JP2023160240A - 組立式入浴装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常の入浴でお湯に浸かる場合、浴槽をまたいだり、浴槽内で体を横たえなければならないため、体力の低下に伴い転倒のリスクや介助の必要性が高くなる。転倒のリスクや介助の必要性の懸念なく、いつでも気軽に一人でお湯に浸かることができる入浴装置を提供する。【解決手段】浴槽を浴槽側面シート1と浴槽底面シート2に分離した構成とする。それぞれのシートに温まると互いに接着する特性の素材を利用する。浴槽が分離している状態の浴槽に入り、一人で浴槽側面シート1と浴槽底面シート2を重ねる。シャワーのお湯で素材が温められることで、浴槽側面シート同士の接触面8と浴槽側面シートと浴槽底面シートの接触面9が接着しお湯が溜まるようになり、お湯に浸かることができるようになる。【選択図】図6
Description
本発明は、浴槽への出入り時の転倒による怪我のリスクや浴槽内で滑って溺れるリスクを軽減し、椅子に座った状態で入浴が可能な、一般の家庭風呂に設置できる組立式入浴装置に関するものである。
入浴のために浴槽に入ったり出たりするときの浴槽をまたぐ動作は、不安定な姿勢で足腰への負担が大きく、バランスを崩して転倒する危険が伴う。また浴槽内でお湯につかるためには、体を倒す必要があり、浴槽内で足を滑らせおぼれてしまうという危険も伴う。こういった無理のかかる動作の負担は、高齢となり体力が低下してくると顕著になり、浴槽をまたぐ時や浴槽内で体を傾けたり起こしたりする時に一時的に体を支える介助も必要となり、全面的な介助とはいかなくとも、自力での入浴が難しくなる。
そのため、浴槽の一部に設置する滑り止めや転倒防止用の補助器具等が開発されている。しかしながら、浴槽の形状は様々であり、浴室の設置条件や各個人の身体的な要求事項(足腰が弱い、指先や腕力が弱い等)も鑑みると一様の補助器具の取り付けだけでは解決できない。
通常の浴槽の形状は、入浴後のお湯を捨てる際に垢が浴槽側面や底に付着しやすく、清潔な浴槽を保つためには付着物の洗浄が不可欠となる。浴槽の洗浄は、浴槽内に入ったり洗い場から手を伸ばしたり等の不安定な姿勢が多く、入浴同様に身体への負担が大きく、転倒等の危険を伴う。そのため、取っ手の長い浴槽清掃用ブラシや吹き付けて洗い流すだけの洗剤等が開発されている。また、大掛かりな自動洗浄装置も開発されている。しかしながら、これらは洗浄作業の負担を軽減するも、根本的に浴槽の洗浄作業は依然残っている。また、大掛かりな洗浄装置の設置は、設置条件や費用面から一般家庭向きとは言い難い。
上述のような入浴時の動作や一部介助の必要性、浴槽の洗浄といった身体的・精神的負担や危険性は、入浴したいけれど入浴をあきらめてしまうという結果を導く。入浴が減ることで、不衛生な状態が常態化してしまうと、他人から疎まれてしまうのではないかという意識が生まれ、人との関わりに消極的になる、という負の連鎖が発生し、孤独を助長するという社会的な問題にもつながる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、浴槽をまたいで入ったり出たりする不安定な姿勢やお湯につかるために浴槽内で体を傾けたり起こしたりという身体的負担のある動作による転倒や浴槽内でおぼれるリスクを回避する入浴装置を提供することである。
浴槽をまたがないで入湯できる入浴装置として、特許第4299359号や特開平9-234232のような袋状の浴槽が発明されているが、袋状の浴槽に入るには、浴槽をまたぐという動作はないものの、体をかがめたり丸めたりする動作が必要であり、これらは介助者の存在が前提となっている。健常者にとっても、袋状の浴槽に入る動作は容易とはいえない。
袋状の浴槽に入ったあとも、お湯を溜めるためには開閉部を閉じるファスナーを引き上げる必要がある。ファスナーの引き上げを外側から行う場合、この作業を入浴者本人が行うことはできず、必ず介助者を伴う必要がある。入浴者本人がファスナーの引き上げを内側から行えるデザインであったとしても、狭い袋に入ってしゃがんでいるまたは横たわっている状態のままでファスナーを引き上げる動作は、一定の握力とバランスが必要で、特に高齢者のように体力が低下している場合には困難である。
一般家庭の比較的狭い浴室内で手軽に使用でき、椅子に着席した状態でお湯に浸かれる入浴装置として、特開2002-360654のような折り畳まれた袋状の浴槽が発明されているが、お湯を溜めるには、介助者がこの折り畳まれた袋状の浴槽を引き上げる必要があり、介助者の存在が前提となっている。入浴者本人が袋状の浴槽を引き上げるデザインであったとしても、袋状の浴槽をつかむために一度しゃがんで引き上げる必要があり、一定の握力や腕力やバランスが必要で、特に高齢者のように体力が低下している場合には困難である。
また、袋状の浴槽の洗浄には、袋内部に洗浄水を溜めて濯ぐという、一般の浴槽の洗浄以上の時間と労力を要する。袋状の形態は内部の完全な排水や乾燥が難しく、袋内部に水分が残ってしまうと内部にカビや雑菌が繁殖しやすくなり、衛生上好ましくない。
これら課題を解決するため、本発明は、従来の固定の浴槽や袋状の形態の浴槽ではなく、浴槽底面シートとカーテン状の浴槽側面シートで構成する浴槽を持つことを特徴とする入浴装置である。
浴槽部の浴槽底面シートとカーテン状の浴槽側面シートは、温まったら接着性を出す素材を利用する。浴槽底面シートとカーテン状の浴槽側面シートが接触し、お湯によって温められることでシート同士が接着し、お湯が溜まるようになることを特徴とする入浴装置である。
浴槽部の浴槽底面シートとカーテン状の浴槽側面シートは、温まったら接着性を出す素材を利用する。浴槽底面シートとカーテン状の浴槽側面シートが接触し、お湯によって温められることでシート同士が接着し、お湯が溜まるようになることを特徴とする入浴装置である。
入浴時は、従来の浴槽のようにまたいでから浴槽内で横たわったり、袋状の浴槽に入ってから開閉部のファスナーを引き上げたりといった動作の必要なく、平らな浴槽底面シート上に設置した椅子に座り、カーテン状の浴槽側面シートを体の周りに引くだけの動作で、お湯を溜めることができる。
本発明は、浴槽部が浴槽底面シートと浴槽側面シートに分かれているので、完全に排水することができ、防汚・抗菌性を持つ素材を利用することで、排水と一緒に汚れが流れ、洗浄が不要もしくは流水をかけるだけで簡単に浴槽部の洗浄が可能であることを特徴とする入浴装置である。
本発明は、一般家庭の比較的狭い浴室内の洗い場など給湯・排水可能な場所であれば設置可能である。浴槽底面シートとカーテン状の浴槽側面シート、椅子、支柱で構成されており、特別な装置や電源の必要がなく、浴槽底面シートの広さや椅子の形状は、各設置場所に合わせることができることを特徴とする入浴装置である。
本発明は、浴槽の構成部分の形状がシート状であることから、束ねておくことができるため、未使用時には丸めて収納できることを特徴とする入浴装置である。
本発明は、椅子に座ってカーテンを引く動作ができる人であれば、転倒などのリスクや介助人に対する遠慮もなく、いつでも気軽に入浴が可能なので、清潔を保ち、健全な社会生活への行動変容の一助となることが期待できる。
本発明は、一般家庭の浴室内のみならず、災害時の被災地や屋外キャンプ場など給湯・排水可能な場所であれば特別な設備を要することなく、簡易に設置可能であることを特徴とする入浴装置である。
本発明の入浴装置によれば、浴槽を跨いで出たり入ったりする入浴時のアンバランスな態勢による転倒や浴槽内で滑って溺れるといった事故を回避し、浴室内の椅子に座るという楽な動作での入浴を可能にする。椅子に座った状態のままで、介助の必要なく、一人で浴槽の準備から排水まで完了することができるので、身体的・精神的負担なく、いつでも気軽に気兼ねなく入浴することができる。
本発明の入浴装置によれば、シャワーを浴びながらお湯を溜めることができるので、急激な温度変化によるヒートショックの回避に繋がる。また、従来シャワーを浴びる間排水されていたお湯を溜めて入浴に利用するので、水量を節約することができる。
本発明の入浴装置によれば、入浴前または入浴後の浴槽の洗浄が不要なため、その作業の身体的負担を無くすことができる。その結果、洗浄が負担なために入浴を諦めるという精神的な障壁を排除することができる。
本発明の入浴装置は、シート状・カーテン状の部材で構成されているので、設置場所の広さや形状等の制約なく、一般の家庭用浴室に設置することができる。入浴時のみカーテン状の浴槽側面シートを円状に伸ばすだけで浴槽にすることができ、使用しない時は、浴槽側面シートをカーテン状に束ねておくことができるので、省スペースである。シート状の浴槽底面シートも丸めて束ねておくことができるので、入浴装置の設置で設置場所が恒常的に占有されることはない。
上述に示すように、入浴に対する身体的・精神的負担やリスクを感じることなく、家庭でいつでも気軽に入浴ができることで、常に身体を清潔に保つことができる。その結果、心身の健康が維持され、人との交遊にも気が引けることがなくなり、以って社会的孤立を回避する効果が期待できる。
本発明の実施形態を図1から図7によって説明する。図1は、入浴者4が入浴状態にある時のイメージの側面図である。浴槽側面シート1は支柱6より入浴者4の体のまわりを囲うようにスライドされ入浴者4の正面で重ねられ筒状になっている。浴槽側面シート1の裾部分は筒状の内側に折れ込む状態で浴槽底面シート2に重ねられている。浴槽側面シート1と浴槽底面シート2はシャワー3からのお湯で温められることで接着性を増し、重なった部分が接着している。接着により浴槽側面シート1と浴槽底面シート2で筒状に形状を保つので、シャワー3からのお湯が流出することなく、筒状の内部にお湯が溜まり、結果的に入浴者4は椅子に座ったままの状態でお湯に浸かることができる。図2は、本発明の入浴状態にある図1より入浴装置の構成部品のみ残した側面図である。図3は、本発明の入浴状態にある図1より入浴装置の構成部品のみ残した平面図である。
図4から図7は、入浴時から入浴後における入浴装置の浴槽セットの流れを示す。図4は本発明の入浴装置が設置されている入浴前の状態を示した平面図と側面図である。浴槽側面シート1は、支柱6にカーテンのように束ねられている。
図5は、支柱6に束ねられている浴槽側面シート1を左右からスライドさせている状態を示した平面図と側面図である。入浴者は、椅子7に座った状態のまま、手を伸ばして支柱に束ねられている浴槽側面シート1を体を囲うように前方にスライドさせる。
図6は、入浴者が図5で示したように左右からスライドさせた浴槽側面シート1を正面で重ね合わせ、同時に浴槽側面シート1は浴槽底面シート2に接触している状態で、シャワー3より給湯を始めた状態を示した平面図と側面図である。シャワー3の給湯で温められた浴槽側面シート同士の接触面8と浴槽側面シートと浴槽底面シートの接触面9は、接着性が出て、お湯の加重でさらに密着力が上がり、浴槽側面シート1と浴槽底面シート2で筒状の形状になった内部にお湯が溜まり始める。入浴者はお湯が溜まってきたら好みの水面5でお湯を止めて入浴する。
入浴後においては、入浴者は座った状態で手を伸ばして浴槽側面シート同士の接触面8の上部を溜まったお湯が流れだすところまで前後に引き剥がす。接触面は、左右に引かれる力に対して接着性の抵抗力は効果的に働くが、接着面に対し垂直方向に引かれる力には抵抗力が少ないため、簡単に引き剥がすことができる。引き剥がされた浴槽側面シートから流出するお湯の力で、浴槽側面シート同士の接触面8は自然に下まで剥がれる。
図7は、浴槽側面シート同士の接触面8が下まで剥がれ、お湯が全て排水された後に、入浴者が椅子7に座った状態で手を伸ばして、浴槽側面シート1を支柱6に向かって左右にスライドさせ収納する状態を示した平面図と側面図である。
浴槽側面シート1や浴槽底面シート2に用いる素材は、温まると自己粘着性を発現する三井化学株式会社のHUMOFIT(登録商標)Aタイプなどの使用が考えられる。
1 浴槽側面シート
2 浴槽底面シート
3 浴室内シャワー
4 入浴者
5 水面
6 支柱
7 椅子
8 浴槽側面シート同士の接触面
9 浴槽側面シートと浴槽底面シートの接触面
2 浴槽底面シート
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9 浴槽側面シートと浴槽底面シートの接触面
Claims (4)
- 浴槽の側面を構成する浴槽側面シートと浴槽の底面を構成する浴槽底面シートで浴槽が構成されることを特徴とする組立式入浴装置。
- 前記浴槽側面シートと前記浴槽底面シートに、温めるとやわらかくなり、互いに接触した部分が接着する特性をもつ防水性の素材を使用することを特徴とする請求項1に記載の組立式入浴装置。
- 未使用状態では、前記浴槽側面シートと前記浴槽底面シートはコンパクトに束ねられ、使用時に設置場所にあるシャワーまたは水源のお湯を利用し、前記浴槽側面シート同士の接触部と前記浴槽側面シートと前記浴槽底面シートの接触部が接着し、お湯が溜められ入浴できる形状になることを特徴とする請求項2に記載の組立式入浴装置。
- 前記浴槽側面シートと前記浴槽底面シートに防汚性・抗菌性を持たせることで、入浴後に前記浴槽側面シートと前記浴槽底面シートに分解して排水または水をかけて流すだけで、浴槽の洗浄が完了することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の組立式入浴装置。
Priority Applications (1)
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JP2022070448A JP2023160240A (ja) | 2022-04-22 | 2022-04-22 | 組立式入浴装置 |
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2022
- 2022-04-22 JP JP2022070448A patent/JP2023160240A/ja active Pending
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