JP2023162830A - 二次電池の製造方法および二次電池 - Google Patents

二次電池の製造方法および二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2023162830A
JP2023162830A JP2022073496A JP2022073496A JP2023162830A JP 2023162830 A JP2023162830 A JP 2023162830A JP 2022073496 A JP2022073496 A JP 2022073496A JP 2022073496 A JP2022073496 A JP 2022073496A JP 2023162830 A JP2023162830 A JP 2023162830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
secondary battery
pressing member
manufacturing
width direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022073496A
Other languages
English (en)
Inventor
友博 野間
Tomohiro Noma
太貴 野中
Taiki Nonaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Prime Planet Energy and Solutions Inc
Original Assignee
Prime Planet Energy and Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Prime Planet Energy and Solutions Inc filed Critical Prime Planet Energy and Solutions Inc
Priority to JP2022073496A priority Critical patent/JP2023162830A/ja
Publication of JP2023162830A publication Critical patent/JP2023162830A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】積層型電極体において正負極およびセパレータの積層位置がずれることを抑制する二次電池の製造方法を提供すること。【解決手段】ここに開示される二次電池の製造方法は、正極50と負極60とが帯状のセパレータ70を介して積層される積層型電極体20を備える二次電池の製造方法であって、帯状のセパレータ70の長手方向Xにおいて平面部71と折り曲げ部72とが交互に設けられるように、該セパレータ70をつづら折り状に積層する積層工程を含む。積層工程は、第1折り曲げ部72aを形成する第1折り曲げ処理と、形成された第1折り曲げ部72aにおいて、セパレータ70の長手方向Xと直交する幅方向Yの少なくとも一部を切断する第1切断処理と、第2折り曲げ部72bを形成する第2折り曲げ処理と、を少なくとも含む。【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池の製造方法および二次電池に関する。
近年、二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池)は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)等の車両に搭載される駆動用電源として好適に用いられている。
かかる二次電池は、例えば発電要素である電極体と非水電解質とが電池ケースの内部に収容されて構築される。かかる電極体は、例えば正極活物質を含む正極と負極活物質を含む負極とがセパレータを介して交互に積層される。特許文献1~3には、複数の正極板と複数の負極板を、つづら折り状に折り返されたセパレータに挟み込んでなるつづら折り状の積層型電極体が開示されている。また、特許文献4においては、かかるつづら折り状の積層型電極体の製造装置として、セパレータ供給機構と、つづら折り機構と、正極板積層機構と、負極板積層機構と、を備える製造装置が開示されている。当該製造装置においては、固定ツメ(治具)を用いてセパレータを積層テーブルに固定することが開示されている。
特表2004-503055号公報 特開2016-143550号公報 特開2021-048141号公報 特開2017-016946号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果によれば、特許文献4に記載されるような治具を用いてつづら折り状の積層型電極体を製造した場合には、正負極とセパレータとの間から治具を引き抜く際に摩擦が生じて、積層位置がずれることを見出した。つづら折り状の積層型電極体において積層位置がずれることにより、当該積層型電極体を備える二次電池において、短絡などが発生し得るおそれがあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、積層型電極体において正負極およびセパレータの積層位置がずれることを抑制する二次電池の製造方法を提供することにある。また、他の目的は、当該積層位置のずれが抑制されることにより、電池性能が向上した二次電池を提供することにある。
ここに開示される二次電池の製造方法は、正極と負極とが帯状のセパレータを介して積層される積層型電極体を備える二次電池の製造方法であって、上記帯状のセパレータの長手方向において平面部と折り曲げ部とが交互に設けられるように、該セパレータをつづら折り状に積層する積層工程を含む。上記積層工程は、上記平面部の一部であって、上記折り曲げ部に近接する位置を押さえる第1押さえ部材を起点として、第1折り曲げ部を形成する第1折り曲げ処理と、上記形成された第1折り曲げ部において、上記セパレータの上記長手方向と直交する幅方向の少なくとも一部を切断する第1切断処理と、上記平面部の一部であって、上記第1折り曲げ処理によって形成された第1折り曲げ部ではない次の折り曲げ部に近接する位置を押さえる第2押さえ部材を起点として、第2折り曲げ部を形成する第2折り曲げ処理と、を少なくとも含む。
かかる構成によれば、セパレータの幅方向の一部が切断されていることにより、押さえ部材を引き抜く際の摩擦が低減する。これにより、押さえ部材が移動することに伴って、正負極やセパレータが所望する積層位置からずれることを抑制する。したがって、積層型電極体において積層位置のずれが抑制された二次電池を好適に製造することができる。
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、上記第1切断処理は、上記第1折り曲げ部における上記セパレータの上記幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータを10%以上切断するように実施する。
かかる構成によれば、押さえ部材が好適に移動することができ、積層型電極体における積層位置のずれを抑制することができる。
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、上記第1切断処理は、上記第1折り曲げ部における上記セパレータの上記幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータを95%以下切断するように実施する。
かかる構成によれば、より好適に積層型電極体における積層位置のずれを抑制することができる。
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、上記第1切断処理は、上記平面部の一部であって、上記第1折り曲げ部ではない次の折り曲げ部に近接する位置が上記第2押さえ部材によって押さえられた後に実施する。
かかる構成によれば、より安定的に第1切断処理を実施することができるため、積層型電極体における積層位置のずれを好適に抑制することができる。
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、上記第1折り曲げ処理において、上記第1押さえ部材は複数の治具から構成され、上記第1切断処理は、上記第1折り曲げ部において、上記セパレータの上記幅方向の少なくとも2か所を切断するように実施する。
かかる構成によれば、押さえ部材の移動距離を減少させることができるため、積層型電極体における積層位置のずれをより好適に抑制することができる。
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、上記第1折り曲げ処理において、上記第1押さえ部材は1つの治具から構成され、上記第1切断処理は、上記折り曲げ部において、上記セパレータの上記幅方向の長さの全てを切断するように実施する。
かかる構成によれば、好適に積層型電極体における積層位置のずれを抑制することができる。
また、別の側面から、ここに開示される二次電池が提供される。ここに開示される二次電池は、正極と負極とが帯状のセパレータを介して積層された積層型電極体を備える二次電池であって、上記積層型電極体は、該積層型電極体の長手方向において、平面部と該平面部の両端に折り曲げ部とが設けられるように、上記セパレータがつづら折り状に積層されている。上記つづら折り状に積層されたセパレータの積層方向において、上記正極と上記負極とが該セパレータの間に交互に配置されている。ここで、上記折り曲げ部において上記セパレータは、上記長手方向と直交する幅方向の少なくとも一部が切断されている。また、ここに開示される二次電池の好適な一態様では、上記折り曲げ部において、上記セパレータの上記幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータが10%以上95%以下切断されている。
かかる構成によれば、積層型電極体における積層位置のずれが好適に抑制されることにより、短絡の防止が実現される。また、正極と負極とが対向する面積をより増大させることができ、電池性能が向上した二次電池を提供することができる。
一実施形態に係るつづら折り積層型電極体の構造を模式的に示す図である。 一実施形態に係る二次電池の製造方法の積層工程において用いられる製造装置一例を模式的に示す図である。 一実施形態に係る二次電池の製造方法の積層工程において用いられる製造装置一例を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る第1折り曲げ処理および第1切断処理を模式的に示す図である。 一実施形態に係る二次電池の構成を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る第1折り曲げ処理および第1切断処理を模式的に示す図である。
以下、ここで開示される技術の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、ここで開示される技術の実施に必要な事柄(例えば、ここに開示される技術を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここで開示される技術は、本明細書に開示されている内容と、当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において「A~B」として表現される数値範囲には、AおよびBが含まれる。
本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)と、を包含する概念である。
1.二次電池の製造方法
ここに開示される二次電池の製造方法は、帯状のセパレータを該セパレータの長手方向において平面部と折り曲げ部とが交互に設けられるつづら折り状に積層する積層工程を含む。当該積層工程は、上記平面部の一部であって、折り曲げ部に近接する位置を押さえる第1押さえ部材を起点として、第1折り曲げ部を形成する第1折り曲げ処理と、形成された第1折り曲げ部において、セパレータの長手方向と直交する幅方向の少なくとも一部を切断する第1切断処理と、上記平面部の一部であって、上記第1折り曲げ処理によって形成された第1折り曲げ部ではない次の折り曲げ部に近接する位置を押さえる第2押さえ部材を起点として、第2折り曲げ部を形成する第2折り曲げ処理と、を少なくとも含んでいる。なお、ここに開示される二次電池の製造方法は、上記したように第1折り曲げ処理、第1切断処理および第2折り曲げ処理を含むこと以外の点については、従来公知の製造方法と同様であってもよい。また、任意の段階でさらに他の工程を含んでいてもよい。
図1は、つづら折り状に積層された積層型電極体20の構造を模式的に示した図である。図2および図3はここに開示される二次電池の製造方法の積層工程を具現化する製造装置100の一例を模式的に示す図である。また、図4は第1折り曲げ処理および第1切断処理を模式的に示す図である。なお、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表し、図面中の符号X、Y、Zは、積層型電極体20の長手方向、長手方向と直交する幅方向、および上下方向をそれぞれ表すものとする。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、積層型電極体20の設置形態を何ら限定するものではない。積層型電極体20の長手方向Xはセパレータ70の長手方向と一致し、積層型電極体20の幅方向Yはセパレータ70の幅方向と一致する。
図2および図3に示す製造装置100は、ここに開示される二次電池の製造方法において用いられ得る。製造装置100は、例えばセパレータ供給部110と、積層部120と、正極供給部130と、負極供給部140と、を備えている。セパレータ供給部110は、予め定められた搬送経路に沿って、セパレータシート70を積層部120に供給する。セパレータ供給部110は、典型的には、複数の供給ローラ112および複数のガイドローラ114を用いて、セパレータシート70の長手方向に沿って搬送する。なお、図中の矢印は搬送方向を示している。
<第1実施形態>
第1実施形態においては、上記した積層工程において用いられる押さえ部材が複数の治具から構成されている形態について説明する。
(1)積層工程
積層工程では、正極50および負極60が長尺状のセパレータ70を介して、積層方向(図1のZ方向)において交互に積層される積層型電極体20を作製する。セパレータ70(以下、「セパレータシート70」ともいう。)は、該セパレータ70の長手方向Xにおいて所定の間隔で山折りと谷折りを繰り返すことによって、つづら折り状に折り曲げられている。かかる山折りと谷折りの部分は、図1に示す折り曲げ部72(第1折り曲げ部72aと第2折り曲げ部72b)を形成する。積層型電極体20は、図1に示すように、該積層型電極体20の長手方向Xにおいて、平面部71と、該平面部71の両端において第1折り曲げ部72a(図1の右端側)および第2折り曲げ部72b(図1の左端側)と、を有している。かかる積層型電極体20は、つづら折り状に折り曲げられたセパレータシート70の積層方向において、正極50(以下、「正極シート50」ともいう。)および負極60(以下、「負極シート60」ともいう。)が当該セパレータ70の間に挟み込まれるように、交互に積層することによって作製することができる。かかる積層工程は、上記したように少なくとも第1折り曲げ処理と、第1切断処理と、第2折り曲げ処理と、を含んでいる。積層工程は、さらに第2切断処理を含んでいてもよい。以下、各処理について説明する。
(2)第1折り曲げ処理
第1折り曲げ処理では、第1折り曲げ部72a(図1参照)を形成する。第1折り曲げ処理では、上記した平面部71の一部であって、折り曲げ部72に近接する位置を押さえる第1押さえ部材121を起点として第1折り曲げ部72aを形成する。例えば図2に示すように、まず、セパレータ供給部110から、積層台125上に長尺状のセパレータシート70が供給される。セパレータ供給部110において供給ローラ112は、セパレータシート70のX方向に沿って移動しながら(左右に往復しながら)、該セパレータシート70を供給する。供給されたセパレータシート70は、ガイドローラ114にガイドされて、積層台125に供給される。これにより、セパレータシート70は、所定の間隔で山折りと谷折りを繰り返すように積層台125に供給される。積層台125は特に限定されず、平面視矩形状であって、セパレータシート70が供給される面が水平であればよい。次いで、供給されたセパレータシート70の上に、ここでは正極供給部130から正極シート50が供給される。正極シート50の供給方法は特に限定されず、例えば吸着板132に正極シート50を吸着させて所定の位置に配置すればよい。正極シート50が供給されると、セパレータ供給部110は、積層型電極体20の長手方向Xの一方側(ここでは左方向L)に向けて移動する。第1押さえ部材121は正極シート50とセパレータシート70との間に挿入され、平面部71の一部であって、折り曲げ部72に近接する位置を押さえる。第1押さえ部材121は、例えば図4に示されるように、正極シート50および該正極シート50の下面側と接触するセパレータシート70を、折り曲げ部72に近接する位置において押さえ、一時的に固定する。そして、図4に示されるように、かかる第1押さえ部材121を起点としてセパレータシート70を斜め上方向に張力をかけた状態で折り曲げることにより、第1折り曲げ部72aを形成することができる。
第1実施形態において第1押さえ部材121は、複数の治具から構成されている。第1押さえ部材121は、図4に示されるように2つの治具(以下、「第1押さえ部材121a」および「第1押さえ部材121b」ともいう。)から構成されていることが好ましい。第1押さえ部材121a、121bの材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼や、フッ素加工(フッ素樹脂加工)された金属や、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングされた金属等である。なかでも、摩擦が低減する観点からは、DLCコーティングされた金属から構成されることが好ましい。特に限定されるものではないが、第1押さえ部材121a、121bの形状は、図示されるように角柱状であってもよいし、円柱状であってもよいし、半円柱状であってもよい。好ましくは、セパレータシート70と接触する部分が湾曲している(R部を有している)とよい。これにより、セパレータシート70を傷つけることなく、より好適に第1折り曲げ部72aを形成することができる。また、第1押さえ部材121a、121bの大きさは、特に限定されず、所望する積層型電極体20の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。
第1押さえ部材121a、121bは、上記したように正極シート50と供給されるセパレータシート70との間に挿入されるように移動する。かかる第1押さえ部材121a、121bは、セパレータ70の長手方向Xおよび幅方向Yのいずれか一方向に沿って移動するように構成され得る。これにより、第1押さえ部材121a、121bを駆動させるためのアクチュエータ等の数を削減することができ、当該駆動機構の構成を単純化することができる。例えば、第1押さえ部材121a、121bは、セパレータシート70の幅方向Yに沿って移動するように構成されていてもよい。この場合には、第1押さえ部材121aは、図4の後方向Rrに向けて移動して正極シート50と供給されるセパレータシート70との間に挿入され、前方向Fに向けて移動して正極シート50とセパレータシート70との間から引き抜かれるように構成され得る。一方で、第1押さえ部材121bは、前方向Fに向けて移動して正極シート50上に挿入され、後方向Rrに向けて移動して正極シート50とセパレータシート70との間から引き抜かれるように構成され得る。これにより、第1押さえ部材121a、121bの移動距離を短くすることができ、第1押さえ部材121の移動に伴って正極シート50やセパレータシート70の位置がずれることを抑制することができる。
第1押さえ部材121a、121bは、例えば、セパレータシート70の長手方向Xに沿って移動するように構成されていてもよい。この場合には、第1押さえ部材121a、121bは、ともに図4の右方向Rに向けて移動して正極シート50とセパレータシート70との間に挿入され、後述する第1切断処理を実施した後にさらに右方向Rに向けて移動することによって正極シート50とセパレータシート70との間から引き抜かれるように構成されることが好ましい。これにより、図4の左方向Lに移動するよりも第1押さえ部材121の挿入および引き抜きの距離を短くすることができ、積層位置のずれが抑制される。
(3)第1切断処理
上述したように、第1押さえ部材121の材質や移動方向を調整した場合であっても、第1押さえ部材121が正極50および負極60とセパレータ70の間を移動する際には摩擦が生じやすく、積層型電極体20において積層位置がずれることがあり得る。このため、ここに開示される二次電池の製造方法においては、第1切断処理を実施する。第1切断処理では、上記形成された第1折り曲げ部72aにおいて、セパレータ70の幅方向Yの少なくとも一部を切断する。例えば図4に示されるように、セパレータ70においては、第1折り曲げ部72aの概ね頂点に沿って切断線C1が設定される。第1切断処理では、図示されない切断装置を用いて、当該切断線C1に沿ってセパレータ70の幅方向Yの少なくとも一部を切断する。これにより、第1押さえ部材121を正極シート50とセパレータシート70との間から引き抜く際の摩擦が減少し、積層位置がずれることを抑制することができる。また、かかる構成によれば、第1押さえ部材121a、121bを移動させるための駆動機構を複雑化させることなく、積層位置がずれることを抑制することができる。さらに、当該積層型電極体20では正極50および負極60がより精度よく対向するため二次電池の電池性能を向上させることができ、二次電池の短絡を防止することができる。なお、切断装置は特に限定されず、ロータリーカッター、レーザーカッター等の従来公知の切断装置により切断することができる。
第1実施形態における好適な一態様では、第1押さえ部材121が複数の治具から構成され、第1折り曲げ部72aにおいて、セパレータ70の幅方向Yを少なくとも2か所切断する。例えば図4に示すように、第1押さえ部材121が2つの治具から構成され、第1折り曲げ部72aにおいて、切断線C1および切断線C2に沿ってセパレータ70の幅方向Yを2か所切断する。これにより、正極シート50とセパレータシート70との間から第1押さえ部材121a、121bを好適に引き抜くことができる。したがって、積層型電極体20における積層位置のずれがより好適に抑制される。
好適な一態様では、第1切断処理は、第1折り曲げ部72aにおけるセパレータ70の幅方向Yの長さを100%としたときに、該セパレータを10%以上切断するように実施する。これにより、上記したように第1押さえ部材121を正極シート50とセパレータシート70との間から好適に引き抜くことができるため、積層型電極体20における積層位置のずれをより好適に抑制することができる。第1切断処理は、第1折り曲げ部72aにおけるセパレータ70の幅方向Yの長さを100%としたときに、例えば該セパレータを12.4%以上切断するように実施することがより好ましく、該セパレータを20%以上切断するように実施してもよく、該セパレータを30%以上切断するように実施してもよい。
第1切断処理においてセパレータ70を切断する長さの上限は、特に限定されない。例えば第1折り曲げ部72aにおけるセパレータ70の幅方向Yの長さを100%としたときに、100%(すなわち、セパレータ70の幅方向Yの全てを)切断するように実施してもよい。この場合には、第1切断処理の実施後に、第1押さえ部材121が長手方向Xに沿ってR方向に移動し、正極シート50とセパレータシート70との間から引き抜かれるように構成される。上記したように、セパレータシート70は、セパレータ供給部110によって張力をかけられた状態であるため、第1押さえ部材121がR方向に引き抜かれても、積層ずれが抑制され、好適に積層型電極体20を作製することができる。
別の好適な一態様では、第1切断処理は、第1折り曲げ部72aにおけるセパレータ70の幅方向Yの長さを100%としたときに、例えば該セパレータを95%以下切断するように実施してもよく、該セパレータを80%以下切断するように実施してもよく、該セパレータを70%以下切断するように実施してもよい。かかる構成によれば、より好適に正極シート50とセパレータシート70の積層位置のずれを抑制することができる。この場合には、第1押さえ部材121a、121bは、幅方向Yに沿って移動するように構成されていてもよいし、長手方向Xに沿って移動するように構成されていてもよい。
好適な一態様では、第1切断処理は、平面部71の一部であって、第1折り曲げ部72aではない次の折り曲げ部に近接する位置が第2押さえ部材122(図3参照)によって押さえられた後に実施する。これにより、セパレータシート70の長手方向Xが好適に固定された状態で第1切断処理を実施することができ、積層位置がずれることをさらに好適に抑制することができる。具体的には、第1折り曲げ処理が実施された後に、セパレータ供給部110が図3のL方向に移動することにより正極シート50上にセパレータシート70が供給される。次いで、該セパレータシート70上に、ここでは負極供給部140から負極シート60が供給される。そして、該負極シート60およびセパレータシート70が、第1折り曲げ部72aではない次の折り曲げ部72に近接する位置で第2押さえ部材122によって押さえられた後に、第1切断処理を実施するとよい。あるいは、第1折り曲げ処理が実施された後に、セパレータ供給部110が図3のL方向に移動することにより正極シート50上にセパレータシート70が供給される。そして、セパレータ70が第2押さえ部材122によって押さえられた後に、第1切断処理を実施するとよい。
(4)第2折り曲げ処理
第2折り曲げ処理は、第2折り曲げ部72b(図1参照)を形成する。第2折り曲げ処理では、上記した平面部71の一部であって、第1折り曲げ処理において形成した第1折り曲げ部72aではない次の折り曲げ部72に近接する位置を押さえる第2押さえ部材122を起点として、第2折り曲げ部72bを形成する。第2折り曲げ処理は、第1折り曲げ処理と概ね同様の処理を行うことによって実施することができる。一例として図3に示すように、まず、セパレータ供給部110によって、正極シート50上にセパレータシート70が供給され、該セパレータ70上に負極供給部140から負極シート60が供給される。負極シート60の供給方法は特に限定されず、正極シート50の供給方法と同様であってよい。例えば吸着板142に負極シート60を吸着させて所定の位置に配置すればよい。負極シート60が供給されると、セパレータ供給部110は図3のR方向に向けて移動する。第2押さえ部材122は、平面部71の一部であって、第1折り曲げ部72aではない次の折り曲げ部72に近接する位置を押さえる。第2押さえ部材122は、例えば負極シート60および該負極シート60の下面側と接触するセパレータシート70を、折り曲げ部72に近接する位置において押さえ、一時的に固定する。そして、かかる第2押さえ部材122を起点としてセパレータシート70を斜め上方向に張力をかけた状態で折り曲げることにより、第2折り曲げ部72bを形成することができる。
第2押さえ部材122の構成は、第1押さえ部材121の構成と同様であってよいため、詳細な説明については省略する。第2押さえ部材122は、例えば、2つの治具から構成されていることが好ましい。また、第2押さえ部材122は、上記した第1押さえ部材121と同様に、セパレータ70の長手方向Xおよび幅方向Yのいずれか一方向に沿って移動するように構成され得る。これにより、第2押さえ部材122の駆動機構の構成を単純化することができる。第2押さえ部材122は、セパレータシート70の幅方向Yに沿って移動するように構成されていてもよいし、セパレータシート70の長手方向Xに沿って移動するように構成されていてもよい。好ましくは、セパレータシート70の幅方向Yに沿って移動し、負極シート60と供給されるセパレータシート70との間に挿入するように構成されているとよい。
(5)第2切断処理
好適な一態様では、ここに開示される二次電池の製造方法は、第2折切断処理をさらに含む。かかる第2切断処理では、第2折り曲げ処理において形成された第2折り曲げ部72bにおいて、セパレータ70の幅方向Yの少なくとも一部を切断する。第2切断処理は、第1切断処理と概ね同様の処理を行うことによって実施することができる。例えば、セパレータ70において、第2折り曲げ部72bの概ね頂点に沿って、切断線が設定される。第2切断処理では、図示されない切断装置を用いて、当該切断線に沿って第2折り曲げ部72bを切断する。これにより、第2押さえ部材122を正極シート50とセパレータシート70との間から引き抜く際に、摩擦によって正極シート50やセパレータシート70の積層位置がずれることを抑制することができ、積層型電極体20において短絡を防止することができる。また、第2押さえ部材122を移動させるための駆動機構を複雑化させることなく、積層位置がずれることを抑制することができる。切断装置は特に限定されず、例えば第1切断処理において用いられ得る切断装置と同様の切断装置を用いることができる。
なお、第2切断処理においてセパレータ70を切断する長さは、第1切断処理においてセパレータ70を切断する長さと同等程度であってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは、第1切断処理においてセパレータ70を切断する長さと、第2切断処理においてセパレータ70を切断する長さは同等程度であるとよい。
上記したように第2押さえ部材122が複数(好ましくは2つ)の治具から構成される場合の好適な一態様では、第2折り曲げ部72bにおいて、セパレータ70の幅方向Yの少なくとも2か所を切断するとよい。これにより、第2折り曲げ部72bにおいても、積層型電極体20における積層位置のずれがより好適に抑制される。
第2切断処理は、第2折り曲げ部72bにおけるセパレータ70の幅方向Yの長さを100%としたときに、該セパレータを10%以上切断するように実施することが好ましく、例えば該セパレータを12.4%以上切断するように実施することがより好ましく、該セパレータを20%以上切断するように実施してもよく、該セパレータを30%以上切断するように実施してもよい。第2切断処理は、例えば第2折り曲げ部72bのセパレータ70の幅方向Yの長さを100%としたときに、100%(すなわち、セパレータ70の幅方向Yの全てを)切断するように実施してもよい。この場合には、第2切断処理の後に、第2押さえ部材122が長手方向Xに沿って移動し、負極シート60とセパレータシート70との間から引き抜かれるように構成される。
また、第2切断処理は、第2折り曲げ部72bの幅方向Yの長さを100%としたときに、例えば該セパレータを95%以下切断するように実施してもよく、該セパレータを80%以下切断するように実施してもよく、該セパレータを70%以下切断するように実施してもよい。この場合には、第2押さえ部材122は、幅方向Yに沿って移動するように構成されていてもよいし、長手方向Xに沿って移動するように構成されていてもよい。かかる構成によれば、積層型電極体20における積層位置のずれをより好適に抑制することができる。
例えば、上記した(2)第1折り曲げ処理~(5)第2切断処理を繰り返し実施することにより、セパレータシート70の長手方向Xにおいて、平面部71の両端側に第1折り曲げ部72aと第2折り曲げ部72bとが複数設けられた、つづら折り状の積層型電極体20を作製することができる。なお、第1折り曲げ部72aおよび第2折り曲げ部72bのどちらか一方において、切断処理が実施されるように構成されていてもよい。
上記作製された積層型電極体20を、電池ケースの内部に収容し、封口することにより二次電池を作製することができる。かかる積層型電極体20の収容工程や封口工程は、従来公知の手段によって実施されればよく、ここに開示される二次電池の製造方法を特徴づけるものではないため、詳細な説明については省略する。
以上のとおり、ここに開示される製造方法を用いて、二次電池を製造することができる。上記したように積層工程において折り曲げ処理および切断処理を実施することにより、押さえ部材が移動する際の摩擦によって、正極シート50、負極シート60、およびセパレータシート70の位置が所望する積層位置からずれることを抑制する。したがって、かかる製造方法によって作製された積層型電極体20においては積層位置のずれが抑制される。そして、当該積層型電極体20を備えた二次電池は短絡の防止や電池性能の向上が好適に実現される。また、かかる構成によれば、装置の構成を複雑化させることなく、好適に積層位置がずれることを抑制することができる。
以下、図面を参照しながら、ここに開示される製造方法により得られる二次電池の一実施形態について説明する。
図5は、ここに開示される二次電池1の構造を模式的に示す図である。二次電池1は、ここではリチウムイオン二次電池である。図5に示すように、ここに開示される二次電池1は、積層型電極体20と図示されない非水電解液とが電池ケース30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30は、積層型電極体20と電解液とが内部に収容可能な限りにおいて、その形状や材質、サイズ等は特に限定されない。電池ケース30は、例えば、図5に示すような開口部を有する扁平な角型の電池ケースであってもよい。この場合には、電池ケース30の材質は、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。あるいは、電池ケース30は多層構造を有するラミネートフィルムにより構成されていてもよい。
図5に示すように、電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。また、電池ケース30には、電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。
積層型電極体20は、電池ケース30の内部に収容される発電要素である。積層型電極体20は、樹脂製の絶縁フィルム29で被覆された状態で電池ケース30に収容される。これによって、電池ケース30と積層型電極体20との導通を防止することができる。かかる積層型電極体20は、上記したように該積層型電極体20の長手方向において、平面部71と、該平面部71の両端において第1折り曲げ部72aおよび第2折り曲げ部72bと、を有している。かかる第1折り曲げ部72aおよび第2折り曲げ部72bは、長尺状のセパレータ70が所定の間隔で山折りと谷折りを繰り返すことによって、つづら折り状に折り曲げられて形成されている。そして、つづら折り状に折り曲げられたセパレータ70の積層方向において、該セパレータ70の間に正極50と負極60とが挟み込まれることによって形成される(図1参照)。図1に示すように、正極シート50は、Z方向の両面がセパレータシート70に接触するように配置される。また、負極シート60も同様に、Z方向の両面がセパレータ70に接触するように配置される。これにより、セパレータシート70によって、正極シート50と負極シート60とが絶縁された状態で積層することができる。
ここに開示される二次電池1では、積層型電極体20の折り曲げ部72において、セパレータ70の幅方向(図5のY方向)の一部が切断されている。積層型電極体20は、第1折り曲げ部72aおよび第2折り曲げ部72bの少なくともいずれか一方において、セパレータ70の幅方向の一部が切断されていればよい。好ましくは、積層型電極体20は、第1折り曲げ部72aおよび第2折り曲げ部72bの両方において、セパレータ70の幅方向の一部が切断されている。積層型電極体20は、第1折り曲げ部72aにおいてセパレータ70が切断されている長さと、第2折り曲げ部72bにおいてセパレータ70が切断されている長さは、同等程度であってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは、第1折り曲げ部72aにおいてセパレータ70が切断されている長さと、第2折り曲げ部72bにおいてセパレータ70が切断されている長さは同等程度であるとよい。
好適な一態様では、折り曲げ部72(第1折り曲げ部72aおよび第2折り曲げ部72bのいずれか一方)におけるセパレータ70の幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータが10%以上切断されている。該セパレータ70は、折り曲げ部72における該セパレータ70の幅方向の長さを100%としたときに、例えば12.4%以上切断されていてもよく、20%以上切断されていてもよく、30%以上切断されていてもよい。また、セパレータ70が切断されている長さの上限は、特に限定されないが、折り曲げ部72におけるセパレータ70の幅方向の長さを100%としたときに、例えば95%以下であってもよく、80%以下であってもよく、70%以下であってもよい。
正極50は、シート状の正極集電体の片面または両面(ここでは両面)に正極活物質を含む正極活物質層が形成された構成を有する。正極50は、幅方向Yの一方の縁辺(ここでは上方向U側の縁辺)の近傍において、正極活物質層を有しない正極集電体露出部52aが帯状に形成されている。負極60は、シート状の負極集電体の片面または両面(ここでは両面)に負極活物質を含む負極活物質層が形成された構成を有する。負極60は、幅方向Yの一方の縁辺(ここでは上方向U側の縁辺)の近傍において、負極活物質層を有しない負極集電体露出部62aが帯状に形成されている。図5に示すように、正極集電体露出部52aおよび負極集電体露出部62aの一部は、積層型電極体20の幅方向Yの一方の縁辺(ここでは上方向U側の縁辺)から上方向Uに向けて突出している。該正極集電体露出部52aおよび負極集電体露出部62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。正極集電体露出部52aと正極集電板42aとが電気的に接続されることにより、積層型電極体20と正極端子42とが電気的に接続される。また、同様にして、負極集電体露出部62aと負極集電板44aとが電気的に接続されることにより、積層型電極体20と負極端子44とが電気的に接続される。
正極50を構成する正極集電体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性が良好な金属製のシートまたは箔状体を用いることができる。なかでも、正極集電体としてはアルミ箔が好ましい。正極活物質層は、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質(例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物)を、少なくとも含んでいる。正極活物質層は、正極活物質以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等の炭素材料を使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。
負極60を構成する負極集電体としては、例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等の導電性が良好な金属製のシートまたは箔状体を用いることができる。なかでも、負極集電体として銅箔が好ましい。負極活物質層は、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素材料)を、少なくとも含んでいる。負極活物質層は、負極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、分散剤、各種添加成分等を含んでいてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類を使用し得る。分散剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロール類を使用し得る。
セパレータ70は、例えば、多孔性の樹脂基材で構成されている。樹脂基材としては、例えば、ポリエチレン(PE)や、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース等の樹脂からなるシート(フィルム)が例示される。セパレータ70は、単層構造であってもよく、性質や性状(厚みや空孔率等)の異なる2種以上の多孔性樹脂シートが積層された構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。また、セパレータ70は、その表面にセラミック粒子等により構成された耐熱層(Heat Resistant Layer:HRL層)を備えていてもよい。HRLは、公知の非水電解液二次電池のセパレータが備える耐熱層と同様であってよく、例えば、アルミナ、シリカ、ベーマイト、マグネシア、チタニア等のセラミック粒子と、PVdF等のバインダなどを含み得る。
上記したように、二次電池1は電解液を備えている。電解液は、典型的には、非水溶媒と電解質塩(言い換えると、支持塩)とを含有する。非水溶媒としては、一般的な二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。なかでも、カーボネート類が好ましく、その具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。電解質塩としては、例えば、LiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)等のリチウム塩を用いることができ、なかでも、LiPFが好ましい。電解質塩の濃度は、特に限定されないが、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、オキサラト錯体等の被膜形成剤、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
以上のようにして得られる二次電池1は、短絡が防止され電池性能が向上されるという利点を有する。かかる二次電池1は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。また、二次電池1は、複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
<第2実施形態>
第2実施形態においては、上記積層工程において用いられる押さえ部材が1つの治具から構成されている形態について説明する。
図6は、第2実施形態に係る図4相当図であり、第2実施形態に係る第1折り曲げ処理および第1切断処理を模式的に示す図である。第2実施形態においては、第1押さえ部材221が、1つの治具から構成されている。第1押さえ部材221の大きさは、作製する積層型電極体よりもやや大きいことが好ましい。これにより、セパレータシート70において折り曲げ部を形成する際に、より広範囲を支持することができるため、精度よく折り曲げ部を形成することができる。第1押さえ部材221の材質や形状等については第1実施形態において説明したものと同様であってよいため、詳細な説明については省略する。
第1押さえ部材221は、第1折り曲げ処理において、正極シート50と供給されるセパレータシート70との間に挿入されるように移動する。そして、当該第1折り曲げ処理では、図6に示すように、第1折り曲げ部を形成する。第1折り曲げ処理では、平面部の一部であって、折り曲げ部に近接する位置を押さえる第1押さえ部材221を起点として、第1折り曲げ部を形成する。ここで、第2実施形態における第1押さえ部材221は、セパレータシート70の幅方向Yに沿って移動した場合には、1つの治具から構成されることにより、一方向に向けてのみセパレータ70と摩擦が生じるため、正極シート50または負極シートが積層位置からずれやすい。したがって、第1押さえ部材221が1つの治具から構成されている場合には、セパレータシート70の長手方向Xに沿って移動するように構成される。すなわち、第1押さえ部材221は、図6の右方向Rに向けて移動して正極シート50とセパレータシート70との間に挿入され、第1切断処理の後、さらに右方向Rに向けて移動することによって正極シート50とセパレータシート70との間から引き抜かれる。これにより、第1押さえ部材221が、1つの治具から構成される場合であっても、積層型電極体20における積層位置のずれが抑制される。また、第1押さえ部材221が長手方向Xの一方に向けて移動するように構成されることで、例えば装置の構成(駆動機構)を単純化することができ、製造方法の効率化を図ることができる。
次いで、第1切断処理では、上記形成された第1折り曲げ部において、セパレータ70の幅方向Yの長さの全てを切断するように実施する。図6に示されるように、セパレータ70においては、第1折り曲げ部の概ね頂点に沿って切断線C3が設定される。第1切断処理では、図示されない切断装置を用いて、当該切断線C3に沿ってセパレータ70の幅方向Yの長さの全てを切断する。これにより、第1押さえ部材221は長手方向Xに沿って移動することができる。上記したようにセパレータシート70は、セパレータ供給部110によって張力をかけられた状態であるため、第1押さえ部材221がR方向に引き抜かれても積層ずれが抑制され、好適に積層型電極体20を作製することができる。
好適な一態様では、第1切断処理は、平面部の一部であって、第1折り曲げ部ではない次の折り曲げ部に近接する位置が前記第2押さえ部材によって押さえられた後に実施する。上記したように第2実施形態においては、第1押さえ部材221は、長手方向Xに沿って移動するため、図6においては右方向Rに向けて摩擦が生じやすい。このため、長手方向Xの他方側(図6では左方向L側)が、第2押さえ部材によって押さえられた状態で第1切断処理を実施することで、積層型電極体における積層位置のずれがより好適に抑制される。具体的には、第1折り曲げ処理が実施された後に、正極シート50上にセパレータシート70が供給され、該セパレータシート70上に負極シートが供給される。そして、該負極シートおよびセパレータシート70が、第1折り曲げ部ではない次の折り曲げ部に近接する位置で第2押さえ部材によって押さえられた後に、第1切断処理を実施するとよい。あるいは、第1折り曲げ処理が実施された後に、正極シート50上にセパレータシート70が供給され、該セパレータ70が第2押さえ部材によって押さえられた後に、第1切断処理を実施するとよい。
なお、上記第2実施形態については第1押さえ部材221を例に説明したが、第2押さえ部材についても同様であってよい。例えば、第2押さえ部材が1つの治具から構成される場合には、長手方向Xに沿って移動するように構成される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は、他にも種々の形態にて実施することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形例に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形例を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
例えば第1押さえ部材が複数の治具から構成され、第2押さえ部材が1つの治具から構成されていてもよい。あるいは、第1押さえ部材が1つの治具から構成され、第2押さえ部材が複数の治具から構成されていてもよい。
以上のとおり、ここに開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:正極と負極とが帯状のセパレータを介して積層される積層型電極体を備える二次電池の製造方法であって、上記帯状のセパレータの長手方向において平面部と折り曲げ部とが交互に設けられるように、該セパレータをつづら折り状に積層する積層工程を含み、上記積層工程は、上記平面部の一部であって、上記折り曲げ部に近接する位置を押さえる第1押さえ部材を起点として、第1折り曲げ部を形成する第1折り曲げ処理と、上記形成された第1折り曲げ部において、上記セパレータの上記長手方向と直交する幅方向の少なくとも一部を切断する第1切断処理と、上記平面部の一部であって、上記第1折り曲げ処理によって形成された第1折り曲げ部ではない次の折り曲げ部に近接する位置を押さえる第2押さえ部材を起点として、第2折り曲げ部を形成する第2折り曲げ処理と、を少なくとも含む、二次電池の製造方法。
項2:上記第1切断処理は、上記第1折り曲げ部における上記セパレータの上記幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータを10%以上切断するように実施する、項1に記載の二次電池の製造方法。
項3:上記第1切断処理は、上記第1折り曲げ部における上記セパレータの上記幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータを95%以下切断するように実施する、項1または項2に記載の二次電池の製造方法。
項4:上記第1切断処理は、上記平面部の一部であって、上記第1折り曲げ部ではない次の折り曲げ部に近接する位置が上記第2押さえ部材によって押さえられた後に実施する、項1~項3のいずれか一つに記載の二次電池の製造方法。
項5:上記第1折り曲げ処理において、上記第1押さえ部材は複数の治具から構成され、上記第1切断処理は、上記第1折り曲げ部において、上記セパレータの上記幅方向の少なくとも2か所を切断するように実施する、項1~項4のいずれか一つに記載の二次電池の製造方法。
項6:上記第1折り曲げ処理において、上記第1押さえ部材は1つの治具から構成され、上記第1切断処理は、上記折り曲げ部において、上記セパレータの上記幅方向の長さの全てを切断するように実施する、項4に記載の二次電池の製造方法。
項7:正極と負極とが帯状のセパレータを介して積層された積層型電極体を備える二次電池であって、上記積層型電極体は、該積層型電極体の長手方向において、平面部と該平面部の両端に折り曲げ部とが設けられるように、上記セパレータがつづら折り状に積層されており、上記つづら折り状に積層されたセパレータの積層方向において、上記正極と上記負極とが該セパレータの間に交互に配置されており、ここで、上記折り曲げ部において上記セパレータは、上記長手方向と直交する幅方向の少なくとも一部が切断されている、二次電池。
項8:上記折り曲げ部において、上記セパレータの上記幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータが10%以上95%以下切断されている、項7に記載の二次電池。
1 二次電池
20 積層型電極体
29 絶縁フィルム
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極(正極シート)
52a 正極集電体露出部
60 負極(負極シート)
62a 負極集電体露出部
70 セパレータ(セパレータシート)
71 平面部
72 折り曲げ部
72a 第1折り曲げ部
72b 第2折り曲げ部
100 製造装置
110 セパレータ供給部
120 積層部
121 第1押さえ部材
122 第2押さえ部材
130 正極供給部
140 負極供給部
221 第1押さえ部材

Claims (8)

  1. 正極と負極とが帯状のセパレータを介して積層される積層型電極体を備える二次電池の製造方法であって、
    前記帯状のセパレータの長手方向において平面部と折り曲げ部とが交互に設けられるように、該セパレータをつづら折り状に積層する積層工程を含み、
    前記積層工程は、前記平面部の一部であって、前記折り曲げ部に近接する位置を押さえる第1押さえ部材を起点として、第1折り曲げ部を形成する第1折り曲げ処理と、
    前記形成された第1折り曲げ部において、前記セパレータの前記長手方向と直交する幅方向の少なくとも一部を切断する第1切断処理と、
    前記平面部の一部であって、前記第1折り曲げ処理によって形成された第1折り曲げ部ではない次の折り曲げ部に近接する位置を押さえる第2押さえ部材を起点として、第2折り曲げ部を形成する第2折り曲げ処理と、
    を少なくとも含む、二次電池の製造方法。
  2. 前記第1切断処理は、前記第1折り曲げ部における前記セパレータの前記幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータを10%以上切断するように実施する、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
  3. 前記第1切断処理は、前記第1折り曲げ部における前記セパレータの前記幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータを95%以下切断するように実施する、請求項1または2に記載の二次電池の製造方法。
  4. 前記第1切断処理は、前記平面部の一部であって、前記第1折り曲げ部ではない次の折り曲げ部に近接する位置が前記第2押さえ部材によって押さえられた後に実施する、請求項1または2に記載の二次電池の製造方法。
  5. 前記第1折り曲げ処理において、前記第1押さえ部材は複数の治具から構成され、
    前記第1切断処理は、前記第1折り曲げ部において、前記セパレータの前記幅方向の少なくとも2か所を切断するように実施する、請求項1または2に記載の二次電池の製造方法。
  6. 前記第1折り曲げ処理において、前記第1押さえ部材は1つの治具から構成され、
    前記第1切断処理は、前記折り曲げ部において、前記セパレータの前記幅方向の長さの全てを切断するように実施する、請求項4に記載の二次電池の製造方法。
  7. 正極と負極とが帯状のセパレータを介して積層された積層型電極体を備える二次電池であって、
    前記積層型電極体は、該積層型電極体の長手方向において、平面部と該平面部の両端に折り曲げ部と、が設けられるように、前記セパレータがつづら折り状に積層されており、
    前記つづら折り状に積層されたセパレータの積層方向において、前記正極と前記負極とが該セパレータの間に交互に配置されており、
    ここで、前記折り曲げ部において前記セパレータは、前記長手方向と直交する幅方向の少なくとも一部が切断されている、二次電池。
  8. 前記折り曲げ部において、前記セパレータの前記幅方向の長さを100%としたときに、該セパレータが10%以上95%以下切断されている、請求項7に記載の二次電池。
JP2022073496A 2022-04-27 2022-04-27 二次電池の製造方法および二次電池 Pending JP2023162830A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022073496A JP2023162830A (ja) 2022-04-27 2022-04-27 二次電池の製造方法および二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022073496A JP2023162830A (ja) 2022-04-27 2022-04-27 二次電池の製造方法および二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023162830A true JP2023162830A (ja) 2023-11-09

Family

ID=88651181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022073496A Pending JP2023162830A (ja) 2022-04-27 2022-04-27 二次電池の製造方法および二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023162830A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2874225B1 (en) Method for securing electrode assembly using tape
JP6460418B2 (ja) 二次電池
TWI569504B (zh) 具有改良之偏向運動之電極以及包含該電極之二次電池
WO2019121332A1 (en) Pouch cell and method of manufacturing same
CN112909345B (zh) 二次电池和二次电池的制造方法
JP2019533285A (ja) 電池セルのための電極スタックを製造する方法、及び、電池セル
CN111261951A (zh) 二次电池和梳状电极
JP5381588B2 (ja) リチウムイオン二次電池、車両及び電池搭載機器
US20200251783A1 (en) Secondary battery
JP2019016494A (ja) 積層電極体の製造方法及び蓄電素子の製造方法
JP2017142896A (ja) 二次電池
CN107978801B (zh) 层叠型电极体的制造方法
JP2023162830A (ja) 二次電池の製造方法および二次電池
KR20170022589A (ko) 전지 소자들 사이에 개재되어 있는 단위셀을 포함하는 전극조립체
KR101431726B1 (ko) 안전성이 향상된 전극조립체 및 이를 이용한 이차전지
KR20230132552A (ko) 전극 조립체 및 그 제조 방법, 배터리 셀, 배터리 및전기기기
JP2007234453A (ja) 2次電池およびその車両搭載構造
JP2017098207A (ja) 電極体を有する二次電池
JP2022552358A (ja) 電極組立体およびその製造方法
JP6681017B2 (ja) 電極体を有する二次電池
US20220077502A1 (en) Battery and manufacturing method thereof
JP7455032B2 (ja) 電池
KR102612783B1 (ko) 이차 전지
CN114914518A (zh) 非水电解液二次电池
KR20240033645A (ko) 전극 조립체 제조 장치 및 이를 사용한 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240417