JP2023168894A - レンズおよびレンズを備える車両用灯具 - Google Patents

Abstract

【課題】複数の機能が統合されたレンズおよび該レンズを備える車両用灯具を提供する。
【解決手段】第１発光素子１１と、第２発光素子１２と、第１発光素子１１および第２発光素子１２を搭載する基板１０と、第１発光素子１１から出射された光を配光制御する第１配光制御ステップが設けられた第１領域Ｒ１と、第２発光素子１２から出射された光を配光制御するステップであって第１配光制御ステップとは異なる第２配光制御ステップが設けられた第２領域Ｒ２とを含み、第１領域Ｒ１と第２領域Ｒ２とを区画する開口部２４が設けられた単一のレンズ２０と、を備えることを特徴とする車両用灯具１。複数の機能を備える単一のレンズ２０の、各機能を発揮する領域の間に設けられた開口部２４により、導光が区切られ、意図せぬ導光が抑制される。
【選択図】図５

Description

本願発明は、機能的に統合されたレンズおよび該レンズを備える車両用灯具に関する。

複数のランプを統合したコンビネーションランプは、構成する部品点数が多い。各ランプの同等部材の統合・集約による部品点数の削減を目的に、インナーレンズなどのレンズの統合が検討されている（例えば特許文献１）。

特開２０１６－１７８００９号

しかし、複数のランプユニットのレンズを統合した単一のレンズでは、意図せぬ箇所で露光や導光が発生しやすく、灯具の見栄えが悪くなるという問題がある。

本発明は、これを鑑みてなされたものであり、複数の機能を統合した単一のレンズであり、意図せぬ箇所での露光や導光を抑制したレンズ、および該レンズを備えた車両用灯具を提供することを目的とする。

上記問題を解決するために、本開示のレンズにおいては、単一のレンズであって、第１配光制御ステップが設けられた第１領域と、前記第１配光制御ステップとは異なる第２配光制御ステップが設けられた第２領域とを有し、前記第１領域と、前記第２領域とを区画する開口部が設けられているように構成した。

この態様によれば、開口部によりレンズ内で導光が区切られ、一方の領域に入射した光が、他方の領域に導光されることが抑制され、意図せぬ箇所への導光や露光が抑制される。

また、本開示のある態様においては、第１発光素子と、第２発光素子と、前記第１発光素子および前記第２発光素子を搭載する基板と、前記第１発光素子から出射された光を配光制御する第１配光制御ステップが設けられた第１領域と、前記第２発光素子から出射された光を配光制御するステップであって前記第１配光制御ステップとは異なる第２配光制御ステップが設けられた第２領域とを含み、前記第１領域と前記第２領域とを区画する開口部が設けられた単一のレンズとを備えるように車両用灯具を構成した。

この態様における車両用灯具は、上記のレンズを備えており、一方の領域に入射した光が、他方の領域に導光されることが抑制され、意図せぬ箇所への導光や露光が減少し、車両用灯具としての見栄えの減少が抑制される。

また、ある態様においては、前記レンズを保持するブラケットを備え、前記ブラケットは、前記開口部に係合する係合凸部が形成されており、前記レンズは、前記開口部に前記係合凸部が挿入されて、前記ブラケットに保持されるように構成した。ブラケットの一部がレンズ開口部に係合することで、開口部にて導光が途切れ、意図せぬ導光や露光がより抑制される。

また、ある態様においては、前記係合凸部の端部には、前記レンズを固定する固定部が形成されているように構成した。この態様によれば、開口部を設けることによるレンズの取付時の剛性低下が抑制される。

また、ある態様においては、前記ブラケットは、前記係合凸部の裏面側に、前記係合凸部の位置に対応して設けられた突出部を有するものとした。突出部は領域間に設けられることから、各領域から出射された光が混生することが抑制される。

また、ある態様においては、前記第１発光素子および前記第２発光素子は、異なる色で発光するものとした。上記構成のレンズでは、意図せぬ箇所への導光が抑制されることから、異なる発光素子を用いることによる混色も抑制されるため、異なる色の発光素子を用いることができる。

また、ある態様においては、前記基板は、前記第１発光素子および前記第２発光素子を搭載する単一の基板とした。上記構成のレンズを用いることで、基板も機能を統合させることができる。単一の基板を用いることができ、灯具の部品数削減を図ることができる。

以上の説明から明らかなように、複数の機能を統合した単一のレンズであり、意図せぬ箇所での露光や導光を抑制したレンズ、および該レンズを備えた車両用灯具を提供できる。

好適な実施形態に係る車両用灯具の配設状態を示す。 同車両用灯具の概略構成を説明する斜視図である。 同車両用灯具の正面図である。 図３のＩＶ－ＩＶ線に沿った端面図である。 同車両用灯具の分解斜視図である。 インナーレンズを示す。 ブラケットを示す。

以下、本発明の具体的な実施形態を、図面を参照しながら説明する。実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。また、以下の実施形態および変形例の説明において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。

（実施形態）
図１は、本開示構成による好適な実施形態に係る車両用灯具１の配設状態を示す。

図１は、車両用灯具１を搭載した車両ＣＡＲの左後部の後面図である。車両用灯具１は、ターンシグナルランプＴＵＲＮ、ストップランプＳＴＯＰ、およびバックランプＢＡＣＫからなるリアコンビネーションランプであり、車両ＣＡＲの左右の後端部に左右一対で配設される。

各ランプは、概ね同じ大きさに構成されており、車両用灯具１の上方領域がターンシグナルランプＴＵＲＮとして構成され、中央領域がストップランプＳＴＯＰとして構成され、下方領域がバックランプＢＡＣＫとして構成される。

図２は、車両用灯具１の概略構成を示す斜視図である。図３は、車両用灯具１の正面図である。図４は、図３のＩＶ－ＩＶ線に沿った端面図である。図５は、車両用灯具１の分解斜視図である。なお、車両用灯具１および車両用灯具１の構成部材の説明図（図２～図７）においては、光の出射面を車両用灯具１の前方として、これを基準として各方向を説明する。車両用灯具１が車両ＣＡＲに配設される場合には、１８０度回転させて車体に装着される。

図２および図３に示すように、車両用灯具１は縦長の略直方体の外形を有し、車両用灯具１を構成する各ランプ（ＴＵＲＮ，ＳＴＯＰ，ＢＡＣＫ）は、正面視して概ね同形状の略正方形として視認される。

車両用灯具１は、ランプハウジングとして、ランプボディ２とランプカバー４とを備える。ランプボディ２は、光の出射面である前面と、上面、底面、および一方の側面（本実施形態においては左側面）が開口された形状となっている。換言すれば、ランプボディ２は矩形の背面および右側面のみからなる。ランプボディ２の開口部にランプカバー４が取り付けられ、内側に灯室Ｓが形成される。ランプハウジングとして、ランプカバー４は前面、上面、底面、および左側面を構成する。

ランプカバー４は、いわゆるアウターカバーであり、例えばポリカーボネイトなどの光を透過する透明性樹脂で形成された、ほぼ素通しのレンズである。これに限られず、ランプカバー４には、各ランプを点灯したときに光源から出射された光を発散、拡散するための光学ステップが形成されていてもよい。

灯室Ｓ内には、主として、基板１０、インナーレンズ２０、および基板１０とインナーレンズ２０を保持するブラケット３０が収容される。基板１０、インナーレンズ２０は、それぞれ単一でありながら、ターンシグナルランプＴＵＲＮ、ストップランプＳＴＯＰ、およびバックランプＢＡＣＫの機能を備えている。即ち、基板１０、インナーレンズ２０のそれぞれ上方領域がターンシグナルランプＴＵＲＮとして機能し、中央領域がストップランプＳＴＯＰとして機能し、下方領域がバックランプＢＡＣＫとして機能する。

（基板）
灯室Ｓ内に収容された基板１０、インナーレンズ２０、およびブラケット３０について、詳しく説明する。まず、基板１０について説明する。

図４および図５に示すように、基板１０は矩形平板状に構成され、その表面には、第１発光素子１１、第２発光素子１２、第３発光素子１３が、発光面を前方に向けて装着されている。基板１０は縦方向に長く、三つの発光素子１１，１２，１３は、基板１０の幅方向の略中央に、上下方向に等間隔に並んで配置されている。即ち、矩形状の基板１０を上下方向に概ね三等分した際の、上方領域の略中央に第１発光素子１１が配置され、中央領域の略中央に第２発光素子１２が配置され、下方領域の略中央に第３発光素子１３が配置される。

三つの発光素子１１，１２，１３は、ＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）、ＬＤ（Ｌａｓｅｒ Ｄｉｏｄｅ）、ＥＬ（Ｅｌｅｃｔｒｏ Ｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）素子などが用いられる。

本実施形態においては、第１発光素子１１は、橙色の光を出射する橙色ＬＥＤから構成され、ターンシグナルランプＴＵＲＮの光源として機能する。第２発光素子１２は、赤色の光を出射する赤色ＬＥＤから構成され、ストップランプＳＴＯＰの光源として機能する。第３発光素子１３は白色の光を出射する白色ＬＥＤから構成され、バックランプＢＡＣＫの光源として機能する。基板１０には、発光素子１１，１２，１３に印加する電流の制御などを行う回路（不図示）も搭載されている。

基板１０の左右の側縁部には、基板１０を固定するための固定孔１６が、それぞれ二つずつ形成されている。

（インナーレンズ）
次に、インナーレンズ２０について説明する。 図６は、インナーレンズ２０を示す。図６（Ａ）はインナーレンズ２０の正面斜視図である。図６（Ｂ）はインナーレンズ２０の背面斜視図である。図６（Ｃ）はインナーレンズ２０の端面図である。

インナーレンズ２０は、透明樹脂で構成された、厚みが概ね一定の射出成形品であり、正面視して基板１０と同等の大きさで、同形状の、縦方向に長い矩形状の外形を有している。

インナーレンズ２０は、基板１０の前方に組み付けられて、発光素子１１，１２，１３から出射した光を配光制御するための部材である。発光素子１１，１２，１３から出射された光は、インナーレンズ２０に入射され、インナーレンズ２０において屈折され、あるいは内面反射されて、インナーレンズ２０内で導光されたうえで、所定の配光特性で出射されるように構成されている。

インナーレンズ２０は、複数の機能が統合された単一のレンズであり、インナーレンズ２０を概ね上下方向に三等分した各領域にそれぞれ別のランプの配光形成機能を有している。上方領域である第１領域Ｒ１はターンシグナルランプＴＵＲＮの配光形成機能を有し、中央領域である第２領域Ｒ２はストップランプＳＴＯＰの配光形成機能を有し、下方領域である第３領域Ｒ３は、バックランプＢＡＣＫの配光形成機能を有する。各領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３は、発光素子１１，１２，１３の配置に対応しており、それぞれの発光素子の出射光を入射する態様となっている。

インナーレンズ２０においては、第１領域Ｒ１，第２領域Ｒ２，第３領域Ｒ３に、それぞれ前方に向かって容器状に大きく膨らむ第１凸部２１，第２凸部２２，第３凸部２３が形成されている。凸部２１，２２，２３は中空形状であり、背面が開口した直方体の箱状に構成される。凸部２１，２２，２３の開口部には共通のフランジ面２９が周設されており、フランジ面２９により、凸部２１，２２，２３は互いに連結されている。フランジ面２９はインナーレンズ２０の背面であり、ブラケット３０への取付け面となる。

凸部２１，２２，２３には、入射した光を発散、拡散させて、外表面から出射して所定の配光を形成するための配光制御ステップが形成されている。ステップは、例えば魚眼ステップ、フレーネル、シリンドリカル、三角形状など、従来周知の構成を用いてよく、その種類は問わない。本実施形態においては、外形形状は全て同等の箱型凸状に構成されたが、これに限られず、椀形状、パラボラ形状、矩形状などを用いてよく、機能を実施するために、各領域でそれぞれ異なる形態であっても問題ない。

インナーレンズ２０が基板１０の前方に組み付けられると、凸部２１，２２，２３の内側に、それぞれ発光素子１１，１２，１３が配置される。

第１領域Ｒ１に形成された第１凸部２１には、第１発光素子１１から出射された光を入射し、外表面から出射してターンシグナルランプＴＵＲＮの配光を形成するための第１配光制御ステップＳＴ１が設けられている。第１配光制御ステップＳＴ１により、第１発光素子１１から出射した橙色光は、第１凸部２１の内表面に入射し、インナーレンズ２０の表面から出射して、ランプカバー４を通過すると、車両用灯具１の前方にターンシグナルランプＴＵＲＮの配光を形成する。

同様に、第２領域Ｒ２に形成された第２凸部２２には、第２発光素子１２から出射された光を入射して、外表面から出射してストップランプＳＴＯＰの配光を形成する第２配光制御ステップＳＴ２が設けられている。第２配光制御ステップＳＴ２により、第２発光素子１２から出射した赤色光は、第２凸部２２の内表面に入射し、インナーレンズ２０の表面から出射して、ランプカバー４を通過すると、車両用灯具１の前方にストップランプＳＴＯＰの配光を形成する。

同様に、第３領域Ｒ３に形成された第３凸部２３には、第３発光素子１３から出射された光を入射して、外表面から出射してバックランプＢＡＣＫの配光を形成する第３配光制御ステップＳＴ３が設けられている。第３配光制御ステップＳＴ３により、第３発光素子１３から出射した白色光は、第３凸部２３の内表面に入射し、インナーレンズ２０の表面から出射して、ランプカバー４を通過すると、車両用灯具１の前方にバックランプＢＡＣＫの配光を形成する。

第１凸部２１と第２凸部２２の間のフランジ面２９には、第１領域Ｒ１と第２領域Ｒ２を区切るようにして、幅方向に細く長い第１開口部２４が形成されている。同様に、第２凸部２２と第３凸部２３の間のフランジ面２９には、第２領域Ｒ２と第３領域Ｒ３を区切るようにして、幅方向に細く長い第２開口部２５が形成されている。

領域間に設けられた開口部により、一方の領域から入射した光は、他方の領域へは導光されずに、主として入射した領域から出射することとなる。複数の機能を有する単一のインナーレンズ２０において、各機能の領域Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３を区切る開口部２４，２５を設けることで、導光を区切り、意図せぬ箇所での露光、導光を抑制した。これにより車両用灯具１の見栄えや機能の低下が抑制される。

第１開口部２４の左右の端部には、厚み方向に貫通する挿通孔２６，２６が、一部が第１開口部２４と重なって形成されている。同様に、第２開口部２５の左右の端部には、厚み方向に貫通する挿通孔２６，２６が形成されている。四つの挿通孔２６は、インナーレンズ２０をブラケット３０に取付けるための固定部であり、インナーレンズ２０は、基板１０とともに、第１固定部材５０によりブラケット３０に共締めされる（図５参照）。インナーレンズ２０の固定部を開口部２４，２５の近傍に設けることで、開口部を設けることによるインナーレンズ２０の取付時の強度の低下を抑制した。

（ブラケット）
次にブラケット３０について説明する。図７は、ブラケット３０を示す。図７（Ａ）はブラケット３０の正面斜視図である。図７（Ｂ）はブラケット３０の背面斜視図である。

ブラケット３０は、基板１０とインナーレンズ２０の背面に配置されて両部材を係合して保持する部材である。基板１０とインナーレンズ２０は、ブラケット３０を介してランプボディ２に取付けられる。

ブラケット３０は、ベースとなる平板矩形状のベース面３９を有する。ベース面３９の背面には、前方に向かって僅かに窪んだ矩形状の収容部４３が形成されている。収容部４３は、インナーレンズ２０の一部および基板１０を重ねて収容するために設けられている。このため、収容部４３は、インナーレンズ２０および基板１０の形状に対応して形成されている。

まず、収容部４３の矩形状の外形は、基板１０およびインナーレンズ２０の外形に対応して形成されている。収容部４３の底面には、インナーレンズ２０の第１凸部２１、第２凸部２２、第３凸部２３に対応した、矩形状の第１係合孔３１、第２係合孔３２、第３係合孔３３が上下方向に並んで形成されている。加えて、収容部４３の底面には、第１係合孔３１と第２係合孔３２の間に、インナーレンズ２０の第１開口部２４に係合する第１係合凸部３７が、幅方向に伸びて突設されている。同様に、収容部４３の底面には、第２係合孔３２と第３係合孔３３の間に、インナーレンズ２０の第２開口部に係合する第２係合凸部３８が、幅方向に伸びて突設されている。さらに、第１係合凸部３７および第２係合凸部３８の左右の端部にはそれぞれ、基板１０およびインナーレンズ２０を締結するための第１ボス４１，４１が形成されている。

最初にインナーレンズ２０がブラケット３０の背面に取り付けられると、収容部４３にインナーレンズ２０の第１凸部２１、第２凸部２２、第３凸部２３が、それぞれブラケット３０の第１係合孔３１、第２係合孔３２、第３係合孔３３に挿通して係合する。さらに、インナーレンズ２０の第１開口部２４、第２開口部２５が、ブラケット３０の第１係合凸部３７、第２係合凸部３８が挿通して係合する。加えて、インナーレンズ２０の四つの挿通孔２６に、ブラケット３０の４つの第１ボス４１が挿通する。これにより、インナーレンズ２０は、ブラケット３０の係合孔３１，３２，３３から凸部２１，２２，２３を前方に露出させて、収容部４３内に収容される（図４参照）。

収容部４３には、収容されたインナーレンズ２０の上から、さらに基板１０が重ねて収容される。基板１０の固定孔１６は、第１ボス４１に対応して形成されており、第１ボス４１を固定孔１６に挿通させて、基板１０の前面をインナーレンズ２０のフランジ面２９の背面に当接させて、収容部４３に収容される（図４参照）。

基板１０がインナーレンズ２０に重なり収容部４３に収められた状態で、鍔付きタッピングネジなどの第１固定部材５０が第１ボス４１に締結され、基板１０およびインナーレンズ２０がブラケット３０に取付けられる（図５参照）。

ブラケット３０の四隅には、それぞれ背面に突出する第２ボス４２が形成されており、第２固定部材６０が、ランプボディ２の背面に形成された孔３を挿通して、この第２ボス４２に締結されることで、ブラケット３０を介して、基板１０およびインナーレンズ２０がランプボディ２に取付けられる（図５参照）。

ブラケット３０は、非透光性樹脂で構成された射出成形品である。インナーレンズ２０の各領域間に設けられた開口部２４，２５にブラケット３０の一部が係合することで、各領域からインナーレンズ２０内に入射した光が、他の領域にまで導光されることがより抑制され、開口部から露光することも防止される。

ブラケット３０には、係合凸部３７，３８の裏面側、即ち、ベース面３９の表面側に、前方に向かって突出する平板状の突出部３４，３５が形成されている。係合凸部３７,３８は、インナーレンズ２０の領域同士を区切る開口部２４，２５に対応して形成されていることから、突出部３４，３５も各領域を区切り、各領域からの出射光が互いに干渉することを抑制するように働く。

即ち、第１係合凸部３７に対応して設けられた第１突出部３４は、第１領域Ｒ１および第２領域Ｒ２間に形成されおり、第１領域Ｒ１から出射した光のうち、より下方（第２領域Ｒ２の前方）へ出射しようとした光は、第１突出部３４により下方領域への侵入を阻まれる。また第２領域Ｒ２から出射した光の一部が、より上方（第１領域Ｒ１の前方）へ出射しようとしても、第１突出部３４に上方領域への侵入を阻まれる。第１領域Ｒ１で形成されて前方に投影されたターンシグナルランプＴＵＲＮの配光と、第２領域Ｒ２で形成されて前方に投影されたストップランプＳＴＯＰの配光が、他領域まで照射されて混色や混生することが第１突出部３４により抑制される。同様に、第２係合凸部３８の裏面側に設けられた第２突出部３５は、第２領域Ｒ２で形成されたストップランプＳＴＯＰの配光と、第３領域Ｒ３で形成されたバックランプＢＡＣＫの配光が、混色または混生することを抑制している。

基板１０には、取付け用の固定孔１６が設けられているが、ブラケット３０の係合凸部３７，３８を挿通される開口部は設けられていない。係合凸部３７，３８は、フランジ面２９からインナーレンズ２０の背面に突出して基板１０と干渉せぬように高さを設定されており、基板１０は収容部４３に嵌り、安定して配置される。これは、基板に係合用の開口部が設けられると、基板の剛性の低下や基板成形工数の増加を招くことから、これを抑制するとともに、係合用の開口部により、発光素子の点灯に伴う発熱の熱伝導が妨げられ、放熱が不十分となり発光素子の発光効率が低下するのを防止している。光源間に係合用の開口部を設けず、単一の基板１０の全体に点灯の発熱を伝熱させて放熱性を確保した。

上記構成のインナーレンズ２０と組み合わせることで、単一の基板１０に異なる発光色の発光素子を搭載させることが可能となる。レンズのみならず基板も機能を統合することができる。同様に、光学部品の取り付け部材であるブラケットも、単一のブラケット３０で、三つの機能を有する単一の基板１０およびインナーレンズ２０をランプボディ２の取付けることができる。ランプ部品の各機能が統合、集約され、単一のランプユニットで多機能化が可能となる。少ない部品点数により組立が容易な多機能車両用灯具を提供でき、灯具の組立工数の削減、および軽量化が図られる。

（変形例）
本開示の構成は、リアコンビネーションランプに限られず、前照灯や標識灯など、２以上の機能を備えた他の車両用灯具にも好適である。加えて、本開示の構成は、インナーレンズのみならず、アウターレンズなど、光学部材としての他のレンズにも適用することができる。

また、本実施形態においては、第１発光素子１１、第２発光素子１２、第３発光素子１３は、全て異なるランプに用いられる、異なる色の光源であったが、これに限られず、異なる機能を発揮するために統合された光源およびレンズに、本開示の構成は適用できる。例えば、同じ赤色光を用いるテールランプおよびストップランプを含むコンビネーションランプの光源ユニットにも本開示の構成は適用できる。また、ロービーム配光の下方領域を形成するための第１光源、カットラインを含めたロービーム配光の上方領域を形成する第２光源、第１光源用の第１配光制御ステップおよび第２光源用の第２配光制御ステップが形成された単一のインナーレンズを含むロービームランプユニットにおいても、本開示の構成を用いることができる。複数の光源ユニットが形成する光照射パターンを重ね合わせて所定の配光パターンを形成するランプユニットなどにも、本開示の構成を適用できる。

以上、本発明の好ましい実施形態について述べたが、上記の実施形態は本発明の一例であり、これらを当業者の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。

１ ：車両用灯具
１０ ：基板
１１ ：第１発光素子
１２ ：第２発光素子
１３ ：第３発光素子
２０ ：インナーレンズ
２４ ：第１開口部
２５ ：第２開口部
２６ ：挿通孔（取付部）
３０ ：ブラケット
３４ ：第１突出部
３５ ：第２突出部
３７ ：第１係合凸部
３８ ：第２係合凸部
Ｒ１ ：第１領域
Ｒ２ ：第２領域
Ｒ３ ：第３領域
ＳＴ１ ：第１配光制御ステップ
ＳＴ２ ：第２配光制御ステップ
ＳＴ３ ：第３配光制御ステップ

Claims (9)

1. 単一のレンズであって、
   第１配光制御ステップが設けられた第１領域と、前記第１配光制御ステップとは異なる第２配光制御ステップが設けられた第２領域とを有し、
   前記第１領域と、前記第２領域とを区画する開口部が設けられている、
   ことを特徴とする車両用灯具に備えられるレンズ。
2. 第１発光素子と、
   第２発光素子と、
   前記第１発光素子および前記第２発光素子を搭載する基板と、
   前記第１発光素子から出射された光を配光制御する第１配光制御ステップが設けられた第１領域と、前記第２発光素子から出射された光を配光制御するステップであって前記第１配光制御ステップとは異なる第２配光制御ステップが設けられた第２領域とを含み、前記第１領域と前記第２領域とを区画する開口部が設けられた単一のレンズと、
   を備えることを特徴とする車両用灯具。
3. 前記レンズを保持するブラケットを備え、
   前記ブラケットは、前記開口部に係合する係合凸部が形成されており、
   前記レンズは、前記開口部に前記係合凸部が挿入されて、前記ブラケットに保持される、
   ことを特徴とする請求項２に記載の車両用灯具。
4. 前記係合凸部には、前記レンズを固定する固定部が形成されている、
   ことを特徴とする請求項３に記載の車両用灯具。
5. 前記ブラケットは、前記係合凸部の裏面側に、前記係合凸部の位置に対応して設けられた突出部を有する、
   ことを特徴とする請求項３に記載の車両用灯具。
6. 前記ブラケットは、前記係合凸部の裏面側に、前記係合凸部の位置に対応して設けられた突出部を有する、
   ことを特徴とする請求項４に記載の車両用灯具。
7. 前記第１発光素子および前記第２発光素子は、異なる色で発光する、
   ことを特徴とする請求項２～請求項６のいずれか一項に記載の車両用灯具。
8. 前記基板は、前記第１発光素子および前記第２発光素子を搭載する単一の基板である、
   ことを特徴とする請求項２～請求項６のいずれか一項に記載の車両用灯具。
9. 前記基板は、前記第１発光素子および前記第２発光素子を搭載する単一の基板である、
   ことを特徴とする請求項７に記載の車両用灯具。