JP2023163117A - 棟固定式屋根上作業用安全補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者に作業上の身体的負担や時間的負担をかけずに効率良くかつ迅速に屋根の上に設置可能な棟固定式屋根上作業用安全補助具を提供する。【解決手段】屋根上における作業を安全に行うための棟固定式屋根上作業用安全補助具10であって、棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟50に取り付けた状態で、屋根の棟の延在方向から見て、棟の頂部に沿って棟の上を所定の長さだけ延在する棟頂上側延在両基台結合部300と、棟頂上側延在両基台結合部の軸心廻りに回動可能に連結され棟の頂部の下側の一方の傾斜面をなす第1の傾斜面の一定領域に重なるように載置可能な第1の基台部110と、棟頂上側延在両基台結合部の軸心廻りに回動可能に連結され棟の頂部の下側の他方の傾斜面をなす第2の傾斜面の一定領域に亘って重なるように載置可能な第2の基台部120を有する棟跨ぎ型取付け支持部100を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、屋根上作業中に使用する屋根上作業用の安全補助具であって、作業者に作業上の身体的負担や時間的負担をかけずに効率良くかつ迅速に屋根の上に設置可能な棟固定式屋根上作業用安全補助具に関する。
比較的大きな建物の屋根の施工や修理を行う場合は、作業者の屋根上作業の効率化とは安全を図るために屋根上作業用の足場を設けることが義務付けられている。
一方、それほど大きくない建物の屋根の施工や、屋根への太陽光発電パネルの後付け設置、屋根の一部破損部分の補修・張り替え、スレート板に金属板を被せて補強するような作業を行う場合は、上述のような大掛かりな足場を屋根上の作業スペースに隣接して設ける必要はなく、例えば作業者が梯子を建物の軒先に立てかけて屋根の上に昇り、屋根上作業が一般的に行われている。
そして、このような屋根上作業を行うにあたって、作業者の安全を確保するために例えば棟と軒先との間に主綱を屋根の大きさに応じて一本又は所定間隔を隔てた状態で複数本しっかりと張り渡してこの主綱を屋根の上面に固定した上で、安全ロープの一端を主綱に取り付けると共に、その他端を作業者が身に付けるハーネス型安全帯にしっかりとつないで屋根上作業を安全に行うことが通常行われている。
ここで主綱を棟と軒先との間にしっかりと張り渡すために主綱の軒先側や建物の軒先に様々な工夫がなされることが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許2991612号公報
特許文献1に記載の内容は、アルミ角パイプ材を折り曲げた略コ字状の鉤部を主綱であるベルトの端部に結びつけて、この鉤部を軒先にかけた状態で主綱を屋根の上に棟を介して張り渡し、この主綱にロープ伸縮調整部の一方の端部を取り付け、他方の端部を作業者に結びつけて屋根上作業の安全を確保するようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載の内容によると、このような主綱の張り渡しの形態を実現するために作業者が主綱の端部に備わった鉤部を持って屋根の上を軒先まで下り歩いて軒先のすぐ近傍において鉤部を軒先に引っ掛けて固定する作業を行わなければならない。そのため、軒先が傷んでいたりすると、作業者の体重が加わることでその軒先部分が大きく破損して作業者が屋根から思いがけず落下してしまう恐れがある。
また、鉤部がアルミ角パイプ材を略コ字状に折り曲げて形成されているため、鉤部を軒先に引っ掛けた後に主綱を屋根の上にしっかりと張り渡すために十分な張力を主綱に加えると、この張力が鉤部と軒先との極めて狭い係合部に引っ張り力として作用して元々傷みかけていた軒先がこの引っ張り力で局部的に破損してしまう恐れがある。
本発明の目的は、屋根上作業中に使用する屋根上作業用の安全補助具であって、作業者に作業上の身体的負担や時間的負担をかけずに効率良くかつ迅速に屋根の上に設置可能な棟固定式屋根上作業用安全補助具を提供することにある。
本発明の請求項1に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、
屋根上における作業を安全に行うための棟固定式屋根上作業用安全補助具であって、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記屋根の棟の延在方向から見て、当該棟の頂部に沿ってこの棟の上を所定の長さだけ延在する棟頂上側延在両基台結合部と、前記棟頂上側延在両基台結合部の軸心廻りに回動可能に連結され前記棟の頂部の下側の一方の傾斜面をなす第1の傾斜面の一定領域に重なるように載置可能な第1の基台部と、前記棟頂上側延在両基台結合部の軸心廻りに回動可能に連結され前記棟の頂部の下側の他方の傾斜面をなす第2の傾斜面の一定領域に亘って重なるように載置可能な第2の基台部を有する棟跨ぎ型取付け支持部と、
前記第1の基台部に備わった第1の磁石ユニットであって、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、当該第1の磁石ユニットから生じる第1の磁気引っ張り力によって前記第1の基台部と共に前記棟の第1の傾斜面に密着する第1の磁石ユニットと、
前記第2の基台部に備わった第2の磁石ユニットであって、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、当該第2の磁石ユニットから生じる第2の磁気引っ張り力によって前記第2の基台部と共に前記棟の第2の傾斜面に密着する第2の磁石ユニットと、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第1の基台部と第2の基台部の少なくとも何れか一方に結合された屋根上安全作業用の安全ブロックとを有し、
前記屋根の棟の任意の所定箇所において、前記棟の延在方向と所定の領域に当該棟の頂部を跨いでその棟の部分一方の傾斜面と他方の傾斜面のそれぞれの所定領域に着脱可能に固定されるようになっており、かつ前記屋根の棟に取り付けた後に作業者の着用する安全帯に前記安全ブロックから延在するストラップを結合させた状態で前記屋根上作業者が当該屋根からの墜落を抑止することを特徴としている。
また、本発明の請求項2に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、請求項1に係る作業のための安全補助具において、
前記第1の基台部には、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第1の基台部を載置した前記第1の傾斜面の水下側から前記棟の長手方向に沿って折り曲げられた状態で延在する第1の棟立ち上がり面に前記第1の基台部の一部をなす第1の押し当て部を押し付けることを可能とする第1の押し付け機構が備わり、
前記第2の基台部には、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第2の基台部を載置した前記第2の傾斜面の水下側から前記棟の長手方向に沿って折り曲げられた状態で延在する第2の棟立ち上がり面に前記第2の基台部の一部をなす第2の押し当て部を押し付けることを可能とする第2の押し付け機構が備わり、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第1の押し付け機構によって前記第1の押し当て部を前記第1の棟立ち上がり面に押し付けると共に、前記第2の押し付け機構によって前記第2の押し当て部を前記第2の棟立ち上がり面に押し付けることで、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を、前記第1の磁石ユニット及び第2の磁石ユニットがそれらの磁力によって前記棟の第1の傾斜面及び第2の傾斜面に密着することに加えて、前記第1の押し当て部と前記第2の押し当て部が協働して前記棟の第1の立ち上がり面と第2の立ち上がり面及びこの間の棟の部分を挟み込んで前記棟固定式屋根上作業用安全補助具の前記棟に対する取付け固定状態をより強固に維持することを特徴としている。
また、本発明の請求項3に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、請求項1に係る作業のための安全補助具において、
前記第1の基台部は、枠型形状を有しており、
前記第1の磁石ユニットは、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を前記屋根の棟に取り付けた状態で、細長の磁石ユニットエレメントが複数本それぞれ前記棟の延在方向と平行になるように前記第1の基台部の枠内に並列配置され、かつ各磁石ユニットエレメントは、前記第1の基台部の棟頂部側に結合され当該各磁石エレメントの延在方向に対して交差する方向に延在する磁石エレメント結合帯によって互いに結合され、
かつ前記磁石エレメント結合帯は、前記第1の基台部の棟頂部側に結合された結合端部と反対側の端部が自由端部をなしており、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける際に、前記自由端部を前記第1の基台部から上側に離間させた状態で前記第1の基台部を前記棟の第1の傾斜面に載置可能にすると共に、前記自由端部を前記第1の基台部に近づけていくことで、前記複数本からなる磁石エレメントを水上側から水下側の順番で前記棟の第1の傾斜面に磁力で順々に密着結合させていくことを特徴としている。
また、本発明の請求項4に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、請求項1に係る作業のための安全補助具において、
前記第2の基台部は、枠型形状を有しており、
前記第2の磁石ユニットは、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を前記屋根の棟に取り付けた状態で、細長の磁石ユニットエレメントが複数本それぞれ前記棟の延在方向と平行になるように前記第2の基台部の枠内に並列配置され、かつ各磁石ユニットエレメントは、前記第2の基台部の棟頂部側に結合され当該各磁石エレメントの延在方向に対して交差する方向に延在する磁石エレメント結合帯によって互いに結合され、
かつ前記磁石エレメント結合帯は、前記第2の基台部の棟頂部側に結合された結合端部と反対側の端部が自由端部をなしており、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける際に、前記自由端部を前記第2の基台部から上側に離間させた状態で前記第2の基台部を前記棟の第2の傾斜面に載置可能にすると共に、前記自由端部を前記第2の基台部に近づけていくことで、前記複数本からなる磁石エレメントを水上側から水下側の順番で前記棟の第2の傾斜面に磁力で順々に密着結合させていくことを特徴としている。
また、本発明の請求項5に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、請求項1に係る作業のための安全補助具において、
前記第1の基台部及び前記第2の基台部には、少なくともそれらの一方において主綱や更なる安全ブロックを着脱可能に取り付ける安全作業用具取付け部が少なくとも1つ備わっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項6に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、請求項1に係る作業のための安全補助具において、
前記安全ブロックは、これから繰り出されかつ端部が屋根上作業者の安全帯に結合される安全作業用ストラップの当該安全ブロックからの繰り出し部が前記棟跨ぎ型取付け支持部より水下側に位置するように備わっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項7に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、請求項1に係る作業のための安全補助具において、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を前記屋根の棟に取り付ける際に、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具の前記棟に密着する部分には、当該棟の表面を傷付きや擦れから保護するための保護シートが備わっていることを特徴としている。
本発明によると、屋根上作業中に使用する屋根上作業用の安全補助具であって、作業者に作業上の身体的負担や時間的負担をかけずに効率良くかつ迅速に屋根の上に設置可能な棟固定式屋根上作業用安全補助具を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具(以下適宜「安全補助具」とする)を斜め上方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を斜め下方から見た斜視図であり、完全ブロックを備えた方のいわゆる簾構造を有する磁石ユニットをめくり上げると共に、それと反対側の簾構造を有する磁石ユニットを基台部に対して正規の位置に配置させた状態を示している。 図1に示した棟固定式屋根上作業用安全補助具を複数個(図面中では2つ)屋根の棟の長手方向に所定の間隔だけ隔てて取り付けた状態を、安全ブロックを除いて示す斜視図である。 図1に示した棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける状態を十分に説明する図であり、第1の基台部と第2の基台部を棟の頂部を跨ぐように棟の第1の傾斜面とに傾斜面に載置した状態を示している。 図4に示した状態を安全ブロック側から拡大して示す図であり、安全ブロック側である第1の磁石ユニットの水下側が作業者によって上側に持ち上げられ、第1の磁石ユニットの各磁石エレメントが並列配置された状態で水下側に向かって簾状に棟の第1の傾斜面から離れていることが理解できる 図5に示す固定作業工程を終えて、第1の基台部の第1の押し当て部を棟の傾斜面の水下側端部に形成された起立部に押し付ける直前の状態をより分かりやすい角度から示す斜視図である。 図6に続く工程作業工程を示す説明図であり、第1の基台部の第1の押し当て部を棟の傾斜面の水下側端部に形成された第1の起立部に向かってスライド移動させていき、第1の押し当て部が第1の起立部に当接した状態で作業者が手作業で更に押し付けた後に第1の押し当て部に備わった2本の固定レバーを回転させてこれに備わるネジ部の締め付け力によって第1の押し当て部を第1の起立部にしっかりと取り付けて第1の基台部が棟から外れないようにしたことを示す説明図である。 棟に棟固定式屋根上作業用安全補助具を取り付けた状態で、棟の傾斜面に棟固定式屋根上作業用安全補助具の第1の基台部と第2の基台部をしっかりと押し付ける第1の磁石ユニットと第2の磁石ユニットに棟固定式屋根上作業用安全補助具を棟に取り付けた状態で棟の頂部から水下側に向かって棟の延在方向に平行をなすように並列配置された複数本の磁石エレメントの1本を分解して示す斜視図である。 本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を用いて屋根上作業を実際に行う工程を時系列的に示す図であって、一方の作業者がはしごを昇り始める状態を示すと共に、他方の作業者がはしごを昇る準備を行っている状態を示す説明図である。 図9に示した屋根上作業に続く状態を示す図であって、一方の屋根上作業者は本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける準備を始め、他方の屋根上作業者は棟に向かって屋根を登り歩いている状態を示す説明図である。 図10に続く状態を示す図であって、一方の屋根上作業者は作業者の着用する安全ハーネスと安全ブロックとを安全ロープで結合した状態で屋根の棟の近くで作業し、他方の屋根上作業者は本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける準備を始めている状態を示す説明図である。 図11に続く状態を示す図であって、屋根の棟に所定の間隔を隔てて取り付けた2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具のそれぞれに各屋根上作業者が着用する安全ハーネスと安全ブロックとを安全ロープで結合した状態で、屋根の棟の近くで各自屋根上作業を行っている状態を示す説明図である。 図12に示した屋根上作業に続く状態を示す図であって、屋根の棟に所定の間隔を隔てて取り付けた2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を主綱に相当するしっかりとした連結ロープで互いに繋いで安全性を更に高めた状態で、2人の作業者が屋根の棟の近くで屋根上作業を行っている状態を示す説明図である。 図13に示した屋根上作業に続く状態を示す図であって、図13のように屋根の棟に所定の間隔を隔てて取り付けた2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を主綱に相当するしっかりとした連結ロープで互いに繋いで屋根上作業の安全性を更に高めた状態で、一方の作業者が一方の棟固定式屋根上作業用安全補助具の安全ブロックと作業者自身が着用する安全用具ハーネスとを繋いだまま軒先まで下がっていき、軒先の状態を調べて必要に応じて修理作業を行うと共に、他方の屋根上作業者は他方の棟固定式屋根上作業用安全補助具の近くで待機して一方の屋根上作業者の屋根上からの落下の危険性が高まる軒先付近の屋根上作業を安全上念のために見守っている状態を示す説明図である。 図9乃至図14に示した屋根上と異なり、屋根を上方から見て中心部から四隅に向かってそれぞれ下りながら延在するいわゆる下り棟の形態をなす方型の屋根の4つの下り棟にそれぞれに本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を取り付けると共に、隣接する棟固定式屋根上作業用安全補助具同士を主綱に相当するしっかりとした連結ロープで互いに繋いで安全性を更に高めた状態で、2人の作業者が屋根の棟の近くで屋根上作業を行っている状態を示す説明図(図15(a))、及び図15(a)に示す方型の屋根の変形例であって、屋根全体が大きく屋根の中心部において長手方向に沿って水平棟が延在しているいわゆる寄せ棟の形態をなす大きな屋根において、4つの下り棟にそれぞれに本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を1つずつ取り付けると共に、水平棟に所定間隔隔てて2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を取り付け、それぞれの隣接する棟固定式屋根上作業用安全補助具同士を主綱に相当するしっかりとした連結ロープで互いに繋いで安全性を更に高めた状態で、4人の作業者が屋根の棟の近くで屋根上作業を行っている状態を示す説明図(図15(b))である。
以下、本発明の一実施形態に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具について図面に基づいて説明する。なお、本発明の範囲は、上述した通り図面に示す形状や各部品の相対的な寸法関係、構成要素の個数、配置の向きに基づく構成に限定されるものではなく、本発明の作用効果を発揮し得る範囲内であればこれに代わる等価的な構成についても本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具(以下、適宜「棟固定式屋根上作業用安全補助具」又は単に「安全補助具」とする)は、屋根上における作業を安全に行うための棟固定式屋根上作業用安全補助具である。そして、その具体的構成は次の通りとなる。
図1は、本発明の一実施形態に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具10(以下適宜「安全補助具」とする)を斜め上方から見た斜視図である。また、図2は本発明の一実施形態に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具10を斜め下方から見た斜視図であり、完全ブロック400を備えた側のいわゆる簾構造を有する磁石ユニット200(210,220)をめくり上げると共に、それと反対側の簾構造を有する磁石ユニット200(210,220)を基台部に対して正規の位置に配置させた状態を示している。
棟固定式屋根上作業用安全補助具10は、図1及び図2に示すように、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けた状態で、屋根の棟50の延在方向から見て、棟50の頂部53に沿ってこの棟50の上を所定の長さだけ延在する棟頂上側延在両基台結合部300と、棟頂上側延在両基台結合部300の軸心廻りに回動可能に連結され棟50の頂部53の下側の一方の傾斜面をなす第1の傾斜面51の一定領域に重なるように載置可能な第1の基台部110と、棟頂上側延在両基台結合部300の軸心廻りに回動可能に連結され棟50の頂部53の下側の他方の傾斜面をなす第2の傾斜面52の一定領域に亘って重なるように載置可能な第2の基台部120と、を有する棟跨ぎ型取付け支持部100を備えている。
また、棟固定式屋根上作業用安全補助具10は、第1の基台部110に第1の磁石ユニット210を備えている。第1の磁石ユニット210は、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けた状態で、第1の磁石ユニット210から生じる第1の磁気引っ張り力によって第1の基台部110と共に棟50の第1の傾斜面51に密着するためのものである。
また、棟固定式屋根上作業用安全補助具10は、第2の基台部120に第2の磁石ユニット220を備えている。第2の磁石ユニット220は、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けた状態で、第2の磁石ユニット220から生じる第2の磁気引っ張り力によって第2の基台部120と共に棟50の第2の傾斜面52に密着するためのものである。
これに加えて、棟固定式屋根上作業用安全補助具10は、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けた状態で、第1の基台部110と第2の基台部120の少なくとも何れか一方に結合された屋根上安全作業用の安全ブロック400とを有している。
そして、棟固定式屋根上作業用安全補助具10は、屋根の棟50の任意の所定箇所において、棟50の延在方向と所定の領域に棟50の頂部53を跨いでその棟50の部分一方の傾斜面と他方の傾斜面のそれぞれの所定領域に着脱可能に固定されるようになっており、かつ屋根の棟50に取り付けた後に作業者の着用する安全帯に安全ブロック400から延在するストラップを結合させた状態で屋根上作業者が屋根からの墜落を抑止することを特徴としている。
これに加えて、第1の基台部110には、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けた状態で、第1の基台部110を載置した第1の傾斜面51の水下側から棟50の長手方向に沿って折り曲げられた状態で延在する第1の棟立ち上がり面61に第1の基台部110の一部をなす第1の押し当て部511を押し付けることを可能とする第1の押し付け機構510が備わっている。
同様に、第2の基台部120には、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けた状態で、第2の基台部120を載置した第2の傾斜面52の水下側から棟50の長手方向に沿って折り曲げられた状態で延在する第2の棟立ち上がり面62に第2の基台部120の一部をなす第2の押し当て部521を押し付けることを可能とする第2の押し付け機構520が備わっている。
そして、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けた状態で、第1の押し付け機構510によって第1の押し当て部511を第1の棟立ち上がり面61に押し付けると共に、第2の押し付け機構520によって第2の押し当て部521を第2の棟立ち上がり面62に押し付けることで、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を、第1の磁石ユニット210及び第2の磁石ユニット220がそれらの磁力によって棟50の第1の傾斜面及び第2の傾斜面に密着することに加えて、第1の押し当て部511と第2の押し当て部521が協働して棟50の第1の立ち上がり面と第2の立ち上がり面及びこの間の棟50の部分を挟み込んで棟固定式屋根上作業用安全補助具10の棟50に対する取付け固定状態をより強固に維持することができるようになっている。
より詳細には、第1の基台部110は、枠型形状を有しており、第1の磁石ユニット210は、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けた状態で、細長の磁石ユニットエレメント700が複数本それぞれ棟50の延在方向と平行になるように第1の基台部110の枠内に並列配置され、かつ各磁石ユニットエレメント700は、第1の基台部110の棟頂部側に結合され各磁石ユニットエレメント700の延在方向に対して交差する方向に延在する磁石エレメント結合帯850によって互いに結合されている。
磁石エレメント結合帯850は、第1の基台部110の棟頂部側に結合された結合端部と反対側の端部が自由端部をなしており、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付ける際に、自由端部を第1の基台部110から上側に離間させた状態で第1の基台部110を棟50の第1の傾斜面に載置可能にすると共に、自由端部を第1の基台部110に近づけていくことで、複数本からなる磁石ユニットエレメント700を水上側から水下側の順番で棟50の第1の傾斜面に磁力で順々に密着結合させていくことが可能となる。
同様に、第2の基台部120は、枠型形状を有しており、第2の磁石ユニット220は、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けた状態で、細長の磁石ユニットエレメント700が複数本それぞれ棟50の延在方向と平行になるように第2の基台部120の枠内に並列配置され、かつ各磁石ユニットエレメント700は、第2の基台部120の棟頂部側に結合され各磁石ユニットエレメント700の延在方向に対して交差する方向に延在する磁石エレメント結合帯850によって互いに結合されている。
磁石エレメント結合帯850は、第2の基台部120の棟頂部側に結合された結合端部と反対側の端部が自由端部をなしており、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付ける際に、自由端部を第2の基台部120から上側に離間させた状態で第2の基台部120を棟50の第2の傾斜面に載置可能にすると共に、自由端部を第2の基台部120に近づけていくことで、複数本からなる磁石ユニットエレメント700を水上側から水下側の順番で棟50の第2の傾斜面に磁力で順々に密着結合させていくことが可能となる。
本実施形態においてこのような構成を有することで、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を棟50に取り付けて固定する際に磁石ユニット200(210,220)の有するかなり大きい磁気引っ張り力を棟50の傾斜面に一気に作用させることなく水上側から水下側に向かって徐々に大きくに作用させることができる。
これによって、例えば棟50の傾斜面に凹凸があったり浮きや曲り、窪みがあったりした場合、大きな磁気引っ張り力の瞬間的な作用に基づく棟50の傾斜面に及ぼす悪影響、即ち傾斜面とこの部分の下側の角材とが互いに分離してしまう剥離などの悪影響の発生を阻止することができる。
以上に加えて、第1の基台部110及び第2の基台部120には、少なくともそれらの一方において主綱や更なる安全ブロック400を着脱可能に取り付ける安全作業用具取付け部900が少なくとも1つ備わっている。
なお、本実施形態においては、図面で示すように、第1の基台部110においては、安全作業用具取付け部911,912が備わり、第2の基台部120においては、安全作業用具取付け部921,922が備わり、棟頂上側延在両基台結合部300においては、安全作業用具取付け部931,932,933が備わっている。
また、本実施形態においては、前記安全ブロック400は、これから繰り出されかつ端部が屋根上作業者の安全帯に結合される安全作業用ストラップの安全ブロック400からの繰り出し部が棟跨ぎ型取付け支持部100より水下側に位置するように備わっている。
更には、棟固定式屋根上作業用安全補助具10は、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付ける際に、棟固定式屋根上作業用安全補助具10の棟50に密着する部分において、棟50の表面を傷付きや擦れから保護するための保護シート800が備わっている。
続いて、磁石ユニット200(210,220)を構成する互いに共通する構造の複数の磁石ユニットエレメント700の構成について説明する。図8は、磁石ユニットエレメント700の1本を分解して示す斜視図である。同図に示すように複数の棒状磁石211と、この磁石を収容して保護するハウジングとしての役目を果たす磁石枠212及び上蓋213と、これらの支持板となる底板314と、底板314の下面に備わり磁石ユニット200が密着する際に棟50の傾斜面の保護の役目も果たすすべり止めシート315と、これらを磁石ユニット200として一体化させる締結具316を有している。
なお、本実施形態の場合、上蓋213には上述したいわゆる簾動作の機能を果たすための連結用シートを挟み込んでこれと結合させるシート結合用凹み部が形成されている。このような構成を磁石ユニットエレメント700が有することで、一種類の磁石ユニットエレメント700を準備して取り付け対象となる屋根の棟50に合わせた大きさの棟固定式屋根上作業用安全補助具10に対応させて共通する磁石ユニットエレメント700の本数を変えるだけで様々なタイプの棟固定式屋根上作業用安全補助具10を組み立てることが可能となる。
続いて、上述した棟固定式屋根上作業用安全補助具10の各構成部品の材質の一例について説明する。なお、以下に記載する材質については、あくまで本発明を実施するための例示的なものであり、本発明の作用効果を発揮し得る範囲内であればそれと等価的な様々な同等品を代用することも可能である。
枠状体をなす第1の基台部110及び第2の基台部120については、金属又は強度と耐久性を有する樹脂材でできている。金属に関しては、どのような金属でも良いが、強度と耐久性に加えて軽量な材質であると、作業者が屋根上作業前に梯子を使って屋根の軒先に上がり棟50まで登っていったり屋根上作業後に片付けるために屋根を下って梯子を使って降りたりする際に使い勝手が良いので好ましい。
安全ブロック400については、係合フック付きの既存の安全ブロックを使用することができる。また、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を取り付ける棟50の部分や屋根の部分の表面の保護を図るための保護用シートの材料については、上述の棟50の部分や屋根の部分の表面の保護を達成できれば良く、耐久性のある樹脂シートや布シート、ゴムシートなどを適宜使用可能である。
また、磁石に関しては、本発明の作用を発揮できる磁石であればどのような磁石でも使用可能である。また、磁石エレメント同士の連結用シートについては、十分な強度と耐久性を有しかつその延在方向に伸び縮みせずにいわゆる着物の帯のようにその延在方向を真っ直ぐにしたり側面視で様々な曲率半径を有するように曲げたりできる強度と耐久性に優れた連結用シートであればどのような材質のものを使用しても良い。
なお、上述の実施形態においては、複数本の磁石ユニットエレメント700を簾状に並列配置してその一端を基台部に結合し、それらが互いに異なる相対的位置関係になるように記載していたが、本発明の範囲は必ずしもこの構成に限定されるものではない。
具体的には、複数本の磁石ユニットエレメント700が各基台部に固定された状態で備わっていても良く、若しくは一方の基台部においては、本実施形態のような複数本の磁石ユニットエレメント700が簾状に並列配置されると共に、他方の基台部においては、複数本の磁石ユニットエレメント700が固定された状態で備わっていても良い。
また、磁石ユニット200(210,220)は、上述したように複数本の磁石ユニットエレメント700を互いに並列配置することにより構成されることに限定されず、十分な磁力を発生するものであれば単一の磁石を用いても良い。
更には、第1の押し当て部511と第2の押し当て部521に関しては、本実施形態のように必ず設けるものではなく、磁石ユニット200(210,220)が十分な磁力で棟50の傾斜面に密着して棟50を跨ぐように棟固定式屋根上作業用安全補助具10をしっかりと取り付けをことができれば、これらの押し当て部を有しなくても良い。
即ち、建物の屋根の棟50の構成により、これらの押し当て部を利用してその機能を発揮できないような屋根に関しては、これらの押し当て部を有さない形態であっても本発明の作用効果を発揮する点で本発明の範囲内に属するものである。
しかしながら、屋根の棟50の両側の傾斜面の水下側に上述の実施形態のような起立部が形成された棟50の形態の場合、本実施形態のような第1の押し当て部511と第2の押し当て部521によって棟50の起立部を棟50の延在方向と直交する方向からしっかりと挟み込むことで、棟50の両側の傾斜面にそれぞれ作用する磁石の磁力による密着力と協働して棟固定式屋根上作業用安全補助具10を、棟50を跨ぐように棟50の所定位置にしっかりと取り付けることができる。
また、安全ブロック400の取付け位置に関しては、上述の実施形態のようにこの安全ブロック400から繰り出されかつ端部が屋根上作業者の安全帯に結合される安全作業用ストラップの安全ブロック400からの繰り出し部が棟跨ぎ型取付け支持部100より水下側に位置することには本発明の範囲内において限定されるものではない。
しかしながら、上述の実施形態のような位置関係にすることで、作業者が万が一屋根上で転倒したりしてもこれによって安全ロープ及びこの繰り出しをストッパーによって行わないようにする安全ブロック400を介して加わる作業者の重みが棟固定式屋根上作業用安全補助具10の水下側に作用することになる。
その結果、安全ブロック400の2つの磁石ユニット200(210,220)が棟50の傾斜面に磁力によって密着している状態を効果的に維持することになり、棟固定式屋根上作業用安全補助具10が棟50から外れることなく、作業者の屋根上での滑落やこれに続く軒先からの落下を効果的に抑止することができる。
続いて、本実施形態に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付ける手順について説明する。最初に作業者は、棟固定式屋根上作業用安全補助具10を収容袋WBなどに入れて梯子を昇って軒先からこの安全補助具を取り付ける棟50の所定箇所まで向かう。そして、第1の基台部110と第2の基台部120を棟頂上側延在両基台結合部300周りに略ハの字状に開いた状態にした上で、軒先をその幅方向において跨ぐように安全補助具を載せる。
この際、磁石ユニット200(210,220)に関しては、棟50の傾斜面の状況を見て第1の基台部110及び第2の基台部120と共に同時に載せても良いし、棟50の傾斜面の状態に問題がありそうな場合は、磁石ユニット200(210,220)の水下側に備わったユニット浮かし用持ち手215,225を掴んでとりあえず第1の基台部110と第2の基台部120を棟50の上に載せ、その後に上述したようにいわゆる簾を下ろすような要領で棟50の頂部53から水下側に向かって各磁石ユニットエレメント700が順番に棟50の傾斜面に密着するように載せて行っても良い。
次いで、第1の基台部110に備わる第1の押し当て部511の作動レバー515を緩めて第1の押し当て部511を棟50の第1の起立部55に押し付けて再び作動レバー515を回してこのネジ締め力で第1の押し当て部511を棟50の第1の起立部55にしっかりと押し当てた状態を維持する。同様に、第2の基台部120に備わる第2の押し当て部521の作動レバー525を緩めて第2の押し当て部521を棟50の第2の起立部56に押し付けて再び作動レバー525を回してこのネジ締め力で第2の押し当て部521を棟50の第2の起立部56にしっかりと押し当てた状態を維持する。
これによって、棟固定式屋根上作業用安全補助具10は、棟50の両方の幅方向に形成された第1の起立部55と第2の起立部56を介して屋根の棟50を幅方向においてしっかりと挟み込む。これによって、上述した第1の磁石ユニット210及び第2の磁石ユニット220がそれぞれ磁石によって棟50の第1の傾斜面51及び第2の傾斜面52にしっかりと密着していることと協働して、棟固定式屋根上作業用安全補助具10の棟50への固定作業を完了する。
次いで、棟固定式屋根上作業用安全補助具10に備えた安全ブロック400から安全紐を繰り出して作業者の着用するハーネス型安全帯や胴ベルト型安全帯に結合する。
なお、図4乃至図7は、上述した作業工程を視覚的に理解するために作成した参考図である。具体的には、図4は、第1の基台部110と第2の基台部120を棟50の頂部53を跨ぐように棟50の第1の傾斜面とに傾斜面に載置した状態を示している。また、図5は、図4に示した状態を安全ブロック400側から拡大して示す図であり、安全ブロック400側である第1の磁石ユニット210の水下側が作業者によって上側に持ち上げられ、第1の磁石ユニット210の各磁石ユニットエレメント700が並列配置された状態で水下側に向かって簾状に棟50の第1の傾斜面51から離れていることが理解できる。
また、図6は、図5に示す固定作業工程を終えて、第1の基台部110の第1の押し当て部511を棟50の傾斜面の水下側端部に形成された起立部に押し付ける直前の状態をより分かり易い角度から示す斜視図である。また、図7は、図6に続く工程作業工程を示す説明図であり、第1の基台部110の第1の押し当て部511を棟50の傾斜面の水下側端部に形成された第1の起立部55に向かってスライド移動させていき、第1の押し当て部511が第1の起立部55に当接した状態で作業者が手作業で更に押し付けた後に第1の押し当て部511に備わった2本の固定レバーを回転させてこれに備わるネジ部の締め付け力によって第1の押し当て部511を第1の起立部55にしっかりと取り付けて、第1の基台部110が棟50から外れないようにしたことを示す説明図である。
以上のようにして、作業者は、屋根の棟50の部分において棟固定式屋根上作業用安全補助具10を棟50の所定位置に身体的負担をかけずに迅速にかつ効率的に取り付けることができる。そして、安全ブロック400から繰り出した安全紐を着用中の安全帯に結合させて屋根の最も高い部分である棟50における自らの身を守ると共に、心理的にも安心して余裕を持って続く実際に行うべき屋根上作業を開始することが可能となる。
なお、屋根上作業にはかなり大掛かりなものもあるが、棟50の近辺や屋根の水流方向真ん中あたりまでの屋根の局所的な破損の補修等、比較的短時間で終わらせることができる作業も数多くある。この場合、従来のように屋根上作業の安全を確保するために先端にU字型フックを備えた主綱を持って屋根の棟50から軒先まで下り降りてU字型フックを軒先に引っ掛けようとする場合に生じる危険性を回避することが可能となる。
その理由は、屋根に関しては長期間に亘って使用することで特に近年の異常気象の影響を受けてそれほど長期間経過していないにも関わらず、目に見えない破損要因となる箇所が生じやすい傾向にある。そして、上述のように主綱を掘るだけの理由でそれ以外に必要性のない軒先へのU字型フックの係合のためにわざわざ軒先まで下り降りていくと、軒先付近に見た目には分からないがかなり傷んだ部分があるとすると、その部分に作業者が体重をかけただけでそれがきっかけで破損してしまう恐れがある。
そして、このような作業者の体重をかけた途端に屋根の軒先付近の破損が少しでも生じると、作業者が瞬間的にバランスを崩して屋根の上に倒れ込む間もなく軒先まで転げ落ちてしまい最悪の場合はそのまま軒先から地面に落下してしまう転落事故につながる恐れがある。つまり、本来必要としない余分な準備作業で上述のような転落事故に至ってしまう問題がある。
しかしながら、本発明によると、棟50の近辺や屋根の水流れ方向真ん中あたりまでの屋根の局所的な破損の補修等を行う場合、上述のようにわざわざ主綱の端部のU字型フックなどを軒先まで係合させる作業を必要とせず十分な安全性を確保できるため、上記した本来起こりえない招かざる屋根からの落下事故を防ぐことが可能となる。
また、屋根上作業が比較的大がかりで、本来の屋根上作業の開始にあたって主綱を予め棟50と軒先との間で張り渡す必要がある場合であっても、本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けて安全ブロック400から繰り出した安全紐を作業者が着用する安全帯に結合した状態で軒先まで主綱のU字型フックを持って下り降りていくことができる。
これによって、屋根の水流方向軒先側で上述のような屋根の思いがけない破損が生じても、作業者の安全帯に結合した安全紐が安全ブロック400を介して屋根の棟50にしっかりと固定した棟固定式屋根上作業用安全補助具10によって引っ張られた状態を維持するので、従来のように屋根の上を滑落した後に軒先から勢い良く落下して大怪我を負ってしまうような事態を回避することが可能となる。
これは、特に屋根上作業に慣れていない経験の浅い作業者にとっても屋根上作業を安心しながら続けて自らの技量として身に付ける上でも非常に有効であると言える。同じく、近年の異常気象による真夏日の増加に基づく熱中症の影響を最も直接的に受けやすい職種の1つである屋根上作業の安全を確保するためにも有意義である。
もちろん真夏日以外においても、スケジュール通りの作業を行うために風の強い日や台風や大型の低気圧が通過した直後の日に屋根上作業を行わなければならない場合も同様である。更には、近年の積雪地帯における大雪は屋根に降り積もってその重みで屋根自体が内在的に脆弱化している場合であっても、本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具10を使用することは安全対策として極めて有効であると言える。
図3は、図1に示した棟固定式屋根上作業用安全補助具10を複数個(図面中では2つ)屋根の棟50の長手方向に所定の間隔だけ隔てて取り付けた状態を、安全ブロック400を除いて示す斜視図である。上述したように、第1の基台部110においては、安全作業用具取付け部911,912が備わり、第2の基台部120においては、安全作業用具取付け部921,922が備わり、棟頂上側延在両基台結合部300においては、安全作業用具取付け部931,932,933が備わっている。
これらの安全作業用具取付け部には、各図面に示すように安全ブロック400のフックを係合させるだけでなく、当然のことながら主綱を結合する場合にも利用できる。そして、本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具10を使用する場合、図3に示すような状態において隣接する安全補助具の安全作業用具取付け部931,932,933同士についても主綱等で連結しておくことで、万一作業者が屋根の上で転倒しても作業者の体重をこの隣接する2つの棟固定式屋根上作業用安全補助具10でよりしっかりと受けることになり、作業者の身をより安全に守ることが可能となる。
屋根上作業を行うに際して、本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具10と合わせて使用することで、棟50と軒先との主綱の張り渡し作業をより簡単かつ迅速に極めて効率的に行うことができる主綱軒先係合用安全用具について説明する。
以下に、本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けて屋根上作業を行う具体的手順について説明する。なお、この説明においては上述した棟固定式屋根上作業用安全補助具10を屋根の棟50に取り付けるための簡略化した説明を、具体的図面を用いて本発明の優れた作用効果を十分に理解できるように行うための詳細な説明である。
しかしながら、本発明の作用効果を発揮し得る範囲内であれば、必ずしも以下に説明するような屋根上作業手順及び作業内容に限定されるものでないことは言うまでもない。また、本発明の実施の形態のあくまで一般論的な一例であるため、各図面における具体的な符合については、必要最小限のものを記載してそれ以外の符合については省略するものとする。
図9は、本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を用いて屋根上作業を実際に行う工程を時系列的に示す図であって、一方の作業者がはしご90を昇り始める状態を示すと共に、他方の作業者がはしご90を昇る準備を行っている状態を示す説明図である。
また、図10は、図9に示した屋根上作業に続く状態を示す図であって、一方の屋根上作業者は本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける準備を始め、他方の屋根上作業者は棟に向かって屋根を登り歩いている状態を示す説明図である。
また、図11は、図10に続く状態を示す図であって、一方の屋根上作業者RW1は作業者の着用する安全ハーネスと安全ブロックとを安全ロープで結合した状態で屋根の棟の近くで作業し、他方の屋根上作業者RW2は本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける準備を始めている状態を示す説明図である。
以下に、図9乃至図11の作業過程を図面に基づいて説明する。最初に、屋根上作業者は上述したように作業者は、棟固定式屋根上作業用安全補助具(以下適宜「安全補助具」とする)例えばしっかりと肩に掛けた状態で屋根の上に昇ることができるような収容袋WBなどに入れる。この際、棟固定式屋根上作業用安全補助具は、上述したように棟頂上側延在両基台結合部を回動中心として第1の基台部及び第2の基台部をいわゆるラップトップ型ノートパソコンのようにある角度開いた状態から閉じた状態にすることで、全体の小型化を達成しながら収容袋WBに入れておくことができる。
次いで、安全補助具を上述したように折り畳んだ状態で肩掛けタイプの収容袋WBを身に付けながらはしご90を昇って軒先の上に上がる。なお、はしご90を軒先に立てかけるにあたって、軒先とはしご90を所定の結合具でしっかりと結合して、屋根上作業者がはしご90を昇る際にはしご90が倒れないようにすると共に、はしご90の上端部と屋根上作業者の身体とを安全ロープで予め繋いでおく。
そして、屋根上作業者は、そのまま安全補助具を取り付ける棟の所定箇所まで登って行く。そして、安全補助具を固定する所定の棟の位置まで達したら、収容袋WBから安全補助具を取り出し、これを棟の所定位置に取り付ける作業を行う。
この際、安全補助具は上述した構成を有しているので、棟頂上側延在両基台結合部を回動中心として第1の基台部及び第2の基台部を棟の両側の傾斜面に合わせた角度をなすように開いて棟に載せて安全補助具を棟に固定する。この固定にあたっては、第1の基台部と第2の基台部を棟頂上側延在両基台結合部周りに略ハの字状に開いた状態にした上で、軒先をその幅方向において跨ぐように安全補助具を載せる。
安全補助具は、上述したように第1の基台部及び第2の基台部のそれぞれに磁石ユニットを有しているので、金属でできた棟の両側の傾斜面に第1の基台部及び第2の基台部が磁気引っ張り力によってしっかりと密着して安全補助具を棟に固定することができる。
また、この際、磁石ユニットに関しては、棟の傾斜面の状況を見て第1の基台部及び第2の基台部と共に同時に載せても良いし、棟の傾斜面の状態に問題がありそうな場合は、磁石ユニットの水下側に備わったユニット浮かし用持ち手を掴んでとりあえず第1の基台部と第2の基台部を棟の上に載せ、その後に上述したようにいわゆる簾を下ろすような要領で棟の頂部から水下側に向かって各磁石ユニットエレメントが順番に棟の傾斜面に密着するように載せて行っても良い。
特に棟の傾斜面に凹凸があったり一部が歪んでいたり部分的に沿っていたりした場合、後者のいわゆる簾を下ろすような要領で取り付けることで、棟の傾斜面をそれ以上傷めないように安全補助具を棟に固定することができると共に、棟の傾斜面の状態が上述したように芳しくなくても、磁石ユニットをそれぞれ構成する複数の磁石エレメントの少なくとも何れか一部が棟の傾斜面に密着することで、安全補助具を棟に固定することができる。
なお、上述の実施形態における安全補助具は、第1の基台部及び第2の基台部の下側部にすべり止めシートを有すると共に、第1の基台部及び第2の基台部の水下側に保護シートを有しているので、安全補助具を棟に固定する際に棟の傾斜面やこの付近の屋根の上面を傷つけたり破損させたりするのを防止できる。
次いで、第1の基台部に備わる第1の押し当て部の作動レバーを上述の要領で操作して、第1の押し当て部を棟の第1の起立部にしっかりと押し当てた状態を維持する。同様に、第2の基台部に備わる第2の押し当て部の作動レバーを上述の要領で操作して第2の押し当て部を棟の第2の起立部にしっかりと押し当てた状態を維持する。
これによって、棟固定式屋根上作業用安全補助具は、棟の両方の幅方向に形成された第1の起立部と第2の起立部を介して屋根の棟を幅方向においてしっかりと挟み込む。これによって、上述した第1の磁石ユニット及び第2の磁石ユニットがそれぞれ磁石によって棟の第1の傾斜面及び第2の傾斜面にしっかりと密着していることと協働して、棟固定式屋根上作業用安全補助具の棟への固定作業を完了する。
次いで、棟固定式屋根上作業用安全補助具に備えた安全ブロックから安全紐を繰り出して作業者の着用するハーネス型安全帯や胴ベルト型安全帯に結合する。以上のようにして、作業者は、屋根の棟の部分において棟固定式屋根上作業用安全補助具を棟の所定位置に身体的負担をかけずに迅速にかつ効率的に取り付けることができる。
そして、棟の近辺や屋根の水流方向真ん中あたりまでの屋根の局所的な破損の補修等、比較的短時間で終わらせることができる作業を行う。この際、この際、安全ブロックは、保護シートの上面において屋根上作業者の作業中の安全紐の動きに応じて動くようになっているので、安全ブロックが屋根の上面に直接接することなく、屋根上作業者の作業中に屋根の上面に傷や擦れ跡を残してしまうこともなく、屋根上作業後にクレームが付くことを防止できる。
以上のように棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた後に、屋根上作業者は、安全ブロックから繰り出した安全紐を着用中の安全帯に結合させて屋根の最も高い部分である棟50の近くの屋根上作業を行う。
図12は、図11に続く状態を示す図であって、屋根の棟に所定の間隔を隔てて取り付けた2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具のそれぞれに各屋根上作業者が着用する安全ハーネスと安全ブロックとを安全ロープで結合した状態で屋根の棟の近くで各自屋根上作業を行っている状態を示す説明図である。
また、図13は、図12に示した屋根上作業に続く状態を示す図であって、屋根の棟に所定の間隔を隔てて取り付けた2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を主綱に相当するしっかりとした連結ロープ900で互いに繋いで安全性を更に高めた状態で、2人の作業者が屋根の棟の近くで屋根上作業を行っている状態を示す説明図である。
なお、図12から図13に至る過程において、一方の屋根上作業者RW1が安全ハーネスと安全ブロックとを安全紐で既に繋いでいるので、一方の屋根上作業者RW1が棟に取り付けた安全補助具の棟頂上側延在両基台結合部に備わる安全作業用具取付け部と、他方の屋根上作業者RW2が安全補助具を棟に取り付けた後に棟頂上側延在両基台結合部に備わる安全作業用具取付け部との間を上述した主綱に相当する十分な太さと引っ張り強度を有する連結ロープ900でしっかりと結合している。
図14は、図13に示した屋根上作業に続く状態を示す図であって、図13のように屋根の棟に所定の間隔を隔てて取り付けた2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を主綱に相当するしっかりとした連結ロープ900で互いに繋いで屋根上作業の安全性を更に高めた状態となっている。
この状態においては、一方の作業者が一方の棟固定式屋根上作業用安全補助具の安全ブロックと作業者自身が着用する安全用具ハーネスとを繋いだまま軒先まで下がっていき、軒先の状態を調べて必要に応じて修理作業を行っている。そして、他方の屋根上作業者RW2は、他方の棟固定式屋根上作業用安全補助具の近くで待機して、一方の屋根上作業者RW1の屋根上からの落下の危険性が高まる軒先付近の屋根上作業を安全上念のために見守っている。
これによって、一方の屋根上作業者RW1が軒先で作業中に他方の作業者がこの作業を安全に行われているかどうかを客観的に確認して判断し、もし何か問題があれば一方の作業者に直ぐに伝えることができる。
なお、図14においては他方の作業者も安全ブロックと安全ハーネスを安全紐で繋いだ状態で棟に腰掛けて休んでいる。このような形態は例えば屋根上作業の当日が酷暑で熱中症になるような環境において他方の屋根上作業者RW2の体調がその日にたまたま勝れず、それでもなんとか屋根上作業を行うために屋根の棟まで登ったが、屋根からの輻射熱で身体が高温に晒され更に体調が悪化してしまい、その場で休憩している状態も兼ね合わせて示している。
このような場合において、万が一他方の屋根上作業者RW2の意識が急に朦朧としてきて棟の上に腰掛けていることができなくなり、その付近に倒れ込んでも、本発明に係る安全補助具を安全紐でその場に留まっておくことができ、屋根の棟付近から軒先までの滑落及び屋根の軒先からの転落に至る重大事故を未然に防止することができる。
なお、屋根の棟に所定の間隔を隔てて取り付けた2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を主綱に相当するしっかりとした連結ロープ900で互いに繋いでおくことが非常に好ましい形態といえる。これによって、例えば屋根上作業者が当初予定していた棟近傍の屋根の修繕等だけでなく、当初の予定外であって実際に屋根の上に登って軒先の近くの一部の痛み具合に気が付いた時、軒先付近まで屋根の様子を見に下がっていってそのままなんらかの理由により軒先から万が一転落してもダメージを最小限に抑えることができる。即ち、屋根上作業者の安全ハーネスと安全補助具の安全ブロックとが安全紐でつながった状態にあるので、通常軒先の付近の作業において用いられている主綱を棟と軒先との間で張り渡していなくても、屋根から重大な落下事故を回避することができる。
この理由は、屋根上作業者が軒先付近で何らかの理由で急に転んだり倒れたりして、安全紐を介して屋根上作業者の体重全体が一気に棟固定式屋根上作業用安全補助具に作用して、この安全補助具がもしも棟から外れたとしても、この過程に至るまでに屋根の棟に安全補助具をしっかりと密着させた安全補助具の磁気引っ張り力に対抗して安全補助具を屋根の棟から無理矢理に引き離すことが必要となる。
これによって、屋根上作業者は、軒先からいきなり自然落下することにならず、安全補助具を屋根の棟から無理矢理に引き離す間の時間、落下を遅らせたり、落下した後であっても落下速度を自然落下の際のスピードからかなり押さえ込んだ速度で落下したりできる。
そして、屋根上作業者は、その分の時間的余裕を持つことができ、パニック状態のまま危険な体勢で墜落することなく、落下中に自らの姿勢を変えて頭部や背中の脊椎部分、腰椎部分を保護するように手足を使って軒先の下に着地することができる。これによって、自然落下に伴う軒先からその直下への位置エネルギーが身体の中で最も重要な部分である頭部や頸椎、脊椎、腰椎にいきなり全体的に加わることなく、屋根からの重大でかつ深刻な落下事故を防ぐことができる。
また、軒先から落下しても、途中でいわゆる宙ぶらりん状態となって全く怪我をせずに済んだり、例えば軒先との軒下との高さの真ん中辺りで一旦宙ぶらりん状態となった後に軒下に着地して身体にさほど影響のない打撲やすり傷程度の怪我で済ましたりすることができる。これは、一旦宙ぶらりん状態となった時に自分の姿勢を安全に着地できる姿勢に変えることができる時間的かつ心理的な余裕ができるからである。
図15(a)は、図9乃至図14に示した屋根上と異なり、屋根を上方から見て中心部から四隅に向かってそれぞれ下りながら延在するいわゆる下り棟の形態をなす方型の屋根の4つの下り棟にそれぞれに本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を取り付けると共に、隣接する棟固定式屋根上作業用安全補助具同士を主綱に相当するしっかりとした連結ロープ900で互いに繋いで安全性を更に高めた状態で、2人の作業者が屋根の棟の近くで屋根上作業を行っている状態を示す説明図である。
また、図15(b)は、図15(a)に示す方型の屋根の変形例であって、屋根全体が大きく屋根の中心部において長手方向に沿って水平棟が延在しているいわゆる寄せ棟の形態をなす大きな屋根において、4つの下り棟にそれぞれに本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を1つずつ取り付けると共に、水平棟に所定間隔隔てて2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を取り付け、それぞれの隣接する棟固定式屋根上作業用安全補助具同士を主綱に相当するしっかりとした連結ロープ900で互いに繋いで安全性を更に高めた状態で、4人の作業者が屋根の棟の近くで屋根上作業を行っている状態を示す説明図である。
図15(a)及び図15(b)から分かるように、本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、棟が金属製の棟であれば、水平棟の代わりに下り棟にもしっかりと固定して取り付けることが可能である。
この場合、屋根が、図15(a)に示すような方型の屋根の場合、4つの下り棟にそれぞれに本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具を取り付けると共に、隣接する棟固定式屋根上作業用安全補助具同士を主綱に相当するしっかりとした連結ロープ900で互いに繋ぐことで、この4つの安全補助具が互いにしっかりと方型の屋根のそれぞれの棟の部分に固定して取り付けられ、屋根上作業者の安全が屋根上作業を確保することができる。
同様に、屋根が、図15(b)に示すような水平棟と下り棟の組み合わさった屋根の場合、それぞれの棟に取り付けた棟固定式屋根上作業用安全補助具同士を主綱に相当するしっかりとした連結ロープ900で互いに繋ぐことで、この6つの安全補助具が互いにしっかりと屋根のそれぞれの棟の部分に固定して取り付けられ、屋根上作業者の安全が屋根上作業を確保することができる。
以上のようにして屋根上作業を終えた後に、上述した棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた手順と逆の手順で片付け作業を行う。この際、棟固定式屋根上作業用安全補助具には、棟の傾斜面やこの付近の屋根の表面との密着する部分において、すべり止めシートや保護シートを備えているので、例えば安全補助具の棟跨ぎ型取付け支持部を張り上げるだけで、いわゆるラップトップパソコンを閉じるような要領で両側に開いた安全補助具を閉じて小型化することができ、例えば肩掛け型収容バックに素早く簡単に収容することができる。そして、それ以外の安全ブロックや屋根上作業のための工具類を入れた収容袋WBを上述の肩掛け型収容バックに入れて屋根の軒先のはしご90の部分まで下り降りていき、はしご90を降りて屋根上作業を迅速かつ効率的に終えることが可能となる。
なお、本発明は、その各構成要素が上述の実施形態に記載した寸法、形状、材質、個数に限定されるものでなく、その作用効果を発揮しうる範囲内でこれらの寸法、形状、材質、個数を適宜選択可能であることは言うまでもない。
具体的には、図9乃至図14においては、水平棟に所定間隔隔てて2つの本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具が取り付けられていたが、必ずしもこの個数に限定されるものではなく、建物の屋根の大きさや屋根上作業の内容や程度に応じて1つ又は3つ以上棟固定式屋根上作業用安全補助具を取り付けて良いことは言うまでもない。
また、棟が金属の板材でできていれば、屋根自体は一般的なスレート屋根に本発明を適用可能であるが、屋根自体が瓦などのそれ以外の材質でできていても本発明は同様に適応可能である。
また、屋根自体が金属屋根の場合は、上述したように屋根上作業者の軒先からの落下に伴って万が一安全補助具が棟から外れても、それ自身の磁力により金属屋根に密着するので、軒先作業者の落下速度を極めて低く抑えることができ、軒先からの落下に伴うダメージを極めて小さく抑えることができる。
また、特に棟が水平棟の場合、棟自体が金属でできていなくても棟固定式屋根上作業用安全補助具が棟を跨ぐように乗っかった状態で置かれるため、それ自身の重さや跨ぐような形態でおかれたことに起因して、本発明の作用をそれなりに発揮することが可能である。
また、本実施形態においては、棟固定式屋根上作業用安全補助具に備わる一方の側の磁石ユニットと他方の側の磁石ユニットは、それぞれ磁石ユニットエレメントを復数本並列に簾状に配置していたが、それぞれの磁石ユニットを単一の磁石ユニットとしても良く、若しくは平面視矩形又は円形の厚板状磁石をマトリックス状に配置させてそれぞれの磁石ユニットを構成するようにしても良い。
また、本発明に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具には、所定の面積を有する保護シートを備えると共に、安全ブロックや主綱等の安全ロープを繋ぐための結合部としてのフックを有しているので、このフックを利用して例えば工具袋に収容した作業用の工具をくくりつけておくことができる。これによって、作業用の工具が屋根から転がって落下するのを防止し、屋根に傷がついたり擦れが生じたりさせることなく屋根面の保護を図ると共に、軒先からの工具等の予期せぬ落下に伴う危険性の排除を図ることが可能となる。
また、上述の作業用工具を工具袋などに入れてまとめて安全補助具のフックにくくりつけておくことで、屋根上作業の内容ごとに必要な工具を棟に取り付けた安全補助具のところにいって調達することができるので、屋根上作業を効率良く行うことができ、短時間で必要な屋根上作業を終えて作業者の疲労軽減を図ると共に、例えば猛暑の炎天下での屋根上作業の疲労に伴う体調悪化によって生じる立ちくらみなどによって屋根から転落する落下事故を防止することが可能となる。
以上のような理由で、屋根上作業者がこの作業に慣れていない初心者や、熟練者であるが年齢等の理由により長時間の作業で体調がすぐに悪化してしまう恐れのある作業者であっても、安全を確保しながら屋根上作業を行うことが可能となる。
10 棟固定式屋根上作業用安全補助具
50 棟
51 第1の傾斜面
52 第2の傾斜面
53 頂部
61 第1の棟立ち上がり面
62 第2の棟立ち上がり面
100 棟跨ぎ型取付け支持部
110 第1の基台部
120 第2の基台部
200(210,220) 磁石ユニット
210 第1の磁石ユニット
211 棒状磁石
212 磁石枠
213 上蓋
220 第2の磁石ユニット
300 棟頂上側延在両基台結合部
314 底板
315 すべり止めシート
316 締結具
400 安全ブロック
510 第1の押し付け機構
511 第1の押し当て部
520 第2の押し付け機構
521 第2の押し当て部
700 磁石ユニットエレメント
800 保護シート
850 磁石エレメント結合帯
900 連結ロープ
931,932,933 安全作業用具取付け部
RW1 一方の屋根上作業者
RW2 他方の屋根上作業者
WB 収容袋
本発明の請求項1に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、
屋根上における作業を安全に行うための棟固定式屋根上作業用安全補助具であって、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具は、前記棟の一方の端部から他方の端部の間であって屋根上作業を行う領域における当該屋根上作業の安全を確保できる位置に着脱自在に装着される屋根上作業用安全補助具であり、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記屋根の棟の長手方向の何れか一方の端部側から見て、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟の頂部に沿ってその上側に配置される所定長さの棟頂上側延在両基台結合部と、前記棟頂上側延在両基台結合部に対して回動可能となるように当該棟頂上側延在両基台結合部に連結されかつ前記棟の頂部の下側の一方の傾斜面をなす第1の傾斜面の一定領域に重なるように載置可能な第1の基台部と、前記棟頂上側延在両基台結合部に対して回動可能となるように当該棟頂上側延在両基台結合部に連結されかつ前記棟の頂部の下側の他方の傾斜面をなす第2の傾斜面の一定領域に亘って重なるように載置可能な第2の基台部を有する棟跨ぎ型取付け支持部と、
前記第1の基台部に備わった第1の磁石ユニットであって、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、当該第1の磁石ユニットから生じる第1の磁気引っ張り力によって前記第1の基台部と共に前記棟の第1の傾斜面に密着する第1の磁石ユニットと、
前記第2の基台部に備わった第2の磁石ユニットであって、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、当該第2の磁石ユニットから生じる第2の磁気引っ張り力によって前記第2の基台部と共に前記棟の第2の傾斜面に密着する第2の磁石ユニットと、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第1の基台部と第2の基台部の少なくとも何れか一方に結合された屋根上安全作業用の安全ブロックとを有し、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具は、前記屋根の棟に取り付けた後に屋根上作業者の着用する安全帯に前記安全ブロックから延在するストラップを結合させた状態で当該屋根上作業者が当該屋根からの墜落を抑止することを特徴としている。
また、本発明の請求項2に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、請求項1に係る作業のための安全補助具において、
前記第1の基台部には、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第1の基台部を載置した前記第1の傾斜面の水下側から前記棟の長手方向に沿って折り曲げられた状態で延在する第1の棟立ち上がり面に前記第1の基台部の一部をなす第1の押し当て部を押し付けることを可能とする第1の押し付け機構が備わり、
前記第2の基台部には、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第2の基台部を載置した前記第2の傾斜面の水下側から前記棟の長手方向に沿って折り曲げられた状態で延在する第2の棟立ち上がり面に前記第2の基台部の一部をなす第2の押し当て部を押し付けることを可能とする第2の押し付け機構が備わり、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第1の押し付け機構によって前記第1の押し当て部を前記第1の棟立ち上がり面に押し付けると共に、前記第2の押し付け機構によって前記第2の押し当て部を前記第2の棟立ち上がり面に押し付けることで、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を、前記第1の磁石ユニット及び第2の磁石ユニットがそれらの磁力によって前記棟の第1の傾斜面及び第2の傾斜面に密着することに加えて、前記第1の押し当て部と前記第2の押し当て部が協働して前記棟の第1の立ち上がり面と第2の立ち上がり面に対する前記棟固定式屋根上作業用安全補助具の密着度合いをより高めることで、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具の前記棟に対する取付け固定状態をより強固に維持することを特徴としている。
また、本発明の請求項3に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、請求項1に係る作業のための安全補助具において、
前記第1の基台部は、枠型形状を有しており、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で見て、前記第1の磁石ユニットは、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を前記屋根の棟に取り付けた状態で、細長の磁石ユニットエレメントが複数本それぞれ前記棟の長手方向に対して平行になるように前記第1の基台部の枠内に並列配置され、かつ各磁石ユニットエレメントは、前記第1の基台部の棟頂部側に結合され当該各磁石エレメントの長手方向に対して交差する方向に所定の長さで延びる磁石エレメント結合帯によって互いに結合され、
かつ前記磁石エレメント結合帯は、前記第1の基台部の棟頂部側に結合された結合端部と反対側の端部が自由端部をなしており、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける際に、前記自由端部を前記第1の基台部から上側に離間させた状態で前記第1の基台部を前記棟の第1の傾斜面に載置可能にすると共に、前記自由端部を前記第1の基台部に近づけていくことで、前記複数本からなる磁石エレメントを水上側から水下側の順番で前記棟の第1の傾斜面に磁力で順々に密着結合させていくことを特徴としている。
また、本発明の請求項4に係る棟固定式屋根上作業用安全補助具は、請求項1に係る作業のための安全補助具において、
前記第2の基台部は、枠型形状を有しており、
前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で見て、前記第2の磁石ユニットは、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を前記屋根の棟に取り付けた状態で、細長の磁石ユニットエレメントが複数本それぞれ前記棟の長手方向に対して平行になるように前記第2の基台部の枠内に並列配置され、かつ各磁石ユニットエレメントは、前記第2の基台部の棟頂部側に結合され当該各磁石エレメントの長手方向に対して交差する方向に延在する磁石エレメント結合帯によって互いに結合され、
かつ前記磁石エレメント結合帯は、前記第2の基台部の棟頂部側に結合された結合端部と反対側の端部が自由端部をなしており、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける際に、前記自由端部を前記第2の基台部から上側に離間させた状態で前記第2の基台部を前記棟の第2の傾斜面に載置可能にすると共に、前記自由端部を前記第2の基台部に近づけていくことで、前記複数本からなる磁石エレメントを水上側から水下側の順番で前記棟の第2の傾斜面に磁力で順々に密着結合させていくことを特徴としている。

Claims (7)

  1. 屋根上における作業を安全に行うための棟固定式屋根上作業用安全補助具であって、
    前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記屋根の棟の延在方向から見て、当該棟の頂部に沿ってこの棟の上を所定の長さだけ延在する棟頂上側延在両基台結合部と、前記棟頂上側延在両基台結合部の軸心廻りに回動可能に連結され前記棟の頂部の下側の一方の傾斜面をなす第1の傾斜面の一定領域に重なるように載置可能な第1の基台部と、前記棟頂上側延在両基台結合部の軸心廻りに回動可能に連結され前記棟の頂部の下側の他方の傾斜面をなす第2の傾斜面の一定領域に亘って重なるように載置可能な第2の基台部を有する棟跨ぎ型取付け支持部と、
    前記第1の基台部に備わった第1の磁石ユニットであって、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、当該第1の磁石ユニットから生じる第1の磁気引っ張り力によって前記第1の基台部と共に前記棟の第1の傾斜面に密着する第1の磁石ユニットと、
    前記第2の基台部に備わった第2の磁石ユニットであって、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、当該第2の磁石ユニットから生じる第2の磁気引っ張り力によって前記第2の基台部と共に前記棟の第2の傾斜面に密着する第2の磁石ユニットと、
    前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第1の基台部と第2の基台部の少なくとも何れか一方に結合された屋根上安全作業用の安全ブロックとを有し、
    前記屋根の棟の任意の所定箇所において、前記棟の延在方向と所定の領域に当該棟の頂部を跨いでその棟の部分一方の傾斜面と他方の傾斜面のそれぞれの所定領域に着脱可能に固定されるようになっており、かつ前記屋根の棟に取り付けた後に作業者の着用する安全帯に前記安全ブロックから延在するストラップを結合させた状態で前記屋根上作業者が当該屋根からの墜落を抑止することを特徴とする棟固定式屋根上作業用安全補助具。
  2. 前記第1の基台部には、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第1の基台部を載置した前記第1の傾斜面の水下側から前記棟の長手方向に沿って折り曲げられた状態で延在する第1の棟立ち上がり面に前記第1の基台部の一部をなす第1の押し当て部を押し付けることを可能とする第1の押し付け機構が備わり、
    前記第2の基台部には、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第2の基台部を載置した前記第2の傾斜面の水下側から前記棟の長手方向に沿って折り曲げられた状態で延在する第2の棟立ち上がり面に前記第2の基台部の一部をなす第2の押し当て部を押し付けることを可能とする第2の押し付け機構が備わり、
    前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付けた状態で、前記第1の押し付け機構によって前記第1の押し当て部を前記第1の棟立ち上がり面に押し付けると共に、前記第2の押し付け機構によって前記第2の押し当て部を前記第2の棟立ち上がり面に押し付けることで、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を、前記第1の磁石ユニット及び第2の磁石ユニットがそれらの磁力によって前記棟の第1の傾斜面及び第2の傾斜面に密着することに加えて、前記第1の押し当て部と前記第2の押し当て部が協働して前記棟の第1の立ち上がり面と第2の立ち上がり面及びこの間の棟の部分を挟み込んで前記棟固定式屋根上作業用安全補助具の前記棟に対する取付け固定状態をより強固に維持することを特徴とする請求項1に記載の棟固定式屋根上作業用安全補助具。
  3. 前記第1の基台部は、枠型形状を有しており、
    前記第1の磁石ユニットは、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を前記屋根の棟に取り付けた状態で、細長の磁石ユニットエレメントが複数本それぞれ前記棟の延在方向と平行になるように前記第1の基台部の枠内に並列配置され、かつ各磁石ユニットエレメントは、前記第1の基台部の棟頂部側に結合され当該各磁石エレメントの延在方向に対して交差する方向に延在する磁石エレメント結合帯によって互いに結合され、
    かつ前記磁石エレメント結合帯は、前記第1の基台部の棟頂部側に結合された結合端部と反対側の端部が自由端部をなしており、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける際に、前記自由端部を前記第1の基台部から上側に離間させた状態で前記第1の基台部を前記棟の第1の傾斜面に載置可能にすると共に、前記自由端部を前記第1の基台部に近づけていくことで、前記複数本からなる磁石エレメントを水上側から水下側の順番で前記棟の第1の傾斜面に磁力で順々に密着結合させていくことを特徴とする請求項1に記載の棟固定式屋根上作業用安全補助具。
  4. 前記第2の基台部は、枠型形状を有しており、
    前記第2の磁石ユニットは、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を前記屋根の棟に取り付けた状態で、細長の磁石ユニットエレメントが複数本それぞれ前記棟の延在方向と平行になるように前記第2の基台部の枠内に並列配置され、かつ各磁石ユニットエレメントは、前記第2の基台部の棟頂部側に結合され当該各磁石エレメントの延在方向に対して交差する方向に延在する磁石エレメント結合帯によって互いに結合され、
    かつ前記磁石エレメント結合帯は、前記第2の基台部の棟頂部側に結合された結合端部と反対側の端部が自由端部をなしており、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を屋根の棟に取り付ける際に、前記自由端部を前記第2の基台部から上側に離間させた状態で前記第2の基台部を前記棟の第2の傾斜面に載置可能にすると共に、前記自由端部を前記第2の基台部に近づけていくことで、前記複数本からなる磁石エレメントを水上側から水下側の順番で前記棟の第2の傾斜面に磁力で順々に密着結合させていくことを特徴とする請求項1に記載の棟固定式屋根上作業用安全補助具。
  5. 前記第1の基台部及び前記第2の基台部には、少なくともそれらの一方において主綱や更なる安全ブロックを着脱可能に取り付ける安全作業用具取付け部が少なくとも1つ備わっていることを特徴とする請求項1に記載の棟固定式屋根上作業用安全補助具。
  6. 前記安全ブロックは、これから繰り出されかつ端部が屋根上作業者の安全帯に結合される安全作業用ストラップの当該安全ブロックからの繰り出し部が前記棟跨ぎ型取付け支持部より水下側に位置するように備わっていることを特徴とする請求項1に記載の棟固定式屋根上作業用安全補助具。
  7. 前記棟固定式屋根上作業用安全補助具を前記屋根の棟に取り付ける際に、前記棟固定式屋根上作業用安全補助具の前記棟に密着する部分には、当該棟の表面を傷付きや擦れから保護するための保護シートが備わっていることを特徴とする請求項1に記載の棟固定式屋根上作業用安全補助具。
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