JP2023170751A - 通信端末装置、情報通信システム、プログラムおよび情報通信方法 - Google Patents

通信端末装置、情報通信システム、プログラムおよび情報通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の親機が実際に稼働している状況を検出して親機の併存を解消する技術において、親機の意図しない淘汰を防止する技術を提供する。【解決手段】親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有する通信端末装置10に、自機が受信した親機情報202に基づいて、当該受信した親機情報202の送信元がグループ内通信先であるか否かを判定する通信相手判定部233と、通信相手判定部233による判定結果に応じて、グループ内通信先が親機であるか否かを監視する親機監視部231と、自機が親機動作モードで動作しているときに、親機監視231が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の親機動作モードを子機動作モードに切り替える切替部232とを設ける。【選択図】図3

Description

本発明は、複数の通信端末装置を含む情報通信システムにおいて、親機と子機とを決定する技術に関する。
従来より、1つのネットワークを形成すべき装置群において、複数の親機が併存する状況を検出して、親機を1つに決定する技術が例えば特許文献1に記載されている。
特開2018-191116号公報
昨今、例えば、電気機器の通信端末装置化が進み、これらの電気機器がネットワークに接続されることにより、複数の通信端末装置から構成されるネットワークを複数設置するような事例が発生している。すなわち、大規模ネットワークの登場により、設置場所、端末数、あるいは、用途などに応じてネットワーク自体もグループ化される場合が生じてきた。
複数のネットワークがグループ化される場合、特許文献1に記載された技術では、例えば、他のグループのネットワークにおける通信が意図せず傍受されると、複数の親機が併存する状態と誤認され、それぞれ独立したネットワークであるべき複数のネットワークが1つの親機によって統合されてしまうという問題を生じるようになった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の親機が実際に稼働している状況を検出して親機の併存を解消する技術において、親機の意図しない淘汰を防止する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、ネットワークに接続され、前記ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行う通信端末装置であって、親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有し、前記親機動作モードと前記子機動作モードとの間で動作モードを切り替えるための基準となる適正情報に、自機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報を含めて記憶する記憶手段と、自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する親機監視手段と、前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における判定基準情報を取得する取得手段と、自機が前記親機動作モードで動作しているときに、前記親機監視手段が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の前記判定基準情報と前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における前記判定基準情報とに基づいて、自機の前記親機動作モードを前記子機動作モードに切り替える切替手段とを備える。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る通信端末装置であって、前記記憶手段は、前記他の通信端末装置を個別に識別するための端末識別情報を記憶しており、前記通信相手判定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記端末識別情報に、前記受信した情報に含まれる送信元を識別するための識別情報が含まれているか否かに応じて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る通信端末装置であって、前記記憶手段は、前記他の通信端末装置のうちの親機候補を個別に識別するための親機候補識別情報を記憶しており、前記通信相手判定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記親機候補識別情報に、前記受信した情報に含まれる送信元を識別するための識別情報が含まれているか否かに応じて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する。
また、請求項4の発明は、請求項1の発明に係る通信端末装置であって、前記記憶手段は、前記他の通信端末装置を他のグループの通信端末装置と識別するためのグループ識別識別情報を記憶しており、前記通信相手判定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記グループ識別情報と、前記受信した情報に含まれる送信元を識別するための識別情報とを照合することにより、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する。
また、請求項5の発明は、ネットワークに接続され、前記ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行う通信端末装置であって、子機として動作する子機動作モードを有し、自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、前記子機動作モードで動作しているときであって、自機が登録されている第1親機が親機として動作する親機動作モードで動作しているときに、前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記第1親機以外の第2親機が前記他の通信端末装置の中に存在するか否かを監視する親機監視手段と、前記第1親機の親機としての優先順位を判定する基準となる第1判定基準情報と前記第2親機の親機としての優先順位を判定する基準となる第2判定基準情報とを取得する取得手段とを備え、前記親機監視手段により前記第2親機が存在すると判定されたときに、前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報とに基づいて、前記第1親機または前記第2親機のいずれか一方を自機に対する親機として決定する。
また、請求項6の発明は、ネットワークに接続された複数の通信端末装置を備える情報通信システムであって、前記通信端末装置は、親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有し、前記親機動作モードと前記子機動作モードとの間で動作モードを切り替えるための基準となる適正情報に、自機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報を含めて記憶する記憶手段と、自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記複数の通信端末装置のうちの自機以外の他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する親機監視手段と、前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における判定基準情報を取得する取得手段と、自機が前記親機動作モードで動作しているときに、前記親機監視手段が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の前記判定基準情報と前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における前記判定基準情報とに基づいて、自機の前記親機動作モードを前記子機動作モードに切り替える切替手段とを備える。
また、請求項7の発明は、ネットワークに接続され、前記ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行うコンピュータによる読み取り可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータを、親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有し、前記親機動作モードと前記子機動作モードとの間で動作モードを切り替えるための基準となる適正情報に、自機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報を含めて記憶する記憶手段と、自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する親機監視手段と、前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における判定基準情報を取得する取得手段と、自機が前記親機動作モードで動作しているときに、前記親機監視手段が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の前記判定基準情報と前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置の前記判定基準情報とに基づいて、自機の前記親機動作モードを前記子機動作モードに切り替える切替手段とを備える通信端末装置として機能させる。
また、請求項8の発明は、ネットワークに接続され、前記ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行うコンピュータによる読み取り可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータを、子機として動作する子機動作モードを有し、自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、前記子機動作モードで動作しているときであって、自機が登録されている第1親機が親機として動作する親機動作モードで動作しているときに、前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記第1親機以外の第2親機が前記他の通信端末装置の中に存在するか否かを監視する親機監視手段と、前記第1親機の親機としての優先順位を判定する基準となる第1判定基準情報と前記第2親機の親機としての優先順位を判定する基準となる第2判定基準情報とを取得する取得手段とを備え、前記親機監視手段により前記第2親機が存在すると判定されたときに、前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報とに基づいて、前記第1親機または前記第2親機のいずれか一方を自機に対する親機として決定する通信端末装置として機能させる。
また、請求項9の発明は、親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有する複数の通信端末装置による情報通信方法であって、前記複数の通信端末装置のそれぞれについて、前記親機動作モードと前記子機動作モードとの間で動作モードを切り替えるための基準となる適正情報に、自機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報を含めて記憶する工程と、前記通信端末装置が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記複数の通信端末装置のうちの他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、前記通信端末装置において、前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する工程と、親機として検出された前記他の通信端末装置における判定基準情報を取得する工程と、前記通信端末装置が前記親機動作モードで動作しているときに、前記他の通信端末装置から親機を検出した場合に、前記通信端末装置の前記判定基準情報と親機として検出された前記他の通信端末装置の前記判定基準情報とに基づいて、前記通信端末装置の前記親機動作モードを前記子機動作モードに切り替える工程とを有する。
請求項1に記載の発明は、ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行う通信端末装置であって、自機が受信した情報に基づいて、当該受信した情報の送信元が他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、通信相手判定手段による判定結果に応じて、他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する親機監視手段と、自機が親機動作モードで動作しているときに、親機監視手段が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の判定基準情報と親機監視手段により親機として検出された他の通信端末装置における判定基準情報とに基づいて、自機の親機動作モードを子機動作モードに切り替える切替手段とを備える。これにより、他の通信端末装置以外の通信端末装置を親機と誤認することによって、ネットワークが他のネットワークと統合されることを防止することができる。
また、請求項5に記載の発明は、ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行う通信端末装置であって、自機が受信した情報に基づいて、当該受信した情報の送信元が他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、子機動作モードで動作しているときであって、自機が登録されている第1親機が親機として動作する親機動作モードで動作しているときに、通信相手判定手段による判定結果に応じて、第1親機以外の第2親機が他の通信端末装置の中に存在するか否かを監視する親機監視手段とを備え、親機監視手段により第2親機が存在すると判定されたときに、第1判定基準情報と第2判定基準情報とに基づいて、第1親機または第2親機のいずれか一方を自機に対する親機として決定する。これにより、他の通信端末装置以外の通信端末装置を親機と誤認することによって、通信端末装置が他のネットワークの親機に登録されることを防止することができる。
また、請求項6に記載の発明は、ネットワークに接続された複数の通信端末装置を備える情報通信システムであって、通信端末装置は、自機が受信した情報に基づいて、当該受信した情報の送信元が複数の通信端末装置のうちの自機以外の他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、通信相手判定手段による判定結果に応じて、他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する親機監視手段と、自機が親機動作モードで動作しているときに、親機監視手段が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の判定基準情報と親機監視手段により親機として検出された他の通信端末装置における判定基準情報とに基づいて、自機の親機動作モードを子機動作モードに切り替える切替手段とを備える。これにより、他の通信端末装置以外の通信端末装置を親機と誤認することによって、ネットワークが他のネットワークと統合されることを防止することができる。
また、請求項7に記載の発明は、ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行うコンピュータによる読み取り可能なプログラムであって、当該プログラムの当該コンピュータによる実行は、当該コンピュータを、自機が受信した情報に基づいて、当該受信した情報の送信元が他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、通信相手判定手段による判定結果に応じて、他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する親機監視手段と、自機が親機動作モードで動作しているときに、親機監視手段が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の判定基準情報と親機監視手段により親機として検出された他の通信端末装置の判定基準情報とに基づいて、自機の親機動作モードを子機動作モードに切り替える切替手段とを備える通信端末装置として機能させる。これにより、他の通信端末装置以外の通信端末装置を親機と誤認することによって、ネットワークが他のネットワークと統合されることを防止することができる。
また、請求項8の発明は、ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行うコンピュータによる読み取り可能なプログラムであって、当該プログラムの当該コンピュータによる実行は、当該コンピュータを、自機が受信した情報に基づいて、当該受信した情報の送信元が他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、子機動作モードで動作しているときであって、自機が登録されている第1親機が親機として動作する親機動作モードで動作しているときに、通信相手判定手段による判定結果に応じて、第1親機以外の第2親機が他の通信端末装置の中に存在するか否かを監視する親機監視手段とを備え、親機監視手段により第2親機が存在すると判定されたときに、第1判定基準情報と第2判定基準情報とに基づいて、第1親機または第2親機のいずれか一方を自機に対する親機として決定する通信端末装置として機能させる。これにより、他の通信端末装置以外の通信端末装置を親機と誤認することによって、コンピュータが他のネットワークの親機に登録されることを防止することができる。
また、請求項9の発明は、複数の通信端末装置による情報通信方法であって、複数の通信端末装置のそれぞれについて、通信端末装置が受信した情報に基づいて、当該受信した情報の送信元が複数の通信端末装置のうちの他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、通信端末装置において、通信相手判定手段による判定結果に応じて、他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する工程と、通信端末装置が親機動作モードで動作しているときに、他の通信端末装置から親機を検出した場合に、通信端末装置の判定基準情報と親機として検出された他の通信端末装置の判定基準情報とに基づいて、通信端末装置の親機動作モードを子機動作モードに切り替える工程とを有する。これにより、他の通信端末装置以外の通信端末装置を親機と誤認することによって、ネットワークが他のネットワークと統合されることを防止することができる。
第1の実施の形態における情報通信システムを示す図である。 第1の実施の形態における通信端末装置のブロック図である。 第1の実施の形態における通信端末装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。 情報通信システムによる情報通信方法を示す流れ図である。 情報通信システムによる情報通信方法を示す流れ図である。 情報通信システムによる情報通信方法を示す流れ図である。 通信端末装置の動作モードが切り替わる様子を例示する図である。 通信端末装置の動作モードが切り替わる様子を例示する図である。 通信端末装置の動作モードが切り替わる様子を例示する図である。 通信端末装置の動作モードが切り替わる様子を例示する図である。 第2の実施の形態における通信端末装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。 第3の実施の形態における通信端末装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。ただし、以下の説明において特に断らない限り、方向や向きに関する記述は、当該説明の便宜上、図面に対応するものであり、例えば実施品、製品または権利範囲等を限定するものではない。
また、ここに開示される要素の機能は、当該開示される要素を実行するように構成された、あるいは当該開示される機能を実行するようにプログラミングされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(特定用途向け集積回路)、従来の回路構成および/またはそれらの組み合わせを含む回路構成あるいは処理回路構成が用いられて実装されてもよい。プロセッサは、それが、その中にトランジスタおよび他の回路構成を含むとき、処理回路構成あるいは回路構成として見なされる。本開示において、回路構成、ユニットあるいは手段は、挙げられた機能を実行するハードウェア、あるいは当該機能を実現するようにプログラミングされたハードウェアである。ハードウェアは、挙げられた機能を実行するようにプログラミングされた、あるいは当該機能を実行するように構成された、ここで開示されるいかなるハードウェアあるいは既知の他のものであってもよい。ハードウェアが、あるタイプの回路構成として見なされるかもしれないプロセッサであるとき、回路構成、手段あるいはユニットは、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ハードウェアを構成するために用いられるソフトウェアおよび/またはプロセッサである。
<1. 第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態における情報通信システム1を示す図である。情報通信システム1は、ネットワーク91に接続された複数の通信端末装置10,11,12,13,14,15を備えている。
なお、図1では、6台の通信端末装置10,11,12,13,14,15を例示している。しかし、情報通信システム1が備える通信端末装置の数は、6台に限定されるものではない。
また、図1は、ネットワーク91と異なるネットワーク92に接続された通信端末装置20,21を示している。通信端末装置20,21は、情報通信システム1を構成する装置ではない。以下の説明では、ネットワーク92において、通信端末装置20が親機として動作しているものとし、通信端末装置21が子機として動作しているものとする。
第1の実施の形態におけるネットワーク91は、PLC(Power Line Communication)網である。したがって、ネットワーク91は、商用電力線ケーブルを用いた有線通信網である。ただし、ネットワーク91はこのような形態に限定されるものではない。すなわち、ネットワーク91は、PLC以外の有線通信網であってもよいし、無線通信網であってもよい。また、ネットワーク91は、有線通信網と無線通信網とが混在する通信網として構築されてもよい。
ネットワーク91とネットワーク92との間では、図1において二点鎖線矢印で示すように「クロストーク」が発生する場合がある。クロストークは、互いに別のグループとして構成されているネットワーク91とネットワーク92との間の意図しない通信であるが詳細は後述する。
図1に示す通信端末装置10,11,12,13,14,15は、すでに説明したように、共通のネットワーク91に接続されており、1つのグループを形成している。以下の説明では、情報通信システム1のグループ内(ネットワーク91内)における通信相手(相手であるから自機を含まない。)を、「グループ内通信先」と称する場合がある。例えば、通信端末装置10にとってのグループ内通信先とは、他の通信端末装置11,12,13,14,15であって、自機である通信端末装置10および通信端末装置20,21は含まれない。このように、グループ内通信先は、通信端末装置10,11,12,13,14,15にとっての正常な通信相手である。
一方で、以下の説明では、情報通信システム1のグループ外における通信相手を、「グループ外通信先」と称する場合がある。例えば、通信端末装置10にとってのグループ外通信先とは、ネットワーク92に接続されている通信端末装置20,21である。すでに説明したように、通信端末装置10,11,12,13,14,15は、クロストークによって通信端末装置20,21との間で通信が成立する場合がある(通信端末装置20,21が通信相手となる場合がある。)。このように、グループ外通信先とは、通信端末装置10,11,12,13,14,15にとっては、意図しない通信相手である。
通信端末装置10,11,12,13,14,15に含まれる通信端末装置10,11,12は、親機として動作する親機動作モードと、子機として動作する子機動作モードとを有している。すなわち、通信端末装置10,11,12は、親機および子機としての両方の機能を有する機器である。以下の説明では、通信端末装置10,11,12は、同一の機能および構成を有する機器とする。ただし、通信端末装置10,11,12は、完全に同一の機器に限定されるものではない。
一方で、通信端末装置13,14,15は子機としての機能を有するが、親機としての機能を有さない機器である。以下の説明では、通信端末装置13,14,15は、同一の機能および構成を有する機器とする。ただし、通信端末装置13,14,15は、完全に同一の機器に限定されるものではない。
以下の説明では、特に断らない限り、通信端末装置10を例に、通信端末装置10,11,12,13,14,15の構成および機能について説明する。ただし、すでに説明したように、通信端末装置13,14,15は、親機としての機能および構成を有していないため、通信端末装置10に関する説明のうち、親機に関する説明は、通信端末装置13,14,15には該当しない。
図2は、第1の実施の形態における通信端末装置10のブロック図である。通信端末装置10は、CPU100および記憶装置101を備えている。
CPU100は、記憶装置101に格納されているプログラム200を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU100は、通信端末装置10が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、通信端末装置10は、一般的なコンピュータとして構成されている。
記憶装置101は、通信端末装置10において各種データを記憶する機能を提供する。言い替えれば、記憶装置101が通信端末装置10において電子的に固定された情報を保存する。
記憶装置101としては、CPU100の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)、比較的大容量のデータを記憶するハードディスク、専用の読み取り装置に装着された可搬性の記憶媒体(CD-ROM、DVD-ROM、PCカード、SDカード、USBメモリなど)等が該当する。図2においては、記憶装置101を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置101は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置101は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
また、現実のCPU100は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU100が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置101に含めて説明する。すなわち、一時的にCPU100自体が記憶するデータも、記憶装置101が記憶するとして説明する。図2に示すように、記憶装置101は、プログラム200、設定情報201および親機情報202を記憶するために使用される。ただし、記憶装置101が記憶する情報は、これらに限定されるものではない。
設定情報201は、通信端末装置10における各種の設定状況を示す情報である。設定情報201は、記憶装置101を構成する様々な記憶媒体のうち、不揮発性の記憶媒体に格納される。したがって、設定情報201は、通信端末装置10の電源がオフにされた場合であっても、その内容が失われることはない。なお、設定情報201に含まれる情報については後述する。
親機情報202とは、ネットワーク91上に存在する親機(自機を含んでもよい。)に関する情報である。PLCでは、情報を受信した通信端末装置10は、当該情報に含まれる様々な付加情報を取得することができる。このような付加情報としては、例えば、送信先や送信元、転送先、転送元、送信時間、ホップ回数、あるいは通信品質などに関する情報が考えられる。ただし、付加情報は、ここに例示した内容の情報に限定されるものではない。
詳細は後述するが、通信端末装置10は、取得したこれらの付加情報に基づいて、ネットワーク91上の各通信端末装置10,11,12,13,14,15の存在や各種状態を確認し、例えば、自機以外の親機を検出する。そして、通信端末装置10は、当該付加情報を、適宜、親機情報202とする。すなわち、通信端末装置10は、付加情報を編集して親機情報202を生成することができる。さらに、通信端末装置10は、当該付加情報に基づいて、検出した当該親機と積極的に通信を行い、当該親機に関する必要な情報(付加情報ではない。)を収集して、これらの情報も親機情報202とする。
また、通信端末装置10は、自機が親機である場合において、自機に関する情報を親機情報202に含める。したがって、親機情報202は、通信端末装置10が受信した情報以外の情報を含む場合もある。
また、例えば、子機専用の通信端末装置13は親機とはならないので、原則的には、通信端末装置13に関する情報が親機情報202に含まれることはない。しかし、例えば、通信端末装置10が親機である場合に、親機である通信端末装置10が登録している子機として通信端末装置13に関する情報が親機情報202に含まれる場合など、間接的に、子機である通信端末装置13に関する情報が親機情報202に含まれていてもよい。
さらに、クロストークが発生すると、通信端末装置10は、グループ外通信先からの情報を受信することがあるため、ネットワーク92上の親機である通信端末装置20に関する情報が親機情報202に含まれることがある。
図2に示すように、通信端末装置10は、さらに、操作部102、表示部103、タイマ部104および通信部105を備えている。
操作部102は、通信端末装置10に対してオペレータ等が指示を入力するために操作するハードウェアである。操作部102としては、例えば、各種キーやボタン類、スイッチ、タッチパネル、ポインティングデバイス、あるいは、ジョグダイヤルなどが該当する。
表示部103は、各種データを表示することによりオペレータ等に対して出力する機能を有するハードウェアである。表示部103としては、例えば、ランプやLED、CRT、液晶ディスプレイや液晶パネルなどが該当する。
タイマ部104は、時間を計測する機能を有する電子回路である。タイマ部104は、CPU100によりセットされた時間が経過すると、割り込み信号によりCPU100にその旨を伝達する。通信端末装置10におけるタイマ部104は、例えば、後述する検索経過時間などを計測するために用いられる。以下の説明では、検索経過時間が経過することによってタイマ部104からCPU100に向けて伝達される割り込み信号を「タイムアップ信号」と称する。
通信部105は、通信端末装置10をネットワーク91に、データ通信が可能な状態で接続する機能を有する。先述のように、第1の実施の形態におけるネットワーク91は、PLC網である。したがって、通信部105は、PLC機能を実現するための電子回路(PLCモジュール)である。
図3は、第1の実施の形態における通信端末装置10が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図3に示す通信制御部230、親機監視部231、切替部232および通信相手判定部233は、CPU100がプログラム200に従って動作することにより実現される機能ブロックである。なお、第1の実施の形態における親機監視部231は、図3に示すように、通信相手判定部233を有している。しかし、親機監視部231が通信相手判定部233を有する構成に限定されるものではない。通信相手判定部233による判定結果が、通信相手判定部233を有さない親機監視部231に伝達されるように構成してもよい。
図3に示すように、設定情報201には、判定基準情報203、モード識別子204、監視許可フラグ205、切替許可フラグ206、待機時間207、ブラックリスト208および端末識別情報211が含まれる。
判定基準情報203は、予め自機に付与されたMACアドレスを示す情報である。MACアドレスは、通信端末装置10,11,12,13,14,15に対してユニークに付与される情報であるから、通信端末装置10,11,12,13,14,15を個別に判定する識別情報である。
詳細は後述するが、第1の実施の形態における情報通信システム1では、複数の通信端末装置10,11,12の各MACアドレスの大小関係によって親機としての優先順位を決定する。したがって、親機となりうる通信端末装置10,11,12において、判定基準情報203は、自機を識別するための識別情報であるだけでなく、複数の通信端末装置10,11,12内で自機の親機としての優先順位を判定する基準となる情報でもある。
なお、通信端末装置13,14,15は、親機となることはないので、自機の親機としての優先順位を判定する基準とするための情報としての判定基準情報203は不要である。しかし、第1の実施の形態における判定基準情報203は、自機に割り当てられたMACアドレスであり、通信端末装置13,14,15(さらには通信端末装置20,21)においても記憶されている情報である。
モード識別子204は、再起動時に子機動作モードで起動するか親機動作モードで起動するかを示す情報である。詳細は後述するが、通信端末装置10において動作モードを「親機動作モード」と「子機動作モード」との間で切り替えたときには、必ず、速やかに当該通信端末装置10が再起動される。したがって、通信端末装置10が動作中において、現在の動作モードと、モード識別子204に示されている動作モードとは、ほぼ常に一致している。
すなわち、通信端末装置10においては、設定情報201に含まれるモード識別子204を参照することにより、現在の動作モードを確認することができる。以下の説明では、モード識別子204が、「1」のとき通信端末装置10が子機で起動されることを意味し、「0」のとき通信端末装置10が親機で起動されることを意味するものとする。また、モード識別子204の初期値は、「1(子機動作モード)」とする。
なお、通信端末装置13,14,15は、親機動作モードを有していないため、再起動時に親機動作モードで起動することはない。すなわち、通信端末装置13,14,15は、動作モードを識別する必要がないため、モード識別子204を格納していなくてもよい。情報通信システム1は、例えば、モード識別子204が存在しない場合に、モード識別子204が「1」の場合と同等の動作を実行すればよい。しかし、第1の実施の形態における通信端末装置13,14,15はモード識別子204を有しており、当該モード識別子204は「1」に固定されているものとして説明する。
監視許可フラグ205は、後述する親機監視部231による監視を許可するか否かを示す情報である。以下の説明では、監視許可フラグ205が、「1」のとき無効(不許可)であることを意味し、「0」のとき有効である(許可されている)ことを意味するものとする。また、監視許可フラグ205の初期値は、「1(不許可)」とする。
切替許可フラグ206は、動作モードの切り替えを許可するか否かを示す情報である。以下の説明では、切替許可フラグ206が、「1」のとき無効(不許可)であることを意味し、「0」のとき有効である(許可されている)ことを意味するものとする。また、切替許可フラグ206の初期値は、「1(不許可)」とする。
なお、通信端末装置13,14,15は、親機動作モードを有しておらず、子機動作モードのみで動作する。すなわち、通信端末装置13,14,15は、動作モードが切り替えられることはない。したがって、通信端末装置13,14,15は、切替許可フラグ206を格納していなくてもよい。しかし、第1の実施の形態における通信端末装置13,14,15は切替許可フラグ206を有しており、当該切替許可フラグは「1」に固定されているものとして説明する。
また、本実施の形態における情報通信システム1は、監視許可フラグ205が「0」であれば、切替許可フラグ206の値に関わらず、親機動作モードから子機動作モードへの切り替えが許可されているものとして処理を実行する。しかし、親機動作モードから子機動作モードへの切り替えの可否も切替許可フラグ206(あるいは別途独立したフラグ)により判定するように構成してもよい。
待機時間207は、通信端末装置10が子機動作モードのときであって、かつ、自機に対する親機が決まっておらず、親機の検索を開始した場合において、実際に親機が見つかるまで待機すべき時間を示す情報である。待機時間207は、CPU100(親機監視部231)によってタイマ部104にセットされ、タイマ部104がタイムアップ信号を生成するタイミングを決定するために使用される。詳細は後述するが、通信端末装置10は、親機の検索を開始したときには、設定情報201に設定されている待機時間207が経過するまでは待機し、当該待機時間207が経過しても親機を発見できない場合に、親機の検索を断念する。
ブラックリスト208は、通信端末装置10が親機として認めない装置を記録した情報である。通信端末装置10は、例えば、自機における親機を決定するときに、ブラックリスト208を参照し、ブラックリスト208に記録されている装置については、親機として登録することを拒否する。
端末識別情報211は、第1の実施の形態では、複数の通信端末装置10,11,12,13,14,15を個別に識別するための識別情報を6台分格納した情報である。すなわち、端末識別情報211は、情報通信システム1が備えるメンバー(通信端末装置10,11,12,13,14,15)のリスト情報である。ただし、端末識別情報211は自機の識別情報を含んでいなくてもよい。すなわち、端末識別情報211は、グループ内通信先(自機を含まない。)の識別情報であればよい。
第1の実施の形態では、識別情報として、通信端末装置10,11,12,13,14,15に対してユニークに付与されたMACアドレスを使用する。したがって、端末識別情報211には、複数の通信端末装置10,11,12,13,14,15の各MACアドレスが格納されている。詳細は後述するが、通信端末装置10,11,12,13,14,15は、通信の相手(通信先)を示すMACアドレスを、端末識別情報211と照合することにより、当該通信の相手が自機と同じネットワーク91を構成するメンバーであるか否かを判断することができる。
なお、端末識別情報211に、将来的にメンバーとなり得る装置のMACアドレスを予め格納しておいてもよい。その場合、端末識別情報211に含まれるMACアドレスの数は6台分よりも多くなる。
図3に示す通信制御部230は、通信部105を制御して、ネットワーク91に接続されている装置と通信端末装置10との間のPLC(データ通信)を実現する。
通信制御部230は、記憶装置101に格納されている情報と送信先とを指定して、通信部105に当該情報を送信させる。
また、通信制御部230は、通信部105によって受信された情報を、記憶装置101に格納する。このような機能として、例えば、通信制御部230は、自機以外の親機から、その存在を知らせるために送信される情報(例えば、Helloパケット)を、通信部105が受信した場合には、当該受信した情報に基づいて記憶装置101に親機情報202を作成(更新)する。
なお、通信部105においては、クロストークが生じることにより、グループ外通信先との間で通信が成立する場合がある。通信制御部230は、受信された情報に親機に関する情報が含まれている場合には、当該受信された情報がクロストークによるものであっても、当該受信された情報等に基づいて親機情報202を作成する。
通信制御部230は、適宜、設定情報201のモード識別子204を参照し、モード識別子204が「1」の場合には、PLCにおける子機としての処理(以下、「子機処理」と称する。)を実現する。一方、通信制御部230は、モード識別子204が「0」の場合には、PLCにおける親機としての処理(以下、「親機処理」と称する。)を実現する。子機処理および親機処理は、いずれも、従来の技術を適用することができるため、詳細な説明は省略する。
さらに、通信制御部230は、切替部232からの信号(以下、「親機切替信号」と称する。)に応じて、その時点で、自機が登録されている親機を変更するために必要なパケットの送受信を通信部105に実行させる。なお、親機切替信号が伝達されたときに、自機が親機であった場合、通信制御部230は、自機が親機から子機に切り替わるために必要なパケットの送受信を通信部105に実行させる。
親機監視部231は、グループ内通信先(他の通信端末装置)が親機であるか否かを監視する機能を有する。親機監視部231がネットワーク91上の親機の存在を監視するためには、ネットワーク91上の親機の存在を検索する動作を伴う。
親機監視部231が実現する機能と近似する技術として、例えば、特開2011-135608号公報には、無線LAN装置(通信端末装置)の起動時などにおいて、存在する親機(親機となりうる装置)を検索する機能が提案されている。親機監視部231が、ネットワーク91上の親機の存在を検索する原理は、このような従来技術を採用して実現することができる。
しかし、このような従来技術は、通信端末装置が自機の通信を確立できない可能性が高い状況、あるいは、現実に確立できていない状況において、親機を探索する技術である。すなわち、このような技術は、いわゆる「緊急時」に実施されるものであって、すでに通信が確立しており、安定したデータ通信が達成されている場合に実施される処理ではない。
これに対して、親機監視部231による親機の監視は、緊急時はもちろん、通常時も継続的に実行される。すなわち、親機監視部231による親機の検索は、通常時にも実行される。ここに言う「通常時」とは、自機が親機として正常に動作している場合、または、自機に対する親機がすでに確認されている場合など、すでに通信端末装置10が正常なデータ通信を実施できているときである。
親機監視部231は、通信相手判定部233により、自機が受信した情報に基づいて、当該受信した情報の送信元が他の通信端末装置(グループ内通信先)であるか否かを判定する。
具体的には、まず、親機情報202に自機が受信した情報が含まれるか否かを判定する。自機が受信した情報は、自機以外の通信端末装置(グループ内送信先またはグループ外送信先)によって送信された情報である。このような情報に基づいて親機情報202が作成されている場合とは、自機以外の通信端末装置が親機として存在していることを示している。
したがって、親機情報202に自機が受信した情報が含まれている場合、通信相手判定部233は、当該受信した情報を参照して、当該受信した情報の送信元を示す識別情報を取得する。さらに、通信相手判定部233は、取得した識別情報が端末識別情報211に含まれている場合に、当該受信した情報の送信元がグループ内通信先であると判定する。グループ内通信先から受信した情報が親機情報202に含まれている場合、親機監視部231は、当該グループ内通信先から受信した情報に示されている親機を親機として認識し、グループ内送信先(他の通信端末装置)が親機であると判断する。
一方、通信相手判定部233は、取得した識別情報が端末識別情報211に含まれていない場合に、当該受信した情報の送信元がグループ外通信先であると判定する。グループ外通信先から受信した情報に示されている親機は、グループ外通信先である蓋然性が高い。例えば、通信端末装置21から受信した情報に示される親機(通信端末装置20)は、やはりグループ外通信先である。したがって、グループ外通信先から受信した情報が親機情報202に含まれている場合であっても、親機監視部231は、当該グループ外通信先から受信した情報に示されている親機を親機として判定せずに無視する。なお、親機監視部231は、当該グループ外通信先から受信した情報に示されている親機をブラックリスト208に登録する。このとき、親機監視部231は当該グループ外通信先から受信した情報を親機情報202から削除してもよい。
また、親機監視部231は、グループ内通信先が親機であるか否かを監視することにより、複数の親機が存在するか否かを検出する。そして、親機監視部231は、複数の親機の存在を検出したときに、その旨を示す信号(以下、「併存検出信号」と称する。)を切替部232に伝達する。ここで、「複数の親機の存在を検出したとき」とは、通信端末装置10が親機動作モードのときは自機以外の親機の存在を検出したときであり、通信端末装置10が子機動作モードのときは自機が登録されている親機以外の親機の存在を検出したとき(あるいは、複数のグループ内通信先が親機であると判断したとき)である。なお、本実施の形態における親機監視部231は、設定情報201に含まれる監視許可フラグ205が「0(許可)」のときにのみ、通常時における監視を実行する。
また、親機監視部231は、タイマ部104に待機時間207をセットして検索経過時間を計測させる機能と、セットした待機時間207をリセットする機能とを有する。
切替部232は、詳細は順次説明するが、通信端末装置10の動作モードを、親機として動作する親機動作モードと、子機として動作する子機動作モードとの間で切り替える機能を有する。また、切替部231は、通信端末装置10が子機動作モードで動作しているときに、自機が登録されている親機を他の親機に切り替える機能を提供する。すなわち、切替部232は、動作モード切替機能と、子機にとっての親機切替機能とを有している。
切替部232は、自機が親機動作モードで動作しているときに、親機監視部231が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の判定基準情報203と自機以外の親機の判定基準情報203とに基づいて、自機の親機動作モードを子機動作モードに切り替える。より詳細には、切替部232は、親機動作モードで動作しているときに、併存検出信号が伝達されると、検出された親機の判定基準情報203(MACアドレス)を親機情報202から取得して、自機の判定基準情報203(MACアドレス)と比較し、自機の方が親機としての優先順位が低い場合に、自機を子機動作モードに切り替える。
自機を子機動作モードに切り替えるとき、まず、切替部232は、設定情報201に設定されているモード識別子204を「1」に書き替える。そして、切替部232は、速やかに通信端末装置10(自機)を再起動させる。
また、切替部232は、タイマ部104からのタイムアップ信号があったときに、モード識別子204を「0」に書き替えて、速やかに通信端末装置10(自機)を再起動させる。このようにして、切替部232は、検索経過時間が待機時間207を超えたときに、通信端末装置10の動作モードを親機動作モードに切り替える。
ただし、子機専用の通信端末装置13,14,15における切替部232は、親機動作モードで動作することがないため、このような動作モードの切り替え機能は有していない。すなわち、動作モードを、親機動作モードと子機動作モードとの間で切り替える機能は、通信端末装置10,11,12における切替部232が備える機能である。
さらに、切替部232は、子機動作モードで動作しているときに、併存検出信号が伝達されると、検出された親機の判定基準情報203(MACアドレス)と自機が登録されている親機の判定基準情報203(MACアドレス)とをそれぞれ親機情報202から取得して比較する。そして、自機が登録されている親機の方が親機としての優先順位が低い場合に、親機切替信号を通信制御部230に伝達する。なお、切替部232は、親機切替信号を生成するときに、自機が登録されている親機をブラックリスト208に登録する。
以上が情報通信システム1の構成および機能の説明である。次に、情報通信システム1における情報通信方法について説明する。
図4ないし図6は、情報通信システム1による情報通信方法を示す流れ図である。なお、図4ないし図6に示す処理が開始されるまでに、それぞれの通信端末装置10,11,12,13,14,15において必要となる設定情報201をそれぞれ作成し、それぞれの記憶装置101に記憶させる工程を、すでに完了しているものとする。また、それぞれの通信端末装置10,11,12,13,14,15における設定情報201の監視許可フラグ205および切替許可フラグ206の初期値は、必要に応じて工事担当者によって、すでに書き替えられているものとする。
図4に示す処理を開始すると、通信端末装置10,11,12,13,14,15のCPU100は、まずモード識別子204を参照して、子機動作モードで起動するか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1における判定は、モード識別子204の値が「1」か否かを判定することにより実現できる。なお、通信端末装置13,14,15のモード識別子204は「1」に固定されているため、通信端末装置13,14,15のCPU100は、ステップS1において必ず「Yes」と判定する。
モード識別子204が「0」であり、子機動作モードで起動しない場合(ステップS1においてNo。)、通信端末装置10は、親機動作モードで起動する。親機動作モードで起動した通信端末装置10は、次に、図6に示す処理を実行するが、詳細は後述する。
モード識別子204が「1」であり、子機動作モードで起動する場合(ステップS1においてYes。)、通信端末装置10は、子機動作モードで起動する。
通信端末装置10が子機動作モードで起動した場合、通信端末装置10は、ネットワーク91上の親機を見つける必要がある。したがって、ステップS1においてYesと判定すると、親機監視部231は、待機時間207をタイマ部104にセットし、タイマ部104に検索経過時間の計測を開始させる。これにより、タイマ部104は、セットされた待機時間207が経過したときに、そのタイミングで、タイムアップ信号を切替部232に伝達する。
ステップS1においてYesと判定されると、通信制御部230は、通信部105が受信した情報に基づいて、親機が存在するか否かを判定する(ステップS2)。なお、ステップS2(起動時)における親機の検索手順は、例えば、従来の技術を用いることができるため詳細な説明は省略する。ただし、ステップS2において存在が確認される親機は、グループ内通信先に限定されるものではなく、グループ外通信先である場合もある。
親機の存在を確認できない場合(ステップS2においてNo。)、切替部232は、タイマ部104からのタイムアップ信号の伝達の有無により、待機時間207(検索経過時間)が経過したが否かを判定する(ステップS7)。
待機時間207が経過していなければ、タイムアップ信号が伝達されることはない。したがって、切替部232は、ステップS7においてNoと判定する。その場合、CPU100は、ステップS2に戻って処理を繰り返す。すなわち、子機動作モードで起動した通信端末装置10,11,12は、ステップS7を実行することにより、設定されている待機時間207が経過するまでは、親機動作モードに切り替わることはない。
先述のように、本実施の形態における通信端末装置10,11,12,13,14,15では、待機時間207は、固定値(共通値)と自機のMACアドレスとの和となっており、固有の値となるように設定されている。すなわち、ステップS7における検索経過時間のタイムアップ(親機を検索しつつ待機している時間が待機時間207を超える状態)となるタイミングは、それぞれの通信端末装置10,11,12,13,14,15において異なる。したがって、情報通信システム1に電源が投入され、それぞれの通信端末装置10,11,12,13,14,15がほぼ同時に起動されたとしても、ステップS7における判定が「Yes」となるタイミングは一致しないことが期待される。
これにより、ネットワーク91上に親機が存在しない状態(例えば、設置時の初期状態)で、親機としての機能を有する通信端末装置10,11,12が同時に起動したとしても、待機時間207の値が最も小さいものが最初に親機動作モードに切り替わる。そして、通信端末装置10,11,12のうちのいずれか1つでも親機に切り替われば、以後、他の装置においてステップS7における判定が「Yes」となることはない(ステップS2における判定が「Yes」となる。)。したがって、情報通信システム1は、従来の技術のように、何ら対策がされていない場合に比べて、複数の通信端末装置10,11,12が同時に親機に切り替わることを抑制することができる。
また、本実施の形態において、通信端末装置10,11,12のうち、待機時間207の値が最も小さいもの(最初に親機動作モードに切り替わるもの)とは、MACアドレスの値が最も小さいものである。そして、MACアドレスの値が最も小さいものとは、本実施の形態における情報通信システム1では、親機としての優先順位が最も高いものである。このように、親機としての優先順位が高いものが先に親機として切り替わるように設定すれば、後の処理における親機の交代頻度を抑制することにもなる。
なお、本実施の形態における待機時間207は、固定値(共通値)と自機のMACアドレスとの和であると説明した。一方で、自機のMACアドレスは、判定基準情報203に含まれる情報として設定情報201に格納されている。したがって、待機時間207として共通の固定値を格納しておき、親機監視部231が、固定値の待機時間207と判定基準情報203に示される自機のMACアドレスとの和をタイマ部104にセットするように構成してもよい。
すでに待機時間207が経過している場合(ステップS7においてYes。)、切替部232は、自機以外の親機を監視する処理が許可されているか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8は、切替部232が監視許可フラグ205を参照し、当該監視許可フラグ205が「0」か否かを判定することにより実現できる。
監視許可フラグ205が「1」の場合(ステップS8においてNo。)、通信端末装置10,11,12(CPU100)は、ステップS2からの処理に戻る。この場合、通信端末装置10,11,12であっても、切替部232は、動作モードを「親機動作モード」に切り替えることはない。
詳細は後述するが、親機としての機能を有する通信端末装置10,11,12は、自機が親機動作モードのときにおいても自機以外の親機の存在を監視する機能を有している。そして、自機よりも親機としての優先順位の高い装置が親機として検出された場合には、複数の親機の存在を解消するために、通信端末装置10,11,12は子機動作モードに切り替わる。
しかし、自機以外の親機の存在を監視する機能が許可されていない通信端末装置10,11,12を親機動作モードに切り替えると、当該通信端末装置10,11,12は、当然、自機以外の親機の存在を監視することができない。そして、複数の親機の存在を検出することができない通信端末装置10,11,12は、例え、複数の親機が存在する状態になっていたとしても子機動作モードに移行することができない。そこで、通信端末装置10,11,12は、ステップS8により、自機以外の親機の存在を監視する機能が許可されていない場合には、親機動作モードに切り替わることがないように制限する。
これにより、情報通信システム1は、ネットワーク91上に無秩序に親機が増加することを防止することができる。なお、ステップS8の判定を設ける代わりに、親機動作モードに切り替えるときに、必ず、監視許可フラグ205を「0」に書き替える工程を追加してもよい。この場合は、例え、何らかの理由で一時的に親機が増加する事態が生じても、時間の経過とともに、優先順位の低い通信端末装置10,11,12が子機動作モードに自動的に切り替わり、複数の親機が存在する状態は解消される。
監視許可フラグ205が「0」の場合(ステップS8においてYes。)、切替部232は、さらに、動作モードの切り替えが許可されているか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9は、切替部232が切替許可フラグ206を参照し、当該切替許可フラグ206が「0」か否かを判定することにより実現できる。
切替許可フラグ206が「1」の場合(ステップS9においてNo。)、通信端末装置10(CPU100)は、ステップS2からの処理に戻る。この場合、通信端末装置10,11,12であっても、切替部232は、動作モードを「親機動作モード」に切り替えることはない。
このように、情報通信システム1では、切替許可フラグ206を用いることにより、各通信端末装置10,11,12,13,14,15に対して動作モードの切替の可否を予め設定しておくことができる。そして、切替部232が、適宜、この設定(切替許可フラグ206)を確認することにより、通信端末装置10,11,12,13,14,15の動作モードが無秩序に切り替わることを抑制することができる。
これまでの説明で理解できることであるが、すべての通信端末装置10,11,12において、監視許可フラグ205および切替許可フラグ206が初期値「1」のままで設置されると、親機動作モードに切り替わる通信端末装置10,11,12は出現しない。したがって、情報通信システム1を設置するときには、事前に工事担当者が通信端末装置10,11,12のうちの少なくとも1つを選択して、監視許可フラグ205および切替許可フラグ206の値を「0」に変更する必要がある。
このような作業は、例えば、工事担当者が通信端末装置10,11,12の操作部102を操作することにより可能である。すなわち、情報通信システム1は、設置時に、工事担当者に設定作業を要求することになる。これは一見すると、工事担当者に負担を強いるものである。
ここで、監視許可フラグ205および切替許可フラグ206の初期値を、共に、「1(不許可)」とする点について説明する。
まず、監視許可フラグ205が「0(許可)」に設定されていると、ネットワークが正常に運用されているときにおいても、頻繁に、親機の併存状態を監視する処理(この処理は子機においても実行される。)が発生することになり、オーバーヘッドが増加する。したがって、監視許可フラグ205が「0」に設定される装置の数は、可能な限り少ない方が好ましいという事情がある。
また、1つのネットワークを構成することを意図して設計される情報通信システム1において、通常時における親機は、本来、1つであることが望まれる。それにも関わらず、複数の通信端末装置10,11,12に、親機として動作することを許可する(切替許可フラグ206を「0」とする。)と、許可されている装置(親機候補)が増加する分だけ、親機が併存する状況が生じやすくなるというおそれがある。1つの親機への絞り込みが例え自動的に実行されるとしても、その期間は通常のデータ通信ができない状況となるので、好ましくない。
また、すべての通信端末装置10,11,12が親機となり得る状況では、最終的に1つに限定されるとしても、いずれが最終的な親機となるかが不確定という問題がある。情報通信システム1において、意図しない装置が親機となった場合、当初予定していた性能が達成されないおそれもある。
また、本実施の形態における情報通信システム1は、オフィスビルなどに設置される業務用のシステムを想定している。このような情報通信システム1の設置には、比較的大規模な工事を伴う。したがって、この設置作業を行う者は、一般のユーザではなく、通常は、専門的な知識を有する工事担当者である。すなわち、情報通信システム1の設置作業には、専門家である工事担当者が立ち会うものと想定される。したがって、例え、通信端末装置10,11,12のうちの少なくとも1つに対する設定作業(フラグの初期値を書き替える作業)を工事担当者に課したとしても、同じ作業を一般的なユーザに課す場合に比べれば、それほど大きな負担となるものではない。
そこで、本実施の形態における情報通信システム1は、先述のように、通信端末装置10,11,12の監視許可フラグ205および切替許可フラグ206の初期値が、共に、「1(不許可)」とされており、設置時に工事担当者によって設定作業を行うように構成されている。ただし、すでに述べたように、図4ないし図6に示す工程が開始されるまでに、当該設定作業は終了している。
なお、工事担当者の負担を軽減するという目的を重視するのであれば、情報通信システム1において、通信端末装置10,11,12の監視許可フラグ205および切替許可フラグ206の初期値を「0」とすることも、もちろん可能である。このように構成した場合、工事担当者が特に設定作業を行わなくても、情報通信システム1は、充分な時間の経過後に、通信端末装置10,11,12のうちのいずれか1つだけが親機動作モードで動作している状態に収束する。
あるいは、情報通信システム1は、通信端末装置として必ず親機動作モードで起動する装置を含むように設計してもよい。例えば、多数の照明機器を通信端末装置10,11,12,13,14,15として備えるとともに、親機動作モードでのみ動作するコントローラを通信端末装置として備えていてもよい。新規設置時の最初の起動では、そのようなコントローラが故障している蓋然性は低いと言える。したがって、新規設置時において、コントローラは正常に起動することが期待でき、コントローラのみが親機となるため、親機の乱立が生じることはなく、比較的早期に運用を開始することができる。
その後、ネットワーク91が落ち着いたタイミングで、当該コントローラが通信端末装置10,11,12の監視許可フラグ205および切替許可フラグ206の値を自動的に(あるいは選択的に)「0」に書き替えれば、当該コントローラの故障時には、通信端末装置10,11,12が親機動作モードに切り替わるように構成することができる。さらに、コントローラの親機としての優先順位を最高順位として設定しておけば、当該コントローラの復旧時には、代理的に親機動作モードで動作している通信端末装置10,11,12が子機動作モードに切り替わるように構成することができる。
また、本実施の形態における情報通信システム1は、業務用のシステムを想定していると説明した。しかし、本発明は業務用のシステムに限定されるものではない。家庭用のシステムとしても適用可能である。
図4に戻って、切替許可フラグ206が「0」の場合(ステップS9においてYes。)、切替部232は、モード識別子204を「0」に書き替える(ステップS10)。そして、モード識別子204を書き替えた後、切替部232は、速やかに通信端末装置10を再起動する(ステップS11)。ステップS11によって再起動された通信端末装置10は、ステップS1の処理に戻る。
すでに説明したように、モード識別子204にセットされた値は、通信端末装置10の再起動によっても失われることはない。したがって、ステップS10,S11が実行された直後にステップS1を実行すると、モード識別子204が「0」にセットされているため、ステップS1においてNoと判定される。ステップS1においてNoと判定された後の処理については後述する。
なお、図4に示す処理では、ステップS8,S9においてNoと判定されたときに、ステップS2の処理に戻って再び親機を探索する処理に戻ると説明した。しかし、ステップS8,S9が実行されるときには、すでに待機時間207が経過している(ステップS7においてYes)。したがって、ステップS8またはステップS9においてNoと判定されたときには、CPU100はエラー処理(例えば、タイムアウト表示)を実行して動作を停止してもよい。特に、親機に切り替わることのない通信端末装置13,14,15においては、ステップS9においてYesと判定されることはない。したがって、ステップS9においてNoと判定される度にステップS2に戻ると、無限ループとなるおそれがある。
次に、図4のステップS2においてYesと判定された場合について説明する。ステップS2においてYesと判定される場合とは、通信端末装置10が子機動作モードであり、かつ、自機と通信可能な親機が存在している場合である。
ステップS2においてYesと判定すると、通信制御部230は、通信部105が受信した情報に基づいて、存在が確認された親機に関する親機情報202を作成する(ステップS3)。通信制御部230は、受信した情報に親機に関する情報が含まれている場合に、当該親機に関する情報を親機情報202に含めることによりステップS3の処理を実行する。受信した情報には、送信元を識別するための識別情報が格納されている。したがって、ステップS3において作成される親機情報202には、当該送信元の識別情報を含めることができる。
なお、ステップS3において作成される親機情報202は、親機情報202として完成されたものでなくてもよい。すなわち、ステップS3が実行されるまでに収集することができた一部の情報に基づいて、一旦、過渡的な親機情報202が作成されてもよい。また、すでに説明したが、このとき存在が確認される親機は、グループ内通信先に限られるものではなく、グループ外通信先であることもある。
ステップS3が実行されると、次に、親機監視部231は、親機情報202に、自機が受信した情報が含まれるか否かを判定する。ただし、ステップS3が実行される場合とは、自機は子機であるため、親機情報202には自機の情報(受信した情報ではない。)は含まれていない。すなわち、このときの親機情報202は、必ず受信した情報が含まれている。親機情報202に受信した情報が含まれている場合は、当該受信した情報に基づいて存在が確認された親機の識別情報(MACアドレス)を取得する。次に、親機監視部231は、取得した当該親機の識別情報が、ブラックリスト208に登録されているか否かを判定する(ステップS4)。
存在が確認された親機のMACアドレスがブラックリスト208に格納されている場合(ステップS4においてYes。)、親機監視部231は、存在が確認された親機は、自機の親機として適切ではないと判断する。この場合、CPU100は、親機の存在が確認されなかった場合と同様に、すでに説明したステップS7からの処理を実行する。
存在が確認された親機のMACアドレスがブラックリスト208に格納されていない場合(ステップS4においてNo。)、通信相手判定部233は、存在が確認された親機が情報通信システム1を構成するメンバーか否かを判定する(ステップS5)。第1の実施の形態における通信相手判定部233は、存在が確認された親機から取得した当該親機のMACアドレスが端末識別情報211に格納されているか否かを判定することによってステップS5の処理を実行する。
存在が確認された親機のMACアドレスが端末識別情報211に格納されていない場合(ステップS5においてNo。)、親機監視部231は、存在が確認された親機は、自機の親機として適切ではないと判断する。
第1の実施の形態のステップS2において存在が確認された親機のMACアドレスが端末識別情報211に格納されていない場合とは、当該親機が、ネットワーク91に接続された装置(自機と同じグループを構成する装置)ではなく、グループ外通信先であることを意味する。
すでに説明したように、情報通信システム1では、クロストークが発生することがある。クロストークは自機とグループ外通信先との間の通信である。したがって、クロストークによる通信先が親機として確認されると、当該親機はグループ外通信先であって、情報通信システム1を構成する通信端末装置10,11,12,13,14,15のいずれでもない。例えば、通信端末装置10が子機として起動した時(ステップS2実行時)に、グループ外通信先を親機として認識すると、通信端末装置10は当該親機に対する子機として登録される。この場合、当該通信端末装置10は、グループ外通信先となる。
したがって、通信相手判定部233がステップS5においてNoと判定すると、親機監視部231は、このとき存在が確認された親機のMACアドレスをブラックリスト208に追加して(ステップS6)、親機の存在が確認されなかった場合と同様に、すでに説明したステップS7からの処理を実行する。これにより、情報通信システム1は、起動時にクロストークが発生していても、通信端末装置10,11,12,13,14,15がグループ外通信先となることを防止することができる。
一方、存在が確認された親機のMACアドレスが端末識別情報211に格納されている場合(ステップS5においてYes。)、親機監視部231は、当該親機がグループ内通信先であると判断する。ステップS5においてYesと判定されると、通信制御部230は、通信部105を制御して、検出された親機に対して、自機を子機として登録するように要求するパケットを送信させる。これにより、通信端末装置10から当該親機に対して登録要求がされる(図5:ステップS21)。
なお、ステップS2において存在が確認された親機は、いわゆる「早い者勝ち」で検出された親機である。すなわち、この時点で、すでに複数の親機がネットワーク91上に存在した場合であっても、ステップS21において登録要求がされる親機は、通信端末装置10,11,12のうち最も早く検出された親機である。ただし、通信端末装置10,11,12において、すでに複数の親機を検出している場合には、ホップ回数や通信品質などによって優劣を決定してもよい。
ステップS21が実行されて、通信端末装置10が無事に親機に登録されると、当該通信端末装置10は子機としての処理(子機処理)を開始する(ステップS22)。言い替えれば、通信端末装置10は、ステップS22を実行することにより、ネットワーク91上で、PLCにおける子機として機能する。
なお、通信端末装置10が新しい親機に登録されている状態では、さらに別の親機に登録を要求することはない。すなわち、通信端末装置10が正常な親機に登録された後は、ブラックリスト208に登録された親機(不適切な親機)に、再度登録されるおそれは低下する。したがって、通信端末装置10は、自機が新たな親機に登録されたときに、ブラックリスト208に登録されている親機を削除してもよい。ただし、ブラックリスト208からの削除のタイミングはこれに限定されるものではない。通信端末装置10は、親機をブラックリスト208へ登録してから所定の時間が経過したときに、当該親機をブラックリスト208から削除してもよい。あるいは、親機が1つも検出されない場合に、ブラックリスト208をクリアしてもよい。
次に、通信端末装置10は、ステップS22において受信した情報に基づいて、親機情報202を作成(更新)する(ステップS23)。
なお、ステップS23において、通信端末装置10は、従来の子機処理(ステップS22)では得られない情報を、別途、要求し、収集するようにしてもよい。すなわち、親機情報202は、従来の子機処理が実行されることにより取得された情報に限定されるものではない。例えば、ネットワーク91上の親機の判定基準情報203が、従来の子機処理だけでは得られない場合も想定し得る。このような場合には、ステップS23において当該親機に対して判定基準情報203を送信するように要求し、これに対する応答として得られた情報(ステップS23において得られた情報)に基づいて、親機情報202を作成してもよい。
また、従来の技術である子機処理においても親機に関する情報を収集し、親機に関するデータベースを作成する処理が行われる場合がある。このように、従来の技術において作成された情報も親機情報202として兼用してもよい。すなわち、ステップS22において親機情報202が完成されるような場合には、必ずしも別途独立してステップS23が実行されなくてもよい。
また、詳細は後述するが、通信端末装置10は、ステップS22,S23を繰り返し実行する。しかし、通信端末装置10がステップS23を実行するタイミングにおいて、親機情報202とすべき新しい情報が必ず存在するとは限らない。したがって、例えば、必要な情報が得られていないと判定した場合、通信端末装置10は、ステップS23において親機情報202を作成しない場合がある。
ステップS23を実行すると、通信端末装置10は、ネットワーク91を離脱するか否かを判定する(ステップS24)。
離脱する場合(ステップS24においてYes。)、通信端末装置10は、離脱する旨を自機の親機に通告する(離脱パケットを親機に向けて送信する。)。これにより、通信端末装置10は、自機が子機として登録されていた親機の子機リストから削除される。離脱した通信端末装置10は、ステップS1に戻り、新たな親機の検索を開始する。なお、離脱するときに、通信端末装置10は、離脱する前に自機が登録されていた親機をブラックリスト208に登録してもよい。
通信端末装置10が離脱しない場合(ステップS24においてNo。)、親機監視部231は、自機以外の親機を監視する処理が許可されているか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25は、親機監視部231が監視許可フラグ205を参照し、当該監視許可フラグ205が「0」か否かを判定することにより実現できる。
監視許可フラグ205が「1」の場合(ステップS25においてNo。)、通信端末装置10(CPU100)は、ステップS22に戻り、子機処理を継続する。この場合、通信端末装置10は、自機が登録されている親機以外に他の親機が存在しているか否かを確認することはない。このように、情報通信システム1は、通信端末装置10において監視許可フラグ205を設けることによって、通常時に他の親機を監視することによるオーバーヘッドの発生を抑制することができる。
監視許可フラグ205が「0」の場合(ステップS25においてYes。)、親機監視部231は、親機情報202を参照して、自機が登録されている親機以外に他の親機が存在しているか否かを確認する(ステップS26)。ステップS26は、親機情報202を参照して実行することができる。
このように、通信端末装置10は、子機動作モードで動作しているときに、自機が登録されている親機以外の他の親機が存在しているか否かを確認することができる。すなわち、通信端末装置10は、複数の親機が存在していることを検出することができる。なお、ステップS26は、通信端末装置10が新たにパケットを送信して、他の親機を検索する処理を含んでいてもよい。すなわち、ステップS26における判定は、ステップS23において作成される親機情報202だけに頼らなくてもよい。
他の親機が存在していない場合(ステップS26においてNo。)、通信端末装置10(CPU100)は、親機の併存状態は生じていないと判断し、ステップS22に戻り、子機処理を継続する。この場合、通信端末装置10は、自機が登録されている親機を変更することはない。このように、通信端末装置10は、自機が登録されている親機以外に他の親機が存在しない場合(親機の併存状態が生じていない場合)には、通常の子機処理を継続する。
他の親機が存在している場合(ステップS26においてYes。)、通信相手判定部233は、ステップS26において存在が確認された他の親機の識別情報と、端末識別情報211とに応じて、当該親機がグループ内通信先(他の通信端末装置)であるか否かを判定する(ステップS27)。
通信相手判定部233がステップS27においてNoと判定すると、当該判定結果に基づいて、親機監視部231は、自機が登録されている親機以外の親機がグループ内通信先の中に存在しないと判定する。言い換えれば、ステップS26において存在が確認された親機は、グループ外通信先(例えば通信端末装置20)であると判定する。
このとき、親機監視部231は、親機の併存状態はネットワーク91上では生じていないと判断し、ステップS22に戻り、子機処理を継続する。この場合も、通信端末装置10は、自機が登録されている親機を変更することはない。このように、通信端末装置10は、自機が登録されている親機以外の他の親機が検出された場合であっても、当該検出された親機がネットワーク91上に存在しない場合には、ネットワーク91上での親機の併存状態が生じていないと判断することができ、通常の子機処理を継続する。したがって、例えクロストークによって通信端末装置20が検出された場合であっても、通信端末装置10が通信端末装置20に登録されることはない。
通信相手判定部233がステップS27においてYesと判定すると、当該判定結果に基づいて、親機監視部231は、自機が登録されている親機以外の親機がグループ内通信先の中に存在すると判定し、併存検出信号を切替部232に伝達する。
子機動作モードで動作しているときに、併存検出信号が伝達されると、切替部232は、併存するすべての親機の判定基準情報203をそれぞれ親機情報202から取得して比較する。そして、自機が登録されている親機よりも優先順位が高い親機が存在するか否かを判定する(ステップS28)。すでに説明したように、本実施の形態では、判定基準情報203はMACアドレスであり、MACアドレスの小さい順に、親機としての優先順位が高いものとする。
ステップS28においてNoの場合、通信端末装置10(CPU100)は、ステップS22に戻り、子機処理を継続する。この場合、通信端末装置10は、自機が登録されている親機を変更することはない。このように、通信端末装置10は、自機が登録されている親機よりも優先順位の高い親機がネットワーク91上に他に存在しない場合には、通常の子機処理を継続する。
ステップS28においてYesの場合、切替部232は、親機切替信号を生成して通信制御部230に伝達するとともに、優先順位が最も高い親機以外の親機をブラックリスト208に登録する(ステップS29)。なお、親機切替信号が伝達された通信制御部230は、登録されていた親機との関係を解除するためのパケットを送受信するように通信部105を制御する。これにより、通信端末装置10と、優先順位が低い親機との関係は解消される。
ステップS29が実行されると、通信端末装置10は、ステップS21に戻る。このとき実行されるステップS21において、通信端末装置10(通信制御部230)は、優先順位の最も高い親機に対して、自機を子機として登録するように要求する。
なお、優先順位の最も高い親機は、親機切替信号とともに切替部232から通信制御部230に伝達されてもよい。あるいは、優先順位の低い親機はすべてブラックリスト208に登録されているため、通信制御部230は、単に、登録要求パケットをブロードキャストしてもよい。
このように、情報通信システム1は、ネットワーク91において複数の親機が存在する状況を検出したとき、親機からの解除を待つことなく、親機としての優先順位の高い親機に子機を登録することができる。これにより、新たな親機と子機との間の通信を確立するまでの時間が短縮することができ、親機を変更する子機の復帰に要する時間を短縮することができる。
ここまでが、主に、通信端末装置10が子機動作モードで動作する場合の処理である。次に、通信端末装置10が親機動作モードで動作する場合の処理について説明する。通信端末装置10が親機動作モードで動作する場合とは、図4に示すステップS1においてNoと判定された場合である。そして、ステップS1においてNoと判定された場合とは、通信端末装置10が起動したときに、モード識別子204が「0」であった場合である。
ステップS1においてNoと判定された場合、通信端末装置10は、親機処理を実行する(図6:ステップS31)。
親機処理が終了すると、通信制御部230は、親機情報202を作成(更新)する(ステップS32)。ステップS32は、ステップS23と同様である。
次に、親機監視部231は、自機以外の親機を監視する処理が許可されているか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33は、ステップS25と同様に、親機監視部231が監視許可フラグ205を参照し、当該監視許可フラグ205が「0」か否かを判定することにより実現できる。
監視許可フラグ205が「1」の場合(ステップS33においてNo。)、通信端末装置10(CPU100)は、ステップS31に戻り、親機処理を継続する。この場合、通信端末装置10は、自機が登録されている親機以外に他の親機が存在しているか否かを確認することはない。このように、情報通信システム1は、通信端末装置10において監視許可フラグ205を設けることによって、親機動作モードにおいても、通常時に他の親機を監視することによるオーバーヘッドの発生を抑制することができる。
監視許可フラグ205が「0」の場合(ステップS33においてYes。)、親機監視部231は、親機情報202を参照して、自機以外に他の親機が存在しているか否かを確認する(ステップS34)。ステップS34は、親機情報202を参照して実行することができる。
このように、通信端末装置10は、親機動作モードで動作しているときに、自機以外にも他の親機が存在しているか否かを確認することができる。すなわち、通信端末装置10は、複数の親機が存在していることを検出することができる。なお、ステップS34は、ステップS26と同様に、通信端末装置10が新たにパケットを送信して、他の親機を検索する処理を含んでいてもよい。すなわち、ステップS34における判定は、ステップS32において作成される親機情報202だけに頼らなくてもよい。
他の親機が存在していない場合(ステップS34においてNo。)、通信端末装置10(CPU100)は、ステップS31に戻り、親機処理を継続する。この場合、通信端末装置10は、親機動作モードを切り替えることはない。このように、通信端末装置10は、自機以外に他の親機が存在しない場合(親機の併存状態が生じていない場合)には、通常の親機処理を継続する。
他の親機が存在している場合(ステップS34においてYes。)、通信相手判定部233は、ステップS34において存在が確認された他の親機の識別情報と、端末識別情報211とに応じて、当該親機がグループ内通信先(他の通信端末装置)であるか否かを判定する(ステップS35)。
通信相手判定部233がステップS35においてNoと判定すると、当該判定結果に基づいて、親機監視部231は、他の親機がグループ内通信先の中に存在しないと判定する。言い換えれば、ステップS34において存在が確認された親機は、グループ外通信先(例えば通信端末装置20)であると判定する。
このとき、親機監視部231は、親機の併存状態はネットワーク91上では生じていないと判断し、ステップS31に戻り、親機処理を継続する。この場合、通信端末装置10は、親機動作モードを切り替えることはない。このように、通信端末装置10は、親機動作モードで動作しているときに、自機以外の他の親機が検出された場合であっても、当該検出された親機がネットワーク91上に存在しない場合には、ネットワーク91上での親機の併存状態が生じていないと判断することができ、親機処理を継続する。したがって、例えクロストークによって通信端末装置20が検出された場合であっても、通信端末装置10が子機動作モードに遷移することはない。
クロストークは、ネットワーク91に、他のネットワーク92内の通信信号が混入することによって発生する。例えば、ネットワーク91におけるケーブルがアンテナのように、他のネットワーク92上の信号(例えば通信端末装置20の信号)を拾った場合である。また、例えば、ネットワーク91に無線が利用されているときに、通信端末装置20によって送信された電波を通信端末装置10が受信した場合などにおいてもクロストークが発生する。
図7ないし図10は、通信端末装置20,21,30,31の動作モードが切り替わる様子を例示する図である。図7ないし図10において、通信端末装置30,31は、親機の併存状態を検出して、適宜、親機動作モードと子機動作モードとの間で自機の動作モードの切り替えを行う機能を有している。通信端末装置30,31を実現する技術として、例えば、特開2018-191116号公報に記載されている技術を用いることができる。
なお、図7ないし図10における4つのボックスは、通信端末装置20,21,30,31をそれぞれ示している。
また、図7ないし図10におけるボックス内の数字は、個々の通信端末装置20,21,30,31の符号を示す。すなわち、「M30」のうちの「30」は、当該ボックスが通信端末装置30であることを示している。
また、図7ないし図10におけるアルファベットは、個々の通信端末装置20,21,30,31の動作モードを示す。すなわち、「M」は「親機動作モード」で動作していることを示し、「T」は「子機動作モード」で動作していることを示す。
また、図7ないし図10において、アスタリスクを付した通信端末装置30,31は、動作モードの切り替えが許可されていることを示す。一方で、アスタリスクが付されていない通信端末装置20,21は、動作モードの切り替えが許可されていないことを示す。なお、図7ないし図10に示す例では、通信端末装置30,31において、親機の監視は許可されているものとする。
また、図7ないし図10において、ハッチングがされていないボックスは、親機または子機としての登録が完了していない状態(未登録状態)を示す。一方、ハッチングされたボックスは、親機または子機としての登録が完了している状態を示す(ただし、最終的な登録状態とは限らない。)。また、同一のハッチングがされたボックスは、共通の親機のグループに属することを示す。
さらに、図7ないし図10に示す例において、通信端末装置20,21,30,31のそれぞれのMACアドレスは、個々の装置の符号であるものとする。すなわち、通信端末装置30のMACアドレスは、「30」として説明する。
図7は、通信端末装置30が親機として登録され、他の通信端末装置31が通信端末装置30の子機として登録されていることを示している。すなわち、図7は、ネットワーク93において、1つの親機として通信端末装置30だけが存在し、通常時のPLCネットワークがすでに完成している状態を示している。また、図7は、ネットワーク92上において、通信端末装置20が親機として登録され、通信端末装置21が通信端末装置20の子機として登録されていることを示している。さらに、図7に示す状態において、ネットワーク92とネットワーク93との間でクロストークは生じていないものとする。
図8は、図7に示す状態から、ネットワーク92とネットワーク93との間でクロストークが生じた直後の状態を示している。以下の説明では、通信端末装置20と通信端末装置30との間で通信が可能な状態になったものとして説明する。ただし、クロストークは意図しない通信であるため、本来は、どの装置間で成立するか予測不能である。
通信端末装置30は、親機動作モードで動作しているときに、親機動作モードで動作している通信端末装置20を認識すると、通信端末装置20を自機以外の親機と認識し、親機の併存状態が生じていると判定する。すなわち、クロストークが生じたことによって、通信端末装置20と通信端末装置30との間で通信が成立すると、通信端末装置30は親機の併存状態を検出する。
親機の併存状態を検出した通信端末装置30は、併存する複数の親機を1つに絞るために、残留させる1つの親機を選択する。ここでは、通信端末装置30は、自機のMACアドレス「30」と、通信端末装置20のMACアドレス「20」とを比較して、自機以外の親機である通信端末装置20の方が親機としての優先順位が高いと判断する。すなわち、残留すべき親機は通信端末装置20であると判断する。したがって、通信端末装置30は、自機に登録している子機(通信端末装置31)を解除し、自機の動作モードを子機動作モードに変更する。
図9は、通信端末装置30が子機に遷移した状態を示している。図9に示すように、通信端末装置30を表すボックスのアルファベットは「T」に変化しており、通信端末装置30は子機動作モードに移行している。また、通信端末装置30,31は、登録が解除されたために、未登録状態(ハッチングがされていない状態)で示されている。未登録状態となった通信端末装置30,31は、親機の検索を開始しつつ、新たな親機が検出されるまで待機する状態となる。
クロストークは通信端末装置20と通信端末装置30との間で発生している。したがって、通信端末装置30は通信端末装置20(残留した親機)に対して登録を要求することになる。一方、通信端末装置31は、通信端末装置20との間で通信を行うことができないので、通信端末装置20を親機として検出することができない。したがって、通信端末装置31は自機の動作モードを親機動作モードに変更し、親機に遷移する。
図10は、通信端末装置30,31の登録が完了した状態を示す図である。図10に示すように、通信端末装置30は、通信端末装置20の子機として登録され、ネットワーク92に組み込まれている。ただし、図10において、ネットワーク92のうちクロストークによって論理的に接続された部分を実線で示しているが、電力線で物理的に接続されているわけではなく、不安定な通信である。
一方、通信端末装置31は、親機となりネットワーク93に留まっているが、通信端末装置30とは分断されている。図10の状態においても、通信端末装置30と通信端末装置31との間は電力線で物理的に接続されており通信は成立するが、当該通信は、ネットワーク92とネットワーク93との間のクロストークとみなされる。
図7と図10とを比較すれば明らかなように、通信端末装置30,31では、クロストークが発生すると、本来は別のグループを形成するように設計されたネットワーク93を設計通りに維持することができない。
なお、ホッピング等により通信端末装置31が通信端末装置30を介して通信端末装置20と通信を行うことが可能であれば、通信端末装置31も通信端末装置20に対して登録を要求することになる。この場合は、通信端末装置20,21,30,31は、一つのネットワーク92に統合されることになる。いずれにしても、図7に示すネットワーク93の状態を維持することはできない。
従来、PLCに接続された複数の通信端末装置20,21,30,31を、複数のネットワーク92,93にグループ化することはあまり想定されていなかった。すなわち、PLCを採用する情報通信システムにおいてクロストークが発生すると、ネットワーク93が本来別のグループに分けられるべきネットワーク92と統合されてしまうという特有の問題は従来は想定されていなかった。しかし、通信端末装置の多様化や、通信端末装置の爆発的な増加等により、PLCに接続される通信端末装置を複数のネットワークにグループ化するニーズが生じてきたために、上記問題が新たな課題として発生してきた。
特に、PLCにおいては、信号を伝達するために用いられるケーブルは電力線である。電力線は、通信専用のケーブルに比べれば、構造的にも雑信号に対する対策が甘く、クロストークが発生しやすいという事情がある。また、施設内において、電力線は複数本束ねた状態で敷設されることが普通に行われる。このような敷設状態の場合、異なるグループのネットワークを構成する電力線が互いに近接した状態で、比較的長距離並行配置された状態となる。このような電力線特有の敷設状態によっても、PLCはクロストークが発生しやすいという事情がある。
しかし、すでに説明したように、第1の実施の形態における情報通信システム1では、例えクロストークによってグループ外通信先である通信端末装置20が親機として検出された場合であっても、親機動作モードで動作している通信端末装置10が子機動作モードに遷移することはない。したがって、通信端末装置10がグループ内通信先以外の通信端末装置20を親機と認識することにより、ネットワーク91が他のネットワーク92と統合されることを防止することができる。
図6に戻って、通信相手判定部233がステップS35においてYesと判定すると、当該判定結果に基づいて、親機監視部231は、自機以外の親機がグループ内通信先の中に存在すると判定し、併存検出信号を切替部232に伝達する。親機動作モードで動作しているときに、併存検出信号が伝達されると、切替部232は、自機以外のすべての親機の判定基準情報203をそれぞれ親機情報202から取得し、設定情報201に格納されている自機の判定基準情報203と比較する。そして、自機よりも優先順位が高い親機が存在するか否かを判定する(ステップS36)。
ステップS36においてNoの場合、通信端末装置10(CPU100)は、ステップS31に戻り、親機処理を継続する。この場合、通信端末装置10は、子機動作モードに切り替わることはない。このように、通信端末装置10は、例え、親機の併存状態が生じていたとしても、自機よりも優先順位の高い親機が他に存在しない場合には、通常の親機処理を継続する。
これにより、情報通信システム1では、最も優先順位の高い親機の子機動作モードへの切り替えは禁止されている。したがって、例えば、すべての通信端末装置10,11,12において、子機動作モードへの切替が許可されていたとしても、故障などの不測の事態でもない限り、少なくとも1つの親機は存続することになる。
ステップS36においてYesの場合、切替部232は、親機切替信号を生成して通信制御部230に伝達する。なお、親機切替信号が伝達された通信制御部230は、登録されているすべての子機との関係を解除するためのパケットを送受信するように通信部105を制御する。これにより、通信端末装置10は、自機に登録されていた子機との関係を解除する(ステップS37)。
ステップS37が実行されると、切替部232は、モード識別子204を「1」に書き替え(ステップS38)、通信端末装置10を再起動する(ステップS39)。
ステップS39によって通信端末装置10が再起動されると、当該通信端末装置10は、ステップS1に戻る。このとき実行されるステップS1において、モード識別子204は「1」である。したがって、通信端末装置10は子機動作モードで起動し、ステップS1においてYesと判定されることになる。このように、ネットワーク91上において親機の併存状態が検出されたとき、親機動作モードで動作していた通信端末装置10は、親機としての優先順位が低ければ、子機動作モードに切り替えられる。
以上のように、ネットワーク91に接続され、ネットワーク91を介して他の通信端末装置11,12,13,14,15(グループ内通信先)との間でデータ通信を行う通信端末装置10は、親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有し、親機動作モードと子機動作モードとの間で動作モードを切り替えるための基準となる設定情報201に、自機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報203を含めて記憶する記憶装置101と、自機が受信した情報に基づいて、当該受信した情報の送信元がグループ内通信先であるか否かを判定する通信相手判定部233と、通信相手判定部233による判定結果に応じて、グループ内通信先が親機であるか否かを監視する親機監視部231とを備え、親機監視部231は、親機として検出されたグループ内通信先における判定基準情報203を取得する。また、通信端末装置10は、自機が親機動作モードで動作しているときに、親機監視231が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の判定基準情報203と親機監視部231により親機として検出されたグループ内通信先における判定基準情報203とに基づいて、自機の親機動作モードを子機動作モードに切り替える切替部232をさらに備える。
これにより、通信端末装置10,11,12は、親機動作モードで動作しているときにクロストークが生じた場合であっても、ネットワーク92上の通信端末装置20を、ネットワーク91上の親機と誤認することによって子機動作モードに遷移することを防止することができる。すなわち、親機の意図しない淘汰を防止することができる。したがって、グループ内通信先以外の通信端末装置20を親機と誤認することにより、ネットワーク91が他のネットワーク92と統合されることを防止することができる。
また、通信端末装置10は、子機動作モードで動作しているときであって、自機が登録されている親機が親機動作モードで動作しているときに、親機監視部231が通信相手判定部233による判定結果に応じて、当該自機の親機以外の親機がグループ内通信先の中に存在するか否かを監視するとともに、自機の親機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報203(第1判定基準情報)と自機の親機以外の親機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報203(第2判定基準情報)とを取得する切替部232とを備える。そして、親機監視部231により自機の親機以外の親機が存在すると判定されたときに、第1判定基準情報と第2判定基準情報とに基づいて、自機の親機または自機の親機以外の親機のいずれか一方を自機に対する親機として決定する。
これにより、通信端末装置10,11,12,13,14,15は、子機動作モードで動作しているときにクロストークが生じた場合であっても、ネットワーク92上の通信端末装置20を、ネットワーク91上の親機(自機の親機以外の親機)と誤認することによって自機の親機から離脱することを防止することができる。したがって、グループ内通信先以外の通信端末装置20を親機と誤認することにより、ネットワーク91が他のネットワーク92と統合されることを防止することができる。
また、通信端末装置10,11,12,13,14,15の記憶装置101は、他の通信端末装置(グループ内通信先)を個別に識別するための端末識別情報211を記憶しており、通信相手判定部233は、記憶装置101に記憶されている端末識別情報211に、受信した情報に含まれる送信元を識別するための識別情報が含まれているか否かに応じて、当該受信した情報の送信元がグループ内通信先であるか否かを判定する。これにより、送信元がグループ内通信先か否かを容易に判定することができる。
なお、上記説明では、判定基準情報203(MACアドレス)の小さい方の親機を、親機としての優勢順位が高いものとして判定した。しかし、判定基準情報203(MACアドレス)の大きい方の親機を、親機としての優先順位が高いものとして判定してもよい。
また、上記説明では、子機として起動したときに、当該子機がステップS5を実行すると説明した。すなわち、発見された親機がグループ内通信先であるか否かの認証を、子機の通信相手判定部233が行う手順で説明した。しかし、グループ内通信先であるか否かの認証は、親機において行われてもよい。例えば、起動した子機は、ステップS2において、判定基準情報203(自機のMACアドレス)を含む登録要求を送信する。この登録要求を受信した親機の通信相手判定部233は、端末識別情報211と照合して、当該子機がグループ内通信先である場合にのみ登録を許可するように構成してもよい。子機は、このような許可を得た場合にステップS2において、親機が存在したとしてYesと判定するようにしてもよい。
<2. 第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、端末識別情報211に応じて、親機から受信した情報(親機情報202)の送信元がグループ内通信先であるか否かを判定した。しかし、受信した情報の送信元がグループ内通信先であるか否かを判定するための情報は、これらの情報に限定されるものではない。
図11は、第2の実施の形態における通信端末装置16が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。第2の実施の形態における通信端末装置16は、通信相手判定部233の代わりに通信相手判定部234を備える点が、第1の実施の形態における通信端末装置10と異なっている。以下の説明では、通信端末装置16の構成のうち、通信端末装置10と同様の構成については同符号を付し、説明は適宜省略する。ただし、厳密には、第1の実施の形態におけるプログラム200と、第2の実施の形態におけるプログラム200とは同一ではないが同符号を用いて説明する。
第2の実施の形態における記憶装置101は、設定情報201と異なる設定情報209を記憶している。設定情報209は、端末識別情報211の代わりに親機候補識別情報212を含んでいる点が設定情報201と異なっている。
親機候補識別情報212は、親機動作モードを有し、ネットワーク91内でグループ内通信先の親機として動作する可能性のある通信端末装置10,11,12の識別情報(MACアドレス)である。具体的には、端末識別情報211は、「10,11,12,13,14,15」であったが、親機候補識別情報212は、「10,11,12」である。
通信相手判定部234は、CPU100がプログラム200に従って動作することにより実現される機能ブロックである。通信相手判定部234は、通信相手判定部233が端末識別情報211を参照する状況において、端末識別情報211の代わりに親機候補識別情報212を参照する。
通信相手判定部233が端末識別情報211を参照する場合とは、親機情報202から取得した識別情報(グループ内通信先における、いずれかの親機を示す情報)を用いる場合である。したがって、親機として動作することのない通信端末装置13,14,15の識別情報は、端末識別情報211において増長であった。
これに対して、通信相手判定部234は、親機候補識別情報212を参照するため、記憶装置101に記憶させておく情報量を抑制することができる。
以上のように、第2の実施の形態における通信端末装置16の記憶装置101は、他の通信端末装置(グループ内通信先)のうちの親機候補を個別に識別するための親機候補識別情報212を記憶している。そして、通信端末装置16は、記憶装置101に記憶されている親機候補識別情報234に、受信した情報に含まれる送信元を識別するための識別情報が含まれているか否かに応じて、当該受信した情報の送信元がグループ内通信先であるか否かを判定する通信相手判定部234を備える。これにより他の通信端末装置のすべての識別情報を記憶する場合に比べて、記憶する情報量を抑制することができる。
<3. 第3の実施の形態>
上記実施の形態では、端末識別情報211または親機候補識別情報212に応じて、親機から受信した情報(親機情報202)の送信元がグループ内通信先であるか否かを判定した。しかし、受信した情報の送信元がグループ内通信先であるか否かを判定するための情報は、これらの情報に限定されるものではない。
図12は、第3の実施の形態における通信端末装置17が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。第3の実施の形態における通信端末装置17は、通信相手判定部234の代わりに通信相手判定部235を備える点が、第2の実施の形態における通信端末装置16と異なっている。以下の説明では、通信端末装置17の構成のうち、通信端末装置16と同様の構成については同符号を付し、説明は適宜省略する。ただし、厳密には、第2の実施の形態におけるプログラム200と、第3の実施の形態におけるプログラム200とは同一ではないが同符号を用いて説明する。
第3の実施の形態における記憶装置101は、設定情報209と異なる設定情報210を記憶している。設定情報210は、親機候補識別情報212の代わりにグループ識別情報213を含んでいる点が設定情報209と異なっている。
グループ識別情報213は、他の通信端末装置を他のグループの通信端末装置と識別するための情報である。第3の実施の形態におけるグループ識別情報213の値は、「1」である。
ネットワーク91内でグループ内通信先となる通信端末装置10,11,12の識別情報(MACアドレス)の上位桁(10の桁)の値は「1」である。一方で、他のグループの通信端末装置20の識別情報(MACアドレス)の上位桁(10の桁)の値は「2」である。したがって、グループ識別情報213として「1」を格納しておけば、受信した情報の送信元が、通信端末装置10,11,12であるか否かを判定することができる。
通信相手判定部235は、CPU100がプログラム200に従って動作することにより実現される機能ブロックである。通信相手判定部235は、通信相手判定部234が親機候補識別情報212を参照する状況において、親機候補識別情報212の代わりにグループ識別情報213を参照する。そして、受信した情報の送信元のMACアドレスの10の桁が、グループ識別情報213の「1」と一致するか否かを判定する。
このように、グループ内通信先において共通の情報であって、かつ、グループ内通信先において異なる情報を、グループ識別情報213として格納しておくことにより、記憶装置101に記憶させておく情報量を抑制することができる。
以上のように、第3の実施の形態における通信端末装置17の記憶装置101は、他の通信端末装置(グループ内通信先)を他のグループの通信端末装置と識別するためのグループ識別識別情報213を記憶している。そして、通信端末装置17は、記憶装置101に記憶されているグループ識別情報213と、受信した情報に含まれる送信元を識別するための識別情報とを照合することにより、当該受信した情報の送信元がグループ内通信先であるか否かを判定する通信相手判定部235を備えている。これにより、複数の通信端末装置に関する識別情報を記憶する場合に比べて、記憶する情報量を抑制することができる。
<4. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、上記実施の形態に示した各工程は、あくまでも例示であって、上記に示した順序や内容に限定されるものではない。すなわち、同様の効果が得られるならば、適宜、順序や内容が変更されてもよい。
また、上記実施の形態に示した機能ブロック(例えば、親機監視部231や切替部232)は、CPU100がプログラム200に従って動作することにより、ソフトウェア的に実現されると説明した。しかし、これらの機能ブロックの一部または全部を専用の論理回路で構成し、ハードウェア的に実現してもよい。
また、判定基準情報203となる数値は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、自機の所属するネットワークに登録されている子機の通信品質の最悪値であってもよい。この場合、判定基準情報203の数値が小さい方の親機としての優先順位を高く判定する。これにより、通信品質の最悪値が大きい方を子機動作モードに切り替えることができるため、最終的に構築されるネットワーク91における通信品質の最悪値を抑制することができる。なお、通信品質としては、リトライ回数、ノイズレベル、通信速度などを適宜収集し、採用することができる。また、これらに、適宜、重みづけを行ってから判定してもよい。
あるいは、自機が所属するネットワークにおける親機が親機としての動作を開始してから経過した時間を判定基準情報203としてもよい。この場合、判定基準情報203の数値が大きい方の親機としての優先順位を高く判定することが好ましい。これにより、経過時間が小さい方を子機動作モードに切り替えることができ、親機としてすでに安定的に動作している親機を優先的に維持することができる。
また、あるいは、通信端末装置の製造年月日を判定基準情報203としてもよい。その場合は、製造年月日の新しい通信端末装置の優先順位が高くなるように構成することが好ましい。新しい通信端末装置の方が、古いものに比べて、一般に故障するリスクが低い。したがって、製造年月日の新しい通信端末装置を優先的に親機として残留させることにより、子機に比べて重要な親機を安定させることができる。
また、上記実施の形態では、複数の親機が同時に存在していることを検出した場合に、いずれかの親機が子機に切り替わると説明した。しかし、親機が子機に切り替わる契機はこれに限定されるものではない。例えば、親機動作モードで動作している通信端末装置10のリトライ回数が増加するなど、親機の性能低下のおそれがあるときには、通信端末装置10が自機の動作モードを子機動作モードに切り替えてもよい。すなわち、最低限度の性能を閾値として設定情報201として記憶しておき、実際の性能値を当該閾値と比較することにより、動作モードを切り替えてもよい。また、あるいは、親機として動作する期間と順番とを設定情報201として記憶しておき、当該期間が経過したときに、親機が自機を子機動作モードに切り替えてもよい。すなわち、親機を、いわゆる輪番制にしてもよい。このように構成した場合であっても、自機が親機のときに、自機の親機としての適正を判定して、自動的に、子機動作モードに切り替わることができる。したがって、不適切な親機が親機として存続することを抑制できる。
1 情報通信システム
10,11,12,13,14,15,16,17,20,21,30,31 通信端末装置
100 CPU
101 記憶装置
102 操作部
103 表示部
104 タイマ部
105 通信部
200 プログラム
201,209,210 設定情報
202 親機情報
203 判定基準情報
204 モード識別子
205 監視許可フラグ
206 切替許可フラグ
207 待機時間
208 ブラックリスト
211 端末識別情報
212 親機候補情報
213 グループ識別情報
230 通信制御部
231 親機監視部
232 切替部
233,234,235 通信相手判定部
91,92,93 ネットワーク

Claims (9)

  1. ネットワークに接続され、前記ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行う通信端末装置であって、
    親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有し、
    前記親機動作モードと前記子機動作モードとの間で動作モードを切り替えるための基準となる適正情報に、自機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報を含めて記憶する記憶手段と、
    自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、
    前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する親機監視手段と、
    前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における判定基準情報を取得する取得手段と、
    自機が前記親機動作モードで動作しているときに、前記親機監視手段が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の前記判定基準情報と前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における前記判定基準情報とに基づいて、自機の前記親機動作モードを前記子機動作モードに切り替える切替手段と、
    を備える通信端末装置。
  2. 請求項1に記載の通信端末装置であって、
    前記記憶手段は、前記他の通信端末装置を個別に識別するための端末識別情報を記憶しており、
    前記通信相手判定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記端末識別情報に、前記受信した情報に含まれる送信元を識別するための識別情報が含まれているか否かに応じて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信端末装置。
  3. 請求項1に記載の通信端末装置であって、
    前記記憶手段は、前記他の通信端末装置のうちの親機候補を個別に識別するための親機候補識別情報を記憶しており、
    前記通信相手判定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記親機候補識別情報に、前記受信した情報に含まれる送信元を識別するための識別情報が含まれているか否かに応じて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信端末装置。
  4. 請求項1に記載の通信端末装置であって、
    前記記憶手段は、前記他の通信端末装置を他のグループの通信端末装置と識別するためのグループ識別識別情報を記憶しており、
    前記通信相手判定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記グループ識別情報と、前記受信した情報に含まれる送信元を識別するための識別情報とを照合することにより、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信端末装置。
  5. ネットワークに接続され、前記ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行う通信端末装置であって、
    子機として動作する子機動作モードを有し、
    自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、
    前記子機動作モードで動作しているときであって、自機が登録されている第1親機が親機として動作する親機動作モードで動作しているときに、前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記第1親機以外の第2親機が前記他の通信端末装置の中に存在するか否かを監視する親機監視手段と、
    前記第1親機の親機としての優先順位を判定する基準となる第1判定基準情報と前記第2親機の親機としての優先順位を判定する基準となる第2判定基準情報とを取得する取得手段と、
    を備え、
    前記親機監視手段により前記第2親機が存在すると判定されたときに、前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報とに基づいて、前記第1親機または前記第2親機のいずれか一方を自機に対する親機として決定する通信端末装置。
  6. ネットワークに接続された複数の通信端末装置を備える情報通信システムであって、
    前記通信端末装置は、
    親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有し、
    前記親機動作モードと前記子機動作モードとの間で動作モードを切り替えるための基準となる適正情報に、自機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報を含めて記憶する記憶手段と、
    自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記複数の通信端末装置のうちの自機以外の他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、
    前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する親機監視手段と、
    前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における判定基準情報を取得する取得手段と、
    自機が前記親機動作モードで動作しているときに、前記親機監視手段が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の前記判定基準情報と前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における前記判定基準情報とに基づいて、自機の前記親機動作モードを前記子機動作モードに切り替える切替手段と、
    を備える情報通信システム。
  7. ネットワークに接続され、前記ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行うコンピュータによる読み取り可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータを、
    親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有し、
    前記親機動作モードと前記子機動作モードとの間で動作モードを切り替えるための基準となる適正情報に、自機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報を含めて記憶する記憶手段と、
    自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、
    前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する親機監視手段と、
    前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置における判定基準情報を取得する取得手段と、
    自機が前記親機動作モードで動作しているときに、前記親機監視手段が自機以外の親機の存在を検出した場合に、自機の前記判定基準情報と前記親機監視手段により親機として検出された前記他の通信端末装置の前記判定基準情報とに基づいて、自機の前記親機動作モードを前記子機動作モードに切り替える切替手段と、
    を備える通信端末装置として機能させるプログラム。
  8. ネットワークに接続され、前記ネットワークを介して他の通信端末装置との間でデータ通信を行うコンピュータによる読み取り可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータを、
    子機として動作する子機動作モードを有し、
    自機が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、
    前記子機動作モードで動作しているときであって、自機が登録されている第1親機が親機として動作する親機動作モードで動作しているときに、前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記第1親機以外の第2親機が前記他の通信端末装置の中に存在するか否かを監視する親機監視手段と、
    前記第1親機の親機としての優先順位を判定する基準となる第1判定基準情報と前記第2親機の親機としての優先順位を判定する基準となる第2判定基準情報とを取得する取得手段と、
    を備え、
    前記親機監視手段により前記第2親機が存在すると判定されたときに、前記第1判定基準情報と前記第2判定基準情報とに基づいて、前記第1親機または前記第2親機のいずれか一方を自機に対する親機として決定する通信端末装置として機能させるプログラム。
  9. 親機として動作する親機動作モードと子機として動作する子機動作モードとを有する複数の通信端末装置による情報通信方法であって、
    前記複数の通信端末装置のそれぞれについて、前記親機動作モードと前記子機動作モードとの間で動作モードを切り替えるための基準となる適正情報に、自機の親機としての優先順位を判定する基準となる判定基準情報を含めて記憶する工程と、
    前記通信端末装置が受信した情報に基づいて、前記受信した情報の送信元が前記複数の通信端末装置のうちの他の通信端末装置であるか否かを判定する通信相手判定手段と、
    前記通信端末装置において、前記通信相手判定手段による判定結果に応じて、前記他の通信端末装置が親機であるか否かを監視する工程と、
    親機として検出された前記他の通信端末装置における判定基準情報を取得する工程と、
    前記通信端末装置が前記親機動作モードで動作しているときに、前記他の通信端末装置から親機を検出した場合に、前記通信端末装置の前記判定基準情報と親機として検出された前記他の通信端末装置の前記判定基準情報とに基づいて、前記通信端末装置の前記親機動作モードを前記子機動作モードに切り替える工程と、
    を有する情報通信方法。
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