JP2516712Y2 - 身体支持器具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は臀部が載置されることに
より身体を支持する身体支持器具に関し、特に浴室内に
於いて身体を支持する身体支持器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】体の不自由な老人や身体障害者等は自ら
身体を洗浄することができないため、家庭に於いては家
族の者の介助により老人等の身体の洗浄を行う必要があ
る。身体の洗浄を行う方法としては入浴，シャワー，足
浴，手浴又は清拭等があるが、身体の機能障害以外に特
に異常のない限りは身体清潔だけでなく褥瘡の予防や機
能障害の訓練からも入浴が望ましい。従って、老人の身
体の洗浄は家族の者の一部介助又は全面介助によって入
浴させることにより行われることが多い。

【０００３】この入浴による老人の身体の洗浄方法の一
例を示すと、介助者が老人の身体を支持しながら浴室に
案内し、全身の汗を湯で流して陰部を洗ってから浴槽に
入れ、数分後に浴槽から洗い場に出してウォッシュクロ
スに石鹸をつけて身体を清拭し、石鹸を流して再び浴槽
内に数分間入れて、その後浴槽から出してタオルで水分
を拭き取ることにより行われていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、このような入
浴に於いて老人の身体を支えて浴槽へ入れたり浴槽から
出したりする身体の移動作業は大変な重労働であり、介
助者として男性が二人以上必要となることが多かった。
また、浴槽内や洗い場で老人の身体を洗浄するためには
身体を方向転換することが必要となるが、このような作
業は主婦等の女性の介助者が行うには重労働であった。
さらに、入浴することがこのように大変な大掛かりなも
のになるため、老人が入浴を嫌がることが多く身体の清
潔や褥瘡の予防等のためには好ましくなかった。

【０００５】そこで、本考案者は老人の身体を支持しな
がら容易に移動や方向転換を行うことができる身体支持
器具を提供すべく鋭意研究を重ねた結果、本考案に至っ
たのである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案に係る身体支持器
具の要旨とするところは、浴室内に於いて人間の臀部が
載置されることにより人間の身体を支持する身体支持器
具において、臀部が載置されるのに十分な広さを有する
臀部載置部と、洗い場の下面又は浴槽内の下面に密着し
ながら摺動できる摺動部と、該臀部載置部の回りに備え
られた１又は２以上の把手とから構成されることにあ
る。

【０００７】またかかる身体支持器具において、前記臀
部載置部が座椅子形状をなすことにある。

【０００８】またかかる身体支持器具において、前記把
手が前記臀部載置部の全外周に備えられたことにある。

【０００９】

【作用】本考案に係る身体支持器具は介助者の介助によ
って臀部載置部に体の不自由な老人の臀部が載置されて
老人の身体を支持した状態で、介助者が把手を把持して
一定方向へ力を付加することにより、又は老人が自力で
摺動部に一定の方向へ力を付加することにより、摺動部
が洗い場の下面又は浴槽内の下面に沿って摺動して身体
支持器具に載置された身体を一定方向へ容易に移動する
ことができる。また介助者が把手を把持して臀部載置部
の中心付近を中心とした回動方向へ力を付加することに
より、又は老人が自力で回動方向へ力を付加することに
より、摺動部が洗い場の下面又は浴槽内の下面に沿って
摺動して身体支持器具が回動するため、身体支持器具に
載置された老人の方向転換を行いながら老人の身体の洗
浄を行うことができる。

【００１０】また臀部載置部が座椅子形状をなす本考案
の身体支持器具は、介助者の介助によって座椅子形状の
臀部載置部に老人の臀部が載置されることにより、老人
の身体を支持することができる。このため老人を坐位の
体位で臀部載置部に載置して老人の移動や方向転換を行
うことができ、老人の安楽状態を維持しながら老人の移
動や方向転換を行うことができる。

【００１１】また把手が臀部載置部の全外周に備えられ
た本考案の身体支持器具は、介助者は如何なる方向から
でも把手を把持して臀部載置部に載置された老人の移動
又は方向転換を行うことができる。このため介助者は老
人の大腿部等によって妨げられない方向から把手を把持
することができ、臀部載置部に載置された老人の移動又
は方向転換を容易に行うことができる。

【００１２】

【実施例】次に、本考案に係る身体支持器具について図
面に基づいて詳しく説明する。

【００１３】図１において、符号１０は浴室内に於いて
臀部が載置されることにより人間の身体を支持する身体
支持器具である。この身体支持器具１０は図１（ｂ）に
示すように、人間の臀部が載置されるのに十分な広さを
有する凹面状の臀部載置部１２と、鉄ほうろう又はステ
ンレス鋼等の浴槽部材に密着しながら摺動できる摺動部
１４と、臀部載置部１２の回りに２個備えられた把手１
６とから構成されている。

【００１４】なお、身体支持器具１０の材質は特に限定
されるものではなくステンレス鋼，鉄ほうろう，軽金属
ほうろうの他、塩化ビニル，ポリエチレン，ポリプロピ
レン等の樹脂から成形されたものであっても良い。ま
た、臀部載置部１２と把手１６とは同一の材質であって
も異なる材質であっても良い。例えば臀部載置部１２の
材質が樹脂であって、把手１６の材質が金属であっても
良い。さらに把手１６と臀部載置部１２とは一体に成形
される他、別個に成形されて溶接やボルト−ナット式に
より固定されても良い。

【００１５】次に、このような身体支持器具１０により
体の不自由な老人を入浴させる場合について、図１
（ａ）に示すような浴槽１８と補助台２０とを備えた浴
室内で行う場合について説明する。ここで補助台２０は
浴槽１８の側壁２２ａと同じ幅及び高さで形成されてお
り、体の不自由な老人を座らせて身体を洗浄したり或い
は身体を浴槽１８内へ移動し易いように本考案者により
考案されて従来より使用されていたものである。

【００１６】まず本考案の身体支持器具１０は補助台２
０上に置かれて、臀部載置部１２に体の不自由な老人２
４の臀部が介助者により載置されて老人２４が坐位の体
位で座らされる。そして、身体支持器具１０上に座らさ
れた老人２４の汗を流して陰部を洗浄した後、介助者が
把手１６を把持して浴槽１８の方向へ力を付加すること
により、或いは老人２４が浴室内に設けられた把持部材
２５を把持して身体を移動させる方向に自ら力を付加す
ることにより、身体支持器具１０の摺動部１４が補助台
２０上を摺動させられて身体支持器具１０に載置された
老人２４が浴槽１８の側壁２２ａ上へ案内され、その後
介助者の全面介助又は一部介助により身体支持器具１０
上から浴槽１８内へ老人２４が案内される。次に老人２
４が半坐位等の安楽な体位で浴槽１８内の湯に数分間漬
かった後、介助者の介助により老人２４は再び側壁２２
ａ上の身体支持器具１０へ座らされ補助台２０上まで移
動される。そして介助者が補助台２０上の老人２４の身
体をウォッシュクロスに石鹸をつけて清拭することによ
り洗浄するのであるが、この時介助者が把手１６を把持
して臀部載置部１２の中心付近を中心とする回動方向へ
力を付加することにより摺動部１４が補助台２０上を摺
動して、身体の各部分を洗浄し易い方向に老人２４の身
体を方向転換することができる。このようにして洗浄を
行い石鹸を流した後、身体支持器具１０に載置された老
人２４を浴槽１８内へ案内して再び湯に漬けて数分後に
補助台２０上へ戻しタオルで水分を拭き取るのである。

【００１７】なお、この身体支持器具１０による老人２
４の入浴は上述の浴槽１８の場合に限定されるものでは
ない。例えば図１（ａ）に２点鎖線で示すような斜面２
６を有する浴槽１８においての入浴であってもよい。こ
の斜面２６を有する浴槽１８の場合には、老人２４の側
壁２２ａ上から浴槽１８内への移動、及び浴槽１８から
側壁２２ａ上への移動は、介助者が把手１６を把持して
力を付加することにより又は老人２４の自力により摺動
面１４を斜面２６上で摺動させることにより行うことが
できる。

【００１８】以上本考案の身体支持器具１０による老人
２４の入浴について一例を示したが、上述のものに限定
されるものではない。例えば洗い場２８に於いて老人２
４を半坐位の体位で身体支持器具１０に座らせて、摺動
部１４を洗い場の下面上で摺動させることにより身体の
方向転換を行いながら身体を石鹸等で洗浄しても良い。
また浴槽１８内で身体支持器具１０に載置された老人２
４を方向転換しながら、身体をウォッシュクロスにより
清拭したり或いはマッサージしても良いことはいうまで
もない。

【００１９】このような身体支持器具１０によれば、老
人２４を浴槽１８内へ入れたり浴槽１８から出したりす
る作業を、摺動部１４を補助台２０や浴槽１８面上を摺
動させることにより容易に行うことができる。このため
従来は介助者として男性二人以上が必要になることが多
かったが、主婦等の女性一人の介助者のみにより老人２
４を浴槽１８内へ入れたり浴槽１８から出したりするこ
とができる。また、補助台２０，浴槽１８内又は洗い場
２８で摺動部１４を摺動させて老人２４の身体を方向転
換しながら、身体を洗浄したり或いはマッサージするこ
とができる。このため、女性の介助者によっても容易に
老人２４の身体を方向転換しながら洗浄やマッサージ等
を行うことができる。さらにこのように老人２４の移動
や方向転換が浴室内で容易になされるため、老人自らも
好んで入浴を希望するようになり身体清潔だけでなく褥
瘡の予防や機能障害の訓練にとって好ましい効果を有す
るものである。

【００２０】以上、本考案の一実施例について説明した
が、本考案に係る身体支持器具はその他の態様でも実施
し得るものである。

【００２１】例えば、図２に示すように、臀部載置部１
２，把手１６及び滑合部材（摺動部）３０とにより構成
される身体支持器具３２であっても良い。ここで滑合部
材３０の材質はテフロン樹脂やシンタード素材等の粒子
の微細な材質で補助台２０，浴槽１８内又は洗い場２８
の下面上をスムーズに摺動できるものであれば特に限定
されるものではない。

【００２２】このような身体支持器具３２によれば、介
助者が把手１６を把持して一定方向へ力を付加すること
により滑合部材３０が補助台２０等の上面をスムーズに
摺動できるため、老人を載置した状態で身体の移動や方
向転換を容易に行うことができる。

【００２３】次に、本考案に係る身体支持器具は、図３
に示すような身体支持器具３４であっても良い。この身
体支持器具３４は臀部載置部３６，摺動部１４及び把手
１６とから構成されている。ここで臀部載置部３６の下
面３８には臀部載置凸部４０及び排水孔４２が設けられ
ている。なお、臀部載置凸部４０の下面３８への固定は
接着剤により固定される他、ボルト−ナット式により取
り外し可能に固定されても良い。

【００２４】この身体支持器具３６は老人２４の臀部を
臀部載置部３６の臀部載置凸部４０に載置することによ
り、老人２４を支持することができる。また、把手１６
を把持して一定方向へ力を付加して摺動部１４を洗い場
２８等で摺動させることにより、老人２４の方向転換を
行いながら洗浄を行うことができる。ここで身体の洗浄
により皮膚から皮脂，汗及び垢等が除去されるが、これ
らが混合された汚水は排水孔４２から外へ排出される。

【００２５】このような身体支持器具３４によれば、身
体の洗浄により発生する汚水が臀部載置部３６に溜まる
ことなく排水孔４２から外へ排出されるため、臀部の清
潔上好ましいだけでなく老人２４に不快感を与えること
がない。また老人２４が身体の洗浄中に失禁したとして
も、尿が排水孔４２から排出されて臀部を不潔にするこ
とがない。

【００２６】また、本考案に係る身体支持器具は、図４
に示すような身体支持器具４４であっても良い。この身
体支持器具４４は臀部載置部４６，摺動部１４及び把手
１６とから構成されている。ここで臀部載置部４６の下
面４８には、通常の人間の下腿部の長さと同程度の高さ
の座椅子５０と、排水孔５２とが設けられている。な
お、通常の人間の下腿部の長さは約４５ｃｍであるた
め、座椅子５０の高さは摺動部１４から４０乃至５０ｃ
ｍであることが望ましい。

【００２７】このような身体支持器具４４によれば、洗
い場２８に於いて老人２４を下腿部の長さと同程度の高
さの座椅子５０上へ座らせることができる。このため老
人２４を坐位の体位で座らせることができ、老人２４の
安楽状態を維持できる。ここで、通常、人間が立位から
坐位に体位を変換して座る際には、座椅子の高さが下腿
部の長さと同じである場合が最も筋肉疲労が少なくて済
む。このため、老人２４を座椅子５０上へ座らせること
により、老人２４を身体支持器具４４上に座らせる際の
老人２４の筋肉疲労を最小限に抑えることができる。ま
た、老人２４を座らせる際の介助者の疲労も少なくて済
む。さらに、老人２４の臀部を洗い場２８の下面より４
０乃至５０ｃｍの位置で支持できるため、介助者による
臀部や陰部の洗浄が行い易い。或いは、身体支持器具４
４上に座っている老人２４を坐位から立位に体位を変換
して立たせる際の老人２４の筋肉疲労が少なくて済み、
介助者の介助も容易に行うことができる。

【００２８】また、本考案に係る身体支持器具は、図５
に示すような身体支持器具５４であっても良い。この身
体支持器具５４は臀部載置部１２，摺動部１４及び把手
５６から構成されている。ここで把手５６は臀部載置部
１２の全外周に渡って臀部載置部１２の中心から外へ突
き出して設けられた複数の支柱５８と、臀部載置部１２
の全外周を覆うように各支柱５８に固定された一本の輪
状のハンドル６０とから構成されている。

【００２９】この身体支持器具５４は臀部載置部１２の
全外周に把手５６を備えているため、介助者は如何なる
方向からでも把手５６を把持して身体支持器具５４に載
置された老人２４の移動又は方向転換ができる。このた
め、老人２４の大腿部等により妨げられていない方向か
ら把手５６を把持することができ、効率良く老人２４の
移動又は方向転換を行うことができる。

【００３０】次に、本考案に係る身体支持器具は、図６
に示すような身体支持器具６２であっても良い。この身
体支持器具６２は人間の臀部が載置される臀部載置部６
４と、洗い場２８の下面又は浴槽１８面に密着しながら
摺動できる摺動部６６と、臀部載置部６４の外周に備え
られた把手６８とから構成されている。ここで臀部載置
部６４の下面には図６（ｃ）に示すように、人間の大臀
筋形状をなす２個の臀部載置凹面７０が設けられてお
り、２個の臀部載置凹面７０の間には陰部洗浄用孔７２
が設けられている。なお、陰部洗浄用孔７２の下面には
２個の排水孔７４が設けられている。

【００３１】この身体支持器具６２は、まず洗い場２８
に置かれて、介助者の介助により体の不自由な老人２４
の臀部の大臀筋部分が臀部載置凹面７０に密着されて載
置される。そして介助者が老人２４の身体をウォッシュ
クロスに石鹸をつけて清拭することにより洗浄するので
あるが、この時介助者が把手６８を把持して臀部載置部
６４の中心付近を中心とする回動方向へ力を付加するこ
とにより摺動部６６が洗い場２８の下面上を摺動させら
れて、身体の各部分を洗浄し易い方向に老人２４の身体
を方向転換することができる。また、老人２４の陰部の
洗浄は、介助者がウォシュクロスを持った手を陰部洗浄
用孔７２に挿入して陰部を清拭することにより行うこと
ができる。

【００３２】このような身体支持器具６２によれば、老
人２４の載置は臀部が臀部載置凹面７０に載置されて行
われるため、老人２４が安定して載置されるとともに、
方向転換の際に老人２４が臀部載置部６４から滑り落ち
ることがない。また、陰部洗浄用孔７２より直接陰部の
清拭を行うことができるため、陰部に付着した排泄物を
容易に除去することができる。

【００３３】また本考案に係る身体支持器具は、図７に
示すような身体支持器具７６であっても良い。この身体
支持器具７６は臀部載置部７８，摺動部６６，把手８０
及び把手８０の両端部に設けられたベルト８２から構成
されている。ここで臀部載置部７８の下面には臀部載置
凹面７０，陰部洗浄用孔７２及び排水孔７４が設けられ
ており、臀部載置凹面７０には弾性部材８４が付着され
ている。なおこの弾性部材８４の材質は発泡樹脂や合成
ゴム等の弾性を有するものであれば特に限定されるもの
ではない。また弾性部材８４の臀部載置凹面７０への付
着方法は、接着材による付着の他、リベットによる付着
でも良く特に限定されるものではない。さらにベルト８
２の代替としてロープやゴムバンド等を用いても良いこ
とは言うまでもない。

【００３４】この身体支持器具７６は、老人２４が浴室
へ案内される前に、寝室のベット上等で老人２４が側臥
位又は腹臥位の体位に変換され、臀部に臀部載置凹面７
０の弾性部材８４が密着されながらベルト８２により臀
部に固定される。そして臀部に身体支持器具７６が固定
された老人２４は立位に変換されて浴室に案内される。
その後浴室内で洗い場２８の下面又は浴槽１８内へ座ら
されるが、臀部が洗い場２８の下面等に当たる際の衝撃
は弾性部材８４により吸収される。

【００３５】このような身体支持器具７６によれば、老
人２４が浴室内で座らされる際の臀部への衝撃が弾性部
材８４により緩和されるため、老人２４が尾てい骨や腰
椎を傷めることがない。特に大腿筋が弱っている老人２
４は立位から坐位や半坐位に体位を変換する際に中腰状
態で身体を維持できず、臀部が急激に洗い場２８の下面
等に当たることが多いため、この身体支持器具７６によ
れば大腿筋が弱っている老人２４であっても安全に座ら
せることができる。またベルト８２により入浴中は身体
支持器具７６が常に臀部に固定されているため、老人２
４を移動や方向転換する際に老人２４が臀部載置部７８
から外れて落ちることがない。

【００３６】以上本考案に係る身体支持器具の実施例に
ついて、図面に基づいて種々説明したが、本考案に係る
身体支持器具は図示したものに限定されるものではな
い。たとえば、本考案の身体支持器具を家庭における体
の不自由な老人や身体障害者だけでなく病院の患者の入
浴に使用しても良い。また児童用の玩具として入浴室で
用いても良いなど、本考案はその趣旨を逸脱しない範囲
で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を
加えた態様で実施できるものである。

【００３７】

【考案の効果】本考案に係る身体支持器具によれば、浴
室内での体の不自由な老人や身体障害者等の移動や方向
転換を容易に行うことができる。このため、介助者が一
人であっても或いは女性の介助者でも、老人等の身体を
浴槽内へ入れたり出したりする身体の移動、及び身体の
方向転換を行いながら行う身体の洗浄を容易に行うこと
かできる。また、入浴することがこのように容易に行え
るものとなるため、老人が好んで入浴を希望するように
なり身体の清潔だけでなく褥瘡の予防や機能障害の訓練
からも優れた効果を有するものである。

【００３８】また臀部載置部が座椅子形状をなす本考案
の身体支持器具は、老人を坐位の体位で臀部載置部に載
置して老人の移動や方向転換を行うことができるため、
老人の安楽状態を維持しながら、老人を移動したり或い
は老人を方向転換しながら身体の洗浄を行うことができ
る。このため従来は老人の筋肉疲労によるエネルギー消
費量が多いとされていた入浴作業において、老人のエネ
ルギー消費量を少なく維持することができる。

【００３９】また把手が臀部載置部の全外周に備えられ
た本考案の身体支持器具は、介助者が老人の大腿部等に
よって妨げられないような如何なる方向からでも把手を
把持することができ、臀部載置部に載置された老人の移
動又は方向転換を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る身体支持器具を示す図であり、同
図（ａ）は使用状態を示す斜視図、同図（ｂ）は拡大正
面断面図である。

【図２】本考案に係る身体支持器具の他の実施例を示す
正面断面図である。

【図３】本考案に係る身体支持器具の更に他の実施例を
示す正面断面図である。

【図４】本考案に係る身体支持器具の更に他の実施例を
示す正面断面図である。

【図５】本考案に係る身体支持器具の更に他の実施例を
示す平面図である。

【図６】本考案に係る身体支持器具の更に他の実施例を
示す図であり、同図（ａ）は平面図、同図（ｂ）はＡ−
Ａ線正面断面図、同図（ｃ）はＢ−Ｂ線側面断面図であ
る。

【図７】本考案に係る身体支持器具の更に他の実施例を
示す図であり、同図（ａ）は平面図、同図（ｂ）はＡ−
Ａ線側面断面図である。

【符号の説明】

１０，３２，３４，４４，５４，６２，７６；身体支持
器具 １２，３６，４６，６４，７８；臀部載置部 １４，６６；摺動部 １６，５６，６８，８０；把手 ３０；滑合部材（摺動部） ４２，５２，７４；排水孔 ５０；座椅子 ８２；ベルト ８４；弾性部材

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴室内に於いて人間の臀部が載置される
   ことにより人間の身体を支持する身体支持器具におい
   て、 臀部が載置されるのに十分な広さを有する臀部載置部
   と、洗い場の下面又は浴槽内の下面に密着しながら摺動
   できる摺動部と、該臀部載置部の回りに備えられた１又
   は２以上の把手とから構成されることを特徴とする身体
   支持器具。
2. 【請求項２】 前記臀部載置部が座椅子形状をなすこと
   を特徴とする請求項１に記載する身体支持器具。
3. 【請求項３】 前記把手が前記臀部載置部の全外周に備
   えられたことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載
   する身体支持器具。