JP2023167922A - 潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部から潤滑剤の供給を必要とせず摺動部材から潤滑剤が供給され、寸法変化しても摺動部材の係止が確保され、さらに摺動面との隙間が生じることなく、長期間に亘って運動精度や摩擦特性が低下せずに安定稼動が可能となる、潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構を提供する。【解決手段】一方の対向面3aと他方の対向面2aが摺動部材4を介して相対的に摺動運動をする滑り機構1であって、一方の対向面3aには摺動部材4を保持する係止部31を備え、前記摺動部材4は前記係止部31との間に付勢力を有する付勢部材5を介して保持され、前記摺動部材4は潤滑剤を含有したポリマからなることを特徴とする潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構。【選択図】図1

Description

本発明は、産業機械等に用いられる滑り機構の改良に関する
従来からこの種の滑り機構としては、例えば、軸方向に延びた摺動溝を有する案内レールに、この案内レールの摺動溝に対向する摺動溝を有するスライダが相対移動可能に組付けられ、スライダの摺動溝には、対向する案内レールの摺動溝との間に介する摺動部材を備えた滑り機構が知られている。
このような滑り機構は、搬送装置やロボットに用いられる滑り軸受や滑り案内に使用され、転がり製品と同様に摺動部材の磨耗を防いで運動精度等の機能を維持するため、潤滑剤を供給し続ける必要がある。
潤滑剤の補給手段として、潤滑剤の補給が必要となる部位に潤滑剤注入用のニップルを備えた設計とし、その運用において潤滑剤圧送ポンプから定期的にニップルからグリース等の潤滑剤を充填補給する方法があるが、その場合には短期間で潤滑剤の補給作業を繰り返さなければならず、メンテナンスのために作業者にかかる負担が大きいという問題がある。
あるいは、潤滑剤の補給が必要となる部位に潤滑剤を供給する配管を備えた設計として、潤滑剤圧送ポンプによって配管に潤滑剤を圧送する方法もあるが、その場合には、常時、自動的に潤滑剤が補給されるものの、給油設備にコストがかかり装置の高額化を招くという問題がある。
このような問題を解決するため、特許文献1では摺動部材自体に潤滑剤を供給する機能をもたせることが提案されている。
特開平9-296824
しかしながら、特許文献1の例では、案内レールの溝に対向するスライダの溝に、潤滑剤を含有する摺動部材が嵌め込まれた直動案内装置が提案され、この構成によって案内レールとスライダとの摺動面に摺動部材から潤滑剤が供給されている。
しかし、摺動部材はスライダの溝に嵌合のみで係止されているため、直動案内装置の稼働によって摺動部材から潤滑剤が放出されるにつれて、しだいに摺動部材が収縮して摺動部材の寸法が減少することが新たな問題となる。
すなわち、摺動部材の寸法変化によってスライダの溝との嵌合が外れたり、案内レールとスライダとの間に過大な隙間が生じたりすることとなり、ガタつきや直動運動の姿勢変化が生じるおそれがある。
そこで、本発明においては、外部から潤滑剤の供給を必要とせず摺動部材から潤滑剤が供給され、寸法変化しても摺動部材の係止が確保され、さらに摺動面との隙間が生じることなく、長期間に亘って運動精度や摩擦特性が低下せずに安定稼動が可能となる、潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構を提供することである。
この目的を達成するために本発明は、一方の対向面と他方の対向面が摺動部材を介して相対的に摺動運動をする滑り機構であって、一方の対向面には摺動部材を収容保持する係止部を備え、前記摺動部材は前記係止部との間に付勢力を有する付勢部材を介して保持され、前記摺動部材は潤滑剤を含有したポリマからなることを特徴とする潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構としたことである。
さらに本発明は、前記滑り機構の付勢部材は、対向面に向けた付勢力を有することを特徴とする潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構としたことである。
本発明によれば、外部から潤滑剤の供給を必要とせず摺動部材から潤滑剤が供給され、寸法変化しても摺動部材の係止が確保され、さらに摺動面との隙間が生じることなく、長期間に亘って運動精度や摩擦特性が低下せずに安定稼動が可能となる、潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構を提供し得る。
(a)は、本発明に係る滑り機構の第1実施形態を示す概略断面図であり、(b)は、(a)の矢視Aの図である。 (a)は、本発明に係る滑り機構の第2実施形態を示す概略側面図であり、(b)は、(a)の概略正面図である。 (a)は、本発明に係る滑り機構の第3実施形態を示す概略断面図であり、(b)は、付勢部材を示す概略正面図である。
以下、本発明による潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施形態に過ぎず何等限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
(第1実施形態)
本発明の実施形態に係る転がり軸受案内装置について図1を用いて説明する。
図1には本発明の潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構の第1の実施形態として直動滑り案内機構1を示している。
本実施形態の直動滑り案内機構1は、直線状の案内レール2と、案内レール2に跨架されたスライダ3と、スライダ3の対向面3aに係止されて対向する案内レール2の対向面2aに摺接して配される摺動部材4とからなる(図1(a)参照)。
なお、案内レール2とスライダ3の概略形状については一般的な直動滑り案内機構と同様であるため、ここではその説明を省略して主要部分である摺動部材4を中心に解説する。
案内レール2は幅方向(図中左右方向)に左右対称形状であって、その対向面2aは案内レールの上面2bの両肩部が外向きに傾斜して一対備えられ、スライダ3の対向面はスライダ3の底面3bの両袖部に、前記案内レール2の対向面2aに対向するように一対備えられている。
このため、摺動部材4も一対備えられ、その一対の摺動部材4が前記一対の各対向面3aに係止されて前記案内レール2の対向面2aの間に摺接している。また、前記一対の各対向面3aのそれぞれに、摺動部材4を保持する係止部31が刻設されている。
次に、摺動部材4について説明する。なお、本実施形態の直動滑り案内機構1は長手方向に左右対称の構成となっているため、ここでは、その一方の構成を説明するが他方においても同様の構成である。
摺動部材4は一方向に長い直方体として形成され、スライダ3の係止部31に保持される。
係止部31は、前記スライダ3の対向面3aに摺動部材4よりもひと回り大きな一方向に長い直方形の凹溝として刻設形成されている。
前記摺動部材4を前記スライダ3の係止部31に保持する構成として、摺動部材4は、摺動部材4よりも大きな凹溝として形成されているスライダ3の係止部31に、摺動部材4の角4cを係止部31の角31cに合わせるようにして隅に寄せるようにして嵌め込まれている。これにより、摺動部材4と係止部31との間にL字形の隙間6を有することとなる。
本実施形態では、この隙間6に付勢部材5が嵌め込まれるようにして配されている。
付勢部材5は、前記隙間6に嵌め込まれる長辺部5aと短辺部5bが直角に連続してL字形に形成される。
さらに付勢部材5の長辺部5aの長辺根本部5cと長辺先端部5dが係止部31に当接するとともに、長辺部5aの長辺中央部5eが摺動部材4の方向に湾曲して摺動部材4を矢印Bの向きに付勢する。またさらに、付勢部材5の短辺部5bの短辺根本部5fと短辺先端部5gが係止部31に当接するとともに、短辺部5bの短辺中央部5hが摺動部材4の方向に湾曲して摺動部材4を矢印Cの向きに付勢する。
摺動部材4と係止部31との隙間6に付勢部材5が介在して摺動部材4を付勢(矢印Bおよび矢印C)することによって、摺動部材4から案内レール2の対向面2aと摺動部材4との摺動部分に潤滑剤が供給され、潤滑剤の供給に連れて摺動部材4が痩せて寸法変化したとしても、摺動部材4が係止部31への係止が維持されることで摺動部材4はスライダ3の対向面3aと案内レール2の対向面2aとの間で位置のずれが生じない為、長期間に亘って運動精度や摩擦特性が低下せずに安定稼動が可能となる。
また、摺動部材4を付勢部材5の付勢力によって係止保持しているため、摺動部材4が寸法変化した場合にも摺動部材4の角4cを係止部31の角31cに合わせるようにして隅に寄せるようにして位置づけられている状態に変化がない。すなわち、摺動部材4を接着剤やビス止めで固定してしまうと、寸法変化によって摺動部材4が損傷する恐れがあるが、本実施形態では付勢力で寸法変化に対応するように係止しているため摺動部材4が損傷する心配がない。
ここで、摺動部材4の材質について説明する。
本実施形態では、潤滑剤含有ポリマ製摺動部材4としてポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブチレン,ポリメチルペンテン等の基本的に同じ化学構造を有するポリオレフィン系ポリマの群から選定したポリマが想定されている。さらに、潤滑剤としてポリα-オレフィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエーテル油、フタル酸エステル、トリメリット酸エステルのようなエステル油等の何れかを単独若しくは混合油の形で混合して調製して原料とし、さらに、樹脂の融点以上で加熱して可塑化した後に冷却することで固形状にしたものとする。
また、潤滑剤には、必要に応じて、予め、酸化防止剤、錆止め剤、摩耗防止剤、泡消し剤、極圧剤等の各種添加剤を加えてもよい。
上記潤滑剤含有ポリマの組成比は、全質量に対してポリオレフィン系樹脂10~50質量%、潤滑剤90~50質量%とし、さらに、ポリオレフィン系樹脂20~40質量%、潤滑剤80~60質量%であることが好ましい。
この場合において、ポリオレフィン系樹脂が10質量%未満であると、実用上必要なレベル以上の硬さ・強度が得られず、摺動によって破損等の不具合を生じる可能性が高くなる。また、ポリオレフィン系樹脂が50質量%を越えると(すなわち、潤滑剤が50質量%未満の場合)は、摺動部への潤滑剤の供給が少なくなり、十分なメンテナンス期間の延長が期待できなくなる。
また、前記例示したポリマ(合成樹脂)は、通常、基本構造は同じでその平均分子量が異なっており、700~5×10の範囲に及んでいる。
そこで、平均分子量700~5×10というワックス(例えば、ポリエチレンワックス)に分類されるものと、平均分子量1×10~1×10という比較的低分子量のものと、平均分子量1×10~5×10という超高分子量のものとを、単独若しくは混合して用いることにより、潤滑剤供給用構造体に様々な特性を付与することができる。
例えば、比較的低分子量のものと潤滑剤との組み合わせによって、ある程度の機械的強度、潤滑剤供給能力、保油性を持つ潤滑剤含有ポリマが得られる。
この中の比較的低分子量のものの一部を、ワックスに分類されるものに置き換えると、ワックスに分類されるものと潤滑油との分子量の差が小さくなるために潤滑油との親和性が高くなり、結果として潤滑剤含有ポリマの保油性が向上し、長期間にわたっての潤滑剤の供給が可能になる。ただし、その反面で機械的強度は低下する。ワックスとしては、ポリエチレンワックスのようなポリオレフィン系樹脂の他、融点が100~130℃以上の範囲にある炭化水素系のもの(例えば、パラフィン系合成ワックス)であれば、使用できる。
それに対して、超高分子量のものに置き換えると、超高分子量のものと潤滑油との分子量の差が大きくなるために潤滑油との親和性が低くなり、結果として保油性が低下し、潤滑剤含有ポリマからの潤滑剤の滲み出しが速くなる。それによって、潤滑剤含有ポリマからの供給可能な潤滑剤量に達する時間が短くなり、長期間に亘っての潤滑剤の供給が難しくなるが、機械的強度は向上する。
したがって、成形性や機械的強度、保油性、潤滑剤供給量のバランスを考慮すると、潤滑剤含有ポリマの組成比は、樹脂成分としてワックスに分類されるもの0~5質量%、比較的低分子量のものとして8~48質量%、超高分子量のものとして2~10質量%で、かつ合計で10~50質量%とし、潤滑剤を90~50質量%とすることが好適である。
例えば、比較的低分子量に分類される高密度ポリエチレンを20質量%、超高分子量に分類される超高分子量ポリエチレンを10質量%及び鉱油70質量%の成分比で混合した潤滑剤含有ポリマを使用して形成することができる。
さらに、本発明の潤滑剤含有ポリマの機械的強度を向上させるため、上述のポリオレフィン系樹脂に、以下のような熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を添加したものでもよい。
なお、その場合の添加量としては樹脂成分全量の10~20質量%が適当である。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂)等の各樹脂を使用することができる。
また、前記熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラニン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の各樹脂を使用することができる。
なお、これらの樹脂は、単独又は混合して用いてもよい。
さらに、ポリオレフィン系樹脂とそれ以外の樹脂とを、より均一な状態で分散させるために、必要に応じて適当な相溶化剤を加えてあってもよい。
また、機械的強度を向上させるために、充填剤を添加してもよい。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカーやホウ酸アルミニウムウィスカー等の無機ウィスカー類、或いはガラス繊維や金属繊維、カーボンブラック、カーボン繊維等の無機繊維類及びこれらを布状に編組したもの、あるいは黒鉛粉末、また、有機化合物ではアラミド繊維やポリエステル繊維等が用いられる。
さらに、ポリオレフィン系樹脂の熱による劣化を防止する目的で、N,N’-ジフェニル-p-フェニルジアミン、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)等の老化防止剤、また、光による劣化を防止する目的で、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を添加してもよい。
この場合において、ポリオレフィン系樹脂及び潤滑剤を除く、以上の全ての添加剤の添加量としては、添加剤全体として成形原料全量の20質量%以下、特に10質量%以下であることが、潤滑剤の供給能力を維持する上で好ましい。
なお、本発明で用いることのできるポリマの材料としては、上記説明したようなポリオレフィン系樹脂をベースとしたものの他、射出成形可能な熱可塑性樹脂であれば使用でき、その中で含油量を多くすることができるものとして、例えば、ポリエステル系エラストマー等がある。
また、熱可塑性樹脂の他に、ポリウレタン、ポリウレアエラストマーなどの熱硬化性樹脂も用いることができる。
この場合において、ポリウレタンを用いる場合は、潤滑剤としてグリースを用いて、反応原料となるイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーとアミン系硬化剤とをそれぞれ、あるいはどちらか一方をグリースに均一に混合した後、2つの混合物を更に混合して目的の形状の金型に充填して、必要に応じて加熱して反応させ、グリースを含有させた状態で硬化させる。
また、ポリウレアを用いる場合は、分子鎖にソフトセグメントを含有する芳香族ポリアミン化合物及び芳香族ジアミンの混合物からなるアミン成分を、それと相溶性のある潤滑油或いはその潤滑油を基油とするグリースと均一混合した混合物に、更にポリイソシアナート成分を加えて混合し、目的の形状の金型に充填して、必要に応じて加熱して反応させ、潤滑剤を含有させた状態で硬化させる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図2を用いて説明する。
本実施形態では、円柱部材7と、潤滑剤含有ポリマ製摺動部材9を介して円柱部材7を長手方向(矢印Eの方向)に摺動するスライダ8とからなる滑り案内機構1とした例を示す。
前記円柱部材7は少なくともスライダ8が可動する範囲において同一の外形寸法を有した直状に形成されている。
前記スライダ8は、内径が円柱部材7の径よりも大きな寸法となる円筒状に形成されその内径面には摺動部材9が配設されている。
摺動部材9は、前記スライダ8の内径面に隙間なく嵌め合わされる全長(長手方向(矢印Eの方向)の長さ)を有した略円筒状に形成されている。
摺動部材9の内径は、その内径面9aが前記円柱部材7の外径よりも僅かに大きな寸法を有し、摺動部材9の外径は、その外径面9bが前記スライダ8の内径よりも僅かに大きな寸法を有する。
さらに、摺動部材9は、その長手方向(矢印Eの方向)に全長に亘って連続した切り欠き部9dを有する(図2(b)参照)。
さらに、長手方向の略中央の前記外径面9bには、その全周に亘って連続した周溝9cを有する。
摺動部材9は、外径面9bが前記スライダ8の内径面に内嵌することによって前記スライダ8に係止されている。
さらに、摺動部材9は、その内径面9aが前記円柱部材7の外径面7aに外嵌するとともに、その周溝9bには円環状のガータースプリング10が嵌め込まれ、ガータースプリング10の内向き(円柱部材7向き)の付勢力が作用される。
このように構成することによって、前記円柱部材7の外形面7a(対向面)に対して摺動部材9をガータースプリング10によって押圧しつつ摺動するので、摺動部材9と前記円柱部材7の外径面7aとの隙間が生じることなく、長期間に亘って運動精度や摩擦特性が低下せずに安定稼動が可能となる。
また、摺動部材9をガータースプリング10の付勢力によって円柱部材7の外径面7aへの適切な摺接圧力を保持しているため、摺動部材9が寸法変化した場合にも円柱部材7の外径面7aとの摺接状態に変化がない。すなわち、摺動部材9の寸法変化が切り欠き部9dの隙間が変化することで吸収されるため、摺動部材9が損傷する心配がない。
なお、摺動部材9の材質については、前記第1実施形態で説明した摺動部材4と同様であるため、ここではその説明を省略する。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図3を用いて説明する。
本実施形態の直動滑り案内機構1は、長手方向(図中奥行方向)に直線状の案内レール11と、案内レール11に跨架されたスライダ12と、スライダ12の対向面12aに係止されて対向する案内レール11の対向面11aに摺接して配される潤滑剤含有ポリマ製摺動部材13と、摺動部材13を案内レール11の対向面11aに向けて付勢する付勢部材14とからなる(図3(a)参照)。
案内レール11は、幅方向(図中左右方向)に左右対称の形状であって、基板部11eから上方に向けて徐々に幅広となる凸形状の対向面11aを有して形成される。具体的には、対向面11aは、水平部11bと、水平部11bの幅方向両端にそれぞれ有する鋭角な角部11cと、それぞれの角部11cから基板部11eに向けて徐々に幅が減少した傾斜からなる一対の脚部11dとで形成される。
スライダ12は、前記案内レール11の対向面11aと所定の間隙15をもって相似した幅方向(図中左右方向)に左右対称の形状であって、下方に向けて徐々に幅狭となる凹形状の対向面12aを有して形成される。具体的には、対向面12aは、水平部12bと、水平部12bの幅方向両端で、前記案内レール11の角部11cと同一の鋭角で凹状に形成された隅部12cと、それぞれの隅部12cから前記案内レール11の基板部11eの方向の内向き傾斜からなる一対の裾部12dとで形成される。なお、この水平部12bと一対の裾部12dからなる内側の空間が摺動部材13を保持する係止部として機能する。
次に、摺動部材13について説明する。
摺動部材13は、前記案内レール11の対向面11aとスライダ12の対向面12aとの間隙15に合わせた厚み寸法を有して、スライダ12の水平部12bと一対の裾部12dからなる内側の空間(係止部)に配される薄板形状であって、案内レール11の対向面11aの水平部11bで左右対称に2分割されている。
具体的には、摺動部材13は、スライダ12の水平部12bの略中央から隅部12cに隙間なく沿うように水平に形成された水平部13aと、前記スライダ12の隅部12cに沿って、隅部12cと同一の鋭角に屈折する角部13cと、角部13cからスライダ12の裾部12dに沿って内傾斜となる脚部13bとで断面視V字形に形成される。
なお、スライダ12左右対称の形状をしているため、摺動部材13は、水平部12bと一対の裾部12dからなる内側の空間(係止部)に左右対称に一対に配される。また、摺動部材13の水平部13aの端部は、スライダ12の水平部12bの略中央において間隔13fを空けて向き合うように対峙している。
また、摺動部材13の外面13eには、付勢部材14が嵌め合わされる溝部13gを有する。
付勢部材14は、前記摺動部材13と相似する形状の板バネであって、水平部14aと、水平部14aの両端にそれぞれ形成され鋭角に屈曲する左右一対の角部14cと、それぞれの角部14cから内傾斜となる左右一対の脚部14bとが一体に形成されてなる(図3(b)参照)。
また、付勢部材14の角部14cは、摺動部材13の角部13bの内角(スライダ12の隅部12cの内角および案内レール11の角部11cの内角と同じ角度)よりも小さな角度となるように設定されている。
付勢部材14を摺動部材13にセットする際には、一対の脚部14b,14bを外向き(矢印Fの方向)に拡げながら摺動部材13の外面13eの溝部13gに嵌め合わせる。これにより、摺動部材13の一対の脚部13b,13bは、付勢部材14のばね力によって内向き(矢印Gの方向)に付勢される。
案内レール11の対向面11aとスライダ12の対向面12aとの間隙15に付勢部材14が介在して摺動部材13を付勢(矢印G)することによって、摺動部材13から案内レール11の対向面11aと摺動部材13の内面13dとの摺動部分に潤滑剤が供給され、潤滑剤の供給に連れて摺動部材13が痩せて寸法変化したとしても、摺動部材13が係止部(スライダ12の水平部12bと一対の裾部12dからなる内側の空間)への係止が維持されることで保持され、さらに摺動部材13と前記対向面11a(摺動面)との隙間が生じることがなく、長期間に亘って運動精度や摩擦特性が低下せずに安定稼動が可能となる。
また、摺動部材13を付勢部材14の付勢力によって案内レール11の対向面11aへの適切な摺接圧力を保持しているため、摺接部材13が寸法変化した場合にも案内レール11の対向面11aとの摺接状態に変化がない。すなわち、摺接部材14の寸法変化が前記一対の摺動部材13の水平部13aの端部が対峙している間隔13fが変化することで吸収されるため、摺動部材13が損傷する心配がない。
なお、摺動部材13の材質については、前記第1実施形態で説明した摺動部材4と同様であるため、ここではその説明を省略する。
なお、潤滑剤含有ポリマ製摺動部材の切り欠きの形状や位置や数、ならびに間隙の形状や位置や数、さらには付勢部材によって付勢を与える方法は、上記詳説した各実施形態に限定されるものではなく、相対運動する摺動物の形状や介装する摺動部材の大きさや形状に合わせて適宜設定されて本発明の効果を得られる限りにおいて、本発明の範囲である。
本発明は、摺動部材を組み込んだ滑り機構全般に利用可能である。
1 直動滑り案内機構
2 案内レール
2a 案内レールの対向面
3 スライダ
3a スライダの対向面
31 係止部
31a 長手係止面
31b 短手係止面
31c 角
4 摺動部材
4a 長手面
4b 短手面
4c 角
5 付勢部材
5a 長辺部
5b 短辺部
5c 長辺根本部(係止部当接)
5d 長辺先端部(係止部当接)
5e 長辺中央部(摺動部材部当接)
5f 短辺根本部
5g 短辺先端部
5h 短辺中央部(摺動部材部当接)
6 隙間

Claims (2)

  1. 一方の対向面と他方の対向面が摺動部材を介して相対的に摺動運動をする滑り機構であって、
    一方の対向面には摺動部材を保持する係止部を備え、
    前記摺動部材は前記係止部との間に付勢力を有する付勢部材を介して保持され、
    前記摺動部材は潤滑剤を含有したポリマからなることを特徴とする潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構。
  2. 前記付勢部材は、対向面に向けた付勢力を有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤含有ポリマ製摺動部材を組み込んだ滑り機構。
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