JP2023161468A - 造形物の製造システム、造形物の製造制御装置、造形物の製造制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】第1の形成装置及び第2の形成装置の姿勢が維持できなくなる可能性を低くする。【解決手段】溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置と、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置と、母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、第1の形成装置と第2の形成装置と調整装置とを制御する制御装置とを備え、制御装置は、第1の形成装置の形成条件の第1の補正量と、第2の形成装置の形成条件の第2の補正量とに基づいて、第1の形成装置の第1の制御変更量と、第2の形成装置の第2の制御変更量と、調整装置の第3の制御変更量とを、第1の制御変更量及び第2の制御変更量の両方が第1の補正量及び第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定することを特徴とする造形物の製造システム。【選択図】図1
Description
本発明は、造形物の製造システム、造形物の製造制御装置、造形物の製造制御方法、及びプログラムに関する。
特許文献1には、システム制御装置が、2台のロボットの位置を定期的に読み取り比較することにより、各ロボットの作業進行の速い遅いを判断し、各ロボット個別制御装置へ作業速度の微小な増減を指示することにより2台のロボットの時系列上の進行を管理する産業用ロボットシステムが記載されている。
溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1及び第2の形成装置の形成条件の補正量に基づいて、第1の形成装置の制御変更量と、第2の形成装置の制御変更量と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の制御変更量とを決定することがある。その際に、第1の形成装置の制御変更量及び第2の形成装置の制御変更量を小さくする構成を採用しない場合は、第1の形成装置及び第2の形成装置の姿勢が維持できなくなる可能性がある。
本発明の目的は、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1及び第2の形成装置の形成条件の補正量に基づいて、第1の形成装置の制御変更量と、第2の形成装置の制御変更量と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の制御変更量とを決定する際に、第1の形成装置及び第2の形成装置の姿勢が維持できなくなる可能性を低くすることにある。
かかる目的のもと、本発明は、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置と、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置と、母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、第1の形成装置と第2の形成装置と調整装置とを制御する制御装置とを備え、制御装置は、第1の形成装置の形成条件の第1の補正量と、第2の形成装置の形成条件の第2の補正量とに基づいて、第1の形成装置の第1の制御変更量と、第2の形成装置の第2の制御変更量と、調整装置の第3の制御変更量とを、第1の制御変更量及び第2の制御変更量の両方が第1の補正量及び第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定する造形物の製造システムを提供する。
また、本発明は、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置の形成条件の第1の補正量と、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置の形成条件の第2の補正量とを取得する取得部と、第1の補正量と、第2の補正量とに基づいて、第1の形成装置の第1の制御変更量と、第2の形成装置の第2の制御変更量と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の第3の制御変更量とを、第1の制御変更量及び第2の制御変更量の両方が第1の補正量及び第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定する決定部と、母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、第1の制御変更量と第2の制御変更量と第3の制御変更量とを用いて、第1の形成装置と第2の形成装置と調整装置とを制御する制御部とを備える造形物の製造制御装置も提供する。
決定部は、第1の補正量と第2の補正量との差分に基づいて、第1の制御変更量と第2の制御変更量とを決定する、ものであってよい。その場合、第1の補正量は、第1の形成装置のビードの形成速度の補正量であってよく、第2の補正量は、第2の形成装置のビードの形成速度の補正量であってよい。第1の補正量は、第1の形成装置のトーチの位置の補正量であってよく、第2の補正量は、第2の形成装置のトーチの位置の補正量であってよい。
造形物の製造制御装置は、第1の制御変更量の第1の形成装置に対する第1の影響量が第1の閾値より小さく、かつ、第2の制御変更量の第2の形成装置に対する第2の影響量が第2の閾値より小さいか否かを判定する判定部を更に備える、ものであってよい。その場合、第1の影響量は、第1の形成装置の所定の部位の移動量であってよく、第2の影響量は、第2の形成装置の所定の部位の移動量であってよい。第1の影響量は、第1の形成装置の所定の部位と特異点との距離であってよく、第2の影響量は、第2の形成装置の所定の部位と特異点との距離であってよい。判定部は、第1の形成装置を移動させる移動装置が第1の形成装置を移動可能な範囲に基づいて、第1の閾値を決定する、ものであってよい。
決定部は、第1の補正量と第2の補正量との差分に基づいて、第1の制御変更量と第2の制御変更量とを決定する、ものであってよい。その場合、第1の補正量は、第1の形成装置のビードの形成速度の補正量であってよく、第2の補正量は、第2の形成装置のビードの形成速度の補正量であってよい。第1の補正量は、第1の形成装置のトーチの位置の補正量であってよく、第2の補正量は、第2の形成装置のトーチの位置の補正量であってよい。
造形物の製造制御装置は、第1の制御変更量の第1の形成装置に対する第1の影響量が第1の閾値より小さく、かつ、第2の制御変更量の第2の形成装置に対する第2の影響量が第2の閾値より小さいか否かを判定する判定部を更に備える、ものであってよい。その場合、第1の影響量は、第1の形成装置の所定の部位の移動量であってよく、第2の影響量は、第2の形成装置の所定の部位の移動量であってよい。第1の影響量は、第1の形成装置の所定の部位と特異点との距離であってよく、第2の影響量は、第2の形成装置の所定の部位と特異点との距離であってよい。判定部は、第1の形成装置を移動させる移動装置が第1の形成装置を移動可能な範囲に基づいて、第1の閾値を決定する、ものであってよい。
更に、本発明は、コンピュータが、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置の形成条件の第1の補正量と、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置の形成条件の第2の補正量とを取得する、取得ステップと、コンピュータが、第1の補正量と、第2の補正量とに基づいて、第1の形成装置の第1の制御変更量と、第2の形成装置の第2の制御変更量と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の第3の制御変更量とを、第1の制御変更量及び第2の制御変更量の両方が第1の補正量及び第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定する、決定ステップと、コンピュータが、母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、第1の制御変更量と第2の制御変更量と第3の制御変更量とを用いて、第1の形成装置と第2の形成装置と調整装置とを制御する、制御ステップとを含む造形物の製造制御方法も提供する。
更にまた、本発明は、コンピュータに、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置の形成条件の第1の補正量と、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置の形成条件の第2の補正量とを取得する機能と、第1の補正量と、第2の補正量とに基づいて、第1の形成装置の第1の制御変更量と、第2の形成装置の第2の制御変更量と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の第3の制御変更量とを、第1の制御変更量及び第2の制御変更量の両方が第1の補正量及び第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定する機能と、母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、第1の制御変更量と第2の制御変更量と第3の制御変更量とを用いて、第1の形成装置と第2の形成装置と調整装置とを制御する機能とを実現させるためのプログラムも提供する。
本発明によれば、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1及び第2の形成装置の形成条件の補正量に基づいて、第1の形成装置の制御変更量と、第2の形成装置の制御変更量と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の制御変更量とを決定する際に、第1の形成装置及び第2の形成装置の姿勢が維持できなくなる可能性が低くなる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[金属積層造形システムの構成]
本実施の形態では、金属積層造形システムとして、複数台の溶接ロボットを使用し溶接トーチを個別に移動させることによって精密な造形でも生産性を向上できるシステムを想定する。例えば、1台の溶接ロボットでは、その特異点近傍を通過する溶接線の溶接を実施できないが、複数台の溶接ロボットによって柔軟に作業を分担することで、溶接線が特異点近傍を通過しないようにしつつ造形することが可能となる。以下、2台の溶接ロボットを使用する場合を例にとり、このような金属積層造形システムについて説明する。
本実施の形態では、金属積層造形システムとして、複数台の溶接ロボットを使用し溶接トーチを個別に移動させることによって精密な造形でも生産性を向上できるシステムを想定する。例えば、1台の溶接ロボットでは、その特異点近傍を通過する溶接線の溶接を実施できないが、複数台の溶接ロボットによって柔軟に作業を分担することで、溶接線が特異点近傍を通過しないようにしつつ造形することが可能となる。以下、2台の溶接ロボットを使用する場合を例にとり、このような金属積層造形システムについて説明する。
図1は、本実施の形態における金属積層造形システム1の概略構成例を示した図である。
図示するように、金属積層造形システム1は、溶接ロボット(マニピュレータ)10a,10bと、ポジショナ20と、CAD装置25と、積層計画装置30と、制御装置50とを備える。また、積層計画装置30は、溶接ロボット10a,10bを制御する制御プログラムを、例えばメモリカード等のリムーバブルな記録媒体70に書き込み、制御装置50は、記録媒体70に書き込まれた制御プログラムを読み出すことができるようになっている。
図示するように、金属積層造形システム1は、溶接ロボット(マニピュレータ)10a,10bと、ポジショナ20と、CAD装置25と、積層計画装置30と、制御装置50とを備える。また、積層計画装置30は、溶接ロボット10a,10bを制御する制御プログラムを、例えばメモリカード等のリムーバブルな記録媒体70に書き込み、制御装置50は、記録媒体70に書き込まれた制御プログラムを読み出すことができるようになっている。
溶接ロボット10aは、複数の関節を有する腕(アーム)11aを備え、制御装置50が読み込んだ制御プログラムに従って動作することで溶接作業を行う。また、溶接ロボット10aは、腕11aの先端に手首部12aを介して、積層造形物100を造形するための溶接トーチ13aを有している。そして、金属積層造形システム1の場合、溶接ロボット10aは、軟鋼製の溶加材(ワイヤ)14aを溶融しながら、溶接トーチ13aを移動させて、積層造形物100を製造する。具体的には、溶接トーチ13aは、溶加材14aを供給しつつ、シールドガスを流しながらアークを発生させて溶加材14aを溶融及び固化し、母材101上に複数層の溶接ビード(以下、単に「ビード」という)102を積層して積層造形物100を製造する。尚、ここでは、溶加材14aを溶融する熱源としてアークを用いるが、レーザやプラズマを用いてもよい。また、溶接ロボット10aは、この他に、溶加材14aを送給する送給装置等も含むが、これについては説明を省略する。
また、溶接ロボット10aは、腕11aの先端に形状センサ15aを備える。形状センサ15aは、積層しているビード102の形状を計測できれば、如何なるものでもよい。例えば、形状センサ15aは、照射したレーザ光の反射光を高さデータとして取得するレーザセンサであってよい。或いは、形状センサ15aは、3次元形状計測用カメラであってもよい。
本実施の形態では、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置の一例として、溶接ロボット10aを設けている。
また、溶接ロボット10aは、腕11aの先端に形状センサ15aを備える。形状センサ15aは、積層しているビード102の形状を計測できれば、如何なるものでもよい。例えば、形状センサ15aは、照射したレーザ光の反射光を高さデータとして取得するレーザセンサであってよい。或いは、形状センサ15aは、3次元形状計測用カメラであってもよい。
本実施の形態では、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置の一例として、溶接ロボット10aを設けている。
溶接ロボット10bは、溶接ロボット10aと同様の構成を有するので、説明を省略する。但し、溶接ロボット10bの各部を示す符号には、溶接ロボット10aの各部の符号に付した添字「a」に代えて添字「b」を付すものとする。尚、溶接ロボット10a及びその各部と、溶接ロボット10b及びその各部とを区別しない場合は、この添字を付さないこともある。
本実施の形態では、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置の一例として、溶接ロボット10bを設けている。
本実施の形態では、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置の一例として、溶接ロボット10bを設けている。
ポジショナ20は、母材101を保持し、溶接トーチ13a,13bの位置が固定されていても母材101上にビード102を形成することができるように母材101を回転する。
本実施の形態では、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の一例として、ポジショナ20を設けている。
本実施の形態では、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の一例として、ポジショナ20を設けている。
CAD装置25は、コンピュータを用いて造形物の設計を行うと共に、設計によって得られた三次元データ(以下、「三次元CADデータ」という)を保持する機能を有している。
積層計画装置30は、CAD装置25が保持する三次元CADデータに基づいて積層造形物100の積層計画を作成する。つまり、溶接トーチ13a,13bの軌道を決定すると共に、溶接ロボット10a,10bが溶接する際の溶接条件を決定する。そして、この決定した軌道に沿って決定した溶接条件でビード102を形成するように溶接ロボット10a,10bを制御するための制御プログラムを生成し、この制御プログラムを記録媒体70に出力する。
制御装置50は、記録媒体70から制御プログラムを読み込んで保持する。そして、この制御プログラムを動作させることにより、積層計画装置30で作成された積層計画に従って、つまり、積層計画装置30で決定された軌道に沿って、積層計画装置30で決定された溶接条件でビード102を形成するよう、溶接ロボット10a,10bを制御する。
本実施の形態では、母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、第1の形成装置と第2の形成装置と調整装置とを制御する制御装置の一例として、制御装置50を設けている。
本実施の形態では、母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、第1の形成装置と第2の形成装置と調整装置とを制御する制御装置の一例として、制御装置50を設けている。
尚、ここでは、溶接ロボット10a,10bは、母材101上にビード102を積層して積層造形物100を製造するものとしたが、これには限らない。溶接ロボット10a,10bは、例えば、開先内の多層盛溶接や肉盛溶接を行うものであってもよい。
[制御装置のハードウェア構成]
図2は、制御装置50のハードウェア構成例を示す図である。
図示するように、制御装置50は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現され、演算手段であるCPU51と、記憶手段であるメインメモリ52及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)53とを備える。ここで、CPU51は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、制御装置50の各機能を実現する。また、メインメモリ52は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD53は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
また、制御装置50は、外部との通信を行うための通信I/F54と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構55と、キーボードやマウス等の入力デバイス56と、記録媒体70に対してデータの読み書きを行うためのドライバ57とを備える。尚、図2は、制御装置50をコンピュータシステムにて実現した場合のハードウェア構成を例示するに過ぎず、制御装置50は図示の構成に限定されない。
図2は、制御装置50のハードウェア構成例を示す図である。
図示するように、制御装置50は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現され、演算手段であるCPU51と、記憶手段であるメインメモリ52及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)53とを備える。ここで、CPU51は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、制御装置50の各機能を実現する。また、メインメモリ52は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD53は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
また、制御装置50は、外部との通信を行うための通信I/F54と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構55と、キーボードやマウス等の入力デバイス56と、記録媒体70に対してデータの読み書きを行うためのドライバ57とを備える。尚、図2は、制御装置50をコンピュータシステムにて実現した場合のハードウェア構成を例示するに過ぎず、制御装置50は図示の構成に限定されない。
また、図2に示したハードウェア構成は、積層計画装置30のハードウェア構成としても捉えられる。但し、積層計画装置30について述べるときは、図2のCPU51、メインメモリ52、磁気ディスク装置53、通信I/F54、表示機構55、入力デバイス56、ドライバ57をそれぞれ、CPU31、メインメモリ32、磁気ディスク装置33、通信I/F34、表示機構35、入力デバイス36、ドライバ37と表記するものとする。
[本実施の形態の背景及び概要]
このような構成を備えた金属積層造形システム1で積層造形物100の造形が行われる際、溶接環境や溶接時の瞬時的な変動によって、計画値通りの溶着が実現されない場合がある。このような場合に、積層造形物100で目的の形状を実現するためには、フィードバック(FB)制御により溶接速度等の溶接条件を変更する必要がある。
しかしながら、フィードバック制御を行った場合は、溶接トーチ13a,13bの位置や溶接ロボット10a,10bの姿勢が維持できずにビード102の形状の変化や作業性の悪化等が生じる可能性がある。
このような構成を備えた金属積層造形システム1で積層造形物100の造形が行われる際、溶接環境や溶接時の瞬時的な変動によって、計画値通りの溶着が実現されない場合がある。このような場合に、積層造形物100で目的の形状を実現するためには、フィードバック(FB)制御により溶接速度等の溶接条件を変更する必要がある。
しかしながら、フィードバック制御を行った場合は、溶接トーチ13a,13bの位置や溶接ロボット10a,10bの姿勢が維持できずにビード102の形状の変化や作業性の悪化等が生じる可能性がある。
以下、このことについて、溶接条件として溶接速度を例にとり具体的に説明する。例えば、溶接トーチ13bの位置を固定してポジショナ20の角速度(又は回転速度)を変化させると、溶接トーチ13aの溶接位置(溶接速度も)や溶接方向が大きく変化することになる。
図3(a),(b)は、このことを示す図である。ここでは、フィードバック計算により、ビード102の高さを計画値通りにするために溶接速度の補正量が計算されているものとする。また、この例では、ポジショナ20は反時計回りに回転するものとし、その回転方向を正方向としている。そして、ポジショナ20の中心から溶接トーチ13a,13bによる溶接位置までの距離をrとする。
図3(a)に示すように、フィードバック計算の結果、溶接トーチ13a,13bを固定し、溶接トーチ13aに対するポジショナ20の相対速度は変更せずに、溶接トーチ13bに対するポジショナ20の相対速度をΔvだけ増加させることになったとする。すると、図3(b)に示すように、ポジショナ20の角速度をΔv/rだけ増加させる必要が生じる。これにより、ポジショナ20に対する溶接トーチ13aの相対位置を固定させるには、溶接トーチ13aを正方向に速度Δvで移動させる必要がある。
そうなると、溶接トーチ13aの移動に合わせて溶接安定性を保つために溶接トーチ13aの姿勢の変更が併せて必要となる場合がある。しかし、溶接ロボット10aの可動範囲の制約により溶接トーチ13aの移動量が大きい場合には十分な姿勢変更が困難になるといった問題が発生する。
図3(a)に示すように、フィードバック計算の結果、溶接トーチ13a,13bを固定し、溶接トーチ13aに対するポジショナ20の相対速度は変更せずに、溶接トーチ13bに対するポジショナ20の相対速度をΔvだけ増加させることになったとする。すると、図3(b)に示すように、ポジショナ20の角速度をΔv/rだけ増加させる必要が生じる。これにより、ポジショナ20に対する溶接トーチ13aの相対位置を固定させるには、溶接トーチ13aを正方向に速度Δvで移動させる必要がある。
そうなると、溶接トーチ13aの移動に合わせて溶接安定性を保つために溶接トーチ13aの姿勢の変更が併せて必要となる場合がある。しかし、溶接ロボット10aの可動範囲の制約により溶接トーチ13aの移動量が大きい場合には十分な姿勢変更が困難になるといった問題が発生する。
そこで、本実施の形態では、フィードバック計算によって得られた補正量を、溶接トーチ13a,13b及びポジショナ20に分配した制御変更量を用いることとする。
図4(a),(b)は、このような補正量の分配の第1の例を示す図である。ここでも、フィードバック計算により、ビード102の高さを計画値通りにするために溶接速度の補正量が計算されているものとする。また、この例でも、ポジショナ20は反時計回りに回転するものとし、その回転方向を正方向としている。そして、ポジショナ20の中心から溶接トーチ13a,13bによる溶接位置までの距離をrとする。
図4(a)に示すように、フィードバック計算の結果、図3(a)と同様に、溶接トーチ13a,13bを固定し、溶接トーチ13aに対するポジショナ20の相対速度は変更せずに、溶接トーチ13bに対するポジショナ20の相対速度をΔvだけ増加させることになったとする。すると、図4(b)では、ポジショナ20の角速度をΔv/2rだけ増加させ、溶接トーチ13aを正方向に速度Δv/2で移動させ、溶接トーチ13bを負方向に速度Δv/2で移動させる。
図4(a)に示すように、フィードバック計算の結果、図3(a)と同様に、溶接トーチ13a,13bを固定し、溶接トーチ13aに対するポジショナ20の相対速度は変更せずに、溶接トーチ13bに対するポジショナ20の相対速度をΔvだけ増加させることになったとする。すると、図4(b)では、ポジショナ20の角速度をΔv/2rだけ増加させ、溶接トーチ13aを正方向に速度Δv/2で移動させ、溶接トーチ13bを負方向に速度Δv/2で移動させる。
図5(a),(b)は、このような補正量の分配の第2の例を示す図である。この第2の例は、前述した第1の例を一般化したものである。ここでも、フィードバック計算により、ビード102の高さを計画値通りにするために溶接速度の補正量が計算されているものとする。また、この例でも、ポジショナ20は反時計回りに回転するものとし、その回転方向を正方向としている。そして、ポジショナ20の中心から溶接トーチ13a,13bによる溶接位置までの距離をrとする。
図5(a)に示すように、フィードバック計算の結果、溶接トーチ13a,13bを固定し、溶接トーチ13aに対するポジショナ20の相対速度をΔv1だけ増加させ、溶接トーチ13bに対するポジショナ20の相対速度をΔv2だけ増加させることになったとする。すると、図5(b)では、ポジショナ20の角速度を(Δv1+Δv2)/2rだけ増加させ、溶接トーチ13aを正方向に速度(Δv2-Δv1)/2で移動させ、溶接トーチ13bを負方向に速度(Δv2-Δv1)/2で移動させる。尚、図中、矢印で示した溶接トーチ13a,13bの移動方向はΔv1<Δv2を仮定した場合の方向であり、Δv2>Δv1を仮定した場合は、逆方向となる。
これにより、溶接ロボット10a,10bの積層造形物100に対する角度及び溶接ロボット10a,10bの姿勢角の変化を低減して、溶接ロボット10a,10bの移動量も低減させる。
図5(a)に示すように、フィードバック計算の結果、溶接トーチ13a,13bを固定し、溶接トーチ13aに対するポジショナ20の相対速度をΔv1だけ増加させ、溶接トーチ13bに対するポジショナ20の相対速度をΔv2だけ増加させることになったとする。すると、図5(b)では、ポジショナ20の角速度を(Δv1+Δv2)/2rだけ増加させ、溶接トーチ13aを正方向に速度(Δv2-Δv1)/2で移動させ、溶接トーチ13bを負方向に速度(Δv2-Δv1)/2で移動させる。尚、図中、矢印で示した溶接トーチ13a,13bの移動方向はΔv1<Δv2を仮定した場合の方向であり、Δv2>Δv1を仮定した場合は、逆方向となる。
これにより、溶接ロボット10a,10bの積層造形物100に対する角度及び溶接ロボット10a,10bの姿勢角の変化を低減して、溶接ロボット10a,10bの移動量も低減させる。
ここで、図4(a),(b)及び図5(a),(b)に示した補正量を溶接トーチ13a,13b及びポジショナ20に分配する際の計算方法について、詳細に説明する。
図6は、このような計算方法を示す図である。ここでも、ポジショナ20は反時計回りに回転するものとし、その回転方法を正方向としている。また、ポジショナ20の角速度をωとし、溶接トーチ13aの移動速度をt1とし、溶接トーチ13bの移動速度をt2とする。ポジショナ20の中心から溶接トーチ13aによる溶接位置までの半径をr1とし、ポジショナ20の中心から溶接トーチ13bによる溶接位置までの半径をr2とする。溶接トーチ13aの目標溶接速度、つまりポジショナ20の溶接トーチ13aに対する目標の相対速度をv1とし、溶接トーチ13bの目標溶接速度、つまりポジショナ20の溶接トーチ13bに対する目標の相対速度をv2とする。尚、溶接トーチ13a,13bの移動速度は、溶接トーチ13a,13bのポジショナ20の中心の周りの角速度ω1,ω2で表現してもよいが、以下では、溶接トーチ13a,13bの移動速度t1,t2で表現するものとする(t1=r1ω1,t2=r2ω2)。
図6は、このような計算方法を示す図である。ここでも、ポジショナ20は反時計回りに回転するものとし、その回転方法を正方向としている。また、ポジショナ20の角速度をωとし、溶接トーチ13aの移動速度をt1とし、溶接トーチ13bの移動速度をt2とする。ポジショナ20の中心から溶接トーチ13aによる溶接位置までの半径をr1とし、ポジショナ20の中心から溶接トーチ13bによる溶接位置までの半径をr2とする。溶接トーチ13aの目標溶接速度、つまりポジショナ20の溶接トーチ13aに対する目標の相対速度をv1とし、溶接トーチ13bの目標溶接速度、つまりポジショナ20の溶接トーチ13bに対する目標の相対速度をv2とする。尚、溶接トーチ13a,13bの移動速度は、溶接トーチ13a,13bのポジショナ20の中心の周りの角速度ω1,ω2で表現してもよいが、以下では、溶接トーチ13a,13bの移動速度t1,t2で表現するものとする(t1=r1ω1,t2=r2ω2)。
溶接トーチ13a,13bの目標溶接速度v1,v2は、以下の式を満たす。
v1=r1ω-t1
v2=r2ω-t2
ここで、r1=r2=rとなる場合について詳細を記載する。
まず、t1=0とする組み合わせ(以下、「パターン1」という)は以下の通りである。
t1=0,t2=v1-v2,ω=v1/r
次に、t2=0とする組み合わせ(以下、「パターン2」という)は以下の通りである。
t1=v2-v1,t2=0,ω=v2/r
また、v1×v2>0の場合(同じ方向に溶接する場合)に、|t1|及び|t2|が等しく小さくなる組み合わせ(以下、「パターン3」という)は以下の通りである。
t1=(v2-v1)/2,t2=(v1-v2)/2,ω=(v1+v2)/2r
パターン1、2では、溶接ロボット10a,10bの何れか一方の軌跡修正で済むが、動作姿勢の制約がある。これに対し、パターン3の方が、回転距離から、1パスで長い位相の溶接が実施できる。
v1=r1ω-t1
v2=r2ω-t2
ここで、r1=r2=rとなる場合について詳細を記載する。
まず、t1=0とする組み合わせ(以下、「パターン1」という)は以下の通りである。
t1=0,t2=v1-v2,ω=v1/r
次に、t2=0とする組み合わせ(以下、「パターン2」という)は以下の通りである。
t1=v2-v1,t2=0,ω=v2/r
また、v1×v2>0の場合(同じ方向に溶接する場合)に、|t1|及び|t2|が等しく小さくなる組み合わせ(以下、「パターン3」という)は以下の通りである。
t1=(v2-v1)/2,t2=(v1-v2)/2,ω=(v1+v2)/2r
パターン1、2では、溶接ロボット10a,10bの何れか一方の軌跡修正で済むが、動作姿勢の制約がある。これに対し、パターン3の方が、回転距離から、1パスで長い位相の溶接が実施できる。
ここで、計画時の速度がv1=v2=v0となっていたとする。
この場合、溶接トーチ13a,13bを固定してポジショナ20を回転させる方が1回転以上実施できるため使用され易い。このときの状態(以下、「状態1」という)は以下の通りである。
t1=0,t2=0,ω=v0/r
この場合、溶接トーチ13a,13bを固定してポジショナ20を回転させる方が1回転以上実施できるため使用され易い。このときの状態(以下、「状態1」という)は以下の通りである。
t1=0,t2=0,ω=v0/r
まず、フィードバック制御にてv2をv0+Δvに変更する場合(図4(a),(b)の場合)を考える。この場合、状態1に対する速度の変化は上記の各パターンについて以下のように計算される。
パターン1
t1=0,t2=-Δv,ω=v0/r
(変化量は、dt1=0,dt2=-Δv,dω=0)
パターン2
t1=Δv,t2=0,ω=v0/r+Δv/r
(変化量は、dt1=Δv,dt2=0,dω=Δv/r)
パターン3
t1=Δv/2,t2=-Δv/2,ω=v0/r+Δv/2r
(変化量は、dt1=Δv/2,dt2=-Δv/2,dω=Δv/2r)
このパターン3の変化量が、図4(b)に示した変化量となる。
パターン1
t1=0,t2=-Δv,ω=v0/r
(変化量は、dt1=0,dt2=-Δv,dω=0)
パターン2
t1=Δv,t2=0,ω=v0/r+Δv/r
(変化量は、dt1=Δv,dt2=0,dω=Δv/r)
パターン3
t1=Δv/2,t2=-Δv/2,ω=v0/r+Δv/2r
(変化量は、dt1=Δv/2,dt2=-Δv/2,dω=Δv/2r)
このパターン3の変化量が、図4(b)に示した変化量となる。
次に、フィードバック制御にてv1をv0+Δv1に、v2をv0+Δv2にそれぞれ変更する場合(図5(a),(b)の場合)を考える。この場合、状態1に対する速度の変化は上記の各パターンについて以下のように計算される。
パターン1
t1=0,t2=Δv1-Δv2,ω=v0/r+Δv1/r
(変化量は、dt1=0,dt2=Δv1-Δv2,dω=Δv1/r)
パターン2
t1=Δv2-Δv1,t2=0,ω=v0/r+Δv2/r
(変化量は、dt1=Δv2-Δv1,dt2=0,dω=Δv2/r)
パターン3
t1=(Δv2-Δv1)/2,t2=-(Δv2-Δv1)/2,ω=v0/r+(Δv1+Δv2)/2r
(変化量は、dt1=(Δv2-Δv1)/2,dt2=-(Δv2-Δv1)/2,dω=(Δv1+Δv2)/2r)
このパターン3の変化量が、図5(b)に示した変化量となる。
パターン1
t1=0,t2=Δv1-Δv2,ω=v0/r+Δv1/r
(変化量は、dt1=0,dt2=Δv1-Δv2,dω=Δv1/r)
パターン2
t1=Δv2-Δv1,t2=0,ω=v0/r+Δv2/r
(変化量は、dt1=Δv2-Δv1,dt2=0,dω=Δv2/r)
パターン3
t1=(Δv2-Δv1)/2,t2=-(Δv2-Δv1)/2,ω=v0/r+(Δv1+Δv2)/2r
(変化量は、dt1=(Δv2-Δv1)/2,dt2=-(Δv2-Δv1)/2,dω=(Δv1+Δv2)/2r)
このパターン3の変化量が、図5(b)に示した変化量となる。
[積層計画装置の機能構成]
図7は、本実施の形態における積層計画装置30の機能構成例を示した図である。図示するように、本実施の形態における積層計画装置30は、CADデータ取得部41と、CADデータ分割部42と、積層計画部43と、制御プログラム生成部44と、計画値取得部45と、情報出力部46とを備える。
図7は、本実施の形態における積層計画装置30の機能構成例を示した図である。図示するように、本実施の形態における積層計画装置30は、CADデータ取得部41と、CADデータ分割部42と、積層計画部43と、制御プログラム生成部44と、計画値取得部45と、情報出力部46とを備える。
CADデータ取得部41は、CAD装置25から、積層造形物100の三次元形状を表す三次元CADデータを取得する。
CADデータ分割部42は、CADデータ取得部41が取得した三次元CADデータを複数の層に分割(スライス)することで、各層の形状をそれぞれが表す複数の層形状データを生成する。その際、CADデータ分割部42は、三次元CADデータを複数の層に分割し易い内部形式に変換してもよい。
CADデータ分割部42は、CADデータ取得部41が取得した三次元CADデータを複数の層に分割(スライス)することで、各層の形状をそれぞれが表す複数の層形状データを生成する。その際、CADデータ分割部42は、三次元CADデータを複数の層に分割し易い内部形式に変換してもよい。
積層計画部43は、CADデータ分割部42が生成した複数の層形状データの各層の高さ及び幅に合ったビード102を溶着する際の溶接条件やアーク狙い位置を含む積層計画を生成する。このような積層計画を生成するには、ビード102の高さや幅の他、ビード102の断面形状を近似するモデルが必要である。これらは測定実験の実測値や、溶着金属量の断面積から計算して推定したものでもよい。本実施の形態では、溶接速度やワイヤ送給速度を数条件振って溶着量を変えつつ、ビードオンプレート溶接や鉛直に数層の積層を行い、各々の条件にて1層当たりの高さや幅を測定した結果をデータベース化する。そして、積層する際に積層する所望の高さや幅を満たす溶接速度と溶着量を選択し、測定した結果から各層の推定形状を随時計算し、アーク狙い位置を決める。尚、溶着断面の計算は溶加材14の材質や、既に積層した部位の形状の状態によって計算方法を変えるようにしてもよい。この計算方法によって造形物を内包する積層を計画していく。
制御プログラム生成部44は、積層計画部43が生成した積層計画に従って溶接を行うように溶接ロボット10a,10bを制御するための制御プログラムを生成する。
計画値取得部45は、積層計画部43が生成した積層計画から計画値を取得する。計画値には、溶接ロボット10a,10bが形成するビード102の高さの計画値、積層位置の計画値等がある。
情報出力部46は、制御プログラム生成部44が生成した制御プログラムと、計画値取得部45が取得した計画値とを含む情報を記録媒体70に出力する。
計画値取得部45は、積層計画部43が生成した積層計画から計画値を取得する。計画値には、溶接ロボット10a,10bが形成するビード102の高さの計画値、積層位置の計画値等がある。
情報出力部46は、制御プログラム生成部44が生成した制御プログラムと、計画値取得部45が取得した計画値とを含む情報を記録媒体70に出力する。
尚、ここでは、計画値取得部45が、積層計画部43から計画値を取得し、計画値を制御プログラムとは別に情報出力部46に通知するようにしたが、これには限らない。例えば、計画値取得部45は、制御プログラム生成部44が生成した制御プログラムから計画値を取得し、計画値を制御プログラムとは別に情報出力部46に通知するようにしてもよい。或いは、計画値取得部45は、積層計画部43から計画値を取得し、計画値を制御プログラムに含めて情報出力部46に通知するようにしてもよい。
[制御装置の機能構成]
図8は、本実施の形態における制御装置50の機能構成例を示した図である。図示するように、本実施の形態における制御装置50は、情報取得部61と、制御プログラム記憶部62と、制御プログラム実行部63と、計画値記憶部64と、実績値取得部65と、補正量取得部66と、補正量分配部67と、影響量評価部68と、制御プログラム修正部69とを備える。
図8は、本実施の形態における制御装置50の機能構成例を示した図である。図示するように、本実施の形態における制御装置50は、情報取得部61と、制御プログラム記憶部62と、制御プログラム実行部63と、計画値記憶部64と、実績値取得部65と、補正量取得部66と、補正量分配部67と、影響量評価部68と、制御プログラム修正部69とを備える。
情報取得部61は、記録媒体70に記録された情報を取得する。この情報には、制御プログラムと、計画値とが含まれる。
制御プログラム記憶部62は、情報取得部61が取得した情報のうち、制御プログラムを記憶する。
制御プログラム実行部63は、制御プログラム記憶部62に記憶された制御プログラムを読み出して実行する。これにより、制御プログラム実行部63は、積層計画部43が生成した積層計画に従ってビード102を形成するよう、溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20を制御する。
計画値記憶部64は、情報取得部61が取得した情報のうち、計画値を記憶する。
実績値取得部65は、溶接ロボット10a,10bが形成しているビード102の形状に関する実績値を取得する。以下では、実績値取得部65が実績値としてビード102の実績高さ又はビード102の実績積層位置を取得する場合を例にとって説明する。例えば、実績値取得部65は、形状センサ15a,15bからビード102の実績高さを取得するとよい。或いは、図示しない電流計から得られた溶接時の電流値や、図示しない電圧計から得られた溶接時の電圧値に基づいて、ビード102の実績高さを取得してもよい。
制御プログラム記憶部62は、情報取得部61が取得した情報のうち、制御プログラムを記憶する。
制御プログラム実行部63は、制御プログラム記憶部62に記憶された制御プログラムを読み出して実行する。これにより、制御プログラム実行部63は、積層計画部43が生成した積層計画に従ってビード102を形成するよう、溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20を制御する。
計画値記憶部64は、情報取得部61が取得した情報のうち、計画値を記憶する。
実績値取得部65は、溶接ロボット10a,10bが形成しているビード102の形状に関する実績値を取得する。以下では、実績値取得部65が実績値としてビード102の実績高さ又はビード102の実績積層位置を取得する場合を例にとって説明する。例えば、実績値取得部65は、形状センサ15a,15bからビード102の実績高さを取得するとよい。或いは、図示しない電流計から得られた溶接時の電流値や、図示しない電圧計から得られた溶接時の電圧値に基づいて、ビード102の実績高さを取得してもよい。
補正量取得部66は、実績値取得部65が取得した溶接ロボット10a,10bの積層造形に関する実績値から、溶接ロボット10a,10bの積層造形条件の補正量を取得する。
例えば、補正量取得部66は、計画値記憶部64に記憶されたビード102の計画高さと、実績値取得部65が取得したビード102の実績高さとの乖離を補正すべき量と見なし、高さ補正に必要な条件を算出する。ビード102の実績高さがビード102の計画高さよりやや高い場合は、溶接速度を大きくしてビード102の高さを低めにする制御を行う。ビード102の実績高さがビード102の計画高さよりやや低い場合は、溶接速度を小さくしてビード102の高さを高めにする制御を行う。この場合、補正量取得部66は、溶接ロボット10a,10bの溶接速度の補正量Δv1,Δv2を取得する。補正量取得部66は、例えば、BOP試験等の要素試験にて溶接速度とビード102の形状との関係を取得してデータベース化しておくことにより、補正量Δv1,Δv2を取得するとよい。
本実施の形態では、第1の形成装置の形成条件の第1の補正量の一例として、補正量Δv1を用いており、第2の形成装置の形成条件の第2の補正量の一例として、補正量Δv2を用いている。本実施の形態では、第1の補正量と第2の補正量とを取得する取得部の一例として、補正量取得部66を設けている。
本実施の形態では、第1の形成装置のビードの形成速度の補正量である第1の補正量の一例として、補正量Δv1を用いており、第2の形成装置のビードの形成速度の補正量である第2の補正量の一例として、補正量Δv2を用いている。
本実施の形態では、第1の形成装置の形成条件の第1の補正量の一例として、補正量Δv1を用いており、第2の形成装置の形成条件の第2の補正量の一例として、補正量Δv2を用いている。本実施の形態では、第1の補正量と第2の補正量とを取得する取得部の一例として、補正量取得部66を設けている。
本実施の形態では、第1の形成装置のビードの形成速度の補正量である第1の補正量の一例として、補正量Δv1を用いており、第2の形成装置のビードの形成速度の補正量である第2の補正量の一例として、補正量Δv2を用いている。
或いは、補正量取得部66は、計画値記憶部64に記憶されたビード102の計画積層位置と、実績値取得部65が取得したビード102の実績積層位置との乖離を補正すべき量と見なし、積層位置補正に必要な条件を算出してもよい。この場合、補正量取得部66は、溶接トーチ13a,13bの高さの補正量Δz1,Δz2を取得するとよい。
本実施の形態では、第1の形成装置の形成条件の第1の補正量の一例として、補正量Δz1を用いており、第2の形成装置の形成条件の第2の補正量の一例として、補正量Δz2を用いている。本実施の形態では、第1の補正量と第2の補正量とを取得する取得部の一例として、補正量取得部66を設けている。
本実施の形態では、第1の形成装置のトーチの位置の補正量である第1の補正量の一例として、補正量Δz1を用いており、第2の形成装置のトーチの位置の補正量である第2の補正量の一例として、補正量Δz2を用いている。
本実施の形態では、第1の形成装置の形成条件の第1の補正量の一例として、補正量Δz1を用いており、第2の形成装置の形成条件の第2の補正量の一例として、補正量Δz2を用いている。本実施の形態では、第1の補正量と第2の補正量とを取得する取得部の一例として、補正量取得部66を設けている。
本実施の形態では、第1の形成装置のトーチの位置の補正量である第1の補正量の一例として、補正量Δz1を用いており、第2の形成装置のトーチの位置の補正量である第2の補正量の一例として、補正量Δz2を用いている。
補正量分配部67は、補正量取得部66が取得した補正量を、溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20に分配する。
例えば、補正量分配部67は、補正量取得部66が取得した溶接ロボット10a,10bの溶接速度の補正量Δv1,Δv2を、溶接ロボット10a,10bとポジショナ20とに割り当てる。ここで、補正量を割り当てる前の制御量を(0,0,v0/r)とし、補正量を割り当てた後の制御量を(X1,X2,v0/r+X3)とする。制御量の括弧内の3つのパラメータのうち、1つ目のパラメータは溶接ロボット10aの溶接速度を示し、2つ目のパラメータは溶接ロボット10bの溶接速度を示し、3つ目のパラメータはポジショナ20の角速度を示す。X1,X2,X3の組合せは1つに限らず、複数であってもよい。
制御変更量(X1,X2,X3)の具体的な一例としては、図5(a),(b)のようにして、((Δv2-Δv1)/2,-(Δv2-Δv1)/2,(Δv1+Δv2)/2r)が算出される。この具体的な一例は、溶接ロボット10a,10bの溶接速度の補正量を小さくするように計算されたものであるので、制御変更量の好適な一例と言うことができる。
本実施の形態では、補正量に基づいてそのまま溶接ロボット10a,10bの溶接速度を補正する場合に比べて、溶接ロボット10a,10bのそれぞれの溶接速度の変化量を小さくすることが可能となった。そして、結果的には溶接ロボット10a,10bの姿勢変化の程度を抑制することが可能となった。
制御変更量(X1,X2,X3)の具体的な一例としては、図5(a),(b)のようにして、((Δv2-Δv1)/2,-(Δv2-Δv1)/2,(Δv1+Δv2)/2r)が算出される。この具体的な一例は、溶接ロボット10a,10bの溶接速度の補正量を小さくするように計算されたものであるので、制御変更量の好適な一例と言うことができる。
本実施の形態では、補正量に基づいてそのまま溶接ロボット10a,10bの溶接速度を補正する場合に比べて、溶接ロボット10a,10bのそれぞれの溶接速度の変化量を小さくすることが可能となった。そして、結果的には溶接ロボット10a,10bの姿勢変化の程度を抑制することが可能となった。
或いは、補正量分配部67は、補正量取得部66が取得した溶接トーチ13a,13bの高さの補正量Δz1,Δz2を、溶接ロボット10a,10bとポジショナ20とに割り当てる。ここで、補正量を割り当てる前の制御量を(0,0,z0)とし、補正量を割り当てた後の制御量を(X1,X2,z0+X3)とする。制御量の括弧内の3つのパラメータのうち、1つ目のパラメータは溶接トーチ13aの高さを示し、2つ目のパラメータは溶接トーチ13bの高さを示し、3つ目のパラメータはポジショナ20のステージの高さを示す。X1,X2,X3の組合せは1つに限らず、複数であってもよい。
制御変更量(X1,X2,X3)の具体的な一例としては、上記と同様にして、((Δz2-Δz1)/2,-(Δz2-Δz1)/2,(Δz1+Δz2)/2)が算出される。この具体的な一例は、溶接トーチ13a,13bの高さの補正量を小さくするように計算されたものであるので、制御変更量の好適な一例と言うことができる。
本実施の形態では、補正量に基づいてそのまま溶接トーチ13の位置を補正する場合に比べて、溶接トーチ13a,13bのそれぞれの位置の変化量を小さくすることが可能となった。そして、結果的には溶接ロボット10a,10bの姿勢変化の程度を抑制することが可能となった。
制御変更量(X1,X2,X3)の具体的な一例としては、上記と同様にして、((Δz2-Δz1)/2,-(Δz2-Δz1)/2,(Δz1+Δz2)/2)が算出される。この具体的な一例は、溶接トーチ13a,13bの高さの補正量を小さくするように計算されたものであるので、制御変更量の好適な一例と言うことができる。
本実施の形態では、補正量に基づいてそのまま溶接トーチ13の位置を補正する場合に比べて、溶接トーチ13a,13bのそれぞれの位置の変化量を小さくすることが可能となった。そして、結果的には溶接ロボット10a,10bの姿勢変化の程度を抑制することが可能となった。
本実施の形態では、第1の形成装置の第1の制御変更量の一例として、制御変更量X1を用いており、第2の形成装置の第2の制御変更量の一例として、制御変更量X2を用いており、調整装置の第3の制御変更量の一例として、制御変更量X3を用いている。本実施の形態では、第1の補正量と第2の補正量とに基づいて、第1の制御変更量と第2の制御変更量と第3の制御変更量とを、第1の制御変更量及び第2の制御変更量の両方が第1の補正量及び第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定する決定部の一例として、補正量分配部67を設けている。
また、補正量分配部67が補正量を溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20に分配した制御変更量の好適な一例では、1つ目のパラメータ及び2つ目のパラメータに(Δv2-Δv1)又は(Δz2-Δz1)が含まれる。その意味で、補正量分配部67は、第1の補正量と第2の補正量との差分に基づいて、第1の制御変更量と第2の制御変更量とを決定する決定部の一例と言うことができる。
また、補正量分配部67が補正量を溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20に分配した制御変更量の好適な一例では、1つ目のパラメータ及び2つ目のパラメータに(Δv2-Δv1)又は(Δz2-Δz1)が含まれる。その意味で、補正量分配部67は、第1の補正量と第2の補正量との差分に基づいて、第1の制御変更量と第2の制御変更量とを決定する決定部の一例と言うことができる。
影響量評価部68は、補正量分配部67が補正量を分配した後の制御変更量X1~X3について、溶接ロボット10a,10bの姿勢への影響量を評価する。影響量評価部68は、溶接ロボット10a,10bの姿勢への影響量として、溶接ロボット10a,10bの所定の部位の移動量、溶接ロボット10a,10bの所定の部位と特異点との距離等を用いてよい。溶接ロボット10a,10bの所定の部位には、溶接トーチ13a,13bの先端、溶接ロボット10a,10bの関節等がある。
まず、溶接トーチ13a,13bの先端の移動量を評価する場合を例にとって説明する。補正量分配部67が補正量を分配した後の制御変更量X1,X2と、溶接ロボット10のパスの積層時間T1,T2とから、溶接トーチ13a,13bの移動量はそれぞれX1・T1,X2・T2となる。そこで、影響量評価部68は、これらの移動量をそれぞれ管理基準値L1,L2と比較する。この管理基準値L1,L2は、溶接ロボット10a,10bの性能や管理条件に合わせて任意に設定してよい。移動量X1・T1が管理基準値L1を下回り、かつ、移動量X2・T2が管理基準値L2を下回る場合は、分配後の制御変更量を用いても溶接ロボット10a,10bの動作が可動範囲内で完結する。逆に移動量X1・T1が管理基準値L1以上である場合、又は、移動量X2・T2が管理基準値L2以上である場合は、分配後の制御変更量を用いると溶接トーチ13a,13bがそれぞれ溶接ロボット10a,10bの可動範囲を超えてしまうため、分配後の制御変更量は不適となる。影響量評価部68は、分配後の制御変更量が不適となった場合は別の分配後の制御変更量(X1,X2,X3)を再評価してよく、適当な解がない場合は溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20を一時的に停止する等してもよい。
本実施の形態では、影響量評価部68が溶接トーチ13a,13bの移動量を補正に伴う影響として評価することにより、溶接ロボット10の動作や積層されたビード102の形状の精度を保てる範囲内で制御量を修正することが可能となった。
尚、溶接ロボット10の関節等の他の部位の移動量を評価する場合についても同様である。
本実施の形態では、影響量評価部68が溶接トーチ13a,13bの移動量を補正に伴う影響として評価することにより、溶接ロボット10の動作や積層されたビード102の形状の精度を保てる範囲内で制御量を修正することが可能となった。
尚、溶接ロボット10の関節等の他の部位の移動量を評価する場合についても同様である。
本実施の形態では、第1の制御変更量の第1の形成装置に対する第1の影響量の一例として、移動量X1・T1を用いており、第1の閾値の一例として、管理基準値L1を用いている。本実施の形態では、第2の制御変更量の第2の形成装置に対する第2の影響量の一例として、移動量X2・T2を用いており、第2の閾値の一例として、管理基準値L2を用いている。本実施の形態では、第1の影響量が第1の閾値より小さく、かつ、第2の影響量が第2の閾値より小さいか否かを判定する判定部の一例として、影響量評価部68を設けている。
また、本実施の形態では、第1の形成装置の所定の部位の移動量である第1の影響量の一例として、移動量X1・T1を用いている。本実施の形態では、第2の形成装置の所定の部位の移動量である第2の影響量の一例として、移動量X2・T2を用いている。
また、本実施の形態では、第1の形成装置の所定の部位の移動量である第1の影響量の一例として、移動量X1・T1を用いている。本実施の形態では、第2の形成装置の所定の部位の移動量である第2の影響量の一例として、移動量X2・T2を用いている。
次に、溶接トーチ13a,13bの先端と溶接ロボット10a,10bの特異点との距離を評価する場合を例にとって説明する。補正量分配部67が補正量を分配した後の制御変更量X1,X2と、溶接ロボット10a,10bの特異点の位置S1,S2とから、溶接トーチ13a,13bの先端と溶接ロボット10a,10bの特異点との距離はそれぞれ|X1-S1|,|X2-S2|となる。そこで、影響量評価部68は、これらの距離をそれぞれ管理基準値L1,L2と比較する。この管理基準値L1,L2は、溶接ロボット10a,10bの性能や管理条件に合わせて任意に設定してよい。距離|X1-S1|が管理基準値L1を下回り、かつ、距離|X2-S2|が管理基準値L2を下回る場合は、分配後の制御変更量を用いても溶接ロボット10a,10bの動作が可動範囲内で完結する。逆に距離|X1-S1|が管理基準値L1以上である場合、又は、距離|X2-S2|が管理基準値L2以上である場合は、分配後の制御変更量を用いると溶接トーチ13a,13bがそれぞれ溶接ロボット10a,10bの可動範囲を超えてしまうため、分配後の制御変更量は不適となる。影響量評価部68は、分配後の制御変更量が不適となった場合は別の分配後の制御変更量(X1,X2,X3)を再評価してよく、適当な解がない場合は溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20を一時的に停止する等してもよい。
本実施の形態では、影響量評価部68が溶接ロボット10a,10bの姿勢変更を補正に伴う影響として評価することにより、溶接ロボット10a,10bの動作や積層されたビード102の形状の精度を保てる範囲内で制御量を修正することが可能となった。
尚、溶接ロボット10の関節等の他の部位と特異点との距離を評価する場合についても同様である。
本実施の形態では、影響量評価部68が溶接ロボット10a,10bの姿勢変更を補正に伴う影響として評価することにより、溶接ロボット10a,10bの動作や積層されたビード102の形状の精度を保てる範囲内で制御量を修正することが可能となった。
尚、溶接ロボット10の関節等の他の部位と特異点との距離を評価する場合についても同様である。
本実施の形態では、第1の制御変更量の第1の形成装置に対する第1の影響量の一例として、距離|X1-S1|を用いており、第1の閾値の一例として、管理基準値L1を用いている。本実施の形態では、第2の制御変更量の第2の形成装置に対する第2の影響量の一例として、距離|X2-S2|を用いており、第2の閾値の一例として、管理基準値L2を用いている。本実施の形態では、第1の影響量が第1の閾値より小さく、かつ、第2の影響量が第2の閾値より小さいか否かを判定する判定部の一例として、影響量評価部68を設けている。
また、本実施の形態では、第1の形成装置の所定の部位と特異点との距離である第1の影響量の一例として、距離|X1-S1|を用いている。本実施の形態では、第2の形成装置の所定の部位と特異点との距離である第2の影響量の一例として、距離|X2-S2|を用いている。
また、本実施の形態では、第1の形成装置の所定の部位と特異点との距離である第1の影響量の一例として、距離|X1-S1|を用いている。本実施の形態では、第2の形成装置の所定の部位と特異点との距離である第2の影響量の一例として、距離|X2-S2|を用いている。
尚、図1には示さなかったが、例えば、溶接ロボット10aを所定の範囲内で移動させるスライダを設けてもよい。この場合、影響量評価部68は、スライダにより溶接ロボット10aが移動可能な範囲を加味して、分配後の制御変更量の溶接ロボット10aへの影響量を評価してもよい。例えば、影響量評価部68は、管理基準値L1と、溶接ロボット10aが移動可能な範囲とに基づいて、管理基準値L1の代わりに用いる新たな基準値を設定してもよい。この場合、スライダは、第1の形成装置を移動させる移動装置の一例であり、影響量評価部68は、移動装置が第1の形成装置を移動可能な範囲に基づいて、第1の閾値を決定する判定部の一例である。
また、図1には示さなかったが、例えば、溶接ロボット10bを所定の範囲内で移動させるスライダを設けた場合も同様である。
本実施の形態では、スライダが溶接ロボット10a,10bを移動させる位置を加味することにより、フィードバック制御できる範囲を広く確保できるようになった。
また、図1には示さなかったが、例えば、溶接ロボット10bを所定の範囲内で移動させるスライダを設けた場合も同様である。
本実施の形態では、スライダが溶接ロボット10a,10bを移動させる位置を加味することにより、フィードバック制御できる範囲を広く確保できるようになった。
制御プログラム修正部69は、補正量分配部67が補正量を分配した後の制御変更量に基づいて、制御プログラム実行部63が実行する制御プログラムを修正する。具体的には、制御プログラム修正部69は、影響量評価部68での評価により制御変更量が確定すると、確定した制御変更量に基づいて制御プログラムを修正する。尚、制御プログラム修正部69は、制御プログラムの修正を、リアルタイムで行ってもよいし、パスとパスとの間で行ってもよい。これにより、制御プログラム実行部63が修正後の制御プログラムを実行するので、補正量を分配した後の制御変更量に基づいて、溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20が動作する。
本実施の形態では、母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、第1の制御変更量と第2の制御変更量と第3の制御変更量とを用いて、第1の形成装置と第2の形成装置と調整装置とを制御する制御部の一例として、制御プログラム修正部69を設けている。
[積層計画装置の動作]
図9は、本実施の形態における積層計画装置30の動作例を示したフローチャートである。
図9は、本実施の形態における積層計画装置30の動作例を示したフローチャートである。
積層計画装置30では、まず、CADデータ取得部41が、CAD装置25から三次元CADデータを取得する(ステップ301)。
次に、CADデータ分割部42が、ステップ301で取得された三次元CADデータを複数の層に分割して、層形状データを生成する(ステップ302)。
次に、積層計画部43が、ステップ302で生成された層形状データから積層計画を生成する(ステップ303)。
次に、制御プログラム生成部44が、ステップ303で生成された積層計画に従ってビード102を形成することにより積層造形物100を造形するように溶接ロボット10a,10bを制御する制御プログラムを生成する(ステップ304)。
一方、計画値取得部45が、ステップ303で生成された積層計画から、溶接ロボット10a,10bが積層するビード102に関する計画値を取得する(ステップ305)。
最後に、情報出力部46が、ステップ304で生成された制御プログラムと、ステップ305で生成された計画値とを記録媒体70に出力する(ステップ306)。
次に、CADデータ分割部42が、ステップ301で取得された三次元CADデータを複数の層に分割して、層形状データを生成する(ステップ302)。
次に、積層計画部43が、ステップ302で生成された層形状データから積層計画を生成する(ステップ303)。
次に、制御プログラム生成部44が、ステップ303で生成された積層計画に従ってビード102を形成することにより積層造形物100を造形するように溶接ロボット10a,10bを制御する制御プログラムを生成する(ステップ304)。
一方、計画値取得部45が、ステップ303で生成された積層計画から、溶接ロボット10a,10bが積層するビード102に関する計画値を取得する(ステップ305)。
最後に、情報出力部46が、ステップ304で生成された制御プログラムと、ステップ305で生成された計画値とを記録媒体70に出力する(ステップ306)。
[制御装置の動作]
制御装置50では、まず、情報取得部61が、記録媒体70から制御プログラムと計画値とを取得し、制御プログラムを制御プログラム記憶部62に、計画値を計画値記憶部64にそれぞれ記憶する。そして、制御プログラム実行部63が制御プログラム記憶部62に記憶された制御プログラムを読み出してこれを実行する。
その際、制御装置50は、ビード102を形成するように溶接ロボット10a,10bを制御しながら、溶接ロボット10a,10bの協調制御のための制御プログラム修正処理を実行する。
制御装置50では、まず、情報取得部61が、記録媒体70から制御プログラムと計画値とを取得し、制御プログラムを制御プログラム記憶部62に、計画値を計画値記憶部64にそれぞれ記憶する。そして、制御プログラム実行部63が制御プログラム記憶部62に記憶された制御プログラムを読み出してこれを実行する。
その際、制御装置50は、ビード102を形成するように溶接ロボット10a,10bを制御しながら、溶接ロボット10a,10bの協調制御のための制御プログラム修正処理を実行する。
図10は、このような制御プログラム修正処理の内容を示したフローチャートである。
図示するように、制御装置50では、まず、実績値取得部65が、溶接ロボット10a,10bが積層しているビード102に関する実績値を取得する(ステップ501)。
次に、補正量取得部66が、ステップ501で取得された実績値と、計画値記憶部64に記憶された計画値とを比較することにより、溶接ロボット10a,10bの積層造形条件の補正量を取得する(ステップ502)。
例えば、補正量取得部66は、溶接ロボット10a,10bの溶接速度の補正量Δv1,Δv2を取得するとよい。
或いは、補正量取得部66は、溶接トーチ13a,13bの高さの補正量Δz1,Δz2を取得してもよい。
例えば、補正量取得部66は、溶接ロボット10a,10bの溶接速度の補正量Δv1,Δv2を取得するとよい。
或いは、補正量取得部66は、溶接トーチ13a,13bの高さの補正量Δz1,Δz2を取得してもよい。
次に、補正量分配部67が、ステップ502で取得された補正量を、溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20に分配する(ステップ503)。
例えば、補正量分配部67は、ステップ502で溶接ロボット10a,10bの溶接速度の補正量Δv1,Δv2が取得された場合、この補正量Δv1,Δv2に基づいて、制御変更量(X1,X2,X3)を決定する。ここで、X1は補正量を分配した後の溶接ロボット10aの溶接速度であり、X2は補正量を分配した後の溶接ロボット10bの溶接速度であり、X3は補正量を分配した後のポジショナ20の角速度である。
或いは、補正量分配部67は、ステップ502で溶接トーチ13a,13bの高さの補正量Δz1,Δz2が取得された場合、この補正量Δz1,Δz2に基づいて、制御変更量(X1,X2,X3)を決定する。ここで、X1は補正量を分配した後の溶接トーチ13aの高さであり、X2は補正量を分配した後の溶接トーチ13bの高さであり、X3は補正量を分配した後のポジショナ20のステージの高さである。
例えば、補正量分配部67は、ステップ502で溶接ロボット10a,10bの溶接速度の補正量Δv1,Δv2が取得された場合、この補正量Δv1,Δv2に基づいて、制御変更量(X1,X2,X3)を決定する。ここで、X1は補正量を分配した後の溶接ロボット10aの溶接速度であり、X2は補正量を分配した後の溶接ロボット10bの溶接速度であり、X3は補正量を分配した後のポジショナ20の角速度である。
或いは、補正量分配部67は、ステップ502で溶接トーチ13a,13bの高さの補正量Δz1,Δz2が取得された場合、この補正量Δz1,Δz2に基づいて、制御変更量(X1,X2,X3)を決定する。ここで、X1は補正量を分配した後の溶接トーチ13aの高さであり、X2は補正量を分配した後の溶接トーチ13bの高さであり、X3は補正量を分配した後のポジショナ20のステージの高さである。
次に、影響量評価部68が、ステップ503で補正量が分配された制御変更量の溶接ロボット10a,10bの姿勢への影響量を評価する。即ち、影響量評価部68は、この影響量が管理基準値より小さいか否かを判定する(ステップ504)。
例えば、影響量評価部68は、溶接ロボット10aの所定の部位の移動量が管理基準値L1を下回り、かつ、溶接ロボット10bの所定の部位の移動量が管理基準値L2を下回るか否かを判定するとよい。
或いは、影響量評価部68は、溶接ロボット10aの所定の部位と特異点との距離が管理基準値L1を下回り、かつ、溶接ロボット10bの所定の部位と特異点との距離が管理基準値L2を下回るか否かを判定する。
例えば、影響量評価部68は、溶接ロボット10aの所定の部位の移動量が管理基準値L1を下回り、かつ、溶接ロボット10bの所定の部位の移動量が管理基準値L2を下回るか否かを判定するとよい。
或いは、影響量評価部68は、溶接ロボット10aの所定の部位と特異点との距離が管理基準値L1を下回り、かつ、溶接ロボット10bの所定の部位と特異点との距離が管理基準値L2を下回るか否かを判定する。
その結果、影響量が管理基準値以上であれば、影響量評価部68は、処理をステップ503へ戻す。これにより、補正量分配部67は、再度、補正量を溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20に分配することにより、別の分配後の制御変更量を決定する(ステップ503)。
一方、影響量が管理基準値より小さければ、制御プログラム修正部69は、ステップ503で決定された制御変更量を用いて溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20が動作するように、制御プログラムを修正する(ステップ505)。
一方、影響量が管理基準値より小さければ、制御プログラム修正部69は、ステップ503で決定された制御変更量を用いて溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20が動作するように、制御プログラムを修正する(ステップ505)。
[本実施の形態の効果]
本実施の形態では、フィードバック制御に必要な補正量を溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20で分配するようにした。これにより、溶接ロボット10a,10bのそれぞれの姿勢変化量を低減することが可能となった。
本実施の形態では、フィードバック制御に必要な補正量を溶接ロボット10a,10b及びポジショナ20で分配するようにした。これにより、溶接ロボット10a,10bのそれぞれの姿勢変化量を低減することが可能となった。
1…金属積層造形システム、10a,10b…溶接ロボット、13a,13b…溶接トーチ、20…ポジショナ、25…CAD装置、30…積層計画装置、41…CADデータ取得部、42…CADデータ分割部、43…積層計画部、44…制御プログラム生成部、45…計画値取得部、46…情報出力部、50…制御装置、61…情報取得部、62…制御プログラム記憶部、63…制御プログラム実行部、64…計画値記憶部、65…実績値取得部、66…補正量取得部、67…補正量分配部、68…影響量評価部、69…制御プログラム修正部、70…記録媒体
Claims (11)
- 溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置と、
溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置と、
母材の位置又は姿勢を調整する調整装置と、
前記母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、前記第1の形成装置と前記第2の形成装置と前記調整装置とを制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記第1の形成装置の形成条件の第1の補正量と、前記第2の形成装置の形成条件の第2の補正量とに基づいて、前記第1の形成装置の第1の制御変更量と、前記第2の形成装置の第2の制御変更量と、前記調整装置の第3の制御変更量とを、当該第1の制御変更量及び当該第2の制御変更量の両方が当該第1の補正量及び当該第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定することを特徴とする造形物の製造システム。 - 溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置の形成条件の第1の補正量と、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置の形成条件の第2の補正量とを取得する取得部と、
前記第1の補正量と、前記第2の補正量とに基づいて、前記第1の形成装置の第1の制御変更量と、前記第2の形成装置の第2の制御変更量と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の第3の制御変更量とを、当該第1の制御変更量及び当該第2の制御変更量の両方が当該第1の補正量及び当該第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定する決定部と、
前記母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、前記第1の制御変更量と前記第2の制御変更量と前記第3の制御変更量とを用いて、前記第1の形成装置と前記第2の形成装置と前記調整装置とを制御する制御部と
を備えることを特徴とする造形物の製造制御装置。 - 前記決定部は、前記第1の補正量と前記第2の補正量との差分に基づいて、前記第1の制御変更量と前記第2の制御変更量とを決定することを特徴とする請求項2に記載の造形物の製造制御装置。
- 前記第1の補正量は、前記第1の形成装置のビードの形成速度の補正量であり、
前記第2の補正量は、前記第2の形成装置のビードの形成速度の補正量であることを特徴とする請求項3に記載の造形物の製造制御装置。 - 前記第1の補正量は、前記第1の形成装置のトーチの位置の補正量であり、
前記第2の補正量は、前記第2の形成装置のトーチの位置の補正量であることを特徴とする請求項3に記載の造形物の製造制御装置。 - 前記第1の制御変更量の前記第1の形成装置に対する第1の影響量が第1の閾値より小さく、かつ、前記第2の制御変更量の前記第2の形成装置に対する第2の影響量が第2の閾値より小さいか否かを判定する判定部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の造形物の製造制御装置。
- 前記第1の影響量は、前記第1の形成装置の所定の部位の移動量であり、
前記第2の影響量は、前記第2の形成装置の所定の部位の移動量であることを特徴とする請求項6に記載の造形物の製造制御装置。 - 前記第1の影響量は、前記第1の形成装置の所定の部位と特異点との距離であり、
前記第2の影響量は、前記第2の形成装置の所定の部位と特異点との距離であることを特徴とする請求項6に記載の造形物の製造制御装置。 - 前記判定部は、前記第1の形成装置を移動させる移動装置が当該第1の形成装置を移動可能な範囲に基づいて、前記第1の閾値を決定することを特徴とする請求項6に記載の造形物の製造制御装置。
- コンピュータが、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置の形成条件の第1の補正量と、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置の形成条件の第2の補正量とを取得する、取得ステップと、
コンピュータが、前記第1の補正量と、前記第2の補正量とに基づいて、前記第1の形成装置の第1の制御変更量と、前記第2の形成装置の第2の制御変更量と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の第3の制御変更量とを、当該第1の制御変更量及び当該第2の制御変更量の両方が当該第1の補正量及び当該第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定する、決定ステップと、
コンピュータが、前記母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、前記第1の制御変更量と前記第2の制御変更量と前記第3の制御変更量とを用いて、前記第1の形成装置と前記第2の形成装置と前記調整装置とを制御する、制御ステップと
を含むことを特徴とする造形物の製造制御方法。 - コンピュータに、
溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第1の形成装置の形成条件の第1の補正量と、溶加材を溶融及び固化してなるビードを形成する第2の形成装置の形成条件の第2の補正量とを取得する機能と、
前記第1の補正量と、前記第2の補正量とに基づいて、前記第1の形成装置の第1の制御変更量と、前記第2の形成装置の第2の制御変更量と、母材の位置又は姿勢を調整する調整装置の第3の制御変更量とを、当該第1の制御変更量及び当該第2の制御変更量の両方が当該第1の補正量及び当該第2の補正量の何れか大きい方より小さくなるように、決定する機能と、
前記母材上にビードを形成することで造形物を製造するよう、前記第1の制御変更量と前記第2の制御変更量と前記第3の制御変更量とを用いて、前記第1の形成装置と前記第2の形成装置と前記調整装置とを制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
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