのパッド状態変化の異なる2つの圧力室の圧力時系列データは、研磨パッドの溝深さなどのパッド状態変化によって異なる挙動を示す場合がある。例えば、研磨パッドの溝が浅くなると、ウェーハ中心部へのスラリー供給が特に不足するため、ウェーハ中心部の研磨レートは低下しやすい。そこで、ウェーハ外周部の圧力室に先立って、ウェーハ中心部の圧力室内の圧力が研磨中に上昇し、研磨の均一性が維持される。このように、異なる2つの圧力室の圧力時系列データを学習済みモデルに入力することによって、より正確な寿命指標の出力が可能となる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
W ウェーハ
2 研磨パッド
2a 研磨面
5 研磨テーブル
5a テーブル軸
7 研磨ヘッド
8 研磨液供給ノズル
14 支軸
16 研磨ヘッド揺動アーム
18 研磨ヘッドシャフト
21 テーブル回転モータ
24 膜厚センサ
30 研磨制御部
40 パッド寿命算定部
42 学習済みモデル
50 ドレッサ
51 ドレッシングディスク
51a ドレッシング面
52 ドレッサシャフト
55 ドレッサ揺動アーム
61 ヘッド本体
62 リテーナリング
64 弾性膜
66 弾性膜
70 ロータリージョイント
C1,C2,C3,C4,C5 圧力室
F1,F2,F3,F4,F5 気体移送ライン
R1,R2,R3,R4,R5 圧力レギュレータ

Claims (12)

  1. 研磨ヘッドに設けられた圧力室を形成する弾性膜により、ワークピースを研磨パッドの研磨面に押し付けて前記ワークピースを研磨し、
    前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピースの膜厚を測定しながら、前記膜厚の測定値に基づいて、前記圧力室内の圧力を制御し、
    前記ワークピースの研磨中の前記圧力の変化を表す圧力時系列データを学習済みモデルに入力し、
    前記研磨パッドの寿命指標を前記学習済みモデルから出力する、研磨パッド寿命推定方法。
  2. 前記圧力時系列データに加え、前記ワークピースの研磨に関する研磨データを前記学習済みモデルに入力する、請求項1に記載の研磨パッド寿命推定方法。
  3. 前記研磨データは、前記ワークピースの情報および前記ワークピースの研磨条件のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の研磨パッド寿命推定方法。
  4. 前記圧力時系列データに加え、ドレッサによりドレッシングされた前記研磨パッドのカットレートを前記学習済みモデルに入力する、請求項1に記載の研磨パッド寿命推定方法。
  5. 前記圧力時系列データを前記学習済みモデルに入力し、前記研磨パッドの寿命指標を前記学習済みモデルから出力する工程は、前記ワークピースの研磨後であって、次のワークピースを研磨する前に実行される、請求項1に記載の研磨パッド寿命推定方法。
  6. 前記圧力室は、複数の圧力室であり、
    前記圧力室内の圧力を制御する工程は、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピースの膜厚を測定しながら、前記膜厚の測定値に基づいて、前記複数の圧力室内の圧力を制御する工程であり、
    前記圧力時系列データを学習済みモデルに入力する工程は、前記ワークピースの研磨中の前記複数の圧力室内の圧力の変化をそれぞれ表す複数の圧力時系列データを学習済みモデルに入力する工程である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の研磨パッド寿命推定方法。
  7. 弾性膜により形成された圧力室を有し、前記弾性膜によりワークピースを研磨パッドの研磨面に押し付けて前記ワークピースを研磨する研磨ヘッドと、
    前記ワークピースの膜厚を測定する膜厚センサと、
    前記膜厚の測定値に基づいて、前記ワークピースの研磨中に前記圧力室内の圧力を制御する研磨制御部と、
    前記ワークピースの研磨中の前記圧力の変化を表す圧力時系列データを学習済みモデルに入力し、前記研磨パッドの寿命指標を前記学習済みモデルから出力するパッド寿命算定部を備えている、研磨装置。
  8. 前記パッド寿命算定部は、前記圧力時系列データに加え、前記ワークピースの研磨に関する研磨データを前記学習済みモデルに入力するように構成されている、請求項7に記載の研磨装置。
  9. 前記研磨データは、前記ワークピースの情報および前記ワークピースの研磨条件のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の研磨装置。
  10. 前記研磨装置は、前記研磨パッドの前記研磨面をドレッシングするドレッサをさらに備えており、
    前記パッド寿命算定部は、前記圧力時系列データに加え、前記ドレッサによりドレッシングされた前記研磨パッドのカットレートを前記学習済みモデルに入力するように構成されている、請求項7に記載の研磨装置。
  11. 前記パッド寿命算定部は、前記ワークピースの研磨後であって、次のワークピースを研磨する前に、前記圧力時系列データを前記学習済みモデルに入力し、前記研磨パッドの寿命指標を前記学習済みモデルから出力するように構成されている、請求項7に記載の研磨装置。
  12. 前記圧力室は、複数の圧力室であり、
    前記研磨制御部は、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピースの膜厚を測定しながら、前記膜厚の測定値に基づいて、前記複数の圧力室内の圧力を制御するように構成されており、
    前記パッド寿命算定部は、前記ワークピースの研磨中の前記複数の圧力室内の圧力の変化をそれぞれ表す複数の圧力時系列データを学習済みモデルに入力するように構成されている、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の研磨装置。
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