JP2023173930A - 熱伝導粒子、複合材およびその製造方法 - Google Patents

熱伝導粒子、複合材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い熱伝導率を発揮する複合材が得られる製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、磁性材が表面に付着した扁平状または繊維状の熱伝導粒子と樹脂との混合物に、局所的または不均一な磁場を印加する配向工程と、熱伝導粒子を配向させた状態で混合物を固化させる固化工程と、を備える複合材の製造方法である。熱伝導粒子は、例えば、扁平状または繊維状の基粒子と、その基粒子の少なくとも一部の表面を被覆する磁性膜とを有する。例えば、基粒子は窒化ホウ素粒子(BN粒子)であり、磁性膜は鉄膜である。本発明によれば、基粒子の配合量の抑制や印加磁場の低減を図りつつ、特定方向(例えば、配向したBN粒子のa軸方向)に熱伝導率が高い複合材が得られる。【選択図】図8

Description

本発明は、熱伝導性に優れる複合材の製造方法等に関する。
高密度化や高性能化等された電子機器(半導体モジュール等)は、その機能や寿命等を維持するために、放熱が必要となる。電子機器の放熱は、通常、金属製等の放熱部材(ヒートシンク、筐体等)を通じてなされる。この際、電子機器(発熱源)と放熱部材の各表面間にある凹凸やうねり等を吸収する放熱シート(熱伝導シート、熱伝導性絶縁シート等)等が介装されることが多い。
放熱シートには、例えば、熱伝導率の高いフィラーと、柔軟性(弾力性)や密着性に優れる樹脂(エラストマー、ゴム等を含む。)とからなる複合材(組成物を含む。)が用いられる。このような複合材に関する提案は種々なされており、例えば、下記の特許文献に関連した記載がある。
特開2004-51852 特開2012-169599
特許文献1には、液晶性高分子(熱液晶性全芳香族ポリエステル)中で磁気異方性を有する熱伝導性充填剤(窒化ホウ素)を、厚さ方向へ均一的に配向させて成形した熱伝導性シートに関する記載がある(特許文献1の実施例3、4)。反磁界を発現する非磁性材の窒化ホウ素を配向させるために、超電導磁石を用いた高磁場(15T)を印加しており、現実的ではない。
特許文献2には、γ-フェライト(Fe)で被覆した鱗片状の窒化ホウ素をポリアミド酸溶液(100Pa・S)中に分散させた塗布液を、ガラス板上に塗布し、その膜厚方向に磁場(2T)を均一的に印加しつつ加熱乾燥させて得られる熱伝導性フィルムに関する記載がある(特許文献2の実施例1)。均一的に磁場を印加しているため、微粒子状のγ-Feを多く必要とし、窒化ホウ素の配向や熱伝導性フィルムの熱伝導性を却って阻害し得る。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、熱伝導性に優れる複合材が得られる新たな製造方法等を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究した結果、磁性材を薄膜状に付着させた熱伝導粒子を、局所的に配向させて熱伝導性に優れる複合材を得ることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《複合材の製造方法》
本発明は、磁性材が表面に付着した扁平状または繊維状の熱伝導粒子と樹脂とを混合したスラリーに、局所的または不均一な磁場を印加する配向工程と、該熱伝導粒子を配向させた状態で該スラリーを固化させる固化工程と、を備える複合材の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、熱伝導粒子量の抑制、印加する磁場の抑制等を図りつつ、熱伝導性に優れる複合材(熱伝導材)が得られる。この理由は、現状、次のように考えられる。
扁平状または繊維状の熱伝導粒子(換言すると、高アスペクト比な熱伝導粒子)は、その表面に付着している磁性材により、磁場中で磁気トルク(回転トルク)を受けると、その磁気方向に沿って姿勢を変化させ得る。このような熱伝導粒子と樹脂の混合物(スラリー)に、局所的または不均一な磁場を印加すると、その熱伝導粒子は、長手方向または面方向に配向すると共に、磁場分布が偏在している領域(局所域)で密集さらには密接するようになる。こうして得られた複合材は、熱伝導粒子が隣接間で熱伝導パスを形成し易くなり、高い熱伝導率を発現し得る。
なお、局所的または不均一な磁場を印加する場合、熱伝導粒子の表面にある磁性材の形態は問わない。例えば、その磁性材は、(薄)膜状でも粒状でもよい。
《複合材》
本発明は、複合材(熱伝導材)としても把握される。例えば、本発明は、扁平状または繊維状の熱伝導粒子が樹脂で保持された複合材であって、該熱伝導粒子は、配向していると共に分布が偏在している複合材でもよい。複合材は、その形態(形状、大きさ等)や用途は問わないが、例えば、熱伝導性フィルム、熱伝導性シート、放熱部材を兼ねる基板やケース等となる。
《熱伝導粒子》
本発明は、熱伝導粒子(粉末)としても把握される。例えば、本発明は、扁平状または繊維状の基粒子と、該基粒子の少なくとも一部の表面を被覆する磁性膜と、を有する熱伝導粒子でもよい。
なお、熱伝導粒子の表面に形成される磁性材(磁性体)が膜状であるとき、複合材の製造時に印加される磁場は、不均一(局所的)でも均一的でもよい。さらにいえば、磁性膜を表面に有する熱伝導粒子は、磁場を印加しない無磁場状態で製造される複合材のフィラーとして利用されてもよい。
《その他》
(1)本明細書でいう「扁平状または繊維状」とは、一方の寸法(厚み、径、幅)に対して他方の寸法(長さ等)が相応に大きいことを意味する。敢えていえば、(平均)アスペクト比(最長寸法/最短寸法)が、例えば、2以上、3以上さらには5以上である。その上限は問わないが、例えば、100以下、50以下さらには25以下である。
「配向」とは、熱伝導粒子が略一方向に向いている状態である。敢えていえば、熱伝導粒子を構成する基粒子の結晶をXRDして求まる得られる配向度(詳細は後述する。)が、例えば、15%以上、20%以上さらには25%以上である状態である。
「偏在」とは、複合材の一部または特定域に熱伝導粒子が凝集、集積等している状態である。敢えていえば、例えば、50体積%以上さらには70体積%以上の熱伝導粒子が、複合材の60体積%以下さらには40体積%以下の領域に存在している状態である。
(2)本明細書でいう「~材」は、「材料」または「部材」を意味する。部材は、中間品(加工前の素材)でも、完成品でもよい。熱伝導粒子と複合材を併せて、適宜、熱伝導材という。磁性材は、磁性体と換言されてもよい。
(3)本明細書でいう「x~y」は、特に断らない限り、下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a~b」のような範囲を新設し得る。本明細書でいう「x~ynm」は、特に断らない限り、xnm~ynmを意味する。他の単位系(W/mK等)についても同様である。
熱伝導粒子(一例)の表面近傍を観察したSEM像とEDX像である。 熱伝導粒子の磁化とその異方性磁化率の関係を示すグラフである。 磁性膜(Fe膜)を有する熱伝導粒子の磁化とその膜厚比の関係を示すグラフである。 キシレンの添加量とスラリーの粘度との関係を示すグラフである。 複合材の製造過程を示す模式図である。 複合材(試料11、試料32)の表面を観察したSEM像である。 BN粒子量と複合材の熱伝導率との関係を示す散布図である。 熱伝導粒子の配向状態が異なる複合材をそれぞれ模式的に示した説明図である。
本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、熱伝導材(複合材、熱伝導粒子等)やその製造方法等に適宜該当する。方法的な構成要素であっても物に関する構成要素となり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《熱伝導粒子》
熱伝導粒子は、基粒子と、その表面の少なくとも一部に付着した磁性材とを有する。以下、基粒子と磁性材について詳述する。
(1)基粒子
基粒子は、扁平状または繊維状であり、熱伝導性に優れるとよい。扁平状(鱗片状、板状等)または繊維状である基粒子は、熱伝導粒子の配向、密集、凝集等により、複合材(熱伝導材)の特定方向の熱伝導率を向上させ得る。
基粒子(熱伝導粒子についても同様)の形状異方性(扁平状または繊維状であること)は、例えば、(平均)アスペクト比(AR)により指標される。アスペクト比は、対象物毎に測定した長手方向の長さ(長寸法)と、それに直交する方向(短手方向)の長さ(短寸法)との比率(長寸法/短寸法)である。長寸法は、対象物(粒子)の最大長(例えば、観察像に現れた線分の長さの最大値)、短寸法は、その最小長(例えば、観察像に現れた線分の長さの最小値)とする。「平均」は、例えば、無作為に抽出した粒子(例えば10~50個数)またはその観察像の視野(例えば、440μm×630μm)にある粒子について求めた算術平均値である。観察像に基づく算出等は、例えば、画像処理ソフトウェア(例えばImageJ)を用いてなされる(以下同様)。このようにして求まる平均アスペクト比(AR)は、例えば、2~100、3~50さらには5~30である。
なお、(平均)アスペクト比は、原料段階(樹脂原料との混合前)の粒子(単体)について算出されても、複合材中にある粒子について算出されてもよい。偏平状の粒子(BN粒子等)なら、その平均厚さと平均粒径に基づいて、平均粒径/平均厚さを平均アスペクト比としてもよい。
平均粒径は、上述した観察像に基づいて算出されてもよいし、レーザ回折法で得られた粒度分布から50%径(D50:メディアン径)として特定されてもよい。観察像から求める場合、粒子形状に拘わらず、粒径は粒子の長手方向の最大長とし、厚さは粒子の短手方向の最小厚さとする。
平均粒径は、例えば、0.1~10μm、0.5~7μm、1~5μmである。扁平粒子(BN粒子等)の平均厚さは、例えば、0.01~1μm、0.05~0.7μmさらには0.1~0.5μmである。
ちなみに、複合材中の粒子サイズは、複合材から樹脂を溶解除去等して得た粒子について測定されてもよい。このように粒子サイズを求めても、複合化前後で大差はない。また、通常、磁性材(特に磁性膜は)は、基粒子の表面に薄く付着しているため、基粒子と熱伝導粒子は、形態(形状、大きさ、アスペクト比、体積等)に大差はない。このため本明細書では、適宜、熱伝導粒子の形態を基粒子の形態で代替的に指標する。
基粒子は、上述した形態を満たす限り、その種類(材質、製法等)を問わない。熱伝導性に優れる基粒子は、例えば、窒化ホウ素(BN)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)等からなる。特に窒化ホウ素粒子(「BN粒子」という。)は、シリカ粒子やアルミナ粒子よりも熱伝導率が大きく、また窒化アルミニウム粒子よりも化学的に安定である。このためBN粒子からなる熱伝導粒子を含む複合材は、熱伝導性の他、耐熱性、信頼性、電気絶縁性等にも優れる。
ちなみに、窒化ホウ素には、六方晶系の常圧相(適宜「h-BN」ともいう。)と立方晶系の高圧相(適宜「c-BN」ともいう。)がある。h-BNは、黒鉛と類似した六角網目層が積層された鱗片状(高アスペクト比な偏平状)からなり、面方向(a軸方向)と厚さ方向(c軸方向)で熱伝導率が大きく異なる熱伝導異方性を有する。
h-BNからなる熱伝導粒子(単に「BN粒子」という。)の面方向を主たる熱伝導方向(例えば熱源側から冷却源側へ向かう方向)へ配向させることにより、複合材の熱伝導性が高まる。基粒子は、BN粒子だけでもよいし、他種粒子(セラミックス粒子、金属粒子、c-BN粒子等)を含んでもよい。BN粒子は、h-BN単層でも、それらの積層体または集合体(凝集体、二次粒子)でもよい。
(2)磁性材
磁性材(磁性体)は、基粒子の表面に付着(被覆を含む。)して、熱伝導粒子の配向に寄与する。磁性材は、種々の組成や形態等をとり得る。磁性材には、組成や形態が異なる異種材が混在していてもよい。
磁性材は、軟磁性材の他、硬磁性材でもよい。磁性材は、例えば、強磁性元素(例えば鉄族元素:Fe、Co、Ni)の単体(純Fe等)、合金(例えばFeNi合金)または化合物(例えば、NiFe等のスピネル型フェライト(Feを含む))からなる。磁性材も高熱伝導率であると好ましい。
磁性材は、例えば、基粒子の少なくとも一部の表面を被覆する磁性膜であるとよい。さらに磁性膜が薄膜状であると、基粒子の高特性がほぼ維持された熱伝導粒子が得られる。磁性薄膜の厚さは、敢えていうと、例えば、1~500nm、5~250nmさらには10~100nmである。
基粒子の粒径に対する磁性膜の厚さの比率である膜厚比は、例えば、0.0001~0.3、0.001~0.1さらには0.005~0.01である。基粒子の粒径には、上述した平均粒径を用いることができる。磁性膜の厚さは、例えば、熱伝導粒子全体に対する磁性材の質量割合と磁性材の真密度と基粒子の表面積とから算出される平均的な厚さである。基粒子の表面積は、例えば、基粒子の平均粒径と平均厚さ(平均粒径/平均アスペクト比)から求まる平均的な表面積を用いることができる。このような概算が困難なときは、ガス吸着法等により測定された比表面積を用いてもよい。
磁性材(磁性膜)で被覆された熱伝導粒子は、5~40emu/gさらには10~35emu/g程度の磁化があればよい。これにより熱伝導粒子は、低磁場中でも、姿勢変化や移動等に必要な磁気モーメントを発揮し得る。磁性材が鉄基材(特に純鉄/飽和磁化:220emu/g)からなるときなら、熱伝導粒子(基粒子と磁性材の合計)全体に対して、鉄基材は1~10質量%さらには3~7質量%含まれてもよい。
熱伝導粒子は、上述した基粒子および磁性材以外に、異種材(粒子)を有してもよい。例えば、ナノカーボン粒子(CNT等)、黒鉛粒子(カーボンブラックを含む。)、ダイヤモンド粒子等の炭素粒子が、基粒子や磁性材の表面に付着(担持)等していてもよい。
《複合材》
複合材は、樹脂により熱伝導粒子が保持されてなる。
(1)樹脂(マトリックス)
樹脂は、通常、高分子化合物である合成樹脂(さらにはポリマー)であり、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。また本明細書でいう樹脂は、ゴム・エラストマー等でもよく、単種でも、複数種(混合樹脂)でもよい。単種の樹脂を用いると、配合や製造工程等を簡素化できる。複数種の樹脂を用いると、例えば、樹脂の特性(熱伝導率、熱伝導粒子との濡れ性、軟化点・融点等)を調整できる。
熱可塑性樹脂は、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル(ポリメチルメタクリレート/PMMA)等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等である。熱硬化性樹脂は、例えば、ポリシロキサン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等である。
エラストマーは、例えば、オレフィン系(TPO)、ポリスチレン系(TPS)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPC)、ポリアミド系(TPAE)等の熱可塑性エラストマーである。ゴムは、例えば、エチレン- プロピレン- ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム等の他、熱硬化性エラストマー(ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)でもよい。なお、本明細書では、特に断らない限り、ゴム・エラストマーを含めて、単に「樹脂」という。
(2)熱伝導粒子
熱伝導粒子と樹脂の合計に対して熱伝導粒子は、例えば、3~50体積%、5~45体積%、さらには10~40体積%含まれる。本発明の複合材によれば、熱伝導粒子の含有量(率)を低減しつつ、高熱伝導率の確保が可能となる。なお、熱伝導粒子の体積率は、直接的に測定されなくても、例えば、樹脂と熱伝導粒子の含有質量比(配合質量比)と各真密度とから算出され得る。
熱伝導粒子は、複合材中で配向しているとよい。配向度は、例えば、5~50%、10~45%さらには15~40%である。本明細書でいう配向度は、複合材をX線回折(XRD)して得られた熱伝導粒子(基粒子)に関するプロファイル(パターン)から求まる。具体的にいうと、配向度は、配向方向である一方向のピーク強度(I)と他方向のピーク強度(I)とから、100×I/(I+I)として求まる。両方向は、通常、直交している。
BN粒子の場合なら、熱伝導率が高い(100)面に沿った方向(a軸方向)のピーク強度I(100)と、熱伝導率が低い(002)面に沿った方向(c軸方向)のピーク強度I(002)とから、次のように配向度が求まる。
(配向度)=I(100)/{I(100)+I(002)}×100(%)
《製造方法》
(1)熱伝導粒子
基粒子の表面に磁性材を付着(被着、担持)させた熱伝導粒子は、種々の製造方法により得られ得る。例えば、物理蒸着(PVD:physical vapor deposition)、化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)、化学反応(磁性材の析出、沈降等)、磁性粉末(例えば、ナノ鉄粉、カルボニル鉄粉等)と基粒子粉末との混練等により熱伝導粒子を得ることができる。
(薄)膜状の磁性材(磁性膜)なら、例えば、蒸着、特にスパッタ等のPVDにより基粒子の表面に形成される。PVDによれば、磁性材の材質(組成)や厚さの調整自由度が大きくできる。具体的にいうと、例えば、バレルに入れた粉末に対してスパッタリングを行う粉末スパッタリング(バレルスパッタリング)により、基粒子の表面に薄い磁性膜を被着させた熱伝導粒子が得られる。
熱伝導粒子(粉末)は、粒度調整(分級)がされてもよい。また熱伝導粒子は、樹脂(マトリックス)との親和性を高める表面処理がなされてもよい。表面処理により、樹脂中における熱伝導粒子の配向性、移動性、分散性等が向上し得る。表面処理として、例えば、疎水化処理、(シラン)カップリング処理等がある。なお、カップリング剤等は、熱伝導粒子と樹脂の混合時に配合・添加等されてもよい。
(2)複合材
複合材は、熱伝導粒子と樹脂の混合物を固化させて得られる(固化工程)。混合物は、加熱(樹脂の軟化点以上さらには融点以上)して溶融させた樹脂と熱伝導粒子を混合した溶融混合物でもよいし、樹脂と熱伝導粒子と溶媒(分散媒を含む。)とを混合したスラリーでもよい。溶媒の種類や量は、樹脂やスラリーの粘度に応じて選択される。スラリーは、例えば、粘度が0.005~8Pa・s、0.01~5Pa・s、0.015~1Pa・sに調整される。
混合物は、固化前に、磁場を印加して熱伝導粒子が配向した状態であるとよい(配向工程)。磁場は、混合物全体に均一的に印加してもよいし、局所的または不均一に印加してもよい。後者の方が熱伝導粒子量の抑制と複合材の高熱伝導化を両立し易い。印加する磁場は、例えば、0.1~3T、0.3~1Tさらには0.4~0.8Tである。
なお、本明細書でいう「局所的」とは、複合材の一部または特定域に磁場を印加する場合である。敢えていえば、配向側にある複合材の全面積に対する面積割合で、例えば、60%以下、40%以下さらには30%以下の領域に、磁場を印加する場合である。「不均一」とは、印加する磁場の強さが複合材の配向面の位置により異なる場合である。例えば、所望の模様(縞模様、市松模様等)状に磁場を印加する場合である。
固化工程は、混合物の状態や複合材の形態に応じた方法が選択される。溶融混合物なら、例えば、冷却や硬化により固化して複合材となる。スラリーなら、例えば、溶媒の揮発、乾燥、硬化等により固化して複合材となる。
混合物は、完全に固化する前に、加圧や成形がされてもよい。例えば、混合物を用いて、圧縮成形(金型成形、CIP、RIP等)、押出成形、射出成形、トランスファー成形等がなさてもよい。
熱硬化性樹脂を用いる場合、固化工程後または固化工程と併行して、熱硬化処理(キュア処理)がなされてもよい。また複合材は、最終製品形状またはそれに近い形状でもよいし、後加工される素材や中間材でもよい。
《用途》
熱伝導粒子は、樹脂をマトリックスとする複合材の他、各種部材(基板、ケース、放熱部材等)のフィラーとしても用いられる。複合材は、例えば、熱伝導性フィルム、熱伝導性シート等に用いられるとよい。その熱伝導率は、例えば、熱伝導粒子の配向方向に関して、0.3~3W/mKさらには0.5~2W/mKとなり得る。
h-BNからなる基粒子(BN粒子)にFeからなる磁性膜を被着させた熱伝導粒子(フィラ)を、樹脂(マトリックス)中に配向充填した複合材を製作した。そして熱伝導粒子の構造や複合材の特性(熱伝導率等)などを評価した。このような具体例を示しつつ、本発明を詳しく説明する。
《熱伝導粒子》
(1)製作
基粒子源(原料)として、市販されているh-BN粉末(株式会社MARUKA製AP-10S)を用意した。この粉末は、平均アスペクト比(「AR」という。):5、平均粒径:3μm(D50)、比表面積:10m/gであった。
バレルスパッタ装置(日本ピラー工業株式会社製)を用いて、プロセスガス:Ar、ターゲット:純Feとして、h-BN粉末にバレルスパッタ法による被覆処理を施した。
これにより、Feをh-BN粉末の各粒子(「BN粒子」という。)の表面に被着させた。熱伝導粒子全体(h-BN粉末+Fe)に対するFeの質量割合は約5質量%、熱伝導粒子全体の磁化:10emu/gであった。その膜厚比は0.001(1×10-3)であった。その磁化と膜厚比の関係については後述する。
(2)観察
一例として、BN粒子(AR:5)をFeで被覆した熱伝導粒子(磁化:10emu/g)の表面付近について、走査型電子顕微鏡(SEM/株式会社日立ハイテクノロジーズ製SU-3500)による観察と、それに付属のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)による元素分析とを行った。SEM像(反射電子像)と、元素マップ(EDX像)を図1に示した。
(3)異方性磁化率
参考に、磁性材により熱伝導粒子に付与された磁化と、熱伝導粒子に生じる異方性磁化率(Δχ)との関係を数値解析により求めた。熱伝導粒子の異方性磁化率は、基粒子であるBN粒子の(100)面方向(a軸方向)に沿った磁化率χaとBN粒子の(002)面方向(c軸方向)に沿った磁化率χcとの差(Δχ=χa-χc)である。磁化率は、各方向毎に求めた熱伝導粒子の磁化曲線の傾きとして求まる。この際、電磁鋼板(5A1300、磁束密度:約2.14T(印加磁場40000A/m))の磁化曲線を熱伝導粒子全体に対するFeの質量割合で補正し、さらにBN粒子のARに応じた反磁界で補正した。こうして得られた熱伝導粒子の磁化と異方性磁化率の関係を図2に示した。なお、AR:5の場合を図2に例示したが、ARが大きくなってもグラフの傾向はAR:5の場合と略同じである。但し、熱伝導粒子の磁化が同じでも、ARが大きくなるほど異方性磁化率も大きくなる。
(4)膜厚比
熱伝導粒子の磁化と熱伝導粒子の膜厚比との関係を図3に示した。膜厚比は、基粒子であるBN粒子の粒径に対する磁性膜の厚さの比率である。BN粒子の粒径には既述した各平均粒径を用いた。磁性膜の厚さは、BN粒子の平均粒径とAR、磁性膜の基材であるFeの質量割合と真密度(7.87g/cm)から算出した。
《複合材》
(1)スラリーの調製
複合材の製作に用いるスラリーを、次のように調製した。原料として、フィラーには、Fe(約5質量%相当)をBN粒子(AR:5、平均粒径:3μm)の表面に被着させた熱伝導粒子(磁化:10emu/g)を用いた。マトリックスとなる樹脂には、ポリシロキサン(MOMENTIVE社製YE5822)を用いた。粘度調整用の溶媒(分散媒)にキシレンを用いた。本実施例で用いたポリシロキサンは、主剤:硬化剤が4:1(質量割合)で配合されてなり、室温中で約120分間で完全硬化する。
熱伝導粒子と樹脂と溶媒を、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製ARE-310)で混合(混練)した。回転条件は、2000rpm×30分間後、さらに2200rpm×30分間とした。こうして表1に示す種々のスラリーを調製した。表1に示す熱伝導粒子の配合量は、熱伝導粒子(基粒子とほぼ同じ)と樹脂の合計に対する体積割合である。体積割合は、基粒子(BN粒子)と樹脂(ポリシロキサン)との比重(密度)から換算して求めた。スラリー粘度は、溶媒(キシレン)の添加量で調整した。測定した各試料のスラリー粘度を表1に併せて示した。表1中の「―」は未測定を意味する(以下同様)。
なお、スラリーの粘度は振動式粘度計(株式会社セコニック製VM-10A)を用いて測定した。測定に用いたスラリーの量は約5~20mlとした。参考に、実測したスラリー粘度とキシレン添加量の関係を図4に示した。キシレン添加量は、スラリー全体(熱伝導粒子+樹脂+キシレン)に対する質量割合である。
(2)複合材の製作
上述したスラリーを用いて、複合材を次のように製作した。図5に示すように、ガラス板(25.4mm×76.2mm×t1mm/材質:ソーダガラス)の外周縁上に、方形環状のフッ素系ゴム(FKM)からなる厚さ0.3mmの型枠を、ポリビニルアルコール(PVA)系接着剤で接合した。スラリーを型枠内に流し入れて、ガラス板に塗布した。これにより、表面(14cm)が露出した未硬化な塗膜を、スラリー毎に形成した。
局所的な磁場の印加は、図5に示すように、ガラス板の下面中央に、円柱状の希土類永久磁石(ネオジム磁石:直径φ1.5cm、端面積1.8cm)を密接配置して行った。これにより、0.5Tの磁場を局所的に印加した。
均一的な磁場の印加は、上述したガラス板の上面側に同形状のガラス板を追加して、両ガラス板で挟み込んだ未硬化な塗膜を、電磁石装置(株式会社玉川製作所TM-WVS8515C-126型)の試料台に載置して行った。これにより2Tの磁場を均一的に印加した。
磁場の印加の有無に拘わらず、いずれの塗膜も、大気雰囲気中で、120分間放置して塗膜を乾燥・硬化させた。こうして硬化した塗膜(複合材)からなる各試料を得た。
(3)観察
試料11と試料32の複合材をSEMで観察した。それらの観察像(拡大像を含む。)を図6に併せて示した。
(4)熱伝導率
複合材の熱伝導率(λ)は、熱拡散率測定装置(NETZSCH社製LFA447 Nanoflash)を用いて測定した熱拡散率(α)と、比熱(Cp)と、密度(ρ)とから、λ=α・Cp・ρとして熱伝導率を算出した。熱拡散率の測定は、複合材の厚み方向(想定される伝熱方向)について、大気中(25℃)で行った。配向磁場を印加した試料の場合、その厚み方向がほぼ熱伝導粒子の配向方向となる。こうして得られた各試料の熱伝導率を表1に併せて示した。また、表1に基づいて、BN粒子(≒熱伝導粒子)の配合量(体積%)と複合材の熱伝導率との関係を図7に示した。
(5)磁化
複合材の磁化を振動試料型磁力計(VSM/東英工業株式会社製VSM-3S-15)により測定した。本明細書でいう磁化の大きさは、磁化曲線から読み取った磁化の最大値である。その結果を例示すると、無磁場下で製作した複合材(試料11)の磁化は1.6emu/gであった。一方、配向磁場下で製作した複合材(試料32)の磁化は3.3emu/gであった。
(6)配向度
複合材中における熱伝導粒子(基粒子)の配向度をX線回折(XRD)により求めた。具体的には次の通りである。X線回折装置(株式会社リガク製UltimaVI)を用いて得たXRDプロファイルから、BN粒子のa軸方向に対応する(100)面の回折強度I(100)と、BN粒子のc軸方向に対応する(002)面の回折強度I(002)とを求め、下式により配向度を算出した。
配向度(%)=100×I(100)/{I(100)+I(002)}
なおXRDは、X線源:Cu-Kα、測定範囲:25~60°、管電圧:40kV、管電流:40mAとして、蛍光X線軽減モードで行った。こうして各試料の複合材について得られた配向度を表1に併せて示した。
《評価》
(1)熱伝導粒子
図1から明らかなように、BN粒子(基粒子)の表面にFeが均一的に分布しており、磁性膜が形成されていることがわかった。
図2から明らかなように、熱伝導粒子の磁化が5~40emu/gさらには10~30emu/gとなる程度で、十分な異方性磁化率(Δχ)が熱伝導粒子に生じることがわかった。このとき、膜厚比が10-4~×10-1さらには10-3~×10-2程度となることも図3からわかる。
(2)複合材
表1および図7から明らかなように、BN粒子量が同じであれば、磁性膜で被覆したBN粒子からなる熱伝導率をフィラーとする方が、複合材の熱伝導率が向上することが明らかなとなった。さらに、その熱伝導粒子を磁場配向させた方が熱伝導率が高く、さらに局所磁場配向させた方がより熱伝導率が高くなった。また、局所磁場配向させる場合、印加する磁場が小さくても、熱伝導粒子の配向度を十分に高められた。
なお、試料C1、C2から明らかなように、BN粒子だけ(磁性膜なし)のフィラーでは、高磁場を印加しても、配向度や熱伝導率は向上しないことも確認された。
《考察》
熱伝導粒子の磁場配向の有無により複合材の熱伝導率が変化する機序は、図8に示すように考えられる。すなわち、無磁場(無配向)では、扁平状または繊維状の熱伝導粒子の向きが無秩序で、複合材の熱伝導率も等方的となるため、全体として熱伝導率が向上しない(図8左)。均一磁場(均一配向)により、熱伝導粒子は一方に向くようになり、複合材の熱伝導率は異方的になり特定方向に高くなる(図8中央)。さらに局所磁場(局所配向)によれば、熱伝導粒子は一方に向くのみならず、その局所に凝集(集積、密集)して、熱伝導粒子間の熱伝導パスが形成され易くなる。その結果、局所磁場の印加により、特定方向の熱伝導率がより一層高い複合材が得られる(図8右)。こうして本発明の複合材は、高い熱伝導率を発揮するようになったと考えられる。
Figure 2023173930000002

Claims (11)

  1. 磁性材が表面に付着した扁平状または繊維状の熱伝導粒子と樹脂との混合物に、局所的または不均一な磁場を印加する配向工程と、
    該熱伝導粒子を配向させた状態で該混合物を固化させる固化工程と、
    を備える複合材の製造方法。
  2. 前記磁性材は、前記熱伝導粒子の少なくとも一部の表面を被覆する磁性膜である請求項1に記載の複合材の製造方法。
  3. 前記混合物は、スラリーである請求項1または2に記載の複合材の製造方法。
  4. 前記磁場は、0.1~1Tである請求項1または2に記載の複合材の製造方法。
  5. 前記熱伝導粒子と前記樹脂の合計に対して該熱伝導粒子は3~50体積%含まれる請求項1または2に記載の複合材の製造方法。
  6. 扁平状または繊維状の熱伝導粒子が樹脂で保持された複合材であって、
    該熱伝導粒子は、配向していると共に分布が偏在している複合材。
  7. 扁平状または繊維状の基粒子と、
    該基粒子の少なくとも一部の表面を被覆する磁性膜と、
    を有する熱伝導粒子。
  8. 前記熱伝導粒子全体の磁化が5~40emu/gである請求項7に記載の熱伝導粒子
  9. 前記基粒子は、窒化ホウ素粒子からなる請求項7または8に記載の熱伝導粒子。
  10. 前記磁性膜は、鉄基材からなる請求項7または8に記載の熱伝導粒子。
  11. 前記鉄基材は、前記熱伝導粒子全体に対して1~10質量%含まれる請求項10に記載の熱伝導粒子。
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