JP2023163281A - 木質ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度で寸法安定性や表面性に優れ、製造の容易な木質ボードAsが得られるようにする。【解決手段】木質ボードAsは、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化されてなり、木質小薄片1,1,…は、そのかさ密度が10kg/m3以上100kg/m3以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、木質ボードに関するものである。
一般に、既存の木質ボードとしてラワン合板等の南洋材合板はよく知られており、広く利用されている。しかし、近年、南洋材合板は、原料の枯渇や環境破壊防止の点で入手自体が難しくなってきており、他の木質ボードによる置き換えが図られている。
国産の針葉樹を原料とした合板は、原料枯渇の点では問題がないが、その表面性が不足していることから、強度に特化した用途に限られている。
OSBやPB(パーティクルボード)、MDFも原料面では問題ない。しかし、OSBは強度が高いものの、その表面性が不足しているという問題がある。PBは価格が安いが、強度が不足しているという問題がある。MDFは表面性がよいものの、寸法安定性が十分ではない。そして、OSBやPB、MDFは南洋材合板と比較して密度が大きい難がある。
このように、原料の安定性に加え、強度、重量、表面性、さらに寸法安定性といった複数の要素を満足する木質ボードが存在していないのが現状である。
この種の木質ボードの例として、従来、特許文献1~特許文献4に示されているものが提案されている。特許文献1及び特許文献2に示されている木質ボードは、多数の木材薄片を集成した芯層と、その少なくとも一方の面に積層され、多数の木材薄片を集成した表面層とを備えたものである。特許文献1の木質ボードでは、芯層の木材薄片の厚さの絶対値を0.50~1.50mmとし、表面層の木材薄片の厚さの絶対値を0.08~0.60mmとすることが提案されている。
他方、特許文献3に示される技術では、合板、OSB、集成材等の表面に繊維マットを圧着接合し、この繊維マットを圧縮して高密度化した繊維層を作製することで、基材の表面の凹みを埋め固めるようにしている。
また、特許文献4に示される床用化粧材では、MDF等の木質基材の裏面に透湿度7g/m・24時間以下の防湿フィルムを積層した構造とすることで、表側に透湿性の低い化粧シートを貼っても、寸法変化の大きさに起因する反りや曳き曲がりを抑制するようにしている。
特開平7-47514号公報 特開平7-76004号公報 特開2019-31104号公報 特開2019-107894号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に示される木質ボードは、その木質ボードを構成する上記木材薄片の大きさだけでなく厚さも表面層と芯層とで異ならせており、そのため、製造時には2種類の木材薄片を用意する必要があり、製造や管理に手間がかかるのは避けられない。また、前記特許文献に記載された木材薄片を用いた木質ボードでは表面に凹凸が生じ、例えば床用基材として使用できる表面平滑性を確保できるものではない。
また、特許文献3の木質ボードは、基材を2次加工するために手間がかかるだけでなく、基材と繊維層との2重構造となるために、ボードの厚さを小さくすることに限度がある。また、吸湿による寸法変化を抑制することはできない。
さらに、特許文献4の化粧材では、基材の2次加工であるために手間がかかるだけでなく、防湿フィルムの幅によって使用できる基材の幅も規制されることとなる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、多数の木質薄片を積層する構造の木質ボードに改良技術を施すことにより、高強度で寸法安定性や表面性に優れ、製造の容易な木質ボード(基材)が得られるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、OSBの構成材料として通常使用される切削片に対して、厚さを含む大きさを微小な範囲に限定した木質薄片を用い、この木質薄片の大きさをさらに微小な範囲に限定した木質小薄片を構成材料とし、その多数の木質小薄片を集合状態で積層して木質ボードとした。
また、この発明では、木質ボードの表裏面に、木質小薄片の大きさをさらに微小な範囲に限定した木質極小薄片を構成材料とする木質材層を積層一体化して芯層と表裏層とを有する木質積層ボードとした。
なお、本明細書において、「切削片」は、OSB用途に原木から切削されるものであり、OSBの構成材料として通常使用されるものをいう。本発明に係る「木質薄片」は、「切削片」と同様に原木から切削されるものであるが、「切削片」の通常一般の厚さの範囲外でそれよりも薄くて小さい薄片をいう。本発明に係る「木質小薄片」は、「木質薄片」と同じ厚さ範囲で「木質薄片」よりも小さい薄片をいう。
具体的には、第1の発明は、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなる木質ボードが対象である。この木質ボードを構成する木質小薄片は、そのかさ密度が10kg/m以上100kg/m以下であることを特徴とする。
第1の発明では、木質ボードは、かさ密度が10kg/m以上100kg/m以下である多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化により構成される。
具体的には、木質ボードは、後述のP1工程で得られる特定の厚みを有する木質薄片を、同じく後述のP2工程において木質薄片の第1方向および第2方向に粉砕した1種類の大きさの木質小薄片のみで構成される。その木質小薄片は、かさ密度の範囲が特定され、これにより、厚さが極めて薄く、多数の木質小薄片は厚さのばらつきが小さくて均一な厚さに揃ったものになる。また、多数の木質小薄片は第1方向に沿った第1長さ及び第2方向に沿った第2長さのばらつきも小さくて均一な大きさに揃ったものになる。なお、木質小薄片の厚さ、第1長さ及び第2長さはいずれも平均値である。このように、木質ボードは厚さ及び大きさが一定範囲内に揃った木質小薄片が集合して均質なものとなる。そのため、木質ボードの強度が高くなるだけでなく、吸放湿による反りが発生し難くなり、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性が得られる。また、多数の木質小薄片が均一な厚さ及び大きさに揃っているので、通常のOSBのように木質ボードの表面に大きな凹凸は生じず、木質ボードは表面性に優れたものとなる。また、均一な厚さ及び大きさの多数の木質小薄片を集合させて積層するので、その製造も容易となる。
第2の発明は、第1の発明の木質ボードにおいて、上記木質小薄片は、上記表裏面間の厚さが0.05mm以上0.35mm以下であり、かさ密度が20kg/m以上90kg/m以下であることを特徴とする。このことで、木質ボードの寸法安定性及び表面性がさらに向上する。
第3の発明は、第1の発明の木質ボードにおいて、上記木質ボードの表裏面に木質材層が積層されて一体化された木質積層ボードが対象である。この木質積層ボードの表裏層を構成する木質材層は、上記木質小薄片よりもその面積の小さい木質極小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなることを特徴とする。なお、面積とは、第1長さと第2長さとを乗算した数値をいい、繊維方向に沿った表裏面の面積をいう。
第3の発明では、木質積層ボードは、芯層を構成する木質ボードと表裏層を構成する木質材層とが積層一体化されている。木質材層は木質小薄片よりもその面積の小さい多数の木質極小薄片が集合状態で積層されて接着一体化により構成される。
このように木質積層ボードは、後述のP1工程で得られる特定の厚みを有する木質薄片を、同じく後述のP2工程及びP6工程において木質薄片の第1方向および第2方向に粉砕した2種類の大きさの木質小薄片で構成される。木質積層ボードは、木質小薄片で構成される木質ボードを芯層に備えるため、第1の発明の木質ボードと同様の効果が発現される。さらに、木質積層ボードは、木質小薄片よりも面積の小さい多数の木質極小薄片から構成される木質材層が木質ボードの両面に積層されて表裏層となるため、通常のOSBのように木質ボードの表面に大きな凹凸は生じず、表面性のさらなる向上を図ることができ、MDFと同様に優れた表面性を有するものとなる。また、木質積層ボードは、均一な大きさの多数の木質極小薄片を集合させた集合体、均一な大きさの多数の木質小薄片を集合させた集合体及び木質極小薄片を集合させた集合体を順に積層一体化するので、その製造も容易となる。
第4の発明は、第3の発明の木質ボード(木質積層ボード)において、各木質材層の木質ボード(木質積層ボード)全体に占める厚さの割合が5%以上40%以下であることを特徴とする。このことで、木質積層ボードの強度と表面性とを両立させることができる。
第5の発明は、第1~第4のいずれか1つの発明の木質ボードにおいて、密度が500kg/m以上800kg/m以下であることを特徴とする。このことで、木質ボードの強度がさらに高くなる。
第6の発明は、第1~第4のいずれか1つの発明の木質ボードにおいて、表面における二乗平均平方根高さSqが0.005μm以上0.015μm以下又は表面における算術平均高さSaが0.002μm以上0.007μm以下であることを特徴とする。このことで、木質ボードの表面性がさらに一層向上する。なお、本明細書において、木質ボードの表面性とは、例えば#150番手のサンダーで製品厚さに調整した木質ボードの表面性状をいう。
以上説明したように、本発明によると、木質ボードを、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなるものとし、木質小薄片のかさ密度を10kg/m以上100kg/m以下としたことにより、多数の木質小薄片はばらつきの小さい均一な大きさに揃ったものになり、木質ボードの強度を高くすることができるとともに、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性及び表面性が得られ、木質ボードを容易に製造することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る木質ボードの断面図である。 図2は、第1の実施形態に係る木質ボードの腰部拡大断面図である。 図3は、第1の実施形態に係る木質ボードを構成する木質小薄片を概略的に示す拡大斜視図である。 図4は、第1の実施形態に係る木質ボードの製造工程を示す図である。 図5は、木質小薄片の集合体であるマットから第1の実施形態に係る木質ボードを熱圧する状態を示す拡大断面図である。 図6は、第1の実施形態に係る木質ボードの特性を他の材料のボードと比較して示す図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る木質ボードの断面図である。 図8は、第2の実施形態に係る木質ボードの要部拡大断面図である。 図9は、第2の実施形態に係る木質材層を構成する木質極小薄片を概略的に示す拡大斜視図である。 図10は、第2の実施形態に係る木質ボードの製造工程を示す図である。 図11は、木質小薄片及び木質極小薄片の集合体であるマットから第2の実施形態に係る木質ボードを熱圧する状態を示す拡大断面図である。 図12は、第2の実施形態に係る木質ボードの特性を他の材料のボードと比較して示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
[第1の実施形態]
<木質ボード>
図1は本発明の第1の実施形態に係る木質ボードAsを示す。この木質ボードAsは、例えば、密度500kg/m以上800kg/m以下、厚さ3mm以上12mm以下のものが用いられている。厚さ3mm以上6mm未満の薄物タイプの木質ボードAsは、例えば、トラック等の車両の荷台に用いられる荷台用内壁材、室内に施工されるクッションフロアの下地材、化粧面材、内装建材(蹴込板等)等の内装材等として施工されるものである。厚さ6mm以上12mm以下程度の中厚タイプの木質ボードAsは、例えば、室内に施工される防音フロア基材、土足用床基材、玄関造作材等として施工されるものである。このように、木質ボードAsは、既存の台板用合板の代替材として用いられる。この木質ボードAsについて詳細に説明する。
木質ボードAsは、図2に拡大して示すように、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化されてなり、多数の木質小薄片1,1,…は1種類の厚さを有する。
木質小薄片1について説明すると、図3に拡大して示すように、木質小薄片1の厚さtは好ましくは0.05mm以上0.35mm以下、より好ましくは0.10mm以上0.30mm以下、より一層好ましくは0.15mm以上0.25mm以下、さらに好ましくは0.15mm以上0.20mm以下である。この薄い厚さtの木質小薄片1,1,…により木質ボードAsの特性が決定づけられている。木質小薄片1の厚さtは平均値である。換言すれば、木質小薄片1は、通常一般のOSBのエレメント(構成材料)として使用されるストランド(本発明では切削片ともいう)が一般的には厚さが0.6mm~1.5mm程度であるのに対し、それよりも厚さの薄い薄片である。
また、木質小薄片1のかさ密度は10kg/m以上100kg/m以下である。本明細書において、かさ密度とは、一定容積の容器(以下「測定容器」ともいう)に充填させた木質小薄片1,1,…の体積に対する該木質小薄片1,1,…の質量で規定され、以下の数式(1)で表される。
[数1]
かさ密度=測定容器に充填させた木質小薄片の質量/該木質小薄片の体積 (1)。
数式(1)において、「測定容器に充填させた木質小薄片の質量」とは、測定容器に充填し得る多数の木質小薄片1,1,…の質量の合計をいい、測定容器の質量は含まれない。測定容器に充填させた木質小薄片の質量を測定する方法としては、例えば、測定容器に木質小薄片1,1,…を隙間なく盛り、その盛られた木質小薄片1,1,…の頂部を圧力はかけずに定規やヘラ等で平らにした面一状態の質量(測定容器の質量と多数の木質小薄片1,1,…の質量との合計)を測定し、測定された質量から測定容器の質量を引く方法等が挙げられる。なお、質量は一般に市販されている測定器を用いて測定できる。
また、数式(1)において、「該木質小薄片の体積」とは、測定容器に充填し得る多数の木質小薄片1,1,…の体積の合計をいう。具体的には、上記面一状態において、測定容器に含まれる多数の木質小薄片1,1,…の体積の合計をいう。なお、「該木質小薄片の体積」は、測定容器の内容積を近似値として用いてもよい。
上記のように規定されるかさ密度は、測定容器に木質小薄片1,1,…を目一杯充填し、その内容積を体積としたときの密度といえる。そして、かさ密度が10kg/m以上100kg/m以下という特定範囲内にある木質小薄片1,1,…により木質ボードAsの特性が決定づけられる。具体的には、OSBのストランド(切削片)のかさ密度は、100kg/mを大きく超過する。ここで、かさ密度は片の厚さと相関し、具体的には片の厚さが薄くなるほどかさ密度は低下する傾向になると考えられる。木質小薄片1は、OSBのストランドと比較して、厚さの薄い薄片であるため、かさ密度がより小さい値になると考えられる。なお、木質小薄片1のかさ密度は、好ましくは20kg/m以上90kg/m以下、より好ましくは30kg/m以上80kg/m以下、さらに好ましくは40kg/m以上70kg/m以下である。
かさ密度が特定範囲内にある木質小薄片1は、OSBのストランド(切削片)と比較して、厚さの薄い薄片であり、また第1方向に沿った第1長さd1及び第1方向と直交する第2方向に沿った第2長さd2の何れも狭い一定範囲内に沿った薄片である。つまり、かさ密度により、木質小薄片1の厚さt、第1長さd1及び第2長さd2が特定される。木質小薄片1の第1長さd1及び第2長さd2はいずれも平均値である。なお、木質小薄片1は、正方形状でもよく、細長形状(短冊形状)でもよい。木質小薄片1が細長形状の場合、第1長さd1は長手方向寸法(長さ)であり、例えば導管や仮導管等による繊維1a,1a,…を有し、その繊維1aに沿った方向の繊維方向寸法である。また、第2長さd2は短手方向寸法(幅)であり、例えば繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法である。木質小薄片1は、後述するように、図示しないが、原木から切削されたままの木質薄片(切削後木質薄片ともいう)が破砕されてそれよりも小さくなったものであり、その切削後の木質薄片とは異なるものを定義する意味で、その切削後の木質薄片に対して「木質小薄片」という。
なお、木質小薄片1の表裏面の面積(第1長さd1と第2長さd2とを乗算した数値)は、64cm以下であることが好ましく、より好ましくは32cm以下、より一層好ましくは16cm以下、さらに好ましくは6cm以下である。また、その面積の下限値は、例えば0.5cm以上である。
木質小薄片1,1,…に用いられる樹種は特に限定されず、例えば南洋樹や広葉樹を用いてもよいし、それ以外の樹種を用いてもよい。例えばスギ、ヒノキ、ベイマツ等のファー材、アカシア、アスペン、ポプラ、パイン系(ハードパイン、ソフトパイン、ラジアータパイン等)、バーチ、ゴム(ゴムの木)等があるが、これらの樹種に限定されず、さらに様々な樹種を用いることができる。様々な樹種としては、トドマツ、カラマツ、エゾマツ、サワラ、ヒバ、カヤ、栂、槙、種々の松、桐、楓、樺(白樺)、椎、ブナ、樫、樅、櫟、楢、楠、ケヤキ等の国産材、米ヒノキ、米ヒバ、米杉、米樅、スプルース、米栂、レッドウッド等の北米材、アガチス、ターミナリア、ラワン、メランチ、ジュンコン、カメレレ、カランパヤン、アンベロイ、メリナ、チーク、アピトン、センゴンラウト等の南洋材、バルサ、セドロ、マホガニー、リグナムバイタ、アカシアマンギューム、地中海松、竹、コウリャン、カメレレのような他の外材等があり、どのような材料でも使用可能である。
木質小薄片1の物性に関し、その密度は好ましくは250kg/m以上、より好ましくは300kg/m以上であり、また好ましくは800kg/m以下、より好ましくは500kg/m以下、さらに好ましくは400kg/m以下である。密度が250kg/m未満であると、同密度・同強度の木質ボードAsを形成するために必要なマットの厚さが大きくなるとともに、プレス成形工程での熱圧プレス処理に係るプレス圧を高める必要がある。
木質小薄片1の密度は800kg/mを超えてもよいが、そのような木質小薄片1を容易に得ることが難しいからである。すなわち、800kg/mを超える木質小薄片1を容易に得ることができるのであれば、密度の上限値は800kg/mに限定されず、さらに高い値であってもよい。
また、木質小薄片1の含水率は、2~20%程度であることが好ましく、2~8%であることがより好ましい。含水率が2%未満の場合、プレス成形工程での熱圧プレス処理において軟化に時間がかかってプレス時間が長くなり、強度が下がる虞れがある。
また、木質小薄片1の含水率が20%を超えると、同熱圧プレス処理において加熱・圧縮に時間がかかるためであり、さらには接着剤の硬化が阻害されて強度が下がる虞れがある。
木質ボードAs内において、多数の木質小薄片1,1,…は、その繊維1a,1a,…に沿った方向である繊維方向(長さ方向)が基準方向に配向されていてもよいが、この繊維方向の配向性は必須ではなく、繊維方向がランダムに配向されていてもよい。尚、繊維方向(長さ方向)が基準方向に配向されているとは、木質ボードAs内において、全ての木質小薄片1,1,…の繊維1a,1a,…が正確に同一方向を向いていること、換言すると、配向された木質小薄片1,1,…の繊維方向が互いに平行になっていることを限定しない。一部の木質小薄片1,1,…として、繊維方向が基準方向に対してある程度(例えば20°程度)傾いている木質小薄片1,1,…が含まれていてもよい。
<木質ボードの製造方法>
次に、木質小薄片1の製造方法と、その木質小薄片1から木質ボードAsを製造する方法とについて図4により説明する。木質小薄片1の製造方法は、木質薄片製造工程P1及び木質小薄片製造工程P2を有する。木質ボードAsの製造方法は、さらにその後の接着剤塗布工程P3、マットフォーミング工程P4及び熱圧工程P5を有する。
(木質薄片製造工程P1)
材料となる丸太や間伐材等の原木を必要な場合には短くカットして樹皮を除去した後、場合によっては含水率の調整を行い、外刃型や内刃型の切削装置(ストランダー)により切削して、OSBの構成材料として通常使用される切削片よりも薄くて小さい多数の木質薄片(切削後木質薄片)を形成する。建築現場等で発生する端材や廃材、廃パレット材から形成することもできる。切削装置は一般的なものが用いられる。切削装置に原木を送り込む速度により木質薄片の厚さを調整する。この切削により形成された木質薄片(切削後木質薄片)は、本実施形態の木質ボードAsを構成する木質小薄片1とは異なり、それよりも面積(具体的には、繊維直交方向の長さ)が大きいものである。
このとき、各木質薄片の表裏面に繊維が直線状に表れるように切削し、その切削厚さが木質小薄片1の厚さtとなるように切削する。以降の工程では、基本的に木質小薄片1の厚さtが切削後木質薄片の厚さから変わらず、この切削後木質薄片の厚さがそのまま木質小薄片1の厚さtとなるからである。
この工程P1で得られた切削後木質薄片を篩(例えばΦ5mm以上のメッシュ)等に通過させて、切削後木質薄片の大きさを選別(分級)すること(分級工程)により、次の木質小薄片製造工程P2を経た後に得られる木質小薄片1,1,…に匹敵する(第1木質小薄片1,1,…の大きさの範囲に含まれる)大きさの木質薄片が得られる場合もある。その場合には、当該木質薄片は、木質小薄片製造工程P2にかけられることなく、木質小薄片1,1,…として、接着剤塗布工程P3で用いることができる。
(木質小薄片製造工程P2)
次いで、上記切削後、必要に応じて分級した木質薄片(切削後木質薄片)をハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の刃物を使用しない粉砕機やナイフフレーカーやカッターミル等の刃物を使用した粉砕機を用いて粉砕し、切削直後の木質薄片の繊維直交方向の大きさよりも小さくして、木質ボードAsを構成する木質小薄片1,1,…を形成する。このとき、切削後木質薄片を繊維方向(長さ方向)に沿って割れるように幅方向に粉砕すると、細長形状の木質小薄片1,1,…を作ることができる。つまり、切削後木質薄片に繊維方向に直交する繊維直交方向に沿って力(衝撃)を加えると、割れ難いが、繊維方向に平行に沿って力を加えると、簡単に割れるようになる。切削後木質薄片がカールしていても、その粉砕により平面状に分割される。なお、切削後木質薄片に加える力の方向は上記の繊維方向に平行な方向に限定されない。切削後木質薄片に対してランダムな方向に力を加えると、通常、切削後木質薄片は力の弱い部分から割れていく(力の弱い方向に割れ易い)。切削後木質薄片の各繊維がつながる力(繊維直交方向の力)は繊維方向の力よりも圧倒的に弱いため、上記の一般的な粉砕機で切削後木質薄片をランダムな方向に粉砕すれば(力を加えると)、切削後木質薄片が繊維方向に沿って割れて繊維直交方向に短くなり、細長形状の木質小薄片1,1,…が得られる。
また、切削後木質薄片に木材の節があったとしても、その節は他の部分よりも脆いので、粉砕により節が粉状になり、後の分級工程で除去される。
なお、刃物を使用した粉砕機の場合、切削後木質薄片が意図せず繊維直交方向に粉砕されてしまうおそれがあるが、刃物を使用しない粉砕機の場合には、そのようなおそれは少なくなるため、刃物を使用しない粉砕機を用いて切削後木質薄片を粉砕することが好ましい。
このように切削する工程のみの1段階ではなく、その後に破砕する工程を加えて2段階の工程を経由させることで、切削片よりも薄くて小さい切削後木質薄片から、必要な大きさで節部分のない高強度の木質小薄片1,1,…を容易に製造することができる。
上記粉砕工程で得られた木質小薄片1,1,…を篩等に通過させて、木質小薄片1,1,…の大きさを選別(分級)する分級工程を含めてもよい。このことで、多数の木質小薄片1,1,…は細かくて大きさや形状がより一層均質に揃ったものになる。以上によって木質小薄片1が製造される。
(接着剤塗布工程P3)
木質小薄片製造工程P2において、選別により細かくて大きさや形状が均質に揃った多数の木質小薄片1,1,…が得られると、その後、接着剤塗布工程P3を行い、それら木質小薄片1,1,…を接着剤塗布装置に搬入して接着剤を塗布する。接着剤としては、例えばイソシアネート系の接着剤を用いることができ、その他、例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂やメラミン樹脂等のアミン系接着剤、木質用天然物(タンニン)系接着剤を用いてもよい。また、接着剤と共に、一般に使用される撥水剤を併用してもよい。
(マットフォーミング工程P4)
次に、図5左側に示すように、上記接着剤の塗布された多数の木質小薄片1,1,…を繊維方向に配向して又は配向せずに、厚さ方向に集合させた状態で所定厚さ(高さ)まで積層する(積み重ねる)ことで、木質小薄片1,1,…のマットA1を形成する。例えば厚さ4mmの木質ボードAsを形成する場合には、マットA1の厚さ(高さ)が40mm程度の厚さになるように、厚さtが0.2mmの木質小薄片1,1,…を積み重ねる。
(熱圧工程P5)
このマットA1を熱圧プレス装置に搬入して熱盤間にセットし、熱圧プレス装置によりマットA1を所定の圧力及び温度で熱圧プレス処理して圧縮し、かつ接着剤の硬化により一体に成形する。このことで、図1に示す木質ボードAsが形成される。
このとき、図5に示すように、上記例示した40mm程度の厚さのマットA1は例えば4mmの木質ボードAsに圧縮され、厚さが1/10まで圧縮される。熱圧プレス処理に係るプレス温度は、特に限定されないが、例えば100~180℃である。熱圧プレス処理に係るプレス圧は、例えば2~4N/mmであり、プレス時間は例えば1~2分間である。尚、プレス時間は、木質ボードAsの厚さによって変動するものであり、1分未満で終了する場合もあれば、2分以上要する場合もある。また、熱圧プレス装置による熱圧プレス処理の前に、加熱装置による予備加熱処理を行ってもよい。
また、木質小薄片1,1,…は、節部分が除去されており、ばらつきがなくて細かい範囲内の大きさのものに保たれているので、マットA1全体で均質になり、このことによって木質ボードAsの強度のばらつきがなくなる。つまり、大きなストランド(切削片)を用いるストランドボードでは、例えば節部分を含む不均一なマットにより部分的(スポット的)に薄くて低強度部分が生じ、強度のばらつきがでるが、それがなくなる。しかも、木質小薄片1,1,…も薄い方がマットA1の均質性が高くなり、木質ボードAsの強度が出易くなる。一般に大きなストランド(切削片)を用いるストランドボードは強度を大きくできるのに対し、本発明では切削片よりも薄くて小さい木質薄片(切削後木質薄片)を粉砕によりさらに小さくした木質小薄片1によって木質ボードAsの均質性と強度とを兼ねている。
さらに、木質小薄片1,1,…は小さくて均一な大きさであり、マットA1において、木質小薄片1,1,…の間に隙間が均一的に形成されているので、仮にマットA1の木質小薄片1,1,…に比較的多量に水分が含まれた状態のままで熱圧しても、その水分の蒸発によって生成された蒸気はスムーズにマットA1から抜け出るようになる。つまり、図5左側に示すように、マットA1内には、互いに隣接する木質小薄片1,1,…間に多数の微小な空隙が存在している。この空隙は、木質小薄片1,1,…の繊維方向及び繊維直交方向だけでなく、厚み方向にも連通し、三次元的に連続している。そのため、木質ボードAsに対する加圧を停止したときのパンクは生じ難くなる。
このような工程を経て、密度が500kg/m以上800kg/m以下でありかつ曲げヤングが3.5GPa以上7.0GPa以下の木質ボードAsが成形される。この木質ボードAsは、図5右側に示すように、その内部に、三次元的に連続する微小な空隙が多数存在している(残っている)。そのため、木質ボードAsは、通気性にも優れる。
(その他の工程)
木質ボードAsの製造方法は、その他の工程として、熱圧工程P5の後に、木質ボードAsを平衡含水率まで養生させてから表裏面をサンダーにより研削し、最終厚さを調整する仕上げ工程を有していてもよい。サンダーは、一般に使用されるものを使用でき、例えば#150番手等が挙げられる。この仕上げ工程を経ることで、表面性により一層優れた木質ボードAsが得られる。
<木質ボードの表面性状>
木質ボードAsは、その表面における二乗平均平方根高さSqが0.005μm以上0.015μm以下又は表面における算術平均高さSaが0.002μm以上0.007μm以下であることが好ましい。なお、木質ボードAsの表面は、上記仕上げ工程後の木質ボードAsの表面をいい、例えば#150番手のサンダーで製品厚さに調整した木質ボードAsの表面をいう。二乗平均平方根高さSq及び算術平均高さSaは、ISO25178で規定される表面性状を表す面粗さのパラメータである。すなわち、木質ボードAsは、その表面性状を特定するパラメータSq、Saをそれぞれ特定の範囲に制御することで、表面性に優れたものとなる。
二乗平均平方根高さSqは、平均面からの距離の標準偏差に相当するパラメータであり、高さの標準偏差に相当する。そのため、木質ボードAsは、その表面における二乗平均平方根高さSqの値が小さいほど、表面の凹凸の大きさのばらつきが小さい表面になるため、表面性に優れたものとなる。具体的には、木質小薄片1,1,…の厚さtが0.35mm以下であれば、木質ボードAsの表面における二乗平均平方根高さSqは0.005μm以上0.015μm以下程度となり、木質小薄片1,1,…の厚さtが0.25mm以下(好ましくは0.20mm以下)であれば、木質ボードAsの表面における二乗平均平方根高さSqは0.005μm以上0.008μm以下程度となり、表面性に優れるMDF並みの表面粗さになるため、木質ボードAsはさらに表面性が優れたものとなり好ましい。
算術平均高さSaは、表面の平均面に対して、各点の高さの差の絶対値の平均を表す。そのため、木質ボードAsは、その表面における算術平均高さSaの値が小さいほど、大きな凹凸が少ない表面になるため、表面性に優れたものとなる。具体的には、木質小薄片1,1,…の厚さtが0.35mm以下であれば、木質ボードAsの表面における算術平均高さSaは0.002μm以上0.007μm以下程度となり、木質小薄片1,1,…の厚さtが0.25mm以下(好ましくは0.20mm以下)であれば、木質ボードAsの表面における算術平均高さSaは0.002μm以上0.005μm以下程度となり、表面性に優れるMDF並みの表面粗さになるため、木質ボードAsはさらに表面性が優れたものとなり好ましい。
なお、木質ボードAsの表面性状は、二乗平均平方根高さSq及び算術平均高さSaに限定されず、例えば、スキューネスSsk、最大谷深さSv、最大山高さSpと最大谷深さSvとの和を示す最大高さSz、クルトシスSku等で特定されていてもよい。
したがって、上記実施形態の木質ボードAsについては以下の作用効果を奏することができる。
木質ボードAsは、かさ密度が10kg/m以上100kg/m以下である多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化により単層に構成されている。
すなわち、単層の木質ボードAsは、1種類の木質小薄片1,1,…のみで構成され、その木質小薄片1,1,…のかさ密度が10kg/m以上100kg/m以下という狭い範囲内に収まっているので、多数の木質小薄片1,1,…は厚さtのばらつきが小さくて均一な厚さtに揃ったものになり、第1長さd1及び第2長さd2も一定範囲内に揃ったものになる。そのため、木質ボードAsは厚さ及び大きさ(表裏面の面積)が一定範囲内に揃った木質小薄片1,1,…が集合して均質なものとなる。そのため、木質ボードAsの強度が高くなるだけでなく、吸放湿による反りが発生し難く、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性が得られる。また、多数の木質小薄片1,1,…が均一な厚さ及び面積に揃っているので、通常のOSBのように木質ボードの表面に大きな凹凸が生じることはなく、木質ボードAsは表面性に優れたものとなる。また、均一な厚さ及び面積の多数の木質小薄片1,1,…を集合させて積層するので、その製造も容易となる。
特に、木質ボードAsにおける木質小薄片1,1,…の厚さtが極めて薄く、その平均値が0.05mm以上0.35mm以下であり、かさ密度が20kg/m以上90kg/m以下であると、多数の木質小薄片1,1,…は厚さt及び面積のばらつきの小さい均一なものになるため、木質ボードAsの寸法安定性及び表面性がさらに向上する。
図6は、本発明に係る木質ボードAsの特性を他の材料のボードと比較して例示したものであり、木質ボードAsは、曲げヤング、吸放湿時の長さ変化率、平滑性がラワン合板程度に大きく、ラワン合板に比べ寸法安定性での異方性や表面性における色調・色均質性が優れている。また、木質ボードAsは、OSBに比べ、曲げヤングが縦横に均一であり、寸法安定性での異方性や表面性における平滑性、色調・色均質性が良好である。すなわち、木質ボードAsは、高強度で寸法安定性や表面性に優れる。
[第2の実施形態]
<木質ボード(木質積層ボード)>
図7は本発明の第2の実施形態に係る木質ボードAmを示す。本実施形態に係る木質ボードAmは、第1の実施形態に係る木質ボードAsの表裏面に木質材層が積層されて一体化されたものであり、木質積層ボードともいえる。以下、木質ボードAmを木質積層ボードAmともいう。なお、木質積層ボードAmを構成する木質材層以外の、木質ボードAsに係る構成については、第1の実施形態と同様の構成であるため、ここでは詳しい説明を省略する。また、第1の実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
木質積層ボードAmは、例えば、密度500kg/m以上800kg/m以下、厚さ3mm以上12mm以下のものが用いられている。厚さ3mm以上6mm未満の薄物タイプの木質積層ボードAmは、例えば、トラック等の車両の荷台に用いられる荷台用内壁材、室内に施工されるクッションフロアの下地材、化粧面材、内装建材(蹴込板等)等の内装材等として施工されるものである。厚さ6mm以上12mm以下程度の中厚タイプの木質積層ボードAmは、例えば、室内に施工される防音フロア基材、土足用床基材、玄関造作材等として施工されるものである。このように、木質積層ボードAmは、既存の台板用合板の代替材として用いられる。また、木質積層ボードAmは、MDFと同様の表面性を有するため、化粧用薄物合板に好適に使用できる。
木質積層ボードAmは、第1木質材層Bと、2つの木質材層(以下「第2木質材層」ともいう)C,Cとを含み、第1木質材層Bの両面に第2木質材層C,Cが積層されて一体化されている。換言すると、第1木質材層Bは、2つの第2木質材層C,Cの間に介在されている。つまり、第1木質材層Bは木質積層ボードAmの芯層を構成し、2つの第2木質材層C,Cは木質積層ボードAmの表裏層を構成している。
各第2木質材層Cの木質積層ボードAm全体に占める厚さの割合は、好ましくは5%以上40%以下、より好ましくは8%以上30%以下、さらに好ましくは10%以上25%以下である。つまり、木質積層ボードAmにおける第2木質材層C:第1木質材層B:第2木質材層Cは、好ましくは5:90:5~40:20:40、より好ましくは8:84:8~30:40:30、さらに好ましくは10:80:10~25:50:25である。第1木質材層Bと各第2木質材層Cとの厚さの比率を適宜変更することで、用途に応じて必要な強度と、優れた表面性とを兼ね備える木質積層ボードAmが得られる。
(第1木質材層)
第1木質材層Bは、上述したように、第1の実施形態に係る木質ボードAsで構成される。つまり、第1木質材層Bには、木質ボードAsで説明した全ての構成が適用される。
(第2木質材層)
第2木質材層Cは、図8に拡大して示すように、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質極小薄片2,2,…が集合状態で積層されて接着一体化されてなり、多数の木質極小薄片2,2,…は1種類の厚さを有する。
木質極小薄片2は、木質小薄片1よりも大きさ(その表裏面の面積)の小さい薄片である。木質極小薄片2について詳細に説明すると、図9に拡大して示すように、木質極小薄片2の厚さtは好ましくは0.05mm以上0.35mm以下であり、より好ましくは0.10mm以上0.30mm以下、より一層好ましくは0.15mm以上0.25mm以下、さらに好ましくは0.15mm以上0.20mm以下である。つまり、木質極小薄片2の厚さtは、木質小薄片1の厚さtと同等かそれよりも小さくなっている。これにより、この薄い厚さtの木質極小薄片2,2,…により第2木質材層Cの特性、すなわち木質積層ボードAmの特性が決定づけられている。木質極小薄片2の厚さtは平均値である。
また、木質極小薄片2のかさ密度は好ましくは10kg/m以上100kg/m以下、より好ましくは20kg/m以上95kg/m以下、さらに好ましくは30kg/m以上90kg/m以下である。
なお、木質極小薄片2は、正方形状でもよく、細長形状(短冊形状)でもよい。木質極小薄片2が細長形状の場合、木質小薄片1と同様に、第1長さd1は長手方向寸法(長さ)であり、例えば導管や仮導管等による繊維2a,2a,…を有し、その繊維2aに沿った方向の繊維方向寸法である。また、第2長さd2は短手方向寸法(幅)であり、例えば繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法である。
なお、木質極小薄片2の表裏面の面積は、木質小薄片1の表裏面の面積よりも小さければ特に限定されないが、5cm以下であることが好ましく、より好ましくは2cm以下、より一層好ましくは1cm以下、さらに好ましくは0.5cm以下である。
木質極小薄片2,2,…に用いられる樹種は特に限定されず、木質小薄片1,1,…に用いられる樹種と同様の樹種を用いてもよいし、それ以外の樹種を用いてもよい。また、木質極小薄片2,2,…の樹種は、木質小薄片1,1,…の樹種と同じであってもよく、異なっていてもよい。木質小薄片1,1,…を利用して木質極小薄片2,2,…を容易に製造する観点から、木質極小薄片2,2,…の樹種は木質小薄片1,1,…の樹種と同じであることが好ましい。
木質極小薄片2の物性に関し、その密度は好ましくは250kg/m以上、より好ましくは300kg/m以上であり、また好ましくは800kg/m以下、より好ましくは500kg/m以下、さらに好ましくは400kg/m以下である。密度が250kg/m未満であると、同密度・同強度の木質積層ボードAmを形成するために必要なマットの厚さが大きくなるとともに、プレス成形工程での熱圧プレス処理に係るプレス圧を高める必要がある。
木質極小薄片2の密度は800kg/mを超えてもよいが、そのような木質極小薄片2を容易に得ることが難しいからである。すなわち、800kg/mを超える木質極小薄片2を容易に得ることができるのであれば、密度の上限値は800kg/mに限定されず、さらに高い値であってもよい。
また、木質極小薄片2の含水率は、2~20%程度であることが好ましく、2~8%であることがより好ましい。
第2木質材層C内において、多数の木質極小薄片2,2,…は、その繊維2a,2a,…に沿った方向である繊維方向(長さ方向)が基準方向に配向されていてもよいが、この繊維方向の配向性は必須ではなく、繊維方向がランダムに配向されていてもよい。一部の木質極小薄片2,2,…として、繊維方向が基準方向に対してある程度(例えば20°程度)傾いている木質極小薄片2,2,…が含まれていてもよい。
<木質ボード(木質積層ボード)の製造方法>
次に、木質小薄片1,1,…及び木質極小薄片2,2,…の製造方法と、これら木質小薄片1,2,…から木質積層ボードAmを製造する方法とについて図10により説明する。木質小薄片1,1,…の製造方法は、木質薄片製造工程P1及び木質小薄片製造工程P2を有する。木質極小薄片2,2,…の製造方法は、さらにその後の木質極小薄片製造工程P6を有する。木質積層ボードAmの製造方法は、さらにその後の接着剤塗布工程P3、マットフォーミング工程P4及び熱圧工程P5を有する。
(木質薄片製造工程P1)
木質薄片製造工程P1は、第1の実施形態に係る木質薄片製造工程P1と同様の工程であるため、ここでは詳しい説明を省略する。なお、以降の工程では、基本的に木質小薄片1及び木質極小薄片2の厚さtが切削後木質薄片の厚さから変わらず、この切削後木質薄片の厚さがそのまま木質小薄片1及び木質極小薄片2の厚さtとなる。
(木質小薄片製造工程P2)
木質小薄片製造工程P2も、第1の実施形態に係る木質小薄片製造工程P2と同様の工程であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
(木質極小薄片製造工程P6)
木質小薄片製造工程P2において、形成された木質小薄片1,1,…や、木質小薄片1,1,…の分級工程で除去された木質小薄片3,3,…(不図示)から、木質小薄片1,1,…よりも大きさの小さい木質極小薄片2,2,…を得ることができる。なお、上記分級工程で除去された木質小薄片3とは、木質小薄片製造工程P2で形成された木質小薄片1以外の木質小薄片をいい、木質小薄片1の大きさ(厚さt、第1長さd1及び/又は第2長さ(幅)d2のうち少なくとも一つ)が範囲外となる木質小薄片をいう。
具体的には、木質小薄片1,1,…及び/又は木質小薄片3,3,…を木質小薄片製造工程P2と同様の方法を用いてさらに粉砕する。これにより、木質小薄片1,1,…及び/又は木質小薄片3,3,…が繊維方向(第1長さ方向)に沿って割れるように幅方向に粉砕されて、細長形状の木質小薄片1,1,…と比較して、より細長形状の木質極小薄片2,2,…を作ることができる。つまり、木質極小薄片2は、木質小薄片1よりも第2長さ(幅)d2の小さい薄片になる。また、当該製造工程P3におけるさらなる粉砕工程において、木質小薄片1,1,…及び/又は木質小薄片3,3,…は、第1長さ方向にも粉砕される。これにより、木質極小薄片2は、木質小薄片1と比較して、第2長さ(幅)d2だけでなく、第1長さd1も小さい薄片になる。
また、他の方法として、木質小薄片3,3,…を例えばΦ2のメッシュで選別し、当該メッシュを通過したものを木質極小薄片2,2,…としてもよい。
このように、木質小薄片製造工程P2で形成された木質小薄片1,1,…や除去された木質小薄片3,3,…を利用して、これら木質小薄片1,3,…を破砕する工程又は分級する工程をさらに経由させることで、木質小薄片1,1,…よりも第1長さd1及び/又は第2長さ(幅)d2の小さい木質極小薄片2,2,…を容易に製造することができる。
なお、上記のさらなる粉砕工程で得られた木質極小薄片2,2,…を篩等(例えばΦ2のメッシュ)に通過させて木質極小薄片2,2,…を選別(分級)してもよい。このことで、多数の木質極小薄片2,2,…は細かくて大きさや形状が均質に揃ったものになる。以上によって木質極小薄片2,2,…が製造される。
(接着剤塗布工程P3)
木質小薄片製造工程P2及び木質極小薄片製造工程P6において、選別により細かくて大きさや形状が均質に揃った多数の木質小薄片1,1,…及び木質極小薄片2,2,…が得られると、その後、接着剤塗布工程P3を行い、それら木質小薄片1,1,…及び木質極小薄片2,2,…をそれぞれ接着剤塗布装置に搬入して接着剤を塗布する。接着剤としては、例えばイソシアネート系の接着剤を用いることができ、その他、例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂やメラミン樹脂等のアミン系接着剤、天然系接着剤を用いてもよい。また、接着剤と共に、一般に使用される撥水剤を併用してもよい。
(マットフォーミング工程P4)
次に、図11左側に示すように、まず、上記接着剤の塗布された多数の木質極小薄片2,2,…を繊維方向に配向して又は配向せずに、厚さ方向に集合させた状態で所定厚さ(高さ)まで積層する(積み重ねる)ことで、木質極小薄片2,2,…のみで構成されるマットC1(第2集合体)を形成する。続いて、形成されたマットC1上に、上記接着剤の塗布された多数の木質小薄片1,1,…を繊維方向に配向して又は配向せずに、厚さ方向に集合させた状態で所定厚さまで積層することで、木質小薄片1,1,…のみで構成されるマットB1(第1集合体)を形成する。最後に、形成されたマットB1上に、上記と同様にして木質極小薄片2,2,…のみで構成されるマットC1を形成する。このように、マットC1、マットB1及びマットC1を順に積層することで、3層構造の積層マットA1を形成する。
このとき、木質積層ボードAm全体に占める第1木質材層B及び各第2木質材層Cの厚さの割合を所望の割合とするために、マットB1及びマットC1の厚さを調整する。例えば、各第2木質材層Cの木質積層ボードAm全体に占める厚さの割合が15%(第2木質材層C:第1木質材層B:第2木質材層C=15:70:15)であり、厚さ4mmの木質積層ボードAmを形成する場合には、まず、マットC1の厚さ(高さ)が5mm程度の厚さになるように、厚さtが0.2mmの木質極小薄片2,2…を積み重ねる。続いて、マットC1上に、マットB1の厚さが24mm程度の厚さになるように、厚さtが0.2mmの木質小薄片1,1,…を積み重ねる。最後に、マットB1上に、マットC1の厚さが5mm程度の厚さになるように、木質極小薄片2,2…を積み重ねる。こうして、マットC1、B1及びC1からなる3層構造の積層マットA1の厚さ(高さ)は34mm程度の厚さになる。
(熱圧工程P5)
この積層マットA1を通常の木質ボードで行われるように、積層マットA1をまず圧締し少し押し固めてから、熱圧プレス装置に搬入して熱盤間にセットする。熱圧プレス装置により積層マットA1を所定の圧力及び温度で熱圧プレス処理して圧縮し、かつ接着剤の硬化により一体に成形する。このことで、図7に示す木質積層ボードAmが形成される。
このとき、図11に示すように、上記例示した40mm程度の厚さの積層マットA1は例えば4mmの木質積層ボードAmに圧縮され、厚さが1/10まで圧縮される。熱圧プレス処理に係るプレス温度は、特に限定されないが、例えば100~180℃である。熱圧プレス処理に係るプレス圧は、例えば2~4N/mmであり、プレス時間は例えば1~2分間である。尚、プレス時間は、木質積層ボードAmの厚さによって変動するものであり、1分未満で終了する場合もあれば、2分以上要する場合もある。また、熱圧プレス装置による熱圧プレス処理の前に、加熱装置による予備加熱処理を行ってもよい。
また、木質小薄片1,1,…及びそれよりも大きさの小さい木質極小薄片2,2,…は、節部分が除去されており、ばらつきがなくて細かい範囲内の大きさのものに保たれているので、マットB1及びC1はそれぞれ均質になる。つまり、積層マットA1全体で均質になり、このことによって木質積層ボードAmの強度のばらつきがなくなる。つまり、大きなストランド(切削片)を用いるストランドボードでは、例えば節部分を含む不均一なマットにより部分的(スポット的)に薄くて低強度部分が生じ、強度のばらつきがでるが、それがなくなる。しかも、木質小薄片1,1,…も薄い方がマットB1の均質性が高くなり、木質積層ボードAmの強度が出易くなる。一般に大きなストランド(切削片)を用いるストランドボードは強度を大きくできるのに対し、本発明では切削片よりも薄くて小さい木質薄片(切削後木質薄片)を粉砕によりさらに小さくした木質小薄片1によって木質積層ボードAmの均質性と強度とを兼ねている。
さらに、木質小薄片1,1,…は小さくて均一な大きさであり、マットB1において、木質小薄片1,1,…の間に隙間が均一的に形成されている。同様に、木質極小薄片2,2,…は木質小薄片1,1,…よりも小さくてより一層均一な大きさであり、マットC1において、木質極小薄片2,2,…の間に隙間が均一的に形成されている。そのため、仮にマットB1の木質小薄片1,1,…及びマットC1の木質極小薄片2,2,…に比較的多量に水分が含まれた状態のままで熱圧しても、その水分の蒸発によって生成された蒸気はスムーズにマットB1及びマットC1から抜け出るようになる。つまり、図11左側に示すように、マットB1内には、互いに隣接する木質小薄片1,1,…間に多数の微小な空隙が存在している。同様に、マットC1内にも、互いに隣接する木質極小薄片2,2,…間に多数の微小な空隙が存在している。これら空隙は、木質小薄片1,1,…及び木質極小薄片2,2,…の繊維方向及び繊維直交方向だけでなく、厚み方向にも連通している。また、これら空隙は、マットB1内及びマットC1内で連続するだけでなく、マットB1とマットC1の間でも連続しており、積層マットA1全体で三次元的に連続している。そのため、木質積層ボードAmに対する加圧を停止したときのパンクは生じ難くなる。
このような工程を経て、第1木質材層B及び各第2木質材層Cの各密度(木質積層ボードAm全体の密度)が500kg/m以上800kg/m以下でありかつ曲げヤングが3.5GPa以上5.0GPa以下の木質積層ボードAmが成形される。
なお、第1木質材層Bの密度と各第2木質材層Cの密度とは、同程度であってもよく、異なっていてもよい。各木質材層B,Cの密度は、成形時のパンクを防止する観点から、異なっていることが好ましい。第1木質材層Bと各第2木質材層Cの密度が異なる場合、両層B,Cの密度の差は、例えば400kg/m以上である。また、第1木質材層Bと各第2木質材層Cの密度の大小関係は特に限定されず、第1木質材層Bの密度が各第2木質材層Cの密度よりも高くてもよく、低くてもよい。木質積層ボードAmの表面性における平滑性、色調・色均質性を向上させる観点から、各第2木質材層Cが第1木質材層Bよりも密度の高い高密度木質材層であることが好ましい。
また、木質積層ボードAmは、図11右側に示すように、第1木質材層B及び各第2木質材層Cの内部に、三次元的に連続する微小な空隙が多数存在している(残っている)。そのため、木質積層ボードAmは、通気性にも優れる。
(その他の工程)
木質積層ボードAmの製造方法は、その他の工程として、熱圧工程P5の後に、木質積層ボードAmを平衡含水率まで養生させてから表裏面としての第2木質材層Cをサンダーにより研削し、最終厚さを調整する仕上げ工程を有していてもよい。サンダーは、一般に使用されるものを使用でき、例えば#150番手等が挙げられる。この仕上げ工程を経ることで、表面性にさらに一層優れた木質積層ボードAmが得られる。
したがって、本実施形態の木質積層ボードAmについては以下の作用効果を奏することができる。
木質積層ボードAmは、同じ厚さ範囲で大きさが異なる2種類の木質小薄片1と木質極小薄片2とで構成されている。具体的には、木質積層ボードAmは、かさ密度が10kg/m以上100kg/m以下である多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化により単層に構成された第1木質材層Bと、木質小薄片1,1,…よりもその面積の小さい多数の木質極小薄片2,2,…が集合状態で積層されて接着一体化により単層に構成された2つの第2木質材層C,Cとを含み、第1木質材層Bの両面に第2木質材層C,Cが配置され、接着一体化により3層に構成されている。
すなわち、木質積層ボードAmの芯層を構成する第1木質材層Bは、木質ボードAsと同様に構成される。そのため、第1木質材層B(つまり木質積層ボードAm)の強度が高くなるだけでなく、吸放湿による反りが発生し難く、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性が得られる。また、木質積層ボードAmの表裏層を構成する2つの第2木質材層C,Cは、木質小薄片1,1,…よりも面積(具体的には、第1長さd1及び第2長さ(幅)d2のうち少なくとも一つの寸法)の小さい多数の木質極小薄片2,2,…がより一層均一な大きさに揃っているので、通常のOSBのように木質ボードの表面に大きな凹凸が生じることはなく、木質積層ボードAmは表面性により一層優れ、MDFと同様に優れた表面性を有するものとなる。また、均一な大きさの多数の木質小薄片1,1,…及び木質極小薄片2,2,…をそれぞれ集合させた集合体であるマットB1及びマットC1を、マットC1、マットB1及びマットC1の順に積層一体化するので、その製造も容易となる。
特に、木質積層ボードAmの芯層を構成する第1木質材層Bにおける木質小薄片1,1,…の厚さtの平均値が0.05mm以上0.35mm以下であり、かさ密度が20kg/m以上90kg/m以下であると、第1木質材層Bの寸法安定性が向上し、その結果、木質積層ボードAmの寸法安定性が向上する。また、第1木質材層Bの表面の平滑性が向上するため、この第1木質材層B上に積層される第2木質材層C,Cの表面も平滑性及び色調・色均質性が向上する。その結果、より一層優れた表面性を有する木質積層ボードAmが得られる。
また、木質積層ボードAmの表裏層を構成する各第2木質材層Cにおける木質極小薄片2,2,…の厚さの平均値が0.05mm以上0.35mm以下であり、かさ密度が10kg/m以上100kg/m以下であると、各第2木質材層C、つまり木質積層ボードAmの表面性がさらに一層向上する。
また、各第2木質材層Cの木質積層ボードAm全体に占める厚さの割合が5%以上40%以下であると、木質積層ボードAmの強度と表面性とを両立させることができる。
図12は、本発明に係る木質積層ボードAmの特性を他の材料のボードと比較して例示したものであり、木質積層ボードAmは、曲げヤング、吸放湿時の長さ変化率がラワン合板程度に大きく、ラワン合板に比べ寸法安定性での異方性や表面性における平滑性、色調・色均質性が優れている。また、木質積層ボードAmは、OSBに比べ、曲げヤングが縦横に均一であり、寸法安定性での異方性や表面性における平滑性、色調・色均質性が良好である。すなわち、木質積層ボードAmは、高強度で寸法安定性や表面性に優れる。また、木質積層ボードAmは、木質小薄片1,1,…のみで構成される単層の木質ボード(換言すると、第1木質材層B)と比較して、上記の特性を有するだけでなく、さらに表面性に特化した木質ボードといえる。
<その他の実施形態>
上記実施形態では、木質ボードAs(第2の実施形態では、第1木質材層(芯層)B)は、原木から切削されたままの木質薄片(切削後木質薄片)が破砕されてそれよりも小さくなった木質小薄片1で構成しているが、本発明は、原木から切削されたままの木質薄片(切削後木質薄片)で構成することもできる。
上記実施形態では、木質薄片製造工程P1及び木質小薄片製造工程P2のいずれも分級工程を有しているが、本発明は、工程P1及びP2のいずれか一つのみに分級工程が含まれていてもよく、工程P1及びP2のいずれにも分級工程が含まれていなくてもよい。木質ボードAsの強度だけでなく、寸法安定性及び表面性のさらなる向上を図る観点から、工程P1又はP2は分級工程を有していることが好ましく、工程P2は分級工程を有していることがより好ましく、工程P1及びP2のいずれも分級工程を有していることがさらに好ましい。
以下に、本開示を実施例に基づいて説明する。なお、本開示は、以下の実施例に限定されるものではなく、以下の実施例を本開示の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本開示の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
上記木質小薄片製造工程で製造された木質小薄片のかさ密度を測定した。具体的には、10L容積の測定容器に木質小薄片を隙間なく盛り、その盛られた木質小薄片の頂部を圧力はかけずにヘラ等で摺り切り平らにした面一状態の質量を測定した。当該質量から測定容器の質量を引いた数値を「木質小薄片の質量」とし、測定容器の容積(0.01m)を「木質小薄片の体積」として、上記数式(1)によりかさ密度を求めた。なお、厚さの平均値が0.05mm以上0.5mm以下、表裏面の面積が64cm以下(0.5cm以上)という範囲にある大きさの異なる数種類の木質小薄片をそれぞれ製造し、1種類の大きさの木質小薄片ごとにそのかさ密度を測定した。その結果、木質小薄片のかさ密度は何れも10kg/m以上100kg/m以下であることが分かった。なお、厚さの平均値が0.05mm以上0.35mm以下である木質小薄片のかさ密度は20kg/m以上90kg/m以下であることが分かった。
(比較例1)
上記木質薄片製造工程の原料に用いられる切削片(OSBの構成材料として通常使用されるストランド相当)のかさ密度を実施例1と同様にして測定した。なお、厚さの平均値が0.6mm以上1.5mm以下、表裏面の面積が36cm以上という範囲にある大きさの異なる数種類の切削片をそれぞれ製造し、1種類の大きさの切削片ごとにそのかさ密度を測定した。その結果、切削片のかさ密度は何れも150kg/m以上であることが分かった。
(実施例2)
上記木質極小薄片製造工程で製造された木質極小薄片のかさ密度を実施例1と同様にして測定した。なお、表裏面の面積が実施例1で用いた木質小薄片よりも小さく(例えば5cm以下)、厚さの平均値が0.05mm以上0.5mm以下という範囲にある大きさの異なる数種類の木質極小薄片をそれぞれ製造し、1種類の大きさの木質極小薄片ごとにそのかさ密度を測定した。その結果、木質極小薄片のかさ密度は何れも10kg/m以上100kg/m以下であることが分かった。
本発明は、均一な大きさに揃った木質小薄片で構成され、強度が高くて南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性及び表面性を持つ木質ボードを容易に製造できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
As 木質ボード
Am 木質積層ボード(木質ボード)
A1 マット
B 第1木質材層
B1 マット
C 第2木質材層
C1 マット
P1 木質薄片製造工程
P2 木質小薄片製造工程
P3 接着剤塗布工程
P4 マットフォーミング工程
P5 熱圧工程
P6 木質極小薄片製造工程
1 木質小薄片
1a 繊維
2 木質極小薄片
2a 繊維
t 厚さ
d1 第1長さ
d2 第2長さ
具体的には、第1の発明は、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなる木質ボードが対象である。この木質ボードを構成する木質小薄片は、そのかさ密度が10kg/m以上100kg/m以下であり、上記表裏面の面積が6cm 以下であることを特徴とする。
第1の発明では、木質ボードは、かさ密度が10kg/m以上100kg/m以下であり、上記表裏面の面積が6cm 以下である多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化により構成される。
具体的には、木質ボードは、後述のP1工程で得られる特定の厚みを有する木質薄片を、同じく後述のP2工程において木質薄片の第1方向および第2方向に粉砕した1種類の大きさの木質小薄片のみで構成される。その木質小薄片は、かさ密度及び表裏面の面積の範囲が特定され、これにより、厚さが極めて薄く、多数の木質小薄片は厚さのばらつきが小さくて均一な厚さに揃ったものになる。また、多数の木質小薄片は第1方向に沿った第1長さ及び第2方向に沿った第2長さのばらつきも小さくて均一な大きさに揃ったものになる。なお、木質小薄片の厚さ、第1長さ及び第2長さはいずれも平均値である。このように、木質ボードは厚さ及び大きさが一定範囲内に揃った木質小薄片が集合して均質なものとなる。そのため、木質ボードの強度が高くなるだけでなく、吸放湿による反りが発生し難くなり、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性が得られる。また、多数の木質小薄片が均一な厚さ及び大きさに揃っているので、通常のOSBのように木質ボードの表面に大きな凹凸は生じず、木質ボードは表面性に優れたものとなる。また、均一な厚さ及び大きさの多数の木質小薄片を集合させて積層するので、その製造も容易となる。

Claims (6)

  1. 繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなる木質ボードであって、
    上記木質小薄片は、そのかさ密度が10kg/m以上100kg/m以下であることを特徴とする木質ボード。
  2. 請求項1に記載の木質ボードにおいて、
    上記木質小薄片は、上記表裏面間の厚さが0.05mm以上0.35mm以下であり、かさ密度が20kg/m以上90kg/m以下であることを特徴とする木質ボード。
  3. 請求項1に記載の木質ボードにおいて、
    上記木質ボードの表裏面に木質材層が積層されて一体化され、
    上記木質材層は、上記木質小薄片よりもその面積の小さい木質極小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなることを特徴とする木質ボード。
  4. 請求項3に記載の木質ボードにおいて、
    上記木質材層の上記木質ボード全体に占める厚さの割合が5%以上40%以下であることを特徴とする木質ボード。
  5. 請求項1~4のいずれか1つに記載の木質ボードにおいて、
    密度が500kg/m以上800kg/m以下であることを特徴とする木質ボード。
  6. 請求項1~4のいずれか1つに記載の木質ボードにおいて、
    表面における二乗平均平方根高さSqが0.005μm以上0.015μm以下又は表面における算術平均高さSaが0.002μm以上0.007μm以下であることを特徴とする木質ボード。
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