JP2023170435A - 部品情報管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】組立時に部品の所在が分かり、部品の捜索時間を短縮することが可能な部品情報管理システムを提供する。【解決手段】管理対象部品に取り付けられた物流伝票から部品管理情報を読み取って組立計画を更新するデータベースを有し、該データベースに管理対象部品の設定部品形状情報を登録した状態で、該設定部品形状情報と部品管理情報とを関連付けてなる部品情報管理システムにおいて、可搬式の部品収納台に収納した管理対象部品の形状を検知する光学装置と、設定部品形状情報の表示及び選択が可能な表示選択部21aを有する携帯情報端末21とを備え、携帯情報端末は、選択された部品パーツ27の情報として設定部品形状情報(設計図面)を取得し、該設定部品形状情報と、管理対象部品の検知結果から特徴形状を含む部分を抽出した抽出部品形状情報とが近似する場合に、光学装置に付与された部品収納場所識別情報を表示選択部の表示領域28に表示させる。【選択図】図4
Description
本発明は、部品情報管理システムに関し、詳しくは、物流伝票と対をなして納入された部品の部品情報管理システムに関する。
建設機械などを組み立てる比較的規模の大きい組立工場では、部品納入業者から部品が納入されると、受付部門にて検収が行われ、組立機械ごとに必要な部品が部品台車に集められた後、組立ラインなどへ向けて出庫される。通常、部品には物流伝票(現品票)が取り付けられており、物流伝票に記載された部品特定事項(部品名、納入数など)や納入場所指定事項(納期、納入場所など)を確認すれば、その部品の取り扱いが容易に行えるものである。(例えば、特許文献1参照。)。
物流伝票には、部品を収納すべき部品収納台(部品台車)や、その棚の段数などが記載されているため、それらの情報により棚配膳が正しく行えるものである。しかしながら、多品種少量生産の組立作業を考えると、棚配膳に厳格性を求める必要はない場合もある。しかし、厳格でない配膳状態では、特に小物部品は捜索時間を費やしてしまうのが実情であり、ほどなくして欠品状態が判明すれば、結果的に組立作業が滞ってしまう。
そこで本発明は、組立時に部品の所在が分かり、部品の捜索時間を短縮することが可能な部品情報管理システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の部品情報管理システムは、管理対象部品に取り付けられた物流伝票から部品管理情報を読み取って組立計画を更新するデータベースを有し、該データベースに前記管理対象部品の設定部品形状情報を登録した状態で、該設定部品形状情報と前記部品管理情報とを関連付けてなる部品情報管理システムにおいて、可搬式の部品収納台に収納した前記管理対象部品の形状を検知する光学装置と、前記設定部品形状情報の表示及び選択が可能な表示選択部を有する携帯情報端末とを備え、前記携帯情報端末は、アプリケーションを実行して、選択された前記設定部品形状情報を取得し、該設定部品形状情報と、前記管理対象部品の検知結果から特徴形状を含む部分を抽出した抽出部品形状情報とが近似する場合に、前記光学装置に付与された部品収納場所識別情報を前記表示選択部に表示させることを特徴としている。
また、管理対象部品に取り付けられた物流伝票から部品管理情報を読み取って組立計画を更新するデータベースを有し、該データベースに前記管理対象部品の設定部品形状情報を登録した状態で、該設定部品形状情報と前記部品管理情報とを関連付けてなる部品情報管理システムにおいて、可搬式の部品収納台に収納した前記管理対象部品の形状を検知する光学装置を備え、前記部品管理情報の項目として、前記光学装置に付与された部品収納場所識別情報及び部品収納状態識別情報が設けられ、前記管理対象部品の検知結果から特徴形状を含む部分を抽出した抽出部品形状情報を取得し、前記抽出部品形状情報に近似する前記設定部品形状情報が特定された場合に、前記設定部品形状情報と関連付けられた前記部品管理情報に対して、前記部品収納状態識別情報を収納されていない状態から収納されている状態に更新し、前記抽出部品形状情報に近似する設定部品形状情報が特定されなくなった場合に、前記部品収納状態識別情報を前記収納されている状態から持ち出されている状態に更新することを特徴としている。
さらに、前記部品収納台は、棚板を複数段に配置した部品台車であり、前記部品収納場所識別情報は、前記棚板の段数を識別する情報を含むことを特徴としている。
本発明の部品情報管理システムによれば、収納状態の管理対象部品の形状を検知する光学装置を備え、携帯情報端末の操作によって、選択された設定部品形状情報(例えば設計図面)を取得し、該設定部品形状情報と、管理対象部品の検知結果から特徴形状を含む部分を抽出した抽出部品形状情報とが近似する場合に、光学装置に付与された部品収納場所識別情報を表示選択部に表示させるので、設計情報や組立情報などの各種データと現品とのマッチングをその場で行うことが可能となり、組立時に管理対象部品の所在が分かるようになる。すなわち、部品捜索に費やす時間を低減させることができる。
また、抽出部品形状情報に近似する設定部品形状情報が特定された場合に、部品収納状態識別情報を収納されていない状態から収納されている状態に更新し、抽出部品形状情報に近似する設定部品形状情報が特定されなくなった場合に、部品収納状態識別情報を収納されている状態から持ち出されている状態に更新するので、部品収納台に出入りする部品の状態を正確に判別することができる。すなわち、部品の出入りを見張ることで、タクトごとの作業進捗も容易に把握できるものとなり、生産性の向上、コスト削減をもたらすものである。
図1乃至図10は、本発明の一形態例における部品情報管理システムを建設機械(例えば杭打機)の製作に適用した図である。部品情報管理システム11は、図8に示すように、管理対象部品(図6)に取り付けられた物流伝票12(図7)からバーコードスキャナ13で部品管理情報(例えば部品番号、品名、工号など)を読み取って組立計画を更新する工場データベース14を有し、管理対象部品の設定部品形状情報(例えば設計情報として2次元図面15及び3次元図面16)を設計データベース17に登録した状態で、該設定部品形状情報15,16と部品管理情報とをデータベース上で関連付けたものである。
図8に示されるシステム構成図は、理解を容易にするために概念化した図であり、設計部品表(EBOM)と製造部品表(MBOM)とは、実質的に同一のものである。例えば、設計部品表は、3次元図面(3Dモデル)16の構成部品と整合が図られている。一方、製造部品表は、設計部品表に基づくものであるが、製作単位(発注単位)に組み替えられている。また、2次元図面15は、ボルト・ナットなどの規格品やピンなどの準規格品(自社設計部品)が含まれている。
各種図面の出図後、図面データは、例えば、バッチ処理がなされて、物流や製造に携わる工場部門が利用可能な中間フォーマット18,19に変換される。したがって、これらの中間フォーマット18,19と各図面データ(CADなどの元データ)15,16とは、実質的に同一のものである。
工場データベース14は、図9に示すように、工場内物流に関するテーブルを有している。図9(a)は、テーブルを構成する一行分のデータ(レコード)を、部品発注がなされた組立機械の工号(組立機械識別番号)に関連付けて表したものである。一つのレコードの中には、複数の項目(フィールド)が存在し、例えば、工号「3AB123」を基準に分類すると、管理対象部品ごとに部品番号「A」、品名「ブラケット」、数量「01」、納期「0408(4月8日)」、納入日「0405(4月5日)」、塗装仕掛かり日「0411(4月11日)」、出庫日「0415(4月15日)」、その他、図示は省略するが、組立仕掛かり日(ラインON日)、組立完成日(ラインOFF日)、工場出荷日などの各種情報が得られる。
こうしたテーブル情報は、例えば、物流伝票12のバーコードを読み取ったときに、納入日などの各種項目の内容が登録されて、組立計画(工場データベース14)が更新される。そして、納入された管理対象部品の部品識別情報である部品番号「A」、「B」、「C」が工場内物流の管理対象となる。また、部品番号に基づいて問い合わせをすれば、工場内における現在の状態が分かるようになっている。例えば、部品番号「A」を基準に分類することで、図9(b)に示すように、「3AB123」、「3AB456」、「3AB789」の3つの工号が同時に特定され、さらに、各工号において部品出庫状況や部品搬送先の特定も可能である。
これにより、例えば、工場データベース14に問い合わせた日付が4月26日である場合、工号「3AB123」、「3AB456」、「3AB789」はいずれも出庫済みであることが分かる。そして、部品搬送先識別情報とされる組立場所(組立工程に属する場所)「FC」には、前日である4月25日に出庫した工号「3AB789」の組立機械が置かれているものと想定される。このとき、工号「3AB123」、「3AB456」の各組立機械については、例えば、組立ライン上の先(次工程)に並んだ位置や、他の組立機械との関係で一つ飛び又は複数飛びの位置で置かれているものと想定される。
こうした工号に関連付けられる管理対象部品の各種部品管理情報は、データとして大量に蓄積されていくものであるが、日時や期間などの検索条件を考慮することで、管理対象から外れた部品、例えば出荷済みの組立機械に対応する部品が、表示上、フィルタリング(消去)される。
図10は、組立工程の進捗を示す管理図(ガントチャート)であって、工程ごとの組立が実施される期間を太い横棒で示している。このような日程計画は、工場データベース14に落とし込まれ、組立機械(工号)ごとの照会が可能とされており、各種工程ごと、例えば、組立順に設定されたFA工程、FB工程、FC工程、FD工程(サブ組立工程も含む)に細分化して用いられている。
例えば、図9(b)の部品管理情報において、工号「3AB123」、「3AB456」、「3AB789」の3台の組立機械が同一の仕様(同一の部品構成)であるものと仮定した場合、4月21日の時点で、工号「3AB456」の照会を行うと、図10の管理図に示すように、組立機械は、FC工程に属していることが分かる。このとき、工号「3AB123」の組立機械は、工号「3AB456」の組立機械よりも先に組立ラインに搬入されていることから、FC工程よりも後のFD工程に属しているものと想定される。一方、工号「3AB789」の組立機械は、4月21日の時点では、FC工程に対して部品出庫がなされていないことから、一つ前のFB工程に属しているものと想定される。このような場合、3台の組立機械は、例えば、それぞれ搬送台に乗せられた状態で、組立ラインの数十mの範囲に前後並んで置かれている。
また、部品管理情報の項目として設けられた部品搬送先識別情報は、図示は省略するが、テーブルを参照することで、一覧表として印刷が可能である。これにより、例えば、工号「3AB123」に使用される部品番号「B」は、搬送先「FA」として登録されたFA工程(図10)の組立場所に搬送すべきものであると分かるようになっている。こうした同一工号(組立機械1台分)における部品搬送先識別情報に基づいて、各種管理対象部品の仕分けや棚配膳などの必要な作業が行えるようになっている。
さらに、システム構成図(図8)に示すように、部品情報管理システム11は、可搬式の部品収納台(例えば部品パレット、部品台車など)に収納した管理対象部品の形状を検知する光学装置20と、設定部品形状情報15,16(18,19)の表示及び選択が可能な表示選択部(表示選択画面)21aを有する携帯情報端末21とを備えている。携帯情報端末21は、例えば、タブレット端末が採用され、後述する部品捜索アプリ(アプリケーション)がインストールされている。
ここで、管理対象部品(配管やブラケットなど)は、図6からも想像できるように、部品台車に集められると、混雑した配膳になりがちである。特に、単純な形状の小物部品では、部品捜索の最中に埋没したり、棚の隅に追われたりして事後的に部品台車の死角に入りやすく、他の部品と比べて捜索時間を費やすことが多くなる。そこで、部品情報管理システム11では、携帯情報端末21の部品捜索アプリを実行させて、組立時における部品の捜索時間を短縮することが可能になっている。
以下では、システム11の運用に用いられる部品台車22及び光学装置20についての詳細を、図1乃至図3を参照しながら説明する。
部品台車22は、長手方向(図1の左右方向)を有する直方体状に形成され、各種部品が収納される区画されたスペースとして棚板22aを4段に配置したもので、底部にはキャスター23及び足踏み式のブレーキペダル(図示せず)が設けられている。各棚板22aは、平面視で矩形状のトレイ(有底枠状のもの)からなり、高さ方向の位置が部品の出し入れを考慮して等間隔に設定されている。
4段目(最上段)の棚板22aには、見えやすい位置に台車標示板(図示せず)が設けられている。台車標示板は、組立計画(図10)に基づいて発行されるもので、基本的には、各部品台車22を特定することが可能な情報であって、例えば、台車番号、工号、組立仕掛かり日などが記入されている。ここで、台車番号は、例えば、工程名と同義であり、台車番号FAであれば、部品台車22が搬入されるFA工程、つまり、組立ラインなどの組立場所の識別表示として機能するものである。
2段目、3段目、4段目の各棚板22aの中央部下面には、直下の棚段(1段目、2段目、3段目)それぞれに対応した3つの光学装置20が設けられている。加えて、4段目の棚板22aに対応した光学装置20については、その棚板22aの中央部上方にスタンド24を介して設けられている。このようにして、4つの光学装置20は、高さ方向に一定間隔あけた整列状態で、各棚段にそれぞれ配備されている。
光学装置20は、無線通信機能を有し、部品台車22に搭載されたバッテリ(図示せず)から電源を得て作動するものである。このような光学装置20は、一例として3次元計測器が挙げられ、公知のスキャン技術を用いて、部品から反射したレーザ光を受けることで、部品形状情報を取得するものである。また、各光学装置20には、対応する棚板22aの段数を識別することが可能な部品収納場所識別情報、及び、棚板22aに対応する部品の状態を識別することが可能な部品収納状態識別情報が付与されている。
部品収納場所識別情報は、アルファベットや記号などに数字を付加したものである。例えば、部品収納場所識別情報「FA-03」は、設定された台車番号FAの部品台車22において、3段目の棚板22aを表す文字列である。部品収納状態識別情報は、詳細については後述するが、棚板22aに対する部品の出入りの状況が分かる「出」、「入」、「未」などの文字や記号からなる。
光学装置20に付属のアプリケーションを実行すると、棚板22aに収納された管理対象部品がスキャンされる。ここで、管理対象部品25は、図3(a)に示すように、例えば、板材を曲げてL字状に形成したブラケットであって、4箇所のボルト孔(長孔)25aを有している。管理対象部品25のスキャンは、定期的なものであって、部品台車22に対する部品25の出入りに従って棚板22a内の1個あるいは複数個同時に実行されるものである。
また、光学装置20は、管理対象部品25のスキャンによって、図3(b)に示すように、部品25の検知結果である部品形状情報から特徴形状を含む部分を抽出した抽出部品形状情報26を取得する。特徴形状は、例えば、切断加工や曲げ加工など、部品25の素材を金属加工して得られる形状とされ、この形状が部品形状の変化点の要素として抽出される。そして、部品25が曲げ板からなるブラケットであれば、その特徴形状は、全体形状に対する曲げ形状25bの位置、曲げR、曲げ角度などの要素を総合した形状となる。
抽出部品形状情報26は、取得した部品形状情報において、部品25の一部を表す点である特徴点のうち同一部品を表していると想定される特徴点の集合を1つの点群とし、該点群を部品として抽出したものである。こうした点群データは、公知の数学的手法を用いて各点に、X軸、Y軸、Z軸の3次元座標の情報が付与されるとともに、座標変換がなされて3次元の最大寸法(Xmax,Ymax,Zmax)が取得される。こうして、抽出部品形状情報26は、点群データを単純化(圧縮)したデータファイルとして、サーバにアップロードされる。
以下では、部品捜索アプリの機能及び操作方法について、図4を参照しながら説明する。まず、納入された各種部品は、受付部門の検収にて部品管理情報が読み取られた後、組立機械(工号)ごとに複数の部品台車22に配膳される。このとき、部品台車22の全ての部品は、配膳の際に光学装置20によって抽出部品形状情報26が取得される。そして、棚配膳の段階(部品出庫前)において、取得した各種部品の抽出部品形状情報26とこれに対応する部品収納場所識別情報(部品台車・棚段)及び部品収納状態識別情報(収納されている状態)とがデータベース上で関連付けられる。
携帯情報端末21は、例えば、組立ラインの作業者に貸与されたもので、作業者は、ログインしてメニュー画面から作業項目を選択することにより、組立手順書(例えば3Dビューワ)を起動させる。この組立手順書は、アニメーション表示や部品図の表示などが可能であって、拡張機能として部品捜索アプリが適用されている。そして、組付け先の対象物(例えば機体フレーム)を目の前にして、組立手順書を参照しながら、複数の部品台車22の中から組付け対象の部品を探すことになる。図4は、組立工程として原動機の搭載に付随する工程(艤装)を取り上げて示すものであるが、例えば、ライン搬入前のサブ組立工程や、1つの場所で組み立てる各種工程にも適用される。
ここで、表示選択部21aに表示された部品アッセンブリ(3Dモデル)のうち、所望の部品パーツ27をタッチ操作で選択すると、部品パーツ27が他のパーツよりも目立つようにハイライト表示(強調表示)される。これと同時に、部品捜索アプリの検索機能によって、選択された部品パーツ27の情報、つまり、設定部品形状情報19を取得し、該設定部品形状情報19と、抽出部品形状情報26とが近似する場合に、部品収納場所識別情報を表示選択部21aに表示させる。具体的には、抽出部品形状情報26の最大寸法及び特徴形状に関する座標データを特徴量(マッチング処理用データ)とし、この特徴量に基づいて、3次元図面(3Dモデル)19との間でマッチング処理を行い、互いに近似する抽出部品形状情報26の複数の候補を参照データとして特定する。このとき、3次元図面19に対して参照データの座標(X,Y,Z)及び回転角度θを変化させながら、各参照データにおいて特徴形状の位置する領域の近似度を評価し、最も近似する参照データを特定する。
最も近似する参照データ、つまり、形状が特定された抽出部品形状情報26には、データベース上で台車番号及び棚板22aの段数に関する部品収納場所識別情報が関連付けられているため、携帯情報端末21の表示選択部21a、例えば、ポップアップした表示領域28に、台車番号「FC」の部品台車22において4段目「04」の棚板22aにあるものと特定した文字列「FC-04」を表示させる。この部品収納場所識別情報を手がかりにして台車番号FCの部品台車22を目指せば、棚板22aの4段目から選択した部品パーツ27を探し出せるようになる。
ここで、組立機械1台分の部品の流れに注目すると、各種部品は、棚配膳してから組み付けがなされるまでの間、工場データベース14にて管理がなされ、問い合わせをすれば、現在の状態を把握することが可能である。
組立計画(図10)に基づいて台車標示板が発行されると、図5(a)に模式的に示すように、搬送先の工程「FA」、「FB」、「FC」を対象とした複数の部品台車22が設定される。すなわち、各部品台車22には、部品収納場所識別情報「FA-01~04」、「FB-01~04」、「FC-01~04」がそれぞれ設定される。このとき、同一工程に複数の部品台車22を設定する場合には、台車番号に追番(図示せず)が付与される。
また、図5(b)に示すように、テーブル情報には、部品管理情報の項目として、台車番号及び棚番号(部品収納場所識別情報)、収納の状態(部品収納状態識別情報)が設けられている。例えば、任意の工号「3AB123」について問い合わせをすると、部品番号ごとに現在の部品収納状態に関する情報が得られる。具体的には、部品番号「A」のブラケットは、部品収納場所識別情報「FC」及び「04」、部品収納状態識別情報「入」と表されているので、台車番号FCの部品台車22において、4段目の棚板22aに収納されている状態と分かる。
この「入」と表された収納状態は、管理対象部品25の定期的なスキャンによって抽出部品形状情報26が取得された後(図3)、該抽出部品形状情報26に近似する設定部品形状情報18,19が特定された場合に、設定部品形状情報18,19と関連付けられた部品管理情報に対して、収納の状態(部品収納状態識別情報)を収納されていない「未」状態から収納されている「入」状態に更新して表されたものである。
例えば、部品番号「G」のスプリングは、部品収納状態識別情報「未」と表されているので、部品台車22の棚板22aに対して、未だ収納されていない状態と分かる。この場合、台車番号及び棚番号の項目に表された「N/A」は、設定部品形状情報(部品番号「G」の設計図面)18,19に対応した抽出部品形状情報(参照データ)26が一度も特定されていない状態を示している。
一方、棚に部品が存在していない状態であっても、部品番号「B」のピンは、部品収納場所識別情報「FA」及び「03」、部品収納状態識別情報「出」と表されているので、台車番号FAの部品台車22において、3段目の棚板22aに収納されていたが、現在は持ち出されて存在していない状態と分かる。
この「出」と表された持ち出し状態は、管理対象部品25の定期的なスキャンによって、抽出部品形状情報26に近似する設定部品形状情報18,19が特定されなくなった場合に、収納の状態(部品収納状態識別情報)を収納されている「入」状態から持ち出されている「出」状態に更新して表されたものである。
管理対象部品25の収納状態を表す情報は、表示「未」、「入」に基づいて、部品番号や数量などが間違っていないかの検査(検品)に用いられ、さらには、組立完了に合わせて任意の工号に対応する部品番号、つまり、表示「出」となった部品番号を一括で取得した後、データ更新時に付与されたそれぞれの履歴(時刻)に基づいて、組立の工数を定量的に把握し、組立工程ごとに分析を行うための情報として用いられる。
このように、本発明の部品情報管理システム11によれば、収納状態の管理対象部品25の形状を検知する光学装置20を備え、携帯情報端末21の操作によって、選択された設定部品形状情報(例えば設計図面18,19)を取得し、該設定部品形状情報18,19と、管理対象部品25の検知結果から特徴形状(例えば曲げ形状25b)を含む部分を抽出した抽出部品形状情報26とが近似する場合に、光学装置20に付与された部品収納場所識別情報を表示選択部21aに表示させるので、設計情報や組立情報などの各種データと現品とのマッチングをその場で行うことが可能となり、組立時に管理対象部品25の所在が分かるようになる。すなわち、部品捜索に費やす時間を低減させることができる。
また、抽出部品形状情報26に近似する設定部品形状情報18,19が特定された場合に、部品収納状態識別情報を収納されていない「未」状態から収納されている「入」状態に更新し、抽出部品形状情報26に近似する設定部品形状情報18,19が特定されなくなった場合に、部品収納状態識別情報を収納されている「入」状態から持ち出されている「出」状態に更新するので、部品収納台に出入りする部品の状態を正確に判別することができる。すなわち、部品の出入りを見張ることで、タクトごとの作業進捗も容易に把握できるものとなり、生産性の向上、コスト削減をもたらすものである。
さらに、部品収納台が棚板22aを複数段に配置した部品台車22であり、部品収納場所識別情報が棚板22aの段数を識別する情報であるため、作業者の身体的特徴(目線の高さなど)の違いによって部品捜索の仕方にばらつきが生じるのを防止できる。すなわち、機動性の高い部品台車22の利点を維持しながら、組立作業の効率化、適正化、作業者の熟練度に頼らない作業の平準化までも実現することができる。とりわけ、特徴形状に管理対象部品25の素材を金属加工して得られる切断や曲げ形状25b、面取り形状などが含まれるので、類似部品の存在が多いブラケットやピンなどであっても、管理対象部品25の所在が容易に分かることから、部品情報管理システム11の信頼性を高めることができる。
加えて、設定部品形状情報18,19が設計段階で形成された2次元形状あるいは3次元形状に基づく情報であるので、2次元図面15や3次元図面(3Dモデル)16の活用が広く円滑に行えることから、工場内物流や組立まで含めたプロセスのデジタル化に寄与するものである。
なお、本発明は、前記形態例に限定されるものではなく、部品情報管理システムは、主に、既存の管理システムに組み込まれて運用できる構成であればよく、様々な業界の工場部門に向けた製作支援ツールとして適用することができる。また、可搬式の部品収納台は、機動的に扱える部品台車の他に部品パレットなども考えられ、これらの仕様(例えば棚板の段数など)は任意であって、例えば、市販品に後改造を施して用いることができる。さらに、光学装置の仕様、配置についても適宜変更することができ、撮像素子の視野角を用いて部品の形状を特定する3次元カメラなどを採用することができる。光学装置を部品収納台から離して設ける場合には、例えば、工場の天井、梁などに設けることができる。
加えて、設定部品形状情報は、2次元図面の形状や寸法値などを参照してもよく、例えば、長さ違いの部品(配管やピン)のような変動部のみの寸法値が表入力されたバリアント図なども含めることができる。もっとも、図面情報だけでなく部品表(リスト)があればその表示(例えば部品番号)を選択して部品収納場所識別情報を得ることも可能である。また、特徴形状には素材そのものの形状(板厚など)や、孔の形状、数などの要素についても考慮することができ、場合によっては素材表面に施したレーザーマーキング(刻印)などの微細な溝加工を含めてもよい。
さらに、アプリケーション処理についても適宜変更することができ、部品収納場所識別情報の伝達は画像や音声でなされてもよい。また、部品収納状態を表す情報を一括取得するには、専用ソフトを用いることができ、対象となる工号のデータを取り込んで組立時間の分析を行えば、問題視される工程の改善策を講じることが可能となり、製作支援のための強力なデータ分析ツールとして特に有効である。
11…部品情報管理システム、12…物流伝票(現品票)、13…バーコードスキャナ、14…工場データベース、15…2次元図面、16…3次元図面、17…設計データベース、18,19…中間フォーマット(図面)、20…光学装置(3次元計測器)、21…携帯情報端末、21a…表示選択部、22…部品台車、22a…棚板、23…キャスター、24…スタンド、25…管理対象部品、25a…ボルト孔、25b…曲げ形状、26…抽出部品形状情報、27…部品パーツ、28…表示領域
Claims (3)
- 管理対象部品に取り付けられた物流伝票から部品管理情報を読み取って組立計画を更新するデータベースを有し、該データベースに前記管理対象部品の設定部品形状情報を登録した状態で、該設定部品形状情報と前記部品管理情報とを関連付けてなる部品情報管理システムにおいて、
可搬式の部品収納台に収納した前記管理対象部品の形状を検知する光学装置と、前記設定部品形状情報の表示及び選択が可能な表示選択部を有する携帯情報端末とを備え、
前記携帯情報端末は、アプリケーションを実行して、選択された前記設定部品形状情報を取得し、該設定部品形状情報と、前記管理対象部品の検知結果から特徴形状を含む部分を抽出した抽出部品形状情報とが近似する場合に、前記光学装置に付与された部品収納場所識別情報を前記表示選択部に表示させることを特徴とする部品情報管理システム。 - 管理対象部品に取り付けられた物流伝票から部品管理情報を読み取って組立計画を更新するデータベースを有し、該データベースに前記管理対象部品の設定部品形状情報を登録した状態で、該設定部品形状情報と前記部品管理情報とを関連付けてなる部品情報管理システムにおいて、
可搬式の部品収納台に収納した前記管理対象部品の形状を検知する光学装置を備え、
前記部品管理情報の項目として、前記光学装置に付与された部品収納場所識別情報及び部品収納状態識別情報が設けられ、
前記管理対象部品の検知結果から特徴形状を含む部分を抽出した抽出部品形状情報を取得し、
前記抽出部品形状情報に近似する前記設定部品形状情報が特定された場合に、前記設定部品形状情報と関連付けられた前記部品管理情報に対して、前記部品収納状態識別情報を収納されていない状態から収納されている状態に更新し、
前記抽出部品形状情報に近似する設定部品形状情報が特定されなくなった場合に、前記部品収納状態識別情報を前記収納されている状態から持ち出されている状態に更新することを特徴とする部品情報管理システム。 - 前記部品収納台は、棚板を複数段に配置した部品台車であり、前記部品収納場所識別情報は、前記棚板の段数を識別する情報を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の部品情報管理システム。
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2022
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