特許法第30条第2項適用申請有り 1 第19回ユーザーサポート講習会 令和3年11月30日開催 2 第19回ユーザーサポート講習会を録画した映像を配信したウェブサイト https://zoom.us/rec/share/lXYZD0t7bPMvsUcokPV7zP0bikng9B4nR2cwYlIRUCb6kYa2wvidf1i0CvGf_riV.BzGAJrWl29sXkvm0 令和3年12月17日公開
以下、本発明の一実施形態を図面と共に説明する。本発明の医療用見積評価システムは、医療関係の物流管理・情報管理・医事請求管理を総合的に実現する医療総合管理システム(以下、単に「管理システム」という。)1の一部として提供される。
図1に示すように、管理システム1は、医療機関の取引先である企業(業者)に所属する企業担当者が使用する企業端末10、医療機関で業務する医師や医療事務などの医療機関担当者が使用する医療機関端末20、管理システム1を管理する管理者が使用する管理サーバ30を有している。企業毎または企業担当者毎に企業端末10が存在し、医療機関毎または医療機関担当者毎に医療機関端末20が存在する。すなわち、管理システム1は、複数の企業端末10および複数の医療機関端末20を有している。複数の企業端末10、複数の医療機関端末20、および管理サーバ30のそれぞれは、インターネットのような公衆回線(公衆ネットワーク)2を介して、相互に通信可能に接続されている。なお、企業端末10および医療機関端末20については、図1では2つずつ図示しているが、企業端末10および医療機関端末20のそれぞれは3つ以上であっても良いし、1つであっても良い。
医療機関は、病院、介護施設、クリニックなど医療に関するサービス(医療サービス)を行う機関(施設)のことである。企業は、医療機関に対し、物(物品)やサービスを提供する企業のことである。企業から医療機関に提供される物品としては、医療材料、医薬品、試薬、医療機器等の医療サービスの提供に直接関わる物品(医療物品)だけでなく、医療機関の運営に必要な事務用品、飲食料品等の医療サービスの提供に付随するその他の物品も含まれる。また、企業から医療機関に提供されるサービス(委託サービス)としては、医療機器のメンテナンス等の医療サービスに直接関わるサービスだけでなく、給食提供、警備、清掃および廃棄物処分等の付随的なサービスも含まれる。
企業端末10および医療機関端末20のそれぞれは、汎用のコンピュータ(ユーザ端末)である。たとえば、デスクトップPC、ノート(ラップトップ)PC、タブレットPC、およびスマートフォン等である。管理サーバ30は、汎用のサーバコンピュータで構成されている。詳細は後述するが、管理サーバ30は、ファイルサーバ、チャットサーバ、Webサーバ等として機能する。なお、管理サーバ30は、1台(単一)のコンピューティングデバイスで構成されても良いし、複数のコンピューティングデバイスで構成されても良い。また、管理サーバ30の一部または全部がクラウドサーバであっても良い。
企業端末10は、制御部11、入力部12、表示部13、通信部14、および補助記憶部15を備える。入力部12、表示部13、通信部14、および補助記憶部15のそれぞれは、制御部11に接続されている。医療機関端末20は、制御部21、入力部22、表示部23、通信部24、および補助記憶部25を備える。入力部22、表示部23、通信部24、および補助記憶部25のそれぞれは、制御部21に接続されている。管理サーバ30は、制御部31、通信部32、および補助記憶部33を備える。通信部32、および補助記憶部33のそれぞれは、制御部31に接続されている。
企業端末10の制御部11は、演算部および主記憶部を含み、企業端末10における各種演算および制御動作を実行する。医療機関端末20の制御部21は、演算部および主記憶部を含み、医療機関端末20における各種演算および制御動作を実行する。管理サーバ30の制御部31は、演算部および主記憶部を含み、管理サーバ30における各種演算および制御動作を実行する。
制御部11、21、31の演算部は、CPUまたはMPUなどを含む演算処理部である。制御部11、21、31の主記憶部は、RAM(DRAM)などを有する。RAMは、演算部のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
入力部(12、22)は、各端末(企業端末10および医療機関端末20)の使用者の操作入力を受け付けるための入力部品、および入力部品と制御部(11,21)との間に介在する入力検出回路を有する。入力部品は、たとえばタッチパネルまたは/およびハードウェアの操作ボタンないし操作キーである。タッチパネルとしては、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。入力検出回路は、各入力部品の操作に応じた操作信号ないし操作データ(操作入力データ)を制御部(11,21)に出力する。
表示部(13、23)は、ディスプレイ、およびディスプレイと制御部(11,21)との間に介在する表示制御回路を有する。ディスプレイとしては、たとえばLCD(液晶ディスプレイ)または有機ELディスプレイなどを用いることができる。表示制御回路は、GPUおよびVRAMなどを有する。制御部(11,21)の指示の下、GPUは、RAMに記憶された画像生成用のデータを用いてディスプレイに種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイに出力する。
通信部(14、24、32)は、公衆回線2に接続するための通信回路を有する。通信回路は、有線通信回路または無線通信回路であり、制御部(11,21、31)からの指示に従って、公衆回線2を介して、外部コンピュータと通信する。また、企業端末10、医療機関端末20、および管理サーバ30のそれぞれの通信部(14、24、32)は、公衆回線2を介さずに、専用回線等で直接相互に通信することも可能である。
補助記憶部(15、25、33)は、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの不揮発性メモリで構成され、各制御部(11,21、31)が企業端末10、医療機関端末20、および管理サーバ30のそれぞれの動作を制御するためのプログラムおよび各種データなどを記憶する。
企業端末10の補助記憶部15は、少なくとも本システムにおける企業端末10の各種動作を実行するための企業端末用プログラム15aを記憶している。企業端末用プログラム15aは、企業端末10の制御部11によって実行される。
また、医療機関端末20の補助記憶部25は、少なくとも本システムにおける医療機関端末20の各種動作を実行するための医療機関端末用プログラム25aを記憶している。医療機関端末用プログラム25aは、医療機関端末20の制御部21によって実行される。
さらに、企業端末10の補助記憶部15は、本システムの利用に必要となる企業端末用データを記憶しており、医療機関端末20の補助記憶部25は、本システムの利用に必要となる医療機関端末用データを記憶している。
図2に示すように、管理サーバ30の補助記憶部33は、管理サーバ30の各種動作を実行するための管理プログラム34と、本システムの利用に必要となる管理用データ35と、を記憶している。管理プログラム34は、管理サーバ30の制御部31によって実行される。
管理プログラム34は、管理サーバ30が備える各種の機能を選択および実行するためのメイン処理プログラム34a、企業端末10の表示部13または医療機関端末20の表示部23に種々の画面を表示させるための表示プログラム34b、企業端末10および医療機関端末20の間でメッセージのやり取りをするチャット機能を提供するためのチャットプログラム34c、企業と医療機関の間で取引された物品やサービスの過去の実際の取引価格(以下、「過去の取引価格」という。)を取得するための取引価格取得プログラム34d、企業端末から入力された特定の物品やサービス(見積対象)の見積価格を取得するための見積価格取得プログラム34e、見積対象の複数の過去の取引価格からその見積対象の標準価格帯を設定するための標準価格帯設定プログラム34f、見積対象の過去の取引価格と、見積対象の見積価格とを比較して、見積価格を複数段階で評価するための評価プログラム34g、見積価格の評価結果を医療機関端末20の使用者に提示するための評価結果提示プログラム34h等を含有する。
管理用データ35は、本システムを利用する各企業のデータである企業データ35a、本システムを利用する各医療機関のデータである医療機関データ35b、企業端末10および医療機関端末20の間でやり取りされたメッセージのデータおよびメッセージに付随する各種ファイルのデータであるチャットデータ35c、企業と医療機関の間で取引された物品やサービスの過去の取引価格のデータである取引価格データ35d、医療機関から見積依頼をする際および企業端末が見積価格を入力する際の見積用ファイルのデータである見積用ファイルデータ35e、企業端末から送信された見積対象の見積価格のデータである見積価格データ35f、見積対象の過去の取引価格から設定された標準価格のデータである標準価格データ35g、標準価格に基づいて設定された複数の評価用範囲(評価用価格帯)のデータである評価用範囲データ35h、見積価格の評価結果のデータである評価結果データ35i等を含有する。また、管理用データ35は、企業端末10の表示部13または医療機関端末20の表示部23に種々の画面を表示させるための画面データ等も含有している。
企業データ35aには、本システムを利用する企業のデータに加え、各企業に所属する企業担当者のデータも含まれる。企業担当者のデータには、本システムを利用するためのID(企業担当者ID)のデータと、企業担当者IDのデータに紐づけられたパスワードのデータが含まれる。
医療機関データ35bには、本システムを利用する医療機関のデータに加え、各医療機関に所属する医療機関担当者のデータも含まれる。医療機関担当者のデータには、本システムを利用するためのID(医療機関担当者ID)のデータと、医療機関担当者IDのデータに紐づけられたパスワードのデータが含まれる。
取引価格データ35dは、企業から医療機関に販売された物品の過去の取引価格や企業から医療機関に提供されたサービスの過去の取引価格を含有している。また、取引価格データ35dは、管理システム1に登録されている全ての企業および全ての医療機関の間で過去に取引された物品やサービスの個別の取引価格を含有している。すなわち、取引価格データ35dは、見積を依頼する医療機関の過去の取引価格だけでなく、他の医療機関における多数の取引価格を含有している。また、物品の取引価格は物品毎に、サービスの取引価格はサービス毎に区別可能に記憶されている。
取引価格データ35dは、企業から医療機関に販売された物品の過去の取引価格や企業から医療機関に提供されたサービスの過去の取引価格を含有している。また、取引価格データ35dは、管理システム1に登録されている全ての企業および全ての医療機関の間で過去に取引された物品やサービスの個別の取引価格を含有している。また、物品の取引価格は物品毎に、サービスの取引価格はサービス毎に区別可能に記憶されている。なお、過去の取引価格については、物品やサービスの取引完了後に医療機関端末20から管理サーバ30に送信されるようにしても良い。
<システム動作例>
以下、図3ないし図14を参照して管理システム1の動作例を説明する。なお、本発明の管理システム1では、管理サーバ30はウェブサーバとしての機能を有しており、企業端末10または医療機関端末20が管理サーバ30にアクセスすることによって、管理システム1で提供される各種画面を企業端末10の表示部13または医療機関端末20の表示部23に表示させることができる。すなわち、本発明の管理システム1では、企業端末10および医療機関端末20にてローカルで操作しているかのように各画面を提供する。以下の実施例では、医療機関端末20の表示部23に表示される各種画面を例に挙げて説明する。
医療機関端末20が管理サーバ30にアクセスすると、医療機関端末20の表示部23には、図3に示すようなログイン画面100が表示される。ログイン画面100は、管理システム1が医療用見積評価サービスを含む医療総合管理サービス提供を提供するにあたり医療機関端末20の使用者(医療機関担当者)の個人認証を行うための画面である。
ログイン画面100は、ID(医療機関担当者ID)を入力するID入力部101と、パスワードを入力するパスワード入力部102と、ログインを実行する機能が割り当てられたログインボタン103を有する。なお、ログインボタン103は、ソフトウェアキー(操作ボタン)として機能する。以下、ソフトウェアキーを単に「ボタン」という。
ID入力部101およびパスワード入力部102のそれぞれは、テキストの入力を受け付けるテキストボックス(入力欄)を有する。ID入力部101およびパスワード入力部102のそれぞれに正しいデータ(予め登録された医療機関担当者IDおよびこれに紐づけられたパスワード)が入力された状態でログインボタン103が操作(選択)されると、個人認証が成功する。なお、個人認証が失敗した場合には、ログイン画面100の初期状態に戻る。
個人認証が成功すると、医療機関端末20の表示部23には、図4に示すような医療総合管理サービスのトップ画面(メイン画面)110が表示される。トップ画面110は、医療総合管理サービスで提供される各種情報を利用者に提示し、また、医療総合管理サービスで提供される各種機能を利用者に提供するための画面である。
トップ画面110は、利用者情報表示部111、カレンダー表示部112、カレンダー関連情報表示部113、新着情報表示部114、質問機能部115、共有メモ機能部116、医療関連用語集機能部117、チャット情報表示部118およびメニュー表示部120等を有する。
利用者情報表示部111には、個人認証された本システムの利用者(本実施例では医療機関担当者)の情報(利用者情報)が表示されている。利用者情報としては、利用者の氏名、利用者のアイコンおよび利用者の所属部署等が含まれる。なお、利用者情報は、個人認証が成功したときに読み出される。
カレンダー表示部112には、トップ画面110を表示している時の日付を含む月間カレンダーが表示されている。カレンダー関連情報表示部113には、契約に関するイベントの情報が、各イベントの発生日とともに表示される。契約に関するイベントとは、利用者(医療機関担当者)が所属している医療機関と企業との間の契約の開始、更新、終了などのことである。また、カレンダー関連情報表示部113は、カレンダー表示部112に隣接して配置されている。図示は省略するが、契約に関するイベントに対応する画像(アイコン)がカレンダー表示部112に表示されるようにしても良い。カレンダー表示部112およびカレンダー関連情報表示部113が表示されることによって、各種契約期間の確認や、契約期限が迫っているものを容易に確認することができる。
新着情報表示部114には、医療業界におけるニュース(たとえば法改正や公定価格の改定など)や、医療総合管理サービス(医療用見積評価サービスを含む)における新着情報(たとえば新機能の追加情報など)が表示される。
質問機能部115は、医療機関同士または医療機関担当者同士で質問事項を解決するために設けられる。質問機能部115は、医療機関での日常業務に関する質問事項と、質問事項に対する解答を受け付ける。質問機能部115では、質問事項に対する解答を表示することによって、質問事項に対する解答を本システムの利用者で共有することができる。
共有メモ機能部116は、医療機関での日常業務に関する確認事項または注意事項等の連絡事項を登録して、医療機関内(系列の医療機関なども含む)または部署内で共有するために設けられる。共有メモ機能部116で登録された連絡事項は、担当者間の情報共有や業務の引継ぎ等に活用することができる。
医療関連用語集機能部117は、各医療機関で独自に使用される用語(医療関連用語)を登録して、医療機関内(系列の医療機関なども含む)または部署内で共有するために設けられる。医療関連用語集機能部117には、医療関連用語を表す文字や医療関連用語を説明する文字(説明文)だけでなく、医療関連用語に対応する画像等を登録することもできる。
チャット情報表示部118は、企業端末10および医療機関端末20の間でメッセージのやり取りをするチャット機能(ビジネスチャット機能)に関する情報(チャット情報)が表示される。チャット情報とは、チャットルームまたはスレッドのタイトル(名称)や、未読メッセージの数などのことである。チャット情報表示部118は、チャットルームの名称を表示するルーム名表示部118aと、各チャットルームにおける未読メッセージの数を表示する未読数表示部118bとを有する。
メニュー表示部120は、トップ画面110の上端部において左右に延びるように配置されている。メニュー表示部120は、トップ画面表示ボタン120a、チャット画面表示ボタン120b、カレンダー表示ボタン120c、ファイル表示ボタン120d、質問機能表示ボタン120e、共有メモ機能表示ボタン120f、および医療関連用語集機能表示部120gを有している。
なお、メニュー表示部120には、図4に示すボタンに加え、通常のメッセージのやり取り(通常チャット)に関する機能である通常チャット機能を選択するための通常チャット機能選択ボタンが設けられていても良い。通常チャット機能では、医療機関担当者と企業担当者との間で日常的なメッセージのやり取りをすることができる。たとえば、通常チャット機能では、面談(打合せ)日時の調整や、物品または/およびサービスに関する簡単な問い合わせなどをすることができる。また、通常チャット機能では、医療機関側からは物品の画像や動画を添付して質問や修理の相談等をすることができ、企業側からは物品またはサービスのカタログを添付して販促活動等をすることができる。通常チャット機能でやり取りされたメッセージは自動的に記録されており、遡って確認することができる。このため、通常チャット機能は、簡単にやり取りすることができ、メッセージの履歴が確実に残るという利点がある。
トップ画面表示ボタン120aは、トップ画面110以外の画面が表示されている場合に、トップ画面110に戻る(トップ画面110に表示を切り替える)機能が割り当てられたボタンである。ファイル表示ボタン120dは、管理システム1で取り扱い可能な(管理サーバ30に記憶されている)各種ファイル(データ)を表示させる機能が割り当てられたボタンである。カレンダー表示ボタン120cは、カレンダー表示部112に表示されているような月間カレンダーを拡大表示させる機能(月間カレンダーの詳細表示機能)が割り当てられたボタンである。質問機能表示ボタン120eは、質問機能部115についての詳細画面を表示させる機能が割り当てられたボタンである。共有メモ機能表示ボタン120fは、共有メモ機能部116についての詳細画面を表示させる機能が割り当てられたボタンである。医療関連用語集機能表示部120gは、医療関連用語集機能部117についての詳細画面を表示させる機能が割り当てられたボタンである。
チャット画面表示ボタン120bは、企業端末10および医療機関端末20の間でメッセージのやり取りをするチャット画面(図5等)を表示させる機能が割り当てられたボタンである。チャット画面表示ボタン120bが操作されると、医療機関端末20の表示部23には、図5に示すようなチャット画面(第1チャット画面)130が表示される。第1チャット画面130は、企業端末10および医療機関端末20の間でメッセージのやり取りをするための基本画面である。
第1チャット画面130は、メニュー表示部120、メッセージ表示部131、機能切替部132、および個人認証している利用者の情報が表示されている利用者情報表示部134等を有する。
メッセージ表示部131は、メッセージのやり取りをするため、およびやり取りされたメッセージを表示するために設けられている。メッセージ表示部131は、新規メッセージ作成送信部131aと、送受信済メッセージ表示領域131bを有している。
新規メッセージ作成送信部131aは、テキストの入力を受け付けるテキストボックスを有しており、テキストボックスに任意の文字ないし文を入力することができる。また、新規メッセージ作成送信部131aは、ファイル添付ボタン131cおよび送信ボタン131dを有している。
ファイル添付ボタン131cには、メッセージに各種ファイルを添付する機能が割り当てられている。図示は省略するが、ファイル添付ボタン131cが操作されると、添付するファイル(添付ファイル)を選択するための画面が表示され、任意のファイルを選択してメッセージにファイルを添付することができる。なお、添付ファイルは、管理サーバ30に記憶されているファイルであっても良いし、企業端末10、または医療機関端末20に記憶されているファイル(ローカルファイル)であっても良い。
送信ボタン131dは、新規メッセージ作成送信部131aに入力された文字ないし文を、送信者を除くチャットルームの参加者に送信する機能が割り当てられている。図示は省略するが、送信ボタン131dが操作されると、新規メッセージ作成送信部131aに入力された文字ないし文が他の参加者に送信される。なお、添付ファイルがある場合には、文字ないし文とともに添付ファイルが送信される。送信されたメッセージは、送受信済メッセージ表示領域131bに表示される。また、チャットルームの他の参加者が送信したメッセージを受信した場合、受信したメッセージは、送受信済メッセージ表示領域131bに表示される。送受信されたメッセージが複数存在する場合には、時系列に従って上から順に並んで表示される。また、自身が送信したメッセージと、相手方が送信したメッセージとが区別できるように、自身が送信したメッセージは送受信済メッセージ表示領域131bの右端に寄せて表示され、相手方が送信したメッセージは送受信済メッセージ表示領域131bの左端に寄せて表示される。
機能切替部132は、見積対象となる物品または/およびサービスを特定して見積依頼に関する機能である見積依頼機能を選択するための見積依頼機能選択部132aと、その他の業務依頼に関する機能である業務依頼機能を選択するための見積依頼機能選択部132bとを有する。
図5に示す例では、見積依頼機能(見積依頼機能選択部132a)が選択された状態を示している。見積依頼機能では、チャット機能を使って、特定の物品または/およびサービス(見積対象)について企業に見積を依頼することができる。見積依頼機能が選択されている状態では、第1チャット画面130には、新たに見積依頼をするための新規見積依頼ボタン135が表示されている。
新規見積依頼ボタン135が操作されると、医療機関端末20の表示部23には、図6に示すような新規見積依頼画面150が表示される。新規見積依頼画面150は、見積依頼の内容を特定して(見積対象となる物品または/およびサービスを特定して)新たに見積依頼を行うための画面である。
新規見積依頼画面150は、見積依頼の件名(見積依頼に係る案件の名称)を入力するための件名入力部151と、見積依頼時に企業に送信するメッセージの本文を入力するための本文入力部152と、見積書の回答期限(提出期限)を設定するための期限設定部153と、見積対象を特定するための見積用ファイルを添付するための見積用ファイル添付部154と、キャンセルボタン155と、決定ボタン156を有する。
件名入力部151、本文入力部152および期限設定部153のそれぞれは、テキストの入力を受け付けるテキストボックスとなっており、任意の文字ないし文を入力することができる。すなわち、任意の件名および見積書の回答期限を設定し、任意の本文を入力することができる。なお、件名および本文については、定型の件名または定型の本文のデータが予め管理サーバ30に記憶されており、新規見積依頼画面150が表示されたときに最初から定型の件名または定型の本文が入力されていても良い。なお、期限設定部153は、月間カレンダーを表示して、カレンダー中の任意の日を見積書の回答期限として設定する構成としても良い。
見積用ファイル添付部154では、管理システム1で使用可能な見積用ファイルを添付するために設けられる。図7は見積用ファイルの一例を示す概略説明図である。図7に示す見積用ファイルは、表形式で表現されている。図7に示す見積用ファイルでは、「商品名/サービス名」の欄が縦軸に沿って並んでおり、見積用ファイルでは、「商品名/サービス名」の欄に対応するように、「JANコード」の欄、「定価」の欄、「予定数量」の欄、「目標価格」の欄、「予定金額」の欄、および「見積価格」の欄のそれぞれが横に並んで設けられている。
「商品名/サービス名」の欄は、見積対象として選択されている物品(商品)またはサービスの名称(商品名またはサービス名)を記載するために設けられる。本実施例では、「商品名」の欄には、見積対象として5つの商品が選択されており、5つの商品のそれぞれを示す「AAA」、「BBB」、「CCC」、「DDD」、「EEE」という5つの商品名が記入されている。なお、図7に示す見積用ファイルでは、見積対象として複数の物品(商品)が選択(特定)されている場合を示しているが、見積対象としてサービスが選択されている場合には、この欄にサービス名が記載される。
「JANコード」の欄は、どの事業者(商品の主体的な供給者)が供給するどの商品であるかを識別するための商品識別番号として使用されているJANコードを記載するために設けられる。本実施例では、「JANコード」の欄には、見積対象となる商品またはサービスのJANコードが記載されている。なお、「JANコード」の欄に加え、またはこれに代えて、管理システム1で取り扱い可能な商品にシステム独自の識別番号を付与し、見積用ファイルに「システム独自の識別番号」を記載する欄を設けても良い。
「定価」の欄は、見積対象となる商品またはサービスの定価(予め定められた価格)を記載するために設けられる。ここで、定価とは、見積対象として選択されている物品またはサービスの発注最小単位(バラ単位)あたりの価格(バラ単価)における定価のことである。定価は、希望小売価格または参考小売価格ということもある。たとえば、「定価」の欄には、商品カタログ等を参考に医療機関担当者が入力した見積対象毎の定価を示す数字が記載されている。
「予定数量」の欄は、見積対象となる商品またはサービスの購入予定数量を記載するために設けられる。「予定数量」の欄には、医療機関担当者が入力した見積対象毎の予定数量を示す数字が記載されている。
「目標価格」の欄は、見積対象となる商品またはサービスの医療機関(医療機関担当者)側が希望する(目標とする)価格(目標価格または希望価格)を記載するために設けられる。目標価格は、物品またはサービスの発注最小単位(バラ単位)あたりの価格(バラ単価)として表現されている。「目標価格」の欄には、医療機関担当者が入力した見積対象毎の目標価格を示す数字が記載されている。
「予定金額」の欄は、見積対象の購入予定金額(予定数量に目標単価を乗じた金額)を記載するために設けられる。予定数量および目標価格が入力されると、「予定金額」の欄には、予定数量に目標価格を乗じた金額が自動的に入力される。
「見積価格」の欄は、見積対象となる商品またはサービスの見積価格を記載するために設けられる。見積価格は、物品またはサービスの発注最小単位(バラ単位)あたりの価格(バラ単価)として表現されている。見積価格は企業において入力される項目であるので、「見積価格」の欄は見積依頼の段階では空欄となっている。実際の物品またはサービスの販売単位は様々であるが、以上のように、「定価」、「目標価格」、「見積価格」の欄には、必ず発注最小単位(バラ単位)の価格が記載されている。また、取引価格データとしては、バラ単位の取引価格が記憶されている。
また、図示は省略するが、見積用ファイルには、「商品名/サービス名」の欄に対応するように、「メーカ名(製造者名)」の欄、「製造番号」の欄、「規格」の欄、「保険区分」の欄、「包装償還金額」の欄、「本体償還金額」の欄、「発注単位」の欄、「バラ単位」の欄、「定価掛率」の欄、「包装償還掛率」の欄、「本体償還掛率」の欄等が設けられていても良い。
「メーカ名(製造者名)」の欄は、商品またはサービスの製造者(メーカ)または提供者の名称を記載するために設けられる。「製造番号」の欄は、商品の製造番号を記載するために設けられる。「規格」の欄は、商品またはサービスの規格を記載するために設けられる。「保険区分」の欄は、商品が保険償還の対象である医療材料である場合に、その医療材料が診療報酬上の取扱いにおける医療機器のどの区分に該当するかを記載するために設けられる。「包装償還金額」の欄は、バラ単位の論理償還可能金額を記載するために設けられる。「本体償還金額」の欄は、消費税を含んだ金額(償還金額)から消費税相当金額を除いた金額(本体償還金額)を記載するために設けられる。なお、医療材料には、償還金額(公定価格)の単位と販売単位が異なるものがあり、償還金額の単位と販売単位とが異なる場合には販売単位での償還金額が包装償還金額として取り扱われる。「発注単位」の欄は、商品またはサービスを発注することができる最小単位の数を記載するために設けられる。「バラ単位」の欄は、商品またはサービスを発注することができる最小単位が単品(1個または1本など)で発注できるのか、または2以上の数(セットまたはパック)で発注できるのかを記載するために設けられる。
「定価掛率」の欄は、基準となる価格(定価)に対する購入価格(目標価格または見積価格)の割合(定価掛率)を記載するために設けられる。「包装償還掛率」の欄は、包装償還金額に対する購入価格(目標価格または見積価格)の割合(包装償還掛率)を記載するために設けられる。「本体償還掛率」の欄は、本体償還金額に対する購入価格(目標価格または見積価格)の割合(本体償還掛率)を記載するために設けられる。
なお、見積用ファイルの各欄の記載は、見積対象となる商品またはサービスの種類に応じて、適宜変更されても良い。たとえば、見積対象が医薬品である場合には、「包装単位(医療機関に販売される際の最小の包装単位)」、「梱包単位(販売時に梱包される際の最小の包装単位)」、「薬価」等の欄が設けられても良い。また、見積対象が医療機器である場合には、「本体・構成区分」、「構成機器」、「保守の有無」、「JMDNコード」等の欄が設けられても良い。さらに、見積対象が委託サービスである場合には、「目標単価」の欄に相当するものとして「目標契約金額」、「見積単価」の欄に相当するものとして「見積契約金額」の欄が設けられても良い。さらにまた、見積対象が委託サービスである場合には、「業務内容」、「所在地(医療機関の所在地)」、「病床数」、「契約期間(もしくは契約開始日および契約終了日)」、「目標従事人数」等の欄が設けられても良い。以上のように、見積用ファイルの各欄の記載は使用態様に合わせて適宜変更することができるが、見積用ファイルには、少なくとも、「目標単価」の欄またはこれに相当するものの欄と、「見積単価」の欄またはこれに相当するものの欄が設けられている。
上記のような事項が記載された見積用ファイルを予め作成しておき、見積依頼時に添付することによって、少なくとも、見積対象となる物品または/およびサービスと、物品または/およびサービスの予定数量とを特定して見積を依頼することができる。なお、図7に示す見積用ファイルの構成は一例であり、少なくとも見積対象と見積対象の予定数量とを特定することができる態様であれば、他の形の表形式のファイルや表形式以外の他の形式のファイルであっても良く、適宜変更することが可能である。
図6に戻って、見積用ファイル添付部154は、アップロードボタン154aを有している。アップロードボタン154aが操作されると、添付する見積用ファイルを選択するための画面が表示され、任意の見積用ファイルを選択してメッセージに見積用ファイルを添付することができる。なお、添付する見積用ファイルが選択されている状態では、アップロードボタン154aに代えて、選択済の見積用ファイルのファイル名が表示されるようにしても良い。
キャンセルボタン155は新規見積依頼画面150で入力した事項および添付する見積用ファイルをキャンセル(消去)して第1チャット画面130に戻るためのボタンである。決定ボタン156は、新規見積依頼画面150で入力した事項および添付する見積用ファイルを決定(確定)させるためのボタンである。決定ボタン156が操作されると、医療機関端末20の表示部23には、図8に示すような企業選択画面160が表示される。企業選択画面160は、見積依頼を出す企業(見積依頼先企業)を選択するための画面である。
企業選択画面160は、見積依頼先企業の候補(見積依頼先企業候補)が表示された候補企業表示部161と、見積依頼先企業として選択された企業(選択済企業)が表示された選択済企業表示部162と、キャンセルボタン163と、決定ボタン164を有している。
候補企業表示部161には、管理システム1に登録されている企業の企業名が見積依頼先企業候補として一覧表示されている。候補企業表示部161は、テキストボックスとなっている企業名入力部161aを有しており、企業名入力部161aに入力された文字と一致(部分一致または完全一致)する企業のみを絞り込んで候補企業表示部161に表示させることができる。候補企業表示部161に表示される企業名の表示領域は操作ボタンとして機能し、企業名の表示領域を選択することによって見積依頼先企業として選択することができる。選択済企業表示部162には、見積依頼先企業として選択された企業(選択済企業)の企業名が一覧表示されている。また、候補企業表示部161には、お気に入り企業を示すお気に入りマーク(お気に入り指標画像)161bが表示されている。お気に入り企業は、ユーザが自由に設定できるようにしても良いし、見積依頼の頻度が高い企業が自動的にお気に入り企業として設定されるようにしても良い。
キャンセルボタン163は企業選択画面160で選択された事項をキャンセルして新規見積依頼画面150に戻るためのボタンである。決定ボタン164は、企業選択画面160で選択された選択済企業を見積依頼先企業として決定(確定)させるためのボタンである。決定ボタン164が操作されると、医療機関端末20の表示部23には、図9に示すような企業担当者選択画面170が表示される。企業担当者選択画面170は、見積依頼先企業における担当者(企業担当者)を選択するための画面である。
企業担当者選択画面170は、見積依頼先企業に所属する職員(企業担当者の候補)の情報(氏名、企業担当者ID、メールアドレス等)が表示された候補担当者表示部171と、企業担当者の候補の中から選択された企業担当者の情報(氏名、企業担当者ID、メールアドレス等)が表示された担当者表示部172と、キャンセルボタン173と、決定ボタン174を有する。
候補担当者表示部171には、見積依頼先企業に所属する職員(本システムに登録されている職員)の情報(図9に示す例では氏名)が企業担当者の候補の情報として一覧表示されている。候補担当者表示部171は、テキストボックスとなっている氏名入力部171aを有しており、氏名入力部171aに入力された文字と一致(部分一致または完全一致)する氏名の職員のみを候補担当者表示部171に表示させることができる。候補担当者表示部171に表示される職員の氏名の表示領域(氏名表示領域)は操作ボタンとして機能し、氏名表示領域を選択することによって企業担当者として選択することができる。担当者表示部172には、選択された企業担当者の氏名が一覧表示されている。また、候補担当者表示部171には、お気に入り担当者を示すお気に入りマーク(お気に入り指標画像)171bが表示されている。お気に入り担当者は、ユーザが自由に設定できるようにしても良いし、見積依頼の頻度が高い担当者が自動的にお気に入り担当者として設定されるようにしても良い。
キャンセルボタン173は企業担当者選択画面170で選択された事項をキャンセルして企業選択画面160または新規見積依頼画面150に戻るためのボタンである。決定ボタン174は、企業担当者選択画面170で選択された企業担当者を決定(確定)させるためのボタンである。決定ボタン174が操作されると、見積依頼に係るメッセージが企業担当者に自動的に送信される。なお、見積依頼先企業が複数選択されている場合は、次の見積依頼先企業(企業担当者が確定していない企業)における企業担当者を選択するための企業担当者選択画面170が順次表示される。全ての見積依頼先企業における企業担当者が確定すると、医療機関端末20の表示部23には、図10に示すような見積依頼済の状態のチャット画面(第2チャット画面)130Aが表示される。
なお、第2チャット画面130A、後述する第3チャット画面130Bおよび第4チャット画面130Cは、第1チャット画面130の表示内容を一部変更したものであり、同様の表示および機能については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
見積依頼に係るメッセージが送信されると、見積依頼に係るチャットルームが自動的に作成される。第2チャット画面130Aには、チャットルームを選択するためのチャットルーム選択ボタン136と、参加者情報表示部137が表示されている。図10に示す例では、「見積依頼1」のチャットルームが選択されている。なお、チャットルームの名称は、新規見積依頼画面150で入力された件名と同じ名称に設定される。
参加者情報表示部137には、選択されているチャットルームの参加者の情報(参加者情報)が表示されている。見積依頼に係るチャットルームの参加者は、見積依頼を行った医療機関担当者、および見積依頼を受けた企業担当者である。参加者情報表示部137には、各参加者に対応するアイコン等が表示される。
送受信済メッセージ表示領域131bには、選択されているチャットルームで送受信されたメッセージが表示される。たとえば、見積依頼に係るチャットルームの送受信済メッセージ表示領域131bには、少なくとも、見積を依頼する依頼メッセージ131eと、依頼メッセージ131eに添付された見積用ファイルのファイル名(添付データ)131fが表示される。
そして、企業担当者は、依頼メッセージ131eを受信すると、見積依頼に対する見積価格(見積価格)の回答を行う。具体的には、依頼メッセージ131eに添付された見積用ファイルにおける「見積価格」の欄に見積価格を記載して、見積価格を記載した見積用ファイルを添付して依頼メッセージ131eに返信する。見積価格を記載した見積用ファイルが送信されると、管理サーバ30は、見積用ファイルから見積価格等、見積用ファイルに記載された事項のデータを自動的に取得する。
見積依頼先企業(企業担当者)からの見積価格の回答を受信した後、医療機関端末20の表示部23には、図11に示すような見積依頼先企業の見積価格を集約して表示した状態のチャット画面(第3チャット画面)130Bが表示可能な状態となる。
第3チャット画面130Bには、見積依頼先企業からの見積価格を集約して表形式で一覧表示するとともに、見積価格の簡易的な評価(簡易評価)を示す見積価格表示部138が表示されている。見積価格表示部138には、見積価格を回答した(見積依頼を受けた)見積依頼先企業の企業名が記載された欄(「企業名」の欄)が設けられている。各「企業名」の欄は横軸に沿って並んでおり、各「企業名」の欄に対応するように、「見積書数」の欄、「日付」の欄、「総額」の欄、および「見積対象(物品またはサービス)毎の見積価格」の欄が縦軸に沿って並んで設けられている。見積対象が複数存在する場合には、「見積対象毎の見積価格」の欄は複数表示される。上述したように、見積価格表示部138における各欄の記載事項は、管理サーバ30が見積価格を記載した見積用ファイルから自動的に取得しており、管理サーバ30が取得したデータに基づいて(見積価格の回答に応じて)自動的に入力(見積価格を記載した見積用ファイルから自動的に取得)されている。図11に示す例では、3つの見積依頼先企業から4つの見積対象に対して見積価格の回答があった場合を示している。
「見積書数」の欄には、見積依頼先企業が送信した見積書数(見積価格の回答数)が記載されている。なお、或る見積依頼先企業について複数の見積書数が存在する場合には、最後に送信された見積書(最新の見積書)の内容が優先して表示されている。なお、複数の見積書数が存在する場合には、総額が最も安い見積書の内容が優先して表示されるようにしても良い。「日付」の欄には、見積価格の回答を受信した日付が記載されている。「総額」の欄には、見積の総額、すなわち、予定数量に見積価格を乗じた金額が自動的に入力されている。
「見積対象毎の見積価格」の欄(見積価格比較表示部138a)には、各見積依頼先企業における見積対象毎の見積価格が個別に表示されている。また、見積価格比較表示部138aにおける各見積価格の欄に、複数段階の簡易的な評価(簡易評価)が付されている。そして、見積価格比較表示部138aにおける各見積価格の欄には、各見積価格の簡易評価の結果(評価結果)が視認できるような指標画像139が必要に応じて表示されている。
本実施例では、見積対象の見積価格が複数段階で評価されている。具体的には、見積対象の見積価格を、過去の取引価格に基づいた標準価格帯と、標準価格帯よりも高額な価格帯である高価格帯と、標準価格帯よりも低額な価格帯である低価格帯との3種類の価格帯に分類する(見積価格と各価格帯比較する)ことによって(3段階で)評価している。より詳しくは、過去の取引価格に基づいた標準的な価格(標準価格)が見積対象毎に設定され、標準価格帯は、標準価格を含む所定範囲の価格帯として設定されている。
指標画像139は、見積価格が低価格帯に属することを示す安値指標画像139aと、見積価格が高価格帯に属することを示す高値指標画像139bと、見積価格が標準価格帯に属することを示す標準価格指標画像139cを有している。低価格帯に属する見積価格の欄には安値指標画像139aが表示され、高価格帯に属する見積価格の欄には高値指標画像139bが表示され、標準価格帯に属する見積価格の欄には標準価格指標画像139cが表示されている。このため、見積価格の3段階の評価結果が一目でわかるようになっている。
以下、図12を参照して標準価格の設定方法および簡易評価の判定方法を説明する。図12に示すように、まず、本システムで記憶されている見積対象の全ての過去の取引価格から標準価格が設定される。具体的には、見積対象の全ての過去の取引価格の平均値(平均価格)または中央値(中央価格)が見積対象の標準価格として設定される。
標準価格が設定されると、標準価格の所定割合(第1の割合)の価格を標準価格に加算した第1の閾値と、標準価格の所定割合(第2の割合)の価格を標準価格に減算した第2の閾値とが設定される。第1の閾値以下で、かつ第2の閾値以上の価格帯が標準価格帯として設定され、標準価格帯よりも高額な(第1の閾値を超える)価格帯が高価格帯として設定され、標準価格帯よりも低額な(第2の閾値未満の)価格帯が低価格帯として設定される。
なお、第1の割合および第2の割合のそれぞれは、20%とすることができ、15%とすることが好ましく、10%とすることがより好ましい。また、第1の割合および第2の割合は互いに異なる割合であっても良い。
また、図12に示すように、見積対象の過去の取引価格の範囲のうち、見積対象の過去の取引価格の最高価格から所定割合または所定範囲の高値異常価格帯(高値異常範囲)と、見積対象の過去の取引価格の最低価格から所定割合または所定範囲の安値異常価格帯(安値異常範囲)とが設定されていても良い。この場合、見積価格は、高額な順に、高値異常価格帯と、高価格帯と、標準価格帯と、低価格帯と、安値異常価格帯との5種類の価格帯に分類することによって(5段階で)評価されることになる。
たとえば、高値異常価格帯は、過去の取引価格の最高価格から全ての取引価格の平均価格を減算した価格の所定割合(第3の割合)の価格を平均価格に加算した価格を第3閾値(高値除外基準価格)とした場合に、第3閾値以上または第3閾値を超える価格帯とすることができる。
また、安値異常価格帯は、全ての取引価格の平均価格から最低価格を減算した価格の所定割合(第4の割合)の価格を平均価格から減算した価格を第4閾値(安値除外基準価格)とした場合に、第4閾値以下または第4閾値未満の価格帯とすることができる。
なお、第3の割合および第4の割合のそれぞれは、85%とすることができ、90%とすることが好ましく、95%とすることがより好ましい。また、第3の割合および第4の割合は異なる割合であっても良い。また、第3の割合または第4の割合に代えて、最高価格から予め定められた所定範囲(所定価格)を減算した価格を第3閾値とし、最低価格から予め定められた所定範囲(所定価格)を加算した価格を第4閾値としても良い。
図11に戻って、指標画像139は、見積価格が安値異常価格帯に属することを示す安値異常指標画像139dと、見積価格が高値異常価格帯に属することを示す高値異常指標画像139eを有している。安値異常価格帯に属する見積価格の欄には安値異常指標画像139dが表示され、高値異常価格帯に属する見積価格の欄には高値異常指標画像139eが表示されている。このため、第3チャット画面130B(簡易評価表示画面)では、見積価格について高値異常価格帯と、高価格帯と、標準価格帯と、低価格帯と、安値異常価格帯の5段階の評価結果が一目でわかるようになっている。
第3チャット画面130Bには、各見積依頼先企業の見積価格と定価を比較するための「定価」の欄が「企業名」の欄と並列に設けられている。「定価」の欄では、「見積対象毎の見積価格」の欄に該当する見積対象の定価が記載され、「総額」の欄には予定数量に定価を乗じた金額が自動的に入力されている。
また、第3チャット画面130Bには、表示切替ボタン140が設けられている。表示切替ボタン140が操作されると、図13に示すような見積対象単位での最安値および最安企業を表示した状態のチャット画面(第4チャット画面)130Cが表示される。第4チャット画面130Cにも、表示切替ボタン140が設けられており、第4チャット画面130Cで表示切替ボタン140が操作されると、第3チャット画面130Bが表示される。すなわち、表示切替ボタン140は、見積価格の簡易評価を示す(簡易評価を含む見積明細を表示する)第3チャット画面130Bと、見積対象単位での最安値および最安企業を示す(最安値および最安企業を含む見積結果を表示する)第4チャット画面130Cとを切り替えるためのボタンである。
第4チャット画面130Cには、見積対象単位での最安値および最安企業を表形式で一覧表示する最安値表示部141が表示されている。最安値表示部141では、「商品名」の欄が縦軸に沿って並んでおり、「商品名」の欄に対応するように、「JANコード」の欄、「契約候補企業」の欄、「契約候補単価」の欄、および「定価」の欄が並んで設けられている。「契約候補企業」の欄には、見積対象毎に見積価格が最も低額であった企業(最安企業)である契約候補企業の企業名が記載されており、「契約候補単価」の欄には、見積対象毎の契約候補企業の見積価格(最安値)である契約候補単価が記載されている。第4チャット画面130Cでは、見積対象毎の契約候補企業(最安値企業)および契約候補単価(最安値)を一目で認識することができる。
また、最安値表示部141における各契約候補単価の欄には、各契約候補単価の簡易評価の結果(評価結果)が視認できるような指標画像139が必要に応じて表示されている。このため、第4チャット画面130C(最安値表示画面)でも、所謂相見積もりの契約候補単価(最安値)について高値異常価格帯と、高価格帯と、標準価格帯と、低価格帯と、安値異常価格帯の5段階の評価結果が一目でわかるようになっている。
なお、見積価格の回答を受信した後、第3チャット画面130Bおよび第4チャット画面130Cのいずれの画面を先に表示するか(デフォルト表示とするか)については、本システムの使用態様に合わせて適宜設定することができる。たとえば、契約候補単価を表示する第4チャット画面130Cをデフォルト表示とすることができる。第4チャット画面130Cをデフォルト表示とすることによって、取引企業の選定および企業との価格交渉に影響が大きい契約候補単価(最安値)を先に医療機関担当者に提示することができる。また、医療機関担当者は、必要に応じて、第3チャット画面130Bと第4チャット画面130Cを切り替えて、各企業の見積価格の簡易評価や契約候補単価(最安値)等、見積価格に関する様々な情報を確認することができる。
以上の構成および動作により、本発明の管理システム1では、見積依頼先企業からの見積価格の回答を受信すると、見積価格の複数段階の評価結果を医療機関端末の使用者に提示している。これにより、医療機関において企業から提供される物品やサービスの価格の見積価格の妥当性を適切かつ容易に判断することができ、ひいては医療機関の満足度を向上させることができる。
また、本発明の管理システム1では、見積対象の複数の過去の取引価格から見積対象の市場価格に相当する標準価格を設定し、見積対象の標準価格と、見積対象の見積価格とを比較して、見積価格を複数段階で評価している。これにより、見積価格の評価結果の妥当性を担保することができ、医療機関において物品やサービスの価格の見積価格の妥当性をより適切に判断することができる。
さらに、本発明の管理システム1では、見積対象の複数の過去の取引価格のうち、見積対象の過去の取引価格の最高価格から所定割合の高値異常価格帯に含まれる高値異常値と、見積対象の過去の取引価格の最低価格から所定割合の安値異常価格帯に含まれる安値異常値とを除外した標準価格設定範囲に含まれる複数の取引価格から、見積対象の標準価格を設定している。このため、見積対象の標準価格をより妥当な価格に設定することができ、医療機関において物品やサービスの価格の見積価格の妥当性をより適切に判断することができる。
さらにまた、本発明の管理システム1では、標準価格設定範囲に含まれる複数の取引価格の平均価格を算出し、当該平均価格を標準価格として設定している。このため、見積対象の標準価格をより市場価格に近くかつ妥当な価格に設定することができ、物品やサービスの価格の見積価格の妥当性をより適切に判断することができる。
また、本発明の管理システム1では、見積対象の見積価格を、見積対象の標準価格を含む所定範囲の価格帯である標準価格帯と、標準価格帯よりも高額な価格帯である高価格帯と、標準価格帯よりも低額な価格帯である低価格帯とに分類することによって評価している。これにより、見積価格が標準的であるか、高額か、低額かを容易に判断することができ、医療機関において物品やサービスの価格の見積価格の妥当性をより容易に判断することができる。
この発明の医療機関端末は医療機関端末20に対応し、企業端末は企業端末10に対応し、管理サーバは管理サーバ30に対応し、医療用見積評価システムは管理システム1に対応し、記憶部は補助記憶部33に対応し、記憶手段は取引価格取得プログラム34dおよびこれに従って動作する制御部31に対応し、見積価格取得手段は見積価格取得プログラム34eおよびこれに従って動作する制御部31に対応し、評価手段は評価プログラム34gおよびこれに従って動作する制御部31に対応し、評価結果提示手段は評価結果提示プログラム34hおよびこれに従って動作する制御部31に対応し、標準価格帯設定手段は標準価格帯設定プログラム34fおよびこれに従って動作する制御部31に対応し、取引価格取得手段は取引価格取得プログラム34dおよびこれに従って動作する制御部31に対応するが、この発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。また、上述の実施形態で挙げた画面および具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。
上述の実施例では、企業端末10または医療機関端末20が管理サーバ30にアクセスすることによって、管理システム1で提供される各種画面を企業端末10の表示部13または医療機関端末20の表示部23に表示させるようにしたが、企業端末10または医療機関端末20が管理サーバ30にアクセスしているか否かにかかわらず各種画面が表示されるようにしても良い。
この発明は、医療機関で使用される医療機関端末と、前記医療機関に物品または/およびサービスを提供する企業で使用される企業端末と、前記医療機関端末および前記企業端末と通信可能に接続された管理サーバとを備える医療用見積評価システムであって、前記管理サーバは、物品または/およびサービスのそれぞれの過去の取引価格を記憶部に記憶する記憶手段と、物品または/およびサービスの中から指定される複数の見積対象の見積価格を複数の見積依頼先企業のそれぞれから取得する見積価格取得手段と、前記見積対象の過去の取引価格と、前記見積対象の前記見積価格とを比較して、当該見積価格を複数段階で評価する評価手段と、前記評価手段で評価された前記複数の見積依頼先企業のそれぞれにおける前記複数の見積対象のそれぞれの前記見積価格の評価結果を前記医療機関端末の使用者に提示する評価結果提示手段を備えた医療用見積評価システム、医療用見積評価方法、管理サーバおよび医療用見積評価プログラムであることを特徴とする。
この発明は、医療機関で使用される医療機関端末と、前記医療機関に物品または/およびサービスを提供する企業で使用される企業端末と、前記医療機関端末および前記企業端末と通信可能に接続された管理サーバとを備える医療用見積評価システムであって、前記管理サーバは、物品または/およびサービスのそれぞれの過去の取引価格を記憶部に記憶する記憶手段と、物品または/およびサービスの中から指定される複数の見積対象の見積価格を複数の見積依頼先企業のそれぞれから取得する見積価格取得手段と、前記見積対象の過去の取引価格と、前記見積対象の前記見積価格とを比較して、当該見積価格を複数段階で評価する評価手段と、前記評価手段で評価された前記複数の見積依頼先企業のそれぞれにおける前記複数の見積対象のそれぞれの前記見積価格の評価結果を簡易評価表示画面として前記医療機関端末の使用者に提示する評価結果提示手段と、前記簡易評価表示画面と、見積対象単位で最も安い見積価格である最安値および前記最安値を提示した最安企業を表示する最安値表示画面とを切り替える切替部とを備えた医療用見積評価システム、医療用見積評価方法、管理サーバおよび医療用見積評価プログラムであることを特徴とする。