JP2023162079A - 粉末固形化粧料 - Google Patents

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秀隆 小林
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Abstract

【課題】塗布時において肌へ均一に付着し、延展性が良く、化粧持ちが良いとういう効果に加え、塗布後の肌がきめ細やかに見え、ソフトフォーカス効果により肌を明るく魅せるといった機能を発揮する粉末固形化粧料の提供。【解決手段】室温で液状の油剤5~13質量%を含み、圧縮成形されてなる粉末固形化粧料であって、成分A:タルク、成分B:平均粒径4.0~6.0μmのナイロン-12、成分C:平均粒径14~22μmのメタクリル酸メチルクロスポリマーを含有し、前記成分A~成分Cの総量が化粧料全量に対して70質量%以上である粉末固形化粧料とする。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末固形化粧料に関する。
ファンデーションなどの圧縮成形された粉末固形化粧料は、粉体を多く配合しており、シミ・そばかす・シワ・毛穴等の色や、凹凸ムラを隠すといった高いカバー効果を発揮する。その一方で、高いカバー力を期待して粉体を多く配合すると、塗布時において不均一に付着し、延展性が悪く、化粧持ちが悪いといった課題があった。
これらの課題を解決するために、フッ素処理を行った粉体を配合することで、滑らかでさっぱりした使用感と優れた化粧持ちを兼ね備えた粉末固形化粧料が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、このような技巧では、塗布時においての均一な付着性、延展性をある程度向上させることができるものの、粉体をフッ素処理することで肌への親和性が劣るため、化粧持ちが悪く、十分に満足できるものではなかった。
一方、化粧持ちを高める試みとして、粉体にトリフロロプロピルシクロポリシロキサン等の液状油を配合した固形粉末化粧料が開発されている(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、このような技巧では、トリフロロプロピルシクロポリシロキサン等の液状油を配合することで、肌に付着しやすくなるため、化粧持ちが良くなる反面、延展性に劣るといった課題があった。
このような従来の課題を解決するために、液状油成分を含んだ固形化粧料に、硫酸カルシウム2水和物と、フッ素化合物処理粉末を併用した固形化粧料も開発されている(例えば、特許文献3を参照)。しかしながら、当該試みでも、フッ素化合物処理粉体による化粧持ちの悪さや、液状油による延展性の悪さといった互いの欠点を補うには不十分であった。
特開2005-289831号公報 特開2020-132527号公報 特開2015-137228号公報
したがって、本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、塗布時において肌へ均一に付着し、延展性が良く、化粧持ちが良いとういう効果に加え、塗布後の肌がきめ細やかに見え、ソフトフォーカス効果により肌を明るく魅せるといった機能を発揮する粉末固形化粧料を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、室温で液状の油剤5~13質量%を含み、圧縮成形されてなる粉末固形化粧料であって、下記成分A、下記成分Bおよび下記成分Cを含有し、前記成分A、前記成分Bおよび前記成分Cの総量が化粧料全量に対して70質量%以上であることを特徴とする粉末固形化粧料を提供する。
成分A:タルク
成分B:平均粒径4.0~6.0μmのナイロン-12
成分C:平均粒径14~22μmのメタクリル酸メチルクロスポリマー
上記成分Bおよび上記成分Cの総量に対する上記成分Aの含有量の比(成分A/(成分B+成分C))が、1~20の範囲を満たすことが好ましい。
本発明の粉末固形化粧料は、下記成分Dを含むことが好ましい。
成分D:平均粒径1.0~5.0μmのシリカ
本発明の粉末固形化粧料は、下記成分Eを含むことが好ましい。
成分E:ステアリン酸処理酸化チタンおよび/又は水酸化アルミニウム処理酸化チタン
本発明の粉末固形化粧料は、必須構成要件を満たすことにより、従来の粉末固形化粧料と比べて、塗布時において肌へ均一に付着し、延展性が良く、化粧持ちが良いとういう効果を発揮することから、塗布時と塗布後の双方の課題を解決することができる。
また、本発明の粉末固形化粧料は、施術することで上記効果に加え、塗布後の肌をきめ細やかに見せる効果を発揮することから、ソフトフォーカス効果により、肌をより一層明るく魅せることができるという格別顕著な効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の粉末固形化粧料は、室温で液状の油剤を特定量含み、圧縮成形されてなり、タルクと、ナイロン-12と、メタクリル酸メチルクロスポリマーとを含有する。なお、本明細書において、「室温で液状」とは、1~30℃の温度範囲で流動性がある性状をいう。また、本明細書において、上記タルクを「成分A」、上記ナイロン-12を「成分B」、上記メタクリル酸メチルクロスポリマーを「成分C」と夫々称する。
以下に、本発明の粉末固形化粧料に用いられる各成分の詳細を説明する。
本発明の室温で液状の油剤としては、例えば、室温で液状である、油脂、炭化水素油および脂肪酸エステル油等が挙げられる。これらの成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上記油脂の具体例としては、例えば、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、大豆油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、ククイナッツ油、小麦胚芽油、月見草油、マカデミアナッツ油、メドウホーム油、ホホバ種子油、アボカド油等が挙げられる。
上記炭化水素油の具体例としては、例えば、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、流動イソパラフィン、流動パラフィン等が挙げられる。
上記脂肪酸エステル油の具体例としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、オクタン酸セチル、オクタン酸ステアリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、トリオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン等が挙げられる。
本発明においては、室温で液状の油剤の中でも、化粧持ちがより一層高くなる観点から、油脂および炭化水素油から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、スクワラン、ホホバ種子油およびアボカド油から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
本発明において室温で液状の油剤は、市販品を用いることもできる。上記室温で液状の油剤の市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。スクワランの市販品としては、例えば、商品名「NIKKOL シュガースクワラン」(日光ケミカルズ株式会社製)、商品名「オリザスクワラン」(オリザ油化株式会社製)等が挙げられる。ホホバ種子油の市販品としては、例えば、商品名「ホホバール(精製ホホバオイル)」(綿半トレーディング株式会社製)等が挙げられる。アボカド油の市販品としては、例えば、商品名「BIOCHEMICA AVOCADO OIL REF ORG」(The HallStar Company製)等が挙げられる。
本発明の室温で液状の油剤の含有量は、化粧料100質量%中、5質量%~13質量%であり、化粧持ちがより一層高くなる観点から、5質量%~10質量%であることが好ましい。本発明では、上記室温で液状の油剤が5質量%未満の場合には、粉体と粉体との結合が弱くなるために圧縮成型しにくくなる。一方、上記室温で液状の油剤を13質量%超えて配合する場合には、粉体と粉体との結合が強くなりすぎて、ケーキング(製剤の表面が固くなる)現象が起こることでパフへの付着が悪くなり、本発明の効果を阻害する可能性がある。なお、上記室温で液状の油剤の含有量は、純分に換算した量である。
[成分A]
上記成分Aは、タルクである。本発明では、上記成分Aを用い、かつ、他の必須構成成分と組み合わせることにより、塗布時において肌へ粉末固形化粧料を均一に付着させることができ、塗布後の化粧持ちを良好にすることができるようになる。
本発明の上記成分Aの吸油量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、通常、肌へ均一に付着させ、化粧持ちを良好にする観点から、吸油量が50ml/100g~80ml/100gであることが好ましく、60ml/100g~70ml/100gであることがより好ましい。なお、吸油量(ml/100g)は、JIS K5101に記載の方法に準拠して測定された値である。
本発明において上記成分Aは、市販品を用いることもできる。上記成分Aの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。具体的な市販品としては、例えば、商品名「TALCO SUPERRIORE M10」(吸油量65ml/100g,Imerys Talc社製)等が挙げられる。
本発明の上記成分Aの含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、通常、肌へ均一に付着させ、化粧持ちを良好にする観点から、化粧料100質量%中、40質量%~95質量%であることが好ましく、60質量%~85質量%であることがより好ましい。なお、上記成分Aの含有量は、純分に換算した量である。
[成分B]
上記成分Bは、平均粒径4.0~6.0μmのナイロン-12である。本発明では、上記成分Bを用い、かつ、他の必須構成成分と組み合わせることにより、塗布時における肌上での延展性を良好にするだけでなく、施術後の肌をきめ細やかに見せることでソフトフォーカス効果を著しく高めることができるようになる。なお、平均粒径は、レーザー回折法により測定されるメディアン径(D50)である。
本発明において上記成分Bは、市販品を用いることもできる。上記成分Bの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。具体的な市販品としては、例えば、商品名「ガンツパールGPA-550」(平均粒径4.0~6.0μm,アイカ工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明の上記成分Bの含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、通常、肌上での延展性を良好にする観点、並びにソフトフォーカス効果を著しく高める観点から、化粧料100質量%中、1質量%~10質量%であることが好ましく、3質量%~7質量%であることがより好ましい。なお、上記成分Bの含有量は、純分に換算した量である。
[成分C]
上記成分Cは、平均粒径14~22μmのメタクリル酸メチルクロスポリマーである。本発明では、上記成分Cを用い、かつ、他の必須構成成分と組み合わせることにより、塗布時における肌上での延展性をより良好にし、ソフトフォーカス効果をより一層高めることができるようになる。なお、平均粒径は、レーザー回折法により測定されるメディアン径(D50)である。
本発明において上記成分Cは、市販品を用いることもできる。上記成分Cの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。具体的な市販品としては、例えば、商品名「マツモトマイクロスフェアーM-305QD18」(均粒径14~22μm,松本油脂製薬株式会社製)等が挙げられる。
本発明の上記成分Cの含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、通常、肌上での延展性をより良好にする観点、並びにソフトフォーカス効果をより一層高める観点から、化粧料100質量%中、1質量%~10質量%であることが好ましく、3質量%~7質量%であることがより好ましい。なお、上記成分Cの含有量は、純分に換算した量である。
なお、本発明の粉末固形化粧料において、上記成分A、上記成分Bおよび上記成分Cの総量は、化粧料全量に対して70質量%以上である。本発明では、上記成分A、上記成分Bおよび上記成分Cの総量を化粧料全量に対して70質量%以上とすることで、塗布時において肌へ均一に付着し、延展性が良く、化粧持ちが良いとういう効果を奏するだけでなく、塗布後の肌をきめ細やかに見せ、ソフトフォーカス効果により、肌をより一層明るく魅せることができるという格別顕著な効果を発揮させることができる。
加えて、上記した本発明の特有の効果を存分に発揮させる観点から、上記成分Bおよび上記成分Cの総量に対する上記成分Aの含有量の比(成分A/(成分B+成分C))は、1~20の範囲を満たすことが好ましく、3~17に範囲を満たすことがより好ましく、5~14の範囲を満たすことが最も好ましい。
[成分D]
本発明の粉末固形化粧料では、さらに下記成分Dを含有させることが好ましい。
成分D:平均粒径1.0~5.0μmのシリカ
本発明では、上記成分Dを更に配合することで、塗布時における肌上での延展性をより良好にし、ソフトフォーカス効果をより一層高めることができるようになる。また、液状油によるべたつきを軽減できるようになる。なお、平均粒径は、レーザー回折法により測定されるメディアン径(D50)である。
本発明において上記成分Dは、市販品を用いることもできる。上記成分Dの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。具体的な市販品としては、例えば、商品名「BA4」(平均粒径1.0~5.0μm,日揮触媒化成株式会社製)、商品名「ゴットボールG-6C」(平均粒径3.2~5.0μm,鈴木油脂工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明の上記成分Dの含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、通常、肌上での延展性をより良好にする観点、並びにソフトフォーカス効果をより一層高める観点から、化粧料100質量%中、2質量%~20質量%であることが好ましく、6質量%~10質量%であることがより好ましい。なお、上記成分Dの含有量は、純分に換算した量である。
なお、本発明の粉末固形化粧料において、上記成分A、上記成分B、上記成分Cおよび上記成分Dの総量は、化粧料全量に対して80質量%以上であることが好ましい。本発明では、上記成分A、上記成分B、上記成分Cおよび上記成分Dの総量を化粧料全量に対して80質量%以上とすることで、塗布時において肌へ均一に付着し、延展性が良く、化粧持ちが良いとういう効果を更に高めるだけでなく、塗布後の肌をきめ細やかに見せ、ソフトフォーカス効果により、肌をより一層明るく魅せることができるという格別顕著な効果を更に高めることができる。
加えて、上記した本発明の特有の効果を存分に発揮させる観点から、上記成分B、上記成分Cおよび上記成分Dの総量に対する上記成分Aの含有量の比(成分A/(成分B+成分C+成分D))は、1~20の範囲を満たすことが好ましく、1.5~15に範囲を満たすことがより好ましく、3~7の範囲を満たすことが最も好ましい。
[成分E]
本発明の粉末固形化粧料では、さらに下記成分Eを含有させることが好ましい。
成分E:ステアリン酸処理酸化チタンおよび/又は水酸化アルミニウム処理酸化チタン
本発明では、上記成分Eを更に配合することで、施術後の肌において、ソフトフォーカス効果をより一層高め、肌を更に一層明るく魅せることが可能となる。
本発明において上記成分Eは、市販品を用いることもできる。上記成分Eの市販品は、単独原料であっても、他成分との混合原料であっても、所望の効果が発揮されるのであれば特に限定されない。ステアリン酸処理酸化チタンの市販品としては、例えば、商品名「SP ソラベール XTP1 MBAL-PW-(MV)」(平均粒径0.179μm,Croda Europe Ltd社製)等が挙げられる。水酸化アルミニウム処理酸化チタンの市販品としては、例えば、商品名「CR-50」(平均粒径0.25μm,石原産業株式会社製)等が挙げられる。
本発明の上記成分Eの含有量は、所望の効果を発揮できるのであれば特に限定されないが、通常、施術後の肌において、ソフトフォーカス効果をより一層高め、肌を更に一層明るく魅せる観点から、化粧料100質量%中、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。一方、10質量%を超えて含有する場合、延展性が悪く、きしみやすさを感じやすくなり、本発明の効果を阻害する可能性がある。すなわち、上記成分Eの含有量は、1質量%~10質量%であることが好ましく、2質量%~10質量%であることがより好ましい。なお、上記成分Eの含有量は、純分に換算した量である。
[その他成分]
本発明の粉末固形化粧料には、上記した成分の他に、例えば、上記した成分A~成分E以外の粉体;上記した室温で液状の油剤以外の油剤;植物抽出エキス、抗炎症剤、多価アルコール、保湿剤、香料、pH調整剤、皮膜形成剤、キレート剤、低級アルコール、アルカリ剤、ビタミン剤、収れん剤、酸化防止剤、防腐剤、紫外線吸収剤、着色料、植物発酵エキス、精製水等を目的に応じて適宜配合することができる。
本発明の粉末固形化粧料は、公知の方法により製造することができる。具体的な製造方法としては、例えば、上記粉末固形化粧料を乾式方法又は湿式方式により圧縮成形する製造方法が挙げられる。なお、本発明の化粧料は、圧縮成形された粉末固形状(プレスト状)であり、粉末状(ルースパウダー状)は包含しない。
本発明の粉末固形化粧料は、肌に適用することで優れた効果を発揮することから、ファンデーション、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラー等の粉末固形状(プレスト状)のメイクアップ化粧料として用いられることが好ましい。また、本発明の粉末固形化粧料は、化粧品、医薬部外品、指定医薬部外品、雑貨などの形態をとり得る。
本発明の粉末固形化粧料を適用する部位は、特に限定されないが、一例として、顔(額、目元、目じり、頬など)、首、デコルテなどに用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、配合量は、特記しない限り「質量%」を表す。
(試料の調製1)
表1~表3に記した組成に従い、実施例1~16および比較例1~5の粉末固形化粧料を常法に準じて圧縮成形し、下記評価に供した。結果を表1~表3に記す。なお、表中の配合量は、全て純分換算した値である。また、評価は全て恒温下(25±2℃)で実施した。
実施例および比較例では、下記成分を用いた。
[成分A]
タルク:商品名「TALCO SUPERRIORE M10」(吸油量65ml/100g,Imerys Talc社製)
[成分B]
ナイロン-12:商品名「ガンツパールGPA-550」(平均粒径4.0~6.0μm,アイカ工業株式会社製)
[成分C]
メタクリル酸メチルクロスポリマー:商品名「マツモトマイクロスフェアーM-305QD18」(均粒径14~22μm,松本油脂製薬株式会社製)
[成分D]
シリカ:商品名「BA4」(平均粒径1.0~5.0μm,日揮触媒化成株式会社製)
[成分E]
ステアリン酸処理酸化チタン:商品名「SP ソラベール XTP1 MBAL-PW-(MV)」(平均粒径0.179μm,Croda Europe Ltd社製)
水酸化アルミニウム処理酸化チタン:商品名「CR-50」(平均粒径0.25μm,石原産業株式会社製)
[室温で液状の油剤]
スクワラン:商品名「NIKKOL シュガースクワラン」(日光ケミカルズ株式会社製)
ホホバ種子油:商品名「ホホバール(精製ホホバオイル)」(綿半トレーディング株式会社製)
アボカド油:商品名「BIOCHEMICA AVOCADO OIL REF ORG」(The HallStar Company製)
(試験例1:使用感の評価)
各実施例および各比較例で得られた粉末固形化粧料0.1gを顔(頬)にパフを用いて塗布してもらい、使用試験を実施した。評価は、「塗布時の均一性」、「塗布時の延展性」、「化粧持ち」、「肌のきめ細かさ」、「ソフトフォーカス効果」、「肌の明るさ」の6項目について官能評価を行い、下記1点~5点の評価点に従ってスコア付けをした。なお、評価は、5名の専門評価員が実施し、各評価員の評価を総合判断して決定した。
「塗布時の均一性」の評価は、塗布した際の均一性が高いほど高得点とした。「塗布時の延展性」の評価は、塗布した際の延展性が高いほど高得点とした。「化粧持ち」の評価は、塗布直後の状態と、塗布してから5時間後の状態を比較し、状態が変わらないほど高得点とした。「肌のきめ細かさ」の評価は、塗布後の肌がきめ細く見えるほど高得点とした。「ソフトフォーカス効果」の評価は、塗布後のソフトフォーカス効果が高いほど高得点とした。「肌の明るさ」の評価は、塗布後の肌が明るく感じるほど高得点とした。
下記5段階の評価基準に従って評価した。結果は、専門評価パネルの平均点を算出し、下記判定基準に従って判定を行った。
<評価基準>
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<判定基準>
◎:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
Figure 2023162079000001
Figure 2023162079000002
Figure 2023162079000003
表1~表3に示された結果から、各実施例で得られた粉末固形化粧料は、各比較例で得られたものと比較して、塗布時において均一に付着し、延展性が良く、化粧持ちが良く、塗布後の肌がきめ細やかに見え、ソフトフォーカス効果に優れ、肌の明るさが非常に良好であり、評価6項目全てにおいて格段に優れた効果を発揮していることが分かる。
一方、本発明の構成を充足しない比較例の粉末固形化粧料、並びに他の成分へと置き換えた比較例の粉末固形化粧料では、評価6項目において満足のいく結果が得られなかった。これらの結果からも明らかな通り、本発明の粉末固形化粧料は、従来の粉末固形化粧料が抱えていた塗布時と塗布後の夫々の課題を同時に解決することができるものであると言える。

Claims (4)

  1. 室温で液状の油剤5~13質量%を含み、圧縮成形されてなる粉末固形化粧料であって、下記成分A、下記成分Bおよび下記成分Cを含有し、前記成分A、前記成分Bおよび前記成分Cの総量が化粧料全量に対して70質量%以上であることを特徴とする粉末固形化粧料。
    成分A:タルク
    成分B:平均粒径4.0~6.0μmのナイロン-12
    成分C:平均粒径14~22μmのメタクリル酸メチルクロスポリマー
  2. 前記成分Bおよび前記成分Cの総量に対する前記成分Aの含有量の比(成分A/(成分B+成分C))が、1~20の範囲を満たすことを特徴とする請求項1に記載の粉末固形化粧料。
  3. さらに、下記成分Dを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の粉末固形化粧料。
    成分D:平均粒径1.0~5.0μmのシリカ
  4. さらに、下記成分Eを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の粉末固形化粧料。
    成分E:ステアリン酸処理酸化チタンおよび/又は水酸化アルミニウム処理酸化チタン
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