JP2023163601A - 負極および該負極を備えた電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性が好適に向上された電池を得るための技術を提供すること。【解決手段】ここで開示される負極の好適な一態様では、負極24は、銅からなる負極集電体24cと、該負極集電体24cの上に形成された負極活物質層24aとを備えている。上記負極集電体24cの周縁の一部には、負極タブ24tが存在しており、負極タブ24tの少なくとも片面には、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜27が形成されている。【選択図】図9

Description

本開示は、負極および該負極を備えた電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。かかる電池の負極においては、典型的には、銅からなる負極集電体が用いられている。例えば、下記特許文献1および2には、かかる負極集電体が開示されている。
特開2004-022306号公報 特開2009-117267号公報
ところで、この種の負極集電体としては、集電用のタブが形成された構成が知られている。かかるタブの形成は、例えばレーザー加工によって行われる。そして、かかるレーザー加工には、一般的に1μm以上の波長のレーザーが用いられる。一方、本発明者の検討によると、例えば銅からなる負極集電体は、1μm以上の波長においてレーザー吸収率が低く加工性が不十分となる傾向にあり、これによって、レーザー加工時にバリが生じ得ることが分かった。そして、例えばかかるバリが剥離した場合、異物として電池に混入し得るため、電池の不具合が生じる原因となり得るため好ましくない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、その主な目的は、信頼性が好適に向上された電池を得るための技術を提供することである。
かかる目的を実現するべく、本開示は、負極集電体用銅箔であって、上記負極集電体用銅箔の少なくとも片面における周縁の一部には、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜が形成されている負極集電体用銅箔が提供される。かかる構成の負極集電体用銅箔によると、レーザー加工時のタブの加工性を好適に向上させることができる。これによって、レーザー加工時のバリの生成が好適に抑制されるため、信頼性の高い負極(および該負極を備えた電池)を得ることができる。
ここで開示される負極集電体用銅箔の好適な一態様では、上記金属膜は、上記負極集電体用銅箔の両面における周縁の一部に形成されている。かかる構成によると、タブ形成時の作業効率が向上し得るため、好ましい。
ここで開示される負極集電体用銅箔の好適な一態様では、上記金属膜は、アルミニウム、ニッケル、およびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1種から構成されている。かかる金属種は、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高く、かつ、汎用性が高いため、ここで開示される技術に好ましく用いることができる。
ここで開示される負極集電体用銅箔の一態様では、上記金属膜の幅は5mm以上である。
ここで開示される負極集電体用銅箔の好適な一態様では、上記金属膜は、上記負極集電体用銅箔の断面視において、上記負極集電体用銅箔の厚みTに対する上記金属膜の厚みSの比(S/T)が、0.05~0.3となるように凸状に形成されている。上記比(S/T)を上記範囲内とすることによって、タブの加工性をより好適に向上させることができる。
ここで開示される負極集電体用銅箔の一態様では、上記金属膜が形成された部分は、タブ形成に用いることができる。
また、他の側面として、本開示は、ここで開示される負極集電体用銅箔の製造方法を提供する。かかる負極集電体用銅箔の製造方法は、以下の工程:銅箔を用意する用意工程;および上記銅箔の少なくとも片面における周縁の一部に、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜を形成する形成工程;を含む。かかる製造方法によると、レーザー加工時のタブの加工性を好適に向上させることができる負極集電体用銅箔を得ることができる。
また、他の側面として、本開示は、負極を提供する。かかる負極は、銅からなる負極集電体と、該負極集電体の上に形成された負極活物質層と、を備えた負極であって、上記負極集電体の周縁の一部には、タブが存在しており、上記タブの少なくとも片面には、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜が形成されている。
ここで開示される負極の一態様では、上記金属膜は、前記タブの両面に形成されている。また、ここで開示される負極の一態様では、上記金属膜は、アルミニウム、ニッケル、およびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1種から構成されている。
また、他の側面として、ここで開示されるいずれかの負極を備えた電池が提供される。かかる電池は、レーザー加工時のバリの生成が好適に抑制された負極を備えている。したがって、信頼性の高い電池を提供することができる。
一実施形態に係る電池を模式的に示す斜視図である。 図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。 封口板に取り付けられた電極体群を模式的に示す斜視図である。 1つの電極体を模式的に示す斜視図である。 電極体の構成を示す模式図である。 一実施形態に係る負極集電体用銅箔の製造方法を示すフロー図である。 図5の電極体が備える負極を作製するための負極集電体用銅箔の構成を示す模式図である。 図7のVIII-VIII線に沿う模式的な断面図である。 図5の電極体が備える負極の構成を示す模式図である。 図9のX-X線に沿う模式的な断面図である。
以下、図面を参照しながら、ここで開示される技術のいくつかの好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本開示の実施に必要な事柄(例えば、本開示を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本開示は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の説明は、ここで開示される技術を以下の実施形態に限定することを意図したものではない。なお、本明細書において範囲を示す「A~B」の表記は、A以上B以下の意と共に、Aを上回りBを下回る意を包含するものとする。
なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)と、を包含する概念である。
<電池の構成>
図1は、電池100の斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表し、図面中の符号X、Y、Zは、電池100の短辺方向、短辺方向と直交する長辺方向、上下方向を、それぞれ表すものとする。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、電池100の設置形態を何ら限定するものではない。
図2に示すように、電池100は、電池ケース10と、電極体群20と、正極端子30と、負極端子40と、正極集電部50と、負極集電部60と、非水電解液(図示せず)と、を備えている。電池100は、ここではリチウムイオン二次電池である。
電池ケース10は、電極体群20および非水電解液を収容する筐体である。電池ケース10は、ここでは扁平かつ有底の直方体形状(角形)の外形を有する。ただし、電池ケース10は、円筒形状や袋状等であってもよい。電池ケース10の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。電池ケース10は、金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等からなることがより好ましい。電池ケース10は、アルミニウムを含む金属層と、樹脂を含む融着層と、を有するアルミラミネートフィルムであってもよい。図2に示すように、電池ケース10は、開口12hを有する外装体12と、開口12hを封口する封口板(蓋体)14と、を備えている。電池ケース10は、本実施形態のように、開口12hを有する外装体12と、開口12hを封口する封口板14と、を備えることが好ましい。
外装体12は、図1に示すように、底壁12aと、底壁12aから延び相互に対向する一対の長側壁12bと、底壁12aから延び相互に対向する一対の短側壁12cと、を備えている。底壁12aは、略矩形状である。底壁12aは、開口12hと対向している。短側壁12cの面積は、長側壁12bの面積よりも小さい。封口板14は、外装体12の開口12hを塞ぐように外装体12に取り付けられている。封口板14は、外装体12の底壁12aと対向している。封口板14は、平面視において略矩形状である。電池ケース10は、外装体12の開口12hの周縁に封口板14が接合(例えば溶接接合)されることによって、一体化されている。電池ケース10は、気密に封止(密閉)されている。
図2に示すように、封口板14には、注液孔15と、排出弁17と、2つの端子引出孔18、19と、が設けられている。注液孔15は、外装体12に封口板14を組み付けた後、非水電解液を注液するためのものである。注液孔15は、封止部材16により封止されている。排出弁17は、電池ケース10内の圧力が所定値以上になったときに破断して、電池ケース10内のガスを外部に排出するように構成されている。端子引出孔18、19は、封口板14の方向Yの両端部にそれぞれ形成されている。端子引出孔18、19は、封口板14を上下方向Zに貫通している。端子引出孔18、19は、それぞれ、封口板14に取り付けられる前の(かしめ加工前の)の正極端子30および負極端子40を挿通可能な大きさの内径を有する。
非水電解液は従来と同様でよく、特に制限はない。非水電解液は、非水溶媒と支持塩(電解質塩)とを含有する。非水電解液は、必要に応じてさらに添加剤を含んでもよい。非水溶媒は、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類を含む。非水溶媒は、カーボネート類を含むことが好ましい。特に、環状カーボネートおよび鎖状カーボネートを含むことが好ましい。支持塩は、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のフッ素含有リチウム塩である。
正極端子30は、封口板14の方向Yの一方側の端部(図1、図2の左端部)に配置されている。負極端子40は、封口板14の方向Yの他方側の端部(図1、図2の右端部)に配置されている。図2に示すように、正極端子30および負極端子40は、端子引出孔18、19を挿通して封口板14の内部から外部へと延びている。正極端子30および負極端子40は、封口板14に固定されている。正極端子30および負極端子40は、ここでは、かしめ加工により、封口板14の端子引出孔18、19を囲む周縁部分に、かしめられている。正極端子30および負極端子40の外装体12の側の端部(図2の下端部)には、かしめ部30c、40cが形成されている。
図2に示すように、正極端子30は、外装体12の内部で、正極集電部50を介して電極体群20の正極22(図5参照)と電気的に接続されている。負極端子40は、外装体12の内部で、負極集電部60を介して電極体群20の負極24(図5参照)と電気的に接続されている。正極端子30は、内部絶縁部材80およびガスケット90によって封口板14と絶縁されている。負極端子40は、内部絶縁部材80およびガスケット90によって封口板14と絶縁されている。
封口板14の外側の面には、板状の正極外部導電部材32および負極外部導電部材42が取り付けられている。正極外部導電部材32は、正極端子30と電気的に接続されている。負極外部導電部材42は、負極端子40と電気的に接続されている。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、複数の電池100を相互に電気的に接続する際に、バスバーが付設される部材である。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、外部絶縁部材92によって封口板14と絶縁されている。
図3は、封口板14に取り付けられた電極体群20を模式的に示す斜視図である。電極体群20は、複数の電極体を有する。電極体群20は、ここでは3つの電極体20a、20b、20cを有する。ただし、1つの外装体12の内部に配置される電極体の数は特に限定されず、例えば1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。電極体20a、20b、20cは、ここでは並列に電気的に接続されている。電極体20a、20b、20cは、短辺方向Xに並んで配置されている。電極体20a、20b、20cは、それぞれ外形が扁平形状である。電極体20a、20b、20cは、ここでは、それぞれ捲回電極体である。電極体20a、20b、20cは、それぞれ捲回軸WL(図5参照)が方向Yと略平行になる向きで、電池ケース10の内部に配置されている。電極体20aの捲回軸WLと直交する端面(言い換えれば、正極22と負極24とが積層された積層面)は、短側壁12cと対向している。
図4は、電極体20aを模式的に示す斜視図である。なお、以下では電極体20aを例として詳しく説明するが、電極体20b、20cについても同様の構成とすることができる。電極体20aは、一対の湾曲部(R部)20rと、一対の湾曲部20rを連結する平坦部20fと、を有している。一方(図4の上側)の湾曲部20rは、封口板14と対向し、他方(図4の下側)の湾曲部20rは、外装体12の底壁12aと対向している。平坦部20fは、外装体12の長側壁12bと対向している。短辺方向Xに隣り合う電極体20a、20b、20cでは、平坦部20f同士が対向している。
図5は、電極体20aの構成を示す模式図である。電極体20aは、正極22と、負極24と、セパレータ26と、を有する。電極体20aは、ここでは、帯状の正極22と、帯状の負極24とが、帯状のセパレータ26を介して積層され、捲回軸WLを中心として捲回されて構成されている。なお、捲回軸WL方向は、方向Yと略平行の向きである。ただし、他の実施形態において、電極体20aは、複数枚の方形状(例えば矩形状)の正極と、複数枚の方形状(例えば矩形状)の負極とが、絶縁された状態で積み重ねられてなる積層型電極体であってもよい。
正極22は従来と同様でよく、特に制限はない。正極22は、図5に示すように、正極集電体22cと、正極集電体22cの少なくとも一方の表面上に固着された正極活物質層22aおよび正極保護層22pと、を有する。ただし、正極保護層22pは必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。正極集電体22cは、帯状である。正極集電体22cは、金属製であることが好ましく、金属箔からなることがより好ましい。正極集電体22cは、ここではアルミニウム箔である。
正極集電体22cの方向Yの一方の端部(図5の左端部)には、複数の正極タブ22tが設けられている。複数の正極タブ22tは、方向Yの一方側(図5の左側)に向かって突出している。複数の正極タブ22tは、セパレータ26よりも方向Yに突出している。正極タブ22tは、ここでは正極集電体22cの一部であり、金属箔(アルミニウム箔)からなっている。正極タブ22tは、正極集電体22cの正極活物質層22aおよび正極保護層22pが形成されていない部分(集電体露出部)を有する。図2~図4に示すように、複数の正極タブ22tは方向Yの一方の端部(図2~図4の左端部)で積層され、正極タブ群23を構成している。正極タブ群23は、正極集電部50を介して正極端子30と電気的に接続されている。正極タブ群23には、後述する正極第2集電部52が付設されている。
正極活物質層22aは、図5に示すように、正極集電体22cの長手方向に沿って、帯状に設けられている。正極活物質層22aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質を含んでいる。正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物を含むことが好ましい。具体例として、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リチウムニッケルマンガン複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等が挙げられる。正極活物質層22aは、正極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、導電材、各種添加成分等を含んでいてもよい。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等の炭素材料を使用し得る。
正極保護層22pは、図5に示すように、方向Yにおいて正極集電体22cと正極活物質層22aとの境界部分に設けられている。正極保護層22pは、正極活物質層22aに沿って、帯状に設けられている。正極保護層22pは、無機フィラー(例えば、アルミナ)を含んでいる。正極保護層22pは、無機フィラー以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材およびバインダは、正極活物質層22aに含み得るとして例示したものと同じであってもよい。
続いて、本実施形態に係る負極24について説明する。図9は、電極体20aが備える負極24の構成を示す模式図である。図10は、図9の負極のX-X線に沿う模式的な断面図である。図9が示すように、負極24は、ここでは銅からなる帯状の負極集電体24cと、該負極集電体24cの上に形成された負極活物質層24aとを備えている。ここで、「銅からなる」とは、負極集電体24cを構成する成分の全質量を100質量%としたとき、例えば銅(Cu)を90質量%以上、95質量%以上、あるいは99質量%以上、99.5質量%以上(100質量%であってもよい)含む態様を意味し得る。銅以外の成分としては、例えばニッケル(Ni)等の他の金属成分が挙げられる。
図9に示すように、負極集電体24cは、その周縁(ここでは、一対の短辺および一対の長辺を示す)の一部に、負極タブ24tを有している。負極集電体24cは、その長辺方向(図9のZ方向)に沿って間欠的に形成された複数の負極タブ24tを備えている。負極集電体24cの方向Yの一方の端部(図5の右端部)には、複数の負極タブ24tが設けられている。複数の負極タブ24tは、方向Yの一方側(図5の右側)に向かって突出している。複数の負極タブ24tは、セパレータ26よりも方向Yに突出している。複数の負極タブ24tは、セパレータ26よりも方向Yに突出している。負極タブ24tは、ここでは負極集電体24cの一部であり、金属箔(銅箔)からなっている。図2~図4に示すように、複数の負極タブ24tは方向Yの一方の端部(図2~図4の右端部)で積層され、負極タブ群25を構成している。負極タブ群25は、方向Yにおいて正極タブ群23と対称的な位置に設けられている。負極タブ群25は、負極集電部60を介して負極端子40と電気的に接続されている。負極タブ群25には、後述する負極第2集電部62が付設されている。
図10に示すように、負極タブ24tの少なくとも片面(ここでは、両面)には、金属膜27が形成されている。また、金属膜27は、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種から構成されている。ここで、「金属種から構成されている」とは、金属膜27を構成する成分の全質量を100質量%としたとき、例えば金属種を90質量%以上、95質量%以上、あるいは99質量%以上、99.5質量%以上(100質量%であってもよい)含む態様を意味し得る。かかる金属種の一例としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、炭素銅等が挙げられる。金属膜27を構成する金属種としては、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、汎用性が高いという観点から、金属膜27を構成する金属種が、アルミニウム、ニッケル、およびモリブデンのうちの少なくとも1種を含む場合が好ましい。なお、上述したレーザー吸収率は、例えば分光光度計を用いて測定した値を意味し得る。かかる分光光度計としては、市販のものを用いることができ、測定条件は、カタログに準じて決定することができる。上述したように、本実施形態では、負極タブ24tの両面に金属膜27が形成されている。ただし、他の実施形態では、金属膜27は負極タブ24tの片面のみに形成されていてもよい。そして、図9に示すように、本実施形態では、負極タブ24tの一部分に金属膜27が形成されている(換言すると、負極タブ24tは、金属膜27および負極活物質層24aを含んでいる)。ただし、他の実施形態では、金属膜27は負極タブ24tの全面に形成されていてもよい。
図9に示すように、負極タブ24tの突出方向(図9のY方向)における幅をQ、金属膜27の該突出方向における幅をRとしたとき、幅Qに対する幅Rの比(R/Q)は、概ね0.2~1.0(例えば0.5~0.8)の範囲内とすることができる。ただし、これらに限られるものではない。
図9に示すように、負極活物質層24aは、負極集電体24cの長辺方向(図9のZ方向)に沿って帯状に設けられている。負極活物質層24aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質を含んでいる。負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、非晶質炭素等の炭素材料や、シリコン系材料、およびそれらの混合体が挙げられる。負極活物質は、黒鉛を含むことが好ましい。また、図10に示すように、負極活物質層24aは、ここでは金属膜27の一部分と重なるように形成されている。ただし、他の実施形態においては、負極活物質層24aは金属膜27と重ならないように形成されていてもよい。
図10に示すように、負極活物質層24aの厚みをU、金属膜27の厚みをSとしたとき、厚みUに対する厚みSの比(S/U)は、概ね0.001~1.0(好ましくは0.005~0.05)とすることができる。ただし、これらに限られるものではない。
負極活物質層24aは、負極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、増粘剤、分散剤、導電材、各種添加成分等を含んでいてもよい。負極活物質層24aは、バインダを含むことが好ましい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類や、ポリアクリル酸(PAA)等のアクリル系樹脂、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロール類を使用し得る。なお、CMCは、増粘剤や分散剤等としても使用し得る。
図5に戻り、セパレータ26は、正極22と負極24との間に配置されている。セパレータ26は、正極22の正極活物質層22aと、負極24の負極活物質層24aと、を絶縁する部材である。セパレータ26としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂からなる樹脂製の多孔性シートが好適である。セパレータ26は、樹脂製の多孔性シートからなる基材層と、基材層の少なくとも一方の表面上に形成され、バインダを含む接着層と、を有していてもよい。この場合、セパレータ26は、接着層を介して正極22および負極24の少なくとも一方と接着されていることが好ましい。
図2に示すように、正極集電部50は、複数の正極タブ22tからなる正極タブ群23と、正極端子30とを電気的に接続する導通経路を構成している。正極集電部50は、正極第1集電部51と、正極第2集電部52と、を備えている。正極第1集電部51および正極第2集電部52は、正極集電体22cと同じ金属種、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。
正極第1集電部51は、封口板14の内側の面に取り付けられている。正極第1集電部51は、ここでは、かしめ加工によって封口板14に固定されている。正極第1集電部51は、封口板14の内側の表面に沿って水平に広がる第1領域と、第1領域の長辺方向Yの一方の端(図2の左端)から外装体12の短側壁12cに向かって延びる第2領域と、を有する。第1領域において、封口板14の端子引出孔18に対応する位置には、上下方向Zに貫通した貫通孔(図示せず)が形成されている。第1領域は、かしめ加工により、正極端子30と電気的に接続されている。第1領域は、内部絶縁部材80によって封口板14と絶縁されている。第2領域は、上下方向Zに沿って延びている。
正極第2集電部52は、外装体12の短側壁12cに沿って延びている。図3および図4に示すように、正極第2集電部52は、電極体20aに付設されている。正極第2集電部52は、正極第1集電部51の第2領域と電気的に接続される集電板接続部52aと、正極タブ群23に付設され、複数の正極タブ22tと電気的に接続されるタブ接合部52cと、集電板接続部52aとタブ接合部52cとを連結する連結部52bと、を有する。
集電板接続部52aは、上下方向Zに沿って延びている。集電板接続部52aには、その周囲よりも厚みが薄い凹部52dが設けられている。凹部52dには、短辺方向Xに貫通した貫通孔52eが設けられている。貫通孔52eには、正極第1集電部51との接合部が形成されている。接合部は、例えば、超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接等の溶接によって形成された溶接接合部である。タブ接合部52cは、上下方向Zに沿って延びている。タブ接合部52cには、正極タブ群23との接合部が形成されている。接合部は、例えば、複数の正極タブ22tを重ねた状態で、超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接等の溶接によって形成された溶接接合部である。
図2に示すように、負極集電部60は、複数の負極タブ24tからなる負極タブ群25と、負極端子40と、を電気的に接続する導通経路を構成している。負極集電部60は、負極第1集電部61と、負極第2集電部62と、を備えている。負極第1集電部61および負極第2集電部62は、負極集電体24cと同じ金属種、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。負極第1集電部61および負極第2集電部62の構成は、正極集電部50の正極第1集電部51および正極第2集電部52と同等であってよい。
負極第2集電部62は、図4に示すように、負極第1集電部61と電気的に接続される集電板接続部62aと、負極タブ群25に付設され、複数の負極タブ24tと電気的に接続されるタブ接合部62cと、集電板接続部62aとタブ接合部62cとを連結する連結部62bと、を有する。集電板接続部62aは、タブ接合部62cと連結される凹部62dを有する。凹部62dには、短辺方向Xに貫通した貫通孔62eが設けられている。
<電池の製造方法>
続いて、電池100の製造方法の一例について説明する。なお、電池100の製造方法は、負極24の製造方法に特徴を有する。そして、負極24の製造以外に関しては、この種の電池の従来公知の製造方法に従って実施することができる。以下、負極24の製造方法の一例について説明する。
本実施形態に係る負極24の製造方法は、大まかにいって、負極集電体用銅箔24Cの作製、負極活物質層24aの形成、および負極タブ24tの形成を包含する。以下、各工程について説明する。
はじめに、負極集電体用銅箔24Cの作製について説明する。ここで、図6は、本実施形態に係る負極集電体用銅箔24Cの製造方法を示すフロー図である。図7は、負極集電体用銅箔24Cの構成を示す模式図である。図8は、図7に示す負極集電体用銅箔24CのVIII-VIII線の沿う模式的な断面図である。図6に示すように、銅箔24Aを用意する(用意工程:ステップS1)。本実施形態では、帯状の銅箔24Aを用意する。続いて、かかる銅箔24Aの少なくとも片面(ここでは、両面)における周縁(ここでは、一対の短辺および一対の長辺を示す)の一部に、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種から構成された金属膜27を形成する(形成工程;ステップS2)。金属膜27は、上述したような金属種から構成されている。金属膜27の形成方法としては、例えば、電気めっき法、溶融めっき法、無電解めっき法等のめっき法、スパッタ法、蒸着法等が挙げられる。これら各種の方法は、従来公知の方法に従って実施することができる。このようにして、銅箔24Aの少なくともは片面における周縁の一部(ここでは、一対の長辺のうち一方の長辺側)に、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜27が形成されている負極集電体用銅箔24Cを作製することができる。かかる構成の負極集電体用銅箔24Cによると、レーザー加工時のタブの加工性を好適に向上させることができる(換言すると、負極集電体用銅箔24Cは、負極タブ24tの形成に好適に用いることができる)。これによって、レーザー加工時のバリの生成が好適に抑制されるため、信頼性の高い負極24(および該負極24を備えた電池100)を得ることができる。
図7に示すように、本実施形態では、負極集電体用銅箔24Cの両面における、一対の長辺のうち一方の長辺側に、金属膜27が形成されている。かかる構成によると、負極タブ24tの形成時の作業効率が向上し得るため好ましい。あるいは、金属膜27は、負極集電体用銅箔24Cの一対の長辺の縁部に形成されていてもよい。この場合、銅箔24Aの真ん中をカッター等によって切断することで、2枚の負極集電体用銅箔24Cを得ることができる。また、他の実施形態では、負極集電体用銅箔24Cの片面のみに金属膜27が形成されていてもよい。また、他の実施形態では、金属膜27は銅箔24Aの短辺の縁部に形成されていてもよい。また、図8に示すように、金属膜27は銅箔24Aに対して凸状になるように形成されている。一態様において、金属膜27の厚みをS、銅箔24Aの厚みをTとしたとき、厚みTに対する厚みSの比(S/T)は、例えば0.01~1.0とすることができ、負極タブ24tの加工性をより好適に向上させるという観点から、好ましくは0.02~0.5、より好ましくは0.05~0.3であり得る。また、図7に示すように、負極集電体用銅箔24Cが備える金属膜27の方向Yにおける幅をPとしたとき、幅Pは例えば5mm以上であってもよいし、10mm以上、20mm以上、30mm以上、40mm以上であってもよい。
次に、上記のとおり作製した負極集電体用銅箔24Cの少なくとも片面(ここでは、両面)に、負極活物質層24aを形成する。負極活物質層24aの形成は、例えば負極集電体用銅箔24Cの所望の領域に負極活物質層形成用スラリーを塗工し、乾燥することによって実施することができる。本実施形態では、図10に示すように、負極集電体用銅箔24Cの両面に負極活物質層24aが形成されている。また、本実施形態では、その一部分が金属膜27に重なるようにして、負極活物質層24aを形成する。ただし、他の実施形態では、金属膜27および負極活物質層24aが重ならないように形成されていてもよい。
続いて、負極集電体用銅箔24Cの金属膜27が形成された部分を含む領域において、負極集電体用銅箔24Cの長辺方向(図7のZ方向)に沿って複数の負極タブ24tを形成する。負極タブ24tの形成は、レーザー照射等によって実施することができる。負極集電体用銅箔24Cは、特に波長が1μm以上であるレーザー(例えば、YAGレーザーやファイバーレーザー)を用いたレーザー照射に用いる対象として好適である。なお、本実施形態では、負極タブ24tの形成にあたり、金属膜27が形成されている部分に加えて、金属膜27および負極活物質層24aが重なるようにして形成された重なり部分についてもレーザー照射を行っている。かかる重なり部分は金属膜27aを含むため、レーザー加工性に優れている。以上のようにして、図9に示す負極24を作製することができる。
電池100は各種用途に利用可能であるが、例えば、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)、電気自動車(BEV;Battery Electric Vehicle)等が挙げられる。
以上のとおり、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項(item)に記載のものが挙げられる。
項1:銅からなる負極集電体と、該負極集電体の上に形成された負極活物質層と、を備えた負極であって、上記負極集電体の周縁の一部には、タブが存在しており、上記タブの少なくとも片面には、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜が形成されている、負極。
項2:上記金属膜は、上記タブの両面に形成されている、項1に記載の負極。
項3:上記金属膜は、アルミニウム、ニッケル、およびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1種から構成されている、項1または項2に記載の負極。
項4:負極集電体用銅箔であって、上記負極集電体用銅箔の少なくとも片面における周縁の一部には、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜が形成されている、負極集電体用銅箔。
項5:上記金属膜は、上記負極集電体用銅箔の両面における周縁の一部に形成されている、項4に記載の負極集電体用銅箔。
項6:上記金属膜は、アルミニウム、ニッケル、およびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1種から構成されている、項4または項5に記載の負極集電体用銅箔。
項7:上記金属膜の幅は5mm以上である、項4~項6のいずれか一つに記載の負極集電体用銅箔。
項8:上記金属膜は、上記負極集電体用銅箔の断面視において、上記負極集電体用銅箔の厚みTに対する上記金属膜の厚みSの比(S/T)が、0.05~0.3となるように凸状に形成されている、項4~項7のいずれか一つに記載の負極集電体用銅箔。
項9:上記金属膜が形成された部分は、タブ形成に用いられる、項4~項8のいずれか一つに記載の負極集電体用銅箔。
項10:負極集電体用銅箔の製造方法であって、以下の工程:銅箔を用意する用意工程;および、上記銅箔の少なくとも片面における周縁の一部に、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜を形成する形成工程;を含む、負極集電体用銅箔の製造方法。
項11:項1~項3のいずれか一つに記載の負極を備えた電池。
以下、ここで開示される負極に関する試験例について説明するが、本開示をかかる試験例に限定することを意図したものではない。
<例1~5に係る負極集電体用銅箔の作製>
負極集電体用の銅箔(電解銅箔,縦200mm×横250mm×厚み10μm)に対して、電解めっき法によって金属膜(厚み:1.0μm)を形成した。ここで、各例に係る金属膜を構成する金属種および金属膜の形成箇所は、表1の該当欄に示すとおりとした。ここで、表1の「端部」とは、銅箔における一対の短辺のうち一方の短辺の端部から6mmの領域を示している。また、金属膜は、銅箔の両面における端部に形成されているものとする。そして、例3に関しては金属膜を形成していないため、「-」と表記している。なお、分光光度計によって測定された1μm以上の波長のレーザー吸収率は、ニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)は銅(Cu)よりも高く、銀(Ag)は銅よりも小さいことが分かっている。
<レーザー加工性評価>
上記のとおり作製した各例に係る負極集電体用銅箔を、その長辺方向に沿ってYAGレーザー(波長:1.064μm)を走査させることによって切断した。そして、切断面においてバリの発生の有無を確認し、バリが確認された場合はその長さを測定した。バリの発生が確認されなかった、あるいは、確認されたとしてもバリの長さが200μm未満であった場合をレーザー加工性「〇」と評価し、バリの長さが200μm以上であった場合をレーザー加工性「×」と評価した。結果を表1の該当欄に示した。
<例1~5に係る評価用リチウムイオン二次電池の作製>
(負極板の作製)
負極活物質としての黒鉛と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、負極活物質:バインダ:増粘剤=100:1:1の重量比となるように混合し、溶媒としてイオン交換水を適量加え、負極活物質層形成用スラリーを調製した。この負極活物質層形成用スラリーを、上記のとおり作製した各例に係る負極集電体用銅箔上に目付重量7mg/cmとなるように塗布した。ここで、かかる塗工は、塗工端部1mmが金属膜に重なるように行った。その後、乾燥、ロールプレスを行うことによって負極板を得た。続いて、各例に係る負極板における端部に対して、YAGレーザー(波長:1.064μm)を走査させることによって、タブを形成した。このようにして、各例に係る負極板を作製した。
(正極板の作製)
正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNiCoMnO)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、正極活物質:導電材:バインダ=100:1:1となるように混合し、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を適量加え、正極活物質層形成用スラリーを調製した。この正極活物質層形成用スラリーを、アルミニウム箔製の正極集電体上に目付重量10mg/cmとなるように塗布した。その後、乾燥、ロールプレスを行い、正極板を得た。続いて、各例に係る正極板に対して、レーザー走査によってタブを形成した。このようにして、各例に係る正極板を作製した。
セパレータとして、PEの単層構造を有する厚み16μmの微多孔性ポリエチレンシートを用意した。そして、正極板と、負極板とをセパレータが介在するように積層し、積層型電極体を得た。
次に、積層型電極体に集電板を溶接した後、かかる積層型電極体をラミネートフィルムに収容し、非水電解液を注液した。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とをEC:EMC:DMC=1:1:1の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させた。その後、ラミネートフィルムを封止することによって、各例に係る評価用リチウムイオン二次電池(容量:1Ah)を得た。
<初期充電およびエージング処理>
評価用リチウムイオン二次電池を25℃環境下で、1Cの電流値で4.1Vまで定電流充電し、SOC(State of Charge)を満充電(SOC100%)とする初期充電処理を行った。次いで、60℃で24時間保持するエージング処理を実施した。なお、ここで「1C」とは、1時間でSOCを0%から100%とする電流の大きさのことをいう。
<反応抵抗値の測定>
上記のとおり作製した各例に係る評価用リチウムイオン二次電池のSOCを50%に調整後、測定温度を25℃、測定周波数範囲を0.01Hz~100000Hz、電流振幅を0.2Cとして、交流インピーダンス測定を行った。そして、Cole-Coleプロットの等価回路フィッティングにより算出される電荷移動抵抗(Rct)を反応抵抗とした。ここで、表1には、例1の反応抵抗比を1としたときの、相対値(反応抵抗比)を示した。
Figure 2023163601000002
表1に示すように、銅箔の端部に1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜が形成された例1,2では、金属膜が形成されていない例3や、銅箔の端部に1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも低い金属種からなる金属膜が形成された例4と比較して、レーザー加工性が向上することが確認された。また、例5では例1と比較して、電池抵抗(反応抵抗比)が増加することが分かった。このように電池抵抗が増加した理由としては、特に限定解釈されることを意図したものではないが、以下が考えられる。即ち、例5のように金属膜が銅箔の全面に形成されている場合、負極活物質層と接する領域にも金属膜が形成されていることになる。そして、1μm以上の波長においてレーザー吸収率が銅よりも高い金属は、銅よりも電気伝導性が低いため、電池抵抗が増加したものと考えられ得る。
以上、ここに開示される技術の具体例について説明した。しかし、上述の説明は例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述の説明にて例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 電極体群
20a、20b、20c 電極体
22 正極
22a 正極活物質層
22c 正極集電体
24 負極
24a 負極活物質層
24c 負極集電体
27 金属膜
100 電池

Claims (11)

  1. 銅からなる負極集電体と、
    該負極集電体の上に形成された負極活物質層と、
    を備えた負極であって、
    前記負極集電体の周縁の一部には、タブが存在しており、
    前記タブの少なくとも片面には、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜が形成されている、負極。
  2. 前記金属膜は、前記タブの両面に形成されている、請求項1に記載の負極。
  3. 前記金属膜は、アルミニウム、ニッケル、およびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1種から構成されている、請求項1または2に記載の負極。
  4. 負極集電体用銅箔であって、
    前記負極集電体用銅箔の少なくとも片面における周縁の一部には、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜が形成されている、負極集電体用銅箔。
  5. 前記金属膜は、前記負極集電体用銅箔の両面における周縁の一部に形成されている、請求項4に記載の負極集電体用銅箔。
  6. 前記金属膜は、アルミニウム、ニッケル、およびモリブデンからなる群から選択される少なくとも1種から構成されている、請求項4または5に記載の負極集電体用銅箔。
  7. 前記金属膜の幅は5mm以上である、請求項4または5に記載の負極集電体用銅箔。
  8. 前記金属膜は、前記負極集電体用銅箔の断面視において、
    前記負極集電体用銅箔の厚みTに対する前記金属膜の厚みSの比(S/T)が、0.05~0.3となるように凸状に形成されている、請求項4または5に記載の負極集電体用銅箔。
  9. 前記金属膜が形成された部分は、タブ形成に用いられる、請求項4または5に記載の負極集電体用銅箔。
  10. 負極集電体用銅箔の製造方法であって、以下の工程:
    銅箔を用意する用意工程;および
    前記銅箔の少なくとも片面における周縁の一部に、1μm以上の波長のレーザー吸収率が銅よりも高い金属種からなる金属膜を形成する形成工程;
    を含む、負極集電体用銅箔の製造方法。
  11. 請求項1または2に記載の負極を備えた電池。
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