JP2023169682A - 加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法 - Google Patents

加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リアルタイムで加熱炉の侵入空気量を定量化した上で、バーナの空気比を監視して、侵入空気の増加の時期を適切に判断して提示することで、侵入空気に起因する加熱炉の修復を早期に対応することが可能となる加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法を提供する。【解決手段】本発明は、バーナ5を用いて鋳片を所定の温度に加熱する加熱炉1の状況を監視してオペレータにガイダンスする方法において、正規の供給経路以外から加熱炉1内に侵入する侵入空気を考慮しつつバーナ5の空気比制御を実施し、バーナ5におけるバーナ空気比の経時変化から、バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測し、予測した時期をオペレータに提示する。【選択図】図4

Description

本発明は、加熱炉を制御する方法において、加熱炉内の侵入空気の状況を監視して、その状況をオペレータにガイダンスする方法に関する。
熱間圧延工程では、製鋼工程において製造した、スラブ・ビレット・ブルーム等の鋼材(鋳片)を加熱炉内で加熱し、下流側にある圧延機(粗圧延機、仕上げ圧延機)に送り、連続的に圧延を行うことで、圧延材を製造している。
加熱炉で鋼材を加熱するにあたっては、鋼材を加熱炉内に装入して圧延に適した温度まで昇温させている。炉内雰囲気の昇温は、炉内に備えられているバーナで行われるものとなっている。加熱炉では、バーナの空気比(バーナ空気比)を一定にするような制御が行われている。
なお、バーナ空気比とは、理論上で完全燃焼させるために必要な最小の空気量を「理論空気量」とした場合、この理論空気量に対して実際に供給する空気の比率のことである。
バーナ空気比を用いて炉内温度を制御するにあたっては、正規の供給経路以外から侵入空気が加熱炉内に入り込む場合があり、それを考慮して加熱炉内の状況を監視する必要がある。
加熱炉内の状況を監視する技術としては、例えば、特許文献1、2に開示されている。
特許文献1は、酸素濃度計の異常判定を目的として、排ガス中の酸素濃度を検知し、燃焼条件から算出される酸素濃度の差異を算出するとともに、検知された酸素濃度の応答遅れ時間を相関させておき、空気比が過剰に応答しないよう判定することとされている。
特許文献2は、1日単位での熱精算での調査項目をもとに燃料原単位の悪化要因を解明することを目的としている。この特許文献2では、排ガス中の酸素濃度と燃焼条件から算出される酸素濃度の差を侵入空気の影響と判断し、燃料原単位の悪化要因として特定することとされている。
特開2019-158268号公報 特開2019-173979号公報
さて、加熱炉のバーナ空気比は、炉内において未燃ガスやNOxの発生を防止するため、一定値となるように設定されているが、加熱炉の経年劣化に伴い、外部の空気が所定以外の場所から炉内へ入り込む侵入空気が発生するようになる。
その侵入空気の影響により、炉内の空気比が増加して炉内酸素濃度が高くなることが確認されている。そこで、炉内の空気比を一定に保持するため、例えばバーナ空気比を下げることで、炉内酸素濃度を一定にする制御を行うことがある。
ところが、加熱炉内での鋳片表面のスケール生成量は、炉内ガスの酸素濃度に大きく影響される。そのため、早期に侵入空気の箇所の修復、および、バーナの燃焼条件の見直しなどを実施し、加熱炉内への侵入空気量の増加を防止する必要がある。
特許文献1では、侵入空気を直接考慮するものではないため、侵入空気の影響による酸素濃度変動に対して、酸素濃度計は異常なしと判断されてしまう。そのため、酸素濃度が変動する要因を特定することはできない。すなわち、この技術では侵入空気の影響を見逃してしまう。その結果、侵入空気の箇所の特定や加熱炉の修復作業を行う時期の判断が遅れてしまう虞がある。
特許文献2では、1日単位での熱精算をもとに、排ガス中の酸素濃度と燃焼条件より算出される酸素濃度の差から、侵入空気の影響を原単位悪化要因として特定している。しかしながら、侵入空気が発生している加熱帯を特定することができないことに加え、さらにリアルタイムで侵入空気の影響を監視することができない技術である。そのため、侵入空
気量を考慮したバーナの燃焼条件を見直しすることができないといった大きな問題が存在する。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、リアルタイムで加熱炉の侵入空気量を定量化した上で、バーナ空気比を監視して、侵入空気の増加の時期を適切に判断して提示することで、侵入空気に起因する加熱炉の修復を早期に対応することが可能となる加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法は、バーナを用いて鋳片を所定の温度に加熱する加熱炉の状況を監視してオペレータにガイダンスする方法において、正規の供給経路以外から前記加熱炉内に侵入する侵入空気を考慮しつつ前記バーナの空気比制御を実施し、前記バーナにおけるバーナ空気比の経時変化から、前記バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測し、予測した時期をオペレータに提示することを特徴とする。
好ましくは、前記加熱炉には、前記鋳片を加熱する加熱帯が1又は複数備えられており、それぞれの加熱帯にて、前記バーナ空気比の経時変化から、前記バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測し、予測した時期をオペレータに提示するとよい。
好ましくは、前記バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測した結果をもとに、侵入空気の箇所の点検と修復時期をオペレータに提示するとよい。
好ましくは、前記バーナ空気比に関し、所定の期間における閾値以下の累積度数が一定以上となる場合に、当該状況をオペレータに提示するとよい。
好ましくは、前記バーナ空気比の閾値は、前記加熱炉内での未燃成分濃度が爆発範囲となる境界値をもとに決定されるとよい。
本発明によれば、リアルタイムで加熱炉の侵入空気量を定量化した上で、バーナ空気比を監視して、侵入空気の増加の時期を適切に判断して提示することで、侵入空気に起因する加熱炉の修復を早期に対応することが可能となる。
バーナ空気比の閾値を決定する際の一例を示した図である。 加熱炉内に侵入する侵入空気の発生箇所の点検と、加熱炉の修復時期の予測を示した図である。 侵入空気の増加によるバーナ空気比の変化を示した図である。 加熱帯において、侵入空気が増加した前後における空気比の変化をまとめた図である。 本発明にかかる加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法の概略を示したフローチャートである。 加熱炉の構成を模式的に示した図である。
以下、本発明にかかる加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
本発明にかかる加熱炉1への侵入空気の状況をガイダンスする方法は、加熱炉1を制御する方法において、加熱炉1の炉内酸素濃度を一定に制御するため、炉内に供給される空気の比率(空気比)が目標空気比となるように制御するに際して、制御可能なバーナ空気比(バーナ5に供給する空気の比率)の閾値を設定しておき、実操業におけるバーナ空気比と閾値との比較をリアルタイム(例えば、5秒ごと、10秒ごとなど短い間隔)で実施し、取得したバーナ空気比が閾値を下回ったとき、加熱炉1において侵入空気が増加したと判断し、加熱炉1内の侵入空気の状況をオペレータにガイダンス(提示)する。
なお、空気比とは、理論上で完全燃焼させるために必要な最小の空気量を「理論空気量
」とした場合、この理論空気量に対して実際に供給する空気の比率のことである。
まず、本発明が適用される加熱炉1の構成について説明する。
図6に、加熱炉1の構成を模式的に示す。なお、加熱炉1内のガスの流れについては、図6に示すように、紙面左側から右側へと向かう方向とする。つまり、ガスは、均熱帯4(上流)→加熱帯3→予熱帯2(下流)へと流れる。ただし、鋳片の搬送方向は、図示はしないが、紙面右側から左側へと向かう方向となっている。
加熱炉1は、鋳片を加熱する炉体と、炉体内の雰囲気温度を昇温させるバーナ5(バーナ)と、炉体内で生じた排出ガスを外部に放出する煙道(排出ガス経路)とを有している。炉体は、内部が空洞の筐体であって、鋳片を内部に搬入するための搬入口と、所定温度に加熱された鋼材を炉外へ搬出する搬出口と、が設けられている。
また、炉体の内部には、鋳片を一定時間(1~2時間程度)かけて少しずつ搬送するウォーキングビーム(鋼材搬送装置)が設けられている。鋳片は、ウォーキングビームにより搬入口から炉体内へ(図6の紙面の右側から左側へと)連続して搬送されつつ加熱・昇温され、搬出口から搬出される。
図6に示すように、加熱炉1には、複数の加熱帯(加熱領域)が備えられている。本実施形態の加熱炉1には、加熱帯が3つ備えられていて、搬入口から搬出口に向かって順に、常温で搬入された鋳片を予熱する予熱帯2(予熱ゾーン)と、その予熱帯2で予熱された鋳片を更に加熱しておおよそ1000℃程度にする加熱帯3(加熱ゾーン)と、その加熱帯3で加熱された鋳片の温度むらをなくすために更に加熱を行う均熱帯4(均熱ゾーン)と、を有している。
なお、加熱炉1については、加熱帯の個数は3つに限定されず、例えば、予熱帯、加熱帯(1)、加熱帯(2)、均熱帯のように4つ備えられていてもよく、加熱炉1の機能が備えられていれば加熱帯は一つでも複数でもよい。
予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4のそれぞれには、バーナ5が鋳片の搬送方向(ライン方向)に沿って複数設けられている。バーナ5には、燃料と空気を供給する配管6が連結されている。なお、バーナは、図6のように鋳片の搬送方向に向けて設置する場合もあれば、搬送方向に対して直交する向きに設置することもある。バーナの設置場所は、側壁あるいは天井面であり、通常、複数設けられている。
図6に示すように、供給配管6は、空気を供給する空気ライン6aと、燃料を供給する燃料ライン6fと、を有し、それぞれバーナ5に連結されている。
例えば、予熱帯2の空気ライン6aには、空気の供給を制御するバルブと、その空気の流量を計測する空気流量計Qが設けられている。予熱帯2の燃料ライン6fには、燃料の供給を制御するバルブと、その燃料の流量を計測する燃料流量計Qが設けられている。また、予熱帯2には、炉内温度計Tと炉内酸素濃度計Oが設けられている。
例えば、予熱帯2内に設けられた炉内温度計Tで予熱帯2内の温度が計測され、計測された温度データがプロコンやPLCなどに取り込まれる。また、予熱帯2内に設けられた炉内酸素濃度計Oで予熱帯2内の酸素濃度が計測され、計測された酸素濃度データがプロコンやPLCなどに取り込まれる。このプロコンやPLCなどには、予熱帯2に設けられた空気ライン6aでの空気流量計Qの値、燃料ライン6fでの燃料流量計Qの値なども取り込まれている。このようにして取り込まれた値を基に、各ライン6a,6fのバルブの調整が行われることとなる。なお、加熱帯3や均熱帯4にも同様な計測手段とデータの取り込み手段が設けられており、各予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4ごとに制御が可能となっている。
加熱炉1内のガスは、予熱帯2→加熱帯3→均熱帯4の順に移動可能となっている。このことから、予熱帯2のガス組成が分かれば加熱帯3のガス組成を算出することができ、加熱帯3のガス組成が分かれば均熱帯4のガス組成を算出することができるので、加熱炉1の全体の状況を把握することが可能となる。
本発明の加熱炉1への侵入空気の状況をガイダンスする方法(加熱炉1における侵入空気のガイダンスアラーム)について、詳しく説明する。
侵入空気を考慮したバーナ空気比の制御を、加熱炉1内において区切られた加熱帯(本
実施形態では、予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4)ごとに実施する。すなわち、正規の供給経路以外から加熱炉1内に侵入する侵入空気を考慮しつつバーナ5の空気比制御を実施する。なお、侵入空気を考慮したバーナ空気比の制御については、例えば、特開2020-139698号公報を参照するとよい。
それぞれの加熱帯(予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4)にて、実操業でのバーナ5におけるバーナ空気比の経時変化から、将来的に操業中のバーナ空気比の実績値が閾値以下となることで、侵入空気が増加する時期を予測し、予測した時期をオペレータに提示する。例えば、加熱炉1の修復時期を示すアラームと、加熱炉1の侵入空気の箇所の点検を促すアラームをモニタなどに提示してオペレータに伝達する。
図1に、バーナ空気比の閾値を決定する際の一例を示す。
図1に示すように、ガス・空気の流量が多くなると燃焼量が大となり、未燃成分濃度[%]と空気比[-]との関係は一点破線(太線)のようになる。一方で、燃料流量が小さくなると、燃料と空気の流速が低下するために燃料と空気の混合性が悪化し、燃焼不良つまり未燃が出やすくなる。燃焼不良を防止するために、燃焼量が小さい領域では空気比を上げる制御が採用される場合もある。ここで燃焼量が最小の場合の未燃成分濃度[%]と空気比[-]との関係は実線(太線)のようになる。
図1に示すように、予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4ごとのバーナ空気比の閾値は、その予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4で使用されるバーナ5について、操業上の燃焼量の範囲において発生する未燃成分濃度が爆発範囲に入る手前のバーナ空気比の値とする。
すなわち、バーナ空気比の閾値は、実操業上において発生する、加熱炉1内での未燃成分濃度が爆発範囲となる境界値をもとに決定される。
ただし、加熱炉1内での未燃成分濃度が、加熱炉1の所定以外の場所(例えば、煙道など)で燃焼反応を起こす濃度となる範囲を「爆発範囲」と定義する。
好ましくは、加熱炉1の所定以外の場所で未燃成分が燃焼反応(燃焼異常)を起こすと不具合が生じるため、未燃成分濃度の境界値を基に、安全率などを考慮して、閾値を決定する。つまり、閾値は、加熱炉1内の燃焼異常を見極めるための値である。
そして、バーナ空気比が所定の期間経過したときにおいて、バーナ空気比の実績値が閾値以下となる状況の継続時間(累積度数)が一定以上となる場合に、侵入空気が増加していると判断し、異常をリアルタイムでモニタなどに表示し、状況をオペレータに提示する。
すなわち、バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測した結果をもとに、侵入空気の箇所の点検と修復時期をオペレータに提示する。
図2に、加熱炉1内に侵入する侵入空気の発生箇所の点検と、加熱炉1の修復時期の予測を示す。図3に、侵入空気の増加によるバーナ空気比の変化を示す。
さらに、図2に示すように、バーナ空気比の経時変化を基に、バーナ空気比の実績値が閾値を下回る時期、すなわち次の加熱炉1の点検と修復時期を予測する。
図3の左図に示すように、実操業において、加熱炉1のバーナ空気比を一定に制御していると、加熱炉1への侵入空気量が増加するにつれて、正味(炉内全体)の空気比が増加することとなり、炉内酸素濃度の増加に繋がる。
そこで、図3の右図に示すように、加熱炉1への侵入空気量が増加すると、正味の空気比を一定に制御するために、侵入空気を考慮してバーナ空気比を下げる。つまり、加熱炉1内が目標空気比となるように、状況に応じてバーナ空気比を可変にする。このバーナ空気比の調整により、加熱炉1の炉内酸素濃度を一定に制御することが可能となる。
しかしながら、バーナ空気比を下げすぎると、バーナ5の理想的な火炎形状の維持が困難となって燃焼不良が起こり、未燃成分の発生を許してしまう。
そこで、操業中のバーナ空気比の実績値と閾値との比較をリアルタイム(例えば、5秒ごと、10秒ごとなど非常に短い間隔)で行い、そのバーナ空気比の実績値が閾値を下回ると、侵入空気の箇所を特定するために、加熱炉1の点検に関するアラームをリアルタイムでモニタなどに表示しオペレータに伝達する。
表示するアラームとしては、例えば、侵入空気の箇所の確認、加熱炉1の修復時期、バ
ーナ5の燃焼条件などが挙げられる。ただし、アラームは、例示したものに限定されず、加熱炉1の運転条件などにより適宜変更可能である。
上記に加え、バーナ空気比の経時変化を基に、バーナ空気比の実績値が閾値を下回る時期、すなわち次の加熱炉1の点検と修復時期を予測する。
このように、本発明の加熱炉1への侵入空気の状況をガイダンスする方法(加熱炉1を監視して状況を提示する方法)を適用することで、加熱炉1の修復の必要性を迅速に把握することができる上に、具体的な加熱炉1の運転条件や、侵入空気が生じている加熱帯(本実施形態では、予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4のいずれか)を特定することができるため、バーナ5の燃焼条件の見直しや、加熱炉1の侵入空気の箇所の特定、保全周期を基に保全のスケジュール調整を迅速に行うことが可能となる。すなわち、本発明は、バーナ空気比を状況に応じて調整することにより、加熱炉1の炉内酸素濃度を一定に制御することが可能となる。
このように、本発明の加熱炉1への侵入空気の状況をガイダンスする方法は、リアルタイムで加熱炉1の侵入空気量を定量化した上で、バーナ5の空気比を監視して、侵入空気の増加の時期を適切に判断して提示することで、侵入空気に起因する加熱炉1の修復を早期に対応することが可能となる。
[実施例]
以下に、本発明の加熱炉1への侵入空気の状況をガイダンスする方法に従って実施した実施例について、説明する。
加熱炉1には、鋳片を加熱する加熱帯が1又は複数備えられている。本実施例では、予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4が備えられている。
本実施例においては、予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4のうち、加熱帯3とその加熱帯3の上流(ガス流れの上流)の均熱帯4に着目して説明する。ただし、ガスは、均熱帯4→加熱帯3→予熱帯2へ流れる。つまり、ガス上流側は均熱帯4となり、ガス下流側は予熱帯2となる。
まず、加熱帯3と均熱帯4において、侵入空気が増加する前と増加した後におけるバーナ空気比の演算値を確認する。
本発明を確認するため、一例として、加熱帯3で設備トラブル(加熱炉1の炉床部において、ウォーキングビームに設けられたトラフシールボックスが脱落した等)によって、炉床部の下方から侵入する侵入空気の増加を許してしまう状況を設定し、改善する対応を行った。
ここで、トラブルが発生した前後におけるバーナ空気比の演算値を確認すると、侵入空気の増加によって、加熱帯3のみ、バーナ空気比の出力が低下傾向の状況にあることがわかった。
このことから、それぞれの加熱帯(予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4)のバーナ空気比の経時変化を確認することで、バーナ空気比が閾値以下となり、侵入空気が増加する時期を予測することができ、その予測した時期をオペレータに提示することで、侵入空気が増加している加熱帯(予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4)を特定することが可能となる。
図4に、加熱帯3において、侵入空気が増加した前後における空気比の変化を示す。
図4に示すように、バーナ空気比の傾向から、加熱帯3においては、未燃成分濃度の境界値より上で且つ、演算した2点(侵入空気増加前と増加後)のバーナ空気比の実績値の間に、最適な閾値があることを示しており、このバーナ空気比の閾値を事前に設定することで、加熱炉1の点検・修復のタイミングの予測が可能となる。
以上より、本実施例では、リアルタイムで加熱帯3の侵入空気の増加による加熱炉1の点検および修復のタイミングを表示することが可能となるとともに、バーナ空気比の実績値が閾値以下となる時期の予測が可能となることを確認した。
また一例として、加熱帯3の上部と下部において、バーナ5へ供給する燃料流量と空気流量から演算されるバーナ空気比の閾値を設定しておく。なお、閾値は、加熱炉1内の燃焼異常(例えば、所定以外の場所で未燃成分が燃焼反応を起こす)を見極めるための値である。
実操業におけるバーナ空気比の実績値が閾値以下の累積度数(継続期間)が一定以上継続すると、加熱帯3の上部乃至は下部に備えられたバーナ5の燃焼異常と判断し、当該加熱帯3の異常信号を送出する。
異常信号に基づき警告発報部より、例えば、侵入空気の増加したことを示すアラームと、加熱炉1の点検の必要性があることを示すアラームと、を発出する。警告発報部のアラームにより、侵入空気を考慮したバーナ空気比の制御を一時停止する。
侵入空気の有無によらず(侵入空気の有無を特に問わない)バーナ空気比設定値一定制御に切り替えて、加熱帯3の制御を個別に実施する。切り替えたバーナ空気比の実績値が閾値以上となることを確認したのち、侵入空気を考慮したバーナ空気比設定値一定制御に戻して、加熱帯3の制御を実施する。
図5に、本発明にかかる加熱炉1への侵入空気の状況をガイダンスする方法のフローチャートを示す。
図5に示すように、ステップ1(S1)では、バーナ空気比の閾値を設定する。バーナ空気比の閾値は、未燃成分濃度の境界値(加熱炉1内において、所定とは異なる場所で未燃成分の燃焼反応(異常燃焼)が生じてしまう境界値)を基に、安全率などを考慮して設定する。
ステップ2(S2)では、加熱炉1に、侵入空気を考慮したバーナ空気比の制御を適用する。
ステップ3(S3)では、操業中のバーナ空気比の実績値をリアルタイム(例えば、5秒ごと、10秒ごとなど短い間隔)で取得して演算する。その後、ステップ4(S4)または、ステップ6(S6)に移行する。
ステップ4(S4)では、加熱炉1(予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4)の点検・修復時期を演算する。その後、ステップ5(S5)では、加熱炉1(予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4)の点検・修復の予測時期を表示する。
ステップ6(S6)では、実績値が閾値以下か否か、すなわち「バーナ空気比(実績値)≦閾値」を満たすかを求める。Yesの場合、ステップ7(S7)へ移行する。Noの場合、ステップ2(S2)へ戻る。
ステップ7(S7)では、操業中におけるバーナ空気比の実績値が閾値以下となる継続時間を測定する。
ステップ8(S8)では、予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4のいずれかの帯で「継続時間≧閾値」を満たす場合(Yesの場合)、ステップ9(S9)へ移行する。Noの場合、ステップ2(S2)へ戻る。
ステップ9(S9)では、予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4の全ての帯でバーナ空気比設定値一定制御に戻す。その後、ステップ10(S10)または、ステップ11(S11)に移行する。
ステップ10(S10)では、侵入空気が増加したと判断し、該当する加熱帯(予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4のいずれか)の異常信号を送出する。
ステップ11(S11)では、切り替え後のバーナ空気比の実績値を演算する。
ステップ12(S12)では、実績値が閾値以上か否か、すなわち「バーナ空気比(実績値)≧閾値」を満たすかを求める。Yesの場合、ステップ13(S13)へ移行する。Noの場合、ステップ9(S9)へ移行する。
ステップ13(S13)では、操業中におけるバーナ空気比の実績値が閾値以上となる継続時間を測定する。
ステップ14(S14)では、予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4の全ての帯で「継続時間≧閾値」を満たす場合(Yesの場合)、ステップ2(S2)へ移行する。Noの場合、ステップ9(S9)へ移行する。
最後に、本発明の加熱炉1への侵入空気の状況をガイダンスする方法をまとめると、以下のようになる。
バーナ5を用いて鋳片を所定の温度に加熱する加熱炉1の状況を監視してオペレータにガイダンスする方法において、正規の供給経路以外から加熱炉1内に侵入する侵入空気を
考慮しつつバーナ5の空気比制御を実施し、バーナ5におけるバーナ空気比の経時変化から、バーナ空気比が閾値以下となることで、侵入空気が増加する時期(タイミング)を予測し、予測した時期をオペレータに提示する。
加熱炉1には、鋳片を加熱する加熱帯が1又は複数(本実施形態では、予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4)備えられており、それぞれの加熱帯(予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4)にて、バーナ空気比の経時変化から、バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測し、予測した時期をオペレータに提示する。例えば、加熱帯3のバーナ空気比が閾値以下となった場合に、当該加熱帯3内に侵入する侵入空気が増加したと判断する。
バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測した結果をもとに、侵入空気の箇所の点検と修復時期をオペレータに提示する。
バーナ空気比に関し、所定の期間における閾値以下の累積度数(継続時間)が一定以上となる場合に、侵入空気が増加していると判断し、当該状況をオペレータに提示する。
バーナ空気比の閾値は、加熱炉1内での未燃成分濃度が爆発範囲(異常燃焼を起こす範囲)となる境界値をもとに決定される。
以上、本発明の加熱炉1への侵入空気の状況をガイダンスする方法(加熱炉1の状況を監視する方法)によれば、リアルタイムで加熱炉1の各加熱帯(予熱帯2、加熱帯3、均熱帯4)における侵入空気量を定量化した上で、制御の因子であるバーナ空気比を監視することで、侵入空気の増加のタイミングを適切に判断することができ、侵入空気の発生箇所、侵入空気に起因する加熱炉1の修復時期(メンテナンス情報)、および侵入空気が発生した時のバーナ5の燃焼条件などを提示することにより、早期に加熱炉1の状況の把握と対応が可能となり、熱間圧延工程の加熱炉1における酸素濃度管理によるスケールロスの低減が可能となる。
また、バーナ空気比を加熱炉1の状況に応じて調整することにより、炉内酸素濃度を一定に制御することで、加熱炉1内全体の空気比を目標値に維持することが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 加熱炉
2 予熱帯
3 加熱帯
4 均熱帯
5 バーナ

Claims (5)

  1. バーナを用いて鋳片を所定の温度に加熱する加熱炉の状況を監視してオペレータにガイダンスする方法において、
    正規の供給経路以外から前記加熱炉内に侵入する侵入空気を考慮しつつ前記バーナの空気比制御を実施し、
    前記バーナにおけるバーナ空気比の経時変化から、前記バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測し、
    予測した時期をオペレータに提示する
    ことを特徴とする加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法。
  2. 前記加熱炉には、前記鋳片を加熱する加熱帯が1又は複数備えられており、
    それぞれの加熱帯にて、前記バーナ空気比の経時変化から、前記バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測し、
    予測した時期をオペレータに提示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法。
  3. 前記バーナ空気比が閾値以下となる時期を予測した結果をもとに、侵入空気の箇所の点検と修復時期をオペレータに提示する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法。
  4. 前記バーナ空気比に関し、所定の期間における閾値以下の累積度数が一定以上となる場合に、当該状況をオペレータに提示する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法。
  5. 前記バーナ空気比の閾値は、前記加熱炉内での未燃成分濃度が爆発範囲となる境界値をもとに決定される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱炉への侵入空気の状況をガイダンスする方法。
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