JP2023173035A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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可奈絵 森
Kanae Mori
徹也 安冨
Tetsuya Yasutomi
昂平 松浦
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Abstract

【課題】 効率よく難燃性の高い光ファイバケーブルを提供する。【解決手段】 光ファイバケーブル1は、コア部15、押さえ巻き部材7、テンションメンバ9、引き裂き紐11a、外被13、難燃シート17等により構成される。コア部15は、複数の光ファイバ心線3からなる。コア部15の外周には、押さえ巻き部材7が配置される。コア部15(押さえ巻き部材7)の外周は、樹脂製の外被13によって被覆される。ここで、外被13は、コア部15(押さえ巻き部材7)の外周側に配置される内層13aと、光ファイバケーブル1の外面に露出する外層13bとを有する。すなわち、外被13は、少なくとも2層構造であり、内層13aと外層13bとの間には、難燃シート17が配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の光ファイバ心線が収容される光ファイバケーブルに関するものである。
近年の情報量の増加に伴い、1本の光ファイバケーブルにおける情報伝送量を増加するため、光ファイバケーブルに光ファイバを高密度に収納し、光ファイバの収納心数を増加させることが望まれている。
このような光ファイバケーブルは、屋外にて建物間を接続する際などに使用される他、屋内にも引き込まれて使用される場合がある。近年、このように、屋内外どちらでも使用可能な難燃光ファイバケーブルの需要が高まっている。
難燃光ファイバケーブルとしては、例えば、難燃材を含有したシース材料を使用することで難燃特性を持たせた光ファイバケーブルが提案されている(特許文献1)。
また、難燃材を含むテープなどの部材を使用して光ファイバユニットを防護することで難燃特性を向上させた光ファイバケーブルが提案されている(特許文献2)。
特開2013-148608号公報 特開2004-145017号公報
特許文献1のように、外被に難燃性を持たせる方法では、難燃性を向上させるためには外被の厚みを厚くする必要があり、ケーブルの敷設性や解体性が悪化する。また、外被全体に難燃材を配合する必要があるため、材料コストも増加する。
一方、特許文献2では、難燃テープをスロットロッドの外周に巻き付けることで難燃性を得るものである。このような難燃テープは、例えば、スロットロッドの外周に縦添え巻き(難燃テープの長手方向をスロットロッドの長手方向に対して合わせるようにして巻き付ける方法)する方法や、螺旋巻き(難燃テープの長手方向を、スロットロッドの周方向に対して斜めに巻き付ける方法)する方法がある。しかし、いずれにしても、難燃テープをある程度の張力で強く巻き付けないと、難燃テープの口開きや巻きずれ等の要因となる。
一方、近年、高密度に光ファイバ心線を収容するために、スロットロッドを用いないスロットレスケーブルが使用されている。しかし、スロットレスケーブルのコアの外周に、難燃テープを強く巻き付けると、その張力によって内部の光ファイバ心線が押さえつけられて、伝送損失の増大等の要因となる。したがって、上述した口開き対策は、スロットロッドを用いた光ファイバケーブルには適用できても、いわゆるスロットレスタイプの光ファイバケーブルには適用が困難である。
また、難燃テープの外周を被覆する外被に全く難燃材が添加されていないと、燃焼時には、難燃テープの外周の外被が直ちに全て焼失してしまう。このため、より高い難燃性を得ようとすると、外被への難燃材の添加を完全になくすことは困難である。
しかし、外被は、耐側圧性などによって必要な最小限の厚みがあるため、難燃テープを使用することで、外被への難燃材の添加量を多少削減できたしたとしても、外被の全体には所定以上の量の難燃材を添加する必要があり、コスト増の要因となる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、効率よく難燃性の高い光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、複数の光ファイバ心線からなるコア部と、前記コア部の外周に配置される押さえ巻き部材と、前記押さえ巻き部材の外周を被覆する外被と、を具備し、前記外被は、前記押さえ巻き部材の外周側に配置される内層と、ケーブル外面に露出する外層とを有し、前記内層と前記外層との間に難燃シートが配置されることを特徴とする光ファイバケーブルである。
前記押さえ巻き部材の外部には、第1の引き裂き紐が配置され、前記難燃シートの外部には、第2の引き裂き紐が配置されてもよい。
前記内層は、前記外層よりも難燃材の含有率が高くてもよい。
前記外層は、前記内層よりも滑剤の含有率が高くてもよい。
前記難燃シートの厚みが、0.1mm以上1mm以下であることが望ましい。
前記コア部を挟んで対向する位置にテンションメンバが配置されたスロットレスタイプであってもよい。
この際、前記テンションメンバが前記内層に配置されていることが望ましい。
本発明によれば、主に難燃シートによって難燃性を確保することができるため、過剰に外被の総厚を厚くする必要がない。また、外被を内層と外層とに二分して、内層の外周に難燃シートを配置することで、口開き等の対策で難燃シートを強く巻き付けても、内層によって、コアへの過剰な締め付けを抑制することができる。このため、難燃シートの巻き付けによる伝送損失の増大を抑制することができる。
また、外層と難燃シートの間に、第2の引き裂き紐を配置することで、第2の引き裂き紐によって、外層を容易に引き裂くことができる。また、難燃シートを除去した後に、第1の引き裂き紐によって、内層を容易に引き裂くことができる。
また、外層と内層を、それぞれ異なる樹脂材で構成することもできる。例えば、内層の難燃材の含有率を、外層の難燃材の含有率よりも高くすることで、コアの外周を被覆する内層の難燃性を高めることができる。
ここで、一般的に樹脂に難燃材を添加すると、樹脂の摩擦係数が増加することが知られている。このため、外被に難燃材を添加すると、例えば光ファイバケーブルの引き込み作業において、光ファイバケーブルと配管との摩擦が大きくなり、敷設作業が困難となる。これに対し、外層に難燃材を添加しないか、又は少量の添加とすることで、摩擦係数の増加を抑制することができるため、難燃シート及び内層によって難燃性を維持しつつ、良好な敷設作業性を得ることができる。
同様に、一般的に樹脂に滑剤を添加すると、樹脂の摩擦係数を下げることができるが、滑剤の添加量が増加すると樹脂の難燃性が低下することが知られている。このため、内層と比較して、外層への滑剤の添加量を増加させ、内層に添加される滑剤の量を必要最小限とすることで、外層の摩擦係数を低減しつつ、光ファイバケーブル全体として難燃性を確保することができる。
また、難燃シートの厚みが0.1mm以上1mm以下であれば、難燃シートによる難燃性を十分に得ることができる。
また、このような効果は、コアの締め付けが問題となるスロットレスケーブルに対して特に有効である。
この際、テンションメンバが内層に配置されていれば、テンションメンバによって内層及びコアに対する張力を確実に受けることができる。
本発明によれば、効率よく難燃性の高い光ファイバケーブルを提供することができる。
光ファイバケーブル1を示す断面図。 間欠接着型の光ファイバ心線3を示す図。 光ファイバケーブル1aを示す断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、光ファイバケーブル1を示す図である。光ファイバケーブル1は、スロットロッドを用いないスロットレスタイプの光ファイバケーブルであり、コア部15、押さえ巻き部材7、テンションメンバ9、引き裂き紐11a、外被13、難燃シート17等により構成される。
コア部15は、複数の光ファイバ心線3からなる。より詳細には、複数の光ファイバ心線3が撚り合わせられて光ファイバユニット5が構成され、複数の光ファイバユニット5が集合されて、コア部15が形成される。光ファイバユニット5は、例えばバンドル材などによって束ねられて、他の光ファイバユニット5と区別される。
なお、光ファイバユニット5の本数は図示した例には限られない。また、複数の光ファイバ心線3は、光ファイバユニット5に区分されなくてもよい。すなわち、コア部15は、複数の光ファイバ心線3が撚り合わせられて構成されればよい。
光ファイバ心線3は、単心の光ファイバ心線であってもよいが、複数の単心の光ファイバ心線が併設された光ファイバテープ心線であることが望ましい。この場合には、隣り合う光ファイバ同士が長手方向に間欠的に接着された間欠接着型光ファイバテープ心線であることが望ましい。
図2は、間欠接着型の光ファイバ心線3を示す斜視図である。光ファイバ心線3は、複数の光ファイバ2a、2b、2c、2dが並列され、互いに接着されて形成される。なお、光ファイバ心線3を構成する光ファイバの本数は、図示した例には限られない。
図2に示すように、本実施形態では、それぞれ隣り合う光ファイバ2a、2b、2c、2d同士が、光ファイバ心線3の長手方向に所定の間隔をあけて間欠的に接着部6で接着される。また、幅方向に隣り合う接着部6同士は、光ファイバ心線3の長手方向に対してずれて配置されることが望ましい。例えば、互いに隣り合う接着部6が、光ファイバ心線3の長手方向に半ピッチずれて形成されることが望ましい。なお、接着部6の長さおよびピッチは図示した例には限られない。
このように、接着部6を光ファイバ心線3の長手方向に対して間欠的に配置することで、非接着部においては、隣り合う光ファイバ2a、2b、2c、2d同士を、光ファイバ2a、2b、2c、2dの並列方向に対して、容易に折り畳む(折り曲げる)ことができる。なお、光ファイバ心線3としては、必ずしも間欠接着型光ファイバテープ心線でなくてもよい。
コア部15の外周には、押さえ巻き部材7が配置される。なお、図示した例では、押さえ巻き部材7は、複数の光ファイバユニット5の外周に縦添え巻きされる。縦添え巻きは、押さえ巻き部材7の長手方向をコア部15の長手方向に合わせて、押さえ巻き部材7の幅方向の一部が重なり合うようにして複数の光ファイバ心線3(光ファイバユニット5)を一括して覆うようにして巻き付つける方法である。
押さえ巻き部材7は、例えば樹脂テープであってもよいが、吸水性不織布などの吸水性部材であることが望ましい。また、押さえ巻き部材7の外周に糸などの線状体を巻き付けてもよい。なお、押さえ巻き部材7を含めてコア部と呼ぶ場合がある。
コア部15(押さえ巻き部材7)の外周は、樹脂製の外被13によって被覆される。ここで、外被13は、コア部15(押さえ巻き部材7)の外周側に配置される内層13aと、光ファイバケーブル1の外面に露出する外層13bとを有する。すなわち、外被13は、少なくとも2層構造であり、内層13aと外層13bとの間には、難燃シート17が配置される。なお、内層13aと難燃シート17の間や、外層13bと難燃シート17の間に、他の層が含まれてもよい。
なお、外被13(内層13aと外層13b)の材質は特に限定されないが、外被13を構成するベース樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂やEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)等を適用可能である。外被13(内層13a、外層13b)の詳細は後述する。
難燃シート17の材質は特に限定されないが、例えば、無機繊維シートに、金属水和物などの難燃材が添加され、バインダーで一体化されたシート状の部材である。
なお、無機繊維(基材)としては、例えば、セラミックス繊維、セラミックス繊維: アルミナ-シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、ガラス繊維、ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素等の無機繊維を適用可能である。無機繊維は、バインダー100質量部に対して、3~400質量部程度とすることができる。また、無機繊維に代えて、基材としては、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、レーヨン、ポリノジック、綿等の合成繊維やセルロース系繊維を用いることもできる。
また、金属水和物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムを主体として、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ砂、メタホウ酸バリウム、カオリンクレー等を含むことができる。また、リン酸2水素アンモニウム、リン酸1水素アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム、リン酸グアニル尿素、赤燐、メラミン等を用いることもできる。なお、難燃材は、平均粒子径が0.01~100μm程度であり、バインダー100質量部に対して、50~2000質量部とすることが望ましい。
バインダーとしては、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル、EVA等のエチレン系共重合体樹脂、EEAブチルゴム、エチレン-プロピレンゴム、シリコーンゴム、ポリイソブチレン、SBR、イソプレン等を適用可能である。
なお、光ファイバケーブル1の製造性や難燃性能を考慮すると、難燃シート17の厚みとして、0.1mm以上1mm以下であることが望ましい。
難燃シート17は、例えば縦添え巻きによって内層13aを一括して覆うように配置される。なお、縦添え巻きされた難燃シート17の外周には、糸などの線状体を巻き付けてもよい。また、難燃シート17は、螺旋巻きであってもよい。
コア部15の外部には、コア部15を挟んで対向する位置に一対のテンションメンバ9が設けられる。テンションメンバ9は、光ファイバケーブル1の張力を受け持つ部材であり、材質は特に限定されないが、例えば、アラミド繊維、ガラス繊維等による繊維補強プラスチック(FRP)等が使用できる。なお、テンションメンバ9の本数は図示した例には限られない。
テンションメンバ9は、難燃シート17よりも内側に配置されることが望ましい。すなわち、テンションメンバ9は、内層13aに配置されることが望ましい。
光ファイバケーブル1に張力が付与されると、前述したように、テンションメンバ9が張力を受け持つこととなる。この際、テンションメンバ9が外層13bに配置されていると、外層13bへの張力は、テンションメンバ9が受け持つことができるが、難燃シート17によって外層13bと内層13aとが分離されているため、内層13a及びコア部15への張力をテンションメンバ9が十分に受け持つことができなくなるおそれがある。このため、テンションメンバは、内層13a側に配置されることが望ましい。なお、テンションメンバ9を内層13a側に配置するため、内層13aは、外層13bよりも厚みが厚いことが望ましい。
また、テンションメンバ9とは異なる周方向の位置であって、押さえ巻き部材7の外部には、コア部15を挟んで対向するように第1の引き裂き紐である引き裂き紐11aが設けられる。引き裂き紐11aによって、内層13aを容易に引き裂くことができる。また、難燃シート17の外部には、必要に応じて第2の引き裂き紐である引き裂き紐11bが設けられる。引き裂き紐11bによって、外層13bを容易に引き裂くことができる。なお、引き裂き紐11a、11bの材質は特に限定されないが、例えばポリエステル撚り線等を適用可能である。
次に、外被13の詳細について説明する。前述したように、コア部15の外周に内層13aが配置され、内層13aの外周に難燃シート17が配置され、難燃シート17の外周に外層13bが配置される。すなわち、外被13は難燃シート17によって内層13aと外層13bとに区分される。
ここで、内層13aと外層13bとは、同一の樹脂材料であってもよいが、異なる材料で構成してもよい。例えば、内層13aは、外層13bよりも難燃材(金属化合物等のコンパウンド)の含有率を高くしてもよい。すなわち、外層13bには難燃材を添加せず、又は添加しても少量に留め、内層13aには、外層13bよりも多くの難燃材を添加することで、内層13aの難燃性を高めることができる。
このように、内層13aにのみ(又は内層13aに対して主に)難燃材を添加することで、外被13の全体に難燃材を添加する場合と比較して、難燃材の使用量を抑制することができる。
なお、この場合には、外層13bの難燃性能は相対的に低下するため、外被13全体として難燃性能は、外被13の全体に難燃材を添加した場合と比較して低下する。しかし、難燃シート17は、例えば、酸素指数70以上の難燃性能を有し、外被(樹脂)に難燃材を添加する場合と比較してより高い難燃性能を有する。このため、難燃シート17を用いることで、外層13bの難燃性能の低下があったとしても、光ファイバケーブル1の全体として高い難燃性能を確保することができる。なお、難燃シート17のみで十分な難燃性能を確保できれば、内層13aに対する難燃材の添加量を削減又はなくしてもよい。
また、外層13bへの難燃材の添加量を削減することで、光ファイバケーブル1の摩擦抵抗を小さくすることができる。前述したように、一般的に樹脂に難燃材を添加すると、摩擦係数が増加する。このため、外層13bへの難燃材の添加量を削減することで、外層13bの摩擦係数を小さくすることができる。このため、配管等への敷設作業が容易となる。
なお、外層13bへの滑剤(シリコーン樹脂など)の含有率を、内層13aへの滑剤の含有率よりも高くしてもよい。滑剤を添加することで、より摩擦係数を低減することができる。この際、摩擦係数が影響する外層13bに滑剤を多く含有させることで、効率よく摩擦係数を低減するとともに、外被13の全体に滑剤を添加する場合と比較して、滑剤の使用量を低減することができる。
なお、例えば、ベース樹脂をEVAとして、滑剤(シリコーン樹脂10wt%)を添加し、難燃材を添加しなかった場合には、摩擦係数が0.20であった。これに対し、ベース樹脂をEVAとして、滑剤(シリコーン樹脂2wt%)を添加し、さらに金属水和物を添加した場合には、摩擦係数が0.30であった。この場合、前者を外層13bに適用し、後者を内層13aに適用することで、難燃性と摩擦係数(敷設作業性)とを両立することができ、それぞれの添加剤の使用量も削減することができる。
なお、この他、外層13bを内層13aに対して、より強度(硬度)が高い材質とすることで、耐傷性を向上させることもできる。また、外層13bにのみ、耐候性を高めるための添加剤を添加してもよい。
このように、外層13bは、主に光ファイバケーブル1の表面の性状に寄与し、内層13aは必要に応じて難燃性が付与される。
次に、光ファイバケーブル1の製造方法について説明する。まず、予め複数の光ファイバ心線3を撚り合わせてバンドル材を巻き付けて光ファイバユニット5を構成する。複数の光ファイバユニット供給ボビンからそれぞれ光ファイバユニット5を供給して集合することでコア部15が形成される。
複数の光ファイバユニット5の集合体は、押さえ巻き部材7とともにフォーミング装置へ送られ、複数の光ファイバユニット5を一括して覆うように、光ファイバユニット5の集合体の外周に押さえ巻き部材7が縦添え巻される。さらに、押さえ巻き部材7が巻き付けられたコア部15を、テンションメンバ9と引き裂き紐11aとともに外被(内層13a)の押し出し機に供給して、コア部15の外周に内層13aを押し出し被覆して、その後水冷する。
次に、内層13aが被覆されたコア部15は、難燃シート17とともにフォーミング装置へ送られ、内層13aを一括して覆うように難燃シート17が縦添え巻される。さらに、難燃シート17が巻き付けられた内層13a及びコア部15を、引き裂き紐11bとともに外被(外層13b)の押し出し機に供給して、内層13aの外周に外層13bを押し出し被覆して、その後水冷する。なお、必要に応じて、押さえ巻き部材7や難燃シート17の外周に線状体を螺旋巻きしてもよい。以上により光ファイバケーブル1が製造される。
以上、本実施の形態の光ファイバケーブル1によれば、難燃シート17を用いることで、外被13へ難燃材を添加したのみで難燃性能を確保する場合と比較して、より高い難燃性能を得ることができる。
例えば、光ファイバケーブル1の難燃性能としては、JIS C 3005に規定される水平試験に合格することができる。JIS C 3005に規定される水平試験では、試料を水平に支持し、還元炎の先端を試料の中央部の下側に30秒以内で燃焼するまであて、炎を静かに取り去った後、試料の燃焼の程度を調べ、60秒以内で自然に消えることで合格とされる。
また、同様に、JIS C 3005に規定される傾斜燃焼に合格することができる。JIS C 3005に規定される傾斜燃焼では、試料を水平に対して約60度傾斜させて支持し、還元炎の先端を試料の下端から約20mmの位置に30秒以内で燃焼するまであて、炎を静かに取り去った後、試料の燃焼の程度を調べ、60秒以内で自然に消えることで合格とされる。
また、さらにUL181 1080.VW-1で規定される試験に合格することができる。UL181 1080.VW-1で規定される試験では、試料を垂直に保持し、20℃の角度でバーナーの炎をあて15秒着火、15秒休止を5回繰り返し、試料の燃焼の程度を調べ、(1)残炎による燃焼が60秒を超えないこと、(2)表示旗が25%以上焼損しないこと、(3)落下物によって底部の外科用綿が燃焼しないこと、の3つの判定基準で合否が判定される。
また、IEC60332-1(JIS C 3665-1)で規定される一条垂直燃焼試験に合格することができる。IEC60332-1(JIS C 3665-1)で規定される一条垂直燃焼試験は、ケーブルを垂直に保持し、45度の角度でバーナーの炎をあて、規定の燃焼時間後、バーナーを取り除き、炎を消し、試料の燃焼の程度を調べる。上部支持材の下端と炭化の開始点の距離が50mm以上ならば合格、さらに燃焼が上部支持材の下端から540mmより下方に広がったときは不合格となる。なお、燃焼はケーブルの外径に応じ時間を変更する。
また、EN50399で規定される垂直多条燃焼試験で所望のクラスの特性を得ることができる。EN50399で規定される垂直多条燃焼試験は、規定本数のケーブルをはしご状の垂直に設置されたトレイに規定の方法で(おおむねトレイの中央部に試料外径の1/2の間隔で150mm以上となるように取り付ける)敷設し、トレイ下方より規定のバーナーによりケーブルを燃焼させ、トレイ上方への延焼性が評価される。ケーブルの損傷長、ケーブルの燃焼時の発熱量、発煙量および燃焼滴下物の燃焼時間が評価基準として加わる。
このように、本実施の形態の光ファイバケーブル1は、高い難燃性を得ることができるため、外被13へ難燃材を添加する方法のみで光ファイバケーブルの難燃性能を確保する場合と比較して、同一の難燃性能を得るために必要な外被13の総厚み(内層13aと外層13bの総厚)を薄くすることができる。
また、難燃シート17の内周側に内層13aが配置されるため、難燃シート17を強めに巻き付けても、コア部15内の光ファイバ心線3への影響が小さい。このため、口開き等を抑制しつつ、光ファイバ心線3の伝送損失の増大を抑制することができる。
また、内層13aと外層13bとに分離させ、それぞれを引き裂くための引き裂き紐11a、11bを有するため、それぞれの引き裂き紐11a、11bで引き裂く外被厚みを薄くすることができる。このため、外被13を単層で構成して、一つの引き裂き紐で外被13の全厚を引き裂く場合と比較して、引き裂き作業が容易であり、細い引き裂き紐(例えば10000デニールのポリエステル撚り線等)でも適用することができる。
また、内層13aと外層13bとを分離することで、それぞれ異なる材質(添加剤等)で構成することができる。このため、外層13bには、滑剤を相対的に多く添加して摩擦係数を低減し、内層13aには、難燃材を相対的に多く添加することで難燃性を高めることができる。このため、摩擦係数の低減と難燃性の向上とを両立することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態にかかる光ファイバケーブル1aを示す断面図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同一の機能を奏する構成については、図1と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
光ファイバケーブル1aは、光ファイバケーブル1と略同様の構成であるが、スロットタイプである点で異なる。光ファイバケーブル1aのコア部15aは、スロットロッド21に収容された複数本の光ファイバ心線3等からなる。スロットロッド21は、可撓性を有する樹脂で構成される。スロットロッド21の長手方向には、S方向またはSZ方向に溝19が形成され、複数の光ファイバ心線3は、溝19内に収容される。また、スロットロッド21の断面の略中央には、テンションメンバ9が設けられる。なお、溝19の形状、配置数や深さは図示した例には限られない。
コア部15a(スロットロッド21)の外周には、押さえ巻き部材7が配置される。また、押さえ巻き部材7の外周は外被13で被覆される。前述したように、外被13は、コア部15a側の内層13aと、光ファイバケーブル1aの外表面に露出する外層13bの2層構造であり、内層13aと外層13bの間には、難燃シート17が配置される。
なお、光ファイバケーブル1と同様に、押さえ巻き部材7と内層13aの間には引き裂き紐11aが配置され、難燃シート17と外層13bの間には引き裂き紐11bが配置される。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、本発明はスロットレス型の光ファイバケーブルにも、スロット型の光ファイバケーブルにも適用可能であり、ケーブルの形態は特に限定されない。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a………光ファイバケーブル
2a、2b、2c、2d………光ファイバ
3………光ファイバ心線
5………光ファイバユニット
6………接着剤
7………押さえ巻き部材
9………テンションメンバ
11a、11b………引き裂き紐
13………外被
13a………内層
13b………外層
15、15a………コア部
17………難燃シート
19………溝
21………スロットロッド

Claims (7)

  1. 複数の光ファイバ心線からなるコア部と、
    前記コア部の外周に配置される押さえ巻き部材と、
    前記押さえ巻き部材の外周を被覆する外被と、
    を具備し、
    前記外被は、前記押さえ巻き部材の外周側に配置される内層と、ケーブル外面に露出する外層とを有し、前記内層と前記外層との間に難燃シートが配置されることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記押さえ巻き部材の外部には、第1の引き裂き紐が配置され、前記難燃シートの外部には、第2の引き裂き紐が配置されることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記内層は、前記外層よりも難燃材の含有率が高いことを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記外層は、前記内層よりも滑剤の含有率が高いことを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記難燃シートの厚みが、0.1mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記コア部を挟んで対向する位置にテンションメンバが配置されたスロットレスタイプであることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  7. 前記テンションメンバが前記内層に配置されることを特徴とする請求項6記載の光ファイバケーブル。
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