JP2023161133A - 植物栽培システムに用いられる発芽カバー及び当該発芽カバーを用いて植物を発芽させる方法 - Google Patents

植物栽培システムに用いられる発芽カバー及び当該発芽カバーを用いて植物を発芽させる方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽に設置された栽培ポットで発芽させる場合でも低コストで発芽率を向上させることができる発芽カバーを提供する。【解決手段】 発芽カバーは、栽培ポットの外壁上端によって形成される上面開口の形状及び大きさに対応する形状及び大きさの下面開口と、栽培ポットの上面開口全体を覆う覆い部とを備える。覆い部は、下面開口を画定する辺部を有し、その辺部から上方に連続するように形成された側壁を有する。側壁の上端には、天面が配置され、側壁及び覆い部によって、栽培ポットの上面開口全体が覆われることになる。覆い部は、辺部又はその近傍に、複数の開口を有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、植物の人工栽培に関し、より具体的には、植物の養液栽培において、植物を栽培槽で発芽させる際に用いられる発芽カバーに関する。
野菜、花卉等を含む植物は、一般に、屋外又は屋内における土耕栽培方式(開放型又は半閉鎖型の土耕栽培方式)によって生産される。しかし、土耕栽培方式には、収穫が季節や天候に左右されること、連作障害が発生すること、害虫などによる病気の恐れがあることなどといった課題がある。こうした土耕栽培方式に対して、近年、養液栽培を利用して植物を屋内で栽培する屋内型人工栽培方式が実用化されている。
養液栽培には種々の方式があるが、主に用いられている方式は、流動する養液を用いて植物の根に養分を供給するものであり、この方式は、大きく薄膜型養液栽培方式と湛液型養液栽培方式とに分けられる。薄膜型養液栽培方式は、植物の生長に必要な養分を水に溶解させた養液を、緩やかな傾斜を持つ平面上に薄く流下させ、その養液によって植物を栽培する方式である。薄膜型養液栽培方式は、根の伸長が妨げられるため、植物の生長に問題が生じる場合がある。
一方、湛液型養液栽培方式は、植物の生育が行われる栽培槽に、植物の根が養液に浸漬するように養液を供給する方式である。湛液型養液栽培方式は、薄膜型養液栽培方式と比べて、養液の量が多いため水深が深く、根の生長が妨げられないこと、養分濃度や液温の変化がゆるやかであるため管理が容易であることなどといった特徴がある。本発明は、後者の湛液型養液栽培方式に関するものであり、以下において養液栽培というときは、湛液型養液栽培をいう。本出願の発明者は、特許文献1において湛液型養液栽培に関する提案を行っている。
湛液型養液栽培においては、従来、栽培槽に設置された栽培ポットに種子を入れ、そのまま発芽させることが行われている。あるいは、例えば特許文献2に開示されるように、種子の乾燥を防ぐ発芽カバーで育苗容器を覆った状態で発芽させ、子葉発生後は、育苗容器から発芽カバーを外し、光照射装置からの光を照射することも行われている。
特開2015-84750号公報 特開2012-147765号公報
栽培槽に設置された栽培ポットに種子を入れて、そのままの状態で、つまり種子に光が照射されている状態で発芽させる場合、栽培ポット内の種子の発芽が揃わないという問題がある。栽培ポットには多くの種子が播種されているが、光が照射されたままの状態で栽培を行うと、発芽の早い種子と遅い種子とが混在し、植物の生長に差が生じる。土耕栽培の場合には、発芽及び生長に差が生じた場合でも間引きによって生長の程度を揃えることができる。しかし、養液栽培の場合には、生長の遅い植物を間引きしようとすると栽培ポット内の不織布又は培地が動き、生長の進んだ植物にも影響を与え、結果的に収量の低下につながるおそれがある。特に商用の養液栽培プラントでは、同じ栽培槽で栽培された植物は同時期に収穫されて出荷されるため、生長に差が生じると、出荷時の品質のばらつきを招くおそれがある。
また、本出願の出願人は、過去に、大型プラントで、栽培槽で栽培される植物を栽培槽とは別の場所に設けられた暗所(発芽室等)で発芽させ、発芽後に、光を遮断するなどの措置を講ずることなく栽培槽に移動させることを行ってきた。しかし、暗い発芽室で植物の種子を発芽させ、発芽後に栽培槽に移動させると、植物は、暗所から急に明所に晒されることによって枯れたり、生長に支障が生じたりすることがあった。また、規模が小さいプラント(ミニプラント)では、コストの観点から発芽室を別途準備することは難しく、栽培槽に設置された栽培ポットに播種し、そのまま発芽させることが好ましい。
本発明は、養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽に設置された栽培ポットで発芽させる場合でも低コストで発芽の同時性を向上させることができる発芽カバーを提供することを課題とする。
本出願の出願人は、長年にわたって養液栽培方式の研究を行ってきた中で、種子に光が照射されない状態で発芽を行わせると、複数の種子の発芽のタイミングが揃うことを見出した。ただし、発芽時に光を全く遮断してしまうと根が上方にも伸びることがあるため、わずかに光を取り込む必要がある。また、本出願の出願人は、発芽後に暗所から急に明所に晒されることによって、植物が枯れたり、その生長に支障が生じたりすることを発見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽に設置する栽培ポットに被せて使用される発芽カバーを提供する。発芽カバーは、栽培ポットに対応する形状及び大きさを有する。具体的には、栽培ポットの外壁上端によって形成される上面開口の形状及び大きさに対応する形状及び大きさの下面開口と、栽培ポットの上面開口全体を覆う覆い部とを備える。覆い部は、下面開口を画定する辺部を有し、その辺部から上方に連続するように形成された側壁を有する。側壁の上端には、天面が配置され、側壁及び覆い部によって、栽培ポットの上面開口全体が覆われることになる。覆い部は、辺部又はその近傍に、複数の開口を有する。
一実施形態においては、覆い部は、光を通さない遮光性材料で形成され、別の実施形態においては、ある程度の光を通す準遮光性材料で形成される。準遮光性材料で形成された覆い部の光透過率は、25%~35%であることが好ましく、30%であることがより好ましい。
一実施形態においては、発芽カバーは、下面開口が略正方形の形状であり、下面開口を画定する4つの辺部を有する。この発芽カバーは、4つの辺部の各々に、又は辺部の近傍に、開口を1つずつ有する。別の実施形態においては、発芽カバーは、下面開口が略長方形の形状であり、下面開口を画定する4つの辺部を有する。この発芽カバーは、4つの辺部のうち長辺の各々に、又は長辺の近傍に、開口を複数有し、4つの辺部のうち短辺の各々に、又は短辺の近傍に、開口を1つずつ有する。
一実施形態において、覆い部は、辺部から外方に延びる鍔部を有する。鍔部は、複数の開口に対応する位置において、外部との連通路を形成する隆起部を有する。
本発明は、養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽において発芽カバーを用いて植物を発芽させる方法を提供する。本方法は、栽培槽に設置された栽培ポットに植物の種を播種する工程と、栽培ポットに、覆い部が遮光性の材料で形成された発芽カバーを被せる工程と、発芽後、覆い部が遮光の材料で形成された前記発芽カバーに代えて、覆い部が、ある程度の光を通す準遮光性の材料で形成された発芽カバーを被せる工程とを含む。覆い部が遮光性の材料又は準遮光性の材料で形成された発芽カバーは、上記の発芽カバーである。
本発明によれば、養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽に設置された栽培ポットで発芽させる場合でも、発芽の前後で種子に照射される光の量を制御することによって、発芽室を準備することなく低コストで容易に種子の発芽のタイミングを揃えることができ、収量の低下を防ぐとともに品質の安定化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る発芽カバーが用いられる植物栽培システムの概略的な全体図である。 本発明の一実施形態に係る発芽カバーが用いられる栽培槽の概略的な側断面図である。 本発明の一実施形態に係る発芽カバーの斜視図であり、(a)は略長方形の形状を有する発芽カバー、(b)は略正方形の形状を有する発芽カバーである。 本発明の別の実施形態に係る発芽カバーの斜視図である。 図3に示される発芽カバーが栽培用ポットに取り付けられた状態を示す斜視図である。
(植物栽培システムの概要)
図1は、本発明の一実施形態に係る栽培ポットが用いられる植物栽培システム1の概略図を示す。植物栽培システム1は、ハウス60と、ハウス60内に収容され、植物を栽培する1つ又は複数の栽培槽10と、改質空気RAを製造するための改質空気製造手段25とを含む。製造される改質空気RAは、酸素含有量が高くなるように空気を改質したものである。図1においては、改質空気製造手段25は、ハウス60の外部に設けられているが、ハウス60の内部に設けてもよい。
栽培槽10は、単品目又は多品目の植物が支持体(栽培ポット又はフロート)で支持されるとともに、植物を生長させるための養分が含まれる養液Sが内部を流れるようになっている。栽培槽10は、例えば支持フレーム19によって支持される。多品目の植物が栽培される場合には、植物の種類や収穫までの時間に対応可能となるように多段式に構成されることが好ましい。栽培槽10の養液Sには、栽培される植物の根が浸漬する。養液Sには、改質空気RAが供給される。ハウス60の地下部分には、養液タンク41などの設備が埋設される。
植物栽培システム1では、ホウレンソウ、リーフレタスなどの葉野菜、トマト、ナス、キュウリなどの果菜、白菜、キャベツ、レタスなどの結球野菜、エンドウ、ソラマメ、落花生などの豆類、いちご、メロンなどの果物、花卉などを、単品目又は多品目で、年間を通して栽培することができる。また、植物栽培システム1において多品目の植物を栽培する場合には、発芽直後から収穫までにわたって、生長段階の異なる植物を混在させながら、同時に栽培することができる。
植物栽培システム1においては、すべての栽培槽10間で、同一の養分が全体的に均質になるように混合された養液Sが一定の状態で常に循環するように構成されている。養液Sは、植物の品目、生長段階及び栽培時期に関わらず、同一成分の養液Sが連続的に用いられ、蒸発及び植物による吸収によって減少した分だけ、水及び/又は養分を補充するだけでよい。
養液Sに含まれる成分は特に限定されるものではなく、一般的な養液栽培において使用される養液を用いることができる。養液Sは、成分として、例えば、アンモニア性窒素、水溶性リン酸、硝酸性窒素、水溶性カリウム、硝酸カルシウム、水溶性マグネシウム、水溶性マンガン、水溶性ホウ素、水溶性鉄、水溶性銅、水溶性モリブデン、水溶性亜鉛を含むものとすることができる。養液Sは、その状態すなわち、少なくとも溶存酸素濃度(DO)、電気伝導度(EC)、温度Ts、水素イオン濃度指数(pH)及び酸化還元電位(ORP)といったパラメータの値が、概ね一定に維持されるように管理される。
図2は、本発明の一実施形態に係る発芽カバー15、17を用いることができる栽培槽10及び周辺設備を示す概略的な側面図である。栽培槽10は、内部において養液Sが一方向に所定速度で流れるように構成された槽である。なお、図2には、発芽カバー15、17は示されていない。
栽培槽10の長さ、幅及び深さは、それぞれの栽培槽10で栽培される植物の種類、量及び栽培施設の規模などに応じて決められ、特に幅及び深さは、栽培される植物の根や茎がその本来の生長形状を維持することができるように決定される。栽培槽10のサイズは、例えば、葉野菜の場合であれば、幅が約1000mm、深さが約200mmのものが用いられ、ナスやトマトなどの果菜の場合であれば、幅及び深さが約300mm、レタスなどの結球野菜であれば、幅及び深さが約200mmのものが用いられる。栽培槽10の長さは、いずれの植物の場合でもハウス60の規模によって適宜設定され、例えば、短いもので約50cm、長いものでは約100mの場合もある。
栽培槽10には、栽培ポットが配置される。栽培ポットは、栽培される植物の種類及び栽培槽10の大きさに応じて種々の形状や大きさのものを適宜用いることができる。例えば葉野菜の場合は、通常、内部が浅くかつ上面開口が広い栽培ポット12が用いられ、例えば果菜の場合は、通常、内部が深くかつ上面開口が狭い栽培ポット13が用いられる。主に葉野菜の栽培に用いられる栽培ポット13について、本出願の出願人は、別途特許出願を行っている(特願2022-069514)。
内部が浅くかつ上面開口が広い栽培ポット12は、例えば、栽培槽10の側面上端や栽培槽内に設けられた支持部材(図示せず)などで支持することによって、栽培槽10に設置することができる。内部が深くかつ上面開口が狭い栽培ポット13は、例えば、養液Sの液面に浮かべたフロート11に支持された状態で、栽培槽10に設置することができる。フロート11には複数の開口が設けられており、栽培ポット13は、その開口内に設置される。本発明の一実施形態による発芽カバー15、17は、栽培槽10に設置された栽培ポット12、13で種子を発芽させるときに、種子の播種後から発芽後の一定期間が経過するまで、これらの栽培ポット12、13に被せて使用されるものである。発芽カバーの詳細は、後述される。
栽培槽10には、供給経路45から養液Sが供給される。供給口45aから供給された養液Sは、栽培槽10内を、図2の矢印Sの方向に流れる。
栽培槽10内部には、空気配管34と空気供給部36とが設けられる。改質空気RAは、空気配管34を通して空気供給部36に供給され、空気供給部36から養液Sに供給される。空気供給部36は、限定されるものではないが、セラミックスを高温で焼成した中空筒状の多孔質体であることが好ましい。
栽培槽10には、養液の排出装置16が設けられており、栽培槽10内を流れてきた養液Sは、この排出装置16から排出される。排出装置16は、2つの排出部16A、16Bからなるものであることが好ましいが、これに限定されるものではない。この実施形態では、第1の排出部16Aは、養液Sの排出口が養液Sの液面と同じ高さに位置するように設けられている。また、第2の排出部16Bは、下端に養液の取入口が設けられたさや管を有し、養液Sの排出口が第1の排出部16Aの排出口より低い位置に設けられている。この実施形態による排出装置16について、本出願の出願人は、別途特許出願を行っている(特願2022-001446)。
栽培槽10から排出された養液Sは、排出経路46a、46bを通り、好ましくは地中に埋設された排出側タンク41内に入る。排出側タンク41の養液Sは、循環ポンプ(図示せず)によって、配管43を通り、好ましくは地中に埋設された供給側タンク44に供給される。供給側タンク44内の養液Sは、供給ポンプ(図示せず)によって、供給経路45を通って、供給口45aから栽培槽10に供給される。供給経路45には、養液Sの供給量をより精密に制御することができるように、必要に応じて、経路を開閉するバルブ(図示せず)を設けてもよい。
(発芽カバー)
以下、本発明の一実施形態による発芽カバーを詳細に説明する。図3は、発芽カバーの斜視図である。図3(a)は、略長方形の下面開口15oを有する発芽カバー15を示し、図3(b)は、略正方形の下面開口17oを有する発芽カバー17を示す。
発芽カバー15は、栽培槽10に設置された栽培ポット12(主に葉野菜を栽培する際に用いられる)で種子を発芽させるときに、栽培ポット12に被せて使用されるものである。また、発芽カバー17は、栽培槽10に設置された栽培ポット13(主に果菜を栽培する際に用いられる)で種子を発芽させるときに、栽培ポット13に被せて使用されるものである。あるいは、発芽カバー15、17は、栽培ポット12、13に播種した種子を暗い発芽室で発芽させた後、栽培ポット12、13を栽培槽10に移動させたときに、一定期間、栽培ポット12、13に被せて使用されるものである。
発芽カバー15、17は、いずれも、光を通さない遮光性材料で全体が形成された発芽カバー(以下、遮光発芽カバーという)と、一定程度の光を通す準遮光材料(透過率が約30%程度)で全体が形成された発芽カバー(以下、準遮光発芽カバーという)とが準備されるが、本明細書では、遮光発芽カバーも準遮光発芽カバーも、参照番号として15及び17を用いている。
栽培槽10に設置された栽培ポット12、13に種子を播種した後、又は、種子を播種した栽培ポット12、13を栽培槽10に設置した後、遮光発芽カバー15、17を栽培ポット12、13に被せる。遮光発芽カバー15、17を、播種から発芽まで栽培ポット12、13に被せておくことによって、種子に光がほとんど照射されず、複数の種子の発芽のタイミングを揃えさせることができる。
種子の発芽後、遮光発芽カバー15、17を外していきなり日光にさらされると、植物が枯れることがあることを、本出願の発明者は発見している。したがって、発芽直後に、遮光発芽カバー15、17に代えて、準遮光発芽カバー15、17を栽培ポット12、13に被せ、その状態を一定期間(例えば、2~3日間)保持することによって、苗への日射の調整を行う。
準遮光発芽カバーは、光の透過率が25%~35%であることが好ましく、約30%であることがより好ましい。本発明の発明者は、異なる光透過率の準遮光発芽カバーを準備し、苗への日射調整の実験を行い、透過率は25%~35%が最も適していることを見いだした。透過率が高いと、植物の根が焼けて茶色になり、生長しなくなる。透過率が低いと、双葉と根の間の茎が通常より長くなり、収量が低下する。
図3(a)に示される略長方形状を有する発芽カバー15は、例えば、内部が浅くかつ上面開口が広い葉野菜用栽培ポット12に用いられる。葉野菜用栽培ポット12は、上面視で概ね長方形状を有するものであることが多く、したがって発芽カバー15もそれに合わせて長方形状を有することが好ましい。
発芽カバー15は、長辺側壁155、156と短辺側壁157、158とを有し、長辺側壁155、156及び短辺側壁157、158の上端にわたって、略長方形状の天面159が形成されている。長辺側壁155、156、短辺側壁157、158、及び天面159によって、栽培ポット12の4つの外壁121、122、123、124(図4(a))の上端で形成される上面開口125の全体を覆う覆い部が形成される。遮光発芽カバー及び準遮光発芽カバーは、少なくともこの覆い部が、それぞれ遮光性材料及び準遮光性材料で形成される。
長辺側壁155の下端の長辺部151、長辺側壁156の下端の長辺部152、短辺側壁157の下端の短辺部153、短辺側壁158の下端の短辺部154によって、略長方形状の下面開口15oが画定される。下面開口15oの形状及び大きさは、栽培ポット12の上面開口125の形状及び大きさに対応する。
長辺側壁155及び長辺側壁156の下端付近には、それぞれ開口151a及び開口152aが設けられ、短辺側壁157及び短辺側壁158の下端付近には、それぞれ開口153a及び開口154aが設けられている。開口151a、152a、153a、154aは、(1)発芽カバー15が被せられた栽培ポット12の内部の湿度を逃がすこと、(2)栽培ポット12の内部にわずかに光を取り込むことを目的として、設けられる。
(1)の湿度調整に関して、発芽時には栽培ポット12内の湿度は、約60%であることが好ましい。したがって、栽培ポットの内部の湿度を概ねこの数値に保つことができるように、大きさ、数、形状等が適宜決定される。(2)の光取り込みに関して、発芽時に全く光を遮断してしまうと根が上方にも伸びることがあるため、開口からわずかに光を取り込むことによって、根が下に延びるようにする。開口の大きさ、数、形状等は、この機能を発揮できるように適宜設定される。
発芽カバー15は、長辺側壁155、156及び短辺側壁157、158の下端に外方に突出する鍔部151b、152b、153b、154bを有することが好ましい。これらの鍔部151b、152b、153b、154bを設けることによって、発芽カバー15を栽培ポット12に被せたときに、より安定するとともに、発芽カバー15の強度が向上する。鍔部151b、152b、153b、154bの幅(すなわち、外方への突出量)は、限定されるものではなく、栽培ポット12上での発芽カバー15の安定性や、発芽カバー15の必要な強度に応じて、適宜決定することができる。
本実施形態においては、開口151a、152a、153a、154aは、側壁155、156、157、158の下端に形成されているが、これに限定されるものではなく、側壁の下端より若干上方に形成されていてもよい。すなわち、開口151a、152a、153a、154aは、辺部151、151、153、154に、又は、それらの辺部151、151、153、154の近傍に、設けることができる。また、本実施形態においては、開口151a、152a、153a、154aは、下が閉じられた孔として形成されているが、これに限定されるものではなく、下が開放された形状、すなわち、切り欠き形状の開口であってもよい。
図4は、本発明の別の実施形態に係る発芽カバー15’の斜視図である。この実施形態について、図3(a)と同じ要素は、同じ参照番号を付している。
発芽カバー15と異なり、発芽カバー15’は、開口151a、152a、153a、154aが、それぞれ鍔部151b、152b、153b、154bによって覆われている。鍔部151b、152b、153b、154bは、開口151a、152a、153a、154aに対応する位置に、それぞれ隆起部151b’、152b’、153b’、154b’を有する。
図3(b)に示される略正方形状を有する発芽カバー17は、例えば、内部が深くかつ上面開口が狭い果菜用栽培ポット13に用いられる。果菜用栽培ポット13は、上面視で概ね正方形状を有するものであることが多く、したがって発芽カバー17もそれに合わせて正方形状を有することが好ましい。
発芽カバー17は、側壁175、176、177、178を有し、これらの側壁の上端にわたって、略正方形状の天面179が形成されている。側壁175、176、177、178及び天面179によって、栽培ポット13の4つの外壁131、132、133、134(図4(b))で形成される上面開口135の全体を覆う覆い部が形成される。遮光発芽カバー及び準遮光発芽カバーは、少なくともこの覆い部が、それぞれ遮光性材料及び準遮光性材料で形成される。
側壁175、176、177、178の下端の辺部171、172、173、174によって、略正方形状の下面開口17oが画定される。下面開口17oの形状及び大きさは、栽培ポット13の上面開口135の形状及び大きさに対応する。
側壁175、176、177、178の下端付近には、それぞれ開口171a、172a、173a、174aが設けられている。開口171a、172a、173a、174aは、(1)発芽カバー17が被せられた栽培ポット13の内部の湿度を逃がすこと、(2)栽培ポット13の内部にわずかに光を取り込むことを目的として、設けられる。
(1)の湿度調整に関して、発芽時には栽培ポット13内の湿度は、約 60%であることが好ましい。したがって、栽培ポットの内部の湿度を概ねこの数値に保つことができるように、大きさ、数、形状等が適宜決定される。(2)の光取り込みに関して、発芽時に全く光を遮断してしまうと根が上方にも伸びることがあるため、開口からわずかに光を取り込むことによって、根が下に延びるようにする。開口の大きさ、数、形状等は、この機能を発揮できるように適宜設定される。
発芽カバー17は、側壁175、176、177、178の下端に、外方に突出する鍔部171b、172b、173b、174bを有することが好ましい。これらの鍔部171b、172b、173b、174bを設けることによって、発芽カバー17を栽培ポット13に被せたときにより安定する。なお、発芽カバー17についても、図4の発芽カバー15’と同様に、開口171a、172a、173a、174aに対応する位置に、鍔部171b、172b、173b、174bの隆起部を有する実施形態とすることも可能である。隆起部は、開口171a、172a、173a、174aと外部との間の連通路を形成する。
本実施形態においては、開口171a、172a、173a、174aは、側壁175、176、177、178の下端に形成されているが、これに限定されるものではなく、側壁の下端より若干上方に形成されていてもよい。すなわち、開口171a、172a、173a、174aは、辺部171、172、173、174に、又は、それらの辺部171、172、173、174の近傍に、設けることができる。また、本実施形態においては、開口171a、172a、173a、174aは、下が閉じられた孔として形成されているが、これに限定されるものではなく、下が開放された形状、すなわち、切り欠き形状の開口であってもよい。
遮光発芽カバー15、17は、光を通さない材料で作製されれば、限定されるものではない。また、準遮光発芽カバー15、17は、光をある程度、好ましくは25%~35%の光透過率が実現される材料で作製されれば、限定されるものではない。遮光発芽カバー及び準遮光発芽カバーは、例えば、ポリプロピレンで作製することができる。
(発芽カバーの使用方法)
以下、本発明による発芽カバーの典型的な使用方法を説明する。
まず、栽培槽10に、栽培ポット12及び/又は栽培ポット13を設置する。栽培槽10に設置された栽培ポット12及び/又は栽培ポット13の内部に、必要に応じて不織布や培地などを配置し、そこに植物の種を播種する。播種後、栽培ポット12には、覆い部が遮光材料で形成された、下面開口が略長方形状の遮光発芽カバー15を被せる。同様に、栽培ポット13には、下面開口が略正方形状の遮光発芽カバー17を被せる。この状態で発芽まで栽培を行う。
種子が発芽した後、覆い部が遮光材料で形成された発芽カバー15及び発芽カバー17に代えて、栽培ポット12には、覆い部が準遮光材料で形成された発芽カバー15を被せ、栽培ポット13には、覆い部が準遮光材料で形成された発芽カバー17を被せる。準遮光発芽カバー15及び準遮光発芽カバー17は、数日間、好ましくは2~3日間使用し、その後は除去する。
例えば、大型の養液栽培プラントなどでは、栽培槽とは別に発芽室が設けられることがある。発芽室が設けられている場合には、栽培ポット12及び栽培ポット13は、播種から発芽までの間、発芽室に設置される。種子が発芽した後、これらの栽培ポット12及び栽培ポット13は、暗所から急に明所に晒されることによって植物が枯れたり生長に支障が生じたりすることを防止するために、発芽室内で準遮光発芽カバー15、17を栽培ポット12、13に被せてから、ハウス内の栽培槽に移設される。この場合においても、準遮光発芽カバー15、17は、数日後(好ましくは2~3日間後に)除去される。
1 植物栽培システム
10 栽培槽
11 フロート
12 葉野菜用栽培ポット
121、122 長辺外壁
123、124 短辺外壁
125 上面開口
13 果菜用栽培ポット
131 外壁
133 上面開口
15 発芽カバー
151、152 長辺部
151a、152a 開口
151b、152b 鍔部
153、154 短辺部
153a、154a 開口
153b、154b 鍔部
155、156 長辺側壁
157、158 短辺側壁
159 天面
15o 下面開口
15’ 発芽カバー
151b’、152b’、153b’、154b’ 隆起部
17 発芽カバー
171、172、173、174 辺部
171a、172a、173a、174a 開口
171b、172b、173b、174b 鍔部
175、176、177、178 側壁
179 天面
16 排出装置
16A 第1の排出部
16B 第2の排出部
19 支持フレーム
25 改質空気製造手段
30 改質空気供給手段
40 養液循環手段
60 ハウス
RA 改質空気
S 養液


Claims (9)

  1. 養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽に設置する栽培ポットに被せて使用される発芽カバーであって、
    栽培ポットの上面開口に対応する形状及び大きさの下面開口と、
    前記下面開口を画定する辺部を有し、前記辺部から上方に連続して栽培ポットの上面開口全体を覆う、覆い部と
    を備え、
    前記覆い部が、前記辺部又はその近傍に、複数の開口を有する、
    発芽カバー。
  2. 前記覆い部が、光を通さない遮光性の材料で形成された、請求項1に記載の発芽カバー。
  3. 前記覆い部が、ある程度の光を通す準遮光性の材料で形成された、請求項1に記載の発芽カバー。
  4. 前記覆い部の光透過率が、25%~35%である、請求項3に記載の発芽カバー。
  5. 前記下面開口が略正方形の形状であり、4つの前記辺部を有し、4つの前記辺部の各々に、又は前記辺部の近傍に、前記開口を1つずつ有する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の発芽カバー。
  6. 前記下面開口が略長方形の形状であり、4つの前記辺部を有し、4つの前記辺部のうち長辺の各々に、又は長辺の近傍に、前記開口を複数有し、4つの前記辺部のうち短辺の各々に、又は短辺の近傍に、前記開口を1つずつ有する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の発芽カバー。
  7. 前記覆い部は、前記辺部から外方に延びる鍔部を有する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の発芽カバー。
  8. 前記鍔部は、前記複数の開口に対応する位置において、外部との連通路を形成する隆起部を有する、請求項7に記載の発芽カバー。
  9. 養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽において発芽カバーを用いて植物を発芽させる方法であって、
    栽培槽に設置された栽培ポットに植物の種を播種する工程と、
    前記栽培ポットに、覆い部が遮光性の材料で形成された請求項1に記載の発芽カバーを被せる工程と、
    発芽後、覆い部が遮光の材料で形成された前記発芽カバーに代えて、覆い部がある程度の光を通す準遮光性の材料で形成された請求項1に記載の発芽カバーを被せる工程と
    を含む方法。

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