JP2023165065A - ガイドパッド、及びガイドパッドを有するガンドリル - Google Patents

ガイドパッド、及びガイドパッドを有するガンドリル Download PDF

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Abstract

Figure 2023165065000001
【課題】十分な強度を有するガイドパッド、及び当該ガイドパッドを有するガンドリル、を提供する。
【解決手段】ガイドパッド300は、第1面301と、第1面301と対向する位置にある平坦面である第2面302と、第1面301と第2面302との間を繋ぐ第3面303と、を有する。回転中心軸AXに沿って見た場合において、第1面301は円弧状となっており、第1面301の円弧中心を通り且つ第2面302に対し垂直な仮想線VLと、第2面302とが交差する点を第1点P1とし、貫通穴310の中心軸CXが第2面302と交差する点を第2点P2としたときに、第1点P1が第2点P2よりも前記第3面寄りの位置にある。
【選択図】図6

Description

本発明は、ガイドパッド、及びガイドパッドを有するガンドリルに関する。
小径の深穴を形成するための工具として、ガンドリルが知られている。ガンドリルは、細長いボディの先端部分に切れ刃を有している。切れ刃は1つだけ設けられるか、回転中心軸の周りにおいて互いに非対称となる位置に複数設けられるのが一般的である。また、下記特許文献1に記載されているように、ガンドリルのボディの先端部分にはガイドパッドが設けられる。このような構成においては、切れ刃において偏った方向の力を生じさせ、当該力をガイドパッドで受けながら加工を行うことができる。加工中においては、被削材の穴の内面にガイドパッドが当接し、上記力によるボディの変形等がガイドパッドにより抑制されるので、高精度な深穴加工を行うことが可能となる。
特許第6849136号公報
ガンドリルのボディは細長いため、加工中における強度の確保が問題となる。特に、チップ交換式のガンドリルにおいては、ガイドパッドを取り付けるための凹部に加えて、チップを取り付けるための凹部もボディに形成しておく必要があるため、ボディの強度を確保することが更に難しくなる。ボディの強度を確保するための対策としては、例えば、ガイドパッドを可能な限り薄くして、その分だけボディ側の肉厚を厚くすることが考えられる。
しかしながら、ガイドパッドを薄くし過ぎると、ガイドパッドの強度が低下してしまい、加工中においてガイドパッドが破損してしまう可能性が有る。一方、ガイドパッドを厚くしてその強度を十分に確保しようとすると、やはりボディの強度が不足してしまう。以上のようであるから、今後、更に小径の穴加工をガンドリルで実現しようとすると、従来のような構成のままでは実現することが難しい。
本発明は、十分な強度を有するガイドパッド、及び当該ガイドパッドを有するガンドリル、を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るガイドパッドは、ガンドリル用のガイドパッドであって、第1面と、第1面と対向する位置にある平坦面である第2面と、第1面と第2面との間を繋ぐ第3面と、を有し、締結部材を挿通し締結固定するための貫通穴が、第1面から第2面まで貫くように形成されている。所定方向に沿って見た場合において、第1面は円弧状となっており、第1面の円弧中心を通り且つ第2面に対し垂直な仮想線と、第2面とが交差する点を第1点とし、貫通穴の中心軸が第2面と交差する点を第2点としたときに、第1点が第2点よりも第3面寄りの位置にある。
加工中においては、ガイドパッドのうち締結部材とボディとによって挟み込まれている部分、すなわち、貫通穴の内壁面と第3面との間の部分に、比較的大きな応力が加えられる。
上記構成のガイドパッドでは、貫通穴の位置に対応する第2点が、第3面から見て第1点よりも遠い位置にある。このため、貫通穴の内面と第3面との間の距離が、従来の構成よりも大きく確保されることとなる。つまり、応力が加えられる当該部分は肉厚となり、その強度が十分に確保される。このように、ガイドパッドを上記のような構成とすれば、ガイドパッドの厚さを増やすことなく、加工中におけるガイドパッドの強度を十分に確保することが可能となる。
更に好ましい態様として、所定方向に沿って見た場合において、貫通穴の中心軸は、外周側に行くほど第3面から遠ざかるように、第2面に対して傾斜していてもよい。
更に好ましい態様として、第3面と対向する位置にある第4面を更に有し、第4面のうち貫通穴の近傍の部分は、貫通穴とは反対側に向けて突出していてもよい。
本発明の一態様に係るガンドリルは、ガイドパッドを有するガンドリルであって、ガイドパッドは、外周側の面である第1面と、第1面と対向する位置にある平坦面であって、ガンドリルのボディによって内側から支持される第2面と、第1面と第2面との間を繋ぐ面のうち、ボディの回転中心軸に沿って伸びる面であって、ボディの一部に当接している第3面と、を有し、締結部材を挿通しボディに締結固定するための貫通穴が、第1面から第2面まで貫くように形成されている。ボディの回転中心軸に沿って見た場合において、第1面は円弧状となっており、第1面の円弧中心を通り且つ第2面に対し垂直な仮想線と、第2面とが交差する点を第1点とし、貫通穴の中心軸が第2面と交差する点を第2点としたときに、第1点が第2点よりも第3面寄りの位置にある。
このような構成のガンドリルは、先に述べたように、ガイドパッドの厚さを増やすことなく、加工中におけるガイドパッドの強度を十分に確保することができる。ガイドパッドを取り付けるための深い凹部をボディに形成しておく必要がないので、ボディ強度が犠牲になることがない。
更に好ましい態様として、ボディには、ガイドパッドの先端面を先端側から覆う補強壁が設けられていてもよい。
更に好ましい態様として、ボディには、流体を先端側に向けて案内するための溝が外周側に形成されており、溝は、ガイドパッドの外形に沿って伸びるように形成されていてもよい。
更に好ましい態様として、ガイドパッドは、第3面と対向する位置にある第4面を更に有し、溝は、第4面に沿って伸びるように形成されていてもよい。
更に好ましい態様として、第4面のうち貫通穴の近傍の部分は、貫通穴とは反対側に向けて突出しており、溝は、第4面に沿って一部が屈曲して伸びるように形成されていてもよい。
本開示によれば、十分な強度を有するガイドパッド、及び当該ガイドパッドを有するガンドリル、が提供される。
図1は、本実施形態に係るガンドリルの全体構成を示す斜視図である。 図2は、本実施形態に係るガンドリルの全体構成を示す斜視図である。 図3は、本実施形態に係るガンドリルを、その回転中心軸に沿って先端側から見て描いた図である。 図4は、図1の一部を拡大して示す図である。 図5は、本実施形態に係るガイドパッドの構成を示す図である。 図6は、図5のVI-VI断面を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態に係るガンドリル10の構成について説明する。図1及び図2は、ガンドリル10の全体構成を示す斜視図である。図3は、図1のガンドリル10を、その回転中心軸AXに沿って先端側から見て描いた図である、図4は、図1の一部、具体的にはガンドリル10の先端部分を拡大して示す図である。
図1等に示されるように、ガンドリル10は、ボディ100と、切削インサート200と、ガイドパッド300と、を備えている。
ボディ100は、ガンドリル10の概ね全体を構成する部材であって、鋼により形成されている。ボディ100は、被把持部120と、切削部110と、を有している。被把持部120は、ボディ100の長手方向に沿った一方側の部分であり、不図示の工作機械によって把持される部分である。
説明の便宜上、ボディ100のうち被把持部120が設けられている方の端部側のことを、以下では「基端側」とも称する。また、基端側とは反対側のことを、以下では「先端側」とも称する。
切削部110は、ボディ100のうち被把持部120よりも先端側の部分であって、被削材の切削に供される部分である。切削部110は、被把持部120から先端側に向かって直線状に伸びるように形成されている。図3に示されるように、切削部110は略円柱形状となっており、その側面には排出溝111が形成されている。排出溝111は、加工中においてクーラントを案内し排出するための溝であって、先端側から基端側に向かって伸びるように形成されている。クーラントは、切りくずの排出や、工具及び被削材の冷却、潤滑、及び防錆等を目的として、加工中において工作機械側から供給される流体である。
切削インサート200は、切れ刃210を有する部分であって、超硬材料により形成されている。図2に示されるように、切削インサート200は、排出溝111の内面のうち先端側の端部近傍となる位置に、螺子11によって締結固定されている。切削インサート200の切れ刃210は、切削部110の先端から、更に先端側に向かって突出している。被削材の加工時においては、ボディ100が回転中心軸AXの周りに回転する。その回転方向は、図3において矢印で示される方向である。ボディ100が回転すると、切れ刃210が当たることによって被削材が切削され、被削材に深穴が形成されていく。本実施形態に係るガンドリル10は、上記のように切れ刃210の部分が交換可能な別部品となっており、所謂「チップ交換式」の工具として構成されている。
本実施形態に係るガンドリル10のボディ100は、所謂「シングルフルートタイプ」の工具となっており、排出溝111は1本のみ形成されている。これに対応して、切削インサート200も1つだけ設けられている。
ガイドパッド300は、加工中において穴の内面に当接することで、ボディ100の変形等を抑制するための部材である。ガンドリル10の加工によって被削材に形成される穴のことを、以下では「加工穴」とも称する。ガイドパッド300が設けられていることにより、加工穴の真直性や真円度を保ちながら加工を行うことができる。
本実施形態のように、切れ刃210が周方向の1か所のみに設けられている場合には、加工中の切れ刃210には偏った方向の力が加えられる。このため、当該力を受け得る位置にガイドパッド300を設けておくことで、加工中におけるボディ100の変形等を抑制し、上記のように加工穴の真直性や真円度を保つことが可能となる。
図4に示されるように、ガイドパッド300は、切削部110のうち先端側の端部近傍となる位置において、切削部110の外周面に取り付けられている。本実施形態では2つのガイドパッド300が設けられており、これらが周方向に沿って並んでいる。それぞれのガイドパッド300は、締結部材である螺子12によって、切削部110に対して締結固定されている。尚、切削部110に取り付けられるガイドパッド300の数は、1つだけであってもよく、3つ以上であってもよい。
図4に示されるように、切削部110のうちガイドパッド300が取り付けられている部分の近傍には、吐出口112と、溝113と、が形成されている。
吐出口112は、加工中にクーラントを供給するための穴である。ボディ100の内部には、クーラントを案内するための不図示の流路が形成されている。当該流路の一方側の端部は、被把持部120のうち基端側の端部において開口している。吐出口112は、当該流路の他方側の端部に形成された開口である。加工中には、工作機械から上記流路へとクーラントが供給される。クーラントは、上記流路を通って吐出口112から吐出され、次に述べる溝113へと流入する。
溝113は、吐出口112から吐出されたクーラントを、先端側の切れ刃210まで案内するための溝であって、切削部110の外周面に沿って形成されている。加工中において、クーラントは、溝113の内面と、加工穴の内面と、の間に形成された空間を通って切れ刃210の方に流れる。その後、クーラントは、加工で生じた切りくずと共に、先に述べた排出溝111を通って加工穴の外へと排出される。
ガイドパッド300の具体的な構成について説明する。図5には、ガイドパッド300を外周側から見た場合の外観が示されており、図6には、図5のVI-VI断面が示されている。当該断面は、後述の貫通穴310の中心軸CXを含む面となっている。図5においては下方側が先端側であり、上方側が基端側である。
図5において符号「301」が付されているのは、ボディ100に取り付けられた際において外周側となる面、すなわち、加工穴の内面に対向し且つ当接する面である。当該面のことを、以下では「第1面301」とも称する。図6に示されるように、ボディ100に取り付けられた場合の回転中心軸AXに沿って見た場合(つまり、所定方向に沿って見た場合)においては、第1面301は円弧状の面となっている。円弧状の面である第1面301の中心軸CT(図6を参照)は、ボディ100の長手方向に沿って伸びる軸であって、回転中心軸AXと概ね一致している。また、当該円弧の曲率は、加工穴の内面の曲率に概ね等しくなっている。
図6において符号「302」が付されているのは、第1面301と対向する位置にある面、すなわち第1面301の裏側にある面であって、切削部110によって内側から支持される面である。当該面のことを、以下では「第2面302」とも称する。第2面302は平坦面となっている。
図5において符号「303」が付されているのは、第1面301と第2面302との間を繋ぐ面の一つであって、図5の右側において回転中心軸AXに沿って伸びる面である。当該面のことを、以下では「第3面303」とも称する。
図5において符号「304」が付されているのは、第3面303と対向する位置にある面である。当該面のことを、以下では「第4面304」とも称する。図5に示されるように、第3面303は、概ねその全体が平坦面となっている一方で、第4面304は、その一部(符号「304A」を付した部分)が突出した形状となっている。当該部分のことを、以下では「突出部304A」とも称する。突出部304Aは、第4面304のうち、後述の貫通穴310の近傍の部分であって、貫通穴310とは反対側に向けて突出している。
図5において符号「305」が付されているのは、第1面301と第2面302との間を繋ぐ面の一つであって、ガイドパッド300のうち最も先端側の面である。当該面のことを、以下では「先端面305」とも称する。
図5において符号「306」が付されているのは、第1面301と第2面302との間を繋ぐ面の一つであって、ガイドパッド300のうち最も基端側の面である。当該面のことを、以下では「基端面306」とも称する。
ガイドパッド300には貫通穴310が形成されている。貫通穴310は、螺子12を挿通し切削部110に締結固定するために形成された穴であって、第1面301から第2面302までガイドパッド300を貫くように形成されている。
貫通穴310は略円形の穴であるが、その内径は全体で同じとはなっていない。図6に示されるように、貫通穴310の内面にはテーパー部311が形成されている。テーパー部311から第1面301側における内径は、テーパー部311から第2面302側における内径よりも大きくなっている。テーパー部311は、外周側から内周側(ボディ100側)に行くに従って、貫通穴310の内径が次第に小さくなっている部分、ということもできる。テーパー部311は、ガイドパッド300が締結固定される際において、螺子12からの力が加えられる部分となっている。
図6において符号「CX」が付されているのは、貫通穴310の中心軸を示している。以下では、当該中心軸のことを「中心軸CX」とも称する。中心軸CXに対し垂直に切断した場合の断面においては、貫通穴310を示す円の中心と中心軸CXとが互いに一致する。尚、貫通穴310の断面形状が厳密な円形にはなっていない場合等には、貫通穴310に螺子12を挿通し締結固定した状態において、螺子12の中心軸と一致する軸のことを、「貫通穴310の中心軸CX」と定義してもよい。
図6に示されるように、回転中心軸AXに沿って見た場合において、本実施形態における中心軸CXは、外周側(図6では上側)に行くほど第3面303から遠ざかるように、第2面302に対して傾斜している。
貫通穴310に螺子12が挿通され、螺子12による締結が行われると、ガイドパッド300は、図5における右側及び上側に向かう力を受けながら、切削部110に対して締結固定されて行く。換言すれば、締結時において上記力が加えられるように、貫通穴310の内面が形成されている。
図示は省略するが、切削部110には、締結時において第3面303に当接する第1位置決め部と、締結時において基端面306に当接する第2位置決め部と、が設けられている。螺子12による締結が行われると、ガイドパッド300に上記のような力が加えられるので、ガイドパッド300は、第3面303が第1位置決め部に当接し、基端面306が第2位置決め部に当接する。その結果、ガイドパッド300は、これら2面によって位置決めされ正しい位置に取り付けられる。
締結固定が完了した状態においては、第3面303の一部(特に、図6において符号303Aが付された面取り部分)とテーパー部311との間の部分が、螺子12と切削部110との間で挟まれた状態となり、当該部分には比較的大きな応力が加えられることとなる。
ところで、深穴加工に用いられるガンドリル10のボディ100は細長いため、加工中における強度の確保が問題となる。特に、本実施形態のようなチップ交換式のガンドリルにおいては、ガイドパッド300を取り付けるための凹部に加えて、切削インサート200を取り付けるための凹部もボディ100に形成しておく必要があるため、ボディ100の強度を確保することが更に難しくなる。ボディ100の強度を確保するための対策としては、例えば、ガイドパッド300を可能な限り薄くして、その分だけボディ100側の肉厚を厚くすることが考えられる。
しかしながら、ガイドパッド300を薄くし過ぎると、ガイドパッド300の強度が低下してしまう。このため、特に、上記のように締結による応力が加えられる部分又はその近傍において、加工中にガイドパッド300が破損してしまう可能性が有る。一方、ガイドパッド300を厚くしてその強度を十分に確保しようとすると、ボディ100に形成すべき凹部が深くなり、やはりボディ100の強度が不足してしまう。
そこで、本実施形態に係るガイドパッド300では、貫通穴310の位置等を工夫することで、ガイドパッド300の厚さを増やすことなく、加工中におけるガイドパッド300の強度を十分に確保することを可能としている。
当該工夫について、引き続き図6を参照しながら説明する。同図に示される仮想線VLは、円弧状の面である第1面301の円弧中心(つまり中心軸CT)を通り、且つ第2面302に対し垂直となるように引いた仮想線である。図6の断面において、仮想線VLと第2面302とが交差する点のことを、以下では「第1点P1」とも称する。また、図6の断面において、貫通穴310の中心軸CXが第2面302と交差する点のことを、以下では「第2点P2」とも称する。
第1点P1及び第2点P2のそれぞれを以上のように定義した場合において、本実施形態では、第1点P1が第2点P2よりも第3面303寄りの位置にある。換言すれば、貫通穴310の位置に対応する第2点P2が、第3面303から見て第1点P1よりも遠い位置にある。
従来の構成においては、ガイドパッド300の形状は、貫通穴310を挟んで左右対称の形状となっていたため、上記のように定義される第1点P1の位置と、第2点P2の位置とは、図6のような断面においては互いに一致していた。これに対し本実施形態では、上記のように、第2点P2が、第3面303から見て第1点P1よりも遠い位置にある。その結果、テーパー部311から、第3面303のうち符号303Aが付された部分までの距離Lが、本実施形態では従来の構成に比べて長く確保されている。つまり、ガイドパッド300のうち、締結により比較的大きな応力が加えられる部分が、従来よりも肉厚となっている。これにより、当該部分の強度が十分に確保されている。
このように、本実施形態では、ガイドパッド300の厚さを増やすことなく、貫通穴310の位置等を工夫することで、加工中におけるガイドパッド300の強度を十分に確保することが可能となっている。
また本実施形態では、先に述べたように、貫通穴310の中心軸CXが第2面302に対して傾斜している。従って、中心軸CXが、第2点P2の位置から仮想線VLと平行に伸びているような構成に比べると、距離Lが更に長く確保されており、その結果としてガイドパッド300の強度が更に向上している。
図5を参照しながら先に説明したように、本実施形態では、第4面304のうち貫通穴310の近傍の部分(突出部304A)が、貫通穴310とは反対側に向けて突出している。これにより、図5において貫通穴310よりも左側の部分、の肉厚が十分に確保されるので、当該部分が薄くなりすぎて破損してしまうような事態が防止される。
その他の工夫点について説明する。図4に示されるように、切削部110のうち先端側の端部近傍には、補強壁114が形成されている。補強壁114は、ガイドパッド300と隣り合う位置において、外周側に向けて突出するように設けられた壁である。補強壁114は、ガイドパッド300の先端面305を先端側から覆っている。このような補強壁114が設けられていることで、切削部110の先端側部分における強度が確保されている。
図4を参照しながら先に説明したように、切削部110の外周面には、クーラントを先端側に向けて案内するための溝113が形成されている。同図に示されるように、溝113は、ガイドパッド300の外形に沿って、具体的には、ガイドパッド300の第4面304に沿って伸びるように形成されている。溝113は、一部(突出部304A)が突出している第4面304の形状に沿うように、その一部が屈曲して伸びるように形成されている。溝113をこのような位置及び形状とすることで、溝113の形成に伴うボディ100の剛性の低下が最低限に抑えられている。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:ガンドリル、100:ボディ、300:ガイドパッド、301:第1面、302:第2面、303:第3面、310:貫通穴、AX:回転中心軸。

Claims (8)

  1. ガンドリル用のガイドパッドであって、
    第1面と、
    前記第1面と対向する位置にある平坦面である第2面と、
    前記第1面と前記第2面との間を繋ぐ第3面と、を有し、
    締結部材を挿通し締結固定するための貫通穴が、前記第1面から前記第2面まで貫くように形成されており、
    所定方向に沿って見た場合において、
    前記第1面は円弧状となっており、
    前記第1面の円弧中心を通り且つ前記第2面に対し垂直な仮想線と、前記第2面とが交差する点を第1点とし、
    前記貫通穴の中心軸が前記第2面と交差する点を第2点としたときに、
    前記第1点が前記第2点よりも前記第3面寄りの位置にある、ガイドパッド。
  2. 前記所定方向に沿って見た場合において、
    前記貫通穴の中心軸は、
    外周側に行くほど前記第3面から遠ざかるように、前記第2面に対して傾斜している、請求項1に記載のガイドパッド。
  3. 前記第3面と対向する位置にある第4面を更に有し、
    前記第4面のうち前記貫通穴の近傍の部分は、前記貫通穴とは反対側に向けて突出している、請求項1又は2に記載のガイドパッド。
  4. ガイドパッドを有するガンドリルであって、
    前記ガイドパッドは、
    外周側の面である第1面と、
    前記第1面と対向する位置にある平坦面であって、ガンドリルのボディによって内側から支持される第2面と、
    前記第1面と前記第2面との間を繋ぐ面のうち、前記ボディの回転中心軸に沿って伸びる面であって、前記ボディの一部に当接している第3面と、を有し、
    締結部材を挿通し前記ボディに締結固定するための貫通穴が、前記第1面から前記第2面まで貫くように形成されており、
    前記ボディの前記回転中心軸に沿って見た場合において、
    前記第1面は円弧状となっており、
    前記第1面の円弧中心を通り且つ前記第2面に対し垂直な仮想線と、前記第2面とが交差する点を第1点とし、
    前記貫通穴の中心軸が前記第2面と交差する点を第2点としたときに、
    前記第1点が前記第2点よりも前記第3面寄りの位置にある、ガンドリル。
  5. 前記ボディには、前記ガイドパッドの先端面を先端側から覆う補強壁が設けられている、請求項4に記載のガンドリル。
  6. 前記ボディには、流体を先端側に向けて案内するための溝が外周側に形成されており、
    前記溝は、前記ガイドパッドの外形に沿って伸びるように形成されている、請求項4又は5に記載のガンドリル。
  7. 前記ガイドパッドは、前記第3面と対向する位置にある第4面を更に有し、
    前記溝は、前記第4面に沿って伸びるように形成されている、請求項6に記載のガンドリル。
  8. 前記第4面のうち前記貫通穴の近傍の部分は、前記貫通穴とは反対側に向けて突出しており、前記溝は、前記第4面に沿って一部が屈曲して伸びるように形成されている、請求項7に記載のガンドリル。
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