JP2023167391A - 画像測定装置 - Google Patents

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崇志 成瀬
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Abstract

【課題】画像測定装置の測定作業を簡素化する。【解決手段】画像測定装置は、表示部に表示されたワーク画像上で、ステージの移動を伴わずに測定を行うための第1測定要素、および、ステージの移動を伴って測定を行うための第2測定要素を設定する設定部と、第1測定要素および第2測定要素を含む複数の測定要素の相対的な参照関係を互いの参照依存関係に基づくツリー構造によって規定したとき、第2測定要素が、ツリー構造の末端から見て同じグループに属するように、複数の測定要素の測定順序を並び替える処理部とを備えている。【選択図】図36

Description

本開示は、ワーク画像に基づきワークの寸法などを測定する画像測定装置に関する。
従来から、画像プローブ、レーザ変位プローブ、接触式のタッチプローブなど、複数種類のプローブを備えた画像測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような測定装置では、ユーザが設定した測定手順を予め記憶しておき、測定実行時に、この測定手順を繰り返し行うことで、同種のワークに対して連続測定を行うことが可能となっている。
特開2009-216548号公報
しかしながら、画像プローブ、レーザ変位プローブ、タッチプローブ等により各種測定を行う場合には、例えば、レーザ変位プローブの真下に測定ポイントが位置するようにステージの移動を伴ったり、タッチプローブのスタイラスを最適な種類・サイズのものに交換したりと、測定前の準備に一定の時間が掛かる。
また、例えば、画像プローブによる測定とタッチプローブによる測定が交互に何度も行われると、それぞれ必要な測定前準備に起因して、全体として測定時間が延びてしまう。ユーザは、測定時間を短縮するためには、各プローブによる測定順序や、タッチプローブにおいてはスタイラス交換タイミングなどを考慮しながら、測定手順を設定しなければならない。そのため、測定手順を簡単に設定することが容易でなく、使い勝手に欠ける面があった。
本開示は、かかる点に鑑みたものであり、その目的とするところは、画像測定装置の測定作業を簡素化することにある。
上記目的を達成するために、本開示の一態様では、ワークが載置されるステージを移動可能に支持するベースと、前記ベースに設けられ、前記ステージ上のワークに検出光を照射する投光部と、前記投光部により照射された検出光を受光してワーク画像を生成する撮像部と、前記ワーク画像を用いた寸法測定を行う画像測定部と、前記ステージの上方から測定光を出射し、該測定光を受光することにより、前記ステージ上のワークの高さを非接触で測定する非接触測定部と、測定設定時に、前記撮像部により生成されたワーク画像を表示する表示部と、前記表示部に表示されたワーク画像上で、前記画像測定部により前記ワーク画像を用いた寸法測定又は該寸法測定の結果を用いた演算を行うための第1測定要素、および、少なくとも前記非接触測定部により測定を行うための第2測定要素を設定する設定部と、前記設定部により設定された前記第1測定要素および前記第2測定要素を含む複数の測定要素の相対的な参照関係を互いの参照依存関係に基づくツリー構造によって規定したとき、前記第2測定要素が、前記ツリー構造の末端から見て同じグループに属するように、複数の測定要素の測定順序を並び替える処理部とを備えている。
この構成によれば、時間を掛けずに測定が可能な第1測定要素と、時間を掛けて測定する第2測定要素とが混在している場合に、ステージの移動を伴う第2測定要素同士が同じグループに属するように測定順序が並び替えられる。その結果、ユーザが測定順序の設定を行わなくても、測定時間を要する測定要素をまとめて測定することが可能になるので、測定設定に手間をかけることなく、測定時間を短縮できる。
また、ステージ上のワークに接触して接触点の三次元座標を測定するためのタッチプローブと、ステージ又はタッチプローブをステージの法線方向、ステージの上面と平行な方向又は該法線方向から傾斜する方向に相対的に移動させることにより、ステージ上に載置されたワークの表面に対して前記タッチプローブを接触させる駆動部と、駆動部の動作によってタッチプローブがワークに接触したとき出力される接触信号に基づいて、該タッチプローブがワークに接触した接触点の三次元座標を測定するタッチプローブ測定部とを備えていてもよい。この場合、設定部は、第2測定要素として、タッチプローブ測定部による測定を行うための測定要素を含んでいるので、測定設定が容易になる。
また、タッチプローブは着脱可能なスタイラスを有しており、種類の異なるスタイラスを保持するとともに、タッチプローブが所望のスタイラスを有するようにスタイラスを交換する交換部を備えていてもよい。この場合、複数の測定要素に、第1スタイラスを有するタッチプローブがワークに接触したとき出力される接触信号に基づいて接触点の三次元座標を測定する複数の第1タッチプローブ測定と、第2スタイラスを有するタッチプローブがワークに接触したとき出力される接触信号に基づいて接触点の三次元座標を測定する第2タッチプローブ測定とを含むことができる。処理部は、タッチプローブ測定部による複数の第1タッチプローブ測定を連続して実行するように、複数の測定要素の測定順序を並び替えることができる。
処理部は、ツリー構造の末端から見て、ステージの移動を伴う第2測定要素が属するグループが少なくなるように(より好ましくは、最小数となるように)、複数の測定要素の測定順序を並び替えることで、測定時間を短縮できる。
また、処理部は、複数の測定要素に、画像測定部による寸法測定と、非接触測定部による測定とがそれぞれ複数含まれている場合、複数の画像測定部による寸法測定を連続して実行するとともに、複数の非接触測定部による測定を連続して実行するように、複数の測定要素の測定順序を並び替えることができる。このことによっても、測定時間を短縮できる。
以上説明したように、比較的時間が掛からない第1測定要素と比較的時間が掛かる第2測定要素の相対的な位置関係を互いの参照依存関係に基づくツリー構造によって規定したとき、第2測定要素が、ツリー構造の末端から見て同じグループに属するように、複数の測定要素の測定順序を並び替えることができるので、測定設定を短縮する(効率の良い測定を実現する)ことができる。
本発明の実施形態に係る画像測定装置の全体構成を示す図である。 装置本体を上方から見た斜視図である。 装置本体を正面側から見たときの模式図である。 装置本体を側面側から見たときの模式図である。 受光レンズ及びその近傍を斜め下方から見た斜視図である。 画像測定装置のブロック図である。 タッチプローブの縦断面図である。 支点形成用弾性部材の平面図である。 図7におけるIX-IX線断面図である。 タッチプローブの別の例を示す図7相当図である。 スタイラスのチェンジャー機構の斜視図である。 スタイラス保持部の斜視図である。 スタイラスの装着手順の一例を示すフローチャートである。 FIG.14Aは、取付可能位置にあるスタイラス保持部の上方にハウジングが配置されている状態を示す斜視図であり、FIG.14Bは、ハウジングを下降させてスタイラスが装着された状態を示す斜視図である。 スタイラスの取り外し手順の一例を示すフローチャートである。 画像測定装置の測定設定時の手順の一例を示すフローチャートである。 画像生成の手順の一例を示すフローチャートである。 画像測定の測定設定時の手順の一例を示すフローチャートである。 座標測定の測定設定時の手順の一例を示すフローチャートである。 ステージ上のワークの斜視図である。 ワークが載置されたステージ平面画像である。 ステージ上のワークのY方向に沿った縦断面図である。 接触目標位置の設定用ユーザーインターフェース画面の例を示す図である。 斜面に対する接触目標位置の設定用ユーザーインターフェース画面の例を示す図である。 非接触変位計を用いた測定の手順の一例を示すフローチャートである。 幾何要素を表示させるためのユーザーインターフェース画面の例を示す図である。 幾何要素を三次元画像に重畳表示させるためのユーザーインターフェース画面の例を示す図である。 タッチプローブの測定動作の詳細手順の一例を示すフローチャートである。 画像測定装置の測定設定時の前半部分の手順の一例を示すフローチャートである。 画像測定装置の測定設定時の後半部分の手順の一例を示すフローチャートである。 測定実行時における非接触測定の手順の一例を示すフローチャートである。 参照関係を持った5つの測定要素の並び替えの例を説明する概念図である。 測定要素の参照関係をツリー構造によって規定した例を示すツリー図である。 既存の手法に従ってグループ分けした場合を示すツリー図である。 実施形態による手法でグループ分けする場合の第1段階を示すツリー図である。 第1段階のグループ分けが完了した状態を示すツリー図である。 グループ分けの第2段階を示すツリー図である。 測定要素の並び替えの手順の一例を示すフローチャートである。 カウンタ値の設定手順の一例を示すフローチャートである。 測定要素の並び替えの具体例を説明するワーク画像を示す図である。 測定例を示すワーク画像を示す図であり、始めの段階を示す。 測定例を示すワーク画像を示す図であり、図40に示す段階とは別の段階を示す。 測定例を示すワーク画像を示す図であり、図41に示す段階とは別の段階を示す。 測定例を示すワーク画像を示す図であり、図42に示す段階とは別の段階を示す。 測定例を示すワーク画像を示す図であり、図43に示す段階とは別の段階を示す。 測定例を示すワーク画像を示す図であり、図44に示す段階とは別の段階を示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る画像測定装置1の全体構成を示す図である。画像測定装置1は、装置本体2と、パーソナルコンピュータ等で構成された制御ユニット3と、表示部4とを有しており、装置本体2にて取得されたデータを制御ユニット3にて演算処理してワークWの各部の寸法を測定するとともに、必要に応じて測定結果の良否判定等も実行可能に構成されている。制御ユニット3は、装置本体2に組み込まれて一体化されていてもよい。詳細は後述するが、装置本体2で取得されるデータは、ワークWの画像データの他、後述するタッチプローブ80がワークWに接触したときの接触点に関するデータや、非接触変位計70(図3に示す)で測定されたデータ等が含まれている。
表示部4には、例えば各種設定画面、画像データ、測定結果等が表示される。表示部4は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されている。本例では、表示部4が装置本体2及び制御ユニット3と別体であるように示しているが、これに限らず、装置本体2に組み込まれていてもよいし、制御ユニット3に組み込まれていてもよい。
画像測定装置1は、さらに、ユーザによる操作機器として、キーボード5及びマウス6等を備えている。操作機器は、キーボード5及びマウス6に限られるものではなく、タッチパネル型の操作機器等であってもよい。例えば、制御ユニット3をノート型パーソナルコンピュータで構成することもでき、この場合には、キーボード5及びマウス6は、表示部4とともに制御ユニット3と一体化した形態となる。
画像測定装置1は、さらに、記憶部7を備えている。記憶部7は、例えばハードディスクドライブや、ソリッドステートドライブ等で構成することができるものであり、装置本体2で取得される各種データ、ユーザによる設定情報、画像、測定結果、良否判定結果等を記憶する部分である。記憶部7は、制御ユニット3に内蔵されていてもよいし、制御ユニット3の外部に設けられていてもよい。記憶部7が制御ユニット3の外部に設けられている場合、例えばインターネット等の通信回線を介して接続されたクラウド型のストレージ等であってもよい。
(装置本体2の構成)
図2に示すように、装置本体2は、ベース20と、ベース20に対して水平移動可能に設けられたステージ21と備えている。なお、ステージ21は昇降可能であってもよい。ステージ21の中央部近傍には、例えばガラス等のように光を透過する部材で構成された載置台21aが設けられており、この載置台21aにワークWを載置することが可能になっている。ステージ21は、水平方向(装置本体2の幅方向であるX方向、装置本体2の奥行き方向であるY方向)に移動可能にベース20に支持されている。すなわち、装置本体2は、ステージ21を駆動するXY方向駆動部23(図3、図4に模式的に示す)を備えており、XY方向駆動部23により、ステージ21をX方向の所定範囲内で移動させることができるとともに、Y方向の所定範囲内で移動させることができる。ステージ21をX方向に直線移動させること、Y方向に直線移動させることの他、移動軌跡が、平面視でX軸やY軸に対して傾斜するようにステージ21を移動させることや、任意の曲線を描くようにステージ21を移動させることもできる。
XY方向駆動部23は、X方向の移動距離を検出するためのX方向リニアスケール23a及びY方向の移動距離を検出するためのY方向リニアスケール23bを有している。X方向リニアスケール23aにより、ステージ21の左右方向の位置や移動距離の検出が可能になっている。Y方向リニアスケール23bにより、ステージ21の奥行方向の位置や移動距離の検出が可能になっている。
XY方向駆動部23は、制御ユニット3によって制御される。制御ユニット3から出力された制御信号に基づいてXY方向駆動部23を制御し、X方向リニアスケール23a及びY方向リニアスケール23bの検出信号に基づいてステージ21の現在位置を判定し、ステージ21を所望の位置まで移動させ、またステージ21が所望の移動軌跡を描くように移動させる。
この実施形態の説明では、Z方向を上下方向または高さ方向と呼んだり、X方向を左右方向と呼んだり、Y方向を前後方向と呼んだりするが、これは説明の便宜を図るためであり、装置本体2の使用時の姿勢を限定するものではない。また、通常、ユーザは装置本体2の前方にいることが多いので、装置本体2のユーザ側を単に前といい、ユーザとは反対側を単に後といい、ユーザから見て右側を単に右側といい、ユーザから見て左側を単に左側という。
図3及び図4に示すように、ベース20のステージ21よりも下側部分には、投光部としての透過照明30が設けられている。図4に示すように、透過照明30は、例えば発光ダイオード等からなる透過照明用発光体31と、透過照明用発光体31から出射された光が透過するスリット32と、スリット32を通過した光を上方へ向けるためのミラー33と、ミラー33によって上方へ向けられた光が入射するレンズ34とを備えている。レンズ34は、入射した光を平行光にして出射可能なレンズである。レンズ34から出射した光は、ステージ21の載置台21aに向いており、載置台21aを透過し、載置台21aに載置されているワークWに対して下方から照射される。
図2に示すように、装置本体2のベース20の前側には、測定開始ボタン2aが設けられている。測定開始ボタン2aは、ワークWの測定を開始する際にユーザが操作するためのボタンである。測定実行時には、測定開始ボタン2aを1つ押すだけで、測定動作が実行される。
装置本体2は、支持部22及び測定実行部24を備えている。図3及び図4に示すように、支持部22は、ベース20の後側部分に連結され、当該ベース20の後側部分から上方へ延びている。測定実行部24は、支持部22の上側部分に支持されている。測定実行部24には、同軸落射照明40、リング照明45、撮像部50、非接触変位計70、タッチプローブ80のレンズユニット81等が設けられている。
測定実行部24は、支持部22とは別体に構成されており、支持部22に対してZ方向に移動可能となっている。すなわち、装置本体2は、測定実行部24を駆動するZ方向駆動部25を備えており、Z方向駆動部25により上昇端位置から下降端位置まで測定実行部24が直線移動可能になっている。撮像部50の撮像軸はZ軸と一致しており、従って撮像軸はZ方向に延びている。測定実行部24は、撮像部50の撮像軸に沿って可動する可動部の例である。
Z方向駆動部25は、Z方向の移動距離を検出するためのZ方向リニアスケール25aを有しており、Z方向リニアスケール25aにより、測定実行部24の高さ、高さ方向の移動距離等の検出が可能になっている。Z方向駆動部25は、制御ユニット3が有する制御部3dによって制御される。制御部3dは、制御信号によってZ方向駆動部25を制御し、Z方向リニアスケール25aの検出信号に基づいて測定実行部24の現在位置を判定し、測定実行部24を所望の位置まで移動させる。測定実行部24の移動速度は複数段階ないし無段階に変化可能になっている。
同軸落射照明40は、投光部であり、図4に示すように、例えば発光ダイオード等からなる同軸落射照明用発光体41と、同軸落射照明用発光体41から出射された光が入射するレンズ42と、レンズ42から出射した光を下方向に向ける方向変換部材43とを備えている。方向変換部材43は上下方向に光を透過可能な光透過部材で構成されている。方向変換部材43から出射した光は検出光である。方向変換部材43から出射した検出光は、ステージ21の載置台21aに向いており、載置台21aに載置されているワークW、即ちステージ21上のワークWに対して上方から照射される。
撮像部50は、受光レンズ51、ビームスプリッタ52、高倍側結像レンズ53、低倍側結像レンズ54、高倍側撮像素子55及び低倍側撮像素子56を有しており、これらによって第1撮像部が構成されている。撮像部50は、ステージ21の上方において撮像方向がステージ21の法線方向(Z方向)となる姿勢で支持部22によって支持されている。
具体的には、図5にも示すように、撮像部50の受光レンズ51は、測定実行部24の下面に配設されており、受光面がステージ21の載置台21aの上面と対向するように位置付けられている。したがって、同軸落射照明40から照射されてワークWの表面で反射された検出光を受光レンズ51で受光することができるとともに、透過照明30から照射された光も受光レンズ51で受光することができるようになっている。
受光レンズ51の光軸はZ方向と一致している。この例では、受光レンズ51の真上に同軸落射照明40の方向変換部材43が位置しているので、同軸落射照明40から出射された検出光は、受光レンズ51を透過してステージ21上のワークWに照射されることになる。
ビームスプリッタ52は、方向変換部材43の上方に配設されており、受光レンズ51から上方へ出射した光を二方向に分岐するプリズムで構成されている。ビームスプリッタ52としては、例えばキューブ型、プレート型のビームスプリッタを使用することができる。キューブ型ビームスプリッタは、プレート型と比較して、ビームスプリッタを通過した光が屈折することがないので光軸がずれず、分岐角度のアライメント調整が容易なため好ましい。この例では、受光レンズ51を介してビームスプリッタ52に入射した光は、上方と後方とに分岐される。このため、高倍側結像レンズ53は、ビームスプリッタ52の上方に配設される一方、低倍側結像レンズ54は、ビームスプリッタ52の後方に配設されている。また、高倍側撮像素子55は高倍側結像レンズ53の上方に配設されており、高倍側結像レンズ53に入射した光は、高倍側撮像素子55の受光面で結像するようになっている。また、低倍側撮像素子56は低倍側結像レンズ54の後方に配設されており、低倍側結像レンズ54に入射した光は、低倍側撮像素子56の受光面で結像するようになっている。
高倍側撮像素子55及び低倍側撮像素子56は、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等で構成されている。低倍側撮像素子56で取得されるワーク画像は低倍画像であり、また、高倍側撮像素子55で取得されるワーク画像は低倍画像よりも高倍率の高倍画像である。本例では、測定精度を高めるため、高倍側撮像素子55及び低倍側撮像素子56を単一チャネルの撮像素子で構成し、高解像度なワーク画像を取得するようにしている。よって、高倍側撮像素子55及び低倍側撮像素子56から出力されるワーク画像はモノクロ画像(グレースケール画像)になる。
撮像部50の焦点位置は、Z方向駆動部25によって調整される。すなわち、制御部3dは、Z方向駆動部25を制御することで測定実行部24をZ方向に移動させることができるのであるが、Z方向は撮像部50の撮像軸方向と一致しているので、撮像部50を撮像軸に沿って移動させることができる。つまり、Z方向駆動部25は、撮像部50の焦点位置を調整する焦点調整機構であり、測定実行部24の撮像軸に沿う方向の移動により、撮像部50の焦点調整が可能になる。焦点調整の際には、従来から周知のコントラスト方式、位相差方式等のアルゴリズムを用いたオートフォーカスの他、ユーザが所定の操作を行って調整するマニュアルフォーカスも可能になっている。
上述の受光レンズ51及びビームスプリッタ52による二分岐光学系の構成により、光学系を機械的に切り替えることなく高倍画像と低倍画像とを同時に取得することができる。なお、ビームスプリッタ52による二分岐光学系の構成を省略して、高倍レンズと低倍レンズとを機械的に切り替えるようにして、高倍画像と低倍画像とを取得するようにしてもよい。
リング照明45は、ステージ21上のワークWに単色光(白色光)、または複数の異なる波長の検出光を照射する投光部である。複数の異なる波長の検出光には、例えば赤色光、緑色光、青色光等が含まれる。リング照明45は、受光レンズ51の外周部を囲む円形状をなしており、受光レンズ51の下方において当該受光レンズ51と同軸上に配置されている。
図6に示すように、リング照明45には、赤色光を出射する赤色光源45a、緑色光を出射する緑色光源45b及び青色光を出射する青色光源45cが含まれている。赤色光源45a、緑色光源45b及び青色光源45cは、それぞれ発光ダイオード等で構成されており、個別に点灯、消灯可能になっている。すなわち、赤色光源45aのみを点灯させることでワークWが赤色光で照明され、また、緑色光源45bのみを点灯させることでワークWが緑色光で照明され、また、青色光源45cのみを点灯させることでワークWが緑色光で照明され、また赤色光源45a、緑色光源45b及び青色光源45cを全て点灯させることでワークWが白色光で照明される。
リング照明45は、照明用Z方向駆動部45dを備えており、照明用Z方向駆動部45dにより上昇端位置から下降端位置までリング照明45が直線移動可能になっている。ワークWの高さに応じてリング照明45を移動させることで、ワークWに接近した所から検出光を照射することが可能になる。照明用Z方向駆動部45dは、Z方向の移動距離を検出するためのZ方向リニアスケール45eを有しており、Z方向リニアスケール45eにより、リング照明45の高さ、高さ方向の移動距離等の検出が可能になっている。なお、本実施形態では、リング照明45は測定実行部45の筐体外側に配置されているが、本発明はこれに限られず、測定実行部45の筐体内部に配置されていてもよい。
図3に示すように、透過照明30をステージ21に導くミラー33と、リング照明45と、同軸落射照明40をステージ21に導く方向変換部材43と、撮像部50(例えば高倍側撮像素子55)とは、垂直方向に略一直線状に配置されている。そして、リング照明45、方向変換部材43、撮像部50は、上下に可動する測定実行部24の筐体に固定されており、一体的にZ方向に移動可能となっている。加えて、本実施形態では、後述するタッチプローブ80のハウジング81も測定実行部24の筐体に固定され、ハウジング81も一体的にZ方向に移動可能となっている。
測定実行部24は、第1ステージカメラ46、第2ステージカメラ47及びフロントカメラ48を有している。測定実行部24が支持部22の上側部分に設けられていることから、第1ステージカメラ46、第2ステージカメラ47及びフロントカメラ48も支持部22の上側部分に設けられることになる。第1ステージカメラ46、第2ステージカメラ47及びフロントカメラ48は、それぞれ、カラー画像の取得が可能な撮像素子を有している。また、第1ステージカメラ46、第2ステージカメラ47及びフロントカメラ48の画素数は、高倍側撮像素子55及び低倍側撮像素子56よりも少なくなっているが、これに限らず、同程度の画素数を有していてもよい。
図4に示すように、第1ステージカメラ46及び第2ステージカメラ47は、受光レンズ51の前方に配設されており、かつ、互いに左右方向に間隔をあけて設けられている。第1ステージカメラ46及び第2ステージカメラ47の撮像方向(光軸方向)は、撮像部50の撮像方向と同方向となっている。第1ステージカメラ46及び第2ステージカメラ47の撮像視野は、撮像部50の撮像視野の前方に位置しており、ステージ21の前側部分を撮像可能になっている。なお、第1ステージカメラ46又は第2ステージカメラ47は、ステージ21全体を真上から俯瞰的に撮像することにより俯瞰画像(平面画像)を生成するものであり、俯瞰画像生成部と呼んでもよい。
フロントカメラ48は、ステージ21の上方において撮像方向がステージ21の法線方向と異なる姿勢でワークWを撮像して俯瞰画像を生成する第2撮像部であり、上記俯瞰画像生成部と呼ぶこともできる。フロントカメラ48は、受光レンズ51の前方に配設されており、前後方向の位置関係では第1ステージカメラ46及び第2ステージカメラ47よりも前方に位置付けられている。したがって、フロントカメラ48は、ユーザに最も近くに配設されるカメラと言える。フロントカメラ48の撮像視野は、高倍側撮像素子55及び低倍側撮像素子56の撮像視野よりも広く設定されており、高倍側撮像素子55及び低倍側撮像素子56の撮像視野を含み、かつ、高倍側撮像素子55及び低倍側撮像素子56の撮像視野外も撮像可能になっている。本例では、フロントカメラ48によってステージ21の上面の全体を撮像可能になっている。また、フロントカメラ48は、リアルタイムで撮像可能に構成されており、ライブビュー画像を取得できるカメラである。
フロントカメラ48の撮像方向(光軸方向)は、ステージ21の前方斜め上からステージ21の上面に向く方向、即ちユーザから見たとき手前から奥に向くようになっている。これは、測定実行時のユーザからステージ21を見たときの視線方向と、フロントカメラ48の撮像方向とが概ね一致するようにするためである。これにより、フロントカメラ48により生成された俯瞰画像は、ユーザが自然な測定姿勢でワークWを俯瞰したときに見ることができるものと対応することになる。
(非接触変位計70の構成)
非接触変位計70は、ステージ21の法線方向に沿って測定光を出射し、ステージ21上のワークWからの反射光を受光することにより、ステージ21上のワークWの高さを非接触で測定する非接触測定部である。非接触変位計70は、レーザ同軸変位計、より詳しくは白色共焦点変位計であり、図3に示すように、レンズユニット71と投受光ユニット72と両ユニット71、72を繋ぐ光ファイバ部73とを備えている。投受光ユニット72は、ベース20に内蔵されており、レーザ光源72a、光源光学部材72b、蛍光体72c及び受光素子72dを備えている。
レーザ光源72aは、単一波長の光を発し、好ましくは、波長が450nm以下の青色あるいは紫外光を発するもので構成される。特に、青色の光を発するものであると、蛍光体72cの励起に利用され波長変換された光と蛍光体72cの励起に利用されず青色のままの光が混じりあった光をワークWに投光することができる。
蛍光体72cは、レーザ光源72aからの光で励起され異なる波長に変換して光を発する。蛍光体72cは、一又は複数種の蛍光体72cで構成され、例えば、青色の光で励起され、黄色光に変換して光を発するようにしても良く、また、2種の蛍光体72cにより青色の光で励起され緑色に変換して光を発するとともに青色の光で励起され赤色に変換して光を発するようにしても良い。
光ファイバ部73は、一又は複数の光ファイバで構成される。取り扱いを容易にするために、光ファイバの端にフェルール73aを用いても良い。レンズユニット71側の光ファイバ部73の端である出射端のコア径は、ワークWに結像されるスポット径に影響があるため直径200μm以下とすることができ、直径50μm以下としてもよい。
光ファイバ部73の入射端側に蛍光体72cが固定されている。蛍光体72cは、レーザ光源72aからの光及び蛍光体72cが発光する光を透過する樹脂、ガラス等の光透過性媒体内に固定されるとともに光透過性媒体が光ファイバ部73の入射端に固定されるようにしても良い。このときレーザ光源72aからの光及び蛍光体72cからの光を効率よく光ファイバ部73に入射するために、光透過性媒体の屈折率は、光ファイバ部73の入射端側のコアの屈折率以下としている。
受光素子72dは、多分割PD(フォトダイオード)あるいはCCD、CMOS等の撮像素子で構成され、回折格子、プリズム等により構成される分光器72eあるいは色選択光学フィルタ等を介してワークWからの光を波長に応じて選択的に受光する。受光素子72dは、ワークWからの光を、光ファイバ部73を介して受光するものであっても良く、他の光学経路を介して受光するものであっても良い。
レンズユニット71は、測定実行部24に取り付けられているので、撮像部50とともにZ方向に移動可能になっている。レンズユニット71は、光ファイバ部73の出射端から出射される光をワークWに向けて集光するための部材であり、上側レンズ71a及び下側レンズ71bを含んでいる。レンズユニット71は、撮像部50の右側方に配置されており、光軸はZ方向となっている。
レンズユニット71が、光ファイバ部73の出射端と共焦点位置になるように構成されている場合、ワークWからの光は、回折格子やプリズム等により構成される分光器72eにより光を波長に応じて分離され、受光素子72dにおける受光位置によってワークWからの光の波長-輝度分布が検出される。受光素子72dによる受光位置及び受光量に関する信号は、制御ユニット3が有する変位測定部3cに送信される。
例えば、レンズユニット71として色収差レンズを用いた場合、図6に示す変位測定部3cは、より短い波長の光が検出されるとワークWがより近い距離に存在し、より長い波長の光が検出されるとワークWがより遠い距離に存在すると評価する。また、レンズユニット71として回折レンズを用いた場合、変位測定部3cは、より短い波長の光が検出されるとワークWがより遠い距離に存在し、より長い波長の光が検出されるとワークWがより近い距離に存在すると評価することにより、ワークWの変位を測定する。
図3に示すように、非接触変位計70の焦点距離は、撮像部50の焦点距離よりも長く設定されている。また、非接触変位計70の焦点高さが撮像部50の焦点高さと略同一となるように設定されている。すなわち、非接触変位計70のレンズユニット71の測定実行部24に対する取付高さ、及び、撮像部50の測定実行部24に対する取付高さは、任意に設定することができるが、本例では、非接触変位計70の焦点高さと撮像部50の焦点高さとが略同一となるように、レンズユニット71の高さと撮像部50の高さとが設定されている。例えば、レンズユニット71の下側レンズ71bは、撮像部50の受光レンズ51よりも上に配設されている。
本例ではZ方向駆動部25により非接触変位計70を移動させることが可能になるので、例えば撮像部50の焦点距離と非接触変位計70の焦点距離とを合わせておくことで、撮像部50の焦点距離にある測定対象位置に、非接触変位計70の焦点を合わせるように水平方向にステージ21を移動させるだけで、非接触変位計70による高さ測定を実行することが可能になる。
(タッチプローブの構成)
図3に示すタッチプローブ80は、ステージ21上のワークWに接触したとき接触信号を出力する部材である。本例では、タッチプローブ80が測定実行部24に設けられているので、Z方向駆動部25によりタッチプローブ80をステージ21に対してZ方向に相対的に移動させることができる。また、ステージ21をXY方向駆動部23によりタッチプローブ80に対してXY方向に相対的に移動させることができる。このように、Z方向駆動部25及びXY方向駆動部23が、ステージ21及びタッチプローブ80の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させることにより、ステージ21上に載置されたワークWに対してタッチプローブ80を接触させることができるようになっている。尚、ステージ21をZ方向に移動させてもよいし、タッチプローブ80をXY方向に移動させてもよい。Z軸と直交し、装置本体2の左右方向と一致する軸をX軸とする。Z軸と直交するとともにX軸と直交する方向(装置本体2の前後方向)と一致する軸をY軸とする。
タッチプローブ80から出力される接触信号は、図6に示す制御ユニット3の座標測定部3bに送信される。座標測定部3bは、Z方向駆動部25及びXY方向駆動部23によってタッチプローブ80がワークWに接触したとき出力される接触信号を受信すると、その接触信号に基づいて、タッチプローブ80がワークWに接触した接触点の三次元座標を測定する。
例えば、タッチプローブ80の接触信号が出力されたときのステージ21のX方向の位置及びY方向の位置は、それぞれX方向リニアスケール23a及びY方向リニアスケール23bによって取得できる。また、タッチプローブ80の接触信号が出力されたときのタッチプローブ80のZ方向の位置は、Z方向リニアスケール25aによって取得できる。また、タッチプローブ80とワークWとの相対的な位置関係を予め設定しておくとともに、撮像部50等のキャリブレーションを実行しておくことで、リニアスケール23a、23b、25aの検出結果に基づいて、接触点の三次元座標の測定が可能である。
図7に示すように、タッチプローブ80は、ハウジング81と、プローブシャフト82と、スタイラス83と、支点形成用弾性部材(第1の弾性部材)84と、原点復帰用弾性部材(第2の弾性部材)85と、変位検出機構86とを備えている。ハウジング81は、Z方向に延びる筒状をなしており、図5に示すように、測定実行部24に固定され、撮像部50の左側方に配設されている。したがって、タッチプローブ80と非接触変位計70のレンズユニット71との間に撮像部50が介在している。
図7に示すように、プローブシャフト82は、ハウジング81の内側に設けられた棒状の部材であり、Z方向に延びている。プローブシャフト82の下端部には、プローブシャフト82の外径よりも大径の上側円柱部材82aが固定されている。スタイラス83もプローブシャフト82と同様にZ方向に延びる棒状の部材で構成されているが、プローブシャフト82よりも細くなっている。スタイラス83の下端部には、ワークWに接触する球状の接触部83bが設けられている。
スタイラス83の上端部は、プローブシャフト82の円柱部材82aの下面に対して脱着可能に取り付けられている。すなわち、スタイラス83の上端部には、スタイラス83の外径よりも大径の下側円柱部材83aが固定されている。上側円柱部材82aと下側円柱部材83aとは略同径であるが、上下方向の寸法は下側円柱部材83aの方が長く設定されている。尚、プローブシャフト82はハウジング81と一体化されているので、スタイラス83はハウジング81に対して脱着可能に取り付けられているとも言える。
スタイラス83のプローブシャフト82への脱着構造は、特に限定されるものではないが、例えばキネマティックマウント等を利用することが可能である。すなわち、上側円柱部材82aの下面と下側円柱部材83aの上面とに互いに吸着する極性を持った永久磁石(図示せず)をそれぞれ固定しておく。上側円柱部材82aの下面と下側円柱部材83aの上面との一方の磁石の周りに例えば3つの鋼球83cを周方向に等間隔に固定し、他方の面の磁石の周りに前記鋼球83cが嵌合する嵌合溝(図示せず)を鋼球83cの位置に対応するように形成しておく。これにより、スタイラス83をプローブシャフト82の下方からプローブシャフト82に接近させていくと、上側円柱部材82aと下側円柱部材83aに固定されている磁石の吸引力により、スタイラス83がプローブシャフト82に吸着した状態で保持される。または、プローブシャフト82をスタイラス83の上方からスタイラス83に接近させていくと、上側円柱部材82aと下側円柱部材83aに固定されている磁石の吸引力により、スタイラス83がプローブシャフト82に吸着した状態で保持される。このとき、鋼球83cが嵌合溝の嵌合することで、スタイラス83がプローブシャフト82と同軸上に配置される。
スタイラス83をプローブシャフト82から外す際には、プローブシャフト82を固定したままスタイラス83を磁力に抗して下へ移動させるか、スタイラス83を固定したままプローブシャフト82を磁力に抗して上へ移動させる。これにより、下側円柱部材83aが上側円柱部材82aから離れてスタイラス83が外れる。
支点形成用弾性部材84は、ハウジング81とプローブシャフト82に連結され、プローブシャフト82の偏向支点を形成するための部材であり、例えば扁平型バネ等で構成される。具体的には、支点形成用弾性部材84は、プローブシャフト82の径方向の延長線に沿って延び、径方向外端部がハウジング81の内面に連結された板バネで構成されている。支点形成用弾性部材84の形状の一例を図8に示しており、支点形成用弾性部材84の外形状は、ハウジング81の内面に沿うように形成された円形とされている。支点形成用弾性部材84の中央部には、プローブシャフト82が挿通可能な挿通孔84aが形成されており、プローブシャフト82は挿通孔84aに挿通された状態で固定されている。支点形成用弾性部材84には、外側部84bと、挿通孔84aが形成された内側部84cと、外側部84b及び内側部84cを接続する3つの接続部84dとが一体成形されている。
支点形成用弾性部材84は、軸方向の形状復元性を持った弾性材料で構成することができる。また、内側部84cが軸芯に位置した状態を維持し、径方向のずれが抑制されるように、支点形成用弾性部材84の材料及び形状が設定されている。これにより、プローブシャフト82の偏向支点を支点形成用弾性部材84によって保つことができる。また、スタイラス83がワークWに対して接触したとき、支点形成用弾性部材84が接触抵抗に影響を及ぼさないくらい小さな力で変形する。また、プローブシャフト82を小さな力でZ方向に変位可能にするため、支点形成用弾性部材84は内側部84cを外側部84bに対して小さな力でZ方向に相対変位させることができるようになっている。
図7に示すように、ハウジング81の内側には、支点形成用弾性部材84の外側部84b(図8に示す)を下から支持するための支持部81aが設けられている。支持部81aにより外側部84bが支持されていることで、プローブシャフト82が予め設定された所定高さで保持されて安定するとともに、振動しにくくなり、測定精度が向上する。
原点復帰用弾性部材85は、支点形成用弾性部材84からプローブシャフト82の軸方向に離れた部分においてハウジング81とプローブシャフト82に連結され、プローブシャフト82を原点に復帰させるための部材である。このように、偏向支点を形成するための支点形成用弾性部材84と、原点復帰させるための原点復帰用弾性部材85とを別々に設けており、各弾性部材84、85は、それぞれ、互いに異なる機能を満足するように設計されている。すなわち、支点形成用弾性部材84は、原点復帰用弾性部材85に比べてプローブシャフト82の径方向の変位抑制力が強く設定され、また、原点復帰用弾性部材85は、支点形成用弾性部材84に比べてプローブシャフト82を原点へ付勢する付勢力が強く設定されている。
原点復帰用弾性部材85は、支点形成用弾性部材84よりもプローブシャフト82の先端側(下側)に設けられており、図9に示すように、プローブシャフト82から放射状に、かつ、プローブシャフト82の径方向の延長線に沿って延び、外端部がハウジング81に連結される3以上の引張バネ85a、85b、85cで構成され、当該3以上の引張バネ85a、85b、85cのバネ力が釣り合うように設定されている。本例では、3本の引張バネ85a、85b、85cで原点復帰用弾性部材85が構成されているが、引張バネ85a、85b、85cの数はこれに限られるものではない。
各引張バネ85a、85b、85cの内端部はプローブシャフト82の外面に固定されており、その3つの固定部分は周方向に等間隔(120°間隔)に配置されている。各引張バネ85a、85b、85cは、その軸線がプローブシャフト82の軸線と直交する姿勢とされており、各引張バネ85a、85b、85cの軸線の延長線はプローブシャフト82の軸線上で交わるようになっている。引張バネ85a、85b、85cのバネ定数は同じである。
ここで3本の引張バネ85a、85b、85cのいずれかの方向にプローブシャフト82が変位したと仮定する。引張バネ85aがΔAだけ縮んだ位置でバランスした場合、残りの引張バネ85bと引張バネ85cはベクトル分割からA/2の変位をした関係になる。その力量は引張バネ85a方向に半分ずつ作用することになり、結局、引張バネ85aのバネの力量の半分を加算する関係になり、1.5×ΔAの力量を総合して作用させながら釣り合う。3本の引張バネ85a、85b、85cが同じバネ定数であるため、バネ定数×ΔA×1.5と、バネ定数だけが設計パラメータとなる。つまり、引張バネ85a、85b、85cについて同じバネ定数を設定すれば、釣り合いを保持する長さはばらついたとしても、低圧接触のタッチプローブ80とすることが可能になる。
また、低圧接触のタッチプローブ80としているので、プローブシャフト82に過大なストロークを与えると、弾性限界を超えたり、プローブシャフト82が変形してしまうおそれがある。このことから、保護用のリミット機構を設けておき、さらに強い外力を受けた場合に許容可能な構成を採用することが望ましい場合がある。例えば接触部83bをX方向に強く押したと仮定した場合、その場合のリミット機構が上方にあると、プローブシャフト82がしなるような力を受けてしまい、プローブシャフト82の変形を誘発することがある。つまり、原点復帰用弾性部材85が支点形成用弾性部材84よりも上に位置していたとすると、上述したようなX方向の大きな外力を受けたプローブシャフト82はしなるような力を受けてしまうことがある。本例では、原点復帰用弾性部材85を支点形成用弾性部材84よりも下に設けることにより、プローブシャフト82がしなるような力を受けにくくしている。尚、上述した問題点は、全ての場合に適用されるものではないので、原点復帰用弾性部材85を支点形成用弾性部材84よりも上に設けることもできる。
また、例えば、同じバネ定数を持った3つの引張バネ85a、85b、85cによってプローブシャフト82を放射状に引く構成としているので、所定の伸びを持って釣り合った原点位置に対して、接触部83bの移動量に対してH1/H2(図7に示す)の比率でテコの原理により減少された量の変位が引張バネ85a、85b、85cに作用し、その釣り合いからの差分は、変位とバネ定数のみによって算出が可能であり、例えば2g程度の極めて低接触圧でワークWとの接触を検出するとした場合、逆算的にバネ定数が導かれるので、非常に簡素な関係を構築できる。この関係から比較的しっかりした力量のバネで引張バネ85a、85b、85cを構成しても接触部83bでの抵抗力が上がりすぎることはなく、低圧接触のタッチプローブ80とすることができる。
図7に示すように、変位検出機構86A、86B、86Cは、プローブシャフト82の三次元方向の変位を非接触で検出する磁気センサであり、支点形成用弾性部材84よりもプローブシャフト82の基端側(上側)に設けられている。具体的には、変位検出機構86A、86B、86Cは、プローブシャフト82の軸方向に沿ったZ方向(第1の方向)の変位を検出するZ方向変位検出機構86A(第1の変位検出機構)と、プローブシャフト82の径方向に沿ったX方向(第2の方向)の変位を検出するX方向変位検出機構86B(第2の変位検出機構)と、プローブシャフト82の径方向に沿いかつZ方向と直交するY方向(第3の方向)の変位を検出するY方向変位検出機構86C(第3の変位検出機構)とを含んでいる。
Z方向変位検出機構86Aは、N極及びS極がZ方向に並ぶように配置されたZ方向検出磁石86aと、Z方向磁気センサ86bとを備えている。Z方向検出磁石86aは、プローブシャフト82に固定される一方、Z方向磁気センサ86bはハウジング81に固定されている。Z方向磁気センサ86bは、Z方向検出磁石86aのN極とS極の境界部分に対向するように配置されている。したがって、プローブシャフト82がZ方向に僅かでも変位すると、Z方向磁気センサ86bが検出する磁界が変化し、これにより、プローブシャフト82のZ方向の変位を非接触で検出できる。
プローブシャフト82の上端部には、磁石固定部材82bが設けられている。X方向変位検出機構86Bは、N極及びS極がX方向に並ぶように配置されたX方向検出磁石86cと、X方向磁気センサ86dとを備えている。X方向検出磁石86cは、磁石固定部材82bの上面に固定される一方、X方向磁気センサ86dは、ハウジング81に固定されている。X方向磁気センサ86dは、X方向検出磁石86cのN極とS極の境界部分に対向するように配置されている。したがって、プローブシャフト82が偏向支点を中心としてX方向に僅かでも揺動し、変位すると、X方向磁気センサ86dが検出する磁界が変化し、これにより、プローブシャフト82のX方向の変位を非接触で検出できる。
Y方向変位検出機構86Cは、N極及びS極がY方向に並ぶように配置されたY方向検出磁石86eと、Y方向磁気センサ86fとを備えている。Y方向検出磁石86eは、磁石固定部材82bの上面に対してX方向検出磁石86cから離れた部位に固定される一方、Y方向磁気センサ86fは、ハウジング81に固定されている。Y方向磁気センサ86fは、Y方向検出磁石86eのN極とS極の境界部分に対向するように配置されている。したがって、プローブシャフト82が偏向支点を中心としてY方向に僅かでも揺動し、変位すると、Y方向磁気センサ86fが検出する磁界が変化し、これにより、プローブシャフト82のY方向の変位を非接触で検出できる。
変位検出機構86は、磁気センサ以外のセンサであってもよく、例えば光学式、静電容量式の検出センサであってもよい。
引張バネ85a、85b、85cには、減衰力を発生させるダンピンググリスが付与されている。ダンピンググリスは、高粘度でかつ不揮発性を有するペースト状のものであり、引張バネ85a、85b、85cの線間に充填されるように、当該引張バネ85a、85b、85cに塗布されている。これにより、引張バネ85a、85b、85cの伸縮時に短時間で何度も減衰力を与えることができ、所望の減衰を得やすい上に、ノイズとなりやすい過度な減衰を加える必要がなくなる。
なお、引張バネ85a、85b、85cの減衰に際してはテコの原理に基づいて減衰効果を高めやすい遠方において、ダンピンググリスなどを効かせる事も可能である。例えば、Z方向検出磁石86aとZ方向磁気センサ86bとの間、X方向検出磁石86cとX方向磁気センサ86dとの間、Y方向検出磁石86eとY方向磁気センサ86fとの間にダンピンググリスを充填してもよい。また、その他の減衰部材を用いて引張バネ85a、85b、85cの減衰を行ってもよい。
図10は、タッチプローブ80の別の例を示す図である。この例では、X方向変位検出機構86BのX方向磁気センサ86dの向きと、Y方向変位検出機構86CのY方向磁気センサ86fの向きが上述した例と異なっている。具体的には、X方向磁気センサ86dとX方向検出磁石86cとが水平方向に対向するように配置され、またY方向磁気センサ86fとY方向検出磁石86eとが水平方向に対向するように配置されている。
(スタイラスのチェンジャー機構)
スタイラス83は、例えば十字型、L字型、T字型など全体形状が異なるもの、径が異なるもの、先端の接触部83bのサイズが異なるもの等があり、ワークWや測定用途等に応じて使い分けられる。図1や図2に示すように、装置本体2の支持部22には、異なるスタイラス83A、83B、83Cを保持しておき、所定のタイミングで所望のスタイラスに自動交換するチェンジャー機構(交換部)100が設けられている。本例では、タッチプローブ80が測定実行部24の左側に設けられているので、それに対応するように、チェンジャー機構100は支持部22の左側に設けられている。尚、タッチプローブ80が測定実行部24の右側に設けられている場合には、チェンジャー機構100を支持部22の右側に設ければよい。スタイラス83Aは第1スタイラスであり、スタイラス83Bは第2スタイラスである。
図11は、スタイラスのチェンジャー機構100の斜視図である。チェンジャー機構100は、一又は複数のスタイラスを保持するスタイラス保持部101と、スタイラス保持部101を支持するアーム部102と、アーム部102を回動させるチェンジャー旋回駆動部(回動部)103と、スタイラス保持部101をアーム部102に沿って移動させるチェンジャー送り駆動部(スライダ部)104とを備えている。
図12に示すように、スタイラス保持部101は、種類の異なるスタイラス83A、83B、83Cを保持する第1~第3切り欠き部101a、101b、101cを有している。各切り欠き部101a、101b、101cは、上下方向に開放されているとともに、水平方向の一方にも開放されており、開放方向は全ての切り欠き部101a、101b、101cで同じである。尚、図12では、内部構造の説明のため、第3切り欠き部101cの上側部分を構成する部材を取り外して示しているが、第3切り欠き部101cも第1切り欠き部101a、第2切り欠き部101bと同じ形状である。尚、切り欠き部の数は、3つに限られるものではなく、任意の数に設定することができる。
各切り欠き部101a、101b、101cの上下方向中間部には、スライラスを保持するための保持爪101dが設けられている。保持爪101dは、樹脂等の弾性を有する部材で構成されており、各切り欠き部101a、101b、101cの水平方向の開放部分と同方向に開放した形状となっている。保持爪101dの両端部は各切り欠き部101a、101b、101cの内面から突出しており、保持爪101dの両端部が、スタイラス83の下側円柱部材83aの外周面に形成された溝83dに係合するようになっている。溝83dの上下方向の寸法は、保持爪101dの上下方向の寸法よりも長く設定されており、その寸法差が設けられていることで、保持爪101dに保持されたスタイラスを保持爪101dに対して相対的に上下動させることが可能である。
保持爪101dの両端部の間隔は、下側円柱部材83aの溝83dが形成された部分の外径よりも狭くなっている。下側円柱部材83aを保持させる際には、保持爪101dの両端部に対して、当該保持爪101dの開放側から下側円柱部材83aの溝83dが形成された部分を押し付けることで、保持爪101dが弾性変形して両端部の間隔が広がる。これにより、下側円柱部材83aの溝83dが形成された部分を保持爪101dの両端部の間から保持爪101dの内側に入れ、保持爪101dに係合させることができる。保持爪101dに保持された下側円柱部材83aを外す際には、下側円柱部材83aを保持爪101dの開放方向に相対的に移動させることで、保持爪101dが弾性変形して両端部の間隔が広がり、下側円柱部材83aが保持爪101dの開放側から離脱する。
図11に示すアーム部102は、スタイラス保持部101に保持されたスタイラス83A、83B、83C(符号83B、83Cは図2に示す)をハウジング81に取付可能にする取付可能位置と、該取付可能位置から退避させた退避位置との間で移動させるための部材である。取付可能位置は、スタイラスの取付準備位置と呼ぶこともでき、また退避位置は、スタイラスの格納位置と呼ぶこともできる。具体的には、アーム部102は、水平方向に延びる部材で構成されており、基端部がチェンジャー旋回駆動部103を介して支持部22に取り付けられている。チェンジャー旋回駆動部103は、Z方向に延びる回動軸103aを持った電動モータで構成されている。回動軸103aは、撮像部50の撮像軸と平行であり、回動軸103aの下端部に、アーム部102の基端側が連結されている。
図2に破線で示すように、チェンジャー旋回駆動部103は、ステージ21の上方に配設されている。図2は、スタイラス保持部101に保持されたスタイラス83A、83B、83Cを退避位置に移動させた状態を示している。退避位置にあるスタイラス保持部101及びスタイラス83A、83B、83Cは、測定設定時や測定実行時に邪魔にならないように、具体的には測定実行部24の可動範囲や、撮像部50の撮像視野にスタイラス保持部101及びスタイラス83A、83B、83Cが入らないように配置される。
支持部22は、退避位置にあるスタイラス保持部101の上方の少なくとも一部を覆う庇部22Aを備えている。庇部22Aは、支持部22の左壁部から左側方へ張り出すように形成されており、庇部22Aの真下にスタイラス保持部101が配置可能になっている。これにより、スタイラス保持部101や、スタイラス保持部101に保持されているスタイラス83A、83B、83Cに周囲の物品等が接触するのを回避できる。庇部22Aは、スタイラス保持部101の上方の全部を覆うように形成されていてもよい。
図11に示すように、アーム部102にはチェンジャー送り駆動部104が設けられている。チェンジャー送り駆動部104は、送り用電動モータ104aと、送り用電動モータ104aによって回転駆動されるねじ棒104bと、ねじ棒104bに螺合する螺合部材104cとを備えている。送り用電動モータ104aは、アーム部102の基端部に固定されており、その回転中心線はアーム部102の長手方向に向いている。ねじ棒104bはアーム部102と平行に配置され、アーム部102に対して回転可能に支持されている。螺合部材104cには、スタイラス保持部101が固定されている。
アーム部102には、スタイラス保持部101をアーム部102の長手方向に案内する案内レール102aが設けられている。スタイラス保持部101は、案内レール102aに係合して回転不能とされた状態でアーム部102の長手方向にのみ移動可能になっている。つまり、スタイラス保持部101に保持されたスタイラス83A、83B、83Cを撮像軸と直交する方向に移動させることができる。
送り用電動モータ104aによってねじ棒104bを回転させると、図11に示すようにスタイラス保持部101をアーム部102の先端側まで移動させることができるとともに、図示しないがスタイラス保持部101をアーム部102の基端側またはその近傍まで移動させることができる。スタイラス保持部101は、アーム部102について任意の位置で停止させることが可能である。スタイラス保持部101の位置は、ロータリエンコーダ等の位置検出手段によって検出されて制御部3dに出力される。
図11は、スタイラス保持部101に保持されたスタイラス83A、83B、83Cをハウジング81に取付可能にする取付可能位置に移動させた状態を示している。取付可能位置にあるスタイラス83A、83B、83Cと、退避位置にあるスタイラス83A、83B、83Cとの間に、チェンジャー旋回駆動部103の回動軸103aが位置付けられるようにチェンジャー旋回駆動部103の位置が設定され、その位置にあるチェンジャー旋回駆動部103が支持部22に取り付けられている。
チェンジャー旋回駆動部103は、スタイラス保持部101を退避位置から取付可能位置にする際、また取付可能位置から退避位置にする際には、いずれも、アーム部102を180°回動させる。つまり、スタイラス保持部101の位置をチェンジャー旋回駆動部103の前方から後方、後方から前方に大きく切り替えることができる。
次に、スタイラスの交換要領について説明する。図13は、スタイラスの装着手順の一例を示すフローチャートである。スタート後のステップSA1では、制御ユニット3の制御部3dがZ方向駆動部25を制御し、測定実行部24を上待機位置まで移動させる。ステップSA2では、制御部3dがチェンジャー送り駆動部104を制御し、第1~第3切り欠き部101a、101b、101cのうち、所望の切り欠き部(第1切り欠き部101aとする)が所定の位置に配置されるように、スタイラス保持部101をアーム部102の長手方向に移動させる。これにより、スタイラス保持部101は、庇部22Aの真下の空間から外方に移動する(例えば、スタイラス保持部101はアーム部102の中央付近に移動し、庇部22Aの外側に出る)。ステップSA3では、制御部3dがチェンジャー旋回駆動部103を制御し、アーム部102を回動させてスタイラス保持部101を取付可能位置に配置する。この状態を図14のFIG.14Aに示しており、測定実行部24が上待機位置にあるので、スタイラス83Aはまだハウジング81に装着されていない。なお、ステップSA3の後、アーム部102の長手方向に沿ってスタイラス保持部101の位置を微調整してもよい。
その後、ステップSA4に進み、制御部3dがZ方向駆動部25を制御し、測定実行部24を下降させて装着高さまで移動させる。すると、磁力によってスタイラス83Aの下側円柱部材83aがプローブシャフト82の上側円柱部材82aに吸着される。吸着後の様子を図14のFIG.14Bに示している。次いで、ステップSA5に進み、制御部3dがチェンジャー旋回駆動部103を制御し、アーム部102を回動させてスタイラス保持部101を退避位置に配置する。このときに、保持爪101dが弾性変形して下側円柱部材83aが保持爪101dから抜ける。
次に、ハウジング81に装着されているスタイラスの取り外し手順について図15に示す。スタート後のステップSB1では、ステップSA4と同様に、制御ユニット3の制御部3dがZ方向駆動部25を制御し、測定実行部24を装着高さまで移動させる。ステップSB2では、制御部3dがチェンジャー送り駆動部104を制御し、第1~第3切り欠き部101a、101b、101cのうち、所望の切り欠き部(第1切り欠き部101aとする)が所定の位置に配置されるように、スタイラス保持部101をアーム部102の長手方向に移動させる。このとき、スタイラスが保持されていない切り欠き部が所定の位置に配置されるようにする。また、スタイラス保持部101は、庇部22Aの真下の空間から外方に移動する(例えば、スタイラス保持部101はアーム部102の中央付近に移動し、庇部22Aの外側に出る)。
ステップSB3では、制御部3dがチェンジャー旋回駆動部103を制御し、アーム部102を回動させてスタイラス保持部101を取付可能位置に配置する。本フローは、取り外し時のフローであるため「取付可能」ではないが、スタイラス保持部101の位置は、図13に示すフローの「取付可能位置」と同じであるため、本フローでも「取付可能位置」とする。「取付可能位置」の代わりに「取り外し可能位置」としてもよい。この状態は、図14のFIG.14Bに示すようになり、保持爪101dがスタイラス83Aの下側円柱部材83aの溝83dが形成された部分に係合する。
その後、ステップSB4に進み、制御部3dがZ方向駆動部25を制御し、測定実行部24を上昇させて上待機位置まで移動させる。すると、プローブシャフト82の上側円柱部材82aがスタイラス83Aの下側円柱部材83aに対して上方へ相対的に移動することになり、磁力に抗してスタイラス83Aの下側円柱部材83aがプローブシャフト82の上側円柱部材82aから離脱する。離脱後の様子は図14のFIG.14Aに示すようになる。次いで、ステップSB5に進み、制御部3dがチェンジャー旋回駆動部103を制御し、アーム部102を回動させてスタイラス保持部101を退避位置に配置する。
以上のように、制御部3dは、スタイラス保持部101に保持されたスタイラスが退避位置から取付可能位置に配置されるように、チェンジャー旋回駆動部103及びチェンジャー送り駆動部104を制御するとともに、スタイラス保持部101に保持されたスタイラスが取付可能位置から退避位置に配置されるように、チェンジャー旋回駆動部103及びチェンジャー送り駆動部104を制御する。また、制御部3dは、退避位置にあるスタイラス保持部101が取付可能位置にあるスタイラス保持部101よりもアーム部102の基端側に位置付けられるように、チェンジャー送り駆動部104を制御する。
なお、本実施形態では、下側円柱部材83aの外周面に形成された溝83dに保持爪101dが係合するように構成したが、この溝83dが形成されない変形例も考え得る。例えば、切り欠き部101a~101cの内側に、下側円柱部材83aの外周面に対して径方向に相対的に可動する(当接する又は離反する)可動部材(弾性部材が好ましい)を設けてもよい。この可動部材は、制御部3dによって可動してもよい。この場合、上述したステップSA4において、スタイラス83Aの下側円柱部材83aがプローブシャフト82の上側円柱部材82aに吸着された後、制御部3dは、下側円柱部材83aの外周面から可動部材を離反するよう制御する。また、上述したステップSB4において、測定実行部24を上昇させて上待機位置まで移動させる前に、制御部3dは、下側円柱部材83aの外周面に当接するよう可動部材を制御する。このようにして、下側円柱部材83aの外周面に溝83dを形成することなく、スタイラス83Aの脱着動作を実現してもよい。
(制御ユニットの構成)
図6に示す制御ユニット3は、例えばCPU(中央演算装置)、RAM、ROM、内部バス等(図示せず)を備えている。内部バスを介して、CPUが表示部4、キーボード5、マウス6、記憶部7及び装置本体2と接続されている。制御ユニット3は、キーボード5、マウス6、装置本体2の測定開始ボタン2a等の操作状態を取得する。また、制御ユニット3は、装置本体2の撮像部50、第1ステージカメラ46、第2ステージカメラ47及びフロントカメラ48で取得された画像データを取得することができる。また、制御ユニット3内で演算した結果や、撮像部50、第1ステージカメラ46、第2ステージカメラ47及びフロントカメラ48で取得された画像データ等を表示部4に表示させることができる。
また、制御ユニット3は、装置本体2のZ方向駆動部25、XY方向駆動部23、同軸落射照明40、リング照明45、照明用Z方向駆動部45d、撮像部50、非接触変位計70、タッチプローブ80、チェンジャー旋回駆動部103、チェンジャー送り駆動部104等を制御する。具体的には、制御ユニット3は、内部バスを介して各ハードウェアと接続されているので、上述したハードウェアの動作を制御するとともに、記憶部7に記憶されているコンピュータプログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。例えば、撮像部50により生成されたワーク画像に基づいてワークWの寸法測定を行う画像測定部3a、タッチプローブ80がワークWに接触した接触点の三次元座標を測定する座標測定部3b、非接触変位計70からの出力信号に基づいてステージ21上のワークWの変位を測定する変位測定部3c等が制御ユニット3に設けられる。変位測定は高さ測定とも呼ぶ。
以下、制御ユニット3が実行可能な機能の詳細について、ワークWを測定する前の測定設定時と、ワークWの測定を実行する測定実行時とに分けて説明する。
(測定設定時)
図16は、画像測定装置1の測定設定時の手順の一例を示すフローチャートである。スタート後のステップSC1では平面視画像を生成する。すなわち、撮像部50によってステージ21を撮像する。このとき、ユーザがワークWをステージ21の載置台21aに載置した場合にはワーク画像が取得される。例えば、Z方向駆動部25により測定実行部24を移動させて撮像部50を測定位置に移動させた後、撮像部50によってステージ21上のワークWを撮像することもでき、必要に応じて照明することもできる。
ステップSC2では、俯瞰画像を生成する。Z方向駆動部25により測定実行部24を移動させてフロントカメラ48を測定位置に移動させた後、フロントカメラ48によってステージ21上のワークWを撮像する。
フロントカメラ48でワークWを撮像する際、以下の制御を行うことができる。すなわち、まず、制御部3dは、撮像部50により生成されたワーク画像に基づいてステージ21上のワークWの位置を検出する。その後、制御部3dは、検出されたステージ21上のワークWの位置と、既知であるフロントカメラ48の視野範囲とに基づいて、ステージ21上のワークWがフロントカメラ48の視野範囲内に位置しているか否かを判定する。次いで、制御部3dは、ステージ21上のワークWがフロントカメラ48の視野範囲外に位置している場合には、ステージ21上のワークWがフロントカメラ48の視野範囲内に位置するように、XY方向駆動部23を制御してステージ21を移動させる。これにより、フロントカメラ48でステージ21上のワークWを確実に撮像することができる。
また、フロントカメラ48でステージ21上のワークWを撮像した後、制御部3dは、XY方向駆動部23を制御してステージ21を移動させ、ステージ21上の別の領域をフロントカメラ48により撮像することもできる。
フロントカメラ48により俯瞰画像を撮像した時のステージ21の位置情報をX方向リニアスケール23aないしY方向リニアスケール23bで取得することが可能である。取得したステージ21の位置情報と、俯瞰画像とを関連付けて記憶部7に記憶させることができる。これにより、俯瞰画像が撮像された時のステージ21の位置を把握できる。
ステップSC3では、ユーザの選択結果に基づいて、カラーのワーク画像(カラー画像)を生成するか否かを判定する。ユーザがカラー画像の生成を希望する場合には、表示部4に表示させたユーザーインターフェース画面上でカラー画像の生成を選択し、希望しない場合にはカラー画像の生成を選択しない。ユーザの選択操作は、キーボード5やマウス6等で行われ、制御ユニット3の受付部3eで受け付けられる。
ユーザがカラー画像の生成を希望しない場合、即ち、ステップSC3でカラー画像を生成しないと判定された場合には、ステップSC4に進み、単色光の照明により撮像部50で取得されたデータに基づいてグレースケールのワーク画像(グレースケール画像)を生成する。一方、ユーザがカラー画像の生成を希望する場合、即ち、ステップSC3でカラー画像を生成すると判定された場合には、ステップSC5に進み、カラー画像を生成する。
ステップSC4、SC5の画像生成について図17に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。図17のスタート後のステップSD1では、透過照明30でワークWを照明する。ステップSD2では、XY方向駆動部23を制御して、ステージ21をX方向ないしY方向に移動させ、撮像部50で撮像しながらワークWを探索する。ステージ21は、例えばX方向中心かつY方向中心から渦巻き状に移動させる。そして、撮像部50で撮像された画像中、黒画素(輝度値が所定以下の画素)の比率が一定以上になると、その領域にワークWが存在していると判定する。このようにしてワークWを探索し、ワークWのステージ21上での位置を特定するとともに、ワークWの大きさ、ステージ21上におけるワークWが占有している部分等を特定することができる。
ステップSD3では、ステップSD2で探索されたワークWを撮像部50で撮像する。このとき、グレースケール画像を生成する場合には、リング照明45の赤色光源45a、緑色光源45b及び青色光源45cを全て点灯させて白色光によりワークWを照明した状態で撮像部50により撮像する。
一方、カラー画像を生成する場合には、上記グレースケールのワーク画像を取得するとともに、制御ユニット3の色情報生成部3fが、リング照明45から複数の異なる波長の検出光が照射される毎に撮像部50により生成された複数のワーク画像に基づいて、ワークWの色情報を生成する。具体的には、赤色光源45aのみを点灯させて撮像部50により撮像した赤照明時のワーク画像と、緑色光源45bのみを点灯させて撮像部50により撮像した緑照明時のワーク画像と、青色光源45cのみを点灯させて撮像部50により撮像した青照明時のワーク画像とを生成する。色情報生成部3fは、これら3つのワーク画像から色情報として色相及び彩度を取得する。
制御部3dは、色情報生成部3fにより生成されたワークの色情報を、グレースケールのワーク画像に付加したカラー画像を生成する。ここで、赤、緑、青の3チャネルから成るRGB画像は、色相(H)、彩度(S)、明度(V)から成るHSV画像に変換できる。色情報はこのうち色相(H)と彩度(S)に相当する。単チャネル画像に色情報を付加するためには、単チャネル画像を明度(V)として、色相(H)と彩度(H)に所望の色情報を割り当てることで新たなカラー画像の生成が可能になる。本例では、色情報生成部3fが取得した色相及び彩度をグレースケールのワーク画像の明度と組み合わせてカラー画像を生成する。なお、色空間はHSVに限らず、HLSなど他の色空間を使って扱うこともできる。
カラー画像を生成する際、グレースケールのワーク画像は、測定に直接使用される画像であることから、高倍側撮像素子55で撮像した高倍画像とし、色情報を生成するためのワーク画像、即ち、赤照明時のワーク画像、緑照明時のワーク画像及び青照明時のワーク画像は、低倍側撮像素子56で撮像した低倍画像とする。したがって、低倍画像に基づいて生成された色情報を、高倍画像であるグレースケールのワーク画像に付加することでカラー画像を取得している。低倍側撮像素子56による撮像では深度が深くなるので、低倍側撮像素子56で色情報を生成するためのワーク画像を取得することで、短時間で広い範囲及び深い深度の色情報を取得することができる。取得した色情報の深度の浅い高倍側撮像素子55で撮像したワーク画像に付加できる。
グレースケールのワーク画像は、色情報を生成するためのワーク画像と別の撮影条件(露光、照明強度、照明種類、レンズ倍率など)で撮影した画像を用いることができる。他にも、照明条件やフォーカス条件などが異なるワーク画像に対して色情報を付加してもよい。また、撮像部50によりリアルタイムに撮影される画像が単チャネルであっても、色情報生成部3fが取得したカラー情報を付加することが可能である。
次いでステップSD4に進む。ステップSD4では、ステップSD3で撮像した範囲に隣接する部分の撮像が必要か否かを判定する。この判定時には、ステップSD2の探索結果を使用し、ステップSD3で撮像した範囲外にもワークWが存在していて、その部分の撮像が必要である場合には、ステップSD4でYESと判定されてステップSD5に進む。ステップSD5では、ワークWの他の部分が撮像部50の撮像視野に入るようにXY方向駆動部23を制御して、ステージ21を移動させる。その後、ステップSD3に進み、1回目に撮像した部分とは別の部分を撮像部50により撮像する。ステップSD5、SD3は、必要な回数だけ繰り返され、取得した複数のワーク画像を連結する連結処理が実行される。つまり、制御部3dは、XY方向駆動部23及び撮像部50を制御し、ワークの異なる部位についての複数のワーク画像を生成し、生成された複数のワーク画像を連結することで撮像部50の撮像視野よりも広い領域の画像である連結画像を生成する。色情報生成部3fにより生成されたワークの色情報は連結画像にも付加する。これにより、カラーの連結画像を取得できる。尚、ステップSD4でNOと判定された場合には、更なる撮像は不要であるため、このフローを終了する。
その後、図16に示すフローチャートのステップSC6に進む。ステップSC6では、制御部3dが、ステップSC5でカラー画像を生成した場合にはカラー画像を表示部4に表示させ、一方、ステップSC4でグレーススケール画像を生成した場合にはグレースケール画像を表示部4に表示させる。また、制御部3dは、連結画像を生成した場合には、カラーの連結画像またはグレースケールの連結画像を表示部4に表示させる。また、制御部3dは、ライブビュー画像を生成した場合には、カラーのライブビュー画像またはグレースケールのライブビュー画像を表示部4に表示させる。
ステップSC6では、フロントカメラ48が撮像した俯瞰画像を表示部4に表示させることもできる。フロントカメラ48が複数の俯瞰画像を撮像している場合には、複数の俯瞰画像を表示部4にサムネイル表示させることができる。すなわち、各俯瞰画像を縮小して所定方向に並べて表示させ、ユーザが任意の一の縮小画像を選択すると、制御部3dは、選択された縮小画像に対応する俯瞰画像を表示部4に表示させる。
ステップSC7では、測定手段を判定する。測定手段には、ワーク画像に基づいてワークWの寸法測定を行う画像測定部3a、タッチプローブ80を用いて三次元座標を測定する座標測定部3b、非接触変位計70を用いて変位を測定する変位測定部3cが含まれている。画像測定部3a、座標測定部3b及び変位測定部3cのうち、ユーザは任意の測定手段を選択することが可能である。例えば、表示部4に表示させたユーザーインターフェース画面上で測定手段の選択操作がなされた場合には、その選択操作が受付部3eで受け付けられる。
ステップSC7で画像測定部3aが選択されていると判定されるとステップSC8に進み、また座標測定部3bが選択されていると判定されるとステップSC9に進み、また変位測定部3cが選択されていると判定されるとステップSC10に進む。
画像測定が選択された場合(ステップSC8)の詳細を図18に示すフローチャートに示す。スタート後のステップSE1では、制御部3dが、ワークWの画像測定に対応した撮像条件に変更する。撮像条件には、照明、露光時間等が含まれている。
ステップSE2では、ユーザによる形状種別の指定を受付部3eが受け付ける。ステップSE3では、ユーザによるエッジ抽出領域の指定を受付部3eが受け付ける。エッジ抽出領域は、ワーク画像上でエッジとして抽出し、測定に利用する領域とすることができる。ステップSE4では、撮像部50がステージ21上のワークWを撮像する。ステップSE5では、ステップSE4で取得されたワーク画像上でエッジ点を複数検出する。エッジ点は、ワーク画像上の輝度値の変化に基づいて検出可能である。ステップSE6では、複数のエッジ点を通るフィッティング線を算出する。その後、ステップSE7ではフィッティング線を利用して画像測定部3aが寸法を算出する。画像測定部3aは、高倍側撮像素子55により生成された高倍画像に基づいてワークWの寸法測定を行う。
座標測定が選択された場合(ステップSC9)の詳細を図19に示すフローチャートに示す。スタート後のステップSF1~SF6は、図18に示すフローチャートのSE1~SE6と同じである。その後、ステップSF7では、座標測定のためのスキャンライン、即ちタッチプローブ80のスキャンラインを算出する。ステップSF8では、タッチプローブ80による測定動作を行い、その後、ステップSF9で再度フィッティング線を算出した後、ステップSF10で座標測定部3bが寸法を算出する。
ここで、具体例を示して座標測定の詳細について説明する。図20は、ワークWがステージ21上に載置されている状態を示す斜視図であり、また図21は、ワークWがステージ21上に載置されている状態を上方から撮像した平面画像である。図20、図21において、ステージ21、支持部22(図2等に示す)及び撮像部50によって囲まれた三次元空間上の絶対座標をX、Y、Zで示している。
ワークWは、Z方向に沿って延びる側面S1と、XY方向に沿って延びる上面S2と、Z方向に対して所定の傾斜角を持って傾斜する斜面S3と、上面S2に開口してZ方向に沿って延びる孔H1とを有している。また、上面S2には、位置決め用のアライメントマークMが設けられている。
測定設定時には、図21に示すようなワークの平面視画像が表示部4に表示される。ユーザは、表示部4に表示されたワーク画像上で、ワークWの側面S1に対してタッチプローブ80をXY方向から接触させる基準となる第1の接触目標位置P1、ワークWの上面S2に対してタッチプローブ80をZ方向から接触させる基準となる第2の接触目標位置P2、及び、測定実行時にワークWの位置及び姿勢を特定するための特徴パターンを互いに関連付けて設定する。制御ユニット3の設定部3gにより、上記設定が可能になる。なお、ここでいう「第1の接触目標位置P1」や「第2の接触目標位置P2」は、タッチプローブ80をワークWに接触させる接触点だけでなく、後述する動作開始位置や終了位置などを含む概念である。
本例では、特徴パターンをアライメントマークMとしている。特徴パターンを設定する際には、図21に矩形の枠線200で示すように、ユーザがマウス6等を操作してワーク画像上で特徴パターンが含まれるように領域指定する。特徴パターンの設定の方法は、図示した例に限られるものではなく、自由曲線で領域指定してもよいし、特徴パターンのみ指定する方法であってもよい。また、特徴パターンを設定部3gが自動的に抽出する方法で設定してもよい。
特徴パターンは、ワークWの一部の形状、模様、色、記号、文字等であってもよく、特徴量情報とも呼ぶことができる。また、特徴パターンは、表示部4に表示されたワーク画像上で、測定実行時にワークWの位置及び姿勢を特定するための情報であればよく、どのような種別の情報であってもよい。複数の特徴パターンによって特徴量情報が構成されていてもよい。
図21では、第3の接触目標位置P3及び第4の接触目標位置P4も設定している。第3の接触目標位置P3は、ワークWの孔H1の内面に対してタッチプローブ80をXY方向から接触させる基準となる位置であり、また、第4の接触目標位置P4は、ワークWの斜面S3に対して当該斜面S3の法線方向からタッチプローブ80を接触させる基準となる位置である。設定部3gは、第3の接触目標位置P3、第4の接触目標位置P4、及び特徴パターンも互いに関連付けて設定可能である。
第1の接触目標位置P1は上記絶対座標に基づいて複数設定可能であり、図21に示すようにY方向に互いに間隔をあけて複数設定すること、及び図22に示すようにZ方向に互いに間隔をあけて複数設定することが可能である。図22及び図23に示すように、表示部4には、ワークWの縦断面を表示することができる。各設定は、ワークWの縦断面上で行うこともできる。
図21の枠線201で囲まれているように、設定部3gが、ワーク画像上で、ワークWの側面S1を第1のエッジ測定要素(直線エッジ要素)として抽出し、設定する。第1のエッジ測定要素はワークWの外面に相当していることから透過照明30による照明で精度よくはっきりと抽出できる。設定部3gは、抽出した第1の接触目標位置P1に、第1のエッジ測定要素を対応付けて設定する。エッジは、上述した自動の設定他に、ユーザがマウス6等を操作して手動で設定することも可能である。
例えば、図23に示すような接触目標位置の設定用ユーザーインターフェース画面210を制御部3dが生成して表示部4に表示させることができる。設定用ユーザーインターフェース画面210には、ワークWの断面を表示する断面表示領域211と、パラメータ設定領域212とが設けられている。パラメータ設定領域212では、第1の接触目標位置P1を設定するための複数のパラメータが設定可能になっている。例えば、水平方向パラメータとして、XY方向の測定点数の設定が可能であり、本例では図21に示すようにXY方向の測定点数が2点であるため、XY方向の測定点数を2点として設定しているが、測定点数の数はこれに限られるものではない。設定された測定点の数だけ、表示部4に測定点が表示される。測定点は、タッチプローブ80の接触目標位置を配置する数である。
設定部3gは、第1の接触目標位置P1の設定の際にワーク画像上でXY方向の位置を設定することができる。例えば、第1の接触目標位置P1をワーク画像上でマウス6等によって移動させることで、第1の接触目標位置P1のXY方向の位置が設定される。また、基準位置からの離間距離等を例えばX方向、Y方向で別々にキーボード5等によって入力することによっても、第1の接触目標位置P1のXY方向の位置を任意に設定できる。さらに、第1の接触目標位置P1のZ方向の高さ位置も同様にして設定可能である。
水平方向パラメータには、測定方向の設定パラメータが含まれていてもよい。測定方向とは、タッチプローブ80の接触目標位置へのアプローチ方向である。図23に示す測定方向は矢印の通りであり、右から左であるが、ワークWによっては、反対方向としたい場合があり、その場合には、ユーザが「逆向き」にチェックを入れて逆向き選択を行う。この操作は設定部3gで設定された後、アプローチ方向として記憶部7に記憶される。
また、アプローチ方向には、タッチプローブ80をワークWに対して上方から移動させてアプローチさせる第1のアプローチ方向と、タッチプローブ80をワークWの斜面S3に対して法線方向にアプローチさせる第2のアプローチ方向とが含まれており、アプローチ方向はユーザによって任意に選択できる。
垂直方向パラメータとして、Z方向の測定点数、開始マージン、測定範囲の設定が可能である。本例では、Z方向の測定点数を2点としている。開始マージンは、ワークWの上面S2から上側の第1の接触目標位置P1までのZ方向の寸法である。測定範囲は、上側の第1の接触目標位置P1から下側の第1の接触目標位置P1までの寸法である。
パラメータ設定領域212では、スキャンラインに関するパラメータも設定可能である。スキャンラインとは、タッチプローブ80をワークWに接触していない位置から接触する位置まで移動させる経路と定義することも可能である。スキャンラインに関するパラメータは、タッチプローブ80をワークWに接近させる際のタッチプローブ80の経路情報となり、タッチプローブ80の接触目標位置へのアプローチ経路がスキャンラインとなり得る。スキャンラインは、真っ直ぐであってもよいし、屈曲していてもよい。
スキャンラインの開始位置(開始点)はタッチプローブ80の動作開始位置であり、この開始位置として、ワークWの側面S1のエッジ位置から水平方向にどの程度離れた位置とするか、具体的な寸法で設定できる。また、スキャンラインの終了位置として、ワークWの側面S1のエッジ位置からワークWの断面内に向けてどの程度離れた位置とするか、具体的な寸法で設定できる。スキャンラインがワークWの断面内に達していても、タッチプローブ80がワークWに接触した時点でスキャンは自動停止する。
第2の接触目標位置P2も上記絶対座標に基づいて複数設定可能であり、図21に示すようにX方向及びY方向に互いに間隔をあけて設定可能である。第2の接触目標位置P2のパラメータは、第1の接触目標位置P1のパラメータとは異なっており、X方向の測定点数と、Y方向の測定点数を設定する。垂直方向のパラメータの設定は省略する。設定部3gは、ワーク画像上で、ワークWの上面S2と斜面S3との境界となる線を第2のエッジ測定要素(直線エッジ要素)として抽出して設定するが、第2のエッジ測定要素(枠線202で囲んだ部分)と、第2の接触目標位置P2とは対応付けられていない。
第3の接触目標位置P3の設定も上記絶対座標に基づいて複数設定可能であり、孔H1の周方向に互いに間隔をあけて複数設定すること、及びZ方向に互いに間隔をあけて複数設定することが可能である。孔H1の場合、平面視で孔H1の内面から中心軸に接近した位置を開始位置とする。アプローチ方向は、孔H1の内面から中心軸に接近した位置から孔H1の内面に向かう方向であり、この方向も図23に示すようなユーザーインターフェースによって設定可能である。また、孔H1の場合、測定点が周方向に並ぶように配置され、その測定点の数も設定可能である。第3の接触目標位置P3のパラメータは、第1の接触目標位置P1のパラメータと同様に設定できる。
設定部3gは、ワーク画像上で、孔H1の周縁部を第3のエッジ測定要素(円形エッジ要素)として抽出して設定する。設定部3gは、抽出した第3のエッジ測定要素(枠線203で囲んだ部分)に、第3の接触目標位置P3を対応付けて設定する。尚、ワークWに円柱部がある場合には、同様にして円柱部の測定点を設定できる。
第4の接触目標位置P4も上記絶対座標に基づいて複数設定可能である。図24は、斜面に対する接触目標位置の設定用ユーザーインターフェース画面210を示している。パラメータ設定領域212の水平方向パラメータは第1の接触目標位置P1の設定時と同様であるが、傾斜方向パラメータの設定が異なっている。傾斜方向パラメータとして、傾斜方向の測定点数、開始マージン、測定範囲の設定が可能である。開始マージンは、図21に示す第2のエッジ測定要素から上側の第4の接触目標位置P4までの斜面S3に沿う方向の寸法である。測定範囲は、上側の第4の接触目標位置P4から下側の第4の接触目標位置P4までの寸法である。また、斜面S3の傾斜角αも設定可能になっている。斜面S3の傾斜角αは、タッチプローブ80の接触目標位置近傍の角度情報であり、この傾斜角αの入力も設定部3gで受け付け可能である。また、設定部3gは、上記第2のエッジ測定要素(図21の枠線202で囲む部分)に、第4の接触目標位置P4を対応付けて設定する。上記のようにして設定された各種設定情報は、記憶部7に記憶される。
測定設定時には、寸法測定を行う測定範囲を設定することもできる。例えば、ワークWの上面S2のみ測定したい場合には、ユーザが表示部4に表示されているワーク画像上で、上面S2のみを囲むように測定範囲の設定を行う。受付部3eは、ユーザが行った測定範囲の設定を受け付け可能に構成されている。受付部3eが受け付けた測定範囲の設定情報も、記憶部7に記憶される。
次に、図16に示すフローチャートのステップSC10(非接触変位計70を用いた測定)での詳細を図25に示すフローチャートに示す。スタート後のステップSG1では、非接触変位測定用のパラメータを設定する。その後、ステップSG2に進み、制御部3dは、ワーク画像上で高さ測定箇所の指定を受け付ける。ステップSG2ではXY方向の位置指定である。例えばユーザが表示部4に表示されているワーク画像を見ながら、所望の測定箇所を確認し、その測定箇所をマウス6等によって指定してもよいし、座標等の位置特定情報を数値で入力して測定箇所を特定してもよい。測定箇所は複数指定できる。
測定箇所の指定後、ステップSG3に進み、制御部3dは、ステップSG2で指定された測定箇所に非接触変位計70の測定光が照射されるように、ステージ21を制御する。具体的には、制御部3dがZ方向駆動部25及びXY方向駆動部23を制御して、ステップSG2で指定された測定箇所に非接触変位計70の焦点を一致させる。そして、ステップSG4では測定光を出射して測定を実行する。ステップSG5では、変位測定部3cが寸法を算出する。このとき後述する平均化処理を実行してもよい。
図16のフローチャートのステップSC10の後、ステップSC11に進む。ステップSC11では、測定ツールを設定する。例えば線と線との離間寸法を測定するツール、径を測定するツール、角度を測定するツール等を一覧形式で表示部4に表示しておき、ユーザが所望のツールを選択可能にしておくことができる。ユーザによって選択された測定ツールは保存される。
ステップSC12では、ステップSC11で設定された測定ツールによる測定結果を表示部4のワーク画像に重畳表示させる。カラー画像を取得している場合には、カラー画像に測定結果を重畳表示させる。測定結果を重畳表示する範囲の設定を受付部3eにより予め受け付けておくことも可能である。測定設定時に、例えばユーザが表示部4に表示されているカラー画像上で、測定結果を重畳表示したい範囲を指定すると、その範囲が受付部3eで受け付けられた後、記憶部7に記憶される。測定実行時には、指定された範囲を記憶部7から読み出し、指定された範囲内にのみ、測定結果を重畳表示する。尚、ライブビュー画像を取得している場合には、動画に測定結果を表示することも可能である。
また、ステップSC13では、例えば画像測定部3aによる測定結果が取得された場合、フロントカメラ48により生成された俯瞰画像上に画像測定部3aの測定結果を重畳表示させる。ステップSC13では、例えば図26に示すように、画像測定部3aの測定結果に対応した幾何要素221、222を俯瞰画像上に表示させることもできる。図26は、幾何要素221、222(太線で示す)を表示部4に表示させるためのユーザーインターフェース画面220の別の例であり、ワーク画像と、ワーク画像の測定要素の形状に対応した幾何要素221、222が重畳表示される。幾何要素221、222は、直線及び円以外にも、矩形等であってもよく、測定要素に対応した形状であればよい。幾何要素221、222は、設定部3gによりエッジ測定要素として設定されたものであり、直線のエッジ、円形のエッジ、矩形のエッジ等がある。
各測定要素に対して、タッチプローブ80の接触目標位置を配置する位置及び数を対応させることができる。例えば、幾何要素221と、幾何要素222に対して、接触目標位置を配置する位置として異なる位置を対応付けることができるとともに、接触目標位置の数も異なる数を対応付けることができる。測定要素の形状種別又は大きさと、測定要素に対してタッチプローブ80の接触目標位置を配置する位置及び数との対応関係は、記憶部7に記憶させておくことができる。尚、幾何要素の形状種別、大きさ等を俯瞰画像上で設定することもできる。
俯瞰画像はフロントカメラ48で生成した画像であるのに対し、幾何要素221、222を抽出したワーク画像はフロントカメラ48とは異なる撮像部50で生成した画像であるため、補正せずに幾何要素を俯瞰画像に重畳表示させると、ずれが生じるおそれがある。このことに対して、本例では、俯瞰画像に対する幾何要素のずれを測定前に補正する補正処理の実行が可能に構成されている。幾何要素のずれとしては、例えば、カメラやレンズの光学特性によるずれや、カメラの位置ずれ等が挙げられる。補正処理は、画像測定装置1の工場出荷時に行ってもよいし、出荷後に行ってもよい。補正処理はどのような方法であってもよいが、その一例を以下に示す。
補正処理の際には、例えばドットチャート等を有する補正用ワーク(図示せず)を用意し、ステージ21に載置する。ステージ21上の補正用ワークを撮像部50で撮像し、各ドットの中央座標を検出する。また、フロントカメラ48でもステージ21上の補正用ワークを撮像し、各ドットの中央座標を検出する。撮像部50の画像に基づいて検出した中央座標と、フロントカメラ48の画像に基づいて検出した中央座標の変換ができるように、補正テーブルを内部パラメータとして生成する。補正テーブルではなく、変換関数であってもよい。その後、撮像部50で撮像した画像に補正テーブルを適用して射影座標に変換する。
補正処理としては、例えば外部パラメータの検出処理も含まれる。すなわち、ステージ21上の補正用ワークを撮像部50で撮像し、各ドットの中央の三次元座標を検出する。フロントカメラ48の画像を、内部パラメータを用いて射影座標での各ドットの中心座標を求める。これらの対応する画像の変換行列を求める。また、三次元空間内で撮像部50及びフロントカメラ48の位置、姿勢を既定する。検出したドットに対して撮像部50の画像に基づいて検出した中央座標と、フロントカメラ48の画像に基づいて検出した中央座標との変換行列を求める。
図16に示すフローチャートのステップSC13では、図27に示すように、ワークWを三次元表示可能なユーザーインターフェース画面230に、測定結果や幾何要素231、232を重畳表示してもよい。
ステップSC14では、他の測定要素がないか判定する。他の測定要素があれば、ステップSC7に戻る。他の測定要素がなければ、ステップSC15に進む。ステップSC15では、パターンサーチの設定を行う。例えば図21に示すように、特徴パターンであるアライメントマークMをサーチ対象とすることができ、この場合、アライメントマークMを囲む枠線200をユーザが生成し、その枠線200内の領域をサーチ領域として指定できる。
ステップSC16では、このフローチャートに示す各処理で設定した設定情報を記憶部7に記憶する。すなわち、設定部3gにより設定された特徴パターン(特徴量情報)、特徴パターンに対する第1及び第2の接触目標位置P1、P2の相対位置関係等を記憶する。また、記憶部7には、撮像部50とタッチプローブ80との固定位置関係等も記憶しておく。固定位置関係とは、撮像部50に対するタッチプローブ80の相対的な位置関係であり、例えば座標情報で示した関係であってもよいし、相対的な離間距離や離間方向等で示した関係であってもよい。
(タッチプローブの測定動作)
次に、タッチプローブ80の測定動作の詳細、即ち、図19に示すフローチャートのステップSF8の詳細について、図28に示すフローチャートに基づいて説明する。スタート後、フローには示していないが、制御部3dは、Z方向駆動部25を制御し、測定実行部24を上方へ退避位置まで移動させてから、チェンジャー機構100により、タッチプローブ80に所望のスタイラス83を装着する。その後、ステップSH1に進み、図23に示す設定用ユーザーインターフェース画面210で設定したスキャンラインの開始点にタッチプローブ80の接触部83bを相対的に移動させる。具体的には、制御部3dが、XY方向駆動部23を制御してステージ21をXY方向に移動させて、スキャンラインの開始点のXY座標と、タッチプローブ80の接触部83bのXY座標とを一致させる。その後、制御部3dが、Z方向駆動部25を制御して測定実行部24を下降させ、タッチプローブ80の接触部83bをスキャンラインの開始点に配置する。
ステップSH2では、制御部3dが、XY方向駆動部23及びZ方向駆動部25を制御してタッチプローブ80の接触部83bをスキャンラインの向き(図23、図24の矢印の向き)に相対的に移動させる。ステップSH3では、タッチプローブ80が接触を検知したか否かを判定する。タッチプローブ80が接触を検知しなければ、タッチプローブ80の接触部83bをスキャンラインの向きに相対的に移動させ続ける。タッチプローブ80の接触部83bがワークWに接触したとき、移動を停止させるとともに、ステップSH3ではYESと判定されてステップSH4に進む。
ステップSH4では、タッチプローブ80の接触部83bがワークWに接触したときのX、Y、Z座標を座標測定部3bが取得し、測定値とする。ステップSH5では、制御部3dが、XY方向駆動部23及びZ方向駆動部25を制御してタッチプローブ80の接触部83bをスキャンラインの開始点まで戻す。ステップSH6では、全てのスキャンラインについて測定が完了したか否かを判定する。全てのスキャンラインの測定が完了した場合には、ステップSH7に進み、制御部3dは、Z方向駆動部25を制御し、測定実行部24を上方へ退避位置まで移動させる。その後、必要に応じてスタイラス83をチェンジャー機構100によって取り外して退避位置に格納する。
ステップSH6でNOと判定されて測定が完了していないスキャンラインが存在する場合には、ステップSH8に進み、退避方法を判定する。退避方法がZ方向に退避する方法である場合には、ステップSH9に進み、制御部3dは、Z方向駆動部25を制御し、測定実行部24を上方へ退避位置まで移動させる。ステップSH10では、制御部3dが、XY方向駆動部23を制御してタッチプローブ80の接触部83bをスキャンラインの開始点(X,Y)まで相対的に移動させる。その後、ステップSH11では、制御部3dが、Z方向駆動部25を制御してタッチプローブ80の接触部83bをスキャンラインの開始点(Z)まで相対的に移動させる。
退避方法が多角形退避の方法である場合には、ステップSH12に進む。ステップSH12では、制御部3dが、XY方向駆動部23を制御し、測定要素の周方向に沿って多角形となるように、スキャンラインの開始点(X,Y)にタッチプローブ80の接触部83bの中心を相対的に移動させる。
退避しない場合には、ステップSH13に進み、御部3dが、XY方向駆動部23を制御してタッチプローブ80の接触部83bをスキャンラインの開始点(X,Y)まで相対的に移動させる。
(測定実行時)
図29A、図29Bは、画像測定装置1の測定実行時の手順の一例を示すフローチャートである。スタート後のステップSI1では、記憶部7に記憶されている設定情報を読み出す。例えば、特徴パターン、サーチ領域、特徴パターンに対する第1及び第2の接触目標位置P1、P2の相対位置関係、撮像部50とタッチプローブ80との固定位置関係等を読み出す。この工程があるので、ワークWをステージ21に載置するたびにユーザがタッチプローブ80を移動させて基準座標を設定する操作が不要になり、測定作業が簡単になる。
また、ステップSI1では、ワーク画像上での測定要素の位置と、測定要素の形状種別又は大きさを記憶部7から読み出す。さらに、測定要素の形状種別又は大きさと、測定要素に対してタッチプローブ80の接触目標位置を配置する位置及び数との対応関係も記憶部7から読み出す。
ステップSI2では、撮像部50によってステージ21を上方から撮像し、平面視画像を取得して表示部4に表示させる。ステップSI2では、連結画像を表示させてもよいし、フロントカメラ48で撮像した俯瞰画像であってもよい。また、撮像部50は、高倍側撮像素子55と低倍側撮像素子56のうちいずれか一方の撮像素子を用いて連結画像を取得してもよいし、両方の撮像素子を用いて各々連結画像を取得してもよい。上述したように、本実施形態ではビームスプリッタ52による二分岐光学系の構成を採用しているので、高倍画像と低倍画像を同時に取得して、高倍画像を連結した第1の連結画像と、低倍画像を連結した第2の連結画像とを取得してもよい。
ステップSI3では、ゴースト表示を実行するか否かを判定する。例えば、測定設定時にユーザが「ゴースト表示する」を選択していれば、ステップSI3でYESと判定されてステップSI4に進み、制御部3dが、サーチ領域を表示部4にゴースト表示して、ワークWのステージ21上における適切な位置への載置を誘導する。ゴースト表示とは、測定設定時に予め設定しているサーチ領域を平面視画像に重畳表示させることであり、例えば、サーチ領域を平面視画像よりも薄く表示して平面視画像の認識の邪魔にならないようにする。測定設定時にユーザが「ゴースト表示しない」を選択していれば、ステップSI3でNOと判定されてステップSI5に進む。連結画像、俯瞰画像等にゴースト表示してもよい。
ステップSI5では、サーチ領域を指定するか否か判定する。すなわち、測定実行時に、ユーザが特徴パターンのサーチ領域を指定する場合には、ステップSI5でYESと判定されてステップSI6に進む一方、サーチ領域を指定しない場合には、ステップSI7に進む。サーチ領域の指定は、例えば平面視画像、連結画像、俯瞰画像等のうち、任意の画像上で、ユーザがマウス6等の操作によって特定の領域を囲む操作を行うことで実行される。このとき、例えば、ワークW全体を、撮像部50(又はステージカメラ46,47やフロントカメラ48であってもよい)で撮像して取得した俯瞰画像を表示部4に表示させている場合、表示部4に表示した俯瞰画像上でユーザによるサーチ領域の指定を受け付けることができる。なお、斜めから撮像するフロントカメラ48よりも、真上から撮像する撮像部50やステージカメラ46,47を用いることにより、サーチ範囲は指定しやすくなる。
ステップSI7では、測定開始ボタン2aが押されたか否かを判定する。測定開始ボタン2aが押されるまでは、ステップSI2~SI7を繰り返しており、測定開始ボタン2aが押されたタイミングで、ステップSI8に進む。ステップSI8では、俯瞰画像を表示部4に表示させるか否かを判定する。測定設定時にユーザが「俯瞰画像を表示する」を選択していれば、ステップSI8でYESと判定されてステップSI9に進み、制御部3dが、フロントカメラ48で撮像した俯瞰画像を表示部4に表示させる。測定設定時にユーザが「俯瞰画像を表示しない」を選択していれば、ステップSI8でNOと判定されてステップSI10に進む。
ステップSI10では、カラー画像を生成するか否かを判定する。測定設定時にユーザが「カラー画像を生成する」を選択していれば、ステップSI10でYESと判定されてステップSI12に進む。ステップSI12では、図16に示すステップSC5と同様な処理によりワークWのカラー画像(測定用に新たに生成されたワーク画像)を生成する。一方、測定設定時にユーザが「カラー画像を生成しない」を選択していれば、ステップSI10でNOと判定されてステップSI11に進む。ステップSI11では、図16に示すステップSC4と同様な処理によりワークWのグレースケール画像(測定用に新たに生成されたワーク画像)を生成する。
次に、図29BのステップSI13に進む。ステップSI13では、パターンサーチの対象画像を取得する。例えば、制御部3dは、ステップSI11で測定用に新たに生成されたワークWのカラー画像、またはステップSI12で測定用に新たに生成されたワークWのグレースケール画像をパターンサーチの対象画像として取得することができる。パターンサーチの対象画像を取得した後、ステップSI14に進み、制御部3dは、測定用に新たに生成されたワーク画像から特徴パターンの位置及び姿勢を特定する。このとき、ステップSI6でユーザによりサーチ領域が指定されている場合、指定されたサーチ領域に絞って特徴パターンの位置及び姿勢を特定する。これにより、処理速度が向上する。
また、連結画像をワーク画像とする場合には、制御部3dは、撮像部50の視野範囲にワークWが入るまでステージ21をXY方向に移動させるようにXY方向駆動部23を制御し、視野範囲にワークWが入ったら、視野範囲に入ったワークWを撮像部50で撮像する。その後、視野範囲にワークWの別の部分が入るようにステージ21をXY方向に移動させた後、視野範囲に入ったワークWの別の部分を撮像部50で撮像する。このようにして取得した複数の画像を連結した連結画像がワーク画像となり、連結画像から特徴パターンの位置及び姿勢を特定する。この場合も、ユーザによりサーチ領域が指定されている場合、指定されたサーチ領域に絞って特徴パターンの位置及び姿勢を特定する。
その後、ステップSI15に進む。ステップSI15では、制御部3dが、ステップSI14で特定されたワークWの位置及び姿勢ならびに特徴パターンに対する第1及び第2の接触目標位置P1、P2の相対位置関係、及び撮像部50とタッチプローブ80との固定位置関係に基づいて測定用の第1接触目標位置P1及び第2の接触目標位置P2を特定する。例えば、測定実行時に新たに生成されたワーク画像に基づくワークWの位置または姿勢の少なくとも一方が、測定設定時に用いたワークWの位置または姿勢と異なっている場合には、ステップSI14で特定されたワークWの位置及び姿勢に基づいて、ワークWの位置または姿勢を補正することができる。位置は、X座標、Y座標で特定され、また姿勢はX軸周りの回動角度、Y軸周りの回動角度で特定される。位置を補正することを位置補正、姿勢を補正することを姿勢補正と呼ぶことができるが、これらを合わせて位置補正と呼んでもよい。
位置補正時、特徴パターンに対する第1及び第2の接触目標位置P1、P2の相対位置関係を用いることで、補正後においても測定設定時と同様な位置に、第1及び第2の接触目標位置P1、P2を特定できる。
また、制御部3dは、撮像部50により測定用に新たに生成されたワーク画像に対してパターンサーチを実行してエッジ測定要素を特定し、特定したエッジ測定要素からエッジを抽出し、抽出されたエッジに基づいて第1の接触目標位置P1及び第2の接触目標位置P2を特定することができる。図21に示す第3の接触目標位置P3及び第4の接触目標位置P4も同様にして特定することができる。第4の接触目標位置P4は、斜面S3上で特定される位置であることから、第4の接触目標位置P4を特定する際には、斜面S3の傾斜角αを用いて第4の接触目標位置P4を特定可能である。傾斜角αが分かっていることで、斜面S3の法線方向を推定できる。これにより、ワークWの斜面S3に対して当該斜面S3の法線方向からタッチプローブ80を接触させる位置として、第4の接触目標位置P4を特定できる。
接触目標位置を特定した後、ステップSI16に進む。ステップSI16では、測定箇所が複数ある場合に、測定箇所の順序を決定する。
ステップSI17~SI20は、図16に示すフローチャートのステップSC7~SC10と同じである。例えばステップSI18で画像測定を行う場合には、受付部3eで受け付けた測定範囲内でのみ測定を実行する。これにより、測定速度が向上する。
また、例えばステップSI19では、ステップSI15で特定された測定用の第1の接触目標位置P1を基準としてタッチプローブ80がワークWの側面に接触するように、制御部3dがXY方向駆動部23を制御する。また、ステップSI15で特定された測定用の第2の接触目標位置P2を基準としてタッチプローブ80がワークWの上面に接触するように、制御部3dがZ方向駆動部25を制御する。このとき、測定設定時に設定したスキャンラインに沿ってタッチプローブ80を相対的に移動させるとともに、測定点数、開始マージン、開始位置、終了位置、アプローチ方向等が反映される。
タッチプローブ80をワークWに対して相対的に移動させる際には、制御部3dは、図23で設定されたアプローチ方向に従ってタッチプローブが移動するように、Z方向駆動部25及びXY方向駆動部23を制御する。このとき、タッチプローブ80がワークWに接触するまで、相対移動速度を第1の速度としておき、接触を検知したら、接触位置から所定距離だけ戻し、その後、第1の速度よりも低速の第2の速度でタッチプローブ80がワークWに接触するまで相対移動させ、第2の速度で接触した位置に基づいて測定結果を出力する。これにより、精密な測定が可能になる。
また、ワークWの斜面にタッチプローブ80を接触させる際には、第1の速度でタッチプローブ80をワークWの斜面に接近させ、タッチプローブ80とワークWの斜面との距離が所定距離になった時点で相対移動速度を第2の速度とする。そして、第2の速度で接触した位置に基づいて測定結果を出力する。
また、制御部3dは、ステップS1で、ワーク画像上での測定要素の位置と、測定要素の形状種別又は大きさと、測定要素の形状種別又は大きさと測定要素に対してタッチプローブ80の接触目標位置を配置する位置及び数との対応関係とを読み出している。したがって、制御部3dは、ワーク画像上での測定要素の位置と、測定要素の形状種別又は大きさと、前記対応関係とに基づいて、タッチプローブ80の接触目標位置を複数特定し、特定された複数の接触目標位置にタッチプローブ80が順次移動するように、XY方向駆動部23及びZ方向駆動部25を制御することができる。このように測定設定時の情報に基づいてタッチプローブ80の接触目標位置が自動的に複数特定されるとともに、XY方向駆動部23及びZ方向駆動部25が自動制御されるので、ユーザによる測定作業が簡易になる。
ステップSI20では、非接触変位計70を用いた非接触高さ測定を実行する。このとき、非接触変位計70により高さ測定を複数回実行し、取得された複数の高さ測定値を平均化する平均化処理を実行する場合もある。具体例について、図30に示すフローチャートに基づいて説明する。
スタート後のステップSJ1では、非接触変位計70の焦点が測定箇所に合うように、制御部3dがZ方向駆動部25を駆動して測定実行部24を移動させる。ステップSJ2では、非接触変位計70で測定値が読み出せるか否かを判定する。測定値が読み出せない場合には、ステップSJ3に進んで粗探索、即ち、非接触変位計70で測定値が読み出せる位置まで測定実行部24を移動させる。ステップSJ2で測定値が読み出せる場合には、ステップSJ3に進んで精密探索を実行する。精密探索では、非接触変位計70の測定値が凡そ0になるように測定実行部24を移動させてフォーカス調整を行う。
ステップSJ5では、非接触変位計70の測定値が収束判定値よりも小さいか否かを判定する。収束判定値は、例えば0.2mm程度に設定することができるが、これに限られるものではない。ステップSJ5でNOと判定されて非接触変位計70の測定値が収束判定値以上の場合には、ステップSJ6に進み、フィードバックイテレーション回数を超えたか否かを判定する。フィードバックイテレーション回数は、例えば5回に設定することができるが、これに限られるものではない。フィードバックイテレーション回数を超えていない場合にはステップSJ4に進み、フィードバックイテレーション回数を超えた場合にはステップSJ7に進む。ステップSJ7では、自動調整がOFFになっているか判定する。自動調整がONになっている場合には、ステップSJ8に進み、非接触変位計70の受光波形の第2ピークが取得されたか否かを判定する。第2ピークが取得された場合にはステップSJ11に進み、ワークWが透明体であると推定されるので透明体モードとする。第2ピークが取得されなかった場合にはステップSJ12に進み、ワークWが非透明体であると推定されるので非透明体モードとする。
その後、ステップSJ13に進む。ステップSJ13では、測定値の平均化処理の際に使用する正葉曲線のスキャニング時の径を小径とする。ステップSJ14では、制御部3dは、非接触変位計70の焦点がワークWの表面で正葉曲線を描く軌跡となるようにステージ21を制御する。平均化処理時の正葉曲線でできる図形は点対称かつ線対称な図形である。正葉曲線の中心が測定対象点となるようにする。正葉曲線の径は、例えば0.25mm、0.5mm、1mm等のように予め規定された値の中からユーザが選択可能にしてもよい。
平均化処理を実行するか否かについては、ユーザが選択可能にしてもよい。例えば、ユーザーインターフェース上で、ユーザによる平均化処理の実行と非実行の選択を受け付け、実行が選択された場合には平均化処理を実行し、非実行が選択された場合には平均化処理を実行しないように構成することもできる。
ステップSJ14では、更に、正葉曲線のスキャニング中の測定値分散が自動調整閾値よりも小さいか否かを判定する。自動調整閾値は、例えば0.005mm程度に設定することができるが、これに限られるものではない。正葉曲線のスキャニング中の測定値分散が自動調整閾値以上の場合には、正葉曲線ON(平均化処理実行)とする一方、正葉曲線のスキャニング中の測定値分散が自動調整閾値よりも小さい場合には、平均化処理を実行しなくても高精度な測定値を取得できるので、正葉曲線OFF(平均化処理非実行)とする。
次いで、ステップSJ17に進み、測定実行した後、ステップSJ18に進んで寸法算出する。測定実行時には、正葉曲線のスキャニングを実行して複数点の測定値を保持する。寸法算出時には、複数点の測定値の平均化処理を実行して出力値を決定する。
以上のようにして測定実行した後、図29BのステップSI21に進む。ステップSI21では、全ての測定箇所の測定が完了したか否かを判定する。測定箇所が残っている場合には、ステップSI17に進む一方、全ての測定箇所の測定が完了した場合にはステップSI22、SI23に進む。ステップSI22、SI23は、図16に示すフローチャートのステップSC12、SC13と同様に、測定結果をワーク画像に重畳表示させる。
非接触変位計70による測定の際、制御部3dは、画像測定で用いられるエッジ測定要素をワーク画像上で抽出する抽出処理を実行してもよい。この抽出処理でエッジ測定要素の抽出に成功すると、制御部3dは、画像測定と非接触変位計70による高さ測定とを実行する。
また、非接触変位計70による測定の際、制御部3dは、測定箇所に非接触変位計70の焦点が一致するようにステージ21を撮像部50の撮像軸に直交する方向に移動させた後、非接触変位計70による高さ測定を実行して高さ測定値が取得されるか否かを判定し、高さ測定値が取得されない場合には、高さ測定値が取得されるまでZ方向駆動部25より非接触変位計70を撮像軸に沿って移動させるようにしてもよい。したがって、撮像部50の焦点位置を調整するZ方向駆動部25を利用して、非接触変位計70を撮像部50とともに撮像軸方向に移動させるようにしたので、非接触変位計70を用いて高精度な高さ測定を行う場合に、測定時間を短縮することができる。
(インジケータ)
図6に示すように、装置本体2には、インジケータ2cが設けられている。インジケータ2cは、装置本体2のユーザと対向する面に設けられており、制御ユニット3によって制御される。インジケータ2cは、上記測定結果を示すものであり、例えば発光部や表示部等で構成される。上記測定結果が所定の条件を満たす場合と、満たさない場合とで、異なる表示となるように、制御ユニット3がインジケータ2cを制御する。所定の条件は、ユーザが事前に設定しておき、記憶部7等に記憶されている。例えば、測定結果がある値以上であれば、不良であるとして赤色等を表示し、測定結果がある値未満であれば、良品であるとして緑色等を表示する。
(測定順序設定機能)
上述したように画像測定装置1は、ワーク画像に基づいた画像測定、タッチプローブ80を使用した座標測定、非接触変位計70を使用した変位測定が行えるようになっている。画像測定、座標測定、変位測定を測定種別と呼ぶ。
例えば、測定種別を変える際、非接触変位計70の真下に測定箇所が位置するようにステージ21を移動させたり、タッチプローブ80のスタイラス83を最適な種類・サイズのものに交換するというように、測定前に各部の動作が必要な場合がある。また、例えば、画像測定とタッチプローブ80による座標測定とが交互に何度も行われると、それぞれ必要な測定前準備に起因して、全体として測定時間が延びてしまう。よって、ユーザは、測定順序や、スタイラス83の交換タイミングなどを考慮しながら、測定時間が短くなるように測定手順を設定する必要があるが、その測定手順の設定は簡単ではない。
本例に係る画像測定装置1には、測定順序を自動的に設定する測定順序設定機能が設けられており、測定順序設定機能は、画像測定、座標測定、変位測定、スタイラス83の交換等を含めて、トータルの測定時間が短くなるように測定順序を最適化する機能である。
すなわち、画像測定の際には、ワーク画像を生成する時のX、Y、Z位置、照明条件、高倍及び低倍の選択、露光時間、探索範囲等がパラメータとして存在する。また、座標測定の場合には、スタイラス83の交換、移動速度等がパラメータとして存在する。また、変位測定の場合には、測定箇所のX、Y、Z位置、探索範囲等がパラメータとして存在する。
測定順序設定機能が無い場合には、ユーザがワークWを測定する際に、測定箇所ごとに上記パラメータを設定する操作を繰り返し行うことになるが、例えば、タッチプローブ80による座標測定後に、一度、画像測定を挟んで、もう一度、タッチプローブ80による座標測定を行った場合、その手順のまま再実行すると、タッチプローブ80の装着及び取り外しが2回実行されてしまい、測定時間が長引いてしまう。このような場合に、測定順序設定機能により、測定順序を自動的に並び替えて測定時間の短縮を図ることが可能になる。つまり、ユーザが設定した順序とは異なる順序で測定が実行される。
また、測定順序の並び替えを行うにあたり、参照順序、同じ測定種別内での測定順序、測定種別間をまたいだ測定順序という概念が存在する。ここで、参照順序とは、ある測定箇所から離れた位置を測定するといったように、他の測定結果が確定してからでないと測定できないような順序関係があることを指す。この参照順序関係がある場合は、逆の順序にすることができないという制約が入る。
同じ測定種別内での順序としては、例えば画像測定であれば、上記パラメータが異なる撮影箇所について、優先度あるいは重みづけをおこなって、最短となる経路を算出して決定するのが好ましい。なお、1つの測定要素(線や円や円弧など)を測定するにあたり、複数個所の撮像が必要な場合について、測定要素内での測定順序と、測定要素間の測定順序をそれぞれ独立して演算する方法と、両者を合わせて最適化する方法とが存在する。前者は測定中の動作がわかりやすくなるメリットがあり、後者は、トータルの測定時間が最短に近づくというメリットがある。
測定経路の設定例としては、例えば円筒や円錐の場合は、同一高さ内で周方向に移動させた後、高さを変えて周方向に移動させる経路、または、高さ方向に移動させた後、周方向に移動させてから再び高さ方向に移動させる経路とすることができる。また、矩形平面の場合は、一辺近傍において当該一辺に沿う方向に移動させた後、対向する辺に接近する側へ移動させて前記一辺に沿う方向に移動させる経路とすることができる。この場合の一辺は、矩形平面の長辺であってもよいし、短辺であってもよい。
トータルの測定時間を最短にするにあたり、コストを処理時間や距離によって算出してもよい。例えば距離コストを算出する際、XとYはユークリッド距離、XYとZはマンハッタン距離で距離コストを算出することが可能である。距離コストの算出方法は別の方法であってもよい。
また、並び替えのアルゴリズムは測定要素の数によって切り換えることもできる。例えば、測定要素数が第1の所定数未満である場合には、Nearest Neighbor + 2-optとし、測定要素数が第1の所定数以上、かつ、第1の所定数よりも大きな第2の所定数未満である場合にはNearest Neighborとする。Nearest Neighborは、近いものから順に繋いでいくアルゴリズムである。また、2-optは、2辺を選んでコストが低くなる方に繋ぎ変えるアルゴリズムである。
また、測定種別間をまたいだ測定順序としては、測定種別を切り換えるために処理(時間)が必要になる。例えば、非接触変位計70を使用する変位測定では、撮像部50から所定距離だけオフセットして非接触変位計70が配置されているとすると、撮像部50から非接触変位計70に切り換えるのに要する時間、その反対の切り換えに要する時間は、所定距離を移動させるのにかかる時間となる。さらに、撮像部50から非接触変位計70に切り換えるための移動は、撮像部50で撮像する際のXY方向の移動と本質的には変わらないため、撮像箇所と合わせて経路の最適化を図ることが可能となる。
一方で、測定するにあたって、脱着が必要となるタッチプローブ80のようなケースにおいては、画像測定からの切り換えの際に、脱着動作が発生する。タッチプローブ80を装着した状態でも、画像測定が可能なケースもあるが、タッチプローブ80の形状、長さによっては、同時使用が不可になるケースがあり、画像測定と座標測定とは基本的には排他する測定種別となる。
上述したように、測定要素は、画像測定部3aによりワーク画像を用いた寸法測定又はその寸法測定の結果を用いた演算を行う第1測定要素と、変位測定部3cにより測定を行う第2測定要素とを含んでいる。また、第1測定要素としては、画像測定部3aによる寸法測定を含んでおり、また第2測定要素としては、座標測定部3bによる測定を含んでいる。なお、画像測定部3aによる寸法測定のうち、ワーク画像を取得するための撮像処理は、第2測定要素の中に含めてもよい。
図6に示す設定部3gは、表示部4に表示されたワーク画像上で、第1測定要素と第2測定要素とを設定する部分である。例えば、ユーザは、図21に示すようなワーク画像を見ながら、図23や図24に示すようなユーザーインターフェース210を利用して、第1測定要素と第2測定要素とをそれぞれ複数特定することが可能である。特定した結果は、設定部3gで設定されて記憶部7に記憶される。このような測定例に処理部30の並び替え処理を適用することで、測定時間を短縮できる。
複数の測定要素には、第1スタイラス83Aを有するタッチプローブ80がワークWに接触したとき出力される接触信号に基づいて接触点の三次元座標を測定する複数の第1タッチプローブ測定と、第2スタイラス83Bを有するタッチプローブ80がワークWに接触したとき出力される接触信号に基づいて接触点の三次元座標を測定する複数の第2タッチプローブ測定とが含まれていてもよい。すなわち、本例では、チェンジャー機構100が設けられているので、第1スタイラス83Aから第2スタイラス83Bへの交換、その反対の交換等が自動で行われるようになっており、座標測定部3bによる測定として、第1スタイラス83Aを用いた座標測定と、第2スタイラス83Bを用いた座標測定とがある。
複数の測定要素の測定順序の並び替えは、図6に示す処理部3hが実行する。並び替え処理の詳細については後述するが、設定部3gにより、第1測定要素と、第2測定要素とが設定されている場合、処理部3hは、第1測定要素および第2測定要素を含む複数の測定要素の相対的な参照関係を互いの参照依存関係に基づくツリー構造によって規定したとき、第2測定要素が、ツリー構造の末端から見て同じグループに属するように、複数の測定要素の測定順序を並び替える並び替え処理を実行する。特に、処理部3hは、ツリー構造の末端から見て、第2測定要素が属するグループの数がより少なくなるように(例えば最小数となるように)、複数の測定要素の測定順序を並び替える。また、処理部3hは、複数の測定要素に、画像測定部3aによる寸法測定と、変位測定部3cによる測定とがそれぞれ複数含まれている場合、画像測定部3aによる複数の寸法測定を連続して実行するとともに、変位測定部3cによる複数の変位測定を連続して実行するように、複数の測定要素の測定順序を並び替える。
また、第1スタイラス83Aを用いた複数の第1タッチプローブ測定と、第2スタイラス83Bを用いた第2タッチプローブ測定とが複数の測定要素に含まれている場合、処理部3hは、座標測定部3bによる複数の第1タッチプローブ測定を連続して実行するように、複数の測定要素の測定順序を並び替える。
以下、処理部3hの並び替え処理の詳細について説明する。図31のFIG.31Aは、複数の測定要素が参照関係を持っている例を示している。図31中、1~5番は測定要素であり、5つの測定要素の並び替えを想定する。矢印が示す先の番号が親要素であり、例えば3番の測定要素は2番の測定要素を参照し、2番の測定要素は1番の測定要素を参照する。FIG.31Bは、参照の深さ(ノードの深さ)によってグループ化した例を示しており、実際の測定はグループの番号順に行うことになる。
ここで、FIG.31Cに示すように、測定要素として黒丸で示す2番は、時間が掛からない(例えばステージ21の移動を伴わない)第1測定要素であり、白丸で示す1、3~5番は、時間が掛かる(例えばステージ21の移動を伴う)第2測定要素であると定義する。FIG.31Cでは、ステージ21の移動を伴う3番と5番が別のグループに存在することになるので、仮に両方をタッチプローブ80で座標測定するとした場合、グループ2の5番の撮像、5番のタッチプローブ80による測定、グループ3の3番の撮像、3番のタッチプローブ80による測定のような順番となってしまい、5番と3番との間に、タッチプローブ80の脱着工程が入るので、測定時間が長引いてしまう。また、参照関係を見ても、3番と5番とは参照関係にないので、3番と5番を別のグループにする必要はない。
よって、3番と5番が同じグループ3に属するように、処理部3hは、FIG.31Dのように測定順序を設定する。これにより、グループ3で、3番及び5番の連続撮像、3番及び5番のタッチプローブ80による連続測定が可能になるので、測定時間が短くなる。測定要素として撮像と測定を含むグループが最小になるケースは、ツリー構造の末端から根までたどったときに、ステージ21の移動を伴う第2測定要素が出てくる回数が最大値となる。つまり、処理部3hは、ツリー構造上で、ステージ21の移動を伴う第2測定要素の末端からの個数が同じになる第2測定要素を同時に測定するように測定順序を並び替え、このときに、第2測定要素の間にある第1測定要素は参照関係(参照順)を保ったままとなるように、複数のグループを形成する。
以下、図32に示す例に基づいて説明する。図32は、複数の測定要素の相対的な参照関係を互いの参照依存関係に基づくツリー構造によって規定した例を示すものである。測定要素として黒丸で示しているものは、時間が掛からない(例えばステージ21の移動を伴わない)第1測定要素であり、測定要素として白丸で示しているものは、時間が掛かる(例えばステージ21の移動を伴う)第2測定要素である。図33は、既存の測定におけるグループの手法に従ってグループ分けした場合を示しており、白丸が含まれるグループが4つあるので、撮像及びタッチプローブ80による測定が4回行われることになる。
これに対し、処理部3hでは、図34に示す第1段階として、ツリー構造の末端から見た白丸(第2測定要素)の個数と、その白丸と参照関係のある黒丸(第1測定要素)とで分類する。この例では、末端、末端から見て2つ目、末端から見て3つ目、子に第2測定要素がないものに分類される。第1段階のグループ分けが完了すると、図35に示すようになる。
その後、第2段階として、図35に示すグループ分けの結果を測定グループに当てはめると、図36に示すように第1測定要素と第2測定要素とが並び替えられてグループ分けされる。図33に示す既存の手法に比べてグループ数は増えているが、白丸(第2測定要素)を含むグループの数が4から3に1つ減っている。これにより、撮像及びタッチプローブ80による測定の回数が既存の手法に比べて1回少なくなるので、測定時間が短縮される。尚、黒丸(第1測定要素)を含むグループが既存の手法に比べて増えることになるが、黒丸の測定要素はステージ21の移動を伴うことなく、エッジ抽出や計算のみなので、タッチプローブ80の脱着に要する時間に比べてはるかに短く、測定時間への影響は殆ど無いと言える。
以下、具体的な処理手順について、図37及び図38に示すフローチャートに基づいて説明する。図37に示すフローチャートのステップSK1では、他の測定要素を参照していない測定要素を抽出し、抽出した測定要素をグループ0とする。ここで抽出された測定要素は、他の測定要素の結果に依存しない測定要素である。
ステップSK2では、1つ前のグループの測定要素を参照している測定要素を抽出し、抽出した測定要素をグループXとする。ステップSK3では、全ての測定要素を抽出したか否かを判定する。測定要素が残っていればステップSK2に進み、測定要素が残っていなければステップSK4に進む。ここまでで、図33に示すようなグループ分けが完了している。
ステップSK4では、物理制御を伴う測定要素(ステージ21の移動を伴う測定要素)のグループに応じてカウンタ値を設定する。具体的には、図38に示すフローチャートに基づいて説明する。スタート後のステップSL1では、図37のステップSK1で設定されたグループ0の測定要素に対して物理制御を伴う測定要素をカウンタ1とし、それ以外の測定要素(物理制御を伴わない測定要素)をカウンタ0とする。このとき、A=1から開始するように設定しておく。
ステップSL2では、グループAの各測定要素に対して直接参照している測定要素のカウンタ内で最大のものを自身のカウンタとする。ステップSL3では、自身が物理制御を伴う測定要素である場合にはカウンタ1とし、それ以外の測定要素の場合にはカウンタ0とする。ステップSL4では全てのグループを処理したか否かを判定し、グループが残っている場合にはステップSL5に進んでA=A+1とした後、ステップSL2に進む。全てのグループを処理した場合には、図37に示すステップSK5に進む。ステップSK5では、物理制御を伴う測定要素のカウンタ値が同じものを同じグループに分類する。ステップSK6では、物理制御を伴わない測定要素については、ステップSK5のグループの間のグループに分類する。
ステップSL7では、物理制御を伴わない測定要素について、参照階層に応じてグループ化を行う。これにより、図36に示すようにグループ分けされる。
グループ内で並べ替えを行う際には、原則として、すべての測定動作について、処理時間に換算して、処理時間が最短になる組み合わせ解を求める。ところが、このようにして得られた解は現実的な演算時間で解けないケースがでてくるため、あらかじめ簡易的な法則を決めておき疑似的な最適解を求める方法を適用する。その一つの例として、測定種別の切り換えがある。要するに、同じ種別の測定を続けて行うに並び替える方法がある。切り換え時間が問題にならないケースでも、わかりやすさという意味で、測定種別毎にまとめてもよい。また別の例としては、測定要素内は固定順序として、測定要素間の移動経路だけの最適化をおこなうことで組み合わせ数を減らしてもよい。また別の例としては、測定要素内で順序を並び替えるようにしてもよい。例えば、円筒状ワークの外周において、周方向に沿って3箇所、高さ方向に沿って2箇所、合計6箇所(=円筒状ワークの外周に3×2の6箇所)の接触測定を行う場合に、周方向の接触測定を先に済ませた方が短い測定時間になるか、高さ方向の接触測定を先に済ませた方が短い測定時間になるかを計算するようにしてもよい。
例えば、円筒状ワークの外周面において、第1の高さに、周方向に沿って120°間隔でA,B,Cの各測定位置があり、第1の高さよりも低い第2の高さに、周方向に沿って120°間隔でD(Aの真下),E(Bの真下),F(Cの真下)の各測定位置が設定されるとする。この場合、タッチプローブ80による測定順序は、A→D→E→B→C→Fというように、垂直方向を優先して測定してもよい。しかし、第1の高さと第2の高さとの距離が長い場合に同じ順序にすると、タッチプローブ80の上下移動に時間が掛かり、全体として測定時間が長くなる虞がある。そこで、第1の高さと第2の高さとの距離(パラメータの一例)が予め定められた一定距離(固定値でもよい)より長くなると、円周方向を優先するような測定順序に自動的に切り替わってもよい。すなわち、上述の例でいえば、タッチプローブ80による測定順序は、A→B→C→F→E→Dというように、まずは第1の高さで円周方向に沿って順番に測定し、次に、第2の高さで円周方向に沿って順番に測定すればよい。
また、周方向に沿った測定位置の数(測定点数。パラメータの一例)が、予め定められた一定数(固定値でもよい)よりも多くなった場合にも、垂直方向より円周方向を優先するような測定順序に自動的に切り替わってもよい。すなわち、例えば、第1の高さに、周方向に沿って60°間隔でA,B,C,D,E,Fの6個の測定位置があり、第2の高さに、周方向に沿って60°間隔でG,H,I,J,K,Lの6個の測定位置がある場合であって、周方向の測定位置の数が予め決められた一定数(例えば4)より多い場合は、円周方向の測定を優先し、A→B→C→D→E→F→L→K→J→I→H→Gという測定順序にしてもよい。
このように、測定要素に対応付けて設定されたパラメータに基づいて、複数の測定位置の測定順序を並び替えてもよい。なお、上述の例では、高さ方向における測定位置の距離(高さ距離)や、周方向における測定位置の数(又は測定位置同士の間隔)に着目したが、本発明はこれに限られない。例えば、高さ距離と、測定位置同士の間隔との比をパラメータの一つとすることもできる。すなわち、高さ距離に対する測定位置同士の間隔の比が予め定めた閾値より大きくなると、垂直方向を優先して測定する一方、高さ距離に対する測定位置同士の間隔の比が予め定めた閾値より小さくなると、円周方向を優先して測定することもできる。
また、上述した例では、円筒状ワークに着目しているが、平らなワークについても同様である。例えば、図21において、第4の接触目標位置P4を規定する測定要素を考えた場合に、4個の接触目標位置P4をどのような順序で測定するかは自動的に決定される。例えば、4個の接触目標位置P4について、図21の紙面の上から見て、右上→左上→左下→右下という測定順序であってもよいし(左右の間隔が狭い場合)、右上→右下→左下→左上という測定順序であってもよい(左右の間隔が広い場合)。要するに、特定の測定要素に対応付けて設定された複数の測定位置の配置態様に基づいて、それら複数の測定位置の測定順序を並び替えるようにしてもよい。
また、グループ間での切替動作を減らすように、グループ内の順序を入れ換える。例えばグループ1として、第1スタイラス83Aの測定、第2スタイラス83Bの測定、画像測定が含まれており、グループ2として、第1スタイラス83Aの測定、画像測定が含まれている場合を想定する。この場合、グループ1として、画像測定、第2スタイラス83Bの測定、第1スタイラス83Aの測定とし、グループ2として、第1スタイラス83Aの測定、画像測定とすることで、スタイラスの脱着回数を3回から2回に減らすことができる。
次に、実際の測定例について説明する。ワークWは図39に示す形状を有している。図32に示すグループ分けで測定を進めるものとする。図40中、No.1とは図32の1の測定要素に対応しており、以下、No.2~18は、図32の2~18の測定要素に対応している。
最上位のグループでは、図40に示すNo.1で点2と点3の距離を測定する。No.2では、点4を中心にした円弧状にスキャンしてエッジ点を検出する。No.3では、点6と同一高さで直線5に平行なスキャンライン上でエッジ点を検出する。
その後、図41のNo.4では、No.7と同じ高さで、No.8と平行なスキャンライン上でエッジ点を検出する。No.5では、点9と点10の中線を引く。図42のNo.6では、直線11と平行なスキャンライン上でエッジ点を検出する。
No.7では、ユーザの手動操作で点を指定する。No.8では、No.12から所定寸法離れた位置に平行線を引く。図43のNo.9では、点13、点14の中点を作成する。No.10では、スキャンライン上のエッジ点を検出する。No.11では、No.15のエッジ点を通るー30°の線を引く。No.12は、ワークWの左端のエッジ線を検出する。図44に示すNo.13では、スキャンライン上のエッジ点を検出する。No.14では、直線16に平行なスキャンライン上でエッジ点を検出する。No.15では、ワークWの左上のエッジ点を検出する。
図45に示すNo.16では、直線17と直線18を引く。No.17では、ユーザが手動で直線を引く。No.18でもユーザが手動で直線を引く。このような測定要素の関係にある場合に、処理部3hが測定要素の並び替え処理を実行することで、測定時間を短縮できる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本開示は、ステージに載置したワークの三次元座標を測定する場合に利用できる。
1 画像測定装置
3a 画像測定部
3b 座標測定部(タッチプローブ測定部)
3c 変位測定部(非接触測定部)
3d 制御部
3g 設定部
3h 処理部
4 表示部
7 記憶部
21 ステージ
23 XY方向駆動部
25 Z方向駆動部
30 透過照明(投光部)
40 同軸落射照明(投光部)
45 リング照明(投光部)
50 撮像部
80 タッチプローブ
83A 第1スタイラス
83B 第2スタイラス
100 チェンジャー機構(交換部)

Claims (9)

  1. ワークが載置されるステージと、
    前記ステージを移動可能に支持するベースと、
    前記ベースに設けられ、前記ステージ上のワークに検出光を照射する投光部と、
    前記投光部により照射された検出光を受光してワーク画像を生成する撮像部と、
    前記ワーク画像を用いた寸法測定を行う画像測定部と、
    前記ステージの上方から測定光を出射し、該測定光を受光することにより、前記ステージ上のワークの高さを非接触で測定する非接触測定部と、
    測定設定時に、前記撮像部により生成されたワーク画像を表示する表示部と、
    前記表示部に表示されたワーク画像上で、前記画像測定部により前記ワーク画像を用いた寸法測定又は該寸法測定の結果を用いた演算を行うための第1測定要素、および、少なくとも前記非接触測定部により測定を行うための第2測定要素を設定する設定部と、
    前記設定部により設定された前記第1測定要素および前記第2測定要素を含む複数の測定要素の相対的な参照関係を互いの参照依存関係に基づくツリー構造によって規定したとき、前記第2測定要素が、前記ツリー構造の末端から見て同じグループに属するように、複数の測定要素の測定順序を並び替える処理部と、
    を備えることを特徴とする画像測定装置。
  2. 請求項1に記載の画像測定装置において、
    前記ステージ上のワークに接触して接触点の三次元座標を測定するためのタッチプローブと、
    前記ステージ又は前記タッチプローブを前記ステージの法線方向、前記ステージの上面と平行な方向、又は該法線方向から傾斜する方向に相対的に移動させることにより、前記ステージ上に載置されたワークの表面に対して前記タッチプローブを接触させる駆動部と、
    前記駆動部の動作によって前記タッチプローブがワークに接触したとき出力される接触信号に基づいて、該タッチプローブがワークに接触した接触点の三次元座標を測定するタッチプローブ測定部とを備え、
    前記設定部は、前記第2測定要素として、前記タッチプローブ測定部による測定を行うための測定要素を含んでいることを特徴とする画像測定装置。
  3. 請求項2に記載の画像測定装置において、
    前記タッチプローブは、着脱可能なスタイラスを有し、
    種類の異なる前記スタイラスを保持するとともに、前記タッチプローブが所望の前記スタイラスを有するように前記スタイラスを交換する交換部を備えていることを特徴とする画像測定装置。
  4. 請求項3に記載の画像測定装置において、
    前記スタイラスは、第1スタイラスと第2スタイラスとを含み、
    複数の測定要素に、前記第1スタイラスを有する前記タッチプローブがワークに接触したとき出力される接触信号に基づいて接触点の三次元座標を測定する複数の第1タッチプローブ測定と、前記第2スタイラスを有する前記タッチプローブがワークに接触したとき出力される接触信号に基づいて接触点の三次元座標を測定する第2タッチプローブ測定とが含まれている場合、前記処理部は、前記タッチプローブ測定部による複数の第1タッチプローブ測定を連続して実行するように、複数の測定要素の測定順序を並び替えることを特徴とする画像測定装置。
  5. 請求項1に記載の画像測定装置において、
    前記処理部は、前記ツリー構造の末端から見て、前記第2測定要素が属するグループが少なくなるように、複数の測定要素の測定順序を並び替えることを特徴とする画像測定装置。
  6. 請求項1に記載の画像測定装置において、
    前記処理部は、複数の測定要素に、前記画像測定部による寸法測定と、前記非接触測定部による測定とがそれぞれ複数含まれている場合、前記画像測定部による複数の寸法測定を連続して実行するとともに、前記非接触測定部による複数の測定を連続して実行するように、複数の測定要素の測定順序を並び替えることを特徴とする画像測定装置。
  7. 請求項2に記載の画像測定装置において、
    前記処理部は、前記タッチプローブ測定部による測定を行うための測定要素に対応付けて設定されたパラメータに基づいて、該測定要素内における複数の測定位置の測定順序を並び替えることを特徴とする画像測定装置。
  8. 請求項7に記載の画像測定装置において、
    前記パラメータは、前記タッチプローブ測定部による測定点数を含むことを特徴とする画像測定装置。
  9. ワークが載置されるステージと、
    前記ステージを移動可能に支持するベースと、
    前記ベースに設けられ、前記ステージ上のワークに検出光を照射する投光部と、
    前記投光部により照射された検出光を受光してワーク画像を生成する撮像部と、
    前記ワーク画像を用いた寸法測定を行う画像測定部と、
    前記ステージ上のワークに接触して接触点の三次元座標を測定するためのタッチプローブと、
    前記ステージ又は前記タッチプローブを前記ステージの法線方向、前記ステージの上面と平行な方向、又は該法線方向から傾斜する方向に相対的に移動させることにより、前記ステージ上に載置されたワークの表面に対して前記タッチプローブを接触させる駆動部と、
    前記駆動部の動作によって前記タッチプローブがワークに接触したとき出力される接触信号に基づいて、該タッチプローブがワークに接触した接触点の三次元座標を測定するタッチプローブ測定部と
    測定設定時に、前記撮像部により生成されたワーク画像を表示する表示部と、
    前記表示部に表示されたワーク画像上で、前記画像測定部により前記ワーク画像を用いた寸法測定又は該寸法測定の結果を用いた演算を行うための第1測定要素、および、前記タッチプローブ測定部により測定を行うための第2測定要素を設定する設定部と、
    前記タッチプローブ測定部による測定を行うための第2測定要素に対応付けて設定されたパラメータに基づいて、該第2測定要素内における複数の測定位置の測定順序を並び替える処理部と、
    を備えることを特徴とする画像測定装置。
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