JP2023172786A - 3レベルインバータの制御装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】中性点の電圧の制御性を高めることができる3レベルインバータの制御装置を提供する。【解決手段】制御装置40は、第1コンデンサ21及び第2コンデンサ22と、3相の回転電機10と、インバータ30と、を備えるシステムに適用される。制御装置40は、中性点情報及び指令電圧ベクトルを取得する取得部と、指令電圧ベクトルに基づいて、出力パターンを設定する設定部と、出力パターンに含まれる出力電圧ベクトルに基づいて、各スイッチSUH~SWL,QU~QWをオンオフする制御部と、を備える。制御部は、同一の出力電圧ベクトルに対して2つの駆動状態が存在する第1出力電圧ベクトルが出力される場合に、中性点情報に基づいて、2つの駆動状態のうちいずれか一方を選択する。設定部は、中性点Oと、回転電機10の1相とが接続される駆動状態とされる第2出力電圧ベクトルを、出力パターンに含むことを制限する。【選択図】 図1

Description

本発明は、3レベルインバータの制御装置及びプログラムに関する。
従来、特許文献1に記載されているように、3レベルインバータが有するスイッチをオンオフする制御装置が知られている。この制御装置は、空間ベクトル変調制御により、スイッチをオンオフする。
3レベルインバータの直流側には、直列接続されている第1蓄電部及び第2蓄電部が接続される。制御装置は、第1蓄電部の負極側及び第2蓄電部の正極側の間の中性点の電圧を制御することにより、スイッチに過電圧が印加されることを抑制する制御を行っている。
特開平9-37592号公報
3レベルインバータの駆動条件によっては、中性点の電圧の制御性が低下する懸念がある。そのため、中性点の電圧を制御する技術については、未だ改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みたものであり、中性点の電圧の制御性を高めることができる3レベルインバータの制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、直列接続された第1蓄電部及び第2蓄電部と、
3相交流電圧が印加されることにより駆動される駆動対象と、
前記駆動対象の各相を、前記第1蓄電部の正極側、前記第1蓄電部の負極側及び前記第2蓄電部の正極側の間の中性点、及び前記第2蓄電部の負極側のうちいずれかに接続する3相分のスイッチを有する3レベルインバータと、を備えるシステムに適用される3レベルインバータの制御装置において、
前記第1,第2蓄電部の電圧及び前記駆動対象の各相に流れる電流のうち少なくとも一方の情報である中性点情報を取得する中性点情報取得部と、
前記駆動対象の制御量を指令値に制御するための指令電圧ベクトルを取得する指令電圧取得部と、
前記指令電圧ベクトルに基づいて、前記3レベルインバータが出力可能な出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンを設定する設定部と、
前記出力パターンに含まれる前記出力電圧ベクトルに基づいて、前記スイッチをオンオフする制御部と、を備え、
前記スイッチの駆動状態が、前記駆動対象の各相のうちいずれか1相又は2相と、前記中性点とを接続する駆動状態となり、かつ、同一の前記出力電圧ベクトルに対して異なる前記スイッチの駆動状態が2つ存在する前記出力電圧ベクトルを第1出力電圧ベクトルとし、
前記スイッチの駆動状態が、前記駆動対象の各相のうちいずれか1相と、前記中性点とを接続する駆動状態となり、かつ、前記第1出力電圧ベクトルの大きさよりも大きな前記出力電圧ベクトルを第2出力電圧ベクトルとし、
前記制御部は、前記第1出力電圧ベクトルが出力される場合に、前記中性点情報に基づいて、2つの前記スイッチの駆動状態のうちいずれか一方を選択し、
前記設定部は、前記第2出力電圧ベクトルを、前記出力パターンに含むことを制限する。
駆動対象の各相のうち少なくとも1相と、中性点とが接続されるスイッチの駆動状態において、電流が中性点に流入又は流出することにより、中性点の電圧が変化し得る。第1出力電圧ベクトルが出力される期間では、駆動対象の各相のうちのいずれか1相又は2相と、中性点とが接続される。そのため、第1出力電圧ベクトルが出力される期間において、中性点の電圧が変化する可能性がある。
この点、第1出力電圧ベクトルには、駆動対象の各相に印加される電圧が同じとなる各スイッチの駆動状態が2つ存在する。2つのスイッチの駆動状態のうちいずれを選択するかに応じて中性点の電圧の変化方向が反対となるため、中性点の電圧又は中性点に流れる電流である中性点情報に基づいて、2つの駆動状態のうちいずれか一方を選択することが考えられる。この場合、第1出力電圧ベクトルの出力期間において、中性点の電圧の変化が抑制されるように、中性点情報に基づいてスイッチの駆動状態が適切に選択されることにより、中性点の電圧を制御できる。
しかしながら、指令電圧ベクトルの大きさが大きい場合、指令電圧ベクトルの大きさが小さい場合に比べて、第1出力電圧ベクトルが出力される期間が短くなるとともに、第1出力電圧ベクトルの大きさよりも大きな第2出力電圧ベクトルが出力される期間が長くなり得る。第2出力電圧ベクトルの出力期間では、駆動対象のいずれか1相と、中性点とが接続されるように、スイッチが駆動される。この場合に、中性点の電圧の制御性が低下することが懸念される。
そこで、本発明では、指令電圧ベクトルに基づいて、出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンを設定する際に、第2出力電圧ベクトルが出力パターンに含まれることが制限される。これにより、第2出力電圧ベクトルが出力される期間の発生が抑制される。また、第1出力電圧ベクトルが出力される期間では、中性点情報に基づいて、2つの駆動状態のうちいずれか一方が選択される。これにより、第1出力電圧ベクトルが出力される期間において、中性点の電圧を制御できる。そのため、第1出力電圧ベクトル及び第2出力電圧ベクトルが出力される期間において、中性点の電圧が変化することを抑制できる。つまり、本発明によれば、中性点の電圧が変化する懸念のある第1出力電圧ベクトル及び第2出力電圧ベクトルの出力期間に対して、中性点の電圧の変化を抑制する対策を講じることができる。その結果、中性点の電圧の制御性を高めることができる。
モータ制御システムの構成図。 指令電圧ベクトルの説明に用いる図。 指令電圧ベクトルの説明に用いる図。 出力電圧ベクトルHMMが出力される期間の電流経路を示す図。 出力電圧ベクトルMLLが出力される期間の電流経路を示す図。 制限制御の分割領域を示す図。 出力パターンの設定方法を示す図。 制限制御における各相電圧の推移の一例を示すタイムチャート。 制限制御における各相電圧の推移の一例を示すタイムチャート。 制限制御における各相電圧の推移の一例を示すタイムチャート。 制限制御における各相電圧の推移の一例を示すタイムチャート。 制限制御における各相電圧の推移の一例を示すタイムチャート。 制限制御における各相電圧の推移の一例を示すタイムチャート。 制御装置が行う制御の手順を示すフローチャート。 第2実施形態に係る制御装置が行う制御の手順を示すフローチャート。 制限制御における各相電圧の推移の一例を示すタイムチャート。 制限制御における各相電圧の推移の一例を示すタイムチャート。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る制御装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態において制御装置は、電気自動車に搭載されている。
図1に示すように、モータ制御システムは、回転電機10、バッテリ20、インバータ30、及び制御装置40を備えている。回転電機10は、車載主機であり、図示しない駆動輪と動力伝達可能とされている。本実施形態では、回転電機10は、3相の同期機であり、ステータ巻線として星形結線されたU相巻線11U、V相巻線11V、W相巻線11Wを備えている。各相巻線11U,11V,11Wは、電気角で120°ずつずれて配置されている。回転電機10は、例えば永久磁石同期機である。なお、本実施形態において、回転電機10が「駆動対象」に相当する。
バッテリ20は、インバータ30を介して回転電機10に電気的に接続されている。本実施形態では、バッテリ20は、例えば単電池としての電池セルの直列接続体として構成された組電池である。電池セルとしては、例えば、リチウムイオン電池等の2次電池を用いることができる。バッテリ20の端子間電圧VHは、例えば百V以上である。
インバータ30は、スイッチング操作により、バッテリ20から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、変換した交流電力を回転電機10へと供給する電力変換回路である。インバータ30のバッテリ20側には、蓄電部としての第1コンデンサ21及び第2コンデンサ22が設けられている。第1コンデンサ21及び第2コンデンサ22は、直列接続されている。第1,第2コンデンサ21,22の直列接続体には、バッテリ20が並列接続されている。本実施形態では、第1コンデンサ21の静電容量と、第2コンデンサの静電容量とは同一の値とされている。なお、第1コンデンサ21及び第2コンデンサ22はインバータ30の外部に設けられてもよいし、インバータ30に内蔵されていてもよい。
本実施形態において、インバータ30は、T型の3レベルインバータである。インバータ30は、上アームスイッチSUH,SVH,SWHと、下アームスイッチSUL,SVL,SWLとの直列接続体を3相分備えている。各スイッチSUH~SWLとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子が用いられており、具体的にはNチャネルMOSFETが用いられている。このため、各スイッチSUH~SWLの高電位側端子はドレインであり、低電位側端子はソースである。各スイッチSUH,SVH,SWH,SUL,SVL,SWLは、対応するボディダイオードDUH,DVH,DWH,DUL,DVL,DWLを有している。
U相上アームスイッチSUHのソースは、U相下アームスイッチSULのドレインに接続されている。U相上アームスイッチSUHとU相下アームスイッチSULとの接続点は、回転電機10のU相の入力端子に接続されている。V相上アームスイッチSVHのソースは、V相下アームスイッチSVLのドレインに接続されている。V相上アームスイッチSVHとV相下アームスイッチSVLとの接続点は、回転電機10のV相の入力端子に接続されている。W相上アームスイッチSWHのソースは、W相下アームスイッチSWLのドレインに接続されている。W相上アームスイッチSWHとW相下アームスイッチSWLとの接続点は、回転電機10のW相の入力端子に接続されている。
各上アームスイッチSUH~SWHのドレインは、バスバー等の正極側母線31により接続されている。正極側母線31は、バッテリ20の正極端子及び第1コンデンサの第1端に接続されている。第1コンデンサ21の第2端は、中性点Oを介して第2コンデンサ22の第1端に接続されている。各下アームスイッチSUL~SWLのソースは、バスバー等の負極側母線32により接続されている。負極側母線32は、バッテリ20の負極端子及び第2コンデンサの第2端に接続されている。
インバータ30は、双方向での電流の導通及び遮断を行うクランプスイッチQU,QV,QWを備えている。本実施形態では、各クランプスイッチQU~QWを構成するスイッチとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子が用いられており、具体的にはNチャネルMOSFETが用いられている。各クランプスイッチQU~QWを構成する各スイッチは、対応するボディダイオードDU,DV,DWを有している。
具体的には、U相クランプスイッチQUを構成する各スイッチは、互いのソースが接続されている。U相クランプスイッチQUを構成する各スイッチのうち、一方のドレインは、U相上アームスイッチSUHとU相下アームスイッチSULとの接続点に接続され、他方のドレインは、中性点Oに接続されている。V相クランプスイッチQVを構成する各スイッチは、互いのソースが接続されている。V相クランプスイッチQVを構成する各スイッチのうち、一方のドレインは、V相上アームスイッチSVHとV相下アームスイッチSVLとの接続点に接続され、他方のドレインは、中性点に接続されている。W相クランプスイッチQWを構成する各スイッチは、互いのソースが接続されている。W相クランプスイッチQWを構成する各スイッチのうち、一方のドレインは、W相上アームスイッチSWHとW相下アームスイッチSWLとの接続点に接続され、他方のドレインは、中性点に接続されている。
モータ制御システムは、第1電圧センサ41、第2電圧センサ42、相電流センサ43及び回転角センサ44を備えている。第1電圧センサ41は、第1コンデンサ21の端子間電圧を検出する。第2電圧センサ42は、第2コンデンサ22の端子間電圧を検出する。相電流センサ43は、回転電機10に流れるU,V,W相電流を検出する。なお、相電流センサ43は、3相の電流のうち少なくとも2相の電流を検出できればよい。回転角センサ44は、例えばレゾルバであり、回転電機10の回転角を検出する。各センサ41~44の検出値は、制御装置40に入力される。
制御装置40は、マイコン40a(「コンピュータ」に相当)を主体として構成され、マイコン40aは、CPUを備えている。マイコン40aが提供する機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、マイコン40aがハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によって提供することができる。例えば、マイコン40aは、自身が備える記憶部としての非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に格納されたプログラムを実行する。プログラムには、例えば、図14,15等に示す処理のプログラムが含まれる。プログラムが実行されることにより、プログラムに対応する方法が実行される。記憶部は、例えば不揮発性メモリである。なお、記憶部に記憶されたプログラムは、例えば、インターネット等のネットワークを介して更新可能である。
制御装置40は、空間ベクトル変調制御により、インバータ30の各スイッチSUH~SWL,QU~QWをオンオフさせる駆動指令を生成する。制御装置40は、生成した駆動指令に基づいて、対応する各スイッチSUH~SWL,QU~QWをオンオフする。以下、制御装置40による各スイッチSUH~SWL,QU~QWの駆動指令を生成する処理について説明する。
制御装置40は、駆動対象の制御量を指令値に制御するための指令電圧ベクトルを取得する。本実施形態では、制御装置40は、回転電機10のトルクを指令トルクに制御するための指令電圧ベクトルVmを取得する。なお、制御装置40は、回転電機10のロータの回転速度を、算出した指令回転速度にフィードバック制御するための操作量として指令トルクを算出する。回転電機10のロータの回転速度は、回転角センサ44の検出値に基づいて算出される。
次に、図2及び図3を用いつつ、指令電圧ベクトルVmについて説明する。図2に示すように、指令電圧ベクトルVmは、回転電機10に印加されるU,V,W相電圧を成分とする空間電圧ベクトルとして表される。U,V,W相の軸線は、電気角で120°ずつずれて配置されている。
図2では、空間電圧ベクトルのうちインバータ30が出力可能な出力電圧ベクトルを、各相電圧の組により成分表示している。出力電圧ベクトルの各相電圧は、3段階のレベルH,M,Lにより表される。レベルHの相電圧は、各相の入力端子と、対応する上アームスイッチSUH~SWHとが接続された場合に出力される相電圧である。レベルMの相電圧は、各相の入力端子と、対応するクランプスイッチQU~QWとが接続された場合に出力される相電圧である。レベルLの相電圧は、各相の入力端子と、対応する下アームスイッチSUL~SWLとが接続された場合に出力される相電圧である。例えば、出力電圧ベクトルHMLは、U相電圧がレベルHであり、V相電圧がレベルMであり、W相電圧がレベルLであることを表す。
なお、中性点Oの電圧の変化がない場合では、レベルHの相電圧はVHであり、レベルMの相電圧はVH/2であり、レベルLの相電圧は0である。各相電圧は、バッテリ20の負極端子の電位を基準電位(0V)とした場合における各相の入力端子の電位である。
制御装置40は、指令電圧ベクトルVmの存在領域を特定する。本実施形態では、制御装置40は、指令電圧ベクトルVmが存在するセクタ及び分割領域を特定する。セクタ及び分割領域は、後述する出力パターンの設定に用いられる。
制御装置40は、指令電圧ベクトルVmの電気角θeに基づいて、指令電圧ベクトルVmが存在するセクタを特定する。ここで、電気角θeは、指令電圧ベクトルVmと、U相軸線とがなす角であり、0°~360°の値をとる。電気角θeの符号は、左回り(反時計回り)を正とする。指令電圧ベクトルVmが存在し得るベクトル空間は、電気角θeに関して6つのセクタに分けられている。制御装置40は、0°≦θe<60°の場合、指令電圧ベクトルVmが第1セクタに存在すると特定し、60°≦θe<120°の場合、指令電圧ベクトルVmが第2セクタに存在すると特定する。制御装置40は、120°≦θe<180°の場合、指令電圧ベクトルVmが第3セクタに存在すると特定し、180°≦θe<240°の場合、指令電圧ベクトルVmが第4セクタに存在すると特定する。制御装置40は、240°≦θe<300°の場合、指令電圧ベクトルVmが第5セクタに存在すると特定し、300°≦θe<360°の場合、指令電圧ベクトルVmが第6セクタに存在すると特定する。なお、図2では例示的に、第1セクタを示す範囲に、ドットハッチを施している。
第1~第6セクタは正三角形状をしており、各セクタには、各制御点A,B,M,N,P,Qが設けられる。制御点Pは、先の図2における原点であり、指令電圧ベクトルVmの始点となる点である。制御点A,Bは、各セクタの頂点に設けられる点である。制御点Mは、制御点A及び制御点Pの中点に設けられる点である。制御点Nは、制御点B及び制御点Pの中点に設けられる点である。制御点Qは、制御点A及び制御点Bの中点に設けられる点である。
図3に、第1セクタに対して設けられる各制御点A,B,M,N,P,Qと、各出力電圧ベクトルとの関係を示す。始点及び終点を制御点Pとする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHHH,MMM,LLLであり、無効電圧ベクトルに対応する。制御点Pを始点とするとともに、制御点Qを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHMLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Aを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHHLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Bを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHLLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Mを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHHM,MMLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Nを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHMM,MLLである。
また、第1セクタの場合と同様に、第2~第6セクタに対して設けられる各制御点A,B,M,N,P,Qと、各出力電圧ベクトルとの関係が定められる。具体的には、第2セクタでは、制御点Pを始点とするとともに、制御点Qを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルMHLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Aを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルLHLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Bを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHHLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Mを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルMHM,LMLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Nを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHHM,MMLである。
第3セクタでは、制御点Pを始点とするとともに、制御点Qを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルLHMである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Aを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルLHHである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Bを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルLHLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Mを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルMHH,LMMである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Nを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルMHM,LMLである。
第4セクタでは、制御点Pを始点とするとともに、制御点Qを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルLMHである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Aを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルLLHである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Bを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルLHHである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Mを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルMMH,LLMである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Nを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルMHH,LMMである。
第5セクタでは、制御点Pを始点とするとともに、制御点Qを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルMLHである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Aを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHLHである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Bを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルLLHである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Mを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHMH,MLMである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Nを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルMMH,LLMである。
第6セクタでは、制御点Pを始点とするとともに、制御点Qを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHLMである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Aを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHLLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Bを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHLHである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Mを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHMM,MLLである。制御点Pを始点とするとともに、制御点Nを終点とする出力電圧ベクトルが、出力電圧ベクトルHMH,MLMである。
制御装置40は、指令電圧ベクトルVmの大きさ及び電気角θeに基づいて、指令電圧ベクトルVmが存在しているセクタ内の分割領域を特定する。分割領域は、第1~第6セクタに対して設けられた各制御点A,B,M,N,P,Qに基づいて定められる領域である。
第1~第6セクタの第1分割領域R1は、各制御点P,M,Nを頂点する正三角形により囲まれた領域であり、第1~第6セクタの第2分割領域R2は、各制御点M,N,Qを頂点とする正三角形により囲まれた領域である。第1~第6セクタの第3分割領域R3は、各制御点A,M,Qを頂点とする正三角形により囲まれた領域であり、第1~第6セクタの第4分割領域R4は、各制御点B,N,Qを頂点とする正三角形により囲まれた領域である。
例えば、制御装置40は、指令電圧ベクトルVmの大きさ及び電気角θeと、第1~第6セクタに対する各分割領域R1~R4とが対応付けられた情報(具体的には、マップ情報又は数式情報)を用いて、指令電圧ベクトルVmが存在する分割領域を特定すればよい。
制御装置40は、指令電圧ベクトルVmが存在する分割領域に基づいて、出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンを設定する。ここでは、制御装置40は、指令電圧ベクトルVmが存在する分割領域の頂点の制御点に対応する出力電圧ベクトルを、出力パターンに含める。例えば図3に示すように、制御装置40は、指令電圧ベクトルVmが第1分割領域R1に存在すると特定した場合、出力パターンに、各制御点P,M,Nに対応する出力電圧ベクトルを含める。
制御装置40は、指令電圧ベクトルVmを、出力パターンに含まれる出力電圧ベクトルに分解する。制御装置40は、分解された出力電圧ベクトルの大きさに基づいて、対応する出力電圧ベクトルの1変調周期に占める出力期間を算出する。制御装置40は、算出した出力期間に基づいて、インバータ30の各スイッチSUH~SWL,QU~QWをオンオフさせる駆動指令を生成する。
例えば図3に示すように、指令電圧ベクトルVmが第1分割領域R1に存在すると特定された場合では、指令電圧ベクトルVmは、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルに分解される。図3において、Vm1は、制御点Mに対応する出力電圧ベクトルがα倍(0<α<1)されたベクトルであり、Vm2は、制御点Nに対応する出力電圧ベクトルがβ倍(0<β<1)されたベクトルである。係数αが大きいほど、1変調周期において、制御点Mに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が長くされる。係数βが大きいほど、1変調周期において、制御点Nに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が長くされる。1変調周期のうち、係数αに対応する期間及び係数βに対応する期間以外は、無効電圧ベクトルの出力期間とされる。
ところで、中性点Oと、回転電機10の各相入力端子のうち少なくとも1相とが接続される場合において、電流が中性点Oに流入する又は電流が中性点Oから流出することにより、中性点Oの電圧が変化し得る。そのため、各制御点M,N,Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間では、中性点Oの電圧が変化する可能性がある。
各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルには、各スイッチSUH~SWL,QU~QWの駆動状態が2つ存在する。詳しくは、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルには、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態が存在する。Hi-Mid駆動状態は、各上アームスイッチSUH~SWHと、各クランプスイッチQU~QWとのうちいずれかのスイッチがオンされるとともに、各下アームスイッチSUL~SWLがオフされる駆動状態である。Mid-Lo駆動状態は、各下アームスイッチSUL~SWLと、各クランプスイッチQU~QWとのうちいずれかのスイッチがオンされるとともに、各上アームスイッチSUH~SWHがオフされる駆動状態である。
例えば図3に示すように、第1セクタの制御点Nに対応する出力電圧ベクトルは、出力電圧ベクトルHMM,MLLである。出力電圧ベクトルHMMが出力される期間では、Hi-Mid駆動状態として、U相上アームスイッチSUH及びV,W相クランプスイッチQV,QWがオンされるとともに、V,W相上アームスイッチSVH,SWH、各相下アームスイッチSUL~SWL及びU相クランプスイッチQUがオフされる。
一方、出力電圧ベクトルMLLが出力される期間では、Mid-Lo駆動状態として、U相クランプスイッチQU及びV,W相下アームスイッチSVL,SWLがオンされるとともに、各相上アームスイッチSUH~SWH、U相下アームスイッチSUL及びV,W相クランプスイッチQV,QWがオフされる。なお、本実施形態において、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルが「第1出力電圧ベクトル」に相当する。
Hi-Mid駆動状態と、Mid-Lo駆動状態とでは、中性点Oの電圧が変化する方向が反対となる。例えば、Hi-Mid駆動状態とされる出力電圧ベクトルHMMの出力期間と、Mid-Lo駆動状態とされる出力電圧ベクトルMLLの出力期間とでは、中性点Oの電圧が変化する方向が反対となる。
具体的には、図4に示すように、出力電圧ベクトルHMMが出力される期間の電流経路は、第1コンデンサ21→正極側母線31→U相上アームスイッチSUH→U相巻線11U→V,W相巻線11V,11W→V,W相クランプスイッチQV,QW→中性点Oとなる。これにより、電流が中性点Oに流入するため、中性点Oの電圧が上昇する。
図5に示すように、出力電圧ベクトルMLLが出力される期間の電流経路は、中性点O→U相クランプスイッチQU→U相巻線11U→V,W相巻線11V,11W→V,W相下アームスイッチSVL,SWL→負極側母線32→第2コンデンサ22となる。これにより、電流が中性点Oから流出するため、中性点Oの電圧が低下する。
各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間では、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のうちいずれか一方を適切に選択することにより、中性点の電圧を制御することが考えられる。そこで、制御装置40は、第1,第2電圧センサ41,42の検出値及び相電流センサ43の検出値のうち少なくとも一方の情報である中性点情報を取得する。本実施形態では、中性点情報は、第1,第2電圧センサ41,42の検出値及び相電流センサ43の検出値である。
制御装置40は、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルが出力される場合に、中性点情報に基づいて、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のうちいずれか一方を選択する。例えば、制御装置40は、第1電圧センサ41により検出された第1コンデンサ21の端子間電圧が、第2電圧センサ42により検出された第2コンデンサ22の端子間電圧よりも低い場合に、中性点Oの電圧が上昇していると判定する。この場合、制御装置40は、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルが出力される場合に、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のうち中性点Oの電圧を低下させる方の駆動状態を選択する。一方、制御装置40は、第1電圧センサ41により検出された第1コンデンサ21の端子間電圧が、第2電圧センサ42により検出された第2コンデンサ22の端子間電圧よりも高い場合に、中性点Oの電圧が低下していると判定する。この場合、制御装置40は、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルが出力される場合に、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のうち中性点Oの電圧を上昇させる方の駆動状態を選択する。
また、例えば、制御装置40は、各相電流センサ43の検出値に基づいて、中性点Oの電圧を算出する。制御装置40は、算出した中性点Oの電圧に基づいて、中性点Oの電圧が上昇又は低下していることを判定するとともに、その判定結果に応じてHi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のうちいずれか一方を選択する。なお、制御装置40は、相電流センサ43の検出値を積算することにより中性点Oに流入する又は流出する電荷量を算出する。制御装置40は、算出した中性点Oに流入又は流出する電荷と、第1,第2コンデンサ21,22の静電容量とに基づいて、中性点Oの電圧を算出する。
しかしながら、指令電圧ベクトルVmの大きさが大きい場合、指令電圧ベクトルVmの大きさが小さい場合に比べて、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が短くなるとともに、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が長くなり得る。ここで、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルは、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルの大きさよりも大きな出力電圧ベクトルである。制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間では、中性点Oと回転電機10の各相入力端子のうちいずれかとが接続される。この場合に、中性点Oの電圧の制御性が低下することが懸念される。なお、本実施形態において、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが「第2出力電圧ベクトル」に相当する。
そこで、本実施形態では、制御装置40は、通常制御及び制限制御のうちいずれか一方を選択して実施する。通常制御は、上述したように、第1~第4分割領域R1~R4の頂点の制御点に対応する出力電圧ベクトルが、出力パターンとして設定される制御である。制限制御は、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが、出力パターンとして設定されることが制限される制御である。以下、制限制御について詳しく説明する。
制限制御では、通常制御における第2~第4分割領域R2~R4に相当する領域の分割方法が変更される。図6に、制限制御の分割領域を示す。制限制御では、第1~第6セクタに対して第1,第5~第9分割領域R1,R5~R9が定められている。図6において、便宜上、各制御点P,A,Bで囲まれる正三角形の重心を点Gとして示す。言い換えると、点Gは、線分PQを2:1に内分する点である。なお、図6において、先の図3に示した構成については、便宜上、同一の符号を付している。
第1~第6セクタの第5分割領域R5は、各制御点M,N及び点Gを頂点とする三角形により囲まれた領域である。第1~第6セクタの第6分割領域R6は、各制御点B,N及び点Gを頂点とする三角形により囲まれた領域であり、第1~第6セクタの第7分割領域R7は、各制御点A,M及び点Gを頂点とする三角形により囲まれた領域である。第1~第6セクタの第8分割領域R8は、各制御点B,Q及び点Gを頂点とする三角形により囲まれた領域であり、第1~第6セクタの第9分割領域R9は、各制御点A,Q及び点Gを頂点とする三角形により囲まれた領域である。
制御装置40は、制限制御を実施する場合において、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルを、出力パターンに含むことを制限する。詳しくは、第1,第5~第9分割領域R1,R5~R9に対して、図7に示すように出力パターンを設定する。指令電圧ベクトルVmが第1分割領域R1に存在すると特定された場合、出力パターンには、各制御点P,M,Nに対応する出力電圧ベクトルが含まれる。指令電圧ベクトルVmが第5分割領域R5に存在すると特定された場合、出力パターンには、各制御点M,N,Qに対応する出力電圧ベクトルが含まれる。
第6~第9分割領域R6~R9は、各制御点A,Bのうちいずれか一方に接する領域である。ここで、各制御点A,Bに対応する出力電圧ベクトルは、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルの大きさよりも大きな出力電圧ベクトルである。また、各制御点A,Bに対応する出力電圧ベクトルの出力期間では、各スイッチSUH~SWL,QU~QWの駆動状態が、中性点O及び回転電機10の各相入力端子が接続されない駆動状態とされる。指令電圧ベクトルVmが第6~第9分割領域R6~R9のうちいずれかに存在すると特定された場合、出力パターンには、各制御点A,B,M,Nのうちいずれか3つに対応する出力電圧ベクトルが含まれる。これにより、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが、出力パターンに含まれることが制限される。なお、本実施形態において、各制御点A,Bに対応する出力電圧ベクトルが「第3出力電圧ベクトル」に相当する。
ところで、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力制限が行われる場合において、指令電圧ベクトルVmの大きさが増大する際におけるインバータ30の制御性の低下を抑制するには、各制御点A,Bに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が長くされることが望ましい。一方、中性点Oの電圧の変化を抑制するには、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が長くされることが望ましい。
そこで、本実施形態では、指令電圧ベクトルVmの存在領域が第6~第9分割領域R6~R9のうちいずれであるかに応じて、各制御点A,B,M,Nに対応する出力電圧ベクトルのうち、いずれか3つの出力電圧ベクトルを含む出力パターンの設定方法を変える。詳しくは、指令電圧ベクトルVmが第6,第7分割領域R6,R7に存在すると特定された場合では、指令電圧ベクトルVmが第8,第9分割領域R8,R9存在すると特定された場合に比べて、回転電機10の出力が低出力とされ得る。この場合、各制御点A,Bのうちいずれか一方に対応する出力電圧ベクトルと、制御点Mに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Nに対応する出力電圧ベクトルとの組み合わせである出力パターンが設定される。また、指令電圧ベクトルVmが第8,第9分割領域R8,R9存在すると特定された場合では、指令電圧ベクトルVmが第6,第7分割領域R6,R7に存在すると特定された場合に比べて、回転電機10の出力が高出力とされ得る。この場合、各制御点M,Nのうちいずれか一方に対応する出力電圧ベクトルと、制御点Aに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Bに対応する出力電圧ベクトルとの組み合わせである出力パターンが設定される。
具体的には、指令電圧ベクトルVmが第6分割領域R6に存在すると特定された場合、各制御点B,M,Nに対応する出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンが設定される。指令電圧ベクトルVmが第7分割領域R7に存在すると特定された場合、各制御点A,M,Nに対応する出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンが設定される。指令電圧ベクトルVmが第8分割領域R8に存在すると特定された場合、各制御点A,B,Nに対応する出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンが設定される。指令電圧ベクトルVmが第9分割領域R9に存在すると特定された場合、各制御点A,B,Mに対応する出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンが設定される。本実施形態において、第6,第7分割領域R6,R7が「低出力領域」に相当し、第8,第9分割領域R8,R9が「高出力領域」に相当する。
図8~図13に、制限制御における各相電圧の推移の一例を示す。図8~図13において、(a)はU相電圧レベルの推移を示し、(b)はV相電圧レベルの推移を示し、(c)はW相電圧レベルの推移を示す。なお、図8~図13では、1変調周期Tcにおける各相電圧レベルの推移を示す。図8~図13に示す各相電圧レベルの推移では、1変調周期Tcの後半における各相電圧レベルの推移は、1変調周期Tcの前半における各相電圧レベルの推移を反転させた推移とされる。
指令電圧ベクトルVmが第1,第2セクタの第1分割領域R1に存在する場合、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のいずれが選択されるかに応じて、1変調周期Tcの前半において出力電圧ベクトルが以下の順で出力される。第1セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MMM→HMM→HHM→HHHの順に出力される。第2セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MMM→MHM→HHM→HHHの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図8の実線に示すような推移となる。また、第1セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MMM→MML→→MLL→LLLの順に出力される。第2セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MMM→MML→LML→LLLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図8の破線に示すような推移となる。
指令電圧ベクトルVmが第1,第2セクタの第5分割領域R5に存在する場合、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のいずれが選択されるかに応じて、1変調周期Tcの前半において出力電圧ベクトルが以下の順で出力される。第1セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HML→HMM→HHMの順に出力される。第2セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MHL→MHM→HHMの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図9の実線に示すような推移となる。また、第1セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HML→MML→MLLの順に出力される。第2セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MHL→MML→LMLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図9の破線に示すような推移となる。
指令電圧ベクトルVmが第1,第2セクタの第6分割領域R6に存在する場合、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のいずれが選択されるかに応じて、1変調周期Tcの前半において出力電圧ベクトルが以下の順で出力される。第1セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HLL→HMM→HHMの順に出力される。第2セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HHL→HHM→MHMの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図10の実線に示すような推移となる。また、第1セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HLL→MLL→MMLの順に出力される。第2セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HHL→MML→LMLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図10の破線に示すような推移となる。
指令電圧ベクトルVmが第1,第2セクタの第7分割領域R7に存在する場合、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のいずれが選択されるかに応じて、1変調周期Tcの前半において出力電圧ベクトルが以下の順で出力される。第1セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HHL→HHM→HMMの順に出力される。第2セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、LHL→MHM→HHMの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図11の実線に示すような推移となる。また、第1セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HHL→MML→MLLの順に出力される。第2セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、LHL→LML→MMLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図11の破線に示すような推移となる。
指令電圧ベクトルVmが第1,第2セクタの第8分割領域R8に存在する場合、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のいずれが選択されるかに応じて、1変調周期Tcの前半において出力電圧ベクトルが以下の順で出力される。第1セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HMM→HLL→HHLの順に出力される。第2セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HHM→HHL→LHLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図12の実線に示すような推移となる。また、第1セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MLL→HLL→HHLの順に出力される。第2セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MML→HHL→LHLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図12の破線に示すような推移となる。
指令電圧ベクトルVmが第1,第2セクタの第9分割領域R9に存在する場合、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のいずれが選択されるかに応じて、1変調周期Tcの前半において出力電圧ベクトルが以下の順で出力される。第1セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HHM→HHL→HLLの順に出力される。第2セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MHM→LHL→HHLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図13の実線に示すような推移となる。また、第1セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MML→HHL→HLLの順に出力される。第2セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、LML→LHL→HHLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図13の破線に示すような推移となる。
図14に、制御装置40が行う制御の手順を示す。この制御は、例えば、所定の制御周期で繰り返し実行される。
ステップS10では、指令電圧ベクトルVmを取得する。ステップS11では、中性点情報を取得する。本実施形態では、中性点情報として、第1電圧センサ41の検出値、第2電圧センサ42の検出値及び相電流センサ43の検出値を取得する。なお、ステップS10が「指令電圧取得部」に相当し、ステップS11が「中性点情報取得部」に相当する。
ステップS12では、中性点情報に基づいて、制限制御を行うか否かを判定する。本実施形態では、中性点Oの電圧が許容範囲を超えていると判定した場合、制限制御を行うと判定する一方、中性点Oの電圧が許容範囲を超えていると判定しない場合、制限制御を行うと判定しない。例えば、中性点Oの電圧は、相電流センサ43の検出値及び第1,第2コンデンサ21,22の静電容量に基づいて算出される。また、例えば、第1,第2コンデンサ21,22の端子間電圧のうちいずれか一方が許容電圧値を超えている場合、中性点Oの電圧が許容範囲を超えていると判定する。第1コンデンサ21の端子間電圧は、第1電圧センサ41の検出値を用いる。第2コンデンサ22端子間電圧は、第2電圧センサ42の検出値を用いる。許容範囲及び許容電圧値は、例えばスイッチの耐圧等に基づいて設定される。なお、本実施形態において、ステップS12が「判定部」に相当する。
ステップS12において否定判定した場合、ステップS13に進む。ステップS13では、通常制御を行う。通常制御では、指令電圧ベクトルVmが第1~第6セクタのいずれに存在するかを特定するとともに、特定したセクタ内に対して設けられた第1~第4分割領域R1~R4のうち、指令電圧ベクトルVmの存在領域がいずれであるかを特定する。ステップS14では、指令電圧ベクトルVmが存在する分割領域の頂点の制御点に対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。
ステップS15では、出力パターンに含まれる各出力電圧ベクトルの出力期間を算出する。詳しくは、指令電圧ベクトルVmを、出力パターンに含まれる出力電圧ベクトルに分解する。この際、各制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルが含まれる場合、中性点情報に基づいて、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のうちいずれか一方を選択し、選択した駆動状態に対応する出力電圧ベクトルを用いて、指令電圧ベクトルを分解する。分解された出力電圧ベクトルの大きさに基づいて、対応する出力電圧ベクトルの1変調周期に占める出力期間を算出する。ステップS16では、算出した各出力電圧ベクトルの出力期間に基づいて、各スイッチSUH~SWL,QU~QWをオンオフさせる駆動指令を生成する。本実施形態において、ステップS15,S16が「制御部」に相当する。
一方、ステップS12において肯定判定した場合、ステップS17に進む。ステップS17では、指令電圧ベクトルVmの電気角θeに基づいて、指令電圧ベクトルVmが存在するセクタを特定する。なお、以下のステップS18~S35の処理では、ステップS17において特定したセクタ内における指令電圧ベクトルVmの角度θsを用いる。セクタ内の角度θsは、指令電圧ベクトルVmと、先の図6における線分PBとがなす角度であり、0°~60°の値をとる。セクタ内の角度θsは、指令電圧ベクトルVmの電気角θeと、指令電圧ベクトルVmが存在するセクタ番号の情報とから算出される。
ステップS18では、指令電圧ベクトルVmが第1分割領域R1に存在するか否かを判定する。指令電圧ベクトルVmが第1分割領域R1に存在するか否かの判定は、指令電圧ベクトルVmの大きさ及びセクタ内の角度θsと、第1分割領域R1とが対応付けられた情報(具体的には、マップ情報又は数式情報)を用いればよい。ステップS18において肯定判定した場合、ステップS13に進む。一方、ステップS18において否定判定した場合、ステップS19に進む。
ステップS19では、セクタ内の角度θsが30°より小さいか否かを判定する。ステップS19の処理は、指令電圧ベクトルVmの終点が、先の図6における線分PQに対して各制御点B,N側の領域に存在するか否かを判定する処理である。ステップS19において肯定判定した場合、ステップS20に進む。
ステップS20では、|Vm|×cos(60°-θs)>VH/3が成立するか否かを判定する。ここで、|Vm|は、指令電圧ベクトルVmの大きさである。VH/3は、各相電圧として出力可能な電圧値の半分である。ステップS20の処理は、指令電圧ベクトルVmの終点が、先の図6における線分BMに対して各制御点A,Q側の領域に存在するか否かを判定する処理である。ステップS20において肯定判定した場合、ステップS21に進む。ステップS21では、指令電圧ベクトルVmが、第8分割領域R8に存在すると特定する。一方、ステップS20において否定判定した場合、ステップS22に進む。
ステップS22では、|Vm|×cos(θs)<VH/3が成立するか否かを判定する。ステップS22の処理は、指令電圧ベクトルVmの終点が、先の図6における線分ANに対して各制御点M,P側の領域に存在するか否かを判定する処理である。ステップS22において肯定判定した場合、ステップS23に進む。ステップS23では、指令電圧ベクトルVmが第5分割領域R5に存在すると特定する。一方、ステップS22において否定判定した場合、ステップS24に進む。ステップS24では、指令電圧ベクトルVmが第6分割領域R6に存在すると特定する。
ステップS19において否定判定した場合、ステップS25に進む。ステップS25では、|Vm|×cos(θs)>VH/3が成立するか否かを判定する。ステップS25の処理は、指令電圧ベクトルVmの終点が、先の図6における線分ANに対して制御点B,Q側の領域に存在するか否かを判定する処理である。ステップS25において肯定判定した場合、ステップS26に進む。ステップS26では、指令電圧ベクトルVmが、第9分割領域R9に存在すると特定する。一方、ステップS25において否定判定した場合、ステップS27に進む。
ステップS27では、|Vm|×cos(60°-θs)<VH/3が成立するか否かを判定する。ステップS27の処理は、指令電圧ベクトルVmの終点が、先の図6における線分BMに対して各制御点N,P側の領域に存在するか否かを判定する処理である。ステップS27において肯定判定した場合、ステップS28に進む。ステップS28では、指令電圧ベクトルVmが、第5分割領域R5に存在すると特定する。一方、ステップS27において、否定判定した場合、ステップS29に進む。ステップS29では、指令電圧ベクトルVmが、第7分割領域R7に存在すると特定する。なお、本実施形態において、ステップS17~S29の処理が「領域特定部」に相当する。
ステップS21において指令電圧ベクトルVmが第8分割領域R8に存在すると特定した場合、ステップS30に進む。ステップS30では、第8分割領域R8に対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。具体的には、各制御点A,B,Nに対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。この場合、出力パターンに、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが含まれることが制限される。
ステップS23において指令電圧ベクトルVmが第5分割領域R5に存在すると特定した場合、ステップS31に進む。ステップS31では、第5分割領域R5に対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。具体的には、各制御点M,N,Qに対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。
ステップS24において指令電圧ベクトルVmが第6分割領域R6に存在すると特定した場合、ステップS32に進む。ステップS32では、第6分割領域R6に対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。具体的には、各制御点B,M,Nに対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。この場合、出力パターンに、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが含まれることが制限される。
ステップS26において指令電圧ベクトルVmが第9分割領域R9に存在すると特定した場合、ステップS33に進む。ステップS33では、第9分割領域R9に対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。具体的には、各制御点A,B,Mに対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。この場合、出力パターンに、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが含まれることが制限される。
ステップS28において指令電圧ベクトルVmが第5分割領域R5に存在すると特定した場合、ステップS34に進む。ステップS34の処理は、ステップS31の処理と同様である。
ステップS29において指令電圧ベクトルVmが第7分割領域R7に存在すると特定した場合、ステップS35に進む。ステップS35では、第7分割領域R7に対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。具体的には、各制御点A,M,Nに対応する出力電圧ベクトルの組を、出力パターンとして設定する。この場合、出力パターンに、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが含まれることが制限される。ステップS30~S35の後、ステップS15に進む。なお、本実施形態において、ステップS30~S35の処理が「設定部」に相当する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
中性点Oと、回転電機10の各相入力端子のうち少なくとも1相とが接続される場合において、電流が中性点Oに流入又は流出することにより、中性点Oの電圧が変化し得る。そのため、制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間では、中性点Oと、回転電機10の各相入力端子のうちのいずれか1相又は2相とが接続されるため、中性点Oの電圧が変化する可能性がある。
この点、制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルには、回転電機10の各相入力端子に印加される電圧が同じであり、かつ、中性点Oの電圧の変化方向が反対となるHi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態に対応する出力電圧ベクトルが存在する。そのため、中性点情報に基づいて、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のうちいずれか一方を適切に選択することにより、中性点Oの電圧を制御することが考えられる。
しかしながら、指令電圧ベクトルVmの大きさが大きい場合、指令電圧ベクトルVmの大きさが小さい場合に比べて、制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間が短くなるとともに、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間が長くなり得る。ここで、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルは、制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルの大きさよりも大きな出力電圧ベクトルである。制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間では、中性点Oと、回転電機10の各相入力端子のうちいずれか1相とが接続されるため、中性点Oの電圧の制御性が低下する懸念がある。
そこで、本実施形態では、指令電圧ベクトルVmに基づいて、各出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンを設定する際に、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが出力パターンに含まれることが制限される。これにより、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間の発生が抑制される。また、制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間では、中性点情報に基づいて、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のうちいずれか一方が選択されることにより、中性点Oの電圧を制御できる。そのため、各制御点M,N,Qに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間において、中性点Oの電圧が変化することを抑制できる。つまり、本実施形態によれば、中性点Oの電圧が変化する懸念のある各制御点M,N,Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間において、中性点Oの電圧の変化を抑制する対策を講じることができる。その結果、中性点Oの電圧の制御性を高めることができる。
制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが出力パターンに含まれることが制限される場合では、制御点A,B,M,Nに対応する出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンが設定される。この場合、中性点Oの電圧の制御性を高めるには、制御点M,Nに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が長くされることが望ましい一方、指令電圧ベクトルVmの大きさが増大する場合には、インバータ30の制御性の低下が懸念される。
そこで、本実施形態によれば、指令電圧ベクトルVmの大きさ及び電気角θeに基づいて、指令電圧ベクトルVmの存在領域が特定される。存在領域には、制御点Aに接する第7,第9分割領域R7,R9、及び制御点Bに接する第6,第8分割領域R6,R8が含まれている。そして、指令電圧ベクトルVmの存在領域が第6~第9分割領域R6~R9のうちいずれであるかに応じて、各制御点A,B,M,Nに対応する出力電圧ベクトルを含む出力パターンの設定方法を変える。
詳しくは、指令電圧ベクトルVmが第6,第7分割領域R6,R7に存在することが特定された場合、制御点Mに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Nに対応する出力電圧ベクトルと、各制御点A,Bのうちいずれか一方に対応する出力電圧ベクトルとの組み合わせである出力パターンが設定される。この場合、各制御点M,Nのうちいずれか一方に対応する出力電圧ベクトルと、制御点Aに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Bに対応する出力電圧ベクトルとを含む出力パターンが設定される場合に比べて、1変調周期におけるHi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態を選択可能な期間が長くされる。これにより、中性点Oの電圧の制御性を高めることができる。
一方、指令電圧ベクトルVmが第8,第9分割領域R8,R9に存在することが特定された場合、各制御点M,Nのうちいずれか一方に対応する出力電圧ベクトルと、制御点Aに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Bに対応する出力電圧ベクトルとの組み合わせである出力パターンが設定される。この場合、各制御点A,Bのうちいずれか一方に対応する出力電圧ベクトルと、制御点Mに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Nに対応する出力電圧ベクトルとを含む出力パターンが設定される場合に比べて、1変調周期における平均的な出力電圧ベクトルの大きさを大きくすることができる。これにより、指令電圧ベクトルVmの大きさの増大に対応することができる。そのため、インバータ30の制御性の低下を抑制することができる。以上により、本実施形態によれば、インバータ30の制御性の低下を抑制しつつ、中性点Oの電圧の制御性を高めることができる。
中性点Oの電圧に問題が生じていない状況において制限制御が行われる等、制限制御が過剰に行われることに起因して、インバータ30の制御性が低下することが懸念される。この点、本実施形態では、中性点情報に基づいて、制限制御を行うか否かが判定される。具体的には、中性点Oの電圧が許容範囲を超えていると判定された場合、制限制御が実施される。一方、中性点Oの電圧が許容範囲を超えていると判定されない場合、通常制御が実施される。これにより、中性点Oの電圧の変化を抑制することが必要となる状況において、制限制御が行われる。そのため、インバータ30の制御性が低下することを抑制しつつ、中性点の電圧の制御性を高めることができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
指令電圧ベクトルVmが第8,第9分割領域R8,R9に存在することが特定された場合では、各制御点M,Nのうちいずれか一方に対応する出力電圧ベクトルを1つと、制御点Aに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Bに対応する出力電圧ベクトルとの組み合わせである出力パターンが設定される。
制御点Aに対応する出力電圧ベクトル及び制御点Bに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間では、回転電機10の各相入力端子には、レベルH又はレベルLの相電圧が印加される。言い換えると、制御点Aに対応する出力電圧ベクトル及び制御点Bに対応する出力電圧ベクトルが出力される期間では、回転電機10の各相入力端子にレベルMの相電圧が印加されない。そのため、制御点Aに対応する出力電圧ベクトル及び制御点Bに対応する出力電圧ベクトルのうち、いずれか一方に対応する駆動状態から、他方に対応する駆動状態へと切り替えられる際に、レベルMの相電圧が印加される期間を介さずに、各上,下アームスイッチSUH~SWLがオンオフされる。この場合に、各上,下アームスイッチSUH~SWLのオンオフを切り替える際に発生するサージ電圧が増大する懸念がある。
そこで、本実施形態では、指令電圧ベクトルVmが第8,第9分割領域R8,R9に存在することが特定された場合の制御を変更する。図15に、制御装置40が行う制御の手順を示す。この制御は、例えば、所定の制御周期で繰り返し実行される。
ステップS30,S33の処理の後、ステップS40に進む。ステップS40では、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルを、出力パターンに追加する。ステップS41では、各クランプスイッチQU~QWがオンオフされるのに要する時間に関するスイッチ情報を取得する。スイッチ情報は、各クランプスイッチQU~QWの電気的特性を示す情報であり、具体的には、ゲート閾値電圧、ターンオン遅延時間及びターンオフ遅延時間等である。例えば、ステップS41では、制御装置40が有する記憶部に記憶されているスイッチ情報を取得すればよい。本実施形態において、ステップS30~S35及びステップS40が「設定部」に相当し、ステップS41が「スイッチ情報取得部」に相当する。
ステップS42では、出力パターンに含まれる各出力電圧ベクトルの出力期間を算出する。ここでは、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間の算出方法について説明する。中性点Oの電圧の変化を抑制する観点から、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が短くされることが望ましい。しかしながら、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が、各クランプスイッチQU~QWのオンオフに要する時間よりも短い場合、各クランプスイッチQU,QWが実際にオンオフされるよりも前に、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が終了してしまう。この場合に、各上,下アームスイッチSUH~SWLをオンオフする際に発生するサージ電圧の抑制効果が低減される懸念がある。
そこで、本実施形態では、取得したスイッチ情報に基づいて、各クランプスイッチQU~QWのオンオフに要する時間よりも長くなるように、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間を算出する。制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間の上限は、1変調周期Tcの半分以内であればよい。例えば、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間の上限は、1変調周期Tcの1/6、1/12又は1/24等であるとよい。本実施形態において、ステップS42が「算出部」に相当する。
ステップS43では、制御点Aに対応する出力電圧ベクトル及び制御点Bに対応する出力電圧ベクトルのうち、いずれか一方に対応する出力期間から、他方に対応する出力期間へと切り替える間において、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間を挟むように、各スイッチSUH~SWL,QU~QWをオンオフさせる駆動指令を生成する。本実施形態において、ステップS43が「制御部」に相当する。
図16に、指令電圧ベクトルVmが第8分割領域R8に存在すると特定された場合の各相電圧レベルの推移の一例を示し、図17に、指令電圧ベクトルVmが第9分割領域R9に存在すると特定された場合の各相電圧レベルの推移の一例を示す。図16(a)~(c)は、先の図12(a)~(c)に対応し、図17(a)~(c)は、先の図13(a)~(c)に対応している。
指令電圧ベクトルVmが第1,第2セクタの第8分割領域R8に存在する場合、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のいずれが選択されるかに応じて、1変調周期Tcの前半において出力電圧ベクトルが以下の順で出力される。第1セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HMM→HLL→HML→HHLの順に出力される。第2セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HHM→HHL→MHL→LHLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図16の実線に示すような推移となる。また、第1セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MLL→HLL→HML→HHLの順に出力される。第2セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MML→HHL→MHL→LHLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図16の破線に示すような推移となる。
指令電圧ベクトルVmが第1,第2セクタの第9分割領域R9に存在する場合、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態のいずれが選択されるかに応じて、1変調周期Tcの前半において出力電圧ベクトルが以下の順で出力される。第1セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、HHM→HHL→HML→HLLの順に出力される。第2セクタにおいてHi-Mid駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MHM→LHL→MHL→HHLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図17の実線に示すような推移となる。また、第1セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、MML→HHL→HML→HLLの順に出力される。第2セクタにおいてMid-Lo駆動状態が選択される場合では、出力電圧ベクトルは、LML→LHL→MHL→HHLの順に出力される。これらの場合に、各相電圧の推移は、図17の破線に示すような推移となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
指令電圧ベクトルVmが第8,第9分割領域R8,R9に存在すると特定された場合に、出力パターンに、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが追加される。つまり、出力パターンには、制御点M,Nのうちいずれか一方に対応する出力電圧ベクトルと、制御点Aに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Bに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルとが含まれる。
上述した出力パターンでは、制御点Aに対応する出力電圧ベクトル及び制御点Bに対応する出力電圧ベクトルのうち、いずれか一方に対応する出力期間から、他方に対応する出力期間へと切り替える間において、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間を挟むことが可能となる。この場合では、制御点Aに対応する出力電圧ベクトル及び制御点Bに対応する出力電圧ベクトルのうち、いずれか一方に対応する出力期間から、他方に対応する出力期間へと切り替えられる際に、レベルMの相電圧が印加される期間を設けることができる。そのため、各上,下アームスイッチSUH~SWLをオンオフする際に発生するサージ電圧が増大することを抑制できる。
各クランプスイッチQU~QWのオンオフに要する時間に関するスイッチ情報が取得される。スイッチ情報に基づいて、各クランプスイッチQU~QWのオンオフに要する時間よりも、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が長くなるように、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルの出力期間が算出される。これにより、制御点Qに対応する出力電圧ベクトルが出力されてから、各スイッチSUH~SWL,QU~QWが実際にオンオフされるまでの期間を的確に確保することができる。そのため、各上,下アームスイッチSUH~SWLをオンオフする際に発生するサージ電圧を的確に低減することができる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・制御装置40は、中性点情報として、第1,第2電圧センサ41,42の検出値及び相電流センサ43の検出値の双方を取得することに代えて、いずれか一方のみを取得してもよい。例えば、制御装置40は、第1,第2電圧センサ41,42の検出値及び相電流センサ43の検出値のうち、第1,第2電圧センサ41,42の検出値のみを取得してもよい。この場合に、制御装置40は、第1,第2電圧センサ41,42の検出値に基づいて、各相電流を算出してもよい。制御装置40は、第1,第2電圧センサ41,42の検出値を用いて算出した各相電流と、第1,第2コンデンサ21,22の静電容量とに基づいて、中性点Oの電圧を算出してもよい。これにより、相電流センサ43の検出値を用いることなく、ステップS10,S15の処理を行うことができる。
・制限制御の分割領域は、先の図6に示した第1,第5~第9分割領域R1,R5~R9に限られない。例えば、点Gによる線分PQを内分する比率を変更することにより、分割領域を変更してもよい。具体的には、点Gを、線分PQを2:1に内分する点であることに代えて、線分PQを3:1に内分する点に変更してもよい。この場合、第8,第9分割領域R8,R9が、第1実施形態に比べて縮小されるとともに、第6,第7分割領域R6,R7が、第1実施形態に比べて拡大される。これにより、制御点Mに対応する出力電圧ベクトルと、制御点Nに対応する出力電圧ベクトルと、各制御点A,Bのうちいずれか一方に対応する出力電圧ベクトルとの組み合わせである出力パターンが設定される分割領域が広くされる。そのため、指令電圧ベクトルVmの大きさが大きい場合であっても、第1実施形態に比べて、Hi-Mid駆動状態及びMid-Lo駆動状態を選択可能な期間を長くすることができる。
この場合、ステップS19,S20,S22,S25,S27の処理を変更するとよい。例えば、指令電圧ベクトルVmの大きさ及び電気角θeと、第1~第6セクタに対する各分割領域R1,R5~R9とが対応付けられた情報(例えば、マップ情報)を用いて、指令電圧ベクトルVmが存在する分割領域を特定する処理を行うとよい。
・インバータ30の駆動対象としては、各相巻線11U,11V,11Wが星形結線された回転電機10に限られず、各相巻線11U,11V,11Wがデルタ結線された回転電機であってよい。また、駆動対象としては、回転電機に限られず、3相巻線を有する他の負荷であってよい。
・インバータ30は、T型の3レベルインバータに代えて、中性点クランプ型の3レベルインバータであってもよい。
・インバータを構成する半導体スイッチとしては、NチャネルMOSFETに限らず、例えば、IGBTであってもよい。この場合、スイッチの高電位側端子がコレクタであり、低電位側端子がエミッタである。また、各スイッチには、フリーホイールダイオードが逆並列に接続されていればよい。
・本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10…回転電機、21,22…第1,第2コンデンサ、30…インバータ、40…制御装置、SUH~SWL…U,V,W相上,下アームスイッチ、QU,QV,QW…U,V,W相クランプスイッチ。

Claims (6)

  1. 直列接続された第1蓄電部(21)及び第2蓄電部(22)と、
    3相交流電圧が印加されることにより駆動される駆動対象(10)と、
    前記駆動対象の各相を、前記第1蓄電部の正極側、前記第1蓄電部の負極側及び前記第2蓄電部の正極側の間の中性点、及び前記第2蓄電部の負極側のうちいずれかに接続する3相分のスイッチ(SUH~SWL,QU~QW)を有する3レベルインバータ(30)と、を備えるシステムに適用される3レベルインバータの制御装置(40)において、
    前記第1,第2蓄電部の電圧及び前記駆動対象の各相に流れる電流のうち少なくとも一方の情報である中性点情報を取得する中性点情報取得部と、
    前記駆動対象の制御量を指令値に制御するための指令電圧ベクトルを取得する指令電圧取得部と、
    前記指令電圧ベクトルに基づいて、前記3レベルインバータが出力可能な出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンを設定する設定部と、
    前記出力パターンに含まれる前記出力電圧ベクトルに基づいて、前記スイッチをオンオフする制御部と、を備え、
    前記スイッチの駆動状態が、前記駆動対象の各相のうちいずれか1相又は2相と、前記中性点とを接続する駆動状態となり、かつ、同一の前記出力電圧ベクトルに対して異なる前記スイッチの駆動状態が2つ存在する前記出力電圧ベクトルを第1出力電圧ベクトルとし、
    前記スイッチの駆動状態が、前記駆動対象の各相のうちいずれか1相と、前記中性点とを接続する駆動状態となり、かつ、前記第1出力電圧ベクトルの大きさよりも大きな前記出力電圧ベクトルを第2出力電圧ベクトルとし、
    前記制御部は、前記第1出力電圧ベクトルが出力される場合に、前記中性点情報に基づいて、2つの前記スイッチの駆動状態のうちいずれか一方を選択し、
    前記設定部は、前記第2出力電圧ベクトルを、前記出力パターンに含むことを制限する3レベルインバータの制御装置。
  2. 前記駆動対象は、前記3レベルインバータに電気的に接続される巻線(11U,11V,11W)を有する回転電機(10)であり、
    前記指令電圧ベクトルの大きさ及び電気角に基づいて、前記指令電圧ベクトルの存在領域を特定する領域特定部を備え、
    前記スイッチの駆動状態が、前記駆動対象の各相と、前記中性点とが接続されない駆動状態となり、かつ、前記第1出力電圧ベクトルの大きさよりも大きな前記出力電圧ベクトルを第3出力電圧ベクトルとし、
    前記存在領域には、前記第3出力電圧ベクトルの終点に接する高出力領域及び低出力領域が含まれており、
    前記設定部は、
    前記指令電圧ベクトルが前記高出力領域に存在すると特定された場合に、1つの前記第1出力電圧ベクトルと、2つの前記第3出力電圧ベクトルとの組み合わせである前記出力パターンを設定し、
    前記指令電圧ベクトルが前記低出力領域に存在すると特定された場合に、2つの前記第1出力電圧ベクトルと、1つの前記第3出力電圧ベクトルとの組み合わせである前記出力パターンを設定する請求項1に記載の3レベルインバータの制御装置。
  3. 前記設定部は、前記指令電圧ベクトルが前記高出力領域に存在すると特定された場合に、前記出力パターンに前記第2出力電圧ベクトルを追加し、
    前記制御部は、
    前記第3出力電圧ベクトルが出力される期間では、前記スイッチの駆動状態を、前記駆動対象の各相と、前記第1蓄電部の正極側又は前記第2蓄電部の負極側とが接続される駆動状態とし、
    前記出力パターンに前記第2出力電圧ベクトルが追加された場合、2つの前記第3出力電圧ベクトルのうち、一方に対応する前記スイッチの駆動状態から、他方に対応する前記スイッチの駆動状態へと前記スイッチをオンオフする間において、前記第2出力電圧ベクトルに対応する前記スイッチの駆動状態を挟むように、前記スイッチをオンオフする請求項2に記載の3レベルインバータの制御装置。
  4. 前記スイッチのゲート閾値電圧、ターンオン遅延時間及びターンオフ遅延時間のうち少なくとも1つであるスイッチ情報を取得するスイッチ情報取得部と、
    前記スイッチ情報に基づいて、前記第2出力電圧ベクトルの出力期間が前記スイッチのオンオフに要する時間よりも長くなるように、前記第2出力電圧ベクトルの出力期間を算出する算出部と、を備える請求項3に記載の3レベルインバータの制御装置。
  5. 前記中性点情報に基づいて、前記中性点の電圧が許容範囲を超えているか否かを判定する判定部を備え、
    前記設定部は、前記中性点の電圧が許容範囲を超えていると判定された場合に、前記第2出力電圧ベクトルが前記出力パターンに含まれることを制限するとともに、前記中性点の電圧が許容範囲を超えていると判定されない場合に、前記第2出力電圧ベクトルが前記出力パターンに含まれることを制限しない請求項1~4のいずれか1項に記載の3レベルインバータの制御装置。
  6. 直列接続された第1蓄電部(21)及び第2蓄電部(22)と、
    3相交流電圧が印加されることにより駆動される駆動対象(10)と、
    前記駆動対象の各相を、前記第1蓄電部の正極側、前記第1蓄電部の負極側及び前記第2蓄電部の正極側の間の中性点、及び前記第2蓄電部の負極側のうちいずれかに接続する3相分のスイッチ(SUH~SWL,QU~QW)を有する3レベルインバータ(30)と、
    コンピュータ(40a)と、を備えるシステムに適用されるプログラムにおいて、
    前記第1,第2蓄電部の電圧及び前記駆動対象の各相に流れる電流のうち少なくとも一方の情報である中性点情報を取得する中性点情報取得ステップと、
    前記駆動対象の制御量を指令値に制御するための指令電圧ベクトルを取得する指令電圧取得ステップと、
    前記指令電圧ベクトルに基づいて、前記3レベルインバータが出力可能な出力電圧ベクトルの組み合わせである出力パターンを設定する設定ステップと、
    前記出力パターンに含まれる前記出力電圧ベクトルに基づいて、前記スイッチをオンオフする制御ステップと、を前記コンピュータに実行させ、
    前記スイッチの駆動状態が、前記駆動対象の各相のうちいずれか1相又は2相と、前記中性点とを接続する駆動状態となり、かつ、同一の前記出力電圧ベクトルに対して異なる前記スイッチの駆動状態が2つ存在する前記出力電圧ベクトルを第1出力電圧ベクトルとし、
    前記スイッチの駆動状態が、前記駆動対象の各相のうちいずれか1相と、前記中性点とを接続する駆動状態となり、かつ、前記第1出力電圧ベクトルの大きさよりも大きな前記出力電圧ベクトルを第2出力電圧ベクトルとし、
    前記制御ステップは、前記第1出力電圧ベクトルが出力される場合に、前記中性点情報に基づいて、2つの前記スイッチの駆動状態のうちいずれか一方を選択する処理を含み、
    前記設定ステップは、前記第2出力電圧ベクトルを、前記出力パターンに含むことを制限する処理を含むプログラム。
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